JP2024501033A - ミクロコッカス・ルテウス由来細胞外小胞を含む眼疾患の予防または治療用組成物 - Google Patents

ミクロコッカス・ルテウス由来細胞外小胞を含む眼疾患の予防または治療用組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞を有効成分として含む眼疾患の予防、改善、または治療用組成物に関する。本発明者らは、前記小胞を経口投与したとき、BBB(Blood-brain barrier)を通過して網膜を含む中枢神経系に小胞が伝達されることを確認した。また、上皮細胞及びマクロファージに前記小胞を処理したとき、生物学的原因因子による炎症性媒介体分泌を著しく抑制するだけでなく、細胞に前記小胞を処理したとき、生物学的原因因子によるNLRP3タンパク質の発現を抑制することを確認した。さらに、酸化ストレスによる眼疾患ウサギモデルに前記小胞を投与したとき、酸化ストレスによる網膜変性の発生を有意に抑制することを確認したところ、本発明によるミクロコッカス・ルテウス由来小胞は、老化関連眼疾患及び炎症性眼疾患の予防、 改善または治療用組成物として使用できるだけでなく、老化関連眼疾患及び炎症性眼疾患の予防、症状の改善、または治療のための医薬品または健康機能食品などの開発にも有用に利用できるだろう。【選択図】図20

Description

本発明は、ミクロコッカス・ルテウス由来細胞外小胞及びその用途に関し、より具体的には、ミクロコッカス・ルテウス由来の細胞外小胞を有効成分として含む眼疾患の予防または治療用組成物などに関する。
本発明は、2020年12月28日付で出願された大韓民国特許出願第10-2020-0184337号及び2021年10月18日付で出願された大韓民国特許出願第10-2021-0138713号に基づく前記優先権を主張し、前記出願の明細書及び図面に開示されたすべての内容は、本出願に援用される。
21世紀に入って過去伝染病として認識されていた急性感染性疾患の重要性は減少した反面、人間と共生微生物との不調和により発生する免疫機能異常を伴う慢性疾患及び私たちの体の主な臓器に発生する老化関連慢性疾患が生活の質の減少と人間の寿命を決定する主な疾患に疾患パターンが変わった。様々なストレスによる免疫機能及び代謝機能の異常を特徴とする21世紀の難治性慢性疾患として、がん、心血管疾患、慢性肺疾患、代謝疾患、及び神経-精神疾患が人間の寿命と生活の質を決定する主な疾患として国民保健に大きな問題となっている。
老化は、時間の経過とともに身体器官の機能が低下することを意味するもので、時間による細胞損傷の蓄積が老化の一般的な原因として考えられており、細胞外ATP、高血糖、セラミド、アミロイド、尿酸結晶、コレステロール結晶など、年を取るにつれて増える様々な損傷関連分子パターン(damage-associated molecular pattern;DAMPs)に応答して活性化されるNLRP3 inflammasomeは、特に老化に関連が深いことが分かった。したがって、NLRP3 inflammasomeは、老化関連疾患の予防と治療の標的となり、老化関連慢性疾患は、免疫機能及び代謝機能異常を伴う慢性炎症及びアポトーシスを特徴とするので、NLRP3 inflammasome関連炎症を抑制すると、老化関連疾患を抑制できるものと報告されている。
免疫(immunity)は、生物学的、化学的、物理的、精神的ストレスに対する細胞の防御メカニズムであり、先天免疫(innate immunity)と後天免疫(adaptive immunity)を介して起こる。最近、炎症疾患の病因に関連して、生物学的原因因子に由来するpathogen-associated molecular pattern(PAMP)及び細胞損傷によって生じるdanger signalであるdamage-associated molecular pattern(DAMP)は、パターン認識受容体(pattern recognition receptor)であるNLRP(Nucleotide-binding oligomerization domain)によって認知され、その中でNLRP3は、NLRP3 inflammasomeを形成して様々な難治性疾患を引き起こすという事実が注目されている。
代謝(metabolism)は、私たちの体に必要なエネルギーを作り、細胞の機能を果たす様々な物質を作ることで、ミトコンドリアで作られたATPを介して小胞体(endoplasmic reticulum,ER)でタンパク質と脂質が作られて必要な領域に物質を供給する。細胞は、生じた瞬間から様々なストレスに直面することになるが、生物学的、化学的、物理的、精神的ストレスは、細胞内で小胞体(ER)ストレス、ミトコンドリア機能異常、リソソーム損傷(lysosomal damage)などを誘導してNLRP3 inflammasomeを活性化し、アポトーシスを誘導して様々な病気を引き起こす。
一方、眼球の網膜は、中枢神経系に属する器官で、成熟した網膜細胞は、脳に存在するほとんどのニューロン細胞と同様に正常状態では分裂しない。したがって、網膜細胞の機能が低下すると、視覚機能に異常が現れやすく、老化が急速に進行することになる。網膜細胞の機能が低下する最大の原因としては、酸化的ストレスが挙げられるが、眼球を構成する網膜、視神経、光受容体細胞、水晶体を含む組織は、日常生活で光、紫外線などの酸化的損傷に絶えず露出されるためである。このような酸化的損傷により細胞を構成するDNA、タンパク質、脂質に変形が現れ、アポトーシスが誘導されて目に老化が発生し、深刻になると網膜地図状萎縮症(retinal geographic atrophy)、糖尿病性網膜症(diabetic retinopathy)、白内障(cataract)、緑内障(glaucoma)及び眼球乾燥症(xerophthalmia)などの老化関連眼疾患が発生する。
また、ブルーライト(blue light)、紫外線などの環境的ストレスに対して視覚に関連した細胞が正しく防御できなければ、目に炎症が発生し、繰り返しストレスによって慢性炎症性眼疾患が発生するようになり、最近では、このような慢性炎症性眼疾患を治療または予防するために、炎症疾患の主要媒介体として知られている炎症性サイトカインであるTNF-α阻害剤に対する関心が高まっている。
人体に共生する微生物は、100兆に達してヒト細胞より10倍多く、微生物の遺伝子数は、ヒト遺伝子数の100倍を超えることが知られている。微生物叢(microbiotaやmicrobiome)は、与えられた居住地に存在する真正細菌(bacteria)、古細菌(archaea)、真核生物(eukarya)を含む微生物群集(microbial community)を指す。
私たちの体に共生する細菌及び周辺環境に存在する細菌は、他の細胞への遺伝子、低分子化合物、タンパク質などの情報を交換するためにナノメートルサイズの小胞(vesicle)を分泌する。粘膜は、200ナノメートル(nm)サイズ以上の粒子は通過できない物理的な防御膜を形成して、粘膜に共生する細菌の場合には粘膜を通過できないが、細菌由来小胞は、サイズが200ナノメートルサイズ以下であるため、比較的自由に粘膜を通じて上皮細胞を通過して私たちの体に吸収される。このように細菌由来小胞は、細菌から分泌されたものであるが、細菌と構成成分、体内吸収率、副作用の危険性などが互いに異なり、これにより細菌由来小胞を使用することは生きている細菌を使用することとは全く異なるか、または顕著な効果を示す。
局所的に分泌された細菌由来小胞は、粘膜の上皮細胞を通じて吸収されて局所炎症反応を誘導するだけでなく、上皮細胞を通過した小胞は、リンパ管を通じて全身に吸収されて各臓器に分布し、分布した臓器で免疫及び炎症反応を調節する。例えば、大腸菌(Eshcherichia coli)などの病原性グラム陰性細菌に由来する小胞は、ウイルスを模写する病原性ナノ粒子として局所的に大腸炎を引き起こし、血管に吸収された場合に血管内皮細胞炎症反応を介して全身的な炎症反応及び血液凝固を促進させ、また、インスリンが作用する筋肉細胞などに吸収されてインスリン抵抗性と糖尿病を誘発する。一方、有益な細菌に由来する小胞は、病原性小胞による免疫機能及び代謝機能異常を調節して疾病を調節できる。
ミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus)は、ミクロコッカス属に属するグラム陽性細菌で、水、ほこり、土壌などの自然に広く分布する細菌である。この菌は、ピリジンなどの毒性有機汚染物質に成長するときにリボフラビンを生成し、ルテイン色素を介して紫外線を吸収することが知られている。また、この菌は、乳製品及びビールからも分離され、乾燥した環境や高塩環境でも育ち、胞子(spore)を形成しないが、冷蔵庫などの冷蔵温度でも長期間生存することが知られている。
しかし、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞を用いて眼疾患の治療に応用した事例は、報告されたことがない。
本発明者らは、前記のような従来の問題点を解決するために鋭意研究した結果、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞を細胞に処理したとき、前記小胞が病原性ナノ粒子による炎症性媒介体分泌を著しく抑制するだけでなく、生物学的病原性因子による免疫機能の異常を効率的に抑制することを確認した。また、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞は、様々な疾病の病因に関連したパターン認識受容体(pattern recognition receptor)であるNLRP3タンパク質発現を抑制し、eNOS(endothelial NO synthase)信号を増加させて免疫機能異常を抑制することを確認した。また、前記小胞を経口投与したとき、前記小胞が血管-脳関門(blood brain barrier,BBB)を通過して中枢神経系に伝達されることを確認した。さらに、酸化ストレスによる眼疾患ウサギモデルに前記小胞を処理したとき、網膜変性(retinal degeneration)が用量依存的に抑制されることを確認したところ、これに基づいて本発明を完成した。
