JP2024506577A - 肩当て及び肩当て用のクランプ・ユニット - Google Patents

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Abstract

奏者の肩及び/又は胸の上で静止させるための、長手方向Lに延びる支持要素32を有し、支持要素32上にいくつかのちょうつがい式クランプ・ユニット34が配設されている、弦楽器向けの肩当て30が、異なる幾何学形状要件に対して特に簡単な様式で適応できるように意図されている。この目的のために、クランプ・ユニット又は各クランプ・ユニット34のシャフト50が、関連する枢動ベアリング55内の一体的に形成された枢動ピン58によって、各事例において据え付けられており、枢動ベアリング55のベアリング・シェル60が、各事例において本発明に従って、枢動ピン58を完全ではなくある特定の円弧長にわたってしか係合しない又は包まない円弧区分の形態で設計される。シャフトは好ましくは、中心からずれて位置付けられ、それによって特に単純且つ迅速な寸法調節ができるようになっている。

Description

本発明は、弦楽器向け、詳細にはバイオリン又はビオラ向けの、奏者の肩、及び/又は胸に置くための支持要素を備える肩当てに関する。本発明はさらに、そのような肩当て用のクランプ・ユニットに関する。
弦楽器、特に、後者はビオラとしても知られているバイオリン及びビオラ(ドイツ語:Bratschen)は、演奏時に演奏家のあごと肩との間の身体端部において保持される。しかしながら、奏者の頭部と肩エリアとの間の距離は、通常、楽器の厚さよりも大きいため、演奏家は、非常に不快な姿勢で楽器を保持又はクランプするしかなく、そのため、楽器を演奏することができるとしても、演奏の質の低下は避けることができない。これを和らげるため、バイオリン及びビオラ向けのいわゆるあご当て及び肩当てが開発されてきている。
これらの肩当ては保持機器を備えた楽器の本体に着脱可能に取り付けられており、したがって、演奏家が楽器を保持することがより快適になるように機能する。基本的に、肩当てはバイオリンなどに取り付けられて、楽器自体は選択されたレベルで支持されたまま、演奏家の肩で静止する支持面を形成する。これは特に、演奏家の体格に、特に首の長さ、肩の形状、及びバイオリンの姿勢に依存する。そのような肩当ては例えば、EP507994B1、米国特許第4,062,695号、DE10007834A1、米国特許第7,265,284号、又は米国特許第7,488,877B2号から知られている。
肩当ては固定ベースを用いて設計することができる。しかしながら、これは通常、演奏家の肩に応じた形作りが不十分であり、したがって個別化が不十分なため、快適な演奏及び便利さの点で、通常いくらかの損失を受け入れざるを得ない。しかしながら、快適さのために、固定ベースには底部にクッションを設けることもでき、クッションは、楽器が演奏されるとき、演奏家の肩に対して静止する。
ベースの2つの端部には、通常、保持する又は支持する要素として設計された、上向きに突出するクランプ・ユニットが嵌め込まれており、クランプ・ユニットは、回転可能なフォーク形状の保持クリップをエンド・ピースとして担持する。これらは、楽器本体の底部に近い楽器本体の側壁に取り付けることができる。このタイプの肩当てを楽器に堅固に取り付けることができるように、肩当ての底部は通常、固有のある特定の弾力性を有しており、これは、フォーク形状の保持クランプが楽器を把持するある特定のクランプ力を発生させるように機能する。エンド・ピースはまた、他の実施例において、支持要素と組み合わされた状態にあることが知られているが、エンド・ピースは、全て、ある特定のクランプ動作で楽器を把持する。
楽器が備える高品質なサウンド及びハーモニーを保証するために、そのような肩当ては通常、プラスチック又は合成材料で作られているが、より最近ではまた、木材又は木材をベースにした材料で作られてきており、その輪郭は奏者の身体形状に対して少なくともほぼカスタマイズされる。とりわけ、肩当ては、奏者が集中力又は注意力を損なうことなく、楽器を特別に快適に且つ調子よく演奏することができることを保証することを意図するものである。
EP2717255A1においてもまた、楽器と肩当てとのアンサンブルの音色特性をかなり改善することを達成することが可能な、言及したタイプの肩当てを記述している。肩当ての支持要素には、複数の穴が設けられている。支持要素のこの設計により、肩当ての振動挙動と楽器自体の振動挙動との音響結合が特に好適になるとともに干渉が減少し、その結果、楽器を演奏したときに、全体的に特に高い音色品質を達成することができる。
そのような肩当ては基本的に剛体であり、すなわち、恒久的に据え付けられたクランプ・ユニットを含めて剛体である。しかしながら他方では、保持要素又はクランプ・ユニットを折り込んで、収納に必要な空間を低減することができる、折畳み可能な肩当てがますます提案されている。そのような肩当ては、例えばEP3018653A1又は米国特許第7,488,877号から知られている。
ちょうつがい式設計の問題にもかかわらず、そのような肩当てに関する一般的なねらいは、一方では、それぞれの弦楽器に対して、また、他方では、奏者の個々のニーズ及び指定条件に対して幾何学形状の特に幅広い適合が可能になることである。
EP507994B1 米国特許第4,062,695号 DE10007834A1 米国特許第7,265,284号 米国特許第7,488,877B2号 EP2717255A1 EP3018653A1
本発明は、この意味でさらに改善された弦楽器向けの折畳み式肩当てを提供するタスクに基づいており、折畳み式肩当ては、特に、一方で弦楽器の幾何学形状に対して、他方で、製作において効率的な、特に単純で軽量化の様式で奏者の個人的な要件及び指定条件に対して、肩当ての柔軟且つ調節可能な適合を可能にするものである。さらに、この目的に特に適切な肩当て用のクランプ・ユニットについて説明することとする。
