JP2024510176A - Map4k1阻害剤 - Google Patents

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ディニーン,トーマス・エイ
ミドゥトゥル,チャンドラセカール・ブイ
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
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Abstract

本開示の一実施形態は、式Iで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩である。式I中の変数は、本明細書で定義される。式Iの化合物は、MAP4K1阻害剤であり、これを使用して、MAP4K1活性の制御により利益を得る対象における疾患または障害を治療することができる。TIFF2024510176000374.tif7285【選択図】なし

Description

関連特許出願の相互参照
本出願は、2021年3月8日に出願された米国仮出願第63/157,919号、及び2021年7月14日に出願された米国仮出願63/221,710号の優先権の利益を主張し、それら両方の全体内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は、MAP4K1阻害剤、及び対象におけるMAP4K1の活性を制御するなどのMAP4K1阻害剤の使用方法に関する。
造血前駆キナーゼ1(HPK1)としても知られているMAP4K1は、造血前駆細胞(Hu,M.C.,et al.,Genes Dev,1996.10(18):p.2251-64)から最初にクローニングされた。MAP4K1は、主にT細胞、B細胞、マクロファージ、樹状細胞、好中球、及び肥満細胞などの造血細胞で発現することから、標的として特に重要である(Hu,M.C.,et al,Genes Dev,1996.10(18):p.2251-64及びKiefer,F.,et al,EMBO J,1996.15(24):p.7013-25)。MAP4K1キナーゼ活性は、T細胞受容体(TCR)(Liou,J.,et al.,Immunity,2000.12(4):p.399-408)、B細胞受容体(BCR)(Liou,J.,et al.,Immunity,2000.12(4):p.399-408)、形質転換成長因子受容体(TGF-R)(Wang,W.,et al,J Biol Chem,1997.272(36):p.22771-5及びZhou,G.,et al,J Biol Chem,1999.274(19):p.13133-8)、またはG共役型PGE受容体(EP2及びEP4)(Ikegami,R,et al,J Immunol,2001.166(7):p.4689-96)の活性化によって誘導されることが示されている。このように、MAP4K1は、様々な免疫細胞の様々な機能を調節する。
MAP4K1は、様々な免疫細胞の機能を調節するのに重要であり、自己免疫疾患及び抗腫瘍免疫に関与している(Shui,J.W.,et al,Nat Immunol,2007.8(1):p.84-91及びWang,X.,et al,J Biol Chem,2012.287(14):p.11037-48)。これらの観察を通じて、MAP4K1活性の減衰が患者の自己免疫の一因となり得ることが示唆された。さらに、MAP4K1は、T細胞依存性機序により抗腫瘍免疫を制御することも可能である。PGE2産生Lewis肺癌腫瘍モデルでは、野生型マウスと比較して、MAP4K1ノックアウトマウスにおける腫瘍の発生がより緩慢であった(US2007/0087988を参照すること)。さらに、MAP4K1欠損T細胞の養子移入は、野生型T細胞よりも腫瘍成長及び転移の制御において効果的であることが示された(Alzabin,S.,et al.,Cancer Immunol Immunother,2010.59(3):p.419-29)。同様に、MAP4K1ノックアウトマウスから得られる骨髄由来樹状細胞(BMDC)は、野生型BMDCに比べ、T細胞反応を開始してLewis肺癌を除去することにより効率的であった(Alzabin,S.,et al.,J Immunol,2009.182(10):p.6187-94)。MAP4K1キナーゼ欠損マウスから得られるデータは、MAP4K1キナーゼ活性が、CD4+、CD8+、DC、NK細胞からT調節細胞(Treg)を含む広範囲の免疫細胞にMAP4K1の抑制機能を与える上で非常に重要であり、キナーゼドメインが、強力な抗腫瘍免疫応答を引き出すために十分に不活性化されていたことを示した。Liu et al.,PLoS ONE14(3):e0212670、https://doi.org/10.1371/journal.pone.0212670。さらに、MAP4K1キナーゼ機能の欠損により、前臨床腫瘍モデルの腫瘍増殖が抑制され、MAP4K1キナーゼとPD-L1との治療的同時遮断により抗腫瘍応答が増強される。Hernandez S.et al.,Cell Reports 2018 25:p.80-94。最近提示された結果では、小分子を使用したCT-26同種移植マウスモデルにおいて腫瘍増殖が阻害されることが示されている(Seungmook,L.,Cancer research.AACR Journal,2019,Abstract 4150)。これらのデータにより、抗腫瘍免疫を増強する新規薬物標的としてMAP4K1が実証された。したがって、がん、ウイルス感染、ならびに他の疾患及び障害など、MAP4K1依存性の疾患または障害を治療するために、MAP4K1活性を調節する新規化合物が必要とされている。
本明細書では、化合物またはその薬学的に許容される塩、ならびにMAP4K1を阻害することにより、対象における免疫応答を増強させる組成物が提供される。例えば、表3に示すMAP4K1の阻害に対するIC50値は、これらの化合物がMAP4K1の強力な阻害剤であることを実証する。また、がん及びウイルス感染を治療するための、本明細書に記載の化合物及び組成物の使用方法も開示される。
本開示の一実施形態は、式Iで表される化合物、
Figure 2024510176000002
またはその薬学的に許容される塩であり、
式中、
Tは、
Figure 2024510176000003
-L-C(O)-NR1112、-L-O-C(O)-NR1112、及び-L-NR13-C(O)-R14から選択され;
環Aは、C4-6シクロアルキルまたは窒素を含む4~6員の複素環であり、当該シクロアルキルまたは当該複素環は、1~2つのRで任意選択で置換され、各Rは、独立して、CH、メトキシ、CF、CHF、及びCHFから選択され;
及びLは、それぞれ独立して、任意選択で1~2つのR15で置換されたC-Cアルキレンから選択され;
各sは、独立して、1、2、及び3から選択され;
Bは、OまたはNHであり;
Qは、NまたはCHであり;
xは、0、1、または2であり;
、及びRは、それぞれ独立して、水素、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、及び4~6員の複素環から選択され、当該アルキルは、1~2つのRで任意選択で置換され、各Rは、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、及びORから選択され;または
各Rは、独立して、C1-3アルキル、CF、CHF、及びCHFから選択され;
各Rは、独立して、C1-2アルキル、CF、CHF、及びCHFから選択され、または
同一の炭素原子に結合する2つのRは、それらが結合している炭素原子と一緒になってC3-5シクロアルキルを形成するか、もしくは2個の隣接する炭素原子に結合した2つのRは、それらが結合している2個の隣接する炭素原子と一緒になってC4-6シクロアルキルを形成し;
nは、0、1、2、3、または4であり;
は、C1-3アルキル、C3-6シクロアルキル、OC1-4アルキル、NR10、及び窒素または酸素を含む3~5員の複素環から選択され、当該アルキル、シクロアルキル、及び複素環は、1~3つのRで任意選択で置換され;
各Rは、独立して、ハロゲン、C1-3アルキル、CF、CHF、CHF、ヒドロキシル、OC1-3アルキル、OCF、OCHF、及びOCHFから選択され;
は、C1-2アルキルから選択され;
10は、C1-2アルキルから選択され;
11は、C1-3アルキルから選択され;
12は、C1-3アルキルから選択され;、またはR11及びR12は、それらが結合している窒素原子と一緒になって窒素を含む4~6員の複素環を形成し;
13は、HまたはC1-2アルキルであり;
14は、C1-3アルキルであるか、またはR13及びR14は、それらが結合している原子と一緒になって、窒素を含む4~6員の複素環を形成し;
各R15は、独立して、ハロゲン、メトキシ、及びC1-2アルキルから選択されるか、もしくは2つのR15は、それらが結合している2個の隣接する炭素原子と一緒になってシクロプロピルを形成する。
本開示の他の実施形態は、薬学的に許容される担体または賦形剤を含む医薬組成物及び本明細書に開示される化合物またはその薬学的に許容される塩である。
本開示の他の実施形態は、MAP4K1依存性障害または疾患の治療(例えば、がんの治療)を必要とする対象において、それを治療する方法であって、本明細書に開示される有効量の化合物もしくはその薬学的に許容される塩または当該化合物(複数可)を含む医薬組成物を対象に投与することを含む方法である。
本開示の他の実施形態は、MAP4K1依存性障害または疾患の治療(例えば、がんの治療)を必要とする対象において、それを治療する薬剤の調製のための、本明細書に開示される化合物もしくはその薬学的に許容される塩または当該化合物(複数可)を含む医薬組成物の使用である。
本開示の他の実施形態は、MAP4K1依存性障害または疾患の治療(例えば、がんの治療)を必要とする対象において、その治療に使用される本明細書に開示される化合物もしくはその薬学的に許容される塩または当該化合物(複数可)を含む医薬組成物である。
開示される化合物またはその薬学的に許容される塩は、MAP4K1依存性障害または疾患の治療に使用され得るMAP4K1阻害剤である。そのような疾患または障害には、がん及びウイルス感染が含まれる。
化合物の実施形態
例示的な実施形態は、以下を含む。
第1の実施形態:式Iで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩。式Iの変数は、上記の発明の概要に記載されている。
第2の実施形態:式Iで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩(式中、Tは、
Figure 2024510176000004
-L-C(O)NR11、R12、及び-L-NR13C(O)R14から選択される)。
第3の実施形態:式Iで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩(式中、Lは、-(CH-及び
Figure 2024510176000005
から選択され;Lは、-(CH-であり;R及びRは、それぞれ独立して、水素、C1-4アルキル、C3-4シクロアルキル、及び4~5員の複素環から選択され、上記のアルキルは、1つのRで任意選択で置換され;各Rは、独立して、F、Cl、ヒドロキシル、及びORから選択され;各Rは、独立して、CH、CHCH、及びCFから選択され;各Rは、CH及びCFから独立して選択され、または同一の炭素原子に結合する2つのRは、それらが結合している炭素原子と一緒になってC3-4シクロアルキルを形成し;または2個の隣接する炭素原子に結合する2つのRは、それらが結合している2個の隣接する炭素原子と一緒になってC4-5シクロアルキルを形成し;nは、1、2、3、または4であり、Rは、C1-2アルキル、C3-5シクロアルキル、OC1-3アルキル、NR10、及び窒素または酸素を含む3~5員の複素環から選択され;上記のアルキル、シクロアルキル、または複素環は、1~3つのRで任意選択で置換され;各Rは、独立して、ハロゲン、C1-2アルキル、CF、CHF、ヒドロキシル、OC1-2アルキル、OCF、及びOCHFから選択され;Rは、CHであり;R10は、CHであり;R11は、CHであり;R12は、CHであり;R13は、CHであり;R14は、CHであり;またはR13及びR14は、それらが結合している原子と一緒になって、窒素を含む5員の複素環を形成し、
Figure 2024510176000006
は、Bへの結合点を表し;
Figure 2024510176000007
は、-C(O)NR11への結合点を表し;式Iの残りの変数は、上記の第1及び/または第2の実施形態に記載されている。
第4の実施形態:式IIで表される化合物、
Figure 2024510176000008
またはその薬学的に許容される塩。式IIの変数は、上記の第1、第2、及び/または第3の実施形態に記載されている。
第5の実施形態:式IIIで表される化合物、
Figure 2024510176000009
またはその薬学的に許容される塩。式IIIの変数は、上記の第1、第2、及び/または第3の実施形態に記載されている。
第6の実施形態:式IV(A)または式IV(B)で表される化合物、
Figure 2024510176000010
またはその薬学的に許容される塩。式IV(A)及び式IV(B)の変数は、上記の第1、第2、及び/または第3の実施形態に記載されている。
第7の実施形態:式V(A)または式V(B)で表される化合物、
Figure 2024510176000011
またはその薬学的に許容される塩。式V(A)及び式V(B)の変数は、上記の第1、第2、及び/または第3の実施形態に記載されている。
第8の実施形態:式VI(A)、式VI(B)、または式VI(C)で表される化合物、
Figure 2024510176000012
またはその薬学的に許容される塩。式VI(A)、式VI(B)、及び式VI(C)の変数は、上記の第1、第2、及び/または第3の実施形態に記載されている。
第9の実施形態:式I、式II、式III、式IV(A)、式IV(B)、式V(A)、式V(B)、式VI(A)、式VI(B)、もしくは式VI(C)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩(環Aは、シクロブチレン、アゼチジニレン、及びピロリジニレンから選択され、上記のシクロブチレン、アゼチジニレン、またはピロリジニレンは、1つのRで任意選択で置換される)。式I、式II、式III、式IV(A)、式IV(B)、式V(A)、式V(B)、式VI(A)、式VI(B)、及び式VI(C)の残りの変数は、上記の第1、第2、及び/または第3の実施形態に記載されている。
第10の実施形態:式I、式II、式III、式IV(A)、式IV(B)、式V(A)、式V(B)、式VI(A)、式VI(B)、もしくは式VI(C)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩(式中、環Aは、1~2つのRで任意選択で置換されるC4-6シクロアルキルであり、Rは、NR10または窒素を含む3~5員の複素環であり、上記3~5員の複素環の環窒素は、
Figure 2024510176000013
に結合しており、上記複素環は、1~3つのRで任意選択で置換され;または環Aは、窒素を含む4~6員の複素環であり、上記4~6員の複素環の環窒素は、
Figure 2024510176000014
に結合しており、上記複素環は、1~2つのRで任意選択で置換される)。式I、式II、式III、式IV(A)、式IV(B)、式V(A)、式V(B)、式VI(A)、式VI(B)、及び式VI(C)の残りの変数は、上記の第1、第2、及び/または第3の実施形態に記載されている。
第11の実施形態:式VIIで表される化合物、
Figure 2024510176000015
またはその薬学的に許容される塩(式中、Wは、NまたはCHであり、mは、0または1である)。式VIIの残りの変数は、上記の第1、第2、及び/または第3の実施形態に記載されている。
第12の実施形態:式VII(A)または式VII(B)で表される化合物、
Figure 2024510176000016
またはその薬学的に許容される塩(式中、mは、0または1である)。式VII(A)及び式VII(B)の変数は、上記の第1、第2、及び/または第3の実施形態に記載されている。
第13の実施形態:式VII(C)で表される化合物、
Figure 2024510176000017
またはその薬学的に許容される塩(式中、mは、0または1である)。式VII(C)の残りの変数は、上記の第1、第2、及び/または第3の実施形態に記載されている。
第14の実施形態:式VIII(A)、式VIII(B)、または式VIII(C)で表される化合物、
Figure 2024510176000018
またはその薬学的に許容される塩(式中、mは、0または1である)。式VIII(A)、式VIII(B)、及び式VIII(C)の残りの変数は、上記の第1、第2、及び/または第3の実施形態に記載されている。
第15の実施形態:式IX(A)、式IX(B)、または式IX(C)で表される化合物、
Figure 2024510176000019
またはその薬学的に許容される塩。式IX(A)、式IX(B)、及び式IX(C)の変数は、上記の第1、第2、第3、及び/または第14の実施形態に記載されている。
第16の実施形態:式X(A)、式X(B)、または式X(C)で表される化合物、
Figure 2024510176000020
またはその薬学的に許容される塩。式X(A)、式X(B)、及び式X(C)の変数は、上記の第1、第2、第3、及び/または第14の実施形態に記載されている。
第17の実施形態:式I、式II、式III、式IV(A)、式IV(B)、式V(A)、式V(B)、式VI(A)、式VI(B)、式VI(C)、式VII、式VII(A)、式VII(B)、式VII(C)、式VIII(A)、式VIII(B)、式VIII(C)、式IX(A)、式IX(B)、式IX(C)、式X(A)、式X(B)、及び式X(C)のいずれか1つで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩(式中、Rは、CHである)。式I、式II、式III、式IV(A)、式IV(B)、式V(A)、式V(B)、式VI(A)、式VI(B)、式VI(C)、式VII、式VII(A)、式VII(B)、式VII(C)、式VIII(A)、式VIII(B)、式VIII(C)、式IX(A)、式IX(B)、式IX(C)、式X(A)、式X(B)、及び式X(C)の残りの変数は、上記の第1、第2、第3、第9、第10、第11、第13、及び/または第14の実施形態に記載されている。
第18の実施形態:式I、式II、式III、式IV(A)、式IV(B)、式V(A)、式V(B)、式VI(A)、式VI(B)、式VI(C)、式VII、式VII(A)、式VII(B)、式VII(C)、式VIII(A)、式VIII(B)、式VIII(C)、式IX(A)、式IX(B)、式IV(C)、式X(A)、式X(B)、及び式X(C)のいずれか1つで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩(式中、R及びRは、それぞれ独立して、水素、CH、CHCH、及びCHOCHから選択される)。式I、式II、式III、式IV(A)、式IV(B)、式V(A)、式V(B)、式VI(A)、式VI(B)、式VI(C)、式VII、式VII(A)、式VII(B)、式VII(C)、式VIII(A)、式VIII(B)、式VIII(C)、式IX(A)、式IX(B)、式IV(C)、式X(A)、式X(B)、及び式X(C)の残りの変数は、上記の第1、第2、第3、第9、第10、第11、第13、第14、及び/または第17の実施形態に記載されている。
第19の実施形態:式I、式II、式III、式IV(A)、式IV(B)、式V(A)、式V(B)、式VI(A)、式VI(B)、式VI(C)、式VII、式VII(A)、式VII(B)、式VII(C)、式VIII(A)、式VIII(B)、式VIII(C)、式IX(A)、式IX(B)、式IV(C)、式X(A)、式X(B)、及び式X(C)のいずれか1つで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩(式中、各Rは、CHであり、または同一の炭素原子に結合するRは、それらが結合している炭素原子と一緒になってシクロプロピルを形成し;nは、1、2、3、及び4である)。式I、式II、式III、式IV(A)、式IV(B)、式V(A)、式V(B)、式VI(A)、式VI(B)、式VI(C)、式VII、式VII(A)、式VII(B)、式VII(C)、式VIII(A)、式VIII(B)、式VIII(C)、式IX(A)、式IX(B)、式IV(C)、式X(A)、式X(B)、及び式X(C)の残りの変数は、上記の第1、第2、第3、第9、第10、第11、第13、第14、第17、及び/または第18の実施形態に記載されている。
第20の実施形態:式I、式II、式III、式IV(A)、式IV(B)、式V(A)、式V(B)、式VI(A)、式VI(B)、式VI(C)、式VII、式VII(A)、式VII(B)、式VII(C)、式VIII(A)、式VIII(B)、式VIII(C)、式IX(A)、式IX(B)、式IV(C)、式X(A)、式X(B)、及び式X(C)のいずれか1つで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩(式中、Rは、CH、CHCH、N(CH、OC1-2アルキル、シクロプロピル、アゼチジニル、オキセタニル、及びテトラヒドロフラニルから選択され、Rは、1~2つのRで任意選択で置換され;各Rは、独立して、F、CH、CHCH、OH、OCH、及びCFから選択される)。式I、式II、式III、式IV(A)、式IV(B)、式V(A)、式V(B)、式VI(A)、式VI(B)、式VI(C)、式VII、式VII(A)、式VII(B)、式VII(C)、式VIII(A)、式VIII(B)、式VIII(C)、式IX(A)、式IX(B)、式IV(C)、式X(A)、式X(B)、及び式X(C)の残りの変数は、上記の第1、第2、第3、第9、第10、第11、第13、第14、第17、第18、及び/または第19の実施形態に記載されている。
第21の実施形態:式I、式II、式III、式IV(A)、式IV(B)、式V(A)、式V(B)、式VI(A)、式VI(B)、式VI(C)、式VII、式VII(A)、式VII(B)、式VII(C)、式VIII(A)、式VIII(B)、式VIII(C)、式IX(A)、式IX(B)、式IV(C)、式X(A)、式X(B)、及び式X(C)のいずれか1つで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩(式中、
Figure 2024510176000021
が環炭素に結合する場合、Rは、N(CHまたはアゼチジニルであり、上記アゼチジニルは、1~2つのRで任意選択で置換され;
Figure 2024510176000022
が環窒素に結合する場合、Rは、CH、CHCH、N(CH、OC1-2アルキル、シクロプロピル、アゼチジニル、オキセタニル、及びテトラヒドロフラニルから選択され、上記CH、CHCH、OC1-2アルキル、シクロプロピル、アゼチジニル、オキセタニル、またはテトラヒドロフラニルは、1~2つのRで任意選択で置換され;各Rは、独立して、F、CH、CHCH、OH、OCH、及びCFから選択される)。式I、式II、式III、式IV(A)、式IV(B)、式V(A)、式V(B)、式VI(A)、式VI(B)、式VI(C)、式VII、式VII(A)、式VII(B)、式VII(C)、式VIII(A)、式VIII(B)、式VIII(C)、式IX(A)、式IX(B)、式IV(C)、式X(A)、式X(B)、及び式X(C)の残りの変数は、上記の第1、第2、第3、第9、第10、第11、第13、第14、第17、第18、及び/または第19の実施形態に記載されている。
第22の実施形態:式I、式II、式III、式IV(A)、式IV(B)、式V(A)、式V(B)、式VI(A)、式VI(B)、式VI(C)、式VII、式VII(A)、式VII(B)、式VII(C)、式VIII(A)、式VIII(B)、式VIII(C)、式IX(A)、式IX(B)、式IV(C)、式X(A)、式X(B)、及び式X(C)のいずれか1つで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩(式中、Rは、独立して、CH、CHCH、N(CH、OCH、OCHCH、CHOCH
Figure 2024510176000023
から選択され;
Figure 2024510176000024
は、-C(O)への結合点を表す)。式I、式II、式III、式IV(A)、式IV(B)、式V(A)、式V(B)、式VI(A)、式VI(B)、式VI(C)、式VII、式VII(A)、式VII(B)、式VII(C)、式VIII(A)、式VIII(B)、式VIII(C)、式IX(A)、式IX(B)、式IV(C)、式X(A)、式X(B)、及び式X(C)の残りの変数は、上記の第1、第2、第3、第9、第10、第11、第13、第14、第17、第18、及び/または第19の実施形態に記載されている。
第23の実施形態:式I、式II、式III、式IV(A)、式IV(B)、式V(A)、式V(B)、式VI(A)、式VI(B)、式VI(C)、式VII、式VII(A)、式VII(B)、式VII(C)、式VIII(A)、式VIII(B)、式VIII(C)、式IX(A)、式IX(B)、式IV(C)、式X(A)、式X(B)、及び式X(C)のいずれか1つで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩(式中、
Figure 2024510176000025
が環炭素に結合する場合、Rは、N(CH
Figure 2024510176000026
から選択され;
Figure 2024510176000027
が環窒素に結合する場合、Rは、CH、CHCH、N(CH、OCH、OCHCH、CHOCH
Figure 2024510176000028
から選択され、
Figure 2024510176000029
は、-C(O)への結合点を表す)。式I、式II、式III、式IV(A)、式IV(B)、式V(A)、式V(B)、式VI(A)、式VI(B)、式VI(C)、式VII、式VII(A)、式VII(B)、式VII(C)、式VIII(A)、式VIII(B)、式VIII(C)、式IX(A)、式IX(B)、式IV(C)、式X(A)、式X(B)、及び式X(C)の残りの変数は、上記の第1、第2、第3、第9、第10、第11、第13、第14、第17、第18、及び/または第19の実施形態に記載されている。
第24の実施形態:式XIで表される化合物、
Figure 2024510176000030
またはその薬学的に許容される塩(式中、Wは、NまたはCHであり;R及びRは、それぞれ独立して、水素、CH、及びCHCHから選択され;各Rは、CHであり;nは、2または3であり;Rは、CHであり;mは、0または1であり;Rは、CH、CHCH、シクロプロピル、
Figure 2024510176000031
から選択され;
Figure 2024510176000032
は、-C(O)への結合点を表す)。
第25の実施形態:式XIで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩(式中、
Figure 2024510176000033
が環窒素に結合する場合、Rは、CH、CHCH、シクロプロピル、
Figure 2024510176000034
から選択され;
Figure 2024510176000035
が環炭素に結合する場合、Rは、
Figure 2024510176000036
であり、
Figure 2024510176000037
は、-C(O)への結合点を表す)。式XIの残りの変数は、上記の第24の実施形態に記載されている。
第26の実施形態:式XII(A)または式XII(B)で表される化合物、
Figure 2024510176000038
またはその薬学的に許容される塩。式XII(A)及び式XII(B)の残りの変数は、上記の第1及び/または第3の実施形態に記載されている。
第27の実施形態:式I、式XII(A)、及び式XII(B)のいずれか1つで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩(式中、Lは、-(CH-及び
Figure 2024510176000039
から選択され;Lは、-(CH-であり、
Figure 2024510176000040
は、Bへの結合点を表し;
Figure 2024510176000041
は、-C(O)NR1112への結合点を表す)。式I、式XII(A)、及び式XII(B)の残りの変数は、上記の第1、第2、及び/または第3の実施形態に記載されている。
第28の実施形態:式I、式XII(A)、及び式XII(B)のいずれか1つで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩(式中、Rは、CHであり;Rは、CHであり;各Rは、CHであり;nは、0、1、2、または3であり;R11は、CHであり;R12は、CHであり;R13は、CHであり、R14は、CHであり;または、R13及びR14は、それらが結合している窒素原子と一緒になってピロリジノン環を形成する)。式I、式XII(A)、及び式XII(B)の残りの変数は、上記の第1、第2、第3、及び/または第27の実施形態に記載されている。
本開示には、中性形態及びその薬学的に許容される塩の両方を含む、例示的に調製された表1に示す化合物も含まれる。表1の化合物を製造するために使用される合成プロトコルは、表1の最後の列に列挙されており、それぞれの合成プロトコルの全ての詳細は、一般的な合成法及び中間体節のスキーム1~5に記載されている。
Figure 2024510176000042
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本教示には、本明細書に開示される化合物(表1及び例示に開示される化合物1~127を含む)の薬学的に許容される塩、ならびに対応する電荷中性形態、例えば遊離塩基が含まれる。
本開示の他の実施形態は、式I~III、式IV(A)、式IV(B)、式V(A)、式V(B)、式VI(A)、式VI(B)、式VI(C)、式VII、式VII(A)、式VII(B)、式VII(C)、式VIII(A)、式VIII(B)、式VIII(C)、式IX(A)、式IX(B)、式IX(C)、式X(A)、式X(B)、式X(C)、式XI、式XII(A)、及び式XII(B)の化合物、または表1もしくは例示に記載の化合物、または1つ以上の水素原子が重水素で置換される、前述のいずれかの薬学的に許容される塩である。水素が重水素で置換された部位のいずれか1つにおける重水素富化は、少なくとも50%、75%、85%、90%、95%、98%、または99%である。重水素富化は、モルパーセントで示され、富化部位における重水素で富化された化合物の数を、富化部位に水素または重水素を有する化合物の数で割ることによって得られる。
定義
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される塩」という用語は、健全な医療判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、及びアレルギー反応を伴わずにヒト及び下等動物の組織と接触しての使用に好適であり、合理的な利益/リスク比と釣り合っている薬学的塩類を指す。薬学的に許容される塩は、当該技術分野で周知である。例えば、S.M.Berge et al.,J.Pharm.Sci.(1977)66:1-19に記載されている薬学的に許容される塩が挙げられる。塩基性の基を有する本教示の化合物は、薬学的に許容される酸(複数可)と薬学的に許容される塩を形成することが可能である。本明細書に記載される化合物の好適な薬学的に許容される酸付加塩には、無機酸(塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸、及び硫酸など)塩及び有機酸(酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、メタンスルホン酸、及びp-トルエンスルホン酸など)塩が含まれる。酸性の基を有する本教示の化合物は、薬学的に許容される塩基(複数可)と薬学的に許容される塩を形成することが可能である。好適な薬学的に許容される塩基性塩には、アンモニウム塩、アルカリ金属塩(ナトリウム塩及びカリウム塩など)、及びアルカリ土類金属塩(マグネシウム塩及びカルシウム塩など)が含まれる。
単独で、または、例えば「アルコキシ」、「ヒドロキシアルキル」などのより大きな部分の一部として使用される「アルキル」という用語は、飽和脂肪族直鎖状または分枝状一価炭化水素基を意味する。特に明記しない限り、アルキル基は、典型的には、1~6個の炭素原子(Cアルキル)(すなわち、1、2、3、4、5、または6個)、あるいは1~3個の炭素原子(Cアルキル)(すなわち、1、2、または3個)を有する。「Cアルキル」は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチルなどの、直鎖状または分枝状に配置された1~6個の炭素原子を有するラジカルを意味する。
「アルキレン」という用語は、特に明記しない限り、C-Cの二価アルキル基、例えば基-(CH)n-(nは1~6である)を意味する。
「ハロゲン」または「ハロ」という用語は、フッ素もしくはフルオロ(F)、塩素もしくはクロロ(Cl)、臭素もしくはブロモ(Br)、またはヨウ素もしくはヨード(I)を意味する。
「シクロアルキル」は、飽和脂肪族環状炭化水素環ラジカルを意味する。特に明記しない限り、シクロアルキルは、3~8個の環炭素原子(Cシクロアルキル)(すなわち、3、4、5、6、7、または8個)、あるいは3~6個の環炭素原子(Cシクロアルキル)(すなわち、3、4、5、または6個)、あるいは、3~5個の炭素原子(C3-5シクロアルキル)(すなわち、3、4、または5個)を有する。「Cシクロアルキル」は、単環式環に配置された3~6個の炭素原子を有するラジカルを意味する。Cシクロアルキルには、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルが含まれる。C3-5シクロアルキルには、シクロプロピル、シクロブチル、及びシクロペンチルが含まれる。
「複素環」という用語は、特に明記しない限り、炭素原子及び1個または2個のヘテロ原子から選択される3~8個の環原子(すなわち、「3、4、5、6、7、または8員」)を含む単環式非芳香族環ラジカルを指す。各ヘテロ原子は、独立して、窒素、四級窒素、酸化窒素(例えば、NO)、酸素、ならびにスルホキシド及びスルホンを含む硫黄から選択される。例えば、窒素を含む4~6員の複素環は、2~5個の炭素原子及び1個または2個の窒素を含む単環式非芳香族環ラジカルを指しており、酸素を含む4~6員の複素環は、2~5個の炭素原子及び1個または2個の酸素を含む単環式非芳香族環ラジカルを指す。代表的な複素環には、アゼチジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピロリジノニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ヒダントイニル、バレロラクタミル、オキシラニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニルなどが含まれる。
「置換」という用語は、「任意選択で」という用語が先行するか否かにかかわらず、所与の構造中の水素置換基を非水素置換基で置き換えることを指す。したがって、例えば、置換アルキルは、アルキル基上に水素置換基の代わりに少なくとも1つの非水素置換基が存在するアルキルである。例示として、モノフルオロアルキルは、フルオロ置換基で置換されたアルキルであり、ジフルオロアルキルは、2つのフルオロ置換基で置換されたアルキルである。置換基上に2つ以上の置換がある場合、(特に明記しない限り)各非水素置換基は同一であるかまたは異なり得ることを認識されたい。
ある基が「任意選択で置換され」と記載されている場合、その基は、(1)置換されていないか、または(2)置換されているかのいずれかであり得る。
ある基が、特定の数までの非水素置換基で任意選択で置換されると記載されている場合、その基は、(1)置換されていないか、または(2)その特定の数までの非水素置換基もしくは置換基上の置換可能な位置の最大の数までの非水素置換基のうちの少ない方によって置換されているかのいずれかであり得る。したがって、例えば、ある基が、3つまでの非水素置換基で任意選択で置換されたシクロアルキルとして記載されている場合、3つ未満の置換可能な位置を有する任意のシクロアルキルは、シクロアルキルが置換可能な位置と同数までの非水素置換基によって任意選択で置換され得る。
1つ以上のキラル中心を有する化合物は、様々な立体異性体の形態で存在することができ、すなわち、各キラル中心は、RまたはS構成を有することができ、または両方の混合物であり得る。立体異性体は、空間的配置のみが異なる化合物である。立体異性体には、化合物の全てのジアステレオマー及びエナンチオマー形態が含まれる。エナンチオマーは、互いの鏡像である立体異性体である。ジアステレオマーは、同一ではなく、かつ互いの鏡像ではない2つ以上のキラル中心を有する立体異性体である。
1つ以上のキラル中心を有する化合物のキラル中心での立体化学構成が、その化学名(例えば、構成が「R」または「S」による化学名で示される場合)または構造(例えば、構成が「ウェッジ」結合で示される)で表される場合、示された構成の、反対の構成に対する富化は、50%、60%、70%、80%、90%、99%、または99.9%を超える(次の2つの段落で説明するように、「rac」または「ラセミ体」という指定が構造または名称に付随している場合を除く)。「示された構成の、反対の構成に対する富化」は、モルパーセントで示され、キラル中心(複数可)における示された立体化学的構成を有する化合物の数を、混合物中の同一のまたは反対の立体化学構成を有する全ての化合物の総数で割ることによって決定される。
化合物のキラル中心における立体化学構成が化学名(例えば、配置が「R」または「S」という名称で示されている場合)または構造(例えば、構成が「ウェッジ」結合で示される)で示され、「rac」または「ラセミ体」という指定が構造に付随しているかまたは化学名で指定されている場合、ラセミ混合物が意図される。
2つ以上の立体異性体が化学名または構造で表され、名称または構造が「または」で接続されている場合、2つ以上の立体異性体のうちのいずれか一方または他方が意図されるが、両方が意図されるわけではない。一方の立体異性体の他方に対する富化は上記の通りである。
キラル中心を有する開示された化合物が、そのキラル中心での構成を示さない構造によって表される場合、その構造は、そのキラル中心にS構成を有する化合物、そのキラル中心にR構成を有する化合物、またはそのキラル中心にR及びS構成が混在する化合物を包含することを意味する。キラル中心を有する開示された化合物が、そのキラル中心での構成を「S」または「R」で示さずに、その化学名で表される場合、その化学名は、そのキラル中心にS構成を有する化合物、そのキラル中心にR構成を有する化合物、またはそのキラル中心にR及びS構成が混在する化合物を包含することを意味する。
ラセミ混合物とは、50%の1つのエナンチオマーと50%のその対応エナンチオマーとの混合物を意味する。本教示は、本明細書に記載の化合物の全てのエナンチオマー的に純粋な、エナンチオマー的に濃縮された、ジアステレオマー的に純粋な、ジアステレオマー的に濃縮された、及びラセミ体の混合物、ならびにジアステレオマー混合物を包含する。
エナンチオマー及びジアステレオマー混合物は、キラル相ガスクロマトグラフィー、キラル相高速液体クロマトグラフィー、化合物をキラル塩錯体として結晶化すること、または化合物をキラル溶媒中で結晶化することなどの周知の方法によって、それらの成分エナンチオマーまたは立体異性体に分離し得る。エナンチオマー及びジアステレオマーはまた、ジアステレオマー的またはエナンチオマー的に純粋な中間体、試薬、及び触媒から、周知の不斉合成法によって得ることが可能である。
表1及び実施例節における「ピーク1」または「第1の溶出異性体」は、同じ先行反応からの第2の意図された反応生成物化合物よりも早く溶出する、クロマトグラフィー分離/精製から得られる、意図された反応生成化合物を指す。第2の意図された生成化合物は、「ピーク2」または「第2の溶出異性体」と称する。
化合物が単一のエナンチオマーを示す名称または構造によって指定される場合、特に明記しない限り、化合物は、少なくとも60%、70%、80%、90%、99%、または99.9%光学的に純粋である(「エナンチオマー的に純粋」とも称する)。光学純度は、命名または表されたエナンチオマーの混合物の重量を、両方のエナンチオマーの混合物の総重量で割ったものである。
開示された化合物の立体化学が構造によって命名または表され、その命名または表された構造が2つ以上の立体異性体(例えば、ジアステレオマー対の場合のように)を包含する場合、特に明記しない限り、包含される立体異性体の1つまたは含まれる立体異性体の任意の混合物が含まれることを理解されたい。この命名または表された立体異性体の立体異性体純度は、少なくとも60重量%、70重量%、80重量%、90重量%、99重量%、または99.9重量%であることをさらに理解されたい。この場合の立体異性体純度は、名称または構造に包含される立体異性体の混合物の総重量を、全ての立体異性体の混合物の総重量で割ることによって決定される。
使用実施形態
本開示の化合物は、MAP4K1阻害剤である。「阻害剤」という言葉の使用は、化合物またはその薬学的に許容される塩がMAP4K1の活性を阻害することを意味する。本明細書における「阻害する」とは、阻害剤が存在しない場合の酵素の活性と比較して、標的酵素の活性を低下させることを意味する。いくつかの代替手段において、「阻害する」という用語は、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%のMAP4K1活性の減少を意味する。他の代替手段において、阻害とは、MAP4K1活性を5%~25%、25%~50%、50~70%、75~100%減少させることを意味する。いくつかの実施形態において、阻害は、約95%~100%のMAP4K1活性の減少、例えば、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の減少を意味する。そのような減少は、in vitroキナーゼアッセイを含めて、当業者によって認識されるであろう様々な技術を使用して測定することができる。
本開示の化合物は、選択的MAP4K1阻害剤である。本明細書で使用される場合、「選択的MAP4K1阻害剤」は、他の標的よりもMAP4K1キナーゼを選択的に阻害する能力を有する化合物またはその薬学的に許容される塩を指す。より具体的には、選択的MAP4K1阻害剤は、他のキナーゼよりもMAP4K1を選択的に阻害する能力を有する。選択的MAP4K1阻害剤は、標的との直接的または間接的な相互作用を介して、オフターゲットシグナル伝達活性と比較してシグナル伝達活性を選択的に低下させる能力を有する。化合物またはその薬学的に許容される塩でMAP4K1を選択的に標的化する能力は、非選択的化合物または塩と比較して、効力の改善、オフターゲット活性の減少、及び臨床的成功の可能性の増加という点で利点を提供する。MAP4K1を選択的に阻害するMAP4K1阻害剤は、他のキナーゼと比較して少なくとも2倍(例えば、少なくとも10倍、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも30倍、少なくとも40倍の選択性、少なくとも50倍、少なくとも60倍、少なくとも70倍、少なくとも80倍、少なくとも90倍、少なくとも100倍、少なくとも125倍、少なくとも150倍、少なくとも175倍、または少なくとも200倍)の活性を有し得る。いくつかの代替手段において、選択的MAP4K1阻害剤は、他のキナーゼ、例えば、LCK及びMAP4Kファミリーメンバー(MAP4K4(HGK)及びMAP4K3(GLK))よりも少なくとも15倍の選択性を示す。いくつかの代替手段において、選択的MAP4K1阻害剤は、EGFR及びL858R/T790M EGFRよりも選択的である。いくつかの代替手段において、本開示の選択的MAP4K1阻害剤は、BTKよりも選択的である。いくつかの代替手段において、本開示の選択的MAP4K1阻害剤は、JNKよりも選択的である。
本開示は、MAP4K1活性の調節を必要とする対象において、MAP4K1活性を調節する(例えば、阻害する)方法であって、本明細書で提供される化合物またはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む、当該方法を提供する。特定の実施形態において、本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、それを必要とする対象、例えば、がん患者またはウイルス感染症の患者における免疫を増強、刺激、及び/または増加させるための治療的投与に有用である。いくつかの例において、本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、pSLP76を低減し、阻害し、または他の方法で減少させる。いくつかの例において、本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、投与前と比較して、T細胞の活性化、プライミング、遊走、増殖、生存、及び細胞溶解活性のうちの少なくとも1つを増強するための治療的投与に有用である。特定の態様において、T細胞活性化は、化合物またはその薬学的に許容される塩の投与前と比較して、T細胞によるIL-2、IFN-γ、またはグランザイムB産生のレベルの向上により特徴づけられる。いくつかの例において、本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、細胞周期または細胞生存率の変化を誘発するための治療的投与に有用である。いくつかの例において、本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、Tエフェクター細胞の機能を改善するのに有用である。
