JP2024095039A - 油圧駆動装置および油圧駆動装置の制御方法 - Google Patents

油圧駆動装置および油圧駆動装置の制御方法

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JP2024095039A JP2022212038A JP2022212038A JP2024095039A JP 2024095039 A JP2024095039 A JP 2024095039A JP 2022212038 A JP2022212038 A JP 2022212038A JP 2022212038 A JP2022212038 A JP 2022212038A JP 2024095039 A JP2024095039 A JP 2024095039A
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聡太朗 山口
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三菱重工業株式会社
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Abstract

【課題】油圧シリンダの作動油室に供給される圧力の範囲を拡大する。
【解決手段】第1作動油室121および第2作動油室122を有する油圧シリンダ120と、第1作動油室121に連通する第1油室131と第1ガス室132とが区画された第1アキュムレータ130と、第2作動油室122に連通する第2油室141と第2ガス室142とが区画された第2アキュムレータ140と、油供給部110を制御する制御部160と、を備え、制御部160は、第1作動油室121と第2作動油室122との差圧を漸次増加させる際に、第1ガス室132の容積が第1所定容積未満である場合、第1所定容積以上となるまでは第1作動油室121の第1圧力を減少させ、第1ガス室132の容積が第1所定容積以上である場合、第2ガス室142の容積が第2所定容積以下となるまでは、第2作動油室122の第2圧力を増加させる油圧駆動装置100を提供する。
【選択図】図2

Description

本開示は、油圧駆動装置および油圧駆動装置の制御方法に関する。
竪型ミル等の粉砕機は、回転自在に支持された粉砕ローラを動力で回転する粉砕テーブルに対して押し付けることで、供給されたバイオマスペレットや石炭等の原料を粉砕するように構成されている(例えば特許文献1)。特許文献1に開示される粉砕機は、油圧シリンダへ供給される作動油の配管にガスが封入されたブラダを内蔵するアキュムレータを配置し、油圧の脈動を抑制している。
特開昭62-38254号公報
粉砕機は、ボイラへ供給される固体燃料の粉砕を行っている。ボイラに供給される燃料の量は、ボイラに要求される負荷により概ね100%~15%の範囲で変動する。一方、従来の粉砕機の運転可能範囲は100%~30%程度である。これは、粉砕機に供給される固体燃料の量に応じて、粉砕ローラを粉砕テーブルに押し付ける駆動力を変化させる必要があるのに対して、駆動力を発生する油圧シリンダに供給される作動油の圧力の範囲を制限する必要があるためである。
油圧シリンダに供給される作動油は非圧縮性であるため、油圧シリンダが変位すると瞬間的に高圧力が発生するハンマー現象が発生してしまう。このハンマー現象による油圧の脈動を抑制するために、圧縮性流体であるガス(例えば、窒素ガス)が封入されたブラダを内蔵するアキュムレータが用いられる。
アキュムレータが内蔵するブラダに封入されるガスの容積は、作動油の圧力の変化に応じて変化する。作動油の圧力が低下してブラダの容積が大きくなりすぎると、作動油をアキュムレータに導く弁にブラダが接触し、また、作動油の圧力が増加してブラダの容積が小さくなりすぎると、ブラダへガスを導く弁にブラダが接触し、ブラダが損傷する可能性がある。そこで、ブラダが損傷しないように、油圧シリンダに供給される作動油の圧力の範囲を制限している。ボイラに供給される燃料の量が過度に少ない場合には、この油圧の範囲の制限により、作動油の圧力の範囲の下限値よりも更に圧力を低くすることができず、例えば、複数台運転している粉砕機の一部を停止させ、粉砕機1台当たりに供給される燃料の量を増加させる必要があった。
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであって、油圧シリンダの作動油室に供給される圧力の範囲を拡大することが可能な油圧駆動装置および油圧駆動装置の制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本開示の油圧駆動装置および油圧駆動装置の制御方法は、以下の手段を採用する。
本開示の一態様にかかる油圧駆動装置は、作動油を供給する第1供給系統と前記作動油を供給する第2供給系統とを有する油供給部と、前記第1供給系統から前記作動油が供給される第1作動油室および前記第2供給系統から前記作動油が供給される第2作動油室を形成するピストンを有し、前記第1作動油室に供給された前記作動油の第1圧力と前記第2作動油室に供給された前記作動油の第2圧力との差圧により前記ピストンを駆動する油圧シリンダと、前記第1作動油室に連通する第1油室と第1ガスが封入された第1ガス室とが第1隔壁により区画された第1アキュムレータと、前記第2作動油室に連通する第2油室と第2ガスが封入された第2ガス室とが第2隔壁により区画された第2アキュムレータと、前記油供給部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記差圧を漸次増加させる際に、前記第1ガス室の容積が第1所定容積未満である場合、前記第1ガス室の容積が前記第1所定容積以上となるまでは、前記第1作動油室の前記第1圧力を減少させることにより前記差圧を増加させるよう前記油供給部を制御し、前記第1ガス室の容積が第1所定容積以上である場合、前記第2ガス室の容積が第2所定容積以下となるまでは、前記第2作動油室の前記第2圧力を増加させることにより前記差圧を増加させるよう前記油供給部を制御する。
また、本開示の一態様にかかる油圧駆動装置の制御方法において、前記油圧駆動装置は、作動油を供給する第1供給系統と前記作動油を供給する第2供給系統とを有する油供給部と、前記第1供給系統から前記作動油が供給される第1作動油室および前記第2供給系統から前記作動油が供給される第2作動油室を形成するピストンを有し、前記第1作動油室に供給された前記作動油の第1圧力と前記第2作動油室に供給された前記作動油の第2圧力との差圧により前記ピストンを駆動する油圧シリンダと、前記第1作動油室に連通する第1油室と第1ガスが封入された第1ガス室とが第1隔壁により区画された第1アキュムレータと、前記第2作動油室に連通する第2油室と第2ガスが封入された第2ガス室とが第2隔壁により区画された第2アキュムレータと、を備え、前記差圧を漸次増加させる際に、前記第1ガス室の容積が第1所定容積未満である場合、前記第1ガス室の容積が前記第1所定容積以上となるまでは、前記第1作動油室の前記第1圧力を減少させることにより前記差圧を増加させるよう前記油供給部を制御する第1加圧工程と、前記差圧を漸次増加させる際に、前記第1ガス室の容積が第1所定容積以上である場合、前記第2ガス室の容積が第2所定容積以下となるまでは、前記第2作動油室の前記第2圧力を増加させることにより前記差圧を増加させるよう前記油供給部を制御する第2加圧工程と、を備える。
本開示によれば、油圧シリンダの作動油室に供給される圧力の範囲を拡大することが可能な油圧駆動装置および油圧駆動装置の制御方法を提供することができる。
