JP2024503624A - C-kit阻害剤としてのアミノチアゾール化合物 - Google Patents

C-kit阻害剤としてのアミノチアゾール化合物 Download PDF

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デイビッド シー. ダルガーノ,
ウェイ-シェン ファン,
ウィリアム シー. シェイクスピア,
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テーセウス ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D417/00Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, at least one ring having nitrogen and sulfur atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by group C07D415/00
    • C07D417/02Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, at least one ring having nitrogen and sulfur atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by group C07D415/00 containing two hetero rings
    • C07D417/12Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, at least one ring having nitrogen and sulfur atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by group C07D415/00 containing two hetero rings linked by a chain containing hetero atoms as chain links

Abstract

本発明は、がんの治療に有用なc-Kit阻害剤、及び他のセリン-トレオニンキナーゼ媒介性疾患に関し、式(I)に従う構造を有し、X1、R1、R2、m、及びnが、本明細書に説明される。JPEG2024503624000061.jpg3274

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2021年1月6日出願の米国仮出願第63/134,469号の利益を主張し、当該出願の全体は参照により本明細書に援用される。
本発明は、c-Kitと関連付けられた疾患又は障害の治療に有用なチロシンタンパク質キナーゼKit(c-Kit)の阻害剤を対象とする。具体的には、本発明は、c-Kitを阻害する化合物及び組成物、c-Kitと関連付けられた疾患又は障害を治療する方法、及びこれらの化合物の合成方法に関する。
チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)イマチニブがKITを阻害するという発見、及び治療としてのその導入は、胃腸間質腫瘍(GIST)の臨床管理を変革した(Corless,C.L.et al.,Nat.Rev.Cancer 2011,11:865-78)。それにもかかわらず、ほとんどのイマチニブ治療を受けた患者は、二次的な、薬剤耐性のKIT変異を持つクローンの増殖により、最終的に再発する(Heinrich,M.C.,et al.,J.Clin.Oncol.2006,24:4764-74)。二次変異は、典型的には、エクソン13及び14によってコードされるATP結合ポケット、並びにエクソン17及び18によってコードされる活性化ループ(A-ループ)で出現する。イマチニブ耐性GISTの治療の課題は、患者が異なる腫瘍病変、又は同じ病変の異なる領域内でさえも、複数の異なる二次変異を抱えることがあるため、変異の不均一性によって複雑になる(Wardelmann E.,et al.Clin.Cancer Res.2006,12:1743-9)。
イマチニブ耐性腫瘍を有するGIST患者は、スニチニブで治療され、これは強力にKIT ATP-ポケット変異体を阻害する(Heinrich,M.C.,et al.,J Clin Oncol 2008;26:5352-9)。しかしながら、スニチニブはAループ変異体に対して効果がなく、Aループ変異体はイマチニブ耐性変異の50%を占める。このことは、奏功率(ORR)が低く(7%)、無増悪生存期間(PFS)の中央値が短い理由を説明し得る(6.2ヶ月、Demetri,G.D.,et al.,Lancet 2006;368:1329-38)。レゴラフェニブは最近第三選択治療として承認されたが、4.5%のORR及び4.8ヶ月のPFS中央値を伴う、中程度の活性のみを示す(Demetri,G.D.,et al.,Lancet 2013;381:295-302)。レゴラフェニブのKIT阻害性特性はまだよく分析されていないが、臨床及び初期の前臨床データの両方が、限定的な感受性KIT変異体の範囲を示唆している(George,S.,et al.,J.Clin.Oncol.2012,30:2401-7;及びSerrano-Garcia,C.,et al.,ASCO Meeting Abstracts 2013;31(15_suppl):10510)。したがって、特にAループにおける、KITの耐性変異体を克服するために追加的な薬剤が必要とされる。
KIT阻害剤イマチニブ、スニチニブ、及びレゴラフェニブは、効果的なGIST療法であるが、多くの患者はポリクローナル二次KIT変異体の体細胞獲得によるこれらの薬物に対する耐性を発揮する。潜在的なATP結合ポケット及びAループ二次変異体の完全なセットに対する任意の単一剤の有効性の欠如は、後期段階患者における長期の完全な疾患制御の達成を困難にする。この満たされていない医療ニーズに対処するために、Aループ内のものを含む、広範囲の一次的、及び二次的なKIT変異体を標的とする化合物が本明細書に提示される。
Corless,C.L.et al.,Nat.Rev.Cancer 2011,11:865-78 Heinrich,M.C.,et al.,J.Clin.Oncol.2006,24:4764-74 Wardelmann E.,et al.Clin.Cancer Res.2006,12:1743-9 Heinrich,M.C.,et al.,J Clin Oncol 2008;26:5352-9 Demetri,G.D.,et al.,Lancet 2006;368:1329-38 Demetri,G.D.,et al.,Lancet 2013;381:295-302 George,S.,et al.,J.Clin.Oncol.2012,30:2401-7 Serrano-Garcia,C.,et al.,ASCO Meeting Abstracts 2013;31(15_suppl):10510
本開示は、効果的c-Kit阻害剤としての新規アミノチアゾール化合物及び薬学的に許容可能な塩を提供する。特に、本明細書に説明される化合物は、予想外に有益な薬物動態及び治療特性を有し得る。
本発明の第1の態様は、式(I)の化合物、
並びにその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、及び互変異性体であって、式中、
n及びmが、独立して1、2、又は3であり、
が、O、NR、CR、又はCHRであり、
各R、R、及びRが、独立してH又はXであり、
が、OH、O(C-Cアルキル)、NH、NHR、又はNRであり、
及びRが、独立してC-Cアルキルであるか、又はR及びRが、両方とも存在する場合、結合して4~6員のヘテロシクリルを形成し、
が、C-Cアルキルであり、
、R、及びRのうちの少なくとも1つが、Xである、化合物、並びにその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、及び互変異性体に関する。
実施形態では、Xが、O、NR、又はCHRである。
実施形態では、Xが、CRであり、Rが、Meである。
実施形態では、式(I)の化合物が、式(I’)に従う構造、
又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、若しくは互変異性体を有する。
実施形態では、式(I)又は(I’)の化合物が、式(I’-A)に従う構造、
又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは互変異性体を有する。
実施形態では、式(I)又は(I’)の化合物が、式(I’-B)に従う構造、
又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは互変異性体を有する。
実施形態では、Xが、OH、NH、NHCH、又はN(CHである。
実施形態では、Xが、NH、NHCH、又はN(CHである。
実施形態では、式(I)又は(I’)の化合物が、以下:
又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、若しくは互変異性体からなる群から選択される。
実施形態では、式(I)又は(I’)の化合物が、化合物(1)、
又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、若しくは互変異性体である。
実施形態では、式(I)又は(I’)の化合物が、化合物(1a)、
又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは互変異性体である。
実施形態では、式(I)又は(I’)の化合物が、化合物(1b)、
又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは互変異性体である。
実施形態では、式(I)又は(I’)の化合物が、化合物(2)、
又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、若しくは互変異性体である。
実施形態では、式(I)又は(I’)の化合物が、化合物(2a)、
又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは互変異性体である。
実施形態では、式(I)又は(I’)の化合物が、化合物(2b)、
又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは互変異性体である。
実施形態では、式(I)又は(I’)の化合物が、化合物(3)、
又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、若しくは互変異性体である。
実施形態では、式(I)又は(I’)の化合物が、化合物(4)、
又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、若しくは互変異性体である。
実施形態では、式(I)又は(I’)の化合物が、化合物(5)、
又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、若しくは互変異性体である。
