JP2024119148A - 半導体結晶膜の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、基板から剥離可能なGa2O3膜の製造方法を提供すること、及びその方法により得られうるGa2O3膜を提供することを課題とする。【解決手段】Ga2O3膜の製造方法であって、(A)ScAlMgO4(SAM)基板上に、Ga2O3膜を成長させる工程と、(B)工程(A)で得られたGa2O3膜から前記SAM基板を剥離する工程とを含む、製造方法。【選択図】なし

Description

特許法第30条第2項適用申請有り (その1) ウェブサイトの掲載日 2022年2月25日 ウェブサイトのアドレス https://meeting.jsap.or.jp/jsap2022s/ https://meeting.jsap.or.jp/jsap2022s/program (予稿PDFダウンロード) https://confit.atlas.jp/guide/event/jsap2022s/top https://confit.atlas.jp/guide/event/jsap2022s/programpage https://confit-files.atlas.jp/view/jsap2022_s/jsap2022s_21_all_ja.pdf https://confit-files.atlas.jp/view/jsap2022_s/jsap2022s_all_ja.pdf (Web予稿) https://confit.atlas.jp/guide/event/jsap2022s/top https://confit.atlas.jp/guide/event/jsap2022s/table/20220326 https://confit.atlas.jp/guide/event/jsap2022s/session/26p-E202-1▲~▼14/tables?DjBqGBlKAz https://confit.atlas.jp/guide/event/jsap2022s/subject/26p-E202-5/tables?cryptoId= https://confit.atlas.jp/guide/event-img/jsap2022s/26p-E202-5/public/pdf?type=in (講演会アプリ) https://confit.atlas.jp/guide/event/jsap2022s/static/app (その2) 発行日 2022年2月25日 刊行物 2022年第69回応用物理学会春季学術講演会の予稿集DVD 公益社団法人応用物理学会
特許法第30条第2項適用申請有り (その3) 開催日 2022年3月26日(開催期間:2022年3月22日~2022年3月26日) 集会名、開催場所 2022年第69回応用物理学会春季学術講演会(現地開催及びZoomによるオンライン開催) 現地会場:青山学院大学 相模原キャンパス(神奈川県相模原市中央区淵野辺5-10-1) (その4) ウェブサイトの掲載日 2022年7月6日 ウェブサイトのアドレス https://meeting.jsap.or.jp/jsap2022a/ https://meeting.jsap.or.jp/jsap2022a/program (プログラム(PDF)) https://meeting.jsap.or.jp/jsapm/wp-content/uploads/sites/14/2022/07/2022a-final-program.pdf (Webプログラム) https://confit.atlas.jp/guide/event/jsap2022a/top https://confit.atlas.jp/guide/event/jsap2022a/table/20220923_poster https://confit.atlas.jp/guide/event/jsap2022a/session/23a-P06-1▲~▼28/tables?JPmvbFyWzR https://confit.atlas.jp/guide/event/jsap2022a/subject/23a-P06-4/tables?cryptoId= (講演会アプリ) https://confit.atlas.jp/guide/event/jsap2022a/recommend/publication?eventCode=jsap2022a