そこで、本発明は、ミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus)由来小胞を有効成分として含む眼疾患の予防または治療用薬学的組成物を提供することを目的とする。
また、本発明は、ミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus)由来小胞を有効成分として含む、眼疾患の予防または改善用食品組成物を提供することを目的とする。
また、本発明は、ミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus)由来小胞を有効成分として含む、眼疾患の予防または改善用医薬部外品組成物を提供することを目的とする。
また、本発明は、ミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus)由来小胞を有効成分として含む、眼疾患の予防または改善用吸入用組成物を提供することを目的とする。
また、本発明は、ミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus)由来小胞を有効成分として含む、眼疾患治療薬物伝達用組成物を提供することを目的とする。
しかし、本発明が解決しようとする技術的課題は、前述した課題に制限されず、言及されていないさらに他の課題は、以下の記載から当業者が明確に理解できるだろう。
前記のような本発明の目的を達成するために、本発明は、ミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus)由来小胞を有効成分として含む、眼疾患の予防または治療用薬学的組成物を提供する。
また、本発明は、ミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus)由来小胞を有効成分として含む、眼疾患の予防または改善用食品組成物を提供する。
また、本発明は、ミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus)由来小胞を有効成分として含む、眼疾患の予防または改善用医薬部外品組成物を提供する。
また、本発明は、ミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus)由来小胞を有効成分として含む、眼疾患の予防または改善用吸入用組成物を提供する。
また、本発明は、ミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus)由来小胞を有効成分として含む、眼疾患治療薬物伝達用組成物を提供する。
本発明の一具現例において、前記眼疾患は、NLRP3 inflammasome(NOD-like receptor pyrin domain-containing protein 3 inflammasome)によって媒介される眼疾患であってもよいが、これに制限されるものではない。
本発明の他の具現例において、前記眼疾患は、老化関連眼疾患であってもよく、具体的には、網膜地図状萎縮症(retinal geographic atrophy)、糖尿病性網膜症(diabetic retinopathy)、白内障(cataract)、緑内障(glaucoma)及び眼球乾燥症(xerophthalmia)からなる群から選ばれる1つ以上の疾患であってもよいが、これに制限されるものではない。
本発明のさらに他の具現例において、前記眼疾患は、炎症性眼疾患であってもよく、具体的には、前記眼疾患は、結膜炎(conjunctivitis)、強膜炎(scleritis)、角膜炎(keratitis)、虹彩炎(iritis)、ぶどう膜炎(uveitis)、脈絡網膜炎(chorioretinitis)、脈絡炎(choroiditis)及び網膜炎(retinitis)からなる群から選ばれる1つ以上の疾患であってもよいが、これに制限されるものではない。
本発明のさらに他の具現例において、前記小胞は、平均直径が10~200nmであってもよいが、これに制限されるものではない。
本発明のさらに他の具現例において、前記小胞は、ミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus)から自然的に分泌または人工的に産生されてもよいが、これに制限されるものではない。
本発明のさらに他の具現例において、前記組成物は、NLRP3 inflammasome(NOD-like receptor pyrin domain-containing protein 3 inflammasome)の活性を阻害できるが、これに制限されるものではない。
本発明のさらに他の具現例において、前記眼疾患は、網膜地図状萎縮症(retinal geographic atrophy)、糖尿病性網膜症(diabetic retinopathy)、白内障(cataract)、緑内障(glaucoma)、眼球乾燥症(xerophthalmia)、結膜炎(conjunctivitis)、強膜炎(scleritis)、角膜炎(keratitis)、虹彩炎(iritis)、ぶどう膜炎(uveitis)、脈絡網膜炎(chorioretinitis)、脈絡炎(choroiditis)及び網膜炎(retinitis)からなる群から選ばれる1つ以上の疾患であってもよいが、これに制限されるものではない。
また、本発明は、ミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus)由来小胞を有効成分として含む組成物をそれを必要とする個体に投与する段階を含む、眼疾患の予防または治療方法を提供する。
また、本発明は、ミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus)由来小胞を有効成分として含む組成物の眼疾患の予防または治療用途を提供する。
また、本発明は、ミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus)由来小胞の眼疾患の予防または治療用薬剤の製造のための用途を提供する。
また、本発明は、所望の眼疾患治療薬物を担持したミクロコッカス・ルテウス由来小胞を有効成分として含む組成物をそれを必要とする個体に投与する段階を含む、眼疾患治療薬物伝達方法を提供する。
また、本発明は、ミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus)由来小胞を有効成分として含む組成物の眼疾患治療薬物伝達用途を提供する。
また、本発明は、ミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus)由来小胞の眼疾患治療薬物伝達用薬剤の製造のための用途を提供する。
本発明者らは、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞を経口投与したとき、前記小胞が血管-脳関門(blood brain barrier,BBB)を通過して中枢神経系に伝達されることを確認した。また、上皮細胞及びマクロファージに前記小胞を処理したとき、生物学的原因因子による炎症性媒介体分泌を著しく抑制するだけでなく、細胞に前記小胞を処理したとき、生物学的原因因子によるNLRP3タンパク質の発現を抑制することを確認した。さらに、酸化ストレスによる眼疾患ウサギモデルに前記小胞を投与したとき、酸化ストレスによる網膜変性(retinal degeneration)の発生を有意に抑制することを確認したところ、本発明によるミクロコッカス・ルテウス由来小胞は、眼疾患の予防、改善または治療用組成物だけでなく、眼疾患治療薬物伝達体として有用に利用できるものと期待される。
図1は、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞をマウスに経口投与した後、時間別に各臓器を摘出し、各臓器で蛍光の強度を測定した結果を示す図である。 図2は、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞をマウスに経口投与した後、時間別に小胞が脳に分布している態様を示す図である。 図3は、上皮細胞においてミクロコッカス・ルテウス由来小胞(M.luteus EV)の抗炎症効果を評価するための実験プロトコルを示す図である。 図4a及び図4bは、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞(M.luteus EV)の抗炎症効果を評価するために、上皮細胞にミクロコッカス・ルテウス由来小胞(M.luteus EV)と陽性対照薬デキサメタゾン(Dexamethasone;Dex)を処理した結果を示したもので、図4aは、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞の濃度によるIL-8分泌抑制効果を示した図であり、図4bは、陽性対照薬デキサメタゾンとIL-8分泌抑制効果を比較した図である(*P<0.05,**P<0.01,***P<0.001,n.s.は、有意ではないことを意味する。以下同様)。 図5は、マクロファージにおいてミクロコッカス・ルテウス由来小胞(M.luteus EV)の抗炎症効果を評価するための実験プロトコルを示す図である。 