JP2024506323A - ポリアルキレンベンゼンジカルボキシラート材料の処理方法 - Google Patents

ポリアルキレンベンゼンジカルボキシラート材料の処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2024506323A
JP2024506323A JP2023547819A JP2023547819A JP2024506323A JP 2024506323 A JP2024506323 A JP 2024506323A JP 2023547819 A JP2023547819 A JP 2023547819A JP 2023547819 A JP2023547819 A JP 2023547819A JP 2024506323 A JP2024506323 A JP 2024506323A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
treatment
polyester
minutes
polyester material
comparative
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023547819A
Other languages
English (en)
Inventor
チア-ウェン・ウ
ウェイ-シェン・リャオ
ユ-ウェン・チャオ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from TW110105074A external-priority patent/TWI766579B/zh
Application filed by Individual filed Critical Individual
Publication of JP2024506323A publication Critical patent/JP2024506323A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J11/00Recovery or working-up of waste materials
    • C08J11/04Recovery or working-up of waste materials of polymers
    • C08J11/06Recovery or working-up of waste materials of polymers without chemical reactions
    • C08J11/08Recovery or working-up of waste materials of polymers without chemical reactions using selective solvents for polymer components
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J11/00Recovery or working-up of waste materials
    • C08J11/04Recovery or working-up of waste materials of polymers
    • C08J11/10Recovery or working-up of waste materials of polymers by chemically breaking down the molecular chains of polymers or breaking of crosslinks, e.g. devulcanisation
    • C08J11/18Recovery or working-up of waste materials of polymers by chemically breaking down the molecular chains of polymers or breaking of crosslinks, e.g. devulcanisation by treatment with organic material
    • C08J11/22Recovery or working-up of waste materials of polymers by chemically breaking down the molecular chains of polymers or breaking of crosslinks, e.g. devulcanisation by treatment with organic material by treatment with organic oxygen-containing compounds
    • C08J11/24Recovery or working-up of waste materials of polymers by chemically breaking down the molecular chains of polymers or breaking of crosslinks, e.g. devulcanisation by treatment with organic material by treatment with organic oxygen-containing compounds containing hydroxyl groups
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J2367/00Characterised by the use of polyesters obtained by reactions forming a carboxylic ester link in the main chain; Derivatives of such polymers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J2367/00Characterised by the use of polyesters obtained by reactions forming a carboxylic ester link in the main chain; Derivatives of such polymers
    • C08J2367/02Polyesters derived from dicarboxylic acids and dihydroxy compounds
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Sustainable Development (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)

Abstract

ポリアルキレンベンゼンジカルボキシレート材料を処理する方法は、ポリアルキレンベンゼンジカルボキシレート材料にエチレングリコールを含む浸漬液による浸漬処理を施して浸漬ポリエステル材料を得ること、および浸漬ポリエステル材料に粉砕処理を施して粉砕ポリエステル材料を得ることを含む。浸漬ポリエステル材料は、ポリアルキレンベンゼンジカルボキシレート材料よりも高い結晶化度を有する。

