JP2024506260A - 抗がん剤としての三環式化合物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、三環式化合物、本発明の化合物を含む薬学的に許容される組成物、及び前記組成物を使用して様々な障害を治療する方法に関する。

Description

本発明は、ブロモドメイン及び末端外(BET)阻害剤としての新規な三環式化合物(式I、I-1及びI-2)、それらの合成、及び疾患の治療における応用に関する。
真核生物のゲノムは、核内で高度に組織化される。二本鎖DNAの長鎖はヒストンの8量体の周りに絡み合い、ヌクレオソームを形成する。この基本単位は、その後、ヌクレオソームの凝集及び折り畳みによって更に圧縮され、高度に凝集したクロマチン構造を形成する。一連の異なる凝集状態が可能であり、この構造の緊密度は、細胞周期中に変化し、細胞分裂プロセス中に最もコンパクトである。最近、クロマチン鋳型は、エピジェネティック調節と呼ばれる、非常に重要な遺伝子制御機構のセットを形成していることが認識されている。エピジェネティックモジュレーターは、ヒストン及びDNAに広範な特定の化学修飾(例えば、アセチル化、メチル化、リン酸化、ユビキチン化、及びSUMO化)を付与することによって、ゲノムの構造、機能、及びアクセス性を調節し、それにより遺伝子発現に多大な影響を与える。
ヒストンのアセチル化は、静電気を変化させることによってDNAとヒストン8量体の相互作用を緩和するため、多くの場合、遺伝子転写の活性化と関連する。このような物理的変化に加えて、特定のタンパク質が更にヒストン内のアセチル化リジン残基に結合して、エピジェネティックなコードを読み取る。ブロモドメイン(bromodomain)は、タンパク質内の小さな(約110のアミノ酸)異なるドメインであり、一般に(ヒストンに限ってではなく)アセチル化リジン残基に結合する。約50種類のタンパク質のファミリーにブロモドメインが含まれていることが知られており、それらは細胞内で様々な機能を果たしている。ブロモドメイン含有タンパク質のBETファミリーは、すぐ隣接する2つのアセチル化リジン残基に結合できるタンデムブロモドメインを含む4つのタンパク質(BRD2、BRD3、BRD4、及びBRD-T)を含み、これにより、相互作用の特異性が高まっている。
BRD2及びBRD3は、活発な転写遺伝子に沿ってヒストンに結合し、転写伸長の促進に関与する可能性があることが報告されている(非特許文献1)。一方、BRD4は、pTEF-I3複合体の誘導性遺伝子への動員に関与しており、RNAポリメラーゼのリン酸化及び転写出力の増加をもたらしていると考えられる(非特許文献2)。全てのファミリーメンバーは細胞周期の制御又は遂行の側面において何らかの機能を有すると報告されており、細胞分裂中には染色体との複合体のままであると示されており、エピジェネティックメモリーの維持における役割を示唆している。加えて、幾つかのウイルスは、ウイルス複製のプロセスの一部として、ホスト細胞クロマチンにそれらのゲノムをテザリングするためにこれらのタンパク質を利用する(非特許文献3)。
従って、がんなどのBETタンパク質関連疾患の治療に使用できる、BETタンパク質ファミリー(例えばBRD4)の活性を調節する化合物が必要とされている。本発明の化合物は、この需要を満たすのに役立つ。
Leroyら、Mol.Cell.2008 30(1):51-60 Hargreavesら、Cell,2009 138(1):1294145 Youら、Cell、2004 117(3):349-60 Remington:The Science and Practice of Pharmacy、第22版、Allen,L.V.Jr.,編;Pharmaceutical Press、ロンドン、英国(2012) T.W.GreenとP.G.M.Wuts(1999) Protective Groups in Organic Synthesis、第3版、John Wiley &Sons
1つの態様において、式Iで示される化合物、その薬学的に許容される塩又はその立体異性体を提供し、
Figure 2024506260000001
そのうち、構成要素は、本明細書で定義される。
別の態様において、本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩又はその立体異性体及び1種又は複数種の薬学的に許容されるベクター、希釈剤又は賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
別の態様において、本発明の化合物、その薬学的に許容される塩又はその立体異性体の、ブロモドメイン阻害剤が適用される疾患又は病症の治療のための医薬品の製造における使用を提供する。
更に別の態様において、必要とされる被験者に本発明の化合物、その薬学的に許容される塩又はその立体異性体を投与することを含む、ブロモドメイン阻害剤が適用される疾患又は病症を治療する方法を提供する。
本発明の第一態様において、本願は式Iで示される化合物、その薬学的に許容される塩又はその立体異性体を提供し、
Figure 2024506260000002
そのうち、
QはN、O及びSから選ばれ、但し、QがO又はSであるとき、Rは存在せず;
Aは
Figure 2024506260000003
から選ばれ、Rはそれぞれ独立的に水素、任意選択で置換された(C-C)アルキル基、ハロゲン及び-CDから選ばれ;
XとYは独立的にフェニル基、Nから選ばれる1又は2個のヘテロ原子を含む6員ヘテロアリール基、O、Sから選ばれる1又は2個のヘテロ原子を含む6員複素環、又は6員炭素環から選ばれ;しかも現れる都度、それぞれが独立的に任意選択で水素、-C1-3アルキル基又はハロゲンで置換され;
Zは水素、-F、-Cl、-OH、-C1-3アルキル基又は-C1-3アルコキシ基から選ばれ;
はハロゲン、任意選択で置換された(C-C)アルキル基、任意選択で置換された(C-C)アルケニル基、任意選択で置換された(C-C)アルキニル基から選ばれ;
は-COOR21と-(CH-CR2223-OHから選ばれ、そのうち、R21は水素、又は任意選択で置換された(C-C)アルキル基であり、R22とR23はそれぞれ水素、ハロゲン及び-C1-6アルキル基から選ばれ;nは0、1、2、3、4、5又は6から選ばれる。
幾つかの実施形態において、前記化合物は式I-1に示される構造を有し、
Figure 2024506260000004
前記式I-1に示されるR*は、前記X、Y及びZに接する炭素がキラル炭素である場合、前記炭素の絶対配置がR配置であることを意味する。
幾つかの実施形態において、前記化合物は式I-2に示される構造を有し、
Figure 2024506260000005
前記式I-2に示されるS*は、前記X、Y及びZに接する炭素がキラル炭素である場合、前記炭素の絶対配置がS配置であることを意味する。
本発明の化合物、その薬学的に許容される塩又はその立体異性体の1つの実施形態において、QはNである。本発明の化合物、その薬学的に許容される塩又はその立体異性体の1つの実施形態において、QはSである。本発明の化合物、その薬学的に許容される塩又はその立体異性体の1つの実施形態において、QはOである。
本発明の化合物、その薬学的に許容される塩又はその立体異性体の1つの実施形態において、RはC1-6アルキル基から選ばれ;そのうち、前記C1-6アルキル基における1つ又は複数の水素原子は任意選択で重水素で置換される。本発明の化合物、その薬学的に許容される塩又はその立体異性体の1つの実施形態において、Rはメチル基、エチル基、プロピル基又はイソプロピル基から選ばれる。本発明の化合物、その薬学的に許容される塩又はその立体異性体の1つの実施形態において、Rは-CH又は-CDから選ばる。
本発明の化合物、その薬学的に許容される塩又はその立体異性体の1つの実施形態において、Rは-COOR21と-(CH-CR2223-OHから選ばれ、そのうち、R21は(C-C)アルキル基であり、R22とR23はそれぞれ-C1-6アルキル基から選ばれ;nは0、1、2、3、4、5又は6から選ばれる。本発明の化合物、その薬学的に許容される塩又はその立体異性体の1つの実施形態において、Rは-COOR21と-(CH-CR2223-OHから選ばれ、そのうち、R21はメチル基、エチル基、プロピル基又はイソプロピル基であり、R22とR23はそれぞれ
メチル基、エチル基、プロピル基又はイソプロピル基から選ばれ;nは0、1、2、3、4、5又は6から選ばれる。本発明の化合物、その薬学的に許容される塩又はその立体異性体の1つの実施形態において、Rは-COOR21と-(CH-CR2223-OHから選ばれ、そのうち、R21は-CHであり、R22とR23それぞれは-CHであり;nは0から選ばれる。本発明の化合物、その薬学的に許容される塩又はその立体異性体の1つの実施形態において、Rは-C(CH-OHである。
本発明の化合物、その薬学的に許容される塩又はその立体異性体の1つの実施形態において、Aは
Figure 2024506260000006
から選ばれる。
本発明の化合物、その薬学的に許容される塩又はその立体異性体の1つの実施形態において、Aは
Figure 2024506260000007
から選ばれる。
本発明の化合物、その薬学的に許容される塩又はその立体異性体の1つの実施形態において、XとYは独立的にフェニル基、1又は2個のNから選ばれるヘテロ原子を含む6員ヘテロアリール基、1又は2個のO、Sから選ばれるヘテロ原子を含む6員飽和複素環、又は6員飽和炭素環から選ばれ、現れる都度、それぞれ独立的に任意選択で-C1-3アルキル基又はハロゲンで置換される。本発明の化合物、その薬学的に許容される塩又はその立体異性体の1つの実施形態において、XとYは独立的にフェニル基、1個のNから選ばれるヘテロ原子を含む6員ヘテロアリール基、1個のO、Sから選ばれるヘテロ原子を含む6員飽和複素環、又は6員飽和炭素環から選ばれ、現れる都度、それぞれ独立的に任意選択で-C1-3アルキル基又はハロゲンで置換される。本発明の化合物、その薬学的に許容される塩又はその立体異性体の1つの実施形態において、XとYは独立的にフェニル基、1個のNから選ばれるヘテロ原子を含む6員ヘテロアリール基、1個のOから選ばれるヘテロ原子を含む6員飽和複素環、又は6員飽和炭素環から選ばれ、現れる都度、それぞれ独立的に任意選択で-CH、-F又は-Clで置換される。本発明の化合物、その薬学的に許容される塩又はその立体異性体の1つの実施形態において、XとYは独立的にフェニル基;
Figure 2024506260000008
から選ばれる。
本発明の化合物、その薬学的に許容される塩又はその立体異性体の1つの実施形態において、XとYは独立的にフェニル基、
Figure 2024506260000009
から選ばれる。本発明の化合物、その薬学的に許容される塩又はその立体異性体の1つの実施形態において、Xは
Figure 2024506260000010
であり、且つYはフェニル基、
Figure 2024506260000011
である。
本発明の化合物、その薬学的に許容される塩又はその立体異性体の1つの実施形態において、Zは水素、-F、-Cl、-OH、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基又はイソプロポキシ基から選ばれる。本発明の化合物、その薬学的に許容される塩又はその立体異性体の1つの実施形態において、Zは水素又はメチル基である。本発明の化合物、その薬学的に許容される塩又はその立体異性体の1つの実施形態において、Zは水素である。
本発明の化合物、その薬学的に許容される塩又はその立体異性体の1つの実施形態において、
Figure 2024506260000012
から選ばれ、そのうち、ピリジン環とベンゼン環は独立的に任意選択で1つの置換基で置換され、且つ前記置換基は現れる都度、-F、-Cl又はメチル基から選ばれる。本発
明の化合物、その薬学的に許容される塩又はその立体異性体の1つの実施形態において、
Figure 2024506260000013
から選ばれ、そのうち、ピリジン環は任意選択で1つの置換基で置換され、且つ前記置換基は現れる都度、-Fから選ばれる。
好ましい実施形態において、本発明は式Iで示される化合物を提供し、そのうち、QはNである。
更に好ましい実施形態において、本発明は式Iで示される化合物を提供し、そのうち、QはNであり、Xは例えばテトラヒドロピラン4-イルなどのテトラヒドロピラン基であり、Yはフェニル基、ピリジン基(例えばピリジン-2-イル)又はFで置換されたピリジン基(例えば3-フルオロピリジン-2-イル)であり、且つZはHである。
更に好ましい実施形態において、本発明は式Iで示される化合物を提供し、そのうち、前記化合物は、
Figure 2024506260000014
Figure 2024506260000015
Figure 2024506260000016
から選ばれる。
更に好ましい実施形態において、本発明は式Iで示される化合物を提供し、そのうち、前記化合物は
Figure 2024506260000017
から選ばれる。
最も好ましい実施形態において、本発明は式Iで示される化合物を提供し、そのうち、前記化合物は、
Figure 2024506260000018
から選ばれる。
本発明の化合物、その薬学的に許容される塩又はその立体異性体は、BRD4(BD1
)結合アッセイにおいて500nM未満のIC50を有する。本発明の好ましい実施形態に係る化合物はBRD4(BD1)結合アッセイにおいて100nM未満のIC50を有する。本発明の更に好ましい実施形態に係る化合物はBRD4(BD1)結合アッセイにおいて50nM未満のIC50を有する。本発明の更に好ましいの実施形態に係る化合物はBRD4(BD1)結合アッセイにおいて10nM未満のIC50を有する。本発明の更に好ましいの実施形態に係る化合物はBRD4(BD1)結合アッセイにおいて0.5nM未満のIC50を有する。本発明の最も好ましい実施形態に係る化合物はBRD4(BD1)結合アッセイにおいて0.2nM未満(例えば0.17nM)のIC50を有する。
