JP2024504944A - 保存安定なケージドハプテン - Google Patents

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ユリ ベロスルドツェフ,
ブライアン ディー. ケリー,
ネイサン ダブリュ. ポーラスク,
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ヴェンタナ メディカル システムズ, インク.
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Abstract

試料中の互いに近接して位置する標的の検出を容易にするのに有用なケージドハプテンおよびケージドハプテン-抗体コンジュゲートが本明細書において開示される。【選択図】図1

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2021年1月15日に出願された米国仮特許出願第63/137,805号の出願日の恩典を主張し、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
発明の分野
開示される実施形態は、試料中の近くに位置する標的を含む、試料中の標的を検出することに関する。開示される実施形態はまた、ケージドハプテンまたはケージドハプテンコンジュゲートを使用して、ホルマリン固定パラフィン包埋組織中のタンパク質二量体を検出するための近接アッセイを提供する。
産業上の利用可能性の記載
本開示は、化学および診断の分野において産業上の利用可能性を有する。
本開示の背景
免疫組織化学(IHC)は、特定の抗原に対して特異的な抗体を使用して、生物学的試料中のタンパク質などの抗原を検出し、局在化し、および/または定量化する方法を指す。IHCは、特定のタンパク質が組織試料内のどこに位置するかを正確に特定するという多大な利点を提供する。IHCは、組織自体を調べるための効果的な方法でもある。インサイチュハイブリダイゼーション(ISH)は、核酸を検出し、局在化し、および定量化する方法を指す。IHCとISHはいずれも、組織(例えば、新鮮凍結、ホルマリン固定、パラフィン包埋された)および細胞学的試料などの様々な生物学的試料に対して実施され得る。標的の認識は、標的が核酸であるか抗原であるかに関わらず、様々な標識(例えば、発色性、蛍光性、発光性、放射性)を使用して検出され得る。診断目的で存在量の少ない細胞マーカーを確実に検出する能力がますます重要になるにつれて、臨床現場で標的を確実に検出し、局在化し、定量化するために、認識イベントの増幅が望まれている。例えば、単一の抗原検出イベントに応答してマーカーの部位に数百または数千の標識分子を沈着させると、増幅を通じて、その認識イベントを検出する能力が増強される。
タンパク質-タンパク質相互作用のネットワークは、生物系の顕著な特徴である。タンパク質-タンパク質間相互作用は、正常細胞および癌性細胞における細胞機能の全ての態様を調節するシグナル経路を形成する。細胞外増殖因子活性化後の一過性の受容体チロシンキナーゼ二量体化および複合体形成などのタンパク質-タンパク質相互作用を検出するための方法が開発されているが、これらの方法は、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織に対して使用されるように特に設計されていない。
癌生物学における重要な決定因子であることが知られているバイオマーカーについて特異的な分子間相互作用の存在および分布を調べる能力は、新しい診断能力の文脈において、および医薬開発の文脈において治療効果を決定するために非常に興味深い。凍結およびパラフィン包埋された組織上での分子の相互作用の分布を探索し、記録する能力には、なお到達することができず、この問題にアプローチするための代替技術が提案されているが、解決策は実際の使用下で有効かつ信頼性があることが証明されていない。
近接ライゲーションアッセイが、Olink ABによって開発された。これは、ホルマリン固定パラフィン包埋組織上でのタンパク質-タンパク質相互作用をインサイチュ検出するための唯一の公知の市販製品である。近接ライゲーションアッセイ技術は、パドロック環状DNA鋳型を生成するためのDNAリガーゼの他、ローリングサークル増幅のためのPhi29 DNAポリメラーゼを使用する。これらの酵素は高価である。さらに、これらの酵素は、自動化されたシステムおよび方法との使用には適していない。これらの理由から、近接ライゲーションアッセイは、商業的用途に一般的に有用であるとは考えられていない。
本開示の簡単な概要
本開示の第1の態様は、式(IA)および(IB):
-R-O-[DIG]-[ホスホリル](IA)
-R-O-[DIG]-PO(IB)
(式中、
は、結合であるか、または1~30個の炭素原子を有し、O、NもしくはSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む、分岐もしくは非分岐の、置換されたもしくは置換されていない、飽和もしくは不飽和脂肪族基を含む基であり、
は、Hまたは反応性官能基であり、
[DIG]は、ジゴキシゲニンであり、
[ホスホリル]は、式:
Figure 2024504944000002
(Qは、OまたはSであり、
は、H、-CHまたは-CHCHである)
によって表され、
前記基[ホスホリル]または前記基-POは、[DIG]の任意の位置に結合され得る)
の任意の1つを有する、ケージドハプテンである。
いくつかの実施形態において、QはSである。
いくつかの実施形態において、QはOであり、少なくとも1つのQはHである。いくつかの実施形態において、Rは、アミン反応性基、チオール反応性基およびカルボニル反応性基から選択される。いくつかの実施形態において、Rは、ジベンゾシクロオクチン、トランス-シクロオクテン、アルキン、アルケン、アジド、テトラジン、マレイミド、N-ヒドロキシスクシンイミド、チオール、1,3-ニトロン、アルデヒド、ケトン、ヒドラジン、ヒドロキシルアミンおよびアミノ基からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、両方のQ基がHである。いくつかの実施形態において、Rは、アミン反応性基、チオール反応性基およびカルボニル反応性基から選択される。いくつかの実施形態において、Rは、ジベンゾシクロオクチン、トランス-シクロオクテン、アルキン、アルケン、アジド、テトラジン、マレイミド、N-ヒドロキシスクシンイミド、チオール、1,3-ニトロン、アルデヒド、ケトン、ヒドラジン、ヒドロキシルアミンおよびアミノ基からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、Rは、式(IIIA):
Figure 2024504944000003
(式中、
は、結合、-O-、-S-、-C(R)(R)、または-N(R)-であり、
およびRは、それぞれ独立して、H、C~Cアルキル基、F、Clまたは-N(R)(R)であり、
およびRは、それぞれ独立して、Hまたは-CHから選択され、
およびR10は、それぞれ独立して、結合であるか、またはカルボニル、アミド、イミド、エステル、エーテル、アミン、チオン、チオールから選択される基であり、
各Zは、独立して、結合、-CH-、-CHCH-、または-CHCHCH-であり、
tおよびuは、それぞれ独立して、0、1または2であり、但し、t+uは、少なくとも1であり、
vは、1~8の範囲の整数である)
に示される構造を有する。
いくつかの実施形態において、RまたはRの少なくとも1つは、Hである。いくつかの実施形態において、Rは、Oである。いくつかの実施形態において、Rは、結合である。いくつかの実施形態において、RまたはRの少なくとも1つは、Hである。いくつかの実施形態において、RおよびRの両方がHである。いくつかの実施形態において、Zは、結合または-CH-である。
いくつかの実施形態において、Rは、式(IIIC):
Figure 2024504944000004
(式中、
およびRは、それぞれ独立して、H、C~Cアルキル基、F、Clまたは-N(R)(R)であり、
およびRは、それぞれ独立して、Hまたは-CHから選択され、
およびR10は、それぞれ独立して、結合であるか、またはカルボニル、アミド、イミド、エステル、エーテル、アミン、チオン、チオールから選択される基であり、
各Zは、独立して、結合、-CH-、-CHCH-、または-CHCHCH-であり、
uおよびtは、それぞれ独立して、0、1または2であり、但し、u+tは、少なくとも1であり、
vは、1~8の範囲の整数である)
に示される構造を有する。
いくつかの実施形態において、RまたはRの少なくとも1つは、Hである。いくつかの実施形態において、Zは、結合または-CH-である。いくつかの実施形態において、両方のQ基がHである。いくつかの実施形態において、Rは、アミン反応性基、チオール反応性基およびカルボニル反応性基から選択される。
いくつかの実施形態において、Rは、ジベンゾシクロオクチン、トランス-シクロオクテン、アルキン、アルケン、アジド、テトラジン、マレイミド、N-ヒドロキシスクシンイミド、チオール、1,3-ニトロン、アルデヒド、ケトン、ヒドラジン、ヒドロキシルアミン、アミノ基からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、QはOである。
本開示の第2の態様は、式(IIID):
Figure 2024504944000005
(式中、
は、結合であるか、または1~30個の炭素原子を有し、O、NもしくはSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む、分岐もしくは非分岐の、置換されたもしくは置換されていない、飽和もしくは不飽和脂肪族基を含む基であり、
は、Hまたは反応性官能基であり、
は、H、-CH、-CHCH、-OHまたは-O-Meであり、
は、H、-CH、または-CHCH、-OHまたは-O-Meであり、
は、Hであるか、または直鎖もしくは分岐の、または置換されたもしくは置換されていないC~Cアルキル基であり、
m、nおよびoは、それぞれ独立して、0または1~4の範囲の整数であり、
Yは、-CH-、-C(R)-、-N(H)-、-N(R)-、-O-、または-S-、または-C(O)-であり、Rは、C~C直鎖または分岐の、置換されたまたは置換されていないアルキル基である)
を有する、ケージドハプテンである。
いくつかの実施形態において、Rは、式(IIIC):
Figure 2024504944000006
(式中、
およびRは、それぞれ独立して、H、C~Cアルキル基、F、Clまたは-N(R)(R)であり、
およびRは、それぞれ独立して、Hまたは-CHから選択され、
およびR10は、それぞれ独立して、結合であるか、またはカルボニル、アミド、イミド、エステル、エーテル、アミン、チオン、チオールから選択される基であり、
各Zは、独立して、結合、-CH-、-CHCH-、または-CHCHCH-であり、
uおよびtは、それぞれ独立して、0、1または2であり、但し、u+tは、少なくとも1であり、
vは、1~8の範囲の整数である)
に示される構造を有する。
いくつかの実施形態において、RまたはRの少なくとも1つは、Hである。いくつかの実施形態において、Zは、結合または-CH-である。いくつかの実施形態において、Rは、アミン反応性基、チオール反応性基およびカルボニル反応性基から選択される。いくつかの実施形態において、Rは、ジベンゾシクロオクチン、トランス-シクロオクテン、アルキン、アルケン、アジド、テトラジン、マレイミド、N-ヒドロキシスクシンイミド、チオール、1,3-ニトロン、アルデヒド、ケトン、ヒドラジン、ヒドロキシルアミン、アミノ基からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、Rは、アミン反応性基、チオール反応性基およびカルボニル反応性基から選択される。いくつかの実施形態において、Rは、ジベンゾシクロオクチン、トランス-シクロオクテン、アルキン、アルケン、アジド、テトラジン、マレイミド、N-ヒドロキシスクシンイミド、チオール、1,3-ニトロン、アルデヒド、ケトン、ヒドラジン、ヒドロキシルアミン、アミノ基からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、Rは、式(IIIA):
Figure 2024504944000007
(式中、
は、結合、-O-、-S-、-C(R)(R)、または-N(R)-であり、
およびRは、それぞれ独立して、H、C~Cアルキル基、F、Clまたは-N(R)(R)であり、
およびRは、それぞれ独立して、Hまたは-CHから選択され、
およびR10は、それぞれ独立して、結合であるか、またはカルボニル、アミド、イミド、エステル、エーテル、アミン、チオン、チオールから選択される基であり、
各Zは、独立して、結合、-CH-、-CHCH-、または-CHCHCH-であり、
tおよびuは、それぞれ独立して、0、1または2であり、但し、t+uは、少なくとも1であり、
vは、1~8の範囲の整数である)
に示される構造を有する。
いくつかの実施形態において、RまたはRの少なくとも1つは、Hである。いくつかの実施形態において、Rは、Oである。いくつかの実施形態において、Rは、結合である。いくつかの実施形態において、RまたはRの少なくとも1つは、Hである。いくつかの実施形態において、RおよびRの両方がHである。いくつかの実施形態において、Zは、結合または-CH-である。いくつかの実施形態において、R、RまたはRの少なくとも1つは、-CHである。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つは、-CHである。いくつかの実施形態において、Rは、Hである。いくつかの実施形態において、Rは、Hである。いくつかの実施形態において、Yは、-C(O)-である。いくつかの実施形態において、RはHであり、Yは-C(O)-である。いくつかの実施形態において、Rは、式(IIIA):
Figure 2024504944000008
(式中、
は、結合、-O-、-S-、-C(R)(R)、または-N(R)-であり、
およびRは、それぞれ独立して、H、C~Cアルキル基、F、Clまたは-N(R)(R)であり、
およびRは、それぞれ独立して、Hまたは-CHから選択され、
およびR10は、それぞれ独立して、結合であるか、またはカルボニル、アミド、イミド、エステル、エーテル、アミン、チオン、チオールから選択される基であり、
各Zは、独立して、結合、-CH-、-CHCH-、または-CHCHCH-であり、
tおよびuは、それぞれ独立して、0、1または2であり、但し、t+uは、少なくとも1であり、
vは、1~8の範囲の整数である)
に示される構造を有する。
本開示の第3の態様は、(i)上記第1および第2の態様に記載されるケージドハプテンの任意の1つと、(ii)一次抗体とを含むコンジュゲートである。いくつかの実施形態において、ケージドハプテンは、一次抗体に間接的に結合されている。いくつかの実施形態において、一次抗体はインタクトな一次抗体である。
本開示の第4の態様は、(i)上記第1および第2の態様に記載されるケージドハプテンの任意の1つと、(ii)二次抗体とを含むコンジュゲートである。いくつかの実施形態において、ケージドハプテンは、二次抗体に間接的に結合されている。いくつかの実施形態において、二次抗体はインタクトな二次抗体である。
本開示の第5の態様は、式(IVA)および(IVB):
[特異的結合実体]-W-W-R-O-[DIG]-[ホスホリル](IVA)
[特異的結合実体]-W-W-R-O-[DIG]-PO(IVB)
(式中、
は、結合であるか、または1~10個の炭素原子を有し、O、NもしくはSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む、分岐もしくは非分岐の、置換されたもしくは置換されていない、飽和もしくは不飽和脂肪族基を含む基であり、
は、反応性官能基に由来し、
[DIG]は、ジゴキシゲニンであり、
[ホスホリル]は、式:
Figure 2024504944000009
(Qは、OまたはSであり、
は、H、-CHまたは-CHCHである)
によって表され、
[特異的結合実体]は、特異的結合実体であり、
前記基[ホスホリル]または前記基-POは、[DIG]の任意の位置に結合され得る)
の任意の1つを有する、コンジュゲートである。
いくつかの実施形態において、[特異的結合実体]は、抗体である。いくつかの実施形態において、[特異的結合実体]は、モノクローナル抗体である。いくつかの実施形態において、[特異的結合実体]は、一次抗体である。いくつかの実施形態において、[特異的結合実体]は、二次抗体である。
いくつかの実施形態において、コンジュゲートは、式(IVA)を有し、[特異的結合実体]は、モノクローナル抗体である。いくつかの実施形態において、コンジュゲートは、式(IVB)を有し、[特異的結合実体]は、モノクローナル抗体である。
いくつかの実施形態において、QはOであり、少なくとも1つのQはHである。いくつかの実施形態において、Wは、アミン反応性基、チオール反応性基およびカルボニル反応性基に由来する。いくつかの実施形態において、Wは、ジベンゾシクロオクチン、トランス-シクロオクテン、アルキン、アルケン、アジド、テトラジン、マレイミド、N-ヒドロキシスクシンイミド、チオール、1,3-ニトロン、アルデヒド、ケトン、ヒドラジン、ヒドロキシルアミンまたはアミノ基に由来する。いくつかの実施形態において、両方のQ基がHである。いくつかの実施形態において、Wは、アミン反応性基、チオール反応性基およびカルボニル反応性基に由来する。いくつかの実施形態において、Wは、ジベンゾシクロオクチン、トランス-シクロオクテン、アルキン、アルケン、アジド、テトラジン、マレイミド、N-ヒドロキシスクシンイミド、チオール、1,3-ニトロン、アルデヒド、ケトン、ヒドラジン、ヒドロキシルアミンまたはアミノ基に由来する。
いくつかの実施形態において、Rは、式(IIIA):
Figure 2024504944000010
(式中、
は、結合、-O-、-S-、-C(R)(R)、または-N(R)-であり、
およびRは、それぞれ独立して、H、C~Cアルキル基、F、Clまたは-N(R)(R)であり、
およびRは、それぞれ独立して、Hまたは-CHから選択され、
およびR10は、それぞれ独立して、結合であるか、またはカルボニル、アミド、イミド、エステル、エーテル、アミン、チオン、チオールから選択される基であり、
各Zは、独立して、結合、-CH-、-CHCH-、または-CHCHCH-であり、
tおよびuは、それぞれ独立して、0、1または2であり、但し、t+uは、少なくとも1であり、
vは、1~8の範囲の整数である)
に示される構造を有する。いくつかの実施形態において、vは1~4の範囲である。
いくつかの実施形態において、RおよびRbは、それぞれ独立して、H、C~Cアルキル基、F、Clまたは-N(R)(R)である。いくつかの実施形態において、RおよびRは、それぞれ独立して、HまたはC~Cアルキル基である。
いくつかの実施形態において、RまたはRの少なくとも1つは、Hである。いくつかの実施形態において、Rは、Oである。いくつかの実施形態において、Rは、結合である。いくつかの実施形態において、RまたはRの少なくとも1つは、Hである。いくつかの実施形態において、RおよびRの両方がHである。いくつかの実施形態において、Zは、結合または-CH-である。
いくつかの実施形態において、Rは、式(IIIC):
Figure 2024504944000011
(式中、
およびRは、それぞれ独立して、H、C~Cアルキル基、F、Clまたは-N(R)(R)であり、
およびRは、それぞれ独立して、Hまたは-CHから選択され、
およびR10は、それぞれ独立して、結合であるか、またはカルボニル、アミド、イミド、エステル、エーテル、アミン、チオン、チオールから選択される基であり、
各Zは、独立して、結合、-CH-、-CHCH-、または-CHCHCH-であり、
uおよびtは、それぞれ独立して、0、1または2であり、但し、u+tは、少なくとも1であり、
vは、1~8の範囲の整数である)
に示される構造を有する。いくつかの実施形態において、vは1~4の範囲である。
いくつかの実施形態において、RおよびRbは、それぞれ独立して、H、C~Cアルキル基、F、Clまたは-N(R)(R)である。いくつかの実施形態において、RおよびRは、それぞれ独立して、HまたはC~Cアルキル基である。
いくつかの実施形態において、RまたはRの少なくとも1つは、Hである。いくつかの実施形態において、Zは、結合または-CH-である。いくつかの実施形態において、両方のQ基がHである。いくつかの実施形態において、Wは、アミン反応性基、チオール反応性基およびカルボニル反応性基に由来する。いくつかの実施形態において、Wは、ジベンゾシクロオクチン、トランス-シクロオクテン、アルキン、アルケン、アジド、テトラジン、マレイミド、N-ヒドロキシスクシンイミド、チオール、1,3-ニトロン、アルデヒド、ケトン、ヒドラジン、ヒドロキシルアミンおよびアミノ基に由来する。いくつかの実施形態において、QはOである。
本開示の第6の態様は、第1の標的が第2の標的に近接しているかどうかを決定するために試料を分析する方法であって、前記試料を脱マスキング酵素-抗体コンジュゲートと接触させて、標的-脱マスキング酵素-抗体コンジュゲート複合体を形成すること、前記試料を本開示の第3、第4および第5の態様に関して上述されたケージドハプテン-抗体コンジュゲートの任意の1つと接触させて、標的-ケージドハプテン-抗体コンジュゲート複合体を形成すること、前記標的-ケージドハプテン-抗体コンジュゲート複合体の前記ケージドハプテンを脱マスク化して標的-脱マスク化ハプテン-抗体コンジュゲート複合体を形成すること、前記試料を第1の検出試薬と接触させて、前記第1の標的-脱マスク化ハプテン-抗体コンジュゲート複合体または前記第1の標的を標識すること、および前記標識された第1の標的-脱マスク化ハプテン-抗体コンジュゲート複合体または標識された第1の標的を検出すること、を含む、方法である。いくつかの実施形態において、ケージドハプテン-抗体コンジュゲートはモノクローナル抗体を含む。
いくつかの実施形態において、第1の検出試薬は、(i)前記標的-脱マスク化ハプテン-抗体複合体の前記脱マスク化ハプテンに対して特異的な二次抗体であって、前記二次抗体が前記標的-脱マスク化ハプテン-抗体複合体を第1の酵素で標識するように、前記第1の酵素にコンジュゲートされている、二次抗体と、(ii)前記第1の酵素に対する第1の基質とを含む。
いくつかの実施形態において、第1の基質は、発色基質または蛍光基質である。
いくつかの実施形態において、第1の検出試薬は、標的-脱マスク化ハプテン-抗体コンジュゲート複合体の脱マスク化酵素を複数の第1のレポーター部分で標識するための増幅成分を含む。
いくつかの実施形態において、複数の第1のレポーター部分はハプテンである。
いくつかの実施形態において、第1の検出試薬は、複数の第1のレポーター部分に対して特異的な二次抗体をさらに含み、各二次抗体は第2のレポーター部分にコンジュゲートされている。
本開示の第7の態様は、第1の標的が第2の標的に近接しているかどうかを決定するために試料を分析するための方法であって、前記試料を脱マスキング酵素-抗体コンジュゲートと接触させて、標的-脱マスキング酵素-抗体コンジュゲート複合体を形成すること、前記試料を本開示の第3、第4および第5の態様に関して上述されたケージドハプテン-抗体コンジュゲートの任意の1つと接触させて、標的-ケージドハプテン-抗体コンジュゲート複合体を形成すること、前記標的-ケージドハプテン-抗体コンジュゲート複合体の前記ケージドハプテンを脱マスク化して標的-脱マスク化ハプテン-抗体コンジュゲート複合体を形成すること、前記標的-ケージドハプテン-抗体コンジュゲート複合体の前記ケージドハプテンを脱マスク化して標的-脱マスク化ハプテン-抗体コンジュゲート複合体を形成すること、シグナル増幅工程を実施して、前記標的-脱マスク化ハプテン-抗体コンジュゲート複合体を複数のレポーター部分で標識すること、前記複数のレポーター部分を検出すること、を含む、方法である。いくつかの実施形態において、ケージドハプテン-抗体コンジュゲートはモノクローナル抗体を含む。
いくつかの実施形態において、複数のレポーター部分はハプテンであり、前記方法は、複数の第1のレポーター部分に対して特異的な二次抗体を導入することをさらに含み、各二次抗体は第2のレポーター部分にコンジュゲートされている。いくつかの実施形態において、第2のレポーター部分は増幅酵素であり、前記方法は増幅酵素に対する発色基質または蛍光基質を導入することをさらに含む。いくつかの実施形態において、前記方法は、試料中の標的の総量を検出することをさらに含む。
本開示の第8の態様は、第1の標的が第2の標的に近接しているかどうかを決定するために試料を分析するための方法であって、前記試料を第1の検出プローブと接触させることであって、前記第1の検出プローブは、本開示の第3、第4および第5の態様に関して上述されたケージドハプテン-抗体コンジュゲートまたは脱マスキング酵素-抗体コンジュゲートのうちの一方を含む、接触させること、前記試料を第2の検出プローブと接触させることであって、前記第2の検出プローブは、本開示の第3、第4および第5の態様に関して上述されたケージドハプテン-抗体コンジュゲートのいずれか1つまたは前記脱マスキング酵素-抗体コンジュゲートのうちの他方を含む、接触させること、前記試料を少なくとも第1の検出試薬と接触させて、形成された脱マスク化ハプテン-抗体コンジュゲート標的複合体を標識すること、および前記標識された脱マスク化ハプテン-抗体コンジュゲート標的複合体からのシグナルを検出すること、を含む、方法である。
いくつかの実施形態において、前記方法は、試料内の標的の総量を検出する工程をさらに含む。いくつかの実施形態において、第1の検出試薬は、第1の標的-脱マスク化ハプテン-抗体コンジュゲート複合体の脱マスキング酵素を複数の第1のレポーター部分で標識するための増幅成分を含む。いくつかの実施形態において、複数の第1のレポーター部分はハプテンである。いくつかの実施形態において、第1の検出試薬は、複数の第1のレポーター部分に対して特異的な二次抗体をさらに含み、各二次抗体は第2のレポーター部分にコンジュゲートされている。いくつかの実施形態において、第2のレポーター部分は、増幅酵素またはフルオロフォアからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、第2のレポーター部分は増幅酵素であり、第1の検出試薬は増幅酵素に対する第1の発色基質または蛍光基質をさらに含む。いくつかの実施形態において、本方法は、脱ケージ化工程をさらに含む。
特許または出願ファイルは、カラーで作成された少なくとも1つの図面を含む。本特許または特許出願公開のカラー図面付きの写しは、申請および必要な料金の支払いに応じて庁に提供される。
図1は、ジゴキシゲニン(「DIG」の炭素のナンバリングを示す。この例では、ホスファート基がジゴキシゲニンの12の位置に結合されている。
図2は、(標的2に結合した)アルカリホスファターゼを含む脱マスキング酵素-抗体コンジュゲートと(標的1に結合した)ケージドハプテン-抗体コンジュゲートとの間の相互作用を例示する概略図であり、脱マスキング酵素-抗体コンジュゲートの脱マスキング酵素は、(標的1と標的2とが互いに近接しているために)ケージドハプテン-抗体コンジュゲートの酵素基質部分と反応して、それぞれの脱マスク化ハプテンを提供し、これは検出され得る。
図3は、(標的2に結合した)脱マスキング酵素-抗体コンジュゲートおよび(標的1に結合した)ケージドハプテン-抗体コンジュゲートを示す概略図であり、2つの標的は互いに近接しておらず、その結果、脱マスキング酵素-抗体コンジュゲートの脱マスキング酵素は、ケージドハプテン-抗体コンジュゲートの酵素基質部分と相互作用せず、したがって、ケージドハプテンはマスクされたままであり、検出することができない。
図4は、試料中のタンパク質二量体および/または総タンパク質を検出する工程を示すフローチャートを提供する。
図5は、ケージドDIGで標識された二次抗体を用いて単一の抗原が検出されるIHC染色プロトコルの一実施形態を示す概略図である。
図6は、天然型DIGハプテンを提供するためのケージドDIG、すなわちリン酸化DIGの脱ケージ化(または脱マスク化)を示す概略図である。
図7は、近接したタンパク質(標的1および標的2)および総タンパク質(標的2)の両方の多重検出を例示する概略図である。
図8は、ケージドハプテン、すなわちリン酸化DIGへの抗体の結合を示す。
図9は、天然型ハプテン(NPおよびDIG)を形成するためのケージドニトロフェニル(NP)およびケージドDIG上のケージング基の加水分解を示す。
図10は、2つの異なるケージドNP分子およびケージドDIGについて、元の材料の百分率として表される、天然型ハプテンに加水分解された(水によって非酵素的に切断された)ケージドハプテンの量をモニタリングする実験を示す。
図11Aは、ケージドNPを使用した扁桃組織上のE-カドヘリンおよびβ-カテニンに対する陽性近接アッセイの代表的な画像を示す。
図11Bは、ケージドDIGを使用した扁桃組織上のE-カドヘリンおよびβ-カテニンに対する陽性近接アッセイの代表的な画像を示す。
詳細な説明
ケージドハプテンおよびそれらの合成方法が本明細書に開示されている。ケージドハプテンを含むコンジュゲートも本明細書に開示されている。本明細書でより詳細に説明されているように、ケージドハプテンコンジュゲートは、組織試料中の近位抗原を検出するために使用され得る。これらおよび他の実施形態が、本明細書において記載されている。
定義
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が別途明確に指示しない限り、複数の指示対象を含む。同様に、「または」という単語は、文脈が別途明確に指示しない限り、「および」を含むことを意図している。「含む」という用語は、「AまたはBを含む」がA、B、またはAおよびBを含むことを意味するように、包括的に定義される。
ここで明細書および特許請求の範囲で使用される場合、「または」は、上記で定義された「および/または」と同じ意味を有することを理解されたい。例えば、リスト内の項目を区切る場合、「または」または「および/または」は、包括的であると解釈されるものとする、すなわち、いくつかの要素または要素のリストのうちの少なくとも1つを含むが、いくつかの要素または要素のリストのうちの複数も含み、リストに記載されていない追加の項目を任意に含むと解釈される。「のうちの1つのみ」または「のうちの正確に1つ」、または特許請求の範囲で使用される場合、「からなる」など、反対のことが明確に示される用語のみが、いくつかの要素または要素のリストのうちの正確に1つの要素を含むことを指す。一般に、本明細書において使用される「または」という用語は、「いずれか」、「のうちの1つ」、「のうちの1つのみ」または「のうちの正確に1つ」など、排他性の用語が先行する場合にのみ、排他的な択一(すなわち、「一方または他方であるが双方ではない」)を示すものと解釈されるものとする。「から本質的になる」は、特許請求の範囲で使用される場合、特許法の分野で使用される通常の意味を有するものとする。
本明細書で使用される場合、「備える」、「含む」、「有する」などの用語は、交換可能に使用され、同じ意味を有する。同様に、「備える(comprises)」、「含む(includes)」、「有する(has)」などは、交換可能に使用され、同じ意味を有する。具体的には、これらの用語の各々は、「含む、備える(comprising)」の一般的な米国特許法の定義と一致して定義されており、したがって、「少なくとも以下のもの(at least the following)」を意味する非限定的な用語として解釈され、また、追加の特徴、限定、態様などを除外しないように解釈される。したがって、例えば、「構成要素a、bおよびcを有するデバイス」は、デバイスが少なくとも構成要素a、bおよびcを含むことを意味する。同様に、「工程a、b、およびcを含む方法」という語句は、その方法が少なくとも工程a、bおよびcを含むことを意味する。さらに、工程および過程は、本明細書において特定の順序で概説され得るが、当業者は、順序付けられた工程および過程が変化し得ることを認識するであろう。
