JP2024514227A - ピリド[3,2-d]ピリミジン化合物、該化合物を含む組成物、及びそれらの使用方法 - Google Patents

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Abstract

化合物、組成物、及び増殖性疾病又は状態の処置におけるそれらの使用、ここで、例えば、該増殖性疾病若しくは障害は、RAF遺伝子変異及び/又はRAS遺伝子変異に関連付けられている。開示されている該化合物は、下記の式I又はそれらの医薬的に許容される塩若しくはその溶媒和物であり、ここで、R1、R2、R3、X1、X2、X3、X4及びYは、本明細書において定義されている通りである。JPEG2024514227000323.jpg54170【選択図】なし

Description

関連出願
本出願は、2021年4月19日に出願された米国仮出願第63/201,219号に対する適用法上の優先権を主張するものであり、その内容はあらゆる目的の為に参照によりその全体が本明細書内に組み込まれる。
本開示は一般的に、ピリド[3,2-d]ピリミジン化合物、それを含む医薬組成物、及びRAS-ERK経路の調節不全(dysregulation)を特徴とする疾病(例えば、癌、ラソパシー(RASopathies))の処置及び予防におけるそれらの使用に関する。
RAS-RAF-MEK-ERK(RAS(rat sarcoma):ラット肉腫;RAF(rapidly accelerated fibrosarcoma):急速加速線維肉腫;MEK(mitogen-activated protein kinase):マイトジェン活性化プロテインキナーゼ;ERK(extracellular signal-regulated kinase):細胞外シグナル調節キナーゼ)シグナル伝達経路(以下において、RAS-ERK経路として言及される)は、増殖因子受容体(growth factor receptor)によって生成された増殖シグナルを細胞膜から核に伝達する際に重要な役割を果たす。受容体チロシンキナーゼ(RTK:receptor tyrosine kinase)(例えば、ERBB1、ERBB2、FLT3、RET、KIT)の活性化、又はRAS調節因子(SOS1及びNF1)の活性化若しくは不活性化、並びにRAS遺伝子における構成的活性化変異(H-、K-、NRAS;癌の30%)及びBRAF遺伝子における構成的活性化変異(癌の8%)によって、該経路は、癌の大部分において調節不全になっている。KRAS変異の有病率は、膵癌(90%超)、結腸直腸癌(50%)及び肺癌(30%)において特に高い。一方、BRAF変異は、悪性黒色腫(70%)、甲状腺癌(40%)及び結腸直腸癌(10%)において、とりわけ高い頻度で見つけられている(変異頻度(mutation frequencies)は、COSMIC(Catalogue Of Somatic Mutations In Cancer;Wellcome Trust Sanger Institute)release v95、November 24th 2021に基づく)。
RASタンパク質は小さなGTPaseであり、該GTPaseは、細胞外の増殖シグナルを細胞内のエフェクターに伝えて、細胞の分化、増殖及び生存といった重要なプロセスを制御する(Nat.Rev.Cancer 2003,3,459)。RTKの刺激後、RASの生理的活性化が細胞膜で引き起こされ、それにより、GTPがGTPaseに負荷され、そしてその活性化をもたらす。活性化されたRASは一連のエフェクター分子と相互作用し、そして活性化されるが、RAFキナーゼは癌発生の文脈において最も重要なRAS相互作用因子である(Nature Rev.Drug Discov.2014,13,828)。RASアイソフォームにおけるグリシン12、グリシン13又はグルタミン61での発癌突然変異(Oncogenic mutations)は、ヒト癌において異常で且つ構成的なシグナル伝達を引き起こす(Nat.Rev.Cancer 2003,3,459)(COSMIC release v95,November 24th 2021)。
RASの下流で、哺乳類細胞は3つのRAFパラログ(ARAF、BRAF及びCRAF)を発現し、該3つのRAFパラログは、保存されたC末端キナーゼドメイン(KD:kinase domain)と、RAS結合ドメイン(RBD:RAS-binding domain)を含むN末端調節領域(NTR:N-terminal regulatory region)とを共有する(Nat.Rev.Mol.Cell Biol.2015,16,281)。刺激を受けていない細胞において、RAFタンパク質は単量体として細胞質内に隔離されている。GTP結合した活性化RASがRBDに結合することにより、RAFキナーゼの膜アンカーリングが誘発される(Nat.Rev.Mol.Cell Biol.2015,16,281)。これと同時に、RAFタンパク質はキナーゼドメインの横から横への二量体化と触媒活性化とを受ける(Nature 2009,461,542)。活性化されたRAFタンパク質は、RAFからMEKへ、そして次に、MEKからERKへとリン酸化カスケードを通じてシグナルを伝達し、細胞特異的な応答を引き起こす基質のアレイのERKによるリン酸化を引き起こす(Nat.Rev.Mol.Cell Biol.2020,Oct;21(10),607)。
RAFアイソフォームにおける活性化変異は、これまでのところほとんどがBRAF遺伝子に限られているが、ARAF及びCRAFにおいては稀に変異が観察され、このアイソフォームの機能的重要性が強調されている(COSMIC release v95,November 24th 2021)。BRAFにおける最も一般的な癌変異は、600位のバリンからグルタミン酸への置換(BRAFV600Eとして言及される)であり、その活性型を安定化することによってBRAF活性を高める(Cell 2004,116,855)。V600E対立遺伝子とは別に、増加されたRAFシグナル伝達を様々なメカニズムを通じて引き起こす多様な変異が他の残基(例えば、G466V、D594G等)で生じる(Nat.Rev.Mol.Cell Biol.2015,16,281)。これらは、RAS活性に対する依存性及びRAF二量体化に対する依存性のレベルに依存して、3つの主要クラス(1~3)に分類されている(Nature 2017 Aug 10;548(7666):234-238)。ERKシグナルを刺激することによるRAS主導の癌化を媒介する際の野生型BRAF及びCRAFの重要な役割が広く検証されている(Cancer Cell 2011,19,652;Cancer Discov.2012,2,685;Nat.Commun.2017,8,15262)。従って、腫瘍細胞は、RAS及びRAFの活性化を通じてRAS-ERK経路の上昇した且つ継続したシグナル伝達に依存し、癌においてRAFファミリーキナーゼを標的とするという概念について強力な支持を提供する。
既存の医療ニーズに対応する為に、過去10年間、ATP競合型RAF阻害剤の幅広いセットが開発されてきた(Nat.Rev.Cancer 2017,17,76)。主に最も一般的なRAS非依存性BRAF変異(BRAFV600E)に焦点が当てられ、スルホンアミド誘発体、例えばベムラフェニブ(vemurafenib)及びダブラフェニブ(dabrafenib)、の開発、そしてFDA承認につながった。これらのRAF阻害剤のうちの一部は、再発BRAFV600E対立遺伝子を有する転移性黒色腫に対して顕著な有効性を示し、そして、この患者集団を治療する為に承認されている(N.Engl.J.Med.2011,364,2507;Lancet 2012,380,358)。BRAFV600E依存性黒色腫に対する臨床反応は、この特異的な二量体化非依存性BRAF変異タンパク質の単量体型の強力なATP競合的阻害によるものである(Cancer Cell 2015,28,370)。残念なことに、これらの薬剤に対する後天性耐性は必ず発症し、その原因の多くは、RAFの二量体化を刺激するメカニズムを通じて、部分的にRAS-ERK経路が再活性化により引き起こされる。これらは、RTKシグナル伝達の上方制御(upregulation)、RAS変異、BRAFV600E増幅又は切断を包含する(Sci.Signal.2010,3,ra84;Nature 2010,468,973;Nature 2011,480,387;Nature Commun.2012,3,724)。
同時に、RAS変異の活性化又は高められたRTKシグナル伝達によりRAS活性を示し、それ以外はBRAF野生型である腫瘍が、BRAFV600E阻害剤に対して一次耐性を示す(Nature 2010,464,431)。RAF阻害剤は逆に、RAS活性が高められているところの条件下でERKシグナルを誘発し、それ故に、腫瘍細胞の増殖を促進することが判明した(Nature 2010,464,431)。逆説効果(paradoxical effect)として知られるこの直観に反する現象は、生理的なRAS活性に依存する正常組織においてまた観察され、そして、黒色腫患者におけるRAF阻害剤に見られる幾つかの副作用、例えば、新たな二次腫瘍(例えば、扁平上皮癌及びケラトアカントーマ(keratoacanthomas))の発生、についての根拠となっている(Nat.Rev.Cancer 2014,14,455)。その結果、BRAFV600E阻害剤はRAS主導型の癌には効果がなく、禁忌ですらある。その根底にあるメカニズムは、活性型RASの存在下でRAFキナーゼドメインの二量体化を促進する為の化合物の能力に起因する(Nature,2010,464,431)。この事象はBRAFに限定されるものでなく、他のRAFファミリーメンバーも関与し、該化合物の結合様式と親和性とによって規定される(Nat.Chem.Biol.2013,9,428)。
RAS変異癌における第一世代のRAF阻害剤の限界を回避する為に、2つの戦略が最近追求されている。1つ目の戦略は、逆説的なERK活性化が用量依存的な現象である、すなわち、誘発は飽和以下の阻害剤濃度で生じるが、化合物がRAF二量体の両方のプロトマーを占有するときに、該経路は飽和濃度で抑制される、という観察に基づく。それ故に、この1つ目の戦略は、より低い薬剤濃度でRAFタンパク質を飽和させ、それによって、逆説的経路の誘発を抑える為に、全てのRAFパラログに対して高い結合親和性を持つ分子を開発することに焦点を当てた(Bioorg.Med.Chem.Lett.2012,22,6237;Cancer Res.2013,73,7043;J.Med.Chem.2015,58,4165;Cancer Cell 2017,31,466;J Med Chem.2020,63,2013;Clin Cancer Res.2021,27,2061;Nature 2021,594,418)。しかしながら、これらの化合物は強力なRAF二量体誘発を保持し、従って、逆説的にRAS-ERKシグナル伝達を刺激するが、その振幅は前世代のRAF阻害剤のものよりも小さい。このクラスの化合物は改善された特性を示すが、それらは最近、ARAFアイソフォームをほとんど回避することが示され、それにより、逆説的経路の活性化及び一次耐性、並びにイン・ビトロ(in vitro)及び臨床における獲得耐性の出現がもたらさせる(Clin Cancer Res.2021,27,2061;Nature 2021,594,418)。2つ目の戦略は、BRAFキナーゼドメインを不活性状態に構造的に偏らせ、従って、逆説的にERKシグナル伝達を誘発しないところの化合物を設計することで構成されていた。これにより、PLX4032/ベムラフェニブの誘発体である「Paradox Breaker」(PB)分子PLX8394が生まれた(Nature 2015,526,583)。これらの分子はBRAFV600Eに対して高い効力を保持しており、それ故に、BRAFV600E依存性黒色腫を治療する為に有用であることが証明されるはずである。しかしながら、PLX8394は試験されたRAS変異細胞株においてERKシグナル伝達を誘発しないが、それは依然として効果がなく、RAS変異腫瘍に対して有用でない。
様々なRAS遺伝子型及びRAF遺伝子型を持つヒト腫瘍細胞において、RAS-ERKシグナル伝達と細胞増殖とを強力且つ一貫して阻害するところの阻害剤の必要性が残っている。そのような阻害剤の開発はまた、様々なRAS変異腫瘍細胞株において、逆説的経路の誘発を起こさないことが重要であり、そのような開発が強く望まれている。
1つの観点に従うと、本技術は、下記の式Iの化合物、又はそれらの医薬的に許容される塩若しくはその溶媒和物に関する。
ここで、
R1は、置換された又は置換されていないOR3、SR3、NH2、NHR3、N(R3)2、C3~8シクロアルキル、C4~8ヘテロシクロアルキル、C6~10アリール及びC5~10ヘテロアリールから選択され、例えば、置換された又は置換されていない、C6~10アリール及びC5~10ヘテロアリールから選択され;
R2は、置換された、C6アリール又はC5~10ヘテロアリール、置換された又は置換されていない、C4~8ヘテロシクロアルキル及びN(R3)2から選択され;
R3は独立して各々の場合に、置換された又は置換されていない、C1~8アルキル、C3~8シクロアルキル、C4~8ヘテロシクロアルキル、C6~10アリール及びC5~10ヘテロアリールから選択され;
X1は、ハロゲン原子又は電子吸引性基であり;
X2は、H、ハロゲン原子、及び電子吸引性基から選択され;
X3及びX4は各々、H、ハロゲン原子、電子吸引性基、C1~3アルキル、C3~4シクロアルキル、及びOC1~3アルキルから選択される。
式Iの化合物はまた、本明細書を通じて記載されている、単独又は組み合わせの実施態様及び実施例のいずれかに従って定義されている。
別の態様に従うと、本技術は、前述された実施態様のうちのいずれか1つにおいて定義される使用の為の医薬組成物に関し、ここで、該組成物は、本明細書において定義されている化合物を、医薬的に許容される担体、希釈剤又は添加剤と共に含む。
更なる態様において、本技術は、増殖性疾患若しくは障害、RAS-ERKシグナル伝達カスケードの調節不全によって引き起こされる発生異常(developmental anomaly)(RASopathies)、又は炎症性疾患若しくは免疫系障害から選択される疾患若しくは障害の処置の為の、本明細書において定義される化合物の使用に関する。
本技術はまた、増殖性疾患若しくは障害、RAS-ERKシグナル伝達カスケードの調節不全によって引き起こされる発生異常(developmental anomaly)(RASopathies)、又は炎症性疾患若しくは免疫系障害から選択される疾患若しくは障害の処置の為の方法であって、該処置を必要とする対象に、本明細書において定義されている化合物を投与することを含む上記の方法に更に関する。細胞の異常増殖を阻害する方法であって、該細胞を本明細書において定義されている化合物と接触させることを含む上記の方法がまた企図される。
上記の使用方法及び上記の方法の1つの実施態様において、該疾病又は該障害は、新生物(neoplasm)及び発生異常(developmental anomaly)、例えば、RAF遺伝子変異(例えば、ARAF、BRAF又はCRAF)に関連付けられた疾病若しくは障害、RAS遺伝子変異(例えば、KRAS)に関連付けられた疾病若しくは障害、又はRAF遺伝子変異及びRAS遺伝子変異の両方に関連付けられた疾病若しくは障害から選択される。1つの実施態様において、該疾病若しくは該障害は、受容体チロシンキナーゼ変異若しくは増幅(例えば、EGFR、HER2)、又は該受容体のRAS下流の調節因子における変異(例えば、SOS1の機能獲得、NF1の機能喪失)に関連付けられている。
例えば、該疾病又は該障害は新生物であり、例えば、黒色腫、甲状腺癌(例えば、甲状腺乳頭癌)、結腸直腸癌、卵巣癌、乳癌、子宮内膜癌、肝臓癌、肉腫、胃癌、膵臓癌、バレット腺癌、神経膠腫(例えば、上衣腫)、肺癌(例えば、非小細胞肺癌)、頭頸部癌、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、非ホジキンリンパ腫(Hodgkin's lymphoma)、及びヘアリー細胞白血病(hairy-cell leukemia)から選択される新生物である。例えば、該新生物は、結腸癌又は結腸直腸癌、肺癌、膵臓癌、甲状腺癌、乳癌及び黒色腫から選択される。例えば、本発明の上記使用方法及び上記方法のいずれかは、逆説的経路の実質的な誘発無しに、RAS-ERKシグナル伝達経路を阻害することを含む。
本発明の化合物、組成物、方法及び使用方法の更なる目的及び特徴は、下記の例示的な実施態様及び実施例の項の非制限的な記載を読むことに応じて明らかになるが、それは本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきでない。
図1は、RAS変異HCT116細胞(実施例99、113、128、139、140)においてpERKシグナル伝達の逆説的誘発(Y最小>-20%)を誘発しないところの本明細書に記載の化合物、及び同じ細胞株において該経路の強い誘発(Y最小~-600%)を引き起こすところの化合物(PLX4720;CAS番号918505-84-7)の代表的なIC50阻害用量反応曲線を示す。 図2は、pERK又はpMEKシグナル伝達の逆説的誘発を誘発しないところの代表的な化合物(実施例99;上のパネル)で処置されたRAS変異HCT-116細胞と、比較によって、同じ細胞株において経路を誘発するところの化合物(PLX4720;下のパネル)とのイムノブロット解析の結果を示す。 図3Aは、様々な変異背景を有する一連の癌細胞株(A375、A101D、A2058、RKO、HT29 SK-MEL 30、Calu-6、HepG2、Lovo、NCI-H2122、NCIH1666及びNCIH1755)を表す異種移植腫瘍(xenograft tumor)を有するマウスにおけるpERKバイオマーカーの、ビヒクル(Veh.)と比較した薬力学的分析の結果を示す。マウスが、実施例99の化合物を150mg/kg(mpk:mg per kg)で経口投与された。ERK経路の抑制が、実施例99の懸濁物を4時間経口投与した後に、pERK及び総ERK AlphaLISA(登録商標)SureFire(登録商標)Ultra商標キットを用いて決定された。 図3Bは、様々な変異背景を有する一連の癌細胞株(A375、A101D、A2058、RKO、HT29 SK-MEL 30、Calu-6、HepG2、Lovo、NCI-H2122、NCIH1666及びNCIH1755)を表す異種移植腫瘍(xenograft tumor)を有するマウスにおけるpERKバイオマーカーの、ビヒクル(Veh.)と比較した薬力学的分析の結果を示す。マウスに、実施例99の化合物が150mg/kg(mpk:mg per kg)で経口投与された。ERK経路の抑制が、実施例99の懸濁物を4時間経口投与した後に、pERK及び総ERK AlphaLISA(登録商標)SureFire(登録商標)Ultra商標キットを用いて決定された。 図4は、A375(A)及びHCT116(B)において行われた腫瘍増殖抑制(TGI:tumor growth inhibition)実験の結果を示す。各データ点は、処理が開始された前日と後日の腫瘍サイズの平均値(±)、該平均値の標準誤差(SEM:standard error of the mean)を表す。処置期間は「Rx」とラベル付けされた矢印に対応する。マウスに、実施例99の懸濁物(用量はmg/kg、すなわちmpk)又はブランク製剤(ビヒクル)が1日1回又は2回(QD又はBID)経口投与された。腫瘍が電子マイクロキャリパー(electronic microcalliper)で週に3回測定された。
本明細書において使用されている全ての技術用語及び科学用語は、本技術が関連付けられた当業者によって一般的に理解されるものと同じ定義を有する。それにもかかわらず、使用されている幾つかの用語及び表現の定義が以下に提供されている。参照によって本明細書内に組み込まれる刊行物、特許及び特許出願における用語の定義が、本明細書に記載されている定義に反する範囲においては、本明細書における定義が支配的である。本明細書において使用されている節の見出しは、整理の目的のみの為であり、開示される主題を限定するものとして解釈されるものでない。
i.定義
本明細書において記載されている化学構造は、慣用的な基準に従って描かれている。また、原子、例えば炭素原子、が不完全な原子価を含むように描かれている場合に、必ずしも明示的に描かれていなくても、1以上の水素原子によって原子価が満たされていると仮定される。水素原子は化合物の一部であると推測されるべきである。
本明細書において使用される用語は、特定の実施態様を説明する目的だけのものであり、限定を意図されるものでない。単数形「1つ」(a)、「1つ」(an)、及び「該」(the)は、内容が明確に指示しない限り、複数形を同様に含むことに留意されるべきである。従って、例えば、「1つの化合物」を含む組成物への言及はまた、2以上の化合物の混合物を意味する。また、語「又は」は、文脈から明らかにそうでないことが指示されない限り、一般的に「及び/又は」を包含する意味で使用されていることに留意されるべきである。その上、語「包含している」(including)、「包含する」(includes)、「有している」(having)、「有する」(has)、「持つ」(with)、又はそれらの変形が発明の詳細な説明及び/又は特許請求の範囲のいずれかにおいて使用される限りにおいて、そのような語は、語「含む(comprising)」と同様の様式で包括的であることが意図されている。
語「約」(about)又は「およそ」(approximately)は、当業者によって決定される特定の値についての許容可能な誤差範囲内を意味し、それは、値が測定される方法又は決定される方法、すなわち測定システムの限界、に部分的に依存するであろう。例えば、「約」は、当分野における慣行に従って、1標準偏差以内又は1標準偏差以上を意味することができる。代替的には、「約」は、所与の値の20%以下、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下、更に好ましくは1%以下、の範囲を意味することができる。代替的には、特に生物学的システム又はプロセスに関して、該語は、ある値の1桁以内、好ましくは5倍以内、より好ましくは2倍以内、を意味することができる。特定の値が本願明細書及び特許請求の範囲において記載されている場合、特に断りのない限り、特定の値について許容される誤差範囲内を意味する語「約」が想定されるべきである。
本明細書において使用されている場合、語「化合物」、「本明細書において記載されている化合物」、「本願の化合物」、「ピリド[3,2-d]ピリミジン化合物」、「ピリドピリミジン化合物」及びそれらの同等の表現は、本願に記載されている化合物、例えば、適用可能な実施態様のいずれかを任意的に参照して、構造式Iに包含されている化合物、を言及し、並びにまた、例示的な化合物、例えば、実施例1~691の化合物、並びに適用可能な場合に、それらの医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステル及びプロドラッグを包含する。双性イオン形態が可能である場合、該化合物は、実用的な目的の為にその中性形態として描かれうるが、該化合物は、その双性イオン形態をまた含むと理解される。本明細書における実施態様はまた、化合物の1つ以上を除外しうる。化合物は、それらの化学構造又はそれらの化学名のいずれかによって識別されうる。化学構造と化学名が矛盾する場合には、化学構造が優先されるであろう。
特に言及されない限り、本明細書において図示されている構造はまた、該当する場合、該構造の全ての異性体(例えば、エナンチオマー、ジアステレオマー、及び幾何学的(若しくは立体配座的(conformational)))形態、例えば、各不斉中心についてのR配置及びS配置、を包含することが意味される。それ故に、本願の化合物の単一の立体化学異性体並びにエナンチオマー、ジアステレオマー及び幾何学的(若しくは立体配座的)混合物は、本明細書の範囲内である。特に明記されていない限り、治療用化合物はまた、もしあれば、例示された化合物の全ての在りうる互変異性体を包含する。該用語はまた、1以上の原子が自然界に最も多く存在する原子質量とは異なる原子質量を有する同位体標識化合物(isotopically labeled compound)を包含する。本発明の化合物内に組み込まれうる同位体の例は、2H(D)、3H(T)、11C、13C、14C、15N、18O、17O、硫黄の同位体のいずれか1つ等を包含するがこれらに限定されない。該化合物はまた、非溶媒和形態、並びに溶媒和形態、例えば水和物を包含する上記の溶媒和形態で存在しうる。該化合物は、複数の結晶形態又は非晶質形態で存在してもよい。一般的に、全ての物理的形態は、本明細書において企図される用途の為に等価であり、本発明の範囲内であることが意図される。
特定のエナンチオマーが好ましい場合、幾つかの実施態様において、対応するエナンチオマーを実質的に含まずに提供されてもよく、また、エナンチオマーが富化されていてもよい。「エナンチオマーが富化されている」(enantiomerically enriched)とは、化合物が1つのエナンチオマーの割合が有意に多いことを意味する。或る実施態様において、該化合物は、少なくとも約90重量%の好ましいエナンチオマーで構成される。他の実施態様において、該化合物は、少なくとも約95重量%、98重量%又は99重量%の好ましいエナンチオマーで構成される。好ましいエナンチオマーは、当業者に既知の任意の方法、例えば、キラル支持体上の高圧液体クロマトグラフィー(HPLC:high-pressure liquid chromatography)並びにキラル塩の形成及び結晶化を包含する上記の方法、によってラセミ混合物から単離されてもよく、又は不斉合成によって調製されてもよい。
表現「医薬的に許容される塩」は、過度の毒性、刺激、アレルギー反応等を伴わずに、ヒト及び下等動物の組織と接触させて使用する為に健全な医学的判断の範囲内で適しており且つ合理的な利益/リスク比に見合った、本明細書の化合物の塩を云う。それらの医薬的に許容される塩は当技術分野において周知である。例えば、S.M.Berge等は、J.Pharmaceutical Sciences,66:1-19(1977)において、それらの医薬的に許容される塩を詳細に記載する。該塩は、本明細書の化合物の最終的な単離及び精製の間にイン・シチュー(in situ)で調製されることもでき、又は該化合物の遊離塩基官能基を適切な有機酸若しくは無機酸と反応させることによって(酸付加塩)、或いは該化合物の酸性官能基を適切な有機塩基又は無機塩基と反応させることによって(塩基付加塩)、別途調製されることができる。
語「溶媒和物」は、本発明化合物のうちの1つと、1以上の溶媒分子、例えば、水及び非水性溶媒分子を包含する上記の1以上の溶媒分子、との物理的会合を云う。この物理的会合は水素結合を包含しうる。或る場合には、溶媒和物は、例えば、1以上の溶媒分子が結晶性固体の結晶格子内に取り込まれた場合に単離可能であろう。語「溶媒和物」は、溶液相及び単離可能な溶媒和物の両方を包含する。例示的な溶媒和物は、水和物、半水和物、エタノール酸塩、ヘミエタノール酸塩、n-プロパノール酸塩、イソプロパノール酸塩、1-ブタノール酸塩、2-ブタノール酸塩、及び他の生理学的に許容される溶媒の溶媒和物、例えば、International Conference on Harmonization(ICH),Guide for Industry,Q3C Impurities:Residual Solvents(1997)に記載されているクラス3溶媒、を包含するがこれらに限定されない。従って、本明細書において記載されている化合物はまた、その各溶媒和物及びそれらの混合物を包含する。
本明細書において使用されている場合、表現「医薬的に許容されるエステル」は、イン・ビボ(in vivo)で加水分解しうる、本明細書のプロセスによって形成される化合物のエステルを云い、ヒト体内で容易に分解して親化合物又はその塩を残すものを包含する。好適なエステル基は例えば、医薬的に許容される脂肪族カルボン酸、特にアルカン酸、アルケノイック酸、シクロアルカン酸及びアルカンジオイック酸から誘導される化合物、を包含し、ここで、各アルキル又はアルケニルの部分は有利には6以下の炭素原子を有する。特定のエステルの例は、ヒドロキシル基のギ酸エステル、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、酪酸エステル、アクリル酸エステル、エチルコハク酸エステル、及び酸性基のアルキルエステル、を包含するが、これらに限定されるものでない。他のエステル基は、スルホン酸エステル又は硫酸エステルを包含する。
本明細書において使用される場合に、表現「医薬的に許容されるプロドラッグ」は、本明細書のプロセスによって形成される化合物のプロドラッグを云い、該プロドラッグは、ヒト及び下等動物の組織と接触させて使用する為に健全な医学的判断の範囲内で適しており、過度の毒性、刺激、アレルギー反応等を伴い、及び合理的な利益/リスク比に見合ったものであり、及びそれらの意図された使用の為に有効である。本明細書において使用する場合に、「プロドラッグ」とは、代謝手段(例えば、加水分解)によってイン・ビボ(in vivo)で転化可能であり、本明細書の式によって描写される任意の化合物を与える化合物を意味する。
略語がまた、本願明細書全体を通じて使用されうるが、特に明記されていない限り、そのような略語は当該分野において一般的に理解されている意味を有することが意図されている。そのような略語の例は、Me(メチル)、Et(エチル)、Pr(プロピル)、i-Pr(イソプロピル)、Bu(ブチル)、t-Bu(tert-ブチル)、i-Bu(イソブチル)、s-Bu(sec-ブチル)、c-Bu(シクロブチル)、Ph(フェニル)、Bn(ベンジル)、Bz(ベンゾイル)、CBz又はCbz又はZ(カルボベンジルオキシ)、Boc又はBOC(tert-ブトキシカルボニル)、及びSu又はSuc(スクシンイミド)である。より確かなものにする為に、特定の略語の追加的な定義がまた「実施例」のセクションの序文において含められている。
ヒドロカルビル置換基における炭素原子の数は、接頭辞「"Cx~Cy」又は「Cx~y」によって示されることができ、ここで、xは該置換基における炭素原子の最小数であり、及びyは該置換基における炭素原子の最大数である。しかしながら、接頭辞「"Cx~Cy」又は「Cx~y」が、定義によって1以上のヘテロ原子を取り込んでいる基(例えば、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール等)に関連付けられている場合に、x及びyは夫々、炭素原子と1以上のヘテロ原子とを含む環中の最小原子数と最大原子数を定義する。
本明細書において使用されている場合に、語「アルキル」は、典型的には1~20個の炭素原子を含む、飽和、直鎖又は分枝鎖の炭化水素部分を云う。例えば、「C1~C8アルキル」は、1~8の炭素原子を含む。アルキル部分の例は、メチル部分、エチル部分、プロピル部分、イソプロピル部分、n-ブチル部分、tert-ブチル部分、ネオペンチル部分、n-ヘキシル部分、ヘプチル部分、オクチル部分等を包含するがこれらに限定されない。
本明細書において使用されている場合に、語「アルケニル」は、1以上の二重結合を含み、典型的には2~20個の炭素原子を含む、直鎖又は分枝鎖の炭化水素部分を云う。例えば、「C2~8アルケニル」は、2~8個の炭素原子を含む。アルケニル基は例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、l-メチル-2-ブテン-l-イル、ヘプテニル、オクテニル等を包含するがこれらに限定されない。
本明細書において使用されている場合に、語「アルキニル」は、1以上の三重結合を含み、典型的には2~20個の炭素原子を含む、直鎖又は分枝鎖の炭化水素ラジカルを云う。例えば、「C2~8アルキニル」は、2~8個の炭素原子を含む。代表的なアルキニル基は例えば、エチニル、1-プロピニル、1-ブチニル、ヘプチニル、オクチニル等を包含するがこれらに限定されない。
本明細書において使用されている場合に、語「シクロアルキル」、「脂環式」(alicyclic)、「炭素環」(carbocycle)、「炭素環式」(carbocyclic)及びそれらと同等の表現は、単環式又は多環式の飽和又は部分不飽和(非芳香族)炭素環式環、例えば、スピロ(1つの原子を共有する)、縮合(少なくとも1つの結合を共有する)又は橋掛け(2つ以上の結合を共有する)の炭素環式環系を包含する上記の炭素環式環、を含む基であって、3~15個の員環を有する該基を云う。シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテン-1-イル、シクロペンテン-2-イル、シクロペンテン-3-イル、シクロヘキシル、シクロヘキセン-1-イル、シクロヘキセン-2-イル、シクロヘキセン-3-イル、シクロヘプチル、ビシクロ[4,3,0]ノナニル、ノルボルニル等包含するがこれらに限定されない。語「シクロアルキル」は、置換されていないシクロアルキル基と置換されたシクロアルキル基との両方を包含する。語「C3~Cnシクロアルキル」は、環構造において3以上且つ示されている「n」個の炭素原子を有するシクロアルキル基を云う。炭素数が特に指定されない限り、本明細書において使用される場合に、「低級シクロアルキル」基は、それらの環構造において少なくとも3個以上8個以下の炭素原子を有する。
本明細書において使用されている場合に、語「ヘテロ環」(heterocycle)、「ヘテロシクロアルキル」(heterocycloalkyl)、「ヘテロシクリル」(heterocyclyl)、「ヘテロ環部分」(heterocyclic radical)及び「複素環」(heterocyclic ring)は、互換的に使用され、及び飽和又は部分的に不飽和であり且つ炭素原子に加えて、上記で定義されている、1以上、好ましくは1~4個、のヘテロ原子を有する、化学的に安定な3~7員の単環式又は7~10員の二環式複素環部分(bicyclic heterocyclic moiety)を云う。ヘテロ環の環原子に関して使用される場合に、語「窒素原子」は、置換された窒素原子を包含する。例として、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子から選択される1~3個のヘテロ原子を有する飽和又は部分不飽和環において、該窒素原子は、N(3,4-ジヒドロ-2H-ピロリルのように)、NH(ピロリジニルのように)、又はNR(N-置換ピロリジニルのように)であってもよい。複素環は、化学的に安定な構造をもたらす任意のヘテロ原子又は炭素原子でそのペンダント基(pendant group)に結合されることができ、且つ環原子のいずれかは任意的に置換されることができる。ヘテロシクロアルキル基の例は、1,3-ジオキソラニル、ピロリジニル、ピロリドニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロジチエニル、テトラヒドロチエニル、チオモルホリノ、チオキサニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ホモピペリジニル、オキセパニル、チエパニル、オキサゼピニル、ジアゼピニル、チアゼピニル、1,2,3,6-テトラヒドロピリジニル、2-ピロリニル、3-ピロリニル、2H-ピラニル、4H-ピラニル、ジオキサニル、ジチアニル、ジチオラニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチエニル、ジヒドロフラニル、3-アザビシクロ[3,1,0]ヘキサニル、3-アザビシクロ[4,1,0]ヘプタニル、キノリジニル、キヌクリジニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニルキノリニル等を包含するがこれらに限定されない。ヘテロシクリル基はまた、複素環が1以上のアリール、ヘテロアリール、又はシクロ脂肪族環に縮合した基、例えば、インドリニル、3H-インドリル、クロマニル、クロメニル、フェナントリジニル、2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、オクタヒドロインドリル又はテトラヒドロキノリニル、を包含し、ここで、結合の部分又は結合点は、該ヘテロシクリル環上にある。ヘテロシクリル基は、単環式であってもよく、又は二環式であってもよい。語「ヘテロシクリルアルキル」は、ヘテロシクリルによって置換されたアルキル基を云い、ここで、アルキル部分及びヘテロシクリル部分は独立して、任意的に置換されていてもよい。語「C3~nヘテロシクロアルキル」は、炭素原子及びヘテロ原子を含む環構造において3以上且つ示されている「n」個の原子を有するヘテロシクロアルキル基を云う。
本明細書において使用されている場合に、語「部分不飽和」は、環原子間に少なくとも1つの二重結合又は三重結合を含むが芳香族ではない環部分を云う。語「部分不飽和」は、不飽和の複数の部位を有する環を包含することが意図されているが、本明細書において定義されている、アリール又はヘテロアリール部分を包含することは意図されていない。
語「アリール」は、単独で又は、「アラルキル」、「アラルコキシ」、「アリールオキシ」若しくは「アリールオキシアルキル」のようにより大きな部分の一部として使用される場合に、単環式部分、又は合計6~15個の員環を有する二環式若しくは三環式の縮合環系において、4n+2個(ここで、nは1~3の整数である)の共役π(パイ)電子を有する芳香族基を云い、ここで、該系における少なくとも1つの環が芳香族であり、及び該系における各環が3~7個の員環を含む。語「アリール」は、語「アリール環」と互換的に使用されうる。本明細書の或る実施態様において、「アリール」は、フェニル、ビフェニル、ナフチル、アズレニル、アントラシル等を包含するがこれらに限定されない芳香族環系を云い、それらは1以上の置換基を有していてもよい。語「アラルキル」又は「アリールアルキル」は、アリール環に結合したアルキル残基を云う。アラルキルの例としては、ベンジル、フェネチル等を包含するがこれらに限定されない。また、本明細書において使用されている場合に、語「アリール」の範囲内には、芳香族環が、1以上の非芳香族環に縮合された芳香族環、例えば、インダニル、インデニル、フタルイミジル、ナフチイミジル、フルオレニル、フェナントリジニル、又はテトラヒドロナフチル等、がまた含まれる。語「C6~nアリール」は、環構造において6以上且つ示されている「n」の原子数を有するアリール基を云う。
語「ヘテロアリール」は、単独で又は、より大きな部分、例えば「ヘテロアラルキル」又は「ヘテロアラルコキシ」、の一部として使用される場合に、4n+2個(ここで、nは1~3の整数である)の共役π(パイ)電子(例えば、5~18個の環原子、好ましくは5、6又は9個の環原子、を有する;環状アレイで共有される6、10又は14個のπ電子を有する)を有し、且つ炭素原子に加えて、1~5個のヘテロ原子を有する芳香族基を云う。語「ヘテロ原子」は、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を包含するがこれらに限定されず、窒素原子又は硫黄原子の任意の酸化型、及び塩基性窒素原子の任意の4級化型を包含する。ヘテロアリールは、単一の環であってもよく、又は2以上の縮合環であってもよい。本明細書において使用される場合に、語「ヘテロアリール」はまた、ヘテロ芳香環が1以上の、アリール、シクロ脂肪族、又は複素環に縮合された基を包含し、ここで、結合の部分又は結合点は該ヘテロ芳香環上にある。ヘテロアリール基の非限定的な例は、チエニル、フラニル(フリル)、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、インドリル、3H-インドリル、イソインドリル、インドリジニル、ベンゾチエニル(ベンゾチオフェニル)、ベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ピロロピリジニル(例えば、ピロロ[3,2-b]又はピロロ[3,2-c]ピリジニル)、ピラゾロピリジニル(例えば、ピラゾロ[1,5-a]ピリジニル)、フロピリジニル、プリニル、イミダゾピラジニル(例えば、イミダゾ[4,5-b]ピラジニル)、キノリル(キノリニル)、イソキノリル(イソキノリニル)、キノロニル、イソキノロニル、シノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、4H-キノリジニル、ナフチリジニル、及びプテリジニルカルバゾリル、アクリジニル、フェナントリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、並びにピリド[2,3-b]-l,4-オキサジン-3(4H)-オンを包含する。ヘテロアリール基は、単環式であってもよく、又は二環式であってもよい。ヘテロアリール基は、任意的に置換されていてもよい環を含む。語「ヘテロアラルキル」は、ヘテロアリールによって置換されたアルキル基を云い、ここで、アルキル部分及びヘテロアリール部分は独立して、任意的に置換されていてもよい。例は、ピリジニルメチル、ピリミジニルエチル等を包含するがこれらに限定されない。例えば、語「C5~nヘテロアリール」は、炭素原子及びヘテロ原子を含む環構造において、5以上且つ示されている「n」個の原子を有するヘテロアリール基を云う。
本明細書において記載されているように、本明細書の化合物は「任意的に置換されていてもよい」部分を含んでいてもよい。一般的に、語「置換された」は、語「任意的に」によって先行されるか否かにかかわらず、指定された部分の1以上の水素原子が適切な置換基で置換されていることを意味する。別段の指示がない限り、「任意的に置換されていてもよい」基は、該基の置換可能な各位置で適切な置換基を有していてもよく、任意の所与の構造中の2以上の位置が、指定された基から選択される2以上の置換基で置換されていてもよい場合に、該置換基は、各位置で同じであってもよく、又は異なっていてもよい。本明細書において想定される置換基の組み合わせは好ましくは、化学的に安定な化合物又は化学的に実現可能な化合物の形成を結果的にもたらすものである。本明細書において使用されている場合、語「化学的に安定な」は、それらの製造、検出、及び或る実施態様において、それらの回収、精製、及び本明細書に開示されている1以上の目的の為の使用を可能にする条件に付された場合に、実質的に変化しないところの化合物を云う。
語「ハロ」は、ハロゲン原子、すなわちフッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子、好ましくはフッ素原子又は塩素原子、を意味する。
語「任意的に置換されていてもよい」は、基上の水素原子の1つ、2つ、又は3つ以上を、置換基、例えば下記の置換基を包含するがこれらに限定されない上記の置換基で独立して置換することによって置換された又は置換されていない該基を云う:F、CI、Br、I、OH、CO2H、アルコキシ、オキソ、チオオキソ、NO2、CN、CF3、NH2、NHアルキル、NHアルケニル、NHアルキニル、NHシクロアルキル、NHアリール、NHヘテロアリール、NH複素環、ジアルキルアミノ、ジアリールアミノ、ジヘテロアリールアミノ、O-アルキル、O-アルケニル、O-アルキニル、O-シクロアルキル、O-アリール、O-ヘテロアリール、O-ハロアルキル、O-複素環、C(O)アルキル、C(O)アルケニル、C(O)アルキニル、C(O)シクロアルキル、C(O)アリール、C(O)ヘテロアリール、C(O)ヘテロシクロアルキル、CO2アルキル、CO2アルケニル、CO2アルキニル、CO2シクロアルキル、CO2アリール、CO2ヘテロアリール、CO2ヘテロシクロアルキル、OC(O)アルキル、OC(O)アルケニル、OC(O)アルキニル、OC(O)シクロアルキル、OC(O)アリール、OC(O)ヘテロアリール、OC(O)ヘテロシクロアルキル、C(O)NH2、C(O)NHアルキル、C(O)NHアルケニル、C(O)NHアルキニル、C(O)NHシクロアルキル、C(O)NHアリール、C(O)NHヘテロアリール、C(O)NHヘテロシクロアルキル、OCO2アルキル、OCO2アルケニル、OCO2アルキニル、OCO2シクロアルキル、OCO2アリール、OCO2ヘテロアリール、OCO2ヘテロシクロアルキル、OC(O)NH2、OC(O)NHアルキル、OC(O)NHアルケニル、OC(O)NHアルキニル、OC(O)NHシクロアルキル、OC(O)NHアリール、OC(O)NHヘテロアリール、OC(O)NHヘテロシクロアルキル、NHC(O)アルキル、NHC(O)アルケニル、NHC(O)アルキニル、NHC(O)シクロアルキル、NHC(O)アリール、NHC(O)ヘテロアリール、NHC(O)ヘテロシクロアルキル、NHCO2アルキル、NHCO2アルケニル、NHCO2アルキニル、NHCO2シクロアルキル、NHCO2アリール、NHCO2ヘテロアリール、NHCO2ヘテロシクロアルキル、NHC(O)NH2、NHC(O)NHアルキル、NHC(O)NHアルケニル、NHC(O)NHアルキニル、NHC(O)NHシクロアルキル、NHC(O)NHアリール、NHC(O)NHヘテロアリール、NHC(O)NHヘテロシクロアルキル、NHC(S)NH2、NHC(S)NHアルキル、NHC(S)NHアルケニル、NHC(S)NHアルキニル、NHC(S)NHシクロアルキル、NHC(S)NHアリール、NHC(S)NHヘテロアリール、NHC(S)NHヘテロシクロアルキル、NHC(NH)NH2、NHC(NH)NHアルキル、NHC(NH)NHアルケニル、NHC(NH)NHアルキニル、NHC(NH)NHシクロアルキル、NHC(NH)NHアリール、NHC(NH)NHヘテロアリール、NHC(NH)NHヘテロシクロアルキル、NHC(NH)アルキル、NHC(NH)アルケニル、NHC(NH)アルキニル、NHC(NH)シクロアルキル、NHC(NH)アリール、NHC(NH)ヘテロアリール、NHC(NH)ヘテロシクロアルキル、C(NH)NHアルキル、C(NH)NHアルケニル、C(NH)NHアルキニル、C(NH)NHシクロアルキル、C(NH)NHアリール、C(NH)NHヘテロアリール、C(NH)NHヘテロシクロアルキル、P(O)(アルキル)2、P(O)(アルケニル)2、P(O)(アルキニル)2、P(O)(シクロアルキル)2、P(O)(アリール)2、P(O)(ヘテロアリール)2、P(O)(ヘテロシクロアルキル)2、P(O)(Oアルキル)2、P(O)(OH)2、P(O)(Oアルケニル)2、P(O)(Oアルキニル)2、P(O)(Oシクロアルキル)2、P(O)(Oアリール)2、P(O)(Oヘテロアリール)2、P(O)(Oヘテロシクロアルキル)2、S(O)アルキル、S(O)アルケニル、S(O)アルキニル、S(O)シクロアルキル、S(O)アリール、S(O)2アルキル、S(O)2アルケニル、S(O)2アルキニル、S(O)2シクロアルキル、S(O)2アリール、S(O)ヘテロアリール、S(O)ヘテロシクロアルキル、SO2NH2、SO2NHアルキル、SO2NHアルケニル、SO2NHアルキニル、SO2NHシクロアルキル、SO2NHアリール、SO2NHヘテロアリール、SO2NHヘテロシクロアルキル、NHSO2アルキル、NHSO2アルケニル、NHSO2アルキニル、NHSO2シクロアルキル、NHSO2アリール、NHSO2ヘテロアリール、NHSO2ヘテロシクロアルキル、CH2NH2、CH2SO2CH3、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキル、炭素環式、複素環、ポリアルコキシアルキル、ポリアルコキシ、メトキシメトキシ、メトキシエトキシ、SH、S-アルキル、S-アルケニル、S-アルキニル、S-シクロアルキル、S-アリール、S-ヘテロアリール、S-ヘテロシクロアルキル、又はメチルチオメチル。
ii.化合物
本明細書における変数の任意の定義における化学基のリストの記載は、任意の単一基又はリストされた基の組み合わせとしてのその変数の定義を包含する。本明細書における変数の実施態様の記載は、任意の単一の実施態様として、又は任意の他の実施態様若しくはその一部との組み合わせとしてのそれらの実施態様を包含する。本明細書における実施態様の記載は、任意の単一の実施態様として、又は任意の他の実施態様若しくはその一部との組み合わせとして、その実施態様を包含する。このように、下記の実施態様は、該当する場合、単独で又は組み合わせで存在する。
本発明の化合物は、ピリド[3,2-d]ピリミジンコア構造を表し、これに生成物の有益な活性を達成する為に、定義された置換基が結合されている。本明細書において定義されているピリドピリミジン化合物、又はそれらの医薬的に許容される塩若しくはその溶媒和物の例は、一般的な下記の式Iによって示される:
ここで、
R1は、置換された又は置換されていないOR3、SR3、NH2、NHR3、N(R3)2、C3~8シクロアルキル、C4~8ヘテロシクロアルキル、C6~10アリール及びC5~10ヘテロアリールから選択され、例えば、置換された又は置換されていないC6~10アリール及びC5~10ヘテロアリールから選択され;
R2は、置換された、C6アリール又はC5~10ヘテロアリール、置換された又は置換されていない、C4~8ヘテロシクロアルキル及びN(R3)2から選択され;
R3は独立して各々の場合に、置換された又は置換されていない、C1~8アルキル、C3~8シクロアルキル、C4~8ヘテロシクロアルキル、C6~10アリール及びC5~10ヘテロアリールから選択され、好ましくはR3は、置換された又は置換されていないC1~8アルキル(例えば、C1~3アルキル)であり;
X1は、ハロゲン原子又は電子吸引性基であり;
X2は、H、ハロゲン原子、及び電子吸引性基から選択され;
X3及びX4は各々、H、ハロゲン原子、電子吸引性基、C1~3アルキル、C3~4シクロアルキル、及びOC1~3アルキルから選択される。
例えば、該電子吸引性基は、パーハロアルキル(例えば、CF3又はCCl3)、CN、NO2、スルホネート、アルキルスルホニル(例えば、SO2Me又はSO2CF3)、アルキルカルボニル(例えば、C(O)Me)、カルボキシレート、アルコキシカルボニル(例えば、C(O)OMe)及びアミノカルボニル(例えば、C(O)NH2)から選択される。1つの実施態様において、X1はClであり、及びX2はFであり、又はX1はFであり、及びX2はHであり、又はX1及びX2はいずれもFである。別の実施態様において、X3及びX4は各々、Hである。更に別の実施態様において、X3はFであり、及びX4はHである。
例えば、式Iのアミノアリールスルホンアミド部分はLと命名され得、そして、好ましくは下記から選択される:
ここで、破線(---)は、結合を表す。
1つの例において、R2は、置換された、C6アリール又はC5~10ヘテロアリールであり、例えば、R2は、F、Cl、Br、CN、NO2から選択される少なくとも1つの基で置換されたC6アリール基、及び置換された又は置換されていない、C1~3アルキル基、C3~4シクロアルキル基又はOC1~3アルキル基である。例えば、R2は、下記式の基である。
ここで、
R4は、H、F、Cl、Br、CN、及び置換された又は置換されていない、C1~3アルキル、C3~4シクロアルキル又はOC1~3アルキルから選択され、例えば、R4は、H、F、Cl、Br、Me、Et、CN、CHF2及びCF3から選択され;
R5は、H、F、Cl、CN、及び置換された又は置換されていない、C1~3アルキル、C3~4シクロアルキル又はOC1~3アルキルから選択され、例えば、R5は、H、F、Me、CF3、CN及びClから選択され;
R6は、H、F、Cl、Br、NO2、NH2、及び置換された又は置換されていない、C1~3アルキル、C3~4シクロアルキル又はOC1~3アルキルから選択され、例えば、R6は、H、F、Cl、Br、及び置換された又は置換されていない、C1~3アルキル、C3~4シクロアルキル又はOC1~3アルキルから選択され、又はR6は、H、F、Cl、Me、Et及びOMeから選択され;
R7は、H、F、Cl、及び置換された又は置換されていないC1~3アルキルから選択され、例えば、R7は、H、Me、F及びClから選択され;
R8は、H、F、及び置換された又は置換されていないC1~3アルキルから選択され、例えば、R8は、H、Me及びFから選択され;
又は、R4及びR5又はR5及びR6は、それらの隣接する炭素原子と一緒になって、置換された又は置換されていない、炭素環又はヘテロ環を形成し、但し、該ヘテロ環(R2)はベンゾオキサゾリノンでない;並びに、
(---)は結合を表し;
ここで、R4がH又はFである場合に、R5、R6、R7又はR8のうちの少なくとも1つは、H又はF以外であり;並びに、
ここで、R5がCNである場合に、R4、R6、R7又はR8のうちの少なくとも1つは、H以外である。
1つの実施態様において、R8はHである。別の実施態様において、R4は、F、Cl、Et及びMeから選択され、R5、R7及びR8は各々、Hであり、及びR6は、H、Cl、Me及びOMeから選択される。更なる実施態様において、R4は、F、Cl及びMeから選択され、R5は、F及びClから選択され、並びにR6、R7及びR8は各々、Hである。
別の実施態様において、R4は、Cl、Br及びMeから選択され、R5は、H、F、Cl又はメチルから選択され、R6は、H、F、Cl、Me及びOMeから選択され、並びにR7及びR8は各々、Hから選択される。
更なる実施態様において、R4は、Cl、及び置換された又は置換されていないC1~3アルキル(例えば、Me)から選択され、好ましくは、R4は、Cl又はMeであり;R5は、H、F、Cl、及び置換された又は置換されていないC1~3アルキル(例えば、Me)から選択され、好ましくは、R5は、F、Cl又はMeであり;R6は、H、F、Cl、置換された又は置換されていないC1~3アルキル(例えば、Me)、及び置換された又は置換されていないOC1~3アルキル(例えば、OCH3)から選択され、好ましくは、R6は、H又はFであり、或いはR6はCl、又は置換された若しくは置換されていないC1~3アルキル、又は置換された若しくは置換されていないOC1~3アルキル、又はCH3若しくはOCH3であり;及びR7及びR8は各々、Hである。更に他の実施態様において、R6は、置換されたC1~3アルキルである。
別の例において、R2は、置換されたC5~10ヘテロアリール、例えば下記の式の基、である。
ここで、
X5は、NH、NC1~3アルキル、NC3~4シクロアルキル、O及びSから選択され;
R9、R10、R11は各々独立して、H、F、Cl、CN、及び置換された又は置換されていない、C1~3アルキル、C3~4シクロアルキル、C(O)OC1~3アルキル、又はOC1~3アルキルから選択され、但し、R9及びR11のうちの一方はHであり、並びに他方はHでない;並びに、
(---)は結合を表す。
代替的には、R2は、下記の式の基である。
ここで、
X5は、NH、NC1~3アルキル、NC3~4シクロアルキル、O及びSから選択され;
R9は、F、Cl、CN、及び置換された又は置換されていない、C1~3アルキル、C3~4シクロアルキル、C(O)OC1~3アルキル、又はOC1~3アルキルから選択され;
R10及びR12は各々独立して、H、F、Cl、CN、及び置換された又は置換されていない、C1~3アルキル、C3~4シクロアルキル、C(O)OC1~3アルキル、又はOC1~3アルキルから選択され;並びに、
(---)は結合を表す。
好ましい実施態様において、R9及びR10は各々独立して、F、Cl、CN、及び置換された又は置換されていない、C1~3アルキル、C3~4シクロアルキル、C(O)OC1~3アルキル、又はOC1~3アルキルから選択され、好ましくは、Cl、及び置換された又は置換されていないC1~3アルキルから選択され、より好ましくは、R9及びR10がいずれもClである。別の実施態様において、X5は、O又はS、好ましくはS、である。
別の実施態様において、R2は、置換されたC5~10ヘテロアリール、例えば下記の式の基、である。
ここで、
X9、X10、X11、X12及びX13が独立して、N及びCから選択され、ここで、X9、X10、X11、X12及びX13のうちの少なくとも1つ且つ2以下がNであり;並びに、
R19、R20、R21、R22及びR23が、H、F、Cl、Br、CN、NO2、NH2、及び置換された若しくは置換されていない、C1~3アルキル、C3~4シクロアルキル若しくはOC1~3アルキルから選択され、又は、それらの結合されたX9、X10、X11、X12又はX13がNであるときに存在しない;
ここで、X9及びX13のうちの少なくとも1つがNでなく;並びに、
ここで、X9及びX13のうちの少なくとも1つがNであるときに、他方がN又はCHでない。
別の例において、R2が、C5~7ヘテロシクロアルキルである。例えば、R2は、下記の式の基である。
ここで、
R13は独立して各々の場合に、F、Cl、及び置換された又は置換されていない、C1~3アルキル、C3~4シクロアルキル又はC1~3アルコキシから選択され;
nは、0~8から選択される整数であり;又は、
nは2~8であり、及び2つのR13は、それらの隣接する炭素原子と一緒になって、C3~4シクロアルキルを形成し;並びに、
(---)は結合を表す。
1つの実施態様において、R13は、3位にある。別の実施態様において、nは1又は2であり、及びR13は、F、Me、OMe及びCH2OMeから選択される。例えば、R13はメトキシ基であり、及びnは1である。
更なる実施態様において、R2は、N(R3)2であり、例えば、ここで、R3は、置換された又は置換されていない、C1~8アルキル又はC3~8シクロアルキルから選択される。
R2の非限定的な例を以下に示す。
ここで、(---)は結合を表す。
1つの実施態様において、R2は、下記から選択される基である。
ここで、(---)は結合を表す。
別の実施態様において、R2は、下記から選択される基である。
ここで、(---)は結合を表す。
更なる実施態様において、式Iの化合物は、下記の式IIの化合物、又はそれらの医薬的に許容される塩若しくはその溶媒和物である。
ここで、R1、R4、R5及びR6は各々独立して、上記で定義された通りであり、好ましくは、R4がCl、Br及びMeから選択され、R5がH、F、Cl又はメチルから選択され、並びにR6がH、F、Cl、Me及びOMeから選択される。
更に別の実施態様において、式Iの化合物は、下記の式IIIの化合物、又はそれらの医薬的に許容される塩若しくはその溶媒和物である。
ここで、R1、R9、R1、R12、及びX5は各々独立して、上記で定義された通りである。
式I又は式IIの化合物の1つの実施態様において、R1は、置換された若しくは置換されていない、C5~6ヘテロアリール基、又は置換された若しくは置換されていないC9ヘテロアリール基である。別の実施態様において、R1は、チエニル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、チアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、インドリル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ピロロピリジニル(例えば、ピロロ[3,2-b]ピリジニル又はピロロ[3,2-c]ピリジニル)、ピラゾロピリジニル(例えば、ピラゾロ[1,5-a]ピリジニル)、プリニル、イミダゾピラジニル(例えば、イミダゾ[4,5-b]ピラジニル)及びキノリル(キノリニル)から選択される、置換された又は置換されていない基である。
R1の例は、下記から選択される、置換された又は置換されていない基である。
ここで、(---)は結合を表す。
例えば、R1は、下記から選択される、置換された又は置換されていない基である。
ここで、(---)は結合を表す。
1つの実施態様において、R1は、OH、ハロゲン原子、CN、NO2、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、OC1~6アルキル、C5~10ヘテロアリール、C3~10シクロアルキル、C4~10ヘテロシクロアルキル、C(O)R15、C(O)N(R14)2、SO2R15、SO2N(R14)2、N(R16)C(O)R15、N(R16)SO2R15、N(R16)C(O)N(R14)2、N(R16)SO2N(R14)2、N(R14)2、P(O)(R15)2、CH2C(O)R15、CH2C(O)N(R14)2、CH2SO2R15、CH2SO2N(R14)2、CH2N(R16)C(O)R15、CH2N(R16)SO2R15、CH2N(R16)C(O)N(R14)2、CH2N(R16)SO2N(R14)2及びCH2N(R14)2から選択される少なくとも1つの置換基で更に置換された上記基のうちの1つであり、
ここで、
R14が独立して各々の場合に、H、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~10シクロアルキル、C4~10ヘテロシクロアルキル、C6アリール、及びC5~10ヘテロアリールから選択され、又は2つのR14は、それらの隣接する窒素原子と一緒になって、C4~10ヘテロシクロアルキル基を形成し;
R15が独立して各々の場合に、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~7シクロアルキル、C6アリール、及びC5~6ヘテロアリールから選択され;並びに、
R16が独立して各々の場合に、H、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~7シクロアルキル、C6アリール、及びC5~6ヘテロアリールルから選択され;
ここで、R1(R14、R15及びR16の定義を包含する)中に含まれている、該アルキル、該アルケニル、該アルキニル、該シクロアルキル、該ヘテロシクロアルキル、該アリール又は該ヘテロアリール基は、更に任意的に置換されていてもよい。
別の実施態様において、R1は、下記の式の基である。
ここで、
R17が、H、OH、ハロゲン原子、CN、NO2、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、OC1~6アルキル、C5~10ヘテロアリール、C3~10シクロアルキル、C4~10ヘテロシクロアルキル、C(O)R15、C(O)N(R14)2、SO2R15、SO2N(R14)2、N(R16)C(O)R15、N(R16)SO2R15、N(R16)C(O)N(R14)2、N(R16)SO2N(R14)2、N(R14)2、P(O)(R15)2、CH2C(O)R15、CH2C(O)N(R14)2、CH2SO2R15、CH2SO2N(R14)2、CH2N(R16)C(O)R15、CH2N(R16)SO2R15、CH2N(R16)C(O)N(R14)2、CH2N(R16)SO2N(R14)2、及びCH2N(R14)2から選択され;
X6が、N又はCHであり;並びに、
X7がNであり、及びR18が存在せず;又は、
X7がCであり、及びR18が、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、OC1~6アルキル、C5~10ヘテロアリール、C3~10シクロアルキル、C4~10ヘテロシクロアルキル、C(O)R15、C(O)N(R14)2、SO2R15、SO2N(R14)2、N(R16)C(O)R15、N(R16)SO2R15、N(R16)C(O)N(R14)2、N(R16)SO2N(R14)2、N(R14)2、P(O)(R15)2、CH2C(O)R15、CH2C(O)N(R14)2、CH2SO2R15、CH2SO2N(R14)2、CH2N(R16)C(O)R15、CH2N(R16)SO2R15、CH2N(R16)C(O)N(R14)2、CH2N(R16)SO2N(R14)2、及びCH2N(R14)2から選択され;
ここで、R14、R15及びR16が上記で定義された通りであり;
ここで、(R14、R15、R16、R17及びR18の定義を包含する)R1中に含まれている、該アルキル、該アルケニル、該アルキニル、該シクロアルキル、該ヘテロシクロアルキル又は該ヘテロアリールは、更に任意的に置換されていてもよい;並びに、
ここで、(---)は結合を表す。
別の実施態様において、R1が、下記の式の基である。
ここで、
X14が、C及びNから選択され;
X15、X16、X17及びX18が独立して、O、N、S及びCR17から選択され、ここで、R17は、本明細書において定義された通りであり;
ここで、X14、X15、X16、X17及びX18のうちの少なくとも1つ且つ3以下がO、N又はSであり、及び芳香族性が維持されるようにする為に2つの二重結合が環中に存在する。
更なる実施態様において、式Iの化合物が、下記の式IV若しくは式Vの化合物、又はそれらの医薬的に許容される塩若しくはその溶媒和物である。
ここで、R4、R5、R6、R17、R18、X6、X7、X14、X15、X16、X17及びX18は各々独立して、本明細書において定義された通りであり、好ましくは、R4は、Cl、Br及びMeから選択され、R5は、H、F、Cl又はメチルから選択され、並びにR6は、H、F、Cl、Me及びOMeから選択される。
更なる実施態様において、式Iの化合物が、下記の式VI若しくは式VIIの化合物、又はそれらの医薬的に許容される塩若しくはその溶媒和物である。
ここで、R9、R10、R12、R17、R18、X5、X6、X7、X14、X15、X16、X17及びX18は各々独立して、本明細書において定義された通りである。
上記式の1つの実施態様において、X6はNである。別の実施態様において、X6はCHである。
別の実施態様において、X7はNであり、R17は、H、OH、CN、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、OC1~6アルキル、C5~10ヘテロアリール、C3~10シクロアルキル、C4~10ヘテロシクロアルキル、C(O)R15、C(O)N(R14)2、SO2R15、SO2N(R14)2、N(R16)C(O)R15、N(R16)SO2R15、N(R16)C(O)N(R14)2、N(R16)SO2N(R14)2、N(R14)2、P(O)(R15)2、CH2C(O)R15、CH2C(O)N(R14)2、CH2SO2R15、CH2SO2N(R14)2、CH2N(R16)C(O)R15、CH2N(R16)SO2R15、CH2N(R16)C(O)N(R14)2、CH2N(R16)SO2N(R14)2及びCH2N(R14)2から選択され、並びにR18は存在せず、ここで、R14、R15、R16又はR17における、該アルキル、該アルケニル、該アルキニル、該シクロアルキル、該ヘテロシクロアルキル又は該ヘテロアリールが、更に任意的に置換されていてもよく、好ましくは、R17は、C1~6アルキル、C5~10ヘテロアリール、C4~10ヘテロシクロアルキル、N(R14)2、N(R16)C(O)R15、N(R16)SO2R15、C(O)N(R14)2及びSO2N(R14)2から選択され、ここで、R14、R15、R16又はR17における、該アルキル、該アルケニル、該アルキニル、該シクロアルキル、該ヘテロシクロアルキル又は該ヘテロアリールは、更に任意的に置換されていてもよい。例えば、R17は、H、NH2及び任意的に置換された、C5~10ヘテロアリール又はC4~10ヘテロシクロアルキルから選択され、好ましくは、R17は、任意的に置換された、C5~10ヘテロアリール又はC4~10ヘテロシクロアルキルである。
