JP2024094574A - 使用済高吸水性樹脂の洗浄装置、使用済高吸水性樹脂の再生システム、使用済高吸水性樹脂の洗浄方法、および使用済高吸水性樹脂の再生方法 - Google Patents

使用済高吸水性樹脂の洗浄装置、使用済高吸水性樹脂の再生システム、使用済高吸水性樹脂の洗浄方法、および使用済高吸水性樹脂の再生方法 Download PDF

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陽三 山田
Yozo Yamada
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信弘 小林
Nobuhiro Kobayashi
大祐 松井
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Abstract

【課題】本発明の課題の一つは、使用済の体液吸収性物品の構成成分のうち、パルプおよび高吸水性樹脂の分離・洗浄を簡便かつ効果的に行うことが可能な使用済高吸水性樹脂の洗浄装置および洗浄方法を提供することである。【解決手段】上記課題を解決するために、高吸水性樹脂およびパルプの混合物と洗浄水が導入される処理槽と、処理槽内を撹拌する撹拌手段とを備え、撹拌手段は、パルプが処理槽水面まで浮上する一方、高吸水性樹脂が処理槽内の一部領域で均一分散するように、撹拌強度ないしは撹拌流方向を調整する調整手段を有する使用済高吸水性樹脂の洗浄装置およびこの装置を用いた洗浄方法を提供する。この発明によれば、処理槽内で高吸水性樹脂が存在する領域とパルプが存在する領域とを各々独立して形成させることが可能となる。これにより、高吸水性樹脂とパルプの混合物に対し、簡便かつ効果的な分離および洗浄が可能となる。【選択図】図1

Description

本発明は、使用済高吸水性樹脂の洗浄装置および使用済高吸水性樹脂の洗浄方法に関するものである。
また、本発明は、使用済高吸水性樹脂の再生システムおよび使用済高吸水性樹脂の再生方法に関するものである。
紙おむつ、生理用ナプキン、失禁パッドのように、体液を吸収させることを目的とした物品(以下、「体液吸収性物品」と呼ぶ)は、主にパルプ、高吸水性樹脂(以下、「SAP」とも呼ぶ)、プラスチックから構成されており、幅広く利用されている。特に、高齢者社会を迎える中、一般家庭、病院や福祉施設において、紙おむつの使用量は年々増加している。
そして、大量に排出される使用済の体液吸収性物品の処分については、廃棄物として主に焼却処理が行われている。
しかし、水分を多く含む使用済の体液吸収性物品を焼却処理するには、高温処理や焼却設備の大型化が必要となり、炉の劣化を促進するなど、焼却設備への負荷が大きいという問題がある。また、資源の有効活用という観点からも、焼却処理によらず、使用済の体液吸収性物品から構成成分を分離回収し、再利用することが求められている。
例えば、特許文献1には、使用済の体液吸収性物品の処理として、使用済体液吸収性物品に含有されるパルプと高吸水性樹脂(吸水性ポリマー)とのゲル状混合物に、金属塩の混合物を添加して高吸水性樹脂の脱水、収縮・固化を行うとともに、着色した後、パルプおよび高吸水性樹脂を分離回収して洗浄を行う使用済体液吸収性物品からのパルプおよび高吸水性樹脂の分離回収方法が記載されている。
特開2003-225645号公報
通常、使用済体液吸収性物品においてはパルプおよび高吸水性樹脂がゲル状混合物となっているため、そのままでは分離回収が困難であることが知られている。そこで、特許文献1には、高吸水性樹脂を着色することで、パルプと高吸水性樹脂との分離を簡易に行うことが記載されている。
一方、特許文献1に記載されるパルプと高吸水性樹脂の分離回収方法では、パルプと高吸水性樹脂との分離が十分に行われているかどうかを判別することは容易であるが、分離操作自体は沈降分離処理を繰り返す必要があり、パルプと高吸水性樹脂の分離回収を簡便に行うという点では課題がある。また、特に高吸水性樹脂においては、単に使用済の体液吸収性物品から分離回収するだけでは、高吸水性樹脂が本来有する吸水性能が低下している状態にあるため、吸水性能を回復させるための適切な処理、すなわち使用済高吸水性樹脂の再生に係る処理を行う必要がある。
本発明の課題は、使用済の体液吸収性物品の構成成分のうち、パルプおよび高吸水性樹脂の分離・洗浄を簡便かつ効果的に行うことが可能な使用済高吸水性樹脂の洗浄装置および使用済高吸水性樹脂の洗浄方法を提供することである。
併せて、本発明の課題は、上記使用済高吸水性樹脂の洗浄装置および使用済高吸水性樹脂の洗浄方法を用い、使用済体液吸収性物品の構成成分のうち、特に高吸水性樹脂を資源として有効に再利用することが可能となる使用済高吸水性樹脂の再生システムおよび使用済高吸水性樹脂の再生方法を提供することである。
本発明者は、上記の課題について鋭意検討した結果、パルプと高吸水性樹脂の混合物を処理槽内で撹拌する際に、パルプと高吸水性樹脂が槽内の異なる領域にそれぞれ存在し得るように撹拌を制御する操作を行うことで、パルプと高吸水性樹脂の分離および洗浄を簡便かつ効果的に行うことができることを見出して、本発明を完成した。
また、本発明者は、パルプと高吸水性樹脂の分離および洗浄に係る上記操作を含み、使用済の体液吸収性物品から高吸水性樹脂を分離し、所定の順序で高吸水性樹脂の吸水性能を回復させるための各処理を行うことで、使用済高吸水性樹脂の再生処理を効果的に進行させ、使用済の体液吸収性物品の構成成分について資源としての利用が可能となることを見出して、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の使用済高吸水性樹脂の洗浄装置、使用済高吸水性樹脂の洗浄方法、使用済高吸水性樹脂の再生システム、および使用済高吸水性樹脂の再生方法である。
上記課題を解決するための本発明の使用済高吸水性樹脂の洗浄装置は、高吸水性樹脂およびパルプの混合物と洗浄水が導入される処理槽と、処理槽内を撹拌する撹拌手段と、を備え、撹拌手段は、パルプが処理槽水面まで浮上する一方、高吸水性樹脂が処理槽内の一部領域で均一分散するように、撹拌強度ないしは撹拌流方向を調整する調整手段を有するという特徴を有する。
本発明の使用済高吸水性樹脂の洗浄装置は、使用済高吸水性樹脂およびパルプの混合物と洗浄水を処理槽内に導入して撹拌するものであり、このとき、撹拌強度ないしは撹拌流方向を調整する調整手段を設けることで、処理槽内で高吸水性樹脂が存在する領域(高吸水性樹脂層)とパルプが存在する領域(パルプ層)とを各々独立して形成させることが可能となる。これにより、高吸水性樹脂とパルプの混合物に対し、簡便かつ効果的な分離および洗浄が可能となる。
また、本発明の使用済高吸水性樹脂の洗浄装置の一実施態様としては、処理槽は、パルプの浮上により形成されるパルプ層と、高吸水性樹脂の均一分散により形成される高吸水性樹脂層の間に、散気を行う散気手段を更に備えるという特徴を有する。