ここで明細書および特許請求の範囲で使用される場合、1つ以上の要素のリストを参照する「少なくとも1つ」という句は、要素のリスト内の任意の1つ以上の要素から選択される少なくとも1つの要素を意味すると理解されるべきであるが、要素のリスト内に具体的に列記されているありとあらゆる要素の少なくとも1つを含むとは必ずしも限らず、要素のリスト内の要素の任意の組み合わせを除外するものではない。この定義はまた、「少なくとも1つ」という句が参照する要素のリスト内で具体的に特定される要素以外の要素が、具体的に特定されるそれらの要素に関連するまたは関連しないかにかかわらず、任意に存在し得ることを許容する。したがって、非限定的な例として、「AおよびBの少なくとも1つ」(または、同等に、「AまたはBの少なくとも1つ」、または同等に「Aおよび/またはBの少なくとも1つ」)は、一実施形態において、少なくとも1つの、任意に1つより多くのAを含み、Bが存在しない(および任意に、B以外の要素を含む)を指すことができ、別の実施形態において、少なくとも1つの、任意に1つより多くのBを含み、Aが存在しない(および任意に、A以外の要素を含む)を指すことができ、さらに別の実施形態において、少なくとも1つの、任意に1つより多くのAを含み、少なくとも1つの、任意に1つより多くのBを含む(および任意に、他の要素を含む)を指すことができるなどである。
本明細書中で使用される場合、「アルカリホスファターゼ」(AP)という用語は、ホスファート-酸素結合を切断し、一時的に中間の酵素-基質結合を形成することによって、ホスファート基有機エステルを(加水分解によって)除去し、転移させる酵素を指す。例えば、APは、ナフトールホスファートエステル(基質)をフェノール化合物およびホスファートに加水分解する。フェノールは、無色のジアゾニウム塩(色素原)に結合して、不溶性の着色したアゾ染料を生成する。
本明細書で使用される場合、「アルキル」、「芳香族」、「ヘテロアルキル」、「シクロアルキル」などの用語は、示されたラジカルの置換された形態および置換されていない形態の両方を含む。その点に関して、基または部分が「置換された」または「任意に置換された」(または「任意に有する」または「任意に含む」)と記載されるときはいつでも、その基は非置換であるか、または示された置換基の1つ以上で置換され得る。同様に、基が「置換されたまたは置換されていない」と記載されている場合に、基が置換されていれば、置換基は、示された置換基のうちの1つ以上から選択され得る。置換基が示されていない場合、示された「任意に置換された」または「置換された」基は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリシクリル、アラルキル、ヘテロアラルキル、(ヘテロアリシクリル)アルキル、ヒドロキシ、保護されたヒドロキシル、アルコキシ、アリールオキシ、アシル、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、シアノ、シアナート、ハロゲン、チオカルボニル、O-カルバミル、N-カルバミル、O-チオカルバミル、N-チオカルバミル、C-アミド、N-アミド、S-スルホンアミド、N-スルホンアミド、C-カルボキシ、保護されたC-カルボキシ、O-カルボキシ、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ニトロ、シリル、スルフェニル、スルフィニル、スルホニル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、トリハロメタンスルホニル、トリハロメタンスルホンアミド、エーテル、アミノ(例えば、一置換アミノ基または二置換アミノ基)、およびそれらの保護された誘導体から個別にかつ独立して選択される1つ以上の基で置換され得ることを意味する。上記の基のいずれも、O、N、またはSを含む1つ以上のヘテロ原子を含み得る。例えば、部分がアルキル基で置換されている場合、そのアルキル基は、O、N、またはSから選択されるヘテロ原子を含み得る(例えば、-(CH-CH-O-CH-CH))。
本明細書で使用される場合、「抗体」(Ab)という用語は、抗原に特異的に結合し、ジスルフィド結合によって相互接続された少なくとも2本の重(H)鎖および2本の軽(L)鎖を含む糖タンパク質免疫グロブリンまたはその抗原結合部分を指す。各H鎖は、重鎖可変領域(本明細書ではVHと略す)および重鎖定常領域を含む。重鎖定常領域は、3つの定常ドメイン、CH1、CH2およびCH3を含む。各軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書ではVLと略す)および軽鎖定常領域を含む。軽鎖定常領域は、1つの定常ドメインCLを含む。VHおよびVL領域は、フレームワーク領域(FR)と呼ばれるより保存された領域が散在する、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる超可変領域にさらに細分され得る。各VHおよびVLは、以下の順序でアミノ末端からカルボキシ末端に配置された3つのCDRおよび4つのFRを含む:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4。重鎖および軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含有する。抗体の定常領域は、免疫系の様々な細胞(例えば、エフェクター細胞)および古典的補体系の第1成分(C1q)を含む宿主組織または因子への免疫グロブリンの結合を媒介し得る。
免疫グロブリンは、IgA、分泌型IgA、IgGおよびIgMを含むがこれらに限定されない一般的に知られているアイソタイプのいずれかに由来し得る。IgGサブクラスも当業者に周知であり、ヒトIgG1、IgG2、IgG3およびIgG4を含むがこれらに限定されない。「アイソタイプ」は、重鎖定常領域遺伝子によってコードされる抗体クラスまたはサブクラス(例えば、IgMまたはIgG1)を指す。「抗体」という用語は、例として、天然に存在する抗体と天然に存在しない抗体の両方モノクローナル抗体およびポリクローナル抗体;キメラ抗体およびヒト化抗体;ヒト抗体または非ヒト抗体;完全合成抗体;および一本鎖抗体を含む。ヒトにおけるその免疫原性を低下させるために、非ヒト抗体は組換え法によってヒト化され得る。明示的に述べられていない場合、および文脈が別段の指示をしない限り、「抗体」という用語はまた、前述の免疫グロブリンのいずれかの抗原結合断片または抗原結合部分を含み、一価および二価の断片または部分、ならびに一本鎖抗体を含む。
「モノクローナル抗体」(「mAb」)という用語は、単一の分子組成の抗体分子、すなわちその一次配列が本質的に同一であり、特定のエピトープに対して単一の結合特異性および親和性を示す抗体分子の天然に存在しない調製物を指す。mAbは、単離された抗体の一例である。MAbは、ハイブリドーマ、組換え、トランスジェニックまたは当業者に公知の他の技術によって産生され得る。
本明細書で使用される場合、「抗体コンジュゲート」という語句は、1つ以上の標識に(直接的または間接的に)コンジュゲートされた抗体を指し、抗体コンジュゲートは、特定の標的に特異的であり、標識は、二次抗体(抗標識抗体)などで(直接的または間接的に)検出することが可能である。例えば、抗体コンジュゲートは、ポリマーリンカーおよび/またはスペーサーなどを介してハプテンに結合され得、抗体コンジュゲートは、ハプテンによって間接的に検出され得る。代替例として、抗体コンジュゲートは、ポリマーリンカーおよび/またはスペーサーなどを介して色素原に結合され得、抗体コンジュゲートは、直接検出され得る。抗体コンジュゲートは、米国特許出願公開第2014/0147906号ならびに米国特許第8,658,389号;同第8,686,122号;同第8,618,265号;同第8,846,320号;および同第8,445,191号にさらに記載されている。さらなる例として、「抗体コンジュゲート」という用語は、酵素、例えばHRPまたはAPにコンジュゲートされた抗体を含む。いくつかの実施形態において、抗体コンジュゲートはモノクローナル抗体を含む。他の実施形態において、抗体コンジュゲートはポリクローナル抗体を含む。
本明細書で使用される場合、「抗原」という用語は、抗体分子またはT細胞受容体などの特異的体液性または細胞性免疫の産物によって特異的に結合され得る化合物、組成物または物質を指す。抗原は、例えば、ハプテン、単純な中間代謝産物、糖(例えば、オリゴ糖)、脂質およびホルモン、ならびに複合炭水化物(例えば、多糖)、リン脂質、核酸およびタンパク質などの高分子を含む任意の種類の分子であり得る。
本明細書で使用される場合、「アリール」という用語は、フェニルもしくはナフチルまたはアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、カルボキシ、アロイル、ハロ、ニトロ、トリハロメチル、シアノ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルコキシカルボニル、アシルアミノ、アロイルアミノ、カルバモイル、アルキルカルバモイル、ジアルキルカルバモイル、アルキルチオ、アリールチオ、アルキレンまたは-NYY’(YおよびY’は、独立して、水素、アルキル、アリールまたはアラルキルである)によって構成される群において選択される置換基の少なくとも1つで任意に置換されている、フェニルもしくはナフチルなどの、好ましくは6~10個の炭素原子を含む芳香族炭素環式ラジカルまたは置換された炭素環式ラジカルを意味する。
本明細書で使用される場合、「生物学的試料」という用語は、限定されないが、とりわけ細菌、酵母、原虫、およびアメーバなどの単細胞生物、多細胞生物(植物または動物など、健康もしくは見かけ上健康なヒト対象または癌などの診断もしくは調査される症状もしくは疾患に罹患しているヒト患者からの試料を含む)を含む任意の生物から得られるか、任意の生物によって排出されるか、または任意の生物によって分泌される任意の固体または流体試料であり得る。例えば、生物学的試料は、例えば、血液、血漿、血清、尿、胆汁、腹水、唾液、脳脊髄液、房水もしくは硝子体液、または任意の身体分泌物、浸出液、滲出液(例えば、膿瘍、または感染もしくは炎症の任意の他の部位から得られた流体)、または関節(例えば、正常な関節または疾患に罹患した関節)から得られた流体から得られた生物学的流体であり得る。生物学的試料はまた、任意の器官もしくは組織(腫瘍生検などの生検または剖検検体を含む)から得られた試料であり得るか、または細胞(初代細胞または培養細胞であるかを問わない)もしくは任意の細胞、組織もしくは器官によって馴化された培地を含むことができる。いくつかの例では、生物学的試料は核抽出物である。特定の例では、試料は、開示された細胞ペレット切片試料の1つなどの品質管理試料である。他の例では、試料は試験試料である。試料は、当業者に公知の任意の方法を用いて調製され得る。試料は、定期的なスクリーニングのための対象から、または遺伝的異常、感染もしくは新生物などの障害を有することが疑われる対象から取得され得る。開示される方法の記載される実施形態はまた、「正常な」試料と呼ばれる、遺伝的異常、疾患、障害などを有さない試料に適用することができる。試料は、1つ以上の検出プローブによって特異的に結合され得る複数の標的を含み得る。
本明細書で使用される場合、「a」および「b」が整数である「C~C」は、アルキル、アルケニルもしくはアルキニル基中の炭素原子の数、またはシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニルもしくはアリール基の環中の炭素原子の数、またはヘテロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリシクリル基中の炭素原子およびヘテロ原子の総数を指す。すなわち、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキルの環、シクロアルケニルの環、シクロアルキニルの環、アリールの環、ヘテロアリールの環またはヘテロアリシクリルの環は、「a」個および「b」個を含む「a」~「b」個の炭素原子を含有することができる。したがって、例えば、「C~Cアルキル」基は、1~4個の炭素を有する全てのアルキル基、すなわち、CH-、CHCH-、CHCHCH-、(CHCH-、CHCHCHCH、CHCHCH(CH)-および(CHC-を指す。アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキルシクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロアリシクリル基に関して「a」および「b」が指定されていない場合、これらの定義に記載されている最も広い範囲が想定される。
本明細書で使用される場合、「コンジュゲート」という用語は、より大きな構築物に共有結合している2つ以上の分子または部分(高分子または超分子分子を含む)を指す。いくつかの実施形態において、コンジュゲートは、1つ以上の他の分子部分に共有結合された1つ以上の生体分子(ペプチド、タンパク質、酵素、糖、多糖、脂質、糖タンパク質およびリポタンパク質など)を含む。他の実施形態において、コンジュゲートは、1つ以上の検出可能な標識(フルオロフォア、ルミノフォア、蛍光ナノ粒子、ハプテン、酵素およびそれらの組み合わせなど)に共有結合した1つ以上の特異的結合分子(抗体など)を含む。
本明細書で使用される場合、「接触」という用語は、本明細書では以下と互換的に使用される:と組み合わせられる、に添加される、と混合される、の上を通る、とインキュベートされるなど。
本明細書で使用される場合、「結合する」または「結合」という用語は、ある分子または原子の別の分子または原子への結合(joining)、結合(bonding)(例えば、共有結合)、または連結を指す。
本明細書で使用される場合、「シクロアルキル」または同様の用語(例えば、環状アルキル基)は、完全に飽和した(二重結合または三重結合がない)単環式または多環式炭化水素環系を指す。2つ以上の環から構成される場合、環は縮合様式で一緒に結合され得る。シクロアルキル基は、環に3~10個の原子または環に3~8個の原子を含むことができる。シクロアルキル基は、非置換であってもよく、または置換されていてもよい。典型的なシクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「発色団」という用語は、その色の原因となる分子または分子の一部(例えば発色基質)を指す。色は、分子が特定の波長の可視光を吸収し、他の波長を透過または反射するときに生じる。可視スペクトルの範囲内にある2つの異なる分子軌道間のエネルギー差を有する分子は、可視光を吸収し、したがって発色団として適切に特徴付けられ得る。発色団に入射した可視光は吸収され、したがって、基底状態の分子軌道から励起状態の分子軌道に電子を励起し得る。
本明細書で使用される場合、「コンジュゲート」という用語は、より大きな構築物へと共有結合されている2つ以上の分子または部分(高分子または超分子分子を含む)を指す。いくつかの実施形態において、コンジュゲートは、1つ以上の他の分子部分に共有結合された1つ以上の生体分子(ペプチド、タンパク質、酵素、糖、多糖、脂質、糖タンパク質およびリポタンパク質など)を含む。
本明細書で使用される場合、「検出可能部分」という用語は、試料中の標識の存在(すなわち、定性分析)および/または濃度(すなわち、定量分析)を示す(視覚的に、電子的に、またはその他の方法などで)検出可能なシグナルを生成することができる分子または材料を指す。
本明細書で使用される場合、「エピトープ」という用語は、抗原性である、すなわち特異的免疫応答を誘発する分子上の連続または非連続ペプチド配列などの抗原決定基を指す。抗体は、特定の抗原性エピトープに結合する。
本明細書で使用される場合、「ハロゲン原子」または「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素などの元素の周期表の第7列の放射線安定性原子の任意の1つを意味する。
本明細書で使用される場合、「ハプテン」という用語は、抗体と特異的に結合することができるが、典型的には、担体分子と結合されている場合を除いて免疫原性であることが実質的に不可能である小分子を指す。いくつかの実施形態において、ハプテンとしては、限定されるものではないが、ピラゾール(例えば、ニトロピラゾール)、ニトロフェニル(nitropheny)化合物、ベンゾフラザン、トリテルペン、尿素(例えば、フェニル尿素)、チオ尿素(例えば、フェニルチオ尿素)、ロテノンおよびロテノン誘導体、オキサゾール(例えば、オキサゾールスルホンアミド)、チアゾール(例えば、チアゾールスルホンアミド)、クマリン誘導体、ならびにシクロリグナンが挙げられる。ハプテンの追加の非限定的な例としては、チアゾール、ニトロアリール、ベンゾフラン、トリペルペンおよびシクロリグナンが挙げられる。ハプテンの具体例としては、ジニトロフェニル、ビオチン、ジゴキシゲニンおよびフルオレセイン、ならびにこれらの任意の誘導体または類似体が挙げられる。他のハプテンは、米国特許第8,846,320号、同第8,618,265号、同第7,695,929号、同第8,481,270号および同第9,017,954号に記載されており、これらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。ハプテン自体が、直接的な検出に適していることがあり得る、すなわち、検出に適した信号を発し得る。
本明細書で使用される場合、「ヘテロ原子」という用語は、ホウ素(B)、酸素(O)、窒素(N)、硫黄(S)、リン(P)およびケイ素(Si)を含むことを意味する。いくつかの実施形態において、「複素環」は、1つ以上のヘテロ原子を含み得る。他の実施形態において、脂肪族基は、1つ以上のヘテロ原子を含み得るか、または1つ以上のヘテロ原子で置換され得る。
本明細書で使用される場合、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)は、標識された分子にコンジュゲートされ得る酵素である。西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)は、適切な基質とインキュベートされると、標識された分子の有色誘導体、蛍光誘導体または発光性誘導体を生成し、検出および定量が可能になる。HRPは、電子供与体の存在下で作用して、まず酵素基質複合体を形成し、その後、電子供与体を酸化するように作用する。例えば、HRPは、3,3’-ジアミノベンジジン四塩酸塩(DAB)に作用して、検出可能な色を生成し得る。HRPはまた、標識されたチラミドコンジュゲートまたはチラミド様反応性コンジュゲート(すなわち、フェルラート、クマリン酸、カフェイン酸、シンナマート、ドーパミンなど)に作用して、チラミドシグナル増幅(TSA)のための有色または蛍光または無色のレポーター部分を沈着させ得る。
本明細書で使用される場合、「標識」という用語は、原子もしくは分子、または原子もしくは分子の集合体であり得る検出可能部分を指す。標識は、検出され得る光学的、電気化学的、磁気的、または静電的(例えば、誘導性、容量性)のシグネチャを提供し得る。
本明細書で使用される場合、「多重化」、「多重化された」または「多重化している」という用語は、試料中の複数の標的を同時に、実質的に同時に、または順次検出することを指す。多重化は、複数の異なる核酸(例えば、DNA、RNA、mRNA、miRNA)およびポリペプチド(例えば、タンパク質)を個別に、および任意の組み合わせおよび全ての組み合わせの両方で同定および/または定量化することを含むことができる。
本明細書で使用される場合、「核酸分子」または「ポリヌクレオチド」という用語は、デオキシリボヌクレオチドもしくはリボヌクレオチド、またはそれらの類似体のいずれかの、任意の長さのヌクレオチドのポリマー形態を指す。ポリヌクレオチドは、任意の三次元構造を有し得、既知または未知の任意の機能を果たし得る。具体的に限定されない限り、この用語は、参照核酸と同様の結合特性を有し、天然に存在するヌクレオチドと同様の様式で代謝される天然ヌクレオチドの既知の類似体を含む核酸またはポリヌクレオチドを包含する。ポリヌクレオチドの非限定的な例としては、遺伝子または遺伝子断片のコード領域または非コード領域、連鎖解析から定義される遺伝子座(単数または複数)、エクソン、イントロン、メッセンジャーRNA(mRNA)、トランスファーRNA、リボソームRNA、リボザイム、cDNA、合成ポリヌクレオチド、組換えポリヌクレオチド、分枝ポリヌクレオチド、プラスミド、ベクター、任意の配列の単離されたDNA、任意の配列の単離されたRNA、核酸プローブおよびプライマーが挙げられる。ポリヌクレオチドは、メチル化ヌクレオチドおよびヌクレオチド類似体などの修飾されたヌクレオチドを含み得る。存在する場合には、ヌクレオチド構造に対する修飾は、ポリマーの構築の前または後に付与され得る。ヌクレオチドの配列は、非ヌクレオチド成分によって中断され得る。ポリヌクレオチドは、標識成分とのコンジュゲーションなどによってさらに修飾され得る。特に示されない限り、特定の核酸配列はまた、明示された配列のみならず、それらの保存的に修飾されたバリアント(例えば、縮重コドン置換体)、対立遺伝子、オルソログ、SNPおよび相補的配列を暗に包含する。具体的には、縮重コドン置換体は、1つ以上の選択された(または、全ての)コドンの第3の位置が、混合塩基および/またはデオキシイノシン残基と置換された配列を生成することによって達成され得る(Batzer et al.,Nucleic Acid Res.19:5081(1991)、Ohtsuka et al.,J.Biol.Chem.260:2605-2608(1985)、およびRossolini et al.,Mol.Cell.Probes 8:91-98(1994))。
本明細書で使用される場合、「オリゴヌクレオチド」という用語は、ヌクレオチドまたはヌクレオシドモノマー単位のオリゴマーを指し、オリゴマーは、非ヌクレオチドモノマー単位、ならびに/またはオリゴマーの内部および/もしくは外部位置に結合した他の化学基を任意に含む。オリゴマーは天然または合成であり得、天然に存在するオリゴヌクレオチド、または天然に存在しない(または修飾された)塩基、糖部分、ホスホジエステル-類似体結合を有するヌクレオチド、ならびに/もしくは代替のモノマー単位キラリティーおよび異性体構造(例えば、5’から2’への結合、L-ヌクレオシド、α-アノマーヌクレオシド、β-アノマーヌクレオシド、ロックド核酸(LNA)、ペプチド核酸(PNA))を含むオリゴマーを含むことができる。
本明細書で使用される場合、「一次抗体」という用語は、組織試料中の標的タンパク質抗原に特異的に結合する抗体を指す。一次抗体は通常、免疫組織化学的手法で使用される第1の抗体である。いくつかの実施形態において、一次抗体はモノクローナル抗体である。
本明細書で使用される場合、「反応性基」または「反応性官能基」という用語は、異なる部分の官能基と化学的に会合し、相互作用し、ハイブリダイズし、水素結合し、または結合することができる官能基を指す。いくつかの実施形態において、2つの反応性基または2つの反応性官能基の間の「反応」は、2つの反応性基または2つの反応性官能基の間で共有結合が形成されることを意味し得、または2つの反応性基もしくは2つの反応性官能基が互いに会合し、互いに相互作用し、互いにハイブリダイズし、互いに水素結合するなどを意味し得る。
例えば、反応性基は、アミン反応性基、例えばイソチオシアナート、イソシアナート、アシルアジド、NHSエステル、酸塩化物、例えばスルホニルクロリド、アルデヒドおよびグリコール、エポキシドおよびオキシラン、カーボナート、アリール化剤、イミドエステル、カルボジイミド、無水物、ならびにこれらの組み合わせであり得る。適切なチオール反応性官能基としては、ハロアセチルおよびハロゲン化アルキル、マレイミド、アジリジン、アクリロイル誘導体、アリール化剤、チオール-ジスルフィド交換試薬、例えばピリジルジスルフィド、TNB-チオールおよびジスルフィド還元剤、ならびにこれらの組み合わせが挙げられる。適切なカルボキシラート反応性官能基としては、ジアゾアルカン、ジアゾアセチル化合物、カルボニルジイミダゾール化合物およびカルボジイミド(carbondiimides)が挙げられる。適切なヒドロキシル反応性官能基としては、エポキシドおよびオキシラン、カルボニルジイミダゾール、N,N’-ジスクシンイミジルカーボナートまたはN-ヒドロキシスクシンイミジルクロロホルマート、過ヨウ素酸酸化化合物、酵素酸化、アルキルハロゲンおよびイソシアナートが挙げられる。アルデヒドおよびケトン反応性官能基としては、ヒドラジン、シッフ塩基、還元的アミノ化生成物、マンニッヒ縮合生成物およびこれらの組み合わせが挙げられる。活性水素反応性化合物としては、ジアゾニウム誘導体、マンニッヒ縮合生成物、ヨウ素化反応生成物およびこれらの組み合わせが挙げられる。光反応性化学官能基としては、アリールアジド、ハロゲン化アリールアジド、ベンゾホノン(benzophonones)、ジアゾ化合物、ジアジリン誘導体およびこれらの組み合わせが挙げられる。
本明細書で使用される場合、本明細書での「二次抗体」という用語は、一次抗体に特異的に結合し、それにより、もし後続の試薬が存在すれば、一次抗体と後続の試薬(例えば、標識、酵素など)との間に架橋を形成する抗体を指す。二次抗体は、一般的に免疫組織化学的手法で使用される第2の抗体である。
本明細書で使用される場合、「特異的結合実体」という用語は、特異的結合対のメンバーを指す。特異的結合対は、他の分子への結合を実質的に排除して互いに結合することを特徴とする分子の対である(例えば、特異的結合対は、生物学的試料中の他の分子との結合対の2つのメンバーのいずれかの結合定数よりも少なくとも10-3M大きい、10-4M大きいまたは10-5M大きい結合定数を有することができる)。特異的結合部分の特定の例は、特異的結合タンパク質(例えば、抗体、レクチン、ストレプトアビジンなどのアビジンおよびプロテインA)を含む。特異的結合部分はまた、そのような特異的結合タンパク質によって特異的に結合される分子(またはその部分)を含むことができる。
本明細書で使用される場合、「置換された」という用語は、有機化合物の全ての許容可能な置換基を含むことが想定される。基または部分が「置換された」または「任意に置換された」(または「任意に有する」または「任意に含む」)と記載されるときはいつでも、その基は非置換であり得、または1つ以上の示される置換基で置換され得る。同様に、基が置換されている場合に「置換されたまたは置換されていない」と記載されている場合に、基が置換されていれば、置換基は、1つ以上の示される置換基から選択され得る。
いくつかの実施形態において、許容され得る置換基としては、有機化合物の非環式および環式、分岐および非分岐、炭素環式および複素環式、ならびに芳香族および非芳香族の置換基が挙げられる。いくつかの実施形態において、許容可能な置換基は、適切な有機化合物に対して1つ以上であり得、同一でありまたは異なり得る。いくつかの実施形態において、置換基が示されていない場合、示された「任意に置換された」または「置換された」基は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリシクリル、アラルキル、ヘテロアラルキル、(ヘテロアリシクリル)アルキル、ヒドロキシ、保護されたヒドロキシル、アルコキシ、アリールオキシ、アシル、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、シアノ、シアナート、ハロゲン、チオカルボニル、O-カルバミル、N-カルバミル、O-チオカルバミル、N-チオカルバミル、C-アミド、N-アミド、S-スルホンアミド、N-スルホンアミド、C-カルボキシ、保護されたC-カルボキシ、O-カルボキシ、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ニトロ、シリル、スルフェニル、スルフィニル、スルホニル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、トリハロメタンスルホニル、トリハロメタンスルホンアミド、アミノ、エーテル、アミノ(例えば、一置換アミノ基または二置換アミノ基)およびこれらの保護された誘導体から個別にかつ独立して選択される1つ以上の基で置換され得ることを意味する。上記の基のいずれも、O、NまたはSを含む1つ以上のヘテロ原子を含み得る。例えば、部分がアルキル基で置換されている場合、そのアルキル基は、O、NまたはSから選択されるヘテロ原子を含み得る(例えば、-(CH-CH-O-CH-CH)-)。
本明細書で使用される場合、「標的」という用語は、それについて存在、位置および/または濃度が決定されるか、または決定されることができる任意の分子を指す。標的分子の例は、タンパク質、核酸配列、およびタンパク質に共有結合したハプテンなどのハプテンを含む。標的分子は通常、特異的な結合分子と検出可能な標識との、1つ以上のコンジュゲートを用いて検出される。
本明細書で使用される場合、「チラミドシグナル増幅」または「TSA」という用語は、ペルオキシダーゼ(西洋ワサビペルオキシダーゼなど)の触媒活性を利用してインサイチュで標的分子(タンパク質または核酸配列など)の高密度標識を生成する、酵素によって媒介される検出方法を指す。TSAは、典型的には3つの基本工程:(1)特異的結合メンバー(例えば、モノクローナル抗体などの抗体)の標的への結合、続いて、第2のペルオキシダーゼ標識された特異的結合メンバーによる前記特異的結合メンバーの二次検出;(2)ペルオキシダーゼによる複数コピーの標識されたチラミド誘導体(例えば、ハプテン標識されたチラミド)の活性化;および(3)得られた高反応性チラミドラジカルをペルオキシダーゼ-標的相互作用部位の近位の残基(例えば、タンパク質チロシン残基のフェノール部分)に共有結合させ、標的の近位にハプテンを沈着させること(拡散および反応性による媒介)、を含む。TSAのいくつかの例では、より多くのまたはより少ない工程が含まれる。例えば、信号を増加させるためにTSA法を順次繰り返すことができる。TSAを実施する方法ならびにTSAを実施するための市販のキットおよび試薬が利用可能である(例えば、Amp Map Detection Kit with TSA(商標),カタログ番号760-121、Ventana Medical Systems,Tucson,Ariz;Invitrogen;TSAキット番号T-20911、Invitrogen Corp、Carsbad、Calif.)を参照されたい。他の酵素触媒される反応種、ハプテンまたはシグナル伝達が連結された反応種は、入手可能になり得るので、代替的に使用することができる。
本明細書で使用される場合、
Figure 2024504944000012
は、部分が別の部分に結合している位置を指す。
概要
本開示は、「ケージドハプテン」、特異的結合実体と「ケージドハプテン」とを含むコンジュゲート、および試料内の1つ以上の標的(例えば、互いに近接している試料内の1つまたは複数のタンパク質標的)を検出するためにこれらを使用する方法に関する。本明細書でより詳細に記載されるように、本明細書に記載のケージドハプテンまたはケージドハプテン-コンジュゲートは、タンパク質二量体または互いに近接したタンパク質の検出を容易にする。
「ケージドハプテン」は、適切な抗ハプテン抗体がもはやハプテンを認識せず、結合事象が起こらないように、その構造が修飾されているハプテンである。例えば、リン酸基に結合されているDIGハプテンは、もはや抗DIG抗体によって認識されないことがあり得る。実際には、ハプテンの同一性および/または機能は、「マスクされる」か、または「保護される」。このマスキングまたは保護を達成するために、本開示のハプテンは、酵素的に切断可能なケージング基(酵素的に切断可能なマスキング基とも呼ばれる)を含む。
