JP2024506999A - がんを処置するための組成物および方法 - Google Patents

がんを処置するための組成物および方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2024506999A
JP2024506999A JP2023571436A JP2023571436A JP2024506999A JP 2024506999 A JP2024506999 A JP 2024506999A JP 2023571436 A JP2023571436 A JP 2023571436A JP 2023571436 A JP2023571436 A JP 2023571436A JP 2024506999 A JP2024506999 A JP 2024506999A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cancer
methylene diamine
pharmaceutically acceptable
subject
administering
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023571436A
Other languages
English (en)
Inventor
コン,ヤンピン
リウ,ジンホン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Publication of JP2024506999A publication Critical patent/JP2024506999A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/13Amines
    • A61K31/132Amines having two or more amino groups, e.g. spermidine, putrescine
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K45/00Medicinal preparations containing active ingredients not provided for in groups A61K31/00 - A61K41/00
    • A61K45/06Mixtures of active ingredients without chemical characterisation, e.g. antiphlogistics and cardiaca
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • A61P35/02Antineoplastic agents specific for leukemia
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K2300/00Mixtures or combinations of active ingredients, wherein at least one active ingredient is fully defined in groups A61K31/00 - A61K41/00
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K35/00Medicinal preparations containing materials or reaction products thereof with undetermined constitution

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Abstract

【解決手段】本発明は、様々な種類のがん(例えば、肺がん、肝臓がん、皮膚がん、卵巣がん、前立腺がん、乳がん、および血液がん)を処置するためのメチレンジアミンの医薬組成物およびその方法を提供する。【選択図】図1

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年2月2日に出願された米国仮特許出願第63/144,690号に基づく優先権の利益を主張し、その内容全体が、あらゆる目的で参照により本明細書に援用される。
本発明は、概して、がんを処置するための新規な治療方法および医薬組成物に関する。より具体的には、本発明は、様々な種類のがん(例えば、肺がん、肝臓がん、皮膚がん、卵巣がん、前立腺がん、乳がん、および血液がん)を処置するためのメチレンジアミンの医薬組成物およびその使用に関する。
がんは、身体の他の部位に浸潤または広がる恐れがある異常な細胞成長を伴う疾患の群である。2019年の時点で、約1800万の新しい症例が毎年生じ、約880万の死亡を引き起こした。男性における最も一般的ながんの種類は、肺がん、前立腺がん、大腸がん、および胃がんである。女性においては、最も一般的ながんの種類は、乳がん、大腸がん、肺がん、および子宮頸がんである。外科手術、化学療法、放射線療法、ホルモン療法、標的療法および緩和ケアを含む、がんに対する多くの処置の選択肢が存在するが、がんは依然として健康上の最大の脅威である。
がん細胞は遺伝子突然変異を含み、急速な成長ならびに異常な代謝を示す。がん細胞における栄養素のプロセシングは、正常細胞または対応する良性腫瘍におけるものとは著しく異なる。がん細胞は、グルコース取り込みのレベルの上昇を有し、血流からの予め形成された食事由来の脂肪酸を利用して、それらの成長を加速することができる。がん細胞におけるエンドサイトーシスの進化は、遺伝子プロファイリングの変化に関連し得る。本発明者らの以前の研究は、肝臓がんおよび乳がん細胞が、正常細胞とは異なり、おそらくエンドサイトーシスを介してそれらの微小環境から大きな核酸を取り込むことができることを実証した(Kong,et al.2017 Biological Research 50(2):1-7)。がん細胞は、それらの高い増殖速度に適合するために栄養素の迅速な取り込みを必要とする。乳がん、肝臓がん、および肺がんなどのいくつかのがんは、ゆっくり増殖する甲状腺がんなどの他のタイプと比較して、より侵襲性の成長(高増殖)を示す。急速に成長するがんは、それらの細胞が栄養素を早い速度で取り込むことを必要とする。
がんを処置するための、現在利用可能な治療薬および方法は不十分である。がんおよび関連する疾患もしくは疾病を有効に処置するための新規な改善された治療薬の緊急かつ継続的な必要性が依然として存在する。
本発明は、本明細書において実証されるように、肺がん、肝臓がん、皮膚がん、卵巣がん、前立腺がん、乳がん、および血液がんなどの幅広いがんを処置するために使用することができる、治療方法および医薬組成物の予想外の発見に部分的に基づく。具体的に、がんの処置および/またはがんの予防もしくは再発の遅延においてメチレンジアミン(例えば、メチレンジアミン二塩酸塩)を使用する方法が本明細書に開示される。メチレンジアミンは、単独で、または多様な他の薬剤と組み合わせて使用され得る。
一態様では、本発明は概して、がんまたは関連する疾患もしくは疾病を処置するための方法に関する。この方法は、メチレンジアミンまたはその薬学的に許容される形態を含む医薬組成物を治療有効量で、それを必要とする対象に投与する工程を含む。
別の態様では、本発明は概して、寛解後または手術後のがんの再発リスクを低減または遅延させるための方法に関する。この方法は、メチレンジアミンまたはその薬学的に許容される形態を含む医薬組成物を治療有効量で、それを必要とする対象に投与する工程を含む。
さらに別の態様では、本発明は概して、寛解後または手術後のがんの再発を予防するための方法に関する。この方法は、メチレンジアミンまたはその薬学的に許容される形態を含む医薬組成物を治療有効量で、それを必要とする対象に投与する工程を含む。
さらに別の態様では、本発明は概して、がん細胞の成長を抑制するための方法に関する。この方法は、メチレンジアミンまたはその薬学的に許容される形態を含む医薬組成物を、それを必要とする対象に投与する工程を含む。
さらに別の態様では、本発明は概して、治療有効量のメチレンジアミンまたはその薬学的に許容される形態と、薬学的に許容される、賦形剤、担体、または希釈剤とを含む医薬組成物に関する。
さらに別の態様では、本発明は概して、本明細書に開示される医薬組成物を含む単位剤形に関する。
さらに別の態様では、本発明は概して、本発明の単位剤形と、第2の治療剤の単位形態と、それらの投与のための指示書とを含むキットに関する。
さらに別の態様では、本発明は概して、がん(例えば、固形腫瘍)または関連する疾患もしくは疾病の処置用の薬物の製造のための、メチレンジアミンまたはその薬学的に許容される形態の使用に関する。
さらに別の態様では、本発明は概して、がん(例えば、固形腫瘍)または関連疾患もしくは疾病を処置するための、メチレンジアミンまたはその薬学的に許容される形態の使用に関する。
