JP2024500118A - トウモロコシ湿潤製粉における改善された繊維洗浄 - Google Patents

トウモロコシ湿潤製粉における改善された繊維洗浄 Download PDF

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Abstract

湿潤製粉プロセスにおいてトウモロコシ穀粒からの全デンプン収量及び/又はグルテン収量を増加させる方法であって、トウモロコシ穀粒又はトウモロコシ穀粒の画分をタンパク質ジスルフィドイソメラーゼ又はチオレドキシンと混合することを含む方法が提供される。【選択図】なし

Description

本発明は、好ましくは、繊維洗浄中、トウモロコシ穀粒を酵素組成物と接触させることにより、湿潤製粉プロセスにおける前記トウモロコシ穀粒からのデンプン及び/又はグルテン収量を改善/増加させる方法に関する。
トウモロコシの従来の湿潤製粉は、デンプン及びいくつかの副産物(例えば、胚、グルテン(タンパク質)及び繊維)の回収及び精製のために設計されたプロセスである。繊維は、最も価値のない副産物であるため、産業界では、繊維の割合を減らしながら、デンプン及びグルテンなどのより価値の高い製品の収量を増加させることにかなりの努力を注いでいる。高品質デンプンは、乾燥デンプン、改質デンプン、デキストリン、甘味料及びアルコールなどの製品に更に加工された後、様々な商業目的に使用され得るために価値がある。グルテンは、通常、コーングルテンミール(およそ60%のタンパク質)又はコーングルテンフィード(およそ20%のタンパク質)として動物の飼料のために使用される。
湿潤製粉プロセスは、使用される特定の製粉装置に大きく依存して変化し得るが、通常、プロセスは、以下を含む:穀物洗浄、浸漬、粉砕、胚芽分離、第2の粉砕、繊維分離、グルテン分離及びデンプン分離。トウモロコシ穀粒が洗浄された後、それらは、典型的には、時間及び温度が制御された条件下で水又は希釈SO溶液に浸漬することによって軟化される。次に、穀粒を粉砕して果皮を粉砕し、胚芽を穀粒の残りの部分から分離する。主に繊維、デンプン及びグルテンからなる残留スラリーは、繊維洗浄プロセスで微粉砕及びスクリーニングされ、繊維がデンプン及びグルテンから分離された後、グルテンとデンプンとが分離され、デンプンは、洗浄/濾過プロセスで精製され得る。
湿潤製粉プロセスの浸漬工程のための酵素の使用など、湿潤製粉プロセスのいくつかの工程における酵素の使用が示唆されている。市販の酵素製品Steepzyme(登録商標)(Novozymes A/Sから入手可能)は、湿潤製粉プロセスの第1の工程、即ちトウモロコシ穀粒を水に浸す浸漬工程に適することが示されている。
より最近では、トウモロコシ湿潤製粉における全加工時間を有意に短縮し、処理剤としての二酸化硫黄に対する必要性を排除するためにプロテアーゼを使用する、修正された湿潤製粉プロセスである「酵素的製粉」が開発されている。Johnston et al.,Cereal Chem,81,p.626-632(2004)。
米国特許第6,566,125号明細書は、トウモロコシ穀粒を水に浸漬して浸漬トウモロコシ穀粒を生成し、浸漬トウモロコシ穀粒を粉砕して粉砕トウモロコシスラリーを生成し、粉砕トウモロコシスラリーを酵素(例えば、プロテアーゼ)と共にインキュベートすることを伴う、トウモロコシからデンプンを得る方法を開示している。
米国特許第5,066,218号明細書は、穀粒を洗浄し、穀粒を水に浸漬して軟化させ、次に穀粒をセルラーゼ酵素と共に製粉することを含む、穀粒、特にトウモロコシを製粉する方法を開示している。
国際公開第2002/000731号パンフレットは、穀粒を水に1~12時間浸漬し、浸漬穀粒を湿潤製粉して、穀粒を酸性プロテアーゼなどの1つ以上の酵素で処理することを含む、作物穀粒を処理するプロセスを開示している。
国際公開第2002/000911号パンフレットは、製粉デンプンを酸性プロテアーゼに曝すことを含む、デンプングルテンを分離するプロセスを開示している。
国際公開第2002/002644号パンフレットは、デンプンスラリーを、有効量の酸性プロテアーゼを含む水溶液で洗浄することを含む、製粉プロセスのデンプンとグルテンとの分離工程から得られたデンプンスラリーを洗浄するプロセスを開示している。
国際公開第2014/082566号パンフレット及び国際公開第2014/082564号パンフレットは、湿潤製粉で使用するためのセルロース分解性組成物を開示している。
国際公開第2016/095856号パンフレットは、キシラナーゼ及びアラビノフラノシダーゼを含む組成物並びにトウモロコシ湿潤製粉プロセスにおける繊維洗浄でのこれらの組成物の使用を開示している。
国際公開第2019/023222号パンフレットは、繊維洗浄工程においてセルラーゼと組み合わせてGH5キシラナーゼ及びGH30キシラナーゼを適用する湿潤製粉プロセスを開示している。
国際公開第2017/088820号パンフレットは、繊維洗浄工程において、アルファ-L-アラビノフラノシダーゼ(GH62)を単独で又はキシラナーゼ(GH10)と組み合わせて添加することにより、繊維からのトウモロコシ湿潤製粉におけるデンプン放出を改善するプロセスを開示している。
国際公開第2018/053220号パンフレットは、酵素インキュベーションのための専用の空間/タンクを用いることにより、繊維洗浄工程で酵素を適用するために最適化されている、湿潤製粉プロセスの一部としての繊維洗浄システムを開示している。
当技術分野では、トウモロコシの湿式製粉において、トウモロコシ穀粒の浸漬(steeping)/浸漬(soaking)中、トウモロコシ穀粒の粉砕中及びデンプンとグルテンとの分離中に酵素を使用する効果が研究されているが、トウモロコシ湿潤製粉に関連するエネルギー消費量及びコストを低下させ、デンプン及びグルテンの収量増大を与え得る改善された技術が依然として必要とされている。
第1の態様では、本発明は、湿潤製粉プロセスにおいてトウモロコシ穀粒からのデンプン収量及び/又はグルテン収量を増加させる方法であって、粉砕トウモロコシ穀粒又は粉砕穀粒の画分、特に繊維豊富画分を、有効量の、酸化、還元又は異性化を含むタンパク質ジスルフィド結合の変化を触媒するポリペプチド、例えばチオレドキシンペプチド又はタンパク質ジスルフィドイソメラーゼ(PDI)(EC5.3.4.1)と接触させることを含む方法に関する。
更なる態様では、本発明は、タンパク質ジスルフィド活性を有する単離ポリペプチド又は酸化、還元若しくは異性化を含むタンパク質ジスルフィド結合の変化を触媒することができるチオレドキシンペプチドに関する。
本発明は、タンパク質ジスルフィド活性を有するポリペプチド)をコードするポリヌクレオチド又は酸化、還元若しくは異性化を含むタンパク質ジスルフィド結合の変化を触媒することができるチオレドキシンペプチド、ポリヌクレオチドを含む核酸構築物、ベクター及び宿主細胞並びに本発明のポリペプチドを生成する方法にも関する。
更に、本発明は、本発明のポリペプチドを含む組成物に関する。
本発明は、本発明のポリペプチドを生成する方法にも関する。
定義
酵素の定義:
タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ(PDI):タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ(本明細書ではPDIとも称される)(EC5.3.4.1)という用語は、酸化、還元又は異性化によってフォールディングされる際に、タンパク質内の残基間のジスルフィド結合の形成及び切断を触媒する酵素を意味する。PDIは、レドックスタンパク質のチオレドキシンスーパーファミリーのメンバーであり、典型的には少なくとも3つのドメインを含み、2つの触媒ドメインは、少なくとも1つの非触媒ドメインによって分離されている、CXXC、好ましくはCGHCモチーフを有することによって特徴付けられる活性部位をそれぞれ含む(Perri et al.,2016,Front.Cell Dev.Biol.3:80,Hatahet and Ruddock,2007,FEBS Journal 274:5223-5234)。一実施形態では、活性部位モチーフは、CGHC、CTHC、CPHC及びCSMCから選択される。触媒ドメインは、典型的には、タンパク質ドメインファミリーPf00085(チオレドキシン、https://pfam.xfam.org/family/Thioredoxin)に、タンパク質ドメインファミリーの大規模な集合体であるPfamデータベースによって分類されるとおりに属する(Mistry,et al.,2020,“Pfam:The protein families database in 2021”,Nucleic Acids Research,doi:10.1093/nar/gkaa913;http://pfam.xfam.org/)非触媒ドメインは、PfamドメインPf13848に属し得る(チオレドキシン_6ドメイン、https://pfam.xfam.org/family/PF13848)。好ましい実施形態では、本発明のプロセスに適したPDIは、ポリペプチドモチーフCGHC、CTHC、CPHC又はCSMC、好ましくはCGHCからなる活性部位を含む少なくとも1つのPf00085ドメインを含む。別の好ましい実施形態では、PDIは、連続した順序Pf00085、Pf13848、Pf00085で配置されたドメインを有する3ドメイン構造を含む。3つのドメインは、ペプチドリンカーによって分離され得る。PDI活性とは、実施例第57~59ページ(ジチオスレイトールによるインスリン還元アッセイ)のアッセイの項に記載され、且つ実施例7で適用されたインスリン還元アッセイ(基質としてインスリンを用い、且つDTTの存在下における)でポリペプチドが活性を有することを意味する。
チオレドキシンペプチド(Trx):チオレドキシンという用語は、システインチオール-ジスルフィド交換によるタンパク質ジスルフィド結合の還元を触媒するタンパク質を意味する。チオレドキシンは、他のタンパク質の還元を促進することによって抗酸化剤として作用する(Collet and Messens,2010,Antioxid.Redox Signal.13,1205-1216)。チオレドキシンは、典型的には、サイズがおよそ12kDの小型酸化還元酵素であり、ジチオール-ジスルフィド活性部位、例えばCGPCを含有する。チオレドキシンは、遍在的であり、植物及び細菌から哺乳動物までの多くの生物に見られる。リボヌクレアーゼ、絨毛性ゴナドトロピン、凝固因子、糖質コルチコイドレセプタ及びインスリンを含む、チオレドキシンに対する複数のインビトロ基質が同定されている。インスリンの還元は、従来、活性試験として使用される。チオレドキシンは、CXXCモチーフ中の2つの隣接システインの存在により、それらのアミノ酸配列のレベルで特徴付けられる。これらの2つのシステインは、チオレドキシンが他のタンパク質を還元する能力にとって重要である。チオレドキシンタンパク質は、他のタンパク質、例えばグルタレドキシン、PDI及びジスルフィドオキシダーゼなどの構成成分としても見出される、チオレドキシンフォールドと称される特徴的な三次構造も有する。したがって、本発明によれば、チオレドキシンペプチドは、レドックスタンパク質のチオレドキシンスーパーファミリーのメンバーであり、典型的にはCXXCモチーフ、好ましくはCGPCモチーフを有することによって特徴付けられる活性部位を含む触媒ドメインを含む。チオレドキシン様ペプチドは、タンパク質ドメインファミリーPf00085(チオレドキシン、https://pfam.xfam.org/family/Thioredoxin)に、Pfamデータベースよって分類されるとおりに属する(http://pfam.xfam.org/)。チオレドキシンペプチド活性とは、実施例に記載のインスリン還元アッセイにおいて、Pf00085ドメインを含むペプチドが活性を有することを意味する。本発明にかかるチオレドキシンペプチドは、実施例、例えば実施例7に開示されるインスリン還元アッセイ(基質としてインスリンを用い、且つDTTの存在下における)で活性を有するべきである。
アラビノフラノシダーゼ/アラビノフラノシダーゼ活性を有するポリペプチド:用語「アラビノフラノシダーゼ」とは、アルファ-L-アラビノシド中の末端非還元アルファ-L-アラビノフラノシド残基の加水分解を触媒するアルファL-アラビノフラノシドアラビノフラノヒドロラーゼ(EC3.2.1.55)を意味する。酵素は、アルファ-L-アラビノフラノシド、(1,3)並びに/又は(1,2)及び/若しくは(1,5)結合を含有するアルファ-L-アラビナン、アラビノキシラン及びアラビノガラクタンに作用する。アルファ-Lアラビノフラノシダーゼは、アラビノシダーゼ、アルファ-アラビノシダーゼ、アルファ-L-アラビノシダーゼ、アルファ-アラビノフラノシダーゼ、多糖アルファ-L-アラビノフラノシダーゼ、アルファ-L-アラビノフラノシドヒドロラーゼ、L-アラビノシダーゼ又はアルファ-L-アラビナナーゼとしても知られている。アラビノフラノシダーゼ活性は、200μlの総容積中において、100mM酢酸ナトリウム(pH5)の1ml当たり5mgの中粘度小麦アラビノキシラン(Megazyme International Ireland,Ltd.,Bray,Co.Wicklow,Ireland)を40℃で30分間使用し、それに続くAMINEX(登録商標)HPX-87Hカラムクロマトグラフィー(Bio-Rad Laboratories,Inc.,Hercules,CA,USA)によるアラビノース分析によって決定され得る。アラビノフラノシダーゼは、Henrissat,1991,A classification of glycosyl hydrolases based on amino-acid sequence similarities,Biochem.J.280:309-316及びHenrissat and Bairoch,1996,Updating the sequence-based classification of glycosyl hydrolases,Biochem.J.316:695-696に従い、例えばGH43、GH62、GH51ファミリーに見出すことができる。
ベータ-グルコシダーゼ/ベータ-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチド:用語「ベータ-グルコシダーゼ」とは、ベータ-D-グルコースの放出を伴う末端非還元ベータ-D-グルコース残基の加水分解を触媒するベータ-D-グルコシドグルコヒドロラーゼ(E.C.3.2.1.21)を意味する。Venturi et al.,2002,J.Basic Microbiol.42:55-66の手順に従い、基質としてp-ニトロフェニル-ベータ-D-グルコピラノシドを用いて、ベータ-グルコシダーゼ活性を決定し得る。1単位のベータ-グルコシダーゼは、0.01%のTWEEN(登録商標)20を含む50mMのクエン酸ナトリウム中の基質としての1mMのp-ニトロフェニル-ベータ-D-グルコピラノシドからの、25℃、pH4.8で1分当たりに生成されるp-ニトロフェノレートアニオン1.0μモルと定義される。
ベータ-キシロシダーゼ/ベータ-キシロシダーゼ活性を有するポリペプチド:用語「ベータ-キシロシダーゼ」とは、短いベータ(1→4)-キシロオリゴ糖をエキソ加水分解して非還元末端からD-キシロース残基を連続的に除去することを触媒するベータ-D-キシロシドキシロヒドロラーゼ(E.C.3.2.1.37)を意味する。pH5、40℃において、0.01%のTWEEN(登録商標)20を含む100mMのクエン酸ナトリウム中の基質としての1mMのp-ニトロフェニル-ベータ-D-キシロシドを使用して、ベータ-キシロシダーゼ活性を決定し得る。1単位のベータ-キシロシダーゼは、0.01%のTWEEN(登録商標)20を含む100mMのクエン酸ナトリウム中の1mMのp-ニトロフェニル-ベータ-D-キシロシドからの、40℃、pH5で1分当たりに生成されるp-ニトロフェノレートアニオン1.0μモルと定義される。
セロビオヒドロラーゼ/セロビオヒドロラーゼ活性を有するポリペプチド:用語「セロビオヒドロラーゼ」とは、セルロース、セロオリゴ糖又は任意のベータ-1,4結合グルコース含有ポリマー中の1,4-ベータ-D-グルコシド連結を加水分解して、この鎖の還元末端(セロビオヒドロラーゼI)又は非還元末端(セロビオヒドロラーゼII)からセロビオースを放出することを触媒する1,4-ベータ-D-グルカンセロビオヒドロラーゼ(E.C.3.2.1.91及びE.C.3.2.1.176)を意味する(Teeri,1997,Trends in Biotechnology 15:160-167;Teeri et al.,1998,Biochem.Soc.Trans.26:173-178)。Lever et al.,1972,Anal.Biochem.47:273-279;van Tilbeurgh et al.,1982,FEBS Letters 149:152-156;van Tilbeurgh and Claeyssens,1985,FEBS Letters 187:283-288;及びTomme et al.,1988,Eur.J.Biochem.170:575-581により説明されている手順に従い、セロビオヒドロラーゼ活性を決定し得る。
セルロース分解性酵素又はセルラーゼ/セルラーゼ活性又はセルロース分解活性を有するポリペプチド:用語「セルロース分解性酵素」又は「セルラーゼ」とは、繊維などのセルロースを含む任意の物質を含むセルロース系材料を加水分解する1つ以上(例えば、いくつか)の酵素を意味する。セルロース分解性酵素として、エンドグルカナーゼ(E.C3.2.1.4)、セロビオヒドロラーゼ(E.C3.2.1.91及びE.C3.2.1.150)、ベータ-グルコシダーゼ(E.C.3.2.1.21)又はそれらの組合せが挙げられる。セルロース分解性酵素活性を測定するための2つの基本的な手法は、(1)総セルロース分解性酵素活性を測定すること、及び(2)個々のセルロース分解性酵素活性(エンドグルカナーゼ、セロビオヒドロラーゼ及びベータ-グルコシダーゼ)を測定すること(Zhang et al.,2006,Biotechnology Advances 24:452-481に説明のとおり)を含む。全体的なセルロース分解性酵素活性は、Whatman No.1フィルタ、結晶セルロース、細菌性セルロース、藻類のセルロース、綿、前処理されたリグノセルロースなどを含む不溶性基質を使用して測定され得る。最も一般的な全体的なセルロース分解活性アッセイは、基質としてWhatman No.1フィルタを使用するフィルタアッセイである。このアッセイは、国際純正及び応用化学連合(IUPAC)によって確立された(Ghose,1987,Pure Appl.Chem.59:257-68)。
セルロース分解性酵素活性は、以下の条件下:好適な温度(例えば、40℃~80℃、例えば40℃、45℃、50℃、55℃、60℃、65℃、70℃、75℃又は80℃など)及び好適なpH(例えば、4~9、例えば4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5又は9.0など)での、3~7日にわたる、前処理されたトウモロコシ茎葉(PCS)(又は他の前処理されたセルロース性材料)中のセルロースの1~50mgのセルロース分解性酵素タンパク質/gにおいて、セルロース分解性酵素タンパク質の添加なしの対照加水分解と比較して、セルロース分解性酵素によるセルロース材料の加水分解中の糖の産生/放出の増加を測定することによって決定され得る。典型的な条件は、1mlの反応物、洗浄又は未洗浄PCS、5%不溶性固体(乾燥重量)、50mM酢酸ナトリウム、pH5、1mMのMnSO4、50℃、55℃又は60℃で72時間、AMINEX(登録商標)HPX-87Hカラムクロマトグラフィー(Bio-Rad Laboratories,Inc.,Hercules,CA,USA)による糖分析である。
エンドグルカナーゼ:用語「エンドグルカナーゼ」とは、セルロース、セルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロース及びヒドロキシエチルセルロースなど)、リケニン、穀物のベータ-D-グルカン又はキシログルカン等の混合ベータ-1,3グルカン中のベータ-1,4結合及びセルロース系構成成分を含む他の植物材料中の1,4-ベータ-D-グリコシド連結のエンド加水分解を触媒するエンド-1,4-(1,3;1,4)-ベータ-D-グルカン4-グルカノヒドロラーゼ(E.C.3.2.1.4)を意味する。エンドグルカナーゼ活性を、還元糖アッセイにより決定される基質粘度の低下又は還元末端の増加を測定することにより決定し得る(Zhang et al.,2006,Biotechnology Advances 24:452-481)。本発明の目的のために、pH5、40℃において、Ghose,1987,Pure and Appl.Chem.59:257-268の手順に従って基質としてカルボキシメチルセルロース(CMC)を使用して、エンドグルカナーゼ活性を決定する。
ファミリー61グリコシドヒドロラーゼ:「ファミリー61グリコシドヒドロラーゼ」、又は「ファミリーGH61」、又は「GH61」という用語は、Henrissat,1991,A classification of glycosyl hydrolases based on amino-acid sequence similarities,Biochem.J.280:309-316及びHenrissat and Bairoch,1996,Updating the sequence-based classification of glycosyl hydrolases,Biochem.J.316:695-696に従い、グリコシドヒドロラーゼファミリー61に分類されるポリペプチドを意味する。このファミリーにおける酵素は、1ファミリーメンバーの非常に弱いエンド-1,4-ベータ-D-グルカナーゼ活性の測定に基づくグリコシドヒドロラーゼファミリーとして元来分類されていた。これらの酵素の作用の構造及び様式は、非規範的であり、それらは、真正グリコシダーゼと見なすことができない。しかしながら、セルラーゼ又はセルラーゼの混合物と併せて使用される場合、リグノセルロースの分解を増強するそれらの能力に基づくCAZy分類に保たれる。GH61ポリペプチドは、最近では、溶解多糖モノオキシゲナーゼと分類されており(Quinlan et al.,2011,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 208:15079-15084;Phillips et al.,2011,ACS Chem.Biol.6:1399-1406;Lin et al.,2012,Structure 20:1051-1061)、「副次的活性9」又は「AA9」ポリペプチドと呼ばれている。
加水分解酵素又はヒドロラーゼ/ヒドロラーゼ活性を有するポリペプチド:「加水分解酵素」とは、水を使用して基質を分解する任意の触媒タンパク質を指す。加水分解酵素には、セルラーゼ(EC3.2.1.4)、キシラナーゼ(EC3.2.1.8)、アラビノフラノシダーゼ(EC3.2.1.55(非還元末端アルファ-L-アラビノフラノシダーゼ);EC3.2.1.185(非還元末端ベータ-L-アラビノフラノシダーゼ)、セロビオヒドロラーゼI(EC3.2.1.150)、セロビオヒドロラーゼII(E.C.3.2.1.91)、セロビオシダーゼ(E.C.3.2.1.176)、ベータ-グルコシダーゼ(E.C.3.2.1.21)、ベータ-キシロシダーゼ(EC3.2.1.37)が挙げられる。
キシラナーゼ/キシラナーゼ活性を有するポリペプチド:用語「キシラナーゼ」とは、キシラン中の1,4-ベータ-D-キシロシド連結のエンド加水分解を触媒する1,4-ベータ-D-キシラン-キシロヒドロラーゼ(E.C.3.2.1.8)を意味する。キシラナーゼ活性を、37℃において、0.01%のTRITON(登録商標)X-100及び200mMのリン酸ナトリウムpH6中の基質としての0.2%のAZCL-アラビノキシランにより決定し得る。1単位のキシラナーゼは、200mMのリン酸ナトリウムpH6中の基質としての0.2%のAZCL-アラビノキシランから、37℃、pH6で1分当たりに生成された1.0μモルのアズリンとして定義される。キシラナーゼは、例えば、GH5、GH8、GH30、GH10及びGH11ファミリーに見出すことができる。
GH5ポリペプチド:酵素活性を有するポリペプチドを指し、このポリペプチドは、Carbohydrate-Active EnZYmes(CAZymes)(http://www.cazy.org/)のデータベースにおいてグリコシドヒドロラーゼファミリー5のメンバーに分類される。
GH8ポリペプチド:酵素活性を有するポリペプチドを指し、このポリペプチドは、Carbohydrate-Active EnZYmes(CAZymes)(http://www.cazy.org/)のデータベースにおいてグリコシドヒドロラーゼファミリー8のメンバーに分類される。
GH30ポリペプチド:酵素活性を有するポリペプチドを指し、このポリペプチドは、Carbohydrate-Active EnZYmes(CAZymes)(http://www.cazy.org/)のデータベースにおいてグリコシドヒドロラーゼファミリー30のメンバーに分類される。
GH10ポリペプチド:酵素活性を有するポリペプチドを指し、このポリペプチドは、Carbohydrate-Active EnZymes(CAZymes)(http://www.cazy.org/)のデータベースにおいて、グリコシドヒドロラーゼファミリー10のメンバーに分類される。(Lombard,V.;Golaconda Ramulu,H.;Drula,E.;Coutinho,P.M.;Henrissat,B.(21 November 2013).”The carbohydrate-active enzymes database(CAZy)in 2013”.Nucleic Acids Research.42(D1):D490-D495;Cantarel BL,Coutinho PM,Rancurel C,Bernard T,Lombard V,Henrissat B(January 2009).“The Carbohydrate-Active EnZymes database(CAZy):an expert resource for Glycogenomics”.Nucleic Acids Res.37(Database issue):D233-8)。
GH11ポリペプチドは、酵素活性を有するポリペプチドを指し、このポリペプチドは、Carbohydrate-Active EnZYmes(CAZymes)のデータベースにおいてグリコシドヒドロラーゼファミリー11のメンバーに分類される。
GH62ポリペプチド:酵素活性を有するポリペプチドを指し、このポリペプチドは、Carbohydrate-Active EnZYmes(CAZymes)のデータベースにおいてグリコシドヒドロラーゼファミリー62のメンバーに分類される。
GH43ポリペプチド:酵素活性を有するポリペプチドを指し、このポリペプチドは、Carbohydrate-Active enZYmes(CAZymes)のデータベースにおいてグリコシドヒドロラーゼファミリー43のメンバーに分類される。
GH51ポリペプチド:酵素活性を有するポリペプチドを指し、このポリペプチドは、Carbohydrate-Active EnZYmes(CAZymes)のデータベースにおいてグリコシドヒドロラーゼファミリー51のメンバーに分類される。
他の定義:
これに関連して、用語は、当業者にとって通常のように使用される。これらの用語のいくつかを以下で説明する。
接触時間:1つ以上の酵素が基質と反応するために、この1つ以上の酵素は、この基質と接触しなければならない。「接触時間」とは、1つ以上の酵素の有効量が基質塊の少なくとも一部と接触する期間を指す。酵素は、接触時間中に全ての基質塊と接触しなくてもよいが、1つ以上の酵素を基質塊と混合することで接触時間中に基質塊の一部が酵素触媒加水分解されるようにする。
トウモロコシ穀粒:様々なトウモロコシ穀粒が既知であり、例えばデントコーン、フリントコーン、ポッドコーン、縞模様トウモロコシ、スイートコーン、ワキシーコーン及び同類のものが挙げられる。
いくつかのトウモロコシ穀粒は、穀粒中の胚芽を保護する「果皮」と称される外被を有する。果皮は、水及び水蒸気に抵抗し、昆虫及び微生物にとって望ましくない。「果皮」によって被覆されていない穀粒の唯一の領域は、「尖帽部」であり、これは、穀粒の穂軸への付着点である。
トウモロコシ穀粒又はトウモロコシ穀粒の画分:この用語は、湿潤製粉のプロセスを経たトウモロコシ穀粒を説明するために使用される。トウモロコシ穀粒が分解され加工される際にこの用語が使用される場合、トウモロコシ穀粒の全ての分画された部分が包含されると見なされる。この用語は、例えば、浸漬穀粒、粉砕穀粒、トウモロコシ穀粒塊、第1の画分、第2の画分、トウモロコシ穀粒塊の1つ以上の画分等を含む。
トウモロコシ穀粒塊:好ましくは、繊維、グルテン及びデンプンを含む塊に言及するために使用され、好ましくは作物の穀粒に蒸気を当てて粉砕し、胚から、繊維、グルテン及びデンプンを含む塊を分離することにより得られる。トウモロコシ穀粒塊が繊維洗浄を経ると、第1の画分(s)及び第2の画分(f)を含むいくつかの画分に分離される。したがって、「トウモロコシ穀粒塊の画分」及び「トウモロコシ穀粒塊の1つ以上の画分」とは、とりわけ、これら第1の画分(s)及び第2の画分(f)を指す。
cDNA:用語「cDNA」とは、真核細胞又は原核細胞から得られた成熟してスプライシングされたmRNA分子からの逆転写により調製され得るDNA分子を意味する。cDNAは、対応するゲノムDNA中に存在し得るイントロン配列を欠いている。最初の一次RNA転写物は、成熟してスプライシングされたmRNAとして現れる前にスプライシングを含む一連の工程により加工されているmRNAの前駆体である。
コード配列:用語「コード配列」とは、ポリペプチドのアミノ酸配列を直接指定するポリヌクレオチドを意味する。コード配列の境界は、一般に、ATG、GTG又はTTGなどの開始コドンで始まり、TAA、TAG又はTGAなどの停止コドンで終わるオープンリーディングフレームによって決定される。コード配列は、ゲノムDNA、cDNA、合成DNA又はそれらの組合せであり得る。
