JP2024096619A - レーダシステム - Google Patents

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Figure 2024096619000001
【課題】対象物の適切なイメージングを行うことが可能なレーダシステムを提供することにある。
【解決手段】実施形態に係るレーダシステムは、複数のアンテナと、対象物に応じて複数のアンテナを第1及び第2モードで駆動する処理部とを具備する。処理部は、複数のアンテナを第1モードで駆動する場合、複数のアンテナを協調動作させ、当該複数のアンテナにおいて受信された反射波信号に基づいて対象物のイメージングを行う。処理部は、複数のアンテナを第2モードで駆動する場合、複数のアンテナのうちの第1アンテナ群を協調動作させ、当該第1アンテナ群において受信された反射波信号に基づいて対象物のイメージングを行い、複数のアンテナのうちの第2アンテナ群を協調動作させ、当該第2アンテナ群において受信された反射波信号に基づいて対象物のイメージングを行う。
【選択図】図10

Description

本発明の実施形態は、レーダシステムに関する。
近年では、レーダ信号(送信波)の反射波を利用して対象物のイメージングを行うレーダシステムが開発されている。
ここで、上記したイメージングにおける空間分解能は、対象物が存在すると推定される範囲(対象物までの距離)に従って設定されるのが一般的である。
しかしながら、例えば対象物までの距離が変化する(不定である)ような環境でレーダシステムを運用する場合には、イメージングにおいて達成される空間分解能が変化し、対象物の適切なイメージングを行うことができない可能性がある。
特許第4954032号公報
そこで、本発明が解決しようとする課題は、対象物の適切なイメージングを行うことが可能なレーダシステムを提供することにある。
実施形態に係るレーダシステムは、レーダ信号を送信し、当該レーダ信号の反射波に基づく反射波信号を受信するように構成された複数のアンテナと、対象物に応じて前記複数のアンテナを第1及び第2モードで駆動する処理部とを具備する。前記処理部は、前記複数のアンテナを前記第1モードで駆動する場合、前記複数のアンテナを協調動作させ、当該複数のアンテナにおいて受信された反射波信号に基づいて対象物のイメージングを行う。前記処理部は、前記複数のアンテナを前記第2モードで駆動する場合、前記複数のアンテナのうちの第1アンテナ群を第1グループとして協調動作させ、当該第1アンテナ群において受信された反射波信号に基づいて前記対象物のイメージングを行い、前記複数のアンテナのうちの第2アンテナ群を第2グループとして協調動作させ、当該第2アンテナ群において受信された反射波信号に基づいて前記対象物のイメージングを行う。前記第2アンテナ群は、前記第1アンテナ群と少なくとも一部のアンテナが異なる。
レーダ装置に採用されるFMCW方式の概要について説明するための図。 MIMOレーダの概要について説明するための図。 空間分解能について説明するための図。 単一のアンテナで実現される空間分解能について説明するための図。 複数のアンテナで実現される空間分解能について説明するための図。 実施形態において想定されるレーダシステムの適用例について説明するための図。 対象物までの距離と空間分解能との関係性について説明するための図。 対象物までの距離と空間分解能との関係性について説明するための図。 本実施形態に係るレーダシステムの動作の概要について説明するための図。 レーダシステムの構成の一例を示す図。 レーダシステムの処理手順の一例を示すフローチャート。 本実施形態の比較例について説明するための図。 本実施形態の比較例について説明するための図。 本実施形態の比較例について説明するための図。 本実施形態において得られるレーダ画像について説明するための図。 複数のレーダ装置を利用して対象物のイメージングを行う例について説明するための図。 複素領域合成が行われた結果及び画像領域合成が行われた結果の一例を示す図。 本実施形態において適用されるレーダ画像の合成手法の一例について説明するための図。 複素領域合成、画像領域合成及び画像結合を組み合わせたレーダ画像の合成の一例を示す図。
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。
本実施形態に係るレーダシステムは、対象物に対して送信(照射)されたレーダ信号の当該対象物からの反射波を利用して当該対象物が位置する方位や当該対象物までの距離を測定し、当該対象物のイメージングを行う(画像を生成する)ように構成されている。なお、このようなレーダシステムにおいて対象物に対して送信されるレーダ信号は、例えばミリ波(EHF:Extra High Frequency)のような電波である。
以下、レーダシステムの概要について簡単に説明する。まず、周波数変調を行うレーダ変調方式の一例として、FMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式について説明する。
FMCW方式によれば、図1に示すように時間の経過に応じて周波数が変化するような変調が行われたレーダ信号(送信波)が送信され、当該レーダ信号と当該レーダ信号の反射波に基づく反射波信号(受信波)とにおける周波数差(以下、ビート周波数と表記)に基づいて対象物までの距離が測定される。
具体的には、FMCW方式においては、レーダ信号と反射波信号とをミキシングすることにより中間周波数(IF:Intermediate Frequency)信号(以下、IF信号と表記)が取得される。このIF信号は、上記したビート周波数の時間波形(正弦波)に相当する。なお、ビート周波数をf、チャープレートと称されるレーダ信号の傾き(周波数の変化レート)をγ(Hz/s)、レーダ信号に対する反射波信号の遅延時間をτとすると、当該f、γ及びτにはf=γτのような関係がある。
上記したIF信号に対して例えば高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)が適用されると、当該IF信号が周波数領域表現に変換される。このFFTの結果においてはビート周波数fの位置にピークが立ち、当該ピークの位置に応じた距離(つまり、レーダ信号を反射した対象物までの距離)を得ることができる。
なお、図1に示すように直線的に周波数変調を行うFMCW方式は、特にLinear-FMCWと称される。
ここで、レーダシステムは送信アンテナ(送信素子)及び受信アンテナ(受信素子)を有するレーダ装置を備えるが、当該レーダ装置としては、MIMO(Multi-Input Multi-Output)レーダを利用することができる。MIMOレーダは、複数の送信アンテナ(送信アンテナアレイ)及び複数の受信アンテナ(受信アンテナアレイ)を有し、各送信アンテナが時分割でレーダ信号を送信し、当該レーダ信号の反射波に基づく反射波信号を複数の受信アンテナにおいて受信することで、少ないレーダ信号の送信回数(つまり、レーダ照射回数)で多くの反射波信号の受信(つまり、レーダ観測)を実現することができる。
具体的には、図2に示すように、MIMOレーダが例えば所定の空間方向に直線的に配列された2つの送信アンテナ1a及び1bと4つの受信アンテナ2a~2dとを有している場合を想定する。
この場合において例えば送信アンテナ1aからレーダ信号が送信されたものとすると、当該レーダ信号の反射波に基づく反射波信号が受信アンテナ2aにおいて受信される。ここでは受信アンテナ2aについて説明したが、送信アンテナ1aから送信されたレーダ信号の反射波に基づく反射波信号は、受信アンテナ2b~2dにおいても同様に受信される。
同様に、例えば送信アンテナ1bからレーダ信号が送信されたものとすると、当該レーダ信号の反射波に基づく反射波信号が受信アンテナ2aにおいて受信される。ここでは受信アンテナ2aについて説明したが、送信アンテナ1bから送信されたレーダ信号の反射波に基づく反射波信号は、受信アンテナ2b~2dにおいても同様に受信される。
