JP2024511753A - 高感度かつ低ゼロ磁場オフセットシフトを持つ磁気抵抗素子及び磁気センサ装置 - Google Patents

高感度かつ低ゼロ磁場オフセットシフトを持つ磁気抵抗素子及び磁気センサ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高感度の磁気抵抗素子と、高磁場でも使用可能な磁気センサ装置を提供する。【解決手段】磁気抵抗素子(2)は、固定された基準磁化(210)を持つ強磁性基準層(21)と、自由な検知磁化(230)を持つ強磁性検知層(23)との間に備わったトンネル障壁層(22)を備える。検知磁化(230)は、強磁性材料組成と、印加磁場の非存在下で安定した渦構成とを備える。検知層(23)の検知磁化(230)及び強磁性交換強度が、トンネル障壁層(22)から離れているところよりも前記トンネル障壁層(22)の近くで高くなるように、強磁性材料組成が、トンネル障壁層(22)の近くで高い磁化を持つ組成から前記トンネル障壁層(22)から離れるほど低い磁化を持つ組成まで、検知層(23)の厚さにわたって変えてある。

Description

本発明は、外部磁場を検知するように適合され、広い線形応答と、磁気抵抗素子が高磁場にさらされた後も実質的に変化しない公称性能とを備える磁気抵抗素子に関する。本開示はさらに、前述の磁気抵抗素子を複数備える磁気センサ装置に関する。
従来の磁気抵抗センサ素子は、通常、基準磁化を備える強磁性基準層と、平均化された自由磁化を備える強磁性検知層と、基準強磁性層及び検知強磁性層の間のトンネル障壁層とを備える。基準磁化は実質的に乱されないままで、検知磁化が外部磁場中で配向できるようになっている。そのようにして、外部磁場は、磁気抵抗センサ素子の抵抗を計測することによって検知できる。抵抗値は、基準磁化に対する平均化された検知磁化の向きと大きさに依存する。
検知磁化は安定した渦構成を備え得る。渦構成では、磁化は、検知層の縁に沿って、外部磁場に従って可逆的に移動可能なコアの周りを円形経路で巻いている。渦構成は、磁気抵抗センサ素子の実用的なサイズと検知層の厚さに対して、外部磁場の大きなマグニチュード範囲において直線的で非ヒステリシス的な挙動を提供する。このように、渦構造は磁気センサ用途に有利である。
渦ベースの磁気抵抗センサは通常、低磁場、例えば100mT以下の外部磁場で動作する。渦ベースの磁気抵抗センサの性能は、高磁場にさらされた後、しばしば変化する。なぜなら、そのような高磁場は、センサ自由層の磁化を十分に飽和させ、渦の構成がもはや存在しなくなるからである。この渦の消滅又は「追い出し」は、例えば、磁気信頼性試験でよく使用される200mT超の磁場で発生する可能性がある。渦を利用した磁気抵抗センサがこのような高磁場にさらされると、低磁場におけるセンサの磁気配置の詳細が変更される可能性があり、そのため低磁場計測における精度を低下させるゼロ磁場オフセットシフトに悩まされる傾向がある。
本開示は、固定された基準磁化を備える強磁性基準層と、自由検知磁化を備える強磁性検知層との間に備わるトンネル障壁層を備える、磁気抵抗効果素子に関する。検知磁化は、強磁性材料組成を備え、印加磁場の非存在下で安定した渦構成を備える。強磁性材料組成は、検知層の検知磁化及び強磁性交換強度がトンネル障壁層から離れるよりもトンネル障壁層の近くで高くなるように、検知層の厚さにわたって変化する。
本開示はさらに、複数の磁気抵抗素子を備える磁気センサ装置に関する。
当該技術分野で知られているものに関して、本明細書で開示する磁気抵抗素子は、高い感度を持ちながら、ゼロ磁場オフセットシフトが低減されている。この磁気センサ装置は、公称性能を大きく変化させることなく、高磁場に露呈可能である。
本発明の例示的な実施形態が、本明細書に開示され、図面によって示されている。
図1は、実施形態による、検知層を備える磁気抵抗効果素子を概略的に示す。 図2は、一実施形態による、検知層の厚さにわたって組成勾配を備える強磁性材料を備える検知層を表す。 図3は、実施形態による多層構造を備える検知層を表す。 図4は、別の実施形態による、多層構造を備える検知層を表す。 図5は、さらに別の実施形態による、多層構造を備える検知層を表す。 図6は、磁気抵抗効果素子について計測した実験データである。 図7は、複数の磁気抵抗素子をフルブリッジ状に配置した磁気センサ装置を示す。