この特徴によれば、処理槽内に形成された二層の間に散気手段を設けることで、撹拌流と併せて散気による流体流を利用することができ、処理槽内で形成された高吸水性樹脂層を処理槽内の下方へ効果的に沈降させることが可能となる。これにより、高吸水性樹脂層とパルプ層との分離を更に容易かつ効果的に行うことが可能となる。
また、本発明の使用済高吸水性樹脂の洗浄装置の一実施態様としては、処理槽は、上部が縮径した構造を有するという特徴を有する。
この特徴によれば、処理槽の上部を縮径させることで、処理槽内で形成されたパルプ層を効率的に処理槽上方へ浮上させることができるとともに、処理槽上方でパルプを回収することが容易となる。これにより、高吸水性樹脂層とパルプ層との分離を更に容易かつ効果的に行うことが可能となる。
また、上記課題を解決するための本発明の使用済高吸水性樹脂の再生システムとしては、使用済の体液吸収性物品を、パルプ、高吸水性樹脂、プラスチックに分離する分離手段と、分離手段で分離された高吸水性樹脂の吸水性能を回復させる再生処理手段とを備え、分離手段は、多価金属塩の添加による高吸水性樹脂の脱水手段を含み、再生処理手段は、分離された高吸水性樹脂の洗浄を行う洗浄部と、洗浄部の後段で高吸水性樹脂に強酸を添加する酸反応部と、酸反応部の後段で高吸水性樹脂を濃縮する濃縮部と、濃縮部の後段で高吸水性樹脂を中和する中和部と、中和部の後段で高吸水性樹脂を乾燥させる乾燥部と、を備え、洗浄部は、上述した使用済高吸水性樹脂の洗浄装置を備えるという特徴を有する。
本発明の使用済高吸水性樹脂の再生システムは、使用済の体液吸収性物品から高吸水性樹脂を分離する分離手段と、分離された高吸水性樹脂の再生処理を行う再生処理手段とからなるものである。そして、使用済の体液吸収性物品から高吸水性樹脂を分離する際に、多価金属塩の添加による高吸水性樹脂の脱水処理を行うことで、高吸水性樹脂が吸収した体液をより確実に外部に放出させるとともに、高吸水性樹脂の分離回収効率を高めるものである。また、分離回収した高吸水性樹脂に対し、所定の順序で処理を行うことにより、高吸水性樹脂の吸水性能を十分に回復させ、再生品(製品)としての有効活用(再製品化)が可能となるものである。特に、分離回収した高吸水性樹脂に対する洗浄部として、上述した洗浄装置を備えることで、高吸水性樹脂とパルプの混合物に対し、簡便かつ効率的な分離および洗浄を可能とすることができる。また、大量に排出される使用済紙おむつ等の使用済体液吸収性物品から高吸水性樹脂の分離回収および再製品化を可能とすることで、新たな資源としての利用を促進することができる。
また、上記課題を解決するための本発明の使用済高吸水性樹脂の洗浄方法は、高吸水性樹脂およびパルプの混合物を洗浄水とともに処理槽内に導入する導入工程と、処理槽内を撹拌する撹拌工程、を備え、撹拌工程は、パルプが処理槽水面まで浮上する一方、高吸水性樹脂が処理槽内の一部領域で均一分散するように、撹拌強度ないしは撹拌流方向を調整する調整工程を有するという特徴を有する。
本発明の使用済高吸水性樹脂の洗浄方法は、使用済高吸水性樹脂およびパルプの混合物を洗浄水とともに処理槽内に導入して撹拌する工程を備えるものであり、このとき、撹拌強度ないしは撹拌流方向を調整する調整工程を設けることで、処理槽内で高吸水性樹脂が存在する領域(高吸水性樹脂層)とパルプが存在する領域(パルプ層)とを各々独立して形成させることが可能となる。これにより、高吸水性樹脂とパルプの混合物に対し、簡便かつ効果的な分離および洗浄が可能となる。
また、上記課題を解決するための本発明の使用済高吸水性樹脂の再生方法は、使用済の体液吸収性物品を、パルプ、高吸水性樹脂、プラスチックに分離する分離工程と、分離工程で分離された高吸水性樹脂の吸水性能を回復させる再生処理工程とを備え、分離工程は、多価金属塩の添加による高吸水性樹脂の脱水工程を含み、再生処理工程は、分離された高吸水性樹脂の洗浄を行う洗浄工程と、洗浄工程後の高吸水性樹脂に強酸を添加する酸反応工程と、酸反応工程後の高吸水性樹脂を濃縮する濃縮工程と、濃縮工程後の高吸水性樹脂を中和する中和工程と、中和工程後の高吸水性樹脂を乾燥させる乾燥工程と、を備え、洗浄工程は、上記使用済高吸水性樹脂の洗浄方法によるものであるという特徴を有する。
本発明の使用済高吸水性樹脂の再生方法は、使用済の体液吸収性物品から高吸水性樹脂を分離する分離工程と、分離された高吸水性樹脂の再生処理を行う再生処理工程とからなるものである。そして、使用済の体液吸収性物品から高吸水性樹脂を分離する際に、多価金属塩の添加による高吸水性樹脂の脱水処理を行うことで、高吸水性樹脂が吸収した体液をより確実に外部に放出させるとともに、高吸水性樹脂の分離回収効率を高めるものである。また、分離回収した高吸水性樹脂に対し、所定の順序で処理を行うことにより、高吸水性樹脂の吸水性能を十分に回復させ、再生品(製品)としての有効活用(再製品化)が可能となるものである。特に、分離回収した高吸水性樹脂に対する洗浄工程を、上述した洗浄方法とすることで、高吸水性樹脂とパルプの混合物に対し、簡便かつ効率的な分離および洗浄を可能とすることができる。また、大量に排出される使用済紙おむつ等の使用済体液吸収性物品から高吸水性樹脂の分離回収および再製品化を可能とすることで、新たな資源としての利用を促進することができる。
本発明によれば、使用済の体液吸収性物品の構成成分のうち、パルプおよび高吸水性樹脂の分離・洗浄を簡便かつ効果的に行うことが可能な使用済高吸水性樹脂の洗浄装置および使用済高吸水性樹脂の洗浄方法を提供することができる。
併せて、本発明によれば、上記使用済高吸水性樹脂の洗浄装置および使用済高吸水性樹脂の洗浄方法を用い、使用済体液吸収性物品の構成成分のうち、特に高吸水性樹脂を資源として有効に再利用することが可能となる使用済高吸水性樹脂の再生システムおよび使用済高吸水性樹脂の再生方法を提供することができる。
本発明の第1の実施態様における使用済高吸水性樹脂の洗浄装置を示す概略説明図である。 本発明の第1の実施態様における使用済高吸水性樹脂の再生システムの概略説明図(フロー図)である。 本発明の第2の実施態様における使用済高吸水性樹脂の洗浄装置を示す概略説明図である。 本発明の第3の実施態様における使用済高吸水性樹脂の洗浄装置を示す概略説明図である。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る使用済高吸水性樹脂の洗浄装置、使用済高吸水性樹脂の洗浄方法、使用済高吸水性樹脂の再生システム、および使用済高吸水性樹脂の再生方法の実施態様を詳細に説明する。本発明における使用済高吸水性樹脂の洗浄方法および使用済高吸水性樹脂の再生方法は、本発明における使用済高吸水性樹脂の洗浄装置および使用済高吸水性樹脂の再生システムの構成および作動の説明に置き換えるものとする。