すなわち、上記したMIMOレーダにおいては、送信アンテナ1aからレーダ信号が送信された場合には受信アンテナ2a~2dの各々においてレーダ観測が行われ、送信アンテナ1bからレーダ信号が送信された場合にも同様に受信アンテナ2a~2dにおいてレーダ観測が行われる。
これによれば、図2に示すような2つの送信アンテナ1a及び1bと4つの受信アンテナ2a~2dとを有するMIMOレーダは、送信アンテナ1a及び1bからそれぞれ1回ずつレーダ信号を照射するのみで、空間方向に配列された8つの観測点3a~3hを実現することができる。なお、例えば観測点3aは、送信アンテナ1aから送信されたレーダ信号の反射波に基づく反射波信号を受信アンテナ2aが受信することによって実現される観測点である。同様に、観測点3b~3dは、送信アンテナ1aから送信されたレーダ信号の反射波に基づく反射波信号を受信アンテナ2b~2dが受信することによって実現される観測点である。更に、観測点3eは、送信アンテナ1bから送信されたレーダ信号の反射波に基づく反射波信号を受信アンテナ2aが受信することによって実現される観測点である。同様に、観測点3f~3hは、送信アンテナ1bから送信されたレーダ信号の反射波に基づく反射波信号を受信アンテナ2b~2dが受信することによって実現される観測点である。すなわち、MIMOレーダにおいては、1つの送信アンテナと1つの受信アンテナとの組み合わせで1つの観測点が実現される。
このようなMIMOレーダによれば、観測点3a~3hの各々において観測されたIF信号(送信アンテナ1a及び1bから時分割で送信されるレーダ信号及び受信アンテナ2a~2dの各々によって受信された反射波信号に基づいて取得されるIF信号)を用いて対象物までの距離を測定することが可能となる。
ところで、本実施形態に係るレーダシステムにおいて対象物のイメージングを行うために上記したMIMOレーダを利用した場合には、各観測点において観測される反射波信号に時間差が生じるため、例えばレーダ信号処理により当該反射波信号の相関を計算することで対象物のイメージングにおける空間分解能を向上させることができる。
以下、対象物のイメージングにおける空間分解能について説明する。なお、上記したMIMOレーダにおいては複数の送信アンテナの各々と複数の受信アンテナの各々とを組み合わせることによって複数の観測点を実現することができ、当該複数の観測点の各々は、レーダシステムにおいてレーダ信号を送信し、当該レーダ信号の反射波に基づく反射波信号を受信する1つのアンテナ(送受信アンテナ)とみなすことができる。したがって、以下の説明においては、MIMOレーダにおいて実現される複数の観測点の各々を単にアンテナと称する場合がある。
レーダの方位分解能は、送信アンテナから送信(照射)される電波のビーム幅で決定される角度分解能で定義される。ここで、図3に示すように、ビーム幅とは、レーダシステムにおいて、ピーク値に対して反射波信号の電力が1/2となる幅(半値幅)である。また、角度分解能とは、方位方向において、ビーム幅により、2つ以上の対象物(目標)を分離して検知できる分解能である。
なお、レーダシステムにおいて達成される角度分解能は、アンテナ開口長に依存する。具体的には、アンテナ開口長を大きくするほどビーム幅が狭くなり(細いビームになり)、方位分解能が向上する。ここで、アンテナ開口長は、アンテナの開口面の大きさに相当する。
図4は、単一のアンテナ(観測点)で実現される角度分解能を表している。単一のアンテナでは、運用可能なアンテナの開口長に制限があり、高い方位分解能でイメージングを行うことができない。
一方、図5は、複数のアンテナで実現される角度分解能を表している。なお、複数のアンテナとは、例えばMIMOレーダの場合には上記した観測点が複数であることを意味している。この場合、異なる空間座標においてレーダ信号及び反射波信号を送受信し、信号処理により空間フィルタと各反射波信号(観測信号)間の相関を計算することによって、仮想的にアンテナの開口長を大きくすることで、方位分解能を向上することができる。
図3に示すように、本実施形態における空間分解能dは角度分解能θを距離(m)に換算したものを想定しており、当該空間分解能dは、アンテナ開口長だけでなく、レーダ信号の照射方向において、レーダ信号を反射する対象物の距離によって変化する。例えば、空間分解能dは、対象物との距離が遠くなるほど低下し、対象物の距離が近いほど向上する。
ところで、対象物のイメージングを行うレーダシステムにおいては、一般的に対象物との距離を設定した上で、所望の空間分解能を達成するために必要なアンテナ開口長と、イメージングを行う範囲(画角)とを決定する。このため、レーダシステムにおけるアンテナと対象物との距離が一定であるような場合には、当該対象物のイメージングにおいて所望の空間分解能を達成することができる。
しかしながら、イメージングの度に対象物までの距離(対象物とアンテナとの距離)が動的に変化するような環境で運用されるレーダシステムにおいては、対象物からの反射波信号を受信することが可能な範囲が変化するため、達成される空間分解能の変化、余剰な計算処理の発生及びイメージングの劣化等を招く。
ここで、図6を参照して、本実施形態において想定されるレーダシステムの適用例について簡単に説明する。本実施形態においてレーダシステム10は、例えば空港、駅、ショッピングモール、コンサートホール及び展示会場等の施設に設置されるセキュリティ検査システムに適用され得る。
図6に示すように、レーダシステム10は、上記したMIMOレーダに相当する複数の送信アンテナ1及び複数の受信アンテナ2を備えるレーダモジュール3を複数搭載する。複数のレーダモジュール3それぞれにおいては、例えば、複数の送信アンテナ1及び複数の受信アンテナ2が対応する位置に配置される(平行移動または回転)。あるいは、例えば、一のレーダモジュール3の複数の送信アンテナ1及び複数の受信アンテナ2の配置は、他のレーダモジュール3の複数の送信アンテナ1及び複数の受信アンテナ2を線対称または点対称に配置した場合と対応する。
レーダシステム10は、各レーダモジュール3に備えられる複数の送信アンテナ1の各々から送信されたレーダ信号の反射波に基づく反射波信号を複数の受信アンテナ2で受信することによって対象物のイメージングを行う。本実施形態においてレーダシステム10がセキュリティ検査システムに適用される場合、当該レーダシステム10においてイメージングが行われる対象物は、例えば施設を利用する人物または当該人物が所持する物品(携行品)である。
このようなレーダシステム10による人物または当該人物が所持する物品のイメージング結果は、当該人物が危険物を所持しているか否かを判定するために利用されることができる。
なお、セキュリティ検査システムに適用されるレーダシステム10においてイメージングが行われる対象物は、例えば施設内に設置されたベルトコンベアで運搬される荷物等であってもよい。
このようなレーダシステム10において対象物のイメージングを行う場合、当該対象物とレーダモジュール3との間の距離(対象物までの距離)が動的に変化することにより、当該対象物の適切なイメージングを行うことができない(つまり、設定された空間分解能を達成することができない)可能性がある。
ここで、図7及び図8を参照して、上記した対象物までの距離と空間分解能との関係性について説明する。ここでは、対象物が人物である場合を想定している。
図7は、アンテナ開口長を小さくする(例えば、MIMOレーダにおいて実現される観測点の数を少なくする)ことにより、近距離に存在する対象物10aに対して所望の空間分解能を達成するようにレーダシステム10(レーダモジュール3)が設計されている場合を想定している。このようなレーダシステム10においては、図7の左側に示すように対象物10aがレーダモジュール3の近距離に存在する場合には、所望の空間分解能を達成することができるが、対象物10a全体のイメージング(撮像)を行うことができない可能性がある。一方、図7の右側に示すように対象物10aがレーダモジュール3の遠距離に存在する場合には、対象物10a全体のイメージングを行うことは可能であるが、所望の空間分解能を達成することができない。
