JP2024509931A - 車両ブレーキ要素の摩耗を推定する方法 - Google Patents

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Abstract

Figure 2024509931000001
少なくとも制動ディスク(10)と、摩擦材料の摩耗性ブロック(20)と、前記摩擦材料のブロック(20)の支持バックプレート(40)とを含む車両ブレーキ要素の摩耗を推定する方法であって、-前記支持バックプレート(40)の温度を感知するように構成及び配置された温度センサ(100)を提供することと、-前記温度センサ(100)に接続された電子処理ユニット(200)を提供することと、-前記支持バックプレート(40)の前記感知された温度の取得と、前記感知された温度の温度信号の生成と、前記電子処理ユニット(200)への前記温度信号の送信と、を提供することと、-前記電子処理ユニット(200)が、前記温度信号を処理することによって、摩擦材料の前記摩耗性ブロック(20)の厚さの推定(500)を提供することと、を少なくとも含む、方法。
【選択図】図1

Description

以下の開示は、車両ブレーキ要素の摩耗を推定する方法に関する。
車両ブレーキ要素の摩耗センサは、長い間市販されており、周知の装置である。
周知のタイプの車両ブレーキ要素の摩耗センサは、その主な動作原理によって、電気摩耗センサ及び機械摩耗センサとして識別することができる。
電気摩耗センサの動作原理は抵抗回路にあり、ブレーキ要素、典型的にはディスクブレーキのパッドの厚さが減少すると、金属ディスクと感知領域との間に接触を生じさせるか、又は電気回路を遮断して警告信号を送信する。複数の回路をパッドの異なる深さに設けることができ、警告信号は車両の情報センタによって処理されてブレーキパッドの残り寿命を計算する。
電気摩耗センサの2つの主要なバージョンが市販されている:ブレーキパッドに埋め込まれたもの、及びブレーキパッドに取り付けられ、ブレーキロータ表面との摩擦接触を維持するように設計された別個のセンサである。
機械的摩耗インジケータは、パッド摩擦材料レベルが指定された低減された厚さに達したときにノイズを発生する修正されたバックプレート上で中継する。
位置センサ摩耗インジケータは、ブレーキ機構の位置を測定し、設計位置が達成されたときに運転者に警告信号を送信する。
混合動作システム摩耗センサも知られており、市販されている。
既知のタイプのEPB電子パーキングブレーキであっても、リアブレーキパッドを係合させるのに必要なねじ/ナットの回転数を数えることによってパッド摩耗を検出することができ、回転数が多いほどパッドの厚さが薄いことを意味する。
従来技術の米国特許第4658936号は、ブレーキの温度及び摩耗度の両方を監視するためのインジケータを開示し、米国特許第7694555号は、アルゴリズムを通じて車両ブレーキパッド寿命を予測するためにセンサと運転者ブレーキモデリングとの融合を採用して、ブレーキパッド厚さの推定を提供するための方法を開示している。
米国特許第5668529号は、ブレーキライニングに埋め込まれた温度センサの出力の周期的サンプリングに基づいてブレーキライニングの厚さを推定する方法を教示している。
これらの従来の摩耗センサは、いずれにしても複雑な部品であり、過酷な負荷応力に非常にさらされ、ブレーキライニングに埋め込まれた温度センサは、センサ自体に集中する制動力の下でパッドの非常に高い温度及び圧力に達し、パッド自体は、関連するコストを伴って、特別かつ特定の種類のものでなければならない。
したがって、本開示に記載される技術的課題は、従来の摩耗センサの現在の制限を取り除き、それらの性能及び信頼性を改善することである。
本開示による技術的課題は車両ブレーキ要素の摩耗を推定する方法によって達成され、少なくとも制動ディスクと、摩擦材料の摩耗性ブロックと、当該ブロックの支持プレートとを含み、
-当該支持プレートの温度を感知するように構成及び配置された温度センサを提供することと、
-当該温度センサに接続された電子処理ユニットを提供することと、
-当該支持プレートの感知された温度の取得と、当該感知された温度の温度信号の生成と、当該電子処理ユニットへの当該温度信号の送信と、を提供することと、
-当該処理ユニットが、当該温度信号の処理によって当該ブロックの厚さの推定を提供することと、を含むことを特徴とする。
一実施形態において、当該温度信号の温度時間変動は処理されて、当該推定を提供する。
