JP2024508660A - 快感消失の治療に使用するための電位依存性カリウムチャネル開口薬 - Google Patents

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Abstract

本開示は、とりわけ、対象、例えばヒトにおいて快感消失を治療するための方法において使用するための、電位依存性カリウムチャネル開口薬である、N-[4-(6-フルオロ-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル]-3,3-ジメチルブタンアミド(化合物A)に向けられる。本開示はさらに、化合物Aの投与の様々な改善された手段に向けられる。【選択図】図1

Description

本開示は、とりわけ、対象、例えばヒトにおいて快感消失を治療するための方法において使用するための、電位依存性カリウムチャネル開口薬である、N-[4-(6-フルオロ-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル]-3,3-ジメチルブタンアミド(化合物A)に向けられる。本開示はさらに、化合物Aの投与の様々な改善された手段に向けられる。
快感消失(アンヘドニア)は、快適さを経験する能力の低下及び/又は快適な活動に加わることへの関心の低下を特徴とし、多くの精神神経障害の顕著な症状である。快感消失の重症度は、14点Snaith-Hamilton Pleasure Scale(SHAPS、スナイス・ハミルトン快楽スケール)に従って定量化されてもよい。Snaithら、Br.J.Psychiatry 1995;167:99-103;Nakoneznyら、Int.Clin.Psychopharmacol. 2010;25(6):328-333。
快感消失は、うつ病、例えば、大うつ病性障害及びストレス誘発性うつ病において頻繁に起こる。快感消失は、大うつ病性障害の核心症状であり、この状態に罹患している人々のおよそ70%に見られる。快感消失を経験している個体は、低い気分又は抑うつ気分を反映する他の症状がない場合であっても、うつ病と診断されることが可能である。
快感消失は、統合失調症における陰性症状の1つの構成要素として一般的に列挙されている。通常、5つのドメインが陰性統合失調症症状を分類するために使用されるが、アンケートの因子分析は、2つの因子をもたらし、1つは、快適さ及び動機付け(モチベーション)の欠損(欠陥)を含む。統合失調症を有する人々は、健康な個体よりも少ない肯定的な感情しか経験していないことを遡及的に報告している。
快感消失は、物質使用障害に関連し、治療結果に悪影響を及ぼす。快感消失は、アルコール、オピオイド、及びニコチンを含む多種多様な薬物に依存する人々によく見られる。
快感消失は、パーキンソン病において頻繁に起こり、7%~45%の割合が報告されている。快感消失は、強迫性障害(過食症候群等)においても起こる。
社会的快感消失(social anhedonia)は、社会的接触に興味がないこと及び社会的状況における快適さ(楽しみ)の欠如として定義され、社会的離脱(引き籠もり)を特徴とする。この特徴は、典型的には、他の人々との社会的相互作用に対する無関心として現れる。
性快感消失症(性的快感消失)は、男性において最も頻繁に見出され、「射精無快感症」と呼ばれることもある。この状態に罹患している男性は、快感の感覚を伴わずに射精する。性快感消失症は女性でも起こり、オルガズムに伴う快感の欠如として現れる。選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)の使用は、性快感消失症を引き起こす可能性がある。
うつ病は、世界中の身体障害の主な原因である。しかしながら、利用可能な治療は、多くの患者については部分的にのみ有効であり、治療作用の遅い開始及び望ましくない副作用を含むさらなる制限を伴う。現在、米国食品医薬品局(U.S. Food and Drug Administration、FDA)により承認されたうつ病の治療は、大部分がセロトニン作動薬及びノルアドレナリン作動薬からなり、これらは、大部分は、数十年前の発見に基づく同じ基礎的な薬理学及び作用機序を共有する。この機構的多様性の欠如は、改善された患者転帰又は個別化された治療アプローチの機会をほとんど残さない。
上記の様々な疾患及び状態を含む、快感消失の発生を考慮すると、対応する快感消失治療が必要とされている。
Snaithら、Br.J.Psychiatry 1995;167:99-103 Nakoneznyら、Int.Clin.Psychopharmacol. 2010;25(6):328-333
本開示は、小分子N-[4-(6-フルオロ-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル]-3,3-ジメチルブタンアミド(本明細書では「化合物A」と呼ぶ)についての特定の方法及び使用を記載する。
1つの実施形態では、本開示は、必要とする対象(好ましくは、ヒト等の哺乳動物)において快感消失を治療する方法であって、その対象に治療有効量の化合物Aを(例えば、経口で)投与する工程を含む方法に向けられる。いくつかの実施形態では、本開示は、必要とする対象(好ましくは、ヒト等の哺乳動物)において快感消失を治療することにおける化合物Aの使用に向けられる。いくつかの実施形態では、快感消失対象は、性快感消失症又は社会的快感消失に罹患している。いくつかの例では、上述の方法又は使用は、快感消失を有する対象の腹側被蓋野(VTA)における活動亢進を逆転させることを含む。
1つの実施形態では、化合物Aによる治療前の快感消失は、SHAPSによって測定した場合、少なくとも4の重症度を有する。他の実施形態では、化合物Aによる治療前の快感消失は、SHAPSによって測定した場合、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、又は14の重症度を有する。
特定の例では、化合物Aの投与によって治療される快感消失は、うつ病性障害、物質関連障害、精神病性障害、パーソナリティ障害、てんかん性障害、又はこれらの組み合わせ等の精神神経障害の症状である。1つの実施形態では、うつ病性障害は大うつ病性障害(MDD)である。いくつかの実施形態では、うつ病性障害は、外傷後ストレス障害(PTSD)、重篤気分調節症、持続性抑うつ障害、双極スペクトラム障害、双極性うつ病、産後うつ病、月経前不快気分障害(PMDD)、季節性情動障害(SAD)、非定型うつ病、治療抵抗性うつ病(TRD)、激越若しくは不安に関連するうつ病、抑うつ気分を伴う適応障害、長期抑うつ反応、又はこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、物質関連障害は、アルコール、コカイン、オピオイド、ニコチン、又はこれらの組み合わせを含む1つ以上の薬物に対する依存症を含む。いくつかの実施形態では、精神神経障害は、統合失調症、統合失調感情障害、又は統合失調型障害である。いくつかの実施形態では、精神神経障害は、強迫性障害、例えば過食症候群である。いくつかの実施形態では、精神神経障害は、錐体外路障害、アルツハイマー病、認知症、パーキンソン病、PTSD、神経性食欲不振症、パニック症、注意欠陥多動性障害(ADHD)、前兆を伴う若しくは伴わない慢性片頭痛、頭痛を伴わない片頭痛前兆、慢性緊張性頭痛、持続性片側頭痛、新規発症持続性連日性頭痛を含む慢性頭痛、認知症、多発性硬化症又は気分変調性障害である。いくつかの実施形態では、てんかん性障害は、てんかん、焦点起始てんかん(焦点性初発てんかん、focal onset epilepsy)、又は脳卒中後てんかんである。いくつかの実施形態では、化合物Aの投与によって治療される快感消失は、癌、慢性疼痛、HIV/AIDs、狼瘡、又は甲状腺機能低下症に関連する。
さらなる実施形態では、治療有効量の化合物Aを投与することを含む快感消失を治療する当該方法、又は快感消失を治療することにおける化合物Aの使用は、対象(例えば、ヒト)においてKv7カリウムチャネルの開口を増強することをさらに含む。
別の実施形態では、本開示は、対象(好ましくは、ヒト等の哺乳動物)においてKv7カリウムチャネルを開口するか若しくはその開口を増強する方法であって、対象に有効量の化合物Aを投与する工程を含む方法、又は対象においてKv7カリウムチャネルを開口するか若しくはその開口を増強することにおける化合物Aの使用に向けられ、これらの方法及び使用において、対象は、大うつ病性障害(MDD)、外傷後ストレス障害(PTSD)、統合失調症、物質関連障害、パーキンソン病、激越若しくは不安に関連するうつ病、てんかん、又は強迫性障害(例えば、過食症候群)に関連する快感消失を含む、様々なタイプの快感消失、及び本明細書に記載される快感消失の症状を有する障害等の快感消失に罹患している。
いくつかの態様では、Kv7カリウムチャネルは、Kv7.2、Kv7.3、Kv7.4、又はKv7.5のうちの1つ以上である。特定の例では、Kv7.2、Kv7.3、Kv7.4、又はKv7.5カリウムチャネルのうちの1つ以上の開口又は開口の増強は、Kv7.1よりも選択的である。他の例では、当該方法は、Kv7.2/Kv7.3(KCNQ2/3)カリウムチャネルの開口又は開口の増強を含む。
