本開示で利用されるように、下記の用語は、特に示されていない限り、下記の意味を示すものと理解されるものとする。
「約」は、数を特定する場合、特に示されていない限り、その値または数の10%の上限または下限の範囲を意味する。特許請求の範囲については、均等論の適用に限定されることなく、各数字は、有効数字の数の記載およびその数字を得るために用いられた手法または方法(例えば、精神、サンプル調製など)などの因子を考慮して解釈されるべきである。
「投与する」または「投与」は、薬物、プロドラッグまたは治療剤を対象に付与する行為を意味する。典型的な投与経路は下記で説明される。
「急性痛風」は、少なくとも1つの痛風の症状(例えば、足部痛風または他の痛風関節炎、痛風発赤、痛風発作)に罹っている対象に現れる痛風を意味する。
「アルハロフェナート」は、(−)−ハロフェナート、すなわち、(−)−(R)−(4−クロロ−フェニル)−(3−トリフルオロメチル−フェノキシ)−酢酸 2−アセチルアミノ−エチルエステルを意味する。
「慢性痛風」は、再発性または長期の痛風発赤、痛風結節の形成、慢性炎症関節炎または痛風に関連する関節の悪化に罹っている対象に現れる痛風を意味し、急性痛風からの回復後および急性痛風発作の間(すなわち、痛風の間欠期)の期間が含まれる。
「組成物」または相互に交換可能である「製剤」は、化合物または薬物の比較的安定で所望される有用な形態を供する様々な賦形剤および有効成分の混合物を含有する調製物を意味する。
接頭語「d」および「l」または(+)および(−)は、化合物による平面偏光面の回転の表示を示すために用いられ、(+)またはd−は、化合物が「右旋性」であることを意味し、(−)またはl−は、化合物が「左旋性」であることを意味する。所定の化学構造については、これらの異性体または「光学異性体」は、それらが互いに鏡像である場合を除いて同一である。光学的に活性な化合物を記載する際、接頭語RおよびSは、そのキラル中心についての化合物の絶対配置を表示するために用いられる。絶対立体化学およびエナンチオマーの回転との間の命名については相関関係がない(すなわち、R−異性体はまた、l−異性体でありうる)。特定の光学異性体はまた、「エナンチオマー」とも称され、このような異性体の混合物は、「エナンチオマー」または「ラセミ」混合物と呼ばれることもある(例えば、A. Streitwiesser, & C.H. Heathcock, INTRODUCTION TO ORGANIC CHEMISTRY, 2nd Edition, Chapter 7 (MacMillan Publishing Co., U.S.A. 1981))。(−)−ハロフェナートの旋光[α]Dは、メチルアルコール中で測定した。
「血清尿酸レベルの上昇」は、正常より高い血清尿酸レベルを意味し、痛風に罹っている患者において、一般に、約6mg/dLより高いか、または同等である血清尿酸レベルを意味する。ある例において、血清尿酸レベルの上昇は、特定の世代または年齢の集団のような所定の集団の平均レベルより高いものである。
「有効量」は、(i)少なくとも部分的には、対象における所望の応答を達成するために;(ii)対象において治療される特定の状態の発症を遅延させ、または予防するために;あるいは(iii)対象において治療される特定の状態の進行を抑制し、または予防するために必要とされる量を意味する。特定の対象のための有効量は、治療されるべき対象の健康状態および身体状態、治療されるべき個体の分類群、所望される保護の程度、組成物の製剤化、医学的状況の評価および他の関連する因子に応じて変動する。その量は、所定の試験によって調べることができる比較的広範囲で定まることが予想される。
「第1の尿酸低下薬」は、式(I)、(II)、(III)または(IV)のいずれかの化合物、あるいはその医薬的に許容される塩またはプロドラッグを意味する。
「痛風」は、尿酸の過剰産生または尿酸を排出する腎臓の能力低下による尿酸の蓄積に最も高い頻度で付随する障害または症状の一群を意味する。痛風は、関節(痛風関節症)または柔組織(痛風結節)における尿酸の結晶(尿酸またはその塩、例えば、尿酸モノナトリウム)の蓄積によって特徴付けられることが多い。本明細書で用いられる「痛風」には、急性痛風、慢性痛風、中等度痛風、難治性痛風および重症痛風が含まれる。
「痛風関連炎症」は、尿酸血症の蓄積に対する免疫応答に起因する局所または全身の炎症を意味する。
「ハロフェナート」は、式(III)の化合物、すなわち、(4−クロロフェニル)−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)−酢酸2−アセチルアミノエチルエステル(4−クロロフェニル−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)−酢酸の2−アセトアミドエチルエステルとも称される)を意味する。用語ハロフェナートおよびこれに対応する化学名には、他に特定されていない限り、式(III)の化合物の(+)および(−)エナンチオマーの両方、ならびにこれらの混合物が含まれる。
「ハロフェン酸(halofenic acid)」および「CPTA」は、式(IV)の化合物、すなわち、4−クロロフェニル−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)−酢酸[2−(4−クロロフェニル)−2−(3−(トリフルオロメチル)フェノキシ)酢酸とも称される]ならびにその医薬的に許容される塩を意味する。用語ハロフェン酸およびこれに対応する化学名には、他に特定されていない限り、式(IV)の化合物の(+)および(−)エナンチオマーの両方、ならびにこれらの混合物が含まれる。
「高尿酸血症」は、血清尿酸レベルの上昇を意味する(上記を参照のこと)。
「低級」は、式(I)および(II)の化合物の化学置換基、例えば、低級アラルコキシ、ジ−低級アルキルアミノ−低級アルコキシ、低級アルカンアミド、低級アルコキシ、ベンズアミド−低級アルコキシ、ウレイド−低級アルコキシ、N’−低級アルキル−ウレイド−低級アルコキシ、カルバモイル−低級アルコキシ、ハロフェノキシ置換低級アルコキシ、カルボニル−低級アルキルアミノ、N,N−ジ−低級アルキルアミノ−低級アルキルアミノ、ハロ置換低級アルキルアミノ、ヒドロキシ置換低級アルキルアミノ、低級アルカノイルオキシ置換低級アルキルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、フェニル−低級アルキル、低級アルカンアミド−低級アルキルおよびベンズアミド−低級アルキルを記載するために用いられる場合、1〜6個の炭素原子を有する基を意味する。例えば、「低級アルコキシ」は、C1−6アルコキシを意味する。
「中等度痛風」は、過去12ヶ月の間に少なくとも2回の痛風発赤に罹っている対象中に出現する痛風を意味する。
「医薬的に許容される」は、一般に安全で、非毒性で、生物学的にも不適切でもない、医薬組成物を調製する際に有用であるものを意味し、獣医学的またはヒト医薬的用途に許容可能であるものが含まれる。
「医薬的に許容される塩」には、医薬的に許容される酸付加塩および医薬的に許容される塩基付加塩が含まれ、溶媒和および非溶媒和の両方の形態が含まれる。医薬的に許容される塩の代表的な非限定的な記載は、S.M. Berge et al., J.Pharma Sci., 66(1), 1-19 (1977)およびRemington: The Science and Practice of Pharmacy, R. Hendrickson, ed., 21st edition, Lippincott, Williams & Wilkins, Philadelphia, PA, (2005)の第732頁の表38−5に見出すことができ、これらの両方は、出典明示により本明細書に取り込まれる。