肩当てに関して、このタスクは、支持要素上にいくつかの折畳み式クランプ・ユニットを配設することによって、本発明に従って解決され、クランプ・ユニットの、又は各クランプ・ユニットのシャフトは、各事例において、関連する枢動ベアリング内に、一体的に形成された枢動ピンによって据え付けられ、枢動ベアリングのベアリング・シェルは、各事例において、枢動ピンを完全ではなくある特定の円弧長にわたってしか受け入れない又は包まない円弧区分の様式で設計される。
本発明は、支持要素上に配設された折畳み式クランプ・ユニットの設計が、枢動ベアリングによって特に簡単な方法で達成することができる、という考えに基づく。奏者の要件への、及び/又はこの基本設計を有する弦楽器の幾何学形状への個別化による適合を可能にするために、クランプ・ユニットの個々の構成要素又は部品及び支持要素は、もちろん、カスタムメイド製品の様式で、個々に製作することができる。しかしながら、これは、比較的高い費用が必要なために、むしろ望ましくないと考えられる。このような増大した費用を回避した上、さらに個別化による適合を可能にするために、むしろ構成要素自体により、又は構成要素同士が互いに相互作用することにより、柔軟な調節及び適合オプションが提供されるべきである。
第1のステップにおいて、クランプ・ユニットは、特に容易に互いに交換できるように設計されている。次いで、幾何学形状の変化はすでに、例えば、1つのクランプ・ユニットを異なる長さ、特に異なるシャフト長さの別のクランプ・ユニットで置き換えることによって可能である。クランプ・ユニットのそのような単純な交換可能性は、ベアリング・シェルが、中に据え付けられているクランプ・ユニットの枢動ピンを完全ではなく部分的にだけ包むことによって、枢動ベアリングが、そのようなより容易な交換を行うように具体的に設計されるという点で達成可能である。
本発明の有利な実施例は、従属請求項の主題である。
特に好ましいさらなる開発において、ベアリング・シェルの開口部は、枢動ピンが安定して係合されたまま、さらに容易に係合及び係合解除されるのが可能なように選択され、構成され、及び寸法設定される。
通常の実施例において、クランプ・ユニット又は各クランプ・ユニットには、据付けクランプが適切に設けられており、据付けクランプは、好ましくは、弦楽器の底部の周りに延びる縁部と係合することができ、それによって、さらなるクランプ・ユニットと協働して肩当てを弦楽器に固定する。しかしながら、とりわけ特に好ましい実施例において、この構成要素は、また、幾何学形状の柔軟な適応能力のために設計される。この目的のために、クランプ・ユニットは、とりわけ特に好ましい実施例において、いくつかの、好ましくは2つの部品において設計され、一方、足すなわちシャフトを備え、他方、そこから別個に設計された据付けクランプを備え、足すなわちシャフト及び据付けクランプは、ねじによって互いに連結されている。好ましくは、据付けクランプは、ねじ付きシャフトに配設され、及びねじ付きシャフトによって支持され、ねじ付きシャフトは、クランプ・ユニットの足すなわちシャフトに一体化されためねじにねじ込むことができる。これにより、単にねじ付きシャフトをめねじにある程度遠くにねじ込むことによって、特に簡単な様式でクランプ・ユニットの長さを修正することができるようになる。
代替の又は追加の有利なさらなる開発において、それぞれのクランプ・ユニットのシャフトはまた、中心軸が、クランプ・ユニットを保持する枢動ベアリングの回転の軸と交差しないが、ある距離でそれを通るという意味において、偏心的に又は中心からずれて案内されている。これにより、クランプ・ユニットが展開されたときに、特に簡単な様式で、クランプ・ユニットを互いに異なるオフセットで交換することによって、保持クランプの互いに対する内法を調節することができるようになる。特に、保持クランプ間の内法を、既知であるが過度でないプレテンションを構成要素に印加しながら弦楽器の外周底縁部に保持クランプを可能な限り遠くに確実に係合させることができるように選択することができるべきである。
驚いたことには、枢動ピンのサイズは、クランプ・ユニット及びベアリング・シェルを備えるアセンブリの機能に特に関連性がある。実際、枢動ピンが大きくなるにつれ、係合トルクのより微妙な選択が可能になる。好ましくは、構成要素及びその寸法は、係合が容易でありながら、その後の与えられる安全性及び安定性が高いように選択される。しかしながら、選択される直径が大きすぎる場合、ローラ本体の幅、及びしたがって支持体の最も低い位置が不利なことに増大する。これらの考慮事項の下で、以下の寸法設定が特に有利であると考えられる。すなわち、枢動ピンの直径に対して、最小1mm、最大30mm、好ましくは5mm~15mm、特に好ましくは8mm~12mmである。
独立した発明と考えられる特に有利な設計において、シャフト要素は、異なるオフセットを有する複数のシャフト要素を備えるセットの形態において提供される。開状態における2つの据付けクランプ間の内法の変化、したがって幾何学形状パラメータの変動は、それぞれのシャフト要素を置き換えることによって容易に達成することができる。その上、さらに有利な実施例において、構成要素はまた、第1の開始位置に加えて、各シャフトがまた、それぞれの枢動ベアリングにおいて、中心軸の周りに180°回転させた第2の配向で据え付けられることができるように、対称に設計することができる。偏心した、シャフトの中心軸のオフセット案内により、そのような回転でも互いに対して保持クランプの内法の変化を生じさせる。さらに、ねじ付きピンの中心からずれた位置合わせにより、バイオリンに対する肩当ての相対位置はまた、特に簡単な方法で、しかし、シャフト要素の適切な選択によって著しく変化させることができる。
