JP2024511370A - 共用誘導損失スケーリング係数を有する無線電力システム - Google Patents
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Abstract
無線電力システムは、無線電力送信コイルとインバータとを有する無線電力送信デバイスを有する。インバータ及び無線電力送信コイルは、無線電力信号を送信するために使用される。無線電力システムはまた、無線電力受信コイルを使用して無線電力信号を受信するように構成された無線電力受信デバイスを有する。無線電力受信デバイス内の整流器は、無線電力受信コイルからの交流信号を整流し、対応する直流電力を生成する。電力損失計算は、結合された無線電力送信機及び受信機の近傍に異物が存在する可能性があるかどうかを判定するのを助けるために使用され得る。複数のモデルの送信機及び複数のモデルの受信機を有するエコシステムでは、モデル依存性スケーリング係数は維持され、正確な電力損失推定を行うことを可能にするために、所与の結合された送信機及び受信機のペアの間で交換され得る。
Description
本出願は、2022年2月25日に出願された米国特許出願第17/681,363号、及び2021年3月30日に出願された米国仮特許出願第63/167,971号に対する優先権を主張するものであり、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は、概して、電力システムに関し、より具体的には、電子デバイスを充電するための無線電力システムに関する。
無線充電システムでは、無線電力送信デバイスは、無線電力受信デバイスに電力を無線で送信する。無線電力送信デバイスは、無線電力送信コイルを使用して無線電力信号を無線電力受信デバイスに送信する。無線電力受信デバイスは、コイルと整流器回路とを有する。無線電力受信デバイスのコイルは、無線電力送信デバイスから交流無線電力信号を受信する。整流回路は、受信した信号を直流電力に変換する。
無線電力送信デバイスは、無線電力受信デバイスに電力を無線で送信することができる。各無線電力送信デバイスにおいて、インバータ及び無線電力送信コイルが、無線電力信号を送信するために使用される。無線電力受信デバイスは、電力が送信デバイスから受信デバイスに伝送され得るように、無線電力送信デバイスに磁気結合され得る。各無線電力受信デバイスにおいて、無線電力受信コイルを使用して、ペアリングされた送信デバイスからの無線電力信号が受信される。無線電力受信デバイス内の整流器は、無線電力受信コイルからの交流信号を整流し、対応する直流電力を生成する。
電力損失計算は、結合された無線電力送信機及び受信機の近傍に異物が存在する可能性があるかどうかを判定するのを助けるために使用され得る。推定された異物電力損失値が所定の閾値未満であると判定された場合、無線電力伝送動作は正常に進行し得る。
しかしながら、推定された異物電力損失値が所定の閾値を上回ると判定された場合、異物が存在すると結論付けることができ、通常の電力伝送動作を停止すること、又は他の場合には取り止めることができる。
しかしながら、推定された異物電力損失値が所定の閾値を上回ると判定された場合、異物が存在すると結論付けることができ、通常の電力伝送動作を停止すること、又は他の場合には取り止めることができる。
複数のモデルの送信機及び複数のモデルの受信機を有するエコシステムでは、スケーリング係数は、送信機及び受信機によって維持され得る。これらのスケーリング係数は、正確な電力損失推定を行うことを可能にするために、結合された送信機-受信機ペアにおける送信機と受信機との間で交換され得る。
エコシステムスケーリング技法はまた、より一般的には、例えば、複数のタイプの送信機及び受信機を有するシステムなど、結合されたシステム内の他のタイプのランタイムモデルを調整するために使用することができる。これは、これらのモデルに依存して結合されたシステムにおける特性を計算する任意のアルゴリズムにとって有用であり得る。例として、エコシステムスケーリングは、送信機と受信機との間の結合を推定する際に、又は最大電力送達若しくは電力送達のコイル間効率を推定する際に、無線電力伝送システムにおいて使用され得る。一般に、結合されたデバイスの異なる可能な組み合わせを有する任意のエコシステムは、結合されたデバイスのための正確な結合モデルを可能にするために、実行時にスケーリング係数及び/又は他のパラメータを交換し得る。
無線電力システムは、無線電力送信デバイスを含む。無線電力送信デバイスは、無線電力受信デバイスに電力を無線で送信する。無線電力送信デバイスは、充電パック、充電マット、電力送信能力を有するポータブル電子デバイス、電力送信能力を有するリムーバブルバッテリケース、又は他の電力送信機であり得る。無線電力受信デバイスは、腕時計、携帯電話、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、リムーバブルバッテリケース、電子デバイスアクセサリ、又は他の電子機器などのデバイスであり得る。無線電力受信デバイスは、受信デバイスに電力を供給するために、及び内部バッテリを充電するために、無線電力送信デバイスからの電力を使用する。
無線電力は、無線電力送信デバイス内のインバータを使用して1つ以上の無線電力送信コイルを通して電流を駆動することによって、無線電力送信デバイスから無線電力受信デバイスに送信される。無線電力受信デバイスは、受信した無線電力信号を直流電力に変換する整流回路に結合された1つ以上の無線受電コイルを有する。
無線電力送信デバイスの無線電力送信コイルの近くにクリップ、硬貨、又は他の金属物体などの異物が存在する場合、異物内に渦電流が発生し、異物の温度が上昇する可能性がある。無線電力送信デバイスの近傍に異物が存在するかどうかを判定するために、電力損失推定が行われる。例えば、送信機における電力損失量及び受信機における電力損失量が推定される。整流器回路からの測定された出力電力をインバータへの入力電力量と比較し、推定された送信機損失及び受信機損失を減算することによって、異物によって吸収された可能性がある電力量を計算することができる。推定された異物電力が閾値よりも高い場合、電力送達を停止することができ、かつ/又は他の好適なアクションを行うことができる。
異物電力損失値を正確に推定するためには、無線電力システムにおける電力損失の様々な潜在的な原因を考慮しなければならない。電力送信機及び電力受信機によって示されるいくらかの電力損失は、送信機及び受信機の磁気特性(例えば、スイッチング損失、インバータ及び整流器内の電界効果トランジスタのドレイン-ソース抵抗に依存する損失など)とは無関係である。これらのような損失は、関連するデバイス構成要素を特徴付けることによって(例えば、製造試験及び/又は他の試験中に行われる測定を使用してトランジスタのドレイン-ソース抵抗を確認することによって)考慮することができる。