更なる実施態様において、R17は、任意的に置換されていてもよい、C4~10ヘテロシクロアルキルであり、ここで、該ヘテロシクロアルキルは、単環式であってもよく又は二環式であってもよく、及び1~3個のヘテロ原子を含み、好ましくは、ここで、X7はNである。好ましい実施態様において、該ヘテロシクロアルキルは、例えばF、OH、オキソ、CN、C1~4アルキル及びOC1~4アルキルから選択される少なくとも1つの基で置換されており、ここで、該C1~4アルキルは、(例えば、F、OH、OC1~3アルキル等で)更に任意的に置換されていてもよい。例えば、該ヘテロシクロアルキルは、任意的に置換されていてもよい、ピペリジン基、ピペラジン基、チオモルホリン基及びモルホリン基、又はピペリジン環、ピペラジン環、チオモルホリン環若しくはモルホリン環を含む二環式構造(架橋化された又はスピロ)から選択されうる。
更なる実施態様において、X7はCであり、例えばX7はCであり並びにR18は、C1~6アルキル、C5~10ヘテロアリール、C3~10シクロアルキル、C4~10ヘテロシクロアルキル、C(O)R15、C(O)N(R14)2、SO2R15、SO2N(R14)2、N(R16)C(O)R15、N(R16)SO2R15、N(R16)C(O)N(R14)2、N(R16)SO2N(R14)2、N(R14)2、P(O)(R15)2、CH2C(O)R15、CH2C(O)N(R14)2、CH2SO2R15、CH2SO2N(R14)2、CH2N(R16)C(O)R15、CH2N(R16)SO2R15、CH2N(R16)C(O)N(R14)2、CH2N(R16)SO2N(R14)2及びCH2N(R14)2から選択され、ここで、R14、R15、R16又はR18における、該アルキル、該アルケニル、該アルキニル、該シクロアルキル、該ヘテロシクロアルキル又は該ヘテロアリールは、更に任意的に置換されていてもよく、好ましくは、R18は、C(O)N(R14)2、SO2R15及びSO2N(R14)2から選択される。これらの実施態様のサブクラスにおいて、R17は、H、OH、C1~6アルキル、N(R14)2、及び任意的に置換されていてもよいC5~10ヘテロアリールから選択される。例えば、R17は、H、NH2及び任意的に置換されていてもよいC5~10ヘテロアリール、好ましくはH又はNH2、から選択される。
更に別の実施態様において、R14は独立して各々の場合に、H、任意的に置換されていてもよいC1~6アルキル、任意的に置換されていてもよいC3~10シクロアルキル、任意的に置換されていてもよいC4~10ヘテロシクロアルキル、及び任意的に置換されていてもよいC5~6ヘテロアリールから選択され、又は2つのR14が、それらの隣接する窒素原子と一緒になって、任意的に置換されていてもよいC4~10ヘテロシクロアルキル基を形成する。
別の実施態様において、R17はN(R14)2であり、ここで、該R14が、それらの隣接する窒素原子と一緒になって、C4~10ヘテロシクロアルキル基を形成し、ここで、該ヘテロシクロアルキルは、単環式であってもよく又は二環式であってもよく、並びに1~3個のヘテロ原子を含み、好ましくは、ここで、X7はNである。好ましい実施態様において、該ヘテロシクロアルキルは、例えば、F、OH、オキソ、CN、C1~4アルキル及びOC1~4アルキルから選択される少なくとも1つの基で置換されており、ここで、該C1~4アルキルは、(例えば、F、OH、OC1~3アルキル等で)更に任意的に置換されていてもよい。例えば、該ヘテロシクロアルキルは、任意的に置換されていてもよい、ピペリジン基、ピペラジン基、チオモルホリン基及びモルホリン基、又はピペリジン環、ピペラジン環、チオモルホリン環若しくはモルホリン環を含む二環式構造(架橋化された又はスピロ)から選択される。
別の例において、R1は、下記から選択される。
ここで、R14は本明細書において定義された通りであり、及び(---)は結合を表す。
更なる例において、R1は、下記から選択される。
ここで、R14は本明細書において定義された通りであり、及び(---)は結合を表す。
更なる実施態様において、R1は、置換された又は置換されていないC4~6ヘテロシクロアルキル基である。別の例において、R1は、ハロゲン原子、OH、C1~6アルキル及びOC1~6アルキルから選択される1つ又は2つの基で任意的に置換されていてもよいC4~5ヘテロシクロアルキルである。例えば、R1は、F及びOHから選択される1つ又は2つの基で置換されたN-ピロリジニル基である。
各R1(A基)、R2(B基)及びL基を含む、更に下位の実施形態がまた実施例の部において提示されている。組み合わせの例がまた、下記の表3、表4及び表5において記載されている。実施例1~実施例691の代表的な好ましい化合物がまた本明細書において記載されている。
より具体的には、R1の好ましい例が、下記のように定義されるA1基~A514基から選択される。
ここで、(---)は、R1と分子の残りの部分との間の結合の点として機能する結合を表す。
R2の好ましい例が、下記のように定義されるB1基~B56基から選択される。
ここで、(---)は、R2と分子の残りの部分との間の結合の点として機能する結合を表す。
下記の実施態様は、式Iの化合物を製造する為に組み合わせられることができるところの、R1(A1~A514)基、R2(B1~B56)基、及びL(L1~L3)基の組み合わせを示す:
A1-L-B1;A1-L-B2;A1-L-B3;A1-L-B4~B54;A1-L-B55;A1-L-B56;
A2-L-B1;A2-L-B2;A2-L-B3;A2-L-B4~B54;A2-L-B55;A2-L-B56;
A3-L-B1;A3-L-B2;A3-L-B3;A3-L-B4~B54;A3-L-B55;A3-L-B56;
A4~A512-L-B1;A4~A512-L-B2;A4~A512-L-B3;A4~A512-L-B4~B54;A4~A512-L-B55;A4~A512-L-B56;
A513-L-B1;A513-L-B2;A513-L-B3;A513-L-B4~B54;A513-L-B55;A513-L-B56;
A514-L-B1;A514-L-B2;A514-L-B3;A514-L-B4~B54;A514-L-B55;A514-L-B56。
本明細書において定義される例示的な化合物は、実施例1~実施例691までの下記の表3、表4及び表5において網羅されている各単一化合物を包含する。
好ましい化合物の例は、すなわち、表1、表3、表4及び5からの実施例3、6、8、19、20~22、30、31、43、46、48、68、76、83、84、91~93、99~102、111、113~115、123、124~128、131、139~141、168、171、176、177、180、188~190、198、202~206、240、244、247、248、250~253、261、262、264~275、277~280、282、284~286、290、292、294~299、304、305、307~310、312~315、317~319、321~323、325、328、331、333~337、342、346、347、350、351、354、355、356、359、361、364~367、370、372、377、378、381、385~389、395~398、400、401、403、408~412、416~419、421~423、426~429、431~433、435~439、441~445、447~453、454、456、458、461、462、464、466~469、484、486、488、490、497、502、509、511、514、517、520、524、529、530、533、538~543、546、548、552~554、556、557、560、561、562、568、569、571、572、574、575、578、580~583、585、586、588~590、592、596~600、602、604、605、608~612、614~617、619~621、623、625~630、632、636、638、640、641、643~652、654~660、665及び667~691の化合物、及び/又はそれらの溶媒和物である。
より好ましい化合物の例は、表1、表3、表4及び5からの実施例3、6、20~22、43、46、48、68、76、84、91~93、99~102、123、125、168、171、177、188、202、205、206、251、266、272、296~299、304、305、307~310、312、318、321、331、342、354、355、359、364、366、377、378、381、385~387、389、395、397、400、401、403、411、412、416~419、421~423、426~429、431~433、435~438、441、443~445、451~454、456、458、462、466~469、486、497、502、509、517、520、524、527、529、530、538~540、546、552、554、556、558、560、562、571、572、578、580~583、585、586、588、589、592、597、599、600、604、605、608~610、615、617、619~621、623、625~628、630、632~638、640、641、643、645~649、665、671~680、682、683、685及び688~690の化合物、及び/又はそれらの溶媒和物を含む。
より具体的には、化合物は、表1、表3、表4及び表5からの実施例20、84、99~102、123、205、251、266、296~299、308、312、318、321、342、355、385、387、412、421、432 462、509、517、520、524、529、530、538、539、546、554、556、560、562、568、571、572、578、580~583、586、588、592、597、600、605、608、609、615、617、621、628、630、632、633、636、637、641、643、648、649、665、672~675、679、682及び688の化合物、及び/又はそれらの溶媒和物から選択されうる。
上記の化合物のいずれもが、任意の塩若しくは溶媒和物の形態を包含する、任意の非晶質、結晶若しくは多形の形態、又はそれらの組み合わせであってもよいことが理解される。本明細書の化合物は、選択的な生物学的特性を高める為に、本明細書において定義された任意の合成手段を介して様々な官能基を付加することによって更に修飾されうる。そのような修飾は当技術分野において知られており、所与の生物学的系(例えば、血液、リンパ系、中枢神経系)への生物学的浸透を増加させるもの、経口利用性を増加させるもの、注射による投与を可能にする為に溶解度を増加させるもの、代謝を変化させるもの、及び排泄速度を変化させるものを包含する。
これらの化合物は、慣用的な化学合成、例えば、本開示のスキーム及び実施例において例示される上記の慣用的な化学合成、によって調製されうる。当業者によって理解されることが可能であるように、本明細書の式の化合物を合成する更なる方法は、当業者に明らかであろう。加えて、種々の合成工程が、所望の化合物を与える為に、別のシーケンス又は順序で実施されうる。
iii.方法、用途、製剤及び投与
本明細書において、語「有効量」は、例えば研究者又は臨床医によって求められている、組織、系、動物又はヒトの生物学的応答又は医学的応答を引き出すところの薬剤又は医薬剤の量を意味する。その上、語「治療上有効な量」は、そのような量を投与されなかった対応する対象と比較して、疾病、障害又はその症状の処置、治癒、予防、改善又は疾病若しくは障害の進行速度の減少をもたらす量を意味する。この語はまた、正常な生理学的機能を高める為に有効な量をその範囲内に含む。
本明細書において使用されている場合、語「処置」、「処置する」及び「処置している」は、本明細書において記載されているように、疾病若しくは障害、又はそれらの1以上の症状を逆戻りさせること、1以上の症状を緩和すること、1以上の症状の発症を遅延させること、又は1以上の症状の進行を阻害することを云う。幾つかの実施態様において、処置は、1以上の症状が発症した後に投与され得る。他の実施態様において、処置は、症状の無い状態で投与されうる。例えば、処置は、症状の発症前に(例えば、症状の既往歴に照らして、及び/又は遺伝的因子若しくは他の感受性因子に照らして)感受性のある個体に投与されうる。症状が消失した後に、例えばそれらの再発を予防又は遅延させる為に、処置がまた継続されうる。
1つの実施態様において、処置されるべき疾病又は状態は、増殖性疾病若しくは障害、又はキナーゼを介在する疾病若しくは障害である。より具体的には、処置されるべき疾病又は障害は、増殖性疾病若しくは障害、RAS-ERKシグナル伝達カスケードの調節不全によって引き起こされる発生異常(RASopathies)、炎症性疾病若しくは免疫系障害を包含する。
幾つかの例に従うと、処置されるべき増殖性疾病若しくは障害は、RAS及び/又はRAF遺伝子における構成的活性化変異(例えば、KRAS及び/又はARAF、BRAF、又はCRAF変異)を伴う、新生物、炎症性疾病若しくは状態、又は発生異常である。該疾病又は障害はまた、受容体チロシンキナーゼ変異若しくは増幅(例えば、EGFR、HER2)、又は該受容体のRAS下流の調節因子における変異(例えば、SOS1の機能獲得、NF1の機能喪失)に更に関連付けられうる。例えば、本明細書において定義されている化合物は、RAF変異(例えば、BRAFV600E)を保有する腫瘍においてのみならず、重要なことに、変異されたRAS主導型癌の文脈においても細胞増殖を制御する際に関与するシグナル酵素(例えば、BRAF及びCRAF)の阻害剤である。従って、本発明の化合物は、例えば、これらのシグナル酵素の活性に結び付けられ且つ過剰又は異常な細胞増殖によって特徴付けられる疾病の処置の為に使用されうる。
1つの実施態様に従うと、該疾病又は障害は、制御されていない細胞増殖、すなわち「増殖性障害」又は「増殖性疾病」、によって特徴付けられる。より具体的には、これらの疾病及び障害は、自律増殖能を有する細胞、すなわち、一般的に正常組織との構造的組織及び機能的連携の部分的又は全体的な欠如を示すところの明瞭な塊を形成する、急速に増殖する細胞増殖によって特徴付けられる状態の異常な状況に関する。
例えば、増殖性障害又は疾病は、「新生物」、「腫瘍性障害」、「新形成」、「癌」及び「腫瘍」として定義され、それらの語は、造血性新生物(例えば、リンパ腫又は白血病)並びに固形新生物(例えば肉腫又は癌腫)を包含することを集合的に意味し、それらは、病理組織学的な種類又は浸潤の段階に関係無く、例えば、前癌及び癌性増殖、又は癌化過程、転移組織若しくは悪性に形質転換された細胞、組織若しくは器官のあらゆる種類のものを包含する。造血性新生物は、造血構造(血液細胞の形成に関連付けられた構造)及び免疫系の構成要素に影響を及ぼす悪性腫瘍であり、例えば、骨髄系、リンパ系又は赤血球系から生じる白血病(血液及び骨髄中の白血球(白血球)及びその前駆体に関連付けられた)及びリンパ腫(リンパ球に関連付けられた)を包含する。固形新生物は肉腫(sarcoma)を包含し、それは、結合組織、例えば、筋肉、軟骨、血管、線維組織、脂肪又は骨、から発生する悪性新生物である。固形新生物はまた癌腫(carcinoma)を包含し、それは上皮構造から発生する悪性新生物、外部上皮(例えば、皮膚、並びに消化管、肺及び子宮頸部の内膜)、及び様々な腺(例えば、乳房、膵臓、甲状腺)を覆う内部上皮を包含する。新生物の例は、白血病、及び肝細胞癌、肉腫、血管内皮癌、乳癌、中枢神経系癌(例えば、星細胞腫、膠肉腫、神経芽腫、乏突起膠腫及び膠芽腫)、前立腺癌、肺及び気管支癌、喉頭癌、食道癌、結腸癌、結腸直腸癌、胃腸癌、黒色腫、卵巣癌及び子宮内膜癌、腎臓癌及び膀胱癌、肝臓癌、内分泌癌(例えば、甲状腺)、並びに膵臓癌、を包含する。例えば、該疾病又は障害は、結腸癌、肺癌、膵臓癌、甲状腺癌、乳癌及び皮膚癌から選択される。新生物の例は、黒色腫、甲状腺乳頭癌、結腸直腸癌、卵巣癌、乳癌、子宮内膜癌、肝臓癌、肉腫、胃癌、バレット腺癌、神経膠腫(上衣腫を包含する)、肺癌(非小細胞肺癌を包含する)、頭頸部癌、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、非ホジキンリンパ腫、及びヘアリー細胞白血病を包含する。
1つの実施態様において、上記された造血新生物又は固形新生物のうちの1つを呈する患者は、以前にRAS-ERK経路を標的とする阻害剤(RTK、RAF、MEK又はERK阻害剤を包含する)での処置を受けたが、該阻害剤に対して耐性を獲得している。該阻害剤は、標準治療、例えば、ベムラフェニブ(vemurafenib)、ダブラフェニブ(dabrafenib)、コビメチニブ(cobimetinib)、トラメチニブ(trametinib)、YERVOY、OPDIVO、又はこれらの薬剤の組み合わせ、を包含する。
1つの実施態様において、処置されるべき疾病は、RAS-ERKシグナル伝達カスケードの調節不全によって引き起こされる発生異常(ラソパシー(RASopathies):例えば、ヌーナン症候群(Noonan syndrome)、コステロ症候群(Costello syndrome)、LEOPARD症候群、心奇形症候群及び肥大型心筋症)によって定義される。
1つの実施態様において、処置されるべき疾病は、炎症性疾病又は免疫系障害として定義される。そのような炎症性疾病又は免疫系障害の例は、炎症性腸疾病、クローン病、潰瘍性大腸炎、全身性エリテマトーデス(SLE:systemic lupus erythematosis)、関節リウマチ、多発性硬化症、甲状腺炎、1型糖尿病、サルコイドーシス、乾癬、アレルギー性鼻炎、喘息、慢性閉塞性肺疾病(COPD:chronic obstructive pulmonary disease)を包含する。
1つの実施態様において、本明細書において定義されている化合物は、逆説的経路を誘発すること無しに又は実質的に誘発すること無しに、少なくとも1つの変異されたRAS又はRAF遺伝子型を有する腫瘍細胞におけるRAS-ERKシグナル伝達及び細胞増殖を阻害する。
本明細書において使用される場合に、語「患者又は対象」は、動物、例えば哺乳類、を云う。それ故に、対象は、例えば、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、モルモット、霊長類、例えばヒトを包含する上記の霊長類等を云いうる。好ましくは、該対象はヒトである。
それ故に、本明細書は更に、対象、例えばヒト対象、例えば増殖性疾病又は障害に罹患している対象、例えばRAF変異された癌及び/又は変異されたRAS主導型癌に罹患している対象、を処置する方法に関する。本方法は、そのような処置を必要とする対象に、本明細書において定義されている治療有効量の化合物を投与することを含む。
或る実施態様において、本明細書は、対象における障害(本明細書において記載されている)を処置する方法であって、該処置を必要とするとして識別された対象に、本明細書の化合物を投与することを含む上記の方法を提供する。上記された障害の処置を必要とする患者の識別は、当業者の能力及び知識の範囲内である。上記の主題の方法によって処置されることができる上記の障害を発症する危険性のある患者を識別する為のある種の方法は、医学技術、例えば家族歴、及び主題の患者におけるその疾病状態の発症に関連付けられた危険因子の存在、において理解されている。医療当業者は、例えば、臨床検査、身体診察、病歴/家族歴、及び遺伝学的判定、を用いて、そのような候補患者を容易に識別することができる。
対象における処置の有効性を評価する方法は、当技術分野において周知の方法によって障害の処置前症状を決定すること、そして次に、本明細書の化合物の治療有効量を対象に投与することを含む。該化合物の投与後の適切な期間(例えば、1週間、2週間、1ヶ月、6ヶ月)後に、障害の症状が再度決定される。症状及び/又は障害のバイオマーカー(例えば、pERK又はpMEK)の調節(例えば、減少)は、処置の有効性を示す。該障害の症状及び/又はバイオマーカーは、処置期間を通じて、定期的に決定されうる。例えば、該障害の症状及び/又はバイオマーカーは、該処置の更なる有効性を評価する為に、数日、数週間又は数ヶ月毎にチェックされうる。障害の症状及び/又はバイオマーカーにおける減少は、処置が有効であることを示す。
幾つかの実施態様において、本明細書において定義されている治療有効量の化合物は、単独で、又は医薬的に許容される担体、アジュバント若しくはビヒクルと混和した組成物中で、患者に投与されることができる。
表現「医薬的に許容される担体、アジュバント、又はビヒクル」及び同等の表現は、製剤化される化合物の薬理学的活性を破壊しない非毒性の、担体、アジュバント又はビヒクルを云う。本開示の組成物において使用されうる医薬的に許容される担体、アジュバント又はビヒクルは、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質、例えばヒト血清アルブミン、緩衝物質、例えばリン酸塩、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩又は電解質、例えば、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマー、ポリエチレングリコール、及び羊毛脂肪を包含するがこれらに限定されない。
本明細書に記載された組成物は、経口的、非経口的、吸入スプレー、局所的、直腸的、鼻腔的、頬側、又は移植リザーバを介して、投与されうる。本明細書において使用される場合、語「非経口的」は、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑液包内、胸骨内、髄腔内、肝内、腔内及び頭蓋内注射、又は注入技術を包含する。その他の投与方法はまた、皮内投与又は経皮投与を包含する。
経口投与のための液体剤形は、医薬的に許容されるエマルション、マイクロエマルション、溶液、懸濁物、シロップ及びエリキシルを包含するがこれらに限定されない。活性化合物に加えて、液体剤形は、当技術分野において一般的に使用されている不活性希釈剤、例えば、水又は他の溶媒、可溶化剤及び乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油脂(特に、綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、及びソルビタンの脂肪酸エステル、並びにそれらの混合物、を含みうる。不活性希釈剤に加えて、経口組成物はまた、アジュバント、例えば、湿潤剤、乳化剤及び懸濁剤、界面活性剤、甘味剤、香味料及び芳香剤、を包含することができる。
注射可能な調製物、例えば、無菌注射可能な水性懸濁物又は油性懸濁物は、適切な分散剤又は湿潤剤及び懸濁化剤を用いて、既知の技術に従って処方されうる。無菌注射製剤はまた、例えば1,3-ブタンジオール中の溶液のように、非毒性の非経口的に許容される希釈剤又は溶媒中の無菌注射溶液、懸濁物又は乳濁物であってもよい。使用されうる許容可能なビヒクル及び溶媒の中には、水、リンゲル液、U.S.P.及び等張塩化ナトリウム溶液がある。加えて、無菌の固定油が溶媒又は懸濁媒体として慣用的に使用されている。この目的の為に、あらゆるブランドの固定油、例えば、合成モノグリセリド又はジグリセリドを包含する上記の固定油、が使用されることができる。加えて、脂肪酸、例えばオレイン酸、が、注射剤の調製において使用される。
注射可能な製剤は、例えば、細菌-保持フィルターを通じて濾過することによって、又は使用前に滅菌水又は他の滅菌注射媒体中に溶解又は分散させることができるところの滅菌固体組成物の形態で滅菌剤を組み込むことによって滅菌されることができる。
提供された化合物の効果を長持ちさせる為に、皮下注射又は筋肉内注射による化合物の吸収を遅くすることがしばしば望ましい。このことは、乏しい水溶性を有する結晶又は非晶質の液体懸濁物を使用することによって達成されうる。次に、該化合物の吸収速度はその溶解速度に依存し、その溶解速度は結晶の大きさ及び結晶形態に依存する。代替的には、非経口的に投与される化合物の遅延された吸収は、該化合物を油ビヒクル中に溶解又は懸濁させることによって達成される。注射可能なデポー製剤(depot forms)は、生分解性ポリマー、例えばポリ乳酸-ポリグリコリド、中に該化合物のマイクロカプセルマトリックスを形成することによって製造される。ポリマーに対する該化合物の比及び使用されるポリマーの性質によって、該化合物の放出速度が制御されることができる。
他の生分解性ポリマーの例は、ポリ(オルトエステル)及びポリ(無水物)を包含する。デポー注射剤がまた、体組織に適合するところのリポソーム及びマイクロエマルジョン中に化合物を封入することによって調製される。
直腸投与の為の組成物は、好ましくは坐剤であり、それは、本明細書の化合物を、周囲温度では固体であるが体温では液体であり、それ故に直腸内で溶け、そして活性化合物を放出するところの適切な非刺激性添加剤又は担体、例えば、ココアバター、ポリエチレングリコール又は坐剤ワックス、と混合することによって調製されることができる。
経口投与の為の固形剤形は、カプセル、錠剤、丸薬、粉末及び顆粒を包含する。そのような固形剤形において、活性化合物は、少なくとも1つの不活性で医薬的に許容される添加剤又は担体、例えば、クエン酸ナトリウム又はリン酸二カルシウム、及び/又はa)充填剤又は増量剤、例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール及びケイ酸、b)結合剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン(PVP:polyvinylpyrrolidinone)、スクロース、及びアカシア、c)保湿剤、例えばグリセロール、d)崩壊剤、例えば寒天-寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプン又はタピオカデンプン、アルギン酸、或るケイ酸塩及び炭酸ナトリウム、e)溶液遅延剤、例えばパラフィン、f)吸収促進剤、例えば第4級アンモニウム化合物、g)湿潤剤、例えば、セチルアルコール及びモノステアリン酸グリセリン、h)吸着剤、例えば、カオリン及びベントナイトクレイ、並びにi)滑沢剤、例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、並びにそれらの混合物、と混合される。カプセル剤、錠剤及び丸薬の場合、剤形はまた緩衝剤を含んでいてもよい。
同様の種類の固体組成物はまた、添加剤、例えば、乳糖又はミルクシュガー(milk sugar)並びに高分子量のポリエチレングリコール、を用いて、軟充填ゼラチンカプセル及び硬充填ゼラチンカプセルの充填剤として使用されうる。錠剤、ドラジェ(dragee)、カプセル剤、丸薬及び顆粒剤の固形剤形は、コーティング及びシェル、例えば、腸溶性コーティング及び医薬製剤技術分野において周知の他のコーティング、で調製されることができる。それらは任意的に、不透明化剤(opacifying agent)を含んでいてもよく、及びまた、それらは、腸管の或る部分においてのみ又は腸管の或る部分において優先的に、任意的に遅延して、1以上の有効成分を放出するところの組成であることができる。使用されることができる埋め込み用組成物の例は、高分子物質及びワックスを包含する。同様の種類の固形組成物は、添加剤、例えば、乳糖又はミルクシュガー並びに高分子量のポリエチレングリコール等、を用いて、軟充填ゼラチンカプセル及び硬充填ゼラチンカプセルの充填剤として使用されうる。
該組成物はまた、上述されたように、1以上の添加剤と共にマイクロカプセル化された形態であることができる。錠剤、ドラジェ、カプセル、丸薬及び顆粒の固体剤形は、コーティング及びシェル、例えば、腸溶性コーティング、放出制御コーティング及び医薬製剤技術において周知の他のコーティング、を用いて調製されることができる。そのような固形剤形において、活性化合物は、少なくとも1種の不活性希釈剤、例えば、スクロース、ラクトース又はデンプン、と混和されうる。そのような剤形はまた、通常の慣行と同様に、不活性希釈剤以外の追加の物質、例えば、打錠用滑沢剤及び他の打錠助剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム及び微結晶セルロース、を含んでいてもよい。カプセル剤、錠剤及び丸薬の場合、剤形はまた、緩衝剤を含んでいてもよい。これらは任意的に、不透明化剤を含んでいてもよく、及びまた、それらは、腸管の或る部分においてのみ又は腸管の或る部分において優先的に、任意的に遅延して、1以上の有効成分を放出するところの組成であることができる。使用されることができる埋め込み用組成物の例は、高分子物質及びワックスを包含する。
本明細書の化合物の局所投与又は経皮投与の為の剤形は、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、粉末、溶液、スプレー、吸入剤又はパッチを包含する。活性成分は、無菌条件下で、医薬的に許容される担体及び必要に応じて、必要とされうる保存剤又は緩衝剤と混和される。眼科用製剤、点耳薬、点眼薬がまた、本明細書の範囲内であることが企図されている。加えて、本明細書は、経皮パッチの使用を企図しているが、このパッチは、化合物の体内への制御された送達を提供するという付加的な利点を有する。そのような剤形は、化合物を適切な媒体中に溶解又は調剤することによって製造されることができる。吸収促進剤がまた、皮膚を通過する化合物の流れを増加させる為に使用されることができる。速度制御膜を設けることによって又はポリマーマトリックス又はゲル中に化合物を分散させることによってのいずれかで速度が制御されることができる。
本明細書において提供される医薬的に許容される組成物はまた、鼻エアロゾル又は吸入によって投与されてもよい。そのような組成物は、医薬製剤の技術分野において周知の技術に従って調製され、及びベンジルアルコール又は他の適切な保存剤、生物学的利用能を高める為の吸収促進剤、フルオロカーボン、及び/又は他の慣用的な可溶化剤又は分散剤を用いて、生理食塩水中の溶液として調製されうる。
本明細書において提供される医薬的に許容される組成物は、経口投与の為に製剤化されうる。そのような製剤は、食物と共に又は食物無しで投与されうる。幾つかの実施態様において、本開示の医薬的に許容される組成物は、食物無しで投与される。他の実施態様において、本開示の医薬的に許容される組成物は、食物と共に投与される。
単一の剤形の組成物を製造する為に担体材料と組み合わされうる化合物の量は、処置されるべき患者及び特定の投与様式に依存して変化するであろう。提供される組成物は、阻害剤の0.01~100mg/kg体重/日の投与量が、これらの組成物を投与される患者に投与されることができるように処方されうる。
任意の特定の患者についての特定の投与量及び治療レジメンは、様々な要因、例えば、年齢、体重、一般的な健康状態、性別、食事、投与時間、排泄速度、薬剤の組み合わせ、治療医の判断、及び増殖性疾病又は障害に関連付けられた症状の重篤度を包含する上記の様々な要因、に依存するであろうことがまた理解されるべきである。該組成物中の提供される化合物の量がまた、該組成物中の特定の化合物に依存するであろう。
本明細書において記載された化合物又は組成物は、本明細書において企図されているような症状の処置又は重症度の軽減の為に有効な任意の量及び任意の投与経路を用いて投与されうる。正確な必要量は、対象の種、年齢、及び一般状態、感染の重症度、特定の薬剤、その投与様式等に依存して、該対象によって異なるであろう。提供される化合物は好ましくは、投与の容易さ及び投与量の均一性の為に単位剤形に製剤化される。本明細書において使用される場合に、表現「単位剤形」は、処置されるべき患者の為に適切な薬剤の物理的に離れた単位を云う。しかしながら、本開示の化合物及び組成物の1日当たりの総使用量は、健全な医学的判断の範囲内で主治医によって決定されることが理解されるであろう。
本開示の医薬的に許容される組成物は、処置される感染の重症度に依存して、ヒト及び他の動物に、経口的に、直腸的に、非経口的に、腹腔内に、局所的に(粉末、軟膏、又は滴下による)、頬に、経口スプレー又は鼻スプレー等として投与されることができる。或る実施態様において、提供される化合物は、所望の治療効果を得る為に、1日当たり、対象の体重の、約0.01mg/kg~約50mg/kg、好ましくは約1mg/kg~約25mg/kg、の投与量で、1日1回又は複数回、経口的又は非経口的に投与されうる。
本明細書の化合物及び組成物の1日の総使用量は、健全な医学的判断の範囲内で主治医によって決定されることができることが理解されるであろう。単回投与又は分割投与で対象に投与される本明細書の化合物の1日総阻害用量は、例えば、0.01~50mg/kg体重、より通常は0.1~25mg/kg体重、の量でありうる。単回投与組成物は、1日投与量を構成する為に、そのような量又はその倍数を含みうる。1つの実施態様において、本明細書に従う治療レジメンは、そのような処置を必要とする患者に、1日当たり約10mg~約1000mgの本明細書の1以上の化合物を単回投与又は複数回投与することを含む。
処置されるべき疾病又は障害に依存して、追加の治療剤がまた、本開示の組成物中に存在してもよく、又は投与レジメンの一部、例えば追加の化学療法剤、として別個に投与されてもよい。本発明の化合物と組み合わせて使用されることができる追加の治療薬の非限定的な例は、抗増殖性化合物、例えばアロマターゼ阻害剤;抗エストロゲン剤;抗アンドロゲン剤;ゴナドレリンアゴニスト;トポイソメラーゼI阻害剤;トポイソメラーゼII阻害剤;微小管活性剤;アルキル化剤;レチノイド、カロテノイド、トコフェロール;シクロオキシゲナーゼ阻害剤;MMP阻害剤;代謝拮抗剤;プラチン化合物;メチオニンアミノペプチダーゼ阻害剤;ビスホスホネート;抗増殖抗体;ヘパラナーゼ阻害剤;Ras発癌性アイソフォームの阻害剤;テロメラーゼ阻害剤;プロテアソーム阻害剤;血液悪性腫瘍の処置において使用される化合物;キネシンスピンドルタンパク質阻害剤;Hsp90阻害剤;mTOR阻害剤;PI3K阻害剤;Flt-3阻害剤;CDK4/6阻害剤;HER2吸入剤(ハーセプチン(Herceptin)、トラスツズマブ(Trastuzumab));EGFR阻害剤(イレッサ(Iressa)、タルセバ(Tarceva)、ネルリンクス(Nerlynx)、タイケルブ(Tykerb)、アービタックス(Erbitux));RAS阻害剤;MEK阻害剤(トラメチニブ(Trametinib)、ビニメチニブ(Binimetinib)、コビメチニブ(Cobimetinib));ERK阻害剤(ウリキセルチニブ(Ulixertinib));抗PD-1抗体(オプジーボ(Opdivo))、(キイトルーダ(Keytruda));抗CTLA4抗体(ヤーボイ(Yervoy));抗腫瘍抗生物質;ニトロソウレア;タンパク質若しくは脂質キナーゼ活性を標的とする/低下させる化合物、又はタンパク質若しくは脂質ホスファターゼ活性を標的とする/低下させる化合物、又は更なる抗血管新生化合物を包含する。
該処置はまた、他の処置又は介入、例えば、手術、放射線治療(例えば、ガンマ線照射、中性子線照射、電子線照射、陽子線治療、ブラキセラピー(brachytherapy)及び全身性放射性同位元素)、生物学的反応修飾剤(biologic response modifier)(例えば、インターフェロン、インターロイキン、腫瘍壊死因子(TNF:tumor necrosis factor))、及び副作用を軽減する為に使用される薬剤、で補完されてもよい。
本明細書における変形についての実施態様の記載は、任意の単一の実施態様として、又は任意の他の実施態様若しくはその一部との組み合わせとしての実施態様を包含する。本明細書における実施態様の記載は、任意の単一の実施態様として、又は任意の他の実施態様若しくはその一部との組み合わせとしての実施態様を包含する。
実施例
略語のリスト:
Ac:アセチル
AcOEt又はEtOAc:酢酸エチル
AcOH:酢酸
Ar:アリール
ATCC:アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection)
ATP:アデノシン三リン酸
BINOL:[1,1'-ビナフタレン]-2,2'-ジオール
Boc:tert-ブチルオキシカルボニル
BOP:(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
br:ブロード
BSA:牛血清アルブミン(bovine serum albumin)
CCL:癌細胞株(cancer cell lines)
CDCl3:重水素化クロロホルム
DCE:1,2-ジクロロエタン
DCM:ジクロロメタン
DIEA(又は、DIPEA):N,N-ジイソプロピルエチルアミン(ヒューニッヒ塩基(Huenig’s base)
DME:1,2-ジメトキシエタン
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
DMSO-d6:重水素化ジメチルスルホキシド
DTT:ジチオスレイトール
EA:酢酸エチル
EC50:半最大有効濃度(half-maximal effective concentration)
ECL:高められた化学発光(enhanced chemiluminescence)
EDTA:エチレンジアミン四酢酸
Et2O:ジエチルエーテル
EtOH:エタノール
Eu:ユーロピウム(Europium)
FBS:ウシ胎児血清
GST:グルタチオンS-トランスフェラーゼ
HATU:O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’,-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HEPES:4-(2-ヒドロキエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸
Het:ヘテロ環
Hex:ヘキサン
HRMS:高分解能質量分析(high resolution mass spectrometry)
HPLC:高速液体クロマトグラフィー(high performance liquid chromatography)
HRP:西洋ワサビペルオキシダーゼ(horseradish peroxidase)
IC50:半最大阻害濃度(half-maximal inhibitory concentration)
IPA:イソプロパノール
iPrOH:イソプロパノール
LCMS:液体クロマトグラフィー質量分析計(liquid chromatography mass spectrometry)
MeCN:アセトニトリル
MS:質量分析(mass spectrometry)
NMP:N-メチルピロリドン
NMR:核磁気共鳴(nuclear magnetic resonance)
ON:一晩
PBS:リン酸緩衝生理食塩水
pERK:リン酸化細胞外シグナル調節キナーゼ(phosphorylated extracellular signal-regulated kinase)
PMB:パラ-メトキシベンジル
PMSF:フェニルメチルスルホニル-フルオリド
Rf:リテンション・ファクター(retention factor)
RPMI-1640:ロズウェル・パーク記念研究所培地(Roswell Park Memorial Institute medium)
RT:室温
SDS:ドデシル硫酸ナトリウム
SDS-PAGE:ドデシル硫酸ナトリウム-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(sodium dodecyl-sulfate-polyacrylamide gel electrophoresis)
SEM:トリメチルシリルエトキシメチル
SNAr:求核芳香族置換(Nucleophilic aromatic substitution)
TBST:0.2%のTween(登録商標)-20を含むトリス緩衝生理食塩水
TBTU:O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート
TEV:タバコエッチウイルスプロテアーゼ(tobacco etch virus protease)
TFA:トリフルオロ酢酸
THF:テトラヒドロフラン
TLC:シリカゲル薄層クロマトグラフィー
Ts:パラ-トルエンスルホネート
Y最小:投与量-活性曲線の最小データ点(minimal data point of a dosage-activity curve)
下記の非限定的な実施例は例示的な実施態様であり、本発明の範囲を更に限定するものとして解釈されるべきでない。これらの例は、添付の図を参照することにより、より良く理解されるであろう。
本明細書の下記に示されている実施例は、或る例示的な化合物について得られた合成及び実験結果を提供する。当業者に周知であるように、反応は、反応成分を空気及び湿気から保護する為に、必要に応じて不活性雰囲気(窒素又はアルゴン)中で行われる。温度は摂氏(℃)で示されている。溶液のパーセンテージと比は、特に断りのない限り、体積対体積の関係を表す。下記の実施例において使用される反応物は、本明細書において記載されている通りに入手されてもよく、又は本明細書において記載されていない場合、それ自体が市販されているか、又は当技術分野において知られている方法によって市販の材料から調製されてもよい。フラッシュクロマトグラフィーは、市販の順相シリカを用いて、Teledyne Isco Rf Combiflash装置を用いて254nmでシリカ(SiO2)上で行われる。質量分析は、エレクトロスプレー質量分析計を用いて記録される。NMRは、400MHzのVarian装置で記録された。
分取HPLCは、Agilentの装置を用い、Phenomenex-Kinetex C18,(21x100mm,5μm)カラムを用い、流速20mL/分(RT)、及びUV検出は220nm及び254nmで行われた。移動相は、特に断りのない限り、溶媒A(5%のMeOH、95%の水+0.1%のギ酸)と溶媒B(95%のMeOH、5%の水+0.1%のギ酸)とからなる。本明細書中に明記されている場合に、両溶媒において0.1%ギ酸の代わりに0.05%のTFA又は0.1%のAcOH又はその他の添加剤が使用されることがあった。本明細書中に明記されているように、より困難な分離には、両移動相においてMeOHの代わりにMeCNが使用された。特定のグラジエント条件は下記の実施例において提供されているが、下記が代表的なものである:T(0)→T(3分)は、化合物の極性に依存して10~50%の溶媒Bを用い、アイソクラティックに行い、その後12分間100%溶媒Bにグラジエントされ、最後の5分間は100%溶媒Bであった。
LCMS分析はAgilentの装置で行われた。液体クロマトグラフィーは、Phenomenex Kinetex C18カラム(2.6μm;100Å;3X30mm)で、流速1.5mL/分(RT)、UV検出220nm及び254nmで行われた。移動相は溶媒A(95%のH2O/5%のMeOH/0.1%のAcOH)と溶媒B(95%のMeOH/5%のH2O/0.1%のAcOH)からなり、下記のグラジエントを使用した:T(0)100%A→T(0.5分)100%B→アイソクラティック100%B→T(2分)。MS検出は、ポジティブモードとネガティブモードとの両方でAPCI検出を用いて並行して行われた。
別段の指示がない限り、本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される成分の量、反応条件、濃度、特性、安定性等を表す全ての数値は、全ての場合において語「約」によって修飾されているとして理解される。少なくとも、各数値パラメータは、少なくとも、報告された有効数字の桁数を考慮し、通常の四捨五入技術を適用して解釈されるべきである。従って、反対の指示がない限り、本明細書及び添付の特許請求の範囲に記載された数値パラメータは、得ようとする特性に応じて変化しうる近似値である。実施態様の広範な範囲を示す数値範囲及びパラメータが近似値であるにもかかわらず、具体例に記載された数値は、可能な限り正確に報告されている。しかしながら、どのような数値であっても、実験、試験測定、統計分析等のばらつきに起因する或る誤差を本質的に含む。
合成、生物学的活性、及び特性の例を示す:
本明細書において定義された化合物は全て、表3~表5において示された方法に従って調製された。質量分析及びNMRによる特性評価データが、実施例の各々について提供される。化合物は、生物学的実験のセクションにおいて記載されたアッセイで試験された。生物学的データの報告の為に使用された慣例は、夫々の表の脚注として提供されている。
合成方法A:
市販の2,6-ジフルオロ-3-ニトロ安息香酸A-1(合成方法A)が、J.Med.Chem.2003,46,1905に記載された手順に従って、クリチウス反応(Curtius reaction)を介してカルバメートA-2に転化されることができる。水素ガス及び触媒、例えば、パラジウム金属炭素(palladium metal on carbon)又は水酸化パラジウム炭素(palladium hydroxide on carbon)(パールマンの(Pearlman’s)触媒)を使用してニトロアレーンA-2を触媒水素化分解することにより、アニリンA-3が与えられた。アニリンA-3をスルホニル化剤、例えばスルホニルクロリド、と、溶媒として使用されることができる有機塩基、例えばピリジン、の存在下で、触媒、例えば、4-ジメチルアミノピリジン、の存在下又は非存在下で、及び追加の溶媒、例えば、ジクロロメタン又はテトラヒドロフラン、の存在下で、スルホンアミド中間体A-4が与えられ、該スルホンアミド中間体A-4は、強酸(例えば、ジオキサン中の無水塩酸の溶液)を使用して、アニリン塩、例えば化合物A-5、に脱保護されることができる。代替的には、2,6-ジフルオロアニリンA-6は、アセチル化剤、例えば無水酢酸、を使用してそのアセトアニリドA-7に転化されることができ、そして、国際公開第WO2012/101238A1号パンフレットにおいて記載されたモノ保護されたジアニリンA-8に転化される。スルホンアミドA-9へのスルホニル化は、カルバメートA-3をスルホンアミドA-4へ有機塩基、例えばピリジン、の存在下、触媒、例えば、4-ジメチルアミノピリジン、及び溶媒、例えばジクロロメタン又はテトラヒドロフラン、の有無に拘わらず、スルホニル化試薬を使用して転化する為に使用される同様の条件下で達成される。共溶媒、例えばアルコール、の存在下で、アセトアニリドA-9を塩酸水性液で処理することにより、アニリン塩A-5が提供される。
市販の3-アミノ-6-クロロ-2-ピリジンカルボキサミドA-10は、J.Med.Chem.2014,57,3484において記載された手順を適用することによって、ピリドピリミジノンA-11へと変換され、そして、J.Med.Chem.2014,57,3484において記載された手順にまた沿って、塩素化剤、例えば、塩化チオニル又は塩化ホスホリル、を使用して、触媒量のDMFの存在下で、ジクロロ誘導体A-12に転化される。
国際公開第WO2012/101238A1号パンフレットに記載されている手順と同様の手順に沿って、中間体A-13は、ジクロロピリジンA-12をアニリン塩A-5と有機酸、例えば酢酸、中で加熱することによって得られることができる。次に、N-結合ヘテロ環を含む一般構造W-Iの最終阻害剤が、クロロピリジンA-13中間体を、遊離NH基、例えば、イミダゾール、トリアゾール、ピラゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、インドール、インダゾール等を含むヘテロ環と、触媒量の銅粉末、配位子(例えば、BINOL)及び無機塩基、例えば炭酸セシウム、の存在下、溶媒、例えば、DMSO又はN-メチルピロリドン(NMP)の存在下、加熱することによって得られる。場合によっては、銅粉末及び該配位子の存在は必要でなく、及びカップリングは、典型的なSNAr条件下、上記された塩基及び溶媒と同一の塩基及び溶媒の存在下、80℃~140℃の温度で加熱することによって行われる。
合成方法B:
一般構造W-Iの阻害剤を構築する為の代替的な方法が、方法Bによって提供される。出発物質として方法Aに記載されている同じ中間体A-2を使用して、3-ニトロアニリン塩B-1が、酸性条件(例えば、ジオキサン又はトリフルオロ酢酸中、無水塩化水素の溶液を使用)下、カルバメート保護基の開裂によって得られることができる。国際公開第WO2012/101238A1号パンフレットにおいて記載された同様の条件を使用して、アニリン塩B-1がジクロロ-ピリドピリミジンA-12と反応して、中間体B-2が提供される。ニトロ基を対応するアニリンB-3へ還元することは、アルコール系溶媒中、金属塩、例えば塩化スズ(II)、を使用して行われる。次に、クロロピリジンB-3中間体を、遊離NH基、例えば、イミダゾール、トリアゾール、ピラゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、インドール、インダゾール等を含むヘテロ環と、触媒量の銅粉末、配位子(例えば、BINOL)及び無機塩基、例えば炭酸セシウム、の存在下、溶媒、例えばDMSO又はN-メチルピロリドン、中で加熱することにより、ピリジン環上にN-結合ヘテロ環を含むアニリンB-4が提供される。最後に、アニリン-4は、スルホニル化剤、例えばスルホニルクロリド、を使用して、有機塩基、例えばピリジン、の存在下、触媒、例えば4-ジメチルアミノピリジン、及び溶媒、例えばジクロロメタン又はテトラヒドロフラン、の有無に拘わらず、N-結合ヘテロ環を含む一般式W-Iの阻害剤に転化されることができる。
合成方法C:
ピリジン環の2位でC-結合アリール又はヘテロ環を含むW-II型の阻害剤が、典型的な鈴木-宮浦プロトコルに沿って、クロロピリジンA-13を、アリール、又はヘテロアリールボロン酸及びボロン酸エステルを含む誘導体と金属触媒によるクロスカップリングすることによって得られることができる。無機水性塩基、例えば炭酸ナトリウム若しくは炭酸カリウム又はリン酸カリウム、が、溶媒、例えば1,4-ジオキサン又は1,2-ジメトキシエタン(DME)中、70~110℃の温度で、通常の熱条件又はマイクロ波照射下、塩基として使用されることができる。代替的には、有機スズ種が、有機塩基、例えばトリエチルアミン、の存在下、典型的なスティル(Stille)カップリングプロトコルに沿って同様の条件下で、使用されることができる。
合成方法D:
合成方法Aにおいて記載されたプロトコルを使用して、クロロピリジンA-13が3-インドール又は3-インダゾールカルボン酸のメチルエステルにカップリングされて、無機水酸化物、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又は水酸化リチウムの水性液を使用してケン化後に、中間体D-1又はD-2を夫々提供する。次に、カルボン酸D-1及びD-2は、アミド結合の為の典型的な手順(例えば、溶媒、例えば、NMP、DMF、THF又はDMSO、の溶媒中、周囲温度で、有機塩基、例えばDIEA又はトリエチルアミン、の存在下、BOP、HATU又はTBTU等)を使用して、1級アミン及び2級アミンと反応させた。アミン試薬上の官能基がアミド結合形成の条件下で反応性である場合(例えば、加のアミン官能基)、その反応性置換基が保護され(例えば、tert-ブチルカルバメートとして)、そして保護基が最終工程として取り除かれて、式W-IIIの所望の阻害剤を得ることができる。
合成方法E:
ブロモベンズイミダゾールE-2は、国際公開第WO2004/076411号パンフレットに記載されているように、3-ブロモ-1,2-フェニレンジアミンE-1をギ酸と反応させ、そして、アプロティック溶媒中、例えばTHF中、強塩基、例えば、無機水素化物とアルキルリチウム(例えば、tert-ブチルリチウム)との組み合わせ、及びホルミル化剤、例えばDMF、を使用して、低温でホルミル化されて、ホルミルベンズイミダゾールE-3を提供することができる。ベンズイミダゾールE-3をクロロピリジンA-13とカップリングさせることは、方法Aの一般的なプロトコル下で行われ、アルデヒド中間体E-4が提供される。アルデヒド中間体E-4をアミンと、標準的な還元的アミノ化条件(例えば、弱有機酸、例えばAcOH、の存在下、還元剤、例えば無機水素化ホウ素又はシアノ水素化ホウ素、を使用)下で反応させることにより、一般的な合成方法Eにおいて示されている一般式W-IVの阻害剤が提供される。
合成方法F:
ブロモベンズイミダゾールE-2は市販されているか、又は一般的な方法E(工程1)の下で記載されているように調製されることができる。ヘテロアリールボロン酸又はボロン酸エステルへのクロスカップリングは、塩基、例えば炭酸ナトリウム若しくは炭酸カリウム、の存在下、溶媒、例えばジオキサン又はジメトキシエタン及び水、中で、パラジウム触媒による鈴木-宮浦クロスカップリング条件下で実行されて、中間体F-1が提供されることができる。次に、置換されたベンズイミダゾール誘導体F-1をクロロピリジンA-13とカップリングさせることは、方法Aの一般的なプロトコルの下で実行されて、一般構造W-Vの阻害剤が提供されることができる。
合成方法G:
N-トシルで保護されたインドール-3-スルホニルクロリドG-1(Chemical and Pharmaceutical Bulletin 2009,57,591において記載された手順によって調製された)が、溶媒中、例えばTHF中、三級塩基、例えばDIEA又はリエチルアミン、の存在下で、1級アミン又は2級アミンと反応させて、水性無機塩基、例えばKOH、で処置することに応じてトシル保護基を除いた後に、中間体であるスルホンアミドG-2が提供される。次に、一般構造W-VIの最終阻害剤が、スルホンアミドG-2をクロロピリジンA-13中間体と、前述されている通常の条件下で加熱することによって得られる。
合成方法H:
3-インドールチオシアネートH-1(Phosphorus,Sulfur and Silicon and the Related Elements 2014,189,1378において記載されている手順に沿って調製された)が、還元剤、例えば、硫化ナトリウム非水和物、を使用して、対応するスルフィド塩に還元され、そして、ハロゲン化アルキルを用いて単離すること無しに直接アルキル化されて、スルフィド中間体H-2が提供される。次に、スルフィド中間体H-2は、酸化剤、例えば3-クロロパーオキシ安息香酸、を用いてスルホン中間体H-3に転化される。次に、一般構造W-VIIの最終阻害剤は、インドールスルホンH-3をクロロピリジンA-13中間体と、前述されている通常の条件下で加熱することによって得られた。
合成方法I:
市販の3-フルオロ-2-ニトロアニリンI-1の明るい赤色の溶液が、溶媒中、例えば、MeCN、DMSO又はNMP中、無機塩基、例えば炭酸カリウム、又は有機塩基、例えばDIEA、の存在下、1級アミン又は2級アミンと反応させられ、熱又はマイクロ波条件下で、40℃~120℃の温度に加熱されることに応じて、中間体I-2が提供される。中間体I-2のニトロ基を還元することが、塩化アンモニウムの存在下、40℃~80℃の温度で、アルコール系溶媒中、例えばイソプロパノール中、金属、例えばFe又はZn、を使用して達成されることができる。次に、1,2-フェニレンジアミン中間体(J-1を参照)が、40℃~80℃の温度で、ギ酸と加熱することに応じて、所望のベンズイミダゾール中間体I-3に直接転化される。次に、一般構造W-VIIIの最終阻害剤が、ベンズイミダゾールI-3をクロロピリジンA-13中間体と、前述されている通常の条件下で加熱されることによって得られる。
合成方法J:
合成方法Iの下で記載されたようにして得られたニトロアニリンI-2は、アルコール系溶媒中、例えばイソプロパノール中、金属、例えばFe又はZn、を使用して、塩化アンモニウムの存在下、40℃~80℃の温度で、1,2-フェニレンジアミンI-1に還元される。次に、1,2-フェニレンジアミン中間体(J-1を参照)は、酸性条件(例えば、AcOH)下、無機亜硝酸塩、例えば亜硝酸ナトリウム、と処置されることに応じて、所望のベンゾトリアゾール中間体J-2に転化される。次に、一般構造W-IXの最終阻害剤は、中間体I-3を、クロロピリジンA-13中間体と、前述されている通常の条件下で加熱することによって得られる。
上記された一般的な合成手順に該当しないか又は部分的にしか該当しないところの阻害剤を調製する為の手順が、以下において具体的に記載されている。
スルホニルクロリド:
下記のスルホニルクロライドは商業的供給源から入手され、そしてそのまま使用された:4-メトキシベンゼンスルホニルクロリド、2,4-ジクロロベンゼンスルホニルクロリド、2,4-ジメチルベンゼンスルホニルクロリド、2-クロロベンゼンスルホニルクロリド、2-メチルベンゼンスルホニルクロリド、4-エチルベンゼンスルホニルクロリド、2-シアノベンゼンスルホニルクロリド、2,4-ジメトキシベンゼンスルホニルクロリド、2-トリフルオロメチルベンゼンスルホニルクロリド、3-クロロベンゼンスルホニルクロリド、3-メチルベンゼンスルホニルクロリド、2,3-ジクロロベンゼンスルホニルクロリド、3-クロロ-2-メチルベンゼンスルホニルクロリド、2-ブロモベンゼンスルホニルクロリド、2-クロロ-4-フルオロベンゼンスルホニルクロリド、2-クロロ-6-フルオロベンゼンスルホニルクロリド、2,5-ジクロロベンゼンスルホニルクロリド、2,5-ジメチルベンゼンスルホニルクロリド、2-クロロ-6-メチルベンゼンスルホニルクロリド、3-フルオロ-2-メチルベンゼンスルホニルクロリド、2-クロロ-4-メチルベンゼンスルホニルクロリド、1,3-ベンゾジオキソール-5-スルホニルクロリド、2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)-ベンゼンスルホニルクロリド、2-メチル-4-ニトロベンゼンスルホニルクロリド、2-(ジフルオロメチル)ベンゼンスルホニルクロリド。
他のスルホニルクロリドが、下記に記載されているように、文献の手順を使用することによって又は文献の手順を適合させることによって調製された。
2-フルオロ-4-メトキシベンゼンスルホニルクロリド:
欧州特許出願公開第EP2752410A1号明細書において記載された手順に沿って、2-フルオロ-4-メトキシアニリン(1.00g,7.1mmol)がアセトニトリル(25mL)中に溶解され、そして、濃塩酸(10mL)が加えられた。混合物が、氷塩浴中、0℃に冷やされた。次に、水(1mL)中、NaNO2(0.59g,8.5mmol)の溶液が少しずつ加えられ、そして、混合物が1.5時間、0℃で撹拌された(懸濁物中、少量の白色固体を有する淡褐色溶液)。結果として得られた混合物に、AcOH(12mL)が加えられ、そして、10分間、0℃で撹拌後に、NaHSO3(7.37g,10当量,71mmol)が添加された。5分間の撹拌後、塩化Cu(II)(0.96g,1当量)及びCuCl(70mg,0.1当量)が添加され、そして、緑色の懸濁物が氷浴中で撹拌され、1時間掛けて温度を室温まで上昇させた後に、それは、更に18時間、室温で撹拌された(TLC Rf:0.45,2:1のヘキサン/EtOAc中)。次に、反応混合物が水(100mL)中に注がれ、そして、EtOAcで抽出された。抽出物が水で洗われ、MgSO4で乾燥され、そして、溶離液として1:1のhex/EAを使用して、シリカゲル(15mL)のパッドを通じて濾過された。減圧下で揮発性物質を除去することにより、1.22gの澄んだ淡褐色の油が与えられた(TLCは、水性ワークアップ(Work-up)の後に、より極性の高い未同定の不純物の存在を示した)。1H NMR(CDCl3) δ:7.88(t,J=8.6Hz,1H),6.76~6.93(m,2H),3.93(s,3H)。均一性 1H NMRにより~70%。
4-クロロ-2-メチルベンゼンスルホニルクロリド:
Acta Crystallographica Section E 2009,65(4),o800に記載されている手順に沿って、メタ-クロロトルエンのクロロスルホニル化によって調製された。メタ-クロロトルエン(1mL)がCHCl3(4mL)中に溶解され、そして、溶液が氷浴中で冷やされた。HClガスがゆっくりと発生する中、クロロスルホン酸(2.5mL)が15分間掛けて滴下された。完了後、反応混合物が室温まで温められた。TLCは、出発物質がなくなり(Rf=0.8,8:2のhex/EA中)、そして、多少尾を引く新しいスポット(Rf=0.7,8:2のhex/EA中)が形成されたことを示す。反応混合物が氷(50mL)上に注がれ、DCM(15mL)が加えられ、そして、生成物有機相が分離され、冷水で洗われ、乾燥(MgSO4)され、そして、無色のオイル(0.87g)に濃縮され、それは更なる精製無しに使用された:1H NMR(CDCl3) δ:8.01(d,J=8.6Hz,1H),7.43(s,1H),7.40(dd,J=8.6,2.0Hz,1H),2.78(s,3H)。
下記のスルホニルクロライドが、下記に記載されているように、幾つかの修正を加えた同様の手順を使用して調製された。
4-メトキシ-2-メチルベンゼンスルホニルクロリド:
3-メトキシトルエン(6.00g)がCHCl3(30mL)中に溶解され、そして、溶液が、-35℃(浴温)に冷やされた。クロロスルホン酸(15mL)が、20分間掛けて滴下された(HCl/SO2ガスの発生は顕著でない)。次に、透明な溶液が、15分間、-30~-25℃で撹拌された(ガスの発生は認められなかった)。反応混合物が、氷(50mL)上に注意深く注がれ、DCM(50mL)が加えられ、そして、わずかに乳白色の生成物有機相が分離され、冷水で洗われ、乾燥(MgSO4)され、そして、真空下で無色のオイルに濃縮された(8.28g,76%の収率)。NMRは、単一の異性体の存在を示す:1H NMR(CDCl3) δ:8.01(d,J=8.6Hz,1H),6.72~6.95(m,2H),3.90(s,3H),2.75(s,3H)。
2-クロロ-4-メトキシベンゼンスルホニルクロリド:
3-クロロアニソール(1.00g)がCHCl3(4mL)中に溶解され、そして、溶液が約-35℃に冷やされた。CHCl3(2mL)中のクロロスルホン酸(2.5mL)が15分間掛けて滴下された。完了後、TLCによってベースライン物質のみがあった(SM Rf=0.8、8:2のhex/EA中)。反応混合物を室温まで温めることに応じて、ガス発生が認められ、そして、異性体生成物が、TLCによって洗われた(Rf=0.30及び0.25,8:2のhex/EA中)。室温で、30分間撹拌後、白色の析出物が形成し始めた。反応混合物が氷(50mL)上に注がれ、DCM(15mL)が加えられ、そして、有機生成物相が分離され、冷水で洗われ、乾燥(MgSO4)され、そして、無色のオイルに濃縮され、静置して、白色の針として結晶化された(0.89g)。1H NMRは、60:40の比で2つの異性体の混合物を示し、それは、溶離液として、8:2のヘキサン/EtOAcを使用して、シリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーによって分離された。所望の異性体(より極性):1H NMR(CDCl3) δ:7.90(d,J=8.6Hz,1H),7.04~7.19(m,2H),4.08(s,3H)。
2,3-ジメチルベンゼンスルホニルクロリド:
国際公開第WO2003/055478号パンフレットに記載されているように、o-キシレンのクロロスルホニル化の後に、マイナーな異性体として単離された。1H NMR(CDCl3) δ:7.96(d,J=7.8Hz,1H),7.52(d,J=7.4Hz,1H),7.30(t,J=7.8Hz,1H),2.71(s,3H),2.41(s,3H)。
3-フルオロ-2-メチル-4-メトキシベンゼンスルホニルクロリド:
工程1:アセトン(50mL)中、2-フルオロ-3-メチルフェノール(4.32mL,39.7mmol)の溶液に、炭酸カリウム(6.58g,47.6mmol)、引き続き、ヨードメタン(2.75mL,43.7mmol)が添加された。次に、反応混合物が、一晩、60℃で還流された。次に、反応混合物が室温まで冷やされ、濾過され(2x10mLのアセトンで洗われた)、そして、減圧下で濃縮された。粗生成物が、水(30mL)及びEtOAc(2x50mL)から抽出された。次に、有機層が、分離され、Na2SO4で乾燥され、濾過され、そして、減圧下で濃縮された。残渣が、0~5%のEtOAc/ヘキサンを使用して、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製されて、無色透明液体(5.30g,95%の収率)として、2-フルオロ-3-メチルアニソールが与えられた:1H NMR(CDCl3) δ:6.95(td,J=8.0,1.4Hz,1H),6.85~6.71(m,2H),3.87(s,3H),2.28(d,J=2.3Hz,3H)。
工程2:DCM(5.6mL)中、工程1からの2-フルオロ-3-メチルアニソール(1.00g,7.13mmol)の溶液に、DCM(5.6mL)中、クロロスルホン酸(1.13mL,16.5mmol)の溶液が5分掛けて添加された。粘稠な液体層を含む淡い褐色の反応混合物が、室温で、10分間撹拌され、そして次に、水(10mL)及び氷(5g)内に注がれることによってクエンチされた。水性層が、DCM(2x10mL)で抽出され、Na2SO4で乾燥され、濾過され、そして、減圧下で濃縮されて、無色の液体として、所望のスルホニルクロリド(1.70g,100%の収率)が与えられた:1H NMR(CDCl3) δ:7.87(dd,J=9.0,1.8Hz,1H),6.97~6.86(m,1H),3.97(s,3H),2.66(d,J=2.8Hz,3H)。
3-クロロ-2-メチル-4-メトキシベンゼンスルホニルクロリド:
3-フルオロ-2-メチル-4-メトキシベンゼンスルホニルクロリドと同様の手順(工程1)に沿って、2-クロロ-3-メチルフェノールから出発して、2-クロロ-3-メチルアニソールが、無色の液体として定量的収率で得られた:1H NMR(CDCl3) δ:7.12(t,J=7.9Hz,1H),6.87~6.83(m,1H),6.79(d,J=8.2Hz,1H),3.89(s,3H),2.38(s,3H)。
3-フルオロ-2-メチル-4-メトキシベンゼンスルホニルクロリド(工程2)について記載されているようにクロロスルホン酸で処理されることにより、所望の3-クロロ-2-メチル-4-メトキシベンゼンスルホニルクロリドを、96%の収率で、無色の液体として得た:1H NMR(CDCl3) δ:8.02(d,J=9.1Hz,1H),6.90(d,J=9.1Hz,1H),4.00(s,3H),2.83(s,3H)。
2-エチルベンゼンスルホニルクロリド:
2-エチルベンゼンチオール(1.46mL,10.3mmol)及びKCl(776mg,10.3mmol)が水(38mL)中に溶解され、そして、オキソン(登録商標)(15.8g,25.8mmol)が少量ずつ添加された。1時間、室温で撹拌後、LCMS分析によって反応が完了していると見なされ、そして、反応混合物がEtOAc(4x5mL)で抽出された。該抽出物は、乾燥(Na2SO4)され、そして減圧下で濃縮され、白色結晶性固体(1.43g,68%の収率)が与えられ、それは、そのまま使用された:1H NMR(CDCl3) δ:8.07(dd,J=8.1,1.3Hz,1H),7.66(td,J=7.6,1.3Hz,1H),7.49(d,J=7.7Hz,1H),7.45~7.38(m,1H),3.20(q,J=7.5Hz),1.36(t,J=7.5Hz)。
3-フルオロ-2-エチルベンゼンスルホニルクロリド:
工程1:2-ブロモ-6-フルオロベンズアルデヒド(6.00g,29.5mmol)が乾燥THF(60mL)中に溶解され、そして、溶液が、アルゴン雰囲気下、-78℃に冷やされた。臭化メチルマグネシウム(3.0M溶液,ジエチルエーテル中,13.4mL,40.3mmol)が滴下され、そして、混合物が、-78℃で、30分間撹拌された。次に、反応が10%塩酸(50mL)でクエンチされ、そして、生成物が、エーテル(2x50mL)内に抽出された。抽出物が、乾燥(MgSO4)され、そして濃縮され、そして、残渣が、溶離液として、ヘキサン中、10~30%のEtOAcを使用して、シリカゲル上のCombiflash(登録商標)によって精製されて、無色のオイルとして、所望のアルコール誘導体が与えられた(6.20g,96%の収率):1H NMR(CDCl3) δ:7.35(ddd,J=7.9,3.1,2.0Hz,1H),7.16~6.99(m,2H),5.35(q,J=6.7Hz,1H),1.61(dd,J=6.8,1.1Hz,3H)。
工程2:塩化インジウム(III)(412mg,1.83mmol)がDCM(40mL)中に懸濁され、そして、クロロジイソプロピルシラン(8.42mL,49.3mmol)が添加された。DCM(8mL)中、工程1からのアルコール(4.00g,18.3mmol)が添加され、そして、混合物が、3時間、室温で撹拌されて、透明な溶液が与えられた。反応混合物が水(50mL)でクエンチされ、ジエチルエーテル(3x20mL)で抽出され、塩水で洗われ、そして乾燥(MgSO4)された。溶離液としてヘキサンを使用して、フラッシュクロマトグラフィーによって濃縮及び精製されて、出発アルコールのシリル化されたエーテルが提供された。
物質がDCE(41mL)中に溶解され、そして、クロロジイソプロピルシラン(0.78mL,4.6mmol)及び塩化インジウム(III)(103mg,4.6mmol)が添加された。混合物が、3時間、80℃で撹拌された。周囲温度に冷やされた後、反応混合物がヘキサン(100mL)で希釈され、水(100mL)で洗われ、そして、水性層が、ヘキサン(2x50mL)で逆抽出された。一緒にされた有機相が、乾燥(Na2SO4)され、そして濃縮されて無色のオイルが与えられ、それは、溶離液としてヘキサンを使用して、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製されて、無色のオイルとして2-ブロモ-6-フルオロ-エチルベンゼン(3.71g,100%)が与えられた:1H-NMR(CDCl3) δ:7.32(d,J=7.8Hz,1H),7.11~6.91(m,2H),2.82(dq,J=7.5,2.2Hz,2H),1.20~1.15(m,3H)。
工程3:工程2からの臭化アリール(3.71g,18.3mmol)が、トルエン(60mL)中に溶解され、そして、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(6.40mL,36.5mmol)が添加された。次に、溶液が、窒素で排気及び逆充填するサイクルを3回繰り返して脱気した。トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(836mg,0.9mmol)、4,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン(1.08g,1.83mmol)及び2-エチルヘキシル-3-メルカプトプロピオネート(4.59mL,19.2mmol)が添加され、そして、混合物が2回脱気された後、一晩、窒素雰囲気下で還流された。次に、反応混合物が、室温まで冷やされ、水(50mL)でクエンチされ、そして、EtOAc(2x50mL)で抽出された。一緒にされた有機相が、10%塩酸水性液(75mL)で洗われ、そして、乾燥(Na2SO4)された。減圧下で濃縮され、そして、溶離液としてヘキサン中の0~15%のEtOAcを使用してフラッシュクロマトグラフィーによって残渣を精製することにより、幾分か未反応の出発チオールで汚染された所望のスルフィド中間体(4.00g)を橙色のオイルとして与えた。この物質は、次の工程においてそのまま使用された。
工程4:工程3からの粗スルフィド誘導体(4.00g,11.7mmolと推定)がTHF(41mL)中に溶解され、そして、tert-ブトキシドカリウム(1.0M,THF中,14.1mL,14.1mmol)が滴下された。結果として得られた溶液が、室温で、1時間撹拌された。次に、反応が、飽和NH4Cl水性液(40mL)の添加によってクエンチされ、そして、EtOAc(2x30mL)で抽出された。一緒にされた有機相が濃縮され、そして、濃い橙色の残渣が、洗浄の為にヘキサンを用いてシリカゲルの小パッドに通されて、チオールとジスルフィドとの混合物(1.50g)が与えられ、それは、次の工程においてそのまま使用された(注意:悪臭)。
工程5:工程4からのチオフェノールとジスルフィドとの粗混合物(1.50g,9.6mmolと推定)及びKCl(723mg,9.6mmol)が水(40mL)中に懸濁され、そして、オキソン(登録商標)(14.8g,24mmol)が少しずつ加えられた。1時間、室温で撹拌後、反応混合物がEtOAc(2x20mL)で抽出され、そして、抽出物が、乾燥(Na2SO4)され、そして、減圧下で濃縮されて、粗スルホニルクロリドが与えられ、それは、対応するフラグメントA-5及びアニリンA-8(下記の表1を参照)を調製する為にそのまま使用された。
3-クロロ-2-エチルベンゼンスルホニルクロリド:
スルホニルクロリドが、3-フルオロ-2-エチルベンゼンスルホニルクロリドと同じ手順に沿って調製されたが、2-ブロモ-6-クロロベンズアルデヒドから出発した。
工程1(98%の収率,白色固体として):1H NMR(CDCl3) δ:7.49(dd,J=8.0,1.2Hz,1H),7.33(dd,J=8.0,1.2Hz,1H),7.05(t,J=8.0Hz,1H),5.58(q,J=6.9Hz,1H),1.64(d,J=6.9Hz,3H)。
工程2(100%の収率,無色のオイルとして):1H-NMR(CDCl3) δ:7.43(dd,J=8.0,1.2Hz,1H),7.29(dd,J=8.0,1.2Hz,1H),6.96(t,J=8.0Hz,1H),2.97(q,J=7.5Hz,2H),1.17(t,J=7.5Hz,3H)。
工程3(81%の収率,橙色のオイルとして):1H-NMR(CDCl3) δ:7.24~7.18(m,2H),7.08(t,J=7.9Hz,1H),4.07~3.96(m,2H),3.17(t,J=7.4Hz,2H),2.96(q,J=7.5Hz,2H),2.64(t,J=7.4Hz,2H),1.56(dd,J=11.9,5.8Hz,2H),1.40~1.21(m,9H),1.16(t,J=7.5Hz,3H),0.89(t,J=7.4Hz,6H)。
工程4(99%の収率,無色の液体として):1H-NMR(CDCl3) δ:7.15(d,J=7.9Hz,2H),6.97~6.92(m,1H),3.41(s,1H),2.87(q,J=7.5Hz,2H),1.18(t,J=7.5Hz,3H)。
工程5(粗物質,精製すること無しに使用された):1H-NMR(CDCl3) δ:8.03(dd,J=8.2,1.3Hz,1H),7.73(dd,J=8.0.1.3Hz,1H),7.37(t,J=8.1Hz,1H),3.30(q,J=7.4Hz,2H),1.33(t,J=7.4Hz,3H)。
2-メチル-3-(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニルクロリド:
スルホニルクロリドが、3-フルオロ-2-エチルベンゼンスルホニルクロリドと同じ手順に沿って調製されたが、市販の2-メチル-3-(トリフルオロメチル)ブロモベンゼンから出発した。
工程3(100%の収率,橙色のオイルとして):1H-NMR(CDCl3) δ:7.49(d,J=7.9Hz,2H),7.26~7.19(m,1H),4.06~4.00(m,2H),3.18(dd,J=9.1,5.6Hz,2H),2.65(dd,J=9.2,5.6Hz,2H),2.50(d,J=1.3Hz,3H),1.33~1.23(m,11H),0.88(td,J=7.4,2.3Hz,6H)。
工程4(定量的収率,無色のオイルとして):1H-NMR(CDCl3) δ:7.43(dd,J=7.9,2.2Hz,2H),7.12(t,J=7.8Hz,1H),3.42(s,1H),2.43(s,3H)。
工程5(定量的収率,白色固体として):1H-NMR(CDCl3) δ:8.31(d,J=8.1Hz,1H),8.00(t,J=7.7Hz,1H),7.55(dd,J=15.6,7.6Hz,1H),2.93(s,3H)。
臭化アリールからスルホニルクロリドを調製する為の一般的手順:
工程1:臭化アリール1(1.00mmol)が、トルエン(1.70mL)中に希釈された。混合物が、溶液を通じた窒素バブリングで、5分間脱気された。トリス(ジベンジリデンアセトン)-ジパラジウム(0)(0.02mmol)、4,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン(0.04mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(2.0mmol)が添加され、そして次に、混合物が、再び、5分間脱気された。次に、ベンジルメルカプタン(1mmol)が添加され、そして、結果として得られた混合物が、還流で、一晩加熱された(油浴,T=115℃)。完了後、反応物が、室温まで冷やされ、EtOAc(20mL)で希釈され、そして、H2O(20mL)でクエンチされた。水性層がEtOAc(2x20mL)で抽出された。一緒にされた有機層が、塩水(50.0mL)で洗われ、乾燥(Na2SO4)され、濾過され、そして、減圧下で濃縮された。粗生成物が、フラッシュクロマトグラフィー(0~10%のEtOAc,ヘキサン中,35mL/分,生成物が100%のヘキサンで溶出された)によって更に精製された。関心のある画分が集められ、そして、減圧下で濃縮されて、標記の化合物2が与えられた。
工程2:化合物2(1.00mmol)が、酢酸(1.90mL)中に溶解され、そして、H2O(0.65mL)が加えられて、不均一溶液が与えられた。N-クロロスクシンイミド(4.00mmol)が、少しずつ加えられた。反応物が撹拌され、そしてLCMSによって監視された(サンプルが、N-メチルピペラジンでクエンチされた)。反応の終了後、混合物が減圧下で濃縮された。結果として得られた混合物が、ガス放出を生じる飽和NaHCO3水性液内へとゆっくりと注がれた。混合物が、EtOAc(2x75mL)で抽出された。一緒にされた有機層が、塩水で洗われ、乾燥(Na2SO4)され、濾過され、そして、減圧下で濃縮された。粗化合物が、順相クロマトグラフィー(0~40%のEtOAc,ヘキサン中,60mL/分,生成物が100%のヘキサンで出てきた)によって更に精製された。関心のある画分が集められ、そして、減圧下で濃縮されて、標記の化合物3が与えられた。
2-クロロ-3-メチルベンゼンスルホニルクロリド:
スルホニルクロリドが一般的手順に沿って、市販の1-ブロモ-2-クロロ-3-メチルベンゼンから出発して調製された。
ベンジル(2-クロロ-3-メチルフェニル)スルフィド:黄色の固体,51%の収率,95%の純度(220nmで)。(ES-)M-H=247.2;1H NMR(400MHz,CDCl3) δ7.39~7.35(m,2H),7.33~7.28(m,2H),7.28~7.23(m,1H+CDCl3),7.11~7.03(m,3H),4.15(s,2H),2.38(s,3H)。
2-クロロ-3-メチルベンゼンスルホニルクロリド:淡黄色のオイル,70%の収率,60%の純度(254nmで)。LCMS:LCMSサンプルが、N-メチルピペラジンでクエンチされた(結果として得られたスルホンアミド,MW=288.8),(ES+)M+H=289.2。粗生成物として使用された。
3-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニルクロリド:
スルホニルクロリドが、一般的手順に沿って、市販の1-ブロモ-3-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)ベンゼンから出発して調製された。
ベンジル(3-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)スルフィド:黄色のオイル,66%の収率,98%の純度(254nmで)。(ES-)M-H=285.2。
3-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニルクロリド:淡黄色のオイル,93%の収率,98%の純度(254nmで)LCMS:LCMSサンプルが、N-メチルピペラジンでクエンチされた(結果として得られたスルホンアミドMW=326.1),(ES+)M+H=327.1。
3-クロロ-2-(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニルクロリド:
スルホニルクロリドが一般的手順に沿って、市販の1-ブロモ-3-クロロ-2-(トリフルオロメチル)ベンゼンから出発して調製された。
ベンジル(3-クロロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)スルフィド:白色固体,59%の収率,90%の純度(220nmで)。(ES-)M-H=301.2;1H NMR(400MHz,CDCl3) δ7.46~7.14(m,8H+CDCl3),4.16(s,2H)。
3-クロロ-2-(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニルクロリド:無色のオイル,66%の収率。LCMS:LCMSサンプルが、N-メチルピペラジンでクエンチされた(結果として得られたスルホンアミド,MW=343.5),(ES+)M+H=343.2。粗生成物として使用された。
3,4-ジフルオロ-2-メチルベンゼンスルホニルクロリド:
スルホニルクロリドが一般的手順に沿って、市販の1-ブロモ-3-クロロ-2-(トリフルオロメチル)ベンゼンから出発して調製された。
ベンジル(3,4-ジフルオロ-2-メチルフェニル)スルフィド:橙色のオイル,96%の収率,96%の純度(254nmで)。(ES-)M-H=249.2;1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ7.32~7.17(m,7H),4.16(s,2H),2.18(d,J=2.7Hz,3H)。
3,4-ジフルオロ-2-メチルベンゼンスルホニルクロリド:淡黄色のオイル,49%の収率。LCMS:LCMSサンプルが、N-メチルピペラジンでクエンチされた(結果として得られたスルホンアミド,MW=290.3),(ES+)M+H=291.2;1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ7.56(ddd,J=8.4,5.5,1.8Hz,1H),7.15(dd,J=18.4,8.4Hz,1H),2.46(d,J=2.8Hz,3H)。
2,4-ジメチル-3-フルオロベンゼンスルホニルクロリド:
スルホニルクロリドが一般的手順に沿って、市販の1-ブロモ-2,4-ジメチル-3-フルオロベンゼンから出発して調製された。
ベンジル(3-フルオロ-2,4-ジメチルフェニル)スルフィド:橙色のオイル,粗生成物の95%の収率,80%の純度(254nmで)。粗生成物として使用された。
3-フルオロ-2,4-ジメチルベンゼン-1-スルホニルクロリド:橙色のオイル,粗生成物の89%の収率,74%の純度(254nmで)。LCMS:LCMSサンプルが、N-メチルピペラジンでクエンチされた(結果として得られたスルホンアミド,MW=286.4),(ES+)M+H=287.1。粗生成物として使用された。
2-メチルピリジン-3-スルホニルクロリド:
スルホニルクロリドが一般的手順に沿って、市販の3-ブロモ-2-メチルピリジンから出発して調製された。
3-(ベンジルチオ)-2-メチルピリジン:橙色の液体,88%の収率,94%の純度(220nmで)。(ES+)M+H=215.8,(ES-)M-H=214.1。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ8.30(dd,J=4.9,1.5Hz,1H),7.57~7.45(m,1H),7.31~7.27(m,5H),7.07(dd,J=7.6,5.1Hz,1H),4.09(s,2H),2.58(s,3H)。
2-メチルピリジン-3-スルホニルクロリド:淡黄色のオイル,100%の収率,95%の純度(254nmで)。LCMSサンプルが、H2Oで希釈された(結果として得られたスルホン酸,MW=173.1)(ES-)M-H=171.9;1H NMR(400MHz,CDCl3) δ8.80(dd,J=4.8,1.6Hz,1H),8.33(dd,J=8.1,1.7Hz,1H),7.43~7.36(m,1H),3.02(s,3H)。
6-メトキシ-4-メチルピリジン-3-スルホニルクロリド:
3-((6-メトキシ-4-メチルピリジン-3-イル)チオ)プロパン酸2-エチルヘキシル(2)の調製:5-ブロモ-2-メトキシ-4-メチルピリジン(6.00g,29.7mmol)が、トルエン(100mL)中に溶解され、そして、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(10.4mL,59.4mmol)が添加された。混合物が、溶液を通じた窒素バブリングで、5分間脱気された。トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(1.36g,1.49mmol)、4,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン(1.75g,2.97mmol)及び2-エチルヘキシル-3-メルカプトプロピオネート(7.47mL,31.2mmol)が添加された。該混合物が、再び、5分間脱気された。該混合物が、還流で、一晩加熱された(油浴,T=117℃)。反応物が、室温まで冷やされ、EtOAc(100mL)で希釈され、そして、H2O(100mL)でクエンチされた。有機層と水性層とが分離され、そして、該水性層がEtOAc(2x50.0mL)で抽出された。一緒にされた有機層が、HCl(10%,H2O中,50.0mL)で洗われ、乾燥(Na2SO4)され、濾過され、そして、減圧下で濃縮された。粗生成物が、フラッシュクロマトグラフィー(330gのシリカゲルカラム,EtOAc-ヘキサン,0~20%)によって精製されて、橙色のオイルとして標記の化合物が与えられた(10.0g,99%の収率)。(ES+)M+H=340.2;1H NMR(400MHz,CDCl3) δ8.19(s,1H),6.64(s,1H),3.99(dd,J=5.9,2.4Hz,2H),3.93(s,3H),2.96(t,J=7.3Hz,2H),2.55(t,J=7.3Hz,2H),2.42(d,J=0.5Hz,3H),1.56(dt,J=12.1,6.0Hz,1H),1.39~1.22(m,8H),0.88(m,6H)。
6-メトキシ-4-メチルピリジン-3-チオール(3)の調製:THF(105mL)中、化合物2(10.0g,29.5mmol)の-78℃の溶液に、t-ブトキシドカリウム(1.00M,THF中,35.3mL,35.3mmol)が滴下され、そして、析出物が形成された。結果として得られた懸濁物が、-78℃で、30分間撹拌された。反応物が、NH4Cl(50.0mL)の添加によってクエンチされ、そして、混合物が、CH2Cl2(2x50.0mL)で抽出された。一緒にされた有機層が、乾燥(Na2SO4)され、濾過され、そして、減圧下で濃縮されて、濃い橙色の液体が与えられた。粗生成物が、フラッシュクロマトグラフィー(100%のヘキサン)によって精製されて、標記の化合物とそのジスルフィドとの混合物(4.56g)が与えられ、それは、次の工程において、更なる精製無しに使用された。チオール3:(ES+)M+H=156.9、及びジスルフィド:Rt=1.92分,(ES+)M+H=309.0。
6-メトキシ-4-メチルピリジン-3-スルホニルクロリド(4)の調製:H2O(123mL)中、チオール3 (4.56g,29.4mmol)の混合物に、塩化カリウム(2.21g,29.3mmol)が添加され、引き続き、オキソン(45.2g,73.5mmol)が少しずつ加えられた。反応の終了後(1時間)、混合物がEtOAc(2×20.0mL)で抽出され、そして、一緒にされた有機層が、乾燥(Na2SO4)され、そして、減圧下で濃縮された。得られた粗生成物が、更なる如何なる精製も無しに使用された。
3-メチルピリジン-4-スルホニルクロリド:
工程1:4-ブロモピリジン(1.00mmol)が、トルエン(1.70mL)中に溶解され、そして、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(2.00mmol)が添加された。混合物が、溶液を通じた窒素バブリングで、5分間脱気された。トリス(ジベンジリデンアセトン)-ジパラジウム(0)(0.02mmol)、4,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン(0.04mmol)及びフェニルメタンチオール/ベンジルメルカプタン(1.00mmol)が添加された。混合物が、再び、5分間脱気された。該混合物が、還流で、18時間加熱された(油浴,T=115℃)。反応物が、室温まで冷やされ、EtOAc(10.0mL)で希釈され、そして、H2O(10.0mL)でクエンチされた。水性層と有機層とが分離され、そして、該水性層がEtOAc(2x10.0mL)で抽出され、そして、一緒にされた有機相がHCl(10%,H2O中,10.0mL)で洗われ、乾燥(Na2SO4)され、濾過され、そして、減圧下で濃縮された。粗生成物が、フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc-ヘキサン,10%~35%)によって精製されて、スルフィド2:(90%の収率)が与えられた。(ES+)M+H=216.1;1H NMR(400MHz,CDCl3) δ8.28(d,J=4.6,1H),8.24(s,1H),7.43~7.27(m,5H),7.20(t,J=5.4Hz,1H),4.25(s,2H),2.28(s,3H)。
工程2:化合物2(1.00mmol)が、CH2Cl2(11.5mL)中に溶解され、そして、-10℃に冷やされた。HCl(1.00M,H2O中,5.70mL)が加えられ、そして、-10℃で、5分間撹拌された。次亜塩素酸ナトリウム(10%溶液,H2O中,3.00mmol)が、温度を0℃未満に保ちながら、10分間掛けて添加された。混合物が、0℃で、10分間撹拌された。有機層と水性層とが分離された。有機層が、乾燥(Na2SO4)された。粗スルホニルクロリドが、次の工程において、更なる精製又はエバポレーションをすること無しに使用された:LCMSサンプルが、N-メチルピペラジンでクエンチされた(結果として得られたスルホンアミド,MW=255.3);(ES+)M+H+=256.2。
2,3-ジメチルピリジン-4-スルホニルクロリド:
3-メチルピリジン-4-スルホニルクロリドと同じ手順が、2,3-ジメチル-4-ブロモピリジンから出発して使用された。
工程1:4-(ベンジルチオ)-2,3-ジメチルピリジン(2):(92%の収率)。(ES+)M+H=230.2;1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:8.17(d,J=5.5Hz,1H),7.42~7.28(m,5H),6.99(d,J=5.5Hz,1H),4.18(s,2H),2.53(s,3H),2.24(s,3H)。
工程2:2,3-ジメチルピリジン-4-スルホニルクロリド(3):LCMSサンプルが、N-メチルピペラジンでクエンチされた(結果として得られたスルホンアミド,MW=269.3);(ES+)M+H+=270.2。
B49基のスルホニルクロリド:
工程1:EtOAc(20mL)中、市販のアミノピリジン(1.00g,4.27mmol)及びN-ベンジルカルバモイルクロリド(0.9421g,5.5546mmol)の溶液に、NaHCO3の飽和水溶液20mLが加えられた。溶液が、16時間、室温で撹拌された。完了に応じて、EtOAcが、反応混合物に添加され、そして、有機層が分離され、塩水で洗われ、MgSO4で乾燥され、次に、濾過され、そして濃縮された。残渣が、SiO2上に吸着され、次に、SiO2上で、ヘキサン中のEtOAcで精製されて、所望の保護されたアミノピリジン(1000mg,2.72mmol,64%)が与えられた。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ:10.35(s,1H),8.09(d,J=8.61Hz,1H),7.47(d,J=9.00Hz,1H),7.23~7.44(m,4H),5.16(s,2H),2.53(s,3H)。MS m/z 369.2(MH+)。
工程2:トルエン(15mL)中、工程1からのヨードピリジン(0.61g,1.66mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)-ジパラジウム(0)クロロホルム付加物(86mg,0.0828mmol)、9,9-ジメチル-9h-キサンテン-4,5-ジイル)ビス(ジフェニルホスフィン(96mg,0.166mmol)、DIPEA(0.576mL,3.31mmol)及びベンジルメルカプタン(0.233mL,1.99mmol)の脱ガスされた溶液が、N2下、115℃で、3時間撹拌された。完了後、SiO2が反応混合物に添加され、そして、真空下で濃縮された。残渣が、SiO2カラム上で、ヘキサン中のEtOAcで精製されて、予想されたスルフィド(560mg,93%)が与えられた。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:7.71(d,J=8.61Hz,1H),7.54(d,J=8.61Hz,1H),7.46(br.s.,1H),7.31~7.43(m,5H),7.19~7.26(m,2H),7.12~7.19(m,2H),5.22(s,2H),3.96(s,2H),2.41(s,3H)。MS m/z 365.2(MH+)。
工程3:水(16mL)中の90%AcOH中、工程2からのスルフィド(300mg,0.823mmol)の溶液に、N-クロロスクシンイミド(330mg,2.47mmol)が添加された。反応混合物が、室温で、3時間撹拌された。反応混合物が、蒸発乾固され、次にEtOAcで希釈され、そして、水で洗われ、引き続き塩水で洗われた。有機層が、MgSO4で乾燥され、濾過され、そして、真空下で濃縮されて、所望のスルホニルクロリドB49が与えられ(282mg,99%)、それは、そのまま使用された:1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:8.28(d,J=9.00Hz,1H),8.02(d,J=9.00Hz,1H),7.72(br.s.,H),7.34~7.60(m,5H),5.27(s,2H),2.86(s,3H)。MS m/z 341.2(MH+)。
2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-スルホニルクロリド:
塩化チオニル(5.96mL)が、水(30mL)に20分間掛けて滴下され、そして、混合物が、48時間、室温で撹拌されて、二酸化硫黄含有溶液として生成した。別の容器中に、2,2,-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-アミン(1.00g,5.78mmol)が、氷冷された濃塩酸(7mL)に滴下されて、白色の析出物を生成した。水(2mL)中、亜硝酸ナトリウム(523mg,7.5mmol)の溶液が、アニリン塩酸塩に5分間掛けて滴下されて、橙色の反応混合物を生成した。次に、橙色の懸濁物が、10mgの塩化第一銅が予め添加されている上記からの二酸化硫黄溶液に、5℃で徐々に加えられた。混合物が、氷浴中で更に2時間撹拌された(ガス発生が観察され、そして、橙色の液体がフラスコの底に堆積される)。完了がLCMS分析によって決定された後に、反応混合物が、DCM(2x20mL)で抽出され、乾燥(Na2SO4)され、濾過され、そして、橙色のオイルとして所望のスルホニルクロリドが与えられ、それは、更なる精製無しに使用された(100%の粗生成物の収率):1H-NMR(400MHz,CDCl3) δ7.65(dd,J=8.4,1.1Hz,1H),7.44(dd,J=8.1,1.1Hz,1H),7.32(t,J=8.2Hz,1H)。
4-クロロ-3-フルオロ-2-メチルベンゼンスルホニルクロリド:
N-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)ピバルアミド(2)の調製:3-フルオロ-2-メチルアニリン(10.9mL,93.0mmol)の0℃のTHF(240mL)溶液に、トリエチルアミン(14.9mL,106mmol)が加えられ、引き続き、塩化ピバロイル(13.1mL,105mmol)が10分掛けて添加された。混合物が、室温まで温められ、そして、2時間撹拌された。揮発性物質が減圧下で蒸発され、そして、残渣が、H2O(250mL)とEtOAc(150mL)との間で分配された。有機層と水性層とが分離された。水性層が、EtOAc(4x60mL)で抽出された。一緒にされた有機層が塩水(60mL)で洗われ、乾燥(Na2SO4)され、そして、減圧下で濃縮されて、固体として、標記の化合物(18.5g,95%の収率)が与えられた。(ES+)M+H=210.2。
N-(4-クロロ-3-フルオロ-2-メチルフェニル)ピバルアミド(3)の調製:化合物2(4.20g,20.1mmol)の室温でのDMF(50.0mL)に、N-クロロスクシンイミド(2.76g,20.1mmol)が10分掛けて添加された(3回に分けて)。混合物が、80℃で、90分間加熱された。追加のN-クロロスクシンイミド(541mg,4.01mmol)が添加され、そして、これが、45分間、80℃で撹拌された。混合物が、室温まで冷やされ、そして、EtOAc(30mL)及び水(60mL)で希釈された。有機層と水性層とが分離された。水性層が、EtOAc(3x20mL)で抽出された。一緒にされた有機層が、H2O(3x30mL)、塩水(20.0mL)で洗われ、乾燥(Na2SO4)され、そして、減圧下で濃縮されて、粗化合物(5.20g)が与えられた。粗生成物が、シクロヘキサン(30mL)中に溶解され、そして、全ての固体が溶解されるまで、45~50℃で加熱された。溶液が室温まで冷やされ、析出した白色固体が濾過され、そして、シクロヘキサン(3x5mL)で洗われて、固体として標記の化合物(1.95g,40%の収率)が与えられた。(ES+)M+H=244.1。
4-クロロ-3-フルオロ-2-メチルアニリン(4)の調製:化合物3(1.60g,6.57mmol)の室温でのジオキサン(18mL)溶液に、HCl(6.00M,水中,23mL,138mmol)が5分間掛けて添加された。混合物が、100℃で、20時間加熱された。混合物が、室温まで冷やされた。固体のK2CO3(発熱性)が、pH=8~9が得られるまで少しずつ加えられた。混合物が、EtOAc(4x20mL)で抽出された。一緒にされた有機層が、塩水(20mL)で洗われ、乾燥(Na2SO4)され、そして、減圧下で濃縮されて、1.6gの粗生成物が与えられ、それは、真空下で、24時間乾燥されて、オイルとして標記の化合物(850mg,81%の収率)が与えられた。これは、次の反応において、更なる精製無しに使用された。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ6.99(t,J=8.3Hz,1H),6.40(d,J=8.6Hz,1H),2.22~2.06(m,3H)。
4-クロロ-3-フルオロ-2-メチルベンゼン-1-スルホニルクロリド(5)の調製:氷冷下、塩化チオニル(29.1mL,395mmol)が、H2O(92.1mL)に、20分間掛けて滴下された。二酸化硫黄を含有するこの溶液は、0℃で、2時間撹拌され、そして、室温で、18時間撹拌された。これとは別に、HCl(濃)(23mL)が、化合物4(3.00g,18.8mmol)に、0℃で、少しずつ加えられてベージュ色の析出物が与えられた。これは、0℃で、5分間撹拌された。H2O(2mL)中、亜硝酸ナトリウム(1.70g,24.4mmol)の溶液が、約10分間掛けて滴下された。塩化銅(I)(38.4mg,376μmol)を含有する上記された二酸化硫黄溶液が、反応混合物に、5℃で、40分掛けて、ゆっくりと添加された。氷冷下、混合物が、2時間更に撹拌され、そして次に、室温で、4日間撹拌された。混合物が、CH2Cl2(20mL)で希釈された。水性層と有機層とが分離された。水性層が、CH2Cl2(3x20mL)で抽出された。一緒にされた有機層が、乾燥(Na2SO4)され、濾過され、そして濃縮されて、オイルとして粗化合物5(1.95g,30%の収率,70%の純度)が与えられた。粗生成物が、次の工程において、更なる精製無しに使用された。LCMS:LCMSサンプルが、N-メチルピペラジンでクエンチされた(結果として得られたスルホンアミド,MW=306.784);(ES+)M+H=307.1;1H NMR(400MHz,CDCl3) δ7.81(d,J=8.4Hz,1H),7.46(t,J=7.5Hz,1H),2.69(s,3H)。
3-メチル-2-チオフェニルスルホニルクロリド:
米国特許第3,991,081号明細書において記載されたように、3-メチルチオフェンのクロロスルホニル化によって調製された。1H NMR(CDCl3) δ:7.67(d,J=5.1Hz,1H),7.03(d,J=5.1Hz,1H),2.63(s,3H)。
3-クロロ-2-チオフェニルスルホニルクロリド:
3-クロロチオフェン(1.00g)がCHCl3(10mL)中に溶解され、そして、溶液が-30℃に冷やされた。クロロスルホン酸(2.4mL)が、5分間掛けて滴下された(ガスの発生は顕著でない)。次に、橙褐色の溶液が、30分間撹拌され、温度が-10℃まで上昇され、更に30分掛けて室温まで上昇された。次に、反応混合物が室温で、2時間撹拌された(ガスの発生は認められず、TLCは、生成物の形成を示す(Rf=0.4,8:2のhex/EA中))。反応混合物が、氷上に(50mL)注がれ、DCM(25mL)が加えられ、そして、乳白色の生成物有機相が分離され、冷水で洗われ、乾燥(MgSO4)され、そして、黄色のオイルに濃縮され、それは、真空下で乾燥され、そして、更なる精製無しに使用された(0.55g)。1H NMR(CDCl3) δ:7.76(d,J=5.7Hz,1H),7.16(d,J=5.7Hz,1H)。
4-クロロ-3-メチルチオフェン-2-スルホニルクロリド:
3-クロロ-4-メチルチオフェンの調製:100mLのフラスコ中に、塩化銅(I)(5.76g,56.5mmol)が、DMF(20.1mL)中の3-ブロモ-4-メチルチオフェン(3.16mL,28.2mmol)に、室温で添加された。これは、160℃で、油浴中、24時間加熱された。粗生成物が、H2O(50mL)上で注がれた。結果として得られた混合物が、10分間、室温で撹拌された。形成された茶緑色の固体が、濾過され、水(3x10.0mL)及びEt2O(4x10.0mL)で洗われた。濾液が、Et2O(3x25.0mL)で抽出された。一緒にされた有機層が、H2O(2x20.0mL)、塩水(20.0mL)で洗われ、乾燥(Na2SO4)され、そして、減圧下で濃縮され、橙色のオイル(0.890g,粗生成物の59%の収率)が与えられた。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ7.09(d,J=3.5Hz,1H),6.99~6.95(m,1H),2.22~2.21(m,3H)。
4-クロロ-3-メチルチオフェン-2-スルホニルクロリドの調製:3-クロロ-4-メチルチオフェン(1.00g,7.54mmol)がCHCl3(4.43mL)中に溶解され、そして、CHCl3(1.48mL)中のクロロスルホン酸(1.19mL,17.3mmol)の溶液が、5分間掛けて、室温で加えられた。混合物が、10分間撹拌された。五塩化リン(4.13g,18.9mmol)が反応混合物に加えられ、引き続き、CHCl3(7.50mL)が加えられた。これは、50℃で、1時間加熱された。反応混合物が、NaHCO3水溶液+氷(30mL)にゆっくりと加えられた。これは、10分間撹拌された。CH2Cl2(4x10mL)で抽出された。一緒にされた有機層が、乾燥(Na2SO4)され、減圧下で濃縮されて、オイルとして標記の化合物(1.30g,30%の収率,40%の純度)が与えられた。これは、次の反応において、更なる精製無しに使用された。LCMS:LCMSサンプルが、N-メチルピペラジンでクエンチされた;(ES+)M+H=295.1;1H NMR(400MHz,CDCl3) δ7.57(s,1H),2.57(s,3H)。
3,4-ジクロロチオフェン-2-スルホニルクロリド:
3,4-ジクロロチオフェンの調製:100mLのフラスコにおいて、塩化銅(I)(13.9g,137mmol)が、DMF(32mL)中、3,4-ジブロモチオフェン(5.03mL,45.5mmol)に、室温で添加された。これは、160℃で、油浴中、24時間加熱された。粗生成物が、H2O(100mL)上に注がれ、そして、Et2O(60mL)で希釈された。混合物が、10分間、室温で撹拌された。形成された茶緑色の固体が、濾過され、H2O(3x20mL)、次にEt2O(4x20mL)で洗われた。濾液が、Et2O(4x30mL)で抽出された。一緒にされた有機層が、H2O(2x30mL)、塩水(30mL)で洗われ、乾燥(MgSO4)され、そして、減圧下で濃縮されて、赤いオイルとして標記の化合物2(5.50g,79%の収率)が与えられた。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ7.21(s,2H)。
3,4-ジクロロチオフェン-2-スルホニルクロリドの調製:化合物2(1.61g,10.5mmol)のCHCl3(5.98mL)溶液に、CHCl3(1.99mL)中、クロロスルホン酸(757μL,11.0mmol)の溶液が5分間掛けて添加された。混合物が、20分間、室温で撹拌された。五塩化リン(5.77g,26.3mmol)が、混合物に4回に分けて添加された。混合物が、50℃で、18時間加熱された。揮発性物質が減圧下で除去され、そして、残渣が、CH2Cl2(25mL)中に溶解され、飽和NaHCO3水性液(3x15mL)、H2O(3x10mL)及び塩水(10mL)で洗われた。有機層が、乾燥(Na2SO4)され、そして、減圧下で濃縮されて、標記の化合物3(2.32g,88%の収率)が与えられた。LCMS:LCMSサンプルが、N-メチルピペラジンでクエンチされた(結果として得られたスルホンアミド,MW=315.240);(ES+)M+H=315.1。
(3R)-3-メトキシ-1-ピロリジンスルホニルクロリド:
(R)-3-メトキシピロリジン塩酸塩(0.30g,2.1mmol)が、4mLのトルエンと2mLのDCMとの混合物中に懸濁された。トリエチルアミン(0.64mL,4.6mmol)が加えられ、そして、混合物が、4~5分間超音波処理され、微細な白色懸濁物が与えられた。別のフラスコにおいて、4mLのトルエンが、アセトニトリル/ドライアイス浴中、-40℃に冷やされた。塩化スルフリル(0.71mL,8.7mmol)が添加され、そして、溶液が5分間撹拌された。次に、ピロリジン懸濁物が、冷(-40℃)塩化スルフリル溶液に、10分間掛けて滴下された。結果として得られた懸濁物が、同じ温度で、1時間掛けて撹拌され、そして次に、室温まで温められた。固形物が濾別され、そして、トルエンですすがれた。濾液が濃縮されて、淡い褐色のオイルとして所望の生成物(0.40g)が与えられ、それは、更なる精製無しに使用された。1H NMR(CDCl3) δ:4.07(tt,J=4.6,2.1Hz,1H),3.48~3.69(m,4H),3.36(s,3H),2.12~2.23(m,1H),1.98~2.12(m,1H)。
一般的な合成方法A:tert-ブチルカルバメートA-2からのジフルオロアニリン塩酸塩中間体A-5(Ar=4-メトキシフェニル)の調製
工程1-アニリン中間体A-3の調製:ニトロアレーンA-2(5.00g,18mmol,J.Med.Chem.2003,46,1905において記載された手順に沿って調製された)及び炭素上の20%のPd(OH)2(130mg)がMeOH(50mL)中に懸濁され、そして、TLC分析(Rf=0.45,2:1のヘキサン/EtOAc中)によって還元が完了したことを示した時点で、混合物が、水素含有バルーン下、18時間撹拌された。懸濁物が、セライト(Celite)(登録商標)のパッドを通じて濾過されて、洗浄の為にMeOHを使用して触媒が除去され、そして、溶媒が、減圧下で蒸発された。空気中に曝露されることに応じて、元々は無色の溶液が、非常に濃い緑がかった青色になった。粗中間体アニリンA-3が、濃い緑紫色の泡として得られ、それは次の工程において、更なる精製されること無しに直ちに用いられた:1H NMR(DMSO-d6) δ:8.58(s,1H),6.77(td,J=9.4,2.0Hz,1H),6.60(td,J=9.4,5.5Hz,1H),4.97(s,2H),1.43(s,9H)。
工程2-スルホンアミドA-4(Ar=4-メトキシフェニル)の調製:工程1からの粗アニリンA-3(18mmolと推定)が、THF(30mL)中に溶解され、そして、過剰の4-メトキシフェニルスルホニルクロリド(7.53g,36mmol)が添加され、続いて、ピリジン(6mL)が添加された。混合物が、50℃で、18時間撹拌された。THFが減圧下で除去され、そして、残渣が、EtOAcと水との間で分配された。抽出物が、飽和NaHCO3水性液及び塩水で洗われ、そして、MgSO4で乾燥された。乾燥剤スラリーが、洗浄の為にEtOAcを使用してシリカゲルのパッド75mLに通されて、乾燥剤及びベースライン物質が除去された。溶媒の除去により、褐色のオイルが与えられ、それは、溶離液として、ヘキサン中の20~50%のEtOAcを使用して、シリカ(~250mL)上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製された。真空下で乾燥後、生成物A-4が、1H NMRによって、2:1の比で、未反応のスルホニルクロリドに汚染された茶色がかった泡(8.16g)として得られた。物質が、次の工程において、そのまま直接使用された。:1H NMR(CDCl3) δ:7.68(d,J=9.0Hz,2H),7.41(td,J=8.8,5.5Hz,1H),6.85~6.98(m,3H),6.57(br.s,1H),5.85(br.s,1H),3.85(s,3H),1.46(s,9H)。MS m/z 413.0(M-H),m/z 313.0(M-H-Boc)。
工程3-アニリン塩酸塩A-5(Ar=4-メトキシフェニル)の調製:工程3からの粗カルバメートA-4(8.16g)が、ジオキサン(25mL)中の4N塩酸中、室温で、1.5時間撹拌され、その間に、ベージュ色の固体が徐々に析出した。1.5時間後、ジオキサン中の追加の10mLの4N塩酸が加えられ、そして、撹拌が、更に1時間続けられた。次に、反応混合物が50mLのジエチルエーテルで希釈され、そして、ベージュ色の析出物が濾過によって集められ、エーテルで洗われ、そして、真空下で乾燥された。アニリン塩A-5(4.38g)が、ニトロアレーンA-2からの全体収率68%で、純粋な形態で得られた:1H NMR(DMSO-d6) δ:9.73(s,1H),7.62(d,J=8.6Hz,2H),7.06(d,J=9.0Hz,2H),6.69~6.88(m,1H),6.30(td,J=8.6,5.5Hz,1H),3.81(s,3H)。MS m/z 313.0(M-H)。
一般的な合成方法A:アセトアニリドA-8からのジフルオロアニリン塩酸塩中間体A-5(Ar=2,3-ジクロロフェニル)の調製
アセトアニリドA-8の調製:アセトアニリドA-7が、Bioorg.Med.Chem.2016,24,2215において記載された文献の手順に沿って2,6-ジフルオロアニリンA-6を無水酢酸でアセチル化することによって調製されることができる。中間体A-7は、国際公開第WO2012/101238A1号パンフレットにおいて記載されているように、逐次ニトロ化、続いて、ニトロ基をアニリンに還元することによって、アセトアニリドA-8に転化される。
工程1-スルホンアミドA-9(Ar=2,3-ジクロロフェニル)の調製:アニリンA-8(8.50g,45.5mmol)がTHF(145mL)中に溶解され、そして、ピリジン(4当量、14.7mL)が、褐色の溶液に添加され、続いて、2,3-ジクロロベンゼンスルホニルクロリド(1.2当量,13.45g)が添加された。結果として得られた反応混合物が、45℃で、3.5時間撹拌され、その後、LCMSによって監視されることで転化が完了したと判断された。反応混合物が室温まで冷やされ、次に、EtOAc及び2-Me-THF(1:1)と水との間で分配された。pHがわずかに酸性になるまで、1N塩酸溶液が加えられた。有意な量のオフホワイトの固体が二相混合物中に存在し、そして、濾別された(1回目の収穫物)。濾液の層が分離され、そして、水性層がEtOAcで更に2回抽出された。一緒にされた有機抽出物が、水で1回、次に塩水で1回洗われ、MgSO4で乾燥され、濾過され、そして、~20mLに減るまで濃縮された。結果として得られた懸濁物が超音波処理され、そして、固形物が濾過によって集められ、そしてEtOHで洗われた(2回目の収穫物)。収穫物の両方が一緒にされ、そして減圧下で乾燥された。A-9(15.3g,85%の収率)がベージュ色の固体として得られ、それは、更なる精製無しに使用された:1H NMR(DMSO-d6) δ:10.61(s,1H),9.67(s,1H),7.95(dd,J=8.0,1.4Hz,1H),7.85(dd,J=8.0,1.4Hz,1H),7.51(t,J=8.0Hz,1H),7.05~7.18(m,2H),2.00(s,3H)。MS m/z 395.0(MH+)。
工程2-アニリン塩酸塩A-5(Ar=2,3-ジクロロフェニル)の調製:500mLの丸底フラスコにおいて、アセトアニリドA-9(7.00g,17.7mmol)がエタノール(65mL)中に懸濁され、そして、濃HCl及び水の1:1混合物(65mL)が加えられた。該フラスコに、栓付き還流冷却器が取り付けられ、そして、撹拌しながら、80℃で加熱された。24時間後、LCMSモニタリングによって判定した場合に、転化率は~70%であった。追加のEtOH(65mL)及び6N塩酸(65mL)が懸濁物に加えられ、そして、撹拌が80℃で更に7時間再開され、その後、LCMSは、所望のアニリンへの完全な転化を示した。反応混合物が、温かい間に、50mLの水で希釈され、そして、綿の栓を通じて濾過されて、少量の不溶物質が除去された。次に、それは、減圧下で濃縮乾固された。残渣が、減圧下で、トルエンを3回蒸発させることによって共沸乾燥され、次に、真空下で乾燥されて、黄色の固体の形態で、7.2gの所望の生成物A-5をそのHCl塩として与えた:1H NMR(DMSO-d6) δ:10.30(s,1H),7.93(dd,J=8.2,1.2Hz,1H),7.83(dd,J=8.0,1.4Hz,1H),7.49(t,J=8.0Hz,1H),6.68~6.96(m,1H),6.31(td,J=8.6,5.5Hz,1H)。MS m/z 350.9(M-H)。
下記のA-5中間体は、関連するスルホニルクロリドを用い、下記の表1において記載されているカルバメートA-2又はアセトアニリドA-8のいずれかを経由する同様の順序で調製された。
一般的な合成方法A-中間体A-5からの阻害剤W-Iの調製
工程1-ピリドピリミドンA-11の調製:J.Med.Chem.2014,57,3484において記載された手順を適合して、市販の3-アミノ-6-クロロピコリンアミドA-10(9.00g,52.5mmol)が、250mLの丸底フラスコ中の116mLのオルトギ酸トリエチル中に懸濁され、そして、褐色の懸濁物に、4-メチルベンゼンスルホン酸水和物(0.027g,0.14mmol)が添加された。栓がされていないフラスコを大気に開放して、混合物が、140℃に設定された油浴中で撹拌された。52時間後、LCMSが、出発物質の完全な消費を示した。ベージュ色の懸濁物が室温まで冷やされ、次に、減圧下で、~15~20mLのスラリーに濃縮された。次に、それは、20mLの1:1のEtOAc/Et2O混合物で希釈され、そして、超音波処理された。固形物が濾過によって集められ、10~15mLのEtOAc/Et2O混合物で洗われ、そして、真空下で乾燥されて、化合物A-11(6.73g,70%の収率)が与えられた:1H NMR(DMSO-d6) δ:12.74(br.s.,1H),8.20(s,1H),8.15(d,J=8.6Hz,1H),7.88(d,J=8.6Hz,1H)。MS m/z 182.0(MH+)。
工程2-ジクロロピリドピリミジンA-12の調製:J.Med.Chem.2014,57,3484に記載された手順に沿って、ピリミドンA-11(8.61g,47mmol)が、塩化チオニル(60mL)中に懸濁され、そして、混合物に、2滴のDMFが添加された。該フラスコに、還流冷却器が取り付けられ、そして、油浴中、80℃で、6時間加熱され、それにより、濃厚な糊状のスラリーが、約30分かけて暗褐色の溶液となった。LCMS分析により、出発物質が本質的に完全に消費されたことがわかった。室温まで冷やした後に、混合物が濃縮され、次に、減圧下で濃縮された。ベージュ色の固体として得られた化合物A-12(9.51g)が、更なる精製無しにそのまま使用された:1H NMR(CDCl3) δ:9.14(s,1H),8.35(d,J=9.0Hz,1H),7.87(d,J=9.0Hz,1H)。
工程3-クロロピリジン中間体A-13(Ar=4-メトキシフェニル)の調製:国際公開第WO2012/101238A1号パンフレットにおいて記載されている同様のプロトコルに沿って、粗ジクロロピリドピリミジンA-12(0.44g,2.2mmol,1.2当量)及びアニリン塩酸塩A-5(Ar=4-メトキシフェニル:0.65g,1.8mmol)が、酢酸(5mL)中に溶解され、そして、混合物が、50℃で、1時間撹拌された(LCMSは完全転化を示す)。反応混合物が、3倍容量の水で希釈され、そして、結果として得られたベージュ色の懸濁物が、30分間激しく撹拌され、そして次に、生成物が濾過によって集められ、水で洗われ、そして、真空下で乾燥され、クロロピリジンA-13(Ar=4-メトキシフェニル)がベージュ色の固体(0.88g)として得られた:1H NMR(DMSO-d6) δ:10.10(br.s,2H),8.50(s,1H),8.28(d,J=9.0Hz,1H),7.99(d,J=9.0Hz,1H),7.67(d,J=8.9Hz,2H),7.13~7.30(m,2H),7.09(d,J=9.0Hz,2H),3.81(s,3H)。MS m/z 478.0(MH+)。
下記のA-13クロロピリジン中間体が同様の方法で調製され、表2において記載されている。
工程4-実施例1(W-I:Ar=4-メトキシフェニル,Het=1-ベンズイミダゾリル)の調製:クロロピリジンA-13(Ar=4-メトキシフェニル;25mg,0.05mmol)、ベンズイミダゾール(11mg,0.09mmol,1.8当量)、銅粉末(0.3mg),ラセミBINOL(0.5mg)及び炭酸セシウム(2.3当量,39mg,0.12mmol)が4mLのバイアル中に秤量され、そして、DMSO(0.7mL)が添加された。該バイアルにキャップがされ、そして、混合物が125℃で、2時間撹拌された(暗橙褐色の溶液が生成される)。LCMSは、所望の生成物への完全転化を示す。反応混合物が、AcOH(200μL)で酸性化され、分取逆相HPLCに注入され、そして、30~100%のMeOH/0.05%のTFAグラジエントが使用された。凍結乾燥後、阻害剤1-TFA塩が、ベージュ色の粉末(17mg)として得られた。
同様の方法で調製された阻害剤の他の実施例が、下記の表3及び表4(方法A)において記載されている。
合成方法B(実施例8)を使用した阻害剤W-Iの合成:
工程1:カルバメートA-2(1.50g)が、ジオキサン中の4Mの塩酸溶液8.2mL中に溶解された。室温で、5分後、淡い褐色溶液が淡黄色の懸濁物になった。それが、16時間、撹拌された(LCMSは、所望の生成物への完全な転化を示した)。反応混合物は、減圧下で濃縮乾固され、そして、固形の残渣が、トルエン(2x)と共蒸発され、そして、真空下で乾燥された。結果として得られた淡緑色の固体(1.11g,97%の収率)は、更なる精製無しにそのまま使用された:1H NMR(DMSO-d6) δ:7.31(ddd,J=9.2,8.0,5.5Hz,1H),7.10~7.18(m,1H)。
工程2:工程1からのアニリンヒドロコリド塩B-1(600mg,2.85mmol)及びジクロロピリドピリミジンA-12(1.1当量,627mg,3.13mmol)が、AcOH(8mL)中に懸濁され、そして、50℃で、1.5時間撹拌され、その時点で、LCMSによって反応が完了していることが判った。暗褐色の溶液が、室温まで冷やされ、次に、30mLの氷/水内へとゆっくりと注がれた。氷が一旦溶けると、懸濁物が超音波処理され、そして、固形物が濾過によって集められ、そして、水で洗われた。真空下で乾燥後、クロロピリジンB-2(878mg,91%の収率)が、ベージュ色の固体として得られ、それは、更なる精製無しにそのまま使用された:1H NMR(DMSO-d6) δ:10.39(s,1H),8.61(s,1H),8.33(d,J=9.0Hz,1H),8.29(td,J=9.2,5.9Hz,1H),8.04(d,J=9.0Hz,1H),7.56(td,J=9.0,1.0Hz,1H)。MS m/z 338.0(MH+)。
工程3:ニトロアレーンB-2(875mg,2.6mmol)及び二塩化スズ(II)二水和物(5当量,2.92g,13mmol)が20mLのエタノール中に懸濁された。混合物が、60℃に加熱され、濃い橙色溶液が与えられ、そして、その温度で、2時間撹拌され、その時点で、LCMSによって反応が解析されて、完了していることが判った。混合物が、室温まで冷やされ、次に減圧下で濃縮されて、ほとんどのエタノールが除去された。濃縮物がEtOAc(150mL)へと取り込まれ、そして、1NのNaOH溶液が、2つのほぼ透明な層が得られるまで添加された。該層は分離され、そして、水性層が50mLのEtOAcで更に3回抽出された。一緒にされた有機層が水で洗われ、次に塩水で洗われ、MgSO4で乾燥され、濃縮され、そして、真空下で乾燥された。アニリンB-3(792mg,99%の収率)が淡褐黄色の固体として得られ、それは、更なる精製無しにそのまま使用された:1H NMR(DMSO-d6) δ:9.99(s,1H),8.53(s,1H),8.27(d,J=8.6Hz,1H),7.98(d,J=8.6Hz,1H),6.89(td,J=9.2,1.6Hz,1H),6.74(td,J=9.4,5.5Hz,1H),5.07(s,2H)。MS m/z 308.0(MH+)。
工程4-アニリンB-4(Het=1-ベンズイミダゾリル)の調製:クロロピリドピリミジンB-3(495mg,1.6mmol)が、50mLのフラスコ中に入れられ、そして、6mLのDMSO中に溶解された。次に、ベンズイミダゾール(1.15当量,220mg,1.85mmol)、炭酸セシウム(2.3当量,1.21g,3.7mmol)、銅粉末(0.01当量,1mg)及びBINOL(0.01当量,4.5mg)が添加された。結果として得られた暗色の混合物が、100℃で、2時間撹拌された。その時点でのLCMS分析は、~40%の転化が確認された。温度が120℃に上昇され、そして、混合物が、更に2時間撹拌され、その時点で、痕跡量のみの出発アニリンしか存在しなかった。混合物が、室温まで冷やされ、次に、1N塩酸で中和(pH7)された。次に、それは、水(75mL)とDCM(100mL)との間で分配された。撹拌後、~5gのセライト(celite)(登録商標)が茶色のエマルションに添加され、それはセライト(celite)(登録商標)のパッドを通じて濾過され、DCMで洗われた。濾液(透明な2層)が分液漏斗へと移され、そして、これらの層が分離された。水性層が、DCMで2回抽出されて、そして、一緒にされた有機層が、水で2回、そして塩水で1回洗われた。次に、有機部分が、MgSO4で乾燥され、濾過され、そして濃縮された。残渣が、DCM中、100%のDCM~40%のi-PrOHのグラジエントを使用して、24gのカラム上でフラッシュクロマトグラフィー(コンビフラッシュ(combiflash))によって精製された。適切な画分(Rf=0.25,1:9のi-PrOH/DCM中)が一緒にされ、そして濃縮されて、暗黄色の固体として、124mgの化合物B-4(Het=1-ベンズイミダゾリル)が与えられ、それは、所望の生成物と未反応のベンズイミダゾールとの1:1のモル混合物である。粗物質が、更なる精製をすること無しに、スルホニル化工程(下記の工程5)の為に使用された:1H NMR(DMSO-d6) δ:9.79(s,1H),9.39(s,1H),8.56(s,1H),8.52(d,J=9.4Hz,1H),8.47(d,J=9.0Hz,1H),8.39(d,J=7.8Hz,1H),7.83(d,J=7.4Hz,1H),7.37~7.49(m,2H),6.95(td,J=9.2,1.6Hz,1H),6.78(td,J=9.4,5.5Hz,1H),5.13(s,2H)。MS m/z 390.1(MH+)。
工程5(実施例8):2-クロロベンゼンスルホニルクロリド(2当量,26mg,0.12mmol)が4mLのバイアル中に秤量され、そして、0.5mLのTHF中に溶解された。次に、粗アニリンB-4(24mg,0.06mmol)が添加され、引き続き、ピリジン(6当量,30μL,0.37mmol)が添加された。結果として得られた混合物が、50℃で、18時間撹拌され、その時点で、LCMSによって、反応が完了していることが判った(混合物中には、出発物質を汚染した残留物であるベンズイミダゾールへのスルホニルクロリドの付加に対応する副生成物がまた存在する(MS m/z 293.0:MH+)。反応混合物が室温まで冷やされ、次に、0.2mLの酢酸の添加によってクエンチされ、そして、メタノールで2mLに希釈された。生成物が、分取HPLC(MeOH/H2O/0.1%のギ酸条件50%→100%メタノールのグラジエント)によって分離された。主なピークを含む画分がプールされ、そして部分的に濃縮されて、メタノールが除去された。結果として得られた懸濁物が、数ミリリットルのアセトニトリルを加えることによって溶解され、次に、溶液が、冷凍され、そして凍結乾燥された。ベージュ色の固体として、9.8mgの所望の生成物(実施例8)が得られた。
同様の方法で調製された阻害剤の他の実施例が、下記の表3及び表4(方法B)において記載されている。
合成方法C及び有機ホウ素試薬を用い、鈴木-宮浦クロスカップリングを通じた、阻害剤W-IIの合成(実施例71及び510):
2mLのマイクロ波バイアルに、30mg(1当量)のクロロピリドピリミジンA-13、2当量の6-メトキシピリジル-3-ボロン酸(19mg)及び4当量の無水炭酸カリウム(34mg)が入れられた。次に、DME(1.5mL)及び水(0.5mL)が加えられ、そして、窒素ガスが、混合物を通じて、2分間バブリングされた。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.05当量,3.5mg)が添加され、窒素ガスが、該混合物を通じて、更に2分間バブリングされ、そして、該バイアルが密閉された。次に、反応混合物が、マイクロ波で、1時間、90℃で照射された。その時点でのLCMS分析から、反応が完了したことが確認された。反応混合物が0.6mLの酢酸で処理され、そして、減圧下で、~0.5mLに濃縮された。次に、それは、メタノール及びDMSOで2mLに希釈され、濾過され、そして、分取HPLC(MeOH/H2O/0.1%のギ酸の条件,50%→100%メタノールのグラジエント)によって精製された。適切な画分が一緒にされ、そして部分的に濃縮されて、メタノールが除去された。結果として得られた懸濁物が数ミリリットルのアセトニトリルを加えることによって溶解され、次に、溶液が、冷凍され、そして凍結乾燥された。実施例71の阻害剤が、ベージュ色の固体(15mg)として得られた。
適切なクロロピリジンフラグメントA-13(表2)及び市販のボロン酸又はボロン酸エステルを使用して同様の方法で調製された阻害剤の他の実施例が、下記の表4における方法Cの下にリスト化されている。市販のボロン酸エステル、塩基として炭酸セシウム、触媒としてトランス-ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)-パラジウム(II)、及び溶媒としてジオキサンを使用して、実施例510の化合物の類似体が同様の方法で調製された。
合成方法C及び有機スズ試薬を用い、スティル(Stille)クロスカップリングを通じた、阻害剤W-IIの合成(実施例561):
工程1:N2下、THF(5mL)中、市販のブロミド(100mg,0.497mmol)の-78℃の溶液に、ヘキサン中、2.5MのnBuLiの溶液(0.24mL,0.597mmol)が添加され、そして、この温度で、30分間撹拌された。この後、トリ-n-ブチルスズクロリド(0.13mL,0.497mmol)が添加され、そして、結果として得られた溶液が30分間撹拌された。完了後、EtOAcが加えられ、そして、有機層が塩水で洗われ、次に、MgSO4で乾燥され、濾過され、そして、真空下で濃縮されて、有機スズ中間体(154mg,75%)を提供した。MS m/z 413.2(MH+)。
工程2:1:1のPhMe-DMF(0.5mL)中、工程1からの有機スズ試薬(40mg,0.0968mmol)、2,3-ジクロロ-N-[3-[(6-クロロピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イル)アミノ]-2,4-ジフルオロ-フェニル]ベンゼンスルホンアミド(50mg,0.0968mmol)、ヨウ化銅(I)(1.2mg,0.0290mmol)、(R)-(+)-2,2''-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1''-ビナフチル(12mg,0.0194mmol)及び1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(ii)ジクロリドジクロロメタン錯体(7.1mg,0.00968mmol)を入れられたバイアルが脱気され、そして、N2で3回パージされた。混合物が、90℃で、16時間、N2雰囲気下で撹拌された。完了後、反応混合物が、EtOAcで希釈され、次に、10%のKF水溶液で3回洗われ、続いて塩水で洗われた。有機層が、MgSO4で乾燥され、濾過され、そして、真空下で濃縮された。残渣が、0.1%のHCOOH水溶液中、ACNを用いて逆相HPLCで精製されて、凍結乾燥に応じて、実施例561の化合物(2.7mg,5%)が与えられた。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ:10.73(br.s.,1H),9.44(s,1H),8.76(d,J=9.00Hz,1H),8.39~8.62(m,2H),8.23(d,J=8.22Hz,1H),7.91(dd,J=1.17,7.83Hz,2H),7.51(t,J=8.02Hz,2H),7.27(br.s.,1H),7.17(br.s.,1H),6.83(d,J=8.22Hz,1H),4.41(s,1H),3.98~4.15(m,2H),3.51~3.60(m,2H),1.54~1.79(m,4H),1.17~1.38(m,3H)。MS m/z 712.3(MH+)。
適切なクロロピリジンフラグメントA-13(表2)と、市販の有機スズ化合物又は工程1において上述された対応する有機スズ種に変換されるブロミドのいずれかを使用して、同様の方法で調整される阻害剤の他の実施例が、表4における方法Cの下でリスト化されている(実施例562~565、590及び591)。
式W-IIIの阻害剤の合成の為の一般的な方法(方法D,X=CH)-実施例109の化合物の合成:
工程1-カルボン酸D-1の調製:クロロピリドピリミジンA-13(Ar=2-クロロフェニル)(150mg,0.3mmol,1当量)が、4mLのバイアル内に入れられ、続いて、インドール-3-カルボン酸メチル(71mg,0.4mmol,1.3当量)、銅(0)(0.6mg,0.03当量)、BINOL(2.7mg,0.03当量)、炭酸セシウム(150mg,0.47mmol,1.5当量)及びDMSO(1.5mL)が入れられた。結果として得られた混合物が、100℃で、1.75時間撹拌されて、暗褐色の溶液が与えられた(LCMS分析は完全な転化を示す)。反応物が、室温まで冷やされ、次に、6当量(0.5mL)の4N水酸化ナトリウムが混合物に加えられた。それは、50℃で、1時間撹拌された(LCMSは、カルボン酸への完全な転化を示す)。混合物が、水(2mL)で希釈され、そして、セライト(celite)(登録商標)プラグを通じて濾過されて、不溶性粒子が除去された。次に、それは、1N塩酸で~pH1まで酸性化され、そして、10mLの水で希釈されて、ゲル状の懸濁物(濾過不可)が与えられた。混合物が、EtOAcで3回抽出され、そして、一緒にされた有機層が、水で2回洗われ、そして塩水で1回洗われ、次にMgSO4で乾燥され、濾過され、そして濃縮されて、黄色の固体として、220mgの粗カルボン酸が与えられた:1H NMR(DMSO-d6) δ:12.56(br.s.,1H),10.53(s,1H),9.99(s,1H),8.97(s,1H),8.50(s,1H),8.47(d,J=9.0Hz,1H),8.43(d,J=9.4Hz,1H),8.23~8.29(m,1H),8.16~8.22(m,1H),7.91(dd,J=8.0,1.4Hz,1H),7.62~7.71(m,2H),7.48~7.55(m,1H),7.35~7.44(m,2H),7.24~7.33(m,1H),7.21~7.24(m,1H),7.16~7.21(m,1H)。MS m/z 607.0(MH+)。
