JP2024506880A - 有機c1-c6アルコキシシランの混合物を含有する剤によるヒトの毛髪の処理方法 - Google Patents

有機c1-c6アルコキシシランの混合物を含有する剤によるヒトの毛髪の処理方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、化粧用剤をケラチン物質、特にヒトの毛髪に適用し、曝露時間の後に濯ぎ落とす、ケラチン物質の処理方法であって、化粧用剤は有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物を含有し、該混合物は、水および触媒を添加することにより1つ以上の有機C1-C6アルコキシシランを特異的に加水分解および予備縮合させることによって得られ、該加水分解および予備縮合は、水とは異なる溶媒の非存在下で行われることを特徴とする方法に関する。

Description

本出願は、化粧品の分野にあり、ヒトの毛髪の処理方法であって、化粧用剤を毛髪に適用し、曝露時間の後に濯ぎ落とす方法に関する。化粧用剤は有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物を含有し、該混合物は、水および触媒を添加することにより1つ以上の有機C1-C6アルコキシシランを特異的に加水分解および予備縮合させることによって得られることを特徴とする。ここで、該加水分解および予備縮合は、水とは異なる溶媒の非存在下で行われる。
ケラチン繊維、特に毛髪の形状および色を変えることは、現代の化粧品の重要な分野を示している。毛髪の色を変えるため、当業者は、着色要件に応じて様々な着色システムに精通している。酸化染料は通常、優れた堅牢性および良好な白髪カバー性を備えた長期的かつ強力な染色に使用される。このような着色剤は通常、酸化染料前駆体、いわゆる顕色剤成分およびカプラー成分を含み、これらは一緒になって、例えば過酸化水素などの酸化剤の影響下で実際の染料を形成する。酸化染料は、色が非常に長持ちすることを特徴とする。
直接染料を使用すると、既に形成されている染料が着色剤から毛髪繊維内に拡散する。酸化ヘアカラーと比較すると、直接染料で得られるカラーは耐久性が低く、より早く洗い流される。直接染料を使用したカラーは通常、5~20回洗髪するまで毛髪に残る。
毛髪および/または皮膚の色を短時間変えるために着色顔料を使用することが知られている。着色顔料は一般に、不溶性の染色物質を意味すると理解される。これらは、染色組成物中に小さな粒子として溶解せずに存在し、外から毛髪繊維および/または皮膚の表面上にもっぱら沈着する。従って、これらは通常、界面活性剤を含む洗浄剤で数回洗浄することにより、残留物を残さずに再度除去できる。ヘアマスカラという名称で、このタイプの様々な製品が市場で入手可能である。
EP 2168633 B1では、顔料を用いて持続性の高いヘアカラーを生成する課題が扱われている。この文献は、顔料、有機ケイ素化合物、疎水性ポリマーおよび溶媒の組み合わせを用いると、特にシャンプーに耐性のある着色が毛髪に生成できることを教示している。
EP 2168633 B1で使用される有機ケイ素化合物は、アルコキシシラン類からの反応性化合物である。これらのアルコキシシランは、水の存在下で高速で加水分解し、アルコキシシランおよび水のそれぞれの使用量に応じて、加水分解生成物および/または縮合生成物を形成する。この反応で使用される水の量が加水分解または縮合生成物の特性に与える影響は、例えばWO 2013/068979 A2に説明されている。
これらの加水分解または縮合生成物をケラチン物質に適用すると、ケラチン物質上にフィルムまたは被覆が形成され、これは、ケラチン物質を完全に取り囲み、それによりケラチン物質の性質に大きな影響を与える。考えられる適用用途は、例えば、ケラチン繊維の長期的なスタイリングまたは長期的な形状変化である。この場合、ケラチン繊維は機械的に所望の形状にされ、その後、上記被覆の形成によってこの形状に固定される。更に非常に特に適した用途の可能性は、ケラチン物質の着色である;この用途では、被覆またはフィルムは、着色化合物、例えば顔料の存在下で製造される。顔料によって着色されたフィルムがケラチン物質またはケラチン繊維上に残り、驚くほど耐洗浄性の着色をもたらす。
アルコキシシランに基づく着色原理の大きな利点は、この化合物クラスの高い反応性により、非常に迅速な被覆が可能になることである。例えば、わずか数分の非常に短い適用時間の後でも、非常に良好な着色結果を達成できる。しかし、これらの利点に加えて、アルコキシシランの高い反応性は、幾つかの欠点も伴う。例えば、湿度および/または温度の変化など、製造および適用の条件が僅かに変化しただけでも、製品の性能に大きな変化が生じる可能性がある。特に、本発明に至る研究では、アルコキシシランがケラチン処理剤の調製中に一般的な条件に対して極めて敏感に反応することが示された。
EP 2168633 B1 WO 2013/068979 A2
分析研究では、様々なシランまたはシロキサン混合物およびブレンドの調製において、複雑な加水分解および縮合反応が進行し、これにより、選択した反応条件に応じて異なる分子サイズのオリゴマー生成物が生じることが示されている。これに関し、これらのシランオリゴマーの分子量は、後の製品特性に大きな影響を与え得ることが見出された。調製中に間違った条件を選択すると、過度に大きいまたは過度に小さいシラン縮合物の生成を招く可能性があり、それにより、後の製品性能、特に後のケラチン物質に対する着色能力に悪影響が及ぼされる。
本出願の課題は、ケラチン物質、特にヒトの毛髪の最適化された処理方法を見出すことである。この方法で使用されるアルコキシシロキサンの混合物は、後の適用で最適な性能特性が達成されるように特別に調製されなければならない。特に、この方法で調製された剤は、向上した着色性能を有すべきである。即ち、着色方法におけるそれらの適用において、より高い色強度および向上した堅牢特性を有する着色、特に向上した洗浄堅牢性および向上した摩擦堅牢性を有する着色が達成されるべきである。また、ヘアトリートメント方法に使用されるアルコキシシロキサンの混合物は、向上した貯蔵安定性を有すべきである。
本発明に至る研究において、意外なことに、上記課題が、触媒を用いた特定の加水分解経路で生成されたC1-C6アルコキシシロキサン混合物を含有する剤をヒトの毛髪に適用することによって良好に達成され得ることが見出された。これに関し、有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物調製時に、水とは異なる溶媒の添加を伴わないことが特に有利であることが見出された。エタノール、メタノール、イソプロパノール、アセトン、酢酸エチルなどの水とは異なる溶媒を使用しないことにより、非常に向上した貯蔵安定性を有し、ケラチン物質への後の適用の際により耐久性のあるフィルムを生成するC1-C6アルコキシシロキサン混合物が得られることが見出された。
従って、調製に使用される有機C1-C6アルコキシシランは、特定の加水分解を開始するために有機溶媒と事前に混合されることなく、規定量の水と混合される。加水分解と同時または加水分解の直後、有機C1-C6アルコキシシランのC1-C6アルコキシシロキサン混合物への予備縮合が続く。このC1-C6アルコキシシロキサン混合物は、オリゴマー化合物を表し、これは、その部分加水分解または縮合に起因して、反応性基をなお有し、ヒトの毛髪上に適用されると最終的なポリマーのフィルムまたは被覆に反応し得る。特に、触媒を使用して上記加水分解および縮合を開始および促進すると、優れた堅牢性を備えた良好な着色結果が得られた。
本発明の第一の対象は、ケラチン物質、より具体的にはヒトの毛髪の処理方法であって、化粧用剤をケラチン物質に適用し、曝露時間の後に濯ぎ落とすことを特徴とし、化粧用剤は有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物を含有し、該混合物は、水および触媒を添加することにより1つ以上の有機C1-C6アルコキシシランを特異的に加水分解および予備縮合させることによって得られ、該加水分解および予備縮合は、水とは異なる溶媒の非存在下で行われることを特徴とする方法である。
この特定の方法で調製された有機C1-C6アルコキシシラン混合物を含む化粧用剤を、染色工程で使用すると、非常に良好な隠蔽力、摩擦堅牢度および洗浄堅牢度を有する非常に強くて均一な着色をもたらし、特に良好な貯蔵安定性を有することが見出された。
ケラチン物質
ケラチン物質は、毛髪、皮膚、爪(例えば、手指の爪および/または足指の爪)を意味すると理解される。更に、羊毛、毛皮および羽毛も、ケラチン物質の定義に含まれる。
好ましくは、ケラチン物質は、ヒトの毛髪、ヒトの皮膚およびヒトの爪(特に、手指の爪および足指の爪)であると理解される。ケラチン物質は、非常に特に好ましくはヒトの毛髪を意味すると理解される。
ケラチン物質を処理するための剤
ケラチン物質を処理するための剤は、例えば、ケラチン物質の着色剤、ケラチン物質、特にケラチン繊維を再成形または成形するための剤、またはケラチン物質のコンディショニングまたはケアのための剤を意味すると理解される。本発明の方法により調製される剤は、ケラチン物質の着色、特に(特に好ましくはヒトの毛髪である)ケラチン繊維の着色に特に良好な適合性を示す。
本発明において、用語「着色剤」は、サーモクロミック染料およびフォトクロミック染料、顔料、雲母、直接染料および/または酸化染料などの着色化合物を用いることにより引き起こされる、ケラチン物質(特に毛髪)の着色のために使用される。この染色では、上記着色化合物は、ケラチン物質表面上の特に均質で滑らかなフィルムに堆積するか、またはケラチン繊維に拡散する。フィルムは、既に縮合したC1-C6アルコキシシロキサンの反応または更なる反応によってイン・サイチュで形成され、着色化合物はこのフィルムまたは被覆と相互作用するか、またはその中に保存される。
ケラチン物質、特にヒトの毛髪に適用され、濯ぎ落とされる化粧用剤は、本発明において、使用できる状態にある剤を表す。この使用できる状態にある剤は、例えば、容器に充填され、更なる希釈、混合または他の方向工程を伴わずにケラチン物質に適用され得る。しかし、貯蔵安定性の理由から、使用できる状態にある化粧用剤が、美容師または使用者によって使用直前に調製されることが非常に特に好ましいことが見出された。使用できる状態にある剤のこの調製のために、別個にパッケージされた濃縮物の形態で入手可能な有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物を、例えば、水性化粧品用キャリア組成物と混合できる。
更に、第一組成物は有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物を含有し、第二組成物は水含有キャリアを表し、第三組成物は例えば、着色物質、増粘剤、または所望のpH値を設定するための酸および/または塩基などの更なる活性剤または成分を含み得る、3つの異なる組成物を混合することにより、使用できる状態にある化粧用剤を調製することもできる。
有機C1-C6アルコキシシラン
シロキサンは、一般式:R3Si-[O-SiR2]n-O-SiR3[式中、官能基Rは、独立して、水素原子、アルキル基、または置換アルキル基であり得る]を有する化合物を意味すると当業者に理解される。シロキサンの場合、ケイ素原子はそれぞれ酸素原子によって隣接するケイ素原子と結合している:Si-O-Si。R=CH3を有するシロキサンホットポリジメチルシロキサン。添え字nは、シロキサンのオリゴマー化度またはポリマー化度を示す。典型的には、添え字nは、0~1000000または0~100000または0~10,000または0~1000の数である。nが0に等しいと、シロキサンは二量体として存在する。
本発明の有機C1-C6アルコキシシロキサンは、少なくとも1つの官能基RがC1-C6アルコキシ基であることを特徴とする。ケイ素原子に結合しているC1-C6アルコキシ基は反応性脱離基を表し、これにより、ケラチン物質への適用時、更なる縮合またはオリゴマー化または重合が可能になる。
有機C1-C6アルコキシシランは、水および触媒を添加することによる1つ以上の有機C1-C6アルコキシシランの特異的な加水分解および予備縮合により調製され、この反応では、水とは異なる溶媒の添加は伴われない。
有機C1-C6アルコキシシラン
有機C1-C6アルコキシシランは、有機非ポリマーケイ素化合物であり、これは、好ましくは1、2または3個のケイ素原子を有するシランからからなる群から選択される。
オルガノシリコン化合物とも称される有機ケイ素化合物は、ケイ素-炭素直接結合(Si-C)を有するか、または炭素が酸素、窒素または硫黄原子を介してケイ素原子に結合している化合物である。本発明の有機ケイ素化合物は、好ましくは1~3個のケイ素原子を含む化合物である。有機ケイ素化合物は、特に好ましくは、1個または2個のケイ素原子を含む。
IUPAC命名法によると、用語「シラン」は、ケイ素骨格および水素をベースにした化合物の物質群を意味する。有機シランにおいて、水素原子は(置換)アルキル基および/またはアルコキシ基などの有機基により、完全にまたは部分的に、置換されている。
本発明におけるC1-C6アルコキシシランの特徴は、少なくとも1個のC1-C6アルコキシ基がケイ素原子に直接結合して存在していることである。従って、本発明におけるC1-C6アルコキシシランは、少なくとも1個の構造単位:
R'R"R"'Si-O-(C1-C6アルキル)
[官能基R'、R"およびR"'は、ケイ素原子の残りの3つの結合価を表す]
を含む。
ケイ素原子に結合した1以上のC1-C6アルコキシ基は非常に反応性が高く、水の存在下で迅速に加水分解される。反応速度は、とりわけ、一分子あたりの加水分解性基の数に依存する。加水分解性C1-C6アルコキシ基がエトキシ基である場合、有機ケイ素化合物は、好ましくは、構造単位:R'R"R"'Si-O-CH2-CH3を含む。官能基R'、R"およびR"'は、ケイ素原子の残りの3つの自由原子価を表す。
非常に特に好ましい実施形態において、本発明の方法では、C1-C6アルコキシシロキサンの混合物を含有する化粧用剤を使用する。該混合物の調製には、式(I)および/または式(II)および/または(IV)で示される有機C1-C6アルコキシシランの1つ以上を使用する。
非常に特に好ましい実施形態において、本発明の方法は、化粧用剤が有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物を含有し、該混合物が、式(I)および/または式(II)および/または式(IV):
R1R2N-L-Si(OR3)a(R4)b (I)
[式中、
-R1、R2は、互いに独立して水素原子またはC1-C6アルキル基を表し、
-Lは、直鎖または分岐鎖の二価C1-C20アルキレン基であり、
-R3、R4は、互いに独立してC1-C6アルキル基を表し、
-aは1~3の整数を表し、
-bは整数3-aを表す]
Figure 2024506880000001
[式中、
-R5、R5'、R5"、R6、R6'およびR6"は互いに独立して、C1-C6アルキル基を表し、
-A、A'、A"、A"'およびA""は互いに独立して、直鎖または分岐鎖の二価C1-C20アルキレン基を表し、
-R7およびR8は互いに独立して、水素原子、C1-C6アルキル基、ヒドロキシC1-C6アルキル基、C2-C6アルケニル基、アミノC1-C6アルキル基または式(III):
-(A"")-Si(R6")d"(OR5")c" (III)
で示される基を表し、
-cは、1~3の整数を表し、
-dは、整数3-cを表し、
-c'は、1~3の整数を表し、
-d'は、整数3-c'を表し、
-c"は、1~3の整数を表し、
-d"は、整数3-c'を表し、
-eは、0または1を表し、
-fは、0または1を表し、
-gは、0または1を表し、
-hは、0または1を表し、
-e、f、gおよびhの官能基の少なくとも1つは0とは異なる]
(R9)mSi(OR10)k (IV)
[式中
-R9はC1-C12アルキル基またはC2-C12アルケニル基を表し、
-R10はC1-C6アルキル基を表し、
-kは1~4の整数であり、
-mは4-kの数を表す]
で示される有機C1-C6アルコキシシランの1つ以上を加水分解および予備縮合させることによって得られることを特徴とする。
式(I)および/または式(II):
R1R2N-L-Si(OR3)a(R4)b (I)
[式中、
-R1、R2は、互いに独立して水素原子またはC1-C6アルキル基を表し、
-Lは、直鎖または分岐鎖の二価C1-C20アルキレン基であり、
-R3、R4は、互いに独立してC1-C6アルキル基を表し、
-aは1~3の整数を表し、
-bは整数3-aを表す]
Figure 2024506880000002
[式中、
-R5、R5'、R5"、R6、R6'およびR6"は互いに独立して、C1-C6アルキル基を表し、
-A、A'、A"、A"'およびA""は互いに独立して、直鎖または分岐鎖の二価C1-C20アルキレン基を表し、
-R7およびR8は互いに独立して、水素原子、C1-C6アルキル基、ヒドロキシC1-C6アルキル基、C2-C6アルケニル基、アミノC1-C6アルキル基または式(III):
-(A"")-Si(R6")d"(OR5")c" (III)
で示される基を表し、
-cは、1~3の整数を表し、
-dは、整数3-cを表し、
-c'は、1~3の整数を表し、
-d'は、整数3-c'を表し、
-c"は、1~3の整数を表し、
-d"は、整数3-c'を表し、
-eは、0または1を表し、
-fは、0または1を表し、
-gは、0または1を表し、
-hは、0または1を表し、
-e、f、gおよびhの官能基の少なくとも1つは0とは異なる]
で示される有機C1-C6アルコキシシランの使用が特に好ましい。
式(I)および式(II)で示される化合物における置換基R1、R2、R3、R4、R5、R5'、R5"、R6、R6'、R6"、R7、R8、L、A、A'、A"、A"'およびA""を、以下に説明する。
C1-C6アルキル基の例は、基メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチルおよびn-ヘキシルである。プロピル、エチルおよびメチルが、好ましいアルキル官能基である。C2-C6アルケニル基の例は、ビニル、アリル、ブト-2-エニル、ブト-3-エニルおよびイソブテニルであり、好ましいC2-C6アルケニル官能基はビニルおよびアリルである。ヒドロキシC1-C6アルキル基の好ましい例は、ヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、3-ヒドロキシプロピル、4-ヒドロキシブチル基、5-ヒドロキシペンチルおよび6-ヒドロキシヘキシル基であり;2-ヒドロキシエチル基が特に好ましい。アミノC1-C6アルキル基の例は、アミノメチル基、2-アミノエチル基、および3-アミノプロピル基である。2-アミノエチル基が特に好ましい。直鎖二価のC1-C20アルキレン基の例は、例えば、メチレン基(-CH2-)、エチレン基(-CH2-CH2-)、プロピレン基(-CH2-CH2-CH2-)およびブチレン基(-CH2-CH2-CH2-CH2-)である。プロピレン基(-CH2-CH2-CH2-)が特に好ましい。3C原子の鎖長から、二価のアルキレン基が分岐していてもよい。分岐二価のC3-C20アルキレン基の例は、(-CH2-CH(CH3)-)および(-CH2-CH(CH3)-CH2-)である。
式(I):
R1R2N-L-Si(OR3)a(R4)b (I)
で示される有機ケイ素化合物において、官能基R1およびR2は、相互に独立して水素原子またはC1-C6アルキル基を表す。最も好ましくは、官能基R1およびR2は、共に水素原子を表す。
直鎖または分岐鎖の二価C1-C20アルキレン基を表す構造単位またはレフト-Lは、有機ケイ素化合物の中央部に位置する。二価C1-C20アルキレン基は、二価または二価のC1-C20アルキレン基と称されることもあり、これは、各-L-基が2つの結合を結び得ることを意味する。
好ましくは、-L-は、直鎖二価のC1-C20アルキレン基である。より好ましくは、-L-は、直鎖二価のC1-C6アルキレン基を表す。特に好ましくは、-L-は、メチレン基(-CH2-)、エチレン基(-CH2-CH2-)、プロピレン基(-CH2-CH2-CH2-)またはブチレン基(-CH2-CH2-CH2-CH2-)を表す。最も好ましくは、Lは、プロピレン基(-CH2-CH2-CH2-)を表す。