本開示の第1実施形態にかかる粉砕機を示す縦断面図である。 本開示の第1実施形態にかかる油圧駆動装置を示す構成図であり、第1作動油室と第2作動油室の差圧が切替圧力に到達した状態を示す。 本開示の第1実施形態にかかる油圧駆動装置の制御方法を示すフローチャートである。 本開示の第1実施形態にかかる油圧駆動装置を示す構成図であり、第1作動油室を第1初期圧力とし、第2作動油室を第2初期圧力とした状態を示す。 本開示の第1実施形態にかかる油圧駆動装置を示す構成図であり、第1作動油室と第2作動油室の差圧が上限圧力に到達した状態を示す。 本開示の第1実施形態の変形例にかかる油圧駆動装置を示す構成図であり、第1作動油室と第2作動油室の差圧が切替圧力に到達した状態を示す。 本開示の第2実施形態にかかる油圧駆動装置を示す構成図である。 本開示の第3実施形態にかかる油圧駆動装置を示す構成図である。 本開示の第4実施形態にかかる油圧駆動装置を示す構成図である。
〔第1実施形態〕
以下、本開示の第1実施形態にかかる油圧駆動装置100および油圧駆動装置100の制御方法について、図面を参照して説明する。本開示の油圧駆動装置100は、発電プラント(図示略)のボイラ(図示略)へ微粉燃料を供給するミル(粉砕機)10に用いられる装置である。図1は、本開示の第1実施形態にかかるミル10を示す縦断面図である。
ミル10は、ハウジング11と、粉砕テーブル12と、粉砕ローラ13と、減速機14と、減速機14に接続され粉砕テーブル12を回転駆動させるミルモータ15と、回転式分級機16と、給炭管17と、回転式分級機16を回転駆動させる分級機モータ18とを備える。
ハウジング11は、上下方向に延びた軸線Chを中心軸線とする筒状の筐体であり、粉砕テーブル12と粉砕ローラ13と回転式分級機16と、給炭管17とを収容する筐体である。ハウジング11の周壁には開口部11aが形成されており、開口部11aの近傍に粉砕ローラ13や、粉砕ローラ13を支持するジャーナルヘッド45が設置されている。粉砕ローラ13等が設置された状態において、開口部11aは、ハウジング11と共にミル10の外壁をなすローラカバー70によって覆われている。
ハウジング11の天井部42の中央部には、給炭管17が取り付けられている。この給炭管17は、給炭機(図示略)を介して導かれた固体燃料をハウジング11内に供給するものであり、ハウジング11の中心位置に上下方向に沿って配置され、下端部がハウジング11内部まで延設されている。
ハウジング11の底面部41付近には減速機14が設置され、この減速機14に接続されたミルモータ15から伝達される駆動力により軸線Chの周りに回転する粉砕テーブル12が回転自在に配置されている。
粉砕テーブル12は、平面視円形の部材であり、給炭管17の下端部が対向するように配置されている。給炭管17は、固体燃料(本実施形態では例えば石炭やバイオマス燃料)を上方から下方の粉砕テーブル12に向けて供給する。粉砕テーブル12は供給された固体燃料を粉砕ローラ13との間に挟み込んで粉砕する。
固体燃料が給炭管17から粉砕テーブル12の中央部へ向けて投入されると、粉砕テーブル12の回転による遠心力によって、固体燃料は粉砕テーブル12の外周側へと導かれ、粉砕テーブル12と粉砕ローラ13との間に挟み込まれて粉砕される。粉砕された固体燃料は、搬送用ガス流路(図示略)から導かれ、吹出口12bから吹き出された搬送用ガス(以下、「一次空気」という。)によって上方へと吹き上げられ、回転式分級機16へと導かれる。
粉砕テーブル12の外周面とハウジング11の内周面との間には、ハウジング11の下部へ流入する一次空気を、ハウジング11内の粉砕テーブル12の上方の空間に流出させる吹出口12bが設けられている。吹出口12bの出口に位置する粉砕テーブル12の外周側には旋回羽根12aが設置されており、吹出口12bから上方に向かって吹き出した一次空気に旋回力を与える。
旋回羽根12aにより旋回力が与えられた一次空気は、旋回する速度成分を有する気流となって、粉砕テーブル12上で粉砕された固体燃料を、ハウジング11内の上方にある回転式分級機16へと搬送する。なお、粉砕された固体燃料のうち、所定粒径より大きいものは回転式分級機16により分級されて、または、回転式分級機16まで到達することなく落下して、粉砕テーブル12上に戻されて、粉砕テーブル12と粉砕ローラ13との間で再度粉砕される。
粉砕ローラ13は、給炭管17から粉砕テーブル12上に供給された固体燃料を粉砕する回転体である。粉砕ローラ13は、粉砕テーブル12の上面に押圧されて粉砕テーブル12と協働して固体燃料を粉砕する。図1では、粉砕ローラ13が代表して1つのみ示されているが、粉砕テーブル12の上面を押圧するように、周方向に一定の間隔を空けて、複数の粉砕ローラ13が配置される。
例えば、外周部上に120°の角度間隔を空けて、3つの粉砕ローラ13が周方向に均等な間隔で配置される。この場合、3つの粉砕ローラ13が粉砕テーブル12の上面と接する部分(押圧する部分)は、粉砕テーブル12の回転中心軸からの距離が等距離となる。また、3つの開口部11aが周方向に均等な間隔でハウジング11に形成される。
粉砕ローラ13は、支持アーム47及び支持軸48を有するジャーナルヘッド45によって支持されている。ジャーナルヘッド45に支持された粉砕ローラ13は、水平方向に延びた支持軸48を中心にジャーナルヘッド45が回動することで、上下に揺動・変位可能となっており、粉砕テーブル12の上面に対して接近離間することができる。
粉砕ローラ13は、外周面が粉砕テーブル12の上面の固体燃料に接触した状態で、粉砕テーブル12が回転すると、粉砕テーブル12から回転力を受けて連れ回りするようになっている。給炭管17から固体燃料が供給されると、粉砕ローラ13と粉砕テーブル12との間で固体燃料が押圧されて粉砕される。この押圧する力を、粉砕荷重と言う。
ジャーナルヘッド45の支持アーム47の上端部(少なくとも支持軸48よりも上方の部分)には、荷重負荷装置60の中間ピストン61が接触している。荷重負荷装置60は、粉砕ローラ13を粉砕テーブル12に押し付けるように、支持アーム47に荷重(粉砕荷重)を付与する装置であり、ローラカバー70に固定されている。
荷重負荷装置60は、支持アーム47の上端部に対して軸線Cfに沿った粉砕荷重を付与する装置である。荷重負荷装置60は、中間ピストン61及びピストンハウジング62を有しており、油圧シリンダ120で発生した作動力が、中間ピストン61を介して、油圧シリンダ120のピストン123から支持アーム47の上端部に伝達されるように構成されている。中間ピストン61は、ピストンハウジング62に収容されるとともに軸線Cfの方向に沿ってスライド可能となっている。
ジャーナルヘッド45の支持アーム47の下端部(少なくとも支持軸48よりも下方の部分)には、ギャップボルト80が接触している。ギャップボルト80は、粉砕テーブル12の上面に固体燃料がない状態において粉砕ローラ13が粉砕テーブル12と接触しないように、粉砕ローラ13と粉砕テーブル12との間に隙間を与える装置であり、ローラカバー70に固定されている。隙間の寸法は、ギャップボルト80の突出量によって決定される。
減速機14は、ミルモータ15に接続されており、ミルモータ15の駆動力を粉砕テーブル12に伝達し、粉砕テーブル12を中心軸回りに回転させる。
回転式分級機16は、ハウジング11の上部に設けられ中空状の逆円錐状の外形を有している。回転式分級機16は、その外周位置に上下方向に延在する複数のブレードを備えている。各ブレードは、回転式分級機16の中心軸線周りに所定の間隔(均等間隔)で設けられている。回転式分級機16は、粉砕テーブル12と粉砕ローラ13により粉砕された固体燃料(以降、粉砕された固体燃料を「粉砕燃料」という。)を、所定粒径(例えば、石炭では70~100μm)より大きいもの(以降、所定粒径を超える粉砕燃料を「粗粉燃料」という。)と、所定粒径以下のもの(以降、所定粒径以下の粉砕燃料を「微粉燃料」という。)に分級する。
