JP2024501087A - 凍結乾燥間葉系幹細胞 - Google Patents

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Abstract

本開示は、幹細胞技術の分野に属する。具体的には、本開示は、間葉系幹細胞の凍結乾燥粉末に関する。より具体的には、本開示は、凍結乾燥脂肪組織由来の間葉系幹細胞に関する。本開示はまた、費用効率の高い方法での試料の長期保存、容易な輸送及び流通のための凍結乾燥間葉系幹細胞の有利な使用にも関する。

Description

関連特許出願
本出願は、その開示が、本明細書中に完全に書き直されたかのように、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2020年12月19日出願のインド特許出願第202021055334号に対する優先権及びその利益を主張する。
本開示は、幹細胞研究の分野に関する。具体的には、本開示は、間葉系幹細胞の凍結乾燥粉末に関する。より具体的には、本開示は、凍結乾燥脂肪組織由来の間葉系幹細胞に関する。本開示はまた、費用効率の高い方法での試料の長期保存、容易な輸送及び流通のための凍結乾燥間葉系幹細胞の有利な使用にも関する。
現在、多くの重要な臓器(例えば、肝臓及び心臓)の末期不全につながる慢性疾患(例えば、肝硬変及び心筋虚血)の発生率の増加により、臓器移植の需要が急速に高まっている。死亡したドナーからの臓器の供給量は依然として少なく、増大する需要を満たすには不十分である。そのため、移植用の臓器不足が世界的に大きな危機となっている。臓器不足の問題を解決するために、ヒト幹細胞を処置に使用することに重点を置いた再生医療が急速に発展している。
幹細胞は、多くの生物医学用途、特に細胞ベースの治療及び再生医療の最終的候補である。幹細胞は、2つの広義のタイプ:胚盤胞の内部細胞塊から得られる胚性幹細胞(ESC)と、成体組織で見られる成体幹細胞、特に間葉系幹細胞(MSC)に分類される。MSCは、臨床応用において胚性幹細胞(ESC)及び他の体細胞に優る多くの利点を有する。MSCは、強力な免疫抑制特性を有する多分化能細胞である。それらは人体の種々の場所(例えば、骨髄及び脂肪組織)から採取することができる。
幹細胞源としての脂肪組織は普遍的に入手可能であり、他の供給源と比較していくつかの利点がある。脂肪組織は、侵襲性を最小限に抑えた採取手順で大量に容易に入手可能であり、脂肪由来間葉系間質/幹細胞(ASC)を単離すると、幹細胞ベースの治療及び組織工学に不可欠な幹細胞が大量に得られる。いくつかの研究では、ASCがインサイチュで血管周囲ニッチに存在するという証拠が提供されているが、天然の脂肪組織におけるASCの正確な局在についてはまだ議論中である。ASCは、プラスチックに付着するその能力によって単離される。それにもかかわらず、最近の単離及び培養技術には標準化が欠けている。
ヒト脂肪由来幹細胞(hASC)は現在、間葉様幹細胞の有望な供給源であり、骨髄由来間葉系幹細胞(BM-MSC)と同様の特性及び分化能を有するが、供給源は異なっており、かつより入手しやすいもの-脂肪組織である。hASCは、正常な創傷治癒に寄与するほぼすべての因子を生成することができるため、あらゆるタイプの組織工学(TE)及び再生医療用途に好まれている。ヒト脂肪由来幹細胞(hASC)は現在、再生医療にとって魅力的かつ効率的な成体幹細胞タイプとして認識されている。依然として、hASC間の相互作用のメカニズム及び長期的な安全性など、解明する必要がある問題がある。これまでに少数の臨床試験のみが実行されている。hASC又はhASC濃縮脂肪移植に関する臨床試験の大部分は、初期段階の臨床試験(第I相又は第II相)であるが、ヒト対象において第IV相に達した試験は1件のみであった(NCT00616135)。
Murphy, M. B. et.al (Exp. Mol. Med. 2013, 45-54)及びFierabracci, A et.al (Curr. Med. Chem. 2016, 23, 3014-3024)は、組織の保護及び修復メカニズムにより、種々の疾患の処置に効果的なツールとして、間葉系幹/間質細胞(MSC)について説明している。Galipeau, J et.al (Cell Stem Cell 2018, 22, 824-833)は、2018年3月31日までに米国で行われた、さまざまな疾患を処置した約810件の世界規模の臨床試験によって証明されたMSCの治療有効性を捉えた。しかし、MSCの保管は複雑かつ高価である。MSCの保管に一般的に使用されるアプローチは、液体窒素を使用した凍結保存である。
現時点では、凍結保存は、hMSCを含む細胞を長期間保存及び保管するために使用される効率的な方法である。凍結保存では、超低温(液体窒素などでおよそ-196°C)を利用して、細胞の生命及び細胞機能を維持しながら細胞の代謝活動を停止する原理が採用されている。凍結保存は、細胞ベースの治療及び再生医療などの臨床応用に必要な細胞計数を取得するために、MSCをプールするのに非常に効果的である。凍結保存の際には、免疫調節特性及び多系統分化能などを含むMSCの機能特性を保存することが重要である。さらに、臨床応用の前に、凍結保存MSCの生物学的安全性評価が不可欠である。しかし、MSCの既存の凍結保存方法は顕著な制限を伴い、幹細胞ベースの治療におけるMSCのより効率的な適用のために確立されるべき新規又は改良された方法の必要性が生じている。
Elia Bari et.al (Cells 2018, 7, 190)は、間葉系幹/間質凍結乾燥セクレトームのパイロット製造プロセスを提供しており、これを検証済みの適正製造基準(GMP)準拠の細胞工場で実行した。セクレトームを、限外濾過によって培養上清から精製し、凍結保護剤に加え、凍結乾燥して、特性評価した。細胞外小胞及びタンパク質を含有する、凍結乾燥され、「既製品化された」易溶性粉末が得られた。米国特許出願第2016/0089401号は、細胞を懸濁するための水性トレハロース培地の使用に関する細胞組成物及び方法に関する。
全体として、ヒト間葉系幹細胞の回収及び脱水潜在力によって、特別な凍結保護包装なしで全国にわたって出荷できるようにし、その増殖と機能の特徴を維持することが、臨床応用のためMSCを効果的に保存するために現在直面している課題である。この状況を改善することを目的とした解決策が必要である。
Bissoyi,A.らは、間葉系幹細胞の凍結乾燥及び乾燥における最近の進歩及び今後の方向性に焦点を当てた総説論文において、「既存のプロトコールでは確実な細胞回収を保証できないため、MSCのハイドロバイオティックエンジニアリング(hydrobiotic engineering)を成功させるには、保護手段の強化が必要である」と結論付けている。凍結乾燥及び乾燥は、場合によっては効率的であることがわかっているが、個々の方法には限界があるため、その実施には一定の硬直性を伴う。同時に、長期保管における乾燥細胞の生存率の維持も、対処する必要があるもう一つの重要な問題である。」(Stem Cells International. Vol. 2016, Article ID 3604203)。この総説論文は、幹細胞研究者に、相当な細胞生存率の達成、並びに室温での試料の安定性、明確な多孔質製品構造、水又は水溶液の添加による容易な再構成、及び容易な輸送などの他の所望の利点を備えた間葉系幹細胞の凍結乾燥を実証するという課題を残している。
ここで、驚くべきことに、本発明による凍結乾燥間葉系幹細胞によって約15%~約97%の細胞生存率を達成することができることが本発明者らによって見出された。さらに、これらの凍結乾燥間葉系幹細胞は室温での保管に好適であり、これにより輸送及び流通が容易になるであろう。
本発明者らは、この分野の背景を考慮して、高い細胞生存率を確保することにより、間葉系幹細胞を用途に迅速に利用できる方法で保存することによる、間葉系幹細胞の使用の必要性を見出した。
本発明者らは、幹細胞研究分野における研究中に、驚くべきことに、本発明に従う凍結乾燥間葉系幹細胞による約15%~約97%の細胞生存率を観察した。本発明によるこれらの凍結乾燥間葉系幹細胞は、室温での保管に好適であり得、これにより輸送及び流通が容易になるであろう。
本発明はまた、凍結乾燥から得られる薬学的に許容されるケーキにも関する。
一実施形態では、本開示は、凍結乾燥MSCを提供する。
一実施形態では、本開示は、間葉系幹細胞の凍結乾燥粉末を提供する。
本明細書に記載される実施形態の一態様では、間葉系幹細胞は、臍帯間葉系幹細胞、胎盤間葉系幹細胞、脂肪組織由来間葉系幹細胞、角膜輪部組織由来間葉系幹細胞、及び骨髄間葉系幹細胞、並びにそれらの組合せからなる群から選択される。
本明細書に記載される実施形態の別の態様では、間葉系幹細胞が、脂肪組織由来間葉系幹細胞である。
本明細書に記載される実施形態の別の態様では、間葉系幹細胞が、ヒト間葉系幹細胞である。
本明細書に記載される実施形態の別の態様では、間葉系幹細胞が、ヒト脂肪組織由来間葉系幹細胞である。
本明細書に記載される実施形態の別の態様では、間葉系幹細胞が、成分の種々の組合せの存在下で異なる凍結乾燥プロトコールに曝露される。
本明細書に記載される実施形態の別の態様では、凍結乾燥混合物中の間葉系幹細胞が、成分の種々の組合せを含む。
本明細書に記載される実施形態の別の態様では、成分を含む間葉系幹細胞凍結乾燥粉末であって、成分が、凍結保護剤(lyoprotectant)、ヒト血清アルブミン、グリセロール、ポリエチレングリコール(PEG)からの1種又は複数から選択される、間葉系幹細胞凍結乾燥粉末。
本明細書に記載される実施形態の一態様では、間葉系幹細胞凍結乾燥粉末は、間葉系幹細胞及び凍結乾燥混合物を含む。
本明細書に記載される実施形態の別の態様では、凍結乾燥混合物は、トレハロース、スクロース、ラクトース、グルコース、ラフィノース、デキストラン、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の凍結保護剤を含む。
本明細書に記載される実施形態の一態様では、少なくとも1種の凍結保護剤はトレハロースである。
本明細書に記載される実施形態の一態様では、少なくとも1種の凍結保護剤はデキストランである。
本明細書に記載される実施形態の一態様では、少なくとも1種の凍結保護剤は、トレハロースとデキストランとの組合せを含む。
本明細書に記載される実施形態の別の態様では、凍結乾燥混合物がヒト血清アルブミンを含む。
本明細書に記載される実施形態のさらに別の態様では、凍結乾燥混合物はグリセロールを含む。
本明細書に記載される実施形態のさらに別の態様では、凍結乾燥混合物はポリエチレングリコール(PEG)を含む。実施形態の一態様では、凍結乾燥混合物は、PEG400、PEG6000、及び/又はPEG8000を含む。
本明細書に記載される実施形態の別の態様では、凍結乾燥混合物が、(a)ヒト血清アルブミン、及び(b)トレハロースを含む。
本明細書に記載される実施形態の別の態様では、凍結乾燥混合物が、(a)ヒト血清アルブミン、(b)トレハロース、及び(c)グリセロールを含む。