本発明において、式(I):
R1R2N-L-Si(OR3)a(R4)b (I)
で示される有機ケイ素化合物は、各々の一端にケイ素含有基-Si(OR3)a(R4)bを有する。
末端構造単位-Si(OR3)a(R4)bにおいて、官能基R3およびR4は独立してC1-C6アルキル基を表し、特に好ましくはR3およびR4は互いに独立してメチル基またはエチル基を表す。
この場合、aは、1~3の整数を表し、bは、整数3-aを表す。aが数3を表す場合、bは0に等しい。aが数2を表す場合、bは1に等しい。aが数1を表す場合、bは2に等しい。
式(I)[式中、官能基R3およびR4は相互に独立してメチル基またはエチル基を表す]で示される少なくとも1つの有機C1-C6アルコキシシランを水と混合するかまたは反応に関与させると、特に良好な特性を有するケラチン処理剤が調製された。
また、最も洗浄堅牢性のある着色は、式(I)[式中、官能基aは数3を表す]で示される少なくとも1つのの有機C1-C6アルコキシシランを水と反応させる場合に得られた。この場合、官能基bは数0を表す。
別の好ましい実施形態では、本発明の方法は、化粧用剤が有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物を含有し、該混合物が、式(I)[式中、R3およびR4は、相互に独立して、メチル基またはエチル基を表し、aは数3を表し、bは数0を表す]で示される有機C1-C6アルコキシシランの1つ以上の加水分解および予備縮合によって得られることを特徴とする。
別の好ましい実施形態では、本発明の方法は、化粧用剤が有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物を含有し、該混合物が、水および触媒の添加により、式(I):
R1R2N-L-Si(OR3)a(R4)b (I)
[式中、
-R1、R2は、共に水素原子を表し、
-Lは、直鎖二価C1-C6アルキレン基、好ましくはプロピレン基(-CH2-CH2-CH2-)またはエチレン基(-CH2-CH2-)を表し、
-R3は、エチル基またはメチル基を表し、
-R4は、メチル基またはエチル基を表し、
-aは数3を表し、
-bは数0を表す]
で示される有機C1-C6アルコキシシランの1つ以上を特異的に加水分解および予備縮合することによって得られることを特徴とする。
本発明の課題を解決するのに特に適しており、式(I)で示される有機ケイ素化合物は、
-(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン
Figure 2024506880000003
-(3-アミノプロピル)トリメトキシシラン
Figure 2024506880000004
-(2-アミノエチル)トリエトキシシラン
Figure 2024506880000005
-(2-アミノエチル)トリメトキシシラン
Figure 2024506880000006
-(3-ジメチルアミノプロピル)トリエトキシシラン
Figure 2024506880000007
-(3-ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシラン
Figure 2024506880000008
-(2-ジメチルアミノエチル)トリエトキシシラン
Figure 2024506880000009
-(2-ジメチルアミノエチル)トリメトキシシラン、および/または
Figure 2024506880000010
である。
別の好ましい実施形態では、本発明の方法は、化粧用剤が有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物を含有し、該混合物が、水および触媒の添加により、
-(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン
-(3-アミノプロピル)トリメトキシシラン
-1-(3-アミノプロピル)シラントリオール
-(2-アミノエチル)トリエトキシシラン
-(2-アミノエチル)トリメトキシシラン
-1-(2-アミノエチル)シラントリオール
-(3-ジメチルアミノプロピル)トリエトキシシラン
-(3-ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシラン
-1-(3-ジメチルアミノプロピル)シラントリオール
-(2-ジメチルアミノエチル)トリエトキシシラン
-(2-ジメチルアミノエチル)トリメトキシシランおよび/または
-1-(2-ジメチルアミノエチル)シラントリオール
からなる群から選択される有機C1-C6アルコキシシランの1つ以上を特異的に加水分解および予備縮合することによって得られることを特徴とする。
式(I)で示される有機ケイ素化合物は市販されている。(3-アミノプロピル)トリメトキシシランは例えばSigma-Aldrichから購入できる。例えば、(3-アミノプロピル)トリエトキシシランは、Sigma-Aldrichから市販されている。
別の好ましい実施形態では、本発明の方法は、化粧用剤が有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物を含有し、該混合物が、水とは異なる溶媒と式(II):
Figure 2024506880000011
で示される有機C1-C6アルコキシシランの1つ以上との混合、並びに水および触媒の添加によるその加水分解および予備縮合により得られることを特徴とする。
本発明における式(II)で示される有機ケイ素化合物は、両端それぞれに、ケイ素含有基(R5O)c(R6)dSi-および-Si(R6')d'(OR5')c'を有する。
式(II)で示される分子の中央部には、基-(A)e-および-[NR7-(A')]f-および-[O-(A")]g-および-[NR8-(A"')]h-が存在する。ここで、官能基e、f、gおよびhのそれぞれは、独立して、数0または1を表し、官能基e、f、gおよびhの少なくとも1つは0とは異なる。換言すると、本発明における式(II)で示される有機ケイ素化合物は、-(A)-、-[NR7-(A')]-、-[O-(A")]-および-[NR8-(A"')]-からなる群から選択される基を少なくとも1つ含む。
2つの末端構造単位(R5O)c(R6)dSi-および-Si(R6')d'(OR5')c'において、官能基R5、R5'、R5"は、相互に独立してC1-C6アルキル基を表す。官能基R6、R6'およびR6"は、互いに独立してC1-C6アルキル基を表す。
ここで、cは、1~3の整数を表し、dは、整数3-cを表す。cが数3を表す場合、dは0に等しい。cが数2を表す場合、dは1に等しい。cが数1を表す場合、dは2に等しい。
同様に、c'は、1~3の整数を表し、d'は、整数3-c'を表す。c'が数3を表す場合、d'は0である。c'が数2を表す場合、d'は1である。c'が数1を表す場合、d'は2である。
cおよびc'が共に数3を表す場合、最高の洗浄堅牢性を有する着色が得られた。この場合、dおよびd'は、共に数0を表す。
別の好ましい実施形態では、本発明の方法は、化粧用剤が有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物を含有し、該混合物が、水および触媒の添加により、式(II):
Figure 2024506880000012
[式中、
-R5およびR5'は相互に独立して、メチル基またはエチル基を表し、
-cおよびc'は、共に数3を表し、
-dおよびd'は、共に数0を表す]
で示される有機C1-C6アルコキシシランの1つ以上を特異的に加水分解および予備縮合することにより得られることを特徴とする。
cおよびc'が共に数3であり、dおよびd'が共に数0である場合、本発明における有機ケイ素化合物は、式(IIa):
(R5O)3Si-(A)e-[NR7-(A')]f-[O-(A")]g-[NR8-(A"')]h-Si(OR5')3 (IIa)
に相当する。
官能基e、f、gおよびhは独立して、数0または1を表してよく、e、f、gおよびhの少なくとも1つの官能基は0とは異なる。従って、略称e、f、gおよびhは、原子団-(A)e-、-[NR7-(A')]f-、-[O-(A")]g-および-[NR8-(A"')]h-のいずれが、式(II)で示される有機ケイ素化合物の中央部に存在しているか、を規定している。
本発明では、特定の原子団の存在が、洗浄堅牢な着色結果の達成に特に有利であることが見出された。特に良好な結果は、官能基e、f、gおよびhの少なくとも2つが数1を表す場合に得られた。最も好ましくは、eおよびfは共に数1を表す。更に、gおよびhは、非常に特に好ましくは、共に数0を表す。
eおよびfが共に1を表し、gおよびhが共に数0を表す場合、本発明における有機ケイ素化合物は、式(IIb):
(R5O)c(R6)dSi-(A)-[NR7-(A')]-Si(R6')d'(OR5')c' (IIb)
によって表わされる。
官能基A、A'、A"、A"'およびA""は相互に独立して、直鎖または分岐鎖の二価C1-C20アルキレン基を表す。好ましくは、A、A'、A"、A"'およびA""は相互に独立して、直鎖または分岐鎖の二価のC1-C20アルキレン基を表す。より好ましくは、官能基A、A'、A"、A"'およびA""は相互に独立して、直鎖二価のC1-C6アルキレン基を表す。
二価C1-C20アルキレン基は、二価または二価のC1-C20アルキレン基と称されることもあり、これは、基A、A'、A"、A"'およびA""のそれぞれが2つの結合を形成し得ることを意味する。
特に好ましくは、官能基A、A'、A"、A"'およびA""は相互に独立して、メチレン基(-CH2-)、エチレン基(-CH2-CH2-)、プロピレン基(-CH2-CH2-CH2-)またはブチレン基(-CH2-CH2-CH2-CH2-)を表す。非常に特に好ましくは、官能基A、A'、A"、A"'およびA""は、プロピレン基(-CH2-CH2-CH2-)を表す。
官能基fが数1を表す場合、本発明における式(II)で示される有機ケイ素化合物は、構造原子団-[NR7-(A')]-を含む。
官能基hが数1を表す場合、本発明における式(II)で示される有機ケイ素化合物は、構造原子団-[NR8-(A"')]-を含む。
これに関し、R7およびR8は相互に独立して、水素原子、C1-C6アルキル基、ヒドロキシC1-C6アルキル基、C2-C6アルケニル基、アミノC1-C6アルキル基または式(III):
-(A"")-Si(R6")d"(OR5")c" (III)
で示される基を表す。
最も好ましくは、官能基R7およびR8は相互に独立して、水素原子、メチル基、2-ヒドロキシエチル基、2-アルケニル基、2-アミノエチル基または式(III)で示される原子団を表す。
官能基fが数1を表し、官能基hが数0を表す場合、本発明における有機ケイ素化合物は、原子団-[NR7-(A')]-を含むが、原子団-[NR8-(A"')]-を含まない。官能基R7が式(III)で示される原子団を表す場合、予備処理剤(a)は、3個の反応性シラン基を含む有機ケイ素化合物を含有する。
別の好ましい実施形態では、本発明の方法は、化粧用剤が有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物を含有し、該混合物が、水および触媒の添加により、式(II):
Figure 2024506880000013
[式中、
-eおよびfは共に数1を表し、
-gおよびhは、共に数0を表し、
-AおよびA'は、相互に独立して、直鎖二価のC1-C6アルキレン基を表し、
-R7は、水素原子、メチル基、2-ヒドロキシエチル基、2-アルケニル基、2-アミノエチル基または式(III)で示される基を表す]
で示される有機C1-C6アルコキシシランの1つ以上を特異的に加水分解および予備縮合することによって得られることを特徴とする。
別の好ましい実施形態では、本発明の方法は、化粧用剤が有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物を含有し、該混合物が、水および触媒の添加により、式(II)[式中、
-eおよびfは共に数1を表し、
-gおよびhは、共に数0を表し、
-AおよびA'は、相互に独立して、メチレン基(-CH2-)、エチレン基(-CH2-CH2-)またはプロピレン基(-CH2-CH2-CH2-)を表し、
-R7は、水素原子、メチル基、2-ヒドロキシエチル基、2-アルケニル基、2-アミノエチル基または式(III)で示される基を表す]で示される有機C1-C6アルコキシシランの1つ以上を特異的に加水分解および予備縮合することによって得られることを特徴とする。
本発明の課題を解決するのに適した式(II)で示される有機ケイ素化合物は、
-3-(トリメトキシシリル)-N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
Figure 2024506880000014
-3-(トリエトキシシリル)-N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
Figure 2024506880000015
-N-メチル-3-(トリメトキシシリル)-N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
Figure 2024506880000016
-N-メチル-3-(トリエトキシシリル)-N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
Figure 2024506880000017
-2-[ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]アミノ]エタノール
Figure 2024506880000018
-2-[ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]アミノ]エタノール
Figure 2024506880000019
-3-(トリメトキシシリル)-N,N-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
Figure 2024506880000020
-3-(トリエトキシシリル)-N,N-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
Figure 2024506880000021
-N1,N1-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1,2-エタンジアミン
Figure 2024506880000022
-N1,N1-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1,2-エタンジアミン
Figure 2024506880000023
-N,N-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-2-プロペン-1-アミン
Figure 2024506880000024
-N,N-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-2-プロペン-1-アミン
Figure 2024506880000025
である。
式(II)で示される有機ケイ素化合物は、市販されている。
CAS番号82985-35-1を有するビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンは、Sigma-Aldrichから購入できる。
CAS番号13497-18-2を有するビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]アミンは、例えば、Sigma-Aldrichから購入できる。
N-メチル-3-(トリメトキシシリル)-N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミンは、別名ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N-メチルアミンとも称され、Sigma-AldrichまたはFluorochemから商業的に購入できる。
CAS番号18784-74-2を有する3-(トリエトキシシリル)-N,N-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミンは、例えば、FluorochemまたはSigma-Aldrichから購入できる。
別の好ましい実施形態では、本発明の方法は、化粧用剤が有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物を含有し、該混合物が、水および触媒の添加により、
-3-(トリメトキシシリル)-N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
-3-(トリエトキシシリル)-N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
-N-メチル-3-(トリメトキシシリル)-N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
-N-メチル-3-(トリエトキシシリル)-N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
-2-[ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]アミノ]エタノール
-2-[ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]アミノ]エタノール
-3-(トリメトキシシリル)-N,N-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
-3-(トリエトキシシリル)-N,N-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
-N1,N1-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1,2-エタンジアミン
-N1,N1-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1,2-エタンジアミン
-N,N-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-2-プロペン-1-アミン、および/または
-N,N-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-2-プロペン-1-アミン
からなる群から選択される有機C1-C6アルコキシシランの1つ以上を特異的に加水分解および予備縮合することによって得られることを特徴とする。
別の染色実験では、化粧用剤が有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物を含んでなり、該混合物が、水とは異なる溶媒と式(IV):
(R9)mSi(OR10)k (IV)
で示される有機C1-C6アルコキシシランの1つ以上とを混合し、水および触媒の添加により、それを特異的に加水分解および予備縮合することによって得た場合に、非常に特に有利であることが見出された。
式(IV)で示される化合物は、1個、2個または3個のケイ素原子を有するシランから選択される有機ケイ素化合物であり、有機ケイ素化合物は、一分子あたり1つ以上の加水分解性基を含む。
(R9)mSi(OR10)k (IV)
[式中、
-R9は、C1-C12アルキル基またはC2-C12アルケニル基を表し、
-R10は、C1-C6アルキル基を表し、
-kは、1~4の整数であり、
-mは、整数4-kを表す]
で示される有機ケイ素化合物はまた、C1-C12-アルキル-C1-C6アルコキシシラン(kが1~3の場合)型のシランまたはテトラC1-C6アルコキシシラン型のシラン(kが4の場合)とも称される。
別の好ましい実施形態では、本発明の方法は、化粧用剤が有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物を含んでなり、該混合物が、水とは異なる溶媒と式(IV):
(R9)mSi(OR10)k (IV)
[式中、
-R9は、C1-C12アルキル基またはC2-C12アルケニル基を表し、
-R10は、C1-C6アルキル基を表し、
