JP2024507810A - 高脂血症又は混合型脂質異常症に罹患しているスタチン不耐性患者における使用のためのオビセトラピブ及びエゼチミブの併用療法 - Google Patents

高脂血症又は混合型脂質異常症に罹患しているスタチン不耐性患者における使用のためのオビセトラピブ及びエゼチミブの併用療法 Download PDF

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Abstract

本発明は、オビセトラピブ及びエゼチミブを含む医薬組成物及び治療的組み合わせであって、高脂血症若しくは混合型脂質異常症に罹患しているか又はそのリスクが増大している対象の治療において使用され得、前記対象は、スタチンに対して部分的に又は完全に不耐性である、医薬組成物及び治療的組み合わせに関する。

Description

本発明は、部分的に若しくは完全にスタチン不耐性である、高脂血症若しくは混合型脂質異常症に罹患している対象又は高脂血症若しくは混合型脂質異常症のリスクが増大している対象の治療において使用するための、オビセトラピブ及びエゼチミブを含む医薬組成物及び治療的組み合わせに関する。
治療の進歩にかかわらず、心血管疾患(CVD)は世界中で主要な死因であり、毎年1700万人を超える死亡をもたらしている。長年にわたり、異常なコレステロールレベルは、心筋症、アテローム性動脈硬化症及び心筋梗塞などの心血管疾患(CVD)の増大したリスクと関連していることが知られている。特に、低レベルの高密度リポタンパク質(HDL)コレステロールと組み合わされた高レベルの低密度リポタンパク質(LDL)コレステロール及び超低密度リポタンパク質(VLDL)コレステロールを呈する個体は、心血管疾患を発症するリスクが最も高いことが観察された。
より一般的にはスタチンとして知られている3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル補酵素A還元酵素(HMG-CoA還元酵素)阻害剤は、コレステロールの産生を低下させ、血流からのコレステロールの細胞取り込みを促進することによって、患者の血液中のLDLコレステロールのレベルを低下させることができることが見出された。心血管疾患を発症するより低いリスクが観察される程度まで、LDLコレステロールレベルが減少されたので、高コレステロール血症としても知られる高レベルのコレステロールに対抗するためのスタチンの使用は、成功することが証明された。
しかしながら、スタチンの使用に関連する多くの安全上の問題が存在する。例えば、スタチンは、肝臓酵素及びミオパチーの増加、急性腎不全をもたらし得る横紋筋融解症、並びに原因不明の筋痛及び筋力低下を、もたらし得る。これらの徴候及び他の有害事象(AE)は、スタチン治療の中止又は副作用を伴う頻度がより低い低用量のスタチンの使用につながり得る。これは、一般にスタチン不耐性(又はスタチン毒性)と呼ばれ、かなりの割合の患者で起こり得、このような患者からスタチンの完全な心臓保護利益を奪う。さらに、スタチン治療の中止は、急性心血管イベントのリスクを増加させ得る。
抗高脂血症効果を有する化合物の別のクラスは、いわゆるコレステロール吸収阻害剤(CAI)である。CAIは、ミセルコレステロールの取り込みを遮断することによって小腸からのコレステロールの取り込みを防止することができ、これはカイロミクロン及びカイロミクロンレムナント中へのコレステロールエステルの取り込みを減少させる。CAIは、それによって、肝臓に循環して戻るコレステロールの量を減少させ、次いで、これは肝臓のLDL受容体の活性を増加させ、血流からのLDLコレステロール粒子のクリアランスを増加させる。
CAIの公知の例は、以前はSchering-Ploughの化合物「Sch-58235」として知られていたエゼチミブであり、とりわけEzetrol及びZetiaの商品名で販売されている(Merck Sharp&Dohme/Merck)。エゼチミブのIUPAC名は、(3R,4S)-1-(4-フルオロフェニル)-3-[(3S)-3-(4-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシプロピル]-4-(4-ヒドロキシフェニル)アゼチジン-2-オンである。
エゼチミブは、しばしば、単剤療法として、又はいくつかのスタチンの1つとの付加的併用療法アプローチで投与される。エゼチミブは、腸細胞の刷子縁膜において、ニーマン・ピックC1様1遺伝子によってコードされるタンパク質に結合することによって、食事性及び胆汁性コレステロール吸収を選択的に阻害する。典型的には、エゼチミブ剤形は、経口投与用の、10mgのエゼチミブを含む錠剤である。単剤療法としてのエゼチミブは、高コレステロール血症を有する患者において、患者のLDL-Cレベルを中程度に低下させること、すなわちプラセボと比較した場合に20%未満の低下が示されている。
別のアプローチは、コレステリルエステル転送タンパク質(CETP)を阻害することである。CETPは、主に肝臓及び脂肪組織によって分泌される血漿タンパク質である。CETPは、トリグリセリド(TG)と交換に、HDLからアポリポタンパク質B(ApoB)含有粒子(主にLDL及びVLDL)へのコレステリルエステルの転送を媒介し、それにより、(V)LDL中のコレステロール含有量を増加させてHDL中のコレステロール含有量をさせる。したがって、CETP阻害は、HDL-C中にコレステリルエステルを保持し、アテローム形成性ApoB画分のコレステロール含有量を減少させると仮定されている。
心血管罹患率を低下させる上でのCETP阻害の可能性を支持する証拠にもかかわらず、CETP阻害剤の臨床開発は容易ではなかった。第III相臨床試験に進んだ最初の化合物は、60mgで投薬されたトルセトラピブであった。トルセトラピブは、HDL-Cを72%増加させ、LDL-Cを25%減少させることが示されたが、その後、心血管イベント及び死亡の予想外の増加を含む安全性の懸念のために開発が中止された。
これらのイベントの機序は完全には理解されていないが、これらのイベントは、増大した血圧、電解質の変化(ナトリウム及びバイカルボネートの増加及びカリウムの減少)、並びに鉱質コルチコイド活性と一致するアルドステロンの増加などのトルセトラピブのオフターゲット効果に起因し得るという増加する証拠が存在する。
その後、別のCETP阻害剤であるダルセトラピブが臨床試験に入った。ダルセトラピブは、LDL-C濃度に対する影響を最小限に抑えながら、HDL-Cを30~40%増加させる弱い阻害剤であることが示された。
2つのさらなるCETP阻害剤、アナセトラピブ(Merck Sharp&Dohme Corp.のMK-0859)及びエバセトラピブもまた、第III相臨床試験で試験された。エバセトラピブは、無益性中間解析を通過することができなかったが、アナセトラピブは、30,000名の患者のREVEAL試験において、LDL-コレステロールの低下を通じて主要な心血管イベント(MACE)を低下させることを示した。しかしながら、両化合物の開発は終了している。
これにより、現在完全な開発中の唯一のCETP阻害剤としてオビセトラピブ(TA-8995としても知られている)が残っている。第II相試験(TULIP;Hoving et al.,2015)では、単剤療法として投与された10mgと5mgの両方のオビセトラピブがLDLコレステロール濃度を低下させることができることが見出された。20mgのアトルバスタチンと組み合わせると、LDLコレステロールの総低下がさらに高いことも見出された。さらに、単剤療法の場合及びスタチンと組み合わせた場合の両方で、HDLコレステロール濃度はかなり増加した。
しかしながら、全ての患者がスタチンを十分に耐容するわけではない。したがって、高脂血症若しくは混合型脂質異常症に罹患しているか又はそのリスクが増大している対象の治療において使用するための、及び心血管イベントのリスクを低下させるための、便利で、安全で、効果的な作用物質又は作用物質の組み合わせが、必要とされ続けている。
本発明の第1の態様は、オビセトラピブ及びエゼチミブ、又はそれらの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物、並びに薬学的に許容される担体を含む、高脂血症若しくは混合型脂質異常症に罹患しているか又はそのリスクが増大している対象の治療に使用するための医薬組成物であって、前記対象はスタチンに対して部分的に又は完全に不耐性である、医薬組成物に関する。
本発明の第2の態様は、オビセトラピブ及びエゼチミブ、又はそれらの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を含む、高脂血症若しくは混合型脂質異常症に罹患しているか又はそのリスクが増大している対象の治療において使用するための治療的組み合わせであって、前記対象はスタチンに対して部分的に又は完全に不耐性である、治療的組み合わせに関する。
驚くべきことに、前記組成物及び組み合わせにより、LDL-C及びApoB濃度の両方を低下させることが可能であることが見出された。さらにより驚くべきことに、オビセトラピブ及びエゼチミブの前記組み合わせによって、ApoB濃度が、CETP阻害剤とスタチンの組み合わせ全般及びオビセトラピブとスタチンの特定の組み合わせを用いた以前の経験に基づいて予想されたよりも、大幅に低減され得ることが見出された。これにより、本発明は、部分的に又は完全にスタチン不耐性の患者に特に適切なものとなる。
「TA-8995」とも呼ばれるオビセトラピブは、以下の化学構造を有する。
Figure 2024507810000002
「Sch-58235」とも呼ばれるエゼチミブは、以下の化学構造を有する。
Figure 2024507810000003
本発明内で、オビセトラピブ及びエゼチミブはいずれも、異なる塩形態及び溶媒和物としても使用され得る。オビセトラピブ及びエゼチミブはまた、プロドラッグとして製剤化され得る。
定義
本明細書で使用される「アポリポタンパク質」という用語は、その慣用の意味を有し、脂質を結合してリポタンパク質を形成するタンパク質を指す。