当該温度センサは、当該支持バックプレートに一体化された接触温度センサ又は非接触温度センサのいずれかとすることができる。
一実施形態では、当該温度センサは、当該支持バックプレートの表面の温度を感知するように構成及び配置される。
一実施形態において、当該表面は、摩擦材料の当該摩耗性ブロックに面する当該支持バックプレートの表面である。
一実施形態において、当該表面は、摩擦材料の当該摩耗性ブロックとは反対側の当該支持バックプレートの表面である。
一実施形態において、当該温度センサは、当該支持バックプレートのバルク温度を感知するように構成及び配置される。
一実施形態では、当該取得は時間ベースである。
一実施形態では、当該取得はイベントベースである。
一実施形態では、当該イベントは車両制動である。
一実施形態では、複数の車両制動は、同じ境界条件を有する車両制動の中から選択される。
一実施形態では、当該推定は、リアルタイムで処理される。
一実施形態において、当該方法は、当該処理ユニットに接続された周囲温度センサを提供し、周囲温度を取得し、当該周囲温度の周囲温度信号を生成し、当該周囲温度信号を当該電子処理ユニットに送信し、当該処理ユニットは、当該周囲温度信号を処理して、当該推定を調整する。一実施形態では、当該方法は、当該処理ユニットに接続された車両加速度計を提供し、加速度を取得し、当該加速度の加速度信号を生成し、当該加速度信号を当該電子処理ユニットに送信し、当該処理ユニットは、当該加速度信号を処理して、当該推定を調整し、及び/又はイベントを選択し、及び/又はイベントを検出する。
一実施形態では、当該方法は、当該処理ユニットに接続された車両運動センサを提供し、運動を取得し、当該運動の運動信号を生成し、当該運動信号を当該電子処理ユニットに送信し、当該処理ユニットは、当該運動信号を処理して、当該推定を調整し、及び/又はイベントを選択し、及び/又はイベントを検出する。
一実施形態では、当該方法は、当該ブレーキ要素に、当該処理ユニットに接続された少なくとも1つの力センサを提供し、力を取得し、当該力の力信号を生成し、当該力信号を当該電子処理ユニットに送信し、当該処理ユニットは、当該力信号を処理して、当該推定を調整し、及び/又はイベントを選択し、及び/又はイベントを検出する。
一実施形態では、力センサは、せん断力センサ及び/又は圧力センサを含む。
一実施形態では、当該方法は、摩擦材料の当該ブロックの厚さに相関する温度力学のモデルを作成することによって、かつ測定された温度力学に適合するモデル温度力学を選択することによって当該推定を行うことによって、当該ブレーキパッドの熱モデルを提供することを提供する。
本開示はまた、摩擦材料の摩耗性ブロックと、摩擦材料の当該ブロックの支持バックプレートと、当該支持バックプレートの温度を検出するように構成及び配置された温度センサと、上述の摩耗の推定方法を実行するように構成された電子処理ユニットと、を含む車両ブレーキ要素を提供する。
本開示は、車両が動作しているときに、摩擦ブロックの現在の厚さに密接に相関することが分かっている制動要素のバックプレートの感知された温度傾向を利用することに焦点を当てている。
実際に、同じ境界条件を有する制動イベントを考慮すると、摩擦ブロックの厚さが減少する限り、感知された温度の時間変動は増大し、その結果、バックプレートはより速く温まる。
様々な実施形態が、例示の目的で添付の図面に示されており、本開示の範囲を限定するものとして決して解釈されるべきではない。異なる開示された実施形態の様々な特性を組み合わせて、本開示の一部分である追加の実施形態を形成することができる。
図1は、本方法のための構成要素を適切に装備した車両コーナーのレイアウトを概略的に示す図である。 図2は、スマートブレーキパッドセンサ及び時間ベースのデータ取得を有する方法システムアーキテクチャを概略的に示す。 図3は、スマートブレーキパッドセンサ及びトリガベースのデータ取得を有する方法システムアーキテクチャを概略的に示す。 図4は、トリガベースのデータ取得を有する方法システムアーキテクチャを概略的に示す。 図5は、アルゴリズムレイアウトのフローチャートを概略的に示す。 図6a、6b、6cは、複数イベントデータ取得アルゴリズム戦略の実装を示す図である。 図7a、7b、7cは、新品のブレーキパッドと摩耗したブレーキパッドとを比較した単一イベントデータ取得アルゴリズム戦略の実装を示す図である。 図8は、モデルベースのデータ取得アルゴリズム戦略実装の実験的証拠を示す図である。 図9aは、実験結果を示す。 図9bは、実験結果を示す。