送信機及び受信機はまた、送信機及び受信機の誘導特性に依存する電力損失(例えば、結合依存性損失と呼ばれることもある、結合された送信機及び受信機の磁気特性に依存する損失、誘導損失、磁気損失、など)を示す。送信機及び受信機の磁気特性に依存する電力損失の例として、1)結合された送信コイル及び受信コイルの交流(AC)抵抗に依存するコイル損失、2)フレンドリメタル損失(friendly metal loss)(例えば、受信デバイスの金属筐体内に誘導される渦電流に起因する電力損失、及び3)異物が送信機と受信機との間に存在する場合に生じる異物損失が挙げられる。送信機及び受信機の磁気特性に依存するこれらのような電力損失は、LQK磁気パラメータに関して特徴付けられることがあり得、Lは送信コイル及び受信コイルのインダクタンスを指し、Qはコイルの品質係数を指し、Kはコイルの磁気結合を指す。
多数の異なる送信機及び受信機を有する無線電力エコシステムでは、送信機のうちの所与の1つと受信機のうちの所与の1つとの間の各ペアリングは、磁気特性の潜在的に異なるセットをもたらすことになり、それによって、結合された送信機-受信機ペアの磁気特性に依存する電力損失の正確な評価に対する課題が課される。正確な送信機及び受信機の電力損失推定を容易にするために、様々なモデルの送信機及び受信機と基準ユニット(例えば、基準送信機及び基準受信機)との間の測定を使用して、送信機及び受信機に関連付けられた磁気電力損失パラメータを判定することができる。基準送信機及び/又は基準受信機を用いて行われる測定からの特徴付け情報は、デバイスの異なる各モデルに記憶され、その後、特定のモデルの送信機が特定のモデルの受信機とペアリングされるときに正確な電力損失推定が行われることを保証するのを助けるために使用することができる。
例示的な無線電力システム(無線充電システム)を、図1に示す。図1に示すように、無線電力システム8は、無線電力送信デバイス12などの無線電力送信デバイスを含み、無線電力受信デバイス24などの無線電力受信デバイスを含む。無線電力送信デバイス12は制御回路16を含む。無線電力受信デバイス24は制御回路30を含む。制御回路16及び制御回路30などのシステム8内の制御回路は、システム8の動作を制御する際に使用される。この制御回路は、マイクロプロセッサ、電力管理ユニット、ベースバンドプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラ、及び/又は処理回路を有する特定用途向け集積回路と関連付けられた処理回路を含み得る。処理回路は、デバイス12及びデバイス24内に所望の制御及び通信機能を実施する。例えば、処理回路は、ユーザ入力の処理、デバイス12とデバイス24との間の交渉への対処、帯域内データ及び帯域外データの送信及び受信、測定の実行、電力損失の推定、電力送信レベルの判定、並びに他の場合にはシステム8の動作の制御に使用され得る。
システム8内の制御回路は、ハードウェア(例えば、専用のハードウェア又は回路)、ファームウェア及び/又はソフトウェアを使用して、システム8内で動作を実行するように構成されていてもよい。システム8内で動作を実行するためのソフトウェアコード及び他のデータは、制御回路8内の非一時的コンピュータ可読記憶媒体(例えば、有形のコンピュータ可読記憶媒体)上に記憶される。ソフトウェアコードは、ソフトウェア、データ、プログラム命令、命令、又はコードと称されることがあり得る。非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、不揮発性ランダムアクセスメモリ(Non-Volatile Random-Access Memory、NVRAM)などの不揮発性メモリ、1つ以上のハードドライブ(例えば、磁気ドライブ又はソリッドステートドライブ)、1つ以上の着脱可能フラッシュドライブ、又は他の着脱可能媒体などを含むことができる。非一時的コンピュータ可読記憶媒体に記憶されたソフトウェアは、制御回路16及び/又は30の処理回路上で実行することができる。処理回路は、処理回路を有する特定用途向け集積回路、1つ以上のマイクロプロセッサ、中央処理装置(Central Processing Unit、CPU)、又は他の処理回路を含むことができる。
電力送信デバイス12は、スタンドアロン型電力アダプタ(例えば、電力アダプタ回路を含む無線充電マット又は充電パック)であってもよく、ケーブルによって電力アダプタ若しくは他の機器に結合されている無線充電マット若しくはパックであってもよく、ポータブルデバイスであってもよく、家具、車両、若しくは他のシステムに組み込まれている機器であってもよく、リムーバブルバッテリケースであってもよく、又は他の無線電力伝送機器であってもよい。
電力受信デバイス24は、腕時計、携帯電話、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、イヤホン又は無線充電式リムーバブルバッテリケースなどの電子デバイス用のアクセサリ、又は他の電子機器などの、ポータブル電子デバイスであってもよい。電力送信デバイス12は、壁コンセント(例えば、交流電源)に結合されてもよく、電力を供給するためのバッテリを有してもよく、及び/又は別の電源を有してもよい。電力送信デバイス12は、壁コンセント又は他の電源からの交流(AC)電力を直流(DC)電力に変換するための、AC-DC電力コンバータ14などのAC-DC電力コンバータを有してもよい。DC電力を使用して、制御回路16に電力を供給することができる。動作中、制御回路16内のコントローラは、電力送信回路52を使用して、デバイス24の電力受信回路54に無線電力を送信する。電力送信回路52は、無線電力送信コイル(単数又は複数)36などの1つ以上の無線電力送信コイルを介してAC電流信号を生成するために、制御回路16によって提供される制御信号に基づいてオン及びオフされるスイッチング回路(例えば、トランジスタから形成されたインバータ回路61)を有してもよい。これらのコイル駆動信号は、コイル(単数又は複数)36に無線電力を送信させる。複数のコイル36は、(例えば、デバイス12が無線充電マットである構成では)平面状のコイルアレイで配置されてもよく、又は(例えば、デバイス12が無線充電パックである構成では)コイルのクラスタを形成するように配置されてもよい。いくつかの構成では、デバイス12(例えば、充電マット、パックなど)は、単一のコイルのみを有してもよい。他の構成では、無線充電デバイスは、複数のコイル(例えば、2個以上のコイル、2~4個のコイル、5~10個のコイル、少なくとも10個のコイル、25個未満のコイル、又は他の好適な数のコイル)を有してもよい。
