JP2024515630A - 5-[(1,1-ジオキシド-4-チオモルホリニル)メチル]-2-フェニル-n-(テトラヒドロ-2h-ピラン-4-イル)-1h-インドール-7-アミンの新規結晶形 - Google Patents

5-[(1,1-ジオキシド-4-チオモルホリニル)メチル]-2-フェニル-n-(テトラヒドロ-2h-ピラン-4-イル)-1h-インドール-7-アミンの新規結晶形 Download PDF

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Abstract

本発明は、化学式1の化合物の無定形および他の結晶形に比べて物理化学的に優れた特性を有する化学式1の化合物の結晶形Aに関する。本発明による化学式1の化合物の結晶形Aは、無定形または他の結晶形に比べて長期間の過酷な条件でも変性せず、収着性が低く、圧力や粉砕にも結晶形が変わらないため、製剤化に有利であり、結晶形自体の安定性も非常に優れていて、長期間の保管に有用である。

Description

本発明は、下記化学式1の化合物、5-[(1,1-ジオキシド-4-チオモルホリニル)メチル]-2-フェニル-N-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-インドール-7-アミンの新規結晶形に関する。
Figure 2024515630000002
様々な結晶形または無定形は、収着性、圧着に対する挙動、保管途中の安定性およびミーリングされた固体の流動性のような様々な固体状態の物理的特性を示すことができる。このような性質は、さらに、特定固体状態の商業的生産のための活性製薬物質としての適合性に影響を与える。例えば、流動性は、物質が製薬製品への加工途中の取り扱いの容易性に影響を与える。粉末化した化合物の粒子が容易に流動しない場合、製剤専門家は、当該事実を錠剤またはカプセルの製剤を開発するのに考慮しなければならず、これは、コロイド性二酸化ケイ素、タルク、デンプンまたは三塩基性リン酸カルシウムのような滑剤の使用を必要とし得る。
また、同じ薬物の異なる結晶形態または無定形は、溶解速度および生体利用率のような製薬上重要な性質において実質的な差異を有することができる。溶解速度は、シロップ、エリキシルおよびその他液体医薬を調製するのに考慮されるだけでなく、治療の結果を変えることができる。例えば、患者の胃液で活性成分の溶出速度の差異によって経口投与された活性成分が患者の血流に到達する時間に影響を与えて、治療の結果が変わり得る。
なお、化学式1の化合物、5-[(1,1-ジオキシド-4-チオモルホリニル)メチル]-2-フェニル-N-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-インドール-7-アミンは、国際特許公開WO2009-025478公報を通じて開示された化合物であり、細胞壊死および関連疾患に対する予防または治療および改善効果を示すと知られた物質である。
本発明者らは、化学式1の化合物の製品開発過程で、製造が便利であり、優れた安定性を有する化学式1の化合物の結晶形に対する研究を持続的に行った。その結果、本発明者らは、化学式1の化合物の結晶形のうち結晶形Aが無定形および他の結晶形と比較して、物理化学的に最も優れた特性を有するという点を確認した。
国際特許公開WO2009-025478公報
本発明の目的は、化学式1の化合物の無定形および他の結晶形に比べて物理化学的に優れた特性を有する化学式1の化合物の結晶形Aを提供することにある。
本発明は、また、前記化学式1の化合物の結晶形Aの製造方法を提供しようとする。
本発明は、また、化学式1の化合物の結晶形Aを有効成分として含む薬学的組成物を提供しようとする。
本発明は、化学式1の化合物の無定形および他の結晶形に比べて物理化学的に優れた特性を有する化学式1の化合物の結晶形Aを提供する。「結晶形A」は、化学式1の化合物の結晶形スクリーニング過程で結晶形XIIと命名された物質であり、以後、「パターンA」または「結晶形A」と再命名された。本明細書において「結晶形A」、「パターンA」または「結晶形XII」は、相互交換的に使用される。「結晶形」と「パターン」も、相互交換的に使用される。粉末X線回折(XRPD)分析によれば、結晶形Aは、他の結晶形とは異なる結晶構造を有する。
本発明の一具体例によれば、化学式1の化合物の結晶形Aは、7.64±0.2、12.32±0.2、12.62±0.2、15.26±0.2、17.32±0.2、19.18±0.2、19.61±0.2、19.95±0.2、20.60±0.2、21.12±0.2、22.94±0.2、24.11±0.2および28.15±0.2から選択される2[θ]値で4個以上、例えば、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個以上の回折ピークを有するX線粉末回折パターンで特定されることを特徴とする。
特に、前記X線粉末回折パターンは、7.64±0.2、15.26±0.2、17.32±0.2、19.18±0.2、21.12±0.2、および22.94±0.2から選択される2[θ]値で回折ピークを有することを特徴とする。
より具体的には、化学式1の化合物の結晶形Aは、下記表1に列挙されたピーク位置とピーク位置が一致するX線粉末回折パターンで特定されることを特徴とする。
Figure 2024515630000003
他の具体例において、本発明によって提供される化学式1の化合物の結晶形Aは、示差走査熱量計で測定するとき、272.7℃(±2.5)から始まり、273.4℃(±2.5)で最大融点を有することが特徴である。
本発明は、化学式1の化合物およびDMSO、DMFまたはNMPから選択される溶媒を含む溶液を加温下で1~24時間撹拌する段階と、前記溶液を撹拌しつつ、1~72時間にわたって0~25℃に冷却させて結晶を成長させる段階と、を含む化学式1の化合物の結晶形Aの製造方法を提供する。
ここで、開始物質に使用される化学式1の化合物は、無定形または任意の形態の結晶形であっても構わない。
なお、前記加温は、50~120℃の範囲まで温度を高めて行うことができる。
また、前記冷却は、5~20℃/hの速度で行われ得る。
本発明の他の具体例は、化学式1の化合物を溶媒中に溶解させて得た溶液に貧溶媒を添加し、結晶化する段階と、前記溶液を撹拌しつつ、6~48時間にわたって0~25℃まで冷却させて結晶を成長させる段階と、を含む化学式1の化合物の結晶形Aの製造方法を提供する。
同様に、ここで、開始物質に使用される化学式1の化合物は、無定形または任意の形態の結晶形であっても構わない。
本発明の一具体例において、前記化学式1の化合物の結晶形Aの製造方法は、前記貧溶媒の添加過程で化学式1の化合物の結晶形Aを種結晶(seed)として添加することをさらに含んでもよい。
前記溶媒は、化学式1の化合物を溶解させることができる溶媒であれば、制限なく使用可能である。これに制限されるものではないが、前記溶媒は、例えば、DMSO、DMFまたはNMPから選択されるものであってもよい。
前記「貧溶媒(antisolvent)」は、標的化合物に対して低い溶解度を示すまたは不溶性の溶媒であり、当該化合物が溶解した溶液に貧溶媒を添加することによって、標的化合物を析出させるために使用することができる。したがって、本発明による結晶形Aの製造方法では、化学式1の化合物が溶解している溶媒の種類、これに対する化合物の溶解度などを考慮して、適切な貧溶媒を選択し、添加することによって、化合物を結晶化することができ、この際、生成される結晶は、X線粉末回折パターンおよび吸熱ピークを有することができる。
本発明の一具体例において、前記貧溶媒は、エタノールまたはMTBEを使用することができるが、これに制限されない。
本発明の一具体例において、前記化学式1の化合物の重量に対する溶媒の重量は、2倍以上であってもよい。化学式1の化合物を溶解させることができれば良いので、溶媒の最大使用量は制限されないが、反応経済性を考慮して、化学式1の化合物に対する溶媒の重量比は、2~10倍の範囲で使用することが好ましい。
なお、結晶化のために使用される貧溶媒は、溶媒の使用量によって当該使用量が決定される。本発明の一具体例において、前記溶媒の重量に対する貧溶媒の重量は、2倍以上であってもよい。貧溶媒の使用量も、その上限は制限がないが、溶媒に対する貧溶媒の重量比は、2倍~15倍の範囲で使用することが好ましい。
前記化学式1の化合物の結晶形Aの製造方法において、異物、余分の溶媒などを除去することによって、高純度で生成物を収得するために、ろ過または乾燥する段階をさらに行うことができる。
本発明は、また、前記化学式1の化合物の結晶形Aおよび薬学的に許容可能な担体を含む薬学的組成物を提供する。
本発明による化学式1の化合物の結晶形Aを含む薬学的組成物と関連して、化学式1の化合物の用途として明らかになった事項は、次の通りである。