制御配列:用語「制御配列」とは、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの発現に必要な核酸配列を意味する。各制御配列は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドにとって、天然(即ち同一遺伝子に由来)若しくは異種(即ち異なる遺伝子に由来)であり得るか、又は互いに天然若しくは異種であり得る。そのような制御配列としては、リーダー、ポリアデニル化配列、プロペプチド配列、プロモータ、シグナルペプチド配列及び転写ターミネータが挙げられるが、これらに限定されない。少なくとも、制御配列としては、プロモータ並びに転写停止シグナル及び翻訳停止シグナルが挙げられる。制御配列は、制御配列と、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドのコード領域とのライゲーションを促進する特定の制限部位を導入する目的でリンカーを備え得る。
発現:用語「発現」とは、ポリペプチドの生成に関与するあらゆる工程(例えば、限定されないが、転写、転写後改変、翻訳、翻訳後改変及び分泌)を含む。
発現ベクター:用語「発現ベクター」とは、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む直鎖状又は環状のDNA分子であって、この分子の発現をもたらす制御配列に作動可能に連結されている直鎖状又は環状のDNA分子を意味する。
断片:用語「断片」とは、成熟型ポリペプチドのアミノ末端及び/又はカルボキシル末端に1つ以上(例えば、いくつか)のアミノ酸が存在しないポリペプチドを意味し、断片は、酸化、還元又は異性化を含むタンパク質ジスルフィド結合の変化を触媒することができる酵素活性、例えばタンパク質ジスルフィドイソメラーゼ活性又はチオレドキシンペプチド活性を有する。一実施形態では、断片は、PfamファミリーPf00085に属する少なくとも1つのチオレドキシンドメインを含む。
胚:「胚」とは、トウモロコシ穀粒の唯一生きている部分である。胚は、穀粒がトウモロコシ植物に成長するのに不可欠な遺伝情報、酵素、ビタミン及びミネラルを含有する。黄色デントコーンでは、胚芽の約25パーセントがコーンオイルである。胚芽に被覆され又は取り囲まれている内胚乳は、穀粒乾燥重量の約82パーセントを構成し、発芽種子のエネルギー源(デンプン)及びタンパク質源である。内胚乳には、軟質及び硬質の2種類がある。硬質内胚乳では、デンプンは、密に詰まっている。軟質内胚乳では、デンプンは、ほぐれている。
グルテン:グルテンは、2つのより小さいタンパク質であるグルテニン及びグリアジンで構成されるタンパク質である。本明細書において、「グルテン」とは、トウモロコシ穀粒に見られるタンパク質の大部分を指す。特定の実施形態では、グルテンは、不溶性タンパク質(主にアルファゼイン、ベータゼイン及びガンマゼインからなる)を指す。トウモロコシ湿潤製粉からのグルテンの主な製品は、コーングルテンミール(およそ60%のタンパク質)及びコーングルテンフィード(およそ20%のタンパク質)である。
粉砕又は粉砕すること:用語「粉砕すること」とは、トウモロコシ穀粒をより小さい構成成分に分解することを指す。
異種:宿主細胞に対する用語「異種」とは、宿主細胞で天然に存在しないポリペプチド又は核酸を意味する。ポリペプチド又は核酸に対する用語「異種」とは、制御配列、例えばプロモータ又はポリペプチド若しくは核酸のドメインがポリペプチド又は核酸に天然に結合しないこと、即ち、制御配列が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4又は配列番号5の成熟型ポリペプチドをコードする遺伝子以外の遺伝子に由来するものであることを意味する。
宿主細胞:用語「宿主細胞」とは、本発明のポリヌクレオチドを含む核酸構築物又は発現ベクターによる形質転換、トランスフェクション、形質導入などを受けやすい任意の細胞型を意味する。用語「宿主細胞」とは、複製中に生じる突然変異に起因して親細胞と同一ではない、親細胞のあらゆる子孫を包含する。
単離された:用語「単離された」とは、ポリペプチド、核酸、細胞又は自然界に見出されるものとしてそれが自然に関連する少なくとも1つの他の材料若しくは構成成分から分離された他の特定の材料若しくは成分を意味し、限定されないが、例えば他のタンパク質、核酸、細胞などが含まれる。単離ポリペプチドは、分泌ポリペプチドを含む培養ブロスを含むが、これに限定されない。
インキュベーション時間:繊維洗浄中、トウモロコシ穀粒塊の1つ以上の画分が、スクリーニングされることなく加水分解酵素と接触している時間である。
多くの好ましい実施形態では、本発明による方法は、材料が酵素によって「影響を受ける」空間(V)又は「インキュベータ」を含むシステムを利用し、そのような状況では、インキュベーション時間は、以下によって決定され得る。
代わりに、インキュベータへの流入が単位時間当たりの容積で表される場合、
である。
成熟型ポリペプチド:用語「成熟型ポリペプチド」とは、N末端プロセシング(例えば、シグナルペプチドの除去)後のその成熟した形態のポリペプチドを意味する。
一態様では、成熟型ポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸21~516である。
一態様では、成熟型ポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸21~513である。
一態様では、成熟型ポリペプチドは、配列番号3のアミノ酸21~516である。
一態様では、成熟型ポリペプチドは、配列番号4のアミノ酸21~517である。
一態様では、成熟型ポリペプチドは、配列番号5のアミノ酸1~110である。
成熟型ポリペプチドコード配列:用語「成熟型ポリペプチドコード配列」とは、タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ活性又はチオレドキシン活性を有する成熟型ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを意味する。一態様では、成熟型ポリペプチドコード配列は、配列番号6のヌクレオチド61~362、419~797、868~1307及び1363~1732である。別の態様では、成熟型ポリペプチドコード配列は、配列番号7のヌクレオチド61~362、427~805、877~1316、1372~1744である。一態様では、成熟型ポリペプチドコード配列は、配列番号20のヌクレオチド61~1548である。一態様では、成熟型ポリペプチドコード配列は、配列番号21のヌクレオチド61~1539である。一態様では、成熟型ポリペプチドコード配列は、配列番号22のヌクレオチド61~1548である。一態様では、成熟型ポリペプチドコード配列は、配列番号23のヌクレオチド61~1551である。一態様では、成熟型ポリペプチドコード配列は、配列番号24のヌクレオチド1~330である。
天然:用語「天然」とは、宿主細胞に天然に存在する核酸又はポリペプチドを意味する。
製粉装置:「製粉装置」は、製粉機により使用される全ての装置を指す。湿潤製粉プロセスは、使用可能な製粉装置に応じて異なる。製粉装置の例は、浸漬タンク、エバポレータ、スクリュープレス、ローターリ乾燥機、脱水スクリーン、遠心分離機、ハイドサイクロン等であり得る。各製粉装置/製粉ラインのサイズ及び数は、製粉機によって変動し得、これは、製粉プロセスに影響を及ぼすであろう。例えば、繊維洗浄スクリーンユニットの数は、変動し得、遠心分離機のサイズについても同様である。
核酸構築物:用語「核酸構築物」とは、単鎖又は二重鎖のいずれかの核酸分子を意味し、これは、天然の遺伝子から単離されているか、又はそうでなければ自然に存在しないように核酸のセグメントを含有するよう修飾されているか若しくは1つ以上の制御配列を含む合成物である。
作動可能に連結される:用語「作動可能に連結される」とは、制御配列がコード配列を発現させるように、ポリヌクレオチドのコード配列と相対的に適切な位置に制御配列が位置する構造を意味する。
保持時間:1つ以上の加水分解酵素と、トウモロコシ穀粒又はトウモロコシ穀粒の一部とを繊維洗浄手順中に反応させる時間である。
いくつかの実施形態では、保持時間は、第1のスクリーンユニット(S1)に受け入れられたトウモロコシ穀粒塊及びその1つ以上の画分が、繊維洗浄システムを再び出る前に1つ以上の加水分解酵素の有効量と接触する期間である。保持時間中、トウモロコシ穀粒塊の1つ以上の画分は、最上流スクリーンユニット(S1)からの第1の画分(s1)の一部又は最下流スクリーンユニット(S4)からの第2の画分(f4)の一部として繊維洗浄システムを出る前に、空間(V)内で1つ以上の加水分解酵素と共にインキュベートされる。
保持時間は、本発明に関連して定義されるように、好ましくは固形物が繊維洗浄システム中で費やす平均時間として推定され得る。これは、以下の関係によって推定され得る。
代わりに、システムへの流入が単位時間当たりの容積で表される場合、
である。
システムの容積は、典型的には、このシステム中の全ての空間の体積の合計と等しく設定されているが、このシステム中の管は、典型的には、小さく作られていることから、この管の体積を無視することが好ましい場合がある。
スクリーニングされた:用語「スクリーニングされた」又は「スクリーニング」とは、トウモロコシ穀粒塊の第1の画分s及び第2の画分fへの分離のプロセスと、これらの画分の1つのスクリーンユニットから別への移動のプロセスとを指す。非スクリーニング時間は、トウモロコシ穀粒塊又はその画分と酵素とのインキュベーションのために提供される非分離時間である。
配列同一性:2つのアミノ酸配列間又は2つのヌクレオチド配列間の関連性は、パラメータ「配列同一性」によって説明される。
本発明の目的のために、2つのアミノ酸配列間の配列同一性は、好ましくは、バージョン6.6.0以降のEMBOSSパッケージ(EMBOSS:The European Molecular Biology Open Software Suite,Rice et al.,2000,Trends Genet.16:276-277)のNeedleプログラムにおいて実装されている、Needleman-Wunschアルゴリズム(Needleman and Wunsch,1970,J.Mol.Biol.48;443-453)を用いて、「最長の同一性」の出力として決定される。使用されるパラメータは、ギャップ開始ペナルティが10、ギャップ伸長ペナルティが0.5及びEBLOSUM62(BLOSUM62のEMBOSSバージョン)置換マトリックスである。Needleプログラムが最長の同一性を報告するために、-nobriefオプションをコマンドラインに指定しなければならない。「最長の同一性」と標識されたNeedleの出力は、以下のとおりに計算される:
(同一残基×100)/(アラインメントの長さ-アラインメント中のギャップの合計数)。
本発明の目的では、2つのポリヌクレオチド配列間の配列同一性は、好ましくは、バージョン6.6.0以降のEMBOSSパッケージ(EMBOSS;The European Molecular Biology Open Software Suite,Rice et al.,2000,上記参照)のNeedleプログラムに実装されているような、ニードルマン-ブンシュアルゴリズム(Needleman and Wunsch,1970,上記参照)を用いて、「最長の同一性」の出力として決定される。使用されるパラメータは、ギャップ開始ペナルティが10、ギャップ伸長ペナルティが0.5及びEDNAFULL(NCBI NUC4.4のEMBOSSバージョン)置換マトリックスである。Needleプログラムが最長の同一性を報告するために、nobriefオプションをコマンドラインに指定しなければならない。「最長の同一性」と標識されたNeedleの出力は、以下のとおりに計算される:
(同一デオキシリボヌクレオチド×100)/(アラインメントの長さ-アラインメント中のギャップの総数)。
デンプン:用語「デンプン」とは、アミロース及びアミロペクチンからなり、(C10)nとして表され、ここで、nが任意の数である、貯蔵顆粒の形態で植物組織に広く存在するグルコース単位から構成される植物の複合多糖類からなる任意の材料を意味する。
浸漬する(steeping)又は浸漬する(soaking):用語「浸漬する」とは、作物の穀粒を水及び任意選択的にSOに浸漬させることを意味する。
トウモロコシ湿潤製粉プロセスからのデンプン及びグルテンの収量を改善する方法を提供することが本発明の目的である。
特に、本発明の目的は、粉砕トウモロコシ穀粒又は粉砕穀粒の一部、特に繊維豊富画分を、有効量の、酸化、還元又は異性化を含むタンパク質ジスルフィド結合の変化を触媒するポリペプチドと接触させることにより、湿潤製粉プロセスでトウモロコシ穀粒から得ることができるデンプン及び/又はグルテン収量を改善する方法を提供することである。一実施形態では、ポリペプチドは、PfamファミリーPf00085に属する少なくともPfamファミリードメインを含む。このようなポリペプチドは、チオレドキシンポリペプチドとしても知られている。特定の実施形態では、Pf00085ドメインを含むポリペプチドは、タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ(PDI)である。チオレドキシンポリペプチド又はPDIの効果は、少なくともキシラナーゼ及び/又はセルラーゼ並びに有効量のSOの存在によって更に改善され得、これは、繊維からの結合デンプン及びグルテンの放出を更に増加させ、したがって得ることができるデンプン及び/又はグルテンの収量を改善する。
湿潤製粉プロセス:
トウモロコシ穀粒を湿潤製粉して、この穀粒を開いて以下の4つの主成分に分離する:デンプン、胚、繊維及びグルテン。
湿潤製粉プロセスは、製粉機毎に有意に変動し得るが、従来の湿潤製粉は、通常、以下の工程を含む。
1.浸漬させる工程、
2.粉砕する工程、
3.(i)胚、並びに(ii)繊維、デンプン及びグルテンを含む流れに分離する工程、
4.微粉砕する工程、
5.繊維を洗浄し、圧搾し、乾燥させる工程、
6.デンプン/グルテン分離の工程、及び
7.デンプンを洗浄する工程。
浸漬、粉砕及び胚の分離
トウモロコシ穀粒を約50℃(例えば、約45℃~60℃)の温度において約30分間~約48時間(好ましくは30分間~約15時間、例えば約1時間~約6時間など)にわたり水中に浸漬させることにより軟化させる。浸漬中、この穀粒は、水を吸収し、その水分レベルは、15パーセントから45パーセントに上昇し、サイズが2倍超になる。この水への例えば0.1パーセントの二酸化硫黄(SO)及び/又はNaHSOの任意選択的な添加により、暖かい環境での過度の細菌増殖が防止される。トウモロコシが膨らんで柔らかくなると、浸漬水の弱酸性がトウモロコシ内のグルテン結合を緩め始め、デンプンが放出される。トウモロコシ穀粒が浸漬した後、通常、過程の粉砕工程により、トウモロコシ穀粒を割って胚を放出させる。胚は、コーンオイルを含有する。この胚を、本質的に、厳密に制御された条件下において、他の物質を含まない胚セグメントを「浮遊させる」ことにより、デンプン、グルテン及び繊維の高密度混合物から分離する。この方法は、後の加工工程における微量のコーンオイルのいかなる悪影響も排除するのに役立つ。その後、胚を乾燥させて油を抽出し得る。胚を分離した後、繊維、デンプン及びグルテン(タンパク質)を含む粉砕された粉砕穀粒塊を、通常、微粉砕工程に供する。
繊維を洗浄し、圧搾し、乾燥させる工程
最終製品中の任意の繊維を最小限に抑えながら、最大のデンプン及びグルテンの回収率を得るために、加工中に遊離デンプン及びグルテンを繊維から洗い流す必要がある。したがって、微粉砕穀粒塊を繊維洗浄手順に供する。それにより、遊離したデンプン及びグルテンがスクリーニング(洗浄)中に繊維から分離され、製粉デンプンとして収集される。次いで、残存する繊維を圧搾して、含水量を減少させる。
最終製品中の任意の繊維を最小限に抑えながら、最大のデンプン及びグルテンの回収量を得るために、加工中に遊離デンプン及びグルテンを繊維画分から洗い流す必要がある。繊維は、典型的には、浸漬させ、粉砕し、且つトウモロコシ穀粒からの胚の分離後に収集し、スラリー化し、次いでスクリーニングして、トウモロコシ穀粒塊中の任意の残余デンプン又はグルテンを再利用する。このプロセスは、本明細書では、繊維洗浄手順/工程と称される。
デンプングルテンの分離
製粉デンプンと称される、繊維洗浄工程からのデンプン-グルテン懸濁液は、デンプン及びグルテンに分離される。グルテンは、デンプンと比較して密度が低い。製粉デンプンを遠心分離機に通過させることにより、グルテンは、容易に遠心脱水される、
デンプンの洗浄
デンプン分離工程からのデンプンスラリーは、いくらかの不溶性タンパク質及び多くの可溶性物質を含む。最高品質のデンプン(高純度デンプン)を製造する前に、それらを除去する必要がある。わずかに1又は2パーセントのタンパク質が残存しているデンプンを希釈し、8~14回洗浄し、再希釈し、ハイドロクロンで再度洗浄して最後の微量のタンパク質を除去し、高品質のデンプン(典型的には99.5%超の純度)を生成する。
湿潤製粉の生成物:湿潤製粉を使用して、コーンスティープリカー、コーングルテンフィード、胚、コーンオイル、コーングルテンミール、コーンスターチ、変性コーンスターチ、コーンシロップなどのシロップ及びコーンエタノールを生成し得るが、これらに限定されない。
本発明の一態様は、湿潤製粉プロセスにおいてトウモロコシ穀粒から得ることができる総デンプン収量及び/又は総グルテン収量を増加させる方法であって、トウモロコシ穀粒又はトウモロコシ穀粒の画分を、有効量の、酸化、還元又は異性化を含むタンパク質ジスルフィド結合の変化を触媒するポリペプチドを含む酵素組成物と混合することを含む方法を提供する。一実施形態では、ポリペプチドは、PfamファミリーPf00085に属する少なくともPfamファミリードメインを含む。このようなポリペプチドは、チオレドキシンポリペプチドとしても知られている。特定の実施形態では、Pf00085ドメインを含むポリペプチドは、タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ(PDI)である。少なくとも1つのタンパク質ジスルフィドイソメラーゼ又はチオレドキシンポリペプチドは、任意選択的に、1つ以上の加水分解酵素と組み合わされ得、前記加水分解酵素の少なくとも1つは、キシラナーゼポリペプチド及び/若しくはセルラーゼポリペプチド又はそれらの組合せからなる群から選択される。アラビノフラノシダーゼなどの他の加水分解酵素も添加し得る。好ましい実施形態では、前記トウモロコシ穀粒又は前記トウモロコシ穀粒の画分は、トウモロコシ穀粒塊を繊維洗浄手順に供する工程中、前記タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ又はチオレドキシンペプチド、任意選択的に1つ以上の加水分解酵素と混合される。
トウモロコシ穀粒又はトウモロコシ穀粒画分中のデンプン及び/又はグルテンの一部は、繊維画分に結合され得、且つ湿潤製粉プロセス中に決して放出されなくてもよい。しかしながら、トウモロコシ穀粒に存在する基質を、水を使用して分解し得る任意の触媒タンパク質が含まれ得る加水分解酵素の添加は、結合デンプン及び/又はグルテンの一部を放出し得、したがって湿潤製粉プロセスにおけるデンプン及び/又はグルテンの総収量が増加される。
本発明者らは、驚くべきことに、粉砕トウモロコシ穀粒塊又は粉砕穀粒の一部、特に繊維豊富画分を有効量のタンパク質ジスルフィドイソメラーゼ(PDI)又はチオレドキシンと接触させることにより、粉砕トウモロコシ穀粒からのデンプン及びグルテンの放出を増加させ得ることを見出した。PDI、キシラナーゼ、セルラーゼ及びSO2を併用することにより、PDIの効果を更に増強することができる。
したがって、第1の態様では、本発明は、湿潤製粉プロセスにおいてトウモロコシ穀粒からのデンプン収量及び/又はグルテン収量を増加させる方法であって、粉砕トウモロコシ穀粒又は粉砕穀粒の画分、特に繊維豊富画分を、有効量の、酸化、還元又は異性化を含むタンパク質ジスルフィド結合の変化を触媒するポリペプチド、例えばタンパク質ジスルフィドイソメラーゼ(PDI)(EC5.3.4.1)又はチオレドキシンペプチドと接触させることを含む方法に関する。
一実施形態では、本発明の方法は、PDI又はチオレドキシンペプチドが存在しない/添加されないプロセスと比較して、湿潤製粉プロセス中に繊維から放出されるデンプン及び/又はグルテンの量の増加をもたらす。
別の実施形態では、本発明の方法は、浸漬時間及びSO添加の減少をもたらす。
湿潤製粉プロセスで用いられる特定の手順及び装置は、変動し得るが、工程の主な原理は、同じままである(湿潤製粉プロセスの説明を参照されたい)。
一実施形態では、PDI又はチオレドキシンペプチドは、特に繊維洗浄工程中に存在する/繊維画分に添加される。
特定の一実施形態では、本発明の方法は、
a)トウモロコシ穀粒を水に浸漬させて、浸漬穀粒を生成する工程と、
b)浸漬穀粒を粉砕して、粉砕穀粒を生成する工程と、
c)粉砕穀粒から胚を分離して、繊維、デンプン及びグルテンを含むトウモロコシ穀粒塊を生成する工程と、
d)トウモロコシ穀粒塊、特に微細繊維画分などの繊維豊富画分を繊維洗浄手順に供し、繊維からデンプン及びグルテンを分離する工程と
を含み、少なくともPDI又はチオレドキシンペプチドは、工程d)前又は中に存在する/添加される。
一実施形態では、上記方法は、
e)グルテンからデンプンを分離する工程と、任意選択的に、
f)デンプンを洗浄する工程と
を更に含む。
本発明の方法の一実施形態では、PDI又はチオレドキシンペプチドは、繊維洗浄中、少なくとも10μg EP/g DS、少なくとも25μg EP/g DS、少なくとも50μg EP/g DS、少なくとも75μg EP/g DS、少なくとも100μg EP/g DS、少なくとも200μg EP/g DS、少なくとも300μg EP/g DS、少なくとも500μg EP/g DS、例えば10~2000μg EP/g DS、25~1000μg EP/g DS、50~800μg EP/g DS、100~500μg EP/g DSの範囲の量で存在する/添加される。
本発明によれば、繊維洗浄工程中の加水分解酵素の効果を最大にするために、有効量のSOが繊維洗浄中に存在する。
一実施形態では、SOは、繊維洗浄中、少なくとも200ppm、少なくとも300ppm、少なくとも400ppm、少なくとも450ppm、少なくとも500ppm、少なくとも600ppm、少なくとも700ppm、少なくとも800ppmの量で存在する/添加される。
別の実施形態では、SO2は、繊維洗浄中、200~3000ppm、300~2000ppm、400~800ppmの範囲の量で存在する/添加される。
本発明にかかる方法では、更なる酵素活性をPDI又はチオレドキシンペプチドと組み合わせて有利に添加し得る。したがって、本発明の更なる実施形態は、有効量の1つ以上の加水分解酵素が繊維洗浄工程前又は中に存在し/添加され、前記加水分解酵素の少なくとも1つがキシラナーゼ及び/又はセルラーゼから選択される、方法に関する。
キシラナーゼは、一実施形態では、GH5ポリペプチド、GH30ポリペプチド、GH10ポリペプチド、GH11ポリペプチド、GH8ポリペプチド又はそれらの組合せからなる群から選択される。
別の実施形態では、加水分解酵素は、1つ以上のセルラーゼを含む。セルラーゼは、エンドグルカナーゼ(EG)及びセロビオヒドロラーゼ(CBH)からなる群から選択される1つ以上の酵素を含む。
一実施形態では、セルラーゼは、エンドグルカナーゼ、セロビオヒドロラーゼI、セロビオヒドロラーゼII又はそれらの組合せからなる群から選択される1つ以上の酵素を含む。
別の実施形態では、加水分解酵素は、アラビノフラノシダーゼを含む。
アラビノフラノシダーゼは、一実施形態では、GH43ポリペプチド、GH62ポリペプチド及びGH51ポリペプチドからなる群から選択され得る。
本発明の方法の特定の一実施形態では、工程c)からの繊維、デンプン及びグルテンを含むトウモロコシ穀粒塊は、工程d)での繊維洗浄手順前に更なる粉砕工程、好ましくは微粉砕工程に供される。
繊維洗浄手順で使用される特定の装置は、変動し得るが、プロセスの主な原則は、同じままである。国際公開第2018/053220号パンフレットは、専用の酵素インキュベーション空間/タンクを含む繊維洗浄システムについて記載している。本開示及び当業者の一般知識に基づいて、加水分解酵素が機能するのに十分なインキュベーション時間をもたらす繊維洗浄システムを設計することが可能であろう。一実施形態では、前記トウモロコシ穀粒又は前記トウモロコシ穀粒画分、例えば繊維豊富画分は、前記1つ以上の加水分解酵素と、少なくとも20分間、少なくとも25分間、少なくとも30分間、少なくとも35分間、少なくとも40分間、少なくとも45分間、少なくとも50分間、少なくとも55分間、少なくとも60分間、少なくとも70分間、少なくとも80分間、少なくとも90分間、少なくとも100分間、少なくとも110分間又は少なくとも120分間など、少なくとも15分間反応される。
一実施形態では、前記繊維洗浄手順は、1つ以上の加水分解酵素の導入のために最適化された繊維洗浄システムの使用を含み、繊維洗浄システムは、少なくとも40分間、少なくとも45分間、少なくとも50分間、少なくとも60分間、少なくとも70分間、少なくとも80分間、少なくとも90分間、少なくとも100分間、少なくとも110分間又は少なくとも120分間など、少なくとも35分間及び40時間未満、36時間未満、30時間未満、24時間未満、20時間未満、12時間未満、10時間未満、8時間未満、6時間未満、5時間未満、4時間未満、3時間未満など、48時間未満の繊維洗浄システム中の総反応時間(保持時間)を提供するように構成された空間(V)を含む。一実施形態では、繊維洗浄システム中の総保持時間は、35分間~48時間、例えば35分間~24時間、35分間~12時間、35分間~6時間、35分間~5時間、35分間~4時間、35分間~3時間、35分間~2時間、45分間~48時間、45分間~24時間、45分間~時間、45分間~6時間、45分間~5時間、45分間~4時間、45分間~3時間、45分間~2時間、1~48時間、1~24時間、1~12時間、1~6時間、1~5時間、1~4時間、1~3時間、1~2時間などである。
一実施形態では、繊維洗浄システムは、
- 向流洗浄構成で流体連結されている複数のスクリーンユニット(S1...S4)であって、各スクリーンユニットは、トウモロコシ穀粒塊と液体との流れを2つの画分:第1の画分(s)及び第2の画分(f)に分離するように構成され、第2の画分(f)は、第1の画分(s)を上回る、重量%で測定された量の繊維を含有する、複数のスクリーンユニット(S1...S4)、
- システム内に配置され、且つ前記第1の画分(s)、前記第2の画分(f)又は混合された第1及び第2の画分(s、f)、好ましくは第2の画分(f)のみを受け入れるように流体連結され、及び空間内に受け入れられた一方又は両方の画分に対してインキュベーション時間を提供するように構成され、且つそれによりインキュベートされた一方又は両方の画分を下流のスクリーンユニット(S4)に排出する空間(V)
を含み、システムは、
- トウモロコシ穀粒塊及び液体を最上流スクリーンユニット(S1)に注入すること、
- 最上流スクリーンユニット(S1)からの第1の画分(s1)を、デンプンを含有する生成物流として排出すること、
- プロセス水を注入することであって、好ましくはプロセス水を最下流スクリーンユニット(S4)に注入するように配置される、注入すること、
- 最下流スクリーンユニット(S4)から、第2の画分(f4)を、最初のトウモロコシ穀粒塊を下回る量のデンプン及びグルテンを含有する洗浄されたトウモロコシ穀粒塊として排出すること、
- システムに加水分解酵素を導入すること
を行うように構成される。
一実施形態では、繊維洗浄システム内に構成された前記空間(V)内のインキュベーション時間は、少なくとも10分間、少なくとも15分間、少なくとも20分間、少なくとも30分間、少なくとも40分間、少なくとも45分間、少なくとも50分間、少なくとも60分間、少なくとも70分間、少なくとも80分間、少なくとも90分間、少なくとも100分間、少なくとも110分間又は少なくとも120分間など、少なくとも5分間及び40時間未満、36時間未満、30時間未満、24時間、20時間未満、12時間未満、10時間未満、8時間未満、6時間未満、5時間未満、4時間未満、3時間未満など、48時間未満である。
一実施形態では、前記空間(V)内のインキュベーション時間は、35分間~48時間、例えば35分間~24時間、35分間~時間、35分間~6時間、35分間~5時間、35分間~4時間、35分間~3時間、35分間~2時間、45分間~48時間、45分間~24時間、45分間~12時間、45分間~6時間、45分間~5時間、45分間~4時間、45分間~3時間、45分間~2時間、1~48時間、1~24時間、1~12時間、1~6時間、1~5時間、1~4時間、1~3時間、1~2時間などである。
一実施形態では、前記空間(V)内のインキュベーション温度は、25~95℃、例えば25~90℃、25~85℃、25~80℃、25~75℃、25~70℃、25~65℃、25~60℃、25~55℃、25~53℃、25~52℃、30~90℃、30~85℃、30~80℃、30~75℃、30~70℃、30~65℃、30~60℃、30~55℃、30~53℃、30~52℃、35~90℃、35~85℃、35~80℃、35~75℃、35~70℃、35~65℃、35~60℃、35~55℃、35~53℃、35~52℃、39~90℃、39~85℃、39~80℃、39~75℃、39~70℃、39~65℃、39~60℃、39~55℃、39~53℃、39~52℃、例えば46~52℃である。
更に、空間の寸法(m)は、好ましくは、少なくとも10分間、少なくとも15分間、少なくとも20分間、少なくとも25分間、少なくとも30分間、少なくとも35分間、少なくとも40分間、少なくとも45分間、少なくとも50分間、少なくとも55分間、少なくとも60分間、少なくとも70分間、少なくとも80分間、少なくとも90分間、少なくとも100分間、少なくとも110分間、少なくとも120分間などの少なくとも5分間のインキュベーション時間を提供するように構成される。