Description

本開示は、ポリエステル材料の処理方法に関し、より詳細には、ポリアルキレンベンゼンジカルボキシラート材料の処理方法に関する。
ポリエチレンテレフタレート(PET)ボトルフレークのリサイクル及び処理方法については、物理リサイクル技術、化学リサイクル技術のいずれを利用する場合においても、PETボトルフレークを破砕工程に通すことにより、より小さなサイズを有するポリエステル粒子を得る。通常、PETポリエステル粒子が小さいほど、物理リサイクル技術、化学リサイクル技術のいずれを利用しても、処理効率は大幅に向上する。
しかし、PETボトルフレークは非常に強靭であるため、効果的に破砕することは難しい。例えば、工業用破砕機や摩砕機を使用した場合、破砕または摩砕されたポリエステル製品はミリメートル(mm)のサイズを有する。更に、処理中の温度を下げるために水が必要であり、且つ摩損のために破砕機や摩砕機の切削工具を定期的に交換したり研いだりする必要がある。マイクロメートル(μm)サイズを有する破砕または摩砕されたポリエステル製品を得るためには、液体窒素が必要である。そのため、従来の処理方法では複雑な処理装置が必要で、大量の液体窒素を消費する。
更に、溶剤を使用してPETボトルフレークのサイズをマイクロメートルスケールまで小さくすることもできる。例えば、Karayannidis et al. (1993), J. Appl. Polym. Sci., (50):2135-2142に発表されているように、PETボトルフレークを所定の温度を有する溶剤に溶解し、次いで逆溶剤と接触させる。そのため、PETは沈殿する。溶剤を使用することでPET粒子の粒径を小さくすることができても、使用する溶剤が有機溶剤であり、その使用量が多いため、加工コストが高く、環境にも優しくない。
米国特許第4165420号明細書は、ポリエステル樹脂の固体重合方法を開示しており、この方法は、低分子量の溶融ポリエステルプレポリマーを、スプレー冷却器内の遠心霧化装置に導入して、高分子量及び100ミクロン~250ミクロンの粒径を有する球状ポリマー粒子を形成することを含む。米国特許第4165420号明細書の方法は、小さな粒径のポリエステル粒子を得ることができるが、多量のエネルギーを消費し、複雑でメンテナンスが難しい処理装置が必要である。
更に、米国特許第7380735号明細書は、小さなPET粒子を調製する方法を開示しており、この方法は、PETフレークを空気中で150℃以上に加熱することによってPETフレークの結晶化度を高める工程、及び衝撃破砕によってPETフレークを粉砕し、約500ミクロン未満の平均粒径を有する小さなPET粒子を調製する工程を含む。米国特許第7380735号明細書の方法では、小さなPET粒子を得ることができるとしても、このような方法は、結晶化度を高めるために前述の高温を必要とするため、多量のエネルギーが消費され、且つ加熱に長時間を要するため、時間がかかる。更に、前述の高温は副反応を生じ、PETフレーク及びそれから調製されたPET粒子の品質に悪影響を及ぼす可能性がある。
最後に、中国特許第1162462号明細書は、廃ゴムから微細または超微細ゴム粉末を調製する方法を開示しており、この方法は、廃ゴムから5メッシュ~40メッシュの大きさを有するゴム粒子またはストリップを形成する工程と、極性有機溶媒に一定時間に浸漬する工程と、ゴム粒子またはストリップが脆くなった後に乾式摩砕または湿式摩砕を行う工程とを含む。そのため、微細ゴム粉末(60メッシュ~200メッシュのサイズを有する)または超微細ゴム粉末(200メッシュ以上のサイズを有する)を調製することができる。しかし、中国特許第1162462号明細書の方法はまだ十分でない。
以上のことから、PET材料のようなポリアルキレンベンゼンジカルボキシラート材料を処理するための、より満足できる方法を開発する必要がある。
米国特許第4165420号明細書 米国特許第7380735号明細書 中国特許第1162462号明細書
Karayannidis et al. (1993), J. Appl. Polym. Sci., (50):2135-2142
本発明の目的は、従来技術の少なくとも1つの問題点を軽減することができるポリアルキレンベンゼンジカルボキシラート材料の処理方法を提供することである。
本方法は、ポリアルキレンベンゼンジカルボキシラート材料を、エチレングリコールを含む浸漬液で浸漬処理することにより、前記ポリアルキレンベンゼンジカルボキシラート材料の結晶化度よりも高い結晶化度を有する浸漬ポリエステル材料を得る工程と、
前記浸漬ポリエステル材料に粉砕処理を施し、粉砕ポリエステル材料を得る工程と、を含む、ポリアルキレンベンゼンジカルボキシラート材料の処理方法。
本開示の他の特徴および利点は、添付の図面を参照して、以下の実施形態の詳細に説明することにより明白になる。
比較対照的方法1-1~1-8で得られた比較用の衝撃破砕ポリエステル材料の外観を示す図である。 本開示による例示的方法1-1~1-8を用いて得られた例示的な衝撃破砕ポリエステル材料の外観を示す図である。 本開示による例示的方法1-6の過程で得られた浸漬ポリエステルフレーク、比較対照的方法1-1の過程で得られた加熱ポリエステルフレーク及び例示的方法1-6及び比較対照的方法1-1で使用された青色ポリエチレンテレフタレート(PET)フレークのX線回折図を示し、該X線回折図は、浸漬ポリエステルフレーク、加熱ポリエステルフレーク及び青色PETフレークの結晶化度を示す図である。 本開示による例示的方法3を用いて得られた例示的な脱色ポリエステル材料、比較対照的方法3を用いて得られた比較用の脱色ポリエステル材料、及び例示的方法3及び比較対照的方法3で使用された混合色を有するポリエステルフレークの紫外可視スペクトルを示し、紫外可視スペクトルは、例示的な脱色ポリエステル材料、比較用の脱色ポリエステル材料及び混合色を有するポリエステルフレークの反射率を示す。
本開示は、ポリアルキレンベンゼンジカルボキシラート材料の処理方法を提供し、該方法は、
ポリアルキレンベンゼンジカルボキシラート材料を、エチレングリコールを含む浸漬液で浸漬処理することにより、前記ポリアルキレンベンゼンジカルボキシラート材料の結晶化度よりも高い結晶化度を有する浸漬ポリエステル材料を得る工程と、
前記浸漬ポリエステル材料に粉砕処理を施し、粉砕ポリエステル材料を得る工程とを含む。
ポリアルキレンベンゼンジカルボキシラート材料の例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)材料、ポリエチレンイソフタレート(PEI)材料及びポリエチレンフタレート(PEP)を含むが、これらに限定されない。特定の実施形態において、ポリアルキレンベンゼンジカルボキシラート材料はPET材料である。
本開示によれば、ポリアルキレンベンゼンジカルボキシラート材料は、透明PETボトルまたは着色PETボトルであってもよい。透明PETボトル及び着色PETボトルの例としては、未使用PETボトル及び使用済みの廃PETボトルを含むが、これらに限定されない。特定の実施形態において、ポリアルキレンベンゼンジカルボキシラート材料は、使用済みの廃PETボトルを切断することによって調製され、1cm×1cmのサイズを有するボトルフレークである。
浸漬処理中、浸漬液はポリアルキレンベンゼンジカルボキシラート材料の分子構造を変化させて、結晶化度を高める。特定の実施形態において、浸漬液は、機能剤を更に含む。機能剤の例としては、フェニルエーテル化合物を含むが、これに限定されない。フェニルエーテル化合物の例としては、