実施形態では、式(I)又は(I’)の化合物が、化合物(5a)、
又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは互変異性体である。
実施形態では、式(I)又は(I’)の化合物が、化合物(5b)、
又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは互変異性体である。
本発明の第2の態様は、c-Kit媒介性疾患又は障害を治療する方法に関する。方法は、それを必要とする患者に、有効量の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、若しくは互変異性体を投与することを含む。
本発明の別の態様は、c-Kit媒介性疾患又は障害を予防する方法に関する。方法は、それを必要とする患者に、有効量の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、若しくは互変異性体を投与することを含む。
本発明の別の態様は、c-Kitを阻害する方法に関する。方法は、それを必要とする患者に、有効量の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、若しくは互変異性体を投与することを含む。
本発明の別の態様は、c-Kitを阻害することと関連付けられた疾患又は障害を治療する方法に関する。方法は、それを必要とする患者に、有効量の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、若しくは互変異性体を投与することを含む。
本発明の別の態様は、c-Kitを阻害することと関連付けられた疾患又は障害を予防する方法に関する。方法は、それを必要とする患者に、有効量の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、若しくは互変異性体を投与することを含む。
本発明の別の態様は、がん治療方法に関する。方法は、それを必要とする患者に、有効量の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、若しくは互変異性体を投与することを含む。
本発明の別の態様は、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、若しくは互変異性体と、薬学的に許容可能な担体と、を含む、医薬組成物を対象とする。薬学的に許容可能な担体は、賦形剤、希釈剤、又は界面活性剤を更に含み得る。
本発明の別の態様は、c-Kitを阻害することと関連付けられた疾患を治療するための医薬の製造に使用するための、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、若しくは互変異性体に関する。
本発明の別の態様は、c-Kitを阻害することと関連付けられた疾患を予防するための薬剤の製造に使用するための、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、若しくは互変異性体に関する。
本発明の別の態様は、c-Kitを阻害することと関連付けられた疾患の治療における、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、若しくは互変異性体の使用に関する。
本発明の別の態様は、c-Kitを阻害することと関連付けられた疾患の予防における、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、若しくは互変異性体の使用に関する。
本発明は、がん、転移、炎症、及び自己免疫性病因を含むc-Kitの調節と関連付けられた疾患又は障害を治療又は予防する方法を更に提供し、これらの疾患又は障害のうちの少なくとも1つに罹患している患者に対し、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、若しくは互変異性体を投与することを含む。
本発明は、がん、転移、炎症、及び自己免疫性病因などの疾患の治療における治療剤であるc-Kit阻害剤を提供する。
本開示は、がん及び細胞増殖性障害、多発性硬化症、喘息、肥満細胞症、炎症性障害、アレルギー反応、線維性障害、自己免疫性病因、並びに代謝障害を含む様々な種類の疾患の治療における、c-Kit酵素に対する新規な機構の作用を伴う薬剤を提供する。最終的に本発明は、医学界に、c-Kitと関連付けられた疾患及び障害の治療のための新規の薬理学的戦略を提供する。
ラットにおける化合物(1a)の薬物動態試験を例示する。 図2Aは、雄のサルにおける化合物(1a)の薬物動態試験を例示し、図2Bは、雌のサルにおける化合物(1a)の薬物動態試験を例示する。
本発明は、c-Kitの活性を阻害することができる化合物及び組成物に関する。特に、本明細書に説明される化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、若しくは互変異性体は、予想外に有益な薬物動態又は治療特性を有し得る。
したがって、本発明は、c-Kitが役割を果たす疾患又は障害の治療、予防、又は改善を必要とする患者に、治療有効量の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、若しくは互変異性体を投与することによって、それを治療、予防、又は改善する方法を特徴とする。本発明の方法は、c-Kit酵素の活性を阻害することにより、様々なc-Kit依存性疾患及び障害の治療に使用され得る。c-Kitの阻害は、がん及び転移を含むがこれに限定されない疾患の治療、予防、又は改善に対する新規なアプローチを提供する。
本発明の詳細は、以下の添付の説明に記載されている。本明細書に説明される方法及び材料と類似又は同等の方法及び材料を、本発明の実施又は試験に使用することができるが、例示的な方法及び材料をこれから説明する。本発明のその他の特徴、目的、及び利点は、説明及び特許請求の範囲から明らかであろう。本明細書及び添付の特許請求の範囲において、単数形は、文脈上他に明確に指示されない限り、複数も含む。本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、他に定義されない限り、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書で引用される全ての特許及び出版物は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
定義
冠詞「a」及び「an」は、本開示において、冠詞の文法上の目的語の1つ又は複数(すなわち、少なくとも1つ)を指すために使用される。一例として、「要素」は1つの要素又は複数の要素を意味する。
「及び/又は」という用語は、本開示では、別段の指示がない限り、「及び」又は「又は」のいずれかを意味するために使用される。
「任意選択的に置換される」という用語は、所与の化学部分(例えば、アルキル基)が、他の置換基(例えば、ヘテロ原子)を結合できる(しかし、必要ではない)ことを意味することが理解される。例えば、任意選択的に置換されるアルキル基は、完全飽和アルキル鎖(すなわち、純粋な炭化水素)であり得る。別の方法として、任意選択的に置換されるアルキル基は、水素とは異なる置換基を有してもよい。例えば、それは、鎖に沿った任意の点で、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、又は本明細書に説明される任意の他の置換基に結合され得る。したがって、「任意選択的に置換される」という用語は、所与の化学部分が他の官能基を含む可能性があるが、必ずしもそれ以上の官能基を持つことはないことを意味する。説明された群の任意の置換に使用される好適な置換基としては、限定なしで、ハロゲン、オキソ、-OH、-CN、-COOH、-CHCN、-O-(C-C)アルキル、(C-C)アルキル、(C-C)アルコキシ、(C-C)ハロアルキル、(C-C)ハロアルコキシ、-O-(C-C)アルケニル、
-O-(C-C)アルキニル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニル、-OH、-OP(O)(OH)、-OC(O)(C-C)アルキル、-C(O)(C-C)アルキル、-OC(O)O(C-C)アルキル、-NH、-NH((C-C)アルキル)、-N((C-C)アルキル)、-NHC(O)(C-C)アルキル、-C(O)NH(C-C)アルキル、-S(O)(C-C)アルキル、-S(O)NH(C-C)アルキル、及びS(O)N((C-C)アルキル)が挙げられる。置換基は任意選択的に置換され得る。本明細書で使用される場合、「任意選択的に置換される」は、その意味が以下に説明される置換又は非置換も指す。
本明細書で使用される場合、「置換された」という用語は、特定の基又は部分が、1つ以上の適切な置換基を持つことを意味し、ここで置換基は1つ以上の位置で特定の基又は部分に連結し得る。例えば、シクロアルキルで置換されたアリールは、シクロアルキルが結合で、又はアリールで融合して2つ以上の共通原子を共有することによって、アリールの1つの原子に連結することを示し得る。
別途具体的に定義されない限り、「アリール」という用語は、フェニル、ビフェニル又はナフチルなどの単環式基又は二環式基を含む、1~3個の芳香族環を有する環状の芳香族炭化水素基を指す。2つの芳香環(二環式など)を含む場合、アリール基の芳香環は、単一ポイント(例えば、ビフェニル)、又は融合(例えば、ナフチル)で結合されてもよい。アリール基は、任意の結合点で、例えば、1~5個の置換基などの1つ以上の置換基によって任意選択的に置換されてもよい。例示的な置換基としては、限定されるものではないが、-H、-ハロゲン、-O-(C-C)アルキル、(C-C)アルキル、-O-(C-C)アルケニル、-O-(C-C)アルキニル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニル、-OH、-OP(O)(OH)、-OC(O)(C-C)アルキル、-C(O)(C-C)アルキル、-OC(O)O(C-C)アルキル、NH、NH((C-C)アルキル)、N((C-C)アルキル)、-S(O)-(C-C)アルキル、-S(O)NH(C-C)アルキル、及びS(O)N((C-C)アルキル)が挙げられる。置換基は任意選択的に置換され得る。更に、2つの縮合環を含む場合、本明細書において定義されるアリール基は、不飽和環又は完全飽和環と融合した部分飽和環を有してもよい。これらのアリール基の例示的な環構造には、フェニル、ビフェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナレニル、フェナントレニル、インダニル、インデニル、テトラヒドロナフタレニル、テトラヒドロベンゾアヌレニルなどが含まれるが、これらに限定されない。