「医薬的に許容される酸付加塩」は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、ならびに酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸などの有機酸と形成された塩を意味する。
「医薬的に許容される塩基付加塩」は、無機塩基または有機塩基を遊離酸に加えることによって調製された塩を意味する。無機塩基に由来する塩としては、以下に限定されないが、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、マンガン塩、アルミニウム塩などが挙げられる。有機塩基に由来する塩としては、以下に限定されないが、第一級、第二級および第三級アミン、置換アミン(天然に存在する置換アミンを含む)、環状アミンおよび塩基性イオン交換樹脂、例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N−エチルピペリジン、ポリアミン樹脂などの塩が挙げられる。
「難治性痛風」は、(1)第1の尿酸低下薬ではない1つまたはそれ以上の第2の尿酸低下薬、または(2)第2の尿酸低下薬ではなく第1の尿酸低下薬のいずれかで投与された後、反応しないか、もしくは反応性に乏しく、または有害事象を経験し、もしくは経験するリスクの高い患者における痛風を意味する。本明細書中の用語「反応しない」および「反応性に乏しい」には、(1)血清尿酸が低下しないか、もしくはほとんど低下せず、(2)(例えば、医師または他の医療従事者によって決定されるような)目標の血清尿酸レベルへの達成の失敗、および(3)1つまたはそれ以上の痛風の状態もしくは症状、例えば、痛風発赤、痛風結節、痛風関節炎または血清尿酸レベルが低いにもかからず付随する他の状態の持続が含まれる。
「第2の尿酸低下薬」は、第1の尿酸低下薬ではなく、血清尿酸レベルを低下させる治療剤を意味する。第2の尿酸低下薬には、血清尿酸を低下させる現在利用可能な薬剤(すなわち、本願の出願日時点でFDAまたは他の適当な当局によって認可されている薬剤)ならびに現在開発中または当局の審査中の化合物が含まれる。第2の尿酸低下薬の例は、下記で提供される。
「対象」および「患者」は、例えば、哺乳類(ヒトを含む)、他の霊長類、愛玩動物(例えば、イヌ、ネコ)、家畜動物(例えば、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ)、ラットおよびマウスを意味する。
「重症痛風」は、関節、皮膚または腎臓における結節性沈着を有する対象に存在する痛風を意味し、これらは、慢性関節炎、関節破壊、皮下痛風結節または腎不全を生じ、ある場合には、後に変形および/または身体障害を生じる。
「実質的に含まない」は、対応する(+)エナンチオマー(すなわち、(+)−ハロフェナート、(+)−ハロフェン酸またはその塩)を実質的に含まない(−)−ハロフェナートまたは(−)−ハロフェン酸(またはその塩)について用いられる場合、(+)エナンチオマーに対して高い割合で化合物の(−)エナンチオマーを含有する組成物を意味する。1の実施態様において、前記用語は、組成物に含まれる化合物が、重量比で、少なくとも85%の(−)エナンチオマーおよび15%以下の(+)エナンチオマーであることを意味する。1の実施態様において、前記用語は、組成物に含まれる化合物が、重量比で、少なくとも90%の(−)エナンチオマーおよび10%以下の(+)エナンチオマーであることを意味する。他の実施態様において、前記用語は、組成物中に含まれる化合物が、重量比で、少なくとも91%の(−)エナンチオマーおよび9%以下の(+)エナンチオマー、少なくとも92%の(−)エナンチオマーおよび8%以下の(+)エナンチオマー、少なくとも93%の(−)エナンチオマーおよび7%以下の(+)エナンチオマー、少なくとも94%の(−)エナンチオマーおよび6%以下の(+)エナンチオマー、少なくとも95%の(−)エナンチオマーおよび5%以下の(+)エナンチオマー、少なくとも96%の(−)エナンチオマーおよび4%以下の(+)エナンチオマー、少なくとも97%の(−)エナンチオマーおよび3%以下の(+)エナンチオマー、少なくとも98%の(−)エナンチオマーおよび2%以下の(+)エナンチオマー、あるいは少なくとも99%の(−)エナンチオマーまたは99%以上の(−)エナンチオマーであることを意味する。他の割合の(−)および(+)エナンチオマーもまた提供されうる。これらの割合は、組成物中の化合物の両方のエナンチオマーの総量と比較したエナンチオマーの量に基づくものである。
「治療上有効な用量」、「治療上有効な量」または相互に交換可能な「薬理学的に許容される用量」および「薬理学的に許容される量」は、十分量の治療剤またはその代謝物が、所望される結果を達成するために、例えば、尿酸レベルを目標の値まで低下させ、またはその様々な型の痛風を治療し、または高尿酸血症に関連する障害を治療するために存在することを意味する。
疾患、障害、病気または症状の「治療」および「治療する」は、(1)疾患、障害または病気を発症するリスクを予防し、または軽減し、すなわち、疾患、障害または病気の臨床症状を、疾患、障害または病気に晒されるか、または罹りやすいが、疾患、障害または病気の症状をまだ経験していないか、または示していない対象において、発症させなくし(すなわち、予防し);(2)疾患、障害または病気を抑え、すなわち、疾患、障害または病気あるいはその臨床症状の発症を停止させ、または軽減し;ならびに(3)疾患、障害または病気を緩和し、すなわち、疾患、障害または病気を退行、反転もしくは改善させ、またはその臨床症状の数、頻度、期間もしくは重症度を減少させることを意味する。用語「管理」は、同意語として用いられうる。
「尿酸塩」は、尿酸(7,9−ジヒドロ−1H−プリン−2,6,8(3H)−トリオン)ならびにそのイオンおよび塩を意味する。
本出願は、高尿酸血症の治療のための、すなわち血清尿酸レベルを低下させるための組成物、キットおよび方法を記載する。本開示の1の態様は、第1の尿酸低下薬および第2の尿酸低下薬を含む組成物に関するものであって、前記記第1の尿酸低下薬が、式(I)
(I)
[式中、Rは、ヒドロキシ、低級アラルコキシ、ジ−低級アルキルアミノ−低級アルコキシ、低級アルカンアミド−低級アルコキシ、ベンズアミド−低級アルコキシ、ウレイド−低級アルコキシ、N’−低級アルキル−ウレイド−低級アルコキシ、カルバモイル−低級アルコキシ、ハロフェノキシ置換低級アルコキシ、カルバモイル置換フェノキシ、カルボニル−低級アルキルアミノ、N,N−ジ−低級アルキルアミノ−低級アルキルアミノ、ハロ置換低級アルキルアミノ、ヒドロキシ置換低級アルキルアミノ、低級アルカノイルオキシ置換低級アルキルアミノ、ウレイドおよび低級アルコキシカルボニルアミノからなる群から選択され;ならびに、各Xは、独立して、ハロゲンである]
の化合物またはその医薬的に許容される塩であるものである。
ある態様において、前記第1の尿酸低下薬は、式(II)
(II)
[式中、R
2は、フェニル−低級アルキル、低級アルカンアミド−低級アルキルおよびベンズアミド−低級アルキルからなる群から選択され;ならびに、各Xは、独立して、ハロゲンである]
の化合物またはその医薬的に許容される塩である。
他の態様において、第1の尿酸低下薬は、ハロフェナートとも呼ばれる、式(II)
(III)
の化合物またはその医薬的に許容される塩である。
他の態様において、第1の尿酸低下薬は、ハロフェン酸とも呼ばれる、式(IV)
(IV)
の化合物またはその医薬的に許容される塩である。
本明細書における式および実施例中の原子価を満たしていない炭素原子のいずれもが原子価を満たすように水素原子を有するものとされることに留意すべきである。