特定の例では、対象への化合物Aの投与は、投与あたり2~200mgの用量の化合物Aを投与することを含む。他の例では、対象への投与は、毎日、隔日、又は毎週投与される5~1000mgの用量を含む。さらなる例では、対象への投与は、毎日、隔日、又は毎週投与される0.05~20mg/kg、例えば0.1~5mg/kgの用量を含む。
当該方法及び使用のいくつかの実施形態では、化合物Aは、食事摂取の約30分前から食事摂取の約2時間後の間に対象(好ましくは、ヒト等の哺乳動物)に経口投与され、例えば、化合物Aは、食事中又は食事摂取の15分以内に対象に経口投与されてもよい。あるいは、化合物Aは、以前又は以後の食事のタイミングに関係なく対象に経口投与されてもよい。
化合物Aは、発作性疾患の治療のために現在開発されている小分子であり、カリウムチャネルモジュレーターとしてのその使用は、米国特許第8,293,911号明細書及び米国特許第8,993,593号明細書並びに米国特許出願第16/409,684号及び米国特許出願第16/410,851号に開示されており、これらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本開示のこれらの態様及び他の態様は、以下の詳細な説明を参照すると明らかとなる。この目的のために、特定の背景情報及び手順をより詳細に記載する種々の参考文献が本明細書中に示され、それらは、各々、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
図1は、すべてのラット(N=32)についての累進比率試験(PRT)における化合物A(1、3及び8mg/kg、経口)の効果を示す。レバー押し(上のグラフ)及び限界点(下のグラフ)測定値の両方において、統計的有意性(「アスタリスク」)が3及び8mg/kg用量で観察された(ビヒクルに対してp<0.05)。 図2は、「高」対「低」応答ラットサブグループ(N=11/サブグループ)についての累進比率試験(PRT)における化合物A(1、3及び8mg/kg、経口)の効果を示す。レバー押し(上のグラフ)及び限界点(下のグラフ)測定値の両方において、統計的有意性(「アスタリスク」)が、二元配置混合要因ANOVAを使用して、「低」応答ラットサブグループにおいて3及び8mg/kg用量で観察された(ビヒクルに対してp<0.05)。 図3は、「低」応答ラットサブグループ(N=11/サブグループ)についての累進比率試験(PRT)における化合物A(1、3及び8mg/kg、経口)の効果を示す。低応答ラットサブグループの2要因ANOVAを使用して、レバー押し(上のグラフ)測定において、統計的有意性(「アスタリスク」)は、3及び8mg/kg用量で観察され、限界点(下のグラフ)測定において、統計的有意性(「アスタリスク」)は、3mg/kg用量で観察された(ビヒクルに対してp<0.05)。
本開示は、特に、必要とする対象(好ましくは、ヒト等の哺乳動物)に化合物Aを経口投与によって又は他の経路によって投与することによる快感消失の治療のための、化合物Aについての新規かつ改善された方法及び使用に関する。
以下の開示では、種々の実施形態の十分な理解を提供するために特定の具体的な詳細が示される。しかしながら、当業者は、本明細書に記載される方法及び使用がこれらの詳細なしに実施されてもよいということを理解するであろう。他の例では、実施形態の記載を不必要に曖昧にすることを回避するために、周知の構造は詳細には示されておらず記載もされていない。文脈と矛盾する場合を除いて、本明細書及び添付の特許請求の範囲の全体にわたって、語句「comprise(含む)」及びその派生語、例えば「comprises(含む)」及び「comprising(含む)」は、開放型の、包含的な意味で、つまり「…を含むが、これらに限定されない」として解釈されるべきである。さらに、本明細書に提示される小見出しは、便宜のためだけのものであり、請求項に係る発明の範囲又は意味を解釈しない。
本明細書全体にわたって「1つの実施形態」又は「一実施形態」に言及することは、その実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造、又は特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書全体にわたって種々の場所で語句「1つの実施形態では」又は「一実施形態では」が現れることは、必ずしも、すべて同じ実施形態を指しているわけではない。さらには、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の実施形態においていずれの好適なやり方で組み合わされてもよい。また、本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a(ある、1つの)、「an(ある、1つの)」及び「the(その、上記)」は、文脈と明らかに矛盾する場合を除いて、複数の指示対象を含む。用語「又は」、「若しくは」は、文脈と明らかに矛盾する場合を除いて、一般に、「及び/又は」を含む意味で用いられることにも留意するべきである。
1. 定義
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、否定する特段の記載がない限り、以下の用語及び略語は示された意味を有する。
本明細書で使用する場合の「快感消失」は、すべての活動又はほとんどすべての活動における興味又は楽しさが著しく減少したことを指す。軽度の快感消失は、低快感消失(低ヘドニア、hypohedonia)と呼ばれることもある。
「化合物A」は下記式を有し、N-[4-(6-フルオロ-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル]-3,3-ジメチルブタンアミドの化合物名を有する化合物を指す。
Figure 2024508660000002
化合物Aの調製及びKv7.2/Kv7.3(KCNQ2/3)開口薬としてのその使用は、米国特許第8,293,911号明細書及び米国特許第8,993,593号明細書、並びに米国特許出願第16/409,684号及び米国特許出願第16/410,851号に開示されている。化合物Aは電位依存性カリウムチャネルKv7.2及びKv7.3(Kv7.2/Kv7.3)の開口を強化又は増強し、この電位依存性カリウムチャネルKv7.2及びKv7.3(Kv7.2/Kv7.3)の開口の強化又は増強は、神経細胞の興奮性を制御する上で重要である。化合物Aは、本明細書に記載される方法及び使用において使用される。
本明細書で使用する場合の「社会的快感消失」は、社会的接触に興味がないこと及び社会的状況における快適さの欠如を指す。社会的快感消失は、社会的離脱を特徴とし、典型的には、他の人々との社会的相互作用に対する無関心として現れる。この形質は、統合失調症スペクトラム障害の中心的特徴並びに予測因子であると考えられる。
本明細書で使用する場合の「治療有効量」は、ヒト対象において、記載された疾患、障害又は状態を治療するため、又はその疾患、障害若しくは状態若しくはその疾患、障害若しくは状態の根底にある1つ以上の機構に対する所望の記載された効果を得るために十分な化合物Aの量を指す。特定の実施形態では、快感消失の治療のために化合物Aが投与される場合、治療有効量は、ヒトへの投与によって、そのヒトにおいて快感消失を治療若しくは改善するか、又は快感消失を抱えるそのヒトにおいて検出可能な治療効果をもたらす化合物Aの量を指す。この効果は、例えば快感消失症状の数の減少(例えば、「好む」若しくは「望む」)又は快感消失の重症度の低減によって検出することができる。
本明細書で使用する場合の「治療」は、ヒト対象において、示された疾患、障害若しくは状態若しくは根底にある機構のうちの1つ以上の進行を緩慢化すること又は停止することを含めてその示された疾患、障害若しくは状態若しくはその疾患、障害若しくは状態の1つ以上の根底にある機構を改善する、化合物Aの投与に伴う治療的応用を指す。特定の実施形態では、快感消失の治療のために化合物Aが投与される場合、治療は、快感消失の進行を緩慢化若しくは停止する(すなわち、快感消失の強度若しくは頻度の増加を遅らせるか若しくは停止させる)ための治療的応用、及び/又は快感消失の逆転を指す。快感消失の逆転は、逆転させる方法を用いると、快感消失の進行が停止するだけでなく、快感消失の不存在下で観察されるはずの正常な状態に向かっていくらかでも細胞挙動が動かされるという点で、快感消失を緩慢化又は停止する治療的応用とは異なる。いくつかの実施形態では、化合物Aの投与を含む快感消失の治療は、1種以上のKv7カリウムチャネル(例えば、Kv7.2、Kv7.3、Kv7.4、及び/又はKv7.5、特にKv7.2及び/又はKv7.3、任意選択でKv7.1に優先する)の細胞活性が、快感消失の不存在下で観察されるはずの正常レベルへと変化することを伴う。