-kは、1~4の整数であり、
-mは、整数4-kを表す]
で示される有機C1-C6アルコキシシランの1つ以上とを混合し、水および触媒の添加により、それを特異的に加水分解および予備縮合することによって得られることを特徴とする。
式(IV)で示される有機C1-C6アルコキシシランにおいて、官能基R9は、C1-C12アルキル基またはC2-C12アルケニル基を表す。このC1-C12アルキル基は、飽和しており、直鎖または分岐鎖であってよい。C2-C12アルケニル基は、不飽和であり、1つ以上の二重結合を含んでよく、直鎖または分岐鎖であってよい。好ましくはR9は、直鎖C1-C8アルキル基を表す。好ましくは、R9は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基またはn-ドデシル基を表す。特に好ましくは、R9は、メチル基、エチル基またはn-オクチル基を表す。
式(IV)で示される有機ケイ素化合物において、官能基R10はC1-C6アルキル基を表す。特に好ましくは、R10はメチル基またはエチル基を表す。
更に、kは、1~4の整数を表し、mは、整数4-kを表す。
kが数4を表す場合、mは0に等しい。この場合、式(IV)で示されるシランは、テトラ-C1-C6アルコキシシランである。このタイプの適当なシランは、テトラエトキシシランまたはテトラメトキシシランである。
kが数3を表す場合、mは1に等しい。この場合、式(IV)で示されるシランは、C1-C12-アルキル-トリ-C1-C6アルコキシシランである。
kが数2を表す場合、mは2に等しい。この場合、式(IV)で示されるシランは、ジ-C1-C12-アルキル-ジ-C1-C6アルコキシシランである。
kが数1を表す場合、mは3に等しい。この場合、式(IV)で示されるシランは、トリ-C1-C12-アルキル-C1-C6アルコキシシランである。
本発明における組成物の確立において、式(IV)[式中、官能基kは数3を表す]で示される有機ケイ素化合物の少なくとも1つを使用すると、最高の洗浄堅牢性を有する着色物が得られた。この場合、官能基mは数1を表す。
また、本発明における組成物の確立において、式(IV)[式中、官能基R9はC1-C8アルキル基を表し、官能基R10はメチル基またはエチル基を表す]で示される有機ケイ素化合物の少なくとも1つを使用すると、特に良好な結果が得られた。
更なる非常に特に好ましい実施形態では、本発明の方法は、化粧用剤が有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物を含んでなり、該混合物が、水および触媒の添加により、式(IV):
(R9)mSi(OR10)k (IV)
[式中、
-R9は、C1-C8アルキル基を表し、
-R10は、メチル基またはエチル基を表し、
-kは、3の数を表し、
-mは、1の数を表す]
で示される有機C1-C6アルコキシシランの1つ以上を特異的に加水分解および予備縮合することによって得られることを特徴とする。
本発明の課題を達成するため、特によく適した式(IV)で示される有機ケイ素化合物は:
-メチルトリメトキシシラン
Figure 2024506880000026
-メチルトリエトキシシラン
Figure 2024506880000027
-エチルトリメトキシシラン
Figure 2024506880000028
-エチルトリエトキシシラン
Figure 2024506880000029
-n-ヘキシルトリメトキシシラン(ヘキシルトリメトキシシランとしても知られている)
Figure 2024506880000030
-n-ヘキシルトリエトキシシラン(ヘキシルトリエトキシシランとしても知られている)
Figure 2024506880000031
-n-オクチルトリメトキシシラン(オクチルトリメトキシシランとしても知られている)
Figure 2024506880000032
-n-オクチルトリエトキシシラン(オクチルトリエトキシシランとしても知られている)
Figure 2024506880000033
-n-ドデシルトリメトキシシラン(ドデシルトリメトキシシランとしても知られている)および/または
Figure 2024506880000034
-n-ドデシルトリエトキシシラン(ドデシルトリエトキシシランとしても知られている)
Figure 2024506880000035
-ビニルトリメトキシシラン
Figure 2024506880000036
-ビニルトリエトキシシラン
Figure 2024506880000037
-テトラメトキシシラン
Figure 2024506880000038
-テトラエトキシシラン
Figure 2024506880000039
である。
別の好ましい実施形態では、本発明の方法は、化粧用剤が有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物を含有し、該混合物が、水および触媒の添加により、
-メチルトリメトキシシラン、
-メチルトリエトキシシラン、
-エチルトリメトキシシラン、
-エチルトリエトキシシラン、
-ヘキシルトリメトキシシラン、
-ヘキシルトリエトキシシラン、
-オクチルトリメトキシシラン、
-オクチルトリエトキシシラン、
-ドデシルトリメトキシシラン、および/または
-ドデシルトリエトキシシラン、
-ビニルトリメトキシシラン、
-ビニルトリエトキシシラン、
-テトラメトキシシラン、
-テトラエトキシシラン
からなる群から選択される有機C1-C6アルコキシシランの1つ以上を特異的に加水分解および予備縮合することによって得られることを特徴とする。
まとめると、本発明の方法の別の好ましい実施形態では、化粧用剤は有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物を含有し、該混合物は、
-メチルトリメトキシシラン、
-メチルトリエトキシシラン、
-エチルトリメトキシシラン、
-エチルトリエトキシシラン、
-ヘキシルトリメトキシシラン、
-ヘキシルトリエトキシシラン、
-オクチルトリメトキシシラン、
-オクチルトリエトキシシラン、
-ドデシルトリメトキシシラン、
-ドデシルトリエトキシシラン、
-ビニルトリメトキシシラン、
-ビニルトリエトキシシラン、
-テトラメトキシシラン、
-テトラエトキシシラン、
-(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン、
-(3-アミノプロピル)トリメトキシシラン、
-(2-アミノエチル)トリエトキシシラン、
-(2-アミノエチル)トリメトキシシラン、
-(3-ジメチルアミノプロピル)トリエトキシシラン、
-(3-ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、
-(2-ジメチルアミノエチル)トリエトキシシラン、および
-(2-ジメチルアミノエチル)トリメトキシシラン
からなる群から選択される有機C1-C6アルコキシシランの1つ以上を加水分解および予備縮合することによって得られることを特徴とする。
C1-C6アルコキシシロキサンから混合物を調製する際、式(I)で示される化合物の群からの有機C1-C6アルコキシシランのみ、式(II)で示される化合物の群からの有機C1-C6アルコキシシランのみ、または式(IV)で示される化合物の群からの有機C1-C6アルコキシシランのみを使用できる。
しかし、特に有利な特性を有する化粧用剤は、C1-C6アルコキシシロキサンの混合物の調製時に、異なるC1-C6アルコキシシランの混合物を使用した際に得られた。特に良好な結果は、式(I)で示される有機C1-C6アルコキシシランの少なくとも1つと式(IV)で示される有機C1-C6アルコキシシランの少なくとも1つの両方を使用した際に得られた。ケラチン物質に使用すると、対応する剤は、特に柔軟で耐久性のある被覆またはフィルムの形成をもたらした。
これに関し、特定の量的比で式(I)で示される有機C1-C6アルコキシシランと式(IV)で示される有機C1-C6アルコキシシランとを使用することが特に有利であった。
別の特に好ましい実施形態では、本発明の方法は、化粧用剤が有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物を含んでなり、該混合物が、1:1~1:10、好ましくは1:1~1:8、より好ましくは1:1~1:6、更により好ましくは1:1~1:4、非常に特に好ましくは1:2~1:4の重量比(I)/(IV)で、式(I)で示される1つ以上の有機C1-C6アルコキシシランおよび式(IV)で示される1つ以上の有機C1-C6アルコキシシランを使用することによって得られることを特徴とする。
1:1の式(I)で示される有機C1-C6アルコキシシランおよび式(IV)で示される有機C1-C6アルコキシシランの重量比、即ち重量比(I)/(IV)では、例えば、1重量部の(3-アミノプロピル)トリエトキシシランおよび1重量部のメチルトリエトキシシランを使用できる。また、1重量部の(3-アミノプロピル)トリエトキシシランおよび1重量部のメチルトリメトキシシランを使用することもできる。
1:10の式(I)で示される有機C1-C6アルコキシシランおよび式(IV)で示される有機C1-C6アルコキシシランの重量比、即ち重量比(I)/(IV)では、例えば、1重量部の(3-アミノプロピル)トリエトキシシランおよび10重量部のメチルトリエトキシシランを使用できる。また、1重量部の(3-アミノプロピル)トリエトキシシランおよび10重量部のメチルトリメトキシシランを使用することもできる。
示した重量比は、有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物の調製時に使用される式(I)で示される全有機C1-C6アルコキシシランの総量を包含することが理解され、この総量は、式(IV)で示される全有機C1-C6アルコキシシランの総量に関して設定される。
重量比(I)/(IV)は、非常に特に好ましくは1:1~1:8、より好ましくは1:1~1:6、更により好ましくは1:1~1:4、非常に特に好ましくは1:2~1:4である。
換言すると、式(I)で示される有機C1-C6アルコキシシランと比べて、式(IV)で示される有機C1-C6アルコキシシランを2~4倍の重量過剰で使用すると、非常に特に好ましいことが見出された。
また、式(I)で示される有機C1-C6アルコキシシランと式(II)で示される有機C1-C6アルコキシシランの両方を使用した場合にも、良好な結果が得られた。これに関し、式(I)で示されるC1-C6アルコキシシランおよび式(II)で示される有機C1-C6アルコキシシランを特定の量的比率で使用することが有利であった。
別の実施形態では、本発明の方法は、化粧用剤が有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物を含有し、該混合物が、式(I)で示される1つ以上の有機C1-C6アルコキシシランおよび式(II)で示される1つ以上の有機C1-C6アルコキシシランを、1:1~1:10、好ましくは1:1~1:8、より好ましくは1:1~1:6、更により好ましくは1:1~1:4、非常に特に好ましくは1:2~1:4の重量比(I)/(II)で使用することによって得られることを特徴とする。
反応容器
有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物の調製は、好ましくは、この目的に適した反応器または反応容器内で実施する。少量のバッチに非常に適した反応容器は、例えば、化学反応に通常使用される1リットル容、3リットル容または5リットル容のガラスフラスコ、例えば、グランドジョイント付き3リットル容一口または多口フラスコである。
所定の条件下にその中で決まる反応工程を可能にし、該工程を制御できるように特に設計および製造された区切られた空間(コンテナ、容器)は、反応器と称される。
より大きなバッチの場合、金属製の反応器内で反応を行うことが有利であることが見出された。典型的な反応器は、例えば、10リットル、20リットルまたは50リットルの充填量を含み得る。生産規模のより大きな反応器はまた、100リットル、500リットルまたは1000リットルの充填量を含むことができる。
二重壁反応器は、2つの反応器シェルまたは反応器壁を有し、温度制御液体が、2つの壁の間に位置する領域を循環できる。これにより、温度を必要な値に特に適切に設定できる。
反応器、特に熱交換表面積が増大した二重壁反応器の使用も特に適していることが見出された。熱交換は、内部付属部品を介して行うことも、外部熱交換器を用いて行うこともできる。
相応の反応器は、例えば、IKA社製の実験用反応器である。これに関して、「LR-2.ST」モデルまたは「マジックプラント」が挙げられる。
使用できる別の反応器は、非常に良好な熱放散、従って特に正確な温度制御をこの方法で実施できることから、薄膜蒸発器を備えた反応器である。薄膜蒸発器は、薄層蒸発器とも称される。薄膜蒸発器は、例えばAsahi Glassplant Inc.などから市販されている。
溶媒の不使用
既に上記で述べたように、有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物は、所定量の水および触媒を添加することによって、1つ以上の有機C1-C6アルコキシシランを加水分解および予備縮合することにより調製される。
加水分解および予備縮合は、水とは異なる溶媒の非存在下で実施される。これは、加水分解および予備縮合のために水と有機C1-C6アルコキシシランとを混合するが、それ以外の溶媒は、この反応混合物に添加されないことを意味する。
使用されない溶媒は、例えば、エタノール、メタノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、アセトン、酢酸エチルおよびアセトニトリルである。メタノール、エタノール、イソプロパノールおよびアセトンからなる群から選択される溶媒を添加せずに本発明の方法を実施すると、特に有利であることが見出された。
従って、別の好ましい実施形態では、本発明の方法は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-プロパノール、n-ペンタノール、n-ヘキサノール、ベンジルアルコール、2-フェニルエタノール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、グリセロール、アセトン、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、酢酸エチルおよびアセトニトリルからなる群から選択される溶媒の不存在下で、加水分解および予備縮合を実施することを特徴とする。
水とは異なる溶媒が存在しないということは、水および有機C1-C6の混合物に溶媒を添加しないことを意味すると理解される。有機C1-C6アルコキシシランの加水分解または縮合では通常C1-C6アルコキシ基が存在し、この基は、水の存在下、対応するアルコールに更に反応する。メトキシシラン(例えば、メチルトリメトキシシラン)をこの反応で使用した場合、少量のメタノールが、触媒による加水分解または縮合において存在する。エトキシシラン(例えば、メチルトリエトキシシラン)をこの反応で使用した場合、反応混合物中で同様にしてエタノールが生成される。脱離基の分離に起因して存在するこれらの少量のアルコールは外部から添加されるものではなく、反応に起因してその間に反応混合物中で生成される。しかし、これらの中間体アルコールの量は、明らかに、本発明の意味の範囲内で、存在する溶媒として理解されるべきではない。本出願の対象にとって、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどの追加の溶媒が、C1-C6アルコキシシラン、水および(溶媒ではない)触媒からなる反応混合物に外部から添加されないことが重要である。
換言すると、本発明の第一の対象は、化粧用剤をケラチン物質、特にヒトの毛髪に適用し、曝露時間の後に濯ぎ落とす、ケラチン物質の処理方法であって、化粧用剤は有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物を含有し、該混合物は、水および触媒を添加することにより1つ以上の有機C1-C6アルコキシシランを特異的に加水分解および予備縮合させることによって得られ、該加水分解および予備縮合は、水とは異なる溶媒の添加を伴わずに行われることを特徴とする方法に関する。
本明細書において、溶媒の添加とは、C1-C6アルコキシシラン、水および触媒の混合物に溶媒を添加することを意味すると理解される。
化粧用剤をケラチン物質、特にヒトの毛髪に適用し、曝露時間の後に濯ぎ落とす、ケラチン物質の処理方法であって、化粧用剤は有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物を含有し、該混合物は、水および触媒の添加により1つ以上の有機C1-C6アルコキシシランを特異的に加水分解および予備縮合することによって得られ、該加水分解および予備縮合は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-プロパノール、n-ペンタノール、n-ヘキサノール、ベンジルアルコール、2-フェニルエタノール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、グリセロール、アセトン、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、酢酸エチルおよびアセトニトリルからなる群から選択される溶媒の添加を伴わずに行われることを特徴とする方法が好ましい。
有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物の調製後、加水分解反応によって中間的に生成されるC1-C6アルコールを除去することが特に好ましいことが見出された。除去は、例えばロータリーエバポレーターを使用して、減圧下で蒸留することによって実施できる。
水の添加による特異的な加水分解
特定の加水分解、従って予備縮合を開始するために、1つ以上の有機C1-C6アルコキシシランの混合物、好ましくは式(I)、(II)および/または(IV)の混合物を水と混合または混合する。
例えば有機C1-C6アルコキシシランに水を滴加するまたは注ぐことにより、水を添加できる。
この場合、水の滴加または添加は室温で実施できる。しかし、水および触媒の添加の前に、30~80℃、好ましくは35~75℃、より好ましくは40~70℃、最も好ましくは45~65℃の温度に有機C1-C6アルコキシシランを加熱すると、後の化粧用剤の挙動特性に特に有利である。
別の特に好ましい実施形態では、本発明の方法は、水および触媒の添加の前に、30~80℃、好ましくは35~75℃、より好ましくは40~70℃、最も好ましくは45~65℃の温度に有機C1-C6アルコキシシランを加熱することを特徴とする。
好ましい温度範囲および特に好ましい温度範囲は、反応容器または反応器を温度調整することによって調整できる。例えば、反応容器または反応器は、例えば水浴またはシリコーン油浴であり得る温度制御浴で外側から取り囲むことができる。
反応が二重壁反応器内で行われる場合、温度制御された液体が、二重壁によって形成された、反応チャンバーを取り囲む空間を通過することもできる。
加水分解反応は発熱性であるため、熱放散を改善するには反応混合物を撹拌または混合することが特に有利であることが見出された。従って、特に好ましくは、撹拌しながら水を添加する。水および触媒の添加によって開始される反応は発熱的に更に進行し、その結果、反応混合物は上記の好ましい温度範囲に留まるか、または更なるエネルギー供給を伴わずに更に昇温され得る。反応の発熱によって引き起こされる更なる昇温が5~20℃の範囲内に留まることが好ましい。反応混合物がこの範囲を超えて昇温する場合、混合物を冷却することが有利である。
水は、連続的に、少しずつ、または全量を直接添加できる。十分な温度制御を確実にするために、水の添加量と速度に反応混合物を適応させる。使用するシランの量に応じて、添加および反応は2分~72時間にわたって実施し得る。
水の添加により、有機C1-C6アルコキシシランの特異的な加水分解が開始される。本発明の意味において、特異的な加水分解とは、有機C1-C6アルコキシシランに存在するC1-C6アルコキシ基の全てではなく一部が加水分解されることを意味すると理解される。
