JP2024094058A - ショベル - Google Patents

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Abstract

Figure 2024094058000001
【課題】ショベルのアタッチメントを駆動する油圧シリンダについて、操作入力に起因する油圧シリンダの振動を抑制することが可能な技術を提供する。
【解決手段】本開示の一実施形態に係るショベル100は、下部走行体1と、下部走行体1に旋回自在に搭載される上部旋回体3と、上部旋回体に取り付けられ、ブーム4、アーム5、及びバケット6を含むアタッチメントATと、アタッチメントATのブーム4を駆動するブームシリンダ7と、ブームシリンダ7の加速度の状態に応じて、ブームシリンダ7に関する操作入力に起因するブームシリンダ7の振動を抑制するように、ブームシリンダ7の動作を制御するコントローラ30と、を備える。
【選択図】図7

Description

本開示は、ショベルに関する。
従来、油圧シリンダにより駆動されるアタッチメントを備えるショベルが知られている(特許文献1参照)。
国際公開第2019/078077号
ところで、油圧シリンダに関する操作の内容によっては、油柱ばねによる油圧シリンダの振動が生じる可能性がある。例えば、比較的大きい速度でブーム上げ操作が行われると、停止状態からの加速時や比較的大きい速度からの減速・停止時に油圧シリンダに振動が生じる可能性がある。そのため、例えば、油圧シリンダの振動によって、アタッチメントが振動し、アタッチメントを用いた作業の品質が低下する可能性がある。また、例えば、油圧シリンダの振動に伴いアタッチメントから車体に振動が伝達し、キャビン内のオペレータに不快感を与える可能性がある。
そこで、上記課題に鑑み、ショベルのアタッチメントを駆動する油圧シリンダについて、操作入力に起因する油圧シリンダの振動を抑制することが可能な技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本開示の一実施形態では、
アタッチメントと、
前記アタッチメントを駆動する油圧シリンダと、
前記油圧シリンダの加速度の状態に応じて、前記油圧シリンダに関する操作入力に起因する前記油圧シリンダの振動を抑制するように、前記油圧シリンダの動作を制御する制御装置と、を備える、
ショベルが提供される。
上述の実施形態によれば、ショベルのアタッチメントを駆動する油圧シリンダについて、操作入力に起因する油圧シリンダの振動を抑制することができる。
ショベルの一例を示す側面図である。 ショベルの一例を示す上面図である。 ショベルの遠隔操作に関する構成の一例を示す図である。 ショベルのハードウェア構成の一例を示す図である。 アタッチメントの駆動に関する機能の構成の第1例を示す機能ブロック図である。 操作指令信号に基づくブームの駆動方法の比較例を説明する図である。 操作指令信号に基づくブームの駆動方法の一例(実施例)を説明する図である。 操作指令及び補正操作指令の時系列データの一例を示すである。 ブームシリンダの推力の時系列データの一例を示す図である。 ショベルの機体の傾斜角度の時系列データの一例を示す図である。 アタッチメントの駆動に関する機能構成の第2例を示す機能ブロック図である。
以下、図面を参照して実施形態について説明する。
[ショベルの概要]
図1~図3を参照して、本実施形態に係るショベル100の概要について説明をする。
図1は、ショベル100の一例を示す側面図である。図2は、ショベル100の一例を示す上面図である。図3は、ショベル100の遠隔操作に関する構成の一例を示す図である。以下、ショベル100の上面視でアタッチメントATが延び出す方向(図2の上方向)を"前"と規定して、ショベル100における方向、或いは、ショベル100から見た方向を説明する場合がある。
図1、図2に示すように、ショベル100は、下部走行体1と、上部旋回体3と、ブーム4、アーム5、及び、バケット6を含むアタッチメントATと、キャビン10とを備える。
下部走行体1は、クローラ1Cを用いて、ショベル100を走行させる。クローラ1Cは、左側のクローラ1CL及び右側のクローラ1CRを含む。クローラ1CLは、走行油圧モータ1MLで油圧駆動される。同様に、クローラ1CLは、走行油圧モータ1MRで油圧駆動される。これにより、下部走行体1は、自走することができる。
上部旋回体3は、旋回機構2を介して下部走行体1に旋回可能(旋回自在)に搭載される。例えば、上部旋回体3は、旋回油圧モータ2Mで旋回機構2が油圧駆動されることにより、下部走行体1に対して旋回する。
ブーム4は、左右方向に沿う回転軸を中心として俯仰可能なように、上部旋回体3の前部中央に取り付けられる。アーム5は、左右方向に沿う回転軸を中心として回転可能なように、ブーム4の先端に取り付けられる。バケット6は、左右方向に沿う回転軸を中心として回転可能なように、アーム5の先端に取り付けられる。
バケット6は、エンドアタッチメントの一例であり、例えば、掘削作業や法面作業や整地作業等に用いられる。
バケット6は、ショベル100の作業内容に応じて、適宜交換可能な態様で、アーム5の先端に取り付けられている。つまり、アーム5の先端には、バケット6に代えて、バケット6とは異なる種類のバケット、例えば、相対的に大きい大型バケット、法面用バケット、浚渫用バケット等が取り付けられてもよい。また、アーム5の先端には、バケット以外の種類のエンドアタッチメント、例えば、攪拌機、ブレーカ、クラッシャー等が取り付けられてもよい。また、アーム5と、エンドアタッチメントとの間には、例えば、クイックカップリングやチルトローテータ等の予備アタッチメントが設けられてもよい。
ブーム4、アーム5、及び、バケット6は、それぞれ、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及び、バケットシリンダ9により油圧駆動される。
キャビン10は、オペレータが搭乗し、ショベル100を操作するための操縦室である。キャビン10は、例えば、上部旋回体3の前部左側に搭載される。
例えば、ショベル100は、キャビン10に搭乗するオペレータの操作に応じて、下部走行体1(即ち、左右の一対のクローラ1CL,1CR)、上部旋回体3、ブーム4、アーム5、及びバケット6等の被駆動要素を動作させる。
また、ショベル100は、キャビン10に搭乗するオペレータによって操作可能に構成されるのに代えて、或いは、加えて、ショベル100の外部から遠隔操作(リモート操作)が可能に構成されてもよい。ショベル100が遠隔操作される場合、キャビン10の内部は、無人状態であってもよい。また、ショベル100が遠隔操作専用である場合、キャビン10は省略されてもよい。以下、オペレータの操作には、キャビン10のオペレータの操作装置26に対する操作、及びショベル100の外部のオペレータの遠隔操作の少なくとも一方が含まれる前提で説明を進める。
例えば、図3に示すように、遠隔操作には、ショベル100と通信回線NWを通じて通信可能な遠隔操作支援装置300で行われるショベル100のアクチュエータに関する操作入力によって、ショベル100が操作される態様が含まれる。この場合、ショベル100は、通信装置60を搭載し、所定の通信回線NWを通じて、遠隔操作支援装置300と相互に通信を行うことができる。