なお、実施態様に記載する使用済高吸水性樹脂の洗浄装置、使用済高吸水性樹脂の洗浄方法、使用済高吸水性樹脂の再生システム、および使用済高吸水性樹脂の再生方法については、本発明に係る使用済高吸水性樹脂の洗浄装置、使用済高吸水性樹脂の洗浄方法、使用済高吸水性樹脂の再生システム、および使用済高吸水性樹脂の再生方法を説明するために例示したにすぎず、これに限定されるものではない。
本発明における体液吸収性物品とは、一般に紙おむつ(子供用および大人用)、失禁パッド、生理用ナプキン、母乳パッド等、体液を吸収し、使い捨て衛生用品として販売、使用されている公知のものを指す。
体液吸収性物品の構造の一例としては、例えば、使用者の肌に直接触れる部分である表面材と、体液を吸収する吸水材と、物品の外側を覆う防水材(防水シート)を含むものが挙げられる。
より具体的には、体液吸収性物品の一つである紙おむつの構成成分としては、例えば、表面材としてはポリプロピレンやポリエステルなどの化学繊維からなる不織布などが挙げられる。また、吸水材としては、パルプ、高吸水性樹脂などが挙げられる。また、防水材としてはポリエチレンフィルムなどの樹脂製フィルムや、ポリエチレンラミネート紙およびポリエチレンラミネート不織布のように樹脂による加工処理がなされた紙や不織布などが挙げられる。
なお、本発明においては、体液吸収性物品の構成成分のうち、パルプ、高吸水性樹脂以外の構成成分である不織布、樹脂製フィルムおよび樹脂加工紙をまとめて「プラスチック」と称する。
本発明において使用済体液吸収性物品とは、使用の状態については特に限定されない。例えば、固形状の汚物(大便等)が付着したもの、液体状の汚物(尿、経血等)が付着したもの、あるいはその両方が付着したものが挙げられるが、再生処理に係るコストや処理効率を鑑みると、尿を主成分として吸収している状態が好ましい。
また、本発明で用いる使用済体液吸収性物品は、例えば、一般家庭、病院や福祉施設など、体液吸収性物品を利用する使用者が居住ないしは滞在する施設などから排出されるものを収集・回収し、搬送されたものが挙げられる。
なお、以下の実施態様においては、使用済体液吸収性物品として、尿を主成分として吸収した紙おむつを主に例示して説明を行うが、これに限定されるものではない。
本発明における高吸水性樹脂(SAP)は、使用済体液吸収性物品における吸水材として用いられるものであればよく、具体的な構造や組成については特に限定されないが、例えば、親水性単量体を重合して得られる水膨潤性架橋重合体が挙げられる。より具体的には、部分中和架橋ポリアクリル酸重合体、架橋され部分的に中和された澱粉-アクリル酸グラフトポリマー、イソブチレン-マレイン酸共重合体、酢酸ビニル-アクリル酸共重合体のケン化物、アクリルアミドや(共)重合体の加水分解物、アクリロニトリル重合体
の加水分解物、(メタ)アクリルアミド誘導体が挙げられ、アクリル酸またはその塩を主成分とするポリアクリル酸(塩)系架橋重合体が特に好ましく挙げられる。
〔第1の実施態様〕
(使用済高吸水性樹脂の洗浄装置)
図1は、本発明の第1の実施態様における使用済高吸水性樹脂の洗浄装置を示す概略説明図である。
本実施態様に係る使用済高吸水性樹脂の洗浄装置100A(以下、単に「洗浄装置100A」と呼ぶ)は、処理槽110と、撹拌手段120と、を備えるものである。また、図1において、一点鎖線で示された矢印は、制御又は入力可能に接続されていることを示している。
本実施態様における洗浄装置100Aは、使用済体液吸収性物品から分離した使用済高吸水性樹脂の洗浄を行うものである。本実施態様における洗浄装置100Aは、特に、使用済体液吸収性物品における高吸水性樹脂以外の構成成分であるパルプが混入した状態の高吸水性樹脂(高吸水性樹脂およびパルプの混合物M)を洗浄し、パルプと高吸水性樹脂とに分離するものである。
より具体的には、本実施態様における洗浄装置100Aは、後述する使用済高吸水性樹脂の再生システム1における分離手段10を経た後の高吸水性樹脂を洗浄し、分離手段10で分離し切れなかった高吸水性樹脂とパルプとの混合物の洗浄・分離に適用することが挙げられる。
本実施態様における洗浄装置100Aによる洗浄は、バッチ式・連続式のいずれで行うものとしてもよい。例えば、バッチ式で洗浄を行う場合、処理槽110内でパルプと高吸水性樹脂が存在する領域を明確に分離(区別)することが容易となり、それぞれの回収も容易となる。以下、本実施態様における洗浄装置100Aとしては、バッチ式で洗浄を行うものについて主に説明するが、これに限定されるものではない。
以下、洗浄装置100Aにおける各構成について詳細に説明する。
(処理槽)
処理槽110は、高吸水性樹脂およびパルプの混合物Mと、洗浄水Wとが導入されるものである。なお、高吸水性樹脂およびパルプの混合物Mについては、以下、単に「混合物M」とも呼ぶ。
処理槽110の構造および材質については、内部に後述する撹拌手段120が設けられ、混合物Mと洗浄水Wとを貯留・撹拌可能な容積および強度を有するものであればよく、特に限定されない。
本実施態様における処理槽110としては、例えば、撹拌手段120による撹拌流の制御(撹拌流方向の予測を含む)が容易となり、構造上、十分な強度を有することから、底面が円形状である円筒型水槽とすることが挙げられるが、これに限定されるものではない。
処理槽110には、混合物Mを導入する導入口と、洗浄水Wを導入する導入口が設けられる。また、各導入口の設置箇所については特に限定されない。
処理槽110に導入される混合物Mは、使用済高吸水性樹脂とパルプが混合したものであればよく、例えば、使用済体液吸収性物品の破砕後、構成成分のうち、プラスチックのみを除去したものとすることが挙げられる。より好ましくは、使用済体液吸収性物品を破砕後、分離処理を一度行った高吸水性樹脂を、混合物Mとして用いることが挙げられる。更に好ましくは、使用済体液吸収性物品を破砕したものに対し、高吸水性樹脂の脱水処理を行いつつ、各構成成分に分離処理した後の高吸水性樹脂を、混合物Mとして用いることが挙げられる。なお、使用済体液吸収性物品を破砕したものに対し、高吸水性樹脂の脱水処理を行いつつ、各構成成分に分離処理した後の高吸水性樹脂としては、後述する使用済高吸水性樹脂の再生システム1における分離手段10を経た高吸水性樹脂を用いることが挙げられる。
従来、使用済体液吸収性物品から取り出した各構成成分の分離処理としては、沈降分離や遠心比重分離が行われているが、このとき、高吸水性樹脂に対して少量のパルプ混入(重量比3%~10%)が生じる場合があり、後段処理に影響を及ぼさない5%以下に安定的に分離することは困難であった。また、混入した少量のパルプ除去のために分離処理に係る操作を繰り返すことは、装置の大型化やランニングコスト増につながってしまう。