図8は、アンテナ開口長を大きくする(例えば、MIMOレーダにおいて実現される観測点の数を多くする)ことにより、遠距離に存在する対象物10aに対して所望の空間分解能を達成するようにレーダシステム10(レーダモジュール3)が設計されている場合を想定している。このようなレーダシステム10においては、図8の左側に示すように対象物10aがレーダモジュール3の遠距離に存在する場合には、所望の空間分解能を達成することができ、かつ、対象物10a全体のイメージングを行うことも可能である。一方、図8の右側に示すように対象物10aがレーダモジュール3の近距離に存在する場合には、空間分解能は過剰となるものの、所望の空間分解能を達成することができるとともに、対象物10a全体のイメージングを行うことも可能である。
上記した図7及び図8によれば、所望の空間分解能の達成及び対象物10a全体のイメージングという観点では、遠距離に存在する対象物10aに対して所望の空間分解能を達成する(つまり、アンテナ開口長を大きくする)ようにレーダシステム10を設計しておくことが好ましいと考えられる。しかしながら、アンテナ開口長を大きくした場合には、アンテナ開口長が小さい場合と比較して、例えばMIMOレーダにおいて実現されるより多くの観測点において観測された観測信号(反射波信号)に対するレーダ信号処理を実行する必要があるため、処理量(計算量)が多くなる。なお、アンテナ開口長が大きい場合には対象物10aまでの距離に応じて当該対象物10aのイメージングに寄与しない観測信号が観測される可能性があり、余剰な計算処理及びイメージングの劣化が生じることが懸念される。
そこで、本実施形態においては、対象物までの距離が動的に変化するような環境であっても適切なイメージングを行うことが可能な構成を有するレーダシステム10を提供する。
以下、図9を参照して、本実施形態に係るレーダシステム10の動作の概要について説明する。図9においては、対象物10a(例えば、人物)がレーダモジュール3に向かって移動する場合を想定している。
まず、対象物10aがレーダモジュール3から距離aの位置に存在する場合を想定する。この場合、対象物10aからのレーダ信号の反射波に基づく反射波信号は複数のアンテナの全てにおいて受信することができるため、レーダシステム10は、当該複数のアンテナの全てを協調動作させて対象物10aのイメージングを行うことにより、所望の空間分解能を達成することができる。
次に、対象物10aがレーダモジュール3から距離bの位置に存在する場合を想定する。ここで、対象物10aが移動する施設の床面から垂直方向から視認した対象物10aが略円筒形状を有しているものとすると、当該対象物10aの移動方向に対して右側の部分10bからの反射波に基づく反射波信号は、複数のアンテナのうちの第1グループ31aに属するアンテナ群において受信されるが、当該第1グループ31aに属するアンテナ群以外のアンテナでは受信されない。また、対象物10aの移動方向に対して左側の部分10cからの反射波に基づく反射波信号は、複数のアンテナのうちの第2グループ31bに属するアンテナ群において受信されるが、当該第2グループ31bに属するアンテナ群以外のアンテナでは受信されない。すなわち、対象物10aがレーダモジュール3から距離bの位置に存在する場合には、レーダモジュール3に備えられている複数のアンテナの全てを協調動作させたとしても、レーダシステム10において達成される空間分解能は、第1及び第2グループ31a及び31bの各々で反射波信号を受信することができる範囲(つまり、反射を拾える範囲)に制限され、余剰な計算処理及びイメージングの劣化が生じ得る。
更に、対象物10aがレーダモジュール3から距離cの位置に存在する場合を想定する。この場合、対象物10aの移動方向に対して右側の部分10dからの反射波に基づく反射波信号は、複数のアンテナのうちの第1グループ32aに属するアンテナで受信されるが、当該第1グループ32aに属するアンテナ以外のアンテナでは受信されない。また、対象物10aの移動方向に対して左側の部分10eからの反射波に基づく反射波信号は、複数のアンテナのうちの第2グループ32bに属するアンテナ群において受信されるが、当該第2グループ32bに属するアンテナ群以外のアンテナでは受信されない。また、対象物10aの移動方向に対応する部分10f(つまり、右側の部分10d及び左側の部分10e以外の部分)からの反射波に基づく反射波信号は、複数のアンテナのうちの第3グループ32cに属するアンテナ群において受信されるが、当該第3グループ32cに属するアンテナ群以外のアンテナでは受信されない。すなわち、対象物10aがレーダモジュール3から距離cの位置に存在する場合には、レーダモジュール3に備えられている複数のアンテナの全てを協調動作させたとしても、レーダシステム10において達成される空間分解能は、第1~第3グループ32a~32cの各々で反射波信号を受信することができる範囲(つまり、反射を拾える範囲)に制限され、余剰な計算処理及びイメージングの劣化が生じ得る。
ここでは対象物の形状が略円筒形状である場合について説明したが、当該対象物の形状が例えば平面形状であれば、反射波信号を受信することができる範囲は異なると考えられる。
このため、本実施形態に係るレーダシステム10は、余剰な計算処理及びイメージングの劣化を回避するために、対象物までの距離(対象物の位置)または/及び当該対象物の形状等(つまり、対象物)に応じて、レーダモジュール3が備える複数のアンテナをグループ化して協調動作させるように動作するものとする。
図10は、本実施形態に係るレーダシステム10の構成の一例を示す。図10に示すように、レーダシステム10は、レーダ装置11、センサ12及び処理部13を備える。
レーダ装置11は、レーダ信号を送信し、当該レーダ信号の反射波に基づく反射波信号を受信するように構成された複数のアンテナを備える。なお、レーダ装置11が例えば上記したMIMOレーダである場合には、当該レーダ装置11に備えられる複数のアンテナは、当該MIMOレーダにおける複数の送信アンテナの各々と複数の受信アンテナの各々との組み合わせによって実現される複数の観測点であってもよい。また、レーダ装置11は、例えば上記した図6において説明したような複数のアンテナ(アンテナ素子)を備えるレーダモジュールを複数搭載し、当該複数のレーダモジュール3を同期して動作させるように構成されていてもよい。更に、図10においては1つのレーダ装置11のみが示されているが、当該レーダ装置11は、複数のレーダ装置から構成されていてもよい。
センサ12は、対象物までの距離または/及び当該対象物の形状等を計測(検知)するように構成されている。センサ12は、例えば測距センサ及びカメラ等を含む。
処理部13は、上記した対象物(対象物までの距離または/及び当該対象物の形状)に応じてレーダ装置11に備えられる複数のアンテナを駆動し、当該対象物のイメージングを行う。なお、処理部13は、例えばIC(Integrated Circuit)のようなハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェア(CPUまたはマイクロコントローラのようなプロセッサが所定のプログラムを実行すること)によって実現されてもよいし、ハードウェア及びソフトウェアの組み合わせによって実現されてもよい。
処理部13は、モード決定部131、レーダ駆動部132、グルーピング部133、イメージング部134及びレーダ画像出力部135を含む。
モード決定部131は、センサ12による計測結果(つまり、センサ12によって計測された対象物)に基づいて、レーダ装置11(に備えられる複数のアンテナ)を駆動するモードを決定する。
レーダ駆動部132は、モード決定部131によって決定されたモードでレーダ装置11を駆動する。この場合、レーダ駆動部132は、モード決定部131によって決定されたモードに従ってレーダ装置11に備えられる複数のアンテナの各々が属するグループを設定し、当該設定されたグループに属するアンテナ群を協調動作させる。レーダ駆動部132は、レーダ装置11(複数のアンテナ)を駆動することによって、当該複数のアンテナの各々において受信された複数の反射波信号(観測信号)をレーダ装置11から取得する。