いくつかの例において、本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、T調節細胞の抑制効果を阻害するか、またはアデノシン及びPGE2を含む免疫抑制因子に対するT細胞応答を改善するのに有用である。いくつかの例において、本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、CD8+腫瘍浸潤リンパ球(TILS)の頻度を増加させるのに有用である。いくつかの例において、本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、CD3+/Treg比を向上させるのに有用である。いくつかの例において、本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、サイトカインを増強させるのに有用である。いくつかの例において、本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、IL-6に影響を与えることなくサイトカインを増強させるのに有用である。いくつかの例において、本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、がん細胞の増殖を間接的に阻害する。いくつかの例において、本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、抗ウイルス/抗腫瘍免疫を促進または生成するための腫瘍またはウイルスに対する免疫応答(すなわち、ワクチン)をプライミングするのに有用である。一例において、本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、ワクチン(がんワクチンまたは個別化がんワクチン(PCV)など)またはCAR-T細胞療法に対する応答を増強または促進するのに有用である。
MAP4K1依存性疾患または障害を治療する方法は、その治療を必要とする対象に、本明細書で提供される治療有効量の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含み得る。例えば、MAP4K1依存性疾患または障害は、がんである。「がん」という用語は、全ての形態のがん腫、黒色腫、芽細胞腫、肉腫、リンパ腫、白血病を含む全ての形態のがんを包含するが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、がんは、転移形態を含む。また、本開示は、本開示の化合物を使用して増殖が阻害され得る難治性または再発性の悪性腫瘍を含む。本明細書に記載される使用については、本開示の化合物のいずれかまたはその薬学的に許容される塩は、単独で、または他の治療剤と組み合わせて使用され得る。
いくつかの実施形態において、治療は、治療の中止後、対象において持続的な応答をもたらす。「持続的な応答」とは、治療中止後の腫瘍増殖の低減についての持続的効果を指す。例えば、腫瘍の大きさは、投与段階の開始時の大きさと比較して同じであるかまたは小さいままであり得る。いくつかの実施形態において、持続的な応答は、治療期間と少なくとも同様の期間、治療期間の少なくとも1.5倍、2.0倍、2.5倍、または3.0倍の長さを有する。
本明細書に開示される治療方法は、部分奏功または完全奏功をもたらし得る。本明細書で使用される場合、「完全奏功」または「CR」は、全ての標的病変の消失を指し、「部分奏功」または「PR」は、ベースラインSLDを基準として、標的病変の最長径(SLD)の合計の少なくとも30%減少を指し、「安定した疾患」または「SD」は、治療開始以降の最小のSLDを基準として、PRとして認定されるのに十分な標的病変の収縮でも、PDとして認定されるのに十分な増加でもないことを指す。本明細書で使用される場合、「全応答率」(ORR)は、完全奏功(CR)率及び部分奏功(PR)率の合計を指す。
本明細書に開示される治療方法により、選択的MAP4K1阻害剤が投与された対象の無増悪生存期間及び全生存期間の増加をもたらすことが可能である。本明細書で使用される場合、「無増悪生存期間」(PFS)は、治療中及び治療後の時間の長さであって、治療中の疾患(例えば、がん)が悪化しない時間の長さを指す。無増悪生存期間には、対象が完全奏効または部分奏効を経験した時間、ならびに患者が安定した疾患を経験した時間が含まれ得る。
本明細書で使用される場合、「全生存期間」(OS)は、特定期間後に生きている可能性が高い対象の、一群における割合を指す。
いくつかの実施形態において、本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩で治療可能ながんには、結腸癌、膵臓癌、乳癌、前立腺癌、肺癌、卵巣癌、子宮頸癌、腎臓癌、膀胱癌、胃癌、肝臓癌、胃癌、頭頸部癌、リンパ腫、白血病、尿路上皮癌、メルケル細胞癌、胃食道接合部癌、食道扁平上皮癌、皮膚扁平上皮癌、及び黒色腫が含まれる。
いくつかの実施形態において、本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩で治療可能ながんには、結腸癌、膵臓癌、乳癌、前立腺癌、肺癌、卵巣癌、子宮頸癌、腎臓癌、膀胱癌、胃癌、肝臓癌、頭頸部癌、リンパ腫、白血病、及び黒色腫が含まれる。
いくつかの実施形態において、本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩を使用して治療可能ながんには、前立腺癌、結腸癌、食道癌、子宮内膜癌、卵巣癌、子宮癌、腎臓癌、肝臓癌、膵臓癌、胃癌、乳癌、肺癌、頭頸部癌、甲状腺癌、脳癌、膀胱癌、及びALL、AML、CLL、CML、DLBCL、マントル細胞リンパ腫、再発性または難治性NHL及び再発性濾胞性リンパ腫を含む非ホジキンリンパ腫(NHL)、ホジキンリンパ腫などのリンパ腫、白血病(慢性型及び急性型)、及び多発性骨髄腫、ならびに骨髄増殖性疾患を含む血液癌を含む固形腫瘍が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩を使用して治療可能な疾患及び適応症には、血液癌、肉腫、呼吸器癌、消化器癌、泌尿生殖器癌、肝臓癌、骨癌、神経系癌、婦人科癌、及び皮膚癌が含まれるが、これらに限定されない。
例示的な血液癌としては、例えば、ALL、AML、急性前骨髄球性白血病(APL)、CLL、CML、DLBCL、マントル細胞リンパ腫、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫(PMBCL)、再発性または難治性NHL、再発性濾胞性リンパ腫、及び原発性CNSリンパ腫を含む非ホジキンリンパ腫(NHL)、ホジキンリンパ腫、原発性骨髄線維症(PMF)、真性多血症(PV)、本態性血小板血症(ET)、骨髄異形成症候群(MDS)を含む骨髄増殖性疾患、T細胞急性リンパ芽球性リンパ腫(T-ALL)、多発性骨髄腫、皮膚T細胞リンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、有毛細胞リンパ腫、慢性骨髄性リンパ腫、及びバーキットリンパ腫などのリンパ腫及び白血病が挙げられる。
例示的な肉腫としては、例えば、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、カポジ肉腫、骨肉腫、横紋筋肉腫、血管肉腫、線維肉腫、脂肪肉腫、粘液腫、横紋筋腫、横紋肉腫、線維腫、脂肪腫、過誤腫、軟部組織肉腫、及び奇形腫が挙げられる。
例示的な呼吸管癌としては、例えば、非小細胞肺癌(NSCLC)、小細胞肺癌、類表皮癌、扁平上皮細胞、未分化小細胞、未分化大細胞を含む気管支原性癌、腺癌、肺胞(気管支)癌、気管支腺腫、軟骨性過誤腫、中皮腫、及び胸膜肺芽腫などの肺癌が挙げられる。
例示的な消化器癌としては、例えば、扁平上皮癌、腺癌、平滑筋肉腫、及びリンパ腫を含む食道癌;癌腫、リンパ腫、及び平滑筋肉腫を含む胃癌;管腺癌、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、カルチノイド腫瘍、及びビポーマを含む膵臓癌;腺癌、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、及び線維腫を含む小腸癌;腺癌、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、及び平滑筋腫を含む大腸癌;結腸癌;及び腺癌を含む胆嚢癌;ならびに腸型及びびまん型胃腺癌、直腸癌、家族性腺腫性ポリポーシス癌、及び遺伝性非ポリポーシス結腸直腸癌が挙げられる。
例示的な泌尿生殖器癌には、例えば、腺癌、ウィルムス腫瘍[腎芽腫]、腎細胞癌、尿路上皮癌、傍糸球体細胞腫瘍(レニノーマ)、血管筋脂肪腫、腎腫瘍細胞腫、ベリニオ管癌、腎臓の明細胞肉腫、及び中胚葉性腎腫を含む腎臓癌;副腎癌;腎盂癌;移行上皮癌、扁平上皮癌、腺癌、肉腫、及び小細胞癌を含む膀胱癌;扁平上皮癌、移行上皮癌、及び腺癌を含む尿道癌;腺癌、肉腫、及び癌腫を含む前立腺癌;精上皮腫、奇形腫、胚性癌腫、奇形癌、絨毛癌、肉腫、間質細胞癌、線維腫、線維腺腫、腺腫様腫瘍、及び脂肪腫を含む精巣癌;陰茎癌;ならびに膵臓癌が挙げられる。
例示的な肝臓癌としては、例えば、肝細胞癌、胆管癌、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、胆道癌、及び血管腫を含む肝癌が挙げられる。
例示的な骨癌としては、例えば、骨原性肉腫、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、網状細胞肉腫を含む悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫瘍脊索腫、骨軟骨性外骨腫症を含む骨軟骨腫、良性軟骨腫、軟骨芽腫、軟骨粘液線維腫、類骨腫、及び巨細胞腫瘍が挙げられる。
例示的な神経系癌としては、例えば、骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、及び変形性骨炎を含む頭蓋骨癌;髄膜腫、髄膜肉腫、及び神経膠腫症を含む髄膜癌;星細胞腫、髄芽腫、神経膠腫、上衣腫、胚細胞腫(松果体腫)、神経外胚葉性腫瘍、膠芽腫、多形性膠芽腫、乏突起膠腫、神経鞘腫、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍、脳幹及び低眼球神経膠腫を含む脳癌;及び神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫、及び肉腫を含む脊髄癌;ならびに神経芽腫及びレルミット・ダクロス病が挙げられる。
例示的な婦人科癌としては、例えば、子宮内膜癌を含む子宮癌、子宮頸癌、前腫瘍子宮頸部異形成、扁平上皮癌、腺癌、腺扁平上皮癌、小細胞癌、神経内分泌腫瘍、ガラス状細胞癌、及び絨毛腺管状腺癌を含む子宮癌、卵巣癌(漿液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞腺癌、未分類癌腫、子宮内膜性腫瘍)、顆粒膜卵胞膜細胞腫、セルトリー・ライデッグ細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫、及びアレノブラストーマを含む卵巣癌;外陰部癌(扁平上皮癌、上皮内癌、腺癌、線維肉腫、黒色腫);明細胞癌、扁平上皮癌、及びボトロイド肉腫(胎児性横紋筋肉腫)を含む膣癌;陰唇癌;ならびに卵管癌が挙げられる。
例示的な皮膚癌としては、例えば、黒色腫、脂腺癌、基底細胞癌、扁平上皮癌、カポジ肉腫、メルケル細胞皮膚癌、ほくろ異形成母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、及びケロイドが挙げられる。
乳癌の例としては、例えば、ER+/HER2-乳癌、トリプルネガティブ乳癌(TNBC)、浸潤性乳管癌、浸潤性小葉癌、上皮内乳管癌、及び上皮内小葉癌が含まれる。
例示的な頭頸部癌としては、例えば、膠芽腫、黒色腫、横紋肉腫、リンパ肉腫、骨肉腫、扁平上皮癌、腺癌、口腔癌、中咽頭癌を含む咽頭癌、喉頭癌、上咽頭癌、鼻腔癌及び副鼻腔癌、唾液腺癌、口腔癌、眼癌、聴神経腫瘍、下垂体腺腫、下咽頭癌、及び甲状腺癌(延髄癌及び乳頭状癌)、ならびに副甲状腺癌が挙げられる。
他のがんには、例えば、汗腺癌、脊髄軸腫瘍、胸部癌、鎌状赤血球貧血、及びアスベストによって誘発される癌を含む環境的に誘発される癌が含まれる。
いくつかの例において、MAP4K1依存性疾患または障害は、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、ヒトパピローマウイルス(HPV)、サイトメガロウイルス(CMV)、単純ヘルペスウイルス(HSV)、エプスタインバールウイルス(EBV)、水痘帯状疱疹ウイルス、コクサッキーウイルス、及びヒト免疫不全ウイルス(HIV)によって引き起こされる感染症などのウイルス感染症である。
併用療法
本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、単独の医薬品として、またはがんを治療する1つ以上の他の抗がん剤と組み合わせて投与することができ、その組み合わせは、許容されない副作用を引き起こさない。いくつかの実施形態において、他の抗がん剤は、がん免疫療法剤、酵素/タンパク質/受容体阻害剤である抗がん剤、放射線、または化学療法である。
本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、がん免疫療法剤とともに製剤化され得る。がん免疫療法剤には、例えば、小分子薬物、抗体、または他の生物学的分子もしくは小分子が含まれる。生物学的がん免疫療法剤の例としては、がんワクチン、抗体、及びサイトカインが挙げられるが、これらに限定されない。一態様において、抗体は、モノクローナル抗体である。他の態様において、モノクローナル抗体は、ヒト化抗体またはヒト抗体である。他の態様において、抗体は、二重特異性抗体である。
一態様において、がん免疫療法剤は、T細胞上の(i)刺激性(共刺激性を含む)受容体のアゴニスト、または(ii)阻害性(共阻害性を含む)シグナルのアンタゴニストであり、両方とも、抗原特異的T細胞応答(免疫チェックポイント調節因子とよく称される)を増幅することとなる。
特定の刺激性及び阻害性分子は、免疫グロブリンスーパーファミリー(IgSF)のメンバーである。共刺激性または共阻害性受容体に結合する膜結合リガンドの1つの重要なファミリーは、B7-1、B7-2、B7-H1(PD-L1)、B7-DC(PD-L2)、B7-H2(ICOS-L)、B7-H3、B7-H4、B7-H5(VISTA)、及びB7-H6を含むB7ファミリーである。共刺激性または共阻害性受容体に結合する膜結合リガンドの他のファミリーは、CD40及びCD40L、OX-40、OX-40L、CD70、CD27L、CD30、CD30L、4-1BBL、CD137(4-1BB)、TRAIL/Apo2-L、TRAILR1/DR4、TRAILR2/DR5、TRAILR3、TRAILR4、OPG、RANK、RANKL、TWEAKR/Fnl4、TWEAK、BAFFR、EDAR、XEDAR、TACI、APRIL、BCMA、LTfiR、LIGHT、DcR3、HVEM、VEGI/TL1A、TRAMP/DR3、EDAR、EDA1、XEDAR、EDA2、TNFR1、リンホトキシンα/ΤΝΡβ、TNFR2、TNFa、LT R、リンホトキシンa1β2、FAS、FASL、RELT、DR6、TROY、NGFRを含む同族のTNF受容体ファミリーメンバーに結合する分子のTNFファミリーである。
一態様において、T細胞応答は、本開示の化合物と、(i)CTLA-4、PD-1、PD-L1、PD-L2、LAG-3、TIM-3、ガレクチン9、CEACAM-1、BTLA、CD69、ガレクチン-1、TIGIT、CD113、GPR56、VISTA、2B4、CD48、GARP、PD1H、LAIR1、TIM-1、及びTIM-4などのT細胞活性化を阻害するタンパク質のアンタゴニスト(例えば、免疫チェックポイント阻害剤)、ならびに(ii)B7-1、B7-2、CD28、4-1BB(CD137)、4-1BBL、ICOS、ICOS-L、OX40、OX40L、GITR、GITRL、CD70、CD27、CD40、DR3、及びCD28HなどのT細胞活性化を刺激するタンパク質のアゴニストのうちの1つ以上との組み合わせによって刺激され得る。
がんの治療のための、本開示の化合物と組み合わせることができる他の薬剤には、NK細胞上の阻害性受容体のアンタゴニストまたはNK細胞上の活性化受容体のアゴニストが含まれる。例えば、本開示の化合物をリリルマブなどのKIRのアンタゴニストと組み合わせることができる。
併用療法のためのさらに他の薬剤には、RG7155またはFPA-008を含むCSF-1Rアンタゴニスト抗体などのCSF-1Rアンタゴニストを含むがこれらに限定されない、マクロファージまたは単球を阻害または枯渇させる薬剤が含まれる。
他の態様において、本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、正の共刺激受容体を連結する1つ以上のアゴニスト剤、阻害性受容体を介してシグナル伝達を減弱させる遮断剤、アンタゴニスト、及び抗腫瘍T細胞の発生頻度を全身的に増加させる1つ以上の薬剤、腫瘍微小環境内の異なる免疫抑制経路を克服する薬剤(例えば、阻害性受容体の関与(例えば、PD-L1/PD-1相互作用)を遮断する、Tregを枯渇または阻害する(例えば、抗CD25モノクローナル抗体(例えば、ダクリズマブ)を使用して、またはex vivo抗CD25ビーズの枯渇による)、IDOなどの代謝酵素を阻害する、またはT細胞のアネルギーもしくは疲労を逆転/防止する)、ならびに自然免疫活性化及び/または腫瘍部位での炎症を引き起こす薬剤とともに使用することができる。
いくつかの実施形態において、がん免疫療法剤は、拮抗的CTLA-4抗体などのCTLA-4アンタゴニストである。好適なCTLA-4抗体には、例えば、YERVOY(イピリムマブ)またはトレメリムマブが含まれる。他の態様において、がん免疫療法剤は、拮抗的PD-1抗体などのPD-1アンタゴニストである。好適なPD-1抗体には、例えば、OPDIVO(ニボルマブ)、KEYTRUDA(ペムブロリズマブ)、またはMEDI-0680(AMP-514、WO2012/145493)が含まれる。がん免疫療法剤には、ピジリズマブ(CT-011)も含まれ得るが、PD-1結合に対する特異性は疑問視されている。PD-1受容体を標的とする別のアプローチは、AMP-224と称されるIgG1のFc部分に融合されたPD-L2(B7-DC)の細胞外ドメインで構成される組換えタンパク質である。
他の態様において、がん免疫療法剤は、拮抗的PD-L1抗体などのPD-L1アンタゴニストである。好適なPD-L1抗体には、例えば、TECENTRIQ(アテゾリズマブ)(RG7446、WO2010/077634)、デュルバルマブ(MEDI4736)、BMS-936559(WO2007/005874)、及びMSB0010718C(WO2013/79174)が含まれる。
他の態様において、がん免疫療法剤は、拮抗的LAG-3抗体などのLAG-3アンタゴニストである。好適なLAG3抗体には、例えば、BMS-986016(WO10/19570、WO14/08218)、またはIMP-731もしくはIMP-321(WO08/132601、WO09/44273)が含まれる。
他の態様において、がん免疫療法剤は、拮抗的CD137抗体などのCD137(4-1BB)アゴニストである。好適なCD137抗体には、例えば、ウレルマブ及びPF-05082566(W012/32433)が含まれる。
他の態様において、がん免疫療法剤は、拮抗的GITR抗体などのGITRアゴニストである。好適なGITR抗体には、例えば、BMS-986153、BMS-986156、TRX-518(WO06/105021、WO09/009116)、及びMK-4166(WO11/028683)が含まれる。
他の態様において、がん免疫療法剤は、IDOアンタゴニストである。好適なIDOアンタゴニストには、例えば、INCB-024360(WO2006/122150、WO07/75598、WO08/36653、WO08/36642)、インドキシモド、またはNLG-919(WO09/73620、WO09/1156652、WO11/56652、W012/142237)が含まれる。
他の態様において、がん免疫療法剤は、拮抗的OX40抗体などのOX40アゴニストである。好適なOX40抗体には、例えば、MEDI-6383またはMEDI-6469が含まれる。他の態様において、がん免疫療法剤は、拮抗的OX40抗体などのOX40Lアンタゴニストである。好適なOX40Lアンタゴニストには、例えば、RG-7888(WO06/029879)が含まれる。
他の態様において、がん免疫療法剤は、拮抗的CD40抗体などのCD40アゴニストである。さらに他の実施形態において、がん免疫療法剤は、拮抗的CD40抗体などのCD40アンタゴニストである。好適なCD40抗体には、例えば、ルカツムマブまたはダセツズマブが含まれる。
他の態様において、がん免疫療法剤は、拮抗的CD27抗体などのCD27アゴニストである。好適なCD27抗体には、例えば、バルリルマブが含まれる。
他の態様において、がん免疫療法剤は、MGA271(B7H3に対する)(WO11/109400)である。
本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、活性を調節する標的における異なる選好を示す、酵素/タンパク質/受容体阻害剤である抗がん剤と組み合わせて使用して、そのような病状を治療することができる。2つ以上のシグナル伝達経路(または所与のシグナル伝達経路に関与する2つ以上の生体分子)を標的とすることにより、細胞集団で発生する薬剤耐性の可能性を減らし、及び/または治療の毒性を低減し得る。
本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、1つ以上の他の酵素/タンパク質/受容体阻害剤と組み合わせてがんの治療に使用することができる。例えば、本開示の化合物は、がんの治療のために以下のキナーゼ:Akt1、Akt2、Akt3、TGF-βΡν、PKA、PKG、PKC、CaM-キナーゼ、ホスホリラーゼキナーゼ、MEKK、ERK、MAPK、mTOR、EGFR、HER2、HER3、HER4、INS-R、IGF-1R、IR-R、PDGFotR、PDGFpR、CSFIR、KIT、FLK-II、KDR/FLK-1、FLK-4、flt-1、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、c-Met、Ron、Sea、TRKA、TRKB、TRKC、FLT3、VEGFR/Flt2、Flt4、EphAl、EphA2、EphA3、EphB2、EphB4、Tie2、Src、Fyn、Lck、Fgr、Btk、Fak、SYK、FRK、JAK、ABL、ALK、及びB-Rafのうちの1つ以上の阻害剤と組み合わせることができる。
いくつかの実施形態において、本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、がんの治療のために以下の阻害剤のうちの1つ以上と組み合わせることができる。がんの治療のために本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩と組み合わせることができる阻害剤の非限定的な例としては、FGFR阻害剤(FGFR1、FGFR2、FGFR3、またはFGFR4、例えば、フィソガチニブ、AZD4547、BAY1187982、ARQ087、BGJ398、BIBF1120、TKI258、ルシタニブ、ドビチニブ、TAS-120、JJ-42756493、Debiol347、INCB54828、INCB62079、及びINCB63904)、JAK阻害剤(JAK1及び/またはJAK2、例えば、ルキソリチニブ、バリシチニブ、またはイタシチニブ(INCB39110))、IDO阻害剤(例えば、エパカドスタット及びNLG919)、LSD1阻害剤(例えば、GSK2979552、INCB59872、及びINCB60003)、TDO阻害剤、PI3K-デルタ阻害剤(例えば、INCB50797及びINCB50465)、PI3K-ガンマ選択的阻害剤などのPI3K-ガンマ阻害剤(エガネリシブ)またはデュアルPI3K-デルタ/ガンマ選択的阻害剤(デュベリシブ)、CSF1R阻害剤(例えば、PLX3397及びLY3022855)、TAM受容体チロシンキナーゼ(Tyro-3、Axl、及びMer)、血管新生阻害剤(アバスチン(ベバシズマブ)など)、インターロイキン受容体阻害剤、ブロモ及びエクストラターミナルファミリーメンバー阻害剤(例えば、ブロモドメイン阻害剤またはOTX015、CPI-0610、INCB54329、及びINCB57643などのBET阻害剤)、及びアデノシン受容体アンタゴニストまたはそれらの組み合わせが挙げられる。パノビノスタット及びボリノスタットなどのHDACの阻害剤を本開示の化合物と組み合わせることができる。オナルツムズマブ、チバントニブ、及びカプマチニブ(INC-280)などのc-Metの阻害剤を本開示の化合物と組み合わせることができる。イブルチニブなどのBTKの阻害剤を本開示の化合物と組み合わせることができる。ラパマイシン、シロリムス、テムシロリムス及びエベロリムスなどのmTORの阻害剤を本開示の化合物と組み合わせることができる。ベムラフェニブ及びダブラフェニブなどのRafの阻害剤を本開示の化合物と組み合わせることができる。トラメチニブ、セルメチニブ、及びGDC-0973などのMEKの阻害剤を本開示の化合物と組み合わせることができる。アバプリチニブ、イマチニブ、スニチニブ、レゴラフェニブ、リプリチニブ(DCC2618)、PLX9486、PLX3397、クレノラニブ、CDX-0158、CDX-0159を含むKITの阻害剤。プラルセチニブ、セルペルクチニブ、アレクチニブ、レバチニブ、カボザンチニブ、BOS172738(DS-5010)、SL-1001、TPX-0046、sitravatinib(MGCD516)、及びRXDX-105を含むRETの阻害剤。Hsp90の阻害剤(例えば、タネスピマイシン)、サイクリン依存性キナーゼの阻害剤(例えば、パルボシクリブ)、PARPの阻害剤(例えば、オラパリブ)、及びPimキナーゼの阻害剤(LGH447、INCB053914、及びSGI-1776)も、本開示の化合物と組み合わせることができる。
本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、がんの治療のために1つ以上の薬剤と組み合わせて使用することができる。いくつかの実施形態において、薬剤は、アルキル化剤、プロテアソーム阻害剤、コルチコステロイド、または免疫調節剤である。アルキル化剤の例としては、ベンダムスチン、ナイトロジェンマスタード、エチレンイミン誘導体、アルキルスルホネート、ニトロソ尿素及びトリアゼン、ウラシルマスタード、クロルメチン、シクロホスファミド(CYTOXAN)、イホスファミド、メルファラン、クロラムブシル、ピポブロマン、トリエチレンメラミン、トリエチレンチオホスホルアミン、ブスルファン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、ダカルバジン、及びテモゾロミドが挙げられる。いくつかの実施形態において、プロテアソーム阻害剤は、カルフィルゾミブである。いくつかの実施形態において、コルチコステロイドは、デキサメタゾン(DEX)である。
本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、化学療法剤などの1つ以上の抗がん剤と組み合わせて投与することができる。化学療法剤の例としては、アバレリクス、アビラテロン、アファチニブ、アフリベルセプト、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アリトレチノイン、アロプリノール、アルトレタミン、アナストロゾール、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、アクシチニブ、アザシチジン、ベバシズマブ、ベキサロテン、バリシチニブ、ビカルタミド、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ブリバニブ、ブパリシブ、ブスルファン静注、ブスルファン経口、カルステロン、カペシタビン、カルムスチン、セジラニブ、セツキシマブ、クロラムブシル、クラドリビン、クロファラビン、クリゾチニブ、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダコミチニブ、ダクチノマイシン、ダルテパリンナトリウム、ダサチニブ、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デシタビン、デガレリクス、デニロイキン、デニロイキンジフチトクス、デオキシコホルマイシン、デクスラゾキサン、ドセタキセル、ドキソルビシン、ドロロキサフィン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エクリズマブ、エンザルタミド、エピドフィロトキシン、エピルビシン、エルロチニブ、エストラムスチン、リン酸エトポシド、エトポシド、エキセメスタン、クエン酸フェンタニル、フィルグラスチム、フロクスウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル、フルタミド、フルベストラント、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ゲムツズマブ・オゾガマイシン、酢酸ゴセレリン、酢酸ヒストレリン、イブリツモマブ・チウキセタン、イダルビシン、イデラリシブ、イホスファミド、メシル酸イマチニブ、インターフェロンアルファ2a、イリノテカン、ニトシル酸ラパチニブ、レナリドマイド、レトロゾール、ロイコボリン、酢酸ロイプロリド、レバミゾール、ロムスチン、メクロレタミン、酢酸メゲストロール、メルファラン、メルカプトプリン、メトトレキサート、メトキサレン、ミトラマイシン、マイトマイシンC、ミトタン、ミトキサントロン、フェンプロピオン酸ナンドロロン、ナベルベン、ネシツムマブ、ネララビン、ネラチニブ、ニロチニブ、ニルタミド、ノフェツモマブ、オセレリン、パクリタキセル、パミドロネート、パニツムマブ、パゾパニブ、ペグアスパラガーゼ、ペグフィルグラスチム、ペメトレキセド二ナトリウム、ペントスタチン、ピララリシブ、ピポブロマン、プリカマイシン、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、ポナチニブ、プレドニゾン、プロカルバジン、キナクリン、ラスブリカーゼ、レゴラフェニブ、レロキサフィン、リツキシマブ、ルキソリチニブ、ソラフェニブ、ストレプトゾシン、スニチニブ、マレイン酸スニチニブ、タモキシフェン、テガフール、テモゾロミド、テニポシド、テストラクトン、サリドマイド、チオグアニン、チオテパ、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ、トラスツズマブ、トレチノイン、トリプトレリン、ウラシルマスタード、バルルビシン、バンデタニブ、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、ボリノスタット、及びゾレドロネートのいずれかが挙げられる。
他の抗がん剤(複数可)には、トラスツズマブ(Herceptin)などの抗体治療薬が含まれる。
本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、単独の医薬品として、または慢性ウイルス感染症を治療する1つ以上の抗ウイルス剤と組み合わせて投与することができ、その組み合わせは、許容されない副作用を引き起こさない。慢性ウイルス感染症には、C型肝炎ウイルス(HCV)、ヒトパピローマウイルス(HPV)、サイトメガロウイルス(CMV)、単純ヘルペスウイルス(HSV)、エプスタインバールウイルス(EBV)、水痘帯状疱疹ウイルス、コクサッキーウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)によって引き起こされる疾患が含まれるが、これらに限定されない。寄生虫感染症(例えば、マラリア)はまた、寄生虫感染状態を治療することが既知である化合物が抗ウイルス剤の代わりに任意選択で添加される上記の方法によって治療され得る。
本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩と組み合わせて使用することが企図される好適な抗ウイルス剤は、ヌクレオシド及びヌクレオチド逆転写酵素阻害剤(NRTI)、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NNRTI)、プロテアーゼ阻害剤、及び他の抗ウイルス薬を含み得る。
好適なNRTIの例としては、ジドブジン(AZT)、ジダノシン(ddl)、ザルシタビン(ddC)、スタブジン(d4T)、ラミブジン(3TC)、アバカビル(1592U89)、アデホビルジピボキシル[ビス(POM)-PMEA]、ロブカビル(BMS-180194)、BCH-I0652、エムトリシタビン[(-)-FTC]、ベータ-L-FD4(ベータ-L-D4Cとも呼ばれ、ベータ-L-2’,3’-ジクレオキシ-5-フルオロ-シチデンと命名されている)、DAPD、((-)-ベータ-D-2,6-ジアミノ-プリンジオキソラン)、及びロデノシン(FddA)が挙げられる。典型的な好適なNNRTIには、ネビラピン(BI-RG-587)、デラビラジン(BHAP、U-90152)、エファビレンツ(DMP-266)、PNU-142721、AG-1549、MKC-442(1-(エトキシ-メチル)-5-(1-メチルエチル)-6-(フェニルメチル)-(2,4(1H,3H)-ピリミジンジオン)、ならびに(+)-カラノリドA(NSC-675451)及びBが含まれる。典型的な好適なプロテアーゼ阻害剤には、サキナビル(Ro31-8959)、リトナビル(ABT-538)、インジナビル(MK-639)、ネルフナビル(AG-1343)、アンプレナビル(141W94)、ラシナビル(BMS-234475)、DMP-450、BMS-2322623、ABT-378、及びAG-1549が含まれる。他の抗ウイルス剤には、ヒドロキシ尿素、リバビリン、IL-2、IL-12、ペンタフシド、及びYissum Project No.11607が含まれる。
2つ以上の薬剤が対象に投与される場合、それらは、同時に、別々に、逐次的に、または組み合わせて(例えば、2つ以上の薬剤の組み合わせ)投与することができる。例えば、追加の抗がん剤または抗ウイルス剤と一緒に投与される場合、本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、同一製剤で同時に、または別々の製剤で同時に投与され得る。あるいは、追加の抗がん剤または抗ウイルス剤と一緒に投与される場合、本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、追加の抗がん剤または抗ウイルス剤の投与要件に応じて、別々の時間に投与され得る。
本明細書で提供される1つ以上の化合物(式I~III、式IV(A)、式IV(B)、式V(A)、式V(B)、式VI(A)、式VI(B)、式VI(C)、式VII、式VII(A)、式VII(B)、式VII(C)、式VIII(A)、式VIII(B)、式VIII(C)、式IX(A)、式IX(B)、式IX(C)、式X(A)、式X(B)、式X(C)、式XI、式XII(A)、及び式XII(B)の化合物など)と、典型的には、賦形剤、本開示のもの以外の既知の治療薬、及びそれらの組み合わせなどの少なくとも1つの追加の物質とを含む医薬組成物が開示される。いくつかの実施形態において、本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、上記に列挙した疾患または障害を標的とする有益な活性を有することが既知である他の薬剤と組み合わせて使用することができる。例えば、本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、単独で、または1つ以上の抗がん剤もしくは抗ウイルス剤と組み合わせて投与され得る。
「投与する」、「投与すること」、「投与」などの用語は、本明細書で使用される場合、生物学的作用を所望する部位に組成物の送達を可能にするために使用され得る方法を指す。これらの方法には、関節内(関節中)、静脈内、筋肉内、腫瘍内、皮内、腹腔内、皮下、経口、局所、髄腔内、吸入、経皮、直腸などが含まれるが、これらに限定されない。本明細書に記載の薬剤及び方法とともに用いることができる投与技法は、例えば、Goodman and Gilman,The Pharmacological Basis of Therapeutics,current ed.、Pergamon、及びRemington’s,Pharmaceutical Sciences(現行版),Mack Publishing Co.,Easton,Paに見出される。
「対象」とは、医学的治療が必要な哺乳動物、好ましくはヒトであるが、獣医学的治療を必要とする動物、例えば、コンパニオンアニマル(例えば、イヌ、ネコなど)、家畜(例えば、ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマなど)、及び実験動物(例えば、ラット、マウス、モルモットなど)であり得る。
対象に「有効量」を提供するために投与される化合物またはその薬学的に許容される塩の正確な量は、投与方法、疾患または疾状の種類及び重症度、ならびに全体的な健康、年齢、性別、体重、及び薬物に対する耐性などの対象の特徴に依存する。当業者は、これら及び他の要因に応じて適切な投薬量を決定することができるであろう。他の治療薬と組み合わせて投与される場合、例えば、抗がん剤または抗ウイルス剤と組み合わせて投与される場合、任意の追加の治療薬(複数可)の「有効量」は、使用される薬物の種類に依存するであろう。好適な用量は、承認された治療薬について既知であり、対象の病状、治療されている病状(複数可)の種類、ならびに例えば、文献で報告されており、Physician’s Desk Reference(57th ed.,2003)で推奨されている投与量に従って使用される本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩の量に応じて、当業者によって調節され得る。
「有効量」という用語は、対象に投与される際の量であって、臨床結果を含む有益なまたは望ましい結果をもたらす、例えば対照と比較して対象で治療されている状態の症状を阻害、抑制、または低減する量を意味する。例えば、治療有効量は、単位剤形で与えることができる(例えば、1日当たり0.1mg~約50g、あるいは1日当たり1mg~約5グラム、あるいは1日当たり10mg~1グラム)。
特定の投与方法及び投与計画は、症例の詳細(例えば、対象、疾患、関与する疾患状態、特定の治療、及び治療が予防的であるかどうか)を考慮して、担当医師によって選択されるであろう。治療は、数日から数ヶ月、またはさらには数年の期間にわたって、1日1回もしくは複数回、または1日1回未満(週1回もしくは月1回など)の投薬を含み得る。
本開示の医薬組成物は、意図される投与経路に適合するように製剤化される。一実施形態において、組成物は、ヒトへの静脈内、皮下、筋肉内、経口、鼻腔内、または局所投与に適合した医薬組成物として日常的な手順に従って製剤化される。好ましい実施形態において、医薬組成物は、静脈内投与用に製剤化される。
「薬学的に許容される賦形剤」及び「薬学的に許容される担体」は、対象への活性剤の製剤化及び/または投与、及び/または対象による吸収を助ける物質であって、対象に有害な毒性効果を引き起こすことなく本開示の組成物に含めることができる物質を指す。薬学的に許容される賦形剤の非限定的な例としては、水、NaCl、通常の生理食塩水、乳酸リンガー液、通常のスクロース、通常のブドウ糖、結合剤、充填剤、崩壊剤、潤滑剤、コーティング剤、甘味料、香料、食塩水(リンガー溶液など)、アルコール、油、ゼラチン、ラクトース、アミロース、またはデンプンなどの炭水化物、脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリジン、及び色素などが挙げられる。かかる調製物は、滅菌されて、所望により、本明細書で提供される化合物と有害に反応しない、またはその活性に干渉しない、潤滑剤、防腐剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響を与えるための塩、緩衝液、着色剤、及び/または芳香剤などの補助剤と混合することができる。当業者は、他の薬学的賦形剤が開示された化合物とともに使用するのに好適であることを認識するであろう。
一般的な合成方法及び中間体
本開示の化合物を調製する反応は、有機合成分野の当業者によって容易に選択され得る好適な溶媒中で実行され得る。好適な溶媒は、反応が実行される温度、例えば、溶媒の凍結温度から溶媒の沸騰温度までの範囲の温度において、出発物質(反応物)、中間体、または生成物と実質的に非反応性であり得る。所与の反応は、1つの溶媒または2つ以上の溶媒の混合物中で実行され得る。当業者は、特定の反応ステップに応じて、特定の反応ステップに好適な溶媒を選択することができる。
本開示の化合物の調製は、様々な化学基の保護及び脱保護を含み得る。保護及び脱保護の必要性、ならびに適切な保護基の選択は、当業者が容易に決定することができる。保護基の化学的性質は、例えば、Wuts and Greene,Protective Groups in Organic Synthesis,5th ed.,John Wiley&Sons:New Jersey,(2014)に見出すことができ、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。
反応は、当技術分野で知られている任意の好適な方法にしたがってモニターすることができる。例えば、生成物の形成は、核磁気共鳴(NMR)分光法(例えば、Hもしくは13C)、赤外線(IR)分光法、分光光度法(例えば、UV可視)、質量分析(MS)などの分光学的手段、または高速液体クロマトグラフィー(HPLC)もしくは薄層クロマトグラフィー(TLC)などのクロマトグラフィー法によってモニターすることができる。
Figure 2024510176000167
スキーム1は、式ivの化合物を製造するための合成プロトコルを示す。
アジド置換クロロ複素環中間体iをPd触媒カップリング条件下で置換アニリンiiとカップリングさせて、iiiを得ることができる。アジド中間体iiiを、Pd/CまたはPtOなどの触媒を用いる接触水素化条件下で還元することで、本明細書に記載されるMAP4K1阻害剤の例であるアミン化合物ivを得ることができる。
Figure 2024510176000168
スキーム2は、式viの化合物を製造するための合成プロトコルを示す。
Boc-保護アジド置換クロロ複素環中間体iをPd触媒カップリング条件下で置換アニリンiiとカップリングさせて、iiiを得ることができる。上記のスキームにおいて、中間体は、Boc保護アゼチジンであるが、他の非環式または環式Boc保護アミンであり得る。中間体iii中のBoc保護基は、HClなどの酸性条件下で除去されて、アミン中間体ivを得ることができる。中間体ivのアミン基を、HATUなどのアミドカップリング条件下で置換カルボン酸とカップリングさせるか、または置換酸塩化物とカップリングさせて、中間体vを得ることができる。中間体vのアジド基をPd/CまたはPtOなどの触媒を用いる接触水素化条件下で還元することで、本明細書に記載されるMAP4K1阻害剤の例であるアミン化合物viを得ることができる。
Figure 2024510176000169
スキーム3は、式ivの化合物を製造するための合成プロトコルを示す。
スルフィンアミド置換クロロ複素環中間体iをPd触媒カップリング条件下で置換アニリンiiとカップリングさせて、iiiを得ることができる。中間体iiiのスルフィンアミド基を、HClなどの酸性条件下でアミンに変換することで、本明細書に記載されるMAP4K1阻害剤の例であるアミン化合物ivを得ることができる。
Figure 2024510176000170
スキーム4は、式viiの化合物を製造するための合成プロトコルを示す。
ジクロロ複素環中間体iをSnAr条件下でアルコールまたはアミン中間体iiにより処理することで、エステル置換クロロ複素環中間体iiiを得ることができる。中間体iiiをPd触媒カップリング条件下で置換アニリンivとカップリングさせてvを得ることができる。vのエステル基は、水酸化リチウムなどの水酸化物塩基を用いて加水分解されて、カルボン酸置換中間体viを得ることができる。中間体viのカルボン酸を第一級及び第二級アミンと結合させてアミド化合物viを得ることができる。中間体vのアジド基を、Pd/CまたはPtOなどの触媒を用いる接触水素化条件下で還元することで、本明細書に記載されるMAP4K1阻害剤の例であるアミン化合物viiを得ることができる。
Figure 2024510176000171
スキーム5は、式ivの化合物を製造するための合成プロトコルを示す。
