JP2024096655A - 超音波振動体の支持方法 - Google Patents

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Abstract

Figure 2024096655000001
【課題】 超音波振動する円盤状の切削ブレードに同じ中心軸を持つ円環状の突起を設け、その突起の端面を支持したが、回転軸への超音波振動の伝搬を十分に小さくすることはできなかった。
【解決手段】 超音波切削装置である超音波装置1の鋼製の回転軸7に、アルミ製2mm厚の円環状板5、円環状のステンレス製の網4、アルミ製2mm厚の円環状板5、リング状突起より内周側に圧電素子3を両面に接合した鋼製の外径100mm円盤状の切削ブレード2、アルミ製2mm厚の円環状板5、円環状のステンレス製の網4、アルミ製2mm厚の円環状板5の順に挿入し、回転軸7の先端部に設けたオネジと鋼製のナット6を30Nmのトルクで締め付け、支持固定した。また、円盤状の切削ブレード2は、回転軸7とは接触していない。
【選択図】図1

Description

本発明は超音波振動体を支持固定する支持方法に関するものである。
本発明者は、円盤状の切削ブレードを持つ超音波ブレードユニットを開発する過程において、円盤状の切削ブレードの超音波振動に与える影響を小さくする支持方法に関して考察してきた。
まず、本発明者は円盤状の切削ブレードそのものを直接、振動させるために特許文献1に記載の図8(A)の平面図と図8(A)のA-A線での断面を示す図8(B)に示す円盤状の切削ブレード3に円環状の圧電素子3を接合する発明をしたが、図示しない先端にオネジを持つ回転軸に装着し、図示しないナットを締め付けると切削ブレードの径方向の振動は小さくなってしまった。
上記の問題点を改善するために、本発明者は、円盤状の切削ブレードに同心円状に配置した複数のスリットを設け、スリットの外側に圧電素子を接合し、スリットの内側を支持する特許文献2の方法を発明した。
この方法により、スリットの内側を支持しても、圧電素子を接合したスリットの外側は、ほぼ減衰することなく振動させることができた。そして、現在、パワー半導体用の難切削材料製のウエハーの切断用に使用されている。
しかし、パワー半導体の需要は増加しているため、さらに切削速度を大きくすることが求められている。そのために、回転数を大きくすれば加工速度の向上は可能であるが、遠心力が大きくなりスリット部分から破壊する虞がある。したがって、機械的強度が小さい複数のスリットを設けた円盤状の切削ブレードは用いることが困難になる。
また、加工対象物が大きくなると、円盤状の切削ブレードも大型化して質量が大きくなり、それに従い円盤状の切削ブレードの遠心力が大きくなり、スリット部分から破壊する虞がある。したがって、機械的強度が小さい複数のスリットを設けた円盤状の切削ブレードは用いることが困難になる。
その対策として、本発明者は特許文献3に記載した超音波切削装置を提案した。これは、円盤状の切削ブレードの面に切削ブレードと同じ中心軸を持つ突起を設けた構成で、突起端面の振動量を小さくして、回転軸などに円盤状の切削ブレードに振動の伝搬を小さくすることを目的としたものである。しかし、実際には円盤状の切削ブレードから回転軸に超音波振動が伝搬してしまって、円盤状の切削ブレードの径方向の振動は小さくなってしまった。
特開2004-291636 国際公開番号 WO2008/047789 国際公開番号 WO2019/240268
大西一正、日本音響学会講演論文集、平成16年10月~11月、p1191
生産性向上のため加工速度の向上が求められているが、円盤状の切削ブレードの回転数を大きくすれば加工速度の向上は可能である。しかし、遠心力が大きくなると円盤状の切削ブレードのスリット部分から破壊する虞がある。したがって、機械的強度の小さい複数のスリットを設けた円盤状の切削ブレードは用いることが困難になる。
また、加工対象物が大きくなると、円盤状の切削ブレードも大型化して質量が大きくなり、それに従い円盤状の切削ブレードの遠心力が大きくなり、円盤状の切削ブレードのスリット部分から破壊する虞がある。したがって、機械的強度が小さい複数のスリットを設けた円盤状の切削ブレードは用いることが困難になる。
さらに、円盤状の切削ブレードに同じ中心軸を持つ円環状突起を設け、突起の端面を支持することにより回転軸への超音波振動の伝搬を小さくすることを目指したが、回転軸、ナットへの超音波振動の伝搬は十分に小さくならなかった。