「摂食条件下」は、化合物Aの経口投与の約4時間前から化合物Aの投与の約4時間後までの期間の間の食物を摂取した状態を指す。食物は、胃の中で迅速に溶解吸収されない程度に十分なかさ及び脂肪含量を有していれば、固形であってもよいし、液体であってもよいし、又は固形と液体の食物の混合物であってもよい。いくつかの例では、この食物は、朝食、昼食、夕食等の食事であるか、あるいは、ベビーフード(例えば、配合物又は母乳)である。化合物Aは、例えば食事摂取の約30分前から食事摂取の約2時間後の間に対象に経口投与されてもよく、最も有利には、化合物Aは、食事中又は食事摂取の後15分以内に経口投与される。
「絶食条件下」は、化合物Aの経口投与の少なくとも4時間前から化合物Aの投与の約4時間後までの期間の間の食物を摂取していない状態を指す。
2. 実施形態
本明細書に提供されるのは、快感消失の治療としての化合物A(N-[4-(6-フルオロ-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル]-3,3-ジメチルブタンアミド)として公知のKv7活性化因子の方法及び使用である。特定の例では、当該方法及び使用は、例えば、Kv7媒介性M電流の増強を通して、腹側被蓋野(VTA)における活動亢進を逆転させることによって作用する。快感消失は、本明細書に開示される障害について列挙されるもの、例えば、うつ病(例えば、大うつ病性障害)に関連する快感消失並びに社会的快感消失を含む。
本開示は、ストレス誘発性うつ病及び快感消失の確立されたモデルの研究を記載する。例えば、CSDS(慢性社会的敗北ストレス)に脆弱な動物は、社会的回避(居住者/侵入者パラダイム)について、及び化合物Aの抗うつ活性についての強制水泳試験において研究することができる。このような脆弱な動物は、快感消失を治療することに対する効果に関して、糖嗜好性についても研究することができる。
臨床試験では、例えば化合物Aの効果をプラセボと比較するために、Snaith-Hamilton Pleasure Scale(SHAPS)、Temporal Experience of Pleasure Scale(TEPS、時間的快感体験尺度)、Effort Expenditure for Rewards Task(EEfTR、報酬課題に対する努力支出)、Fawcett-Clark Pleasure Capacity Scale-Physical Pleasure(FCPCS、Fawcett-Clarkの快適能力尺度-身体的快適)、又はPhysical Anhedonia Scale of Chapman(PAS、Chapmanの身体的快感消失尺度)を使用して、ヒトにおける快感消失評価を行うことができる。
いくつかの実施形態では、本開示は、必要とする対象(好ましくは、ヒト等の哺乳動物)において快感消失を治療する方法であって、その対象に治療有効量の化合物Aを(例えば、経口で)投与する工程を含む方法に向けられる。同様に、特定の実施形態では、本開示は、必要とする対象(好ましくは、ヒト等の哺乳動物)において快感消失を治療することにおける化合物Aの使用に向けられる。
いくつかの例では、化合物Aの投与によって治療される快感消失対象は、性快感消失症又は社会的快感消失に罹患している。他の例では、化合物Aの投与によって治療される快感消失対象は、性快感消失症又は社会的快感消失を患っていない。特定の例では、化合物Aの投与によって治療される快感消失は、うつ病性障害、物質関連障害、精神病性障害、パーソナリティ障害、てんかん性障害、又はこれらの組み合わせ等の精神神経障害の症状である。
特定の実施形態では、精神神経障害はうつ病性障害である。いくつかのそのような実施形態では、うつ病性障害は、ストレス誘発性うつ病、大うつ病性障害(MDD)、外傷後ストレス障害(PTSD)、重篤気分調節症、持続性抑うつ障害、双極スペクトラム障害、双極性うつ病、産後うつ病、月経前不快気分障害(PMDD)、季節性情動障害(SAD)、非定型うつ病、治療抵抗性うつ病(TRD)、激越若しくは不安に関連するうつ病、抑うつ気分を伴う適応障害、長期抑うつ反応、又はこれらの組み合わせである。特定の実施形態では、うつ病性障害はMDDである。
他の実施形態では、精神神経障害は物質関連障害である。いくつかの実施形態では、物質関連障害は、アルコール、コカイン、オピオイド、ニコチン、又はこれらの組み合わせを含む1つ以上の薬物に対する依存症を含む。
いくつかの実施形態では、精神神経障害は、統合失調症、統合失調感情障害、統合失調型障害、錐体外路障害、アルツハイマー病、認知症、パーキンソン病、強迫性障害、PTSD、神経性食欲不振症、パニック症、注意欠陥多動性障害(ADHD)、前兆を伴う若しくは伴わない慢性片頭痛、頭痛を伴わない片頭痛前兆、慢性緊張性頭痛、持続性片側頭痛、新規発症持続性連日性頭痛を含む慢性頭痛、認知症、多発性硬化症又は気分変調性障害である。
いくつかの実施形態では、てんかん性障害は、てんかん、焦点起始てんかん又は脳卒中後てんかんである。
いくつかの実施形態では、化合物Aの投与によって治療される快感消失は、癌、慢性疼痛、HIV/AIDs、狼瘡、又は甲状腺機能低下症に関連する。
いくつかの実施形態では、治療有効量の化合物Aを投与することによる快感消失を治療する当該方法、又は快感消失を治療することにおける化合物Aの当該使用は、対象(好ましくは、ヒト等の哺乳動物)においてKv7カリウムチャネルの開口を増強することを含む。
特定の例では、本明細書に記載される方法及び使用は、Kv7.1よりもKv7.2、Kv7.3、Kv7.4、又はKv7.5のうちの1つ以上等のKv7カリウムチャネルを選択的に開口するか又はそれらの開口を選択的に増強する。いくつかの実施形態では、当該方法又は使用は、Kv7.1よりもKv7.2のために選択的である。他の実施形態では、当該方法又は使用は、Kv7.1よりもKv7.3のために選択的である。なお他の実施形態では、当該方法又は使用は、Kv7.1よりもKv7.4のために選択的である。なおさらなる他の実施形態では、当該方法又は使用は、Kv7.1よりもKv7.5のために選択的である。特定の実施形態では、当該方法又は使用は、Kv7.1よりもKv7.2及びKv7.3のために選択的である。特定の実施形態では、当該方法又は使用は、他のKv7カリウムチャネルよりもKv7.2及びKv7.3のために選択的である。特定の実施形態では、当該方法又は使用は、Kv7.4及びKv7.5よりもKv7.2及びKv7.3のために選択的である。
特定の実施形態では、本開示は、必要とする対象(好ましくは、例えば快感消失に罹患しているヒト等の哺乳動物)において腹側被蓋野(VTA)における活動亢進を逆転させる方法であって、その対象に有効量の化合物Aを(例えば、経口で)投与することを含む方法を提供する。同様に、いくつかの実施形態では、本開示は、必要とする対象(好ましくは、例えば、快感消失に罹患しているヒト等の哺乳動物)におけるVTAにおける活動亢進を逆転させることにおける化合物Aの使用に向けられる。
特定の例では、本明細書に記載される方法又は使用は、Kv7.1よりもKv7.2、Kv7.3、Kv7.4、及びKv7.5のうちの1つ以上等のKv7カリウムチャネルを選択的に開口するか又はそれらの開口を選択的に増強する。いくつかの実施形態では、当該方法又は使用は、Kv7.1よりもKv7.2のために選択的である。他の実施形態では、当該方法又は使用は、Kv7.1よりもKv7.3のために選択的である。なお他の実施形態では、当該方法又は使用は、Kv7.1よりもKv7.4のために選択的である。なおさらなる他の実施形態では、当該方法又は使用は、Kv7.1よりもKv7.5のために選択的である。特定の実施形態では、当該方法又は使用は、Kv7.1よりもKv7.2及びKv7.3のために選択的である。特定の実施形態では、当該方法又は使用は、他のKv7カリウムチャネルよりもKv7.2及びKv7.3のために選択的である。特定の実施形態では、当該方法又は使用は、Kv7.4及びKv7.5よりもKv7.2及びKv7.3のために選択的である。
いくつかの実施形態では、快感消失の治療は、患者への化合物Aの投与によって達成される。そのような投与は、例えば、経口、吸入、舌下、口腔内、眼内、耳内、膣内、直腸内、皮膚、局所、若しくは経皮投与による;静脈内、筋肉内、髄腔内、若しくは皮下注射による;又は移植によるものであってもよい。特定の実施形態では、投与は経口投与である。
経口投与の代替として、特定の例において、化合物Aの他の投与経路、例えば、非経口投与が、本明細書に記載される方法及び使用において用いられてもよい。非経口投与経路としては、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑液嚢内、胸骨内、髄腔内、肝臓内、病巣内、及び頭蓋内の注射若しくは注入技術、又は移植、又は吸入によるものが挙げられる。例えば、化合物Aは、静脈内注射、筋肉内注射、髄腔内注射、又は皮下注射等の注射によって投与することができる。特定の実施形態では、本明細書中で論じられる化合物Aの用量は、経口投与を意図したものであり、経口用量を例えば約半分減少させることによって、注射による投与を含む非経口投与に適した用量に変換することができる。