回転式分級機16は、分級機モータ18により回転駆動力を与えられ、ハウジング11の上下方向に延在する円筒軸(図示略)を中心に給炭管17の周りを回転する。本実施形態では、回転式分級機16を用いるものとしたが、固定された中空状の逆円錐形状のケーシングと、そのケーシングの外周位置に複数の固定旋回羽根とを備えた固定式分級機を用いてもよい。
回転式分級機16に到達した粉砕燃料は、ブレードの回転により生じる遠心力と、一次空気の気流による向心力との相対的なバランスにより、大きな径の粗粉燃料は、ブレードによって叩き落とされ、粉砕テーブル12へと戻されて再粉砕され、微粉燃料はハウジング11の天井部42にある出口ポート19に導かれる。回転式分級機16によって分級された微粉燃料は、一次空気とともに出口ポート19から微粉燃料供給流路(図示略)へ排出され、ボイラのバーナへ供給される。
給炭管17は、ハウジング11の天井部42を貫通するように上下方向に沿って下端部がハウジング11内部まで延設されて取り付けられ、給炭管17の上部から投入される固体燃料を粉砕テーブル12の中央部に供給する。給炭管17の上端には、給炭機(図示略)が接続されており、固体燃料が供給される。
次に、図2を参照して、本実施形態の油圧駆動装置100について説明する。図2は、本開示の第1実施形態にかかる油圧駆動装置100を示す構成図であり、第1作動油室121と第2作動油室122の差圧が、後述する切替圧力に到達した状態を示す。本実施形態の油圧駆動装置100は、荷重負荷装置60の中間ピストン61を介して粉砕ローラ13の支持アーム47に荷重を付与する装置である。
図2に示すように、油圧駆動装置100は、油供給部110と、油圧シリンダ120と、第1アキュムレータ130と、第2アキュムレータ140と、圧力センサ150と、制御部160と、を備える。
油供給部110は、油圧シリンダ120の第1作動油室121および第2作動油室122へ作動油を供給する装置である。油供給部110は、油ポンプ111と、逆止弁112と、第1電磁弁113と、第2電磁弁114と、油タンク115と、油供給路116aと、油供給路(第1供給系統)116bと、油供給路117aと、油供給路(第2供給系統)117bと、油排出路118と、油排出路119と、を備える。
油ポンプ111は、油タンク115から作動油を汲み上げて、油供給路116aおよび油供給路117aへ吐出する。油ポンプ111から吐出された作動油は、逆止弁112を経由して第1電磁弁113および第2電磁弁114に流入する。なお、逆止弁112の存在により、油ポンプ111から第1電磁弁113および第2電磁弁114に供給された作動油は、油ポンプ111に戻ることはない。
制御部160からの指示により油ポンプ111の動作が開始すると、作動油が第1電磁弁113および第2電磁弁114に供給される。第1電磁弁113は、制御部160の指示により、油ポンプ111から供給される作動油を、油供給路116bを経由して油圧シリンダ120の第1作動油室121へ供給するか、油排出路118を経由して油タンク115へ戻すかを切り替えることができる。第2電磁弁114は、制御部160の指示により、油ポンプ111から供給される作動油を、油供給路117bを経由して油圧シリンダ120の第2作動油室122へ供給するか、油排出路119を経由して油タンク115へ戻すかを切り替えることができる。
油圧シリンダ120は、油供給部110から供給される作動油の圧力により、荷重負荷装置60の中間ピストン61を駆動する駆動力を発生する装置である。油圧シリンダ120は、油供給路116bから作動油が供給される第1作動油室121、および、油供給路117bから作動油が供給される第2作動油室122を形成するピストン123を有する。即ち、第1作動油室121と第2作動油室122は、ピストン123のヘッド123aにより区画されている。
油圧シリンダ120は、第1作動油室121に供給された作動油の第1圧力P1と、第2作動油室122に供給された作動油の第2圧力P2との差圧により、ピストン123を駆動する。ピストン123から荷重負荷装置60に伝達される駆動力は第2圧力P2から第1圧力P1を減算した圧力に応じた力となる。
第1アキュムレータ130は、第1作動油室121の油圧を一定に維持するための装置である。第1アキュムレータ130は、第1作動油室121に連通する第1油室131と窒素ガス等の不活性ガス(第1ガス)が封入された第1ガス室132とがゴム製のブラダ(第1隔壁)133により区画された装置である。
第1アキュムレータ130は、ピストン123の移動により第1作動油室121の容積が減少する際は、第1作動油室121から第1油室131に作動油を流入させ、ピストン123の移動により第1作動油室121の容積が増加する際は、第1油室131から第1作動油室121に作動油を流出させる。第1アキュムレータ130は、ブラダ133が接触することにより第1油室131と第1作動油室121との間の作動油の流通を遮断するポペット弁134を有する。
第2アキュムレータ140は、第2作動油室122の油圧を一定に維持するための装置である。第2アキュムレータ140は、第2作動油室122に連通する第2油室141と窒素ガス等の不活性ガス(第1ガス)が封入された第2ガス室142とがゴム製のブラダ(第2隔壁)143により区画された装置である。
第2アキュムレータ140は、ピストン123の移動により第2作動油室122の容積が減少する際は、第2作動油室122から第2油室141に作動油を流入させ、ピストン123の移動により第2作動油室122の容積が増加する際は、第2油室141から第2作動油室122に作動油を流出させる。第2アキュムレータ140は、ブラダ143が接触することにより第2油室141と第2作動油室122との間の作動油の流通を遮断するポペット弁144を有する。
油供給部110から油圧シリンダ120に作動油が供給されない場合、第1作動油室121および第2作動油室122は、大気圧に維持される。この場合、第1アキュムレータ130の第1ガス室132の容積が最大となり、かつ第1油室131の容積が略ゼロとなる。また、第2アキュムレータ140の第2ガス室142の容積が最大となり、かつ第2油室141の容積が略ゼロとなる。
そして、第1作動油室121および第2作動油室122が大気圧に維持される状態で、第1ガス室132に第1ガスが封入され、第2ガス室142に第2ガスが封入される。第2ガス室142の第2ガスの圧力は、第1ガス室132の第1ガスの圧力よりも高くなるように設定される(例えば、3倍程度)。
圧力センサ150は、油供給路116bを流通する作動油の第1圧力P1と油供給路117bを流通する作動油の第2圧力P2との差圧(P2-P1)を検出するセンサである。圧力センサ150は、検出した作動油の圧力を制御部160に伝達する。
制御部160は、油供給部110を含む油圧駆動装置100の各部を制御する装置である。制御部160は、例えば、記憶部(図示略)に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより油圧駆動装置100の各部を制御する。
次に、本開示の第1実施形態にかかる油圧駆動装置100の制御方法について、図面を参照して説明する。図3は、本開示の第1実施形態にかかる油圧駆動装置の制御方法を示すフローチャートである。制御部160がプログラムを読み出して実行することにより、図3に示す各処理が行われる。図3に示す処理は、給炭管17からミル10に供給される固体燃料の供給量が漸次増加し、それに伴って油圧シリンダ120の第1作動油室121と第2作動油室122との差圧を漸次増加させる場合に実行される処理である。
