JP2024505552A - フッ化物触媒ポリシロキサン解重合 - Google Patents

フッ化物触媒ポリシロキサン解重合 Download PDF

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Abstract

シロキサンポリマーを解重合するための方法及びキット、並びにシリコーンを含む材料をリサイクルするための方法が記載される。

Description

関連出願
本出願は、米国特許法第111条(b)の下、その全開示内容が参照により本明細書に援用される2021年2月1日に出願された米国仮特許出願第63/144,074号の優先権を主張するものである。
連邦政府による資金提供を受けた研究の記載
本発明は、政府の支援を受けずに行われた。政府は本発明の権利を有しない。
生まれた時点から、私たちの周りには、天然及び人工の両方のポリマーが数多く存在している。1872年、Ladenburgは、Si及びO原子を介して繋がっている有機ケイ素ポリマーであるポリシロキサンを発見した。有機成分及び無機成分を有するシロキサンのハイブリッドな性質は、他の材料では不可能である特独の特性をもたらす。さらに、ケイ素原子に結合した有機置換基の数が、ポリマーの官能性を決定する。例えば、ケイ素原子が酸素原子とまったく結合していない場合、それは、非官能性有機ケイ素化合物と称される。同様に、ケイ素原子に対する酸素の原子価に基づいて、モノ(M)、ジ(D)、トリ(T)、及びテトラ(Q)官能性化合物を形成することができる。言い換えると、これらのシロキサンの特性は、主として、シロキサンポリマーに結合した有機置換基の種類、及びポリマー中のSi-O結合の性質に依存する。結果として、ポリシロキサンは、医療、化粧品、航空宇宙、及び他のハイテク産業において重要であるその非常に優れた物理的、化学的、及び機械的特性、さらにはその熱安定性及び低毒性のために、広く用いられる特別なポリマーとなってきた。注目すべきことには、ポリシロキサンの「古典的な」製品は、ポリジメチルシロキサン、及びこれよりは少ないが、ポリフェニルメチルシロキサンであり、なぜなら、これらが工業製品の大部分を構成するからである。
高温及び低温に対する耐性のために、適切なシロキサンは、分解することなく、1年間にわたって200℃まで、さらに短い期間では450℃に加熱することができる。このこと、さらには高度な化学的不活性のために、シロキサンを制御可能に分解し、リサイクルすることが特に困難となっている。これは、452kJ/molであるSi-O結合の結合力に起因している。したがって、シロキサン系ポリマー材料の有用性にもかかわらず、深刻な課題は、環境中にこれらの材料が蓄積すること、及びその代わりにそれらを有効にリサイクルする必要があることであり、これまでのところは困難であった。ポリジメチルシロキサン(PDMS)などのシリコーン系材料をリサイクルするために用いられる現行の方法は、高温及び複雑な設備が関与するものである。
製品寿命後の蓄積は、自然界において長くゆっくりした分解経路を辿ることから、重大な問題である。したがって、埋め立て処理、様々な解重合プロセス、及びダウンサイクル法が、製品寿命後の蓄積に対処するために用いられている。リサイクル性が大切であると考えられる最大の理由の1つは、シロキサンの合成がエネルギー集約的プロセスであることである。これらの合成法のほとんどには、非効率的である、環境にやさしくない、又はエネルギーコストの高い方法が関与している。例えば、ポリシロキサンは、一般的に、開環重合によって製造され、これは、250℃~600℃の加熱及び4atm~8atmの圧力が関与する。消費者用材料又は工業用材料として既に作製されたシリコーンのリサイクルは、まだ充分に探究されてはいない。したがって、これらのポリマーをリサイクルして、環境への影響を低減するために、効率的で穏和な反応条件を見出すことが緊急に求められている。
長年にわたり、ケイ素化学者たちは、いくつかの化学試薬及びほとんどの場合は熱エネルギーを用いて、シリコーンの解重合及び開裂の試みを行ってきた。シロキサンの解重合及び重合の方法では、その最初の工程は類似している(シロキサン結合の切断)。温度、圧力、触媒活性、又は触媒の種類などの操作条件の相違が、最初と最後の生成物の間の平衡安定性の関係をもたらしている。環状モノマーからの重合の場合、両プロセスの最初の工程は、シロキサン結合の開環である。
低分子量環状シロキサン化合物の熱重合は、密閉系中において、それ自体の蒸気圧下、250~300℃で行われるが、より高い分子量のポリシロキサンの解重合は、さらにより高い温度及び圧力で行われる。例えば、n=3からn=8の環状ポリジメチルシロキサンの混合物は、真空中(約20mmHg)、350~400℃で分解する。蒸気からの解重合は、200~220℃において、高分子量ポリジメチルシロキサンから特定の長さのシロキサノールを形成することができる。また、蒸気の解重合反応の時間又は加熱時間も、直鎖状シロキサノールのフラグメントサイズを決定する。
熱の存在下、一級アルコール又は二級アルコール及び酸触媒又はアルカリ触媒からのシロキサン結合の開裂によって、高分子量ポリジメチルシロキサンを解重合してアルコキシシランとすることができ、これは、シロキサン解重合のための最も一般的な反応である。しかし、アルコールからの解重合は平衡反応であるため、それを効率的とするためには、この反応では、副生物である水を連続的に除去することが必要であり、さらには化学量論量のクロリド及びアミンの使用も必要であり、環境にやさしくない反応となってしまう。
化学量論量のブレンステッド酸又はルイス酸からの高分子量ポリシロキサンの解重合は、熱の補助によって、オルガノハロシラン及びヘテロシロキサンが得られる結果となる。このプロセスでは、電子不足な酸が、それ自体を電子豊富な酸素原子に結合させ、このことがSi-O結合を弱める結果、開裂が発生する。AlClによるポリジメチルシロキサンの解重合は、1:1のAl:Si比によるヘキサン中の室温での反応であり、大量の[{ClSiMeOAlCl]の無色結晶が得られる。しかし、反応比から、AlClは触媒量で用いられてはおらず、生成物は、再使用が困難である。
シロキサンの重合及びその後の開裂は、熱と共にアルカリ条件下でも行われる。アルカリ性重合は、250℃未満で行われるが、その解重合は、400℃付近で行われる。例えば、少量のNaOH(0.1%)であっても、より高い分子量のポリジメチルシロキサンを、環状トリマー及びテトラマーに解重合することができる。リチウムテトラヒドロアルミネートを用いた複雑な水素化金属開裂が、直鎖状ポリシロキサンに対して観察され、この場合、エーテル中のリチウムテトラヒドロアルミネートは、直鎖状ポリシロキサンポリマーの開裂を、ポリマーが加熱下で滴下された場合に行うことができる。(CHSiHガスの溶出及びシロキサン結合のアルミノシロキサン結合への変換が、この反応の過程で観察される。効果的ではあるが、可燃性ガスの発生は、単純なリサイクル法にとって理想的なものではない。
シロキサンポリマーを解重合し、リサイクルするより良好な方法が、本技術分野において依然として求められている。
シロキサンポリマーを解重合する方法が提供され、その方法は、シロキサンポリマーを溶媒中に浸漬すること、フッ化物源を溶媒中に組み込むこと、フッ化物とシロキサンポリマーとを反応させ、シロキサンポリマーの環状モノマーへの転位を引き起こすこと、及び環状モノマーの再重合を防止するために反応をクエンチすること、を含む。
ある特定の実施形態では、フッ化物源は、イオン液体を含む。ある特定の実施形態では、フッ化物源は、テトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)を含む。ある特定の実施形態では、フッ化物源は、TBAF、フッ化水素、フッ化アンモニウム、ハイドロジェンジアルキルアンモニウムフルオリド(NRF)、ハイドロジェントリフルオリドアンモニウム(NR(3HF))、アルカリ金属塩(例:LiF、NaF、KF)、アルカリ土類金属塩(例:CaF、MgF)、アルキルハイドロジェンフルオリド、ハイドロジェンジアルキルアンモニウムフルオリド、1-フルオロ-4-クロロメチル-1,4-ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンビス(テトラフルオロボレート)(商品名Accufluor(登録商標))、N,N’-ジフルオロ-2,2’-ビピリジニウムビス(テトラフルオロボレート)、ジエチルアミノ硫黄トリフルオリド(DAST)、RN-CF-R、式中、Rは、水素又はアルキルであり、R及びRは、各々アルキル又はアリールから選択される(商品名Fluorinox(登録商標))、1-フルオロ-4-クロロメチル-1,4-ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンビス(テトラフルオロボレート)(商品名Selectfluor(登録商標))、又はこれらの組み合わせを含む。