本明細書で使用される「アポリポタンパク質B」(ApoB)という用語は、その慣用の意味を有し、ApoB遺伝子によってコードされるタンパク質を指す。
本明細書で使用される「医薬組成物」という用語は、その慣用の意味を有し、薬学的に許容される組成物を指す。
本明細書で使用される「薬学的に許容される」という用語は、その慣用の意味を有し、合理的な利益/リスク比に見合って、過度の毒性、刺激、アレルギー反応及び他の問題となる合併症を伴わずに、健全な医学的判断の範囲内で、哺乳動物、特にヒトの組織との接触に適した化合物、材料、組成物及び/又は剤形を指す。
本明細書で使用される「担体」という用語は、その慣用の意味を有し、それと共に薬学的活性成分が投与される薬学的に許容される希釈剤、補助剤、賦形剤又はビヒクルを指す。
本明細書で使用される「賦形剤」という用語は、その慣用の意味を有し、顆粒、固体又は液体経口投与製剤を調製するための薬学的技術において一般的に使用される薬学的に許容される成分を指す。
本明細書で使用される「塩」という用語は、その慣用の意味を有し、薬学的に活性な化合物の酸付加塩及び塩基塩を含む。
本明細書で使用される「溶媒和物」という用語は、その慣用の意味を有し、溶媒和によって、例えば溶媒分子と溶質の分子又はイオンとの組み合わせとして形成される化合物を指す。周知の溶媒分子には、水、アルコール、ニトリル及び極性有機溶媒が含まれる。
本明細書で使用される「対象」という用語は、ある疾患若しくは障害に罹患している、又はある疾患若しくは障害のリスクがあるヒトを指す。本明細書における「対象」及び「患者」という用語は互換的に使用される。
「増大したリスク」という用語は、その慣用の意味を有し、より低いレベルを有する個体と比較して、心血管イベントの増大したリスクに曝露されるように、男性/雄又は女性/雌のいずれかである個体が、2.6mmol/l(100,54mg/dL)を超えるLDLコレステロールレベルを有する、対象、好ましくはヒトにおける状況を指す。
本明細書で使用される「治療」という用語は、その慣用の意味を有し、治癒的、緩和的及び予防的治療を指す。
本明細書で使用される「心血管疾患」という用語は、その慣用の意味を有し、動脈硬化、末梢血管疾患狭心症、虚血、心虚血、卒中、心筋梗塞、再灌流傷害、血管形成後の再狭窄、高血圧、脳梗塞及び脳卒中の臨床徴候を含む。
本明細書で使用される「心血管イベント」という用語は、その慣用の意味を有し、心筋梗塞、冠血行再建、卒中又は冠血管死の発生を指す(Ference,2017)。
本明細書で使用される「高コレステロール血症」という用語は、その慣用の意味を有し、高レベルのコレステロールが血液中に存在する症状を指す。
本明細書で使用される「高脂血症」という用語は、その慣用の意味を有し、血液中に多量の脂質が見られる症状を指す。
本明細書で使用される「混合型脂質異常症」という用語は、その慣用の意味を有し、血液中のHDLコレステロールの低いレベルを伴って、LDLコレステロール及びトリグリセリドレベルの上昇が存在する症状を指す。
本明細書で使用される「スタチン不耐性」という用語は、その慣用の意味を有し、スタチン治療中に開始又は増加し、スタチンが中止された場合に解消又は改善される有害な安全上の作用のために、対象が、1つは低用量である2つ以上のスタチンを耐容する能力がないことを指し、これに関しては、ベンペド酸(Esperion)第III相試験でFDAによって承認された同様の定義も参照される。
本明細書で使用される「コレステロール吸収阻害剤」(CAI)という用語は、その慣用の意味を有し、コレステロールの腸吸収及び胆汁吸収を遮断することによってLDL-Cを低下させるために使用される化合物を指す。公知のコレステロール吸収阻害剤は、エゼチミブである。
本明細書で使用される「HMG-CoA還元酵素阻害剤」という用語はその慣用の意味を有し、「スタチン」という用語と互換的に使用され、酵素HMG-CoA還元酵素を阻害することによってLDL-Cを低下させるために使用される化合物を指す。周知のHMG-CoA還元酵素阻害剤は、アトルバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、ロスバスタチン及びピタバスタチンである。
本明細書で使用される「コレステリルエステル転送タンパク質阻害剤」(CETP阻害剤)という用語は、その慣用の意味を有し、哺乳動物においてCETP受容体を阻害する化合物のクラスを指す。公知のCETP阻害剤は、オビセトラピブである。
「単位剤形」という用語は、その慣用の意味を有し、有効であるように、対象、好ましくはヒトに投与される能力を有する剤形であって、容易に取り扱い及び包装することができ、治療剤、すなわちオビセトラピブ又はオビセトラピブ及びエゼチミブなどの治療剤の組み合わせを含む物理的に及び化学的に安定な単位用量として留まる剤形を指す。
本明細書で使用される「固定用量の組み合わせ」という用語は、その慣用の意味を有し、単一の投与単位(例えば、錠剤又はカプセル)で与えられ、そのように投与される2つ以上の薬物又は活性成分の定められた用量の組み合わせを指す。
本明細書で使用される「自由用量の組み合わせ」という用語は、その慣用の意味を有し、同時に投与されるが2つの異なる投与単位として投与される2つの薬物又は活性成分の組み合わせを指す。
本発明の第1の態様は、オビセトラピブ及びエゼチミブ又はそれらの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物、並びに薬学的に許容される担体を含む、高脂血症若しくは混合型脂質異常症に罹患しているか又はそのリスクが増大している対象の治療において使用するための医薬組成物であって、前記対象はスタチンに対して部分的に又は完全に不耐性である、医薬組成物に関する。
本発明の第2の態様は、オビセトラピブ及びエゼチミブ又はそれらの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を含む、高脂血症若しくは混合型脂質異常症に罹患しているか又はそのリスクが増大している対象の治療において使用するための治療的組み合わせであって、前記対象はスタチンに対して部分的に又は完全に不耐性である、治療的組み合わせに関する。
驚くべきことに、前記患者におけるLDL濃度の低下は、CETP阻害剤とスタチンの組み合わせでの以前の経験に基づいて予想されたよりもかなり大きいことが見出された。実際、驚くべきことに、オビセトラピブとエゼチミブの併用は、前記組み合わせで治療された患者において強い相乗効果を有することが見出された。これにより、本発明は、部分的に又は完全にスタチン不耐性の患者に特に適切なものとなる。
本発明者らは、エゼチミブの使用はオビセトラピブのLDL-C低下効力を弱めず、オビセトラピブ単剤療法と同じままであることを見出した。換言すれば、エゼチミブと組み合わせて投与された場合のオビセトラピブによる相対的LDL-C低下は、単剤療法として投与されたのと同じ用量のオビセトラピブによるLDL-C低下と同様のままであった。
心血管イベントのリスクに対するCETP阻害の因果効果はLDL-Cレベルの濃度の変化によって決定され得るという事実を考慮すると、この改善されたLDL-C低下効力は重要である(Ference et al.,2017)。
メンデルランダム化解析(未公開)により、以前に観察されたCETP阻害剤とHMGCR阻害剤の相互作用(すなわち、HMGCR阻害剤と組み合わされた場合のCETP阻害の効果の減弱)は、CETP阻害剤がエゼチミブなどのNPC1L1阻害剤と組み合わされた場合には起こらないことが明らかになった。この解析から、エゼチミブと組み合わせて使用された場合、CETP阻害剤全般(及び具体的にはオビセトラピブ)のLDL-C低下効力は影響を受けない(すなわち、減弱されない)ことがさらに明らかである。この解析の結果は、以下の実施例に提供されている。
さらに、これらの結果は、前記患者においてオビセトラピブとエゼチミブの組み合わせを使用することによって、オビセトラピブのLDL-C低下効力は減弱されないこと、及びそのような使用は増大したLDL-C低下をもたらすことを示す。心血管イベントのリスクに対するCETP阻害の因果効果がLDL-Cの濃度の変化によって決定され得るという事実を考慮すると、本発明による医薬組成物及び治療的組み合わせによって、心血管イベントのリスクが低減されることも示される。
したがって、本発明による医薬組成物又は治療的組み合わせは、好ましくは、高脂血症若しくは混合型脂質異常症に罹患しているか又はそのリスクが増大している患者における心血管イベントのリスクを低下させるために使用される。
本発明による医薬組成物又は治療的組み合わせは、軽度の脂質異常症の治療のためにも使用され得る。
さらに、本発明による医薬組成物又は治療的組み合わせを必要とする対象は、好ましくは、1日当たり1~10mgのオビセトラピブ及び1日当たり5~20mgのエゼチミブの前記医薬組成物又は治療的組み合わせによって投与される。より好ましくは、前記対象は、1日当たり約5mgのオビセトラピブ及び1日当たり約10mgのエゼチミブ又は1日当たり約10mgのオビセトラピブ及び1日当たり約10mgのエゼチミブを投与される。
したがって、本発明による医薬組成物又は治療的組み合わせは、前記対象の血液中のLDL-C濃度を低下させるために使用され得る。Ferenceら、2017に記載されているように、それは、特に、心血管イベントのリスクを低下させるこのようなLDL-C低下効果である。
前記対象の血液中のLDL-C濃度は、エゼチミブとオビセトラピブの組み合わせが投与された場合、プラセボと比較すると、好ましくは約50%低く、エゼチミブ単剤療法と比較すると、約40%低い。
換言すれば、本発明による医薬組成物又は治療的組み合わせによって、エゼチミブと組み合わせて投与した場合のオビセトラピブによる相対的LDL-C低下を、単剤療法として投与された同じ用量のオビセトラピブによる相対的LDL-C低下と同様に維持することが可能になった、すなわち、本発明の組み合わせによって、オビセトラピブのCETP阻害効果は減弱されない。