ステップS101で、制御部160は、油圧シリンダ120が発生する駆動力を漸次増加させるのに先立って、第1作動油室121を第1初期圧力に設定するよう油供給部110を制御する。
ステップS102で、制御部160は、油圧シリンダ120が発生する駆動力を漸次増加させるのに先立って、第2作動油室122を第2初期圧力に設定するよう油供給部110を制御する。
ステップS101で第1作動油室121が第1初期圧力に設定され、ステップS102で第2作動油室122が第2初期圧力に設定されると、図4に示す状態となる。図4は、本開示の第1実施形態にかかる油圧駆動装置100を示す構成図であり、第1作動油室121を第1初期圧力とし、第2作動油室122を第2初期圧力とした状態を示す。
第2初期圧力は、例えば、第2ガス室142の容積が、所定の上限容積(例えば、第2アキュムレータ140の全容積の0.9倍)より第2作動油室122の最大容積分(ピストン123のストローク容積分)だけ小さい容積となる圧力に、第1アキュムレータ130の圧力の下限値を加えた価に設定するのが好ましい。これは、ピストン123の強制変位により、第2油室141から第2作動油室122へ作動油が流出しても、第2アキュムレータ140の第2ガス室142の容積が所定の上限容積以上まで膨張して、ブラダ143が損傷することを防止するためである。
第1初期圧力は、例えば、第2作動油室122の第2初期圧力と同じか、それよりも僅かに低い値に設定するのが好ましい。また、第1作動油室121が第1初期圧力に設定される場合に、第1ガス室132の容積が第1アキュムレータ130の全容積の0.25倍以上となるように第1ガスが第1ガス室132に封入されるものとする。
これは、第1作動油室121が第1初期圧力である場合に、ピストン123の強制変位により、第1作動油室121から第1油室131へ作動油が流入しても、第1アキュムレータ130の第1ガス室132の容積が所定の下限容積(例えば、第1アキュムレータ130の全容積の0.25倍)以下まで収縮して、ブラダ133が損傷することを防止するためである。
ステップS103で、制御部160は、第2作動油室122の第2圧力P2から第1作動油室121の第1圧力P1を減算した差圧を漸次増加させるため、第1作動油室121の第1圧力P1の減少を開始するよう油供給部110を制御する。第1作動油室121の第1圧力P1が減少するのに伴って第1ガス室132の容積が増加する。ステップS103において、制御部160は、第2作動油室122の第2圧力P2が変化しないように油供給部110を制御する。
ステップS104で、制御部160は、圧力センサ150が検出する第1作動油室121と第2作動油室122の差圧が切替圧力(例えば、1.5MPa)以上であるかどうかを判定し、YESであればステップS105に処理を進め、NOであればステップS104の判定を繰り返す。ここで、切替圧力は、第1ガス室132の容積が第1所定容積以上となる第1作動油室121の圧力である。第1作動油室121と第2作動油室122の差圧が切替圧力に到達すると、図2に示す状態となる。
第1所定容積は、例えば、第1ガス室132の容積が、所定の上限容積(例えば、第1アキュムレータ130の全容積の0.9倍)より第1作動油室121の最大容積分(ピストン123のストローク容積分)だけ小さい容積に設定するのが好ましい。これは、ピストン123の強制変位により、第1油室131から第1作動油室121へ作動油が流出しても、第1アキュムレータ130の第1ガス室132の容積が所定の上限容積以上まで膨張して、ブラダ133が損傷することを防止するためである。
本開示の第1実施形態の変形例として、第1所定容積は、第1作動油室121の第1圧力P1が大気圧である場合の第1ガス室132の容積に設定してもよい。この場合、ステップS104で、第1作動油室121と第2作動油室122の差圧が切替圧力に到達すると、図6に示す状態となる。図6は、本開示の第1実施形態の変形例にかかる油圧駆動装置100を示す構成図であり、第1作動油室121と第2作動油室122の差圧が切替圧力に到達した状態を示す。
図6に示すように、第1作動油室121と第2作動油室122の差圧が切替圧力に到達すると、第1作動油室121に作動油が存在しない状態となり第1作動油室121が大気圧状態となる。第1アキュムレータ130のブラダ133が第1アキュムレータ130の最大容積と略一致するまで膨張する。ブラダ133とポペット弁134が接触するが、第1作動油室121に非圧縮流体である作動油が存在しないため、作動油の脈動によるブラダ133とポペット弁134との摩擦による損傷は発生しない。
そして、第1作動油室121の第1圧力P1が大気圧となるまで第1ガス室132の容積を増加させることにより、第1作動油室121と第2作動油室122との差圧の最大値を高めて、油圧シリンダ120が発生する推力の変化範囲、即ちミル10のターンダウンをより広い範囲に拡大することができる。
ステップS104で、制御部160は、第2圧力P2から第1圧力P1を減算した差圧が切替圧力未満(即ち、第1ガス室132の容積が第1所定容積未満)である場合、第2圧力P2から第1圧力P1を減算した差圧が切替圧力以上(即ち、第1ガス室132の容積が第1所定容積以上)となるまでは、第2圧力P2から第1圧力P1を減算した差圧を増加させるよう、第1作動油室121の第1圧力P1を減少させる。
第2圧力P2から第1圧力P1を減算した差圧が切替圧力以上になると、ステップS105で、制御部160は、第1作動油室121の第1圧力P1の減少を停止するよう油供給部110を制御する。
ステップS106で、制御部160は、第2作動油室122の第2圧力P2から第1作動油室121の第1圧力P1を減算した差圧を漸次増加させるため、第2作動油室122の第2圧力P2の増加を開始するよう油供給部110を制御する。第2作動油室122の第2圧力P2が増加するのに伴って第2ガス室142の容積が減少する。この際、制御部160は、第1作動油室121の第1圧力P1が変化しないように油供給部110を制御する。
ステップS107で、制御部160は、圧力センサ150が検出する第1作動油室121と第2作動油室122の差圧が上限圧力(例えば、6.7MPa)以上であるかどうかを判定し、YESであればステップS108に処理を進め、NOであればステップS107の判定を繰り返す。ここで、上限圧力は、第2ガス室142の容積が第2所定容積以下となる第2作動油室122の圧力である。第1作動油室121と第2作動油室122の差圧が上限圧力に到達すると、図5に示す状態となる。図5は、本開示の第1実施形態にかかる油圧駆動装置100を示す構成図であり、第1作動油室121と第2作動油室122の差圧が上限圧力に到達した状態を示す。
第2所定容積は、例えば、第2ガス室142の容積が、所定の下限容積(例えば、第2アキュムレータ140の全容積の0.25倍)より第2作動油室122の最大容積分(ピストン123のストローク容積分)だけ大きい容積に設定するのが好ましい。これは、ピストン123の強制変位により、第2作動油室122から第2油室141へ作動油が流入しても、第2アキュムレータ140の第2ガス室142の容積が所定の下限容積未満まで縮小してブラダ143が損傷することを防止するためである。
ステップS107で、制御部160は、第2圧力P2から第1圧力P1を減算した差圧が上限圧力未満(即ち、第2ガス室142の容積が第2所定容積より大きい)である場合、第2圧力P2から第1圧力P1を減算した差圧が上限圧力以上(即ち、第2ガス室142の容積が第2所定容積以下)となるまでは、第2圧力P2から第1圧力P1を減算した差圧を増加させるよう、第2作動油室122の第2圧力P2を増加させる。