特許法第30条第2項適用申請有り (その5) ウェブサイトの掲載日 2022年8月26日ウェブサイトのアドレス https://meeting.jsap.or.jp/jsap2022a/ https://meeting.jsap.or.jp/jsap2022a/program (予稿PDFダウンロード) https://confit.atlas.jp/guide/event/jsap2022a/top https://confit.atlas.jp/guide/event/jsap2022a/programpage https://confit-files.atlas.jp/view/jsap2022_a/jsap2022a_all.pdf https://confit-files.atlas.jp/view/jsap2022_a/jsap2022a_21_all.pdf (Web予稿) https://confit.atlas.jp/guide/event/jsap2022a/top https://confit.atlas.jp/guide/event/jsap2022a/table/20220923_poster https://confit.atlas.jp/guide/event/jsap2022a/session/23a-P06-1▲~▼28/tables?JPmvbFyWzR https://confit.atlas.jp/guide/event/jsap2022a/subject/23a-P06-4/tables?cryptoId= https://confit.atlas.jp/guide/event-img/jsap2022a/23a-P06-4/public/pdf?type=in (講演会アプリ) https://confit.atlas.jp/guide/event/jsap2022a/recommend/publication?eventCode=jsap2022a
特許法第30条第2項適用申請有り (その6) 発行日 2022年8月26日 刊行物 2022年第83回応用物理学会秋季学術講演会の予稿集DVD 公益社団法人応用物理学会 (その7) 開催日 2022年9月23日(開催期間:2022年9月20日~2022年9月23日) 集会名、開催場所 2022年第83回応用物理学会秋季学術講演会(現地開催及びZoomによるオンライン開催) 現地会場:東北大学 川内北キャンパス(宮城県仙台市青葉区川内41) (その8) ウェブサイトの掲載日 2022年9月6日 ウェブサイトのアドレス https://iwgo2022.org/ https://iwgo2022.org/wp-content/uploads/2022/10/IWGO2022-Program.pdf (その9) 公開日 2022年10月23日 刊行物 IWGO 2022 アブストラクト (その10) 開催日 2022年10月24日(開催期間:2022年10月23日~2022年10月27日) 集会名、開催場所 IWGO 2022 酸化ガリウムおよび関連材料に関する第4回国際ワークショップ 彩北館ホテル(長野県長野市縣町528-1)
特許法第30条第2項適用申請有り (その11) ウェブサイトの掲載日 2023年1月25日 ウェブサイトのアドレス https://meeting.jsap.or.jp/ https://meeting.jsap.or.jp/program (プログラム(PDF)) https://meeting.jsap.or.jp/jsapm/wp-content/uploads/2023/02/final-program.pdf (Webプログラム) https://confit.atlas.jp/guide/event/jsap2023s/top https://confit.atlas.jp/guide/event/jsap2023s/table/20230316 https://confit.atlas.jp/guide/event/jsap2023s/session/16p-E102-1▲~▼12/tables?fIOIwzLRFi https://confit.atlas.jp/guide/event/jsap2023s/subject/16p-E102-1/tables?cryptoId= (講演会アプリ) https://confit.atlas.jp/guide/event/jsap2023s/recommend/publication?eventCode=jsap2023s
本発明は、半導体結晶膜の製造方法に関する。