酵素的に切断可能なケージング基またはマスキング基に対して作用する酵素を導入すると、ケージング基またはマスキング基が放出されて、「天然型」ハプテン(「非ケージ化ハプテン」または「脱マスク化ハプテン」とも呼ばれる。)を再生する。次いで、この天然型ハプテンは、抗ハプテン抗体によって認識され得る。したがって、適切な酵素の存在下で、ケージドハプテンは脱マスク化されており、抗ハプテン抗体はそれに自由に結合する。上記の例では、DIGのホスファート基がアルカリホスファターゼ酵素によって切断されると、天然型DIGハプテンが曝露され、抗DIGハプテンがそれに結合することができる。図6は、抗ハプテン抗体によって認識可能な天然型ハプテンを提供するための酵素処理を介したケージドハプテンの脱マスク化を示す。
ケージドハプテン
いくつかの実施形態において、本開示のケージドハプテンは、式(IA)または(IB):
-R-O-[DIG]-[ホスホリル](IA)
-R-O-[DIG]-PO(IB)
(式中、
は、結合であるか、または1~30個の炭素原子を有し、O、NもしくはSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む、分岐もしくは非分岐の、置換されたもしくは置換されていない、飽和もしくは不飽和脂肪族基を含む基であり、
は、Hまたは反応性官能基であり、
[DIG]は、ジゴキシゲニンであるか、または[DIG]に由来し、
[ホスホリル]は、式:
Figure 2024504944000013
(Qは、OまたはSであり、
は、H、-CHまたは-CHCHである)
によって表され得、
前記基[ホスホリル]または前記基-POは、[DIG]の任意の位置に結合され得る)
の任意の1つの構造を有する。
いくつかの実施形態において、[ホスホリル]または-POは、ジゴキシゲニンの炭素12の位置において結合される(図1参照)。いくつかの実施形態において、[ホスホリル]または-POは、ジゴキシゲニンの誘導体または類似体の炭素12の位置において結合される。
いくつかの実施形態において、QはOである。いくつかの実施形態において、QはOであり、少なくとも1つのQはHである。いくつかの実施形態において、QはOであり、各QはHである。いくつかの実施形態において、QはOであり、少なくとも1つのQは-CHである。
上記のように、いくつかの実施形態において、Rは、結合であり得、または1~30個の炭素原子を有し、O、NもしくはSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に有する、分岐もしくは非分岐の、置換されたもしくは置換されていない、飽和もしくは不飽和脂肪族基を含む基であり得る。他の実施形態において、Rは、結合であり得、または1~20個の炭素原子を有し、O、NもしくはSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に有する、分岐もしくは非分岐の、置換されたもしくは置換されていない、飽和もしくは不飽和脂肪族基を含む基であり得る。さらに他の実施形態において、Rは、結合であり得、または5~15個の炭素原子を有し、O、NもしくはSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に有する、分岐もしくは非分岐の、置換されたもしくは置換されていない、飽和もしくは不飽和脂肪族基を含む基であり得る。さらなる実施形態において、Rは、結合であり得、または8~12個の炭素原子を有し、O、NもしくはSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に有する、分岐もしくは非分岐の、置換されたもしくは置換されていない、飽和もしくは不飽和脂肪族基を含む基であり得る。いくつかの実施形態において、Rは、カルボニル、アミン、エステル、エーテル、アミド、イミン、チオンまたはチオール基を含み得る。他の実施形態において、Rは、アミン、カルボニル、エステル、エーテル、アミド、イミン、チオンまたはチオールから選択される1つ以上の末端基を含み得る。
いくつかの実施形態において、Rは、1~30個の炭素原子を有し、O、NまたはSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。他の実施形態において、Rは、1~20個の炭素原子を有し、O、NまたはSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。さらに他の実施形態において、Rは、1~15個の炭素原子を有し、O、NまたはSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。さらなる実施形態において、Rは、1~12個の炭素原子を有し、O、NまたはSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。なおさらなる実施形態において、Rは、1~8個の炭素原子を有し、O、NまたはSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。なおさらなる実施形態において、Rは、4~8個の炭素原子を有し、O、NまたはSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。
いくつかの実施形態において、Rは、1~30個の炭素原子を有し、OまたはNからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。他の実施形態において、Rは、1~20個の炭素原子を有し、OまたはNからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。さらに他の実施形態において、Rは、1~15個の炭素原子を有し、OまたはNからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。さらなる実施形態において、Rは、1~12個の炭素原子を有し、OまたはNからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。なおさらなる実施形態において、Rは、1~8個の炭素原子を有し、OまたはNからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。なおさらなる実施形態において、Rは、4~8個の炭素原子を有し、OまたはNからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。
いくつかの実施形態において、Rは、1~30個の炭素原子を有し、1個以上の酸素ヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。他の実施形態において、Rは、1~20個の炭素原子を有し、1個以上の酸素ヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。さらに他の実施形態において、Rは、1~15個の炭素原子を有し、1個以上の酸素ヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。さらなる実施形態において、Rは、1~12個の炭素原子を有し、1個以上の酸素ヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。なおさらなる実施形態において、Rは、1~8個の炭素原子を有し、1個以上の酸素ヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。なおさらなる実施形態において、Rは、4~8個の炭素原子を有し、1個以上の酸素ヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。
いくつかの実施形態において、Rは、1~30個の炭素原子を有し、1個以上の酸素ヘテロ原子を任意に含み、少なくとも1個の炭素原子上に少なくとも1つの置換を含む非分岐脂肪族基である。他の実施形態において、Rは、1~20個の炭素原子を有し、1個以上の酸素ヘテロ原子を任意に含み、少なくとも1個の炭素原子上に少なくとも1つの置換を含む非分岐脂肪族基である。さらに他の実施形態において、Rは、1~15個の炭素原子を有し、1個以上の酸素ヘテロ原子を任意に含み、少なくとも1個の炭素原子上に少なくとも1つの置換を含む非分岐脂肪族基である。さらなる実施形態において、Rは、1~12個の炭素原子を有し、1個以上の酸素ヘテロ原子を任意に含み、少なくとも1個の炭素原子上に少なくとも1つの置換を含む非分岐脂肪族基である。なおさらなる実施形態において、Rは、1~8個の炭素原子を有し、1個以上の酸素ヘテロ原子を任意に含み、少なくとも1個の炭素原子上に少なくとも1つの置換を含む非分岐脂肪族基である。なおさらなる実施形態において、Rは、4~8個の炭素原子を有し、1個以上の酸素ヘテロ原子を任意に含み、少なくとも1個の炭素原子上に少なくとも1つの置換を含む非分岐脂肪族基である。
いくつかの実施形態において、Rは、式(IIIA):
Figure 2024504944000014
(式中、
は、結合、-O-、-S-、-C(R)(R)、または-N(R)-であり、
およびRは、それぞれ独立して、H、C~Cアルキル基、F、Clまたは-N(R)(R)であり、
およびRは、それぞれ独立して、Hまたは-CHから選択され、
およびR10は、それぞれ独立して、結合であるか、またはカルボニル、アミド、イミド、エステル、エーテル、アミン、チオン、チオールから選択される基であり、
各Zは、独立して、結合、-CH-、-CHCH-、または-CHCHCH-であり、
tおよびuは、それぞれ独立して、0、1または2であり、但し、t+uは、少なくとも1であり、
vは、1~8の範囲の整数である)
に示される構造を有する。
いくつかの実施形態において、vは1~6の範囲である。他の実施形態において、vは1~4の範囲である。さらに他の実施形態において、vは2~6の範囲である。さらなる実施形態において、vは2~4の範囲である。
いくつかの実施形態において、Rは-C(R)(R)-であり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも1である。いくつかの実施形態において、Rは-C(R)(R)-であり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも2である。いくつかの実施形態において、Rは-C(R)(R)-であり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも3である。
いくつかの実施形態において、Rは-C(R)(R)-であり、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも1である。いくつかの実施形態において、Rは-C(R)(R)-であり、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも2である。いくつかの実施形態において、Rは-C(R)(R)-であり、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも3である。
いくつかの実施形態において、Rは-C(R)(R)-であり、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも1であり、RおよびR10の少なくとも1つはアミド基を含む。いくつかの実施形態において、Rは-C(R)(R)-であり、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも1であり、RおよびR10の少なくとも1つはアミド基を含む。いくつかの実施形態において、Rは-C(R)(R)-であり、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも1であり、RおよびR10の少なくとも1つは、アミド基を含む。
いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、Rは-C(R)(R)-であり、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも1であり、RおよびR10の少なくとも1つはアミド基を含む。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、Rは-C(R)(R)-であり、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも1であり、RおよびR10の少なくとも1つはアミド基を含む。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、Rは-C(R)(R)-であり、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも1であり、RおよびR10のうちの少なくとも1つはアミド基を含む。
いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、Rは-C(R)(R)-であり、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも1であり、RおよびR10の少なくとも1つはアミド基を含み、両方のZ基は異なる。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、Rは-C(R)(R)-であり、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも1であり、RおよびR10の少なくとも1つはアミド基を含み、両方のZ基は異なる。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、Rは-C(R)(R)-であり、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも1であり、RおよびR10の少なくとも1つはアミド基を含み、両方のZ基は異なる。
いくつかの実施形態において、RはOであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも1である。いくつかの実施形態において、RはOであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも2である。いくつかの実施形態において、RはOであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも3である。
いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、RはOであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも1であり、RおよびR10の少なくとも1つはアミド基を含む。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、RはOであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも1であり、RおよびR10の少なくとも1つはアミド基を含む。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、RはOであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも1であり、RおよびR10の少なくとも1つはアミド基を含む。
いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、RはOであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも1であり、RおよびR10の少なくとも1つはアミド基を含み、両方のZ基は異なる。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、RはOであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも1であり、RおよびR10の少なくとも1つはアミド基を含み、両方のZ基は異なる。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、RはOであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも1であり、RおよびR10の少なくとも1つはアミド基を含み、両方のZ基は異なる。
他の実施形態において、Rは、式(IIIB):
Figure 2024504944000015
(式中、
およびRは、それぞれ独立して、H、C~Cアルキル基、F、Clまたは-N(R)(R)であり、
およびRは、それぞれ独立して、Hまたは-CHから選択され、
およびR10は、それぞれ独立して、結合であるか、またはカルボニル、アミド、イミド、エステル、エーテル、アミン、チオン、チオールから選択される基であり、
各Zは、独立して、結合、-CH-、-CHCH-、または-CHCHCH-であり、
uおよびtは、それぞれ独立して、0、1または2であり、但し、u+tは、少なくとも1であり、
vは、1~8の範囲の整数である)
に示される構造を有する。いくつかの実施形態において、vは1~6の範囲である。他の実施形態において、vは1~4の範囲である。さらに他の実施形態において、vは2~6の範囲である。さらなる実施形態において、vは2~4の範囲である。
いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2である。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも2である。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも3である。
いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも1であり、RおよびR10の少なくとも1つはアミド基を含む。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも1であり、RおよびR10の少なくとも1つはアミド基を含む。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも1であり、少なくとも1つまたはRおよびR10はアミド基を含む。
いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも1であり、RおよびR10の少なくとも1つはアミド基を含み、両方のZ基は異なる。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも1であり、RおよびR10の少なくとも1つはアミド基を含み、両方のZ基は異なる。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも1であり、RおよびR10の少なくとも1つはアミド基を含み、両方のZ基は異なる。
いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、uは0である。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、uは0であり、vは少なくとも2である。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、uは0であり、vは少なくとも4である。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、uは0であり、vは少なくとも6である。
いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、uは0であり、RおよびR10の少なくとも1つはアミド基を含む。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、uは0であり、vは少なくとも2であり、RおよびR10の少なくとも1つはアミド基を含む。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、uは0であり、vは少なくとも4であり、RおよびR10の少なくとも1つはアミド基を含む。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、uは0であり、vは少なくとも6であり、RおよびR10の少なくとも1つはアミド基を含む。
他の実施形態において、Rは、式(IIIC):
Figure 2024504944000016
(式中、
およびRは、それぞれ独立して、H、C~Cアルキル基、F、Clまたは-N(R)(R)であり、
およびRは、それぞれ独立して、Hまたは-CHから選択され、
およびR10は、それぞれ独立して、結合であるか、またはカルボニル、アミド、イミド、エステル、エーテル、アミン、チオン、チオールから選択される基であり、
各Zは、独立して、結合、-CH-、-CHCH-、または-CHCHCH-であり、
uおよびtは、それぞれ独立して、0、1または2であり、但し、u+tは、少なくとも1であり、
vは、1~8の範囲の整数である)
に示される構造を有する。いくつかの実施形態において、vは1~6の範囲である。他の実施形態において、vは1~4の範囲である。さらに他の実施形態において、vは2~6の範囲である。さらなる実施形態において、vは2~4の範囲である。
いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2である。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも2である。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも3である。
いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、uは0である。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、uは0であり、vは少なくとも2である。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、uは0であり、vは少なくとも4である。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、uは0であり、vは少なくとも6である。
他の実施形態において、Rは、式(IIID):
Figure 2024504944000017
(式中、
およびRは、それぞれ独立して、H、C~Cアルキル基、F、Clまたは-N(R)(R)であり、
およびRは、それぞれ独立して、Hまたは-CHから選択され、
およびR10は、それぞれ独立して、結合であるか、またはカルボニル、アミド、イミド、エステル、エーテル、アミン、チオン、チオールから選択される基であり、
各Zは、独立して、結合、-CH-、-CHCH-、または-CHCHCH-であり、
uおよびtは、それぞれ独立して、0、1または2であり、但し、u+tは、少なくとも1であり、
vは、1~8の範囲の整数である)
に示される構造を有する。いくつかの実施形態において、vは1~6の範囲である。他の実施形態において、vは1~4の範囲である。さらに他の実施形態において、vは2~6の範囲である。さらなる実施形態において、vは2~4の範囲である。
いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2である。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも2である。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも3である。
いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、uは0である。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、uは0であり、vは少なくとも2である。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、uは0であり、vは少なくとも4である。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、uは0であり、vは少なくとも6である。
いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、uは0であり、Rはアミドである。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、uは0であり、vは少なくとも2であり、Rはアミドである。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、uは0であり、vは少なくとも4であり、Rはアミドである。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、uは0であり、vは少なくとも6であり、Rはアミドである。
他の実施形態において、Rは、式(IIIE):
Figure 2024504944000018
(式中、
およびR10は、それぞれ独立して、結合であるか、またはカルボニル、アミド、イミド、エステル、エーテル、アミン、チオン、チオールから選択される基であり、
各Zは、独立して、結合、-CH-、-CHCH-、または-CHCHCH-であり、
uおよびtは、それぞれ独立して、0、1または2であり、但し、u+tは、少なくとも1であり、
vは、1~8の範囲の整数である)
に示される構造を有する。いくつかの実施形態において、vは1~6の範囲である。他の実施形態において、vは1~4の範囲である。さらに他の実施形態において、vは2~6の範囲である。さらなる実施形態において、vは2~4の範囲である。他の実施形態において、vは3~6の範囲の整数である。さらに他の実施形態において、vは4~6の範囲の整数である。
いくつかの実施形態において、Rはカルボニル反応性基である。適切なカルボニル反応性基としては、ヒドラジン、ヒドラジン誘導体およびアミンが挙げられる。
他の実施形態において、Rはアミン反応性基である。適切なアミン反応性基としては、NHSまたはスルホ-NHSなどの活性エステル、イソチオシアナート、イソシアナート、アシルアジド、塩化スルホニル、アルデヒド、グリオキサール、エポキシド、オキシラン、カーボナート、ハロゲン化アリール、イミドエステル、無水物などが挙げられる。
さらに他の実施形態において、Rはチオール反応性基である。適切なチオール反応性基には、非重合性Michaelアクセプタ、ハロアセチル基(ヨードアセチルなど)、ハロゲン化アルキル、マレイミド、アジリジン、アクリロイル基、ビニルスルホン、ベンゾキノン、フルオロベンゼン基(テトラおよびペンタフルオロベンゼン基など)などの求核置換を受けることができる芳香族基ならびにピリジルジスルフィド基およびEllman試薬で活性化されたチオールなどのジスルフィド基が含まれる。
いくつかの実施形態において、Rは、クリックケミストリー反応に関与することができる官能基または官能基を含む部分である。「クリックケミストリー」は、SharplessおよびMeldalのグループによって独自に定義された化学哲学であり、小さなユニットを結合することによって物質を迅速かつ確実に生成するように調整された化学を説明する。「クリックケミストリー」は、信頼性が高く自律的な有機反応のコレクションに適用されている(Kolb,H.C.Finn,M.G.;Sharpless,K.B.Angew).Chem.Int.Ed.2001,40,2004-2021)。例えば、水中での信頼性の高い分子結合として銅触媒によるアジド-アルキン[3+2]環化付加を特定することが(Rostovtsev,V.V.;et al.Angew.Chem.Int.Ed.2002,41,2596-2599)、生体分子相互作用のいくつかのタイプの調査を補強するために使用されてきた(Wang,Q.;et al.J.Am.Chem.Soc.2003,125,3192-3193;Speers,A.E.;et al.J.Am.Chem.Soc.2003,125,4686-4687;Link,A.J.;Tirrell,D.A.J.Am.Chem.Soc.2003,125,11164-11165;Deiters,A.;et al.J.Am.Chem.Soc.2003,125,11782-11783)。さらに、有機合成(Lee,L.V.;et al.J.Am.Chem.Soc.2003,125,9588-9589)、創薬(Kolb,H.C.;Sharpless,K.B.Drug Disc.Today 2003,8,1128-1137;Lewis,W.G.;et al.Angew.Chem.Int.Ed.2002,41,1053-1057)、および表面の官能化(Meng,J.-C.;et al.Angew.Chem.Int.Ed.2004,43,1255-1260;Fazio,F.;et al.J.Am.Chem.Soc.2002,124,14397-14402;Collman,J.P.;et al.Langmuir 2004,ASAP,印刷中;Lummerstorfer,T.;Hoffmann,H.J.Phys.Chem.B 2004,印刷中)への応用も登場している。
いくつかの実施形態において、Rは、ジベンゾシクロオクチン、トランス-シクロオクテン、アルキン、アルケン、アジド、テトラジン、マレイミド、N-ヒドロキシスクシンイミド、チオール、1,3-ニトロン、アルデヒド、ケトン、ヒドラジン、ヒドロキシルアミン、アミノ基である。
いくつかの実施形態において、Rは、結合であるか、または1~20個の炭素原子を有し、O、NもしくはSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む、分岐もしくは非分岐の、置換されたもしくは置換されていない、飽和もしくは不飽和脂肪族基を含む基である。他の実施形態において、Rは、結合であるか、または1~15個の炭素原子を有し、O、NもしくはSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む、分岐もしくは非分岐の、置換されたもしくは置換されていない、飽和もしくは不飽和脂肪族基を含む基である。さらに他の実施形態において、Rは、結合であるか、または1~12個の炭素原子を有し、O、NもしくはSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む、分岐もしくは非分岐の、置換されたもしくは置換されていない、飽和もしくは不飽和脂肪族基を含む基である。さらに他の実施形態において、Rは、結合であるか、または1~8個の炭素原子を有し、O、NもしくはSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む、分岐もしくは非分岐の、置換されたもしくは置換されていない、飽和もしくは不飽和脂肪族基を含む基である。さらに他の実施形態において、Rは、結合であるか、または4~8個の炭素原子を有し、O、NもしくはSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む、分岐もしくは非分岐の、置換されたもしくは置換されていない、飽和もしくは不飽和脂肪族基を含む基である。
いくつかの実施形態において、Rは、1~30個の炭素原子を有し、O、NまたはSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。他の実施形態において、Rは、1~20個の炭素原子を有し、O、NまたはSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。さらに他の実施形態において、Rは、1~15個の炭素原子を有し、O、NまたはSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。さらなる実施形態において、Rは、1~12個の炭素原子を有し、O、NまたはSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。さらなる実施形態において、Rは、1~8個の炭素原子を有し、O、NまたはSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。さらなる実施形態において、Rは、4~8個の炭素原子を有し、O、NまたはSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。
