JP2024503848A - 有機発光素子 - Google Patents

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Abstract

【要約】本発明は、有機発光素子を提供する。

Description

[関連出願の相互参照]
本出願は、2021年5月7日付の韓国特許出願第10-2021-0059329号および2022年5月9日付の韓国特許出願第10-2022-0056391号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として含まれる。
本発明は有機発光素子に関する。
一般的に、有機発光現象とは、有機物質を利用して電気エネルギーを光エネルギーに転換させる現象をいう。有機発光現象を利用する有機発光素子は、広い視野角、優れたコントラスト、速い応答時間を有し、輝度、駆動電圧および応答速度特性に優れて多くの研究が進められている。
有機発光素子は、一般的に正極と負極および前記正極と負極との間に有機物層を含む構造を有する。前記有機物層は、有機発光素子の効率と安全性を高めるために、それぞれ異なる物質から構成された多層の構造からなる場合が多く、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層などからなる。このような有機発光素子の構造において、2つの電極の間に電圧をかけると正極からは正孔が、負極からは電子が有機物層に注入され、注入された正孔と電子が接した時、エキシトン(exciton)が形成され、このエキシトンが再び基底状態に落ちる時、光が出るようになる。
前記のような有機発光素子に使用される有機物に対して、新しい材料の開発が要求され続けている。
韓国特許公開番号第10-2000-0051826号
本発明は、駆動電圧、効率および寿命が改善された有機発光素子に関する。
前記課題を解決するために、本発明は、
正極;負極;および前記正極と負極との間の発光層を含み、
前記発光層は、下記化学式1で表される化合物および下記化学式2で表される化合物を含む、有機発光素子を提供する:
[化学式1]

前記化学式1中、
YはOまたはSであり、
~Xはそれぞれ独立して、CHまたはNであり、但し、X~Xのうち少なくとも1つはNであり、
ArおよびArはそれぞれ独立して、置換または非置換の炭素数6~60のアリール;または、置換または非置換のN、OおよびSで構成される群より選択されるいずれか1つ以上を含む炭素数2~60のヘテロアリールであり、
nは1~6の整数であり、
はそれぞれ独立して、水素;重水素;置換または非置換の炭素数6~60のアリール;または、置換または非置換のN、OおよびSで構成される群より選択されるいずれか1つ以上を含む炭素数2~60のヘテロアリールであり、
Arは、下記化学式1-1または化学式1-2で表される置換基であり、
[化学式1-1]

[化学式1-2]

前記化学式1-1および1-2中、
pは1~8の整数であり、
qは1~10の整数であり、
11およびR12はそれぞれ独立して、水素;重水素;置換または非置換の炭素数6~60のアリール;または、置換または非置換のN、OおよびSで構成される群より選択されるいずれか1つ以上を含む炭素数2~60のヘテロアリールであり、
Aは、隣接する2つの五角環と融合したベンゼン環であり、
Ar12は、置換または非置換の炭素数6~60のアリールであり、
[化学式2]

前記化学式2中、
n'およびm'はそれぞれ独立して、1~7の整数であり、
R'およびR'はそれぞれ独立して、水素;重水素;置換または非置換の炭素数6~60のアリール;または、置換または非置換のN、OおよびSで構成される群より選択されるいずれか1つ以上を含む炭素数2~60のヘテロアリールであり、
Ar'およびAr'はそれぞれ独立して、置換または非置換の炭素数6~17のアリール;または、置換または非置換のN、OおよびSで構成される群より選択されるいずれか1つ以上のヘテロ原子を含む炭素数2~60のヘテロアリールであり、
但し、R'およびR'のうち少なくとも1つは重水素であり;および/またはAr'およびAr'のうち少なくとも1つは、1以上の重水素で置換される。
上述した有機発光素子は、駆動電圧、効率および寿命に優れる。
基板1、正極2、発光層3、および負極4からなる有機発光素子の例を示した図である。 基板1、正極2、正孔注入層5、正孔輸送層6、発光層3、電子輸送層7、電子注入層8、および負極4からなる有機発光素子の例を示した図である。 、基板1、正極2、正孔注入層5、正孔輸送層6、電子抑制層9、発光層3、正孔抑制層10、電子輸送層7、電子注入層8、および負極4からなる有機発光素子の例を示した図である。
以下、本発明の理解を助けるためにより詳しく説明する。
本明細書において、

は、他の置換基に連結される結合を意味する。
本明細書において、「置換または非置換の」という用語は、重水素;ハロゲン基;ニトリル基;ニトロ基;ヒドロキシ基;カルボニル基;エステル基;イミド基;アミノ基;ホスフィンオキシド基;アルコキシ基;アリールオキシ基;アルキルチオキシ基;アリールチオキシ基;アルキルスルホキシ基;アリールスルホキシ基;シリル基;ホウ素基;アルキル基;シクロアルキル基;アルケニル基;アリール基;アラルキル基;アラルケニル基;アルキルアリール基;アルキルアミン基;アラルキルアミン基;ヘテロアリールアミン基;アリールアミン基;アリールホスフィン基;またはN、OおよびS原子のうち1個以上を含む複素環基からなる群より選択された1個以上の置換基で置換または非置換されるか、前記例示された置換基のうち2以上の置換基が連結された置換または非置換されることを意味する。例えば、「2以上の置換基が連結された置換基」は、ビフェニル基であってもよい。即ち、ビフェニル基は、アリール基であってもよく、2個のフェニル基が連結された置換基と解釈されてもよい。
本明細書において、カルボニル基の炭素数は、特に限定されないが、炭素数1~40であることが好ましい。具体的には、下記のような構造の化合物になってもよいが、これらに限定されるものではない。
本明細書において、エステル基は、エステル基の酸素が炭素数1~25の直鎖、分岐鎖もしくは環状アルキル基、または炭素数6~25のアリール基で置換されてもよい。具体的に、下記の構造式の化合物になってもよいが、これらに限定されるものではない。
本明細書において、イミド基の炭素数は特に限定されないが、炭素数1~25であることが好ましい。具体的には、下記のような構造の化合物になってもよいが、これらに限定されるものではない。
本明細書において、シリル基は、具体的には、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t-ブチルジメチルシリル基、ビニルジメチルシリル基、プロピルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジフェニルシリル基、フェニルシリル基などがあるが、これらに限定されるものではない。
本明細書において、ホウ素基は、具体的には、トリメチルホウ素基、トリエチルホウ素基、t-ブチルジメチルホウ素基、トリフェニルホウ素基、フェニルホウ素基などがあるが、これらに限定されるものではない。
本明細書において、ハロゲン基の例としては、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素がある。
本明細書において、前記アルキル基は、直鎖または分岐鎖であってもよく、炭素数は特に限定されないが、1~40であることが好ましい。一実施状態によれば、前記アルキル基の炭素数は1~20である。さらに一つの実施状態によれば、前記アルキル基の炭素数は1~10である。さらに一つの実施状態によれば、前記アルキル基の炭素数は1~6である。アルキル基の具体的な例としては、メチル、エチル、プロピル、n-プロピル、イソプロピル、ブチル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、1-メチル-ブチル、1-エチル-ブチル、ペンチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert-ペンチル、ヘキシル、n-ヘキシル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、4-メチル-2-ペンチル、3,3-ジメチルブチル、2-エチルブチル、ヘプチル、n-ヘプチル、1-メチルヘキシル、シクロペンチルメチル、シクロヘクティルメチル、オクチル、n-オクチル、tert-オクチル、1-メティレブチル、2-エチルヘキシル、2-プロピルペンチル、n-ノニル、2,2-ジメチルヘプチル、1-エチル-プロピル、1,1-ジメチル-プロピル、イソヘキシル、2-メチルペンチル、4-メチルヘキシル、5-メチルヘキシルなどがあるが、これらに限定されない。
本明細書において、前記アルケニル基は、直鎖または分岐鎖であってもよく、炭素数は特に限定されないが、2~40であることが好ましい。一実施状態によれば、前記アルケニル基の炭素数は2~20である。さらに一つの実施状態によれば、前記アルケニル基の炭素数は2~10である。さらに一つの実施状態によれば、前記アルケニル基の炭素数は2~6である。具体的な例としては、ビニル、1-プロフェニル、イソプロフェニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、3-メチル-1-ブテニル、1,3-ブタジエニル、アリル、1-フェニルビニル-1-イル、2-フェニルビニル-1-イル、2,2-ジフェニルビニル-1-イル、2-フェニル-2-(ナフチル-1-イル)ビニル-1-イル、2,2-ビス(ジフェニル-1-イル)ビニル-1-イル、スチルベニル基、スチレニル基などがあるが、これらに限定されない。
本明細書において、シクロアルキル基は、特に限定されないが、炭素数3~60であることが好ましく、一実施状態によれば、前記シクロアルキル基の炭素数は3~30である。さらに一つの実施状態によれば、前記シクロアルキル基の炭素数は3~20である。さらに一つの実施状態によれば、前記シクロアルキル基の炭素数は3~6である。具体的には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、3-メチルシクロペンチル、2,3-ジメチルシクロペンチル、シクロヘキシル、3-メチルシクロヘキシル、4-メチルシクロヘキシル、2,3-ジメチルシクロヘキシル、3,4,5-トリメチルシクロヘキシル、4-tert-ブチルシクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどがあるが、これらに限定されない。
本明細書において、アリール基は、特に限定されないが、炭素数6~60であることが好ましく、単環式アリール基または多環式アリール基であってもよい。一実施状態によれば、前記アリール基の炭素数は6~30である。一実施状態によれば、前記アリール基の炭素数は6~20である。前記単環式アリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基などであってもよいが、これらに限定されない。前記多環式アリール基としては、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントリル基、ピレニル基、ペリレニル基、クリセニル基、フルオレニル基などであってもよいが、これらに限定されるものではない。
本明細書において、フルオレニル基は、置換されてもよく、2つの置換基が互いに結合してスピロ構造を形成することができる。前記フルオレニル基が置換される場合、