一方、本実施態様における洗浄装置100Aでは、高吸水性樹脂に混入した少量のパルプについても効率よく分離することが可能となる。したがって、本実施態様における洗浄装置100Aにおいては、洗浄対象となる混合物Mとして、一度分離処理を経た後、少量のパルプが混入した高吸水性樹脂を用いることで、本発明の効果を十分に発揮することが可能となる。また、混合物Mとして、あらかじめ使用済高吸水性樹脂の脱水処理を経たもの(使用済高吸水性樹脂の再生システム1における分離手段10を経たもの)を用いることで、使用済高吸水性樹脂の粘性(パルプとの粘着性)を低減させることができ、洗浄装置100Aにおける洗浄・分離効果をより一層高めることが可能となる。
処理槽110に導入される洗浄水としては、純水を用いるものとしてもよいが、コスト面から工水や処理水のような比較的清澄な水を用いることが好ましい。なお、後述する使用済高吸水性樹脂の再生システム1内で発生する(排出される)排出水の一部を再利用するものとしてもよい。
処理槽110には、上部(水面近傍)にパルプを排出するためのパルプ排出口111aを設ける一方、下部に高吸水性樹脂(SAP)を排出するためのSAP排出口111bを設ける。また、図1に示すように、SAP排出口111bには、引抜ポンプ112を備える配管を接続することで、洗浄・分離された高吸水性樹脂を効率よく回収する。
(撹拌手段)
撹拌手段120は、処理槽110内を撹拌するためのものである。
本実施態様における撹拌手段120は、処理槽110内に導入された混合物Mと洗浄水Wとを撹拌し、撹拌強度や撹拌流方向を制御可能となるものであればよい。撹拌手段120の具体例としては、例えば、撹拌翼121と、撹拌翼121を回転駆動するためのモータ122と、撹拌強度ないしは撹拌流方向を調整する調整手段123と、撹拌翼121を支持し、モータ122と接続する回転軸(シャフト)を備えるものが挙げられる。
撹拌翼121および撹拌翼121を支持する回転軸の構造は特に限定されないが、撹拌翼121自体の角度、あるいは撹拌翼121を支持する回転軸(シャフト)の角度が可変であるものを用いることが挙げられる。これにより、撹拌翼121の回転により形成される撹拌流方向を調整することが可能となる。
モータ122は、撹拌翼121の回転駆動を行うことができるものであればよく、特に限定されないが、インバータ制御が可能であるものが挙げられる。これにより、撹拌強度を調整することが可能となる。
調整手段123は、撹拌強度ないしは撹拌流方向を調整するためのものである。より具体的には、撹拌翼121の角度調整やモータ122の回転数制御を行うものとすることが挙げられる。調整手段123は、作業者の手動操作により行うものとしてもよいが、撹拌翼121やモータ122に対し、角度調整や回転数制御に係る指示信号を送信し、稼働(駆動)を制御可能な制御部を備えるものとすることが好ましい。これにより、撹拌強度ないしは撹拌流方向の調整を高精度かつ容易に行うことが可能となる。
調整手段123による撹拌強度ないしは撹拌流方向の調整は、処理槽110内に導入された混合物Mのうち、パルプが処理槽110水面まで浮上する一方、高吸水性樹脂が処理槽110内に均一に分散されるように行われる。
以下、図1を参照して、調整手段123による調整の一例について、より具体的に説明する。
撹拌翼121は、調整手段123の一つとして、処理槽110下部において水平に設置される、あるいは水平方向や接線方向に適切な角度をつけて設置される。そして、調整手段123の一つとして、撹拌翼121のインバータ制御と併せて、処理槽110の底部形状の設計(例えば、処理槽110底部が撹拌方向に向かって上っていく勾配をつけることなど)を行う。この結果、撹拌翼121の回転数変化が可能な駆動と、撹拌方向に向かって上っていく底部勾配によって、処理槽110内では上下・接線旋回方向の撹拌流が形成される。これにより、処理槽110内に洗浄水Wとともに導入された混合物Mは、撹拌流によって洗浄されるとともに、高吸水性樹脂とパルプに分離される。
このとき、分離したパルプは洗浄水Wに比べて比重が軽いことから、処理槽110内を上方に移動(浮上)し、水面近傍でパルプ層113を形成する。
一方、分離した高吸水性樹脂(SAP)は洗浄水Wやパルプよりも比重が重く、沈降性が良好である。特に、脱水処理を経た高吸水性樹脂は、パルプとの分離がしやすいことに加えて沈降性が良好となっている。したがって、調整手段123による調整(特に撹拌強度の調整)により、処理槽110内の撹拌流の勢いが途中で緩やかになる(高吸水性樹脂を浮上させるだけの上昇方向への勢いを有しなくなる)ことで、高吸水性樹脂は水面近傍まで移動することなく、処理槽110内で沈降と攪拌との組み合わせによって均一に分散されて、パルプ層113とは異なる領域で高吸水性樹脂層114を形成する。
これにより、処理槽110内で高吸水性樹脂とパルプが存在する領域を二層に分けることが可能となる。
二層に分離したパルプと高吸水性樹脂は、それぞれの排出口111aおよび111bから排出される。このとき排出されたパルプおよび高吸水性樹脂はそれぞれ回収し、回収したものを次工程に送るものとすることが好ましい。
なお、パルプの排出・回収については、水面に浮上したパルプについて、撹拌操作を停止することなく、水面近傍に設けられたパルプ排出口111aを介して速やかに排出・回収することが可能である。一方、高吸水性樹脂の排出・回収については、撹拌操作を継続し、処理槽110内で高吸水性樹脂層114を形成させたまま、引抜ポンプ112を作動させてSAP排出口111bを介して排出・回収を行うものとするが、これに限定されない。例えば、パルプの排出・回収が終了した後、撹拌操作を停止し、処理槽110の底部に沈降した高吸水性樹脂について、引抜ポンプ112を作動させて排出・回収を行ってもよい。
以上のように、本実施態様における洗浄装置100Aは、使用済高吸水性樹脂およびパルプの混合物を洗浄水とともに処理槽内に導入して撹拌するものであり、このとき、撹拌翼の設置位置や回転速度、あるいは処理槽形状を適切に設計する等により、撹拌強度ないしは撹拌流方向を調整する調整手段を設けることで、処理槽内で高吸水性樹脂が存在する領域(高吸水性樹脂層)とパルプが存在する領域(パルプ層)とを各々独立して形成させることが可能となる。これにより、高吸水性樹脂とパルプの混合物に対し、簡便かつ効果的な分離および洗浄が可能となる。
(使用済高吸水性樹脂の再生システム(SAP再生システム))
図2は、本発明の第1の実施態様における使用済高吸水性樹脂の再生システムを示す概略説明図である。なお、図2は、本実施態様における使用済高吸水性樹脂の再生システムによる使用済高吸水性樹脂の再生プロセスを示すフロー図である。
本実施態様に係る使用済高吸水性樹脂の再生システム1(以下、「SAP再生システム1」と呼ぶ)は、図2に示すように、使用済体液吸収性物品をパルプ、高吸水性樹脂(SAP)、プラスチックに分離する分離手段10、分離された高吸水性樹脂の吸水性能を回復させる再生処理手段20を備えるものである。また、図2において、太線で示された矢印(ラインL1~L6)は、高吸水性樹脂(SAP)の移動経路(順路)を示すものであり、配管や移送機構(コンベヤ等)からなるものである。