Cbz保護アゼチジンをも含むスルフィンアミド置換クロロ複素環中間体iを、Pd触媒カップリング条件下で置換アニリンiiとカップリングさせて、反応条件下でCbzをも除去したiiiを得ることができる。中間体iiiのアミン基を、HATUなどのアミドカップリング条件下で置換カルボン酸とカップリングさせるか、または置換酸塩化物とカップリングさせて、中間体ivを得ることができる。中間体ivのスルフィンアミド基を、HClなどの酸性条件下でアミンに変換することで、本明細書に記載されるMAP4K1阻害剤の例であるアミン化合物vを得ることができる。
以下の実施例は、例示を意図するものであり、いかなる意味においても限定を意図するものではない。
略語
ACN アセトニトリル
ATP アデノシン三リン酸
BOCO 二炭酸ジ-tert-ブチル
BrettPhos ジシクロヘキシル(2’,4’,6’-トリイソプロピル-3,6-ジメトキシ-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)ホスフィン
t-BuONO 亜硝酸tert-ブチル
C 摂氏
DBU ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン
DCE ジクロロエタン
DCM ジクロロメタン
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DMBNH 2,4-ジメトキシベンジルアミン
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
DTT ジチオスレイトール
EA 酢酸エチル
EDCI 1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
EDTA エチレンジアミン四酢酸
FA ギ酸
h 時間
HATU 1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスファート
HEPES 4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸
HOBT ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
IBX 2-ヨード安息香酸
IC50 50%阻害濃度
IPA イソプロパノール
KF フッ化カリウム
LiHMDS リチウムビス(トリメチルシリル)アミド
min 分
MTBE メチルtert-ブチルエーテル
MeCN アセトニトリル
MeI ヨウ化メチル
MeOH メタノール
NBS N-ブロモスクシンイミド
NEt トリエチルアミン
NMO N-メチルモルホリンN-オキシド
NMP N-メチル-2-ピロリドン
Pd(dppf)Cl[1,1′-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)
Pd(PPh テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)
PE 石油エーテル
SFC 超臨界流体クロマトグラフィー
P プロピルホスホン酸無水物
TEA トリエチルアミン
TFA トリフルオロ酢酸
TfOH トリフルオロメタンスルホン酸
THF テトラヒドロフラン
Ti(i-PrO) チタン(IV)イソプロポキシド
TMEDA テトラメチレンジアミン
TMSN トリメチルシリルアジド
本開示の化合物を調製する方法は、有機合成分野の当業者によって容易に選択され得る好適な溶媒中で実行され得る。好適な溶媒は、反応が実行される温度、例えば、溶媒の凍結温度から溶媒の沸騰温度までの範囲の温度において、出発物質(反応物)、中間体、または生成物と実質的に非反応性であり得る。所与の反応は、1つの溶媒または2つ以上の溶媒の混合物中で実行され得る。当業者は、特定の反応ステップに応じて、特定の反応ステップに好適な溶媒を選択することができる。
本開示の化合物の調製は、様々な化学基の保護及び脱保護を含み得る。保護及び脱保護の必要性、ならびに適切な保護基の選択は、当業者が容易に決定することができる。保護基の化学的性質は、例えば、Wuts and Greene,Protective Groups in Organic Synthesis,5th ed.,John Wiley&Sons:New Jersey,(2014)に見出すことができ、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。
反応は、当技術分野で知られている任意の好適な方法にしたがってモニターすることができる。例えば、生成物の形成は、核磁気共鳴(NMR)分光法(例えば、Hもしくは13C)、赤外線(IR)分光法、分光光度法(例えば、UV可視)、質量分析(MS)などの分光学的手段、または高速液体クロマトグラフィー(HPLC)もしくは薄層クロマトグラフィー(TLC)などのクロマトグラフィー法によってモニターすることができる。化合物の特性評価のための分析機器及び方法:
LC-MS:特に明記しない限り、全ての液体クロマトグラフィー質量分析(LC-MS)データ(純度及び同一性について分析された試料)は、Agilent Poroshel120(EC-C18、2.7um粒子サイズ、3.0×50mm寸法)逆相カラムを備えた、ES-APIイオン化を利用するAgilentモデル6120質量分析計を使用するAgilentモデル1260LCシステムを用いて、摂氏22.4度で取得した。移動相は、0.1%FA水溶液及び0.1%FAアセトニトリル溶液の混合溶媒から構成された。4分間にわたって95%水系移動相/5%有機移動相から5%水系移動相/95%有機移動相までの一定の勾配を利用した。流量は、1mL/分で一定とした。
分取LC-MS:分取HPLCは、Luna 5u C18(2)100A、AXIA packed、250×21.2mm逆相カラムを備えたShimadzu Discovery VP(登録商標)分取システムを用いて、摂氏22.4度で行った。移動相は、0.1%のFA水溶液及び0.1%FA ACN溶液の混合溶媒から構成された。25分間にわたって95%水系移動相/5%有機移動相から5%水系移動相/95%有機移動相までの一定の勾配を利用した。流量は、20mL/分で一定とした。マイクロ波で行われる反応は、Biotage Initiatorマイクロ波ユニットで行った。
シリカゲルクロマトグラフィー:シリカゲルクロマトグラフィーは、Teledyne Isco CombiFlash(登録商標)RfユニットまたはBiotage(登録商標)Isolera Fourユニットのいずれかで行った。
プロトンNMR:特に明記しない限り、全ての NMRスペクトルは、Varian 400MHz Unity Inova 400MHz NMR装置を使用して得た(取得時間=3.5秒、1秒の遅延を用いる;16~64スキャン)。特徴づけられている場合、全てのプロトンは、DMSO-d6溶媒中で残留DMSO(2.50ppm)に対して百万分率(ppm)で報告された。
当業者であれば、勾配、カラム長、及び流速の変更が可能であり、分析される化学種に応じて、いくつかの条件が他の条件よりも化合物の特性評価に好適であり得ることを理解するであろう。
実施例1:アリールアミン中間体の合成
実施例1a
Figure 2024510176000172
中間体1及び2:(7S,8R)-2-アミノ-7,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン(中間体1)及び(7R,8S)-2-アミノ-7,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン(中間体2)
Figure 2024510176000173
それらの各々は、以下に示す構造によって表される。
Figure 2024510176000174
それらの各々は、以下に示す構造によって表される。
Figure 2024510176000175
それらの各々は、以下に示す構造によって表される。
Figure 2024510176000176
ステップ1:(E)-2-(ブタ-2-エン-2-イル)-6-メトキシニコチン酸メチル
PO(120g、565mmol、3.00当量)及びPd(dppf)Cl-CHCl(7.70g、9.42mmol、0.05当量)を、THF(320mL)及びHO(80.0mL)中の2-クロロ-6-メトキシニコチン酸メチル(38.0g、188mmol、1.00当量)及び(Z)-2-(ブタ-2-エン-2-yl)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキソラン(44.6g、245mmol、1.30当量)の溶液に添加した。反応混合物を、N下、70℃で2時間撹拌した。反応混合物を水(300mL)で希釈し、EA(250mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、次いで濾過し、真空中で濃縮して、残渣を得た。残渣を分取HPLC(0.1%TFA添加剤を含むACN-HO勾配)によって精製した。固体炭酸ナトリウムを用いて、生成物を含む画分をpH=8~9に調整し、混合物をEA(300mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(500mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(37.0g、167mmol、収率88.7%)を黄色の油状物として得た。
ステップ2:2-メトキシ-7,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン
TfOH(171g、1.15mol、101mL、6.85当量)中の(E)-2-(ブタ-2-エン-2-イル)-6-メトキシニコチン酸メチル(37.0g、167mmol、1.00当量)の溶液を80℃で0.5時間撹拌した。次いで、混合物を周囲温度に冷却し、飽和NaHCO水溶液(1000mL)に注ぎ入れ、EA(300mL×5)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残渣を得た。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶出、1%~25%EA-PE)によって精製し、表題化合物(30.0g、144mmol、収率86.6%)を黄色の油状物として得た。
ステップ3:2-ヒドロキシ-7,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン
2-ヒドロキシ-7,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン(30.0g、144mmol、1.00当量)及びピリジン塩酸塩(41.8g、361mmol、2.50当量)の混合物を150℃で0.5時間撹拌した。反応混合物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶出、2%~10%MeOH-DCM)によって直接精製し、表題化合物(26.0g、134mmol、収率92.9%)を黄色の固体として得た。
ステップ4:rac-(7S,8S)-2-ヒドロキシ-7,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン及びrac-(7S,8R)-2-ヒドロキシ-7,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン
DBU(60.8mL、403mmol、3.00当量)を、トルエン(290mL)中の2-ヒドロキシ-7,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン(26.0g、134mmol、1.00当量)の溶液に添加した。反応混合物を100℃で12時間撹拌し、次いで周囲温度に冷却し、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶出、1%~10%MeOH-DCM)によって精製し、表題化合物を異性体の混合物として得て、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。
ステップ5:rac-(7S,8S)-2-クロロ-7,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン及びrac-(7S,8R)-2-クロロ-7,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン
POCl(150mL、1.61mol、11.9当量)中のrac-(7S,8S)-2-ヒドロキシ-7,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン及びrac-(7S,8R)-2-ヒドロキシ-7,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オンの混合物(26.0g、134mmol、1当量)を、100℃で1時間撹拌した。次いで、反応混合物を周囲温度に冷却し、0℃~10℃で飽和NaHCO水溶液(2L)に注いだ。クエンチした混合物をEA(300mL×3)で抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。cis及びtransラセミ異性体を分取HPLCによって分離した(カラム:Phenomenex luna C18 250×50mm×10um;移動相:[水(0.1%TFA)-ACN];B%:35%ACN~55%CAN、20分)。rac-(7S,8S)-2-クロロ-7,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オンが第1の溶出化合物であり、白色固体として得られた。MS(ES+)C1010ClNOの理論値:211、実測値:212[M+H]H NMR:400 MHz, CDCl3 δ 8.29 (d, J = 8.2 Hz,1H), 7.39 (d, J = 8.2 Hz,1H), 4.83 (dq, J = 3.2, 6.6 Hz,1H), 3.09 (dq, J = 3.2, 7.2 Hz,1H),1.49 (d, J = 6.5 Hz, 3H),1.30 (d, J = 7.2 Hz, 3H)。rac-(7S,8R)-2-クロロ-7,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オンが第2の溶出化合物であり、白色固体として得られた。MS(ES+)C1010ClNOの理論値:211、実測値:212[M+H]H NMR:400 MHz, CDCl δ 8.28 (d, J = 8.2 Hz,1H), 7.38 (d, J = 8.2 Hz,1H), 4.58-4.43 (m,1H), 3.05 (五重線, J = 7.2 Hz,1H),1.56-1.40 (m, 6H)。
ステップ6:(7S,8R)-2-クロロ-7,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン及び(7R,8S)-2-クロロ-7,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン
rac-(7S,8R)-2-クロロ-7,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オンをSFCによって分離し(カラム:DAICEL CHIRALPAK AD(250mm×50mm、10um);移動相:CO中のMeOH)、第1の溶出異性体(ピーク1)を白色固体として得、第2のを白色固体として得た。溶出異性体(ピーク2)
ステップ7:(7S,8R)-2-((2,4-ジメトキシベンジル)アミノ)-7,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン
DIPEA(7.48g、57.8mmol、10.1mL、2.50当量)及びDMBNH(5.03g、30.1mmol、4.53mL、1.30当量)を、NMP(50.0mL)中の(7S,8R)-2-クロロ-7,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン(上記のステップ6で得た第1の溶出異性体(ピーク1))(4.90g、23.1mmol、1.00当量)の溶液に添加した。反応混合物を100℃で1時間撹拌し、次いで水(500mL)に注ぎ入れ、EA(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(200mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、表題化合物(7.93g、粗製)を黄色の油状物として得て、これを次のステップで直接使用した。MS(ES+)C1911の理論値:342、実測値:343[M+H]
ステップ8:(7S,8R)-2-アミノ-7,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン
HCl/ジオキサン(4.00M、50.0mL、8.64当量)中の(7S,8R)-2-((2,4-ジメトキシベンジル)アミノ)-7,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン(7.93g、23.1mmol、1.00当量)の溶液を70℃で1時間撹拌した。次いで、反応混合物を濃縮し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(100mL)とに分配し、DCM(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(200mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をMTBE(50mL)中で10分間粉砕し、濾過して、黄色の固体を得た。黄色の固体を真空下で乾燥して、表題化合物である中間体1(3.23g、16.4mmol、収率71.2%、純度98.1%)を得た。MS(ES+)C1012の理論値:192、実測値:193[M+H]H NMR:400 MHz, DMSO-d6 δ 7.77 (d, J = 8.6 Hz,1H), 6.97 (s, 2H), 6.40 (d, J = 8.6 Hz,1H), 4.43-4.21 (m,1H), 2.88-2.65 (m,1H),1.35 (d, J = 6.4 Hz, 3H),1.25 (d, J = 7.0 Hz, 3H)。中間体1の絶対立体化学を、X線結晶構造によって決定した。
ステップ9及び10:(7R,8S)-2-アミノ-7,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン
中間体2のためにステップ7及び8に記載したものと同様の2つのステップ手順を用いて、(7R,8S)-2-クロロ-7,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン(ステップ6の第2の溶出異性体(ピーク2))とは別に、表題化合物(中間体2)を調製した。MS(ES+)C1012の理論値:192、実測値:193[M+H]H NMR:400 MHz, DMSO-d δ 7.77 (d, J = 8.6 Hz,1H), 6.97 (s, 2H), 6.40 (d, J = 8.6 Hz,1H), 4.43-4.21 (m,1H), 2.88-2.65 (m,1H),1.35 (d, J = 6.4 Hz, 3H),1.25 (d, J = 7.0 Hz, 3H)。
実施例1b
Figure 2024510176000177
中間体3及び4:(R)-2-アミノ-7,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン及び(S)-2-アミノ-7,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン
Figure 2024510176000178
それらの各々は、以下に示す構造によって表される。
Figure 2024510176000179
それらの各々は、以下に示す構造によって表される。
Figure 2024510176000180
ステップ1~5:rac2-((2,4-ジメトキシベンジル)アミノ)-7,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン
中間体1のためのステップ1~3及び5~7で上述したものと同様の手順を用いて、2-クロロ-6-メトキシニコチン酸メチル及び4,4,5,5-テトラメチル-2-(3-メチルブタ-2-エン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロランから表題化合物を調製した。
ステップ6:(R)-2-((2,4-ジメトキシベンジル)アミノ)-7,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン及び(S)-2-((2,4-ジメトキシベンジル)アミノ)-7,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン
Rac2-((2,4-ジメトキシベンジル)アミノ)-7,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オンをSFCによって分離して(カラム:DAICEL CHIRALPAK AS-H(250mm×30mm、5um);移動相:[CO中の0.1%NHOH MeOH])、(R)-2-((2,4-ジメトキシベンジル)アミノ)7,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン(第1の溶出異性体(中間体3の前駆体)、0.55g、収率79%)及び(S)-2-((2,4-ジメトキシベンジル)アミノ)-7,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン(第2の溶出異性体(中間体4の前駆体)、0.55g、収率79%)を得た。各中間体を黄色の油状物として単離した。
中間体7及び8:(R)-2-アミノ-7,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン及び(S)-2-アミノ-7,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン
中間体1のステップ8に記載したものと同様の手順を用いて、第1及び第2の溶出異性体、すなわち(R)-2-((2,4-ジメトキシベンジル)アミノ)-7,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン及び(S)-2-((2,4-ジメトキシベンジル)アミノ)-7,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オンから表題化合物(中間体3及び4)を調製した。中間体3である(R)-2-アミノ-7,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オンを黄色の固体として得た。MS(ES+)C1114の理論値:206、実測値:207[M+H]H-NMR (400 MHz, CDOD):δ ppm 7.89 (d, J = 8.8 Hz,1H), 6.50 (d, J = 8.8 Hz,1H), 2.85-2.80 (m,1H),1.41 (s, 6H),1.27 (d, J = 7.2 Hz, 3H)。中間体4である(S)-2-アミノ-7,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オンを黄色の固体として得た。MS(ES+)C1114の理論値:206、実測値:207[M+H]H-NMR (400 MHz, CDOD):δ ppm 7.89 (d, J = 8.8 Hz,1H), 6.50 (d, J = 8.8 Hz,1H), 2.85-2.80 (m,1H),1.41 (s, 6H),1.27 (d, J = 7.2 Hz, 3H)。中間体3の立体化学を、X線結晶構造を用いて化合物16と関連して決定した。
実施例1c
Figure 2024510176000181
中間体17:2-アミノ-7,7-ジメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン
Figure 2024510176000182
ステップ1:7,7-ジメチル-1,5,7,8-テトラヒドロ-2H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-2-オン
トルエン(4.00L)中の2,2-ジメチルテトラヒドロ-4-H-ピラン-4-オン(500g、3.90mol、1.00当量)及びピロリジン(391mL、4.68mol、1.20当量)の混合物を、ディーンスタークトラップを用いて145℃で2時間加熱した。水層(約16mL)をディーンスタークトラップから除去し、反応混合物を15℃に冷却した。冷却後、プロパ-2-インアミド(539g、7.80mol、2.00当量)を添加し、反応混合物を150℃に加熱した。反応混合物を150℃で10時間加熱し、周囲温度に冷却した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(10%メタノール-ジクロロメタン)により精製して、表題化合物(560g、収率62%)を黄色の固体として得た。
ステップ2:2-クロロ-7,7-ジメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン
POCl(350mL、3.77mol、9.64当量)中の7,7-ジメチル-1,5,7,8-テトラヒドロ-2H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-2-オン(500g、2.23mol、1当量)の溶液を100℃に6時間加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、真空下で濃縮した。残渣を氷水(1.00L)に注いだ。混合物をEA(750mL×2)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、表題化合物(363g、収率82.2%)を褐色の油状物として得た。
ステップ3:2-クロロ-7,7-ジメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン
水(1.20L)中のNaIO(487g、2.28mol、3.00当量)の溶液を、MeCN(50.0mL)及びCCl4(2.70L)中の2-クロロ-7,7-ジメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン(150g、759mmol、1.00当量)の混合物に添加した。混合物を0℃に冷却し、次いでRuCl(11.0g、53.1mmol、0.07当量)を添加した。反応混合物を0℃で0.5時間撹拌し、次いで20℃で11.5時間温めた。飽和亜硫酸ナトリウム水溶液(1.00L)を添加し、混合物を濾過した。濾液をEA(500mL×3)で抽出し、有機層を合わせた。合わせた有機層をブライン(1.00L)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(132g、624mmol、収率82.1%)を黄色の個体として得た。
ステップ4:2-((2,4-ジメトキシベンジル)アミノ)-7,7-ジメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン
(2,4-ジメトキシフェニル)メタンアミン(160g、957mmol、1.50当量)を、NMP(1.08L)中の2-クロロ-7,7-ジメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン(135g、638mmol、1.00当量)及びDIPEA(222mL、1.28mol、2.00当量)の溶液に周囲温度で添加した。反応混合物を140℃で2時間加熱し、次いで周囲温度に冷却した。反応混合物を水(700mL)とEAとに分配した。層を分離し、水層をEA(500mL×3)でさらに抽出した。有機層を合わせ、ブライン(400mL×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物を黄色の固体(160g)として得た。この粗生成物を、次の工程に直接使用した。
ステップ5:2-アミノ-7,7-ジメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン
HCl(ジオキサン中4.0M、1.20L、11.0当量)を、2-((2,4-ジメトキシベンジル)アミノ)-7,7-ジメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン(150g、438mmol、1.00当量)に20℃で添加した。反応混合物を60℃に2時間加熱し、次いで周囲温度に冷却し、真空下で濃縮した。残渣を飽和NaHCO3水溶液(1.00L)に注ぎ入れ、EA(500mL×4)で抽出した。合わせた有機層をブライン(500×2)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をEA(300mL)に溶解し、石油エーテル(150mL)を滴加して、黄色のスラリーを得た。固体を濾過し、収集して、表題化合物(52.0g、収率60.9%)を黄色の固体として得た。MS(ES+)C1012の理論値:192、実測値:193[M+H]H NMR (400 MHz, DMSO-d6)δ 7.76 (d, J = 8.4 Hz,1H), 6.98 (s, 2H), 6.39 (d, J = 8.8 Hz,1H), 2.89 (s, 2H),1.37 (s, 6H)。
実施例1d
Figure 2024510176000183
中間体18:2-アミノ-7,7-ジメチルフロ[3,4-b]ピリジン-5(7H)-オン
Figure 2024510176000184
ステップ1:6-メトキシ-2-(プロパ-1-エン-2-イル)ニコチン酸メチル
Pd(dppf)Cl(544mg、744umol、0.500当量)及びフッ化セシウム(4.52g、29.8mmol、2.00当量)を、MeCN(50mL)中の2-クロロ-6-メトキシニコチン酸メチル(3.00g、14.9mmol)及び4,4,5,5-テトラメチル-2-(プロパ-1-エン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(3.75g、22.3mmol)の混合物に添加した。混合物を、窒素雰囲気下、70℃で2時間撹拌し、次いで、周囲温度に冷却した。反応混合物を水(200mL)に注ぎ入れ、EA(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、残渣を得た。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶出、1%~2%EA-石油エーテル)により精製して、表題化合物(3.0g、粗製)を無色の油状物として得た。
ステップ2:2-メトキシ-7,7-ジメチルフロ[3,4-b]ピリジン-5(7H)-オン
TfOH(17.0g、113mmol、10mL)中の6-メトキシ-2-(プロパ-1-エン-2-イル)ニコチン酸メチル(3.00g、14.5mmol)の溶液を25℃で12時間撹拌した。次いで、反応混合物を水(50mL)に注ぎ、飽和重炭酸ナトリウム水溶液を添加して、pHを7に調整した。混合物をEA(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮し、残渣を得た。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶出、10%~33%EA-石油エーテル)により精製して、表題化合物(2.3g、収率82%)を黄色の固体として得た。
ステップ3~6:2-アミノ-7,7-ジメチルフロ[3,4-b]ピリジン-5(7H)-オン
中間体1のためのステップ3、5、7、及び8に記載した4つのステップの手順を用いて、2-メトキシ-7,7-ジメチルフロ[3,4-b]ピリジン-5(7H)-オンから表題化合物を調製した。MS(ES+)C10の理論値:178、実測値:179[M+H]
実施例1e
Figure 2024510176000185
中間体19:2-アミノ-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン
Figure 2024510176000186
ステップ1:2-アミノ-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン
中間体17のためのステップ1~5に記載されるものと同様の5つのステップの手順を用いて、テトラヒドロ-4H-ピラン-4-オンから表題化合物を調製した。MS(ES+)Cの理論値:164、実測値:165[M+H]H NMR, 400 MHz, DMSO-d6, δ = 7.77 (d, J = 8.8 Hz,1H), 7.01 (s, 2H), 6.41 (d, J = 8.8 Hz,1H), 4.44-4.41 (m, 2H), 2.88-2.85 (m, 2H)。
実施例1f
Figure 2024510176000187
中間体20:2-アミノ-8-メチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン
Figure 2024510176000188
ステップ1:2-メトキシ-8-メチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン
BH-MeS(10M、5.31mL、53.1mmol、1.10当量)を、THF(100mL)中の6-メトキシ-2-(プロパ-1-エン-2-イル)ニコチン酸メチル(10.0g、48.3mmol、1.00当量)の溶液に0℃で滴加した。混合物を20℃に温め、この温度で2時間撹拌した。次いで、反応混合物を0℃に冷却し、水(35.0mL)中のNaHCO(20.3g、241mmol、5.00当量)及びH(水中30%、69.6mL、724mmol、15.0当量)を滴加した。反応混合物を、20℃で30分間撹拌し及び30℃~45℃で12時間撹拌した。次いで、反応混合物を飽和NaSO水溶液(200mL)に注ぎ入れ、EA(50.0mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、ブライン(200mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶出、5%~15%EA-石油エーテル)により精製して、表題化合物(15.0g、77.6mmol、収率80.4%)を黄色の固体として得た。
ステップ2~5:-アミノ-8-メチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン
中間体1のためのステップ3、5、7、及び8で記載した4つのステップの手順を用いて、2-メトキシ-8-メチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オンから表題化合物を調製した。MS(ES+)C10の理論値:178、実測値:179[M+H]。1H NMR:400 MHz, DMSO-d6 δ 7.76 (d, J = 8.6 Hz,1H), 7.01 (s, 2H), 6.40 (d, J = 8.6 Hz,1H), 4.44 (dd, J =11.2 Hz, 4.4 Hz,1H), 4.12 (dd, J =11.0 Hz, 6.8 Hz,1H), 2.93 (td, J = 7.0 Hz, 4.4 Hz,1H),1.20 (d, J = 7.0 Hz, 3H)。
実施例1g
Figure 2024510176000189
中間体21:2’-アミノ-5’H,7’H-スピロ[シクロプロパン-1,8’-ピラノ[4,3-b]ピリジン]-5’-オン
Figure 2024510176000190
ステップ1:2-(3-ブロモ-6-クロロピリジン-2-イル)酢酸メチル
LiHMDS(1M、388mL)を、THF(300mL)中の3-ブロモ-6-クロロ-2-メチルピリジン(20.0g、96.9mmol)の溶液に、窒素下25℃で添加した。2.5時間後、炭酸ジメチル(14.0g、155mmol)を混合物に添加し、25℃で13.5時間撹拌した。次いで、反応混合物を飽和NHCl水溶液(1000mL)に添加し、EA(60mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残渣を得た。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶出、0%~10%EA-石油エーテル)により精製して、表題化合物(18.0g、収率70%)を黄色の油状物として得た。H NMR (400 MHz, CDCl3):δ ppm 7.81 (d, J= 8.4 Hz,1H), 7.16 (d, J = 8.0 Hz,1H), 4.03 9s, 2H), 3.74 (s, 3H)。
ステップ2:1-(3-ブロモ-6-クロロピリジン-2-イル)シクロプロパン-1-カルボン酸メチル
臭化テトラブチルアンモニウム(2.44g、7.56mmol)及びNaOH(50mL、水中50重量%)を、トルエン(50mL)中の1,2-ジブロモエタン(10.7g、56.7mmol)及び2-(3-ブロモ-6-クロロピリジン-2-イル)酢酸メチル(10.0g、37.8mmol)の溶液に25℃で添加した。反応混合物を25℃で16時間攪拌し、次いで水(300mL)で希釈し、EA(200mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残渣を得た。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶出、0%~10%EA-石油エーテル)により精製して、表題化合物(6.10g、収率56%)を黄色の個体として得た。H NMR (400 MHz, CDCl):δ ppm 7.81 (d, J = 8.4 Hz,1H), 7.15 (d, J= 8.0 Hz,1H), 3.66 (s, 3H),1.81-1.75 (m, 2H),1.46-1.41 (m, 2H)。
ステップ3:(1-(3-ブロモ-6-クロロピリジン-2-イル)シクロプロピル)メタノール
水素化ジイソブチルアルミニウム(1M、56mL)を、DCM(80mL)中の1-(3-ブロモ-6-クロロピリジン-2-イル)シクロプロパン-1-カルボン酸メチル(5.40g、18.6mmol)の溶液に、窒素下-78℃で添加した。反応混合物を-78℃で0.5時間撹拌し、次いで飽和NHCl水溶液(50mL)を添加することによってクエンチし、水(200mL)で希釈し、EA(200mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、粗製の表題化合物(5.00g、粗製)を黄色の固体として得て、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。
ステップ4:5’-オキソ-5’H,7’H-スピロ[シクロプロパン-1,8’-ピラノ[4,3-b]ピリジン]-2’-カルボン酸メチル
トリエチルアミン(2.31g、22.9mmol)及びPd(dppf)Cl(557mg、762μmol)を、MeOH(25mL)及びDMF(25mL)中の(1-(3-ブロモ-6-クロロピリジン-2-イル)シクロプロピル)メタノールの溶液に窒素雰囲気下で添加した。懸濁液を真空下で脱気し、一酸化炭素で数回パージした。混合物を、一酸化炭素(50psi)下、80℃で16時間撹拌した。次いで、反応混合物を濃縮してメタノールを除去し、水(100mL)で希釈し、EA(60mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残渣を得た。表題化合物(1.8g、粗製)を黄色の固体として得て、さらに精製することなく次のステップで使用した。MS(ES+)C1010の理論値:233、実測値:234[M+H]
ステップ5:5’-オキソ-5’H,7’H-スピロ[シクロプロパン-1,8’-ピラノ[4,3-b]ピリジン]-2’-カルボン酸
水酸化リチウム(555mg、23.2mmol)を、メタノール(30mL)及び水(10mL)中の5’-オキソ-5’H,7’H-スピロ[シクロプロパン-1,8’-ピラノ[4,3-b]ピリジン]-2’-カルボン酸メチル(1.80g、7.72mmol)の溶液に添加した。反応混合物を25℃で0.5時間撹拌し、次いで濃縮してメタノールを除去した。混合物を水(60mL)で希釈し、EA(50mL×3)で抽出した。水層を塩酸水溶液(6M、5mL)を添加することによって酸性化し、次いで混合物をEA(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、表題化合物(1.20g、収率71%)を褐色の固体として得て、これをさらに精製することなく使用した。
ステップ6:(5’-オキソ-5’H,7’H-スピロ[シクロプロパン-1,8’-ピラノ[4,3-b]ピリジン]-2’-イル)カルバミン酸tert-ブチル
トリエチルアミン(831mg、8.21mmol)及びジフェニルホスホリルアジド(2.26g、8.21mmol)を、tert-ブタノール(20mL)中の5’-オキソ-5’H,7’H-スピロ[シクロプロパン-1,8’-ピラノ[4,3-b]ピリジン]-2’-カルボン酸(1.20g、5.47mmol)の溶液に添加した。反応混合物を100℃で1時間撹拌し、次いで周囲温度に冷却し、水(60mL)で希釈し、EA(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残渣を得た。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶出、0%~50%EA-石油エーテル)により精製して、表題化合物(330mg、収率19%)を黄色の固体として得、2’-アミノ-5’H,7’H-スピロ[シクロプロパン-1,8’-ピラノ[4,3-b]ピリジン]-5’-オン(420mg、収率28%)を黄色の油状物として得た。
ステップ7:2’-アミノ-5’H,7’H-スピロ[シクロプロパン-1,8’-ピラノ[4,3-b]ピリジン]-5’-オン
ジオキサン中のHCl(4.0M、0.5mL)を、ジオキサン(1.5mL)中の(5’-オキソ-5’H,7’H-スピロ[シクロプロパン-1,8’-ピラノ[4,3-b]ピリジン]-2’-イル)カルバミン酸tert-ブチル(100mg、344μmol)の溶液に25℃で添加した。反応混合物を10分間撹拌し、次いで濃縮した。DCM(2mL)及びTFA(1mL、13.5mmol)を残渣に添加し、反応混合物を25℃で30分間撹拌した。次いで、反応混合物を濃縮し、EA(5mL)を残渣に添加した。混合物を飽和NaHCO水溶液(20mL)を添加することによって中和し、EA(15mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、表題化合物(60.0mg、収率92%)を黄色の油状物として得て、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。MS(ES+)C1211NOの理論値:190、実測値:191[M+H]
実施例1h
Figure 2024510176000191
中間体22及び23:(R)-2-アミノ-8-メチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン及び(S)-2-アミノ-8-メチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン
Figure 2024510176000192
それらの各々は、以下に示す構造のうちの1つによって表される。
Figure 2024510176000193
それらの各々は、以下に示す構造のうちの1つによって表される。
Figure 2024510176000194
それらの各々は、以下に示す構造のうちの1つによって表される。
Figure 2024510176000195
ステップ1:(R)-2-クロロ-8-メチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン及び(S)-2-クロロ-8-メチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン
rac-2-クロロ-8-メチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン(中間体20のステップ3から得た表題化合物、700mg、3.54mmol)をSFCによって分離して(Daicel Chiralpak IG、0.1%NHOHを含むCO中のMeOH勾配)、2つのピークを別々に得た。第1の溶出異性体(330mg、収率47%)及び第2の溶出異性体(330mg、収率47%)を黄色の固体として得た。
ステップ2及び3:(RまたはS)-2-アミノ-8-メチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オンのうちの1つ
中間体17のためのステップ4及び5に記載したものと同様の2つのステップの手順を用いて、(RまたはS)-2-クロロ-8-メチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オンのうちの1つ(ステップ1の第1の溶出異性体)から表題化合物(中間体22)を調製した。MS(ES+)C10の理論値:178、実測値:179[M+H]
ステップ3及び4:(RまたはS)-2-アミノ-8-メチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オンの残りの1つ