WO2009-025478によれば、前記化学式1の化合物は、細胞壊死および関連疾患に対する予防または治療および改善効果を示すことが知られている。WO2009-025478によれば、前記細胞壊死および関連疾患は、急性・慢性肝疾患(例えば、肝炎、肝線維化、肝硬変)、神経退行性疾患(例えば、認知症、パーキンソン病、ハンチントン病)、虚血性心臓疾患、再灌流障害(韓国登録特許10-1325272号)、虚血性脳卒中または虚血性損傷、膵臓炎、バクテリア性/ウイルス性敗血症、糖尿病または糖尿病性合併症、糖尿病性血管疾患[これらの糖尿病は、特に、膵臓細胞破壊物質に起因し、ウイルス、高血糖、脂肪酸、ダイエット、毒素、ストレプトゾトシン(streptozotocin)などによって媒介される]、壊死性直腸炎(necrotizing proctitis)、嚢胞性線維症、関節リウマチ、退行性関節炎、腎症、バクテリア感染、ウイルス感染(例えば、HIV)、多発性硬化症、白血病、リンパ腫、新生児性呼吸促迫症候群、窒息、結核、子宮内膜症、血管衰弱症、乾癬、凍瘡、ステロイド治療合併症、壊疽、圧痛、血色素尿症、火傷、異常高熱、クローン病、セリアック病、筋区画症候群、脊髄損傷、糸球体腎炎、筋ジストロフィー、遺伝性代謝性疾患、マイコプラズマ病、炭疽病、アンデルセン病、先天性ミトコンドリア病、フェニールケトン尿症、胎盤梗塞、梅毒、無菌性壊死などを含む。また、薬物および毒性物質による細胞壊死および関連疾患としては、アルコール中毒およびコカイン、薬物(例えば、パラセタモール(paracetamol)、抗生剤、抗がん剤、アドリアマイシン(adriamycin)、ピューロマイシン(puromycin)、ブレオマイシン(bleomycin)、NSAID、サイクロスポリン(cyclosporine)、化学毒素(例えば、四塩化炭素、シアニド、メタノール、エチレングリコール)、毒ガス、農薬、重金属(例えば、鉛、水銀、カドミウム)への露出および/またはこれらの投与および/または自己投与と関連した壊死、放射能/UVへの露出による損傷およびこれと関連した細胞壊死からなるグループから選択される。
また、前記化学式1の化合物は、細胞壊死および関連疾患のうち、さらに、急性・慢性腎疾患、外傷性脳損傷、神経退行性疾患であるルーゲリック病、壊死性大腸炎(necrotizing colitis)、ウイルス感染(例えば、SARS-CoV)、乾癬およびアレルギー性皮膚炎を含む皮膚疾患、臓器保存/臓器移植(韓国登録特許10-1098583,10-1941004参照)などにおいても予防または治療および改善効果を示すことが予想される。
また、化学式1の化合物を含む薬学的組成物は、細胞内カルシウム調節の機能を有し、異常細胞内カルシウムレベルによる小胞体(Endoplasmic Reticulum,ER)ストレスおよびミトコンドリア機能異常を改善することができる。したがって、化学式1の化合物を含む薬学的組成物は、これと関連した関連疾患に対する予防または治療および改善効果を示すことが予想される。関連疾患は、次の通りである。
急性肺障害症候群/急性肺疾患、肺炎、結核、喘息、肺動脈高血圧、慢性閉塞性肺疾患(chronic obstruction pulmonary disease)、特発性肺線維症(idiopathic pulmonary fibrosis)および嚢胞性肺線維症(cystic fibrosis)を含む炎症性肺疾患(chronic Inflammatory pulmonary disease)(Mitochondrial dysfunction in fibrotic diseases.Cell Death Discov.2020 Sep 5;6:80.Mitochondrial dysfunction in lung aging and diseases.Eur Respir Rev.2020 Oct 15;29(157):200165.参照、韓国登録特許10-1636563号参照)
脱髄(demyelination)と筋萎縮性側索硬化症(ALS;amyotrophic lateral sclerosis)を含む脱髄疾患、肺動脈高血圧を含む高血圧、脳卒中、プリオン病(prion disease)、てんかん、運動失調(ataxia)、偏頭痛、認知力減退、発作、震え、精神疾患(例えば、うつ病)(Neuronal and glial calcium signaling in Alzheimer’s disease.Cell Calcium.Oct-Nov 2003;34(4-5):385-97.Mitochondrial disorders:challenges in diagnosis & treatment.Indian J Med Res.2015 Jan;141(1):13-26.参照)
インスリン抵抗性、高脂血症、粥状動脈硬化症(atherosclerosis)、クローン病と潰瘍性結腸炎を含む炎症性腸疾患(IBD;inflammatory bowel disease)、各種がんおよびがんの転移(reticulum stress and oxidative stress in cell fate decision and human disease.Antioxid Redox Signal.2014 Jul 20;21(3):396-413.参照)
視覚障害関連病気(例えば、網膜色素変性症、視神経症、白内障、緑内障)、貧血、胆汁鬱滞(cholestasis)、副甲状腺機能低下症、汎血球減少症、膵臓障害、乳酸アシドーシス(lactic acidosis)、乳酸血症(lactacidemia)、聴力障害、低身長、腸閉塞症、心臓前渡欠陥(cardiac conduction defect)、心筋ミオパチー(cardiomyopathy)、子宮内膜症、不妊、早期閉経(Mitochondrial diseases:the contribution of organelle stress responses to pathology.Nat Rev Mol Cell Biol.2018 Feb;19(2):77-92.Seminars in medicine of the Beth Israel Hospital,Boston.Mitochondrial DNA and disease.N Engl J Med.1995 Sep 7;333(10):638-44.Mitochondrial injury and dysfunction in hypertension-induced cardiac damage.Eur Heart J.2014 Dec 7;35(46):3258-3266.参照)
肢帯/ベッカー型筋ジストロフィー(LGMD/BMD;limb girdle/Becker muscular dystrophy)とデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD;Duchenne muscular dystrophy)を含む筋ジストロフィー疾患(Duchenne muscular dystrophy is associated with the inhibition of calcium uniport in mitochondria and an increased sensitivity of the organelles to the calcium-induced permeability transition.Biochim Biophys Acta Mol Basis Dis.2020 May 1;1866(5):165674.参照)
老化および老化関連疾患(Interrelation between ROS and Ca2+ in aging and age-related diseases.Redox Biology.2020;6:101678.参照)
WO2009-025478によれば、化学式1の化合物を含む薬学的組成物は、肝保護および肝機能改善効果を示すだけでなく、脂肪肝、肝線維化および肝硬変などの慢性肝疾患、ウイルスまたは薬物による肝炎などのような急性・慢性肝疾患の予防または治療効果を示す。また、その結果として、門脈圧亢進症(portal hypertension)などの肝疾患合併症を予防または治療できるが、これに限定されるものではない。特に、本発明による医薬組成物は、また、肝移植、アルコール性または非アルコール性脂肪肝(韓国登録特許10-2006247号参照)、肝線維症、肝硬変、ウイルスまたは薬物による肝炎の中から選択された肝疾患の治療または予防に効果的であり、アルコール性急性・慢性肝疾患に効果的である。また、本発明による組成物は、脂肪酸に由来する脂肪肝または脂肪肝に由来する急性・慢性肝疾患の治療または予防に効果的である。
韓国登録特許10-1852304号によれば、化学式1の化合物は、幹細胞を培養する段階を含み、幹細胞由来心筋細胞の分化効率および成熟度を向上させることができる。
したがって、本発明は、また、化学式1の化合物の結晶形Aを含む幹細胞から心筋細胞への分化誘導用組成物を提供する。
また、WO2016-072692によれば、化学式1の化合物は、また、粘膜炎の予防および治療用途に使用可能である。
したがって、本発明は、前記羅列された疾患の治療のための化学式1の化合物の結晶形Aおよび薬学的に許容可能な担体を含む薬学的組成物の用途、および前記薬学的組成物をこれを必要とする対象体に投与することを含む前記羅列された疾患の予防または治療方法を提供する。本明細書において、「治療」とは、発病症状を示すオブジェクトに使用されるとき、病気の進行を中断または遅延させることを意味し、「予防」とは、発病症状を示さないが、危険性が高いオブジェクトに使用されるとき、発病兆候を中断または遅延させることを意味する。
本発明において、前記「薬学的組成物(pharmaceutical composition)」は、本発明の化合物と共に必要に応じて薬学的に許容される担体を含んでもよい。
本発明による化学式1の化合物は、臨床投与時に経口および非経口の様々な剤形で投与することができ、製剤化する場合には、通常使用する充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩解剤、界面活性剤などの希釈剤または賦形剤を用いて製造される。
経口投与のための固形製剤には、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、トローチ剤などが含まれ、このような固形製剤は、一つ以上の本発明の化合物に少なくとも一つ以上の賦形剤、例えば、デンプン、炭酸カルシウム、スクロース(sucrose)またはラクトース(lactose)またはゼラチンなどを混ぜて製造される。また、単純な賦形剤の他に、マグネシウムステアレート、タルクのような潤滑剤も使用される。経口投与のための液状製剤としては、懸濁剤、内容液剤、乳剤またはシロップ剤などが該当するが、頻繁に使用される単純希釈剤である水、リキッドパラフィン以外に様々な賦形剤、例えば湿潤剤、甘味剤、芳香剤、保存剤などが含まれてもよい。