AC電流が1個以上のコイル36に流れると、電力受信デバイス24内のコイル(単数又は複数)48などの1個以上の対応する受信コイルによって受信される交流電磁場(例えば、磁場)(無線電力信号44)が生成される。デバイス24は、単一のコイル48、少なくとも2個のコイル48、少なくとも3個のコイル48、少なくとも4個のコイル48、又は他の好適な数のコイル48を有してもよい。交流電磁場がコイル(単数又は複数)48によって受信されると、対応する交流電流がコイル(単数又は複数)48内に誘導される。無線電力を送信する際に使用されるAC信号は、任意の好適な周波数(例えば、100~400kHzなど)を有し得る。ブリッジネットワーク内に配置された同期整流金属酸化物半導体トランジスタなどの整流構成要素を含む、整流回路50などの整流回路は、受信したAC信号(電磁信号44に関連付けられた受信した交流信号)を、1個以上のコイル48からデバイス24に給電するためのDC電圧信号に変換する。
整流回路50によって生成されたDC電圧(整流器出力電圧Vrectと呼ばれることがある)は、バッテリ58などのバッテリを充電する際に使用することができ、デバイス24内の他の構成要素に電力を供給する際に使用することができる。例えば、デバイス24は、入出力デバイス56を含むことができる。入出力デバイス56は、ユーザ入力を収集する及び/又は環境測定を行うための入力デバイスを含むことができ、ユーザに出力を提供するための出力デバイスを含んでもよい。一例として、入出力デバイス56は、ディスプレイ、スピーカ、カメラ、タッチセンサ、周辺光センサ、並びにユーザ入力を収集し、センサ測定を行い、かつ/又はユーザに出力を提供するための他のデバイスを含むことができる。
デバイス12及び/又はデバイス24は、帯域内通信又は帯域外通信を使用して無線で通信することができる。デバイス12は、例えば、アンテナを使用して、デバイス24に帯域外信号を無線で送信する無線送受信機回路40を有してもよい。無線送受信機回路40は、アンテナを使用して、デバイス24から帯域外信号を無線で受信するために使用することができる。デバイス24は、デバイス12に帯域外信号を送信する無線送受信機回路46を有してもよい。無線送受信機46内の受信機回路は、アンテナを使用して、デバイス12から帯域外信号を受信することができる。デバイス12と24との間の帯域内送信は、コイル36及び48を使用して実行することができる。1つの例示的な構成では、周波数シフトキーイング(FSK)を使用して、デバイス12からデバイス24へ帯域内データを搬送し、振幅シフトキーイング(ASK)を使用して、デバイス24からデバイス12へ帯域内データを搬送する。これらのFSK送信及びASK送信中に、デバイス12からデバイス24に無線で電力を搬送してもよい。
制御回路16は、測定回路41を有する。測定回路41は、(例えば、無線電力送信コイルに関連付けられたコイル電圧など、デバイス12内の1つ以上の電圧を測定するための)電圧測定回路及び/又は(例えば、無線電力送信コイル電流など、1つ以上の電流を測定するための)電流測定回路を含むことができる。
制御回路30は、測定回路43を有する。測定回路43は、(例えば、無線電力送信コイルに関連付けられたコイル電圧及び/又は整流器出力電圧など、デバイス24内の1つ以上の電圧を測定するための)電圧測定回路及び/又は(例えば、無線電力受信コイル電流及び/又は整流器出力電流など、1つ以上の電流を測定するための)電流測定回路を含むことができる。
図2は、無線電力送信デバイスが無線電力受信デバイスとペアリングされている例示的なシナリオにおける、システム8内の例示的な無線電力回路を示す。図2の無線電力回路は、無線電力送信デバイス12内の無線電力送信回路52と、無線電力受信デバイス24内の無線電力受信回路54とを含む。動作中、無線電力信号44は、無線電力送信回路52によって送信され、無線電力受信回路54によって受信される。図2の構成は、(一例として)単一の送信コイル36及び単一の受信コイル48を含む。他の実装形態では、コンデンサ70上の電圧が測定され、その測定値から、コイルを通る電流が推測される。
図2に示すように、無線電力送信回路52はインバータ回路61を含む。インバータ回路(インバータ)61は、コイル36に信号を提供するために使用され得る。
無線電力送信の間、デバイス12の制御回路は、インバータ61に交流駆動信号をコイル36に供給させる信号をインバータ61の制御入力82に供給する。コンデンサ70などの回路構成要素は、図2に示すようにコイル36と直列に連結されてもよい。デバイス12内の測定回路41は、デバイス12内の動作電流及び動作電圧に関する測定を行うことができる。例えば、電圧センサ41Aを使用して、コイル36上のコイル電圧を測定することができ、電流センサ41Bを使用して、コイル36を通るコイル電流を測定することができる。
無線電力送信の間、デバイス12の制御回路は、インバータ61に交流駆動信号をコイル36に供給させる信号をインバータ61の制御入力82に供給する。コンデンサ70などの回路構成要素は、図2に示すようにコイル36と直列に連結されてもよい。デバイス12内の測定回路41は、デバイス12内の動作電流及び動作電圧に関する測定を行うことができる。例えば、電圧センサ41Aを使用して、コイル36上のコイル電圧を測定することができ、電流センサ41Bを使用して、コイル36を通るコイル電流を測定することができる。
交流電流信号が、コイル36に供給されると、対応する交流電磁信号(無線電力信号44)が無線電力受信回路54内の例示的なコイル48などの近くのコイルに送信される。これにより、コイル48内に対応する交流(AC)電流信号が誘導される。コンデンサ72のようなコンデンサは、コイル48と直列に結合することができる。整流器50は、コイル48からAC電流を受け取り、出力端子76において対応する直流電力(例えば、直流電圧Vrect)を生成する。この電力は、負荷に給電するのに使用され得る。デバイス24内の測定回路43は、デバイス24内の動作電流及び動作電圧に関する測定を行うことができる。例えば、電圧センサ43Aは、Vrect(整流器50の出力電圧)を測定することができ、又は電圧センサは、コイル48上のコイル電圧を測定することができる。電流センサ43Bは、整流器50の整流器出力電流を測定することができ、又は電流センサは、コイル48の電流を測定することができる。