ある実施態様において、前記化合物は、下記により詳細に説明されるように、投与後に化学反応により式(IV)の化合物またはその医薬的に許容される塩を生じる化合物である。
別の態様は、血清尿酸レベルの上昇に関連する障害の治療方法であって、第1の尿酸低下薬および第2の尿酸低下薬を含む医薬組成物をそれを必要とする対象に投与することを特徴とし、前記第1の尿酸低下薬が、式(I)、(II)、(III)または(IV)の化合物あるいはその医薬的に許容される塩である方法について提供する。別の態様は、対象における血清尿酸レベルを低下させる方法であって、第1の尿酸低下薬および第2の尿酸低下薬を含む医薬組成物をそれを必要とする対象に投与することを特徴とし、前記第1の尿酸低下薬が、式(I)、(II)、(III)または(IV)の化合物またはその医薬的に許容される塩である方法を提供する。
ある実施態様において、前記第1の尿酸低下薬は、(−)−ハロフェナート(すなわち、(−)−(R)−(4−クロロ−フェニル)−(3−トリフルオロメチル−フェノキシ)−酢酸2−アセチルアミノ−エチルエステル(アルハロフェナートとも称される)である。他の実施態様において、前記第1の尿酸低下薬は、(−)−ハロフェン酸(すなわち、(−)−4−クロロフェニル−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)酢酸)またはその医薬的に許容される塩である。ある実施態様において、前記(−)−ハロフェナート、(−)−ハロフェン酸またはその医薬的に許容される塩は、対応する(+)エナンチオマーを実質的に含まない。
式(I)、(II)、(III)または(IV)の化合物のエナンチオマー(立体異性体)およびその医薬的に許容される塩は、可能な限り方法におけるそれらの単一のエナンチオマー形態の反応剤または試薬または触媒を用いることにより、あるいはキラル酸またはキラル塩基と形成されたジアステレオマー塩を分割する微生物分割およびキラル担体の使用を含む従来の方法を用いて立体異性体の混合物を分割することにより、製造することができる。出典明示によりその全体が本明細書に取り込まれる米国特許第7,199,259号(Daugs)、米国特許第6,646,004号;第6,624,194号;第6,613,802号;および第6,262,118号(各々、Luskeyら)、米国特許第7,714,131号(Zhuら)、米国特許第7,432,394号(Chengら)および米国特許第2010/0093854号(Brogginiら)もまた参照のこと。
(3−トリハロメチルフェノキシ)(4−ハロフェニル)酢酸誘導体のラセミ混合物の化学合成はまた、出典明示によりその教示が本明細書に取り込まれる米国特許第3,517,050号に記載の方法によって実施することができる。各エナンチオマーは、当業者に公知であり、用いられる従来の手法を用いて、エナンチオマーのラセミ混合物の分割によって得ることができる。例えば、Jaques, J., et al., in Enantiomers, Racemates, and Resolutions, John Wiley and Sons, New York (1981)を参照のこと。当業者に公知の分割の他の標準的な方法(以下に限定されないが、単純結晶化およびクロマトグラフ分割を含む)を用いることもできる(例えば、Stereochemistry of Carbon Compounds (1962) E.L.Eliel, McGraw Hill; J.Lochmuller, Chromatography, 113, 283-302 (1975))。また、ハロフェナート、ハロフェン酸またはその医薬的に許容される塩、すなわち、光学的に純粋な異性体は、酵素生体触媒的な分割によってラセミ混合物から調製することができる。酵素生体触媒的な分割は、一般に、以前に公開されている(例えば、出典明示により本明細書に取り込まれる米国特許第5,057,427号および第5,077,217号を参照のこと)。エナンチオマーを取得するための他の一般的な方法には、立体特異的合成法が含まれる(例えば、A.J.Li et al., Pharm.Sci.86, 1073-77 (1997)を参照のこと)。
ある実施態様は、ハロフェナートまたはハロフェン酸の医薬的に許容される塩を含む組成物を提供する。治療剤の中和形態は、従来の手法で、塩を塩基または酸と接触させ、親の治療剤を単離することによって再生されうる。治療剤の親の形態は、極性溶媒中の溶解度などの一定の物理的特性において各種塩形態で異なるが、これらの塩は親形態が同一である。
第2の尿酸低下薬は、血清尿酸レベルを低下させる他の薬剤(すなわち、本明細書で定義される第1の尿酸低下薬ではない)でありうる。これらの第2の尿酸低下薬には、尿酸生成阻害剤(例えば、キサンチンオキシダーゼ阻害剤およびプリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤)、尿酸排泄薬およびウリカーゼが含まれる。
例えば、ある実施態様において、第2の尿酸低下薬は、キサンチンオキシダーゼ阻害剤である。キサンチンオキシダーゼ阻害剤は、尿酸の合成を減少させることによって血中の尿酸の量を低下させる。キサンチンオキシダーゼは、プリン代謝および尿酸レベルを下げる酵素の阻害に関連する。キサンチンオキシダーゼ阻害剤としては、下記に限定されないが、アロプリノール、フェブキソスタット、オキシプリノール、チソプリン、イノシトールおよびプロポリスが挙げられる。ある実施態様において、キサンチンオキシダーゼ阻害剤は、アロプリノール、フェブキソスタット、オキシプリノール、チソプリン、イノシトール、フィチン酸、ミオイノシトール、ケンフェロール、ミリセチン4およびケルセチンである。キサンチンオキシダーゼ阻害剤であるアロプリノール(1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン)は、尿酸レベルを低下させるための治療の現在の第一選択標準薬である。別のキサンチンオキシダーゼ阻害剤であるフェブキソスタット(2−(3−シアノ−4−イソブトキシフェニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボン酸)は、2009年2月に痛風の治療に対して認可された。1の実施態様において、ハロフェナート、ハロフェン酸またはその医薬的に許容される塩は、アロプリノールの投与前、同時にまたは後に投与される。1の実施態様において、ハロフェナート、ハロフェン酸またはその医薬的に許容される塩は、フェブキソスタットの投与前、同時にまたは後に投与される。
他の実施態様において、第2の尿酸低下薬は、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ(PNP)阻害剤である。プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤は、高尿酸血症、痛風および関連する障害に罹っている患者の血清尿酸レベルを低下させるための比較的新しいアプローチを示すものである。ある実施態様において、前記PNP阻害剤は、フォロデシン(BCX−1777)(BioCryst Pharmaceuticals,Inc.)である。他の実施態様において、前記PNP阻害剤は、BCX−4208(7−(((3R,4R)−3−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン)(BioCryst Pharmaceuticals,Inc.)である。40、80、120、160および240mg/日で投与されたBCX4208単剤治療は、痛風患者における血清尿酸を急速にかつ顕著に減少させることが示された。