本発明の第2態様において、本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩又はその立体異性体及び1種又は複数種の薬学的に許容されるベクター、希釈剤又は賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
本発明の第3態様において、本発明の化合物、その薬学的に許容される塩又はその立体異性体の、ブロモドメイン阻害剤が適用される疾患又は病症の治療のための医薬品の製造における使用を提供する。
本発明の第4態様において、ブロモドメインを本発明の化合物、その薬学に許容される塩又はその立体異性体とを接触させることを含む、ブロモドメインを阻害する方法を提供する。
本発明の第5態様において、治療有効量の1種又は複数種の本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩又はその立体異性体を投与することを含む、がんの治療方法を提供する。
本発明の第6態様において、本発明の化合物又はその立体異性体、互変異性体又は薬学的に許容される塩の製造方法を提供する。
治療応用
本発明の化合物、その薬学的に許容される塩又はその立体異性体はブロモドメイン阻害剤であり、且つブロモドメイン阻害剤が適用する疾患や病症の治療において潜在的な効果を有する。
一実施形態において、必要とされる被験者に治療有効量の本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む、ブロモドメイン阻害剤が適用される疾患又は病症を治療する方法を提供する。
一実施形態において、前記ブロモドメインを本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩と接触させることを含む、ブロモドメインを阻害する方法を提供する。
本発明の化合物及びその薬学的に許容される塩は、治療に使用するために化合物自体として投与することが可能であるが、より一般的には医薬組成物として提供される。
定義
単数形でなされた参照は、本明細書に別段の明確な指示がない限り、複数形も含み得る。例えば、「1つ」及び「1種」は、1つ/1種を指すことができ、又は1つ/1種若しくは複数/複数種を指すこともできる。
特に明記しない限り、満たされない原子価を有する任意のヘテロ原子は、これらの原子
価を満たすのに十分な水素原子を有すると仮定される。
本明細書及び添付の特許請求の範囲を通して、与えられた式又は名称は、その全ての立体異性体、並びにかかる異性体が存在する場合には光学異性体及びラセミ体を含むものとする。特に明記しない限り、全てのキラル(エナンチオマー及びジアステレオマー)及びラセミ体は本発明の範囲内にある。化合物には、C=C二重結合、C=N二重結合、環系などの多くの幾何異性体も存在することができ、そのような安定な異性体の全てが本発明において考慮される。本発明の化合物のシス-及びトランス-(又はE-及びZ-)幾何異性体を記載し、異性体の混合物又は単離された異性体形態に分離することができる。本発明の化合物は、光学活性又はラセミの形態で単離することができる。光学活性の形態は、ラセミ形態の分割により、又は光学活性出発物質からの合成により調製することができる。本発明の化合物を調製するための全ての方法、及びその間で調製された中間体は、全て本発明の一部であると考えられる。エナンチオマー又はジアステレオマー生成物を調製する場合、それらは、従来の方法(例えば、クロマトグラフィー又は分別結晶化)によって単離することができる。プロセス条件に応じて、本発明の最終生成物は、遊離(中性)又は塩の形態で得られる。これらの最終生成物の遊離形態及び塩が何れも本発明の範囲内である。必要に応じて、ある形態の化合物を別の形態に変換することができる。遊離塩基又は酸は塩に変換でき、塩は遊離化合物又は別の塩に変換でき、本発明の異性体化合物の混合物は個々の異性体に分離できる。本発明の化合物(遊離形態及びその塩)は、水素原子が分子の他の部分に転位し、それにより分子の原子間の化学結合が再配列される様々な互変異性体の形態で存在することができる。全ての互変異性体形態は、それらが存在することができる限り、本発明に含まれることを理解されたい。
本発明は、記載された化合物が1つ以上の不斉中心を含有し得るため、ジアステレオマー及び光学異性体を生じ得ることを含む。本発明は、全てのそのような可能なジアステレオマー及びそれらのラセミ混合物、実質的に純粋な分割エナンチオマー、全ての可能な幾何異性体、並びにその薬学的に許容される塩を含む。
本発明は化合物の全ての立体異性体及びその薬学的に許容される塩を含む。更に、立体異性体の混合物及び単離された特定の立体異性体も含まれる。そのような化合物を調製するための合成手順の途中で、又は当業者に公知のラセミ化手順若しくはエピマー化手順を使用する過程で、そのような手順の生成物は立体異性体の混合物であり得る。
本明細書で使用される用語「立体異性体」は、分子中の原子又は原子団が同じ順序で互いに結合するが、立体配置において異なる異性体を指し、立体配座異性体及び立体配置異性体を含む。立体配置異性体は幾何異性体と光学異性体を含み、且つ光学異性体は主にエナンチオマーとジアステレオマーを含む。
特に定義のない限り、置換基が「任意選択で置換された」と呼ばれる場合、前記置換基は以下の置換基、例えばアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、複素環、ハロ、ヒドロキシ基、アルコキシ基、オキソ、アルカノイル基、アリールオキシ基、アルカノイルオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アリールアルキルアミノ基、二置換アミン(2つのアミノ置換基はアルキル基、アリール基又はアリールアルキル基から選ばれる);アルカノイルアミノ基、アロイルアミノ基、アラルカノイルアミノ基、置換アルカノイルアミノ基、置換アリールアミノ基、置換アラルカノイルアミノ基、チオール、アルキルチオ、アリールチオ、アラルキルチオ、アルキルチオカルボニル基、アリールチオカルボニル基、アリールアルキルチオカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アリールアルキルスルホニル基、スルホンアミド基(例えば、-SONH)、置換スルホンアミド基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシ基、カルバモイル基(例えば、-CONH)、置換カルバモイル基(例えば、-CONHアルキル基、
-CONHアリール基、-CONHアリールアルキル基、又はアルキル基、アリール基、又はアリールアルキル基から選ばれる2つの置換基が窒素上に存在する場合);アルコキシカルボニル基、アリール基、置換アリール基、グアニジノ基、複素環基(例えば、インドリル基、イミダゾリル基、フラニル基、チエニル基、チアゾリル基、ピロリジル基(pyrrolidyl)、ピリジニル基、ピリミジニル基、ピロリジニル基(pyrrolidinyl)、ピペリジニル基、モルホリニル基、ピペラジニル基、ホモピペラジニル基など);及び置換複素環基から選択される。
明確にするために、当技術分野における標準的な慣例に従い、構造の核心/コアへの部分又は置換基の結合点である結合を示すために、式及び表において記号
Figure 2024506260000019
を使用する。
また、明確にするために、置換基に2つの文字又は記号の間に位置しないダッシュ(-)がある場合、置換基の結合点を示す。例えば、-CONHは炭素原子を介して結合する。
また、明確にするために、実線の末端に置換基が示されていない場合、結合に結合するメチル(CH)基の存在を示す。
本明細書で使用されるように、「アルキル基」又は「アルキレン基」という用語は、所定の炭素原子数を有する分岐鎖及び直鎖の飽和脂肪族炭化水素基の両方を含むことを意図する。例えば、「C-Cアルキル基」は、1~6個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。例示的なアルキル基には、メチル基(Me)、エチル基(Et)、プロピル基(例えば、n-プロピル基及びイソプロピル基)、ブチル基(例えば、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基)及びペンチル基(例えば、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基)が含まれるが、これらに限定されない。
「アルケニル基」という用語は、1つ又は複数の二重結合を有し、しかも2~20個の炭素原子の長さを有する直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を意味する。例えば、「C-Cアルケニル基」は2~8個の炭素原子を有する。アルケニル基には、例えばビニル基、プロペニル基、プロペニル基、1-メチル-2-ブテニル-1-イル、ヘプテン基、オクテニル基などが含まれるが、これらに限定されない。
「アルキニル基」という用語は、1つ又は複数の三重結合を有し、しかも2~20個の炭素原子の長さを有する直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を意味する。例えば、「C-Cアルケニル基」は2~8個の炭素原子を有する。代表的なアルキニル基としては、例えば、エチニル基、1-プロピニル基、1-ブチニル基、ヘプチニル基、オクチニル基などが挙げられるが、これらに限定されない。
「アルコキシ基」又は「アルキルオキシ基」という用語は、-O-アルキル基を指す。「C1-6アルコキシ基」(又はアルキルオキシ基)はC、C、C、C、C及びCアルコキシ基を含むことを意図する。例示的なアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基(例えばn-プロポキシ基とイソプロポキシ基)及びt-ブトキシ
基を含むが、これらに限定されない。
本明細書で使用されるように、特に明記しない限り、「アリール基」という用語は、炭素環原子を含む非置換又は置換の単環式又は多環式芳香族環系を指す。好ましいアリール基は、単環式又は二環式の6~10員芳香族環系である。フェニル基及びナフチル基が好ましいアリール基である。最も好ましいアリール基はフェニル基である。
本明細書で使用されるように、特に明記しない限り、「複素環」という用語は、1つ又は複数のヘテロ原子を含む非置換又は置換の単環式又は多環式芳香族環系を指す。好ましいヘテロ原子は、N、O及びSを含み、N酸化物、硫黄酸化物及び二酸化物を含む。好ましくは、前記環は3員から8員であり、完全飽和であるか、又は1つ以上の不飽和度を有する。複数の置換度、好ましくは1、2又は3の置換度が本定義に含まれる。
このような複素環基の例としては、アゼチジン基、ピロリジン基、ピペリジニル基、ピペラジン基、オキソピペラジン基、オキソピペリジニル基、オキソアゼピン基、アゼピン基、テトラヒドロフラニル基、ジオキソラニル基、テトラヒドロイミダゾリル基、テトラヒドロチアゾリル基、テトラヒドロオキサゾリル基、テトラヒドロピラニル基、モルホリル基、チオモルホリル基、チアモルホリニルスルホキシド(thiamorpholinyl sulfoxide)、チアモルホリニルスルホン(thiamorpholinyl sulfone)及びオキサジアゾリル(oxadiazolyl)を含むが、これらに限定されない。
本明細書で使用されるように、特に明記しない限り、「ヘテロアリール基」という用語は、1つ又は複数の炭素及び少なくとも1つのヘテロ原子を含む芳香族環系を指す。ヘテロアリール基は置換又は非置換の単環式又は多環式の基であり得る。単環式ヘテロアリール基は環内に1~4個のヘテロ原子を含み得、多環式ヘテロアリール基は1~10個のヘテロ原子を含み得る。多環式ヘテロアリール環は、縮合環、スピロ環、又は架橋環結合を含んでもよく、例えば、二環式ヘテロアリールは多環式ヘテロアリールである。二環式ヘテロアリール環は、8~12個の構成原子を含み得る。単環式ヘテロアリール環は、5~8個の構成原子(炭素原子及びヘテロ原子)を含み得る。ヘテロアリール基の例としては、チエニル基、フラニル基、イミダゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサゾリル基、ピラゾリル基、ピロリル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、トリアゾリル基、ピリジニル基、ピリダジニル基、インドリル基、アザインドリル基、インダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾフラリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾイソオキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾピラゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾチアジアゾリル基、ベンゾトリアゾリルアデニニル基、キノリニル基又はイソキノリニル基を含むが、これらに限定されない。
「炭素環」という用語は、置換又は非置換の単環式、二環式又は多環式の非芳香族飽和環を指し、任意選択でシクロアルキル基が結合できるアルキレンリンカーを含む。例示的な「シクロアルキル基」としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを含むが、これらに限定されない。
「ハロ」又は「ハロゲン」はフルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードを含む。「ハロアルキル基」は、1つ又は複数のハロゲンで置換された、所定数の炭素原子を有する分岐鎖及び直鎖の飽和脂肪族炭化水素基の両方を含むことを意図する。ハロアルキル基の例としては、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペンタクロロエチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基及びヘプタクロロプロピル基を含むが、これらに限定されない。ハロアルキル基の例としては、更に「フルオロアルキル基」を含み、前記フルオロ