本明細書に記載される方法及び使用に係る化合物Aの投与に適した他の投与経路としては、舌下及び口腔内(例えば、舌下又は頬の内側の口腔内で溶解するフィルム又は他の組成物を用いる)、眼内(例えば、点眼薬)、耳内(例えば、点耳薬による)、経口若しくは経鼻吸入(例えば、吹送若しくは噴霧による)、皮膚若しくは局所(外用)(例えば、クリーム若しくはローションによる)、又は経皮(例えば、皮膚パッチによる)が挙げられる。経口投与以外に、膣及び直腸(例えば、軟膏、坐剤、浣腸による)を含む他の経腸投与経路を化合物Aに使用することができる。
1つの実施形態では、本明細書に記載される方法及び使用、例えば、必要とする対象(好ましくは、ヒト等の哺乳動物)において快感消失の治療方法又は治療における使用は、治療有効量の化合物A、例えば約0.05mg/kg~約20mg/kg、例えば約0.05mg/kg~約10mg/kg、約0.1mg/kg~約20mg/kg、約0.1mg/kg~約10mg/kg、約0.05mg/kg~約5mg/kg、約0.1mg/kg~約5mg/kg、約0.05mg/kg~約2mg/kg、又は約0.1mg/kg~約2mg/kgを(例えば、経口で)投与することによって達成される。より具体的な代表的な量としては、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.2mg/kg、0.3mg/kg、0.4mg/kg、0.5mg/kg、0.6mg/kg、0.7mg/kg、0.8mg/kg、0.9mg/kg、1mg/kg、1.1mg/kg、1.2mg/kg、1.3mg/kg、1.4mg/kg、1.5mg/kg、1.6mg/kg、1.7mg/kg、1.8mg/kg、1.9mg/kg、2mg/kg、5mg/kg、8mg/kg、10mg/kg、12mg/kg、15mg/kg、18mg/kg、若しくは20mg/kg、又は上述の量のうちの2つを端点として使用することによって作り出される任意の範囲の量が挙げられる。いくつかの態様では、当該方法又は使用は、0.1~5mg/kgの化合物Aを(例えば、経口で)投与することを含む。特定の態様では、当該方法は、0.2~0.5mg/kgの化合物Aを(例えば、経口で)投与することを含む。いくつかの態様では、当該方法又は使用は、0.05~20mg/kgの化合物Aを(例えば、経口で)投与することを含む。特定の態様では、当該方法は、1~10mg/kgの化合物Aを(例えば、経口で)投与することを含む。
特定の例では、本開示は、必要とする対象(好ましくは、ヒト等の哺乳動物)において快感消失を治療する方法であって、その対象に治療有効量の化合物Aを(例えば、経口で)投与する工程を含み、この快感消失は、様々なタイプの快感消失、並びにストレス誘発性うつ病、大うつ病性障害(MDD)、外傷後ストレス障害(PTSD)、統合失調症、物質関連障害、パーキンソン病、てんかん、性快感消失症、及び社会的快感消失を含む、本明細書に記載される快感消失の症状を有する障害を含み、化合物Aは、上記ヒトに0.05~5mg/kgの用量、例えば0.1~5mg/kg、0.05~2mg/kg、又は0.1~2mg/kg、例えば約0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.15mg/kg、0.2mg/kg、0.24mg/kg、0.25mg/kg、0.3mg/kg、0.35mg/kg、0.4mg/kg、0.5mg/kg、0.6mg/kg、0.7mg/kg、0.75mg/kg、0.8mg/kg、0.81mg/kg、0.85mg/kg、0.9mg/kg、1mg/kg、1.2mg/kg、1.5mg/kg、1.8mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、若しくは5mg/kg、又は上述の量のうちの2つを端点として使用することによって作り出される任意の範囲の量で投与される方法を提供する。
いくつかの例では、本開示は、必要とする対象(例えば、ヒト)において快感消失を治療する方法であって、その対象に治療有効量の化合物Aを(例えば、経口で)投与する工程を含み、この快感消失は、様々なタイプの快感消失、並びにストレス誘発性うつ病、大うつ病性障害(MDD)、外傷後ストレス障害(PTSD)、統合失調症、物質関連障害、パーキンソン病、性快感消失症、及び社会的快感消失を含む、本明細書に記載される快感消失の症状を有する障害を含み、化合物Aは、上記ヒトに0.5~10mg/kgの用量、例えば0.5~8mg/kg、1~10mg/kg、又は1~8mg/kg、例えば約0.5mg/kg、0.8mg/kg、1mg/kg、1.5mg/kg、2mg/kg、2.5mg/kg、2.6mg/kg、2.8mg/kg、3mg/kg、3.5mg/kg、4mg/kg、4.5mg/kg、5mg/kg、5.2mg/kg、5.5mg/kg、6mg/kg、6.5mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、若しくは10mg/kg、又は上述の量のうちの2つを端点として使用することによって作り出される任意の範囲の量で投与される方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法及び使用、例えば、必要とする対象(例えば、ヒト)における快感消失の治療方法又は治療における使用は、治療有効量の化合物A、例えば、2~200mgの化合物Aを単回又は複数回投与単位で(例えば、経口で)投与することによって達成される。例えば、当該方法は、単回又は複数回投与単位で、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、約11mg、約12mg、約13mg、約14mg、約15mg、約16mg、約17mg、約18mg、約19mg、約20mg、約21mg、約22mg、約23mg、約24mg、約25mg、約26mg、約27mg、約29mg、約30mg、約31mg、約32mg、約33mg、約34mg、約35mg、約36mg、約37mg、約38mg、約39mg、約40mg、約41mg、約42mg、約43mg、約44mg、約45mg、約46mg、約47mg、約48mg、約49mg、約50mg、約51mg、約52mg、約53mg、約54mg、約55mg、約56mg、約57mg、約58mg、約59mg、約60mg、約61mg、約62mg、約63mg、約64mg、約65mg、約66mg、約67mg、約68mg、約69mg、約70mg、約71mg、約72mg、約73mg、約74mg、約75mg、約76mg、約77mg、約78mg、約79mg、約80mg、約81mg、約82mg、約83mg、約84mg、約85mg、約86mg、約87mg、約88mg、約89mg、約90mg、約91mg、約92mg、約93mg、約94mg、約95mg、約96mg、約97mg、約98mg、約99mg、約100mg、約101mg、約102mg、約103mg、約104mg、約105mg、約106mg、約107mg、約108mg、約109mg、約110mg、約111mg、約112mg、約113mg、約114mg、約115mg、約116mg、約117mg、約118mg、約119mg、約120mg、約121mg、約122mg、約123mg、約124mg、約125mg、約126mg、約127mg、約129mg、約130mg、約131mg、約132mg、約133mg、約134mg、約135mg、約136mg、約137mg、約138mg、約139mg、約140mg、約141mg、約142mg、約143mg、約144mg、約145mg、約146mg、約147mg、約148mg、約149mg、約150mg、約151mg、約152mg、約153mg、約154mg、約155mg、約156mg、約157mg、約158mg、約159mg、約160mg、約161mg、約162mg、約163mg、約164mg、約165mg、約166mg、約167mg、約168mg、約169mg、約170mg、約171mg、約172mg、約173mg、約174mg、約175mg、約176mg、約177mg、約178mg、約179mg、約180mg、約181mg、約182mg、約183mg、約184mg、約185mg、約186mg、約187mg、約188mg、約189mg、約190mg、約191mg、約192mg、約193mg、約194mg、約195mg、約196mg、約197mg、約198mg、約199mg、若しくは約200mgを(例えば、経口で)投与すること、又は上述の量のうちの2つを端点として使用することによって作り出される任意の範囲の量を(例えば、経口で)投与することを含むことができる。いくつかの態様では、当該方法又は使用は、対象(例えば、ヒト)への単回又は複数回投与単位での5~100mgの化合物Aの経口投与を含む。いくつかの態様では、当該方法又は使用は、対象(例えば、ヒト)への単回又は複数回投与単位での5~80mgの化合物Aの経口投与を含む。いくつかの態様では、当該方法又は使用は、対象(例えば、ヒト)への単回又は複数回投与単位での5~40mgの化合物Aの経口投与を含む。