以下の詳細な説明では、本明細書の一部分を形成する添付の図面を参照する。図面において、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、同様の参照番号は、通常、同様の構成要素を識別する。詳細な説明及び図面に記載された例示的な実施形態は、限定することを意味しない。本明細書に提示される主題の趣旨又は範囲から逸脱することなく、他の実施形態が利用されてもよく、他の変更が行われてもよい。本明細書で一般的に説明され、図に図示される本開示の態様は、多種多様な異なる構成で配置され、置換され、組み合わされ、設計されてもよく、それらの全てが明示的に企図され、本開示の一部分をなす。
本発明によれば、少なくとも車両の制動要素は、摩擦材料の摩耗性ブロック20と、支持バックプレート40と、支持バックプレート40の温度を取得するように構成及び配置された温度センサ100とを備える。
温度センサ100は、支持バックプレート40に一体化された接触温度センサ又は非接触温度センサのいずれかである。
更に、温度センサ100は、支持バックプレート40の表面の温度又は支持バックプレート40のバルク温度のいずれかを感知するように構成及び配置することができる。
例えば、温度センサ100は、摩擦材料の摩耗性ブロック20に面する支持バックプレート40の表面上に配置することができる。
温度センサ100は、支持バックプレート40に一体化され、摩擦材料の摩耗性ブロック20に面する支持バックプレート40の表面と同一平面に配置され得る。
しかしながら、支持バックプレート40の表面の温度が感知される場合、当該表面は、摩擦材料の摩耗性ブロック20に面するか、又は反対側の支持バックプレート40の表面であり得る。
温度センサ100は、個別部品であってもよいし、金属支持バックプレート上に直接スクリーン印刷されていてもよく、異なるタイプのセンサを組み合わせて異なるレイアウトを実現することができ、複数の温度センサを使用して、分散温度監視を行うことができる。
制動要素は、図1に例としてのみ示されているように、ディスク10と協働するパッドであってもよいし、ドラムと協働するクランプであってもよい。
図1に概略的に示されるように、車両コーナー1は、摩擦材料の摩耗性ブロック20と支持バックプレート40との間に任意の下層30を含む車両ブレーキパッドを適切に装備する。
電子処理ユニット(EPU)200が設けられ、温度センサ100に接続されており、好都合には、電子処理ユニット(EPU)200はまた、車両に搭載された複数の補助センサ401、403、404によって接続され、入力信号を受信する。
また、ブレーキパッドに埋め込まれた力センサ402、及びブレーキペダルスイッチ405を設け、電子処理ユニット200に接続することができる。
具体的には、本方法の発明によるアルゴリズム300は、電子処理ユニット(EPU)200のデータ収集、精緻化、及び出力に取って代わる。
本発明による車両ブレーキ要素の摩耗を推定する方法は、支持バックプレート40上で感知された温度の温度センサ100による取得、温度信号の生成、及び温度信号の電子処理ユニット200への送信を提供し、電子処理ユニット200は、アルゴリズム300を通して温度信号を適切に処理することによって摩擦材料の摩耗性ブロック20の厚さの推定を提供する。
以下の説明において、アイテム20は、区別なく「摩擦材料の摩耗性ブロック」又は「ブレーキパッド」と呼ばれる。用語「ブレーキパッド温度」は、「バックプレート上の温度」に対して慣習的に使用される。
本発明によって開示される方法によれば、ブレーキパッド20の熱力学、すなわち、ブレーキパッド温度信号の温度時間変動が、ブレーキパッド20の摩耗を推定するために使用される。
有利なことに、季節的調整は、アルゴリズム性能及び分解能を高めるために、測定された周囲温度を使用して実行される。
有利なことに、ブレーキパッド20の摩耗推定はリアルタイムで行うことができる。
有利には、車両コーナー1は、1つ又は2つの温度センサ100を備えることができ、ブレーキパッド20の摩耗は、各ブレーキパッド20について、又は車両コーナー1のブレーキパッド20の平均値として推定することができる。
有利には、各車両コーナー1に温度センサ100を装備することができる。
有利なことに、ブレーキパッド20の摩耗計算は、電子処理ユニット200全体又は単一の電子処理ユニット200によって実行することができ、それらの各々は各車両コーナー1に専用である。
システムアーキテクチャ
3つの異なるシステムアーキテクチャが、以下の説明において開示され、それらの各々は、選択されるデータ取得戦略及び使用される補助センサに従って実装されることができ、全てのアーキテクチャは、アルゴリズムの戦略の各々と共に使用されることができる。