いくつかの実施形態において、Rは、1~30個の炭素原子を有し、OまたはNからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。他の実施形態において、Rは、1~20個の炭素原子を有し、OまたはNからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。さらに他の実施形態において、Rは、1~15個の炭素原子を有し、OまたはNからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。さらなる実施形態において、Rは、1~12個の炭素原子を有し、OまたはNからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。さらなる実施形態において、Rは、1~8個の炭素原子を有し、OまたはNからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。さらなる実施形態において、Rは、4~8個の炭素原子を有し、OまたはNからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。
いくつかの実施形態において、Rは、1~30個の炭素原子を有し、OまたはNからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基であり、Rは、チオール反応性基、カルボニル反応性基またはアミン反応性基を含む。他の実施形態において、Rは、1~20個の炭素原子を有し、OまたはNからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基であり、Rは、チオール反応性基、カルボニル反応性基またはアミン反応性基を含む。さらに他の実施形態において、Rは、1~15個の炭素原子を有し、OまたはNからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基であり、Rは、チオール反応性基、カルボニル反応性基またはアミン反応性基を含む。さらなる実施形態において、Rは、1~12個の炭素原子を有し、OまたはNからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基であり、Rは、チオール反応性基、カルボニル反応性基またはアミン反応性基を含む。さらなる実施形態において、Rは、1~8個の炭素原子を有し、OまたはNからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基であり、Rは、チオール反応性基、カルボニル反応性基またはアミン反応性基を含む。さらなる実施形態において、Rは、4~8個の炭素原子を有し、OまたはNからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基であり、Rは、チオール反応性基、カルボニル反応性基またはアミン反応性基を含む。
いくつかの実施形態において、Rは、1~30個の炭素原子を有し、OまたはNからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基であり、QはOであり、少なくとも1つのQはHであり、Rは、チオール反応性基、カルボニル反応性基またはアミン反応性基を含む。他の実施形態において、Rは、1~20個の炭素原子を有し、OまたはNからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基であり、QはOであり、少なくとも1つのQはHであり、Rは、チオール反応性基、カルボニル反応性基またはアミン反応性基を含む。さらに他の実施形態において、Rは、1~15個の炭素原子を有し、OまたはNからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基であり、QはOであり、少なくとも1つのQはHであり、Rは、チオール反応性基、カルボニル反応性基またはアミン反応性基を含む。さらなる実施形態において、Rは、1~12個の炭素原子を有し、OまたはNからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基であり、QはOであり、少なくとも1つのQはHであり、Rは、チオール反応性基、カルボニル反応性基またはアミン反応性基を含む。さらなる実施形態において、Rは、1~8個の炭素原子を有し、OまたはNからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基であり、QはOであり、少なくとも1つのQはHであり、Rは、チオール反応性基、カルボニル反応性基またはアミン反応性基を含む。さらなる実施形態において、Rは、4~8個の炭素原子を有し、OまたはNからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基であり、QはOであり、少なくとも1つのQはHであり、Rは、チオール反応性基、カルボニル反応性基またはアミン反応性基を含む。
いくつかの実施形態において、Rは、1~30個の炭素原子を有し、OまたはNからなる群から選択される1つ以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基であり、Rは、「クリックケミストリー」反応に関与することができる官能基を含む基または部分を含む。他の実施形態において、Rは、1~20個の炭素原子を有し、OまたはNからなる群から選択される1つ以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基であり、Rは、「クリックケミストリー」反応に関与することができる官能基を含む基または部分を含む。さらに他の実施形態において、Rは、1~15個の炭素原子を有し、OまたはNからなる群から選択される1つ以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基であり、Rは、「クリックケミストリー」反応に関与することができる官能基を含む基または部分を含む。さらなる実施形態において、Rは、1~12個の炭素原子を有し、OまたはNからなる群から選択される1つ以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基であり、Rは、「クリックケミストリー」反応に関与することができる官能基を含む基または部分を含む。「クリックケミストリー」反応に関与することができる官能基は、本明細書に記載されている。さらなる実施形態において、Rは、1~8個の炭素原子を有し、OまたはNからなる群から選択される1つ以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基であり、Rは、「クリックケミストリー」反応に関与することができる官能基を含む基または部分を含む。「クリックケミストリー」反応に関与することができる官能基は、本明細書に記載されている。さらなる実施形態において、Rは、4~8個の炭素原子を有し、OまたはNからなる群から選択される1つ以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基であり、Rは、「クリックケミストリー」反応に関与することができる官能基を含む基または部分を含む。「クリックケミストリー」反応に関与することができる官能基は、本明細書に記載されている。
いくつかの実施形態において、Rは、1~30個の炭素原子を有し、OまたはNからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基であり、QはOであり、少なくとも1つのQはHであり、Rは、「クリックケミストリー」反応に関与することができる官能基を含む基または部分を含む。他の実施形態において、Rは、1~20個の炭素原子を有し、OまたはNからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基であり、QはOであり、少なくとも1つのQはHであり、Rは、「クリックケミストリー」反応に関与することができる官能基を含む基または部分を含む。さらに他の実施形態において、Rは、1~15個の炭素原子を有し、OまたはNからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基であり、QはOであり、少なくとも1つのQはHであり、Rは、「クリックケミストリー」反応に関与することができる官能基を含む基または部分を含む。さらなる実施形態において、Rは、1~12個の炭素原子を有し、OまたはNからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基であり、QはOであり、少なくとも1つのQはHであり、Rは、「クリックケミストリー」反応に関与することができる官能基を含む基または部分を含む。さらなる実施形態において、Rは、1~8個の炭素原子を有し、OまたはNからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基であり、QはOであり、少なくとも1つのQはHであり、Rは、「クリックケミストリー」反応に関与することができる官能基を含む基または部分を含む。さらなる実施形態において、Rは、4~8個の炭素原子を有し、OまたはNからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基であり、QはOであり、少なくとも1つのQはHであり、Rは、「クリックケミストリー」反応に関与することができる官能基を含む基または部分を含む。
いくつかの実施形態において、Rは、1~30個の炭素原子を有し、1個以上の酸素ヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。他の実施形態において、Rは、1~20個の炭素原子を有し、1個以上の酸素ヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。さらに他の実施形態において、Rは、1~15個の炭素原子を有し、1個以上の酸素ヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。さらなる実施形態において、Rは、1~12個の炭素原子を有し、1個以上の酸素ヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。さらなる実施形態において、Rは、1~8個の炭素原子を有し、1個以上の酸素ヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。さらなる実施形態において、Rは、4~8個の炭素原子を有し、1個以上の酸素ヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。
いくつかの実施形態において、Rは、1~30個の炭素原子を有し、1個以上の酸素ヘテロ原子を任意に含み、炭素原子の1つの上に少なくとも1つの置換をさらに含む非分岐脂肪族基である。他の実施形態において、Rは、1~20個の炭素原子を有し、1個以上の酸素ヘテロ原子を任意に含み、炭素原子の1つの上に少なくとも1つの置換をさらに含む非分岐脂肪族基である。さらに他の実施形態において、Rは、1~15個の炭素原子を有し、1個以上の酸素ヘテロ原子を任意に含み、炭素原子の1つの上に少なくとも1つの置換をさらに含む非分岐脂肪族基である。さらなる実施形態において、Rは、1~12個の炭素原子を有し、1個以上の酸素ヘテロ原子を任意に含み、炭素原子の1つの上に少なくとも1つの置換をさらに含む非分岐脂肪族基である。さらなる実施形態において、Rは、1~8個の炭素原子を有し、1個以上の酸素ヘテロ原子を任意に含み、炭素原子の1つの上に少なくとも1つの置換をさらに含む非分岐脂肪族基である。さらなる実施形態において、Rは、4~8個の炭素原子を有し、1個以上の酸素ヘテロ原子を任意に含み、炭素原子の1つの上に少なくとも1つの置換をさらに含む非分岐脂肪族基である。
いくつかの実施形態において、Rは、1~30個の炭素原子を有し、1個以上の酸素ヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基であり、QはOであり、少なくとも1つのQはHである。他の実施形態において、Rは、1~20個の炭素原子を有し、1個以上の酸素ヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基であり、QはOであり、少なくとも1つのQはHである。さらに他の実施形態において、Rは、1~15個の炭素原子を有し、1個以上の酸素ヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基であり、QはOであり、少なくとも1つのQはHである。さらなる実施形態において、Rは、1~12個の炭素原子を有し、1個以上の酸素ヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基であり、QはOであり、少なくとも1つのQはHである。さらなる実施形態において、Rは、1~8個の炭素原子を有し、1個以上の酸素ヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基であり、QはOであり、少なくとも1つのQはHである。さらなる実施形態において、Rは、4~8個の炭素原子を有し、1個以上の酸素ヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基であり、QはOであり、少なくとも1つのQはHである。
いくつかの実施形態において、Rは結合であり、RはHである。いくつかの実施形態において、Rは結合であり、RはHであり、QはOである。いくつかの実施形態において、Rは結合であり、RはHであり、QはOであり、少なくとも1つのQはHである。
いくつかの実施形態において、本開示のケージドハプテンは、式(IIA)~(IIF):
Figure 2024504944000019
Figure 2024504944000020
(式中、
は、OまたはSであり、
は、H、-CHまたは-CHCHであり、
は、結合であるか、または1~30個の炭素原子を有し、O、NもしくはSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む、分岐もしくは非分岐の、置換されたもしくは置換されていない、飽和もしくは不飽和脂肪族基を含む基であり、
は、Hまたは反応性官能基であり、
は、H、-CH、-CHCH、-OHまたは-O-Meであり、
は、H、-CH、または-CHCH、-OHまたは-O-Meであり、
各Rは、独立して、H、-CH、-CHCH、ハロゲンまたは-C(O)Hであり、
は、Hであるか、または直鎖もしくは分岐の、または置換されたもしくは置換されていないC~Cアルキル基であり、
m、nおよびoは、それぞれ独立して、0または1~4の範囲の整数であり、
pおよびqは、それぞれ独立して、0または1~3の範囲の整数であり、
sは、1または2であり、および
XおよびYは、それぞれ独立して、-CH-、-C(R)-、-N(H)-、-N(R)-、-O-、または-S-、または-C(O)-であり、Rは、C~C直鎖または分岐の、置換されたまたは置換されていないアルキル基である)
の任意の1つの構造を有する。
上記のように、いくつかの実施形態において、Rは、結合であり得、または1~30個の炭素原子を有し、O、NもしくはSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に有する、分岐もしくは非分岐の、置換されたもしくは置換されていない、飽和もしくは不飽和脂肪族基を含む基であり得る。他の実施形態において、Rは、結合であり得、または1~20個の炭素原子を有し、O、NもしくはSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に有する、分岐もしくは非分岐の、置換されたもしくは置換されていない、飽和もしくは不飽和脂肪族基を含む基であり得る。さらに他の実施形態において、Rは、結合であり得、または5~15個の炭素原子を有し、O、NもしくはSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に有する、分岐もしくは非分岐の、置換されたもしくは置換されていない、飽和もしくは不飽和脂肪族基を含む基であり得る。さらなる実施形態において、Rは、結合であり得、または6~12個の炭素原子を有し、O、NもしくはSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に有する、分岐もしくは非分岐の、置換されたもしくは置換されていない、飽和もしくは不飽和脂肪族基を含む基であり得る。さらなる実施形態において、Rは、結合であり得、または8~12個の炭素原子を有し、O、NもしくはSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に有する、分岐もしくは非分岐の、置換されたもしくは置換されていない、飽和もしくは不飽和脂肪族基を含む基であり得る。いくつかの実施形態において、Rは、カルボニル、アミン、エステル、エーテル、アミド、イミン、チオンまたはチオール基を含み得る。他の実施形態において、Rは、アミン、カルボニル、エステル、エーテル、アミド、イミン、チオンまたはチオールから選択される1つ以上の末端基を含み得る。
いくつかの実施形態において、Rは、1~30個の炭素原子を有し、O、NまたはSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。他の実施形態において、Rは、1~20個の炭素原子を有し、O、NまたはSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。さらに他の実施形態において、Rは、1~15個の炭素原子を有し、O、NまたはSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。さらなる実施形態において、Rは、1~12個の炭素原子を有し、O、NまたはSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。さらなる実施形態において、Rは、1~8個の炭素原子を有し、O、NまたはSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。さらなる実施形態において、Rは、4~8個の炭素原子を有し、O、NまたはSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。
いくつかの実施形態において、Rは、1~30個の炭素原子を有し、OまたはNからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。他の実施形態において、Rは、1~20個の炭素原子を有し、OまたはNからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。さらに他の実施形態において、Rは、1~15個の炭素原子を有し、OまたはNからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。さらなる実施形態において、Rは、1~12個の炭素原子を有し、OまたはNからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。さらなる実施形態において、Rは、1~8個の炭素原子を有し、OまたはNからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。さらなる実施形態において、Rは、4~8個の炭素原子を有し、OまたはNからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。
いくつかの実施形態において、Rは、1~30個の炭素原子を有し、1個以上の酸素ヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。他の実施形態において、Rは、1~20個の炭素原子を有し、1個以上の酸素ヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。さらに他の実施形態において、Rは、1~15個の炭素原子を有し、1個以上の酸素ヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。さらなる実施形態において、Rは、1~12個の炭素原子を有し、1個以上の酸素ヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。さらなる実施形態において、Rは、1~8個の炭素原子を有し、1個以上の酸素ヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。さらなる実施形態において、Rは、4~8個の炭素原子を有し、1個以上の酸素ヘテロ原子を任意に含む非分岐脂肪族基である。
いくつかの実施形態において、Rは、1~30個の炭素原子を有し、1個以上の酸素ヘテロ原子を任意に含み、少なくとも1個の炭素原子上に少なくとも1つの置換を含む非分岐脂肪族基である。他の実施形態において、Rは、1~20個の炭素原子を有し、1個以上の酸素ヘテロ原子を任意に含み、少なくとも1個の炭素原子上に少なくとも1つの置換を含む非分岐脂肪族基である。さらに他の実施形態において、Rは、1~15個の炭素原子を有し、1個以上の酸素ヘテロ原子を任意に含み、少なくとも1個の炭素原子上に少なくとも1つの置換を含む非分岐脂肪族基である。さらなる実施形態において、Rは、1~12個の炭素原子を有し、1個以上の酸素ヘテロ原子を任意に含み、少なくとも1個の炭素原子上に少なくとも1つの置換を含む非分岐脂肪族基である。さらなる実施形態において、Rは、1~8個の炭素原子を有し、1個以上の酸素ヘテロ原子を任意に含み、少なくとも1個の炭素原子上に少なくとも1つの置換を含む非分岐脂肪族基である。さらなる実施形態において、Rは、4~8個の炭素原子を有し、1個以上の酸素ヘテロ原子を任意に含み、少なくとも1個の炭素原子上に少なくとも1つの置換を含む非分岐脂肪族基である。
いくつかの実施形態において、Rは、式(IIIA):
Figure 2024504944000021
(式中、
は、結合、-O-、-S-、-C(R)(R)、または-N(R)-であり、
およびRは、それぞれ独立して、H、C~Cアルキル基、F、Clまたは-N(R)(R)であり、
およびRは、それぞれ独立して、Hまたは-CHから選択され、
およびR10は、それぞれ独立して、結合であるか、またはカルボニル、アミド、イミド、エステル、エーテル、アミン、チオン、チオールから選択される基であり、
各Zは、独立して、結合、-CH-、-CHCH-、または-CHCHCH-であり、
tおよびuは、それぞれ独立して、0、1または2であり、但し、t+uは、少なくとも1であり、
vは、1~8の範囲の整数である)
に示される構造を有する。いくつかの実施形態において、vは1~6の範囲である。他の実施形態において、vは1~4の範囲である。さらに他の実施形態において、vは2~6の範囲である。さらなる実施形態において、vは2~4の範囲である。
いくつかの実施形態において、Rは-C(R)(R)-であり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも1である。いくつかの実施形態において、Rは-C(R)(R)-であり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも2である。いくつかの実施形態において、Rは-C(R)(R)-であり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも3である。
いくつかの実施形態において、Rは-C(R)(R)-であり、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも1である。いくつかの実施形態において、Rは-C(R)(R)-であり、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも2である。いくつかの実施形態において、Rは-C(R)(R)-であり、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも3である。
いくつかの実施形態において、Rは-C(R)(R)-であり、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも1であり、RおよびR10の少なくとも1つはアミド基を含む。いくつかの実施形態において、Rは-C(R)(R)-であり、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも1であり、RおよびR10の少なくとも1つはアミド基を含む。いくつかの実施形態において、Rは-C(R)(R)-であり、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも1であり、RおよびR10の少なくとも1つは、アミド基を含む。
いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、Rは-C(R)(R)-であり、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも1であり、RおよびR10の少なくとも1つはアミド基を含む。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、Rは-C(R)(R)-であり、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも1であり、RおよびR10の少なくとも1つはアミド基を含む。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、Rは-C(R)(R)-であり、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも1であり、RおよびR10のうちの少なくとも1つはアミド基を含む。
いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、Rは-C(R)(R)-であり、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも1であり、RおよびR10の少なくとも1つはアミド基を含み、両方のZ基は異なる。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、Rは-C(R)(R)-であり、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも1であり、RおよびR10の少なくとも1つはアミド基を含み、両方のZ基は異なる。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、Rは-C(R)(R)-であり、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも1であり、RおよびR10の少なくとも1つはアミド基を含み、両方のZ基は異なる。
いくつかの実施形態において、RはOであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも1である。いくつかの実施形態において、RはOであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも2である。いくつかの実施形態において、RはOであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも3である。
いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、RはOであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも1であり、RおよびR10の少なくとも1つはアミド基を含む。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、RはOであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも1であり、RおよびR10の少なくとも1つはアミド基を含む。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、RはOであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも1であり、RおよびR10の少なくとも1つはアミド基を含む。
いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、RはOであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも1であり、RおよびR10の少なくとも1つはアミド基を含み、両方のZ基は異なる。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、RはOであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも1であり、RおよびR10の少なくとも1つはアミド基を含み、両方のZ基は異なる。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、RはOであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも1であり、RおよびR10の少なくとも1つはアミド基を含み、両方のZ基は異なる。
他の実施形態において、Rは、式(IIIB):
Figure 2024504944000022
(式中、
およびRは、それぞれ独立して、H、C~Cアルキル基、F、Clまたは-N(R)(R)であり、
およびRは、それぞれ独立して、Hまたは-CHから選択され、
およびR10は、それぞれ独立して、結合であるか、またはカルボニル、アミド、イミド、エステル、エーテル、アミン、チオン、チオールから選択される基であり、
各Zは、独立して、結合、-CH-、-CHCH-、または-CHCHCH-であり、
uおよびtは、それぞれ独立して、0、1または2であり、但し、u+tは、少なくとも1であり、
vは、1~8の範囲の整数である)
に示される構造を有する。いくつかの実施形態において、vは1~6の範囲である。他の実施形態において、vは1~4の範囲である。さらに他の実施形態において、vは2~6の範囲である。さらなる実施形態において、vは2~4の範囲である。
いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2である。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも2である。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも3である。
いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも1であり、RおよびR10の少なくとも1つはアミド基を含む。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも1であり、RおよびR10の少なくとも1つはアミド基を含む。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも1であり、少なくとも1つまたはRおよびR10はアミド基を含む。
いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも1であり、RおよびR10の少なくとも1つはアミド基を含み、両方のZ基は異なる。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも1であり、RおよびR10の少なくとも1つはアミド基を含み、両方のZ基は異なる。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも1であり、RおよびR10の少なくとも1つはアミド基を含み、両方のZ基は異なる。
いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、uは0である。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、uは0であり、vは少なくとも2である。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、uは0であり、vは少なくとも4である。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、uは0であり、vは少なくとも6である。
いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、uは0であり、RおよびR10の少なくとも1つはアミド基を含む。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、uは0であり、vは少なくとも2であり、RおよびR10の少なくとも1つはアミド基を含む。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、uは0であり、vは少なくとも4であり、RおよびR10の少なくとも1つはアミド基を含む。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、uは0であり、vは少なくとも6であり、RおよびR10の少なくとも1つはアミド基を含む。
他の実施形態において、Rは、式(IIIC):
Figure 2024504944000023
(式中、
およびRは、それぞれ独立して、H、C~Cアルキル基、F、Clまたは-N(R)(R)であり、
およびRは、それぞれ独立して、Hまたは-CHから選択され、
およびR10は、それぞれ独立して、結合であるか、またはカルボニル、アミド、イミド、エステル、エーテル、アミン、チオン、チオールから選択される基であり、
各Zは、独立して、結合、-CH-、-CHCH-、または-CHCHCH-であり、
uおよびtは、それぞれ独立して、0、1または2であり、但し、u+tは、少なくとも1であり、
vは、1~8の範囲の整数である)
に示される構造を有する。いくつかの実施形態において、vは1~6の範囲である。他の実施形態において、vは1~4の範囲である。さらに他の実施形態において、vは2~6の範囲である。さらなる実施形態において、vは2~4の範囲である。
いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2である。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも2である。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも3である。
いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、uは0である。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、uは0であり、vは少なくとも2である。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、uは0であり、vは少なくとも4である。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、uは0であり、vは少なくとも6である。
他の実施形態において、Rは、式(IIID):
Figure 2024504944000024
(式中、
およびRは、それぞれ独立して、H、C~Cアルキル基、F、Clまたは-N(R)(R)であり、
およびRは、それぞれ独立して、Hまたは-CHから選択され、
およびR10は、それぞれ独立して、結合であるか、またはカルボニル、アミド、イミド、エステル、エーテル、アミン、チオン、チオールから選択される基であり、
各Zは、独立して、結合、-CH-、-CHCH-、または-CHCHCH-であり、
uおよびtは、それぞれ独立して、0、1または2であり、但し、u+tは、少なくとも1であり、
vは、1~8の範囲の整数である)
に示される構造を有する。いくつかの実施形態において、vは1~6の範囲である。他の実施形態において、vは1~4の範囲である。さらに他の実施形態において、vは2~6の範囲である。さらなる実施形態において、vは2~4の範囲である。
いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2である。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも2である。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、t+uは少なくとも2であり、vは少なくとも3である。
いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、uは0である。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、uは0であり、vは少なくとも2である。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、uは0であり、vは少なくとも4である。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、uは0であり、vは少なくとも6である。
いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、uは0であり、Rはアミドである。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、uは0であり、vは少なくとも2であり、Rはアミドである。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、uは0であり、vは少なくとも4であり、Rはアミドである。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つはHであり、uは0であり、vは少なくとも6であり、Rはアミドである。
他の実施形態において、Rは、式(IIIE):
Figure 2024504944000025
(式中、
およびR10は、それぞれ独立して、結合であるか、またはカルボニル、アミド、イミド、エステル、エーテル、アミン、チオン、チオールから選択される基であり、
各Zは、独立して、結合、-CH-、-CHCH-、または-CHCHCH-であり、
uおよびtは、それぞれ独立して、0、1または2であり、但し、u+tは、少なくとも1であり、
vは、1~8の範囲の整数である)
に示される構造を有する。
いくつかの実施形態において、vは1~6の範囲である。他の実施形態において、vは1~4の範囲である。さらに他の実施形態において、vは2~6の範囲である。さらなる実施形態において、vは2~4の範囲である。他の実施形態において、vは3~6の範囲の整数である。さらに他の実施形態において、vは4~6の範囲の整数である。
いくつかの実施形態において、Rはカルボニル反応性基である。適切なカルボニル反応性基としては、ヒドラジン、ヒドラジン誘導体およびアミンが挙げられる。他の実施形態において、Rはアミン反応性基である。適切なアミン反応性基としては、NHSまたはスルホ-NHSなどの活性エステル、イソチオシアナート、イソシアナート、アシルアジド、塩化スルホニル、アルデヒド、グリオキサール、エポキシド、オキシラン、カーボナート、ハロゲン化アリール、イミドエステル、無水物などが挙げられる。さらに他の実施形態において、Rはチオール反応性基である。適切なチオール反応性基には、非重合性Michaelアクセプタ、ハロアセチル基(ヨードアセチルなど)、ハロゲン化アルキル、マレイミド、アジリジン、アクリロイル基、ビニルスルホン、ベンゾキノン、フルオロベンゼン基(テトラおよびペンタフルオロベンゼン基など)などの求核置換を受けることができる芳香族基ならびにピリジルジスルフィド基およびEllman試薬で活性化されたチオールなどのジスルフィド基が含まれる。
いくつかの実施形態において、Rは、クリックケミストリー反応に関与することができる官能基または官能基を含む部分である。いくつかの実施形態において、Rは、ジベンゾシクロオクチン、トランス-シクロオクテン、アルキン、アルケン、アジド、テトラジン、マレイミド、N-ヒドロキシスクシンイミド、チオール、1,3-ニトロン、アルデヒド、ケトン、ヒドラジン、ヒドロキシルアミン、アミノ基である。
いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つは、-CHである。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つは-CHであり、RはC~Cアルキル基である。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つは-CHであり、RはC~Cアルキル基である。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つは-CHであり、RはHである。
いくつかの実施形態において、RおよびRの両方が-CHであり、RはC~Cアルキル基である。いくつかの実施形態において、RおよびRの両方が-CHであり、RはC~Cアルキル基である。いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも両方が-CHであり、RはHである。
いくつかの実施形態において、m、n、pおよびqはそれぞれ1であり、各RはHまたは-CHから選択される。いくつかの実施形態において、m、n、pおよびqはそれぞれ1であり、各RはHまたは-CHから選択され、少なくとも1つのRまたはRは-CHである。いくつかの実施形態において、m、n、pおよびqはそれぞれ1であり、各RはHまたは-CHから選択され、RおよびRの両方が-CHである。
いくつかの実施形態において、m、n、pおよびqはそれぞれ1であり、各RはHまたは-CHから選択され、sは1である。いくつかの実施形態において、m、n、pおよびqはそれぞれ1であり、各RはHまたは-CHから選択され、sは1であり、少なくとも1つのRまたはRは-CHである。いくつかの実施形態において、m、n、pおよびqはそれぞれ1であり、各RはHまたは-CHから選択され、sは1であり、RおよびRの両方が-CHである。
いくつかの実施形態において、m、n、pおよびqはそれぞれ1であり、少なくとも1つのRは-CHである。いくつかの実施形態において、m、n、pおよびqはそれぞれ0である。いくつかの実施形態において、m、n、pおよびqはそれぞれ0であり、少なくとも1つのRまたはRは-CHである。いくつかの実施形態において、m、n、pおよびqはそれぞれ0であり、RおよびRの両方が-CHである。
いくつかの実施形態において、XはOである。いくつかの実施形態において、XはOであり、Yは-C(O)-である。いくつかの実施形態において、XはOである。いくつかの実施形態において、XはOであり、Yは-C(O)-であり、sは1である。いくつかの実施形態において、XはOであり、Yは-C(O)-であり、sは1であり、QはOである。いくつかの実施形態において、XはOであり、Yは-C(O)-であり、sは1であり、QはSである。いくつかの実施形態において、XはOであり、Yは-C(O)-であり、sは1であり、QはOであり、各QはHである。
式(IIIA)~(IIIF)の化合物の非限定的な例には、
Figure 2024504944000026
が含まれるが、これらに限定されない。
ケージドハプテンコンジュゲート
本開示はまた、ケージドハプテンを含むコンジュゲートを提供する。いくつかの実施形態において、コンジュゲートは、特異的結合実体およびケージドハプテン、例えば式(IA)、(IB)または(IIA)~(IIF)の任意の1つの構造を有するケージドハプテンを含む。特異的結合実体、例えば抗体、核酸分子、オリゴヌクレオチドなどをケージドハプテンに結合させる方法が本明細書に記載される。
いくつかの実施形態において、コンジュゲートは、式(IA)の構造を有するケージドハプテンに結合された抗体(例えば、一次抗体または二次抗体)を含む。他の実施形態において、コンジュゲートは、式(IB)の構造を有するケージドハプテンに結合された抗体(例えば、一次抗体または二次抗体)を含む。他の実施形態において、コンジュゲートは、式(IIA)の構造を有するケージドハプテンに結合された抗体(例えば、一次抗体または二次抗体)を含む。他の実施形態において、コンジュゲートは、式(IIB)の構造を有するケージドハプテンに結合された抗体(例えば、一次抗体または二次抗体)を含む。他の実施形態において、コンジュゲートは、式(IIC)の構造を有するケージドハプテンに結合された抗体(例えば、一次抗体または二次抗体)を含む。他の実施形態において、コンジュゲートは、式(IID)の構造を有するケージドハプテンに結合された抗体(例えば、一次抗体または二次抗体)を含む。他の実施形態において、コンジュゲートは、式(IIE)の構造を有するケージドハプテンに結合された抗体(例えば、一次抗体または二次抗体)を含む。他の実施形態において、コンジュゲートは、式(IIF)の構造を有するケージドハプテンに結合された抗体(例えば、一次抗体または二次抗体)を含む。いくつかの実施形態において、抗体はモノクローナル抗体である。いくつかの実施形態において、一次抗体または二次抗体はモノクローナル抗体である。
一次抗体の例としては、抗Her2、抗Her3、抗PD-L1、抗PD-1、抗E-カドヘリン、抗β-カテニン、抗EGFR(Her1)、抗cMET、抗GRB2、抗TIGIT、抗ホスホチロシン、抗ユビキチンが挙げられる。二次抗体の例としては、抗ウサギ、抗マウス、抗ラット、抗ヤギ、抗ラクダ科動物、抗DIG、抗DNP、抗フルオレセインが挙げられる。
本開示のケージドハプテンは、抗体の任意の部分またはモノクローナル抗体の任意の部分に結合され得る。当業者は、抗体が、(i)アミン(-NH2)、(ii)チオール基(-SH)および(iii)炭水化物残基を含む、共有結合修飾に適した3つの異なる種類の官能基を含むことを理解するであろう。したがって、本明細書に開示されているケージドハプテンのいずれもが、アミン残基、チオール残基および炭水化物残基またはこれらの任意の組み合わせに結合され得る。いくつかの実施形態において、ケージドハプテンは、抗体のFc部分に結合される。
いくつかの実施形態において、特異的結合実体は、核酸分子またはオリゴヌクレオチドである。いくつかの実施形態において、核酸分子は、5~約50のヌクレオチドを含む。他の実施形態において、核酸分子は、5~約40のヌクレオチドを含む。他の実施形態において、核酸分子は、5~約30のヌクレオチドを含む。他の実施形態において、核酸分子は、5~約25のヌクレオチドを含む。他の実施形態において、核酸分子は、5~約20ヌクレオチドを含む。他の実施形態において、核酸分子は、5~約15ヌクレオチドを含む。
いくつかの実施形態において、本開示のケージドハプテンコンジュゲートは、式(IVA)または(IVB):
[特異的結合実体]-W-W-R-O-[DIG]-[ホスホリル](IVA)
[特異的結合実体]-W-W-R-O-[DIG]-PO(IVB)
(式中、
[特異的結合実体]は、特異的結合実体であり、
は、結合であるか、または1~10個の炭素原子を有し、O、NもしくはSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む、分岐もしくは非分岐の、置換されたもしくは置換されていない、飽和もしくは不飽和脂肪族基を含む基であり、
は、結合であるか、または反応性官能基に由来し、
「反応性官能基、」R、[DIG]および[ホスホリル]は、本明細書に記載されているとおりである)
の任意の1つの構造を有する。
いくつかの実施形態において、[特異的結合実体]は、抗体、例えば、モノクローナル抗体である。いくつかの実施形態において、[特異的結合実体]は、一次抗体(例えば、β-カテニンに対して特異的な抗体にコンジュゲートされたケージドハプテン)である。いくつかの実施形態において、[特異的結合実体]は、二次抗体(例えば、抗β-カテニン抗体に対して特異的な抗体にコンジュゲートされたケージドハプテン)である。いくつかの実施形態において、[特異的結合実体]は、核酸分子またはオリゴヌクレオチドである。
いくつかの実施形態において、ケージドハプテンコンジュゲートは、式(VA)または(VF):
Figure 2024504944000027
Figure 2024504944000028
(式中、
[特異的結合実体]は、特異的結合実体であり、
は、結合であるか、または1~10個の炭素原子を有し、O、NもしくはSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む、分岐もしくは非分岐の、置換されたもしくは置換されていない、飽和もしくは不飽和脂肪族基を含む基であり、
は、結合であるか、または(本明細書に記載されているような)反応性官能基に由来し、
、Q、R、R~R、m、n、o、p、q、s、XおよびYは、本明細書で定義されているとおりである)
の任意の1つの構造を有する。
いくつかの実施形態において、[特異的結合実体]は、抗体、例えば、モノクローナル抗体である。いくつかの実施形態において、[特異的結合実体]は、一次抗体(例えば、β-カテニンに対して特異的な抗体にコンジュゲートされたケージドハプテン)である。いくつかの実施形態において、[特異的結合実体]は、二次抗体(例えば、抗β-カテニン抗体に対して特異的な抗体にコンジュゲートされたケージドハプテン)である。いくつかの実施形態において、[特異的結合実体]は、核酸分子またはオリゴヌクレオチドである。
およびW基の非限定的な例を以下に示す。
Figure 2024504944000029
本開示のコンジュゲートの非限定的な例には、以下のものが含まれる。
Figure 2024504944000030
ケージドハプテンコンジュゲートの合成
本開示のケージドハプテンコンジュゲートは、当業者に公知の任意の方法に従って合成され得る。いくつかの実施形態において、ケージドハプテン(式(IA)、(IB)および(IIA)~(IIF)のもののいずれかを含む、本明細書に記載されているもののいずれかなど)は、抗体のチオール基、例えばモノクローナル抗体のチオール基にコンジュゲートされ得る。いくつかの実施形態において、ジチオスレイトール(DTT)またはジチオエリスリトール(DTE)などの還元剤で抗体を処理することによって、まず、チオール基が抗体に導入される。DTEまたはDTTなどの穏やかな還元剤の場合、抗体をインタクトな状態に保ちながら(これは、サイズ排除クロマトグラフィーによって決定することができる)、限定された数のチオール(約2~約6など)を抗体に導入するために、約1mM~約40mMの濃度(例えば、約5mM~約30mMまたは約15mM~約25mMの濃度)が使用される。還元剤での処理後、それぞれのケージドハプテン-抗体コンジュゲートを形成するために、チオール反応性基(例えば、マレイミド基)を有する過剰なケージドハプテンが導入される。1つ以上のチオール基を導入する他の方法は、米国特許出願公開第2016/0187324号に記載されており、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
他の実施形態においては、ケージドハプテンは抗体のFc部分にコンジュゲートされ得る。いくつかの実施形態においては、アルデヒドを形成するために、まず、抗体のFc部分を酸化し、その後、ケージドハプテンは、ケージドハプテン上の反応性官能基を通じて(例えば、ヒドラジド基などのカルボニル反応性基によって)、抗体の酸化されたFc部分に結合される。
さらに他の実施形態において、ケージドハプテンは、抗体のリジン残基、例えばモノクローナル抗体のリジン残基にコンジュゲートされ得る。以下の合成スキーム(スキーム2)に示されているように、いくつかの実施形態において、過剰の適切に官能化されたケージドハプテン(例えば、マレイミド基などのチオール反応性基を有するもの)を添加する前に、まず、過剰のトラウト試薬(2-イミノチオラン塩酸塩)で抗体を処理する。
ケージドハプテンコンジュゲートの合成後、コンジュゲートは、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)などによって精製され、次いで、ゲル電気泳動および/またはUV-Visなどによって特徴付けられ得る。
ケージドハプテンコンジュゲートを用いた近接検出
ここでより詳細に記載されるように、本開示は、タンパク質-タンパク質複合体、例えば互いに近接したタンパク質二量体またはタンパク質(例えば、5000nm以下の近接を有するもの)の検出を容易にする。いくつかの実施形態において、アッセイは、4000nm以下の近接を有するタンパク質二量体またはタンパク質を検出することができる。他の実施形態において、アッセイは、3000nm以下の近接を有するタンパク質二量体またはタンパク質を検出することができる。他の実施形態において、アッセイは、2500nm以下の近接を有するタンパク質二量体またはタンパク質を検出することができる。他の実施形態において、アッセイは、2000nm以下の近接を有するタンパク質二量体またはタンパク質を検出することができる。他の実施形態において、アッセイは、1500nm以下の近接を有するタンパク質二量体またはタンパク質を検出することができる。さらに他の実施形態において、アッセイは、1000nm以下の近接を有するタンパク質二量体またはタンパク質を検出することができる。さらなる実施形態において、アッセイは、500nm以下の近接を有するタンパク質二量体またはタンパク質を検出することができる。
タンパク質-タンパク質複合体(PPC)は、細胞疾患状態および癌を含む全ての生理学的過程において分子ネットワークのシグナル伝達ノードおよびハブを形成する。再プログラムされた癌開始細胞は、新たな物理的および分子的特徴を獲得し、分子シグナル伝達経路を変化させることによって癌の全ての特徴を獲得および維持し、病理学的結果をもたらす。PPCは、それらの細胞において発癌性シグナルを伝達することに関与していると考えられている。PPCは、シグナル伝達を増大させることおよび増殖抑制因子の回避に関与し、その結果、癌の発生および進行をもたらすとも考えられている。タンパク質-タンパク質複合体の非限定的な例としては、Her1/2/3/4タンパク質のいずれか同志
;PD-1とPD-L1;および/またはPD-L2、EGFR(Her1)とそれに関連するリガンド(AREG、EREG)のいずれか;アダプタータンパク質GRB2とEGFR、cMET、Her2、MUC1などのリン酸化チロシンタンパク質;TIGITとCD155が挙げられる。
出願人は、PPCが、免疫組織化学(IHC)における機能的診断のみならず、治療開発のための標的の極めて有望なクラスであると考える。従来のIHCは、従来の光学顕微鏡法の回折限界のために、200ナノメートルの範囲の解像限界で単一のエピトープの存在を検出する。結果として、数十ナノメートルのオーダーで存在する複合体ではなく、共局在化に関してタンパク質を記載することが可能であるに過ぎない。凍結組織およびパラフィン包埋組織上での特定の分子間複合体の存在および分布を調べることが可能であることによって、IHCは構造的診断から機能的診断に移行することが可能になる。したがって、PPCおよびそれらが表すヒトインタラクトーム内の分子ネットワークを含めることで、バイオマーカーの定義はより広くなる。
開示された近接アッセイは、単にタンパク質-タンパク質相互作用を測定することより一般的であると考えられる。実際に、開示されるアッセイは、結合部分の近接性の測定を可能にする。実際には、結合部分(例えば、抗体)は、それらの間の距離が最小であるかまたは距離が全く存在しない標的に対して作られ得る。この例には、タンパク質のリン酸化のようなシグナル伝達事象が含まれ得る。この場合、1つの抗体がタンパク質(例えば、HER2)上のエピトープに対して作られたものであり、第2の抗体が全てのホスホ-チロシンに対して作られたものであるならば、近接シグナルは全てのリン酸化されたHER2タンパク質を表すであろう。この種のアッセイは、互いに相互作用するタンパク質の対より二値性(あり/なし)である。
本開示のケージドハプテン-コンジュゲートのいずれもが、(i)タンパク質二量体またはタンパク質近接の検出のための単式アッセイ;ならびに(ii)タンパク質二量体またはタンパク質近接の検出および総タンパク質の検出のための多重式アッセイのいずれにおいても使用され得る。「総タンパク質」は、任意の所与のタンパク質の通常のIHC可視化を指すのに対して、近接シグナルは、所与の相互作用に関与するこのタンパク質の一部である。例えば、PD-1/PD-L1アッセイの場合、近接シグナルはPD-1とPD-L1の間での相互作用のみを可視化するのに対して、総タンパク質シグナルは試料中の全てのPD-1を可視化する。近接性に対するスコアを分子として表し、総タンパク質に対するスコアを分母として表すと、相互作用に関与するPD-1の割合または百分率を与えることができる。これは、タンパク質の発現が相互作用するタンパク質の数より重要ではない場合に、タンパク質-タンパク質相互作用を妨害する医薬品有効成分を検出するための診断法として重要であり得る。このことは、上記のようにリン酸化にも当てはまると考えられ、リン酸化シグナルについて単に任意のスコアを受け取る代わりに、与えられたタンパク質の何パーセントがリン酸化されているかを定量することが可能であり得る。
図4を参照すると、タンパク質二量体の検出は、2つの一般的な段階で行われる。第1の段階150では、試料は、少なくとも2種類の異なる抗体コンジュゲート、例えば少なくとも2種類の異なるモノクローナル抗体コンジュゲートで標識される。第2の段階160では、試料を第1のセットの検出試薬(例えば、単式アッセイの場合)と接触させ、任意に第2のセットの検出試薬(例えば、多重式アッセイの場合)と接触させる。第2の段階160の後に、第1および任意に第2のセットの検出試薬からの信号が検出される(工程140)。シグナルは、米国特許第10,041,950号、ならびに米国特許出願公開第2019/0204330号、米国特許出願公開第2017/0089911号および米国特許出願公開第2019/0187130号、ならびに国際公開第2014/143155号に記載されているものなど、当業者に公知の方法に従って検出され得、これらの開示はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
第1の段階150では、試料を第1の標的に対して特異的なケージドハプテン-抗体コンジュゲートと接触させて、第1の標的-ケージドハプテン-抗体コンジュゲート複合体を形成させる(工程100)。いくつかの実施形態において、ケージドハプテン-抗体コンジュゲートは、式(IVA)、(IVB)または(VA)~(VF)の任意の1つを有する。本明細書にさらに記載されるように、ケージドハプテン-抗体コンジュゲートのケージドハプテン部分は、マスク化されていない状態になって、それぞれの脱マスク化ハプテン、すなわち、「天然型ハプテン」または「非ケージ化ハプテン」を提供することができる。例えば、天然型DIGハプテンを提供するために、ケージドDIGハプテンはマスク化されていない状態にされ得る。同様に、天然型ステロイドを提供するために、ケージ化されたステロイドはマスク化されていない状態にされ得る。
続いて、第2の標的-脱マスキング酵素-抗体コンジュゲート複合体を形成するために、まず、試料を第2の標的に対して特異的な脱マスキング酵素-抗体コンジュゲートと接触させる(工程110)。いくつかの実施形態において、脱マスキング酵素-抗体コンジュゲートの脱マスキング酵素(例えば、ホスファターゼ、ホスホジエステラーゼ、ホスホトリエステラーゼ)は、工程100で導入されたケージドハプテン-抗体コンジュゲートの酵素基質部分と反応性である。例えば、脱マスキング酵素-抗体コンジュゲートの脱マスキング酵素は、式(IVA)の[ホスホリル]基、式(IVB)のPO基、または式(VA)~(VF)の任意の1つのホスファート含有基のいずれかと反応性であり得る。
いくつかの実施形態において、工程100および110は、任意の順序で実行され得、または同時に実行され得る。いくつかの実施形態において、工程100が最初に実行され、工程110が2番目に実行される。他の実施形態において、工程110が最初に実行され、工程100が2番目に実行される。
いくつかの実施形態において、第1の段階150は、酵素活性を増強するためにスライド上の条件が変更される1つ以上の「脱ケージ化工程」も含む。「脱ケージ化工程」には、1つ以上の洗浄工程またはpHを調整するための工程(例えば、約7~約8.5の範囲のpH)が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、脱ケージ化は、約37℃の温度のトリス緩衝液中、約7.4~約7.6の範囲のpHで、約4分~約32分の範囲の時間行われる。各脱ケージ化酵素は、それ独自の最適条件(緩衝剤、塩、補因子、温度)を有すると考えられ、任意の脱ケージ化工程のパラメータは、抗体コンジュゲートの特異的結合を妨害することなしに、酵素の活性を増強し、「脱ケージ化」を促進するように選択され得る。
いくつかの実施形態において、第1の段階150は、ケージング基に対する酵素の作用を防ぐために、試料を1つ以上の可逆的酵素阻害剤と接触させることも含む。いくつかの実施形態において、脱マスク化抗体コンジュゲートおよびケージドハプテン抗体コンジュゲートの両方の導入後に、1つ以上の可逆的酵素阻害剤が添加される。アルカリホスファターゼ(AP)との関連において、これらの可逆的酵素阻害剤には、種々の機構によって酵素活性を低下させることができると考えられているホスファート、フェニルアラニンおよびEDTAが含まれ得る。
第2の段階160において、次いで、試料を、ケージドハプテン-抗体コンジュゲートの天然型ハプテンに特異的な検出試薬の第1のセットと接触させる(すなわち、検出試薬の第1のセットは、ケージドハプテンコンジュゲートのハプテンの非ケージ化された形態に対して特異的である)(工程120)。任意に、試料を、脱マスキング酵素-抗体コンジュゲートの脱マスキング酵素に対して特異的な検出試薬の第2のセットと接触させる(工程130)。いくつかの実施形態において、工程120および130は、任意の順序で実行され得、または同時に実行され得る。
本開示のタンパク質近接アッセイを図2、図3および図5~7にさらに例示する。例えば、図2は、(標的2に結合した)アルカリホスファターゼを含む脱マスキング酵素-抗体コンジュゲートと(標的1に結合した)ケージドハプテン-抗体コンジュゲートとの間の相互作用を例示する概略図であり、脱マスキング酵素-抗体コンジュゲートの脱マスキング酵素(例えば、アルカリホスファターゼ)は、(標的1と標的2とが互いに近接しているために)ケージドハプテン-抗体コンジュゲートの酵素基質部分(例えば、ホスファート基またはその誘導体)と反応して、それぞれの脱マスク化ハプテンを提供し、これは検出され得る。同様に、図7は、近接したタンパク質(標的1および標的2)および総タンパク質(標的2)の両方の多重検出を例示する概略図である。
図2および図7を参照すると、第1の標的101が第2の標的102に十分に近接していれば、ケージドハプテン-抗体コンジュゲート103Aは、脱マスキング酵素-抗体コンジュゲート104の脱マスキング酵素が、ケージドハプテン-抗体コンジュゲート103Aの酵素基質と反応し得るように、脱マスキング酵素-抗体コンジュゲート104に十分に近接して提供される(近接は標識105される)。これは、続いて、第1の標的脱マスク化ハプテン-抗体コンジュゲート複合体の形成をもたらす(103B)。図2、図5および図7に例示されるように、第1の標的である脱マスク化ハプテン-抗体コンジュゲート複合体(103B)は、他の特異的結合実体(例えば、二次抗体106)を結合することができるか、または他の特異的結合実体(例えば、二次抗体106)によって認識され得る。