より具体的には、10mgのエゼチミブと組み合わせて投与された場合の1日用量5mgのオビセトラピブによる相対的LDL-C低下は、単剤療法として投与された5mgの1日用量のオビセトラピブによる相対的LDL-C低下と同様のままである。さらに、1日当たり10mgのオビセトラピブ及び1日当たり10mgのエゼチミブの併用用量が投与される場合、10mgのオビセトラピブ単剤療法と比較すると、相対的なLDL-C低下に対する同様の効果が観察される。
本発明による医薬組成物又は治療的組み合わせは、好ましくは、本発明による医薬組成物又は治療的組み合わせを必要とする対象に経口投与される。経口投与は、薬学的に活性な化合物が消化管に入るように嚥下を伴い得る。以下に記載されるように、経口投与を容易にする特定の医薬調製物が開発され得る。
本発明による医薬組成物は、好ましくは、経口自由用量の組み合わせとして又は経口固定用量の組み合わせとして、より好ましくは経口固定用量の組み合わせとして製剤化される。異なる薬学的に活性な成分は、粒状物として前記組み合わせ中に存在し得る。好ましくは、医薬組成物は経口固定用量の組み合わせであり、このような組み合わせは患者にとって非常に便利であり、これらの化合物の正しい量を投与することに伴う問題を回避する。
本発明の文脈内で使用され得る固体経口剤形としては、錠剤及びカプセルの他に、とりわけ、カプレット、ロゼンジ、丸剤、ミニ錠剤、ペレット剤、ビーズ及び粒剤が挙げられる。本発明の医薬調製物に使用され得る液体経口剤形としては、ドリンク、溶液、懸濁液、シロップ、飲料及びエマルジョンが挙げられるが、これらに限定されない。
経口固定用量の組み合わせ又は経口自由用量の組み合わせは、好ましくは、錠剤又はカプセルなどの固体剤形として製剤化される。一般に、これらの種類の製剤の投与は、患者にとって最も便利であると考えられている。
好ましい実施形態において、本発明による医薬組成物又は治療的組み合わせは、約1~約10mgのオビセトラピブ及び約5~約20mgのエゼチミブを含む経口固定用量の組み合わせであり、より好ましくは、前記組成物又は組み合わせは、約5mgのオビセトラピブ及び約10mgのエゼチミブ又は1日当たり約10mgのオビセトラピブ及び1日当たり約10mgのエゼチミブを含む。
オビセトラピブ及びエゼチミブに加えて、それらの薬学的に許容される塩もまた、本発明による医薬組成物又は治療的組み合わせにおいて使用され得る。オビセトラピブ及びエゼチミブの薬学的に許容される塩には、好ましくはカルシウム塩、カリウム塩又はナトリウム塩などの、それらの酸付加塩及び塩基塩が含まれる。適切な塩に関する総説については、Stahl及びWermuthによる「Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use」(Wiley-VCH、Weinheim、Germany、2002)が参照される。
オビセトラピブ又はエゼチミブの薬学的に許容される塩は、このような化合物の溶液と所望の酸又は塩基とを適宜一緒に混合することによって容易に調製され得る。塩は、溶液から沈殿し、ろ過によって回収され得、又は溶媒の蒸発によって回収され得る。
本発明はまた、本発明の医薬組成物又は治療的組み合わせにおける、オビセトラピブの薬学的に許容される、溶媒和物若しくはプロドラッグ及び/又はエゼチミブの薬学的に許容される、溶媒和物若しくはプロドラッグの使用に関する。
本発明の一実施形態において、本発明による組成物又は組み合わせはまた、多価不飽和脂肪酸(PUFA)、好ましくはオメガ-3多価不飽和脂肪酸、より好ましくはエイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、ドコサペンタエン酸(DPA)又はそれらの組み合わせからなる群から選択されるPUFAを含む。好ましくは、PUFAは、それらの遊離酸形態で、本発明による医薬組成物又は組み合わせ中に存在する。
PUFA、特にオメガ3 PUFAは、トリグリセリドリッチリポタンパク質、レムナントコレステロール及びスモールデンスLDLに対して特異的能力を有するのに対して、CETP阻害剤は、トリグリセリドリッチリポタンパク質及びレムナントコレステロールに対して全く又はほとんど効果を有しない。したがって、オビセトラピブ、エゼチミブ及びPUFAを医薬組成物中で組み合わせることにより、そのような組成物は、心血管疾患に罹患しているか又はそのリスクが増大している対象の治療に、特に適したものになる。
これに関して、臨床的に妥当な効果を得るために必要とされるオビセトラピブ及びエゼチミブの量が比較的少ないため、本発明による組成物の経口製剤は、(例えば、カプセル当たりの)比較的多量のPUFAを含むことが可能であることにも留意されたい。
本発明による医薬組成物又は治療的組み合わせは、オビセトラピブ及びエゼチミブに加えて、薬学的に許容される、担体及び賦形剤も含む。賦形剤のカテゴリの例としては、結合剤、崩壊剤、潤滑剤、流動促進剤、充填剤及び希釈剤が挙げられるが、これらに限定されない。当業者は、日常的な実験によって、過度の負担なしに、粒状及び/又は固体経口剤形の特定の所望の特性に関して上述の賦形剤の1つ以上を選択し得る。使用される各賦形剤の量は、当技術分野において慣用の範囲内で変動し得る。参照により全て本明細書に組み入れられる以下の参考文献は、経口剤形を製剤化するために使用される技術及び賦形剤を開示する。「The Handbook of Pharmaceutical Excipients」、4th edition,Rowe et al.,Eds.,American Pharmaceuticals Association(2003);及び「Remington:The Science and Practice of Pharmacy」,20th edition,Gennaro,Ed.Lippincott Williams&Wilkins(2000)を参照されたい。
本発明のさらなる態様は、高脂血症若しくは混合型脂質異常症に罹患しているか又はそのリスクが増大している、部分的に又は完全にスタチン不耐性の対象を治療する方法であって、治療を必要とする前記対象に、先行する請求項のいずれかに記載の医薬組成物又は治療的組み合わせの有効投与量を投与することを含む、方法に関する。
以下でより詳細に説明されるように、前記方法は、心血管イベントのリスクを低減するために使用され得る。
本発明のさらなる態様は、高脂血症若しくは混合型脂質異常症に罹患しているか又はそのリスクが増大している、部分的に又は完全にスタチン不耐性の対象の治療において使用するための医薬の製造における、医薬組成物又は治療的組み合わせに関する。
本発明の最後の態様は、心血管疾患に罹患しているか又はそのリスクが増大している、部分的に又は完全にスタチン不耐性の対象の治療において使用するための、CETP阻害剤及びエゼチミブを含む医薬組成物又は治療的組み合わせに関する。それは、心血管イベントのリスクを低減するために特に使用される。さらに、前記組成物又は組み合わせを用いて、前記対象の血液中のLDL-C濃度を低下させ得る。さらに、エゼチミブと組み合わせて投与された場合のオビセトラピブによる相対的LDL-C低下は、さらなる実施形態では、単剤療法として投与されたのと同じ用量のオビセトラピブによる相対的LDL-C低下と同様である。
以下の非限定的な実施例によって、本発明をさらに説明する。
[実施例1]
英国Biobank及びdbGAPからの個体レベルデータを用いて、470.471名の参加者のメンデルランダム化解析を行った。これらの参加者から、44.321名は主要な心血管イベント(CHD死、MI、卒中又は冠血行再建)に罹患していた。解析後、CETP阻害は、主要な心血管イベントの減少したリスクと因果関係があることが見出された。CETP阻害がHMGCR阻害に追加されると、効果の実質的な減弱(すなわち、ApoB/LDL-C低下の低減)が起こることがさらに見出された。しかしながら、驚くべきことに、NPC1L1に追加された場合、CETP効果の同様の減弱は起こらないことが見出された(すなわち、NPC1L1阻害によって層別化されたCETP)。したがって、スタチンによるHMGCR阻害に基づいて予想されたこと以外には、バックグラウンドエゼチミブの使用は、ApoB/LDL-Cを低下させることに対する、それによって心血管イベントに対するCETPの効果の減弱をもたらさない。これにより、前記組み合わせは、スタチン不耐性患者においてApoB/LDL-C濃度を低下させるために極めて好適になる。
解析の結果が以下に示されており、ここで、三分位数1は、HMGCR又はNPC1LIのいずれかの最も低い阻害の程度を表し、三分位数3は、前記受容体の最も高い阻害の程度を表す。これらの結果から、HMGCRのより大きな阻害が起こるほど、APO-B/LDL-Cに対するCETP阻害の効果はより小さくなることが明らかである。注目すべきことに、NPC1L1の増大した阻害は、APO-B/LDL-Cに対するCETP阻害のより小さな効果をもたらさない:
[実施例2a]
軽度の脂質異常症及び潜在的なスタチン不耐性を有する参加者においてエゼチミブと組み合わせたオビセトラピブの効果を評価するためのプラセボ対照二重盲検無作為化第2相試験
(プロトコル)
研究目的
主要目的
本試験の主要目的は、57日目の低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)に対する、プラセボと比較した、エゼチミブと組み合わせたオビセトラピブの効果を評価することである。
副次的目的
本試験の副次的目的には、以下ものが含まれる。
・57日目のLDL-Cに対する、プラセボと比較したオビセトラピブ単剤療法の効果を評価すること;
・57日目のアポリポタンパク質B(ApoB)に対する、プラセボと比較した、エゼチミブと組み合わせたオビセトラピブの効果を評価すること;
・57日目のApoBに対する、プラセボと比較したオビセトラピブ単剤療法の効果を評価すること;