非経口投与のための製剤には、滅菌水溶液、非水性溶剤、懸濁溶剤、乳剤、凍結乾燥製剤、坐剤などが含まれる。非水性溶剤、懸濁溶剤としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブオイルのような植物油、エチルオレートのような注射可能なエステルなどを使用することができる。坐剤の基剤としては、ウィテップゾール(witepsol)、マクロゴール、ツイン(tween)61、カカオ脂、ラウリン脂、グリセロール、ゼラチンなどを使用することができる。
また、本発明の化学式1の化合物の人体に対する効果的な投与量は、患者の年齢、体重、性別、投与形態、健康状態および疾患程度によって変わり得、一般的に約0.001~100mg/kg/日であり、好ましくは、0.01~35mg/kg/日である。体重が70kgの成人患者を基準として、一般的に、0.07~7000mg/dayであり、好ましくは、0.7~2500mg/dayであり、医師または薬剤師の判断によって一定の時間間隔で1日に1回~数回に分割投与することもできる。
本発明による化学式1の化合物の結晶形Aは、無定形や他の結晶形に比べて、長期間の過酷な条件でも変性せず、収着性が低く、圧力や粉砕にも結晶形が変わらないため、製剤化に有利であり、結晶形自体の安定性にも非常に優れていて、長期間の保管に有用である。
図1は、精製前P9のX線粉末回折パターン(XRPD)分析結果を示す。 図2は、精製前P9の示差熱分析(Differential scanning calorimetry,DSC)結果を示す。 図3は、精製前P9の熱重量測定(Thermal gravimetric analysis,TGA)結果を示す。 図4は、結晶形IVのX線粉末回折パターン(XRPD)分析結果を示す。 図5は、結晶形IVのTGA/DSCオーバーレイ結果を示す。 図6は、結晶形IVのTGAテスト後に測定したXRPD結果を示す。 図7は、結晶形IVのTGA/DSCオーバーレイ結果を示す。 図8は、結晶形VのX線粉末回折パターン(XRPD)分析結果を示す。 図9は、結晶形VのTGA/DSCオーバーレイ結果を示す。 図10は、結晶形VのTGAテスト後に測定したXRPD結果を示す。 図11は、結晶形VIIIのX線粉末回折パターン(XRPD)分析結果を示す。 図12は、結晶形VIIIのTGA/DSCオーバーレイ結果を示す。 図13は、結晶形VIIIのTGAテスト後に測定したXRPD結果を示す。 図14は、結晶形XIIのX線粉末回折パターン(XRPD)分析結果を示す。 図15は、結晶形XIIのTGA/DSCオーバーレイ結果を示す。 図16は、結晶形XIのX線粉末回折パターン(XRPD)分析結果を示す。 図17は、結晶形XIのTGA/DSCオーバーレイ結果を示す。 図18は、結晶形XIのTGAテスト後に測定したXRPD結果を示す。 図19は、化学式1の化合物の小規模再結晶テストの模式図(Test 1~3)を示す。 図20は、結晶形Vから結晶形Aへの変換過程の中間に該当する中間型IのX線粉末回折パターン(XRPD)分析結果を示す(test 4)。 図21は、結晶形Vから結晶形Aへの変換過程の中間に該当する中間型IIのX線粉末回折パターン(XRPD)分析結果を示す(test 5)。 図22は、異なるDMSO/EtOHの割合で再結晶した化学式1の化合物のX線粉末回折パターン(XRPD)分析結果を示す。 図23は、50℃の異なるDMSO/EtOHの割合(1:2、1:3、1:4、1:5、1:7)で再結晶した化学式1の化合物のX線粉末回折パターン(XRPD)分析結果を示す。 図24は、様々な温度のDMSO/EtOH混合溶媒でスラリー化した化学式1の化合物のXRPD分析結果を示す。 図25は、化学式1の化合物の再結晶段階別XRPD結果を示し、 図26は、化学式1の化合物の再結晶産物のHPLC分析結果を示し、 図27は、化学式1の化合物の再結晶前および再結晶産物の写真を示す。 図28は、種結晶を使用しない方法で生成された結晶形Aの写真を示し、 図29は、種結晶を使用しない方法で生成された結晶形AのXRPD分析結果を示し、 図30は、種結晶を使用しない方法で生成された結晶形AのHPLCクロマトグラム結果を示し、 図31は、種結晶を使用しない方法で生成された結晶形Aの偏光顕微鏡イメージを示し、 図32は、種結晶を使用しない方法で生成された結晶形AのTGA/DSC結果を示し、 図33は、種結晶を使用しない方法で生成された結晶形Aの粒子サイズ分布を示す。 図34は、最終製造方法で生成された結晶形AのXRPD分析結果を示し、 図35は、最終製造方法で生成された結晶形Aの偏光顕微鏡(PLM)イメージを示し、 図36は、最終製造方法で生成された結晶形AのTGA/DSC結果を示し、 図37は、最終製造方法で生成された結晶形Aの粒子サイズ分布(PSD)を示す。 図38は、結晶形Aに対する等温水分収着/脱着分析の結果を示す。 図39は、tBHP処理条件での化学式1の化合物のカルシウム濃度の調節効果を示す。 図40は、tBHPおよびthapsigarginとCaClをさらに処理した条件における化学式1の化合物のミトコンドリア内カルシウム濃度の調節効果と関連したイメージング結果を示す。 図41は、tBHP処理条件で化学式1の化合物のミトコンドリア内活性酸素除去効果を示す。 図42は、tBHP処理条件で化学式1の化合物のミトコンドリア内超酸化物の除去効果と関連したイメージング結果を示す。 図43は、SIN-1処理条件で化学式1の化合物の細胞内過酸化窒素除去効果を示す。 図44は、MPTP誘導パーキンソン病マウスモデルで化学式1の化合物処理時にTotal timeの向上効果を示す。 図45は、MPTP誘導パーキンソン病マウスモデルで化学式1の化合物処理時にT-turnの向上効果を示す。 図46は、MPTP誘導パーキンソン病マウスモデルで化学式1の化合物処理時に握力の向上効果を示す。 図47は、MPTP誘導パーキンソン病マウスモデルで化学式1の化合物処理時に線条体におけるTHレベル回復効果を示す。 図48は、MPTP誘導パーキンソン病マウスモデルで化学式1の化合物処理時に黒質におけるTHレベル回復効果を示す。
本発明の利点および特徴、およびそれらを達成する方法は、詳細に後述されている実施例を参照すると明確になる。しかしながら、本発明は、以下に開始される実施例に限定されるものではなく、互いに異なる様々な形態で具現されるものであり、ただ本実施例は、本発明の開始を完全にし、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求項の範疇によって定義されるだけである。
略語
下記の略語が本出願に使用される。
Figure 2024515630000004
使用された機器、標準、方法論
1.粉末X線回折(X-ray Powder diffraction,XRPD)
Bruker D8 Advance powder diffractometerを用いて測定した。X線回折パターンは、Cu K-alpha X線(l=1.54179Å)放射線(40kV/40mA)を用いて試料を3°~40°で回転しつつ記録した。
試料の回転速度=15RPM
scanning rate=18.5°/min
2.示差熱分析(Differential scanning calorimetry,DSC)
TA DSC Q2000とDiscovery DSC-2500を用いて略1mgの試料をpinhole付きhermetic aluminum panに入れ、25℃から300℃まで10℃/minの速度で加熱して測定した。
3.熱重量測定(Thermal gravimetric analysis,TGA)
TGA Q50やTA Q5000を使用し、略4mgの試料をopen platinum panに入れ、30℃から300℃まで10℃/minの速度で加熱して測定した。
4.粒子サイズ分析(Particle size Distribution Analyzer,PSD)
0.5barの圧力下でRODOSを用いたdispersing systemでSympatec HELOS particles size analyzerで測定した。
5.偏光顕微鏡(Polarized Light Microscopy,PLM)
20倍率physical lensを備えた5 megapixel CCD Nikon LV100POL microscopeを使用した。
6.等温水分収着/脱着分析(Water sorption and desorption study,DVS cycle)
SMS DVS Advantage 1を用いてサンプル10mgをメッシュステンレススチールバスケット内に入れた。全体実験サイクルは、一定の温度(25℃および40~90%の範囲で10%RH間隔で(各湿度レベルに対して60~360分)2回スキャン(収着および脱着)で構成される。
実施例1:5-[(1,1-ジオキシド-4-チオモルホリニル)メチル]-2-フェニル-N-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-インドール-7-アミンの製造
[反応式1]
Figure 2024515630000005
WO2009-025478に開示された化学式1の化合物の製造方法は、前記反応式1の通りである。
反応式1によって製造されたP9は、不純物と異物が多量含まれた状態である。化学式1の化合物は、溶解度が非常に低く、精製が非常に重要な過程になった。初期に研究用に得たP9の異物と色を除去するために、DMSOに溶かしてろ過し、貧溶媒としてEtOHを加えて得た精製された化合物を化学式1の化合物と称した。