ある実施態様において、第2の尿酸低下薬は、尿酸排泄薬である。尿酸排泄薬は、尿酸の腎排泄を高め、一般に、例えば、尿酸輸送体、例えば、SLC22A12を阻害することにより、腎近位尿細管から血液に戻る尿酸の吸収を低下させることによって作用する。。尿酸排泄薬としては、以下に限定されないが、プロベネシド、2−((5−ブロモ−4−(4−シクロプロピルナフタレン−1−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)チオ)酢酸(RDEA594,lesinurad)、カリウム 4−(2−((5−ブロモ−4−(4−シクロプロピルナフタレン−1−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)チオ)アセトアミド)−3−クロロベンゾエート(RDEA806)、RDEA684、ベンズブロマロン、スルフィンピラゾン、アムロジピン、アトルバスタチン、フェノフィブラート、グアイフェネシン、ロサルタン、副腎皮質刺激ホルモンおよびコルチゾンが挙げられる。プロベネシドは、米国で最も一般的に用いられる尿酸排泄薬であり、アロプリノールと組み合わせて痛風患者に付与されうる。ベンズブロマロンおよびスルフィンピラゾンはまた、第一選択尿酸排泄薬として用いられる。グアイフェネシン、ロサルタン、アトルバスタチン、アムロジピン、副腎皮質刺激ホルモン(ACTHまたはコルチコトロピン)、フェノフィブラートおよびコルチゾンはまた、尿酸排泄性効果を有する。1の実施態様において、第1の尿酸低下薬(例えば、(−)−ハロフェナート、(−)−ハロフェン酸またはその医薬的に許容される塩)は、尿酸排泄薬の投与前、同時にまたは後に投与される。1の実施態様において、第1の尿酸低下薬(例えば、(−)−ハロフェナート、(−)−ハロフェン酸またはその医薬的に許容される塩)は、プロベネシド、ベンズブロマロンまたはスルフィンピラゾンの投与の前、同時にまたは後に投与される。
ある実施態様において、第2の尿酸低下薬は、ウリカーゼ酵素またはそのフラグメントもしくはペグ化誘導体である。ウリカーゼまたは尿酸オキシダーゼ酵素は、ヒトではない多くの哺乳類で見出される。それらは、尿酸を、尿中に容易に排出される良性代謝物であるアラントインに変換することによって尿酸レベルを低下させることができる。ウリカーゼ酵素としては、以下に限定されないが、ラスブリカーゼまたはペグ化ウリカーゼ酵素(PEG−ウリカーゼ)が挙げられる。ある実施態様において、ペグ化ウリカーゼ酵素は、従来の治療に不応である成人患者における慢性痛風の治療に対して米国で認可されているKrystexxa(登録商標)(PURICASE(登録商標);pegloticase)(Savient Pharmaceuticals,Inc.)である。
本開示はまた、血清尿酸レベルの上昇に関連する1つまたはそれ以上の障害(すなわち、高尿酸血症)の治療方法であって、第1の尿酸低下薬(前記第1の尿酸低下薬は、式(I)、(II)、(III)または(IV)の化合物またはその医薬的に許容される塩である)および第2の尿酸低下薬を含む医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを特徴とする方法を提供する。高尿酸血症に関連する障害としては、以下に限定されないが、痛風;急性痛風;慢性痛風;中等度痛風;難治性痛風;重症痛風;尿路、腎実質、柔組織、関節、軟骨または骨における尿酸結晶の蓄積;尿路結石症;尿酸腎障害;痛風結節;足部痛風;急性炎症痛風関節炎;関節破壊;尿路感染;腎不全;慢性腎臓疾患;腎結石;局所炎症;全身炎症;免疫関連障害;循環器疾患(末梢血管性疾患、冠動脈疾患および脳血管疾患を含む);インスリン耐性;糖尿病;脂肪肝疾患;認知症(血管性認知症を含む);脂質異常症;妊娠高血圧腎症;高血圧症;肥満症;筋痙縮;限局性腫脹;疼痛(関節痛を含む)、筋疲労;およびストレス感情が挙げられる。
様々な因子により、患者が痛風に罹るか、またはその症状の1つまたはそれ以上を経験するリスクが増加する。高尿酸血症に加えて、これらの因子には、肥満症、糖尿病、慢性腎不全、高血圧症、利尿薬および一定の他の薬(例えば、サリチル酸塩、ピラジンアミド、エタンブトール、ニコチン酸、サイクロスポリン、2−エチルアミノ−1,3,4−チアジアゾール、フルクトースおよび細胞毒性剤)の使用、過食もしくは絶食、高プリン体を含有する食事、高フルクトースを含有する食事、鉛暴露、赤身肉およびタンパク質の摂取、アルコール摂取、ならびに傷害または最近の外科手術が挙げられる。急性痛風は、外科手術の患者における周術期ケトーシス、(例えば、就寝中の)体温の低下によって、ならびに(例えば、利尿薬の使用による)脱水症によって引き起こされうる。痛風および高尿酸血症についての一般的なリスク因子についても同定されている。
様々な実施態様において、本明細書に記載の方法は、前記病気または障害のいずれかを治療するために用いられうる。すなわち、1の実施態様において、血清尿酸レベルの上昇に関連する障害は、痛風である。ある実施態様において、前記対象は、急性痛風に罹っている。ある実施態様において、前記対象は、慢性痛風に罹っている。ある実施態様において、前記対象は、中等度痛風に罹っている。ある実施態様において、前記対象は、難治性痛風に罹っている。ある実施態様において、前記対象は、重症痛風に罹っている。例えば、ある方法は、痛風に罹っている対象における高尿酸血症の治療または管理を提供する。ある方法は、第1の尿酸低下薬および第2の尿酸低下薬を含む医薬組成物を投与することを特徴とする、痛風に罹っている対象における高尿酸血症の治療または管理を提供する。ある実施態様において、第1の尿酸低下薬は、(−)−ハロフェナート、(−)−ハロフェン酸またはその医薬的に許容される塩である。ある実施態様において、治療は、約4週間またはそれ以上、約1ヶ月間またはそれ以上、約12週間またはそれ以上、約3ヶ月間またはそれ以上、約6ヶ月間またはそれ以上、約1年間またはそれ以上、約2年間またはそれ以上、約5年間またはそれ以上、約10年間またはそれ以上でありうる。ある実施態様において、治療は、無期限、例えば、対象の人生の余生の間でありうる。ある実施態様において、第2の尿酸低下薬は、尿酸合成阻害剤、ウリカーゼおよび尿酸排泄薬、ならびにその医薬的に許容される塩からなる群から選択される。ある実施態様において、第2の薬剤は、アロプリノールまたはフェブキソスタットでありうる。
様々な実施態様において、前記方法には、痛風を治療することが含まれる。ある実施態様において、前記方法は、痛風発赤を予防することによって痛風を治療することを特徴とする。別の実施態様において、前記方法は、1つまたはそれ以上の痛風発赤の回数、頻度、期間または重症度を減少させることを特徴とする。別の実施態様において、前記方法は、尿酸結晶の形成を予防し、減らし、または反転させることを特徴とする。尿酸結晶の治療方法のある実施態様において、前記尿酸結晶は、1つまたはそれ以上の関節、皮下および腎臓で形成される。ある実施態様において、前記形成には、痛風結節の蓄積が含まれる。ある実施態様において、前記対象は、痛風結節の吸引または炎症関節の滑液の吸引によって調べられる尿酸結晶の形成を有する。別の実施態様において、前記方法は、尿酸の負荷を低下させることを特徴とする。別の実施態様において、前記方法は、痛風結節の大きさまたは数を減少させることを特徴とする。痛風結節の大きさまたは数は、公知の方法、例えば、CTスキャンの使用によって評価されうる。