別途具体的に定義されない限り、「ヘテロアリール」とは5~24個の環状原子の一価の単環式芳香族ラジカル、又はN、O、又はSから選択される1つ以上の環状ヘテロ原子を含む多環式芳香族ラジカルを意味し、残る環状原子はCである。本明細書で定義されるヘテロアリールはまた、ヘテロ原子がN、O、又はSから選択される二環式ヘテロ芳香族基も意味する。芳香族ラジカルは、本明細書に説明される1つ以上の置換基と独立して任意選択的に置換されている。例としては、限定されるものではないが、フリル、チエニル、プロリル、ピリジル、ピラゾリル、ピリミジニル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、ピラジニル、インドリル、チオフェン-2-イル、キノリル、ベンゾピラニル、イソチアゾリル、チアゾリル、チアジアゾール、インダゾール、ベンズイミダソリル、チエノ[3,2-b]チオフェン、トリアゾリル、トリアジニル、イミダゾ[1,2-b]ピラゾリル、フロ[2,3-c]ピリジニル、イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、インダゾリル、ピロロ[2,3-c]ピリジニル、ピロロ[3,2-c]ピリジニル、ピラゾロ[3,4-c]ピリジニル、チエノ[3,2-c]ピリジニル、チエノ[2,3-c]ピリジニル、チエノ[2,3-b]ピリジニル、ベンゾチアゾリル、インドリル、インドリニル、インドリノニル、ジヒドロベンゾチオフェニル、ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾフラン、クロマニル、チオクロマニル、テトラヒドロキノリニル、ジヒドロベンゾチアジン、ジヒドロベンゾキサニル(dihydrobenzoxanyl)、キノリニル、イソキノリニル、1,6-ナフチリジニル、ベンゾ[de]イソキノリニル、ピリド[4,3-b][1,6]ナフチリジニル、チエノ[2,3-b]ピラジニル、キナゾリニル、テトラゾロ[1,5-a]ピリジニル、[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジニル、イソインドリル、ピロロ[2,3-b]ピリジニル、ピロロ[3,4-b]ピリジニル、ピロロ[3,2-b]ピリジニル、イミダゾ[5,4-b]ピリジニル、ピロロ[1,2-a]ピリミジニル、テトラヒドロ ピロロ[1,2-a]ピリミジニル、3,4-ジヒドロ-2H-1λ-ピロロ[2,1-b]ピリミジン、ジベンゾ[b,d]チオフェン、ピリジン-2-オン、フロ[3,2-c]ピリジニル、フロ[2,3-c]ピリジニル、1H-ピリド[3,4-b][1,4]チアジニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソキサゾリル(benzoisoxazolyl)、フロ[2,3-b]ピリジニル、ベンゾチオフェニル、1,5-ナフチリジニル、フロ[3,2-b]ピリジン、[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジニル、ベンゾ[1,2,3]トリアゾリル、イミダゾ[1,2-a]ピリミジニル、[1,2,4]トリアゾロ[4,3-b]ピリダジニル、ベンゾ[c][1,2,5]チアジアゾリル、ベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾール、1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン、3,4-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[1,5-b][1,2]オキサジニル、4,5,6,7-テトラヒドロピラゾロ[1,5-a]ピリジニル、チアゾロ[5,4-d]チアゾリル、イミダゾ[2,1-b][1,3,4]チアゾリル、チエノ[2,3-b]ピロリル、3H-インドリル、及びその誘導体が挙げられる。更に、2つの縮合環を含む場合、本明細書において定義されるアリール基は、不飽和環又は完全飽和環と融合した部分飽和環を有してもよい。これらヘテロアリール基の例示的な環状構造としては、インドリニル、インドリノニル、ジヒドロベンゾチオフェニル、ジヒドロベンゾフラン、クロマニル、チオクロマニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロベンゾチアジン、3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリニル、2,3-ジヒドロベンゾフラン、インドリニル、インドリル、及びジヒドロベンゾキサニルが挙げられる。
ハロゲン又は「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素を指す。
アルキルは、1~12個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖飽和炭化水素を指す。(C~C)アルキル基の例としては、限定されるものではないが、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、イソペンチル、ネオペンチル及びイソヘキシルが挙げられる。
「アルコキシ」は、鎖内に末端「O」を含む1~12個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖飽和炭化水素、すなわち、-O(アルキル)を意味する。アルコキシ基の例としては、限定されるものではないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、t-ブトキシ、又はペントキシ基が挙げられる。
「アルケニル」は、2~12個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖不飽和炭化水素を意味する。「アルケニル」基は、鎖内の少なくとも1つの二重結合を含む。アルケニル基の二重結合は、コンジュゲートされないか、又は別の不飽和基にコンジュゲートされ得る。アルケニル基の例には、エテニル、プロペニル、n-ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、又はヘキセニルが含まれる。アルケニル基は非置換又は置換され得る。本明細書に定義されるアルケニルは、直線又は分岐であってもよい。
「アルキニル」は、2~12個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖不飽和炭化水素を意味する。「アルキニル」基は、鎖内の少なくとも1つの三重結合を含む。アルケニル基の例としては、エチニル、プロパルギル、n-ブチニル、イソブチニル、ペンチニル、又はヘキシニルが挙げられる。アルキニル基は非置換又は置換され得る。
「シクロアルキル」とは、3~18個の炭素原子を含む単環式飽和炭素環を意味する。シクロアルキル基の例としては、限定されるものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプタニル、シクロオクタニル、ノルボラニル、ノルボレニル、ビシクロ[2.2.2]オクタニル、又はビシクロ[2.2.2]オクテニルが挙げられる。
酸素、窒素、又は硫黄から取られた炭素及びヘテロ原子を含む「ヘテロシクリル」又は「ヘテロシクロアルキル」単環式環であって、及びここで環状炭素又はヘテロ原子間で共有される非局在化π電子(芳香)は存在しない。ヘテロシクロアルキル環状構造は、1つ以上の置換基で置換されてもよい。置換基は任意選択的に置換され得る。ヘテロシクリル環の例としては、限定されるものではないが、オキセタニル、アゼタジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピロリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、ピラニル、チオピラニル、テトラヒドロピラニル、ジオキサリニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チオモルホリニル S-オキシド、チオモルホリニル S-ジオキシド、ピペラジニル、アゼピニル、オキセピニル、ジアゼピニル、トロパニル、オキサゾリジノニル、及びホモロトロパニルが挙げられる。
用語「ヒドロキシアルキル」は、アルキル基が1つ以上の-OH基で置換されている上記で定義されるアルキル基を意味する。ヒドロキシアルキル基の例としては、HO-CH-、HO-CH-CH-及びCH-CH(OH)-が挙げられる。
本明細書で使用される場合、「ハロアルキル」という用語は、本明細書で定義されるように、1つ以上のハロゲンを置換するアルキル基を指す。ハロアルキル基の例としては、限定されるものではないが、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、トリクロロメチルなどが挙げられる。
本明細書で使用される場合、「ハロアルコキシ」という用語は、本明細書で定義されるように、1つ以上のハロゲンを置換するアルコキシ基を指す。ハロアルキル基の例としては、限定されるものではないが、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、ペンタフルオロエトキシ、トリクロロメトキシなどが挙げられる。
本明細書で使用される場合、「アミン」という用語は、一級(R-NH、R≠H)、二級(R-NH、R≠H)、及び三級(R-N、R≠H)アミン類を指す。置換アミンは、水素原子の少なくとも1つが置換基によって置換されているアミンを意味することを意図する。
本明細書で使用される場合、「アミノ」という用語は、少なくとも1つの窒素原子を含む置換基を意味する。具体的には、NH、-NH(アルキル)又はアルキルアミノ、-N(アルキル)又はジアルキルアミノ、アミド-、カルバミド-、尿素、及びスルファミド置換基が、「アミノ」という用語に含まれる。
本明細書で使用される場合、「アルキルアミノ」という用語は、ヒドロゲンのうちの1つが上記で定義されるアルキル基と置換されているアミノ基又はNH基、すなわち、-NH(アルキル)を指す。アルキルアミノ基の例としては、限定されるものではないが、メチルアミノ(すなわち、-NH(CH))、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、n-ブチルアミノ、sec-ブチルアミノ、tert-ブチルアミノなどが挙げられる。
本明細書で使用される場合、「ジアルキルアミノ」という用語は、ヒドロゲンの両方が上記で定義されるアルキル基と置換されているアミノ基又はNH基、すなわち、-N(アルキル)を指す。アミノ基上のアルキル基は、同一又は異なるアルキル基とすることができる。アルキルアミノ基の例としては、限定されるものではないが、ジメチルアミノ(すなわち、-N(CH)、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ジ-n-ブチルアミノ、ジ-sec-ブチルアミノ、ジ-tert-ブチルアミノ、メチル(エチル)アミノ、メチル(ブチルアミノ)などが挙げられる。
「オキソ」という用語は、本明細書で使用される場合、「=O」基を指す。
「溶媒和物」という用語は、溶質及び溶媒によって形成される可変化学量論の複合体を指す。本発明の目的のためのそのような溶媒は、溶質の生物活性を妨げない場合がある。好適な溶媒の例としては、限定されるものではないが、水、MeOH、EtOH、及びAcOHが挙げられる。水が溶媒分子である溶媒和物は、典型的には水和物と呼ばれる。水和物としては、化学量論量の水を含む組成物、並びに可変量の水を含む組成物が挙げられる。