本明細書に記載される実施形態の別の態様では、凍結乾燥混合物が、(a)ヒト血清アルブミン、(b)トレハロース、(c)グリセロール、及び(d)デキストランを含む。
本明細書に記載される実施形態の別の態様では、凍結乾燥混合物が、(a)ヒト血清アルブミン、(b)トレハロース、(c)グリセロール、及び(d)デキストランを含む。
本明細書に記載される実施形態の別の態様では、凍結乾燥混合物が、(a)ヒト血清アルブミン、(b)トレハロース、(c)グリセロール、(d)デキストラン、及び(e)ポリエチレングリコール(PEG)を含む。
本明細書に記載される実施形態の別の態様では、凍結乾燥混合物が、(a)ヒト血清アルブミン、(b)トレハロース、(c)グリセロール、(d)デキストラン、及び(e)PEG400を含む。
本明細書に記載される実施形態の別の態様では、凍結乾燥混合物が、(a)ヒト血清アルブミン、(b)トレハロース、(c)グリセロール、(d)デキストラン、並びに(e)PEG400、PEG6000、及び/又はPEG8000を含む。
本明細書に記載される実施形態の別の態様では、凍結乾燥混合物が、(a)ヒト血清アルブミン、(b)トレハロース、(c)PEG400、及び(d)PEG8000を含む。
本発明の一態様では、間葉系幹細胞の凍結乾燥から得られる薬学的に許容されるケーキが記載される。
本発明の別の態様では、凍結乾燥間葉系幹細胞は、室温で保管される。
本発明の別の態様では、凍結乾燥間葉系幹細胞は、安全であり、輸送が容易である。
本発明の別の態様では、凍結乾燥間葉系幹細胞は輸送後に安定である。
本明細書に記載される実施形態の一態様では、間葉細胞の凍結乾燥粉末は、間葉系幹細胞と、本明細書に記載の凍結乾燥混合物とを含み、凍結乾燥後の間葉系幹細胞の生存率が、約15%~約97%の間に維持される。
本明細書に記載される実施形態の一態様では、間葉細胞の凍結乾燥粉末は、間葉系幹細胞と、本明細書に記載の凍結乾燥混合物とを含み、凍結乾燥後の間葉系幹細胞の生存率が、約25%~約90%の間に維持される。
本明細書に記載される実施形態の別の態様では、間葉細胞の凍結乾燥粉末は、間葉系幹細胞と、本明細書に記載の凍結乾燥混合物とを含み、凍結乾燥後の間葉系幹細胞の生存率が、約0%~約30%に減少又は低下する。
本明細書に記載される実施形態の別の態様では、凍結乾燥粉末中の凍結乾燥間葉系幹細胞は、長期保存が可能である。さらに、凍結乾燥粉末は、費用効率の高い方法で試料の輸送及び流通が容易になるという追加の利点を提供する。
本明細書に記載される実施形態のさらに別の態様では、凍結乾燥間葉系幹細胞の薬学的に許容されるケーキを提供する。
本明細書に記載される実施形態の別の態様では、間葉系幹細胞が、ヒト脂肪組織由来間葉系幹細胞である、凍結乾燥間葉系幹細胞の薬学的に許容されるケーキ。
本明細書に記載される実施形態の別の態様では、凍結乾燥間葉系幹細胞の薬学的に許容されるケーキは、固体、粉末又は粒状材料であり得る。
本明細書に記載される実施形態の別の態様では、凍結乾燥間葉系幹細胞の薬学的に許容されるケーキは、質量でケーキの最大5パーセントの水を含有する。
本明細書に記載される実施形態の別の態様では、間葉系幹細胞は、成分の種々の組合せの存在下で異なる凍結乾燥プロトコールに曝露される、凍結乾燥間葉系幹細胞の薬学的に許容されるケーキ。
本明細書に記載される実施形態の別の態様では、凍結乾燥混合物中の間葉系幹細胞が、成分の種々の組合せを含む、凍結乾燥間葉系幹細胞の薬学的に許容されるケーキ。
本明細書に記載される実施形態の別の態様では、成分が、凍結保護剤、ヒト血清アルブミン、グリセロール、ポリエチレングリコール(PEG)からの1種又は複数から選択される、凍結乾燥間葉系幹細胞の薬学的に許容されるケーキ。
本明細書に記載される実施形態の別の態様では、成分を含む凍結乾燥間葉系幹細胞の薬学的に許容されるケーキであって、成分がヒト血清アルブミンである。
本明細書に記載される実施形態の別の態様では、凍結保護剤が、トレハロース、スクロース、ラクトース、グルコース、ラフィノース、デキストラン、マンニトール、ソルビトール又はキシリトールのうちの1種又はいくつかの混合物から選択される、成分。
本明細書に記載される実施形態の別の態様では、凍結乾燥後の間葉系幹細胞の生存率が、約25%~約90%の間である、凍結乾燥間葉系幹細胞の薬学的に許容されるケーキ。
本明細書に記載の一実施形態では、凍結乾燥MSCを含む組成物を提供する。本明細書に記載される実施形態の一態様では、MSCの凍結乾燥粉末を含む組成物を提供する。
本明細書に記載の別の実施形態では、凍結乾燥MSCを含む医薬組成物を提供する。本明細書に記載される実施形態の一態様では、MSCの凍結乾燥粉末を含む医薬組成物を提供する。本明細書に記載の医薬組成物はまた、当業者に知られている1種又は複数のアンチケーキング剤を含有することもできる。
本明細書に開示される一実施形態では、凍結乾燥MSCを含むキットを提供する。本明細書に開示される実施形態の一態様では、MSCの凍結乾燥粉末を含むキットを提供する。本明細書に開示される実施形態の別の態様では、凍結乾燥MSCを含む医薬組成物を含むキットを提供する。本明細書に開示される実施形態のさらに別の態様では、MSCの凍結乾燥粉末を含む医薬組成物を含むキットを提供する。
本明細書に記載される実施形態の一態様では、間葉系幹細胞は、凍結乾燥後、陽性マーカーを発現する。実施形態の一態様では、陽性マーカーは、CD90、CD105、CD73、CD44、CD29、CD13、CD166、CD10、CD49e及びCD59からなる群から選択される1種又は複数を含む。
本明細書に記載される実施形態の一態様では、間葉系幹細胞は、凍結乾燥後、陰性マーカーを発現しない。実施形態の一態様では、陰性マーカーは、CD34、CD45、CD14、CD11b、CD19、CD56及びCD146からなる群から選択される1種又は複数を含む。
本明細書の実施形態のこれら及び他の態様は、以下の説明と併せて考慮すると、よりよく認識され、理解されるであろう。しかし、以下の説明は、好ましい実施形態及びその多数の特定の詳細を示しているが、例示として与えられており、限定するものではないことを理解されたい。本明細書の実施形態の精神から逸脱することなく、本明細書の実施形態の範囲内で多くの変更及び修正を行うことができ、本明細書に記載の実施形態にはそのような修正すべてが含まれる。
組合せ4A~4Gの凍結乾燥ケーキの代表的な画像を示す。 組合せ5A~5Xの凍結乾燥ケーキの代表的な画像を示す。 組合せ6A~6Zの凍結乾燥ケーキの代表的な画像を示す。 組合せ7A~7Xの凍結乾燥ケーキの代表的な画像を示す。 組合せ8A~8Mの凍結乾燥ケーキの代表的な画像を示す。 組合せ9A~9Kの凍結乾燥ケーキの代表的な画像を示す。 組合せ10A及び10Bの凍結乾燥ケーキの代表的な画像を示す。 組合せ11A~11Vの凍結乾燥ケーキの代表的な画像を示す。 組合せ12A~12Fの凍結乾燥ケーキの代表的な画像を示す。
上で述べたように、全体として、ヒト間葉系幹細胞の回収及び脱水潜在力によって、特別な凍結保護包装なしで全国にわたって出荷できるようにし、その増殖と機能の特徴を維持する必要性が、臨床応用のためMSCを効果的に保存するために残っている。
本発明者らは、驚くべきことに、本明細書に記載の間葉系幹細胞の凍結乾燥粉末によって、凍結乾燥後の間葉系幹細胞の生存率が約15%~約97%維持されることを見出した。これらの凍結乾燥間葉系幹細胞が、室温での保管に好適であることは、さらに驚くべきことであった。加えて、凍結乾燥間葉系幹細胞が2℃~8℃での保管に好適であることが見出されたことは驚くべきことであった。
本明細書で説明される実施形態、及びその種々の特徴及び有利な詳細は、以下の説明で詳述される非限定的な実施形態を参照してより完全に説明される。本明細書の実施形態を不必要に分かりにくくしないように、周知の成分及び処理技術の説明は省略する。本明細書で使用される実施例は、単に本明細書の実施形態を実施する方法の理解を容易にし、さらに当業者が本明細書の実施形態を実施できるようにすることを意図している。したがって、これらの実施例は、本明細書の実施形態の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
特に指示がない限り、本開示及び添付の特許請求の範囲で使用される、成分の量、分子量などの特性、反応条件などを表すすべての数字は、すべての場合において「約」という用語によって修飾されるものとして理解されるべきである。したがって、特に異議を唱えない限り、本開示及び添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメーターは、本発明によって得ようとする所望の特性に応じて変化し得る近似値である。最低限、及び均等論の適用を特許請求の範囲に限定する試みとしてではなく、各数値パラメーターは、少なくとも報告された有効桁数を考慮して、通常の丸め手法を適用することによって解釈されるべきである。実施形態の広い範囲を示す数値範囲及びパラメーターが近似値であるにもかかわらず、特定の実施例に示された数値は、可能な限り正確に報告される。しかし、いずれの数値も、それぞれの試験測定値に見られる標準偏差から必然的に生じる一定の誤差を本質的に含む。
本明細書では、範囲は、「約」1つの特定の値から、及び/又は「約」別の特定の値までとして表現することができる。このような範囲が表現される場合、特に文脈で別段の指示がない限り、ある特定の値から及び/又は他の特定の値までの範囲-1も具体的に企図され、開示されると考えられる。同様に、先行する「約」を使用して値が近似値として表される場合、特に文脈で別段の指示がない限り、特定の値が別の具体的に企図された実施形態を形成し、開示されたものとみなされるべきであることが理解されるであろう。特に文脈で別段の指示がない限り、範囲のそれぞれの端点は、他の端点との関係において、及び他の端点とは無関係に、どちらにおいても重要であることがさらに理解されるであろう。最後に、明示的に開示された範囲内に含まれる個々の値及び値の部分範囲のすべても具体的に企図されており、特に文脈で別段の指示がない限り、開示されたものとみなされるべきであることを理解すべきである。前述の内容は、特定の場合にこれらの実施形態の一部又は全部が明示的に開示されるかどうかに関係なく適用される。
ここで例示的な実施形態を参照し、本明細書ではそれを説明するために特定の言語を使用する。しかし、それによって本発明の範囲を限定するものではないことを理解すべきである。本明細書に示されている本発明の特徴の変更及びさらなる修正、及び本明細書に示されているような本発明の原理の追加の応用は、関連分野の当業者及び本開示を所有する者には思いつくであろうが、本発明の範囲内にあると考えられる。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は、その内容に別段の明確な指示がない限り、複数の指示対象を含むことに留意しなければならない。本明細書で引用される特許、特許出願、及び文献を含むすべての参考文献は、その全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