インキュベーションのために指定された空間(V)は、好ましくは、少なくとも30m、少なくとも40m、少なくとも50m、少なくとも60m、少なくとも70、m、少なくとも80、m、少なくとも90、m、少なくとも100m、少なくとも110m、少なくとも120m、少なくとも130m、少なくとも140m、少なくとも150m、少なくとも160m、少なくとも170m、少なくとも180m、少なくとも190m、少なくとも200m、少なくとも210m、少なくとも220m、少なくとも230m、少なくとも240m、少なくとも250m、少なくとも260m、少なくとも270m、少なくとも280m、少なくとも290m、少なくとも300m、少なくとも400m又は少なくとも500mの体積を有する。インキュベーション時間は、総容積又は合わせた容積が少なくとも100m、少なくとも110m、少なくとも120m、少なくとも130m、少なくとも140m、少なくとも150m、少なくとも160m、少なくとも170m、少なくとも180m、少なくとも190m、少なくとも200m、少なくとも210m、少なくとも220m、少なくとも230m、少なくとも240m、少なくとも250m、少なくとも260m、少なくとも270m、少なくとも280m、少なくとも290m、少なくとも300m、少なくとも400m、少なくとも500mである2つ以上の空間Vにおけるものでもあり得る。
インキュベーション時間中、空間Vに受け入れられた流体は、スクリーニングされないことが好ましい。したがって、空間Vを出る流体は、空間Vに受け入れられる流体と例えばデンプン及び繊維の同一組成を有するが、好ましくは繊維から放出されたより高い比率のデンプン及び/又はタンパク質を含有する。
酵素と繊維間の密着を確実にするために、ロータ又はインペラを含むことなどにより、前記空間Vに含有される物質の撹拌のために空間Vを構成することが好ましい場合がある。
空間Vが最上流スクリーンユニットS1の下流且つ前記最下流スクリーンユニットS4の上流に配置されることが好ましく、特に、空間Vは、最下流から2番目のスクリーンユニットS3に流体を供給するように配置される。
タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ、EC5.3.4.1。
一実施形態では、PDIは、レドックスタンパク質のチオレドキシンスーパーファミリーに属する少なくとも1つの触媒ドメインを含み、このドメインは、CXXCモチーフを有することによって特徴付けられる活性部位を含む。
別の実施形態では、PDIは、少なくとも1つの非触媒ドメインによって分離されている、CXXCモチーフを有することによって特徴付けられる活性部位をそれぞれ含む2つの触媒ドメインを含む。
CXXCモチーフは、特に、CGHC、CTHC、CPHC及びCSMC、最もとりわけCGHCからなる群から選択される。
特定の実施形態では、チオレドキシンドメインは、PfamファミリーPf00085又はPf13848のいずれかに属する。
別の特定の実施形態では、PDIは、触媒活性ドメインがPf00085で示される、3ドメイン構造Pf00085-Pf13848-Pf00085を含む。
チオレドキシンペプチド
一実施形態では、チオレドキシンは、システインチオール-ジスルフィド交換による他のタンパク質の還元を促進することによって抗酸化剤として作用するタンパク質である。それらは、タンパク質ジスルフィド結合の還元を触媒することができる酵素である。別の実施形態では、チオレドキシンペプチドは、活性部位モチーフCXXC、特にCGPCを含む。チオレドキシンタンパク質は、チオレドキシンフォールドと称される特徴的な三次構造も有する。したがって、本発明によれば、チオレドキシンペプチドは、レドックスタンパク質のチオレドキシンスーパーファミリーのメンバーであり、典型的にはCXXC、好ましくはCGPCモチーフを有することによって特徴付けられる活性部位を含む触媒ドメインを含む。チオレドキシンドメインは、PfamファミリーPf00085に属する(https://pfam.xfam.org/family/Thioredoxin)。
PDI又はTrxに加えて本発明の方法に適した加水分解酵素
一実施形態では、本発明の方法での使用に好適な加水分解酵素は、セルラーゼ(EC3.2.1.4)、キシラナーゼ(EC3.2.1.8)、アラビノフラノシダーゼ(EC3.2.1.55(非還元末端アルファ-L-アラビノフラノシダーゼ)、EC3.2.1.185(非還元末端ベータ-L-アラビノフラノシダーゼ)、セロビオヒドロラーゼI(EC3.2.1.150)、セロビオヒドロラーゼII(E.C.3.2.1.91)、セロビオシダーゼ(E.C.3.2.1.176)、ベータ-グルコシダーゼ(E.C.3.2.1.21)、ベータ-キシロシダーゼ(EC3.2.1.37)及びプロテアーゼ(E.C3.4)からなる群から選択される1つ以上の酵素を含む。
好ましくは、酵素は、キシラナーゼ及び/又はセルラーゼから選択される。
一実施形態では、キシラナーゼは、GH5ポリペプチド、GH30ポリペプチド、GH10ポリペプチド、GH11ポリペプチド、GH8ポリペプチド又はそれらの組合せからなる群から選択される。
別の実施形態では、加水分解酵素は、1つ以上のセルラーゼを含む。セルラーゼは、エンドグルカナーゼ(EG)及びセロビオヒドロラーゼ(CBH)からなる群から少なくとも選択され得る。より具体的には、セルラーゼは、エンドグルカナーゼ、セロビオヒドロラーゼI、セロビオヒドロラーゼII又はそれらの組合せからなる群から選択される、1つ以上の酵素を含む。
一実施形態では、加水分解酵素は、アラビノフラノシダーゼを更に含む。アラビノフラノシダーゼは、GH43ポリペプチド、GH62ポリペプチド、GH51ポリペプチドからなる群から選択され得る。特に、GH62ポリペプチドである。
一実施形態では、1つ以上の加水分解酵素は、セルラーゼバックグラウンドを有する生物(例えば、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)など)において発現される。これらの実施形態によれば、本発明に従って定義されているキシラナーゼ及び又はアラビノフラノシダーゼポリペプチドは、トリコデルマ(Trichoderma)由来の内在性セルラーゼと一緒に発現される。
一実施形態では、1つ以上の加水分解酵素を含む酵素組成物は、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)又はフミコラ・インソレンス(Humicula insolens)に由来するセルラーゼを含み得る。
特定の一実施形態では、セルラーゼは、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)バックグラウンドセルラーゼに由来し、且つアスペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)に由来するCBH I及びCBH IIを有する。
一実施形態では、セルラーゼ酵素組成物は、アスペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)セロビオヒドロラーゼI(国際公開第2011/057140号パンフレット)、アスペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)セロビオヒドロラーゼII(国際公開第2011/057140号パンフレット)、アスペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)ベータ-グルコシダーゼバリアント(国際公開第2012/044915号パンフレット)及びペニシリウム種(Penicillium sp.)(エメルソニイ(emersonii))GH61ポリペプチド(国際公開第2011/041397号パンフレット)を含有するトリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)セルラーゼ調製物を有する、アスペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)GH10キシラナーゼ(国際公開第2006/078256号パンフレット)及びアスペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)ベータ-キシロシダーゼ(国際公開第2011/057140号パンフレット)を含み、エンドグルカナーゼ活性は、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)セルラーゼから提供される。
別の特定の実施形態では、セルラーゼ酵素組成物は、アスペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)セロビオヒドロラーゼI(国際公開第2011/057140号パンフレット)、アスペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)セロビオヒドロラーゼII(国際公開第2011/057140号パンフレット)、アスペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)ベータ-グルコシダーゼバリアント(国際公開第2012/044915号パンフレット)及びペニシリウム種(Penicillium sp.)(エメルソニイ(emersonii))GH61ポリペプチド(国際公開第2011/041397号パンフレット)を含有するトリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)セルラーゼ調製物を含み、エンドグルカナーゼ活性は、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)セルラーゼから提供される。
一実施形態では、1つ以上の加水分解酵素は、精製される。精製された酵素は、本発明の他の実施形態に記載される酵素組成物で使用され得る。
一実施形態では、1つ以上の加水分解酵素は、液体組成物である。この組成物は、同種又は異種であり得る。
一実施形態では、1つ以上の加水分解酵素は、固体組成物である。
一実施形態では、前記トウモロコシ穀粒塊の1つ以上の画分と混合される1つ以上の加水分解酵素の有効量は、湿潤製粉プロセスに入る0.005~0.5kgの酵素タンパク質(EP)/メートルトン(MT)トウモロコシ穀粒であり、例えば0.010~0.5kg EP/MTトウモロコシ穀粒など、例えば0.05~0.5kg/MTトウモロコシ穀粒、又は0.075~0.5kg/MT、又は0.1~0.5kg/MTトウモロコシ穀粒、又は0.005~0.4kg/MTトウモロコシ穀粒、又は0.01~0.4kg/MTトウモロコシ穀粒、又は0.05~0.4kg/MTトウモロコシ穀粒、又は0.075~0.4kg/MTトウモロコシ穀粒、又は0.1~0.4kg/MTトウモロコシ穀粒、又は0.005~0.3kg/MTトウモロコシ穀粒、又は0.01~0.3kg/MTトウモロコシ穀粒、又は0.05~0.3kg/MTトウモロコシ穀粒、又は0.075~0.3kg/MT、又は0.1~0.3kg/MTトウモロコシ穀粒、又は0.005~0.2kg/MTトウモロコシ穀粒、又は0.010~0.2kg/MTトウモロコシ穀粒、又は0.05~0.2kg/MTトウモロコシ穀粒、又は0.075~0.2kg/MT、又は0.1~0.2kg/MTトウモロコシ穀粒など、又は例えば0.075~0.10kg/MTトウモロコシ穀粒など、又は0.075~0.11kg/MTトウモロコシ穀粒である。
好ましい実施形態では、酵素組成物は、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)の培養物(例えば、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)ATCC 26921の培養物など)から得られるセルラーゼを含む。例えば、Novozymes A/S製の商品名Celluclast(登録商標)などの好適なセルラーゼが利用可能である。
キシラナーゼ活性を有するポリペプチド
キシラナーゼは、本発明にかかる方法に適用するのに適している。キシラナーゼポリペプチドは、GH5、GH10、GH30、GH11及びGH8ファミリーから選択され得る。
より具体的な実施形態は、GH5キシラナーゼ酵素が、
(a)配列番号8の成熟型ポリペプチドと少なくとも85%、例えば少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと、
(b)1つ以上の位置に置換、欠失及び/又は挿入を含む、配列番号8の成熟型ポリペプチドのバリアントと、
(c)キシラナーゼ活性を有する(a)又は(b)のポリペプチドの断片と
からなる群から選択される、本発明にかかる方法に関する。
成熟型ポリペプチドは、一実施形態では、配列番号8のアミノ酸1~551である。
別の特定の実施形態は、GH5キシラナーゼ酵素が、
(a)配列番号9の成熟型ポリペプチドと少なくとも85%、例えば少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと、
(b)1つ以上の位置に置換、欠失及び/又は挿入を含む、配列番号9の成熟型ポリペプチドのバリアントと、
(c)キシラナーゼ活性を有する(a)又は(b)のポリペプチドの断片と
からなる群から選択される、本発明にかかる方法に関する。
成熟型ポリペプチドは、一実施形態では、配列番号9のアミノ酸1~551である。
別の特定の実施形態は、GH10キシラナーゼが、
(a)配列番号11の成熟型ポリペプチドと少なくとも85%、例えば少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと、
(b)1つ以上の位置に置換、欠失及び/又は挿入を含む、配列番号11の成熟型ポリペプチドのバリアントと、
(c)キシラナーゼ活性を有する(a)又は(b)のポリペプチドの断片と
からなる群から選択される、本発明にかかる方法に関する。
成熟型ポリペプチドは、一実施形態では、配列番号11のアミノ酸21~405である。
別の特定の実施形態は、GH10キシラナーゼが、
(a)配列番号10の成熟型ポリペプチドと少なくとも85%、例えば少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと、
(b)1つ以上の位置に置換、欠失及び/又は挿入を含む、配列番号10の成熟型ポリペプチドのバリアントと、
(c)キシラナーゼ活性を有する(a)又は(b)のポリペプチドの断片と
からなる群から選択される、本発明にかかる方法に関する。
成熟型ポリペプチドは、一実施形態では、配列番号10のアミノ酸20~319である。
アラビノフラノシダーゼ活性を有するポリペプチド
別の特定の実施形態は、GH62アラビノフラノシダーゼが、
(a)配列番号12の成熟型ポリペプチドと少なくとも85%、例えば少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと、
(b)1つ以上の位置に置換、欠失及び/又は挿入を含む、配列番号12の成熟型ポリペプチドのバリアントと、
(c)アラビノフラノシダーゼ活性を有する(a)又は(b)のポリペプチドの断片と
からなる群から選択される、本発明にかかる方法に関する。
成熟型ポリペプチドは、一実施形態では、配列番号12のアミノ酸27~332である。
別の特定の実施形態は、GH62アラビノフラノシダーゼが、
(a)配列番号13の成熟型ポリペプチドと少なくとも85%、例えば少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと、
(b)1つ以上の位置に置換、欠失及び/又は挿入を含む、配列番号13の成熟型ポリペプチドのバリアントと、
(c)アラビノフラノシダーゼ活性を有する(a)又は(b)のポリペプチドの断片と
からなる群から選択される、本発明にかかる方法に関する。
成熟型ポリペプチドは、一実施形態では、配列番号13のアミノ酸17~325である。
タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ(PDI)活性又はチオレドキシン活性を有するポリペプチド
いくつかの実施形態では、本発明は、タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ活性を有する配列番号1の成熟型ポリペプチドと少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有する単離又は精製ポリペプチドに関し、好ましくは、PDI活性は、配列番号1の成熟型ポリペプチドのPDI活性の少なくとも75%、配列番号1の成熟型ポリペプチドの活性の少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも99%である。一態様では、ポリペプチドは、配列番号1の成熟型ポリペプチドと最大10アミノ酸、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10アミノ酸だけ異なる。
ポリペプチドは、好ましくは、配列番号1のアミノ酸配列若しくはその成熟型ポリペプチドを含むか、それから本質的になるか若しくはそれからなるか、又はPDI活性を有するその断片である。一態様では、成熟型ポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸21~516である。
一実施形態では、PDI活性を有するポリペプチドは、配列番号20の配列をコードする成熟型ポリペプチドと少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリヌクレオチドによってコードされる。
いくつかの実施形態では、本発明は、タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ活性を有する配列番号2の成熟型ポリペプチドと少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有する単離又は精製ポリペプチドに関し、好ましくは、PDI活性は、配列番号2の成熟型ポリペプチドのPDI活性の少なくとも75%、配列番号2の成熟型ポリペプチドの活性の少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも99%である。一態様では、ポリペプチドは、配列番号2の成熟型ポリペプチドと最大10アミノ酸、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10アミノ酸だけ異なる。ポリペプチドは、好ましくは、配列番号2のアミノ酸配列若しくはその成熟型ポリペプチドを含むか、それから本質的になるか若しくはそれからなるか、又はPDI活性を有するその断片である。一態様では、成熟型ポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸21~513である。
一実施形態では、PDI活性を有するポリペプチドは、配列番号21の配列をコードする成熟型ポリペプチドと少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリヌクレオチドによってコードされる。
いくつかの実施形態では、本発明は、タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ活性を有する配列番号3の成熟型ポリペプチドと少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有する単離又は精製ポリペプチドに関し、好ましくは、PDI活性は、配列番号3の成熟型ポリペプチドのPDI活性の少なくとも75%、配列番号3の成熟型ポリペプチドの活性の少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも99%である。一態様では、ポリペプチドは、配列番号3の成熟型ポリペプチドと最大10アミノ酸、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10アミノ酸だけ異なる。
ポリペプチドは、好ましくは、配列番号3のアミノ酸配列若しくはその成熟型ポリペプチドを含むか、それから本質的になるか若しくはそれからなるか、又はPDI活性を有するその断片である。一態様では、成熟型ポリペプチドは、配列番号3のアミノ酸21~516である。
一実施形態では、PDI活性を有するポリペプチドは、配列番号22の配列をコードする成熟型ポリペプチドと少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリヌクレオチドによってコードされる。
いくつかの実施形態では、本発明は、タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ活性を有する配列番号4の成熟型ポリペプチドと少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有する単離又は精製ポリペプチドに関し、好ましくは、PDI活性は、配列番号4の成熟型ポリペプチドのPDI活性の少なくとも75%、配列番号4の成熟型ポリペプチドの活性の少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも99%である。一態様では、ポリペプチドは、配列番号4の成熟型ポリペプチドと最大10アミノ酸、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10アミノ酸だけ異なる。
ポリペプチドは、好ましくは、配列番号4のアミノ酸配列若しくはその成熟型ポリペプチドを含むか、それから本質的になるか若しくはそれからなるか、又はPDI活性を有するその断片である。一態様では、成熟型ポリペプチドは、配列番号4のアミノ酸21~517である。
一実施形態では、PDI活性を有するポリペプチドは、配列番号23の配列をコードする成熟型ポリペプチドと少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリヌクレオチドによってコードされる。
いくつかの実施形態では、本発明は、チオレドキシンペプチド活性を有する配列番号5の成熟型ポリペプチドと少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有する単離又は精製チオレドキシンポリペプチドに関し、好ましくは、チオレドキシン活性は、配列番号5の成熟型ポリペプチドのチオレドキシン活性の少なくとも75%、配列番号5の成熟型ポリペプチドの活性の少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも99%である。一態様では、ポリペプチドは、配列番号5の成熟型ポリペプチドと最大10アミノ酸、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10アミノ酸だけ異なる。
ポリペプチドは、好ましくは、配列番号5のアミノ酸配列若しくはその成熟型ポリペプチドを含むか、それから本質的になるか若しくはそれからなるか、又はチオレドキシンペプチド活性を有するその断片である。一態様では、成熟型ポリペプチドは、配列番号5のアミノ酸1~110である。
一実施形態では、チオレドキシン活性を有するポリペプチドは、配列番号24の配列をコードする成熟型ポリペプチドと少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリヌクレオチドによってコードされる。
タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ活性又はチオレドキシンペプチド活性を有するポリペプチドの供給源
本発明のタンパク質ジスルフィドイソメラーゼ活性を有するポリペプチドは、任意の好適な供給源から得ることができる。本発明の目的のために、所与の供給源に関連して本明細書で使用される用語「から得られる」とは、ポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドが供給源又は供給源由来のポリヌクレオチドが挿入された株によって生成されることを意味するものとする。一態様では、所与の供給源から得られたポリペプチドは、細胞外に分泌される。
別の態様では、ポリペプチドは、サーモアスカス属(Themoascus)の株、特にサーモアスカス・クラスタセウス(Thermoascus crustaceus)から得られるポリペプチド、例えばサーモアスカス・クラスタセウス(Themoascus crustaceus)CBS181.67から得られるポリペプチドである。
別の態様では、ポリペプチドは、ケイソマイセス属(Keithomyces)の株、特にケイソマイセス・カルネウス(Keithomyces carneus)から得られるポリペプチドである。
別の態様では、ポリペプチドは、アスペルギルス属(Aspergillus)の株、特にアスペルギルス・スピヌロスポルス(Aspergillus spinulosporus)から得られるポリペプチドである。
別の態様では、ポリペプチドは、サーモアスカス属(Thermoascus)の株、特にサーモアスカス・アウランティアクス(Thermoascus aurantiacus)から得られるポリペプチドである。
別の態様では、ポリペプチドは、アスペルギルス・アクレアツス(Aspergillus aculeatus)から得られるポリペプチド、例えばアスペルギルス・アクレアツス(Aspergillus aculeatus)CBS101.43から得られるポリペプチドである。
前述の種に関して、本発明は、完全及び不完全な状態の両方並びにそれらが知られている種の名称に関わらず、他の分類学上の均等物、例えばアナモルフを包含することが理解されるであろう。当業者は、適切な均等物の同等性を容易に理解するであろう。
これらの種の株は、American Type Culture Collection(ATCC)、Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH(DSMZ)、Centraalbureau Voor Schimmelcultures(CBS)及びNorthern Regional Research Center(NRRL)の農業研究用特許培養株コレクションなどのいくつかの培養コレクションで一般に容易にアクセスできる。
ポリペプチドは、自然界(例えば、土壌、堆肥、水など)から単離された微生物を含む他の供給源又は上述したプローブを用いて天然材料(例えば、土壌、堆肥、水など)から直接得られたDNA試料から同定し、得ることができる。微生物及びDNAを自然生息地から直接単離する技術は、当技術分野で周知である。次に、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、別の微生物又は混合されたDNA試料のゲノムDNA又はcDNAライブラリを同様にスクリーニングすることによって得ることができる。ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドがプローブを用いて検出されると、そのポリヌクレオチドは、当業者に公知の技術を利用することにより単離又はクローニングされ得る(例えば、Sambrook et al.,1989,上記参照)。
ポリヌクレオチド
本発明は、本明細書に記載の本発明のポリペプチドをコードする単離ポリヌクレオチドにも関する。
一実施形態では、本発明は、配列番号20の成熟型ポリペプチドコード配列と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有する単離又は精製ポリヌクレオチドに関する。
一実施形態では、本発明は、配列番号21の成熟型ポリペプチドコード配列と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有する単離又は精製ポリヌクレオチドに関する。
一実施形態では、本発明は、配列番号22の成熟型ポリペプチドコード配列と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有する単離又は精製ポリヌクレオチドに関する。
一実施形態では、本発明は、配列番号23の成熟型ポリペプチドコード配列と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有する単離又は精製ポリヌクレオチドに関する。
一実施形態では、本発明は、配列番号24の成熟型ポリペプチドコード配列と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有する単離又は精製ポリヌクレオチドに関する。
ポリヌクレオチドを単離するか又はクローン化するために使用される技術は、当技術分野で知られ、ゲノムDNA若しくはcDNA又はその組合せからの単離を含む。ゲノムDNAからのポリヌクレオチドのクローニングは、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)又は発現ライブラリの抗体スクリーニングを用いて、共有の構造的特徴を有するクローニングされたDNA断片を検出することにより行われ得る。例えば、Innis et al.,1990,PCR:A Guide to Methods and Application,Academic Press,New Yorkを参照されたい。リガーゼ連鎖反応(LCR)、ライゲーション活性化転写(LAT)及びポリヌクレオチドに基づく増幅(NASBA)などの他の核酸増幅手順が使用され得る。ポリヌクレオチドは、サーモアスカス属(Thermoascus)、ケイソマイセス属(Keithomyces)若しくはアスペルギルス属(Aspergillus)の株又は関連生物からクローニングされ得、したがって例えばポリヌクレオチドの領域をコードするポリペプチドの種のバリアントであり得る。
本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの修飾は、ポリペプチドに実質的に類似したポリペプチドを合成するために必要であり得る。ポリペプチドに「実質的に類似した」という用語は、ポリペプチドの天然に存在しない形態を指す。これらのポリペプチドは、その天然の供給源から単離されたポリペプチド(例えば、比活性、熱安定性、最適pH又は同類のものが異なるバリアント)と何らかの工学的方法で異なり得る。バリアントは、配列番号6若しくは配列番号7の成熟型ポリペプチドコード配列として提示されるポリヌクレオチド又は例えばそれらの部分配列などのそのcDNA配列に基づいて、且つ/又はポリペプチドのアミノ酸配列の変化をもたらさないが、酵素の生成が意図される宿主生物のコドン使用頻度に対応するヌクレオチド置換の導入又は異なるアミノ酸配列を生じ得るヌクレオチド置換の導入によって構築され得る。ヌクレオチド置換の一般的な説明については、例えば、Ford et al.,1991,Protein Expression and Purification 2:95-107を参照されたい。