などであってもよい。但し、これらに限定されるものではない。
本明細書において、複素環基は、異種元素として、O、N、SiおよびSのうち1個以上を含む複素環基であって、炭素数は特に限定されないが、炭素数2~60であることが好ましい。複素環基の例としては、チオフェン基、フラン基、ピロール基、イミダゾール基、チアゾール基、オキサゾール基、オキサジアゾール基、トリアゾール基、ピリジル基、ビピリジル基、ピリミジル基、トリアジン基、アクリジル基、ピリダシン基、ピラジニル基、キノリニル基、キナゾリン基、キノキサリニル基、フタラジニル基、ピリドピリミジニル基、ピリドピラジニル基、ピラジノピラジニル基、イソキノリン基、インドール基、カルバゾール基、ベンゾオキサゾール基、ベンゾイミダゾール基、ベンゾチアゾール基、ベンゾカルバゾール基、ベンゾチオフェン基、ジベンゾチオフェン基、ベンゾフラニル基、フェナントロリン基(phenanthroline)、イソオキサゾリル基、チアジアゾリル基、フェノチアジニル基およびジベンゾフラニル基などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。
本明細書において、アラルキル基、アラルケニル基、アルキルアリール基、アリールアミン基のうちアリール基は、上述したアリール基に関する説明が適用可能である。本明細書において、アラルキル基、アルキルアリール基、アルキルアミン基のうちアルキル基は上述したアルキル基に関する説明が適用可能である。本明細書において、ヘテロアリールアミンのうちヘテロアリールは、上述した複素環基に関する説明が適用可能である。本明細書において、アラルケニル基のうちアルケニル基は上述したアルケニル基に関する説明が適用可能である。本明細書において、アリーレンは、2価の基であることを除けば、上述したアリール基に関する説明が適用可能である。本明細書において、ヘテロアリーレンは、2価の基であることを除けば、上述した複素環基に関する説明が適用可能である。本明細書において、炭化水素環は、1価の基ではなく、2個の置換基が結合して形成したことを除けば、上述したアリール基またはシクロアルキル基に関する説明が適用可能である。本明細書において、ヘテロ環は、1価の基ではなく、2個の置換基が結合して形成したことを除けば、上述した複素環基に関する説明が適用可能である。以下、各構成別に本発明を詳細に説明する。
正極および負極
本発明で使用される正極および負極は、有機発光素子で使用される電極を意味する。
前記正極物質としては、通常有機物層への正孔注入が円滑となるように仕事関数が大きい物質が好ましい。前記正極物質の具体的な例としては、バナジウム、クロム、銅、亜鉛、金などの金属またはこられの合金;亜鉛酸化物、インジウム酸化物、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)などの金属酸化物;ZnO:AlまたはSnO:Sbなどの金属と酸化物の組み合わせ;ポリ(3-メチルチオフェン)、ポリ[3,4-(エチレン-1,2-ジオキシ)チオフェン](PEDOT)、ポリピロールおよびポリアニリンなどの導電性高分子などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。
前記負極物質としては、通常有機物層への電子注入が容易となるように仕事関数が小さい物質であることが好ましい。前記負極物質の具体的な例としては、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム、チタニウム、インジウム、イットリウム、リチウム、ガドリニウム、アルミニウム、銀、スズおよび鉛などの金属またはこられの合金;LiF/AlまたはLiO/Alなどの多層構造物質などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。
発光層
本発明で使用される発光層は、正極と負極から伝達された正孔と電子を結合させることによって可視光領域の光を出すことができる層を意味する。一般的に、発光層は、ホスト材料とドーパント材料を含み、本発明には前記化学式1で表される化合物および前記化学式2で表される化合物をホストで含む。
一実現例において、前記化学式1で表される化合物は、1つ以上の重水素を含むものであってもよい。即ち、化学式1の1以上のRは重水素であり、および/またはAr~Arの少なくとも1つは1以上の重水素で置換されてもよい。
前記化学式1中、X~Xのうち少なくとも1つはNであり、好ましくはいずれもNである。
好ましくは、ArおよびArはそれぞれ独立して、置換または非置換の炭素数6~20のアリール;または、置換または非置換のN、OおよびSで構成される群より選択されるいずれか1つ以上を含む炭素数2~20のヘテロアリールである。前記ArおよびArはそれぞれ、1以上の重水素で置換されてもよい。
好ましくは、ArおよびArはそれぞれ独立して、フェニル;5個の重水素で置換されたフェニル;ビフェニリル;5個の重水素で置換されたビフェニリル;カルバゾリル;ジベンゾフラニル;またはジベンゾチオフェニルである。
好ましくは、Rはそれぞれ独立して、水素、または、重水素である。
Arは、前記化学式1-1で表されるカルバゾール置換基、または、化学式1-2で表されるインドロカルバゾール置換基である。前記Arは、1以上の重水素で置換されてもよい。
Arが前記化学式1-1で表される置換基である場合、好ましくは、R11はそれぞれ独立して、水素;重水素;フェニル;または、5個の重水素で置換されたフェニルである。
Arが前記化学式1-1で表される置換基である場合、pは1~8の整数であり、R11は、重水素、またはフェニルであってもよい。
具体的に、Arが前記化学式1-1で表される置換基である場合、pは1であり、R11はフェニルであってもよい。
または、Arが前記化学式1-1で表される置換基であり、pが2~8である場合、R11は全て重水素であるか、または、R11のうち1つは、フェニルであり、残りは全て重水素であってもよい。
または、Arが前記化学式1-1で表される置換基である場合、pは4~8、または、6~8の整数であり、R11は重水素であってもよい。
好ましくは、前記化学式1-2は、下記化学式1-2-aのように表されることができる:
[化学式1-2-a]

