JP2024500511A - 抗pd-l1抗体及びその使用 - Google Patents

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Abstract

本開示は、バイオ医薬品の分野に関し、具体的に言えば、抗PD-L1抗体及びその使用に関する。本開示によって提供される抗PD-L1抗体又はその抗原結合性断片は、PD-L1タンパク質と高い親和性及び高い特異性で結合し、細胞の表面において発現されたPD-L1とPD-1との相互作用を効果的に遮断することができを、サイトカインの生成を刺激する生物学的機能活性を有し、幅広い使用が見込まれる。

Description

関連出願の相互参照
本開示は、2020年12月23日に中国国家知的財産権局へ提出された、出願番号が202011541107.9で、名称が「抗PD-L1抗体及びその使用」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容が引用により本開示に組み込まれている。
本開示は、免疫学の技術分野に関し、具体的には、抗PD-L1抗体及びその使用に関する。
プログラム細胞死タンパク質1(PD-1、別称CD279)は、抗原によって刺激されたT細胞の表面において発現される共刺激受容体である。PD-L1(CD274)、PD-L2(CD273)は、PD-1の2種のリガンドである。PD-L1は、T細胞、B細胞、マクロファージ、樹状細胞及び巨細胞などを含む造血細胞、並びに血管内皮細胞、角化細胞、膵島細胞、星状膠細胞、栄養膜合胞体層、角膜上皮及び内皮細胞を含む非造血細胞において発現される。PD-L1及びPD-L2は、様々な腫瘍細胞及び腫瘍間質において発現される。
PD-1及びPD-L1は、いずれも免疫スーパーファミリータンパク質における膜貫通型タンパク質I型に属し、また、Ig-V及びIg-C様の細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン並びに短い配列の細胞内ドメインによって構成されている。PD-L1とPD-1の細胞外ドメインとの相互作用は、PD-1タンパク質のコンフォメーション変化を誘導して、細胞内の免疫受容体チロシンベースの阻害モチーフ(ITIM)及び免疫受容体チロシンベーススイッチモチーフ(ITSM)がSrcファミリーキナーゼによってリン酸化されることを誘導できる。リン酸化されたチロシンモチーフが、その後、SHP-2及びSHP-1タンパク質チロシンホスファターゼを募集してT細胞活性化シグナルを下方制御する。PD-1に加え、PD-L1は、CD80と相互作用して、T細胞の活性を阻害するシグナルを伝達する。PD-1とPD-L1との相互作用は、T細胞の増殖の阻害、サイトカインの放出、他のエフェクター機能など、様々な面においてT細胞の活性を下方制御する。
PD-1とPD-L1との相互作用は、免疫系の恒常性にとって特に重要である。異なる遺伝子型のPD-1欠損マウスにおいては、自己免疫疾患である全身性エリテマトーデス又は致命的な自己免疫性心筋症が起こる傾向がある。PD-1欠損マウスにおいては胸腺におけるT細胞の順化が変化され、PD-L1の遮断は胎児と母親との間の忍容性を破壊することができる。また、PD-1とPD-L1との相互作用を阻害することは、病原体に対する宿主の免疫作用を強化する。
PD-L1は、様々な予後不良の腫瘍(例えば、腎がん、胃がん、尿路上皮がん、卵巣がん、黒色腫)において発現され、PD-L1抗体を用いて腫瘍細胞を殺し又は傷害性T細胞CTLsの活性を阻害することができる。免疫応答の下方制御におけるPD-1とPD-L1の重要性を考えると、PD-L1タンパク質とPD-1との相互作用を遮断する抗PD-L1抗体を開発し、それを腫瘍の免疫療法に用いることは大きな意義を有する。
本開示が解決しようとする技術的課題は、既存の抗PD-L1抗体とPD-L1とが結合する親和性及び特異性は高くなく、PD-L1とPD-1の結合を効果的に遮断できないという欠点及び不足を克服することであり、抗PD-L1抗体及びその使用を提供する。
本開示は、抗PD-L1抗体又はその抗原結合性断片を提供し、前記抗体は、
配列番号19、25、31、37のいずれかに示される又は配列番号19、25、31、37のいずれかに示されるのと少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列に表われるHCDR1、配列番号20、26、32、38のいずれかに示される又は配列番号20、26、32、38のいずれかに示されるのと少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列に表われるHCDR2、配列番号21、27、33、39のいずれかに示される又は配列番号21、27、33、39のいずれかに示されるのと少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列に表われるHCDR3、及び
配列番号22、28、34、40のいずれかに示される又は配列番号22、28、34、40のいずれかに示されるのと少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列に表われるLCDR1、配列番号23、29、35、41のいずれかに示される又は配列番号23、29、35、41のいずれかに示されるのと少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列に表われるLCDR2、配列番号24、30、36、42のいずれかに示される又は配列番号24、30、36、42のいずれかに示されるのと少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列に表われるLCDR3であるCDRsを含有する。
本開示は、前記抗体又はその抗原結合性断片の重鎖可変領域をコードする第1核酸、及び/又は、前記抗体又はその抗原結合性断片の軽鎖可変領域をコードする第2核酸を含む核酸を提供する。
本開示は、さらに、前記核酸を含むベクターを提供する。
本開示は、さらに、前記核酸又は前記ベクターを含む細胞を提供する。
本開示は、さらに、前記抗PD-L1抗体若しくはその抗原結合性断片、前記核酸、前記ベクター又は前記細胞を含有する医薬組成物を提供する。
本開示は、さらに、PD-L1媒介性疾患又は病状を治療する医薬物の製造における、前記抗PD-L1抗体又はその抗原結合性断片、及びその関連する核酸ベクター、ベクター、細胞又は医薬組成物の使用に関する。
以下、本開示の実施例の技術的解決手段をはっきり説明するために、以下に、実施例で用いられる必要がある図面を簡単に紹介する。なお、以下の図面が本開示の一部の実施例を示しているだけで、範囲に対する限定と見なされないことは、理解されべきである。当業者は、創造性の労働を払わない前提で、これらの図面から他の関連する図面を得ることができる。
CHOヌル細胞に対する抗ヒトPD-L1抗体の結合活性の検出結果である。 ヒトPD-L1を安定的に発現するCHO-hPD-L1に対する抗ヒトPD-L1抗体の結合活性の検出結果である。 アカゲザルPD-L1を安定的に発現するCHO-cynoPD-L1に対する抗ヒトPD-L1抗体の結合活性の検出結果である。 IFNγで刺激したA375細胞に対する抗ヒトPD-L1抗体の結合活性の検出結果である。 CHO-hPD-L1に対する抗ヒトPD-L1抗体の競合的結合活性の検出結果である。 実験方法1の抗ヒトPD-L1抗体による、hPD-L1hFc組換えタンパク質に対するCHO-hPD-L1の結合活性の遮断の検出結果である。 実験方法2の抗ヒトPD-L1抗体による、hPD-L1hFc組換えタンパク質に対するCHO-hPD-L1の結合活性の遮断のモード2の検出結果である。 抗ヒトPD-L1抗体による、hCD80hFc組換えタンパク質に対するCHO-hPD-L1の結合活性の遮断の検出結果である。 ルシフェラーゼレポーター遺伝子法による、抗ヒトPD-L1抗体のインビトロ活性の解析のプレート1、プレート2の結果であり、ここで、図(a)はプレート1の結果であり、図(b)はプレート2の結果である。 抗ヒトPD-L1抗体によって媒介された混合リンパ球反応におけるIL-2の分泌のプレート1の結果である。 