H1299細胞(左、肺がん)およびSnu499細胞(右、肝臓がん)によるデキストランの取り込みの抑制におけるメチレンジアミン二塩酸塩(図中のMd)の例示的なデータを示す。赤色はがん細胞中のデキストランである。メチレンジアミン二塩酸塩を0.5mMの濃度で添加した後、がん細胞によるデキストランの取り込みを有意に抑制した(メチレンジアミン二塩酸塩を含んだ細胞中の赤色は、メチレンジアミン二塩酸塩を含まない細胞と比較してはるかに少ない)。 MTTアッセイ(Sigma)を使用した増殖研究からの例示的なデータを示す。左から右に、異なるがん細胞株がある。C8161およびMUM2Cは黒色腫であり、SKOV3およびOVACA3は卵巣がんである。ScNAPおよびDU145は前立腺がんである。H1299およびA549は肺がんである。MDA231は乳がんである。SNU499は肝臓がんである。各細胞株について、異なる色を用いた7つの列は、メチレンジアミン二塩酸塩の異なる濃度を表す。左から右へ、0μM、1μM、50μM、100μM、250μM、500μMおよび1mMである。メチレンジアミン二塩酸塩の用量が低用量から高用量になるにつれて、細胞は用量依存パターンで抑制される、すなわち、用量が高いほど抑制は大きくなる(より短い列は、より多くの抑制を表す)。 メチレンジアミン二塩酸塩によって誘導されるアポトーシスの研究からの例示的なデータを示す。500μM濃度のメチレンジアミン二塩酸塩を用いると、蛍光ピークが右に有意にシフトし、このことは、より多くの細胞が蛍光を有することを意味する(より多くの蛍光は、アポトーシス中のより多くの細胞を意味する)。左:黒色腫、右:肺がん、上:対照、中央:低用量(100μM)、底部:高用量(500μM)のメチレンジアミン二塩酸塩。データは、メチレンジアミン二塩酸塩が用量依存的にがん細胞のアポトーシスを誘導したことを示した。 メチレンジアミン塩酸塩による3つの血液がん細胞株(Jurkat、HL-60およびMV-411)の有意な抑制に関する例示的なデータを示す。4つの列は、左から右へ、0、50μM、100μMおよび500μMの異なる濃度のメチレンジアミン塩酸塩での生細胞の数を表す。濃度が増加した場合、より少ない生細胞が観察された。
定義
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって通常理解されるものと同じ意味を有する。以下の用語は、その用語が見出される文脈にしたがって別段の指示がない限り、以下の意味を有することが意図される。
本明細書において商品名が使用される場合、該商品名は、文脈によって別段の指示がない限り、該商品名の製品の製剤、後発医薬品、および医薬品有効成分を含む。
本明細書で提供される範囲は、範囲内の値のすべてについての略記であると理解される。例えば、1~14の範囲は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、または14からなる群からの任意の数、数の組み合わせ、あるいは部分範囲を含むと理解される。
本明細書および添付の特許請求の範囲では、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈上明らかに別段の指示がない限り、複数の参照を含む。
具体的に明記されない限り、または文脈から明らかでない限り、用語「約(about)」は、本明細書で使用される場合、当該技術分野における通常の許容範囲内、例えば平均値の2標準偏差以内であると理解される。「約」は、明記された値の10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、0.05%、または0.01%以内であると理解することができる。文脈から別段明らかでない限り、本明細書で提供されるすべての数値は、用語「約」によって修正される場合がある。
具体的に明記されない限り、または文脈から明らかでない限り、用語「または(or)」は、本明細書で使用される場合、包括的であると理解される。
用語「含む(comprising)」は、組成物および方法を定義するために使用される場合、組成物および方法が、列挙された要素を含むが、他の要素を除外しないことを意味することが意図される。用語「から本質的になる(consisting essentially of)」は、組成物および方法を定義するために使用される場合、組成物および方法が、列挙された要素を含み、組成物および方法に対して任意の本質的な重要性を有する他の要素を除外することを意味するものとする。例えば、「から本質的になる(consisting essentially of)」は、明示的に列挙された薬理学的に活性な薬剤の投与を指し、明示的に列挙されていない薬理学的に活性な薬剤を除外する。用語「から本質的になる」は、薬理学的に不活性な(inactive)もしくは不活性な(inert)薬剤、例えば、薬学的に許容される賦形剤、担体または希釈剤を除外しない。用語「からなる(consisting of)」は、組成物および方法を定義するために使用される場合、他の成分の微量要素および実質的な方法ステップを除外することを意味するものとする。これらの転換用語のそれぞれによって定義される実施形態は、本発明の範囲内である。
本明細書で使用される場合、用語「疾患」、「障害」または「疾病」は、病理学的疾病、例えば、症状または他の同定因子によって健康な状態または正常な状態から逸脱するものとして特定することができるものを指すために本明細書で互換的に使用される。用語「疾患」は、障害、症候群、疾病、および負傷を含む。疾患には、増殖性疾患、炎症性疾患、免疫性疾患、代謝性疾患、感染性疾患、および虚血性疾患が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、開示される化合物の「薬学的に許容される形態」には、開示される化合物の薬学的に許容される塩、エステル、水和物、溶媒和物、異性体、プロドラッグ、および同位体標識された誘導体が含まれるが、これらに限定されない。一実施形態では、「薬学的に許容される形態」には、開示される化合物の薬学的に許容される塩、エステル、異性体、プロドラッグおよび同位体標識された誘導体が含まれるが、これらに限定されないが。いくつかの実施形態では、「薬学的に許容される形態」には、開示される化合物の薬学的に許容される塩および同位体標識された誘導体が含まれるが、これらに限定されない。
特定の実施形態では、薬学的に許容される形態は、薬学的に許容される塩である。本明細書で使用される場合、用語「薬学的に許容される塩」は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などを伴わずに対象の組織と接触させて使用するのに適し、かつ妥当な利益/リスク比に相応する塩を指す。薬学的に許容される塩は、当技術分野において周知である。例えば、Bergeらは、薬学的に許容される塩をJ.Pharmaceutical Sciences(1977)66:1-19に詳細に記載している。本明細書で提供される化合物の薬学的に許容される塩には、適切な無機および有機の酸および塩基に由来するものが含まれる。薬学的に許容される非毒性の酸付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、および過塩素酸などの無機酸によって、またはシュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸もしくはマロン酸などの有機酸によって、あるいはイオン交換など、当該技術分野で使用される他の方法を用いることによって形成されるアミノ基の塩である。他の薬学的に許容される塩には、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、ベシル酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが含まれる。いくつかの実施形態では、塩が誘導され得る有機酸には、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、乳酸、トリフルオロ酢酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸などが含まれる。
塩は、開示される化合物の単離かつ精製中にインサイチュ(in situ)で、あるいは親化合物の遊離塩基または遊離酸をそれぞれ適切な塩基または酸と反応させることなどによって別々に調製することができる。
特定の実施形態では、薬学的に許容される形態は、「溶媒和物」(例えば、水和物)である。本明細書で使用される場合、用語「溶媒和物」は、非共有分子間力によって結合された化学量論的または非化学量論的な量の溶媒をさらに含む化合物を指す。溶媒和物は、開示される化合物またはその薬学的に許容される塩のものであり得る。溶媒が水である場合、溶媒和物は「水和物」である。薬学的に許容される溶媒和物および水和物は、例えば、1~約100、または1~約10、または1~約2、約3、もしくは約4個の溶媒分子または水分子を含むことができる複合体である。本明細書で使用される「化合物」という用語は、化合物および化合物の溶媒和物、ならびにそれらの混合物を包含することが理解されるであろう。