本実施態様のSAP再生システム1において、使用済体液吸収性物品を分離手段10に投入することで、パルプ、高吸水性樹脂、プラスチックに分離する。ここで、分離手段10には、高吸水性樹脂の脱水を行う脱水手段12が設けられていることで、高吸水性樹脂が吸収した体液をより確実に高吸水性樹脂外に放出させるとともに、高吸水性樹脂の分離回収効率を高めるものである。また、分離手段10によって分離回収した高吸水性樹脂に対し、再生処理手段20によって所定の順序で処理を行うことにより、高吸水性樹脂の吸水性能を十分に回復させ、再生品(製品)としての有効活用(再製品化)が可能となるものである。
以下、SAP再生システム1における分離手段10および再生処理手段20の詳細について説明する。
(分離手段)
本実施態様の分離手段10は、使用済体液吸収性物品をパルプ、高吸水性樹脂、プラスチックに分類する分離工程を行うためのものである。
分離手段10としては、図2に示すように、使用済体液吸収性物品が投入され、分離処理が行われる分離部11と、分離部11内の高吸水性樹脂を脱水する脱水手段12を備えるものが挙げられる。
分離部11は、使用済体液吸収性物品とともに、調整水が供給され、使用済体液吸収性物品を各構成成分に分離するためのものである。
ここでの調整水とは、使用済体液吸収性物品を分離部11内で各構成成分に分離する際に、パルプおよび高吸水性樹脂をスラリー化し、分離効率を高めるために供給される水である。このため、清澄度が若干劣る水を使用でき、下水処理水等の比較的清澄度の低い処理水、再生水のほか、循環水を用いることができる。
分離部11において、使用済体液吸収性物品を各構成成分に分離する具体的な手段については特に限定されない。
本実施態様に係る分離部11としては、使用済体液吸収性物品が投入される分離槽を備え、使用済体液吸収性物品の各構成成分への分離に係る各種処理を行うための手段を分離槽に対して設けるものとすることが挙げられる。
分離部11としては、例えば、使用済体液吸収性物品を物理的に分解し、槽内に構成成分を分散させるための分散手段として、破袋手段や細分化手段を分離槽内あるいは分離槽外に設けることが挙げられる。
ここで、破袋手段とは、使用済体液吸収性物品を収集・搬送する際に用いられる包装体(袋体)を破断するものである。また、細分化手段とは、使用済体液吸収性物品の表面材や防水材を破断し、後段における溶解、撹拌等の機械的処理に適合する形状にするとともに、内側の吸水材(パルプおよび高吸水性樹脂)を外部に放出させることができるものである。
分散手段の具体的な例としては、例えば、強撹拌を行うもの、破砕刃による裁断を行うもの、多数の針がついた部材を繰り返し刺し込むものなどが挙げられる。
また、分離部11としては、分散手段により分離槽内に分散させた構成成分ごとに分離回収する分離回収手段を設けることが挙げられる。
分離回収手段としては、パルプ、高吸水性樹脂、プラスチックを構成成分ごとに分離回収することができるものであればよく、特に限定されない。例えば、サイズによる分級、比重差による分離のほか、分離槽とは別の処理槽を更に設け、溶媒・薬品に対する可溶性又は不溶性に基づく分離を行うものなどが挙げられる。
そして、分離回収手段によって分離された高吸水性樹脂は、ラインL1を介して再生処理手段20に導入される。一方、パルプおよびプラスチックは、配管あるいは移送機構からなるラインL7を介してSAP再生システム1系外に排出される。
なお、本実施態様におけるSAP再生システム1では、分離手段10において高吸水性樹脂は薬品等による溶解(分解)を行わずに、分散あるいは濃縮状態で回収し、ラインL1を介して再生処理手段20に導入するものであるが、その他の構成成分であるパルプおよびプラスチックについては、分離手段10において溶解した状態(溶解液)として分離回収するものであってもよい。
脱水手段12は、多価金属塩の添加による高吸水性樹脂の脱水工程を行うためのものである。
高吸水性樹脂は、通常、液中で陽イオン(塩成分)が解離するため、高吸水性樹脂の官能基(例えば、カルボキシル基等)がマイナスの電荷を有することや、樹脂の外側にある水とのイオン濃度差が生じることにより、水が高吸水性樹脂内部に引き寄せられる力(静電相互作用や浸透圧に基づく力)が働くことで吸水が行われる。一方、体液を吸収した使用済高吸水性樹脂に対し、体液(水)の代わりに高吸水性樹脂に取り込まれるものとして多価金属塩(多価金属イオン)を存在させることで、使用済高吸水性樹脂の脱水が可能となる。
したがって、脱水手段12としては、使用済高吸水性樹脂に対し、水の存在下で多価金属塩を添加することが挙げられる。
脱水手段12は、図2に示すように、使用済体液吸収性物品および調整水が投入された分離部11(分離槽)に、多価金属塩を添加することができるものであればよく、具体的な構造については特に限定されない。
例えば、多価金属塩を貯留する槽と、この槽と分離槽を接続する供給用配管とを備えるものが挙げられる。なお、多価金属塩は固体状態または水に溶解した水溶液状態のいずれの形態であってもよい。また、供給用配管に、多価金属塩の供給量を制御する制御機構を備えるものとしてもよい。
多価金属塩としては、2価以上の価数を有する金属の塩であればよく、例えば、アルカリ土類金属塩、遷移金属塩が挙げられる。
アルカリ土類金属塩としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムおよびバリウムの水溶性の塩が使用できる。好ましいアルカリ土類金属塩としては、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム等が挙げられ、中でも、コストや脱水効果等の点から、塩化カルシウムがより好ましい。
遷移金属塩としては、鉄、コバルト、ニッケル、銅等の水溶性の塩が挙げられる。遷移金属塩としては、吸水性ポリマーに取り込まれるものであれば、無機酸塩、有機酸塩、錯体等を問わず用いられる。そのうち、コストや入手容易性等の点から、遷移金属塩としては、無機酸塩または有機酸塩が好ましい。無機酸塩としては、例えば、塩化鉄、硫酸鉄、燐酸鉄、硝酸鉄等の鉄塩;塩化コバルト、硫酸コバルト、燐酸コバルト、硝酸コバルト等のコバルト塩;塩化ニッケル、硫酸ニッケル等のニッケル塩;塩化銅、硫酸銅等の銅塩などが挙げられる。有機酸塩類としては、例えば、乳酸鉄、酢酸コバルト、ステアリン酸コバルト、酢酸ニッケル、酢酸銅等が挙げられる。
脱水手段12より多価金属塩が添加されることで、分離部11内の高吸水性樹脂は、吸収した体液を放出し、吸水性能をほとんど失う状態となる。これにより、高吸水性樹脂は、沈降性および水からの分離性が向上した粒子状態となる。したがって、上述した分離回収手段による分離効率が向上することになる。