抗ヒトPD-L1抗体によって媒介された混合リンパ球反応におけるIL-2の分泌のプレート2の結果である。 抗ヒトPD-L1抗体によって媒介された混合リンパ球反応におけるIFNγの分泌のプレート1の結果である。 抗ヒトPD-L1抗体によって媒介された混合リンパ球反応におけるIFNγの分泌のプレート2の結果である。 組換えタンパク質hPD-L1hFc、hPD-L2hFc、hICOSLGhFc、hB7-H3hFcに対する抗ヒトPD-L1抗体の結合特異性の結果であり、ここで、図(a)は、組換えタンパク質hPD-L1hFcに対する結合特異性の結果であり、図(b)は、組換えタンパク質hPD-L2hFcに対する結合特異性の結果であり、図(c)は、組換えタンパク質hICOSLGhFcに対する結合特異性の結果であり、図(d)は、組換えタンパク質hB7-H3hFcに対する結合特異性の結果である。 組換えタンパク質hCD28hFc、hCD86hFc、hCTLA-4hFcに対する抗ヒトPD-L1抗体の結合特異性の結果であり、ここで、図(a)は、組換えタンパク質hCD28hFcに対する結合特異性の結果であり、図(b)は、組換えタンパク質hCD86hFcに対する結合特異性の結果であり、図(c)は、組換えタンパク質hCTLA-4hFcに対する結合特異性の結果である。 抗ヒトPD-L1抗体のインビボ活性の特性評価の結果であり、ここで、図(a)は、マウスの腫瘍体積に対するmIgG1サブタイプの抗hPD-L1抗体の影響の結果であり、図(b)は、マウスの腫瘍体積に対するmIgG2aサブタイプの抗hPD-L1抗体の影響の結果であり、図(c)は、マウスの体重に対するmIgG1サブタイプ、mIgG2aサブタイプの抗hPD-L1抗体の影響の結果である。
以下、具体的な実施例を用いて本開示をさらに説明し、実施例は本開示に対していかなる形態でも限定を構成するものではない。特に説明がない限り、本開示で使用される試薬、方法及び装置は当技術分野の通常の試薬、方法及び装置である。
特に説明がない限り、以下の実施例で使用される試薬及び材料はいずれも市販品である。
本開示の一部の実施形態は、抗PD-L1抗体又はその抗原結合性断片を開示し、前記抗体は、
配列番号19、25、31、37のいずれかに示される又は配列番号19、25、31、37のいずれかに示されるのと少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列に表われるHCDR1、配列番号20、26、32、38のいずれかに示される又は配列番号20、26、32、38のいずれかに示されるのと少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列に表われるHCDR2、配列番号21、27、33、39のいずれかに示される又は配列番号21、27、33、39のいずれかに示されるのと少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列に表われるHCDR3、及び
配列番号22、28、34、40のいずれかに示される又は配列番号22、28、34、40のいずれかに示されるのと少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列に表われるLCDR1、配列番号23、29、35、41のいずれかに示される又は配列番号23、29、35、41のいずれかに示されるのと少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列に表われるLCDR2、配列番号24、30、36、42のいずれかに示される又は配列番号24、30、36、42のいずれかに示されるのと少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列に表われるLCDR3であるCDRsを含有する。
当該抗PD-L1抗体又はその抗原結合性断片の1つの重要な利点は、PD-L1に対して高い親和性及び高い特異的結合能力を有することである。
当該抗PD-L1抗体又はその抗原結合性断片の1つの重要な利点は、細胞の表面において発現されるPD-L1とPD-1との相互作用を遮断する作用を有することである。
当該抗PD-L1抗体又はその抗原結合性断片の1つの重要な利点は、サイトカインの生成を刺激できることである。
したがって、当該抗PD-L1抗体又はその抗原結合性断片は、抗体医薬品として又はそれを製造するために使用することができる。
本開示ではKabatナンバリングシステムを用いてCDR領域をマークするが、他の方法でマークされるCDR領域も本開示の請求範囲に属する。
本開示ではKabatナンバリングシステムを用いてCDR領域をマークするが、他の方法でマークされるCDR領域も本開示の請求範囲に属する。
本開示において、本文で使用される様に、用語「抗体又はその抗原結合性断片」は、特定の抗原と結合するタンパク質であり、一般に、相補性決定領域(CDR領域)を含むあらゆるタンパク質及びタンパク質断片を指す。「抗体」とは特に全長抗体を指し、「全長抗体」という用語には、ポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体が含まれる。「抗原結合性断片」は、全長鎖に存在するアミノ酸の少なくともいくつかを欠いているが、抗原と特異的に結合できる、抗体のCDRの一部又は全部を含む物質である。このような断片は、生理活性を有し、それらが、標的抗原と結合し、且つ他の抗原結合分子(無傷抗体を含む)と所定のエピトープへ競合的に結合できるからである。
本文で使用される様に、用語「CDR」とは、免疫グロブリンの重鎖及び軽鎖の超可変領域を指す。3種類の重鎖CDR及び3種類の軽鎖CDRがある。ここで、場合によっては、用語「CDR」及び「CDRs」は、抗体又はその抗原結合性断片と、それによって認識される抗原又はエピトープとの結合親和性に役割を果たす主要アミノ酸残基の1種若しくは複数種、又は、ひいては全体を含む領域を指す。
本文で使用される様に、用語「特異的結合」又は類似する表現とは、抗体又はその抗原結合性断片の予め決定された抗原におけるエピトープへの結合を指す。一般に、抗体又はその抗原結合性断片は、約10-6M未満、例えば、約10-7M未満、約10-8M未満、約10-9M未満若しくは約10-10M未満又はさらに小さい親和力(KD)で結合する。KDとは解離速度と結合速度の比(koff/kon)を指し、当該量は当業者によく知られる方法で測定することができる。
一部の実施形態において、前記抗体は重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含有し、前記重鎖可変領域のアミノ酸配列は、配列番号5、9、13、17のいずれかに示されており、又は配列番号5、9、13、17のいずれかに示されるのと少なくとも95%の同一性を有する配列であり、
一部の実施形態において、前記軽鎖可変領域のアミノ酸配列は、配列番号6、10、14、18のいずれかに示されており、又は配列番号6、10、14、18のいずれかに示されるのと少なくとも95%の同一性を有する配列である。
本開示において、前記抗体は定常領域を有し、重鎖定常領域は、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、IgD、IgE、IgMから選ばれるいずれか1種であり、軽鎖定常領域は、κ鎖又はλ鎖である。
一部の実施形態において、前記定常領域の由来種はヒト又はマウスである。
一部の実施形態において、前記抗体は、二重特異性抗体、CDR移植抗体、多量体抗体のうちのいずれか1種又は複数種である。
一部の実施形態において、前記抗原結合性断片は、scFv、Fab、Fab’、F(ab’)、Fv及びシングルドメイン抗体のうちのいずれか1種又は複数種である。
一部の実施形態において、前記PD-L1は、ヒト、サル又はマウスPD-L1である。
本開示の一部の実施形態は、さらに、前記抗体又はその抗原結合性断片の重鎖可変領域をコードする第1核酸、及び/又は、前記抗体又はその抗原結合性断片の軽鎖可変領域をコードする第2核酸を含む核酸を開示する。