図1および表2は、精製前P9のX線粉末回折パターン(XRPD)分析結果を示す。図2は、精製前P9の示差熱分析(Differential scanning calorimetry,DSC)結果を示し、図3は、精製前P9の熱重量測定(Thermal gravimetric analysis,TGA)結果を示すものである。
P9は、後続研究結果から見れば、結晶形Vであることが確認された。160℃以下で11.4%の質量減少、271℃の融点を示した。
Figure 2024515630000006
一次精製した物質(P9)のDMSO残存含有量と色、不純物などを低減したり除去するために、EtOHで加温/スラリー化過程の二次精製で得た固体を化学式1の化合物と命名し、この過程中の温度や濃度、時間によってIV、V、VIII、XI、XIIあるいは他の結晶形もさらに確認された。
高純度の安定した臨床物質をGMP施設で大量生産するには、標準化された最適な精製と最も安定した結晶形生産条件を確立することが非常に重要である。これより、研究用に製造した化学式1の化合物を用いて精製研究と多結晶形研究を始めることになった。
実施例2:精製のための溶媒スクリーニング
異物除去、脱色と最も安定した結晶形を有する高純度の化学式1の化合物を得るための好適な溶媒を探すために、化学式1の化合物の溶解度をスクリーニングした。具体的には、25℃と50℃で上澄み液を用いて様々な溶媒に対する化学式1の化合物の溶解度および純度を分析した。
Figure 2024515630000007
表3から分かるように、化学式1の化合物の溶解度は、多くの溶媒で非常に低く、40mg/mL以上の溶解度を示す溶媒は、DMF、NMPとDMSO程度であった。しかしながら、DMF、NMPとDMSOは、不純物に対する溶解度も高く、貧溶媒を用いた再結晶研究が精製研究に適していると考えた。貧溶媒としては、総類縁物質(Total related substance,TRS)の量が少ないMeOH、EtOH、IPAやEtOAcを優先的に考慮した。
前記結果に基づいて精製と多結晶形研究を進行しつつ、化学式1の化合物が様々な結晶構造を有することを知見し、この過程を実施例3に記述した。
実施例3:結晶形の製造
3-1:結晶形IV-スラリー方法(DMF溶媒和物)
DMF 4mLに600mgの化学式1の化合物を入れ、25℃で1日間撹拌した。Ultracentrifugeで上澄み液を除去し、残った固体を真空乾燥し、結晶を収得した。これを化学式1の化合物の結晶形IVと命名し、XRPD、DSC/TGAおよびH NMRを測定した。
Figure 2024515630000008
図4および表4は、結晶形IVのX線粉末回折パターン(XRPD)分析結果を示す。
結晶形IVの形態は、8.52±0.2、17.06±0.2、21.12±0.2、21.76±0.2、24.18±0.2、24.35±0.2および28.27±0.2から選択される2[θ]値で4個以上の回折ピークを有する粉末X線回折パターンで特定されることを特徴とする。
図5は、結晶形IVのTGA/DSCオーバーレイ結果を示す。
なお、H NMR結果は、次の通りである。
H NMR(400MHz、DMSO-d)δppm 1.41-1.54(m、1H)、2.06(brd、J=11.29Hz、2H)、2.74(s、3H、DMF)、2.89(s、7H)、3.09(brd、J=4.77Hz、4H)、3.46-3.56(m、2H)、3.59-3.71(m、3H)、3.90-4.00(m、2H)、5.35(d、J=7.78Hz、1H)、6.32(s、1H)、6.76(s、2H)、7.27-7.35(m、1H)、7.48(t、J=7.65Hz、2H)、7.80(d、J=7.28Hz、2H)、7.96(s、1H、DMF)、10.94(s、1H)。
XRPDとDSC/TGA、H NMR測定結果を総合してみれば、結晶形IVは、DMF溶媒和物(化学式1の化合物:DMSO=1:1)である。
なお、図6は、結晶形IVのTGAテスト後(200℃まで加熱後に冷却)に測定したXRPD結果を示す。図6のXRPD結果を見れば、結晶形IVを200℃まで加熱後に冷却時にDMFが除去されて他の結晶形が観察され、これを結晶形XII(以後、「パターンA」または「結晶形A」と再命名する)と命名した。
3-2:結晶形IV(DMF溶媒和物)-再結晶
DMF0.4mLに200mgの化学式1の化合物を入れ、50℃で加熱して得られた懸濁液を50℃でフィルターした後に得た溶液を0.5℃/minの速度で0℃まで冷却した後、得た固体を真空乾燥し、結晶形を収得した。得られた結晶形に対してTGAおよびDSC分析を行った結果、図7から分かるように、図5と同じ結晶形IVのTGA/DSCオーバーレイ結果が観察され、前記結晶形は、結晶形IV(化学式1の化合物:DMSO=1:1)であることを確認した。
3-3:結晶形V(準安定)-溶媒/貧溶媒
DMSO2mLに600mgの化学式1の化合物を入れ、得た懸濁液を遠心分離機を用いて得た上澄み液(1.5mL)にDMSO対比7倍のEtOH(10.5mL)を1時間常温でゆっくり加えた(700RPMで撹拌)。遠心分離機を用いて得た固体を真空乾燥し、結晶を収得した。これを化学式1の化合物の結晶形Vと命名し、XRPD、DSC/TGAおよびH NMRを測定した。
Figure 2024515630000009
図8および表5は、結晶形VのX線粉末回折パターン(XRPD)分析結果を示す。
結晶形Vの形態は、6.82±0.2、13.84±0.2、19.08±0.2、19.66±0.2、20.51±0.2、22.84±0.2、23.78±0.2、38.69±0.2から選択される2[θ]値で4個以上の回折ピークを有する粉末X線回折パターンで特定されることを特徴とする。
図9は、結晶形VのTGA/DSCオーバーレイ結果を示す。
なお、H NMR結果は、次の通りである。
H NMR(400MHz、CHLOROFORM-d)δppm 1.22-1.34(m、1H)、1.56-1.72(m、4H)、2.16(brd、J=12.88Hz、2H)、2.64(s、3H)、3.05(brd、J=9.26Hz、8H)、3.55-3.81(m、6H)、4.10(brd、J=11.63Hz、2H)、6.49(s、1H)、6.77(d、J=1.50Hz、1H)、7.02(s、1H)、7.28(s、1H)、7.32-7.39(m、1H)、7.47(t、J=7.63Hz、2H)、7.73(brd、J=7.38Hz、2H)、8.68(brs、1H)
結晶形Vは、H NMRとTGA/DSC資料を見て、DMSOが存在すると見られたが、200℃まで加熱してDMSOを除去、冷却後にも、結晶形Vを続いて維持することから見て、DMSO溶媒和物ではない結晶形と見られる(図10)。図10は、結晶形VのTGAテスト後(200℃まで加熱後に冷却)に測定したXRPD結果を示す。
3-4:結晶形VIII(DMSO溶媒和物)-スラリー方法
化学式1の化合物50mgを1mLのDMSOで常温でスラリー状態で4週間撹拌した。遠心分離機を用いて得た固体を真空乾燥し、結晶を収得した。これを化学式1の化合物の結晶形VIIIと命名し、XRPD、DSC/TGAおよびH NMRを測定した。
Figure 2024515630000010

Figure 2024515630000011
図11および表6は、結晶形VIIIのX線粉末回折パターン(XRPD)分析結果を示す。
結晶形VIIIの形態は、6.88±0.2、13.75±0.2、16.17±0.2、17.93±0.2、20.18±0.2、22.82±0.2、25.84±0.2、26.41±0.2および29.68±0.2から選択される2[θ]値で4個以上の回折ピークを有する粉末X線回折パターンで特定されることを特徴とする。
図12は、結晶形VIIIのTGA/DSCオーバーレイ結果を示す。
なお、H NMR結果は、次の通りである。
H NMR(400MHz、CHLOROFORM-d)δppm 1.58-1.77(m、4H)、2.16(brd、J=11.54Hz、2H)、2.58-2.70(m、7H、DMSO peak)、2.93-3.14(m、8H)、3.55-3.78(m、5H)、4.10(dt、J=11.80,3.26Hz、2H)、6.47(s、1H)、6.76(d、J=2.01Hz、1H)、7.00(s、1H)、7.28(s、1H)、7.31-7.38(m、1H)、7.46(t、J=7.65Hz、2H)、7.70-7.82(m、2H)、8.99(brs、1H)。
結晶形VIIIは、H NMRとTGA/DSC資料を見て、DMSO溶媒和物(化学式1の化合物:DMSO=1:1)と見られ、TGA/XRPDで200℃まで加熱後に冷却時にDMSO溶媒和物からDMSOが除去され、他の結晶形が観察され、これは、結晶形XIIであることが確認された(図13)。図13は、結晶形VIIIのTGAテスト後(200℃まで加熱後に冷却)に測定したXRPD結果を示す。
3-5:結晶形XII-スラリー方法
実施例3-3で得た結晶形Vの化学式1の化合物100mgに1mLのEtOHを入れ、常温で3日間撹拌した。0.45μm PTFE(Polytetrafluoroethylene)filterを用いてろ過した固体を50℃で乾燥し、結晶を収得した。これを化学式1の化合物の結晶形XIIと命名し(以後、「パターンA」または「結晶形A」と再命名する)、XRPDとDSCを測定した。
Figure 2024515630000012

Figure 2024515630000013
図14および表7は、結晶形XIIのX線粉末回折パターン(XRPD)分析結果を示す。