時間ベースのデータ取得アーキテクチャ。
図2は、時間ベースのデータ取得を伴う方法システムアーキテクチャを概略的に示す。
アーキテクチャは、少なくとも、温度センサ100、加速度計401、周囲温度センサ403、スマートパッド力センサ402、運動センサ404、及びアルゴリズム300を有する電子処理ユニット200を含む。
スマートパッド力センサ402は、少なくともせん断力センサ及び/又は圧力センサを含む。
全てのセンサデータ取得は、電子処理ユニット200によって定義された時刻に実行される。
典型的には、データ取得時刻間の介在期間は、20秒から60秒の間に含まれ、好ましくは30秒である。
周囲温度センサ403は、温度センサ100によって収集されたデータの季節調整のために使用される。環境変化を検出することができる他の既知のツールは、季節適応目的のために使用することができる。
周囲温度センサ403は、電子処理ユニット200に接続され、周囲温度センサ403は、周囲温度を取得し、電子処理ユニット200に送信される周囲温度信号を生成する。
加速度計401、スマートパッド圧力/せん断センサ402、及び運動センサ404は、ブレーキパッド20の摩耗を推定するために使用されてもされなくてもよい。
加速度計401は、電子処理ユニット200に接続され、加速度計401は、電子処理ユニット200によって定義される車両加速度を取得し、電子処理ユニット200に送信される車両加速度信号を生成する。
スマートパッド力センサ402は、電子処理ユニット200に接続され、スマートパッド力センサ402は、少なくとも電子処理ユニット200によって定義された力を取得し、電子処理ユニット200に送信される力信号を生成する。
車両運動センサ404は、電子処理ユニット200に接続され、車両運動センサ404は、電子処理ユニット200によって定義される車両運動を取得し、電子処理ユニット200に送信される運動信号を生成する。収集されたデータは、アルゴリズム300を介して電子処理ユニット200によって処理される。加速度計401、スマートパッド力センサ402、車両運動センサ404の信号は処理されて、摩耗推定を補償及び調整する、及び/又は重要なイベント、すなわち重要な制動イベントを選択及び/又は検出する。
最後に、ブレーキパッド20の摩耗推定500が提供される。
トリガベースのデータ取得アーキテクチャ。実施例1。
図3は、スマートブレーキパッドセンサ及びトリガベースのデータ取得を有する方法システムアーキテクチャを概略的に示す。
アーキテクチャは、少なくとも、温度センサ100、加速度計401、周囲温度センサ403、スマートパッド力センサ402、運動センサ404、取得戦略ユニット201、及びアルゴリズム300を有する電子処理ユニット200を含む。
トリガベースのデータ取得戦略では、データ取得は、重要なイベント、すなわち重要な制動イベントが発生したときにのみ実行される。
取得戦略ユニット201は、加速度計401及びスマートパッド力センサ402によって検出される全ての制動イベントの中から重要な制動イベントを選択するために使用することができる。
運動センサ404は、重要な制動イベント選択のための取得戦略においても使用することができる。
周囲温度センサ403は、温度センサ100によって収集されたデータの季節調整のために使用される。環境変化を検出することができる他の既知のツールは、季節適応目的のために使用することができる。
加速度計401、スマートブレーキパッド圧力/せん断センサ402、及び運動センサ404は、ブレーキパッド20の摩耗を推定するために使用されてもされなくてもよい。
収集されたデータは、アルゴリズム300を介して電子処理ユニット200によって処理され、ブレーキパッド20の摩耗推定500が提供される。
トリガベースのデータ取得アーキテクチャ。実施例2。
図4は、スマートブレーキパッド力センサが設けられておらず、トリガベースのデータ取得を伴う方法システムアーキテクチャを概略的に示す。
アーキテクチャは、少なくとも、温度センサ100、加速度計401、周囲温度センサ403、ブレーキペダルスイッチ又は車両ネットワーク405、運動センサ404、取得戦略ユニット201、アルゴリズム300を有する電子処理ユニット200を含む。
トリガベースのデータ取得戦略では、温度センサ100のデータ取得及び周囲温度センサ403のデータ取得は、重要なイベント、すなわち重要な制動イベントが発生したときにのみ実行される。