いくつかの態様では、本明細書に記載される方法及び使用、例えば必要とする対象(例えば、ヒト)における快感消失の治療方法又は治療における使用は、少なくとも5mgの化合物A、例えば少なくとも5、10、15、20、25、30、35、50、75、又は100mgの化合物Aを(例えば、経口で)投与することによって達成される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法及び使用、例えば、必要とする対象における快感消失の治療方法又は治療における使用は、対象(例えば、ヒト)に1日あたり少なくとも20mgの化合物A、例えば1日あたり少なくとも30、40、60、75、85、100、125、150、175、又は200mgの化合物Aを(例えば、経口で)投与することによって達成される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法及び使用、例えば、必要とする対象における快感消失の治療方法又は治療における使用は、対象(例えば、ヒト)に少なくとも5mgの化合物Aを週1日、2日、3日、4日、又は5日で(例えば、経口で)投与することによって達成され、例えば、少なくとも20、40、60、75、85、100、125、150、175、又は200mgの化合物Aが週1日、2日、3日、4日、又は5日投与される。いくつかの実施形態では、化合物Aは、隔日に、3日毎に、又は週に2回投与される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法及び使用、例えば、必要とする対象(例えば、ヒト)における快感消失の治療方法又は治療における使用は、1日あたり治療有効量の化合物A、例えば1日あたり又は1週あたり5~1000mgの化合物A、例えば1日あたり又は1週あたり5~500mg又は5~250mgの化合物Aを(例えば、経口で)投与することによって達成される。例えば、当該方法又は使用は、1日あたり、1週あたり約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、約150mg、約155mg、約160mg、約165mg、約170mg、約175mg、約180mg、約185mg、約190mg、約195mg、約200mg、約205mg、約210mg、約215mg、約220mg、約225mg、約230mg、約235mg、約240mg、約245mg、約250mg、約255mg、約260mg、約265mg、約270mg、約275mg、約280mg、約285mg、約290mg、約295mg、約300mg、約305mg、約310mg、約315mg、約320mg、約325mg、約330mg、約335mg、約340mg、約345mg、約350mg、約355mg、約360mg、約365mg、約370mg、約375mg、約380mg、約385mg、約390mg、約395mg、約400mg、約405mg、約410mg、約415mg、約420mg、約425mg、約430mg、約435mg、約440mg、約445mg、約450mg、約455mg、約460mg、約465mg、約470mg、約475mg、約480mg、約485mg、約490mg、約495mg、約500mg、若しくは約1000mgの化合物Aを(例えば、経口で)投与すること、又は1日あたり、上述の量のうちの2つを端点として使用することによって作り出される範囲の量を(例えば、経口で)投与することを含むことができる。いくつかの態様では、当該方法又は使用は、対象(例えば、ヒト)に、1日あたり5~200mgの化合物A、例えば1日あたり10、15、20、25、30、35、又は40mg~75、100、125、150、175、又は200mgの化合物A、例えば1日あたり5~150mgを経口投与することを含む。いくつかの態様では、経口投与は、対象(例えば、ヒト)への1日あたり10、20、30、40、50、75、100、又は125mgの化合物A、例えば1日あたり100mgを含む。
特定の例では、上記の化合物Aの1日用量は、1日あたり複数回用量として、例えば1日あたり2回、3回、4回、又は5回の用量で(例えば、経口で)投与される。例えば、100mgの1日用量は、1日を通して5回の20mg、4回の25mg、3回の33.3mg、又は2回の50mgの用量で投与されてもよい。
いくつかの実施形態では、上記の1日用量の化合物Aは、単回用量として、(例えば、経口で)投与される。例えば、1日あたり約5、10、15、20、25、又は30mg~約50、65、75、100、125、又は150mgの化合物Aを単回用量として経口投与することができ、これは、単回用量として1日あたり10~30mg、20~50mg、及び30~80mg、例えば、単回用量として1日あたり25~30mgを含む。関連して、これまでの段落で論じた化合物Aの用量のいずれかが単一の単位剤形又は複数の単位剤形、例えば2つ、3つ又は4つの単位剤形に含められてもよい。
特定の実施形態では、本明細書に記載される方法及び使用は、本明細書に開示される毎日の投薬を使用する場合、6~9日以内、例えば約1週間以内に化合物Aの定常状態を達成する。
いくつかの実施形態では、化合物Aを(例えば、経口で)投与することにより快感消失を治療するための本明細書に記載される方法及び使用は、12時間(すなわち、1日に2回)、24時間(すなわち、1日に1回)、48時間(すなわち、2日に1回)、72時間、96時間、5日、6日、1週間、又は2週間の投与レジメン、特に12時間、24時間、又は48時間の投与レジメンに従って投与することを含む。このようなレジメンは、上記の用量又は1日用量のいずれかを投与することを含んでもよい。例えば、本開示は、必要とする対象(例えば、ヒト)において快感消失を治療する方法であって、対象に治療有効量の化合物Aを12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、5日、6日、1週間、又は2週間間隔、特に12時間、24時間、又は48時間間隔に従って(例えば、経口で)投与する工程を含み、化合物Aの量は、上記の用量又は1日用量のいずれかに対応する方法を提供する。特定のこのような実施形態では、化合物Aは、摂食条件下で、例えば、食事摂取の約30分前から食事摂取の約2時間後の間、例えば食事中又は食事摂取の後15分以内にヒト対象に経口投与される。
追加の実施形態では、治療有効量の化合物Aを投与することによって快感消失を治療する上記の方法又は使用は、摂食条件下で、例えば食事摂取の約30分前から食事摂取の約2時間後の間に、例えば食事中又は食事摂取の後15分以内に、ヒト対象に化合物Aを経口投与することを含む。いくつかの実施形態では、摂食条件下でのヒト対象への化合物Aの経口投与は、絶食条件下でのヒト対象への化合物Aの経口投与と比較して、化合物Aのバイオアベイラビリティ及び曝露を顕著に増強する。いくつかの実施形態では、摂食条件下でのヒトへの化合物Aの経口投与は、同じ量の化合物Aが絶食条件下で対象に経口投与される場合と比較して、化合物Aの1つ以上の薬物動態パラメータ(例えば、Cmax、AUCinf、Tmax、t1/2λz等)を増加させる。
特定の実施形態では、本明細書に記載される方法及び使用は、化合物Aを、化合物Aと、1種以上の薬学的に許容できる担体又は賦形剤とを含む薬学的に許容できる経口組成物の形態で投与する。これらの組成物に含まれる化合物Aの量は、本明細書に記載される量のうちの1つ以上に対応してもよい。いくつかの実施形態では、この組成物は単位用量である。
化合物Aを含む薬学的に許容できる経口組成物の例としては、固体製剤(錠剤、カプセル剤、トローチ剤、糖衣錠、顆粒剤、散剤、粉剤(スプリンクル剤)、ウエハース、多粒子剤、及びフィルム剤等)、液体製剤(水溶液、エリキシル剤、トニック剤(強壮剤)、チンキ剤、スラリー、懸濁液、及び分散剤等)、並びにエアロゾル化製剤(ミスト及びスプレー等)が挙げられる。1つの実施形態では、化合物Aの薬学的に許容できる経口組成物は、小児用懸濁液又は顆粒を含む。化合物Aのすべての上記の量が、そのような製剤に含まれてもよく、例えば、5、10、15、10、25、30、若しくは35mgの化合物Aを含むカプセルが挙げられる。
化合物Aの非経口投与に適した組成物の例としては、水性又は油性の調製物、特に水性調製物を含む、滅菌した注射用の溶液、懸濁液、又は分散液が挙げられる。いくつかの実施形態では、化合物Aは、水、リンゲル液、等張性塩化ナトリウム溶液、緩衝水溶液、及び1,3-ブタンジオール等の混和性アルコールを含有する水溶液等の、非経口的に許容できる希釈剤又は溶媒を含む注射用の滅菌水性製剤において、本明細書に記載される方法又は使用に従って投与される。化合物Aの非経口製剤のためのさらなる適切な賦形剤としては、モノグリセリド又はジグリセリド;脂肪酸、例えばオレイン酸及びそのグリセリド誘導体;天然の薬学的に許容できる油、例えば、オリーブ油又はヒマシ油(それらのポリオキシエチル化バージョンを含む);長鎖アルコール希釈剤又は分散剤、例えばカルボキシメチルセルロースを含むアルキルセルロース;並びに界面活性剤、例えばTween、Span及び他の乳化剤又はバイオアベイラビリティ増強剤が挙げられる。