便宜上、特に簡単であるにもかかわらず立体的な設計のために、クランプ・ユニット又は各クランプ・ユニットのシャフトは、その足エリアにおいて、およそ円筒形の断面を有するローラ本体の様式で設計されている。特に有利な実施例において、ローラ本体にはエンド・ピースが設けられ、エンド・ピースは、肩当てに取り付けられたストッパと相互作用し、シャフトを振り終えるための止め部を形成する。これにより、クランプ・ユニットは、振り終わるときの決められた位置へと動かされ、これに対応して適合する様式で、弦楽器の底縁部と係合する状態になることができることが保証される。
前述の停止機能に加えて、エンド・ピースにより、展開状態における角度の非常に精密な特定及び識別が可能になる。例えば、シャフトとゴム足とのアンサンブルがどれだけ長いかに応じて、それは、バイオリンにクランプされるときに発生するてこの効果がどれだけ強いかに影響を与える。増大したてこ力は、シャフトのより内側に傾斜した姿勢によって、補償されるべきである。特に、シャフトとゴム足とのアンサンブルの長さに応じて、バイオリンにクランプするときにてこの効果が変動するのを補償するために、精密にサイズを決めるべきである。より長いシャフト及びゴム足により、増大したてこ力は、例えば、シャフトのより内側に傾斜した姿勢によって補償することができる。これは、それぞれの傾斜脚バージョンに対して個々に寸法設定され、この実例の事例にはより幅が広いエンド・ピースによって達成される。こうして、比較的長い脚は好ましくは比較的幅が広いエンド・ピースに割り振られ、短い脚は幅が狭いエンド・ピースに割り振られる。このように、展開状態における角度は、シャフト要素自体に一体化され、支持体自体には依存しない。
ローラ本体の最小幅は、好ましくは使用されるねじ寸法(好ましい実例ではM4)に依存するとともに使用されるねじ寸法から選択される。理論的には、もちろん、M3.5又はM4.5を使用することもできる。これにより、以下の好ましい寸法が得られる。すなわち、幅最小4mm~最大12mm、好ましくは5mm~9mm、特に好ましくは6mm~7mmである。
ローラ本体の直径は直接的に、ローラ本体の幾何学形状の外側に偏位させずにシャフトがどれだけ中心からずらして配設されることができるかに影響を与える。本体が小さくなるにつれ、より小さな調節が可能になり、本体が大きくなるにつれ、より大きな調節が可能になる。驚いたことには、特に好ましくは、バイオリン支持体の包括的な調整能力に対して5mmの中心からずれた位置は、十分であり、且つ実現されるべきであることが見いだされた。これにより、支持のそれぞれの側で約1cmの調整能力が与えられる。要求される材料の厚みに関して、この結果、16mmの好ましい直径がもたらされる。全体として、以下の寸法が提案される。すなわち、最小10mm、最大50mm。好ましくは13mm~25mm。特に好ましくは15mm~20mmである。
他方、直径が増大するにつれローラ本体の軸はますます支持体からさらに離れて位置付けられることにも留意すべきである。これにより、支持体の最小高さが増大する。しかしながら、低い設定が通常非常に望ましい。したがって、ローラ本体の特に好ましい寸法は、必要とされる調整能力、最小の材料厚さ、及び最低位置における支持体の最小高さの成果である。
ところで、ゴム足用のシャフトをローラ本体の外側に設置するように傾斜脚を設計することも可能である。これにより、支持体をさらに幅が広い楽器に適合させることができるようになる。しかしながら、そのような傾斜している脚は、「幅が狭い」位置では係止及び折畳みができないので、「幅が広い」位置でのみ使用することができる。そのような異形は、特にビオラ・モデルに好ましい。
一般に、特に柔軟な支持体がますます好まれている。しかしながら、この柔軟性に対する支持体を設計することは、ある特定の難題を提示する。ある特定の柔軟度はまた、一般に、不安定性という意味を含む。しかしながら、ここで提案するバージョン及び寸法のクランプ・ユニット及びベアリング・シェルに関する設計により、枢動ピンは演奏中にベアリング・シェル内で回転することができるようになる。驚いたことには、また、この回転中に、支持脚(ゴム足)は、バイオリンを安定的に保持し続けることが見いだされた。これにより、支持体を異なる材料で、又は異なる幾何学形状で作らせるのが可能になり、それにより、柔軟性をユーザの希望に対して非常に精密に調節することができるようになる。
有利には、エンド・ピースには、好ましくはゴムで作られているOリングが設けられ、Oリングは溝に案内される。一方で、エンド・ピースがストッパと接触状態になると、Oリングは衝撃を減衰する。他方では、Oリングの塑性変形能力のため、連結のある特定の弾力性、及びエンド・ピースとストッパとの接触がそういうものとしてもたらされる。この設計では、全体として、すなわち、肩当てがクランプ・ユニットによって弦楽器に取り付けられたとき、並外れてプラスの影響がアンサンブルの音色品質に及ぼされる。機械的接触が止め部のエリアにおいてそれを通じて確立されるOリングの弾力性は、この連結の微視的な弾性特性及び自由化特性をもたらし、それにより楽器のサウンド品質に対して非常にプラスの効果がもたらされる。
有利な実施例において、並びに特に適切な材料選択及び幾何学形状により、肩当てはわずかに柔軟になる。これにより、音色の自由度が大きくなり、より人間工学的な楽器の保持ができるようになる。しかしながら、肩当てのわずかな柔軟な設計でさえ、支持体に印加される圧力の結果として、及びこの圧力が再び取り除かれるとき、ストッパとエンド・ポイントとが離遠することがわかる。ストッパとエンド・ポイントとが再び当たると、可聴の衝撃音が生成されるが、これも減衰されるはずである。
