JP2024505801A - 締結装置及び糸の締緩方法 - Google Patents

Abstract

締結装置及び糸の締緩方法を提供する。本発明の締結装置はハウジング、リール、複数のラチェット歯、セグメント分け緩めグループ及びノブを含む。ラチェットアームがラチェット歯に噛み合う場合に、リールの緩め方向への回転が阻止され、ノブが締め方向に回転される場合に、ラチェットアームは、糸がリールによって締められることを可能にするように、ラチェット歯から離脱し、揺動アームが操作される場合に、ラチェットアームは、糸がセグメント分けて緩められることを可能にするように、ラチェット歯から分離し、ノブが引き上げられるか又は緩め方向に回転される場合に、糸が完全に緩められ得る。それによって、糸をセグメント分けて緩め、及び完全に緩める目的を達成する。

Description

本発明は、締結装置及び締緩方法に関し、特に、糸を締緩可能な締結装置及び糸の締緩方法に関する。

日常生活において、よくロープや紐等の線材を用いて物体を締め、最も一般的な締め手段は、例えば靴紐等、線材で物体にある穴を往復して通し、そして結び目で固定する。しかし、このような締め手段は、結び目が外力要因によって緩みやすく、結び直しをしなければならないだけでなく、しっかりと物体を締めることができないため、非常に不便である。

このような問題を解決するために、ある業者は、ハウジング、制動ユニット、及びバネを含む簡易締め機構であって、ハウジングに線材を通すための貫通孔があり、バネと制動ユニットとの間の作用力で線材を制動ユニットとハウジングとの間に挟むことで締結効果を達成し、バネを押圧して制動ユニットの位置を変更すれば、線材を長さを変更するように引っ張ることができる簡易締め機構を開発した。しかし、このような締め機構は、バネの復帰力で締結力を提供するため、線材が依然として振動又は外力要因によって緩みやすく、また、線材を収容する空間がないため、線材が露出して危険を引き起こしやすい。

そこで、他の業者は、回転可能に締め、且つ線材を固定する留め具であって、線材を留め具の内部に収容することができ、且つ内部部材の機械的干渉によって線材の長さを調整すると共に、締め具合を調整することができる留め具を開発した。しかしながら、このような留め具は、構造が複雑であるため、製造コストが増えるだけでなく、組立やメンテナンスが困難であるという問題がある。また、このような留め具を緩める時、線材を完全に緩める機能しかなく、線材（糸）をセグメント分けて（セグメントごとに）緩めることができないため、依然として使用上の不便がある。

これを鑑みて、どのように留め具等の締結装置の構造を効果的に改善し、糸をセグメント分けて緩める機能をそれに持たせるかは、関連業者の努力の目標となる。

本発明は、締結装置の構造配置により、糸をセグメント分けて緩め、及び完全に緩める目的を達成することができる、締結装置及び糸の締緩方法を提供する。

本発明の一実施形態によると、内部空間を含むハウジングと、内部空間に設けられ、且つ糸を巻き取るためのリールと、内部空間に位置する複数のラチェット歯と、枢着爪及び揺動アームを含むセグメント分け緩めグループと、ハウジングに設けられるノブと、を備え、枢着爪は、少なくとも１つのラチェット歯に選択的に噛み合うラチェットアームと、揺動アームが当接する連動部と、を含み、ラチェットアームが少なくとも１つのラチェット歯に噛み合う場合に、リールの緩め方向への回転が阻止され、ノブが締め方向に回転される場合に、ラチェットアームは、糸がリールによって締められることを可能にするように、少なくとも１つのラチェット歯から離脱し、揺動アームが操作される場合に、ラチェットアームは、糸がセグメント分けて緩められることを可能にするように、少なくとも１つのラチェット歯から分離し、ノブが引き上げられるか又は緩め方向に回転される場合に、ラチェットアームは、リールの緩め方向への回転を阻止せず、該糸が完全に緩められることを可能にするようにする、締結装置を提供する。