結晶形XIIの形態は、7.64±0.2、12.32±0.2、12.62±0.2、15.26±0.2、17.32±0.2、19.18±0.2、19.61±0.2、19.95±0.2、20.60±0.2、21.12±0.2、22.94±0.2、24.11±0.2および28.15±0.2から選択される2[θ]値で4個以上の回折ピークを有するX線粉末回折パターンで特定されることを特徴とする。
図15は、結晶形XIIのTGA/DSCオーバーレイ結果を示す。
前記結果から見れば、準結晶形Vは、スラリー化でさらに安定した結晶形XIIに変換されることが分かった。
3-6:結晶形XI(NMP溶媒和物)-スラリー方法
NMP 1mLに500mgの化学式1の化合物を入れ、25℃で3時間撹拌した。Ultracentrifugeで上澄み液を除去し、残った固体を真空乾燥し、結晶を収得した。これを化学式1の化合物の結晶形XIと命名し、XRPD、DSC/TGAおよびH NMRを測定した。
Figure 2024515630000014

Figure 2024515630000015
図16および表8は、結晶形XIのX線粉末回折パターン(XRPD)分析結果を示す。
結晶形XIの形態は、16.89±0.2、17.30±0.2、20.37±0.2、20.95±0.2、21.18±0.2、21.34±0.2、23.16±0.2、24.04±0.2および27.85±0.2から選択される2[θ]値で4個以上の回折ピークを有する粉末X線回折パターンで特定されることを特徴とする。
図17は、結晶形XIのTGA/DSCオーバーレイ結果を示す。
なお、H NMR結果は、次の通りである。
H NMR(400MHz、DMSO-d)δppm 1.40-1.54(m、2H)、1.84-1.96(m、2H)、2.06(brd、J=11.54Hz、2H)、2.13-2.23(m、2H)、2.70(s、3H、NMP-Me)、2.89(brs、4H)、3.08(brd、J=4.52Hz、4H)、3.46-3.56(m、2H)、3.59-3.72(m、3H)、3.89-3.99(m、2H)、5.35(d、J=7.53Hz、1H)、6.32(s、1H)、6.76(s、2H)、7.28-7.35(m、1H)、7.48(t、J=7.78Hz、2H)、7.80(d、J=7.53Hz、2H)、10.94(s、1H)。
XRPD、DSC/TGAおよびH NMR測定結果を総合すれば、結晶形XIは、NMP溶媒和物(化学式1の化合物:NMP=1:1)であった。
なお、TGA/XRPDの結果、200℃まで加熱後に再冷却時にNMPが除去されて、結晶形XIIに変換されたことを確認した(図18)。図18は、結晶形XIのTGAテスト後(200℃まで加熱後に冷却)に測定したXRPD結果を示す。
実施例3の要約
Figure 2024515630000016
実施例4:5種の結晶形の安定性試験
実施例3で得た5種の結晶形に対して過酷な条件(40℃、相対湿度75%)下で8週間安定性試験を行った。
下記表10は、5種の結晶形の安定性試験結果を示すものである。
Figure 2024515630000017
表10から分かるように、5種の結晶形は、いずれも、過酷な条件で純度変化が殆どなかった。結晶形IV、VIIIおよびXIは、H NMR spectroscopyとDSC/TGA測定結果、それぞれ、DMF、DMSOおよびNMP溶媒和物であることが確認され、過酷な条件(40℃、相対湿度75%)下で8週間追跡観察した結果、結晶形XIIに変換され、結晶形Vは、溶媒和物ではないが、準安定の形態で結晶形XIIに変換されることを知見した。これより、結晶形XIIが最も安定した結晶形構造と判断され、結晶形XIIを結晶形AまたはパターンAと命名した(結晶形XII=結晶形AまたはパターンA)。
実施例5:最適化過程I
5-1.化学式1の化合物の初期濃度の決定
図19は、化学式1の化合物の小規模再結晶テストの模式図(Test 1~3)を示す。図19に示されたように、DMSO溶媒に対する化学式1の化合物の初期濃度を決定するために、100、150、200mg/mLの濃度で溶かした後、50℃で7倍のEtOHを2時間にわたって加えた後、常温で19時間撹拌した。EtOH投与直後に生成された固体(XRPD-1)、常温で1日撹拌後に生成された固体(XRPD-2)、および50℃で真空乾燥した固体(XRPD-3)の段階別XRPDを測定し、収率を求めた。
Figure 2024515630000018
表11から分かるように、150と200mg/mLの濃度で初期結晶形Vが生成されることが分かり、また、時間が経過するにつれて結晶形Aに変換されることを観察された。当該試験結果に基づいて収率が最も高い200mg/mLを結晶化初期濃度に選定した。
5-2.DMSO/EtOH貧溶媒の割合の決定
化学式1の化合物200mg/mL DMSO溶液に対する貧溶媒であるEtOHの割合を決定するために、50℃でそれぞれの5倍と7倍のEtOHを2時間にわたって加えた後、常温で16時間撹拌した。ろ過して得られた固体を50℃で真空状態で乾燥した。乾燥前後それぞれの試料に対してXRPDを測定し、乾燥過程中の変化も一緒に確認し、収率を求めた(表12)。7倍のEtOHで得た固体は、84.15%の収率で乾燥前には結晶形V、乾燥後には結晶形Vから結晶形Aへの変換過程の中間に該当する特徴的なピークが現れるXRPD spectrum(test 4、中間型I)を示した(図20)。これとは異なって、5倍で得た固体は、76.55%の収率で乾燥前には結晶形V、乾燥後には結晶形Vから結晶形Aへの変換過程パターンとは異なる新しい特徴的な中間結晶形(test 5、中間型II)を示した(図21)。このような結果に基づいて、DMSO:EtOH=1:7が、1:5より、結晶形Aにさらにい収率と再結晶条件であると考慮された。
Figure 2024515630000019
図20および表13は、中間型IのXRPD分析結果を示す。
Figure 2024515630000020
図21および表14は、中間型IIのXRPD分析結果を示す。
Figure 2024515630000021
上記で得た中間型Iの100mgを1mLのEtOHに入れ、常温で3日間撹拌した。0.45μm PTFEフィルターを用いて生成された固体を50℃、真空で乾燥した。乾燥完了した試料のXRPD分析結果、結晶形Aであることを確認した(表15)。この結果から見れば、結晶形Vは、準安定結晶形であり、十分な時間と条件になると、さらに安定した結晶形Aに変換されることが分かった。
Figure 2024515630000022
また、DMSO/EtOH混合溶媒を使用した場合、結晶化過程で条件によって中間に変換中の他のパターンの結晶形も出ることができ、最初に再結晶が始まる時点から最も安定した結晶形が生成される生産工程の確立が必要になった。
5-3.DMSO溶液に貧溶媒(EtOH)滴加時間の最適化
実施例5-2で使用した結晶化方法を用いてDMSO対比7倍のEtOHの滴加時間を24時間と35時間(test 7で6.7%EtOHを滴加した後、20%の結晶形Aを種結晶に追加)さらにゆっくり加えたとき、それぞれ段階で得られた結晶形のXRPDを分析した。実施例5-1(滴加時間19時間)の結果を含んで総合的に見れば、滴加時間の変化と種結晶の使用では、初期結晶形Vの生成を回避しにくかったが、乾燥完了後には、他の結晶形がない純粋な結晶形Aを得ることができるという事実を明らかにした。
Figure 2024515630000023
実施例6:DMSO/MTBE溶媒で化学式1の化合物の再結晶
50℃の化学式1の化合物150mg/mL DMSO溶液に貧溶媒である5倍と7倍のMTBEを3時間にわたって加えた後、常温で18時間撹拌した。ろ過して得られた固体を50℃で18時間真空乾燥した。ここで、それぞれのXRPDを真空乾燥前と乾燥後に測定し、乾燥過程の変化も一緒に確認した。7倍のMTBEで得た固体64.73%の収率で乾燥前後に、いずれも、結晶形VのXRPDを示し、5倍でも59.27%の収率で乾燥前後に、いずれも同じ結晶形Vを示した。
Figure 2024515630000024
実施例7:NMP/EtOH溶媒で化学式1の化合物の再結晶
25℃で化学式1の化合物150mg/mL NMP溶液に対する貧溶媒である7倍のEtOHを24~35時間にわたって加えた後、常温で22~33時間撹拌した。ろ過して得られた固体を50℃で2時間真空乾燥した。ここで、それぞれのXRPDを真空乾燥前と後に測定し、乾燥過程中の変化も一緒に確認した。65~74%の収率で得られ、NMP/EtOHの組み合わせでも初期に結晶形XIの生成が観察された。
Figure 2024515630000025
実施例5~7の結果分析
実施例5、6、7の結果を見れば、可能な様々な混合溶媒の条件で色がある結晶形が出たり、安定性が確保されないそれぞれの中間型結晶形もあることを確認した。形状、収率と残存溶媒毒性などを考慮してみれば、DMSO/EtOHの組み合わせが最も良い候補と見られ、次の最適化を進めた。
Figure 2024515630000026
実施例8:DMSO/EtOH溶媒の割合の最適化
8-1:DMSO/EtOH貧溶媒の割合の最適化実験
DMSO 1mLに200mgの化学式1の化合物を入れ、60℃で熱を加えた後、0.45μm PTFE membraneを用いてろ過した後に得た溶液を50℃で35時間DMSO対比10倍のEtOH(10mL)をゆっくり加えた。EtOHがDMSO対比1.5倍、2倍、3倍、5倍、7倍、10倍入った時点で得た初期固体の結晶形を測定し、分析した。図22は、異なるDMSO/EtOHの割合で再結晶した化学式1の化合物のX線粉末回折パターン(XRPD)の分析結果を示す。図22から分かるように、1:3以下の場合には、溶媒和物である結晶形VIIIが生成され、DMSO/EtOH=1:5以上の場合に結晶形Aが生成されることを確認した。さらに正確な割合を探すために、次の段階でスラリー化最適条件を進めた。
8-2:50℃DMSO/EtOH混合溶媒の割合の最適化実験