通信回線NWは、例えば、作業現場のローカルネットワーク(LAN:Local Area Network)を含む。また、通信回線NWは、広域ネットワーク(WAN:Wide Area Network)を含んでもよい。広域ネットワークには、例えば、基地局を末端とする移動体通信網、通信衛星を利用する衛星通信網、インターネット網等が含まれる。また、通信回線NWは、例えば、WiFiやブルートゥース(登録商標)等の無線通信規格に基づく近距離通信回線が含まれてもよい。
遠隔操作支援装置300は、例えば、ショベル100の作業を外部から管理する管理センタ等に設けられる。また、遠隔操作支援装置300は、可搬型の操作端末であってもよく、この場合、オペレータは、ショベル100の周辺からショベル100の作業状況を直接確認しながらショベル100の遠隔操作を行うことができる。
ショベル100は、例えば、自身に搭載される通信装置60を通じて、自身に搭載される撮像装置40が出力する撮像画像に基づくショベル100の前方を含む周辺の様子を表す画像(以下、「周辺画像」)を遠隔操作支援装置300に送信してよい。また、ショベル100は、通信装置60を通じて、撮像装置40の出力する撮像画像を遠隔操作支援装置300に送信し、遠隔操作支援装置300は、ショベル100から受信する撮像画像を加工し周辺画像を生成してもよい。そして、遠隔操作支援装置300は、ショベル100の前方を含む周辺の様子を表す周辺画像を自身の表示装置に表示させてよい。また、ショベル100のキャビン10の内部の出力装置50(表示装置)に表示される各種の情報画像(情報画面)は、同様に、遠隔操作支援装置300(表示部)にも表示されてよい。これにより、遠隔操作支援装置300を利用するオペレータは、例えば、表示されるショベル100の周辺の様子を表す画像や情報画面等の表示内容を確認しながら、ショベル100を遠隔操作することができる。そして、ショベル100は、通信装置60により遠隔操作支援装置300から受信される、遠隔操作の内容を表す遠隔操作信号に応じて、アクチュエータを動作させ、下部走行体1、上部旋回体3、ブーム4、アーム5、及びバケット6等の被駆動要素を駆動してよい。
また、遠隔操作には、ショベル100の周囲の人(例えば、作業者)のショベル100に対する外部からの音声入力やジェスチャ入力等によって、ショベル100が操作される態様が含まれてもよい。具体的には、ショベル100は、自身に搭載される音声入力装置(例えば、マイクロフォン)やジェスチャ入力装置(例えば、撮像装置)等を通じて、周囲の作業者等により発話される音声や作業者等により行われるジェスチャ等を認識する。そして、ショベル100は、認識した音声やジェスチャ等の内容に応じて、アクチュエータを動作させ、下部走行体1(左右のクローラ1C)、上部旋回体3、ブーム4、アーム5、及びバケット6等の被駆動要素を駆動してもよい。
また、ショベル100は、オペレータの操作の内容に依らず、自動でアクチュエータを動作させてもよい。これにより、ショベル100は、下部走行体1、上部旋回体3、アタッチメントAT等の被駆動要素の少なくとも一部を自動で動作させる機能、即ち、いわゆる「自動運転機能」を実現することができる。自動運転機能は、「マシンコントロール(Machine Control:MC)機能」とも称される。
自動運転機能には、例えば、半自動運転機能が含まれる。半自動運転機能は、操作支援型のMC機能とも称される。半自動運転機能は、オペレータの操作に応じて、操作対象の被駆動要素(アクチュエータ)に連動させるように、他の被駆動要素(アクチュエータ)を自動で動作させる機能である。また、自動運転機能には、完全自動運転機能が含まれてもよい。完全自動運転機能は、完全自動型のMC機能とも称される。完全自動運転機能は、オペレータの操作がない前提で、複数の被駆動要素(油圧アクチュエータ)の少なくとも一部を自動で動作させる機能である。ショベル100において、完全自動運転機能が有効な場合、キャビン10の内部は無人状態であってもよい。また、ショベル100が専ら完全自動運転機能により動作する場合、キャビン10は省略されてもよい。また、半自動運転機能や完全自動運転機能等には、例えば、ルールベースの自動運転機能が含まれる。ルールベースの自動運転機能は、自動運転の対象の被駆動要素(アクチュエータ)の動作内容が予め規定されるルールに従って自動的に決定される態様の自動運転機能である。また、半自動運転機能や完全自動運転機能等には、自律運転機能が含まれてもよい。自律運転機能は、ショベル100が自律的に各種の判断を行い、その判断結果に沿って、自動運転の対象の被駆動要素(油圧アクチュエータ)の動作内容が決定される態様の自動運転機能である。
また、ショベル100の作業が遠隔監視(リモート監視)されてもよい。この場合、例えば、遠隔操作支援装置300と同様の機能を有する遠隔監視支援装置が設けられる。遠隔監視支援装置のユーザである監視者は、遠隔監視支援装置(表示部)に表示される周辺画像を確認しながら、ショベル100の作業の状況を監視することができる。また、例えば、監視者は、安全性の観点から必要と判断した場合、遠隔監視支援装置(入力部)を用いて、所定の入力を行うことによって、ショベル100のオペレータによる操作や自動運転に介入しショベル100を緊急停止させることができる。
[ショベルのハードウェア構成]
次に、図1~図3に加えて、図4を参照して、ショベル100のハードウェア構成について説明する。
図4は、ショベル100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
尚、図4では、機械的動力が伝達される経路は二重線、油圧アクチュエータを駆動する高圧の作動油が流れる経路は実線、パイロット圧が伝達される経路は破線、電気信号が伝達される経路は点線でそれぞれ示される。
ショベル100は、被駆動要素の油圧駆動に関する油圧駆動系、被駆動要素の操作に関する操作系、ユーザとの情報のやり取りに関するユーザインタフェース系、外部との通信に関する通信系、及び各種制御に関する制御系等のそれぞれの構成要素を含む。
<油圧駆動系>
図4に示すように、ショベル100の油圧駆動系は、上述の如く、下部走行体1(左右のクローラ1C)、上部旋回体3、ブーム4、アーム5、及びバケット6等の被駆動要素のそれぞれを油圧駆動する油圧アクチュエータHAを含む。また、本実施形態に係るショベル100の油圧駆動系は、エンジン11と、レギュレータ13と、メインポンプ14と、コントロールバルブ17とを含む。
油圧アクチュエータHAには、走行油圧モータ1ML,1MR、旋回油圧モータ2M、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9等が含まれる。
尚、ショベル100は、油圧アクチュエータHAの一部又は全部が電動アクチュエータに置換されてもよい。つまり、ショベル100は、ハイブリッドショベルや電動ショベルであってもよい。
エンジン11は、ショベル100の原動機であり、油圧駆動系におけるメイン動力源である。エンジン11は、例えば、軽油を燃料とするディーゼルエンジンである。エンジン11は、例えば、上部旋回体3の後部に搭載される。エンジン11は、例えば、後述するコントローラ30による直接或いは間接的な制御下で、予め設定される目標回転数で一定回転し、メインポンプ14及びパイロットポンプ15を駆動する。
尚、エンジン11に代えて、或いは、加えて、他の原動機(例えば、電動機)等がショベル100に搭載されてもよい。
レギュレータ13は、コントローラ30の制御下で、メインポンプ14の吐出量を制御(調節)する。例えば、レギュレータ13は、コントローラ30からの制御指令に応じて、メインポンプ14の斜板の角度(以下、「傾転角」)を調節する。