・57日目のLDL-Cに対する、エゼチミブ単剤療法と比較した、エゼチミブと組み合わせたオビセトラピブの効果を評価すること;
・57日目のLDL-Cに対する、エゼチミブ単剤療法と比較した、オビセトラピブ単剤療法の効果を評価すること;
・57日目のLDL-Cに対する、プラセボと比較したエゼチミブ単剤療法の効果を評価すること;及び
・57日目のApoBに対する、エゼチミブ単剤療法と比較した、エゼチミブと組み合わせたオビセトラピブの効果を評価すること。
・ベンペド酸(Esperion)第III相試験においても使用されたFDAの定義に従って決定された部分的に又は完全にスタチン不耐性である患者に対する前記治療の効果を評価すること。
探索的目的
本試験の探索的目的には以下のものが含まれる。
o57日目のApoBに対する、プラセボと比較したエゼチミブ単剤療法の効果を評価すること;
o57日目の非高密度リポタンパク質コレステロール(非HDL-C)、超低密度リポタンパク質コレステロール(VLDL-C)、高密度リポタンパク質コレステロール(HDL-C)及びトリグリセリド(TG)、アポリポタンパク質E(ApoE)及び高密度リポタンパク質(HDL)-ApoE(アポリポタンパク質C3[ApoC3]あり及びなし)に対する、オビセトラピブ単独、エゼチミブ単独及びエゼチミブと組み合わせたオビセトラピブの効果を評価すること;
o57日目に予め定められたLDL-C目標を達成した参加者の割合に対する、オビセトラピブ単独、エゼチミブ単独及びエゼチミブと組み合わせたオビセトラピブの効果を評価すること;
o57日目、12週目及び16週目の定常状態でのオビセトラピブ単独、エゼチミブ単独及びエゼチミブと組み合わせたオビセトラピブの平均トラフ血漿レベルを評価すること;
o57日目、12週目及び16週目のコレステリルエステル転移タンパク質(CETP)質量に対するオビセトラピブ単独、エゼチミブ単独及びエゼチミブと組み合わせたオビセトラピブの効果を評価すること;並びに
o臨床検査値及び有害事象(AE)の発生率によって評価される、オビセトラピブ単独、エゼチミブ単独及びエゼチミブと組み合わせたオビセトラピブの安全性及び耐容性プロファイルを評価すること。
試験集団
本試験のための集団は、40kg/m2未満の肥満度指数、並びに2.5mmol/L超及び4.5mmol/L未満の空腹時LDL-Cレベル並びに4.5mmol/L未満のTGレベルとして定義される軽度の脂質異常症を有する、18歳及び75歳を含む18歳~75歳の男性及び女性を含む。
標本サイズ決定
少なくとも100名の評価可能な参加者(すなわち、治療群あたり25人の参加者)の標本サイズは、0.05の両側有意水準でプラセボ群と比較して、併用療法群について57日目のLDL-C低下の30%の差(SD15%)を検出するための90%を超える検出力を提供するであろう。
本試験の標本サイズは、上記の有効性の主要評価項目及び有効性の副次的評価項目の分析に十分な検出力(>80%)を提供するために決定された。この標本サイズは、十分な参加者曝露及び安全性データにも寄与する。
参加者は、スクリーニング来院(来院1)のLDL-C値(<3.5mmol/L又は≧3.5mmol/L)に従って層別化される。
組み入れ基準
以下の基準の全てを満たす参加者は、試験に参加する資格がある。
1.試験手順の理解、試験スケジュール及び食事を遵守する意思、並びにスクリーニング手順前に書面によるインフォームドコンセントを与えることによる試験への参加の同意;
2.18歳及び75歳を含む18歳~75歳の男性又は女性;
o女性は、以下の基準の3つ全てが満たされれば、登録され得る。
・妊娠していない;
・授乳中でない;及び
・試験中に妊娠することを計画していない;
o妊娠可能な女性は、スクリーニング来院時に陰性の尿妊娠検査を有さなければならない。注意:女性は、治験責任医師によって文書化された以下の基準のうちの1つを満たせば、妊娠可能性があるとはみなされない:
・ICFに署名する前に、子宮摘出若しくは最低1月経周期での卵管結紮を受けた;又は
・55歳以上の女性では最後の月経期間から1年以上であること、又は55歳未満の女性では最後の月経期間から1年以上、及び閉経期範囲内の卵胞刺激ホルモン(FSH)レベルを有することとして定義される、閉経後である;
o妊娠可能な女性は、スクリーニング来院から最後の来院から90日後まで妊娠を回避する効果的な方法を使用することに同意しなければならない。パートナーが妊娠可能である男性は、スクリーニング来院から最後の来院から90日後まで妊娠を回避する効果的な方法を使用することに同意しなければならない。妊娠を回避する効果的な方法は、一貫して及び正しく使用される1未満のパール指数を有する避妊法(埋め込み型避妊薬、注射型避妊薬、経口避妊薬、経皮避妊薬、子宮内避妊具、殺精子剤を含むペッサリー、殺精子剤を含む男性若しくは女性用コンドーム又は子宮頸管キャップを含む)、又は生殖能力のない性的パートナーである;
3.空腹時LDL-Cレベル>2.5mmol/L及び<4.5mmol/L並びにTGレベル<4.5mmol/L(来院1);及び
4.試験全体を通じて、安定した食事及び身体活動レベルを維持する意思。
除外基準
以下の基準のいずれかを満たす参加者は、試験への参加から除外される。
1.肥満度指数≧40kg/m2;
2.スクリーニング来院前30日以内に、治験薬若しくは市販薬を含む別の臨床試験の参加;
3.現在、何らかの脂質改変療法を受けている;
4.スクリーニング来院時にアテローム動脈硬化性CVDの任意の臨床徴候若しくは12リードECGで認められる虚血性冠動脈疾患の任意の証拠;
5.1型若しくは2型糖尿病の診断;若しくは糖尿病の事前診断がなければ、スクリーニング来院時にグリコシル化ヘモグロビン(HbA1c)≧6.5%;
6.制御されない高血圧、すなわち、座位収縮期血圧>160mmHg及び/若しくは座位拡張期血圧>90mmHg。1回の再検査が許容され、その時点で、再検査結果がもはや除外的でなければ、参加者は無作為化され得る。
7.活動筋疾患若しくは持続的クレアチンキナーゼ濃度が正常値の上限(ULN)の3倍より大きい。結果を検証するために1週間後に1回の再検査が許容され、その時点で、再検査結果がもはや除外的でなければ、参加者は無作為化され得る。
8.多形性心室頻拍の病歴;
9.慢性腎臓病疫学共同研究の式を用いて計算された60mL/分未満の推定糸球体ろ過速度;
10.以下のようないずれかの検査所見の異常によって証明される肝機能障害:γ-グルタミルトランスフェラーゼ、アラニンアミノトランスフェラーゼ、若しくはアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ>2×ULN、若しくは総ビリルビン>1.5×ULN;
11.男性ではヘモグロビン濃度<11g/dL、女性ではヘモグロビン濃度<9g/dLとして定義される貧血。
12.非黒色腫皮膚がんを除く、過去5年以内の悪性腫瘍の病歴;
13.治験責任医師の意見で、研究への参加を妨げる何らかの他の臨床的に重要な非心臓疾患若しくは症状の証拠;又は
14.既知のエゼチミブ若しくはCETP阻害剤のアレルギー若しくは不耐性。
離脱基準
本臨床試験への参加は、以下の理由のいずれかのために中止され得る。
・参加者が、何らかの理由で同意を取り下げ、若しくは試験の中止を要求する。
・参加者を実質的なリスクにさらす、及び/若しくは参加者がプロトコルの要件を遵守できない何らかの医学的症状若しくは状況の発生;
・継続的な参加が参加者にとって最良の利益ではないことを治験責任医師に示す、何らかの重篤な有害事象(SAE)、臨床的に重要なAE、重篤な検査所見の異常、併発疾患、若しくはその他の医学的症状;
・妊娠;
・禁止された併用薬の必要性;
・参加者がプロトコル要件若しくは試験関連手順を遵守しない;又は
・治験依頼者若しくは規制当局による試験の中止。
参加者が上記の基準又は他の何らかの理由により試験から早期に離脱した場合、試験スタッフは、早期終了来院に予定された評価の全てを完了するためのあらゆる努力を払うべきである。参加者の離脱の理由は、電子症例報告書(eCRF)に記録されなければならない。
参加者が追跡不能となった場合、参加者に連絡する少なくとも3回の試みを行い、参加者の医療記録に記録しなければならない。
離脱した参加者は補充されない。
剤形及び投与経路
本試験において使用された試験薬は以下の通りである。
・5mgのオビセトラピブ錠剤;
・カプセル中にオーバーカプセル化された10mgのエゼチミブ錠剤;
・オビセトラピブのプラセボ錠剤;及び
・エゼチミブのプラセボカプセル。
全ての製品は、現在の欧州連合優良医薬品製造基準に従って製造される。
オビセトラピブ錠剤は、5mgのオビセトラピブカルシウム原薬を含有する、識別標識のない、円形の、白色フィルムコーティングされた錠剤である。錠剤コア中に存在する賦形剤は、微結晶セルロース、マンニトール、デンプングリコール酸ナトリウム、コロイド状二酸化ケイ素及びステアリン酸マグネシウムである。市販のフィルムコーティングフォーミュラ(Opadry IIホワイト、Colorcon販売)をコアに適用する。
オビセトラピブのプラセボ錠剤は、識別標識のない、釣り合わせた円形の白色フィルムコーティングされた錠剤である。錠剤コア中に存在する賦形剤は、微結晶セルロース、マンニトール、デンプングリコール酸ナトリウム、コロイド状二酸化ケイ素及びステアリン酸マグネシウムである。市販のフィルムコーティングフォーミュラ(Opadry IIホワイト、Colorcon販売)をコアに適用する。
エゼチミブカプセルは、カプセルシェル内に充填された10mgのエゼチミブ(ezetimibe)錠剤であり、1カプセルあたり1錠である。各カプセルは、錠剤がカプセルシェル内でがたつくのを防止するための充填剤として、錠剤に共通した賦形剤も含有する。エゼチミブカプセルに対応するプラセボカプセルは、賦形剤充填材料のみを充填された同一のカプセルシェル(錠剤なし)である。