図1を参照すると、実施形態による磁気抵抗素子2が表されている。磁気抵抗素子2は、固定された基準磁化210を備える強磁性基準層21と、自由な検知磁化230を備える強磁性検知層23との間に備わるトンネル障壁層22を備える。検知磁化230は、基準磁化210が実質的に乱されないまま、その平均磁化を外部磁場60中で配向させられる外部磁場60は、磁気抵抗センサ素子2の抵抗値を計測することで検知される。抵抗値は、基準磁化210に対する検知磁化230の平均配向に依存する。
好ましい1構成では、検知磁化230は、印加磁場の非存在下で安定した渦構成を備える。この渦構造は、検知層23の縁に沿って、コア231の周りに円形の経路をたどる磁化で構成され、コアの位置は外部磁場60に従って可逆的に移動可能である。磁気抵抗センサ素子2の所与の横方向寸法に対して、検知層23の厚さは、検知層23が印加磁場のない状態で安定した渦構成の磁化を備えるように選択される。
図1の例では、基準磁化210は、基準層21の平面内で実質的に長手方向に配向している。磁気抵抗素子2は、基準層21を交換結合するように構成された基準ピン止め層25を備えてもよい。基準ピン止め層25が存在する場合、基準磁化210の配向は、基準ピン止め層25と基準層21との間の交換結合(交換バイアスの発生)によって決定される。基準ピニング層25は、反強磁性体(AFM)を備え得る。基準層21は、合成反強磁性体(SAF)を備え得る。
一実施形態では、検知層23は強磁性材料を備える、又は強磁性材料で形成される。強磁性材料の化学組成は、トンネル障壁層22に近い磁化の高い組成から、トンネル障壁層22から離れた磁化の低い組成まで、検知層23の厚さにわたって変化する。
強磁性材料の特定の化学組成は、高感度磁化230を提供する。ここで、「磁化」という表現は、「飽和磁化」又は「自発磁化」に対して区別なく使用され、飽和磁化は、最大誘導磁気モーメントの通常の意味を備える。高い検知磁化230をもたらす強磁性材料組成は、高い強磁性交換強度を提供する。強磁性交換強度は、検知磁化230を変化させることによって、ひいては強磁性材料の化学組成を変化させることによって調整できる。
検知層23の厚さにわたって強磁性材料組成が変化することにより、検知層の厚さにわたって磁気特性が変化する。ここで、検知層23は、検知層23の検知磁化230及び強磁性交換強度が、トンネル障壁層22から離れるよりもトンネル障壁層22の近くで高くなるように構成されている。
図2に示される一観点では、強磁性材料組成は、検知層23の厚さにわたって組成勾配を備える。組成勾配は、検知層23の厚さにわたって線形又は非線形であり得る。ここで、検知層23は、組成勾配を備える単一の層を備えるように形成し得る。
図3に示す別の観点では、検知層23は多層構造を備える。多層構造は、トンネル障壁層22に近く、高い磁化をもたらす化学組成を備える第1副層232aを備え得る。多層構造は、トンネル障壁層22から離れ、低い磁化をもたらす化学組成を備える第2副層232bをさらに備えてよい。
多層構造は、2つ以上の副層を備えてもよい。図4の例では、検知層23は、トンネル障壁層22に近く、高い磁化をもたらす化学組成を備える第1副層232aを備える。検知層23はさらに、トンネル障壁層22から離れ、低磁化をもたらす化学組成を持つ第2副層232bを備える。中間副層232は、第1副層232a及び第2副層232bの間に含まれる。中間副層232は、副層の厚さにわたって変化するか又は一定である強磁性材料組成を備え得る。中間副層232の強磁性材料は、第1副層232aの強磁性材料の磁化よりも低く、第2副層232bの磁化よりも高い磁化をもたらす化学組成を備え得る。
図5は、多層構造が、3つより多い副層232、232a、232bを備える検知層23を示す。強磁性材料組成は、各副層232、232a、232bの厚さにわたって一定であり得る。このような構成では、トンネル障壁層22に近い検知層23の領域とトンネル障壁層22から離れた検知層23の領域との間の強磁性材料の化学組成の変化は、異なる副層232、232a、232bの間で強磁性材料の化学組成を変化させることによって得られる。代替的に、強磁性材料の化学組成を、各副層232、232a、232bの厚さにわたって、もしくは多層構造に備わる副層232、232a、232bのうちの1層の少なくとも厚さにわたって、変えてよい。
第1副層232a及び第2副層232bの各々は、副層232a、232bの厚さにわたって一定の組成を備え得る。ここで、強磁性材料の磁化の変動は、第1副層232aがより高い磁化をもたらす化学組成を持ち、第2副層232bがより低い磁化をもたらす化学組成を備えることによって得られる。