核酸構築物
本発明は、本発明のポリヌクレオチドであって、制御配列に適合する条件下において好適な宿主細胞におけるコード配列の発現を誘導する1つ以上の制御配列に作動可能に連結されているポリヌクレオチドを含む核酸構築物にも関する。
ポリヌクレオチドは、様々な方法で操作されて、ポリペプチドの発現を提供し得る。ベクターに挿入する前に、発現ベクターに応じてポリヌクレオチドを操作することが望ましいか又は必要であり得る。組換えDNA法を利用してポリヌクレオチドを変性するための技法は、当技術分野でよく知られている。
制御配列は、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの発現のために宿主細胞によって認識されるポリヌクレオチドであるプロモータであり得る。プロモータは、ポリペプチドの発現を媒介する転写制御配列を含有する。プロモータは、突然変異体、短縮型及びハイブリッドプロモータを含む宿主細胞において転写活性を示す任意のポリヌクレオチドであり得、且つ宿主と同種又は異種のいずれかの細胞外又は細胞内ポリペプチドをコードする遺伝子から得ることができる。一実施形態では、制御配列は、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに対して天然又は異種である。
細菌宿主細胞中で本発明のポリヌクレオチドの転写を誘導するのに適したプロモータの例は、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)アルファアミラーゼ遺伝子(amyQ)、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)アルファアミラーゼ遺伝子(amyL)、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)ペニシリナーゼ遺伝子(penP)、バチルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)マルトース生成アミラーゼ遺伝子(amyM)、バチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)レバンスクラーゼ遺伝子(sacB)、バチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)xylA遺伝子及びxylB遺伝子、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)cryIIIA遺伝子(Agaisse and Lereclus,1994,Molecular Microbiology 13:97-107)、大腸菌(E.coli)lacオペロン、大腸菌(E.coli)trcプロモータ(Egon et al.,1988,Gene 69:301-315)、ストレプトマイセス・セリカラー(Streptomyces coelicolor)アガラーゼ遺伝子(dagA)及び原核生物ベータラクタマーゼ遺伝子(Villa-Kamaroff et al.,1978,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 75:3727-3731)から得られるプロモータ並びにtacプロモータ(DeBoer et al.,1983,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 80:21-25)である。更なるプロモータは、Gilbert et al.,1980,Scientific American 242:74-94中の”Useful proteins from recombinant bacteria”;及びSambrook et al.,1989、上記参照で説明されている。タンデムプロモータの例は、国際公開第99/43835号パンフレット中に開示されている。
糸状菌宿主細胞内で本発明のポリヌクレオチドの転写を誘導するための好適なプロモータの例は、アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)のアセトアミダーゼ、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)の中性アルファアミラーゼ、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)の酸安定性アルファ-アミラーゼ、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)又はアスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)のグルコアミラーゼ(glaA)、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)のTAKAアミラーゼ、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)のアルカリ性プロテアーゼ、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)のトリオースリン酸イソメラーゼ、フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)のトリプシン様プロテアーゼ(国際公開第96/00787号パンフレット)、フザリウム・ベネナタム(Fusarium venenatum)のアミログルコシダーゼ(国際公開第00/56900号パンフレット)、フザリウム・ベネナタム(Fusarium venenatum)のDaria(国際公開第00/56900号パンフレット)、フザリウム・ベネナタム(Fusarium venenatum)のQuinn(国際公開第00/56900号パンフレット)、リゾムコール・ミエヘイ(Rhizomucor miehei)のリパーゼ、リゾムコール・ミエヘイ(Rhizomucor miehei)のアスパラギン酸プロテイナーゼ、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)のベータ-グルコシダーゼ、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)のセロビオヒドロラーゼI、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)のセロビオヒドロラーゼII、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)のエンドグルカナーゼI、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)のエンドグルカナーゼII、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)のエンドグルカナーゼIII、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)のエンドグルカナーゼV、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)のキシラナーゼI、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)のキシラナーゼII、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)のキシラナーゼIII、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)のベータ-キシロシダーゼ及びトリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)の翻訳伸長因子並びにNA2-tpiプロモータ(その非翻訳リーダーがアスペルギルス属(Aspergillus)のトリオースリン酸イソメラーゼ遺伝子由来の非翻訳リーダーによって置換されているアスペルギルス属(Aspergillus)の中性アルファ-アミラーゼ遺伝子由来の改変プロモータ)の遺伝子から得られるプロモータであり、非限定的な例としては、その非翻訳リーダーがアスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)又はアスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)のトリオースリン酸イソメラーゼ遺伝子由来の非翻訳リーダーによって置換されているアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)の中性アルファ-アミラーゼ遺伝子由来の改変プロモータ並びにそれらの突然変異プロモータ、切断型プロモータ及びハイブリッドプロモータが挙げられる。他のプロモータは、米国特許第6,011,147号明細書に記載される。
酵母宿主において、有用なプロモータは、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)のエノラーゼ(ENO-1)、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)のガラクトキナーゼ(GAL1)、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)のアルコール脱水素酵素/グリセルアルデヒド-3-リン酸脱水素酵素(ADH1、ADH2/GAP)、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)のトリオースリン酸イソメラーゼ(TPI)、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)のメタロチオネイン(CUP1)及びサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)の3-ホスホグリセリン酸キナーゼに関する遺伝子から得られる。酵母宿主細胞のための他の有用なプロモータは、Romanos et al.,1992,Yeast 8:423-488により記載されている。
制御配列は、転写を終了するために宿主細胞によって認識される転写ターミネータでもあり得る。ターミネータは、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの3’末端に作動可能に連結される。宿主細胞内で機能する任意のターミネータが本発明で使用され得る。
細菌宿主細胞のために好ましいターミネータは、バチルス・クラウジイ(Bacillus clausii)のアルカリプロテアーゼ(aprH)、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)のアルファアミラーゼ(amyL)及び大腸菌(Escherichia coli)のリボソームRNA(rrnB)に関する遺伝子から得られる。
糸状真菌宿主細胞のために好ましいターミネータは、アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)のアセトアミダーゼ、アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)のアントラニル酸合成酵素、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)のグルコアミラーゼ、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)のアルファグルコシダーゼ、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)のTAKAアミラーゼ、フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)のトリプシン様プロテアーゼ、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)のベータ-グルコシダーゼ、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)のセロビオヒドロラーゼI、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)のセロビオヒドロラーゼII、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)のエンドグルカナーゼI、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)のエンドグルカナーゼII、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)のエンドグルカナーゼIII、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)のエンドグルカナーゼV、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)のキシラナーゼI、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)のキシラナーゼII、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)のキシラナーゼIII、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)のベータ-キシロシダーゼ及びトリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)の翻訳伸長因子に関する遺伝子から得られる。
酵母宿主細胞のために好ましいターミネータは、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)のエノラーゼ、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)のシトクロムC(CYC1)及びサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)のグリセルアルデヒド-3-リン酸脱水素酵素に関する遺伝子から得られる。酵母宿主細胞のための他の有用なターミネータは、上記参照のRomanos et al.,1992により記載されている。
制御配列は、プロモータの下流及び遺伝子の発現を増強する遺伝子のコード配列の上流のmRNA安定化剤領域でもあり得る。
好適なmRNA安定化領域の例は、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)のcryIIIA遺伝子(国際公開第94/25612号パンフレット)及びバチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)のSP82遺伝子(Hue et al.,1995,J.Bacteriol.177;3465-3471)から得られるものである。
制御配列は、宿主細胞による翻訳に重要なmRNAの非翻訳領域であるリーダーでもあり得る。リーダーは、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの5’末端に作動可能に連結される。宿主細胞内で機能する任意のリーダーが使用され得る。
糸状真菌宿主細胞に好ましいリーダーは、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)のTAKAアミラーゼ及びアスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)のトリオースリン酸イソメラーゼの遺伝子から得られるものである。
酵母宿主細胞のために好適なリーダーは、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)のエノラーゼ(ENO-1)、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)の3-ホスホグリセリン酸キナーゼ、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)のアルファ因子及びサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)のアルコール脱水素酵素/グリセルアルデヒド-3-リン酸脱水素酵素(ADH2/GAP)に関する遺伝子から得られる。
制御配列は、ポリアデニル化配列、ポリヌクレオチドの3’末端に作動可能に連結された配列でもあり得、転写される場合、転写されたmRNAにポリアデノシン残基を付加するシグナルとして宿主細胞によって認識される。宿主細胞内で機能する任意のポリアデニル化配列が使用され得る。
糸状真菌宿主細胞に好ましいポリアデニル化配列は、アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)のアントラニル酸シンターゼ、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)のグルコアミラーゼ、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)のアルファグルコシダーゼ、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)のTAKAアミラーゼ及びフザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)のトリプシン様プロテアーゼの遺伝子から得られるものである。
酵母宿主細胞のために有用なポリアデニル化配列は、Guo and Sherman,1995,Mol.Cellular Biol.15:5983-5990によって記載されている。
制御配列は、ポリペプチドのN末端に連結するシグナルペプチドをコードしてポリペプチドを細胞の分泌経路に誘導するシグナルペプチドコード領域でもあり得る。ポリヌクレオチドのコード配列の5’末端は、翻訳リーディングフレーム内でポリペプチドをコードするコード配列のセグメントと天然に連結された、シグナルペプチドコード配列を本質的に含有し得る。代わりに、コード配列の5’末端は、コード配列に対して異種のシグナルペプチドコード配列を含有し得る。異種シグナルペプチドコード配列は、コード配列がシグナルペプチドコード配列を天然に含有しない場合に必要とされる場合がある。代わりに、ポリペプチドの分泌を増強するために、天然のシグナルペプチドコード配列が異種シグナルペプチドコード配列に単純に置き換わる場合がある。しかしながら、発現されたポリペプチドを宿主細胞の分泌経路に誘導するあらゆるシグナルペプチドコード配列が使用され得る。
細菌宿主細胞のために効果的なシグナルペプチドコード配列は、バチルス属(Bacillus)NCIB 11837マルトース産生アミラーゼ、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)のサブチリシン、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)のベータラクタマーゼ、バチルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)のアルファアミラーゼ、バチルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)の中性プロテアーゼ(nprT、nprS、nprM)及びバチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)のprsAに関する遺伝子から得られるシグナルペプチドコード配列である。更なるシグナルペプチドは、Simonen and Palva,1993,Microbiol.Rev.57:109-137により説明されている。
糸状真菌宿主細胞のために効果的なシグナルペプチドコード配列は、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)の中性アミラーゼ、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)のグルコアミラーゼ、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)のTAKAアミラーゼ、フミコラ・インソレンス(Humicola insolens)のセルラーゼ、フミコラ・インソレンス(Humicola insolens)のエンドグルカナーゼV、フミコラ・ラヌギノサ(Humicola lanuginosa)のリパーゼ及びリゾムコール・ミエヘイ(Rhizomucor miehei)のアスパラギン酸プロテイナーゼに関する遺伝子から得られるシグナルペプチドコード配列である。
酵母宿主細胞のために有用なシグナルペプチドは、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)アルファ因子及びサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)のインベルターゼに関する遺伝子から得られる。他の有用なシグナルペプチドコード配列は、Romanos et al.,1992,上記参照により記載されている。
制御配列は、ポリペプチドのN末端に位置するプロペプチドをコードするプロペプチドコード配列でもあり得る。得られるポリペプチドは、プロ酵素又はプロポリペプチド(又は場合により酵素前駆体)として知られる。プロポリペプチドは、一般に不活性であり、プロポリペプチドからのプロペプチドの触媒的又は自己触媒的切断により、活性ポリペプチドに変換され得る。プロペプチドコード配列は、バチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)のアルカリプロテアーゼ(aprE)、バチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)の中性プロテアーゼ(nprT)、ミセリオフトラ・サーモフィラ(Myceliophthora thermophila)のラッカーゼ(国際公開第95/33836号パンフレット)、リゾムコール・ミエヘイ(Rhizomucor miehei)のアスパラギン酸プロテイナーゼ及びサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)のアルファ因子に関する遺伝子から得ることができる。
シグナルペプチド配列とプロペプチド配列との両方が存在する場合、プロペプチド配列は、ポリペプチドのN末端の隣に位置し、シグナルペプチド配列は、プロペプチド配列のN末端の隣に位置する。
宿主細胞の成長に対してポリペプチドの発現を調節する制御配列を付加することも望ましい場合がある。制御配列の例は、制御化合物の存在を含む化学的又は物理的刺激に応答して、遺伝子の発現をオン又はオフにするものである。原核生物系での制御配列として、lacオペレータ系、tacオペレータ系及びtrpオペレータ系が挙げられる。酵母では、ADH2系又はGAL1系が有用であり得る。糸状菌類では、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)のグルコアミラーゼプロモータ、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)のTAKAアルファアミラーゼプロモータ及びアスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)のグルコアミラーゼプロモータ、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)のセロビオヒドロラーゼIプロモータ及びトリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)のセロビオヒドロラーゼIIプロモータが使用され得る。制御配列の他の例は、遺伝子増幅を可能にする配列である。真核生物系では、これらの制御配列として、メトトレキサートの存在下で増幅されるジヒドロ葉酸レダクターゼ遺伝子及び重金属により増幅されるメタロチオネイン遺伝子が挙げられる。これらの場合、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、制御配列に作動可能に連結されるであろう。
発現ベクター
本発明は、本発明のポリヌクレオチド、プロモータ、転写及び翻訳停止シグナルを含む組換え発現ベクターにも関する。種々のヌクレオチド及び制御配列が共に結合され、1つ以上の都合良い制限部位を含み得る組換え発現ベクターが生成されて、このような部位における、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの挿入又は置換が可能になり得る。代わりに、発現に適切なベクターにポリヌクレオチド又はポリヌクレオチドを含む核酸構築物を挿入することにより、ポリヌクレオチドを発現させ得る。発現ベクターを作製する際、コード配列が発現のための適切な制御配列と作動可能に連結するようにコード配列をベクター内に配置する。
組換え発現ベクターは、組換えDNA手順を都合よく受けることが可能であり、且つポリヌクレオチドの発現をもたらすことが可能である任意のベクター(例えば、プラスミド又はウイルス)であり得る。ベクターの選択は、典型的には、ベクターが導入される宿主細胞に対するベクターの親和性に応じて異なる。ベクターは、直鎖又は閉じた環状プラスミドであり得る。
ベクターは、例えば、プラスミド、染色体外要素、ミニ染色体又は人工染色体など、自己複製ベクター、即ち染色体外の実体として存在し、その複製が染色体複製に依存しないベクターであり得る。ベクターは、自己複製を保証するための任意の手段を含有し得る。代わりに、ベクターは、宿主細胞に導入される際にゲノム中に統合され、且つ内部に統合された1つ以上の染色体と共に複製されるものであり得る。更に、単一のベクター若しくはプラスミド又は一緒になって宿主細胞のゲノムに導入される全DNAを含有する2つ以上のベクター若しくはプラスミド或いはトランスポゾンを用い得る。
ベクターは、形質転換、トランスフェクション、形質導入などされた細胞の選択を容易にする1つ以上の選択可能マーカを含有することが好ましい。選択可能マーカは、遺伝子であって、その生成物が、殺生物剤又はウイルス抵抗性、重金属に対する抵抗性、栄養要求体に対する原栄養性及び同類のものをもたらす、遺伝子である。
細菌性選択可能マーカの例は、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)若しくはバチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)のdal遺伝子又はアンピシリン、クロラムフェニコール、カナマイシン、ネオマイシン、スペクチノマイシン若しくはテトラサイクリン耐性などの抗生物質耐性を付与するマーカである。酵母宿主細胞に好適なマーカとしては、これらに限定されないが、ADE2、HIS3、LEU2、LYS2、MET3、TRP1及びURA3が挙げられる。糸状真菌宿主細胞に使用される選択可能マーカとしては、adeA(ホスホリボシルアミノイミダゾール-スクシノカルボキサミドシンターゼ)、adeB(ホスホリボシル-アミノイミダゾールシンターゼ)、amdS(アセトアミダーゼ)、argB(オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ)、bar(ホスフィノスリシンアセチルトランスフェラーゼ)、hph(ハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ)、niaD(硝酸レダクターゼ)、pyrG(オロチジン-5’-リン酸デカルボキシラーゼ)、sC(硫酸アデニリルトランスフェラーゼ)及びtrpC(アントラニル酸シンターゼ)並びにそれらの均等物が挙げられるが、これらに限定されない。アスペルギルス属(Aspergillus)細胞中での使用に好ましいのは、アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)又はアスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)のamdS遺伝子及びpyrG遺伝子並びにストレプトマイセス・ハイグロスコピクス(Streptomyces hygroscopicus)bar遺伝子である。トリコデルマ(Trichoderma)細胞中での使用に好ましいのは、adeA遺伝子、adeB遺伝子、amdS遺伝子、hph遺伝子及びpyrG遺伝子である。
選択可能マーカは、国際公開第2010/039889号パンフレットに記載されるような二重選択可能マーカーシステムであり得る。一態様では、二重選択可能マーカは、hph-tkの二重選択可能マーカ系である。
ベクターは、好ましくは、宿主細胞のゲノムへのベクターの組込み又はゲノムと独立して細胞内でのベクターの自己複製を可能にする要素を含有する。
宿主細胞ゲノムへの組込みでは、ベクターは、相同又は非相同組換えによるゲノムへの組込みのために、ポリペプチド又はベクターの任意の他の要素をコードするポリヌクレオチドの配列に依存し得る。代わりに、ベクターは、染色体中の正確な位置での宿主細胞のゲノムへの相同組換えによる組込みを誘導するための追加のポリヌクレオチドを含有する場合がある。正確な位置での組込みの可能性を高めるために、組込み要素は、十分な数の核酸(例えば、100~10,000個の塩基対、400~10,000個の塩基対及び800~10,000個の塩基対など)を含有するべきであり、この核酸は、相同組換えの可能性を高めるために、対応する標的配列に対する配列同一性が高い。組込み要素は、宿主細胞のゲノム中の標的配列と相同である任意の配列であり得る。更に、組込み要素は、ポリヌクレオチドをコードしなくても又はしてもよい。一方で、ベクターは、非相同組換えにより宿主細胞のゲノムに組み込まれ得る。