別の実施形態では、快感消失の治療のための化合物Aの経口投与のためのキットが提供される。このようなキットは、化合物Aの複数の経口単位剤形を、化合物Aを経口投与するための説明書と組み合わせて含む。
本開示のさらなる実施形態及び例が本明細書に記載される。これらの実施形態及び例は例示的なものであり、請求項に係る発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
3. 番号付けされた実施形態
実施形態1。必要とするヒトにおいて快感消失を治療する方法であって、上記ヒトに治療有効量の化合物Aを投与する工程を含み、化合物Aは、N-[4-(6-フルオロ-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル]-3,3-ジメチルブタンアミドである、方法。
実施形態2。必要とするヒトにおいて腹側被蓋野(VTA)における活動亢進を逆転させる方法であって、上記ヒトに有効量の化合物Aを投与する工程を含み、化合物Aは、N-[4-(6-フルオロ-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル]-3,3-ジメチルブタンアミドであり、上記ヒトは快感消失に罹患している、方法。
実施形態3。上記方法は、上記ヒトにおいてKv7カリウムチャネルの開口を増強することを含む実施形態1又は実施形態2に記載の方法。
実施形態4。ヒトにおいてKv7カリウムチャネルの開口を増強する方法であって、上記ヒトに有効量の化合物Aを投与する工程を含み、化合物Aは、N-[4-(6-フルオロ-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル]-3,3-ジメチルブタンアミドであり、上記ヒトは快感消失に罹患している、方法。
実施形態5。上記Kv7カリウムチャネルは、Kv7.2、Kv7.3、Kv7.4、又はKv7.5のうちの1つ以上である実施形態3又は実施形態4に記載の方法。
実施形態6。上記方法は、Kv7.1よりもKv7.2、Kv7.3、Kv7.4、又はKv7.5のうちの1つ以上の開口を増強するために選択的である実施形態5に記載の方法。
実施形態7。上記方法は、Kv7.2/Kv7.3(KCNQ2/3)カリウムチャネルの開口を含む実施形態3又は実施形態4に記載に記載の方法。
実施形態8。上記快感消失は性快感消失症を含む実施形態1から実施形態7のいずれか1つに記載の方法。
実施形態9。上記快感消失は社会的快感消失を含む実施形態1から実施形態7のいずれか1つに記載の方法。
実施形態10。上記快感消失は精神神経障害の症状である実施形態1から実施形態7のいずれか1つに記載の方法。
実施形態11。上記精神神経障害はうつ病性障害、物質関連障害、精神病性障害、パーソナリティ障害、てんかん性障害、又はこれらの組み合わせである実施形態10に記載の方法。
実施形態12。上記精神神経障害はうつ病性障害である実施形態11に記載の方法。
実施形態13。上記うつ病性障害は、ストレス誘発性うつ病、大うつ病性障害(MDD)、外傷後ストレス障害(PTSD)、重篤気分調節症、持続性抑うつ障害、双極スペクトラム障害、双極性うつ病、産後うつ病、月経前不快気分障害(PMDD)、季節性情動障害(SAD)、非定型うつ病、治療抵抗性うつ病(TRD)、激越若しくは不安に関連するうつ病、抑うつ気分を伴う適応障害、長期抑うつ反応、又はこれらの組み合わせである実施形態12に記載の方法。
実施形態14。上記うつ病性障害はMDDである実施形態12に記載の方法。
実施形態15。上記精神神経障害は物質関連障害である実施形態11に記載の方法。
実施形態16。上記物質関連障害は、アルコール、コカイン、オピオイド、又はニコチンに対する依存症を含む実施形態15に記載の方法。
実施形態17。上記精神神経障害は、統合失調症、錐体外路障害、アルツハイマー病、認知症、パーキンソン病、統合失調感情障害、統合失調型障害、強迫性障害、PTSD、神経性食欲不振症、パニック症、注意欠陥多動性障害(ADHD)、又は気分変調性障害である実施形態10に記載の方法。
実施形態18。上記精神神経障害はてんかん性障害である実施形態10に記載の方法。
実施形態19。上記てんかん性障害は、てんかん、前兆を伴う若しくは伴わない慢性片頭痛、頭痛を伴わない片頭痛前兆、慢性緊張性頭痛、持続性片側頭痛、新規発症持続性連日性頭痛を含む慢性頭痛、脳卒中後、認知症、多発性硬化症、癌、慢性疼痛、HIV/AIDs、狼瘡、又は甲状腺機能低下症である実施形態18に記載の方法。
実施形態20。化合物Aは上記ヒトに経口投与される実施形態1から実施形態19のいずれか1つに記載の方法。
実施形態21。化合物Aは、上記ヒトに2~200mgの用量で投与される実施形態1から実施形態20のいずれか1つに記載の方法。
実施形態22。化合物Aは、上記ヒトに5~100mgの用量で投与される実施形態20に記載の方法。
実施形態23。化合物Aは、上記ヒトに5~80mgの用量で投与される実施形態20に記載の方法。
実施形態24。化合物Aは、上記ヒトに5~40mgの用量で投与される実施形態20に記載の方法。
実施形態25。化合物Aは上記ヒトに少なくとも5mgの用量で投与される実施形態1から実施形態20のいずれか1つに記載の方法。
実施形態26。化合物Aは上記ヒトに少なくとも10mgの用量で投与される実施形態25に記載の方法。
実施形態27。化合物Aは上記ヒトに少なくとも20mgの用量で投与される実施形態25に記載の方法。
実施形態28。化合物Aは、上記ヒトに1日あたり又は1週あたり5~1000mgの用量で投与される実施形態1から実施形態20のいずれか1つに記載の方法。
実施形態29。化合物Aは、上記ヒトに1日あたり又は1週あたり5~500mgの用量で投与される実施形態28に記載の方法。
実施形態30。化合物Aは、上記ヒトに1日あたり又は1週あたり5~250mgの用量で投与される実施形態28に記載の方法。
実施形態31。化合物Aは、上記ヒトに1日あたり5~150mgの用量で投与される実施形態28に記載の方法。
実施形態32。化合物Aは、上記ヒトに1日あたり100mgの用量で投与される実施形態28に記載の方法。
実施形態33。化合物Aは、上記ヒトに0.05~20mg/kgの用量で投与される施形態1から実施形態32のいずれか1つに記載の方法。
実施形態34。化合物Aは、上記ヒトに0.1~5mg/kgの用量で投与される実施形態33に記載の方法。
実施形態35。化合物Aは上記ヒトに食事摂取の約30分前から食事摂取の約2時間後の間に経口投与される実施形態1から実施形態34のいずれか1つに記載の方法。
実施形態36。化合物Aは上記ヒトに食事中又は食事摂取の後15分以内に経口投与される実施形態35に記載の方法。
実施形態37。化合物Aによる治療前の上記快感消失は、Snaith-Hamilton Pleasure Scale(SHAPS)によって測定した場合、少なくとも5の重症度を有する実施形態1から実施形態36のいずれか1つに記載の方法。
実施形態38。化合物Aによる治療前の上記快感消失は、SHAPSによって測定した場合、少なくとも9の重症度を有する実施形態37に記載の方法。
快感消失のげっ歯類モデル、例えば累進比率試験(Progressive Ratio Test、PRT)、において化合物Aの効果を判定するための研究を行った。許容できる快感消失モデルにおいて化合物Aの効果があれば、その効果を判定するために、さらなる研究を行う。
1. 実施例1。累進性強化スケジュール下で利用可能な食物に応答するように訓練されたラットにおける動機付けに対する化合物Aの効果
この研究の目的は、累進比率(PR)強化スケジュール下で食物に応答するラットによって測定される、動機付けに対する化合物A(1、3、又は8mg/kg、経口)の効果を試験することであった。試験尺度には、レバー押しの総数、及び獲得した報酬(食餌ペレット)の数(限界点)が含まれた。
1.1. 序
累進比率(PR)課題は、快感消失の尺度としてを含む、動機付け能力の尺度として使用される種間翻訳(橋渡し)アプローチである(例えば、Hodos W.、Science 1961、134:943-944;Spierlingら、Physiol Behav. 2017、177:99-106;Radkeら、Pharmacol Biochem Behav. 2015、129:51-55;Hauserら、Hormones and Behavior 2009、56:364-375;Meraliら、Psychopharmacology 2003、165:413-418;Marcheseら、Int J Neuropsychopharmacology 2013、16:1611-1621;Karlssonら、Hippocampus 2018、28(7):512-522;Straussら、Schizophr Res. 2016、170(1):198-204;及びGunthorpeら、Epilepsia 2012、53(3):412-424を参照)。げっ歯類種では、基本的な試験設計は、ペレットを達成するために必要な応答の数が連続する強化子に対して増大するスケジュールの下で、食餌報酬(45mg Bioserve(バイオサーブ)ペレット)のためにレバー押しするように被験体を訓練することを含む。本研究は、比=[5×e(0.2×強化子数)-5]の式から導出される累進比率を使用し、以下の通りであった:2、4、6、9、12、15、20、25、32、40、50、62、77、95、118、145、178等。それゆえ、ラットは、限界点に到達するまで、すなわちスケジュール要件を満たさなくなるまで、連続する各報酬を得るために累進的に増加する回数でレバーを押すことが必要とされた。ラットが20分間にわたってペレットを獲得できなかった場合に、限界点を決定した。これは、動物が所与の強化子に費やすであろう努力の定量的測定値を提供し、これを動機付けの尺度として解釈した。典型的な試験セッションの間に獲得された食餌の量(例えば、10~12の限界点は、0.45~0.54gの食餌に対応する)に基づくと、応答は、満腹等の要因ではなく、動物が単一の食物ペレットに費やすことを望む努力の量によって制限される。