を含み、式中のR、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、X、X、X、X、X、X、X、X、X、X10、X11、X12、X13、X14、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y10、Y11、Y12、Z、Z、Z、Z、Z、Z、Z、Z、Z、Z10、Z11、Z12、Z13、Z14、Z15、T、T、T、T、T、T、T、T、T、T10、T11、T12、T13、T14、T15、T16、T17及びT18は、水素及び炭化水素基からなる群から独立して選択されるが、これらに限定されない。炭化水素基はアルキル基であってもよい。
特定の実施形態において、浸漬液の総量(即ち100%v/v)に基づいて、エチレングリコールは90%v/vより多く、100%v/v以下の量で存在する。
特定の実施形態において、浸漬処理は150℃~195℃の範囲の温度で0.5分~480分間実施される。
特定の実施形態において、浸漬処理は大気圧下で実施される。
粉砕処理とは、ポリアルキレンベンゼンジカルボキシラート材料を粉砕させる(例えば、破砕する、割る、未固形化させる、または砕く)処理を指す。更に、例えば、粉砕処理によって、1枚のフレークが打ち砕かれて粉末にされたり、砕かれて完全に分離した複数の破片にされたりすることもある。粉砕処理の例として、衝撃破砕処理を含むが、これに限定されない。特定の実施形態において、衝撃破砕処理はハンマーを用いて実施される。
本開示によれば、粉砕ポリエステル材料は、0.5mm以下のサイズを有することができる。特定の実施形態において、粉砕ポリエステル材料は、100μmから500μmの範囲のサイズを有することができる。他の実施形態において、粉砕ポリエステル材料は、100μmから200μmの範囲のサイズを有することができる。
特定の実施形態において、ポリアルキレンベンゼンジカルボキシラート材料は、着色剤により着色されていて、ポリアルキレンベンゼンジカルボキシラート材料から得られる粉砕ポリエステル材料は、よって該着色剤により着色されたものとなる。このような状況において、処理方法は、脱色ポリエステル材料を得るために、粉砕ポリエステル材料を脱色処理して粉砕ポリエステル材料から着色剤を除去する工程を更に含む。
本開示によれば、脱色処理は、化学脱色処理及び物理脱色処理からなる群から選択され得る。
化学脱色処理の例としては、酸化剤を用いる酸化脱色処理を含むが、これに限定されない。酸化剤は当該技術分野において周知であり、一般的に使用されているため、本明細書では簡潔にするためにその詳細を省略する。
物理脱色処理の例としては、溶剤抽出処理及び溶剤蒸気処理を含むが、これらに限定されない。溶剤抽出処理では、液体溶剤を使用して粉砕ポリエステル材料と接触させ、粉砕ポリエステル材料上の着色剤を溶解して除去する。溶剤蒸気処理では、ガス状の溶剤を使用して粉砕ポリエステル材料と接触させ、粉砕ポリエステル材料上の着色剤を溶解して除去する。特定の実施形態において、物理的脱色処理は溶剤抽出処理である。
本開示によれば、物理脱色処理は、エチレングリコール、
からなる群から選択される少なくとも1種の脱色剤を含む脱色組成物を用いて実施され、式中のR、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、X、X、X、X、X、X、X、X、X、X10、X11、X12、X13、X14、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y10、Y11、Y12、Z、Z、Z、Z、Z、Z、Z、Z、Z、Z10、Z11、Z12、Z13、Z14、Z15、T、T、T、T、T、T、T、T、T、T10、T11、T12、T13、T14、T15、T16、T17及びT18は、水素及び炭化水素基からなる群から独立して選択される。炭化水素基はアルキル基であってもよい。特定の実施形態において、少なくとも1つの脱色剤は、エチレングリコール、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、ベンジルフェニルエーテル、ベンジル2-フェネトール及び
からなる群より選択される。
特定の実施形態において、脱色組成物は、機能剤を更に含む。機能剤の例としては、溶剤抽出処理に使用される溶剤を含むが、これに限定されない。
特定の実施形態において、脱色組成物の総量(100%v/v)に基づいて、少なくとも1つの脱色剤は、90%v/vより大きく100%v/v以下の量で存在する。
本開示によれば、物理脱色処理は、脱色組成物の沸点よりも低い温度で実施され得る。特定の実施形態において、物理脱色処理は、230℃以下の温度で0.5分~480分間実施される。他の実施形態において、物理的脱色処理は100℃~195℃の範囲の温度で実施される。
本開示によれば、脱色処理は大気圧下で行ってもよい。
以下の点に注意すべきである。米国特許第4003881号明細書は、ポリエステルを脱色する方法を開示しており、この方法は、エチレングリコール(脱色剤として機能する)を用いて190℃で脱色処理を実施することを含む。しかし、米国特許第4003881号明細書の方法による脱色効果は不充分である。更に、米国特許第9890261号明細書は、ポリエステルを脱色する別の方法を開示しており、この方法は、ポリエステルを195℃以上のエチレングリコール蒸気に接触させて脱色効果を得ることを含む。また、米国特許第9890261号明細書は、ポリエステルを120℃~180℃の液体エチレングリコールに浸漬して脱色処理を施した場合、脱色効果が不充分であることを開示している。以上のことから、ポリエステルを190℃以下で直接脱色処理した場合、脱色効果が不充分である。それに対して、本開示の処理方法は、ポリアルキレンベンゼンジカルボキシラート材料を最初に浸漬処理及び粉砕処理し、次いで脱色処理することにより、脱色効果は大幅に改善される(以下の本開示の実施例によって実証される)。本開示の処理方法では、脱色は180℃でも1時間以内に達成できる。従って、米国特許第4003881号明細書及び米国特許第9890261号明細書と比較して、本開示の処理方法は、充分な脱色効果をもたらすことができるだけでなく、短時間で同じ脱色効果を達成することができ、エネルギー消費を削減することができる。
特定の実施形態において、処理方法は、粉砕処理の後に解重合処理を実施する工程を更に含む。このような解重合処理は、粉砕ポリエステル材料または脱色ポリエステル材料に対して(即ち、粉砕処理の後、またはその後の脱色処理の後であっても)実施することができる。
解重合処理の例としては、加アルコール分解処理、加水分解処理、アミノ分解処理及び加アンモニア分解処理を含むが、これらに限定されない。
加アルコール分解処理は、例えばエチレングリコールやメタノールなどのアルコール系鎖切断剤を用いて実施することができる。
加水分解処理の例としては、アルカリ加水分解処理、酸加水分解処理及び中性加水分解処理を含む。アルカリ加水分解処理は、当該技術分野において周知且つ一般的に使用されているアルカリ水溶液を用いて実施することができる(従って、アルカリ水溶液の詳細については、簡略化のために本明細書では省略する)。酸加水分解処理は、当該技術分野において周知且つ一般的に使用されている酸性水溶液を用いて実施することができる(従って、酸性水溶液の詳細については、簡略化のために本明細書では省略する)。中性加水分解処理は、当該技術分野において周知且つ一般的に使用されている中性水溶液を用いて実施することができる(従って、中性水溶液の詳細については、簡略化のために本明細書では省略する)。