グルーピング部133は、レーダ駆動部132によって設定されたグループに基づいて、当該レーダ駆動部132によって取得された複数の反射波信号をグルーピングする。
イメージング部134は、グルーピング部133によってグルーピングされた反射波信号に基づいて、対象物のイメージングを行う。
レーダ画像出力部135は、イメージング部134によるイメージングの結果(つまり、対象物を含むレーダ画像)を出力する。
なお、図10においてはレーダ装置11とセンサ12とが別々に示されているが、当該センサ12はレーダ装置11に組み込まれていてもよい。
また、レーダシステム10において、レーダ装置11、センサ12及び処理部13は、1つの装置として構成されていてもよい。一方、レーダ装置11、センサ12及び処理部13は、それぞれ別個の装置として構成されていてもよい。この場合、処理部13(処理装置)は、レーダ装置11及びセンサ12とは遠隔に配置され、当該レーダ装置11及びセンサ12とネットワークを介して通信可能に接続される構成であってもよい。
以下、図11のフローチャートを参照して、レーダシステム10の処理手順の一例について説明する。
対象物のイメージングを行う場合、レーダシステム10に備えられるセンサ12は、例えば当該対象物までの距離を計測する(ステップS1)。なお、ここではセンサ12がレーダ装置11と一体に構成されており、当該センサ12によって計測される距離は、対象物とレーダ装置11に備えられる複数のアンテナとの間の距離(つまり、レーダ装置11から対象物までの距離)に相当する。また、対象物の形状(つまり、対象物が例えば人物であること等)は予め把握されているものとする。
ステップS1の処理が実行されると、レーダシステム10に備えられる処理部13は、当該ステップS1において計測された距離(のデータ)をセンサ12から取得する。処理部13に含まれるモード決定部131は、処理部13によって取得された距離に基づいて、レーダ装置11を駆動するモードを決定する(ステップS2)。
次に、レーダ駆動部132は、ステップS2において決定されたモードに従って、レーダ装置11に備えられる複数のアンテナの各々が属するグループを設定する(ステップS3)。
ステップS3の処理が実行されると、レーダ駆動部132は、当該ステップS3において設定されたグループに属するアンテナ群を協調動作させるように、レーダ装置11を駆動する。
以下、ステップS2~S4の処理について、上記した図9を参照して具体的に説明する。
まず、ステップS1において計測された距離が図9に示す距離aである場合を想定する。この場合、ステップS2においては、レーダ装置11を駆動するモードとして第1モードが決定される。次に、ステップS3においては、図9に示すように複数のアンテナの全てを1つのグループとして設定する。この場合、ステップS4においては、複数のアンテナの全てを協調動作させるように、レーダ装置11が駆動される。
次に、ステップS1において計測された距離が図9に示す距離bである場合を想定する。この場合、ステップS2においては、レーダ装置11を駆動するモードとして第2モードが決定される。次に、ステップS3においては、図9に示す第1及び第2グループ31a及び31bが設定される。第1グループ31aには、対象物10aまでの距離等に基づいて選択された複数のアンテナのうちの第1アンテナ群が属する。第2グループ31bには、対象物10aまでの距離等に基づいて選択された複数のアンテナのうちの第2アンテナ群が属する。この場合、ステップS4においては、第1アンテナ群を第1グループ31aとして協調動作させ、第2アンテナ群を第2グループ31bとして協調動作させるように、レーダ装置11が駆動される。
更に、ステップS1において計測された距離が図9に示す距離cである場合を想定する。この場合、ステップS2においては、レーダ装置11を駆動モードとして第3モードが決定される。次に、ステップS3においては、図9に示す第1~第3グループ32a~32cが設定される。第1グループ32aには、対象物10aまでの距離等に基づいて選択された複数のアンテナのうちの第1アンテナ群が属する。第2グループ32bには、対象物10aまでの距離等に基づいて選択された複数のアンテナのうちの第2アンテナ群が属する。第3グループ32cには、対象物10aまでの距離等に基づいて選択された複数のアンテナのうちの第3アンテナ群が属する。この場合、ステップS4においては、第1アンテナ群を第1グループ32aとして協調動作させ、第2アンテナ群を第2グループ32bとして協調動作させ、第3アンテナ群を第3グループ32cとして動作させるように、レーダ装置11が駆動される。距離aは距離bより大きく、距離bは距離cより大きい。すなわち、対象物10aまでの距離が第1所定値以上である場合には第1モードが選択され、対象物10aまでの距離が第1所定値未満で第2所定値以上である場合には第2モードが選択され、対象物10aまでの距離が第2所定値以下である場合には第3モードが選択される。第1所定値は第2所定値より大きい値であり、第1所定値と第2所定値はレーダシステム10において実現される空間分解能に基づいて定められる。
なお、上記したステップS2において第2または第3モードが決定された場合、ステップS3においては、少なくとも一部のアンテナが異なるようにグループが設定されるものとする。換言すれば、図9に示すグループ31a及び31bのように、当該グループ31a及び31b(に属するアンテナ群)の間で一部のアンテナが重複していてもよい。また、図9に示すグループ32a~32cのように、当該グループ32a~32c(に属するアンテナ群)の間でアンテナが重複していなくてもよい。
また、第2または第3モードが決定された場合に設定される複数のグループ(の各々に属するアンテナ群)は、例えば対象物からの反射波に基づく反射波信号を受信することができる範囲(反射を拾える範囲)に基づいて設定されるものとする。この場合、対象物からの反射波に基づく反射波信号を受信することができる範囲は対象物の形状に応じて異なると考えられるため、第2または第3モードが決定された場合に設定される複数のグループ(の各々に属するアンテナ群)は、対象物の形状に基づいて設定されてもよい。ここでは対象物の形状が既知である(予め把握されている)ものとして説明しているが、当該対象物の形状が既知でない場合、複数のグループは、センサ12によって計測された対象物の形状に基づいて設定されても構わない。
なお、例えばセンサ12によって計測された結果(対象物までの距離または/及び対象物の形状)と当該計測結果に基づいて決定されるモード(例えば、第1~第3モード)との対応関係を示す情報(以下、モード情報と表記)は、例えばモード決定部131(に割り当てられているメモリ領域)に予め記憶されていてもよい。このような構成によれば、モード決定部131は、ステップS1において計測された結果及びモード情報に基づいてレーダ装置11を駆動するモードを決定することができる。
また、例えば決定されたモードと当該モードに従って設定されるグループ(に属するアンテナ群)との対応関係を示す情報(以下、グループ情報と表記)は、例えばレーダ駆動部132(に割り当てられ李ているメモリ領域)に予め記憶されていてもよい。このような構成によれば、レーダ駆動部132は、ステップS2において決定されたモード及びグループ情報に基づいてグループを設定することができる。
上記したようにステップS4においてレーダ装置11が駆動された場合、レーダ駆動部132は、当該レーダ装置11に備えられる複数のアンテナにおいて受信された複数の反射波信号(観測信号)を当該レーダ装置11から取得する。グルーピング部133は、レーダ駆動部132によって取得された複数の反射波信号を、レーダ装置11によって設定されたグループに基づいてグルーピングする(ステップS5)。具体的には、グルーピング部133は、レーダ駆動部132によって設定されたグループ毎に、当該グループに属するアンテナ群において受信された反射波信号をグルーピングする処理を実行する。
ステップS5の処理が実行されると、イメージング部134は、当該ステップS5においてグルーピングされた反射波信号(つまり、レーダ駆動部132によって設定されたグループ)毎に、イメージング(協調動作イメージング)を行う(ステップS6)。