オビセトラピブとプラセボ錠剤及びエゼチミブとプラセボカプセルはフォイルブリスター中に包装され、ブリスターカードにまとめられて、各治療群に2つの試験薬を提供する。それぞれの日にどのブリスターを使用するかを示すために、ブリスターカードには明確にラベルが付されるブリスターカードはキットに組み立てられ、各キットは1ヶ月の投薬に十分な供給を提供する。保存可能期間は、個々の製品の安定性に基づいて割り当てられ、投入エゼチミブ錠剤の有効期限を超えない。キットは25℃未満で保存されるべきである。
参加者は、試験期間中、上に列記された試験薬の2つを与えられるように無作為化される。割り当てられた試験薬はいずれも、参加者によって、経口的に、1~57日目に1日1回投与される。
投薬の根拠
健康な対象及び患者におけるオビセトラピブの以前の複数用量臨床試験では、5mgのオビセトラピブ用量でほぼ最大の効果が観察された。この用量レベルでは、CETP活性及び濃度が効果的に低下し、HDL-Cレベルが増加した一方で、LDL-Cレベルは減少した。製品概要によれば、エゼチミブの推奨される1日用量は10mgである。したがって、本研究は、TLC食後に軽度の脂質異常症を有する参加者において、10mgのエゼチミブあり又はなしで投与される5mgのオビセトラピブの用量を利用する。
管理体制
試験薬は、参加者によって、経口的に、1~57日目に1日1回投与される。試験薬は、食物と共に、毎朝ほぼ同じ時間に投与されるべきである。来院が予定されている日には、試験薬は全ての絶食血液試料後に食物と共に投与されるべきである。参加者が所与の日に試験薬を服用することを忘れた場合、次の用量を通常通り服用すべきであり、忘れた用量を補うために2倍用量を服用すべきではない。
研究デザイン
本試験は、オビセトラピブとエゼチミブの併用療法の有効性、安全性及び耐容性を評価するための、軽度の脂質異常症を有する参加者におけるプラセボ対照二重盲検無作為化第2相試験である。
参加者、治験責任医師、医薬品開発受託機関及び治験依頼者は、治療の割り当てに対する盲検化を保護するために、最初の参加者についての1日目(来院2)から最後の参加者についてのPK来院(来院6)までの全ての脂質結果に対して盲検化される。
スクリーニング期間
スクリーニング来院(来院1)では、参加者は、何らかの研究関連手順が行われる前にインフォームドコンセント用紙(ICF)に署名する必要がある。ICFに署名した後、試験の適格性について参加者を評価する。参加者はまた、治療的生活習慣改善(TLC)食に関するカウンセリングを受け、この食事をどのように遵守するかについての指示を受けるであろう。TLC食は、米国国立衛生研究所の治療的生活習慣改善[TLC]食から改変され、以下で表1に例示されている。参加者は、スクリーニング来院時に始まる食事を開始する必要がある。
Figure 2024507810000004
-1日目以外の日に参加者がスクリーニングされる場合、参加者は-1日目に薬物動態(PK)及びCETP質量評価のために施設に戻る。
治療期間
スクリーニング来院の最長2週間後に、参加者は、無作為化され、治療を開始するために、1日目に施設に戻る(来院2)。約100人の適格な参加者(治療群あたり25人の参加者)は、以下の治療群の1つに1:1:1:1の比で無作為に割り振られる。
・併用療法:5mgのオビセトラピブ+10mgのエゼチミブ;
・オビセトラピブ単剤療法:5mgのオビセトラピブ+プラセボエゼチミブ;
・エゼチミブ単剤療法:プラセボオビセトラピブ+10mgエゼチミブ;又は
・プラセボ:プラセボオビセトラピブ+プラセボエゼチミブ。
12週間の治療期間中、割り当てられた試験薬は、参加者によって、経口的に、1~57日目に1日1回投与される。参加者は、有効性、安全性、薬物動態(PK)及びCETP質量評価のために4週間ごとに施設に戻る。参加者、治験責任医師、医薬品開発受託機関及び治験依頼者は、治療の割り当てに対する盲検化を保護するために、最初の参加者についての1日目(来院2)から最後の参加者についてのPK来院(来院6)までの全ての脂質結果に対して盲検化される。
経過観察期間
参加者は、安全性、PK及びCETP質量評価のため、治療期間の終わりの約4週間後に、安全性経過観察来院のために施設に戻る(来院6)。
薬物動態期間
参加者は、PK及びCETP質量評価のため、治療期間の終わりの約8週間後に、PK来院のために施設に戻る(来院7)。
評価項目
有効性変数
有効性の主要評価項目は、プラセボ群と比較した併用療法群のLDL-Cの1日目から57日目までのパーセント変化である。
有効性の副次的評価項目は、階層順に以下を含む:
・プラセボ群と比較したオビセトラピブ単剤療法群のLDL-Cの1日目から57日目までのパーセント変化;
・プラセボ群と比較した併用療法群のApoBの1日目から57日目までのパーセント変化;
・プラセボ群と比較したオビセトラピブ単剤療法群のApoBの1日目から57日目までのパーセント変化;
・エゼチミブ単剤療法群と比較した併用療法群のLDL-Cの1日目から57日目までのパーセント変化;
・エゼチミブ単剤療法群と比較したオビセトラピブ単剤療法群のLDL-Cの1日目から57日目までのパーセント変化;
・プラセボ群と比較したエゼチミブ単剤療法群のLDL-Cの1日目から57日目までのパーセント変化;及び
・エゼチミブ単剤療法群と比較した併用療法群のApoBの1日目から57日目までのパーセント変化;
有効性の探索的評価項目には、以下が含まれる。
・プラセボ群と比較したエゼチミブ単剤療法群のApoBの1日目から57日目までのパーセント変化;
・非HDL-C、VLDL-C、HDL-C、TG、ApoE及びHDL-ApoE(ApoC3あり及びなし)の1日目から57日目までのパーセント変化についての様々な治療群間でのペアワイズ比較;
・LDL-C<2.6mmol/L(<100mg/dL)、LDL-C<1.8mmol/L(<70mg/dL)及びLDL-C<1.3mmol/L(<50mg/dL)を達成する57日目における参加者の割合についての様々な治療群間でのペアワイズ比較;
・オビセトラピブの平均トラフ血漿レベルの1日目から57日目、1日目から12週目及び1日目から16週目までの変化についての様々な治療群間でのペアワイズ比較;並びに
・CETP質量の1日目から57日目、1日目から12週目及び1日目から16週目までの変化についての様々な治療群間でのペアワイズ比較;並びに
安全性変数
オビセトラピブ単独、エゼチミブ単独及びエゼチミブと組み合わせたオビセトラピブの安全性及び耐容性プロファイルは、臨床検査値及び(S)AEの発生によって評価される。
統計解析
解析集団
治療企図解析対象(ITT)集団は、本試験に無作為化された全ての参加者を含む。治療分類は、無作為化された治療に基づく。
修正ITT(mITT)集団は、少なくとも1用量の何らかの試験薬を与えられ、LDL-C評価のためのベースライン値を有するITT集団中の全ての参加者を含む。本研究デザインの範囲外である、参加者が制限脂質改変治療を受けた後に得られた全ての有効性測定は、mITT解析から除外される。治療分類は、無作為化された治療に基づく。mITT集団は、全ての有効性評価項目の一次分析のために使用される。
パープロトコル(PP)集団には、LDL-C評価のためのベースライン値を有し、LDL-C評価のための85日目の値を有し、有効性の主要評価項目に影響を及ぼす可能性がある大きなプロトコルの逸脱を経験しなかった、mITT集団中の全ての参加者が含まれる。PP集団は、除外の理由と共に、試験の盲検解除の前に終了する。
PK集団は、PKパラメータの妥当な推定のために十分な血液試料を収集された、mITT集団中の全ての参加者を含む。
安全性解析集団は、少なくとも1用量の何らかの試験薬を与えられる全ての参加者を含む。治療分類は、受けた実際の治療に基づく。安全性解析集団は、安全性解析のために使用される一次集団である。
統計的方法
試験で収集された全てのデータは、記述統計、グラフ及び/又は生データリストを使用して治療群ごとに要約される。連続変数の記述統計は、参加者数(n)、平均、標準偏差(SD)、中央値、最小値及び最大値を含む。カテゴリ変数の解析は、頻度及びパーセンテージを含む。
有効性の解析
mITT集団は、有効性解析のための一次集団である。有効性はまた、確証解析として、ITT集団及びPP集団を使用して解析される。
有効性の主要解析
反復測定のための混合モデル(MMRM)アプローチを使用して実行される。解析は、ベースライン値の共変量と共に、治療、来院及び治療来院相互作用に対する母数効果を含む。制限付き最尤推定アプローチを非構造化共分散行列と共に使用する。併用療法、オビセトラピブ単剤療法及びエゼチミブ単剤療法の、プラセボとのペアワイズ比較のために、並びに併用療法対オビセトラピブ単剤療法のペアワイズ比較のために、各治療群に対する最小二乗平均、標準誤差及び両側95%信頼区間が提供される。治療比較は、α=0.05の有意水準での両側検定を用いて行われる。
欠落データは、多重補完法を使用して補完される。結果は、Rubinの方法を使用して統合される。モデル及び代入の完全な詳細は、統計解析計画(SAP)に提供される。
有効性の副次的及び探索的解析
ベースラインからのパーセント変化に対応する副次的及び有効性の探索的評価項目の解析のために、同様のMMRMモデルを使用する。2値有効性評価項目については、治療群及びベースラインLDL-Cのモデル共変量を用いてロジスティック回帰分析を実施する。
全体の第1種過誤率を維持するために、事前に指定された階層の順序に従って、有効性の副次的評価項目を0.05の有意水準で逐次に検定する。有効性の探索的評価項目を検定する際に多重度について調整は行わない。適用可能な場合、名目上のp値が与えられる。治療群ごとの記述及び図表での要約も示される。追加の感度及び/又は補足的解析は、SAPにおいて定義される。
安全性解析
安全性解析集団は、安全性解析のための一次集団である。全ての安全性評価項目は、記述的に要約される。統計的推定は安全性評価項目には適用されない。
AEは、Medical Dictionary for Regulatory Activities(MedDRA)カテゴリ名称を使用してコーディングされたプライマリー器官別大分類及び基本語によって分類される。AEを経験する参加者の数及びパーセンテージを含むAEの要約が提供される。