「異性体」という用語は、同じ組成物及び分子量を有するが、物理的及び/又は化学的特性が異なる化合物を指す。構造的差異は、構造(幾何異性体)、又は偏光(立体異性体)の平面を回転させる能力であってもよい。立体異性体に関しては、式(I)の化合物は、1つ以上の不斉炭素原子を有してもよく、ラセミ体、ラセミ混合物、及び個別のエナンチオマー又はジアステレオマーとして出現してもよい。
本開示は、開示された化合物の有効量及び薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物も含む。代表的に、「薬学的に許容可能な塩」としては、酢酸塩、アムソネート(4,4-ジアミノスチルベン-2,2-ジスルホン酸塩)、ベンゼンスルホン酸塩、ベンゾネート、重炭酸塩、硫酸水素塩、酒石酸水素塩、ホウ酸塩、臭化物、酪酸塩、カルシウム、エデト酸カルシウム、カンシラート、炭酸塩、塩化物、クエン酸塩、クラブラリエート(clavulariate)、ジヒドロクロリド、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストレート、エシレート、フマル酸塩(fumerate)、フィウナレート(fiunarate)、グルセプト酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコールリラルサニレート(glycollylarsanilate)、ヘキサフルオロリン酸塩、ヘキシルレソルシネート(hexylresorcinate)、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエート(hydroxynaphthoate)、ヨウ化物、イソチオネート(isothionate)、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸、マグネシウム、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸、メシル酸塩、臭化メチル、硝酸メチル、硫酸メチル、ムケート(mucate)、ナプシレート(napsylate)、硝酸塩、N-メチルグルカミンアンモニウム塩、3-ヒドロキシ-2-ナフトエート、オレイン酸、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸(1,1-メテン-ビス-2-ヒドロキシ-3-ナフトエート、エインボネート(einbonate))、パントテン酸、リン酸塩/二リン酸塩、ピクリン酸、ポリガラクツロ酸、プロピオン酸、p-トルエンスルホン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、スルホサリチル酸、スラメート(suramate)、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシレート、トリエチオダイド(triethiodide)、及び吉草酸塩などの、例えば、水溶性及び非水溶性塩が挙げられる。
「患者」又は「対象」は哺乳類であり、例えば、ヒト、マウス、ラット、モルモット、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、又はサル、チンパンジー、ヒヒ若しくはアカゲザルなどの非ヒト霊長類である。
化合物に関連して使用される場合、「有効量」は、本明細書に説明される対象の疾患の治療又は予防に有効な量である。
「担体」という用語は、本開示で使用される場合、担体、賦形剤、及び希釈剤を包含し、1つの器官又は体の一部分から、別の器官又は対象の体の一部に、医薬剤を運搬又は輸送することに関する、液体又は固体フィラー、希釈剤、賦形剤、溶媒又は封入材料などの材料、組成物又はビヒクルを意味する。
本明細書において使用される場合、「治療している」又は「治療する」とは、疾患、状態、若しくは障害を、逆転させ、阻害し、又は闘う目的のための患者の管理及び介護を説明し、疾患、状態、若しくは障害を逆転するため、又は疾患、状態、若しくは障害を除去するため、又は疾患、状態、若しくは障害のプロセスを阻害するために、本開示の化合物(すなわち、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、代謝産物、多形体若しくは溶媒和物)の投与を含む。
本開示の化合物(例えば、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、代謝産物、多形体、若しくは溶媒和物)は、このような疾患、状態、若しくは障害、又はこのような疾患、状態、若しくは障害の1つ以上の症状を予防するために使用することができる。本明細書で使用される場合、「予防している」又は「予防する」は、疾患、状態、又は障害の症状又は合併症の発症を減少又は除去することを説明する。
「障害」という用語は、本開示で使用され、別段の指示がない限り、疾患、状態、又は疾病を意味し、互換的に使用される。
本開示で使用される「投与する」、「投与している」、又は「投与」という用語は、開示された化合物若しくは組成物の開示された化合物若しくは薬学的に許容可能な塩を対象に直接投与すること、又は対象の体内で活性化合物の同等量を形成し得る、化合物若しくは組成物の化合物若しくは薬学的に許容可能な塩のプロドラッグ誘導体若しくはアナログを対象に投与することのいずれかを指す。
本開示で使用される場合、「プロドラッグ」という用語は、代謝手段(例えば、加水分解により)によって、インビボで、開示された化合物に変換できる化合物を意味する。
本発明は、c-Kitを阻害することができる、化合物又はその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、若しくは互変異性体に関し、c-Kit酵素の調節と関連付けられた疾患及び障害の治療に有用である。本発明は、c-Kitの阻害に有用な化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、若しくは互変異性体に更に関する。
本発明の化合物
本発明の第1の態様は、式(I)の化合物、
並びにその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、及び互変異性体であって、式中、
n及びmが、独立して1、2、又は3であり、
が、O、NR、CR、又はCHRであり、
各R、R、及びRが、独立してH又はXであり、
が、OH、O(C-Cアルキル)、NH、NHR、又はNRであり、
及びRが、独立してC-Cアルキルであるか、又はR及びRが、両方とも存在する場合、結合して4~6員のヘテロシクリルを形成し、
が、C-Cアルキルであり、
、R、及びRのうちの少なくとも1つが、Xである、化合物、並びにその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、及び互変異性体に関する。
実施形態では、Xが、O、NR、又はCHRである。
実施形態では、Xが、Oである。
実施形態では、Xが、NRである。
実施形態では、Xが、CHRである。
実施形態では、Xが、CRである。実施形態では、Rが、C-Cアルキルである。実施形態では、Rが、CHである。実施形態では、Xが、CRであり、Rが、Meである。実施形態では、Xが、C(CH)Rである。
実施形態では、存在する各R及びRが、Hであり、Xが、NR、又はCHRであり、Rが、Xである。
実施形態では、存在する各R及びRが、Hであり、Xが、C(CH)Rであり、Rが、Xである。
実施形態では、Xが、OHである。
実施形態では、Xが、NHである。
実施形態では、Xが、NHRである。
実施形態では、Xが、NRであり、R及びRが、結合して4~6員ヘテロシクリルを形成する。
実施形態では、Xが、NRであり、R及びRが、独立してC-Cアルキルである。
実施形態では、式(I)の化合物が、式(I’)に従う構造、
又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、若しくは互変異性体を有する。
実施形態では、式(I)又は(I’)の化合物が、式(I’-A)に従う構造、
又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは互変異性体を有する。
実施形態では、式(I)又は(I’)の化合物が、式(I’-B)に従う構造、
又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは互変異性体を有する。
本明細書に説明される任意の式の実施形態では、Xが、OHである。
本明細書に説明される任意の式の実施形態では、Xが、NH、NHR、又はNRである
本明細書に説明される任意の式の実施形態では、Xが、OH、NH、NHCH、又はN(CHである。
本明細書に説明される任意の式の実施形態では、Xが、NH、NHCH、又はN(CHである。
本明細書に説明される任意の式の実施形態では、Xが、OH、NH、NHCH、又はN(CHである。
本明細書に説明される任意の式の実施形態では、Xが、NH、NHCH、又はN(CHである。
本明細書に説明される任意の式の実施形態では、Xが、OHである。
本明細書に説明される任意の式の実施形態では、Xが、NHである。
本明細書に説明される任意の式の実施形態では、Xが、NHCHである。
本明細書に説明される任意の式の実施形態では、Xが、N(CHである。
本明細書に説明される任意の式の実施形態では、nが、1である。実施形態では、mが、1である。実施形態では、mが、2である。実施形態では、mが、3である。
本明細書に説明される任意の式の実施形態では、nが、2である。実施形態では、mが、1である。実施形態では、mが、2である。実施形態では、mが、3である。
本明細書に説明される任意の式の実施形態では、nが、3である。実施形態では、mが、1である。実施形態では、mが、2である。実施形態では、mが、3である。
本明細書に説明される任意の式の実施形態では、mが、1である。実施形態では、nが、1である。実施形態では、nが、2である。実施形態では、nが、3である。
本明細書に説明される任意の式の実施形態では、mが、2である。実施形態では、nが、1である。実施形態では、nが、2である。実施形態では、nが、3である。
本明細書に説明される任意の式の実施形態では、mが、3である。実施形態では、nが、1である。実施形態では、nが、2である。実施形態では、nが、3である。
本明細書に説明される任意の式の実施形態では、nが、1であり、mが、1である。
本明細書に説明される任意の式の実施形態では、nが、1であり、mが、2である。
本明細書に説明される任意の式の実施形態では、nが、2であり、mが、1である。
本明細書に説明される任意の式の実施形態では、nが、2であり、mが、2である。
本明細書に説明される任意の式の実施形態では、m及びnが、各々、1であり、Xは、OH、NH、NHR、又はNR(例えば、XはNH、NHCH、又はN(CHである)である。
本明細書に説明される任意の式の実施形態では、m+nが、3であり、Xは、OH、NH、NHR、又はNR(例えば、XはNH、NHCH、又はN(CHである)である。
本明細書に説明される任意の式の実施形態では、m+nが、4であり、Xは、OH、NH、NHR、又はNR(例えば、XはNH、NHCH、又はN(CHである)である。
本明細書に説明される任意の式の実施形態では、式(I)又は(I’)の化合物が、以下:
又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、若しくは互変異性体からなる群から選択される。
実施形態では、式(I)又は(I’)の化合物が、化合物(1)、
又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、若しくは互変異性体である。
実施形態では、式(I)又は(I’)の化合物が、化合物(1a)、
又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは互変異性体である。
実施形態では、式(I)又は(I’)の化合物が、化合物(1b)、
又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは互変異性体である。
実施形態では、式(I)又は(I’)の化合物が、化合物(2)、
又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、若しくは互変異性体である。
実施形態では、式(I)又は(I’)の化合物が、化合物(2a)、
又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは互変異性体である。
実施形態では、式(I)又は(I’)の化合物が、化合物(2b)、
又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは互変異性体である。
実施形態では、式(I)又は(I’)の化合物が、化合物(3)、
又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、若しくは互変異性体である。
実施形態では、式(I)又は(I’)の化合物が、化合物(4)、
又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、若しくは互変異性体である。
実施形態では、式(I)又は(I’)の化合物が、化合物(5)、
又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、若しくは互変異性体である。
実施形態では、式(I)又は(I’)の化合物が、化合物(5a)、
又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは互変異性体である。
実施形態では、式(I)又は(I’)の化合物が、化合物(5b)、
又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは互変異性体である。
本発明の別の実施形態では、式(I)の化合物はエナンチオマーである。いくつかの実施形態では、化合物は(S)-エナンチオマーである。他の実施形態では、化合物は(R)-エナンチオマーである。更に他の実施形態では、式(I)の化合物は、(+)又は(-)エナンチオマーであってもよい。
当然のことながら、全ての異性体形態は、別途指定されない限り、それらの混合物を含む本発明の中に含まれる。化合物が二重結合を含む場合、置換基はE又はZ構成にあってもよい。化合物が二置換シクロアルキルを含む場合、シクロアルキル置換基はシス構成又はトランス構成を有してもよい。また、全ての互変異性形態が含まれることが意図されている。
本発明の化合物、並びにその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、及びプロドラッグは、それらの互変異性形態(例えば、アミド又はイミノエーテル)に存在してもよい。このような互変異性形態は全て、本発明の一部として本明細書で企図されている。
本発明の化合物は、非対称又はキラルの中心を含んでもよく、したがって異なる立体異性形態に存在してもよい。本発明の化合物の全ての立体異性形態、及びラセミ混合物を含むそれらの混合物が、別途指定されない限り本発明の一部を形成することが意図されている。加えて、本発明は全ての幾何異性体及び位置異性体を包含する。例えば、本発明の化合物が二重結合又は縮合環を組み込む場合、シス及びトランス形態の両方だけでなく、混合物も本発明の範囲内に包含される。本明細書に開示される各化合物は、化合物の一般的構造に適合する全てのエナンチオマーを含む。化合物は、ラセミ又はエナンチオマー的に純粋な形態、又は立体化学に関する任意の他の形態であってもよい。アッセイ結果は、別途指定されない限り、ラセミ形態、エナンチオマー的に純粋な形態、又は立体化学に関する任意の他の形態のために収集されたデータを反映し得る。
実施形態では、本発明は、化合物の特定のジアステレオマー形態を特徴とする。ジアステレオマー混合物は、例えば、クロマトグラフィー及び/又は分別再結晶など、当業者によく知られている方法によって、それらの物理化学的差異に基づいて、それらの個別のジアステレオマーに分離され得る。エナンチオマーは、適切な光学的に活性な化合物と反応して、エナンチオマー混合物をジアステレオマー混合物に変換することにより分離することができ(例えば、キラルアルコール又はモッシャー試薬塩化物などのキラル補助)、ジアステレオマーを分離し、かつ個々のジアステレオマーを対応する純粋なエナンチオマーに変換する(例えば、加水分解)。また、本発明の化合物の一部はアトロプ異性体であってもよく(例えば、置換ビアリール)、本発明の一部とみなされる。エナンチオマーはキラルHPLCカラムの使用によって分離することもできる。
本発明の化合物は異なる互変異性形態で存在してもよく、かかる全ての形態が本発明の範囲内に包含される。また、例えば、化合物の全てのケト-エノール形態及びイミン-エナミン形態が本発明に含まれる。
エナンチオマー形態(不斉炭素が存在しなくても存在し得る)、回転異性体形態、アトロプ異性体形態、及びジアステレオマー形態を含む、様々な置換基上の不斉炭素に起因して存在し得るものなど、本化合物(化合物の塩、溶媒和物、エステル及びプロドラッグ、並びにプロドラッグの塩、溶媒和物、及びエステルを含む)の全ての立体異性体(例えば、幾何異性体、光学異性体など)は、位置異性体(例えば、4-ピリジル及び3-ピリジルなど)と同様に、本発明の範囲内と考えられる。(例えば、式(I)の化合物が二重結合又は縮合環を組み込む場合、シス及びトランス形態の両方だけでなく、混合物も本発明の範囲内に包含される。また、例えば、化合物の全てのケト-エノール形態及びイミン-エナミン形態が本発明に含まれる。)本発明の化合物の個々の立体異性体は、例えば、他の異性体を実質的に含まないか、又は、例えば、ラセミ体として、又は他の全ての、若しくは他の選択された立体異性体と混合されてもよい。本発明のキラル中心は、IUPAC 1974推奨により定義されるS又はR構成を有することができる。「塩」、「溶媒和物」、「エステル」、「プロドラッグ」などの用語の使用は、本発明の化合物のエナンチオマー、立体異性体、回転異性体、互変異性体、位置異性体、ラセミ体、又はプロドラッグの塩、溶媒和物、エステル及びプロドラッグにも同様に適用されることが意図される。
式(I)の化合物は、塩(例えば、薬学的に許容可能な塩)を形成することができ、これもまた本発明の範囲内である。別段の指示がない限り、本明細書の式の化合物の参照は、その塩への参照を含むと理解される。
本発明は、c-Kitの調節因子である化合物に関する。一実施形態では、本発明の化合物はc-Kitの阻害剤である。
本発明は、本明細書に説明される化合物、及びその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、若しくは互変異性体、及び本明細書に説明される1つ以上の化合物を含む医薬組成物、又はその薬学的に許容可能な塩、水和物、立体異性体、若しくは互変異性体を対象とする。
化合物を合成する方法
本発明の化合物は、当該技術分野で既知の標準方法を含む様々な方法によって作製され得る。例えば、本明細書に説明される化合物は、市販の開始材料から作製されてもよく、又は公知の有機、無機、及び/又は酵素法を使用して合成されてもよい。
保護基は、有機合成の標準方法(T.W.Greene and P.G.M.Wuts,”Protective Groups in Organic Synthesis”,Third edition,Wiley,New York 1999)にしたがって操作される。これらの基は、当業者にとって容易に明らかな方法を使用して、化合物合成の都合の良い段階で除去される。選択プロセス、並びにそれらの実施の反応条件及び順序は、式(I)の化合物の調製と一致するものとする。
当業者であれば、式(I)の化合物に立体中心が存在するかどうかを認識するであろう。したがって、本発明は、可能性のある立体異性体(合成に指定されていない限り)を両方含み、ラセミ化合物だけでなく、個々のエナンチオマー及び/又はジアステレオマーも含む。化合物が、単一のエナンチオマー又はジアステレオマーとして所望される場合、立体特異的合成によって又は最終産物又は任意の好都合な中間体の分解によって得ることができる。最終産物、中間体、又は開始材料の分解は、当該技術分野で公知の任意の適切な方法によって影響を受けることがある。例えば、E.L.Eliel,S.H.Wilen,and L.N.Mander(Wiley-lnterscience,1994)による”Stereochemistry of Organic Compounds”を参照のこと。
開示された化合物を使用する方法
本明細書に説明される化合物は、c-Kitの強力な阻害剤であり得る。
したがって、本発明の別の態様は、c-Kitの調節と関連付けられた疾患又は障害を治療する方法に関する。方法は、c-Kitの調節と関連付けられた疾患又は障害の治療を必要とする患者に、有効量の式(I)の組成物及び化合物を投与することを含む。
本発明の別の態様は、c-Kitの調節と関連付けられた疾患又は障害を予防する方法に関する。方法は、c-Kitの調節と関連付けられた疾患又は障害の治療を必要とする患者に、有効量の式(I)の組成物及び化合物を投与することを含む。
本発明の別の態様は、c-Kit媒介性疾患又は障害を治療する方法に関する。方法は、c-Kitの調節と関連付けられた疾患又は障害の治療を必要とする患者に、式(I)の組成物及び化合物の有効量を投与することを含む。
本発明の別の態様は、c-Kit媒介性疾患又は障害を予防する方法に関する。方法は、c-Kitの調節と関連付けられた疾患又は障害の治療を必要とする患者に、有効量の式(I)の組成物及び化合物を投与することを含む。
別の態様では、本発明は、c-Kitを阻害する方法を対象とする。方法は、それを必要とする患者に、有効量の式(I)の化合物を投与することを伴う。
本発明の別の態様は、c-Kitの阻害と関連する患者における疾患又は障害を治療する方法に関し、方法は、その治療を必要とする患者に、有効量の式(I)の化合物を投与することを含む。一実施形態では、疾患又は障害は、がん及び細胞増殖性障害、多発性硬化症、喘息、肥満細胞症、炎症性障害、アレルギー反応、線維性障害、及び代謝障害からなる群から選択される。
本発明の別の態様は、c-Kitの阻害と関連する患者における疾患又は障害を予防する方法に関し、方法は、その予防を必要とする患者に、有効量の式(I)の化合物を投与することを含む。
本発明はc-Kitによって媒介される疾患又は障害の治療、予防、阻害又は除去に使用される薬剤の調製のためのc-Kitの阻害剤の使用にも関し、ここで薬剤は式(I)の化合物を含む。