特定の実施形態では、薬学的に許容される形態はプロドラッグである。用語「プロドラッグ(prodrug)」(または「プロドラッグ(pro-drug)」)は、本明細書で使用される場合、開示される化合物またはその化合物の薬学的に許容される形態を生じるようにインビボで形質転換される化合物を指す。プロドラッグは、対象に投与された場合には不活性になり得るが、例えば加水分解(例えば、血液中の加水分解)によって、インビボで活性化合物に変換される。特定の場合では、プロドラッグは、親化合物よりも改善された物理的特性および/または送達特性を有する。プロドラッグは、(例えば、経口投与後に血液中への吸収を増強することを可能にすることによって)対象に投与された場合に化合物の生物学的利用能を増加させることができるか、または親化合物と比較して、目的の生物学的コンパートメント(例えば、脳またはリンパ系)への送達を増強する。例示的なプロドラッグには、親化合物と比較して、水溶解度、または腸膜を通る能動輸送が増強された開示化合物の誘導体が含まれる。
プロドラッグ化合物はしばしば、哺乳動物における溶解性、組織適合性または遅延放出の利点を提供する(例えば、Bundgard,H.,Design of Prodrugs(1985),pp.7-9,21-24(Elsevier,Amsterdam)を参照されたい)。プロドラッグの考察は、Higuchi,T.,et al.,“Pro-drugs as Novel Delivery Systems,”A.C.S.Symposium Series,Vol.14、およびBioreversible Carriers in Drug Design,ed.Edward B.Roche,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987において提供され、これらの両方は、全部が参照により本明細書に援用される。プロドラッグの例示的な利点には、親化合物と比較して生理学的pHでの非経口投与のための水溶性を増強すること、または消化管からの吸収を増強すること、または長期的保存のための薬物安定性を増強することなどの、その物理的特性が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、用語「薬学的に許容される」賦形剤、担体、または希釈剤は、ある器官または身体の部位から別の器官または身体の部位へ、対象の医薬品を運搬または輸送することに関与する、液体あるいは固形充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒、または封入材料などの薬学的に許容される材料、組成物、またはビヒクルを指す。各担体は、製剤の他の成分と適合性があり、患者に有害でないという意味で「許容される」ことが必要である。薬学的に許容される担体として役立つことができる材料のいくつかの例には、ラクトース、グルコース、およびスクロースなどの糖類、トウモロコシデンプン、およびジャガイモデンプンなどのデンプン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、および酢酸セルロースなどのセルロースおよびその誘導体、粉末トラガカント、麦芽、ゼラチン、タルク、カカオ脂および坐剤ワックスなどの賦形剤、ピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油および大豆油などの油、プロピレングリコールなどのグリコール、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、およびポリエチレングリコールなどのポリオール、オレイン酸エチル、およびラウリン酸エチルなどのエステル、寒天、水酸化マグネシウム、および水酸化アルミニウムなどの緩衝剤、アルギン酸、発熱物質を含まない水、等張食塩水、リンガー溶液、エチルアルコール、リン酸緩衝液、ならびに医薬製剤に使用される他の非毒性の適合性のある物質を含む。ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、およびポリエチレンオキシド-ポリプロピレンオキシド共重合体などの湿潤剤、乳化剤、および滑沢剤、ならびに着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤および芳香剤、保存剤および抗酸化剤もまた、組成物中に存在する場合がある。
本明細書で使用される場合、用語「予防する(prevent)」、「予防すること(preventing)」、または「予防(prevention)」は、疾患または疾病の発症(onset)、発現率(incidence)、重症度、または再発を妨げる、遅延させる、回避する、または停止させるための方法を指す。例えば、疾患もしくは疾病に感受性がある対象において、疾患もしくは疾病またはその1つ以上の症状の発症、発現、重症度、もしくは再発が、該方法を受けていない対象と比較して、減少または遅延する場合、該方法は予防であると考えられる。開示される方法はまた、該方法を受けた後に疾患または疾病に感受性がある対象において、疾患または疾病の1つ以上の症状の発症、発現、重症度、または再発が、処置を受ける前の対象の進行と比較して、減少または遅延する場合、予防であると考えられる。がんの発症、発現、重症度、または再発の減少または遅延は、約5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100%、またはその間のいずれ量の減少である場合がある。
予防などは、対象が特定の疾患または障害にずっと罹患するのを予防することを意味しない。予防は、複数用量の投与を必要とし得る。予防は、すべての疾患の症状が除去された対象における疾患の再発の予防、または再発寛解型疾患(relapsing remitting disease)における再発の予防を含む場合がある。
本明細書で使用される場合、用語「対象」および「患者」は、生きている動物(ヒトまたは非ヒト)を指すために、本明細書中で互換的に使用される。対象は哺乳動物であり得る。用語「哺乳動物(mammal)」または「哺乳動物(mammalian)」は、分類学的分類の哺乳動物(taxonomic classification mammalia)内の任意の動物を指す。哺乳動物は、ヒトまたは非ヒト哺乳動物、例えば、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ラット、およびマウスであり得る。用語「対象」は、疾患もしくは疾病に関して完全に正常であるか、またはすべての点で正常である個体を排除しない。
本明細書で使用される場合、用語「治療有効量」は、望ましくない副作用を最小限にするかまたは全く伴わずに、意図される治療効果を達成するために十分な治療剤(複数含む)の用量を指す。治療有効量は、熟練した医師によって、例えば、最初に低用量の薬理学的薬剤を投与し、次いで、望ましくない副作用を最小限にするかまたは全く伴わずに、望ましい治療効果が達成されるまで用量を徐々に増加させることによって決定することができる。
本明細書で使用される場合、疾患または障害の「処置」または「処置する」という用語は、そのような疾病、またはそのような疾患もしくは疾病の1つ以上の症状が起こる前もしくは後に、そのような疾病を低減させる、遅延させる、または改善する方法を指す。処置は、疾患および/または根底にある病態の1つ以上の効果または症状を対象とし得る。処置は、任意の減少であり得、疾患または疾患の症状の完全な除去である場合があるが、これらに限定されない。同等な未処置対照と比較して、そのような低減または予防の程度は、任意の標準的な技術によって測定され、少なくとも5%、10%、20%、40%、50%、60%、80%、90%、95%、または100%である。
本明細書に開示される任意の組成物または方法は、本明細書に提供される他の組成物および方法のいずれかの1つ以上と組み合わせることができる。
同位体標識化合物(Isotopically-labeled compounds)も本開示の範囲内である。本明細書で使用される場合、「同位体標識化合物」は、それぞれが本明細書に記載されるその薬学的な塩を含む、本開示の化合物を指し、これらの1つ以上の原子は、自然の中で通常見られる原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって置き換えられる。本開示の化合物に組み込むことができる同位体の例には、それぞれH、H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18Fおよび36Clなど、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素および塩素の同位体が含まれる。