ある特定の実施形態では、フッ化物源は、シロキサンポリマーを溶媒中に浸漬する前に、溶媒中に組み込まれる。ある特定の実施形態では、フッ化物源は、シロキサンポリマーを溶媒中に浸漬した後に、溶媒中に組み込まれる。
ある特定の実施形態では、クエンチングは、溶媒に塩を添加し、少なくとも約30分間撹拌することを含む。特定の実施形態では、塩は、塩化物塩である。特定の実施形態では、塩は、CaClを含む。特定の実施形態では、塩は、CaCl、AgCl、NaCl、KCl、クロロトリメチルシラン(TMSCl)、又はこれらの組み合わせを含む。特定の実施形態では、塩は、ヨウ化物、クロム酸塩、臭化物、硫化物、炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩、水酸化物、又はこれらの組み合わせを含む。
ある特定の実施形態では、クエンチングは、水を溶媒に添加して2つの相を形成させることを含む水性洗浄を含む。
ある特定の実施形態では、クエンチングは、残留フッ化物イオンを捕捉し、解重合を停止することを含む。
ある特定の実施形態では、溶媒は、室温で網目侵入液体(network-penetrating liquid)であり、中間極性を有する。ある特定の実施形態では、溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロメタン(DCM)、クロロホルム、アセトン、2-メチルテトラヒドロフラン、又はトルエンを含む。
ある特定の実施形態では、反応は、室温で行われる。ある特定の実施形態では、反応は、水の凝固点付近から溶媒の沸点付近までの範囲内の温度で行われる。特定の実施形態では、溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)を含み、反応は、約0℃~約66℃の範囲内の温度で行われる。特定の実施形態では、溶媒は、ジクロロメタン(DCM)を含み、反応は、約0℃~約40℃の範囲内の温度で行われる。特定の実施形態では、溶媒は、2-メチルテトラヒドロフランを含み、反応は、約0℃~約80℃の範囲内の温度で行われる。特定の実施形態では、溶媒は、アセトンを含み、反応は、約0℃~約56℃の範囲内の温度で行われる。特定の実施形態では、溶媒は、トルエンを含み、反応は、約0℃~約110℃の範囲内の温度で行われる。
ある特定の実施形態では、シロキサンポリマーは、式Iを有する直鎖状シロキサンポリマーであり、
式中、各Rは、独立して、H又は何らかの有機基である。
ある特定の実施形態では、シロキサンポリマーは、メチル末端、ヒドロキシド末端、ビニル末端、又はヒドリド末端であるシルコキシ基を含む直鎖状シロキサンポリマーである。
ある特定の実施形態では、シロキサンポリマーは、R(CH)SiO[(CHSiO][(R)(R)SiO]Si(CHRの構造を有する直鎖状シロキサンポリマーであり、式中、R、R、及びRは、同一であっても、又は異なっていてもよい。
ある特定の実施形態では、シロキサンポリマーは、以下のD単位のうちの1つを有する直鎖状シロキサンポリマーであり、
式中、Rは、C2~C14アルキルである。
ある特定の実施形態では、環状モノマーは、式II、式III、又は式IVのうちの1つを有し、
式中、各Rは、独立して、H又は何らかの有機基である。
ある特定の実施形態では、シロキサンポリマーは、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、フェニルメチルシロキサン(PMPS)、又はポリジフェニルシロキサンを含む。
ある特定の実施形態では、環状モノマーは、D、D、D、DPh 、又はDPh を含む。
ある特定の実施形態では、反応は、クエンチング前に、少なくとも約20分間にわたって進行させる。ある特定の実施形態では、反応は、クエンチング前に、少なくとも約45分間にわたって進行させる。
ある特定の実施形態では、方法はさらに、環状モノマーを再重合することを含む。特定の実施形態では、再重合は、カチオン性重合及びアニオン性重合を含む。アニオン性重合は、ルイス塩基から行われてよく、適切な触媒としては、アルカリ金属の酸化物及び水酸化物、並びに塩基全般が挙げられる。カチオン性重合は、強プロトン酸又はルイス酸を用いて実施されてよい。トリフルオロメタンスルホン酸などのペルフルオロアルカンスルホン酸又は硫酸は、このタイプの再重合反応に適する限定されない例である。
ある特定の実施形態では、フッ化物源は、約2mol%までの量で溶媒中に組み込まれる。ある特定の実施形態では、フッ化物源は、約0.5mol%の量で溶媒中に組み込まれる。
さらに、シリコーン及び第二の物質を含む材料をリサイクルする方法も提供され、その方法は、シリコーンを溶媒中に浸漬すること、フッ化物源を溶媒中に組み込むこと、フッ化物とシリコーンとを反応させ、シロキサンポリマーの環状モノマーへの転位を引き起こし、それによって、第二の物質からシリコーンを溶解させること、環状モノマーの再重合を防止するために反応をクエンチすること、及び環状モノマーを含有する溶媒から第二の物質を分離すること、を含む。ある特定の実施形態では、反応は、室温で行われる。ある特定の実施形態では、第二の物質は、第二のポリマーを含む。ある特定の実施形態では、材料が、溶媒中に浸漬される。
さらに、ポリシロキサンをリサイクルするためのキットも提供され、そのキットは、溶媒を収容している第一の容器、及びフッ化物源を収容している第二の容器を含む。ある特定の実施形態では、キットは、クエンチング塩(quenching salt)をさらに含む。ある特定の実施形態では、キットは、再重合触媒をさらに含む。
本特許又は特許出願ファイルは、カラーで作成された1若しくは複数の図面、及び/又は1若しくは複数の写真を含み得る。カラー図面及び/又は写真付きの本特許又は特許出願公報の複写は、請求し、必要な費用を支払うことによって、米国特許商標庁から入手される。
図1は、触媒のフッ化物触媒を用いた室温でのポリジメチルシロキサンの解重合、及び環状生成物の形成を示すスキーム1である。 図2は、フェニルメチルシロキサン(PMPS、Mn約2700g/mol)のフッ化物触媒による解重合を示すスキーム2である。 図3A~図3B:代表的なポリフェニルメチルシロキサン解重合試験のGCMS(図3A)及びポリフェニルメチルシロキサン生成物の29Si NMR(図3B)である。Bは、生成物DPh であり、Aは、生成物DPh である。 図3A~図3B:代表的なポリフェニルメチルシロキサン解重合試験のGCMS(図3A)及びポリフェニルメチルシロキサン生成物の29Si NMR(図3B)である。Bは、生成物DPh であり、Aは、生成物DPh である。 図4A~図4B:D(図4A)及び6000Daのビニル末端PDMS(図4B)の生成物の29Si NMRである。Aは、生成物Dであり、Bは、生成物Dであり、Cは、生成物Dである。 図4A~図4B:D(図4A)及び6000Daのビニル末端PDMS(図4B)の生成物の29Si NMRである。Aは、生成物Dであり、Bは、生成物Dであり、Cは、生成物Dである。 図5A~図5B:Mw約6000Daのビニル末端PDMSの生成物、D(図5A)、及びD(図5B)のGCMSである。 図5A~図5B:Mw約6000Daのビニル末端PDMSの生成物、D(図5A)、及びD(図5B)のGCMSである。 図6A~図6B:2gのポリジメチルシロキサンポリマー、200mLのTHF、及び0.2mLのTBAFによる室温下での約6000Daのポリジメチルシロキサンの反応速度実験のGPCグラフである。図6Aは、ポリマーの領域を示し、図6Bは、環状体の領域を示す。 図6A~図6B:2gのポリジメチルシロキサンポリマー、200mLのTHF、及び0.2mLのTBAFによる室温下での約6000Daのポリジメチルシロキサンの反応速度実験のGPCグラフである。図6Aは、ポリマーの領域を示し、図6Bは、環状体の領域を示す。 図7A~図7D:図7Aは、Wacker Elastosil 3003-40ABの29Si NMRスペクトルを示す。Aは、Dであり、Bは、Dであり、Cは、Dである。 図7A~図7D:図7B~図7Dは、Wacker Elastosil 3003-40ABのD(図7B)、D(図7C)、及びD(図7D)のGCMSを示す。 