メインポンプ14は、高圧油圧ラインを通じてコントロールバルブ17に作動油を供給する。メインポンプ14は、例えば、エンジン11と同様、上部旋回体3の後部に搭載される。メインポンプ14は、上述の如く、エンジン11により駆動される。メインポンプ14は、例えば、可変容量式油圧ポンプであり、上述の如く、コントローラ30の制御下で、レギュレータ13により斜板の傾転角が調節されることによりピストンのストローク長が調整され、吐出流量や吐出圧が制御される。
コントロールバルブ17は、オペレータの操作装置26に対する操作や遠隔操作の内容、或いは、自動運転機能に対応する操作指令に応じて、油圧アクチュエータHAを駆動する。コントロールバルブ17は、例えば、上部旋回体3の中央部に搭載される。コントロールバルブ17は、上述の如く、高圧油圧ラインを介してメインポンプ14と接続され、メインポンプ14から供給される作動油を、オペレータの操作、或いは、自動運転機能に対応する操作指令に応じて、それぞれの油圧アクチュエータに選択的に供給する。コントロールバルブ17は、メインポンプ14から油圧アクチュエータHAのそれぞれに供給される作動油の流量と流れる方向を制御する方向切換弁17A~17Fを含む。
方向切換弁17Aは、ブームシリンダ7に供給する作動油の流量及び流れる方向を制御する。これにより、方向切換弁17Aは、ブームシリンダ7を速度可変で伸縮させることができる。方向切換弁17Aは、例えば、スプール弁である。
方向切換弁17Bは、アームシリンダ8に供給する作動油の流量及び流れる方向を制御する。これにより、方向切換弁17Bは、アームシリンダ8を速度可変で伸縮させることができる。方向切換弁17Bは、例えば、スプール弁である。
方向切換弁17Cは、バケットシリンダ9に供給する作動油の流量及び流れる方向を制御する。これにより、方向切換弁17Cは、バケットシリンダ9を速度可変で伸縮させることができる。方向切換弁17Cは、例えば、スプール弁である。
方向切換弁17Dは、走行油圧モータ1MLに供給する作動油の流量及び流れる方向を制御する。これにより、方向切換弁17Dは、走行油圧モータ1MLを速度可変で両方向に回転させることができる。方向切換弁17Dは、例えば、スプール弁である。
方向切換弁17Eは、走行油圧モータ1MRに供給する作動油の流量及び流れる方向を制御する。これにより、方向切換弁17Eは、走行油圧モータ1MRを速度可変で両方向に回転させることができる。方向切換弁17Eは、例えば、スプール弁である。
方向切換弁17Fは、旋回油圧モータ2Mに供給する作動油の流量及び流れる方向を制御する。これにより、方向切換弁17Fは、旋回油圧モータ2Mを速度可変で両方向に回転させることができる。方向切換弁17Fは、例えば、スプール弁である。
<操作系>
図4に示すように、ショベル100の操作系は、パイロットポンプ15と、操作装置26と、油圧制御弁31とを含む。
パイロットポンプ15は、パイロットライン25を介して各種油圧機器にパイロット圧を供給する。パイロットポンプ15は、例えば、エンジン11と同様、上部旋回体3の後部に搭載される。パイロットポンプ15は、例えば、固定容量式油圧ポンプであり、上述の如く、エンジン11により駆動される。
尚、パイロットポンプ15は、省略されてもよい。この場合、メインポンプ14から吐出される相対的に高い圧力の作動油が所定の減圧弁により減圧された後の相対的に低い圧力の作動油がパイロット圧として各種油圧機器に供給されてよい。
操作装置26は、キャビン10の操縦席付近に設けられ、オペレータが各種被駆動要素の操作を行うために用いられる。具体的には、操作装置26は、オペレータがそれぞれの被駆動要素を駆動する油圧アクチュエータHAの操作を行うために用いられ、その結果として、油圧アクチュエータHAの駆動対象の被駆動要素のオペレータによる操作を実現することができる。操作装置26は、それぞれの被駆動要素(油圧アクチュエータHA)を操作するためのペダル装置やレバー装置(例えば、後述のレバー装置26A~26C)を含む。
例えば、図4に示すように、操作装置26は、電気式である。具体的には、操作装置26は、操作内容に応じた電気信号(以下、「操作信号」)を出力し、操作信号は、コントローラ30に取り込まれる。そして、コントローラ30は、操作信号の内容に応じた操作指令、つまり、操作装置26に対する操作内容に応じた操作指令(制御信号)を油圧制御弁31に出力する。これにより、油圧制御弁31からコントロールバルブ17に操作装置26の操作内容に応じたパイロット圧が入力され、コントロールバルブ17は、操作装置26の操作内容に応じて、それぞれの油圧アクチュエータHAを駆動することができる。
また、コントロールバルブ17に内蔵される、それぞれの油圧アクチュエータHAを駆動する方向切換弁17A~17Fは、電磁ソレノイド式であってもよい。この場合、操作装置26から出力される操作信号がコントロールバルブ17に(即ち、電磁ソレノイド式の方向切換弁に)直接入力されてもよい。
尚、操作装置26は、油圧パイロット式であってもよい。具体的には、操作装置26は、パイロットラインを通じてパイロットポンプ15から供給される作動油を利用し、操作内容に応じたパイロット圧を二次側のパイロットラインに出力する。そして、二次側のパイロットラインは、コントロールバルブ17に接続される。これにより、コントロールバルブ17には、操作装置26における各種被駆動要素(油圧アクチュエータHA)に関する操作内容に応じたパイロット圧が入力されうる。そのため、コントロールバルブ17は、オペレータ等による操作装置26に対する操作内容に応じて、それぞれの油圧アクチュエータHAを駆動することができる。この場合、操作装置26の操作状態に関する情報を取得可能な操作状態センサが設けられ、操作状態センサの出力は、コントローラ30に取り込まれる。これにより、コントローラ30は、操作装置26の操作状態を把握することができる。操作状態センサは、例えば、操作装置26の二次側のパイロットラインのパイロット圧(操作圧)に関する情報を取得する圧力センサである。
また、上述の如く、油圧アクチュエータHAの一部又は全部は電動アクチュエータに置換されてもよい。この場合、例えば、コントローラ30は、操作装置26の操作内容や遠隔操作信号で規定される遠隔操作の内容に応じた操作指令を電動アクチュエータ或いは電動アクチュエータを駆動するドライバ等に出力してよい。また、操作装置26から電動アクチュエータ或いはドライバ等に操作信号が入力されることにより、電動アクチュエータが操作装置26で操作可能に構成されてもよい。
また、ショベル100が専ら遠隔操作される場合や専ら完全自動運転機能により動作する場合、操作装置26は省略されてもよい。
油圧制御弁31は、操作装置26の操作対象の被駆動要素(油圧アクチュエータHA)ごと且つ被駆動要素(油圧アクチュエータHA)の動作方向(例えば、ブーム4の上げ方向及び下げ方向)ごとに設けられる。例えば、下部走行体1、上部旋回体3、ブーム4、アーム5、及びバケット6等を駆動するための複動式の油圧アクチュエータHAごとに、2つの油圧制御弁31が設けられる。油圧制御弁31は、例えば、パイロットポンプ15とコントロールバルブ17との間のパイロットラインに設けられ、その流路面積(即ち、作動油が通流可能な断面積)を変更可能に構成されてよい。これにより、油圧制御弁31は、一次側のパイロットラインを通じて供給されるパイロットポンプ15の作動油を利用して、所定のパイロット圧を二次側のパイロットラインに出力することができる。そのため、油圧制御弁31は、コントローラ30からの操作指令に応じた所定のパイロット圧をコントロールバルブ17に作用させることができる。よって、例えば、コントローラ30は、油圧制御弁31から操作装置26の操作内容(操作信号)に応じたパイロット圧を直接的にコントロールバルブ17に供給させ、オペレータの操作に基づくショベル100の動作を実現することができる。
