JP2024510126A - 改善された長手方向貫通路を有する経粘膜ベース - Google Patents

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Abstract

Figure 2024510126000001
本発明は、近位端(1a)と遠位端(1b)との間で長手方向(I-I)に延在する、歯科インプラント上に歯科補綴物(2)を受容するための経粘膜ベース(1)であって、歯科インプラントの中または上に受容されるように成形された近位部分(10a)と、歯科補綴物(2)を支持するように成形された遠位部分(10b)と、上流円筒形部分(4b)と、ねじ(6)のための着座部(5)と、側壁(40a)によって境界された下流円筒形部分(4a)とを連続的に含む長手方向貫通路(4)とを備える経粘膜ベースに関する。経粘膜ベース(I)は、長手方向貫通路(4)において、着座部(5)の周壁(5a)内および下流円筒形部分(4a)の側壁(40a)内に配置された半径方向内部ハウジング(7)を含む。

Description

本発明は、歯科修復の分野に関し、より詳細には、歯科インプラント上に歯科補綴物(dental prosthesis)を受容するための経粘膜ベース(transmucosal base)に関する。
一般に、米国特許出願公開第2020/046468号明細書に記載されているように、そのような経粘膜ベースは、近位端と遠位端との間で長手方向に延在し、以下を備える:
- 歯科インプラントの中または上に受容されるように成形された近位部分、
- 歯科補綴物を支持するように成形された遠位部分、
- 着座部の周壁によって境界付けられた着座部まで近位端の方向に延在し、ねじの頭部を軸方向に当接させるように意図された当接面を有する上流円筒形部分と、側壁によって境界付けられ、着座部から離れるように遠位端の方向に延在する下流円筒形部分とを連続的に含む長手方向貫通路。
例えば、接着結合を使用して、歯科補綴物をそのような経粘膜ベースに載置して固定し、その後、固定ねじによってインプラント上またはインプラント内に載置して固定されるアセンブリを形成するのが通例である。
歯科補綴物のメンテナンスを行うために、歯科補綴物を経粘膜ベースから分離する必要なく、歯科インプラントからアセンブリを分離する能力を有することが好ましい。具体的には、インプラントに固定されているアセンブリの経粘膜ベースから歯科補綴物を分離するために加えられる力は、インプラントに望ましくない応力をもたらし、その骨統合(osteointegration)を損傷する可能性がある。
歯科インプラントからアセンブリを容易に分離することは、固定ねじを挿入したり取り除いたりするために固定ねじが通過するための貫通路を有する歯科補綴物によって得ることができる。次に、第1の連続する通路部および第2の連続する通路部によって実質的に形成された貫通路を備える歯科補綴物であって、前記第1の通路部は、歯科補綴物の近位端から実質的に第1の長手方向軸に沿って延在し、前記第2の通路部は、第1の通路部と第2の通路部とがそれらの間に非ゼロ角度を作るように、第1の通路部を実質的に第2の長手方向軸に沿って延在する、歯科補綴物を利用する。歯科補綴物の近位端は、経粘膜ベースの遠位部分に当接するように意図される。
特に患者の軟組織(粘膜)の高さに依存して、審美的観点から満足のいく修復のためには、経粘膜ベースは、大なり小なり、ある長さにわたって長手方向に延在する必要がある。
問題は、経粘膜ベースが長いほど、それを歯科インプラントに固定するためのねじを長くする必要があることである。また、ねじが長いほど、第1の通路部と第2の通路部との間の角度はゼロに近づく傾向が強くなければならないか、または第2の通路部におけるオリフィスの横方向寸法を大きくする必要がある。この結果、第2の通路部のオリフィスの直径が過度に大きくなり、第2の通路部のオリフィスが、咬頭または歯科補綴物の自由縁によって表される解剖学的障害物と衝突するように配置されて、修復物を審美的に魅力のないもの(透明性)にするか、または過度に薄い壁を有する結果として脆弱なものにする。
本発明によって対処される1つの問題は、歯科補綴物を通る固定ねじの通過を容易にする経粘膜ベースを提供することである。
同時に、本発明は、第2の通路部のオリフィスの寸法を小さくすることを可能にし、第2の通路部のオリフィスを歯科補綴物の解剖学的障害物(咬頭または自由縁)から離して位置する能性を高めることを可能にする経粘膜ベースを提供しようとする。