超音波装置において、超音波振動体と超音波振動制御体を接触させ、そして超音波振動制御体を支持固定部材により支持するものである。
前記超音波振動体は、圧電素子と金属製の部材を接合した構成で、前記圧電素子に所望の周波数の電圧を印加することにより超音波振動するものである。
前記超音波振動制御体は、金属製の網、あるいは金属製の網とその両側あるいは片側に接する金属部材または繊維複合材料部材である。
支持固定部材は、超音波振動体と接する超音波振動制御体を超音波装置に支持固定する部材である。
円盤状の切削ブレードの少なくとも一方の表面に、該円盤状の切削ブレードと同じ中心軸を持つ円環状の圧電体及び該圧電体の表面に付設された円環状の電極からなる円環状の超音波振動子を固定してなる超音波振動体と超音波振動制御体を接触させ、前記超音波振動制御体と支持固定部材を接触させ、回転軸に支持固定するものである。
円盤状の切削ブレードが同じ中心軸を持つ円環状の突起を持ち、その突起と支持固定部材の間に超音波振動制御体を位置させて支持するものである。
超音波振動体の支持面と超音波振動制御体の内側平面が接触し、さらに超音波振動制御体の外側平面が支持固定部材の平面と接触するものである。
超音波振動体の支持面と超音波振動制御体の内面が曲面で接し、さらに超音波振動制御体の外側の曲面が支持固定部材と接触するものである。
超音波振動体の支持面が、平面だけでなく曲面でも支持することが可能であり、また超音波振動制御体の金属製の網の形状そして金属製の網の積層数により超音波振動体の振幅量の調整も可能である。
本発明の超音波装置の断面図である。 本発明のバイトの左右に圧電素子を接合した斜視図である。 本発明の刃物台にバイトを支持固定した斜視図である。 本発明のランジュバン型超音波振動子とその支持の平面図である。 本発明のランジュバン型超音波振動子とその支持の断面図である。 従来のランジュバン型超音波振動子とその支持の平面図である。 従来のランジュバン型超音波振動子とその支持の断面図である。 従来の圧電素子を接着した円盤状の切削ブレードである。
実施例1
本発明に関わる第1の構成の超音波装置1について図1の断面図を用いて説明する。超音波装置1の鋼製の回転軸7に、アルミ製2mm厚の円環状板5、円環状のステンレス製の網4、アルミ製2mm厚の円環状板5、リング状突起より内側に圧電素子3を両面に接合した鋼製の外径100mm円盤状の切削ブレード2、アルミ製2mm厚の円環状板5、円環状のステンレス製の網4、アルミ製2mm厚の円環状板5の順に挿入し、回転軸7の先端部に設けたオネジと鋼製のナット6を30Nmのトルクで締め付け、支持固定した。
また、円盤状の切削ブレード2は、回転軸7とは接触していない。接触するのは超音波振動制御体11のみである。さらに円盤状の切削ブレード2は、外周部にダイヤモンド砥粒などを電着するとか、複数の溝を設けて切削ブレードを複数化もできる。
ここで、圧電素子4と、例えば金属部材を接合した構成で、圧電素子に所望の周波数の電圧を印加することにより超音波振動するものを超音波振動体20と称する。また、特殊な用途として前記金属材料の代わりにアルミナなどのセラミック部材が使用されることもある。円盤状の切削ブレード2のリング状突起の内側の両面に接合した圧電素子3を持つ円盤状の切削ブレード2は、超音波振動体20である。
また、超音波振動体20と接する金属製の網5、あるいは金属製の網5と両側あるいは片側に接触する金属部材または繊維複合材料部材を超音波振動制御体21と称する。
金属製の網の片側または両側に平板状または曲面を持つ部材を配置する目的は、金属製の網の変形の防止や取扱い易さである。
さらに、超音波振動体20と接続した超音波振動制御体21を、超音波装置に支持固定する部材を支持固定部材22と称する。
例えば超音波振動制御体21は、アルミ製2mm厚の円環状板、円環状のステンレス製の網、アルミ製2mm厚の円環状板の順序で配置したものでもよい。また、アルミ製2mm厚の円環状板、円環状のステンレス製の網、アルミ製2mm厚の円環状板を接着剤などで接着して一体化してもよい。
円環状のステンレス製の網のタイプは平板、材質はSUS304、線径0.1mm、厚さ0.1mmそして100メッシュ、編み込み式は平織である。また空間率は36.76%である。
上記の円盤状の切削ブレード2に、エポキシ樹脂により接合した圧電素子4の外側の電極に接合したリード線をインピーダンスアナライザの信号側に接続した。アース側の折り返し電極に接合したリード線をインピーダンスアナライザのアース側に接続してインピーダンス特性を測定した。その結果を表1に示す。