なお、ステップS6においては、グルーピングされた反射波信号と空間フィルタとの相関(反射波信号間の空間相関)を計算するレーダ信号処理が実行される。レーダ信号処理には、合成開口レーダ(SAR:Synthetic Aperture Radar)に基づく信号処理が含まれる。なお、SARは、例えば低分解能の小開口アンテナを移動させながら複数回観測を行い、当該観測結果を合成することにより仮想的に大開口アンテナで観測したような高分解能イメージングを実現する信号処理技術である。SARにおいては、各観測点とターゲット間の相対距離を揃えて反射波信号を合成することで高分解能化を実現することができる。
ここではSARに基づく信号処理について簡単に説明したが、レーダ信号処理は、到来方向推定のためのビームフォーミングに基づく信号処理等であってもよい。
上記したレーダ信号処理が実行されると、イメージング部134は、対象物を含むレーダ画像(複素数)を生成することができる。
ステップS6の処理が実行されると、レーダ画像出力部135は、当該ステップS6の処理が実行されることによってグループ毎に生成されたレーダ画像を出力する(ステップS7)。この場合、レーダ画像出力部135は、グループ毎に生成されたレーダ画像を更にイメージング(つまり、合成)した結果を出力してもよい。なお、レーダ画像出力部135によって出力されたレーダ画像は、例えばレーダシステム10が備えるディスプレイ等に表示されてもよいし、当該レーダシステム10の外部のサーバ装置等に送信されてもよい。
なお、本実施形態に係るレーダシステム10が上記したセキュリティ検査システムに適用される場合、当該レーダシステム10から出力されるレーダ画像は、例えば検査の対象となる人物(対象者)が危険物を隠し持っているか否かを判定するために利用されることができる。この場合、危険物とは、上記した対象物の一例であり、例えばレーダシステム10(セキュリティ検査システム)が設置されている施設(エリア)において所持を許可されていない物体を含む。危険物の具体例としては、例えば拳銃、ナイフ等の金属や、爆薬等の粉体が挙げられる。また、危険物は、麻薬等の粉体や延べ棒等の不正持ち込み品であってもよい。
上記した人物が危険物を隠し持っているか否かは、当該レーダ画像を参照したオペレータが判定してもよいし、当該レーダ画像に対して画像解析を実施することによって自動的に判定されてもよい。人物が危険物を隠し持っているか否かを自動的に判定する場合、当該判定処理は、例えばレーダシステム10内で実行されてもよいし、当該レーダシステム10の外部のサーバ装置等で実行されてもよい。
また、レーダシステム10(レーダ画像出力部135)から出力されるレーダ画像は、上記したように人物が危険物を隠し持っているか否かの判定結果が反映された画像(例えば、危険物を強調表示するような画像)であってもよい。
なお、上記した図11の処理は、対象物が移動する度に実行される。これによれば、対象物までの距離に応じて第例えば第1~第3モードを切り替えるような構成を実現することが可能となる。
上記したように本実施形態に係るレーダシステム10は、レーダ信号を送信し、当該レーダ信号の反射波に基づく反射波信号を受信するように構成された複数のアンテナと、対象物(例えば、対象物までの距離)に応じて複数のアンテナ(を備えるレーダ装置11)を第1及び第2モードで駆動する処理部13とを備える。
本実施形態において、処理部13は、複数のアンテナを第1モードで駆動する場合、当該複数のアンテナを協調動作させ、当該複数のアンテナにおいて受信された反射波信号に基づいて対象物のイメージング(協調動作イメージング)を行う。
また、本実施形態において、処理部13は、複数のアンテナを第2モードで駆動する場合、当該複数のアンテナのうちの第1アンテナ群を第1グループとして協調動作させ、当該第1アンテナ群において受信された反射波信号に基づいて対象物のイメージング(協調動作イメージング)を行う。更に、処理部13は、複数のアンテナのうちの第2アンテナ群を第2グループとして協調動作させ、当該第2アンテナ群において受信された反射波信号に基づいて対象物のイメージング(協調動作イメージング)を行う。なお、上記した第2アンテナ群は、第1アンテナ群と少なくとも一部のアンテナが異なる。
なお、ここでは対象物に応じて複数のアンテナを第1及び第2モードで駆動するものとして説明したが、本実施形態における処理部13は、対象物と複数のアンテナ(を備えるレーダ装置11)との距離が予め定められた値未満である場合に、複数のアンテナのうちの第1アンテナ群を第1グループとして協調動作させ、当該第1アンテナ群において受信された反射波信号に基づいて大砲物のイメージングを行い、複数のアンテナのうちの第2アンテナ群を第2グループとして協調動作させ、当該第2アンテナ群において受信された反射波信号に基づいて対象物のイメージングを行うように動作してもよい。
本実施形態においては、上記した構成により、対象物までの距離が動的に変化するような環境であっても所望の空間分解能を達成し、対象物の適切なイメージングを行うことが可能となる。
ここで、例えばレーダモジュール(複数のアンテナ)から2mの位置に対象物が存在する場合において、上記した第1モードでレーダ装置11を駆動する(つまり、複数のアンテナの全てを協調動作させる)ことによって4mmの空間分解能を達成することができるように当該レーダ装置11が設計されている場合を想定する。
この場合においてレーダモジュールから1mの位置に対象物が移動したものとすると、上記した第2モードでレーダ装置11を駆動することによって、例えば図9に示す第1グループ31aに属するアンテナ群を協調動作させ、第2グループ31bに属するアンテナ群を協調動作させる。これによれば、協調動作させるアンテナの数(アンテナ開口長)が概ね半減するものの、対象物までの距離も同様に半減しているため、結果としてグループ毎に行われるイメージングにおいて4mmの空間分解能を達成することができる。
更に、複数のアンテナから0.66mの位置に対象物が移動したものとすると、上記した第3モードでレーダ装置11を駆動することによって、例えば図9に示す第1グループ32aに属するアンテナ群を協調動作させ、第2グループ32bに属するアンテナ群を協調動作させ、第3グループ32cに属するアンテナ群を協調動作させる。これによれば、協調動作させるアンテナの数(アンテナ開口長)が1/3になるが、対象物までの距離も概ね1/3となっているため、結果としてグループ毎に行われるイメージングにおいて4mmの空間分解能を達成することができる。
すなわち、本実施形態においては、例えば対象物までの距離(つまり、対象物の位置)に応じて協調動作イメージングを行うアンテナ群を動的に選択することにより、所定の空間分解能を達成することができる。
更に、本実施形態においては、対象物のイメージングに寄与しない反射波信号が受信されない(つまり、対象物からの反射波に基づく反射波信号を受信することができる)範囲で複数のアンテナをグループ化する構成であるため、余剰な計算処理及びイメージングの劣化を回避することが可能である。
なお、本実施形態においては対象物に応じて複数のアンテナを第1及び第2モードで駆動する構成であるが、本実施形態において複数のアンテナを駆動するモードは、上記した対象物までの距離(対象物の位置)に応じて決定されてもよいし、対象物の形状(対象物の種類)に応じて決定されてもよい。また、複数のアンテナを駆動するモードは、対象物までの距離及び対象物の形状の両方に応じて決定されてもよい。すなわち、本実施形態においては、例えば対象物までの距離(対象物と複数のアンテナとの距離)及び対象物の形状の少なくとも一方に応じて第1及び第2モード(または第1~第3モード)を切り替えることができる。なお、対象物までの距離及び対象物の形状は、センサ12(測距センサまたはカメラ等)により計測されるものとする。