図7A~図7D:図7B~図7Dは、Wacker Elastosil 3003-40ABのD(図7B)、D(図7C)、及びD(図7D)のGCMSを示す。 図7A~図7D:図7B~図7Dは、Wacker Elastosil 3003-40ABのD(図7B)、D(図7C)、及びD(図7D)のGCMSを示す。 図8は、PDMS6000(ビニル末端)解重合生成物(赤色)の、n-BuLi開始剤を用いた場合(黒色)及びトリフルオロメタンスルホン酸重合を用いた場合(青色)における再重合を表すGPCスペクトルである。 図9は、TBAFでの解重合後における、Elastosilの転位又はオリゴマー化を示す。 図10は、ポリシロキサンの解重合、及びバックバイティング機構による環状生成物の形成に対する機構を示すスキーム3である。Rは、メチル基又はフェニル基であり得る。 図11A~図11E:図11Aは、300MHzでのDH NMRスペクトルを示し、出発物質に対する1つのピークが示されている。 図11A~図11E:図11Bは、75.468MHzでのD13C NMRスペクトルを示し、出発物質に対する1つのピークが示されている。 図11A~図11E:図11Cは、59.6MHzでのD29Si NMRを示し、単一ピークが示されている。 図11A~図11E:図11Dは、デカメチルシクロペンタシロキサン(D)の生成物のGCMSを示し、D、Dの構造、及び小フラグメントが示されている。 図11A~図11E:図11Eは、Dポリマーの生成物のGPCを示し、ポリマーに起因する負のピークが示されている。 図12A~図12E:D転位の生成物の化学的特性評価。図12Aは、300MHzでのDの生成物のH NMRスペクトルを示す。1.5ppmのピークは、HOであり、7.26ppmのピークは、溶媒であり、ピークAは、D及びDであり(拡大図からダブレットであることが分かる)、ピークBは、Dである(環の歪みに起因して脱遮蔽がより大きい)。小さい脱遮蔽プロトンピークがさらに見られることには留意されたい。これは、開環された直鎖状構造に起因する。0.4ppmは、転位メチルピークである。 図12A~図12E:D転位の生成物の化学的特性評価。図12Bは、75.468MHzでのDの生成物の13C NMRスペクトルを示し、ピークAは、Dであり、ピークBは、Dであり、ピークCは、Dであり、0.41のピークは、メチルラジカル炭素である。 図12A~図12E:D転位の生成物の化学的特性評価。図12Cは、59.6MHzでのDの生成物の29Si NMRスペクトルを示し、ピークAは、Dであり、ピークCは、Dであり、ピークBは、Dである。-19.28 D、-21.69 D、-22.08 D 図12A~図12E:D転位の生成物の化学的特性評価。図12Dは、デカメチルシクロペンタシロキサン(D)の転位生成物のGCMSを示し、D、Dの構造、及び小フラグメントを観察することができる。 図12A~図12E:D転位の生成物の化学的特性評価。図12Eは、Dポリマーの生成物のGPCを示す。 図13A~図13B:ポリフェニルメチルシロキサンポリマーの化学的特性評価。図13Aは、ポリフェニルメチルシロキサンポリマー(Mn約2700gmol-1)反応体のMALDI-ToFを示し、飛行の困難さに起因して複数の弱いピークが示されている。 図13A~図13B:ポリフェニルメチルシロキサンポリマーの化学的特性評価。図13Bは、ポリフェニルメチルシロキサンポリマー(Mn約2700gmol-1)反応体のGPCを示し、30.5分を中心とするブロードなピークからのポリマーパターンを有する。 図14A~図14C:ポリフェニルメチルシロキサンの解重合生成物の化学的特性評価。図14Aは、ポリフェニルメチルシロキサンの生成物のGCMSを示し、生成物5を明確に観察することができる。 図14A~図14C:ポリフェニルメチルシロキサンの解重合生成物の化学的特性評価。図14Bは、ポリフェニルメチルシロキサンの生成物のGPCを示し、ここでは2つのピークを観察することができる。 図14A~図14C:ポリフェニルメチルシロキサンの解重合生成物の化学的特性評価。図14Cは、ポリフェニルメチルシロキサンの生成物の29Si NMRを示し、Aは、DPh であり、Bは、DPh である。 図15は、ポリフェニルメチルシロキサン解重合の溶媒型実験のGPCである。 図16は、異なる体積のTHFを用いたポリフェニルメチルシロキサンの解重合のGPCである。 図17は、ポリフェニルメチルシロキサン解重合のTBAFmol%実験のGPCである。 図18A~図18B:500Daのポリジメチルシロキサン(PDMS)の反応速度実験。図18Aは、2gのポリジメチルシロキサンポリマー、200mLのTHF、及び0.2mLのTBAFによる室温下でのmw約500のポリジメチルシロキサンの反応速度実験の、CaClクエンチング時点後のGPCグラフを示す。 図18A~図18B:500Daのポリジメチルシロキサン(PDMS)の反応速度実験。図18Bは、ポリフェニルメチルシロキサン(PMPS)の解重合における反応速度実験からの、クエンチング時点のGPCを示す。 図19A~図19B:ポリジメチルシロキサン(Mw約500)の解重合の実験例。図19Aは、mw500のポリジメチルシロキサンのGCMSを示し、D、D、及びDの環状構造が示されている。 図19A~図19B:ポリジメチルシロキサン(Mw約500)の解重合の実験例。図19Bは、mw500のポリジメチルシロキサンのGPCを示し、解重合、及び主要な転位物の2つのピークが示されている。 図20A~図20C:ポリジメチルシロキサン(Mw約6000)の解重合の実験例。図20Aは、ポリジメチルシロキサンの生成物のGCMSを示し、D、D、及びDの構造を観察することができる。 図20A~図20C:ポリジメチルシロキサン(Mw約6000)の解重合の実験例。図20Bは、ポリジメチルシロキサンの生成物の59.6MHzでの29Si NMRを示し、ピークAは、生成物Dによるものであり、ピークBは、生成物Dによるものであり、ピークCは、生成物Dによるものである。 図20A~図20C:ポリジメチルシロキサン(Mw約6000)の解重合の実験例。図20Cは、mw6000のポリジメチルシロキサンの生成物のGPCを示し、主要な転位物の2つのピークを観察することができる。 図21A~図21B:mw6000のポリジメチルシロキサンの生成物の59.6MHzでの29Si NMR(図21A)、及びmw6000のポリジメチルシロキサンの解重合生成物のGPC(図21B)である。 図21A~図21B:mw6000のポリジメチルシロキサンの生成物の59.6MHzでの29Si NMR(図21A)、及びmw6000のポリジメチルシロキサンの解重合生成物のGPC(図21B)である。 図22A~図22B:Sylgardの解重合実験例。図22Aは、SylgardのGCMSを示し、D及びDの構造を観察することができる。 図22A~図22B:Sylgardの解重合実験例。図22Bは、SylgardのGPCを示し、2つの転位ピークを観察することができる。 図23A~図23B:Ecoflex 00-30の解重合の実験例。図23Aは、Ecoflex 00-30のGCMSを示し、D及びDの構造を観察することができる。 図23A~図23B:Ecoflex 00-30の解重合の実験例。図23Bは、Ecoflex 00-30のGPCを示し、2つの転位ピークを観察することができる。 図24A~図24B:Smooth-Sil 950の解重合の実験例。図24Aは、Smooth-Sil 950のGCMSを示し、D及びDの構造を観察することができる。 図24A~図24B:Smooth-Sil 950の解重合の実験例。図24Bは、Smooth-Sil 950のGPCを示し、2つの転位ピークを観察することができる。 図25A~図25B:Dragon Skin 10 FASTの解重合の実験例。図25Aは、Dragon Skin 10 FASTのGCMSを示し、D、D、及びDの構造を観察することができる。 図25A~図25B:Dragon Skin 10 FASTの解重合の実験例。図25Bは、Dragon Skin 10 FASTの生成物の59.6MHzでの29Si NMRを示し、ピークAは、生成物Dによるものであり、ピークBは、生成物Dによるものであり、ピークCは、生成物Dによるものである。 図25A~図25B:Dragon Skin 10 FASTの解重合の実験例。図25Cは、Dragon Skin 10 FASTのGPCを示し、2つの主要な転位ピークを観察することができる。 図26A~図26C:Aceシリコーンコーキング剤の解重合の実験例。図26Aは、シリコーンコーキング剤のGCMSを示し、D、D、及びDの構造を観察することができる。 図26A~図26C:Aceシリコーンコーキング剤の解重合の実験例。