また、コントローラ30は、油圧制御弁31を制御し、ショベル100の自動運転機能を実現してもよい。具体的には、コントローラ30は、油圧制御弁31から自動運転機能に対応する操作指令を油圧制御弁31に出力する。これにより、コントローラ30は、自動運転機能によるショベル100の動作を実現することができる。
また、コントローラ30は、油圧制御弁31を制御し、ショベル100の遠隔操作を実現してもよい。具体的には、コントローラ30は、通信装置60によって、遠隔操作支援装置300から受信される遠隔操作信号で指定される遠隔操作の内容に対応する操作指令を油圧制御弁31に出力する。これにより、コントローラ30は、油圧制御弁31から遠隔操作の内容に対応するパイロット圧をコントロールバルブ17に供給させ、オペレータの遠隔操作に基づくショベル100の動作を実現することができる。
尚、操作装置26が油圧パイロット式である場合、操作装置26及び油圧制御弁31とコントロールバルブ17との間のパイロットラインには、シャトル弁が設けられてもよい。シャトル弁は、2つの入口ポートと1つの出口ポートを有し、2つの入口ポートに入力されたパイロット圧のうちの高い方のパイロット圧を有する作動油を出口ポートに出力させる。シャトル弁は、油圧制御弁31と同様に、操作装置26の操作対象の被駆動要素(油圧アクチュエータHA)ごと且つ被駆動要素(油圧アクチュエータHA)の動作方向ごとに設けられる。例えば、下部走行体1、上部旋回体3、ブーム4、アーム5、及びバケット6等を駆動するための複動式の油圧アクチュエータHAごとに、2つのシャトル弁が設けられる。シャトル弁の2つの入口ポートのうちの一方が操作装置26(具体的には、操作装置26に含まれる上述のレバー装置やペダル装置)の二次側のパイロットラインに接続され、他方が油圧制御弁31の二次側のパイロットラインに接続される。シャトル弁の出口ポートは、パイロットラインを通じて、コントロールバルブ17の対応する方向切換弁のパイロットポートに接続される。対応する方向切換弁とは、シャトル弁の一方の入口ポートに接続される上述のレバー装置或いはペダル装置の操作対象である油圧アクチュエータHAを駆動する方向切換弁である。そのため、これらのシャトル弁は、それぞれ、操作装置26の二次側のパイロットラインのパイロット圧と油圧制御弁31の二次側のパイロットラインのパイロット圧のうちの高い方を、対応する方向切換弁のパイロットポートに作用させることができる。つまり、コントローラ30は、操作装置26の二次側のパイロット圧よりも高いパイロット圧を油圧制御弁31から出力させることで、オペレータの操作装置26に対する操作に依らず、対応する方向切換弁を制御することができる。よって、コントローラ30は、オペレータの操作装置26に対する操作状態に依らず、被駆動要素(下部走行体1、上部旋回体3、ブーム4、アーム5、バケット6)の動作を制御し、自動運転機能や遠隔操作機能を実現することができる。
また、操作装置26が油圧パイロット式である場合、シャトル弁に加えて、操作装置26とシャトル弁との間のパイロットラインに減圧弁が設けられてもよい。減圧弁は、例えば、コントローラ30から入力される制御信号に応じて動作し、その流路面積を変更可能なように構成される。これにより、コントローラ30は、オペレータにより操作装置26が操作されている場合に、操作装置26から出力されるパイロット圧を強制的に減圧させることができる。そのため、コントローラ30は、操作装置26が操作されている場合であっても、操作装置26の操作に対応する油圧アクチュエータHAの動作を強制的に抑制させたり停止させたりすることができる。また、コントローラ30は、例えば、操作装置26が操作されている場合であっても、操作装置26から出力されるパイロット圧を減圧弁で減圧させ、油圧制御弁31から出力されるパイロット圧よりも低くすることができる。そのため、コントローラ30は、油圧制御弁31及び減圧弁を制御することで、例えば、操作装置26の操作内容とは無関係に、所望のパイロット圧をコントロールバルブ17内の方向切換弁のパイロットポートに確実に作用させることができる。よって、コントローラ30は、例えば、油圧制御弁31に加えて、減圧弁を制御することで、ショベル100の自動運転機能や遠隔操作機能をより適切に実現することができる。
<ユーザインタフェース系>
図4に示すように、ショベル100のユーザインタフェース系は、操作装置26と、出力装置50と、入力装置52とを含む。
出力装置50は、ショベル100のユーザ(例えば、キャビン10のオペレータや外部の遠隔操作のオペレータ)やショベル100の周辺の人(例えば、作業者や作業車両の運転者)等に向けて各種情報を出力する。
例えば、出力装置50は、視覚的な方法で各種情報を出力する照明機器や表示装置50A等を含む。照明機器は、例えば、警告灯(インジケータランプ)等である。表示装置50Aは、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ等である。例えば、図2に示すように、照明機器や表示装置50Aは、キャビン10の内部に設けられ、キャビン10の内部のオペレータ等に視覚的な方法で各種情報を出力してよい。また、照明機器や表示装置50Aは、上部旋回体3の側面等に設けられ、ショベル100の周囲の作業者等に視覚的な方法で各種情報を出力してもよい。
また、出力装置50は、聴覚的な方法で各種情報を出力する音出力装置50Bを含んでもよい。音出力装置50Bには、例えば、ブザーやスピーカ等が含まれる。音出力装置50Bは、例えば、キャビン10の内部及び外部の少なくとも一方に設けられ、キャビン10の内部のオペレータやショベル100の周囲の人(作業者等)に聴覚的な方法で各種情報を出力する。
また、出力装置50は、操縦席の振動等の触覚的な方法で各種情報を出力する装置を含んでもよい。
入力装置52は、ショベル100のユーザからの各種入力を受け付け、受け付けられた入力に対応する信号は、コントローラ30に取り込まれる。例えば、図2に示すように、入力装置52は、キャビン10の内部に設けられ、キャビン10の内部のオペレータ等からの入力を受け付ける。また、入力装置52は、例えば、上部旋回体3の側面等に設けられ、ショベル100の周辺の作業者等からの入力を受け付けてもよい。
例えば、入力装置52は、ユーザからの機械的な操作による入力を受け付ける操作入力装置を含む。操作入力装置には、表示装置に実装されるタッチパネル、表示装置の周囲に設置されるタッチパッド、ボタンスイッチ、レバー、トグル、操作装置26(レバー装置)に設けられるノブスイッチ等が含まれてよい。
また、入力装置52は、ユーザの音声入力を受け付ける音声入力装置を含んでもよい。音声入力装置には、例えば、マイクロフォンが含まれる。
また、入力装置52は、ユーザのジェスチャ入力を受け付けるジェスチャ入力装置を含んでもよい。ジェスチャ入力装置には、例えば、ユーザが行うジェスチャの様子を撮像する撮像装置が含まれる。
また、入力装置52は、ユーザの生体入力を受け付ける生体入力装置を含んでもよい。生体入力には、例えば、ユーザの指紋、虹彩等の生体情報の入力が含まれる。
<通信系>