図6a及び図6bは、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞(M.luteus EV)の抗炎症効果を評価するためにマクロファージにミクロコッカス・ルテウス由来小胞(M.luteus EV)を処理した結果を示したもので、図6aは、TNF-αの分泌抑制効果を示す図であり、図6bは、IL-6分泌抑制効果を示す図である。 図7は、末梢血液から分離した好中球にミクロコッカス・ルテウス由来小胞(M.luteus EV)と陽性対照薬であるデキサメタゾンを処理し、生物学的原因因子である大腸菌由来小胞(E.coli EV)による好中球の活性化の程度を評価するための実験プロトコルを示す図である。 図8は、末梢血液から分離した好中球にミクロコッカス・ルテウス由来小胞(M.luteus EV)と陽性対照薬であるデキサメタゾンを処理し、病原性ナノ粒子である大腸菌由来小胞(E.coli EV)による好中球の活性化の程度をNE(neutrophil elastase)分泌で評価した結果を示す図である。 図9は、病原性ナノ粒子である大腸菌由来小胞(E.coli EV)による炎症疾患マウスモデルにおいてミクロコッカス・ルテウス由来小胞(M.luteus EV)による炎症疾患発生抑制効果及び作用機序を確認するための実験プロトコルを示す図である。 図10a及び図10bは、病原性ナノ粒子である大腸菌由来小胞(E.coli EV)による炎症疾患マウスモデルにおいてミクロコッカス・ルテウス由来小胞(M.luteus EV)による炎症抑制効果を示したもので、図10aは、マウスモデルの気管支肺胞洗浄液(BALF)内のマクロファージと好中球数を確認した結果を示す図であり、図10bは、マウスモデルの肺組織において炎症細胞の浸潤を確認した図である。 図11a~図11cは、病原性ナノ粒子である大腸菌由来小胞(E.coli EV)による炎症疾患マウスモデルにおいてミクロコッカス・ルテウス由来小胞(M.luteus EV)による炎症性媒介体分泌抑制効果を示したもので、図11aは、気管支肺胞洗浄液(BALF)内のCXCL-1分泌を測定した結果であり、図11bは、気管支肺胞洗浄液(BALF)内のTNF-α分泌を測定した結果であり、図11cは、IL-1β分泌を測定した結果を示す図である。 図12a~図12cは、病原性ナノ粒子である大腸菌由来小胞(E.coli EV)による炎症疾患マウスモデルにおいて、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞(M.luteus EV)が免疫調節関連サイトカインの分泌に及ぼす効果を示すもので、図12aは、IL-6分泌を測定した結果であり、図12bは、IL-17分泌を測定した結果であり、図12cは、IL-10分泌を測定した結果を示す図である。 図13は、病原性ナノ粒子である大腸菌由来小胞(E.coli EV)による炎症疾患マウスモデルにおいて、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞(M.luteus EV)が気道過敏性の発生に及ぼす効果を示した図である。 図14は、LPSに汚染されたタンパク質による免疫疾患マウスモデルにおいてミクロコッカス・ルテウス由来小胞(M.luteus EV)の炎症疾患治療効果を評価するための実験プロトコルを示す図である。 図15a~図15cは、LPSに汚染されたタンパク質による免疫疾患マウスモデルにおいてミクロコッカス・ルテウス由来小胞(M.luteus EV)の炎症抑制効果を示したもので、図15aは、気管支肺胞洗浄液(BALF)内の総炎症細胞数を測定した結果であり、図15bは、気管支肺胞洗浄液(BALF)内の好中球数を測定した結果であり、図15cは、肺組織において炎症細胞の浸潤を確認した図である。 図16a及び図16bは、LPSに汚染されたタンパク質による免疫疾患マウスモデルにおいてミクロコッカス・ルテウス由来小胞(M.luteus EV)が炎症性媒介体であるIL-1β及びTh17免疫応答指標であるIL-17に及ぼす影響を確認したもので、図16aは、IL-1β濃度を測定した結果であり、図16bは、Th17免疫反応指標であるIL-17濃度を測定した結果を示す図である。 図17は、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞(M.luteus EV)による免疫機能調節メカニズムを評価するために、LPSに汚染されたタンパク質による免疫疾患マウスモデルから分離した肺組織において免疫機能調節タンパク質であるNLRP3、T-bet、及びROR-rtの発現態様を確認した結果を示す図である。 図18a及び図18bは、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞(M.luteus EV)によるNO産生分子生物学的メカニズムを評価するために、上皮細胞にミクロコッカス・ルテウス由来小胞と陽性対照薬であるデキサメタゾン(Dexamethasone)を処理してウイルス模写ナノ粒子である大腸菌由来小胞(E.coli EV)によるeNOSシグナル活性及びiNOSシグナル活性を確認したもので、図18aは、eNOSシグナル活性を確認した結果であり、図18bは、iNOSシグナル活性を確認した結果を示す図である。 図19は、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞(M.luteus EV)の眼疾患に対する効果を評価するための動物モデル実験方法及び評価方法について示した図である。 図20は、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞(M.luteus EV)の眼疾患に対する効果を評価するために、酸化ストレスによる眼疾患ウサギモデルに小胞を経口投与して対照群に対してミクロコッカス・ルテウス由来小胞処理群の網膜変性面積(retinal degenerated area)を測定した結果を示す図である。 図21は、酸化ストレスによる眼疾患ウサギモデルに小胞を経口投与した後、眼底カメラ(TRC-50IX,TOPCON,Japan)で眼底を撮影した図である。 図22は、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞(M.luteus EV)の眼疾患に対する作用機序を図式化した図である。
本発明は、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞及びその用途に関する。
本発明者らは、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞をマウスに経口投与したとき、小胞が粘膜を通過して全身的に吸収され、特に脳組織に分布することを確認した。また、上皮細胞に前記小胞を処理したとき、前記小胞が病原性ナノ粒子による炎症性媒介体分泌を著しく抑制し、これは前記小胞がeNOS(endothelial NO synthase)シグナルを介して活性化する反面、iNOS(inducible NO synthase)発現を抑制して起こることを確認した。また、代表的な炎症細胞であるマクロファージと好中球に前記小胞を処理したとき、病原性ナノ粒子による炎症性媒介体分泌と好中球の活性化を用量依存的に抑制するだけでなく、病原性ナノ粒子による炎症疾患マウスモデルに前記小胞を投与したとき、病原性ナノ粒子による炎症の発生を有意に抑制することを確認した。また、LPSに汚染されたタンパク質による免疫疾患マウスモデルに前記小胞を投与したとき、PAMP(pathogen-associated molecular pattern)による炎症の発生を有意に抑制し、これは免疫機能異常を調節することにより示すことを確認したところ、これに基づいて本発明によるミクロコッカス・ルテウス由来小胞が老化関連眼疾患及び炎症性眼疾患に対する予防、改善または治療用組成物などとして有用に利用できることを確認した。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明者らは、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞をマウスに経口投与したとき、前記小胞が脳組織に分布することを確認することにより、血管-脳障壁(blood brain barrier,BBB)を通過して網膜を含む中枢神経系に小胞が伝達されることを確認した。また、上皮細胞に前記小胞を処理したとき、生物学的原因因子による炎症性媒介体分泌を著しく抑制するだけでなく、代表的な炎症細胞であるマクロファージと好中球に前記小胞を処理したとき、生物学的原因因子による炎症性媒介体の分泌と好中球の活性化が用量依存的に抑制されることを確認した。さらに、生物学的原因因子によって発現される組織内のNLRP3タンパク質が前記小胞を投与したときに著しく抑制されるだけでなく、生物学的原因因子によって抑制されるeNOS(endothelial NO synthase)シグナルが前記小胞を投与したときに有意に回復されることを確認した。また、酸化ストレスによる眼疾患ウサギモデルに前記小胞を投与したとき、前記小胞が網膜変性の発生を用量依存的に有意に抑制することを確認したところ、これに基づいて本発明を完成した。
そこで、本発明は、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞を有効成分として含む眼疾患の予防または治療用薬学的組成物を提供する。