前記化学式1-2-a中、
q、R12、およびAr12は、化学式1-2で定義した通りである。
Arが前記化学式1-2で表される置換基である場合、R12はそれぞれ独立して、水素または重水素であり、Ar12は置換または非置換の炭素数6~20のアリールであってもよい。好ましくは、R12はそれぞれ独立して、水素または重水素であり、Ar12はフェニルである。
Arが前記化学式1-2-aで表される置換基である場合、4個のR12は水素であり、6個のR12は重水素であり、Ar12はフェニルであってもよい。
一実現例において、化学式1のX~XはいずれもNであり、ArおよびArはそれぞれ独立して、フェニル;5個の重水素で置換されたフェニル;ビフェニリル;5個の重水素で置換されたビフェニリル;カルバゾリル;ジベンゾフラニル;またはジベンゾチオフェニルであったもよい。
一実現例において、化学式1のX~XはいずれもNであり、ArおよびArはそれぞれ独立して、フェニル;5個の重水素で置換されたフェニル;ビフェニリル;5個の重水素で置換されたビフェニリル;カルバゾリル;ジベンゾフラニル;またはジベンゾチオフェニルであり、Rはそれぞれ独立して、水素または重水素であってもよい。
一実現例において、化学式1のX~XはいずれもNであり、Rはそれぞれ独立して、水素または重水素であり、Arは前記化学式1-1で表される置換基であり、pは1~8の整数であり、R11はそれぞれ独立して、水素;重水素;フェニル;または、5個の重水素で置換されたフェニルであってもよい。
一実現例において、化学式1のX~XはいずれもNであり、ArおよびArはそれぞれ独立して、フェニル;5個の重水素で置換されたフェニル;ビフェニリル;5個の重水素で置換されたビフェニリル;カルバゾリル;ジベンゾフラニル;またはジベンゾチオフェニルであり、Rはそれぞれ独立して、水素または重水素であり、Arは前記化学式1-1で表される置換基であり、pは1~8の整数であり、R11はそれぞれ独立して、水素;重水素;フェニル;または、5個の重水素で置換されたフェニルであってもよい。
一実現例において、化学式1のX~XはいずれもNであり、ArおよびArはそれぞれ独立して、フェニル;5個の重水素で置換されたフェニル;ビフェニリル;5個の重水素で置換されたビフェニリル;カルバゾリル;ジベンゾフラニル;またはジベンゾチオフェニルであり、Rはそれぞれ独立して、水素または重水素であり、Arが前記化学式1-1で表される置換基であり、pは1~8の整数であり、R11は重水素、または、フェニルであってもよい。
一実現例において、化学式1のX~XはいずれもNであり、ArおよびArはそれぞれ独立して、フェニル;5個の重水素で置換されたフェニル;ビフェニリル;5個の重水素で置換されたビフェニリル;カルバゾリル;ジベンゾフラニル;またはジベンゾチオフェニルであり、Rはそれぞれ独立して、水素または重水素であり、Arは前記化学式1-1で表される置換基であり、pは6~8の整数であり、R11は重水素であってもよい。
一実現例において、化学式1のX~XはいずれもNであり、Rはそれぞれ独立して、水素または重水素であり、Arは前記化学式1-2で表される置換基であり、qは1~10の整数であり、R12はそれぞれ独立して、水素または重水素であり、Ar12はフェニルであってもよい。
一実現例において、化学式1のX~XはいずれもNであり、ArおよびArはそれぞれ独立して、フェニル;5個の重水素で置換されたフェニル;ビフェニリル;5個の重水素で置換されたビフェニリル;カルバゾリル;ジベンゾフラニル;またはジベンゾチオフェニルであり、Rはそれぞれ独立して、水素または重水素であり、Arは前記化学式1-2で表される置換基であり、qは1~10の整数であり、R12はそれぞれ独立して、水素または重水素であり、Ar12はフェニルであってもよい。
一実現例において、化学式1のX~XはいずれもNであり、Rはそれぞれ独立して、水素または重水素であり、Arは前記化学式1-2-aで表される置換基で、qは1~10の整数であり、R12はそれぞれ独立して、水素または重水素であり、Ar12はフェニルであってもよい。
一実現例において、化学式1のX~XはいずれもNであり、ArおよびArはそれぞれ独立して、フェニル;5個の重水素で置換されたフェニル;ビフェニリル;5個の重水素で置換されたビフェニリル;カルバゾリル;ジベンゾフラニル;またはジベンゾチオフェニルであり、Rはそれぞれ独立して、水素または重水素であり、Arは前記化学式1-2-aで表される置換基であり、qは1~10の整数であり、R12はそれぞれ独立して、水素または重水素であり、Ar12はフェニルであってもよい。
前記化学式1で表される化合物の代表的な例は下記の通りである:



















































前記化学式1で表される化合物は、例えば下記の反応式1のような製造方法で製造されることができる。
[反応式1]

前記反応式1中、X'を除く残りは、先に定義した通りであり、X'はそれぞれ独立して、ハロゲンであり、より好ましくはそれぞれ独立して、ブロモまたはクロロである。
前記反応式1の第一の段階は、鈴木カップリング反応であって、パラジウム触媒と塩基存在下で行うことが好ましく、鈴木カップリング反応のための反応基は当業界に公知のものに従って変更可能である。
前記反応式1の第二の段階は、アミン置換反応であって、パラジウム触媒と塩基存在下で行うことが好ましく、アミン置換反応のための反応基は当業界に公知のものに従って変更可能である。
前記化学式1で表される化合物が重水素を含む場合、重水素を含む前駆体から製造するか、または、重水素を含まない前駆体から製造した後、最終的に水素/重水素交換反応を通じて重水素を含むようにすることができる。
前記化学式1で表される化合物の製造方法は後述する製造例でより具体化される。
前記化学式2で表される化合物は、1以上の重水素を有することを特微とする。
即ち、化学式2中、R'およびR'のうち少なくとも1つが重水素でるか;R'およびR'の少なくとも1つが重水素であり、Ar'およびAr'のうち少なくとも1つの置換基が、1以上の重水素を含むか;またはR'およびR'がいずれも重水素でない場合、Ar'およびAr'の少なくとも1つの置換基が、1以上の重水素を含むことができる。
好ましくは、R'およびR'はそれぞれ独立して、水素;重水素;置換または非置換の炭素数6~12のアリールである。この時、前記アリールは、1以上の重水素で置換されてもよい。
好ましくは、R'およびR'はそれぞれ独立して、水素;重水素;フェニル;または、1~5個の重水素で置換されたフェニルである。
好ましくは、R'およびR'の少なくとも1つは重水素である。
好ましくは、n'およびm'はそれぞれ独立して、5~7、または6~7の整数であり、R'およびR'はいずれも重水素である。
好ましくは、Ar'およびAr'はそれぞれ独立して、非置換であるか、または1~5個の重水素で置換されたフェニル;非置換であるか、または1~9個の重水素で置換されたビフェニル;非置換であるか、または1~7個の重水素で置換されたナフチル;非置換であるか、または1~13個の重水素で置換されたジメチルフルオレニル;非置換であるか、または1~7個の重水素で置換されたジベンゾフラニル;または、非置換であるか、または1~7個の重水素で置換されたジベンゾチオフェニルである。
一実現例において、n'およびm'はそれぞれ独立して、6~7の整数であり、R'およびR'はいずれも重水素であり、Ar'およびAr'はそれぞれ独立して、非置換であるか、または1~5個の重水素で置換されたフェニル;非置換であるか、または1~9個の重水素で置換されたビフェニル;非置換であるか、または1~7個の重水素で置換されたナフチル;非置換であるか、または1~13個の重水素で置換されたジメチルフルオレニル;非置換であるか、または1~7個の重水素で置換されたジベンゾフラニル;または、非置換であるか、または1~7個の重水素で置換されたジベンゾチオフェニルである。
好ましくは、前記化学式2の重水素置換率は、40~100%である。前記「重水素置換率」とは、前記化学式2に存在し得る水素の総個数対比、化学式2に含まれた重水素の個数を意味する。好ましくは、前記化学式2の重水素置換率は、60%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上であり、99%以下、98%以下、97%以下、96%以下、95%以下、94%以下、93%以下、または92%以下である。
前記化学式2で表される化合物の代表的な例は下記の通りである:




前記において、各化学式に含まれたメチル基はそれぞれ独立して、CH、CHD、CHD、またはCDである。例えば、化学式

中、前記ジメチルフルオレニルに含まれた2つのメチル基はそれぞれ独立して、CH、CHD、CHD、またはCDであってもよい。
前記化学式2で表される化合物は、例えば下記の反応式2のような製造方法で製造されることができる。
[反応式2]
前記反応式2中、X''を除く残りは、先に定義した通りであり、X''は、ハロゲンであり、より好ましくはブロモまたはクロロである。
前記反応式2は、鈴木カップリング反応であって、パラジウム触媒と塩基存在下で行うことが好ましく、鈴木カップリング反応のための反応基は当業界に公知のものに従って変更可能である。
前記化学式2で表される化合物は、重水素を含む前駆体から製造されてもよく、または、重水素を含まない前駆体から製造した後、最終的に水素/重水素交換反応を通じて重水素を含むようにすることができる。
前記化学式2で表される化合物の製造方法は、後述する製造例でより具体化される。
前記発光層で、前記化学式1で表される化合物と前記化学式2で表される化合物の重量比は、1:99~99:1、5:95~95:5、または10:90~90:10である。
一方、前記化学式1で表される化合物と前記化学式2で表される化合物は、単純混合物(mixture)として前記発光層に含まれてもよく、または、有機化合物(organic alloy)として前記発光層に含まれてもよい。有機化合物は、2つ以上の単一有機化合物の前処理(pre-treatment)により得られた結果で、前記前処理によって単一有機化合物の間に化学的相互作用(chemical interaction)を有することができる。前記前処理は、例えば加熱および/または昇華のような熱処理過程後冷却させたものであってもよいが、これらに限定されるものではない。
前記有機化合物は前述した通り、2つ以上の単一有機化合物の間に化学的相互作用が存在するため、各単一有機化合物および単一有機化合物の間に化学的相互作用が存在しない単純混合物(mixture)とは異なる特性を有する。ここで、単純混合物は各単一有機化合物を何の前処理なしに単純に物理的に混合したものをいう。即ち、第1有機化合物と第2有機化合物の単純混合物は、第1有機化合物、第2有機化合物、または、こられの組み合わせの特性を示す一方、第1有機化合物と第2有機化合物の有機化合物は、第1有機化合物、第2有機化合物、または、こられの単純混合物とは異なる特性を示すことができる。
例えば、前記有機化合物の発光波長は、前記第1有機化合物、前記第2有機化合物、およびこられの単純混合物の発光波長と異なり得る。
また、前記有機化合物の色(color)は、第1有機化合物、第2有機化合物、およびこられの単純混合物の色と異なり得る。
また、前記有機化合物のガラス転移温度(Tg)は、第1有機化合物、第2有機化合物、およびこられの単純混合物のガラス転移温度(Tg)と異なり得る。また、前記有機化合物の結晶化温度(Tc)は、第1有機化合物、第2有機化合物、およびこられの単純混合物の結晶化温度と異なり得る。また、前記有機化合物の融解温度(Tm)は、第1有機化合物、第2有機化合物、およびこられの単純混合物の融解温度と異なり得る。
前記有機化合物は、様々な方法で前処理されるが、例えば第1有機化合物と第2有機化合物を熱処理して液化または気化する段階、および前記熱処理された化合物を冷却して固体化する段階から得られることができる。また、塊りのような固体で得られた有機化合物は、ミキサーなどを利用して物理的に粉砕する追加段階をさらに経ることができる。
前記有機化合物は、前述したように前処理によって得られた結果で、薄膜形成時1つのソースを使用して供給することができる。これにより、2種以上の物質を別々の供給源(source)からそれぞれ供給する際に要求される工程制御段階が必要ないため、工程を単純化することができる。
また、前記有機化合物は前述したように前処理によって得られた結果であるため、2種以上の単一有機化合物を別々の供給源からそれぞれ供給するか、2種以上の単一有機化合物の単純混合物を単一供給源から供給する場合と比較して、蒸着される物質の均一性および一貫性を確保することができる。従って、連続工程で複数の薄膜を形成する際に、実質的に同じ比率の成分を有する薄膜を連続的に生産することができ、これにより薄膜の再現性および信頼性を高めることができる。
前記ドーパント材料としては、有機発光素子に使用される物質であれば特に制限されない。例えば、芳香族アミン誘導体、スチリルアミン化合物、ホウ素錯体、フルオランテン化合物、金属錯体などがある。具体的には、芳香族アミン誘導体としては、置換または非置換のアリールアミノ基を有する縮合芳香族環誘導体であって、アリールアミノ基を有するピレン、アントラセン、クリセン、ペリプランテンなどがあり、スチリルアミン化合物としては、置換または非置換のアリールアミンに少なくとも1個のアリールビニル基が置換されている化合物で、アリール基、シリル基、アルキル基、シクロアルキル基、およびアリールアミノ基からなる群より1または2以上選択される置換基が置換または非置換される。具体的には、スチリルアミン、スチリルジアミン、スチリルトリアミン、スチリルテトラアミンなどがあるが、これらに限定されない。また、金属錯体としては、イリジウム錯体、白金錯体などがあるが、これらに限定されない。
正孔輸送層
本発明に係る有機発光素子は、前記発光層と正極の間に正孔輸送層を含んでもよい。
前記正孔輸送層は、正孔注入層から正孔を受け取って発光層まで正孔を輸送する層で、正孔輸送物質としては、正極や正孔注入層から正孔の輸送を受けて発光層に移し得る物質で、正孔に対する移動性が大きい物質が好適である。
前記正孔輸送物質の具体的な例としては、アリールアミン系の有機物、導電性高分子、および共役部分と非共役部分が共に存在するブロック共重合体などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。
正孔注入層
本発明に係る有機発光素子は、必要に応じて前記正極と正孔輸送層との間に正孔注入層をさらに含んでもよい。
前記正孔注入層は、電極から正孔を注入する層で、正孔注入物質としては、正孔を輸送する能力を有し、正極からの正孔注入効果、発光層または発光材料に対して優れた正孔注入効果を有し、発光層で生成された励起子の電子注入層または電子注入材料への移動を防止し、また、薄膜形成能力に優れた化合物が好ましい。また、正孔注入物質のHOMO(highest occupied molecular orbital)が正極物質の仕事関数と周辺有機物層のHOMOとの間であることが好ましい。
正孔注入物質の具体的な例としては、金属ポルフィリン(porphyrin)、オリゴチオフェン、アリールアミン系の有機物、ヘキサニトリルヘキサアザトリフェニレン系の有機物、キナクリドン(quinacridone)系の有機物、ペリレン(perylene)系の有機物、アントラキノンおよびポリアニリンとポリチオフェン系の導電性高分子などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。
電子抑制層
本発明に係る有機発光素子は、必要に応じて正孔輸送層と発光層との間に電子抑制層を含むことができる。
前記電子抑制層は、負極から注入された電子が発光層で再結合されずに正孔輸送層へ渡るのを防止して、電子遮断層とも呼ばれる。電子抑制層には電子輸送層よりも電子親和力が小さい物質が好ましい。
電子輸送層
本発明に係る有機発光素子は、前記発光層と負極の間に電子輸送層を含むことができる。前記電子輸送層は、負極または負極上に形成された電子注入層から電子を受け取って発光層まで電子を輸送し、また、発光層から正孔が伝達されるのを抑制する層であり、電子輸送物質としては、負極から電子の注入を良好に受けて発光層に移すことができる物質であって、電子に対する移動性が大きい物質が好適である。
前記電子輸送物質の具体的な例としては、8-ヒドロキシキノリンのAl錯体;Alqを含む錯体;有機ラジカル化合物;ヒドロキシフラボン-金属錯体などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。電子輸送層は、従来技術に従って用いられた通り任意の所望のカソード物質と共に使用することができる。特に、適切なカソード物質の例としては、低い仕事関数を有し、アルミニウム層またはシルバー層がそれに続く通常の物質である。具体的には、セシウム、バリウム、カルシウム、イッテルビウムおよびサマリウムであり、各々の場合、アルミニウム層またはシルバー層がそれに続く。
電子注入層
本発明に係る有機発光素子は、必要に応じて前記電子輸送層と負極との間に電子注入層をさらに含んでもよい。
前記電子注入層は、電極から電子を注入する層で、電子を輸送する能力を有し、負極からの電子注入効果、発光層または発光材料に対して優れた電子注入効果を有し、発光層で生成された励起子の正孔注入層への移動を防止し、また、薄膜形成能力に優れた化合物を使用することが好ましい。前記電子注入層で用いられる物質の具体的な例としては、フルオレノン、アントラキノンジメタン、ジフェノキノン、チオピランジオキシド、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、ペリレンテトラカルボン酸、プレオレニリデンメタン、アントロンなどと、それらの誘導体、金属錯体化合物、および含窒素5員環誘導体などがあるが、これらに限定されない。