また、分離手段10としては、上述した分離部11および脱水処理手段12以外にも、使用済体液吸収性物品を各構成成分(パルプ、高吸水性樹脂、プラスチック)へと効果的・効率的に分類するための手段や、分離手段10の後段における各処理工程に対し適切な状態で導入するための手段を備えるものとしてもよい。例えば、分離処理中あるいは分離処理後の各構成成分の濃度を調整するための濃度調整槽を設けることなどが挙げられる。
(再生処理手段)
分離手段10を経た高吸水性樹脂はラインL1を介して再生処理手段20に導入される。
再生処理手段20は、高吸水性樹脂の吸水性能を回復させる再生処理工程を行うためのものである。
本実施態様における再生処理手段20としては、図2に示すように、上述した洗浄装置100Aからなる洗浄部21と、酸反応部22と、濃縮部23と、中和部24と、乾燥部25を備え、それぞれがラインL2~L5により接続されているものが挙げられる。また、再生処理済の高吸水性樹脂(再生SAP)は、乾燥部25からラインL6を介して排出される。
洗浄部21は、分離手段10において分離され、ラインL1を介して回収された高吸水性樹脂を洗浄する洗浄工程を行うためのものである。
本実施態様における洗浄部21としては、上述した洗浄装置100Aを用いる。ここで、上述した分離手段10により、使用済体液吸収性物品は、各構成成分(パルプ、高吸水性樹脂、プラスチック)に分離され、高吸水性樹脂のみをラインL1を介して再生処理手段20に導入するものであるが、高吸水性樹脂とパルプとが完全に分離されず、混合物MとしてラインL1から供給されることがある。一方、上述した洗浄装置100Aを用いることで、ラインL1を介して導入された高吸水性樹脂の洗浄と併せて、分離手段10では分離し切れなかった高吸水性樹脂とパルプとの分離を簡便かつ効果的に行うことが可能となる。これにより、後工程に導入する高吸水性樹脂の純度(濃度)を高め、SAP再生処理を高収率で行うことが可能となる。
洗浄部21で洗浄・分離回収された高吸水性樹脂は、ラインL2を介して酸反応部22に導入される。
酸反応部22は、洗浄部21の後段に設けられ、高吸水性樹脂に強酸を添加する酸反応工程を行うためのものである。
上述したように、分離手段10における脱水手段12により、酸反応部22に導入される高吸水性樹脂は多価金属塩の陽イオンにより吸水性能を失った状態にある。
酸反応部22は、この高吸水性樹脂に強酸を加えてpHを低下させることで、高吸水性樹脂における多価金属塩由来の陽イオン(例えば、カルシウムイオン)を水素イオンと置換するものである。
酸反応部22としては、例えば、ラインL2を介して導入される高吸水性樹脂を貯留することができ、強酸の添加手段が接続された酸反応槽を備えることが挙げられる。なお、強酸の添加手段については特に限定されないが、例えば、強酸を貯留する槽および供給用配管を備えるものなどが挙げられる。
酸反応部22で添加される強酸としては、酸反応部22内のpHを3以下、好ましくは2以下とすることができるものであればよく、例えば、塩酸、硫酸、硝酸等が挙げられる。
また、酸反応部22では、高吸水性樹脂と強酸との反応を好適に進行させるために、調整水を添加し、高吸水性樹脂濃度(水中における高吸水性樹脂含有量)について調整を行うことが好ましい。このとき、酸反応部22における好適な高吸水性樹脂濃度としては、酸反応部22における撹拌混合が容易となる範囲とすることが好ましく、具体的には、5質量%以下、より好ましくは3質量%以下とすることが挙げられる。
酸反応部22で処理された高吸水性樹脂は、スラリー(分散液)としてラインL3を介して濃縮部23に導入される。
濃縮部23は、酸反応部22の後段に設けられ、高吸水性樹脂を濃縮する濃縮工程を行うためのものである。
ここで、濃縮部23による濃縮工程とは、酸反応部22から導入されるスラリー(分散液)から水分を除去し、水素置換された高吸水性樹脂の濃度増加を図るものであり、濃縮部23の具体的な構造については特に限定されない。
酸反応部22において水素置換された高吸水性樹脂は、金属に対する付着性が増加し、かつ粘性の高い含水状態(ゲル状)となる。したがって、濃縮部23としては、ラインL3を介して導入されるスラリー(分散液)に対し、ウェッジワイヤースクリーンのように通水が可能な固液分離機構を用い、調整水による洗浄と併せ、高吸水性樹脂の濃縮(高吸水性樹脂の濃度増加)を行うものが挙げられる。これにより、金属付着性および粘性によるハンドリングの影響を低減することが可能となる。また、濃縮部23による濃縮工程を行うことで、次工程以降(中和工程や乾燥工程)における処理効率を向上させることが可能となる。
濃縮部23において濃縮された高吸水性樹脂はラインL4を介して中和部24に導入される。
中和部24は、濃縮部23の後段に設けられ、高吸水性樹脂を中和する中和工程を行うためのものである。
水素置換された高吸水性樹脂は、吸水性能が一定程度回復するが、再生品(製品)として利用するには十分ではない。したがって、中和部24による中和を行うことで、水素置換された高吸水性樹脂を水素イオン以外の陽イオンで置換(アルカリ置換)し、使用前の高吸水性樹脂と同様の組成とすることで、高吸水性樹脂の吸水性能を十分に回復させることが可能となる。
中和部24としては、例えば、ラインL4を介して導入される高吸水性樹脂と中和剤とを混合することができるものであればよく、具体的な構造については特に限定されない。例えば、高吸水性樹脂と中和剤とを撹拌混合する槽を備えるものなどが挙げられる。
中和部24で添加される中和剤としては、水素置換された高吸水性樹脂を、水素イオン以外の陽イオンで置換することができる薬品であればよく、例えば、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩等を挙げることができる。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムの群から少なくとも1つ選択され得る。アルカリ金属塩は、1種類であってもよく、複数の種類のアルカリ金属塩の混合物であってもよい。より具体的には、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
ここで、中和部24における中和工程では、水素置換された高吸水性樹脂に対し、液体状の中和剤を添加すると、陽イオンへの置換反応と並行して吸水が生じてしまうため、中和された高吸水性樹脂の固形分濃度が低下してしまい、その結果、後段の乾燥部25において、高吸水性樹脂の乾燥に必要なエネルギーが増加してしまう。このため、中和部24で添加する中和剤としては固体状であることが好ましく、高吸水性樹脂との接触(混合)効率向上の面からは粉末状であることが特に好ましい。したがって、中和部24で添加される中和剤としては、粉末状態で入手しやすいことおよびコスト面を鑑み、炭酸ナトリウムが特に好適に用いられる。
中和部24において中和(アルカリ置換)された高吸水性樹脂は、ラインL5を介して乾燥部25に導入される。