図26Bは、シリコーンコーキング剤の生成物の59.6MHzでの29Si NMRを示し、ピークAは、生成物Dによるものであり、ピークBは、生成物Dによるものであり、ピークCは、生成物Dによるものである。 図26A~図26C:Aceシリコーンコーキング剤の解重合の実験例。図26Cは、シリコーンコーキング剤のGPCを示し、2つの転位ピークを観察することができる。 図27A~図27D:Wackerからのシリコーンゴムシート(Elastosil)の解重合の実験例。図27Aは、Wacker(Elastosil)のGCMSを示し、D、D、及びDの構造を観察することができる。 図27A~図27D:Wackerからのシリコーンゴムシート(Elastosil)の解重合の実験例。図27Bは、Wacker(Elastosil)の生成物の59.6MHzでの29Si NMRを示し、ピークAは、生成物Dによるものであり、ピークBは、生成物Dによるものであり、ピークCは、生成物Dによるものである。 図27A~図27D:Wackerからのシリコーンゴムシート(Elastosil)の解重合の実験例。図27Cは、Wacker(Elastosil)のGPCを示し、2つの転位ピークを観察することができる。 図27A~図27D:Wackerからのシリコーンゴムシート(Elastosil)の解重合の実験例。 図28は、6000mwのポリジメチルシロキサンの解重合生成物の、nBuLi及びトリフルオロメタンスルホン酸を用いることによる再重合である。 図29A~図29B:Elastosil及びオリゴマー化Elastosil樹脂のTGAグラフ。図29Aは、解重合前のElastosilのTGAグラフを示す。 図29A~図29B:Elastosil及びオリゴマー化Elastosil樹脂のTGAグラフ。図29Bは、フッ化物でオリゴマー化したElastosilのTGAグラフを示す。 図30A~図30B:Elastosil(図30A)及びオリゴマー化Elastosil樹脂(図30B)のFTIRグラフである。 図30A~図30B:Elastosil(図30A)及びオリゴマー化Elastosil樹脂(図30B)のFTIRグラフである。
本開示全体を通して、様々な刊行物、特許、及び公開特許明細書が、識別する引用によって参照される。これらの刊行物、特許、及び公開特許明細書の開示内容は、本発明が属する分野の現行技術をより充分に記載するために、その全内容が参照により本開示に援用される。
シリコーン系材料をリサイクルするためのより良好な方法が必要とされていることに対処するために、シリコーン系のポリマー及び樹脂を解重合するための効率的な室温技術を本明細書で述べる。生成物は、GCMS及び29Si NMRによって確認され、本明細書の例で記載されるように、環状シロキサン単位(D、D、D)を主として含有し得る。ほとんどいかなるシリコーン樹脂も、非常に迅速に解重合することができ、シリコーンリッチな系では、最良の変換及び最も多くの識別可能な環状体が得られる結果となるが、複雑な樹脂の場合、より広く様々な環状体及び僅かに架橋した生成物へと迅速に解重合する。環状モノマーは、酸、塩基、又はフッ化物触媒によって再重合してシリコーンを再度形成することができる。この方法は、穏和な条件及び溶媒のリサイクルを使用しているため、大スケールの工業的処理にスケールアップすることができる。
本開示によると、シロキサンポリマーの室温でのフッ化物による環状モノマーへの解重合は、塩又は水性洗浄などのクエンチング後に可能である。クエンチング工程は、最終生成物を固定して再度ポリマーとならないようにするために重要である。環状シロキサンモノマーがシロキサンポリマーに戻る再重合についても実証した。このプロセスは、ほんの数例として、建築、自動車、航空宇宙、又は調理器具用途に用いられ得るいかなるシリコーン樹脂にも有効である。
一般に、この方法は、シロキサンポリマーを溶媒中に浸漬することを含み、この場合、溶媒がフッ化物源を既に含有しているか、又はフッ化物源が溶媒に添加されるかのいずれかである。続いて、図10に示されるスキームに表されるように、フッ化物がシロキサンポリマーと反応してシロキサンポリマーの環状モノマーへの転位を引き起こす。次に、反応をクエンチして、フッ化物イオンを捕捉し、解重合反応を停止し、環状モノマーの再重合を防止する。反応は、室温で行うことができ、シロキサンポリマーが溶媒和される限り進行させることができる。この方法は、シリコーン/シロキサンポリマー及び樹脂を、触媒プロセスを用いて室温で環状出発物質に変換して戻すための手順である。このプロセスはまた、迅速でもあり、ほとんどの樹脂の完全な解重合が、4時間未満で得られる。
フッ化物源は、特に限定されない。いくつかの実施形態では、フッ化物源は、イオン液体である。1つの限定されない例では、フッ化物源は、テトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)である。しかし、多くの他のフッ化物源が可能であり、本開示の範囲内に包含される。例えば、他のフッ化物源としては、フッ化水素、フッ化アンモニウム、ハイドロジェンジアルキルアンモニウムフルオリド(NRF、式中、Rはアルキル基である)、ハイドロジェントリフルオリドアンモニウム、アルカリ金属塩(例:LiF、NaF、KF)、アルカリ土類金属塩(例:CaF、MgF)、アルキルハイドロジェンフルオリド、1-フルオロ-4-クロロメチル-1,4-ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンビス(テトラフルオロボレート)(商品名Accufluor(登録商標))、N,N’-ジフルオロ-2,2’-ビピリジニウムビス(テトラフルオロボレート)、ジエチルアミノ硫黄トリフルオリド(DAST)、RN-CF-R、式中、Rは、水素又はアルキルであり、R及びRは、各々アルキル又はアリールから選択される(商品名Fluorinox(登録商標))、1-フルオロ-4-クロロメチル-1,4-ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンビス(テトラフルオロボレート)(商品名Selectfluor(登録商標))、又はこれらの組み合わせが挙げられ得る。
フッ化物の使用は、ケイ素系材料に影響することが知られているが、化学量論量のフッ化物源がほとんどの場合使用され、このことが、適用範囲を制限している。本発明では、フッ化物源は、約2mol%までを例とする、僅かに触媒レベルで溶媒中に存在していてよい。1つの限定されない例では、フッ化物源は、僅かに約0.5mol%の濃度で溶媒中に存在する。したがって、この方法は、大量のフッ化物源を必要としない。
溶媒は、反応条件下(すなわち、室温)で網目侵入液体であり、中間極性を有し得る。したがって、適切な溶媒の限定されない例としては、THF、DCM、2-メチルTHF、クロロホルム、アセトン、及びトルエンが挙げられる。しかし、他の溶媒も可能であり、本開示の範囲内に包含されるが、アルコール及びアルカン(例:ヘキサン)は、一般に、このプロセスにとって良好な溶媒ではないことが見出された。
反応を進行させることができる温度範囲は、水の凝固点と用いている溶媒の沸点とによってのみ制限される。これは、水が凍結すると、氷の結晶が解重合反応を停止し得るからである。また、溶媒が沸騰すると、反応が停止されていなかった場合、環状モノマーが再重合する。この温度範囲内では、解重合反応は、著しい再重合を起こすことなく自由に進行することができる。したがって、いくつかの実施形態では、溶媒は、THFであり、反応は、約0℃~約66℃の温度範囲で進行し得る。他の実施形態では、溶媒は、DCMであり、反応は、約0℃~約40℃の温度範囲で進行し得る。他の実施形態では、溶媒は、2-メチルテトラヒドロフランであり、反応は、約0℃~約80℃の温度範囲で進行し得る。他の実施形態では、溶媒は、アセトンであり、反応は、約0℃~約56℃の温度範囲で進行し得る。他の実施形態では、溶媒は、トルエンであり、反応は、約0℃~約110℃の温度範囲で進行し得る。
クエンチングは、フッ化物イオンを捕捉し、解重合反応を停止し、環状モノマーの再重合を防止する適切ないかなる方法によって行われてもよい。2つの限定されないクエンチング法の例は、塩の添加及び水性洗浄である。塩化物塩などであるがこれに限定されない塩が、反応に添加され、少なくとも約30分間の時間にわたって撹拌されてよく、それによって反応がクエンチされる。CaClなどの塩によるクエンチング工程は、それが活性なフッ化物触媒を非反応性の塩化物と交換してCaFを形成することに依存していることから、少ない触媒量のフッ化物のクエンチングに有効である。塩化物塩の限定されない例としては、CaCl、AgCl、NaCl、KCl、及びクロロトリメチルシラン(TMSCl)が挙げられる。他の適切な塩としては、限定さるものではないが、ヨウ化物、クロム酸塩、臭化物、硫化物、炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩、及び水酸化物が挙げられる。