アミノ分解処理は、当該技術分野において周知且つ一般的に使用されるアミン系鎖切断剤、例えば、第一級アミン、第二級アミン及び第三級アミンを使用して実施され得る(従って、アミン系鎖切断剤の詳細については、簡略化のために本明細書では省略する)。
加アンモニア分解処理は、アンモニア(NH)である鎖切断剤を使用して実施することができる。
特定の実施形態において、解重合処理は加アルコール分解処理である。
特定の実施形態において、加アルコール分解処理は、エチレングリコールを含む加アルコール分解組成物を用いて実施される。加アルコール分解組成物は、機能剤を更に含むことができる。機能剤の例としては、フェニルエーテル化合物を含むが、これに限定されない。フェニルエーテル化合物は、浸漬液に使用されるものであってよい。加アルコール分解組成物の総量(即ち、100%v/v)に基づいて、エチレングリコールは、90%v/vより多く、100%v/v以下の量で存在してもよい。
加アルコール分解処理は、加アルコール分解組成物の沸点よりも低い温度で実施することができる。特定の実施形態において、加アルコール分解処理は196℃以下の温度で0.5分~480分間実施する。他の実施形態において、加アルコール分解処理は160℃~196℃の範囲の温度で実施する。
特定の実施形態において、解重合処理は大気圧下で実施する。
特定の実施形態において、解重合処理は金属触媒の存在下で実施する。金属触媒の例としては、金属、金属酸化物、金属塩化物及び酸の金属塩を含むが、これらに限定されない。
金属の例としては、亜鉛金属を含むが、これに限定されない。亜鉛金属は、解重合処理の進行を促進することができる。更に、脱色ポリエステル材料がその上に着色剤の残留物をまだ有する場合、解重合処理の間、亜鉛金属は、脱色ポリエステル材料から残留着色剤を除去するように、エチレングリコールの存在下で残留着色剤の分解を促進することができる。特定の実施形態において、亜鉛金属は、亜鉛-炭素電池の亜鉛電極である。
金属酸化物の例としては、酸化亜鉛を含むが、これに限定されない。
金属塩化物の例としては、塩化亜鉛を含むが、これに限定されない。
酸の金属塩の例としては、酢酸亜鉛を含むが、これに限定されない。
以下、本開示の実施例について説明する。これらの実施例は、例示的かつ説明的なものであり、且つ、本発明を限定するものと解釈されるべきではないことを理解されたい。
A1.ポリアルキレンベンゼンジカルボキシラート材料の例示的処理方法及び比較対照的方法
比較対照的方法1-1
1cm×1cmの大きさを有する青色ポリエチレンテレフタレート(PET)フレーク(Coca-Cola Company社製Schweppes(登録商標)Sparkling Waterの市販PETボトルから調製)を、空気中190℃で20分間加熱処理して、加熱ポリエステルフレークを得た。該加熱したポリエステルフレークを、ハンマーを用いて1気圧、室温(約25℃)で衝撃破砕処理を行って、比較用の衝撃破砕ポリエステル材料を得た。
比較対照的方法1-2~1-8
比較対照的方法1-2~1-8は、加熱処理の温度及び時間の少なくとも一方を下記表1に示されるように変更した以外は、比較対照的方法1-1と同様である。
本開示による例示的方法1-1
1cm×1cmの大きさを有する青色PETフレーク(Coca-Cola Company社製Schweppes(登録商標)Sparkling Waterの市販PETボトルから調製)を、エチレングリコールに1気圧、170℃で60分間浸漬処理した。その後、ろ過及び乾燥を実施した。それにより、浸漬ポリエステルフレークを得た。
該浸漬ポリエステルフレークを、ハンマーを用いて1気圧、室温(約25℃)で衝撃破砕処理を行って、例示的な衝撃破砕ポリエステル材料を得た。
本開示による例示的方法1-2~1-8
例示的方法1-2~1-8は、浸漬処理の温度及び時間の少なくとも一方を以下の表2に示されるように変更した以外は、例示的方法1-1と同様である。
A2-1.特性評価
外観の分析
例示的方法1-1~1-8を用いて得られた例示的な衝撃破砕ポリエステル材料及び比較対照的方法1-1~1-8を用いて得られた比較用の衝撃破砕ポリエステル材料を写真撮影した。その結果は以下の図1及び図2に示される。
サイズ測定
例示的方法1-1~1-8を用いて得られた例示的な衝撃破砕ポリエステル材料及び比較対照的方法1-1~1-8を用いて得られた比較用の衝撃破砕ポリエステル材料について、走査型電子顕微鏡(メーカー:Nova(商標)、モデル:NanoSEM 230)を用いてサイズを測定した。結果は以下の表1及び表2に示される。
結晶化度の測定
例示的方法1-6の過程で得られた浸漬ポリエステルフレーク及び比較対照的方法1-1の過程で得られた加熱ポリエステルフレークについて、X線回折装置(製造業者:リガク、モデル:SmartLab SE)を用いて結晶化度を測定した。また、例示的方法1-6及び比較対照的方法1-1で使用した青色PETフレークは同一であるため、同様の結晶化度の測定を行った。その結果は図3に示される。
A2-2.特性評価結果
比較対照的方法1-1~1-8は、米国特許第7380735号明細書に開示されている処理方法に対応する。図1及び図2並びに表1及び表2に示されるように、衝撃破砕処理の条件が同じ場合、青色PETフレークは、230℃で40分間の加熱処理、又は250℃で加熱処理を受けることのみで未固形化又は破砕され得(比較対照的方法1-1~比較対照的方法1-8により実証されている)、また、青色PETフレークは、エチレングリコール中、170℃~190℃で浸漬処理を受けることでその外観及び構造が変化し得る(例示的方法1-1~例示的方法1-8により実証されている)。従って、米国特許第7380735号明細書の処理方法と比較して、本開示の処理方法は、比較的低温を必要とし、従って多量のエネルギーを消費しない。
更に、衝撃破砕処理が同じ条件で且つ加工温度及び加工時間(即ち190℃、20分)も同じである場合、比較対照的方法1-2においては、青色PETフレークの外観に大きな変化はなかったが、例示的方法1-6においては、浸漬処理により青色PETフレークが未固形化されたり、破断されたりした。従って、米国特許第7380735号明細書の処理方法と比較して、本開示の処理方法は、より短時間で容易に破砕ポリエステル材料を提供することができ、従って、低エネルギーだけ必要とし、高い粉砕効率を有する。
また、図3を参照すると、比較対照的方法1-1の過程で得られた加熱ポリエステルフレーク及び例示的方法1-6の過程で得られた浸漬ポリエステルフレークは、それぞれ2θ=18°、2θ=23.4°及び2θ=25.8°に3つの特徴的なピークを示したことから、これらの特徴的なピークは、それぞれPETの以下の格子面:(010)、(110)及び(100)に対応していると推測される。従って、比較対照的方法1-1と例示的方法1-6の両方とも、結晶化度を有するPETをもたらす可能性がある。