別の態様では、本発明は、c-Kitによって媒介される疾患又は障害を治療、予防、阻害、又は除去するための薬剤の製造方法に関し、ここで薬剤は式(I)の化合物を含む。
本発明の別の態様は、c-Kitを阻害することと関連付けられた疾患又は障害を治療するための薬剤の製造に使用するための式(I)の化合物に関する。
別の態様では、本発明は、c-Kitを阻害することと関連付けられた疾患又は障害の治療における式(I)の化合物の使用に関する。
別の態様では、本発明は、c-Kitを阻害することと関連付けられた疾患又は障害の予防における式(I)の化合物の使用に関する。
上記の方法のいくつかの実施形態では、疾患又は障害は、がん、転移、炎症、及び自己免疫性病因からなる群から選択される。
上記の方法のいくつかの実施形態では、疾患又は障害は、細胞増殖性障害、線維性障害、及び代謝障害からなる群から選択される。
上記の方法の一実施形態では、疾患又は障害は多発性硬化症である。
上記の方法の一実施形態では、疾患又は障害は喘息である。上記の方法の別の実施形態では、疾患又は障害は肥満細胞症である。
上記の方法の一実施形態では、疾患又は障害はアレルギー反応である。
上記の方法の一実施形態では、疾患又は障害は炎症性関節炎である。
本発明の別の態様は、がん治療方法に関する。方法は、それを必要とする患者に、有効量の式(I)の化合物を投与することを含む。
いくつかの実施形態では、がんは、脂肪肉腫、神経芽細胞腫、グリア芽腫、膀胱がん、副腎皮質がん、多発性骨髄腫、結腸直腸がん、非小細胞肺がん、中咽頭がん、陰茎がん、肛門がん、甲状腺がん、膣がん、胃がん、直腸がん、甲状腺がん、ホジキンリンパ腫、及びびまん性大細胞型B細胞リンパ腫から選択される。
いくつかの実施形態では、がんは、白血病、肥満細胞腫、小細胞肺がん、精巣がん、胃腸管のがん、中枢神経系のがん、女性生殖管のがん、神経外胚葉性起源の肉腫、及び神経線維腫症と関連付けられたSchwann細胞腫瘍から選択される。
いくつかの実施形態では、がんは、小細胞肺がん、急性骨髄性白血病(AML)、胸腺がん、類腱腫、神経芽細胞腫、悪性黒色腫、結腸直腸がん、全身性肥満細胞症(SM)、及び胃腸間質腫瘍(GIST)から選択される。
本発明の別の態様は、細胞周期阻止、腫瘍細胞におけるアポトーシス、及び/又は強化された腫瘍特異的T細胞免疫性を誘導する方法に関する。方法は、細胞を有効量の式(I)の化合物と接触させることを含む。
一実施形態では、本発明は、がん及び転移と関連付けられた疾患又は障害の治療、予防、阻害又は除去に使用される薬剤の調製のためのc-Kitの阻害剤の使用に関する。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、又は本発明の化合物を含む医薬組成物及び薬学的に許容可能な担体の投与は、細胞周期又は細胞生存率の変化を誘導する。
本発明の別の態様は、炎症を治療する方法に関する。方法は、それを必要とする患者に、有効量の式(I)の化合物を投与することを含む。
本発明の別の態様は、自己免疫性病因の治療方法に関する。方法は、それを必要とする患者に、有効量の式(I)の化合物を投与することを含む。
本発明の別の態様は、式(I)の化合物、及び薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物を対象とする。薬学的に許容可能な担体は、賦形剤、希釈剤、又は界面活性剤を更に含み得る。
一実施形態では、がん、転移、炎症及び自己免疫性病因を含むc-Kitの調節と関連付けられた疾患又は障害を治療する方法を提供し、この疾患又は障害のうちの少なくとも1つに罹患している患者に、式(I)の化合物を投与することを含む。
一実施形態では、がん及び転移を含むc-Kitの調節と関連付けられた疾患又は障害を治療する方法を提供し、この疾患又は障害のうちの少なくとも1つに罹患している患者に、式(I)の化合物を投与することを含む。
c-Kitを阻害する本発明の化合物又は組成物の1つの治療用途は、がん、転移、炎症及び自己免疫性病因に罹患している患者又は対象に対する治療を提供することである。
c-Kitを阻害する本発明の化合物又は組成物の別の治療用途は、がん及び転移に罹患している患者又は対象に対する治療を提供することである。
本発明の開示された化合物は、障害を治療又は予防するために、及び/又は対象においてその発生を予防するために、有効量で投与することができる。
開示された化合物の投与は、治療薬の任意の投与方法を介して達成することができる。これらの方法には、経口、鼻腔、非経口、経皮、皮下、膣腔、頬部、直腸又は局所投与方法などの全身投与又は局所投与が含まれる。
投与の意図された方法に応じて、開示された組成物は、時には単位用量で及び従来の薬務と一致して、例えば、注射剤、錠剤、坐薬剤、ピル剤、タイムリリースカプセル、エリキシル剤、チンキ、エマルション、シロップ、散剤、液剤、懸濁剤などの固形剤形、半固形剤形又は液体剤形であってもよい。同様に、それらは静脈内(ボーラスと注入の両方)、腹腔内、皮下又は筋肉内の形態で投与することもでき、全ての使用する形態は医薬品当業者によく知られている。
例示的な医薬組成物は、a)例えば、精製水、水素化又は部分水素化植物油、又はそれらの混合物、トウモロコシ油、オリーブ油、ヒマワリ油、ベニバナ油、EPA又はDHAなどのフィッシュオイル、又はそのエステル又はトリグリセリド又はその混合物、オメガ-3脂肪酸又はその誘導体、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロース、ナトリウム、サッカリン、グルコース及び/又はグリシンなどのトリグリセリド油などの希釈剤、b)例えば、シリカ、滑石、ステアリン酸、そのマグネシウム又はカルシウム塩、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム及び/又はポリエチレングリコールなどの潤滑剤、錠剤用も、c)所望であれば、例えば、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、デンプンペースト、ゼラチン、トラガント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、炭酸マグネシウム、グルコース又はベータラクトースなどの天然糖類、コーン甘味料、アカシア、トラガント、又はアルギン酸ナトリウムなどの天然及び合成ガム、ワックス及び/又はポリビニルピロリドンなどの結合剤、d)例えば、デンプン、寒天、メチルセルロース、ベントナイト、キサンタンガム、アルギン酸又はそのナトリウム塩、又は発泡混合物などの崩壊剤、e)吸収剤、着色剤、風味剤、及び甘味剤、f)Tween(登録商標) 80、Labrasol、HPMC、DOSS、カプロイル909、labrafac、labrafil、peceol、transcutol、capmul MCM、capmul PG-12、captex 355、gelucire、ビタミンE TGPS、又は他の許容可能な乳化剤などの乳化剤又は分散剤、並びに/あるいはg)シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-シクロデキストリン PEG400、PEG200などの化合物の吸収性を強化する薬剤などの本発明の化合物及び薬学的に許容可能な担体を含む、錠剤及びゼラチンカプセルである。
液体、特に注射可能な組成物は、例えば、溶解、分散などによって調製され得る。例えば、開示された化合物は、例えば、水、食塩水、水性デキストロース、グリセロール、エタノールなどの薬学的に許容可能な溶媒に溶解されるか、又はそれと混合され、それによって注射可能な等張液又は懸濁液が形成される。アルブミン、カイロミクロン粒子、又は血清タンパク質などのタンパク質を使用して、開示された化合物を可溶化することができる。
開示された化合物はまた、担体としてプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコールを使用して、脂肪エマルション又は懸濁液から調製され得る坐薬としても製剤化され得る。
開示された化合物は、小さな単層小胞、大きな単層小胞、及び多層小胞などのリポソーム送達システムの形態で投与することもできる。リポソームは、コレステロール、ステアリルアミン又はホスファチジルコリンを含有する、様々なリン脂質から形成することができる。いくつかの実施形態では、米国特許第5,262,564号に説明されるように、脂質成分のフィルムは、薬剤の水溶液を用いて水和され、油層被包薬剤を形成し、これは、参照によりその全体が本明細書に援用される。
開示された化合物は、開示された化合物が結合される個別の担体としてモノクローナル抗体の使用によっても送達され得る。開示された化合物はまた、標的化可能な薬物担体として可溶性ポリマーと結合することができる。このようなポリマーには、ポリビニルピロリドン、ピラン共重合体、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド-フェノール、ポリヒドロキシエチルアスパンアミドフェノール、又はパルミトイル残基で置換されたポリエチレンオキシドポリリジンが挙げられる。更に、開示された化合物は、例えば、ポリ乳酸、ポリエピシロンカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレート、及びハイドロゲルの架橋又は両親媒性ブロック共重合体などの薬剤の制御された放出を達成するのに有用な生物分解性ポリマーのクラスに結合され得る。一実施形態では、開示された化合物は、例えば、ポリカルボン酸ポリマー、又はポリアクリレートなどのポリマーに共有結合されていない。
非経口注射投与は、一般的に皮下、筋肉内、又は静脈内注射及び注入に使用される。注射は、液体溶液又は懸濁液又は注射前に液体中で溶解するのに好適な固体形態のいずれかの従来形態で調製することができる。
本発明の別の態様は、式(I)の化合物、及び薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物を対象とする。薬学的に許容可能な担体は、賦形剤、希釈剤、又は界面活性剤を更に含み得る。
組成物は、それぞれ、従来的混合方法、顆粒化方法又はコーティング方法にしたがって調製することができ、本医薬組成物は、重量又は体積によって本開示の化合物の約0.1%~約99%、約5%~約90%、又は約1%~約20%を含有することができる。
開示された化合物を利用する投与レジメンは、患者のタイプ、種、年齢、体重、性別、及び病状を含む様々な因子、治療される状態の重症度、投与経路、患者の腎臓又は肝機能、及び使用される特定の開示された化合物に従い選択される。当技術分野の医師又は獣医師であれば、状態の進行を予防、対抗、又は阻止するために必要な薬剤の有効量を容易に決定及び処方することができる。
開示された化合物の効果的な投与量は、示された効果のために使用される場合、状態を治療するのに必要に応じて、開示された化合物の約0.5mg~約5000mgの範囲である。インビボ又はインビトロの使用のための組成物は、約0.5、5、20、50、75、100、150、250、500、750、1000、1250、2500、3500、又は5000mg、又は用量リストにある量から別の量までの範囲で、開示された化合物を含有することができる。一実施形態では、組成物は刻み目をつけることができる錠剤の形態である。