臨床検査値は、ベースラインからの変化、治療群ごと及び全体を含めて記述的に要約される。さらに、通常の範囲カテゴリ(低い、通常、高い)を使用してベースライン後来院における臨床検査パラメータ値の変化を記述するために、シフトテーブルが示される。
薬物動態分析
血漿オビセトラピブ濃度は、PK集団に基づく記述統計を用いて要約される。適宜、オビセトラピブ曝露との何らかの関係の探索が行われる。
[実施例2b]
軽度の脂質異常症及び潜在的なスタチン不耐性を有する参加者においてエゼチミブと組み合わせたオビセトラピブの効果を評価するためのプラセボ対照二重盲検無作為化第2相試験(解析、結果及び結論)
参加者、治療及び解析
治療の期間:
8週間。注意:44名の参加者が臨床試験プロトコルバージョン3.0の下で試験を完了し、12週間の治療を受けた。
参加者の人数:
予定:100名
スクリーニングされた:234名
無作為化された:112名の参加者(1名の参加者を誤って無作為化した)
完了した治療:103名の参加者
中止された試験:14名の参加者
中止された治療:8名の参加者
診断及び主要な組み入れ基準:
BMI<40kg/m2、空腹時LDL-Cレベル>2.5mmol/L(>100mg/dL)及び<4.5mmol/L(<175mg/dL)及びTGレベル<4.5mmol/L(<400mg/dL)を有する、18歳及び70歳を含む18~70歳の男性又は女性が試験に参加する資格を有する。現在何らかの脂質改変療法を受けているか、スクリーニング来院時にアテローム動脈硬化性心血管疾患の臨床徴候若しくは12リード心電図(ECG)で認められる虚血性冠動脈疾患の証拠を有するか、スクリーニング来院時に1型若しくは2型糖尿病の診断若しくは以前に糖尿病の診断を受けていない場合にはグリコシル化ヘモグロビン≧6.5%を有するか、又は制御されない高血圧を有する、すなわち、座位収縮期血圧>160mmHg及び/若しくは座位拡張期血圧>90mmHgが三連測定の平均として得られた場合には、参加者は試験から除外された。
治験製品及び対照薬の情報:
試験薬は、5mgのオビセトラピブ錠剤又は釣り合う用量のプラセボ錠剤、及びオーバーカプセル化された10mgのエゼチミブ錠剤又は釣り合う用量のプラセボカプセルからなった。全ての製品は、医薬品規制ハーモナイゼーション国際会議(ICH)の現在の優良医薬品製造基準に従って製造された。
統計的方法:
解析集団:
治療企図解析対象(ITT)集団は、本試験に無作為化された全ての参加者を含んだ。治療分類は、無作為化された治療に基づいた。
修正治療企図解析対象(mITT)集団は、少なくとも1用量の何らかの試験薬を与えられ、LDL-C評価のためのベースライン値を有したITT集団中の全ての参加者を含んだ。本研究デザインの範囲外である、参加者が制限脂質改変治療を受けた後に得られた全ての有効性測定は、mITT解析から除外された(研究には、治験薬以外のいずれの脂質改変療法も禁止された)。治療分類は、無作為化された治療に基づいた。mITT集団は、全ての有効性評価項目の一次分析のために使用された。
パープロトコル(PP)集団には、LDL-C評価のためのベースライン値を有し、LDL-C評価のための57日目の値を有し、有効性の主要評価項目に影響を及ぼす可能性がある大きな臨床試験プロトコルの逸脱を経験しなかった、mITT集団中の全ての参加者が含まれた。大きな臨床試験プロトコルの逸脱は、ICHガイドラインと一致するように、治験関連文書内のプロトコル逸脱プランにおいて定義された。PP集団の一員であることの決定は、試験の盲検解除前に行った。PP集団は、有効性の主要評価項目の分析のための二次集団であった。
安全性解析集団は、少なくとも1用量の何らかの試験薬を与えられた全ての参加者を含んだ。治療分類は、受けた実際の治療に基づいた。安全性解析集団は、安全性解析のために使用された一次集団であった。
PK集団は、PKパラメータの妥当な推定のために十分な血液試料を収集された、mITT集団中の全ての参加者を含んだ。
各解析集団中の参加者の数及びパーセンテージは、全ての無作為化された参加者に基づいて、治療ごとに及び合計して要約される。PP集団からの除外理由も要約される。
有効性解析
mITT集団は有効性分析のための一次集団であった。有効性はまた、選択された評価項目に対する確証解析として、ITT集団及びPP集団を使用して解析された。
以下の2つのアプローチを使用してLDL-Cレベルを収集した:
1.各予定された来院時に、フリードワルド式を用いて、LDL-Cレベルを計算した;及び
2.さらに、ベースライン(1日目)及び8週間の治療期間の終わり(57日目)に、分離用超遠心(PUC)によって、全参加者についてLDL-Cを測定した。
有効性の主要評価項目;主要な解析
反復測定のための混合モデル(MMRM)アプローチを使用して、1日目から57日目までのLDL-Cのパーセント変化の有効性の主要解析を行った。解析は、連続共変量としてのベースライン値の共変量と共に、治療、来院及び治療来院相互作用に対する母数効果を含んだ。全ての治療群にわたってLDL-Cの同様の分布を確保するために、LDL-C値のカテゴリ(<3.5mmol/L[<135mg/dL]又は≧3.5mmol/L[≧135mg/dL])のみによって無作為化を層別化したが、MMRMモデルは、連続共変量としてLDL-C値の元のスケールを含んでいた。制限付き最尤推定アプローチを非構造化共分散行列と共に使用した。併用療法、オビセトラピブ単剤療法及びエゼチミブ単剤療法の、プラセボとのペアワイズ比較のために、並びに併用療法及びオビセトラピブ単剤療法対エゼチミブ単剤療法のペアワイズ比較のために、各治療群に対する最小二乗(LS)平均、標準誤差及び両側95%信頼区間(CI)が提供される。治療比較は、α=0.05の有意水準での両側検定を用いて行われた。
MMRMアプローチは、ベースラインから29、57及び85日目までのLDL-Cのパーセント変化の全ての利用可能な評価を含んだ。モデルは、データがランダムに欠落していることを仮定した。データが欠落している場合、モデルは、所与の時点における平均治療差を推定するために、他の時点からの全ての情報を使用した。有効性の主要評価項目の解析については、欠落データの補完は行わなかった。
有効性の主要評価項目;感度解析
有効性の主要評価項目に対して感度解析を行った。第1の解析では、データがランダムではなく欠落していると仮定して、対照をベースとしたパターン補完モデルを使用して欠落データを補完した。多重補完は、欠落したLDL-C値に対する補完モデルを導出するためにプラセボ群からの観察のみが使用されるように行われた2段階で多重補完法を使用して29、57及び85日目の欠落データを補完した。最初に、元のデータセット中の非単調な欠損値に対して25個のデータセットを補完した。第2の段階では、残りの単調な欠損値を補完した。試験の完了時に、不完全なデータを有する事例のパーセンテージが最初に予想されたよりも大きかった場合、最終解析のために補完の数を増加させた。
補完モデルの変数は、ベースライン並びに29、57及び85日目からのLDL-C値からなった。各補完データセットについて、MMRMモデルを使用してベースラインから57日目までのパーセント変化を解析した。パラメータ推定値及び関連する標準誤差を使用して治療推定値を構築するために、これらの25の解析からの結果を統合した。同様に、調整された治療平均の差(併用療法-プラセボ)が、関連する標準誤差及び95%CIと共に示される。ランダムに選択されたシード数を分析のために選択し、保持した。
第2の感度解析では、治療群の母数効果及びベースラインLDL-C値を連続共変量として用いる共分散分析(ANCOVA)モデルを使用して、プラセボ群と比較した併用療法群について、フリードワルド式によってLDL-Cの1日目から57日目までのパーセント変化を分析した。併用療法、オビセトラピブ単剤療法及びエゼチミブ単剤療法の、プラセボとのペアワイズ比較のために、各治療群に対するLS平均、標準誤差及び両側95%CIが提供される。治療比較は、α=0.05の有意水準での両側検定を用いて行われた。この感度解析については、欠落データの補完は行わなかった。
第3の感度解析では、LDL-Cレベルを測定するために、ベータ定量とも呼ばれるPUCを使用して、LDL-Cの1日目から57日目までのパーセント変化を評価した。第2の感度解析において記載したモデルと同様のANCOVAを用いて、プラセボ群と比較した併用療法群について、PUCによるLDL-Cの1日目から57日目までのパーセント変化を解析した。この感度解析については、欠落データの補完は行わなかった。
第4の感度解析では、PUCによって測定されたベースラインから57日目までのLDL-Cのパーセント変化の評価のために、上記と同様のANCOVAモデルを利用した。この解析では、57日目の後にPUCによって測定された次の利用可能なLDL-C測定値が解析において使用された後行する直近の観測データで補完する(LOCB)アプローチを使用して、57日目の欠落データを補完した。以前のTULIP治験(NCT01970215)は、8週目及び12週目にLDL-Cのパーセント変化の同様の値を観察し、本試験におけるLOCBアプローチの合理性を提供する。
有効性の副次的評価項目
LDL-C(有効性の主要評価項目について明記された分析以外の他のペアワイズ治療群比較については、フリードワルドの式を使用して)又はApoBの1日目から57日目までのパーセント変化を調べるために、同様のMMRMモデルを開発した。全体の第1種過誤率を維持するために、事前に指定された階層の順序に従って、有効性の副次的評価項目を0.05の有意水準で逐次に検定した。これを以下の解析に適用した:
・プラセボ群と比較したオビセトラピブ単剤療法群のLDL-Cの1日目から57日目までのパーセント変化;
・プラセボ群と比較した併用療法群のApoBの1日目から57日目までのパーセント変化;
・プラセボ群と比較したオビセトラピブ単剤療法群のApoBの1日目から57日目までのパーセント変化;