それにより、揺動アームを操作する前に、ラチェットアームは、リールが糸を緩めることを阻止でき、揺動アームを操作した後、連動部は、糸がセグメント分けて緩められるように、連動してラチェットアームとラチェット歯とを分離させ、また、ノブを操作して糸を完全に緩め、そして糸をセグメント分けて緩め、及び完全に緩める目的を達成することができる。

前記の実施形態に係る締結装置によると、内部空間に設けられ、且つリールに選択的に結合するラチェットを更に含んでもよく、前記複数のラチェット歯が前記ラチェットの外面に位置する。

前記の実施形態に係る締結装置によると、ラチェットがリールに選択的に結合し、且つノブを操作してラチェットを上昇させると、ラチェットとリールとの結合が解除される。

前記の実施形態に係る締結装置によると、ラチェットに接続され、位置決め部を含むリールに向かって突出し、位置決め部を貫通し、且つ位置決め部によって位置制限される位置決め軸を更に含んでもよく、ノブを引き上げると、ラチェット及び位置決め軸が軸方向に沿って変位するように連動して、ラチェットとリールとの結合が解除される。

前記の実施形態に係る締結装置によると、リールは、上側リング部と、下側リング部と、上側リング部と下側リング部との間に接続され、且つ中央孔を含む糸巻き軸と、上側リング部からノブに向かって突出し、且つ中央孔と連通する開孔を含む上側突起部と、を備え、位置決め部は、開孔に位置し、且つ位置決め軸は、開孔を通して中央孔に入る。

前記の実施形態に係る締結装置によると、枢着爪は、ラチェットアームと間隔をおいて配列されるストッパー部を更に含んでもよく、ラチェットアームと少なくとも１つのラチェット歯とが噛み合う場合に、ストッパー部は、いずれのラチェット歯とも噛み合わず、揺動アームが操作されてラチェットアームを少なくとも１つのラチェット歯から分離させる場合に、ストッパー部は、リールを止めるように、少なくとも１つの他のラチェット歯に噛み合う。

前記の実施形態に係る締結装置によると、揺動アームのレンチ部は、ハウジングに露出してもよい。

前記の実施形態に係る締結装置によると、ハウジングは、開口を含んでもよい環状壁と、環状壁から半径方向に沿って外へ突出するカバー部と、旋回空間を形成するようにカバー部に接続される枢着座と、を含んでもよい。枢着爪及び揺動アームは、枢着座の異なる位置に枢設され、且つ少なくとも一部が旋回空間に配置され、枢着爪は、ラチェットアームが少なくとも１つのラチェット歯に噛み合うように、開口から内部空間に差し込まれる。

前記の実施形態に係る締結装置によると、セグメント分け緩めグループは、ラチェットアームが少なくとも１つのラチェット歯から分離している場合に力を蓄える、弾性部材を更に含んでもよい。

本発明の他の実施形態によると、ハウジングと、糸に結合され、且つハウジング内に位置するリールと、複数のラチェット歯と、枢着爪と、ノブとを含む、物体上に設けられる締結装置を操作して、ノブを締め方向に回転し、糸がリールによって締められることを可能にするように、枢着爪のラチェットアームを少なくとも１つのラチェット歯から離脱させる締め工程と、糸の一部を緩めるためにリールが緩め方向に回転し得るように、締結装置の、枢着爪の連動部と連動する揺動アームを操作して、ラチェットアームを少なくとも１つのラチェット歯から分離させてから少なくとも１つの他のラチェット歯に噛み合わせるセグメント分け緩め工程と、締結装置のラチェットアームがリールの緩め方向への回転を阻止せず、糸を自由に緩めるようにノブを操作する完全緩め工程と、を備える糸の締緩方法を提供する。

本発明の第１実施例による締結装置の概略斜視図を示す。 図１の第１実施例に係る締結装置の概略分解図を示す。 図１の第１実施例に係る締結装置の他の概略分解図を示す。 図１の第１実施例に係る締結装置の概略断面図を示す。 図１の第１実施例に係る締結装置の他の概略断面図を示す。 図４の第１実施例に係る締結装置の断面線６－６に沿った概略断面図を示す。 図４の第１実施例に係る締結装置の断面線６－６に沿った他の概略断面図を示す。 本発明の第２実施例による糸の締緩方法のブロックフローチャートを示す。