アルキル基は1つ又は複数のフッ素原子で置換された、所定数の炭素原子を有する分岐鎖及び直鎖の飽和脂肪族炭化水素基の両方を含むことを意図する。
本明細書で言及されるように、「置換」という用語は、正常な原子価が維持され、且つ前記置換により安定な化合物が得られると条件で、少なくとも1つの水素原子が非水素基で置換されることを意味する。本明細書で使用されるように、環二重結合は、2つの隣接する環原子間に形成される二重結合である(例えば、C=C、C=N又はN=N)。
任意の変数が化合物の任意の成分又は式において1回より多く出現する場合、各出現時のその定義は、他の出現ごとの定義とは無関係である。従って、例えば、基が0~3個のRで置換されていることが示されている場合、前記基は任意選択で3個までのR基で置換されてもよく、且つ各出現時のRはRの定義から独立して選ばれる。また、置換基及び/又は変数の組み合わせは、そのような組み合わせによって安定な化合物が得られる場合にのみ許可される。
置換基への結合が環内の2つの原子を接続する結合と交差することが示されている場合、そのような置換基は環上の任意の原子に結合することができる。置換基が、式の化合物の残りの部分に結合する原子を示すことなく列挙されている場合、そのような置換基は、そのような置換基中の任意の原子を介して結合することができる。置換基及び/又は変数の組み合わせは、そのような組み合わせによって安定な化合物が得られる場合にのみ許可される。
本発明は、本発明の化合物に存在する原子の全ての同位体を含むことを意図する。同位体には、原子数は同じであるが質量数が異なる原子が含まれる。非限定的な一般例として、水素の同位体は重水素及びトリチウムを含む。水素の同位体はH(水素)、H(重水素)とH(トリチウム)と表すことができる。これらはまた、一般に、重水素はDであり、トリチウムはTであるとも表現される。本願において、CDはメチル基を表し、そのうち、全ての水素原子は重水素である。炭素の同位体は13Cと14Cを含む。本発明の同位体標識化合物は、一般に、当業者に知られている従来の技術又は本明細書に記載の方法と類似の方法により、従来の非標識試薬の代わりに、適切な同位体標識試薬を使用して調製することができる。
本明細書で使用されるように、「薬学的に許容される塩」とは、開示された化合物の誘導体を指し、その親化合物がその酸塩又は塩基塩を作製することによって修飾される。薬学的に許容される塩の例としては、アミンなどの塩基性基の無機酸又は有機酸塩、及び例えばカルボン酸などの酸性基の塩基性塩又は有機塩が含まれるが、これらに限定されない。薬学的に許容される塩としては、従来の無毒性塩、又は例えば無毒性の無機酸若しくは有機酸から形成される親化合物の第四級アンモニウム塩を含む。例えば、このような従来の無毒性塩には、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、及び硝酸などの無機酸から誘導される塩;並びに酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸(pamoic)、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2-アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸などの有機酸から調製される塩が含まれる。
本発明の薬学的に許容される塩は、従来の化学的方法により塩基性又は酸性部分を含む親化合物から合成することができる。通常、このような塩は、これらの化合物の遊離酸又は塩基の形態を、水又は有機溶媒又はその両方の混合物(通常は好ましくはエチルエーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロピルアルコール又はアセトニトリルなどの非水性
媒体)中で、化学量論量の適切な塩基又は酸と反応させることによって調製することができる。適切な塩のリストは、文献(非特許文献4)に見られ、その開示は本明細書に引用される。
治療用途について、本発明の化合物の塩は、薬学的に許容されると考えられる。しかし、非薬学的に許容される酸及び塩基の塩もまた、例えば、薬学的に許容される化合物の調製又は精製に使用され得る。
製造方法
本発明における化合物は、以下に記載する有機合成の当業者に周知の様々な方法で、並びに有機合成化学の分野で知られている合成方法又は当業者に理解されるその変形形態で合成することができる。好ましい方法は、以下に説明するものに限定されない。本明細書に引用される参考文献は、その全体が参照により組み込まれる。
以下に記載する合成方法は、本発明を説明することを意図しており、その主題及びこれらの実施例について請求される化合物の範囲を限定するものではない。出発化合物の調製について記載されていない場合、それらは市販物であるか、又は本明細書に記載されている既知の化合物若しくは方法と同様に調製され得る。文献に記載された物質は、開示された合成方法に従って調製される。式Iの化合物は、以下の形態に記載される方法を参照することによって合成できる。本明細書に示すように、最終化合物は、式Iに示すものと同じ構造式を有する生成物である。式Iの化合物の何れも、適切な置換を有する試薬を選択することによって調製することができることが理解される。当業者であれば、溶媒、温度、圧力及び他の反応条件を容易に選択することができる。保護基は、有機合成の標準的な方法に従って操作する(非特許文献5)。これらの基は、当業者には容易に明らかである方法を用いて、化合物の合成の都合のよい段階において除去する。
式Iの化合物は、以下の形態に記載される方法を参照することによって調製できる。本明細書に示すように、最終生成物は、式Iに示すものと同じ構造式を有する化合物である。式Iの化合物の何れも、適切な置換を有する試薬を好適に選択する形態で生成できることが理解される。当業者であれば、溶媒、温度、圧力及び他の反応条件を容易に選択することができる。出発物質は市販物であり得、又は当業者によって容易に調製され得る。化合物の成分は、本明細書又は本明細書の他の箇所で定義される通りである。
形態1に示されるように、THF/HO(体積比5:1)において、塩基(例えばKPO)の存在で、適切なカップリング触媒(例えばPd(dppf)Cl)を使用して、ピラゾール1と芳香族複素環2(例えば2,5-ジブロモ-3-ニトロピリジン)との鈴木(Suzuki)カップリングにより、3を得られる。鈴木又はスティル(Stille)反応によって、3と4(ここで、Mは、ボロン酸、ボロン酸エステル、スタンナンなどの適切なカップリングパートナーである)をカップリングすることで、5を生成することができる。5のピラゾール環がXで置換され、化合物6を得られる。6におけるNOをNHに還元して、化合物7を得られる。リガンド、パラジウム触媒及びCsCOを使用して、7のブッフバルト(Buchwald)反応により、8を得られる。トリフェニルホスフィン及びアゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD)を使用して、8とアルキル化剤9の光延(Mitsunobu)反応により、10を得られる。
形態2に示されるように、10は、炭酸セシウムなどの塩基の存在下で8とアルキル化剤11との間の反応によって生成され得、そのうち、Lは、ハロゲン化物、メタンスルホン酸エステル、又はトリフルオロメタンスルホナートなどの脱離基である。
Figure 2024506260000020
Figure 2024506260000021
注:形態1及び形態2におけるRとRの定義は、本明細書におけるRとRの定義と同じである。
実施例
以下、実施例によって本発明を更に定義する。実施例は例示的な方法でのみ示されることを理解されたい。上記の説明及び実施例から、当業者は、本発明の本質的な特徴を確認することができ、本発明をその精神及び範囲から逸脱することなく様々な用途及び条件に適応させるために様々な変更及び修正を行うことができる。従って、本発明は、以下に記載される例示的な実施形態によって限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって定義される。
以下に本発明の略語の一部を示す:
Figure 2024506260000022
中間体の調製
特に明記しない限り、中間体と実施例を調製するために使用される出発物質は市販物を購入することができる。
中間体-1
3-ブロモ-1-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル
Figure 2024506260000023
ステップ1:3-ニトロ-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル
の雰囲気で、50℃~60℃で、3-ニトロ-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(450g、2.86mol)のMeOH(4.5L)溶液に塩化チオニル(681.3g、5.73mol)を加えた。反応混合物を50℃で16h撹拌した。反応溶液を25℃に冷却し、濃縮して、淡黄色固体の表題生成物(477g、収率:97.4%)を得た。H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ 7.51(s,1H),3.90(s,3H)。
ステップ2:1-メチル-3-ニトロ-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル
3-ニトロ-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル(270g、1.58mol)のDMF(1.89L)溶液にKCO(435g、3.15mol)を加えた。混合物を5℃に冷却し、CHI(291g、2.05mol)を混合物に1滴ずつ加え、反
応温度を10℃未満に制御した。1滴ずつ加えてから、反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を水で希釈し、DCMで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させて濃縮させた。残留物をMeOHで再結晶することによって精製して、白色固体の表題生成物(144g、収率:51%)を得た。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ7.55(s,1H),4.19(s,3H),3.89(s,3H)。
ステップ3:3-アミノ-1-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル
1-メチル-3-ニトロ-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル(144g、778mmol)のMeOH(1.5L)溶液にPd/C(10% wt、14.4g)を加えた。反応混合物を水素雰囲気で室温で12h撹拌した。反応混合物をろ過し、ろ液を濃縮して、黄色固体の表題生成物(110g、収率:92%)を得た。H NMR(400MHz,DMSO)δ5.97(s,1H),4.81(s,2H),3.84(s,3H),3.77(s,3H)。
ステップ4:3-ブロモ-1-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル
3-アミノ-1-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル(110g、709mmol)のACN(1.65L)溶液にCuBr(136g、638mmol)を加えた。混合物を0℃に冷却し、亜硝酸tert-ブチル(121g、90%の純度、1055mmol)を1滴ずつ加えた。そして、反応混合物を0℃で2h攪拌し、水で希釈し、DCMで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させて濃縮させた。残留物をシリカゲルカラムにより精製して、黄色油状物の表題生成物(110g、収率:71%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl) δ 6.81(s,1H),4.16(d,J=2.6Hz,3H),3.89(s,3H)。
中間体-2
3-ブロモ-1-(メチル-d3)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル
Figure 2024506260000024
ステップ1:1-(メチル-d3)-3-ニトロ-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル
3-ニトロ-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル(5g、29.22mmol)のDMF(35mL)溶液にKCO(8.06g、58.44mmol)を加えた。混合物を5℃に冷却し、CDI(5.5g、37.98mmol)を1滴ずつ加え、反応温度を10℃未満に保持した。それから、反応混合物を室温まで加温し、室温で一晩撹拌した。溶液に水(140mL)を加え、DCM(10mL)*3で抽出した。有機層を塩水(5mL)*5で洗浄し、NaSOで乾燥させて蒸発させてから残留物を得た。残留物をMeOHで再結晶することによって精製して、白色固体の表題生成物(2g、収率:37%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl) δ 7.382(s,1H),3.943(s,3H)。
ステップ2:3-アミノ-1-(メチル-d3)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル
1-(メチル-d3)-3-ニトロ-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル(5g、26.60mmol)のMeOH(100mL)溶液にPd/C(10% wt、0.