他方、図3に示されるように、第1の標的101が第2の標的102に十分に近接していなければ、ケージドハプテン-抗体コンジュゲート103Aは、脱マスキング酵素-抗体コンジュゲート104に近接して提供されない(近接は標識108される)。この例では、脱マスキング酵素は、ケージドハプテン-抗体コンジュゲート103Aの酵素基質と反応せず、したがって、ケージドハプテンはマスクされたまたは保護された状態のままである、すなわち、他の特異的結合実体を結合することができないか、または他の特異的結合実体によって認識され得ない。
再び図2、図5および図7を参照すると、抗体コンジュゲートの導入および任意の脱ケージ化工程の後、次いで、試料を第1の検出試薬(106)と接触させ(工程120)、第1の検出試薬は、第1の標的である脱マスク化ハプテン-抗体コンジュゲート複合体の脱マスク化ハプテン(103B)に対して特異的である。いくつかの実施形態において、第1の検出試薬は、脱マスク化ハプテン(103B)に対して特異的な二次抗体(106)、すなわち抗脱マスク化ハプテン抗体を含む。いくつかの実施形態において、抗脱マスク化ハプテン抗体(106)は、検出可能部分にコンジュゲートされる(例えば、図2および図7では、検出可能部分はHRP酵素であり、HRP酵素は銀発色性基質などの基質に作用する)。いくつかの実施形態において、第1の検出試薬(106)は、第1の標的である脱マスク化ハプテン-抗体コンジュゲート複合体の天然型または脱マスク化ハプテン(103B)が、脱マスキング酵素-抗体コンジュゲート(104)の脱マスキング酵素によって脱マスク化されている場合にのみ結合する。したがって、第1の検出試薬(106)の検出可能部分からのシグナル(107)は、第1および第2の標的(101および102)が、したがって抗体コンジュゲート(103Aおよび104)が互いに近接している場合にのみ工程140において検出することが可能である。ここで、検出されたシグナル(107)は、近接したタンパク質二量体またはタンパク質/標的を表す(標的が互いに十分に近接していなかった図3と比較せよ)。
いくつかの実施形態において、検出可能なシグナルを増加させるために増幅工程が実施され得る。例えば、第1の標的である脱マスク化ハプテン-抗体コンジュゲートの脱マスク化ハプテンを追加のレポーター部分、例えば追加のハプテンまたは他の「検出可能部分」でさらに標識するために、増幅成分が導入され得る。例として、第1の標的である脱マスク化ハプテン-抗体コンジュゲートの脱マスク化ハプテンを複数の増幅ハプテンで標識するために、増幅ハプテンにコンジュゲートされた(または、他の実施形態においては、酵素にコンジュゲートされた)抗脱マスク化ハプテン抗体が導入され得る。続いて、それぞれ検出可能部分にコンジュゲートされた抗増幅ハプテン抗体が導入され得る。いくつかの実施形態において、抗増幅ハプテン抗体は酵素にコンジュゲートされ、酵素は導入された基質に作用してシグナルを生成する(例えば、視覚信号を生成するための発色基質または蛍光基質)。本明細書にそれぞれ記載されるTSAおよびQMコンジュゲートは、任意の増幅工程において使用され得る。いくつかの例では、信号増幅は、OPTIVIEW Amplification Kit(Ventana Medical Systems,Inc.、Tucson、Ariz.、カタログ番号760-099)を使用して実行される。
多重検出
いくつかの実施形態において、脱マスキング酵素-抗体コンジュゲートの脱マスキング酵素は、2つの機能、すなわち(i)ケージドハプテンを脱マスク化するかまたは露出させること、および(ii)脱マスク化ハプテン(すなわち、脱マスク化ハプテン-抗体コンジュゲート複合体)によって生成されるシグナルとは独立したシグナルが検出され得るように、別の基質(例えば、発色基質または蛍光基質)と反応すること、を果たし得る。したがって、本明細書に開示されたシステムは、2つのタンパク質間の近接性を、これらのタンパク質の1つに対する総タンパク質染色という文脈の中で可視化することを可能にする。いかなる特定の理論にも拘束されることを望むものではないが、別のタンパク質染色の文脈の中で近接検出を多重化する能力は、迅速な、ガイドされたスライド読み取り(すなわち、総タンパク質内の近接シグナルのみを探す)を有する可能性または別のタンパク質と相互作用しているタンパク質の百分率を定量する能力(近接アッセイをスコア化する方法)を可能にする特徴であると考えられる。
第1の検出試薬(106)の導入後に再び図2、図4および図7を参照すると、総タンパク質が検出され得るように、第2の検出可能部分を含む第2の検出試薬が、工程130において、任意に試料に導入され得る。いくつかの実施形態において、第2の検出可能部分は、第1の検出可能部分(107)のシグナルとは異なるシグナル(112)を与える。いくつかの実施形態において、第2の検出可能部分は、脱マスキング酵素に対する基質、例えば、黄色シグナル(109)を与える発色基質を含む。他の実施形態において、第2の検出可能部分は、シグナル伝達コンジュゲートを含む。
いくつかの実施形態において、内因性ペルオキシダーゼ活性を実質的にまたは完全に不活化するために、生物学的試料は酵素不活化組成物で前処理される。例えば、いくつかの細胞または組織は、内因性ペルオキシダーゼを含有する。HRPコンジュゲート抗体を使用することは、高い非特異的バックグラウンド染色をもたらし得る。この非特異的バックグラウンドは、本明細書に開示される酵素不活化組成物で試料を前処理することによって低減させることができる。いくつかの実施形態において、内因性ペルオキシダーゼ活性を低下させるために、試料は過酸化水素のみ(適切な前処理溶液の約1重量%~約3重量%)で前処理される。内因性ペルオキシダーゼ活性が低下または不活化されたら、上記のように、検出キットが添加され、その後、検出キット中に存在する酵素が不活化され得る。開示される酵素不活化組成物および方法は、内因性酵素ペルオキシダーゼ活性を不活化するための方法としても使用され得る。さらなる不活化組成物は、米国特許出願公開第2018/0120202号に記載されており、その開示は、その全体は参照により本明細書に組み入れられる。
いくつかの実施形態において、検体がパラフィン中に包埋された試料である場合には、適切な脱パラフィン流体を使用して試料を脱パラフィンすることができる。廃液除去剤が脱パラフィン液を除去した後、任意の数の物質が連続して検体に適用され得る。物質は、前処理(例えば、タンパク質架橋、核酸を露出させるなど)、変性、ハイブリッド形成、洗浄(例えば、厳密性洗浄)、検出(例えば、視覚的またはマーカー分子のプローブへの連結)、増幅(例えば、タンパク質、遺伝子などの増幅)、対比染色、カバーガラスなどのためのものであり得る。
ケージドハプテン抗体コンジュゲートの検出
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるケージドハプテンコンジュゲートのいずれか、またはケージドハプテンコンジュゲートと試料内の標的などの標的との複合体の検出を可能にするために、検出試薬が使用される。本明細書に記載されるように、いくつかの実施形態において、使用される検出試薬は、任意のケージドハプテン-コンジュゲートのケージドハプテンに対応する脱マスク化または天然型ハプテンに対して特異的である。例えば、ケージドハプテン-コンジュゲートがリン酸化DIGである場合、リン酸化DIGに対応する脱マスク化または天然型ハプテンであるDIGの検出を可能にするために検出試薬が使用される。検出試薬は、シグナルを増加させるように設計された成分、例えばシグナル増幅成分またはシグナル増幅キットも含み得る。
いくつかの実施形態において、脱マスク化ハプテンに対して特異的な検出試薬は、ケージドハプテンコンジュゲートの脱マスク化ハプテンに対して特異的な二次抗体、すなわち抗脱マスク化ハプテン抗体であり、それ自体が検出可能部分にコンジュゲートされている。「検出可能部分」は、試料中のケージドハプテン-抗体コンジュゲートおよび/または脱マスキング酵素-抗体コンジュゲートの存在(すなわち、定性分析)および/または濃度(すなわち、定量分析)を示す(視覚的に、電子的に、またはその他の方法で)検出可能なシグナルを生成することができる分子または材料である。検出可能なシグナルは、光子の吸収、放出および/または散乱(無線周波数、マイクロ波周波数、赤外周波数、可視周波数および紫外周波数光子を含む)を含む、任意の公知または未発見の機構によって生成され得る。
いくつかの実施形態において、抗脱マスク化ハプテン抗体の検出可能部分には、発色性、蛍光性、りん光性、発光性の分子および材料、(無色の物質を着色された物質に変換するかもしくはその逆によって、または沈殿物を生成するか、試料の濁度を増加させることなどによって)ある物質を別の物質に変換して検出可能な差を与える触媒(酵素など)、追加の検出可能に標識された抗体コンジュゲートを使用して抗体-ハプテン結合相互作用を通じて検出され得るハプテン、ならびに常磁性および磁性分子または材料が含まれる。もちろん、検出可能部分自体を間接的に検出することも可能であり、例えば、検出可能な部分がハプテンである場合、当業者に知られているように、その検出可能部分に対して特異的なさらに別の抗体が検出可能部分の検出において使用され得る。
いくつかの実施形態において、抗脱マスク化ハプテン抗体は、Cascade Blueアセチルアジド;ダポキシルスルホン酸/カルボン酸DY-405;Alexa Fluor 405 Cascade Yellow ピリジルオキサゾールスクシンイミジルエステル(PyMPO);Pacific Blue DY-415;7-ヒドロキシクマリン-3-カルボン酸DYQ-425;6-FAMホスホラミダイト;Lucifer Yellow;Alexa Fluor 430 Dabcyl NBDクロリド/フルオリド;QSY35 DY-485XL;Cy2DY-490;Orgeon Green 488 Alexa Fluor 488 BODIPY 493/503 C3 DY-480XL;BODIPY FL C3 BODIPY FL C5 BODIPY FL-X DYQ-505;Oregon Green 514 DY-510XL;DY-481XL;6-カルボキシ-4’,5’-ジクロロ-2’,7’-ジメトキシフルオレセインスクシンイミジルエステル(JOE);DY-520XL;DY-521XL;BODIPY R6G C3エリスロシンイソチオシアネート;5-カルボキシ-2’,4’,5’,7’-テトラブロモスルホンフルオレセインAlexa Fluor 532 6-カルボキシ-2’,4,4’,5’,7,7’-ヘキサクロロフルオレセインスクシンイミジルエステル(HEX);BODIPY 530/550 C3 DY-530;BODIPY TMR-X DY-555;DYQ-1;DY-556;Cy3 DY-547;DY-549;DY-550;Alexa Fluor 555 Alexa Fluor 546 DY-548;BODIPY 558/568 C3ローダミンレッド-X QSY 7 BODIPY 564/570 C3 BODIPY 576/589 C3カルボキシ-X-ローダミン(ROX);Alexa Fluor 568 DY-590;BODIPY 581/591 C3 DY-591;BODIPY TR-X Alexa Fluor 594 DY-594;カルボキシナフトフルオレセインDY-605;DY-610;Alexa Fluor 610 DY-615;BODIPY 630/650-X エリオグラウシン;Alexa Fluor 633 Alexa Fluor 635スクシンイミジルエステル、;DY-634;DY-630;DY-631;DY-632;DY-633;DYQ-2;DY-636;BODIPY650/665-X DY-635;Cy5 Alexa Fluor 647 DY-647;DY-648;DY-650;DY-654;DY-652;DY-649;DY-651;DYQ-660;DYQ-661;Alexa Fluor 660 Cy5.5 DY-677;DY-675;DY-676;DY-678;Alexa Fluo680 DY-679;DY-680;DY-682;DY-681;DYQ-3;DYQ-700;Alexa Fluor700 DY-703;DY-701;DY-704;DY-700;DY-730;DY731;DY-732;DY-734;DY-750;Cy7 DY-749;DYQ-4;およびCy7.5からなる群から選択される検出可能部分を含む。
フルオロフォアは、クマリン、フルオレセイン(またはフルオレセイン誘導体および類似体)、ローダミン、レゾルフィン、ルミノフォアおよびシアニンを含むいくつかの一般的な化学クラスに属する。蛍光分子の追加例は、Molecular Probes Handbook-A Guide to Fluorescent Probes and Labeling Technologies,Molecular Probes,Eugene,OR,ThermoFisher Scientific,11th Editionに記載されている。他の実施形態において、フルオロフォアは、キサンテン誘導体、シアニン誘導体、スクアライン誘導体、ナフタレン誘導体、クマリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、アントラセン誘導体、ピレン誘導体、オキサジン誘導体、アクリジン誘導体、アリールメチン誘導体、およびテトラピロール誘導体から選択される。他の実施形態において、蛍光部分は、CF色素(Biotiumから入手可能)、DRAQおよびCyTRAKプローブ(BioStatusから入手可能)、BODIPY(Invitrogenから入手可能)、Alexa Fluor(Invitrogenから入手可能)、DyLight Fluor(例えば、DyLight 649)(Thermo Scientific、Pierceから入手可能)、AttoおよびTracy(Sigma Aldrichから入手可能)、FluoProbes(Interchimから入手可能)、Abberior Dyes(Abberiorから入手可能)、DY and MegaStokes Dyes(Dyomicsから入手可能)、Sulfo Cy dyes(Cyandyeから入手可能)、HiLyte Fluor(AnaSpecから入手可能)、Seta、SeTauおよびSquare Dyes(SETA BioMedicalsから入手可能)、QuasarおよびCal Fluor dyes(Biosearch Technologiesから入手可能)、SureLight Dyes(APC、RPEPerCP、Phycobilisomesから入手可能)(Columbia Biosciences)、ならびにAPC、APCXL、RPE、BPE(Phyco-Biotech、Greensea、Prozyme、Flogenから入手可能)から選択される。
他の実施形態において、抗脱マスク化ハプテン抗体は酵素にコンジュゲートされる。これらの実施形態において、脱マスク化のために使用される酵素(例えば、本明細書中にさらに記載されている脱マスキング酵素-抗体コンジュゲートの脱マスキング酵素)を除く、関連する抗脱マスク化ハプテン抗体にコンジュゲートされた任意の酵素によって最終の近接シグナルを生成することができる。いくつかの実施形態において、適切な酵素としては、限定されるものではないが、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、酸性ホスファターゼ、グルコースオキシダーゼ、ノイラミニダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、β-グルクロニダーゼまたはβ-ラクタマーゼが挙げられる。他の実施形態において、酵素には、オキシドレダクターゼまたはペルオキシダーゼ(例えば、HRP)が含まれる。これらの実施形態において、抗脱マスク化ハプテン抗体にコンジュゲートされた酵素は、発色基質、共有結合性ハプテン、共有結合性フルオロフォア、非共有結合性色素原および非共有結合性フルオロフォアの、標的の近くでまたは標的上で直接試料を標識する反応性部分への変換を触媒する。
発色性化合物/基質の具体的で非制限的な例には、ジアミノベンジジン(DAB)、4-ニトロフェニルホスファート(pNPP)、ファストレッド、ブロモクロロインドリルホスファート(BCIP)、ニトロブルーテトラゾリウム(NBT)、BCIP/NBT、APオレンジ、APブルー、テトラメチルベンジジン(TMB)、2,2’-アジノ-ジ-[3-エチルベンゾチアゾリンスルホナート](ABTS)、o-ジアニシジン、4-クロロナフトール(4-CN)、ニトロフェニル-β-D-ガラクトピラノシド(ONPG)、o-フェニレンジアミン(OPD)、5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル-β-ガラクトピラノシド(X-Gal)、メチルウンベリフェリル-β-D-ガラクトピラノシド(MU-Gal)、p-ニトロフェニル-α-D-ガラクトピラノシド(PNP)、5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル-β-D-グルクロニド(X-Gluc)、3-アミノ-9-エチルカルバゾール(AEC)、フクシン、ヨードニトロテトラゾリウム(INT)、テトラゾリウムブルーまたはテトラゾリウムバイオレットが含まれる。ペルオキシダーゼおよび過酸化水素の存在下で酸化されるDABは、酵素活性の部位に褐色のアルコール不溶性沈殿物の沈着をもたらす。
いくつかの実施形態において、発色性基質は、潜在的反応性部分および発色性部分を含むシグナル伝達コンジュゲートである。いくつかの実施形態において、シグナル伝達コンジュゲートの潜在的反応性部分は、触媒活性化を受けて、試料または他の検出成分と共有結合することができる反応性種を形成するように構成される。触媒活性化は、1つ以上の酵素(例えば、オキシドレダクターゼ酵素および西洋ワサビペルオキシダーゼのようなペルオキシダーゼ酵素)によって駆動され、反応種の形成をもたらす。これらの反応種は、それらの生成の近く、すなわち酵素の近傍の発色部分と反応することができる。シグナル伝達コンジュゲートの具体例は、米国特許出願公開第2013/0260379号に開示されており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
他の基質としては、米国特許第5,583,001号、米国特許出願公開第2012/0171668号、およびPCT/EP2015/0533556号に記載されているものが挙げられ、これらの開示は参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。上記の組み入れられた参考文献に記載されているように、TSAまたはQMコンジュゲートに結合された適切な発色基質または蛍光基質としては、N,N’-ビスカルボキシペンチル-5,5’-ジスルホナート-インド-ジカルボシアニン(Cy5)、4-(ジメチルアミノ)アゾベンゼン-4’-スルホンアミド(Dabsyl)、テトラメチルローダミン(Tamra)およびローダミン110(ローダミン)が挙げられる。
いくつかの実施形態において、発色基質、蛍光基質またはシグナル伝達コンジュゲートは、任意の発色部分のピーク検出可能波長が互いに重複せず、病理学者または光学検出器(例えば、スキャナ)によって容易に検出可能であるように選択される。いくつかの実施形態において、発色部分は、異なる発色部分のピーク波長が少なくとも約50nm分離されるように選択される。他の実施形態において、発色部分は、異なる発色部分のピーク波長が少なくとも約70nm分離されるように選択される。さらに他の実施形態において、発色部分は、異なる発色部分のピーク波長が少なくとも約100nm分離されるように選択される。クマリンコアを有する適切な検出可能部分の例は、米国特許第10,041,950号に記載されており、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。他の適切な検出可能部分は、米国仮特許出願第63/071,518号に開示されており、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
なおさらなる実施形態において、発色部分は、発色部分が組織標本に導入されたときに異なる色(例えば、黄色、青、マゼンタ)を提供するように選択される。いくつかの実施形態において、発色部分は、それらが互いに良好なコントラスト、例えば、光学的に認識可能な色の分離を与えるように選択される。いくつかの実施形態において、発色部分は、互いに近接して配置されたときに、単独で観察されたときの発色部分のいずれかのシグナルまたは色とは異なるシグナルまたは色を与えるように選択される。
キット
いくつかの実施形態において、本開示のケージドハプテンコンジュゲートは、「検出キット」の一部として利用され得る。一般に、任意の検出キットは、1つ以上のケージドハプテンコンジュゲートおよび1つ以上のケージドハプテンコンジュゲートを検出するための検出試薬を含み得る。いくつかの実施形態において、キットは、式(IVA)、(IVB)または(VA)~(VF)のいずれかのケージドハプテンコンジュゲートを含む。
検出キットは、ケージドハプテンコンジュゲートが検出キットを介して検出され得るように、ケージドハプテンコンジュゲートを含む第1の組成物と、第1の組成物に特異的な検出試薬を含む第2の組成物とを含み得る。いくつかの実施形態において、検出キットは、複数のケージドハプテンコンジュゲート(緩衝液中で一緒に混合されるなど)を含み、検出キットは、複数のケージドハプテンコンジュゲートのそれぞれに対して特異的な検出試薬も含む。
もちろん、任意のキットは、手動または自動化された標的検出のために必要とされれば、緩衝液、対比染色剤、酵素不活化組成物、脱パラフィン溶液などを含む他の作用物質を含み得る。キットは、組織試料中の1つ以上の標的の検出を行うためにキット構成要素を組織試料に適用する方法を含む、キットの構成要素のいずれかを使用するための説明書も含み得る。
自動化
本開示のアッセイおよび方法は、自動化され得、検体処理装置と組み合わされ得る。検体処理装置は、Ventana Medical Systems,Inc.によって販売されているBENCHMARK Ultra機器およびDISCOVERY Ultra機器などの自動装置とすることができる。Ventana Medical Systems,Inc.は、米国特許第5,650,327号、第5,654,200号、第6,296,809号、第6,352,861号、第6,827,901号および第6,943,029号、ならびに米国特許出願公開第20030211630号および第20040052685号を含む、自動分析を実行するためのシステムおよび方法を開示する多数の米国特許の譲受人であり、これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。あるいは、検体は手動で処理され得る。
検体処理装置は、検体に固定剤を塗布することができる。固定剤は、架橋剤(アルデヒド、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドおよびグルタルアルデヒドならびに非アルデヒド架橋剤)、酸化剤(例えば、四酸化オスミウムおよびクロム酸などの金属イオンおよび複合体)、タンパク質変性剤(例えば、酢酸、メタノールおよびエタノール)、メカニズム不明の固定剤(例えば、塩化水銀、アセトンおよびピクリン酸)、配合試薬(例えば、カルノワの固定剤、メタカン、ブアン液、B5固定剤、ロスマンの液体およびジャンドルの液体)、マイクロ波、およびその他の固定剤(例えば、排除体積固定および蒸気固定)を含むことができる。
検体がパラフィン中に包埋された試料である場合、適切な脱パラフィン液を使用して、検体処理装置により試料を脱パラフィン化することができる。廃液除去剤が脱パラフィン液を除去した後、任意の数の物質が連続して検体に適用され得る。物質は、前処理(例えば、タンパク質架橋、核酸を露出させるなど)、変性、ハイブリッド形成、洗浄(例えば、厳密性洗浄)、検出(例えば、視覚的またはマーカー分子のプローブへの連結)、増幅(例えば、タンパク質、遺伝子などの増幅)、対比染色、カバーガラスなどのためのものであり得る。
検体処理装置は、検体に幅広い物質を塗布することができる。物質は、これらに限定されるものではないが、染色剤、プローブ、試薬、リンス、および/またはコンディショナを含む。物質は、流体(例えば、気体、液体、または気体/液体混合物)などとすることができる。流体は、溶媒(例えば、極性溶媒、非極性溶媒など)、溶液(例えば、水溶液または他のタイプの溶液)などとすることができる。試薬には、染色剤、湿潤剤、抗体(例えば、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体など)、抗原回収流体(例えば、水性または非水性ベースの抗原回復溶液、抗原回収緩衝液など)などが含まれ得るが、これらに限定されない。プローブは、検出可能な標識に付着した、単離された核酸または単離された合成オリゴヌクレオチドとすることができる。標識は、放射性同位元素、酵素基質、補因子、リガンド、化学発光または蛍光剤、ハプテンおよび酵素を含むことができる。
検体が処理された後、ユーザは、検体を含むスライドを画像化装置に輸送することができる。ここで使用する画像化装置は、明視野撮像装置スライドスキャナーである。1つの明視野撮像装置は、Ventana Medical Systems,Inc.によって販売されているiScan Coreo(商標)明視野スキャナである。自動化された実施形態において、画像化装置は、「IMAGING SYSTEM AND TECHNIQUES」と題された国際特許出願第PCT/US2010/002772号(国際公開第2011/049608号)、または2014年2月3日に出願された「IMAGING SYSTEMS,CASSETTES,AND METHODS OF USING THE SAME」と題された米国特許出願公開第2014/0178169号に開示されているようなデジタル病理学装置である。国際特許出願第PCT/US2010/002772号および米国特許出願公開第2014/0178169号は、参照によりそれらの全体が組み入れられる。他の実施形態において、画像化装置は、顕微鏡に結合されたデジタルカメラを含む。
対比染色
対比染色は、顕微鏡下で標的の構造をより簡単に可視化できるように、1つ以上の標的を検出するために、試料を作用物質で既に染色した後に試料を後処理する方法である。例えば、免疫組織化学的染色をより明確にするために、カバーガラスで覆う前に対比染色が任意に使用される。対比染色は、一次染色とは色が異なる。ヘマトキシリン、エオシン、メチルグリーン、メチレンブルー、ギムザ、アルシアンブルーおよびニュークリアファストレッドなど、数多くの対比染色が周知である。DAPI(4’,6-ジアミジノ-2-フェニルインドール)は、使用され得る蛍光染色剤である。
いくつかの例では、複数の染色剤を一緒に混合して対比染色剤を生成することができる。これにより、柔軟性と染色を選択する能力が提供される。例えば、第1の染色は、特定の属性を有するが、異なる所望の属性を有していない混合物に対して選択され得る。第2の染色は、欠如した所望の属性を呈する混合物に追加され得る。例えば、トルイジンブルー、DAPIおよびポンタミンスカイブルーが一緒に混合されて対比染色を形成することができる。
検出および/または画像化
開示される実施形態のある態様または全てをコンピュータ分析および/または画像分析システムによって自動化し、容易にすることができる。いくつかの適用では、正確な色または蛍光比が測定される。いくつかの実施形態において、光学顕微鏡法が画像分析に利用される。特定の開示される実施形態は、デジタル画像の取得を含む。これは、デジタルカメラを顕微鏡に連関させることによって行うことができる。染色された試料から得られたデジタル画像は、画像分析ソフトウェアを使用して分析される。色または蛍光をいくつかの異なる方法で測定することができる。例えば、赤色、青色、緑色の値;色相、彩度、および強度の値として;および/またはスペクトルイメージングカメラを使用して特定の波長もしくは波長範囲を測定することによって色を測定することができる。試料はまた、定性的および半定量的に評価され得る。定性的評価には、染色強度の評価、染色に関与する陽性染色細胞および細胞内コンパートメントの特定、ならびに試料全体またはスライドの品質の評価が含まれる。試験試料に対して個別の評価が実行され、この分析には、試料が異常な状態を表しているかどうかを判断するための既知の平均値との比較を含めることができる。
適切な検出方法は、国際出願2014/143155号に記載されており、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。いくつかの実施形態において、適切な検出システムは、画像化装置と、1つ以上のレンズと、画像化装置と通信するディスプレイとを備える。画像化装置は、エネルギーを順次放出するための手段と、画像/動画を捕捉するための手段とを含む。いくつかの実施形態において、捕捉するための手段は、それぞれがエネルギーに曝露されている検体に対応する検体画像を捕捉するように配置される。いくつかの実施形態において、捕捉するための手段は、生物学的試料を担持する顕微鏡スライドの前面および/または背面に配置された1つ以上のカメラを含むことができる。表示手段は、いくつかの実施形態において、モニタまたはスクリーンを含む。いくつかの実施形態において、エネルギーを順次放出するための手段は、複数のエネルギーエミッタを含む。各エネルギーエミッタは、1つ以上のIRエネルギーエミッタ、UVエネルギーエミッタ、LED光エミッタ、それらの組み合わせ、または他のタイプのエネルギー放出デバイスを含むことができる。画像化システムは、捕捉するための手段によって捕捉された検体画像に基づいてコントラストが強調されたカラー画像データを生成するための手段をさらに含むことができる。表示手段は、コントラストが強調されたカラー画像データに基づいて検体を表示する。
試料および標的
試料には生物学的成分が含まれており、一般に、関心対象の1つ以上の標的分子が含まれていることが疑われる。標的分子は細胞の表面に存在することができ、細胞は懸濁液中または組織切片中に存在することができる。標的分子は細胞内に存在することもでき、細胞溶解またはプローブによる細胞の貫通時に検出することができる。当業者は、試料内の標的分子を検出する方法が、使用される試料およびプローブのタイプに応じて変化することを理解するであろう。試料を収集および調製する方法は当技術分野において公知である。
組織または他の生物学的試料など、本明細書に開示される方法の実施形態において、および本明細書に開示される組成物とともに使用するための試料は、当業者によって当技術分野で公知の任意の方法を使用して調製され得る。試料は、定期的なスクリーニングのための対象から、または遺伝的異常、感染もしくは新生物などの障害を有することが疑われる対象から取得され得る。開示される方法の記載される実施形態はまた、「正常な」試料と呼ばれる、遺伝的異常、疾患、障害などを有さない試料に適用することができる。このような正常な試料は、他の試料と比較するための対照として、とりわけ有用である。試料は、多くの様々な目的のために分析され得る。例えば、試料は、科学的研究で、もしくは疑わしい病気の診断のために、または処置の成功、生存などの予後指標として使用され得る。
試料は、プローブまたはレポーター分子によって特異的に結合され得る複数の標的を含むことがあり得る。標的は、核酸配列またはタンパク質であり得る。本開示を通して、標的タンパク質に言及する場合、そのタンパク質に関連する核酸配列も標的として使用できることが理解される。いくつかの例では、標的は、ウイルス、細菌などの病原体、またはウイルスゲノムなどの細胞内寄生体に由来するタンパク質もしくは核酸分子である。例えば、標的タンパク質は、疾患に関連する(例えば、相関する、因果関係があるなど)標的核酸配列から産生され得る。