前記金属錯体化合物としては、8-ヒドロキシキノリナトリチウム、ビス(8-ヒドロキシキノリナト)亜鉛、ビス(8-ヒドロキシキノリナト)銅、ビス(8-ヒドロキシキノリナト)マンガン、トリス(8-ヒドロキシキノリナト)アルミニウム、トリス(2-メチル-8-ヒドロキシキノリナト)アルミニウム、トリス(8-ヒドロキシキノリナト)ガリウム、ビス(10-ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム、ビス(10-ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)亜鉛、ビス(2-メチル-8-キノリナト)クロロガルウム、ビス(2-メチル-8-キノリナト)(o-クレゾラト)ガリウム、ビス(2-メチル-8-キノリナト)(1-ナフトラト)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリナト)(2-ナフトラト)ガリウムなどがあるが、これらに限定されない。
正孔抑制層
本発明に係る有機発光素子は、必要に応じて電子輸送層と発光層との間に正孔抑制層を含むことができる。
前記正孔抑制層は、正極から注入された正孔が発光層で再結合されずに電子輸送層へ渡るのを防止し、正孔抑制層にはイオン化エネルギーが大きい物質が好ましい。
有機発光素子
本発明に係る有機発光素子の構造を図1に例示した。図1は、基板1、正極2、発光層3、および負極4からなる有機発光素子の例を示した図である。また、図2は、基板1、正極2、正孔注入層5、正孔輸送層6、発光層3、電子輸送層7、電子注入層8、および負極4からなる有機発光素子の例を示した図である。また、図3は、基板1、正極2、正孔注入層5、正孔輸送層6、電子抑制層9、発光層3、正孔抑制層10、電子輸送層7、電子注入層8、および負極4からなる有機発光素子の例を示した図である。
本発明に係る有機発光素子は、上述した構成を順次積層させて製造することができる。この時、スパッタリング法(sputtering)や電子ビーム蒸発法(e-beam evaporation)などのPVD(physical Vapor Deposition)方法を利用して、基板上に金属または導電性を有する金属酸化物、またはこられの合金を蒸着させて正極を形成し、その上に上述した各層を形成した後、さらにその上に負極として用いられる物質を蒸着させて製造することができる。
このような方法以外にも、基板上に負極物質から上述した構成の逆順に正極物質まで順次蒸着させて有機発光素子を作ることができる(WO2003/012890)。さらに、発光層は、ホストおよびドーパントを真空蒸着法だけでなく溶液塗布法によって形成されてもよい。ここで、溶液塗布法とは、スピンコーティング、ディップコーティング、ドクターブレーディング、インクジエットプリンティング、スクリーンプリンティング、スプレー法、ロールコーティングなどを意味するが、これらのみに限定されるものではない。
本発明に係る有機発光素子は、背面発光(bottom emission)素子、全面発光(top emission)素子、または、両面発光素子であってもよく、特に相対的に高い発光効率が求められる背面発光素子であってもよい。
上述した本発明に係る有機発光素子の製造は、以下実施例で具体的に説明する。しかし下記の実施例は、本発明を例示するためのものであり、本発明の範囲がそれらによって限定されるものではない。
[製造例1:化学式1の化合物の製造]
製造例1-1:化合物1-1の合成
ステップ1)中間体1-1-1の合成
窒素雰囲気で6-bromo-3-chlorodibenzo[b,d]furan(20g、71mmol)とビス(ピナコラト)ジボロン(18g、71mmol)をジオキサン400mlに入れて攪拌および還流した。その後、無水酢酸カリウム(20.9g、213.1mmol)を投入して十分に攪拌した後、パラジウムジベンジリデンアセトンパラジウム(0.8g、1.4mmol)、およびトリシクロヘキシルホスフィン(0.8g、2.8mmol)を投入した。7時間反応後、常温で冷やした後、有機層をフィルター処理して塩を除去した後、ろ過した有機層を蒸留した。これをさらにクロロホルム233mLに溶かして、水で2回洗浄後、有機層を分離して、無水硫酸マグネシウムを入れて攪拌した後、ろ過して濾液を減圧蒸留した。濃縮した化合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して中間体1-1-1を(15.2g、65%、MS:[M+H]=329.6)を製造した。
ステップ2)中間体1-1-2の合成
窒素雰囲気で1-1-1(20g、60.9mmol)と2-chloro-4-(dibenzo[b,d]thiophen-4-yl)-6-(phenyl-d5)-1,3,5-triazine(23.1g、60.9mmol)をテトラヒドロフラン400mlに入れて攪拌および還流した。その後、炭酸カリウム(25.2g、182.6mmol)を水75mlに溶かして投入して十分に攪拌した後、テトラキストリフェニル-ホスフィノパラジウム(2.1g、1.8mmol)を投入した。2時間反応後、常温で冷やした後、生成された固体をろ過した。固体をクロロホルム664mLに投入して溶かし、水で2回洗浄後、有機層を分離して、無水硫酸マグネシウムを入れて攪拌した後、ろ過して濾液を減圧蒸留した。濃縮した化合物をクロロホルムと酢酸エチルで再結晶して、白色の固体化合物1-1-2(24.5g、74%、MS:[M+H]=546.1)を製造した。
ステップ3)化合物1-1の合成
窒素雰囲気で1-1-2(15g、27.5mmol)と9H-carbazole(4.6g、27.5mmol)をトルエン300mlに入れて攪拌および還流した。その後、ナトリウムターシャリ-ブトキシド(7.9g、82.6mmol)を投入して十分に攪拌した後、ビス(トリターシャリ-ブチルホスフィン)パラジウム(0.4g、0.8mmol)を投入した。2時間反応後、常温で冷やした後、有機層をフィルター処理して塩を除去した後、ろ過した有機層を蒸留した。これをさらにクロロホルム185mLに投入して溶かし、水で2回洗浄後、有機層を分離して、無水硫酸マグネシウムを入れて攪拌した後、ろ過して濾液を減圧蒸留した。濃縮した化合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した後、昇華精製により化合物1-1(10g、54%、MS:[M+H]=671.8)を製造した。
製造例1-2:化合物1-2の合成
ステップ1)中間体1-2-1の合成
窒素雰囲気で6-bromo-3-chlorodibenzo[b,d]furan(15g、53.3mmol)と9H-carbazole-d8(9.3g、53.3mmol)をトルエン300mlに入れて攪拌および還流した。その後、ナトリウムターシャリ-ブトキシド(15.4g、159.8mmol)を投入して十分に攪拌した後、ビス(トリターシャリ-ブチルホスフィン)パラジウム(0.8g、1.6mmol)を投入した。3時間反応後、常温で冷やした後、有機層をフィルター処理して塩を除去した後、ろ過した有機層を蒸留した。これをさらにクロロホルム200mLに投入して溶かし、水で2回洗浄後、有機層を分離して、無水硫酸マグネシウムを入れて攪拌した後、ろ過して濾液を減圧蒸留した。濃縮した化合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して中間体1-2-1(10.8g、54%、MS:[M+H]=376.9)を製造した。
ステップ2)中間体1-2-2の合成
窒素雰囲気で1-2-1(20g、53.2mmol)とビス(ピナコラト)ジボロン(13.5g、53.2mmol)をdioxane 400mlに入れて攪拌および還流した。その後、無水酢酸カリウム(15.7g、159.6mmol)を投入して十分に攪拌した後、パラジウムジベンジリデンアセトンパラジウム(0.6g、1.1mmol)、およびトリシクロヘキシルホスフィン(0.6g、2.1mmol)を投入した。3時間反応後、常温で冷やした後、有機層をフィルター処理して塩を除去した後、ろ過した有機層を蒸留した。これをさらにクロロホルム249mLに投入して溶かし、水で2回洗浄後、有機層を分離して、無水硫酸マグネシウムを入れて攪拌した後、ろ過して濾液を減圧蒸留した。濃縮した化合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して中間体1-2-2(18.4g、74%、MS:[M+H]=468.4)を製造した。
ステップ3)化合物1-2の合成
窒素雰囲気で1-2-2(20g、42.8mmol)と2-([1,1'-biphenyl]-3-yl)-4-chloro-6-phenyl-1,3,5-triazine(14.7g、42.8mmol)をテトラヒドロフラン400mlに入れて攪拌および還流した。その後、炭酸カリウム(17.7g、128.4mmol)を水54mlに溶かして投入して十分に攪拌した後、テトラキストリフェニル-ホスフィノパラジウム(1.5g、1.3mmol)を投入した。3時間反応後、常温で冷やした後、生成された固体をろ過した。固体をクロロホルム555mLに投入して溶かし、水で2回洗浄後、有機層を分離して、無水硫酸マグネシウムを入れて攪拌した後、ろ過して濾液を減圧蒸留した。濃縮した化合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した後、昇華精製により化合物1-2(21.4g、77%、MS:[M+H]=649.8)を製造した。
製造例1-3:化合物1-3の合成