測定回路41及び測定回路43によって行われた測定は、磁気損失特性(例えば、デバイス12及びデバイス24における電力損失量を特徴付け、送信機及び受信機の磁気特性に依存する係数又は他のパラメータ)を抽出するために処理され得る。これらの測定値は、各デバイス内に記憶することができ、デバイス12(及び、所望であれば、デバイス24)が、存在する可能性がある任意の異物電力損失を正確に推定する際に、この情報を使用できるように、これらの測定値をデバイス間で交換することができる。
所望であれば、これらの測定値を使用して、送信機及び受信機がどれだけ良好に無線電力を伝送することができるかを、したがって、無線電力伝送動作が正常に進行していることをユーザに通知すべきかどうかを推定することができる。例えば、これらの測定値を使用して、磁気結合係数K、無線電力伝送効率、推定された異物電力損失、及び/又は結合した送信機-受信機ペアの他の属性を推定することができる。異物電力損失を推定して異物が存在するかどうかを、したがって、無線電力伝送を進行するかどうかを判定することに加えて、又はその代わりに、システム10は、この情報(例えば、推定された異物電力損失並びに/あるいは関連する結合情報及び/又は効率情報)を使用して、無線電力送信が適切に進行していることをユーザに知らせる(例えば、異物の存在、起こり得る位置合わせ不良、又は他の要因に起因する不十分な結合の存在によってこのプロセスが妨害されなかったことをユーザに知らせる)確認メッセージをシステム10のユーザに提示すべきかどうかを判定することができる。例示的な確認メッセージとして、チャイムなどの音声出力及び/又はデバイス24上に提示される視覚出力が挙げられる。チャイムは、可聴チャイム音及び視覚的ユーザインタフェースアフォーダンス(例えば、デバイス24内のディスプレイ又は他のディスプレイ上に表示されるバッテリ充電アイコン又は他の視覚アラート)の提示に関与し得る。チャイムを提供することによって、ユーザは充電動作が正常に進行していることを再確認する(例えば、それにより、ユーザが安心してシステム8から立ち去り、充電が完了するまでデバイス12及びデバイス24を放置できる)。
一般に、システム8内のデバイス間で任意の好適な情報を交換することができ、この情報を任意の好適な方法で使用することができる。測定回路41及び測定回路43を使用して得られたものなどの測定値の交換、及び異物が存在するかどうかを判定する際のこの情報の使用は例示的なものである。
回路41及び回路43を用いた測定に続いて、システム10内の異物によって潜在的に吸収される電力量を式1を使用して求めることができる。
PFO=POUT-PIN-PLOSSTX-PLOSSRX (1)
PFO=POUT-PIN-PLOSSTX-PLOSSRX (1)
式1において、PFOは、(もしあれば)存在する異物によって吸収される電力量を表す。POUTは出力電力(例えば、整流器50の出力電力)を表し、PINは入力電力(例えば、コイル36への入力電力)を表し、PLOSSTXはデバイス12に起因する電力損失を表し、PLOSSRXはデバイス24に起因する電力損失を表す。POUT及びPINの値は、(例えば、回路41及び回路43を使用して)測定することができる。
数学的モデルを使用して、PLOSSTX及びPLOSSRXの関数表現を生成することができ、これらの表現は、回路41及び回路43を使用して得られた測定値など、測定された動作パラメータを使用して評価することができる。例えば、1つの例示的なモデリングの実施形態では、PLOSSTX及びPLOSSRXは、式2a及び式3aを使用してそれぞれ計算することができる。
PLOSSTX=b*RAIRTX*(ITX)2 (2a)
PLOSSRX=m*RAIRRX*(IRX)2+α*(IRX)2+αDC (3a)
数学的モデルを使用して、PLOSSTX及びPLOSSRXの関数表現を生成することができ、これらの表現は、回路41及び回路43を使用して得られた測定値など、測定された動作パラメータを使用して評価することができる。例えば、1つの例示的なモデリングの実施形態では、PLOSSTX及びPLOSSRXは、式2a及び式3aを使用してそれぞれ計算することができる。
PLOSSTX=b*RAIRTX*(ITX)2 (2a)
PLOSSRX=m*RAIRRX*(IRX)2+α*(IRX)2+αDC (3a)
式2a及び式3aにおいて、ITXは送信機電流(例えば、コイル電流)を表し、IRXは受信機電流(例えば、整流器出力電流、又はいくつかの実施形態では、受信機コイル電流)を表す。RAIRTX及びRAIRRXの値は、コイル36及びコイル48についてそれぞれ測定されたACコイル抵抗を表す。b、m、α、及びαDCの値は、システム8内の結合された送信機及び受信機ペアの性能を特徴付けるモデルパラメータ(磁気電力損失係数と呼ばれることもある)である。送信機電力損失PLOSSTXは、式2aのモデルにおける送信機コイル電力損失のみに起因する。受信機電力損失PLOSSRXは、受信機コイル電力損失に起因する第1の成分(式3aの第1の項)と、フレンドリメタル損失(例えば、電力が伝送されているときに受信機に誘導される渦電流に起因する損失)を表す第2の成分(式3aの末尾の2つの項からなる)とを有する。パラメータbは、送信機コイル損失パラメータ又は係数と呼ばれることがあり得る。パラメータmは、受信機コイル損失パラメータ又は係数と呼ばれることがあり得、パラメータα及びαDCは、フレンドリメタル損失パラメータ又はフレンドリメタル損失係数と呼ばれることがあり得る。パラメータb、m、α、及びαDCは、結合されたときのデバイス12とデバイス24との間の磁気相互作用に依存し、したがって、磁気損失パラメータ又は磁気損失係数と呼ばれることがあり得る。
ユーザが利用可能な複数の異なるモデルの無線電力送信デバイス(例えば、デバイス12の異なるモデル)及びユーザが利用可能な複数の異なるモデルの無線電力受信デバイス(例えば、デバイス24の異なるモデル)が存在するエコシステムでは、磁気損失パラメータは、どの特定の送信機と受信機とが一緒にペアリングされるかに応じて変化する。一例として、モデルI送信機とモデルJ受信機とがペアリングされる場合、各デバイスにおける電力損失量は、これらのデバイスが異なるデバイスとペアリングされるときに経験した電力損失量とは異なる。