酸化ガリウム(Ga2O3)は、ワイドギャップ半導体として利用される窒化ガリウム(GaN)やシリコンカーバイド(SiC)等よりも広いバンドギャップを有し(約4.8 eV)、高い絶縁破壊抵抗力を有する(~9.5 MVcm-1)。このため、Ga2O3を用いたスイッチング素子等の半導体装置の、高耐圧、低損失及び高耐熱といった優れた特性を有するパワーデバイスへの適用が期待されている。
Ga2O3はα、β、γ、δ、εの5種の結晶多型を有することが知られている。このうち、β-Ga2O3は低温・常圧における安定相、α-Ga2O3は準安定相であり、α-Ga2O3はサファイア基板上にミスト化学気相成長法(ミストCVD法)により、β-Ga2O3はβ-Ga2O3バルク単結晶基板上に分子線エピタキシー法(MBE法)やハイドライド気相成長法(HVPE法)により、それぞれ成長可能であることが知られている。
しかしながら、Ga2O3膜の成長基板としてサファイア基板やβ-Ga2O3バルク単結晶基板を用いた場合、基板の熱伝導率が大きくなく、パワーデバイスを作成する場合に放熱が困難であるという問題があった。このため、Ga2O3膜を用いた縦型デバイスを作成する場合、基板を除去する必要がある。これまでに、α-Ga2O3膜を用いた縦型ショットキーバリアダイオード(SBD)の作製方法として、サファイア基板上にα-Ga2O3膜を成長させた後、サファイア基板を剥離してα-Ga2O3膜に電極を形成する方法が知られている(非特許文献1)。しかしながら、サファイア基板の剥離にはコストや時間がかかるといった問題があった。そのため、Ga2O3膜をパワーデバイスに応用するにあたり、簡易で安価な方法で剥離可能なGa2O3膜を得る方法が求められていた。
Ga2O3膜等の半導体膜を基板から剥離する方法として、これまでに、基板上に成膜する際にその界面において水素を含ませることにより剥離する方法(特許文献1)、機械的衝撃を加えて剥離する方法、熱を加えて熱応力を利用して剥離する方法、超音波等の振動を加えて剥離する方法、又はエッチングにより剥離する方法(特許文献2及び特許文献3)、研削して基板を除去する方法、スマートカット法等のイオン注入を行った後、熱処理することにより剥離する方法、又はレーザーリフトオフ法により剥離する方法(特許文献3)、基板上に剥離犠牲層を介して成膜し、剥離犠牲層を用いて基板と半導体膜とを剥離する方法(特許文献4)、基板上に光吸収層を介して半導体膜を積層し、光吸収層に光を照射することで光吸収層を分解し、基板と半導体膜とを分離する方法(特許文献5)が報告されている。しかしながら、より簡易で安価な方法で剥離可能なGa2O3膜を得る方法は依然として強く求められている。
特開2017-22188号公報 特開2019-33271号公報 特開2019-36737号公報 特開2021-80127号公報 特開2021-125676号公報
M. Oda et al., Appl. Phys. Express, Vol.9 No.2 (2016)
本発明は、基板から剥離可能なGa2O3膜の製造方法を提供すること、及びその方法により得られうるGa2O3膜を提供することを課題とする。
本発明者らは、ScAlMgO4(SAM)基板を用いることで剥離可能なGa2O3膜を製造可能であることを見出した。本発明はかかる知見に基づいてさらに検討を加えることにより完成したものであり、以下の態様を含む。
項1.
Ga2O3膜の製造方法であって、
(A)ScAlMgO4(SAM)基板上に、Ga2O3膜を成長する工程と、
(B)工程(A)で得られたGa2O3膜から前記SAM基板を剥離する工程と
を含む、製造方法。
項2.
前記剥離が、自然剥離である、項1に記載の製造方法。
項3.
前記成長がミスト化学気相成長法(ミストCVD法)により行われる、項1に記載の製造方法。
項4.
成長温度が650℃~750℃である、項3に記載の製造方法。
項5.
前記Ga2O3がα-Ga2O3、β-Ga2O3又はε-Ga2O3である、項1に記載の製造方法。
項6.
前記工程(A)と前記工程(B)との間に、
(C)前記工程(A)で得られたGa2O3膜をアニール処理する工程
をさらに含む、項1又は2に記載の製造方法。
項7.
前記アニール処理が、700℃~1100℃での加熱処理を含む、項6に記載の製造方法。
項8.
項1又は2に記載の製造方法により得られうるGa2O3膜。
項9.
半導体装置用の、項8に記載のGa2O3膜。
本発明によれば、基板から剥離可能なGa2O3膜を製造することができる。