以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。説明を明確にするために、数多くの実務上の細部を下記叙述で合わせて説明する。しかしながら、理解すべきなのは、これらの実務上の細部が、本発明を限定するためのものではない。即ち、本発明の一部の実施例において、これらの実務上の細部は必要ではない。また、図面を簡略化するために、ある従来慣用の構造及び素子は、図面において簡単で模式的に示され、且つ重複する素子は、同じ番号又は類似する番号で示される可能性がある。

また、本明細書における第１、第２、第３等の用語は、異なる素子又は成分を説明するためのものに過ぎず、素子／成分自体を制限するものではなく、よって、第１の素子／成分は、第２の素子／成分と読み替えてもよい。本明細書における素子／成分／機構／モジュールの組み合わせは、この分野における周知、従来又は既知の組み合わせではなく、素子／成分／機構／モジュール自体が既知であるか否かにより、その組み合わせ関係が当業者に容易になし得るか否かを判定することができない。

本発明の第１実施例による締結装置１０００の概略斜視図を示す図１、図１の第１実施例に係る締結装置１０００の概略分解図を示す図２、図１の第１実施例に係る締結装置１０００の他の概略分解図を示す図３を参照されたい。締結装置１０００は、ハウジング１２００、リール１３００、複数のラチェット歯１４１０、セグメント分け緩めグループ１６００及びノブ１７００を含む。ハウジング１２００は、内部空間１２６０を含み、リール１３００は、内部空間１２６０に設けられ、且つ糸（図示せず）を巻き取るために用いられ、前記複数のラチェット歯１４１０は、内部空間１２６０に位置する。セグメント分け緩めグループ１６００は、枢着爪１６１０及び揺動アーム１６３０を含み、枢着爪１６１０は、ラチェットアーム１６１１及び連動部１６１３を含み、ラチェットアーム１６１１は、少なくとも１つのラチェット歯１４１０に選択的に噛み合い、揺動アーム１６３０は、連動部１６１３に当接する。ノブ１７００は、ハウジング１２００に設けられる。ラチェットアーム１６１１が少なくとも１つのラチェット歯１４１０に噛み合う場合に、リール１３００の緩め方向Ａ１への回転が阻止され、ノブ１７００が締め方向Ａ２に回転される場合に、ラチェットアーム１６１１は、糸がリール１３００によって締められることを可能にするように、少なくとも１つのラチェット歯１４１０から離脱し、揺動アーム１６３０が操作される場合に、ラチェットアーム１６１１は、糸がセグメント分けて緩められることを可能にするように、少なくとも１つのラチェット歯１４１０から分離し、ノブ１７００が引き上げられるか又は緩め方向Ａ１に回転される場合に、ラチェットアーム１６１１は、リール１３００の緩め方向Ａ１への回転を阻止しない。

それにより、揺動アーム１６３０を操作する前に、ラチェットアーム１６１１は、リール１３００が糸を緩めることを阻止でき、揺動アーム１６３０を操作した後、糸がセグメント分けて緩められ得、ノブ１７００を操作して糸を完全に緩め、さらに、糸をセグメント分けて緩め、及び完全に緩める目的を達成することができる。締結装置１０００の構造の詳細については後文で詳しく説明する。

締結装置１０００は、内部空間１２６０に設けられ、且つリール１３００に選択的に結合するラチェット１４００を更に含んでもよく、前記複数のラチェット歯１４１０は、ラチェット１４００の外面に位置し、そのため、内部空間１２６０にも位置する。具体的には、ラチェット１４００は、略円柱状で、内面及び外面を含み、且つラチェット１４００は、内面に位置する複数の第１結合歯１４２０を更に含んでもよい。ノブ１７００は、複数のノブ歯１７１０を更に含んでもよく、ノブ歯１７１０は、ラチェット歯１４１０に噛み合うことができ、このようにして、ノブ１７００を回転すると、ラチェット１４００を駆動して回転させることができる。