これらの目的および他の目的を達成するために、本発明は、近位端と遠位端との間で長手方向に延在する、歯科インプラント上に歯科補綴物を受容するための経粘膜ベースであって、
- 歯科インプラントの中または上に受容されるように成形された近位部分と、
- 歯科補綴物を支持するように成形された遠位部分と、
- 着座部の周壁によって境界付けられた着座部まで近位端の方向に延在し、ねじの頭部を軸方向に当接させるように意図された当接面を有する上流円筒形部分と、側壁によって境界付けられ、着座部から離れるように近位端の方向に延在する下流円筒形部分とを連続的に含む長手方向貫通路と
を備え、
本発明によれば、経粘膜ベースは、長手方向貫通路において、着座部の周壁内および下流円筒形部分の側壁内に形成された内部半径方向ハウジングを含む、
経粘膜ベースを提供する。
内部半径方向ハウジングは、長手方向貫通路において、着座部を越えて(下流円筒形部分の少なくとも一部に至るまで)、斜めに方向付けられたねじのねじ付きシャンクの自由端を受容することを可能にする。それにより、歯科補綴物を通るねじの通過がより容易になり、第2の通路部のオリフィスを咬頭からまたは歯科補綴物の自由縁からより離して配置することができる。
内部半径方向ハウジングの形成により、着座部の周壁の一部のみが除去され、この着座部は、歯科インプラント上に経粘膜ベースを十分に保持するために、ねじ頭を着座部に対して軸方向に当接させることが完全に可能なままである。好ましくは、着座部は、内部半径方向ハウジングがない場合に着座部が有していたであろう表面の少なくとも50%である当接面を有し含み得る。
有利には、以下のようにすることができる:
- 近位部分は、遠位部分の方向に次第にフレア状になっており、
- 着座部は、上流円筒形部分の方向にフレア状になっている円錐台形であり、内部半径方向ハウジングは、着座部の周壁に部分的に形成される。
近位部分の漸進的なフレアは、同様の方法で軟組織(粘膜)と接触するようになる歯根の形状を実質的に再現する。着座部の円錐台形の形状は、ねじ頭が当接するようになり得る着座部の周壁の表面積を増大させる。これは、着座部の周壁の表面積を少し減少させる内部半径方向ハウジングを考慮すると、特に有利である。これにより、ねじ頭と経粘膜ベースとの間の力の分散がより良好になり、したがって、歯科インプラント上に経粘膜ベースをより良好に固定する。
好ましくは、以下のようにすることができる:
- 遠位部分は、ある長さにわたって着座部から離れるように軸方向に延在し、角度セクタにわたって延在する軸方向延在部を含み、
- 軸方向延在部は、内部半径方向ハウジングと半径方向に位置合わせされて位置している。
遠位部分を軸方向に延在させることで、経粘膜ベースと歯科補綴物との間の係合のための表面積が増大し、アセンブリの固定がより良好になる。内部半径方向ハウジングと半径方向に(好ましくは半径方向にのみ)位置合わせされた軸方向延在部の配置により、そのねじ付きシャンクの自由端が内部半径方向ハウジングに係合するときに、長手方向から離れるねじの傾斜を増加させることが可能にある。
有利には、近位部分は、非円形の外部断面の軸方向部分を含み得る。したがって、歯科補綴物は、内部半径方向ハウジングおよび第2の通路部が確実に正反対に配置されるように、経粘膜ベースに対する(長手方向を中心とした)回転に関して割り出され得る(これは、ねじの導入をさらに容易にするので)。これを行うために、歯科補綴物の第1の通路部は、好ましくは、経粘膜ベースに対する回転に関して歯科補綴物を割り出すために、経粘膜ベースの近位部分の非円形の外部断面の軸方向部分と協働することができる非円形の内部断面の軸方向部分を含み得る。
好ましくは、遠位部分は、非円形の外部断面の軸方向部分を含み得る。
したがって、経粘膜ベースは、歯科インプラントに対する(長手方向を中心とした)回転に関して確実に割り出されることができ、その結果、歯科補綴物は、経粘膜ベースと歯科補綴物との間にも回転割り出し(rotational indexing)があるときに、歯科インプラントに対する回転に関して確実に割り出されることができる。
別の態様によれば、本発明は、以下を含むアセンブリを提案する:
- 上記のような経粘膜ベース、
- ねじ。