・エゼチミブ単剤療法群と比較した併用療法群のLDL-Cの1日目から57日目までのパーセント変化;
・エゼチミブ単剤療法群と比較したオビセトラピブ単剤療法群のLDL-Cの1日目から57日目までのパーセント変化;
・プラセボ群と比較したエゼチミブ単剤療法群のLDL-Cの1日目から57日目までのパーセント変化;及び
・エゼチミブ単剤療法群と比較した併用療法群のApoBの1日目から57日目までのパーセント変化;
有効性の探索的評価項目
同様のMMRMモデルを有効性の探索的評価項目に対して使用した。治療群及びベースライン変数の共変量を有する二値変数のためのロジスティック回帰モデルを通じて、LDL-C<2.6mmol/L(<100mg/dL)、LDL-C<1.8mmol/L(<70mg/dL)及びLDL-C<1.3mmol/L(<50mg/dL)を達成した57日目における参加者の割合を調べた。
有効性の探索的評価項目を検定する際に多重度について調整は行わなかった。適用可能な場合、名目上のp値が与えられる。
安全性解析:
安全性解析集団は、安全性解析のための一次集団であった。全ての安全性評価項目は、記述的に要約される。統計的推定は安全性評価項目には適用されなかった。
AEは、Medical Dictionary for Regulatory Activities(バージョン23.0)カテゴリ名称を使用してコーディングされたプライマリー器官別大分類(SOC)及び基本語(PT)によって分類される。AEを経験した参加者の数及びパーセンテージを含むAEの要約が提供される。
参加者の数及びパーセンテージ(及び事象数)を含む治療下で発現した有害事象(TEAE)の概要が提供される。
TEAE、治療下で発現した重篤有害事象(TESAE)及び試験薬の中止につながるTEAEについては、一覧表が具体的に提示される。
臨床検査については、ベースラインからの変化、治療ごと及び全体を含めて、臨床検査値は記述的に要約される。さらに、通常の範囲カテゴリ(低い、通常、高い)を使用してベースライン後来院における臨床検査パラメータ値の変化を記述するために、シフトテーブルが示される。
バイタルサインについては、値及びベースラインからの変化が、治療ごとに、各来院に記述統計と共に要約される。
12リードECGデータに対する要約統計が、連続結果(PR、QRS、心拍数、RR、QT、QTc及びQTcF)並びに治療ごと及び全体の全体的解釈について提供される。
有効性の結果
本試験は、オビセトラピブとエゼチミブの併用療法の有効性、安全性及び耐容性を評価するための、軽度の脂質異常症を有する参加者におけるプラセボ対照二重盲検無作為化第2相試験であった。有効性の主要評価項目は、プラセボ群と比較したオビセトラピブ5mg+エゼチミブ10mg群のLDL-Cの1日目から57日目までのパーセント変化である。
57日目に、フリードワルド式による平均LDL-Cは、オビセトラピブ5mg+エゼチミブ10mg群では71.3mg/dL、オビセトラピブ5mg群では87.0mg/dL、エゼチミブ10mg群では109.1mg/dL、プラセボ群では136.2mg/dLであった。フリードワルド式によるLDL-Cのベースラインから57日目までの平均パーセント変化は、オビセトラピブ5mg+エゼチミブ10mg群では-45.63%、オビセトラピブ5mg群では-31.88%、エゼチミブ10mg群では-12.69%、プラセボ群では-0.17%であった。これに関して、表2及び図3が参照される。
PUC及びマーチン/ホプキンス計算LDL-C値は、57日目のフリードワルド式の値と同様であった。
57日目に、オビセトラピブ5mg群及びオビセトラピブ5mg+エゼチミブ10mg群はいずれも、ApoB及び非HDL-Cについて、プラセボと比較して、ベースラインからのパーセント変化の有意な低下を示した。これに関して、表3が参照される。
57日目に、オビセトラピブ5mg群及びオビセトラピブ5mg+エゼチミブ10mg群はいずれも、HDL-C及びApoEについて、プラセボと比較して、ベースラインからのパーセント変化の有意な増加を示した。
57日目にフリードワルド式によるLDL-C<70mg/dLを達成した参加者の数は、オビセトラピブ5mg+エゼチミブ10mg群では13名(48.1%)の参加者、オビセトラピブ5mg群では7名(25.0%)の参加者、エゼチミブ10mg群では1名(3.6%)の参加者、プラセボ群では0名(0.0%)の参加者であった。57日目にフリードワルド式によりLDL-C<100mg/dLを達成した参加者の数は、オビセトラピブ5mg+エゼチミブ10mg群では21名(77.8%)の参加者、オビセトラピブ5mg群では16名(57.1%)の参加者、エゼチミブ10mg群では8名(28.6%)の参加者、プラセボ群では2名(7.1%)の参加者であった。
結論として、本試験はその主要な有効性目標を満たした。オビセトラピブ5mg+エゼチミブ10mgの組み合わせは、プラセボ及びエゼチミブ10mg単剤療法の両方と比較して、LDL-C、非HDL-C及びApoBを著しく低下させ、HDL-C及びApoEを増加させ、100mg/dL及び70mg/dLの臨床的に意義のある閾値を下回るLDL-Cを達成した参加者の割合を増加させた。
安全性の結果
プラセボ、エゼチミブ10mg及びオビセトラピブ5mg治療群における参加者の大部分は、8週間から12週間未満にわたって試験薬に曝露された。
全体として、27名(24.3%)の参加者が少なくとも1つのTEAEを経験した:オビセトラピブ5mg+エゼチミブ10mg群では9名(33.3%)の参加者、オビセトラピブ5mg群では4名(14.3%)の参加者、エゼチミブ10mg群では8名(28.6%)の参加者及びプラセボ群では6名(21.4%)の参加者。
TEAEの大部分は軽度又は中等度の重症度であった。合計で、9名(8.1%)の参加者が中程度の最大重症度を有するTEAEを経験した:オビセトラピブ5mg+エゼチミブ10mg群では2名(7.4%)の参加者、オビセトラピブ5mg群では1名(3.6%)の参加者、エゼチミブ10mg群では4名(14.3%)の参加者及びプラセボ群では2名(7.1%)の参加者。エゼチミブ10mg群の1名(0.9%)の参加者(参加者106-010)は、多発骨折という重度のTEAEを経験した。
TEAEの最も一般的なSOCは、胃腸障害(9名[8.1%]の参加者)、感染症及び寄生虫症(6名[5.4%]の参加者)及び神経系障害(6名[5.4%]の参加者)であった。全参加者の中で経験された最も一般的なPTは、下痢及び頭痛(それぞれ4名[3.6%]の参加者)であった。
全体として、11名(9.9%)の参加者が少なくとも1つの試験薬関連TEAEを経験した:オビセトラピブ5mg+エゼチミブ10mg群では3名(11.1%)の参加者、オビセトラピブ5mg群では1名(3.6%)の参加者、エゼチミブ10mg群では3名(10.7%)の参加者及びプラセボ群では4名(14.3%)の参加者。試験薬関連TEAEの最も一般的なSOCは胃腸障害であった(7名[6.3%]の参加者)。
合計で、試験薬の中止につながる少なくとも1つのTEAEを経験した4名(3.6%)の参加者が存在した:オビセトラピブ5mg+エゼチミブ10mg群では2名(7.4%)の参加者、エゼチミブ10mg群及びプラセボ群ではそれぞれ1名(3.6%)の参加者。いずれもエゼチミブ10mg群中の合計2名(1.8%)の参加者がTESAEを経験した。
本試験では死亡は存在しなかった。
エゼチミブ10mg群の2名の参加者が、重篤有害事象(SAE)を経験した。参加者004-003は、中程度と評価され、試験薬に関連しない過換気のSAEを経験した。参加者106-010は、重度と評価され、試験薬に関連しない多発骨折というSAEを経験した。いずれの参加者も、これらのSAEから回復した。
臨床的に重大な化学、血液学又は尿検査パラメータは存在しなかった。
一般に、バイタルサイン、身体検査又はECGに臨床的に意味のある変化は観察されなかった。平均血圧値の差は、治療群間で顕著な増加又は傾向を示さなかった。
以前の研究と一致して、オビセトラピブ5mgによる治療は、単剤療法としても、エゼチミブ10mgと組み合わせても、一般に安全であり、良好に耐容された。
結論
これは、軽度の脂質異常症を有する参加者におけるエゼチミブと組み合わせたオビセトラピブの効果を評価するためのプラセボ対照二重盲検無作為化第2相試験であった。
重要な知見は以下の通りである。
・オビセトラピブ5mg+エゼチミブ10mgの併用療法は、LDL-C、非HDL-C及びApoBを著しく低下させ、HDL-C及びApoEを増加させた;
・オビセトラピブ5mg+エゼチミブ10mgの併用療法は、プラセボ及びエゼチミブ10mg単剤療法の両方と比較して、100mg/dL及び70mg/dLの臨床的に意義のある閾値を下回るLDL-Cを達成した参加者の割合を著しく増加させた;
・オビセトラピブ5mg+エゼチミブ10mgの併用療法は、オビセトラピブ5mgの単剤療法と比較して、LDL-C、非HDL-C及びApoBを顕著に低下させた;
・LDL-C値のPUC及びマーチン/ホプキンス計算は、この集団における57日目のフリードワルド式の値と同様であった;
・オビセトラピブのPKプロフィールは以前の知見と一致しており、長期間の毎日の投与後8週間までにオビセトラピブのほぼ完全な除去を示した;
・試験薬は良好に耐容され、オビセトラピブ療法に関連する安全性シグナルの証拠は存在しなかった。
結論として、単独での又はエゼチミブ10mgと組み合わせたオビセトラピブ5mgでの治療は良好に耐容され、軽度の脂質異常症を有する参加者における脂質プロファイルの有意な改善をもたらし、より低いアテローム生成性脂質プロファイルの方向にシフトした。
Figure 2024507810000005
Figure 2024507810000006
スキーム1
オビセトラピブの化学名及び式
Figure 2024507810000007