図１から図３を併せて、図１の第１実施例に係る締結装置１０００の概略断面図を示す図４、及び図１の第１実施例に係る締結装置１０００の他の概略断面図を示す図５を参照されたい。ラチェット１４００は、リール１３００に選択的に結合してもよく、且つノブ１７００を操作し、ラチェット１４００を上昇させると、ラチェット１４００とリール１３００との結合を解除することができる。詳細には、締結装置１０００は、ラチェット１４００に接続され、位置決め部１３５０を含むリール１３００に向かって突出し、位置決め部１３５０を貫通し、且つ位置決め部１３５０によって位置制限される位置決め軸１８２０を更に含んでもよく、ノブ１７００を引き上げると、ラチェット１４００及び位置決め軸１８２０が軸方向Ｉ１に沿って変位するように連動して、ラチェット１４００とリール１３００との結合が解除されることができる。

具体的に、締結装置１０００は、接続ユニット１８００を含んでもよく、接続ユニット１８００は、位置決め軸１８２０及びスクリュー１８１０を含み、スクリュー１８１０は、位置決め軸１８２０がノブ１７００及びラチェット１４００に接続されるように、ノブ１７００の上方から下に向かって位置決め軸１８２０にロックされる。

リール１３００は、上側リング部１３１０、下側リング部１３３０、糸巻き軸１３６０、上側突起部１３４０、及び第２結合歯１３２０を含んでもよく、糸巻き軸１３６０は、上側リング部１３１０と下側リング部１３３０との間に接続され、糸を収容するための巻取りレールが形成され得、且つ糸巻き軸１３６０は、中央孔１３６１を含み、上側突起部１３４０は、上側リング部１３１０からノブ１７００に向かって突出し、且つ中央孔１３６１と連通する開孔１３４１を含み、第２結合歯１３２０は、上側突起部１３４０の外周面に位置し、且つ第１結合歯１４２０と結合するために用いられる。位置決め部１３５０は、開孔１３４１に位置し、且つ位置決め軸１８２０は、開孔１３４１を通して中央孔１３６１に入る。

開孔１３４１は、十字状であってもよく、且つ４つのポートを含み、位置決め部１３５０は、４つの突出アームを含み、各突出アームは、各凹部に位置し、且つ各突出アームの自由端は、円形孔部として挟むために、円弧状を呈する。位置決め軸１８２０は、位置決め突起１８２１を含み、ノブ１７００が第１位置にある場合に、位置決め突起１８２１は、位置決め部１３５０の下にあり、ノブ１７００が軸方向Ｉ１に沿って第２位置まで上へ移動する場合に、位置決め突起１８２１は、位置決め部１３５０を押して４つの突出アームを変形させて円形孔部を通過させ、位置決め突起１８２１は、位置決め部１３５０の上方に変位し、且つ位置制限される。

このように、図４に示すように、ノブ１７００が第１位置にある場合に、第１結合歯１４２０と第２結合歯１３２０とが噛み合い、ノブ１７００が締め方向Ａ２に回転される場合に、ラチェット歯１４１０から離脱するために、ラチェットアーム１６１１を外側に旋回するように押し付け、リール１３００が締め方向Ａ２に回転され得て、糸を締めることができる。使用者はノブ１７００の回転を止める場合、ラチェットアーム１６１１とラチェット歯１４１０とが噛み合い、リール１３００の緩め方向Ａ１への回転が阻止され、糸を締結することができる。糸を完全に緩めようとする場合、使用者は、ノブ１７００を軸方向Ｉ１に沿って引き上げて第２位置に位置させ、この場合、ラチェット１４００が上昇し、第１結合歯１４２０が第２結合歯１３２０から分離し、リール１３００は、その影響を受けることなく、自由に緩め方向Ａ１に向かって回転することができる。本明細書で特に説明されるように、糸を完全に緩める場合に、ラチェットアーム１６１１とラチェット歯１４１０とが依然として噛み合うが、第１結合歯１４２０と第２結合歯１３２０とが分離してもよいし、又は、ラチェットアーム１６１１とラチェット歯１４１０とが分離しているが、第１結合歯１４２０と第２結合歯１３２０とが依然として噛み合ってもよいが、本発明はこれらに限定されない。