特に好ましくは、特異的な加水分解は、準化学量論量の水の添加によって行われる。この場合、使用される水の量は、Si原子上の全ての既存加水分解性C1-C6アルコキシ基、即ちアルコキシシラン基を加水分解するのに理論的に必要とされる量より少ない。従って、有機C1-C6アルコキシシランの部分加水分解が非常に特に好ましい。
有機C1-C6アルコキシシランに対する水の化学量論比は、水のモル当量(S-W)の比率によって定義され得る。前記水は、下記式:
S-W = モル(水)/[モル(シラン)×n(アルコキシ)]
[式中、
S-W = 水のモル当量
モル(水) = 使用する水のモル量
モル(シラン) = 反応に使用するC1-C6アルコキシシランの総モル量
n(アルコキシ) = C1-C6アルコキシシラン当たりのC1-C6アルコキシ基の数]
に従って計算される。
換言すると、水のモル当量は、使用するC1-C6アルコキシシラン上に存在する加水分解性C1-C6アルコキシ基の総モル数に対する、使用する水のモル量のモル比を与える。
更なる非常に特に好ましい実施形態では、本発明の方法は、
式:S-W = モル(水)/[モル(シラン)×n(アルコキシ)]
[式中、
S-W = 水のモル当量
モル(水) = 使用する水のモル量
モル(シラン) = 反応に使用するC1-C6アルコキシシランの総モル量
n(アルコキシ) = C1-C6アルコキシシラン当たりのC1-C6アルコキシ基の数]
に従って計算される0.10~0.80、好ましくは0.15~0.70、更に好ましくは0.20~0.60、非常に特に好ましくは0.25~0.50モル当量の水を加えることにより、有機C1-C6アルコキシシランを特異的に加水分解させることを特徴とする。
触媒を用いたC1-C6アルコキシシランの特異的な加水分解により有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物を調製すると、C1-C6アルコキシシラン当たりのC1-C6アルコキシ基の数は、この構造のシラン中に存在するC1-C6アルコキシ基の数に相当する。しかし、構造的に異なるC1-C6アルコキシシランの混合物を加水分解において使用すると、n(アルコキシ)は、C1-C6アルコキシシランのC1-C6アルコキシ基の数的平均に相当する。式:S-Wを使用すると、水のモル当量は、例えば下記の通り計算される。
S-W = モル(水)/[{モル(シラン(I))×n(アルコキシ(I))}+{モル(シラン(IV))×n(アルコキシ(IV))}]
式中、
S-W = 水のモル当量
モル(水) = 使用する水のモル量
モル(シラン(I)) = 式(I)で示されるC1-C6アルコキシシランの使用する総モル量
n(アルコキシ(I)) = 式(I)で示されるC1-C6アルコキシシラン当たりのC1-C6アルコキシ基の数
モル(シラン(IV)) = 式(IV)で示されるC1-C6アルコキシシランの使用する総モル量
n(アルコキシ(IV)) = 式(IV)で示されるC1-C6アルコキシシラン当たりのC1-C6アルコキシ基の数

反応容器内で、20.0gの3-アミノプロピルトリエタンシラン(C9H23NO3Si=221.37g/mol)および50.0gのメチルトリメトキシシラン(C4H12O3Si=136.22g/mol)を一緒に混合した。
20.0gの3-アミノプロピルトリエタンシラン=0.0903mol(一分子当たり3個の加水分解性アルコキシ基)
50.0gのメチルトリメトキシシラン=0.367mol(一分子当たり3個の加水分解性アルコキシ基)
次いで、触媒(18.015g/mol)が供給された10.0gの水を、撹拌しながら滴加した。
10.0gの水=0.555mol
モル当量の水=0.555mol/[(3×0.090mol)+(3×0.367mol)]=0.40
この反応で、C1-C6アルコキシシランを、0.40モル当量の水で変換した。
更なるまたは別のC1-C6アルコキシシラン混合物を使用する場合は、それに応じて、式:S-Wを適応させる。
有機C1-C6アルコキシシランと水との反応は、様々な方法で実施できる。混合によりC1-C6アルコキシシランを水と接触させると直ちに反応は開始する。C1-C6アルコキシシランおよび水が接触すると、下記スキーム(例として、3-アミノプロピルトリエトキシシランを用いた反応スキーム)に従って発熱加水分解反応が起こる。
Figure 2024506880000040
シラン分子1個当たりの加水分解性C1-C6アルコキシ基の数に応じて、使用されるC1-C6アルコキシシラン1個当たり何回かの加水分解反応も起こり得る。

Figure 2024506880000041
または
Figure 2024506880000042
例として、メチルトリメトキシシランを用いた加水分解
Figure 2024506880000043
使用する水の量に応じて、使用するC1-C6アルコキシシラン1個あたり何回かの加水分解反応も繰り返され得る。
Figure 2024506880000044
または
Figure 2024506880000045
予備縮合
部分的に(または一部は完全に)加水分解されたC1-C6アルコキシシランの縮合は、加水分解の後、または加水分解とほぼ同時に起こる。予備縮合は、例えば、下記スキームに従って進行し得る。
Figure 2024506880000046

Figure 2024506880000047
部分的に加水分解されたC1-C6アルコキシシランおよび完全に加水分解されたC1-C6アルコキシシランの両方が、縮合反応に関与でき、未反応の、部分的に加水分解された、または完全に加水分解されたC1-C6アルコキシシランと縮合する。
起こり得る縮合反応は、例えば下記である((3-アミノプロピル)トリエトキシシランおよびメチルトリメトキシシランの混合物を用いて示す)。
Figure 2024506880000048
および/または
Figure 2024506880000049
および/または
Figure 2024506880000050
および/または
Figure 2024506880000051
および/または
Figure 2024506880000052
および/または
Figure 2024506880000053
および/または
Figure 2024506880000054
上記の例示的な反応スキームでは、二量体を生成するための縮合が示されているが、複数のシラン原子を有するオリゴマーへの更なる縮合も起こり得、好ましい。
従って、本発明の意味において、予備縮合は、有機C1-C6アルコキシシランの少なくとも1つの二量体への縮合である。
換言すると、本発明の第一の対象は、化粧用剤をケラチン物質、特にヒトの毛髪に適用し、曝露時間の後に濯ぎ落とす、ケラチン物質の処理方法であって、化粧用剤が有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物を含有し、該混合物が、水、好ましくは準化学量論量の水、および触媒の添加により、1つ以上の有機C1-C6アルコキシシランを加水分解および予備縮合することによって得られ、加水分解および予備縮合が、水とは異なる溶媒の非存在下、または水とは異なる溶媒の添加を伴わずに実施されることを特徴とする方法である。
簡単に言うと、本発明の第一の対象は、化粧用剤をケラチン物質、特にヒトの毛髪に適用し、曝露時間の後に濯ぎ落とす、ケラチン物質の処理方法であって、化粧用剤が有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物を含有し、該混合物が、1つ以上の有機C1-C6アルコキシシランと水、好ましくは準化学量論量の水、および触媒との混合並びに反応によって得られることを特徴とする方法である。
例えば、式(I)で示されるC1-C6アルコキシシランの部分加水分解物および完全加水分解物の両方が、これらの縮合反応に関与でき、未反応の式(I)で示されるC1-C6アルコキシシランまたは該C1-C6アルコキシシランの部分加水分解物若しくは完全加水分解物と縮合できる。この場合、式(I)で示されるC1-C6アルコキシシランはそれ自体と反応する。
また、式(I)で示されるC1-C6アルコキシシランの部分加水分解物および完全加水分解物の両方は、未反応の式(IV)で示されるC1-C12アルキルC1-C6アルコキシシランまたは該C1-C12アルキルC1-C6アルコキシシランの部分加水分解物若しくは完全加水分解物との縮合を伴う縮合反応に関与することもできる。この場合、式(I)で示されるC1-C6アルコキシシランは式(IV)で示されるC1-C6アルコキシシランと反応する。
また、式(IV)で示されるC1-C6アルコキシシランの部分加水分解物および完全加水分解物の両方が、縮合反応に関与でき、未反応の式(IV)で示されるC1-C6アルコキシシランまたは該C1-C6アルコキシシランの部分加水分解物若しくは完全加水分解物と縮合できる。この場合、式(IV)で示されるC1-C6アルコキシシランはそれ自体と反応する。
上記の例示的反応スキームでは、二量体を生成する縮合が示されているが、複数のシラン原子を有するオリゴマーを生成するための縮合も可能であり、好ましい。
縮合反応の程度は、加える水の量によって決まる。水の量は、好ましくは、予備縮合が部分縮合となるように測定される。本明細書における「部分縮合」は、結果として得られる有機ケイ素化合物が、それぞれの場合において剤中で一分子当たり少なくとも1つの加水分解性/縮合性基を有するように、供給されたシランの全ての縮合性基が互いに反応しないことを意味する。
触媒
有機C1-C6アルコキシシランの調製において、有機C1-C6アルコキシシランは、水および触媒の添加により特異的に加水分解および予備される。触媒の添加により、加水分解反応が開始または促進される。
触媒とは、それ自体は消費されることなく、化学反応の活性化エネルギーを低減させることによって反応速度を高める物質を意味すると理解される。触媒は、水の添加前、添加後、または添加中に添加できる。
有機C1-C6アルコキシシランの混合物の調製のために、水に溶解または分散する触媒を使用し、それを水と一緒に溶液または分散液として、有機C1-C6アルコキシシランと溶媒との混合物に添加することが特に有利であることが見出された。
最も好ましくは、触媒は、無機酸または有機酸および無機塩基または有機塩基の群から選択される。
特によく適した触媒は無機酸および有機酸であり、これは、好ましくは、硫酸、塩酸、リン酸、マレイン酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、酢酸、メタンスルホン酸、安息香酸、マロン酸、シュウ酸および1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸からなる群から選択され得る。硫酸、塩酸およびマレイン酸が明らかに非常に特に好ましい。
更なる非常に特に好ましい実施形態では、本発明の方法は、触媒が、硫酸、塩酸、リン酸、マレイン酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、酢酸、メタンスルホン酸、安息香酸、マロン酸、シュウ酸、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸からなる群から好ましくは選択される、無機酸および有機酸からなる群から選択されることを特徴とする。
また、特に適当な触媒は、無機塩基および有機塩基であり、これは、好ましくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウムおよび水酸化カルシウムからなる群から選択され得る。水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムが非常に特に好ましい。
また、別の無機アルカリ化剤または塩基を使用することもできる。本発明によれば、使用可能な無機アルカリ化剤は、好ましくは、例えば、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムからなる群から選択することができる。
更なる非常に特に好ましい実施形態では、本発明の方法は、触媒が、無機塩基および有機塩基からなる群から、好ましくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウムおよび水酸化カルシウムからなる群から選択されることを特徴とする。
金属触媒を、前述の加水分解または縮合反応を開始または促進するために使用することもできる。適当な金属触媒系は、例えば、チタンテトラブトキシド、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ビス(アセチルアセトネート)などの錫またはチタンをベースとした触媒である。
本発明によれば、触媒は、好ましくは、触媒にとって通常の量的範囲で使用される。触媒は、それ自体は消費されずに加水分解または縮合を促進するため、使用量を少なく選択できる。
例えば、触媒は、0.0000001~2.0重量%、好ましくは0.0001~1.5重量%、非常に特に好ましくは0.01~1.0重量%の量的範囲で使用できる。ここで、重量%単位の記載は、有機C1-C6アルコキシシランおよび水の総量に対する、使用する触媒の総量に基づく。
有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物の調製方法
有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物を調製するため、基本的に様々な方法が考えられる。
1つの可能な調製方法は、例えば下記の方法である。
i)丸底フラスコに、有機C1-C6アルコキシシラン、例えばメチルトリメトキシシランまたはメチルトリエトキシシランを供給する。
ii)満たされた丸底フラスコは、撹拌機および温度計を備えている。
iii)次いで、丸底フラスコを撹拌装置に固定し、冷却システムに接続する。
iv)500rpmで撹拌しながら、フラスコの内容物を油浴を用いて所望の温度にする。
v)所望の温度に達したら、触媒を含む水を、100mL容の滴下漏斗を用いて3分間かけて丸底フラスコに計量供給する。滴下漏斗を装置から取り外し、予め計算した量の追加の有機C1-C6アルコキシシラン、例えば(3-アミノプロピル)-トリエトキシシランを含む新しい滴下漏斗と交換する。
vi)水および触媒の添加完了から10~60分後、第二の有機C1-C6アルコキシシランを滴加する。
vii)必要に応じて、追加量の水および触媒を滴加する。
viii)更に30~240分間撹拌を継続する。
ix)このように調製した有機C1-C6アルコキシシランの混合物を、熱いうちに漏出防止容器に充填する。
この調製方法は、使用する触媒が少なくとも1つの酸、例えば、硫酸、塩酸、リン酸、マレイン酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、酢酸、メタンスルホン酸、安息香酸、マロン酸、シュウ酸および1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸からなる群から選択される酸である場合に特に適している。
また、この調製方法は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウムおよび水酸化カルシウムからなる群から好ましくは選択される、少なくとも1つの塩基を触媒として使用する場合にも特に適している。
この調製方法に示されている通り、本発明によれば、酸または塩基を触媒として使用する場合、第一の有機C1-C6アルコキシシランと、第一のC1-C6アルコキシシランの加水分解および予備縮合を開始する水および触媒とを混合し、次いで、第二の有機C1-C6アルコキシシランを添加することが更に好ましい。
上記方法の工程I)で式(IV)で示される有機C1-C6アルコキシシランの少なくとも1つを使用し、上記方法の工程v)またはvi)で更に式(I)で示される有機C1-C6アルコキシシランの少なくとも1つを添加すると、特に良好な化粧品特性を有する有機C1-C6アルコキシシランの混合物が得られた。
更なる非常に特に好ましい実施形態では、本発明の方法は、化粧用剤が有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物を含んでなり、該混合物が、
(1)式(IV)で示される有機C1-C6アルコキシシランの1つ以上を、30~80℃、好ましくは35~75℃、更に好ましくは40~70℃、非常に特に好ましくは45~65℃の温度に加熱し、それを水および触媒と混合する工程、次いで、
(2)工程(1)で得た混合物を1分間から3時間撹拌する工程、次いで、
(3)工程(2)で得た混合物と、式(I)で示される有機C1-C6アルコキシシランの1つ以上とを混合する工程、
(4)必要に応じて、工程(3)で得た混合物と、更なる水および触媒とを混合する工程、
(5)工程(3)で得た混合物または工程(4)で得た混合物を、30分間~24時間撹拌する工程
によって得られることを特徴とする。
工程(4)は任意である。工程(4)では、工程(3)で得た反応混合物を、水および触媒と再度混合してよい。工程(4)を実施する場合、工程(4)に工程(5)が続く。工程(4)を実施しない場合、工程(3)に工程(5)が続く。即ち、この場合、工程(3)で得た混合物を工程(5)で再び30分間~24時間撹拌する。
別の非常に特に好ましい実施形態では、本発明の方法は、
(5)工程(3)で得た混合物または工程(4)で得た混合物を、30~80℃、好ましくは40~70℃の温度で、30分間~24時間、好ましくは40分間~18時間撹拌することを特徴とする。
別の明らかに非常に特に好ましい実施形態では、本発明の方法はまた、化粧用剤が有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物を含有し、該混合物が、
(1)式(IV)で示される有機C1-C6アルコキシシランの1つ以上を、30~80℃、好ましくは35~75℃、更に好ましくは40~70℃、非常に特に好ましくは45~65℃の温度に加熱し、それを、無機酸および有機酸の群からの触媒および水と混合する工程、
(2)工程(1)で得られた混合物を1分間~3時間撹拌する工程、次いで、
(3)工程(2)で得られた混合物を、式(I)で示される有機C1-C6アルコキシシランの1つ以上と混合する工程、次いで、
(4)工程(3)で得られた混合物を、更に無機塩基および有機塩基の群からの触媒および水と混合する工程、および
(5)工程(3)で得た混合物または工程(4)で得た混合物を、30分間~24時間撹拌する工程
によって得られることを特徴とする。
別の明らかに非常に特に好ましい実施形態では、本発明の方法はまた、化粧用剤が有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物を含有し、該混合物が、
(1)式(IV)で示される有機C1-C6アルコキシシランの1つ以上を、30~80℃、好ましくは35~75℃、更に好ましくは40~70℃、非常に特に好ましくは45~65℃の温度に加熱し、それを、硫酸、塩酸、リン酸、マレイン酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、酢酸、メタンスルホン酸、安息香酸、マロン酸、シュウ酸および1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸からなる群から選択される触媒および水と混合する工程、次いで、
(2)工程(1)で得た混合物を、1分間~3時間撹拌する工程、次いで、
(3)工程(2)で得た混合物を、式(I)で示される有機C1-C6アルコキシシランの1つ以上と混合する工程、次いで、
(4)工程(3)で得た混合物を、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウムおよび水酸化カルシウムからなる群から選択される更なる触媒および水と混合する工程、
(5)工程(3)で得た混合物または工程(4)で得た混合物を、30分間~24時間撹拌する工程
によって得られることを特徴とする。
別の可能な調製方法は以下である。
i)丸底フラスコにおいて、所定量の有機C1-C6アルコキシシラン、例えば、メチルトリメトキシシランおよび/またはメチルトリエトキシシランおよび/または(3-アミノプロピル)トリエトキシシランを供給する。
特に好ましくは、メチルトリメトキシシランおよび(3-アミノプロピル)トリエトキシシランを混合する工程において、メチルトリエトキシシランおよび(3-アミノプロピル)トリエトキシシランの混合物、エチルトリエトキシシランおよび(3-アミノプロピル)トリエトキシシランの混合物を供給する。