5g)を加えた。反応溶液を水素雰囲気で室温で12h撹拌した。反応混合物をろ過し、ろ液を真空濃縮させ、黄色固体の表題生成物(3.8g、90.4%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl) δ 6.121(s,1H),3.832(s,3H),3.139(s,2H)。
ステップ3:3-ブロモ-1-(メチル-d3)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル
3-アミノ-1-(メチル-d3)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル(5g、31.64mmol)のACN(175mL)溶液にCuBr(II)(6.06g、27.17mmol)を加えた。混合物を0℃に冷却し、-5℃で亜硝酸tert-ブチル(5.45g、90%、47.56mmol)を1滴ずつ加え、反応混合物を0℃で2h攪拌した。反応混合物を水でクエンチし、DCMで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ蒸発させて残留物を得た。残留物をシリカゲルカラムにより精製して、淡黄色油状物の表題生成物(4.25g)を得、そのまま次のステップに用いた。H NMR(400MHz,CDCl) δ 6.080(s,1H),3.885(s,3H)。
実施例1
6-(1,4-ジメチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-2-メチル-4-(フェニル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-2,4-ジヒドロピラゾロ[3’,4’:4,5]ピロロ[3,2-b]ピリジン-3-カルボン酸メチル
Figure 2024506260000025
ステップ1:
1-メチル-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル
3-ブロモ-1-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル(110g、502mmol)と4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ジ(1,3,2-ジオキサボロラン)(140g、552mmol)のジオキサン(1.1L)溶液にKOAc(148g、1506mmol)を加えた。反応混合物をNで約5minパージし、Pd(dppf)Cl(18.2g、251mmol)を加えた。反応混合物をN雰囲気で100℃で16h加熱した。反応混合物を室温まで冷却しろ過した。ろ液を濃縮させ、茶色固体の表題生成物(120g)を得た。LC-MS:[M+H]=267.1。
ステップ2:3-(5-ブロモ-3-ニトロピリジン-2-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル
1-メチル-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-
2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル(120g、411mmol)と2,5-ジブロモ-3-ニトロピリジン(93g、330mmol)のTHF(550mL)と水(110mL)溶液にKPO(175g、823mmol)を加えた。反応混合物をNで5minパージし、Pd(dppf)Cl(30g、42mmol)を加えた。反応混合物をN雰囲気で90℃で3h加熱した。反応混合物をろ過し、ろ液を濃縮させた。残留物をシリカゲルカラムにより精製して、表題生成物(62g、2ステップ収率:22%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.84(d,J=1.9Hz,1H),8.08(d,J=1.9Hz,1H),7.34(s,1H),4.22(s,3H),3.91(s,3H)。
ステップ3:1,4-ジメチル-5-(トリブチルスタンニル)-1H-1,2,3-トリアゾール
-70℃で、1,4-ジメチル-1H-1,2,3-トリアゾール(15g、150mmol)のTHF(300mL)溶液にn-BuLi(73.88mL、180mmol)を加えた。混合物を-70℃で1h撹拌した。そして-70℃でトリブチルクロロスタンナン(55.37g、180mmol)を反応混合物に加えた。反応混合物を-30℃まで加温し、-30℃で1h攪拌した。反応混合物を1M CeF溶液と飽和NHCl溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させて濃縮させた。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE:EtOAc=1:0~20:1)により精製して、無色油状物の表題生成物(53g、収率:88%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl) δ 4.02(s,3H),2.35(s,3H),1.50(dt,J=11.8,7.5Hz,6H),1.34(dt,J=14.6,7.3Hz,6H),1.28-1.17(m,6H),0.89(t,J=7.3Hz,9H)。LC-MS:[M+H]=388.2。
ステップ4:3-(5-(1,4-ジメチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-3-ニトロピリジン-2-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル
室温で、3-(5-ブロモ-3-ニトロピリジン-2-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル(10g、0.029mol)と1,4-ジメチル-5-(トリブチルスタンニル)-1H-1,2,3-トリアゾール(13.6g、350mmol)のDMF(100mL)溶液にPd(PPh(2.2g、1.88mmol)とCuI(0.84g、4.35mmol)を加えた。混合物をN雰囲気で95℃で3h加熱した。反応混合物を水でクエンチし、DCMで抽出し、有機層を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させて濃縮させた。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE:DCM=1:1~DCM:MeOH=100:1)により精製して、黄色固体の表題生成物(8.12g、収率:81.7%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.78(s,1H),8.15(d,J=2.0Hz,1H),7.91(s,3H),7.43(s,1H),4.25(s,3H),4.05(s,3H),3.94(s,3H),2.40(s,3H)。LC-MS:[M+H]=358.1。
ステップ5:3-(5-(1,4-ジメチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-3-ニトロピリジン-2-イル)-4-ヨード-1-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル
の雰囲気で、3-(5-(1,4-ジメチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-3-ニトロピリジン-2-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル(3.0g、8.4mmol)のACN(150mL)溶液にCe(NH(NO(2.7g、5.04mmol)とI(1.065g、4.2mmol)を加えた。反応混合物を80℃で2h加熱した。そしてNの雰囲気で、Ce(N
(NO(2.7g、5.04mmol)とI(1.065g、4.2mmol)を反応混合物に加えた。反応混合物を真空濃縮させた。残留物をDCM及び水で希釈し、分離した水相をDCMで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥、濃縮させて、黄色固体の表題生成物(3.5g、収率:86%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.93(d,J=1.9Hz,1H),8.28(d,J=1.9Hz,1H),4.29(s,3H),4.09(s,3H),4.01(s,3H),2.44(s,3H)。LC-MS:[M+H]=484.0。
ステップ6:3-(3-アミノ-5-(1,4-ジメチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ピリジン-2-イル)-4-ヨード-1-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル
3-(5-(1,4-ジメチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-3-ニトロピリジン-2-イル)-4-ヨード-1-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル(3.5g、7.24mmol)のEtOH(160mL)と水(20mL)溶液に鉄粉(3.2g、58mmol)とNHCl(4.6g、87mmol)を加えた。反応混合物を80℃で3h加熱した。反応混合物をろ過し、且つろ液を濃縮させた。残留物をDCM及び水で希釈し、分離した水相をDCMで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させて濃縮させた。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=80:1~60:1)により精製して、黄色固体の表題生成物(2.35g、収率:71.6%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.09(s,1H),6.99(s,1H),5.17(s,2H),4.28(s,3H),4.01(s,6H),2.37(s,3H)。LC-MS:[M+H]=454.1。
ステップ7:6-(1,4-ジメチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-2-メチル-2,4-ジヒドロピラゾロ[3’,4’:4,5]ピロロ[3,2-b]ピリジン-3-カルボン酸メチル
3-(3-アミノ-5-(1,4-ジメチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ピリジン-2-イル)-4-ヨード-1-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル(100mg、0.183mmol)、Pd(dba)(30mg、0.033mmol)、Xantphos(30mg、0.052mmol)とCsCO(148mg、0.46mmol)のトルエン(16mL)溶液をN雰囲気でマイクロウェーブにより160℃で3h(18ロット)加熱した。反応混合物を真空濃縮させた。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=80:1~40:1)により精製して、黄色固体の表題生成物(488mg、収率:37.8%、45%の純度)を得た。LC-MS:[M+H]=326.2。
ステップ8:6-(1,4-ジメチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-2-メチル-4-(フェニル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-2,4-ジヒドロピラゾロ[3’,4’:4,5]ピロロ[3,2-b]ピリジン-3-カルボン酸メチル
20℃で、6-(1,4-ジメチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-2-メチル-2,4-ジヒドロピラゾロ[3’,4’:4,5]ピロロ[3,2-b]ピリジン-3-カルボン酸メチル(500mg、1.52mmol)、フェニル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メタノール(140mg、0.77mmol)とPPh(980mg、3.8mmol)のトルエン(40mL)溶液にDIAD(700mg、3.4mmol)を加えた。反応混合物を80℃で12h加熱した。反応物を濃縮した。残留物を分取型TLC(DCM:MeOH=20:1)により精製して、黄色固体の表題生成物(120mg、収率:18%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.35(s,1H),7.46~7.42(m,3H),7.36~7.3
2(m,2H),7.29(d,J=7.6Hz,1H),6.56(d,J=10.4Hz,1H),4.49(s,3H),4.09(s,3H),4.05~4.01(m,1H),3.88~3.85(m,1H),3.78(s,3H),3.56~3.50(m,1H),3.35~3.29(m,1H),2.98~2.90(m,1H),2.20(s,3H),2.04~2.01(m,1H),1.58~1.42(m,3H),1.00~0.97(m,1H)。LC-MS:[M+H]=500.3。
実施例2、3及び4
2-(6-(1,4-ジメチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-2-メチル-4-(フェニル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-2,4-ジヒドロピラゾロ[3’,4’:4,5]ピロロ[3,2-b]ピリジン-3-イル)プロパン-2-オール
Figure 2024506260000026
ステップ1:2-(6-(1,4--ジメチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-2-メチル-4-(フェニル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-2,4-ジヒドロピラゾロ[3’,4’:4,5]ピロロ[3,2-b]ピリジン-3-イル)プロパン-2-オール
0℃で、6-(1,4-ジメチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-2-メチル-4-(フェニル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-2,4-ジヒドロピラゾロ[3’,4’:4,5]ピロロ[3,2-b]ピリジン-3-カルボン酸メチル(120mg、0.24mmol)のTHF(1.2mL)溶液にMeMgCl(12mL、12mmol)を加えた。反応混合物を0℃で5min撹拌した。そして反応混合物を66℃まで加熱し、66℃で40min攪拌した。反応混合物を-10℃に冷却した。反応混合物を飽和NHCl溶液でクエンチし、DCMで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させて濃縮させた。残留物を分取型TLC(DCM:MeOH=20:1)と分取型HPLC(Welch Ultimate XB-C18、21.2*250mm、5μm、30%-80% CHCN/水、0.1% CFCOOH)により精製して、黄色固体の生成物(26.5mg、収率:22%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.28(s,1H),7.43~7.40(m,2H),7.32~7.29(m,3H),7.24~7.19(m,1H),6.64(d,J=10.4Hz,1H),4.27(s,3H),4.02~3.98(m,1H),3.86~3.83(m,1H),3.74(s,3H),3.54~3.48(m,1H),3.31~3.25(m,1H),2.88~2.84(m,1H),2.19(s,3H),2.05~2.01(m,1H),1.94~1.92(m,6H),1.59~1.50(m,2H),0.91~0.88(m,1H)。LC-MS:[M+H]=500.3。ラセミ体実施例1(25.1mg)をキラル分取型SFC(カラム:Lux 5μm Cellulose-42cm × 25cm、5μm;移動相:MeOH:EtOH=50:50;流速:25mL/分)により分離し、エナンチオマーA実施例2(11.1mg、収率:44.2%)及びエナンチオマーB実施例B(12.1mg、収率:48.2%)を得た。エナンチオマーA実施例3:
NMR(400MHz,CDCl) δ 8.35(s,1H),7.43-7.29(m,5H),6.68(d,J=14Hz,1H),4.28(s,3H),4.03-3.99(m,1H),3.87-3.83(m,1H),3.75(s,3H),3.56-3.48(m,1H),3.33-3.25(m,1H),2.93-2.81(m,1H),2.19(s,3H),2.07-2.03(m,1H),1.95-1.93(m,6H),1.61-1.51(m,2H),0.89-0.85(m,1H)。LC-MS:[M+H]=500.3。キラルSFC=2.499min(カラム:Lux Cellulose-4、100*4.6mm、3μm H19-381245;移動相A:エタノール;移動相B:メタノール;流速:1mL/min;検出:254nmでのUV)。エナンチオマーB実施例4:H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.35(s,1H),7.43-7.29(m,5H),6.68(d,J=14Hz,1H),4.28(s,3H),4.03-3.99(m,1H),3.87-3.83(m,1H),3.75(s,3H),3.56-3.48(m,1H),3.33-3.25(m,1H),2.93-2.81(m,1H),2.19(s,3H),2.07-2.03(m,1H),1.95-1.93(m,6H),1.61-1.51(m,2H),0.89-0.85(m,1H)。LC-MS:[M+H]=500.3。キラルSFC=2.926min(カラム:Lux Cellulose-4、100*4.6mm、3μm H19-381245;移動相A:エタノール;移動相B:メタノール;流速:1mL/min;検出:254nmでのUV)。