自律的な複製の場合、ベクターは、問題の宿主細胞中でベクターが自律的に複製することを可能にする複製起点を更に含み得る。複製起点は、細胞内で機能する自律複製を媒介する任意のプラスミドレプリケータであり得る。「複製起点」又は「プラスミドレプリケータ」という用語は、プラスミド又はベクターがインビボで複製することを可能にするポリヌクレオチドを意味する。
細菌性複製起点の例は、大腸菌(E.coli)における複製を可能にするプラスミドpBR322、pUC19、pACYC177及びpACYC184並びにバチルス属(Bacillus)における複製を可能にするpUB110、pE194、pTA1060及びpAMβ1の複製起点である。
酵母宿主細胞内で用いられる複製起源の例は、2ミクロンの複製起点、ARS1、ARS4、ARS1とCEN3との組合せ及びARS4とCEN6との組合せである。
糸状菌細胞で有用な複製起点の例は、AMA1及びANS1である(Gems et al.,1991,Gene 98:61-67;Cullen et al.,1987,Nucleic Acids Res.15:9163-9175;国際公開第00/24883号パンフレット)。AMA1遺伝子の単離並びにこの遺伝子を含むプラスミド又はベクターの構築を、国際公開第00/24883号パンフレットで開示されている方法に従って達成し得る。
本発明のポリヌクレオチドの2つ以上のコピーを宿主細胞に挿入して、ポリペプチドの生成を増加させ得る。ポリヌクレオチドのコピー数を増大させることは、配列の少なくとも1つの追加のコピーを宿主細胞ゲノムに組み込むか、又はポリヌクレオチドに増幅可能な選択可能マーカ遺伝子を含めることによって達成することができ、適切な選択可能剤の存在下において細胞を培養することにより、増幅されたコピーの選択可能マーカ遺伝子を含む細胞、したがって更なるコピーのポリヌクレオチドを含む細胞を選択することができる。
上記の要素を結合して本発明の組換え発現ベクターを構築するために使用される手順は、当業者によく知られている(例えば、上記参照のSambrook et al.,1989を参照されたい)。
宿主細胞
本発明は、本発明のポリペプチドの生成を誘導する1つ以上の制御配列に作動可能に連結された、本発明のポリヌクレオチドを含む組換え宿主細胞にも関する。ポリヌクレオチドを含む構築物又はベクターを宿主細胞に導入することで、構築物又はベクターが、前述したように染色体組込み体若しくは自己複製染色体外ベクターとして維持されるようにする。宿主細胞の選択は、ポリペプチドをコードする遺伝子及びその供給源に大きく依存する。
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、組換え宿主細胞に対して異種である。
いくつかの実施形態では、1つ以上の制御配列の少なくとも1つは、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに対して異種である。いくつかの実施形態では、組換え宿主細胞は、少なくとも2コピー、例えば3、4又は5コピーの本発明のポリヌクレオチドを含む。
宿主細胞は、本発明のポリペプチドの組換え生成に有用な任意の微生物細胞又は植物細胞、例えば原核細胞又は真菌細胞であり得る。
原核宿主細胞は、任意のグラム陽性細菌又はグラム陰性細菌であり得る。グラム陽性細菌としては、バチルス属(Bacillus)、クロストリジウム属(Clostridium)、エンテロコッカス属(Enterococcus)、ゲオバチルス属(Geobacillus)、ラクトバチルス属(Lactobacillus)、ラクトコッカス属(Lactococcus)、オセアノバチルス属(Oceanobacillus)、スタフィロコッカス属(Staphylococcus)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)及びストレプトマイセス属(Streptomyces)が挙げられるが、これらに限定されない。グラム陰性細菌としては、カンピロバクター属(Campylobacter)、大腸菌(E.coli)、フラボバクテリウム属(Flavobacterium)、フソバクテリウム属(Fusobacterium)、ヘリコバクター属(Helicobacter)、イリオバクター属(Ilyobacter)、ナイセリア属(Neisseria)、シュードモナス属(Pseudomonas)、サルモネラ属(Salmonella)及びウレアプラズマ属(Ureaplasma)が挙げられるが、これらに限定されない。
細菌宿主細胞は、限定されるものではないが、バチルス・アルカロフィルス(Bacillus alkalophilus)、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・ブレビス(Bacillus brevis)、バチルス・サークランス(Bacillus circulans)、バチルス・クラウジイ(Bacillus clausii)、バチルス・コアグランス(Bacillus coagulans)、バチルス・ファーマス(Bacillus firmus)、バチルス・ロータス(Bacillus lautus)、バチルス・レンタス(Bacillus lentus)、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)、バチルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)、バチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)及びバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)の細胞を含む任意のバチルス属(Bacillus)細胞であり得る。
細菌宿主細胞は、限定されるものではないが、ストレプトコッカス・エクイシミリス(Streptococcus equisimilis)、ストレプトコッカス・ピオゲネス(Streptococcus pyogenes)、ストレプトコッカス・ウベリス(Streptococcus uberis)及びストレプトコッカス・エクイ亜種ズーエピデミカス(Streptococcus equi subsp.Zooepidemicus)の細胞を含む任意のストレプトコッカス属(Streptococcus)細胞でもあり得る。
細菌性宿主細胞は、ストレプトマイセス・アクロモゲネス(Streptomyces achromogenes)、ストレプトマイセス・アベルミティリス(Streptomyces avermitilis)、ストレプトマイセス・セリカラー(Streptomyces coelicolor)、ストレプトマイセス・グリセウス(Streptomyces griseus)及びストレプトマイセス・リビダンス(Streptomyces lividans)細胞が挙げられるが、これらに限定されない任意のストレプトマイセス属(Streptomyces)細胞でもあり得る。
バチルス属(Bacillus)細胞へのDNAの導入は、以下により行われ得る:プロトプラスト形質転換(例えば、Chang and Cohen,1979,Mol.Gen.Genet.168:111-115を参照されたい)、コンピテント細胞形質転換(例えば、Young and Spizizen,1961,J.Bacteriol.81:823-829又はDubnau and Davidoff-Abelson,1971,J.Mol.Biol.56:209-221を参照されたい)、エレクトロポレーション(例えば、Shigekawa and Dower,1988,Biotechniques 6:742-751を参照されたい)又はコンジュゲーション(例えば、Koehler and Thorne,1987,J.Bacteriol.169;5271-5278を参照されたい)によって実施され得る。大腸菌(E.coli)細胞へのDNAの導入は、以下により行われ得る:プロトプラスト形質転換(例えば、Hanahan,1983,J.Mol.Biol.166:557-580を参照されたい)又はエレクトロポレーション(例えば、Dower et al.,1988,Nucleic Acids Res.16:6127-6145)。ストレプトマイセス属(Streptomyces)細胞へのDNAの導入は、以下により行われ得る:プロトプラス形質転換、エレクトロポレーション(例えば、Gong et al.,2004,Folia Microbiol.(Praha)49:399-405を参照されたい)、コンジュゲーション(例えば、Mazodier et al.,1989,J.Bacteriol.171:3583-3585を参照されたい)又は形質導入(例えば、Burke et al.,2001,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 98:6289-6294を参照されたい)。シュードモナス(Pseudomonas)細胞へのDNAの導入は、以下により行われ得る:エレクトロポレーション(例えば、Choi et al.,2006,J.Microbiol.Methods 64:391-397を参照されたい)又はコンジュゲーション(例えば、Pinedo and Smets,2005,Appl.Environ.Microbiol.71:51-57を参照されたい)。ストレプトコッカス属(Streptococcus)細胞へのDNAの導入は、以下により行われ得る:天然コンピテンス(natural competence)(例えば、Perry and Kuramitsu,1981,Infect.Immun.32:1295-1297を参照されたい)、プロトプラスト形質転換(例えば、Catt and Jollick,1991,Microbios 68:189-207を参照されたい)、エレクトロポレーション(例えば、Buckley et al.,1999,Appl.Environ.Microbiol.65:3800-3804を参照されたい)又はコンジュゲーション(例えば、Clewell,1981,Microbiol.Rev.45:409-436を参照されたい)。しかしながら、宿主細胞にDNAを導入するための当技術分野で知られる任意の方法が使用され得る。
宿主細胞は、真菌細胞であり得る。「真菌」は、本明細書で使用される場合、子嚢菌門(phyla Ascomycota)、担子菌門(Basidiomycota)、ツボカビ門(Chytridiomycota)及び接合菌門(Zygomycota)並びに卵菌類(Oomycota)及び全ての栄養胞子形成菌(mitosporic fungi)(Hawksworth et al.,In,Ainsworth and Bisby’s Dictionary of The Fungi,8th edition,1995,CAB International,University Press,Cambridge,UKで定義されている)を含む。
真菌宿主細胞は、酵母細胞であり得る。本明細書で使用する場合、「酵母」としては、有子嚢胞子酵母(エンドミセス目(Endomycetales))、担子菌酵母及び不完全菌類(不完全酵母菌綱(Blastomycetes))に属する酵母が挙げられる。酵母の分類は将来変る場合があることから、本発明の目的のために、酵母は、Biology and Activities of Yeast(Skinner,Passmore,and Davenport,editors,Soc.App.Bacteriol.Symposium Series No.9,1980)で説明されているように定義されるべきである。
酵母菌宿主細胞は、クルイベロマイセス・ラクティス(Kluyveromyces lactis)、サッカロマイセス・カールスベルゲンシス(Saccharomyces carlsbergensis)、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロマイセス・ジアスタティクス(Saccharomyces diastaticus)、サッカロマイセス・ドウグラシイ(Saccharomyces douglasii)、サッカロマイセス・クルイベリ(Saccharomyces kluyveri)、サッカロマイセス・ノルベンシス(Saccharomyces norbensis)、サッカロマイセス・オビホルミス(Saccharomyces oviformis)又はヤロウイア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)細胞などのカンジダ属(Candida)、ハンゼヌラ属(Hansenula)、クリベロマイセス属(Kluyveromyces)、ピキア属(Pichia)、サッカロマイセス属(Saccharomyces)、シゾサッカロマイセス属(Schizosaccharomyces)又はヤロウイア属(Yarrowia)細胞であり得る。
真菌宿主細胞は、糸状菌細胞であり得る。「糸状菌類」は、真菌亜門(Eumycota)及び卵菌亜門(Oomycota)の全ての糸状形態を含む(上記参照のHawksworth et al.,1995により定義されているとおり)。糸状菌類は、一般に、キチン、セルロース、グルカン、キトサン、マンナン及び他の複雑な多糖で構成される菌糸体の壁を特徴とする。栄養成長は、菌糸伸長によるものであり、炭素異化作用は、偏性好気性である。対照的に、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)などの酵母による栄養生長は、単細胞葉状体の出芽によるものであり、炭素異化は、発酵性であり得る。
糸状真菌宿主細胞は、以下であり得る:アクレモニウム(Acremonium)、アスペルギルス(Aspergillus)、アウレオバシジウム(Aureobasidium)、ビルカンデラ(Bjerkandera)、セリポリオプシス(Ceriporiopsis)、クリソスポリウム(Chrysosporium)、コプリナス(Coprinus)、コリオルス(Coriolus)、クリプトコッカス(Cryptococcus)、フィロバシディウム(Filibasidium)、フザリウム(Fusarium)、フミコラ(Humicola)、マグナポルテ(Magnaporthe)、ムコール(Mucor)、ミセリオフトラ(Myceliophthora)、ネオカリマスティクス(Neocallimastix)、ニューロスポラ(Neurospora)、ペシロマイセス(Paecilomyces)、ペニシリウム(Penicillium)、ファネロケーテ(Phanerochaete)、フレビア(Phlebia)、ピロミセス(Piromyces)、プレウロタス(Pleurotus)、シゾフィラム(Schizophyllum)、タラロミセス(Talaromyces)、サーモアスカス(Thermoascus)、シーラビア(Thielavia)、トイポクラディウム(Tolypocladium)、トラメテス(Trametes)又はトリコデルマ(Trichoderma)の細胞。
例えば、糸状真菌宿主細胞は、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)、アスペルギルス・フォエティダス(Aspergillus foetidus)、アスペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)、アスペルギルス・ジャポニクス(Aspergillus japonicus)、アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)、ブエルカンデラ・アズスタ(Bjerkandera adusta)、セリポリオプシス・アネイリナ(Ceriporiopsis aneirina)、セリポリオプシス・カレギエア(Ceriporiopsis caregiea)、セリポリオプシス・ギルベセンス(Ceriporiopsis gilvescens)、セリポリオプシス・パノシンタ(Ceriporiopsis pannocinta)、セリポリオプシス・リブロサ(Ceriporiopsis rivulosa)、セリポリオプシス・スブルファ(Ceriporiopsis subrufa)、セリポリオプシス・サブバーミスポラ(Ceriporiopsis subvermispora)、クリソスポリウム・イノプス(Chrysosporium inops)、クリソスポリウム・ケラティノフィラム(Chrysosporium keratinophilum)、クリソスポリウム・ルクノウエンセ(Chrysosporium lucknowense)、クリソスポリウム・メルダリウム(Chrysosporium merdarium)、クリソスポリウム・パンニコラ(Chrysosporium pannicola)、クリソスポリウム・クイーンスランジクム(Chrysosporium queenslandicum)、クリソスポリウム・トロピクム(Chrysosporium tropicum)、クリソスポリウム・ゾナツム(Chrysosporium zonatum)、コプリヌス・シネレウス(Coprinus cinereus)、コリオルス・ヒルスツス(Coriolus hirsutus)、フザリウム・バクテリジオイデス(Fusarium bactridioides)、フザリウム・セレアリス(Fusarium cerealis)、フザリウム・クロークウェレンス(Fusarium crookwellense)、フザリウム・クルモルム(Fusarium culmorum)、フザリウム・グラミネアラム(Fusarium graminearum)、フザリウム・グラミヌム(Fusarium graminum)、フザリウム・ヘテロスポルム(Fusarium heterosporum)、フザリウム・ネグンディ(Fusarium negundi)、フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)、フザリウム・レチクランツム(Fusarium reticulatum)、フザリウム・ロゼウム(Fusarium roseum)、フザリウム・サムブシヌム(Fusarium sambucinum)、フザリウム・サルコクロウム(Fusarium sarcochroum)、フザリウム・スポロトリキオイデス(Fusarium sporotrichioides)、フザリウム・スルフレウム(Fusarium sulphureum)、フザリウム・トルロスム(Fusarium torulosum)、フザリウム・トリコテシオイデス(Fusarium trichothecioides)、フザリウム・ベネナタム(Fusarium venenatum)、フミコラ・インソレンス(Humicola insolens)、フミコラ・ラヌギノサ(Humicola lanuginosa)、ムコール・ミエヘイ(Mucor miehei)、ミセリオフトラ・サーモフィラ(Myceliophthora thermophila)、ニューロスポラ・クラッサ(Neurospora crassa)、ペニシリウム・プルプロゲヌム(Penicillium purpurogenum)、ファネロカエテ・クリソスポリウム(Phanerochaete chrysosporium)、フレビア・ラジアタ(Phlebia radiata)、プレウロツス・エリンギイ(Pleurotus eryngii)、タラロマイセス・エメルソニイ(Talaromyces emersonii)、チエラビア・テレストリス(Thielavia terrestris)、トラメテス・ビロサ(Trametes villosa)、トラメテス・ベルシコロル(Trametes versicolor)、トリコデルマ・ハルジアヌム(Trichoderma harzianum)、トリコデルマ・コニンギイ(Trichoderma koningii)、トリコデルマ・ロンギブラキアタム(Trichoderma longibrachiatum)、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)又はトリコデルマ・ビリデ(Trichoderma viride)細胞であり得る。
真菌細胞は、それ自体知られているプロセスにおいて、プロトプラストの形成、プロトプラストの形質転換及び細胞壁の再生を含む方法により形質転換され得る。アスペルギルス属(Aspergillus)宿主細胞及びトリコデルマ(Trichoderma)宿主細胞の形質転換に適した手順は、欧州特許第238023号明細書、Yelton et al.,1984,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:1470-1474及びChristensen et al.,1988,Bio/Technology 6:1419-1422で説明されている。フザリウム(Fusarium)種の形質転換に適した方法は、Malardier et al.,1989,Gene 78:147-156及び国際公開第96/00787号パンフレットにより説明されている。酵母を、以下により説明されている手順を用いて形質転換し得る:Becker and Guarente,In Abelson,J.N.and Simon,M.I.,editors,Guide to Yeast Genetics and Molecular Biology,Methods in Enzymology,Volume 194,pp 182-187、Academic Press,Inc.,New York;Ito et al.,1983,J.Bacteriol.153:163;及びHinnen et al.,1978,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 75:1920。
生成方法
本発明は、(a)ポリペプチドの生成を導く条件下において本発明の組換え宿主細胞を培養することと、任意選択的に、(b)ポリペプチドを回収することとを含む、本発明のポリペプチドを生成する方法にも関する。
宿主細胞は、当技術分野で公知の方法を用いて、ポリペプチドの生成に適した栄養培地で培養される。例えば、この細胞を、好適な培地中且つポリペプチドの発現及び/又は単離を可能にする条件下において、振盪フラスコ培養により培養し得るか、又は実験用若しくは工業用の発酵槽中での小規模若しくは大規模の発酵(例えば、連続式、バッチ式、フェドバッチ式若しくは固体状態の発酵を含む)により培養し得る。この培養を、当技術分野で知られる手順を用いて、炭素源及び窒素源並びに無機塩を含む好適な栄養培地中で行う。好適な培地は、商業的供給者から入手可能であるか、又は公開されている組成物に従って調製され得る(例えば、米国培養細胞系統保存機関のカタログ中)。ポリペプチドが栄養培地に分泌される場合、ポリペプチドは、培地から直接回収され得る。ポリペプチドが分泌されない場合、ポリペプチドは、細胞溶解産物から回収され得る。
ポリペプチドは、ポリペプチドに特異的である、当技術分野で公知の方法を用いて検出され得る。これらの検出法としては、特異抗体の使用、酵素生成物の形成又は酵素基質の消失が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、酵素アッセイを使用して、ポリペプチドの活性が決定され得る。
ポリペプチドは、当技術分野で公知である方法を用いて回収され得る。例えば、ポリペプチドは、収集、遠心分離、濾過、抽出、噴霧乾燥、蒸発又は沈殿を含むが、これらに限定されない従来の手順によって発酵培地から回収され得る。一態様では、ポリペプチドを含む全発酵ブロスを回収する。
ポリペプチドは、クロマトグラフィ(例えば、イオン交換、親和性、疎水性、クロマトフォーカシング及びサイズ排除)、電気穿孔手順(例えば、分取用等電点電気泳動)、示差溶解度(例えば、硫酸アンモニウム沈殿)、SDS-PAGE又は抽出(例えば、Protein Purification,Janson and Ryden,editors,VCH Publishers,New York,1989を参照されたい)を含むが、これに限定されない、当技術分野で公知の様々な手順によって精製され、実質的に純粋なポリペプチドを得ることができる。
酵素組成物
本発明にかかる方法で使用するための酵素組成物は、主要な酵素構成成分としてのタンパク質ジスルフィドイソメラーゼ(PDI)(EC5.3.4.1)又はチオレドキシンペプチド、例えば一成分組成物など、酸化、還元又は異性化を含むタンパク質ジスルフィド結合の変化を触媒する酵素を含み得る。代わりに、この組成物は、複数の酵素活性を含み得、例えばキシラナーゼ、セロビオヒドロラーゼ、セルラーゼ、エンドグルカナーゼ及び/又はアラビノフラノシダーゼからなる群から選択される1つ以上(例えば、いくつか)の酵素などを含み得る。
組成物は、当技術分野で公知の方法に従って調製され得、液体又は乾燥組成物の形態であり得る。組成物は、当技術分野で公知の方法に従って安定化され得る。
液体製剤
本発明は、本発明のタンパク質ジスルフィドイソメラーゼ又はチオレドキシンペプチドを含む液体組成物にも関する。組成物は、酵素安定化剤を含み得る(例として、プロピレングリコール若しくはグリセリンなどのポリオール、糖若しくは糖アルコール、乳酸、可逆的プロテアーゼ阻害剤、ホウ酸若しくは例えば芳香族ホウ酸エステルなどのホウ酸誘導体又は4-ホルミルフェニルボロン酸などのフェニルボロン酸誘導体が挙げられる)。
いくつかの実施形態では、そのような組成物の体積を増加させるために、充填材又はキャリア材料が含まれる。好適な充填材又はキャリア材料として、硫酸塩、炭酸塩及びケイ酸塩などの様々な塩並びにタルク、粘土などが挙げられるが、これらに限定されない。液体組成物に適した充填材又はキャリア材料には、水又はポリオール及びジオールを含む低分子量の第一級及び第二級アルコールが含まれるが、これらに限定されない。こうしたアルコールの例として、メタノール、エタノール、プロパノール及びイソプロパノールが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、組成物は、約5%~約90%のそのような材料を含有する。
一態様では、本発明は、
(A)本発明の[酵素]活性を有する0.001w/w%~25w/w%の1つ以上のポリペプチドと、
(B)水と
を含む液体製剤に関する。
別の実施形態では、液体製剤は、20w/w%~80w/w%のポリオールを含む。一実施形態では、液体製剤は、0.001w/w%~2.0w/w%の保存剤を含む。
別の実施形態では、本発明は、
(A)本発明の[酵素]活性を有する0.001w/w%~25w/w%の1つ以上のポリペプチドと、
(B)20w/w%~80w/w%のポリオールと、
(C)任意選択的に、0.001w/w%~2.0w/w%の保存剤と、
(D)水と
を含む液体製剤に関する。
別の実施形態では、本発明は、
(A)本発明の[酵素]活性を有する0.001w/w%~25w/w%の1つ以上のポリペプチドと、
(B)0.001w/w%~2.0w/w%の保存剤と、
(C)任意選択的に、20w/w%~80w/w%のポリオールと、
(D)水と
を含む液体製剤に関する。
別の実施形態では、液体製剤は、1種以上の配合剤、例えばポリオール、塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、チオ硫酸ナトリウム、炭酸カルシウム、クエン酸ナトリウム、デキストリン、グルコース、スクロース、ソルビトール、ラクトース、デンプン、PVA、酢酸塩及びリン酸塩からなる群から選択され、好ましくは硫酸ナトリウム、デキストリン、セルロース、チオ硫酸ナトリウム、カオリン及び炭酸カルシウムからなる群から選択される製剤などを含む。一実施形態では、ポリオールは、グリセロール、ソルビトール、プロピレングリコール(MPG)、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール又は1,3-プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、約600未満の平均分子量を有するポリエチレングリコール(PEG)及び約600未満の平均分子量を有するポリプロピレングリコール(PPG)からなる群から選択される、より好ましくはグリセロール、ソルビトール及びプロピレングリコール(MPG)又はその任意の組合せからなる群から選択される。
別の実施形態では、液体製剤は、20%~80%のポリオール(即ちポリオールの総量)、例えば25%~75%のポリオール、30%~70%のポリオール、35%~65%のポリオール又は40%~60%のポリオールを含む。一実施形態では、液体製剤は、20%~80%のポリオール、例えば25%~75%のポリオール、30%~70%のポリオール、35%~65%のポリオール又は40%~60%のポリオールを含み、ポリオールは、グリセロール、ソルビトール、プロピレングリコール(MPG)、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール若しくは1,3-プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、平均分子量が約600未満のポリエチレングリコール(PEG)及び平均分子量が約600未満のポリプロピレングリコール(PPG)からなる群から選択される。一実施形態では、液体製剤は、20%~80%のポリオール(即ちポリオールの総量)、例えば25%~75%のポリオール、30%~70%のポリオール、35%~65%のポリオール又は40%~60%のポリオールを含み、ポリオールは、グリセロール、ソルビトール及びプロピレングリコール(MPG)からなる群から選択される。
別の実施形態では、保存剤は、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム及び安息香酸カリウム又はそれらの任意の組合せからなる群から選択される。一実施形態では、液体製剤は、0.02w/w%~1.5w/w%の保存剤、例えば0.05w/w%~1.0w/w%の保存剤又は0.1w/w%~0.5w/w%の保存剤を含む。一実施形態では、液体製剤は、0.001w/w%~2.0w/w%の保存剤(即ち保存剤の総量)、例えば0.02w/w%~1.5w/w%の保存剤、0.05w/w%~1.0w/w%の保存剤又は最も好ましくは0.1w/w%~0.5w/w%の保存剤を含み、保存剤は、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム及び安息香酸カリウム又はそれらの任意の組合せからなる群から選択される。