製造例1-1で、6-bromo-3-chlorodibenzo[b,d]furanを1-bromo-7-chlorodibenzo[b,d]furan-2,3,4,6,8,9-d6に、2-chloro-4-(dibenzo[b,d]thiophen-4-yl)-6-(phenyl-d5)-1,3,5-triazineを2-chloro-4-(dibenzo[b,d]furan-3-yl)-6-phenyl-1,3,5-triazineに、9H-carbazoleを9H-carbazole-d8に変更して使用したことを除いては、化合物1-1の製造方法と同じ製造方法で化合物1-3を製造した。(MS:[M+H]=669.8)
製造例1-4:化合物1-4の合成
製造例1-2で、6-bromo-3-chlorodibenzo[b,d]furanを1-bromo-7-chlorodibenzo[b,d]furan-2,3,4,6,8,9-d6に、9H-carbazole?d8を9H-carbazole-に、2-([1,1'-biphenyl]-3-yl)-4-chloro-6-phenyl-1,3,5-triazineを2-chloro-4-(dibenzo[b,d]furan-1-yl)-6-phenyl-1,3,5-triazineに変更して使用したことを除いては、化合物1-2の製造方法と同じ製造方法で化合物1-4を製造した。(MS:[M+H]=661.8)
製造例1-5:化合物1-5の合成
製造例1-1で、6-bromo-3-chlorodibenzo[b,d]furanを2-bromo-6-chlorodibenzo[b,d]furanに、2-chloro-4-(dibenzo[b,d]thiophen-4-yl)-6-(phenyl-d5)-1,3,5-triazineを2-chloro-4,6-diphenyl-1,3,5-triazineに、9H-carbazoleを2-(phenyl-d5)-9H-carbazoleに変更して使用したことを除いては、化合物1-1の製造方法と同じ製造方法で化合物1-5を製造した。(MS:[M+H]=646.8)
製造例1-6:化合物1-6の合成
製造例1-2で、6-bromo-3-chlorodibenzo[b,d]furanを2-bromo-6-chlorodibenzo[b,d]furanに、2-([1,1'-biphenyl]-3-yl)-4-chloro-6-phenyl-1,3,5-triazineを2-chloro-4,6-diphenyl-1,3,5-triazineに変更して使用したことを除いては、化合物1-2の製造方法と同じ製造方法で化合物1-6を製造した。(MS:[M+H]=573.7)
製造例1-7:化合物1-7の合成
製造例1-1で、6-bromo-3-chlorodibenzo[b,d]furanを1-bromo-6-chlorodibenzo[b,d]furanに、2-chloro-4-(dibenzo[b,d]thiophen-4-yl)-6-(phenyl-d5)-1,3,5-triazineを2-chloro-4,6-diphenyl-1,3,5-triazineに、9H-carbazoleを4-phenyl-9H-carbazole-1,2,3,5,6,7,8-d7に変更して使用したことを除いては、化合物1-1の製造方法と同じ製造方法で化合物1-7を製造した。(MS:[M+H]=648.8)
製造例1-8:化合物1-8の合成
製造例1-2で、6-bromo-3-chlorodibenzo[b,d]furanを1-bromo-6-chlorodibenzo[b,d]furanに、9H-carbazole-d8を9H-carbazoleに、2-([1,1'-biphenyl]-3-yl)-4-chloro-6-phenyl-1,3,5-triazineを2-([1,1'-biphenyl]-4-yl)-4-chloro-6-(phenyl-d5)-1,3,5-triazineに変更して使用したことを除いては、化合物1-2の製造方法と同じ製造方法で化合物1-8を製造した。(MS:[M+H]=646.8)
製造例1-9:化合物1-9の合成
製造例1-1で、6-bromo-3-chlorodibenzo[b,d]furanを8-bromo-1-chlorodibenzo[b,d]furanに、2-chloro-4-(dibenzo[b,d]thiophen-4-yl)-6-(phenyl-d5)-1,3,5-triazineを2-chloro-4,6-bis(phenyl-d5)-1,3,5-triazineに、9H-carbazoleを3-phenyl-9H-carbazoleに変更して使用したことを除いては、化合物1-1の製造方法と同じ製造方法で化合物1-9を製造した。(MS:[M+H]=651.8)
製造例1-10:化合物1-10の合成
製造例1-2で、6-bromo-3-chlorodibenzo[b,d]furanを2-bromo-7-chlorodibenzo[b,d]furanに、2-([1,1'-biphenyl]-3-yl)-4-chloro-6-phenyl-1,3,5-triazineを2-chloro-4,6-diphenyl-1,3,5-triazineに変更して使用したことを除いては、化合物1-2の製造方法と同じ製造方法で化合物1-10を製造した。(MS:[M+H]=573.7)
製造例1-11:化合物1-11の合成
製造例1-1で、6-bromo-3-chlorodibenzo[b,d]furanを4-bromo-6-chlorodibenzo[b,d]thiopheneに、2-chloro-4-(dibenzo[b,d]thiophen-4-yl)-6-(phenyl-d5)-1,3,5-triazineを2-([1,1'-biphenyl]-3-yl)-4-chloro-6-(phenyl-d5)-1,3,5-triazineに、9H-carbazoleを4-phenyl-9H-carbazole-1,2,3,5,6,7,8-d7に変更して使用したことを除いては、化合物1-1の製造方法と同じ製造方法で化合物1-11を製造した。(MS:[M+H]=746.0)
製造例1-12:化合物1-12の合成
製造例1-1で、6-bromo-3-chlorodibenzo[b,d]furanを6-bromo-1-chlorodibenzo[b,d]thiopheneに、2-chloro-4-(dibenzo[b,d]thiophen-4-yl)-6-(phenyl-d5)-1,3,5-triazineを2-([1,1'-biphenyl]-3-yl)-4-chloro-6-phenyl-1,3,5-triazineに、9H-carbazoleを9H-carbazole-1,2,3,4,5,6,7,8-d8に変更して使用したことを除いては、化合物1-1の製造方法と同じ製造方法で化合物1-12を製造した。(MS:[M+H]=665.9)
[製造例2:化学式2の化合物の製造]
製造例2-1:化合物2-1の合成
ステップ1)中間体2-1-1の合成
窒素雰囲気で9-([1,1'-biphenyl]-4-yl)-3-bromo-9H-carbazole(20g、50.4mmol)と(9-phenyl-9H-carbazol-3-yl)boronic acid(14.5g、50.4mmol)をテトラヒドロフラン400mlに入れて攪拌および還流した。その後、炭酸カリウム(20.9g、151.1mmol)を水63mlに溶かして投入して十分に攪拌した後、テトラキストリフェニル-ホスフィノパラジウム(1.7g、1.5mmol)を投入した。5時間反応後、常温で冷やした後、生成された固体をろ過した。固体をクロロホルム565mLに投入して溶かし、水で2回洗浄後、有機層を分離して、無水硫酸マグネシウムを入れて攪拌した後、ろ過して濾液を減圧蒸留した。濃縮した化合物をクロロホルムと酢酸エチルで再結晶して白色の固体化合物2-1-1(19.2g、68%、MS:[M+H]=561.7)を製造した。
ステップ2)化合物2-1の合成
シェーカーチューブに化合物2-1-1(10.0g、17.8mmol)、PtO(1.2g、5.4mmol)、DO 89mlを入れた後、チューブを密封して250℃、600psiで12時間加熱した。反応が終了すると、クロロホルムを入れて反応液を分液漏斗に移して抽出した。抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮して、試料をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した後、昇華精製により化合物2-1を3.9g製造した(収率38%、MS:[M+H]=579.8)。
製造例2-2:化合物2-2の合成
ステップ1)中間体2-2-1の合成
窒素雰囲気で化合物9-([1,1'-biphenyl]-4-yl)-3-bromo-9H-carbazole(20g、50.4mmol)とBenzen-D6 200mlに入れて攪拌する。その後、トリフルオロメタンスルホン酸(3.8g、25.1mmol)を入れて加温および攪拌した。4時間反応後、常温で冷やした後、エタノールを入れて生成された固体をろ過した。固体をクロロホルム886mLに投入して溶かし、水で2回洗浄後、有機層を分離して、無水硫酸マグネシウムを入れて攪拌した後、ろ過して濾液を減圧蒸留した。濃縮した化合物をシリカカラムを通して精製して白色の固体化合物2-2-1(11.3g、55%、MS:[M+H]=409.4)を製造した。
ステップ2)化合物2-2の合成