代替的に、第1副層232a又は第2副層232bの少なくとも一方、もしくは第1副層232a及び第2副層232bの両方は、副層の厚さにわたって変調される強磁性材料組成を備え得る。
図1から図5では、トンネル障壁層22に近い検知層23の第1部分を数字23aで示し、トンネル障壁層22から離れた検知層23の第2部分23bを数字23bで示す。全ての構成において、強磁性材料の組成は、トンネル障壁層22の近く(第1部分23a)で高い磁化をもたらす組成から、トンネル障壁層22から離れたところ(第2部分23b)で低い磁化をもたらす組成まで、検知層23の厚さにわたって変えてある。
いくつかの実施形態では、検知層23の第1部分23aにおける検知磁化230は、検知層23の第2部分23bにおける検知磁化230よりも少なくとも30%高い。第1及び第2部分23a、23bは、検知層23の厚さの約3分の1に対応し得る。(図1から図5の例示的な構成のような)検知層23の構成に応じて、第1及び第2部分23a、23bは、単層で構成され得るか、又は検知層23の多層構造の1層より多い副層のうちの1層を包含し得る。
いくつかの実施形態では、基準層及び検知層21、23は、コバルト(「Co」)、鉄(「Fe」)又はニッケル(「Ni」)ベースの合金、優先的にはCoFe、NiFe又はCoFeBベースの合金のような強磁性材料を備え得るか、又はそれら強磁性材料で形成され得る。基準層21は、2nmから10nmの間の厚さを備え得る。基準及び検知磁化210、230は、層21、23の平面に実質的に平行(図1に示すように面内)であることと、層21、23の平面に実質的に垂直(面外)であることとの少なくとも一方である磁気異方性を持ち得る。
トンネル障壁22は絶縁材料を備え得る。好適な絶縁材料としては、酸化アルミニウム(例えば、Al)及び酸化マグネシウム(例えば、MgO)などの酸化物が挙げられる。トンネル障壁層22の厚さは、約1nmから約3nmのようなnmの範囲にできる。
好ましい1実施形態では、検知層23は、CoFe、NiFe又はCoFeBをベースとする合金の単独又は組み合わせを含む強磁性材料を備えるか、又はそれらから形成される。
一実施形態では、強磁性材料はCoFeとNiFe基合金を含む混合物を備え、NiFeに対するCoFeの濃度がトンネル障壁層22の近くで高く、トンネル障壁層22から離れると低くなる。一観点では、検知層23は、強磁性材料組成が、トンネル障壁層22の近傍ではNiFe基合金の濃度よりも高いCoFe基合金の濃度から、トンネル障壁層22から離れるとNiFe基合金の濃度よりも低いCoFe基合金の濃度まで、検知層23の厚さにわたって変化するように構成できる。別の観点では、NiFeに対するCoFeの濃度は、第1部分23aにおいてより高く、第2部分23bにおいてより低くできる。一観点では、第1部分23aの強磁性材料組成は、少なくとも95体積%のCoFe系合金を備え得、第2部分23bは、少なくとも95体積%のNiFe系合金を備え得る。さらなる観点では、第1部分23aは、検知層23の厚さの約75%の厚さを備えてよく、第2部分23bは、検知層23の厚さの約25%の厚さを備える。第1部分23aと第2部分23bとの異なる厚さの比もまた企図され得る。
再び図2を参照すると、磁気抵抗素子2は、検知層23とトンネル障壁層22との間に界面層24を備え得る。界面層24は、磁気抵抗素子2のトンネル磁気抵抗(TMR)を増加させるように構成される。より詳細には、界面層24は、CoFe又はCoFeB合金を備え、1nmから3nmの間の厚さを備え得る。好ましくは、トンネル障壁層22はMgOを備える。
図6は、横方向寸法(直径)が450nmで、MgOトンネル障壁層22、SAF構造を備える基準層21、及び面内参照磁化210を備える磁気抵抗効果素子について計測した実験データを報告している。基準磁化210は反強磁性層25によって固定されている。計測は、検知層23の厚さにわたって一定の強磁性材料組成を持ち、50体積%のCoFe及びNiFeをベースとする合金(A)又は75体積%のCoFe及びNiFeをベースとする合金(B)を備える検知層23について実施された。計測は、検知層23の厚さにわたって強磁性材料組成を変化させ、トンネル障壁層22の近傍にCoFe(C)を75体積%備える検知層23についても行った。