ii)満たされた丸底フラスコは、撹拌機および温度計を備えている。
iii)次いで、丸底フラスコを撹拌装置に固定し、冷却システムに接続する。
iv)500rpmで撹拌しながら、フラスコの内容物を油浴を用いて所望の温度にする。
v)所望の温度に達したら、触媒を含む水を、100mL容の滴下漏斗を用いて3分間かけて丸底フラスコに計量供給する。
vi)更に1分間~24時間撹拌する。
vii)このように調製した有機C1-C6アルコキシシランの混合物を、熱いうちにまたは室温に冷却した後に漏出防止容器に充填する。
この調製方法では、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウムおよび水酸化カルシウムからなる群から選択される少なくとも1つの塩基を触媒として使用することが特に適している。
別の実施形態では、特に好ましい方法は、化粧用剤が有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物を含んでなり、該混合物が、
(1)式(I)で示される有機C1-C6アルコキシシランの1つ以上を、式(IV)で示される有機C1-C6アルコキシシランの1つ以上と相互に混合する工程、
(2)工程(1)で得た混合物を、30~80℃、好ましくは35~75℃、より好ましくは40~70℃、最も好ましくは45~65℃の温度に加熱し、それを水および触媒と混合する工程、次いで、
(3)工程(2)で得た混合物を1分間~24時間撹拌する工程
によって得られることを特徴とする。
特に良好な化粧品特性を有する有機C1-C6アルコキシシランの混合物は、上記方法の工程i)において、式(IV)で示される有機C1-C6アルコキシシランの少なくとも1つおよび更に式(I)で示される有機C1-C6アルコキシシランの少なくとも1つを付加的に使用したときに主に得られた。
更なる非常に特に好ましい実施形態では、本発明の方法は、化粧用剤が有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物を含んでなり、該混合物が、
(1)式(I)で示される有機C1-C6アルコキシシランの1つ以上を、式(IV)で示される有機C1-C6アルコキシシランの1つ以上と混合し、水および触媒の添加によりそれを特異的に加水分解および予備縮合することによって得られることを特徴とする。
換言すると、好ましい本発明の方法は、化粧用剤が有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物を含んでなり、該混合物が、
(1)式(I)で示される有機C1-C6アルコキシシランの1つ以上と式(IV)で示される有機C1-C6アルコキシシラン1つ以上のとを混合し、それと水および触媒とを混合することによって得られることを特徴とする。
別の非常に特に好ましい実施形態では、前記した本発明の方法は、
(2)工程(1)で得た混合物を、30~80℃、好ましくは40~70℃の温度で、1分間~24時間、好ましくは2分間~24時間の間撹拌すること
を特徴とする。
このようにして調製された有機C1-C6アルコキシシランの混合物はまた、シランブレンドとも称され得る。
該混合物を調製するために使用される有機C1-C6アルコキシシランは、二量体、三量体、オリゴマー、そしておそらく少量ではあるが、より分子量の高いポリマー状のC1-C6アルコキシシロキサンも混合物中に存在するように、部分的に加水分解および予備縮合される。ケイ素原子に結合しているC1-C6アルコキシ基の全てが反応しているわけではないので、混合物はなお、後続の適用でケラチン物質ともっぱら反応し、従って、続いて縮合してより高いポリマー系を生成することさえできる反応性官能基を有する。これらの混合物をケラチン物質処理用化粧用剤に使用すると、この方法で、非常に耐久性があり均一なフィルムまたはコーティングをケラチン物質上に生成できる。
ケラチン物質の処理方法
ケラチン物質、特にヒトの毛髪に適用される剤は通常、水分含有量の高い剤である。本発明の第一の対象の方法に使用される化粧用剤はまた、無水若しくは低含水量の、または高含水量の、即ち、含水量が50重量%超、好ましくは60重量%超、特に好ましくは70重量%超の、使用できる状態にある剤である。
上記した有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物は反応性基をなお有し、貯蔵期間がより長い場合、過剰の水によって加水分解され得るので、それは、好ましくは、水分の少ない濃縮物の形態で使用者に提供され、使用直前に水含有キャリアと混合され、この方法で希釈される。
従って、下記工程を下記順で含むケラチン物質、特にヒトの毛髪の処理方法が特に好ましい:
(i)上記で説明した調製方法で有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物を供給する工程、
(ii)使用できる状態にある化粧用剤を得るために、有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物と化粧品用キャリア、好ましくは水性化粧品用キャリアとを混合する工程、
(iii)工程(ii)で調製した化粧用剤をケラチン物質に適用する工程、
(iv)工程(iii)で適用した剤をケラチン物質に吸収させる工程、
(v)ケラチン物質から剤を濯ぎ落とす工程、
(vi) 必要に応じて、後処理剤をケラチン物質に適用する工程、
(vii)必要に応じて、後処理剤をケラチン物質上に適用する工程、および
(viii)必要に応じて、ケラチン物質から後処理剤を濯ぎ落とす工程。
上記方法の工程(i)では、有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物を供給する。これは、例えば、個別にパッケージされたパネルまたは濃縮物の形で実施され、これは好ましくは密閉状態で梱包されている。適用直前に工程(ii)の使用者または美容師は、使用できる状態にある化粧用剤を得るために、この濃縮物と、化粧品用キャリア、好ましくは水性化粧品用キャリアとを混合してよい。
貯蔵安定性の理由から有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物は、好ましくは更なる化粧品用成分を含まない。しかし、化粧品用キャリアは種々の更なる成分を含み得る。
化粧品用キャリアにおいて任意に使用され得る化粧品用成分は、剤に更なる肯定的な性質を付与するのに適した成分の全てであり得る。例えば、増粘またはフィルム形成ポリマーの群からの化粧品用成分、非イオン性、カチオン性、アニオン性または双生イオン/両性界面活性剤の群からの界面活性化合物、顔料、直接染料、酸化染料前駆体の群からの着色化合物、C8-C30脂肪族アルコールの群からの脂肪成分、炭化水素化合物、脂肪酸エステル、pH調整剤の群に関連する酸および塩基、香料、防腐剤、植物抽出物およびタンパク質加水分解物を添加できる。
C1-C6アルコキシシロキサン混合物および化粧品用キャリアの混合は、例えば撹拌または振盪により実施できる。2つの調製物を2つの容器内で別々に組み立て、次いで、適用前に、C1-C6アルコキシシロキサン混合物の全量をその容器から、水含有化粧品用キャリアが入っている容器に移すことが、非常に特に有利である。
C1-C6アルコキシシロキサン混合物および幾つかの場合には水含有化粧品用キャリアを、異なる量的比率で互いに混合してよい。
比較的高濃度で含水量が低いシランブレンドの形態のC1-C6アルコキシシロキサン混合物が特に好ましく、これは、水性化粧品用キャリアとの混合により実質的に希釈される。このため、過剰重量の化粧品用キャリアとC1-C6アルコキシシロキサン混合物とを混合することが非常に特に好ましい。例えば、1重量部のシロキサン混合物と20重量部のキャリアを混合すること、または1重量部のシロキサン混合物と10質量部のキャリアを混合すること、または1重量部のシロキサン混合物と5重量部のキャリアを混合することが好ましい。
しかし、一実施形態では、不足量の化粧品用キャリアと混合される過剰量のC1-C6アルコキシシロキサン混合物の使用も考えられる。従って、1重量部ののシロキサン混合物を1重量部のキャリアと混合すること、または1重量部のシロキサン混合物を0.5重量部のキャリアと混合することもまた好適であり得る。
前記方法の工程(iii)では、工程(ii)で調製した使用できる状態にある化粧用剤を、ケラチン物質、特にヒトの毛髪に適用する。適用は、手袋をはめた手で行うことも、またはブラシ、ノズル若しくはアプリケーターを使用して行うこともできる。
その後、工程(iv)では、適用した剤を、ケラチン物質内にまたはケラチン物質上に作用させる、適当な曝露時間は、30~60分間、好ましくは1~30分間、より好ましくは1~20分間、最も好ましくは1~10分間である。
次いで、工程(v)で、剤をケラチン物質または毛髪から濯ぎ落とす。濯ぎ落としは、好ましくは、もっぱら水道水を用いて実施する。
工程(vi)、(vii)および(viii)において、後処理剤を任意にケラチン物質に適用して浸透させ、次いで、必要に応じて再び濯ぎ落としてもよい。
上記ケラチン処理方法がヒトの毛髪の着色方法であることが非常に特に好ましい。この実施形態では、工程(ii)で適用される使用できる状態にある化粧用剤は、特に好ましくは、少なくとも1つの顔料および/または直接染料を更に含有する。
更なる非常に特に好ましい実施形態では、本発明の方法は、ヒトの毛髪の着色方法であること、および工程(iii)で適用される使用できる状態にある化粧用剤が少なくとも1つの顔料および/または直接染料を更に含有することを特徴とする。
特にケラチン物質の処理方法が、特に顔料のような着色化合物が後続工程でケラチン物質に適用される着色方法である場合、後処理剤の使用が好適であり得る。
更なる非常に特に好ましい実施形態では、本発明の方法は、毛髪の着色方法であり、工程(vi)で適用される後処理剤が少なくとも1つの顔料および/または直接染料を含有することを特徴とする。
顔料および/または直接染料
本発明の検討の過程で、顔料および/または直接染料の群からの着色化合物がこの方法で適用された場合、ケラチン物質上に形成されるフィルムが、良好な摩擦堅牢度だけでなく、特に高い色強度も有することが見出された。顔料の使用が非常に特に好ましいことが見出された。
着色化合物は、顔料および直接染料の群から選択され得、直接染料は、フォトクロミック染料およびサーモクロミック染料であってもよい。
本発明の意味における顔料は、25℃での水への溶解度が0.5g/L未満、好ましくは0.1g/L未満、更に好ましくは0.05g/L未満の着色化合物を意味すると理解される。水への溶解度は、例えば、下記方法により測定できる:0.5gの顔料をビーカーに秤取する。磁気撹拌棒を加える。次いで、1Lの蒸留水を添加する。この混合物をマグネチックスターラー上で撹拌しながら25℃で1時間加熱する。この時間が経過しても顔料の未溶解成分が混合物中に見える場合、顔料の溶解度は0.5g/L未満である。おそらく高強度の顔料が微細に分散していることに起因して、顔料-水混合物を視覚的に評価できない場合は、混合物を濾過する。未溶解顔料が濾紙上に残留する場合は、その顔料の溶解度は0.5g/L未満である。
適当な顔料は、無機起源および/または有機起源であってよい。
好ましい実施形態では、本発明の方法で使用される剤は、無機顔料および/または有機顔料からなる群から選択される少なくとも1つの着色化合物を含むことを特徴とする。
好ましい着色顔料は、合成または天然の無機顔料から選択される。天然起源の無機着色顔料は、例えば、チョーク、黄土、アンバー、緑土、焼成シエナまたはグラファイトから調製できる。また、黒色酸化鉄などの黒色顔料、例えばウルトラマリンまたは赤色酸化鉄などの着色顔料、および蛍光顔料または燐光顔料を、無機着色顔料として使用できる。
有色の金属酸化物、金属水酸化物および金属酸化物水和物、混合相顔料、硫黄含有ケイ酸塩、ケイ酸塩、金属硫化物、複金属シアン化物、金属硫酸塩、クロム酸塩および/またはモリブデン酸塩が特に適している。特に好ましい着色顔料は、黒色酸化鉄(CI77499)、黄色酸化鉄(CI77492)、赤色および褐色酸化鉄(CI77491)、マンガンバイオレット(CI77742)、ウルトラマリン(スルホケイ酸アルミニウムナトリウム、CI 77007、pigment blue 29)、酸化クロム水和物(CI77289)、紺青(フェロシアン化鉄、CI77510)および/またはカルミン(コチニール)である。
本発明によれば、着色真珠光沢顔料もまた、顔料の群からの特に好ましい着色化合物である。これらは通常、雲母ベースであり、1以上の金属酸化物で被覆されている場合がある。雲母は層状ケイ酸塩である。これらのケイ酸塩の最も重要な代表例は、白雲母、金雲母、ソーダ雲母、黒雲母、鱗雲母およびマーガライトである。金属酸化物と組み合わせた真珠光沢顔料を調製するためには、雲母、主に白雲母または金雲母を金属酸化物で被覆する。
非常に特に好ましい実施形態において、本発明の方法は、対応する剤が、着色金属酸化物、金属水酸化物、金属酸化物水和物、ケイ酸塩、金属硫化物、複金属シアン化物、金属硫酸塩、青銅顔料からなる群から、および/または少なくとも1つの金属酸化物および/または金属オキシ塩化物で被覆される雲母ベース着色顔料からなる群から選択される少なくとも1つの着色化合物を含有することを特徴とする。
天然の雲母の代替品として、1以上の金属酸化物で被覆された合成雲母を真珠光沢顔料として使用することもできる。特に好ましい真珠光沢顔料は、天然または合成の雲母をベースとし、上記した金属酸化物の1以上で被覆されたものである。金属酸化物の層の厚さを変えることで、それぞれの顔料の色を変えることができる。
別の好ましい実施形態では、本発明の方法は、対応する剤が、着色金属酸化物、金属水酸化物、金属酸化物水和物、ケイ酸塩、金属硫化物、複金属シアン化物、金属硫酸塩、青銅顔料からなる群から、および/または少なくとも1つの金属酸化物および/または金属オキシ塩化物で被覆される雲母ベース着色顔料からなる群から選択される少なくとも1つの着色化合物を含有することを特徴とする。
別の好ましい実施形態では、本発明の方法は、対応する剤が、二酸化チタン(CI 77891)、黒色酸化鉄(CI 77499)、黄色酸化鉄(CI 77492)、赤色および/または褐色酸化鉄(CI 77491、CI 77499)、マンガンバイオレット(CI 77742)、ウルトラマリン(スルホケイ酸アルミニウムナトリウム、CI 77007、Pigment Blue 29)、酸化クロム水和物(CI77289)、酸化クロム(CI 77288)および/または紺青(フェロシアン化鉄、CI77510)からなる群からの1以上の金属酸化物で被覆された雲母ベース顔料から選択される少なくとも1つの着色化合物を含有することを特徴とする。
特に適当な着色顔料の例は、Merck社からRona(登録商標)、Colorona(登録商標)、Xirona(登録商標)、Dichrona(登録商標)およびTimiron(登録商標)の商品名で、Sensient社からAriabel(登録商標)およびUnipure(登録商標)の商品名で、Eckart Cosmetic Colors社からPrestige(登録商標)の商品名で、Sunstar社からSunshine(登録商標)の商品名で市販されている。
商品名がColorona(登録商標)の特に好ましい着色顔料は、例えば以下である。
Colorona Copper, Merck, 雲母, CI 77491(酸化鉄)
Colorona Passion Orange, Merck, 雲母, CI 77491(酸化鉄), アルミナ
Colorona Patina Silver, Merck, 雲母, CI 77499(酸化鉄), CI 77891(二酸化チタン)
Colorona RY, Merck, CI 77891(二酸化チタン), 雲母, CI 75470(カーマイン)
Colorona Oriental Beige, Merck, 雲母, CI 77891(二酸化チタン), CI 77491(酸化鉄)
Colorona Dark Blue, Merck, 雲母, 二酸化チタン, フェロシアン化鉄
Colorona Chameleon, Merck, CI 77491(酸化鉄), 雲母
Colorona Aborigine Amber, Merck, 雲母, CI 77499(酸化鉄), CI 77891(二酸化チタン)
Colorona Blackstar Blue, Merck, CI 77499(酸化鉄), 雲母
Colorona Patagonian Purple, Merck, 雲母, CI 77491(酸化鉄), CI 77891(二酸化チタン), CI 77510(フェロシアン化鉄)
Colorona Red Brown, Merck, 雲母, CI 77491(酸化鉄), CI 77891(二酸化チタン)
Colorona Russet, Merck, CI 77491(二酸化チタン), 雲母, CI 77891(酸化鉄)
Colorona Imperial Red, Merck, 雲母, 二酸化チタン (CI 77891), D&C RED NO. 30 (CI 73360)
Colorona Majestic Green, Merck, CI 77891(二酸化チタン), 雲母, CI 77288(酸化クロムグリーン)
Colorona Light Blue, Merck, 雲母, 二酸化チタン (CI 77891), フェロシアン化鉄 (CI 77510)
Colorona Red Gold, Merck, 雲母, CI 77891(二酸化チタン), CI 77491(酸化鉄)
Colorona Gold Plus MP 25, Merck, 雲母, 二酸化チタン (CI 77891), 酸化鉄 (CI 77491)
Colorona Carmine Red, Merck, 雲母, 二酸化チタン, カーマイン
Colorona Blackstar Green, Merck, 雲母, CI 77499(酸化鉄)
Colorona Bordeaux, Merck, 雲母, CI 77491(酸化鉄)
Colorona Bronze, Merck, 雲母, CI 77491(酸化鉄)
Colorona Bronze Fine, Merck, 雲母, CI 77491(酸化鉄)
Colorona Fine Gold MP 20, Merck, 雲母, CI 77891(二酸化チタン), CI 77491(酸化鉄)
Colorona Sienna Fine, Merck, CI 77491(酸化鉄), 雲母
Colorona Sienna, Merck, 雲母, CI 77491(酸化鉄)
Colorona Precious Gold, Merck, 雲母, CI 77891(二酸化チタン), シリカ, CI 77491(酸化鉄), 酸化スズ
Colorona Sun Gold Sparkle MP 29, Merck, 雲母, 二酸化チタン, 酸化鉄, 雲母, CI 77891, CI 77491 (EU)
Colorona Mica Black, Merck, CI 77499(酸化鉄), 雲母, CI 77891(二酸化チタン)
Colorona Bright Gold, Merck, 雲母, CI 77891(二酸化チタン), CI 77491(酸化鉄)
Colorona Blackstar Gold, Merck, 雲母, CI 77499(酸化鉄)
商品名がXirona(登録商標)の他の特に好ましい着色顔料は、例えば以下である。
Xirona Golden Sky, Merck, シリカ, CI 77891(二酸化チタン), 酸化スズ
Xirona Caribbean Blue, Merck, 雲母, CI 77891(二酸化チタン), シリカ, 酸化スズ
Xirona Kiwi Rose, Merck, シリカ, CI 77891(二酸化チタン), 酸化スズ
Xirona Magic Mauve, Merck, シリカ, CI 77891(二酸化チタン), 酸化スズ
また、商品名がUnipure(登録商標)の特に好ましい着色顔料は、例えば以下である。
Unipure Red LC 381 EM, Sensient CI 77491(酸化鉄), シリカ
Unipure Black LC 989 EM, Sensient, CI 77499(酸化鉄), シリカ