別の実施形態では、液体製剤は、1つ以上の追加の酵素、例えばヒドロラーゼ、イソメラーゼ、リガーゼ、リアーゼ、オキシドレダクターゼ及びトランスフェラーゼを更に含む。1つ以上の追加の酵素は、好ましくは、アセチルキシランエステラーゼ、アシルグリセロールリパーゼ、アミラーゼ、アルファアミラーゼ、ベータアミラーゼ、アラビノフラノシダーゼ、セロビオヒドロラーゼ、セルラーゼ、フェルロイルエステラーゼ、ガラクタナーゼ、アルファガラクトシダーゼ、ベータガラクトシダーゼ、ベータグルカナーゼ、ベータ-グルコシダーゼ、リゾホスホリパーゼ、リソチーム、アルファマンノシダーゼ、ベータマンノシダーゼ(マンナナーゼ)、フィターゼ、ホスホリパーゼA1、ホスホリパーゼA2、ホスホリパーゼD、プロテアーゼ、プルラナーゼ、ペクチンエステラーゼ、トリアシルグリセロールリパーゼ、キシラナーゼ、ベータ-キシロシダーゼ又はその任意の組合せからなる群から選択される。
発酵ブロス調合物又は細胞組成物
本発明は、本発明のポリペプチドを含む発酵ブロス調合物又は細胞組成物にも関する。発酵ブロス調合物又は細胞組成物は、例えば、細胞(目的のポリペプチドを生成するのに使用される、本発明のポリペプチドをコードする遺伝子を含有する宿主細胞を含む)、細胞片、バイオマス、発酵培地及び/又は発酵生成物など、発酵プロセスに使用される追加の成分を更に含む。いくつかの実施形態では、組成物は、有機酸、死細胞及び/又は細胞片並びに培養培地を含有する、死滅した細胞の全ブロスである。
本明細書で使用される用語「発酵ブロス」とは、細胞発酵により生成される調製物を指し、これは、回収及び/又は精製を全く受けないか又は最小限にのみ受ける。例えば、発酵ブロスは、微生物培地を飽和まで成長させ、タンパク質合成(例えば、宿主細胞による酵素の発現)及び細胞培地への分泌を可能にする炭素制限条件下でインキュベートする場合、生成される。発酵ブロスは、発酵の終了時に得られる発酵材料の未分画内容物又は分画内容物を含有し得る。典型的には、発酵ブロスは、未分画であり、微生物細胞(例えば、糸状菌細胞)を例えば遠心分離により除去した後に存在する使用済み培地及び細胞屑を含む。いくつかの実施形態では、発酵ブロスは、使用済み細胞培養培地、細胞外酵素並びに生存及び/又は非生存微生物細胞を含有する。いくつかの実施形態では、発酵ブロス調合物又は細胞組成物は、少なくとも1つの1~5個の炭素の有機酸を含む第1の有機酸構成成分及び/又はその塩並びに少なくとも1つの6個以上の炭素の有機酸を含む第2の有機酸構成成分及び/又はその塩を含む。
いくつかの実施形態では、第1の有機酸構成成分は、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、それらの塩又は前述の2つ以上の混合物及び第2の有機酸構成成分は、安息香酸、シクロヘキサンカルボン酸、4-メチル吉草酸、フェニル酢酸、それらの塩又は前述の2つ以上の混合物である。
一態様では、組成物は、有機酸を含有し、且つ任意選択により死細胞及び/又は細胞片を更に含有する。いくつかの実施形態では、死細胞及び/又は細胞片は、これらの構成成分を含まない組成物を得るために、細胞死滅全ブロスから除去される。
発酵ブロス調合物又は細胞組成物は、ソルビトール、塩化ナトリウム、ソルビン酸カリウム及び当技術分野で公知の他のものが挙げられるが、これらに限定されない、保存剤及び/又は抗菌(例えば、静菌)剤を更に含み得る。
細胞死滅全ブロス又は組成物は、発酵の終了時に得られる発酵材料の未分画内容物を含有し得る。典型的には、細胞死滅全ブロス又は組成物は、使用済み培養培地と、微生物細胞(例えば、糸状菌細胞)を飽和まで増殖させ、炭素限定条件下においてインキュベートしてタンパク質を合成させた後に存在する細胞片とを含有する。いくつかの実施形態では、細胞死滅の全ブロス又は組成物は、使用済みの細胞培養培地、細胞外酵素及び死滅した糸状菌細胞を含有する。いくつかの実施形態では、細胞死滅の全ブロス又は組成物中に存在する微生物細胞は、当技術分野で知られる方法を用いて透過処理され、且つ/又は溶解され得る。
本明細書に記載されるとおりの全ブロス又は細胞組成物は、典型的には液体であるが、死細胞、細胞片、培地構成成分及び/又は不溶性酵素などの不溶性成分を含有し得る。いくつかの実施形態では、不溶性構成成分を除去して、清澄化した液体組成物を得ることができる。
本発明の全ブロス配合物及び細胞組成物は、国際公開第90/15861号パンフレット又は国際公開第2010/096673号パンフレットに記載されている方法によって生成され得る。
本発明は、以下の付番された実施形態で更に開示される。
実施形態[1].湿潤製粉プロセスにおいてトウモロコシ穀粒からのデンプン収量及び/又はグルテン収量を増加させる方法であって、粉砕トウモロコシ穀粒、特に粉砕穀粒の繊維豊富画分を、有効量の、酸化、還元又は異性化を含むタンパク質ジスルフィド結合の変化を触媒するポリペプチド、例えばタンパク質ジスルフィドイソメラーゼ(PDI)(EC5.3.4.1)又はチオレドキシンペプチドと接触させることを含む方法。
実施形態[2].湿潤製粉プロセス中、粉砕穀粒から放出されるデンプン及び/又はグルテン、特に不溶性デンプン及びグルテンの量は、PDI又はチオレドキシンペプチドが存在しない/添加されないプロセスと比較して増加する、実施形態1に記載の方法。
実施形態[3].乾燥固体1グラム当たりの放出されるタンパク質mg(mg/gDS)として測定される増加は、PDIの添加なしと比較して少なくとも0.5%ポイント、少なくとも0.75%ポイント、少なくとも1.0%ポイント、少なくとも1.5%ポイント、少なくとも2.5%ポイント、例えば少なくとも5.0%ポイントであり、繊維洗浄は、3.5~5.5の範囲のpH、例えばpH4.0、4.5又は5.0及び少なくとも300μg EP/gDSの酵素投与量で行われる、実施形態2に記載の方法。
実施形態[4].PDI又はチオレドキシンペプチドは、特に繊維洗浄工程中に存在する/繊維画分に添加される、実施形態1~3のいずれか一項に記載の方法。
実施形態[5].a)トウモロコシ穀粒を水に浸漬させて、浸漬穀粒を生成する工程と、
b)浸漬穀粒を粉砕して、粉砕穀粒を生成する工程と、
c)粉砕穀粒から胚を分離して、繊維、デンプン及びグルテンを含むトウモロコシ穀粒塊を生成する工程と、
d)トウモロコシ穀粒塊、特に微細繊維画分を繊維洗浄手順に供し、繊維からデンプン及びグルテンを分離する工程と
を含み、少なくともPDI又はチオレドキシンペプチドは、工程d)前又は中に存在する/添加される、実施形態1~4のいずれか一項に記載の方法。
実施形態[6].e)グルテンからデンプンを分離する工程と、任意選択的に、
f)デンプンを洗浄する工程と
を更に含む、実施形態4に記載の方法。
実施形態[7].PDI又はチオレドキシンペプチドは、繊維洗浄中、少なくとも10μg EP/g DS、少なくとも25μg EP/g DS、少なくとも50μg EP/g DS、少なくとも75μg EP/g DS、少なくとも100μg EP/g DS、少なくとも200μg EP/g DS、少なくとも300μg EP/g DS、少なくとも500μg EP/g DS、例えば10~2000μg EP/g DS、25~1000μg EP/g DS、50~800μg EP/g DS、100~500μg EP/g DSの範囲の量で存在する/添加される、実施形態1~6のいずれか一項に記載の方法。
実施形態[8].SOは、繊維洗浄中、少なくとも200ppm、少なくとも300ppm、少なくとも400ppm、少なくとも450ppm、少なくとも500ppm、少なくとも600ppm、少なくとも700ppm、少なくとも800ppm、例えば200~3000ppm、300~2000ppm、400~800ppmの範囲などの量で存在する/添加される、実施形態1~6のいずれか一項に記載の方法。
実施形態[9].有効量の1つ以上の加水分解酵素は、繊維洗浄工程前又は中に存在し/添加され、前記加水分解酵素の少なくとも1つは、キシラナーゼ及び/又はセルラーゼから選択される、実施形態1~8のいずれか一項に記載の方法。
実施形態[10].キシラナーゼは、GH5ポリペプチド、GH8ポリペプチド、GH30ポリペプチド、GH10ポリペプチド、GH11ポリペプチド、GH8ポリペプチド又はそれらの組合せからなる群から選択される、実施形態1~9のいずれか一項に記載の方法。
実施形態[11].加水分解酵素は、1つ以上のセルラーゼを含む、実施形態1~10のいずれか一項に記載の方法。
実施形態[12].セルラーゼは、エンドグルカナーゼ(EG)、セロビオヒドロラーゼ(CBH)及びベータ-グルコシダーゼからなる群から選択される1つ以上の酵素を含む、実施形態10に記載の方法。
実施形態[13].セルラーゼは、エンドグルカナーゼ、セロビオヒドロラーゼI、セロビオヒドロラーゼII又はそれらの組合せからなる群から選択される1つ以上の酵素を含む、実施形態11に記載の方法。
実施形態[14].セルラーゼは、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)に由来する、実施形態11~13に記載の方法。
実施形態[15].セルラーゼは、アスペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)セロビオヒドロラーゼI、アスペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)セロビオヒドロラーゼII、アスペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)ベータ-グルコシダーゼバリアント及びペニシリウム種(Penicillium sp.)(エメルソニイ(emersonii))GH61ポリペプチドを含有するトリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)セルラーゼ調製物を有する、アスペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)GH10キシラナーゼ、アスペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)ベータ-キシロシダーゼからなる群から選択される、実施形態11~13のいずれか一項に記載の方法。
実施形態[16].セルラーゼは、
i)配列番号14のGH10キシラナーゼ、配列番号15のベータ-キシロシダーゼ、配列番号16のセロビオヒドロラーゼI、配列番号17のセロビオヒドロラーゼII、配列番号18のベータ-グルコシダーゼ、配列番号19のGH61、又は
ii)配列番号14と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%の同一性を有するポリペプチド、配列番号15と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%の同一性を有するポリペプチド、配列番号16と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%の同一性を有するポリペプチド、配列番号17と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%の同一性を有するポリペプチド、配列番号18と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%の同一性を有するポリペプチド、配列番号19と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%の同一性を有するポリペプチド、及び
iii)トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)由来の少なくとも1つのエンドグルカナーゼ
を含む組成物から選択される、実施形態15に記載の方法。
実施形態[17].加水分解酵素は、アラビノフラノシダーゼを含む、実施形態1~16のいずれか一項に記載の方法。
実施形態[18].アラビノフラノシダーゼは、GH43ポリペプチド、GH62ポリペプチド及びGH51ポリペプチドからなる群から選択される、実施形態17に記載の方法。
実施形態[19].工程c)からの繊維、デンプン及びグルテンを含むトウモロコシ穀粒塊は、工程d)での繊維洗浄手順前に更なる粉砕工程、好ましくは微粉砕工程に供される、実施形態1~18のいずれか一項に記載の方法。
実施形態[20].前記繊維洗浄手順は、向流洗浄構成で流体連結されている複数のスクリーンユニット(S1...S4)を含む繊維洗浄システムを使用して行われ、各スクリーンユニットは、トウモロコシ穀粒塊と液体との流れを2つの画分:第1の画分(s)及び第2の画分(f)に分離するように構成され、前記第2の画分(f)は、第1の画分(s)を上回る、重量%で測定された量の繊維を含み、及び任意選択的に、空間(V)は、システム内に配置され、且つ前記第1の画分(s)の1つ、前記第2の画分(f)の1つ又は混合された第1及び第2の画分(s、f)、好ましくは第2の画分(f)のみを受け入れるように流体連結され、及び空間内に受け入れられた一方又は両方の画分に対してインキュベーション時間を提供するように構成され、且つそれによりインキュベートされた一方又は両方の画分を下流のスクリーンユニット(S4)に排出し、システムは、
- トウモロコシ穀粒塊及び液体を最上流スクリーンユニット(S1)に注入することと、
- 最上流スクリーンユニット(S1)からの第1の画分(s1)を、デンプンを含有する生成物流として排出することと、
- プロセス水を注入することであって、好ましくはプロセス水を最下流スクリーンユニット(S4)に注入するように配置される、注入することと、
- 最下流スクリーンユニット(S4)から、第2の画分(f4)を、最初のトウモロコシ穀粒塊を下回る量のデンプン及びグルテンを含有する洗浄されたトウモロコシ穀粒塊として排出することと、
- 任意選択的に、システムに加水分解酵素を導入することと
を行うように構成される、実施形態1~19のいずれか一項に記載の方法。
実施形態[21].前記繊維洗浄手順は、繊維洗浄システムであって、繊維洗浄システムにおける少なくとも35分間且つ48時間未満の総保持時間を提供するように構成された空間(V)/タンクを含む繊維洗浄システムの使用を含む、実施形態20に記載の方法。
実施形態[22].前記空間(V)は、50~1000mの範囲の体積を有する、実施形態20又は21のいずれか一項に記載の方法。
実施形態[23].前記空間(V)は、80及び250mの範囲の体積を有する、実施形態20~22のいずれか一項に記載の方法。
実施形態[24].繊維洗浄システム内に構成された前記空間(V)/タンク内のインキュベーション時間は、少なくとも5分間且つ48時間未満、例えば35分間~24時間、35分間~時間、35分間~6時間、35分間~5時間、35分間~4時間、35分間~3時間、35分間~2時間、45分間~48時間、45分間~24時間、45分間~12時間、45分間~6時間、45分間~5時間、45分間~4時間、45分間~3時間、45分間~2時間である、実施形態20~23のいずれか一項に記載の方法。
実施形態[25].インキュベーション温度は、25℃~95℃、例えば25~90℃、25~85℃、25~80℃、25~75℃、25~70℃、25~65℃、25~60℃、25~55℃、25~53℃、25~52℃、30~90℃、30~85℃、30~80℃、30~75℃、30~70℃、30~65℃、30~60℃、30~55℃、30~53℃、30~52℃、35~90℃、35~85℃、35~80℃、35~75℃、35~70℃、35~65℃、35~60℃、35~55℃、35~53℃、35~52℃、39~90℃、39~85℃、39~80℃、39~75℃、39~70℃、39~65℃、39~60℃、39~55℃、39~53℃、39~52℃、好ましくは46~52℃である、実施形態1~24のいずれか一項に記載の方法。
実施形態[26].1つ以上の加水分解酵素は、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)などのセルラーゼバックグラウンドを有する生物において発現される、実施形態1~25のいずれか一項に記載の方法。
実施形態[27].前記粉砕トウモロコシ穀粒塊の1つ以上の画分と混合/接触される1つ以上の加水分解酵素の有効量は、0.005~0.5kgの酵素タンパク質/湿潤製粉プロセスに入るトウモロコシ穀粒のメートルトンである、実施形態1~26のいずれか一項に記載の方法。
実施形態[28].SO源は、二亜硫酸ナトリウム(Na)、NaHSO及び/又はSOガスの添加から選択される、実施形態1~27のいずれか一項に記載の方法。
実施形態[29].PDI又はチオレドキシンペプチドは、レドックスタンパク質のチオレドキシンスーパーファミリーに属する少なくとも1つの触媒ドメインを含み、このドメインは、CXXCモチーフを有することによって特徴付けられる活性部位を含む、実施形態1~28のいずれか一項に記載の方法。
実施形態[30].PDIは、少なくとも1つの非触媒ドメインによって分離されている、CXXCモチーフを有することによって特徴付けられる活性部位をそれぞれ含む2つの触媒ドメインを含む、実施形態29に記載の方法。
実施形態[31].CXXCモチーフは、CGHC、CTHC、CPHC、CGPC及びCSMC、特にCGHC又はCGPCからなる群から選択される、実施形態29又は30に記載の方法。
実施形態[32].触媒ドメインは、ファミリーPf00085に属する、実施形態29~31のいずれか一項に記載の方法。
実施形態[33].PDIは、3ドメイン構造Pf00085-Pf13848-Pf00085を含み、中央Pf13848ドメインは、2つのPf00085ドメインであって、一方がN末端にあり、及び他方がC末端にある、2つのPf00085ドメインによって隣接される、実施形態29~32に記載の方法。
実施形態[34].リパーゼPDIは、
(a)配列番号1の成熟型ポリペプチドと少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと、
(b)1つ以上(いくつか)の位置に置換、欠失及び/又は挿入を含む、配列番号1の成熟型ポリペプチドのバリアントと、
(c)PDI活性を有する(a)又は(b)のポリペプチドの断片と
からなる群から選択される、実施形態1~33のいずれか一項に記載の方法。
実施形態[35].リパーゼPDIは、
(a)配列番号2の成熟型ポリペプチドと少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと、
(b)1つ以上の位置に置換、欠失及び/又は挿入を含む、配列番号2の成熟型ポリペプチドのバリアントと、
(c)PDI活性を有する(a)又は(b)のポリペプチドの断片と
からなる群から選択される、実施形態1~33のいずれか一項に記載の方法。
実施形態[36].リパーゼPDIは、
(a)配列番号3の成熟型ポリペプチドと少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと、
(b)1つ以上の位置に置換、欠失及び/又は挿入を含む、配列番号3の成熟型ポリペプチドのバリアントと、
(c)PDI活性を有する(a)又は(b)のポリペプチドの断片と
からなる群から選択される、実施形態1~33のいずれか一項に記載の方法。
実施形態[37].リパーゼPDIは、
(a)配列番号4の成熟型ポリペプチドと少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと、
(b)1つ以上の位置に置換、欠失及び/又は挿入を含む、配列番号4の成熟型ポリペプチドのバリアントと、
(c)PDI活性を有する(a)又は(b)のポリペプチドの断片と
からなる群から選択される、実施形態1~33のいずれか一項に記載の方法。
実施形態[38].チオレドキシンペプチドは、
(a)配列番号5の成熟型ポリペプチドと少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと、
(b)1つ以上の位置に置換、欠失及び/又は挿入を含む、配列番号5の成熟型ポリペプチドのバリアントと、
(c)チオレドキシンペプチド活性を有する(a)又は(b)のポリペプチドの断片と
からなる群から選択される、実施形態1~33のいずれか一項に記載の方法。
実施形態[39].キシラナーゼは、
(a)配列番号8のポリペプチドと少なくとも85%、例えば少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチド、
(b)キシラナーゼ活性を有する(a)のポリペプチドの断片
からなる群から選択される、実施形態1~38のいずれか一項に記載の方法。
実施形態[40].キシラナーゼは、
(a)配列番号11の成熟型ポリペプチドと少なくとも85%、例えば少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチド、
(b)キシラナーゼ活性を有する(a)のポリペプチドの断片
からなる群から選択される、実施形態1~39のいずれか一項に記載の方法。
実施形態[41].アラビノフラノシダーゼは、
(a)配列番号13の成熟型ポリペプチドと少なくとも85%、例えば少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチド、
(b)アラビノフラノシダーゼ活性を有する(a)のポリペプチドの断片
からなる群から選択される、実施形態1~40のいずれか一項に記載の方法。
実施形態[42].キシラナーゼは、
(a)配列番号10の成熟型ポリペプチドと少なくとも85%、例えば少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチド、
(b)キシラナーゼ活性を有する(a)のポリペプチドの断片
からなる群から選択される、実施形態1~41のいずれか一項に記載の方法。
実施形態[43].アラビノフラノシダーゼは、
(a)配列番号12の成熟型ポリペプチドと少なくとも85%、例えば少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチド、
(b)アラビノフラノシダーゼ活性を有する(a)のポリペプチドの断片
からなる群から選択される、実施形態1~42のいずれか一項に記載の方法。
実施形態[44].セルラーゼは、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)又はフミコラ・インソレンス(Humicula insolens)に由来する、実施形態1~43のいずれか一項に記載の方法。
実施形態[45].セルラーゼは、アスペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)に由来するCBH I及びCBH IIを有するトリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)バックグラウンドセルラーゼに由来する、実施形態1~44のいずれか一項に記載の方法。
実施形態[46].タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ活性を有する単離又は精製ポリペプチドであって、
(a)配列番号1と少なくとも85%の配列同一性を有するポリペプチドと、
(b)配列番号1のアミノ酸21~516と少なくとも85%の配列同一性を有するポリペプチドと、
(c)配列番号1の成熟型ポリペプチドと少なくとも85%の配列同一性を有するポリペプチドと、
(d)配列番号1の成熟型ポリペプチドから、配列番号1の成熟型ポリペプチド中の1つ又はいくつかのアミノ酸の置換、欠失又は付加によって誘導されるポリペプチドと、
(e)配列番号20の配列をコードする成熟型ポリペプチドと少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドと、
(f)タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ活性を有する(a)、(b)、(c)、(d)又は(e)のポリペプチドの断片と
からなる群から選択される単離又は精製ポリペプチド。
実施形態[47].配列番号1と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有する、実施形態46に記載のポリペプチド。
実施形態[48].配列番号1の成熟型ポリペプチドと少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有する、実施形態46又は47のいずれか一項に記載のポリペプチド。
実施形態[49].配列番号1若しくはその成熟型ポリペプチド又は配列番号1のアミノ酸21~516を含むか、それから本質的になるか又はそれからなる、実施形態46に記載のポリペプチド。
実施形態[50].タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ活性を有する単離又は精製ポリペプチドであって、
(a)配列番号2と少なくとも85%の配列同一性を有するポリペプチドと、
(b)配列番号2のアミノ酸21~513と少なくとも85%の配列同一性を有するポリペプチドと、
(c)配列番号2の成熟型ポリペプチドと少なくとも85%の配列同一性を有するポリペプチドと、
(d)配列番号2の成熟型ポリペプチドから、配列番号2の成熟型ポリペプチド中の1つ又はいくつかのアミノ酸の置換、欠失又は付加によって誘導されるポリペプチドと、
(e)配列番号21の配列をコードする成熟型ポリペプチドと少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドと、
(f)タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ活性を有する(a)、(b)、(c)、(d)又は(e)のポリペプチドの断片と
からなる群から選択される単離又は精製ポリペプチド。
実施形態[51].配列番号2と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有する、実施形態46に記載のポリペプチド。
実施形態[52].配列番号2の成熟型ポリペプチドと少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有する、実施形態50又は51のいずれか一項に記載のポリペプチド。
実施形態[53].配列番号1若しくはその成熟型ポリペプチド又は配列番号2のアミノ酸21~513を含むか、それから本質的になるか又はそれからなる、実施形態50に記載のポリペプチド。
実施形態[54].タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ活性を有する単離又は精製ポリペプチドであって、
(a)配列番号3と少なくとも85%の配列同一性を有するポリペプチドと、
(b)配列番号3のアミノ酸21~516と少なくとも85%の配列同一性を有するポリペプチドと、
(c)配列番号3の成熟型ポリペプチドと少なくとも85%の配列同一性を有するポリペプチドと、
(d)配列番号3の成熟型ポリペプチドから、配列番号3の成熟型ポリペプチド中の1つ又はいくつかのアミノ酸の置換、欠失又は付加によって誘導されるポリペプチドと、
(e)配列番号22の配列をコードする成熟型ポリペプチドと少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドと、
(f)タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ活性を有する(a)、(b)、(c)、(d)又は(e)のポリペプチドの断片と
からなる群から選択される単離又は精製ポリペプチド。
実施形態[55].配列番号3と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有する、実施形態54に記載のポリペプチド。
実施形態[56].配列番号3の成熟型ポリペプチドと少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有する、実施形態54又は55のいずれか一項に記載のポリペプチド。
実施形態[57].配列番号3若しくはその成熟型ポリペプチド又は配列番号3のアミノ酸21~516を含むか、それから本質的になるか又はそれからなる、実施形態54に記載のポリペプチド。
実施形態[58].タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ活性を有する単離又は精製ポリペプチドであって、
(a)配列番号4と少なくとも85%の配列同一性を有するポリペプチドと、
(b)配列番号4のアミノ酸21~517と少なくとも85%の配列同一性を有するポリペプチドと、
(c)配列番号4の成熟型ポリペプチドと少なくとも85%の配列同一性を有するポリペプチドと、
(d)配列番号4の成熟型ポリペプチドから、配列番号4の成熟型ポリペプチド中の1つ又はいくつかのアミノ酸の置換、欠失又は付加によって誘導されるポリペプチドと、
(e)配列番号23の配列をコードする成熟型ポリペプチドと少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドと、
(f)タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ活性を有する(a)、(b)、(c)、(d)又は(e)のポリペプチドの断片と
からなる群から選択される単離又は精製ポリペプチド。
実施形態[59].配列番号4と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有する、実施形態58に記載のポリペプチド。
実施形態[60].配列番号4の成熟型ポリペプチドと少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有する、実施形態58又は59のいずれか一項に記載のポリペプチド。
実施形態[61].配列番号1若しくはその成熟型ポリペプチド又は配列番号4のアミノ酸21~517を含むか、それから本質的になるか又はそれからなる、実施形態58に記載のポリペプチド。
実施形態[62].タンパク質ジスルフィド結合を還元する能力を有する単離又は精製チオレドキシンポリペプチドであって、
(a)配列番号5と少なくとも85%の配列同一性を有するポリペプチドと、