窒素雰囲気で2-2-1(20g、49mmol)と(9-([1,1'-biphenyl]-2-yl)-9H-carbazol-3-yl)boronic acid(17.8g、49mmol)をテトラヒドロフラン400mlに入れて攪拌および還流した。その後、炭酸カリウム(20.3g、146.9mmol)を水60mlに溶かして投入して十分に攪拌した後、テトラキストリフェニル-ホスフィノパラジウム(1.7g、1.5mmol)を投入した。2時間反応後、常温で冷やした後、生成された固体をろ過した。固体をクロロホルム634mLに投入して溶かし、水で2回洗浄後、有機層を分離して、無水硫酸マグネシウムを入れて攪拌した後、ろ過して濾液を減圧蒸留した。濃縮した化合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した後、昇華精製により化合物2-2(24.7g、78%、MS:[M+H]=647.9)を製造した。
製造例2-3:化合物2-3の合成
ステップ1)中間体2-3-1の合成
窒素雰囲気で9-([1,1'-biphenyl]-3-yl)-3-bromo-9H-carbazole(20g、50.2mmol)と(9-([1,1'-biphenyl]-3-yl)-9H-carbazol-3-yl)boronic acid(18.2g、50.2mmol)をテトラヒドロフラン400mlに入れて攪拌および還流した。その後、炭酸カリウム(20.8g、150.6mmol)を水21mlに溶かして投入して十分に攪拌した後、テトラキストリフェニル-ホスフィノパラジウム(1.7g、1.5mmol)を投入した。5時間反応後、常温で冷やした後、生成された固体をろ過した。固体をクロロホルム640mLに投入して溶かし、水で2回洗浄後、有機層を分離して、無水硫酸マグネシウムを入れて攪拌した後、ろ過して濾液を減圧蒸留した。濃縮した化合物をクロロホルムと酢酸エチルで再結晶して白色の固体化合物2-3-1(24.3g、76%、MS:[M+H]=637.8)を製造した。
ステップ2)化合物2-3の合成
シェーカーチューブに化合物2-3-1(10.0g、15.7mmol)、PtO(1.1g、4.8mmol)、DO 89mlを入れた後、チューブを密封して250℃、600psiで12時間加熱した。反応が終了すると、クロロホルムを入れて反応液を分液漏斗に移して抽出した。抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮して、試料をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した後、昇華精製により化合物2-3を5.7g製造した(収率55%、MS:[M+H]=657.9)。
製造例2-4:化合物2-4の合成
ステップ1)中間体2-4-1の合成
窒素雰囲気で3-bromo-9H-carbazole(20g、81.3mmol)と(9-phenyl-9H-carbazol-3-yl)boronic acid(23.3g、81.3mmol)をテトラヒドロフラン400mlに入れて攪拌および還流した。その後、炭酸カリウム(33.7g、243.8mmol)を水102mlに溶かして投入して十分に攪拌した後、テトラキストリフェニル-ホスフィノパラジウム(2.8g、2.4mmol)を投入した。2時間反応後、常温で冷やした後生成された固体をろ過した。固体をクロロホルム664mLに投入して溶かし、水で2回洗浄後、有機層を分離して、無水硫酸マグネシウムを入れて攪拌した後、ろ過して濾液を減圧蒸留した。濃縮した化合物をクロロホルムと酢酸エチルで再結晶して白色の固体化合物2-4-1(21.6g、65%、MS:[M+H]=409.5)を製造した。
ステップ2)化合物2-4-2の合成
シェーカーチューブに化合物2-4-1(10.0g、24.5mmol)、PtO(1.7g、7.5mmol)、DO 139mlを入れた後、チューブを密封して250℃、600psiで12時間加熱した。反応が終了すると、クロロホルムを入れて反応液を分液漏斗に移して抽出した。抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮して、試料をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した後、昇華精製により化合物2-4-2を5.2g製造した(収率50%、MS:[M+H]=422.6)。
ステップ3)化合物2-4の合成
窒素雰囲気で2-4-2(15g、35.6mmol)と2-chloro-9,9-dimethyl-9H-fluorene(8.1g、35.6mmol)をトルエン300mlに入れて攪拌および還流した。その後、ナトリウムターシャリ-ブトキシド(10.3g、106.7mmol)を投入して十分に攪拌した後、ビス(トリターシャリ-ブチルホスフィン)パラジウム(0.5g、1.1mmol)を投入した。1時間反応後、常温で冷やした後、有機層をフィルター処理して塩を除去した後、ろ過した有機層を蒸留した。これをさらにクロロホルム218mLに投入して溶かし、水で2回洗浄後、有機層を分離して、無水硫酸マグネシウムを入れて攪拌した後、ろ過して濾液を減圧蒸留した。濃縮して試料をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した後、昇華精製により化合物2-4(15.5g、71%、MS:[M+H]=614.8)を製造した。
製造例2-5:化合物2-5の合成
ステップ1)化合物2-5の合成
窒素雰囲気で2-4-2(15g、35.6mmol)と2-bromodibenzo[b,d]furan(8.8g、35.6mmol)をトルエン300mlに入れて攪拌および還流した。その後、ナトリウムターシャリ-ブトキシド(10.3g、106.7mmol)を投入して十分に攪拌した後、ビス(トリターシャリ-ブチルホスフィン)パラジウム(0.5g、1.1mmol)を投入した。3時間反応後、常温で冷やした後、有機層をフィルター処理して塩を除去した後、ろ過した有機層を蒸留した。これをさらにクロロホルム209mLに投入して溶かし、水で2回洗浄後、有機層を分離して、無水硫酸マグネシウムを入れて攪拌した後、ろ過して濾液を減圧蒸留した。濃縮して試料をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した後、昇華精製により化合物2-5(16.5g、79%、MS:[M+H]=588.8)を製造した。
[製造例3:有機化合物の製造]
製造例3-1:有機化合物1の製造
真空チャンバーに化合物1-1と化合物2-1を40:60の重量比で混合して入れて、10-2Torr以下の圧力下で温度を上げて2つの混合物を溶かした後、1時間後、常温で冷却させて固体生成物を得た。この生成物をミキサーで粉砕して粉末形態の有機化合物1を得た。
製造例3-2~製造例3-18、および製造例3-A~製造例3-D
混合される材料を下記表1のように変更した点を除いては、有機化合物1の製造方法と同じ方法を利用して有機化合物2~有機化合物18、および有機化合物A~有機化合物Dを製造した。下記表1の化合物H-1、H-2およびH-3は下記の通りである。
[実施例]
実施例1:有機発光素子の製造
ITO(Indium Tin Oxide)が1400Åの厚さで薄膜コーティングされたガラス基板を洗剤を溶かした蒸溜水に入れて超音波で洗浄した。この時、洗剤としては、フィッシャー社(Fischer Co.)製品を使用し、蒸溜水としては、ミルロポア社(Millipore Co.)製品のフィルター(Filter)で2次ろ過した蒸留水を使用した。ITOを30分間洗浄した後、蒸溜水で2回繰り返し超音波洗浄を10分間進行した。蒸溜水洗浄が終わった後、イソプロピルアルコール、アセトン、メタノールの溶剤で超音波洗浄を行い、乾燥させた後、プラズマ洗浄装置に輸送させた。また、酸素プラズマを利用して前記基板を5分間洗浄した後、真空蒸着装置に基板に輸送させた。
このように用意されたITO透明電極上に下記の95重量%のHT-Aと5重量%のPDを100Åの厚さで熱真空蒸着して正孔注入層を形成し、続いてHT-A物質だけ1150Åの厚さで蒸着して正孔輸送層を形成した。その上に電子抑制層で下記のHT-Bを450Åの厚さで熱真空蒸着した。
続いて、前記電子抑制層上に350Åの厚さでホスト物質で前記製造例3-1で製造した有機化合物1とドーパント物質である化合物GDを92:8の重量比で真空蒸着して、発光層を形成した。
続いて、正孔抑制層で下記のET-Aを50Åの厚さで真空蒸着した。続いて、電子輸送層で下記のET-BとLiqを1:1の割合で300Åの厚さで熱真空蒸着し、続いて電子注入層でYb(イッテルビウム)を10Åの厚さで真空蒸着した。
前記電子注入層上にマグネシウムと銀を1:4の割合で150Åの厚さで蒸着して負極を形成して、有機発光素子を製造した。
前記の過程で、有機物の蒸着速度は0.4~0.7Å/secを維持し、マグネシウムと銀の蒸着速度は2Å/secを維持し、蒸着時真空度は2×10-7~5×10-6torrを維持して、有機発光素子を製作した。
実施例2~実施例22、および比較例1-1~比較例2-4
ホスト物質を下記の表2のように変更した点を除いては、前記実施例1と同じ方法を利用して実施例2~実施例22、および比較例1-1~比較例2-4の有機発光素子をそれぞれ製作した。この時、実施例19~実施例22、および比較例2-1~比較例2-4では、ホストとして2種の化合物の単純混合物を用いた。
[実験例]
前記実施例1~実施例22、および比較例1-1~比較例2-4で製作された有機発光素子を120℃オーブンで30分間熱処理した後、取り出して、電流を印加して電圧、効率、寿命(T95)を測定して、その結果を下記の表2に示した。この時、電圧および効率は、10mA/cmの電流密度を印加して測定され、T95は、電流密度20mA/cmで初期輝度が95%に低下するまでの時間(hr)を意味する。