実施例5
6-(1,4-ジメチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-2-メチル-4-(ピリジン-2-イル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-2,4-ジヒドロピラゾロ[3’,4’:4,5]ピロロ[3,2-b]ピリジン-3-カルボン酸メチル
Figure 2024506260000027
ステップ1:ピリジン-2-イル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メタンスルホン酸メチル
0℃でNの雰囲気で、ピリジン-2-イル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メタノール(5g、25mmol)とEtN(5.4mL、35mmol)のDCM(100mL)溶液にMsCl(2.9g、26mmol)を加えた。反応混合物を0℃で2h撹拌した。反応混合物を飽和NHCl溶液でクエンチし、DCMで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥、濃縮させて、茶色固体の表題生成物(6.4g)を得た。
ステップ2:6-(1,4-ジメチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-2-メチル-4-(ピリジン-2-イル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-2,4-ジヒドロピラゾロ[3’,4’:4,5]ピロロ[3,2-b]ピリジン-3-カルボン酸メチル
20℃で、6-(1,4-ジメチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-2-メチル-2,4-ジヒドロピラゾロ[3’,4’:4,5]ピロロ[3,2-b]ピリジン-3-カルボン酸メチル(690mg、2.1mmol)とピリジン-2-イル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メタンスルホン酸メチル(630mg、2.3mmol)のACN(60mL)溶液にCsCO(990mg、2.5mmol)を加えた。反応混合物を70℃で12h加熱した。反応混合物を真空濃縮させた。残留物を分取型TLC(DCM:MeOH=20:1)により精製して、黄色固体の表題生成物(200mg、収率:18.9%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.60(d,J=4.4Hz,1H),8.48(s,1H),8.39(s,1H),7.66(t,J=7.2Hz,1H),7.45(d,J=7.6Hz,1H),7.23(t,J=6.0Hz,1H),6.87(d,J=11.2Hz,1H),4.46(s,3H),4.12(s,3H),4.00~3.93(m,4H),3.84~3.81(m,1H),3.50~3.44(m,1H),3.34~3.25(m,2H),2.37(s,3H),1.44~1.33(m,2H),0.95~0.80(m,2H)。LC-MS:[M+H]=501.3。
実施例6、7及び8
2-(6-(1,4-ジメチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-2-メチル-4-(ピリジン-2-イル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-2,4-ジヒドロピラゾロ[3’,4’:4,5]ピロロ[3,2-b]ピリジン-3-イル)プロパン-2-オール
Figure 2024506260000028
ステップ1:2-(6-(1,4-ジメチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-2-メチル-4-(ピリジン-2-イル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-2,4-ジヒドロピラゾロ[3’,4’:4,5]ピロロ[3,2-b]ピリジン-3-イル)プロパン-2-オール
0℃で、6-(1,4-ジメチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-2-メチル-4-(ピリジン-2-イル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-2,4-ジヒドロピラゾロ[3’,4’:4,5]ピロロ[3,2-b]ピリジン-3-カルボン酸メチル(200mg、0.41mmol)のTHF(4mL)溶液にCHMgBr(20mL、20mmol)を加えた。反応混合物を0℃で5min撹拌した。そして反応混合物を66℃まで加温し、66℃で40min攪拌した。反応混合物を-10℃に冷却した。そして混合物を飽和NHCl溶液でクエンチし、DCMで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させて濃縮させた。残留物を分取型TLC(DCM:MeOH=20:1)と分取型HPLC(Welch Ultimate XB-C18、21.2*250mm、5μm、25%-70% CHCN/水、0.1% CFCOOH)により精製して、黄色固体の表題生成物(65mg、収率:32.5%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.50(d,J=4.0Hz,1H),8.25(s,1H),8.05(s,1H),7.60(s,1H),7.43(s,1H),7.15~7.13(m,1H),6.57(d,J=10
.8Hz,1H),4.17(s,3H),3.90~3.86(m,4H),3.77~3.73(m,1H),3.41~3.55(m,1H),3.20~3.04(m,2H),2.28(s,3H),1.86~1.83(m,6H),1.31~1.24(m,3H),0.82~0.76(m,1H)。LC-MS:[M+H]=501.3。ラセミ体実施例4(70.1mg)をキラル分取型SFC(カラム:Lux 5μm
Cellulose-4 2cm × 25cm、5μm;移動相:MeOH:EtOH=50:50;流速:25mL/min)により分離し、エナンチオマーA実施例5(24.4mg、収率:34.8%)とエナンチオマーB実施例6(29.4mg、収率:41.9%)を得た。エナンチオマーA実施例7:H NMR(400MHz CDCl) δ 8.59(d,J=6.0Hz,1H),8.34(s,1H),8.17(s,1H),7.60(s,1H),7.43(s,1H),7.15~7.13(m,1H),6.57(d,J=10.8Hz,1H),4.17(s,3H),3.90~3.86(m,4H),3.77~3.73(m,1H),3.41~3.55(m,1H),3.20~3.04(m,2H),2.28(s,3H),1.86~1.83(m,6H),1.31~1.24(m,3H) 0.82~0.76(m,1H)。LC-MS:[M+H]=501.3。キラルSFC=2.788min(カラム:Lux Cellulose-4、100*4.6mm、3μm H19-381245;移動相A:エタノール;移動相B:メタノール;流速:1mL/min;検出:254nmでのUV)。エナンチオマーB実施例8:H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.50(d,J=4.0Hz,1H),8.25(s,1H),8.05(s,1H),7.60(s,1H),7.43(s,1H),7.15~7.13(m,1H),6.57(d,J=10.8Hz,1H),4.17(s,3H),3.90~3.86(m,4H),3.77~3.73(m,1H),3.41~3.55(m,1H),3.20~3.04(m,2H),2.28(s,3H),1.86~1.83(m,6H),1.31~1.24(m,3H),0.82~0.76(m,1H)。LC-MS:[M+H]=501.3。キラルSFC=3.568min(カラム:Lux Cellulose-4、100*4.6mm、3μm H19-381245;移動相A:エタノール;移動相B:メタノール;流速:1mL/min;検出:254nmでのUV)。
実施例9
6-(1,4-ジメチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-4-((3-フルオロピリジン-2-イル)(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-2-メチル-2,4-ジヒドロピラゾロ[3’,4’:4,5]ピロロ[3,2-b]ピリジン-3-カルボン酸メチル
Figure 2024506260000029
ステップ1:(3-フルオロピリジン-2-イル)(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メタンスルホン酸メチル
0℃でNの雰囲気で、(3-フルオロピリジン-2-イル)(テトラヒドロ-2H-
ピラン-4-イル)メタノール(5g、24mmol)とEtN(5.4mL、35mmol)のDCM(100mL)溶液にMsCl(2.9g、26mmol)を加えた。反応混合物を0℃で2h撹拌した。反応混合物を飽和NHClでクエンチし、DCMで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥、濃縮させて、茶色油状物の表題生成物(6.1g)を得た。H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.52(d,J=3.5Hz,1H),7.48(t,J=8.9Hz,1H),7.36(dt,J=8.4,4.3Hz,1H),5.68(d,J=9.0Hz,1H),4.06(d,J=8.5Hz,1H),3.97-3.87(m,1H),3.37(dt,J=32.0,11.6Hz,2H),2.87(s,3H),2.55-2.36(m,1H),2.00(d,J=13.3Hz,1H),1.63-1.54(m,1H),1.43(tt,J=12.0,6.0Hz,1H),1.11(d,J=13.0Hz,1H)。LC-MS:[M+H]=290.1。
ステップ2:6-(1,4-ジメチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-4-((3-フルオロピリジン-2-イル)(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-2-メチル-2,4-ジヒドロピラゾロ[3’,4’:4,5]ピロロ[3,2-b]ピリジン-3-カルボン酸メチル
6-(1,4-ジメチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-2-メチル-2,4-ジヒドロピラゾロ[3’,4’:4,5]ピロロ[3,2-b]ピリジン-3-カルボン酸メチル(540mg、1.6mmol、40%の純度)と(3-フルオロピリジン-2-イル)(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メタンスルホン酸メチル(58mg、0.201mmol)のACN(6mL)溶液にCsCO(648mg、1.98mmol)を加えた。反応混合物を70℃で12h撹拌した。反応混合物を真空濃縮させた。残留物を分取型TLC(DCM:MeOH=20:1)により精製して、黄色固体の表題生成物(180mg、収率:21%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.45(d,J=4.4Hz,1H),8.37(s,1H),8.21(s,1H),7.37-7.33(m,1H),7.30-7.28(m,1H),6.87(d,J=10.8Hz,1H),4.47(s,3H),4.10(s,3H),3.96(s,4H),3.53~3.40(m,1H),3.37~3.30(m,2H),2.32(s,3H),1.85~1.76(m,2H),0.88~084(m,2H)。LC-MS:[M+H]=519.2。
実施例10、11及び12
2-(6-(1,4-ジメチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-4-((3-フルオロピリジン-2-イル)(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-2-メチル-2,4-ジヒドロピラゾロ[3’,4’:4,5]ピロロ[3,2-b]ピリジン-3-イル)プロパン-2-オール
Figure 2024506260000030
ステップ1:2-(6-(1,4-ジメチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-4-((3-フルオロピリジン-2-イル)(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-
イル)メチル)-2-メチル-2,4-ジヒドロピラゾロ[3’,4’:4,5]ピロロ[3,2-b]ピリジン-3-イル)プロパン-2-オール
0℃で、6-(1,4-ジメチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-4-((3-フルオロピリジン-2-イル)(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-2-メチル-2,4-ジヒドロピラゾロ[3’,4’:4,5]ピロロ[3,2-b]ピリジン-3-カルボン酸メチル(180mg、0.3mmol)のTHF(0.5mL)溶液にMeMgCl(36mL、36mmol)を加えた。反応混合物を0℃で5min撹拌した。そして反応混合物を66℃まで加熱し、66℃で40min攪拌した。反応混合物を-10℃に冷却した。そして混合物を飽和NHCl溶液でクエンチし、DCMで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させて濃縮させた。残留物を分取型TLC(DCM:MeOH=20:1)と分取型HPLC(Welch Ultimate XB-C18、21.2*250mm、5μm、30%-80% CHCN/水、0.1% CF3COOH)により精製して、黄色固体の表題生成物(38mg、収率:21%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.44(d,J=4.4Hz,2H),7.40(t,J=8.8Hz,1H),7.32~7.29(m,1H),7.09(d,J=10.4Hz,1H),4.27(s,3H),4.05~3.85(m,5H),3.50~3.44(m,1H),3.31~3.26(m,2H),2.33(s,3H),1.91(s,6H),,1.85~1.76(m,1H),1.71~1.41(m,2H)0.92~088(m,1H)。LC-MS:[M+H]=519.3。ラセミ体実施例10(30mg)をキラル分取型SFC(カラム:キラルART Cellulose-SB 3cm × 25cm、5μm;移動相:Hex:EtOH=70:30;流速:35mL/min)により分離し、エナンチオマーA実施例11(11.4mg、収率:38.0%)とエナンチオマーB実施例12(12.8mg、収率:42.7%)を得た。エナンチオマーA実施例11:H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.43(d,J=6Hz,1H),8.29(d,J=2Hz,1H),7.99(d,J=2Hz,1H),7.39-7.33(m,1H),7.29-7.28(m,1H),6.98(d,J=16Hz,1H),4.24(s,3H),3.99-3.83(m,5H),3.52-3.43(m,1H),3.35-3.23(m,2H),2.31(s,3H),1.91(d,J=6.4Hz,6H),1.87~1.79(m,2H),1.73~1.42(m,1H),0.95~0.88(m,1H)。LC-MS:[M+H]=519.3。キラルSFC=4.426min(カラム:Lux Cellulose-4、100*4.6mm、3μm H19-381245;移動相A:n-ヘキサン;移動相B:エタノール;流速:1mL/min;検出:254nmでのUV)。エナンチオマーB実施例12:H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.43(d,J=6Hz,1H),8.29(d,J=2Hz,1H),7.99(d,J=2Hz,1H),7.39-7.33(m,1H),7.29-7.28(m,1H),6.98(d,J=16Hz,1H),4.24(s,3H),3.99-3.83(m,5H),3.52-3.43(m,1H),3.35-3.23(m,2H),2.31(s,3H),1.91(d,J=6.4Hz,6H),1.87~1.79(m,2H),1.73~1.42(m,1H),0.95~0.88(m,1H)。LC-MS:[M+H]=519.3.キラルSFC=3.908min(カラム:Lux Cellulose-4、100*4.6mm、3μm H19-381245;移動相A:n-ヘキサン;移動相B:エタノール;流速:1mL/min;検出:254nmでのUV)。
実施例13
6-(1,4-ジメチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-4-((3-フルオロピリジン-2-イル)(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-2-(メチル-d3)-2,4-ジヒドロピラゾロ[3’,4’:4,5]ピロロ[3,2-b]ピリジン-3-カルボン酸メチル
Figure 2024506260000031