本明細書で使用される「薬剤(medication)」という用語は、医薬、若しくは医薬品、又は単に薬物を指し;これは、疾患の診断、治癒、処置、又は予防に使用される。「薬剤」という用語は、薬物又は医薬の投与とも呼ぶこともできる。
本明細書で使用される「コンフルエンシー」という用語は、各細胞が占める面積、1ml当たりの生細胞、細胞が占める面積の比率、及び利用可能な総面積、増殖曲線の直線下の面積を指す。細胞培養生物学において、コンフルエンシーとは、細胞培養皿又はフラスコ内の細胞数の尺度として一般的に使用される用語であり、細胞による皿又はフラスコの被覆率を指す。例えば、100%コンフルエンシーとは、皿が細胞で完全に覆われ、したがって、細胞が増殖する余地がなくなったことを意味し;一方、50%コンフルエンシーとは、皿のおよそ半分が覆われており、細胞が増殖する余地がまだあることを意味する。
本明細書で使用される「細胞生存率」という用語は、集団内の生きた健康な細胞の割合の尺度を指す。典型的には、細胞生存率アッセイは、代謝活性、ATP含有量、又は細胞増殖の測定を通じて細胞の健康状態の読み取りを提供する。生存率アッセイは、臓器、細胞、又は組織が生存状態を維持又は回復する能力を決定するために作成されたアッセイである。生存率は、0及び1の整数、又はより容易に理解される場合は0%~100%の範囲の定量化可能な指標を使用することによって、生と死の全か無かの状態から区別することができる。生存率は、細胞、組織、及び臓器の物理的特性を通じて観察することができる。これらの一部には、機械的活動、精子及び顆粒球などの運動性、筋肉組織又は細胞の収縮、細胞機能における有糸分裂活動などが含まれる。生存率アッセイは、生物の生命力レベルを測定するためのより正確な基礎を提供する。
生存率アッセイは、生物対非生物の相違より多くの知見をもたらす可能性がある。本開示の一実施形態によれば、生存率アッセイを使用して、凍結乾燥の成功を評価することができる。
本明細書で使用される「フローサイトメトリー」という用語は、細胞又は粒子の集団の物理的及び化学的特徴を検出及び測定するために使用される技術を指す。本プロセスでは、細胞又は粒子を含有する試料を流体中に懸濁させ、フローサイトメーター機器に注入する。フローサイトメトリーでは個々の細胞を分析し、これにより、試料の不均一性を判定することができる。生存率は最終的に個々の細胞の性質であるため、有意義な結果を得るにはこのようなアプローチが不可欠である。単一細胞レベルでのフローサイトメトリー分析により、複数の細胞特性の分布を決定することができ、これにより、「最大生存率」から死、場合により分解にいたるまでのスペクトルで特徴づけることができる細胞の部分集団の識別が可能になる。
MSCは、典型的には、CD73、CD90、及びCD105の共発現によって識別される。MSC検出の代替方法を実証するために、一般に増殖したMSCを、MSCマーカーCD73、CD90、及びCD105についてスクリーニングする。MSCマーカーCD73、CD90、及びCD105はフローサイトメトリーによって検出した。フローサイトメトリーは、細胞懸濁液中の生細胞を定量するための迅速かつ信頼性の高い方法を提供する。細胞生存率の判定は、細胞毒性薬及び環境要因への反応時、又はがん及びその他の疾患状態の進行中など、細胞の生理学的状態を評価する場合に非常に重要である。加えて、分析から除外するために細胞懸濁液中の死細胞を検出することが、多くの場合必要である。死細胞は、非特異的な抗体結合又は蛍光プローブの不要な取り込みの結果としてアーチファクトを生成する場合がある。2つの細胞集団を識別する1つの方法は、色素排除によるものである。生細胞には、非生細胞の損傷した透過性膜を容易に透過するさまざまな色素を除外する無傷の膜がある。7-アミノアクチノマイシンD(7-AAD)を含む、いくつかの異なる蛍光色素を使用して死細胞を染色することができる。7-AADは、一般に生細胞から除外される膜不透過性色素である。これは、G-C濃縮領域の塩基対の間に挿入されることにより、二本鎖DNAに結合する。7-AADは、アルゴンレーザーによって488nmで励起することができる。7-AADは、比較的大きなストークスシフトを有し、最大波長647nmで発光する。これらのスペクトル特性により、7-AADは、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)及びフィコエリトリン(PE)など、488nmで励起される他の蛍光色素と組み合わせて使用することができる。
「凍結乾燥又はフリーズドライ」という用語は、材料を凍結させた後、昇華、つまり、氷が液相を残して直接蒸気に変わることを意味するもの、によって凍結水を除去するために使用されるプロセスを指す。一般に、フリーズドライ又は凍結乾燥技術は、化合物又は製剤を溶解、懸濁、又は乳化させ;得られた溶液、懸濁液、又はエマルジョンを凍結させ;次に、それに真空を適用して、材料を溶解、懸濁、又は乳化するために使用された凍結塊内の溶媒及び他の液体を昇華/蒸発させることである。凍結乾燥/フリーズドライは、温度に敏感な食品又は特に薬剤など、ある特定の物質を穏やかに保存するために最もよく使用される方法である。ここで、物質は凍結状態で乾燥しており、水又は別の溶媒を加えると、特に容易に元の状態に戻り得る。これにより、プロセスは一般に、出発製品の温度が-70℃まで凍結されることに基づいている。乾燥プロセスは、耐圧容器(凍結乾燥機)内で高真空下で行われ、昇華によって水分が除去され、フリーズドライ物質が得られる。
薬学的に許容されるケーキは、再構成後に経口若しくは非経口的に投与することができ、又は再構成せずに経口的に飲み込むことができる。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容されるケーキ」とは、ある特定の望ましい性質、例えば、薬学的に許容される、長期安定性、短い再構成時間、洗練された外観及び再構成時の元の溶液の性質の維持などを有する、凍結乾燥後に残る非崩壊固形医薬品を指す。薬学的に許容されるケーキは、固体、粉末又は粒状材料であり得る。本明細書で使用される場合、「間葉系幹細胞の凍結乾燥粉末」は、凍結乾燥間葉系幹細胞の薬学的に許容されるケーキを指すこともできる。薬学的に許容されるケーキは、質量でケーキの最大5パーセントの水を含有することもできる。
本発明で使用される「成分」という用語は、医薬品に定型的に使用される医薬賦形剤を指す。成分又は賦形剤の例としては、抗酸化剤、緩衝液、キレート剤、及び凍結保護剤が挙げられる。凍結保護剤の例としては、糖、PEG、及びある特定の無機塩が挙げられる。ポリマーの例としては、ポリビニルピロリジン(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG)、及びポリビニルアルコール(PVA)が挙げられる。本発明による最も好ましい成分は、凍結保護剤、ヒト血清アルブミン、グリセロール、ポリエチレングリコール(PEG)又はポリビニルピロリジン(PVP)のうちの1種又は複数から選択される。
「凍結保護剤」という用語は、活性成分(例えば、この場合間葉系幹細胞)を保護するために製剤に加えられる物質を指す。凍結保護剤は、凍結乾燥中の物に損傷を防ぐために加えられる物質である。凍結保護剤は一般に、発生する脱水の影響を受けやすい製品を保護するために凍結乾燥に使用される化合物である。凍結保護剤としては定型的に、糖、ポリアルコール、及びそれらの誘導体が挙げられる。好ましい実施形態では、凍結保護剤は、トレハロース、スクロース、ラクトース、グルコース、ラフィノース、デキストラン、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、及びそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1種の糖である。
ヒト血清アルブミンは、ヒトの血漿中に存在する主要なタンパク質である。アルブミンの主な機能は、血液の浸透圧を維持することである。アルブミンは、水、カチオン(Ca2+、Na+、K+など)、脂肪酸、ホルモン、ビリルビン、チロキシン(T4)、及び医薬品(バルビツール酸塩を含む)に結合する。アルブミンは、健康なヒトの総タンパク質含有量のおよそ50%に相当する。ヒトアルブミンは、小さな球状タンパク質(分子量:66.5kDa)であり、3つのリピートホモログドメイン(部位I、II、及びIII)で構成された585アミノ酸の単鎖からなる。各ドメインは2つの別個のサブドメイン(A及びB)で構成されている。
ヒト血清アルブミン(HSA)は、典型的には、可溶性、球状、及び非グリコシル化単量体タンパク質と呼ばれており;主にステロイド、脂肪酸、及び甲状腺ホルモンのキャリアタンパク質として機能し、細胞外液量の安定化に重要な役割を果たす。HSAは、重篤な火傷、出血性ショック、低タンパク血症、胎児赤芽球症、及び肝硬変による腹水の処置に臨床的に広く使用されている。HSAは、ワクチン及び治療用タンパク質治療薬の賦形剤として、またワクチン及び医薬品の製造における細胞培養培地のサプリメントとしても使用されている。
ミコース又はトレマロースとしても知られるトレハロースは、2つのa-グルコース単位間のa,a-1,1-グルコシド結合によって形成されるアルファ結合二糖である。トレハロースの化学名は(2R,3S,4S,5R,6R)-2-(ヒドロキシメチル)-6-[(2R,3R,4S,5S,6R)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-2-イル]オキシオキサン-3,4,5-トリオール(IUPAC命名規則)である。
デキストランは、主にガラス転移温度が高く、室温での保管が可能であるため、乾燥タンパク質製剤の多糖凍結保護剤として頻繁に使用されている。不活性添加剤として、デキストランは医薬品の保存剤として使用するのに特に好適である。その結果、生物学的製剤を含む、保存剤としてデキストランを含む多数の薬物が市場で流通している。デキストランは、強固で洗練されたケーキ構造を形成して、急速に凍結乾燥することができる、優れた非晶質増量剤を提供する。デキストランを凍結乾燥中にスクロース又はトレハロースと一緒に使用すると、保管安定性が向上する。
グリセロールは、プロパンの1、2、及び3位がヒドロキシ基で置換された構造を有するトリオールである。グリセロールは、オスモライト、溶媒、界面活性剤、ヒト代謝物、藻類代謝物、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)代謝物、大腸菌(Escherichia coli)代謝物、及びマウス代謝物としての役割を果たす。グリセロールは、アルジトール及びトリオールである。
ポリエチレングリコール(PEG)は、酸化エチレンと水とが縮合して作製される製品であり、種々の誘導体を含むことができ、種々の機能を有する。多くのPEGタイプは親水性であるため、浸透促進剤として好んで使用され、皮膚科用局所製剤に多用されている。PEGは、その多くの非イオン性誘導体とともに、界面活性剤、乳化剤、クレンジング剤、保湿剤、及びスキンコンディショナーとして化粧品に広く利用されている。