この減衰は、ゴム層又はゴム本体によって達成することができる。理想的には、ゴム本体は、支持体がバイオリンにクランプされるとき、エンド・ピースとストッパとが接触状態にあるように設置され寸法設定される。
これは、言及したOリングによって非常に良好に達成され得る。Oリングは主に前述の衝撃サウンドを減衰することを意図するものであるが、エンド・ピースとストッパとは、好ましくは緊張下で互いに接触すべきである。サウンド波の通過によってこの接触点でわずかな音響振動が生成される可能性があるので、Oリングの柔軟性はさらに別のプラスの影響を有する。驚いたことには、Oリングがある場合のサウンドは、ない場合よりも生き生きするようである。
したがって、音色に関しては、Oリングのサイズは、特定の配慮で選択すべきである。厚すぎると、過剰の「共振」が発生する可能性があり、薄すぎると、もはや十分に衝撃を減衰しなくなる。加えて、コード太さ(SD)は、好ましくは、支持体がバイオリンにクランプされるとき、Oリングが、エンド・ピースとストッパとが互いに触れるように圧縮されるように選ばれる。したがって、より浅い溝はより柔らかい材料を必要とする一方、深い溝は相対的により硬い材料を必要とする。
加えて、より共振する効果を望む場合、dicker ringを設けてストッパとエンド・ピースとの間に接触を不可能にさせることができる。
したがって、上記考慮事項にかんがみて、以下のパラメータがOリングに特に好ましい。
Oリングのコード太さ(SD):最大3mm、最小0.5mm、好ましくは1.5mm~0.7mm、特に好ましくは1.2mm~0.8mm。
コード太さ(SD)の圧縮A:コード太さの最小10%及び最大60%、好ましくはコード太さの20~50%、特に好ましくはコード太さの30~40%。Oリングの内径(ID)は、好ましくはエンド・ピースの寸法に起因し、エンド・ピースの周りの溝内でリングがどれだけきつく伸張されるべきかに依存する。
クランプ・ユニットに関して、上述のタスクは、関連する据付けクランプのねじ付きシャフトを受けるためのめねじをシャフトに設けることにより解決し、そのシャフトは、関連する枢動ベアリングに据え付けられるとき、中心軸が、関連する枢動ベアリングの回転の軸と交差しないが、あるオフセットでそこを通るという意味において、偏心的に又は中心からずれて案内される。
支持要素に対する特に好ましい材料の選択として、木材、プラスチック、又は合成材料が提供される。したがって、有利な実施例において、支持要素はまた、木材で作られている場合、少なくとも2mm及び10mmの厚みを有し、好ましくは少なくとも3mm及び最大7mmの厚みを有し、特に好ましくは少なくとも3.3mm及び最大5mmの厚みを有し、プラスチック又は合成材料で作られている場合、少なくとも1.5mm及び最大4.5mmの厚みを有する。
特に装着の高レベルの快適性、したがってこれらの限界条件下での特に好適な演奏能力を保証するために、支持要素の幅もまた有利に選択される。有利には、支持要素の幅は、少なくとも20mm及び最大48mm、特に好ましくは少なくとも22mm及び最大30mm、好ましくは少なくとも24mm及び最大28mmである。
本発明により達成される利点は、特に、全ての上述の特徴を互いに組み合わせた、構成要素の上述の設計により、低コストで低重量の肩当ての寸法設定及び幾何学形状パラメータにおける幅広い柔軟性を達成することができるという事実から特になる。区分においてのみ設計されたベアリング・シェル内のベアリングと組み合わせた状態のクランプ・ユニットのシャフト軸の偏心した、又は中心からずれた設計により、保持クランプの内法は、脚要素の角度と同様に、クランプ・ユニットを単に交換することによって変動する可能性がある。加えて、又は代替的に、それぞれのクランプ・ユニットの長さは、シャフトと保持クランプとの間のねじ連結に頼ることによって、及び/又は単に交換によって特に容易に修正することができる。したがって、広範囲の幾何学形状仕様に対して適合することができる肩当て用の保持システムが、その全体において利用可能である。
特に、肩支持体用の知られている調節システムと比較して、本解決策は非常に迅速、精密、且つ確実な、支持体の調節を達成する。知られている機構は、十分に精密でなく、実際に取り扱うには面倒が続く、ねじ及び穴を使用する。他の設計は、金属ロッド及び経時的に摩耗しもはや確実に保持しなくなるゴムを使用する。また、これらの金属ロッドはバイオリンを傷つけるおそれがある。さらに、他のシステムが、クランプ・ユニット向けにたくさんの穴を使用し、それによって肩当てがより重くなり、幅を変更するのにより時間がかかるようになる。
さらに、ねじ連結及び他の取り外しできる構成要素を必要とせずに内法を調節することができるので、必要な場合、楽器のすぐ近くで位置合わせを行うことができる。
さらに、本設計により、内法がごく微細な増分で設定できるようになる。例えば、好ましい設計では、2mmのステップの調節が実現する。このステップ幅は、シャフトの最も小さく中心からずれた設置の寸法(この場合1mm)に起因する。シャフトが0.25mmだけ中心からずらして設置された場合、理論的には、さらに小さなステップ、例えば0.5mmが可能である。
突き通された枢動ピンによって、シャフトの偏位が視覚的に非常にわかりやすくなることを達成することもできる。さらに中心から離れてシャフトをオフセットし、枢動ピンの開口部をより大きくすることにより、ユーザが認識するのが容易になる。
本発明の実施例は、図面を参照してより詳細に説明される。そこでは、以下のように示される。