本出願はまた、血清尿酸レベルを低下させ、血清尿酸レベルの上昇に関連する障害に罹っている対象を治療し、および痛風に罹っている対象、難治性痛風に罹っている対象における高尿酸血症を治療する方法を提供する。ある実施態様において、前記対象は、アロプリノール、2−((5−ブロモ−4−(4−シクロプロピルナフタレン−1−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)チオ)酢酸(RDEA594,lesinurad)、2−(3−シアノ−4−イソブトキシフェニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボン酸(フェブキソスタット)またはBCX4208に無効である。ある実施態様において、前記対象は、アロプリノールに無効である。例えば、1の実施態様において、前記対象は、100mg/日〜800mg/日(例えば、100mg/日〜300mg/日)で約1ヶ月間またはそれ以上、約3ヶ月間またはそれ以上、約1年間またはそれ以上など投与されたアロプリノールに無効である。ある実施態様において、前記対象は、フェブキソスタットに無効である。例えば、1の実施態様において、前記対象は、40mg/日〜120mg/日で約1ヶ月間またはそれ以上、約3ヶ月間またはそれ以上、約1年間またはそれ以上など投与されたフェブキソスタットに無効である。ある実施態様において、前記対象は、軽度または中等度の慢性腎臓疾患(CKD−3)に罹っている。他の実施態様において、対象は、重症慢性腎臓疾患(CKD4)に罹っている。他の実施態様において、前記対象は、アスピリンまたは利尿療法中である。
痛風に罹っているか、または痛風を発症するリスクのある患者は、痛風発赤を治療し、または管理するために、非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDS)、コルヒチン、ステロイドまたは類似薬などの薬剤で投与されうることが当業者に認識される。よって、本明細書に記載のある実施態様において、前記対象はまた、NSAID、コルヒチンまたはステロイドなどの薬剤で投与されてもよい。
本明細書に記載の方法は、投与後に化学反応により、式(IV)の化合物またはその塩を生じる化合物の投与によって行われうる。このような化合物には、式(IV)の化合物のプロドラッグが含まれる。化合物のプロドラッグは、インビボで切断されて、親化合物または活性な代謝物を遊離しうるように、化合物中に存在する官能基を改変することによって調製される。例えば、プロドラッグには、化合物中のヒドロキシ、アミノまたはスルフヒドリル基が、インビボで切断されて、それぞれ、遊離のヒドロキシル、アミノまたはスルフヒドリル基を再生しうる基に結合する化合物が含まれる。一定のプロドラッグは、実施態様の化合物が対象に投与されると(例えば、経口投与した化合物を血液中により吸収しやすくすることによって)、このような化合物のバイオアベイラビリティを増加させ、あるいは親の種と比較して、一定の臓器または組織(例えば、腎臓、脂肪の組織、肝臓、筋肉または関節)に対する親化合物の送達を高めうる。より具体的には、式(IV)の化合物のプロドラックには、式(IV)の化合物のヒドロキシ官能基のエステル、アミドおよびカルバメート(例えば、N,N−ジメチルアミノカルボニル)が含まれる。式(I)、(II)および(III)の化合物は、式(IV)のプロドラッグの非限定的な例である。プロドラッグのさらなる例は、J.Rautio et al. Prodrugs: design and clinical applications, Nat.Rev.Drug Discov., 7, 255-270 (2008); Edward B. Roche, ed., Bioreversible Carriers in Drug Design, American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, (1987);およびT.Higuchi and V.Stella, Pro-drugs as Novel Delivery Systems, Vol.14 of the A.C.S.Symposium Series (1975)中に見出すことができ、その各々は出典明示により本明細書に取り込まれるものである。
様々な実施態様において、本明細書に記載の組成物、方法およびキットは、本明細書に記載の方法で投与する前の対象における血清尿酸レベルと比較して、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%またはそれ以上に対象における血清尿酸レベルを低下させる。様々な実施態様において、血清尿酸レベルは、約5%〜約50%まで低下され、約25%〜約75%に低下され、または約50%〜約99%に低下される。血清尿酸レベルを調べるための方法は、当該技術分野で周知であり、血液血清試料の標準的な化学パネルの一部として測定されることがよくある。
ある実施態様において、本開示の組成物、方法およびキットは、本明細書に記載の方法または組成物を投与する前の対象における血清尿酸レベルと比較して、約7mg/dLまたはそれ以下に、約6.8mg/dLまたはそれ以下に、約6mg/dLまたはそれ以下に、約5mg/dLまたはそれ以下に、約4mg/dLまたはそれ以下に、または約3mg/dLまたはそれ以下に対象における血清尿酸レベルを低下させる。ある実施態様において、本開示の方法は、本明細書に記載の方法または組成物を投与する前の対象における血清尿酸レベルと比較して、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5または10.0mg/dL、あるいはこれら以上に対象における血清尿酸レベルを低下させる。さらなる実施態様において、本明細書に記載の方法は、0.1〜10.0mg/dL、0.5〜6.0mg/dL、1.0〜4.0mg/dLまたは1.5〜2.5mg/dLに血清尿酸レベルを低下させる。適当な血清尿酸レベルは、対象によって変動し、ならびに対象の総体的な病状に応じて時間経過とともに所定の対象について変動しうる。同様に、共通の病状を示すある群の対象の適当な血清尿酸レベルは、異なる病状を示す異なる群の対象とは相違しうる。よって、対象の所定の群の血清尿酸レベルを、例えば、約5mg/dL以下に低下させ、対象の別の群の血清尿酸レベルを、例えば、約4mg/dL以下に低下させることが望まれうる。ある実施態様において、本開示の方法は、一定の期間、例えば、約4週間またはそれ以上、約1ヶ月間またはそれ以上、約3ヶ月間またはそれ以上、約1年間またはそれ以上、約2年間またはそれ以上などにわたり、対象における血清尿酸レベルを、血清尿酸の上昇に関連する1つまたはそれ以上の障害の消失、軽減、寛解または発症の予防となるように十分な量まで低下させる。例えば、前記方法は、約4週間またはそれ以上、約1ヶ月間またはそれ以上、約3ヶ月間またはそれ以上、約1年間またはそれ以上、約2年間またはそれ以上などにわたり、痛風結節の消滅または軽減となるように十分な量まで対象における血清尿酸レベルを低下させることができる。
さらなる実施態様において、本開示の方法は、第1の尿酸低下薬および第2の治療薬を含む医薬組成物を、血清尿酸レベルが、少なくとも約4mg/dL、少なくとも約5mg/dL、少なくとも約6mg/dL、少なくとも約6.8mg/dL、少なくとも約7mg/dL、少なくとも約8mg/dL、少なくとも約9mg/dL、少なくとも約10mg/dLまたは少なくとも約11mg/dLである患者に投与することを特徴とする。再度、適当な血清尿酸レベルの低下量は、患者に応じて、患者の全体の病状に応じて変動しうる。同様に、共有の病状を示す対象のある群の適当な血清尿酸レベルの低下量は、異なる病状を示す対象の別の群とは異なりうる。
本明細書に開示の治療剤およびその組み合わせは、具体的な事例に依存しうる量で投与されると、治療活性を示すものと考えられる。量の変動は、例えば、治療される対象および選択される活性成分に依存しうる。広範囲の用量が適用可能でありうる。投薬計画は、最適な治療反応を供するように調整されうる。例えば、数回の分割用量は、1日1回、1週間に1回、1ヶ月に1回または他の適切な時間間隔で投与されうるか、または該用量は、状況の緊急性に示されるように比例的に減少されうる。このような用量は、多くの変数、以下に限定されることはないが、用いられる1つまたはそれ以上の活性成分、治療されるべき疾患または病気、投与様式、各対象の条件、治療される疾患または障害の重症度、ならびに医者の判断によって適宜変動してもよい。