Unipure Yellow LC 182 EM, Sensient, CI 77492(酸化鉄), シリカ
Timiron Synwhite Satin, Merck, Synthetic Fluorphlogopite, 二酸化チタン、酸化チタン
Timiron Super Blue, Merck, 雲母, CI 77891(二酸化チタン)
Timiron Diamond Cluster MP 149, Merck, 雲母, CI 77891(二酸化チタン)
Timiron Splendid Gold, Merck, CI 77891(二酸化チタン)、雲母、シリカ
Timiron Super Sulver, Merck, 雲母, CI 77891 (二酸化チタン)
別の実施形態では、本発明の方法で使用される剤はまた、有機顔料からなる群から選択される1以上の着色化合物を含み得る。
本発明における有機顔料は、例えばニトロソ、ニトロ、アゾ、キサンテン、アントラキノン、イソインドリノン、イソインドリン、キナクリドン、ペリノン、ペリレン、ジケトピロロピロール、インディゴ、チオインディゴ、ジオキサジンおよび/またはトリアリールメタン化合物からなる群から選択されてよい、相応に不溶性の有機染料または着色ペイントである。
特によく適した有機顔料は、例えば以下を包含し得る:カーマイン、キナクリドン、フタロシアニン、ソルガム、カラーインデックスがCI 42090、CI 69800、CI 69825、CI 73000、CI 74100またはCI 74160の青色顔料、カラーインデックスがCI 11680、CI 11710、CI 15985、CI 19140、CI 20040、CI 21100、CI 21108、CI 47000またはCI 47005の黄色顔料、カラーインデックスがCI 61565、CI 61570またはCI 74260の緑色顔料、カラーインデックスがCI 11725、CI 15510、CI 45370またはCI 71105の橙色顔料、カラーインデックスがCI 12085、CI 12120、CI 12370、CI 12420、CI 12490、CI 14700、CI 15525、CI 15580、CI 15620、CI 15630、CI 15800、CI 15850、CI 15865、CI 15880、CI 17200、CI 26100、CI 45380、CI 45410、CI 58000、CI 73360、CI 73915および/またはCI 75470の赤色顔料。
別の特に好ましい実施形態では、本発明の方法は、対応する剤が、カーマイン、キナクリドン、フタロシアニン、ソルガム、カラーインデックスがCI 42090、CI 69800、CI 69825、CI 73000、CI 74100またはCI 74160の青色顔料、カラーインデックスがCI 11680、CI 11710、CI 15985、CI 19140、CI 20040、CI 21100、CI 21108、CI 47000またはCI 47005の黄色顔料、カラーインデックスがCI 61565、CI 61570またはCI 74260の緑色顔料、カラーインデックスがCI 11725、CI 15510、CI 45370またはCI 71105の橙色顔料、カラーインデックスがCI 12085、CI 12120、CI 12370、CI 12420、CI 12490、CI 14700、CI 15525、CI 15580、CI 15620、CI 15630、CI 15800、CI 15850、CI 15865、CI 15880、CI 17200、CI 26100、CI 45380、CI 45410、CI 58000、CI 73360、CI 73915および/またはCI 75470の赤色顔料からなる群から選択される有機顔料の群からの少なくとも1つの着色化合物を含有することを特徴とする。
有機顔料はカラーレーキであってもよい。本発明の意味において、用語「カラーレーキ」は、吸収された染料の層を含んでなる粒子を意味すると理解され、粒子および染料で構成されるユニットは、上記条件下で不溶性である。粒子は例えば無機物質であり得、これは、アルミニウム、シリカ、ホウケイ酸カルシウム、ホウケイ酸カルシウムアルミニウムまたはアルミニウムであり得る。
例えば、アリザリンカラーレーキをカラーレーキとして使用できる。
光および温度に対するそれらの優れた耐性のために、本発明に従った剤において上記顔料を使用することが特に好ましい。使用される顔料が特定の粒度を有する場合もまた好ましい。この粒度は、一方では形成されたポリマーフィルム中の顔料の均一な分布をもたらし、他方では化粧用剤の適用後の粗い毛髪または皮膚の感触を回避する。従って、本発明では、少なくとも1の顔料が1.0~50μm、好ましくは5.0~45μm、好ましくは10~40μm、特に14~30μmの平均粒度D50を有する場合に有利である。平均粒度D50は、例えば、動的光散乱(DLS)を用いて測定できる。
特定の形状の顔料も、ケラチン物質を着色するために使用され得る。例えば、薄板状および/またはレンズ状の基材プレートに基づく顔料を使用できる。また、真空蒸着顔料含有基材プレートに基づく着色剤も可能である。
別の実施形態では、本発明の方法は、対応する剤が、薄板状基材プレートに基づく顔料、レンズ状基材プレートに基づく顔料、および真空蒸着顔料からなる群から選択される少なくとも1の着色顔料を含んでなることも特徴とし得る。
このタイプの基材プレートは、最大50nm、好ましくは30nm未満、特に好ましくは最大25nm、例えば最大20nmの平均厚さを有する。基材プレートの平均厚さは、少なくとも1nm、好ましくは少なくとも2.5nm、特に好ましくは少なくとも5nm、例えば少なくとも10nmである。基材プレートの厚さの好ましい範囲は、2.5~50nm、5~50nm、10~50nm、2.5~30nm、5~30nm、10~30nm;2.5~25nm、5~25nm、10~25nm、2.5~20nm、5~20nm、および10~20nmである。好ましくは、各基材プレートは、可能な限り均一な厚さを有する。
基材プレートの厚さが薄いため、顔料は特に高い隠蔽力を示す。
基材プレートは、モノリシック構造を有する。本明細書における「モノリシック」とは、基材プレート内部で構造変化が生じることはあっても、割れ目、成層または内包物を伴わない単一の閉じたユニットからなることを意味する。基材プレートは、好ましくは構造が均質である。即ち、プレート内に濃度勾配は存在しない。特に、基材プレートは、層状構造を有さず、その中に分散された粒子を有さない。
基材プレートの寸法は、それぞれの適用目的、特にケラチン物質に対する所望の効果に応じて調整できる。典型的には、基材プレートは、約2~200μm、特に約5~100μmの平均最大直径を有する。
好ましい実施形態では、平均厚さに対する平均寸法の比で示される形状因子(アスペクト比)は、少なくとも80、好ましくは少なくとも200、より好ましくは少なくとも500、特に好ましくは750超である。被覆なしの基材プレートの平均寸法は、該被覆なしの基材プレートのd50値を意味すると理解される。特に記載のない限り、d50値は、Sympatec Helos型装置を用いてQuixel湿式分散により測定したものである。試料を調製するため、分析対象の試料をイソプロパノール中に3分間、予備分散させる。
基材プレートは、プレート形状に変換可能な任意の材料で構成され得る。
基材プレートは天然起源のものであり得るが、合成により生成されたものであってもよい。基材プレートを構成可能な材料として、例えば、金属および金属合金、金属酸化物、好ましくは酸化アルミニウム、無機化合物、並びに鉱物、例えば雲母および(半)貴石、並びにプラスチックが挙げられる。好ましくは、基材プレートは金属(合金)で構成されている。
金属光沢顔料に適した任意の金属が、金属として適している。そのような金属は、とりわけ、鉄および鋼、並びに空気および水に耐性のあるあらゆる(半)金属、例えば白金、亜鉛、クロム、モリブデンおよびケイ素並びにそれらの合金、例えばアルミニウム青銅および真鍮である。好ましい金属はアルミニウム、銅、銀および金である。好ましい基材プレートは、アルミニウムプレートおよび真鍮プレートであり、アルミニウム基材プレートが特に好ましい。
薄板状基材プレートは、不規則に構成されたエッジを特徴としており、その外観から「コーンフレーク」とも称されている。
その不規則な構造に起因して、薄板状基材プレートに基づく顔料は、大量の散乱光を生じる。更に、薄板状基材プレートに基づく顔料は、ケラチン物質の既存の色を完全にカバーするわけではなく、例えば、自然な灰色化に類似した効果を達成し得る。
レンズ状(レンズ形状)基材プレートは、実質的に丸いエッジを有しており、その外観から「1ドル硬貨」とも称されている。その規則的な構造に起因して、レンズ状基材プレートに基づく顔料では、反射光の割合が主である。
真空蒸着顔料(VMP)は、例えば、相応に被覆されたフィルムの金属、金属合金または金属酸化物を放出させることによって得られる。真空蒸着顔料は、5~50nmの範囲の基材プレートの特に薄い厚さと、増加した反射率を有する特に滑らかな表面とを特徴とする。真空蒸着顔料を含む基材プレートは、この用途では、VMP基材プレートとも称される。アルミニウムのVMP基材プレートは、例えば、金属化フィルムからアルミニウムを放出させることによって得られる。
金属または金属合金基材プレートは、例えば陽極酸化(酸化物層)またはクロメート処理によって不動態化され得る。
被覆されていない薄板状、レンズ状および/またはVPM基材プレート、特に金属または金属合金で作られたものは、入射光を高度に反射し、明暗フロップを生じるが、色彩感は生じない。
色彩感は、例えば、光学干渉効果によって生じ得る。そのような顔料は、少なくとも単一被覆された基材プレートに基づき得る。これは、様々に屈折および反射する光線の重なり合いにより、干渉効果を示す。
従って、好ましい顔料は、被覆薄板状基材プレートに基づく顔料である。基材プレートは、好ましくは、少なくとも50nmの被覆厚さを有する高屈折金属酸化物の少なくとも1つの被覆Bを有する。好ましくは、被覆Bと基材プレート表面との間に、被覆Aが存在する。任意に、層B上に、別の被覆Cが存在し、これは下の層Bとは異なる。
被覆A、BおよびCに適した材料は、フィルム様で長期的に基材プレートに適用され得る物質の全てであり、被覆AおよびBの場合、必要な光学特性を備えている。一般に、基材プレート表面の一部の被覆は、光沢効果を有する顔料を得るのに十分である。例えば、基材プレートの上部および/または下部のみを被覆し、側面を省略し得る。好ましくは、側面を含む、場合により不動態化されていてよい基材プレートの表面全体が、被覆Bによって覆われている。従って、基材プレートは、被覆Bによって完全に覆われている。これにより、顔料の光学特性が向上し、顔料の機械的および化学的耐性が向上する。上記は、層Aにも当てはまり、好ましくは存在する場合は層Cにも当てはまる。
複数の被覆A、Bおよび/またはCは常に存在し得るが、被覆された基材プレートは、好ましくは、それぞれの場合に1つの被覆A、Bおよび存在する場合は被覆Cをもっぱら有する。
被覆Bは、少なくとも1の高屈折率の金属酸化物で構成される。高屈折率の材料は、少なくとも1.9、好ましくは少なくとも2.0、特に好ましくは少なくとも2.4の屈折率を有する。好ましくは、被覆Bは、少なくとも95重量%、特に好ましくは少なくとも99重量%の高屈折率の金属酸化物を含む。
被覆Bは、少なくとも50nmの厚さを有する。好ましくは、被覆Bの厚さは、400nm以下、より好ましくは300nm以下である。
被覆Bに適した高屈折率の金属酸化物は、好ましくは、酸化鉄(III)(α-およびγ-Fe2O3、赤)、酸化コバルト(II)(青)、酸化クロム(III)(緑)、酸化チタン(III)(青、通常は酸窒化チタンおよび窒化チタンとの混合物中に存在する)および酸化バナジウム(V)(橙)などの選択的に光を吸収する(即ち有色の)金属酸化物、並びにそれらの混合物である。二酸化チタンおよび/または酸化ジルコニウムなどの無色の高屈折率の酸化物も適している。
被覆Bは、各々の場合に被覆Bの総量に基づいて、好ましくは0.001~5重量%、特に好ましくは0.01~1重量%の、選択的に吸収する染料を含み得る。金属酸化物被覆に安定して組み込まれ得る有機染料および無機染料が適している。
被覆Aは、好ましくは、少なくとも1の低屈折率の金属酸化物および/または金属酸化物水和物を有する。好ましくは、被覆Aは、少なくとも95重量%、より好ましくは少なくとも99重量%の低屈折率金属酸化物(水和物)を含む。低屈折率材料は、1.8以下、好ましくは1.6以下の屈折率を有する。
被覆Aに適した低屈折率金属酸化物には、例えば、(二)酸化ケイ素、酸化ケイ素水和物、酸化アルミニウム、酸化アルミニウム水和物、酸化ホウ素、酸化ゲルマニウム、酸化マンガン、酸化マグネシウムおよびそれらの混合物が包含され、二酸化ケイ素が好ましい。被覆Aは、好ましくは1~100nm、特に好ましくは5~50nm、特に好ましくは5~20nmの厚さを有する。
基材プレートの表面と被覆Bの内面との間の距離は、好ましくは最大100nm、特に好ましくは最大50nm、とりわけ好ましくは最大20nmである。被覆Aの厚さ、従って基材プレートの表面と被覆Bとの間の距離が上記規定の範囲内にあるので、顔料は、高い隠蔽力を確実に有することができる。
顔料が、薄板状基材プレートに基づいて層Aをもっぱら1つ有する場合、顔料は、アルミニウムの薄板状基材プレートおよび二酸化ケイ素の層Aを有することが好ましい。顔料が、薄板状基材プレートに基づいて層Aおよび層Bを有する場合、顔料は、アルミニウムの薄板状基材プレート、二酸化ケイ素の層A、および酸化鉄の層Bを有することが好ましい。
好ましい実施形態では、顔料は、下にある被覆Bとは異なる金属酸化物(水和物)の被覆Cを更に有する。適切な金属酸化物は、例えば、(二)酸化ケイ素、酸化ケイ素水和物、酸化アルミニウム、酸化アルミニウム水和物、酸化亜鉛、酸化スズ、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化鉄(III)および酸化クロム(III)である。二酸化ケイ素が好ましい。
被覆Cは好ましくは、10~500nm、特に好ましくは50~300nmの厚さを有する。例えばTiO2ベースの、被覆Cを設けることにより、高い隠蔽力を保持しながら、より優れた干渉性を達成できる。
層AおよびCは特に、腐食防止、並びに化学的および物理的安定化の役割を果たす。特に好ましくは、層AおよびCは、ゾル-ゲル法により適用された二酸化ケイ素または酸化アルミニウムを含有する。この方法は、テトラエチルオルソシリケートまたはアルミニウムトリイソプロパノレートなどの金属アルコキシドの溶液(通常、有機溶媒の溶液、またはC1-C4アルコールなどの有機溶媒を少なくとも50重量%含む有機溶媒と水との混合物の溶液)中に、未被覆の薄板状基材プレート、または層Aおよび/または層Bで既に被覆された薄板状基材プレートを分散させ、弱塩基または酸を加えて金属アルコキシドを加水分解することにより、(被覆された)基材プレートの表面に金属酸化物のフィルムを形成することを含む。
層Bは、例えば、1つ以上の有機金属化合物の加水分解により、および/または1つ以上の溶解金属塩の析出、並びに任意の後続の後処理(例えば、形成された水酸化物含有層のテンパリングによる酸化物層への移行)により製造できる。
被覆A、Bおよび/またはCのそれぞれは、2以上の金属酸化物(水和物)の混合物で構成されていてよいが、被覆のそれぞれは好ましくは、1の金属酸化物(水和物)で構成される。
被覆された薄板状若しくはレンズ状基材プレートをベースにした顔料、または被覆されたVMP基材プレートをベースにした顔料は、70~500nm、特に好ましくは100~400nm、特に好ましくは150~320nm、例えば180~290nmの厚さを有する。基材プレートの薄い厚さに起因して、顔料は、特に高い隠蔽力を発揮する。被覆基材プレートレットの小さい厚さは、特に未被覆基材プレートの厚さが小さいことに加えて被覆Aおよび存在する場合は被覆Cの厚さが可能な限り小さい値に調整されるので、達成される。被覆Bの厚さは、顔料の色彩感を決定する。
最外層(構造に応じて層A、層Bまたは層C)をシラン、リン酸エステル、チタン酸塩、ホウ酸塩若しくはカルボン酸などの有機化合物を用いて付加的に変性することにより、ケラチン物質における被覆基材プレートベース顔料の付着性および耐摩耗性を大幅に向上させることができる。有機化合物は、最外層の、好ましくは金属酸化物含有の、層A、層Bまたは層Cの表面に結合している。最外層とは、薄板状基材プレートから空間的に最も離れた層を示す。有機化合物は、好ましくは、金属酸化物含有層A、BまたはCに結合できる官能性シラン化合物である。これらは単官能性または二官能性化合物のいずれであってもよい。二官能性有機化合物の例としては、メタクリロキシプロペニルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、2-アクリロキシエチルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、2-メタクリロキシエチルトリエトキシシラン、2-アクリロキシエチルトリエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリス(メトキシエトキシ)シラン、3-メタクリロキシプロピルトリス(ブトキシエトキシ)シラン、3-メタクリロキシプロピルトリス(プロポキシ)シラン、3-メタクリロキシプロピルトリス(ブトキシ)シラン、3-アクリロキシプロピルトリス(メトキシエトキシ)シラン、3-アクリロキシプロピルトリス(ブトキシエトキシ)シラン、3-アクリロキシプロピルトリス(ブトキシ)シラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルエチルジクロロシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、フェニルビニルジエトキシシラン、またはフェニルアリルジクロロシランが挙げられる。また、単官能性シラン、特にアルキルシランまたはアリールシランによる変性も実施できる。これは、もっぱら1個の官能基を有し、この官能基は、被覆薄板状基材プレートベース顔料の表面に(即ち、最外層の金属酸化物含有層に)、または完全には被覆されていない場合は金属表面に共有結合していてよい。シランの炭化水素官能基は顔料から離れる。シランの炭化水素官能基の種類および性質に応じて、顔料の疎水性の程度を変えることができる。そのようなシランの例は、ヘキサデシルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシランなどである。特に好ましくは、シリカ被覆アルミニウム基材プレートベース顔料は、単官能性シランで表面変性されている。オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシランおよびヘキサデシルトリエトキシシランが特に好ましい。変更された表面特性/疎水化の結果として、適用における付着性、耐摩耗性および配向性の向上を達成できる。
適当な薄板状基材プレートベース顔料は、例えば、Eckart社のVISIONAIREシリーズの顔料を包含する。
レンズ状基材プレートに基づく顔料は、例えば、Schlenk Metallic Pigments GmbH社からAlegrace(登録商標)Gorgeousの名称で入手可能である。
真空蒸着顔料を含んでなる基材プレートベース顔料は、例えば、Schlenk Metallic Pigments GmbH社からAlegrace(登録商標)MarvelousまたはAlegrace(登録商標)Aurousの名称で入手可能である。
本発明における組成物は、着色化合物として、1以上の直接染料を含有してもよい。直接染料は、毛髪に直接付着し、色を形成するために酸化工程を必要としない染料である。直接染料は通常、ニトロフェニレンジアミン、ニトロアミノフェノール、アゾ染料、アントラキノン、トリアリールメタン染料、またはインドフェノールである。
本発明の意味における直接染料は、0.5g/Lより大きい25℃での水への溶解度(760mmHg)を有し、従って、顔料として扱われない。好ましくは、本発明の意味における直接染料は、1.0g/Lより大きい25℃での水への溶解度(760mmHg)を有する。特に好ましくは、本発明の意味における直接染料は、1.5g/Lより大きい25℃での水への溶解度(760mmHg)を有する。