更に、図3に示されるように、比較対照的方法1-1で得られた加熱ポリエステルフレークの特徴的なピークは、それぞれ1851a.u.(任意単位)、4883a.u.及び14406a.u.の強度を有し、それぞれ1.2、1.5及び0.9の半値全幅(FWHM)を有する。一方、例示的方法1-6で得られた浸漬ポリエステルフレークの特徴的なピークは、それぞれ10222a.u.、26567a.u.及び66050a.u.の強度を有し、それぞれ0.6、0.8、及び0.9のFWHMを有する。比較対照的方法1-1の過程で得られた加熱ポリエステルフレークの特徴的なピークの強度及びFWHMと比較して、例示的方法1-6の過程で得られた浸漬ポリエステルフレークの特徴的なピークの強度及びFWHMはそれぞれより強く、より狭く、例示的方法1-6(即ち、本開示の処理方法)の過程で得られた浸漬ポリエステルフレークは、比較対照的方法1-1(即ち、米国特許第7380735号明細書の従来方法)の過程で得られた加熱ポリエステルフレークよりも高い結晶化度を有することを示している。前述の結果に基づくと、同じ加工時間で、本開示の処理方法は、米国特許第7380735号明細書の方法と比較して、より短時間で高い結晶化度を有するポリエステル材料を提供できることが推測される。
B1.ポリアルキレンベンゼンジカルボキシラート材料のさらなる例示的処理方法及び比較対照的処理方法
比較対照的方法2-1
1cm×1cmの大きさを有する青色PETフレーク(Coca-Cola Company社製Schweppes(登録商標)Sparkling Waterの市販PETボトルから調製)0.4gを、10mLのエチレングリコールに180℃で40分間浸漬する脱色処理を行った。その後、ろ過及び乾燥を実施した。それにより、比較用の脱色ポリエステル材料(0.4g)を得た。
比較対照的方法2-2~2-4
比較対照的方法2-2~2-4は、脱色処理の時間を下記表3に示されるように変更した以外は、比較対照的方法2-1と同様である。
本開示による例示的方法2-1
1cm×1cmの大きさを有する青色PETフレーク(Coca-Cola Company社製Schweppes(登録商標)Sparkling Waterの市販PETボトルから調製)0.4gを、10mLのエチレングリコールに1気圧、180℃で30分間浸漬処理した。その後、ろ過及び乾燥を実施した。その結果、浸漬ポリエステルフレーク(0.4g)を得た。
該浸漬したポリエステルフレーク0.4gを、ハンマーを用いて1気圧、室温(約25℃)で衝撃破砕処理を行って、0.5mm以下の大きさを有する衝撃破砕ポリエステル材料(0.4g)を得た。
該衝撃破砕ポリエステル材料0.4gを、10mLのエチレングリコールに180℃で30分間浸漬する脱色処理を行った。その後、ろ過及び乾燥を実施した。それにより、例示的な脱色ポリエステル材料(0.4g)を得た。
本開示による例示的方法2-2
例示的方法2-2は、脱色処理の時間を以下の表3に示されるように変更した以外は、例示的方法2-1と同様である。
B2-1.特性評価
反射率の測定
例示的方法2-1及び例示的方法2-2で得られた例示的な脱色ポリエステル材料、並びに比較対照的方法2-1~比較対照的方法2-4で得られた比較用の脱色ポリエステル材料について、UV-VIS(紫外可視)分光光度計(Jasco社製、V-670)を用いて、波長637nmの光に対する反射率を測定した。また、例示的方法2-1、例示的方法2-2及び比較対照的方法2-1~比較対照的方法2-4で使用した青色PETフレークは同一であるため、同様に反射率の測定を行った。その結果は下記表3に示される。
B2-2.特性評価結果
表3に示されるように、浸漬処理及び衝撃破砕処理を採用した例示的方法2-2については、例示的方法2-2は、60分の脱色処理しか行っていないにもかかわらず、得られた例示的な脱色ポリエステル材料は、90%の反射率を有する。しかし、浸漬処理及び衝撃破砕処理を行わない比較対照的方法2-4については、比較対照的方法2-4で300分の脱色処理を行ったにもかかわらず、得られた比較用の脱色ポリエステル材料の反射率は87%にとどまった。更に、例示的方法2-1は、比較対照的方法2-1~比較対照的方法2-3と比較して、わずか40分で充分な反射率を達成することができた。前述の結果は、本開示の処理方法がその浸漬処理及び衝撃破砕処理(即ち、粉砕処理)によって、その後の脱色処理に要する時間を短縮し、優れた脱色効果を達成できることを示している。
C1.ポリアルキレンベンゼンジカルボキシラート材料のさらに別の例示的処理方法及び比較対照的処理方法
比較対照的方法3
1cm×1cmの大きさを有する青色PETフレーク(Coca-Cola Company社製Schweppes(登録商標)Sparkling Waterの市販PETボトルから調製)0.06gと、1cm×1cmの大きさを有する緑色PETフレーク(King Car Industrial Co., Ltd.社製Mini-oligowaterの市販PETボトルから調製)0.06gと、1cm×1cmの大きさを有する緑色PETフレーク(Coca-Cola Company社製Spriteの市販PETボトルから調製)0.06gと、1cm×1cmの大きさを有する淡青色PETフレーク(Taiyen Biotech Co., Ltd.社製海洋アルカリイオン水の市販PETボトルから調製)0.06gと、1cm×1cmの大きさを有する透明PETフレーク(Coca-Cola Company社製Coca-Cola市販PETボトルより調製)0.06gとを混合し、混合色を有するポリエステルフレークを得た。
混合色を有するポリエステルフレークを、10mLのエチレングリコールに180℃で60分間浸漬する脱色処理を行った。その後、ろ過及び乾燥を実施した。それにより、比較用の脱色ポリエステル材料を得た。
本開示による例示的方法3
混合色を有するポリエステルフレークは、比較対照的方法3で使用したものを調製する手順を用いて調製した。
該混合色を有するポリエステルフレーク0.3gを、10mLのエチレングリコールに1気圧、180℃で20分間浸漬処理した。その後、ろ過及び乾燥を実施した。それにより、混合色を有する浸漬ポリエステルフレークを得た。
該混合色を有する浸漬ポリエステルフレーク0.3gを、ハンマーを用いて1気圧、室温(約25℃)で衝撃破砕処理を行って、0.5mm以下の大きさを有する混合色を有する衝撃破砕ポリエステル材料(0.3g)を得た。
該混合色を有する衝撃破砕ポリエステル材料を、10mLのエチレングリコールに180℃で60分間浸漬する脱色処理を行った。その後、ろ過及び乾燥を実施した。それにより、例示的な脱色ポリエステル材料が得られた。
C2-1.特性評価
反射率の測定
例示的方法3で得られた例示的な脱色ポリエステル材料及び比較対照的方法3で得られた比較用の脱色ポリエステル材料について、UV-VIS分光光度計(Jasco社製、V-670)を用いて、300nm~800nmの範囲の波長の光に対する反射率を測定した。また、例示的方法3及び比較対照的方法3で使用した混合色を有するポリエステルフレークは同一であるため、同様に反射率の測定を行った。その結果は図4に示される。
C2-2.特性評価結果
図4を参照すると、浸漬処理及び衝撃破砕処理を採用する例示的方法3について、得られた例示的な脱色ポリエステル材料は、混合色を有するポリエステルフレークと比較して、(300nm~800nmの範囲の波長を有する光に対して)著しく向上した反射率を有する。しかし、浸漬処理及び衝撃破砕処理を行わない比較対照的方法3については、得られた比較用の脱色ポリエステル材料は、概して、混合色を有するポリエステルフレークと同程度の反射率(波長300nm~800nmの光に対して)を有する。前述の結果は、本開示の処理方法がその浸漬処理及び衝撃破砕処理(即ち、粉砕処理)によって、優れた脱色効果を達成できることを示す。