全体を通して記載されるように、本開示は、第1および第2の尿酸低下薬(これらの第1および第2の尿酸低下薬は、上記に記載される)の組み合わせ治療および同時投与の方法が考慮されるものである。組み合わせ治療および同時投与は、両方の薬理学的効果が同時に対象に現れる形での2つの薬剤(すなわち、上記に記載の第1の薬剤および第2の尿酸低下薬)の投与を意味する。よって、このような投与は、単一の医薬組成物、同一タイプの製剤、同一の剤形または同一の投与経路が第1および第2の尿酸低下薬の両方の投与に用いられること、あるいは2つの薬剤が同時に投与されることを必要としない。このような投与は、実質的に同時に、同一の剤形および同一の投与経路によって最も利便的に行われうる。例えば、第1の尿酸低下薬、例えば、ハロフェナート、ハロフェン酸またはその医薬的に許容される塩、および第2の尿酸低下薬、例えば、キサンチンオキシダーゼ阻害剤(例えば、アロプリノールまたはフェブキソスタット)は、単一の経口投与組成物(例えば、錠剤またはカプセル剤)中で一緒にヒト対象に投与することができ、あるいは各薬剤は、別々の経口投与製剤で投与することができる。別々の製剤による1つの利点は、投薬時の自由度が高いことであり、すなわち、第1および第2の尿酸低下薬の用量が、独立して、迅速に、および容易に変更することができることである。別々の投与製剤が用いられる場合、第1および第2の尿酸低下薬は、必然的に同一時間に(すなわち、同時にまたは共に)、または別々に時間差で(すなわち、連続的に)投与することができる。
診断、症状およびある対象の治療目的などの因子に応じて、第1および第2の薬剤の広範囲の用量が考慮されうる。様々な実施態様において、前記第1の尿酸低下薬は、1日あたり約10mg〜約1000mgで投与されてもよく、前記第2の尿酸低下薬は、1日あたり約10mg〜約4000mgで投与されてもよい。例えば、ハロフェナート、ハロフェン酸またはその医薬的に許容される塩は、約100mg/日、約200mg/日、約300mg/日、約400mg/日、約500mg/日、約600mg/日、約700mg/日、約800mg/日、約900mg/日または約1000mg/日で投与されてもよい。
上記に記載されるように、ある実施態様において、前記第2の薬は、アロプリノールである。アロプリノールの現在推奨される1日投与量は、100mg/日ずつの100mg/日〜800mg/日である。本明細書に記載の第2の尿酸低下薬として投与される場合(すなわち、第1の尿酸低下薬も投与される場合)、アロプリノールの用量範囲は、上記で提供され、治療される対象に適するように、現在推奨される1日投与量の範囲内、それ以上、またはそれ以下でありうる。非限定的な例として、第1の尿酸低下薬がアルハロフェナート(すなわち、(−)−ハロフェナート)であり、第2の尿酸低下薬がアロプリノールである実施態様において、下記の1日投与量が投与されうる:アルハロフェナート 100mg/日、アロプリノール 50mg/日;アルハロフェナート 100mg/日、アロプリノール 100mg/日;アルハロフェナート 100mg/日、アロプリノール 200mg/日;アルハロフェナート 100mg/日、アロプリノール 300mg/日;アルハロフェナート 100mg/日、アロプリノール 400mg/日;アルハロフェナート 100mg/日、アロプリノール 600mg/日;アルハロフェナート 100mg/日、アロプリノール 800mg/日;アルハロフェナート 200mg/日、アロプリノール 50mg/日;アルハロフェナート 200mg/日、アロプリノール 100mg/日;アルハロフェナート 200mg/日、アロプリノール 200mg/日;アルハロフェナート 200mg/日、アロプリノール 300 mg/日;アルハロフェナート 200mg/日、アロプリノール 400mg/日;アルハロフェナート 200mg/日、アロプリノール 600mg/日;アルハロフェナート 200mg/日、アロプリノール 800mg/日;アルハロフェナート 300mg/日、アロプリノール 50mg/日;アルハロフェナート 300mg/日、アロプリノール 100mg/日;アルハロフェナート300mg/日、アロプリノール 200mg/日;アルハロフェナート 300mg/日、アロプリノール 300mg/日;アルハロフェナート 300mg/日、アロプリノール 400mg/日;アルハロフェナート 300mg/日、アロプリノール 600mg/日;アルハロフェナート 300 mg/日、アロプリノール 800mg/日;アルハロフェナート 400mg/日、アロプリノール 50mg/日;アルハロフェナート 400mg/日、アロプリノール 100mg/日;アルハロフェナート 400mg/日、アロプリノール 200mg/日;アルハロフェナート 400mg/日、アロプリノール 300mg/日;アルハロフェナート 400mg/日、アロプリノール 400mg/日;アルハロフェナート 400mg/日、アロプリノール 600mg/日;アルハロフェナート 400mg/日、アロプリノール 800mg/日;アルハロフェナート 600mg/日、アロプリノール 50mg/日;アルハロフェナート 600mg/日、アロプリノール 100mg/日;アルハロフェナート 600mg/日、アロプリノール 200mg/日;アルハロフェナート 600mg/日、アロプリノール 300mg/日;アルハロフェナート 600mg/日、アロプリノール 400mg/日;アルハロフェナート 600mg/日、アロプリノール 600mg/日;アルハロフェナート 600mg/日、アロプリノール 800mg/日。
上記にも記載されるように、ある実施態様において、第2の薬は、フェブキソスタットである。フェブキソスタットの現在推奨される1日投与量は、米国では、40mg/日または80mg/日であり、一定の他の国では、40mg/日、80mg/日または120mg/日である。本明細書に記載の第2の尿酸低下薬として投与される場合(すなわち、第1の尿酸低下薬もまた投与される場合)、フェブキソスタットの用量範囲は、上記で提供され、治療される対象に適するように、現在推奨される1日投与量の範囲内、それ以上、またはそれ以下でありうる。非限定的な例として、第1の尿酸低下薬がアルハロフェナート(すなわち、(−)−ハロフェナート)であり、第2の尿酸低下薬がフェブキソスタットである実施態様において、下記の1日投与量が投与されうる:アルハロフェナート 100mg/日、フェブキソスタット 20mg/日;アルハロフェナート 100mg/日、フェブキソスタット 40mg/日;アルハロフェナート 100mg/日、フェブキソスタット 80mg/日;アルハロフェナート 100mg/日、フェブキソスタット 120mg/日;アルハロフェナート 200mg/日、フェブキソスタット 20mg/日;アルハロフェナート 200mg/日、フェブキソスタット 40mg/日;アルハロフェナート 200mg/日、フェブキソスタット 80mg/日;アルハロフェナート 200mg/日、フェブキソスタット 120mg/日;アルハロフェナート 300mg/日、フェブキソスタット 20mg/日;アルハロフェナート 300mg/日、フェブキソスタット 40mg/日;アルハロフェナート 300mg/日、フェブキソスタット 80mg/日;アルハロフェナート 300mg/日、フェブキソスタット 120mg/日;アルハロフェナート 400mg/日、フェブキソスタット 20mg/日;アルハロフェナート 400mg/日、フェブキソスタット 40mg/日;アルハロフェナート 400mg/日、フェブキソスタット 80mg/日;アルハロフェナート 400mg/日、フェブキソスタット 120mg/日;アルハロフェナート 600mg/日、フェブキソスタット 20mg/日;アルハロフェナート 600mg/日、フェブキソスタット 40mg/日;アルハロフェナート 600mg/日、フェブキソスタット 80mg/日;アルハロフェナート 600mg/日、フェブキソスタット 120mg/日;アルハロフェナート 800mg/日、フェブキソスタット 20mg/日;アルハロフェナート 800mg/日、フェブキソスタット 40mg/日;アルハロフェナート 800mg/日、フェブキソスタット 80mg/日;アルハロフェナート 800mg/日、フェブキソスタット 120mg/日。