本発明において使用される用語の「眼疾患」とは、目に関連して発症する疾患を意味するもので、本発明において、眼疾患とは、老化関連眼疾患または炎症性眼疾患であってもよく、具体的には、NLRP3 inflammasome(NOD-like receptor pyrin domain-containing protein 3 inflammasome)によって媒介される眼疾患または酸化的ストレスに起因する眼疾患であってもよいが、これに制限されるものではない。
本発明において使用される用語の「老化関連眼疾患(age-related ocular disease)」とは、年を取ることによる生体機能退化に起因する眼疾患だけでなく、実際の年代よりも生体機能が退化して高齢者から主に現れる疾患の症状と類似した症状を示す眼疾患をすべて含む概念で、前記老化関連眼疾患は、例えば、網膜地図状萎縮症(retinal geographic atrophy)、糖尿病性網膜症(diabetic retinopathy)、緑内障(glaucoma)、白内障(cataract)及び眼球乾燥症(xerophthalmia)などを含んでもよいが、これに制限されるものではない。
前記「網膜地図状萎縮症(retinal geographic atrophy)」とは、老化により目の機能が低下し、血流供給が円滑に行われず、網膜色素上皮にたまる老廃物であるドルーゼン(drusen)が石灰化し、網膜と脈絡膜毛細血管が萎縮し、萎縮した部位が地図状に大きくなり、中心部位まで広がって視力を失うことになる疾患を意味する。
本発明において使用される用語の「炎症性眼疾患(inflammatory ocular disease)」とは、炎症性原因因子によって目に炎症が発生して現れる眼疾患をすべて含む概念で、前記炎症性眼疾患は、例えば、結膜炎(conjunctivitis)、強膜炎(scleritis)、角膜炎(keratitis)、虹彩炎(iritis)、ぶどう膜炎(uveitis)、脈絡網膜炎(chorioretinitis)、脈絡炎(choroiditis)、網膜炎(retinitis)などを含んでもよいが、これに制限されるものではない。
前記「NLRP3 inflammasome(NOD-like receptor pyrin domain-containing protein 3 inflammasome)によって媒介される眼疾患」とは、NLRP3 inflammasomeが異常に過度に活性化されて発生する眼疾患を意味する。
本発明において、前記ミクロコッカス・ルテウス由来小胞は、NLRP3 inflammasomeの活性を抑制できるので、これを通じてNLRP3 inflammasomeによって媒介される眼疾患に対する予防、治療または改善用組成物として使用されてもよいが、これに制限されるものではない。
本発明において使用される用語の「細胞外小胞(Extracellular vesicle)」または「小胞(Vesicle)」とは、様々な細菌から分泌されるナノサイズの膜からなる構造物を意味し、例えば、内毒素(lipopolysaccharide)、毒性タンパク質及び細菌DNAとRNAも有している大腸菌などのグラム陰性菌(gram-negative bacteria)由来小胞または外膜小胞体(outer membrane vesicles,OMVs)及びタンパク質と核酸の他にも、細菌の細胞壁構成成分であるペプチドグリカン(peptidoglycan)とリポテイコ酸(lipoteichoic acid)も有しているミクロコッカス属細菌などのグラム陽性菌(gram-positive bacteria)由来小胞などがある。
本発明において、前記細胞外小胞または小胞は、ミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus)から自然的に分泌されるか、または人工的に産生された膜からなるすべての構造物を総称し、本発明において、MDH-101、MDH-101 EV、M.luteus EVまたはMlEVで多様に表示されてもよい。
前記小胞は、ミクロコッカス・ルテウス細菌培養過程において熱処理、高圧処理するか、または前記細菌培養液を遠心分離、超高速遠心分離、高圧処理、押出、超音波分解、細胞溶解、均質化、冷凍・解凍、電気穿孔、機械的分解、化学物質処理、フィルターによるろ過、ゲルろ過クロマトグラフィー、フリーフロー電気泳動、及びキャピラリー電気泳動からなる群から選ばれる1つ以上の方法を使用して分離してもよい。また、不純物を除去するための洗浄、得られた小胞の濃縮などの過程をさらに含んでもよい。
本発明において前記方法により分離された小胞は、球状の形態で、平均直径が10~200nm、10~190nm、10~180nm、10~170nm、10~160nm、10~150nm、1~140nm、10~130nm、10~120nm、10~110nm、10~100nm、10~90nm、10~80nm、10~70nm、10~60nm、10~50nm、20~200nm、20~180nm、20~160nm、20~140nm、20~120nm、20~100nm、または20~80nmであってもよく、好ましくは、20~200nmであってもよいが、これに制限されるものではない。
本発明の組成物内の前記小胞の含量は、疾患の症状、症状の進行度合い、患者の状態などに応じて適宜調節可能であり、例えば、全組成物重量を基準として、0.0001~99.9重量%、または0.001~50重量%であってもよいが、これに限定されるものではない。前記含量比は、溶媒を除去した乾燥量を基準とした値である。
本発明において使用される用語の「有効成分として含む」は、前記ミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus)由来小胞の効能または活性を達成するのに十分な量を含むことを意味する。
本発明において「薬学的組成物」とは、眼疾患の予防または治療を目的として製造されたものを意味し、それぞれ通常の方法によって多様な形態で剤形化して使用されてもよい。例えば、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、懸濁液、エマルジョン、シロップなどの経口型剤形で剤形化してもよく、外用剤、坐剤及び滅菌注射用液の形態で剤形化して使用されてもよい。
本発明による薬学的組成物は、薬学的に許容可能な担体を含んでもよい。前記薬学的に許容可能な担体は、製剤時に通常用いられるもので、食塩水、滅菌水、リンガー液、緩衝食塩水、シクロデキストリン、デキストロース溶液、マルトデキストリン溶液、グリセロール、エタノール、リポソームなどを含むが、これに限定されるものではなく、必要に応じて抗酸化剤、緩衝液など他の通常の添加剤をさらに含んでもよい。また、希釈剤、分散剤、界面活性剤、結合剤、潤滑剤などを付加的に添加して水溶液、懸濁液、乳濁液などの注射用剤形、丸薬、カプセル、顆粒、または錠剤で製剤化してもよい。適切な薬学的に許容される担体及び製剤化については、レミントンの文献に開示されている方法を用いて各成分によって好ましく製剤化してもよい。本発明の薬学的組成物は、剤形において特に制限されるものはないが、注射剤、吸入剤、皮膚外用剤、点眼剤または経口摂取剤などで製剤化してもよい。
また、本発明の薬学的組成物は、有効成分として前記小胞の他に眼疾患の予防、改善、または治療に有用な成分、例えば、抗酸化剤、ステロイド系または非ステロイド系消炎性薬物などを含んでもよい。
前記抗酸化剤としては、アスコルビン酸、重亜硫酸ナトリウム、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、トコフェロールまたはそれらの組み合わせが使用されてもよいが、これに制限されるものではない。
前記消炎性薬物としては、デキサメタゾン、フルオロメトロン、プレドニゾロン、ブロンフェナク、ジクロフェナク、フルルビプロフェン、ケトロラック、またはその塩を使用してもよいが、これに制限されるものではない。
本発明の薬学的組成物は、個体に様々な経路で投与されてもよい。投与のすべての方式は、予想できるが、例えば、経口服用、皮下注射、腹腔投与、静脈注射、筋肉注射、脊髄周囲空間(硬膜内)注射、舌下投与、頬粘膜投与、直腸内挿入、膣内挿入、眼球投与、耳投与、鼻腔投与、吸入、口または鼻を通じた噴霧、皮膚投与、経皮投与などによって投与されてもよく、投与量は患者の状態及び体重、疾患の程度、薬物形態、投与経路及び時間によって異なるが、当業者によって適宜選ばれてもよい。
本発明において前記眼球投与は、結膜嚢内投与、硝子体内投与、網膜下投与、脈絡膜上腔投与、結膜下投与及びテノン嚢下投与からなる群から選ばれる一つであってもよいが、これに制限されるものではない。
本発明による薬学的組成物は、薬学的に有効な量で投与する。本発明において、薬学的に有効な量とは、医学的治療に適用可能な合理的な受恵/リスク比で疾患を治療するのに十分な量を意味し、有効用量レベルは、患者の疾患の種類、重症度、薬物の活性、薬物に対する敏感度、投与時間、投与経路及び排出比率、治療期間、同時に使用される薬物を含む要素及びその他の医学分野においてよく知られている要素によって決定されてもよい。本発明による組成物は、個別治療剤として投与するか、または他の治療剤と併用して投与されてもよく、従来の治療剤とは順次的または同時に投与されてもよく、単一または多重投与されてもよい。前記要素をすべて考慮し、副作用なしに最小限の量で最大の効果が得られる量を投与することが重要であり、これは当業者によって容易に決定されてもよい。
具体的には、本発明による薬学的組成物の有効量は、患者の年齢、性別、体重に応じて異なってもよく、一般に体重1kg当たり0.001~150mg、好ましくは、0.01~100mgを毎日または隔日投与するか、または1日1~3回に分けて投与してもよい。しかし、投与経路、肥満の重症度、性別、体重、年齢などに応じて増減できるので、前記投与量がいかなる方法でも本発明の範囲を限定するものではない。