図6は、NiFe基合金の体積割合に対してCoFe基合金の体積割合が増加すると、感度が全検知磁化230とともに減少することを示している。層厚にわたって一定の強磁性材料組成を持ち、75体積%のCoFe基合金を備える検知層23の場合、約1.75mV/V/mTの感度と、5mV/Vを中心とするオフセットシフトが計測された。検知層23が、層厚にわたって変化する強磁性材料組成を持ち、第1部分23aが約75体積%のCoFeの強磁性材料組成を備える場合、層厚にわたって一定の強磁性材料組成を持ち、75体積%のCoFeベースの合金を備える場合に計測された感度と同様の感度が計測される。しかし、はるかに低いオフセットシフト(0mV/V付近を中心とする)が計測される。
検知層23の厚さにわたって変えてある強磁性材料の組成を備える検知層23は、種々の製造方法を用いて得られる。例えば、検知層23は、連続的な合金化、多層膜の形成、非磁性材料との合金化又は積層化、非磁性材料との合金化又は積層化のような積層化と合金化の組み合わせを使用して形成できる。検知磁化230及び強磁性交換強度を低下させる1つの方法は、非磁性遷移金属による強磁性材料の希釈である。検知層23の厚さにわたる強磁性材料の組成勾配は、厚さにわたる希釈の勾配を持つ単相強磁性材料内に得られる。検知層23の好ましい製造方法には、積層及び共析が含まれる。
堆積法には、化学気相成長法(CVD、MOCVDなど)、分子線エピタキシー法(MBE)、パルスレーザー堆積法(PLD)、スパッタリング法(RFスパッタリング、DCスパッタリングなど)が含まれる。
図7に示す実施形態では、磁気センサ装置50は、複数の磁気抵抗素子2を備える。図には、磁気センサ装置50がフルブリッジ構成で配置されているが、磁気センサ装置50の他の構成、例えばハーフブリッジも考えられる。
本明細書で開示する磁気抵抗素子2は、良好な感度を持ちながら、ゼロ磁場オフセットシフトが低減されている。磁気抵抗素子2は、磁気センサ装置が高磁場にさらされた後でも、低減されたゼロ磁場オフセットシフトを備える磁気センサ装置に有利に使用できる。例えば、磁気センサ装置は、その公称性能を大きく変化させることなく、磁気信頼性試験中に使用される200mTを超える磁場のような高磁場に露呈可能である。
2 磁気抵抗素子
21 基準層
210 基準磁化
22 トンネル障壁層
23 検知層
23a 検知層の第1部分
23b 検知層の第2部分
230 検知磁化
231 コア
232 副層
232a、232b 副層
24 界面層
25 反強磁性層
50 磁気センサ装置
60 外部磁場
本発明は、外部磁場を検知するように適合され、広い線形応答と、磁気抵抗素子が高磁場にさらされた後も実質的に変化しない公称性能とを備える磁気抵抗素子に関する。本開示はさらに、前述の磁気抵抗素子を複数備える磁気センサ装置に関する。
従来の磁気抵抗センサ素子は、通常、基準磁化を備える強磁性基準層と、平均化された自由磁化を備える強磁性検知層と、基準強磁性層及び検知強磁性層の間のトンネル障壁層とを備える。基準磁化は実質的に乱されないままで、検知磁化が外部磁場中で配向できるようになっている。そのようにして、外部磁場は、磁気抵抗センサ素子の抵抗を計測することによって検知できる。抵抗値は、基準磁化に対する平均化された検知磁化の向きと大きさに依存する。
検知磁化は安定した渦構成を備え得る。渦構成では、磁化は、検知層の縁に沿って、外部磁場に従って可逆的に移動可能なコアの周りを円形経路で巻いている。渦構成は、磁気抵抗センサ素子の実用的なサイズと検知層の厚さに対して、外部磁場の大きなマグニチュード範囲において直線的で非ヒステリシス的な挙動を提供する。このように、渦構造は磁気センサ用途に有利である。
渦ベースの磁気抵抗センサは通常、低磁場、例えば100mT以下の外部磁場で動作する。渦ベースの磁気抵抗センサの性能は、高磁場にさらされた後、しばしば変化する。なぜなら、そのような高磁場は、センサ自由層の磁化を十分に飽和させ、渦の構成がもはや存在しなくなるからである。この渦の消滅又は「追い出し」は、例えば、磁気信頼性試験でよく使用される200mT超の磁場で発生する可能性がある。渦を利用した磁気抵抗センサがこのような高磁場にさらされると、低磁場におけるセンサの磁気配置の詳細が変更される可能性があり、そのため低磁場計測における精度を低下させるゼロ磁場オフセットシフトに悩まされる傾向がある。