伝統的なバイオリンの底面図である。 従来技術による肩当てが取り付けられたバイオリンの部分斜視図である。 クランプ・ユニットが展開されてすぐ使用できる状態の、図2に示した肩当てを示す図である。 クランプ・ユニットが折り込まれた収納状態の、図2に示した肩当てを示す図である。 2つの斜視図においてクランプ・ユニットの足すなわちシャフトを示す図である。 2つの斜視図においてクランプ・ユニットの足すなわちシャフトに関連付けられた枢動ベアリングを示す図である。 2つの斜視図において、それぞれの枢動ベアリングへと足すなわちシャフトが挿入されたことを示す図である。 それぞれの枢動ベアリングに足すなわちシャフトが挿入されていることを示す側面図である。 長手方向断面において、それぞれの枢動ベアリングへと足すなわちシャフトが挿入されたことを示す図である。 図9aにおける図の断面拡大を示す図である。 それぞれが異なるオフセットを有する、シャフト要素のセットを示す図である。 それぞれが異なるオフセットを有する、シャフト要素のセットを示す図である。 それぞれの枢動ベアリングの中の足すなわちシャフトを置き換えるステップのシーケンスを示す図である。 保持クランプ間の内法が異なる、リテイン・システムがそれぞれ備わった2つの肩当てを示す図である。
全ての図において、同一の部品には同じ参照数字を付している。
図1による伝統的なバイオリン1は、共振本体を形成する本体2、指板が据え付けられているネック4、ペグ6を備えるペグボックス、バイオリン1の端部を形成するスクロール8を備える。本体2は本体底部10及び外周底縁部12を有する。本体2のネック端部14において、バイオリン1のネック4は、上端ブロック16を介して本体2に連結されている。バイオリン1を安定化するために機能する他のブロックが、本体2へと組み込まれる。
下端ブロック18において、バイオリン1の弦は、バイオリン1の頂部上のテールピース端部の助けによって留められている。したがって、下端ブロック18は非常に安定しており、本体2へと堅固に組み込まれている。ネック4及び指板を支持する上端ブロック16もまた安定しており、本体2の中に堅固に加工される。今日、上端ブロック16及びネック4は通常、必要な装着特性並びにサウンド及び振動の特質を満たすように、別個に製作されて、貼り合わされる。
外周底縁部12のエリアの本体底部10側に側壁、いわゆるリブ(ドイツ語:Zargen)26があり、次いで本体頂部は本体底部の反対のこれらのリブ26に取り付けられている。これらの部品は、バイオリン1の共振チャンバである本体2を本質的に形成し、いわゆる外側ブロック並びに上端ブロック16及び下端ブロック18の助けにより安定化されている。
演奏家が、高いサウンド品質のままバイオリン1を演奏しながら快適な姿勢を維持できるようにするために、バイオリン1の本体2上に据え付けた状態で、図2に示すように、肩当て30が通常提供される。肩当て30はそれ自体の中に、奏者の肩及び/又は胸の上で静止させるための支持要素32を備え、支持要素32は、端部に配設されたクランプ・ユニット34によって、バイオリン1の本体2に、特に、外周底縁部12に取り付けることができる。実施例の実例において、このように肩当て30は、クランプ・ユニット34を介して、バイオリン1の本体2に直接的に取り付けることができ、しかしながら代替的に、肩当て30と本体2との間のアダプタ・ピースの追加の使用もまた提供することができる。
装着の高レベルの快適性を備える特に良好な演奏能力のために、肩当て30の支持要素32は起伏を付けられて、それによって、支持要素32の成形又は起伏付けは、それぞれの奏者に対する個別化による適合に備える。実施例において、肩当て30の支持要素32は、良好な音色特性だけでなく重量を可能な限り低く維持することを考慮して適切に選択された材料、例えば木材又はプラスチックで作られている。さらに、しかしながら、音色特性のさらなる改善のため、支持要素32はまた、例えば、前公開のない欧州特許出願第20175545.1から知られているように、適切に位置付けられ、配設された穴40及び/又はスロットのパターンを有し、欧州特許出願第20175545.1の開示は、明確に本開示に組み込まれる(「参照による組込み」)。
肩当て30がバイオリン1の本体2にそれを用いて取り付けるクランプ・ユニット34によって形成された保持システムは、複数の設計目的に関して特に適切であるように設計されている。一方で、肩当て30の特に空間節約する収納は、使用中でないとき、例えばバイオリンケース内で運搬中に実行可能であるべきである。この目的のため、図3における図(折り畳まれていない、すぐ使用できるクランプ・ユニット34を備える肩当て30)及び図4(格納のため、折り畳まれているクランプ・ユニット34を備える肩当て30)を比較することによって、容易に理解することができるようにクランプ・ユニット34は旋回させる又は折り畳ませることができるように設計されている。
他方、保持システムはまた、例えば、弦楽器若しくはバイオリン1の設計により、及び/又は奏者の解剖学的要件により、異なる幾何学形状に特に容易に適合すべきである。これを可能にするために、保持システムを形成するクランプ・ユニット34はそれぞれ、いくつかの部品において設計されており、すなわち、各クランプ・ユニット34は一体化されためねじを伴う、肩当て30に枢動可能に取り付けられた足すなわちシャフト50と、ねじ付きシャフト54上に配設され、ねじ付きシャフト54によって支持される実際の保持クランプ52とを備える。保持クランプ52は、クランプ・ユニット34が使用されるときに、バイオリン1の外周底縁部12に係合することができる。それぞれのクランプ・ユニット34を形成するために、保持クランプ52を担持するねじ付きシャフト54は、それぞれの足すなわちシャフト50のめねじにねじ込むことができる。この設計により、ねじ付きシャフト54をシャフト50のめねじの中へ多少深くねじ込むことによって、クランプ・ユニット34の全体的な高さを調節又は変動させることが特に容易になる。