ここで、Frは共振点付近の周波数、Yrは共振点付近のアドミッタンス、Faは反共振点付近の周波数、Yaは反共振点付近のアドミッタンス、Degは反共振点付近の電圧と電流の位相差である。
Figure 2024096655000002
前記リード線に、インピーダンスアナライザで測定した円盤状のブレードの拡縮振動モードの付近の周波数を、ファンクションジェネレータに接続したリニアアンプからサイン波電圧を印加した。そして円盤状の切削ブレード2の外周面の振幅量をレーザードップラー振動計により測定した。その結果を表2に示す。また、Fdは駆動周波数、Dvは駆動電圧、Iは駆動電流、Disは円盤状の切削ブレード2の外周面の振幅量である。
Figure 2024096655000003
次に、超音波振動制御体21の有無差を測定するために、超音波振動体20のリング状突起を回転軸7の先端部に設けたオネジと鋼製のナット6を30Nmのトルクで締め付け支持固定した。そして、測定したインピーダンス特性を表3に示す。
Figure 2024096655000004
表4は、鋼製の円盤状の切削ブレード2の外周面の振幅量をレーザードップラー振動計により測定したものである。
Figure 2024096655000005
上記の表2と表4の比較で明らかなように超音波振動制御体21を超音波振動体20と超音波装置1の部材(ナットと回転軸)の間に位置させた構成は、超音波振動制御体21を持たない構成に対して円盤状の切削ブレード2の拡縮振動モードの振幅量は、約3、2倍である。
上記の表1と表3の比較で明らかなように超音波振動制御体21を超音波振動体20と超音波装置1の部材(ナットと回転軸)の間に位置させた構成は、超音波振動制御体21を持たない構成に対してアドミッタンスは、約1.8倍であり、電圧と電流の位相差が小さいため電圧を小さくして、振幅を大きくできる。
次に超音波振動制御体21の金属製の網の枚数を2枚にして、上記条件で共振点付近のアドミッタンスと、振幅量を測定した。その結果を表5に示す。
ここで、Frは共振点付近の周波数、Yrは共振点付近のアドミッタンス、Faは反共振点付近の周波数、Yaは反共振点付近のアドミッタンス、Degは反共振点付近の電圧と電流の位相差である。
Figure 2024096655000006
前記リード線にインピーダンスアナライザで測定した円盤状の切削ブレード2の拡縮振動モードの付近の周波数を、ファンクションジェネレータに接続したリニアアンプからサイン波電圧を印加して円盤状の切削ブレードの外周面の振幅量をレーザードップラー振動計により測定した。その結果を表6に示す。
Figure 2024096655000007
上記の表3と表5の比較で明らかなように超音波振動制御体21を超音波振動体20と超音波装置の部材(ナットと回転軸)の間に位置させた構成は、超音波振動制御体11を持たない構成に対して円盤状の切削ブレード2のアドミッタンスは、約3.2倍であり、電圧と電流の位相差がコンデンサ成分に流れる電流成分が小さくなるマイナス位相になっているので振幅を大きくできる。
上記の表4と表6の比較で明らかなように超音波振動制御体21を超音波振動体20と超音波装置の部材(ナットと回転軸)の間に位置させた構成は、超音波振動制御体21を持たない構成に対して円盤状の切削ブレード2の拡縮振動モードの振幅量は、約5.0倍である。
以上のように、金属製の網4の枚数を変えることで振幅量を制御できることが明らかになった。
次に金網の形状を変えて、アドミッタンス特性と円盤状のブレードの拡縮振動モードの振幅量特性を測定した。
使用した金網は、円環状のステンレス製の網のタイプは平板、材質はSUS304、線径0.2mm、厚さ0.2mmそして20メッシュ、編み込み式は平織である。また空間率は70.98%である。
上記の円盤状の切削ブレード2にエポキシ樹脂により接合した圧電素子の外側の電極に接合したリード線をインピーダンスアナライザの信号側に接続した。アース側の折り返し電極に接合したリード線をインピーダンスアナライザのアース側に接続してインピーダンス特性を測定した。その結果を表7に示す。
Figure 2024096655000008
前記リード線にインピーダンスアナライザで測定した円盤状のブレードの拡縮振動モードの付近の周波数を、ファンクションジェネレータに接続したリニアアンプからサイン波電圧を印加して円盤状の切削ブレード2の外周面の振幅量をレーザードップラー振動計により測定した。その結果を表8に示す。
Figure 2024096655000009