特許文献1は、外部磁界に応答してそれぞれの第1及び第2出力信号を生成するように構成された第1及び第2磁気抵抗センサ素子を備えるセンサを開示している。第1及び第2の磁気抵抗センサ素子は勾配ユニットを形成し、磁気抵抗センサ素子の各々は渦磁化パターンを持つ検知層を備える。処理回路はセンサ素子に結合されていて、勾配ユニットの第1及び第2磁気抵抗センサ素子の第1及び第2出力信号間の差として差動出力信号を生成するように構成されている。このシステムは、外部磁界を生成するエンコーダと、1つ又はそれより多い勾配ユニットを持つセンサとを備え、勾配ユニットは、2次勾配検知構成で配置可能である。
特許文献2は、基板と基板上の積層構造を備える磁気トンネル接合装置を開示している。
特許文献3は、磁性膜の積層が、複数の強磁性層(隣り合う2層の強磁性層は非磁性層を介して反強磁性的に結合している)を含む合成反強磁性体と、強磁性を示す反転誘起層とを備えることを開示している。
特許文献4は、検知層が磁気抵抗センサ素子のトンネル磁気抵抗の温度依存性を補償する磁気抵抗センサ素子を開示している。
米国特許出願公開第2010/316890号明細書 米国特許出願公開第2009/219754号明細書 米国特許出願公開第2009/219754号明細書 欧州特許出願公開第3862769号明細書
本開示は、固定された基準磁化を備える強磁性基準層と、自由検知磁化を備える強磁性検知層との間に備わるトンネル障壁層を備える、磁気抵抗効果素子に関する。検知磁化は、強磁性材料組成を備え、印加磁場の非存在下で安定した渦構成を備える。強磁性材料組成は、検知層の検知磁化及び強磁性交換強度がトンネル障壁層から離れるよりもトンネル障壁層の近くで高くなるように、検知層の厚さにわたって変化する。
本開示はさらに、複数の磁気抵抗素子を備える磁気センサ装置に関する。
当該技術分野で知られているものに関して、本明細書で開示する磁気抵抗素子は、高い感度を持ちながら、ゼロ磁場オフセットシフトが低減されている。この磁気センサ装置は、公称性能を大きく変化させることなく、高磁場に露呈可能である。
本発明の例示的な実施形態が、本明細書に開示され、図面によって示されている。
図1は、実施形態による、検知層を備える磁気抵抗効果素子を概略的に示す。 図2は、一実施形態による、検知層の厚さにわたって組成勾配を備える強磁性材料を備える検知層を表す。 図3は、実施形態による多層構造を備える検知層を表す。 図4は、別の実施形態による、多層構造を備える検知層を表す。 図5は、さらに別の実施形態による、多層構造を備える検知層を表す。 図6は、磁気抵抗効果素子について計測した実験データである。 図7は、複数の磁気抵抗素子をフルブリッジ状に配置した磁気センサ装置を示す。
図1を参照すると、実施形態による磁気抵抗素子2が表されている。磁気抵抗素子2は、固定された基準磁化210を備える強磁性基準層21と、自由な検知磁化230を備える強磁性検知層23との間に備わるトンネル障壁層22を備える。検知磁化230は、基準磁化210が実質的に乱されないまま、その平均磁化を外部磁場60中で配向させられる外部磁場60は、磁気抵抗センサ素子2の抵抗値を計測することで検知される。抵抗値は、基準磁化210に対する検知磁化230の平均配向に依存する。
好ましい1構成では、検知磁化230は、印加磁場の非存在下で安定した渦構成を備える。この渦構造は、検知層23の縁に沿って、コア231の周りに円形の経路をたどる磁化で構成され、コアの位置は外部磁場60に従って可逆的に移動可能である。磁気抵抗センサ素子2の所与の横方向寸法に対して、検知層23の厚さは、検知層23が印加磁場のない状態で安定した渦構成の磁化を備えるように選択される。
図1の例では、基準磁化210は、基準層21の平面内で実質的に長手方向に配向している。磁気抵抗素子2は、基準層21を交換結合するように構成された基準ピン止め層25を備えてもよい。基準ピン止め層25が存在する場合、基準磁化210の配向は、基準ピン止め層25と基準層21との間の交換結合(交換バイアスの発生)によって決定される。基準ピニング層25は、反強磁性体(AFM)を備え得る。基準層21は、合成反強磁性体(SAF)を備え得る。
一実施形態では、検知層23は強磁性材料を備える、又は強磁性材料で形成される。強磁性材料の化学組成は、トンネル障壁層22に近い磁化の高い組成から、トンネル障壁層22から離れた磁化の低い組成まで、検知層23の厚さにわたって変化する。