図4に示すように、本実施形態に係るショベル100の通信系は、通信装置60を含む。
通信装置60は、外部の通信回線NWに接続し、ショベル100と別に設けられる装置と通信を行う。ショベル100と別に設けられる装置には、ショベル100の外部にある装置の他、ショベル100のユーザによってキャビン10に持ち込まれる可搬型の端末装置(携帯端末)が含まれてもよい。通信装置60は、例えば、4G(4th Generation)や5G(5th Generation)等の規格に準拠する移動体通信モジュールを含んでよい。また、通信装置60は、例えば、衛星通信モジュールを含んでもよい。また、通信装置60は、例えば、WiFi通信モジュールやブルートゥース(登録商標)通信モジュール等を含んでもよい。また、通信装置60は、接続可能な通信回線NWが複数ある場合、通信回線NWの種類に合わせて、複数の通信装置60を含んでもよい。
例えば、通信装置60は、作業現場に構築される局所的な通信回線を通じて、作業現場内の遠隔操作支援装置300等の外部装置と通信を行う。局所的な通信回線は、例えば、作業現場に構築される局所的な5G(いわゆるローカル5G)による移動体通信回線やWiFi6によるローカルネットワークである。
また、通信装置60は、作業現場を含む広域の通信回線、即ち、広域ネットワークを通じて、作業現場の外部にある遠隔操作支援装置300等の外部装置と通信を行ってもよい。
尚、ショベル100の遠隔操作や遠隔監視等が行われない場合、通信装置60は、省略されてもよい。
<制御系>
図4に示すように、ショベル100の制御系は、コントローラ30を含む。また、本実施形態に係るショベル100の制御系は、撮像装置40と、センサS1~S6とを含む。
コントローラ30は、ショベル100に関する各種制御を行う。
コントローラ30の機能は、任意のハードウェア、或いは、任意のハードウェア及びソフトウェアの組み合わせ等により実現されてよい。例えば、図4に示すように、コントローラ30は、バスB1で接続される、補助記憶装置30A、メモリ装置30B、CPU(Central Processing Unit)30C、及びインタフェース装置30Dを含む。
補助記憶装置30Aは、不揮発性の記憶手段であり、インストールされるプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。補助記憶装置30Aは、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)やフラッシュメモリ等である。
メモリ装置30Bは、例えば、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置30AのプログラムをCPU30Cが読み込み可能なようにロードする。メモリ装置30Bは、例えば、SRAM(Static Random Access Memory)である。
CPU30Cは、例えば、メモリ装置30Bにロードされるプログラムを実行し、プログラムの命令に従って、コントローラ30の各種機能を実現する。
インタフェース装置30Dは、例えば、ショベル100の内部の通信回線に接続するための通信インタフェースとして機能する。インタフェース装置30Dは、接続する通信回線の種類に合わせて、複数の異なる種類の通信インタフェースを含んでもよい。
また、インタフェース装置30Dは、記録媒体からのデータの読み取りや記録媒体へのデータの書き込みのための外部インタフェースとして機能する。記録媒体は、例えば、キャビン10の内部に設置されるコネクタに着脱可能なケーブルで接続される専用ツールである。また、記録媒体は、例えば、SDメモリカードやUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の汎用の記録媒体であってもよい。これにより、コントローラ30の各種機能を実現するプログラムは、例えば、可搬型の記録媒体によって提供され、コントローラ30の補助記憶装置30Aにインストールされうる。また、プログラムは、通信装置60を通じて、ショベル100の外部の他のコンピュータからダウンロードされ、補助記憶装置30Aにインストールされてもよい。
尚、コントローラ30の機能の一部は、他のコントローラ(制御装置)により実現されてもよい。即ち、コントローラ30の機能は、ショベル100に搭載される複数のコントローラにより分散して実現されてもよい。
撮像装置40は、ショベル100の周辺の様子を表す画像を取得する。また、撮像装置40は、取得した画像及び後述の距離に関するデータに基づき、撮像範囲(画角)内におけるショベル100の周辺の物体の位置及び外形を表す三次元データ(以下、単に「物体の三次元データ」)を取得(生成)してもよい。ショベル100の周辺の物体の三次元データは、例えば、物体の表面を表す点群の座標情報のデータや距離画像データ等である。
例えば、図1、図2に示すように、撮像装置40は、上部旋回体3の前方を撮像する前方カメラ40Fを含む。また、撮像装置40は、上部旋回体3の後方を撮像する後方カメラ40Bや上部旋回体3の左方を撮像する左方カメラ40Lや上部旋回体3の右方を撮像する右方カメラ40R等を含んでもよい。これにより、撮像装置40は、ショベル100の上面視において、ショベル100を中心とする全周、即ち360度の角度方向に亘る範囲を撮像することができる。また、オペレータは、出力装置50や遠隔操作支援装置300の表示部を通じて、左方カメラ40L、右方カメラ40R、及び後方カメラ40Bの撮像画像に基づく周辺画像を視認し、上部旋回体3の左方、右方、及び後方の様子を確認することができる。また、オペレータは、遠隔操作支援装置300の表示部を通じて、前方カメラ40Fに基づく周辺画像を視認することで、バケット6を含むアタッチメントATの動作を確認しながら、ショベル100を遠隔操作することができる。
撮像装置40は、例えば、単眼カメラである。また、撮像装置40は、例えば、ステレオカメラ、TOF(Time Of Flight)カメラ等(以下、包括的に「3Dカメラ」)のように、二次元の画像に加えて、距離(深度)に関するデータを取得可能であってもよい。
撮像装置40の出力データ(例えば、画像データやショベル100の周辺の物体の三次元データ等)は、一対一の通信線や車載ネットワークを通じて、コントローラ30に取り込まれる。これにより、例えば、コントローラ30は、撮像装置40の出力データに基づき、ショベル100の周辺の物体に関する監視を行うことができる。また、例えば、コントローラ30は、撮像装置40の出力データに基づき、ショベル100の周辺環境を判断することができる。また、例えば、コントローラ30は、撮像装置40(前方カメラ)の出力データに基づき、撮像画像に映るアタッチメントATの姿勢状態を判断することができる。また、例えば、コントローラ30は、撮像装置40の出力データに基づき、ショベル100の周辺の物体を基準として、ショベル100の機体(上部旋回体3)の姿勢状態を判断することができる。
また、撮像装置40に代えて、或いは、加えて、距離センサが上部旋回体3に設けられてもよい。距離センサは、例えば、上部旋回体3の上部に取り付けられ、ショベル100を基準とする周辺の物体の距離及び方向に関するデータを取得する。また、距離センサは、取得したデータに基づき、センシング範囲内におけるショベル100の周辺の物体の三次元データ(例えば、点群の座標情報のデータ)を取得(生成)してもよい。距離センサは、例えば、LIDAR(Light Detection and Ranging)である。また、例えば、距離センサは、例えば、ミリ波レーダや超音波センサや赤外線センサ等であってもよい。