工程2-阻害剤W-IIIの調製(実施例109):NMP(1mL)中、工程1からの粗カルボン酸(30mg,1当量)に、DIEA(40μL,6当量)及びHATU(30mg,2当量)が添加された。溶液が2~3分間撹拌されて、暗黄色の溶液が与えられた。モルホリン(7mg,2当量)が添加され、そして、反応混合物が、室温で、3時間撹拌され、その時点で、LCMSによって、反応が完了していることが判った。反応が、0.2mLの酢酸を加えることによってクエンチされ、次に、メタノールで2mLに希釈され、濾過され、そして、分取HPLC(MeOH/H2O/0.1%のギ酸の条件,50%→100%メタノールのグラジエント)によって精製された。適切な画分が一緒にされ、そして部分的に濃縮されて、メタノールが除去された。結果として得られた懸濁物が数ミリリットルのアセトニトリルを加えることによって溶解され、次に、溶液が、冷凍され、そして凍結乾燥された。アミドの実施例109(14.5mg)が、オフホワイトの固体として得られた。
同様の方法で調製された阻害剤の他の実施例が、下記の表4における方法Dの下にリスト化されている。
式W-IIIの阻害剤の合成の為の一般的な方法(方法D,X=N)-実施例127の化合物の合成:
工程1-カルボン酸D-2の調製:クロロピリドピリミジンA-13(Ar=3-クロロ-2-メチルフェニル)(300mg,0.6mmol,1当量)が、4mLのバイアル内に入れられ、続いて、3-インダゾールカルボン酸メチルエステル(140mg,0.79mmol,1.3当量)、銅(0)(1mg,0.03当量)、BINOL(5mg,0.03当量)、炭酸セシウム(295mg,0.91mmol,1.5当量)及びDMSO(2mL)が入れられた。該バイアルに栓がされ、そして、混合物が、100℃で、1.5時間撹拌されて、暗褐色の溶液が与えられた。LCMS分析によって、反応が実質的に完了していることが確認された。反応物が、室温まで冷やされ、次に、6当量(0.9mL)の4N水酸化ナトリウム溶液が加えられた。混合物が、50℃で、1.5時間撹拌された(LCMSがメチルエステルの完全なケン化を示した)。混合物が、水(3mL)で希釈され、そして、セライト(celite)(登録商標)プラグを通じて濾過されて、不溶性粒子が除去された。次に、それは、1N塩酸で~pH1まで酸性化され、そして、10mLの水で希釈されて、超音波処理後、微細な懸濁物が得られた。固形物が濾過によって集められ、そして、真空下で乾燥された。粗カルボン酸D-2(Ar=3-メチル-2-クロロフェニル)が、ベージュ色の固体(398mg)として得られた:1H NMR(DMSO-d6) δ:13.70(br.s,1H),10.58(s,1H),9.48(s,1H),9.03(d,J=8.6Hz,1H),8.65(d,J=9.0Hz,1H),8.54(br.s.,1H),8.48(d,J=9.0Hz,1H),8.26(d,J=7.8Hz,1H),7.79(d,J=7.8Hz,1H),7.75(d,J=7.8Hz,1H),7.68(t,J=7.6Hz,1H),7.54(t,J=7.6Hz,1H),7.40(t,J=8.0Hz,1H),7.28~7.36(m,1H),7.25(t,J=9.0Hz,1H),2.66(s,3H)。MS m/z 622.0(MH+)。
工程2-阻害剤W-III(実施例127)の調製:工程1からの粗カルボン酸(30mg,1当量)がNMP(1mL)中に溶解され、そして、DIEA(50μL,6当量)及びHATU(37mg,2当量)が添加された。溶液が、室温で、2~3分間撹拌されて、暗黄色の溶液が与えられた。次に、N-Boc-ピペラジン(18mg,2当量)が添加され、そして、反応混合物が、室温で、2時間撹拌され、その時点で、LCMSによって、反応が完了していることが判った。反応が、塩化アンモニウムの飽和溶液1mLを加えることによってクエンチされ、次に、水で4mLに希釈された。次に、結果として得られた懸濁物が超音波処理され、そして、固形物が濾過によって集められた。次に、それらは、水で洗われ、そして、真空下で乾燥された。次に、固形物がDCM(1mL)及びMeOH(0.5mL)中に取り込まれ、そして、1mLの4N塩酸溶液で処置された。室温で、2時間撹拌後に、LCMS分析は、Boc保護基の完全な開裂を示した。混合物が、濃縮乾固され、残渣がMeOH中に溶解され、そして、分取HPLC(MeOH/H2O/0.1%のギ酸の条件,30%→100%メタノールのグラジエント)によって精製された。適切な画分が一緒にされ、そして部分的に濃縮されて、メタノールが除去された。結果として得られた懸濁物が、数ミリリットルのアセトニトリルを加えることによって溶解され、次に、該溶液が冷凍され、そして凍結乾燥された。実施例127のアミド(14mg)が、淡黄色の固体として得られた。
同様の方法で調製された阻害剤の他の実施例が、下記の表4における方法Dの下にリスト化されている。
式W-IVの阻害剤の合成の為の一般的な方法(方法E)-実施例227の化合物の合成:
工程1-中間体E-2の調製:3-ブロモ-1,2-フェニレンジアミン(2.00g,10.7mmol)が、15mLのギ酸と共に、50mLのフラスコ内に入れられた。混合物が、120℃の油浴内で還流され、そして、4時間撹拌された。混合物が、減圧下で濃縮されて暗色の油状残渣となり、水で希釈され、そして、氷浴中で冷やされた。混合物の中和が、1NのNaOHで開始され、そして、飽和NaHCO3溶液で終了した。暗褐色の固形物がブフナー漏斗で濾過によって集められ、そして、水で洗われた。次に、固形物が真空下で乾燥され、暗褐色の固体として、1.91gの所望のブロモベンズイミダゾールE-2が与えられ、それは、そのまま使用された:1H NMR(DMSO-d6) δ:12.81(br.s.,1H),8.30(s,1H),7.58(d,J=8.2Hz,1H),7.41(d,J=7.8Hz,1H),7.14(t,J=8.0Hz,1H)。MS m/z 197.0(MH+)。
工程2-中間体E-3の調製:国際公開第WO2004/076411A2号パンフレットにおいて記載された手順を適合して、ブロモベンズイミダゾールE-2(350mg,1.776mmol)が、8mLの無水THF中に溶解された。鉱油中、60%の水素化ナトリウム分散液物(78mg,1.95mmol)が室温で添加された。10分後、反応物が-78℃に冷やされ、そして、ペンタン中、1.4モルのtert-ブチルリチウム(2.66ml,3.73mmol)が滴下された。反応混合物が非常に濃くなり、そして、撹拌が困難であった。30分後、混合物が、DMF(0.55ml,7.1mmol)の添加によってクエンチされた。それは、室温まで温められ、次に、EtOAcと、水とNaHCO3の飽和溶液との1:1の混合との間で分配された。これらの層が分離され、そして、水性層が、EtOAcで3回更に抽出された。一緒にされた有機層が、塩水で1回洗われ、次にNa2SO4で乾燥された。次に、有機層が、濾過され、そして、残渣に減るまで濃縮された。結果として得られた暗褐色のグミ状固体が、2mLのヘキサンで2回粉砕されて、鉱油がNaHから除去された。次に、固形物が、6mLのEtOAc中に取り込まれ、そして、超音波処理された。固形物が濾過によって集められ、そして、吸引下で、暗褐色の固体として化合物E-3(117mg)が与えられた:1H NMR(DMSO-d6) δ:13.01(br.s.,1H),10.17(s,1H),8.31(s,1H),8.04(d,J=7.8Hz,1H),7.88(d,J=7.4Hz,1H),7.43(t,J=7.8Hz,1H)。生成物からの2回目の収穫物(148mgの~80%の均一性)が、母液から回収された。
工程3-中間体E-4の調製:クロロピリドピリミジンA-13(Ar=2-クロロフェニル:75mg,1当量)が、工程2からの粗ベンズイミダゾールE-3(26mg,1.15当量)、銅(0)(0.3mg,0.03当量)、BINOL(1.3mg,0.03当量)、炭酸セシウム(76mg,1.5当量)及びDMSO(1mL)と共に、4mLのバイアル中に入れられた。結果として得られた混合物が、100℃で、1時間撹拌され、その時点で、LCMSは完全な反応を示した。混合物が、室温まで冷やされ、次に、0.1mLの酢酸の添加によってクエンチされた。混合物が、水で10mLに希釈され、次に、超音波処理された。析出物が、濾過によって集められ、そして水で洗われた。次に、褐色の固形物が、真空下で乾燥された。粗中間体E-4(98mg)が、褐色の固体として得られ、そして、工程4においてそのまま使用された:1H NMR(DMSO-d6) δ:10.85(br.s.,1H),10.53(br.s.,1H),9.84(s,1H),9.54(br.s.,1H),8.76(d,J=7.4Hz,1H),8.45~8.63(m,2H),7.92(d,J=7.4Hz,1H),7.88(d,J=7.4Hz,1H),7.55~7.73(m,3H),7.51(t,J=7.2Hz,1H),7.12~7.34(m,2H)。MS m/z 592.1(MH+)。
工程4-阻害剤W-IV(実施例227)の調製:3-フルオロアゼチジン塩酸塩(17mg,0.15mmol)が、1mLのメタノール及び4Nの水酸化ナトリウム溶液(0.038ml,0.15mmol)と共に、4mLのバイアル中に入れられた。次に、工程3からの粗アルデヒドE-4(30mg,0.051mmol)が添加され、そして、混合物が、50℃で、10分間加熱された。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(9.55mg,0.15mmol)が最終的に添加された。反応混合物が、50℃で、更に2時間撹拌され、その時点で、LCMSによって、転化が完了していることが判った。それは、0.5mLのDMSO中、酢酸溶液(0.2mL)の添加によってクエンチされ、溶液が濾過され、そして、生成物が分取HPLC(H2O中、30%→100%のMeOHグラジエント,0.1%のギ酸)によって分離された。適切な画分がプールされ、そして濃縮され、メタノールが除去され、次に冷凍され、そして凍結乾燥された。実施例227の化合物(12.7mg)が、オフホワイトの固体として分離された。
式W-Vの阻害剤の合成の為の一般的な方法(方法F)-実施例243の化合物の合成:
工程1:ブロモベンズイミダゾールE-2(70mg,0.355mmol)、炭酸カリウム(196mg,1.42mmol)及び3-ピリジルボロン酸(57mg,0.46mmol)が4mLのバイアル中に入れられ、そして、ジオキサン(2mL)及び水(0.7mL)が添加された。アルゴンガスが、混合物を通じて1分間バブリングされ、そして次に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(16.4mg,0.014mmol)が添加された。アルゴンガスが、溶液を通じて3分間再びバブリングされ、該バイアルが、密封され、そして、100℃で、2時間加熱された。LCMS分析によって、所望の生成物への転化が完了していると判断された。反応混合物が、室温まで冷やされ、EtOAcで希釈され、そして、塩水で洗われた。MgSO4で乾燥後、抽出物が、減圧下で濃縮され、そして、残渣が、Et3Nで前処理されたシリカ及びDCM-20%のiPrOH/DCMのグラジエントを使用して、フラッシュクロマトグラフィーによって精製され、所望のベンズイミダゾール中間体(58mg,84%の収率)を提供した:1H NMR(DMSO-d6) δ:12.71(ブロードs,1H),9.24(s.1H),8.57(dd,J=5.1,1.6Hz,1H),8.43(ブロードd,J=5.5Hz,1H),8.31(s,1H),7.61(d,J=7.8Hz,1H),7.52(ddd,J=7.8,4.7,0.8Hz,1H),7.47(d,J=7.4Hz,1H),7.34(t,J=7.8Hz,1H)。MS m/z 196.1(MH+)。
工程2(実施例243):工程1からの粗ベンズイミダゾールが、一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された銅/BINOL触媒を用いて、クロロピリジンA-13(Ar=2-クロロフェニル)にカップリングされた。
他の化合物(例えば、実施例251、272、273及び342の化合物)が、工程1における市販の適切なボロン酸及びクロロピリジン中間体A-13(Ar=3-フルオロ-2-メチルフェニル又は2,3-ジクロロフェニル)を使用して同様の方法で調整された。
式W-VIの阻害剤の合成の為の一般的な方法(方法G)-実施例437の化合物の合成:
工程1:撹拌棒を備えたバイアルに、無水THF(1.5mL)中、1-(p-トリルスルホニル)インドール-3-スルホニルクロリド(117mg,0.316mmol)(Chemical and Pharmaceutical Bulletin 2009,57,591)が添加された。溶液が0℃に冷やされ、そして、DIEA(0.11mL,0.633mmol)が滴下された。次に、N-(2-メトキシエチル)エチルアミン(0.039mL,0.316mmol)が滴下され、そして、反応混合物が、室温まで穏やかに暖められた。反応物が、室温で、1時間撹拌された。完了後、10%のKOH水性液が滴下された(溶媒と同じ要領)。反応物が、60℃で、一晩加熱された。完了後、反応混合物が、EtOAcで希釈された。そして、NH4Clが添加された。これらの層が分離された。有機層が、塩水で洗われ、次に、MgSO4で乾燥され、濾過され、そして、濃縮乾固されて、淡橙色のオイルとして、予想されたスルホンアミド誘導体(86mg,96%)が与えられた。MS m/z 283.2(MH+)。
工程2(実施例437):工程1からのインドールスルホンアミドが、一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された銅/BINOL触媒を用いて、クロロピリジンA-13(Ar=2,3-ジクロロフェニル)にカップリングされた。
工程1における適切なアミンを使用して同様の方法で調整された阻害剤の他の実施例が、下記の表4における方法Gの下にリスト化されている。
式W-VIIの阻害剤の合成の為の一般的な方法(方法H)-実施例466の化合物の合成:
工程1:iPrOH(5mL)中、1H-インドール-3-イル-チオシアネート(Phosphorus,Sulfur and Silicon and the Related Elements 2014,189,1378)(100mg,0.574mmol)の溶液に、水0.5mL中に溶解された硫化ナトリウム非水和物(414mg,1.72mmol)が添加され、次に、結果として得られた混合物が、50℃で、2時間撹拌された。この後、4-クロロテトラヒドロピラン(0.19mL,1.72mmol)が添加され、そして、50℃で、一晩撹拌された。反応混合物が、EtOAc(30mL)て希釈され、そして分離された。有機層が、水(15mL)で洗われ、続いて、塩水(15mL)で洗われ、MgSO4で乾燥され、そして次に、真空下で濃縮されて、粗スルフィドが与えられ、それは、次の工程において、更なる精製無しに直接使用された。
工程2:工程1からのスルフィドがDCM中に溶解され、そして、3-クロロパーオキシ安息香酸(297mg,1.72mmol)が添加され、そして、室温で、2時間撹拌された。完了後、反応が、NaHCO3の飽和溶液と10%のNa2SO3溶液との1:1溶液10mlを添加することによってクエンチされた。結果として得られた懸濁物が、室温で、15分間撹拌された。EtOAcが加えられ、そして、有機層が分離された。該有機層が、水(15mL)で洗われ、次に、飽和塩水溶液(15mL)で洗われ、乾燥(MgSO4)され、そして、濃縮する前に濾過され、乾燥されて、予想通りのスルホン (154mg,98%)を提供し、それは、DMSO中に溶解され、そして、次の工程において更なる精製無しに直接使用された。MS m/z 266.2(MH+)。
工程3(実施例466):工程2からのインドールが、一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された銅/BINOL触媒を用いて、クロロピリジンA-13(Ar=2,3-ジクロロフェニル)にカップリングされた。
工程1における適切なアルキル化剤を使用して同様の方法で調整された阻害剤の他の実施例が、下記の表4における方法Hの下にリスト化されている。
式W-VIIIの阻害剤の合成の為の一般的な方法(方法I)-実施例524及び665の化合物の合成:
実施例524(工程2について、還元剤として鉄金属):
工程1:4-メチルピペリジン-4-オール(0.24g,1.84mmol)及び炭酸カリウム(0.49g,3.52mmol)が、MeCN(2.6mL)中、3-フルオロ-2-ニトロ-アニリン(0.25g,1.60mmol)の溶液に添加された。結果として得られた混合物が、85℃で、10時間撹拌された。MeCNが減圧下で除去され、そして、EtOAcが添加された。懸濁物が遠心分離され、そして、フラスコ内に注がれた。溶液が濃縮され、そして、粗1-(3-アミノ-2-ニトロ-フェニル)-4-メチル-ピペリジン-4-オール(0.40g,94%の収率)が、次の工程の為に、更なる精製無しに使用された。MS m/z 252.2(MH+)。
工程2(還元剤として鉄を使用):鉄(0.37g,6.70mmol)及び塩化アンモニウム(0.36g,6.70mmol)が、iPrOH(6.5mL)中の1-(3-アミノ-2-ニトロ-フェニル)-4-メチル-ピペリジン-4-オール(0.34g,1.34mmol)と、ギ酸(1.9mL,49.6mmol)との混合物に添加された。結果として得られた混合物が90℃に加熱され、そして、10時間撹拌された。反応混合物が、室温まで冷やされ、そして、セライト(Celite)(登録商標)を通じて濾過された。溶液が濃縮され、そして、粗生成物が、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル,0~15%のMeOH,DCM中)によって精製されて、赤っぽい泡状固体として、1-(1H-ベンズイミダゾール-4-イル)-4-メチル-ピペリジン-4-オール(0.17g,55%の収率)が与えられた。MS m/z 232.2(MH+)。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ:12.21(br.s,1H),8.02(s,1H),6.85~7.20(m,2H),6.33~6.67(m,1H),4.24(s,1H),3.15~3.26(m,2H),2.48(td,J=1.66,3.72Hz,2H),1.41~1.74(m,4H),1.16(s,3H)。
工程3(実施例524):工程2からのベンズイミダゾールが、一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された銅/BINOL触媒を用いて、クロロピリジンA-13(Ar=2,3-ジクロロフェニル)にカップリングされた。
実施例665(工程2についての還元剤としての亜鉛金属):
工程1:炭酸カリウム(1.01g,7.33mmol)及び4-イソプロピルピペリジン-4-オール(262mg,1.83mmol)(国際公開公報第WO2014/139144号パンフレット,2014,A1)が、ACN(3mL)中、3-フルオロ-2-ニトロ-アニリン(0.25g,1.60mmol)の明るい赤色の溶液に添加された。結果として得られた混合物が、80℃で、16時間撹拌された。EtOAcが添加され、そして、懸濁物が遠心分離された。上清が分離され、そして、真空下で濃縮されて、所望のニトロアニリン(400mg,78%の収率)が与えられた。
工程2(還元剤として亜鉛を使用):イソプロピルアルコール(8mL)中、工程1からのニトロアニリン(280mg,1.25mmol)の溶液に、亜鉛(820mg,12.5mmol)及び塩化アンモニウム(671mg,12.5mmol)が添加された。懸濁物が、60℃で、10分間撹拌され、次に、ギ酸(1.9mL,50.2mmol)が添加された。結果として得られた混合物が、60℃で加熱され、そして2時間撹拌された。完了後、EtOAcが添加され、そして、懸濁物が遠心分離された。上清が分離され、そして、真空下で濃縮された。残渣が、DCM中のMeOHでシリカゲル上で精製されて、予想されたベンズイミダゾール誘導体(284mg,76%の収率)が与えられた。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ:9.16(br.s.,1H),7.22~7.45(m,2H),7.05(br.s.,1H),3.76~4.35(m,2H),3.01~3.30(m,2H),1.83(dt,J=3.94,12.66Hz,2H),1.46~1.71(m,3H),0.92(d,J=6.88Hz,6H)。MS m/z 360.2(MH+)。MS m/z 360.2(MH+)。
工程3(実施例665,表4):工程2からのベンズイミダゾールが、一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された銅/BINOL触媒を用いて、クロロピリジンA-13(Ar=2,3-ジクロロフェニル)にカップリングされた。
工程1における適切なアミン及び工程2における還元剤としてのFe又はZnのいずれかを使用して同様の方法で調製された阻害剤の他の実施例が下記の表4における方法Iの下にリスト化されている。
式W-IXの阻害剤の合成の為の一般的な方法(方法J)-実施例600の化合物の合成:
工程1:ピペリジン-4-カルボニトリル塩酸塩(0.103g,0.705mmol)及び炭酸カリウム(177mg,1.28mmol)が、ACN(5mL)中、3-フルオロ-2-ニトロ-アニリン(100mg,0.641mmol)の明るい赤色の溶液に添加された。結果として得られた混合物が90℃で、16時間撹拌された。反応混合物が、EtOAc(5mL)で希釈され、そして遠心分離された。所望のニトロアニリンを含有する上清が分離され、そして、次の工程においてそのまま使用された。MS m/z 247.2(MH+)。
工程2:工程1からのニトロアニリンの溶液に、塩化アンモニウム(685mg,12.8mmol)及び亜鉛(419mg,6.41mmol)が添加された。結果として得られた懸濁物が、40℃で、1時間撹拌された。反応混合物が、EtOAc(30mL)で希釈され、次に、遠心分離された。上清が分離され、そして、真空下で濃縮された。結果として得られた1,2-フェニレンジアミン(101mg,73%)が、次の工程においてそのまま使用された。MS m/z 217.2(MH+)。
工程3:工程2からの生成物がAcOH(3mL)中に溶解され、次に、亜硝酸ナトリウム(32mg,0.647mmol)が添加され、そして、室温で、1時間撹拌された。反応混合物が、EtOAc(60mL)で希釈され、水(2x20mL)で洗われ、続いて、飽和NaHCO3溶液(2x20mL)、次に塩水(20mL)によって洗われた。分離された有機層が、MgSO4で乾燥され、濾過され、そして、真空下で濃縮されて、所望のベンゾトリアゾール(75mg,0.330mmol,51%)が与えられた。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ:7.30(t,J=7.88Hz,1H),7.20(d,J=8.00Hz,1H),6.63(d,J=7.50Hz,1H),3.85(br.s.,2H),3.45(t,J=9.38Hz,2H),3.15(td,J=4.24,8.41Hz,1H),2.00~2.22(m,2H),1.85~2.00(m,2H)。MS m/z 228.2(MH+)。
工程4:DMSO(1.5mL)中、工程3からのベンゾトリアゾール(17mg,0.076mmol)の溶液、2,3-ジクロロ-N-[3-[(6-クロロピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イル)アミノ]-2,4-ジフルオロ-フェニル]ベンゼンスルホンアミド(30mg,0.058mmol)、硫酸銅(II)五水和物(1.9mg,0.0077mmol)、トランス-2-フェニル-1-シクロプロパンカルボン酸(1.3mg,0.0077mmol)及び炭酸カリウム(21mg,0.155mmol)が、100℃で、3時間撹拌された。完了後、混合物が室温まで冷やされ、DMSOで希釈され、そして、HPLC(MeOH+水中の0.1%のギ酸+0.1%のギ酸)によって精製されて、実施例600の化合物(11mg,25%)が与えられた。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ:9.45(br.s.,1H),8.76(d,J=9.01Hz,1H),8.45~8.63(m,2H),8.31(d,J=8.00Hz,1H),7.73~8.02(m,2H),7.41~7.70(m,2H),7.25(br.s.,1H),7.13(br.s.,1H),6.87(d,J=8.00Hz,1H),4.01(d,J=12.38Hz,2H),3.60(t,J=10.38Hz,2H),3.20(br.s.,2H),2.11(br.s.,2H),1.96(d,J=10.01Hz,2H)。MS m/z 707.2(MH+)。
工程1における適切なアミンを使用して同様の方法で調整された阻害剤の他の実施例が、下記の表4における方法Jの下にリスト化されている。
式W-Xの阻害剤の合成の為の一般的な方法(方法K)-実施例112の化合物の合成:
工程1:3-インドールスルホニルクロリドが、Org.Lett.2011,13,3588において記載されているように調製された。ピリジン(15mL)中、インドール(3g,25.6mmol)及び三酸化硫黄-ピリジン(4.08g,25.6mmol)の溶液が加熱されて、撹拌下、2時間還流された(115℃)。2時間後、反応物が室温まで冷やされ、そして、水(20mL)で希釈された。水性層が、ジエチルエーテル(20mL)で2回洗われた。水性層が蒸発乾固されて、白色固体として、粗1H-インドール-3-スルホン酸ピリジニウム(5.30g,75%の収率)が与えられた。粗物質が、次の工程においてそのまま使用された。
工程2:前の工程の工程1からの粗1H-インドール-3-スルホン酸ピリジニウム(4.60g,16.7mmol)が、スルホラン:アセトニトリルの1:1混合物(50mL)中に溶解された。白色の懸濁物が、0℃に冷やされ、そして、POCl3(3.42mL,36.7mmol)が、撹拌下で滴下されて、淡褐色の溶液を結果として生じた。反応物が、70℃で、1時間加熱された。1時間後、橙色の溶液が0℃に冷やされた。冷えた橙色の溶液が、250mLの氷水に滴下された。添加の間、白色の析出物が形成された。固形物が濾過され、水で洗われ、そして、真空下で乾燥されて、灰色の固体として、1H-インドール-3-スルホニルクロリド(740mg,21%の収率)が与えられた。
工程3(一般的手順):無水THF(3mL)中、工程2からの1H-インドール-3-スルホニルクロリド(100mg,0.463mmol)の溶液が0℃に冷やされ、そして、アミン(2当量)が滴下された。次に、DIPEA(0.24mL,1.39mmol)が加えられ、そして、反応混合物が室温まで温められた。反応の進行が、LCMSによって監視された。該反応が終了したときに、それは、飽和NH4Clで、pH=7までクエンチされた。水性層が、EtOAc(3回)で抽出された。一緒にされた有機層が、水、塩水で洗われ、MgSO4で乾燥され、濾過され、そして、所望のスルホンアミドが与えられた。
工程3(R1=R2=Me,実施例112):スルホニルクロリド(200mg,0.9mmol)が25mLのフラスコ内にいれられ、そこにTHF(4mL)が加えられ、引き続き、ジメチルアミン塩酸塩(2当量,150mg,1.9mmol)及びDIEA(4当量,0.65mL,3.7mmol)が加えられた。溶液はすぐに淡黄色になり、そして、黄色いグミ状のオイルが底に堆積した。室温で、20分間撹拌した(LCMSは、スルホニルクロリドの完全な消費を示した)。混合物が、EtOAcとNH4Clの飽和溶液との間で分配された。水性層がEtOAcで抽出され、そして、一緒にされた有機層が、飽和NH4Cl溶液でもう1回洗われ、次に塩水で洗われた。次に、それは、MgSO4で乾燥され、濾過され、そして、濃縮乾固されて、65mgのベージュ色の結晶性固体が与えられ、それは、更なる精製をすること無しにそのまま使用された:1H NMR(DMSO-d6) δ:12.17(br.s.,1H),7.96(d,J=3.1Hz,1H),7.81(d,J=7.8Hz,1H),7.49~7.57(m,1H),7.22~7.28(m,1H),7.16~7.22(m,1H),2.58(s,6H)。MS m/z 225.1(MH+)。
工程4(実施例112,表4):一般的方法Aを使用して、工程3からのインドールスルホンアミド及びクロロピリジンA-13(Ar=2-クロロフェニル)から調製された
工程1における適切なアミンを使用して同様の方法で調整された阻害剤の他の実施例が、下記の表4における方法Kの下にリスト化されている。
実施例69の化合物の調製:
工程1:一般的な合成方法Aに沿って、クロロピリジンA-13(Ar=4-メトキシ-2-メチルフェニルが、DMSO中、銅粉末、BINOL及び炭酸セシウムの存在下、100℃で3-シアノインドールにカップリングされて、酸性水性ワークアップ(workup)、そして、EtOAcへの抽出後に、予想された粗3-シアノインドール誘導体が与えられた。物質が、イオン工程2において直接使用されたが、シアノ誘導体のアリコートが、特性評価の為に、逆相HPLCによって精製された:1H NMR(DMSO-d6) δ:10.17(br.s.,1H),9.93(s,1H),9.29(s,1H),8.52(s,1H),8.45~8.51(m,2H),8.36(d,J=8.2Hz,1H),7.76~7.87(m,1H),7.68(d,J=9.0Hz,1H),7.39~7.59(m,2H),7.15~7.32(m,2H),6.95(d,J=2.7Hz,1H),6.87(dd,J=8.8,2.5Hz,1H),3.79(s,3H),2.58(s,3H)。MS m/z 598.1(MH+)。
工程2:工程1からの粗ニトリル(35mg,1.0当量)及びエタノール(0.5mL)が、4mLのバイアル内に入れられ、続いて4NのNaOH(7当量)102μLが入れられて、暗黄色の溶液が与えられた。室温でこの溶液に、水中、~30μL(4当量)の30%の過酸化水素溶液が加えられた(若干の泡立ちが観察された)。室温で、10分間撹拌後、LCMSは出発物質の完全な消費を示し、そして、アミド生成物についての所望の質量を持つ新しいピークの形成を示した。反応が、チオ硫酸ナトリウムの数個の結晶と0.5mLの酢酸の添加によってクエンチされた。次に、それは、メタノールで2mLまで希釈され、濾過され、そして、分取HPLC(MeOH/H2O/0.1%のギ酸の条件,50%→100%メタノールのグラジエント)によって精製された。適切な画分が一緒にされ、そして部分的に濃縮され、メタノールが除去された。結果として得られた懸濁物が、数ミリリットルのアセトニトリルを加えることによって溶解され、次に、溶液が、冷凍され、そして凍結乾燥された。黄色の固体として、実施例69の7.4mgの阻害剤が得られた。
実施例104の化合物が、A-13(Ar=2-クロロフェニル)を使用して、同様の方法で調製された。
実施例70、83及び85の化合物の調製:
実施例70:7-ニトロベンズイミダゾールが、J.Chem.Phys.2011,115,11403に記載された通り3-ニトロフェニレン-1,2-ジアミンから調製され、そして、一般的方法Aを使用して、A-13(Ar=4-メトキシ-2-メチルフェニル)にカップリングされた。
工程1(実施例83):7-ニトロベンズイミダゾール(実施例70を参照,250mg)及び20%のPd(OH)2/C(パールマンの(Pearlman’s)触媒,10mg,0.01当量)がMeOH(3mL)中に懸濁され、そして、H2ガスのバルーン雰囲気下、4時間撹拌された(還元が進むにつれて、SMはゆっくりと溶液になる)。LCMSで示される場合に完全に転化された後、懸濁物が洗浄の為のMeOHを使用して膜を通じて濾過され、そして、揮発性物質が減圧下で除去された。物質が、更なる精製をすること無しに使用された:1H NMR(DMSO-d6) δ:7.99(s,1H),6.87(t,J=7.8Hz,1H),6.73(d,J=7.8Hz,1H),6.35(d,J=7.8Hz,1H)。
工程2(実施例83):工程1からのアミノベンズイミダゾール、クロロピリジンA-13(Ar=2-クロロフェニル)及び一般的方法Aを使用して、実施例83の阻害剤が、グラジエントとして、30→100%のMeOH-0.1%のギ酸、続いて、10→100%のMeCN-0.1%のAcOHを使用して、2つの連続した逆HPLC精製後に単離された:1H NMR(DMSO-d6) δ:10.53(br.s.,1H),9.87(s,1H),9.17(s,1H),8.49(s,1H),8.44(s,2H),7.92(dd,J=8.0,1.4Hz,1H),7.61~7.72(m,2H),7.47~7.56(m,1H),7.41(d,J=7.8Hz,1H),7.28(td,J=9.0,5.5Hz,1H),7.22(t,J=9.0Hz,1H),7.11(t,J=8.0Hz,1H),6.57(d,J=7.4Hz,1H),5.51(br.s.,2H)。MS m/z 579.1。
工程1からのアミノベンズイミダゾール(フラグメントA31)及び対応するA-13クロロピリジンを使用して様の方法で調整された阻害剤の他の実施例が、下記の表4における方法Aの下にリスト化されている。
工程3(実施例85):工程2からのアミノベンズイミダゾール(23mg)が、酢酸(1mL)中に溶解され、そして、無水酢酸(13mg,3当量)が転化された。室温で、3時間撹拌された(LCMSは、所望の質量への完全な転化を示す)。物質が、DMSOで1.8mLに希釈され、そして、30→100%のMeOH-0.1%のギ酸グラジエントを使用して、分取HPLCによって精製された。
実施例75の化合物の調製:
工程1:7-ベンズイミダゾールカルボン酸(500mg,3.1mmol)がDCM(5mL)中に懸濁され、そして、DMFが滴下され、続いて、塩化オキサリル(0.5mL,5.9mmol)が滴下された。ベージュ色のスラリーが、1時間、室温で撹拌された。次に、揮発性物質が減圧下で除去され、残渣がTHFに再懸濁され、揮発性物質がもう一度除去された。次に、残渣が、THF(5mL)中に懸濁され、濃アンモニア水性液(1mL)が添加され、そして、混合物が30分間、室温で撹拌された(ベージュ色の懸濁物が、レンガ色の懸濁物へと徐々に変化した)。LCMSが、出発の酸と所望のアミドとの1:1混合物を示した。固形物が濾過によって除去され、そして、濾液が、減圧下で蒸発乾固された。残渣が、次の工程において直接使用された。
工程2(実施例75):工程1からの粗ベンズイミダゾールが、一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された銅/BINOL触媒を用いて、クロロピリジンA-13(Ar=4-メトキシ-2-メチルフェニル)にカップリングされた。
実施例80及び81の化合物の調製:
実施例77の化合物のニトリル基が、実施例69について記載された手順を使用して、対応するアミドに加水分解された。実施例81は、実施例78から同様の方法で調製された。
実施例94及び95の化合物の調製:
工程1:5mLのバイアル中のアセトニトリル(2mL)中、出発物質であるクロロピリドピリミジンA-13(Ar=2-クロロフェニル,50mg,0.1mmol)の懸濁物に、1.1当量の1-エトキシビニル-トリブチルスズ(42mg,0.11mmol)が添加された。窒素が、5~7分間、混合物を通じてバブリングされ、次に、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド(0.1当量,7mg)が添加された。窒素が、更に4~5分間、懸濁物を通じてバブリングされ、次に、該バイアルが密封され、そして、混合物が80℃で加熱されて、淡黄色の溶液が与えられた。それは、その温度で18時間撹拌された(LCMSは、転化が完了したことを示した)。混合物が、室温まで冷やされ、セライト(celite)(登録商標)のプラグを通じて濾過されて、すすぎの為のEtOAcを使用して不溶性の黒色粒子を除去した。濾液が、減圧下で濃縮乾固され、そして、結果として得られた淡黄色の泡は、更なる精製をすること無しにそのまま使用された(108mg):MS m/z 518.0(MH+)。
工程2:工程1からの粗エノールエーテル(53mg,0.10mmol)がTHF(1mL)中に溶解され、そそして、水(0.1mL)が添加され、続いて、1.1当量のN-ブロモスクシンイミド(20mg,0.11mmol)が室温で添加された。結果として得られた混合物が、1時間撹拌された(LCMSは完全転化を示す)。混合物が、3~4mLのトルエンで希釈され、そして油状残渣に濃縮された。次に、それは4~5mLのDCM内に取り込まれ、そしてNa2SO4で乾燥され、濾過され、そして濃縮された。残渣が、ヘキサン中の10%のEtOAc~ヘキサン中の60%のEtOAcグラジエントを使用して、3gのシリカゲルカートリッジを通じてフラッシュクロマトグラフィーによって精製された。適切な画分が一緒にされ、そして濃縮され、淡黄色の固体として所望の生成物が与えられ、それは、次の工程においてそのまま使用された。(1H NMR及びLCMSは、スクシンイミドによる若干の汚染を示す):1H NMR(DMSO-d6) δ:10.38(s,1H),8.58(s,1H),8.35~8.42(m,2H),7.91(dd,J=7.8,1.2Hz,1H),7.59~7.73(m,4H),7.47~7.59(m,2H),7.20~7.35(m,2H),5.43(s,1H)。MS m/z 568(MH+)。
工程3:エタノール(1mL)中、工程2からの粗ブロモメチルケトン(25mg,0.04mmol)の懸濁物に、チオ尿素(5mg,0.07mmol,1.5当量)が添加された。結果として得られた混合物が、80℃にもたらされ、そして、その温度で、2時間撹拌された(LCMSは完全な転化を示す)。混合物が、DMSOで2mLに希釈され、濾過され、そして、分取HPLC(MeOH/H2O/0.1%のギ酸の条件,50%→100%メタノールのグラジエント)によって精製された。適切な画分が、一緒にされ、そして部分的に濃縮され、メタノールが除去された。結果として得られた懸濁物が、数ミリリットルのアセトニトリルを加えることによって溶解され、次に、溶液が、冷凍され、そして凍結乾燥された。黄色の固体として、5.5mgの所望の生成物(実施例94)が得られた。
実施例95の化合物が、工程3におけるチオ尿素を1,2,4-オキサジアゾールに置き換えることによって、同様の方法で調製された。
実施例96及び115の化合物の調製:
工程1:4-ニトロ-3-インドールカルボン酸のメチルエステルが、国際公開第WO2008/113760号パンフレット及びBioorg.Med.Chem.Lett.2011,21,1782において記載されているように、3-インドールカルボン酸メチルのニトロ化によって調製された。インドール誘導体が、一般的方法Aの標準的な条件下で、クロロピリジンA-13(Ar=2-クロロフェニル)と反応された。
工程2:工程1からの粗メチルエステル(33mg,0.05mmol)がMeOH(1mL)中に懸濁され、そして、4NのNaOH(75μL,6当量)及びLiOH(2mg,0.05mmol)が添加された。混合物が、室温で18時間、そして次に、50℃で2時間撹拌されて、転化(LCMS)が完了した。次に、反応混合物が1N塩酸で酸性化され、そして、析出した生成物が濾過によって集められ、水で洗われ、そして、真空下で乾燥されて、所望のカルボン酸(30mg)が与えられた:MS m/z 650.0(M-H)。
工程3:工程2からの粗ニトロインドールカルボン酸(30mg,0.046mmol)がNMP(0.8mL)中に溶解された。黄色の溶液に、8当量のDIEA(64μL)が添加され、続いて、2当量のHATU(35mg)が添加された。混合物が、2から3分間撹拌され、次に、ジメチルアミン塩酸塩(7.4mg,2当量)が添加された。結果として得られた暗黄色の溶液が、3時間、室温で撹拌され、その時点で、LCMSによって、反応が完了していることが判った。酸性pHになるまで1N塩酸溶液を添加することによって、反応がクエンチされた。混合物が、8mLの水で希釈され、超音波処理され、そして、結果として得られた固形物が、小さなフリット付きのガラス漏斗を通じて濾過によって集められた。次に、それらは、減圧下で一晩、乾燥され、そして、生成物が引き続きニトロ還元の為にそのまま使用された(27mg):MS m/z 679(MH+)。
工程4:エタノール(1mL)及びEtOAc(0.5mL)中の工程3(27mg,0.040mmol)からの粗生成物の酸の懸濁物に、4当量のSnCl2-2H2O(36mg)が添加された。結果として得られた混合物が、60℃にもたらされ、そして、2時間撹拌された(LCMSによって完了を確認)。混合物が濃縮されて、EtOHが除去され、次に、EtOAc(4mL)及び水(0.5mL)で希釈された。~1mLの1NのNaOH溶液が濃厚なエマルション/懸濁物に添加されたが、混合物はきれいにならなかった。混合物がほぼ乾燥するまで濃縮され、次に、~0.5gの硫酸ナトリウム十水和物が、新しい幾らかのEtOAcと共にフラスコに添加された。懸濁物が、超音波処理され、デカントされ、そして、EtOAc抽出物が濾過された。このことが、EtOAcでもう1回、次にDCMで1回、両者の1:1混合物で1回繰り返された。次に、一緒にされた抽出物が、Na2SO4で乾燥され、もう一度濾過され、濃縮された。残渣が、DMSO(1.5mL)中に取り込まれ、分取HPLC(MeOH/H2O/0.1%のギ酸の条件,50%→100%メタノールのグラジエント)によって精製された。適切な画分が、一緒にされ、そして部分的に濃縮されて、メタノールが除去された。結果として得られた懸濁物が、数ミリリットルのアセトニトリルを加えることによって溶解され、次に、溶液が、冷凍され、そして凍結乾燥された(黄色の固体として、6.6mgの実施例96)。
実施例115の化合物が、工程4におけるジメチルアミン塩酸塩をモルホリンに置き換えることによって、同様の方法で調製された。
実施例100の化合物の調製:
工程1:7-ニトロベンゾトリアゾールが、国際公開第WO2010/069833号パンフレットにおいて記載された手順を使用して、3-ニトロ-1,2-フェニレンジアミンからオレンジピンク色の固体として調製された:1H NMR(DMSO-d6) δ:8.58(d,J=8.2Hz,1H),8.46(d,J=7.8Hz,1H),7.63(t,J=8.0Hz,1H)。
工程2:工程1からのニトロベンゾトリアゾールが、バルーン雰囲気の水素ガスを使用して、炭素上の20%のPd(OH)2上で水素化分解されて、橙色の固体として、所望のアミノベンゾトリアゾールを提供し、それは、精製すること無しに使用された:1H NMR(DMSO-d6) δ:7.11(t,J=7.8Hz,1H),6.81(d,J=8.2Hz,1H),6.38(d,J=7.8Hz,1H),5.86(br.s.,2H)。
工程3:工程2からのアミノベンゾトリアゾール、クロロピリジンA-13(Ar=2,3-ジクロロフェニル)及び一般的方法Aを使用して、実施例100の阻害剤が、異性体の混合物として形成され、それは、通常の条件下で、逆相HPLCによって分離された。実施例100は最も豊富な異性体として存在した。
対応するA-13クロロピリジンを使用して、同様の方法で調製された他の実施例は、実施例91~93及び206を含む。
実施例103の化合物の調製:
この化合物は、3-シアノインドール及びA-13(Ar=2-クロロフェニル)の代わりに、対応する3-シアノインダゾールを用いて、実施例69について記載された手順に沿って調製された。
実施例116の化合物の調製:
工程1:3-ベンジルオキシ-1,2-フェニレンジアミンが、国際公開第WO1992/021663A1号パンフレットにおいて記載された手順に沿って調製された。ジアミン(1.00g,4.67mol)が、ギ酸(10mL)中に懸濁され、そして、混合物が、100℃で、4時間撹拌された(LCMSは、完全な転化を示した)。反応混合物が室温まで冷やされ、そして、ほとんどのギ酸が、減圧下で除去された。残渣が、過剰の飽和NaHCO3水溶液(注意:泡立ち)にゆっくりと添加された。遊離塩基が、濃いベージュ色のガムとして最初出てきたが、撹拌後に薄いベージュ色の析出物に変わった。生成物が濾過によって集められ、水で洗われ、そして、真空下で乾燥された(0.96g,互変異性体の1:1混合物,1H NMRによる):1H NMR(DMSO-d6) δ:12.72(br.s.,0.5H),12.44(br.s.,0.5H),8.10(s,1H),7.56(d,J=7.0Hz,1H),7.50(d,J=7.4Hz,1H),7.29~7.45(m,3H),7.25(d,J=7.8Hz,0.5H),7.02~7.18(m,1.5H),6.87(d,J=7.8Hz,0.5H),6.75(d,J=7.0Hz,0.5H),5.36(s,1H),5.28(s,1H)。MS m/z 225.1(MH+)。
工程2:工程1からのベンズイミダゾールが、方法Aの一般的手順を使用して、クロロピリジンA-13(Ar=3-クロロ-2-メチル)にカップリングされた。95℃で、1時間後、反応混合物が水中へ注がれ、AcOH及び少量の1N塩酸で酸性化され、そしてEtOAcで抽出された。抽出物が水、そして塩水で洗われ、乾燥(MgSO4)され、そして、減圧下で濃縮された。残渣及び炭素上の20%のPd(OH)2触媒が、THF(3mL)+AcOH(1mL)中に懸濁され、そして、H2ガスのバルーンの下で、18時間撹拌された(LCMSは生成物、若干の残存する出発物質及び不純物を示す)。反応混合物が濾過され、触媒が除去され、濃縮され、そして、残渣が1.8mLのDMSO中に溶解され、そして、50~100%のMeOH-0.1%のHCOOHのグラジエントを使用して分取HPLCによって精製された。実施例116の化合物(90%均一)が得られた。
実施例117の化合物の調製:
工程1:3-ベンジルオキシ-1,2-フェニレンジアミンが、国際公開第WO1992/021663A1号パンフレットにおいて記載された手順に沿って調製された。ジアミン(1.00g,4.67mmol)がAcOH(8mL)中に溶解され、そして、亜硝酸ナトリウム(0.335g,4.9mmol)が少しずつ加えられた。穏やかな発熱反応が、わずかなガス発生を伴って起きる。混合物が、室温で、15分間撹拌され、そして次に、60℃で、3.5時間撹拌された(LCMSは完全転化を示す)。反応混合物が、室温まで冷やされ、等容量の水で希釈され、そして、室温で、1時間撹拌され、ベージュ色の析出物が集められた。生成物が、水で洗われ、そして、真空下で乾燥された(1.01g):1H NMR(CDCl3) δ:7.43~7.57(m,3H),7.28~7.43(m,4H),6.84(d,J=7.8Hz,1H),5.36(s,2H)。MS m/z 226.1(MH+)。
工程2:実施例116について記載された同一の手順に沿って、工程1からのベンゾトリアゾール(30mg)が、方法Aの一般的手順を使用してクロロピリジンクロロピリジンA-13(Ar=3-クロロ-2-メチル)にカップリングされ、そして、生成物が水素化分解されて、ベンジルエーテル保護基が除去されて、実施例117の化合物(15mg)が得られた。
実施例120~122の化合物の調製:
実施例127について記載された一般的方法Dが、インダゾール-3-カルボン酸メチルを工程1における5-メチル-ピラゾール-3-カルボン酸メチルに置き換えて使用された。
実施例136~138の化合物の調製:
実施例127について記載された一般的方法Dが、インダゾール-3-カルボン酸メチルを工程1における2-メチル-イミダゾール-4-カルボン酸エチルに置き換えて使用された。
実施例145及び146の化合物の調製:
実施例127について記載された一般的方法Dが、インダゾール-3-カルボン酸メチルを工程1におけるピラゾール-3-カルボン酸メチルに置き換えて使用された。
実施例147及び148の化合物の調製:
実施例127について記載された一般的方法Dが、インダゾール-3-カルボン酸メチルを工程1における3-メチル-ピラゾール-4-カルボン酸エチルに置き換えて使用された。異性体の85:15の混合物が工程に持ち越された。実施例147及び148の化合物が主要成分として単離された。
実施例149及び150の化合物の調製:
アミノベンズイミダゾール(実施例83,30mg)がピリジン(0.5mL)中に溶解され、そして、モルホリンカルバモイルクロリド(31mg,4当量)が添加された。混合物が、60℃で、2時間撹拌された(LCMSは所望の質量への完全な転化、LCMSによる)。ワインレッド(burgundy)色の溶液が、減圧下で濃縮され、残渣が、3:1のDMSO-AcOH(1.8mL)中に溶解され、そして、物質が、50→100%のMeOH-0.1%のHCOOHのグラジエントを使用して、分取HPLCによって精製された。
実施例150の化合物が同様の方法で調製したが、モルホリネカルバモイルクロリドの代わりにN-N-ジメチルカルバモイルクロリドが使用された。75℃で、18時間加熱して反応が完了した。
実施例151及び152の化合物の調製:
実施例127について記載された一般的方法Dが、インダゾール-3-カルボン酸メチルを工程1における1,2,4-トリアゾール-3-カルボン酸メチルに置き換えて使用された。
実施例153~155の化合物の調製:
実施例127について記載された一般的方法Dが、インダゾール-3-カルボン酸メチルを工程1における4-メチル-ピラゾール-3-カルボン酸エチルに置き換えて使用された。
実施例207の化合物の調製:
工程1:無水THF(16mL)中、国際公開第WO2013/041457号パンフレットにおいて記載された手順に沿って調製された1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール(1.80g,9.1mmol)の-78℃の溶液に、n-ブチルリチウム(6.24ml,1.6Mの9.98mmol,ヘキサン中)がゆっくりと加えられた。添加が完了すると、淡黄色の溶液が、8mLのTHF中、四臭化炭素(3.31g,9.98mmol)の溶液に、-78℃でゆっくりと加えられた。溶液が濃い黄色になり、次に、添加の終了時には、非常に暗褐色になった。それは、同じ温度で、15分間撹拌され、次に、塩化アンモニウムの飽和溶液でクエンチされた。室温まで温められた後、EtOAcが加えられ、そして、暗褐色から黒色の二相混合物がセライト(celite)(登録商標)で処置され、相分離を促進する為に濾過された。これらの層が分離され、そして、水性層がEtOAcで2回抽出された。一緒にされた有機層が、塩水で1回洗われ、次に、MgSO4で乾燥され、そして、濾過された。濃縮後、残渣が、フラッシュカラムクロマトグラフィー(コンビフラッシュ(combiflash),40gのカラム,0%→40%のEtOAc,ヘキサン中;生成物は、TLCによってわずかにUV可視,画分の確認の為にKMnO4染色が使用された)。淡黄色の-褐色のオイルとして、1.944gの所望の生成物が与えられた:1H NMR(CDCl3) δ:7.11(d,J=1.2Hz,1H),7.06(d,J=1.2Hz,1H),5.28(s,2H),3.54(t,J=7.8Hz,2H),0.92(t,J=8.2Hz,2H),0.00(s,9H)。
工程2:N-トシル-3-インドールボロン酸エステル(132mg,0.33mmol)、工程1からの、SEMで保護されたブロモイミダゾール(111mg,0.4mmol)、炭酸カリウム(184mg,1.33mmol)、DMF(3mL)及び水(1mL)が、マイクロ波バイアル中に入れられた。窒素が、3~4分間、懸濁物を通じてバブリングされた。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(19mg,0.017mmol)が添加され、そして、窒素が、更に3~4分間、超音波を掛けながら、混合物を通じてバブリングされた。次に、該バイアルが、キャップされ、そして、マイクロ波で、80℃、1時間照射された。その時点でのLCMS分析により、ボロン酸エステルが消費されたことが確認された。反応混合物が室温まで冷やされ、次に、水で希釈され、2:1のEtOAc/ヘキサンの混合物で3回抽出された。一緒にされた有機層が、水で2回洗われ、そして、塩水で1回洗われた。次に、それらは、MgSO4で乾燥され、濾過され、そして濃縮された。残渣が、フラッシュクロマトグラフィー(イスコ コンビフラッシュ(isco combiflash),12gのシリカゲルカラム,0%→35%のEtOAc,ヘキサンのグラジエント)によって精製された。適切な画分をプーリングし、そして濃縮した後に、33mgの所望の生成物が得られた(8mgのホモカップリングされたビス-インドール副生成物がまた得られた):1H NMR(CDCl3) δ:8.20(d,J=7.8Hz,1H),8.09(s,1H),8.03(d,J=8.2Hz,1H),7.79(d,J=8.6Hz,2H),7.38(t,J=7.4Hz,1H),7.32(t,J=7.8Hz,1H),7.20~7.26(m,3H),7.14(s,1H),5.32(s,2H),3.64(t,J=8.2Hz,2H),2.35(s,3H),1.01(t,J=8.6Hz,2H),0.04(s,9H)。MS m/z 468.0(MH+)。
工程3:工程2からの生成物が、メタノール(3mL)中に溶解され、そして、粉砕された水酸化カリウム(115mg,30当量)が添加された。結果として得られた溶液が、4時間で還流された(LCMSは、出発物質の完全な消費を示した)。反応は、飽和塩化アンモニウム溶液の添加によってクエンチされ、次に、水及びEtOAcが添加された。これらの層が分離され、そして、水性層がEtOAcでもう1回抽出された。一緒にされた有機抽出物が、水で1回、次に塩水で1回洗われ、MgSO4で乾燥され、濾過され、そして濃縮された。減圧下で乾燥後、所望のインドール誘導体がベージュ色の固体として得られ(23mg)、次の工程においてそのまま使用された:MS m/z 324.0(MH+)。
工程4:一般的方法Aに沿って、クロロピリジンA-13(Ar=2,3-ジクロロフェニル,38mg,0.07mmol)及び工程3からのインドール(23mg,0.07mmol)が、銅触媒下、1.5時間、100℃で加熱されることによってカップリングされて、予想された粗生成物(65mg)を提供し、そして、次の工程において直接使用された:1H NMR(DMSO-d6) δ:10.72(s,1H),9.81(s,1H),8.89(br.s.,1H),8.49~8.62(m,2H),8.37~8.49(m,2H),7.98~8.07(m,1H),7.95(d,J=7.8Hz,1H),7.90(d,J=7.8Hz,1H),7.79~7.88(m,1H),7.54(t,J=8.2Hz,1H),7.50(t,J=8.2Hz,1H),7.44(t,J=7.0Hz,1H),7.27~7.34(m,1H),7.23(t,J=8.8Hz,1H),5.68(s,2H),3.55(t,J=8.0Hz,2H),0.83(t,J=8.6Hz,2H),-0.15(s,9H)。MS m/z 793.1(MH+)。
工程5:工程4からの、SEMで保護された粗物質が、2mLのエタノール中に懸濁され、そして、1mLの6N塩酸が添加された。結果として得られた懸濁物が、80℃までもたらされ、その温度で、それは4.5時間撹拌された。次に、反応物が濃縮されて残渣とされ、それは、1.5mLのDMSO中に再溶解され、濾過され、そして、濾液が、分取HPLC(MeOH/H2O/0.1%のギ酸の条件、30%→100%メタノールのグラジエント)によって精製された。所望の生成物を含有する画分が全て、共溶出不純物によって汚染されていた。画分が一緒にされ、濃縮され、そして凍結乾燥された。粉末が、DMSO/MeOH中に再溶解され、そして、分取HPLC(MeOH/H2O/0.05%のTFAの条件,30%→100%メタノールのグラジエント)によって2回目の精製がされた。適切な画分が、濃縮され、冷凍され、そして凍結乾燥されて、TFA塩として、16.3mgの所望の生成物207が与えられた(黄色の粉末)。
実施例208の化合物の調製:
工程1:1H-インダゾール-3-カルボン酸メチル(350mg,1.98mmol)が、5mLのEtOH(無水)及びヒドラジン水和物(0.244ml,4.97mmol)と共に圧力チューブに入れられた。該tubeが密封され、そして、油浴中で100℃に加熱された。4時間後、LCMSによって反応が完了したことを確認した。無色の溶液が氷水浴中で撹拌しながら冷やされ、かなりの量の結晶物質が与えられた。白色固体が、濾過によって集められ、そして、少量のEt2Oで洗われた。乾燥後、255mgのヒドラジドが得られた:1H NMR(DMSO-d6) δ:12.98(br.s.,1H),9.55(br.s.,1H),8.14(d,J=8.2Hz,1H),7.60(d,J=8.6Hz,1H),7.40(t,J=7.6Hz,1H),7.23(t,J=7.4Hz,1H),4.46(br.s.,2H)。MS m/z 175.1(M-H)。
工程2:3mLのDMF中、工程1(250mg,1.42mmol)からの1H-インダゾール-3-カルボヒドラジドの溶液に、トリエチルアミン(0.59ml,4.26mmol)が添加された。無色の溶液が、氷水浴中、0℃に冷やされ、次に、ジ(1H-イミダゾl-1-イル)メタノン(345mg,2.13mmol)が一度に添加された。溶液は直ちに黄色になった。それは、該氷浴から取り除かれ、そして、室温で、一晩撹拌された。それまでに、アリコートのLCMS分析により、反応が完了したことが確認された。それは、水で希釈され、次に、1N塩酸で酸性化され、そして、10分間撹拌され、何らかの残存するCDIが破壊された。次に、白色固体が濾過によって集められ、減圧下で乾燥され、そして、次の工程においてそのまま使用された(300mg):MS m/z 203.0(MH+)。
工程3:一般的方法Aに沿って、クロロピリジンA-13(Ar=2,3-ジクロロフェニル,35mg,0.068mmol)及び工程3からのインドール(25mg,0.075mmol)が1.5時間、100℃で、銅触媒下で加熱されることによってカップリングされて、逆相HPLC精製(MeCN/H2O,0.1%の酢酸,60%→100%のMeCNのグラジエント)後に、ベージュ色の粉末として阻害剤208を提供した(25mg)。
実施例209の化合物の調製:
工程1:実施例208の合成からの、工程2からの粗生成物が4mLのバイアル内に入れられ、続いて、ジメチルアミン塩酸塩(64.5mg,0.79mmol)、DMF(2mL)及びDIEA(0.21ml,1.18mmol)が入れられた。黄色の溶液が、2分間撹拌され、次に、BOP試薬が一度に添加された(193mg,0.44mmol)。反応物が、室温で、60時間撹拌された。次に、それは、水と塩化アンモニウムの飽和溶液とで希釈された。結果として得られた懸濁物が超音波処理され、そして、固形物が濾過によって集められ、水で洗われ、そして、減圧下で乾燥されて、オフホワイトの固体として、45mgの所望の生成物が与えられた:1H NMR(DMSO-d6) δ:13.75(br.s.,1H),8.12(d,J=8.2Hz,1H),7.66(d,J=8.2Hz,1H),7.48(t,J=7.6Hz,1H),7.31(t,J=7.6Hz,1H),3.12(s,6H)。MS m/z 230.1(MH+)。
工程2:一般的方法Aに沿って、クロロピリジンA-13(Ar=2,3-ジクロロフェニル,35mg,0.068mmol)及び工程3からのインドール(17mg,0.075mmol)が、1.5時間、100℃で、銅触媒下で加熱することによってカップリングされた。次に、混合物が、室温に冷やされ、0.2mLの酢酸の添加によってクエンチされた。次に、メタノール(2mL)が添加され、そして、懸濁物が超音波処理された。固形物が集められ、そして、少量のメタノールで洗われ、次に、減圧下で乾燥された。実施例209の化合物が、ベージュ色の粉末として得られた(32mg)。
実施例210の化合物が、工程1におけるジメチルアミン塩酸塩をメチルアミン塩酸塩に置き換えて同様の方法で調製された。実施例211の化合物が、工程1におけるジメチルアミン塩酸塩を4-メトキシベンジルアミンに置き換えて調製された。クロロピリジンA-13(Ar=2,3-ジクロロフェニル)へのカップリングに続いて、DCM中、60~70℃で6時間加熱することによってPMB保護基が除去された。
実施例212の化合物の調製:
工程1:3-ヨードインダゾールが、国際公開第WO2011/138265号パンフレットにおいて記載された手順に沿って、インダゾールのヨウ素化によって調製された。
工程2/3:3-ヨードインダゾールが、国際公開第WO2016/058544号パンフレットにおいて記載された手順に沿って、N-Boc誘導体として保護され、そして、3-トリメチルスタナン誘導体にスタニル化された。
工程4:工程3からのスタナン誘導体(270mg,0.71mmol)が、4mLのバイアル内に入れられ、続いて、実施例207の工程1において調製された2-ブロモ-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール(197mg,0.71mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(41mg,0.035mmol)及び2mLのトルエンが入れられた。該バイアルが、2分間、アルゴンで脱ガスされ、次に、密封され、そして、110℃で、20時間加熱された。黒色の反応混合物が、水中に注がれ、EtOAcで抽出され、塩水で洗われ、そして、乾燥(MgSO4)された。濃縮により、N-Boc生成物(42mg)とNH-インダゾール生成物(54mg)との混合物が与えられ、それは、フラッシュクロマトグラフィーによって分離された。N-Boc生成物:1H NMR(CDCl3) δ:8.64(d,J=7.8Hz,1H),8.17(d,J=8.6Hz,1H),7.58(t,J=7.8Hz,1H),7.42(t,J=7.4Hz,1H),7.31(d,J=9.0Hz,2H),6.07(s,2H),3.63(t,J=8.6Hz,2H),1.75(s,9H),0.93(t,J=7.8Hz,2H),-0.09(s,9H)。MS m/z 415.2(MH+)。該N-Boc物質が、DCM中に懸濁され、そして、TFA(150μL)が添加された。2時間の撹拌後、脱保護されたインダゾールへの転化が、LCMSによる完了により判断された。トルエン(2mL)が転化され、そして、揮発性物質が減圧下で除去されて、所望のインダゾールが与えられ、それは、更なる精製をすること無しに、次の工程において使用された:MS m/z 315.2(MH+)。
工程5:出発物質であるクロロ-ピリドピリミジンA-13(Ar=2,3-ジクロロフェニル,58mg,1当量)が、一般的方法Aを使用して、工程4からのインダゾール(41mg,1.15当量)にカップリングされた。100℃で、3時間撹拌後、LCMSによって反応が完了したことを確認した。混合物が室温まで冷やされ、次に、0.15mLの酢酸の添加によってクエンチされた。次に、水(5mL)が添加され、そして、懸濁物が超音波処理された。固形物がフリットガラスフィルター上に集められ(54mg)、そして、水及びヘキサンで洗われた。粗物質が、TFA(0.5mL)中に溶解され、そして、室温で、3時間撹拌され、その時点で、LCMSは、SEM基の完全な脱保護を示した。混合物が濃縮されて残渣とされ、次に、1mLのDMSO及び0.5mLのMeOH中に取り込まれた。それは濾過され、そして、濾液が、分取HPLC(MeOH/H2O,0.05%のTFA,60%→100%のMeOHのグラジエント)によって精製された。適切な画分が一緒にされ、そして濃縮され、メタノールが除去された。幾分かのアセトニトリルが添加され、そして、溶液が、冷凍され、そして凍結乾燥された。実施例212の化合物(21.5mg)が、黄色の固体として得られた。
実施例213の化合物が、対応するA-13(Ar=2-クロロフェニル)を用いて同様の方法で調製された。
実施例223の化合物の調製:
工程1:トリプタミンが、J.Am.Chem.Soc.2004,126,12888において記載されている通り、Boc-カルバメートとして保護され、そして、保護されたアミノメチルケトンに酸化された。
工程2:一般的方法を使用して、工程1からのインドール誘発体が、化合物A-13(Ar=2-クロロフェニル)にカップリングされた。粗生成物が、2:1のDCM-TFA中で、30分間撹拌されることによって脱保護された。実施例223の化合物(黄色の固体)が、逆相HPLC精製(30%→100%のMeOH-0.05%のTFA)の後、TFA塩として単離された。
実施例224の化合物の調製:
メタノール(0.6mL)中、粗アミノメチルケトン223-TFA塩(50mg,0.068mmol)の室温での懸濁物に、1Nの水酸化ナトリウム溶液(0.082ml,0.082mmol)が添加された。懸濁物が暗色の溶液になった。次に、ホルムアルデヒドの37重量%溶液(55mg,0.681mmol)が添加され、そして、混合物が、40℃で、5分間撹拌された。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(13mg,0.20mmol)が添加され、そして、溶液が50℃で2時間撹拌された(LCMSは、出発物質の完全な消費と、所望の生成物の形成を示した)。反応が、0.2mLの酢酸の添加によってクエンチされ、そして、DMSOで2mLまで希釈された。混合物が、シリンジフィルターを通じて濾過され、そして、分取HPLC(30%→100%のMeOH-0.1%のギ酸)によって精製された。適切な画分がプールされ、そして、濃縮され、メタノールが除去され、次に、冷凍され、そして凍結乾燥された。実施例224の化合物(3.3mg)が、淡黄色の固体として得られた。
実施例237の化合物の調製:
工程1:一般的な方法E(工程1)の下で記載されているように調製されたブロモベンズイミダゾールE-2が、E-3(工程2)の調製についての方法Eに記載された手順と同様の手順に沿って、アセチル誘導体に転化されたが、カルボニル化工程について、DMFをN,N-ジメチルアセトアミドに置き換えた。生成物が褐色の固体(131mg)として得られ、それは、次の工程において直接使用された。