核酸は、一般にRNA又はDNAであり、核酸分子は、一本鎖でもよいし二本鎖でもよいが、一部の実施形態において、二本鎖DNAである。核酸が別の核酸配列と機能的な関係に置かれる場合、核酸は「作動可能に連結」される。例えば、プロモーター又はエンハンサーがコード配列の転写に影響を与える場合に、プロモーター又はエンハンサーは前記コード配列に作動可能に連結される。それがベクターに接続される場合、一部の実施形態において、DNAは用いられる。また、抗体が膜タンパク質であるため、核酸は一般にシグナルペプチド配列を備える。
一部の実施形態において、前記第1核酸の塩基配列は、配列番号3、配列番号7、配列番号11、配列番号15のいずれかに示されており、又は配列番号3、配列番号7、配列番号11、配列番号15のいずれかに示されるのと少なくとも95%の同一性を有する配列である。
一部の実施形態において、前記第2核酸の塩基配列は、配列番号4、配列番号8、配列番号12、配列番号16のいずれかに示されており、又は配列番号4、配列番号8、配列番号12、配列番号16のいずれかに示されるのと少なくとも95%の同一性を有する配列である。
本開示の一部の実施形態は、さらに、前記核酸を含むベクターを開示する。
本文で使用される様に、用語「ベクター(vector)」は、ポリヌクレオチドをその中に挿入できる核酸送達ツールである。挿入されたポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質をベクターが発現させることができる場合に、当該ベクターは、発現ベクターと呼ばれる。ベクターを形質転換、形質導入又はトランスフェクションによりホスト細胞に導入することで、それに携帯する遺伝物質エレメントをホスト細胞において発現することができる。ベクターは当業者に周知されており、プラスミド、ファージミド、コスミド、人工染色体(例えば、酵母人工染色体(YAC)、細菌人工染色体(BAC)又はP1由来人工染色体(PAC))、ファージ(例えば、λファージ又はM13ファージ)、動物ウイルスなどを含み、ただしそれらに限定されない。ベクターとして使用できる動物ウイルスは、レトロウイルス(レンチウイルスを含む)、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス(例えば、単純ヘルペスウイルス)、ポックスウイルス、バキュロウイルス、パピローマウイルス、パポーバウイルス(例えば、SV40)を含み、ただしそれらに限定されない。
本開示の一部の実施形態は、さらに、前記核酸又は前記ベクターを含む細胞を開示する。
一部の実施形態において、前記細胞は真核哺乳動物細胞である。
任意の実施形態において、前記細胞はチャイニーズハムスターCHO細胞である。
本開示の一部の実施形態は、さらに、前記抗PD-L1抗体若しくはその抗原結合性断片、前記核酸、前記ベクター又は前記細胞を含有する医薬組成物を開示する。
一部の実施形態において、前記医薬組成物は、薬学的に許容されるベクターをさらに含有する。
本文で使用される様に、用語「医薬組成物」とは、活性成分の生理活性が有効であることが許される形で存在し、また前記組成物を投与される対象に対して容認できない毒性を有する追加の成分を含まないものである。
本文で使用される様に、用語「薬学的に許容されるベクター」は、抗体の保管期限又は有効性を延長するための、生理学的に適合するあらゆる溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤及び抗真菌剤、等張化剤及び吸収遅延剤などを含むことができる。
また、PD-L1媒介性疾患又は病状を治療する医薬物の製造における、前記抗PD-L1抗体又はその抗原結合性断片、及びその関連する核酸、ベクター、細胞又は医薬組成物の使用も、本開示の請求範囲に含まれるべきである。
(発明の効果)
本開示は、以下の有益な効果を有する。
本開示は、抗PD-L1抗体又はその抗原結合性断片、及びPD-L1タンパク質と高い親和性及び高い特異性で結合する抗ヒトPD-L1抗体を提供し、当該抗体は、細胞の表面において発現されたPD-L1とPD-1との相互作用を遮断でき、且つインビトロ細胞機能実験では、サイトカインの生成を刺激する生物学的機能活性を示す。したがって、本開示の抗PD-L1抗体又はその抗原結合性断片、核酸、ベクター、細胞又は前記医薬組成物には、PD-L1媒介性疾患又は病状を治療する医薬物の製造における幅広い使用が見込まれる。
(実施例1)
抗ヒトPD-L1抗体の生成:
1.免疫原
組換えヒトPD-L1融合タンパク質を免疫原として使用して、ヒトPD-L1抗体を生成させる。免疫プロセスでは、mFcタグを携帯するヒトPD-L1細胞外ドメイン融合タンパク質hPD-L1-mFc(Sinobiological)を免疫原として使用した。
2.免疫プロセス
通常のマウスハイブリドーマ系を使用して抗ヒトPD-L1マウスモノクローナル抗体を生成する。プロセスは次のとおりである。
組換えヒトPD-L1組換えタンパク質0.25mg/mLと完全フロイントアジュバント(sigma)を等体積で混合して、油性のエマルジョンを得て、0.2mLの用量で6週齢の雌BALB/cマウス(広東省医学実験動物センター)の背側の部位に皮下投与した。最初の免疫から7日後、組換えヒトPD-L1組換えタンパク質と不完全フロイントアジュバント(sigma)を等体積で混合した後、腹腔内において免疫し、4~5針免疫した後、尾から採血して力価を検出し、力価が所定の滴定量に達したら、生理食塩水で希釈した免疫原0.1mLで追加免疫を行い、3日後に脾臓の融合を行った。
3.ハイブリドーマ細胞の製造
マウス腫瘍細胞と脾臓免疫細胞を1:2の細胞数比で混合し、50mLの遠心管に移して、RPMI1640基礎培地で1回洗浄した。上清を捨て、18mLの電気融合液(BTX)で細胞を均一に混合して、電気融合タンクに加え、所定のパラメータで電気融合を行った。融合後、100mLのRPMI1640基礎培地を加えて軽やかに懸濁化し、96ウェルプレートに均等に分け、合計で20枚であり、50μL/ウェルで、37℃、5%CO細胞インキュベーターに静置して培養した。培養が6日目になったら、HTを含むRPMI1640完全培地と1回交換した。
4.抗ヒトPD-L1クローン上清の検出
0.05M炭酸バッファーでヒトFcタグを携帯する自製のヒトPD-L1組換えタンパク質を、最終濃度が1μg/mLになるまで希釈し、100μL/ウェルで96ウェルELISA検出プレートに加え、2~8℃で夜通しコーティングした。上清を捨て、200μL/ウェルでブロッキング溶液(1×PBS+1%BSA)を加えて、37℃で1時間ブロッキングした。融合後7日目になったら、100μL/ウェルで細胞上清を加え、37℃で30分間静置してインキュベートした。1×PBSで3回洗浄した。100μL/ウェルでHRP標識ヤギ抗マウスIgG(sigma)を加え、37℃で30分間静置してインキュベートし、1×PBSで3回洗浄した後、顕色反応を行った。
5.サブクローンのスクリーニング
OD450≧0.5の融合体を選択し、限界希釈法でクローニングし、少なくとも2回であった。前記ステップ4の実験プロセスで検出し、得られた陽性サブクローンに対しては、インビトロ培養を介して株保存及び発現を行った。
6.抗ヒトPD-L1抗体の発現
抗ヒトPD-L1抗体を生成するクローンが80~90%コンフルエントになるまで成長したら、細胞を吹き飛ばし、1000rpmで5分間遠心分離した後、5%のFBSを含む30mLのSFM完全培地で細胞を再懸濁し、150mLのSF振とうフラスコに移し、37℃、8%CO、120rpmで2~3日培養した。細胞密度が5×10E/mLになった時、1000rpmで5分間遠心分離し、50mLの無血清SFM基礎培地で細胞を再懸濁し、250mLのSF振とうフラスコに移し、37℃、8%CO、120rpmで4~5日培養し、9000rpmで20分間遠心分離して、上清を回収し、クローンの結合の同定を行った。
7.発酵上清の結合活性の同定
抗ヒトPD-L1クローンの発酵上清とヒトPD-L1及びアカゲザルPD-L1との結合活性を評価するために、ヒトPD-L1全長タンパク質(UniprotNo.NP_0548621.1、配列番号1)及びアカゲザルPD-L1(UniprotNo.XP_005581836、配列番号2)を安定的に発現するチャイニーズハムスターCHO安定細胞株をスクリーニングし構築した。抗ヒトPD-Lクローンの発酵上清の結合活性の評価を行った。実験プロセスは次のとおりである。