SAM基板上に成長したGa2O3膜のXRDによるω-2θスキャン結果を示す図である。 SAM基板上に成長したε-Ga2O3膜のXRDによるφスキャン結果を示す図である。 SAM基板上に成長したGa2O3膜の表面SEM観察結果を示す図である。 SAM基板上に成長したε-Ga2O3膜の断面TEM観察結果(界面像及び電子回析像)を示す図である。 アニール処理前後のGa2O3膜のXRDによる2θスキャン結果を示す図である。 アニール処理前後のGa2O3膜の表面SEM観察結果を示す図である。 SAM基板上に成長させたGa2O3薄膜の剥離の様子を示す図である。
1.本発明のGa 2 O 3 膜の製造方法
本発明のGa2O3膜の製造方法は、
(A)ScAlMgO4(SAM)基板上に、Ga2O3膜を成長する工程と、
(B)工程(A)で得られたGa2O3膜から前記SAM基板を剥離する工程と
を含む。
本発明において、「膜」は「薄膜」を含む。
工程(A)において、Ga2O3膜はSAM基板のC面上に成長する。
工程(A)において、用いられるSAM基板は特に制限されないが、例えば、X線ロッキングカーブ法(XRC)により測定される基板半値幅(SAM(009) XRC FWHM)が200 arcsec以下であるものが好ましく、60 arcsec以下であるものがより好ましく、50 arcsec以下であるものがさらに好ましく、40 arcsec以下であるものがとりわけ好ましい。また、XRCにより測定されるロッキングカーブがシングルピークであることが好ましい。さらに、Ga2O3膜成長前に、アセトン及びエタノール等を用いた有機洗浄等により基板を洗浄してもよい。
工程(A)においてSAM基板上に成長するGa2O3膜の結晶構造は、特に限定されず、コランダム(corundum)型構造(α-Ga2O3)、単斜晶系(monoclinic)構造(β- Ga2O3)、スピネル(spinel)型構造(γ-Ga2O3)、ビクスバイト(bixbyte)型構造(δ-Ga2O3)、及び六方晶系(hexagonal)構造(ε-Ga2O3)[ε-Ga2O3は、斜方晶系(orthorhombic)構造(κ-Ga2O3)と表される場合がある]のいずれであってもよい。
工程(A)においてSAM基板上に成長するGa2O3膜の厚さは、0.5 μm~2 μmであることが好ましい。
工程(A)におけるSAM基板上のGa2O3膜の成長方法は、SAM基板上にGa2O3膜を成長させることができる方法であれば特に制限されず、例えば、ミスト化学気相成長法(mist Chemical Vapor Deposition;ミストCVD法)、分子線エピタキシー法(Molecular Beam Epitaxy;MBE法)、ハイドライド気相成長法(Hydride Vapor Phase Epitaxy;HVPE法)、有機金属気相成長法(Metal Organic Chemical Vapor Deposition;MOCVD法)、パルスレーザーアブレーション法(Pulsed Laser Deposition;PLD法)等が挙げられる。中でもミストCVD法が好ましい。
工程(A)におけるSAM基板上のGa2O3膜の成長方法がミストCVD法である場合、Ga2O3膜の成長温度は特に制限されず、成長温度によって工程(A)により得られるGa2O3膜の結晶構造を変化させることができる。例えば、工程(A)においてε-Ga2O3が支配的となる結晶構造を有するGa2O3膜をミストCVD法により成長させる場合、成長温度は450℃~550℃であることが好ましく、500℃~550℃であることがより好ましい。また、工程(A)においてε-Ga2O3とβ-Ga2O3とが混在した結晶構造を有するGa2O3膜をミストCVD法により成長させる場合、成長温度は550℃~750℃であることが好ましく、650℃~750℃であることがより好ましい。さらに、工程(A)においてβ-Ga2O3が支配的となる結晶構造を有するGa2O3膜をミストCVD法により成長させる場合、成長温度は900℃~1100℃であることが好ましく、1000℃~1100℃であることがより好ましい。
ここで、Ga2O3膜において特定の結晶構造が「支配的」であるとは、Ga2O3膜において特定の結晶構造がGa2O3膜全体に対し8割以上を占めることを意味する。Ga2O3膜において特定の結晶構造が支配的である場合、Ga2O3膜は当該特定の結晶構造以外に1種類以上の異なる結晶構造を含んでいてもよい。
また、Ga2O3膜において複数の結晶構造が「混在」するとは、Ga2O3膜において2種類以上の結晶構造が存在し、いずれかの結晶構造がGa2O3膜全体に対し2割以上を占めることを意味する。
Ga2O3膜が複数の結晶構造を含む場合、各結晶構造の割合は、例えば、X線回折測定、電子線後方散乱回折測定等により算出可能である。上記の方法のいずれであっても算出が可能な場合は、X線回折測定で算出することが好ましい。