乾燥部25は、中和部24の後段に設けられ、高吸水性樹脂を乾燥させる乾燥工程を行うためのものである。
中和部24により中和された高吸水性樹脂は含水状態となっており、これを乾燥部25で乾燥させることで十分な吸水性能が回復した再生品(製品)として利用することが可能となる。
乾燥部25としては、含水状態(不定形)の高吸水性樹脂を粒子状態としてハンドリング可能となるまで乾燥することができるものであればよく、例えば、バンド乾燥機やドラム乾燥機として公知のものを用いることが挙げられる。
乾燥した高吸水性樹脂は、再生SAPとして、ラインL6を介してSAP再生システム1系外に排出される。再生SAPは、使用前の高吸水性樹脂と同様の用途に使用することが可能であり、例えば、体液吸収性物品の吸水材として再利用するほか、その他の吸水材として利用することが可能である。また、乾燥部25の後段に、再生SAPとしての利用価値を更に向上させるための手段を設けるものとしてもよい。例えば、粒度調整手段や成型手段を設けることが挙げられる。
以上のように、本実施態様におけるSAP再生システム1は、使用済の体液吸収性物品から高吸水性樹脂を分離する分離手段と、分離された高吸水性樹脂の再生処理を行う再生処理手段とからなるものである。そして、使用済の体液吸収性物品から高吸水性樹脂を分離する際に、多価金属塩の添加による高吸水性樹脂の脱水処理を行うことで、高吸水性樹脂が吸収した体液をより確実に外部に放出させるとともに、高吸水性樹脂の分離回収効率を高めることができる。また、分離回収した高吸水性樹脂に対し、所定の順序で処理を行うことにより、高吸水性樹脂の吸水性能を十分に回復させ、再生品(製品)としての有効活用(再製品化)が可能となる。特に、分離回収した高吸水性樹脂に対する洗浄部として、上述した洗浄装置を備えることで、高吸水性樹脂とパルプの混合物に対し、簡便かつ効率的な分離および洗浄を可能とすることができる。また、各施設から大量に排出される使用済紙おむつ等の使用済体液吸収性物品から高吸水性樹脂の分離回収および再製品化を可能とすることで、新たな資源としての利用を促進することができる。
〔第2の実施態様〕
図3は、本発明の第2の実施態様における使用済高吸水性樹脂の洗浄装置を示す概略説明図である。
第2の実施態様に係る洗浄装置100Bは、第1の実施態様における洗浄装置1Aにおいて、パルプ層113と高吸水性樹脂層114の間に、散気を行う散気手段130を更に設けるものである。なお、第1の実施態様の構成と同じものについては、説明を省略する。
また、本実施態様における洗浄装置100Bにおいては、連続式で洗浄を行うものについて説明する。これにより、洗浄装置100Bを他の処理システム(SAP再生システム1等)に適用する場合に、他の処理工程との連続性を維持することができ、システム全体としての処理効率を高めることが可能となる。
洗浄装置100Bにおいて連続式で洗浄を行う場合、例えば、図3に示すように、混合物Mの導入位置と、洗浄水Wの導入位置を、それぞれ処理槽110の下部、より具体的には高吸水性樹脂層114よりも下方に設けるものとする。これにより、各層の形成、特に水面近傍に浮上するパルプ層113の形成を阻害することなく、処理槽110内に対して連続して混合物Mと洗浄水Wを導入することが可能となる。
なお、混合物Mの導入位置と洗浄水Wの導入位置は、固定するものとしてもよく、可変とするものとしてもよい。各導入位置を可変とする手段としては、処理槽110内に、混合物Mと洗浄水Wを導入するための配管と、この配管の移動機構(上下移動機構)を各々設けることなどが挙げられる。これにより、高吸水性樹脂層114が形成される領域の位置が変動した場合においても、高吸水性樹脂層114の形成を阻害しない位置から混合物Mと洗浄水Wを導入することが可能となる。
散気手段130は、パルプ層113と高吸水性樹脂層114の間に散気を行うためのものである。
本実施態様における散気手段130としては、処理槽110内に形成される二層(パルプ層113と高吸水性樹脂層114)の間に散気を行うことができるものであればよく、例えば、図3に示すように、処理槽110内においてパルプ層113が形成される領域の下方に配置した散気管131と、散気管131に給気するブロワ132を備えるものが挙げられる。
散気管131は、パルプ層113の下方、かつ高吸水性樹脂層114の上方に配置されるものであればよく、例えば、処理槽110底面(高吸水性樹脂層114)側に散気口が開放されているものが挙げられる。これにより、ブロワ132を介して給気された気体(空気等)が高吸水性樹脂層114に向かって放出されることになる。このとき、給気された気体は気泡となって上昇し、それに伴う上昇流によりパルプ層113の沈降を防ぎ、高吸水性樹脂層114の撹拌によるパルプ成分の上昇を補助する効果を発する。そのため、高吸水性樹脂層114とパルプ層113との分離が容易となる。
また、散気口を処理槽110上方(パルプ層113)側に開放したものとしてもよい。これにより、パルプ層113を形成するパルプが処理槽110下方(高吸水性樹脂層114)側に沈降することを抑制することが可能となる。
さらに、散気口を複数の方向に向かって開放し、パルプ層113と高吸水性樹脂層114の分離をより一層促進させるものとしてもよい。
なお、いずれの場合においても、ブロワ132による給気量としては、パルプの浮上を助け、逆に高吸水性樹脂層114のかく乱を防ぐ空気量とすることが必要となる。
散気手段130は、処理槽110内における設置箇所を固定するものとしてもよいが、可変とすることが好ましい。例えば、散気管131を処理槽110内で移動させることが可能な移動機構を設け、撹拌手段120によってパルプ層113と高吸水性樹脂層114が形成された後、二層の間に散気管131を移動させることが挙げられる。これにより、パルプ層113と高吸水性樹脂層114の分離をより確実に行うことが可能となる。
以上のように、本実施態様における洗浄装置100Bは、撹拌流による高吸水性樹脂およびパルプの洗浄・分離に加えて、処理槽110内に形成された二層(パルプ層113および高吸水性樹脂層114)の間に散気手段130を設けることで、撹拌流と併せて散気による流体流を利用することができる。これにより、処理槽110内で形成された高吸水性樹脂層114を処理槽110内の下方へ効果的に沈降させることが可能となり、高吸水性樹脂層114とパルプ層113の分離を更に容易かつ効果的に行うことが可能となる。
また、本実施態様の洗浄装置100Bは、第1の実施態様に示したSAP再生システム1における洗浄部21として適用することができる。これにより、第1の実施態様と同様に、使用済高吸水性樹脂の再生処理を行うことが可能となる。
〔第3の実施態様〕
図4は、本発明の第3の実施態様における使用済高吸水性樹脂の洗浄装置を示す概略説明図である。