1×FCMバッファー(1×PBS+3%BSA)でCHO安定細胞株を2×10E/mLになるまで再懸濁し、100μL/ウェルで96ウェルV底プレートに加え、250×gで5分間遠心分離した後、上清を吸い出して捨て、100μL/ウェルで抗ヒトPD-L1クローンの発酵上清を加え、氷上に静置して30分間インキュベートして、250×gで5分間遠心分離した後、上清を吸い出して捨てた。1×FCMで2回洗浄した後、100μL/ウェルで、1×FCMバッファーで希釈したiFluor(登録商標)633GAM蛍光二次抗体(希釈倍率1:400)(ATTbioquest)を加え、氷上で30分間インキュベートした。250×gで5分間遠心分離した後、上清を吸い出して捨て、1×FCMを加えて2回洗浄した後、100μL/ウェルで1×PBSを加えて細胞を再懸濁し、フローサイトメーター(Beckman、CytoFLEX)を使用して検出を行った。
8.精製
陽性クローンの上清を選択して精製した。精製ではProAアフィニティークロマトグラフィーを用いた。プロセスは次のとおりである。
AKTAavant150クロマトグラフ装置を用いて、少なくとも5CVの平衡化バッファー(10mMPBS)でカラム(例えば、MabSelectSuReLX、GE)を平衡化し、サンプルをカラムにロードして、目的タンパク質をカラムに吸着させて他の不純物を透過させて分離した。ローディングを完了した後に少なくとも5CVの平衡化バッファー(10mMPBS)を用いて再びカラムを洗い流し、その後、溶出バッファー(20mMNaAc、pH=3.4)を用いて目的タンパク質を溶出し、回収管には予め中和バッファー(1MTris、pH8.0)を加え、中和バッファーの添加体積は溶出サンプルの推定含有量から決めた(一般に溶出体積量の10%を加える)。
9.抗ヒトPD-L1抗体濃度の測定
サンプルは、Biotek-Epoch-Take-3を用いて濃度の測定を行い、A280法を用いて抗体濃度を検出し、即ち、吸光係数E.C.=1.37、光路長さ=0.05mm(Take-3プレートのウェルによって光路長さに微細な差があるが、自動的に補正される)により、装置においてサンプルの吸光度値を検出し、Lambert-Beerlawに従って被検抗体の濃度を計算した。サンプル濃度が低過ぎる場合は限外濾過濃縮を行う必要があり、限外濾過濃縮管(Amicon(登録商標)Ultra-15CentrifugalFilterDevices、30kD)を用いて取扱説明書に記載の一般的な操作方法に従って、サンプル濃度を>0.5mg/mLである様に濃縮し、濃縮端のサンプルを回収し、0.22μm滅菌シリンジフィルターで滅菌濾過した(科百特、PES、0.22μm、直径13mm)。
10.抗ヒトPD-L1抗体サブタイプの同定
0.05Mである、pH9.5の炭酸バッファーで、ヒトFcタグを携帯する自製の組換えヒトPD-L1組換えタンパク質を希釈し、その最終濃度を1μg/mLにした。100μL/ウェルで96ウェルELISA検出プレートに加え、2~8℃で夜通しコーティングした。上清を吸い出して捨て、200μL/ウェルでブロッキング溶液(1×PBS+1%BSA)を加えて、37℃で1時間ブロッキングした。1%のBSAを含む1×PBSで抗体を1μg/mLに希釈し、100μL/ウェルで抗ヒトPD-L1抗体を加えて、37℃で30分間インキュベートした。1×PBSで3回洗浄した。100μL/ウェルでHRP標識ヤギ抗マウスIgG(sigmaA0168-1ML)、HRP標識ヤギ抗マウスIgG2a(thermofisherM32207)、HRP標識ヤギ抗マウスIgG1(thermofisherPA1-74421)、HRP標識ヤギ抗マウスIgG2b(thermofisherM32407)、HRP標識ヤギ抗マウスIgG3(thermofisherM32607)、HRP標識ヤギ抗マウスIgM(thermofisher31440)を加え、37℃で30分間静置してインキュベートし、1×PBSで3回洗浄した後、顕色反応を行った。4つの株の抗ヒトPD-L1抗体(F016-21、F016-193、F016-568、F016-870)を得た。
11.抗ヒトPD-L1抗体の配列同定
前記4つの株の抗ヒトPD-L1抗体(F016-21、F016-193、F016-568及びF016-870)のマウスハイブリドーマクローンの配列取得及び配列決定は通常の方法を利用し、次のとおりに概述する。
RNA抽出キットMagExtractor-RNA-(東洋紡)を用いて、5×10個のマウスハイブリドーマ細胞から全RNAを抽出し獲得した。5’RACE法のプロセスにより、SMARTerRACE5’Kitキット(タカラバイオ)を用いて、cDNA配列を得た。5’RACEユニバーサルプライマー及び3’マウス特異的保存領域(conserved region)プライマーを用いて、抗体可変領域の配列を増幅し、可変領域の配列を含むPCRクローン配列をpMD18-Tベクター(タカラ、Cat.D101A)に連結させて、大腸菌E.coliDH5αコンピテントセル(NEB)をトランスフェクションした。SanPrepカラム式プラスミドDNAミニ抽出キット(生工生物)を使用してプラスミドを抽出し、次に配列決定を行った。
4つの株の抗ヒトPD-L1抗体の可変領域のヌクレオチド配列を表1に示し、アミノ酸配列を表2に示す。
Figure 2024500511000002
Figure 2024500511000003
(実施例2)
抗ヒトPD-L1抗体の結合活性:
1.CHO-FP1(CHOヌル細胞)に対する抗ヒトPD-L1抗体の結合活性の検出:
(1)実験方法
CHOヌル細胞に対する抗ヒトPD-L1抗体の結合活性を検出し、プロセスは次のとおりである。
1×FCMバッファー(1×PBS+3%BSA)でCHOヌル細胞を2×10E/mLになるまで再懸濁し、100μL/ウェルで96ウェルV底プレートに加えた。1×FCMバッファーで抗ヒトPD-L1抗体を20μg/mLの濃度に希釈した。100μL/ウェルで細胞に加え、氷上に静置して30分間インキュベートして、250×gで5分間遠心分離した後、上清を吸い出して捨てた。1×FCMで2回洗浄した後、100μL/ウェルで、1×FCMバッファーで希釈したiFluor(登録商標)633GAM蛍光二次抗体(希釈倍率1:400)(ATTbioquest)を加え、氷上で30分間インキュベートした。250×gで5分間遠心分離した後、上清を吸い出して捨て、1×FCMを加えて2回洗浄した後、100μL/ウェルで1×PBSを加えて細胞を再懸濁し、フローサイトメーター(Beckman、CytoFLEX)を使用して検出を行った。アベルマブ-mIgG2a(mIgG2aサブタイプ)、アテゾリズマブ-mIgG1(mIgG1サブタイプ)、mIgG1アイソタイプ、mIgG2aアイソタイプ及びAPC抗mIgGを対照抗体とした。
(2)実験結果
CHO-FP1に対する抗ヒトPD-L1抗体の結合活性の検出結果を図1に示し、結果は、4つの株の抗ヒトPD-L1抗体がCHOヌル細胞と結合しないことを示した。
2.ヒトPD-L1を安定的に発現するCHO-hPD-L1に対する抗ヒトPD-L1抗体の結合活性の検出
(1)実験方法
膜タンパク質PD-L1に対する抗ヒトPD-L1抗体の結合親和性の特性評価のために、1×FCMバッファー(1×PBS+3%BSA)で抗ヒトPD-L1抗体を3倍の倍率で希釈し、初期濃度は60μg/mLであり、次にCHO-hPD-L1安定細胞株とコインキュベーションした。具体的な実験プロセスは前記ステップ1と同じであった。アベルマブ-mIgG2a(mIgG2aサブタイプ)、アテゾリズマブ-mIgG1(mIgG1サブタイプ)、mIgG1アイソタイプ及びmIgG2aアイソタイプを対照抗体とした。
(2)実験結果
ヒトPD-L1を安定的に発現するCHO-hPD-L1に対する抗ヒトPD-L1抗体の結合活性の検出結果を図2に示す。
結果は、CHO-hPD-L1に対する4つの株の抗ヒトPD-L1抗体の結合活性のEC50が0.5~1.3nMであり、CHO-hPD-L1に対する対照抗体の結合活性のEC50が0.2~1.0nMであることを示した。
3.アカゲザルPD-L1を安定的に発現するCHO-cynoPD-L1に対する抗ヒトPD-L1抗体の結合活性の検出