第2圧力P2から第1圧力P1を減算した差圧が上限圧力以上になると、ステップS108で、制御部160は、第2作動油室122の第2圧力P2の増加を停止するよう油供給部110を制御し、本フローチャートの処理を終了させる。
以上で説明した図3の処理は、給炭管17からミル10に供給される固体燃料の供給量が漸次増加し、それに伴って第2作動油室122の第2圧力P2から第1作動油室121の第1圧力P1を減算した差圧を漸次増加させる場合に実行される処理であった。給炭管17からミル10に供給される固体燃料の供給量が漸次減少し、それに伴って第2作動油室122の第2圧力P2から第1作動油室121の第1圧力P1を減算した差圧を漸次減少させる場合に実行される処理は、以上で説明した処理の逆となる。
具体的には、制御部160は、図5に示す状態から第2作動油室122の第2圧力P2を漸次減少させて第2ガス室142の容積を所定の上限容積(例えば、第2アキュムレータ140の全容積の0.9倍)まで増加させ、図2に示す状態とする。この上限容積は、ブラダ143がポペット弁144に接触しないように設定される。
その後、制御部160は、図2に示す状態から第1作動油室121の第1圧力P1を漸次増加させて第1ガス室132の容積を所定の下限容積(例えば、第1アキュムレータ130の全容積の0.25倍)まで減少させ、図4に示す状態とする。この下限容積は、ブラダ133が過度に収縮して損傷することのないように設定される。以上により、第2作動油室122の第2圧力P2から第1作動油室121の第1圧力P1を減算した差圧を2段階で降下させることができる。
以上で説明した本実施形態の作用および効果について説明する。
本実施形態の油圧駆動装置100によれば、油圧シリンダ120のピストン123を駆動する第1作動油室121と第2作動油室122との差圧を漸次増加させる際に、第1ガス室132の容積が第1所定容積未満である場合、第1ガス室132の容積が第1所定容積以上となるまでは、第1作動油室121の第1圧力P1を減少させて差圧を増加させる。また、第1ガス室132の容積が第1所定容積以上である場合、第2ガス室142の容積が第2所定容積以下となるまでは、第2作動油室122の第2圧力P2を増加させて差圧を増加させる。
このように、本実施形態の油圧駆動装置100によれば、第1作動油室121の第1圧力P1の減少による差圧の増加と、第2作動油室122の第2圧力P2の増加による差圧の増加との2段階で差圧を増加させることにより、第2作動油室122の第2圧力P2の増加のみでピストン123を駆動する場合に比べ、油圧シリンダ120に供給される作動油の圧力の範囲を拡大することができる。
また、本実施形態の油圧駆動装置100によれば、第1作動油室121および第2作動油室122が大気圧に維持される場合に、第1ガス室132に封入される第1ガスの圧力よりも第2ガス室142に封入される第2ガスの圧力が高いため、油圧シリンダ120の推力の変化範囲、即ちミルのターンダウンをより広い範囲に拡大することができる。これは本実施形態において、最も広いシリンダ推力の変化範囲が得られる条件が、切替圧力到達時に第1ガス室132の容積及び、第2ガス室142の容積が、両者とも所定の上限容積(例えば、第1アキュムレータ130及び、第2アキュムレータ140の全容積のそれぞれ0.9倍)となっている場合である為である。
仮に、第1作動油室121および第2作動油室122が大気圧に維持される場合に、第1ガス室132に封入される第1ガスの圧力と、第2ガス室142に封入される第2ガスの圧力とを同じとした場合、上記切替圧力到達時に第1ガス室132の容積及び、第2ガス室142の容積を両者とも所定の上限容積(例えば、第1アキュムレータ130及び、第2アキュムレータ140の全容積の0.9倍)とする油圧シリンダ120の第1作動油室121と、第2作動油室122の圧力は同一となる。この時、油圧シリンダ120の推力は、第1作動油室121と、第2作動油室122の受圧面積差により生じた力のみとなる。
この状態からシリンダ推力をさらに低下させるべく、第1作動油室121の第1圧力P1を漸次増加させて第1ガス室132の容積を所定の下限容積(例えば、第1アキュムレータ130の全容積の0.25倍)まで減少させる場合、油圧シリンダ120の第1作動油室121と、第2作動油室122の受圧面積差が、第1ガス室132の容積を所定の上限容積から、所定の下限容積まで圧縮する為の圧力差(例えば、3,6倍)以下であると、第1作動油室121の第1圧力P1を漸次増加させていく間に油圧シリンダ120推力が負の値に転じ、粉砕荷重を得ることが出来なくなる。
通常、油圧シリンダ120の第1作動油室121と、第2作動油室122の受圧面積差は、第1ガス室132の容積を所定の上限容積から、所定の下限容積まで圧縮する為の圧力差(例えば、3,6倍)よりも小さく設計される為、最も広いシリンダの推力の変化範囲を得ようとするならば、第1作動油室121および第2作動油室122が大気圧に維持される場合に、第1ガス室132に封入される第1ガスの圧力よりも第2ガス室142に封入される第2ガスの圧力を高く設定することが必要となる。
また、本実施形態の油圧駆動装置100によれば、ゴム製のブラダにより第1作動油室121の第1圧力P1の脈動および第2作動油室122の第2圧力P2の脈動を適切に吸収することができる。
〔第2実施形態〕
次に、本開示の第2実施形態にかかる油圧駆動装置100Aについて図面を参照して説明する。本実施形態は、第1実施形態の変形例であり、以下で特に説明する場合を除き、第1実施形態と同様であるものとし、以下での説明を省略する。
第1実施形態の油圧駆動装置100は、油ポンプ111から第1電磁弁113および第2電磁弁114のそれぞれに作動油を供給するものであった。それに対して、本実施形態の油圧駆動装置100Aは、油ポンプ111から第2電磁弁114にのみ作動油を供給し、第2電磁弁114から油供給路117bへ供給される作動油を分岐させて第1電磁弁113へ供給するものである。
図7は、本開示の第2実施形態にかかる油圧駆動装置100Aを示す構成図である。図7に示すように、本実施形態の油圧駆動装置100Aが備える油供給部110は、第1作動油室121へ作動油を供給する第1供給部110Aと、第2作動油室122へ作動油を供給する第2供給部110Bと、を有する。
第1供給部110Aは、第1電磁弁(第1弁)113と、油供給路116aと、油供給路116bと、油排出路118と、圧力センサ150と、を有する。第2供給部110Bは、油ポンプ111と、逆止弁112と、第2電磁弁(第2弁)114と、油タンク115と、油供給路117aと、油供給路117bと、油排出路119と、を有する。第1供給部110Aは、油供給路117bから分岐された作動油を第1電磁弁113を介して油供給路116aへ導く。
本実施形態の油圧駆動装置100Aによれば、例えば、油圧シリンダ120に対して単一のアキュムレータのみを設置し、油ポンプ111から第2作動油室122のみへ作動油を供給する油供給部を備える既設の油圧駆動装置を改造して2つのアキュムレータを備えるものとする場合に、改造部分を少なくすることができる。
すなわち、既設の第2供給部110Bに対して、第1供給部110Aを追加することで、第2供給部110Bを改造せずに、第1作動油室121と第2作動油室122との差圧により駆動力を得る油圧駆動装置100Aとすることができる。