上記の表3と表7の比較で明らかなように超音波振動制御体21を超音波振動体20と超音波装置1の部材(ナットと回転軸)の間に位置させた構成は、超音波振動制御体21を持たない構成に対して円盤状の切削ブレード2のアドミッタンスは、約3.4倍であり、電圧と電流の位相差がコンデンサ成分に流れる電流成分が小さくなるマイナス位相になっているので振幅を大きくできる。
上記の表4と表8の比較で明らかなように超音波振動制御体21を超音波振動体20と超音波装置1の部材(ナットと回転軸)の間に位置させた構成は、超音波振動制御体21を持たない構成に対して円盤状の切削ブレード2の拡縮振動モードの振幅量は、約5.9倍である。
以上のように、超音波振動制御体21の金網の形状を変えて金網の空間率を変えることにより振幅量を制御できることが明らかになった。
超音波振動制御体11は、金属の網の片側または両側に弾性材料の部材を位置させている。そして、部材としてアルミと炭素繊維複合材を比較してみる。
図1に示す超音波装置1のアルミ製2mm厚の円環状板を炭素繊維複合材料製1.5mm厚の円環状板に置き換えたものである。そして、回転軸6の先端部に設けたオネジと鋼製のナット5を30Nmのトルクで締め付け、支持固定した。
超音波振動制御体21は、ここでは、炭素繊維複合材料製1.5mm厚の円環状板、円環状のステンレス製の網、炭素繊維複合材料製1.5mm厚の円環状板である。
円環状のステンレス製の網のタイプは平板、材質はSUS304、線径0.1mm、厚さ0.1mmそして100メッシュ、編み込み式は平織である。
上記の円盤状のブレードにエポキシ樹脂により接合した圧電素子の外側の電極に接合したリード線をインピーダンスアナライザの信号側に接続した。アース側の折り返し電極に接合したリード線をインピーダンスアナライザのアース側に接続してインピーダンス特性を測定した。その結果を表9に示す。
Figure 2024096655000010
前記リード線にインピーダンスアナライザで測定した円盤状のブレードの拡縮振動モードの付近の周波数を、ファンクションジェネレータに接続したリニアアンプからサイン波電圧を印加して円盤状のブレードの外周面の振幅量をレーザードップラー振動計により測定した。その結果を表10に示す。
Figure 2024096655000011
表9の超音波振動制御体21のアルミ板を炭素繊維複合材料板に変更した構成は、上記の表3に対して円盤状の切削ブレードのアドミッタンスは、約1.2倍であった。
上記の表4と表10の比較において超音波振動制御体21のアルミ板を炭素繊維複合材料板に変更した構成は円盤状の切削ブレードの拡縮振動モードの振幅量は、約2.4倍である。
以上のように、超音波振動制御体21のアルミ板を炭素繊維複合材料板に変更した構成は、十分に超音波振動を制御できなかったが、炭素繊維複合材中の炭素繊維の配向方向を変えることにより、さらにアドミッタンス、振幅量の増加が期待できる。
実施例2
超音波振動制御体21の形状が直方体形状であるバイト10の支持について図2、図3を用いて説明する。
図2で示すように薄い直方体形状の圧電素子3をバイト10の左右にエポキシ樹脂を用いて接合する。この構成は超音波振動体21である。次に、加工用の切削チップ11をバイト10に取り付ける。
図3を用いて刃物台12に取り付けるバイト10について説明する。刃物台12の所望の位置に直方体状の超音波振動制御体21を置く。そして、その上にバイト10を載せる。さらに、その上に直方体状の超音波振動制御体21を置く。そして、刃物台12のボルトを締め付けることによりバイト10を支持固定する。旋盤に取り付けた刃物台12が支持固定部材22である。
超音波振動制御体21は、綱S45C製2mm厚の上に、金網(ステンレス製の網のタイプは平板、材質はSUS304、線径0.1mm、厚さ0.1mmそして100メッシュ、編み込み式は平織)を載せ、さらに綱S45C製2mm厚を載せたものである。また、線径0.1mm、100メッシュから求めた目開きは0.154mmであった。
上記の金網の空間率は次式で求める。
Figure 2024096655000012
この数式1から空間率は36.76%であった。また、数式1は目開きが大きく、そして線径が小さくなれば空間率は大きくなることを示す。実際には空間率100%は実現できないが、もし実現するとすれば、2枚の綱S45C製2mm厚の間には0.1mmの空間が生じる。固体中の超音波振動は空間にはほとんど伝搬しないので支持固定部材22に振動は伝搬しない。