本開示の化合物を同位体標識することによって、化合物は、薬物および/または基質組織分布アッセイ(substrate tissue distribution assays)において有用であり得る。トリチウム化(H)標識化合物および炭素-14(14C)標識化合物は、それらの調製の容易さおよび検出可能性のために特に好ましい。さらに、重水素(H)などのより重い同位体での置換は、より高い代謝安定性から生じる特定の治療上の利点、例えば、インビボ半減期の増加または必要な用量の減少をもたらすことができ、したがって、いくつかの状況では好まれ得る。本開示の同位体標識化合物は、その薬学的塩、エステル、およびプロドラッグを含めて、当技術分野で公知の任意の手段によって調製することができる。
さらに、通常豊富な水素(H)を重水素などのより重い同位体で置換することにより、例えば、吸収、分布、代謝、および/または排泄(ADME)の特性の改善から生じる特定の治療上の利点をもたらすことができ、有効性、安全性および/または耐容性が改善された薬物を作製することができる。恩恵は、通常豊富な12Cを13Cで置き換えることによっても得ることができる(WO2007/005643、WO2007/005644、WO2007/016361、およびWO2007/016431を参照されたい)。
本発明の化合物は、それらの調製に続いて、95重量%以上の量(an amount by weight equal to or greater than 95%)(「実質的に純粋」)を含有する組成物が得るために好ましくは単離および精製されて、次いで、本明細書に記載されるように使用または製剤化される。特定の実施形態では、本発明の化合物は、99%超の純度である。
本発明の化合物の溶媒和物および多形体もまた、本明細書において企図される。本発明の化合物の溶媒和物には、例えば、水和物が含まれる。
任意の適切な投与経路、例えば、非経口、静脈内、皮下、筋肉内、脳室内、体内、腹腔内、直腸、または経口投与を用いることができる。特定の患者に対する最も適切な投与手段は、処置される疾患または疾病の性質および重症度、または使用される治療の性質、ならびに活性化合物の性質次第である。
経口投与のための固形剤形には、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、および顆粒剤が含まれる。そのような固形剤形では、本明細書に記載される化合物またはその誘導体は、ナトリウムシトレートまたはジリン酸カルシウムなどの不活性の一般的な賦形剤(inert customary excipient)(または担体)、あるいは(i)充填剤もしくは増量剤、例として、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、およびケイ酸(ii)結合剤、例として、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、およびアカシア、(iii)保湿剤、例としてグリセロール、(iv)崩壊剤、例として、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプンもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、特定の複合ケイ酸塩、および炭酸ナトリウム、(v)溶液遅延剤、例としてパラフィン、(vi)吸収促進剤、例えば第四級アンモニウム化合物、(vii)湿潤剤、例えばセチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロール、(viii)吸着剤、例として、カオリンおよびベントナイト、ならびに(ix)潤滑剤、例として、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、またはこれらの混合物、のうち少なくとも1つと混合させられる。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、剤形は緩衝剤も含み得る。同様の種類の固形組成物はまた、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどのような賦形剤を使用して、軟質および硬質充填ゼラチンカプセル中の充填剤として使用され得る。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、および顆粒剤などの固形剤形は、腸溶コーティングおよび当技術分野で公知の他のコーティングなどのコーティングおよびシェルを用いて調製することができる。
経口投与用の液体剤形には、薬学的に許容される乳剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤、およびエリキシル剤が含まれる。活性化合物に加えて、液体剤形は、水または他の溶媒、可溶化剤、および乳化剤などの、当該技術分野で通常使用される不活性希釈剤を含有し得、例としては、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルカルボネート、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油、特に綿実油、落花生油、トウモロコシ胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、ゴマ油、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステル、あるいはこれらの物質の混合物などである。そのような不活性希釈剤に加えて、組成物はまた、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、甘味剤、香味剤、または芳香剤などの追加の薬剤を含むことができる。
本明細書に開示される材料、組成物、および成分は、開示される方法および組成物のために使用することができるか、それらと組み合わせることができるか、調製において使用することができるか、またはその生成物である。これらの材料の組合せ、サブセット、相互作用、群などが開示される場合、これらの化合物の様々な個々および集合的な組合せかつ順列のそれぞれの具体的な参照は明示的に開示され得ない一方、それぞれが具体的に企図され、本明細書に記載されることが理解される。例えば、方法が開示および議論され、方法に含まれる多数の分子に対して行うことができる多数の改変が議論される場合、方法のありとあらゆる組み合わせおよび順列、ならびに可能な改変は、反対のことが具体的に示されない限り、具体的に企図される。同様に、これらの任意のサブセットまたは組み合わせもまた、具体的に企図および開示される。この概念は、開示される組成物を使用する方法におけるステップを含むがこれに限定されない、本開示のすべての態様に適用される。したがって、実施することができる多様な追加のステップがある場合、これらの追加のステップのそれぞれは、開示される方法の任意の具体的な方法ステップまたは方法ステップの組み合わせで実行することができ、そのような組み合わせまたは組み合わせのサブセットのそれぞれは、具体的に企図され、開示されると見なされる必要があることが理解される。
発明の詳細な説明
本発明は、様々なタイプのがんの処置に対する新規なアプローチを提供する。本明細書に開示される治療方法および医薬組成物は、寛解後または手術後の再発のリスクの減少、生存率の増加および処置結果の改善の観点でがん患者に利益をもたらす場合がある。本発明の方法および組成物は、肺がん、肝臓がん、皮膚がん、卵巣がん、前立腺がん、および乳がんなどの幅広いがんを処置するために使用することができる。
栄養素の取り込みは、がん細胞の急速な成長にとって重要である。理論に束縛されることを望むものではないが、細胞外からの大きな栄養分子は、エンドサイトーシスを開始するために、がん細胞の表面上の極性分子と非共有結合を形成することができる。メチレンジアミンは、そのような結合を妨害することができ、したがって取り込みのプロセスを抑制することができる。
本明細書に開示されるように、メチレンジアミン二塩酸塩を、がん細胞による栄養摂取の抑制について、およびがん細胞の増殖に対するその影響について試験した。理論に束縛されることを望むものではないが、別の作用機序は、メチレンジアミンががん細胞のアポトーシスを有意に誘導することができることであり、これはがんを処置するための重要な方法であり、がん細胞の取り込みの抑制に二次的であるか、またはそれとは無関係であり得る。加えて、がんモデルに対して化合物を試験するためにインビボ試験を行った。この結果から、メチレンジアミン二塩酸塩はがん細胞による栄養摂取の抑制に有効であり、がん細胞の増殖を阻害することが確認された。さらに、エチレンジアミン二塩酸塩は、マウスがんモデルにおいてがんを処置することに有効であった。
メチレンジアミン(ジアミノメタン)は、以下の化学式
を有する。メチレンジアミンは、任意の薬学的に許容される形態で、例えば酸付加塩の形態で用い得る。例示的な酸付加塩には、ジヒドロクロリド塩またはメチレンジアミン二塩酸塩(CH(NH・2HCl)
Figure 2024506999000003
が含まれる。
一態様では、本発明は概して、がんまたは関連する疾患もしくは疾病を処置するための方法に関する。該方法は、メチレンジアミンまたはその薬学的に許容される形態を含む医薬組成物を治療有効量で、処置を必要とする対象に投与することを含む。