直接染料は、アニオン性直接染料、カチオン性直接染料および非イオン性直接染料に分類できる。
別の好ましい実施形態では、本発明における剤は、剤が、着色化合物として少なくとも1つのアニオン性直接染料、カチオン性直接染料および/または非イオン性直接染料を含有することを特徴とする。
別の好ましい実施形態では、本発明の方法は、組成物(B)および/または組成物(C)が、アニオン性直接染料、非イオン性直接染料および/またはカチオン性直接染料からなる群から選択される少なくとも1つの着色化合物を含有することを特徴とする。
適当なカチオン性直接染料は、例えば、Basic Blue 7、Basic Blue 26、Basic Violet 2、Basic Violet 14、Basic Yellow 57、Basic Red 76、Basic Blue 16、Basic Blue 347(Cationic Blue 347 / Dystar)、HC Blue No. 16、Basic Blue 99、Basic Brown 16、Basic Brown 17、Basic Yellow 57、Basic Yellow 87、Basic Orange 31、Basic Red 51およびBasic Red 76を包含する。
非イオン性直接染料として、例えば、非イオン性ニトロ染料およびキノン染料並びに天然アゾ染料を使用できる。適当な非イオン性直接染料は、以下の国際名称または商品名で知られている化合物である:HC Yellow 2、HC Yellow 4、HC Yellow 5、HC Yellow 6、HC Yellow 12、HC Orange 1、Disperse Orange 3、HC Red 1、HC Red 3、HC Red 10、HC Red 11、HC Red 13、HC Red BN、HC Blue 2、HC Blue 11、HC Blue 12、Disperse Blue 3、HC Violet 1、Disperse Violet 1、Disperse Violet 4、Disperse Black 9、1,4-ジアミノ-2-ニトロベンゼン、2-アミノ-4-ニトロフェノール、1,4-ビス-(2-ヒドロキシエチル)-アミノ-2-ニトロベンゼン、3-ニトロ-4-(2-ヒドロキシエチル)-アミノフェノール、2-(2-ヒドロキシエチル)アミノ-4,6-ジニトロフェノール、4-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-3-ニトロ-1-メチルベンゼン、1-アミノ-4-(2-ヒドロキシエチル)-アミノ-5-クロロ-2-ニトロベンゼン、4-アミノ-3-ニトロフェノール、1-(2'-ウレイドエチル)アミノ-4-ニトロベンゼン、2-[(4-アミノ-2-ニトロフェニル)アミノ]安息香酸、6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノキサリン、2-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノン、ピクラミン酸およびその塩、2-アミノ-6-クロロ-4-ニトロフェノール、4-エチルアミノ-3-ニトロ安息香酸および2-クロロ-6-エチルアミノ-4-ニトロフェノール。
アニオン性直接染料は、酸性染料とも称される。酸性染料は、少なくとも1個のカルボン酸基(-COOH)および/またはスルホン酸基(-SO3H)を有する直接染料であると理解される。pH値に依存して、カルボン酸基またはスルホン酸基のプロトン化形態(-COOH、-SO3H)は、それらの脱プロトン化形態(-COO-、-SO3)と平衡して存在する。プロトン化形態の割合は、pHの低下とともに増える。直接染料をその塩として使用する場合、カルボン酸基またはスルホン酸基は脱プロトン化形態で存在し、電気的中性を維持するために、対応する化学量論的に同等のカチオンで中和される。本発明によれば、酸性染料は、そのナトリウム塩および/またはそのカリウム塩の形態でも使用できる。
本発明の意味において、酸性染料は、0.5g/Lより大きい25℃での水への溶解度(760mmHg)を有し、従って、顔料として扱われない。好ましくは、本発明の意味において、酸性染料は、好ましくは、1.0g/Lより大きい25℃での水への溶解度(760mmHg)を有する。
酸性染料のアルカリ土類塩(例えばカルシウム塩およびマグネシウム塩)またはアルミニウム塩は、対応するアルカリ塩よりも低い溶解度をしばしば有する。これらの塩の溶解度が0.5g/L未満(25℃、760mmHg)の場合、それらは直接染料の定義に含まれない。
酸性染料の本質的な特徴は、アニオン性電荷を形成する能力であり、その原因となるカルボン酸基またはスルホン酸基は通常、様々な発色団系に結合している。適当な発色団系は、例えば、ニトロフェニレンジアミン、ニトロアミノフェノール、アゾ染料、アントラキノン染料、トリアリールメタン染料、キサンタン染料、ローダミン染料、オキサジン染料および/またはインドフェノール染料の構造に見られる。
例えば、下記群からの1以上の化合物が特に適した酸性染料として選択され得る:Acid Yellow 1(D&C Yellow 7、Citronin A、Ext. D&C Yellow No. 7、Japan Yellow 403、CI 10316、COLIPA n°B001)、Acid Yellow 3(COLIPA n°54、D&C Yellow N°10、Quinoline Yellow、E104、Food Yellow 13)、Acid Yellow 9(CI 13015)、Acid Yellow 17(CI 18965)、Acid Yellow 23(COLIPA n°29、Covacap Jaune W 1100(LCW)、Sicovit Tartrazine 85 E 102(BASF)、Tartrazine、Food Yellow 4、Japan Yellow 4、FD&C Yellow No. 5)、Acid Yellow 36(CI 13065)、Acid Yellow 121(CI 18690)、Acid Orange 6(CI 14270)、Acid Orange 7(2-Naphthol orange、Orange II、CI 15510、D&C Orange 4、COLIPA n°015)、Acid Orange 10(C.I. 16230;Orange G ナトリウム塩)、Acid Orange 11(CI 45370)、Acid Orange 15(CI 50120)、Acid Orange 20(CI 14600)、Acid Orange 24(BROWN 1;CI 20170;KATSU201;ナトリウム塩不含有;Brown No.201;RESORCIN BROWN;ACID ORANGE 24;Japan Brown 201;D & C Brown No.1)、Acid Red 14(C.I.14720)、Acid Red 18(E124、Red 18; CI 16255)、Acid Red 27(E 123、CI 16185、C-Rot 46、Real red D、FD&C Red Nr.2、Food Red 9、Naphthol red S)、Acid Red 33(Red 33、Fuchsia Red、D&C Red 33、CI 17200)、Acid Red 35(CI C.I.18065)、Acid Red 51(CI 45430、Pyrosin B、Tetraiodfluorescein、Eosin J、Iodeosin)、Acid Red 52(CI 45100、Food Red 106、Solar Rhodamine B、Acid Rhodamine B、Red n°106 Pontacyl Brilliant Pink)、Acid Red 73(CI 27290)、Acid Red 87(Eosin、CI 45380)、Acid Red 92(COLIPA n℃53、CI 45410)、Acid Red 95(CI 45425、Erythtosine,Simacid Erythrosine Y)、Acid Red 184(CI 15685)、Acid Red 195、Acid Violet 43(Jarocol Violet 43、Ext. D&C Violet n°2、C.I. 60730、COLIPA n°063)、Acid Violet 49(CI 42640)、Acid Violet 50(CI 50325)、Acid Blue 1(Patent Blue、CI 42045)、Acid Blue 3(Patent Blue V、CI 42051)、Acid Blue 7(CI 42080)、Acid Blue 104(CI 42735)、Acid Blue 9(E 133、Patent blue AE、Amido blue AE、Erioglaucin A、CI 42090、C.I. Food Blue 2)、Acid Blue 62(CI 62045)、Acid Blue 74(E 132、CI 73015)、Acid Blue 80(CI 61585)、Acid Green 3(CI 42085、Foodgreen1)、Acid Green 5(CI 42095)、Acid Green 9(C.I.42100)、Acid Green 22(C.I.42170)、 Acid Green 25(CI 61570、Japan Green 201、D&C Green No. 5)、Acid Green 50(Brilliant Acid Green BS、C.I. 44090、Acid Brilliant Green BS、E 142)、Acid Black 1(Black n°401、Naphthalene Black 10B、Amido Black 10B、CI 20 470、COLIPA n°B15)、Acid Black 52(CI 15711)、Food Yellow 8(CI 14270)、Food Blue 5、D&C Yellow 8、D&C Green 5、D&C Orange 10、D&C Orange 11、D&C Red 21、D&C Red 27、D&C Red 33、D&C Violet 2および/またはD&C Brown 1。
例えば、アニオン性直接染料の水溶性は、下記方法で測定できる。0.1gのアニオン性直接染料をビーカーに導入する。磁気撹拌棒を加える。次いで、100mLの水を添加する。この混合物をマグネチックスターラー上で撹拌しながら25℃に加熱する。混合物を60分間撹拌する。次いで、水性混合物を視覚的に評価する。未溶解残留物がまだ存在する場合、例えば10mL刻みで、水の量を増やす。使用した染料の量が完全に溶解するまで水を加える。染料の強度が高いために、染料-水混合物を視覚的に評価できない場合は、混合物を濾過する。未溶解染料が濾紙上に残留する場合は、より多くの水を用いて溶解度試験を繰り返す。0.1gのアニオン性直接染料が25℃で100mLの水に溶解した場合、その染料の溶解度は1.0g/Lである。
Acid Yellow 1は、8-ヒドロキシ-5,7-ジニトロ-2-ナフタレンスルホン酸二ナトリウム塩と称され、少なくとも40g/Lの水への溶解度(25℃)を有する。
Acid Yellow 3は、2-(2-キノリル)-1H-インデン-1,3(2H)-ジオンのモノスルホン酸およびジスルホン酸のナトリウム塩の混合物であり、20g/Lの水への溶解度(25℃)を有する。
Acid Yellow 9は、8-ヒドロキシ-5,7-ジニトロ-2-ナフタレンスルホン酸の二ナトリウム塩であり、その水への溶解度は40g/L(25℃)より大きい。
Acid Yellow 23は、4,5-ジヒドロ-5-オキソ-1-(4-スルホフェニル)-4-((4-スルホフェニル)アゾ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸の三ナトリウム塩であり、25℃の水に容易に溶解できる。
Acid Orange 7は、4-[(2-ヒドロキシ-1-ナフチル)アゾ]ベンゼンスルホネートのナトリウム塩である。その水への溶解度は、7g/L(25℃)より大きい。
Acid Red 18は、7-ヒドロキシ-8-[(E)-(4-スルホナト-1-ナフチル)-ジアゼニル)]-1,3-ナフタレンジスルホネートの三ナトリウム塩であり、20重量%より大きい非常に高い水溶性を有する。
Acid Red 33は、5-アミノ-4-ヒドロキシ-3-(フェニルアゾ)-ナフタレン-2,7-ジスルホネートのジアンヒドロ塩であり、その水への溶解度は2.5g/L(25℃)である。
Acid Red 92は、3,4,5,6-テトラクロロ-2-(1,4,5,8-テトラブロモ-6-ヒドロキシ-3-オキサンテン-9-イル)安息香酸の二ナトリウム塩であり、その水への溶解度は10g/L(25℃)より大きい。
Acid Blue 9は、2-({4-[N-エチル(3-スルホナトベンジル]アミノ]フェニル}{4-[(N-エチル(3-スルホナトベンジル)イミノ]-2,5-シクロヘキサジエン-1-イリデン}メチル)-ベンゼンスルホネートの二ナトリウム塩であり、20重量%(25℃)より大きい水への溶解度を有する。
また、サーモクロミック染料を使用することもできる。サーモクロミズムには、温度に依存して可逆的または不可逆的に、その色を変化させる材料の特性が含まれる。これは、強度および/または波長最大値の両方を変えることによって実施できる。
最後に、フォトクロミック染料も使用可能である。フォトクロミズムには、光、特にUV光の照射に応じて可逆的または不可逆的に、その色を変化させる材料の特性が含まれる。これは、強度および/または波長最大値の両方を変えることによって実施できる。
多成分包装ユニット(キットオブパーツ)
使用者の快適性を高めるため、毛髪処理に必要な調製物の全ては、多成分包装ユニット(キットオブパーツ)の形態で使用者に供給され得る。
本発明の別の主題は、ケラチン物質、特にヒトの毛髪を処理するための多成分包装ユニット(キットオブパーツ)である。これは、互いに独立して包装された、
-化粧用剤(A)を含有する第一包装ユニット、および
-化粧品調製物(B)を含有する第二包装ユニットを含んでなり、
-化粧品調製物(A)は有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物であり、その製造方法は、請求項1~14に記載の製造方法であり、
-化粧品調製物(B)は、少なくとも1つの脂肪成分および/または少なくとも1つの界面活性剤を好ましくは含有する水含有化粧品用キャリアを表す。
本発明における「脂肪成分」は、室温(22℃)および大気圧(760mmHg)で1重量%未満、好ましくは0.1重量%未満の水への溶解度を有する有機化合物であると理解される。脂肪成分の定義はまた、非荷電(すなわち非イオン性)化合物のみを明示的に包含している。脂肪成分は、少なくとも12個の炭素原子を有する少なくとも1つの飽和または不飽和アルキル基を有する。脂肪成分の分子量は、最大5000g/モル、好ましくは最大2500g/モル、特に好ましくは最大1000g/モルである。脂肪成分は、ポリオキシアルキル化化合物またはポリグリセリル化化合物のいずれかである。
最も好ましくは、脂肪成分はC12-C30脂肪アルコールの群から選択され、これは、C12-C30脂肪酸トリグリセリド、C12-C30脂肪酸モノグリセリド、C12-C30脂肪酸ジグリセリドおよび/または炭化水素を含む。
C12-C30脂肪アルコールは、12~30個の炭素原子を有する飽和、モノまたはポリ不飽和、直鎖または分岐鎖の脂肪アルコールであり得る。
特に好ましい直鎖飽和C12-C30脂肪アルコールの例は、ドデカン-1-オール(ドデシルアルコール、ラウリルアルコール)、テトラデカン-1-オール(テトラデシルアルコール、ミリスチルアルコール)、ヘキサデカン-1-オール(ヘキサデシルアルコール、セチルアルコール、パルミチルアルコール)、オクタデカン-1-オール(オクタデシルアルコール、ステアリルアルコール)、アラキルアルコール(エイコサン-1-オール)、ヘネイコシルアルコール(ヘネイコサン-1-オール)、および/またはベヘニルアルコール(ドコサン-1-オール)である。
好ましい直鎖不飽和脂肪アルコールは、(9Z)-オクタデク-9-エン-1-オール(オレイルアルコール)、(9E)-オクタデク-9-エン-1-オール(エライジルアルコール)、(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-オール(リノレイルアルコール)、(9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエン-1-オール(リノレニルアルコール)、ガドレイルアルコール((9Z)-エイコス-9-エン-1-オール)、アラキドンアルコール((5Z,8Z,11Z,14Z)-エイコサ-5,8,11,14-テトラエン-1-オール)、エルシルアルコール((13Z)-ドコス-13-エン-1-オール)、および/またはブラシジルアルコール((13E)-ドコセン-1-オール)である。
分岐鎖脂肪アルコールの好ましい例は、2-オクチル-ドデカノール、2-ヘキシル-ドデカノールおよび/または2-ブチル-ドデカノールである。
界面活性剤(T)という用語は、表面および界面で吸着層を形成するか、またはバルク相で凝集してミセルコロイドまたはリオトロピック中間相を形成できる、界面活性物質を意味すると理解される。疎水性官能基と負に帯電した親水性の頭部基からなるアニオン性界面活性剤、負の電荷とそれを相殺する正の電荷の両方を持つ両性界面活性剤、疎水性官能基に加えて正の電荷を持つ親水性基を有するカチオン性界面活性剤、および電荷は有さないが、水溶液中で強く水和し、強い双極子モーメントを有する非イオン性界面活性剤に分類される。
非常に特に好ましい実施形態において、本発明の方法は、第二調製物(B)が少なくとも1つの非イオン性界面活性剤を含有することを特徴とする。
非イオン性界面活性剤は、例えば、親水性基として、ポリオール基、ポリアルキレングリコールエーテル基、またはポリオール基とポリグリコールエーテル基との組み合わせを含む。そのような化合物には、例えば以下が包含される:
-6~30個の炭素原子を有する直鎖および分岐鎖脂肪アルコールへの2~50モルのエチレンオキシドおよび/または0~5モルのプロピレンオキシドの付加生成物、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、または脂肪アルコールポリプロピレングリコールエーテル、または混合脂肪アルコールポリエーテル、
-6~30個の炭素原子を有する直鎖および分岐鎖脂肪アルコールへの2~50モルのエチレンオキシドおよび/または0~5モルのプロピレンオキシドの付加生成物、脂肪酸ポリグリコールエーテル、または脂肪酸ポリプロピレングリコールエーテル、または混合脂肪アルコールポリエーテル、
-アルキル基中に8~15個の炭素原子を有する直鎖および分岐鎖アルキルフェノールへの2~50モルのエチレンオキシドおよび/または0~5モルのプロピレンオキシドの付加生成物、アルキルフェノールポリグリコールエーテル、またはアルキルポリプロピレングリコールエーテル、または混合アルキルフェノールポリエーテル、
-メチルまたはC2-C6アルキル基で終端された、アルキル基中に8~15個の炭素原子を有するアルキルフェノールへの、8~30個の炭素原子を有する脂肪酸への、8~30個の炭素原子を有する直鎖および分岐鎖脂肪アルコールへの、2~50モルのエチレンオキシドアルキルおよび/または0~5モルのプロピレンオキシドの付加生成物、例えば、商品名Dehydol(登録商標)LS、Dehydol(登録商標)LT(Cognis)で得られるグレードのもの、
-グリセロールへの1~30モルのエチレンオキシドの付加生成物のC12-C30脂肪酸モノエステルおよびジエステル、
-ひまし油および硬化ひまし油への5~60モルのエチレンオキシドの付加生成物、
-ポリオール脂肪酸エステル、例えば、市販品であるHydagen(登録商標)HSP(Cognis)またはSovermol(登録商標)グレード(Cognis)、
-アルコキシル化トリグリセリド、
-式(Tnio-1):
R1CO-(OCH2CHR2)wOR3 (Tnio-1)
[式中、R1COは、直鎖または分岐鎖、飽和および/または不飽和のC6-22アシル官能基であり、R2は、水素またはメチルであり、R3は、直鎖または分岐鎖C1-4アルキル官能基であり、wは1~20の数である]
で示されるアルコキシル化脂肪酸アルキルエステル、
-アミンオキシド、