強磁性材料の特定の化学組成は、高感度磁化230を提供する。ここで、「磁化」という表現は、「飽和磁化」又は「自発磁化」に対して区別なく使用され、飽和磁化は、最大誘導磁気モーメントの通常の意味を備える。高い検知磁化230をもたらす強磁性材料組成は、高い強磁性交換強度を提供する。強磁性交換強度は、検知磁化230を変化させることによって、ひいては強磁性材料の化学組成を変化させることによって調整できる。
検知層23の厚さにわたって強磁性材料組成が変化することにより、検知層の厚さにわたって磁気特性が変化する。ここで、検知層23は、検知層23の検知磁化230及び強磁性交換強度が、トンネル障壁層22から離れるよりもトンネル障壁層22の近くで高くなるように構成されている。
図2に示される一観点では、強磁性材料組成は、検知層23の厚さにわたって組成勾配を備える。組成勾配は、検知層23の厚さにわたって線形又は非線形であり得る。ここで、検知層23は、組成勾配を備える単一の層を備えるように形成し得る。
図3に示す別の観点では、検知層23は多層構造を備える。多層構造は、トンネル障壁層22に近く、高い磁化をもたらす化学組成を備える第1副層232aを備え得る。多層構造は、トンネル障壁層22から離れ、低い磁化をもたらす化学組成を備える第2副層232bをさらに備えてよい。
多層構造は、2つ以上の副層を備えてもよい。図4の例では、検知層23は、トンネル障壁層22に近く、高い磁化をもたらす化学組成を備える第1副層232aを備える。検知層23はさらに、トンネル障壁層22から離れ、低磁化をもたらす化学組成を持つ第2副層232bを備える。中間副層232は、第1副層232a及び第2副層232bの間に含まれる。中間副層232は、副層の厚さにわたって変化するか又は一定である強磁性材料組成を備え得る。中間副層232の強磁性材料は、第1副層232aの強磁性材料の磁化よりも低く、第2副層232bの磁化よりも高い磁化をもたらす化学組成を備え得る。
図5は、多層構造が、3つより多い副層232、232a、232bを備える検知層23を示す。強磁性材料組成は、各副層232、232a、232bの厚さにわたって一定であり得る。このような構成では、トンネル障壁層22に近い検知層23の領域とトンネル障壁層22から離れた検知層23の領域との間の強磁性材料の化学組成の変化は、異なる副層232、232a、232bの間で強磁性材料の化学組成を変化させることによって得られる。代替的に、強磁性材料の化学組成を、各副層232、232a、232bの厚さにわたって、もしくは多層構造に備わる副層232、232a、232bのうちの1層の少なくとも厚さにわたって、変えてよい。
第1副層232a及び第2副層232bの各々は、副層232a、232bの厚さにわたって一定の組成を備え得る。ここで、強磁性材料の磁化の変動は、第1副層232aがより高い磁化をもたらす化学組成を持ち、第2副層232bがより低い磁化をもたらす化学組成を備えることによって得られる。
代替的に、第1副層232a又は第2副層232bの少なくとも一方、もしくは第1副層232a及び第2副層232bの両方は、副層の厚さにわたって変調される強磁性材料組成を備え得る。
図1から図5では、トンネル障壁層22に近い検知層23の第1部分を数字23aで示し、トンネル障壁層22から離れた検知層23の第2部分23bを数字23bで示す。全ての構成において、強磁性材料の組成は、トンネル障壁層22の近く(第1部分23a)で高い磁化をもたらす組成から、トンネル障壁層22から離れたところ(第2部分23b)で低い磁化をもたらす組成まで、検知層23の厚さにわたって変えてある。
いくつかの実施形態では、検知層23の第1部分23aにおける検知磁化230は、検知層23の第2部分23bにおける検知磁化230よりも少なくとも30%高い。第1及び第2部分23a、23bは、検知層23の厚さの約3分の1に対応し得る。(図1から図5の例示的な構成のような)検知層23の構成に応じて、第1及び第2部分23a、23bは、単層で構成され得るか、又は検知層23の多層構造の1層より多い副層のうちの1層を包含し得る。
いくつかの実施形態では、基準層及び検知層21、23は、コバルト(「Co」)、鉄(「Fe」)又はニッケル(「Ni」)ベースの合金、優先的にはCoFe、NiFe又はCoFeBベースの合金のような強磁性材料を備え得るか、又はそれら強磁性材料で形成され得る。基準層21は、2nmから10nmの間の厚さを備え得る。基準及び検知磁化210、230は、層21、23の平面に実質的に平行(図1に示すように面内)であることと、層21、23の平面に実質的に垂直(面外)であることとの少なくとも一方である磁気異方性を持ち得る。