ポリエチレングリコール400(PEG400)は、低レベルの毒性を有する低分子量グレードのポリエチレングリコールである。PEG400は非常に親水性が高いため、水に溶けにくい薬物の溶解性及び生物学的利用能を増大させる薬物製剤の有用な成分となる。PEG400は、目の乾燥に伴う灼熱感、刺激及び/又は不快感を軽減するための点眼液に使用されている。PEG「400」は、特定のPEGの平均分子量が400であることを示す。
ポリエチレングリコール8000(PEG8000)は、主に種々の製剤の溶媒として使用される高分子ポリエチレングリコール(マクロゴール)である。高分子量PEGは、水及びアルコールなどの有機溶媒に可溶である。これを他の分子量のPEGとブレンドして、所望の特性、すなわち粘度を達成することができる。
「トリプシン処理」は、タンパク質を分解するタンパク質分解酵素であるトリプシンを使用して、培養されている容器から接着細胞を剥離する細胞剥離のプロセスである。トリプシンは、細胞培養物に加えられると、細胞が容器に接着できるようにするタンパク質を分解する。
細胞培養の継代数は、培養が継代培養された回数、つまり採取され、複数の「娘」細胞培養フラスコに再播種された回数の記録である。細胞をトリプシン処理して凍結させ、次いで解凍して再播種すると、冷凍庫内で一次的中断が発生する場合でも、これは1回の継代に相当する。
本明細書で使用される「室温」とは、通常の保管条件を指し、気候条件に応じて、乾燥した清潔な換気の良い領域で、-25℃~30℃の間又は最高45℃の室温で保管することを意味する。「室温」は、作業領域の一般的な温度を指す場合もある。
本明細書で使用される場合、「医薬組成物」は、本明細書に記載の凍結乾燥間葉系幹細胞(MSC)又はMSCの凍結乾燥粉末の治療有効量を指す。医薬組成物は、凍結乾燥間葉系幹細胞(MSC)又はMSCの凍結乾燥粉末の、それを必要とする対象への投与を容易にすることができる、薬学的に許容される担体などの他の成分と組み合わせてもよい。
「薬学的に許容される担体」という用語は、対象に重大な刺激を引き起こさず、凍結乾燥間葉系幹細胞(MSC)又はMSCの凍結乾燥粉末の生物学的活性及び特性を無効にしない担体又は希釈剤を指す。薬学的に許容される担体としては、生理食塩水、リンゲル液、リン酸緩衝生理食塩水、及び当技術分野で公知の他の担体が挙げられるが、これらに限定されない。
以下は、本開示の態様である。
一実施形態では、本開示は、凍結乾燥間葉系幹細胞(MSC)を提供する。
一実施形態では、本開示は、間葉系幹細胞の凍結乾燥粉末を提供する。
本明細書に記載される実施形態の一態様では、間葉系幹細胞は、臍帯間葉系幹細胞、胎盤間葉系幹細胞、脂肪組織由来間葉系幹細胞、角膜輪部組織由来間葉系幹細胞、及び骨髄間葉系幹細胞、並びにそれらの組合せからなる群から選択される。
本明細書に記載される実施形態の別の態様では、間葉系幹細胞が、脂肪組織由来間葉系幹細胞である。
本明細書に記載される実施形態の別の態様では、間葉系幹細胞が、ヒト間葉系幹細胞である。
本明細書に記載される実施形態の別の態様では、間葉系幹細胞が、ヒト脂肪組織由来間葉系幹細胞である。
本明細書に記載される実施形態の別の態様では、間葉系幹細胞は、成分の種々の組合せの存在下で異なる凍結乾燥プロトコールに曝露される。
本明細書に記載される実施形態の別の態様では、凍結乾燥混合物中の間葉系幹細胞が、成分の種々の組合せを含む。
本明細書に記載される実施形態の別の態様では、成分を含む間葉系幹細胞凍結乾燥粉末であって、成分が、凍結保護剤、ヒト血清アルブミン、グリセロール、ポリエチレングリコール(PEG)からの1種又は複数から選択される、間葉系幹細胞凍結乾燥粉末。
本明細書に記載される実施形態の一態様では、間葉系幹細胞凍結乾燥粉末は、間葉系幹細胞及び凍結乾燥混合物を含む。
本明細書に記載される実施形態の別の態様では、凍結乾燥混合物は、トレハロース、スクロース、ラクトース、グルコース、ラフィノース、デキストラン、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の凍結保護剤を含む。
本明細書に記載される実施形態の一態様では、少なくとも1種の凍結保護剤はトレハロースである。
本明細書に記載される実施形態の一態様では、少なくとも1種の凍結保護剤はデキストランである。
本明細書に記載される実施形態の一態様では、少なくとも1種の凍結保護剤は、トレハロースとデキストランとの組合せを含む。
本明細書に記載される実施形態の別の態様では、凍結乾燥混合物がヒト血清アルブミンを含む。
本明細書に記載される実施形態のさらに別の態様では、凍結乾燥混合物はグリセロールを含む。
本明細書に記載される実施形態のさらに別の態様では、凍結乾燥混合物はポリエチレングリコール(PEG)を含む。実施形態の一態様では、凍結乾燥混合物は、PEG400、及び/又はPEG8000を含む。
本明細書に記載される実施形態の別の態様では、凍結乾燥混合物が、(a)ヒト血清アルブミン、及び(b)トレハロースを含む。
本明細書に記載される実施形態の別の態様では、凍結乾燥混合物が、(a)ヒト血清アルブミン、(b)トレハロース、及び(c)グリセロールを含む。
本明細書に記載される実施形態の別の態様では、凍結乾燥混合物が、(a)ヒト血清アルブミン、(b)トレハロース、(c)グリセロール、及び(d)デキストランを含む。
本明細書に記載される実施形態の別の態様では、凍結乾燥混合物が、(a)ヒト血清アルブミン、(b)トレハロース、(c)グリセロール、(d)デキストラン、及び(e)ポリエチレングリコール(PEG)を含む。
本明細書に記載される実施形態の別の態様では、凍結乾燥混合物が、(a)ヒト血清アルブミン、(b)トレハロース、(c)グリセロール、(d)デキストラン、及び(e)PEG400を含む。
本明細書に記載される実施形態の別の態様では、凍結乾燥混合物が、(a)ヒト血清アルブミン、(b)トレハロース、(c)PEG400、及び(d)PEG8000を含む。
本発明の一態様では、間葉系幹細胞の凍結乾燥から得られる薬学的に許容されるケーキが記載される。
本発明の別の態様では、凍結乾燥間葉系幹細胞は、室温で保管される。
本発明の別の態様では、凍結乾燥間葉系幹細胞は、安全であり、輸送が容易である。
本発明の別の態様では、凍結乾燥間葉系幹細胞は輸送後に安定である。
本明細書に記載される実施形態の一態様では、間葉細胞の凍結乾燥粉末は、間葉系幹細胞と、本明細書に記載の凍結乾燥混合物とを含み、凍結乾燥後の間葉系幹細胞の生存率が、約15%~約97%の間に維持される。
本明細書に記載される実施形態の一態様では、間葉細胞の凍結乾燥粉末は、間葉系幹細胞と、本明細書に記載の凍結乾燥混合物とを含み、凍結乾燥後の間葉系幹細胞の生存率が、約25%~約90%の間に維持される。
本明細書に記載される実施形態の別の態様では、間葉細胞の凍結乾燥粉末は、間葉系幹細胞と、本明細書に記載の凍結乾燥混合物とを含み、凍結乾燥後の間葉系幹細胞の生存率が、約0%~約30%に減少又は低下する。
本明細書に記載される実施形態の別の態様では、凍結乾燥粉末中の凍結乾燥間葉系幹細胞は、長期保存が可能である。さらに、凍結乾燥粉末は、費用効率の高い方法で試料の輸送及び流通が容易になるという追加の利点を提供する。
本明細書に記載される実施形態のさらに別の態様では、凍結乾燥間葉系幹細胞の薬学的に許容されるケーキを提供する。
本明細書に記載される実施形態の別の態様では、間葉系幹細胞が、ヒト脂肪組織由来間葉系幹細胞である、凍結乾燥間葉系幹細胞の薬学的に許容されるケーキ。
本明細書に記載される実施形態の別の態様では、凍結乾燥間葉系幹細胞の薬学的に許容されるケーキは、固体、粉末又は粒状材料であり得る。
本明細書に記載される実施形態の別の態様では、凍結乾燥間葉系幹細胞の薬学的に許容されるケーキは、質量でケーキの最大5パーセントの水を含有する。
本明細書に記載される実施形態の別の態様では、間葉系幹細胞は、成分の種々の組合せの存在下で異なる凍結乾燥プロトコールに曝露される、凍結乾燥間葉系幹細胞の薬学的に許容されるケーキ。
本明細書に記載される実施形態の別の態様では、凍結乾燥混合物中の間葉系幹細胞が、成分の種々の組合せを含む、凍結乾燥間葉系幹細胞の薬学的に許容されるケーキ。
本明細書に記載される実施形態の別の態様では、成分が、凍結保護剤、ヒト血清アルブミン、グリセロール、ポリエチレングリコール(PEG)からの1種又は複数から選択される、凍結乾燥間葉系幹細胞の薬学的に許容されるケーキ。
本明細書に記載される実施形態の別の態様では、成分を含む凍結乾燥間葉系幹細胞の薬学的に許容されるケーキであって、成分がヒト血清アルブミンである。
本明細書に記載される実施形態の別の態様では、凍結保護剤が、トレハロース、スクロース、ラクトース、グルコース、ラフィノース、デキストラン、マンニトール、ソルビトール又はキシリトールのうちの1種又はいくつかの混合物から選択される、成分。
本明細書に記載される実施形態の別の態様では、凍結乾燥後の間葉系幹細胞の生存率が、約15%~約97%の間である、凍結乾燥間葉系幹細胞の薬学的に許容されるケーキ。
本開示は、間葉系幹細胞及び凍結乾燥混合物を含む間葉系幹細胞の凍結乾燥粉末であって、凍結乾燥後の間葉系幹細胞の生存率が約15%~約97%の間に維持される、間葉系幹細胞の凍結乾燥粉末を提供する。一実施形態では、凍結乾燥後の間葉系幹細胞の生存率が、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、又は約97%に維持される。
本明細書に記載される実施形態の別の態様では、凍結乾燥後の間葉系幹細胞の生存率が約25%~約90%の間である、凍結乾燥間葉系幹細胞の薬学的に許容されるケーキ。
本開示は、間葉系幹細胞及び凍結乾燥混合物を含む間葉系幹細胞の凍結乾燥粉末であって、凍結乾燥後の間葉系幹細胞の生存率が約25%~約90%の間に維持される、間葉系幹細胞の凍結乾燥粉末を提供する。一実施形態では、間葉系幹細胞の生存率が、凍結乾燥後、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、又は約90%に維持される。
一実施形態では、間葉系幹細胞の生存率が、凍結乾燥後、約0%~約30%に低下する。実施形態の一態様では、凍結乾燥後の間葉系幹細胞の生存率が、約0.1%、約0.5%、約1%、約2.5%、約5%、約7.5%、約10%、約12.5%、約15%、約17.5%、約20%、約22.5%、約25%、約27.5%、約30%、約32.5%、約35%、約37.5%、又は約40%に減少する。
本明細書に開示される一実施形態では、間葉系幹細胞は、臍帯間葉系幹細胞、胎盤間葉系幹細胞、脂肪組織由来間葉系幹細胞、角膜輪部組織由来間葉系幹細胞、骨髄間葉系幹細胞、及びそれらの組合せからなる群から選択され得る。