別の選択肢として、水性洗浄は、2つの層を作り出すことができ、残ったフッ化物イオンを水相に移動させて反応をクエンチすることができる。水性洗浄法の利点は、塩による方法とは対照的に、それが瞬間的であることである。しかし、水性洗浄法の欠点は、水が有機層に入ってしまう可能性があり、環状モノマーのある程度の再重合を引き起こす可能性があることである。これらのクエンチング法は、単なる例として提供されるものであり、反応をクエンチする唯一の方法では決してない。他のクエンチング法が可能であり、そのすべてが本開示の範囲内に包含される。
クエンチング工程を行わないと、溶媒の除去が、構造に対する制御のないランダムな樹脂への再重合をもたらす結果となり、環状モノマーを回収することはできない。シリコーンのための最も一般的な出発物質の1つである環状モノマーの形成は、非常に大きな有益性であり、新しい材料への完全なリサイクルが可能となる。環状モノマーは、分離のために、さらにはさらなる制御を得るために、蒸留されてもよい。このプロセスは、多くのポリマー、廃棄物、及びリサイクルの産業に適用される広範な適用性をもたらすその簡便な設備に起因して、現在は最終的には埋め立て処理となってしまうシリコーン樹脂のリサイクルにおいて極めて有用である。このプロセスでは、再使用の機会を可能とすることによって、高価なシリコーンの埋め立て処理を回避することができる。
方法は、シリコーンポリマーをリサイクルしてその環状出発物質に戻し、それによってそれらを再度再重合することができるという、工業的に有利で経済的な方法である。方法は、室温でシリコーンを解重合することができると共に、プロセスで用いられる溶媒をリサイクルすることができる。フッ化物が、優先的にシリコーンと相互作用を起こし、シリコーンの転位を引き起こす。クエンチングは、プロセスが継続すること又はポリマーに戻ることを停止し、環状モノマーを、所望される重合法による今後の使用のために固定する。
方法は、混合系をリサイクルするために用いることができる。例えば、方法は、シリコーン部分と第二の材料部分とを含有する家庭用品をリサイクルするために用いることができる。シリコーン部分は、品物又はシリコーン部分を溶媒中に浸漬すること、フッ化物を溶媒中に組み込むこと、少なくとも約30分間にわたって解重合反応を進行させること、及び続いて上述したように反応をクエンチし、溶解した環状モノマーを含有する溶媒から第二の材料部分を分離すること、によって第二の材料部分から簡便に溶解させることができる。有利には、これによってシリコーンのリサイクルが可能となる。
方法は、ポリシロキサンのリサイクルのためにこれまでに開発されてきた技術と比較して、多くの利点を提供する。ほとんどの他の技術は、準化学量論量の酸、塩基、又はルイス酸触媒の存在下で、シリコーンを分解するために高い熱(例:>200℃)を適用して、シラノール系生成物の混合物を得るものであり、これは、制御された再重合が困難であり得る。これらの方法は、環状の副生物をもたらす結果となるが、熱が必要であること及び活性化がゆっくりであることのために、本開示と比較して、商業的な適用性が制限される。他の公知の方法は、一般的なシロキサン重合法を用いることができるように反応のクエンチングによって環状モノマーを単離するものではない。本明細書で述べる方法は、室温で行うことができること、少量の触媒しか必要ではないこと、制御された再重合が可能である環状シリコーン出発物質が得られること、及び大スケールでの適用が可能である方法を用いること、という点において、著しい利点を有する。
本発明で述べる方法は、唯一の犠牲試薬をCaClなどの安価なクエンチング塩(クエンチング工程に塩が用いられる場合)及び少量のフッ化物触媒とし、シリコーンコンポーネントのリサイクルを、さらにはプロセスで用いられる溶媒のリサイクルを可能とすることによって、経済的なスケールでシリコーンリサイクルを適用可能であるという問題を解決するものである。方法は、穏和な条件の使用及び溶媒のリサイクルが可能であることのため、大スケールの工業的処理に適している。
方法はまた、1又は複数のキットの形態でも実施可能である。そのようなキットの限定されない例は、別々の容器中の溶媒とフッ化物源とを含むキットであり、容器は、結合された構成で存在してもよく、又はそうでなくてもよい。多くの他のキットが可能であり、クエンチング塩又は再重合触媒をさらに含むキットなどである。キットは、キットの構成要素を用いて主題の方法を実践するための説明書をさらに含んでもよい。主題の方法を実践するための説明書は、一般に、適切な記録媒体上に記録される。例えば、説明書は、パッケージインサートとしてキット中に、又はキットの容器若しくはその構成要素のラベルに存在してもよい。他の実施形態では、説明書は、フラッシュドライブなどの適切なコンピュータ可読記憶媒体上に存在する電子記憶データファイルとして存在する。他の実施形態では、実際の説明書はキット中に存在せず、インターネットを介するなどのリモート源から説明書を入手するための手段が提供される。この実施形態の例は、説明書を閲覧することができる及び/又は説明書をダウンロードすることができるウェブアドレスを含むキットである。説明書の場合と同様に、説明書を入手するための手段は、適切な基材上に記録される。

これらの例では、特定の高膨潤有機溶媒中、低触媒量のフッ化物の存在下で、シリコーン系ポリマー及び樹脂を解重合するための効率的な室温での技術(スキーム1、図1)が実証される。このプロセスは、ほとんど環状体のみの形成をもたらし、その環状体は、その後再重合して新しい材料を作製することができる。生成物は、GCMS及び29Si NMRによって確認されるように、環状シロキサン単位(D、D、D)を主として含有する。ほとんどいかなるシリコーン樹脂も、これらの方法によって非常に迅速に解重合することができる。シリコーンリッチな系では、最良の変換及び最も多い量の識別可能な環状体が得られる結果となるが、複雑な樹脂の場合、識別可能な環状体と共に複雑な生成物が得られる結果となった。ジメチルシロキサン、メチルフェニルシロキサン、及び市販樹脂ベースのシロキサンが、異なる溶媒、反応体、触媒濃度、及び反応時間で解重合する様子を評価した。サイクルを完成させるために、このプロセスの生成物を、酸、塩基、及びフッ化物触媒によって再重合して、シリコーンを再形成することも行った。
結果と考察
ポリフェニルメチルシロキサンを用いたシロキサン解重合をまず行ったが、なぜなら、フェニルの僅かな電子吸引性に起因して、この系でフッ化物がよく相互作用を起こしたとこれまでに判断されたからである。フェニルメチル系を確立した後、モデル化合物のデカメチルシクロペンタシロキサン(D)の転位に対するフッ化物の効果を評価した。次に、分子量の異なる一連の直鎖状ポリジメチルシロキサン(PDMS)を分析して、その生成物及び触媒転位の効率を特定した。これに続いて、様々な複雑さである一連の市販の架橋PDMS系樹脂で実験した。記載の系を、様々な溶媒中及び異なる触媒量で試験した。反応をGPCで追跡し、生成物を、GPC、GCMS、及び29Si NMRによって分析した。溶媒及び触媒を含む一般的な解重合に有利な条件を特定した。
ポリフェニルメチルシロキサン
シロキサン解重合の最初の試みは、ポリフェニルメチルシロキサン(PMPS、Mn約2700g/mol)で始めた。フェニルの僅かな電子吸引性が、フッ化物のシロキサン種との相互作用を高めることが見出された。合成法の概略をスキーム2に示す(図2)。フッ化物はこのポリマーと容易に反応することから、一連の実験は、解重合のための有用な条件(すなわち、溶媒、濃度、及び触媒(TBAF)量)を特定するように設定した。試験の系統的な試行及び条件を表1に示す。