5個の容器にDMSO/EtOH混合溶媒(1:2、1:3、1:4、1:5、1:7)をそれぞれ1mLと200mgの化学式1の化合物を入れ、50℃で1日間撹拌した。遠心分離機を用いて得た固体の結晶形をXRPDで測定し、分析した。図23は、50℃の異なるDMSO/EtOHの割合(1:2、1:3、1:4、1:5、1:7)でスラリー化した化学式1の化合物のX線粉末回折パターン(XRPD)の分析結果を示す。図23から分かるように、結晶形Aが50℃でDMSO/EtOHの割合が1:4、1:5および1:7である場合に、安定に生成され、最適な割合をDMSO:EtOH=1:4に決定した。
実施例9:DMSO/EtOH混合溶媒における温度別平衡溶解度と過飽和
200mgの化学式1の化合物を2種のDMSO/EtOH(1:4,1:5)混合溶液1mLにそれぞれ入れ、200mg/mLの混濁液を作成した後、50℃、60℃、75℃でそれぞれ加温、維持しつつ、6時間撹拌した。6時間後の混濁液で上澄み液は、HPLCで分析して平衡溶解度を求め、同時に固体のXRPD分析結果を表20および図24に示した。図24は、様々な温度のDMSO/EtOH混合溶媒でスラリー化した化学式1の化合物のXRPD分析結果を示す。様々な温度(50℃、60℃、75℃)と混合溶媒(1:4、1:5)のすべての条件で存在する固体は、結晶形Aを有することを確認した。DMSO/EtOH 1:4混合溶液における溶解度は、75℃で31mg/mLで、最初からDMSO/EtOH 1:4混合溶媒を用いた再結晶方法は適当でないため、過飽和方法を考慮してみることとした。
Figure 2024515630000027
200mgの化学式1の化合物をDMSO1mLに溶かした後、75℃で加熱した後、4倍のEtOHを加えて、透明な過飽和溶液状態で存在し、この際、濃度は、40mg/mLであり、過飽和度は、混合溶媒に対して1.3倍(40/31)である。実施例5-1の結果に基づいて、200mg化学式1の化合物/1mL DMSOを目標とすると、少なくとも40mg/mLの溶解度になる場合、高収率を維持できると見られ、過飽和方法で進めることとした。
実施例10:種結晶を使用する過飽和/再結晶方法による結晶形Aの製造方法
15mLのDMSOに3gの化学式1の化合物を75℃で溶かした後、0.45μm PTFE membrane filterを用いて異物を除去した。75℃に維持しつつ、60mLのEtOHを加え(この状態でclear solutionが維持されることが確認される)、2%の種結晶(結晶形A)を入れ、suspensionが観察され始めた。75℃を続いて維持しつつ、さらに45mLのEtOHを15時間ゆっくり加えた。すべての結晶化過程は、250RPM撹拌下に進めた。EtOHを全部加えた後、10℃/hの速度で5℃まで冷却し、生成された固体を0.45μm PTFE membrane filterを用いて得た後に50℃で21時間真空乾燥した。表21に示されたように、種結晶を使用した化学式1の化合物の再結晶化の結果、収率74.58%、純度99.95%であった。
Figure 2024515630000028
図25は、化学式1の化合物の再結晶段階別XRPD結果を示し、図26は、化学式1の化合物の再結晶産物のHPLC分析結果を示し、図27は、化学式1の化合物の再結晶前および再結晶産物の写真を示す。図27を参照すると、再結晶後に化学式1の化合物は、off-whiteからwhiteに色を帯びた不純物が除去されたことが分かった。
実施例11:種結晶を使用しない過飽和/再結晶方法による結晶形Aの製造方法
10mLのDMSOに2gの化学式1の化合物を60℃で溶かした後、0.45μm PTFE membrane filterを用いて異物を除去した。60℃に維持しつつ、40mLのEtOHを加え、30分間さらに撹拌した(懸濁液に変わる)。[ここで、一部の懸濁液をすぐに常温で冷却させて得た固体のXRPDを測定してみた結果、結晶形Vであることを確認した-図29(急冷却)solid separated out at room temperature]さらに温度を75℃で12分間ゆっくり上げて10分間維持した(継続して懸濁液)。50℃まで1.5時間ゆっくり温度を下げながら、中間に60℃で生成された固体のXRPD-1を測定した。50℃の温度を維持しつつ、30mLのEtOHを15時間ゆっくり加えた。すべての結晶化過程は、250RPMで撹拌下に進めた。10℃/hrの速度で5℃まで冷却して生成された固体を0.45μm PTFE membrane filterを用いて分離してXRPD-2を測定し、50℃で真空下で17時間乾燥した後、XRPD-3を測定した(収率70.35%、純度99.95%)。図29に示された結果から見れば、各段階別XRPDは、いずれも、結晶形Aである。
Figure 2024515630000029
表22は、化学式1の化合物(2g)の再結晶結果を要約して示すものである。それぞれの段階で結晶形のXRPDを分析した結果、種結晶を使用しない場合、実施例10に比べて5%程度低い収率を示し、若干緑色を帯びるlaminated typeの結晶形Aを得た。図28は、種結晶を使用しない方法で生成された結晶形Aの写真を示し、図29は、種結晶を使用しない方法で生成された結晶形AのXRPD分析結果を示し、図30は、種結晶を使用しない方法で生成された結晶形AのHPLCクロマトグラム結果を示し、図31は、種結晶を使用しない方法で生成された結晶形Aの偏光顕微鏡イメージを示し、図32は、種結晶を使用しない方法で生成された結晶形AのTGA/DSC結果を示し、図33は、種結晶を使用しない方法で生成された結晶形Aの粒子サイズ分布を示す。
また、再結晶過程中に温度が急激に下降する場合、形成された結晶形Vが結晶化過程で核として作用し、所望しない結晶形が形成され得るので、温度調節に対するモニタリングも非常に重要であることを確認した(図29-急冷却)。
実施例10と11を比較してみた結果、seedを使用する場合、さらに高い収率を示し、貧溶媒に使用されるEtOHの総溶媒量を調節してみることとした。
実施例12:実施例10の貧溶媒使用量の調節(総DMSO:EtOH=1:5)
5mLのDMSOに1gの化学式1の化合物を60℃で溶かした後、0.45μm PTFE membrane filterを用いて異物を除去した。75℃に温度を上げ、30分間維持した後、20mLのEtOHを加え、2%の種結晶(結晶形A)を入れ、suspensionが観察され始めた。1.5時間50℃に温度をゆっくり下げ、続いて維持しつつ、さらに5mLのEtOHを5時間ゆっくり加え、同じ温度で5時間さらに撹拌した。すべての結晶化過程は、300RPM撹拌下に進めた。10℃/hrの速度で5℃まで冷却し、さらに同じ温度で5時間さらに撹拌した。生成された固体を0.45μm PTFE membrane filterを用いて得た後、50℃で20時間真空乾燥し、結晶形Aを収率72.12%で得た。
実施例13:実施例10の貧溶媒使用量の調節(総DMSO:EtOH=1:6)
5mLのDMSOに1gの化学式1の化合物を60℃で溶かした後、0.45μm PTFE membrane filterを用いて異物を除去した。75℃に温度を上げ、30分間維持した後、20mLのEtOHを加え、2%の種結晶(結晶形A)を入れ、suspensionが観察され始めた。1.5時間50℃で温度をゆっくり降ろし、続いて維持しつつ、さらに10mLのEtOHを5時間ゆっくり加え、同じ温度で5時間さらに撹拌した。すべての結晶化過程は、300RPM撹拌下に進めた。10℃/hrの速度で5℃まで冷却し、さらに同じ温度で5時間さらに撹拌した。生成された固体を0.45μm PTFE membrane filterを用いて得た後、50℃で20時間真空乾燥し、結晶形Aを収率73.28%で得た。
実施例10、12おわび13の結果を総合してみれば、総DMSO:EtOH=1:7を使用した実施例10が最も良好であると見られ、再現性を確認するために、最終工程は、種結晶を使用する実施例10の方法で30gの化学式1の化合物を用いて進めた。
実施例14:結晶形Aの最終製造方法(30g scale)
150mLのDMSOに30gの化学式1の化合物を75℃で溶かした後、0.45μm PTFE membrane filterを用いて異物を除去した。75℃に維持しつつ、600mLのEtOHを加え(この状態で溶液が維持されることが確認される)、2%の種結晶(結晶形A)を入れ、suspensionが観察され始めた。75℃に続いて維持しつつ、さらに450mLのEtOHを15時間ゆっくり加えた。すべての結晶化過程は、250RPM撹拌下に進めた。EtOHを全部加えた後、10℃/hの速度で5℃まで冷却して生成された固体を0.45μm PTFE membrane filterを用いて得た後、50℃で15時間真空乾燥した。表22に示したように、種結晶を使用した化学式1の化合物の再結晶化結果、収率70.35%、純度99.96%で得た。
ここで得た結晶形Aを用いてXRPD、TSA/DSC、PLM、HPLC、PSMと残留溶媒などの様々な分析を行い、その結果を表23~表24および図34~図38に示した。図34は、最終製造方法で生成された結晶形AのXRPD分析結果を示し、図35は、最終製造方法で生成された結晶形Aの偏光顕微鏡(PLM)イメージを示し、図36は、最終製造方法で生成された結晶形AのTGA/DSC結果を示し、図37は、最終製造方法で生成された結晶形Aの粒子サイズ分布(PSD)を示す。
Figure 2024515630000030
結晶型Aの形態は、25±5℃の温度で7.64、12.32、12.62、15.26、17.32、19.18、19.61、19.95、20.60、21.12、22.94、24.11、28.15から選択された4個以上の2θ値(±0.2)を含む粉末X線回折パターンを特徴とする。
Figure 2024515630000031