本発明において「予防」とは、本発明による組成物の投与によって眼疾患の発生を抑制させるか、または発症を遅延させるすべての行為を意味する。
本発明において「治療」とは、本発明による組成物の投与によって眼疾患に対する症状が好転するか、または有利に変更されるすべての行為を意味する。
本発明において「改善」とは、本発明による組成物の投与によって所望の疾患に関連したパラメータまたは治療される状態に関連したパラメータ、例えば、症状の程度を減少させるすべての行為を意味する。
また、本発明は、前記組成物をそれを必要とする個体に投与する段階を含む、眼疾患の予防または治療方法を提供する。
また、本発明は、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞の眼疾患の予防または治療用途を提供する。
また、本発明は、老化関連眼疾患治療用薬剤の製造のためのミクロコッカス・ルテウス由来小胞の用途を提供する。
本発明において、「個体」とは、疾患の治療を必要とする対象を意味し、より具体的には、ヒトまたは非-ヒトの霊長類、マウス(mouse)、ラット(rat)、イヌ、ネコ、ウマ、及びウシなどの哺乳類であってもよいが、これに制限されるものではない。
本発明において「投与」とは、任意の適切な方法で個体に所定の本発明の組成物を提供することを意味する。
また、本発明は、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞を有効成分として含む眼疾患の予防または改善用食品組成物を提供する。
前記食品組成物は、健康機能性食品組成物であってもよいが、これに制限されるものではない。
本発明による食品組成物は、有効成分を食品にそのまま添加するか、他の食品または食品成分とともに使用されてもよく、通常の方法によって適宜使用されてもよい。有効成分の混合量は、その用途目的(予防または改善用)に応じて適宜決定されてもよい。一般に、食品または飲料の製造時に本発明の組成物は、原料に対して15重量%以下、好ましくは、10重量%以下の量で添加される。しかし、健康及び衛生を目的とするか、または健康調節を目的とする長期間の摂取の場合には、前記量は、前記範囲以下であってもよい。
本発明の食品組成物は、指示された割合で必須成分として前記有効成分を含有するほか、他の成分には特に制限がなく、通常の飲料のように様々な香味剤または天然炭水化物などを追加成分として含有してもよい。上述した天然炭水化物の例は、モノサッカライド、例えば、ブドウ糖、果糖など、ジサッカライド、例えば、マルトース、スクロースなど、及びポリサッカライド、例えば、デキストリン、シクロデキストリンなどの通常の糖、及びキシリトール、ソルビトール、エリトリトールなどの糖アルコールである。上述したもの以外の香味剤として天然香味剤(タウマチン、ステビア抽出物、例えば、レバウジオシドA、グリシルヒジンなど)及び合成香味剤(サッカリン、アスパラタムなど)を有利に使用してもよい。前記天然炭水化物の割合は、当業者の選択によって適切に決定されてもよい。
前記に加えて、本発明の食品組成物は、様々な栄養剤、ビタミン、鉱物(電解質)、合成風味剤及び天然風味剤などの風味剤、着色剤及び増進剤(チーズ、チョコレートなど)、ペクト酸及びその塩、アルギン酸及びその塩、有機酸、保護性コロイド増粘剤、pH調整剤、安定化剤、防腐剤、グリセリン、アルコール、炭酸飲料に使用される炭酸化剤などを含有してもよい。これらの成分は、独立してまたは組み合わせて使用してもよい。このような添加剤の割合も当業者によって適宜選ばれてもよい。
また、本発明は、ミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus)由来小胞を有効成分として含む眼疾患の予防または改善用医薬部外品組成物を提供する。
本発明において使用される用語の「医薬部外品」は、ヒトや動物の疾病を診断、治療、改善、軽減、処置または予防する目的で使用される物品のうち、医薬品よりも作用が軽微な物品を意味する。例えば、薬事法によると、医薬部外品とは、医薬品の用途に使用される物品を除いたもので、ヒト・動物の疾病治療や予防に使用される繊維・ゴム製品、人体に対する作用が軽微であるか、または直接作用せず、器具又は機械でないものとこれに類似したもの、感染病を防ぐための殺菌・殺虫剤などもこれに含まれる。
本発明において、医薬部外品組成物は、眼科用組成物の剤形に剤形化して使用してもよく、例えば、眼科用液剤、点眼剤、眼軟膏、注射液、及び洗眼薬(eyewash)からなる群から選ばれる1つ以上の剤形として使用してもよいが、これに制限されるものではない。
また、本発明は、ミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus)由来小胞を有効成分として含む吸入用組成物の形態で提供されてもよい。
吸入投与剤の場合、当業界に公知の方法により剤形化されてもよく、適切な推進剤、例えば、ジクロロフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または他の適切な気体を使用して加圧パックまたは煙霧機からエアロゾルスプレー形態で便利に伝達してもよい。加圧エアロゾルの場合、投与単位は、計量された量を伝達するバルブを提供して決定してもよい。例えば、吸入器または吹入器に使用されるゼラチンカプセル及びカートリッジは、化合物及びラクトースまたはデンプンなどの適切な粉末基剤の粉末混合物を含有するように剤形化してもよい。
また、本発明は、ミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus)由来小胞を有効成分として含む、眼疾患治療薬物伝達用組成物を提供する。
本発明で使用される用語の「薬物伝達」とは、特定の臓器、組織、細胞または細胞小器官に薬物を伝達するために本発明による組成物に薬物をローディングして伝達するすべての手段または行為を意味する。
以下、本発明の理解を助けるために好ましい実施例を提示する。しかし、以下の実施例は、本発明をより容易に理解するために提供されるものであり、以下の実施例によって本発明の内容が限定されるものではない。
[実施例]
実施例1.ミクロコッカス・ルテウス培養液から小胞分離
ミクロコッカス・ルテウス菌株を培養した後、その小胞を分離して特性を分析した。ミクロコッカス・ルテウスを37℃の好気性チャンバーで吸光度(OD 600)が1.0~1.5になるまでMRS(de Man-Rogosa and Sharpe)培地で培養した後、sub-cultureした。その後、菌株を含む培地の上澄み液を回収して10,000g、4℃で20分間遠心分離して菌株を除去し、0.22μmフィルターでろ過した。ろ過した上澄み液を100kDa Pellicon 2 Cassettフィルターメンブレン(Merck Millipore,US)でMasterFlex pump system(Cole-Parmer,US)を用いてmicrofiltrationを通じて50ml体積で濃縮した。その後、濃縮した上澄み液を再び0.22μmフィルターでろ過した。その後、BCA assayを用いてタンパク質を定量し、得られた小胞について以下の実験を行った。
実施例2.ミクロコッカス・ルテウス由来小胞の薬物動態学的特性の評価
ミクロコッカス・ルテウス由来小胞の薬物動態学的特性を調べるために、蛍光染色試薬で染色したミクロコッカス・ルテウス由来小胞をマウス経口で投与し、72時間まで各臓器で発現した蛍光を測定した。
図1に示すように、蛍光染色されたミクロコッカス・ルテウス由来小胞の時間による臓器分布をイメージで確認したとき、前記小胞が様々な臓器に分布していることが確認できた。
また、脳で発現するミクロコッカス・ルテウス由来細胞外小胞の蛍光強度をグラフで示したとき、図2に示すように、脳において前記小胞は、経口投与1時間後からシグナルが現れて24時間まで持続し、その後、蛍光シグナルが消える態様を示すことを確認した。以上の結果から、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞を経口投与したときに粘膜を通過して体内に吸収されて様々な臓器に分布することが分かり、特に血管-脳障壁(blood brain barrier,BBB)を通過して網膜を含む中枢神経系に移動して分布することが分かる。
実施例3.上皮細胞においてミクロコッカス・ルテウス由来小胞の抗炎症効果の評価
図3に示すように、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞(M.luteus EV)と陽性対照薬であるデキサメタゾン(Dexamethasone)を上皮細胞(A549細胞)に前処理した後、炎症を誘導する大腸菌由来小胞(E.coli EV)を処理し、炎症性サイトカインIL-8の分泌量をELISA(Enzyme-linked immunosorbent assay,R&D Systems)で測定した。具体的には、A549細胞にミクロコッカス・ルテウス由来小胞を様々な濃度(1,10,100μg/mL)で24時間前処理した後、大腸菌由来小胞を1ng/mL濃度で24時間処理して培地に分泌されたIL-8を測定した。
その結果、図4aに示すように、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞によりIL-8の分泌が用量依存的に抑制されることを確認した。また、図4bに示すように、対照薬であるデキサメタゾンと比較したとき、IL-8分泌抑制効果がさらに優れており、前記小胞に熱処理をして投与したときにはIL-8分泌抑制効果がなくなることを確認した。以上の結果から、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞が代表的な抗炎症薬物であるデキサメタゾンに比べて抗炎症効能がより優れていることが分かり、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞による抗炎症効能が熱処理時になくなることにより、抗炎症作用が小胞内のタンパク質によって媒介されることが分かる。