標的核酸配列は、サイズが実質的に異なり得る。限定されないが、核酸配列は、可変数の核酸残基を有することができる。例えば、標的核酸配列は、少なくとも約10個の核酸残基、または少なくとも約20、30、50、100、150、500、1000個の残基を有することができる。同様に、標的ポリペプチドは、サイズが実質的に異なり得る。限定されないが、標的ポリペプチドは、ペプチド特異的抗体またはその断片に結合する少なくとも1つのエピトープを含む。いくつかの実施形態において、そのポリペプチドは、ペプチド特異的抗体またはその断片に結合する少なくとも2つのエピトープを含むことができる。
特定の非限定的な例において、標的タンパク質は、新生物(例えば、癌)に関連する標的核酸配列(例えば、ゲノム標的核酸配列)によって産生される。新生物細胞、特にB細胞およびT細胞白血病、リンパ腫、乳癌、結腸癌(colon cancer)、神経癌などの癌細胞において、多数の染色体異常(転座および他の再編成、増幅または欠失を含む)が特定されている。したがって、いくつかの例では、標的分子の少なくとも一部は、試料中の細胞の少なくともサブセットにおいて増幅または欠失された核酸配列(例えば、ゲノム標的核酸配列)によって産生される。
癌遺伝子は、いくつかのヒト悪性腫瘍の原因であることが知られている。例えば、染色体18q11.2の切断点領域に位置するSYT遺伝子を含む染色体再編成は、滑膜肉腫軟部組織腫瘍の間で一般的である。t(18q11.2)転座は、例えば、異なる標識を有するプローブを使用して同定することができ、第1のプローブは、SYT遺伝子から遠位に伸長する標的核酸配列から生成されたFPC核酸分子を含み、第2のプローブは、SYT遺伝子の3’側または近位に伸長する標的核酸配列から生成されたFPC核酸を含む。これらの標的核酸配列(例えば、ゲノム標的核酸配列)に対応するプローブをインサイチュハイブリダイゼーション手順で使用すると、SYT遺伝子領域にt(18q11.2)を欠く正常細胞は、SYTの2つのインタクトなコピーを反映する2つの融合(近接した2つの標識によって生成される)シグナルを示す。t(18q11.2)を有する異常細胞は、単一の融合シグナルを示す。
他の例では、悪性細胞において欠失している(失われている)腫瘍抑制遺伝子である核酸配列(例えば、ゲノム標的核酸配列)から産生される標的タンパク質が選択される。例えば、染色体9p21上に存在するp16領域(D9S1749、D9S1747、p16(INK4A)、p14(ARF)、D9S1748、p15(INK4B)、およびD9S1752を含む)は、特定の膀胱癌で欠失される。第1染色体の短腕の遠位領域(例えば、SHGC57243、TP73、EGFL3、ABL2、ANGPTL1およびSHGC-1322を包含する)、および第19染色体のセントロメア周辺領域(例えば、19p13-19q13)(例えば、MAN2B1、ZNF443、ZNF44、CRX、GLTSCR2およびGLTSCR1を包含する)が関与する染色体欠失は、中枢神経系の特定のタイプの固形腫瘍の特徴的な分子的特徴である。
前述の例は、例示のみを目的として提供されており、限定することを意図するものではない。新生物性形質転換および/または増殖と相関する他の多くの細胞遺伝学的異常が、当業者に知られている。新生物性形質転換と相関しており、開示される方法において有用である、核酸配列(例えば、ゲノム標的核酸配列)によって産生される標的タンパク質としては、EGFR遺伝子(7p12;例えば、GENBANK(商標)アクセッション番号NC-000007、ヌクレオチド55054219-55242525)、C-MYC遺伝子(8q24.21;例えば、GENBANK(商標)アクセッション番号NC-000008、ヌクレオチド128817498-128822856)、D5S271(5p15.2)、リポタンパク質リパーゼ(LPL)遺伝子(8p22;例えば、GENBANK(商標)アクセッション番号NC-000008、ヌクレオチド19841058-19869049)、RB1(13q14;例えば、GENBANK(商標)アクセッション番号NC-000013、ヌクレオチド47775912-47954023)、p53(17p13.1;例えば、GENBANK(商標)アクセッション番号NC-000017、補体、ヌクレオチド7512464-7531642))、N-MYC(2p24;例えば、GENBANK(商標)アクセッション番号NC-000002、補体、ヌクレオチド151835231-151854620)、CHOP(12q13;例えば、GENBANK(商標)アクセッション番号NC-000012、補体、ヌクレオチド56196638-56200567)、FUS(16p11.2;例えば、GENBANK(商標)アクセッション番号NC-000016、ヌクレオチド31098954-31110601)、FKHR(13p14;例えば、GENBANK(商標)アクセッション番号NC-000013、補体、ヌクレオチド40027817-40138734)、と並んで、例えば、ALK(2p23;例えば、GENBANK(商標)アクセッション番号NC-000002、補体、ヌクレオチド29269144-29997936)、Ig重鎖、CCND1(11q13;例えば、GENBANK(商標)アクセッション番号NC-000011、ヌクレオチド69165054.69178423)、BCL2(18q21.3;例えば、GENBANK(商標)アクセッション番号NC-000018、補体、ヌクレオチド58941559-59137593)、BCL6(3q27;例えば、GENBANK(商標)アクセッション番号NC-000003、補体、ヌクレオチド188921859-188946169)、MALF1、AP1(1p32-p31;例えば、GENBANK(商標)アクセッション番号NC-000001、補体、ヌクレオチド59019051-59022373)、TOP2A(17q21-q22;例えば、GENBANK(商標)アクセッション番号NC-000017、補体、ヌクレオチド35798321-35827695)、TMPRSS(21q22.3;例えば、GENBANK(商標)アクセッション番号NC-000021、補体、ヌクレオチド41758351-41801948)、ERG(21q22.3;例えば、GENBANK(商標)アクセッション番号NC-000021、補体、ヌクレオチド38675671-38955488);ETV1(7p21.3;例えば、GENBANK(商標)アクセッション番号NC-000007、補体、ヌクレオチド13897379-13995289)、EWS(22q12.2;例えば、GENBANK(商標)アクセッション番号NC-000022、ヌクレオチド27994271-28026505);FLI1(11q24.1-q24.3;例えば、GENBANK(商標)アクセッション番号NC-000011、ヌクレオチド128069199-128187521)、PAX3(2q35-q37;例えば、GENBANK(商標)アクセッション番号NC-000002、補体、ヌクレオチド222772851-222871944)、PAX7(1p36.2-p36.12;例えば、GENBANK(商標)アクセッション番号NC-000001、ヌクレオチド18830087-18935219)、PTEN(10q23.3;例えば、GENBANK(商標)アクセッション番号NC-000010、ヌクレオチド89613175-89716382)、AKT2(19q13.1-q13.2;例えば、GENBANK(商標)アクセッション番号NC-000019、補体、ヌクレオチド 45431556-45483036)、MYCL1(1p34.2;例えば、GENBANK(商標)アクセッション番号NC-000001、補体、ヌクレオチド40133685-40140274)、REL(2p13-p12;例えば、GENBANK(商標)アクセッション番号NC-000002、ヌクレオチド60962256-61003682)およびCSF1R(5q33-q35;例えば、GENBANK(商標)アクセッション番号NC-000005、補体、ヌクレオチド149413051-149473128)も挙げられる。
他の例では、標的タンパク質は、疾患または症状に関連するウイルスまたは他の微生物から選択される。細胞または組織試料中のウイルスまたは微生物由来の標的核酸配列(例えば、ゲノム標的核酸配列)の検出は、生物の存在を示す。例えば、標的ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質は、発癌性または病原性ウイルス、細菌または細胞内寄生生物(熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)および他のプラスモジウム(Plasmodium)種、リーシュマニア(Leishmania)(種)、小形クリプトスポリジウム(Cryptosporidium parvum)、原虫である赤痢アメ-バ(Entamoeba histolytica)、およびランブル鞭毛虫(Giardia lamblia)、ならびにトキソプラズマ(Toxoplasma)、エイメリア(Eimeria)、タイレリア(Theileria)およびバベシア(Babesia)種など)のゲノムから選択され得る。
いくつかの例では、標的タンパク質は、ウイルスゲノムからの核酸配列(例えば、ゲノム標的核酸配列)から産生される。例示的なウイルスおよび対応するゲノム配列(括弧内はGENBANK(商標)RefSeqアクセッション番号)としては、ヒトアデノウイルスA(NC-001460)、ヒトアデノウイルスB(NC-004001)、ヒトアデノウイルスC(NC-001405)、ヒトアデノウイルスD(NC-002067)、ヒトアデノウイルスE(NC-003266)、ヒトアデノウイルスF(NC-001454)、ヒトアストロウイルス(NC-001943)、ヒトBKポリオーマウイルス(V01109;GI:60851)ヒトボカウイルス(NC-007455)、ヒトコロナウイルス229E(NC-002645)、ヒトコロナウイルスHKU1(NC-006577)、ヒトコロナウイルスNL63(NC-005831)、ヒトコロナウイルスOC43(NC-005147)、ヒトエンテロウイルスA(NC-001612)、ヒトエンテロウイルスB(NC-001472)、ヒトエンテロウイルスC(NC-001428)、ヒトエンテロウイルスD(NC-001430)、ヒトエリスロウイルスV9(NC-004295)、ヒト泡沫状ウイルス(NC-001736)、ヒトヘルペスウイルス1(単純ヘルペスウイルス1型)(NC-001806)、ヒトヘルペスウイルス2(単純ヘルペスウイルス2型)(NC-001798)、ヒトヘルペスウイルス3(水痘帯状疱疹ウイルス)(NC-001348)、1型ヒトヘルペスウイルス4(エプスタイン・バー・ウイルス1型)(NC-007605)、2型ヒトヘルペスウイルス4(エプスタイン・バー・ウイルス2型)(NC-009334)、ヒトヘルペスウイルス5株AD169(NC-001347)、ヒトヘルペスウイルス5株Merlin株(NC-006273)、ヒトヘルペスウイルス6A(NC-001664)、ヒトヘルペスウイルス6B(NC-000898)、ヒトヘルペスウイルス7(NC-001716)、ヒトヘルペスウイルス8型M(NC-003409)、ヒトヘルペスウイルス8型P(NC-009333)、ヒト免疫不全ウイルス1(NC-001802)、ヒト免疫不全ウイルス2(NC-001722)、ヒトメタニューモウイルス(NC-004148)、ヒトパピローマウイルス-1(NC-001356)、ヒトパピローマウイルス-18(NC-001357)、ヒトパピローマウイルス-2(NC-001352)、ヒトパピローマウイルス-54(NC-001676)、ヒトパピローマウイルス-61(NC-001694)、ヒトパピローマウイルス-cand90(NC-004104)、ヒトパピローマウイルスRTRX7(NC-004761)、ヒトパピローマウイルス10型(NC-001576)、ヒトパピローマウイルス101型(NC-008189)、ヒトパピローマウイルス103型(NC-008188)、ヒトパピローマウイルス107型(NC-009239)、ヒトパピローマウイルス16型(NC-001526)、ヒトパピローマウイルス24型(NC-001683)、ヒトパピローマウイルス26型(NC-001583)、ヒトパピローマウイルス32型(NC-001586)、ヒトパピローマウイルス34型(NC-001587)、ヒトパピローマウイルス4型(NC-001457)、ヒトパピローマウイルス41型(NC-001354)、ヒトパピローマウイルス48型(NC-001690)、ヒトパピローマウイルス49型(NC-001591)、ヒトパピローマウイルス5型(NC-001531)、ヒトパピローマウイルス50型(NC-001691)、ヒトパピローマウイルス53型(NC-001593)、ヒトパピローマウイルス60型(NC-001693)、ヒトパピローマウイルス63型(NC-001458)、ヒトパピローマウイルス6b型(NC-001355)、ヒトパピローマウイルス7型(NC-001595)、ヒトパピローマウイルス71型(NC-002644)、ヒトパピローマウイルス9型(NC-001596)、ヒトパピローマウイルス92型(NC-004500)、ヒトパピローマウイルス96型(NC-005134)、ヒトパラインフルエンザウイルス1(NC-003461)、ヒトパラインフルエンザウイルス2(NC-003443)、ヒトパラインフルエンザウイルス3(NC-001796)、ヒトパレコウイルス(NC-001897)、ヒトパルボウイルス4(NC-007018)、ヒトパルボウイルスB19(NC-000883)、ヒト呼吸器合胞体ウイルス(NC-001781)、ヒトライノウイルスA(NC-001617)、ヒトライノウイルスB(NC-001490)、ヒトスプーマレトロウイルス(NC-001795)、ヒトTリンパ球向性ウイルス1(NC-001436)、ヒトTリンパ球向性ウイルス2(NC-001488)が挙げられる。
特定の例では、標的タンパク質は、エプスタイン・バー・ウイルス(EBV)またはヒトパピローマウイルス(HPV、例えばHPV16、HPV18)などの発癌性ウイルスからの核酸配列(例えば、ゲノム標的核酸配列)から産生される。他の例では、核酸配列(例えば、ゲノム標的核酸配列)から産生される標的タンパク質は、呼吸器合胞体ウイルス、肝炎ウイルス(例えば、C型肝炎ウイルス)、コロナウイルス(例えば、SARSウイルス)、アデノウイルス、ポリオーマウイルス、サイトメガロウイルス(CMV)または単純ヘルペスウイルス(HSV)などの病原性ウイルスに由来する。
実施例
実施例1-本開示の化合物の合成
MSデータを、Empower 3(Waters)を実行しているWaters Acquity QDa(ESI)で収集した。分析HPLCは、Empower 3を実行するWaters Alliance e2695(Waters)でWaters XBridgeカラムを使用して行った。分取HPLCは、Empower 3を実行するWaters 2535(Waters)でWaters SunFireカラム(分取C18 OBD 10μm、50mm×250mm)を用いて行った。特に明記しない限り、全ての化学物質は商業的供給業者から購入し、受け取ったまま使用した。
Figure 2024504944000031
スキーム1。ホスファートケージドジゴキシゲニン(DIG)の合成
ジゴキシン1のアセチル化および酸加水分解によって化合物4を調製して12-O-アセチルジゴキシゲニン2を得、これをジアゾ酢酸エチルとの反応によって3-エチルオキシカルボニルメチルエーテル3に変換し、続いて、特許[米国特許第5198537号]に記載されているようにジゴキシゲニン-3-カルボキシメチルエーテル4に加水分解した。
化合物6。THF(6mL/mmol4)中のジゴキシゲニン-3-カルボキシメチルエーテル4(1.0当量)の撹拌溶液に、CHCl中の、N-ヒドロキシスクシンイミド(1.5当量)および1MのN,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド(1.5当量)を加えた。反応混合物を室温で20時間保持し(HPLCをチェックして反応の完了を確認し)、フィルタにかけ、溶媒を減圧下で除去した。残渣をEtOAcで希釈した。得られた溶液を再びフィルタにかけ、続いて塩水で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥させ、減圧下で溶媒を除去してNHSエステル5を得て、これをEtOAc(6mL/mmol5)に溶解し、引き続いてTEA(1.5当量)およびN-Boc-エチレンジアミン(1.5当量)を添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌し(HPLCをチェックして反応の完了を確認する)、EtOAc(6mL/mmol5)で希釈し、続いて1MHCl(10mL/mmol5)を添加した。有機層を分離し、続いて飽和NaHCOおよび塩水で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥し、溶媒を減圧下で除去して化合物6を得、これをさらに精製することなく使用した。MS(ESI)m/z(M+H-Boc)3151+の計算値547.3、実測値547.3。
化合物7。CHCl(2mL/mmol6)中の、化合物6(1.0当量)、Ti(O-t-Bu)(0.2当量)およびTEA(3.5当量)の溶液に、クロロリン酸ジエチル(2.5当量)を添加した。反応容器を密封し、室温で16時間撹拌した(反応が約30%完了したことを確認するためにHPLCによってモニターした)。反応混合物をEtOAc(50mL/mmol6)で希釈し、続いて0.5M HCl(50mL/mmol6)で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去して、灰白色の泡状物を得た。反応をさらに2回繰り返し、その時点で、HPLCは、出発物質6と比較して反応が約90%完了したことを示した。未精製の油状物を分取RP-HPLC(40分かけて95:5から5:95までのHO:MeCN中0.05%TFA;40ml/分)によって精製し、リン酸ジエチル7を灰白色の泡状物として得た(4からの収率35%)。MS(ESI)m/z(M+H-Boc)3560P+683.4の計算値、実測値683.5。
化合物8。化合物7(1.0当量)をCHCl(2mL/mmol7)に溶解し、続いてEtOAc(0.2当量)およびTMSBr(3.3当量)を添加した。得られた反応混合物を室温で18時間撹拌した(反応が>95%完了であることを確認するためにHPLCによってモニターした)。溶媒を減圧下で除去し、続いてMeOH(6mL/mmol7)を添加した。溶媒を再び減圧下で除去し、得られた残渣を分取RP-HPLC(40分かけて95:5から5:95までのHO:MeCN中0.05%TFA;40ml/分)によって精製し、ホスファート8を白色固体として得た(収率45%)。MS(ESI)m/z(M+H)3152627.3の計算値、実測値627.4。
化合物10。化合物8(1.0当量)をDMF(2mL/mmol8)に懸濁した後、トリエチルアミン(5当量)を添加し、最後に3-マレイミドプロピオン酸NHSエステル9(1.1当量)を添加した。反応容器を密封し、反応混合物を室温で4時間激しく撹拌した(反応完了を確認するためにHPLCをチェックする)。次いで、反応混合物をMeOHで希釈し、分取RP-HPLC(40分かけて99:1から5:95までのHO:MeCN中0.05%TFA)によって直接精製して、化合物10を淡黄色固体として得た。MS(ESI)m/z(M+H)385712778.4の計算値、実測値778.5。
実施例2-抗体コンジュゲートの調製
2mlの1×PBS(pH7.2)中の20mgのヤギ抗ウサギIgGをEDTAに添加して、10mMの最終濃度を得た後、2mgのトラウト試薬(2-イミノチオラン塩酸塩)を添加した。反応混合物を1時間室温に保った後、10mM EDTAを含有する1×PBS(pH7.2)によるサイズ排除クロマトグラフィー精製(AKTA、Superdex 200 10/300GLカラム)を行った。チオール化抗体の合わせた画分(6mg/ml)に、0.2mlのDMF中の4.2mgの化合物10を添加した。反応混合物を3時間室温に保った後、1×PBS(pH7.2)によるサイズ排除クロマトグラフィー精製(AKTA、Superdex200 10/300GLカラム)を行い、ケージドジゴキシゲニン-修飾抗体(3.7mg/ml)を得た。図8は、本開示のケージドハプテンへの抗体のコンジュゲーションを示す。
実施例3-安定性試験
式(IVA)、(IVB)または(VA)~(VF)(図9参照)の任意の1つを有するケージドハプテンコンジュゲートの加水分解安定性を研究するために、モデル化合物を高温での安定性研究に供した。
試験したモデル化合物は、以下:
Figure 2024504944000032
に示すように、ケージドDIGとともに、2つの異なるケージング基を有するNPハプテンであった
ケージドNPおよびケージドDIGの試料を、37℃のオーブン中、100mMPBS(pH7.2)中で保存した。この緩衝液およびpHは、抗体コンジュゲートの保存条件の代表であった。試料にストレスを与え、加水分解事象を加速させるために、37℃の温度を選択した。通常の保存条件または抗体コンジュゲートは、約4℃であると考えられた。試料の一定分量を一定間隔で取り出し、Empower 3を実行するWaters Alliance e2695(Waters)のWatersX Bridgeカラムで逆相HPLCによって試験した。脱ケージ化または他の形態の分解の証拠について、各試料HPLCトレースを調べた。37℃で50日間保存した後、第1世代のケージドNPは約15.5%の加水分解を示し、第2世代のケージドNPは約6%の加水分解を有したのに対して、ケージドDIGは0.5%未満の加水分解を有した(図10参照)。ケージドDIG試験を120日間まで監視し、この時点で<0.5%の加水分解が依然として観察された。本開示のケージドハプテンは優れた加水分解安定性を示すと結論付けられた。
実施例4-免疫組織化学
一般的な免疫組織化学(IHC)プロトコル。
全てのIHC染色実験は、VENTANA DISCOVERY(登録商標)Ultra自動組織染色プラットフォームで行った。これらのプロトコルで使用した試薬は、特に明記しない限り、Roche Tissue Diagnostics(Tucson,AZ,USA;「RTD」)からのものであった。
近接IHCの一般的手順
全てのホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織および細胞株試料をSuperfrost Plusスライドガラス(Fisher Scientific、#12-550-15)に載せた。EZ Prep(RTD、#950-101)を用いてこれらを脱パラフィンした。Cell Conditioning 1(CC1、RTD、#950-124)を用いて、熱誘導エピトープ賦活化(HIER)または抗原賦活化(AR)を行った。脱パラフィンおよびAR後の一般的な工程は以下のとおりであった:(1)阻害剤CMによる内因性ペルオキシダーゼの不活化(RTD、760-4307);(2)一次抗体との同時インキュベーション(約37℃、抗体に応じて約8~約32分の範囲の時間);(3)アルカリホスファターゼ(AP)にコンジュゲートさせたヤギ抗マウス二次抗体とのインキュベーション;(4)ケージドハプテンにコンジュゲートされたヤギ抗ウサギ二次抗体とのインキュベーション;(5)マウス抗ハプテンHRPコンジュゲートとのインキュベーション;(6)チラミド-HQおよびH(RTD、#760-052)によるシグナル増幅;(7)マウス抗HQ HRPコンジュゲート(RTD、#760-4602)とのインキュベーション;(8)3,3’-ジアミノベンジジン(DAB)、過酸化水素(H)による検出、および銅による調色;(9)ヘマトキシリンII(RTD、#790-2208)および核を染色するためのBluing(RTD、#760-2037)による対比染色;(10)勾配を有するアルコールおよびキシレンによる脱水、その後のカバーガラスでの被覆。各アッセイインキュベーション工程の間に、スライドをReaction Buffer(RTD、#950-300)で洗浄した。
近接IHC実験-E-カドヘリン:β-カテニン陽性の近接
FFPE扁桃組織を脱パラフィンし、抗原を賦活化した(CC1、60分)。ウサギ抗E-カドヘリン(RTD、760-4440)およびマウス抗β-カテニン(RTD、760-4242)を共インキュベートした(約37℃、約32分)。洗浄後、アルカリホスファターゼにコンジュゲートされたヤギポリクローナル抗マウス抗体を適用した(約37℃;約12分)。洗浄後、試料を、複数のケージドNP(図11A)または複数のケージドジゴキシゲニン(図11B)にコンジュゲートされたヤギポリクローナル抗ウサギ抗体とインキュベートした(約37℃;約12分)。洗浄後、試料をマウス抗DIG HRPコンジュゲートとインキュベートした(約37℃;約12分)。Amp HQキット(RTD、760-052、約37℃、約8分)を用いてチラミド増幅を行った後、マウス抗HQ HRPコンジュゲート(RTD、#760-4602、約37℃、約8分)とインキュベートした。シグナルをDABで可視化し、次いで組織切片を対比染色した。スライドを段階的エタノール系列で脱水し、キシレンで清澄化し、カバーガラスで覆った。ケージドNPを使用して検出されたE-カドヘリンおよびβ-カテニンについての陽性の近接シグナルを表す図11AおよびケージドDIGを使用して検出されたEカドヘリンおよびβ-カテニンについての陽性の近接シグナルを表す図11Bに、結果が示されている。
本明細書中で言及されるおよび/または出願データシートにおいてリスト化される全ての米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、および非特許刊行物は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み入れられる。実施形態の態様は、必要に応じて、様々な特許、出願、および刊行物の概念を使用してさらに別の実施形態を提供するように変更され得る。
本明細書の開示は特定の実施形態を参照して説明されているが、これらの実施形態は本開示の原理および用途の単なる例示であることを理解されたい。したがって、例示的な実施形態に対して多数の修正を施し得ること、ならびに添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく他の構成が考案され得ることが理解される。
追加の実施形態
追加の実施形態1.第1の標的が第2の標的に近接しているかどうかを決定するために試料を分析する方法であって、
(a)(a)前記試料を脱マスキング酵素-抗体コンジュゲートと接触させて、標的-脱マスキング酵素-抗体コンジュゲート複合体を形成すること、
(b)(b)前記試料を前記ケージドハプテン-抗体コンジュゲートと接触させて、標的-ケージドハプテン-抗体コンジュゲート複合体を形成することであって、前記ケージドハプテン-抗体コンジュゲートは、式(IVA)および(IVB):
[特異的結合実体]-W-W-R-O-[DIG]-[ホスホリル](IVA)
[特異的結合実体]-W-W-R-O-[DIG]-PO(IVB)
(式中、
は、結合であるか、または1~10個の炭素原子を有し、O、NもしくはSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む、分岐もしくは非分岐の、置換されたもしくは置換されていない、飽和もしくは不飽和脂肪族基を含む基であり、
は、反応性官能基に由来し、
[DIG]は、ジゴキシゲニンであり、
[ホスホリル]は、式:
Figure 2024504944000033
(Qは、OまたはSであり、
は、H、-CHまたは-CHCHである)
によって表され、
[特異的結合実体]は、抗体であり、
前記基[ホスホリル]または前記基-POは、[DIG]の任意の位置に結合され得る)
の任意の1つを有する、標的-ケージドハプテン-抗体コンジュゲート複合体を形成すること、
(c)(c)前記標的-ケージドハプテン-抗体コンジュゲート複合体の前記ケージドハプテンを脱マスク化して標的-脱マスク化ハプテン-抗体コンジュゲート複合体を形成すること、
(d)(d)前記試料を第1の検出試薬と接触させて、前記第1の標的-脱マスク化ハプテン-抗体コンジュゲート複合体または前記第1の標的を標識すること、および
(e)(e)前記標識された第1の標的-脱マスク化ハプテン-抗体コンジュゲート複合体または標識された第1の標的を検出すること、
を含む、方法。
追加の実施形態2.QがOであり、少なくとも1つのQがHである、追加の実施形態1に記載の方法。
追加の実施形態3.Wが、アミン反応性基、チオール反応性基およびカルボニル反応性基に由来する、追加の実施形態2に記載の方法。
追加の実施形態4.Wが、ジベンゾシクロオクチン、トランス-シクロオクテン、アルキン、アルケン、アジド、テトラジン、マレイミド、N-ヒドロキシスクシンイミド、チオール、1,3-ニトロン、アルデヒド、ケトン、ヒドラジン、ヒドロキシルアミンまたはアミノ基に由来する、追加の実施形態2に記載の方法。
追加の実施形態5.両方のQ基がHである、追加の実施形態1に記載の方法。
追加の実施形態6.Wが、アミン反応性基、チオール反応性基およびカルボニル反応性基に由来する、追加の実施形態5に記載の方法。
追加の実施形態7.Wが、ジベンゾシクロオクチン、トランス-シクロオクテン、アルキン、アルケン、アジド、テトラジン、マレイミド、N-ヒドロキシスクシンイミド、チオール、1,3-ニトロン、アルデヒド、ケトン、ヒドラジン、ヒドロキシルアミンまたはアミノ基に由来する、追加の実施形態5に記載の方法。
追加の実施形態8.Rが式(IIIA):
Figure 2024504944000034
(式中、
は、結合、-O-、-S-、-C(R)(R)、または-N(R)-であり、
およびRは、それぞれ独立して、H、C~Cアルキル基、F、Clまたは-N(R)(R)であり、
およびRは、それぞれ独立して、Hまたは-CHから選択され、
およびR10は、それぞれ独立して、結合であるか、またはカルボニル、アミド、イミド、エステル、エーテル、アミン、チオン、チオールから選択される基であり、
各Zは、独立して、結合、-CH-、-CHCH-、または-CHCHCH-であり、
tおよびuは、それぞれ独立して、0、1または2であり、但し、t+uは、少なくとも1であり、
vは、1~8の範囲の整数である)
に示される構造を有する、追加の実施形態5に記載の方法。
追加の実施形態9.RまたはRの少なくとも1つがHである、追加の実施形態8に記載の方法。
追加の実施形態10.RがOである、追加の実施形態9に記載の方法。
追加の実施形態11.Rが結合である、追加の実施形態9に記載の方法。
追加の実施形態12.RまたはRの少なくとも1つがHである、追加の実施形態11に記載の方法。
追加の実施形態13.両方のRおよびRがHである、追加の実施形態11に記載の方法。
追加の実施形態14.Zが結合または-CH-である、追加の実施形態12に記載の方法。
追加の実施形態15.Rが式(IIIC):
Figure 2024504944000035
(式中、
およびRは、それぞれ独立して、H、C~Cアルキル基、F、Clまたは-N(R)(R)であり、
およびRは、それぞれ独立して、Hまたは-CHから選択され、
およびR10は、それぞれ独立して、結合であるか、またはカルボニル、アミド、イミド、エステル、エーテル、アミン、チオン、チオールから選択される基であり、
各Zは、独立して、結合、-CH-、-CHCH-、または-CHCHCH-であり、
uおよびtは、それぞれ独立して、0、1または2であり、但し、u+tは、少なくとも1であり、
vは、1~8の範囲の整数である)
に示される構造を有する、追加の実施形態1に記載の方法。
追加の実施形態16.RまたはRの少なくとも1つがHである、追加の実施形態15に記載の方法。
追加の実施形態17.Zが結合または-CH-である、追加の実施形態15に記載の方法。
追加の実施形態18.両方のQ基がHである、追加の実施形態15に記載の方法。