別の態様では、本発明は概して、寛解後または手術後のがんのリスクを減少するか、あるいはがんの再発を遅延させるための方法に関する。該方法は、メチレンジアミンまたはその薬学的に許容される形態を含む医薬組成物を治療有効量で、処置を必要とする対象に投与することを含む。
さらに別の態様では、本発明は概して、寛解後または手術後のがんの再発を予防するための方法に関する。該方法は、メチレンジアミンまたはその薬学的に許容される形態を含む医薬組成物を治療有効量で、処置を必要とする対象に投与することを含む。
さらに別の態様では、本発明は概して、がん細胞の増殖を抑制するための方法に関する。該方法は、メチレンジアミンまたはその薬学的に許容される形態を含む医薬組成物を、処置を必要とする対象に投与することを含む。
特定の実施形態では、メチレンジアミンは、薬学的に許容される塩としての形態である。
特定の実施形態では、メチレンジアミンは、メチレンジアミンの酸付加塩(例えば、メチレンジアミン二塩酸塩)の形態である。
特定の実施形態では、処置されるがんは、例えば、肺がん、肝臓がん、皮膚がん、卵巣がん、前立腺がん、および乳がんからなる群から選択される固形腫瘍である。
特定の実施形態では、処置されるがんは、例えば、白血病、リンパ腫、および骨髄腫からなる群から選択される血液がんである。
特定の実施形態では、投与経路は、経口、皮下、筋肉内、腫瘍内、静脈内、または吸入投与である。特定の実施形態では、投与経路は経口である。
特定の実施形態では、メチレンジアミン二塩酸塩は、約10mg~約1,000mg(例えば、約10mg~約500mg、約10mg~約100mg、約50mg~約1,000mg、約100mg~約1,000mg、約500mg~約1,000mg)の範囲の日用量で、約7~約180日(例えば、約7~約60日、約7~約90日、約7~約120日)の期間にわたって投与される。特定の実施形態では、日用量は固定される。特定の実施形態では、日用量は、処置に対する対象の応答に基づいて調整される。
特定の実施形態では、メチレンジアミン二塩酸塩は、日用量を増強させ(漸増させ)、すなわち、日用量を増加させ(例えば、約10mg~約1,000mg)、ある期間(例えば、約7~約180日)にわたって投与され、各々は、処置に対する対象の応答に基づいて調整される。特定の実施形態では、日用量を漸増させることは、隔日で日用量を2倍にすることを含む。特定の実施形態では、日用量を漸増させることは、3日毎に日用量を2倍にすることを含む。特定の実施形態では、日用量を漸増させることは、日用量を毎週2倍にすることを含む。
特定の実施形態では、本発明の方法は、対象に第2の療法または第2の治療剤を投与することをさらに含む。
特定の実施形態では、メチレンジアミンの投与は、化学療法、ホルモン療法、放射線療法、および免疫療法のうちの1つ以上と組み合わせて与えられる。特定の実施形態では、対象に化学療法剤を投与する。特定の実施形態では、対象にホルモン治療剤を投与する。特定の実施形態では、対象に放射線療法を施す。特定の実施形態では、対象に免疫療法を施す。
特定の実施形態では、第2の治療剤は小分子剤である。
特定の実施形態では、第2の治療剤はタンパク質または抗体である。
特定の実施形態では、第2の治療剤は細胞療法である。
さらに別の態様では、本発明は概して、治療有効量のメチレンジアミンまたはその薬学的に許容される形態、ならびに、薬学的に許容される賦形剤、担体、または希釈剤を含む医薬組成物に関する。
特定の実施形態では、メチレンジアミンは、薬学的に許容される塩としての形態である。
特定の実施形態では、メチレンジアミンは、酸付加塩(例えば、メチレンジアミン二塩酸塩)の形態である。
さらに別の態様では、本発明は概して、本明細書に開示される医薬組成物を含む単位剤形に関する。
特定の実施形態では、単位剤形は経口投与に適している。
特定の実施形態では、単位剤形は、錠剤またはカプセル剤の形態である。
特定の実施形態では、単位剤形は、液体溶液または懸濁液の形態である。
さらに別の態様では、本発明は概して、本発明の単位剤形、および第2の治療剤の単位形態、ならびにその投与のための指示書を含むキットに関する。
特定の実施形態では、第2の治療剤は、化学療法剤である。特定の実施形態では、第2の治療剤は、ホルモン療法剤である。特定の実施形態では、第2の治療剤は、免疫療法剤である。
さらに別の態様では、本発明は概して、がん(例えば、固形腫瘍)または関連する疾患もしくは疾病の処置のための薬物の製造のための、メチレンジアミンまたはその薬学的に許容される形態の使用に関する。
さらに別の態様では、本発明は概して、がん(例えば、固形腫瘍)または関連する疾患もしくは疾病を処置するための、メチレンジアミンまたはその薬学的に許容される形態の使用に関する。
特定の実施形態では、メチレンジアミンは、第2の療法または第2の治療剤(例えば、化学療法剤、ホルモン療法剤、放射線療法剤、または免疫療法剤)と組み合わせて使用される。
化学療法剤の例には、エルロチニブ(TARCEVA(登録商標)、Genentech/OSI Pharm.)、ボルテゾミブ(VELCADE(登録商標)、Millennium Pharm.)、フルベストラント(FASLODEX(登録商標)、AstraZeneca)、スーテント(SU11248、Pfizer)、レトロゾール(FEMARA(登録商標)、Novartis)、メシル酸イマチニブ(GLEEVEC(登録商標)、Novartis)、PTK787/ZK222584(Novartis)、オキサリプラチン(Eloxatin(登録商標)、Sanofi)、5-FU(5-フルオロウラシル)、ロイコボリン、ラパマイシン(シロリムス、RAPAMUNE(登録商標)、Wyeth)、ラパチニブ(TYKERB(登録商標)、GSK572016、Glaxo Smith Kline)、ロナファルニブ(SCH66336)、ソラフェニブ(BAY43-9006、Bayer Labs)、およびゲフィチニブ(IRESSA(登録商標)、AstraZeneca)、AG1478、AG1571(SU5271;Sugen)、チオテパおよびCYTOXAN(登録商標)シクロホスファミドなどのアルキル化剤、 ブスルファン、インプロスルファン、およびピポスルファンなどのアルキルスルホネート、 ベンゾドーパ、カルボクオン、メツレドパ、およびウレドパなどのアジリジン、 アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホルアミド、トリエチレンチオホスホルアミド、およびトリメチロメラミンを含む、エチレンイミンおよびメチルアメラミン、 アセトゲニン(特に、ブラタシンおよびブラタシノン)、 カンプトテシン(合成類似体トポテカンを含む)、ブリオスタチン、 カルシスタチン、 CC-1065(そのアドゼレシン、カルゼレシンおよびビゼレシン合成類似体を含む)、 クリプトフィシン(特にクリプトフィシン1およびクリプトフィシン8)、 ドラスタチン、 デュオカルマイシン(合成類似体KW-2189およびCB1-TM1を含む)、 エリューテロビン、 パンクラチスタチン、 サルコジチン、 スポンジスタチン、 クロラムブシル、クロルナファジン、クロロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩、メルファラン、ノベムビキン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタードなどのナイトロジェンマスタード、 カルムスチン、クロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、およびラニムスチンなどのニトロソウレア、 エンジイン抗生物質などの抗生物質(例えば、カリケアマイシン、特にカリケアマイシンガンマIIおよびカリケアマイシンオメガール(Angew Chem.Intl.Ed.Engl.