本実施形態において、制御部160は、第1供給部110Aと第2供給部110Bの双方を制御するものとしてもよいが、他の態様であってもよい。例えば、制御部160を、第1制御装置と、第2制御装置との2つの制御装置に分割してもよい。第2制御装置は、単一の第2アキュムレータ140を制御するために油圧駆動装置に予め設けられている装置である。第2制御装置は、油圧駆動装置が発生させるべき油圧の値を制御指令値として出力する。
一方、第1制御装置は、第2制御装置からの制御指令値が入力され、制御指令値に応じた油圧を出力するために、第1供給部110Aを制御するための第1指令値と第2供給部110Bを制御するための第2指令値とを出力する。このようにすることで、例えば、単一の第2アキュムレータ140を制御するための第2制御装置が既存の油圧駆動装置に設けられている場合、第1制御装置のみを追加する小規模な改造をすることで、油圧シリンダ120に供給される作動油の圧力の範囲を拡大することが可能となる。
〔第3実施形態〕
次に、本開示の第3実施形態にかかる油圧駆動装置100Bについて図面を参照して説明する。本実施形態は、第1実施形態の変形例であり、以下で特に説明する場合を除き、第1実施形態と同様であるものとし、以下での説明を省略する。
第1実施形態の油圧駆動装置100は、ピストン123の単一のヘッド123aにより第1作動油室121と第2作動油室122とを区画するものであった。それに対して、本実施形態の油圧駆動装置100Bは、ピストン123Bの複数のヘッド123Ba,123Bbにより第1作動油室121と第2作動油室122とを区画するものである。
図8は、本開示の第3実施形態にかかる油圧駆動装置100Bを示す構成図である。図8に示すように、油圧駆動装置100Bは、第1シリンダ120Baと第2シリンダ120Bbとを有する油圧シリンダ120Bを備える。油圧シリンダ120Bは、ヘッド123Baとヘッド123Bbを有するピストン123Bを備える。油圧シリンダ120Bは、単動シリンダである第1シリンダ120Baと第2シリンダ120Bbとを組み合わせて荷重負荷装置60に付与する駆動力を発生させる。
〔第4実施形態〕
次に、本開示の第4実施形態にかかる油圧駆動装置100Cについて図面を参照して説明する。本実施形態は、第1実施形態の変形例であり、以下で特に説明する場合を除き、第1実施形態と同様であるものとし、以下での説明を省略する。
第1実施形態の油圧駆動装置100は、ピストン123の単一のヘッド123aにより第1作動油室121と第2作動油室122とを区画するものであった。それに対して、本実施形態の油圧駆動装置100Cは、ピストン123Cの複数のヘッド123Ca,123Cbにより第1作動油室121と第2作動油室122とを区画するものである。
図9は、本開示の第4実施形態にかかる油圧駆動装置100Cを示す構成図である。図9に示すように、油圧駆動装置100Cは、第1シリンダ120Caと第2シリンダ120Cbとを有する油圧シリンダ120Cを備える。油圧シリンダ120Cは、ヘッド123Caとヘッド123Cbを有するピストン123Cを備える。油圧シリンダ120Cは、単動シリンダである第1シリンダ120Caと第2シリンダ120Cbとを組み合わせて荷重負荷装置60に付与する駆動力を発生させる。
〔他の実施形態〕
以上の説明において、第1作動油室121と第2作動油室122との差圧を漸次増加させる場合の切替圧力よりも、第1作動油室121と第2作動油室122との差圧を漸次減少させる場合の切替圧力が低くなるように設定するのが好ましい。このようにすることで、ヒステリシス特性を持たせることができるため、切替圧力の近傍で運転する場合に、油圧シリンダ120のピストン123の強制変位による僅かな圧力変動で、制御がハンチングすることを防止できる。
また、油圧シリンダ120のピストン123の外周面とシリンダ内周面との間のシールは完全でなく、いくらかの漏れを生じる。油圧シリンダ120の運転中は常に第2作動油室122の圧力が第1作動油室121の圧力以上であるため、第2作動油室122から第1作動油室121へ作動油がリークし、第2作動油室122の第2圧力P2が徐々に低下し、第1作動油室121の第1圧力P1は徐々に増加する。
従って、所定の初期状態において、第1圧力P1があらかじめ定めた第1初期値よりも第1所定値(余裕値)だけ高くなった場合に、第1作動油室121から作動油を抜き取って第1圧力P1を第1初期値と一致させるようにするのが好ましい。同様に、所定の初期状態において、第2圧力P2があらかじめ定めた第2初期値よりも第2所定値(余裕値)だけ低くなった場合に、第2作動油室122に作動油を供給して第2圧力を第2初期値と一致させるようにするのが好ましい。
また、油圧シリンダ120の運転中は常に第2作動油室122の圧力が第1作動油室121の圧力以上であるため、油圧シリンダ120のピストン123に設けられるシール部材は、第2作動油室122から第1作動油室121への作動油の流れを阻止することが重要であり、Vパッキンなどの片シールタイプのパッキンを使用しても良い。また、第1作動油室121も加圧されるため、ロッド部からの油圧シリンダ120外部への作動油のリークが問題となる可能性が有る。従って、ロッド貫通部にロッドシール部を設けたり、ロッドシール部からリークした油を回収するための回収溝124を設けることが好ましい。回収溝124で回収された油は、油排出路124aにより油タンク115に導かれる。
また、第1アキュムレータ130の容量は第2アキュムレータ140の容量よりも小さくしてもよい。油圧シリンダ120の運転中は常に第2作動油室122の圧力が第1作動油室121の圧力以上であるため、運転中は第1アキュムレータ130の第1ガス室132に封入される第1ガスの圧力が第2アキュムレータ140の第2ガス室142に封入される第2ガスの圧力よりも低く、同一量の作動油が流入、流出した際に変化する圧力変動が小さく、脈動吸収性能が高い為である。
また、油圧シリンダ120の第1作動油室121側、第2作動油室122側のそれぞれに、作動油の供給・排出と作動油圧力の計測・調整の装置を備えていても良いが、既設の油圧荷重装置を改造する場合には、新たに装置を追加することは、コストの増加を招く。そこで、第2作動油室122への作動油供給ラインに、第1作動油室121への作動油供給ラインとの連通/遮断を切り替えることが出来る切換弁と圧力計測座を設け、第2作動油室122からの排油ラインには、第1作動油室121からの排油ラインとの連通/遮断を切り替えることが出来る切換弁を設けることとしてもよい。また、作動油の供給/排出速度を制御する絞り弁や、油圧シリンダ120の異常加圧に備えたリリーフ弁、および圧力保持の為の逆止弁等を設けてもよい。なお、切換弁は制御部160から遠隔操作可能な電磁弁であってもよい。
また、制御部160には、第1作動油室121および第2作動油室122の圧力保持機能を持たせても良い。前述の通り、油圧シリンダ120のピストン123の外周面とシリンダ内周面との間のシールは完全でなく、いくらかの漏れを生じる。油圧シリンダ120の運転中は常に第2作動油室122の圧力が第1作動油室121の圧力以上であるため、第2作動油室122から第1作動油室121へ作動油がリークし、第2作動油室122の第2圧力P2が徐々に低下し、第1作動油室121の第1圧力P1は徐々に増加する。
従って、所定の初期状態において、第1圧力P1があらかじめ定めた第1初期値よりも第1所定値(余裕値)だけ高くなったことが圧力センサ150等により検知された場合に、第1電磁弁113を制御し、第1作動油室121から作動油を抜き取って第1圧力P1を第1初期値と一致させるように制御を行っても良い。同様に、所定の初期状態において、第2圧力P2があらかじめ定めた第2初期値よりも第2所定値(余裕値)だけ低くなったことが圧力センサ150等により検知された場合に、第2電磁弁114を制御し、第2作動油室122に作動油を供給して第2圧力を第2初期値と一致させるように制御を行っても良い。