NMR data of pattern A
H NMR(400MHz、DMSO-d)δppm 1.40-1.54(m、2H)、2.06(brd、J=11.04Hz、2H)、2.88(brs、4H)、3.09(brd、J=4.52Hz、4H)、3.44-3.55(m、2H)、3.60-3.70(m、3H)、3.95(brd、J=11.29Hz、2H)、5.35(d、J=7.78Hz、1H)、6.32(s、1H)6.76(s、2H)、7.24-7.36(m、1H)、7.48(t、J=7.78Hz、2H)、7.80(d、J=7.28Hz、2H)、10.93(s、1H)。
等温水分収着/脱着分析(Water sorption and desorption study,DVS cycle)
SMS DVS Advantage 1を用いて結晶形A 10mgをメッシュステンレススチールバスケット内に入れた。全体実験サイクルは、一定の温度(25℃および40~90%の範囲で10%RH間隔で(各湿度レベルに対して60~360分)2回スキャン(収着および脱着)で構成される。約0.7%の重量増加と湿度レベルと比較した吸収および消失は、非収着性サンプルであることを意味する。図38は、結晶形Aに対する等温曲線であり(重量変化%対RH%)と重量変化%対時間および相対湿度%のキネティック曲線である。DVS進行後、XRPD分析結果、結晶形の変化がなく、最も安定した結晶形と見られる。
実施例15:結晶形Aの製剤化適合性の評価
15-1.結晶形Aの加圧テスト
100mgの結晶形A粉末をダイキャビティ(die cavity)に充填し、上部パンチで2、3および4MPaの圧力でそれぞれ3分間加圧して打錠した。それぞれのタブレットを粉砕した後、XRPD分析結果、変化がなく、最も安定した結晶形と見られる。
15-2.結晶形Aのグラインディングテスト
1)乾式粉砕
30mgの結晶形Aを乳鉢で5分間手動で粉砕した。XRPD分析結果、変化がなかった。
2)EtOHで湿式粉砕
30mgの結晶形Aと40mLのEtOHを乳鉢に入れ、5分間手動で粉砕した。XRPD分析結果、変化がなかった。
3)HOで湿式粉砕
30mgの結晶形Aと40mLのHOを乳鉢に入れ、5分間手動で粉砕した。XRPD分析結果、変化がなかった。
実施例16:心筋細胞で細胞質およびミトコンドリアのカルシウム濃度の恒常性維持効果
心筋細胞でカルシウム濃度の維持効果を確認するために、H9C2細胞を96孔プレートに1.5×10cells/wellで分注し、24時間培養した。細胞質のカルシウム濃度の測定は、FLIPR Calcium 6 assay kit(Molecular devices;#R8190)を用いた。製造社の実験方法によって細胞にprobenecidとカルシウム特異的染色剤を処理し、1.75時間経過後、化学式1の化合物の最終濃度が0.1、0.03、0.01、0.003、0.001μMとなるように細胞に0.25時間処理した。細胞の刺激のために、tBHPを最終濃度が150μMとなるように、細胞に処理後、リアルタイムで30秒ごとに細胞質のカルシウム濃度を測定した。図39は、tBHP処理条件での化学式1の化合物のカルシウム濃度の調節効果を示す。縦軸のΔF/F(Max-Min)値は、tBHP処理後に発生したカルシウム特異的染色剤の蛍光値の最大値から最小値を抜いた値であり、細胞質のカルシウム濃度が多く増加するほど大きい値を有する。横軸は、化学式1の化合物の濃度を示し、V.Cは、運搬体のみを処理した対照群であり、tBHP処理時に細胞のカルシウム濃度が最も多く増加する。化学式1の化合物が0.01μM処理された場合、tBHP処理による異常に増加した細胞質のカルシウム濃度が減少し、0.1μM処理条件では、正常レベルの細胞質カルシウム濃度を示した。
また、心筋細胞でミトコンドリアのカルシウム濃度の増加を抑制する効果を細胞イメージングで確認するために、H9C2細胞を35mm培養皿に1.5×10cellsで分注し、24時間培養した。ミトコンドリア内カルシウム濃度のイメージングは、Rhod-2を用いた。Rhod-2とMitoTracker Green(200nM)、Hoechst33342(2drops/ml)を50分間処理し、KRB緩衝溶液で2回洗浄した後、緩衝溶液を入れ、30分間さらに培養した。化学式1の化合物の最終濃度が10μMとなるように細胞に0.25時間処理後、tBHPの最終濃度が150μMとなるように細胞に30分間処理し、thapsigargin 1.2μMを10分,続いてCaClを2mM処理後、生きている細胞のミトコンドリアに存在するカルシウムで発色する蛍光をイメージングを通じて観察した。図40は、tBHPおよびthapsigarginとCaClをさらに処理した条件で化学式1の化合物のミトコンドリア内カルシウム増加を抑制する効果と関連したイメージング結果を示す。実験結果、化学式1の化合物がtBHPおよびthapsigarginとCaClをさらに処理した条件で発生したミトコンドリア内カルシウム濃度の増加を効果的に抑制することをRhod-2蛍光の減少を通じて観察し、これを通じて、化学式1の化合物がミトコンドリア内増加するカルシウムを強力に抑制することを確認した。
この実験結果は、細胞内カルシウム調節の機能を通したERストレスおよびミトコンドリア機能異常を改善する機序と関連した関連疾患に対する予防または治療および改善効果を示すことが予想される。
実施例17:心筋細胞のミトコンドリア内活性酸素除去効果
心筋細胞でミトコンドリア内発生する活性酸素除去効果を確認するために、H9C2細胞を96孔プレートに1.5×10cells/wellで分注し、24時間培養した。ミトコンドリア特異活性酸素の測定は、dihydrorhodamine-123(DHR-123)を通した蛍光測定法を用いた。細胞にDHR-123を0.5時間処理した後,続いて化学式1の化合物の最終濃度が0.0001、0.001、0.003、0.03、0.1、0.3、1、10、30μMとなるように細胞に0.25時間処理した。tBHPを最終濃度が400μMとなるように細胞に添加した後、リアルタイムで3分ごとに細胞内活性酸素を蛍光強度を用いて測定した。図41は、tBHP処理条件で化学式1の化合物のミトコンドリア内活性酸素除去効果を示す。横軸は、化学式1の化合物の濃度をログスケールで示し、縦軸は、tBHP処理後に2時間発生したミトコンドリア内活性酸素の総量を示すものである。tBHPによってミトコンドリア内活性酸素が急激に増加したが、化学式1の化合物を処理することによって、濃度依存的に活性酸素の発生が抑制される効果を示した。
化学式1の化合物の活性酸素除去効果を細胞イメージングで確認するために、H9C2細胞を35mm共焦点顕微鏡専用培養皿に1.5×10cellsで分注し、24時間培養した。活性酸素のうちミトコンドリアで発生する超酸化物の測定のために、MitoSOXTM(Red Mitochondrial Superoxide Indicator)を用いた細胞内蛍光イメージングを行った。化学式1の化合物の濃度が1μMとなるように細胞に0.25時間前処理し、tBHPを最終濃度が50μMとなるように細胞に添加し、1時間処理した。細胞をフェノールレッドのない培地に交換し、HOECHST(0.5drop/ml)、MitoTracker Green(150nM)、MitoSOX(2μM)を30分間処理した後、細胞内蛍光をイメージングを用いて観察した。図42は、tBHP処理条件で化学式1の化合物のミトコンドリア内超酸化物の除去効果と関連したイメージング結果を示す。実験結果、化学式1の化合物がミトコンドリア内超酸化物を含む活性酸素を効果的に除去することをMitoSOX蛍光の減少を用いて観察し、これを通じて、化学式1の化合物がミトコンドリア内発生した活性酸素を強力に除去する抗酸化剤として作用することを確認した。
この実験結果から分かるミトコンドリア内活性酸素を除去する効果は、細胞壊死と関連しているので、細胞損傷および壊死と関連した疾患に対して予防または治療および改善効果を示すことが予想される。
実施例18:マクロファージと星状膠細胞で生成される過酸化窒素除去効果
マクロファージで発生する過酸化窒素除去効果を確認するために、RAW264.7細胞を96孔プレートに1×10cells/wellで分注し、24時間培養した。過酸化窒素の測定は、DAX-J2TMPON Green dyeを通した蛍光測定法を用いた。細胞にDAX-J2TMPON Green dyeを1時間前に処理した後、化学式1の化合物と陽性対照群であるascorbic acidをそれぞれ最終濃度が10,30μMとなるように細胞に5分間処理した。その後、SIN-1を最終濃度が200μMとなるように処理し、リアルタイムで2分ごとに細胞内生成される過酸化窒素の量を蛍光強度を用いて測定した。星状膠細胞における過酸化窒素除去効果を確認するために、C8-D1A細胞を96孔プレートに6×10cells/wellで分注し、24時間培養し、同じ条件で実験を進めた。図43は、SIN-1処理条件で化学式1の化合物の細胞内過酸化窒素除去効果を示す。左側は、マクロファージ、右側は、星状膠細胞における結果を示した。横軸は、化学式1の化合物とascorbic acidの濃度を示し、V.Cは、運搬体のみを処理した対照群であり、SIN-1処理時に細胞内過酸化窒素の濃度が最も多く増加する。縦軸は、SIN-1処理後に1時間が経過して発生した過酸化窒素の総量を示すものである。SIN-1によって細胞内過酸化窒素が急激に増加したが、化学式1の化合物を処理することによって、濃度依存的に過酸化窒素発生が抑制され、陽性対照群であるascorbic acidよりもさらに優れた抑制効果を示した。