{4-[(2-{[3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル][(2R,4S)-1-(エトキシカルボニル)-2-エチル-6-(トリフルオロメチル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-4-イル]アミノ}ピリミジン-5-イル)オキシ]ブタン酸}
スキーム2
エゼチミブの化学名及び式
Figure 2024507810000008
(3R,4S)-1-(4-フルオロフェニル)-3-[(3S)-3-(4-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシプロピル]-4-(4-ヒドロキシフェニル)アゼチジン-2-オン。

Claims (34)

  1. オビセトラピブ及びエゼチミブ、又はそれらの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物、並びに薬学的に許容される担体を含む、高脂血症若しくは混合型脂質異常症に罹患しているか又はそのリスクが増大している対象の治療に使用するための医薬組成物であって、前記対象はスタチンに対して部分的に又は完全に不耐性である、医薬組成物。
  2. 心血管イベントのリスクの低下に使用するための、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 前記対象が軽度の脂質異常症に罹患している、請求項1~2のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
  4. 前記治療を必要とする対象が、1日当たり1~10mgのオビセトラピブ及び1日当たり5~20mgのエゼチミブを投与され、好ましくは前記対象が、1日当たり5mgのオビセトラピブ及び1日当たり10mgのエゼチミブを投与され、又は1日当たり10mgのオビセトラピブ及び1日当たり10mgのエゼチミブを投与される、請求項1~3のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
  5. 前記組成物が、前記対象の血液中のアポリポタンパク質B(ApoB)濃度を低下させる、請求項1~4のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
  6. 前記組成物が、前記対象の血液中のLDL-C濃度を低下させる、請求項1~5のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
  7. 前記組成物が、オビセトラピブ単剤療法と比較した場合に、オビセトラピブのLDL-C低下効果を減弱させない、請求項1~6のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
  8. エゼチミブと組み合わせて投与された場合のオビセトラピブによる相対的LDL-C低下が、単剤療法として投与された同じ用量のオビセトラピブによる相対的LDL-C低下と同様である、請求項1~7のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
  9. 10mgのエゼチミブと組み合わせて投与された場合の1日用量5mgのオビセトラピブによる相対的LDL-C低下が、単剤療法として投与された5mgの1日用量のオビセトラピブによる相対的LDL-C低下と同様である、請求項1~8のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
  10. 10mgのエゼチミブと組み合わせて投与された場合の10mgの1日用量のオビセトラピブによる相対的LDL-C低下が、単剤療法として投与された10mgの1日用量のオビセトラピブによる相対的LDL-C低下と同様である、請求項1~9のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
  11. 前記組成物が、経口自由用量の組み合わせ又は経口固定用量の組み合わせとして、好ましくは経口固定用量の組み合わせとして製剤化される、請求項1~10のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
  12. 経口固定用量の組み合わせが、カプセル又は錠剤などの固体剤形である、請求項1~11のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
  13. 前記組成物が、1~10mgのオビセトラピブ及び5~20mgのエゼチミブを含む経口固定用量の組み合わせであり、好ましくは、前記組成物が、5mgのオビセトラピブ及び10mgのエゼチミブを含む、又は10mgのオビセトラピブ及び10mgのエゼチミブを含む、請求項1~12のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
  14. オビセトラピブ及びエゼチミブ、又はそれらの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を含む、高脂血症若しくは混合型脂質異常症に罹患しているか又はそのリスクが増大している対象の治療に使用するための治療的組み合わせであって、前記対象はスタチンに対して部分的に又は完全に不耐性である、治療的組み合わせ。
  15. 心血管イベントのリスクの低下に使用するための、請求項14に記載の治療的組み合わせ。
  16. 前記対象が軽度の脂質異常症に罹患している、請求項15に記載の使用のための治療的組み合わせ。
  17. 前記治療を必要とする対象が、1日当たり1~10mgのオビセトラピブ及び1日当たり5~20mgのエゼチミブを投与され、好ましくは前記対象が、1日当たり5mgのオビセトラピブ及び1日当たり10mgのエゼチミブを投与され、又は1日当たり10mgのオビセトラピブ及び1日当たり10mgのエゼチミブを投与される、請求項14~16のいずれかに記載の使用のための治療的組み合わせ。
  18. 前記組み合わせが、前記対象の血液中のアポリポタンパク質B(ApoB)濃度を低下させる、請求項14~17のいずれかに記載の使用のための治療的組み合わせ。
  19. 前記組み合わせが、オビセトラピブ単剤療法と比較した場合に、オビセトラピブのLDL-C低下効果を減弱させない、請求項14~18のいずれかに記載の使用のための治療的組み合わせ。
  20. エゼチミブと組み合わせて投与された場合のオビセトラピブによる相対的LDL-C低下が、単剤療法として投与された同じ用量のオビセトラピブによる相対的LDL-C低下と同様である、請求項14~19のいずれかに記載の使用のための治療的組み合わせ。
  21. 10mgのエゼチミブと組み合わせて投与された場合の1日用量5mgのオビセトラピブによる相対的LDL-C低下が、単剤療法として投与された5mgの1日用量のオビセトラピブによる相対的LDL-C低下と同様である、請求項14~20のいずれかに記載の使用のための治療的組み合わせ。
  22. 10mgのエゼチミブと組み合わせて投与された場合の10mgの1日用量のオビセトラピブによる相対的LDL-C低下が、単剤療法として投与された10mgの1日用量のオビセトラピブによる相対的LDL-C低下と同様である、請求項14~21のいずれかに記載の使用のための治療的組み合わせ。
  23. 前記組み合わせが、経口自由用量の組み合わせ又は経口固定用量の組み合わせである、請求項14~22のいずれかに記載の使用のための治療的組み合わせ。
  24. 前記組み合わせが、1~10mgのオビセトラピブを含む第1の単位剤形及び5~20mgのエゼチミブを含む第2の単位投与量を含む、好ましくは、第1の単位投与量が5mgのオビセトラピブを含み及び前記第2の単位投与量が10mgのエゼチミブを含むか、又は前記第1の単位投与量が10mgのオビセトラピブを含み及び前記第2の単位投与量が10mgのエゼチミブを含む、請求項14~23のいずれかに記載の使用のための治療的組み合わせ。
  25. 前記組み合わせが、好ましくは錠剤又はカプセル剤の形態の単位剤形を含むパッケージを含む、請求項1~24のいずれかに記載の治療的組み合わせ。
  26. 高脂血症若しくは混合型脂質異常症に罹患しているか又はそのリスクが増大している、部分的に又は完全にスタチン不耐性の対象を治療する方法であって、前記治療を必要とする前記対象に、請求項1~25のいずれかに記載の医薬組成物又は治療的組み合わせの有効投与量を投与することを含む、方法。
  27. 前記方法が、心血管イベントのリスクを低下させる、請求項26に記載の方法。
  28. 高脂血症若しくは混合型脂質異常症に罹患しているか又はそのリスクが増大している、部分的に又は完全にスタチン不耐性の対象の治療に使用するための医薬の製造における、請求項1~27のいずれかに記載の医薬組成物又は治療的組み合わせの使用。
  29. 前記使用が、心血管イベントのリスクを低下させる、請求項28に記載の使用。
  30. 心血管疾患に罹患しているか又は心血管疾患のリスクが増大した、部分的に又は完全にスタチン不耐性の対象の治療に使用するための、CETP阻害剤、好ましくはオビセトラピブ及びエゼチミブを含む医薬組成物又は治療的組み合わせ。
  31. 心血管イベントのリスクを低下させるための、請求項30に記載の使用のための医薬組成物又は治療的組み合わせ。
  32. 前記対象の血液中のアポリポタンパク質B(ApoB)濃度を低下させるための、請求項27又は28に記載の使用のための医薬組成物又は治療的組み合わせ。
  33. エゼチミブと組み合わせて投与された場合のオビセトラピブによる相対的LDL-C低下が、単剤療法として投与された同じ用量のオビセトラピブによる相対的LDL-C低下と同様である、請求項27~29に記載の使用のための医薬組成物又は治療的組み合わせ。
  34. 前記組み合わせが、オビセトラピブ単剤療法と比較した場合に、オビセトラピブのLDL-C低下効果を減弱させない、請求項27~29に記載の使用のための医薬組成物又は治療的組み合わせ。
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