第1の尿酸低下薬および第2の尿酸低下薬の各々について上記に記載の範囲内の他の用量範囲は、容易に想定されうる。当業者であれば、治療剤が組み合わせて用いられる場合に、用量および投薬計画が調整されうることと認識する。このような組み合わせが用いられる場合、1つまたはそれ以上の薬剤の用量は、その1つまたはそれ以上の薬剤が単独で用いられる場合に所望される有効性に必要とされるレベル以下のレベルまで減少されうる。同様に、投薬計画は、例えば、1つまたはそれ以上の治療剤の投薬を同時にすることにより患者の使用およびコンプライアンスを高めるために改変されうる。あるいは、1つまたはそれ以上の治療剤の投薬計画は、例えば、一時に薬剤の合わせた投与を減らすために、逐次的でありうる。例えば、ある実施態様において、第2の尿酸低下薬(例えば、アロプリノール、フェブキソスタットまたは本明細書に記載の他の第2の尿酸低下薬)の用量は、第1の尿酸低下薬および第2の尿酸低下薬が投与される場合に現在推奨される用量より低いレベルに調整されうる。
用量漸増または増加プロトコールは、対象に投与するために適正または最適な用量を調べるために用いられてもよい。例えば、用量漸増または増加実験は、有効性および耐容性を改善する用量について選択しうる。用量漸増または増加は、所望の効果が達成されるまで投与される用量を徐々に調整することを可能にする。用量漸増は、投与される用量を徐々に減らしつつ、用量増加は、投与される用量を徐々に増やす。用量漸増または増加の方法は、当該技術分野で周知である。非限定的な例として、対象は、1日1回200mg/日でハロフェナート、ハロフェン酸またはその医薬的に許容される塩が投与され、血清尿酸レベルについて毎日測定されうる。用量は、例えば、1週間単位で増加されてもよく、または減少されてもよい。前記対象は、望ましい用量を見出すために、例えば、2〜12週間モニターされうる。
本明細書に記載の組成物、方法およびキットによれば、第1の尿酸低下薬および第2の尿酸低下薬は、両方の薬理学的効果が対象にほぼ同時に現れることが見込まれるように投与されうる。このような投与は、単一の医薬組成物、同一タイプの製剤、同一の剤形または同一の投与経路が、第1および第2の尿酸低下薬の両方の投与に用いられることを要せず、あるいは2つの薬剤が同時に投与されることを要しない。すなわち、様々な実施態様において、本明細書に記載の第1の尿酸低下薬および第2の尿酸低下薬は、単一製剤(例えば、経口投与のための単一の錠剤またはカプセル剤)中に存在していてもよく、他の実施態様において、第1の尿酸低下薬は、第1の製剤(例えば、第1の錠剤またはカプセル剤)中に存在していてもよく、第2の尿酸低下薬は、第2の製剤(例えば、第2の錠剤またはカプセル剤)中に存在していてもよい。前記製剤には、上記で供される例による用量で第1および第2の尿酸低下薬が含まれていてもよい。単一製剤(例えば、単一の錠剤またはカプセル剤)には、第1および第2の尿酸低下薬の1回の1日供給量またはその部分量、例えば、1日供給量の2分の1、1日供給量の3分の1、1日供給量の4分の1などが含まれうる。例えば、本明細書に記載の医薬組成物は、200mgのアルハロフェナートおよび150mgのアロプリノールを含む単一錠剤でありうる。さらなる例として、本明細書に記載の医薬組成物は、200mgのアルハロフェナートおよび40mgのフェブキソスタットを含む単一の錠剤中でありうる。本開示の範囲内の他の製剤は、容易に想定されうる。
単位製剤において、前記製剤は、1つまたはそれ以上の活性成分の適切な量を含有する単位用量に分けられていてもよい。ある実施態様において、前記単位用量は、製剤の別個の量を含有する包装の形態中である。非限定的な例としては、包装された錠剤またはカプセル剤、およびバイアルまたはアンプル中の散剤が挙げられる。ある実施態様において、水性懸濁液組成物は、単一用量の再密封できない容器中に包装される。あるいは、複数回用量の再密封容器が用いられ、この場合、組成物に保存剤が含まれるのが一般的である。例示に過ぎないが、非経口注射用製剤は、アンプルを含むがこれに限定されない単位製剤中、または保存剤を加えた複数回用量容器で提供される。錠剤、トローチ、丸剤、カプセル剤などはまた、下記に記載される構成成分を含有していてもよい:ゴム、アカシア、コーンスターチまたはゼラチンなどの結合剤;二リン酸カルシウムなどの賦形剤;コーンスターチ、ジャガイモデンプン、アルギニン酸などの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤;およびショ糖、乳糖またはサッカリンなどの甘味剤が加えられてもよく、またはペパーミント、ウィンターグリーン油またはチェリーフレーバーなどの香味剤。用量単位形態がカプセル剤である場合、上記タイプの物質に加えて、液体担体を含有していてもよい。様々な他の物質は、コーティング剤として、あるいは用量単位の物理的形態を改変するために含有されていてもよい。例えば、錠剤、丸剤またはカプセル剤は、シェラック、糖またはその両方でコーティングされていてもよい。シロップまたはエリキシル剤は、1つまたはそれ以上の活性成分、甘味剤としてショ糖、保存剤としてメチルおよびプロピルパラベン、色素およびチェリーまたはオレンジのフレーバーなどの香味剤を含有していてもよい。ある実施態様において、さらなる成分、例えば、非ステロイド系抗炎症薬またはコルヒチン、他の関連する適応症を治療するための成分、または人工着色剤などの不活性物質が加えられる。当然、いずれの用量単位形態を調製する際に用いられる物質は、用いられる量中で、医薬的に純粋であり、実質的に非毒性でなくてはならない。さらに、1つまたはそれ以上の活性成分が本明細書に記載されるような徐放性調製物または製剤に取り込まれうる。
本開示の医薬組成物は、1日1回(QD)、1日2回(BID)、1日3回(TID)または1日4回(QID)投与されうる。1の実施態様において、本開示の医薬組成物は、1日1回投与される(QD)。別の態様において、本開示の医薬組成物は、1日2回投与される(BID)。