これらの変動を説明し、それによって式1における異物電力損失の正確な推定を保証するために、磁気電力損失パラメータスケーリング係数(磁気電力損失係数のスケーリング係数と呼ばれることもある)が使用される。特に、複数の異なる送信機モデル及び受信機モデルを有するエコシステムにおいて不正確であり得る式2a及び式2bのPLOSSTX及びPLOSSRXのモデルは、式2b及び式3bによってそれぞれ置き換えられ得る。
PLOSSTX=gb*bR*RAIRTX*(ITX)2
(2b)
PLOSSRX=gm*mR*RAIRRX*(IRX)2+gα*αR*(IRX)2+gαDC*αRDC
(3b)
PLOSSTX=gb*bR*RAIRTX*(ITX)2
(2b)
PLOSSRX=gm*mR*RAIRRX*(IRX)2+gα*αR*(IRX)2+gαDC*αRDC
(3b)
式2bにおいて、送信機コイル損失パラメータbは、基準送信機が基準受信機に結合されたときに測定される送信機損失に関連付けられる基準送信機コイル損失値bR(送信機コイル損失係数と呼ばれることがある)によって置き換えられ、次いで、この値は、スケーリング係数gbを使用してスケーリングされる。式3bにおいて、受信機コイル損失パラメータmは、基準受信機と基準送信機とが結合されたときに測定される受信機コイル損失に関連付けられるmR(受信機コイル損失係数と呼ばれることがある)によって置き換えられ、次いで、この値は、スケーリング係数gmを使用してスケーリングされる。式3bにおいて、フレンドリメタル損失パラメータα及びαDCは、基準送信機及び基準受信機で行われた測定を使用して抽出された基準フレンドリメタル損失パラメータ(係数)α及びαRDCでそれぞれ置き換えられる。基準フレンドリメタル損失パラメータは、それぞれのスケーリング係数gα及びgαDCによってスケーリングされる。
PLOSSTX(例えば、式2b参照)及びPLOSSRX(例えば、式3b参照)を計算する際にスケーリング係数を使用することによって、どのモデルの送信機と受信機とが互いにペアリングされるかにかかわらず、式1を満足に評価することができる。
測定している送信機及び受信機を使用してそれらのスケーリングパラメータを判定することに関与する例示的な動作が、図3のフローチャートに示されている。図3の動作は、設計時に実行され、結果として生じるスケーリング係数は、生産単位で記憶される。システム8におけるパラメータのスケーリングの使用に関与する例示的な動作を、図4に示す。図4の動作は、実行時に(例えば、送信機と受信機との間での無線電力の送信に備えて送信機と受信機とがペアリングされるときに)実行される。図3及び図4の例では、特定のモデルの送信機(モデルI送信機)及び特定のモデルの受信機(例えば、モデルJ受信機)のスケーリング係数が、基準デバイス測定を使用して取得されており、次いで、モデルI送信機がモデルJ受信機とペアリングされるときに使用されると仮定される。一般に、このプロセスは、送信機の多数のモデル(モデルI以外のモデル)及び受信機の多数のモデル(モデルJ以外のモデル)に対して実行されることが予想される。更に、特徴付けられた送信機の様々な異なるモデルのいずれかは、一般に、特徴付けられた受信機の様々な異なるモデルのいずれかとユーザによってペアリングされ得る。これは、すべてのユーザが同じモデルの送信機を所有しているわけではなく、かつ、すべてのユーザが同じモデルの受信機を所有しているわけではないからである。本例では、例示的なユーザは、図4の動作中にモデルI送信機をモデルJ受信機とペアリングする。
モデルI送信機及びモデルJ受信機の磁気電力損失パラメータスケーリング係数を測定することに関与する動作が図3に示されている。ブロック90の動作中、基準無線電力受信デバイスを基準無線電力送信デバイスと(物理的に、又は有限要素解析シミュレーションペアリングなどのシミュレートされたペアリングによって)ペアリングする。物理的基準デバイスは、集中化されたソースから取得することができ、あるいは、世界的に広まっている基準設計に従って異なるデバイス製造業者によって構築され得る。ペアリングされると、基準送信機及び基準受信機は、電力を伝送し始めることができる。特に、ブロック90の動作中、基準送信機は、内部動作パラメータ(例えば、送信機及び受信機の電流及び電圧)が測定され記憶されている間に、基準受信機に無線電力信号を送信することができる。これらの測定値から、基準磁気損失パラメータが抽出される(例えば、基準磁気損失パラメータbR、mR、αR、及びαRDCの値が取得される)。物理的にペアリングされたデバイス上の測定の代わりにペアリングシミュレーションが使用されるシナリオでは、有限要素解析シミュレーションを使用して、結合された送信機-受信機ペアのLQKを判定し、次いで、回路シミュレーションを使用して、予想される電流及び電圧を判定する。次いで、これらのシミュレートされた電流及び電圧を使用して、磁気損失パラメータを判定することができる。
(物理的測定又はシミュレーションのいずれかによって)基準磁気損失パラメータを判定した後、モデルJ受信機を基準送信機とペアリングする。これらのデバイスがシミュレーションにおいてペアリングされている間、又は、これらのデバイスが物理的にペアリングされ、無線電力が基準送信機からモデルJ受信機に伝送されている間、モデルJ受信機の損失パラメータ測定値を取得することができる。特に、ブロック92の動作中、モデルJの損失パラメータ(係数)bRj、mRj、αRj、及びαRjDCを取得する。これらのパラメータの各々における「J」及びこれらのパラメータの各々におけるR(「基準」を表す)は、損失パラメータが、モデルJ受信機が基準送信機とともに動作しているシナリオに固有であることを示す。次いで、モデルJ受信機のスケーリング係数gb(式2b)を式4を使用して計算し、(例えば、製造中に、又は、後で更新を使用して)すべてのモデルJ無線電力受信デバイスに記憶することができる。
gb=bRj/bR (4)
gb=bRj/bR (4)
ブロック94の動作中、モデルI送信機を基準受信機とペアリングする。送信機動作パラメータ(例えば、電流及び電圧)が測定されている間、電力が無線で送信される。これらの測定又はシミュレーションから、モデルI送信機の磁気損失パラメータmiR、biR、αiR、及びαiRDCを取得する。次に、式5、式6、及び式7を使用して、モデルI送信機のスケーリング係数gm、gα、及びgαDCを計算する。
gm=miR/mR (5)
gα=αiR/αR (6)
gαDC=αiRDC/αRDC (7)
gm=miR/mR (5)
gα=αiR/αR (6)
gαDC=αiRDC/αRDC (7)
次いで、モデルI送信機のスケーリング係数を(例えば、製造中に、又は、後で更新を使用して)すべてのモデルI送信機に記憶する。