(1)実験方法
アカゲザルPD-L1に対する抗ヒトPD-L1抗体の結合親和性の特性評価のために、1×FCMバッファー(1×PBS+3%BSA)で抗ヒトPD-L1抗体を3倍の倍率で希釈し、初期濃度は30μg/mLであり、次にCHO-cynoPD-L1安定細胞株とコインキュベーションした。具体的な実験プロセスは前記ステップ1と同じであった。アベルマブ-mIgG2a(mIgG2aサブタイプ)、アテゾリズマブ-mIgG1(mIgG1サブタイプ)、mIgG1アイソタイプ及びmIgG2aアイソタイプを対照抗体とした。
(2)実験結果
アカゲザルPD-L1を安定的に発現するCHO-cynoPD-L1に対する抗ヒトPD-L1抗体の結合活性の検出結果を図3に示し、結果は、CHO-cynoPD-L1に対する4つの株の抗ヒトPD-L1抗体の結合活性のEC50が0.9~1.3nMであり、CHO-cynoPD-L1に対する対照抗体の結合活性のEC50が0.5~2.1nMであることを示した。
4.IFNγで刺激したA375細胞に対する抗ヒトPD-L1抗体の結合活性の検出
(1)実験方法
ヒトIFNγで腫瘍細胞の表面のPD-L1の発現を刺激し、PD-L1膜タンパク質に対する抗ヒトPD-L1抗体の結合活性を検出した。実験プロセスは次のとおりである。
50ng/mLのヒトIFNγ(R&D)でヒト黒色腫細胞A375(上海セルバンク)を夜通し刺激してヒトPD-L1を発現させ、翌日、0.25%トリプシン(Gibco)でA375細胞を消化処理し、DPBSで1回洗浄した後、生細胞の密度を2E/mLに調整し、100μL/ウェルで96ウェルV底プレートに加えた。1×FCMバッファーで抗ヒトPD-L1抗体を60μg/mLの濃度に希釈した。100μL/ウェルで細胞に加え、氷上に静置して30分間インキュベートして、250×gで5分間遠心分離した後、上清を吸い出して捨てた。1×FCMで2回洗浄した後、100μL/ウェルで、1×FCMバッファーで希釈したiFluor(登録商標)633GAM蛍光二次抗体(希釈倍率1:400)(ATTbioquest)を加え、氷上で30分間インキュベートした。250×gで5分間遠心分離した後、上清を吸い出して捨て、1×FCMを加えて2回洗浄した後、100μL/ウェルで1×PBSを加えて細胞を再懸濁し、フローサイトメーター(Beckman、CytoFLEX)を使用して検出を行った。アベルマブ-mIgG2a(mIgG2aサブタイプ)、アテゾリズマブ-mIgG1(mIgG1サブタイプ)、mIgG1アイソタイプ及びmIgG2aアイソタイプを対照抗体とした。
(2)実験結果
IFNγで刺激したA375細胞に対する抗ヒトPD-L1抗体の結合活性の検出結果を図4に示し、結果は、IFNγで刺激したA375細胞に対する抗ヒトPD-L1抗体の結合のEC50が0.12~0.18nMであり、IFNγで刺激したA375細胞に対する対照抗体の結合のEC50が0.12~0.19nMであることを示した。
5.ヒトPD-L1に対する抗ヒトPD-L1抗体の結合動力学KDの解析
(1)実験方法
MDForteBIOQKプラットフォームを使用してヒトPD-L1に対する抗ヒトPD-L1抗体の結合動力学定数の解析を行った。実験方法は次のとおりである。
平衡化バッファー(1×PBS+0.02%ツイーン20)で、hisタグを携帯する自製のヒトPD-L1細胞外ドメイン組換えタンパク質hPD-L1-hisを、最終濃度が5μg/mLになるまで希釈した。平衡化バッファー(1×PBS+0.02%ツイーン20)で4つの株の抗ヒトPD-L1抗体を2倍の倍率で希釈し、初期濃度は100nMであり、合計で7つの濃度であった。anti-Penta-HISバイオセンサー(ForteBIO)が充分に水和したら、hPD-L1-his組換えタンパク質を先ず150秒凝固し、90秒平衡化した後、抗ヒトPD-L1抗体と結合し、ここで、結合時間は180秒であり、解離時間は600秒であった。反応全体は25℃、1000rpmの条件で行われた。最後にOctet解析ソフトウェアで曲線当てはめを行って、抗ヒトPD-L1抗体の結合動力学定数KDを得た。アベルマブ-mIgG2a(mIgG2aサブタイプ)及びアテゾリズマブ-mIgG1(mIgG1サブタイプ)を対照抗体とした。
(2)実験結果
ヒトPD-L1に対する抗ヒトPD-L1抗体の結合動力学KDの解析結果を表3に示し、結果は、対照抗体と同じように、ヒトPD-L1組換えタンパク質に対する4つの株の抗ヒトPD-L1抗体の結合動力学定数がいずれもpMレベルであることを示した。
Figure 2024500511000004
(実施例3)
抗ヒトPD-L1抗体のエピトープの解析:
1.エピトープ結合(epitopebinning)
(1)実験方法
MDForteBIOQKeプラットフォームを使用して抗ヒトPD-L1抗体のエピトープ競合解析を行った。実験方法は次のとおりである。
平衡化バッファー(1×PBS+0.02%ツイーン20)で、hisタグを携帯する自製のヒトPD-L1細胞外ドメイン組換えタンパク質hPD-L1-hisを、最終濃度が5μg/mLになるまで希釈した。平衡化バッファー(1×PBS+0.02%ツイーン20)で抗ヒトPD-L1抗体を最終濃度が20μg/mLになるまで希釈した。anti-Penta-HISバイオセンサー(ForteBIO、Cat.18-5122)が充分に水和したら、hPD-L1-his組換えタンパク質を先ず150秒凝固し、90秒平衡化した後、第1の抗ヒトPD-L1抗体と120秒結合し、90秒平衡化した後、再び第2の抗ヒトPD-L1抗体と結合し、ここで、結合時間は120秒であった。反応全体は25℃、1000rpmの条件で行われた。最後にOctet解析ソフトウェアでエピトープ結合の解析を行った。
(2)実験結果
エピトープ結合解析の結果は、F016-21及びF016-193がアベルマブと競合しないことを示した。
2.細胞レベルの抗体エピトープ競合解析
(1)実験方法
1×FCMバッファー(1×FBS+3%BSA)で抗PD-L1抗体を希釈し、ここで、第1の抗体は、アベルマブ-hIgG1(hIgG1サブタイプ)、hIgG1アイソタイプ対照抗体を含み、その濃度は40μg/mLであり、第2の抗体は、抗ヒトPD-L1抗体、アベルマブ-mIgG2a(mIgG2aサブタイプ)及びmIgG2aアイソタイプ対照抗体であり、その濃度は2μg/mLであった。1×FCMバッファーでCHO-hPD-L1安定細胞株を再懸濁して、細胞密度を2×10E/mLに調整し、100μL/ウェルで96ウェルプレートに分け、50μLの第1の抗体を加え、氷上で30分間インキュベートした後、50μLの第2の抗体を加え、氷上で30分間インキュベートした。250×gで5分間遠心分離した後、上清を吸い出して捨てた。1×FCMで2回洗浄した後、100μL/ウェルで、1×FCMバッファーで希釈したiFluor(登録商標)633GAM蛍光二次抗体(希釈倍率1:400)(ATTbioquest)を加え、氷上で30分間インキュベートした。250×gで5分間遠心分離した後、上清を吸い出して捨て、1×FCMを加えて2回洗浄した後、100μL/ウェルで1×PBSを加えて細胞を再懸濁し、フローサイトメーター(Beckman、CytoFLEX)を用いて検出を行った。
(2)実験結果
CHO-hPD-L1に対する抗ヒトPD-L1抗体の競合的結合活性の検出結果を図5に示し、F016-21及びF016-193はアベルマブと競合しない。
(実施例4)
抗ヒトPD-L1抗体によって媒介されたリガンド遮断実験:
1.PD-1との結合を遮断する活性
腫瘍細胞又は抗原提示細胞によって発現されるPD-L1タンパク質は、リンパ球の表面において発現されるPD-1タンパク質と結合することにより、リンパ球の刺激活性を阻害する。PD-1とPD-L1との結合の遮断型抗ヒトPD-L1抗体に対して評価を行い、実験方法1及び2によって行うことができ、実験方法1及び2はそれぞれ次のとおりである。
1)実験方法1
(1)実験方法