取得戦略ユニット201は、加速度計401及びブレーキペダルスイッチ405によって検出される全ての制動イベントの中から重要な制動イベントを選択するために使用することができる。
運動センサ404は、重要な制動イベント選択のための取得戦略においても使用することができる。
周囲温度センサ403は、温度センサ100によって収集されたデータの季節調整のために使用される。環境変化を検出することができる他の既知のツールは、季節適応目的のために使用することができる。
加速度計401、ブレーキペダルスイッチ405、及び運動センサ404は、ブレーキパッド20の摩耗を推定するために使用されてもされなくてもよい。
収集されたデータは、アルゴリズム300を介して電子処理ユニット200によって処理され、ブレーキパッド20の摩耗推定500が提供される。
アルゴリズムレイアウト
温度選択基準は、以下の原理に基づく:v:制動周波数(2つの連続するイベント間の時間として)、
Abs:最低/最高温度及び/又は温度変動、
Buf:選択されたバッファ内の最小/最大温度及び/又は温度変動、
dTpos:温度一次導関数は正でなければならない(加熱条件)、
ptiBrk:イベントの数、
σT:温度及び/又は温度変動標準偏差ベースの基準。
図5は、電子処理ユニット200におけるアルゴリズム300のレイアウトのフローチャートを概略的に示す。
温度センサ100によって取得されたデータは、周囲温度センサ403によって送信された周囲温度信号によって季節調整セクション310によって調整される。
予備選択セクション311は、補助センサ401、402、404、405によって収集され、センサ補償セクション320によって補償された温度力学傾向及び/又は制動イベント頻度及び/又は運転スタイルに基づいてデータを選択する。
摩耗指数計算セクション312は、適応論理を用いてデータをバッファリング及び分類することによって動作し、分類されたバッファデータに対して摩耗指数の計算を実行し、次いで、温度センサ100及び/又は他の補助センサ400関連機能を使用してそれをスケーリングする。
学習フェーズセクション313では、現在のアクションが学習フェーズにある場合、正規化係数の定義が、第1のデータポイントに基づく統計的手法を使用してセクション330で行われるという選択が行われる。この予備学習フェーズにおいて、摩耗指数が増分的に計算される。
自己学習フェーズは、アルゴリズムパラメータを車両のモデル、ブレーキパッドの部品番号、及びユーザの運転スタイルに適合させることを可能にし、これは、異なるアプリケーションのための異なるアルゴリズムバージョンを回避することを可能にする。
現在の行動が学習フェーズにない場合、摩耗推定計算セクション314は、適応閾値及び正規化を使用する摩耗指数フィルタリングによって動作する。データ整合性チェックが続き、摩耗推定500がリアルタイムで提供される。
アルゴリズム戦略
データ取得戦略は、上記に見られるように、以下の通りであり得る:
-時間ベース、
-トリガベース。
好都合なことに、全てのアルゴリズムは、車両/ブレーキパッドモデル及び運転スタイルから独立しており、したがって、以下の理由により、異なる適用例に対して調整が必要ない:
-制動イベント選択戦略と、
-ブレーキパッドが新しいときの自己学習フェーズ。
3つの異なるアルゴリズム戦略を使用することができる:
-複数イベント戦略、
-単一イベント戦略、
-モデルベース戦略。
複数イベント戦略:
ブレーキパッド20の摩耗は、トリガベースの取得であれば、後続の制動イベント間のブレーキパッド熱力学をマッピングして推定され、時間ベースの取得であれば、車両動作中の後続の取得間のブレーキパッド熱力学をマッピングして推定される。
トリガベースの戦略及び時間ベースの戦略の両方において、各取得要求に対して単一の取得ポイントが取得されなければならない。
時間ベースの戦略では、全てのセンサデータ取得は、電子処理ユニット200によって定義される時刻に実行される。
時間ベースの戦略では、取得は、例えば20秒~60秒、好ましくは30秒のサンプル時間と同期している。取得は、全ての車両動作中に実行される。
トリガベースの戦略では、取得は非同期であり、イベントが発生したときに実行される。摩耗推定のために考慮されるべき熱力学は、車両動作中に取得される異なる瞬間間の熱力学である。
アルゴリズム性能及び分解能を向上させ、場合によっては異なる車両/ブレーキパッドモデル及び異なる運転スタイルに対するアルゴリズム較正を回避するために、データ取得点を選択することができ、又は選択することができない。
イベント選択は、補助センサを使用して実行することができる。