工程2:工程1(50mg)からのベンズイミダゾール誘導体が、一般的方法Aを使用して、化合物A-13(Ar=2-クロロフェニル,130mg)に、100℃で、3時間カップリングされた。予想された粗中間体が、褐色の固体(168mg)として得られ、それは、次の工程において直接使用された:1H NMR(DMSO-d6) δ:10.53(br.s.,1H),9.84(s,1H),9.45(br.s.,1H),8.66(d,J=8.2Hz,1H),8.47~8.59(m,3H),7.92(dd,J=7.8,1.2Hz,1H),7.86(d,J=7.0Hz,1H),7.61~7.71(m,2H),7.55(t,J=7.8Hz,1H),7.47~7.53(m,1H),7.28(td,J=8.7,5.7Hz,1H),7.22(t,J=9.2Hz,1H),3.01(s,3H)。MS m/z 605.8(MH+)。
工程3:モルホリン(17mg,0.20mmol)が、1mLのメタノールと共に、1ドラム(dram)のバイアル内に入れられた。次に、工程2からの粗アセチルベンズイミダゾール(40mg,0.066mmol)が入れられ、そして、混合物が、50℃で、10分間加熱された。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(12.5mg,0.2mmol)が添加され、そして、反応混合物が、50℃で、20時間撹拌された(LCMSは、~50%の転化を示す)。モルホリン(17mg,0.2mmol)及びシアノ水素化ホウ素ナトリウム(12.5mg,0.2mmol)の別の部分が添加され、そして、混合物が、70℃で、更に7時間撹拌された。~70%の転化(LCMS)後、反応が、0.5mLのDMSO中、酢酸溶液(0.2mL)の添加によってクエンチされた。溶液が、濾過され、そして、分取HPLC(30%→100%のMeOH-0.1%のギ酸)によって精製された。適切な画分が、プールされ、そして濃縮されて、メタノールが除去され、次に、冷凍され、そして凍結乾燥された。実施例237の化合物(10mg)が、淡黄色の固体として得られた。
実施例238の化合物が、モルホリンをジメチルアミン塩酸塩に置き換え、そして、当量の4NのNaOHを加えて塩酸塩を中和して、同様の方法で得られた。
実施例239及び652(表5)の調製:
工程1:2-クロロ-6-フルオロアニリン(10g)が、250mLのフラスコ内に入れられ、そして、40mLの氷酢酸中に溶解された。無水酢酸(7.47mL)が室温で添加され、そして、結果として得られた混合物が90℃で、1時間撹拌され、その時点で、LCMS分析により反応が完了したことが確認された。揮発性物質が減圧下で除去され、残渣がDCM中で溶解され、そして、NaHCO3の飽和溶液で中性化された。これらの層が分離され、そして、水性層が、DCMで3回抽出された。一緒にされた有機層が、水で1回洗われ、次に、MgSO4で乾燥され、濾過され、そして濃縮された。真空乾燥の後、所望の生成物が、白色~淡ピンク色の結晶(12.79g)として得られた:1H NMR(CDCl3) δ:7.16~7.26(m,2H),7.03~7.13(m,1H),6.93(br.s.,1H),2.23(br.s.,3H)。MS m/z 188.1(MH+)。
工程2:工程1(12.75g)からのアセトアニリドが、25mLの濃硫酸中に取り込まれ、そして、氷浴中で、0℃に冷やされた。硝酸(90%,3.31mL)がゆっくり添加された。5~10分後、混合物が固体塊となった。それは、室温まで温められ、それにより濃いワインレッド(burgundy)色の濃いスラッジが生成した。合計4時間後、反応は、LCMSによって監視され、それにより、若干の残存の出発物質が確認された。更に5mLの硫酸が加えられて、流動性が改善され、続いて、0.3mLの90%硝酸が加えられた。混合物が、室温で、更に18時間撹拌された。次に、混合物が、0℃に冷やされ、そして、粉砕された氷(~150mL)上に注がれた。氷が一旦溶けると、懸濁物が超音波処理され、そして、黄色の固体が濾過によって集められ、水で洗われ、そして乾燥された(15.1gの粗生成物)。粗生成物の固体が50mLのアセトニトリル中に取り込まれ、そして還流されて、澄んだ暗赤色の溶液が与えられた。加熱が止められ、そして、混合物が、1時間掛けて、室温まで冷やされ、次に、室温で、2時間撹拌された。その頃までには、混合物が固体塊になり、それはスパチュラで砕かれ、そして、超音波処理された。固形物が、濾過によって集められ、そして、少量の冷アセトニトリルで洗われた。所望のオフホワイトのニトロ化合物(6.63g)が、NMRによって示されているように、単一の位置異性体として得られた(母液は、7%の6-クロロ-2-フルオロ-3-ニトロアセトアニリドを含有する2.16gの第2の収穫物をもたらした):1H NMR(CDCl3) δ:7.90(dd,J=9.2,4.9Hz,1H),7.24(dd,J=9.2,8.4Hz,1H),6.98(br.s.,1H),2.28(s,3H)。MS m/z 233.0(MH+)。
工程3:15mLのエタノール中、工程2からのニトロアセトアニリド(500mg,2.15mmol)の溶液に、1.35mLの水中のNH4Cl溶液(60mg,1.12mmol)が添加された。混合物が70℃に温められ、次に、鉄粉末(600mg,10.75mmol)が10分間隔で3回に分けて添加された。結果として得られた、暗赤色~ワインレッド(burgundy)色の混合物が、70℃で、20時間撹拌された。その時点で反応混合物の濾過されたアリコートのLCMSにより、反応が完了していたことが確認された。混合物が、セライト(celite)(登録商標)のパッドを通じて濾過された。暗褐色の濾液が、濃縮乾固され、次にEtOAc内に取り込まれ、それにMgSO4が添加された。懸濁物が撹拌され、次に濾過され、澄んだ淡黄色の溶液が与えられた。溶液が、濃縮乾固されて、淡黄色の固体として、所望の生成物(440mg)が与えられ、それは、更なる精製をすること無しにそのまま使用された:1H NMR(CDCl3) δ:6.92(t,J=9.0Hz,1H),6.76(br.s.,1H),6.68(dd,J=8.6,4.7Hz,1H),3.98(br.s.,2H),2.24(br.s.,3H)。MS m/z 203.1(MH+)。
工程4:工程3からのアニリンが、一般的方法Aにおける化合物A-9について記載されている通常の方法で4-メトキシベンゼンスルホニルクロリドを使用してスルホニル化された:1H NMR(DMSO-d6) δ:9.89(s,1H),9.67(s,1H),7.57~7.74(m,2H),7.23(t,J=9.2Hz,1H),7.13(dd,J=8.8,5.3Hz,1H),7.02~7.10(m,2H),3.82(s,3H),2.00(s,3H)。MS m/z 373.0(MH+)。
工程5:工程4からのアセトアニリド(200mg,0.54mmol)が1.5mLのエタノール内に取り込まれ、次に、濃HClと水(2mL)との1:1の混合物がゆっくりと加えられた。次に、黄色のスラリーが、80℃にもたらされ、そして、1時間撹拌された。その時点で、1mLのエタノールが溶解性を向上させる為に加えられた。混合物が、同じ温度で、更に5時間撹拌された(混合物が、それまでに澄んだ黄色の溶液になっていた)。その時点でのLCMS分析は、残りの出発物質が3%未満であることを示した。混合物が、濃縮されて、大部分のエタノールが除去され、次に、氷上で冷やされた。それは、4NのNaOHでpH5~6に塩基化された。結果として得られた懸濁物が超音波処理され、そして、固形物が濾過によって集められ、そして、水で洗われた。減圧下で乾燥後、156mgの所望の生成物が、ベージュ色の固体として得られた:1H NMR(DMSO-d6) δ:9.53(s,1H),7.53~7.72(m,2H),7.00~7.14(m,2H),6.95(dd,J=10.8,8.8Hz,1H),6.36(dd,J=8.6,5.1Hz,1H),5.39(s,2H),3.81(s,3H)。MS m/z 329.0(M-H)。
工程6:工程5からのアニリン(75mg,0.23mmol)が、一般的方法Aにおける化合物A-13の調製の為に記載されているように、50℃で、AcOH中、ジクロロピリドピリミジンA-12(125mg,0.63mmol)にカップリングされた。予想された生成物(125mg)が、ベージュ色の固体として得られた:1H NMR(DMSO-d6) δ:10.18(s,1H),9.95(s,1H),8.50(s,1H),8.27(d,J=8.6Hz,1H),7.99(d,J=9.0Hz,1H),7.65~7.69(m,2H),7.33(t,J=9.0Hz,1H),7.26(dd,J=9.0,5.5Hz,1H),7.04~7.12(m,2H),3.81(s,3H)。MS m/z 496.0(MH+)。
工程7(実施例239,表5):ベンズイミダゾールが、一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された銅/BINOL触媒を用いて、工程6からのクロロピリジンにカップリングされた。
実施例652(表5)が、工程4における2,3-ジクロロフェニルスルホニルクロリド及び工程7についてのフラグメントA31を使用して、類似の方法で調整された。
実施例240、646及び647(表5)の化合物の調製:
工程1:2-フルオロ-3-ニトロ安息香酸(1.50g,8.1mmol)がDCM(7mL)中に溶解され、そして、2滴のDMFが添加され、続いて、塩化オキサリル(1.23mL)が少しずつ加えられた。混合物が、一晩、室温で撹拌され、その後、揮発性物質が減圧下で除去され、そして、酸クロリド残渣が、真空下で、1/2時間乾燥された。白色固体がDCM(5mL)中に溶解され、そして、DMF(3mL)が加えられ、続いてNaN3(0.58g,1.1当量)が加えられた。室温で、35分間撹拌された。次に、tert-BuOH(0.86mL)が添加され、そして、混合物が、65℃に予熱された油浴中に浸された。混合物が、4時間(N2展開)、還流された。室温まで冷やされ、減圧下でDCMが除去され、水(100mL)内に注ぎ込まれ、そして、生成物がEtOAc内に抽出された。抽出物が、NaHCO3、水及び塩水で洗われ、そして、乾燥(MgSO4)された。減圧下で濃縮されて、淡黄色の結晶性固体が与えられた:1H NMR(CDCl3) δ:8.46(t,J=7.2Hz,1H),7.59~7.73(m,1H),7.24(td,J=8.6,1.0Hz,1H),6.87(br.s.,1H),1.55(s,9H)。MS m/z 155.1(M-H-Boc)。
工程2:工程1(0.74g)からのニトロアレーン、及びジオキサン(5mL)中の4N塩酸が、室温で、18時間撹拌された(沈殿物が最初の30分間で徐々に形成された)。LCMSは完全な転化を示す。ジエチルエーテル(30mL)で希釈され、析出物が集められ、エーテルで洗われ、そして、白色固体が空気中で乾燥された:1H NMR(DMSO-d6) δ:7.14~7.20(m,1H),7.04~7.14(m,2H)。
工程3:工程2からのアニリン塩酸塩(143mg,0.74mmol)及びジクロロピリドピリミジンA-12(178mg,0.89mmol)がAcOH(3mL)中で懸濁され、そして、LCMSによってアニリンが完全に消費されるまで、混合物が55℃で撹拌された。(化合物A-13が、添加を完了する為に必要に応じて追加で添加された)。反応混合物が濾過され、不溶性のヒドロキピリミジン夾雑物が除去され(洗浄の為にAcOHを使用)、そして、橙色の濾液が水で希釈されて、淡い橙色の固体として生成物が沈殿した。物質が、濾過によって集められ、水で洗われ、そして乾燥された(198 mg):1H NMR(DMSO-d6) δ:10.35(s,1H),8.65(s,1H),8.32(d,J=8.6Hz,1H),8.14(t,J=6.8Hz,1H),8.06(t,J=7.8Hz,1H),8.02(d,J=8.6Hz,1H),7.51(t,J=8.2Hz,1H)。MS m/z 320.0(MH+)。
工程4:工程3からのニトロアレーン(198mg,0.62mmol)及び塩化スズ(II)脱水物(630mg,2.8mmol)がEtOH(7mL)中に懸濁され、そして、混合物が、65℃で、2時間撹拌された(LCMSは、完了を示す)。反応混合物が、1NのNaOH内に注がれ、そして、EtOAcで抽出された。抽出物が水で洗われ、乾燥(MgSO4)され、そして濃縮されて、橙色の固体としてアニリンが与えられた:1H NMR(DMSO-d6) δ:9.74(s,1H),8.60(s,1H),8.27(d,J=8.6Hz,1H),7.98(d,J=9.0Hz,1H),6.99~7.12(m,1H),6.90(t,J=8.0Hz,1H),6.66(td,J=8.2,1.6Hz,1H),5.22(s,2H)。MS m/z 290.1(MH+)。
工程5:工程4からのアニリン(176mg,0.6mmol)が、THF(4mL)中に溶解され、そして、ピリジン(0.2mL,2.4mmol)が添加され、続いて、3-クロロ-2-メチルベンゼンスルホニルクロリド(150mg,0.67mmol)が添加された。混合物が、室温で、18時間撹拌された(LCMSは、アニリンの残存を示す)。追加の25mgのスルホニルクロリドが添加され、そして、55℃で、追加の7時間撹拌が継続された(LCMSは、完了を示す)。
ベージュ色のスラリーが室温まで冷やされ、AcOH(0.25mL)で酸性にされ、1:1のEtOAc-エーテルで希釈され、そして、固体が濾過によって集められ、エーテルで洗われ、そして、乾燥された(210mg):1H NMR(DMSO-d6) δ:10.61(br.s.,1H),8.86(d,J=4.7Hz,1H),8.58(s,1H),8.29(d,J=9.0Hz,1H),8.21(d,J=6.3Hz,1H),8.00(d,J=8.6Hz,1H),7.93(t,J=6.5Hz,1H),7.81(d,J=7.8Hz,1H),7.74(d,J=7.8Hz,1H),7.52(br.s.,1H),7.38(t,J=8.2Hz,1H),7.17(d,J=5.1Hz,2H),6.98(d,J=6.7Hz,1H),2.66(s,3H)。MS m/z 480.0(MH+)。
工程6(実施例240,表5):ベンズイミダゾールが、一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された銅/BINOL触媒を用いて、クロロピリジンにカップリングされた。
実施例646の化合物(表5)が、工程5における2,3-ジクロロフェニルスルホニルクロリドを用いて、類似の方法で調整された。
実施例647の化合物(表5)が、工程4における2,3-ジクロロフェニルスルホニルクロリド及び工程6についてのフラグメントA31を使用して、類似の方法で調整された。
実施例241の化合物(表5)の調製:
工程1:3-インダゾールカルボン酸(250mg,1.5mmol)が、DCM(3mL)中で懸濁され、そして、塩化オキサリル(0.26mL,3mmol)が添加され、続いて、2滴のDMFが添加された。混合物が、室温で、18時間撹拌された(乳白色の懸濁物が得られた)。揮発性物質が、減圧下で除去された。残渣がTHF(3mL)中に懸濁され、そして、モルホリン(0.3mL,3.4mmol)が添加された。白色の析出物が形成されるときに、発熱反応が生じた。1時間後、反応混合物が1N塩酸で希釈され、EtOAcで抽出された。抽出物が、塩水で洗われ、乾燥(MgSO4)され、そして濃縮されて、白色の泡が与えられ、それは、更なる精製をすること無しに、工程2において使用された:1H NMR(CDCl3) δ:8.40(d,J=8.2Hz,1H),8.10(d,J=8.2Hz,1H),7.65~7.71(m,1H),7.52(t,J=7.4Hz,1H),3.67~3.97(m,8H)。MS m/z 230.1(M-H)。
工程2(実施例241):工程1からのインダゾールが、一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された銅/BINOL触媒を用いて、実施例240の工程5からのクロロピリジンにカップリングされた。
実施例242の化合物(表4)の調製:
実施例99のアミノベンズイミダゾール(50mg,0.082mmol)が、THF(1mL)中に溶解され、そして、プロピオンアルデヒド(14.2mg,0.245mmol,3当量)が添加された。2分間、室温で撹拌後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(10.2mg,0.163mmol)が添加され、そして、混合物が、一晩、室温で撹拌されて、出発物質と生成物との混合物が与えられた。プロピオンアルデヒドと水素化ホウ素ナトリウムとの第2の部分の追加により、更なる添加が得られなかったことから、反応混合物が、MeOH(1mL)中、10%のギ酸でクエンチされ、そして、生成物が、60%→100%のMeOH-0.1%のギ酸のグラジエントを使用して、分取HPLCによって単離された。粗生成物が、30→100%のMeOH-0.1%のTFAのグラジエントを使用して、分取HPLCで2回目として生成されて、実施例242の生成物が与えられた。
実施例316の化合物(表3)の調製:
4-クロロ-3-メチルチオフェン-2-スルホニルクロリド(2及び3)の調製:3-クロロ-4-メチルチオフェン1(1.00g,7.54mmol)が、CHCl3(4.43mL)中に溶解され、そして、CHCl3(1.48mL)中のクロロスルホン酸(1.19mL,17.3mmol)の溶液が、5分間掛けて、室温で添加された。混合物が、10分間撹拌された。五塩化リン(4.13g,18.9mmol)が、反応混合物に添加され、続いて、CHCl3(7.50mL)が添加された。これは、50℃で、1時間加熱された。反応混合物が、NaHCO3水性液+氷(30.0mL)にゆっくりと添加された。これは、10分間撹拌され、CH2Cl2(4x10mL)で抽出された。一緒にされた有機層が、乾燥(Na2SO4)され、濾過され、そして、減圧下で濃縮されて、オイルとして、主な異性体である化合物2と化合物3との混合物(1.30g)が与えられた。これは、次の反応において、更なる精製をすること無しに使用された。LCMS:LCMSサンプルは、N-メチルピペラジンでクエンチされた;(ES+)M+H=295.1。
N-(3-(4-クロロ-3-メチルチオフェン-2-スルホンアミド)-2,6-ジフルオロフェニル)アセトアミド(5及び6)の調製:化合物2と化合物3との混合物(1.30g,2.37mmol)のCH2Cl2溶液にアニリン4(400mg,2.15mmol)が添加され、続いて、トリエチルアミン(904μL,6.45mmol)が添加された。これは、室温で、18時間撹拌された。反応混合物が氷水(20mL)にゆっくりと添加され、そして、室温で、10分間撹拌された。析出した固体が濾過され、MTBE(3x5mL)で洗われ、真空下で乾燥されて、化合物5及び6の混合物(900mg)が与えられた。LCMS:(ES+)M+H=381.1。
N-(3-アミノ-2,4-ジフルオロフェニル)-4-クロロ-3-メチルチオフェン-2-スルホンアミド(7)の調製:化合物5と化合物6との混合物(900mg,2.36mmol)がEtOH(5.49mL)中に溶解され、そして、HCl(6.00N,H2O中,0.6mL)が室温で添加された。これは、油浴中、80℃で、18時間加熱された。次に、揮発性物質が、減圧下で除去された。残渣が、EtOAc(30mL)及びH2O(10mL)中に溶解された。pH=8が得られるまで、飽和NaHCO3水性液が加えられた。水性層と有機層とが分離された。水性層が、EtOAc(3x10mL)で洗われた。一緒にされた有機層が、乾燥(Na2SO4)され、濾過され、そして、減圧下で濃縮された。フラッシュクロマトグラフィー(50gのシリカゲルカラム,EtOAc/ヘキサン,10CVに渡って0~70%)により、標記の化合物(35mg)が与えられ、それは、再精製(12gのシリカゲルカラム,EtOAc/ヘキサン,20~60%)されて、オイルとして、標記の化合物7(17mg,1.76%,84%の純度)が与えられた。(ES-)M+H=337.1;1H NMR(400MHz,CDCl3) δ7.20(m,1H),7.03(brs,1H),6.87(td,J=8.8,5.4Hz,1H),6.73(td,J=9.8,2.0Hz,1H),2.21(s,3H)。
3-クロロ-N-(3-((6-クロロピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)-2,4-ジフルオロフェニル)-4-メチルチオフェン-2-スルホンアミド(9)の調製:化合物7(15.3mg,45.2μmol)が、酢酸(200μL)中、化合物8(9.04mg,45.2μmol)に添加された。この混合物は、50℃で、2時間加熱された。混合物が、室温まで冷やされた。揮発性物質が、減圧下で除去されて、淡い黄色のオイルとして、標記の化合物9が与えられた(22mg,粗生成物)。これは、次の反応において、更なる精製をすること無しに使用された。(ES+)M+H=502.1及び(ES-)M-H=500.2。
N-(3-((6-(1H-ベンゾ[d]イミダゾl-1-イル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)-2,4-ジフルオロフェニル)-3-クロロ-4-メチルチオフェン-2-スルホンアミド10の調製 (実施例316,表3):ベンズイミダゾール(4.32mg,35.8μmol)、化合物9(15.0mg,29.9μmol)及び炭酸セシウム(11.8mg,35.8μmol)が、窒素下、DMSO(200μL)中で混合された。反応物が、80℃で、21時間撹拌された。混合物が室温まで冷やされ、そして、残渣が、逆相クロマトグラフィー(12g,アセトニトリル/0.1%AmF含有水,15CVに渡って20~70%)で精製されて、標記の化合物10(実施例316,表3)(5.30mg,30%の収率,93%の純度)が与えられた。(ES+)M+H=584.3及び(ES-)M-H=582.3;1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ10.64(s,1H),9.76(s,1H),9.29(s,1H),8.44~8.43(m,1H),8.43~8.36(m,2H),8.28(d,J=8.1Hz,1H),7.73(d,J=7.7Hz,1H),7.60(brm,1H),7.38~7.27(m,2H),7.16(dd,J=14.3,8.3Hz,1H),7.02(brm,1H),2.07~1.99(m,3H)。
実施例320の化合物(表3)の調製:
3-クロロ-4-(クロロスルホニル)チオフェン-2-カルボン酸メチル(2)の調製:2,3-ジメチルチオフェン1(499μL,4.46mmol)のEt2O溶液(8.00mL)に、ブチルリチウム(2.50M,ヘキサン中,1.96mL,4.90mmol)が0℃で添加された。これは、0℃で、1時間撹拌された。混合物が、-78℃に冷やされた。クロロギ酸エチル(476μL,4.90mmol)が滴下された。これは、-78℃で、1時間撹拌された。反応混合物が、1.00MのNH4Cl(10mL)及びEt2O(20.0mL)で希釈された。混合物が、室温まで温められ、そして、30分間撹拌された。水性層と有機層とが分離された水性層が、Et2O(3x15.0mL)で抽出された。一緒にされた有機層が、乾燥(MgSO4)され、濾過され、そして、減圧下で濃縮された。フラッシュクロマトグラフィー(25gのシリカゲルカラム,EtOAc/ヘキサン,15CVに渡って0~30%)による精製により、暗緑色のオイルとして、標記の化合物2(554mg,49%の収率,73%の純度)が与えられた。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ7.49(s,1H),4.30(q,J=7.1Hz,2H),2.36(s,3H),2.13(s,3H),1.35(t,J=7.1Hz,3H)。
3-(クロロスルホニル)-4,5-ジメチルチオフェン-2-カルボン酸エチル(3)の調製:4,5-ジメチルチオフェン-2-カルボン酸エチル(2)(1.00g,5.43mmol)のTHF(2.99mL)溶液に、硫黄粉末(1.67g,6.52mmol)が添加された。これは、-78℃に冷やされた。新たに調製されたリチウムジイソプロピルアミド溶液(1.00M,THF中,6.79mL,6.79mmol)が、混合物に滴下された。混合物が、-78℃で、30分間撹拌され、そして、次に、室温まで、4時間掛けてゆっくりと温められた。混合物が、0℃まで冷やされた。CH2Cl2(5.00mL)が、混合物に添加され、続いて、HCl(1.00M,H2O中,5.50mL)が添加された。これは、0℃で、10分間撹拌され、そして、次亜塩素酸ナトリウム(10%溶液,H2O中,11.8mL,16.3mmol)が滴下された。これは、0℃で、20分間撹拌され、そして次に、室温で、2時間撹拌された。追加のHCl(1.00M,H2O中,5.50mL)が添加され、続いて、次亜塩素酸ナトリウム(10%溶液,H2O中,5.91mL,8.15mmol)が添加された。これは、室温で、20時間撹拌された。反応混合物が、NH4Cl(1.00M,H2O中,20.0mL)及びEt2O(30.0mL)で希釈された。これは、室温で、30分間撹拌された。水性層と有機層とが分離された。水性層が、Et2O(3x25.0mL)で抽出された。一緒にされた有機層が、乾燥(MgSO4)され、濾過され、そして濃縮されて、粗標記の化合物(1.58g,40%の収率,40%の純度)が与えられた。LCMSサンプルは、N-メチルピペラジンでクエンチされた(結果として得られたスルホンアミド,MW=346.4);(ES+)M+H=347.3。
3-(N-(3-アセトアミド-2,4-ジフルオロフェニル)スルファモイル)-4,5-ジメチルチオフェン-2-カルボン酸エチル(5)の調製:粗スルホニルクロリド3(1.58g,40%の純度,2.15mmol)が、THF(11.3mL)中に溶解された。この溶液に、アニリン4(400mg,2.15mmol)が室温で添加され、引き続きピリジン(209μL,2.58mmol)が添加された。結果として得られた混合物が、室温で、18時間撹拌された。混合物が、EtOAc(30.0mL)及び水(15.0mL)で希釈された。水性層と有機層とが分離された。水性層が、EtOAc(3x15.0mL)で抽出された。一緒にされた有機層が、塩水(15.0mL)で洗われ、乾燥(Na2SO4)され、濾過され、そして、減圧下で濃縮され、オイルとして粗化合物が与えられた。フラッシュクロマトグラフィー(40gのシリカゲルカラム,EtOAc/ヘキサン,15CVに渡って0~60%)による精製により、オイルとして、標記の化合物(370mg,40%)が与えられた。(ES+)M+H=433.3及び(ES-)M-H=431.3。
N-(3-(4-クロロチオフェン-3-スルホンアミド)-2,6-ジフルオロフェニル)アセトアミド(6)の調製:化合物5(350mg,809μmol)が、THF(4.17mL)及びMeOH(1.04mL)中に取り込まれた。NaOH(5.00M,H2O中,600μL)が混合物に添加された。混合物が、10分間撹拌された後、HCl(10%,H2O中,10.0mL)を使用して酸性化された。揮発性物質が除去された。残渣が、トルエン(3x10.0mL)で共沸され、そして、週末に掛けて真空下で乾燥されて、330mgの粗カルボン酸が得られた。マイクロ波バイアル(5mLのサイズ)に、粗カルボン酸(330mg)、酢酸銅(II)(75.6mg,408μmol)及び1,10-フェナントロリン(149mg,816μmol)が入れられ、そして、混合物が、NMP(2.79mL)/キノリン(697μL)中に懸濁された。該バイアルが、窒素でフラッシュされた後、180℃で、10分間、高吸光度を用いて、マイクロ波照射に付された。粗生成物が、EtOAc(10.0mL)で希釈され、H2O(15.0ml)、HCl(10%,H2O中,2x10.0mL)及び塩水(15.0mL)で洗われた。有機層が、乾燥(Na2SO4)され、濾過され、そして、減圧下で濃縮されて、標記の粗化合物6(310mg)が与えられ、それは、如何なる更なる精製も無しに、次の工程において使用された。(ES+)M+H=361.2及び(ES-)M-H=359.2。
N-(3-アミノ-2,4-ジフルオロフェニル)-4,5-ジメチルチオフェン-3-スルホンアミド(7)の調製:化合物6(290mg,805μmol)がEtOH(3.34mL)中に懸濁され、そして、HCl(6.00N,H2O中,1.00mL)が添加された。反応混合物が、80℃で、一晩撹拌された。溶液が室温まで冷やされ、そして、揮発性物質が、減圧下で蒸発された。残渣が、MeOH(3x10.0mL)と共沸された。残渣が、逆相クロマトグラフィー(25gのカラム,CH3CN/0.1%AmFを含有する水,5~50%)によって精製され、標記の化合物が与えられ(139mg,54%の収率)、それは、更なる精製無しに、次の反応において使用された。(ES+)M+H=319.1及び(ES-)M-H=317.2。
N-(3-((6-クロロピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)-2,4-ジフルオロフェニル)-4,5-ジメチルチオフェン-3-スルホンアミド(9)の調製:アニリン7(130mg,408μmol)が、酢酸(1.05mL)中、化合物8(98.0mg,490μmol)に添加された。この混合物は、50℃で、4時間加熱された。混合物が、室温まで冷やされ、そして、氷-水の混合物(50.0mL)上に注がれた。混合物が、20分間撹拌された。固形物が形成され、濾過され、H2O(8x10.0mL)で洗われ、そして、一晩、 真空下で、乾燥されて、ベージュ色の固体(182mg,85%の純度)が与えられた。これは、CH3CN/MTBE(1:25,5x5.00mL)で粉砕され、そして、一晩乾燥されて、固体として、標記の化合物9が与えられた(165mg,80%の収率,94%の純度)。(ES+)M+H=482.3及び(ES-)M-H=480.4;1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ:10.19(s,1H),10.13(s,1H),8.55~8.51(m,1H),8.32~8.24(m,1H),8.05~7.96(m,1H),7.90~7.86(m,1H),7.31~7.23(m,1H),7.20~7.12(m,1H),2.30(s,3H),2.21(s,3H)。
実施例320の化合物(表3)の調製:ベンズイミダゾールが、一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された銅/BINOL触媒を用いて、上記されたクロロピリジン9にカップリングされた。
実施例329の化合物(表4)の調製:
工程1:磁気撹拌棒を備えた、窒素でパージされた(x3)10mLのマイクロ波バイアルに、DMF(4mL)中、4-ブロモ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール(99mg,0.502mmol),ジシアノ亜鉛(70.8mg,0.603mmol),パラジウムテトラキストリフェニルホスフィン(116mg,0.100mmol)が添加された。反応物が、90℃に加熱され、そして、16時間撹拌された。反応物は、室温まで冷やされ、そして次に、EtOAcで抽出された。有機層がNaHCO3、塩水で洗われ、Na2SO4で乾燥され、そして次に、セライト(Celite)上にロードされた。粗物質が、DCM中、MeOHを使用して、SiO2によって精製されて、淡い桃色の固体として、1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-カルボニトリル(31mg,43.1%の収率)が与えられた。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ:13.04(br.s.,1H),8.45(s,1H),7.90(d,J=7.83Hz,1H),7.68(d,J=7.83Hz,1H),7.20~7.44(m,1H)。MS m/z 142.2(MH+)。
工程2(実施例329,表4):工程1からのベンズイミダゾールフラグメントが、一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された銅/BINOL触媒を用いて、クロロピリジンA-13(Ar=3-フルオロ-2-メチルフェニル)にカップリングされた。
実施例334、335、336及び346の化合物(表4)の調製:
工程1:クロロピリジンフラグメントA-13(Ar=3-フルオロ-2-メチルフェニル)(40mg,0.083mmol)、1H-ピラゾール-3-カルボン酸メチル(13.67mg,0.108mmol)、[1,1'-ビナフタレン]-2,2'-ジオール(5.97mg,0.021mmol)、銅(1.32mg,0.021mmol)及び炭酸セシウム(40.7mg,0.125mmol)が4mLのバイアルに入れられ、続いて、DMSO(700μL)が入れられた。橙色/褐色の溶液が、100℃で、16時間撹拌された。完了後、反応物が、室温まで冷やされ、そして、水酸化ナトリウム(125μL,0.50mmol)の4N水性液が、反応混合物に加えられ、次に、それは、50℃で、更に1時間撹拌された。反応混合物が、室温まで冷やされ、そして、1.5mLの1N塩酸水性液に移され、そして、析出物の形成が観察された。形成された析出物が、濾過され、水で洗われ、そして、高真空下で乾燥されて、黄色の固体として、所望の生成物である1-(4-((2,6-ジフルオロ-3-(3-フルオロ-2-メチルフェニルスルホンアミド)フェニル)アミノ)-ピリド[3,2-d]ピリミジン-6-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(43.3mg,0.078mmol,94%の収率)が与えられた。MS m/z 556.2(MH+)。
工程2:活性化されたエステルが、NMP(1mL)中、工程1からの酸(30mg,0.054mmol)及びHATU(41.1mg,0.108mmol)、続いて、DIEA(56.4μL,0.324mmol)中にに溶解されることによって調製された。溶液が、2~3分間、室温で撹拌され、そして次に、N-メチル-1-(ピリジン-4-イル)メタナミン(13.4μL,0.108mmol)が添加された。反応混合物が室温で、16時間撹拌された。完了後、反応が、0.5mLのギ酸の添加によってクエンチされ、DMSOで希釈され、そして、HPLC(ACN/H2O/0.1%のギ酸)によって精製されて、ベージュ色の固体として、表4における実施例334の生成物(5.7mg,8.64μmol,16%の収率)が与えられた。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ:10.52(br.s.,1H),10.13(s,0.5H),10.09(s,0.5H),9.39(br.s.,0.5H),9.33(br.s.,0.5H),8.58(br.s.,2H),8.38~8.53(m,2H),8.32(d,J=9.00Hz,0.5H),8.02(d,J=9.00Hz,0.5H),7.61(dd,J=4.30,7.43Hz,1H),7.47(d,J=8.22Hz,1H),7.14~7.43(m,5H),7.08(d,J=2.74Hz,0.5H),7.01(d,J=2.74Hz,0.5H),5.11(s,1),4.77(s,1H),3.39(s,1.5H),3.03(s,1.5H),2.51(s,3H)。MS m/z 660.2(MH+)。
実施例335、336及び346の化合物(表4)が、適切な市販のピラゾールエステルを用いて類似の方法で調製された。
実施例339及び340の化合物(表4)の調製:
工程1:DMF-DMA(20.8mL)中、1-boc-3-ピペリドン(5.00g,25.1mmol)の撹拌溶液が、100℃で、1時間加熱された。完了後、反応混合物が室温まで冷やされ、そして、揮発性物質が減圧下で蒸発されて、黄色のグミ状物質が得られた。これは、EtOH(5.00mLx3)と共蒸発されて、位置異性体生成物の混合物が得られた。物質が、粗生成物として、次の工程において使用された:(ES+)M+H=225.1。
工程2:工程1からの化合物とヒドラジン水和物溶液との混合物(3.19mL,50.2mmol)が、EtOH(33.5mL)中で混合された。混合物が、80℃で、1時間で加熱された。LCMSが出発物質の完全な消費を示したときに、それは、室温まで冷やされた。揮発性物質が、減圧下で蒸発され、そして、残渣が、ヘキサン中、20~60%の酢酸エチルを用いたシリカゲルクロマトグラフィーによって精製された。所望の生成物が、60%で出てきた。異性体のピラゾール誘導体の混合物が、グミ状固体(4.04g,72%の収率)として得られた:(ES+)M+H=224.1。
工程3:工程2からの生成物の混合物(335mg,1.50mmol)、A-13(Ar=3-フルオロ-2-メチルフェニル,480mg,1.00mmol)、金属銅(6.36mg,100μmol)、1,1'-ビ-2-ナフトール(58.5mg,200μmol)及び炭酸セシウム(757mg,2.30mmol)が、DMSO(4.00mL)中で混合された。反応物が、125℃で、3時間撹拌された。室温まで冷やされた後、反応物は、水(30.0mL)及び酢酸エチル(30.0mL)で希釈され、そして、セライト(Celite)を通じて濾過された。濾液が、酢酸エチル(30.0mLx2)で抽出された。一緒にされた有機層が、塩水で洗われ、乾燥され、そして、濃縮された。残渣が、ヘキサン中、50~70%の酢酸エチルを用いて、80gのシリカゲルクロマトグラフィーによって精製された。所望の生成物が、位置異性体の黄色の固体混合物(567mg,85%の収率)として、ヘキサン中、70%の酢酸エチルで出てきた(ES+)M+H=667.2。
工程4:工程4からの位置異性体のカルバメートの混合物(567mg,850μmol)が、ジオキサン(4.25mL)中に溶解された。溶液に、室温でHCl(4.0M,ジオキサン中,2.13mL,8.50mmol)が添加された。反応物が、室温で、2日間撹拌された。反応物は、濾過され、そして、ジオキサンで洗われた。位置異性体の塩酸塩の混合物が、黄色の固体(542mg,定量的収率)として得られた:(ES+)M-HCl+H=567.2。
工程4からの位置異性体のピラゾールの分離:工程3からの位置異性体のカルバメートの混合物(1.0g,1.5mmol)が、ジオキサン(7.5mL)中に溶解された。溶液に、室温で、HCl(4M,ジオキサン中,3.75mL,15mmol)が添加された。反応物が、室温で、2日間撹拌された。反応物は、濾過され、そして、ジオキサンで洗われた。位置異性体の塩酸塩(850mg,定量的収率)の混合物が、黄色の固体として得られた。固形物が、10mMのギ酸アンモニウム中、0~20~40%のACNを用いて、逆相カラムによって精製され、第1の異性体(異性体a)が、10mMのギ酸アンモニウム中、15%のACNで出てきて、及び第2の異性体(異性体b)が、10mMのギ酸アンモニウム中、40%のACNで出てきた。両方の化合物が濃縮され、そして、残渣が、ジオキサン0.5mL中、4M塩酸で処理され、結果として得られた懸濁物が、超音波処理され、そして次に、濾過され、白色固体として、異性体a(130mg,15%の収率)及び異性体b(230mg,27%の収率)のヒドロクロリドが与えられた:(ES+)M-HCl+H=567.2。
工程5(実施例339及び340,表4):工程4からの異性体の混合物(85.0mg,150μmol)が、MeOH(1.50mL)中に溶解された。溶液に、グリコールアルデヒド二量体(56.9mg,450μmol)が添加された。5分後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(163mg,750μmol)が添加された。反応物が、室温で一晩、撹拌された。反応物は、水(10.0mL)でクエンチされ、酢酸エチル (10mLx2)で抽出された。有機層が、一緒にされ、そして塩水で洗われ、乾燥され、そして濃縮された。残渣が、10mMのギ酸アンモニウム中、0~40~60%のACNを用いて、逆相カラム上で精製された。実施例339の化合物が、10mMのギ酸アンモニウム中、20%のACNで出てきて、実施例340の化合物が、10mMのギ酸アンモニウム中、40%のACNで出てきた。凍結乾燥後、実施例339の化合物(10mg,11%の収率)が、白色固体として得られた。実施例340の化合物(10mg,11%の収率)が、白色固体として得られた。
実施例343の化合物(表4)の調製:
工程1:市販のイミダゾール出発物質(それはまた、Tet.Lett.2002,43(1),61において記載された手順に沿って調製されることができる)が、一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された銅/BINOL触媒を用いて、クロロピリジンA-13(Ar=3-フルオロ-2-メチルフェニル)にカップリングされた。
工程2(実施例343,表4):磁気撹拌棒を備えた、20mLのシンチレーションバイアルに、工程1からの生成物(91mg,0.157mmol)及び2,4,6-トリプロピル-1,3,5,2,4,6-トリオキサトリホスフィナン-2,4,6-トリオキシド(997mg,1.57mmol)が添加された。反応物が、65℃で、48時間加熱された。完了後、反応物は、室温まで冷やされた。水が反応物に加えられて、それにより、生成物が析出された。生成物が、濾過され、水で洗われ、集められ、そして次に、真空下で、一晩乾燥されて、ベージュ色の固体として、(E)-N-(3-((6-(4-(2-シアノビニル)-1H-イミダゾl-1-イル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)-2,4-ジフルオロフェニル)-3-フルオロ-2-メチルベンゼンスルホンアミド(63mg,69%の収率)が与えられた。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ:10.53(s,1H),10.16(s,1H),9.13(s,1H),8.74(s,1H),8.50(s,1H),8.38~8.48(m,2H),7.61(d,J=7.83Hz,1H),7.57(d,J=16.04Hz,1H),7.49(t,J=8.41Hz,1H),7.40(dt,J=5.48,8.02Hz,1H),7.28~7.36(m,1H),7.22~7.28(m,1H),6.24(d,J=16.04Hz,1H),2.51(s,3H)。MS m/z 563.2(MH+)。
実施例345及び361の化合物(表4)の調製:
工程1:N2雰囲気下、磁気撹拌棒を備えられた、5mLのバイアルに、無水THF(2mL)中、4-ベンズイミダゾールカルボン酸メチル(100mg,0.568mmol)が添加された。反応物が、0℃に冷やされた。THF中、1Mの水素化アルミニウムリチウムの溶液(0.44mL,0.437mmol)が5分間掛けて、ゆっくりと加えられた。反応物が、室温まで温められ、そして、4時間撹拌された。THF(0.250mL)中、他の部分の1Mの水素化アルミニウムリチウムにより、反応が完了することを押し進められた。反応物は、更に1時間撹拌された。反応は、MeOHでクエンチされた。反応物は、セライト(Celite)上にロードされ、そして次に、DCM中のMeOHを使用して、SiO2上で精製されて、黄色の固体として、所望のベンジルアルコール誘導体(58mg,0.391mmol,90%の収率)が与えられた。MS m/z 149.2(MH+)。
工程2(実施例345):工程1からのベンジルアルコールが、一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された銅/BINOL触媒を用いて、クロロピリジンA-13(Ar=3-フルオロ-2-メチルフェニル)にカップリングされた。
工程3:20mLのシンチレーションバイアルに、DMF(3.1259mL)中、N-[2,4-ジフルオロ-3-[[6-[4-(ヒドロキメチル)ベンズイミダゾール-1-イル]ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イル]アミノ]フェニル]-3-フルオロ-2-メチル-ベンゼンスルホンアミド(1.00当量,138mg,0.233mmol)及びDIEA(2.00当量,81μL,0.467mmol)が添加された。次に、2-(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド(stabilized,tech.)(1.10当量,46μL,0.257mmol)が懸濁物に添加された。反応物が、40℃で加熱され、そして、24時間撹拌された。反応は、飽和NH4Clでクエンチされ、そして次に、塩水及びEtOAc(x3)で抽出された。有機物が集められ、MgSO4で乾燥され、濾過され、そして次に、減圧下で濃縮された。粗物質の液体が、DCM中のMeOHを使用して、順相フラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製された。所望の画分が集められ、そして減圧下で濃縮されて、黄色の固体として、所望の保護されたスルホンアミド(153mg,91%)が与えられた。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ:9.88(br.s.,1H),9.30(s,1H),8.49(br.s.,3H),8.25(d,J=8.2Hz,1H),7.66(d,J=7.8Hz,1H),7.54(t,J=8.2Hz,1H),7.39~7.48(m,2H),7.29~7.39(m,2H),5.26(br.s.,1H),5.07(s,2H),5.00(s,2H),3.60~3.68(m,2H),2.39(d,J=2.3Hz,3H),0.82~0.90(m,2H),-0.03(s,9H)。MS m/z 722.2(MH+)。
工程4(実施例361):20mLのバイアルに、DMF(2mL)中、工程3からの生成物(1.00当量,150mg,0.208mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(2.00当量,72μL,0.416mmol)が入れられた。次に、メタンスルホニルクロリド(1.50当量,24μL,0.312mmol)が添加された。反応物が、室温で、一晩撹拌された。反応は、飽和NaHCO3でクエンチされ、そして次に、EtOAc(x3)で抽出された。有機物が、集められ、MgSO4によって乾燥され、濾過され、そして次に、減圧下で濃縮された。粗生成物が、MeCN(2mL)中に溶解され、そして次に、シアン化カリウム(2.00当量,27mg,0.416mmol)が添加された。反応物が、室温で、36時間撹拌された。反応は、10%のLiClでクエンチされ、そして次に、EtOAc(x3)で抽出された。有機物が、集められ、MgSO4によって乾燥され、濾過され、そして次に、減圧下で濃縮された。粗物質が、1mLのDCM及び1mLのTFA中に溶解され、そして、室温で、48時間撹拌された。DCMが、減圧下で除去された。粗物質が、DMSO中で溶解され、そして次に、水:MeCN+0.1%のギ酸を使用して、分取HPLCによって精製されて、凍結乾燥後、淡い黄色の固体として、実施例361の化合物の類似物(36mg,0.0593mmol,29%)が与えられた。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ:10.51(br.s.,1H),9.82(s,1H),9.38(s,1H),8.46~8.55(m,3H),8.36(d,J=7.8Hz,1H),7.63(d,J=7.8Hz,1H),7.41~7.50(m,3H),7.35~7.41(m,1H),7.29(td,J=9.0,6.3Hz,1H),7.19(t,J=9.4Hz,1H),4.38(s,2H),2.50(br.s.,3H)。MS m/z 601.2(MH+)。
実施例347の化合物(表4)の調製:
20mlのシンチレーションバイアルに、MeOH(2ml)中、実施例343の化合物(50mg,0.089mmol)及び5%のPd/C(10mg,5.2μmol)が添加された。反応物が、1気圧のH2下、室温で、16時間撹拌された。反応物は、セライト(Celite)のパッドを通じて濾過され、そして次に、減圧下で濃縮された。粗物質が、水:MeOH+1%のギ酸を使用して、HPLCによって精製され、表4における実施例347の化合物(17mg,34%の収率)が与えられた。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ:10.51(br.s.,1H),10.00(s,1H),8.96(s,1H),8.43~8.49(m,1H),8.32~8.43(m,2H),8.30(s,1H),7.62(d,J=7.83Hz,1H),7.41~7.49(m,1H),7.33~7.41(m,1H),7.23~7.33(m,1H),7.18(br.s.,1H),2.87(s,4H),2.50(s,3H)。MS m/z 565.4(MH+)。
実施例348及び349の化合物(表4)の調製:
市販の3H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-4-アミン(CAS番号6811-77-4)が、1.2当量の銅金属が使用された以外は、一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された銅/BINOL触媒を用いて、クロロピリジンA-13にカップリングされた。
実施例353の化合物(表4)の調製:
出発物質であるCbz-保護されたアミノピリジン誘導体が、一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された銅/BINOL触媒を用いて、フラグメントB49を含有するクロロピリジンフラグメント(表2)を4-アミノベンズイミダゾールとカップリングすることによって、通常の方法で得られた。MeOH(1mL)中、この中間体(12mg,0.0168mmol)の溶液に、炭素上の5%の水酸化パラジウム(23mg,0.0084mmol)が添加され、そして、1気圧のH2下、1時間撹拌された。完了後、懸濁物が、濾過され、そして、真空下で濃縮された。残渣が、DMSOで希釈され、そして、0.1%のギ酸水溶液中、MeCNを使用してHPLCによって精製されて、化合物353(表4)(2.0mg,20%)が与えられた。1H NMR(400MHz,酢酸d4) δ:9.15(s,1H),8.56~8.84(m,2H),8.42(d,J=9.00Hz,1H),8.08(s,1H),7.98(d,J=9.39Hz,1H),7.54(s,1H),7.29(s,1H),7.18(s,1H),6.85(d,J=7.83Hz,1H),6.75(d,J=9.39Hz,1H),2.65(s,3H)。MS m/z 575.2(MH+)。
実施例356及び664の化合物の調製:
実施例339/340の工程4からの位置異性体のピラゾールの混合物(100.0mg,177μmol)が、MeOH(1.77mL)中に溶解された。溶液に、ホルムアルデヒド(65.7μL,883μmol)が添加され、続いて、AcOH(1滴)が滴下された。5分後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(192mg,883μmol)が添加された。反応物が、室温で、一晩撹拌された。反応物が、濃縮されて、MeOHが除去され、そして次に、それは、水及び酢酸エチルで希釈された。水性層と有機層とが分離され、そして、水性層が、酢酸エチル(10mLx3)で抽出された。一緒にされた有機層が、乾燥され、そして、減圧下で濃縮された。残渣が、10mMのギ酸アンモニウム中、0~30~60%のACNで、30gの逆相カラム上で精製された。実施例664の化合物が、10mMのギ酸アンモニウム中、30%のACNで出てきて、実施例356の化合物が、10mMのギ酸アンモニウム中、50%のACNで出てきた。凍結乾燥後、実施例664の化合物(20mg,20%の収率)及び実施例356の化合物(13mg,13%の収率)が両方とも、白色固体として得られた。
実施例357及び393の化合物(表4)の調製:
実施例339/340の工程4からの位置異性体のピラゾールの混合物(50.0mg,88.2μmol)が、CH2Cl2(1.00mL)中に溶解された。溶液に、無水酢酸(4.63μL,48.5μmol)が添加され、続いて、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(11.6μL,66.2μmol)が添加された。反応物が、室温で、一晩撹拌された。Ac2O(10.0μL)が反応物に添加され、そして、もう1日撹拌された。揮発性物質が、減圧下で除去され、そして、残渣が、10mMの重炭酸アンモニウム中、0~30~60%のACNを用いて、逆相カラム(30g)上で、直接に精製された。実施例393の化合物が、10mMの重炭酸アンモニウム中、30%のACNで出てきて、実施例357の化合物が、10mMの重炭酸アンモニウム中、40%のACNで出てきた。凍結乾燥後、実施例393の化合物(10mg,19%の収率)及び実施例357の化合物(20mg,37%の収率)が、白色固体として得られた。
実施例362及び383の化合物(表4)の調製:
工程1:実施例339/340の工程4からの異性体b(30.0mg,53.0μmol)及びN-boc-2-アミノアセトアルデヒド(26.6mg,159μmol)が、MeOH(530μL)中に溶解された。5分後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(57.6mg,265μmol)が、溶液に添加された。反応物が、室温で、一晩撹拌された。反応物は、10mMのギ酸アンモニウム中、0~40~70%のACNを用いて、逆相カラム上で、直接に精製された。所望のカルバメート類似体が、10mMのギ酸アンモニウム中の55%のACNで出てきて、そして、適切な画分が凍結乾燥され、そして、黄色の固体 (7.5mg,20%の収率)が与えられた:(ES+)M+H=710.0。
工程2(実施例362,表4):ジオキサン(500μL)中、工程1(30.0mg,53μmol)からのカルバメートに、塩酸(4.00M,ジオキサン中,26.4μL,106μmol)が添加された。反応物が、室温で、一晩撹拌された。揮発性物質が、減圧下で除去され、そして、残渣が、10mMのギ酸アンモニウム中、0~20~40%のACNを用いて、逆相カラム上で、直接に精製された。実施例362の化合物が、凍結乾燥後、黄色の固体(5.10mg,79%の収率)として、10mMのギ酸アンモニウム中、30%のACNで出てきた。
工程3(実施例383,表4):化合物362(21.5mg,35.3μmol)のCH2Cl2(0.5mL)及びAcOH(0.05mL)溶液に、無水酢酸(3.7μL,38.8μmol)が添加され、続いて、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(9.3μL,52.9μmol)が添加された。反応物が、室温で、一晩撹拌された。揮発性物質が減圧下で除去され、そして、残渣が、10mMのギ酸アンモニウム中、0~40~60%のACNを用いて、逆相カラム上で、直接に精製された。実施例383の化合物が、10mMのギ酸アンモニウム中、60%のACNで出てきて、そして、凍結乾燥後、黄色の固体(10.8mg,47%の収率)として得られた。
実施例369の化合物(表4)の調製:
1:1のMeOH/DCM(1mL)中、実施例368のニトロアレーン(26mg,0.043mmol)の溶液に炭素上の5%の水酸化パラジウム(23mg,0.0084mmol)が添加され、そして、1気圧のH2下、16時間撹拌された。完了後、懸濁物が、濾過され、そして、真空下で濃縮された。残渣が、DMSOで希釈され、そして、0.1%のギ酸水溶液中、MeCNを用いてHPLCによって精製されて、実施例369の化合物(2.0mg,20%)が与えられた。1H NMR(400MHz,酢酸-d4) δ:9.18(br.s.,1H),8.57~8.84(m,2H),8.42(d,J=9.00Hz,1H),8.08(s,1H),7.51~7.69(m,2H),7.29(td,J=3.96,8.12Hz,1H),6.98~7.18(m,1H),6.84(d,J=7.83Hz,1H),6.57(s,1H),6.52(d,J=8.61Hz,1H),2.53(s,3H)MS m/z 574.2(MH+)。
実施例375、350及び351(表4)の化合物の調製:
工程1:3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシプロパナール(0.38mL,1.80mmol)が、MeOH(7.5mL)中、1H-ベンズイミダゾール-4-アミン(80mg,0.601mmol)の溶液に添加された。反応物が、50℃で、20分間加熱され、そして次に、室温まで冷やされた。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.151g,2.40mmol)が添加され、そして、反応物が、50℃で、16時間撹拌された。溶媒が減圧下で除去され、そして次に、DCM(3mL)が添加され、続いて、TFA(3mL)が添加された。反応物は、室温で、30分間撹拌された。溶媒が減圧下で除去され、そして、粗生成物が、MeOH中で溶解された。IRA-67樹脂が添加され、そして、溶液が綿の栓を通じて濾過され、そして、次に、減圧下で濃縮されて、3-(1H-ベンズイミダゾール-4-イルアミノ)プロパン-1-オール(60mg,53%の収率)が与えられた。MS m/z 192.2(MH+)。
工程2:3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシプロパナール(98μL,0.471mmol)が、MeOH(3.1mL)中、3-(1H-ベンズイミダゾール-4-イルアミノ)プロパン-1-オール(60mg,0.314mmol)の溶液中に添加された。反応物が、50℃で、15分間加熱され、そして、室温まで冷やされた。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(59mg,0.941mmol)が添加され、そして次に、反応物は、50℃で加熱され、そして、10時間撹拌された。LCMS分析は、かなりの量の出発物質がまだあったことを示した。溶媒が減圧下で除去され、そして次に、DCM(3mL)が添加され、続いてTFA(3mL)が添加された。反応物が、室温で、30分間撹拌され、そして、濃縮された。粗生成物がMeOHで希釈され、そして、IRA-67樹脂が添加された。混合物が、綿の栓を通じて濾過された。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(3.00当量,59mg,0.941mmol)が添加された。反応物が、50℃に加熱され、そして、週末に掛けて撹拌された。完了後、TFA(1mL)及びIRA-67が添加された。結果として得られた混合物が濾過され、そして、溶液が濃縮された。粗物質が、真空下で、2日間そのままにされて、3-[1H-ベンズイミダゾール-4-イル(3-ヒドロキプロピル)アミノ]プロパン-1-オールが与えられた(32mg,41%の収率)。MS m/z 250.2(MH+)。
工程3(実施例375,表4):工程2からのベンズイミダゾールフラグメントは、一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された銅/BINOL触媒を用いて、クロロピリジンA-13(Ar=3-フルオロ-2-メチルフェニル)にカップリングされた。
実施例350(表4)の化合物が、工程1についての2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシアセトアルデヒドを使用して、同様の方法で調製された。次に、工程1において得られた、モノアルキル化された4-アミノベンズイミダゾールが、工程3について上述された手順を使用して、実施例350の化合物に転化された。
実施例351の化合物(表4)が、実施例375と同様の方法で、工程1及び工程2の両方について3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシアセトアルデヒドを用いて調製された。
実施例376及び384の化合物(表4)の調製:
工程1:LiHMDS(1M,THF中,0.76mL,0.759mmol)の溶液が、DMF(1.9mL)中、1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ベンズイミダゾール-4-アミン(国際公開第WO202105591号パンフレットにおいて記載されている)(50mg,0.190mmol)の溶液に添加された。結果として得られた混合物が、20分間、室温で撹拌され、そして、1-ブロモ-2-メトキシエタン(6.00当量,107μL,1.14mmol)が添加された。反応物が、室温で、45分間撹拌された。次に、追加の6当量の1-ブロモ-2-メトキシエタン(107μL)及び結果として得られた混合物が、2日間、撹拌された。完了後、NH4Cl(水中に飽和)の溶液が添加され、そして、水性混合物がEtOAcで抽出された。有機物が、一緒にされ、MgSO4によって乾燥され、そして濃縮された。粗生成物が、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル,0~80%のEtOAc,ヘキサン中)によって精製され、淡い黄色のオイルとして、N,N-ビス(2-メトキシエチル)-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ベンズイミダゾール-4-アミン(40mg,56%の収率)が与えられた。MS m/z 380.4(MH+)。
工程2:TFA(1mL)とDCM(1mL)との混合物中のN,N-ビス(2-メトキシエチル)-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ベンズイミダゾール-4-アミン(40mg,0.105mmol)。反応物が、室温で、1時間撹拌され、そして、40℃で、1.5時間加熱された。反応物は、室温まで冷やされた。反応物は、減圧下で濃縮され、そして次に、MeOH中に再溶解された。IRA-67樹脂が添加され、そして、混合物が、綿の栓を通じて濾過された。溶液が、減圧下で濃縮されて、黄褐色のオイルとして、N,N-ビス(2-メトキシエチル)-1H-ベンズイミダゾール-4-アミン(26mg,100%の収率)が与えられた。MS m/z 250.2(MH+)。
工程3(実施例376,表4):工程2からのベンズイミダゾールフラグメントが、一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された銅/BINOL触媒を用いて、クロロピリジンA-13(Ar=3-フルオロ-2-メチルフェニル)にカップリングされた。
実施例384の化合物(表4)が、工程1における1-ブロモ-3-メトキシプロパンを用いて、同様の方法で調製された。
実施例382の化合物(表4)の調製:
工程1:乾燥CH3CN(100mL)中、国際公開第WO2021/97057号パンフレット、第2021頁に記載されている通りに調製された1-(p-トルエンスルホニル)ピロール(5g,22.6mmol)の溶液が、氷浴中で冷やされ、そして、クロロスルホン酸(9.0mL,136mmol)で滴下処理された。反応混合物が、室温まで温められ、そして、72時間撹拌された。完了後、混合物は、その後、氷/水上に注がれ、そして、析出物が生じた。固形物が濾過されて、1-(p-トリルスルホニル)ピロール-3-スルホニルクロリド(2.53g,35%の収率)を提供した。MS m/z (MH+)。
工程2:撹拌棒を備えたバイアルに、無水THF(2mL)中、工程1からの1-(p-トリルスルホニル)ピロール-3-スルホニルクロリド(86mg,0.27mmol)が添加された。この溶液に、DIEA(0.094mL,0.541mmol)及びN,N,N''-トリメチルエチレンジアミン(0.042mL,0.325mmol)が添加された。結果として得られた溶液が、室温で、1時間撹拌された。完了後、10%のKOH水性液(2mL)が滴下された。反応物が、60℃で一晩加熱された。完了後、反応混合物が、EtOAcで希釈され、そしてNH4Cl水溶液が添加された。これらの層が分離された。有機層が塩水で洗われ、次に、MgSO4で乾燥され、濾過され、そして、濃縮乾固されて、淡橙色のオイルとして、N-[2-(ジメチルアミノ)エチル]-N-メチル-1H-ピロール-3-スルホンアミド(48mg,77%の収率)が与えられた。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:ppm 2.35~2.48(m,6H)、2.61~2.85(m,6H)、3.01~3.24(m,2H)、6.46(br.s.,1H)、6.85(br.s.,1H)。MS m/z 232.2(MH+)。
工程3(実施例382,表4):工程2からのピロールフラグメントが、一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された銅/BINOL触媒を用いて、クロロピリジンA-13(Ar=3-フルオロ-2-メチルフェニル)にカップリングされた。
実施例391の化合物(表4)の調製:
実施例339/340の工程4からの異性体b(28.3mg,49.9μmol)が、3-ヒドロキプロパナール(22.2mg,300μmol)に添加され、次に、DCE(1.0mL)が添加され、続いて、AcOHの1滴、及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(65.1mg,300μmol)が添加された。反応物が、室温で、一晩撹拌された。反応物は、分取HPLC上で精製され、そして、実施例391の化合物(6.3mg,20%の収率)が、白色固体として得られた。
実施例392の化合物(表4)の調製:
工程1:実施例339/340の工程4からの異性体b(30.0mg,53.0μmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(23.2μL,132μmol)及びBoc-Gly-OH(11.4mg,63.5μmol)が、DMF(600μL)中に溶解された。溶液に、HATU(30.8mg,79.4μmol)が添加された。反応物が、室温で、一晩撹拌された。水(5.00mL)が反応物に加えられ、そして、析出した生成物が濾過されて、ベージュ色の固体として、所望のカルバメート(38.0mg,99%の収率)が与えられた:(ES+)M+H=724.3.