1×FCMバッファーで抗ヒトPD-L1抗体を3倍の倍率で希釈し、初期濃度は200μg/mLであった。1×FCMバッファーで、hFcを携帯する自製の組換えヒトPD-1タンパク質を、濃度が4μg/mLになるまで希釈した。1×FCMバッファーで、CHO-hPD-L1細胞を、細胞密度が2×10E/mLになるまで再懸濁し、100μL/ウェルで96ウェルV底プレートに均等に分けた。50μL/ウェルで抗体をCHO-hPD-L1細胞に加え、氷上で30分間インキュベートした後、50μL/ウェルで組換えヒトPD-1-hFcタンパク質を加え、氷上で30分間インキュベートした。250×gで5分間遠心分離した後、上清を吸い出して捨て、1×FCMで1回洗浄した後、100μL/ウェルで、1×FCMバッファーで希釈したAPC標識ヤギ抗マウスFc蛍光二次抗体(希釈倍率1:500)(Biolegend)を加え、氷上で30分間インキュベートした。250×gで5分間遠心分離した後、上清を吸い出して捨て、1×FCMを加えて2回洗浄した後、100μL/ウェルで1×PBSを加えて細胞を再懸濁し、フローサイトメーター(Beckman、CytoFLEX)を使用して検出を行った。アベルマブ-mIgG2a(mIgG2aサブタイプ)及びアテゾリズマブ-mIgG1(mIgG1サブタイプ)を対照抗体とした。
(2)実験結果
実験方法1の抗ヒトPD-L1抗体による、hPD-L1hFc組換えタンパク質に対するCHO-hPD-L1の結合活性の遮断の検出結果を図6に示し、結果は、4つの株のマウスモノクローナル抗体によるPD-1とPD-L1の結合活性の遮断のIC50が4.9~6.9nMであり、対照抗体によるPD-1とPD-L1の結合活性の遮断のIC50が5.0~6.4nMであることを示した。
2)実験方法2
(1)実験方法
1×FCMバッファーで抗ヒトPD-L1抗体を3倍の倍率で希釈し、初期濃度は200μg/mLであった。1×FCMバッファーで、hFcを携帯する自製の組換えヒトPD-L1タンパク質を、濃度が2μg/mLになるまで希釈した。1×FCMバッファーで、CHO-hPD-1細胞を、細胞密度が2×10E/mLになるまで再懸濁し、100μL/ウェルで96ウェルV底プレートに均等に分けた。50μL/ウェルで抗体をCHO-hPD-1細胞に加え、氷上で30分間インキュベートした後、50μL/ウェルで組換えヒトPD-L1-hFcタンパク質を加え、氷上で30分間インキュベートした。250×gで5分間遠心分離した後、上清を吸い出して捨て、1×FCMで1回洗浄した後、100μL/ウェルで、1×FCMバッファーで希釈したAPC標識ヤギ抗マウスFc蛍光二次抗体(希釈倍率1:500)(Biolegend)を加え、氷上で30分間インキュベートした。250×gで5分間遠心分離した後、上清を吸い出して捨て、1×FCMを加えて2回洗浄した後、100μL/ウェルで1×PBSを加えて細胞を再懸濁し、フローサイトメーター(Beckman、CytoFLEX)を使用して検出を行った。
アベルマブ-mIgG2a(mIgG2aサブタイプ)、アテゾリズマブ-mIgG1(mIgG1サブタイプ)を対照抗体とした。
(2)実験結果
実験方法2の抗ヒトPD-L1抗体による、hPD-L1hFc組換えタンパク質に対するCHO-hPD-L1の結合活性の遮断の検出結果を図7に示し、結果は、4つの株のマウスモノクローナル抗体によるPD-1のPD-L1との結合活性の遮断のIC50が0.9~1.7nMであり、対照抗体によるPD-1のPD-L1との結合活性の遮断のIC50が1.1~1.6nMであることを示した。
2.CD80との結合を遮断する活性
(1)実験方法
腫瘍細胞又は抗原提示細胞において発現されるPD-L1タンパク質は、リンパ球の表面において発現されるCD80タンパク質と結合することにより、リンパ球の刺激活性を阻害する。CD80とPD-L1との結合の遮断型抗ヒトPD-L1抗体に対して評価を行い、実験方法は次のとおりである。
1×FCMバッファーで抗ヒトPD-L1抗体を3倍の倍率で希釈し、初期濃度は200μg/mLであった。1×FCMバッファーで、hFcを携帯する自製の組換えヒトCD80タンパク質を、濃度が160μg/mLになるまで希釈した。1×FCMバッファーで、CHO-hPD-L1細胞を、細胞密度が2×10E/mLになるまで再懸濁し、100μL/ウェルで96ウェルV底プレートに均等に分けた。
50μL/ウェルで抗体をCHO-hPD-L1細胞に加え、氷上で30分間インキュベートした後、50μL/ウェルで組換えヒトCD80-hFcタンパク質を加え、氷上で30分間インキュベートした。250×gで5分間遠心分離した後、上清を吸い出して捨て、1×FCMで1回洗浄した後、100μL/ウェルで、1×FCMバッファーで希釈したAPC標識ヤギ抗マウスFc蛍光二次抗体(希釈倍率1:500)(Biolegend)を加え、氷上で30分間インキュベートした。250×gで5分間遠心分離した後、上清を吸い出して捨て、1×FCMを加えて2回洗浄した後、100μL/ウェルで1×PBSを加えて細胞を再懸濁し、フローサイトメーター(Beckman、CytoFLEX)を使用して検出を行った。
アベルマブ-mIgG2a(mIgG2aサブタイプ)、アテゾリズマブ-mIgG1(mIgG1サブタイプ)を対照抗体とした。
(2)実験結果
抗ヒトPD-L1抗体による、hCD80hFc組換えタンパク質に対するCHO-hPD-L1の結合活性の遮断の検出結果を図8に示し、結果は、4つの株のマウスモノクローナル抗体によるPD-L1のCD80との結合活性の遮断のIC50が4.1~5.0nMであり、対照抗体によるPD-L1のCD80との結合活性の遮断のIC50が4.0~4.4nMであることを示した。
(実施例5)
抗ヒトPD-L1抗体のインビトロ活性の特性評価:
1.Jurkat-GL4.30-hPD-1とCHO-hPD-L1-OKT3とのコインキュベーションにおけるルシフェラーゼレポーター遺伝子系の検出
(1)実験方法
ルシフェラーゼレポーター遺伝子系を利用して抗ヒトPD-L1マウスモノクローナル抗体のインビトロ機能活性を検出するために、レンチウイルスパッケージング系により、hPD-1及びルシフェラーゼ遺伝子を安定的に発現するJurkat-GL4.30-hPD-1エフェクター細胞株を構築した。同時に、PD-L1提示細胞CHO-hPD-L1-OKT3を構築し、即ち、チャイニーズハムスターCHO細胞を使用してhPD-L1及び抗原非依存性TCR細胞表面キネシンを安定的に発現する。実験の当日、1%のFBSを含むRPMI1640完全培地でCHO-hPD-L1-OKT3細胞及びJurkat-GL4.30-hPD-1細胞を再懸濁し、生細胞の密度は、それぞれ、1×10E/mL、5×10E/mLであり、40μL/ウェルで96ウェル蛍光マイクロプレートに分けた。1%のFBSを含むRPMI1640完全培地で抗ヒトPD-L1マウスモノクローナル抗体を希釈し、初期濃度は50μg/mLであり、20μL/ウェルで抗体を吸い出してJurkat-GL4.30-hPD-1とCHO-hPD-L1-OKT3との混合細胞に入れ、均一に混合した後、37℃、5%CO細胞インキュベーターにおいて6時間培養した。100μL/ウェルで、予め解凍したBright-Lumi(登録商標)溶液(碧云天)を加え、暗所で5分間静置した後、多目的マイクロプレートリーダー(MolecularDevice、SpectraMaxi3x多目的マイクロプレートリーダー)を用いてLumiモードにおいて検出を行った。アベルマブ-mIgG2a(mIgG2aサブタイプ)、アテゾリズマブ-mIgG1(mIgG1サブタイプ)、mIgG1アイソタイプ及びmIgG2aアイソタイプを対照抗体とした。
(2)実験結果
ルシフェラーゼレポーター遺伝子法による、抗ヒトPD-L1抗体のインビトロ活性の解析のプレート1、プレート2の結果をそれぞれ図9に示し、結果は、4つの株の抗体が、ルシフェラーゼレポーター遺伝子シグナルのコールバックを媒介でき、抗体用量依存的であることを示した。
2.T-DC同種異系混合リンパ球反応系におけるIL-2及びIFNγの生成の刺激
(1)実験方法
同種異系T-DCMLR実験により、抗ヒトPD-L1抗体のサイトカインIL-2及びIFNγを刺激する活性を評価する。実験プロセスは次のとおりである。