中間体17のためのステップ4及び5に記載したものと同様の2つのステップの手順を用いて、(RまたはS)-2-クロロ-8-メチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オンの残りの1つ(ステップ1の第2の溶出異性体)から表題化合物(中間体23)を調製した。MS(ES+)C10の理論値:178、実測値:179[M+H]
実施例1i
Figure 2024510176000196
中間体24及び25:(R)-2’-アミノ-7’-メチル-5’H,7’H-スピロ[シクロプロパン-1,8’-ピラノ[4,3-b]ピリジン]-5’-オン及び(S)-2’-アミノ-7’-メチル-5’H,7’H-スピロ[シクロプロパン-1,8’-ピラノ[4,3-b]ピリジン]-5’-オン
Figure 2024510176000197
それらの各々は、以下に示す構造のうちの1つによって表される。
Figure 2024510176000198
それらの各々は、以下に示す構造のうちの1つによって表される。
Figure 2024510176000199
ステップ1:1-(3-ブロモ-6-クロロピリジン-2-イル)シクロプロパン-1-カルバルデヒド
IBX(6.50g、10.7mmol、純度46%)を、EA(80mL)中の(1-(3-ブロモ-6-クロロピリジン-2-イル)シクロプロピル)メタノール(2.65g、10.1mmol)の溶液に添加した。反応混合物を80℃で1時間撹拌し、次いで追加のIBX(2.00g、3.29mmol、純度46%)を添加した。反応混合物を80℃で0.5時間撹拌し、次いで濾過し、濃縮し、表題化合物(2.60g、粗製)を黄色の固体として得て、これをさらに精製することなく使用した。MS(ES+)CBrClNOの理論値:261、実測値:262[M+H]
ステップ2:1-(1-(3-ブロモ-6-クロロピリジン-2-イル)シクロプロピル)エタン-1-オール
臭化メチルマグネシウム(3M、17mL)を、THF(80mL)中の1-(3-ブロモ-6-クロロピリジン-2-イル)シクロプロパン-1-カルバルデヒド(2.60g、9.98mmol)の溶液に0℃で添加した。反応混合物を10分間撹拌し、次いで飽和NHCl水溶液(80mL)を添加することによりクエンチし、水(40mL)で希釈し、EA(80mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、表題化合物(2.70g、粗製)を黄色の油状物として得て、これをさらに精製することなく使用した。MS(ES+)C1011の理論値:277、実測値:278[M+H]
ステップ3~5:(7’-メチル-5’-オキソ-5’H,7’H-スピロ[シクロプロパン-1,8’-ピラノ[4,3-b]ピリジン]-2’-イル)カルバミン酸tert-ブチル
中間体21にためのステップ4~6に記載したものと同様の手順を用いて、表題化合物を1-(1-(3-ブロモ-6-クロロピリジン-2-イル)シクロプロピル)エタン-1-オールから製造した。H NMR (400 MHz, CDCl):δ ppm 8.29 (d, J = 8.8 Hz,1H), 7.90 (d, J = 8.8 Hz,1H), 7.31 (s,1H), 4.63-4.53 (m,1H),1.61 (s, 3H),1.53 (s, 9H),1.38-1.35 (m,1 H),1.09-1.00 (m, 2H)。
ステップ6:(R)-(7’-メチル-5’-オキソ-5’H,7’H-スピロ[シクロプロパン-1,8’-ピラノ[4,3-b]ピリジン]-2’-イル)カルバミン酸tert-ブチル及び(S)-(7’-メチル-5’-オキソ-5’H,7’H-スピロ[シクロプロパン-1,8’-ピラノ[4,3-b]ピリジン]-2’-イル)カルバミン酸tert-ブチル
(7’-メチル-5’-オキソ-5’H,7’H-スピロ[シクロプロパン-1,8’-ピラノ[4,3-b]ピリジン]-2’-イル)カルバミン酸tert-ブチル(400mg)を、SFCによって分離して(カラム:REGIS(s,s)WHELK-O1(250mm×50mm、10um)、0.1%NHOHを含むCO中のEtOH勾配)、2つの別個のピークを得た。第1の溶出異性体(100mg、収率24%)及び第2の溶出異性体(140mg、収率34%)を黄色の固体として得た。
ステップ7:(RまたはS)-2’-アミノ-7’-メチル-5’H,7’H-スピロ[シクロプロパン-1,8’-ピラノ[4,3-b]ピリジン]-5’-オンのうちの1つ
TFA(2.31g、20.3mmol)を、DCM(6mL)中の(RまたはS)-(7’-メチル-5’-オキソ-5’H,7’H-スピロ[シクロプロパン-1,8’-ピラノ[4,3-b]ピリジン]-2’-イル)カルバミン酸tert-ブチルのうちの1つ(ステップ6の第1の溶出異性体、100mg)の溶液に添加した。反応混合物を25℃で30分間撹拌し、次いで飽和NaHCO水溶液(30mL)でクエンチし、DCM(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、表題化合物(中間体24、24.70mg、粗製)を黄色の油状物として得て、これをさらに精製することなく使用した。MS(ES+)C1112の理論値:204、実測値:205[M+H]
ステップ8:(RまたはS)-2’-アミノ-7’-メチル-5’H,7’H-スピロ[シクロプロパン-1,8’-ピラノ[4,3-b]ピリジン]-5’-オンのうちの残りの1つ
中間体24のためのステップ7に記載したものと同様の手順を用いて、(RまたはS)-(7’-メチル-5’-オキソ-5’H,7’H-スピロ[シクロプロパン-1,8’-ピラノ][4,3-b]ピリジン]-2’-イル)カルバミン酸tert-ブチルのうちの1つ(ステップ6の第2の溶出異性体)から表化合物(中間体25)を調製した。MS(ES+)C1112の理論値:204、実測値:205[M+H]
実施例1j
Figure 2024510176000200
中間体26:2-アミノ-8,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン
Figure 2024510176000201
ステップ1:2-(3-ブロモ-6-クロロピリジン-2-イル)-2-メチルプロパン酸メチル
水素化ナトリウム(2.91g、72.8mmol、純度60%)を、THF(20mL)中の2-(3-ブロモ-6-クロロピリジン-2-イル)酢酸メチル(5.50g、20.8mmol)の溶液に、0℃で添加した。反応混合物を0℃で15分間撹拌し、次いでヨードメタン(7.38g、51.9mmol)を添加した。反応混合物を25℃に温めて45分間撹拌し、次いで水(30mL)でクエンチし、EA(30mL×2)で抽出した。合わせた有機層を濃縮して、残渣を得た。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶出、0%~10%EA-石油エーテル)により精製して、表題化合物(5.5g、収率90%)を黄色の油状物として得た。
H NMR (400 MHz, CDOD):δ ppm 7.97 (d, J = 8.4 Hz,1H), 7.20 (d, J = 8.4 Hz,1H), 3.95 (s, 2H),1.50 (s, 6H)。
ステップ2~6:2-アミノ-8,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン
中間体21のステップ3~6及び中間体24のステップ7に記載されるものと同様の手順を用いて、表題化合物を調製した。MS(ES+)C1012の理論値:192、実測値:193[M+H]H NMR (400 MHz, 6d-DMSO):δ ppm 7.77 (d, J = 8.8 Hz,1H), 7.01 (s, 2H), 6.40 (d, J = 8.8 Hz,1H), 4.15 (s, 2H),1.21 (s, 6H)。
実施例1k
Figure 2024510176000202
中間体27:2’-アミノ-7’,7’-ジメチル-5’H,7’H-スピロ[シクロプロパン-1,8’-ピラノ[4,3-b]ピリジン]-5’-オン
Figure 2024510176000203
ステップ1:2-(1-(3-ブロモ-6-クロロピリジン-2-イル)シクロプロピル)プロパン-2-オール
THF(10mL)中の1-(3-ブロモ-6-クロロピリジン-2-イル)シクロプロパン-1-カルボン酸メチル(1.3g、4.47mmol)の溶液に、MeMgBr(3M、14.9mL)を25℃で添加した。反応混合物を25℃で10分間撹拌し、次いで水(20mL)に注ぎ入れ、EA(50mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO、PE/EA=1/0~50/1)により精製して、表題化合物(500mg、収率38%)を無色の油状物として得た。
ステップ2~5:2’-アミノ-7’,7’-ジメチル-5’H,7’H-スピロ[シクロプロパン-1,8’-ピラノ[4,3-b]ピリジン]-5’-オン
上記の中間体21のためのステップ4~6及び中間体24のためのステップ7に記載したものと同様の手順を用いて、表題化合物を2-(1-(3-ブロモ-6-クロロピリジン-2-イル)シクロプロピル)プロパン-2-オールから製造した。H NMR (400 MHz, CDCl):δ ppm 8.05 (d, J = 8.4 Hz,1H), 6.36 (d, J= 8.8 Hz,1H), 4.85 (s, 2H),1.42-1.32 (m, 8H),1.06-1.03 (m, 2H)。
実施例2:塩化アリール中間体の合成
実施例2a
Figure 2024510176000204
中間体5:4-ブロモ-1,6-ジクロロ-2,7-ナフチリジン
Figure 2024510176000205
ステップ1:4-ブロモ-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1(2H)-オン
NBS(70.9g、398mmol、1.20当量)を、DMF(600mL)中の6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1(2H)-オン(60.0g、332mmol、1.00当量)の溶液に添加した。反応混合物を20℃で2時間撹拌し、次いで水(1L)に注ぎ入れ、濾過した。濾過ケーキを真空下で乾燥させ、4-ブロモ-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1(2H)-オン(90.8g、粗製)を褐色の固体として得た。MS(ES+)CBrClNOの理論値:260、実測値:261[M+H]
ステップ2:4-ブロモ-1,6-ジクロロ-2,7-ナフチリジン
4-ブロモ-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1(2H)-オン(70.8g、272mmol、1.00当量)を、POCl(484g、3.16mol、293mL、11.5当量)に25℃で少量ずつ添加した。反応混合物を110℃で3時間撹拌した。次いで、反応混合物を真空下で濃縮し、残渣を25℃で飽和NaCO水溶液でpH=8に調整した。混合物をDCM(500mL×3)で抽出し、ブライン(500mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、表題化合物(75.0g、269mmol、収率98.9%)を黄色の固体として得た。MS(ES+)CBrClの理論値:278、実測値:279[M+H]
実施例2b
Figure 2024510176000206
中間体6:4-(2-アジドプロパン-2-イル)-1,6-ジクロロ-2,7-ナフチリジン
Figure 2024510176000207
ステップ1:4-ブロモ-6-クロロ-1-メトキシ-2,7-ナフチリジン
MeOH(3L)中の4-ブロモ-1,6-ジクロロ-2,7-ナフチリジン(75.0g、269mmol、1.00当量)、KCO(111g、809mmol、3.00当量)の懸濁液を25℃で16時間撹拌した。次いで、反応混合物を真空下で濃縮し、残渣をHO(300mL)に溶解し、DCM(100mL×2)で抽出した。合わせた有機層を真空下で濃縮して、残渣を得た。残渣を石油エーテル/EA(40mL、20:1)で粉砕し、濾過した。濾過ケーキを真空下で乾燥させて、表題化合物(47.0g、171mmol、収率63.6%)を黄色の固体として得た。
ステップ2:6-クロロ-4-(1-エトキシビニル)-1-メトキシ-2,7-ナフチリジン
トルエン(500mL)中の4-ブロモ-6-クロロ-1-メトキシ-2,7-ナフチリジン(47.0g、171mmol、1.00当量)、トリブチル(1-エトキシビニル)スタンナン(74.4g、206mmol、69.6mL、1.20当量)、及びPd(PPh(19.8g、17.1mmol、0.10当量)の溶液をN下、80℃で16時間撹拌した。次いで、反応混合物を20℃に冷却し、飽和KF水溶液(500mL)に注ぎ入れ、1時間撹拌した。混合物水溶液をEA(300mL×3)で抽出し、有機層を合わせた。合わせた有機層を真空下で濃縮して、表題化合物(64.0g、粗製)を黄色の油状物として得た。MS(ES+)C1313ClNの理論値:264、実測値:265[M+H]
ステップ3:1-(6-クロロ-1-メトキシ-2,7-ナフチリジン-4-イル)エタン-1-オン
HCl水溶液(1.50M、20.1mL、0.10当量)を、THF(480mL)及びHO(80mL)中の6-クロロ-4-(1-エトキシビニル)-1-メトキシ-2,7-ナフチリジン(80.0g、302mmol、1.00当量)の溶液に添加した。反応混合物を25℃で1時間撹拌した。次いで、反応混合物を飽和NaHCO水溶液(500mL)に注ぎ、EA(300mL×2)で抽出した。有機層を合わせ、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶出、5%~50%EA-石油エーテル)により精製して、表題化合物(28.0g、118mmol、収率39.1%)を白色固体として得た。MS(ES+)C11ClNの理論値:236、実測値:237[M+H]
ステップ4:2-(6-クロロ-1-メトキシ-2,7-ナフチリジン-4-イル)プロパン-2-オール
MeMgBr(ジエチルエーテル中3.0M、118mL、3.00当量)を、THF(300mL)中の1-(6-クロロ-1-メトキシ-2,7-ナフチリジン-4-イル)エタン-1-オン(28.0g、118mmol、1.00当量)の溶液に0℃~10℃で添加した。混合物を0℃~10℃で2時間撹拌し、次いで飽和NHCl水溶液(300mL)に注ぎ入れ、EA(200mL×2)で抽出した。有機層を合わせ、真空下で濃縮して、表題化合物(33g、粗製)を黄色の油状物として得た。MS(ES+)C1312ClNの理論値:252、実測値:253[M+H]
ステップ5:4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-1-メトキシ-2,7-ナフチリジン
TMSN(14.4g、125mmol、16.5mL、2.50当量)を、(DCM(280mL)中の2-(6-クロロ-1-メトキシ-2,7-ナフチリジン-4-イル)プロパン-2-オール(28.0g、50.3mmol、純度45.4%、1.00当量)及びBF.EtO(15.5g、50.3mmol、13.5mL、純度46.0%、1.00当量)の溶液に25℃で添加した。反応混合物を25℃で12時間撹拌し、次いで飽和NaHCO水溶液(350mL)とDCM(200mL)とに分配した。層を分離し、水層をDCM(200mL)でさらに抽出した。有機層を合わせ、ブライン(200mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶出、2%~50%EA-PE)により精製して、表題化合物(20.0g、収率65%、純度91%)をオフホワイト色の固体として得た。MS(ES+)C1212ClNOの理論値:277、実測値:278[M+H]
ステップ6:4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-オール
HCl水溶液(2M、163mL、5.00当量)を、THF(200mL)中の4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-1-メトキシ-2,7-ナフチリジン(20.0g、65.5mmol、純度91%、1.00当量)の溶液に25℃で添加した。反応混合物を25℃で12時間撹拌し、次いで飽和NaHCO水溶液(1.00L)に注ぎ入れ、EA(500mL×2)で抽出した。有機層を合わせ、ブライン(500mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(19.0g、収率96%、純度88%)を黄色の固体として得た。MS(ES+)C1110ClNOの理論値:263、実測値:264[M+H]
ステップ7:4-(2-アジドプロパン-2-イル)-1,6-ジクロロ-2,7-ナフチリジン
POCl(2.54g、16.5mmol、1.54mL、4.37当量)及びEtN(1.01g、9.99mmol、1.39mL、2.63当量)を、ACN(20.0mL)中の4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-オール7(1.00g、3.79mmol、1.00当量)の混合物に添加した。次いで、反応混合物を100℃で20時間加熱した。反応混合物を濃縮し、残渣をEAで希釈した。希釈した残渣を水でクエンチし、混合物を、炭酸ナトリウム水溶液でpH=8に調整した。次いで混合物をEAで抽出し、有機層をブラインで洗浄した。洗浄した有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶出、0%~5%EA-PE)により精製して、表題化合物(14.2g、収率84%)を淡黄色の固体として得た。MS(ES+)C11Clの理論値:281、実測値:282[M+H]
H-NMR (400 MHz, DMSO-d):δ ppm 9.57 (s,1H), 8.61 (s,1H), 8.45 (s,1H),1.83 (s, 6H)。
実施例2c
Figure 2024510176000208
中間体7:1-(3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)エタン-1-オン
Figure 2024510176000209
ステップ1:1-(3-((4-ブロモ-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)エタン-1-オン
水素化ナトリウム(2.15g、53.8mmol、60重量%)を、THF(200mL)中の1-(3-ヒドロキシアゼチジン-1-イル)エタン-1-オン(Combi-Blocks#ST-8959)(5.16g、44.8mmol)の溶液に0℃で添加した。冷却浴を外し、反応混合物を0.5時間撹拌し、次いで4-ブロモ-1,6-ジクロロ-2,7-ナフチリジン(中間体5)(12.4g、44.8mmol)を添加した。反応混合物を25℃で1時間MeOH中で撹拌し、次いで水(70mL)を添加することによりクエンチした。クエンチした反応混合物をEAで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(10.0g、収率63%)を得た。
ステップ2:1-(3-((6-クロロ-4-(1-エトキシビニル)-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)エタン-1-オン
トルエン(150mL)中の化合物トリブチル(1-エトキシビニル)スタンナン(9.14g、25.3mmol)1-(3-((4-ブロモ-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)エタン-1-オン(8.20g、23.0mmol)、及びPd(PPh(2.66g、2.30mmol)の混合物を脱気し、窒素で3回パージし、次いで混合物を100℃で16時間撹拌した。反応混合物を周囲温度に冷却し、飽和KF水溶液(300mL)でクエンチし、水(100mL)で希釈し、EA(200mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残渣を得た。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(7.50g、収率94%)を黄色の固体として得た。
ステップ3:1-(3-((4-アセチル-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)エタン-1-オン
塩酸水溶液(6M、0.5mL)を、THF(105mL)及び水(35mL)中の1-(3-((6-クロロ-4-(1-エトキシビニル)-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)エタン-1-オン(6.90g、19.8mmol)の溶液に20℃で添加した。反応混合物を20℃で1時間攪拌し、次いで水(300mL)で希釈し、EA(200mL×3)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶出、0%~100%EA-PE)により精製して、表題化合物(5.00g、収率79%)を黄色の固体として得た。
ステップ4及び5:1-(3-((6-クロロ-4-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)エタン-1-オン
臭化メチルマグネシウム(ジエチルエーテル中3M、14mL)を、THF(200mL)中の1-(3-((4-アセチル-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)エタン-1-オン(4.50g、14.1mmol)の溶液に0℃で添加した。反応混合物を0℃で15分間攪拌し、次いで水(200mL)で希釈し、EA(150mL×3)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、1-(3-((6-クロロ-4-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)エタン-1-オン及び2-(1-(アゼチジン-3-イルオキシ)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-4-イル)プロパン-2-オール(4.10g、収率99%)の混合物を黄色の油状物として得た。混合物をDCM(50mL)に溶解させ、TEA(3.53g、34.9mmol)及び無水酢酸(2.14g、20.9mmol)を添加した。反応混合物を25℃で1時間撹拌し、次いで水(200mL)で希釈し、DCM(150mL×3)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残渣を得た。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶出、50%~100%EA-PE、次いで5%~10%MeOH-EA)により精製して、表題化合物(4.10g、収率87%)を黄色の油状物として得た。
ステップ6:1-(3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)エタン-1-オン
アジドトリメチルシラン(6.69g、58.1mmol)及び三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート(6.59g、46.5mmol)を、DCM(100mL)中の1-(3-((6-クロロ-4-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)エタン-1-オン(3.90g、11.6mmol)の溶液に添加した。反応混合物を25℃で2時間撹拌し、次いで水(200mL)で希釈し、DCM(150mL×3)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残渣を得た。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶出、0%~100%のEA-PE)により精製して、表題化合物(3.70g、収率88%)を黄色の油状物として得た。H-NMR (400 MHz, CDCl):δ ppm 9.47 (s,1H), 8.39 (s,1H), 8.15 (s,1H), 5.64-5.57 (m,1H), 4.68-4.60 (m,1H), 4.56-4.48 (m,1H), 4.36-4.27 (m,1H), 4.25-4.17 (m,1H),1.95 (s, 3H),1.81 (d, J = 8.0 Hz, 6H)。
実施例2d
Figure 2024510176000210
中間体8:(3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)(シクロプロピル)メタノン
Figure 2024510176000211
ステップ1:シクロプロピル(3-ヒドロキシアゼチジン-1-イル)メタノン
DCM(800mL)中の塩化シクロプロパンカルボニル(83.0g、757mmol、1.00当量)を、DCM(800mL)中のアゼチジン-3-オール(HCl塩、63.3g、606mmol、55.0mL、0.80当量)及びTEA(191g、1.89mol、263mL、2.50当量)の溶液に0℃で滴加した。混合物を25℃で2時間撹拌し、次いで濾過した。濾液を濃縮して残渣(150g、粗製)を得た。残渣をEAで粉砕して、表題化合物(32g、収率30%)を白色の固体として得た。
ステップ2~4:1-(6-クロロ-1-((1-(シクロプロパンカルボニル)アゼチジン-3-イル)オキシ)-2,7-ナフチリジン-4-イル)エタン-1-オン
中間体7のステップ1~3に記載したものと同様の3つのステップの手順を用いて、シクロプロピル(3-ヒドロキシアゼチジン-1-イル)メタノン及び4-ブロモ-1,6-ジクロロ-2,7-ナフチリジン(中間体5)から表題化合物を調製した。
ステップ5:(3-((6-クロロ-4-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)(シクロプロピル)メタノン
MeLi(1.6M、10.9mL)を、THF(64mL)中の1-(6-クロロ-1-((1-(シクロプロパンカルボニル)アゼチジン-3-イル)オキシ)-2,7-ナフチリジン-4-イル)エタン-1-オン(4g、11.6mmol)の溶液に-70℃で滴加した。反応混合物を-70℃で2時間撹拌し、次いで飽和NHCl水溶液(100mL)でクエンチし、EA(300mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、表題化合物(4.0g、粗製)を黄色の半固体として得て、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。MS(ES+)C1820ClNO3の理論値:361、実測値:362[M+H]
ステップ6:(3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)(シクロプロピル)メタノン
中間体7のステップ6に記載したもの同様の手順を用いて、(3-((6-クロロ-4-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)(シクロプロピル)メタノンから表題化合物を調製した。H-NMR (400 MHz, CDCl):δ ppm 9.49 (s,1H), 8.39 (s,1H), 8.16 (s,1H), 5.66-5.61 (m,1H), 4.80-4.73 (m,1H), 4.57-4.51 (m,1H), 4.48-4.42 (m,1H), 4.24-4.20 (m,1H),1.81 (br d, J = 5.6 Hz, 6H),1.49-1.43 (m,1H),1.08-1.01 (m, 2H), 0.82-0.78 (m, 2H)。
実施例2e
Figure 2024510176000212
中間体9:1-(3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)プロパン-1-オン
Figure 2024510176000213
ステップ1:3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル
水素化ナトリウム(170mg、4.25mmol、60重量%)を、THF(12mL)中の3-ヒドロキシアゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル(Combi-Blocks#AM-2061)(675mg、3.90mmol)の溶液に0℃で添加した。反応混合物を0℃で30分間撹拌し、次いで4-(2-アジドプロパン-2-イル)-1,6-ジクロロ-2,7-ナフチリジン(中間体6)(1g、3.54mmol)を添加し、冷却浴を外した。反応混合物を30分間攪拌し、次いで水(30mL)でクエンチし、EA(40mL×3)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残渣を得た。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶出、0%~60%EA-PE)により精製して、表題化合物(1.1g、収率63%)を黄色の固体として得た。MS(ES+)C1923ClNの理論値:418、実測値:419[M+H]
ステップ2:1-(アゼチジン-3-イルオキシ)-4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン
DCM(2mL)中の3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル(400mg、955umol)の溶液を、DCM(2mL)中のトリフルオロ酢酸(6.16g、54.0mmol、4mL)の溶液に25℃で添加した。反応混合物を25℃で10分間撹拌し、次いで濃縮して残渣(350mg、粗製)を得て、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。MS(ES+)C1415ClNOの理論値:318、実測値:319[M+H]
ステップ3:1-(3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)プロパン-1-オン
プロピオニルクロリド(203mg、2.20mmol、203uL)及びTEA(278mg、2.75mmol)を、DCM(10mL)中の1-(アゼチジン-3-イルオキシ)-4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン(350mg、1.1mmol)の溶液に0℃で添加した。反応混合物を0℃で1時間攪拌し、次いで水(30mL)で希釈し、EA(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残渣を得た。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶出、0%~100%EA-PE)により精製して、表題化合物(118mg、収率24%)を白色の固体として得た。MS(ES+)C1719ClNの理論値:374、実測値:375[M+H]
実施例2f
Figure 2024510176000214
中間体10:1-((2S,3R)-3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)-2-メチルアゼチジン-1-イル)エタン-1-オン
Figure 2024510176000215
ステップ1~3:1-((2S,3R)-3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)-2-メチルアゼチジン-1-イル)エタンン-1-オン
上記の中間体9のステップ1~3に記載したものと同様の3つのステップの手順を用いて、4-(2-アジドプロパン-2-イル)-1,6-ジクロロ-2,7-ナフチリジン(中間体6)及び(2S,3R)-3-ヒドロキシ-2-メチルアゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル(Combi-Blocks#HD-7336)から表題化合物を調製した。ステップ3では、プロピオニルクロリドの代わりに塩化アセチルを使用した。C1719ClNの理論値:374、実測値:375[M+H]
実施例2g
Figure 2024510176000216
中間体11及びそのエナンチオマー:(3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)((1S,2S)-2-フルオロシクロプロピル)メタノン及び(3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)((1R,2R)-2-フルオロシクロプロピル)メタノン
Figure 2024510176000217
ステップ1:(3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)((1S,2S)-2-フルオロシクロプロピル)メタノン
P(998mg、1.57mmol、純度50%)及びTEA(158mg、1.57mmol)を、DCM(3mL)中の1-(アゼチジン-3-イルオキシ)-4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン(100mg、313μmol)(中間体9、ステップ2)及び(1S,2S)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボン酸(Enamine#EN300-1654606)(48.9mg、470μmol)の溶液に添加した。反応混合物を25℃で1時間撹拌し、次いで濃縮して、残渣を得た。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶出、5%~50%EA-PE)により精製して、表題化合物(80.0mg、収率63%)を黄色の固体として得た。MS(ES+)C1818ClFNの理論値:404、実測値:405[M+H]。中間体11のエナンチオマーは、(1R,2R)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボン酸(Combi-Blocks#QM-4290)を使用することを除いて、中間体11のための手順と同様の手順を用いて作製される。
実施例2h
Figure 2024510176000218
中間体12:((2S,3R)-3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)-2-メチルアゼチジン-1-イル)((1S,2S)-2-フルオロシクロプロピル)メタノン
Figure 2024510176000219
ステップ1:((2S,3R)-3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)-2-メチルアゼチジン-1-イル)((1S,2S)-2-フルオロシクロプロピル)メタノン
0℃で0.5時間反応させることを除く、中間体11のための上記に記載した同様の手順を用いて、4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-1-(((2S,3R)-2-メチルアゼチジン-3-イル)オキシ)-2,7-ナフチリジン(中間体10、ステップ2)及び(1S,2S)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボン酸から表題化合物を調製した。
実施例2i
Figure 2024510176000220
中間体13及び14:(S)-N-((R)-1-(6-クロロ-1-((1-((1S,2S)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボニル)アゼチジン-3-イル)オキシ)-2,7-ナフチリジン-4-イル)プロピル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド及び(S)-N-((S)-1-(6-クロロ-1-((1-((1S,2S)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボニル)アゼチジン-3-イル)オキシ)-2,7-ナフチリジン-4-イル)プロピル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
Figure 2024510176000221
ステップ1:3-((4-ブロモ-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル
中間体7のステップ1に記載したものと同様の手順を用いて、4-ブロモ-1,6-ジクロロ-2,7-ナフチリジン(中間体5)及び3-ヒドロキシアゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチルから表題化合物を調製した。
ステップ2:1-(アゼチジン-3-イルオキシ)-4-ブロモ-6-クロロ-2,7-ナフチリジン
TFA(5.50g、3.57mL)及びDCM(2mL)中の3-((4-ブロモ-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル(1g、2.41mmol)の溶液を、15℃で30分間撹拌した。次いで、反応混合物を減圧下15℃で濃縮して溶媒を除去し、表題化合物(750mg、粗製)を黄色の油状物として得て、これをさらに精製することなく使用した。
ステップ3:(3-((4-ブロモ-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)((1S,2S)-2-フルオロシクロプロピル)メタノン
P(2.28g、7.15mmol)を、DCM(3)中の1-(アゼチジン-3-イルオキシ)-4-ブロモ-6-クロロ-2,7-ナフチリジン(750mg、2.38mmol)、(1S、2S)-2-フルオロプロパン-1-カルボン酸(273mg、2.62mmol)及びTEA(1.21g、11.9mmol)の溶液に添加した。反応混合物を15℃で16時間撹拌し、次いで濃縮して、残渣を得た。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(50%EA-PE)により精製して、表題化合物(900mg、収率94%)を無色の油状物として得た。
ステップ4:(3-((6-クロロ-4-(2-メチルプロパ-1-エン-1-イル)-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)((1S,2S)-2-フルオロシクロプロピル)メタノン
Pd(dppf)Cl(73.1mg、99.8μmol)及び炭酸カリウム(552mg、3.99mmol)を、ジオキサン(10mL)及び水(2mL)中の(3-((4-ブロモ-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)((1S,2S)-2-フルオロシクロプロピル)メタノン(800mg、2.00mmol)及び4,4,5,5-テトラメチル-2-(2-メチルプロパ-1-エン-1-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(382mg、2.10mmol)の溶液に添加した。反応混合物を、窒素下、80℃で1時間撹拌し、次いで周囲温度に冷却し、EAと水とに分配した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残渣を得た。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(50%EA-PE)により精製して、表題化合物(700mg、収率93%)を黄色の固体として得た。
ステップ5:6-クロロ-1-((1-((1S,2S)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボニル)アゼチジン-3-イル)オキシ)-2,7-ナフチリジン-4-カルバルデヒド
オゾンを、DCM(20mL)及びMeOH(2mL)中の(3-((6-クロロ-4-(2-メチルプロパ-1-エン-1-イル)-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)((1S,2S)-2-フルオロシクロプロピル)メタノン(700mg、1.86mmol)の溶液に-78℃で20分間吹き込んだ。過剰のオゾンを窒素でパージし、ジメチルスルフィド(231mg、3.73mmol)を0℃で10分間かけて添加して、反応混合物を15℃で1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶出、50%~75%のEA-PE)で精製することにより、表題化合物(320mg、収率49%)を白色の固体として得た。
ステップ6:(S)-N-((E)-(6-クロロ-1-((1-((1S,2S)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボニル)アゼチジン-3-イル)オキシ)-2,7-ナフチリジン-4-イル)メチレン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
Ti(i-PrO)(1.56g、5.49mmol)を、トルエン(10mL)中の(S)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(333mg、2.74mmol)及び6-クロロ-1-((1-((1S,2S)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボニル)アゼチジン-3-イル)オキシ)-2,7-ナフチリジン-4-カルバルデヒド(320mg、915μmol)の溶液に添加した。反応混合物を100℃で3時間撹拌し、次いでEA(200mL)及び水(50mL)に注ぎ入れ、濾過し、EA(100mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残渣を得た。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶出、50%~75%EA-PE)により精製して、表題化合物(200mg、収率48%)を白色の固体として得た。
ステップ7:(S)-N-((R)-1-(6-クロロ-1-((1-((1S,2S)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボニル)アゼチジン-3-イル)オキシ)-2,7-ナフチリジン-4-イル)プロピル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド及び(S)-N-((S)-1-(6-クロロ-1-((1-((1S,2S)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボニル)アゼチジン-3-イル)オキシ)-2,7-ナフチリジン-4-イル)プロピル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
臭化エチルマグネシウム(3M、883μL)を、THF(2mL)中の(S)-N-((E)-(6-クロロ-1-((1-((1S,2S)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボニル)アゼチジン-3-イル)オキシ)-2,7-ナフチリジン-4-イル)メチレン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(200mg、441μmol)の溶液に15℃で添加した。反応混合物を15℃で10分間撹拌し、次いで水(5mL)に注ぎ入れ、EA(10mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残渣を得た。残渣を分取HPLCにより精製して(カラム:Waters Xbridge150×25mm×5um;移動相:[水(10mMのNHHCO)-ACN];B%:28%~58%、10分間)、表題化合物を別々に得た。立体化学は任意に指定した。
第1の溶出異性体(ピーク1(中間体13):20mg、収率9.38%)を黄色固体として得た。H-NMR (400 MHz, CDCl):δ ppm 9.47 (s,1H), 8.15 (d, J= 3.2 Hz,1H), 8.04 (d, J =10.0 Hz,1H), 5.67-5.65 (m,1H), 4.82-4.26 (m, 7H), 3.58-3.50 (m,1H), 2.07-1.67 (m, 8H),1.21 (s, 9H),1.15-1.10 (m, 2H), 0.95-0.91 (m, 4H)。
第2の溶出異性体(ピーク2(中間体14):20mg、収率9.38%)を黄色固体として得た。H-NMR (400 MHz, CDCl):δ ppm 9.46 (s,1H), 8.20 (m,1H), 7.99 (d, J=11.2 Hz,1H), 5.66-5.63 (m,1H), 4.79-4.27 (m, 7H), 3.61-3.58 (m,1H), 2.21-1.88 (m, 7H),1.25 (s, 9H),1.10-1.08 (m, 2H), 0.94-0.88 (m, 4H)。
実施例2j
Figure 2024510176000222
中間体15:(S)-4-(2-アジド-1-メトキシプロパン-2-イル)-1,6-ジクロロ-2,7-ナフチリジン
Figure 2024510176000223