本明細書に開示される一実施形態では、凍結乾燥混合物は、少なくとも1種の抗酸化剤、少なくとも1種の糖、少なくとも1種の膜安定剤、少なくとも1種の高分子量分子を含むがこれらに限定されない凍結保護剤を含む。実施形態の一態様では、少なくとも1種の糖は、トレハロース、スクロース、ラクトース、グルコース、ラフィノース、デキストラン、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、及びそれらの組合せからなる群から選択される。
本明細書に開示される実施形態の一態様では、少なくとも1種の糖は、約25mM~約1000mMの量で存在する。好ましい実施形態では、少なくとも1種の糖は、約25mM、約50mM、約75mM、約100mM、約125mM、約150mM、約175mM、約200mM、約225mM、約250mM、約275mM、約300mM、約325mM、約350mM、約375mM、約400mM、約425mM、約450mM、約475mM、約500mM、約525mM、約550mM、約575mM、約600mM、約625mM、約650mM、約675mM、約700mM、約725mM、約750mM、約775mM、約800mM、約825mM、約850mM、約875mM、約900mM、約925mM、約950mM、約975mM、又は約1000mMの量で存在する。一実施形態では、少なくとも1種の糖はトレハロースである。
本明細書に開示される実施形態の一態様では、少なくとも1種の糖は、全凍結乾燥混合物の約0.01%(w/w)~約10%(w/w)の量で存在する。実施形態の別の態様では、少なくとも1種の糖は、全凍結乾燥混合物の約0.01%(w/w)、約0.02%(w/w)、約0.03%(w/w)、約0.04%(w/w)、約0.05%(w/w)、約0.06%(w/w)、約0.07%(w/w)、約0.08%(w/w)、約0.09%(w/w)、約0.1%(w/w)、約0.15%(w/w)、約0.2%(w/w)、約0.25%(w/w)、約0.3%(w/w)、約0.35%(w/w)、約0.4%(w/w)、約0.45%(w/w)、約0.5%(w/w)、約0.6%(w/w)、約0.7%(w/w)、約0.8%(w/w)、約0.9%(w/w)、約1%(w/w)、約1.5%(w/w)、約2%(w/w)、約2.5%(w/w)、約3%(w/w)、約3.5%(w/w)、約4%(w/w)、約4.5%(w/w)、約5%(w/w)、約5.5%(w/w)、約6%(w/w)、約6.5%(w/w)、約7%(w/w)、約7.5%(w/w)、約8%(w/w)、約8.5%(w/w)、約9%(w/w)、約9.5%(w/w)、又は約10%(w/w)の量で存在する。一実施形態では、少なくとも1種の糖はデキストランである。
本明細書に開示される実施形態の別の態様では、少なくとも1種の糖は、約25mM~約1000mMの量のトレハロース及び全凍結乾燥混合物の約0.01%(w/w)~約5%(w/w)の量のデキストランを含む。
本明細書に開示される一実施形態では、凍結乾燥混合物は、ヒト血清アルブミン(HSA)を含む。本明細書に開示される別の実施形態では、HSAは、全凍結乾燥混合物の約0.01%(w/w)~約10%(w/w)の量で存在する。実施形態の別の態様では、HSAは、全凍結乾燥混合物の約0.01%(w/w)、約0.02%(w/w)、約0.03%(w/w)、約0.04%(w/w)、約0.05%(w/w)、約0.06%(w/w)、約0.07%(w/w)、約0.08%(w/w)、約0.09%(w/w)、約0.1%(w/w)、約0.15%(w/w)、約0.2%(w/w)、約0.25%(w/w)、約0.3%(w/w)、約0.35%(w/w)、約0.4%(w/w)、約0.45%(w/w)、約0.5%(w/w)、約0.6%(w/w)、約0.7%(w/w)、約0.8%(w/w)、約0.9%(w/w)、約1%(w/w)、約1.5%(w/w)、約2%(w/w)、約2.5%(w/w)、約3%(w/w)、約3.5%(w/w)、約4%(w/w)、約4.5%(w/w)、約5%(w/w)、約5.5%(w/w)、約6%(w/w)、約6.5%(w/w)、約7%(w/w)、約7.5%(w/w)、約8%(w/w)、約8.5%(w/w)、約9%(w/w)、約9.5%(w/w)、又は約10%(w/w)の量で存在する。
本明細書に開示される一実施形態では、凍結乾燥混合物は、生物学的材料の保存に従来から使用されている1種又は複数のポリアルコール(例えば、グリセロール)を含む。本明細書に開示される実施形態の一態様では、凍結乾燥混合物は、全凍結乾燥混合物の約0.01%(w/w)~約5%(w/w)の量のグリセロールを含む。実施形態の別の態様では、グリセロールは、全凍結乾燥混合物の約0.01%(w/w)、約0.02%(w/w)、約0.03%(w/w)、約0.04%(w/w)、約0.05%(w/w)、約0.06%(w/w)、約0.07%(w/w)、約0.08%(w/w)、約0.09%(w/w)、約0.1%(w/w)、約0.15%(w/w)、約0.2%(w/w)、約0.25%(w/w)、約0.3%(w/w)、約0.35%(w/w)、約0.4%(w/w)、約0.45%(w/w)、約0.5%(w/w)、約0.6%(w/w)、約0.7%(w/w)、約0.8%(w/w)、約0.9%(w/w)、約1%(w/w)、約1.5%(w/w)、約2%(w/w)、約2.5%(w/w)、約3%(w/w)、約3.5%(w/w)、約4%(w/w)、約4.5%(w/w)、及び約5%(w/w)の量で存在する。
本明細書に開示される一実施形態では、凍結乾燥混合物は、PEG400を含む。本明細書に開示される別の実施形態では、PEG400は、全凍結乾燥混合物の約0.01%(w/w)~約10%(w/w)の量で存在する。実施形態の別の態様では、HSAは、全凍結乾燥混合物の約0.01%(w/w)、約0.02%(w/w)、約0.03%(w/w)、約0.04%(w/w)、約0.05%(w/w)、約0.06%(w/w)、約0.07%(w/w)、約0.08%(w/w)、約0.09%(w/w)、約0.1%(w/w)、約0.15%(w/w)、約0.2%(w/w)、約0.25%(w/w)、約0.3%(w/w)、約0.35%(w/w)、約0.4%(w/w)、約0.45%(w/w)、約0.5%(w/w)、約0.6%(w/w)、約0.7%(w/w)、約0.8%(w/w)、約0.9%(w/w)、約1%(w/w)、約1.5%(w/w)、約2%(w/w)、約2.5%(w/w)、約3%(w/w)、約3.5%(w/w)、約4%(w/w)、約4.5%(w/w)、約5%(w/w)、約5.5%(w/w)、約6%(w/w)、約6.5%(w/w)、約7%(w/w)、約7.5%(w/w)、約8%(w/w)、約8.5%(w/w)、約9%(w/w)、約9.5%(w/w)、又は約10%(w/w)の量で存在する。
本明細書に記載される実施形態の一態様では、間葉系幹細胞は、凍結乾燥後、陽性マーカーを発現する。実施形態の一態様では、陽性マーカーは、CD90、CD44、CD29、CD105、CD13、CD34、CD73、CD166、CD10、CD49e及びCD59からなる群から選択される1種又は複数のマーカーを含む。本明細書に記載される実施形態の別の態様では、間葉系幹細胞の少なくとも約60%~約98%が、凍結乾燥後、CD90、CD44、CD29、CD105、CD13、CD34、CD73、CD166、CD10、CD49e及びCD59からなる群から選択される1種又は複数のマーカーを発現する。本明細書に記載される実施形態のさらに別の態様では、凍結乾燥後の間葉系幹細胞の少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも96%、少なくとも約97%、又は少なくとも約98%が、CD90、CD44、CD29、CD105、CD13、CD34、CD73、CD166、CD10、CD49e及びCD59からなる群から選択される1種又は複数のマーカーを発現する。
本明細書に記載される実施形態の一態様では、間葉系幹細胞は、凍結乾燥後、陰性マーカーを発現する。実施形態の一態様では、陰性マーカーは、CD31、CD45、CD14、CD11b、CD19、CD56及びCD146からなる群から選択される1種又は複数を含む。本明細書に記載される実施形態の別の態様では、間葉系幹細胞の約2%~約20%以下が、凍結乾燥後、CD31、CD45、CD14、CD11b、CD19、CD56及びCD146からなる群から選択される1種又は複数のマーカーを発現する。さらに別の実施形態では、間葉系幹細胞の約2%以下、約4%以下、約6%以下、約8%以下、約10%以下、約12%以下、約14%、約16%以下、約18%以下、又は約20%以下が、凍結乾燥後、CD31、CD45、CD14、CD11b、CD19、CD56及びCD146からなる群から選択される1種又は複数のマーカーを発現する。
本明細書に記載される実施形態の一態様では、凍結乾燥後の間葉系幹細胞の染色体、ゲノム、及びエピゲノムプロファイルを、インビトロ増殖中の異なる継代で評価及び比較することができる。
本明細書に記載される実施形態の一態様では、凍結乾燥後、凍結乾燥間葉系幹細胞はケーキになる。このようなケーキは薬学的に許容されるべきである。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容されるケーキ」とは、ある特定の望ましい性質、例えば、薬学的に許容される、長期安定性、短い再構成時間、洗練された外観及び再構成時の元の溶液の性質の維持などを有する、凍結乾燥後に残る非崩壊固形医薬品を指す。薬学的に許容されるケーキは、固体、粉末又は粒状材料であり得る。薬学的に許容されるケーキは、質量でケーキの最大5パーセントの水を含有することもできる。
本発明をその特定の実施形態に関して説明してきたが、ある特定の修正及び均等物は当業者には明らかであり、本発明の範囲内に含まれることが意図される。
本開示は、特定の実施形態に関連して以下でさらに説明され、本開示の利点及び特徴はその説明によってより明らかになるであろう。しかし、これらの実施形態は単なる例示であり、本開示の範囲を限定するものではない。当業者は、本開示の技術的解決策の詳細及び形態は、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく変更又は置き換えることができるが、これらの修正及び置き換えは、本開示の保護範囲内に含まれることを理解すべきである。
(実施例1)
間葉系幹細胞(MSC)に対する凍結乾燥の効果を、成分の種々の組合せの存在下で細胞を異なる凍結乾燥プロトコールに曝露することによって研究した。凍結乾燥の前後で、細胞の生存率を分析した。
Figure 2024501087000001
a.細胞懸濁液の調製
細胞を増殖培地(DMEM-LG)で増殖させて、90%コンフルエンシーに到達させた。90%コンフルエンスに達したら、細胞をDMEM-LG中の100mMトレハロースに37℃で24時間曝露した。次に細胞をトリプシン処理し、凍結乾燥溶液の9種の異なる組合せに再懸濁した。細胞懸濁液の一部を使用して、フローサイトメトリーによる凍結乾燥前の生存率及び細胞表面マーカー分析を実行した。
Figure 2024501087000002