ヒトリンパ球分離液Lymphoprep(登録商標)(Axis-Shield)を使用して健康なヒト末梢血から末梢血リンパ球PBMCを分離した。なお、ドナー1のPBMCは、ヒトCD14Microbeads(Miltenyi)でポジティブ・スクリーニングしてCD14単球を得た。単球を5×10E/mLでT75培養フラスコに接種し、サイトカインであるヒトGM-CSF及びIL-4を、最終濃度が50ng/mLである様に追加して、6日間連続で刺激した後、ヒトTNFαを最終濃度が50ng/mLである様に追加し、引き続き3日間分化誘導して成熟DC細胞を得た。ドナー2のPBMCは、EasySep(登録商標)HumanTCellEnrichmentKit(Stemcell)でネガティブ・スクリーニングしてCD3T細胞を得た。DC:T細胞比は1:5、DC細胞量は2×10E/ウェルとして、DCとT細胞を均一に混合して96ウェルU底プレートに分け、合計で150μL/ウェル系であった。X-VIVO15完全培地で抗ヒトPD-L1抗体を希釈し、初期濃度は20μg/mLであり、4倍の倍率で希釈し、50μL/ウェルで細胞に加えた。混合リンパ球反応実験が3~5日になったら、細胞上清におけるIL-2及びIFNγの発現を検出した。アベルマブ-mIgG2a(mIgG2aサブタイプ)、mIgG1アイソタイプ及びmIgG2aアイソタイプを対照抗体とした。
(2)実験結果
抗ヒトPD-L1抗体によって媒介された混合リンパ球反応におけるIL-2の分泌のプレート1、プレート2の結果を、それぞれ、図10、図11に示し、そのEC50は順に0.07~0.1μg/mL、0.05~0.09μg/mLであり、対照抗体のEC50は、順に0.03μg/mL、0.04μg/mLであり、抗ヒトPD-L1抗体によって媒介された混合リンパ球反応におけるIFNγの分泌のプレート1、プレート2の結果を、それぞれ、図12、図13に示し、そのEC50は、順に0.14~0.17μg/mL、0.1~0.14μg/mLであり、対照抗体のEC50は、順に0.089μg/mL、0.077μg/mLであった。結果は、T-DC同種異系混合リンパ球反応実験では、抗ヒトPD-L1抗体がサイトカインIL-2、IFNγの上方制御を媒介でき、抗体の用量と正の相関であることを示した。
(実施例6)
抗ヒトPD-L1抗体の結合特異性の解析:
PD-L1タンパク質は、B7ファミリータンパク質に属し、当該ファミリーのタンパク質は、PD-L2(B7-DC)、ICOSL(B7-H2)、B7-H3CD80(B7-1)、CD86(B7-2)などを含む。抗ヒトPD-L1抗体の結合特異性を検出するための実験プロセスは次のとおりである。
50mMCBバッファーで、hFcタグを携帯する組換えヒトPD-L1タンパク質、ヒトPD-L2タンパク質(Acrobiosystem)、ヒトICOSLGタンパク質(Acrobiosystem)、ヒトB7-H3タンパク質(Acrobiosystem)、ヒトCD28タンパク質(Acrobiosystem)、ヒトCD86タンパク質(Acrobiosystem)及びヒトCTLA-4タンパク質(Acrobiosystem)を1μg/mLに希釈し、100μL/ウェルで96ウェルELISA検出プレートに加え、2~4℃で夜通しコーティングした。上清を捨て、200μL/ウェルでブロッキング溶液(1×PBS+1%BSA)を加えて、37℃で1時間ブロッキングした。1%のBSAを含むPBSで抗ヒトPD-L1抗体を10μg/mLに希釈し、100μL/ウェルで加え、37℃で30分間静置してインキュベートした。1×PBSで3回洗浄した。100μL/ウェルでHRP標識ヤギ抗マウスIgG(sigmaA0168-1ML)を加え、37℃で30分間静置してインキュベートし、1×PBSで3回洗浄した後、顕色反応を行った。
2.実験結果
組換えタンパク質hPD-L1hFc、hPD-L2hFc、hICOSLGhFc、hB7-H3hFcに対する抗ヒトPD-L1抗体の結合特異性の結果を図14に示し、組換えタンパク質hCD28hFc、hCD86hFc、hCTLA-4hFcに対する抗ヒトPD-L1抗体の結合特異性の結果を図15に示し、結果は、4つの株の抗ヒトPD-L1抗体が、いずれもPD-L1以外の他のB7ファミリータンパク質及び他の関連タンパク質(hPD-L1hFc、hPD-L2hFc、hICOSLGhFc、hB7-H3hFc、hCD28hFc、hCD86hFc、hCTLA-4hFc)と結合せず、対照抗体が、PD-L1と結合する他に、PD-L2、ICOSLG、B7-H3、CD28、CD86、CTLA-4とも比較的非常に高い結合を有することを示しており、対照抗体と比べて、本開示の抗ヒトPD-L1抗体の結合特異性がより強いことが示される。
(実施例7)
抗ヒトPD-L1抗体のインビボ活性の特性評価:
本実施例では、マウス腫瘍モデルの遮断に対する抗ヒトPD-L1抗体の有効性を研究した。本開示で得られた抗ヒトPD-L1マウスモノクローナル抗体は、マウスPD-L1と交差しないため、C57BL/6バックグラウンドを持つhPD-L1遺伝子組換えマウス(百奥賽図)を使用した。実験方法は次のとおりである。
マウスの右側に1×10EのMC38hPD-L1安定発現結腸・直腸がん細胞を皮下接種した。接種当日を研究の0日目と定義した。平均腫瘍体積が60~80mmに達したら、マウスを腫瘍体積でランダムに群分けし、研究の8日目には、マウスを腫瘍体積でランダムに10群に分け、1群当たり8匹のマウスであり、腹腔内投与を開始した。投与計画は表4に示すとおりである。
Figure 2024500511000005
8日目から腫瘍体積の測定を始め記録し、研究期間中、バーニヤで腫瘍の長径及び短径を週2回に測定した。(1/2)×長径×(短径)で腫瘍体積を計算した。マウスの体積が20%減少し又は腫瘍体積が2000mmを超える時には、慈悲殺の基準を満たし、CO窒息法でマウスを殺した。
Figure 2024500511000006
抗ヒトPD-L1抗体のインビボ活性の特性評価の結果を表5及び図16に示し、結果は、mIgG1サブタイプの抗hPD-L1抗体F016-21(TGI=69.19%、CR:3/8)及びF016-870(TGI=53.22%、CR:0/8)の抗腫瘍効果が、アテゾリズマブ-mIgG1(TGI=36.29%、CR:0/8)(図16のa参照)より優れることを示した。mIgG2aサブタイプの抗hPD-L1抗体F016-21、F016-870及びF016-568の抗腫瘍効果は、顕著であり、TGIが、それぞれ、103.83%、106.73%、92.62%であった。8匹のマウスのうち腫瘍が完全に解消された(CR)のは、それぞれ、7匹、7匹、4匹(即ち、CRは、それぞれ、7/8、7/8、4/8)であった(図16のb参照)。また、抗hPD-L1抗体の各投与群ではマウスの体重に顕著な影響がなかった(図16のc参照)。
上記の実施例は本開示の好ましい実施形態であり、本開示の実施形態は上記の実施例に限定されず、本開示の趣旨と原理を逸脱せずに行われる他の変更、修正、置換、組み合わせ、簡素化は、いずれも同等な置換形態として、本開示の請求範囲に含まれるものとする。

本開示は、抗PD-L1抗体又はその抗原結合性断片を提供し、前記抗体は、
配列番号37、19、31、25のいずれかに示される又は配列番号37、19、31、25のいずれかに示されるのと少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列に表われるHCDR1、配列番号38、20、32、26のいずれかに示される又は配列番号38、20、32、26のいずれかに示されるのと少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列に表われるHCDR2、配列番号39、21、33、27のいずれかに示される又は配列番号39、21、33、27のいずれかに示されるのと少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列に表われるHCDR3、及び
配列番号40、22、34、28のいずれかに示される又は配列番号40、22、34、28のいずれかに示されるのと少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列に表われるLCDR1、配列番号41、23、35、29のいずれかに示される又は配列番号41、23、35、29のいずれかに示されるのと少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列に表われるLCDR2、配列番号42、24、36、30のいずれかに示される又は配列番号42、24、36、30のいずれかに示されるのと少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列に表われるLCDR3であるCDRsを含有する。