ステップ1:6-クロロ-1-メトキシ-4-(プロパ-1-エン-2-イル)-2,7-ナフチリジン
中間体13及び14のステップ4に記載したものと同様の手順を用いて、4-ブロモ-6-クロロ-1-メトキシ-2,7-ナフチリジン(中間体6、ステップ1)及び2-イソプロペニル-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランから表題化合物を調製した。
ステップ2:2-(6-クロロ-1-メトキシ-2,7-ナフチリジン-4-イル)プロパン-1,2-ジオール
OsO(1.02g、4.01mmol)を、アセトン(160mL)及びHO(40mL)中の6-クロロ-1-メトキシ-4-(プロパ-1-エン-2-イル)-2,7-ナフチリジン(9.4g、40.0mmol)及びNMO(9.38g、80.1mmol)の混合物に添加した。反応混合物を25℃で12時間撹拌し、次いで飽和KF水溶液(150mL)でクエンチし、濾過した。溶液をEA(2×300mL)で抽出した。有機相を、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、表題化合物(9.3g、収率86%)を黄色の油状物として得て、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。
ステップ3:6-クロロ-4-(1,2-ジメトキシプロパン-2-イル)-1-メトキシ-2,7-ナフチリジン
NaH(4.85g、121mmol、純度60%)を、THF(150mL)中の2-(6-クロロ-1-メトキシ-2,7-ナフチリジン-4-イル)プロパン-1,2-ジオール(9.3g、34.6mmol)の溶液に添加した。反応混合物を25℃で0.5時間撹拌し、次いでMeI(12.3g、86.5mmol)を添加した。反応混合物を25℃で0.5時間撹拌し、次いで40℃で2時間撹拌した。次いで、反応混合物を、飽和NHCl水溶液(50mL)の撹拌溶液に添加し、EA(300mL)で抽出した。有機層を飽和NHCl水溶液(100mL×3)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、表題化合物(10g、収率85%)を黄色の油状物として得て、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。
ステップ4:4-(2-アジド-1-メトキシプロパン-2-イル)-6-クロロ-1-メトキシ-2,7-ナフチリジン
BF.EtO(8.80g、62.0mmol)を、DCE(150mL)中の6-クロロ-4-(1,2-ジメトキシプロパン-2-イル)-1-メトキシ-2,7-ナフチリジン(9.2g、31.0mmol)及びTMSN(17.9g、155mmol)の混合物に25℃で添加した。反応混合物をN2下で60℃に6時間加熱した。次いで、反応混合物を飽和NaHCO水溶液(300mL)の撹拌溶液に添加し、EA(300mL)で抽出した。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残渣を得た。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(20%EA-PE)により精製して、表題化合物(8g、収率73%)を無色の油状物として得た。
ステップ4:(R)-4-(2-アジド-1-メトキシプロパン-2-イル)-6-クロロ-1-メトキシ-2,7-ナフチリジン及び(S)-4-(2-アジド-1-メトキシプロパン-2-イル)-6-クロロ-1-メトキシ-2,7-ナフチリジン
表題化合物を、4-(2-アジド-1-メトキシプロパン-2-イル)-6-クロロ-1-メトキシ-2,7-ナフチリジンのキラルSFC分離(カラム:Daicel ChiralPak IG(250×30mm、10um);移動相:[15%(0.1%NHOHを含むIPA)]によって調製し、2つの表題異性体を得た。第1の溶出異性体は、(R)-4-(2-アジド-1-メトキシプロパン-2-イル)-6-クロロ-1-メトキシ-2,7-ナフチリジンであり、第2の溶出異性体は、(S)-4-(2-アジド-1-メトキシプロパン-2-イル)-6-クロロ-1-メトキシ-2,7-ナフチリジンであった。異性体は、第2の溶出異性体から誘導された化合物16のX線結晶構造によって決定された。
ステップ5:(S)-4-(2-アジド-1-メトキシプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-オール
HCl水溶液(6M、5.41mL)を、THF(240mL)中の(S)-4-(2-アジド-1-メトキシプロパン-2-イル)-6-クロロ-1-メトキシ-2,7-ナフチリジン(3g、9.75mmol)の溶液に添加した。混合物を25℃で12時間撹拌し、次いで固体NaHCOを添加してpHを約8に調節した。混合物をEA(2×150mL)で抽出し、有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、表題化合物(2.7g、収率83%、純度88%)を白色固体として得て、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。
ステップ6:(S)-4-(2-アジド-1-メトキシプロパン-2-イル)-1,6-ジクロロ-2,7-ナフチリジン
POCl(3.34g、21.8mmol)を、ACN(20mL)中の(S)-4-(2-アジド-1-メトキシプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-オール(1.28g、4.36mmol)及びTEA(1.16g、11.5mmol)の混合物に添加した。混合物を、100℃に12時間加熱した。次いで、反応混合物を飽和NHCl水溶液(50mL)に添加し、EA(100mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残渣を得た。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(25%のEA-PE)により精製して、表題化合物(1.2g、収率88%)を黄色の油状物として得た。H NMR (400 MHz, CDCl):δ ppm 9.61 (s,1H), 8.57 (s,1H), 8.48 (s,1H), 3.98 (d, J= 9.6Hz,1H), 3.78 (d, J= 9.6Hz,1H), 3.41 (s, 3H),1.80 (s, 3H)。
実施例2k
Figure 2024510176000224
中間体16:(S)-(3-((4-(2-アジド-1-メトキシプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)(シクロプロピル)メタノン
Figure 2024510176000225
ステップ1~3:(S)-(3-((4-(2-アジド-1-メトキシプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)(シクロプロピル)メタノン
中間体9のステップ1~3に記載したものと同様の手順を用いて、(S)-4-(2-アジド-1-メトキシプロパン-2-イル)-1,6-ジクロロ-2,7-ナフチリジン及びシクロプロペニルクロリドから表題化合物を調製した。MS(ES+)C1921ClNの理論値:416、実測値:417[M+H]H NMR (400 MHz, CDCl)δ ppm 9.41 (s,1H), 8.34 (s,1H), 8.11 (s,1H), 5.61-5.51 (m,1H), 4.75-4.65 (m,1H), 4.45 (dd, J= 6.8,10.9 Hz,1H), 4.41-4.27 (m,1H), 4.17-4.09 (m,1H), 3.84 (dd, J =10.0,15.0 Hz,1H), 3.71-3.60 (m,1H), 3.36 (d, J = 5.6 Hz, 3H),1.69 (d, J=13.9 Hz, 3H),1.42-1.34 (m,1H), 0.97-0.92 (m, 2H), 0.72 (dd, J = 2.9, 7.8 Hz, 2H)。
実施例2l
Figure 2024510176000226
中間体28:(S)-3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル
Figure 2024510176000227
ステップ1~2:(S)-3-((6-クロロ-4-(1-エトキシビニル)-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル
中間体7のステップ1~2に記載したものと同様の手順を用いて、(S)-3-ヒドロキシピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル及び4-ブロモ-1,6-ジクロロ-2,7-ナフチリジン(中間体5)から表題化合物を調製した。
ステップ3:(S)-3-((4-アセチル-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル
THF(50mL)及びHCl(1N、50mL)中の(S)-3-((6-クロロ-4-(1-エトキシビニル)-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(5.00g、11.91mmol、1.00当量)の混合物を25℃で0.5時間撹拌した。次いで、反応混合物を、0℃で飽和NaHCO水溶液(25mL)の添加によりクエンチし、濃縮して、残渣を得た。混合物をEA(40mL×3)で抽出し、合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO、PE:EA=1:1~0:1)により精製して、表題化合物(2.20g、収率47%)を黄色の油状物として得た。
ステップ4:(S)-3-((6-クロロ-4-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル
THF(5.00mL)中のMeMgBr(n-ヘキサン中5.00M、1.79mL、5.00当量)の溶液に、THF(5.00mL)中の(S)-3-((4-アセチル-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(700mg、1.79mmol、1.00当量)の溶液を添加した。反応混合物を25℃で1時間撹拌し、次いで0℃で飽和NHCl水溶液(15mL)の添加によりクエンチし、EA(20.00mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(15mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO、PE:EA=1:1~0:1)により精製して、表題化合物(450mg、収率62%)を黄色の油状物として得た。
ステップ5:(S)-3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル
DCM(20mL)中の(S)-3-((6-クロロ-4-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(1.30g、3.19mmol、1.00当量)の溶液に、TMSN(1.05mL、7.97mmol、2.50当量)及びBF.EtO(865uL、7.01mmol、2.20当量)をN雰囲気下で添加した。反応混合物を25℃で3時間撹拌し、次いでHO(15mL)の添加によりクエンチし、EA(20.00mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO、PE:EA=1:1~0:1)により精製して、表題化合物(0.90g、収率65%)を黄色の油状物として得た。MS(ES+)C2025ClNの理論値:432、実測値:433[M+H]
実施例2m
Figure 2024510176000228
中間体29:(S)-1-(3-((4-(2-アジド-1-メトキシプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)エタン-1-オン
Figure 2024510176000229
ステップ1:(S)-(3-((4-(2-アジド-1-メトキシプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)(シクロプロピル)メタノン
中間体9のステップ1に記載したものと同様の手順を用いて、(S)-4-(2-アジド-1-メトキシプロパン-2-イル)-1,6-ジクロロ-2,7-ナフチリジン及び1-(3-ヒドロキシアゼチジン-1-イル)エタン-1-オン(中間体15)から表題化合物を調製した。MS(ES+)C1719ClNの理論値:390、実測値:391[M+H]
実施例2n
Figure 2024510176000230
中間体30:((2R,3S)-3-((4-((S)-2-アジド-1-メトキシプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)-2-メチルアゼチジン-1-イル)(シクロプロピル)メタノン
Figure 2024510176000231
ステップ1:(2R,3S)-2-メチルアゼチジン-3-オール
TFA(500μL、6.53mmol、4.89当量)を、DCM(3.90mL)中の(2R,3S)-3-ヒドロキシ-2-メチルアゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル(250mg、1.34mmol)の溶液に0℃で添加した。得られた溶液を23℃で2時間撹拌し、次いで濃縮して、残渣を得た。EtO(10mL)及びトルエン(10mL)を残渣に添加し、混合物を濃縮して、表題化合物(TFA塩、269mg、100%)を無色の油状物として得た。
ステップ2:シクロプロピル((2R,3S)-3-ヒドロキシ-2-メチルアゼチジン-1-イル)メタノン
DIPEA(693μL、3.98mmol、4.0当量)を、無水DMF(5.00mL)中のシクロプロパンカルボン酸(79.2μL、994μmol、1.0当量)及びHATU(378mg、994μmol、1.0当量)の懸濁液に23℃で添加し、続いて(2R,3S)-2-メチルアゼチジン-3-オール2,2,2-トリフルオロ酢酸(200mg、994μmol)を添加した。得られた反応混合物を23℃で5時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(0~10%のMeOH/DCM)により精製して、表題化合物(117mg、76%)を無色の油状物として得た。H NMR (DMSO-d, 400 MHz):δ 5.68 (1H, s), 4.34-4.18 (1H, m), 3.92 (2H, s), 3.79-3.42 (1H, m),1.42 (2H, s),1.26 (2H, s), 0.66 (4H, m)。
ステップ3:((2R,3S)-3-((4-((S)-2-アジド-1-メトキシプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)-2-メチルアゼチジン-1-イル)(シクロプロピル)メタノン
中間体9のステップ1に記載したものと同様の手順を用いて、(S)-4-(2-アジド-1-メトキシプロパン-2-イル)-1,6-ジクロロ-2,7-ナフチリジン(中間体15)及びシクロプロピル((2R,3S)-3-ヒドロキシ-2-メチルアゼチジン-1-イル)メタノンから表題化合物を調製した。
実施例2o
Figure 2024510176000232
中間体31:((2S,3R)-3-((4-((S)-2-アジド-1-メトキシプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)-2-メチルアゼチジン-1-イル)(シクロプロピル)メタノン
Figure 2024510176000233
ステップ1~3:((2S,3R)-3-((4-((S)-2-アジド-1-メトキシプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)-2-メチルアゼチジン-1-イル)(シクロプロピル)メタノン
中間体30のステップ1~2及び中間体9のステップ1に記載したものと同様の手順を用いて、(2S,3R)-3-ヒドロキシ-2-メチルアゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル及び(S)-4-(2-アジド-1-メトキシプロパン-2-イル)-1,6-ジクロロ-2,7-ナフチリジンから表題化合物を調製した。
実施例2p
Figure 2024510176000234
中間体32:(3-((4-((S)-2-アジド-1-メトキシプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)((1R,2R)-2-フルオロシクロプロピル)メタノン
Figure 2024510176000235
ステップ1~2:(3-((4-((S)-2-アジド-1-メトキシプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)((1R,2R)-2-フルオロシクロプロピル)メタノン
中間体30のステップ2及び中間体9のステップ1に記載したものと同様の手順を用いて、(1R,2R)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボン酸及び(S)-4-(2-アジド-1-メトキシプロパン-2-イル)-1,6-ジクロロ-2,7-ナフチリジンから表題化合物を調製した。
実施例2q
Figure 2024510176000236
中間体33:cis-3-((4-((S)-2-アジド-1-メトキシプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)-N,N-ジメチルシクロブタン-1-カルボキサミド
Figure 2024510176000237
ステップ1:cis-3-ヒドロキシ-N,N-ジメチルシクロブタン-1-カルボキサミド
DIPEA(1.16mL、6.63mmol、3.89当量)を、無水DMF(5.00mL)中のcis-3-ヒドロキシシクロブタンカルボン酸(200mg、1.72mmol)、HATU(655mg、1.72mmol、1.0当量)、及びジメチルアミン塩酸塩(169mg、2.07mmol、1.20当量)の溶液に23℃で添加した。得られた反応混合物を23℃で4時間撹拌し、次いで濃縮し、シリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(MeOH/DCMでの勾配溶出)により精製して、表題化合物(222mg、86%)を白色の固体として得た。
ステップ2:cis-3-((4-((S)-2-アジド-1-メトキシプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)-N,N-ジメチルシクロブタン-1-カルボキサミド
中間体9のステップ1に記載したものと同様の手順を用いて、cis-3-ヒドロキシ-N,N-ジメチルシクロブタン-1-カルボキサミド及び(S)-4-(2-アジド-1-メトキシプロパン-2-イル)-1,6-ジクロロ-2,7-ナフチリジンから表題化合物を調製した。
実施例2r
Figure 2024510176000238
中間体34:trans-3-((4-((S)-2-アジド-1-メトキシプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)-N,N-ジメチルシクロブタン-1-カルボキサミド
Figure 2024510176000239
ステップ1~2:trans-3-((4-((S)-2-アジド-1-メトキシプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)-N,N-ジメチルシクロブタン-1-カルボキサミド
中間体33のステップ1及び中間体9のステップ1に記載したものと同様の手順を用いて、trans-3-ヒドロキシシクロブタン-1-カルボン酸及び(S)-4-(2-アジド-1-メトキシプロパン-2-イル)-1,6-ジクロロ-2,7-ナフチリジンから表題化合物を調製した。
実施例2s
Figure 2024510176000240
中間体35:3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸メチル
Figure 2024510176000241
ステップ1:1-((1-(tert-ブトキシカルボニル)アゼチジン-3-イル)オキシ)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-4-カルボン酸メチル
3-((4-ブロモ-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル(1.3g、3.13mmol)、Pd(dppf)Cl(0.256g、0.313mmol)、及びNEt(0.524ml、3.76mmol)を、MeOH(8.36ml)及びDMF(4.18ml)中で撹拌した。得られた混合物を真空及びCOガスに3回交互に供し、次いで30psiのCOガス下で50℃で3時間撹拌した。次いで、混合物を真空及びNガスに3回交互に供し、23℃に冷却し、DCM/MeOH(1:1)でセライトを通して濾過した。濾液を濃縮し、残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(20~100%のEA:ヘキサン)により精製して、表題化合物(0.6g、収率49%)を得た。
ステップ2:3-((6-クロロ-4-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル
MeMgBr(2.54ml、7.62mmol)を、THF(6.09ml)中の1-((1-(tert-ブトキシカルボニル)アゼチジン-3-イル)オキシ)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-4-カルボン酸メチル(0.6g、1.524mmol)の溶液に23℃で滴加した。反応混合物を30分間撹拌し、次いで飽和NHCl水溶液を、ガスの発生が停止するまでゆっくりと添加した。次いで、反応混合物をEAで抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(20~100%EA:ヘキサン)により精製して、表題化合物(0.5g、収率83%)を得た。
ステップ3:3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸メチル
DCM(1.5ml)中の3-((6-クロロ-4-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル(0.12g、0.305mmol)の溶液に、TMSN(0.100ml、0.762mmol)を23℃で添加し、続いてBFOEt(0.085ml、0.670mmol)を添加した。反応混合物を3時間撹拌し、次いでDIPEA(0.532ml、3.05mmol)を反応混合物に添加し、続いて直ちにクロロギ酸メチル(0.118ml、1.523mmol)を添加した。反応混合物を1時間撹拌し、次いでEA(50mL×3)で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液及びブラインで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(20~100%EA:ヘキサン)により精製して、表題化合物(50mg、収率43.6%)を得た。MS(ES+)C1617ClNの理論値:376、実測値:377[M+H]
実施例2t
Figure 2024510176000242
中間体36:3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸エチル
Figure 2024510176000243
ステップ1:3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸エチル
中間体35のステップ3に記載したものと同様の手順を用いて、3-((6-クロロ-4-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル及びクロロギ酸エチルから表題化合物を調製した。MS(ES+)C1719ClNの理論値:390、実測値:391[M+H]
実施例2u
Figure 2024510176000244
中間体37:3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)-N,N-ジメチルアゼチジン-1-カルボキサミド
Figure 2024510176000245
ステップ1:3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸エチル
中間体35のステップ3に記載したものと同様の手順を用いて、3-((6-クロロ-4-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル及びジメチルカルバミン酸クロリドから表題化合物を調製した。MS(ES+)C1720ClNの理論値:389、実測値:390[M+H]
実施例2v
Figure 2024510176000246
中間体38:3-((5-(2-アジドプロパン-2-イル)-3-クロロイソキノリン-8-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル
Figure 2024510176000247
ステップ1:(E)-2-(ヒドロキシイミノ)-7-メトキシ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オン
t-BuONO(67.9g、659mmol、78.4mL、1.10当量)を、THF(500mL)中の7-メトキシ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オン(99.0g、599mmol、1.00当量)の溶液に-10℃~0℃で添加し、続いてHCl(MeOH中4M、15.0mL、0.10当量)を混合物に-10~0℃で滴可した。反応混合物を0℃で2時間撹拌し、次いで濃縮して、残渣を得た。残渣をPE/EA=20:1(200mL)中でスラリー化し、濾過して、表題化合物(107g、収率87%)を黄色の固体として得た。MS(ES+)C10NOの理論値:191、実測値:192[M+H]
ステップ2:1,3-ジクロロ-8-メトキシイソキノリン
ジオキサン(500mL)中の(E)-2-(ヒドロキシイミノ)-7-メトキシ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オン(107g、522mmol、1.00当量)の溶液に、POCl(126g、827mmol、76.9mL、1.59当量)及びHCl(ジオキサン中4M、1.31mL、0.01当量)を0℃~10℃で添加した。反応混合物を70℃で12時間撹拌し、次いで25℃に冷却し、水(2.00L)でクエンチした。クエンチした混合物をDCM(500mL×4)で抽出し、有機層をブライン(500mL×2)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO、PE/EA=20/1~10/1)により精製して、表題化合物(48.8g、収率40.9%)を淡黄色の固体として得た。MS(ES+)C10ClNOの理論値:227、実測値:228[M+H]
ステップ3:3-クロロ-8-メトキシイソキノリン
THF(250mL)中の1,3-ジクロロ-8-メトキシイソキノリン(48.8g、213mmol、1.00当量)の溶液に、TMEDA(37.3g、320mmol、48.4mL、1.50当量)及びPd(dppf)Cl(1.57g、2.14mmol、0.01当量)を25℃で添加した。次いで、NaBH(17.2g、456mmol、2.13当量)をゆっくりと反応混合物に添加し、この反応混合物を25℃で1時間撹拌した。反応混合物を1N HCl(1.00L)に注ぎ入れ、EA(200mL×3)で抽出した。合わせた有機層を、セライト(登録商標)を通して濾過し、濾液をブライン(500mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO、PE/EA=20/1~5/1)により精製して、表題化合物(26.7g、収率64.3%)を淡黄色の固体として得た。MS(ES+)C10ClNOの理論値:193、実測値:194[M+H]
ステップ4:5-ブロモ-3-クロロ-8-メトキシイソキノリン
MeCN(300mL)中の3-クロロ-8-メトキシイソキノリン(26.7g、137mmol、1.00当量)の溶液に、NBS(29.3g、165mmol、1.20当量)を25℃で添加した。反応混合物を70℃で1時間撹拌し、次いで25℃に冷却した。混合物を濾過し、濾過ケークをMeCN(100mL)で洗浄した。濾過ケーキを収集し、真空下で乾燥させた。濾液をカラムクロマトグラフィー(SiO、PE/EA=1:0~1:1、Rf=0.45)により精製して、表題化合物(26.17g、収率69.6%)をオフホワイト色の固体として得た。MS(ES+)C10BrClNOの理論値:273、実測値:274[M+H]
ステップ5:5-ブロモ-3-クロロイソキノリン-8-オール
DCM(50mL)中の5-ブロモ-3-クロロ-8-メトキシイソキノリン(3.00g、11.01mmol)の溶液に、BBr(13.8g、55.0mmol)を一度に添加した。反応混合物を50℃で12時間撹拌し、次いでMeOH(15mL)でクエンチし、濃縮して、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(PE/EA=10:1~1:1)により精製して、表題化合物(2.5g、収率88%)を黄色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, 6d-DMSO):δ ppm11.3 (s,1H), 9.21 (s,1H), 7.84 (d, J = 8.4 Hz,1H), 7.72 (s,1H), 8.85 (d, J= 8.4 Hz,1H)。
ステップ6:3-((5-ブロモ-3-クロロイソキノリン-8-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル
DMA(40mL)中の5-ブロモ-3-クロロイソキノリン-8-オール(1.40g、5.4mmol)、3-ヨードアゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル(2.30g、8.12mmol)、及びKCO(1.50g、10.8mmol)の混合物を120℃で2時間撹拌した。次いで、反応混合物を水(30mL)で希釈し、EA(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層を濃縮して、残渣を得た。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(0~50%EA/PEの溶離液)により精製して、表題化合物(2.22g、収率99%)をオフホワイト色の固体として得た。
ステップ7~9:3-((3-クロロ-5-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)イソキノリン-8-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル
中間体6のステップ2~4に記載したものと同様の手順を用いて、3-((5-ブロモ-3-クロロイソキノリン-8-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチルから表題化合物を調製した。
ステップ10:8-(アゼチジン-3-イルオキシ)-5-(2-アジドプロパン-2-イル)-3-クロロイソキノリン
DCM(10ml)中の3-((3-クロロ-5-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)イソキノリン-8-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル(560mg、1.43mmol)及びTMSN(821mg、7.13mmol)の溶液に、BFEtO(405mg、2.85mmol)を25℃で添加した。反応混合物を25℃で1時間撹拌し、次いで飽和重炭酸ナトリウム溶液(50mL)の添加によりクエンチし、EA(50ml×3)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(600mg、粗製)を黄色の油状物として得た。
ステップ11:3-((5-(2-アジドプロパン-2-イル)-3-クロロイソキノリン-8-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル
DCM(10ml)中の8-(アゼチジン-3-イルオキシ)-5-(2-アジドプロパン-2-イル)-3-クロロイソキノリン(580mg、1.83mmol)及びNEt(148mg、1.46mmol)の溶液に、BocO(239mg、1.10mmol)を添加し、次いで反応混合物を25℃で1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(0~30%EA/PEの溶離液)により精製して、表題化合物(510mg)をオフホワイト色の固体として得た。
実施例2w
Figure 2024510176000248
中間体39及び40:3-((5-((R)-1-(((S)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)プロピル)-3-クロロイソキノリン-8-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸ベンジル及び3-((5-((S)-1-(((S)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)プロピル)-3-クロロイソキノリン-8-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸ベンジル
Figure 2024510176000249
ステップ1:3-((5-ブロモ-3-クロロイソキノリン-8-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸ベンジル
中間体38のステップ1~6に記載したものと同様の手順を用いて、5-ブロモ-3-クロロイソキノリン-8-オール及び3-ヨードアゼチジン-1-カルボン酸ベンジルから表題化合物を調製した。
ステップ2:3-((3-クロロ-5-ビニルイソキノリン-8-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸ベンジル
EtOH(250M)及び水(1mL)中の3-((5-ブロモ-3-クロロイソキノリン-8-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸ベンジル(3.00g、6.70mmol)、トリフルオロ(ビニル)ボレート(1.17g、8.71mmol)、Pd(dppf)Cl(490mg、670μmol)、及びEtN(1.36g、13.4mmol)の溶液を80℃で2時間撹拌した。次いで、反応混合物を濃縮し、残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(0~60%EA/PEの溶離液)により精製して、表題化合物(2.20g、収率83%)をオフホワイト色の固体として得た。MS(ES+)C2219ClNの理論値:394、実測値:395[M+H]
ステップ3~5:3-((5-((R)-1-(((S)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)プロピル)-3-クロロイソキノリン-8-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸ベンジル及び3-((5-((S)-1-(((S)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)プロピル)-3-クロロイソキノリン-8-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸ベンジル
中間体13及び14のステップ5~7に記載したものと同様の手順を用いて、3-((3-クロロ-5-ビニルイソキノリン-8-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸ベンジルから表題化合物を調製した。2つの化合物の混合物を分取HPLC(カラム:Phenomenex luna C18 150×40mm×15um;移動相:[水(0.225%FA)-ACN];B%:58%~88%、10分)により精製して、表題化合物を別々に得た。立体化学を任意に指定した。
第1の溶出異性体(ピーク1(中間体39):400mg、収率42%)を黄色の固体として得た。MS(ES+)C2732ClNSの理論値:529、実測値:530[M+H]
第2の溶出異性体(ピーク2(中間体40):(370mg、収率39%))を黄色の固体として得た。MS(ES+)C2732ClNSの理論値:529、実測値:530[M+H]
実施例2x
Figure 2024510176000250
中間体41:2-((5-(2-アジドプロパン-2-イル)-3-クロロイソキノリン-8-イル)オキシ)エチルジメチルカルバメート
Figure 2024510176000251
ステップ1:5-ブロモ-3-クロロ-8-(2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)エトキシ)イソキノリン)
THF(100mL)中の5-ブロモ-3-クロロイソキノリン-8-オール(中間体38のステップ5から得られる表題化合物、1g、3.87mmol)の溶液に、NaH(232.11mg、5.80mmol、純度60%、1.5当量)を添加した。反応混合物を25℃で0.5時間撹拌し、次いで2-(2-ブロモエトキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン(2.43g、11.61mmol)を添加して、混合物を80℃に71.5時間加熱した。反応混合物の熱から取り出し、水(50mL)で希釈し、EA(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残渣を得た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE:EA=1:0~3:1)により精製して、表題化合物(1.4g、収率93.59%)を黄色の固体として得た。
ステップ2:2-((5-ブロモ-3-クロロイソキノリン-8-イル)オキシ)エタン-1-オール
ジオキサン(8mL)中の5-ブロモ-3-クロロ-8-(2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)エトキシ)イソキノリン(1.3g、3.36mmol、1当量)の溶液に、HCl/ジオキサン(4M、3.88mL)を添加した。混合物を25℃で10分間撹拌し、次いで濃縮し、表題化合物(1.0g、3.31mmol、収率98%)を黄色の固体として得て、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。
ステップ3:2-((5-ブロモ-3-クロロイソキノリン-8-イル)オキシ)エチルカルバミン酸ジメチル
THF(15mL)中のN,N-ジメチルカルバモイルクロリド(426.5mg、3.97mmol)の溶液に、NaH(158.65mg、3.97mmol、純度60%)を0℃で添加した。混合物を15分間撹拌し、次いで2-((5-ブロモ-3-クロロイソキノリン-8-イル)オキシ)エタン-1-オール(1.0g、3.31mmol、1当量)を添加し、混合物を25℃で45分間撹拌した。反応混合物を水(100mL)でクエンチし、EA(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、表題化合物(1.03g、収率83.41%)を黄色の固体として得て、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。
ステップ4~7:2-((5-(2-アジドプロパン-2-イル)-3-クロロイソキノリン-8-イル)オキシ)エチルカルバミン酸ジメチル
中間体6のステップ2~5に記載したものと同様の手順を用いて、2-((5-ブロモ-3-クロロイソキノリン-8-イル)オキシ)エチルカルバミン酸ジメチルから表題化合物を調製した。
MS(ES+)C1720ClNの理論値:377、実測値:378[M+H]
実施例2y
Figure 2024510176000252
中間体42:(3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)アミノ)アゼチジン-1-イル)(シクロプロピル)メタノン
Figure 2024510176000253
ステップ1:3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)アミノ)アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル
NMP(2mL)中の4-(2-アジドプロパン-2-イル)-1,6-ジクロロ-2,7-ナフチリジン(中間体6、200mg、708μmol)及び3-アミノアゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル(183mg、1.06mmol)の溶液に、DIPEA(137mg、1.06mmol)を添加した。混合物を25℃で16時間攪拌し、次いで水(40mL)で希釈し、EA(40mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残渣を得た。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(PE/EA=10/1~1/1)により精製して、表題化合物(200mg、収率67%)を黄色の固体として得た。
ステップ2:N-(アゼチジン-3-イル)-4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-アミン
DCM(0.5mL)中のTFA(436mg、3.83mmol)の溶液に、3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)アミノ)アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル(80.0mg、191μmol)を添加した。反応混合物を25℃で0.5時間撹拌し、次いで濃縮して、表題化合物(60.0mg、収率98%)を黄色の油状物として得た。
ステップ3:(3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)アミノ)アゼチジン-1-イル)(シクロプロピル)メタノン
DCM(3mL)中のN-(アゼチジン-3-イル)-4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-アミン(60.0mg、188μmol)及びEtN(38.2mg、377μmol)の溶液に、シクロプロパンカルボニルクロリド(19.7mg、188μmol)を添加した。反応混合物を25℃で0.5時間攪拌し、次いで水(30mL)で希釈し、EA(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残渣を得た。残渣を分取TLC(PE/EA=1/1)により精製して、表題化合物(60.0mg、収率82%)を黄色の固体として得た。
実施例2z
Figure 2024510176000254
中間体43:1-(3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)アミノ)アゼチジン-1-イル)エタン-1-オン
Figure 2024510176000255
ステップ1:1-(3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)アミノ)アゼチジン-1-イル)エタン-1-オン
DCM(1mL)中のN-(アゼチジン-3-イル)-4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-アミン(中間体42、ステップ2)(70.0mg、220μmol)及びEtN(44.5mg、440μmol)の溶液に、塩化アセチル(17.2mg、220μmol)を添加した。反応混合物を0℃で0.5時間攪拌し、次いで水(20mL)で希釈し、EA(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残渣を得た。残渣を分取TLC(PE/EA=1/1)により精製して、表題化合物(70.0mg、収率88%)を黄色の油状物として得た。
実施例2ab
Figure 2024510176000256
中間体44:(R)-4-(2-アジドブタン-2-イル)-1,6-ジクロロ-2,7-ナフチリジン
Figure 2024510176000257
ステップ1:6-クロロ-4-(1-エトキシビニル)-1-メトキシ-2,7-ナフチリジン