揺動アーム１６３０のレンチ部１６３２は、使用者が容易に操作するために、ハウジング１２００に露出してもよい。詳細には、ハウジング１２００は、環状壁１２２０、カバー部１２４０、及び枢着座１２３０を含んでもよい。環状壁１２２０は、開口１２２１を含んでもよく、カバー部１２４０は、環状壁１２２０から径方向に沿って外へ突出し、枢着座１２３０は、旋回空間を形成するようにカバー部１２４０に接続される。環状壁１２２０により、内部空間１２６０が取り囲まれることができ、カバー部１２４０は、環状壁１２２０の外周面に一体接続され、開口１２２１は、環状壁１２２０の本体を径方向に貫通し、内部空間１２６０と旋回空間を連通させることができる。枢着爪１６１０及び揺動アーム１６３０は、枢着座１２３０の異なる位置に枢設され、且つ少なくとも一部が旋回空間に位置し、枢着爪１６１０は、ラチェットアーム１６１１が少なくとも１つのラチェット歯１４１０に噛み合うように、開口１２２１から内部空間１２６０に差し込まれ、揺動アーム１６３０は、少なくとも一部が旋回空間に露出し、つまり、カバー部１２４０は、枢着座１２３０を覆って枢着爪１６１０を遮蔽するが、揺動アーム１６３０を完全に遮蔽せず、そのため、揺動アーム１６３０のレンチ部１６３２は、ハウジング１２００に露出することができる。ハウジング１２００は、３つの枢着ロッド１２５０、１２７０、１２８０及びベース１２１０をさらに含んでもよく、枢着ロッド１２５０は、枢着座１２３０から上に突出し、且つラチェットアーム１６１１を枢設するために用いられ、枢着ロッド１２７０、１２８０は、カバー部１２４０から下に突出し、枢着ロッド１２７０は、揺動アーム１６３０を枢設するために用いられ、ベース１２１０は、環状壁１２２０及び枢着座１２３０を設置するために用いられ得る。

具体的には、枢着爪１６１０は、ストッパー部１６１２を更に含んでもよく、ストッパー部１６１２及びラチェットアーム１６１１は間隔をおいて配列され、ラチェットアーム１６１１と少なくとも１つのラチェット歯１４１０とが噛み合う場合に、ストッパー部１６１２は、いずれのラチェット歯１４１０とも噛み合わず、揺動アーム１６３０が操作されてラチェットアーム１６１１を少なくとも１つのラチェット歯１４１０から分離させる場合に、ストッパー部１６１２は、リール１３００を止めるように、少なくとも１つの他のラチェット歯１４１０に噛み合う。詳細には、枢着爪１６１０の一端の歯状構造は、ラチェットアーム１６１１として定義されることができ、枢着爪１６１０の他端のシフトブロック構造は、ストッパー部１６１２として定義されることができ、且つストッパー部１６１２は、ラチェットアーム１６１１と同時にラチェット歯１４１０と噛み合わないように配置され、枢着爪１６１０上の他のフック状構造は、連動部１６１３として定義されることができ、且つ連動部１６１３は、ラチェットアーム１６１１及びストッパー部１６１２よりもラチェット歯１４１０から離れる。枢着爪１６１０は、枢着ロッド１２５０が貫通するための枢着孔を含み、枢着爪１６１０を枢着座１２３０に揺動可能に位置決めし、且つ枢着爪１６１０は、開口１２２１から内部空間１２６０に突入し、ラチェットアーム１６１１をラチェット歯１４１０に対応させる。

揺動アーム１６３０は、枢着部１６３１、レンチ部１６３２及びフック部１６３３を含んでもよく、枢着部１６３１は、枢着ロッド１２７０に枢設され、レンチ部１６３２は、枢着部１６３１から延伸し、フック部１６３３は、レンチ部１６３２から連動部１６１３へ延伸し、連動部１６１３を引っ掛けることができる。