この実験結果は、炎症に関与するマクロファージと星状膠細胞の過酸化窒素除去効果を確認することによって、膵臓炎、関節リウマチ、退行性関節炎、バクテリアおよびウイルス感染、糸球体腎炎、急性・慢性腎疾患、壊死性大腸炎、肺炎、肝炎、粘膜炎などの各種炎症基盤疾患と、アルツハイマー病、パーキンソン病、ルーゲリック病、肢帯/ベッカー型筋ジストロフィー、デュシェンヌ型筋ジストロフィーなど老化および老化関連脳疾患に対する予防または治療および改善効果を示すことが予想される。
実施例19:MPTP誘導パーキンソン病マウスモデルで行動能力向上効果
MPTP(1-Methy-4-pheny-1,2,3,6-tetrahydropyridine)は、神経毒素であるMPP(1-methy-4-phenylpyridium)のpro-drugであり、投与時にドーパミン性ニューロンを破壊し、パーキンソン病の症状を誘発する物質である。C57BL/6マウスに2時間間隔で20mg/kg MPTPを全4回投与し、行動障害を誘導した。MPTP投与2日後から6日間化学式1の化合物を低、中および高用量で1日1回腹腔投与した。化学式1の化合物の行動能力向上効果を確認するために、ポールテスト(pole test)を行った。図44は、MPTP誘導パーキンソン病マウスモデルで化学式1の化合物を処理するとき、Total timeの向上効果を示し、図45は、MPTP誘導パーキンソン病マウスモデルで化学式1の化合物を処理するとき、T-turnの向上効果を示す。MPTP投与群のTotal timeとT-turn値は、対照群に比べて有意に増加した。この際、化学式1の化合物を投与したグループでTotal timeとT-turn値が濃度依存的に回復することを確認した。
また、化学式1の化合物の行動能力向上効果を確認するために、握力試験(Grip strength test)を行った。図46は、MPTP誘導パーキンソン病マウスモデルで化学式1の化合物処理時に握力向上効果を示す。MPTP投与群の握力値は、対照群に比べて有意に減少した。この際、化学式1の化合物を投与したグループで握力値が濃度依存的に回復することを確認した。
実施例20:MPTP誘導パーキンソン病マウスモデルでドーパミン性ニューロン保護効果
C57BL/6マウスに2時間間隔で20mg/kg MPTPを全4回投与し、行動障害を誘導した。MPTP投与2日後から6日間化学式1の化合物を低、中および高用量で1日1回腹腔投与した。化学式1の化合物の投与6日目にマウスを犠牲にして、脳組織の凍結切片を製造し、TH(Tyrosine hydroxylase)染色を行った。図47は、MPTP誘導パーキンソン病マウスモデルで化学式1の化合物を処理するとき、線条体におけるTHレベル回復効果を示す。線条体においてMPTP投与群のTHレベルは、対照群に比べて有意に減少した。この際、化学式1の化合物を投与したグループでTHレベルが濃度依存的に回復し、中および高用量で有意に増加した。図48は、MPTP誘導パーキンソン病マウスモデルで化学式1の化合物を処理するとき、黒質におけるTHレベル回復効果を示す。黒質においてMPTP投与群のTHレベルは、対照群に比べて有意に減少した。この際、化学式1の化合物を投与したグループでTHレベルが濃度依存的に回復し、高用量で有意差を示した。

Claims (15)

  1. 下記化学式1の化合物の結晶形Aであって、
    Figure 2024515630000032
    前記結晶形が7.64±0.2、12.32±0.2、12.62±0.2、15.26±0.2、17.32±0.2、19.18±0.2、19.61±0.2、19.95±0.2、20.60±0.2、21.12±0.2、22.94±0.2、24.11±0.2および28.15±0.2から選択される2[θ]値で4個以上の回折ピークを有するX線粉末回折パターンで特定されることを特徴とする結晶形。
  2. 前記X線粉末回折パターンは、7.64±0.2、15.26±0.2、17.32±0.2、19.18±0.2、21.12±0.2および22.94±0.2から選択される2[θ]値で4個以上の回折ピークを有するX線粉末回折パターンで特定されることを特徴とする請求項1に記載の結晶形。
  3. 下記表に列挙されたピーク位置とピーク位置が一致するX線粉末回折パターンで特定されることを特徴とする請求項1に記載の結晶形:
    Figure 2024515630000033
  4. 下記化学式1の化合物およびDMSO、DMFまたはNMPから選択される溶媒を含む溶液を加温下で1~24時間撹拌する段階と、
    前記溶液を撹拌しつつ、1~72時間にわたって0~25℃に冷却させて結晶を成長させる段階と、を含む、請求項1に記載の化学式1の化合物の結晶形Aの製造方法。
    Figure 2024515630000034
  5. 前記加温は、50~120℃の範囲まで温度を高めて行われる、請求項4に記載の化学式1の化合物の結晶形Aの製造方法。
  6. 前記冷却は、5~20℃/hの速度で行われる、請求項4に記載の化学式1の化合物の結晶形Aの製造方法。
  7. 下記化学式1の化合物を溶媒中に溶解させて得た溶液に貧溶媒を添加し、結晶化する段階と、
    前記溶液を撹拌しつつ、6~48時間にわたって0~25℃まで冷却させて結晶を成長させる段階と、を含む、請求項1に記載の化学式1の化合物の結晶形Aの製造方法。
    Figure 2024515630000035
  8. 前記貧溶媒の添加過程で化学式1の化合物の結晶形Aを種結晶として添加することを含む、請求項7に記載の化学式1の化合物の結晶形Aの製造方法。
  9. 前記溶媒は、DMSO、DMFまたはNMPから選択される、請求項7に記載の化学式1の化合物の結晶形Aの製造方法。
  10. 前記貧溶媒は、エタノールまたはMTBEである、請求項7に記載の化学式1の化合物の結晶形Aの製造方法。
  11. 前記化学式1の化合物の重量に対する溶媒の重量は、2倍以上である、請求項7に記載の化学式1の化合物の結晶形Aの製造方法。
  12. 前記溶媒の重量に対する貧溶媒の重量は、2倍以上である、請求項7に記載の化学式1の化合物の結晶形Aの製造方法。
  13. 請求項1から3のいずれか一項に記載の化学式1の化合物の結晶形Aと、薬学的に許容可能な担体と、を含む薬学的組成物。
  14. 請求項1から3のいずれか一項に記載の化学式1の化合物の結晶形Aと、薬学的に許容可能な担体と、を含む、下記グループから選択される細胞壊死および関連疾患に対する予防または治療用薬学的組成物:急性または慢性肝疾患、認知症、パーキンソン病、ハンチントン病、虚血性疾患、糖尿病、膵臓炎、バクテリア性またはウイルス性敗血症、壊死性直腸炎(necrotizing proctitis)、嚢胞性線維症、関節リウマチ、退行性関節炎、腎症、バクテリア感染、ウイルス感染、多発性硬化症、白血病、リンパ腫、新生児性呼吸促迫症候群、窒息、結核、子宮内膜症、血管衰弱症、乾癬、凍瘡、ステロイド治療合併症、壊疽、圧痛、血色素尿症、火傷、異常高熱、クローン病、セリアック病、筋区画症候群、脊髄損傷、糸球体腎炎、筋ジストロフィー、マイコプラズマ病、炭疽病、アンデルセン病、先天性ミトコンドリア病、フェニールケトン尿症、胎盤梗塞、梅毒および無菌性壊死;およびアルコール中毒およびコカイン、抗生剤、抗がん剤、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、サイクロスポリン(cyclosporine)、化学毒素、毒ガス、農薬、重金属への露出またはこれらの投与または自己投与と関連した壊死、放射能またはUVへの露出による損傷およびこれと関連した細胞壊死、急性・慢性腎疾患、外傷性脳損傷、ルーゲリック病、壊死性大腸炎(necrotizing colitis)、ウイルス感染、乾癬およびアレルギー性皮膚炎を含む皮膚疾患、臓器保存/臓器移植、急性肺障害症候群/急性肺疾患、肺炎、結核、喘息、肺動脈高血圧、慢性閉塞性肺疾患(chronic obstruction pulmonary disease)、特発性肺線維症(idiopathic pulmonary fibrosis)および嚢胞性肺線維症(cystic fibrosis)を含む炎症性肺疾患(chronic Inflammatory pulmonary disease)、脱髄(demyelination)と筋萎縮性側索硬化症(ALS;amyotrophic lateral sclerosis)を含む脱髄疾患、肺動脈高血圧を含む高血圧、脳卒中、プリオン病(prion disease)、てんかん、運動失調(ataxia)、偏頭痛、認知力減退、発作、震え、精神疾患、インスリン抵抗性、高脂血症、粥状動脈硬化症(atherosclerosis)、クローン病と潰瘍性結腸炎を含む炎症性腸疾患(IBD;inflammatory bowel disease)、がんおよびがんの転移、網膜色素変性症、視神経症、白内障および緑内障を含む視覚障害関連病気、貧血、胆汁鬱滞(cholestasis)、副甲状腺機能低下症、汎血球減少症、膵臓障害、乳酸アシドーシス(lactic acidosis)、乳酸血症(lactacidemia)、聴力障害、低身長、腸閉塞症、心臓前渡欠陥(cardiac conduction defect)、心筋ミオパチー(cardiomyopathy)、子宮内膜症、不妊、早期閉経、肢帯/ベッカー型筋ジストロフィー(LGMD/BMD;limb girdle/Becker muscular dystrophy)とデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD;Duchenne muscular dystrophy)を含む筋ジストロフィー疾患、老化および老化関連疾患、および粘膜炎。
  15. 請求項1から3のいずれか一項に記載の化学式1の化合物の結晶形Aを含む幹細胞から心筋細胞への分化誘導用組成物。
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