工程(A)におけるSAM基板上のGa2O3膜の成長方法がミストCVD法である場合、工程(A)により得られるGa2O3膜の結晶構造はα- Ga2O3、β-Ga2O3又はε-Ga2O3であることが好ましく、β-Ga2O3又はε-Ga2O3であることがより好ましい。
工程(A)におけるSAM基板上のGa2O3膜の成長方法がミストCVD法である場合、Ga2O3膜の平坦性向上の観点から、Ga2O3膜の成長温度は650℃~750℃であることが好ましく、700℃~750℃であることがより好ましい。
工程(A)におけるSAM基板上のGa2O3膜の成長方法がミストCVD法である場合、ε-Ga2O3膜の結晶の高品質化の観点から、膜の成長温度は650℃~750℃であることが好ましく、700℃~750℃であることがより好ましい。
工程(A)におけるSAM基板上のGa2O3膜の成長方法がミストCVD法である場合、原料溶液は少なくともガリウムを含んでおり、ミスト化可能な材料であれば特に限定されない。原料溶液としては、前記金属を錯体又は塩の形態で水に溶解又は分散させたものを用いることができる。錯体の形態としては、例えば、アセチルアセトナート錯体、カルボニル錯体、アンミン錯体、ヒドリド錯体等が挙げられる。塩の形態としては、例えば、塩化金属塩、臭化金属塩、ヨウ化金属塩等が挙げられる。また、前記金属を、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸等に溶解したものも塩の水溶液として用いることができる。中でも、ガリウムアセチルアセトナートが好ましい。原料溶液の濃度は、0.01~1 mol/Lであることが好ましい。
原料溶液は、上記ガリウムに加えて、1種類以上の他の金属を含んでいてもよい。前記1種類以上の他の金属としては、特に制限されず、例えば、鉄、インジウム、アルミニウム、バナジウム、チタン、クロム、ロジウム、イリジウム、ニッケル、コバルト等が挙げられる。前記1種類以上の他の金属は、錯体又は塩の形態で水に溶解又は分散させたものを用いることができる。錯体、塩、又は塩の水溶液の形態としては、上記と同様のものが挙げられる。前記1種類以上の他の金属は、例えばドーピングのために添加される。
工程(A)におけるSAM基板上のGa2O3膜の成長方法がミストCVD法である場合、キャリアガスは、本発明の目的を阻害しない限り特に制限されず、例えば、酸素、オゾン、窒素やアルゴン等の不活性ガス、又は水素ガスやフォーミングガス等の還元ガスが好適な例として挙げられる。中でも窒素ガスが好ましい。また、キャリアガスの種類は1種類であってもよいし、2種類以上であってもよく、流量を下げた希釈ガス(例えば10倍希釈ガス等)等を、第2のキャリアガスとしてさらに用いてもよい。また、キャリアガスの供給箇所は1箇所であってもよいし、2箇所以上であってもよい。キャリアガスの流量は、特に限定されないが、0.01~20 L/分であるのが好ましく、0.05~10 L/分であることがより好ましく、0.1~5 L/分であることがさらに好ましい。
本発明において、工程(B)における「剥離」とは自然剥離を指す。「自然剥離」とは、Ga2O3膜がSAM基板から、外的刺激を必要とせず自然に剥離すること、あるいは、大きな外的刺激を必要とせず、容易に剥離することを意味する。「外的刺激を必要とせず自然に剥離すること」とは、例えば、Ga2O3膜の成膜後の冷却過程においてGa2O3膜とSAM基板の熱膨張率の差から界面に応力が発生することを利用して、Ga2O3膜からSAM基板を剥離することを意味する。また、「大きな外的刺激を必要とせず、容易に剥離すること」とは、例えば、工程(A)で得られたSAM基板上のGa2O3膜の断面のSAM基板とGa2O3膜との境界付近に対してナイフや剃刀等の刃物を当て、SAM基板の劈開性を利用して、Ga2O3膜からSAM基板を剥離することを意味する。外的刺激としては、例えば、機械的衝撃、熱処理、超音波等の振動、エッチング等の化学的処理、研削、及びレーザーリフトオフ法等が挙げられる。
工程(A)と工程(B)との間には、工程(C)として、工程(A)で得られたGa2O3膜をアニール処理する工程をさらに含んでいてもよい。
工程(C)におけるアニール処理は、工程(A)で得られたGa2O3膜の加熱工程及び急冷工程を含み、加熱後に急冷することが好ましい。アニール処理は加熱工程前に昇温工程をさらに含んでいてもよい。