ラットは、PR限界点の差異、すなわち「低」及び「高」応答ラットに基づいて分類されてもよい。重要なことに、「低」応答ラットは、健康状態悪化の徴候(例えば、体重の減少)又は感覚運動障害を特徴とせず、むしろ、PRTによって測定されるように、より大きい動機付け的快感消失を示す。動機付けの欠損は、うつ病、認知症、及び統合失調症等の多くの神経心理学的障害に関連する快感消失において一般に見られ(Lactotら、Alzheimer’s and Dementia 2017、13:84-100)、「低」応答のラットの処置における有効性は、より重度の又は重篤な快感消失の治療における有効性を示す。
この提案の主な目的は、累進比率スケジュール下で雄Long Evans(ロングエバンス)ラットの動機付け能力に対する化合物Aの効果を評価することであった。ラットの大きい(N=32)コホートを使用し、化合物Aの効果を、すべてのラット、及び研究開始前の5日間のベースライン応答にわたって記録した低三分位(N=11)コホートに基づく「低」応答ラットサブグループの両方で調べた。
1.2. 研究スケジュール:
Figure 2024508660000003
1.3. 実験材料
検討した薬物
1.3.1. 化合物A(ロット番号12)
剤形:化合物Aを精製水中の0.5%CMC-Na及び0.1%Tween80に懸濁し、完全に溶解するまで超音波処理した。薬物を10mL/kgの容量で経口投与した。
試験した用量:1、3、8mg/kg。
前処置時間:120分。
1.3.2. D-アンフェタミン(ロット番号11-MWC-62-1)
剤形:D-Ampを0.9%生理食塩水に懸濁し、完全に溶解するまで超音波処理した。薬物を1mL/kgの容量で腹腔内投与した。
試験した用量:0.6mg/kg。
前処置時間:10分。
1.4. 材料及び方法
試験系:32匹の実験的に非ナイーブな雄のLong Evansラットを研究に含めた。
動物の選択及び割り当て:すべての動物は、健康不良の明白な徴候を伴わず、研究目的のために満足できるものとみなされた。
試験系の飼育及び管理:動物を単独で飼育し、制限食レジメンで維持し、そのレジメンでは、動物に、試験手順の完了後(16:00時と18:00時の間)に約18~20gの標準実験用固形飼料を1日1回与えた。水は、訓練/試験セッション中を除いて、自由に摂取可能であった。動物を12時間/12時間の明/暗サイクルで維持し、すべての試験を動物の明サイクル中に行った。すべての動物使用手順は、Canadian Council on Animal Care(CCAC、カナダ動物愛護評議会)の原則に従って行った。
累進比率スケジュール:薬物試験を反復測定計画に従って行い、各動物は反復試験セッションにわたって各処置を受けた。実験的に非ナイーブな雄Long Evansラット32匹を試験対象とした。
化合物Aを、PRスケジュール下で、表2に概説するように、3用量に、ビヒクル対照(精製水中0.5%CMC及び0.1%Tween80)並びに参照対照(D-アンフェタミン0.6mg/kg、i.p.)を加えて(すなわち、5サイクル)試験した。介在する平日の間に、すべてのラットを、パフォーマンスを維持するために標準条件下で訓練し続けた。薬物試験を週2回行い、処置セッション間に3~4日間のウォッシュアウト期間を設けた。その結果、薬物試験の完了には約3週間かかった。
Figure 2024508660000004
統計分析:PRスケジュールからのパフォーマンスの主要な尺度(すなわち、レバー押し回数、獲得報酬数(限界点)、及びセッション継続時間)を平均及びSEMとして表した。各測定からのデータを、一元配置反復測定ANOVA(Statistica Version 11、Statsoft Inc.(スタットソフト)[2012])によって分析した。動物を、試験開始前に7日間にわたって測定したそれらのパフォーマンスに基づいてもランク付けした。このランキングに基づいて、動物を「低」応答ラット(すなわち、低三分位群、N=11)又は「高」応答ラット(すなわち、高三分位群、N=11)のいずれかとして分類し、各パフォーマンス測定値を、二元配置混合要因ANOVA(処置:内;サブグループ:間)によって評価した(Statistica Version 11、Statsoft Inc.[2012])。中間の三分位をサブグループ分析から除外した。レバー押しデータに対して対数変換も行い、歪んだデータ分布を正規性に変換(reduce)した。有意な主効果の場合、ビヒクル群と処置群との間の計画した事後比較を行った(ダネット(Dunnetts)又はLSD検定)。有意性をP<0.05に設定した。
1.5. 結果
すべてのラット(N=32):ビヒクル及び化合物A(1、3及び8mg/kg)群の分析により、レバー押し(F3,93=5.6;P<0.01)及び限界点(F3,93=6.6;P<0.01)に対する有意な主効果が明らかになった。その後のダネット検定は、ビヒクルと比較して、化合物A(3及び8mg/kg)前処置後の両尺度の有意な増加を明らかにした。参照のために、すべてのラットにD-アンフェタミン(0.6mg/kg、i.p.)の追加の前処置を施した。D-アンフェタミンは、ビヒクル前処置と比較して、レバー押し(Veh:334+38;AMP:893+131;P<0.01 対応のあるT検定)及び限界点(Veh:11.5+0.5;AMP:14.7+0.7;P<0.01 対応のあるT検定)の両方において有意な増加をもたらした。図1及び表3~5を参照。
Figure 2024508660000005
Figure 2024508660000006
Figure 2024508660000007
「高」対「低」応答ラットサブグループ(N=11/サブグループ):レバー押し及び限界点の両方の尺度で、2要因ANOVAは、2つの極端なサブグループ間の食物維持応答の全体的な差異を反映する、サブグループの主効果を明らかにした(F1,20≧25.1;P<0.01)。尺度レバー押しに関しては、処置(F3,60=2.0;P=0.13;NS)又は処置×サブグループ相互作用(F3,60=1.7;P=0.17;NS)の主効果はなかったが、対数変換の後、処置(F3,60=4.2;P<0.01)及び処置×サブグループ相互作用(F3,60=4.7;P<0.01)の主効果が記録された。これは、「低」応答ラットコホートにおけるレバー押しの回数を選択的に増加させる化合物A(3及び8mg/kg)前処置の効果を反映した。尺度限界点に関しては、処置(F3,60=3.3;P=0.03)及び処置×サブグループ相互作用(F3,60=3.6;P=0.02)の主効果は、「低」応答ラットコホートにおける食餌に対する応答を選択的に増加させる化合物A(3及び8mg/kg)の効果をさらに支持した。D-アンフェタミンは、「低」及び「高」応答ラットサブグループの両方において、ビヒクル前処置と比較してレバー押し及び限界点の有意な増加をもたらした(例えば、限界点:「低」応答ラット:Veh:9.2±0.6;AMP:12.2±1.2;P<0.01;「高」応答ラット:14.0±0.6;AMP:17.5±0.9;P<0.01)。図2及び表6~8を参照。
Figure 2024508660000008
Figure 2024508660000009
Figure 2024508660000010
Figure 2024508660000011
Figure 2024508660000012
1.6. 結び
本研究は、累進比率(PR)強化スケジュール下で摂取可能にした食餌の動機付けに対する化合物A(1、3及び8mg/kg、経口)の効果を調べるように設計した。D-アンフェタミン(0.6mg/kg、i.p.)を参照のために含めた。ラットの比較的大きい(N=32)コホートをこの研究に使用し、化合物Aの効果を、すべてのラットにおいて、また、研究開始前の5日間のベースラインにわたって測定した応答に基づいて「低」応答ラットサブグループにおいても調べた。「低」応答ラットサブグループモデルは、「高」応答ラット群よりも有意に低い動機付け/より大きい決定の快感消失を有する低動機付け/快感消失の行動表現型を表す。