(1994)33:183-186))、 ダイネマイシンAを含むダイネマイシン、 クロドロネートなどのビスホスホネート、 エスペラマイシン、 ならびにネオカルジノスタチン発色団および関連する色素タンパク質エンジイン抗生物質発色団)、アクチノマイシン、アクチノマイシン、オースラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カミノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、ADRIAMYCIN(登録商標)(ドキソルビシン)、モルホリノ-ドキソルビシン、シアノモルホリノ-ドキソルビシン、2-ピロリノ-ドキソルビシンおよびデオキシドキソルビシン)、エピルビシン、エソニビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシンCなどのマイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポルフィロマイシン、ピューロマイシン、ケラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ユベニメックス、ジノスタチン、ゾルビシン、 メトトレキサートおよび5-フルオロウラシル(5-FU)などの代謝拮抗物質、 デノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキサートなどの葉酸類似体、 フルダラビン、6-メルカプトプリン、チアムニプリン、チオグアニンなどのプリン類似体、 アンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジンなどのピリミジン類似体、 カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトンなどのアンドロゲン、 アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタンなどの抗副腎薬、 フロリン酸などの葉酸補充液、 アセグラトン、 アルドホスファミド配糖体、 アミノレブリン酸、 エニルウラシル、 アムサクリン、 ベストラブシル、 ビスアントレン、 エダトラキサート、 デフォファミン(defofamin)、 デメコルシン、 ジアジコン、 エルホルミチン、 酢酸エリプチニウム、 エポチロン、 エトグルシド、 硝酸ガリウム、 ヒドロキシ尿素、 レンチナン、 ロニダイニン、 メイタンシンおよびアンサマイトシンなどのメイタンシノイド、 ミトグアゾン、 ミトキサントロン、 モピダンモール、 ニトロセリン、 ペントスタチン、 フェナメット、 ピラルビシン、 ロソキサントロン、 ポドフィリン酸、 2-エチルヒドラジド、 プロカルバジン、 PSK(登録商標)多糖類複合体(JHS Natural Products, Eugene, Oreg.)、 ラゾキサン、 リゾキシン、 シゾフラン、 スピロゲルマニウム、 テヌアゾン酸、 トリアジコン、 2,2’,2”-トリクロロトリエチルアミン、 トリコテセン(特にT-2トキシン、ベラキュリンA、ロリジンAおよびアンギジン)、 ウレタン、 ビンデシン、 ダカルバジン、 マンノムスチン、 ミトブロニトール、 ミトラクトール、 ピポブロマン、 ガシトシン、 アラビノシド(“Ara-C”)、 シクロホスファミド、 チオテパ、 タキソイド、例えば、TAXOL(登録商標)(パクリタキセル、 Bristol-M yers Squibb Oncology,Princeton,NJ)、ABRAXANE(登録商標)(Cremophorを含まない)、パクリタキセルのアルブミン操作ナノ粒子製剤(American Pharmaceutical Partners,Schaumberg,111.)、およびTAXOTERE(登録商標)(ドキセタキセル、 Rhone-Poulenc Rorer,Antony,France)、 クロランブシル、 GEMZAR(登録商標)(ゲムシタビン)、 6-チオグアニン、 メルカプトプリン、 メトトレキサート、 ビンブラスチン、 エトポシド(VP-16)、 イホスファミド、 ミトキサントロン、 ビンクリスチン、 NAVELBINE(登録商標)(ビノレルビン)、 ノバントロン、 テニポシド、 エダトレキサート、 ダウノマイシン、 アミノプテリン、 カペシタビン(XELODA(登録商標))、 イバンドロネート、 CPT-11、 トポイソメラーゼ阻害剤RFS 2000、 ジフルオロメチロミチン(DMFO)、 レチノイン酸などのレチノイド、ならびに上記のいずれかの薬学的に許容される塩、酸および誘導体が含まれる。
以下の実施例は、本発明の実施を例示することを意味し、決して限定するものではない。
メチレンジアミン(二塩酸塩塩)を、がん細胞による取り込みの阻害について、2つのがん細胞株において試験した(実施例1)。この薬物をがん細胞増殖の抑制について試験した(実施例2)。メチレンジアミン二塩酸塩はまた、黒色腫および肺がんにおいてアポトーシス(細胞死)を誘導した(実施例3)。血液がんの抑制は、3つの細胞株において観察された(実施例4)。さらに、肝臓がんの動物モデルを用いて有効性試験を行った(実施例5)。動物処置における用量を計算して、ヒトに対する関連用量を予測した。
実施例1。メチレンジアミン二塩酸塩は、がん細胞による蛍光デキストランの取り込みを阻害した
試薬:Fluorescent Dextran,Alexa Fluor 600、カタログ番号AF488としてのクラスリン重鎖抗体(MA1065A488)、PBS中のHoechst#62249およびブロッカー緩衝液は、すべてThermo Fisherからのものであった。デキストランを、がん細胞の取り込みを試験するためのマーカーとして使用した。
Hl299(肺がん)およびSNU499(肝臓がん)のがん細胞株を、14mm底マイクロウェルを有するMat Tek 35mmディッシュ中でDMEM+10%FBSと共に5×10/プレートで24時間培養し、次いでDMEMで洗浄した。DMEM中100μMのメチレンジアミン塩酸塩を含むまたは含まない蛍光デキストランを、COインキュベーターにおいて37℃で30分間添加し、次いで、PBSにおいて洗浄した。細胞を、室温で15分間、PBS中の4%パラホルムアルデヒドで固定し、室温で30分間、PBS中の3%BSAでブロックした。細胞を、光から保護された室温で1時間、ブロッキング緩衝液中、5μg/mLの希釈で、クラスリン重鎖モノクローナル抗体、AlexaFluor 488を用いて染色した。核(青色)を、室温で5分間、ブロッキング緩衝液中、1:10,000の希釈でHoechst Dyeを用いて染色した。画像を共焦点顕微鏡Leica TCS SP8で撮影した。
図1に示すように、メチレンジアミン二塩酸塩を加えた後、デキストランを表す赤色は有意に低かった。この研究は、メチレンジアミン二塩酸塩が2種類のがん細胞(肺および肝臓)によるデキストランの取り込みを効果的に抑制できることを明らかにした。
実施例2。メチレンジアミン二塩酸塩はがん細胞の成長(増殖)を阻害した
がん細胞株を、5%COを補充した加湿された37℃のインキュベーターにおいて、10%ウシ胎仔血清(FBS)および100U/mLペニシリン-ストレプトマイシンを補充したDMEM中で培養した。MTT増殖キット(Sigma)を使用して細胞増殖を分析した。手短に述べると、細胞を96ウェルプレートに播種し(ウェルあたり5.0×10細胞)、一晩接着させた。次いで、細胞を様々な濃度(0、1μM、50μM、100μM、250μM、500μMおよび1mM)のメチレンジアミン二塩酸塩で24時間処置した後、アッセイを行った。培養期間の後、10μLのMTTの標識試薬(最終濃度0.5mg/mL)を各ウェルに添加した。マイクロプレートを加湿雰囲気(37℃、5%CO)中で4時間培養した。100μLの可溶化溶液を各ウェルに添加した。プレートを加湿雰囲気(37℃、5%CO)のインキュベーターにおいて一晩静置した。紫色のホルマザン結晶の完全な可溶化をチェックし、570nmの波長を有するマイクロプレートリーダーを使用して試料の吸光度を測定した。
図2に示すように、メチレンジアミン二塩酸塩は、ほとんどのがん細胞の増殖を50μMの濃度で抑制し始め、100μMより上で用量依存的パターンにおいて増殖を有意に抑制した。
実施例3。メチレンジアミン二塩酸塩は、黒色腫および肺がんにおいてアポトーシス(細胞死)を誘導した
アポトーシスキットはInvitrogen lot 2208491から購入した。この研究は、企業のプロトコルにしたがって行った。H1299およびC8161の細胞を、100μMまたは500μMの薬物を含まないかまたは含むDMEM/FBS培地中で培養し、24時間後に回収し(harvested)、冷リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中で洗浄した。1Xアネキシン結合緩衝液を調製し、1mLの5Xアネキシン結合緩衝液を4mLの脱イオン水に加える。洗浄した細胞を再遠心分離した。上清を廃棄し、細胞を1×アネキシン結合緩衝液において再懸濁した。細胞密度を測定し、1Xアネキシン結合緩衝液において約1×10細胞/mLに希釈し、アッセイあたり100μLを有するのに充分な容量を調製した。5μLのAlexa Fluor(登録商標)488アネキシンVを各100μLの細胞懸濁液に添加し、細胞を室温で15分間培養した。培養期間の後、400μLの1×アネキシン結合緩衝液を添加し、穏やかに混合し、氷上で静置した。染色した細胞をフローサイトメトリーで分析し、530nmでの蛍光発光を測定した。図3に示すように、対照と比較して、メチレンジアミン二塩酸塩はより多くの細胞を刺激し、より多くのアポトーシス中の細胞を示す蛍光を伴う。より多くの蛍光が、100μMより高い500μMの薬物濃度で観察された。結果は、メチレンジアミン二塩酸塩がこれらの2つのがん細胞において用量依存的にアポトーシスを有意に誘導したことを示した。
実施例4。血液がん細胞の抑制
各細胞株の50000個の細胞を、24ウェルプレートにおけるウェル毎に播種し、異なる濃度(対照として0、50μM、100μM、および500μM)のメチレンジアミン塩酸塩で24時間処置し、次いで生細胞を計数した。Jurkat:T細胞白血病、HL-60:急性白血病細胞、MV-411:B-骨髄単球性白血病。