トルエン(2.20L)中の4-ブロモ-6-クロロ-1-メトキシ-2,7-ナフチリジン(中間体6のステップ1から得られる表題化合物、220g、804mmol、1.00当量)、トリブチル(1-エトキシビニル)スタンナン(264g、731mmol、246mL、0.90当量)、Pd(PPh(46.4g、40.2mmol、0.05当量)を、N下、100℃で36時間撹拌した。混合物を25℃に冷却し、トリブチル(1-エトキシビニル)スタンナン(0.35当量)をN下で上記の溶液にさらに添加した。混合物を100℃で12時間撹拌した。混合物を25℃に冷却し、飽和KF水溶液(2.00L)に注ぎ入れた。混合物をセライトのパッドを通して濾過し、濾液をEA(1.00L×2)で抽出した。合わせた有機層を濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO、PE/EA=20/1~10/1)により精製して、表題化合物(157g、668mmol、収率83.1%)を白色の固体として得た。
ステップ2:1-(6-クロロ-1-メトキシ-2,7-ナフチリジン-4-イル)エタン-1-オン
THF(942mL)及びHO(157mL)中の6-クロロ-4-(1-エトキシビニル)-1-メトキシ-2,7-ナフチリジン(157g、593mmol、1.00当量)の溶液に、HCl(1.50M、39.5mL、0.10当量)を添加し、次いで懸濁液を25℃で1時間撹拌した。混合物を飽和NaHCO水溶液(1.50L)に注ぎ入れ、EA(1.50L×2)で抽出した。合わせた有機層を濃縮して、残渣を得た。残渣をPE/EA=10:1(550mL)中で20℃~25℃で10分間スラリー化し、次いで懸濁液を濾過し、濾過ケーキを乾燥させて、表題化合物(114g)を白色の固体として得た。MS(ES+)C11ClNの理論値:236、実測値:237[M+H]
ステップ3:2-(6-クロロ-1-メトキシ-2,7-ナフチリジン-4-イル)ブタン-2-オール
THF(2.28L)中の1-(6-クロロ-1-メトキシ-2,7-ナフチリジン-4-イル)エタン-1-オン(114g、481mmol、1.00当量)の溶液を、EtMgBr(3.00M、481mL、3.00当量)の混合物に0℃~10℃で添加した。反応混合物を0℃~10℃で0.5時間撹拌し、次いで飽和NHCl水溶液(1.50L)に注ぎ入れ、EA(1.00L×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1.00L)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(PE/EA=5/1~2/1)により精製して、表題化合物(100g)を黄色の油状物として得た。MS(ES+)C1315ClNの理論値:266、実測値:267[M+H]
ステップ4:4-(2-アジドブタン-2-イル)-6-クロロ-1-メトキシ-2,7-ナフチリジン
DCM(1.00L)中の2-(6-クロロ-1-メトキシ-2,7-ナフチリジン-4-イル)ブタン-2-オール(100g、374mmol、1.00当量)及びBF.EtO(49.2mL、187mmol、純度47.0%、0.50当量)の溶液に、TMSN(123mL、937mmol、2.50当量)を25℃で添加した。反応混合物を25℃で12時間攪拌した。次いで、反応混合物を飽和NaHCO3水溶液(1.00L)にゆっくりと添加し、DCM(200mL×2)で抽出した。有機層をブライン(1.00L)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(PE/EA=100/1~5/1)により精製して、固体を得た。固体を、PE/EA=8/1(90.0mL)中で、25℃で10分間スラリー化し、次いで濾過し、濾過ケーキを乾燥させて、表題化合物(46.0g、155mmol、収率41.5%)を白色の固体として得た。MS(ES+)C1314ClNOの理論値:291、実測値:292[M+H]
ステップ5:(R)-4-(2-アジドブタン-2-イル)-6-クロロ-1-メトキシ-2,7-ナフチリジン
4-(2-アジドブタン-2-イル)-6-クロロ-1-メトキシ-2,7-ナフチリジン(46.0g、157mmol、純度98.7%、1.00当量)を、SFC(カラム:Daicel ChiralPak IG(250×30mm、10um);移動相:[0.1%NHO MEOH];B%:20%~20%)によって分離した。第2の溶出ピークを濃縮することで、表題化合物(21.5g、収率46.7%)を白色の固体として得た。表題化合物の絶対立体化学を、この中間体から調製された最終化合物のX線結晶構造によって決定した。MS(ES+)C1314ClNOの理論値:291、実測値:292[M+H]
ステップ6:(R)-4-(2-アジドブタン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-オール
THF(215mL)中の(R)-4-(2-アジドブタン-2-イル)-6-クロロ-1-メトキシ-2,7-ナフチリジン(21.5g、72.7mmol、1.00当量)の溶液に、HCl(3.00M、122mL、5.07当量)を25℃で添加し、次いで懸濁液を25℃で12時間撹拌し、続いて30℃で12時間撹拌した。反応混合物を飽和NAHCO(500mL)水溶液に注ぎ入れ、EA(150mL×2)で抽出し、ブライン(200mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をPE(100mL)中で、25℃で10分間スラリー化し、次いで濾過し、濾過ケーキを乾燥させて、表題化合物(18.5g)を白色の固体として得た。MS(ES+)C1212ClNOの理論値:277、実測値:278[M+H]
ステップ7:(R)-4-(2-アジドブパン-2-イル)-1,6-ジクロロ-2,7-ナフチリジン
以下に記載される反応を、3回並行して実施し、得られた粗生成物を合わせて精製した。MeCN(190mL)中の(R)-4-(2-アジドブタン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-オール(6.16g、22.1mmol、1.00当量)の溶液に、POCl(10.3mL、110mmol、5.00当量)及びEtN(8.03mL、57.6mmol、2.60当量)を添加した。反応混合物を120℃で64時間撹拌し、次いで濃縮して、残渣を得た。残渣を酢酸エチル(500mL)で希釈し、次いで水(500mL)で20℃~30℃でクエンチし、30℃で30分間撹拌した。混合物を、25℃での飽和NaCO水溶液の添加によりpH=8に調整し、次いでEA(500mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(500mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(PE/EA=1/0~8/1)により精製して、表題化合物(18.0g、収率88.4%)を淡黄色の固体として得た。MS(ES+)C1211Clの理論値:295、実測値:296[M+H]H NMR (400 MHz, CDCl):δ 9.62 (s,1H), 8.52 (s,1H), 8.43 (s,1H), 2.03-2.16 (m, 2H),1.61-1.89 (m, 3H), 0.85-0.89 (m, 3H)。
実施例2ac
Figure 2024510176000258
中間体45:(R)-1-(3-((4-(2-アジドブタン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)エタン-1-オン
Figure 2024510176000259
ステップ1:(R)-1-(3-((4-(2-アジドブタン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)エタン-1-オン
中間体9のステップ1に記載したものと同様の手順を用いて、(R)-4-(2-アジドブタン-2-イル)-1,6-ジクロロ-2,7-ナフチリジン(中間体44)及び1-(3-ヒドロキシアゼチジン-1-イル)エタン-1-オンから表題化合物を調製した。H-NMR (400 MHz, CDCl):δ ppm 9.47 (s,1H), 8.40 (s,1H), 8.18 (s,1H), 5.63-5.59 (m,1H), 4.64-4.61 (m,1H), 4.52-4.50 (m,1H), 4.33-4.32 (m,1H), 4.31-4.32 (m,1H), 2.10-2.06 (m,1H),1.95 (s, 3H),1.84-1.79 (m, 3H), 0.89-0.83 (m, 3H)。
実施例2ad
Figure 2024510176000260
中間体46:(R)-(3-((4-(2-アジドブタン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)(シクロプロピル)メタノン
Figure 2024510176000261
ステップ1:(R)-(3-((4-(2-アジドブタン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)(シクロプロピル)メタノン
中間体9のステップ1に記載したものと同様の手順を用いて、(R)-4-(2-アジドブタン-2-イル)-1,6-ジクロロ-2,7-ナフチリジン(中間体44)及びシクロプロピル(3-ヒドロキシアゼチジン-1-イル)メタノンから表題化合物を調製した。
実施例2ae
Figure 2024510176000262
中間体47:(R)-3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル
Figure 2024510176000263
ステップ1~5:(R)-3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル
中間体28のステップ1~5に記載したものと同様の手順を用いて、(R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル及び4-ブロモ-1,6-ジクロロ-2,7-ナフチリジンから表題化合物を調製した。
実施例2af
Figure 2024510176000264
中間体48:1-(3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)エタン-1-オン
Figure 2024510176000265
ステップ1~3:1-(3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)-3-メチルアゼチジン-1-イル)エタン-1-オン
中間体9のステップ1~3に記載したものと同様の手順を用いて、4-(2-アジドプロパン-2-イル)-1,6-ジクロロ-2,7-ナフチリジン及び3-ヒドロキシ-3-メチルアゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチルから表題化合物を調製した。MS(ES+)C1719ClNの理論値:374、実測値:375[M+H]
実施例2ag
Figure 2024510176000266
中間体49:N-(2-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)エチル)-N-メチルアセトアミド
Figure 2024510176000267
ステップ1~3:N-(2-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)エチル)-N-メチルアセトアミド
中間体9のステップ1~3に記載したものと同様の手順を用いて、4-(2-アジドプロパン-2-イル)-1,6-ジクロロ-2,7-ナフチリジン及び(2-ヒドロキシエチル)(メチル)カルバミン酸tert-ブチルから表題化合物を調製した。
実施例2ah
Figure 2024510176000268
中間体50:1-(2-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)エチル)ピロリジン-2-オン
Figure 2024510176000269
ステップ1:1-(2-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)エチル)ピロリジン-2-オン
中間体9のステップ1に記載したものと同様の手順を用いて、4-(2-アジドプロパン-2-イル)-1,6-ジクロロ-2,7-ナフチリジン及び1-(2-ヒドロキシエチル)ピロリジン-2-オンから表題化合物を調製した。
実施例2ai
Figure 2024510176000270
中間体51:cis-3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)-N,N-ジメチルシクロブタン-1-カルボキサミド
Figure 2024510176000271
ステップ1:cis-3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)シクロブタン-1-カルボン酸メチル
中間体9のステップ1に記載したものと同様の手順を用いて、4-(2-アジドプロパン-2-イル)-1,6-ジクロロ-2,7-ナフチリジン及びcis-3-ヒドロキシシクロブタン-1-カルボン酸メチルから表題化合物を調製した。
ステップ2:cis-3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)シクロブタン-1-カルボン酸
水(1mL)及びTHF(3mL)中のcis-3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)シクロブタン-1-カルボン酸メチル(60mg、160μmol)の溶液に、LiOH(11.5mg、479μmol)を添加した。反応混合物を15℃で0.5時間撹拌し、次いで塩酸水溶液(2M)でpH=5に酸性化し、EA(30mL×3)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(55mg、粗製)を白色の固体として得た。
ステップ3:cis-3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)-N,N-ジメチルシクロブタン-1-カルボキサミド
DCM(10mL)中のcis-3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)シクロブタン-1-カルボン酸(55mg、152μmol)、ジメチルアミン塩酸塩(24.8mg、304μmol)、及びEtN(76.9mg、760μmol)の溶液に、TP(145mg、456μmol)を添加した。反応混合物を15℃で1時間撹拌し、次いで濃縮して、残渣を得た。残渣を分取TLC(SiO、PE/EA=2/1)により精製して、表題化合物(55mg、収率93%)を白色の固体として得た。H NMR (400 MHz, CDOD):δ ppm 9.44 (s,1H), 8.52 (s,1H), 8.30 (s,1H), 5.50-5.40 (s,1H), 3.27-3.07 (m,1H), 2.97 (s, 3H), 2.89 (s, 3H), 2.89-2.86 (m, 2H), 2.52-2.49 (m, 2H),1.82 (s, 6H)。
実施例2aj
Figure 2024510176000272
中間体52:4-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)-N,N-ジメチルブタンアミド
Figure 2024510176000273
ステップ1:4-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)ブタン酸tert-ブチル
中間体9のステップ1に記載したものと同様の手順を用いて、4-(2-アジドプロパン-2-イル)-1,6-ジクロロ-2,7-ナフチリジン及び4-ヒドロキシブタン酸tert-ブチルから表題化合物を調製した。
ステップ2:4-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)ブタン酸
DCM(10mL)中の4-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)ブタン酸tert-ブチル(140mg、345umol)の溶液に、TFA(2mL)を添加し、反応混合物を25℃で1時間撹拌した。反応混合物を水(30mL)で希釈し、EA(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残渣を得た。残渣を分取TLC(PE:EA=1:1)により精製して、表題化合物(20mg、収率16%)を無色の油状物として得た。
ステップ3:4-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)-N,N-ジメチルブタンアミド
DCM(2mL)中の4-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)ブタン酸(15mg、42.9umol)及びジメチルアミン塩酸塩(9.67mg、119umol)の溶液に、HOBt(6.95mg、51.5umol)、EDCI(12.3mg、64.3umol)及びEtN(5.97uL、42.9umol)を添加した。反応混合物を25℃で6時間攪拌し、次いで水(30mL)で希釈し、EA(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、表題化合物(10mg、収率58%)を白色の固体として得て、これをさらに精製することなく使用した。MS(ES+)C1721ClNの理論値:376、実測値:377[M+H]
実施例2ak
Figure 2024510176000274
中間体53:(3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)((1S,2R)-2-メチルシクロプロピル)メタノン
Figure 2024510176000275
ステップ1:(3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)((1S,2R)-2-メチルシクロプロピル)メタノン
DCM(5mL)中の(1S,2 R)-2-メチルシクロプロパン-1-カルボン酸(42.0mg、416umol)及び1-(アゼチジン-3-イルオキシ)-4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン(中間体9のステップ2から得られる表題化合物、150mg、347umol、TFA)の溶液に、EtN(175mg、1.73mmol)及びTP(441mg、693umol、純度50%)を添加した。反応混合物を25℃で1時間撹拌し、次いで水(30mL)で希釈し、DCM(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残渣を得た。残渣を分取TLC(PE/EA=1:1)により精製して、表題化合物(100mg、収率72%)を白色の固体として得た。
実施例2al
中間体54~61:以下のステップ1で記載されるように、異なる試薬を用いたことを除く、中間体53のために記載したものと同様の手順を用いて、中間体を作製した。
Figure 2024510176000276
実施例2am
Figure 2024510176000277
中間体62:1-((2S,3R)-3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)-2-メチルアゼチジン-1-イル)プロパン-1-オン
Figure 2024510176000278
ステップ1:1-((2S,3R)-3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)-2-メチルアゼチジン-1-イル)プロパン-1-オン
上記の中間体9のステップ3に記載したものと同様の手順を用いて、4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-1-(((2S,3R)-2-メチルアゼチジン-3-イル)オキシ)-2,7-ナフチリジン(中間体10のステップ2から得られる表題化合物)及びプロピオニルクロリドから表題化合物を調製した。C1821ClNの理論値:388、実測値:389[M+H]
実施例2an
Figure 2024510176000279
中間体63:((2S,3R)-3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)-2-メチルアゼチジン-1-イル)(シクロプロピル)メタノン
Figure 2024510176000280
ステップ1:((2S,3R)-3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)-2-メチルアゼチジン-1-イル)(シクロプロピル)メタノン
上記の中間体9のステップ3に記載したものと同様の手順を用いて、4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-1-(((2S,3R)-2-メチルアゼチジン-3-イル)オキシ)-2,7-ナフチリジン(中間体10のステップ2から得られる表題化合物)及びシクロプロパンカルボニルクロリドから表題化合物を調製した。C1921ClNの理論値:400、実測値:401[M+H]
実施例2ao
Figure 2024510176000281
中間体64及び65:(S)-N-((R)-1-(6-クロロ-1-((1-(シクロプロパンカルボニル)アゼチジン-3-イル)オキシ)-2,7-ナフチリジン-4-イル)プロピル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド及び(S)-N-((S)-1-(6-クロロ-1-((1-(シクロプロパンカルボニル)アゼチジン-3-イル)オキシ)-2,7-ナフチリジン-4-イル)プロピル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
Figure 2024510176000282
ステップ1:(3-((4-ブロモ-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)(シクロプロピル)メタノン
DCM(8mL)中の1-(アゼチジン-3-イルオキシ)-4-ブロモ-6-クロロ-2,7-ナフチリジン(中間体13のステップ2から得られる表題化合物、0.75g、2.38mmol)及びEtN(724mg、7.15mmol)の溶液に、シクロプロパンカルボニルクロリド(374mg、3.58mmol)を0℃で添加した。反応混合物を0℃で1時間撹拌し、次いでEA(80mL)とブライン(50mL)とに分配した。水層をEA(50mL×3)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残渣を得た。残渣をEA(10mL)で、25℃で30分間粉砕して、表題化合物(420mg、収率42%)を黄色の固体として得た。
ステップ2:(3-((6-クロロ-4-ビニル-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)(シクロプロピル)メタノン
ジオキサン(20mL)及び水(5mL)中の(3-((4-ブロモ-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)(シクロプロピル)メタノン(5g、13.1mmol)及び4,4,5,5-テトラメチル-2-ビニル-1,3,2-ジオキサボロラン(1.81g、11.8mmol、1.99mL)の溶液に、Pd(dppf)Cl(956mg、1.31mmol)及びKCO(3.61g、26.13mmol)を添加した。反応混合物を80℃で18時間撹拌し、次いでEA(200mL)とブライン(100mL)とに分配した。水層をEA(150mL×3)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO、PE/EA=100/1~1/2)により精製して、表題化合物(2.6g、収率35%)をオフホワイト色の固体として得た。MS(ES+)C1716ClNの理論値:329、実測値:330[M+H]
ステップ3~5:(S)-N-((R)-1-(6-クロロ-1-((1-(シクロプロパンカルボニル)アゼチジン-3-イル)オキシ)-2,7-ナフチリジン-4-イル)プロピル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド及び(S)-N-((S)-1-(6-クロロ-1-((1-(シクロプロパンカルボニル)アゼチジン-3-イル)オキシ)-2,7-ナフチリジン-4-イル)プロピル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
中間体13及び14のステップ5~7に記載したものと同様の手順を用いて、(3-((6-クロロ-4-ビニル-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)(シクロプロピル)メタノンから表題化合物を調製した。2つの化合物の混合物を分取HPLC(カラム:Waters Xbridge150×25mm×5um;移動相:[水(0.05%アンモニア水酸化物v/v)-ACN];B%:32%~52%、10分)により精製して、表題化合物を別々に得た。立体化学は任意に指定した。
第1の溶出異性体(ピーク1(中間体64):25mg、収率12%)を黄色の固体として得た。MS(ES+)C2229ClNSの理論値:464、実測値:465[M+H]
第2の溶出異性体(ピーク2(中間体65):80mg、収率39%)を黄色の固体として得た。MS(ES+)C2229ClNSの理論値:464、実測値:465[M+H]
実施例2ap
Figure 2024510176000283
中間体66:(S)-N-(1-(6-クロロ-1-(cis-3-(3-メトキシアゼチジン-1-カルボニル)シクロブトキシ)-2,7-ナフチリジン-4-イル)プロピル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
Figure 2024510176000284
ステップ1:cis-3-((4-ブロモ-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)シクロブタン-1-カルボン酸メチル
中間体9のステップ1に記載したものと同様の手順を用いて、4-ブロモ-1,6-ジクロロ-2,7-ナフチリジン及びcis-3-ヒドロキシシクロブタン-1-カルボン酸メチルから表題化合物を調製した。
ステップ2:cis-3-((4-ブロモ-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)シクロブタン-1-カルボン酸
MeOH(45mL)及び水(15mL)中のcis-3-((4-ブロモ-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)シクロブタン-1-カルボン酸メチル(3.5g、9.42mmol、1当量)の溶液に、LiOH(676.66mg、28.26mmol、3当量)を添加した。反応混合物を25℃で1時間撹拌し、次いで濃縮し、水(100mL)で希釈した。混合物をHCl水溶液(6M、1mL)で酸性化し、EA(100mL×3)で抽出し、合わせた有機層を濃縮し、表題化合物(1.7g、4.75mmol、収率50.48%)を白色の固体として得て、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。
ステップ3:(cis-3-((4-ブロモ-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)シクロブチル)(3-メトキシアゼチジン-1-イル)メタノン
DMF(100mL)中のcis-3-((4-ブロモ-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)シクロブタン-1-カルボン酸(2.7g、7.55mmol、1当量)及び3-メトキシアゼチジン(1.40g、11.33mmol、1.5当量、HCl)の溶液に、EtN(5.25mL、37.75mmol、5当量)、及びHATU(5.74g、15.10mmol、2当量)を添加した。反応混合物を25℃で1時間攪拌し、次いで水(100mL)で希釈し、EA(75mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(80mL×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO、PE/EA=10/1~1/1)により精製して、表題化合物を白色の固体として得た。
ステップ4~7:(S)-N-(1-(6-クロロ-1-(cis-3-(3-メトキシアゼチジン-1-カルボニル)シクロブトキシ)-2,7-ナフチリジン-4-イル)プロピル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
中間体65のステップ2、ならびに中間体13及び14のステップ5~7に記載したものと同様の手順を用いて、(cis-3-((4-ブロモ-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)シクロブチル)(3-メトキシアゼチジン-1-イル)メタノンから表題化合物を調製した。
実施例2aq
Figure 2024510176000285
中間体67及び68:(S)-3-((5-(2-アジド-1-メトキシプロパン-2-イル)-3-クロロイソキノリン-8-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル及び(R)-3-((5-(2-アジド-1-メトキシプロパン-2-イル)-3-クロロイソキノリン-8-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル
Figure 2024510176000286
ステップ1:3-((3-クロロ-5-(プロパ-1-エン-2-イル)イソキノリン-8-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル
ジオキサン(40mL)及び水(8mL)中の3-((5-ブロモ-3-クロロイソキノリン-8-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル(中間体38のステップ6から得られる表題化合物、3g、7.25mmol)及び4,4,5,5-テトラメチル-2-(プロパ-1-エン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(1.34g、7.98mmol)の混合物に、Pd(dppf)Cl(530mg、725umol)及びKCO(2.00g、14.5mmol)を添加した。反応混合物を100℃で2時間撹拌し、次いで熱から取り出し、水(40mL)で希釈し、EA(60mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残渣を得た。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(0~20%EA/PEの溶離液)により精製して、表題化合物(2.1g、収率64%)を黄色の油状物として得た。MS(ES+)C2023ClNの理論値:374、実測値:375[M+H]
ステップ2:3-((3-クロロ-5-(1,2-ジヒドロキシプロパン-2-イル)イソキノリン-8-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル
アセトン(40mL)及び水(10mL)中の3-((3-クロロ-5-(プロパ-1-エン-2-イル)イソキノリン-8-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル(1.9g、5.07mmol)の溶液に、OsO(12.9mg、50.7mmol)及びNMO(1.19g、10.1mmol)を添加した。反応混合物を25℃で2時間撹拌し、次いで飽和亜硫酸ナトリウム水溶液(40mL)の添加によりクエンチした。混合物を水(20mL)で希釈し、EA(60mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残渣を得た。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(0~80%EA/PEの溶離液)により精製して、表題化合物(1.4g、収率68%)を白色の固体として得た。
ステップ3:3-((3-クロロ-5-(2-ヒドロキシ-1-メトキシプロパン-2-イル)イソキノリン-8-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル及び3-((3-クロロ-5-(1,2-ジメトキシプロパン-2-イル)イソキノリン-8-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル
THF(20mL)中の3-((3-クロロ-5-(1,2-ジヒドロキシプロパン-2-イル)イソキノリン-8-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル(1.3g、3.18mmol)の溶液に、NaH(153mg、3.82mmol)を0℃で添加した。0℃で0.5時間撹拌した後、MeI(496mg、3.50mmol)を反応混合物に添加し、冷却浴を外した。反応混合物を25℃で0.5時間攪拌し、次いで水(70mL)でクエンチし、EA(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残渣を得た。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(0~60%EA/PEの溶離液)により精製して、3-((3-クロロ-5-(2-ヒドロキシ-1-メトキシプロパン-2-イル)イソキノリン-8-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル(790mg、収率57%)を白色の固体として得、3-((3-クロロ-5-(1,2-ジメトキシプロパン-2-イル)イソキノリン-8-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル(440mg、収率31%)を白色の固体として得た。
ステップ4:8-(アゼチジン-3-イルオキシ)-5-(2-アジド-1-メトキシプロパン-2-イル)-3-クロロイソキノリン
1,2-DCE(25mL)中の3-((3-クロロ-5-(2-ヒドロキシ-1-メトキシプロパン-2-イル)イソキノリン-8-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル(720mg、1.70mmol)及びTMSN(981mg、8.51mmol)の溶液に、BF.EtO(483mg、3.41mmol)を添加した。反応混合物を25℃で1時間撹拌し、次いで飽和重炭酸ナトリウム水溶液(10mL)の添加によりクエンチした。混合物を水(30mL)で希釈し、EA(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、粗製の表題化合物(410mg、収率55%)を黄色の油状物として得て、これをさらに精製することなく次のステップで直接使用した。
ステップ5:(S)-3-((5-(2-アジド-1-メトキシプロパン-2-イル)-3-クロロイソキノリン-8-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル及び(R)-3-((5-(2-アジド-1-メトキシプロパン-2-イル)-3-クロロイソキノリン-8-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル
DCM(25mL)中の8-(アゼチジン-3-イルオキシ)-5-(2-アジド-1-メトキシプロパン-2-イル)-3-クロロイソキノリン(680mg、1.96mmol)、BocO(1.71g、7.82mmol)、及びEtN(396mg、3.91mmol)の溶液を25℃で1時間撹拌した。次いで、反応混合物を水(100mL)で希釈し、EA(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残渣を得た。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(0~25%EA/PEの溶離液)により精製して、表題化合物のラセミ混合物を得た。混合物(400mg、収率38%)をキラルSFC(カラム:Daicel Chiralpak AD(250mm×30mm、10μm);移動相:[0.1%NHO MEOH];B%:35%~35%)によって分離して、第1の(S)-3-((5-(2-アジド-1-メトキシプロパン-2-イル)-3-クロロイソキノリン-8-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチルまたは(R)-3-((5-(2-アジド-1-メトキシプロパン-2-イル)-3-クロロイソキノリン-8-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル(ピーク1、中間体67、93mg、収率23%)を無色の油状物として得、第2の(S)-3-((5-(2-アジド-1-メトキシプロパン-2-イル)-3-クロロイソキノリン-8-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチルまたは(R)-3-((5-(2-アジド-1-メトキシプロパン-2-イル)-3-クロロイソキノリン-8-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル(ピーク2、中間体68、100mg、収率25%)を無色の油状物として得た。MS(ES+)C2126ClNの理論値:447、実測値:448[M+H]
実施例2ar
Figure 2024510176000287
中間体69:アゼチジン-1-イル(3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)メタノン
Figure 2024510176000288
ステップ1:4-ニトロフェニルアゼチジン-1-カルボン酸
DCM(10mL)中のアゼチジン(250mg、4.38mmol)の溶液に、EtN(2.66g、26.3mmol)及び4-ニトロフェニルカルボノクロリデート(971mg、4.82mmol)を添加した。反応混合物を25℃で1時間撹拌し、次いでEA(80mL)と飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)とに分配した。層を分離し、水層をEA(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO、PE/EA=10/1~2/1)により精製して、表題化合物(770mg、収率76%)を黄色の固体として得た。MS(ES+)C1010の理論値:222、実測値:223[M+H]
ステップ2:アゼチジン-1-イル(3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)メタノン
アセトニトリル(6mL)中の4-ニトロフェニルアゼチジン-1-カルボン酸(153mg、690umol)及び1-(アゼチジン-3-イルオキシ)-4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン(中間体9のステップ2から得られる表題化合物、220mg、690umol)の溶液に、CsCO(675mg、2.07mmol)を添加した。反応混合物を80℃で2時間撹拌し、次いでEA(80mL)と飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)とに分配した。有機層を分離し、水層をEA(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残渣を得た。残渣を分取TLC(SiO、PE/EA=1:2)により精製して、表題化合物(120mg、収率32%)を黄色の固体として得た。MS(ES+)C1820ClNの理論値:401、実測値:402[M+H]
実施例2as
Figure 2024510176000289
中間体70:3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)-N,N,1-トリメチルシクロブタン-1-カルボキサミド
Figure 2024510176000290
ステップ1:N,N,1-トリメチル-3-オキソシクロブタン-1-カルボキサミド
DCM(10mL)中の1-メチル-3-オキソシクロブタン-1-カルボン酸(400mg、3.12mmol)及びジメチルアミン塩酸塩(1.27g、15.6mmol)の溶液に、HOBt(505mg、3.74mmol)、EDCI(897mg、4.68mmol)、及びEtN(473mg、4.68mmol)を添加した。反応混合物を25℃で0.5時間攪拌し、次いで水(40mL)で希釈し、EA(40mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(400mg、収率82%)を黄色の油状物として得た。
ステップ2:3-ヒドロキシ-N,N,1-トリメチルシクロブタン-1-カルボキサミド
MeOH(0.2mL)及びTHF(2mL)中のN,N,1-トリメチル-3-オキソシクロブタン-1-カルボキサミド(200mg、1.29mmol)の溶液に、NaBH(73.1mg、1.93mmol)を添加した。反応混合物を25℃で0.5時間撹拌し、次いで水(3mL)の添加によりクエンチし、EAで抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(180mg、収率88%)を黄色の油状物として得た。
ステップ3:3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)-N,N,1-トリメチルシクロブタン-1-カルボキサミド
中間体9のステップ1に記載したものと同様の手順を用いて、4-ブロモ-1,6-ジクロロ-2,7-ナフチリジン及び3-ヒドロキシ-N,N,1-トリメチルシクロブタン-1-カルボキサミドから表題化合物を調製した。
実施例2at
Figure 2024510176000291
中間体71:(3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)(3-フルオロアゼチジン-1-イル)メタノン
Figure 2024510176000292
ステップ1~2:(3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)(3-フルオロアゼチジン-1-イル)メタノン
ステップ2において、溶媒をDMF、塩基をKCO、温度及び時間を100℃で4時間にしたことを除く、中間体69のステップ1~2に記載したものと同様の手順を用いて、3-フルオロアゼチジン及び1-(アゼチジン-3-イルオキシ)-4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジンから表題化合物を調製した。MS(ES+)C1819ClFNの理論値:419、実測値:420[M+H]
実施例2u
Figure 2024510176000293
中間体72:(3-((4-((S)-2-アジド-1-メトキシプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)((1S,2S)-2-フルオロシクロプロピル)メタノン
Figure 2024510176000294
ステップ1~2:(3-((4-((S)-2-アジド-1-メトキシプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)((1S,2S)-2-フルオロシクロプロピル)メタノン
中間体30のステップ2及び中間体9のステップ1に記載したものと同様の手順を用いて、(1S,2S)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボン酸及び(S)-4-(2-アジド-1-メトキシプロパン-2-イル)-1,6-ジクロロ-2,7-ナフチリジンから表題化合物を調製した。
実施例2av
Figure 2024510176000295
中間体73:(3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)メタノン
Figure 2024510176000296
ステップ1~2:(3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)メタノン
ステップ2において、温度及び時間を100℃で4時間にしたことを除く、中間体69のステップ1~2に記載したものと同様の手順を用いて、3-フルオロアゼチジン及び1-(アゼチジン-3-イルオキシ)-4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジンから表題化合物を調製した。MS(ES+)C1818ClFの理論値:437、実測値:438[M+H]
実施例2aw
Figure 2024510176000297
中間体74:(1R,2R及び1S,2S)-2-(((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)メチル)-N,N-ジメチルシクロプロパン-1-カルボキサミド
Figure 2024510176000298
ステップ1:(1R,2R及び1S,2S)-2-(((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)メチル)シクロプロパン-1-カルボン酸メチル