図２から図５を併せて、図４の第１実施例に係る締結装置１０００の概略断面線６－６に沿った概略断面図を示す図６Ａ、図４の第１実施例に係る締結装置１０００の断面線６－６に沿った他の断面図を示す図６Ｂを参照されたい。図６Ａに示すように、ラチェットアーム１６１１とラチェット歯１４１０とが噛み合う場合に、以上のように、リール１３００の緩め方向Ａ１への回転を阻止することができ、逆に、使用者が揺動アーム１６３０を動かす場合に、揺動アーム１６３０は、枢着部１６３１を中心軸として旋回運動を行い、フック部１６３３が連動部１６１３を押し当てることで、枢着爪１６１０は、枢着ロッド１２５０を中心軸として旋回運動を行い、ラチェットアーム１６１１を外向きに繰り出してラチェット歯１４１０から離脱させ、この場合、リール１３００は、緩められて緩め方向Ａ１に回転することができ、しかしながら、ラチェットアーム１６１１が繰り出されると同時に、ストッパー部１６１２が内向きにねじ込まれてラチェット歯１４１０と係合するため、リール１３００は、ストッパー部１６１２によって阻止されて緩め方向Ａ１に回転することができず、そのため、ラチェットアーム１６１１がリセットされる前にリール１３００の回転を阻止することに役立ち、糸の段階的な緩めにより役立つことができる。すなわち、ストッパー部１６１２の構造配置によって、使用者が揺動アーム１６３０を動かした後、糸が完全に緩められず、わずかな一部の糸が緩められる。本明細書で特に説明されるように、使用者が揺動アーム１６３０を動かした後、リール１３００は、１つのラチェット歯１４１０のピッチの幅だけで回転可能であり、糸を段階的に緩めることができる。他の実施例において、リールは、複数のラチェット歯のピッチの幅だけでも回転可能であり、これらに限定されない。

また、セグメント分け緩めグループ１６００は、弾性部材１６２０を更に含んでもよく、且つラチェットアーム１６１１がラチェット歯１４１０から分離している場合に、弾性部材１６２０に力を蓄える。弾性部材１６２０は、捩りバネ構造を含んでもよく、弾性部材１６２０は、枢着ロッド１２８０に套設され、弾性部材１６２０の一端は、ラチェットアーム１６１１に受動され、そのため、ラチェットアーム１６１１の旋回によって、弾性部材１６２０が捻じって、力を蓄えるように駆動することができ、そのため、弾性部材１６２０は、揺動アーム１６３０の外力が取り除かれた後、ラチェットアーム１６１１及び揺動アーム１６３０がリセットするように駆動することができる。

図１から図６Ｂを併せて、本発明の第２実施例に係る糸の締緩方法２０００のブロックフローチャートを示す図７を参照されたい。糸の締緩方法２０００は、締め工程Ｓ０１、セグメント分け緩め工程Ｓ０２及び完全緩め工程Ｓ０３を含む。

締め工程Ｓ０１では、物体上に設けられる締結装置１０００を操作し、締結装置１０００は、ハウジング１２００と、リール１３００と、複数のラチェット歯１４１０と、枢着爪１６１０と、ノブ１７００とを含み、リール１３００は、糸に結合され、且つハウジング１２００内に位置し、ノブ１７００を締め方向Ａ２に回転し、糸がリール１３００によって締められることを可能にするように、枢着爪１６１０のラチェットアーム１６１１を少なくとも１つのラチェット歯１４１０から離脱させる。

セグメント分け緩め工程Ｓ０２では、糸の一部を緩めるためにリール１３００が緩め方向Ａ１に回転し得るように、締結装置１０００の揺動アーム１６３０を操作して、揺動アーム１６３０が枢着爪１６１０の連動部１６１３と連動し、ラチェットアーム１６１１を少なくとも１つのラチェット歯１４１０から分離させてから少なくとも１つの他のラチェット歯１４１０に噛み合う。