言及した構成要素は任意の適切な材料で作ることができる。シャフト50は好ましくはプラスチックで作られており、したがって、特に軽量構築を代表することができる。ヘッド又は保持クランプ52は、また、好ましくはプラスチックで作られており、それにより有利には、少なくとも、底縁部12と接触状態になる接触エリア56は、ゴム又はゴム様の材料で作られている。
肩当て30に取り付けるために設けられたクランプ・ユニット34の足すなわちシャフト50は、2つの斜視図(図5a及び図5b)において図5に示されている。所望の枢動能力を使用可能にするために、シャフト50は肩当て30上に回転可能に据え付けられる。この目的のため、図6は2つの斜視図において、足すなわちシャフト50を受け、肩当て30に締結されるように設けられた(図6a及び図6b)、足すなわちシャフト50に関連付けられた枢動ベアリング55を示す。他方、図7において、一方で、足50によって形成された組立てユニットが、他方で、枢動ベアリング55が2つの斜視図(図7a及び図7b)において示されている。さらに、肩当て30に取り付けるために設けられたクランプ・ユニット34の足すなわちシャフト50は、図8において側面図で、及び枢動ベアリング55へと挿入されたときの図9における断面で示されている。個々の構成要素の設計は、次にさらに図5から9に関して説明することとする。
シャフト50の端部エリアの側部において、いくつかの枢動ピン58-例示の実施例では2つ-が配設されており、枢動ピン58は、肩当て30に取り付けられたベアリング・シェル60に回転の軸62の周りに回転可能に据え付けられ、回転の軸62は、図8、9による図の図面平面に対して直角に整列されている。図6及び7の図、並びに図8の側面図から理解できるように、ベアリング・シェル60は、枢動ピン58を完全ではなくある特定の弧長にわたってしか取り囲まない又は包まない、弧区分の形態で設計されている。ベアリング・シェルを形成する材料、好ましくはプラスチック又は合成材料の弾力性を考慮に入れて、以て、ベアリング・シェル60は枢動ピン58を、挿入した状態で固定するが、枢動ピン58を含むシャフト50は、ベアリング・シェル60によって形成されたベアリングから取り除くことができる。これにより、足すなわちシャフト50をベアリングから置き換える又は交換するのが特に容易になる。
すでに言及したように、ベアリング・シェル60及び/又はクランプ・ユニット34は、特に好ましくはプラスチック又はプラスチック材料から作られており、しかしながら、代替として、それのためのベース材料として、好ましくは金属が選択されてもよい。
しかしながら、支持要素はまた、木材として製作することができる。
図5による図から、また、図9の断面図から理解できるように、シャフト50はその実際の足エリアにおいて、おおよそ円筒形の断面を有するローラ本体64の形態で太くされており、2つの枢動ピン58はこのローラ本体64の端部に形成されている。ローラ本体64には、エンド・ピース66が設けられ、エンド・ピース66は、肩当て30に取り付けられたストッパ68と協働し、シャフト50の振り終えのための止め部を形成する。これにより、クランプ・ユニット34は、旋回し終わるときの決められた位置へと動かされ、これに対応して適合する様式で、バイオリン1の底縁部12と係合する状態へとなることができることが保証される。
上述の停止機能に加えて、エンド・ピース66により、開状態におけるシャフト50の角度の非常に精密な特定及び識別が可能になる。例えば、エンド・ピース66は、シャフト50及びゴム足からなるアンサンブルの長さに応じて、楽器にクランプされるときのてこの効果がどれだけ強いかに影響を与える。特に、これらの構成要素は、シャフトとゴム足とのアンサンブルがどれだけ長く寸法設定されるのかに応じて、バイオリンにクランプされるときにてこの効果が変動するのを補償するように精密に寸法設定されるべきである。シャフト及びゴム足がより長いことによる増大したてこの効果は、例えば、シャフト50のより内側に傾斜した姿勢によって、補償されるべきである。これは、それぞれの傾斜脚バージョンに対して個々に寸法設定され、この実例の場合にはより幅が広いエンド・ピース66によって達成される。このように、比較的長い脚は好ましくは比較的幅が広いエンド・ピース66に割り振られ、短い脚は幅が狭いエンド・ピース66に割り振られる。このように、展開状態における角度は、シャフト要素自体に一体化され、支持体自体には依存しない。
エンド・ピース66には、好ましくはゴムで作られて、溝69に案内されるOリング70が設けられる。一方で、エンド・ピース66がストッパ68と接触状態になると、Oリングは衝撃を減衰するが、他方では、Oリング70の塑性変形能力の結果として、連結のある特定の弾力性、及びエンド・ピース66とストッパ68との間の接触がそういうものとしてもたらされる。完全に驚くべきことが判明したが、この設計では、すなわち肩当てがクランプ・ユニット34によってバイオリンに取り付けられたとき、全体として、並外れてプラスの影響がアンサンブルの音色品質に及ぼされる。機械的接触が止め部のエリアにおいてそれを通じて確立されるOリング70の弾力性による、ある特定の、特に微視的な程度の、この連結の弾性特性があり、これは楽器のサウンド設計に対して非常にプラスの効果を有する。
特に、図9bに示す拡大断面図において、エンド・ピース66は、シャフト50が完全に展開されたときに接触エリア71においてストッパ68との直接的な接触状態となることが明確に理解される。溝69に据え付けられたOリング70は、その弾力性の範囲内で適宜変形する。また、Oリング70の適切な厚さ又はコード強度の選択は、接触エリア70におけるエンド・ピース66とストッパ68との間の接触の精密な特質の決め手となることがこの図から明確になる。すなわち、コード強度が非常に大きくなるように選ばれた場合、Oリング70は、シャフト50を固定するための完全に一定の反力を吸収するまで、その弾力性の範囲内で変形することになり、接触エリア71におけるエンド・ピース66とストッパ68との間の直接的な接触は発生しないことになる。他方、コード太さが非常に小さくなるように選ばれた場合、Oリング70は、ほぼ完全に溝69の中にあることになり、エンド・ピースが接触エリア71においてストッパ68との直接的な接触状態になるまではそれほど大きな変形はないことになる。この事例は、エンド・ピース66とストッパ68との間で大きくは減衰しない又は跳ね返らない機械的接触に相当する。