モデルI送信機とモデルJ受信機とがユーザによってペアリングされるシナリオにおけるモデルI送信機及びモデルJ受信機のスケーリング係数の使用に関与する例示的な動作が、図4のフローチャートに示される。
図4の動作中に、モデルI送信機からモデルJに電力を無線で伝送することを望む、モデルJ受信機及びモデルI送信機を有するユーザは、ブロック100の動作中に(例えば、ほんの一例として、モデルI充電パックをモデルJ携帯電話に磁気的に取り付けることによって)モデルI送信機とモデルJ受信機とをペアリングする。
ブロック102の動作中、モデルI送信機及びモデルJ受信機は、(例えば、低電力帯域内通信又は他の無線通信を使用して)それらのスケーリング係数などの情報を交換し、電力を伝送する。例えば、モデルJ受信機は、図3のブロック92において基準送信機を用いたモデルJ測定から取得されたスケーリング係数gmの値をモデルI送信機に送信する。モデルI送信機は、図3のブロック94において基準受信機を用いたモデルI測定から取得されたスケーリング係数gm、gα、及びgαDCの値をモデルJ受信機に送信する。
モデルI送信機からモデルJ受信機に電力を無線で伝送している間、送信機内の測定回路41及び受信機内の測定回路43は、送信機及び受信機の動作パラメータ(例えば、コイルの電流及び電圧、整流器の出力電圧及び電流など)を測定することができる。電流及び電圧の測定値は、所望であれば、(例えば、帯域内無線通信を使用して)送信機と受信機との間で交換され得る。
回路41及び回路43で測定される情報は、式2b及び式3bを使用してPLOSSRX及びPLOSSTXを計算するために、交換されたスケーリング係数と連携して使用することができる。
ブロック104の動作中に、例えば、モデルJ受信機は、整流器電流及び整流器電圧(その積はPOUTである)を測定することができ、ブロック102の動作中にモデルI送信機から受信したスケーリング係数gm、gα、及びgαDCと連携して測定値を使用して、式3bを評価し、それによってPLOSSRXを推定することができる。モデルI送信機から受信したスケーリング係数は、受信機コイル損失及びフレンドリメタル損失に関するモデルI送信機の予想される動作特性に関する情報を受信機Jに提供する。
一例として、受信機コイル損失について考察する。受信機Jが基準送信機とペアリングされる場合、スケーリング係数gmの値は1.0である。受信機は、次いで、式3bの第1の項を使用して、受信機コイル損失を求めてもよく(受信機コイル損失は、1.0*mR*RAIRRX*(IRX)2)であり、ここで、mR、RAIRRX、及び受信機電流IRXの値は、受信機に知られている。しかしながら、現在の状況では、受信機Jは基準送信機とペアリングされず、代わりに、送信機Iとペアリングされる。送信機Iは、結合された受信機において基準送信機よりも低いコイル損失を誘導するように予め決定されている可能性があり、したがって、送信機Iがブロック102中にモデルJ受信機にパスしたgmの値は、(一例として)0.9であり得る。モデルI送信機から受信した0.9のスケーリング係数値を使用して、モデルJ受信機が式3bを評価するとき、モデルJ受信機は、(基準送信機よりも少ない受信機コイル損失量を誘導することが知られているモデルI送信機の存在に起因して)いくらか低減されたPLOSSRXの値を正確に推定する。この例が実証するように、モデルI送信機から受信したスケーリング係数を使用することによって、受信機がPLOSSRXを計算するために使用する磁気損失パラメータを、モデルI送信機が基準送信機の代わりに存在することを反映するように適切にスケーリングすることができ、それによってPLOSSRXの値を推定する精度を高める。
ブロック106の動作中、モデルI送信機は、測定された送信機コイル電流ITXの測定値、bR及びRAIRTXの既知の値、並びに式2bにおける評価の際に受信機から受信したスケーリング係数gbを使用して、PLOSSTXを推定する。スケーリング係数gbは、モデルJ受信機が、基準受信機の代わりにモデルJ受信機とペアリングされた送信機における送信機コイル損失にどのように影響を及ぼすと予想されるかを反映したものである。一例として、モデルJ受信機は、ペアリングされた送信機に基準受信機よりも高い送信機コイル損失を占めさせる傾向があり得る。その結果、モデルI送信機がモデルJ受信機から受信するスケーリング係数gbの値は、(一例として)1.1であり得る。式2bを評価するとき、上昇したスケーリング係数は、モデルI送信機がモデルJ受信機に結合され、したがって、基準受信機に結合される場合よりも大きい送信機コイル損失を予想すべきであるという事実を送信機Iが説明するのに役立つ。
ブロック107の動作中、ブロック104において計算されたPLOSSRXの値をペアリングされた送信機に送信することができる。
ブロック108の動作中、システム8は、式1を使用してPFOの値を評価する(例えば、もしあれば、異物電力損失の推定が行われる)。モデルJ受信機から受信したスケーリング係数情報を使用してPLOSSTXを正確に推定し、モデルJ受信機からPLOSSRXの推定値を受信することによって、モデルI送信機は、式1についてPLOSSTXとPLOSSRXの両方を有することになる。PINの値は、送信機により、送信機コイル電流(ITX)と測定回路41からの電圧との積を計算することによって取得することができる。POUTの値は、送信機により、受信機コイル電流IRXと測定回路43から受信した整流器出力電圧との積を計算することによって、又は、受信機からPOUTを受信することによって取得することができる。
ブロック108の動作中にPFOの値を求めた後、送信機は、PFOを閾値電力損失値(TH)と比較することができる。次に、システム8によって好適なアクションを行うことができる。例えば、PFOがTH未満であると判定したことに応答して、異物が存在せず、(例えば、電力を伝送してバッテリ58を充電することができるように)電力伝送動作が正常に進行することを可能にし得ると結論付けることができる。PFOがTHより大きいと判定したことに応答して、電力伝送動作が制限され得る。実装され得る電力伝送制限の例として、すべての電力伝送動作を取り止めること及び/又は既に進行中である場合に電力伝送を停止すること、伝送され得る最大電力量を(例えば、システム10の通常の最大電力伝送能力を下回る、比較的低い所定の電力レベルに)制限すること、並びに/あるいは、ユーザに視覚アラート、聴覚アラート、及び/又は振動アラートを発行すること、が挙げられる。所望であれば、ユーザに対するアラート(例えば、異物が検出されたので電力伝送動作が正常に進行していないことをユーザに知らせる警告及び/又は他の情報コンテンツ)が、デバイス12及び/又はデバイス24内の出力デバイスを使用して提示され得る。例えば、デバイス12内の制御回路は、デバイス24内のディスプレイ上に提示される視覚アラートを発行するために、デバイス24内の制御回路と無線で通信し得る。