完全緩め工程Ｓ０３では、締結装置１０００のラチェットアーム１６１１がリール１３００の緩め方向Ａ１への回転を阻止せず、糸を自由に緩めるようにノブ１７００を操作することができる。

詳細には、締め工程Ｓ０１では、ノブ１７００を回転することでラチェット１４００を駆動して回転させ、ラチェット１４００が回転する時に枢着爪１６１０をオフセットさせて、ラチェットアーム１６１１をラチェット歯１４１０から離脱させ、それによって糸を締めることができる。ノブ１７００が回転を停止する場合、ラチェットアーム１６１１とラチェット歯１４１０とが噛み合いてリール１３００が糸を緩めるのを阻止する。セグメント分け緩め工程Ｓ０２では、使用者が揺動アーム１６３０を１回動かすたびに、ラチェットアーム１６１１をラチェット歯１４１０から分離させることができ、糸の一部を緩めることができる。

完全緩め工程Ｓ０３では、ノブ１７００を引き上げて、ラチェット１４００とリール１３００との結合を解除することができ、この場合、リール１３００は、ラチェット歯１４１０とラチェットアーム１６１１との噛み合わせによる影響を受けず、自由に回転して、糸を完全に緩めることができる。ノブ１７００を引き上げて糸を完全に緩めることに加えて、他の実施例ではノブを回転することによって糸を完全に緩めることもでき、本発明はこれに限定されない。

本発明は、実施例で上記のように開示されたが、実施例は本発明を限定するものではなく、当業者は、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、様々な変更及び修正を行うことができ、したがって本発明の保護範囲は、特許請求の範囲によって定義されるものに準ずるものとする。

１０００ 締結装置
１２００ ハウジング
１２１０ ベース
１２２０ 環状壁
１２２１ 開口
１２３０ 枢着座
１２４０ カバー部
１２５０、１２７０、１２８０ 枢着ロッド
１２６０ 内部空間
１３００ リール
１３１０ 上側リング部
１３２０ 第２結合歯
１３３０ 下側リング部
１３４０ 上側突起部
１３４１ 開孔
１３５０ 位置決め部
１３６０ 糸巻き軸
１３６１ 中央孔
１４００ ラチェット
１４１０ ラチェット歯
１４２０ 第１結合歯
１６００ セグメント分け緩めグループ
１６１０ 枢着爪
１６１１ ラチェットアーム
１６１２ ストッパー部
１６１３ 連動部
１６２０ 弾性部材
１６３０ 揺動アーム
１６３１ 枢着部
１６３２ レンチ部
１６３３ フック部
１７００ ノブ
１７１０ ノブ歯
１８００ 接続ユニット
１８１０ スクリュー
１８２０ 位置決め軸
１８２１ 位置決め突起
２０００ 糸の締緩方法
Ａ１ 緩め方向
Ａ２ 締め方向
Ｉ１ 軸方向
Ｓ０１ 締め工程
Ｓ０２ セグメント分け緩め工程
Ｓ０３ 完全緩め工程

Claims (10)