また、アキュムレータのブラダが損傷し、油圧の脈動を吸収できなくなった場合に発生する油圧の大幅な変動を圧力センサ150等により検知し、警報等を出力する機能を設けても良い。またブラダ133,143が破損した場合、第1ガス室132に封入されている第1ガス,第2ガス室142に封入されている第2ガスが作動油系統へ流入し、油供給部110の油タンク115から第1ガス,第2ガスが噴出する可能性がある。
従って、オイルタンクのガス組成を調べることでブラダ133,143に損傷が発生したかどうかを判定する装置を設けても良い。これにより第1アキュムレータ130の第1ガス室132から第1ガスが抜けきる前に異常を早期検知できるので、作動油系統内におけるハンマー現象やキャビテーションの発生を抑制して機器の損傷を防止し、また、安全性を確保できる。同様に、第2アキュムレータ140の第2ガス室142から第2ガスが抜けきる前に異常を早期検知できるので、作動油系統内におけるハンマー現象やキャビテーションの発生を抑制して機器の損傷を防止し、また、安全性を確保できる。
また、油圧シリンダ120の第1作動油室121にエア抜きバルブが設けられていてもよい。ただし、切替圧力以上で第1作動油室121の第1圧力を大気圧とする制御を行う場合、エア抜き弁は不要である。
第1アキュムレータ130、第2アキュムレータ140のそれぞれは、油圧に脈動を発生させる第1作動油室121、第2作動油室122に近い位置に設置されることが好ましく、油圧シリンダ120にアキュムレータ接続ポートを設け、直付けされていることが最も好ましい。
また、以上の説明において、第1アキュムレータ130の第1ガス室132および第2アキュムレータ140の第2ガス室142にガス補給口を設け、そこにアクセスする為の床や、梯子等が設置されていることが好ましい。このようにすることで、第1ガス室132および第2ガス室142に定期的にガスを補給することができる。
また、油圧シリンダ120はミル10の粉砕ローラ13のそれぞれに1本ずつ設置されていることが多い。粉砕ローラ13が3個の場合は、1台のミル10に対して3台の油圧シリンダ120が設置されるが、3台の油圧シリンダ120の作動油系統の配管をヘッダ配管で結合して1つの電磁弁で同時に制御してもよく、各油圧シリンダ120に設置された電磁弁で個別に制御してもよい。
以上で説明した本実施形態にかかる油圧駆動装置および油圧駆動装置の制御方法は、例えば、以下のように把握される。
本開示の第1態様にかかる油圧駆動装置(100)は、作動油を供給する第1供給系統(116b)と前記作動油を供給する第2供給系統(117b)とを有する油供給部(110)と、前記第1供給系統から前記作動油が供給される第1作動油室(121)および前記第2供給系統から前記作動油が供給される第2作動油室(122)を形成するピストン(123)を有し、前記第1作動油室に供給された前記作動油の第1圧力(P1)と前記第2作動油室に供給された前記作動油の第2圧力(P2)との差圧(P1-P2)により前記ピストンを駆動する油圧シリンダ(120)と、前記第1作動油室に連通する第1油室(131)と第1ガスが封入された第1ガス室(132)とが第1隔壁(133)により区画された第1アキュムレータ(130)と、前記第2作動油室に連通する第2油室(141)と第2ガスが封入された第2ガス室(142)とが第2隔壁(143)により区画された第2アキュムレータ(140)と、前記油供給部を制御する制御部(150)と、を備え、前記制御部は、前記差圧を漸次増加させる際に、前記第1ガス室の容積が第1所定容積未満である場合、前記第1ガス室の容積が前記第1所定容積以上となるまでは、前記第1作動油室の前記第1圧力を減少させることにより前記差圧を増加させるよう前記油供給部を制御し、前記第1ガス室の容積が第1所定容積以上である場合、前記第2ガス室の容積が第2所定容積以下となるまでは、前記第2作動油室の前記第2圧力を増加させることにより前記差圧を増加させるよう前記油供給部を制御する。
本開示の第1態様にかかる油圧駆動装置によれば、油圧シリンダのピストンを駆動する第1作動油室と第2作動油室との差圧を漸次増加させる際に、第1ガス室の容積が第1所定容積未満である場合、第1ガス室の容積が第1所定容積以上となるまでは、第1作動油室の第1圧力を減少させて差圧を増加させる。また、第1ガス室の容積が第1所定容積以上である場合、第2ガス室の容積が第2所定容積以下となるまでは、第2作動油室の第2圧力を増加させて差圧を増加させる。
このように、本開示の第1態様にかかる油圧駆動装置によれば、第1作動油室の第1圧力の減少による差圧の増加と、第2作動油室の第2圧力の増加による差圧の増加との2段階で差圧を増加させることにより、第2作動油室の第2圧力の増加のみでピストンを駆動する場合に比べ、油圧シリンダの推力の変化範囲(ターンダウン)をより広い範囲に拡大することができる。
本開示の第2態様にかかる油圧駆動装置は、第1態様において、更に以下の構成を備える。すなわち、前記第1作動油室および前記第2作動油室が大気圧に維持される場合に、前記第1ガス室に封入される前記第1ガスの圧力よりも前記第2ガス室に封入される前記第2ガスの圧力が高い。
本開示の第2態様にかかる油圧駆動装置によれば、第1ガス室に封入される第1ガスの圧力よりも第2ガス室に封入される第2ガスの圧力が高いため、油圧シリンダの推力の変化範囲(ターンダウン)をより広い範囲に拡大することができる。
本開示の第3態様にかかる油圧駆動装置は、第1態様または第2態様において、更に以下の構成を備える。すなわち、前記第1所定容積は、前記第1作動油室の前記第1圧力が大気圧である場合の前記第1ガス室の容積である。
本開示の第3態様にかかる油圧駆動装置によれば、第1作動油室の第1圧力が大気圧となるまで減少させることにより、第1作動油室と第2作動油室との差圧の最大値を高めて油圧シリンダの推力の変化範囲(ターンダウン)をより広い範囲に拡大することができる。
本開示の第4態様にかかる油圧駆動装置は、第1態様または第2態様において、更に以下の構成を備える。すなわち、前記第1隔壁および前記第2隔壁は、ゴム製のブラダである。
本開示の第4態様にかかる油圧駆動装置によれば、ゴム製のブラダにより第1作動油室の第1圧力の脈動および第2作動油室の第2圧力の脈動を適切に吸収することができる。
本開示の第5態様にかかる油圧駆動装置は、第1態様または第2態様において、更に以下の構成を備える。すなわち、前記油供給部は、前記第1供給系統を介して前記第1作動油室へ前記作動油を供給する第1弁を有する第1供給部(110A)と、前記第2供給系統を介して前記第2作動油室へ前記作動油を供給する第2弁を有する第2供給部(110B)と、を有し、前記第1供給部は、前記第2供給系統から分岐された作動油を、前記第1弁を介して前記第1供給系統へ導く。
本開示の第5態様にかかる油圧駆動装置によれば、第2供給部が第2弁から第2供給系統へ作動油を供給し、第1供給部が第2供給系統から分岐された作動油を、第1弁を介して第1供給系統へ導く。例えば、単一の供給系統から単一の作動油室へ作動油を供給する油圧駆動装置を改造する場合、第2供給系統として既存の供給系統を用いることができる。そして、第2供給系統から分岐された作動油を第1作動油室へ導く第1供給部を新規に追加することにより、既存の供給系統を用いつつ2つの作動油室への作動油の供給が可能な油圧駆動装置へと改造することができる。