更に、本実施形態における複数のアンテナを駆動するモードは、対象物のイメージングに対して指定された空間分解能(つまり、当該対象物に対する空間分解能)に応じて決定されてもよい。この場合、指定された空間分解能を達成することができるような複数のアンテナに対するグループ化が行われればよい。なお、指定される空間分解能は、単一の値であってもよいし、数段階の範囲のうちの1つであってもよい。
また、本実施形態において、レーダ装置11は、複数のレーダモジュールを搭載し、複数のアンテナのうちの一部が第1レーダモジュールに備えられ、当該複数のアンテナのうちの他部が当該第1レーダモジュールと離間して配置された第2レーダモジュールに備えられるように構成されていてもよい。この場合、例えば第1レーダモジュールに備えられるアンテナ群を第1グループ、第2レーダモジュールに備えられるアンテナ群を第2グループとしてもよい。なお、レーダ装置11は、単一のレーダモジュールのみを搭載する構成であってもよい。
また、レーダ装置11は、複数のレーダ装置(例えば、第1及び第2レーダ装置)であってもよい。この場合、例えば第1レーダ装置に備えられる複数のアンテナ(アンテナ群))を第1グループ、第2レーダ装置に備えられる複数のアンテナ(アンテナ群)を第2グループとしてもよい。
また、本実施形態に係るレーダシステム10は、対象物に応じて少なくとも第1及び第2モードでレーダ装置11(複数のアンテナ)を駆動するように構成されていればよいが、例えば図9において説明したように第1~第3モードでレーダ装置11を駆動するように構成されていてもよいし、4つ以上のモードでレーダ装置11を駆動するように構成されていてもよい。
ところで、上記したように本実施形態においては、グループ毎に生成されたレーダ画像に対して更にイメージング(つまり、レーダ画像の合成)を行う構成であってもよい。このようなイメージング手法(合成手法)には、複素領域合成(複素領域の協調動作イメージング)、画像領域合成(画像領域の協調動作イメージング)及び画像結合がある。
複素領域合成は、複数のレーダ画像(複素数)を入力とし、複素領域で合成した結果を出力するイメージング手法である。複素領域合成によれば、レーダ画像の更なる高分解能化が期待できる。
画像領域合成は、複数のレーダ画像(複素数)を入力とし、各絶対値(振幅)を計算した後、振幅領域で合成した結果を出力するイメージング手法である。画像領域合成においては、複素同士で合成しないため、例えば対象物までの距離が短い(対象物が近い)ような場合であってもイメージングの劣化が発生せず、画像のSN比が向上する(つまり、雑音を抑制することができる)。また、画像領域合成は、複素領域合成よりも計算量を削減することができる。
画像結合は、複数のレーダ画像(複素数)を入力とし、各絶対値(振幅)を計算した後、空間的に連続となるように画像を結合するイメージング手法である。
ここで、高分解能化のためのレーダ信号処理であるBP(Back-Projection)法の計算量を削減するために、複数の観測信号(反射波信号)を受信した際に対象物のイメージングに大きく寄与する信号(寄与データ)のみを抽出し、当該寄与データと参照データ(整合フィルタ)との畳み込み処理を実行することでレーダ画像(対象物のレーダイメージ)を生成する構成(以下、本実施形態の比較例と表記)を考える。
本実施形態の比較例においては、全観測信号の中から対象物のイメージングに重要なアンテナのみを動的に選択し、複素領域での空間相関を計算する。これによれば、対象物との距離が変動する場合であっても計算量を削減しながら対象物のイメージングが可能となると考えられる。
しかしながら、本実施形態の比較例においてMIMOレーダのような送受別のアンテナシステム(つまり、送信アンテナと受信アンテナとを別々に備える構成)を採用した場合には、レーダ波である球面波が十分に平面波近似できない条件において、寄与度が高くても画像の質が劣化するまたは所望の分解能を達成することができない場合がある。これは、上記したセキュリティ検査システム(ミリ波セキュリティ)のように対象物までの距離が非常に近い環境(近傍界)において頻発する。
ここで、図12に示すような送信アンテナ1a及び1bと受信アンテナ2a~2zとからなるMIMOレーダ配置が採用された本実施形態の比較例について説明する。このような本実施形態の比較例においては、図13に示すように対象物までの距離が十分大きい(対象物が十分遠方にある)場合、送信アンテナ1aがレーダ信号を照射することによって得られる観測信号1及び送信アンテナ1bがレーダ信号を照射することによって得られる観測信号2に対してレーダ信号処理が実行されることによってから対象物の好適な撮像結果を得ることができるとともに、当該撮像結果において所望の空間分解能を達成することができる。
次に、図14を参照して、上記したように対象物までの距離が非常に近い環境において本実施形態の比較例を適用した場合の空間分解能について説明する。
この場合、図14においては対象物からの反射成分として上記した寄与度が高い(相関値の高い)観測信号1及び2が示されているが、当該図14によれば、上記したように球面波を十分に平面波近似できないため、当該観測信号1に対してレーダ信号処理が実行されることによって生成されるレーダ画像1と当該観測信号2に対してレーダ信号処理が実行されることによって生成されるレーダ画像2とを合成したとしても対象物像が複数に割れてしまい、対象物を正しく撮像することができない。
一方、対象物までの距離が非常に近い環境において本実施形態を適用した場合には、第1グループ(送信アンテナ1a及び受信アンテナ2a~2mのグループ)において受信された観測信号1に対してレーダ信号処理を実行する(複素領域で各観測信号の空間相関を計算する)ことによって生成されたレーダ画像1(つまり、観測信号1のみでのイメージング)と、第2グループ(送信アンテナ1b及び受信アンテナ2n~2zのグループ)において受信された観測信号2に対してレーダ信号処理を実行する(複素領域で各観測信号の空間相関を計算する)ことによって生成されたレーダ画像2(つまり、観測信号2のみでのイメージング)とにおいては、所望の空間分解能を達成することができる。本実施形態においては、このように生成されたレーダ画像1及び2に対して複素領域合成または画像領域合成(または画像結合)を行うことで、計算量を削減しながらイメージングの劣化を回避することができる。なお、図15においては、レーダ画像1及び2に対して画像領域合成が行われる場合を想定している。
また、本実施形態は、図16に示すように、複数のレーダ装置(MIMOレーダ)を利用して対象物のイメージングを行う場合に適用されてもよい。図16においては、例えば第1レーダ装置(第1MIMOレーダ)11aに備えられる送信アンテナ1a及び1bと受信アンテナ2a~2zを第1グループ、第2レーダ装置(第2MIMOレーダ)11bに備えられる送信アンテナ1a´及び1b´と受信アンテナ2a´~2z´を第2グループとする。また、図16においては、3つの対象物a~cが存在する場合を想定している。
この場合、図17に示すように、第1レーダ装置11aで観測を行うことにより第1グループにおいて受信された観測信号1に対してレーダ信号処理が実行されることによって生成されたレーダ画像1(イメージング結果1)と、第2レーダ装置11bで観測を行うことにより第2グループにおいて受信された観測信号2に対してレーダ信号処理が実行されることによって生成されたレーダ画像(イメージング結果2)とを合成する(つまり、グループ間で協調動作イメージングを行う)ものとする。
なお、この場合における協調動作イメージングとしては、例えば上記した複素領域合成または画像領域合成を選択することができる。
ここで、上記したように3つの対象物a~cが存在する場合、第1及び第2グループにおいてレーダ信号処理が実行されることによって生成された第1及び第2レーダ画像においては、当該第1及び第2グループの各々から遠い位置に存在する対象物を適切にイメージングすることができていない。すなわち、レーダ画像1においては対象物cが消失しており、レーダ画像2においては対象物aが消失している。
このような第1及び第2レーダ画像に対して複素領域合成が行われた場合、空間分解能が向上するという効果を得ることができる。また、複素領域合成の結果においては、消失した対象物が現れるため、死角低減効果を得ることも可能である。