実施例4.炎症細胞であるマクロファージにおいてミクロコッカス・ルテウス由来小胞の抗炎症効果の評価
図5に示すように、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞(M.luteus EV)をマクロファージ(RAW 264.7細胞)に前処理した後、炎症を誘発する大腸菌由来小胞(E.coli EV)を処理して炎症性サイトカインTNF-α及びIL-6をELISA(R&D Systems)法で測定した。具体的には、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞を様々な濃度(1μg/mL、10μg/mL、及び100μg/mL)で24時間前処理した後、大腸菌由来小胞を1ng/mL濃度で24時間処理して培地に分泌されたTNF-αとIL-6を測定した。
その結果、図6a及び図6bに示すように、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞を前処理した場合に大腸菌由来小胞によるTNF-α(図6a)及びIL-6(図6b)の分泌が容量依存的に抑制されたことを確認した。以上の結果は、病原性生物学的原因因子(病原性細菌またはウイルス)による炎症の発生をミクロコッカス・ルテウス由来小胞が効率的に抑制することを意味する。
実施例5.炎症細胞である好中球においてミクロコッカス・ルテウス由来小胞の好中球の活性化抑制効果の評価
図7に示すように、lymphoprepを用いてヒト血液を分離して好中球を抽出した後、好中球の活性化を評価するために、好中球内顆粒タンパク質であるNE(neutrophil elastase)をELISA(R&D Systems)で測定した。具体的には、血液10mLをACD solutionを含むtubeに集めた後、20mL lymphoprepの上に血液を注意深く入れて遠心分離を行った。遠心分離後、red blood layerを集めて12mLのDextranと混合し、常温に45分間放置した。層分離後、上澄み液に1×HBSSを40mL入れて、もう一度遠心分離を行った後、autoclaved millipore waterで赤血球を除去し、neutrophil isolation kit(MACS)を用いて好中球を分離した。分離した好中球をRPMI1640培地を用いて培養し、大腸菌由来小胞(E.coli EV)とミクロコッカス・ルテウス由来小胞(M.luteus EV)を24時間同時処理した後、培地でNEを測定した。陽性対照薬としてはデキサメタゾン(Dex)を処理した。
その結果、図8に示すように、対照薬であるデキサメタゾンは、好中球の活性化指標であるNE分泌を抑制できなかったが、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞は、用量依存的に好中球からNE分泌を抑制した。以上の結果から、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞は、好中球が活性化されて起こる疾患を効率的に治療できることが分かる。
実施例6.病原性ナノ粒子による炎症性疾患マウスモデルにおいてミクロコッカス・ルテウス由来小胞の抗炎症効果の評価
図9に示すように、病原性ナノ粒子である大腸菌由来小胞(E.coli EV)10ng/mLを鼻腔に投与して炎症疾患マウスモデルを作製した。前記モデルにミクロコッカス・ルテウス由来小胞の免疫機能調節効果を評価するために、前記大腸菌由来小胞を投与する5日前からミクロコッカス・ルテウス由来小胞10ng/mlまたは100ng/mlを鼻腔に投与し、気管支肺胞洗浄液(BALF)及び肺組織において抗炎症効果を評価した。具体的には、気管支肺胞洗浄液(BALF)における抗炎症効果を評価するために、PBS 1mLが入った注射器を気道に連結して気管支肺胞洗浄液(BALF)を採取した後、Trypan blue(Abcam)を使用して総細胞、マクロファージ及び好中球数を測定した。また、肺組織において抗炎症効果を評価するために、Cytopro(ELItech)にスライドガラスを装着して細胞を固定させた後、Hematoxylin(DAKO)及びEosin(Sigma,USA)を使用して染色した後、好中球数を測定した。
その結果、図10aに示すように、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞を投与したグループの気管支肺胞洗浄液(BALF)において用量依存的にマクロファージと好中球数が減少したことを確認した。また、図10bに示すように、Hematoxylin&Eosin染色法を用いて肺の組織学的変化を評価した結果、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞を投与したグループの肺組織において免疫細胞と炎症細胞の浸潤が著しく減少したことを確認した。
また、図11a~図11cに示すように、気管支肺胞洗浄液(BALF)において炎症性媒介体分泌程度を評価した結果、炎症誘導サイトカインであるCXCL-1(図11a)、TNF-α(図11b)、及びIL-1β(図11c)の分泌がミクロコッカス・ルテウス由来小胞によって用量依存的に抑制されることを確認した。
以上の結果から、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞が病原性ナノ粒子によって発生する炎症疾患を効率的に抑制できることが分かる。
実施例7.病原性ナノ粒子による炎症性疾患マウスモデルにおいてミクロコッカス・ルテウス由来小胞の免疫調節効果の評価
実施例6の炎症疾患マウスモデルにミクロコッカス・ルテウス由来小胞を投与して免疫機能調節効果を評価した。
その結果、図12a及び図12bに示すように、大腸菌由来小胞による炎症を誘発する免疫反応に関連したサイトカインであるIL-6(図12a)及びIL-17(図12b)の分泌がミクロコッカス・ルテウス由来小胞によって用量依存的に抑制されることを確認した。
一方、図12cに示すように、免疫機能を抑制するサイトカインIL-10の分泌は、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞によって抑制されなかった(図12c)。以上の結果から、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞による抗炎症効果が病原性ナノ粒子による免疫反応を抑制することにより、起こることが分かる。
実施例8.ウイルス模写病原性ナノ粒子による炎症性疾患マウスモデルにおいてミクロコッカス・ルテウス由来小胞の免疫機能異常に対する治療効果の評価
免疫機能異常によって発生する炎症反応は、臓器の機能的な変化を招いて疾患を引き起こすことになる。実施例6の炎症性疾患マウスモデルにミクロコッカス・ルテウス由来小胞を投与して、炎症によって誘導される肺の機能的変化を評価した。具体的には、各マウスに様々な濃度(0mg/mL、6.25mg/mL、12.5mg/mL及び25mg/mL)でエアロゾルメタコリン(Sigma,USA)を投与した後、flexiVent(SCIREQ,Canada)を使用して吸入されたメタコリンに対する最高気道反応を測定することにより、メタコリンによる気道過敏性(Airway hyperresponsiveness,AHR)を測定して機能的な変化を評価した。
その結果、図13に示すように、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞を投与したグループにおいてメタコリンによって誘導された気道抵抗性が用量依存的に改善されたことを確認した。以上の結果から、病原性ナノ粒子によって誘導される疾患の病因において炎症に関連した免疫機能の変化は、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞によって効率的に治療できることが分かる。
実施例9.LPSに汚染されたタンパク質による免疫疾患マウスモデルにおいてミクロコッカス・ルテウス由来小胞の抗炎症効果の評価
図14に示すように、LPSに汚染されたタンパク質による免疫疾患マウスモデルを作製するために、生物学的原因因子に由来するPAMP(pathogen-associated molecular pattern)の一つであるLPS10μg及びOVAタンパク質(ovalbumin)75μgをマウスに吸入投与して、LPSに汚染されたタンパク質による免疫疾患マウスモデルを作製した。その後、3週間OVA50μgとミクロコッカス・ルテウス由来小胞100ngを同時に鼻腔に投与した。対照薬として20μgのデキサメタゾン(Dex)20μgを腹腔に投与した。
その結果、図15a及び図15bに示すように、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞を投与したグループは、デキサメタゾンを投与したグループと同様に気管支肺胞洗浄液(BALF)内の総炎症細胞数(図15a)及び好中球数(図15b)が有意に減少したことを確認した。
また、図15cに示すように、Hematoxylin&Eosin染色法を用いて肺の組織学的変化を評価した結果、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞を投与したグループは、デキサメタゾンを投与したグループと同様に肺組織において炎症細胞の浸潤が顕著に抑制されたことを確認した(図15c)。以上の結果から、PAMPによって誘導される免疫疾患をミクロコッカス・ルテウス由来小胞が効率的に治療できることが分かる。