(b)配列番号5のアミノ酸1~110と少なくとも85%の配列同一性を有するポリペプチドと、
(c)配列番号5の成熟型ポリペプチドと少なくとも85%の配列同一性を有するポリペプチドと、
(d)配列番号5の成熟型ポリペプチドから、配列番号5の成熟型ポリペプチド中の1つ又はいくつかのアミノ酸の置換、欠失又は付加によって誘導されるポリペプチドと、
(e)配列番号24の配列をコードする成熟型ポリペプチドと少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドと、
(f)チオレドキシン活性を有する(a)、(b)、(c)、(d)又は(e)のポリペプチドの断片と
からなる群から選択される単離又は精製チオレドキシンポリペプチド。
実施形態[63].配列番号5と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有する、実施形態62に記載のポリペプチド。
実施形態[64].配列番号5の成熟型ポリペプチドと少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有する、実施形態62又は63のいずれか一項に記載のポリペプチド。
実施形態[65].配列番号5若しくはその成熟型ポリペプチド又は配列番号5のアミノ酸1~110を含むか、それから本質的になるか又はそれからなる、実施形態62に記載のポリペプチド。
実施形態[66].湿潤製粉プロセス中、粉砕穀粒の繊維豊富画分から放出されるデンプン及び/又はグルテン、特に不溶性デンプン及びグルテンの量は、PDI又はチオレドキシンペプチドが繊維洗浄工程において存在しない/添加されないプロセスと比較して増加する、実施形態46~65のいずれか一項に記載のポリペプチド。
実施形態[67].実施形態46~66のいずれか一項に記載のポリペプチドを含む組成物。
実施形態[68].実施形態10に記載のキシラナーゼ及び/又は実施形態11~16に記載のセルラーゼを更に含む、実施形態67に記載の組成物。
実施形態[69].実施形態46~66のいずれか一項に記載のポリペプチドを含む全ブロス配合物又は細胞培養組成物。
実施形態[70].実施形態46~66のいずれか一項に記載のポリペプチドをコードする単離又は精製ポリヌクレオチド。
実施形態[71].実施形態70に記載のポリヌクレオチドを含む核酸構築物又は発現ベクターであって、ポリヌクレオチドは、発現宿主においてポリペプチドの生成を誘導する1つ以上の異種制御配列に作動可能に連結されている、核酸構築物又は発現ベクター。
実施形態[72].実施形態70に記載のポリヌクレオチドであって、ポリペプチドの生成を誘導する1つ以上の異種制御配列に作動可能に連結されているポリヌクレオチドを含む組換え宿主細胞。
実施形態[73].タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ活性又はチオレドキシンペプチド活性を有するポリペプチドを生成する方法であって、実施形態72に記載の組換え宿主細胞を、ポリペプチドの生成を導く条件下で培養することと、任意選択的にポリペプチドを回収することとを含む方法。
アッセイ
ジチオスレイトールによるインスリン還元アッセイ
原理
ウシインスリン中の2つのシスチンは、ジチオスレイトール(DTT)の存在下においてPDIにより還元される。反応後、インタクトなインスリンの消失及びマトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析(MALDI MS)による2つのペプチドの形成を分析する。
化学物質
重炭酸アンモニウム(ABC)、Fluka 09830
エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジナトリウム塩、Merck 1.08418
酢酸アンモニウム、Sigma-Aldrich 32301
ジチオスレイトール(DTT)、Sigma D0632
ウシ膵臓由来のインスリン、Sigma I5500
トリフルオロ酢酸(TFA)、Sigma 302031
2’,5’-ジヒドロキシアセトフェノン(DHAP)、Sigma D107603
アセトニトリル、Sigma 34888
試薬
ABC緩衝液:10mM重炭酸アンモニウム、pH7
EDTA溶液:100mM EDTA、pH8
酢酸緩衝液:25mM酢酸アンモニウム、pH5
基質ストック:ABC緩衝液中の10mg/mLインスリン
基質作動溶液:100μL基質ストック+20μL EDTA溶液+780μL 25mM酢酸緩衝液。EDTAを添加した後、溶液が透明になるまで待ち、続いて酢酸緩衝液を添加する
DTT溶液:Milli Q水中の200mM DTT
停止試薬:Milli Q水中の2%(V/V)TFA
マトリックス:アセトニトリル中の20mg/mL DHAP
材料
MALDI MS:Bruker UltrafleXtreme(商標)
Bruker AnchorChip MALDIターゲットプレート
Biosan Plate Thermoshaker PST 100-HL
酵素
タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ(PDI)
手順
1)酵素作動溶液(典型的には、0~100μg酵素タンパク質/mL、アッセイ中に0~10ppmが得られる)及び新たに調製した基質作動溶液を調製する。
2)90μL基質作動溶液及び10μL酵素作動溶液を、96ウェルマイクロタイタープレート中で混合する。酵素ブランクでは、酵素溶液の代わりに10μLのMilli Q水を添加する。
3)1μLのDTT溶液を加えるか、又はブランクでは1μLのMilli Q水(試薬ブランク)を加えることによって反応を開始する。
4)プレートを40℃で10分間インキュベートし、550rpmで振盪する。
5)インキュベーション後、100μLの停止試薬を添加することによって反応を停止させる。
6)MALDI MS分析のために、2μLの試料を4μLのDHAPと混合し、0.7μLを標的プレートに移す。質量スペクトルは、正の線形モードで得られる。イオン源1及びイオン源2は、20kV及び18.8kVに設定され、それぞれ11340nsの遅延及び6.4nsのサンプリングレートである。各スペクトルは、1試料スポット当たり5000ショットの累積平均であり、イオン質量範囲は、500~7000に設定されている。
7)酵素の活性は、酵素ブランク及び試薬ブランクのスペクトルと比較して、それぞれインタクトなウシインスリンの質量ピーク面積の減少(質量範囲5670~6000)並びに質量範囲2300~2450及び質量範囲3325~3500での2つのAペプチド鎖及びBペプチド鎖の出現における増加として観察することができる(インタクトなインスリン及び2つのペプチドの両方のいくつかのナトリウム付加物に対応するピークを観察することができ、これらは使用される質量範囲に含まれることに、留意すべきである)。
8)必要に応じて、異なる酵素濃度でアッセイを実行することにより、標準曲線を調製することができる。鎖A(又はB)のイオンピーク面積と、インタクトなウシインスリンのイオンに対するイオンピーク面積との比を計算し、その比を酵素濃度に対してプロットする。
亜硫酸塩によるインスリン還元アッセイ
原理
ウシインスリン中の2つのシスチンは、亜硫酸塩の存在下においてPDIにより還元される。反応後、インタクトなインスリンの消失及びマトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析(MALDI MS)による2つのペプチドの形成を分析する。
化学物質
重炭酸アンモニウム(ABC)、Fluka 09830
エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジナトリウム塩、Merck 1.08418
酢酸アンモニウム、Sigma-Aldrich 32301
二亜硫酸ナトリウム、Merck 31448
ウシ膵臓由来のインスリン、Sigma I5500
トリフルオロ酢酸(TFA)、Sigma 302031
2’,5’-ジヒドロキシアセトフェノン(DHAP)、Sigma D107603
アセトニトリル、Sigma 34888
試薬
ABC緩衝液:10mM重炭酸アンモニウム、pH7
EDTA溶液:100mM EDTA、pH8
酢酸緩衝液:25mM酢酸アンモニウム、pH5
基質ストック:ABC緩衝液中の10mg/mLインスリン
基質作動溶液:100μL基質ストック+20μL EDTA溶液+780μL 25mM酢酸緩衝液。EDTAを添加した後、溶液が透明になるまで待ち、続いて酢酸緩衝液を添加する
亜硫酸塩溶液:Milli Q水中の60mM二亜硫酸ナトリウム
停止試薬:Milli Q水中の2%(V/V)TFA
マトリックス:アセトニトリル中の20mg/mL DHAP
材料
MALDI MS:Bruker UltrafleXtreme(商標)
Bruker AnchorChip MALDIターゲットプレート
Biosan Plate Thermoshaker PST 100-HL
酵素
タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ(PDI)(Thermaascus crustaceus(P73RVY))
手順
1)酵素作動溶液(典型的には0~100μg酵素タンパク質/mL、アッセイ中に0~10ppmが得られる)並びに新たに調製した基質作業溶液及び新たに調製した亜硫酸塩溶液を調製する。
2)90μL基質作動溶液及び10μL酵素作動溶液を、96ウェルマイクロタイタープレート中で混合する。酵素ブランクでは、酵素溶液の代わりに10μLのMilli Q水を添加する。
3)5μLの亜硫酸塩溶液を加えるか、又はブランクでは5μLのMilli Q水(試薬ブランク)を加えることによって反応を開始する。
4)プレートを40℃で30分間インキュベートし、550rpmで振盪する。
5)インキュベーション後、100μLの停止試薬を添加することによって反応を停止させる。
6)MALDI MS分析のために、2μLの試料を4μLのDHAPと混合し、0.7μLを標的プレートに移す。質量スペクトルは、正の線形モードで得られる。イオン源1及びイオン源2は、20kV及び18.8kVに設定され、それぞれ11340nsの遅延及び6.4nsのサンプリングレートである。各スペクトルは、1試料スポット当たり5000ショットの累積平均であり、イオン質量範囲は、500~7000に設定されている。
7)酵素の活性は、酵素ブランク及び試薬ブランクのスペクトルと比較して、それぞれインタクトなウシインスリンの質量ピーク面積の減少(質量範囲5670~6000)並びに質量範囲2300~2640及び質量範囲3325~3630での2つのAペプチド鎖及びBペプチド鎖の出現における増加として観察することができる(インタクトなインスリン及び2つのペプチドの両方のいくつかのナトリウム付加物に対応するピークを観察することができ、これらは使用される質量範囲に含まれることに、留意すべきである。加えて、形成されたAペプチド鎖及びBペプチド鎖は、還元型と、SO残基が付加された型との混合物として存在し、両方の型は質量範囲セットに含まれる)。
8)必要に応じて、異なる酵素濃度でアッセイを実行することにより、標準曲線を調製することができる。鎖A(又はB)のイオンピーク面積と、インタクトなウシインスリンのイオンに対するイオンピーク面積との比を計算し、その比を酵素濃度に対してプロットする。

サーモアスカス・アウランティアクス(Thermoascus aurantiacus)株は、1998年に中国雲南省の土壌から単離された。サーモアスカス・クラスタセウス(Thermoascus crustaceus)株は、米国カリフォルニア州の植物(CBS181.67)から単離された。株を同定し、ITSのDNA配列決定に基づいて分類系統を付与した(表1)。
実施例1:サーモアスカス・アウランティアクス(Thermoascus aurantiacus)(配列番号4)からのタンパク質ジスルフィドイソメラーゼのクローニング
配列番号7のヌクレオチド配列を有するタンパク質ジスルフィドイソメラーゼを、サーモアスカス・アウランティアクス(Thermoascus aurantiacus)から単離したゲノムDNAからPCR増幅し、発現ベクターpDAU724にクローニングした(国際公開第2018/113745号パンフレット)。
最終発現プラスミドを、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)のDAU785発現宿主に形質転換した(国際公開第95/002043号パンフレット)。100μLのプロトプラストを、2.5μg~10μgのタンパク質ジスルフィドイソメラーゼ遺伝子を含む発現プラスミド及び300μLの60%PEG 4000、10mM CaCl及び10mM Tris-HCl pH7.5と混合し、穏やかに混合した。混合物を室温で30分間インキュベートし、選択のために100mM硝酸ナトリウムを補充したスクロースプレート上にプロトプラストを広げた。
タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ発現構築物を含有する1つの組換えA.オリゼ(A.oryzae)クローンを選択し、振盪フラスコ中の2400mLのYPM(1%酵母抽出物、2%ペプトン及び2%マルトース)中において30℃で3日間、80rpmの撹拌下で培養した。0.22μmの1リットルボトルトップ真空フィルタ(Thermo Fisher Scientific Inc.、Waltham、MA、USA))を用いた濾過により、酵素含有上清を採取した。
実施例2:サーモアスカス・クラスタセウス(Thermoascus crustaceus)(配列番号1)からのタンパク質ジスルフィドイソメラーゼのクローニング
配列番号6のヌクレオチド配列を有するタンパク質ジスルフィドイソメラーゼを、サーモアスカス・クラスタセウス(Thermoascus crustaceus)から単離したゲノムDNAからPCR増幅し、発現ベクターpDAU724にクローニングした(国際公開第2018/113745号パンフレット)。
最終発現プラスミドを、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)のDAU785発現宿主に形質転換した(国際公開第95/002043号パンフレット)。100μLのプロトプラストを、2.5μg~10μgのタンパク質ジスルフィドイソメラーゼ遺伝子を含む発現プラスミド及び300μLの60%PEG 4000、10mM CaCl及び10mM Tris-HCl pH7.5と混合し、穏やかに混合した。混合物を室温で30分間インキュベートし、選択のために100mM硝酸ナトリウムを補充したスクロースプレート上にプロトプラストを広げた。
タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ発現構築物を含有する1つの組換えA.オリゼ(A.oryzae)クローンを選択し、振盪フラスコ中の2400mLのYPM(1%酵母抽出物、2%ペプトン及び2%マルトース)中において30℃で3日間、80rpmの撹拌下で培養した。0.22μmの1リットルボトルトップ真空フィルタ(Thermo Fisher Scientific Inc.、Waltham、MA、USA))を用いた濾過により、酵素含有上清を採取した。
実施例3:繊維洗浄におけるPDI添加の効果
トウモロコシ湿潤製粉プロセスにおける繊維プレス後の粗果皮繊維を、基質として使用し、且つプロセス関連条件(即ちpH4~5、40~48℃及び400ppmの二酸化硫黄)で酵素と共にインキュベートした。インキュベーション後、繊維を孔径60μmのフィルタにより真空濾過した。繊維ケークを水中に再懸濁し、再び濾過した。抽出した固体タンパク質及びデンプンを収集し、遠心分離によって十分に洗浄した。収集した濾液からの抽出されたデンプン及びグルテンを含有する得られたペレット中のタンパク質の量を、LECOによる全窒素の測定及び6.25(Jones、USDA Circular No 183、1931)の窒素-タンパク質変換係数の使用によって決定し、出発繊維乾燥固体の重量に対して正規化した。
化学物質
粗果皮繊維試料
二亜硫酸ナトリウム、Merck art.31448
酢酸ナトリウム、Sigma Aldrich、S8625
試薬
亜硫酸塩:亜硫酸水素塩を、Na+HO→2Na+2HSO の反応後、二亜硫酸ナトリウム(Na)を緩衝液に添加することによって産生する。このようにして、400ppmのSOを、593,6mg/Lのメタ重亜硫酸塩から調製した。
緩衝液:0.1M酢酸ナトリウム緩衝液、pH4.0
材料
Infors-HT Multitron Proインキュベーションシェーカ
Avanti J-E遠心分離機
Millipore steriflip管トップフィルターユニット、孔径60μm(Merck、注文番号SCNY0060)
EZ-2 Elite Solvent Evaporator
LECO Nitrogen Determinator FP628
酵素
PDI A:配列番号1として開示される、サーモアスカス・クラスタセウス(Thermoascus crustaceus)由来のタンパク質ジスルフィドイソメラーゼ
PDI B:配列番号2として開示される、ケイソマイセス・カルネウス(Keithomyces carneus)由来のタンパク質ジスルフィドイソメラーゼ
PDI C:配列番号3として開示される、アスペルギルス・スピヌロスポルス(Aspergillus spinulosporus)由来のタンパク質ジスルフィドイソメラーゼ
PDI D:配列番号4として開示される、サーモアスカス・アウランティアクス(Thermoascus aurantiacus)由来のタンパク質ジスルフィドイソメラーゼ
配列番号5として開示される、アスペルギルス・アクレアツス(Aspergillus aculeatus)由来のTrxチオレドキシンチオレドキシン(Trx thioredoxinThioredoxin)ペプチド
GH5キシラナーゼA:クリセオバクテリウムsp-10696に由来し、配列番号8として開示される、GH5キシラナーゼ
GH10キシラナーゼB:アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)由来であり配列番号10として開示される、GH10キシラナーゼ
GH62アラビノフラノシダーゼA:アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)由来であり配列番号12として開示される、GH62アラビノフラノシダーゼ
セルラーゼA/Celluclast 1.5L:トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)由来のセルラーゼ混合物。このセルラーゼ組成物は、T.リーゼイ(T.reesei)によって発現される全てのセルラーゼ活性を含むであろう(例えば、エンドグルカナーゼ及びセロビオヒドロラーゼ)。Sigma Aldrich、Celluclast 1.5Lから市販
15mL繊維洗浄アッセイの手順
1.粗繊維試料を、緩衝液(pH4~5、0.02M酢酸ナトリウム最終濃度)中に懸濁して、5%乾燥固体を含有する15mLスラリーを得た。総繊維乾燥重量の量を記録した(重量fiber)(正確なpHは実施例に明記されている)。
2.このスラリーに、キシラナーゼとセルラーゼとの混合物(酵素の正確な量は実施例で指定されている)及び400ppmのSO(最終濃度)を添加した。
3.試料を、40~48℃の温度(実施例で指定された正確な温度)のインキュベーションシェーカ中において、600rpmで4時間インキュベートした。
4.インキュベーション後、繊維をMillipore Steriflipフィルタユニットで真空濾過した。
5.保持した繊維を、蒸留水で20mLの体積に再懸濁し、十分にボルテックスし、再び真空濾過に供する。
6.抽出されたデンプン及びグルテンを含有する2つの濾液をプールした。
7.(6)からの合わせた濾液を遠心分離した(3,500rpm、20分)。
8.遠心分離後、上清を、デンプン及びグルテンのペレットを乱さないように、50mLの血清用ピペットを用いて緩慢に除去した。工程5~工程8をもう一度繰り返した。
9.(8)からのペレットを、各洗浄工程において20mLの蒸留水を用いて2回洗浄して、可溶化構成成分を除去した。
10.洗浄及び上清の最終的な除去の後、ペレットを含む10mLの総体積が残った。過剰な水を、Solvent Evaporatorを用いて除去した(方法:水性、最大62℃、2時間、3,000rpm、5mbar)。
11.冷却の際、試料を秤量し(重量pellet)、均一性を達成するために激しくボルテックスした。
12.(11)からのスラリー170μLを、LECOスズカプセル(NC9804300、Fisher Scientific)中へ広口径チップを用いてピペッティングし、正確な重量を記録した(重量slurry)。
13.試料を、LECO FP628を用いて全窒素(Tot)について分析し、6.25(Jones、USDA Circular No 183、1931)の窒素-タンパク質因子を使用して試料のタンパク質パーセントに変換した。
14.タンパク質放出の総量は、ペレットのタンパク質パーセント及び最終重量を用いて計算した。次いで、放出されたタンパク質のグラムを、繊維乾燥固体の出発グラムに正規化して戻す。
計算:
配列番号1のサーモアスカス・クラスタセウス(Thermoascus crustaceus)に由来するタンパク質ジスルフィドイソメラーゼの性能を、表2に示す実験条件で15mL繊維洗浄アッセイを用いて試験した。放出されたタンパク質の量を表3に示す。結果は、各条件での3回の別々の実験に基づく。
結果を平均±標準偏差として示す(n=3)。
配列番号2のケイソマイセス・カルネウス(Keithomyces carneus)に由来するタンパク質ジスルフィドイソメラーゼの性能を、表4に示す実験条件で15mL繊維洗浄アッセイを用いて試験した。放出されたタンパク質の量を表5に示す。結果は、各条件での3回の別々の実験に基づく。
結果を平均±標準偏差として示す(n=3)。
実施例4:
酵素:
タンパク質ジスルフィドイソメラーゼA:配列番号1であるサーモアスカス・クラスタセウス(Thermoascus crustaceus)に由来する、タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ
GH10キシラナーゼB:配列番号10であるアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)に由来する、GH10キシラナーゼ
GH62アラビノフラノシダーゼA:配列番号12であるアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)に由来する、GH62アラビノフラノシダーゼ
セルラーゼA:トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)由来のセルラーゼ混合物。このセルラーゼ組成物は、T.リーゼイ(T.reesei)によって発現される全てのセルラーゼ活性を含むであろう(例えば、エンドグルカナーゼ及びセロビオヒドロラーゼ)。Sigma Aldrich、Celluclast 1.5Lから市販
0.5gの培地スループット(MTP)繊維アッセイ(15mL繊維洗浄アッセイ)を、タンパク質ジスルフィドイソメラーゼAと組み合わせて、セルラーゼA、GH10キシラナーゼB及びGH62アラビノフラノシダーゼAを含むブレンドを用いて、400ppmの亜硫酸水素塩(HSO )を有する20mM酢酸ナトリウム緩衝液中pH4.0で48℃において120分間、繊維乾燥物質の1グラム当たり1000μgの酵素タンパク質の用量でインキュベートする、5%繊維乾燥物質を用いて行った。ブレンドは、酵素タンパク質に基づいて、30%タンパク質ジスルフィドイソメラーゼA、10.5%のGH10キシラナーゼB、3.5%のGH62アラビノフラノシダーゼA及び残り56%のセルラーゼAからなる。亜硫酸水素塩を、Na+HO→2Na+2HSO の反応後、二亜硫酸ナトリウム(Na)を緩衝液に添加することによって産生する。比較のために、低用量(700μgのEP/g-ds繊維)及び高用量(1000μgのEP/g-ds繊維)の両方で、80%のセルラーゼA、15%のGH10キシラナーゼA及び5%のGH62アラビノフラノシダーゼAのみ(タンパク質ジスルフィドイソメラーゼAを含まない)を含有するブレンドを含めた。16.79%の残留デンプン及び10.00%の残留タンパク質があるトウモロコシ繊維を、MTP繊維アッセイの基質として使用した。以下の特定の処理における、デンプン+グルテン(乾燥物質)及びトウモロコシ繊維からの個々のタンパク質の放出を測定した。
したがって、セルラーゼA+GH10キシラナーゼB+GH62アラビノフラノシダーゼAの上にタンパク質ジスルフィドイソメラーゼAを添加すると、トウモロコシ湿潤製粉プロセスにおいて、デンプン+グルテン及びタンパク質の収量を有意に増加させることができる。
実施例5 繊維洗浄におけるタンパク質ジスルフィドイソメラーゼの使用によるタンパク質放出の増加
15mLの繊維洗浄アッセイを、表7の条件を用いて2回の実験にわたって行う。全ての処理は、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)セルラーゼ及びキシラナーゼAのブレンドを受けた。トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)セルラーゼ対キシラナーゼAの比は、ミリグラム酵素タンパク質基準でおよそ90:10であった。各タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ(PDI)を適切な処理に添加した一方、対照は、セルラーゼ及びキシラナーゼAのみを含有した。LECO FP628を用いて全窒素を決定し、繊維乾燥固体の出発グラム(gDS)に対して正規化した。試験したPDI多様性を表2に示し、いくつかの実験にわたるタンパク質放出の結果を表3に示す。
実施例6 大規模繊維洗浄アッセイにおけるトウモロコシ繊維からのタンパク質収量増加における単一チオレドキシンドメインの有効性
大規模トウモロコシ繊維洗浄アッセイ(5グラムのアッセイ):
5グラムのトウモロコシ繊維アッセイは、一般に、プロセスに妥当な条件(pH3.5~4、温度およそ48~52℃)で1時間~4時間の期間にわたり、酵素の存在下において、湿潤製粉植物から得られた湿潤繊維試料をインキュベートする工程を含む。インキュベーション後、繊維を、75ミクロン以下のスクリーンに移し入れて圧搾し、主に分離されたデンプン及びグルテンからなる濾液を収集する。洗浄プロセスをスクリーン上で数回繰り返し、洗浄物を最初の濾液と共に収集した。収集した濾液を一晩静置した後、上清を真空によって吸引した。残りの濾液及び不溶物を、50mLの管に注ぎ、Avanti J-E中、3,500rpmで10分間遠心分離して、デンプン及びグルテンをペレット化した。上清をデカントし、残ったペレットを、Labconco Freeze Drierで一晩又は全ての水分が除去されるまで凍結乾燥した。試料を、SPEX SamplePrep Genogrinderを用いて1750rpmで1分間粉砕した。100~150ミリグラムの試料を秤量して記録した。試料を、LECO FP628を用いて全窒素について流し、6.25の窒素-タンパク質因子を使用して、試料のタンパク質パーセントに変換した(Jones,D.B.(1931)。食品及び飼料中の窒素の割合を、タンパク質の割合に変換するための因子。USDA Circular,183,1-22.)。タンパク質放出の総量は、ペレットのタンパク質パーセント及び最終重量を用いて計算した。次いで、放出されたタンパク質のグラムを、繊維乾燥固体の出発グラムに正規化して戻した。
5グラム繊維アッセイをpH4で実行し、繊維を48℃で2時間、400ppmの二酸化硫黄によりインキュベートした。全ての処理は、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)セルラーゼとGH5キシラナーゼAとのブレンドで構成される酵素組成物を受けた。トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)とGH5キシラナーゼAとの比は、ミリグラム酵素タンパク質基準でおよそ90:10であった。各実験酵素(配列番号1又は5)を適切な処理に添加した一方、対照は、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)セルラーゼとGH5キシラナーゼAとのブレンドのみを含有していた。LECO FP628を用いて全窒素を決定し、繊維乾燥固体(gDS)の出発グラムに正規化した。試験したPDI多様性を表10に示し、いくつかの実験にわたるタンパク質放出の結果を表11に示す。
実施例7
サーモアスカス・クラスタセウス(Themoascus crustaceus)由来のPDI(配列番号1)の活性を、0~10μg/mLのPDI(アッセイ中濃度)及び2mMのDTTを用いて、インスリン活性アッセイに記載されるように実行した。インタクトなインスリンに対するAペプチド鎖の得られた質量ピーク面積及びインタクトなインスリンに対するBペプチド鎖の質量ピーク面積を表12に示す。
酵素又はDTTのいずれかが存在しない場合、ウシインスリン中のごく少量のシスチンが還元される一方、PDIの存在下では、有意な量のシスチンが還元されて、インスリンがAペプチド及びBペプチドに分離される。
実施例8
サーモアスカス・クラスタセウス(Thermoascus crustaceus)由来のPDI(配列番号1)の活性を、0~10μg/mLのPDI(アッセイ中濃度)及び2.9mMの亜硫酸塩を用いて、インスリン活性アッセイに記載されるように実行した。インタクトなインスリンに対するAペプチド鎖の得られた質量ピーク面積及びインタクトなインスリンに対するBペプチド鎖の質量ピーク面積を表13に示す。
酵素又は亜硫酸塩のいずれかが存在しない場合、ウシインスリン中のごく少量のシスチンが還元される一方、PDIの存在下では、有意な量のシスチンが還元されて、インスリンがAペプチド及びBペプチドに分離される。

Claims (73)