一方、第1及び第2レーダ画像に対して画像領域合成が行われた場合には、雑音レベルを低減するという効果を得ることができる。また、画像領域合成の結果においては、消失した対象物が現れるため、死角低減効果を得ることも可能である。
すなわち、上記した図16及び図17に示す3つの対象物a~cのイメージングを行うために第1及び第2レーダ画像を合成する場合には、複素領域合成及び画像領域合成のいずれが採用されても構わない。
ここで、図18を参照して、上記した図9において説明したように対象物10a(例えば、人物)がレーダモジュール3に向かって移動するような環境でレーダシステム10が運用される場合に適用されるレーダ画像の合成手法の一例について説明する。
図18に示すように、例えば対象物(人物)10aがレーダモジュール3から距離aの位置に存在する場合には、レーダモジュール3に備えられる複数のアンテナ(の全て)を1つグループとして協調動作させ、各アンテナ間の観測信号について複素領域にて空間相関を計算することによってレーダ画像が生成される。
一方、例えば対象物(人物)10aがレーダモジュール3から距離bの位置に存在する場合には、レーダモジュール3に備えられる複数のアンテナのうちの第1及び第2アンテナ群を第1グループ31a及び31bとして協調動作させる。これによれば、第1グループ31aにおける各アンテナ間の観測信号について複素領域にて空間相関を計算することによって第1レーダ画像が生成される。また、第2グループ31bにおける各アンテナ間の観測信号について複素領域にて空間相関を計算することによって第2レーダ画像が生成される。このように生成された第1及び第2レーダ画像を合成する場合には、当該第1及び第2レーダ画像に対して例えば画像領域合成を適用する(画像領域の協調動作イメージングが行われる)ことによって合成レーダ画像を生成することができる。
更に、例えば対象物(人物)10aがレーダモジュール3から距離cの位置に存在する場合には、レーダモジュール3に備えられる複数のアンテナのうちの第1~第3アンテナを第1~第3グループ32a~32cとして協調動作させる。これによれば、第1グループ32aにおける各アンテナ間の観測信号について複素領域にて空間相関を計算することによって第1レーダ画像が生成される。また、第2グループ32bにおける各アンテナ間の観測信号について複素領域にて空間相関を計算することによって第2レーダ画像が生成される。更に、第3グループ32cにおける各アンテナ間の観測信号について複素領域にて空間相関を計算することによって第3レーダ画像が生成される。このように生成された第1~第3レーダ画像を合成する場合には、当該第1~第3レーダ画像に対して例えば画像領域合成を適用する(画像領域の協調動作イメージングが行われる)ことによって合成レーダ画像を生成することができる。
なお、ここでは複数のレーダ画像に対して画像領域合成が適用される(複数のグループ間において画像領域の協調動作イメージングが行われる)ものとして説明したが、本実施形態は、例えば対象物(対象物までの距離、対象物の形状または対象物に対する空間分解能等)に応じて選択された複素領域合成、画像領域合成または画像結合を適用する構成であればよい。
すなわち、本実施形態においては、上記したように複数のグループの各々において受信された観測信号(反射波信号)に対してレーダ信号処理が実行されることによって生成された複数のレーダ画像に対して複素領域合成、画像領域合成または画像結合を適用することによって、より精度の高い合成レーダ画像を得ることが可能となる。
なお、本実施形態においては、合成レーダ画像を得るために、上記した複素領域合成、画像領域合成及び画像結合を組み合わせても構わない。
図19は、本実施形態において適用され得る複素領域合成、画像領域合成及び画像結合の組み合わせの一例を示す。図19においては、レーダモジュール301~304(を備えるレーダ装置11)を利用して対象物のイメージングを行う場合を想定している。
図19に示す例では、レーダモジュール301に備えられる複数のアンテナを1つのグループとして協調動作させ、当該複数のアンテナにおいて受信された観測信号(反射波信号)に対してレーダ信号処理を実行することによって、レーダ画像Aが生成されている。
また、レーダモジュール302に備えられる複数のアンテナを2つのグループに分け、当該2つのグループ(の各々に属するアンテナ群)の各々において受信された観測信号(反射波信号)に対してレーダ信号処理を実行することによって2つのレーダ画像を生成し、当該2つのレーダ画像に対して複素領域合成を更に行うことによって、レーダ画像Bが生成されている。
更に、レーダモジュール303に備えられる複数のアンテナを2つのグループに分け、当該2つのグループ(の各々に属するアンテナ群)の各々において受信された観測信号(反射波信号)に対してレーダ信号処理を実行することによって2つのレーダ画像を生成し、当該2つのレーダ画像に対して画像領域合成を行うことによって、レーダ画像Cが生成されている。
また、レーダモジュール304に備えられる複数のアンテナを2つのグループに分け、当該2つのグループ(の各々に属するアンテナ群)の各々において受信された観測信号(反射波信号)に対してレーダ信号処理を実行することによって2つのレーダ画像を生成し、当該2つのレーダ画像に対して画像結合を行うことによって、レーダ画像Dが生成されている。
また、図19に示す例では、上記したレーダ画像A及びBに対して更に複素領域合成を行うことによって、レーダ画像ABが生成されることが示されている。また、上記したレーダ画像C及びDに対して更に画像領域合成を行うことによって、レーダ画像CDが生成されることが示されている。
本実施形態においては、1つの画像が得られるまで、図19に示すような複数の合成処理(複素領域合成、画像領域合成及び画像結合)を繰り返し行うような構成とすることも可能である。
なお、ここではグループ毎にアンテナ群を協調動作させることによって生成された複数のレーダ画像を合成する構成について説明したが、本実施形態に係るレーダシステム10は少なくとも対象物に応じてレーダ装置11が備える複数のアンテナを第1及び第2モードで駆動する(つまり、高分解能化イメージングに利用する複数のアンテナをグループに分ける)構成であればよく、レーダ画像の合成処理については必ずしも本実施形態に係るレーダシステム10において行われる必要はない(つまり、レーダシステム10の外部装置等で行われてもよい)。
また、本実施形態においてはレーダ装置11として複数の送信アンテナ及び複数の受信アンテナを備えるMIMOレーダが用いられるものとして説明したが、当該レーダ装置11は、例えばレーダ信号を送信し、かつ、当該レーダ信号の反射波に基づく反射波信号を受信することが可能な送受信アンテナが複数配置されるような構成であっても構わない。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
前述した実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
[1]
レーダ信号を送信し、当該レーダ信号の反射波に基づく反射波信号を受信するように構成された複数のアンテナと、
対象物に応じて前記複数のアンテナを第1及び第2モードで駆動する処理部と
を具備し、
前記処理部は、
前記複数のアンテナを前記第1モードで駆動する場合、前記複数のアンテナを協調動作させ、当該複数のアンテナにおいて受信された反射波信号に基づいて対象物のイメージングを行い、
前記複数のアンテナを前記第2モードで駆動する場合、前記複数のアンテナのうちの第1アンテナ群を第1グループとして協調動作させ、当該第1アンテナ群において受信された反射波信号に基づいて前記対象物のイメージングを行い、前記複数のアンテナのうちの第2アンテナ群を第2グループとして協調動作させ、当該第2アンテナ群において受信された反射波信号に基づいて前記対象物のイメージングを行い、
前記第2アンテナ群は、前記第1アンテナ群と少なくとも一部のアンテナが異なる
レーダシステム。
[2]