化合物Aの強固な効果は、レバー押し及び限界点の両方で見出され、3及び8mg/kgの経口用量は、ビヒクル前処置と比較して両方の尺度を有意に増加させた。「高」及び「低」応答ラットサブグループの分析により、化合物Aの効果が「低」応答ラットサブグループにおいて統計的に有意であると特定された。化合物Aの効果は、D-アンフェタミンと2つの点で異なった:(1)増加の大きさ、(2)化合物Aの効果は、「低」応答ラットにおいてのみ統計的有意性を示した。これは、D-アンフェタミンと比較して、報酬/動機付けに関連するCNS系に対する化合物Aのより微妙な効果を示唆する可能性がある。
2021年2月9日出願の米国仮出願第63/147,742号を含めて本明細書で言及される米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、及び非特許刊行物はすべて、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
上述の組成物、方法、及び使用は、理解を容易にするためにある程度詳細に記載されているが、添付の特許請求の範囲の射程内で特定の変更及び改変が実施されてもよいことは明らかであろう。従って、説明された実施形態は、限定的ではなく例示的であると見なされるべきであり、請求項に係る発明は、本明細書に与えられる詳細に限定されず、添付の特許請求の範囲の射程内及び均等物内で改変されてもよい。

Claims (38)

  1. 必要とするヒトにおいて快感消失を治療することにおいて使用するための化合物Aであって、前記治療は、前記ヒトに治療有効量の化合物Aを投与することを含み、
    化合物Aは、N-[4-(6-フルオロ-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル]-3,3-ジメチルブタンアミドである、使用するための化合物A。
  2. 必要とするヒトにおいて腹側被蓋野(VTA)における活動亢進を逆転させることにおいて使用するための化合物Aであって、前記逆転は、前記ヒトに有効量の化合物Aを投与することを含み、
    化合物Aは、N-[4-(6-フルオロ-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル]-3,3-ジメチルブタンアミドであり、
    前記ヒトは快感消失に罹患している、使用するための化合物A。
  3. 前記ヒトにおいてKv7カリウムチャネルの開口を増強することを含む請求項1又は請求項2に記載の使用するための化合物A。
  4. ヒトにおいてKv7カリウムチャネルの開口を増強することにおいて使用するための化合物Aであって、前記増強は、前記ヒトに有効量の化合物Aを投与する工程を含み、
    化合物Aは、N-[4-(6-フルオロ-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル]-3,3-ジメチルブタンアミドであり、
    前記ヒトは快感消失に罹患している、使用するための化合物A。
  5. 前記Kv7カリウムチャネルは、Kv7.2、Kv7.3、Kv7.4、又はKv7.5のうちの1つ以上である請求項3又は請求項4に記載の使用するための化合物A。
  6. Kv7.1よりもKv7.2、Kv7.3、Kv7.4、又はKv7.5のうちの1つ以上の開口を増強するために選択的である請求項5に記載の使用するための化合物A。
  7. Kv7.2/Kv7.3(KCNQ2/3)カリウムチャネルの開口を含む請求項3又は請求項4に記載の使用するための化合物A。
  8. 前記快感消失は性快感消失症を含む請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の使用するための化合物A。
  9. 前記快感消失は社会的快感消失を含む請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の使用するための化合物A。
  10. 前記快感消失は精神神経障害の症状である請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の使用するための化合物A。
  11. 前記精神神経障害は、うつ病性障害、物質関連障害、精神病性障害、パーソナリティ障害、てんかん性障害、又はこれらの組み合わせである請求項10に記載の使用するための化合物A。
  12. 前記精神神経障害はうつ病性障害である請求項11に記載の使用するための化合物A。
  13. 前記うつ病性障害は、ストレス誘発性うつ病、大うつ病性障害(MDD)、外傷後ストレス障害(PTSD)、重篤気分調節症、持続性抑うつ障害、双極スペクトラム障害、双極性うつ病、産後うつ病、月経前不快気分障害(PMDD)、季節性情動障害(SAD)、非定型うつ病、治療抵抗性うつ病(TRD)、激越若しくは不安に関連するうつ病、抑うつ気分を伴う適応障害、長期抑うつ反応、又はこれらの組み合わせである請求項12に記載の使用するための化合物A。
  14. 前記うつ病性障害はMDDである請求項12に記載の使用するための化合物A。
  15. 前記精神神経障害は物質関連障害である請求項11に記載の使用するための化合物A。
  16. 前記物質関連障害は、アルコール、コカイン、オピオイド、又はニコチンに対する依存症を含む請求項15に記載の使用するための化合物A。
  17. 前記精神神経障害は、統合失調症、錐体外路障害、アルツハイマー病、認知症、パーキンソン病、統合失調感情障害、統合失調型障害、強迫性障害、PTSD、神経性食欲不振症、パニック症、注意欠陥多動性障害(ADHD)、又は気分変調性障害である請求項10に記載の使用するための化合物A。
  18. 前記精神神経障害はてんかん性障害である請求項10に記載の使用するための化合物A。
  19. 前記てんかん性障害は、てんかん、前兆を伴う若しくは伴わない慢性片頭痛、頭痛を伴わない片頭痛前兆、慢性緊張性頭痛、持続性片側頭痛、新規発症持続性連日性頭痛を含む慢性頭痛、脳卒中後、認知症、多発性硬化症、癌、慢性疼痛、HIV/AIDs、狼瘡、又は甲状腺機能低下症である請求項18に記載の使用するための化合物A。
  20. 化合物Aは前記ヒトに経口投与される請求項1から請求項19のいずれか1項に記載の使用するための化合物A。
  21. 化合物Aは、前記ヒトに2~200mgの用量で投与される請求項1から請求項20のいずれか1項に記載の使用するための化合物A。
  22. 化合物Aは、前記ヒトに5~100mgの用量で投与される請求項20に記載の使用するための化合物A。
  23. 化合物Aは、前記ヒトに5~80mgの用量で投与される請求項20に記載の使用するための化合物A。
  24. 化合物Aは、前記ヒトに5~40mgの用量で投与される請求項20に記載の使用するための化合物A。
  25. 化合物Aは前記ヒトに少なくとも5mgの用量で投与される請求項1から請求項20のいずれか1項に記載の使用するための化合物A。
  26. 化合物Aは前記ヒトに少なくとも10mgの用量で投与される請求項25に記載の使用するための化合物A。
  27. 化合物Aは前記ヒトに少なくとも20mgの用量で投与される請求項25に記載の使用するための化合物A。
  28. 化合物Aは、前記ヒトに1日あたり又は1週あたり5~1000mgの用量で投与される請求項1から請求項20のいずれか1項に記載の使用するための化合物A。
  29. 化合物Aは、前記ヒトに1日あたり又は1週あたり5~500mgの用量で投与される請求項28に記載の使用するための化合物A。
  30. 化合物Aは、前記ヒトに1日あたり又は1週あたり5~250mgの用量で投与される請求項28に記載の使用するための化合物A。
  31. 化合物Aは、前記ヒトに1日あたり5~150mgの用量で投与される請求項28に記載の使用するための化合物A。
  32. 化合物Aは、前記ヒトに1日あたり100mgの用量で投与される請求項28に記載の使用するための化合物A。
  33. 化合物Aは、前記ヒトに0.05~20mg/kgの用量で投与される請求項1から請求項32のいずれか1項に記載の使用するための化合物A。
  34. 化合物Aは、前記ヒトに0.1~5mg/kgの用量で投与される請求項33に記載の使用するための化合物A。
  35. 化合物Aは前記ヒトに食事摂取の約30分前から食事摂取の約2時間後の間に経口投与される請求項1から請求項34のいずれか1項に記載の使用するための化合物A。
  36. 化合物Aは、前記ヒトに食事中又は食事摂取の後15分以内に経口投与される請求項35に記載の使用するための化合物A。
  37. 化合物Aによる治療前の前記快感消失は、Snaith-Hamilton Pleasure Scale(SHAPS)によって測定した場合、少なくとも5の重症度を有する請求項1から請求項36のいずれか1項に記載の使用するための化合物A。
  38. 化合物Aによる治療前の前記快感消失は、SHAPSによって測定した場合、少なくとも9の重症度を有する請求項37に記載の使用するための化合物A。
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