有利には、Oリング70の主要な機能は、バイオリンを演奏し保持システムにおける対応する動きの間に、エンド・ピース66がストッパ68にぶつかるときに発生する可能性がある衝突サウンドを減衰させることである。有利には、構成要素は、エンド・ピース66が、緊張下で、接触エリア71内でストッパ68に接触するように寸法設定される。接触に関連したサウンド波の伝送により、この点においてわずかな音響振動が発生する可能性があるため、Oリング70が存在することは、サウンドの点でさらにプラスである。驚いたことには、Oリングがある場合のサウンドは、ない場合よりも「生き生きする」ようである。上記考慮事項にかんがみて、有利には、Oリング70の寸法又はサイズは、所望の特性に対して適切に選択され、それによって、(リングが厚すぎる場合)過剰な「共振」が生じる可能性があるか、又は、他方(リングが薄すぎる場合)、衝撃の減衰がもはや起こらない可能性がある。特に、コード太さ(SD)は、それによって有利には、肩当てがバイオリンにクランプされるとき、Oリング70が、エンド・ピース66とストッパ68とが互いに触れるようにわずかに圧縮されるように常に選ばれる。より大きい突出部はより柔らかい材料(より低い圧縮抵抗)を必要とし、より小さい突出部はより硬い材料を必要とする。
有利には、0.5mmと3mmとの間のコード太さ(SD)、好ましくは0.7から1.5mmのコード太さ(SD)、特に好ましくは0.8mmと1.2mmとの間のコード太さ(SD)を有するOリング70が使用される。コード太さ(SD)の圧縮は(最小)10%と(最大)60%との間、好ましくは20~50%、特に好ましくは30~40%であるべきである。
クランプ・ユニット34によって形成される保持システムのバイオリン1の個々の幾何学形状に対する柔軟な適応能力という点で、クランプ・ユニット34が展開されたとき、保持クランプ52の内法の互いに対するある特定の調整能力はまた、望ましい。したがって、保持クランプ52間の内法を、大きすぎないがある特定のプレテンションを構成要素に印加しながら外周底縁部12に保持クランプ52を可能な限り遠くに確実に係合させることができるように選択することができるべきである。保持クランプ52の内法を適宜修正できるように、それぞれのクランプ・ユニット34のシャフト50は、シャフト50の中心軸72が完全に展開された状態において回転の軸62と交差しないが、そこからオフセットVだけのある距離で通るという意味において、偏心的に又は中心からずれて案内されている。このように、保持クランプ52の内法の修正は、単にシャフト要素を置き換えることによって、及び異なるオフセットVを用いてシャフト要素を代替シャフトで置き換えることによって、特に簡単な様式で可能である。
したがって、有利には、シャフト要素は、それぞれが異なるオフセットVを有する複数のシャフト要素を備えるセットの形態において用意される。図10及び図11のそれぞれにおいて、そのようなシャフト要素のセットが示されており、2つのセットは、実際のシャフト50の長さによって互いに異なる。しかしながら、図10で示される両方のセット及び図11で示されるセットはそれぞれ相対的に小さいオフセットV(左に示される)を有する足すなわちシャフト50を備え、1つは中程度のオフセットV(真ん中に示される)を有し、1つは比較的大きいオフセットV(右に示される)を有す。
展開状態における2つの保持クランプ52間の間隔の変化は、それぞれのシャフト要素を置き換えることによって容易に達成することができる。加えて、しかしながら、構成要素はまた、第1の初期位置に加えて、各シャフト50がまた、その中心軸72の周りに180°だけ回転された第2の配向において据え付けられることができるように、対称に最後まで案内される。したがって、+Vの元のオフセットから始まる中心軸の位置は、-Vの新たなオフセットにシフトされる。そのような交換が図12に示す図のシーケンスに概略的に示されている。
図12aにおいて、枢動ピン58が適宜ベアリング・シェル60内で回転することによって、どのようにクランプ・ユニット34が、完全に展開された位置から取り外し位置まで旋回するのかを理解することができる。図12aにおいて、枢動運動が矢印74によって示されている。次いで、枢動によって到達した取り外し位置において、構成要素が、ベアリング・シェル60からの(矢印76に示すようにその形状に起因する)クランプ・ユニット34の取り外しを可能にさせる。ベアリング・シェル60の形状、すなわち、円弧区分又は円弧部分のみとしてのその設計は取り外しオプションにとって特に重要である。
図12cの矢印78によって示されるように、取り外し後、クランプ・ユニット34は、シャフト50の中心軸72の周りに180°の角度を通じて回転させることができ、次いで図12dの図に従って、矢印80によって表される方向にベアリング・シェル60の中へと戻される。次いで、図12eの矢印82によって表されるように、クランプ・ユニット34は、再び展開される。さらに次に、保持クランプ52は回転の結果、最初、まだ「間違った」方向、すなわちその係合側が外側に向く方向に向いている。これを修正するために、図12eの矢印84によって表されるように、シャフト50のめねじ内のねじ付きシャフト54を回転させることによって、保持クランプ52のさらなる180°の回転がもたらされる。