トンネル障壁22は絶縁材料を備え得る。好適な絶縁材料としては、酸化アルミニウム(例えば、Al)及び酸化マグネシウム(例えば、MgO)などの酸化物が挙げられる。トンネル障壁層22の厚さは、約1nmから約3nmのようなnmの範囲にできる。
好ましい1実施形態では、検知層23は、CoFe、NiFe又はCoFeBをベースとする合金の単独又は組み合わせを含む強磁性材料を備えるか、又はそれらから形成される。
一実施形態では、強磁性材料はCoFeとNiFe基合金を含む混合物を備え、NiFeに対するCoFeの濃度がトンネル障壁層22の近くで高く、トンネル障壁層22から離れると低くなる。一観点では、検知層23は、強磁性材料組成が、トンネル障壁層22の近傍ではNiFe基合金の濃度よりも高いCoFe基合金の濃度から、トンネル障壁層22から離れるとNiFe基合金の濃度よりも低いCoFe基合金の濃度まで、検知層23の厚さにわたって変化するように構成できる。別の観点では、NiFeに対するCoFeの濃度は、第1部分23aにおいてより高く、第2部分23bにおいてより低くできる。一観点では、第1部分23aの強磁性材料組成は、少なくとも95体積%のCoFe系合金を備え得、第2部分23bは、少なくとも95体積%のNiFe系合金を備え得る。さらなる観点では、第1部分23aは、検知層23の厚さの約75%の厚さを備えてよく、第2部分23bは、検知層23の厚さの約25%の厚さを備える。第1部分23aと第2部分23bとの異なる厚さの比もまた企図され得る。
再び図2を参照すると、磁気抵抗素子2は、検知層23とトンネル障壁層22との間に界面層24を備え得る。界面層24は、磁気抵抗素子2のトンネル磁気抵抗(TMR)を増加させるように構成される。より詳細には、界面層24は、CoFe又はCoFeB合金を備え、1nmから3nmの間の厚さを備え得る。好ましくは、トンネル障壁層22はMgOを備える。
図6は、横方向寸法(直径)が450nmで、MgOトンネル障壁層22、SAF構造を備える基準層21、及び面内参照磁化210を備える磁気抵抗効果素子について計測した実験データを報告している。基準磁化210は反強磁性層25によって固定されている。計測は、検知層23の厚さにわたって一定の強磁性材料組成を持ち、50体積%のCoFe及びNiFeをベースとする合金(A)又は75体積%のCoFe及びNiFeをベースとする合金(B)を備える検知層23について実施された。計測は、検知層23の厚さにわたって強磁性材料組成を変化させ、トンネル障壁層22の近傍にCoFe(C)を75体積%備える検知層23についても行った。
図6は、NiFe基合金の体積割合に対してCoFe基合金の体積割合が増加すると、感度が全検知磁化230とともに減少することを示している。層厚にわたって一定の強磁性材料組成を持ち、75体積%のCoFe基合金を備える検知層23の場合、約1.75mV/V/mTの感度と、5mV/Vを中心とするオフセットシフトが計測された。検知層23が、層厚にわたって変化する強磁性材料組成を持ち、第1部分23aが約75体積%のCoFeの強磁性材料組成を備える場合、層厚にわたって一定の強磁性材料組成を持ち、75体積%のCoFeベースの合金を備える場合に計測された感度と同様の感度が計測される。しかし、はるかに低いオフセットシフト(0mV/V付近を中心とする)が計測される。
検知層23の厚さにわたって変えてある強磁性材料の組成を備える検知層23は、種々の製造方法を用いて得られる。例えば、検知層23は、連続的な合金化、多層膜の形成、非磁性材料との合金化又は積層化、非磁性材料との合金化又は積層化のような積層化と合金化の組み合わせを使用して形成できる。検知磁化230及び強磁性交換強度を低下させる1つの方法は、非磁性遷移金属による強磁性材料の希釈である。検知層23の厚さにわたる強磁性材料の組成勾配は、厚さにわたる希釈の勾配を持つ単相強磁性材料内に得られる。検知層23の好ましい製造方法には、積層及び共析が含まれる。
堆積法には、化学気相成長法(CVD、MOCVDなど)、分子線エピタキシー法(MBE)、パルスレーザー堆積法(PLD)、スパッタリング法(RFスパッタリング、DCスパッタリングなど)が含まれる。
図7に示す実施形態では、磁気センサ装置50は、複数の磁気抵抗素子2を備える。図には、磁気センサ装置50がフルブリッジ構成で配置されているが、磁気センサ装置50の他の構成、例えばハーフブリッジも考えられる。