1. 内部空間を含むハウジングと、
   前記内部空間に設けられ、且つ糸を巻き取るためのリールと、
   前記内部空間に位置する複数のラチェット歯と、
   少なくとも１つの前記ラチェット歯に選択的に噛み合うラチェットアームと連動部とを含む枢着爪と、前記連動部に当接する揺動アームと、を含むセグメント分け緩めグループと、
   前記ハウジングに設けられるノブと、
   を備え、
   前記ラチェットアームが少なくとも１つの前記ラチェット歯に噛み合う場合に、前記リールの緩め方向への回転が阻止され、前記ノブが締め方向に回転される場合に、前記ラチェットアームは、前記糸が前記リールによって締められることを可能にするように、少なくとも１つの前記ラチェット歯から離脱し、前記揺動アームが操作される場合に、前記ラチェットアームは、前記糸がセグメント分けて緩められることを可能にするように、少なくとも１つの前記ラチェット歯から分離し、前記ノブが引き上げられるか又は前記緩め方向に回転される場合に、前記ラチェットアームは、前記リールの前記緩め方向への回転を阻止せず、前記糸が完全に緩められることを可能にするようにすることを特徴とする締結装置。
2. 前記内部空間に設けられ、且つ前記リールに選択的に結合するラチェットを更に含み、前記複数のラチェット歯が前記ラチェットの外面に位置することを特徴とする請求項１に記載の締結装置。
3. 前記ラチェットが前記リールに選択的に結合し、且つ前記ノブを操作して前記ラチェットを上昇させると、前記ラチェットと前記リールとの結合が解除されることを特徴とする請求項２に記載の締結装置。
4. 前記ラチェットに接続され、位置決め部を含む前記リールに向かって突出し、前記位置決め部を貫通し、且つ前記位置決め部によって位置制限される位置決め軸を更に含み、前記ノブを引き上げると、前記ラチェット及び前記位置決め軸が軸方向に沿って変位するように連動して、前記ラチェットと前記リールとの結合が解除されることを特徴とする請求項３に記載の締結装置。
5. 前記リールは、
   上側リング部と、
   下側リング部と、
   前記上側リング部と前記下側リング部との間に接続され、且つ中央孔を含む糸巻き軸と、
   前記上側リング部から前記ノブに向かって突出し、且つ前記中央孔と連通する開孔を含む上側突起部と、
   を備え、
   前記位置決め部は、前記開孔に位置し、且つ前記位置決め軸は、前記開孔を通して前記中央孔に入ることを特徴とする請求項４に記載の締結装置。
6. 前記枢着爪は、前記ラチェットアームと間隔をおいて配列されるストッパー部を更に含み、前記ラチェットアームと少なくとも１つの前記ラチェット歯とが噛み合う場合に、前記ストッパー部は、いずれの前記ラチェット歯とも噛み合わず、前記揺動アームが操作されて前記ラチェットアームを少なくとも一つの前記ラチェット歯から分離させる場合に、前記ストッパー部は、前記リールを止めるように、少なくとも１つの他の前記ラチェット歯に噛み合うことを特徴とする請求項１に記載の締結装置。
7. 前記揺動アームのレンチ部は、前記ハウジングに露出することを特徴とする請求項１に記載の締結装置。
8. 前記ハウジングは、
   開口を含む環状壁と、
   前記環状壁から半径方向に沿って外へ突出するカバー部と、
   旋回空間を形成するように前記カバー部に接続される枢着座と、
   を含み、
   前記枢着爪及び前記揺動アームは、前記枢着座の異なる位置に枢設され、且つ少なくとも一部が前記旋回空間に配置され、前記枢着爪は、前記ラチェットアームが少なくとも１つの前記ラチェット歯に噛み合うように、前記開口から前記内部空間に差し込まれることを特徴とする請求項７に記載の締結装置。
9. 前記セグメント分け緩めグループは、前記ラチェットアームが少なくとも１つの前記ラチェット歯から分離している場合に力を蓄える弾性部材を更に含むことを特徴とする請求項１に記載の締結装置。
10. ハウジングと、糸に結合され、且つ前記ハウジング内に位置するリールと、複数のラチェット歯と、枢着爪と、ノブとを含む、物体上に設けられる締結装置を操作して、前記ノブを締め方向に回転し、前記糸が前記リールによって締められることを可能にするように、前記枢着爪のラチェットアームを少なくとも１つの前記ラチェット歯から離脱させる締め工程と、
    前記糸の一部を緩めるために前記リールが緩め方向に回転し得るように、前記締結装置の、前記枢着爪の連動部と連動する揺動アームを操作して、前記ラチェットアームを少なくとも１つの前記ラチェット歯から分離させてから少なくとも１つの他の前記ラチェット歯に噛み合わせるセグメント分け緩め工程と、
    前記締結装置の前記ラチェットアームが前記リールの前記緩め方向への回転を阻止せず、前記糸を自由に緩めるように前記ノブを操作する完全緩め工程と、
    を備えることを特徴とする糸の締緩方法。

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