工程2(実施例392,表4):工程1からの生成物(38.0mg,52.5μmol)のジオキサン(1.00mL)溶液に、HCl(4M,ジオキサン中(131μL,525μmol)が添加された。反応物が、室温で、週末に掛けて撹拌された。揮発性物質が減圧下で除去され、そして、残渣が、10mMのギ酸アンモニウム中、0~20~40%のACNを用いて、逆相カラムによって精製された。実施例392の化合物が、10mMのギ酸アンモニウム中、25%のACNで出てきて、そして、凍結乾燥後、白色固体(27.6mg,84%の収率)として得られた。
実施例414の化合物(表4)の調製:
実施例414の化合物が、実施例339/340の工程4からの異性体bが用いられた以外は、実施例392の化合物と類似の方法で調整された。
実施例415の化合物(表4)の調製:
工程1:実施例339/340の工程4からの異性体b(15.0mg,26.5μmol)及びN-boc-2-アミノアセトアルデヒド(13.3mg,79.4μmol)が、DCE(375μL)中に溶解された。5分後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(17.3mg,79.4μmol)が、溶液に添加された。反応が、室温で、一晩撹拌された。反応が、水(5.00mL)でクエンチされた、そして、DCM(5mLx3)で抽出された。一緒にされた有機層が、減圧下で濃縮された。そして、結果として得られた粗残渣7a(18.8mg,100%の収率)が、次の工程において直接使用された:(ES+)M+H=710.3。
工程2:工程1からの粗生成物(18.8mg,26.5μmol)が、ジオキサン(250μL)中に溶解され、次に、HCl(4M,ジオキサン中,66.3μL,265μmol)が添加された。反応物が、室温で、一晩撹拌された。揮発性物質が減圧下で除去され、そして、残渣が、10mMのギ酸アンモニウム中、0~20~40%のACNを用いて、逆相カラムによって精製された。実施例415の化合物が、10mMのギ酸アンモニウム中、25%のACNで出てきて、そして、凍結乾燥後、白色固体(ギ酸塩の形態)(8.20mg,51%の収率)として得られた。
実施例420の化合物(表4)の調製:
工程1:100mLの丸底フラスコに、無水DMF(10mL)中、4-ブロモ-1H-ベンズイミダゾール(1.00g,5.08mmol)、2-(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド(1.1mL,6.09mmol)及び60%のNaH(244mg,6.09mmol)が添加された。反応物が、室温で、1時間撹拌された。完了後、反応が、飽和NH4Clでクエンチされ、そして次に、EtOAc(x3)で抽出された。有機物が塩水で洗われ、分離され、次にMgSO4によって乾燥され、濾過され、そして次に、減圧下で濃縮された。粗物質が、セライト(Celite)上にロードされ、そして次に、ヘキサン中EtOAcを使用してSiO2上で精製されて、褐色のオイルとして、2-[(4-ブロモベンズイミダゾール-1-イル)メトキシ]エチル-トリメチル-シラン(1.18g,71%の収率)が与えられた。MS m/z 327.2(MH+)。
工程2:直火乾燥された5mLのマイクロ波バイアルに、N2雰囲気下、DMF(0.30mL)中、2-[(4-ブロモベンズイミダゾール-1-イル)メトキシ]エチル-トリメチル-シラン(500mg,1.53mmol)及びビス(ピナコラート)ジボロン(776mg,3.06mmol)が添加された。次に、1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(ii)ジクロリドジクロロメタン錯体(279mg,0.382mmol)及び酢酸カリウム(450mg,4.58mmol)が溶液に添加された。
反応物が、アルゴンのバルーンで、数分間スパージされ、密閉され、そして次に、100℃に加熱され、そして16時間撹拌された。反応物が、室温まで冷やされた。粗反応物が、次の工程において粗混合物として使用された。
工程3:粗反応物に、4-アミノ-3-ブロモピリジン(34mg,0.20mmol),テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(35mg,0.0305mmol)及び炭酸ナトリウム(97mg,0.914mmol)が添加された。反応物が、アルゴンのバルーンで、~5~10分間スパージされ、密閉され、そして次に、100℃で、24時間加熱された。完了後、反応物は、室温まで冷やされた。反応物は、塩水で希釈され、EtOAc(x3)で抽出された。有機物が、集められ、MgSO4によって乾燥され、濾過され、そして次に、減圧下で濃縮された。粗物質が、セライト(Celite)上にロードされ、そして次に、DCM中、MeOHを用いてSiO2上で精製されて、褐色のフィルムとして、3-[1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ベンズイミダゾール-4-イル]ピリジン-4-アミン(72mg,69%の収率)が与えられた。MS m/z 341.2(MH+)。
工程4:20mLのシンチレーションバイアルに、DCM(2mL)及びTFA(2mL)中、3-[1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)-ベンズイミダゾール-4-イル]ピリジン-4-アミン(72mg,0.210mmol)が添加された。反応物が、室温で、16時間撹拌された。完了後、溶媒が、減圧下で除去され、そして次に、真空下で乾燥されて、褐色のオイルとして、3-(1H-ベンズイミダゾール-4-イル)ピリジン-4-アミンTFA塩(68mg,100%の収率)が与えられた。MS m/z 211.2(MH+)。
工程5(実施例420,表4):工程4からのベンズイミダゾールフラグメントが、一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された銅/BINOL触媒を用いて、クロロピリジンA-13(Ar=3-フルオロ-2-メチルフェニル)にカップリングされた。
実施例424の化合物(表4)の調製:
工程1:20mLのシンチレーションバイアルに、DMF(5mL)中、4-ブロモ-1H-ベンズイミダゾール(500mg,2.54mmol)、60%のNaH(122mg,3.05mmol)及び4-メトキシベンジルクロリド(413μL,3.05mmol)が添加された。反応物が、室温で、2時間撹拌された。反応が、飽和NH4Clでクエンチされ、そして次に、EtOAc(x3)で抽出された。有機物が、集められ、MgSO4によって乾燥され、濾過され、そして次に、減圧下で濃縮された。粗物質が、セライト(Celite)上にロードされ、そして次に、ヘキサン中、EtOAcを用いてSiO2上で精製されて、褐色のオイルとして、4-ブロモ-1-[(4-メトキシフェニル)メチル]ベンズイミダゾール(735mg,91%の収率)が与えられた。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ:8.50(s,1H),7.57(dd,J=8.2,0.8Hz,1H),7.29(ddd,J=8.6,3.1,2.0Hz,2H),7.14(t,J=7.8Hz,2H),6.86~6.89(m,2H),5.43(s,2H),3.70(s,3H)。マイナーな異性体:8.46(s,1H),7.70(dd,J=8.0,1.0Hz,1H),7.42(d,J=7.8Hz,2H),7.04(d,J=9.0Hz,2H),6.90(m,J=3.5Hz,2H),5.72(s,2H),3.70(s,3H)。MS m/z 317.2(MH+)。
工程2:直火乾燥された5Mlのマイクロ波バイアルに、N2雰囲気下、DMF(0.3000mL)中、工程1からの保護されたベンズイミダゾール(200mg,0.631mmol)及びビス(ピナコラート)ジボロン(320mg,1.26mmol)が添加された。次に、1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(ii)ジクロリドジクロロメタン錯体(231mg,0.315mmol)、そして次に、酢酸カリウム(186mg,1.89mmol)が、溶液に添加された。反応物が、アルゴンのバルーンで、数分間スパージされ、密閉され、そして次に、100℃に加熱され、そして24時間撹拌された。反応物が、室温まで冷やされた。反応物は、塩水で希釈され、そして、EtOAc(x3)で抽出された。有機物が、集められ、MgSO4によって乾燥され、セライト(celite)のプラグを通じて濾過され、そして次に、減圧下で濃縮された。粗物質が、セライト(celite)上にロードされ、そして次に、ヘキサン中、EtOAcを用いてSiO2上で精製された。所望のフラクションが、集められ、そして減圧下で濃縮されて、褐色のオイルとして、1-[(4-メトキシフェニル)メチル]-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンズイミダゾール(82mg,36%の収率)が与えられた。MS m/z 365.4(MH+)。
工程3:直火乾燥された5mLのマイクロ波バイアルに、N2雰囲気下、1-[(4-メトキシフェニル)メチル]-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンズイミダゾール(56mg,0.154mmol)及び2-アミノ-3-ブロモピリジン(35mg,0.200mmol)が添加された。次に、炭酸ナトリウム(49mg,0.461mmol)、そして次に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(18mg,0.0154mmol)が、溶液に添加された。反応物が、アルゴンのバルーンで、~5~10分間スパージされ、密閉され、そして次に、80℃に加熱され、そして16時間撹拌された。反応物が、室温まで冷やされた。反応物は、塩水で希釈され、EtOAc(x3)で抽出された。有機物が集められ、MgSO4によって乾燥され、濾過され、そして次に、減圧下で濃縮された。粗物質が、セライト(Celite)上にロードされ、そして次に、DCM中、MeOHを用いて、SiO2上で精製された。所望の画分が集められ、そして、減圧下で濃縮されて、白色固体として、3-[1-[(4-メトキシフェニル)メチル]ベンズイミダゾール-4-イル]ピリジン-2-アミン(15mg,0.0445mmol,29%の収率)が与えられた。MS m/z 331.2(MH+)。
工程4:20mLのシンチレーションバイアルに、TFA(2mL)中、3-[1-[(4-メトキシフェニル)メチル]-ベンズイミダゾール-4-イル]ピリジン-2-アミン(15mg,0.0445mmol)が添加された。反応物は、80℃に加熱され、そして96時間加熱された。溶媒が、減圧下で除去され、そして次に、生成物が、トルエン(x3)と共蒸発されて、3-(1H-ベンズイミダゾール-4-イル)ピリジン-2-アミンTFA塩(14mg,100%)が与えられた。MS m/z 211.2(MH+)。
工程5(実施例424,表4):工程4からのベンズイミダゾールフラグメントは、一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された銅/BINOL触媒を用いて、クロロピリジンA-13(Ar=3-フルオロ-2-メチルフェニル)にカップリングされた。
実施例425及び460(表4)の化合物の調製:
工程1:化合物A-13(800mg,1.67mmol)及びヒドラジン(1.00M溶液,THF中,3.33mL,3.33mmol)が、THF(6.67mL)中で混合された。反応物が、80℃で、一晩撹拌された。反応物は、室温まで冷やされ、そして、ヘキサン(50mL)が添加された。形成された固形物は、濾過され、そして、ヘキサン(5mLx2)で洗われた。それは、空気循環下で乾燥され、819mgのベージュ色の固体が与えられた。粗固体生成物が、CH2Cl2中、0~10%のMeOHによって更に精製された。所望の生成物が、DCM中、10%のMeOHで出てきて、ベージュ色の固体として、予想されたヒドラジン誘導体(550mg,69%の収率)が与えられた:(ES+)M+H=476.1。
工程2:工程1からの生成物(350mg,736μmol)及び実施例339/340の工程1において得られた粗ビニルアミド(206mg,810μmol)が、EtOH(3.68mL)中で一緒にされ、反応物が、室温で、一晩撹拌された。反応物は、濃縮されて、EtOHが除去され、そして、AcOH(5.25mL)が加えられた。反応物は、80℃で、1時間撹拌された。揮発性物質が、減圧下で除去されて、残渣が、10mMのギ酸アンモニウム中、0~50~100%のACNを用いて逆相カラムによって精製された。所望のピラゾール誘導体(85mg,17%の収率)が、10mMのギ酸アンモニウム中、90%のACNで出てきて、凍結乾燥後、白色固体として得られた:(ES+)M+H=667.2。
工程3:工程2からの生成物(85.0mg,127μmol)のジオキサン(637μL)溶液に、HCl(4M,ジオキサン中,319μL,1.27mmol)が加えられた。反応物が、室温で、一晩撹拌された。HCl(4M,ジオキサン中,0.5mL,1.98mmol)が加えられ、次に、それは、50℃で、更に1日加熱された。反応物が、濾過され、そして、ジオキサン(2.0mL)で洗われた。所望の塩酸塩(70.0mg,97%の収率)が、ベージュ色の固体として得られた:(ES+)M+H=567.3.
工程4(実施例425,表4):工程3からの塩酸塩(20.0mg,35.3μmol)及びグリコールアルデヒド二量体(17.9mg,141μmol)が、DCE(500μL)中に溶解された。5分後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(38.4mg,177μmol)が、溶液に添加された。反応物が、室温で、2時間撹拌された。揮発性物質が、減圧下で除去され、そして、固形の残渣が、10mMの重炭酸アンモニウム中、0~20~50%のACNを用いて逆相によって精製された。標記の化合物425が、凍結乾燥後、黄色の固体(8.00mg,37%の収率)として得られた。
工程4(実施例460,表4):工程3からの塩酸塩(15.0mg,26.5μmol)及びホルムアルデヒド水性液(9.86μL,132μmol)が、DCE(265μL)中に溶解された。溶液に、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(28.8mg,132μmol)が添加され、続いて、AcOH(1滴)が加えられた。反応物が、室温で、一晩撹拌された。揮発性物質が、減圧下で除去された。固形の残渣に、MeOH(1.00mL)及び水(10mL)が加えられた。混合物が、濾過されて、固形物Aを得て、それは、脇に置かれた。結果として得られた濾液が、酢酸エチル(5mLx5)で抽出された。有機層が、一緒にされ、そして濃縮され、固形物Bが与えられた。固形物A及び固形物Bが一緒にされ、そして、MeOH(2mL)が加えられた。固形物が溶解されるまで、スラリーが80℃に加熱された。次に、それは、室温まで冷やされ、そして濾過されて、黄色の固体として、実施例460の化合物(11.3mg,74%の収率)が得られた。
実施例443及び444の化合物(表4)の調製:
これらの2つの類似体は、出発物質としての5-フルオロインドール、及び適切なアミンを用いて、一般的な方法Gに沿って調製された。インドールスルホンアミドは、一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された銅/BINOL触媒を用いて、クロロピリジンA-13(Ar=2,3-ジクロロフェニル)にカップリングされた。
実施例447、456、457及び461(表4)の化合物の調製:
工程1:3-インドールスルホンエステルが、一般的な方法Hの下で記載された通り、1H-インドール-3-イル-チオシアネート(Phosphorus,Sulfur and Silicon and the Related Elements 2014,189,1378)から調製された。DCM(3mL)中、この物質(100mg,0.309mmol)の-78℃での溶液に、1Mの水素化ジイソブチルアルミニウム溶液(2.5mL,3.72mmol)が2回に分けて加えられた。反応混合物が、室温まで温められ、そして、2時間撹拌された。反応混合物が、ジエチルエーテル(30mL)で希釈され、そして、0℃に冷やされた。反応が、0.15mLの水、続いて、0.15mLの15%水酸化ナトリウム水性液及び0.37mLの水をゆっくり添加することによってクエンチされた。溶液が、室温まで温められ、そして、15分間撹拌された。無水硫酸マグネシウムが、撹拌された溶液に添加された。15分後、懸濁物が濾過されて、塩が除去された。蒸発乾固により、固体として、対応するアルコール(68mg,87%)が与えられた。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:8.91(br.s.,1H),7.87~8.08(m,1H),7.81(d,J=3.13Hz,1H),7.43~7.61(m,1H),7.32~7.43(m,2H)、3.81(d,J=6.65Hz,2H),1.39(s,6H)。MS m/z 254.2(MH+)。
工程2(実施例447,表4):工程1からのインドールスルホンが、一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された銅/BINOL触媒を用いて、クロロピリジンA-13(Ar=2,3-ジクロロフェニル)にカップリングされた。
工程3:DCM(4mL)中、工程1からのアルコールの撹拌された溶液(350mg,1.38mmol)が、1,1,1-トリス(アセチルオキシ)-1,1-ジヒドロ-1,2-ベンゾジオキソール-3-(1h)-オン(1289mg,3.04mmol)で処理された。室温で2時間後、飽和Na2SO3水溶液(1.0mL)及び飽和NaHCO3水溶液(1.0mL)が加えられ、そして次に、二相混合物が、30分間撹拌された。混合物がDCM(3mL)で希釈され、これらの層が分離され、そして次に、水性層が、CH2Cl2(2×4mL)で抽出された。一緒にされた有機抽出物が、MgSO4で乾燥され、濾過され、そして濃縮されて、所望のアルデヒド中間体(350mg,96%)が与えられた。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:9.86(s,1H),8.88(br.s.,1H),7.87~7.98(m,1H),7.73(d,J=3.13Hz,1H),7.44~7.52(m,1H),7.29~7.40(m,2H),1.55(s,6H)。MS m/z 250.2(MH-)。
工程4:工程3からのアルデヒド(30mg,0.119mmol)及びモルホリン(0.021mL,0.239mmol)が、1滴の酢酸を含有するACN(1mL)中で一緒にされ、そして、16時間、70℃で撹拌された。次に、DCEが添加され、続いて、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(127mg,0.597mmol)が添加され、そして、結果として得られた懸濁物が、室温で、16時間撹拌された。反応が、飽和NaHCO3水溶液(5mL)を添加することによってクエンチされ、そして、15分間撹拌された。溶液が、EtOAc(3x10mL)で抽出された。有機相が、塩水(10mL)で洗われ、分離され、MgSO4で乾燥され、濾過され、真空下で濃縮されて、所望のアミノスルホン(29mg,75%)が与えられた。MS m/z 286.2(MH-)。
工程5(実施例457,表4):工程4からのインドールスルホンが、一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された銅/BINOL触媒を用いて、クロロピリジンA-13(Ar=2,3-ジクロロフェニル)にカップリングされて、実施例457の化合物を提供した。
表4における他の類似体(456及び461)が、工程4における適切なアミンを使用して、この方法で調製された。
実施例465(表4)の化合物の調製:
工程1:iPrOH(15mL)中、1H-インドール-3-イル-チオシアネート(Phosphorus,Sulfur and Silicon and the Related Elements 2014,189,1378)(500mg,2.87mmol)の溶液に、水1mL中に溶解された硫化ナトリウム非水和物(2068mg,8.61mmol)が添加され、次に、結果として得られた混合物が、50℃で、2時間撹拌された。この後、1-ピペリジンカルボン酸、4-ブロモ-,1,1-ジメチルエチルエステル(1.1mL,5.74mmol)が添加され、そして、50℃で、一晩撹拌された。反応混合物が、EtOAc(30mL)で希釈され、そして分離された。有機層が、水(15mL)で洗われ、続いて塩水(15mL)で洗われ、MgSO4で乾燥され、そして次に、真空下で濃縮されて、粗スルフィドが与えられ、それは、更なる精製無しに、次の工程において直接使用された。
工程2:工程1からのスルフィドがDCM中に溶解され、そして、3-クロロパーオキシ安息香酸(1486mg,8.61mmol)が添加され、そして、室温で、2時間撹拌された。完了後、反応が、飽和NaHCO3水溶液と10%のNa2SO3水溶液との1:1溶液10mLを添加することによってクエンチされた。結果として得られた懸濁物が、室温で、15分間撹拌された。EtOAcが加えられ、そして、有機層が分離された。有機層が、水(15mL)で洗われ、次に、飽和塩水(15mL)で洗われた。有機層が、分離され、乾燥(MgSO4)され、そして、濾過された後に、乾燥するまで濃縮された。残渣が、ヘキサン中、EtOAcを用いて、シリカゲル上で精製されて、所望のスルホン(985mg,94%の収率)を提供した。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ:12.29(br.s.,1H),8.00(d,J=3.13Hz,1H),7.77(d,J=7.43Hz,1H),7.54(d,J=7.83Hz,1H),7.14~7.30(m,2H),3.80~4.08(m,3H),2.72(br.s.,2H),1.99(s,1H),1.91(d,J=10.96Hz,2H),1.24~1.35(m,9H)。MS m/z 365.2(MH+)。
工程3:工程2からのインドールスルホンが、一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された銅/BINOL触媒を用いて、クロロピリジンA-13(Ar=2,3-ジクロロフェニル)にカップリングされた。
工程4(実施例465,表4):工程3からのN-Boc-保護されたピペリドン(170mg,0.201mmol)が、TFA(1.0mL,13.1mmol)中で、30分間撹拌され、そして、真空下で濃縮された。残渣が、ACNと共蒸発されて、実施例465の化合物を提供した(170mg,93%)。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ:9.84(s,1H),9.05(s,1H),8.54(s,1H),8.43~8.52(m,2H),8.34(d,J=8.61Hz,1H),8.16(s,1H),7.88~7.99(m,2H),7.65(dd,J=1.17,7.83Hz,1H),7.43~7.59(m,2H),7.36(t,J=8.02Hz,1H),6.96~7.13(m,1H),6.72~6.89(m,1H),3.47~3.60(m,1H),3.24(br.s.,2H),2.78(t,J=11.93Hz,2H),2.14(d,J=12.13Hz,2H),1.72(d,J=9.39Hz,2H)。MS m/z 744.3(MH+)。
実施例467(表4)の化合物の調製:
工程1:水素化アルミニウムリチウム(26mg,0.686mmol)が、25mLのEt2O中、4-(1H-インドール-3-イルスルホニル)ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(実施例465,工程2:50mg,0.137mmol)の冷(0℃)撹拌溶液に添加された。16時間、室温で撹拌後、反応混合物が、Et2Oで希釈され、そして、0℃で冷やされた。反応が、0.150mLの水、続いて、0.150mLの15%の水酸化ナトリウム水性液、及び0.370mLの水をゆっくり添加することによってクエンチされた。溶液が、室温まで温められ、そして、15分間撹拌された。無水硫酸マグネシウムが、撹拌された溶液に添加された。15分後、懸濁物が、濾過されて、塩が除去された。蒸発乾固により、固体として、所望のN-メチルピペリジンスルホン(68mg,87%)が与えられた。MS m/z 279.2(MH+)。
工程2:工程1からのインドールスルホンが、一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された銅/BINOL触媒を用いて、クロロピリジンA-13(Ar=2,3-ジクロロフェニル)にカップリングされて、0.1%のHCOOH水溶液中、ACNを用いて逆相HPLC後に、実施例467の生成物を提供した。
実施例468~470及び474~479(表4)の化合物の調製:
実施例465(25mg,0.0291mmol)、3-オキセタノン(0.0055mL,0.0873mmol)及びDIEA(1当量,0.0051mL,0.0291mmol)が、DCE(1mL)中に懸濁され、そして、60℃で、30分間撹拌された。次に、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(19mg,0.0873mmol)が添加され、そして、懸濁物が、16時間、60℃で撹拌された。完了後、溶媒が、真空下で除去され、そして、残渣が、0.1%のHCOOH水溶液中、ACNを用いて逆相HPLC上で精製されて、実施例474の化合物(12mg,49%)が与えられた。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ:9.97(s,1H),8.92(s,1H),8.36~8.64(m,4H),8.28(d,J=8.61Hz,1H),7.83~8.03(m,3H),7.44~7.50(m,3H),7.42(s,1H),4.38~4.51(m,2H),4.31(t,J=6.06Hz,3H),2.72(br.s.,2H),2.31(s,1H),1.99(br.s.,2H),1.75(m,2H),1.63(m,2H)。MS m/z 800.3(MH+)。
他の実施例が、表4において見られることができる適切なアルデヒド又はケトン(例えば、実施例468~470及び475~479)を用いて同様の方法で調製された。
実施例472(表4)の化合物の調製:
工程1:乾燥ジオキサン(10mL)中、3-ヨードインドール(600mg,2.47mmol)の室温での撹拌された懸濁物に、メチルホスホノイルメタン(212mg,2.72mmol)、(9,9-ジメチル-9h-キサンテン-4,5-ジイル)ビス(ジフェニルホスフィン)(143mg,0.247mmol)及び炭酸セシウム(1207mg,3.70mmol)が添加された。反応混合物が、脱ガスされ、そして、アルゴンで3回再充填された。トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(113mg,0.123mmol)が、反応混合物に添加され、そして反応バイアルが密封された。反応混合物が、90℃に加熱され、そして16時間撹拌された。反応混合物が、室温まで冷やされ、そして、減圧下で濃縮された。粗物質が、ヘキサン中、EtOAcを用いて、フラッシュカラムクロマトグラフィーSiO2によって精製されて、所望の3-インドールホスフィンオキシド(220mg,46%,50%均一性)が与えられた。MS m/z 194.2(MH+)。
工程2(実施例472,表4):工程2からのインドールが、一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された銅/BINOL触媒を用いて、クロロピリジン中間体A-13にカップリングされた。
実施例483の化合物(表4)の調製:
工程1:O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(0.173g,0.454mmol)が、DMF(1.1mL)中、3-メトキシプロパン酸(0.047g,0.454mmol)、市販の1H-インドール-3-アミン(0.030g,0.227mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(2.4mL,1.36mmol)の混合物に添加された。結果として得られた混合物が、室温で、1.5時間撹拌された。水が加えられ、そして、水性混合物が、EtOAcで抽出された。有機層が、一緒にされ、MgSO4で乾燥され、濾過され、そして次に、減圧下で濃縮された。粗物質が、セライト(Celite)(登録商標)上にロードされ、そして次に、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル,30~100%のEtOAc、ヘキサン中)によって精製され、褐色のオイルとして、N-(1H-インドール-3-イル)-3-メトキシ-プロパンアミド(0.049g,99%の収率)が与えられた。MS m/z 219.2(MH+)。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ:10.74(br.s.,1H),9.81(s,1H),7.76(d,J=8.2Hz,1H),7.71(d,J=2.3Hz,1H),7.32(d,J=7.8Hz,1H),7.08(td,J=7.4,1.2Hz,1H),6.99(td,J=7.5,1.0Hz,1H),3.64(t,J=6.3Hz,2H),3.25(s,3H),2.62(t,J=6.3Hz,2H)。
工程2(実施例483,表4):工程2からのインドールが、一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された銅/BINOL触媒を用いて、クロロピリジン中間体A-13にカップリングされた。
実施例484の化合物(表4)の調製:
工程1:スルホンアセタールが、アルキル化剤として市販の3-ブロモプロピオンアルデヒドジオキサンアセタールを用いて、続いて、一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された銅/BINOL触媒を用いて、フラグメントA-13とのカップリングによって、一般的な方法Hに従って調製された。
次に、THF(4mL)中、アセタール(305mg,0.393mmol)が、1MのH2SO4水溶液(5当量)の存在下、10分、120℃で、マイクロ波照射下で加熱することによって、対応するアルデヒドに加水分解された。次に、反応が、1MのNa2CO3でクエンチされ、そして、EtOAc(10mL)で3回抽出された。一緒にされた有機層が、塩水で洗われ、MgSO4で乾燥され、濾過され、そして蒸発されて、黄色の泡として、2,3-ジクロロ-N-(2,4-ジフルオロ-3-((6-(3-((3-オキソプロピル)スルホニル)-1H-インドール-1-イル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)ベンゼンスルホンアミド(188mg,67%の収率)が与えられた:m/z=719.2(M+H)。
工程2(実施例484,表4):DCE(1mL)中、工程1からのアルデヒド(50mg,0.0697mmol)の溶液に、ジメチルアミンHCl(17mg,0.209mmol)及びDIPEA(0.055mL,0.313mmol)が添加された。反応物が、室温で、15分間撹拌された。次に、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(44mg,0.209mmol)が、室温で、少しずつ加えられた。反応物は、室温で撹拌され、そして、続いてLCMSに付された。反応が完了したときに、反応物が蒸発乾固され、そして、残渣が1mLのDMSO中に溶解された。生成物が、水+0.01%のギ酸中、20~80%のMeCNを用いて、分取HPLCによって精製された。純粋な画分が集められ、蒸発され、そして凍結乾燥されて、白色固体として、実施例484の化合物(8mg,15%)が与えられた:1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ:9.94(s,1H),9.01(s,1H),8.52(s,1H),8.44~8.50(m,2H),8.32(d,J=8.6Hz,1H),7.89~7.98(m,2H),7.81(d,J=8.6Hz,1H),7.41~7.54(m,3H),7.14~7.25(m,1H),6.97~7.08(m,1H),3.40~3.46(m,3H),2.54~2.60(m,1H),2.27(s,6H),1.83~1.92(m,2H);m/z=748.4。
実施例486の化合物(表4)の調製:
実施例357について記載された手順に沿って及びA-13(Ar=2,3-ジクロロフェニル)を使用して、実施例486の化合物の類似体が得られた。関連する中間体の特性評価が、各工程について下記に提供されている。
工程1:
(ES+)M+H=703.4,(ES-)M-H=701.4
工程2:
HCl(4M,ジオキサン中,6.0mL,24.2mmol)の溶液が、ジオキサン(5mL)中、化合物2a(1.70g,2.42mmol)の室温での溶液に添加された。反応物が、室温で、3日間撹拌された。HCl(4M,ジオキサン中,3.0mL,12.0mmol)の溶液が添加され、そして、混合物が、室温で、更に24時間撹拌された。反応混合物が濾過され、そして、濾過された固形物がMTBEで洗われて、黄色の固体(1.58g,102%の収率,62%の純度,254nmで)が与えられた。遊離塩基の質量(ES+)M+H=603.3,(ES-)M-H=601.3。
工程3(実施例486,表4):
工程2からの塩酸塩(50.0mg,82.9μmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(22μL,124μmol)が、CH2Cl2(1.88mL)及びAcOH(470μL)中に溶解された。この溶液に、無水酢酸(8.7μL,91.1μmol)が室温で添加された。反応物は、室温で、一晩撹拌された。反応物は、濃縮され、そして、逆相カラム(アセトニトリル/10mMのAmF,H2O中,0以上25~55%以下)によって精製された。所望の生成物を含有する画分が透析されて、ベージュ色の粉末として、実施例486の化合物(12.4mg,23%の収率)が与えられた。
実施例488の化合物(表4)の調製:
工程1:実施例465の化合物の調製の工程2からのN-Boc-ピペリジンスルホン(100mg,0.274mmol)が、TFA中、30分間、室温で撹拌された。完了後、反応混合物が、真空下で濃縮された。残渣が、ACNと共蒸発されて、所望のTFA塩(100mg,96%)が与えられた。MS m/z 265.2(MH+)。
工程2:工程1からのTFA塩(30mg,0.0793mmol)、DIEA(10.0当量,0.14mL,0.793mmol)及び2,2-ジフルオロエチルトリフルオロメタンスルホネート(10.0当量,170mg,0.793mmol)が、DMSO(0.8mL)中で一緒に混合され、そして、80℃で、4日間撹拌された。完了後、反応混合物が、EtOAcで希釈され、次に、NH4Clで洗われ、続いて、塩水で洗われた。有機層が、MgSO4で乾燥され、濾過され、そして、真空下で濃縮されて、所望のインドール誘導体(20mg,0.061mmol,76%の収率)で与えられ、それは、DMSO中に希釈され、そしてそのまま使用された。MS m/z 329.2(MH+)。
工程3(実施例488,表4):工程2からのインドールが、一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された銅/BINOL触媒を用いて、クロロピリジン中間体A-13にカップリングされた。
実施例494の化合物(表4)の調製:
この化合物は、実施例495の化合物の類似体の分取HPLC精製中に副生成物として単離された(表4)。
実施例495の化合物(表4)の調製:
実施例495の化合物は、2,2,2-トリフルオロエチルトリフルオロメタンスルホネートを、イン・シチュー(in situ)で生成されたインドールスルフィドのアルキル化についての工程1におけるアルキル化剤として使用された以外は、他のインドールスルホン誘発体(一般的な方法H)と同様の方法で調製された。一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された銅/BINOL触媒を用いてクロロピリジン中間体A-13へのカップリングに続いて、実施例494及び495の両方の化合物が分取HPLC精製工程の間に単離された。
実施例499の化合物(表4)の調製:
工程1:ヘキサン中、1.6MのnBuLi(2.8mL,4.18mmol)が、THF(14mL)中、(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリド(477mg,1.39mmol)の0℃の溶液に滴下された。10分後、THF(5mL)中、実施例457の調製の工程3において記載されているようにして得られたアルデヒドスルホンの溶液が滴下され、0℃で10分後、混合物が、0℃で、飽和NH4Cl水溶液上に注がれた。有機相が、塩水で洗われ、そして次に、乾燥(MgSO4)され、濃縮後に、粗物質が与えられ、それは、ヘキサン/AcOEtを用いて、SiO2上で精製されて、エノールエーテル中間体(389mg,99%)が与えられた。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ8.81(br.s.,1H),7.98~8.15(m,1H),7.64~7.89(m,1H),37~7.64(m,1H),7.27~7.34(m,2H),5.84(d,J=7.04Hz,1H),4.36(d,J=7.04Hz,1H),3.22(s,3H),1.61(s,6H)。MS m/z 278.2(MH-)。
工程2:6N塩酸(2.0mL,12.0mmol)の水性液が、THF(2mL)中、工程1からのエノールエーテル(389mg,1.39mmol)の溶液に添加され、そして、室温で、16時間撹拌された。反応混合物が、EtOAcで希釈され、次に、飽和NaHCO3水溶液及び塩水で洗われ、そして次に、乾燥(MgSO4)され、濃縮後に、対応するアルデヒド(95mg,0.358mmol,25.7%の収率)が与えられ、それは、下記の工程3の為に即座に使用された。MS m/z 264.2(MH-)。
工程3:氷浴下、DCM(20mL)中、工程2からのアルデヒド(68mg,0.271mmol)に、三フッ化ジエチルアミノ硫黄(0.18mL,1.35mmol)がゆっくりと滴下され、そして、反応物が室温までゆっくりと温められ、そして、5時間撹拌された。完了後、炭酸水素ナトリウムの飽和水性液が反応混合物にゆっくりと滴下された。水性層がEtOAcで抽出された。分離された有機層が、塩水で洗われ、乾燥(MgSO4)され、濾過され、そして濃縮された。粗生成物が、ヘキサン中、EtOAcを用いて、SiO2上カラムクロマトグラフィーによって精製されて、所望のインドールスルホン(22mg,0.0766mmol,21.4%の収率)が与えられた。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:9.01(br.s.,1H),7.98(d,J=7.83Hz,1H),7.79(d,J=3.13Hz,1H),7.43~7.68(m,1H),7.32~7.39(m,2H),5.76~6.58(m,1H),2.38(dt,J=4.89,17.12Hz,2H),1.48(s,6H)。MS m/z 286.2(MH-)。
工程4(実施例499,表4):工程3からのインドールが、一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された銅/BINOL触媒を用いて、クロロピリジン中間体A-13にカップリングされた。
実施例500及び528(表4)の化合物の調製:
工程1:20mLのバイアルに、3.5mLのDCM中、インドール(100mg,0.85mmol)が加えられた。反応物が、0℃に冷やされた。次に、トルエン(0.71mL,1.28mmol)中、25重量%(1.8M)のジエチルアルミニウムクロリドが滴下された。反応物が、30分間、0℃で撹拌された。3mLのDCM中、テトラヒドロフラン-3-カルボニルクロリド(172mg,1.28mmol)が滴下された。反応物が、室温まで温められ、そして3時間撹拌された。完了後、反応が、1MのNaOHでクエンチされた。反応物が、水、塩水及びDCM(x3)で抽出された。有機物が、集められ、MgSO4で乾燥され、濾過され、そして次に、減圧下で濃縮された。粗物質が、セライト(Celite)上にロードされ、そして、ヘキサン中、EtOAcを用いて、SiO2で精製されて、白色固体として、所望の3-インドールケトン(12mg,0.055mmol,6.4%の収率)が与えられた。MS m/z 216.3(MH+)。
工程2(実施例500,表4):工程1からのインドールが、一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された銅/BINOL触媒を用いて、クロロピリジン中間体A-13にカップリングされた。
実施例528の化合物(表4)が、工程1におけるチオフェン-2-カルボニルクロリドを用いて類似の方法で得られた。
実施例502(表4)の化合物の調製:
工程1:Phosphorus,Sulfur and Silicon and the Related Elements 2014,189,1378において記載された方法と同様の方法で調製された4-ニトロ-3-メチルスルホンインドール(230mg,0.957mmol)が、MeOH(10mL)中に溶解された。溶液に、炭素上の10%の水酸化パラジウム(75mg,0.0957mmol)が添加され、そして、懸濁物が、1気圧のH2下、1時間で撹拌された。パラジウムが、セライトで濾別され、そして、溶媒が真空下で除去されて、所望の4-アミノインドール誘導体(110mg,55%)が与えられた。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ:11.93(br.s.,1H),7.81(d,J=3.13Hz,1H),6.88~7.08(m,1H),6.76(d,J=7.43Hz,1H),6.42(d,J=7.04Hz,1H),5.57(s,2H),3.25(s,3H)。MS m/z 211.2(MH+)。
工程2(実施例502,表4):工程1からのインドールが、一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された銅/BINOL触媒を用いて、クロロピリジン中間体A-13にカップリングされた。
実施例506及び573(表4)の化合物の調製:
実施例506:炭酸セシウム(1.50mmol)が、室温で、DMSO(8.50mL)中、3-ニトロインドール(1.50mmol)とA-13(Ar=2,3-ジクロロフェニル)(1mmol)との混合物に添加された。これは、100℃で、4日間、反応が終了するまで加熱された。反応混合物が、室温まで冷やされた。粗反応混合物が、逆相クロマトグラフィー(アセトニトリル/0.1%のAmFを含有する水)によって精製されて、実施例506の所望の化合物が与えられた。
実施例573:1H-イミダゾ[4,5-b]ピラジンを用いて、実施例506について記載された同じ手順が、80℃で、24時間、そして100℃で、4日間加熱された後に、所望の化合物が提供された。
実施例511及び532(表4)の化合物の調製:
工程1:フラスコに、ジオキサン(1.5mL)中、3-ヨードインドール-1-カルボン酸tert-ブチル(50mg,0.146mmol)、2-ピロリジノン(37mg,0.437mmol)、炭酸セシウム(0.142g,0.437mmol,CuI(14mg,0.073mmol)及びN,N''-ジメチルエチレンジアミン(16μL,0.146mmol)がロードされた。結果として得られた混合物が、80℃で加熱され、そして、10時間撹拌された。反応混合物が、セライト(Celite)(登録商標)を通じて濾過され、そして、粗生成物が、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル,0~100%のEtOAc,ヘキサン中)によって精製されて、白色のフィルムとして、3-(2-オキソピロリジン-1-イル)インドール-1-カルボン酸メチルtert-ブチル(23mg,53%の収率)が与えられた。MS m/z 301.2(MH+)。
工程2:トリフルオロ酢酸(1mL)が、DCM(1.0mL)中、3-(2-オキソピロリジン-1-イル)インドール-1-カルボン酸tert-ブチル(23mg,0.077mmol)の溶液に添加された。粗物質が、MeOH及びMeCN中に溶解され、そして次に、IRA-67樹脂が添加された。溶液が、綿の栓を通じて濾過され、そして集められた。溶媒が減圧下で除去されて、1-(1H-インドール-3-イル)ピロリジン-2-オン(7.3mg,47%の収率)が与えられた。MS m/z 201.2(MH+)。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ:11.06(br.s.,1H),7.58(d,J=7.8Hz,1H),7.46(d,J=2.7Hz,1H),7.36(d,J=7.4Hz,1H),7.09(t,J=7.6Hz,1H),6.98(t,J=7.8Hz,1H),3.89(t,J=7.0Hz,2H),2.44(t,J=8.2Hz,2H),2.13(quin,J=7.5Hz,2H)。
工程3(実施例511,表4):工程2からのインドールが、一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された銅/BINOL触媒を用いて、クロロピリジン中間体A-13にカップリングされた。
実施例532の化合物(表4)の6-員環の類似体が、工程1における3-(2-オキソ-1-ピペリジル)インドール-1-カルボン酸tert-ブチルから同じ方法で調整された(23mg,21%の収率)。MS m/z 315.2(MH+)。TFAとの処置後(工程2)に脱保護されたインドールにより、1-(1H-インドール-3-イル)ピペリジン-2-オン;2,2,2-トリフルオロ酢酸(25mg,100%の収率)が与えられた。MS m/z 215.0(MH+)。それは、通常の方法(工程3)で、実施例532の化合物の類似体に転化された。
実施例512及び691(表4)の化合物の調製:
工程1:R-(+)-3-ピロリジノール(0.049mL,0.612mmol)が、イソプロパノール(2.0mL)中、4-クロロ-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン(47mg,0.306mmol)の溶液に添加された。結果として得られた混合物が、125℃で加熱され、そして、10時間撹拌された。完了後、反応混合物が濃縮され、そして、粗生成物がカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,0~20%のMeOH,DCM中)によって精製されて、オフホワイトの固体として、(3R)-1-(1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-4-イル)ピロリジン-3-オール(50mg,80%の収率)が与えられた。MS m/z 205.2(MH+)。
工程2(実施例512,表4):工程1からのベンズイミダゾールが、一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された銅/BINOL触媒を用いて、クロロピリジン中間体A-13にカップリングされた。
実施例691(表4):実施例691の化合物が、R-(+)-3-ピロリジノールを工程1における4-エチル-4-ヒドロキピペリジンに置き換える類似の方法で調整された。
実施例513(表4)の化合物の調製:
工程1:マイクロ波バイアルにおいて、4-クロロ-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン(60mg,0.391mmol)がEtOH(1.3mL)中に溶解され、そして、ナトリウムエトキシド(21%,EtOH中,0.29mL,0.781mmol)の溶液が加えられた。結果として得られた混合物が、電子レンジ中で撹拌された。水が加えられ、そして、水性混合物がEtOAcで抽出された。有機層が、一緒にされ、塩水で洗われ、Na2SO4で乾燥され、濾過され、そして濃縮された。粗生成物がカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,0~15%のMeOH,DCM中)によって精製されて、オフホワイトの固体として、4-エトキシ-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン(49mg,0.30mmol,76%の収率)が与えられた。MS m/z 164.2(MH+)。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ:8.21(s,1H),7.81(d,J=5.75Hz,1H),7.17(d,J=5.50Hz,1H),4.48(q,J=7.05Hz,2H),1.32~1.48(m,3H)。
工程2(実施例513,表4):工程1からのアザベンズイミダゾールが、一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された銅/BINOL触媒を用いて、クロロピリジン中間体A-13にカップリングされた。
実施例514(表4)の化合物の調製:
工程1:フラスコに、ジオキサン(2.0mL)中、3-ヨードインドール-1-カルボン酸tert-ブチル(0.10g,0.291mmol),チアジナン1,1-ジオキシド(0.118g,0.87mmol),炭酸セシウム(0.285g,0.874mmol),CuI(28mg,0.146mmol)及びN,N''-ジメチルエチレンジアミン(31μL,0.291mmol)がロードされた。結果として得られた混合物が、80℃で加熱され、10時間撹拌された。反応混合物が、セライト(Celite)(登録商標)を通じて濾過され、そして、粗生成物がカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,0~100%のEtOAc,ヘキサン中)によって精製されて、無色のオイルとして、3-(1,1-ジオキソチアジナン-2-イル)インドール-1-カルボン酸tert-ブチル(30mg,29%の収率)が与えられた。MS m/z 351.1(MH+)。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:8.09~8.18(m,1H),7.63~7.71(m,2H),7.32~7.38(m,1H),7.25~7.31(m,1H),3.76~3.81(m,2H),3.24~3.32(m,2H),2.34~2.44(m,2H),1.94(m,J=5.7,5.7Hz,2H),1.68(s,9H)。
工程2:トリフルオロ酢酸(66μL,0.856mmol)が、DCM(2.0mL)中、3-(1,1-ジオキソチアジナン-2-イル)インドール-1-カルボン酸tert-ブチル(30mg,0.086mmol)の溶液に添加された。結果として得られた混合物が、室温で、2時間撹拌された。完了後、揮発性物質が減圧下で除去され、そして、残渣が真空下で乾燥されて、2-(1H-インドール-3-イル)チアジナン1,1-ジオキシド;2,2,2-トリフルオロ酢酸(30mg,96%の収率)が与えられた。MS m/z 251.0(MH+)。
工程3(実施例514,表4):工程2からのインドールが、一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された銅/BINOL触媒を用いて、クロロピリジン中間体A-13にカップリングされた。
実施例520(表4)の化合物の調製:
工程1:100mLの丸底フラスコに、DMF(15mL)中、2,6-ジフルオロニトロベンゼン(1.3mL,12.6mmol)及びシアノ酢酸エチル(1.6mL,15.1mmol)が添加された。次に、水素化ナトリウム(754mg,18.9mmol)が、室温でゆっくりと添加された。反応物が、室温で、15分間撹拌された。深赤色の溶液が黄色に変わるまで、反応が、1M塩酸でクエンチされ、そして次に、EtOAcで希釈された。有機層が分離され、次に、NH4Cl水溶液で洗われ、続いて塩水で洗われた。有機層が、MgSO4で乾燥され、濾過され、そして次に、減圧下で濃縮された。粗物質が、DMSO(9mL)及び水(1mL)中に溶解され、そして、20mLのマイクロ波バイアルに移された。反応物が、120℃に加熱され、そして、16時間撹拌された。反応混合物が、室温まで冷やされ、そしてEtOAcで希釈され、次に、NH4Cl水溶液で洗われ、続いて塩水で洗われた。有機層が、MgSO4で乾燥され、濾過され、そして次に、減圧下で濃縮された。粗物質が、ヘキサン:EtOAcを使用して順相のフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製されて、橙色の固体として、所望のベンジルニトリル(2.12g,93%)が与えられた。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ:7.80(td,J=7.8,5.5Hz,1H),7.65(t,J=9.6Hz,1H),7.54(d,J=7.4Hz,1H),4.28(s,2H)。MS m/z 725.4(MH+)。MS m/z 181.2(MH+)。
工程2:20mLのバイアルに、8mLのDMF中、工程1からの2-(3-フルオロ-2-ニトロ-フェニル)アセトニトリル(200mg,1.11mmol)及び水素化ナトリウム(111mg,2.78mmol)が添加された。次に、ヨードメタン(346μL,5.55mmol)が、反応物にゆっくりと添加された。該添加に応答して、反応物が、室温で、1時間撹拌された。反応が、NH4Cl水溶液でクエンチされ、そして次に、EtOAcで希釈された。次に、有機層が、塩水で洗われ、MgSO4で乾燥され、濾過され、そして、真空下で濃縮されて、2-(3-フルオロ-2-ニトロ-フェニル)-2-メチル-プロパンニトリルを提供した(214mg,1.03mmol,92%)。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ:7.78(td,J=8.4,5.9Hz,1H),7.68(t,J=8.8Hz,1H),7.63(d,J=8.2Hz,1H),1.82(s,6H)。MS m/z 209.2(MH+)。
工程3:10mLのマイクロ波バイアルに、工程2からのフルオロニトロ誘導体(63mg,0.301mmol)が添加され、続いて、1.5mLの28%~30%の水酸化アンモニウムが添加された。反応物が、130℃で、1時間、マイクロ波で照射された。反応混合物が、水で希釈され、次に、EtOAc(x3)で抽出された。有機層が、塩水で洗われ、MgSO4によって乾燥され、濾過され、そして次に、減圧下で濃縮されて、橙色の固体として、所望のニトロアニリン(62.6mg,100%)が与えられた。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ:7.27(t,J=8.0Hz,1H),6.93(d,J=8.2Hz,1H),6.80(d,J=7.8Hz,1H),6.00(s,2H),1.76(s,6H)。MS m/z 206.2(MH+)。
工程4:中間体である1,2-フェニレンジアミンのベンズイミダゾール環への還元、そして閉環が、実施例524についての方法Iの工程2において記載された手順に沿って、鉄及びギ酸を使用して実行された。
工程5(実施例520,表4):工程4のベンズイミダゾール誘導体が、一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された銅/BINOL触媒を用いて、クロロピリジン中間体A-13にカップリングされた。
実施例521(表4)の化合物の調製:
工程1:3-クロロ-2-ニトロアニリン(2.00g,11.6mmol)が25mLのフラスコにいれられ、そして、10mLの乾燥DMF中に溶解され、明るい橙色の溶液が与えられた。チオメトキシドナトリウム(1.06g,15.1mmol)が5mLのDMF中にスラリーとして添加され、そして、室温ですすぎの為に3mL加えられて、暗赤色の溶液が与えられた。結果として得られた混合物が、室温で、2時間撹拌された。混合物が3mLの酢酸を含有する水80mL内にそそがれ、EtOAcで3回抽出された。一緒にされた有機層が、水で2回、次に塩水で1回洗われ、MgSO4で乾燥され、濾過され、そして濃縮された。残渣が、溶離液としてDCMを用いて、シリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーによって精製された。適切な画分が一緒にされ、濃縮され、そして、減圧下で乾燥された。3-メチルスルファニル-2-ニトロ-アニリン(2.06g,97%の収率)が与えられた。MS m/z 185.2(MH+)。1H NMR(DMSO-d6) δ:7.25(t,J=8.2Hz,1H),7.09(br.s,2H),6.75(dd,J=8.4,1.0Hz,1H),6.52(dd,J=7.8,0.8Hz,1H),2.38(s,3H)。
工程2:3-メチルスルファニル-2-ニトロ-アニリン(1.00g,5.43mmol)、鉄金属(3.03g,54.3mmol)、塩化アンモニウム(2.90g,54mmol)及び13mLのイソプロパノールが100mLのフラスコにもたらされ、続いて、ギ酸(12mL,326mmol)がもたらされた。該フラスコに、還流冷却器が取り付けられ、次に、80℃に予熱された油浴中に浸された。黄色の混合物が、その温度で、4時間激しく撹拌され、次に、室温に冷やされた。反応混合物が、すすぎの為のイソプロパノールを使用して、セライト(Celite)(登録商標)のショートパッドを通じて濾過された。濾液が、濃縮乾固され、次に、酸性でなくなるまで、NaHCO3の飽和溶液中に懸濁物として取り込まれた。次に、混合物が、EtOAcで、3回抽出された。一緒にされた有機層が、塩水で1回洗われ、次に、MgSO4で乾燥され、濾過され、そして濃縮された。残渣が、DCM中、50%~100%のEtOAcグラジエント、続いて、EtOAc中、1%のIPAを用いて、シリカゲル上、フラッシュクロマトグラフィーによって精製された。適切な画分が、プールされ、濃縮され、そして、減圧下で乾燥された。サーモン色の固体として、4-メチルスルファニル-1H-ベンズイミダゾール(0.83g,93%の収率)が与えられた。MS m/z 165.0(MH+)。1H NMR(DMSO-d6) δ:12.52(br.s.,1H),8.18(s,1H),7.31(br.s.,1H),7.17(t,J=7.8Hz,1H),6.99(br.s.,1H),2.54(s,3H)。
工程3:4-メチルスルファニル-1H-ベンズイミダゾール(300mg,1.83mmol)が、4mLのMeCN中に懸濁され、それに、ジエチルアミン(0.038mL,0.37mmol)が加えられた。この混合物に、7mLの水中、オキソン(登録商標)(1.68g,2.74mmol)の溶液が室温で加えられた。色の変化が見られた。結果として得られた懸濁物が、同じ温度で、15分間撹拌された。チオ硫酸ナトリウムの0.5mLの飽和溶液が添加された、混合物が水で希釈され、そして、固体のNaHCO3がゆっくり加えられて、pHが中性近くに調整された。次に、混合物が、EtOAcで3回抽出されて、そして、一緒にされた有機層が、塩水で1回洗われ、次に、MgSO4で乾燥され、濾過され、そして濃縮された。固形の残渣が、DCM中、70%~100%のEtOAcグラジエントを用いてシリカゲル上、フラッシュクロマトグラフィーによって精製され、次に、EtOAc中、100%のEtOAc~5%のIPAグラジエントが適用された。適切な画分が、プールされ、濃縮され、そして、減圧下で乾燥されて、4-メチルスルホニル-1H-ベンズイミダゾール(264mg,74%の収率)が与えられた。MS m/z 197.0(MH+)。1H NMR(DMSO-d6) δ:13.03(br.s.,1H),8.46(br.s.,1H),7.95(d,J=7.0Hz,1H),7.72(dd,J=7.4,0.8Hz,1H),7.43(t,J=7.8Hz,1H),3.44(br.s.,3H)。
工程4(実施例521,表4):工程3のベンズイミダゾール誘導体が、一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された銅/BINOL触媒を用いて、クロロピリジン中間体A-13にカップリングされた。
実施例522(表4)の化合物の調製:
工程1:マイクロ波バイアルにおいて、水素化ナトリウム(60%,鉱油中,49mg,1.23mmol)が、2-メトキシエタノール(1.1mL,13.3mmol)に添加された。結果として得られた混合物が30分間撹拌され、そして、4-クロロ-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン(63mg,0.410mmol)が添加された。結果として得られた混合物が、80℃で、マイクロ波で加熱され、そして、2時間撹拌された。水が添加され、そして、水性混合物がEtOAcで抽出された。有機層が一緒にされ、塩水で洗われ、Na2SO4で乾燥され、濾過され、そして濃縮されて、4-(2-メトキシエトキシ)-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン(59mg,0.305mmol,74%の収率)が与えられた。MS m/z 194.0(MH+)。
工程2(実施例522,表4):工程1からのアザベンズイミダゾールが、一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された銅/BINOL触媒を用いて、クロロピリジン中間体A-13にカップリングされた。
実施例523、538及び598(表4)の化合物の調製:
工程1(R=OMe):炭酸カリウム(0.35g,2.56mmol)及び2-メトキシエタノール(0.40mL,5.12mmol)が、DMF(3.2mL)中、3-フルオロ-2-ニトロ-アニリン(0.10g,0.641mmol)の溶液に添加された。結果として得られた混合物が、80℃で、10時間撹拌された。水が加えられ、そして、水性混合物が、EtOAcで抽出された。有機層が一緒にされ、塩水で洗われ、Na2SO4で乾燥され、濾過され、そして濃縮された。粗生成物が、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル,0~100%のEtOAc,ヘキサン中)によって精製されて、3-(2-メトキシエトキシ)-2-ニトロ-アニリン(52mg,38%の収率)が与えられた。MS m/z 213.1(MH+)。
工程2:中間体である1,2-フェニレンジアミンのベンズイミダゾール環への還元、そして閉環が、実施例524についての方法Iの工程2において記載された手順に沿って、鉄及びギ酸を使用して実行された。
工程3(実施例538,表4):工程2のベンズイミダゾール誘導体が、一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された銅/BINOL触媒を用いて、クロロピリジン中間体A-13にカップリングされた。
実施例523の化合物の類似体が、工程1におけるエチレングリコール(R=H)を使用して類似の方法で調整された。実施例598の化合物の類似体(R=CH2CH2OMe)が、工程1における2-(2-メトキシエトキシ)エタノールを使用して類似の方法で調整された。
実施例525(表4)の化合物の調製:
工程1:ナトリウムエトキシド(21%,EtOH中,1.63mL,4.36mmol)の溶液が、EtOH(8mL)中、3-フルオロ-2-ニトロ-アニリン(0.23g,1.45mmol)の溶液に添加された。結果として得られた混合物が、80℃で、10時間撹拌された。反応混合物が濃縮され、そして水が加えられた。水性混合物が、EtOAcで抽出された。有機層が、一緒にされ、塩水で洗われ、Na2SO4で乾燥され、濾過され、そして濃縮された。粗生成物が、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル,0~100%のEtOAc)によって精製されて、3-エトキシ-2-ニトロ-アニリン(0.25g,94%の収率)が与えられた。MS m/z 183.0(MH+)。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ:7.10(t,J=8.4Hz,1H),6.42(dd,J=8.4,1.0Hz,1H),6.28(dd,J=8.2,1.2Hz,1H),5.94(br.s,2H),4.03(q,J=6.9Hz,2H),1.25(t,J=7.0Hz,3H)。
工程2:鉄(0.37g,6.70mmol)及び塩化アンモニウム(0.36g,6.70mmol)が、3-エトキシ-2-ニトロ-アニリン(0.24g,1.34mmol)(iPrOH(4.0mL)中)とギ酸(1.9mL,49.6mmol)との混合物に添加された。結果として得られた混合物が、90℃で加熱され、そして、10時間撹拌された。反応混合物が、室温に冷やされ、そして、セライト(Celite)(登録商標)を通じて濾過された。溶液が濃縮され、そして、粗生成物が、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル,0~10%のMeOH,DCM中)によって精製されて、オフホワイトの固体として、4-エトキシ-1H-ベンズイミダゾール(133mg,61%の収率)が与えられた。MS m/z 163.0(MH+)。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ:7.98~8.10(m,1H),7.97~8.21(m,2H),7.01~7.11(m,1H),6.70(d,J=7.4Hz,1H),4.23(q,J=7.0Hz,2H),1.27~1.50(m,3H)。
工程3(実施例525,表4):工程1からのベンズイミダゾールが、一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された銅/BINOL触媒を用いて、クロロピリジン中間体A-13にカップリングされた。
実施例531(表4)の化合物の調製:
実施例339/340の工程4からの異性体b(24.1mg,40.0μmol)がDMF(300μL)中に溶解され、そして、炭酸カリウム(12.4mg,88.0μmol)が添加され、続いて2-ブロモアセトアミド(6.08mg,43.2μmol)が添加され、そして、結果として得られた混合物が、室温で、18時間激しく撹拌された。反応物が、10mMのギ酸アンモニウム中、0~30~60%のACNを用いて、逆相カラムによって精製された。実施例531(9.0mg,36%の収率)の化合物が、10mMのギ酸アンモニウム中、46%のACNで出てきて、そして、凍結乾燥後、白色固体として得られた。