D1.ポリアルキレンベンゼンジカルボキシラート材料のさらに別の例示的加工方法及び比較対照的加工方法
比較対照的方法4-1
1cm×1cmの大きさを有する淡青色PETフレーク(Taiyen Biotech Co., Ltd.社製海洋アルカリイオン水の市販PETボトルから調製)0.4gを、ジベンジルエーテル10mLに180℃で60分間浸漬する脱色処理を行った。その後、ろ過及び乾燥を実施した。それにより、比較用の脱色ポリエステル材料(0.4g)を得た。
比較対照的方法4-2~4-6
比較対照的方法4-2~4-6は、脱色処理の時間を下記表4に示すように変更した以外は、比較対照的方法4-1と同様である。
本開示による例示的方法4-1
1cm×1cmの大きさを有する淡青色PETフレーク(Taiyen Biotech Co., Ltd.社製海洋アルカリイオン水の市販PETボトルから調製)0.4gを、10mLのエチレングリコールに1気圧、180℃で60分間浸漬処理した。その後、ろ過及び乾燥を実施した。それにより、浸漬ポリエステルフレーク(0.4g)を得た。
該浸漬ポリエステルフレーク0.4gを、ハンマーを用いて1気圧、室温(約25℃)で衝撃破砕処理を行って、0.5mm以下の大きさを有する衝撃破砕ポリエステル材料(0.4g)を得た。
該衝撃破砕ポリエステル材料0.4gを、10mLのジベンジルエーテルに180℃で40分間浸漬する脱色処理を行った。その後、ろ過及び乾燥を実施した。それにより、例示的な脱色ポリエステル材料(0.4g)を得た。
本開示による例示的方法4-2~4-6
例示的方法4-2~4-6は、脱色処理の時間を下記表4に示すように変更した以外は、例示的方法4-1と同様である。
D2-1.特性評価
反射率の測定
例示的方法4-1~4-6で得られた例示的な脱色ポリエステル材料及び比較対照的方法4-1~4-6で得られた比較用の脱色ポリエステル材料について、UV-VIS分光光度計(Jasco社製、V-670)を用いて、波長679nmの光に対する反射率を測定した。また、例示的方法4-1~4-6及び比較対照的方法4-1~4-6で使用した淡青色PETフレークは同一であるため、同様に反射率の測定を行った。その結果は下記図4に示される。
D2-2.特性評価結果
表4に示されるように、浸漬処理及び衝撃破砕処理を採用した例示的方法4-1について、例示的方法4-1が60分の脱色処理しか採用していないにもかかわらず、得られた例示的な脱色ポリエステル材料の反射率は90%を有する。しかし、浸漬処理及び衝撃破砕処理を行わない比較対照的方法4-5については、比較対照的方法4-5で300分の脱色処理を行ったにもかかわらず、得られた比較用の脱色ポリエステル材料の反射率は90%にとどまった。更に、比較対照的方法4-6は、脱色効果を得るために360分の脱色を要したが、これはわずか60分の脱色で済む例示的方法4-1の脱色効果にかろうじて匹敵するものである。前述の結果は、本開示の処理方法がその浸漬処理及び衝撃破砕処理(即ち、粉砕処理)によって、その後の脱色処理に要する時間を短縮し、優れた脱色効果を達成できることを示している。
E1.ポリアルキレンベンゼンジカルボキシラート材料別のさらに別の例示的加工方法及び比較対照的加工方法
比較対照的方法5
2mm×2mm×2mmの大きさを有するPETチップ(メーカー:LIBOLON、仕様:白色・ボトルグレード)5gと、エチレングリコール30mLと、亜鉛金属1gとを混合し、190℃で150分間解重合を行った。その後、濾過を実施して、テレフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)を含む濾過ケーキ及び濾液を得た。
例示的方法5
2mm×2mm×2mmの大きさのPETチップ(メーカー:LIBOLON、仕様:白色、ボトルグレード)5gを、30mLのエチレングリコールに1気圧、190℃で20分間浸漬処理した。その後、ろ過及び乾燥を実施した。それにより、浸漬ポリエステルチップ(5g)を得た。
該浸漬ポリエステルチップ5gを、ハンマーを用いて1気圧、室温(約25℃)で衝撃破砕処理を行って、0.5mm以下の大きさの衝撃破砕ポリエステル材料(5g)を得た。
該衝撃破砕ポリエステル材料5gと、エチレングリコール30mLと、亜鉛金属1gとを混合し、190℃で150分間解重合を進行させた。その後、濾過を実施して、テレフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)を含む濾過ケーキ及び濾液を得た。
E2-1.パフォーマンス評価
PETチップ転化率の測定
例示的方法5及び比較対照的方法5のそれぞれについて、下記式(I)を用いて、PETチップからテレフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)への転化率(以下、PETチップ転化率と略記する)を求めた:
A=(B-C)/B×100% (I)
式中A=PET転化率(%)
B=使用したPETチップの量(g)
C=得られた濾過ケーキの量(g)
その結果は以下の表5に示される。
E2-2.パフォーマンス評価結果
表5に示されるように、浸漬処理及び衝撃破砕処理を採用した例示的方法5については、得られたPETチップ転化率は98.5%である。しかし、浸漬処理及び衝撃破砕処理を行わない比較対照的方法5については、得られたPETチップ転化率は42.4%にとどまった。上述の結果は、本開示の処理方法がその浸漬処理及び衝撃破砕処理(即ち、粉砕処理)によって、PETチップからテレフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)への転化速度を向上させることができ、従って、優れた解重合効果を示すことを示している。
要するに、本開示の加工方法は、その浸漬処理により、粉砕処理(例えば衝撃破砕処理)の時間を効果的に短縮することができ、粉砕ポリエステル材料を容易に得ることができる(即ち、粉砕効率が優れている)。更に、粉砕ポリエステル材料は、その後の脱色処理及び解重合処理の効率を大幅に向上させることができる。従って、本開示の処理方法は満足できるものである。
上記においては、説明のため、実施形態の完全な理解を促すべく多くの具体的な詳細が示された。しかしながら、当業者であれば、一またはそれ以上の他の実施形態が具体的な詳細を示さなくとも実施され得ることが明らかである。また、本明細書における「一つの実施形態」「一実施形態」を示す説明において、序数などの表示を伴う説明は全て、特定の態様、構造、特徴を有する本発明の具体的な実施に含まれ得るものであることと理解されたい。更に、本説明において、時には複数の変化例が一つの実施形態、図面、またはこれらの説明に組み込まれているが、これは本説明を合理化させるためのもので、また、本発明の多面性が理解されることを目的としたものであり、また、一実施形態における一またはそれ以上の特徴あるいは特定の具体例は、適切な場合には、本開示の実施において、他の実施形態における一またはそれ以上の特徴あるいは特定の具体例と共に実施され得る。
以上、本発明の好ましい実施形態及び変化例を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、最も広い解釈の精神および範囲内に含まれる様々な構成として、全ての修飾および均等な構成を包含するものとする。