工程(C)におけるアニール処理の加熱温度は、特に制限されないが、700℃~1100℃であることが好ましく、900℃~1100℃であることがより好ましい。また、工程(C)におけるアニール処理における加熱時間は、特に制限されないが、100分~260分であることが好ましく、200分~260分であることがより好ましい。
工程(C)におけるアニール処理の急冷速度は、特に制限されないが、1℃/分~50℃/分であることが好ましく、20℃/分~40℃/分であることがより好ましい。
工程(C)におけるアニール処理の昇温速度は、特に制限されないが、1℃/分~50℃/分であることが好ましく、5℃/分~20℃/分であることがより好ましい。
アニール処理に用いる雰囲気ガスは、特に制限されず、例えば、窒素雰囲気下で行うことが好ましい。
工程(C)のアニール処理により、工程(A)により得られたGa2O3膜の結晶構造をε-Ga2O3からβ-Ga2O3に相転移させることができる。また、工程(C)のアニール処理により、工程(B)の剥離を促進することができる。
2.本発明のGa 2 O 3
本発明のGa2O3膜は、本発明の製造方法により得られうるGa2O3膜である。
本発明のGa2O3膜には、SAM基板の剥離(自然剥離)後にGa2O3膜表面の少なくとも一部に微少のSAM基板が残っていてもよい。本発明のGa2O3膜に残っている微少のSAM基板としては、例えば、微少のSAM基板の厚さが1.5 μm以下であるものが好ましく、1.3 μm以下であるものがより好ましく、1 μm以下であるものがさらに好ましく、0.8 μm以下であるものがとりわけ好ましい。
Ga2O3膜に残っている微少のSAM基板の厚さは、例えば、断面電子顕微鏡観察、又は表面粗さ計若しくは干渉計を用いたpeak-valley(PV)値測定等により測定することができる。上記の方法のいずれであっても算出が可能な場合は、断面電子顕微鏡観察により測定することが好ましい。
本発明のGa2O3膜の厚さは、特に制限されないが、例えば、0.5 μm~2 μmの範囲である。
本発明のGa2O3膜は、様々な半導体装置に有用であり、とりわけ、パワーデバイスに有用である。また、半導体装置は、縦型デバイスと横型デバイスに分けることができ、本発明のGa2O3膜は、縦型デバイス及び横型デバイスのいずれにも用いることができるが、特に、縦型デバイスに好ましく用いられる。前記半導体装置としては、例えば、ショットキーバリアダイオード(SBD)、金属半導体電界効果トランジスタ(MESFET)、高電子移動度トランジスタ(HEMT)、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、静電誘導トランジスタ(SIT)、接合電界効果トランジスタ(JFET)、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)又は発光ダイオード等が挙げられる。中でも、SBDに好ましく用いられる。本発明のGa2O3膜は、そのまま半導体装置等に用いてもよいし、SAM基板の剥離(自然剥離)後に残った微量のSAM基板を除去した後に半導体装置等に適用してもよい。
以下に実施例を掲げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
<実施例1.SAM基板上へのGa2O3成長>
SAM基板上にGa2O3膜を成長させた。用いたSAM基板及びGa2O3成長条件は下記の通りであった。
SAM基板
・使用したSAM基板:c面SAM基板(10 mm角)
・半値幅:SAM(009) XRC-FWHM 30~40 arcsec
・洗浄:アセトン、エタノールで各5分の有機洗浄
Ga 2 O 3 成長条件
・成長方法:ミストCVD法
・前駆体:Ga(acac)3
・キャリアガス:N2
・成長温度:500℃、600℃、700℃、1000℃
・原料溶液:0.05 mol/L
・成長時間:20 min
・ガス流量:3 L/分
<実施例2.SAM基板上に成長したGa2O3膜の評価>
(1)結晶方位、配向性
実施例1で製造したGa2O3膜の結晶方位及び配向性をX線回析(X-ray Diffraction;XRD)により調べた。
ω-2θスキャンの結果を図1に示す。この結果から、500℃、600℃及び700℃のいずれの成長温度においてもSAM基板上にε-Ga2O3が支配的に成長したことが示された。また、Ga2O3成長温度が600℃及び700℃の場合、SAM基板上に成長したε-Ga2O3にβ-Ga2O3が混在していることが示された。さらに、データには示していないが、1000℃の成長温度ではSAM基板上にβ-Ga2O3が支配的に成長した。