本明細書で開示する磁気抵抗素子2は、良好な感度を持ちながら、ゼロ磁場オフセットシフトが低減されている。磁気抵抗素子2は、磁気センサ装置が高磁場にさらされた後でも、低減されたゼロ磁場オフセットシフトを備える磁気センサ装置に有利に使用できる。例えば、磁気センサ装置は、その公称性能を大きく変化させることなく、磁気信頼性試験中に使用される200mTを超える磁場のような高磁場に露呈可能である。
2 磁気抵抗素子
21 基準層
210 基準磁化
22 トンネル障壁層
23 検知層
23a 検知層の第1部分
23b 検知層の第2部分
230 検知磁化
231 コア
232 副層
232a、232b 副層
24 界面層
25 反強磁性層
50 磁気センサ装置
60 外部磁場

Claims (15)

  1. 固定された基準磁化(210)を持つ強磁性基準層(21)と、自由な検知磁化(230)を持つ強磁性検知層(23)との間に備わったトンネル障壁層(22)を備える、磁気抵抗素子(2)であって、
    前記検知磁化(230)は、強磁性材料組成と、印加磁場の非存在下で安定した渦構成とを備える、前記磁気抵抗素子(2)において、
    前記検知層(23)の検知磁化(230)及び強磁性交換強度が、前記トンネル障壁層(22)から離れているところよりも前記トンネル障壁層(22)の近くで高くなるように、前記強磁性材料組成が、前記トンネル障壁層(22)の近くで高い磁化を持つ組成から前記トンネル障壁層(22)から離れるほど低い磁化を持つ組成まで、前記検知層(23)の厚さにわたって変えてあることを特徴とする、磁気抵抗素子(2)。
  2. 前記強磁性材料組成は、前記検知層(23)の厚さにわたって組成勾配を持つ、請求項1に記載の磁気抵抗素子。
  3. 前記検知層(23)は、前記トンネル障壁層(22)に近く、より高い磁化を持つ組成を持つ第1副層(232a)と、前記トンネル障壁層(22)から離れ、より低い磁化を持つ組成を持つ第2副層(232b)とを備える多層構造を備える、請求項1に記載の磁気抵抗素子。
  4. 前記多層構造が、2層より多い副層(232a、232b、232)を備える、請求項3に記載の磁気抵抗素子。
  5. 各副層(232、232a、232b)は、前記副層の厚さにわたって一定の組成を持ち、前記一定の組成が、異なる副層(232、232a、232b)の間で変わっている、請求項3又は4に記載の磁気抵抗素子。
  6. 前記副層(232、232a、232b)の少なくとも1層は、副層の厚さにわたって変わる組成を持つ、請求項3又は4に記載の磁気抵抗素子。
  7. 前記トンネル障壁層(22)に近い前記検知層(23)の第1部分(23a)の前記検知磁化(230)は、前記トンネル障壁層(22)から離れた前記検知層(23)の第2部分(23b)の前記検知磁化(230)よりも少なくとも30%高い、請求項1から6のいずれか一項に記載の磁気抵抗素子。
  8. 前記第1部分及び前記第2部分(23a、23b)は、前記検知層(23)の厚さの約3分の1に相当する、請求項7に記載の磁気抵抗素子。
  9. 前記強磁性材料は、CoFe、CoFeB又はNiFeをベースとする合金を含有する、請求項1から8のいずれか一項に記載の磁気抵抗素子。
  10. 前記強磁性材料は、CoFeとNiFeをベースとする合金を含有し、NiFeに対するCoFeの濃度は、前記トンネル障壁層(22)の近くで高く、前記トンネル障壁層(22)から離れると低くなる。請求項9に記載の磁気抵抗素子。
  11. NiFeに対するCoFeの前記濃度が、前記第1部分(23a)でより高く、前記第2部分(23b)でより低い、請求項7及び10に記載の磁気抵抗素子。
  12. 前記第1部分(23a)は、前記検知層(23)の厚さの約75%の厚さを持つ、請求項11に記載の磁気抵抗素子。
  13. 前記磁気抵抗素子が、前記検知層(23)と前記トンネル障壁層(22)の間の界面層(24)を備え、前記界面層(24)が、CoFe又はCoFeB合金を含有し、1nmから3nmの間の厚さを備える、請求項1から12のいずれか一項に記載の磁気抵抗素子。
  14. 請求項1から13のいずれか一項に記載の磁気抵抗素子(2)を複数備えた磁気センサ装置。
  15. ハーフブリッジ又はフルブリッジの構成に配置された、請求項14に記載の磁気センサ装置。
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