この開示はまた、第1および第2の尿酸低下薬(これらの第1および第2の尿酸低下薬は上記に記載されるとおりである)を含む組成物を含むキットなどの製造の製品を記載する。ある実施態様において、キット中の第1の尿酸低下薬は、(−)−ハロフェナート (すなわち、アルハロフェナート)である。ある実施態様において、キット中の第2の尿酸低下薬は、アロプリノールである。他の実施態様において、キット中の第2の尿酸低下薬は、フェブキソスタットである。前記キットには、販売用に、本明細書に記載の方法を実施するのに十分な量で包装された組成物が含まれる。キットにはまた、本明細書に記載の1つまたはそれ以上の方法において、キット構成品を使用するための説明書(例えば、添付文書、包装表示など)が含まれうる。例えば、キットには、本明細書に記載の第1の尿酸低下薬および第2の尿酸低下薬の製剤、および前記製剤を処方し、投与し、あるいは使用して血清尿酸レベルを低下させるための説明書が含まれうる。ある実施態様において、キットは、前記医薬組成物の自己投与に使用する高尿酸血症または高尿酸血症に関連する障害(例えば、痛風)に罹っている患者のためのものであって、キットには、本明細書に記載の第1および第2の尿酸低下薬を含有する複数の製剤を包む容器、およびそれと共に薬の投与を行うための説明書が含まれる。1の実施態様において、キットには、本開示の方法を行うために十分な量で、上記で特定される1つまたはそれ以上の製剤中のハロフェナート、ハロフェン酸またはその医薬的に許容される塩を含む第1の製剤、および上記で特定される1つまたはそれ以上の製剤を含む少なくとも第2の製剤が含まれる。第2の製剤、およびさらなる製剤(例えば、第3、第4または第5の製剤)には、高尿酸血症障害(例えば、痛風)の治療のための本明細書に開示の活性成分が含まれうる。全ての製剤と共に、高尿酸血症に関連する障害(例えば、痛風)の治療のための治療上有効な量の各化合物が含まれうる。ある実施態様において、キットは、少なくとも1つの経口剤の自己投与に使用する高尿酸血症に関連する障害(例えば、痛風)に罹っている対象のためのものであって、前記キットには、複数の前記経口剤を包む容器、およびそれと共に薬の投与を行うための説明書が含まれる。本出願の実施態様は、提出された明細書、特許請求の範囲、これらの化合物の対応する医薬組成物、方法および使用の特徴によって特徴付けられる。
実施例1:臨床試験
これは、400〜600mgのアルハロフェナート(すなわち、(−)−ハロフェナート)の1日1回の経口投与をアロプリノールの300mgの経口投与と組み合わせた場合の安全性および有効性を評価するためのランダム化二重盲検プラセボ対照実験であって、アロプリノール単独に対して不適切な低尿酸血症(尿酸の低下)に罹っている約90人の痛風患者において行われる。これらの90人の患者のうちの約45人は、アロプリノール/オキシプリノール連続PK試料採取サブ実験に参加する。
90人の患者は、下記のように、全体で約30人ずつ3つの治療群各々に無作為に分ける(1:1:1):
1)アルハロフェナート 400mg(+アロプリノール 300mg)
2)アルハロフェナート 600mg(+アロプリノール 300mg)
3)プラセボ(+アロプリノール 300mg)
用量/経路/投薬計画
全ての治療群の患者は、痛風発赤の予防のためのバックグラウンド治療として、3週目から開始して最終の追跡調査来院まで、コルヒチン 0.6mgを経口で1日1回摂取する。全ての治療群の患者はまた、3週目から開始し、4週目に継続してアロプリノール 300mgを経口で1日1回摂取する。アロプリノール単独において血清尿酸を低下できない患者を本実験で無作為化する。
無作為化する治療投薬計画は以下である(1日目〜4週目):
・治療群#1:アルハロフェナート 400mg(+アロプリノール)
・治療群#2:アルハロフェナート 600mg(+アロプリノール)
・治療群#3:プラセボ(+アロプリノール)
解析
いずれかの投与群で治療を受け、主なPKデータが十分であると考えられ、解釈可能である全ての参加患者をPK解析で解析する。連続PKサブセットに含まれる患者について、アロプリノールおよびオキシプリノールの両方の用量でのアルハロフェナートの存在および非存在におけるアロプリノールおよびオキシプリノールの薬物動態は、必要に応じて、下記のPKパラメータを含む、繰り返し用量(3週,追跡調査5週)血漿濃度から決定する:
・暴露、または濃度時間曲線面積(AUC 0〜24,AUC 0〜最後,AUC 0〜inf)
・最大濃度(Cmax)
・最大濃度を達成するまでの時間(Tmax)
・最終排出半減期(t1/2)
安全性
安全性および耐容性の解釈は、臨床検査試験、12−リードECG、バイタルサイン、身体検査、同時に行う薬歴調査およびAE(1日目の投与前に捕捉された「AE」である医療事象を除く)を含む、実験を通して評価された安全性パラメータの判定に基づいて行われる。安全性データの報告が記載され、アルハロフェナートまたはアロプリノールの少なくとも1つの用量を受容する全ての患者が含まれる。記述解析には、重症度による作表、ならびに投薬前から投薬後の時点における臨床検査、バイタルサインおよび12−リードECG測定の実際のデータおよび変化を含む、治療群によるAEの事例およびタイプが含まれる。
薬力学
3つの治療群の各々の効果は、下記のエンドポイントについての基準点から選択された投薬後の各時点までの絶対的およびパーセント変化として評価する:
・治療4週目でのsUA
・sUA<6mg/dLを達成する患者の割合
・sUA<5mg/dLを達成する患者の割合
・sUA<4mg/dLを達成する患者の割合
実施例2:臨床試験
この実験は、痛風に罹っている患者における高尿酸血症の治療について、約10〜15人の痛風患者においてフェブキソスタットの80mgの経口投与と組み合わせた400〜600mgのアルハロフェナートの単一の経口投与量の安全性および有効性を評価する。
発赤予防のための毎日のコルヒチン0.6mgに加えて、全ての患者は、治療期間に下記の順にフェブキソスタットおよびアルハロフェナートを受容した:
・1〜7日目:フェブキソスタット 80mgを経口で1日1回(フェブキソスタットのみの期間)
・8〜21日目:フェブキソスタット 80mgとアルハロフェナート 400mgを経口で1日1回(フェブキソスタットとアルハロフェナート 400mgの期間)
・22〜35日目:フェブキソスタット 80mgとアルハロフェナート 600mgを経口で1日1回(フェブキソスタットとアルハロフェナート 600mgの期間)
sUAレベルは、各治療期間の最終日(7日目、21日目および35日目)に評価する;これらの日において、sUA試料は、4つの異なる時点で採取する:投薬前(空腹時)、投薬後2時間、投薬後6時間および投薬後10時間(夕食前)。
用量/経路/投薬計画
・コルヒチン:0.6mg/経口/毎日 16〜49日
・フェブキソスタット:80mg/経口/毎日 1〜35日
・アルハロフェナート:400mg/経口/毎日 8〜21日;600mg/経口/毎日 22〜35日
治療期間
・1期:スクリーニング期:1〜4週
・2期:馴らし(run-in)/安定期:≧2週
・3期:治療期:5週
・4期:追跡期:2週
解析
安全性
安全性および耐容性の解釈は、臨床検査試験、12−リードECG、バイタルサイン、医療事象、同時に行う薬歴調査およびAEを含む、実験を通して評価される安全性パラメータの査定に基づいて行う。安全性データの報告が記載され、アルハロフェナートの少なくとも1つの用量を受容する全ての患者が含まれる。記述解析には、重症度による作表、ならびに投薬前から投薬後の時点における臨床検査、バイタルサインおよび12−リードECG測定の実際のデータおよび変化を含む、治療群によるAEの事例およびタイプが含まれる。臨床的に顕著な異常の臨床検査データの記載が示される。症例記録表(CRF)で捕捉したECGおよび身体検査は、カテゴリー統計学的方法を用いてまとめる。
薬力学
フェブキソスタットとアルハロフェナートの組み合わせ治療期間の各々の効果は、下記のエンドポイントについて、基準(1日目)から治療終了までの変化として評価する:
・sUA<6mg/dLに達した患者の割合
・sUA<5mg/dLに達した患者の割合
・sUA<4mg/dLに達した患者の割合
・sUA<3mg/dLに達した患者の割合
・sUAにおける絶対およびパーセント変化
前記記載は、具体的な実施態様を説明するが、当業者は、様々な改変と代替物が開発されうることを認識するものである。よって、上記に記載の特定の実施態様および実施例は、例示のみであって、本発明の範囲を限定するものとされず、本発明の範囲は、特許請求の範囲の全範囲およびそのいずれか全ての均等物に付与されるべきである。