有利には、アセンブリは、経粘膜ベースの遠位部分上に載置して固定されるか、または事前載置して事前固定されるように意図された歯科補綴物をさらに備え、前記歯科補綴物は、第1の連続する通路部および第2の連続する通路部によって実質的に形成された貫通路を含み、前記第1の通路部は、歯科補綴物の近位端から実質的に第1の長手方向軸に沿って延在し、前記第2の通路部は、第1の通路部と第2の通路部とがそれらの間に非ゼロ角度を作るように、第1の通路部を実質的に第2の長手方向軸に沿って延在する。
好ましくは、単純さおよびコンパクトさのために、歯科補綴物は、接着結合によって経粘膜ベースに固定され得る。
有利には、第1の通路部は、経粘膜ベースに対する回転に関して歯科補綴物を割り出すために経粘膜ベースの遠位部分の非円形の外部断面の軸方向部分と協働することができる、非円形の内部断面の軸方向部分を含み得る。
別の態様によれば、本発明は、歯科インプラントの中または上に受容されるように意図されたアセンブリを製造するための方法を提案し、この方法は、以下のステップを含む:
a)上記のような経粘膜ベースの供給するステップ、
b)第1の連続する通路部および第2の連続する通路部によって実質的に形成された貫通路を含む歯科補綴物を供給するステップであって、前記第1の通路部は、歯科補綴物の近位端から実質的に第1の長手方向軸に沿って延在し、前記第2の通路部は、第1の通路部と第2の通路部とがそれらの間に非ゼロ角度を作るように、第1の通路部を実質的に第2の長手方向軸に沿って延在する、ステップ、
c)歯科補綴物を経粘膜ベースの遠位部分に載置して固定するステップ。
単純な方法では、ステップc)の間、歯科補綴物は、接着結合によって経粘膜ベースに固定され得る。
本発明のさらなる目的、特徴、および利点は、添付の図面を参照して与えられる、いくつかの特定の実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
本発明の1つの特定の実施形態による経粘膜ベースの斜視図である。 図1の経粘膜ベースの側面図である。 図1の経粘膜ベースの別の斜視図である。 図1の経粘膜ベース上に受容されるように意図された歯科補綴物の斜視図である。 図1の経粘膜ベースと、図4の歯科補綴物と、固定ねじとを含むアセンブリの部分断面側面図である。 歯科インプラントを有する図5のアセンブリの斜視図である。 固定ねじの導入中の、歯科インプラント上に配置された図5のアセンブリの断面図である。 固定ねじが歯科インプラントにねじ込まれた後の、歯科インプラント上に配置された図5のアセンブリの断面図である。
本発明のいくつかの図、変形形態、または実施形態において同一の参照番号が使用される場合、これらの参照番号は、図の各々、変形形態の各々、または実施形態の各々において同一または類似の要素を表す。
図1は、歯科インプラント3(図6~図8)上に歯科補綴物2(図4~図8)を受容するための、本発明による経粘膜ベース1の1つの特定の実施形態を示す。
経粘膜ベース1(特に図1~図3および図5)は、近位端1aと遠位端1bとの間で長手方向I-Iに延在し、以下を備える:
- 歯科インプラント3の中または上に受容されるように成形された近位部分10a、
- 歯科補綴物2を支持するように成形された遠位部分10b、
- 着座部の周壁5aによって境界付けられた着座部5まで近位端1aの方向に延在し、ねじ6(図5~図8)の頭部6aを軸方向に当接させるように意図された当接面を有する上流円筒形部分4bと、側壁40aによって境界付けられ、着座部5から離れるように近位端1aの方向に延在する下流円筒形部分4aとを連続的に含む長手方向貫通路4。
経粘膜ベース1は、長手方向貫通路4において、着座部5の周壁5a内および下流円筒形部分4aの側壁40a内に形成された内部半径方向ハウジング7を含む。
遠位部分10bは、歯科補綴物2の近位端2aを軸方向に当接させるように意図された環状の当接面16を含む。
図5は、以下をより詳細に示す:
- 近位部分10aは、遠位部分10bの方向に次第にフレア状になっており、
- 着座部5は、上流円筒形部分4bの方向にフレア状になっている円錐台形であり、内部半径方向ハウジング7は、着座部5の周壁5aに部分的に形成される。
ねじ6の頭部6aは、ねじ6が着座部の周壁5aに対して均一に当接するように、着座部5に対して相補的な円錐台形部分6cを含む。
図1、図3および図5は、遠位部分10bが、長さL8にわたって着座部5から離れるように軸方向に延在し、(ここでは約180度の)角度セクタにわたって延在する軸方向延在部8を含むことをより詳細に示す。軸方向延在部8は、実質的に、円弧の形態の半管状壁の形態である。