すべての溶液を、フェノールレッド、グルコース及びL-グルタミンを含まないDMEM-LGで調製した(ビヒクル)。
Figure 2024501087000003

上の表からわかるように、7AAD染色によって分析された観察による凍結乾燥前の細胞生存率は78.96%である。細胞表面マーカー分析は、細胞集団の65.71%がCD90発現、細胞集団の65.18%がCD73発現、及び細胞集団の56.25%がCD105発現を示す。
b.フローサイトメトリーによる凍結乾燥後の生存率分析:
凍結乾燥細胞の生存率を、凍結乾燥の17日後に7AAD染色によって分析した。凍結乾燥生成物の各組合せを、1×PBS中で個別に再構成し、細胞を300gで遠心分離してペレットを得た。ペレットを、1×PBSに再懸濁した。次に、細胞を7AAD色素で染色し、フローサイトメトリーで細胞生存率を分析した。
表2に示す間葉系幹細胞凍結乾燥混合物の各組合せを、凍結乾燥させた。凍結乾燥後、凍結乾燥生成物を20mmアルミニウムフリップシールで密封し、2~8℃で最低14日間保管した。
Figure 2024501087000004
(実施例2)
実施例1と同様に、間葉系幹細胞(MSC)に対する凍結乾燥の効果を、成分の種々の組合せの存在下で細胞を異なる凍結乾燥プロトコールに曝露することによって研究した。凍結乾燥の前後で、細胞の生存率を分析した。
Figure 2024501087000005
a.細胞懸濁液の調製
細胞を増殖培地(DMEM-LG)で増殖させて、90%コンフルエンシーに到達させた。90%コンフルエンスに達したら、細胞をDMEM-LG中の100mMトレハロースに37℃で24時間曝露した。次に細胞をトリプシン処理し、凍結乾燥溶液の9種の異なる組合せに再懸濁した。細胞懸濁液の一部を使用して、フローサイトメトリーによる凍結乾燥前の生存率及び細胞表面マーカー分析を実行した。
Figure 2024501087000006