電力送信デバイス12及び電力受信デバイス24は、無線電力伝送を制御するために、受信電力、電力損失推定などの情報を通信することができることが望ましい。しかしながら、上述した技術は、機能するために個人特定可能な情報の送信を伴うことを必要としない。慎重を期して、この充電技術の任意の実装形態が無線電力送信機と無線電力受信機との間のデータ通信の使用に関与する限り、電力送達を制御するために通信された情報を使用しなければならず、実装者は、ユーザのプライバシーを維持するための業界若しくは政府の要件を満たしている、又は上回ると一般に認識されているプライバシーポリシー及び慣行に従うべきであることが留意される。
一実施形態によれば、無線電力受信デバイスに無線電力を提供するように構成された無線電力送信デバイスであって、無線電力信号を送信するように構成された無線電力送信コイルを有する無線電力送信回路と、制御回路であって、無線電力受信デバイスと無線電力送信デバイスとの間で交換される磁気電力損失パラメータスケーリング係数に少なくとも部分的に基づいて異物電力損失値を推定する、ように構成された制御回路と、を含む、無線電力送信デバイスが提供される。
別の実施形態によれば、制御回路は、推定された異物電力損失値に少なくとも部分的に基づいて、ユーザインタフェースアフォーダンスを提示するかどうかを判定するように更に構成される。
別の実施形態によれば、制御回路は、推定された異物電力損失値に少なくとも部分的に基づいて、異物が存在するかどうかを判定するように更に構成される。
別の実施形態によれば、無線電力受信デバイスは、所与の受信機モデルの無線電力受信デバイスを含み、磁気電力損失パラメータスケーリング係数は、1)所与の受信機モデルの受信機を基準送信機にペアリングすることによって求められる送信機コイル損失係数と、2)基準受信機を基準送信機にペアリングすることによって求められる送信機コイル損失係数との比である。
別の実施形態によれば、制御回路は、無線電力送信回路が通常の電力伝送動作を開始する前に、無線電力送信デバイスと無線電力受信デバイスとのペアリング時に磁気電力損失パラメータスケーリング係数を無線で交換するように構成される。
別の実施形態によれば、制御回路は、1)電力入力値、2)電力出力値、3)送信機電力損失値、及び4)受信機電力損失値を求めることによって、異物電力損失値を推定するように構成される。
別の実施形態によれば、受信機電力損失値は、受信機コイル損失値及びフレンドリメタル損失値に少なくとも部分的に基づいて求められる。
別の実施形態によれば、制御回路は、無線電力受信デバイスから受信機電力損失値を取得するように構成される。
別の実施形態によれば、無線電力受信デバイスは無線電力受信コイルを含み、磁気電力損失パラメータスケーリング係数は、無線電力送信コイルと無線電力受信コイルとの間の磁気結合に対する無線電力送信コイルによる電力損失の依存を反映するように送信機コイル損失係数をスケーリングするために使用される。
一実施形態によれば、無線電力送信デバイスから無線電力を取得するように構成された無線電力受信デバイスであって、無線電力受信デバイスは、無線電力信号を受信するように構成された無線電力受信コイルを有する無線電力受信回路と、少なくとも1つの磁気電力損失パラメータスケーリング係数を取得するように構成された制御回路と、を含む、無線電力受信デバイスが提供される。
別の実施形態によれば、少なくとも1つの磁気電力損失パラメータスケーリング係数は、送信機から受信した磁気電力損失パラメータスケーリング係数を含む。
別の実施形態によれば、無線電力送信デバイスは、所与の送信機モデルの無線電力送信デバイスを含み、磁気電力損失パラメータスケーリング係数は、1)所与の送信機モデルの送信機を基準受信機にペアリングすることによって求められる受信機コイル損失係数と、2)基準送信機を基準受信機にペアリングすることによって求められる受信機コイル損失係数との比である。
別の実施形態によれば、無線電力送信デバイスは、所与の送信機モデルの無線電力送信デバイスを含み、磁気電力損失パラメータスケーリング係数は、1)所与の送信機モデルの送信機を基準受信機にペアリングすることによって求められるフレンドリメタル損失係数と、2)基準送信機と基準受信機とをペアリングすることによって求められるフレンドリメタル損失係数との比である。
別の実施形態によれば、無線電力受信デバイスは、所与の受信機モデルの無線電力受信デバイスを含み、磁気電力損失パラメータスケーリング係数は、1)所与の受信機モデルの受信機を基準送信機にペアリングすることによって求められる送信機コイル損失係数と、2)基準受信機を基準送信機にペアリングすることによって求められる送信機コイル損失係数との比である。
別の実施形態によれば、制御回路は、無線電力受信コイルを使用して磁気電力損失パラメータスケーリング係数を無線電力送信デバイスに無線で送信するように構成される。
別の実施形態によれば、制御回路は、磁気電力損失パラメータスケーリング係数を使用して受信機電力損失値を求めるように構成される。
別の実施形態によれば、磁気電力損失パラメータスケーリング係数は、無線電力受信コイルを使用して無線電力送信デバイスから受信した磁気電力損失パラメータスケーリング係数を含む。
一実施形態によれば、無線電力送信デバイスから無線電力を取得するように構成された無線電力受信デバイスであって、無線電力信号を受信するように構成された無線電力受信コイルを有する無線電力受信回路と、無線電力受信コイルからの交流信号を整流し、対応する直流電力を生成するように構成された整流器と、制御回路であって、磁気電力損失パラメータスケーリング係数を使用して無線電力受信機電力損失値を推定し、推定された無線電力受信機電力損失値を無線電力送信デバイスに送信する、ように構成された制御回路と、を含む、無線電力受信デバイスが提供される。
別の実施形態によれば、磁気電力損失パラメータスケーリング係数は、無線電力送信デバイスから受信した磁気電力損失パラメータスケーリング係数を含む。
別の実施形態によれば、制御回路は、追加の磁気電力損失パラメータスケーリング係数を記憶するように構成され、かつ、追加の磁気電力損失パラメータスケーリング係数を無線電力送信デバイスに送信するように構成される。