追加の実施形態19.Wが、アミン反応性基、チオール反応性基およびカルボニル反応性基に由来する、追加の実施形態18に記載の方法。
追加の実施形態20.Wが、ジベンゾシクロオクチン、トランス-シクロオクテン、アルキン、アルケン、アジド、テトラジン、マレイミド、N-ヒドロキシスクシンイミド、チオール、1,3-ニトロン、アルデヒド、ケトン、ヒドラジン、ヒドロキシルアミンおよびアミノ基に由来する、追加の実施形態15に記載の方法。
追加の実施形態21.QがOである、追加の実施形態15に記載の方法。

Claims (120)

  1. 式(IA)および(IB):
    -R-O-[DIG]-[ホスホリル](IA)
    -R-O-[DIG]-PO(IB)
    (式中、
    は、結合であるか、または1~30個の炭素原子を有し、O、NもしくはSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む、分岐もしくは非分岐の、置換されたもしくは置換されていない、飽和もしくは不飽和脂肪族基を含む基であり、
    は、Hまたは反応性官能基であり、
    [DIG]は、ジゴキシゲニンであり、
    [ホスホリル]は、式:
    Figure 2024504944000036
    (Qは、OまたはSであり、
    は、H、-CHまたは-CHCHである)
    によって表され、
    前記基[ホスホリル]または前記基-POは、[DIG]の任意の位置に結合され得る)
    の任意の1つを有する、ケージドハプテン。
  2. がSである、請求項1に記載のケージドハプテン。
  3. がOであり、少なくとも1つのQがHである、請求項1に記載のケージドハプテン。
  4. が、アミン反応性基、チオール反応性基およびカルボニル反応性基から選択される、請求項3に記載のケージドハプテン。
  5. が、ジベンゾシクロオクチン、トランス-シクロオクテン、アルキン、アルケン、アジド、テトラジン、マレイミド、N-ヒドロキシスクシンイミド、チオール、1,3-ニトロン、アルデヒド、ケトン、ヒドラジン、ヒドロキシルアミンおよびアミノ基からなる群から選択される、請求項3に記載のケージドハプテン。
  6. 両方のQ基がHである、請求項1に記載のケージドハプテン。
  7. が、アミン反応性基、チオール反応性基およびカルボニル反応性基から選択される、請求項6に記載のケージドハプテン。
  8. が、ジベンゾシクロオクチン、トランス-シクロオクテン、アルキン、アルケン、アジド、テトラジン、マレイミド、N-ヒドロキシスクシンイミド、チオール、1,3-ニトロン、アルデヒド、ケトン、ヒドラジン、ヒドロキシルアミンおよびアミノ基からなる群から選択される、請求項6に記載のケージドハプテン。
  9. が、式(IIIA):
    Figure 2024504944000037
    (式中、
    は、結合、-O-、-S-、-C(R)(R)、または-N(R)-であり、
    およびRは、それぞれ独立して、H、C~Cアルキル基、F、Clまたは-N(R)(R)であり、
    およびRは、それぞれ独立して、Hまたは-CHから選択され、
    およびR10は、それぞれ独立して、結合であるか、またはカルボニル、アミド、イミド、エステル、エーテル、アミン、チオン、チオールから選択される基であり、
    各Zは、独立して、結合、-CH-、-CHCH-、または-CHCHCH-であり、
    tおよびuは、それぞれ独立して、0、1または2であり、但し、t+uは、少なくとも1であり、
    vは、1~8の範囲の整数である)
    に示される構造を有する、請求項6に記載のケージドハプテン
  10. またはRの少なくとも1つがHである、請求項9に記載のケージドハプテン。
  11. がOである、請求項9に記載のケージドハプテン。
  12. が結合である、請求項9に記載のケージドハプテン。
  13. またはRの少なくとも1つがHである、請求項12に記載のケージドハプテン。
  14. およびRの両方がHである、請求項12に記載のケージドハプテン。
  15. Zが結合または-CH-である、請求項14に記載のケージドハプテン。
  16. が、式(IIIC):
    Figure 2024504944000038
    (式中、
    およびRは、それぞれ独立して、H、C~Cアルキル基、F、Clまたは-N(R)(R)であり、
    およびRは、それぞれ独立して、Hまたは-CHから選択され、
    およびR10は、それぞれ独立して、結合であるか、またはカルボニル、アミド、イミド、エステル、エーテル、アミン、チオン、チオールから選択される基であり、
    各Zは、独立して、結合、-CH-、-CHCH-、または-CHCHCH-であり、
    uおよびtは、それぞれ独立して、0、1または2であり、但し、u+tは、少なくとも1であり、
    vは、1~8の範囲の整数である)
    に示される構造を有する、請求項1に記載のケージドハプテン。
  17. またはRの少なくとも1つがHである、請求項16に記載のケージドハプテン。
  18. Zが結合または-CH-である、請求項16に記載のケージドハプテン。
  19. 両方のQ基がHである、請求項16に記載のケージドハプテン。
  20. が、アミン反応性基、チオール反応性基およびカルボニル反応性基から選択される、請求項19に記載のケージドハプテン。
  21. が、ジベンゾシクロオクチン、トランス-シクロオクテン、アルキン、アルケン、アジド、テトラジン、マレイミド、N-ヒドロキシスクシンイミド、チオール、1,3-ニトロン、アルデヒド、ケトン、ヒドラジン、ヒドロキシルアミン、アミノ基からなる群から選択される、請求項19に記載のケージドハプテン。
  22. がOである、請求項19に記載のケージドハプテン。
  23. 式(IIID):
    Figure 2024504944000039
    (式中、
    は、結合であるか、または1~30個の炭素原子を有し、O、NもしくはSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む、分岐もしくは非分岐の、置換されたもしくは置換されていない、飽和もしくは不飽和脂肪族基を含む基であり、
    は、Hまたは反応性官能基であり、
    は、H、-CH、-CHCH、-OHまたは-O-Meであり、
    は、H、-CH、または-CHCH、-OHまたは-O-Meであり、
    は、Hであるか、または直鎖もしくは分岐の、または置換されたもしくは置換されていないC~Cアルキル基であり、
    m、nおよびoは、それぞれ独立して、0または1~4の範囲の整数であり、
    Yは、-CH-、-C(R)-、-N(H)-、-N(R)-、-O-、または-S-、または-C(O)-であり、Rは、C~C直鎖または分岐の、置換されたまたは置換されていないアルキル基である)
    を有する、ケージドハプテン。
  24. が、式(IIIC):
    Figure 2024504944000040
    (式中、
    およびRは、それぞれ独立して、H、C~Cアルキル基、F、Clまたは-N(R)(R)であり、
    およびRは、それぞれ独立して、Hまたは-CHから選択され、
    およびR10は、それぞれ独立して、結合であるか、またはカルボニル、アミド、イミド、エステル、エーテル、アミン、チオン、チオールから選択される基であり、
    各Zは、独立して、結合、-CH-、-CHCH-、または-CHCHCH-であり、
    uおよびtは、それぞれ独立して、0、1または2であり、但し、u+tは、少なくとも1であり、
    vは、1~8の範囲の整数である)
    に示される構造を有する、請求項23に記載のケージドハプテン。
  25. またはRの少なくとも1つがHである、請求項24に記載のケージドハプテン。
  26. Zが結合または-CH-である、請求項24に記載のケージドハプテン。
  27. が、アミン反応性基、チオール反応性基およびカルボニル反応性基から選択される、請求項24に記載のケージドハプテン。
  28. が、ジベンゾシクロオクチン、トランス-シクロオクテン、アルキン、アルケン、アジド、テトラジン、マレイミド、N-ヒドロキシスクシンイミド、チオール、1,3-ニトロン、アルデヒド、ケトン、ヒドラジン、ヒドロキシルアミン、アミノ基からなる群から選択される、請求項24に記載のケージドハプテン。
  29. が、アミン反応性基、チオール反応性基およびカルボニル反応性基から選択される、請求項24に記載のケージドハプテン。
  30. が、ジベンゾシクロオクチン、トランス-シクロオクテン、アルキン、アルケン、アジド、テトラジン、マレイミド、N-ヒドロキシスクシンイミド、チオール、1,3-ニトロン、アルデヒド、ケトン、ヒドラジン、ヒドロキシルアミン、アミノ基からなる群から選択される、請求項24に記載のケージドハプテン。
  31. が、式(IIIA):
    Figure 2024504944000041
    (式中、
    は、結合、-O-、-S-、-C(R)(R)、または-N(R)-であり、
    およびRは、それぞれ独立して、H、C~Cアルキル基、F、Clまたは-N(R)(R)であり、
    およびRは、それぞれ独立して、Hまたは-CHから選択され、
    およびR10は、それぞれ独立して、結合であるか、またはカルボニル、アミド、イミド、エステル、エーテル、アミン、チオン、チオールから選択される基であり、
    各Zは、独立して、結合、-CH-、-CHCH-、または-CHCHCH-であり、
    tおよびuは、それぞれ独立して、0、1または2であり、但し、t+uは、少なくとも1であり、
    vは、1~8の範囲の整数である)
    に示される構造を有する、請求項29に記載のケージドハプテン。
  32. またはRの少なくとも1つがHである、請求項31に記載のケージドハプテン。
  33. がOである、請求項31に記載のケージドハプテン。
  34. が結合である、請求項31に記載のケージドハプテン。
  35. またはRの少なくとも1つがHである、請求項34に記載のケージドハプテン。
  36. およびRの両方がHである、請求項34に記載のケージドハプテン。
  37. Zが結合または-CH-である、請求項36に記載のケージドハプテン。
  38. 、RまたはRの少なくとも1つが-CHである、請求項23に記載のケージドハプテン。
  39. およびRの少なくとも1つが-CHである、請求項23に記載のケージドハプテン。
  40. がHである、請求項39に記載のケージドハプテン。
  41. がHである、請求項23に記載のケージドハプテン。
  42. Yが-C(O)-である、請求項23に記載のケージドハプテン。
  43. がHであり、およびYが-C(O)-である、請求項23に記載のケージドハプテン。
  44. が、式(IIIA):
    Figure 2024504944000042
    (式中、
    は、結合、-O-、-S-、-C(R)(R)、または-N(R)-であり、
    およびRは、それぞれ独立して、H、C~Cアルキル基、F、Clまたは-N(R)(R)であり、
    およびRは、それぞれ独立して、Hまたは-CHから選択され、
    およびR10は、それぞれ独立して、結合であるか、またはカルボニル、アミド、イミド、エステル、エーテル、アミン、チオン、チオールから選択される基であり、
    各Zは、独立して、結合、-CH-、-CHCH-、または-CHCHCH-であり、
    tおよびuは、それぞれ独立して、0、1または2であり、但し、t+uは、少なくとも1であり、
    vは、1~8の範囲の整数である)
    に示される構造を有する、請求項43に記載のケージドハプテン。
  45. 請求項1~44のいずれか一項に記載のケージドハプテンと一次抗体とを含むコンジュゲート。
  46. 前記ケージドハプテンが前記一次抗体に間接的に結合されている、請求項45に記載のコンジュゲート。
  47. 前記一次抗体がインタクトな一次抗体である、請求項46に記載のコンジュゲート。
  48. 請求項1~44のいずれか一項に記載のケージドハプテンと二次抗体とを含むコンジュゲート。
  49. 前記ケージドハプテンが前記二次抗体に間接的に結合されている、請求項48に記載のコンジュゲート。
  50. 前記二次抗体がインタクトな二次抗体である、請求項48に記載のコンジュゲート。
  51. 式(IVA)および(IVB):
    [特異的結合実体]-W-W-R-O-[DIG]-[ホスホリル](IVA)
    [特異的結合実体]-W-W-R-O-[DIG]-PO(IVB)
    (式中、
    は、結合であるか、または1~10個の炭素原子を有し、O、NもしくはSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む、分岐もしくは非分岐の、置換されたもしくは置換されていない、飽和もしくは不飽和脂肪族基を含む基であり、
    は、反応性官能基に由来し、
    [DIG]は、ジゴキシゲニンであり、
    [ホスホリル]は、式:
    Figure 2024504944000043
    (Qは、OまたはSであり、
    は、H、-CHまたは-CHCHである)
    によって表され、
    [特異的結合実体]は、特異的結合実体であり、
    前記基[ホスホリル]または前記基-POは、[DIG]の任意の位置に結合され得る)
    の任意の1つを有する、コンジュゲート。
  52. がOであり、少なくとも1つのQがHである、請求項51に記載のコンジュゲート。
  53. が、アミン反応性基、チオール反応性基およびカルボニル反応性基に由来する、請求項52に記載のコンジュゲート。
  54. が、ジベンゾシクロオクチン、トランス-シクロオクテン、アルキン、アルケン、アジド、テトラジン、マレイミド、N-ヒドロキシスクシンイミド、チオール、1,3-ニトロン、アルデヒド、ケトン、ヒドラジン、ヒドロキシルアミンまたはアミノ基に由来する、請求項52に記載のコンジュゲート。
  55. 両方のQ基がHである、請求項51に記載のコンジュゲート。
  56. が、アミン反応性基、チオール反応性基およびカルボニル反応性基に由来する、請求項55に記載のコンジュゲート。
  57. が、ジベンゾシクロオクチン、トランス-シクロオクテン、アルキン、アルケン、アジド、テトラジン、マレイミド、N-ヒドロキシスクシンイミド、チオール、1,3-ニトロン、アルデヒド、ケトン、ヒドラジン、ヒドロキシルアミンまたはアミノ基に由来する、請求項55に記載のコンジュゲート。
  58. が、式(IIIA):
    Figure 2024504944000044
    (式中、
    は、結合、-O-、-S-、-C(R)(R)、または-N(R)-であり、
    およびRは、それぞれ独立して、H、C~Cアルキル基、F、Clまたは-N(R)(R)であり、
    およびRは、それぞれ独立して、Hまたは-CHから選択され、
    およびR10は、それぞれ独立して、結合であるか、またはカルボニル、アミド、イミド、エステル、エーテル、アミン、チオン、チオールから選択される基であり、
    各Zは、独立して、結合、-CH-、-CHCH-、または-CHCHCH-であり、
    tおよびuは、それぞれ独立して、0、1または2であり、但し、t+uは、少なくとも1であり、
    vは、1~8の範囲の整数である)
    に示される構造を有する、請求項55に記載のコンジュゲート。
  59. またはRの少なくとも1つがHである、請求項58に記載のコンジュゲート。
  60. がOである、請求項59に記載のコンジュゲート。
  61. が結合である、請求項59に記載のコンジュゲート。
  62. またはRの少なくとも1つがHである、請求項61に記載のコンジュゲート。
  63. およびRの両方がHである、請求項61に記載のコンジュゲート。
  64. Zが結合または-CH-である、請求項62に記載のコンジュゲート。
  65. が、式(IIIC):
    Figure 2024504944000045
    (式中、
    およびRは、それぞれ独立して、H、C~Cアルキル基、F、Clまたは-N(R)(R)であり、
    およびRは、それぞれ独立して、Hまたは-CHから選択され、
    およびR10は、それぞれ独立して、結合であるか、またはカルボニル、アミド、イミド、エステル、エーテル、アミン、チオン、チオールから選択される基であり、
    各Zは、独立して、結合、-CH-、-CHCH-、または-CHCHCH-であり、
    uおよびtは、それぞれ独立して、0、1または2であり、但し、u+tは、少なくとも1であり、
    vは、1~8の範囲の整数である)
    に示される構造を有する、請求項51に記載のコンジュゲート。
  66. またはRの少なくとも1つがHである、請求項65に記載のコンジュゲート。
  67. Zが結合または-CH-である、請求項65に記載のコンジュゲート。
  68. 両方のQ基がHである、請求項65に記載のコンジュゲート。
  69. が、アミン反応性基、チオール反応性基およびカルボニル反応性基に由来する、請求項68に記載のコンジュゲート。
  70. が、ジベンゾシクロオクチン、トランス-シクロオクテン、アルキン、アルケン、アジド、テトラジン、マレイミド、N-ヒドロキシスクシンイミド、チオール、1,3-ニトロン、アルデヒド、ケトン、ヒドラジン、ヒドロキシルアミンおよびアミノ基に由来する、請求項68に記載のコンジュゲート。
  71. がOである、請求項65に記載のコンジュゲート。
  72. 第1の標的が第2の標的に近接しているかどうかを決定するために試料を分析する方法であって、
    (f)前記試料を脱マスキング酵素-抗体コンジュゲートと接触させて、標的-脱マスキング酵素-抗体コンジュゲート複合体を形成すること、
    (g)前記試料を請求項45~50のいずれか一項に記載のケージドハプテン-抗体コンジュゲートと接触させて、標的-ケージドハプテン-抗体コンジュゲート複合体を形成すること、
    (h)前記標的-ケージドハプテン-抗体コンジュゲート複合体の前記ケージドハプテンを脱マスク化して標的-脱マスク化ハプテン-抗体コンジュゲート複合体を形成すること、
    (i)前記試料を第1の検出試薬と接触させて、前記第1の標的-脱マスク化ハプテン-抗体コンジュゲート複合体または前記第1の標的を標識すること、および
    (j)前記標識された第1の標的-脱マスク化ハプテン-抗体コンジュゲート複合体または標識された第1の標的を検出すること
    を含む、方法。
  73. 前記第1の検出試薬が、(i)前記標的-脱マスク化ハプテン-抗体複合体の前記脱マスク化ハプテンに対して特異的な二次抗体であって、前記二次抗体が前記標的-脱マスク化ハプテン-抗体複合体を第1の酵素で標識するように、前記第1の酵素にコンジュゲートされている、二次抗体と、(ii)前記第1の酵素に対する第1の基質とを含む、請求項72に記載の方法。
  74. 前記第1の基質が、発色基質または蛍光基質である、請求項73に記載の方法。
  75. 前記第1の検出試薬が、前記標的-脱マスク化ハプテン-抗体コンジュゲート複合体の前記脱マスク化酵素を複数の第1のレポーター部分で標識するための増幅成分を含む、請求項72に記載の方法。
  76. 前記複数の第1のレポーター部分がハプテンである、請求項75に記載の方法。
  77. 前記第1の検出試薬が、前記複数の第1のレポーター部分に対して特異的な二次抗体をさらに含み、各二次抗体は第2のレポーター部分にコンジュゲートされている、請求項76に記載の方法。
  78. 第1の標的が第2の標的に近接しているかどうかを決定するために試料を分析するための方法であって、
    (a)前記試料を脱マスキング酵素-抗体コンジュゲートと接触させて、標的-脱マスキング酵素-抗体コンジュゲート複合体を形成すること、
    (b)前記試料を請求項45~50のいずれか一項に記載のケージドハプテン-抗体コンジュゲートと接触させて、標的-ケージドハプテン-抗体コンジュゲート複合体を形成すること、
    (c)前記標的-ケージドハプテン-抗体コンジュゲート複合体の前記ケージドハプテンを脱マスク化して標的-脱マスク化ハプテン-抗体コンジュゲート複合体を形成すること、
    (d)シグナル増幅工程を実施して、前記標的-脱マスク化ハプテン-抗体コンジュゲート複合体を複数のレポーター部分で標識すること、および
    (e)前記複数のレポーター部分を検出すること
    を含む、方法。
  79. 前記複数のレポーター部分がハプテンであり、前記方法が、前記複数の第1のレポーター部分に対して特異的な二次抗体を導入することをさらに含み、各二次抗体は第2のレポーター部分にコンジュゲートされている、請求項78に記載の方法。
  80. 前記第2のレポーター部分が増幅酵素であり、前記方法が前記増幅酵素に対する発色基質または蛍光基質を導入することをさらに含む、請求項79に記載の方法。
  81. 前記試料中の標的の総量を検出することをさらに含む、請求項78に記載の方法。
  82. 第1の標的が第2の標的に近接しているかどうかを決定するために試料を分析するための方法であって、
    (a)前記試料を第1の検出プローブと接触させることであって、前記第1の検出プローブは、請求項45~50のいずれか一項に記載のケージドハプテン-抗体コンジュゲートまたは脱マスキング酵素-抗体コンジュゲートのうちの一方を含む、接触させること、
    (b)前記試料を第2の検出プローブと接触させることであって、前記第2の検出プローブは、請求項45~50のいずれか一項に記載のケージドハプテン-抗体コンジュゲートまたは前記脱マスキング酵素-抗体コンジュゲートのうちの他方を含む、接触させること、
    (c)前記試料を少なくとも第1の検出試薬と接触させて、形成された脱マスク化ハプテン-抗体コンジュゲート標的複合体を標識すること、および
    (d)前記標識された脱マスク化ハプテン-抗体コンジュゲート標的複合体からのシグナルを検出すること
    を含む、方法。
  83. 前記試料中の標的の総量を検出する工程をさらに含む、請求項82に記載の方法。
  84. 前記第1の検出試薬が、前記第1の標的-脱マスク化ハプテン-抗体コンジュゲート複合体の前記脱マスキング酵素を複数の第1のレポーター部分で標識するための増幅成分を含む、請求項82に記載の方法。
  85. 前記複数の第1のレポーター部分がハプテンである、請求項83に記載の方法。
  86. 前記第1の検出試薬が、前記複数の第1のレポーター部分に対して特異的な二次抗体をさらに含み、各二次抗体は第2のレポーター部分にコンジュゲートされている、請求項84に記載の方法。
  87. 前記第2のレポーター部分が、増幅酵素またはフルオロフォアからなる群から選択される、請求項85に記載の方法。
  88. 前記第2のレポーター部分が増幅酵素であり、前記第1の検出試薬が前記増幅酵素に対する第1の発色基質または蛍光基質をさらに含む、請求項85に記載の方法。
  89. 脱ケージ化工程をさらに含む、請求項82に記載の方法。
  90. 式(IIIA):
    Figure 2024504944000046
    (式中、
    は、OまたはSであり、
    は、H、-CHまたは-CHCHであり、
    は、結合であるか、または1~30個の炭素原子を有し、O、NもしくはSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を任意に含む、分岐もしくは非分岐の、置換されたもしくは置換されていない、飽和もしくは不飽和脂肪族基を含む基であり、
    は、Hまたは反応性官能基であり、
    は、H、-CH、-CHCH、-OHまたは-O-Meであり、
    は、H、-CH、または-CHCH、-OHまたは-O-Meであり、
    各Rは、独立して、H、-CH、-CHCH、ハロゲンまたは-C(O)Hであり、
    は、Hであるか、または直鎖もしくは分岐の、または置換されたもしくは置換されていないC~Cアルキル基であり、
    m、nおよびoは、それぞれ独立して、0または1~4の範囲の整数であり、
    pおよびqは、それぞれ独立して、0または1~3の範囲の整数であり、
    sは、1または2であり、および
    XおよびYは、それぞれ独立して、-CH-、-C(R)-、-N(H)-、-N(R)-、-O-、または-S-、または-C(O)-であり、Rは、C~C直鎖または分岐の、置換されたまたは置換されていないアルキル基である)
    を有する、ケージドハプテン。
  91. が、式(IIIC):
    Figure 2024504944000047
    (式中、
    およびRは、それぞれ独立して、H、C~Cアルキル基、F、Clまたは-N(R)(R)であり、
    およびRは、それぞれ独立して、Hまたは-CHから選択され、
    およびR10は、それぞれ独立して、結合であるか、またはカルボニル、アミド、イミド、エステル、エーテル、アミン、チオン、チオールから選択される基であり、
    各Zは、独立して、結合、-CH-、-CHCH-、または-CHCHCH-であり、
    uおよびtは、それぞれ独立して、0、1または2であり、但し、u+tは、少なくとも1であり、
    vは、1~8の範囲の整数である)
    に示される構造を有する、請求項90に記載のケージドハプテン。
  92. またはRの少なくとも1つがHである、請求項91に記載のケージドハプテン。
  93. Zが結合または-CH-である、請求項91に記載のケージドハプテン。
  94. が、アミン反応性基、チオール反応性基およびカルボニル反応性基から選択される、請求項93に記載のケージドハプテン。
  95. が、ジベンゾシクロオクチン、トランス-シクロオクテン、アルキン、アルケン、アジド、テトラジン、マレイミド、N-ヒドロキシスクシンイミド、チオール、1,3-ニトロン、アルデヒド、ケトン、ヒドラジン、ヒドロキシルアミン、アミノ基からなる群から選択される、請求項93に記載のケージドハプテン。
  96. が、アミン反応性基、チオール反応性基およびカルボニル反応性基から選択される、請求項91に記載のケージドハプテン。
  97. が、ジベンゾシクロオクチン、トランス-シクロオクテン、アルキン、アルケン、アジド、テトラジン、マレイミド、N-ヒドロキシスクシンイミド、チオール、1,3-ニトロン、アルデヒド、ケトン、ヒドラジン、ヒドロキシルアミン、アミノ基からなる群から選択される、請求項91に記載のケージドハプテン。
  98. が、式(IIIA):
    Figure 2024504944000048
    (式中、
    は、結合、-O-、-S-、-C(R)(R)、または-N(R)-であり、
    およびRは、それぞれ独立して、H、C~Cアルキル基、F、Clまたは-N(R)(R)であり、
    およびRは、それぞれ独立して、Hまたは-CHから選択され、
    およびR10は、それぞれ独立して、結合であるか、またはカルボニル、アミド、イミド、エステル、エーテル、アミン、チオン、チオールから選択される基であり、
    各Zは、独立して、結合、-CH-、-CHCH-、または-CHCHCH-であり、
    tおよびuは、それぞれ独立して、0、1または2であり、但し、t+uは、少なくとも1であり、
    vは、1~8の範囲の整数である)
    に示される構造を有する、請求項97に記載のケージドハプテン。
  99. またはRの少なくとも1つがHである、請求項98に記載のケージドハプテン。
  100. がOである、請求項98に記載のケージドハプテン。
  101. が結合である、請求項98に記載のケージドハプテン。
  102. またはRの少なくとも1つがHである、請求項101に記載のケージドハプテン。
  103. およびRの両方がHである、請求項101に記載のケージドハプテン。
  104. Zが結合または-CH-である、請求項103に記載のケージドハプテン。
  105. 、RまたはRの少なくとも1つが-CHである、請求項90に記載のケージドハプテン。
  106. およびRの少なくとも1つが-CHである、請求項90に記載のケージドハプテン。
  107. がHである、請求項106に記載のケージドハプテン。
  108. がHである、請求項90に記載のケージドハプテン。
  109. Yが-C(O)-である、請求項90に記載のケージドハプテン。
  110. がHであり、およびYが-C(O)-である、請求項90に記載のケージドハプテン。
  111. が、式(IIIA):
    Figure 2024504944000049
    (式中、
    は、結合、-O-、-S-、-C(R)(R)、または-N(R)-であり、
    およびRは、それぞれ独立して、H、C~Cアルキル基、F、Clまたは-N(R)(R)であり、
    およびRは、それぞれ独立して、Hまたは-CHから選択され、
    およびR10は、それぞれ独立して、結合であるか、またはカルボニル、アミド、イミド、エステル、エーテル、アミン、チオン、チオールから選択される基であり、
    各Zは、独立して、結合、-CH-、-CHCH-、または-CHCHCH-であり、
    tおよびuは、それぞれ独立して、0、1または2であり、但し、t+uは、少なくとも1であり、
    vは、1~8の範囲の整数である)
    に示される構造を有する、請求項110に記載のケージドハプテン。
  112. 前記ケージドハプテンが、式(IIB):
    Figure 2024504944000050
    を有する、請求項90に記載のケージドハプテン。
  113. 前記ケージドハプテンが、式(IIIC):
    Figure 2024504944000051
    を有する、請求項90に記載のケージドハプテン。
  114. 前記ケージドハプテンが、式(IIIE):
    Figure 2024504944000052
    を有する、請求項90に記載のケージドハプテン。
  115. 前記ケージドハプテンが、式(IIIF):
    Figure 2024504944000053
    を有する、請求項90に記載のケージドハプテン。
  116. 請求項90~115のいずれか一項に記載のケージドハプテンと一次抗体とを含むコンジュゲート。
  117. 前記ケージドハプテンが前記一次抗体に間接的に結合されている、請求項116に記載のコンジュゲート。
  118. 前記一次抗体がインタクトな一次抗体である、請求項117に記載のコンジュゲート。
  119. 第1の標的が第2の標的に近接しているかどうかを決定するために試料を分析する方法であって、
    (a)前記試料を脱マスキング酵素-抗体コンジュゲートと接触させて、標的-脱マスキング酵素-抗体コンジュゲート複合体を形成すること、
    (b)前記試料を請求項116~118のいずれか一項に記載のケージドハプテンコンジュゲートと接触させて、標的-ケージドハプテン-抗体コンジュゲート複合体を形成すること、
    (c)前記標的-ケージドハプテン-抗体コンジュゲート複合体の前記ケージドハプテンを脱マスク化して標的-脱マスク化ハプテン-抗体コンジュゲート複合体を形成すること、
    (d)前記試料を第1の検出試薬と接触させて、前記第1の標的-脱マスク化ハプテン-抗体コンジュゲート複合体または前記第1の標的を標識すること、および
    (e)前記標識された第1の標的-脱マスク化ハプテン-抗体コンジュゲート複合体または標識された第1の標的を検出すること
    を含む、方法。
  120. 前記第1の検出試薬が、(i)前記標的-脱マスク化ハプテン-抗体複合体の前記脱マスク化ハプテンに対して特異的な二次抗体であって、前記二次抗体が前記標的-脱マスク化ハプテン-抗体複合体を第1の酵素で標識するように、前記第1の酵素にコンジュゲートされている、二次抗体と、(ii)前記第1の酵素に対する第1の基質とを含む、請求項119に記載の方法。
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