軸方向延在部8は、内部半径方向ハウジング7と半径方向に位置合わせされて位置している(図3および図5)。言い換えると、軸方向延在部8は、長手方向I-Iに、内部半径方向ハウジング7と垂直に位置付けられる。
図1~図3では、近位部分10aが非円形の外部断面の軸方向部分100aを含むことがより詳細に見える。より具体的には、ここでの軸方向部分100aは、頂点が丸みを帯びている略三角形である外部断面を有する。この非円形の外部断面は、歯科インプラント3に対する(長手方向I-Iを中心とした)回転に関して経粘膜ベース1を割り出すように、歯科インプラント3の雌ハウジング3aの実質的に相補的な軸方向部分30aと協働するように意図されている。
図1~図3および図5では、遠位部分10bが非円形の外部断面の軸方向部分100bを含むことがより詳細に見える。この非円形の外部断面は、ここでは、軸方向延在部8の外側に形成された軸方向スロット9によって与えられる。
着座部5は、内部半径方向ハウジング7がなかった場合に着座部5が有していたであろう表面の少なくとも50%を示す当接面を含む。図3では、着座部5が、内部半径方向ハウジング7がなかった場合に着座部5が有していたであろう表面の50%よりもさらに大きい当接面を有することが分かる。
図5は、以下を備えるアセンブリ11を示す:
- 経粘膜ベース1
- 歯科インプラント3上に経粘膜ベース1を固定するために、前記歯科インプラント3に(インプラント3の雌ハウジング3aのねじ付き軸方向部分31aに、図7および図8を参照)ねじ込まれるように意図されたねじ付きシャンク6bおよびねじ頭6aを含むねじ6。
アセンブリ11は、経粘膜ベース1の遠位部分10b上に載置して固定されるか、または事前載置して事前固定されるように意図された歯科補綴物2をさらに備える。
前記歯科補綴物2は、第1の連続する通路部12aおよび第2の連続する通路部12bによって実質的に形成された貫通路12を含み、前記第1の通路部12aは、歯科補綴物2の近位端2aから実質的に第1の長手方向軸II-IIに沿って延在し、前記第2の通路部12bは、第1の通路部12aと第2の通路部12bとがそれらの間に非ゼロ角度Aを作るように、第1の通路部12aを実質的に第2の長手方向軸III-IIIに沿って延在する。
角度Aは、例えば、第2の通路部12bのオリフィス14が、歯科補綴物2の自由縁15から十分に離れて位置することを可能にする。
歯科補綴物2は、好ましくは接着結合によって、経粘膜ベース1上に固定されることが意図される。
図4および図5からより詳細に分かるように、第1の通路部12aは、非円形の内部断面の軸方向部分120aを含む。この非円形の内部断面は、より具体的には、軸方向リブ13によって与えられる。
軸方向部分120aの非円形の内部断面は、より詳細には、経粘膜ベース1の遠位部分10bの軸方向部分100bの非円形の外部断面と協働して、経粘膜ベース1に対する回転に関して歯科補綴物2を割り出すことができる。
この目的のために、歯科補綴物2が、遠位部分10bを第1の通路部12a内に押し嵌め(および接着結合)することによって経粘膜ベース1上に受容されるとき、軸方向リブ13は、軸方向スロット9内に軸方向に係合する。
次に、歯科医による経粘膜ベース1の使用について、図5~図8を用いてより詳細に説明する。
第1のステップは、近位部分10aの(長手方向I-Iにおける)長さが患者の歯茎の高さに適した、上記のような、本発明による経粘膜ベース1を提供することである。実際には、近位部分10aは、歯肉組織の上層(upper level)と実質的に同一平面である必要がある。
貫通路12を有する、上記のような歯科補綴物2も供給される。歯科補綴物2は、例えば、セラミックのブロックから機械加工によって製造され得る。
オペレータは、好ましくは接着結合を使用して、経粘膜ベース1上に歯科補綴物2を載置して固定することから始める。
したがって、このようにして採用されるのは、歯科インプラント3の中または上に受容されるように意図されたアセンブリ11を製造するための方法であり、以下のステップを含む:
a)本発明による経粘膜ベース1を供給するステップ、