尚、撮像装置40の用途によっては、前方カメラ40F、後方カメラ40B、左方カメラ40L、及び右方カメラ40Rのうちの一部が省略されてもよい。また、ショベル100の遠隔操作やショベル100の周辺の物体に関する監視等が行われない場合、撮像装置40は省略されてもよい。
センサS1は、ブーム4に取り付けられ、ブーム4の姿勢状態を測定する。センサS1は、ブーム4の姿勢状態を表す測定データを出力する。ブーム4の姿勢状態は、例えば、ブーム4の上部旋回体3との連結部に相当する基端の回転軸回りの姿勢角度(以下、「ブーム角度」)である。センサS1は、例えば、ロータリポテンショメータ、ロータリエンコーダ、加速度センサ、角加速度センサ、6軸センサ、IMU(Inertial Measurement Unit:慣性計測装置)等を含む。以下、センサS2~S4についても同様であってよい。また、センサS1は、ブームシリンダ7の伸縮位置を検出するシリンダセンサを含んでもよい。以下、センサS2,S3についても同様であってよい。センサS1の出力(ブーム4の姿勢状態を表す測定データ)は、コントローラ30に取り込まれる。これにより、コントローラ30は、ブーム4の姿勢状態を把握することができる。
センサS2は、アーム5に取り付けられ、アーム5の姿勢状態を測定する。センサS2は、アーム5の姿勢状態を表す測定データを出力する。アーム5の姿勢状態は、例えば、アーム5のブーム4との連結部に相当する基端の回転軸回りの姿勢角度(以下、「アーム角度」)である。センサS2の出力(アーム5の姿勢状態を表す測定データ)は、コントローラ30に取り込まれる。これにより、コントローラ30は、アーム5の姿勢状態を把握することができる。
センサS3は、バケット6に取り付けられ、バケット6の姿勢状態を測定する。センサS3は、バケット6の姿勢状態を表す測定データを出力する。バケット6の姿勢状態は、例えば、バケット6のアーム5との連結部に相当する基端の回転軸回りの姿勢角度(以下、バケット角度」)である。センサS3の出力(バケット6の姿勢状態を表す測定データ)は、コントローラ30に取り込まれる。これにより、コントローラ30は、バケット6の姿勢状態を把握することができる。
センサS4は、ショベル100の機体(例えば、上部旋回体3)の姿勢状態を測定する。センサS4は、ショベル100の機体の姿勢状態を表す測定データを出力する。ショベル100の機体の姿勢状態は、例えば、所定の基準面(例えば、水平面)に対する機体の傾斜状態である。例えば、センサS4は、上部旋回体3に取り付けられ、ショベル100の前後方向及び左右方向の2軸回りの傾斜角度(以下、「前後傾斜角」及び「左右傾斜角」)を測定する。センサS4の出力(ショベル100の機体の姿勢状態を表す測定データ)は、コントローラ30に取り込まれる。これにより、コントローラ30は、機体(上部旋回体3)の姿勢状態(傾斜状態)を把握することができる。
センサS5は、上部旋回体3に取り付けられ、上部旋回体3の旋回状態を測定する。センサS5は、上部旋回体3の旋回状態を表す測定データを出力する。センサS5は、例えば、上部旋回体3の旋回角速度や旋回角度を測定する。センサS5は、例えば、ジャイロセンサ、レゾルバ、ロータリエンコーダ等を含む。センサS5の出力(上部旋回体3の旋回状態を表す測定データ)は、コントローラ30に取り込まれる。これにより、コントローラ30は、上部旋回体3の旋回角度等の旋回状態を把握することができる。
例えば、コントローラ30は、センサS1~S5の出力に基づき、アタッチメントATの先端(バケット6)の位置を把握(推定)することができる。そのため、コントローラ30は、アタッチメントATの先端の位置を把握しながら、ショベル100の自動運転機能による動作を制御することができる。
尚、センサS4に3軸回りの角速度を検出可能なジャイロセンサ、6軸センサ、IMU等が含まれる場合、センサS4の検出信号に基づき上部旋回体3の旋回状態(例えば、旋回角速度)が検出されてもよい。この場合、センサS5は、省略されてもよい。
センサS6は、ショベル100の位置を測定する。センサS6は、ワールド(グローバル)座標で位置を測定してもよいし、作業現場でのローカル座標で位置を測定してもよい。前者の場合、センサS6は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)センサである。後者の場合、センサS6は、作業現場の位置の基準となる機器と通信を行い、基準に対する位置に対応する信号を出力可能な送受信機である。センサS6の出力は、コントローラ30に取り込まれる。
尚、ショベル100に自動運転機能が搭載されない場合、センサS1~S6は省略されてもよい。この場合、ブームシリンダ7のピストンロッドの加速度に関するデータを取得可能なセンサが別途設けられる。また、センサS1がショベル100に搭載される場合に、センサS1とは別に、ブームシリンダ7のピストンロッドの加速度に関するデータを取得可能なセンサ(以下、「加速度センサ」)が設けられてもよい。例えば、センサS1としてのIMUとは別に、加速度センサとして、ブームシリンダ7のピストンの位置を測定可能なシリンダセンサが設けられる。
[アタッチメントの駆動に関する機能の構成の第1例]
次に、図1~図4に加えて、図5~図7を参照して、ショベル100におけるアタッチメントATの駆動に関する機能の構成の第1例について説明する。
図5は、アタッチメントATの駆動に関する機能の構成の第1例を示す機能ブロック図である。図6は、操作指令信号に基づくブーム4の駆動方法の一例(実施例)を説明する図である。図7は、操作指令信号に基づくブーム4の駆動方法の比較例を説明する図である。
本例では、ショベル100は、全ての被駆動要素がオペレータの操作によって動作する。
図5に示すように、コントローラ30は、アタッチメントATの駆動に関する機能の構成として、加速度検出部301と、操作指令生成部302と、操作指令補正部303とを含む。
加速度検出部301は、センサS1の出力に基づき、ブームシリンダ7のピストンの伸縮方向の加速度を検出(算出)する。
尚、上述の如く、センサS1に代えて、或いは、加えて、上述の加速度センサが設けられる場合、加速度検出部301は、加速度センサの出力に基づき、ブームシリンダ7のピストンの加速度を検出(算出)する。また、加速度検出部301は、操作装置26におけるブームシリンダ7に関する操作状態、即ち、後述のレバー装置26Aに対する操作状態に基づき、ブームシリンダ7のピストンの加速度を検出(推定)してもよい。この場合、上述のセンサS1や加速度センサは、省略されてもよい。
操作指令生成部302は、オペレータによるブーム4(ブームシリンダ7)、アーム5(アームシリンダ8)、及びバケット6(バケットシリンダ9)に関する操作に応じて、油圧制御弁31A~31Cに対する操作指令を生成する。
油圧制御弁31Aは、方向切換弁17Aのパイロットポートに向けて、パイロット圧を供給する。具体的には、上述の如く、ブームシリンダ7の伸び方向及び縮み方向のそれぞれに対応する、2つの油圧制御弁31Aが設けられる。
油圧制御弁31Bは、方向切換弁17Bのパイロットポートに向けて、パイロット圧を出力する。具体的には、上述の如く、アームシリンダ8の伸び方向及び縮み方向のそれぞれに対応する、2つの油圧制御弁31Bが設けられる。
油圧制御弁31Cは、方向切換弁17Cのパイロットポートに向けて、パイロット圧を出力する。具体的には、上述の如く、バケットシリンダ9の伸び方向及び縮み方向のそれぞれに対応する、2つの油圧制御弁31Cが設けられる。