実施例10.LPSに汚染されたタンパク質による免疫疾患マウスモデルにおいてミクロコッカス・ルテウス由来小胞の抗炎症効果に対する免疫学的作用機序の確認
実施例9のマウスモデルを用いてミクロコッカス・ルテウス由来小胞の抗炎症効果に対する免疫学的作用機序を確認するために、気管支肺胞洗浄液(BALF)内のIL-1βとIL-17をELISA(R&D Systems)を用いて測定した。
その結果、図16a及び図16bに示すように、気管支肺胞洗浄液(BALF)内の炎症性サイトカインIL-1β(図16a)及びPAMPによるTh17免疫反応の指標であるIL-17(図16b)の濃度がミクロコッカス・ルテウス由来小胞によって有意に減少したことを確認した。以上の結果から、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞がLPSによるTh17免疫反応を効率的に抑制することにより、PAMPによって誘導される疾患を治療できることが分かる。
実施例11.LPSに汚染されたタンパク質による免疫疾患マウスモデルにおいてミクロコッカス・ルテウス由来小胞の免疫機能調節分子生物学的作用機序の確認
様々なストレスに対する先天免疫反応は、病気の病因にとって非常に重要であることが知られている。特に、細胞質に存在するNLRP3タンパク質は、老化関連眼疾患及び炎症性眼疾患の病因に核心的なシグナル伝達経路として知られている。また、抗原に対する後天免疫応答の発生に関連したt-betとROR-γtは、それぞれ抗原に対するTh1及びTh17免疫細胞への分化に関連した核心的なシグナル伝達物質として知られている。
ミクロコッカス・ルテウス由来小胞の免疫機能調節に対する分子生物学的作用機序を評価するために、実施例9のマウスモデルの肺組織においてNLRP3(NOD-like receptor pyrin domain-containing protein 3),t-bet(t-box protein expressed in T cells)、ROR-γt(retineic-acid-receptor-related orphan nuclear receptor gamma)発現をwestern blottingで確認した。具体的には、各タンパク質の発現量を測定するためにタンパク質50μgを使用し、デキサメタゾン(Dexametasone;Dex)またはミクロコッカス・ルテウス由来小胞を投与したマウスグループの肺組織においてタンパク質の発現を確認した。
その結果、図17に示すように、LPSに汚染されたタンパク質を投与したグループでは陰性対照群に比べてNLRP3発現が著しく増加し、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞を投与したグループの肺組織ではデキサメタゾンを投与したグループと同様に、NLRP3、t-bet及びROR-γtの発現が著しく抑制されることを確認した。
NLRP3は、細菌及びウイルス感染時に単核球とマクロファージで発現されてIL-1βを分泌する核心的なpattern-recognition receptor(PRR)である。以上の結果から、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞がNLRP3発現を抑制して先天免疫機能を調節することが分かる。また、抗原に対する後天免疫応答の発生に関連したt-betとROR-γtは、それぞれ抗原に対するTh1及びTh17免疫細胞への分化に関連した核心的なシグナル伝達物質である。以上の結果から、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞は、t-betとROR-γt発現を抑制することにより、Th1及びIL-17を分泌するTh17免疫細胞への分化及び活性化を抑制することが分かる。
これはLPSなどのPAMPによって誘導される免疫機能異常が前記ミクロコッカス・ルテウス由来小胞によって効率的に抑制されることを意味する。
実施例12.酸化ストレスに対する細胞の恒常性調節に対するミクロコッカス・ルテウス由来小胞の効能評価
細胞が様々なストレスに繰り返し露出時、細胞内では酸化ストレス(oxidative stress)により細胞老化が発生し、細胞機能に異常がもたらされ、またアポトーシスがもたらされて老化による退行性疾患が発生する。特に、eNOSシグナルを介して生成される低濃度のNO(nitric oxide)は、酸化ストレスの主要原因である活性酸素(reactive oxygenspecies,ROS)作用を拮抗して細胞の恒常性を維持する核心的な役割を担う。一方、iNOSシグナルを介して生成される高濃度のNOは、むしろ細胞に過度なストレスを招き、免疫機能と代謝機能の異常をもたらして疾患の発生を促進する。
酸化ストレスに対する細胞の恒常性に及ぼすミクロコッカス・ルテウス由来小胞の効果を評価するために、実施例3に記載の方法でミクロコッカス・ルテウス由来小胞(M.luteus EV)をA549細胞に処理した後、細胞シグナル伝達タンパク質の発現態様を評価した。シグナル伝達タンパク質発現を評価するための具体的な方法として、lysis bufferを用いて細胞を溶解させ、タンパク質を抽出し、BCA protein assay kit(Thermo,USA)を使用してタンパク質を定量した。サンプル当たり50μgのタンパク質を10%polyacrylamide gelで電気泳動し、分離したタンパク質をnitrocellulose membraneにtransferした。skim milkを添加したtris-buffered saline(0.05% tween 20)(TBST)で室温で30分間blockingした後、p-ERK、ERK、p-p38、p38、p-JNK、JNK、p-p65、p65、iNOS、p-eNOS、eNOS、及びβ-actinに特異的な1次抗体を1/1,000に希釈して4℃で24時間反応させた。その後、10分ずつ3回PBST(0.05%tween 20が入ったphosphate buffer saline)で洗浄し、1/5,000に希釈した2次抗体を室温で1時間反応させた。10分ずつ5回PBSTで洗浄後、ECL select reagentを用いてbandを確認した。
その結果、図18aに示すように、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞を処理したとき、ERK及びeNOSのリン酸化がデキサメタゾン(Dex)及びミクロコッカス・ルテウス由来小胞(M luteus EV)により増加した。また、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞によるeNOSシグナルは、前記ミクロコッカス・ルテウス由来小胞に熱処理をしたときに抑制された。以上の結果から、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞は、eNOSシグナルを活性化して細胞内で低濃度のNOを誘導して細胞の恒常性を増加させ、このようなeNOSシグナルによる低濃度のNO生成及び酸化ストレス抑制効果は、熱に弱い小胞内のタンパク質によって媒介されることが分かる。
一方、図18bに示すように、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞を処理したとき、JNK、p65、p38のリン酸化及びiNOSの発現が抑制された。また、iNOSの発現は、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞に熱処理して膜タンパク質機能を抑制したときにも前記小胞の抑制効果が維持されることが示された。以上の結果から、iNOSシグナルによる高濃度NO生成とそれによる炎症は、前記小胞に存在するタンパク質以外の成分によって媒介されることが分かる。
実施例13.酸化ストレス(oxidative stress)による眼疾患ウサギモデルにおいてミクロコッカス・ルテウス由来小胞の治療効果の評価
眼疾患を引き起こすために、酸化ストレスによって網膜の変性を引き起こす物質であるSI(Sodium iodate)をウサギモデルに単回静脈内投与した。より詳細には、図19に示すように、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞の治療効果を評価するために、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞(M.luteus EV)0.025mg/kg及び0.25mg/kgを眼疾患誘発3日前から誘発後7日目まで毎日1回ずつ経口投与した。評価方法は、retinal degenerated area(変性された網膜の面積)を眼底カメラ(TRC-50IX,TOPCON,Japan)で疾患誘発後7日目の最後の投与日に撮影して分析した。
その結果、図20に示すように、低用量小胞処理群(G3)と高用量小胞処理群(G4)において陽性対照群(G2)に対して変性された網膜の面積が統計的に有意に減少し、これは用量依存的であることを確認した。
一方、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞の眼疾患治療効果を評価するために、ウサギの右眼球に散瞳剤(ミドリアシル1%点眼液)を点眼した後、動物を麻酔し、眼底カメラを用いて、眼底を撮影した結果を図21に示した。
図21に示すように、陽性対照群(G2)は、陰性対照群(G1)に比べて網膜の変性が著しく増加していることが分かり、低用量小胞処理群(G3)及び高用量小胞処理群(G4)は、網膜の変性が陽性対照群に比べて著しく減少していることが分かった。