前記表2を参照すると、化学式1で表される化合物および化学式2で表される化合物を有機発光素子の発光層ホストで使用した時、比較例で使用した化合物に比べて低電圧および高効率特性を有し、寿命特性に優れることを確認することができる。また、化学式1で表される化合物と化学式2で表される化合物で製造した有機化合物使用時、化学式1および化学式2の化合物を単純混合して使用した場合と対比して効率および寿命がさらに増加することを確認することができる。
1 基板
2 正極
3 発光層
4 負極
5 正孔注入層
6 正孔輸送層
7 電子輸送層
8 電子注入層
9 電子抑制層
10 正孔抑制層

Claims (15)

  1. 正極;負極;および前記正極と負極との間の発光層を含み、
    前記発光層は、下記化学式1で表される化合物および下記化学式2で表される化合物を含む、有機発光素子:
    [化学式1]

    前記化学式1中、
    YはOまたはSであり、
    ~Xはそれぞれ独立して、CHまたはNであり、但し、X~Xのうち少なくとも1つはNであり、
    ArおよびArはそれぞれ独立して、置換または非置換の炭素数6~60のアリール;または、置換または非置換のN、OおよびSで構成される群より選択されるいずれか1つ以上を含む炭素数2~60のヘテロアリールであり、
    nは1~6の整数であり、
    はそれぞれ独立して、水素;重水素;置換または非置換の炭素数6~60のアリール;または、置換または非置換のN、OおよびSで構成される群より選択されるいずれか1つ以上を含む炭素数2~60のヘテロアリールであり、
    Arは、下記化学式1-1または化学式1-2で表される置換基であり、
    [化学式1-1]

    [化学式1-2]

    前記化学式1-1および1-2中、
    pは1~8の整数であり、
    qは1~10の整数であり、
    11およびR12はそれぞれ独立して、水素;重水素;置換または非置換の炭素数6~60のアリール;または、置換または非置換のN、OおよびSで構成される群より選択されるいずれか1つ以上を含む炭素数2~60のヘテロアリールであり、
    Aは、隣接する2つの五角環と融合したベンゼン環であり、
    Ar12は、置換または非置換の炭素数6~60のアリールであり、
    [化学式2]

    前記化学式2中、
    n'およびm'はそれぞれ独立して1~7の整数であり、
    R'およびR'はそれぞれ独立して、水素;重水素;置換または非置換の炭素数6~60のアリール;または、置換または非置換のN、OおよびSで構成される群より選択されるいずれか1つ以上を含む炭素数2~60のヘテロアリールであり、
    Ar'およびAr'はそれぞれ独立して、置換または非置換の炭素数6~17のアリール;または、置換または非置換のN、OおよびSで構成される群より選択されるいずれか1つ以上のヘテロ原子を含む炭素数2~60のヘテロアリールであり、
    但し、R'およびR'のうち少なくとも1つは、重水素であり;および/またはAr'およびAr'のうち少なくとも1つは、1以上の重水素で置換される。
  2. ~XはいずれもNである、請求項1に記載の有機発光素子。
  3. ArおよびArはそれぞれ独立して、フェニル;5個の重水素で置換されたフェニル;ビフェニリル;5個の重水素で置換されたビフェニリル;カルバゾリル;ジベンゾフラニル;またはジベンゾチオフェニルである、請求項1に記載の有機発光素子。
  4. はそれぞれ独立して、水素または重水素である、請求項1に記載の有機発光素子。
  5. 11はそれぞれ独立して、水素;重水素;フェニル;または、5個の重水素で置換されたフェニルである、請求項1に記載の有機発光素子。
  6. 前記化学式1-2は、下記化学式1-2-aで表される、請求項1に記載の有機発光素子:
    [化学式1-2-a]

    前記化学式1-2-a中、
    q、R12、およびAr12は、請求項1で定義した通りである。
  7. 12はそれぞれ独立して、水素または重水素であり、
    Ar12はフェニルである、請求項1に記載の有機発光素子。
  8. 1以上のRは重水素であり;および/またはAr~Arのうち少なくとも1つは1以上の重水素で置換される、請求項1に記載の有機発光素子。
  9. Arは、前記化学式1-1で表される置換基であり、
    pは4~8の整数であり、
    11は重水素である、請求項1に記載の有機発光素子。
  10. 前記化学式1で表される化合物は、下記で構成される群より選択されるいずれか1つである、請求項1に記載の有機発光素子:



















































  11. R'およびR'はそれぞれ独立して、水素;重水素;フェニル;または1~5個の重水素で置換されたフェニルである、請求項1に記載の有機発光素子。
  12. n'およびm'はそれぞれ独立して、6~7の整数であり、
    R'およびR'はいずれも重水素である、請求項1に記載の有機発光素子。
  13. Ar'およびAr'はそれぞれ独立して、非置換であるか、または1~5個の重水素で置換されたフェニル;非置換であるか、または1~9個の重水素で置換されたビフェニル;非置換であるか、または1~7個の重水素で置換されたナフチル;非置換であるか、または1~13個の重水素で置換されたジメチルフルオレニル;非置換であるか、または1~7個の重水素で置換されたジベンゾフラニル;または、非置換であるか、または1~7個の重水素で置換されたジベンゾチオフェニルである、請求項1に記載の有機発光素子。
  14. 前記化学式2で表される化合物は、下記で構成される群より選択されるいずれか1つである、請求項1に記載の有機発光素子:





    前記において、各化学式に含まれたメチル基はそれぞれ独立して、CH、CHD、CHD、またはCDである。
  15. 前記発光層は、前記化学式1で表される化合物および前記化学式2で表される化合物の有機化合物を含む、請求項1に記載の有機発光素子。
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