上記は、単に例示に過ぎず、様々な修正を記載の実施形態に行ってもよい。上記の実施形態は、個々に又は任意の組み合わせで実装されてもよい。特に、どの受信機損失係数とどのスケーリング係数とをRX又はTXに記憶し、どれをランタイム中にTXとRXとの間で交換するかという点で著しい柔軟性があり得る。どの係数及びスケーリング係数を交換するかの特定の選択は、限定ではない。
Claims (20)
- 無線電力受信デバイスに無線電力を提供するように構成された無線電力送信デバイスであって、
無線電力信号を送信するように構成された無線電力送信コイルを有する無線電力送信回路と、
制御回路であって、
無線電力受信デバイスと無線電力送信デバイスとの間で交換される磁気電力損失パラメータスケーリング係数に少なくとも部分的に基づいて異物電力損失値を推定する、ように構成された制御回路と、
を備える、無線電力送信デバイス。 - 前記制御回路が、前記推定された異物電力損失値に少なくとも部分的に基づいて、ユーザインタフェースアフォーダンスを提示するかどうかを判定するように更に構成される、請求項1に記載の無線電力送信デバイス。
- 前記制御回路が、
前記推定された異物電力損失値に少なくとも部分的に基づいて、異物が存在するかどうかを判定する、
ように更に構成される、請求項1に記載の無線電力送信デバイス。 - 前記無線電力受信デバイスが、所与の受信機モデルの無線電力受信デバイスを備え、前記磁気電力損失パラメータスケーリング係数が、1)前記所与の受信機モデルの受信機を基準送信機にペアリングすることによって求められる送信機コイル損失係数と、2)基準受信機を基準送信機にペアリングすることによって求められる送信機コイル損失係数との比である、請求項1に記載の無線電力送信デバイス。
- 前記制御回路が、前記無線電力送信回路が通常の電力伝送動作を開始する前に、前記無線電力送信デバイスと前記無線電力受信デバイスとのペアリング時に前記磁気電力損失パラメータスケーリング係数を無線で交換するように構成される、請求項1に記載の無線電力送信デバイス。
- 前記制御回路が、1)電力入力値、2)電力出力値、3)送信機電力損失値、及び4)受信機電力損失値を求めることによって、前記異物電力損失値を推定するように構成される、請求項5に記載の無線電力送信デバイス。
- 前記受信機電力損失値が、受信機コイル損失値及びフレンドリメタル損失値に少なくとも部分的に基づいて求められる、請求項6に記載の無線電力送信デバイス。
- 前記制御回路が、前記無線電力受信デバイスから前記受信機電力損失値を取得するように構成される、請求項6に記載の無線電力送信デバイス。
- 前記無線電力受信デバイスが無線電力受信コイルを備え、前記磁気電力損失パラメータスケーリング係数が、前記無線電力送信コイルと前記無線電力受信コイルとの間の磁気結合に対する前記無線電力送信コイルによる電力損失の依存を反映するように送信機コイル損失係数をスケーリングするために使用される、請求項1に記載の無線電力送信デバイス。
- 無線電力送信デバイスから無線電力を取得するように構成された無線電力受信デバイスであって、
無線電力信号を受信するように構成された無線電力受信コイルを有する無線電力受信回路と、
少なくとも1つの磁気電力損失パラメータスケーリング係数を取得するように構成された制御回路と、
を備える、無線電力受信デバイス。 - 前記少なくとも1つの磁気電力損失パラメータスケーリング係数が、前記送信機から受信した磁気電力損失パラメータスケーリング係数を含む、請求項10に記載の無線電力受信デバイス。
- 前記無線電力送信デバイスが、所与の送信機モデルの無線電力送信デバイスを備え、前記磁気電力損失パラメータスケーリング係数が、1)前記所与の送信機モデルの送信機を基準受信機にペアリングすることによって求められる受信機コイル損失係数と、2)基準送信機を基準受信機にペアリングすることによって求められる受信機コイル損失係数との比である、請求項11に記載の無線電力受信デバイス。
- 前記無線電力送信デバイスが、所与の送信機モデルの無線電力送信デバイスを備え、前記磁気電力損失パラメータスケーリング係数が、1)前記所与の送信機モデルの送信機を基準受信機にペアリングすることによって求められるフレンドリメタル損失係数と、2)基準送信機と基準受信機とをペアリングすることによって求められるフレンドリメタル損失係数との比である、請求項11に記載の無線電力受信デバイス。
- 前記無線電力受信デバイスが、所与の受信機モデルの無線電力受信デバイスを備え、前記磁気電力損失パラメータスケーリング係数が、1)前記所与の受信機モデルの受信機を基準送信機にペアリングすることによって求められる送信機コイル損失係数と、2)基準受信機を基準送信機にペアリングすることによって求められる送信機コイル損失係数との比である、請求項10に記載の無線電力受信デバイス。
- 前記制御回路が、前記無線電力受信コイルを使用して前記磁気電力損失パラメータスケーリング係数を前記無線電力送信デバイスに無線で送信するように構成される、請求項10に記載の無線電力受信デバイス。
- 前記制御回路が、前記磁気電力損失パラメータスケーリング係数を使用して受信機電力損失値を求めるように構成される、請求項10に記載の無線電力受信デバイス。
- 前記磁気電力損失パラメータスケーリング係数が、前記無線電力受信コイルを使用して前記無線電力送信デバイスから受信した磁気電力損失パラメータスケーリング係数を含む、請求項16に記載の無線電力受信デバイス。
- 無線電力送信デバイスから無線電力を取得するように構成された無線電力受信デバイスであって、
無線電力信号を受信するように構成された無線電力受信コイルを有する無線電力受信回路と、
前記無線電力受信コイルからの交流信号を整流し、対応する直流電力を生成するように構成された整流器と、
制御回路であって、
磁気電力損失パラメータスケーリング係数を使用して無線電力受信機電力損失値を推定し、
前記推定された無線電力受信機電力損失値を前記無線電力送信デバイスに送信する、ように構成された制御回路と、
を備える、無線電力受信デバイス。 - 前記磁気電力損失パラメータスケーリング係数が、前記無線電力送信デバイスから受信した磁気電力損失パラメータスケーリング係数を含む、請求項18に記載の無線電力受信デバイス。
- 前記制御回路が、追加の磁気電力損失パラメータスケーリング係数を記憶するように構成され、かつ、前記追加の磁気電力損失パラメータスケーリング係数を前記無線電力送信デバイスに送信するように構成される、請求項18に記載の無線電力受信デバイス。
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