最初の実験では、様々な溶媒及び溶媒なしの条件を、一定量のPMPS(100mg)、0.5mol%のTBAF、及び一定体積の溶媒を用いて、すべて室温で調べた(表1、エントリー1~10)。これらの反応はすべて、約1gのCaClでクエンチして、フッ化物を除去した(24時間の反応後の4時間)。ほとんどの溶媒系は、24時間後にはほとんど反応を示さなかったが、但し、DCM及び2-メチルTHFでは僅かに解重合し、THF中では広く完全に解重合した。これは、試験した他の溶媒と比較してTHFの膨潤及び可溶化の能力が高いことに起因する可能性が最も高い。THF中での反応は、DPh 及びDPh へのほぼ定量的な解重合を示した。生成物は、図3A~図3B、図14~図17にそれぞれ示されるように、GCMS、GPC、及び29Si NMRを用いて識別した。THFが有利な溶媒であることを確立した後、溶媒体積の実験を行って、溶媒の量が解重合に対して著しい影響を与えるかどうかを特定した(表1、エントリー11~17)。2~15mLの溶媒体積は、GPCによる同様の変換率及び解重合効率で(図16)、反応の全体的な結果に対してほとんど影響を与えないことが見出された。最後に、有効な解重合を引き起こすのに必要とされるTBAFの量を特定した(表1、エントリー18~23)。TBAFの量を増加させたことは、24時間にわたる解重合の生成物分布をほとんど変化させなかったが、フッ化物イオン量の増加は、必要とされる時間量を僅かに短縮したことが見出された。この実験から、THF及び0.5mol%のTBAFが、PMPSの解重合を引き起こして環状モノマーとするのに適切であること、及び溶媒体積は、存在する限りにおいて、ほとんど影響を与えないことが特定された。これはすべて、図17に示されるGPCによる変換率によって非常に明確に示される。
ポリジメチルシロキサンの実験
PMPS系に対して良好に有効であった一式の条件が確立されたところで、それらが、ポリジメチルシロキサンを含む他のシロキサンポリマーに対しても有効であるかどうかを評価した(スキーム1、図1)。2つの直鎖状シリコーン流体(Mn約500Da及びMn約6000Da)及び1つの環状体(D)を、上記で特定した条件に適用した。各系は、10mLのTHF、0.5mol%のTBAF、及び100mgの出発シロキサンを用いて、非常に明確な解重合及び/又は転位(D)を示した(表2)。重要な工程は、平衡プロセスを停止してフッ化物を除去するための続いてのクエンチングである。クエンチングにはCaClを用いた。
に対する29Si NMR及び続いての転位反応は、それぞれ、図12、図19、図20、及び図4に示される。Dの、DとDとDとの混合物への明確な変換が観察され、生成物は主にD及びDである(表2)。29Si NMRにより、Dの転位から形成された生成物の比は、27%(D)、12%(D)、及び61%である。Dの反応のGCMSを図12Dに示し、これは図11Dの出発Dと比較することができる。GCMSにより、D生成物が最も顕著であり、このセットの混合生成物に対して妥当なフラグメントパターンを示している。Dのスクランブル(scrambling)は、ジメチル系に対して最初に予測していたよりも非常に純粋な生成物をもたらした。
500Da及び6000Daである2つの直鎖状PDMS(ビニル末端)系の解重合反応は、Dに非常に類似の結果を示し、形成された生成物が、ジメチルシロキシ出発物質全体にわたって非常に一定であることを示している(表2)。しかし、環状生成物の比には、僅かな変動が観察される。これは、シルセスキオキサンの平衡化学での観察結果と同様に、平衡時間の僅かな相違に起因する可能性がある。6000DaのPDMSの解重合に対するGCMS及び29Si NMRスペクトルを、それぞれ図4B及び図5A~図5Bに示す。ここでのデータは、D転位のデータ(図12D)とほとんど同一に見えるが、生成物の比は、29Si NMR、(D)、67%(D)、28%(D)、及び6%(D)、で裏付けられるように、より小さい環サイズのものが有利である傾向にある。29Si NMRでは、生成物比は非常に明確であるが、GCMSによるクロマトグラムは、環構造の著しい分解及びカラムブリード物質(column blead materials)との混合に起因して、特により小さい環の場合に、これらの誘導体のほとんどに対して非常に複雑である(図20A)。この複雑さによって、生成物の比を特定するためのGCピークの積分の使用が制限された。GPC及び500DaのPDMSのデータを、図19B及び図20Cに示す。GPCにより、約31~34.5分のブロードピークの消滅及び35.3分の環状体ピークの成長が観察されることから、解重合は非常に明確である。ビニル末端は小さい成分であり、生成物混合物中に識別できないことには留意されたい。
200mLのTHF、0.5mol%のTBAF、及び2gの出発シロキサンを用いた、6000Daのビニル末端PDMSの環状体への変換反応の進行を、変換が完了又はほぼ完了する時間である反応の最初の180分間にわたってGPC(図6)で追跡した(500DaのPDMS及びPMPSの解重合については、図18を参照)。反応の最初の10分間以内であっても、実質的な解重合を観察可能である。180分後では、GPCによってポリマーを観察することができない。各時間点は、CaClを用いたクエンチングを開始してプロセスを停止した時点で記録し、サンプルは、1時間クエンチングを行い、その後濾過した後に流した。クエンチングが成されていないと、GPCに流すのに要する時間が、著しいさらなる解重合をもたらす可能性があることから、このことは重要である。
市販シロキサンポリマー系
ベースPDMSポリマーの解重合が大きな成功であったことを考慮し、市販シロキサン系の解重合の評価を行った。Sylgard 184、Ecoflex 00-30、Smooth-Sil 950、Dragon Skin 10 FAST、及びAceブランドの100%シリコーンコーキング剤を分析した(表3、エントリー4~9)。これらのほんどの正確な成分比は、非公開であり、これらの例のいずれもTHFに溶解しないことから、解重合が非常に有効であるかどうかは明確ではなかった。これらの樹脂の各々に対するSDSに基づいた推定成分を表4に示す。これらの材料のほとんどは、ジメチルシロキシ成分以外に様々な架橋剤を含有しており、製品識別を困難としている。これらの複雑性及び不溶性にもかかわらず、THFは、これらの材料のすべてを非常に容易に膨潤することができ、溶媒及びフッ化物イオンを材料の構造中(100mgのサンプル)に少なくとも途中まで浸透させることが見出された。これらの材料では、目視検査から、固体が溶液中に消滅し、上記最適条件を用いた数時間にわたる撹拌あり及びなしでの解重合が示される。市販系の最良の結果は、Elastosil 3003-40ABからであり、これは、硬化反応性末端基を有するジメチルシロキシポリマーから主として構成されている(図7、表2、エントリー9)。この解重合は、上記で実験したベースシロキサンの場合と非常に類似した結果を示す。
環状体への明確な解重合は、Dragon Skin 10 FAST及びAceブランド100%シリコーンでも観察され、29Si NMR及びGCMSによって明確に裏付けられる(図25、図26、及び表3)。Dragon Skin 10 FASTでは、Elastosilにおいて有利であるD系に対して、D及びDの形成が強く有利であった。このことは、より複雑な構造的再組織化が起こっていることを示し、これらの有利な小環では、ジメチルシロキシ単位の伸長範囲がより短く成り得る。これらの種類の材料は、いくつかの架橋剤、安定剤、充填剤、耐衝撃性改良剤、及び顔料の組み合わせを含有することが多いことから、さらなる複雑性を伴う。この複雑性に起因して、環状体は、識別が不可能であること、又は広く様々な成分から成ることが予測されるが、ほとんどの場合、所望される環状体の熱力学的安定性及び有利性が、良好に作用する。この複雑性は、表3のエントリー4、5、及び6において、著しい障害を確かに追加する。これらの市販樹脂の各々は、広範な架橋及び改質剤から成るより複雑なシロキサン構造を有する。これは、著しい埋め込まれたビニル基及びH-Si基を含有するSilgard 184で特に当てはまる。このことは、明確な環状生成物の形成を困難としている。しかし、GCMSにより、生成物は、29Si NMRによって観察できない場合であっても、明らかに環状化合物形成の証拠を示している(図22A、図23A、図24A、図25A、図26A、及び図27A)。そうであっても、固体は、迅速に解重合して小フラグメントとなり(環状体及び他のより複雑な誘導体を含む)、再重合して新しい樹脂とすることができる。
ポリジメチルシロキサンの解重合生成物の再重合
所望される材料サイクルを完成するために、解重合法から得られた環状体を再重合可能であるかどうかについて評価した。これらの反応の生成物は、分留して所望されるように各環サイズを単離してよく、又は混合物として直接再重合してもよい。解重合材料を3つの異なる方法で簡便に再重合可能であることが実証された。ポリジメチルシロキサン実験の6000DaのPDMS解重合から得られた生成物を、塩基触媒重合の場合はn-BuLiで(図28のフェニルメチル環状体の再重合も参照)、酸触媒重合の場合はトリフルオロメタンスルホン酸で処理し、フッ化物触媒による樹脂形成の場合は触媒を除去することなく再形成を行った。n-BuLi及びトリフルオロメタンスルホン酸から得られたポリマーを、GPCによって特性評価し(図8)、粗反応物からのMw値は出発シロキサンよりも低いものの、重合は明らかである。これは、サイクルを完成させることが可能であり、環状解重合生成物からポリマーを再形成することができることを示したものである。