超音波振動制御体は、超音波振動の伝搬を小さくすることを求められているが、金網の空間率が大きくなると機械的強度が小さくなり破壊する虞がある。そのため、超音波装置の使用状況に適合する空間率にすることが求められる。
また、超音波振動体20(バイト)は、超音波振動制御体だけと接触し、支持固定部材22とは接触していない。
実施例3
超音波振動制御体の形状が曲面形状であるボルト締めランジュバン型超音波振動子12の支持について図4の平面図と図4のA―A線での断面図である図5を用いて説明する。図4、図5では、図を簡略化するためにボルト締めランジュバン型超音波振動子12のボルトは省略した。
圧電素子3と金属製の部材14を接合し、前記圧電素子3に所望の周波数の電圧を印加することにより超音波振動する。したがって、ボルト締めランジュバン型超音波振動子12は、超音波振動体20である。
2個の金属製の曲面状板15と、前記2個の金属製の曲面状板15に接する金属製の網4は、超音波振動制御体22である。
前記超音波振動体20と超音波振動制御体22は、S45C綱製ナットとオネジを持つS45C綱製ホルダーを締め付けことにより支持固定される。ここで、S45C綱製ナットとオネジを持つS45C綱製ホルダーは支持固定部材22である。
上記の超音波振動制御体22を持つ支持方法により、超音波振動体20の超音波振動は支持固定部材22への伝搬を小さくできる。
従来例
従来のボルト締めランジュバン型超音波振動子12の支持は、図6の平面図、図6のA-A線の断面を示す図7に示す薄い板状のアルミ製のフランジ13を用いて振動の節部を支持固定するものであった。しかし、支持位置が振動の節から遠ざかると振幅量は急激に小さくなる欠点がある。そして、支持剛性が小さいため負荷の大きい用途では使用できないという問題点もある。
そこで、支持形状を曲面にすることで支持剛性を高め、かつ支持面を緩やかな曲面にしてかつ超音波振動制御体21を使用することで、振動の節位置が少し変化しても十分な振幅量を確保できる。
本発明の超音波振動制御体を用いることにより、超音波振動体から支持固定部材への超音波振動の伝搬が小さくなり、超音波振動体の超音波振動振幅量が大きくなるので様々な超音波装置に用いることができる。
1 超音波装置
2 円盤状の切削ブレード
3 圧電素子
4 網
5 円環状板
6 ナット
7 回転軸
8 バイト
9 切削チップ
10 刃物台
11 ボルト
12 ボルト締めランジュバン型超音波振動子
13 フランジ
14 金属製の部材
15 曲面状板
16 ホルダー
20 超音波振動体
21 超音波振動制御体
22 支持固定部材

Claims (9)

  1. 超音波装置において、超音波振動体と超音波振動制御体を接触させ、そして超音波振動制御体を支持固定部材により支持することを特徴とする。
  2. 超音波振動体は、圧電素子と金属製の部材を接合した構成で、前記圧電素子に所望の周波数の電圧を印加することにより超音波振動することを特徴とする。
  3. 超音波振動制御体は、金属製の網、あるいは金属製の網とその両側あるいは片側に接する金属部材または繊維複合材料部材であることを特徴とする。
  4. 支持固定部材は、超音波振動体と接する超音波振動制御体を支持固定する部材であることを特徴とする。
  5. 円盤状の切削ブレードの少なくとも一方の表面に、該円盤状の切削ブレードと同じ中心軸を持つ円環状の圧電体及び該圧電体の表面に付設された円環状の電極からなる円環状の超音波振動子を固定してなる超音波振動体と超音波振動制御体を接触させ、前記超音波振動制御体と支持固定部材を接触させ、回転軸に支持固定することを特徴とする請求項1に記載の支持方法である。
  6. 円盤状の切削ブレードが同じ中心軸を持つ円環状の突起を持ち、その突起と支持固定部材の間に超音波振動制御体を位置させて支持することを特徴とする請求項1に記載の支持方法である。
  7. 超音波振動体と超音波振動制御体が平面で接し、さらに超音波振動制御体と支持固定部材が平面で接触することを特徴とする請求項1に記載の支持方法である。
  8. バイトの側面に圧電素子を接合し、前記側面と直交する平面に超音波振動制御体を接し、刃物台のネジにより支持固定することを特徴とする請求項7に記載の支持方法である。
  9. 超音波振動体と超音波振動制御体が曲面で接し、さらに超音波振動制御体と支持固定部材が曲面で接触することを特徴とする請求項1に記載の支持方法である。
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