実施例536及び550(表4)の化合物の調製:
工程1:ヘテロアリールブロミド(1.00mmol)が、マイクロ波バイアルにおいてジオキサン(5mL)中で懸濁された。ビス(ピナコラート)ジボロン(1.10mmol)、酢酸カリウム(1.50mmol)及びブチルジ-1-アダマンチルホスフィン;CataCXium(0.150mmol)が室温で添加された。結果として得られた混合物が、窒素で、5分間で脱気され、次に、トリス(ジベンジリデンアセトン)-ジパラジウム(0)(0.030mmol)が添加された。これは、150℃で、マイクロ波(通常の吸光度)で、30分間、又は90℃で、油浴中、20時間、加熱された。混合物が、室温まで冷やされ、セライト(Celite)を通じて濾過され、そして、EtOAc(3x20mL)で洗われた。濾液が、減圧下で濃縮され、そして、粗ボロン酸が、更なる精製無しに、次の反応において使用された。
工程2:炭酸カリウム(3.0mmol)、工程1からのボロン酸(4.0mmol)及び化合物A-13(Ar=2,3-ジクロロフェニル)(1.00mmol)が、THF(10mL)及びH2O(2.5mL)中、室温で懸濁された。結果として得られた混合物が、窒素で、5分間脱気され、次に、Pd(PPh3)4(0.050mmol)が添加された。混合物が、80℃で、油浴中、20時間加熱され、そして次に、室温で冷やされ、すすぎの為に、THF(3x25mL)を使用して、セライト(Celite)を通じて濾過された。濾液が、減圧下で濃縮されて、逆相クロマトグラフィー(アセトニトリル/0.1%のAmFを含有する水)による精製後に、実施例536及び550(表4)の化合物が与えられた。
実施例537及び551(表4)の化合物の調製:
工程1(n=4):50~60%のヒドラジン水和物溶液(114μL,3.60mmol)が、ジエチレングリコール(1.00mL)中、6,7-ジヒドロピラゾロ[1,5-a]ピリジン-4(5H)-オン(100mg,720μmol)の撹拌された溶液に添加された。結果として得られた溶液が、100℃で、1時間撹拌されて、ヒドラゾン中間体(MW=150.18)が与えられた。次に、反応物が加熱から外され、そして、水酸化カリウム(166mg,2.52mmol)が、混合物に注意深く添加された。結果として得られた混合物が、100℃で、2時間、次に、120℃で、更に3時間、撹拌された。冷却後、反応混合物が、水で希釈され、塩酸水溶液(1N)を用いてpH=5に酸性化され、Et2O(3x30mL)で抽出された。一緒にされた有機層が、水(2x20mL)で洗われ、そして次に、MgSO4で乾燥され、濾過され、そして、減圧下で濃縮されて、淡い黄色の粗オイルとして、予想されたピラゾロピリジン(22.0mg,25%)が与えられ、それは、精製すること無しに、次の工程において使用された:(ES+)M+H=123.1。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ7.45(d,J=1.8Hz,1H),6.00~5.98(m,1H),4.18(t,J=6.1Hz,2H),2.81(t,J=6.4Hz,2H),2.09~1.98(m,2H),1.91~1.80(m,2H),残りはエチレングリコール。
工程2(n=4):DMF(8mL)中、工程1からの生成物(800mg,6.55mmol)の撹拌された溶液に、室温で、N-ブロモスクシンイミド(1.20g,6.61mmol)が少しずつ添加され、そして、結果として得られた溶液が、撹拌され、そしてLCMSによって監視された。完全な転化が、3時間後に観察された。反応混合物が減圧下で濃縮され、そして、残渣が、EtOAcで希釈され、塩水で洗われ、Na2SO4で乾燥され、濾過され、そして濃縮されて、所望のブロモ誘導体(1.11g,84%の収率)が与えられ、それは、精製すること無しに、次の工程において使用された:(ES+)M+H=203.1。
工程3(n=3又は4):THF(4.00mL)中、市販のブロミド(n=3)又は工程2(n=4)からの生成物(1.00mmol)の撹拌された溶液に、-78℃で、n-ブチルリチウム(2.5M,ヘキサン中,2.00mmol)が添加され、そして、混合物が、-78℃で、50分間撹拌された。次に、2-イソプロポキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(2.00mmol)が、-78℃で添加され、そして、結果として得られた懸濁物が、室温までゆっくりと温められ、そして、2時間撹拌された。反応の終了後、溶媒が、減圧下で除去された。混合物が、EtOAc(10mL)で希釈され、セライト(Celite)を通じて濾過され、EtOAc(10mL)で洗われ、そして、濾液が蒸発されて、ボロン酸エステルが与えられ、それは、更なる精製無しに、次の工程において使用された。
工程3(n=3):51%の収率,(ES+)M+H=235.5。工程3(n=4):定量的収率,(ES+)M+H=248.9。
工程4(n=3又は4):工程3からのボロン酸エステル(1.00mmol)、炭酸カリウム(3.00mmol)及びA-13(Ar=2,3-ジクロロフェニル)(1.20mmol)が、室温で、ジオキサン(10mL)及び水(3.2mL)中で混合された。結果として得られた溶液が、10分間、窒素で脱ガスされ、次に、Pd(PPh3)4(50.0μmol)が添加された。反応物が、90℃で加熱され、そして、一晩撹拌された。
完了後、混合物が室温まで冷やされ、そして、溶媒が減圧下で除去された。次に、粗化合物が、逆相クロマトグラフィー(10~50%のMeCN/H2O(0.1%の10mMのギ酸アンモニウムバッファグラジエント溶出,生成物が、45%付近のMeCNで出てきた)によって精製された。関心のある画分が、集められ、そして凍結乾燥されて、所望の化合物が与えられた。
実施例549及び595(表4)の化合物の調製:
工程1(R=Me):0℃に冷やされたTHF(3.93mL)中、4-ブロモ-2-メチル-1H-イミダゾール(200mg,1.22mmol)の撹拌された溶液に、鉱油(51.1mg,1.28mmol)中、60%の水素化ナトリウム分散物が添加された。添加後、混合物が、30分間、0℃で、窒素雰囲気下で撹拌された。次に、(2-クロロメトキシエチル)トリメチルシラン(251μL,1.28mmol)の溶液が滴下された。結果として得られた溶液が、室温まで温められ、そして、一晩、窒素下で撹拌された。反応が、水(10mL)を加えることによってクエンチされた。有機層が分離され、そして、水性層がEtOAc(3x10mL)で抽出された。一緒にされた有機物が、塩水(40mL)で洗われ、Na2SO4で乾燥され、濾過され、そして、減圧下で濃縮された。次に、粗生成物が、順相クロマトグラフィー(40gのカラム,0~60%のEtOAc,ヘキサン中,40mL/分)によって精製されて、異性体の混合物(248mg,70%の収率)として、保護されたブロモイミダゾールが与えられた:(ES+)M+H=293.1。
1H NMR 異性体1(400MHz,DMSO-d6) δ7.33(s,1H),5.23(s,2H),3.51~3.43(m,2H),2.29(s,3H),0.87~0.79(m,2H),-0.04(s,9H)。
1H NMR 異性体2(400MHz,DMSO-d6) δ6.87(s,1H),5.26(s,2H),3.56~3.46(m,2H),2.37(s,3H),0.89~0.81(m,2H),-0.03(s,9H)。
工程2(R=Me):THF(1.79mL)中、工程1からのブロミドの混合物(130mg,446μmol)の撹拌された溶液に、-78℃で、n-ブチルリチウム(2.50M,ヘキサン中,393μL,982μmol)が添加され、そして、混合物が、-78℃で、50分間撹拌された。次に、2-イソプロポキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(204μL,982μmol)が-78℃で添加され、そして、結果として得られた黄色の懸濁物が、室温までゆっくりと温められ、そして、3時間撹拌された。次に、溶媒が、減圧下で除去された。混合物が、EtOAc(5mL)で希釈され、セライト(Celite)を通じて濾過され、そして、濾液が蒸発されて、黄色のオイルとして、粗ボロン酸エステル(186mg)が与えられた。更なる精製無しに、次の工程において直接的に使用された。
工程3(R=Me):工程2からのボロン酸エステル(58.0mg,171μmol)、炭酸カリウム(60.4mg,429μmol)及び化合物A-13(Ar=2,3-ジクロロフェニル)(73.8mg,143μmol)が、室温で、ジオキサン(1.42mL)及び水(459μL)中で混合された。結果として得られた溶液が、10分間、窒素で脱ガスされ、次に、Pd(PPh3)4(8.34mg,7.14μmol)が添加された。反応物が、90℃で加熱され、そして、一晩撹拌された。完了後、混合物が室温まで冷やされ、そして、溶媒が、減圧下で除去された。粗化合物が、CH2Cl2/ヘキサンの混合物中で希釈され、そして超音波処理され、黄色の析出物を結果として生じ、それは、濾過されて、黄色の固体が与えられた。これは、次の工程において直接的に使用された:(ES+)M+H=392.3。
工程4(R=Me):THF(1.30mL)中、工程3からの粗化合物(90.0mg,130μmol)の撹拌された溶液に、濃塩酸(39.5μL,1.30mmol)の溶液がゆっくりと添加され、そして、混合物が、室温で、48時間撹拌された。ロータリーエバポレーターで濃縮後、CH2Cl2が添加され、そして、ガスが出なくなるまで、水性層が、Na2CO3水性液で中和された。結果として得られた溶液が、CH2Cl2(4×10mL)で抽出され、次に、一緒にされた有機層が塩水で洗われ、Na2SO4が乾燥され、濾過され、そして、減圧下で濃縮されて、黄色のオイルが与えられた。粗生成物が、逆相クロマトグラフィー(12gのカラム,0.1%の10mMギ酸アンモニウムバッファ中、5~25%のMeCN/H2Oのグラジエント溶出,12mL/分,生成物が、20%のMeCNで出てきた)。関心のある画分が、集められ、そして凍結乾燥されて、実施例595の化合物(0.43mg,0.59%の収率)が与えられた。
実施例549,表4):実施例595の化合物について上述されたのと同じ一連の反応に沿って、工程1において適切な2-フェニル-4-ブロモイミダゾールを用いることにより、淡黄色固体として実施例549の化合物が与えられた。
実施例552(表4)の化合物の調製:
工程1:実施例520の工程1において記載されているようにして得られたフェニルアセトニトリル誘導体(200mg,1.11mmol)及びDMSO(4mL)が、25mLのフラスコ中に入れられた。次に、ジフェニル(ビニル)スルホニウム-トリフルオロメタンスルホネート(479mg,1.32mmol)が、室温で、添加され、続いて、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(0.37ml,2.48mmol)が添加された。混合物が、その温度で、16時間撹拌された。完了後、NH4Clの水性液が添加され、そして、水性層がEtOAcで抽出された。有機層が、水で洗われ、そして、塩水で1回洗われた。有機層が、MgSO4で濾過され、そして、真空下で濃縮された。結果として得られた残渣が、ヘキサン中のEtOAcを用いて、シリカゲルのカラムを通じてフラッシュクロマトグラフィーによって精製されて、所望のシクロプロパン誘導体(138mg,60%の収率)が与えられた。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:7.47~7.59(m,1H),7.29~7.41(m,2H),1.69~1.85(m,2H),1.29~1.39(m,2H)。MS m/z 207.2(MH+)。
工程2:工程1からの生成物のアミノ化が、実施例520の工程3において記載されているように実行されて、橙色の固体として、所望のニトロアニリン(62.6mg,100%)が与えられた。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ:7.27(t,J=8.0Hz,1H),6.93(d,J=8.2Hz,1H),6.80(d,J=7.8Hz,1H),6.00(s,2H),1.76(s,6H)。MS m/z 206.2(MH+)。
工程3:中間体である1,2-フェニレンジアミンのベンズイミダゾール環への還元、そして閉環が、実施例524についての方法Iの工程2において記載された手順に沿って、鉄及びギ酸を使用して実行された。
工程4(実施例552,表4):工程3のベンズイミダゾール誘導体が、一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された銅/BINOL触媒を用いて、クロロピリジン中間体A-13にカップリングされた。
実施例553(表4)の化合物の調製:
4-メチルイミダゾールが、一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された銅/BINOL触媒を用いて、クロロピリジン中間体A-13(Ar=2,3-ジクロロフェニル)にカップリングされて、位置異性体の混合物が与えられ、それから、主要な且つ極性の低い異性体(実施例553)が分取HPLCによって単離された。
実施例556(表4)の化合物の調製:
工程1:炭酸セシウム(8.35g,25.6mmol)が、50mLのフラスコ中に入れられ、そして、6mLのDMSO中に懸濁された。次に、マロン酸ジメチル(2.7mL,30.7mmol)が、室温で添加された。濃厚スラリーを10分間撹拌後、3-フルオロ-2-ニトロ-アニリン(800mg,5.12mmol)が添加されて、明るい橙色から赤色の混合物が与えられ、それは、70℃で1時間撹拌された。混合物が、室温まで冷やされ、次にEtOAcで希釈され、そして、塩化アンモニウムの飽和溶液で洗われた。水性層がEtOAcで3回抽出され、そして、一緒にされた有機層が、塩水で洗われ、次に、MgSO4で乾燥され、濾過され、そして濃縮された。残渣が、ヘキサン中、5%~50%の酢酸エチルグラジエントを用いて、シリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーによって精製された。2-(3-アミノ-2-ニトロフェニル)マロン酸ジメチル(1.225g,89%の収率)が与えられた:MS m/z 269.1(MH+)。1H NMR(DMSO-d6) δ:7.29(dd,J=8.2,7.4Hz,1H),7.00(dd,J=8.6,1.2Hz,1H),6.85(s,2H),6.47(dd,J=7.4,1.2Hz,1H),5.09(s,1H),3.67(s,6H)。
工程2:2-(3-アミノ-2-ニトロフェニル)マロン酸ジメチル(1.37g,5.11mmol)及び塩化リチウム(260mg,6.13mmol)が、40mLのバイアル中に入れられ、そして、6mLのDMSO及び0.6mLの水中に溶解された。明るい赤色の混合物が150℃で、2.5時間加熱され、その後、色が少し暗くなった。混合物が、室温まで冷やされ、次に、水及びEtOAcで希釈された。二相混合物が、セライト(Celite)(登録商標)のパッドを通じて濾過されて、エマルションを作る不溶物が除去され、そして、層が分離された。水性層が、EtOAcで更に3回抽出された。次に、一緒にされた有機層が、水で2回洗われ、そして、塩水で1回洗われ、次に、MgSO4で乾燥され、濾過され、そして濃縮された。明るい赤色の残渣が、ヘキサン中、15%~50%のEtOAcグラジエントを用いて、シリカゲル上フラッシュクロマトグラフィーによって精製された。適切な画分が、プールされ、濃縮され、そして、減圧下で乾燥された。明るい橙色の固体として、2-(3-アミノ-2-ニトロ-フェニル)酢酸メチル(749mg,70%の収率)が与えられた:1H NMR(DMSO-d6) δ:7.24(dd,J=8.4,7.2Hz,1H),6.93(dd,J=8.4,1.4Hz,1H),6.79(s,2H),6.54(d,J=7.0Hz,1H),3.85(s,2H),3.59(s,3H)。
工程3:2-(3-アミノ-2-ニトロ-フェニル)酢酸メチル(545mg,2.59mmol)が、磁気撹拌棒を備えられた100mLのフラスコ中に入れられた。次に、5%のパラジウム炭素(109mg,0.051mmol)が添加され、そして、混合物が、14mLのメタノール中に懸濁された。オルトギ酸トリエチル(0.91mL,5.45mmol)が添加され、続いて、2滴の酢酸が添加された。反応フラスコが減圧下に置かれ、次に、水素がもたらされた。この操作が2回繰り返され、次に、混合物が、室温で、24時間、水素のバルーン雰囲気下で激しく撹拌された。0.2mLのEt3Nが混合物に添加されて、AcOHが中和され、次に、それが、セライト(celite)のショートパッドを通じて濾過され、メタノールですすがれた。濾液が濃縮乾固され、次に、残渣が、1:1のEtOAc/DCMから100%のEtOAc、そしてEtOAc中、10%のIPAのグラジエントを用いて、シリカゲルカラム上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製された。適切な画分が、プールされ、濃縮され、次に、減圧下で乾燥されて、2-(1H-ベンズイミダゾール-4-イル)酢酸メチル(299mg,61%の収率)が与えられた。MS m/z 191.2(MH+)。1H NMRは、互変異性体の0.6~0.4の混合物を示した:1H NMR(DMSO-d6) δ:12.50(br.s.,0.4H),12.44(br.s.,0.6H),8.21(s,0.4H),8.17(s,0.6H),7.55(d,J=7.4Hz,0.4H),7.43(d,J=7.8Hz,0.6H),7.15(t,J=7.4Hz,0.6H),7.12(t,J=7.8Hz,0.4H),7.03~7.09(m,1H),4.00(s,1.2H),3.97(s,0.8H),3.62(s,1.2H),3.60(s,1.8H)。
工程4:2mLの無水THF中、2-(1H-ベンズイミダゾール-4-イル)酢酸メチル(40mg,0.21mmol)の溶液が、氷/水浴中で冷やされ、5分間撹拌された。次に、水素化アルミニウムリチウム(0.25mL,0.25mmol)の1MのTHF溶液が滴下された。若干のガス発生が認められ、そして、澄んだ黄色の溶液が、乳白色のベージュ色の懸濁物になった。混合物が、室温まで温められ、そして、一晩、撹拌された。3~4滴の飽和塩化アンモニウム溶液が混合物に添加された。撹拌の5分後、100mgの硫酸ナトリウム十水和が添加された。撹拌の更に10分後、混合物が、2~3mLのEtOAcで希釈され、そして、セライト(Celite)(登録商標)のプラグを通じて濾過され、不溶性の物質が除去された。濾液が、残渣まで濃縮され、それは、溶離液として、EtOAc溶液中、30%のIPAを用いて、シリカゲルプラグを通過された。
濾液が、乾燥するまで濃縮された、そして、結果として得られた褐色オイルが減圧下で結晶化されて、褐色固体として、2-(1H-ベンズイミダゾール-4-イル)エタノール(34.5mg,100%の収率)が与えられ、それは、更なる精製をすること無しに使用された。MS m/z 163.0(MH+)。
工程5(実施例556,表4):工程4のベンズイミダゾール誘導体が、一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された銅/BINOL触媒を用いて、クロロピリジン中間体A-13にカップリングされた。
実施例534、594及び684(表4)の化合物の調製:
工程1:NaN3(190mg,2.90mmol)及びクロロピリジンA-13(1.00g,1.94mmol)が、室温で、DMF(5.0mL)中に混合された。これは、油浴中、100℃で、18時間加熱された。反応物が、室温まで冷やされ、そして、H2O(100mL)で希釈された。形成された固形物が、濾過され、そして、H2Oで洗われた。固形物が、空気循環下で乾燥されて、褐色の固体として、標記の化合物(970mg,96%の収率)が与えられた:(ES+)M+H=523.2,(ES-)M-H=521.2。
工程2(実施例534,表4):DMSO(5.0mL)中、工程1からのアジド誘導体(1.0mmol)及びフェニルアセチレン(2.0mmol)が水(1.5mL)中の無水硫酸銅(II)(319mg,2.0mmol)及び水(1.5mL)中の(+)-L-アスコルビン酸ナトリウム(2.0mmol)の溶液に、同時に添加された。結果として得られた混合物が、反応が完了するまで、一晩、室温で撹拌された。混合物が、MeOH(20mL)で希釈された。混合物が、セライト(Celite)を通じて濾過され、MeOHで洗われた。濾液が、減圧下で濃縮されて、揮発性物質が除去され、そして、残渣が、分取HPLCによって精製されて、白色固体として、実施例534の化合物が与えられた(15%の収率)。
工程2(実施例594,表4):実施例534と同じ手順が、プロパ-2-イン-1-オールを用いて従われた。実施例594の化合物が、ベージュ色の固体として得られた(17%の収率)。
工程2(実施例684,表4):実施例534と同じ手順が、プロパ-1-インのガスで満たされたバルーンを用い、それは、10分間、混合物を通じてバブリングされ、そして次に、室温で、一晩撹拌された。逆相クロマトグラフィー(アセトニトリル/0.1%のAmFを含有する水,40~70%)による精製により、白色固体として実施例684の化合物が与えられた(15%の収率)。
実施例610(表4)の化合物の調製:
工程1:実施例552についての工程1及び2において記載されているようにして得られたニトロアニリン出発物質が、実施例600についての一般的な方法Jの下で、工程3において記載された所望のベンゾトリアゾールに転化された。
工程2(実施例610,表4):工程1のベンゾトリアゾール誘導体が、一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された銅/BINOL触媒を用いて、クロロピリジン中間体A-13にカップリングされた。
実施例612(表4)の化合物の調製:
工程1:実施例556において記載されているようにして調製された2-(1H-ベンズイミダゾール-4-イル)酢酸メチル(303mg,1.59mmol)(工程3から)が、10mLのDMF中に溶解され、次に、炭酸カリウム(661mg,4.78mmol)が添加され、続いて、SEM-Cl(0.42mL,2.39mmol)が10分間、室温で滴下された。混合物が、同じ温度で、16時間撹拌された。混合物が、塩化アンモニウムの飽和溶液中に注がれ、次に、EtOAcで3回抽出された。一緒にされた有機層が、水で洗われ、次に、塩水で洗われ、次に、MgSO4で乾燥され、濾過され、そして濃縮された。結果として得られた残渣が、ヘキサン中、20%の酢酸エチル~100%のEtOAcグラジエントを用いて、シリカゲル上で、フラッシュクロマトグラフィーによって精製された。適切な画分が、プールされ、濃縮され、そして、減圧下で乾燥された。淡黄色のオイルとして、2-[1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ベンズイミダゾール-4-イル]酢酸メチル(260mg,51%の収率)が与えられた。
工程2:2-[1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ベンズイミダゾール-4-イル]酢酸メチルと2-(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾl-7-イル)酢酸メチルとの混合物(265mg,0.83mmol)が、25mLのフラスコ中に入れられた。DMSO(4mL)中、ジフェニル(ビニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート(479mg,1.32mmol)の溶液が添加され、続いて、室温で、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(0.37mL,2.48mmol)が添加された。混合物が、その温度で、17時間撹拌された。次に、反応混合物が、少量のNH4Clを含有する水、及びEtOAcで希釈された。これらの層が分離され、そして、水性層が、EtOAcで2回抽出された。一緒にされた有機層が、水で2回抽出され、そして、塩水で1回抽出された。次に、有機層がMgSO4で乾燥され、濾過され、そして濃縮された。結果として得られた残渣が、ヘキサン中、20%~100%のEtOAc、続いて、EtOAc中、5%のIPAを用いて、シリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーによって精製された。適切な画分が、プールされ、濃縮され、そして、減圧下で乾燥された。分離不可能な異性体の混合物、及び淡黄色のオイルとして、1-(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾl-4-イル)シクロプロパン-1-カルボン酸メチル及び1-(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾl-7-イル)シクロプロパン-1-カルボン酸メチル(250mg,87%の収率)が与えられた。MS m/z 347.2(MH+)。
工程3:4mLの無水THF中、工程2からのメチルエステル(275mg,0.79mmol)の溶液が氷/水浴で冷やされ、そして、5分間撹拌された。次に、水素化アルミニウムリチウム(0.95mL,0.95mmol)の1MのTHF溶液が滴下された。若干のガス発生が認められた。混合物が、室温まで温められ、そして、23時間撹拌された。硫酸ナトリウム十水和物(0.7g)が混合物に添加され、それは、さらに1時間撹拌された。次に、混合物が、EtOAcで希釈され、そして、セライト(Celite)(登録商標)のパッドを通じて濾過され、EtOAcですすがれた。次に、濾液が濃縮乾固され、そして、残渣が、100%のEtOAcからEtOAc中30%のIPAのグラジエントを使用して、シリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーによって精製された。
最初に溶出した生成物は、[1-[1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ベンズイミダゾール-4-イル]シクロプロピル]メタノール(132mg,52%の収率)であった。MS m/z 319.2(MH+)。1H NMR(DMSO-d6) δ:8.33(s,1H),7.48(d,J=8.2Hz,1H),7.18(t,J=7.8Hz,1H),7.10(d,J=7.4Hz,1H),5.61(s,2H),4.98(t,J=5.7Hz,1H),3.70(d,J=5.5Hz,2H),3.50(t,J=8.0Hz,2H),0.91(d,J=2.7Hz,4H),0.83(t,J=8.0Hz,2H),-0.08(s,9H)。
2番目に溶出した生成物は、[1-(1H-ベンズイミダゾール-4-イル)シクロプロピル]メタノール (47mg,31%の収率)であった。MS m/z 186.9(M-H-)。
工程4(実施例612(表4)):工程3のベンズイミダゾール誘導体(2番目の生成物)が、一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された銅/BINOL触媒を用いて、クロロピリジン中間体A-13にカップリングされた。
実施例613及び631(表4)の化合物の調製:
工程1:密閉チューブにおいて、無水THF(4mL)中、2,5-ジブロモチアゾール(200mg,0.823mmol)、モルホリン(0.22mL,2.46mmol)及びトリエチルアミン(0.35mL,2.47mmol)の混合物が、170℃で、1時間、マイクロ波照射下で加熱された。反応が完了したときに、それは蒸発乾固され、そして、残渣が、ヘキサン中、0~50%のEtOAcを用いて、シリカカラム上で精製された。純粋な画分が集められ、そして蒸発されて、白色固体として、4-(5-ブロモチアゾール-2-イル)モルホリン(148mg,72%の収率)が与えられた:m/z=249.0(m+H)。
工程2:無水THF(3mL)中、4-(5-ブロモチアゾール-2-イル)モルホリン(148mg,0.594mmol)の溶液が、-78℃に冷やされ、そして、2.5Mのヘキサン(0.28mL,0.712mmol)中、nBuLiが滴下された。淡い黄色の溶液が、-78℃で、30分間撹拌され、そして、iPrOBPin(0.18mL,0.891mmol)が滴下された。反応物が、室温まで温められ、そして、その温度で、2時間撹拌された。反応物は蒸発乾固され、そして、残渣が、次の工程の為にそのままで使用された。
工程3:撹拌棒を備えたマイクロ波バイアルに、脱酸素されたジオキサン:水(5:1,1 mL)中、2,3-ジクロロ-N-(3-((6-クロロピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)-2,4-ジフルオロフェニル)ベンゼンスルホンアミドA-13(61mg,0.118mmol)、工程2からの粗4-(5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)チアゾール-2-イル)モルホリン(35mg,0.118mmol)、Pd(dppf)Cl2(19mg,0.0236mmol)及びK2CO3(82mg,0.590mmol)が添加された。暗赤色の反応混合物が、更に10分間脱酸素された。反応物が、密封され、そして、100℃の予熱された油浴内に浸された。反応物が、その温度で、16時間撹拌された。反応物は、室温に冷やされ、そして、セライト(celite)のパッドを通じて濾過された。フィルターケーキが、EtOAcで洗われた。溶媒が減圧下で蒸発され、そして、残渣が、1mLのDMSO中に溶解され、そして、水+0.01%のギ酸中、20~70%のMeCNを使用して、分取HPLC上で精製された。純粋な画分が、集められ、蒸発され、そして凍結乾燥されて、淡い黄色の固体として、表4の実施例631の化合物の類似体(24mg,28%の収率)が与えられた:1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ:10.71(br.s.,1H),9.57(s,1H),8.36(br.s.,1H),8.30(d,J=8.9Hz,1H),8.23(s,1H),8.07~8.15(m,1H),7.90(d,J=8.0Hz,1H),7.93(d,J=8.1Hz,1H),7.52(dd,J=8.0Hz,1H),7.23~7.30(m,1H),7.14~7.22(m,1H),3.75(t,J=4.4Hz,4H),3.53(t,J=4.2Hz,4H);m/z=652.2。
実施例613の化合物(表4)が、モルホリンを工程1におけるN-メチルピペラジンに置き換えることによって、類似の方法で調整された。
実施例614(表4)の化合物の調製:
実施例538の化合物の調製における工程1からのニトロアニリン中間体(R=OMeCH2CH2)が、方法Jにおいて記載されたプロトコルに沿って、ベンゾトリアゾールフラグメントA455に転化された。次に、ベンゾトリアゾール誘導体が、一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された銅/BINOL触媒を用いて、クロロピリジン中間体A-13にカップリングされた。
実施例619及び623~625及び627(表4)の化合物の調製:
工程1:方法Jにおいて記載されているようにして調製されたN-Boc-保護されたピペラジン(300mg,0.383mmol)が、TFA(5.0mL,65.3mmol)中に溶解され、そして、室温で、30分間撹拌された。反応の終了後、TFAが、ACNと共蒸発されて、実施例619の化合物が与えられた(298mg,97%の収率)。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ:9.35(br.s.,1H),8.76(d,J=9.13Hz,1H),8.56(s,1H),8.51(d,J=9.13Hz,1H),8.41(d,J=8.00Hz,1H),7.94(dd,J=1.50,7.75Hz,1H),7.68(d,J=7.88Hz,1H),7.57(t,J=8.07Hz,1H),7.38(t,J=7.88Hz,1H),7.03~7.15(m,1H),6.90(d,J=7.88Hz,1H),6.85(t,J=9.26Hz,1H),3.87(m.,4H)。MS m/z 683.2(MH+)。
工程2:1:1のDCE-ACN(2mL)中、工程1からの上記されたトリフルオロ酢酸塩(60mg,0.0658mmol)の懸濁物に、トリエチルアミン(0.046mL,0.329mmol)、続いて、アセトン(11mg,0.197mmol)及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(21mg,0.0987mmol)が添加された。反応混合物が、室温で、16時間撹拌された。反応混合物は真空下で濃縮され、そして、残渣がDMSOで希釈され、そして、HPLC(MeOH+水中の0.1%のギ酸+0.1%のギ酸)によって精製されて、実施例623の化合物(12mg,24%の収率)が与えられた。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ:9.43(s,1H),8.77(d,J=9.13Hz,1H),8.47~8.57(m,2H),8.32(d,J=8.25Hz,1H),7.92(d,J=8.13Hz,1H),7.85(d,J=7.13Hz,1H),7.54(t,J=8.07Hz,1H),7.48(t,J=8.00Hz,1H),7.24(d,J=5.25Hz,1H),7.10(br.s.,1H),6.84(d,J=8.13Hz,1H),3.78(br.s.,4H),2.87(d,J=15.38Hz,5H),1.10(d,J=6.50Hz,6H)。MS m/z 725.4(MH+)。
実施例624、625及び627が、還元的アミノ化工程2において適切なアルデヒドを使用して、同様の手順に沿って調製された。
実施例628(表4)の化合物の調製:
工程1:出発物質である4-チオモルホリンベンズイミダゾールフラグメントが、方法Iに沿って調製された。水(10mL)中、オキソン(登録商標)(1.42g,2.32mmol)の溶液が、メタノール(20mL)中、4-(1H-ベンズイミダゾール-4-イル)チオモルホリン(0.127g,0.579mmol)の溶液に添加された。結果として得られた混合物が、室温で、17時間撹拌された。混合物が、真空で濃縮され、そして、粗生成物が、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル,0~25%のMeOH,DCM中)によって精製されて、固体として、4-(1H-ベンズイミダゾール-4-イル)-1,4-チアジナン1,1-ジオキシド(0.126g,87%の収率)が与えられた。MS m/z 252.2(MH+)。
工程2:(実施例628(表4)):工程2のベンズイミダゾール誘導体が、一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された銅/BINOL触媒を用いて、クロロピリジン中間体A-13にカップリングされた。
実施例629(表4)の化合物の調製:
工程1:3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボン酸tert-ブチル(0.70g,3.30mmol)及び炭酸カリウム(1.14g,8.24mmol)が、25mLのフラスコ中に入れられ、そして、10mLのMeCNで懸濁された。次に、ベンジル2-ブロモエチルエーテル(0.57mL,3.63mmol)が、室温で滴下された。結果として得られた混合物が、室温で、22時間、次に、40℃で、4時間撹拌された。反応混合物が、EtOAcで希釈された。固形物が濾過によって除去され、そして、濾液が濃縮乾固された。結果として得られた残渣が、ヘキサン中、0%~40%のEtOAcグラジエントを使用して、シリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーによって精製された。適切な画分が、濃縮され、次に、減圧下で乾燥されて、無色のオイルとして、3-(2-ベンジルオキシエチル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボン酸tert-ブチル(678mg,59%の収率)が与えられた。MS m/z 347.4(MH+)。1H NMR(DMSO-d6) δ:7.24~7.39(m,5H),4.47(s,2H),3.99(br.s.,2H),3.51(t,J=5.7Hz,2H),2.64(d,J=10.2Hz,2H),2.50(t,J=5.7Hz,2H),2.19(d,J=10.6Hz,2H),1.60~1.82(m,4H),1.39(s,9H)。
工程2:3-(2-ベンジルオキシエチル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボン酸tert-ブチル(673mg,1.94mmol)が100mLのフラスコ中に入れられ、そして、5mLのジオキサン中に溶解された。次に、ジオキサン中、4N塩酸溶液(1.94mL,7.76mmol)が滴下された。撹拌の1時間後、塩酸溶液の他の部分(2.91mL,11.64mmol)が添加され、そして、混合物が、40℃に温められた。その温度で撹拌の更に2時間後、ガムが、フラスコの底で分離された。混合物が、室温まで冷やされ、メタノールで希釈され、そして、濃縮乾固された。残渣が、メタノール中で溶解され、そして、もう1回濃縮乾固され、次に、減圧下で乾燥された。白色のグミ状固体として、3-(2-ベンジルオキシエチル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン;ジヒドロクロリド(620mg,100%の収率)が与えられ、それは、そのまま使用された。MS m/z 247.3(MH+)。1H NMR(DMSO-d6) δ:11.36(br.s.,1H),10.10(br.s.,1H),9.64(br.s.,1H),7.33~7.40(m,4H),7.27~7.33(m,1H),4.51(s,2H),4.18(br.s.,2H),3.88(br.s.,2H),3.58~3.75(m,2H),3.21(br.s.,2H),2.34(br.s.,2H),2.02(br.s.,2H)(2Hが、水のピーク下に隠れていた)。
工程3:100mLのフラスコにおいて、15mLのメタノール中、3-(2-ベンジルオキシエチル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン;ジヒドロクロリド(615mg,1.93mmol)の溶液に、10%のパラジウム炭素(205mg,0.193mmol)が添加された。該フラスコに、減圧下で置かれ、次に、水素で満たされた。この操作が更に3回繰り返され、次に、混合物が、水素のバルーン雰囲気下、週末に掛けて、激しく撹拌された。該フラスコに、窒素がフラッシュされ、そして、反応混合物が、セライト(Celite)(登録商標)のショートパッドを通じて濾過された。濾液が、濃縮され、そして、減圧下で乾燥された。2-(3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)エタノール;ジヒドロクロリド(406mg,92%の収率)が与えられた。MS m/z 157.2(MH+)。1H NMR(DMSO-d6) δ:11.14(br.s.,1H),10.07(br.s.,1H),9.68(br.s.,1H),5.08(br.s.,1H),4.16(br.s.,2H),3.81(br.s.,2H),3.03(br.s.,2H),2.33(br.s.,2H),2.03(br.s.,2H)(4Hが、水のピーク下に隠れていた)。
工程4:2-(8-(3-アミノ-2-ニトロフェニル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)エタン-1-オールが、実施例524についての一般的な方法Iの工程1に記載されているようにして調製された:MS m/z 293.2(MH+)。1H NMR(DMSO-d6) δ:7.00(t,J=8.2Hz,1H),6.32(dd,J=8.1,0.8Hz,1H),6.18(dd,J=8.3,0.8Hz,1H),5.83(s,2H),4.30(t,J=5.4Hz,1H),3.67(br.s.,2H),3.45(q,J=6.1Hz,2H),2.61(dd,J=10.7,2.6Hz,2H),2.35(t,J=6.3Hz,2H),2.25(d,J=10.3Hz,2H),1.75~1.85(m,2H),1.65~1.75(m,2H)。
工程5:2-[8-(3-アミノ-2-ニトロ-フェニル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]エタノール(228mg,0.78mmol)が、IPA(5mL)及びギ酸(1.8mL,46.8mmol)中に懸濁された。明るい赤色の混合物に、塩化アンモニウム(417mg,7.80mmol)及び鉄金属(436mg,7.80mmol)が添加された。該フラスコに、還流冷却器が取り付けられ、そして、80℃に予熱された油浴中に2時間浸された。油浴の温度が60℃に下げられ、そして、反応が、一晩続けられた。混合物が、室温まで冷やされ、そして次に、セライト(celite)(登録商標)のパッドを通じて濾過され、IPAですすがれた。濾液が濃縮乾固され、そして、残渣が5mLの水内に取り込まれた。塩基性pHが得られるまで、1NのNaOHが加えられた。次に、混合物が、EtOAcで十分に抽出された。一緒にされた有機層が、塩水で1回洗われ、次に、MgSO4で乾燥され、濾過され、そして濃縮された。残渣が、グラジエントとして、99%のEtOAc/1%のEt3Nの混合物から開始して、50%のIPA/49%のEtOAc/1%のEt3Nの混合物までを用いて、シリカゲルカラム上でフラッシュクロマトグラフィーによって精製された。適切な画分が、プールされ、濃縮され、次に、減圧下で乾燥された。赤い泡として、2-[8-(1H-ベンズイミダゾール-4-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]エタノール(161mg,76%の収率)が与えられた。MS m/z 273.2(MH+)。1H NMR(DMSO-d6) δ:12.22(br.s.,1H),7.98(s,1H),6.98(t,J=7.9Hz,1H),6.82(d,J=7.9Hz,1H),6.45(d,J=7.8Hz,1H),5.00(br.s.,2H),4.25(br.s.,1H),3.44(dt,J=5.7,4.1Hz,2H),2.55(dd,J=10.6,2.3Hz,2H),2.39(d,J=10.3Hz,2H),2.25(t,J=6.3Hz,2H),1.87~1.96(m,2H),1.79~1.87(m,2H)。
工程6(実施例629,表4):工程5のベンズイミダゾール誘導体が、一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された銅/BINOL触媒を用いて、クロロピリジン中間体A-13にカップリングされた。
実施例634(表4)の化合物の調製:
モノ保護されたN-Boc-ピペラジンが、方法Iに従ってベンズイミダゾールフラグメントを調製する為に使用された。次に、ベンズイミダゾール誘導体が、一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された銅/BINOL触媒を用いて、クロロピリジン中間体A-13にカップリングされた。次に、N-Boc保護基が、TFAを用いて標準的な条件下で除去され、そして、実施例634の生成物が、分取HPLCによって単離された。
実施例648及び649(表5)の化合物の調製:
工程1:2,4,5-トリフルオロアニリンのカルボメトキシ化が、特許である国際公開第WO2020/261156号パンフレットにおいて記載されているようにして実行された。
工程2:DCE/ピリジン(1:1,16mL)中、3-アミノ-2,5,6-トリフルオロ安息香酸メチル(2.72g,13.26mmol)の溶液に、室温で、2,3-ジクロロベンゼンスルホニルクロリド(3.91g,15.91mmol)が少しずつ添加された。反応物が、70℃で、16時間加熱された。反応は、LCMSによって監視された。反応が完了したときに、それは、1Mの塩酸でクエンチされた。水性層が、EtOAc(15mL)で3回抽出された。一緒にされた有機層が、塩水で洗われ、MgSO4で乾燥され、そして、蒸発乾固された。残渣が、ヘキサン中、0~30%のEtOAcを用いて、シリカゲルカラム上でクロマトグラフィーによって精製された。純粋な画分が、集められ、そして蒸発されて、淡褐色の固体として、3-((2,3-ジクロロフェニル)スルホンアミド)-2,5,6-トリフルオロ安息香酸メチル(5.14g,91%の収率)が与えられた:m/z=412.0。
工程3:30mLのTHF:MeOH(5:1)中、工程2からの3-((2,3-ジクロロフェニル)スルホンアミド)-2,5,6-トリフルオロ安息香酸メチル(5.14g,12.41mmol)の溶液に、2MのKOH(37mL,74.5mmol)が室温で添加された。反応物が、室温で、一晩撹拌された。反応が完了したときに、それは蒸発乾固され、そして、残渣に、水(30mL)及びジエチルエーテル(30mL)が加えられた。水性層が、エーテル(20mL)で2回洗われた。水性層が、1Mの塩酸で、pH=2まで酸性化された。水性層が、EtOAc(30mL)で3回抽出された。一緒にされた有機層が、塩水で洗われ、MgSO4で乾燥され、濾過され、そして、蒸発されて、淡橙色のオイルとして、3-((2,3-ジクロロフェニル)スルホンアミド)-2,5,6-トリフルオロ安息香酸(4.50g,91%の収率)が与えられた。化合物が、次の工程においてそのまま使用された:m/z=398.0。
工程4:アセトニトリル(30mL)中、工程3からの3-((2,3-ジクロロフェニル)スルホンアミド)-2,5,6-トリフルオロ安息香酸(4.50g,11.24mmol)の溶液に、トリエチルアミン(1.71mL,12.37mmol)及びジフェニルホスホリルアジド(2.91mL,13.50mmol)が室温で添加された。反応物が、80℃で、一晩加熱された。反応物が、室温まで冷やされて、そして、水(30mL)が加えられた。水性層が、EtOAc(30mL)で3回抽出された。一緒にされた有機層が、塩水で洗われ、MgSO4で乾燥され、濾過され、そして、蒸発されて、暗黄色の残渣になった。粗物質が、ヘキサン中、0~50%のEtOAcを用いて、シリカゲルカラム上でクロマトグラフィーによって精製された。純粋な画分が、集められ、そして蒸発されて、褐色の固体として、2,3-ジクロロ-N-(2,4,5-トリフルオロ-3-イソシアナートフェニル)ベンゼンスルホンアミド(2.29g,51%の収率)が与えられた:m/z=391.0。
工程5:THF(17mL)中、工程4からの2,3-ジクロロ-N-(2,4,5-トリフルオロ-3-イソシアナートフェニル)ベンゼンスルホンアミド(1.35g,3.39mmol)の溶液に、4MのLiOH水性液(17mL)が加えられた。圧力容器がねじ込まれ、100℃で、1時間、油浴中で加熱された。反応が完了したときに、それは、飽和NH4Clでクエンチされ、EtOAcが加えられ、そして、これらの層が分離された。水性層が、EtOAc(20mL)で2回抽出された。一緒にされた有機層が、塩水で洗われ、MgSO4で乾燥され、濾過され、そして、蒸発されて、褐色の固体として、N-(3-アミノ-2,4,5-トリフルオロフェニル)-2,3-ジクロロベンゼンスルホンアミド(1.09g,86%の収率)が与えられた。化合物が、更なる精製無しに、次の工程にもたらされた:1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ:10.59(br.s.,1H),7.94(dd,J=8.2,1.6Hz,1H),7.89(dd,J=8.2,1.6Hz,1H),7.51(dd,J=8.0Hz,1H),6.34~6.43(m,1H),5.72(s,2H)。m/z=369.0。
工程6:氷AcOH(1mL)中、工程5からのN-(3-アミノ-2,4,5-トリフルオロフェニル)-2,3-ジクロロベンゼンスルホンアミド(300mg,0.808mmol)の溶液に、室温で、4,6-ジクロロピリド[3,2-d]ピリミジン(162mg,0.808mmol)が添加された。反応物が、50℃に加熱され、そして、LCMSによって監視された。反応が完了したときに、それは、蒸発乾固されて、淡い黄色の泡として、2,3-ジクロロ-N-(3-((6-クロロピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)-2,4,5-トリフルオロフェニル)ベンゼンスルホンアミド(451mg,98%の収率)が与えられた。化合物が、次の反応においてそのまま使用された。m/z=536.0。
工程7(実施例648及び649,表5):銅/BINOL触媒を用いた一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された一般的手順に沿って、工程6からのクロロピリジンをベンズイミダゾールにカップリングすることにより、実施例648の化合物(表5)が与えられた。ベンズイミダゾールをベンゾトリアゾールに置換することにより、実施例649の化合物(表5)が与えられた。
実施例655(表4)の化合物の調製:
工程1(中国特許CN105503725明細書からの手順):水素化ホウ素ナトリウム(0.10g,2.67mmol)が、THF(6.7mL)中、4-オキソ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-カルボン酸tert-ブチル(0.34g,1.33mmol)の溶液に添加された。結果として得られた混合物が、75℃に加熱され、そして、10時間撹拌された。TLCが、出発物質の消費を示した。水が添加され、そして、水性混合物が、EtOAcで抽出された。有機層が一緒にされ、塩水で洗われ、Na2SO4で乾燥され、濾過され、そして、濃縮されて、4-ヒドロキシ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-カルボン酸tert-ブチル(0.27g,79%の収率)が与えられた。粗生成物が、次の工程の為に精製すること無しに使用された。
工程2:トリフルオロ酢酸(0.81mL,10.6mmol)が、DCM(6.7mL)中、4-ヒドロキシ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-カルボン酸tert-ブチル(0.27g,1.06mmol)の溶液に添加された。結果として得られた混合物が、室温で、10時間撹拌された。反応混合物が、濃縮され(トルエンとの共沸)、そして、真空下で乾燥されて、無色のオイルとして、フラグメントA481(0.28g,99%の収率)が与えられた。MS m/z 156.2(MH+)。
フラグメントA481が、一般的な方法Iに沿って実施例655の化合物(表4)に転化された。
実施例662(表4)の化合物の調製:
工程1:実施例420の工程1において調製された2-[(4-ブロモベンズイミダゾール-1-イル)メトキシ]エチル-トリメチル-シラン(101mg,0.31mmol)が、4mLのバイアルにおいて秤量され、次に、1-boc-4-ピペリドン(71mg,0.36mmol)が添加され、続いて、p-トルエンスルホンヒドラジド(68mg,0.355mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)-クロロホルム付加物(6.4mg,0.006mmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',4',6'-トリ-i-プロピル-1,1'-ビフェニル(12mg,0.025mmol)及びリチウムt-ブトキシド(62mg,0.77mmol)が添加された。最後に、ジオキサン(2mL)が添加され、そして、アルゴンが、3~4分間、混合物を通じてバブリングされた。該バイアルにキャップがされ、そして、110℃で加熱された。最初に褐色であった溶液が、30分以内に、乳白色の淡緑色の懸濁物となった。反応混合物が、その温度で、24時間撹拌され、次に、1-boc-ピペリジノン(35mg,0.18mmol)の別の部分及びp-トルエンスルホンヒドラジド(34mg,0.18mmol)が、室温で、混合物に添加され、そして、反応物が、110℃で、一晩撹拌された。混合物が室温まで冷やされ、次に、EtOAcと塩化アンモニウムの飽和溶液とで分配された。水性層が、EtOAcで2回抽出され、そして、一緒にされた有機層が、塩水で洗われ、次に、MgSO4で乾燥され、濾過され、そして濃縮された。結果として得られた残渣が、ヘキサン中、10%~50%のEtOAcグラジエントを用いて、シリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーによって精製された。適切な画分が、減圧下で濃縮乾燥されることにより、淡黄色のフィルムとして、4-[1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ベンズイミダゾール-4-イル]-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(89mg,0.21mmol,67%の収率)が与えられた。MS m/z 430.4(MH+)。
工程2:4-[1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ベンズイミダゾール-4-イル]-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(89mg,0.21mmol)が、5%のパラジウム炭素(22mg,0.01mmol)と共に、25mLのフラスコ中に入れられた。該フラスコが、窒素でフラッシュされ、次に、メタノール(4mL)が加えられた。該フラスコが、減圧下に置かれ、水素で充填された。この操作が更に2回繰り返され、次に、混合物が、水素のバルーン雰囲気下、室温で6時間、次に、40℃で16時間、激しく撹拌された。5%のパラジウム炭素の他の部分(22mg,0.01mmol)が添加され、そして、反応物が、40℃で、更に24時間、水素下で撹拌された。該フラスコが、窒素でフラッシュされ、そして、混合物が、セライト(Celite)(登録商標)のショートパッドを通じて濾過され、メタノールですすがれた。次に、濾液が、濃縮乾固され、次に、減圧下で乾燥された。4-[1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ベンズイミダゾール-4-イル]ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(90mg,100%の収率)が与えられ、それは、そのまま使用された。MS m/z 432.4(MH+)。
工程3:4-[1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ベンズイミダゾール-4-イル]ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(89mg,0.21mmol)が、20mLのバイアルにおいて、2mLのTHF中に溶解され、そして、溶液に、室温で、テトラ-n-ブチルアンモニウムフルオリド(1.0mL,1.03mmol)の1MのTHF溶液が加えられた。該バイアルにキャップがされ、そして、混合物が、65℃で、17時間加熱された。混合物が、室温まで冷やされ、次に、EtOAcで希釈され、そして、NaHCO3の希釈された溶液で1回洗われた。水性層が、2回抽出され、次に、一緒にされた有機層が、塩水で1回洗われ、そして、MgSO4で乾燥された。濾過、そして濃縮後に得られた残渣が、EtOAc中、100%のEtOAc~14%のIPAグラジエントを用いて、シリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーによって精製された。適切な画分が、プールされ、濃縮され、そして、減圧下で乾燥された。4-(1H-ベンズイミダゾール-4-イル)ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルが与えられた(29mg,0.0972mmol,47%の収率)。MS m/z 302.2(MH+)。
工程4:4-(1H-ベンズイミダゾール-4-イル)ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(27mg,0.09mmol)が、4mLのバイアルにおいて、2,3-ジクロロ-N-[3-[(6-クロロピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イル)アミノ]-2,4-ジフルオロ-フェニル]ベンゼンスルホンアミド(40mg,0.08mmol)、銅(0.25mg,0.004mmol)、炭酸セシウム(63mg,0.194mmol)及び(R)-(+)-1,1'-ビ-2-ナフトール(1.1mg,0.004mmol)と共に入れられた。次に、DMSO(0.6mL)が加えられた。該バイアルにキャップがされ、そして、混合物が、100℃で、2時間撹拌されながら加熱された。次に、反応混合物が、室温に冷やされ、そして、3mLの水及び0.15mLのAcOHを含むフラスコ内にゆっくりと移された(ガス発生)。結果として得られた懸濁物が、超音波処理によってホモジナイズされ、次に、固形物が、ブフナー漏斗のペーパーフィルター上で濾過されることによって集められた。次に、固形物が、少量の水で洗われ、そして、減圧下で乾燥された。4-[1-[4-[3-[(2,3-ジクロロフェニル)スルホニルアミノ]-2,6-ジフルオロ-アニリノ]ピリド[3,2-d]ピリミジン-6-イル]ベンズイミダゾール-4-イル]ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(61 mg,100%の収率)が与えられた。MS m/z 781.2(MH+)。
工程5:4-[1-[4-[3-[(2,3-ジクロロフェニル)スルホニルアミノ]-2,6-ジフルオロ-アニリノ]ピリド[3,2-d]ピリミジン-6-イル]ベンズイミダゾール-4-イル]ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(61mg,0.08mmol)が1mLのDCM中に溶解された。次に、TFA(0.50mL,6.53mmol)が、室温でゆっくりと加えられた。結果として得られた混合物が、4時間撹拌された。混合物が、2mLのトルエンで希釈され、次に、減圧下で、残渣に濃縮された。残渣が2mLのMeCN内に取り込まれ、そして、数滴の濃NH4OHで塩基性化されて、褐色の懸濁物が与えられた。この懸濁物はもう一度濃縮され、そして、残渣が2mLのDMSO内に取り込まれ、それに、0.1mLのギ酸が添加された。結果として得られた溶液が、シリンジフィルターを通じて濾過され、そして、分取HPLC(3回の注入,水中、30%~100%のMeOHのグラジエント,0.1%のギ酸)によって精製された。適切な画分が、プールされ、そして濃縮されて、MeOHが除去された。生成物が、MeCN/水から凍結乾燥された。2,3-ジクロロ-N-[2,4-ジフルオロ-3-[[6-[4-(4-ピペリジル)ベンズイミダゾール-1-イル]ピリド[3,2-d]ピリミジン-4-イル]アミノ]フェニル]ベンゼンスルホンアミド(17mg,28%の収率)が与えられた。
実施例671(表4)の化合物の調製:
工程1:THF(30mL)中、酢酸エチル(2.4mL,24.1mmol)の溶液が、-78℃で、LDAの2.0Mの溶液(13mL,26.1mmol)に滴下された。混合物が、その温度で、30分間撹拌された。THF(25mL)中、1-ベンジル-4-ピペリドン(3.80g,20.1mmol)の溶液が、-78℃で滴下され、次に、混合物が、-40℃まで温められ、そして、3時間撹拌された。混合物が、冷凍庫中に、-30℃で、14時間保管された。次に、それは、-30℃で、飽和NH4Cl水溶液(30mL)でクエンチされ、次に、室温まで温められて、EtOAc(3x200mL)で抽出された。一緒にされた有機抽出物が、(Na2SO4)で乾燥され、濃縮され、そして、残渣が、MeOH及びDCM(0~30%)を用いて、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製されて、黄色のオイルとして、2-(1-ベンジル-4-ヒドロキシ-4-ピペリジル)酢酸エチル(3.99g,72%の収率)が得られた。MS m/z 278.2(MH+)。
工程2:2-(1-ベンジル-4-ヒドロキシ-4-ピペリジル)酢酸エチル(3.00g,10.8mmol)が、THF(45mL)中に溶解された。水素化アリミニウムリチウム(411mg,10.8mmol)が、室温で、4回に分けて添加され、その後、混合物が、1時間撹拌された。反応は、水(10mL)でクエンチされ、次に、10%のNaOH水性液(15mL)が加えられ、そして、30分間撹拌された。次に、濃厚な懸濁物が、セライト(Celite)(登録商標)のパッドを通じて濾過され、そして、濾液が、EtOAc(3x50mL)で抽出された。一緒にされた有機抽出物が、Na2SO4で乾燥され、濃縮され、そして、減圧下で乾燥されて、黄色のオイルとして、1-ベンジル-4-(2-ヒドロキエチル)ピペリジン-4-オール(2.45g,96%の収率)が与えられた。MS m/z 236.2(MH+)。
工程3: 20%の水酸化パラジウム炭素(0.0385当量,200mg,0.285mmol)が、50mLのRBF内で秤量された。該フラスコが、窒素でフラッシュされた。メタノール(20mL)中、1-ベンジル-4-(2-ヒドロキエチル)ピペリジン-4-オール(1.74g,7.39mmol)の溶液が、該フラスコにカニュレーションされた。反応混合物が、水素のバルーン雰囲気下、室温で、20時間撹拌された。混合物が、セライト(Celite)(登録商標)のパッドを通じて濾過され、それは、メタノール(3x20mL)ですすがれた。一緒にされた濾液が、減圧下で濃縮されて、褐色のオイルとして、4-(2-ヒドロキエチル)ピペリジン-4-オール(1.27g,95%の収率)が与えられた。MS m/z 146.0(MH+)。
工程4:4-(2-ヒドロキエチル)ピペリジン-4-オール(384mg,2.11mmol)が、アセトニトリル(5mL)中、3-フルオロ-2-ニトロ-アニリン(300mg,1.92mmol)及びK2CO3(2.00当量,533mg,3.85mmol)の懸濁物に添加された。結果として得られた混合物が、80℃で、20時間撹拌された。反応混合物が、室温まで冷やされ、EtOAc(15mL)で希釈され、そして、セライト(Celite)(登録商標)のパッドを通じて濾過され、EtOAcでリンスされた。濾液が、ヘキサン中、60%~100%のEtOAcグラジエントを用いて、シリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーによって精製された。適切な画分が、プールされ、濃縮され、そして、減圧下で乾燥された。赤色のガムとして、1-(3-アミノ-2-ニトロ-フェニル)-4-(2-ヒドロキエチル)ピペリジン-4-オール(120mg,22%の収率)が与えられた。MS m/z 282.2(MH+)。
工程5:1-(3-アミノ-2-ニトロ-フェニル)-4-(2-ヒドロキエチル)ピペリジン-4-オール(120mg,0.427mmol)が、鉄粉末(238mg,4.27mmol)及び塩化アンモニウム(228mg,4.27mmol)と共に、50mLのフラスコ内に入れられた。次に、IPA(5mL)及びギ酸(0.97mL,25.6mmol)が添加された。該フラスコに、還流冷却器が取り付けられ、90℃に予熱された油浴中に浸された。2時間撹拌後、油浴の温度が65℃に下げられ、そして、反応が、一晩続けられた。混合物が、室温まで冷やされ、そして次に、セライト(celite)(登録商標)のパッドを通じて濾過され、IPAですすがれた。濾液が濃縮乾固され、そして、残渣が5mLの水内に取り込まれた。塩基性pHが得られるまで、1NのNaOHが加えられた。次に、混合物が、EtOAcで十分に抽出された。一緒にされた有機層が、塩水で1回洗われ、次に、MgSO4で乾燥され、濾過され、そして濃縮された。次に、残渣が、減圧下で乾燥された。褐色のガムとして、1-(1H-ベンズイミダゾール-4-イル)-4-(2-ヒドロキエチル)ピペリジン-4-オール(91mg,81 %の収率)が与えられた。MS m/z 262.2(MH+)。
工程6(実施例671,表4):工程5のベンズイミダゾール誘導体が、一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された銅/BINOL触媒を用いて、クロロピリジン中間体A-13にカップリングされた。
実施例679(表4)の化合物の調製:
工程1:実施例538の工程1からの生成物が、方法Jを使用して、ベンゾトリアゾールフラグメントA503に転化された。
工程2(実施例679,表4):工程1のベンゾトリアゾール誘導体が、一般的方法Aにおける実施例1(工程4)について記載された銅/BINOL触媒を用いて、クロロピリジン中間体A-13にカップリングされた。
実施例681(表4)の化合物の調製:
工程1:実施例662(17mg,0.022mmol)の化合物が、2mLのDCE及び0.5mLのMeCN中に懸濁された。トリエチルアミン(0.016mL,0.11mmol)が添加されて、続いて、(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)アセトアルデヒド(8mg,0.04mmol)及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(9.5mg,0.04mmol)が添加された。反応混合物が、室温で、週末に掛けて撹拌された。次に、それは、残渣に減るまで濃縮され、それは、後の工程の為にそのまま使用された。MS m/z 839.4(MH+)。
工程7(実施例681,表4):工程1からの生成物(18mg,0.021mmol)が、THF(2mL)中で懸濁された。テトラ-N-ブチルアンモニウムフルオリド(0.11mL,0.107mmol)の1MのTHF溶液が室温で添加され、そして、混合物が2日間撹拌された。TBAF溶液(0.021mL,0.021mmol)の他の部分が添加され、そして、混合物が週末に掛けて撹拌された。次に、黄色の溶液が水及びEtOAcで希釈された。硫酸カルシウムの乳白色の溶液(200mg,4mLの水中)が添加された。これらの層が分離され、そして、水性層が、EtOAcで2回抽出された。一緒にされた有機抽出物が、水で1回洗われ、次に、塩水で1回洗われ、MgSO4で乾燥され、濾過され、そして濃縮された。残渣が、3mLのDMSO中に溶解され、シリンジフィルターを通じて濾過され、そして、水(0.1%のギ酸)中、15%~45%のMeCNグラジエントを用いて、逆相クロマトグラフィーによって精製された。適切な画分が、一緒にされ、そして、MeCN/水から凍結乾燥され、白色固体として実施例681の化合物(6.8mg,0.0083mmol,38%の収率)が与えられた。