すべての溶液を、フェノールレッド、グルコース及びL-グルタミンを含まないDMEM-LGで調製した(ビヒクル)。
Figure 2024501087000007

上の表からわかるように、7AAD染色によって分析された観察による凍結乾燥前の細胞生存率は66.71%である。細胞表面マーカー分析は、細胞集団の80.12%がCD90発現、細胞集団の91.20%がCD73発現、及び細胞集団の38.75%がCD105発現を示す。
表6に示す間葉系幹細胞凍結乾燥混合物の各組合せを、凍結乾燥させた。凍結乾燥後、凍結乾燥生成物を20mmアルミニウムフリップシールで密封し、2~8℃で最低14日間保管した。
b.フローサイトメトリーによる凍結乾燥後の生存率分析:
凍結乾燥細胞の生存率を、凍結乾燥の17日後に7AAD染色によって分析した。簡単に言うと、凍結乾燥生成物の各組合せを、1×PBS中で個別に再構成し、細胞を300gで遠心分離してペレットを得た。ペレットを、1×PBSに再懸濁した。次に、細胞を7AAD色素で染色し、フローサイトメトリーで細胞生存率を分析した。
Figure 2024501087000008
実施例1及び実施例2で得られた初期結果に留意して、種々の実験を計画し実行した、以下の実施例は、現在本発明の最も実用的で好ましい実施形態と考えられるものに関連してさらに詳細を提供する。
(実施例3)
実施例1及び実施例2と同様に、間葉系幹細胞(MSC)に対する凍結乾燥の効果を、成分の種々の組合せの存在下で細胞を異なる凍結乾燥プロトコールに曝露することによって研究した。凍結乾燥の前後で、細胞の生存率を分析した。
Figure 2024501087000009

細胞を増殖培地(DMEM-LG)で増殖させて、90%コンフルエンシーに到達させた。90%コンフルエンスに達したら、細胞をDMEM-LG中の100mMトレハロースに37℃で24時間曝露した。次に細胞をトリプシン処理し、凍結乾燥溶液の6種の組合せに再懸濁した。細胞懸濁液の一部を使用して、フローサイトメトリーによる凍結乾燥前の生存率及び細胞表面マーカー分析を実行した。
Figure 2024501087000010

すべての溶液を、フェノールレッド、グルコース及びL-グルタミンを含まないDMEM-LGで調製した(ビヒクル)。
フローサイトメトリーによる凍結乾燥前の生存率及び細胞表面マーカー分析
Figure 2024501087000011

上の表からわかるように、7AAD染色によって分析された観察による凍結乾燥前の細胞生存率は100%である。
表10に記載のように、間葉系幹細胞凍結乾燥混合物の各組合せを、凍結乾燥させた。凍結乾燥後、凍結乾燥生成物を含有するバイアルを密封し、2~80℃で最低14日間保管した。
フローサイトメトリーによる凍結乾燥後の生存率及び細胞表面マーカー分析:
凍結乾燥細胞の1セットの生存率を、凍結乾燥2日後に7AAD染色によって分析した。MSC特異的表面マーカーを、対応する抗体で細胞を染色することによって分析した。
簡単に言うと、凍結乾燥生成物の各組合せを、1×PBS中で個別に再構成し、細胞を300gで遠心分離してペレットを得た。ペレットを、1×PBSに再懸濁した。次に、細胞の一部を7AAD色素で染色し、フローサイトメトリーにより細胞生存率を分析した(その結果を表12に示す)。残りの細胞を、MSC特異的表面マーカー抗体で染色した(その結果を表13に示す)。
Figure 2024501087000012
Figure 2024501087000013
(実施例4)
フローサイトメトリーによる凍結乾燥溶液の以下の7種の組合せについての凍結乾燥前の生存率及び細胞表面マーカー分析を、実施例3に記載の手順に従って実行した(継代番号:P4)。
Figure 2024501087000014

すべての溶液を、フェノールレッド、グルコース及びL-グルタミンを含まないDMEM-LGで調製した(ビヒクル)。
Figure 2024501087000015

フローサイトメトリーによる凍結乾燥後の生存率及び細胞表面マーカー分析
凍結乾燥の10日後、実施例3に記載の手順に従って、生存率及びMSC特異的表面マーカーを分析した。図1は、組合せ4A~4Gの凍結乾燥ケーキの代表的な画像を示す。
Figure 2024501087000016
Figure 2024501087000017
(実施例5)
フローサイトメトリーによる凍結乾燥溶液の以下の24種の組合せについての凍結乾燥前の生存率及び細胞表面マーカー分析を、実施例3に記載の手順に従って実行した(継代番号:P8)。
Figure 2024501087000018

すべての溶液を、フェノールレッド、グルコース及びL-グルタミンを含まないDMEM-LGで調製した(ビヒクル)。
フローサイトメトリーによる凍結乾燥前の生存率及び細胞表面マーカー分析
Figure 2024501087000019
フローサイトメトリーによる凍結乾燥後の生存率及び細胞表面マーカー分析:
凍結乾燥の15日後、実施例3に記載の手順に従って、生存率及びMSC特異的表面マーカーを分析した。図2は、組合せ5A~5Xの凍結乾燥ケーキの代表的な画像を示す。
Figure 2024501087000020
Figure 2024501087000021
(実施例6)
フローサイトメトリーによる凍結乾燥溶液の以下の25種の組合せについての凍結乾燥前の生存率及び細胞表面マーカー分析を、実施例3に記載の手順に従って実行した(継代番号:P6)。
Figure 2024501087000022

すべての溶液を、フェノールレッド、グルコース及びL-グルタミンを含まないDMEM-LGで調製した(ビヒクル)。
フローサイトメトリーによる凍結乾燥前の生存率及び細胞表面マーカー分析
Figure 2024501087000023
フローサイトメトリーによる凍結乾燥後の生存率及び細胞表面マーカー分析:
凍結乾燥の16日後、実施例3に記載の手順に従って、生存率(表24)及びMSC特異的表面マーカー(表25)を分析した。図3は、組合せ6A~6Zの凍結乾燥ケーキの代表的な画像を示す。
Figure 2024501087000024
Figure 2024501087000025
(実施例7)
フローサイトメトリーによる凍結乾燥溶液の以下の23種の組合せについての凍結乾燥前の生存率及び細胞表面マーカー分析を、実施例3に記載の手順に従って実行した(継代番号:P6)。
Figure 2024501087000026

すべての溶液を、フェノールレッド、グルコース及びL-グルタミンを含まないDMEM-LGで調製した(ビヒクル)。
フローサイトメトリーによる凍結乾燥前の生存率及び細胞表面マーカー分析
Figure 2024501087000027
フローサイトメトリーによる凍結乾燥後の生存率及び細胞表面マーカー分析:
凍結乾燥の18日後、実施例3に記載の手順に従って、生存率及びMSC特異的表面マーカーを分析した。図4は、組合せ7A~7Xの凍結乾燥ケーキの代表的な画像を示す。
Figure 2024501087000028
Figure 2024501087000029
(実施例8)
フローサイトメトリーによる凍結乾燥溶液の以下の15種の組合せについての凍結乾燥前の生存率及び細胞表面マーカー分析を、実施例3に記載の手順に従って実行した(継代番号:P2)。
Figure 2024501087000030

すべての溶液を、フェノールレッド、グルコース及びL-グルタミンを含まないDMEM-LGで調製した(ビヒクル)。
Figure 2024501087000031
フローサイトメトリーによる凍結乾燥後の生存率及び細胞表面マーカー分析:
凍結乾燥の24日後、実施例3に記載の手順に従って、生存率及びMSC特異的表面マーカーを分析した。8N、8O、及び8Pの組合せでは、凍結乾燥生成物は吹き出しを示した。図5は、組合せ8A~8Mの凍結乾燥ケーキの代表的な画像を示す。
Figure 2024501087000032
Figure 2024501087000033
(実施例9)
フローサイトメトリーによる凍結乾燥溶液の以下の10種の組合せについての凍結乾燥前の生存率及び細胞表面マーカー分析を、実施例3に記載の手順に従って実行した(継代番号:P5)。
Figure 2024501087000034

すべての溶液を、フェノールレッド、グルコース及びL-グルタミンを含まないDMEM-LGで調製した(ビヒクル)。
Figure 2024501087000035

フローサイトメトリーによる凍結乾燥後の生存率及び細胞表面マーカー分析:
凍結乾燥の30日後、実施例3に記載の手順に従って、生存率及びMSC特異的表面マーカーを分析した。図6は、組合せ9A~9Kの凍結乾燥ケーキの代表的な画像を示す。
Figure 2024501087000036
Figure 2024501087000037
(実施例10)
フローサイトメトリーによる凍結乾燥溶液の以下の2種の組合せについての凍結乾燥前の生存率及び細胞表面マーカー分析を、実施例3に記載の手順に従って実行した(継代番号:P4)。
Figure 2024501087000038

すべての溶液を、フェノールレッド、グルコース及びL-グルタミンを含まないDMEM-LGで調製した(ビヒクル)。
Figure 2024501087000039

フローサイトメトリーによる凍結乾燥後の生存率及び細胞表面マーカー分析:
凍結乾燥の30日後、実施例3に記載の手順に従って、生存率及びMSC特異的表面マーカーを分析した。図7は、組合せ10A~10Bの凍結乾燥ケーキの代表的な画像を示す。
Figure 2024501087000040
Figure 2024501087000041
(実施例11)
フローサイトメトリーによる凍結乾燥溶液の以下の23種の組合せについての凍結乾燥前の生存率及び細胞表面マーカー分析を、実施例3に記載の手順に従って実行した(継代番号:P3)。
Figure 2024501087000042