b)第1の連続する通路部12aおよび第2の連続する通路部12bによって実質的に形成された貫通路12を含む歯科補綴物2を供給するステップであって、前記第1の通路部12aは、歯科補綴物2の近位端2aから実質的に第1の長手方向軸II-IIに沿って延在し、前記第2の通路部12bは、第1の通路部12aと第2の通路部12bとがそれらの間に非ゼロ角度Aを作るように、第1の通路部12aを実質的に第2の長手方向軸III-IIIに沿って延在する、ステップ、
c)好ましくは接着結合を使用して、歯科補綴物2を経粘膜ベース1の遠位部分10bに載置して固定するステップ。
経粘膜ベース1上に歯科補綴物2を組み立てると、歯科補綴物2の近位端2aは、経粘膜ベース1の遠位部分10b(より具体的には、環状の当接面16上)に軸方向に当接するようになり、軸方向スロット9およびリブ13は互いに協働して、長手方向I-Iの回転に関して歯科補綴物2および経粘膜ベース1を互いに対して固定する。遠位部分10bを第1の通路部12aに押し嵌めて、揺動応力を効果的に吸収する。
これにより、図6に示すようなアセンブリ11が得られる。
また、ねじ頭6aと、(患者の口腔内に位置している)歯科インプラント3の雌ハウジング3aのねじ付き軸方向部分31aにねじ留めによって係合するのに適した長さのねじ付きシャンク6bとを有するねじ6が供給される。
歯科医は、軸方向部分100aを歯科インプラント3の雌内部ハウジング3aに係合させることによって、アセンブリ11を歯科インプラント3に載置して、長手方向I-Iを中心として歯科インプラント3に対してアセンブリ11を固定する。
次いで、歯科医は、オリフィス14によって貫通路12内にねじ6を挿入し、長手方向I-I(第1の長手方向軸II-IIと一致する)に対して斜めの方向にねじ6を係合させることができる。
ねじ付きシャンク6bの自由端は、内部半径方向ハウジング7に入り、ねじ頭6aが貫通路12に入ることを可能にし、次いで、ねじ6が長手方向I-Iに真っ直ぐになることを可能にする。
長手方向I-Iに真っ直ぐになると、シャンク17bと切頭ねじ締め頭部(faceted screw-tightening head)17aとを有するねじ回し工具17でねじ6を回すことができ、この工具は貫通路12に係合される。このようにして、ねじ付きシャンク6bは、ねじ付き軸方向部分31aにねじ込まれる。
ここで、ねじ回し工具17は、欧州特許出願公開第2607722号明細書に記載されているものと同様であり、切頭ねじ締め頭部17aは、ねじ頭6aの6面ソケット6dに係合する。ねじ回し工具17の頭部17aにより、ねじ回し工具17のシャンク17bが、ねじの締め付けまたは緩め中に、ねじ付きシャンク6bに対してある角度で位置することができる(図8)。
ねじ込みが終わると、本構成は、図8に示されるものとなり、ねじ頭6aは、着座部5に対して当接しており、歯科インプラント3に対して経粘膜ベース1を押圧する。
次いで、歯科医は、ねじ回し工具17を引き抜き、患者の口の中に向かって方向付けられたオリフィス14を差し込み直すことができる。したがって、オリフィス14は、患者が微笑んだときに他の人々から見えないように隠され、満足のいく審美性が得られる。
オリフィス14は、歯科補綴物2の自由縁15から離れて形成されるので、咀嚼の応力に耐えるのに十分に大きい材料の厚さから利益を得て、また、透明性効果の影響を受けない着色を示すことができる。
内部半径方向ハウジング7がなければ、角度Aはより小さくなっていたであろうし、ねじ6の挿入を可能にするために、オリフィス14を自由縁15のより近くに配置しなければならなかったであろう。
歯科補綴物2に対してメンテナンス作業を行う必要がある場合、歯科補綴物2を経粘膜ベース1から分離する必要はない。オリフィス14を再び開ければ、(図8に示すように)ねじ頭6aに係合するまでねじ回し工具17を挿入することができ、次いで、ねじ6を回して歯科インプラント3のねじ付きハウジングから引き抜くことができる。
ねじを外した後、メンテナンスを行うためにアセンブリ11(一体となって出てくる)を患者の口から取り外すことができ、ねじ6もアセンブリ11から引き抜くことができる。
本発明は、明示的に記載された実施形態に限定されるものではなく、むしろ、以下の特許請求の範囲内に包含される多様な変形および一般化を含む。

Claims (12)

  1. 近位端と遠位端との間で長手方向に延在する、歯科インプラント上に歯科補綴物を受容するための経粘膜ベースであって、
    - 歯科インプラントの中または上に受容されるように成形された近位部分と、
    - 歯科補綴物を支持するように成形された遠位部分と、