生物学的活性
(a)BRAF、CRAF及びARAFのキナーゼ活性アッセイ
化合物の調製:1ドラム(dram)のバイアル中の各物質の固体サンプルが、20mMのストック濃度でDMSO(Fisher Scientific)中に懸濁された。ストックが、-20℃で、且つ遮光して保存された。20mMでの化合物の溶解性に問題があると思われる場合は、DMSOストックの初期濃度が10mM又は5mMに変更された。
イン・ビトロ(in vitro)酵素反応が、BRAF、CRAF及びARAFに対する化合物固有の活性を評価する為に用いられた。BRAF及びCRAFの場合には、0.375nMの精製されたGSTでタグ付けされたキナーゼ(夫々、Millipore Sigmaからの、カタログ番号B4062-10UG及びカタログ番号R1656-10UG)が、75nMのキナーゼ-デッド(dead)MEK1基質(カタログ番号40075;BPS Bioscience)と共に、10μMのUltrapure ATP(カタログ番号V9102;Promega;part V915A)の存在下、50mMのHEPES(pH7.5)、10mMのMgCl2、1mMのEDTA、0.01%のBrij-35、2mMのDTTを含有するバッファー中で、試験化合物有りの場合と無しの場合とでインキュベートされた。別々の反応が、MEK1基質とブランク対照としてのATPとを用いて行われた。ARAF、キナーゼ反応は、キナーゼ濃度が3.75nM(カタログ番号1768-0000-1;Reaction Biology)に上げられた以外は厳密に同じであった。
化合物処理について、被験物質溶液の5μL/ウェルが384ウェルのプロキシプレート(proxyplate)(Perkin Elmer)内に入れられ、そして、2倍濃縮されたキナーゼ反応液と混合される。希釈系列は、9つの濃度が100nM~0.01nMの範囲をカバーするように選択される。必要であれば(化合物が低固有効力を示す場合)、100nMの初期濃度が1μM又は0.5μMに変更され、そして、それに応じて更なる希釈が行われる。アッセイにおけるDMSOの最終濃度は0.05%に設定される。
BRAF及びCRAFキナーゼ反応が、30℃で、合計2時間行われ、そして次に、ADP-Glo試薬(カタログ番号V9102;Promega;part V912C)で1/2に希釈して停止された。次に反応液が室温で、1時間インキュベートされた後、1容量のキナーゼ検出試薬(Kinase Detection Reagent)(カタログ番号V9102;Promega;part V917A)が添加された。次に、Synergy Neo2プレートリーダー(Biotek)で発光を検出する前に、プレートが室温で、30分間平衡化された。BRAF及びCRAFキナーゼ活性に対する各化合物希釈の効果は、阻害%として表され、以下の通りに計算された。最初に、内部の100%阻害対照(キナーゼデッド(dead)MEK1基質のみを含むキナーゼ反応における発光の平均)が各データ点から差し引かれた。DMSO(ビヒクル)対照の平均(阻害率0%として設定された)が設定され、そして、以下の式が阻害%を算出する為に用いられた。
ARAFキナーゼ反応が、30℃で合計2時間行われ、そして次に、40mMの最終濃度でEDTAを添加することによって停止された。反応が、AlphaLISA(登録商標)SureFire(登録商標)Ultra商標p-MEK 1/2(Ser218/222)(Perkin Elmer)キットを用いて検出された。反応は、384ウェルのプロキシプレート(Perkin Elmer)において、製造元の仕様書に従って5μLのキナーゼで反応が行われ、続いて、AlphaLISA(登録商標)反応物が、加湿されたチャンバー内で、室温で、一晩インキュベーションされた。検出反応の終了後、AlphaLISA(登録商標)フィルターを備えられたSynergy Neo2プレートリーダー(Biotek)上でシグナルが記録された。ARAF反応によって生成されたpMEKシグナルに対する各化合物希釈の効果が阻害%で表され、下記の式で計算された。pMEKのバックグラウンドを測定する為に、内部100%阻害対照(キナーゼデッドMEK1基質のみを含むキナーゼ反応における発光の平均)が各プレート内に含められ、そして、各データ点から差し引かれた。DMSO(ビヒクル)対照の平均(0%の阻害と設定された)がまた設定され、そして、阻害%を算出する為に用いられた。
IC50値が、キナーゼ阻害値をプロットし、そして、GraphPadPrism(V7.0)又はDotmatics Screening Ultraプラットフォームを用い、log(アゴニスト)対応答(response)-可変勾配(variable slope)(4つのパラメータ)関数を用いて用量-活性曲線をフィッティングすることによって得られた。ARAFキナーゼアッセイ中に含まれている標準物質は、ベルバラフェニブ(Belvarafenib)(MedChem Express,カタログ番号HY-109080;CAS番号1446113-23-0)、LXH254(MedChem Express,カタログ番号HY-112089;CAS番号1800398-38-2)及びBGB283(カタログ番号HY-18957;CAS番号1446090-79-4)であった。
従って、本明細書において報告されている全ての物質は、イン・ビトロ(in vitro)での酵素活性の直接的阻害によって実証されているように、BRAF、CRAF及びARAF ATP競合キナーゼ阻害剤である。化合物のBRAF及びCRAF阻害効力が下記の表3~表5においてリスト化されており、一方、代表的な類似体のARAFキナーゼ阻害効力が下記の表Aにリスト化されている。実施態様において定義されている好ましい実施例は、BRAF IC50値<10nMを示し、更により好ましい実施例は、BRAF IC50値<1nMを有する。実施態様において定義されている好ましい実施例は、CRAF IC50値<50nMを示し、更により好ましい実施例は、CRAF IC50値<10nMを有する。
ARAF生化学キナーゼアッセイの場合に、*はIC50>10nMを示し、**は1~10nMのIC50の範囲を示し、及び、***はIC50<1nMを示す。
(b)一般的な細胞培養方法
全ての癌細胞株(A375、A101D、A2058、RKO、HT29 SK-MEL 30、IPC298、HepG2、HCT-116、Lovo、SW620、SW480、NCI-H358、NCI-H2122、Calu-6、NCIH2087、NCIH1755、NCIH1666及びMewo)が、ATCCから入手され、そして、5%の熱不活化ウシ胎児血清(FBS、Wisent)を補充されたRPMI-1640培地(Gibco)において、37℃、5%CO2の条件下で培養された。細胞は、T175フラスコ(Greiner)中で維持された。培養液を除去し、室温10mLのリン酸緩衝生理食塩水(PBS;Wisent)で1回洗浄され、2mLの0.05%トリプシン(Thermo-Fisher)と共に37℃でインキュベーションすることによって、継代された。次に、トリプシンが、完全増殖培地を加えることによって不活性化され、そして、適切な希釈率でT175培養皿中に細胞が再播種された。全ての細胞株は、マイコプラズマ汚染についてルーチンに検査された。各細胞株の組織の種類及び突然変異状態が下記の表Bにおいて見られることができる。
(c)AlphaLISA (登録商標) SureFire (登録商標) Ultra 商標 p-ERK 1/2 (Thr202/Tyr204)による培養されたヒト癌細胞株におけるホスホ(Phospho)-ERK阻害の測定
AlphaLISA(登録商標)SureFire(登録商標)Ultra商標p-ERK 1/2 (Thr202/Tyr204)解析が、96ウェルの平底透明ディッシュ(Costar)において、100μLの完全RPMI-1640増殖培地中に、下記の表Cにおいて示されている密度で播種された細胞に対して行われた。細胞は、化合物の希釈系列で1時間処理される前に、5%のCO2下、37℃で、一晩維持された。細胞密度(細胞/cm2)は、細胞数を96ウェルプレートの1ウェルの面積(0.143cm2)で割ったものに相当する。
希釈系列において、完全RPMI-1640増殖培地において調製された被験物質希釈液の100μL/ウェルが細胞に添加された。10μM~0.33nMの範囲を10種類の濃度でカバーするように該希釈系列が選択される。必要であれば、(一般的に化合物に対してより感受性が高いところのA375細胞及びH1666細胞の場合のように)、10μMの初期濃度が100μMに上げられ、又は1μMに下げられ、それに応じて更なる希釈が行われる。アッセイにおけるDMSOの最終濃度は0.5%に設定される。
処理後、培地が除去され、そして、細胞が、50μLの1XAlphaScreen Ultra Lysis Buffer(Perkin Elmer)中に溶解された。AlphaLISA(登録商標)SureFire(登録商標)Ultra商標p-ERK 1/2 (Thr202/Tyr204)(Perkin Elmer)反応は、384ウェルのプロキシプレート(proxyplate)(Perkin Elmer)において、製造元の仕様書に従って、5μLの細胞溶解液を用いて行われ、続いて、加湿されたチャンバー内で、室温で、一晩、反応物のインキュベーションが行われた。反応の終了後、EnVisionプレートリーダー(Perkin Elmer)上で備え付けのAlphaLISA(登録商標)設定を用いてシグナルが記録された。
pERKシグナルに対する各化合物希釈の効果が阻害%で表され、そして、下記の式で計算された。内部の100%阻害対照(1mMのトラメチニブ(trametinib),カタログ番号HY-10999;MedChem Express;CAS番号871700-17-3)が各プレート内に含められ、そして、pERKバックグラウンドの尺度として用いられた。最初に、トラメチニブについて得られた値が各データ点から差し引かれた。DMSO(ビヒクル)対照の平均値(0%阻害として設定された)が設定され、そして、阻害%を計算する為に使用された。
pERKシグナルを阻害する為の各化合物の能力が、希釈系列の各データ点についての阻害値をプロットし、そして、得られた曲線をGraphPadPrism(V7.0)又はDotmatics Screening Ultraプラットフォームを用いて、log(アゴニスト)対応答(response)-可変勾配(variable slope)(4つのパラメータ)関数を用いてフィッティングすることによって得られたIC50値として表された。
存在する場合、逆説的pERK誘発が化合物のpERK IC50曲線において観察される負の阻害%値から推測される。化合物をpERK逆説的誘発物質として分類する為に、用量-活性曲線の最小データ点の阻害%のポリマー含量(Y最小%)が、予想されるアッセイ変動内と考えられるところの-20%未満に設定された(例えば、Y最小%=-30%、-50%、又は-150%の化合物は、経路の逆説的誘発を生じると考えられる。Y最小=-10%を有するIC50曲線を示すところの化合物は、経路の逆説的な活性化を生じないと考えられる)。それ故に、所与の細胞株において下記の基準が満たされた化合物は、逆説的誘発を生じずに経路を阻害すると言える:
1.最高用量(30μM,10μM又は1μM)での阻害%率は50%を超えた。
2.IC50局線のY最小%は、-20%以上であった。ここで、Y最小は、該化合物のIC50曲線において最低値を有するデータ点に対応する。
そのような実験において、阻害値にある程度のばらつきが予想されることは、当業者には周知である。Y最小±20%の値は実験誤差の範囲内と考えられ、有意でない。それ故に、アッセイのばらつきを超える負の値(約20%超)を持つ化合物のみが、シグナル伝達カスケードの逆説的活性化を誘発すると考えられ、本開示の範囲に含まれない。図1は、逆説的経路活性化を誘発する化合物(PLX4720,Selleck Chemicalから市販;CAS番号918505-84-7)と、予想外であり且つ独特な誘発が無いプロファイル(unexpected and distinct induction-free profile)を示す本明細書において記載された代表的化合物のIC50曲線を視覚化したものを提供する。
図1は、RAS変異HCT116細胞(実施例99、113、128、139、140)においてpERKシグナル伝達の逆説的誘発を誘発しない(Y最小>-20%)ところの本明細書に記載された化合物と、同じ細胞株において経路の強い誘発(Y最小~-600%)を引き起こすところの化合物(PLX4720)についての代表的なIC50阻害用量反応曲線を示す。
重要なことは、本発明の化合物は、上記された基準に従って経路の逆説的活性化を誘発しないことである。この非常に望ましい性質を更に説明する為に、誘発を含まない化合物(実施例99)と誘発剤であるPLX4720について、以下に記載し且つ図2において描かれているイムノブロット分析を用いて示されることができる。
イムノブロット解析の為に、500,000個のHCT-116細胞が、24ウェル平底透明ディッシュ(Costar)において1mLの完全RPMI-1640成長培地中に播種された。細胞は、化合物の希釈系列で1時間処理される前に、5%のCO2の下、37℃で一晩維持された。次に、細胞がPBSで1回洗われ、そして、ロイペプチン、アプロチニン、PMSF、ホスファターゼ阻害剤カクテル(Sigma)、Na3VO4が補充された250μLのIgepal Lysis Buffer(50mMのTris-HCl,pH7.5、150mMのNaCl、1%のIgepal-CA630、1mMのEDTA、10%のグリセロール)中で穏やかに揺り動かされながら4℃で、15分間溶解された。次に、細胞抽出液が、20,000g、4℃で、10分間遠心分離によって清澄化された。清澄化された溶解液(lysate)が氷上で新しいチューブ内に移され、そして次に、SDS-PAGEによる分画の前にサンプルローディングバッファー(100mMのTris-HCl,pH6.8、4%のSDS、0.2%のブロモフェノールブルー、20%のグリセロール、200mMのβ-メルカプトエタノール)で5分間煮沸され、ニトロセルロース膜(PALL)に移された。膜が、2%のBSA(Sigma)を含有するTris Buffered Saline 0.2%のTween-20(TBST;10mMのトリスHCl,pH8.0、0.2%のTween-20、150mMのNaCl)で1時間ブロッキングされ、そして次に、TBSTで調製された下記の一次抗体の希釈液と共に、4℃で、一晩インキュベートションされた:抗pERK(1:2000希釈;Sigma-Aldrich;カタログ番号M9692)、全ての抗ERK(1:1000希釈;Cell Signaling Technology;カタログ番号4695)、抗pMEK(1:1000希釈;Cell Signaling Technology;カタログ番号9121)及び全ての抗MEK(1:1000希釈;Cell Signaling Technology;カタログ番号9122)。二次抗マウス-HRP及び抗ウサギ-HRP(Jackson Immunoresearch Labs;夫々、カタログ番号115-035-146及びカタログ番号111-035-144)が、TBST中、夫々1:5000及び1:10000希釈で調製された。イムノブロットが、ECL試薬で1分間インキュベートした後、X線フィルムに曝露されることによって確認された。
図2は、pERK又はpMEKシグナルの逆説的誘発を誘発しないところの代表的な化合物(実施例99;上のパネル)と、比較として、同じ細胞株において経路を誘発するところの化合物(PLX4720;下のパネル)と、で処理されたRAS変異HCT-116細胞のイムノブロット解析の結果を示す。総MEKシグナルと総ERKシグナルとがまた、条件間でタンパク質サンプルのローディングが等しくなることを保証するように、イムノブロットによってまたプローブされた。化合物濃度が、マイクロモル単位でイムノブロットパネルの上に示されている。処理の為の用いた濃度範囲は、実施例99とPLX4720とについて同じであった。
実施例の化合物1~691は、表3~表5において示されているように、結腸G13D Ras変異されたHCT-116細胞株においてpERK阻害活性を示す。加えて、幾つかの実施例は、KRASのG12D対立遺伝子を保有するSW480結腸癌細胞株において、pERKシグナル伝達の逆説的な誘発を伴わない阻害を示すことがまた示された(表3~表5)。その上、表3~表5の幾つかの実施例は、BRAFV600Eドライバー変異(BRAFV600Edriver mutation)を含むA375細胞におけるpERKの阻害についてまた試験され、そして、同様に活性であることが見つけられた(表D-1及び表D-2)。全ての化合物である実施例1~実施例691は、HCT116細胞株において30μM未満のpERK IC50値を示した。好ましい化合物は、IC50値が1~10μMであり、より好ましい化合物は、IC50値が0.5~1μMであり、更に好ましい化合物は、IC50値が0.5μM未満であった。
本明細書において定義された代表的な化合物は、それらのpERK阻害活性について追加の腫瘍細胞に対してまた試験され、そして、様々なNRAS、KRAS及びNF1対立遺伝子を有し且つ非常に多様な組織型を代表するところの癌細胞株(すなわち、SK-MEL 30,IPC298,HepG2、HCT-116、Lovo、SW620、SW480、NCI-H358、NCI-H2122、Calu-6及びMewo;下記の表D-1及びD-2を参照、並びに遺伝子型については表Bを参照)において、良好から非常に良好なpERK阻害活性を示した。化合物のpERK阻害活性は、様々なBRAF対立遺伝子(A375、A101D、A2058、RKO、HT29、NCIH2087、NCIH1755及びNCIH1666)を持つ癌細胞株でより強い(表D-1及び表D-2)。
表D(表D-1及び表D-2)。RAS変異癌細胞株のパネル(遺伝子型については表Bを参照)及びBRAFV600E変異株A375における選択された化合物についての誘発性の無いpERK IC50値及び抗増殖EC50値。
pERKアッセイの結果の場合に、+はpERK IC50>0.3μMを示し、++は0.03~0.3μMのpERK IC50の範囲を示し、+++はpERK IC50<0.03μMを示す。増殖アッセイの結果については、*は増殖EC50>3μMを示し、**は0.3~3μMの増殖EC50の範囲を示し、***は増殖EC50<0.03μMを示す。N/A:入手できない。Belv:ベルバラフェニブ。
pERKアッセイの結果の場合に、+はpERK IC50>0.3μMを示し、++は0.03~0.3μMのpERK IC50の範囲を示し、及び+++はpERK IC50<0.03μMを示す。増殖アッセイの結果については、*は増殖EC50>3μMを示し、**は0.3~3μMの増殖EC50の範囲を示し、***は増殖EC50<0.03μMを示す。N/A:入手できない。Belv:ベルバラフェニブ。
RAS変異癌細胞株の場合に、pERK IC50曲線のY最小%値は全て-20%超であり、及び誘発は最小限か又は全く示さないと考えられ、従って、化合物は、検出可能な経路の逆説的活性化を癌細胞株のこのパネルにおいて引き起こさない。対照的に、ベルバラフェニブ(MedChem Expressのカタログ番号HY-109080から入手された;CAS番号1446113-23-0)についての比較結果は、同じ細胞株で軽度から強度の経路誘発を示す(試験された13個のRAS変異細胞株のうち10個でY最小<-30%)。
(d)CellTiter-Glo (登録商標) 試薬を用いた、培養されたヒト癌細胞株(CCL)の増殖抑制効果の測定
CellTiter-Glo(登録商標)生細胞率分析が、96ウェルの平底白色不透明プレート(Greiner又はCorning)において、100μLの完全RPMI-1640増殖培地中に、下記の表Eにおいて示されている密度で播種された細胞に対して行われた(各CCLについて、CellTiter-Glo(登録商標)細胞生存率アッセイを実行する為に96ウェルプレートの1ウェル当たりに播種された細胞数)。細胞密度(細胞/cm2)は、細胞数を96ウェルプレートの1ウェルの面積(0.32cm2)で割ったものに相当する。細胞は、化合物の希釈系列で3日間処理する前に、5%のCO2下、37℃で、一晩維持された。
希釈系列において、完全RPMI-1640増殖培地において調製された被験物質希釈液の100μL/ウェルが、100μLの増殖培地中で最初に播種された細胞に添加された。10μM~0.33μMの範囲を10種類の濃度でカバーするように該希釈系列が選択される。必要であれば、(化合物に対してより感受性が高いところのA375細胞の場合のように)、10μMの初期濃度が1μMに下げられ、それに応じて更なる希釈が行われる。アッセイにおけるDMSOの最終濃度は0.5%に設定される。
3日間のインキュベーション後、増殖培地を吸引によって除去され、そして、60μLの希釈されたCellTiter-Glo(登録商標)試薬(10μLのCellTiter-Glo(登録商標)試薬+50μLのPBS)が各ウェルに添加された。細胞が溶解され、そして、プレートシェーカー上で5分間インキュベートすることによってCellTiter-Glo(登録商標)試薬中で平衡化され、続いて、室温で10分間インキュベーションされた。次に、発光シグナルが、Synergy Neo2プレートリーダー(Biotek)上で取得された。
癌細胞株の増殖に対する各化合物希釈液の効果が阻害%で表され、そして、下記に示す式で計算された。内部の100%阻害対照(1mMのトラメチニブ;カタログ番号HY-10999;MedChem Express;CAS番号871700-17-3)が各プレート内に含められ、そして、CellTiter-Glo(登録商標)シグナルのバックグラウンドの尺度として用いられた。トラメチニブについて得られた値が各データ点から差し引かれた。DMSO(ビヒクル)対照(阻害率0%として設定された)の平均値が設定され、そして、阻害%を計算する為に使用された。
GraphPadPrism(V7.0)又はDotmatics Screening Ultraプラットフォームを用いて、希釈系列の各データ点の効果値をプロットし、そして、得られた曲線をlog(アゴニスト)対応答(response)-可変勾配(variable slope)(4つのパラメータ)関数を用いてフィッティングすることによって、各化合物の増殖阻害能力がEC50値として表された。
表D-1及び表D-2において示されているように、活性物質が、組織型の大きな多様性を代表するところの様々な種々のNRAS-変異癌細胞株、KRAS-変異癌細胞株及びNF1-変異癌細胞株(すなわち、SK-MEL 30、IPC298、HepG2、HCT-116、Lovo、SW620、SW480、NCI-H358、NCI-H2122、Calu-6及びMewo;表D-1及び表D-2を参照、並びに遺伝子型については表Bを参照)において抗増殖活性を示す。抗増殖活性は、BRAFドライバー変異(BRAF driver mutations)(A375、A101D、A2058、RKO、HT29、NCIH2087、NCIH1755及びNCIH1666)を有する細胞株において更に強いことが多い(表D-1及び表D-2)。特筆すべきは、KRAS変異細胞株及びBRAF変異細胞株におけるpERK還元のIC50値と物質の抗増殖活性のEC50値は、互いにかなり相関することである(表D-1及び表D-2)。従って、本発明の化合物は幾つかの腫瘍型に対して有効であり、そして、これら及び他の適応症に使用されうる。このことは、本明細書において記載された化合物が様々なタイプの腫瘍の処置に有用であることを実証する。
(e)異種移植腫瘍の確立
NU(NCr)-Foxn1nu雌性マウス(6~8週齢、体重約18~22g)が、チャールス・リバー・ラボラトリーズ(Charles River Laboratories)から購入された。全ての手順が、カナダ動物愛護評議会(Canadian Council on Animal Care)及びモントリオール大学の規定に従った。動物には、標準的なげっ歯類の餌が給餌され、及び水は自由摂取とされた。A375、HCT-116、A101D、A2058、RKO、HT29 SK-MEL 30、Calu-6、HepG2、Lovo、NCI-H2122、NCIH1666及びNCIH1755の腫瘍細胞が、RPMI-1640 10%FBS中、37℃で、5%のCO2下で培養された。トリプシン処理に応じて、細胞がPBSで1回洗われ、そして、最後の遠心分離後に再懸濁され、計数され、そして、最終濃度が10×106細胞/mL(A375及びHCT116)又は30×106細胞/mL(A101D、A2058、RKO、HT29 SK-MEL 30、Calu-6、HepG2、Lovo、NCI-H2122、NCIH1666及びNCIH1755)になるように容量が調整された。次に、この細胞懸濁物がマトリゲル(matrigel)(Corning)と50:50の比で混合され、それにより、細胞数が5×106細胞/mL(A375及びHCT116)又は15×106細胞/mL(A101D、A2058、RKO、HT29 SK-MEL 30、Calu-6、HepG2、Lovo、NCI-H2122、NCIH1666及びNCIH1755)とされた。
NU(NCr)-Foxn1nuマウスに1×106(HCT-116若しくはA375)、又は3×106(A101D、A2058、RKO、HT29 SK-MEL 30、Calu-6、HepG2、Lovo、NCI-H2122、NCIH1666及びNCIH1755)の腫瘍細胞が0.2mL中の50:50のPBS:マトリゲル(Matrigel)混合物で右脇腹に皮下接種され、そして、腫瘍が展開された。腫瘍の計測が、電子マイクロキャリパーで週3回行われた。加えて、体重がこれらの時点で記録された。腫瘍体積が、腫瘍を横切る最も長い直径である長さが採用され、及び対応する垂直方向の直径として、幅が下記の式で計算された:((長さ×幅×厚さ)/2)。
(f)ERKカスケードに対する、実施例99の化合物の作用の薬力学的評価
PK-PD実験の為に、平均腫瘍サイズが約200mm3に達したときに処置が行われ、各時点で少なくとも2匹のマウスが無作為化されて、各群についての平均腫瘍サイズのバランスが取られた。ある実験において、1%のNMP、0.3%のTween-80(pH9.1)を含む製剤において調製された指示濃度での実施例99の化合物のナトリウム塩の懸濁物がマウスに経口投与された。実施例99の化合物:Na+粉末が、完全なブランク製剤中に直接再懸濁された。投与量が10mL/kgで、指示された投与量を与えた。腫瘍は指示された時点で抽出され、そして、AlphaScreen商標(下記を参照)による生化学的分析に付された。
組織抽出物が、下記の通りにして得られた。腫瘍片が腫瘍の大きさに比例した適切な量で溶解された。ロイペプチン、アプロチニン、PMSF、2Xホスファターゼ阻害剤カクテル(Sigma)及び2XNa3VO4を補充されたIgepal溶解バッファは、50mMのTris-HCl,pH7.5、150mMのNaCl、1%のIgepal-CA630、1mMのEDTA、10%のグリセロールからなる。腫瘍組織が、Ultra-Turraxホモジナイザーを用いて15秒間のシングルパルスで機械的に破砕されて、そして、氷上で15分間溶解された。
組織抽出物が、20,000g、4℃、10分間、遠心分離によって清澄化された。次に、清澄化された溶解液が氷上で新しいチューブに移された。次に、腫瘍抽出物のタンパク質定量が、Bradford試薬を用いて行われ、そして、サンプルが完全なIgepal Lysis buffe中で1μg/μLに希釈された。次に、サンプルがAlphascreen商標互換AlphaLisa SureFire Ultra Lysis Buffer(Perkin Elmer)の1.25倍で更に1/5に希釈されて、0.2μg/μLの最終濃度が得られた。正規化の目的の為に、AlphaLISA(登録商標)SureFire(登録商標)Ultra商標 p-ERK 1/2 (Thr202/Tyr204)及びAlphaLISA(登録商標)SureFire(登録商標)Ultra商標 t-ERK 1/2キット(Perkin Elmer)を夫々用いて、腫瘍抽出物がpERK及び総ERKシグナルについて並行して分析された。AlphaLISA反応が、384ウェルのプロキシプレート(Perkin Elmer)において、製造元の仕様書に従って希釈された腫瘍溶解液5μLを用いて行われ、続いて、加湿されたチャンバー内で、室温で、一晩、反応物のインキュベーションが行われた。反応の終了後、EnVisionプレートリーダー(Perkin Elmer)上で備え付けのAlphaLISA(登録商標)設定を用いてシグナルが記録された。
腫瘍のpERKシグナルに対する各化合物の効果が、「pERK阻害%」として表され、そして、以下の式で計算された。内部ブランク対照が各プレート内に含められ、そして、pERKバックグラウンドの尺度として用いられた。それは、AlphaLISAを含むバッファのみで構成されていた。最初に、各pERK又はtERKデータ点からブランクの為に得られた値が差し引かれた。次に、各腫瘍の、ブランクから差し引かれたpERK AlphaLISAカウントが該ブランクから差し引かれた全ERK AlphaLISAカウントで除算されて、pERK/tERK比を与えた。ビヒクルで処置された腫瘍の平均が0%阻害として設定され、そして、阻害%を計算する為に用いられた。
A375、A101D、A2058、RKO、HT29 SK-MEL 30、Calu-6、HepG2、Lovo、NCI-H2122、NCIH1666及びNCIH1755の異種移植腫瘍を用いた実験の結果が、図3において提示されている。
(g)腫瘍増殖阻害(TGI:Tumor growth inhibition)実験
腫瘍増殖阻害(TGI)実験の為に、平均腫瘍サイズが約200mm3に達したときに処置が行われ、各時点で少なくとも7匹のマウスが無作為化されて、各処置についての平均腫瘍サイズのバランスが取られた。1%のNMP、0.3%のTween-80(pH9.1)を含む製剤において実施例99の化合物のナトリウム塩の懸濁物がマウスに経口投与(QD又はBID)された。実施例99の化合物:Na+粉末が、完全なブランク製剤中に直接懸濁された。投与量が10mL/kgで、指示された投与量を与えた(用量はmg/kg又はmpk単位)。腫瘍は、電子マイクロキャリパーで週3回測定された。加えて、これらの時点で体重が記録された。腫瘍体積は上記されたように計算された。A375及びHCT-116の異種移植腫瘍を用いたTGI実験の結果が図4において示されている(夫々、パネルA及びパネルB)。特筆すべきは、体重は投与期間を通じて記録され、実施例99の化合物を用いた反復処置は、ビヒクルで処置された動物と比較して体重におけるいかなる変化をも結果として生じなかったことを示す(図示されず)。
(h)結果
下記の表3~表5は、例示的な化合物の構造、合成方法、及び生物学的結果をまとめたものである。これらの表の各々には、化合物の化学的特性評価をまとめたそれらの夫々の表が続く。
pERKのアッセイの場合に、+は10~30μMのIC50の範囲を示し、++は1~10μMのIC50の範囲を示し、+++は0.5~1μMのIC50の範囲を示し、及び++++はIC50<0.5μMを示す。Y最小%の値は、各IC50曲線の最低値を示す。Y最小値が-20%超のIC50曲線を示すところの化合物は、誘発が最小限か又は全く示さず、経路の検出可能な逆説的活性化を引き起こさないと考えられる。BRAF生化学キナーゼアッセイの場合に、*はIC50>10nMを示し、**は1~10nMのIC50の範囲を示し、及び***はIC50<1nMを示す。CRAF生化学キナーゼアッセイの場合に、§はIC50>50nMを示し、§§は10~50nMのIC50の範囲を示し、及び§§§はIC50<10nMを示す。
pERKのアッセイの場合に、+は10~30μMのIC50の範囲を示し、++は1~10μMのIC50の範囲を示し、+++は0.5~1μMのIC50の範囲を示し、及び++++はIC50<0.5μMを示す。Y最小%の値は、各IC50曲線の最低値を示す。Y最小値が-20%超のIC50曲線を示すところの化合物は、誘発が最小限か又は全く示さず、経路の検出可能な逆説的活性化を引き起こさないと考えられる。BRAF生化学キナーゼアッセイの場合に、*はIC50>10nMを示し、**は1~10nMのIC50の範囲を示し、及び***はIC50<1nMを示す。CRAF生化学キナーゼアッセイの場合に、§はIC50>50nMを示し、§§は10~50nMのIC50の範囲を示し、及び§§§はIC50<10nMを示す。
pERKのアッセイの場合に、+は10~30μMのIC50の範囲を示し、++は1~10μMのIC50の範囲を示し、+++は0.5~1μMのIC50の範囲を示し、及び++++はIC50<0.5μMを示す。Y最小%の値は、各IC50曲線の最低値を示す。Y最小値が-20%超のIC50曲線を示すところの化合物は、誘発が最小限か又は全く示さず、経路の検出可能な逆説的活性化を引き起こさないと考えられる。BRAF生化学キナーゼアッセイの場合に、*はIC50>10nMを示し、**は1~10nMのIC50の範囲を示し、及び***はIC50<1nMを示す。CRAF生化学キナーゼアッセイの場合に、§はIC50>50nMを示し、§§は10~50nMのIC50の範囲を示し、及び§§§はIC50<10nMを示す。
多数の変更が、本発明の範囲から逸脱すること無しに上述された実施態様のいずれに対してもなされることができる。本明細書において言及されるあらゆる文献、特許又は科学文献は、あらゆる目的の為に参照によってその全体が本明細書内に組み込まれる。

Claims (101)

  1. 下記の式Iの化合物、又はそれらの医薬的に許容される塩若しくはその溶媒和物
    ここで、
    R1は、置換された又は置換されていない、OR3、SR3、NH2、NHR3、N(R3)2、C3~8シクロアルキル、C4~8ヘテロシクロアルキル、C6~10アリール及びC5~10ヘテロアリールから選択され、例えば、置換された又は置換されていない、C6~10アリール及びC5~10ヘテロアリールから選択され;
    R2は、置換された、C6アリール又はC5~10ヘテロアリール、置換された又は置換されていない、C4~8ヘテロシクロアルキル及びN(R3)2から選択され;
    R3は独立して各々の場合に、置換された又は置換されていない、C1~8アルキル、C3~8シクロアルキル、C4~8ヘテロシクロアルキル、C6~10アリール及びC5~10ヘテロアリールから選択され;
    X1は、ハロゲン原子又は電子吸引性基であり;
    X2は、H、ハロゲン原子、及び電子吸引性基から選択され;
    X3及びX4は各々、H、ハロゲン原子、電子吸引性基、C1~3アルキル、C3~4シクロアルキル、及びOC1~3アルキルから選択される。
  2. R2は、置換された、C6アリール又はC5~10ヘテロアリールである、請求項1に記載の化合物。
  3. R2は、F、Cl、Br、CN、NO2から選択される少なくとも1つの基で置換されたC6アリール、置換された又は置換されていない、C1~3アルキル、C3~4シクロアルキル又はOC1~3アルキルである、請求項2に記の化合物。
  4. R2は、下記式の基である、請求項2に記載の化合物
    ここで、
    R4は、H、F、Cl、Br、CN、及び置換された又は置換されていない、C1~3アルキル、C3~4シクロアルキル又はOC1~3アルキルから選択され;
    R5は、H、F、Cl、CN、及び置換された又は置換されていない、C1~3アルキル、C3~4シクロアルキル又はOC1~3アルキルから選択され;
    R6は、H、F、Cl、Br、NO2、NH2、及び置換された又は置換されていない、C1~3アルキル、C3~4シクロアルキル又はOC1~3アルキルから選択され;
    R7は、H、F、Cl、及び置換された又は置換されていないC1~3アルキルから選択され;
    R8は、H、F、及び置換された又は置換されていないC1~3アルキルから選択され;
    又は、R4及びR5又はR5及びR6は、それらの隣接する炭素原子と一緒になって、置換された又は置換されていない、炭素環又はヘテロ環を形成し、但し、該ヘテロ環はベンゾオキサゾリノンでない;並びに、
    (---)は結合を表し;
    ここで、R4がH又はFである場合に、R5、R6、R7又はR8のうちの少なくとも1つは、H又はF以外であり;並びに、
    ここで、R5がCNである場合に、R4、R6、R7又はR8のうちの少なくとも1つは、H以外である。
  5. R4が、H、F、Cl、Br、Me、Et、CN、CHF2及びCF3から選択される、請求項4に記載の化合物。
  6. R5が、H、F、Me、CF3、CN及びClから選択される、請求項4又は5に記載の化合物。
  7. R6が、H、F、Cl、Br、及び置換された又は置換されていない、C1~3アルキル、C3~4シクロアルキル又はOC1~3アルキルから選択される、請求項4~6のいずれか1項に記載の化合物。
  8. R6が、H、F、Cl、Me、Et及びOMeから選択される、請求項4~7のいずれか1項に記載の化合物。
  9. R7が、H、Me、F及びClから選択される、請求項4~8のいずれか1項に記載の化合物。
  10. R8が、H、Me及びFから選択される、請求項4~9のいずれか1項に記載の化合物。
  11. R4が、Cl、及び置換された又は置換されていないC1~3アルキルから選択され;
    R5が、H、F、Cl、及び置換された又は置換されていないC1~3アルキルから選択され;
    R6が、H、F、Cl、置換された又は置換されていないC1~3アルキル、及び置換された又は置換されていないOC1~3アルキルから選択され;並びに、
    R7及びR8が、各々Hである、
    請求項4に記載の化合物。
  12. R4が、Cl及びCH3から選択される、請求項11に記載の化合物。
  13. R5が、F、Cl及びCH3から選択される、請求項11又は12に記載の化合物。
  14. R6が、H又はFである、請求項11~13のいずれか1項に記載の化合物。
  15. R6が、Cl、置換された若しくは置換されていないC1~3アルキル、又は置換された若しくは置換されていないOC1~3アルキルである、請求項11~13のいずれか1項に記載の化合物。
  16. R6が、CH3又はOCH3である、請求項15に記載の化合物。
  17. R2が、下記の式の基である、請求項2に記載の化合物
    ここで、
    X5は、NH、NC1~3アルキル、NC3~4シクロアルキル、O及びSから選択され;
    R9、R10、R11は各々独立して、H、F、Cl、CN、及び置換された又は置換されていない、C1~3アルキル、C3~4シクロアルキル、C(O)OC1~3アルキル又はOC1~3アルキルから選択され、但し、R9及びR11のうちの一方はHであり、並びに他方はHでない;並びに、
    (---)は、結合を表す。
  18. R2が、下記の式の基である、請求項2に記載の化合物
    ここで、
    X5は、NH、NC1~3アルキル、NC3~4シクロアルキル、O及びSから選択され;
    R9は、F、Cl、CN、及び置換された又は置換されていない、C1~3アルキル、C3~4シクロアルキル、C(O)OC1~3アルキル又はOC1~3アルキルから選択され;
    R10及びR12は各々独立して、H、F、Cl、CN、及び置換された又は置換されていない、C1~3アルキル、C3~4シクロアルキル、C(O)OC1~3アルキル又はOC1~3アルキルから選択され;並びに、
    (---)は結合を表す。
  19. R9及びR10は各々独立して、F、Cl、CN、及び置換された又は置換されていない、C1~3アルキル、C3~4シクロアルキル、C(O)OC1~3アルキル又はOC1~3アルキルから選択される、請求項17又は18に記載の化合物。
  20. R9及びR10は各々独立して、Cl、及び置換された又は置換されていないC1~3アルキルから選択される、請求項19に記載の化合物。
  21. R9及びR10がいずれもClである、請求項19に記載の化合物。
  22. X5が、O又はS、好ましくはS、である、請求項17~21のいずれか1項に記載の化合物。
  23. R2が、下記の式の基である、請求項2に記載の化合物
    ここで、
    X9、X10、X11、X12及びX13が独立して、N及びCから選択され、ここで、X9、X10、X11、X12及びX13のうちの少なくとも1つ且つ2以下がNであり;並びに、
    R19、R20、R21、R22及びR23が、H、F、Cl、Br、CN、NO2、NH2、及び置換された若しくは置換されていない、C1~3アルキル、C3~4シクロアルキル若しくはOC1~3アルキルから選択され、又はそれらの結合されたX9、X10、X11、X12又はX13がNであるときに存在しない;
    ここで、X9及びX13のうちの少なくとも1つがNでなく;並びに、
    ここで、X9及びX13のうちの少なくとも1つがNであるときに、他方がN又はCHでない。
  24. R2が、下記の式の基である、請求項1に記載の化合物
    ここで、
    R13は独立して各々の場合に、F、Cl、及び置換された又は置換されていない、C1~3アルキル、C3~4シクロアルキル又はC1~3アルコキシから選択され;
    nは、0~8から選択される整数であり;又は、
    nは2~8であり、及び2つのR13は、それらの隣接する炭素原子と一緒になって、C3~4シクロアルキルを形成し;並びに、
    (---)は結合を表す。
  25. R13がメトキシであり、並びにnが1である、請求項24に記載の化合物。
  26. R2がN(R3)2である、請求項1に記載の化合物。
  27. R3が、置換された又は置換されていない、C1~8アルキル又はC3~8シクロアルキルから選択される、請求項26に記載の化合物。
  28. R2が下記から選択される基である、請求項1に記載の化合物。
    ここで、(---)は結合を表す。
  29. R2が下記から選択される基である、請求項28に記載の化合物
    ここで、(---)は結合を表す。
  30. R2が下記から選択される基である、請求項29に記載の化合物
    ここで、(---)は結合を表す。
  31. R1が、置換された又は置換されていないC5~6ヘテロアリール基である、請求項1~30のいずれか1項に記載の化合物。
  32. R1が、置換された又は置換されていないC9ヘテロアリール基である、請求項1~30のいずれか1項に記載の化合物。
  33. R1が、チエニル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、チアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、インドリル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ピロロピリジニル(例えば、ピロロ[3,2-b]ピリジニル又はピロロ[3,2-c]ピリジニル)、ピラゾロピリジニル(例えば、ピラゾロ[1,5-a]ピリジニル)、プリニル、イミダゾピラジニル(例えば、イミダゾ[4,5-b]ピラジニル)及びキノリル(キノリニル)から選択される、置換された又は置換されていない基である、請求項1~30のいずれか1項に記載の化合物。
  34. R1が、下記から選択される、置換された又は置換されていない基である、請求項1~30のいずれか1項に記載の化合物
    ここで、(---)は結合を表す。
  35. R1が、下記から選択される、置換された又は置換されていない基である、請求項34に記載の化合物
    ここで、(---)は結合を表す。
  36. R1が、OH、ハロゲン原子、CN、NO2、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、OC1~6アルキル、C5~10ヘテロアリール、C3~10シクロアルキル、C4~10ヘテロシクロアルキル、C(O)R15、C(O)N(R14)2、SO2R15、SO2N(R14)2、N(R16)C(O)R15、N(R16)SO2R15、N(R16)C(O)N(R14)2、N(R16)SO2N(R14)2、N(R14)2、P(O)(R15)2、CH2C(O)R15、CH2C(O)N(R14)2、CH2SO2R15、CH2SO2N(R14)2、CH2N(R16)C(O)R15、CH2N(R16)SO2R15、CH2N(R16)C(O)N(R14)2、CH2N(R16)SO2N(R14)2、及びCH2N(R14)2から選択される少なくとも1つの置換基で置換されており、
    ここで、
    R14が独立して各々の場合に、H、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~10シクロアルキル、C4~10ヘテロシクロアルキル、C6アリール、及びC5~10ヘテロアリールから選択され、又は2つのR14は、それらの隣接する窒素原子と一緒になって、C4~10ヘテロシクロアルキル基を形成し;
    R15が独立して各々の場合に、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~10シクロアルキル、C6アリール、及びC5~10ヘテロアリールから選択され;並びに、
    R16が独立して各々の場合に、H、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~10シクロアルキル、C6アリール、及びC5~10ヘテロアリールから選択され;
    ここで、前記アルキル、前記アルケニル、前記アルキニル、前記シクロアルキル、前記ヘテロシクロアルキル、前記アリール又は前記ヘテロアリール基は、更に任意的に置換されていてもよい、
    請求項1~35のいずれか1項に記載の化合物。
  37. R1が、下記の式の基である、請求項1~30のいずれか1項に記載の化合物
    ここで、
    R17が、H、OH、ハロゲン原子、CN、NO2、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、OC1~6アルキル、C5~10ヘテロアリール、C3~10シクロアルキル、C4~10ヘテロシクロアルキル、C(O)R15、C(O)N(R14)2、SO2R15、SO2N(R14)2、N(R16)C(O)R15、N(R16)SO2R15、N(R16)C(O)N(R14)2、N(R16)SO2N(R14)2、N(R14)2、P(O)(R15)2、CH2C(O)R15、CH2C(O)N(R14)2、CH2SO2R15、CH2SO2N(R14)2、CH2N(R16)C(O)R15、CH2N(R16)SO2R15、CH2N(R16)C(O)N(R14)2、CH2N(R16)SO2N(R14)2、及びCH2N(R14)2から選択され;
    X6が、N又はCHであり;並びに、
    X7がNであり、及びR18が存在せず;又は、
    X7がCであり、及びR18が、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、OC1~6アルキル、C5~10ヘテロアリール、C3~10シクロアルキル、C4~10ヘテロシクロアルキル、C(O)R15、C(O)N(R14)2、SO2R15、SO2N(R14)2、N(R16)C(O)R15、N(R16)SO2R15、N(R16)C(O)N(R14)2、N(R16)SO2N(R14)2、N(R14)2、P(O)(R15)2、CH2C(O)R15、CH2C(O)N(R14)2、CH2SO2R15、CH2SO2N(R14)2、CH2N(R16)C(O)R15、CH2N(R16)SO2R15、CH2N(R16)C(O)N(R14)2、CH2N(R16)SO2N(R14)2、及びCH2N(R14)2から選択され;
    ここで、R14、R15及びR16が請求項32において定義された通りであり;
    ここで、前記アルキル、前記アルケニル、前記アルキニル、前記シクロアルキル、前記ヘテロシクロアルキル、又は前記ヘテロアリールは、更に任意的に置換されていてもよい;並びに、
    ここで、(---)は結合を表す。
  38. X6がNである、請求項37に記載の化合物。
  39. X6がCHである、請求項37に記載の化合物。
  40. X7がNであり、R17が、H、OH、CN、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、OC1~6アルキル、C5~10ヘテロアリール、C3~10シクロアルキル、C4~10ヘテロシクロアルキル、C(O)R15、C(O)N(R14)2、SO2R15、SO2N(R14)2、N(R16)C(O)R15、N(R16)SO2R15、N(R16)C(O)N(R14)2、N(R16)SO2N(R14)2、N(R14)2、P(O)(R15)2、CH2C(O)R15、CH2C(O)N(R14)2、CH2SO2R15、CH2SO2N(R14)2、CH2N(R16)C(O)R15、CH2N(R16)SO2R15、CH2N(R16)C(O)N(R14)2、CH2N(R16)SO2N(R14)2、及びCH2N(R14)2から選択され、並びにR18が存在せず、ここで、前記アルキル、前記アルケニル、前記アルキニル、前記シクロアルキル、前記ヘテロシクロアルキル、又は前記ヘテロアリールは、更に任意的に置換されていてもよい、請求項37~39のいずれか1項に記載の化合物。
  41. R17が、C1~6アルキル、C5~10ヘテロアリール、C4~10ヘテロシクロアルキル、N(R14)2、N(R16)C(O)R15、N(R16)SO2R15、C(O)N(R14)2、及びSO2N(R14)2から選択され、ここで、前記アルキル、前記アルケニル、前記アルキニル、前記シクロアルキル、前記ヘテロシクロアルキル、又は前記ヘテロアリールは、更に任意的に置換されていてもよい、請求項40に記載の化合物。
  42. R17が、H、NH2、及び任意的に置換されていてもよい、C5~10ヘテロアリール又はC4~10ヘテロシクロアルキル、好ましくは任意的に置換されていてもよい、C5~10ヘテロアリール又はC4~10ヘテロシクロアルキル、である、請求項40に記載の化合物。
  43. R17が、任意的に置換されていてもよいC4~10ヘテロシクロアルキルであり、ここで、前記ヘテロシクロアルキルが、単環式又は二環式であり、及び1~3個のヘテロ原子を含み、好ましくは、ここで、X7はNである、請求項37~39のいずれか1項に記載の化合物。
  44. 前記ヘテロシクロアルキルが、F、OH、オキソ、CN、C1~4アルキル及びOC1~4アルキルから選択される少なくとも1つの基で置換され、ここで、前記C1~4アルキルは、(例えば、F、OH、OC1~3アルキル等で)更に任意的に置換されていてもよい、請求項43に記載の化合物。
  45. 前記ヘテロシクロアルキルが、ピペリジン基、ピペラジン基、チオモルホリン基及びモルホリン基、又はピペリジン環、ピペラジン環、チオモルホリン環若しくはモルホリン環を含む二環式構造(架橋化された又はスピロ)から選択される、請求項42又は44に記載の化合物。
  46. X7がCである、請求項37~39のいずれか1項に記載の化合物。
  47. X7がCであり、並びにR18が、C1~6アルキル、C5~10ヘテロアリール、C3~10シクロアルキル、C4~10ヘテロシクロアルキル、C(O)R15、C(O)N(R14)2、SO2R15、SO2N(R14)2、N(R16)C(O)R15、N(R16)SO2R15、N(R16)C(O)N(R14)2、N(R16)SO2N(R14)2、N(R14)2、CH2C(O)R15、CH2C(O)N(R14)2、CH2SO2R15、CH2SO2N(R14)2、CH2N(R16)C(O)R15、CH2N(R16)SO2R15、CH2N(R16)C(O)N(R14)2、CH2N(R16)SO2N(R14)2、及びCH2N(R14)2から選択され、ここで、前記アルキル、前記アルケニル、前記アルキニル、前記シクロアルキル、前記ヘテロシクロアルキル、前記アリール、又は前記ヘテロアリールは、更に任意的に置換されていてもよい、請求項46に記載の化合物。
  48. R18が、C(O)N(R14)2、SO2R15、及びSO2N(R14)2から選択される、請求項47に記載の化合物。
  49. R17が、H、OH、C1~6アルキル、N(R14)2、及び任意的に置換されていてもよいC5~10ヘテロアリールから選択される、請求項46~48のいずれか1項に記載の化合物。
  50. R17が、H、NH2、及び任意的に置換されていてもよいC5~10ヘテロアリール、好ましくはH又はNH2、から選択される、請求項49に記載の化合物。
  51. R14は独立して各々の場合に、H、任意的に置換されていてもよいC1~6アルキル、任意的に置換されていてもよいC3~10シクロアルキル、任意的に置換されていてもよいC4~10ヘテロシクロアルキル、及び任意的に置換されていてもよいC5~6ヘテロアリールから選択され、又は2つのR14が、それらの隣接する窒素原子と一緒になって、任意的に置換されていてもよいC4~10ヘテロシクロアルキル基を形成する、請求項38~50のいずれか1項に記載の化合物。
  52. 2つのR14が、それらの隣接する窒素原子と一緒になって、任意的に置換されていてもよいC4~10ヘテロシクロアルキル基を形成し、ここで、前記ヘテロシクロアルキルは単環式又は二環式であり、及び1~3個のヘテロ原子を含む、請求項51に記載の化合物。
  53. 前記ヘテロシクロアルキルは、F、OH、オキソ、CN、C1~4アルキル及びOC1~4アルキルから選択される少なくとも1つの基で置換され、ここで、前記C1~4アルキルは、(例えば、F、OH、OC1~3アルキル等で)更に任意的に置換されていてもよい、請求項52に記載の化合物。
  54. 前記ヘテロシクロアルキルは、ピペリジン基、ピペラジン基、チオモルホリン基及びモルホリン基、又はピペリジン環、ピペラジン環、チオモルホリン環若しくはモルホリン環を含む二環式構造(架橋化された又はスピロ)から選択される、請求項51~53のいずれか1項に記載の化合物。
  55. R1が、下記の式の基である、請求項1~30のいずれか1項に記載の化合物
    ここで、
    X14が、C及びNから選択され;
    X15、X16、X17及びX18が独立して、O、N、S及びCR17から選択され、ここで、R17は、上記において定義された通りであり;
    ここで、X14、X15、X16、X17及びX18のうちの少なくとも1つ且つ3以下がO、N又はSであり、及び芳香族性が維持されるようにする為に2つの二重結合が環中に存在する。
  56. R1が、下記から選択される、請求項1~30のいずれか1項に記載の化合物
    ここで、R14が上記で定義された通りであり、及び(---)は結合を表す。
  57. R1が、下記から選択される、請求項56に記載の化合物
    ここで、R14は上記で定義された通りであり、及び(---)は結合を表す。
  58. R1が、明細書に記載のA1~A514の基から選択される、請求項1~30のいずれか1項に記載の化合物。
  59. X1がClであり、及びX2がFである、請求項1~58のいずれか1項に記載の化合物。
  60. X1がFであり、及びX2がHである、請求項1~58のいずれか1項に記載の化合物。
  61. X1及びX2のいずれもがFである、請求項1~58のいずれか1項に記載の化合物。
  62. X3及びX4が各々、Hである、請求項1~61のいずれか1項に記載の化合物。
  63. X3がFであり、及びX4がHである、請求項1~61のいずれか1項に記載の化合物。
  64. 前記化合物が、下記の式IIの化合物である、請求項61に記載の化合物又はそれらの医薬的に許容される塩若しくはその溶媒和物
    ここで、R1、R4、R5及びR6は各々独立して、上記で定義された通りであり、好ましくは、R4がCl、Br及びMeから選択され、R5がH、F、Cl又はメチルから選択され、並びにR6がH、F、Cl、Me及びOMeから選択される。
  65. 前記化合物が、下記の式IVの化合物である、請求項64に記載の化合物
    ここで、X6、X7、R4、R5、R6、R17及びR18は各々独立して、上記で定義された通りである。
  66. 前記化合物が、下記の式Vの化合物である、請求項64に記載の化合物
    ここで、R4、R5、R6、X14、X15、X16、X17及びX18は各々独立して、上記で定義された通りである。
  67. 前記化合物が、下記の式IIIの化合物である、請求項61に記載の化合物
    ここで、R1、R9、R10、R12及びX5は各々独立して、上記で定義された通りである。
  68. 前記化合物が、下記の式VIの化合物である、請求項67に記載の化合物
    ここで、R9、R10、R12、R17、R18、X5、X6及びX7は各々独立して、上記で定義された通りである。
  69. 前記化合物が、下記の式VIIの化合物である、請求項67に記載の化合物
    ここで、R9、R10、R12、X5、X14、X15、X16、X17及びX18は各々独立して、上記で定義された通りである。
  70. 前記化合物が、本明細書において定義された実施例1~691から選択される、請求項1に記載の化合物、又はそれらの塩及び/又はそれらの溶媒和物。
  71. 前記化合物が、本明細書において記載された実施例3、6、8、19、20~22、30、31、43、46、48、68、76、83、84、91~93、99~102、111、113~115、123、124~128、131、139~141、168、171、176、177、180、188~190、198、202~206、240、244、247、248、250~253、261、262、264~275、277~280、282、284~286、290、292、294~299、304、305、307~310、312~315、317~319、321~323、325、328、331、333~337、342、346、347、350、351、354、355、356、359、361、364~367、370、372、377、378、381、385~389、395~398、400、401、403、408~412、416~419、421~423、426~429、431~433、435~439、441~445、447~453、454、456、458、461、462、 464、466~469、484、486、488、490、497、502、509、511、514、517、520、524、529、530、533、538~543、546、548、552~554、556、557、560、561、562、568、569、571、572、574、575、578、580~583、585、586、588~590、592、596~600、602、604、605、608~612、614~617、619~621、623、625~630、632、636、638、640、641、643~652、654~660、665及び667~691から選択される、請求項70に記載の化合物、又はそれらの塩及び/又はそれらの溶媒和物。
  72. 前記化合物が、本明細書において定義された実施例3、6、20~22、43、46、48、68、76、84、91~93、99~102、123、125、168、171、177、188、202、205、206、251、266、272、296~299、304、305、307~310、312、318、321、331、342、354、355、359、364、366、377、378、381、385~387、389、395、397、400、401、403、411、412、416~419、421~423、426~429、431~433、435~438、441、443~445、451~454、456、458、462、466~469、486、497、502、509、517、520、524、527、529、530、538~540、546、552、554、556、558、560、562、571、572、578、580~583、585、586、588、589、592、597、599、600、604、605、608~610、615、617、619~621、623、625~628、630、632~638、640、641、643、645~649、665、671~680、682、683、685及び688~690から選択される、請求項70に記載の化合物、又はそれらの塩及び/又はそれらの溶媒和物。
  73. 前記化合物が、本明細書において定義された実施例20、84、99~102、123、205、251、266、296~299、308、312、318、321、342、355、385、387、412、421、432 462、509、517、520、524、529、530、538、539、546、554、556、560、562、568、571、572、578、580~583、586、588、592、597、600、605、608、609、615、617,621、628、630、632、633、636、637、641、643、648、649、665、672~675、679、682及び688から選択される、請求項70に記載の化合物、又はそれらの塩及び/又はそれらの溶媒和物。
  74. 請求項1~73のいずれか1項に記載の化合物を、医薬的に許容される担体、希釈剤又は添加剤と共に含む医薬組成物。
  75. 増殖性疾病若しくは障害、RAS-ERKシグナル伝達カスケードの調節不全によって引き起こされる発生異常(RASopathies)、又は炎症性疾病若しくは免疫系障害から選択される疾病又は障害の処置の為に、請求項1~73のいずれか1項に記載の化合物の使用方法。
  76. 前記疾病又は障害が、新生物及び発生異常から選択される、請求項75に記載の使用方法。
  77. 前記疾病又は障害が、RAF遺伝子変異(例えば、ARAF、BRAF又はCRAF)に関連付けられている、請求項75又は76に記載の使用方法。
  78. 前記疾病又は障害が、RAS遺伝子変異(例えば、KRAS)に関連付けられている、請求項75~77のいずれか1項に記載の使用方法。
  79. 前記疾病又は障害が、受容体チロシンキナーゼの変異若しくは増幅(例えば、EGFR、HER2)、又は該受容体のRAS下流の調節因子における変異(例えば、SOS1の機能獲得、NF1の機能喪失)に関連付けられている、請求項75~78のいずれか1項に記載の使用方法。
  80. 前記疾病又は障害が新生物である、請求項75~79のいずれか1項に記載の使用方法。
  81. 前記新生物が、黒色腫、甲状腺癌(例えば、甲状腺乳頭癌)、結腸直腸癌、卵巣癌、乳癌、子宮内膜癌、肝臓癌、肉腫、胃癌、膵臓癌、バレット腺癌、神経膠腫(例えば、上衣腫)、肺癌(例えば、非小細胞肺癌)、頭頸部癌、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、非ホジキンリンパ腫、及びヘアリー細胞白血病から選択される、請求項80に記載の使用方法。
  82. 前記新生物が、結腸癌又は結腸直腸癌、肺癌、膵臓癌、甲状腺癌、乳癌及び黒色腫から選択される、請求項80に記載の使用方法。
  83. 前記処置が、逆説的経路の実質的な誘発無しに、RAS-ERKシグナル伝達経路を阻害することを含む、請求項75~82のいずれか1項に記載の使用方法。
  84. 増殖性疾病若しくは障害、RAS-ERKシグナル伝達カスケードの調節不全によって引き起こされる発生異常(RASopathies)、又は炎症性疾病若しくは免疫系障害から選択される疾病又は障害の処置の方法であって、該処置を必要とする対象に請求項1~73のいずれか1項に記載の化合物を投与することを含む、前記方法。
  85. 前記疾病又は障害が、新生物及び発生異常から選択される、請求項84に記載の方法。
  86. 前記疾病又は障害が、RAF遺伝子変異(例えば、ARAF、BRAF又はCRAF)に関連付けられている、請求項84又は85に記載の方法。
  87. 前記疾病若しくは障害が、RAS変異(例えば、KRAS)に関連付けられている、請求項84~86のいずれか1項に記載の方法。
  88. 前記疾病又は障害が、受容体チロシンキナーゼの変異若しくは増幅(例えば、EGFR、HER2)、又は該受容体のRAS下流の調節因子における変異(例えば、SOS1の機能獲得、NF1の機能喪失)に関連付けられている、請求項84~87のいずれか1項に記載の方法。
  89. 前記疾病又は障害が新生物である、請求項84~88のいずれか1項に記載の方法。
  90. 前記新生物が、黒色腫、甲状腺癌(例えば、甲状腺乳頭癌)、結腸直腸癌、卵巣癌、乳癌、子宮内膜癌、肝臓癌、肉腫、胃癌、膵臓癌、バレット腺癌、神経膠腫(例えば、上衣腫)、肺癌(例えば、非小細胞肺癌)、頭頸部癌、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、非ホジキンリンパ腫、及びヘアリー細胞白血病から選択される、請求項89に記載の方法。
  91. 前記新生物が、結腸癌又は結腸直腸癌、肺癌、膵臓癌、甲状腺癌、乳癌及び黒色腫から選択される、請求項89に記載の方法。
  92. 前記方法が、逆説的経路の実質的な誘発無しに、RAS-ERKシグナル伝達経路を阻害することを含む、請求項84~91のいずれか1項に記載の方法。
  93. 細胞の異常増殖を抑制する方法であって、請求項1~73のいずれか1項に記載の化合物を前記細胞に接触させることを含む、前記方法。
  94. 前記細胞が、変異されたRAFタンパク質キナーゼ(例えば、変異されたARAF、BRAF又はCRAF)を含む、請求項93に記載の方法。
  95. 前記細胞が、変異されたRAS遺伝子(例えば、変異されたKRAS)を含む、請求項93又は94に記載の方法。
  96. 前記異常増殖が、受容体チロシンキナーゼの変異若しくは増幅(例えば、EGFR、HER2)、又は該受容体のRAS下流の調節因子における変異(例えば、SOS1の機能獲得、NF1の機能喪失)に関連付けられている、請求項93~95のいずれか1項に記載の方法。
  97. 前記細胞が、黒色腫細胞、甲状腺癌細胞(例えば、甲状腺乳頭癌細胞)、結腸直腸癌細胞、卵巣癌細胞、乳癌細胞、子宮内膜癌細胞、肝臓癌細胞、肉腫細胞、胃癌細胞、膵臓癌細胞、バレット腺癌細胞、神経膠腫細胞(例えば、上衣腫細胞)、肺癌細胞(例えば、非小細胞肺癌細胞)、頭頸部癌細胞、急性リンパ性白血病細胞、急性骨髄性白血病細胞、非ホジキンリンパ腫細胞、及びヘアリー細胞白血病細胞から選択される、請求項93~96のいずれか1項に記載の方法。
  98. 前記細胞が、結腸癌細胞又は結腸直腸癌細胞、肺癌細胞、膵臓癌細胞、甲状腺癌細胞、乳癌細胞及び黒色腫細胞から選択される、請求項93~97のいずれか1項に記載の方法。
  99. 前記方法が、逆説的経路の実質的な誘発無しに、RAS-ERKシグナル伝達経路を阻害する、請求項93~98のいずれか1項に記載の方法。
  100. 前記接触させることが、イン・ビボで行われる、請求項93~99のいずれか1項に記載の方法。
  101. 前記接触させることが、エクス・ビボで行われる、請求項93~99のいずれか1項に記載の方法。
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