具体的には、ブーム4に関する操作の内容と油圧制御弁31Aに対する操作指令との間には、予め対応関係が設定される。同様に、アーム5に関する操作の内容と油圧制御弁31Bに対する操作指令との間には、予め対応関係が設定される。同様に、バケット6に関する操作の内容と油圧制御弁31Cに対する操作指令との間には、予め対応関係が設定される。これにより、操作指令生成部302は、例えば、その対応関係に相当する変換式や変換テーブル等に基づき、ブーム4、アーム5、及びバケット6に関する操作の内容から油圧制御弁31A~31Cに対する操作指令を生成することができる。
例えば、操作指令生成部302は、レバー装置26A~26Cのそれぞれに対するブーム4、アーム5、及びバケット6に関する操作に応じて、油圧制御弁31A~31Cに対する操作指令を生成する。
レバー装置26Aは、キャビン10のオペレータがブーム4(ブームシリンダ7)に関する操作を行うために用いられる。
レバー装置26Bは、キャビン10のオペレータがアーム5(アームシリンダ8)に関する操作を行うために用いられる。
レバー装置26Cは、キャビン10のオペレータがバケット6(バケットシリンダ9)に関する操作を行うために用いられる。
操作指令生成部302は、被駆動要素を駆動する油圧アクチュエータHAに対応する油圧制御弁31に対する操作指令を生成する。
例えば、操作指令生成部302は、レバー装置26Aから入力される操作信号に基づき、油圧制御弁31Aに対する操作指令を生成する。同様に、操作指令生成部302は、レバー装置26Bから入力される操作信号に基づき、油圧制御弁31Bに対する操作指令を生成する。同様に、操作指令生成部302は、レバー装置26Cから入力される操作信号に基づき、油圧制御弁31Cに対する操作指令を生成する。
また、操作指令生成部302は、通信装置60により受信される、遠隔操作信号に応じて、油圧制御弁31A~31Cに対する操作指令を生成してもよい。
具体的には、操作指令生成部302は、遠隔操作信号で指定される、ブーム4に関する操作の内容に基づき、油圧制御弁31Aに対する操作指令を生成する。同様に、操作指令生成部302は、遠隔操作信号で指定される、アーム5に関する操作の内容に基づき、油圧制御弁31Bに対する操作指令を生成する。同様に、操作指令生成部302は、遠隔操作で指定される、バケット6に対する操作の内容に基づき、油圧制御弁31Cに対する操作指令を生成する。
図5に示すように、油圧制御弁31A、方向切換弁17A、及びブームシリンダ7を包括的にブーム駆動部D1と称する場合がある。
操作指令補正部303は、加速度検出部301の検出結果(ブームシリンダ7のピストンの加速度)に基づき、操作指令生成部302により生成される、油圧制御弁31Aに対する操作指令を補正し、補正済みの操作指令を油圧制御弁31Aに出力する。以下、補正済みの操作指令を便宜的に「補正操作指令」と称する。これにより、油圧制御弁31Aは、ブームシリンダ7の加速度の状態が考慮された、補正操作指令に対応するパイロット圧を方向切換弁17Aに供給することができる。そのため、コントローラ30は、ブーム4(ブームシリンダ7)に関する操作入力に起因するブームシリンダ7の振動を抑制することができる。
例えば、図6に示すように、比較例では、コントローラ30compの操作指令生成部302により生成される操作指令がそのまま油圧制御弁31Aに入力される。そのため、操作指令の入力からブームシリンダ7の推力の出力までのシステムの伝達関数は、ブーム駆動部D1の特性によって決定される。その結果、オペレータによるブーム4に関する操作の内容によっては、ブーム駆動部D1の特性に応じて、ブームシリンダ7に振動が生じる可能性がある。例えば、ブーム4の急加速や急減速に対応する操作時に、ブームシリンダ7の油柱ばねによる振動が生じる可能性がある。
これに対して、例えば、図7に示すように、操作指令補正部303は、ブームシリンダ7の加速度検出値にゲインK(>0)を乗じた値を、油圧制御弁31Aに対する操作指令にフィードバックすることにより補正操作指令を生成する。これにより、コントローラ30は、油圧制御弁31に対する操作指令の入力からブームシリンダ7の推力の出力までのシステムの伝達関数を調整することができる。
例えば、ブーム駆動部D1は、入力から出力(ブームシリンダの推力)までの間に2次遅れ系を含み、その伝達関数の分母が2次の多項式で表される。この場合、操作指令の入力からブームシリンダ7の推力の出力までのシステムは、加速度検出値にゲインKを乗じた値が操作指令にフィードバックされることで、2次遅れ系の減衰比に対応する1次の項(減衰項)の係数が比較例の場合より大きくなる。換言すれば、コントローラ30は、伝達関数を調整し、疑似的にブームシリンダ7の摩擦力(具体的には、速度依存の抵抗力)を大きくすることができる。そのため、コントローラ30は、ブームシリンダ7に関する操作入力に起因するブームシリンダ7の推力の振動を抑制することができる。よって、コントローラ30は、例えば、ブームシリンダ7の振動に起因する作業の品質の低下を抑制し、アタッチメントATを利用する作業の品質を向上させることができる。また、コントローラ30は、例えば、ブームシリンダ7の振動に起因するブーム4の振動が伝達されることにより生じる、ショベル100の車体(上部旋回体3)の振動によってオペレータに与えうる不快感を抑制することができる。また、ショベル100の操作の経験が比較的浅いオペレータは、比較的経験を積んだオペレータに比して、ブームシリンダ7に振動を生じさせるような操作を行う傾向が強い。そのため、コントローラ30は、比較的経験の浅いオペレータによるショベル100の操作を好適に支援することができる。
また、コントローラ30は、ゲインKを適宜調整し、ブームシリンダ7に関する操作入力(操作指令)と疑似的なブームシリンダ7の摩擦力との関係が線形に近づくようにシステムの伝達関数を調整してもよい。これにより、コントローラ30は、オペレータによるブームシリンダ7の操作性を向上させることができる。
尚、操作指令補正部303は、油圧制御弁31Aに対する操作指令に代えて、或いは、加えて、油圧制御弁31Bや油圧制御弁31Cに対する操作指令を補正し、補正操作指令を油圧制御弁31Bや油圧制御弁31Cに出力してもよい。この場合、加速度検出部301は、センサS2,S3の出力に基づき、アームシリンダ8やバケットシリンダ9のピストンの加速度を検出し、操作指令補正部303は、加速度検出部301の検出結果に基づき、油圧制御弁31Bや油圧制御弁に対する操作指令を補正する。
このように、本例では、コントローラ30は、アタッチメントATを駆動する油圧シリンダの加速度の状態に応じて、オペレータによる油圧シリンダに関する操作入力に起因する油圧シリンダの振動を抑制することができる。
[ブームシリンダに関する操作入力に起因するブームシリンダの振動の具体例]
次に、図8~図10を参照して、ブームシリンダ7の操作入力に起因するブームシリンダ7の振動の具体例について説明する。
図8は、操作指令及び補正操作指令の時系列データの一例を示す図である。図9は、ブームシリンダ7の推力の時系列データの一例を示す図である。図10は、ショベル100の機体の傾斜角度の時系列データの一例を示す図である。
本例では、停止状態からのブーム4の上げ操作によって、ブーム4の急加速及び急減速(急停止)が行われる場合について説明する。