ステップ1:1-(メチル-d3)-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル
3-ブロモ-1-(メチル-d3)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル(5g、22.52mmol)と4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ジ(1,3,2-ジオキサボロラン)(6.29g、24.77mmol)のジオキサン(50mL)溶液に酢酸カリウム(6.62g、67.56mmol)とPd(dppf)Cl(0.82g、11.26mmol)を加えた。反応混合物をN雰囲気で100℃で16h加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、ろ過してからろ過ケーキをDCMで洗浄した。有機層を濃縮して、黄色固体の表題生成物(5.1g)を得、そのまま次のステップに用いた。LC-MS:[M+H]=270.2。
ステップ2:3-(5-ブロモ-3-ニトロピリジン-2-イル)-1-(メチル-d3)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル
1-(メチル-d3)-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル(5g、18.51mmol)と2,5-ジブロモ-3-ニトロピリジン(4.17g、14.8mmol)のTHF(25mL)と水(5mL)溶液にKPO(7.86g、37.03mmol)とPd(dppf)Cl(1.35g、1.85mmol)を加えた。反応混合物をN雰囲気で90℃で3h加熱した。反応混合物を室温まで冷却しろ過した。DCMでろ過ケーキを洗浄した。有機層を濃縮させた。残留物をシリカゲルカラムにより精製して、黄色固体の表題生成物(2.5g)を得た。H NMR(400MHz,CDCl
δ 8.84(d,J=1.8Hz,1H),8.08(d,J=1.8Hz,1H),7.34(s,1H),3.91(d,J=3.8Hz,3H)。
ステップ3:3-(5-(1,4-ジメチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-3-ニトロピリジン-2-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル
3-(5-ブロモ-3-ニトロピリジン-2-イル)-1-(メチル-d3)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル(5g、15mmol)とInt-3(6.5g、17mmol)のDMF(50mL)溶液にPd(PPh(1.09g、0.94mmol)とCuI(425mg、2.24mmol)を加えた。反応混合物をN雰囲気で95℃で3h加熱した。反応混合物を水に入れてDCMで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させて濃縮させた。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE:EtOAc=5:1~1:1、DCM:MeOH=80:1~40:1)により精製して、黄色固体の表題生成物(5g、収率:96%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.77(s,1H),7.93(s,1H),7.42(s,1H),4.04(s,3H),3.93(s,3H),2.39(s,3H)。LC-MS:[M+H]=361.1。
ステップ4:3-(5-(1,4-ジメチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-3-ニトロピリジン-2-イル)-4-ヨード-1-(メチル-d3)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル
の雰囲気で、3-(5-(1,4-ジメチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-3-ニトロピリジン-2-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル(5g、13.89mmol)のACN(250mL)溶液にCe(NH(NO(4.56g、8.32mmol)とI(1.76g、6.93mmol)を加えた。反応混合物をN雰囲気で80℃で2h加熱した。そしてCe(NH(NO(4.56g、8.31mmol)とI(1.76g、6.93mmol)を反応混合物に加えた。反応混合物を真空濃縮させた。残留物をDCM及び水で希釈し、分離した水相をDCMで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥、濃縮させて、黄色固体の表題生成物(6.4g、収率:94.6%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.93(s,1H),8.28(s,1H),4.09(s,3H),4.01(s,3H),2.44(s,3H)。LC-MS:[M+H]=487.0。
ステップ5:3-(3-アミノ-5-(1,4-ジメチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ピリジン-2-イル)-4-ヨード-1-(メチル-d3)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル
3-(5-(1,4-ジメチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-3-ニトロピリジン-2-イル)-4-ヨード-1-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル(3.2g、6.58mmol)のEtOH(160mL)と水(20mL)溶液に鉄粉(2.9g、53mmol)とNHCl(4.6g、79mmol)を加えた。反応混合物を80℃で1h加熱した。反応混合物をろ過し、且つろ液を濃縮させた。残留物をDCM及び水で希釈し、分離した水相をDCMで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させて濃縮させた。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=80:1~60:1)により精製して、黄色固体の表題生成物(4.4g、収率:73%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.09(s,1H),6.99(s,1H),5.16(s,2H),4.01(s,6H),2.37(s,3H)。LC-MS:[M+H]=457.0。
ステップ6:6-(1,4-ジメチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-2-(メチル-d3)-2,4-ジヒドロピラゾロ[3’,4’:4,5]ピロロ[3,2-b]ピリジン-3-カルボン酸メチル
3-(3-アミノ-5-(1,4-ジメチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ピリジン-2-イル)-4-ヨード-1-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル(100mg、0.18mmol)のトルエン(16mL)溶液にPd(dba)(30mg)、Xantphos(30mg)とCsCO(148mg)を加えた。反応混合物をN雰囲気でマイクロウェーブにより160℃で3h(26ロット)加熱した。反応混合物を真空濃縮させた。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=80:1~40:1)により精製して、黄色固体の表題生成物(535mg、収率:28.8%)を得た。LC-MS:[M+H]=329.15。
ステップ7:6-(1,4-ジメチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-4-((3-フルオロピリジン-2-イル)(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-2-(メチル-d3)-2,4-ジヒドロピラゾロ[3’,4’:4,5]ピロロ[3,2-b]ピリジン-3-カルボン酸メチル
6-(1,4-ジメチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-2-(メチル-d3)-2,4-ジヒドロピラゾロ[3’,4’:4,5]ピロロ[3,2-b]ピ
リジン-3-カルボン酸メチル(520mg、1.57mmol)と(3-フルオロピリジン-2-イル)(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メタンスルホン酸メチル(491mg、1.71mmol)のACN(34mL)溶液にCsCO(595mg、1.8mmol)を加えた。反応混合物を70℃で12h加熱した。反応混合物を真空濃縮させた。残留物を分取型TLC(DCM:MeOH=20:1)により精製して、黄色固体の表題生成物(140mg、収率:16.9%)を得た。LC-MS:[M+H]=502.2。
実施例14、15及び16
2-(6-(1,4-ジメチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-4-((3-フルオロピリジン-2-イル)(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-2-(メチル-d3)-2,4-ジヒドロピラゾロ[3’,4’:4,5]ピロロ[3,2-b]ピリジン-3-イル)プロパン-2-オール
Figure 2024506260000032
ステップ1:2-(6-(1,4-ジメチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-4-((3-フルオロピリジン-2-イル)(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-2-(メチル-d3)-2,4-ジヒドロピラゾロ[3’,4’:4,5]ピロロ[3,2-b]ピリジン-3-イル)プロパン-2-オール
0℃で、6-(1,4-ジメチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-4-((3-フルオロピリジン-2-イル)(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-2-(メチル-d3)-2,4-ジヒドロピラゾロ[3’,4’:4,5]ピロロ[3,2-b]ピリジン-3-カルボン酸メチル(140mg、0.28mmol)のTHF(0.8mL)溶液にCHMgBr(14mL、14mmol)を加えた。反応混合物を0℃で5min撹拌した。そして反応混合物を66℃まで加温し、66℃で40min攪拌した。反応混合物を-10℃に冷却した。そして混合物を飽和NHClでクエンチし、分離された水相をDCMで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させて濃縮させた。残留物を分取型TLC(DCM:MeOH=20:1)と分取型HPLC(Welch Ultimate XB-C18、21.2*250mm、5μm、20%-70% CHCN/水、0.1% CFCOOH)により精製して、黄色固体の表題生成物(26.3mg、収率:18.8%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.48(s,1H),8.45(d,J=4.4Hz,1H),8.39(s,1H),7.42~7.37(m,1H),7.33~7.30(m,1H),7.13(d,J=10.4Hz,1H),4.01(s,3H),3.99~3.87(m,2H),3.51~3.45(m,1H),3.42~3.26(m,2H),2.35(s,3H),1.95(s,6H),1.70~1.46(m,3H),0.92~0.82(m,1H)。LC-MS:[M+H]=522.3。ラセミ体実施例14(20mg)をキラル分取型SFC(カラム:Lux 5μm Cellulose-42cm × 25cm、5μm;移動相:MeOH:EtOH=50:50;流速:25mL/min)により分離し、エナンチオマーA実施例15(6.7mg、収率:33.5%)とエナンチオマーB実施例16(6.5mg、収率:32.5%)
を得た。エナンチオマーA実施例15:H NMR(400MHz,CDCl) δ
8.43(d,J=6.4Hz,1H),8.30(d,J=2.4Hz,1H),8.00(d,J=2Hz,1H),7.40-7.33(m,1H),7.30-7.28(m,1H),6.99-6.95(m,1H),3.98-3.83(m,5H),3.52-3.43(m,1H),3.44-3.23(m,2H),2.31(s,3H),1.91-1.89(d,J=7.6Hz,6H),1.55-1.41(m,3H),0.95-0.88(m,1H)。LC-MS:[M+H]=522.3。キラルSFC=2.819min(カラム:Lux Cellulose-4、100*4.6mm、3μm H19-381245;移動相A:エタノール;移動相B:メタノール;流速:1mL/min;検出:254nmでのUV)。エナンチオマーB実施例16:H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.43(d,J=6.4Hz,1H),8.30(d,J=2.4Hz,1H),8.00(d,J=2Hz,1H),7.40-7.33(m,1H),7.30-7.28(m,1H),6.99-6.95(m,1H),3.98-3.83(m,5H),3.52-3.43(m,1H),3.44-3.23(m,2H),2.31(s,3H),1.91-1.89(d,J=7.6Hz,6H),1.55-1.41(m,3H),0.95-0.88(m,1H)。LC-MS:[M+H]=522.3。キラルSFC=3.328min(カラム:Lux Cellulose-4、100*4.6mm、3μm H19-381245;移動相A:エタノール;移動相B:メタノール;流速:1mL/min;検出:254nmでのUV)。
実施例17
4-((3-フルオロピリジン-2-イル)(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-2-メチル-6-(1-メチル-4-(メチル-d3)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-2,4-ジヒドロピラゾロ[3’,4’:4,5]ピロロ[3,2-b]ピリジン-3-カルボン酸メチル
Figure 2024506260000033
ステップ1:1-メチル-4-(メチル-d3)-5-(トリブチルスタンニル)-1H-1,2,3-トリアゾール
-70℃で、1-メチル-4-(メチル-d3)-1H-1,2,3-トリアゾール(400mg、4mmol)のTHF(8mL)溶液にn-BuLi(1.97mL、4.8mmol)を加えた。混合物を-70℃で1h撹拌した。そして-70℃でトリブチルクロロスタンナン(1.43g、4.4mmol)を反応混合物に加えた。反応混合物を-30℃で1h撹拌した。反応混合物を1M CeF溶液と飽和NHCl溶液でクエンチし、水相をEtOAcで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させて濃縮させた。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE:EtOAc=1:0~10:1)により精製して、無色油状物の表題生成物(1g、収率:67%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl) δ 4.03(s,3H),1.61-
1.43(m,6H),1.34(dt,J=14.5,7.2Hz,6H),1.26-1.15(m,6H),0.90(t,J=7.3Hz,9H)。LC-MS:[M+H]=391.1。
ステップ2:1-メチル-3-(5-(1-メチル-4-(メチル-d3)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-3-ニトロピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル
の雰囲気で、3-(5-ブロモ-3-ニトロピリジン-2-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル(3g、8.82mmol)と1-メチル-4-(メチル-d3)-1H-1,2,3-トリアゾール(3.3g、8.46mmol)のDMF(50mL)溶液にPd(PPh(656mg、0.57mmol)とCuI(249mg、1.15mmol)を加えた。混合物をN雰囲気で95℃で2h加熱した。反応混合物を水に入れてDCMで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させて濃縮させた。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE:DCM=2:1~DCM:MeOH=100:1)により精製して、黄色固体の表題生成物(2.5g、収率:79.6%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl) δ
8.78(d,J=1.9Hz,1H),7.91(d,J=1.9Hz,1H),7.43(s,1H),4.23(s,3H),4.06(s,3H),3.94(s,3H)。LC-MS:[M+H]=361.1。
ステップ3:4-ヨード-1-メチル-3-(5-(1-メチル-4-(メチル-d3)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-3-ニトロピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル
の雰囲気で、1-メチル-3-(5-(1-メチル-4-(メチル-d3)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-3-ニトロピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル(2.5g、6.94mmol)のACN(120mL)溶液にCe(NH(NO(2.1g、4.17mmol)とI(811mg、3.47mmol)を加えた。反応混合物を80℃で2h加熱した。そしてNの雰囲気で、Ce(NH(NO(2.1g、4.17mmol)、I(811mg、3.47mmol)を反応混合物に加えた。反応混合物を真空で濃縮させた。残留物をDCM及び水で希釈し、分離した水相をDCMで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥、濃縮させて、黄色固体の表題生成物(3.1g、収率:91.7%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.93(d,J=1.9Hz,1H),8.28(d,J=1.9Hz,1H),4.29(s,3H),4.10(s,3H),4.01(s,3H)。LC-MS:[M+H]=487.0。
ステップ4:3-(3-アミノ-5-(1-メチル-4-(メチル-d3)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ピリジン-2-イル)-4-ヨード-1-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル
4-ヨード-1-メチル-3-(5-(1-メチル-4-(メチル-d3)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-3-ニトロピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル(3.1g、6.38mmol)のEtOH(160mL)と水(20mL)溶液に鉄粉(2.8g、51mmol)とNHCl(4.1g、77mmol)を加えた。反応混合物を80℃で1h加熱した。反応混合物をろ過し、ろ液を真空で濃縮させた。残留物をDCM及び水で希釈し、分離した水相をDCMで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させて濃縮させた。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE:EtOAc=1:1~DCM:MeOH=50:1)により精製して、黄色固体の表題生成物(2.0g、収率:69%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.08(d,J=1.5Hz,1H),6.99(d,J=1.7Hz,1H),5.17(s,2H),4.27(s,3H),4.01
(s,6H)。LC-MS:[M+H]=457.0。
ステップ5:2-メチル-6-(1-メチル-4-(メチル-d3)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-2,4-ジヒドロピラゾロ[3’,4’:4,5]ピロロ[3,2-b]ピリジン-3-カルボン酸メチル
3-(3-アミノ-5-(1-メチル-4-(メチル-d3)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ピリジン-2-イル)-4-ヨード-1-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル(100mg、0.18mmol)のトルエン(16mL)溶液にPd(dba)(30mg)、Xantphos(30mg)とCsCO(148mg)を加えた。反応混合物をN雰囲気でマイクロウェーブにより160℃で3h(20ロット)加熱した。反応混合物を真空で濃縮させた。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=80:1~40:1)により精製して、黄色固体の表題生成物(492mg、収率:34.4%)を得た。LC-MS:[M+H]=329.2。
ステップ6:4-((3-フルオロピリジン-2-イル)(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-2-メチル-6-(1-メチル-4-(メチル-d3)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-2,4-ジヒドロピラゾロ[3’,4’:4,5]ピロロ[3,2-b]ピリジン-3-カルボン酸メチル
20℃で、2-メチル-6-(1-メチル-4-(メチル-d3)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-2,4-ジヒドロピラゾロ[3’,4’:4,5]ピロロ[3,2-b]ピリジン-3-カルボン酸メチル(492mg、1.5mmol)と(3-フルオロピリジン-2-イル)(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メタンスルホン酸メチル(441mg、1.6mmol)のCAN(2mL)溶液にCsCO(693mg、1.8mmol)を加えた。反応混合物を70℃で12h加熱した。反応物を濃縮した。残留物を分取型TLC(DCM:MeOH=20:1)により精製して、黄色固体の表題生成物(125mg、収率:15.9%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ8.45(d,J=4.4Hz,1H),8.38(s,1H),8.22(s,1H),7.38~7.31(m,2H),6.88(d,J=11.2Hz,1H),4.48(s,3H),4.11(s,3H),4.00~3.88(m,4H),3.87~3.81(m,1H),3.54~3.51(m,1H),3.38~3.31(m,2H),1.75~1.72(m,1H),1.55~1.50(m,2H),1.20~1.88(m,1H)。LC-MS:[M+H]=522.2。
実施例18、19及び20
2-(4-((3-フルオロピリジン-2-イル)(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-2-メチル-6-(1-メチル-4-(メチル-d3)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-2,4-ジヒドロピラゾロ[3’,4’:4,5]ピロロ[3,2-b]ピリジン-3-イル)プロパン-2-オール
Figure 2024506260000034
ステップ1:2-(4-((3-フルオロピリジン-2-イル)(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-2-メチル-6-(1-メチル-4-(メチル-d3)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-2,4-ジヒドロピラゾロ[3’,4’:4,5]ピロロ[3,2-b]ピリジン-3-イル)プロパン-2-オール
0℃で、4-((3-フルオロピリジン-2-イル)(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-2-メチル-6-(1-メチル-4-(メチル-d3)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-2,4-ジヒドロピラゾロ[3’,4’:4,5]ピロロ[3,2-b]ピリジン-3-カルボン酸メチル(125mg、0.24mmol)のTHF(0.8mL)溶液にCHMgCl(12mL、12mmol)を加えた。反応混合物を0℃で5min撹拌した。そして反応混合物を66℃まで加温し、66℃で40min攪拌した。反応混合物を-10℃に冷却した。混合物を飽和NHClでクエンチし、DCMで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させて濃縮させた。残留物を分取型TLC(DCM:MeOH=20:1)と分取型HPLC(Welch Ultimate XB-C18、21.2*250mm、5μm、20%-70% CHCN/水、0.1% CFCOOH)により精製して、黄色固体の表題生成物(37.5mg、収率:30%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl
δ 8.43(s,2H),8.26(s,1H),7.40(t,J=8.0Hz,1H),7.32~7.30(m,1H),7.09(d,J=10.8Hz,1H),4.27(s,3H),3.99(s,3H),3.95~3.85(m,2H),3.50~3.44(m,1H),3.30~3.25(m2H),1.91(s,6H),1.71~1.41(m,3H),0.92~0.88(m,1H)。LC-MS:[M+H]=522.3。ラセミ体実施例18(34.3mg)をキラル分取型SFC(カラム:Lux 5μm Cellulose-42cm × 25cm、5μm;移動相:MeOH:EtOH=50:50;流速:25mL/min)により分離し、エナンチオマーA実施例19(11.8mg、収率:34.4%)とエナンチオマーB実施例20(11.6mg、収率:33.8%)を得た。エナンチオマーA実施例19:H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.44-8.42(m,1H),8.29(d,J=2.4Hz,1H),7.98(d,J=2.4Hz,1H),7.40-7.33(m,1H),7.30-7.28(m,1H),6.99-6.95(m,1H),4.24(s,3H),3.98-3.91(m,4H),3.90-3.82(m,1H),3.52-3.43(m,1H),3.37-3.23(m,2H),1.90(d,J=8.4Hz,6H),1.58-1.40(m,3H),0.97-0.88(m,1H)。LC-MS:[M+H]=522.3。キラルSFC=2.985min(カラム:Lux Cellulose-4、100*4.6mm、3μm H19-381245;移動相A:エタノール;移動相B:メタノール;流速:1mL/min;検出:254nmでのUV)。エナンチオマーB実施例20:H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.44-8.42(m,1H),8.29(d,J=2.4Hz,1H),7.98(d,J=2.4Hz,1H),7.40-7.33(m,1H),7.30-7.28(m,1H),6.99-6.95(m,1H),4.24(s,3H),3.98-3.91(m,4H),3.90-3.82(m,1H),3.52-3.43(m,1H),3.37-3.23(m,2H),1.90(d,J=8.4Hz,6H),1.58-1.40(m,3H),0.97-0.88(m,1H)。LC-MS:[M+H]=522.3。キラルSFC=3.527min(カラム:Lux
Cellulose-4、100*4.6mm、3μm H19-381245;移動相A:エタノール;移動相B:メタノール;流速:1mL/min;検出:254nmでのUV)。
実施例21
4-((3-フルオロピリジン-2-イル)(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-2-(メチル-d3)-6-(1-メチル-4-(メチル-d3)-1H-
1,2,3-トリアゾール-5-イル)-2,4-ジヒドロピラゾロ[3’,4’:4,5]ピロロ[3,2-b]ピリジン-3-カルボン酸メチル
Figure 2024506260000035
ステップ1:1-(メチル-d3)-3-(5-(1-メチル-4-(メチル-d3)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-3-ニトロピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル
の雰囲気で、3-(5-ブロモ-3-ニトロピリジン-2-イル)-1-(メチル-d3)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル(3g、8.75mmol)と1-メチル-4-(メチル-d3)-5-(トリブチルスタンニル)-1H-1,2,3-トリアゾール(3.4g、8.72mmol)のDMF(45mL)溶液にPd(PPh(656mg、0.49mmol)とCuI(249mg、1.31mmol)を加えた。混合物をN雰囲気で95℃で2h加熱した。反応混合物を水に入れてDCMで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させて濃縮させた。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE:DCM=2:1~DCM:MeOH=100:1)により精製して、黄色固体の表題生成物(2.9g、収率:89%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.78(d,J=1.9Hz,1H),7.91(d,J=1.9Hz,1H),7.43(s,1H),4.06(s,3H),3.942(s,3H)。LC-MS:[M+H]=364.2。
ステップ2:4-ヨード-1-(メチル-d3)-3-(5-(1-メチル-4-(メチル-d3)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-3-ニトロピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル
の雰囲気で、1-(メチル-d3)-3-(5-(1-メチル-4-(メチル-d3)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-3-ニトロピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル(2.9g、7.99mmol)のACN(150mL)溶液にCe(NH(NO(2.66g、4.85mmol)とI(1.02g、4.05mmol)を加えた。反応混合物を80℃で2h加熱した。そしてN雰囲気でCe(NH(NO(2.66g、4.854mmol)とI(1.02g、4.045mmol)を加えた。反応混合物を真空濃縮させた。残留物をDCM及び水で希釈し、分離した水相をDCMで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥、濃縮させて、黄色固体の表題生成物(3.3g、収率:87%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.93(d,J=1.3Hz,1H),8.28(d,J=1.5Hz,1H),4.10(s,3H),4.01(s,3H)。LC-MS:[M+H]=490.0。
ステップ3:3-(3-アミノ-5-(1-メチル-4-(メチル-d3)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ピリジン-2-イル)-4-ヨード-1-(メチル-d3)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル
4-ヨード-1-(メチル-d3)-3-(5-(1-メチル-4-(メチル-d3)
-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-3-ニトロピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル(3.3g、6.75mmol)のEtOH(160mL)と水(20mL)溶液に鉄粉(2.8g、50mmol)とNHCl(4.1g、76mmol)を加えた。反応混合物を80℃で1h加熱した。反応混合物をろ過し、且つろ液を濃縮させた。残留物をDCM及び水で希釈し、分離した水相をDCMで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させて濃縮させた。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE:EtOAc=1:1~DCM:MeOH=50:1)により精製して、黄色固体の表題生成物(2.6g、収率:84%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.08(d,J=1.8Hz,1H),6.99(d,J=1.8Hz,1H),5.15(s,2H),4.07(d,J=1.2Hz,6H)。LC-MS:[M+H]=460.1。
ステップ4:2-(メチル-d3)-6-(1-メチル-4-(メチル-d3)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-2,4-ジヒドロピラゾロ[3’,4’:4,5]ピロロ[3,2-b]ピリジン-3-カルボン酸メチル
3-(3-アミノ-5-(1-メチル-4-(メチル-d3)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ピリジン-2-イル)-4-ヨード-1-(メチル-d3)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル(100mg、0.18mmol)のトルエン(16mL)溶液にPd(dba)(30mg、0.033mmol)、Xantphos(30mg、0.052mmol)とCsCO(148mg、0.46mmol)を加えた。反応溶液をN雰囲気でマイクロウェーブにより160℃で3h(26ロット)加熱した。反応混合物を真空で濃縮させた。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=80:1~40:1)により精製して、黄色固体の生成物(600mg、収率:32.2%)を得た。LC-MS:[M+H]=332.1。