両方のクランプ・ユニット34を適宜回転させたそのような修正の結果が図13の実例として示されている。図13aにおいて、両方のクランプ・ユニット34のシャフト50が、それぞれのベアリング・シェル60内にオフセットVだけ外側にして、保持クランプ52間の内法Wがもたらされた状態で据え付けられている元の状態が示されている。対照的に、図13bは、図12に示したシーケンスによるそれぞれのベアリング・シェル60内にそれぞれ、両方の保持要素34が180°回転された後の構成を示す。この構成において、今度は、保持要素34はそれぞれの中心軸72に対して内側にオフセットされており、保持クランプ52に対してW’=W-4V(各保持クランプ52に対して、位置が+Vから-Vまで変化、すなわち全体で2Vだけ変化する)の新たな間隔となっている。
これらの設計の特徴の組み合わせにより、バイオリン1に肩当て30を取り付けるための保持システムがもたらされ、それとともに肩当てのバイオリン1に対する、及び、また、奏者の個々の要件に対する個別化による適合が、苦労せずに、且つ、さらに、大きなパラメータ範囲にわたる著しい労力なしに可能となる。説明した方法に従って、内法Wは、特に、セット全体のシャフト要素を使用し、支持要素32からそれぞれの保持クランプ52までの高さ又は距離をまた、足すなわちシャフト50のめねじ内のねじ付きシャフト54をねじ込む又はねじ出すことによる特に簡単な様式で変動させることができるときに、苦労せずに調節することができる。
材料の選択に関しては、2つの設計、すなわち、一方は、プラスチックで作られた3つの部品、一体型ベアリング・シェルを有する支持要素を備える2つのクランプ・ユニットを備える設計、又は、他方は、プラスチック/木材で作られた5つの部品、プラスチックで作られた2つのクランプ・ユニット及びベアリング・シェル、木材で作られた支持要素に据え付けられたベアリング・シェルを備える設計が特に好まれる。
1 バイオリン
2 本体
4 ネック
6 ペグ
8 スクロール
10 本体底部
12 底縁部
14 ネック端部
16、18 端ブロック
20、22 外側ブロック
24 バルジ
26 リブ
30 肩当て
32 支持要素
34 クランプ・ユニット
40 穴
50 シャフト
52 保持クランプ
54 ねじ付きシャフト
55 枢動ベアリング
56 接触エリア
58 枢動ピン
60 ベアリング・シェル
62 回転の軸
64 ローラ本体
66 エンド・ピース
68 ストッパ
69 溝
70 Oリング
71 接触エリア
72 中心軸
74、76、78 矢印
80、82、84
V オフセット
W 間隔

Claims (7)

  1. 奏者の肩及び/又は胸の上で静止させるための、長手方向(L)に延びる支持要素(32)を有する、弦楽器向けの肩当て(30)であって、前記支持要素上にいくつかのちょうつがい式クランプ・ユニット(34)が配設されており、前記クランプ・ユニット(34)又は各クランプ・ユニット(34)のシャフト(50)が、関連する枢動ベアリング(55)内の一体的に形成された枢動ピン(58)によって、各事例において据え付けられており、前記枢動ベアリング(55)のベアリング・シェル(60)が、各事例において、前記枢動ピン(58)を完全ではなくある特定の円弧長にわたってしか係合しない又は包まない円弧区分の様式で設計される、肩当て(30)。
  2. 前記クランプ・ユニット(34)又は各クランプ・ユニット(34)が、前記クランプ・ユニット(34)の前記足すなわちシャフト(50)と一体のめねじの中へとねじ込むことができるねじ付きシャフト(54)に配置されて前記ねじ付きシャフト(54)によって支持されるそれぞれの保持クランプ(52)を備える、請求項1に記載の肩当て(30)。
  3. 前記それぞれのクランプ・ユニット(34)の前記シャフト(50)が、前記シャフト(50)の中心軸(72)は完全に展開された状態において前記それぞれの枢動ベアリング(55)の回転の軸(62)と交差しないが、オフセット(V)だけ離隔して前記それぞれの枢動ベアリング(55)を通るという意味において、偏心的に又は中心からずれて案内されている、請求項1又は2に記載の肩当て(30)。
  4. 前記クランプ・ユニット(34)又は各クランプ・ユニット(34)の前記シャフト(50)が、おおよそ円筒形の断面を有するローラ本体(64)の様式でその足領域において設計されている、請求項1から3までのいずれか一項に記載の肩当て(30)。
  5. 前記クランプ・ユニット(34)又は各クランプ・ユニット(34)の前記ローラ本体(64)には、エンド・ピース(66)が設けられ、前記エンド・ピース(66)が、前記肩当て(30)に据え付けられたストッパ(68)と協働し、前記シャフト(50)の振り終えのための止め部を形成する、請求項4に記載の肩当て(30)。
  6. 前記それぞれのローラ本体(64)の前記エンド・ピース(66)には、溝(69)内に案内され、好ましくはゴムのOリング(70)が設けられる、請求項5に記載の肩当て(30)。
  7. 弦楽器向けの肩当て(30)のためのクランプ・ユニット(34)であって、関連する保持クランプ(52)のねじ付きシャフト(54)を受けるためのめねじが設けられているシャフト(50)であって、関連する枢動ベアリング(55)に据え付けられるとき、前記シャフト(50)の中心軸(72)は、前記関連する枢動ベアリング(55)の回転の軸(62)と交差しないが、オフセット(V)だけ前記回転の軸(62)からある距離で前記関連する枢動ベアリング(55)を通るという意味において、偏心的に又は中心からずれて案内されている、シャフト(50)を有する、クランプ・ユニット(34)。
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