第3の実施態様に係る洗浄装置1Cは、第1の実施態様における洗浄装置1Aにおける処理槽110の上部が縮径した構造となっているものである。なお、第1の実施態様の構成と同じものについては、説明を省略する。
本実施態様における洗浄装置100Cは、処理槽110の上部に円錐台形状の縮径部115を設けることで、処理槽110上部に浮上したパルプは処理槽110底面よりも小さい面積を有する領域にパルプ層113を形成することになる。これにより、パルプ層113を効率的に処理槽110上方に形成させることができるとともに、回収が容易となる。
また、本実施態様における洗浄装置100Cは、パルプ層113を回収するために、処理槽110上方に設けたパルプ排出口111aの代わりに、図4に示すように、縮径部115の外周部にパルプ回収用堰116を設けるものとしてもよい。このとき、洗浄水Wや混合物Mを連続的に処理槽110に導入することで、処理槽110上方から越流したパルプ層113をパルプ回収用堰116によって簡便かつ効率的に回収することが可能となる。
以上のように、本実施態様における洗浄装置100Cは、処理槽110の上部を縮径させることで、処理槽110内で形成されたパルプ層113を効率的に処理槽110上方へ浮上させることができるとともに、処理槽110上方でパルプを回収することが容易となる。これにより、高吸水性樹脂層114とパルプ層113との分離を更に容易かつ効果的に行うことが可能となる。
また、本実施態様の洗浄装置100Cは、第1の実施態様に示したSAP再生システム1における洗浄部21として適用することができる。これにより、第1の実施態様と同様に、使用済高吸水性樹脂の再生処理を行うことが可能となる。
なお、上述した実施態様は、使用済高吸水性樹脂の洗浄装置、使用済高吸水性樹脂の洗浄方法、使用済高吸水性樹脂の再生システム、および使用済高吸水性樹脂の再生方法の一例を示すものである。本発明に係る使用済高吸水性樹脂の洗浄装置、使用済高吸水性樹脂の洗浄方法、使用済高吸水性樹脂の再生システム、および使用済高吸水性樹脂の再生方法は、上述した実施態様に限られるものではなく、請求項に記載した要旨を変更しない範囲で、上述した実施態様に係る使用済高吸水性樹脂の洗浄装置、使用済高吸水性樹脂の洗浄方法、使用済高吸水性樹脂の再生システム、および使用済高吸水性樹脂の再生方法を変形してもよい。
例えば、本発明の洗浄装置は、処理槽110および撹拌手段120と併せて、本実施態様における洗浄装置100Bおよび洗浄装置100Cに示した散気手段130および縮径部115を両方備えるものとしてもよい。これにより、散気手段130および縮径部115を設けることによる各効果を併せて得ることが可能となり、使用済高吸水性樹脂の洗浄および分離に係る処理効率をより一層高めることが可能となる。
本発明の使用済高吸水性樹脂の洗浄装置、使用済高吸水性樹脂の洗浄方法、使用済高吸水性樹脂の再生システム、および使用済高吸水性樹脂の再生方法は、一般家庭、病院や福祉施設などから排出される使用済の体液吸収性物品から高吸水性樹脂を回収および再生し、再製品化する技術において好適に利用されるものである。
1 SAP再生システム、10 分離手段、11 分離部、12 脱水手段、20 再生処理手段、21 洗浄部、22 酸反応部、23 濃縮部、24 中和部、25 乾燥部、100A,100B,100C 洗浄装置、110 処理槽、111a パルプ排出口、111b SAP排出口、112 引抜ポンプ、113 パルプ層、114 高吸水性樹脂層、115 縮径部、116 パルプ回収用堰、120 撹拌手段、121 撹拌翼、122 モータ、123 調整手段、130 散気手段、131 散気管、132 ブロワ、L1~L7 ライン、M 高吸水性樹脂およびパルプの混合物、W 洗浄水

Claims (6)

  1. 使用済高吸水性樹脂を洗浄する洗浄装置であって、
    高吸水性樹脂およびパルプの混合物と洗浄水が導入される処理槽と、
    前記処理槽内を撹拌する撹拌手段と、を備え、
    前記撹拌手段は、前記パルプが前記処理槽水面まで浮上する一方、前記高吸水性樹脂が前記処理槽内の一部領域で均一分散するように、撹拌強度ないしは撹拌流方向を調整する調整手段を有することを特徴とする、使用済高吸水性樹脂の洗浄装置。
  2. 前記処理槽は、前記パルプの浮上により形成されるパルプ層と、前記高吸水性樹脂の均一分散により形成される高吸水性樹脂層の間に、散気を行う散気手段を更に備えることを特徴とする、請求項1に記載の使用済高吸水性樹脂の洗浄装置。
  3. 前記処理槽は、上部が縮径した構造を有することを特徴とする、請求項1に記載の使用済高吸水性樹脂の洗浄装置。
  4. 使用済の体液吸収性物品を、パルプ、高吸水性樹脂、プラスチックに分離する分離手段と、
    前記分離手段で分離された高吸水性樹脂の吸水性能を回復させる再生処理手段とを備え、
    前記分離手段は、多価金属塩の添加による高吸水性樹脂の脱水手段を含み、
    前記再生処理手段は、
    分離された高吸水性樹脂の洗浄を行う洗浄部と、
    前記洗浄部の後段で高吸水性樹脂に強酸を添加する酸反応部と、
    前記酸反応部の後段で高吸水性樹脂を濃縮する濃縮部と、
    前記濃縮部の後段で高吸水性樹脂を中和する中和部と、
    前記中和部の後段で高吸水性樹脂を乾燥させる乾燥部と、を備え、
    前記洗浄部は、請求項1~3のいずれか一項に記載の使用済高吸水性樹脂の洗浄装置を備えることを特徴とする、使用済高吸水性樹脂の再生システム。
  5. 使用済高吸水性樹脂の洗浄方法であって、
    高吸水性樹脂およびパルプの混合物と洗浄水が処理槽内に導入する導入工程と、
    前記処理槽内を撹拌する撹拌工程、を備え、
    前記撹拌工程は、前記パルプが前記処理槽水面まで浮上する一方、前記高吸水性樹脂が前記処理槽内の一部領域で均一分散するように、撹拌強度ないしは撹拌流方向を調整する調整工程を有することを特徴とする、使用済高吸水性樹脂の洗浄方法。
  6. 使用済の体液吸収性物品を、パルプ、高吸水性樹脂、プラスチックに分離する分離工程と、
    前記分離工程で分離された高吸水性樹脂の吸水性能を回復させる再生処理工程とを備え、
    前記分離工程は、多価金属塩の添加による高吸水性樹脂の脱水工程を含み、
    前記再生処理工程は、
    分離された高吸水性樹脂の洗浄を行う洗浄工程と、
    前記洗浄工程後の高吸水性樹脂に強酸を添加する酸反応工程と、
    前記酸反応工程後の高吸水性樹脂を濃縮する濃縮工程と、
    前記濃縮工程後の高吸水性樹脂を中和する中和工程と、
    前記中和工程後の高吸水性樹脂を乾燥させる乾燥工程と、を備え、
    前記洗浄工程は、請求項5に記載の使用済高吸水性樹脂の洗浄方法によるものであることを特徴とする、使用済高吸水性樹脂の再生方法。
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