φスキャンの結果を図2に示す。この結果から、実施例1で製造したSAM基板上にGa2O3膜におけるSAM及びε-Ga2O3の配向性の良さが確認された。
(2)表面モフォロジー
実施例1で製造したGa2O3膜の表面モフォロジーを走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope;SEM)観察により調べた。
SEM観察結果を図3に示す。この結果から、成長温度の上昇に伴い膜の繋がりが良くなり、平坦性が向上する傾向が示された。また、微結晶は温度が高いほど増加する傾向にはないことが示された。
そこで、実施例1で製造したGa2O3膜の結晶品質をX線ロッキングカーブ(X-Ray Rocking Curve;XRC)測定により調べた。XRC測定結果を表1に示す。
この結果から、Ga2O3成長における成長温度の上昇に伴いXRC半値幅(XRC-FWHM)は低下する傾向が示された。
これらの結果から、Ga2O3結晶の高品質化には700℃付近での成長が有効であると考えられた。
(3)微細構造
実施例1で製造したGa2O3膜の微細構造を透過電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope; TEM)観察により調べた。
断面TEM観察結果を図4に示す。この結果から、SAM基板上に成長したε-Ga2O3膜は、(001)ε-Ga2O3//(0001)ScAlMgO4、[100]ε-Ga2O3//(10-10)ScAlMgO4の関係を持つ回転ドメインからなるものと考えられた。
<実施例3.SAM基板上に成長したGa2O3膜のアニール処理>
SAM基板上に成長したGa2O3膜をアニール処理した。Ga2O3成長条件及びアニール処理条件を以下に示す。
Ga 2 O 3 成長条件
・成長温度:600℃
・成長時間:10 min
アニール処理条件
・温度:昇温(75分)→900℃(180分)→急冷(30分)
・雰囲気:N2(3 L/min)
アニール処理前後のGa2O3膜の結晶方位をXRDの2θスキャンにより調べた結果を図5に示す。この結果から、アニール処理前はSAM基板上にε-Ga2O3が支配的に存在するのに対して、アニール処理後はSAM基板上にβ-Ga2O3が存在することが示された。
また、アニール処理前後のGa2O3膜の表面モフォロジーをSEM観察により調べた結果を図6に示す。この結果から、アニール前後で表面状態はほぼ変化しておらず、ε-Ga2O3からβ-Ga2O3への相転移は表面ではなく結晶内部から起きていることが示された。
さらに、アニール処理前後のGa2O3(ε-Ga2O3及びβ-Ga2O3)の結晶品質をXRC測定により調べた結果を表2に示す。
アニール処理前後のGa2O3(ε-Ga2O3及びβ-Ga2O3)のXRC半値幅は同程度であった。このことから、アニール処理前後のGa2O3が同程度の品質を有することが示された。
これらの結果から、アニール処理により、SAM基板上に成長させたGa2O3膜の結晶構造がε-Ga2O3からβ-Ga2O3に変化(相転移)することが示された。
<実施例4.SAM基板上Ga2O3膜の剥離>
図7にSAM基板上に成長させたGa2O3薄膜の剥離した様子を示す。剥離はサンプルの断面から剃刀の刃を当てることで行った。

Claims (9)

  1. Ga膜の製造方法であって、
    (A)ScAlMgO(SAM)基板上に、Ga膜を成長する工程と、
    (B)工程(A)で得られたGa膜から前記SAM基板を剥離する工程と
    を含む、製造方法。
  2. 前記剥離が、自然剥離である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記成長がミスト化学気相成長法(ミストCVD法)により行われる、請求項1に記載の製造方法。
  4. 成長温度が650℃~750℃である、請求項3に記載の製造方法。
  5. 前記Gaがα-Ga、β-Ga又はε-Gaである、請求項1に記載の製造方法。
  6. 前記工程(A)と前記工程(B)との間に、
    (C)前記工程(A)で得られたGa膜をアニール処理する工程
    をさらに含む、請求項1又は2に記載の製造方法。
  7. 前記アニール処理が、700℃~1100℃での加熱処理を含む、請求項6に記載の製造方法。
  8. 請求項1又は2に記載の製造方法により得られうるGa膜。
  9. 半導体装置用の、請求項8に記載のGa膜。
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