中間体9のステップ1に記載したものと同様の手順を用いて、(1R,2R及び1S,2S)-2-(ヒドロキシメチル)シクロプロパン-1-カルボン酸メチル及び4-(2-アジドプロパン-2-イル)-1,6-ジクロロ-2,7-ナフチリジンから表題化合物を調製した。
ステップ2:(1R,2R及び1S,2S)-2-(((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)メチル)シクロプロパン-1-カルボン酸
MeOH(10mL)及び水(2mL)中の(1R,2R及び1S,2S)-2-(((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)メチル)シクロプロパン-1-カルボン酸メチル(510mg、1.36mmol)の溶液に、LiOH(97.5mg、4.07mmol)を添加した。反応混合物を60℃で0.5時間撹拌し、次いで熱から取り出し、EA(25mL)で抽出した。水相をHCl水溶液でpH<7に酸性化し、次いでEA(25mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、表題化合物(310mg、収率63%)を無色の油状物として得て、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。
ステップ3:(1R,2R及び1S,2S)-2-(((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)メチル)-N,N-ジメチルシクロプロパン-1-カルボキサミド
DMF(10mL)中の(1R,2R及び1S,2S)-2-(((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)メチル)シクロプロパン-1-カルボン酸(260mg、719μmol)の溶液に、EtN(145mg、1.44mmol、200μL)及びHATU(547mg、1.44mmol)を添加した。反応混合物を25℃で0.5時間撹拌し、次いでジメチルアミン(162mg、3.59mmol、182μL)を添加した。混合物を25℃で0.5時間攪拌し、次いで水(25mL)で希釈し、EA(25mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残渣を得た。残渣を分取HPLC(カラム:3_Phenomenex Luna C18 75×30mm×3um;移動相:[水(0.1%TFA)-ACN];B%:56%~76%、7分)により精製した。水相を酢酸エチル(15mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(150mg、収率54%)を無色の油状物として得た。MS(ES+)C1821ClNの理論値:388、実測値:389[M+H]
実施例2ax
Figure 2024510176000299
中間体75:2-(((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)メチル)-N,N-ジメチルシクロプロパン-1-カルボキサミド
Figure 2024510176000300
ステップ1:2-(ヒドロキシメチル)-N,N-ジメチルシクロプロパン-1-カルボキサミド
THF(2mL)中の2-(ヒドロキシメチル)シクロプロパン-1-カルボン酸エチル(500mg、3.47mmol)の溶液に、ジメチルアミン(2.0M、10mL)を添加した。反応混合物を70℃で24時間撹拌し、次いで濃縮し、表題化合物(550mg、粗製)を黄色の油状物として得て、これをさらに精製することなく使用した。
ステップ2:2-(((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)メチル)-N,N-ジメチルシクロプロパン-1-カルボキサミド
中間体9のステップ1に記載したものと同様の手順を用いて、2-(ヒドロキシメチル)-N,N-ジメチルシクロプロパン-1-カルボキサミド及び4-(2-アジドプロパン-2-イル)-1,6-ジクロロ-2,7-ナフチリジンから表題化合物を調製した。MS(ES+)C1821ClNの理論値:388、実測値:389[M+H]
実施例2ay
Figure 2024510176000301
中間体76及び77:(S)-1-(3-((4-(2-アジドペンタン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)エタン-1-オン及び(R)-1-(3-((4-(2-アジドペンタン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)エタン-1-オン
Figure 2024510176000302
ステップ1:2-(6-クロロ-1-メトキシ-2,7-ナフチリジン-4-イル)ペンタン-2-オール
MTBE(30mL)中の1-(6-クロロ-1-メトキシ-2,7-ナフチリジン-4-イル)エタン-1-オン(3.00g、12.7mmol)の溶液に、プロピルマグネシウムブロミド(2.00M、12.7mL)を添加した。反応混合物を25℃で1時間撹拌し、次に飽和塩化アンモニウム水溶液(150mL)で希釈し、EA(150mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO、PE/EA=1:0~3:2)により精製して、表題化合物(2.00g、4.99mmol、収率39%、純度70%)を黄色の油状物として得た。MS(ES+)C1417ClNの理論値:280、実測値:281[M+H]
ステップ2:4-(2-アジドペンタン-2-イル)-6-クロロ-1-メトキシ-2,7-ナフチリジン
DCM(30mL)中の2-(6-クロロ-1-メトキシ-2,7-ナフチリジン-4-イル)ペンタン-2-オール(1.80g、4.49mmol、純度70%)の混合物に、BFOEt(1.27g、8.98mmol、1.11mL)及びTMSN(2.07g、18.0mmol、2.36mL)を添加した 反応混合物を25℃で1時間撹拌し、次に水(50mL)で希釈し、EA(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO、PE/EA=1:0~9:1)により精製して、表題化合物(1.30g、4.25mmol、収率95%)を黄色の固体として得た。
ステップ3:4-(2-アジドペンタン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1(2H)-オン
THF(20mL)中の4-(2-アジドペンタン-2-イル)-6-クロロ-1-メトキシ-2,7-ナフチリジン(1.30g、4.25mmol)の溶液に、HCl水溶液(6M、10mL)を添加した。反応混合物を25℃で1時間撹拌し、次に飽和重炭酸ナトリウム水溶液でpH>7に希釈し、EA(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO、PE/EA=1:0~7:3)により精製して、表題化合物(1.00g、収率81%)を白色の固体として得た。
ステップ4:4-(2-アジドペンタン-2-イル)-1,6-ジクロロ-2,7-ナフチリジン
ACN(15mL)中の4-(2-アジドペンタン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1(2H)-オン(800mg、2.74mmol)の溶液に、POCl(2.10g、13.7mmol、1.27mL)及びEtN(721mg、7.13mmol、992μL)を添加した。反応混合物を100℃で12時間撹拌し、次に飽和重炭酸ナトリウム水溶液(50mL)で希釈し、EA(25mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO、PE/EA=1:0~9:1)により精製して、表題化合物(700mg、収率82%)を黄色の固体として得た。
ステップ5:(S)-1-(3-((4-(2-アジドペンタン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)エタン-1-オンまたは(R)-1-(3-((4-(2-アジドペンタン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)エタン-1-オン
THF(10mL)中の1-(3-ヒドロキシアゼチジン-1-イル)エタン-1-オン(204mg、1.77mmol)の溶液に、NaH(85.1mg、2.13mmol、純度60%)を0℃で添加した。混合物を25℃で0.5時間撹拌し、次いで4-(2-アジドペンタン-2-イル)-1,6-ジクロロ-2,7-ナフチリジン(550mg、1.77mmol)を添加し、反応混合物を25℃で0.5時間撹拌した。次いで、反応混合物を飽和塩化ナトリウム水溶液(20mL)で希釈し、EA(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO、PE/EA=1:0~0:1)により精製して、表題化合物のラセミ混合物(680mg、収率99%)を無色の油状物として得た。混合物を、キラルSFC(カラム:Daicel Chiralpak AD-H(250mm×30mm,5um);移動相:[0.1%NHO MeOH];B%:30%~30%)により分離し、第1の(S)-1-(3-((4-(2-アジドペンタン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)エタン-1-オンまたは(R)-1-(3-((4-(2-アジドペンタン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)エタン-1-オン(ピーク1、中間体76、325mg、収率44%)を無色の油状物として得、第2の(S)-1-(3-((4-(2-アジドペンタン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)エタン-1-オンまたは(R)-1-(3-((4-(2-アジドペンタン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)エタン-1-オン(ピーク2、中間体77、380mg、収率51%)を無色の油状物として得た。MS(ES+)C1821ClNの理論値:388、実測値:389[M+H]
実施例2az
Figure 2024510176000303
中間体78:(R)-1-(2-(((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)メチル)ピロリジン-1-イル)エタン-1-オン
Figure 2024510176000304
ステップ1:(R)-2-(((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)メチル)ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル
中間体9のステップ1に記載したものと同様の手順を用いて、(R)-2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル及び4-(2-アジドプロパン-2-イル)-1,6-ジクロロ-2,7-ナフチリジンから表題化合物を調製した。MS(ES+)C2127ClNの理論値:446、実測値:447[M+H]
ステップ2:(R)-4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-1-(ピロリジン-2-イルメトキシ)-2,7-ナフチリジン
DCM(3mL)中の(R)-2-(((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)メチル)ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(200mg、448μmol)の溶液に、TFA(1.54g、13.5mmol、1mL)を添加した。反応混合物を25℃で10時間撹拌し、次いで飽和重炭酸ナトリウム水溶液(10mL)で希釈し、EA(10mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、表題化合物(220mg、粗製)を黄色の油状物として得て、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。
ステップ3:(R)-1-(2-(((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)メチル)ピロリジン-1-イル)エタン-1-オン
DCM(5.00mL)中の(R)-4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-1-(ピロリジン-2-イルメトキシ)-2,7-ナフチリジン(171mg、492μmol)の溶液に、EtN(149mg、1.48mmol、206μL)及び塩化アセチル(70.3μL、985μmol)を添加した。反応混合物を0℃で10分間攪拌し、次いで水(10mL)で希釈し、EA(10mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO、PE/EA=1:0~2:3)により精製して、表題化合物(95.0mg、収率50%)を黄色の油状物として得た。MS(ES+)C1821ClNの理論値:388、実測値:389[M+H]
実施例2ba
Figure 2024510176000305
中間体79:(S)-1-(2-(((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)メチル)ピロリジン-1-イル)エタン-1-オン
Figure 2024510176000306
ステップ1~3:(S)-1-(2-(((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)メチル)ピロリジン-1-イル)エタン-1-オン
中間体78のステップ1~3に記載したものと同様の手順を用いて、(S)-2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル及び4-(2-アジドプロパン-2-イル)-1,6-ジクロロ-2,7-ナフチリジンから表題化合物を調製した。MS(ES+)C1821ClNの理論値:388、実測値:389[M+H]
実施例2bb
Figure 2024510176000307
中間体80:1-((2S,3R)-3-((4-((S)-2-アジド-1-メトキシプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)-2-メチルアゼチジン-1-イル)エタン-1-オン
Figure 2024510176000308
ステップ1~3:(S)-1-(2-(((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)メチル)ピロリジン-1-イル)エタン-1-オン
中間体9のステップ1~3に記載したものと同様の手順を用いて、(2S,3R)-3-ヒドロキシ-2-メチルアゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル及び(S)-4-(2-アジド-1-メトキシプロパン-2-イル)-1,6-ジクロロ-2,7-ナフチリジン(中間体15)から表題化合物を調製した。MS(ES+)C18 21 ClNの理論値:404、実測値:405[M+H]
実施例2bc
Figure 2024510176000309
中間体81:(S)-1-(3-((4-(2-アジド-1-メトキシプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)プロパン-1-オン
Figure 2024510176000310
ステップ1~3:(S)-1-(3-((4-(2-アジド-1-メトキシプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)プロパン-1-オン
中間体9のステップ1~3に記載したものと同様の手順を用いて、3-ヒドロキシアゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル及び(S)-4-(2-アジド-1-メトキシプロパン-2-イル)-1,6-ジクロロ-2,7-ナフチリジン(ステップ1、中間体80)から表題化合物を調製した。MS(ES+)C1821ClNの理論値:404、実測値:405[M+H]
実施例2bd
Figure 2024510176000311
中間体82:(S)-3-((4-(2-アジド-1-メトキシプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸メチル
Figure 2024510176000312
ステップ1~3:(S)-3-((4-(2-アジド-1-メトキシプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸メチル
最後のステップでクロロギ酸メチルを使用したことを除外し、中間体9のステップ1~3に記載したものと同様の手順を用いて、3-ヒドロキシアゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル及び(S)-4-(2-アジド-1-メトキシプロパン-2-イル)-1,6-ジクロロ-2,7-ナフチリジン(中間体15)から表題化合物を調製した。MS(ES+)C1719ClNの理論値:406、実測値:407[M+H]
実施例3:表1の化合物を合成する代表的な方法
実施例3a:合成方法1
Figure 2024510176000313
(7S,8R)-2-((8-((1-アセチルアゼチジン-3-イル)オキシ)-5-(2-アミノプロパン-2-イル)-2,7-ナフチリジン-3-イル)アミノ)-7,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン(化合物1)
Figure 2024510176000314
ステップ1:(7S,8R)-2-((8-((1-アセチルアゼチジン-3-イル)オキシ)-5-(2-アジドプロパン-2-イル)-2,7-ナフチリジン-3-イル)アミノ)-7,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン
BrettPhos Pd G4(25.5mg、27.7umol)、BrettPhos(14.9mg、27.7umol)、及び酢酸カリウム(81.60mg、831umol)を、ジオキサン(4mL)中の1-(3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)エタン-1-オン(中間体7)(100mg、277umol)及び(7S,8R)-2-アミノ-7,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン(中間体1)(79.9mg、416umol)の溶液に添加した。反応混合物を、窒素下、80℃で1時間撹拌し、次いで濃縮して、残渣を得た。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶出、50%~100%EA-PE)により精製して、表題化合物(140mg、収率80%)を黄色の固体として得た。MS(ES+)C2628の理論値:516、実測値:517[M+H]
ステップ2:(7S,8R)-2-((8-((1-アセチルアゼチジン-3-イル)オキシ)-5-(2-アミノプロパン-2-イル)-2,7-ナフチリジン-3-イル)アミノ)-7,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン
EA(2mL)中の(7S,8R)-2-((8-((1-アセチルアゼチジン-3-イル)オキシ)-5-(2-アジドプロパン-2-イル)-2,7-ナフチリジン-3-イル)アミノ)-7,8-ジメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン(120mg、2321umol)の溶液を脱気し、窒素で戻し充填した。次いで、酸化白金(IV)水和物(アダム触媒、38.5mg、170umol)を添加し、反応混合物を真空にして、約15psiの水素で戻し充填した。混合物を、約15psiの水素下、25℃で1.5時間撹拌した。次いで、反応混合物を濾過し、濃縮して、残渣を得た。残渣を分取HPLC(カラム:Phenomenex Synergi C18150×25×10μm;移動相:[水(0.225%FA)-ACN]10%~40%の勾配で10分間)により精製し、乾燥させて、表題化合物(8.1mg、収率6.0%、ギ酸塩)をオフホワイト色の固体として得た。MS(ES+)C2630の理論値:490、実測値:491[M+H]H-NMR (400 MHz, CDOD):δ ppm 9.51 (s,1H), 9.05 (s,1H), 8.52 (s,1H), 8.20 (d, J = 8.7 Hz,1H), 8.04 (s,1H), 7.40 (d, J= 8.7 Hz,1H), 5.82-5.56 (m,1H), 4.78-4.65 (m, 2H), 4.51 (dd, J= 6.7,11.2 Hz,1H), 4.43 (dd, J = 3.9,10.0 Hz,1H), 4.14 (dd, J= 4.0,11.4 Hz,1H), 3.08-2.92 (m,1H), 2.00 (d, J = 6.6 Hz, 6H),1.96 (s, 3H),1.53 (d, J= 7.2 Hz, 3H),1.48 (d, J = 6.5 Hz, 3H)。
実施例3b:合成方法1
Figure 2024510176000315
(R)-2-((8-((1-アセチルアゼチジン-3-イル)オキシ)-5-(2-アミノプロパン-2-イル)-2,7-ナフチリジン-3-イル)アミノ)-7,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン(化合物4)
Figure 2024510176000316
ステップ1:(R)-2-((8-((1-アセチルアゼチジン-3-イル)オキシ)-5-(2-アジドプロパン-2-イル)-2,7-ナフチリジン-3-イル)アミノ)-7,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン
BrettPhos Pd G4(128mg、139μmol)、BrettPhos(74.6mg、139μmol)、及び酢酸カリウム(341mg、3.47mmol)を、ジオキサン(10mL)中の1-(3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-イル)エタン-1-オン(中間体7)(500mg、1.39mmol)及び(R)-2-アミノ-7,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン(中間体3)(287mg、1.39mmol)の溶液に添加した。反応混合物を、窒素下、80℃で1時間撹拌し、次いで濃縮して、残渣を得た。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶出、50%~100%EA-PE)により精製して、表題化合物(600mg、収率81%)を黄色の固体として得た。MS(ES+)C2730の理論値:530、実測値:531[M+H]である。
ステップ2:(R)-2-((8-((1-アセチルアゼチジン-3-イル)オキシ)-5-(2-アミノプロパン-2-イル)-2,7-ナフチリジン-3-イル)アミノ)-7,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン
EA(150mL)中の(R)-2-((8-((1-アセチルアゼチジン-3-イル)オキシ)-5-(2-アジドプロパン-2-イル)-2,7-ナフチリジン-3-イル)アミノ)-7,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン(600mg、1.13mmol)の溶液を脱気し、窒素で戻し充填した。次いで、酸化白金(IV)水和物(アダム触媒、193mg、850μmol)を添加し、反応混合物を真空にして、約15psiの水素で戻し充填した。混合物を、約15psiの水素下、25℃で1.5時間撹拌した。次いで、反応混合物を濾過し、濃縮して、残渣を得た。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(0~10%MeOH-EA)により精製して、表題化合物(346mg、収率60%)を黄色の固体として)オフホワイト色の固体として得た。MS(ES+)C2732の理論値:504、実測値:505[M+H]H-NMR (400 MHz, CDOD):δ ppm 9.43 (s,1H), 9.39 (s,1H), 8.17 (s,1H), 8.14 (d, J = 8.4 Hz,1H), 7.23 (d, J= 8.8 Hz,1H), 5.65-5.57 (m,1H), 4.77-4.68 (m,1H), 4.55-4.45 (m,1H), 4.44-4.35 (m,1H), 4.16-4.09 (m,1H), 3.09-3.00 (m,1H),1.93 (s, 3H),1.81 (d, J= 8.0 Hz, 6H),1.54 (s, 3H),1.45 (s, 3H),1.40 (d, J = 7.2 Hz, 3H)。
実施例3c:合成方法2
Figure 2024510176000317
(R)-2-((5-(2-アミノプロパン-2-イル)-8-((1-((1R,2R)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボニル)アゼチジン-3-イル)オキシ)-2,7-ナフチリジン-3-イル)アミノ)-7,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン(化合物13)
Figure 2024510176000318
ステップ1:(R)-3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-((7,7,8-トリメチル-5-オキソ-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-2-イル)アミノ)-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル100℃で実施したことを除く、実施例3aのステップ1で上述したものと同様の手順を用いて、3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル(中間体9、ステップ1)及び中間体3から表題化合物を調製した。
ステップ2:(R)-2-((8-(アゼチジン-3-イルオキシ)-5-(2-アジドプロパン-2-イル)-2,7-ナフチリジン-3-イル)アミノ)-7,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン
ジオキサン(4M、6mL)中のHClを、ジオキサン(6mL)中の(R)-3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-((7,7,8-トリメチル-5-オキソ-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-2-イル)アミノ)-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチルの溶液(0.800g、1.36mol)に添加した。反応混合物を25℃で10分間撹拌し、次いで濃縮し、表題化合物(1.00g、粗製)を黄色の固体として得て、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。
ステップ3:(R)-2-((5-(2-アジドプロパン-2-イル)-8-((1-((1R,2R)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボニル)アゼチジン-3-イル)オキシ)-2,7-ナフチリジン-3-イル)アミノ)-7,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン
(1R,2R)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボン酸(Combi-Block#QM-4290)(63.9mg、614μmol)を、DCM(4mL)及びT3P(244mg、768μmol)中中の(R)-2-((8-(アゼチジン-3-イルオキシ)-5-(2-アジドプロパン-2-イル)-2,7-ナフチリジン-3-イル)アミノ)-7,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン(300mg、313μmol、純度50%)及びTEA(155mg、1.54mmol)の溶液に添加した。反応混合物を25℃で1時間撹拌し、次いで水(10mL)で希釈し、DCM(10mL×3)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残渣を得た。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶出、0%~80%EA-PE)により精製して、表題化合物(90mg、収率51%)を黄色の固体として得た。
ステップ4:(R)-2-((5-(2-アミノプロパン-2-イル)-8-((1-((1R,2R)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボニル)アゼチジン-3-イル)オキシ)-2,7-ナフチリジン-3-イル)アミノ)-7,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン
実施例3aのステップ2に上述したものと同様の手順を用いて、(R)-2-((5-(2-アジドプロパン-2-イル)-8-((1-((1R,2R)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボニル)アゼチジン-3-イル)オキシ)-2,7-ナフチリジン-3-イル)アミノ)-7,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オンから表題化合物を調製した。MS(ES+)C2933FNの理論値:548、実測値:549[M+H]H-NMR (400 MHz, CDOD):δ ppm 9.44 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 9.40 (s, 1H), 8.19 (s, 1H), 8.14 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.23 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 5.71-5.62 (m, 1H), 4.96-4.88 (m, 1H), 4.82-4.71 (m, 1H), 4.60-4.42 (m, 2H), 4.22-4.12 (m, 1H), 3.09-3.01 (m, 1H), 1.92-1.84 (m, 1H), 1.81 (d, J= 7.2 Hz, 6H), 1.75-1.63 (m, 1H), 1.54 (s, 3H), 1.45 (s, 3H), 1.40 (d, J = 7.2 Hz, 3H), 1.18-1.06 (m, 1H)。
実施例3ca:合成方法2
Figure 2024510176000319
(R)-2-((8-((1-アセチルアゼチジン-3-イル)オキシ)-5-(2-アミノプロパン-2-イル)イソキノリン-3-イル)アミノ)-7,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン(化合物21)
Figure 2024510176000320
ステップ1:(R)-3-((5-(2-アジドプロパン-2-イル)-3-((7,7,8-トリメチル-5-オキソ-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-2-イル)アミノ)イソキノリン-8-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル
100℃で実施したことを除く、実施例3aのステップ1で上述したものと同様の手順を用いて、3-((5-(2-アジドプロパン-2-イル)-3-クロロイソキノリン-8-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル(中間体38)及び中間体3から表題化合物を調製した。
ステップ2:(R)-2-((8-(アゼチジン-3-イルオキシ)-5-(2-アジドプロパン-2-イル)イソキノリン-3-イル)アミノ)-7,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン
DCM(1ml)及びTFA(0.3ml)中の(R)-3-((5-(2-アジドプロパン-2-イル)-3-((7,7,8-トリメチル-5-オキソ-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-2-イル)アミノ)イソキノリン-8-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル(50.0mg、85.1μmol)の混合物を、20℃で1時間撹拌した。反応混合物に飽和重炭酸ナトリウム水溶液(5mL)を加えてクエンチし、次いでEA(5ml×3)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(35.0mg、粗製)を黄色の油状物として得た。
ステップ3:(R)-2-((8-((1-アセチルアゼチジン-3-イル)オキシ)-5-(2-アジドプロパン-2-イル)イソキノリン-3-イル)アミノ)-7,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン
DCM(1ml)中の(R)-2-((8-(アゼチジン-3-イルオキシ)-5-(2-アジドプロパン-2-イル)イソキノリン-3-イル)アミノ)-7,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン(35.0mg、71.8μmol)及びNEt(36.3mg、359μmol)の溶液に、塩化アセチル(5.07mg、64.6μmol)を添加した。反応混合物を0℃で30分間撹拌し、次いで濃縮し、分取TLC(SiO、PE:EA=1:2)により精製して、表題化合物(20.0mg、収率47%)を黄色の油状物として得た。
ステップ4:(R)-2-((8-((1-アセチルアゼチジン-3-イル)オキシ)-5-(2-アミノプロパン-2-イル)イソキノリン-3-イル)アミノ)-7,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン
実施例3aのステップ2に上述したものと同様の手順を用いて、(R)-2-((8-((1-アセチルアゼチジン-3-イル)オキシ)-5-(2-アジドプロパン-2-イル)イソキノリン-3-イル)アミノ)-7,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オンから表題化合物を調製した。MS(ES+)C2833の理論値:503、実測値:504[M+H]H-NMR (400 MHz, CDOD):δ ppm 9.50 (s, 1H), 9.25 (s, 1H), 8.51 (s, 1H), 8.11 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.49 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.21 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.64 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.30 (s, 1H), 4.78-4.74 (m, 1H), 4.53-4.51(m, 1H), 4.44-4.41 (m, 1H), 4.15-4.10 (m, 1H), 3.00-2.90 (m, 1H), 2.05 (s, 3H), 2.02 (s, 3H), 1.95 (s, 3H), 1.54(s, 3H), 1.45 (s, 3H), 1.41 (d, J = 7.6 Hz, 3H)。
実施例3d:合成方法3
Figure 2024510176000321
(R)-2-((5-((R)-1-アミノプロピル)-8-((1-((1S,2S)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボニル)アゼチジン-3-イル)オキシ)-2,7-ナフチリジン-3-イル)アミノ)-7,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オンまたは(R)-2-((5-((S)-1-アミノプロピル)-8-((1-((1S,2S)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボニル)アゼチジン-3-イル)オキシ)-2,7-ナフチリジン-3-イル)アミノ)-7,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン(化合物11)
Figure 2024510176000322
ステップ1:(S)-N-((R)-1-(1-((1-((1S,2S)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボニル)アゼチジン-3-イル)オキシ)-6-(((R)-7,7,8-トリメチル-5-オキソ-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-2-イル)アミノ)-2,7-ナフチリジン-4-イル)プロピル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミドまたは(S)-N-((S)-1-(1-((1-((1S,2S)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボニル)アゼチジン-3-イル)オキシ)-6-(((R)-7,7,8-トリメチル-5-オキソ-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-2-イル)アミノ)-2,7-ナフチリジン-4-イル)プロピル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
BrettPhos Pd G4(3.81mg、4.14μmol)、BrettPhos(2.22mg、4.14μmol)、及び酢酸カリウム(20.3mg、207μmol)を、ジオキサン(1mL)中の中間体13(20mg、41.4μmol)及び中間体3(9.39mg、45.5μmol)の溶液に添加した。反応混合物を100℃で1時間撹拌し、次いで濾過し、濃縮して、残渣を得た。残渣を分取TLC(SiO2、10%MeOH-EA)により精製して、表題化合物(15mg、収率55%)を黄色の固体として得た。
ステップ2:(R)-2-((5-((R)-1-アミノプロピル)-8-((1-((1S,2S)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボニル)アゼチジン-3-イル)オキシ)-2,7-ナフチリジン-3-イル)アミノ)-7,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オンまたは(R)-2-((5-((S)-1-アミノプロピル)-8-((1-((1S,2S)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボニル)アゼチジン-3-イル)オキシ)-2,7-ナフチリジン-3-イル)アミノ)-7,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン
ジオキサン中のHCl(4M、1mL)を、(S)-N-((R)-1-(1-((1-((1S,2S)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボニル)アゼチジン-3-イル)オキシ)-6-(((R)-7,7,8-トリメチル-5-オキソ-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-2-イル)アミノ)-2,7-ナフチリジン-4-イル)プロピル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミドまたは(S)-N-((S)-1-(1-((1-((1S,2S)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボニル)アゼチジン-3-イル)オキシ)-6-(((R)-7,7,8-トリメチル-5-オキソ-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-2-イル)アミノ)-2,7-ナフチリジン-4-イル)プロピル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(15mg、22.9μmol)に15℃で添加した。反応混合物を10分間撹拌し、次いで濃縮して、残渣を得た。残留物をprep-HPLC(カラム:PhenomenexGemini-NXC1875×30mm、3um;移動相:[水(0.225%FA)-ACN]、B%:15%~45%、7分かけて)で精製すると、表題化合物(5.7mg、収率38%)が黄色の固体として得られた。MS(ES+)C2933FNの理論値:548、実測値:549[M+H]H-NMR (400 MHz, CDOD):δ ppm 9.45 (s, 1H), 8.86 (s, 1H), 8.55 (s, 1H), 8.18-8.14 (m, 2H), 7.31 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 5.70 (s, 1H), 4.81-4.76 (m, 1H), 4.61-4.52 (m, 4H), 4.21-4.18 (m, 1H), 3.23-3.17 (m, 1H), 2.12-2.03 (m, 2H), 1.90 (m, 1H), 1.55-1.46 (m, 1H), 1.46 (s, 3H), 1.12-1.10 (m, 1H), 1.07-1.02 (m, 3H)。
実施例3e:合成方法4
Figure 2024510176000323
(R)-2-((5-(2-アミノプロパン-2-イル)-8-((シス)-3-(3-メトキシアゼチジン-1-カルボニル)シクロブトキシ)-2,7-ナフチリジン-3-イル)アミノ)-7,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン(化合物15)
Figure 2024510176000324
ステップ1:(cis)-3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)シクロブタン-1-カルボン酸メチル
中間体7のステップ1に記載したものと同様の手順を用いて、4-(2-アジドプロパン-2-イル)-1,6-ジクロロ-2,7-ナフチリジン(中間体6)及び(cis)-3-ヒドロキシシクロブタン-1-カルボン酸メチル(Combi-Blocks#OT-2003)から表題化合物を調製した。
ステップ2:(cis)-3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-(((R)-7,7,8-トリメチル-5-オキソ-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ [4,3-b]ピリジン-2-イル)アミノ)-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)シクロブタン-1-カルボン酸メチル100℃で実施したことを除く、実施例3aのステップ1に記載したものと同様の手順を用いて、(cis)-3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-クロロ-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)シクロブタン-1-カルボン酸メチル及び中間体3から表題化合物を調製した。
ステップ3:(cis)-3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-(((R)-7,7,8-トリメチル-5-オキソ-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-2-イル)アミノ)-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)シクロブタン-1-カルボン酸水酸化リチウム水和物(13.2mg、550umol)を、(THF(1mL)及び水(1mL)中の(cis)-3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-(((R)-7,7,8-トリメチル-5-オキソ-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-2-イル)アミノ)-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)シクロブタン-1-カルボン酸(100mg、183umol)の溶液に添加した。混合物を25℃で1時間撹拌し、次いでEA(20mL×3)で抽出し、水相を1NのHClでpH=3に調整し、次いでEA(20mL×3)で抽出し、合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(90mg、収率92%)を黄色の固体として得た。