本開示の一部の実施形態は、抗PD-L1抗体又はその抗原結合性断片を開示し、前記抗体は、
配列番号37、19、31、25のいずれかに示される又は配列番号37、19、31、25のいずれかに示されるのと少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列に表われるHCDR1、配列番号38、20、32、26のいずれかに示される又は配列番号38、20、32、26のいずれかに示されるのと少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列に表われるHCDR2、配列番号39、21、33、27のいずれかに示される又は配列番号39、21、33、27のいずれかに示されるのと少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列に表われるHCDR3、及び
配列番号40、22、34、28のいずれかに示される又は配列番号40、22、34、28のいずれかに示されるのと少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列に表われるLCDR1、配列番号41、23、35、29のいずれかに示される又は配列番号41、23、35、29のいずれかに示されるのと少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列に表われるLCDR2、配列番号42、24、36、30のいずれかに示される又は配列番号42、24、36、30のいずれかに示されるのと少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列に表われるLCDR3であるCDRsを含有する。
一部の実施形態において、前記抗体は重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含有し、前記重鎖可変領域のアミノ酸配列は、配列番号17、5、13、9のいずれかに示されており、又は配列番号17、5、13、9のいずれかに示されるのと少なくとも95%の同一性を有する配列であり、
一部の実施形態において、前記軽鎖可変領域のアミノ酸配列は、配列番号18、6、14、10のいずれかに示されており、又は配列番号18、6、14、10のいずれかに示されるのと少なくとも95%の同一性を有する配列である。
8日目から腫瘍体積の測定を始め記録し、研究期間中、バーニヤで腫瘍の長径及び短径を週2回に測定した。(1/2)×長径×(短径)で腫瘍体積を計算した。マウスの体が20%減少し又は腫瘍体積が2000mmを超える時には、慈悲殺の基準を満たし、CO窒息法でマウスを殺した。
Figure 2024500511000023

Claims (10)

  1. 配列番号19、25、31、37のいずれかに示される又は配列番号19、25、31、37のいずれかに示されるのと少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列に表われるHCDR1、配列番号20、26、32、38のいずれかに示される又は配列番号20、26、32、38のいずれかに示されるのと少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列に表われるHCDR2、配列番号21、27、33、39のいずれかに示される又は配列番号21、27、33、39のいずれかに示されるのと少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列に表われるHCDR3、及び
    配列番号22、28、34、40のいずれかに示される又は配列番号22、28、34、40のいずれかに示されるのと少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列に表われるLCDR1、配列番号23、29、35、41のいずれかに示される又は配列番号23、29、35、41のいずれかに示されるのと少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列に表われるLCDR2、配列番号24、30、36、42のいずれかに示される又は配列番号24、30、36、42のいずれかに示されるのと少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列に表われるLCDR3である相補性決定領域CDRsを含有することを特徴とする抗PD-L1抗体又はその抗原結合性断片。
  2. 前記抗体は重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含有し、前記重鎖可変領域のアミノ酸配列は、配列番号5、9、13、17のいずれかに示されており又は配列番号5、9、13、17のいずれかに示されるのと少なくとも95%の同一性を有する配列であり、
    前記軽鎖可変領域のアミノ酸配列は、配列番号6、10、14、18のいずれかに示されており又は配列番号6、10、14、18のいずれかに示されるのと少なくとも95%の同一性を有する配列であることを特徴とする請求項1に記載の抗PD-L1抗体又はその抗原結合性断片。
  3. 前記抗体は、定常領域を有し、重鎖定常領域は、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、IgD、IgE、IgMから選ばれるいずれか1種であり、軽鎖定常領域は、κ鎖又はλ鎖であることを特徴とする請求項1に記載の抗PD-L1抗体又はその抗原結合性断片。
  4. 前記抗体は、二重特異性抗体、CDR移植抗体、多量体抗体のうちのいずれか1種又は複数種であり、前記抗原結合性断片は、scFv、Fab、Fab’、F(ab’)、Fv及びシングルドメイン抗体のうちのいずれか1種又は複数種であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の抗PD-L1抗体又はその抗原結合性断片。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の抗PD-L1抗体又はその抗原結合性断片の配列をコードする核酸であって、
    好ましくは、前記抗体又はその抗原結合性断片の重鎖可変領域をコードする第1核酸、及び/又は、前記抗体又はその抗原結合性断片の軽鎖可変領域をコードする第2核酸を含むことを特徴とする核酸。
  6. 前記第1核酸の塩基配列は、配列番号3、配列番号7、配列番号11、配列番号15のいずれかに示されており又は配列番号3、配列番号7、配列番号11、配列番号15のいずれかに示されるのと少なくとも95%の同一性を有する配列であり、
    前記第2核酸の塩基配列は、配列番号4、配列番号8、配列番号12、配列番号16のいずれかに示されており又は配列番号4、配列番号8、配列番号12、配列番号16のいずれかに示されるのと少なくとも95%の同一性を有する配列であることを特徴とする請求項5に記載の核酸。
  7. 請求項5又は6に記載の核酸を含むことを特徴とするベクター。
  8. 請求項5若しくは6に記載の核酸、又は請求項7に記載のベクターを含むことを特徴とする細胞。
  9. 請求項1~4のいずれか1項に記載の抗PD-L1抗体若しくはその抗原結合性断片、請求項5若しくは6に記載の核酸、請求項7に記載のベクター又は請求項8に記載の細胞を含有することを特徴とする医薬組成物。
  10. PD-L1媒介性疾患又は病状を治療する医薬物の製造における、請求項1~4のいずれか1項に記載の抗PD-L1抗体若しくはその抗原結合性断片、請求項5若しくは6に記載の核酸、請求項7に記載のベクター、請求項8に記載の細胞又は請求項9に記載の医薬組成物の使用。

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