本開示の第6態様にかかる油圧駆動装置の制御方法において、前記油圧駆動装置は、作動油を供給する第1供給系統と前記作動油を供給する第2供給系統とを有する油供給部と、前記第1供給系統から前記作動油が供給される第1作動油室および前記第2供給系統から前記作動油が供給される第2作動油室を形成するピストンを有し、前記第1作動油室に供給された前記作動油の第1圧力と前記第2作動油室に供給された前記作動油の第2圧力との差圧により前記ピストンを駆動する油圧シリンダと、前記第1作動油室に連通する第1油室と第1ガスが封入された第1ガス室とが第1隔壁により区画された第1アキュムレータと、前記第2作動油室に連通する第2油室と第2ガスが封入された第2ガス室とが第2隔壁により区画された第2アキュムレータと、を備え、前記差圧を漸次増加させる際に、前記第1ガス室の容積が第1所定容積未満である場合、前記第1ガス室の容積が前記第1所定容積以上となるまでは、前記第1作動油室の前記第1圧力を減少させることにより前記差圧を増加させるよう前記油供給部を制御する第1加圧工程と、前記差圧を漸次増加させる際に、前記第1ガス室の容積が第1所定容積以上である場合、前記第2ガス室の容積が第2所定容積以下となるまでは、前記第2作動油室の前記第2圧力を増加させることにより前記差圧を増加させるよう前記油供給部を制御する第2加圧工程と、を備える。
本開示の第6態様にかかる油圧駆動装置の制御方法によれば、油圧シリンダのピストンを駆動する第1作動油室と第2作動油室との差圧を漸次増加させる際に、第1ガス室の容積が第1所定容積未満である場合、第1ガス室の容積が前記第1所定容積以上となるまでは、第1作動油室の第1圧力を減少させて差圧を増加させる。また、第1ガス室の容積が第1所定容積以上である場合、第2ガス室の容積が第2所定容積以下となるまでは、第2作動油室の第2圧力を増加させて差圧を増加させる。
このように、本開示の第1態様にかかる油圧駆動装置によれば、第1作動油室の第1圧力の減少による差圧の増加と、第2作動油室の第2圧力の増加による差圧の増加との2段階で差圧を増加させることにより、第2作動油室の第2圧力の増加のみでピストンを駆動する場合に比べ、油圧シリンダ推力の変化範囲(ターンダウン)をより広い範囲に拡大することができる。
なお、本発明の内容は、本開示に記載の態様に限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形が可能である。例えば油圧シリンダにより引張力を与えることで粉砕荷重を得る形式のミルの場合、ピストンのロッド側とヘッド側の構成を入れ替えて適用しても差し支えない。
10 ミル
60 荷重負荷装置
61 中間ピストン
100,100A,100B,100C 油圧駆動装置
110 油供給部
110A 第1供給部
110B 第2供給部
111 油ポンプ
112 逆止弁
113 第1電磁弁(第1弁)
114 第2電磁弁(第2弁)
115 油タンク
116a,116b,117a,117b 油供給路
118,119 油排出路
120,120B,120C 油圧シリンダ
120Ba,120Ca 第1シリンダ
120Bb,120Cb 第2シリンダ
121 第1作動油室
122 第2作動油室
123,123B ピストン
123a,123Ba,123Bb,123Ca,123Cb ヘッド
123C ピストン
124 回収溝
124a 油排出路
130 第1アキュムレータ
131 第1油室
132 第1ガス室
133 ブラダ
134 ポペット弁
140 第2アキュムレータ
141 第2油室
142 第2ガス室
143 ブラダ
144 ポペット弁
150 圧力センサ
160 制御部
Cf,Ch 軸線

Claims (6)

  1. 作動油を供給する第1供給系統と前記作動油を供給する第2供給系統とを有する油供給部と、
    前記第1供給系統から前記作動油が供給される第1作動油室および前記第2供給系統から前記作動油が供給される第2作動油室を形成するピストンを有し、前記第1作動油室に供給された前記作動油の第1圧力と前記第2作動油室に供給された前記作動油の第2圧力との差圧により前記ピストンを駆動する油圧シリンダと、
    前記第1作動油室に連通する第1油室と第1ガスが封入された第1ガス室とが第1隔壁により区画された第1アキュムレータと、
    前記第2作動油室に連通する第2油室と第2ガスが封入された第2ガス室とが第2隔壁により区画された第2アキュムレータと、
    前記油供給部を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記差圧を漸次増加させる際に、
    前記第1ガス室の容積が第1所定容積未満である場合、前記第1ガス室の容積が前記第1所定容積以上となるまでは、前記第1作動油室の前記第1圧力を減少させることにより前記差圧を増加させるよう前記油供給部を制御し、
    前記第1ガス室の容積が前記第1所定容積以上である場合、前記第2ガス室の容積が第2所定容積以下となるまでは、前記第2作動油室の前記第2圧力を増加させることにより前記差圧を増加させるよう前記油供給部を制御する油圧駆動装置。
  2. 前記第1作動油室および前記第2作動油室が大気圧に維持される場合に、前記第1ガス室に封入される前記第1ガスの圧力よりも前記第2ガス室に封入される前記第2ガスの圧力が高い請求項1に記載の油圧駆動装置。
  3. 前記第1所定容積は、前記第1作動油室の前記第1圧力が大気圧である場合の前記第1ガス室の容積である請求項1または請求項2に記載の油圧駆動装置。
  4. 前記第1隔壁および前記第2隔壁は、ゴム製のブラダである請求項1または請求項2に記載の油圧駆動装置。
  5. 前記油供給部は、
    前記第1供給系統を介して前記第1作動油室へ前記作動油を供給する第1弁を有する第1供給部と、
    前記第2供給系統を介して前記第2作動油室へ前記作動油を供給する第2弁を有する第2供給部と、を有し、
    前記第1供給部は、前記第2供給系統から分岐された前記作動油を前記第1弁を介して前記第1供給系統へ導く請求項1または請求項2に記載の油圧駆動装置。
  6. 油圧駆動装置の制御方法であって、
    前記油圧駆動装置は、
    作動油を供給する第1供給系統と前記作動油を供給する第2供給系統とを有する油供給部と、
    前記第1供給系統から前記作動油が供給される第1作動油室および前記第2供給系統から前記作動油が供給される第2作動油室を形成するピストンを有し、前記第1作動油室に供給された前記作動油の第1圧力と前記第2作動油室に供給された前記作動油の第2圧力との差圧により前記ピストンを駆動する油圧シリンダと、
    前記第1作動油室に連通する第1油室と第1ガスが封入された第1ガス室とが第1隔壁により区画された第1アキュムレータと、
    前記第2作動油室に連通する第2油室と第2ガスが封入された第2ガス室とが第2隔壁により区画された第2アキュムレータと、を備え、
    前記差圧を漸次増加させる際に、前記第1ガス室の容積が第1所定容積未満である場合、前記第1ガス室の容積が前記第1所定容積以上となるまでは、前記第1作動油室の前記第1圧力を減少させることにより前記差圧を増加させるよう前記油供給部を制御する第1加圧工程と、
    前記差圧を漸次増加させる際に、前記第1ガス室の容積が前記第1所定容積以上である場合、前記第2ガス室の容積が第2所定容積以下となるまでは、前記第2作動油室の前記第2圧力を増加させることにより前記差圧を増加させるよう前記油供給部を制御する第2加圧工程と、を備える油圧駆動装置の制御方法。
JP2022212038A 2022-12-28 油圧駆動装置および油圧駆動装置の制御方法 JP2024095039A (ja)

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