-例えばDE-OS 19738866に記載されているヒドロキシ混合エーテル、
-ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルへのエチレンオキシド付加生成物、例えばポリソルベート、
-糖脂肪酸エステル、および糖脂肪酸エステルへのエチレンオキシドの付加生成物、
-脂肪酸アルカノールアミドおよび脂肪アミンへのエチレンオキシドの付加生成物、
-式(E4-II):
R4O-[G]p (Tnio-2)
[式中、R4は4~22個の炭素原子を含むアルキル基またはアルケニル官能基であり、Gは5または6個の炭素原子を含む糖官能基であり、pは1~10の数である]
で示されるアルキルおよびアルケニルオリゴグリコシド型の糖界面活性剤(これらは、有機化学の関連する調製方法によって得ることができる。アルキルおよびアルケニルオリゴグリコシドは、5または6個の炭素原子を有するアルドースまたはケトース、好ましくはグルコースから誘導することができる。従って、好ましいアルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシドは、アルキルおよび/またはアルケニルオリゴグルコシドである。一般式(Tnio-2)の添え字pは、オリゴマー化(DP)度、即ちモノグリコシドとオリゴグリコシドの分布を示し、1~10の数を表す。pは個々の分子において常に整数でなければならず、p=1~6の値をとることができるが、特定のアルキルオリゴグリコシドの値pは分析的に決定された算術的な量であり、通常は小数を表す。好ましくは、1.1~3.0の平均オリゴマー化度pを有するアルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシドが使用される。応用技術の観点から、それらのアルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシドは、オリゴマー化度が1.7未満、特に1.2~1.4の間であることが好ましい。アルキルまたはアルケニル基R4は、4~11個、好ましくは8~10個の炭素原子を含む第一級アルコールから誘導され得る。典型的な例は、ブタノール、カプロンアルコール、カプリルアルコール、カプリンアルコールおよびウンデクリルアルコール、およびそれらの工業的混合物、例えば、工業用脂肪酸メチルエステルの水素化またはローレンのオキソ合成反応からのアルデヒドの水素化の際に得られるものである。鎖長がC8-C10(DP=1~3)のアルキルオリゴグルコシドが好ましい。これは、工業用C8-C18ココナツ脂肪アルコールの蒸留分離の初留として得られ、6重量%未満のC12アルコール含有物、および工業用C9/11オキソアルコール(DP=1~3)に基づくアルキルオリゴグルコシドで汚染されている場合がある。アルキルまたはアルケニル官能基R15はまた、12~22個、好ましくは12~14個の炭素原子を有する第一級アルコールから誘導することもできる。典型的な例は、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、パルモレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、ペトロセリニルアルコール、アラキルアルコール、ガドレイルアルコール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコール、ブラシジルアルコールおよびそれらの工業的混合物であり、これらは上記したようにして得ることができる。1~3のDPを有する硬化C12/14ココナツアルコールに基づくアルキルオリゴグルコシドが好ましい)、
-脂肪酸N-アルキルポリヒドロキシアルキルアミド型の糖界面活性剤、式(Tnio-3):
R5CO-NR6-[Z] (Tnio-3)
[式中、R5COは、6~22個の炭素原子を有する脂肪族アシル官能基であり、R6は、水素、1~4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキルまたはアルキル官能基であり、[Z]は、3~12個の炭素原子および3~10個のヒドロキシル基を有する直鎖または分岐鎖ポリヒドロキシアルキル基である]
で示される非イオン性界面活性剤(脂肪酸N-アルキルポリヒドロキシアルキルアミドは、還元糖のアンモニア、アルキルアミンまたはアルカノールアミンによる還元的アミノ化、およびその後の、脂肪酸、脂肪酸アルキルエステルまたは脂肪酸塩化物でのアシル化により通常得られる既知の物質である。好ましくは、脂肪酸N-アルキルポリヒドロキシアルキルアミドは、5または6個の炭素原子を有する還元糖、特にグルコースから誘導される。従って、好ましい脂肪酸N-アルキルポリヒドロキシアルキルアミドは、式(Tnio-4):
R7CO-(NR8)-CH2-[CH(OH)]4-CH2OH (Tnio-4)
で示される脂肪酸N-アルキルグルカミドである)、
好ましくは、式(Tnio-4)で示されるグルカミド[式中、R8は水素またはアルキル官能基を表し、R7COは、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルモレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、ガドレイン酸、ベヘン酸またはエルカ酸のアシル官能基またそれらの工業的混合物を表す]の使用が好ましい。特に好ましいものは、グルコースをメチルアミンで還元的にアミノ化し、続いてラウリン酸、C12/14ココナツ脂肪酸または対応する誘導体でアシル化することにより得られ、式(Tnio-4)で示される脂肪酸N-アルキルグルカミドである。また、ポリヒドロキシアルキルアミドもマルトースおよびパラチノースから誘導され得る。
脂肪成分および界面活性剤は、調製物(B)の総重量に基づいて、0.1~20重量%、好ましくは1.0~10.0重量%の量的範囲で調製物(B)に含まれ得る。
本発明の方法に関する記載は、本発明における多成分包装ユニットの他の好ましい実施形態に関して準用される。
実施例
1.有機C1-C6アルコキシシランの混合物の調製
1.1. シロキサン混合物1-酸触媒
500mL容の丸底フラスコに、まず、61.5gのメチルトリエトキシシランを供給し、撹拌しながら76℃に加熱した。次いで、7.7gの1%硫酸水溶液を約5分間かけて滴加した。混合物を更に20分間撹拌した。続いて、30.8gの(3-アミノプロピル)トリエトキシシランを約20分間かけて滴加した。反応混合物の温度を76℃に上昇させた。滴加が終わった後、混合物を78℃で更に20分間撹拌した。その後、揮発性成分を減圧下(255mbar、50℃)で留去し、反応混合物を気密ガラス容器にデカントした。
1.2.シロキサン混合物2-酸触媒
500mL容の丸底フラスコに、まず、85.0gのヘキシルトリメトキシシランを供給し、撹拌しながら50℃に加熱した。次いで、8.0gの1%硫酸水溶液を約5分間かけて滴加した。混合物を更に20分間撹拌した。続いて、7.0gの(3-アミノプロピル)トリエトキシシランを約20分間かけて滴加した。反応混合物の温度を76℃に上昇させた。滴加が終わった後、混合物を70℃で更に20分間撹拌した。その後、揮発性成分を減圧下(255mbar、50℃)で留去し、反応混合物を気密ガラス容器にデカントした。
1.3.シロキサン混合物3-酸および塩基触媒
500mL容の丸底フラスコに、まず、61.5gのメチルトリエトキシシランを供給し、撹拌しながら50℃に加熱した。次いで、2.3gの1%硫酸水溶液を約5分間かけて滴加した。続いて、50℃で更に20分間撹拌を実施した。続いて、30.8gの(3-アミノプロピル)トリエトキシシランを約5分間かけて滴加した。その後、5.4gの1%水酸化ナトリウム水溶液を5分間かけて滴加した。次いで、揮発性成分を減圧下(255mbar、50℃)で留去し、反応混合物を気密ガラス容器にデカントした。
1.4.シロキサン混合物4-塩基触媒
500mL容の丸底フラスコにて、まず、59.5gのメチルトリエトキシシランおよび29.7gの(3-アミノプロピル)トリエトキシシランを撹拌しながら互いに混合した。この混合物を更に撹拌しながら50℃に加熱した。次いで、10.8gの5%水酸化ナトリウム溶液を約5分間かけて水に滴加した。反応混合物の温度を53℃に上昇させた。混合物を50℃でさらに45分間撹拌し、続いて気密ガラス容器に充填した。
2.着色
下記着色剤を供給した:
調製物(A)、有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物
Figure 2024506880000055
調製物(B)
Figure 2024506880000056
10gの調製物(A)および100gの調製物(B)を振盪することにより(3分間の振盪)、それぞれの場合で、使用できる状態にある着色剤を調製した。次いで、使用できる状態にある着色剤に、一束の毛髪(Kerling Euronaturhaar white)を浸し、その中に1分間放置した。続いて、過剰な剤を各毛髪束から除去した。その後、各毛髪束を水で洗浄し、乾燥した。次いで、毛髪束を昼光灯の下で視覚的に評価した。下記結果を得た。
Figure 2024506880000057

Claims (14)

  1. 化粧用剤をケラチン物質、特にヒトの毛髪に適用し、曝露時間の後に濯ぎ落とす、ケラチン物質の処理方法であって、化粧用剤は有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物を含有し、該混合物は、水および触媒を添加することにより1つ以上の有機C1-C6アルコキシシランを特異的に加水分解および予備縮合させることによって得られ、該加水分解および予備縮合は、水とは異なる溶媒の非存在下で行われることを特徴とする方法。
  2. 化粧用剤は有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物を含有し、該混合物は、式(I)および/または式(II)および/または式(IV):
    R1R2N-L-Si(OR3)a(R4)b (I)
    [式中、
    -R1、R2は、互いに独立して水素原子またはC1-C6アルキル基を表し、
    -Lは、直鎖または分岐鎖の二価C1-C20アルキレン基であり、
    -R3、R4は、互いに独立してC1-C6アルキル基を表し、
    -aは1~3の整数を表し、
    -bは整数3-aを表す]
    Figure 2024506880000058
    [式中、
    -R5、R5'、R5"、R6、R6'およびR6"は互いに独立して、C1-C6アルキル基を表し、
    -A、A'、A"、A"'およびA""は互いに独立して、直鎖または分岐鎖の二価C1-C20アルキレン基を表し、
    -R7およびR8は互いに独立して、水素原子、C1-C6アルキル基、ヒドロキシC1-C6アルキル基、C2-C6アルケニル基、アミノC1-C6アルキル基または式(III):
    -(A"")-Si(R6")d"(OR5")c" (III)
    で示される基を表し、
    -cは、1~3の整数を表し、
    -dは、整数3-cを表し、
    -c'は、1~3の整数を表し、
    -d'は、整数3-c'を表し、
    -c"は、1~3の整数を表し、
    -d"は、整数3-c'を表し、
    -eは、0または1を表し、
    -fは、0または1を表し、
    -gは、0または1を表し、
    -hは、0または1を表し、
    -e、f、gおよびhの官能基の少なくとも1つは0とは異なる]
    (R9)mSi(OR10)k (IV)
    [式中
    -R9はC1-C12アルキル基またはC2-C12アルケニル基を表し、
    -R10はC1-C6アルキル基を表し、
    -kは1~4の整数であり、
    -mは4-kの数を表す]
    で示される有機C1-C6アルコキシシランの1つ以上を加水分解および予備縮合させることによって得られることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 化粧用剤は有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物を含有し、該混合物は、
    -メチルトリメトキシシラン
    -メチルトリエトキシシラン
    -エチルトリメトキシシラン
    -エチルトリエトキシシラン
    -ヘキシルトリメトキシシラン
    -ヘキシルトリエトキシシラン
    -オクチルトリメトキシシラン
    -オクチルトリエトキシシラン
    -ドデシルトリメトキシシラン、
    -ドデシルトリエトキシシラン、
    -ビニルトリメトキシシラン、
    -ビニルトリエトキシシラン、
    -テトラメトキシシラン、
    -テトラエトキシシラン、
    -(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン、
    -(3-アミノプロピル)トリメトキシシラン、
    -(2-アミノエチル)トリエトキシシラン、
    -(2-アミノエチル)トリメトキシシラン、
    -(3-ジメチルアミノプロピル)トリエトキシシラン、
    -(3-ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、
    -(2-ジメチルアミノエチル)トリエトキシシラン、および
    -(2-ジメチルアミノエチル)トリメトキシシラン
    からなる群から選択される有機C1-C6アルコキシシランの1つ以上を加水分解および予備縮合させることによって得られることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 化粧用剤は有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物を含有し、該混合物は、式(I)で示される有機C1-C6アルコキシシランの1つ以上および式(IV)で示される有機C1-C6アルコキシシランの1つ以上を、1:1~1:10、好ましくは1:1~1:8、より好ましくは1:1~1:6、更により好ましくは1:1~1:4、非常に特に好ましくは1:2~1:4の(I)/(IV)の重量比で使用することによって得られることを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
  5. 加水分解および予備縮合を、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-プロパノール、n-ペンタノール、n-ヘキサノール、ベンジルアルコール、2-フェニルエタノール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、グリセロール、アセトン、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、酢酸エチルおよびアセトニトリルからなる群から選択される溶媒の非存在下で実施することを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
  6. 水および触媒を添加する前に、有機C1-C6アルコキシシランを、30~80℃、好ましくは35~75℃、より好ましくは40~70℃、最も好ましくは45~65℃の温度に加熱することを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
  7. 式:S-W = モル(水)/[モル(シラン)×n(アルコキシ)]
    [式中、
    S-W = 水のモル当量
    モル(水) = 使用する水のモル量
    モル(シラン) = 反応に使用するC1-C6アルコキシシランの総モル量
    n(アルコキシ) = C1-C6アルコキシシラン当たりのC1-C6アルコキシ基の数]
    に従って計算される0.10~0.80、好ましくは0.15~0.70、更に好ましくは0.20~0.60、非常に特に好ましくは0.25~0.50モル当量の水を加えることにより、有機C1-C6アルコキシシランを特異的に加水分解させることを特徴とする、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
  8. 触媒を、無機酸および有機酸の群から、好ましくは、硫酸、塩酸、リン酸、マレイン酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、酢酸、メタンスルホン酸、安息香酸、マロン酸、シュウ酸および1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸からなる群から選択することを特徴とする、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
  9. 触媒を、無機塩基および有機塩基の群から、好ましくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウムおよび水酸化カルシウムからなる群から選択することを特徴とする、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
  10. 化粧用剤は有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物を含有し、該混合物は、
    (1)式(IV)で示される1つ以上の有機C1-C6アルコキシシランを、30~80℃、好ましくは35~75℃、更に好ましくは40~70℃、非常に特に好ましくは45~65℃の温度に加熱し、それを水および触媒と混合し、次いで、
    (2)工程(1)で得た混合物を1分~3時間撹拌し、次いで、
    (3)工程(2)で得た混合物を、式(I)で示される1つ以上の有機C1-C6アルコキシシランと混合し、
    (4)必要に応じて、工程(3)で得た混合物を更なる水および触媒と混合し、
    (5)工程(3)または工程(4)で得た混合物を30分~24時間撹拌する
    ことによって得られることを特徴とする、請求項1~9のいずれかに記載の方法。
  11. 化粧用剤は有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物を含有し、該混合物は、
    (1)式(I)で示される1つ以上の有機C1-C6アルコキシシランおよび式(IV)で示される1つ以上の有機C1-C6アルコキシシランを互いに混合し、
    (2)工程(1)で得た混合物を30~80℃、好ましくは35~75℃、更に好ましくは40~70℃、最も好ましくは45~65℃の温度に加熱し、それを水および触媒と混合し、次いで、
    (3)工程(2)で得た混合物を1分~24時間撹拌する
    ことによって得られることを特徴とする、請求項1~9のいずれかに記載の方法。
  12. 下記工程:
    (i)その調製方法が請求項1~11に記載されている有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物を供給する工程、
    (ii)使用できる状態にある化粧用剤を得るために、有機C1-C6アルコキシシロキサンの混合物を化粧品用キャリア、好ましくは水性化粧品用キャリアと混合する工程、
    (iii)工程(ii)で調製した化粧用剤をケラチン物質に適用する工程、
    (iv)工程(iii)で適用した剤をケラチン物質に吸収させる工程、
    (v)剤をケラチン物質から濯ぎ落とす工程、
    (vi)必要に応じて、後処理剤をケラチン物質に適用する工程、
    (vii)必要に応じて、後処理剤をケラチン物質上に適用する工程、および
    (viii)必要に応じて、後処理剤をケラチン物質から濯ぎ落とす工程
    を示されている順に含む、請求項1~11のいずれかに記載の方法。
  13. ヒトの毛髪の着色方法であり、工程(iii)で適用される使用できる状態にある化粧用剤は、少なくとも1つの顔料および/または直接染料を更に含有することを特徴とする、請求項12に記載の方法。
  14. ヒトの毛髪の着色方法であり、工程(vi) で適用される後処理剤は、少なくとも1つの顔料および/または直接染料を含有することを特徴とする、請求項12または13に記載の方法。
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