樹脂のフッ化物触媒による形成についても調べた。フッ化物は、反応混合物中に既に存在することから、予め形成された市販品から材料を直接作製することができる。Elastosil 3003の非撹拌標準状態の解重合物を、フッ化物の存在下で単に乾固させた(図9)。フッ化物がCaClによるクエンチングを受けていないことから、混合物の濃縮は、フッ化物を重合触媒として作用させ、直接新しい樹脂が得られる結果となった。この樹脂は、元の出発Elastosilよりも非常に硬い(ほとんどガラス状)。これは、様々なシロキサンを直接解重合し、そのまま再適用することが考えられる別の方法を提供する。
機構
解重合の機構は、シルセスキオキサンケージのスクランブルの機構に類似している。合成プロセスの簡略化した概要を図10に示す。シルセスキオキサンのスクランブルでは、例えば、フッ化物は、反応中に水又は構造内に存在する他の酸素によるさらなる攻撃のためにケイ素を活性化する目的で、ケージに直接結合する必要がある。この場合、理論に束縛されるものではないが、このプロセスが同じように開始し、及びフッ化物が、鎖末端又は鎖中間で開始させ、続いてバックバイティングによって環状体を形成する又はより小さいフラグメントに分解した後に再集合するものと考えられる。シルセスキオキサンの転位の機構では、完全な構造的分解に対する明確な証拠はなく、その代わりに、単に数個の小フラグメントが構造間で「交換」しているに違いない。このことは、Dのスクランブルが複数の環サイズの混合物となる原因であり、フッ化物触媒によるPDMSの解重合においても当てはまり得る。溶媒の除去時にさらなるスクランブル又は重合を起こすことなく最終構造に到達するために、反応は、すべての残留フッ化物イオンが捕捉され、効果的に解重合プロセスが停止されるように、クエンチされる。
結論
多くの市販シロキサン及びその樹脂対応物を4、5、及び6員環の環状出発物質に解重合し、続いてリサイクルすることを可能とする簡便で効率的な室温プロセスを記載してきた。このプロセスは、THF及びフッ化物イオンを用いると最も効率的であり、それは、この溶媒の高い膨潤性及びフッ化物を用いることによるSi-O結合の触媒認識性に起因する。この方法は、非常に効率的であり、120分以内に室温で完全な解重合が行われる。この方法は、一連の市販架橋樹脂の解重合にも用いることができる。得られた環状体は、続いて、酸触媒及び塩基触媒を用いて良好に再重合して、ポリマーシロキサンを再形成し、さらにはフッ化物触媒によって樹脂を形成した。シルセスキオキサンの化学から誘導される機構を提案した。この工業的に実行可能なプロセスは、多くの消費者向け製品及び産業において使用されるシリコーン樹脂のリサイクルを可能とし、再生を通して製品寿命後のより良好な結果を可能とするものである。
実験
全般
すべての材料は、信頼できる化学企業から購入し、さらなる精製工程を経ずに使用した。テトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)のSure Seal中1M THF溶液は、Acros Organicsから購入し、ポリジメチルシロキサン(D、500Da、及び6000Da)、及びポリメチルフェニルシロキサンは、それぞれGelest及びAlfa Aesarから受け取った。Smooth-On Inc.からのEcoflex 00-30、Smooth-Sil 950、及びDragon Skin 10 FAST、Ace Hardwareからの100%シリコーンコーキング剤を含むシリコーン樹脂は、市販業者から入手し、硬化シリコーンゴムシート(厚さ0.2)は、Wacker Chemical Co.から入手した(Elastosil 3000-40AB)。
生成物は、GC-MSによって識別し、ガスクロマトグラフィーによって定量分析した。GC-MS測定は、Shimadzu GC-2010ガスクロマトグラフ(30m ZB-5msカラム、60~350℃)を、Shimadzu GCMA-QP 2010 Plus質量分析器と連結して行った。マトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)測定は、Bruker Daltronics Omniflex上、ジスラノール(DIT)を較正用マトリックスとして使用して得た。反応体のシリコーン及び生成物を、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)を用いて比較した。分析用GPC測定は、Shimadzu CTO-10A VP及びStyrogelカラム(7.8×300mm HR 0.5)上、THF中30℃で行った。H、13C{H}、及び29Si{H}NMRスペクトルは、Bruker Avance 300分光計(H:300MHz;13C:75.468MHz;29Si:59.6MHz)上、重水素化溶媒のプロトンシグナルを標準として用いて記録した。
ポリシロキサンの解重合のための一般手順
ポリシロキサンポリマー(100mg)、10mLのテトラヒドロフラン(THF)溶媒、及びテトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)(0.5mol%、ポリマーサイズに基づいて)を、密閉フラスコに投入した。フラスコを閉じて溶媒の蒸発を防止した。混合物を室温で24時間撹拌し、1gのCaClで2時間にわたってクエンチし、濾過し、溶媒を減圧除去した。生成物を、GPC、GCMS又はMALDI、及び29Si{H}NMRによって分析した。生成物の収量及び品質は、NMR分光分析によって特定した。生成物は、互いから単離しなかったが、蒸留は可能である。生成物の収量及び品質は、29Si NMR分光分析のピーク強度及び重量による生成物の絶対収量によって特定した。厳密な条件については、表を参照されたい。
解重合ポリジメチルシロキサン生成物の再重合
nBuLiの使用
この実験では、出発PDMS 6000材料から得た3つの環状生成物に対して(67%のD、28%のD、及び5%のDの生成物を解重合後に得た)、パーセントで平均した分子量324.58g/molを用いた。モルパーセントで0.5%のnBuLiを、乾燥THF溶媒と共に100mgのポリジメチルシロキサン(6000Da)生成物に対して用い、アルゴン条件下、室温で24時間にわたって反応させた。クロロトリメチルシラン(TMSCl)を、nBuLiと同じモルパーセントでクエンチャーとして用いた。最終ポリマーをGPCで分析し、Mw=3480Da、PDI 1.2であった。
トリフルオロメタンスルホン酸の使用
出発PDMS 6000材料から得た3つの環状生成物に対して(67%のD、28%のD、及び5%のDの生成物を解重合後に得た)、パーセントで平均した分子量324.58g/molを用いた。モルパーセントで0.5%のトリフルオロメタンスルホン酸を、乾燥THF溶媒と共に100mgのポリジメチルシロキサン(6000Da)生成物に対して用い、アルゴン条件下、室温で24時間にわたって反応させた。クロロトリメチルシラン(TMSCl)を、トリフルオロメタンスルホン酸開始剤と同じモルパーセントでクエンチャーとして用いた。最終ポリマーをGPCで分析し、Mw=3480Da、PDI 1.2であった。
本明細書で開示する方法のある特定の実施形態が、上記の例で明確にされる。これらの例は、本発明の特定の実施形態を示す一方で、単なる実例として与えられるものであることは理解されるべきである。上記の考察及びこれらの例から、当業者であれば、本開示の本質的な特徴を確認することができ、並びに本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本明細書で述べる方法を様々な使用及び条件に適合させるための様々な変更及び改変を行うことができる。様々な変更が行われてよく、本開示の本質的な範囲から逸脱することなく、本開示の要素に対して均等物が置き換えられてもよい。加えて、特定の状況又は材料を、本開示の本質的な範囲から逸脱することなく、本開示の教示内容に適合させるために、多くの改変が行われてもよい。

Claims (44)

  1. シロキサンポリマーを解重合する方法であって、
    前記シロキサンポリマーを溶媒中に浸漬すること、