前記複数のアンテナのうちの一部は、第1レーダモジュールに備えられ、
前記複数のアンテナのうちの他部は、前記第1レーダモジュールとは離間して配置された第2レーダモジュールに備えられる
[1]記載のレーダシステム。
[3]
前記複数のアンテナのうちの一部は、第1レーダ装置に備えられ、
前記複数のアンテナのうちの他部は、前記第1レーダ装置とは異なる第2レーダ装置に備えられる
[1]記載のレーダシステム。
[4]
前記処理部は、前記第1アンテナ群において受信された反射波信号に基づく前記対象物のイメージング結果及び前記第2アンテナ群において受信された反射波信号に基づく前記対象物のイメージング結果に基づいて更にイメージングを行う[1]~[3]のいずれか一項に記載のレーダシステム。
[5]
前記処理部は、前記複数のアンテナを第3モードで駆動する場合、前記第1アンテナ群において受信された反射波信号に基づいて前記対象物のイメージングを行い、前記第2アンテナ群において受信された反射波信号に基づいて前記対象物のイメージングを行うとともに、前記複数のアンテナのうちの第3アンテナ群を第3グループとして協調動作させ、当該第3アンテナ群において受信された反射波信号に基づいて前記対象物のイメージングを行い、
前記第3アンテナ群は、前記第1及び第2アンテナ群と少なくとも一部のアンテナが異なる
[1]~[4]のいずれか一項に記載のレーダシステム。
[6]
前記第1及び第2モードは、前記対象物と前記複数のアンテナとの間の距離または前記対象物の形状に応じて切り替えられる[1]~[5]のいずれか一項に記載のレーダシステム。
[7]
前記対象物と前記複数のアンテナとの間の距離または前記対象物の形状を計測するセンサを更に具備する[6]記載のレーダシステム。
[8]
前記処理部は、前記計測結果と当該計測結果に基づいて決定されるモードとの対応関係を示すモード情報に基づいて前記第1及び第2モードを切り替える[7]記載のレーダシステム。
[9]
前記対象物と前記複数のアンテナとの間の距離が第1所定値以上である場合に前記第1モードが選択され、
前記対象物と前記複数のアンテナとの間の距離が前記第1所定値未満で第2所定値以上である場合には前記第2モードが選択され、
前記対象物と前記複数のアンテナとの間の距離が前記第2所定値未満である場合には前記第3モードが選択され、
前記第1所定値は、前記第2所定値より大きい値であり、
前記第1及び第2所定値は、前記レーダシステムにおいて実現される空間分解能に基づいて定められる
[5]記載のレーダシステム。
[10]
レーダ信号を送信し、当該レーダ信号の反射波に基づく反射波信号を受信するように構成された複数のアンテナと、
対象物と前記複数のアンテナとの距離が予め定められた値未満である場合に、前記複数のアンテナのうちの第1アンテナ群を第1グループとして協調動作させ、当該第1アンテナ群において受信された反射波信号に基づいて前記対象物のイメージングを行い、前記複数のアンテナのうちの第2アンテナ群を第2グループとして協調動作させ、当該第2アンテナ群において受信された反射波信号に基づいて前記対象物のイメージングを行う処理部と
を具備し、
前記第2アンテナ群は、前記第1アンテナ群と少なくとも一部のアンテナが異なる
レーダシステム。
10…レーダシステム、11…レーダ装置、12…センサ、13…処理部、131…モード決定部、132…レーダ駆動部、133…グルーピング部、134…イメージング部、135…レーダ画像出力部。

Claims (10)

  1. レーダ信号を送信し、当該レーダ信号の反射波に基づく反射波信号を受信するように構成された複数のアンテナと、
    対象物に応じて前記複数のアンテナを第1及び第2モードで駆動する処理部と
    を具備し、
    前記処理部は、
    前記複数のアンテナを前記第1モードで駆動する場合、前記複数のアンテナを協調動作させ、当該複数のアンテナにおいて受信された反射波信号に基づいて対象物のイメージングを行い、
    前記複数のアンテナを前記第2モードで駆動する場合、前記複数のアンテナのうちの第1アンテナ群を第1グループとして協調動作させ、当該第1アンテナ群において受信された反射波信号に基づいて前記対象物のイメージングを行い、前記複数のアンテナのうちの第2アンテナ群を第2グループとして協調動作させ、当該第2アンテナ群において受信された反射波信号に基づいて前記対象物のイメージングを行い、
    前記第2アンテナ群は、前記第1アンテナ群と少なくとも一部のアンテナが異なる
    レーダシステム。
  2. 前記複数のアンテナのうちの一部は、第1レーダモジュールに備えられ、
    前記複数のアンテナのうちの他部は、前記第1レーダモジュールとは離間して配置された第2レーダモジュールに備えられる
    請求項1記載のレーダシステム。
  3. 前記複数のアンテナのうちの一部は、第1レーダ装置に備えられ、
    前記複数のアンテナのうちの他部は、前記第1レーダ装置とは異なる第2レーダ装置に備えられる
    請求項1記載のレーダシステム。
  4. 前記処理部は、前記第1アンテナ群において受信された反射波信号に基づく前記対象物のイメージング結果及び前記第2アンテナ群において受信された反射波信号に基づく前記対象物のイメージング結果に基づいて更にイメージングを行う請求項1記載のレーダシステム。
  5. 前記処理部は、前記複数のアンテナを第3モードで駆動する場合、前記第1アンテナ群において受信された反射波信号に基づいて前記対象物のイメージングを行い、前記第2アンテナ群において受信された反射波信号に基づいて前記対象物のイメージングを行うとともに、前記複数のアンテナのうちの第3アンテナ群を第3グループとして協調動作させ、当該第3アンテナ群において受信された反射波信号に基づいて前記対象物のイメージングを行い、
    前記第3アンテナ群は、前記第1及び第2アンテナ群と少なくとも一部のアンテナが異なる
    請求項1記載のレーダシステム。
  6. 前記第1及び第2モードは、前記対象物と前記複数のアンテナとの間の距離または前記対象物の形状に応じて切り替えられる請求項1記載のレーダシステム。
  7. 前記対象物と前記複数のアンテナとの間の距離または前記対象物の形状を計測するセンサを更に具備する請求項6記載のレーダシステム。
  8. 前記処理部は、前記計測結果と当該計測結果に基づいて決定されるモードとの対応関係を示すモード情報に基づいて前記第1及び第2モードを切り替える請求項7記載のレーダシステム。
  9. 前記対象物と前記複数のアンテナとの間の距離が第1所定値以上である場合に前記第1モードが選択され、
    前記対象物と前記複数のアンテナとの間の距離が前記第1所定値未満で第2所定値以上である場合には前記第2モードが選択され、
    前記対象物と前記複数のアンテナとの間の距離が前記第2所定値未満である場合には前記第3モードが選択され、
    前記第1所定値は、前記第2所定値より大きい値であり、
    前記第1及び第2所定値は、前記レーダシステムにおいて実現される空間分解能に基づいて定められる
    請求項5記載のレーダシステム。
  10. レーダ信号を送信し、当該レーダ信号の反射波に基づく反射波信号を受信するように構成された複数のアンテナと、
    対象物と前記複数のアンテナとの距離が予め定められた値未満である場合に、前記複数のアンテナのうちの第1アンテナ群を第1グループとして協調動作させ、当該第1アンテナ群において受信された反射波信号に基づいて前記対象物のイメージングを行い、前記複数のアンテナのうちの第2アンテナ群を第2グループとして協調動作させ、当該第2アンテナ群において受信された反射波信号に基づいて前記対象物のイメージングを行う処理部と
    を具備し、
    前記第2アンテナ群は、前記第1アンテナ群と少なくとも一部のアンテナが異なる
    レーダシステム。
JP2023000237A 2023-01-04 2023-01-04 レーダシステム Pending JP2024096619A (ja)

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