本開示は、以下の実施例によって更に例示されるが、それらは本開示の範囲又は趣旨を本明細書に説明される特定の手順に限定すると解釈されるべきではない。実施例は特定の実施形態を説明するために提供されており、それによって本開示の範囲に対する限定が意図されていないことを理解されたい。当業者には自明のことであろうが、本開示の趣旨及び/又は添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、様々な他の実施形態、変更、及びそれらの等価物に頼ることができることを更に理解されたい。
分析方法、材料、及び計器
特に記載がない限り、試薬及び溶媒は商業的供給者から受け取ったまま使用した。プロトン核磁気共鳴(NMR)スペクトルを、ブルーカーの分光計400MHzで得た。スペクトルはppm(δ)で与えられ、結合定数JはHertzで報告されている。テトラメチルシラン(TMS)を内部標準として使用した。Waters ZQシングルクワッド質量分析計(イオントラップエレクトロスプレーイオン化(ESI))を使用して質量スペクトルを収集した。純度及び低分解能質量スペクトルデータを、Acquity Photoダイオードアレイ検出器、Acquity 蒸発光散乱検出器(ELSD)及びWaters ZQ質量分析計を備えたWaters Acquity i-class超高速液体クロマトグラフィー(UPLC)システムを使用して測定した。Waters MassLynx 4.1ソフトウェア及びUV波長220nm、蒸発光散乱検出(ELSD)及びエレクトロスプレー陽イオン(ESI)によって特徴付けられる純度を用いてデータを取得した。(カラム:Acquity UPLC BEH C18 1.7μm 2.1×50mm、流量0.6mL/分、溶媒A(95/5/0.1%:10mM ギ酸アンモニウム/アセトニトリル/ギ酸)、溶媒B(95/5/0.09%:アセトニトリル/水/ギ酸)、勾配:0~2分まで5~100%のB、2.2分まで100%のBを保持し、2.21分で5%のBにする。以下の実施例及び本明細書のその他の場所で使用される略語は以下のとおりである。
実施例1.例示的な化合物の合成
化合物1aの調製:N-[3-[2-[2-[[(3S)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-カルボニル]アミノ]チアゾール-5-yl]エチニル]-4-メチル-フェニル]-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボキサミド
工程1:N-(3-ヨード-4-メチル-フェニル)-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボキサミドの合成
DMF(100mL)中の4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボン酸(5g、26.2mmol、1.0当量)、HATU(15g、39.5mmol、1.5当量)、及びDIEA(25mL、0.144mmol、5.5当量)の混合物を、20℃で30分間攪拌した。次いで、3-ヨード-4-メチル-アニリン(6.1g、26.2mmol、1.0当量)及び混合物を、20℃で1.5時間攪拌した。反応混合物を、水(150mL)の添加によりクエンチし、EtOAc(80mL*3)で抽出した。合わせた有機相を、ブライン(100mL*5)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。残渣を、カラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル/EtOAc=100/1~30/1、254nm)により精製し、N-(3-ヨード-4-メチル-フェニル)-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボキサミド(8.3g、収率77.3%、純度99%)を白色固体として得た。
工程2:N-[4-メチル-3-(2-トリメチルシリルチニル)フェニル]-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボキサミドの合成
トルエン(100mL)中のN-(3-ヨード-4-メチル-フェニル)-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボキサミド(8.3g、20.4mmol、1当量)、エチニル(トリメチル)シラン(14mL、0.101mol、4.95当量)、CuI(800mg、4.20mmol、0.21当量)、Pd(PPhCl(1.5g、2.14mmol、0.11当量)及びTEA(10mL、71.9mmol、3.52当量)を、脱気し、次いで、窒素下で1時間、20℃まで加熱した。反応液をろ過し、EtOAc(20mL*3)で洗浄した。合わせたろ過液を減圧下で濃縮し、残渣を、カラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル/EtOAc=100/1~60/1、254nm)により精製し、黄色固体としてN-[4-メチル-3-(2-トリメチルシリルエチニル)フェニル]-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボキサミド(7.7g、収率99.1%、純度99%)を得た。
工程3:N-(3-エチニル-4-メチル-フェニル)-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボキサミドの合成
N-[4-メチル-3-(2-トリメチルシリルチニル)フェニル]-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボキサミド(14.8g、39.3mmol、1.0当量)のMeOH(250mL)溶液に、KCO(5.5g、39.8mmol、1.0当量)を添加した。混合物を0℃で1.5時間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、水(300mL)を添加した。混合物を、EtOac(200mL*3)で抽出し、合わせた有機相を、ブライン(500mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させて、ろ過し、真空中で濃縮して、褐色固体としてN-(3-エチニル-4-メチル-フェニル)-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボキサミド(11g、粗)を得た。
工程4:tert-ブチル N-tert-ブトキシカルボニル-N-[5-[2-[2-メチル-5-[[4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ]フェニル]エチニル]チアゾール-2-イル]カルバメートの合成
DMF(200mL)中において、tert-ブチル N-(5-ブロモチアゾール-2-イル)-N-tert-ブトキシカルボニル-カルバメート(11g、29mmol、1.0当量)、N-(3-エチニル-4-メチル-フェニル)-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボキサミド(11g、36.2mmol、1.25当量)、Pd(PPhCl(2.04g、2.90mmol、0.1当量)、CuI(1.10g、5.80mmol、0.2当量)、及びTEA(17mL、0.122mol、4.21当量)の混合物を、脱気し、窒素で3回パージし、次いで、混合物を、窒素雰囲気下で12時間、20℃で攪拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、水(500mL)を添加した。混合物を、EtOAc(300mL*3)で抽出し、合わせた有機相を、ブライン(500mL*2)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(シリカ、石油エーテル/EtOAc=1/0~10/1、254nm)により精製し、黄色固体としてtert-ブチル N-tert-ブトキシカルボニル-N-[5-[2-[2-メチル-5-[[4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ]フェニル]エチニル]チアゾール-2-イル]カルバメート(11g、収率61.1%、純度97%)を得た。
工程5:N-[3-[2-(2-アミノチアゾール-5-イル)エチニル]-4-メチル-フェニル]-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボキサミドの合成
DCM(50mL)中のtert-ブチル N-tert-ブトキシカルボニル-N-[5-[2-[2-メチル-5-[[4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ]フェニル]エチニル]チアゾール-2-イル]カルバメート(11g、18.3mmol、1.0当量)の溶液に、0℃でTFA(30mL、0.405mol、22.0当量)を加えた。混合物を15時間、20℃で攪拌した。反応混合物を、0℃で飽和したNaHCO水溶液(300mL)の添加によりクエンチし、EtOAc(200mL*2)で抽出した。合わせた有機相を、ブライン(500mL*2)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させて、ろ過し、真空中で濃縮して、黄色固体としてN-[3-[2-(2-アミノチアゾール-5-イル)エチニル]-4-メチル-フェニル]-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボキサミド(6.5g、88.4%)を得た。
工程6:N-[3-[2-[2-[[(3S)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-カルボニル]アミノ]チアゾール-5-yl]エチニル]-4-メチル-フェニル]-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボキサミドの合成
DCM(5.0mL)中のN-[3-[2-(2-アミノチアゾール-5-イル)エチニル]-4-メチル-フェニル]-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボキサミド(50mg、0.12mmol、1.0当量)及びCDI(40mg、0.25mmol、2.0当量)の混合物を、50℃で12時間攪拌した。次いで、混合物に(3S)-N,N-ジメチルピロリジン-3-アミン(60mg、0.53mmol、4.0当量)を添加し、混合物を40℃で3時間攪拌した。LCMSは、所望の化合物を示した。反応混合物を減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣を、分取HPLC(カラム:Xtimate C18 150*25mm*5um、Mbile相:[水(0.05%HCl)-ACN]、B%:22%~52%、8.5分、カラム温度30℃)により精製した。化合物N-[3-[2-[2-[[(3S)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-カルボニル]アミノ]チアゾール-5-イル]エチニル]-4-メチル-フェニル]-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボキサミド、塩酸塩(45.6mg、0.08mmol、収率62.7%、純度99%)を白色固体として得た。