  1. 湿潤製粉プロセスにおいてトウモロコシ穀粒からのデンプン収量及び/又はグルテン収量を増加させる方法であって、粉砕トウモロコシ穀粒、特に前記粉砕穀粒の繊維豊富画分を、有効量の、酸化、還元又は異性化を含むタンパク質ジスルフィド結合の変化を触媒するポリペプチド、例えばタンパク質ジスルフィドイソメラーゼ(PDI)(EC5.3.4.1)又はチオレドキシンペプチドと接触させることを含む方法。
  2. 前記湿潤製粉プロセス中、粉砕穀粒から放出されるデンプン及び/又はグルテン、特に不溶性デンプン及びグルテンの量は、PDI又はチオレドキシンペプチドが存在しない/添加されないプロセスと比較して増加する、請求項1に記載の方法。
  3. 乾燥固体1グラム当たりの放出されるタンパク質mg(mg/gDS)として測定される前記増加は、PDIの添加なしと比較して少なくとも0.5%ポイント、少なくとも0.75%ポイント、少なくとも1.0%ポイント、少なくとも1.5%ポイント、少なくとも2.5%ポイント、例えば少なくとも5.0%ポイントであり、繊維洗浄は、3.5~5.5の範囲のpH、例えばpH4.0、4.5又は5.0及び少なくとも300μg EP/gDSの酵素投与量で行われる、請求項2に記載の方法。
  4. 前記PDI又はチオレドキシンペプチドは、特に繊維洗浄工程中に存在する/繊維画分に添加される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. a)前記トウモロコシ穀粒を水に浸漬させて、浸漬穀粒を生成する工程と、
    b)前記浸漬穀粒を粉砕して、粉砕穀粒を生成する工程と、
    c)前記粉砕穀粒から胚を分離して、繊維、デンプン及びグルテンを含むトウモロコシ穀粒塊を生成する工程と、
    d)前記トウモロコシ穀粒塊、特に微細繊維画分を繊維洗浄手順に供し、前記繊維からデンプン及びグルテンを分離する工程と
    を含み、少なくともPDI又はチオレドキシンペプチドは、工程d)前又は中に存在する/添加される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. e)前記グルテンから前記デンプンを分離する工程と、任意選択的に、
    f)前記デンプンを洗浄する工程と
    を更に含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記PDI又はチオレドキシンペプチドは、繊維洗浄中、少なくとも10μg EP/g DS、少なくとも25μg EP/g DS、少なくとも50μg EP/g DS、少なくとも75μg EP/g DS、少なくとも100μg EP/g DS、少なくとも200μg EP/g DS、少なくとも300μg EP/g DS、少なくとも500μg EP/g DS、例えば10~2000μg EP/g DS、25~1000μg EP/g DS、50~800μg EP/g DS、100~500μg EP/g DSの範囲の量で存在する/添加される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. SOは、繊維洗浄中、少なくとも200ppm、少なくとも300ppm、少なくとも400ppm、少なくとも450ppm、少なくとも500ppm、少なくとも600ppm、少なくとも700ppm、少なくとも800ppm、例えば200~3000ppm、300~2000ppm、400~800ppmの範囲などの量で存在する/添加される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  9. 有効量の1つ以上の加水分解酵素は、前記繊維洗浄工程前又は中に存在し/添加され、前記加水分解酵素の少なくとも1つは、キシラナーゼ及び/又はセルラーゼから選択される、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記キシラナーゼは、GH5ポリペプチド、GH8ポリペプチド、GH30ポリペプチド、GH10ポリペプチド、GH11ポリペプチド又はそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記加水分解酵素は、1つ以上のセルラーゼを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記セルラーゼは、エンドグルカナーゼ(EG)、セロビオヒドロラーゼ(CBH)及びベータ-グルコシダーゼからなる群から選択される1つ以上の酵素を含む、請求項10に記載の方法。
  13. 前記セルラーゼは、エンドグルカナーゼ、セロビオヒドロラーゼI、セロビオヒドロラーゼII又はそれらの組合せからなる群から選択される1つ以上の酵素を含む、請求項11に記載の方法。
  14. 前記セルラーゼは、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)に由来する、請求項11~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記セルラーゼは、アスペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)セロビオヒドロラーゼI、アスペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)セロビオヒドロラーゼII、アスペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)ベータ-グルコシダーゼバリアント及びペニシリウム種(Penicillium sp.)(エメルソニイ(emersonii))GH61ポリペプチドを含有するトリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)セルラーゼ調製物を有する、アスペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)GH10キシラナーゼ、アスペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)ベータ-キシロシダーゼからなる群から選択される、請求項11~13のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記セルラーゼは、
    i)配列番号14のGH10キシラナーゼ、配列番号15のベータ-キシロシダーゼ、配列番号16のセロビオヒドロラーゼI、配列番号17のセロビオヒドロラーゼII、配列番号18のベータ-グルコシダーゼ、配列番号19のGH61、又は
    ii)配列番号14と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%の同一性を有するポリペプチド、配列番号15と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%の同一性を有するポリペプチド、配列番号16と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%の同一性を有するポリペプチド、配列番号17と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%の同一性を有するポリペプチド、配列番号18と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%の同一性を有するポリペプチド、配列番号19と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%の同一性を有するポリペプチド、及び
    iii)トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)由来の少なくとも1つのエンドグルカナーゼ
    を含む組成物から選択される、請求項15に記載の方法。
  17. 前記加水分解酵素は、アラビノフラノシダーゼを含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記アラビノフラノシダーゼは、GH43ポリペプチド、GH62ポリペプチド及びGH51ポリペプチドからなる群から選択される、請求項17に記載の方法。
  19. 工程c)からの繊維、デンプン及びグルテンを含む前記トウモロコシ穀粒塊は、工程d)での前記繊維洗浄手順前に更なる粉砕工程、好ましくは微粉砕工程に供される、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記繊維洗浄手順は、向流洗浄構成で流体連結されている複数のスクリーンユニット(S1...S4)を含む繊維洗浄システムを使用して行われ、各スクリーンユニットは、トウモロコシ穀粒塊と液体との流れを2つの画分:第1の画分(s)及び第2の画分(f)に分離するように構成され、前記第2の画分(f)は、前記第1の画分(s)を上回る、重量%で測定された量の繊維を含有し、及び任意選択的に、空間(V)は、前記システム内に配置され、且つ前記第1の画分(s)の1つ、前記第2の画分(f)の1つ又は混合された第1及び第2の画分(s、f)、好ましくは第2の画分(f)のみを受け入れるように流体連結され、及び前記空間内に受け入れられた一方又は両方の画分に対してインキュベーション時間を提供するように構成され、且つ前記それによりインキュベートされた一方又は両方の画分を下流のスクリーンユニット(S4)に排出し、前記システムは、
    - トウモロコシ穀粒塊及び液体を最上流スクリーンユニット(S1)に注入することと、
    - 前記最上流スクリーンユニット(S1)からの前記第1の画分(s1)を、デンプンを含有する生成物流として排出することと、
    - プロセス水を注入することであって、好ましくはプロセス水を最下流スクリーンユニット(S4)に注入するように配置される、注入することと、
    - 最下流スクリーンユニット(S4)から、前記第2の画分(f4)を、前記最初のトウモロコシ穀粒塊を下回る量のデンプン及びグルテンを含有する洗浄されたトウモロコシ穀粒塊として排出することと、
    - 任意選択的に、前記システムに加水分解酵素を導入することと
    を行うように構成される、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記繊維洗浄手順は、繊維洗浄システムであって、前記繊維洗浄システムにおける少なくとも35分間且つ48時間未満の総保持時間を提供するように構成された空間(V)/タンクを含む繊維洗浄システムの使用を含む、請求項20に記載の方法。
  22. 前記空間(V)は、50~1000mの範囲の体積を有する、請求項20又は21に記載の方法。
  23. 前記空間(V)は、80及び250mの範囲の体積を有する、請求項20~22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記繊維洗浄システム内に構成された前記空間(V)/タンク内の前記インキュベーション時間は、少なくとも5分間且つ48時間未満、例えば35分間~24時間、35分間~時間、35分間~6時間、35分間間~5時間、35分間~4時間、35分間~3時間、35分間~2時間、45分間~48時間、45分間~24時間、45分間~12時間、45分間~6時間、45分間~5時間、45分間~4時間、45分間~3時間、45分間~2時間である、請求項20~23のいずれか一項に記載の方法。
  25. インキュベーション温度は、25℃~95℃、例えば25~90℃、25~85℃、25~80℃、25~75℃、25~70℃、25~65℃、25~60℃、25~55℃、25~53℃、25~52℃、30~90℃、30~85℃、30~80℃、30~75℃、30~70℃、30~65℃、30~60℃、30~55℃、30~53℃、30~52℃、35~90℃、35~85℃、35~80℃、35~75℃、35~70℃、35~65℃、35~60℃、35~55℃、35~53℃、35~52℃、39~90℃、39~85℃、39~80℃、39~75℃、39~70℃、39~65℃、39~60℃、39~55℃、39~53℃、39~52℃、好ましくは46~52℃である、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記1つ以上の加水分解酵素は、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)などのセルラーゼバックグラウンドを有する生物において発現される、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 前記粉砕トウモロコシ穀粒塊の1つ以上の画分と混合/接触される1つ以上の加水分解酵素の前記有効量は、0.005~0.5kgの酵素タンパク質/前記湿潤製粉プロセスに入るトウモロコシ穀粒のメートルトンである、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
  28. SO源は、二亜硫酸ナトリウム(Na)、NaHSO及び/又はSOガスの添加から選択される、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記PDI又はチオレドキシンペプチドは、レドックスタンパク質のチオレドキシンスーパーファミリーに属する少なくとも1つの触媒ドメインを含み、前記ドメインは、CXXCモチーフを有することによって特徴付けられる活性部位を含む、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記PDIは、少なくとも1つの非触媒ドメインによって分離されている、CXXCモチーフを有することによって特徴付けられる活性部位をそれぞれ含む2つの触媒ドメインを含む、請求項29に記載の方法。
  31. 前記CXXCモチーフは、CGHC、CTHC、CPHC、CGPC及びCSMC、特にCGHC又はCGPCからなる群から選択される、請求項29又は30に記載の方法。
  32. 前記触媒ドメインは、ファミリーPf00085に属する、請求項29~31のいずれか一項に記載の方法。
  33. 前記PDIは、3ドメイン構造Pf00085-Pf13848-Pf00085を含み、中央のPf13848ドメインは、2つのPf00085ドメインであって、一方がN末端にあり、及び他方がC末端にある、2つのPf00085ドメインによって隣接される、請求項29~32のいずれか一項に記載の方法。
  34. 前記PDIは、
    (a)配列番号1の成熟型ポリペプチドと少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと、
    (b)1つ以上(いくつか)の位置に置換、欠失及び/又は挿入を含む、配列番号1の前記成熟型ポリペプチドのバリアントと、
    (c)PDI活性を有する(a)又は(b)の前記ポリペプチドの断片と
    からなる群から選択される、請求項1~33のいずれか一項に記載の方法。
  35. 前記PDIは、
    (a)配列番号2の成熟型ポリペプチドと少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと、
    (b)1つ以上の位置に置換、欠失及び/又は挿入を含む、配列番号2の前記成熟型ポリペプチドのバリアントと、
    (c)PDI活性を有する(a)又は(b)の前記ポリペプチドの断片と
    からなる群から選択される、請求項1~33のいずれか一項に記載の方法。
  36. 前記PDIは、
    (a)配列番号3の成熟型ポリペプチドと少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと、
    (b)1つ以上の位置に置換、欠失及び/又は挿入を含む、配列番号3の前記成熟型ポリペプチドのバリアントと、
    (c)PDI活性を有する(a)又は(b)の前記ポリペプチドの断片と
    からなる群から選択される、請求項1~33のいずれか一項に記載の方法。
  37. 前記PDIは、
    (a)配列番号4の成熟型ポリペプチドと少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと、
    (b)1つ以上の位置に置換、欠失及び/又は挿入を含む、配列番号4の前記成熟型ポリペプチドのバリアントと、
    (c)PDI活性を有する(a)又は(b)の前記ポリペプチドの断片と
    からなる群から選択される、請求項1~33のいずれか一項に記載の方法。
  38. 前記チオレドキシンペプチドは、
    (a)配列番号5の成熟型ポリペプチドと少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと、
    (b)1つ以上の位置に置換、欠失及び/又は挿入を含む、配列番号5の前記成熟型ポリペプチドのバリアントと、
    (c)チオレドキシンペプチド活性を有する(a)又は(b)の前記ポリペプチドの断片と
    からなる群から選択される、請求項1~33のいずれか一項に記載の方法。
  39. 前記キシラナーゼは、
    (a)配列番号8のポリペプチドと少なくとも85%、例えば少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチド、
    (b)キシラナーゼ活性を有する(a)の前記ポリペプチドの断片
    からなる群から選択される、請求項1~38のいずれか一項に記載の方法。
  40. 前記キシラナーゼは、
    (a)配列番号11の成熟型ポリペプチドと少なくとも85%、例えば少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチド、
    (b)キシラナーゼ活性を有する(a)の前記ポリペプチドの断片
    からなる群から選択される、請求項1~39のいずれか一項に記載の方法。
  41. 前記アラビノフラノシダーゼは、
    (a)配列番号13の成熟型ポリペプチドと少なくとも85%、例えば少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチド、
    (b)アラビノフラノシダーゼ活性を有する(a)の前記ポリペプチドの断片
    からなる群から選択される、請求項1~40のいずれか一項に記載の方法。
  42. 前記キシラナーゼは、
    (a)配列番号10の成熟型ポリペプチドと少なくとも85%、例えば少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチド、
    (b)キシラナーゼ活性を有する(a)の前記ポリペプチドの断片
    からなる群から選択される、請求項1~41のいずれか一項に記載の方法。
  43. 前記アラビノフラノシダーゼは、
    (a)配列番号12の成熟型ポリペプチドと少なくとも85%、例えば少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチド、
    (b)アラビノフラノシダーゼ活性を有する(a)の前記ポリペプチドの断片
    からなる群から選択される、請求項1~42のいずれか一項に記載の方法。
  44. 前記セルラーゼは、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)又はフミコラ・インソレンス(Humicula insolens)に由来する、請求項1~43のいずれか一項に記載の方法。
  45. 前記セルラーゼは、アスペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)に由来するCBH I及びCBH IIを有するトリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)バックグラウンドセルラーゼに由来する、請求項1~44のいずれか一項に記載の方法。
  46. タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ活性を有する単離又は精製ポリペプチドであって、
    (a)配列番号1と少なくとも85%の配列同一性を有するポリペプチドと、
    (b)配列番号1のアミノ酸21~516と少なくとも85%の配列同一性を有するポリペプチドと、
    (c)配列番号1の成熟型ポリペプチドと少なくとも85%の配列同一性を有するポリペプチドと、
    (d)配列番号1の成熟型ポリペプチドから、配列番号1の前記成熟型ポリペプチド中の1つ又はいくつかのアミノ酸の置換、欠失又は付加によって誘導されるポリペプチドと、
    (e)配列番号20の配列をコードする成熟型ポリペプチドと少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドと、
    (f)タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ活性を有する(a)、(b)、(c)、(d)又は(e)の前記ポリペプチドの断片と
    からなる群から選択される単離又は精製ポリペプチド。
  47. 配列番号1と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有する、請求項46に記載のポリペプチド。
  48. 配列番号1の成熟型ポリペプチドと少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有する、請求項46又は47に記載のポリペプチド。
  49. 配列番号1若しくはその成熟型ポリペプチド又は配列番号1のアミノ酸21~516を含むか、それから本質的になるか又はそれからなる、請求項46に記載のポリペプチド。
  50. タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ活性を有する単離又は精製ポリペプチドであって、
    (a)配列番号2と少なくとも85%の配列同一性を有するポリペプチドと、
    (b)配列番号2のアミノ酸21~513と少なくとも85%の配列同一性を有するポリペプチドと、
    (c)配列番号2の成熟型ポリペプチドと少なくとも85%の配列同一性を有するポリペプチドと、
    (d)配列番号2の成熟型ポリペプチドから、配列番号2の前記成熟型ポリペプチド中の1つ又はいくつかのアミノ酸の置換、欠失又は付加によって誘導されるポリペプチドと、
    (e)配列番号21の配列をコードする成熟型ポリペプチドと少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドと、
    (f)タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ活性を有する(a)、(b)、(c)、(d)又は(e)の前記ポリペプチドの断片と
    からなる群から選択される単離又は精製ポリペプチド。
  51. 配列番号2と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有する、請求項50に記載のポリペプチド。
  52. 配列番号2の成熟型ポリペプチドと少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有する、請求項50又は51に記載のポリペプチド。
  53. 配列番号1若しくはその成熟型ポリペプチド又は配列番号2のアミノ酸21~513を含むか、それから本質的になるか又はそれからなる、請求項50に記載のポリペプチド。
  54. タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ活性を有する単離又は精製ポリペプチドであって、
    (a)配列番号3と少なくとも85%の配列同一性を有するポリペプチドと、
    (b)配列番号3のアミノ酸21~516と少なくとも85%の配列同一性を有するポリペプチドと、
    (c)配列番号3の成熟型ポリペプチドと少なくとも85%の配列同一性を有するポリペプチドと、
    (d)配列番号3の成熟型ポリペプチドから、配列番号3の前記成熟型ポリペプチド中の1つ又はいくつかのアミノ酸の置換、欠失又は付加によって誘導されるポリペプチドと、
    (e)配列番号22の配列をコードする成熟型ポリペプチドと少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドと、
    (f)タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ活性を有する(a)、(b)、(c)、(d)又は(e)の前記ポリペプチドの断片と
    からなる群から選択される単離又は精製ポリペプチド。
  55. 配列番号3と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有する、請求項54に記載のポリペプチド。
  56. 配列番号3の成熟型ポリペプチドと少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有する、請求項54又は55に記載のポリペプチド。
  57. 配列番号3若しくはその成熟型ポリペプチド又は配列番号3のアミノ酸21~516を含むか、それから本質的になるか又はそれからなる、請求項54に記載のポリペプチド。
  58. タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ活性を有する単離又は精製ポリペプチドであって、
    (a)配列番号4と少なくとも85%の配列同一性を有するポリペプチドと、
    (b)配列番号4のアミノ酸21~517と少なくとも85%の配列同一性を有するポリペプチドと、
    (c)配列番号4の成熟型ポリペプチドと少なくとも85%の配列同一性を有するポリペプチドと、
    (d)配列番号4の成熟型ポリペプチドから、配列番号4の前記成熟型ポリペプチド中の1つ又はいくつかのアミノ酸の置換、欠失又は付加によって誘導されるポリペプチドと、
    (e)配列番号23の配列をコードする成熟型ポリペプチドと少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドと、
    (f)タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ活性を有する(a)、(b)、(c)、(d)又は(e)の前記ポリペプチドの断片と
    からなる群から選択される単離又は精製ポリペプチド。
  59. 配列番号4と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有する、請求項58に記載のポリペプチド。
  60. 配列番号4の成熟型ポリペプチドと少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有する、請求項58又は59に記載のポリペプチド。
  61. 配列番号1若しくはその成熟型ポリペプチド又は配列番号4のアミノ酸21~517を含むか、それから本質的になるか又はそれからなる、請求項58に記載のポリペプチド。
  62. タンパク質ジスルフィド結合を還元する能力を有する単離又は精製チオレドキシンポリペプチドであって、
    (a)配列番号5と少なくとも85%の配列同一性を有するポリペプチドと、
    (b)配列番号5のアミノ酸1~110と少なくとも85%の配列同一性を有するポリペプチドと、
    (c)配列番号5の成熟型ポリペプチドと少なくとも85%の配列同一性を有するポリペプチドと、
    (d)配列番号5の成熟型ポリペプチドから、配列番号5の前記成熟型ポリペプチド中の1つ又はいくつかのアミノ酸の置換、欠失又は付加によって誘導されるポリペプチドと、
    (e)配列番号24の配列をコードする成熟型ポリペプチドと少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドと、
    (f)チオレドキシン活性を有する(a)、(b)、(c)、(d)又は(e)の前記ポリペプチドの断片と
    からなる群から選択される単離又は精製チオレドキシンポリペプチド。
  63. 配列番号5と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有する、請求項62に記載のポリペプチド。
  64. 配列番号5の成熟型ポリペプチドと少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有する、請求項62又は63に記載のポリペプチド。
  65. 配列番号5若しくはその成熟型ポリペプチド又は配列番号5のアミノ酸1~110を含むか、それから本質的になるか又はそれからなる、請求項62に記載のポリペプチド。
  66. 湿潤製粉プロセス中、粉砕穀粒の繊維豊富画分から放出されるデンプン及び/又はグルテン、特に不溶性デンプン及びグルテンの量は、PDI又はチオレドキシンペプチドが繊維洗浄工程において存在しない/添加されないプロセスと比較して増加する、請求項46~65のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  67. 請求項46~66のいずれか一項に記載のポリペプチドを含む組成物。
  68. 請求項10に記載のキシラナーゼ及び/又は請求項11~16のいずれか一項に記載のセルラーゼを更に含む、請求項67に記載の組成物。
  69. 請求項46~66のいずれか一項に記載のポリペプチドを含む全ブロス配合物又は細胞培養組成物。
  70. 請求項46~66のいずれか一項に記載のポリペプチドをコードする単離又は精製ポリヌクレオチド。
  71. 請求項70に記載のポリヌクレオチドを含む核酸構築物又は発現ベクターであって、前記ポリヌクレオチドは、発現宿主において前記ポリペプチドの生成を誘導する1つ以上の異種制御配列に作動可能に連結されている、核酸構築物又は発現ベクター。
  72. 請求項70に記載のポリヌクレオチドであって、前記ポリペプチドの生成を誘導する1つ以上の異種制御配列に作動可能に連結されているポリヌクレオチドを含む組換え宿主細胞。
  73. タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ活性又はチオレドキシンペプチド活性を有するポリペプチドを生成する方法であって、請求項72に記載の組換え宿主細胞を、前記ポリペプチドの生成を導く条件下で培養することと、任意選択的に前記ポリペプチドを回収することとを含む方法。
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