Claims (20)

  1. ポリアルキレンベンゼンジカルボキシラート材料を、エチレングリコールを含む浸漬液で浸漬処理することにより、前記ポリアルキレンベンゼンジカルボキシラート材料の結晶化度よりも高い結晶化度を有する浸漬ポリエステル材料を得る工程と、
    前記浸漬ポリエステル材料に粉砕処理を施し、粉砕ポリエステル材料を得る工程と、を含む、ポリアルキレンベンゼンジカルボキシラート材料の処理方法。
  2. 前記浸漬処理は、150℃~195℃の範囲の温度で0.5分~480分間実施される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ポリアルキレンベンゼンジカルボキシラート材料は着色剤により着色されていて、前記ポリアルキレンベンゼンジカルボキシラート材料から得られる前記粉砕ポリエステル材料は前記着色剤により着色されており、該方法は、前記粉砕ポリエステル材料を脱色処理して前記粉砕ポリエステル材料から前記着色剤を除去する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記脱色処理は、化学脱色処理及び物理脱色処理からなる群から選択される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記物理脱色処理は、溶剤抽出処理及び溶剤蒸気処理からなる群から選択される、請求項4に記載の方法。
  6. 前記物理脱色処理は溶剤抽出処理である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記物理脱色処理は、エチレングリコール、
    からなる群から選択される少なくとも1種の脱色剤を含む脱色組成物を用いて実施され、式中のR、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、X、X、X、X、X、X、X、X、X、X10、X11、X12、X13、X14、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y10、Y11、Y12、Z、Z、Z、Z、Z、Z、Z、Z、Z、Z10、Z11、Z12、Z13、Z14、Z15、T、T、T、T、T、T、T、T、T、T10、T11、T12、T13、T14、T15、T16、T17及びT18は、水素及び炭化水素基からなる群から独立して選択される、請求項5に記載の方法。
  8. 前記物理脱色処理は、前記脱色組成物の沸点よりも低い温度で実施される、請求項7に記載の方法。
  9. 前記物理脱色処理は、230℃以下の温度で0.5分~480分間実施される、請求項8に記載の方法。
  10. 前記物理脱色処理は、100℃~195℃の範囲の温度で実施される、請求項9に記載の方法。
  11. 前記粉砕処理の後に解重合処理を実施する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
  12. 前記解重合処理が、加アルコール分解処理、加水分解処理、アミノ分解処理及び加アンモノ分解処理からなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
  13. 前記解重合処理は加アルコール分解処理である、請求項12に記載の方法。
  14. 前記加アルコール分解処理は、エチレングリコールを含む加アルコール分解組成物を使用して実施される、請求項13に記載の方法。
  15. 前記加アルコール分解処理は、加アルコール分解組成物の沸点よりも低い温度で実施される、請求項14に記載の方法。
  16. 前記加アルコール分解処理は、196℃以下の温度で0.5分~480分間実施される、請求項15に記載の方法。
  17. 前記加アルコール分解処理は、160℃~196℃の範囲の温度で実施される、請求項16に記載の方法。
  18. 前記解重合処理は、金属触媒の存在下で実施される、請求項11に記載の方法。
  19. 前記金属触媒は、亜鉛金属、酸化亜鉛、酢酸亜鉛、塩化亜鉛及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
  20. 前記亜鉛金属は、亜鉛-炭素電池の亜鉛電極である、請求項19に記載の方法。
JP2023547819A 2021-02-09 2022-02-08 ポリアルキレンベンゼンジカルボキシラート材料の処理方法 Pending JP2024506323A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
TW110105074 2021-02-09
TW110105074A TWI766579B (zh) 2021-02-09 2021-02-09 聚對苯二甲酸乙二酯之解聚合方法
US202163192593P 2021-05-25 2021-05-25
US63/192,593 2021-05-25
PCT/IB2022/051100 WO2022172150A1 (en) 2021-02-09 2022-02-08 Method for processing polyalkylene benzenedicarboxylate material