化合物1b、2a、2b、3、4、及び5a(表1)の合成は、最終工程でジメチルアミノピロリジンの適切な二次アミンを置換することによって、同じ化学配列に従った。TFAを用いたその後のBoc脱保護を、化合物5aの合成のために実施した。
実施例2.生化学的アッセイ
c-Kitアッセイ
Ba/F3 KIT変異操作細胞株の生成
KIT cDNAをGenScriptによって合成し、pLVX-IRES-Puro ベクター(Clontech)にクローニングした。KIT変異遺伝子を含むpLVX-IRES-puroベクターを、Trans-Lentiviral ORF Packaging Kit(Thermo Scientific)を用いてHEK293細胞(Invitrogen)にトランスフェクトすることによって、ウイルス粒子を作製した。トランスフェクションの48時間後、ウイルス含有上清を採取し、10ng/mLのIL-3(R&D Systems)の存在下で、親Ba/F3細胞(DSMZ)とともに、更に48~72時間インキュベートした。次いで、形質導入されたBa/F3細胞を、IL-3回収及びピューロマイシン(0.5~1μg/mL、Invitrogen)により選択した。
生存率アッセイ
細胞株(例えば、EX11DEL、EX11DEL/D816H、EX11DEL/T670I、及びEX11DEL/V654A)は、線形成長を引き起こす密度で、10%のFBSを補充したRPMI 1640を用いて384ウェルプレートにプレーティングし、37℃で5%(v/v)のCO中でインキュベートした。細胞を、4倍希釈(10μM~0.61nM)にわたる8つの濃度の化合物で処理し、72時間後にCell Titer-Gloアッセイ(Promega)を使用して生存率を評価した。データを、ビヒクルで処理した細胞に対する生存率としてプロットした。用量反応曲線が生成され、IC50値を計算するために使用された。
表2:c-Kitアッセイにおける本発明の化合物のc-Kit活性。++++は、約10nM未満のIC50を示し、+++は、約10nM~約50nMのIC50を示し、++は、約50nM~約100nMのIC50を示し、+は、約100nM超、及び約10μM未満のIC50を示す。
実施例3.化合物(1a)のインビボ薬物動態試験
インビボ試験に続いて、本発明の化合物の投与は、他のアミノチアゾールc-Kit阻害剤と比較して、予想外に改善された薬物動態効果をもたらすことができる。
インビボ試験に続いて、本発明の化合物の投与は、他のアミノチアゾールc-Kit阻害剤と比較して、予想外に改善された薬物動態効果をもたらすことができる。
例えば、化合物(1a)の薬物動態が研究されている。単回投与ラット薬物動態試験では、この種において高クリアランス(Cl)及び分布体積(V)が観察された。更に、ラットに2つの異なる用量(10mg/kg及び30mg/kg)を経口投与し、平均観察された血漿濃度(Cav)は、後者の用量を使用した場合に所望の抗腫瘍効果を達成するために必要な標的曝露を超えた。10日間の反復投与後、いずれかの用量で化合物(1a)を用いてAUC(曲線下面積)の増加を得た(図1を参照されたい)。
非ヒト霊長類における化合物(1a)の薬物動態試験はまた、雄(図2A)及び雌(図2B)のサルでも、2つの異なる用量(2mg/kg及び4mg/kg)で経口投与により実施された。これらの図に示されるように、いずれかの用量における曲線形状及びAUCは、試験の1日目及び10日目の両方で類似しており、反復投与後の曝露の有意な喪失を示さなかった。
均等物
当業者は、日常的な実験手法を越えない手法を使用して、本明細書に具体的に記載される特定の実施形態に対する数多くの等価物を認識するか、又は確認することができるであろう。かかる均等物は、以下の特許請求の範囲に包含されることが意図される。

Claims (34)

  1. 式(I)に従う構造有する化合物、
    又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、若しくは互変異性体であって、式中、
    n及びmが、独立して1、2、又は3であり、
    が、O、NR、CR、又はCHRであり、
    各R、R、及びRが、独立してH又はXであり、
    が、OH、O(C-Cアルキル)、NH、NHR、又はNRであり、
    及びRが、独立してC-Cアルキルであるか、又はR及びRが、両方とも存在する場合、結合して4~6員のヘテロシクリルを形成し、
    が、C-Cアルキルであり、
    、R、及びRのうちの少なくとも1つが、Xである、化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、若しくは互変異性体。
  2. が、O、NR、又はCHRである、請求項1に記載の化合物。
  3. が、CRであり、Rが、Meである、請求項1に記載の化合物。
  4. 式(I’)に従う構造を有する、請求項1に記載の化合物、
    又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、若しくは互変異性体。
  5. 式(I’-A)に従う構造を有する、請求項4に記載の化合物、
    又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは互変異性体。
  6. 式(I’-B)に従う構造を有する、請求項4に記載の化合物、
    又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは互変異性体。
  7. が、OH、NH、NHCH、又はN(CHである、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物。
  8. が、NH、NHCH、又はN(CHである、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物。
  9. 以下からなる群から選択される構造を有する化合物、
    又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、若しくは互変異性体。
  10. 以下の構造を有する、請求項9に記載の化合物、
    又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、若しくは互変異性体。
  11. 以下の構造を有する、請求項10に記載の化合物、
    又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは互変異性体。
  12. 以下の構造を有する、請求項10に記載の化合物、
    又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは互変異性体。
  13. 以下の構造を有する、請求項9に記載の化合物、
    又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、若しくは互変異性体。
  14. 以下の構造を有する、請求項13に記載の化合物、
    又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは互変異性体。
  15. 以下の構造を有する、請求項13に記載の化合物、
    又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは互変異性体。
  16. 以下の構造を有する、請求項9に記載の化合物、
    又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、若しくは互変異性体。
  17. 以下の構造を有する、請求項9に記載の化合物、
    又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、若しくは互変異性体。
  18. 以下の構造を有する、請求項9に記載の化合物、
    又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、若しくは互変異性体。
  19. 以下の構造を有する、請求項18に記載の化合物、
    又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは互変異性体。
  20. 以下の構造を有する、請求項18に記載の化合物、
    又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは互変異性体。
  21. 請求項1~20のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、若しくは互変異性体と、薬学的に許容可能な希釈剤、賦形剤、又は担体と、を含む、医薬組成物。
  22. c-Kit媒介性疾患又は障害を治療する方法であって、その治療を必要とする対象に、治療有効量の請求項1~20のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、プロドラッグ、立体異性体、若しくは互変異性体を投与することを含む、方法。
  23. 前記cKit媒介性疾患又は障害が、細胞増殖性障害、線維性障害、及び代謝障害から選択される、請求項22に記載の方法。
  24. 前記細胞増殖性障害が、がんである、請求項23に記載の方法。
  25. 前記がんが、白血病、肥満細胞腫、小細胞肺がん、精巣がん、胃腸管のがん、中枢神経系のがん、女性生殖管のがん、神経外胚葉性起源の肉腫、及び神経線維腫症と関連付けられたSchwann細胞腫瘍からなる群から選択される、請求項24に記載の方法。
  26. 前記がんが、小細胞肺がん、急性骨髄性白血病(AML)、神経芽細胞腫、悪性黒色腫、結腸直腸がん、全身性肥満細胞症(SM)、及び胃腸間質腫瘍(GIST)からなる群から選択される、請求項24に記載の方法。
  27. 前記cKit媒介性疾患又は障害が、多発性硬化症である、請求項22に記載の方法。
  28. 前記cKit媒介性疾患又は障害が喘息である、請求項22に記載の方法。
  29. 前記cKit媒介性疾患又は障害が、アレルギー反応である、請求項22に記載の方法。
  30. 前記cKit媒介性疾患又は障害が、炎症性関節炎である、請求項22に記載の方法。
  31. 前記cKit媒介性疾患又は障害が、肥満細胞症である、請求項22に記載の方法。
  32. c-Kitを調節する方法であって、請求項1~20のいずれか一項に記載の化合物を対象に投与することを含む、方法。
  33. c-Kitを阻害する方法であって、請求項1~20のいずれか一項に記載の化合物を対象に投与することを含む、方法。
  34. c-Kitが役割を果たす疾患を治療又は予防する方法であって、その治療又は予防を必要とする対象に、有効量の請求項1~20のいずれか一項に記載の化合物を投与することを含む、方法。
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