ステップ5:1-(4-((3-フルオロピリジン-2-イル)(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-2-(メチル-d3)-6-(1-メチル-4-(メチル-d3)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-2,4-ジヒドロピラゾロ[3’,4’:4,5]ピロロ[3,2-b]ピリジン-3-イル)エタン-1-オン
20℃で、2-(メチル-d3)-6-(1-メチル-4-(メチル-d3)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-2,4-ジヒドロピラゾロ[3’,4’:4,5]ピロロ[3,2-b]ピリジン-3-カルボン酸メチル(600mg、1.81mmol)と(3-フルオロピリジン-2-イル)(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メタンスルホン酸メチル(576mg、1.99mmol)のACN(48mL)溶液にCsCO(792mg、2.44mmol)を加えた。反応混合物を70℃で12h加熱した。反応混合物を真空濃縮させた。残留物を分取型TLC(DCM:MeOH=20:1)により精製して、黄色固体の生成物(190mg、収率:20%)を得た。LC-MS:[M+H]=525.3。
実施例22、23及び24
2-(4-((3-フルオロピリジン-2-イル)(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-2-(メチル-d3)-6-(1-メチル-4-(メチル-d3)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-2,4-ジヒドロピラゾロ[3’,4’:4,5]ピロロ[3,2-b]ピリジン-3-イル)プロパン-2-オール
Figure 2024506260000036
ステップ1:2-(4-((3-フルオロピリジン-2-イル)(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-2-(メチル-d3)-6-(1-メチル-4-(メチル-d3)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-2,4-ジヒドロピラゾロ[3’,4’:4,5]ピロロ[3,2-b]ピリジン-3-イル)プロパン-2-オール
0℃で、1-(4-((3-フルオロピリジン-2-イル)(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-2-(メチル-d3)-6-(1-メチル-4-(メチル-d3)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-2,4-ジヒドロピラゾロ[3’,4’:4,5]ピロロ[3,2-b]ピリジン-3-イル)エタン-1-オン(190mg、0.36mmol)のTHF(2.8mL)溶液にMeMgCl(19mL、19mmol)を加えた。反応混合物を0℃で5min撹拌した。そして反応混合物を66℃まで加温し、66℃で40min攪拌した。反応混合物を-10℃に冷却した。そして混合物を飽和NHClでクエンチし、分離された水相をDCMで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させて濃縮させた。残留物を分取型TLC(DCM:MeOH=20:1)と分取型HPLC(Welch Ultimate XB-C18、21.2*250mm、5μm、30%-80% CHCN/水、0.1% CFCOOH)により精製して、黄色固体の表題生成物(52mg、収率:27.4%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.44(s,1H),8.45(d,J=4.4Hz,1H),8.37(s,1H),7.42(t,J=8.4Hz,1H),7.33~7.29(m,1H),7.13(d,J=10.8Hz,1H),4.01(s,3H),3.99~3.87(m,2H),3.51~3.45(m,1H),3.31~3.26(m,2H),1.91(s,6H),1.70~1.42(m,3H),0.92~088(m,1H)。LC-MS:c[M+H]=525.3.ラセミ体実施例22(39.6mg)をキラル分取型SFC(カラム:Lux 5μm
Cellulose-42cm × 25cm、5μm;移動相:MeOH:EtOH=50:50;流速:25mL/min)により分離し、エナンチオマーA実施例23(13.9mg、収率:35.1%)とエナンチオマーB実施例24(15.1mg、収率:38.1%)を得た。エナンチオマーA実施例17:H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.44-8.42(m,1H),8.29(d,J=2Hz,1H),7.98(d,J=2.4Hz,1H),7.39-7.33(m,1H),7.30-7.27(m,1H),6.96(d,J=13.6Hz,1H),3.99-3.83(m,5H),3.52-3.44(m,1H),3.36-3.23(m,2H),1.90(d,J=13.6Hz,6H),1.54-1.37(m,3H),0.96-0.88(m,1H)。LC-MS:[M+H]=525.3.キラルSFC=2.917min(カラム:Lux Cellulose-4、100*4.6mm、3μm
H19-381245;移動相A:エタノール;移動相B:メタノール;流速:1mL/min;検出:254nmでのUV)。エナンチオマーB実施例18:H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.44-8.42(m,1H),8.29(d,J=2Hz,1H),7.98(d,J=2.4Hz,1H),7.39-7.33(m,1H),7.30-7.27(m,1H),6.96(d,J=13.6Hz,1H),3.99-3.83(m,5H),3.52-3.44(m,1H),3.36-3.2
3(m,2H),1.90(d,J=13.6Hz,6H),1.54-1.37(m,3H),0.96-0.88(m,1H)。LC-MS:[M+H]=525.3。キラルSFC=3.450min(カラム:Lux Cellulose-4、100*4.6mm、3μm H19-381245;移動相A:エタノール;移動相B:メタノール;流速:1mL/min;検出:254nmでのUV)。
薬理学試験
1.BRD4(BD1)結合アッセイ:
BRD4(BD1)生化学結合アッセイはSundia MediTech Co.,Ltd.により行われた。
材料と供給元:
BRD4(D1):Reaction Biology Company;カタログ番号RD-11-157;ロット番号1319
陽性対照化合物:AZD5153;Selleck、カタログ番号S8344、ロット番号1
ペプチド:GL China;カタログ番号329934;ロット番号P171229-JQ329934
DMSO:Sigma;カタログ番号D8418-1L;ロット番号SHBG3288V
OptiPlate-384:PerkinElmer;カタログ番号6007270、ロット番号8240-17211
機器:
遠心機(メーカー:Eppendorf、型番:5430)
マイクロプレートリーダー(メーカー:PerkinElmer、型番:EnVision)
ソニックピペッティングシステム(メーカー:Labcyte、型番:Echo(登録商標) 550)
アッセイでは、HTRF法は、ドナーとしてクリプテート標識ユウロピウム元素を有する抗GST抗体を用い、受容体としてd2又はXL665標識ストレプトアビジン(ビオチンとの高い親和性を有する)を用いて、GSTタグを有するBRD4(D1)とビオチン標識アセチル化ペプチドとの相互作用を調べた。BRD4(D1)とビオチン標識ペプチドの結合によりドナーと受容体が接近すると、ドナーの励起により蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)が惹起され、受容体は特定の波長(665nm)で蛍光を発する。
一般的なアッセイ手順:Labcyte Echo(登録商標) 550リキッドハンドラーを使用して20nLの化合物溶液を384ウェルプレートに移し、5μLのReaction Biology CompanyのBRD4(BD1)溶液RD-11-157又はアッセイバッファーをそれぞれのウェルに加える。1分間遠心分離して、また室温で15分間インキュベートしてから、5μLのペプチド(GL China、カタログ番号329934、ロット番号P171229-JQ329934)をそれぞれのウェルに加えた。1000rpmで1分間遠心分離してから、それぞれのウェルに10μLの検出溶液を加えた。60分間インキュベートし、1分間遠心分離した後、マイクロプレートリーダーでシグナルを測定した。データ分析:化合物の存在での阻害パーセントを、次の式に従って計算した。
阻害%=(シグナル_max-試料シグナル/シグナル_max-シグナル_min)×100
GrphaPad Prism V5.0ソフトウェアで対数(阻害剤)対応答/変数
勾配としてデータをフィッティングすることによってIC50を得た。
BRD4(BD1)結合アッセイの結果を表1に示す。
Figure 2024506260000037
2.細胞増殖測定
材料:
Figure 2024506260000038
Figure 2024506260000039
Figure 2024506260000040
細胞に対する化合物の活性を評価するために、Cell Titer-Gloアッセイにより検出した。細胞を37℃のインキュベーター内で72時間インキュベートし、化合物で処理した。反応終了後、ATPを定量することにより培養物中の生細胞数を測定した。ATPは、生細胞代謝の指標である。Cell Titer-Gloを使用して、細胞溶解によって生成された発光シグナルは、存在するATPの量に比例し、ATPの量は、培養物中の細胞の数に比例することが見出された。これらのシグナル比は、当該条件下でのウェル中の当該濃度での化合物の細胞活性を反映する。
(1)細胞の接種
細胞をトリプシン処理し、自動細胞計数器で細胞密度を計算した。
接種密度に応じて、細胞懸濁液を希望の密度に希釈した。
プレートプロファイルに従って、100μLの細胞を増殖培地中の96ウェルプレートに接種した。培地のみを背景対照(Min)として使用した。
37℃、5% COで一晩インキュベートした。
(2)化合物処理
DMSOで200倍の化合物溶液を調製した。
3μLの200倍の化合物を197μLの増殖培地に添加することにより、化合物を増殖培地で3倍の最終濃度まで希釈した。
50μLの希釈化合物を細胞に添加し、37℃、5% COで72hインキュベートした。
(3)測定
測定前にアッセイプレートを室温に平衡化した。
各ウェルに40μLのCellTiter-Glo試薬を加えた。
内容物をレール固定式シェーカーにて2分間混合し、細胞溶解を促進した。
室温で60分間インキュベートし、発光シグナルを安定化させた。
Envisionで発光を記録した。
(4)データ分析
(1)GraphPad Prism 5を使用。
(2)%Inh=(Maxシグナル-化合物シグナル)/(Maxシグナル-Minシグナル)×100。
(3)最大のシグナルはDMSOの作用から取得。
(4)最小のシグナルは培地のみの作用から取得。
細胞増殖活性の結果は、以下の表2に示される。
Figure 2024506260000041

Claims (20)

  1. 式Iで示される化合物、その薬学的に許容される塩又はその立体異性体であって、
    Figure 2024506260000042
    そのうち、
    QはN、O及びSから選ばれ、但し、QがO又はSであるとき、Rは存在せず;
    Aは
    Figure 2024506260000043
    から選ばれ、Rはそれぞれ独立的に水素、任意選択で置換された(C-C)アルキル基、ハロゲン及び-CDから選ばれ;
    XとYは独立的にフェニル基、Nから選ばれる1又は2個のヘテロ原子を含む6員ヘテロアリール基、O、Sから選ばれる1又は2個のヘテロ原子を含む6員複素環、又は6員炭素環から選ばれ;しかも現れる都度、それぞれが独立的に任意選択で水素、-C1-3アルキル基又はハロゲンで置換され;
    Zは水素、-F、-Cl、-OH、-C1-3アルキル基又は-C1-3アルコキシ基から選ばれ;
    はハロゲン、任意選択で置換された(C-C)アルキル基、任意選択で置換された(C-C)アルケニル基、任意選択で置換された(C-C)アルキニル基から選ばれ;且つ
    は-COOR21と-(CH-CR2223-OHから選ばれ、そのうち、R21は水素、又は任意選択で置換された(C-C)アルキル基であり、R22とR23はそれぞれ水素、ハロゲン及び-C1-6アルキル基から選ばれ;nは0、1、2、3、4、5又は6から選ばれる、
    式Iで示される化合物、その薬学的に許容される塩又はその立体異性体。
  2. 前記化合物は式I-1に示される構造を有し、
    Figure 2024506260000044
    前記式I-1に示されるR*は、前記X、Y及びZに接する炭素がキラル炭素である場合、前記炭素の絶対配置がR配置であることを意味する、請求項1に記載の式Iで示される化合物、その薬学的に許容される塩又はその立体異性体。
  3. 前記化合物は式I-2に示される構造を有し、
    Figure 2024506260000045
    前記式I-2に示されるS*は、前記X、Y及びZに接する炭素がキラル炭素である場合、前記炭素の絶対配置がS配置であることを意味する、請求項1に記載の式Iで示される化合物、その薬学的に許容される塩又はその立体異性体。
  4. Aは
    Figure 2024506260000046
    から選ばれる、請求項1~3の何れか1項に記載の式Iで示される化合物、その薬学的に許容される塩又はその立体異性体。
  5. Aは
    Figure 2024506260000047
    から選ばれる、請求項1~4の何れか1項に記載の式Iで示される化合物、その薬学的
    に許容される塩又はその立体異性体。
  6. QはNである、請求項1~5の何れか1項に記載の式Iで示される化合物、その薬学的に許容される塩又はその立体異性体。
  7. XとYは独立的にフェニル基;
    Figure 2024506260000048
    から選ばれる、請求項1~6の何れか1項に記載の式Iで示される化合物、その薬学的に許容される塩又はその立体異性体。
  8. XとYは独立的にフェニル基;
    Figure 2024506260000049
    から選ばれる、請求項1~7の何れか1項に記載の式Iで示される化合物、その薬学的に許容される塩又はその立体異性体。
  9. Zは水素、-F、-Cl、-OH、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基又はイソプロポキシ基から選ばれる、請求項1~8の何れか1項に記載の式Iで示される化合物、その薬学的に許容される塩又はその立体異性体。
  10. Zは水素又はメチル基である、請求項1~9の何れか1項に記載の式Iで示される化合物、その薬学的に許容される塩又はその立体異性体。
  11. Figure 2024506260000050
    から選ばれ、そのうち、ピリジン環とベンゼン環は独立的に任意選択で1、2又は3個の置換基で置換され、且つ前記置換基は現れる都度、それぞれ-F、-Cl又はメチル基から選ばれる、請求項1~10の何れか1項に記載の式Iで示される化合物、その薬学的に許容される塩又はその立体異性体。
  12. Figure 2024506260000051
    から選ばれ、ピリジン環は任意選択で1個の置換基で置換され、且つ前記置換基は現れる都度、-Fから選ばれる、請求項1~11の何れか1項に記載の式Iで示される化合物、その薬学的に許容される塩又はその立体異性体。
  13. は-COOR21と-(CH-CR2223-OHから選ばれ、そのうち、R21は(C-C)アルキル基であり、R22とR23はそれぞれ-C1-6アルキル基から選ばれ;nは0、1、2、3、4、5又は6から選ばれる、請求項1~12の何れか1項に記載の式Iで示される化合物、その薬学的に許容される塩又はその立体異性体。
  14. は-COOR21と-(CH-CR2223-OHから選ばれ、そのうち、R21は-CHであり、R22とR23それぞれは-CHであり;nは0から選ばれる、請求項1~13の何れか1項に記載の式Iで示される化合物、その薬学的に許容される塩又はその立体異性体。
  15. はC1-6アルキル基から選ばれ;そのうち、前記C1-6アルキル基における1つ又は複数の水素原子は任意選択で重水素で置換される、請求項1~14の何れか1項に記載の式Iで示される化合物、その薬学的に許容される塩又はその立体異性体。
  16. は-CH又は-CDから選ばれる、請求項1~15の何れか1項に記載の式Iで示される化合物、その薬学的に許容される塩又はその立体異性体。
  17. 前記化合物は本明細書で例示された化合物から選ばれる、請求項1~16の何れか1項に記載の式Iで示される化合物、その薬学的に許容される塩又はその立体異性体。
  18. 請求項1~17の何れか1項に記載の式Iで示される化合物、その薬学的に許容される塩又はその立体異性体及び1種又は複数種の薬学的に許容されるベクター、希釈剤又は賦形剤を含む、医薬組成物。
  19. 請求項1~17の何れか1項に記載の式Iで示される化合物、その薬学的に許容される塩又はその立体異性体の、ブロモドメイン阻害剤が適用される疾患又は病症の治療のための医薬品の製造における使用。
  20. ブロモドメインと請求項1~17の何れか1項に記載の式Iで示される化合物、その薬学的に許容される塩又はその立体異性体とを接触させることを含む、ブロモドメインを阻害する方法。
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