図6a、6b、6cは、車両動作中に取得された温度、選択されたブレーキパッド温度取得、摩耗指数計算、及び摩耗推定計算を示すグラフである。
単一イベント戦略:
ブレーキパッド20の摩耗は、選択された異なる制動イベント間の制動イベント中のブレーキパッドの熱力学を同じ境界条件と比較して推定される。
データ取得は、トリガベースの戦略を用いて行うことができる。
単一のイベント中の温度変化をマッピングするために、あらゆる/選択されたブレーキイベントについて複数の取得点を取得しなければならない。
全てのセンサデータ取得は、電子処理ユニット200によって定義された時刻に実行される。
典型的には、データ取得時刻間の介在期間は、0.01秒~2.0秒の間に含まれ、好ましくは0.10秒である。
摩耗推定のために考慮されるべき熱力学は、単一のブレーキイベント中に取得された異なる瞬間間の熱力学である。
アルゴリズム性能及び分解能を向上させ、場合によっては異なる車両/ブレーキパッドモデル及び異なる運転スタイルに対するアルゴリズム較正を回避するために、制動イベントを選択することも選択しないこともできる。
図7a、7b、7cのグラフは、単一の制動イベント中に取得された温度及び特性パラメータの比較を示している。
モデルベース戦略:
ブレーキパッド20の摩耗は、モデルベースの手法を用いて、測定されたブレーキパッドの熱力学と相関される。
ブレーキパッド20の熱モデルは、ブレーキパッドの厚さに相関する温度力学のモデルを作成することによって提供される。
モデル温度力学が測定されたものに適合するブレーキパッドの厚さは、実際のブレーキパッド20の厚さであると考えられる。
制動イベントの境界条件は、補助センサを使用して推定される。
アルゴリズムは、アルゴリズム性能及び分解能、並びに異なる車両/パッドモデル及び異なる運転スタイルに対するアルゴリズム較正を回避する可能性を増加させるために、各制動イベントに、又はいくつかの選択されたブレーキイベントのみに適用されることができる。
図8は、モデルベースのデータ取得アルゴリズム戦略の実験的証拠を示す図である。
実験結果
図9a及び図9bは実験結果を示す。
実験結果は、測定されたブレーキパッド摩耗と本発明によって開示される方法による推定されたブレーキパッド摩耗との間に大きな相関関係を示す。
記載されたものに加えて、修正及び変更が当然可能である。このように考えられた車両ブレーキ要素の摩耗を推定する方法は、多数の修正及び変更が可能であり、その全てが本発明の概念の範囲内にある。更に、全ての細部は、他の技術的に均等な要素と置換され得る。実際に、使用される材料、及びシステムは、必要性及び現状技術に従って任意のものであることができる。

Claims (17)

  1. 少なくとも制動ディスク(10)と、摩擦材料の摩耗性ブロック(20)と、摩擦材料の前記ブロック(20)の支持バックプレート(40)とを含む車両ブレーキ要素の摩耗を推定する方法であって、
    -前記支持バックプレート(40)の温度を感知するように構成及び配置された温度センサ(100)を提供することと、
    -前記温度センサ(100)に接続された電子処理ユニット(200)を提供することと、
    -前記支持バックプレート(40)の前記感知された温度の取得と、前記感知された温度の温度信号の生成と、前記電子処理ユニット(200)への前記温度信号の送信と、を提供することと、
    -前記電子処理ユニット(200)が、前記温度信号を処理することによって、摩擦材料の前記摩耗性ブロック(20)の厚さの推定(500)を提供することと、
    を少なくとも含むことを特徴とする、車両ブレーキ要素の摩耗を推定する方法。
  2. 前記温度信号の温度時間変動を処理して前記推定を提供することを特徴とする、請求項1に記載の車両ブレーキ要素の摩耗を推定する方法。
  3. 前記温度センサ(100)は、前記支持バックプレート(40)に一体化された接触温度センサであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の車両ブレーキ要素の摩耗を推定する方法。
  4. 前記温度センサ(100)は、非接触温度センサであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の車両ブレーキ要素の摩耗を推定する方法。
  5. 前記温度センサ(100)は、前記支持バックプレート(40)の表面の温度を感知するように構成及び配置されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の車両ブレーキ要素の摩耗を推定する方法。