すべての溶液を、フェノールレッド、グルコース及びL-グルタミンを含まないDMEM-LGで調製した(ビヒクル)。
Figure 2024501087000043
フローサイトメトリーによる凍結乾燥後の生存率及び細胞表面マーカー分析:
凍結乾燥の48日後、実施例3に記載の手順に従って、生存率及びMSC特異的表面マーカーを分析した。図8は、組合せ11A~11Vの凍結乾燥ケーキの代表的な画像を示す。
Figure 2024501087000044
Figure 2024501087000045
(実施例12)
フローサイトメトリーによる凍結乾燥溶液の以下の6種の組合せについての凍結乾燥前の生存率及び細胞表面マーカー分析を、実施例3に記載の手順に従って実行した(継代番号:P3)。
Figure 2024501087000046

すべての溶液を、フェノールレッド、グルコース及びL-グルタミンを含まないDMEM-LGで調製した(ビヒクル)。
Figure 2024501087000047

フローサイトメトリーによる凍結乾燥後の生存率及び細胞表面マーカー分析:
凍結乾燥の60日後、実施例3に記載の手順に従って、生存率及びMSC特異的表面マーカーを分析した。図9は、組合せ12A~12Fの凍結乾燥ケーキの代表的な画像を示す。
Figure 2024501087000048
Figure 2024501087000049
(実施例13)
フローサイトメトリーによる凍結乾燥溶液の以下の4種の組合せについての凍結乾燥前の生存率及び細胞表面マーカー分析を、継代番号:P8で、実施例3に記載の手順に従って実行した。
Figure 2024501087000050

すべての溶液を、フェノールレッド、グルコース及びL-グルタミンを含まないDMEM-LGで調製した(ビヒクル)。
Figure 2024501087000051

フローサイトメトリーによる凍結乾燥後の生存率及び細胞表面マーカー分析:
凍結乾燥の165日(5.5か月)後、実施例3に記載の手順に従って、生存率及びMSC特異的表面マーカーを分析した。
Figure 2024501087000052
Figure 2024501087000053
上記の実施例から、本明細書に記載される、3A、3B、3C、3D、3E、3F、4A、4B、4C、4E、4F、4G、5B、5C、5E、5H、5I、5J、5Q、5R、6B、6C、7A、7B、7C、7D、7E、7F、7G、7H、7I、7J、7K、7L、7M、7N、7O、7P、7Q、7R、7S、7T、7U、7V、7W、8C、8E、8H、8J、8K、8L、8M、10A、10B、11A、11C、11D、11E、11G、11H、11I、11J、11K、11L、11M、11N、11O、11P、11Q、11R、11S、11T、11U、12B、12C、12Eなどの76種の組合せは、凍結乾燥後の生存率の減少が30%未満である(生存率>70%)ことを示した。
以下の表54に、凍結乾燥後の細胞生存率の比較結果を要約し、ここで、凍結乾燥細胞は2~8℃で保存し、凍結乾燥後の細胞生存率について種々の時点で分析した。
Figure 2024501087000054
CN=組合せ番号;PL=凍結乾燥後
上の表の結果は、種々の組合せが再現可能な細胞生存率を示し、長期間(2~165日)保管した後でも安定であることを示している。

Claims (37)

  1. 間葉系幹細胞の凍結乾燥粉末。
  2. 間葉系幹細胞が、臍帯間葉系幹細胞、胎盤間葉系幹細胞、脂肪組織由来間葉系幹細胞、角膜輪部組織由来間葉系幹細胞、及び骨髄間葉系幹細胞、並びにそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の間葉系幹細胞凍結乾燥粉末。
  3. 間葉系幹細胞が、脂肪組織由来間葉系幹細胞である、請求項1に記載の間葉系幹細胞凍結乾燥粉末。
  4. 間葉系幹細胞が、ヒト間葉系幹細胞である、請求項1に記載の間葉系幹細胞凍結乾燥粉末。
  5. 間葉系幹細胞が、ヒト脂肪組織由来間葉系幹細胞である、請求項1に記載の間葉系幹細胞凍結乾燥粉末。
  6. 間葉系幹細胞が、成分の種々の組合せの存在下で異なる凍結乾燥プロトコールに曝露される、請求項1~5のいずれか1項に記載の間葉系幹細胞凍結乾燥粉末。
  7. 凍結乾燥混合物中の間葉系幹細胞が、成分の種々の組合せを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の間葉系幹細胞凍結乾燥粉末。
  8. 請求項7に記載の成分を含む間葉系幹細胞凍結乾燥粉末であって、成分が、凍結保護剤、ヒト血清アルブミン、グリセロール、ポリエチレングリコール(PEG)からの1種又は複数から選択される、間葉系幹細胞凍結乾燥粉末。
  9. 請求項7に記載の成分を含む間葉系幹細胞凍結乾燥粉末であって、成分がヒト血清アルブミンである、間葉系幹細胞凍結乾燥粉末。
  10. 凍結保護剤が、トレハロース、スクロース、ラクトース、グルコース、ラフィノース、デキストラン、マンニトール、ソルビトール又はキシリトールのうちの1種又はいくつかの混合物から選択される、請求項8に記載の成分。
  11. 凍結保護剤がトレハロースである、請求項8及び10に記載の成分。
  12. 凍結保護剤がデキストランである、請求項8及び10に記載の成分。
  13. 凍結乾燥保護剤が、トレハロースとデキストランとの組合せである、請求項8及び10に記載の成分。
  14. 凍結乾燥混合物中の間葉系幹細胞が、ヒト血清アルブミンを含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の間葉系幹細胞凍結乾燥粉末。
  15. 凍結乾燥混合物中の間葉系幹細胞が、(a)ヒト血清アルブミン、及び(b)トレハロースを含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の間葉系幹細胞凍結乾燥粉末。
  16. 凍結乾燥混合物中の間葉系幹細胞が、(a)ヒト血清アルブミン、(b)トレハロース、及び(c)グリセロールを含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の間葉系幹細胞凍結乾燥粉末。
  17. 凍結乾燥混合物中の間葉系幹細胞が、(a)ヒト血清アルブミン、(b)トレハロース、(c)グリセロール、及び(d)デキストランを含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の間葉系幹細胞凍結乾燥粉末。
  18. 凍結乾燥混合物中の間葉系幹細胞が、(a)ヒト血清アルブミン、(b)トレハロース、(c)グリセロール、(d)デキストラン、及び(e)ポリエチレングリコール(PEG)を含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の間葉系幹細胞凍結乾燥粉末。
  19. 凍結乾燥混合物中の間葉系幹細胞が、(a)ヒト血清アルブミン、(b)トレハロース、(c)グリセロール、(d)デキストラン、及び(e)PEG400を含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の間葉系幹細胞凍結乾燥粉末。
  20. 凍結乾燥後の間葉系幹細胞の生存率が約15%~約97%の間である、請求項1~19のいずれか1項に記載の間葉系幹細胞凍結乾燥粉末。
  21. 凍結乾燥後の間葉系幹細胞の生存率が約25%~約90%の間である、請求項1~19のいずれか1項に記載の間葉系幹細胞凍結乾燥粉末。
  22. 凍結乾燥後の間葉系幹細胞の生存率が約0%~約30%に減少又は低下する、請求項1~20のいずれか1項に記載の間葉系幹細胞凍結乾燥粉末。
  23. 凍結乾燥後に薬学的に許容されるケーキを形成する、請求項1~22のいずれか1項に記載の凍結乾燥間葉系幹細胞。
  24. 凍結乾燥間葉系幹細胞が、長期保存、費用効果の高い方法での試料の容易な輸送及び流通に有利である、請求項1~23のいずれか1項に記載の間葉系幹細胞凍結乾燥粉末。
  25. 室温で保管される、請求項1~24のいずれか1項に記載の凍結乾燥間葉系幹細胞。
  26. 安全であり、輸送が容易である、請求項1~24のいずれか1項に記載の凍結乾燥間葉系幹細胞。
  27. 輸送後に安定である、請求項1~24のいずれか1項に記載の凍結乾燥間葉系幹細胞。
  28. 凍結乾燥間葉系幹細胞の薬学的に許容されるケーキ。
  29. 間葉系幹細胞が、ヒト脂肪組織由来間葉系幹細胞である、請求項28に記載の凍結乾燥間葉系幹細胞の薬学的に許容されるケーキ。
  30. 固体、粉末又は粒状材料であり得る、請求項28に記載の凍結乾燥間葉系幹細胞の薬学的に許容されるケーキ。
  31. 質量でケーキの最大5パーセントの水を含有する、請求項28~30に記載の凍結乾燥間葉系幹細胞の薬学的に許容されるケーキ。
  32. 間葉系幹細胞が、成分の種々の組合せの存在下で異なる凍結乾燥プロトコールに曝露される、請求項28~30のいずれか1項に記載の凍結乾燥間葉系幹細胞の薬学的に許容されるケーキ。
  33. 凍結乾燥混合物中の間葉系幹細胞が、成分の種々の組合せを含む、請求項28~30のいずれか1項に記載の凍結乾燥間葉系幹細胞の薬学的に許容されるケーキ。
  34. 成分が、凍結保護剤、ヒト血清アルブミン、グリセロール、ポリエチレングリコール(PEG)からの1種又は複数から選択される、請求項28~30のいずれか1項に記載の凍結乾燥間葉系幹細胞の薬学的に許容されるケーキ。
  35. 請求項34に記載の成分を含む凍結乾燥間葉系幹細胞の薬学的に許容されるケーキであって、成分がヒト血清アルブミンである、凍結乾燥間葉系幹細胞の薬学的に許容されるケーキ。
  36. 凍結保護剤が、トレハロース、スクロース、ラクトース、グルコース、ラフィノース、デキストラン、マンニトール、ソルビトール又はキシリトールのうちの1種又はいくつかの混合物から選択される、請求項34に記載の成分。
  37. 凍結乾燥後の間葉系幹細胞の生存率が約15%~約97%の間である、請求項28~34のいずれか1項に記載の凍結乾燥間葉系幹細胞の薬学的に許容されるケーキ。
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