図4では、4つの列は、メチレンジアミン塩酸塩の異なる濃度における生細胞の数を表し、左から右にかけて、濃度が高まると、3つの血液がん細胞株のすべてについて、より少ない生細胞が観察された。抑制は、用量依存的により高い濃度でより有意であった。これは、メチレンジアミン塩酸塩による3つの血液がん細胞(Jurkat、HL-60およびMV-411)の有意な抑制を示した。
実施例5。メチレンジアミン二塩酸塩は、肝臓がんを有するマウスモデルにおいて腫瘍増殖を阻害した
ATCCからのマウス肝臓がん細胞株H22を、10%BSAを含む1640培地において、37℃、5%COで培養した。48時間後に細胞を回収し、培地で1×10細胞/mLに希釈した。体重20~23グラムの雄のKunmingマウスをインビボ研究に使用した。試験を通して動物に食物および水を自由に摂取させた。本明細書に記載されるすべての実験プロトコルは、the Ethics Review Committee for Animal Experimentationによって承認された。1×10/mL細胞懸濁液0.2mLをKunmingマウスの腹腔に接種した。5日後にH22腹水を移植した。腹水中のH22細胞を回収し、滅菌NSで1×10/mLの濃度に希釈し、次いで0.2mLをマウスの右脇部位に皮下注射した。移植された腫瘍は、5日後に観察することができた。動物を、それぞれに7匹のマウスが含まれる3群に無作為に分け、毎日薬物を口から投与した。群1 生理食塩水、群2 120mg/Kgのメチレンジアミン二塩酸塩低用量、 群3 240mg/Kgのメチレンジアミン二塩酸塩高用量。皮下移植腫瘍の2つの垂直寸法(長さおよび幅)を、3日目、6日目および9日目に各マウスにおいて測定し、群間で比較した腫瘍体積を算出した(体積=1/2×長さ×幅)。表1に示すように、メチレンジアミン二塩酸塩はマウス肝臓がんモデルにおいて腫瘍増殖の抑制に成功し、抑制は用量依存的である。腫瘍抑制率を、生理食塩水群における腫瘍体積からメチレンジアミン二塩酸塩処置群における腫瘍体積を差し引いた後、生理食塩水群の腫瘍体積で割ることで計算される。メチレンジアミン二塩酸塩は、低用量では肝臓がんの30.5%抑制を達成し、高用量では36.8%抑制を達成した。
Figure 2024506999000004
本出願人による開示は、図面を参照しながら好ましい実施形態において本明細書に記載され、同様の番号は、同じ要素または類似の要素を表す。本明細書を通して、「一実施形態(one embodiement)」、「一実施形態(a embodiment)」、または同様の言葉への言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通じて、語句「一実施形態では(in one embodiment)」、「一実施形態では(in an embodiment)」、および同様の言葉の出現は、すべて同じ実施形態を指し得るが、必ずしも指すわけではない。
本出願人による開示に記載された特徴、構造、または特性は、1つ以上の実施形態において任意の適切な方法で組み合わされ得る。本明細書における記載では、本発明の実施形態の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が列挙されている。しかしながら、当業者であれば、本出願人による組成物および/または方法は、1つ以上の具体的詳細を伴わずに、または他の方法、構成要素、材料などを用いて実行され得ることを認識するであろう。他の例では、周知の構造、材料、または動作は、本開示の態様を不明瞭にすることを回避するために、詳細に示されず、記載もされない。
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、当業者によって通常理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと同様または同等の任意の方法および材料もまた、本開示の実施または試験において使用される場合があるが、好ましい方法および材料が、ここで記載される。本明細書に記載される方法は、開示される特定の順序に加えて、論理的に可能な任意の順序で実行され得る。
参照による組み入れ
特許、特許出願、特許公開、雑誌、書籍、論文、ウェブコンテンツなど他の文書への参照および引用は、本開示において行われている。すべてのそのような文書は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に援用される。参照により本明細書に援用されると言っているが、既存の定義、記載、または本明細書に明示的に説明される他の開示資料と矛盾する任意の資料またはその部分は、援用される資料と本開示の資料との間に矛盾が生じない範囲においてのみ援用される。矛盾が生じた場合、矛盾は、本開示を好ましい開示として有利に解決されるべきである。
均等物
代表的な実施例は、本発明を例示することに役立つことを意図しており、本発明の範囲を限定することを意図しておらず、そのように解釈されるべきではない。実際、本明細書に示され、かつ記載されるものに加えて、本発明の様々な改変およびその多くのさらなる実施形態は、本明細書に含まれる実施例ならびに科学文献および特許文献への参照を含む本文書の全内容から当業者に明白となるであろう。実施例は、その様々な実施形態およびその同等物における本発明の実施に適合させることができる重要な追加の情報、例示および指針を含有する。

Claims (39)

  1. がんまたは関連する疾患もしくは疾病を処置するための方法であって、メチレンジアミン(ジアミノメタン)またはその薬学的に許容される形態を含む医薬組成物を治療有効量で、対象に投与する工程を含む、方法。
  2. 寛解後または手術後のがんの再発リスクを低減または遅延させるための方法であって、メチレンジアミン(ジアミノメタン)またはその薬学的に許容される形態を含む医薬組成物を治療有効量で、対象に投与する工程を含む、方法。
  3. 寛解後または手術後のがんの再発を予防するための方法であって、メチレンジアミン(ジアミノメタン)またはその薬学的に許容される形態を含む医薬組成物を治療有効量で、対象に投与する工程を含む、方法。
  4. がん細胞の成長を抑制する方法であって、メチレンジアミン(ジアミノメタン)またはその薬学的に許容される形態を含む医薬組成物を対象に投与する工程を含む、方法。
  5. メチレンジアミンが、薬学的に許容される塩としての形態である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. メチレンジアミンが、メチレンジアミン二塩酸塩の形態である、請求項5に記載の方法。
  7. がんが固形腫瘍である、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記固形腫瘍が、肺がん、肝臓がん、皮膚がん、卵巣がん、前立腺がん、および乳がんからなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
  9. がんが血液がんである、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記血液がんが、白血病、リンパ腫、および骨髄腫からなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
  11. 投与が、経口、皮下、筋肉内、腫瘍内、静脈内、または吸入投与である、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記投与が経口である、請求項11に記載の方法。
  13. メチレンジアミン二塩酸塩が、約10mg~約1,000mgの範囲の日用量で約7~約180日の期間投与される、請求項6~12のいずれか一項に記載の方法。
  14. メチレンジアミン二塩酸塩が、約10mg~約1,000mgの範囲の漸増日用量で約7~約180日の期間投与される、請求項6~12のいずれか一項に記載の方法。
  15. メチレンジアミン二塩酸塩が、約15mg~約500mgの範囲の漸増日用量で約7~約180日の期間投与される、請求項14に記載の方法。
  16. メチレンジアミン二塩酸塩が、約20mg~約250mgの範囲の漸増日用量で約7~約180日の期間投与される、請求項15に記載の方法。
  17. 第2の療法または第2の治療剤を前記対象に投与する工程をさらに含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 化学療法、ホルモン療法、放射線療法、および免疫療法のうちの1つ以上と組み合わせる、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
  19. 化学療法剤を前記対象に投与する工程を含む、請求項17または18に記載の方法。
  20. ホルモン治療剤を前記対象に投与する工程を含む、請求項17または18に記載の方法。
  21. 放射線療法を前記対象へ施す工程を含む、請求項17または18に記載の方法。
  22. 免疫療法を前記対象へ施す工程を含む、請求項17または18に記載の方法。
  23. 前記第2の治療剤が小分子剤である、請求項17または18に記載の方法。