  6. 前記表面は、摩擦材料の前記摩耗性ブロック(20)に面する前記支持バックプレート(40)の表面であることを特徴とする、請求項5に記載の車両ブレーキ要素の摩耗を推定する方法。
  7. 前記表面は、摩擦材料の前記摩耗性ブロック(20)とは反対側の前記支持バックプレート(40)の表面であることを特徴とする、請求項5に記載の車両ブレーキ要素の摩耗を推定する方法。
  8. 温度センサ(100)は、前記支持バックプレート(40)のバルク温度を感知するように構成及び配置されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の車両ブレーキ要素の摩耗を推定する方法。
  9. 前記取得は時間ベースであることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の車両ブレーキ要素の摩耗を推定する方法。
  10. 前記取得はイベントベースであることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の車両ブレーキ要素の摩耗を推定する方法。
  11. 前記イベントは車両制動イベントであることを特徴とする、請求項10に記載の車両ブレーキ要素の摩耗を推定する方法。
  12. 前記電子処理ユニット(200)に接続された周囲温度センサ(403)を提供し、周囲温度を取得し、前記周囲温度の周囲温度信号を生成し、前記周囲温度信号を前記電子処理ユニット(200)に送信し、前記電子処理ユニット(200)が前記周囲温度信号を処理して前記推定(500)を調整することを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の車両ブレーキ要素の摩耗を推定する方法。
  13. 前記電子処理ユニット(200)に接続された車両加速度計(401)を提供し、車両加速度を取得し、前記車両加速度の加速度信号を生成し、前記車両加速度信号を前記電子処理ユニット(200)に送信し、前記電子処理ユニット(200)が、前記加速度信号を処理して、前記推定(500)を調整する、及び/又はイベントを選択する、及び/又はイベントを検出することを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の車両ブレーキ要素の摩耗を推定する方法。
  14. 前記電子処理ユニット(200)に接続された車両運動センサ(404)を提供し、車両運動を取得し、前記車両運動の車両運動信号を生成し、前記車両運動信号を前記電子処理ユニット(200)に送信し、前記電子処理ユニット(200)が、前記運動信号を処理して、前記推定を調整する、及び/又はイベントを選択する、及び/又はイベントを検出することを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の車両ブレーキ要素の摩耗を推定する方法。
  15. 前記ブレーキ要素に、前記電子処理ユニット(200)に接続された少なくとも1つの力センサ(402)を設け、力を取得し、前記力の力信号を生成し、前記力信号を前記電子処理ユニット(200)に送信し、前記電子処理ユニット(200)が前記力信号を処理して、前記推定(500)を調整し、及び/又はイベントを選択し、及び/又はイベントを検出することを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の車両ブレーキ要素の摩耗を推定する方法。
  16. 前記ブロックの厚さに相関する温度力学のモデルを作成することによって、かつ測定された温度力学に適合するモデル温度力学を選択することによって前記推定(500)を行うことによって、ブレーキパッド(20)の熱モデルを提供することを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載の車両ブレーキ要素の摩耗を推定する方法。
  17. 摩擦材料の摩耗性ブロック(20)と、摩擦材料の前記ブロック(20)の支持バックプレート(40)と、前記支持バックプレート(40)の温度を検出するように構成及び配置された温度センサ(100)と、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成された電子処理ユニット(200)と、を含む車両ブレーキ要素。
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