    - 着座部の周壁によって境界付けられた着座部まで前記近位端の方向に延在し、ねじの頭部を軸方向に当接させるように意図された当接面を有する上流円筒形部分と、側壁によって境界付けられ、前記着座部から離れるように前記近位端の方向に延在する下流円筒形部分とを連続的に含む長手方向貫通路と
    を備え、
    前記経粘膜ベースが、前記長手方向貫通路において、前記着座部の前記周壁内および前記下流円筒形部分の前記側壁内に形成された内部半径方向ハウジングを含むことを特徴とする、経粘膜ベース。
  2. - 前記近位部分は、前記遠位部分の方向に次第にフレア状になっており、
    - 前記着座部は、前記上流円筒形部分の方向にフレア状になっている円錐台形であり、前記内部半径方向ハウジングは、前記着座部の前記周壁に部分的に形成される、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の経粘膜ベース。
  3. - 前記遠位部分は、ある長さにわたって前記着座部から離れるように軸方向に延在し、角度セクタにわたって延在する軸方向延在部を含み、
    - 前記軸方向延在部は、前記内部半径方向ハウジングと半径方向に位置合わせされて位置している、
    ことを特徴とする、請求項1または2に記載の経粘膜ベース。
  4. 前記近位部分は、非円形の外部断面の軸方向部分を含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の経粘膜ベース。
  5. 前記遠位部分が、非円形の外部断面の軸方向部分を含むことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の経粘膜ベース。
  6. 前記着座部は、前記内部半径方向ハウジングがない場合に前記着座部が有していたであろう表面の少なくとも50%を示す当接面を有することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の経粘膜ベース。
  7. アセンブリであって、
    - 請求項1から6のいずれか一項に記載の経粘膜ベースと、
    - ねじと
    を備えるアセンブリ。
  8. 前記経粘膜ベースの前記遠位部分上に載置して固定されるか、または事前載置して事前固定されるように意図された歯科補綴物をさらに備え、前記歯科補綴物は、第1の連続する通路部および第2の連続する通路部によって実質的に形成された貫通路を含み、前記第1の通路部は、前記歯科補綴物の近位端から実質的に第1の長手方向軸に沿って延在し、前記第2の通路部は、前記第1の通路部と前記第2の通路部とがそれらの間に非ゼロ角度を作るように、前記第1の通路部を実質的に第2の長手方向軸に沿って延在する、請求項7に記載のアセンブリ。
  9. 前記歯科補綴物は、接着結合によって前記経粘膜ベースに固定されることを特徴とする、請求項8に記載のアセンブリ。
  10. 前記第1の通路部は、前記経粘膜ベースに対する回転に関して前記歯科補綴物を割り出すために前記経粘膜ベースの前記遠位部分の非円形の外部断面の前記軸方向部分と協働することができる、非円形の内部断面の軸方向部分を含むことを特徴とする、請求項8または9に記載のアセンブリ。
  11. 歯科インプラントの中または上に受容されるように意図されたアセンブリを製造するための方法であって、
    a)請求項1から6のいずれか一項に記載の経粘膜ベースを供給するステップと、
    b)第1の連続する通路部および第2の連続する通路部によって実質的に形成された貫通路を含む歯科補綴物を供給するステップであって、前記第1の通路部は、前記歯科補綴物の近位端から実質的に第1の長手方向軸に沿って延在し、前記第2の通路部は、前記第1の通路部と前記第2の通路部とがそれらの間に非ゼロ角度を作るように、前記第1の通路部を実質的に第2の長手方向軸に沿って延在する、ステップと、
    c)前記歯科補綴物を前記経粘膜ベースの前記遠位部分に載置して固定するステップと
    を含む方法。
  12. ステップc)の間に、前記歯科補綴物が、接着結合によって、前記経粘膜ベース上に固定されることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
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