  24. 前記第2の治療剤が、タンパク質または抗体である、請求項17または18に記載の方法。
  25. 前記第2の治療剤が細胞療法である、請求項17または18に記載の方法。
  26. 治療有効量のメチレンジアミン(ジアミノメタン)またはその薬学的に許容される形態と、薬学的に許容される、賦形剤、担体、または希釈剤とを含む、医薬組成物。
  27. メチレンジアミンが、薬学的に許容される塩としての形態である、請求項26に記載の医薬組成物。
  28. メチレンジアミンが、メチレンジアミン二塩酸塩の形態である、請求項27に記載の医薬組成物。
  29. 請求項26~28のいずれか一項に記載の医薬組成物を含む単位剤形。
  30. 前記医薬組成物が、経口投与に適している、請求項29に記載の単位剤形。
  31. 錠剤またはカプセル剤の形態である、請求項29に記載の単位剤形。
  32. 液体溶液または懸濁液の形態である、請求項29に記載の単位剤形。
  33. 請求項29~32のいずれか一項に記載の単位剤形と、第2の治療剤の単位形態と、それらの投与のための指示書とを含む、キット。
  34. 前記第2の治療剤は、化学療法、ホルモン療法、放射線療法、または免疫療法のための薬剤である、請求項33に記載のキット。
  35. がんまたは関連する疾患もしくは疾病の処置用の薬物の製造のための、メチレンジアミン(ジアミノメタン)またはその薬学的に許容される形態の使用。
  36. がんまたは関連する疾患もしくは疾病を処置するための、メチレンジアミン(ジアミノメタン)またはその薬学的に許容される形態の使用。
  37. 前記がんが固形腫瘍である、請求項36に記載の使用。
  38. 第2の療法または第2の治療剤と組み合わせる、請求項36または37に記載の使用。
  39. 化学療法、ホルモン療法、放射線療法、または免疫療法と組み合わせる、請求項38に記載の使用。
JP2023571436A 2021-02-02 2022-01-28 がんを処置するための組成物および方法 Pending JP2024506999A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US202163144690P 2021-02-02 2021-02-02
US63/144,690 2021-02-02
PCT/US2022/014379 WO2022169690A1 (en) 2021-02-02 2022-01-28 Composition and methods for treating cancer

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024506999A true JP2024506999A (ja) 2024-02-15

Family

ID=82742455

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023571436A Pending JP2024506999A (ja) 2021-02-02 2022-01-28 がんを処置するための組成物および方法

Country Status (8)

Country Link
US (1) US20240099992A1 (ja)
EP (1) EP4288040A1 (ja)
JP (1) JP2024506999A (ja)
KR (1) KR20230142733A (ja)
CN (1) CN117083061A (ja)
AU (1) AU2022218110A1 (ja)
CA (1) CA3209477A1 (ja)
WO (1) WO2022169690A1 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2011002026A1 (ja) * 2009-06-30 2012-12-13 国立大学法人 熊本大学 アミロイド線維形成抑制剤及びその利用
RU2417999C2 (ru) * 2009-07-13 2011-05-10 Закрытое Акционерное Общество "Ива Фарм" БИЯДЕРНЫЕ КООРДИНАЦИОННЫЕ СОЕДИНЕНИЯ БИОЛОГИЧЕСКИ АКТИВНЫХ d-ЭЛЕМЕНТОВ С АЛИФАТИЧЕСКИМИ ТИОЛАМИ КАК СРЕДСТВА ПОВЫШЕНИЯ ЭФФЕКТИВНОСТИ ЛЕКАРСТВЕННЫХ ПРЕПАРАТОВ
JP2011084541A (ja) * 2009-10-19 2011-04-28 Ltt Bio-Pharma Co Ltd 低分子薬物含有ナノ粒子
GB201804924D0 (en) * 2018-03-27 2018-05-09 Univ Oxford Innovation Ltd Radiolabelled compound

Also Published As

Publication number Publication date
KR20230142733A (ko) 2023-10-11
US20240099992A1 (en) 2024-03-28
WO2022169690A1 (en) 2022-08-11
AU2022218110A1 (en) 2023-08-17
EP4288040A1 (en) 2023-12-13
CN117083061A (zh) 2023-11-17
CA3209477A1 (en) 2022-08-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI620565B (zh) 治療及預防移植物抗宿主病之方法
JP6440212B2 (ja) メトホルミン及びジヒドロケルセチンを含む組み合わせ医薬、及びがんの治療のための使用
US20060275504A1 (en) Methods and compositions for augmenting cancer chemotherapeutic agents
JP6090836B2 (ja) 化学療法剤の抗腫瘍活性増強剤
JP6502853B2 (ja) ムチンが関与する疾患の処置
Indap et al. Quercetin: Antitumor Activity and Pharmacological Manipulations for Increased Therapeutic Gains.
TW201815392A (zh) 用於癌症治療之考比西他 (cobicistat)
EP4424316A1 (en) Antitumor pharmaceutical composition comprising azvudine and chemotherapeutic agent
AU2019379782A1 (en) Combination of a Mcl-1 inhibitor and Midostaurin, uses and pharmaceutical compositions thereof
JP2024506999A (ja) がんを処置するための組成物および方法
EP3223840A1 (en) Titled extracts of cynara scolymus and uses thereof
TW201904579A (zh) Mcl-1抑制劑與血液癌症標準療法之組合,其用途及醫藥組合物
EP3417864A1 (en) Immunosuppression weaning agent and use thereof
KR20110055833A (ko) 플라보노이드를 유효성분으로 하는 백혈병 치료용 조성물
KR102558989B1 (ko) 항암 화학요법으로 인한 내성을 완화하고 항암 화학요법의 효과를 증진시키기 위한 약학적 조성물 및 그 용도
JPWO2012147901A1 (ja) 抗癌剤副作用改善用組成物
WO2023209625A1 (en) Compositions and methods for treatment of cancer
WO2017087207A1 (en) Deuterated compounds for treating hematologic malignant, inflammatory and autoimmune diseases
WO2017079003A1 (en) Deuterated compounds for treating blood cancers, and compositions and methods thereof
KR20200121251A (ko) 항암제의 병용투여용 약학조성물
WO2012075484A2 (en) Novel drug targets to overcome de novo drug-resistance in multiple myeloma
TW201318621A (zh) 熊果酸用以製備血癌藥物之用途及促血癌細胞凋亡之醫藥食品組合物
WO2011152515A1 (ja) インドール化合物を含有する抗腫瘍剤
TW201321008A (zh) 牛蒡子苷元用以製備肝癌藥物之用途及促肝癌細胞凋亡之醫藥組合物