ステップ4:(R)-2-((5-(2-アジドプロパン-2-イル)-8-((シス)-3-(3-メトキシアゼチジン-1-カルボニル)シクロブトキシ)-2,7-ナフチリジン-3-イル)アミノ)-7,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オンTP(53.9mg、169umol)及びTEA(17.1mg、169umol)を、DCM(1mL)中の(cis)-3-((4-(2-アジドプロパン-2-イル)-6-(((R)-7,7,8-トリメチル-5-オキソ-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-2-イル)アミノ)-2,7-ナフチリジン-1-イル)オキシ)シクロブタン-1-カルボン酸及び3-メトキシアゼチジン(Combi-Blocks#ST-1092)(13.9mg、113umol)の溶液に添加した。混合物を25℃で1時間撹拌し、次いで水(20mL)に注ぎ入れ、EA(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層を水(20mL×3)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(30.0mg、収率88%)を黄色の固体として得た。
ステップ5:(R)-2-((5-(2-アミノプロパン-2-イル)-8-((シス)-3-(3-メトキシアゼチジン-1-カルボニル)シクロブトキシ)-2,7-ナフチリジン-3-イル)アミノ)-7,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン実施例3aのステップ2に記載したものと同様の手順を用いて、(R)-2-((5-(2-アジドプロパン-2-イル)-8-((cis)-3-(3-メトキシアゼチジン-1-カルボニル)シクロブトキシ)-2,7-ナフチリジン-3-イル)アミノ)-7,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オンから表題化合物を調製した。MS(ES+)C3138の理論値:574、実測値:575[M+H]H-NMR (400 MHz, CDOD):δ ppm 9.41 (s, 1H), 9.18 (s, 1H), 8.52 (s, 1H), 8.16 (d, J= 8.8 Hz, 1H), 8.02 (s, 1H), 7.27 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 5.40-5.30 (m, 1H), 4.45-4.35 (m, 1H), 4.40-4.32 (m, 1H), 4.20-4.17 (m, 1H), 4.15-4.05 (m, 1H), 3.85-3.78 (m, 1H), 3.05-2.90 (m, 2H), 2.85-2.75 (m, 2H), 2.51-2.41 (m, 2H), 1.96 (d, J= 11.4Hz, 6H), 1.54 (s, 3H), 1.45 (s, 3H), 1.41 (d, J = 7.2Hz, 3H)。
実施例3f:合成方法5
Figure 2024510176000325
(R)-2-((5-((R)-1-アミノプロピル)-8-((1-((1S,2S)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボニル)アゼチジン-3-イル)オキシ)イソキノリン-3-イル)アミノ)-7,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オンまたは(R)-2-((5-((S)-1-アミノプロピル)-8-((1-((1S,2S)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボニル)アゼチジン-3-イル)オキシ)イソキノリン-3-イル)アミノ)-7,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン(化合物83)
Figure 2024510176000326
ステップ1:(S)-N-((R)-1-(8-(アゼチジン-3-イルオキシ)-3-(((R)-7,7,8-トリメチル-5-オキソ-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-2-イル)アミノ)イソキノリン-5-イル)プロピル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミドまたは(S)-N-((S)-1-(8-(アゼチジン-3-イルオキシ)-3-(((R)-7,7,8-トリメチル-5-オキソ-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-2-イル)アミノ)イソキノリン-5-イル)プロピル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
ジオキサン(2mL)中の3-((5-((R)-1-(((S)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)プロピル)-3-クロロイソキノリン-8-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸ベンジルまたは3-((5-((S)-1-(((S)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)プロピル)-3-クロロイソキノリン-8-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボン酸ベンジル(中間体39、50.0mg、94.3μmol)、(R)-2-アミノ-7,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン(19.5mg、94.3μmol)、BrettPhos(Pd、G4)(8.68mg、9.43μmol)、BrettPhos(5.06mg、9.43μmol)、及びKOAc(23.1mg、236mmol)の混合物を脱気し、窒素で3回パージして、次いで反応混合物を100℃で1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(PE:EA=1:0~0:1)により精製して、表題化合物を黄色の固体として得た。なお、このカップリング反応の条件下では、Cbz基も除去された。
ステップ2:(S)-N-((R)-1-(8-((1-((1S,2S)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボニル)アゼチジン-3-イル)オキシ)-3-(((R)-7,7,8-トリメチル-5-オキソ-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-2-イル)アミノ)イソキノリン-5-イル)プロピル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミドまたは(S)-N-((S)-1-(8-((1-((1S,2S)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボニル)アゼチジン-3-イル)オキシ)-3-(((R)-7,7,8-トリメチル-5-オキソ-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-2-イル)アミノ)イソキノリン-5-イル)プロピル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
DCM(2mL)中の(S)-N-((R)-1-(8-(アゼチジン-3-イルオキシ)-3-(((R)-7,7,8-トリメチル-5-オキソ-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-2-イル)アミノ)イソキノリン-5-イル)プロピル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミドまたは(S)-N-((S)-1-(8-(アゼチジン-3-イルオキシ)-3-(((R)-7,7,8-トリメチル-5-オキソ-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-2-イル)アミノ)イソキノリン-5-イル)プロピル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(15.0mg、26.5μmol)及びEtN(13.4mg、133μmol)の溶液に、(1S,2S)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボン酸(63.9mg、614μmol)及びTP(21.1mg、66.3μmol)を添加した。反応混合物を25℃で1時間撹拌し、次いで水(10mL)で希釈し、DCM(10mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残渣を得た。残渣を分取TLC(PE:EA=0:1)により精製して、表題化合物(15.0mg、収率87%)を黄色の固体として得た。
ステップ3:(R)-2-((5-((R)-1-アミノプロピル)-8-((1-((1S,2S)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボニル)アゼチジン-3-イル)オキシ)イソキノリン-3-イル)アミノ)-7,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オンまたは(R)-2-((5-((S)-1-アミノプロピル)-8-((1-((1S,2S)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボニル)アゼチジン-3-イル)オキシ)イソキノリン-3-イル)アミノ)-7,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン(化合物83)
(S)-N-((R)-1-(8-((1-((1S,2S)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボニル)アゼチジン-3-イル)オキシ)-3-(((R)-7,7,8-トリメチル-5-オキソ-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-2-イル)アミノ)イソキノリン-5-イル)プロピル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミドまたは(S)-N-((S)-1-(8-((1-((1S,2S)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボニル)アゼチジン-3-イル)オキシ)-3-(((R)-7,7,8-トリメチル-5-オキソ-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-2-イル)アミノ)イソキノリン-5-イル)プロピル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(10.0mg、15.3μmol)の溶液を、HCl/ジオキサン(4M、452uL)中で25℃で10分間撹拌した。次いで、反応混合物を濃縮して、残渣を得た。残渣を分取HPLC(カラム:Waters Xbridge150×25mm×5um;移動相:[水(10mMNHHCO)-ACN];B%:22%~52%、10分)により精製して、表題化合物(2.2mg、収率26%)を白色の固体として得た。MS(ES+)C3034FNの理論値:547、実測値:548[M+H]H NMR (400 M Hz, CDOD):δ ppm 9.43 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 8.92 (s, 1H), 8.09 (d, J= 8.4 Hz, 1H), 7.72-7.62 (m, 1H), 7.20 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.66 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 5.38-5.29 (m, 1H), 4.97-4.90 (m, 1H), 4.81-4.70 (m, 1H), 4.65-4.42 (m, 3H), 4.22-4.12 (m, 1H), 3.19-3.10 (m, 1H), 2.04-1.83 (m, 3H), 1.78-1.63 (m, 1H), 1.54-1.47 (m, 6H), 1.45 (s, 3H), 1.18-1.07 (m, 1H), 0.97 (t, J= 7.4 Hz, 3H)。
実施例3g:合成方法5
Figure 2024510176000327
(R)-2-((5-((R)-1-アミノプロピル)-8-((1-(シクロプロパンカルボニル)アゼチジン-3-イル)オキシ)イソキノリン-3-イル)アミノ)-7,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オンまたは(R)-2-((5-((S)-1-アミノプロピル)-8-((1-(シクロプロパンカルボニル)アゼチジン-3-イル)オキシ)イソキノリン-3-イル)アミノ)-7,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン(化合物40)
Figure 2024510176000328
ステップ1:(S)-N-((R)-1-(8-((1-(シクロプロパンカルボニル)アゼチジン-3-イル)オキシ)-3-(((R)-7,7,8-トリメチル-5-オキソ-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-2-イル)アミノ)イソキノリン-5-イル)プロピル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミドまたは(S)-N-((S)-1-(8-((1-(シクロプロパンカルボニル)アゼチジン-3-イル)オキシ)-3-(((R)-7,7,8-トリメチル-5-オキソ-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-2-イル)アミノ)イソキノリン-5-イル)プロピル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
DCM(1mL)中の(S)-N-((R)-1-(8-(アゼチジン-3-イルオキシ)-3-(((R)-7,7,8-トリメチル-5-オキソ-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-2-イル)アミノ)イソキノリン-5-イル)プロピル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミドまたは(S)-N-((S)-1-(8-(アゼチジン-3-イルオキシ)-3-(((R)-7,7,8-トリメチル-5-オキソ-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-2-イル)アミノ)イソキノリン-5-イル)プロピル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(40.0mg、70.7μmol)及びEtN(35.8mg、354μmol)の溶液に、シクロプロパンカルボニルクロリド(8.13mg、77.8μmol)を0℃で添加した。反応混合物を0℃で1時間撹拌し、次いで水(10mL)で希釈し、DCM(10mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残渣を得た。残渣を分取TLC(PE:EA=0:1)により精製して、表題化合物(20.0mg、収率45%)を黄色の固体として得た。
ステップ2:(R)-2-((5-((R)-1-アミノプロピル)-8-((1-(シクロプロパンカルボニル)アゼチジン-3-イル)オキシ)イソキノリン-3-イル)アミノ)-7,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オンまたは(R)-2-((5-((S)-1-アミノプロピル)-8-((1-(シクロプロパンカルボニル)アゼチジン-3-イル)オキシ)イソキノリン-3-イル)アミノ)-7,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-5-オン(化合物40)
実施例3fのステップ3に記載したものと同様の手順を用いて、(S)-N-((R)-1-(8-((1-(シクロプロパンカルボニル)アゼチジン-3-イル)オキシ)-3-(((R)-7,7,8-トリメチル-5-オキソ-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-2-イル)アミノ)イソキノリン-5-イル)プロピル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミドまたは(S)-N-((S)-1-(8-((1-(シクロプロパンカルボニル)アゼチジン-3-イル)オキシ)-3-(((R)-7,7,8-トリメチル-5-オキソ-7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジン-2-イル)アミノ)イソキノリン-5-イル)プロピル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミドから表題化合物を調製した。MS(ES+)C3035の理論値:529、実測値:530[M+H]H NMR (400 M Hz, CDOD):δ ppm 9.43 (s, 1H), 8.91 (s, 1H), 8.09 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.67 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.20 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.65 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 5.39-5.27 (m, 1H), 4.90 (s, 1H), 4.60-4.46 (m, 3H), 4.16-4.07 (m, 1H), 3.20-3.09 (m, 1 H), 2.03-1.82 (m, 2H), 1.71-1.60 (m, 1H), 1.54-1.48 (m, 6H), 1.45 (s, 3H), 0.97 (t, J = 7.4 Hz, 3H), 0.94-0.82 (m, 4H)。
実施例4:MAP4K1生化学的酵素活性の阻害
MAP4K1(HPK1)及び関連するオフターゲット酵素活性を、Perkin Elmer電気泳動移動度シフト技術プラットフォームであるEZReader2を使用してモニターした。蛍光標識した基質ペプチドを、化合物の各用量がリン酸化されるペプチドの反映した比率をもたらすように、キナーゼ及びATPの存在下、ならびに投与される化合物の存在下でインキュベートした。キナーゼ酵素反応の線形定常状態段階で、リン酸化(生成物)ペプチド及び非リン酸化(基質)ペプチドの混合プールを、印加された電位差の下でPerkinElmer EZ Reader 2のマイクロ流体システムに通した。生成物ペプチド上のリン酸基の存在は、基質ペプチドのリン酸基との間に質量及び電荷の差を提供し、試料中の基質及び生成物プールの分離を引き起こした(Perrin et al.2010)。生成物及び基質ペプチドの混合物が機器内のレーザーを通過するとき、これらのプールが検出され(λex=488nm、λem=568nm)、別々のピークとして分解される。これらのピーク間の比率は、それらの条件下でのそのウェル内の濃度における化合物の活性を反映している。
酵素活性阻害アッセイプロトコル:
阻害剤を10mMのストック濃度で100%DMSOに溶解した。各阻害剤の100X、10ポイント、4倍段階希釈は、100%DMSOで、手動または、Hamilton STAR液体ハンドラーのいずれかにより、関連する濃度(通常は1mM)で開始して作成した。TTPLabtech Mosquitoナノリットルディスペンサーを使用して、各濃度の0.130μLの体積を384ウェルアッセイプレート(Greiner 781 201)の関連するウェルに移した。Multidrop Combiを使用して、キナーゼ反応の残りの成分を130nLの投与化合物に次のように添加した(最終反応の詳細については、以下の表を参照のこと)。
ATPまたは1mM ATPのためのAPPでの酵素活性アッセイ:384ウェルアッセイプレートの各ウェルで、0.1~15nMの未処理酵素を、1.5μM蛍光ペプチド及び20~1000μM ATPを含む合計13μLの緩衝液(100mM HEPES pH7.5、0.015% Brij35、10mM MgCl、1mM DTT)中、一連の投与濃度の化合物の存在下または非存在下で(1%DMSO最終濃度)、25℃で60~180分間インキュベートした。70μlの停止緩衝液(100mM HEPES pH7.5、0.015% Brij 35、35mM EDTA及び0.2% Coating試薬3(Caliper Lifesciences)の添加により、キナーゼ反応を停止させた。プレートを上記のCaliper EZReader 2で読み取った。
Figure 2024510176000329
S6K2tide;Carna Biosciences(5-FAM-Proprietary配列-CONH2)
FL4tide;Perkin Elmer(5-FAM-EGIYGVLFKKK(配列番号1)-CONH
FL25tide;Perkin Elmer(5-FAM-VDGKEIYNTIRRK(配列番号2)-CONH
PKAtide;Anaspec Peptide Co.(5-FAM-GRTGRRNSI(配列番号3)-CONH
Perrin D,Fremaux C,Shutes A.Capillary microfluidic electrophoretic mobility shift assays:application to enzymatic assays in drug discovery. Expert Opin Drug Discov.2010,5(1):51-63。
実施例にしたがって調製された化合物についてのこれらの実験で得られた結果を以下の表3に要約している。
Figure 2024510176000330
Figure 2024510176000331
Figure 2024510176000332
Figure 2024510176000333
実施例5:サイトカインのT細胞強化
全血からのT細胞の単離及び増殖
製造元のプロトコル(StemCell Technologies、ヒトT細胞単離キット)に従い、免疫磁気ネガティブセレクションにより、健康なドナーの全血からT細胞を単離する。単離された細胞の純度をフローサイトメトリーによって評価し、95~98%のCD3T細胞を生成する。T細胞を増殖させるために、1×10個の細胞/ウェルを、30Uの組換えヒトIL2(R&D)を含む無血清細胞増殖培地(ThermoFisher)中でプレーティングし、24ウェルプレート中で25ulのCD3/CD28ビーズ(Invitrogen)で3~4日間刺激する。次いで、T細胞を175cmフラスコで増殖させ、2~3日ごとに2/3の新鮮な培地を添加することにより、1~2.5×10個の細胞/ml日の細胞密度に維持する。10~14日後、細胞をBamBanker凍結培地(Thermo)中で凍結し、液体窒素で保存する。フローサイトメトリーによる増殖T細胞の表現型分析により、凍結時に60%の細胞がCD8T細胞であることがルーチンで示される。
サイトカイン測定
IL2測定では、増殖したCD3T細胞を、100K個の細胞/ウェルで分注し(X-VIVO10無血清培地で培養)、ビヒクルまたは様々な濃度の本開示の化合物の存在下、プレート結合抗CD3及び可溶性抗CD28で24時間刺激する。製造元のプロトコル(Cisbio)に概説されているように、16μLの馴化培地を白色384ウェル少量プレートに移す。抗IL2抗体とともに24時間インキュベーションすることに続いて、均一時間分解蛍光(HTRF)を測定する。
実施例6:同系マウスモデルにおける抗腫瘍活性の阻害
MCA205同系異種移植片抗腫瘍効果研究の作製
6~8週齢の雌のC57BL/6マウス(Jackson Labs, Bar Harbor,ME)に、1×10個のMCA205細胞/マウスを左脇腹に皮下移植する。腫瘍が平均体積50mmに達した後、マウスをランダム化して治療群に分けて1群当たり10匹のマウスとし、30~70mmの腫瘍サイズ範囲を有する。本開示の化合物10~30mg/kg、抗マウスPD-L1 mAb(B7 H1、クローン番号10F.9G2 Bio-X-cell、Lebanon,NH)及びビヒクルを単独でまたは異なる組み合わせで腫瘍担持マウスに投与する。腫瘍体積[mm]の減少を時間の経過とともに測定する。
同等物
特許請求の範囲において、「a」、「an」、及び「the」などの冠詞は、別段で反意が示されない限り、または文脈から明らかでない限り、1つまたは2つ以上を意味し得る。群の1つ以上のメンバー間に「または」を含む特許請求の範囲または記載は、別段で反意が示されていない限り、または文脈から明らかでない限り、群メンバーのうちの1つ、2つ以上、または全てが、所与の生成物またはプロセスに存在するか、使用されるか、または他の方法で関連する場合に満たされているとみなされる。本開示は、群の正確に1つのメンバーが、所与の生成物またはプロセスに存在するか、使用されるか、または他の方法で関連する実施形態を含む。本開示は、2つ以上、または全ての群メンバーが、所与の生成物またはプロセスに存在するか、使用されるか、または他の方法で関連する実施形態を含む。
さらに、本開示は、列挙された請求項のうちの1つ以上からの、1つ以上の制限、要素、節、及び説明用語が他の請求項に導入される全ての変形、組み合わせ、及び順列を包含する。例えば、他の請求項に従属する任意の請求項は、同じ基本の請求項に従属する任意の他の請求項に見出される1つ以上の制限を含むように修正することができる。要素が、一覧として、例えば、Markush群形式で提示される場合、要素の各亜群も開示され、いずれの要素(複数可)もこの群から除去され得る。一般に、本開示または本開示の態様が特定の要素及び/または特徴を含むと言及される場合、本開示の特定の実施形態または本開示の態様は、そのような要素及び/または特徴からなるか、または本質的にそれからなることを理解されたい。簡略化のために、これらの実施形態は、本明細書にこれらの言葉で具体的に記載されていない。範囲が指定されている場合、エンドポイントが含まれる。さらに、特に明記しない限り、または当業者の状況及び理解から明らかでない限り、範囲として表される値は、本開示の異なる実施形態では、記載された範囲内の任意の特定の値またはサブ範囲、文脈で明確に指示されていない限り、範囲の下限の単位の10分の1までとることができる。
当業者は、通常の実験のみを使用するか本明細書に記載の本発明の特定の実施形態と同等のものを多く認識するか、または確認することができるであろう。そのような同等物は、以下の特許請求の範囲に包含されることが意図される。

Claims (37)

  1. 式Iの化合物、
    Figure 2024510176000334
    またはその薬学的に許容される塩であって、
    式中、
    Tは、
    Figure 2024510176000335
    -L-C(O)-NR1112、-L-O-C(O)-NR1112、及び-L-NR13-C(O)-R14から選択され;
    環Aは、C4-6シクロアルキルまたは窒素を含む4~6員の複素環であり、前記シクロアルキルまたは前記複素環は、1~2つのRで任意選択で置換され、各Rは、独立して、CH、メトキシ、CF、CHF、及びCHFから選択され;
    及びLは、それぞれ独立して、任意選択で1~2つのR15で置換されたC-Cアルキレンから選択され;
    各sは、独立して、1、2、及び3から選択され;
    Bは、OまたはNHであり;
    Qは、NまたはCHであり;
    xは、0、1、または2であり;
    、及びRは、それぞれ独立して、水素、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、及び4~6員の複素環から選択され、前記アルキルは、1~2つのRで任意選択で置換され、各Rは、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、及びORから選択され;または
    各Rは、独立して、C1-3アルキル、CF、CHF、及びCHFから選択され;
    各Rは、独立して、C1-2アルキル、CF、CHF、及びCHFから選択され、または
    同一の炭素原子に結合する2つのRは、それらが結合している炭素原子と一緒になってC3-5シクロアルキルを形成するか、もしくは2個の隣接する炭素原子に結合した2つのRは、それらが結合している2個の隣接する炭素原子と一緒になってC4-6シクロアルキルを形成し;
    nは、0、1、2、3、または4であり;
    は、C1-3アルキル、C3-6シクロアルキル、OC1-4アルキル、NR10、及び窒素または酸素を含む3~5員の複素環から選択され、前記アルキル、前記シクロアルキル、または前記複素環は、1~3つのRで任意選択で置換され;
    各Rは、独立して、ハロゲン、C1-3アルキル、CF、CHF、CHF、ヒドロキシル、OC1-3アルキル、OCF、OCHF、及びOCHFから選択され;
    は、C1-2アルキルから選択され;
    10は、C1-2アルキルから選択され;
    11は、C1-3アルキルから選択され;
    12は、C1-3アルキルから選択され;、またはR11及びR12は、それらが結合している窒素原子と一緒になって窒素を含む4~6員の複素環を形成し;
    13は、HまたはC1-2アルキルであり;
    14は、C1-3アルキルであるか、またはR13及びR14は、結合する原子と一緒になって、窒素を含む4~6員の複素環を形成し;
    各R15は、独立して、ハロゲン、メトキシ、及びC1-2アルキルから選択されるか、もしくは2つのR15は、それらが結合している2個の隣接する炭素原子と一緒になってシクロプロピルを形成する、前記化合物またはその薬学的に許容される塩。
  2. Tは、
    Figure 2024510176000336
    -L-C(O)NR1112、及び-L-NR13C(O)R14から選択される、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  3. は、-(CH-及び
    Figure 2024510176000337
    から選択され;
    は、-(CH-であり;
    及びRは、それぞれ独立して、水素、C1-4アルキル、C3-4シクロアルキル、及び
    4~5員の複素環から選択され、前記アルキルは、1つのRで任意選択で置換され;各Rは、
    独立して、F、Cl、ヒドロキシル、及びORから選択され;
    各Rは、独立して、CH、CHCH、及びCFから選択され;
    各Rは、独立して、CH及びCFから選択され、または
    同一の炭素原子に結合する2つのRは、それらが結合している炭素原子と一緒になってC3-4シクロアルキルを形成し;または2個の隣接する炭素原子に結合する2つのRは、それらが結合している2個の隣接する炭素原子と一緒になってC4-5シクロアルキルを形成し;
    nは、1、2、3、または4であり;
    各Rは、独立して、CH、CF、CHF、及びCHFから選択され;
    は、C1-2アルキル、C3-5シクロアルキル、OC1-3アルキル、NR10、及び窒素または酸素を含む3~5員の複素環から選択され、前記アルキル、前記シクロアルキル、または前記複素環は、1~3つのRで任意選択で置換され;
    各Rは、独立して、ハロゲン、C1-2アルキル、CF、CHF、ヒドロキシル、OC1-2アルキル、OCF、及びOCHFから選択され;
    は、CHであり;
    10は、CHであり;
    11は、CHであり;
    12は、CHであり;
    13は、CHであり;
    14は、CHであり;またはR13及びR14は、それらが結合している原子と一緒になって、窒素を含む5員の複素環を形成し、
    Figure 2024510176000338
    は、Bへの結合点を表し;
    Figure 2024510176000339
    は、-C(O)NR1112への結合点を表す、請求項1または2に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  4. 前記化合物は、式II
    Figure 2024510176000340
    で表される、請求項1~3のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  5. 前記化合物は、式III
    Figure 2024510176000341
    で表される、請求項1~3のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  6. 前記化合物は、式IV(A)または式IV(B)
    Figure 2024510176000342
    で表される、請求項4に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  7. 前記化合物は、式V(A)または式V(B)
    Figure 2024510176000343
    で表される、請求項5に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  8. 前記化合物は、式VI(A)、式VI(B)、または式VI(C)
    Figure 2024510176000344
    で表される、請求項7に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  9. 環Aは、シクロブチレン、アゼチジニレン、及びピロリジニレンから選択され、前記シクロブチレン、前記アゼチジニレン、または前記ピロリジニレンは、1つのRで任意選択で置換される、請求項1~8のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  10. 環Aは、1~2つのRで任意選択で置換されるC4-6シクロアルキルであり、Rは、NR10または窒素を含む3~5員の複素環であり、前記3~5員の複素環の環窒素は、
    Figure 2024510176000345
    に結合しており、前記複素環は、1~3つのRで任意選択で置換され;または
    環Aは、窒素を含む4~6員の複素環であり、前記4~6員の複素環の環窒素は、
    Figure 2024510176000346
    に結合しており、前記複素環は、1~2つのRで任意選択で置換される、請求項1~8のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  11. 前記化合物は、式VII
    Figure 2024510176000347
    で表され、
    式中、
    Wは、NまたはCHであり;
    mは0または1である、請求項8に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  12. 前記化合物は、式VII(A)または式VII(B)
    Figure 2024510176000348
    で表され、
    式中、mは0または1である、請求項8に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  13. 前記化合物は、式VII(C)
    Figure 2024510176000349
    で表され、式中、
    mは0または1である、請求項8に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  14. 前記化合物は、式VIII(A)、式VIII(B)、または式VIII(C)
    Figure 2024510176000350
    で表され、式中、
    mは0または1である、請求項8に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  15. 前記化合物は、式IX(A)、式IX(B)、または式IX(C)
    Figure 2024510176000351
    で表される、請求項14に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  16. 前記化合物は、式X(A)、式X(B)、または式X(C)
    Figure 2024510176000352
    で表される、請求項14に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  17. は、CHである、請求項1~16のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  18. 及びRは、それぞれ独立して、水素、CH、CHCH、及びCHOCHから選択される、請求項1~17のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  19. 各Rは、CHであり、または同一の炭素原子に結合する2つのRは、それらが結合している炭素原子と一緒になってシクロプロピルを形成し;nは、1、2、3、及び4である、請求項1~18のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  20. は、CH、CHCH、N(CH、OC1-2アルキル、シクロプロピル、アゼチジニル、オキセタニル、及びテトラヒドロフラニルから選択され、Rは、1~2つのRで任意選択で置換され;
    各Rは、独立して、F、CH、CHCH、OH、OCH、及びCFから選択される、請求項1~19のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  21. Figure 2024510176000353
    が環炭素に結合する場合、Rは、N(CHまたはアゼチジニルであり、前記アゼチジニルは、1~2つのRで任意選択で置換され、
    Figure 2024510176000354
    が環窒素に結合する場合、Rは、CH、CHCH、N(CH、OC1-2アルキル、シクロプロピル、アゼチジニル、オキセタニル、及びテトラヒドロフラニルから選択され、前記CH、前記CHCH、前記OC1-2アルキル、前記シクロプロピル、前記アゼチジニル、前記オキセタニル、または前記テトラヒドロフラニルは、1~2つのRで任意選択で置換され;
    各Rは、独立して、F、CH、CHCH、OH、OCH、及びCFから選択される、請求項1~20のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  22. は、独立して、CH、CHCH、N(CH、OCH、OCHCH、CHOCH
    Figure 2024510176000355
    から選択され;
    Figure 2024510176000356
    は、-C(O)への結合点を表す、請求項1~20のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  23. Figure 2024510176000357
    が環炭素に結合する場合、Rは、N(CH
    Figure 2024510176000358
    から選択され;
    Figure 2024510176000359
    が環窒素に結合する場合、Rは、CH、CHCH、N(CH、OCH、OCHCH、CHOCH
    Figure 2024510176000360
    から選択され;
    Figure 2024510176000361
    は、-C(O)への結合点を表す、請求項1~22のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  24. 前記化合物は、式XI
    Figure 2024510176000362
    で表され、
    式中、
    Wは、NまたはCHであり;
    及びRは、それぞれ独立して、水素、CH、及びCHCHから選択され;
    各Rは、CHであり;
    nは、2または3であり;
    は、CHであり;
    mは0または1であり;
    は、CH、CHCH、シクロプロピル、
    Figure 2024510176000363
    から選択され;
    Figure 2024510176000364
    は、-C(O)への結合点を表す、請求項1または2に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  25. Figure 2024510176000365
    が環炭素に結合する場合、Rは、
    Figure 2024510176000366
    であり;
    Figure 2024510176000367
    が環窒素に結合する場合、Rは、CH、CHCH、シクロプロピル、
    Figure 2024510176000368
    から選択され;
    Figure 2024510176000369
    は、-C(O)への結合点を表す、請求項24に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  26. 前記化合物は、式XII(A)または式XII(B)
    Figure 2024510176000370
    で表される、請求項1~3のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  27. は、-(CH-及び
    Figure 2024510176000371
    から選択され;
    は、-(CH-であり、
    式中、
    Figure 2024510176000372
    は、Oへの結合点を表し;
    Figure 2024510176000373
    は、-C(O)NR1112への結合点を表す、請求項1~3及び26のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  28. は、CHであり;
    は、CHであり;
    各Rは、CHであり;
    nは、0、1、2、または3であり;
    11は、CHであり;
    12は、CHであり;
    13は、CHであり;
    14は、CHであり;またはR13及びR14は、それらが結合している窒素原子と一緒になってピロリジノン環を形成する、請求項1~3、26、及び27のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  29. 表1の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  30. 請求項1~29のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される担体または賦形剤を含む医薬組成物。
  31. MAP4K1を阻害することが必要な対象において、MAP4K1を阻害する方法であって、MAP4K1と、有効量の請求項1~29のいずれか1項に記載の化合物もしくはその薬学的に許容される塩または請求項30に記載の医薬組成物とを接触させることを含む、前記方法。
  32. 免疫応答を増強することが必要な対象において、免疫応答を増強する方法であって、有効量の請求項1~29のいずれか1項に記載の化合物もしくはその薬学的に許容される塩または請求項30に記載の医薬組成物を前記対象に投与することを含む、前記方法。
  33. MAP4K1依存性の障害または疾患を治療することが必要な対象において、MAP4K1依存性の障害または疾患を治療する方法であって、有効量の請求項1~29のいずれか1項に記載の化合物もしくはその薬学的に許容される塩または請求項30に記載の医薬組成物を前記対象に投与することを含む、前記方法。
  34. 前記MAP4K1依存性の障害または疾患は、がんである、請求項33に記載の方法。
  35. 前記がんは、結腸癌、膵臓癌、乳癌、前立腺癌、肺癌、卵巣癌、子宮頸癌、腎臓癌、膀胱癌、胃癌、肝臓癌、頭頸部癌、リンパ腫、白血病、及び黒色腫からなる群から選択される少なくとも1種のがんを含む、請求項34に記載の方法。
  36. 前記方法は、前記対象に追加の抗がん剤を投与することをさらに含む、請求項33または34に記載の方法。
  37. 前記MAP4K1依存性の障害または疾患は、ウイルス感染である、請求項33に記載の方法。
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