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024506323A true JP2024506323A (ja) 2024-02-13

Family

ID=82704867

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023547819A Pending JP2024506323A (ja) 2021-02-09 2022-02-08 ポリアルキレンベンゼンジカルボキシラート材料の処理方法

Country Status (3)

Country Link
US (1) US11952467B2 (ja)
JP (1) JP2024506323A (ja)
WO (1) WO2022172150A1 (ja)

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4003881A (en) 1975-02-24 1977-01-18 Monsanto Company Polyester polymer recovery from dyed polyester fabrics
US4165420A (en) 1977-11-10 1979-08-21 The Goodyear Tire & Rubber Company Solid state polymerization of polyester prepolymer
IT1269175B (it) * 1994-01-11 1997-03-21 Montefibre Spa Processo in continuo per il recupero di acido tereftalico dagli scarti o prodotti post-consumo di polimeri di polialchilen tereftalato
CN1162462C (zh) 2001-08-14 2004-08-18 南京斯威特集团有限公司 制备超细胶粉的方法及制备超细胶粉的溶胀剂与二次浸泡液
EP1625561A4 (en) 2003-04-02 2007-01-17 Phoenix Technologies Int PROCESS FOR PREPARING EXTREMELY SMALL PARTICLES OF RECYCLED POLYETHYLENE TEREPHTHALATE
JP2005105091A (ja) * 2003-09-30 2005-04-21 Mitsui Chemicals Inc ポリアルキレンテレフタレート廃棄物処理体及び処理方法
JP2005264113A (ja) * 2004-03-22 2005-09-29 Is:Kk ポリエステルフィルムからエステルモノマーを回収する方法
CN101906218B (zh) * 2010-07-26 2012-08-01 四川理工学院 聚酯废料常压醇解回收利用方法
EP2784110B1 (en) 2013-03-26 2017-03-29 Oxxynova GmbH Method and apparatus for colour removal from shredded pet-flakes
CN104327254B (zh) * 2014-11-03 2016-06-29 东华大学 一种再生聚酯的制备方法
CN105623218B (zh) 2016-03-15 2018-07-31 惠州市环美盛新材料有限公司 一种无机复合纳米抗菌耐热聚乳酸母料及其制备方法
TWI647082B (zh) 2017-12-19 2019-01-11 康豪奈米應用材料有限公司 銅抗菌母粒製造方法
US20220169786A1 (en) * 2019-04-15 2022-06-02 Shintech Corporation Method for producing decolored polyester, decolored polyester, and decoloring agent
GB2586249B (en) 2019-08-13 2021-09-22 Poseidon Plastics Ltd Polymer recycling

Also Published As

Publication number Publication date
US20220251325A1 (en) 2022-08-11
US11952467B2 (en) 2024-04-09
WO2022172150A1 (en) 2022-08-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Kazemi et al. Photodegradation of methylene blue with a titanium dioxide/polyacrylamide photocatalyst under sunlight
US8647679B2 (en) Core-shell type zinc oxide microparticle or dispersion containing the microparticle, and production process and use of the microparticle or the dispersion
JPWO2012096172A1 (ja) 金属酸化物を含む粒体の製造方法および金属酸化物コロイド粒子の凝集体の製造方法
WO2020213032A1 (ja) 脱色ポリエステルの製造方法、脱色ポリエステルおよび脱色剤
CN105555401A (zh) 聚合物降解
JP5339099B2 (ja) 炭素からなる骨格を持つ薄膜状粒子の合成方法
JP2024506323A (ja) ポリアルキレンベンゼンジカルボキシラート材料の処理方法
Du et al. Redox-activity of polydopamine for ultrafast preparation of self-healing and adhesive hydrogels
TW201516060A (zh) 纖維素之製造方法
JP2001048989A (ja) 結晶性絹超微粉末の製造方法
CN100383182C (zh) 一种有机蒙脱土及其与聚氨酯的复合物
CN106587157B (zh) 一种纳米钨酸铯粉体的生产方法
US3867332A (en) Process for the production of shaped articles of a linear polyester
JPH10120418A (ja) 超微細酸化亜鉛の製造方法
TW202246399A (zh) 聚苯二甲酸烷二醇酯材的處理方法
CN116515165A (zh) 聚苯二甲酸烷二醇酯材的处理方法
WO2022092196A1 (ja) シリコーンを除去する方法及びリサイクルポリアミド製品の製造方法
JP3575996B2 (ja) Pet樹脂製品を原料とする粉体塗料及び製造法
Pekşen et al. A novel silk fibroin‐supported iron catalyst for hydroxylation of phenol
CN106700062A (zh) 一种可导电的多臂交联剂及其制备方法
CN109963978B (zh) 纤维粉末及其水分散体
JP2012219210A (ja) 低分子ポリマーの製造方法、その方法により得られる低分子ポリマー、その低分子ポリマーを用いた塗料、粉体塗料、接着剤、繊維及び不織布
CN114574005B (zh) 一种化纤着色炭黑及其制备方法
CN109553134A (zh) 一种花簇状钒酸钙微球及其制备方法
CN104229873B (zh) 一种适用于喷墨打印陶瓷墨水的灰蓝色颜料的制备方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20231003

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20240220

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20240220