以上の結果から、本発明のミクロコッカス・ルテウス由来小胞は、老化または炎症に関連して発生する眼疾患の発生を効率的に抑制することが分かった。特に、前記ミクロコッカス・ルテウス由来小胞は、酸化ストレス、ミトコンドリア機能異常、リソソーム損傷などによって誘導されるNLRP3 inflammasomeシグナルを抑制して先天免疫と後天免疫機能を回復させることが分かる。また、eNOSシグナルを介して低濃度NO産生を誘導して細胞の恒常性を増加させることが分かる。特に、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞を経口投与したとき、BBB(Blood-brain barrier)を通過して中枢神経系に分布し、図22に示すように、視覚に関連した神経細胞の免疫機能異常によるアポトーシスを抑制するとともに、細胞の恒常性を効率的に増加させることができることを確認したところ、本発明のミクロコッカス・ルテウス由来小胞は、老化関連眼疾患及び炎症性眼疾患の改善、予防、または治療用途として使用できるものと期待される。
実施例14.病原性ナノ粒子による炎症性疾患マウスモデルにおいてマイクロコーカス属細菌由来小胞の効果評価
前記実施例6のように病原性ナノ粒子による炎症疾患マウスモデルにおいてマイクロコーカス属細菌由来小胞の効果を確認した結果、マイクロコーカス属細菌由来小胞を投与したグループにおいて用量依存的に喘息、肺炎などの呼吸器疾患、肝炎、肝硬変、肝がんなどの肝疾患、糸球体腎炎、糖尿病性腎症などの腎臓疾患、及び/又はアルツハイマー病、パーキンソン病、ルーゲリック病などの脳疾患などの難治性疾患に治療効果があることが確認できた。
前述した本発明の説明は例示のためのものであり、本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想や必須的な特徴を変更することなく、他の具体的な形態に容易に変形が可能であることが理解できるだろう。したがって、前述した実施例は、すべての面で例示的なものであり、限定的でないものと理解しなければならない。
本発明者らは、ミクロコッカス・ルテウス由来小胞を経口投与したとき、前記小胞が血管-脳関門(blood brain barrier,BBB)を通過して中枢神経系に伝達されることを確認した。また、上皮細胞及びマクロファージに前記小胞を処理したとき、生物学的原因因子による炎症性媒介体分泌を著しく抑制するだけでなく、細胞に前記小胞を処理したとき、生物学的原因因子によるNLRP3タンパク質の発現を抑制することを確認した。さらに、酸化ストレスによる眼疾患ウサギモデルに前記小胞を投与したとき、酸化ストレスによる網膜変性(retinal degeneration)発生を有意に抑制することを確認したところ、本発明によるミクロコッカス・ルテウス由来小胞は、眼疾患の予防、改善または治療用組成物だけでなく、眼疾患の治療薬物伝達体として有用に利用できるものと期待される。

Claims (22)

  1. ミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus)由来小胞を有効成分として含む、眼疾患の予防または治療用薬学的組成物。
  2. 前記眼疾患は、NLRP3 inflammasome(NOD-like receptor pyrin domain-containing protein 3 inflammasome)によって媒介される眼疾患であることを特徴とする、請求項1に記載の薬学的組成物。
  3. 前記眼疾患は、老化関連眼疾患であることを特徴とする、請求項1に記載の薬学的組成物。
  4. 前記眼疾患は、網膜地図状萎縮症(retinal geographic atrophy)、糖尿病性網膜症(diabetic retinopathy)、白内障(cataract)、緑内障(glaucoma)及び眼球乾燥症(xerophthalmia)からなる群から選ばれる1つ以上の疾患であることを特徴とする、請求項3に記載の薬学的組成物。
  5. 前記眼疾患は、炎症性眼疾患であることを特徴とする、請求項1に記載の薬学的組成物。
  6. 前記眼疾患は、結膜炎(conjunctivitis)、強膜炎(scleritis)、角膜炎(keratitis)、虹彩炎(iritis)、ぶどう膜炎(uveitis)、脈絡網膜炎(chorioretinitis)、脈絡炎(choroiditis)及び網膜炎(retinitis)からなる群から選ばれる1つ以上の疾患であることを特徴とする、請求項5に記載の薬学的組成物。
  7. 前記小胞は、平均直径が10~200nmであることを特徴とする、請求項1に記載の薬学的組成物。
  8. 前記小胞は、ミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus)から自然的に分泌または人工的に産生されることを特徴とする、請求項1に記載の薬学的組成物。
  9. 前記組成物は、NLRP3 inflammasome(NOD-like receptor pyrin domain-containing protein 3 inflammasome)の活性を阻害することを特徴とする、請求項1に記載の薬学的組成物。
  10. ミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus)由来小胞を有効成分として含む、眼疾患の予防または改善用食品組成物。
  11. 前記眼疾患は、網膜地図状萎縮症(retinal geographic atrophy)、糖尿病性網膜症(diabetic retinopathy)、白内障(cataract)、緑内障(glaucoma)、眼球乾燥症(xerophthalmia)、結膜炎(conjunctivitis)、強膜炎(scleritis)、角膜炎(keratitis)、虹彩炎(iritis)、ぶどう膜炎(uveitis)、脈絡網膜炎(chorioretinitis)、脈絡炎(choroiditis)及び網膜炎(retinitis)からなる群から選ばれる1つ以上の疾患であることを特徴とする、請求項10に記載の食品組成物。
  12. ミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus)由来小胞を有効成分として含む、眼疾患の予防または改善用医薬部外品組成物。
  13. 前記眼疾患は、網膜地図状萎縮症(retinal geographic atrophy)、糖尿病性網膜症(diabetic retinopathy)、白内障(cataract)、緑内障(glaucoma)、眼球乾燥症(xerophthalmia)、結膜炎(conjunctivitis)、強膜炎(scleritis)、角膜炎(keratitis)、虹彩炎(iritis)、ぶどう膜炎(uveitis)、脈絡網膜炎(chorioretinitis)、脈絡炎(choroiditis)及び網膜炎(retinitis)からなる群から選ばれる1つ以上の疾患であることを特徴とする、請求項12に記載の医薬部外品組成物。
  14. ミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus)由来小胞を有効成分として含む、眼疾患の予防または改善用吸入用組成物。
  15. 前記眼疾患は、網膜地図状萎縮症(retinal geographic atrophy)、糖尿病性網膜症(diabetic retinopathy)、白内障(cataract)、緑内障(glaucoma)、眼球乾燥症(xerophthalmia)、結膜炎(conjunctivitis)、強膜炎(scleritis)、角膜炎(keratitis)、虹彩炎(iritis)、ぶどう膜炎(uveitis)、脈絡網膜炎(chorioretinitis)、脈絡炎(choroiditis)及び網膜炎(retinitis)からなる群から選ばれる1つ以上の疾患であることを特徴とする、請求項14に記載の吸入用組成物。
  16. ミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus)由来小胞を有効成分として含む、眼疾患治療薬物伝達用組成物。
  17. ミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus)由来小胞を有効成分として含む組成物をそれを必要とする個体に投与する段階を含む、眼疾患の予防または治療方法。
  18. ミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus)由来小胞を有効成分として含む組成物の眼疾患の予防または治療用途。
  19. ミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus)由来小胞の眼疾患の予防または治療用薬剤の製造のための用途。
  20. 所望の眼疾患治療薬物を担持したミクロコッカス・ルテウス由来小胞を有効成分として含む組成物をそれを必要とする個体に投与する段階を含む、眼疾患治療薬物伝達方法。
  21. ミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus)由来小胞を有効成分として含む、組成物の眼疾患治療薬物伝達用途。
  22. ミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus)由来小胞を有効成分として含む組成物の眼疾患治療薬物伝達用薬剤の製造のための用途。
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