    フッ化物源を前記溶媒中に組み込むこと、
    前記フッ化物と前記シロキサンポリマーとを反応させ、前記シロキサンポリマーの環状モノマーへの転位を引き起こすこと、及び
    前記環状モノマーの再重合を防止するために前記反応をクエンチすること、
    を含む、方法。
  2. 前記フッ化物源が、イオン液体を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記フッ化物源が、テトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)、フッ化水素、フッ化アンモニウム、ハイドロジェンジアルキルアンモニウムフルオリド(NRF)、ハイドロジェントリフルオリドアンモニウム(NR(3HF))、アルカリ金属塩(例:LiF、NaF、KF)、アルカリ土類金属塩(例:CaF、MgF)、アルキルハイドロジェンフルオリド、ハイドロジェンジアルキルアンモニウムフルオリド、1-フルオロ-4-クロロメチル-1,4-ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンビス(テトラフルオロボレート)(商品名Accufluor(登録商標))、N,N’-ジフルオロ-2,2’-ビピリジニウムビス(テトラフルオロボレート)、ジエチルアミノ硫黄トリフルオリド(DAST)、RN-CF-R、式中、Rは、水素又はアルキルであり、R及びRは、各々アルキル又はアリールから選択される(商品名Fluorinox(登録商標))、1-フルオロ-4-クロロメチル-1,4-ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンビス(テトラフルオロボレート)(商品名Selectfluor(登録商標))、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記クエンチングが、前記溶媒に塩を添加し、少なくとも約30分間撹拌することを含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記塩が、塩化物塩である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記塩が、CaCl、AgCl、NaCl、KCl、クロロトリメチルシラン(TMSCl)、又はこれらの組み合わせを含む、請求項4に記載の方法。
  7. 前記塩が、ヨウ化物、クロム酸塩、臭化物、硫化物、炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩、水酸化物、又はこれらの組み合わせを含む、請求項4に記載の方法。
  8. 前記塩が、クロロトリメチルシラン(TMSCl)を含む、請求項4に記載の方法。
  9. 前記クエンチングが、水を前記溶媒に添加して2つの相を形成させることを含む水性洗浄を含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記クエンチングが、残留フッ化物イオンを捕捉し、前記解重合を停止することを含む、請求項1に記載の方法。
  11. 前記溶媒が、室温で網目侵入液体であり、中間極性を有する、請求項1に記載の方法。
  12. 前記溶媒が、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロメタン(DCM)、クロロホルム、アセトン、2-メチルテトラヒドロフラン、又はトルエンを含む、請求項1に記載の方法。
  13. 前記反応が、室温で行われる、請求項1に記載の方法。
  14. 前記反応が、水の凝固点付近から前記溶媒の沸点付近までの範囲内の温度で行われる、請求項1に記載の方法。
  15. 前記溶媒が、テトラヒドロフラン(THF)を含み、前記反応が、約0℃乃至約66℃の範囲内の温度で行われる、請求項14に記載の方法。
  16. 前記溶媒が、ジクロロメタン(DCM)を含み、前記反応が、約0℃乃至約40℃の範囲内の温度で行われる、請求項14に記載の方法。
  17. 前記溶媒が、2-メチルテトラヒドロフランを含み、前記反応が、約0℃乃至約80℃の範囲内の温度で行われる、請求項14に記載の方法。
  18. 前記溶媒が、アセトンを含み、前記反応が、約0℃乃至約56℃の範囲内の温度で行われる、請求項14に記載の方法。
  19. 前記溶媒が、トルエンを含み、前記反応が、約0℃乃至約110℃の範囲内の温度で行われる、請求項14に記載の方法。
  20. 前記フッ化物源が、前記シロキサンポリマーを前記溶媒中に浸漬する前に、前記溶媒中に組み込まれる、請求項1に記載の方法。
  21. 前記フッ化物源が、前記シロキサンポリマーを前記溶媒中に浸漬した後に、前記溶媒中に組み込まれる、請求項1に記載の方法。
  22. 前記シロキサンポリマーが、式Iを有し、
    式中、各Rは、独立して、H又は何らかの有機基である、請求項1に記載の方法。
  23. 前記シロキサンポリマーが、メチル末端、ヒドロキシド末端、ビニル末端、又はヒドリド末端であるシルコキシ基を含む直鎖状シロキサンポリマーである、請求項1に記載の方法。
  24. 前記シロキサンポリマーが、R(CH)SiO[(CHSiO][(R)(R)SiO]Si(CHR(式中、R、R、及びRは、同一であっても又は異なっていてもよい)の構造を有する直鎖状シロキサンポリマーである、請求項1に記載の方法。
  25. 前記シロキサンポリマーが、以下のD単位のうちの1つを有する直鎖状シロキサンポリマーであり、
    式中、Rは、C2乃至C14アルキルである、請求項1に記載の方法。
  26. 前記環状モノマーが、式II、式III、又は式IVのうちの1つを有し、
    式中、各Rは、独立して、H又は何らかの有機基である、請求項1に記載の方法。
  27. 前記シロキサンポリマーが、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、フェニルメチルシロキサン(PMPS)、又はポリジフェニルシロキサンを含む、請求項1に記載の方法。
  28. 前記環状モノマーが、
    、D、D、DPh 、又はDPh を含む、請求項1に記載の方法。
  29. 前記反応を、前記クエンチング前に、少なくとも約20分間にわたって進行させる、請求項1に記載の方法。
  30. 前記反応を、前記クエンチング前に、少なくとも約45分間にわたって進行させる、請求項1に記載の方法。
  31. 前記環状モノマーを再重合することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  32. 前記再重合が、カチオン性重合又はアニオン性重合を含む、請求項31に記載の方法。
  33. 前記アニオン性重合が、ルイス塩基を含む、請求項32に記載の方法。
  34. 前記カチオン性重合が、強プロトン酸又はルイス酸を用いて実施される、請求項32に記載の方法。
  35. 前記再重合が、n-BuLi開始重合又はトリフルオロメタンスルホン酸重合を含む、請求項31に記載の方法。
  36. 前記フッ化物源が、約2mol%までの量で前記溶媒中に組み込まれる、請求項1に記載の方法。
  37. 前記フッ化物源が、約0.5mol%の量で前記溶媒中に組み込まれる、請求項1に記載の方法。
  38. シリコーン及び第二の物質を含む材料をリサイクルする方法であって、
    前記シリコーンを溶媒中に浸漬すること、
    フッ化物源を前記溶媒中に組み込むこと、
    前記フッ化物と前記シリコーンとを反応させ、シロキサンポリマーの環状モノマーへの転位を引き起こし、それによって、前記第二の物質から前記シリコーンを溶解させること、
    前記環状モノマーの再重合を防止するために前記反応をクエンチすること、及び
    前記環状モノマーを含有する前記溶媒から前記第二の物質を分離すること、
    を含む、方法。
  39. 前記反応が、室温で行われる、請求項38に記載の方法。
  40. 前記第二の物質が、第二のポリマーを含む、請求項38に記載の方法。
  41. 前記材料が、前記溶媒中に浸漬される、請求項38に記載の方法。
  42. ポリシロキサンをリサイクルするためのキットであって、
    溶媒を収容している第一の容器、及び
    フッ化物源を収容している第二の容器、
    を含む、キット。
  43. クエンチング塩をさらに含む、請求項42に記載のキット。
  44. 再重合触媒をさらに含む、請求項42に記載のキット。
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