図8に示すように、ブームシリンダ7に対応する油圧制御弁31Aに対する操作指令は、時刻t1を起点として、ゼロ(0)から略線形的に急上昇し、その後、比較的大きい操作量で略一定の状態が維持される。そして、ブームシリンダ7に対応する油圧制御弁31Aに対する操作指令は、時刻t2を起点として、略線形的に急下降し、ゼロ(0)に戻っている。
これにより、図9に示すように、時刻t1からの操作指令の急上昇に応じて、ブームシリンダ7の推力のオーバーシュートが発生し、ブームシリンダ7の油柱ばねによる振動が生じる。また、時刻t2からの操作指令の急下降に応じて、ブームシリンダ7の推力のアンダーシュートが発生し、ブームシリンダ7の油柱ばねによる振動が生じる。
図9に示すように、操作指令がそのままブーム駆動部D1に入力される比較例(図6)の場合、時刻t1を起点とする、ブームシリンダ7の推力のオーバーシュートによる振動は、時間の経過とともに減衰するものの収束せず、時刻t2まで継続する。また、比較例の場合、時刻t1を起点とする最初の振動が収束する前に、時刻t2を起点とするブームシリンダ7の推力のアンダーシュートによる振動が発生し、その振動は時間の経過とともに減衰するもののなかなか収束しない。
これに対して、図8に示すように、補正操作指令は、操作指令の急上昇の期間において、時刻t1以降のブームシリンダ7の推力(加速度)の急上昇によるオーバーシュート(図9参照)に応じて、操作指令よりも小さくなるように補正されている。これにより、図9に示すように、実施例(図7)に係るコントローラ30は、時刻t1を起点とする、ブームシリンダ7の推力の振動(オーバーシュート)を大きく減衰させることができる。
また、補正操作指令は、操作指令が比較的大きい操作量で一定の期間の初期において、ブームシリンダ7の推力(加速度)の振動に対して逆位相の振動になるように補正されている。これにより、図9に示すように、実施例(図7)に係るコントローラ30は、ブームシリンダ7の推力を、操作指令に対応する略一定の状態に早期に収束させることができる。
また、補正操作指令は、操作指令の急下降の期間において、時刻t2以降のブームシリンダ7の推力の急下降によるアンダーシュート(図9参照)に応じて、操作指令よりも大きくなるように補正されている。これにより、図9に示すように、実施例(図7)に係るコントローラ30は、時刻t2を起点とする、ブームシリンダ7の推力の振動(アンダーシュート)を大きく減衰させることができる。
また、補正操作指令は、操作指令がゼロ(0)の操作量で一定の期間の初期において、ブームシリンダ7の推力(加速度)の振動に対して逆位相の振動になるように補正されている。これにより、図9に示すように、実施例(図7)に係るコントローラ30は、ブームシリンダ7の推力を、操作指令に対応する略ゼロ(0)の状態に早期に収束させることができる。
また、図10に示すように、ブームシリンダ7の振動は、ブーム4からショベル100の機体(上部旋回体3)に対して反力として伝達し、その結果、ショベル100の機体が振動する。
比較例の場合(図6)、上述の如く、ブームシリンダ7の振動がなかなか収束せず、ショベル100の機体の振動もある程度の期間で継続してしまう。そのため、キャビン10に搭乗するオペレータの不快感が増大する可能性がある。
これに対して、実施例(図7)では、上述の如く、補正操作指令によって、ブームシリンダ7の振動を略ゼロの状態に早期に収束させることができ、その結果、ショベル100の機体の振動も略ゼロの状態に早期に収束させることができる。そのため、キャビン10に搭乗するオペレータの不快感を抑制することができる。
[アタッチメントの駆動に関する機能の構成の第2例]
次に、図1~図4に加えて、図11を参照して、ショベル100におけるアタッチメントATの駆動に関する機能の構成の第2例について説明する。
以下、上述の第1例と同じ或いは対応する構成要素には同一の符号を付して説明を行うと共に、上述の第1例と異なる部分を中心に説明を行い、上述の第1例と同じ或いは対応する箇所の説明を簡略化或いは省略する場合がある。
図11は、アタッチメントATの駆動に関する機能の構成の第2例を示す機能ブロック図である。
本例では、ショベル100は、アタッチメントATが半自動運転機能によって動作する。具体的には、ショベル100は、ブーム4、アーム5、及びエンドアタッチメント(バケット6)の何れか1つに対するオペレータの操作に応じて、その操作対象の1つの動作と、他の2つの動作とが連動するように所定の動作を行う。所定の動作は、例えば、掘削動作、水平引き動作、転圧動作等である。
図11に示すように、コントローラ30は、アタッチメントATの駆動に関する機能の構成として、上述の第1例と同様、加速度検出部301と、操作指令生成部302と、操作指令補正部303とを含む。また、コントローラ30は、アタッチメントATの駆動に関する機能の構成として、上述の第1例と異なり、姿勢検出部304と、目標軌道生成部305と、アーム動作予測部306と、制御対象位置・速度検出部307と、動作指令生成部308とを含む。
姿勢検出部304は、センサS1~S3の出力に基づき、アタッチメントATの姿勢を検出(算出)する。姿勢検出部304は、ブーム姿勢検出部304Aと、アーム姿勢検出部304Bと、バケット姿勢検出部304Cとを含む。
ブーム姿勢検出部304Aは、センサS1の出力に基づき、ブーム4の姿勢角度(ブーム角度)を検出(算出)する。また、ブーム姿勢検出部304Aは、ブーム4の姿勢角度の変化の速度(ブーム4の上部旋回体3に対する相対的な角速度)を検出してもよい。
アーム姿勢検出部304Bは、センサS2の出力に基づき、アーム5の姿勢角度(アーム角度)を検出(算出)する。また、アーム姿勢検出部304Bは、アーム5の姿勢角度の変化の速度(アーム5のブーム4に対する相対的な角速度)を検出してもよい。
バケット姿勢検出部304Cは、センサS3の出力に基づき、バケット6の姿勢角度(バケット角度)を検出(算出)する。また、バケット姿勢検出部304Cは、バケット6の姿勢角度の変化の速度(バケット6のアーム5に対する相対的な角速度)を検出してもよい。
目標軌道生成部305は、ショベル100の所定の動作におけるアタッチメントATの作業部位(バケット6)の目標軌道を生成する。具体的には、目標軌道生成部305は、バケット6の制御対象点の目標軌道を生成する。例えば、ショベル100の掘削動作や水平引き動作が行われる場合、制御対象点は、バケット6の爪先(刃先)の点である。バケット6の爪先の点は、バケット6の幅方向(左右方向)の中央の爪の先端の点であってもよいし、左右の何れか一方の端部の爪の先端の点であってもよい。また、例えば、ショベル100の転圧動作が行われる場合、制御対象点は、バケット6の背面の所定の点である。
例えば、目標軌道生成部305は、目標施工面に関する情報と、撮像装置40の出力とに基づき、バケット6の制御対象点の目標軌道を生成する。目標施工面に関する情報は、例えば、入力装置52を通じて、オペレータにより入力される。また、目標施工面に関する情報は、通信装置60を通じて、ショベル100の外部から入力(受信)されてもよい。具体的には、目標軌道生成部305は、撮像装置40の出力に基づき、現在の作業対象の地面の形状を認識してよい。そして、目標軌道生成部305は、目標施工面と現在の作業対象の地面の形状との差異に基づき、バケット6の制御対象点の目標軌道を生成してよい。より具体的には、目標施工面と現在の作業対象の地面の形状との最短距離が所定基準を超えている場合、目標軌道生成部305は、目標施工面よりも上側の土砂を荒掘削するためのバケット6の制御対象点(爪先の点)の目標軌道を生成してよい。一方、目標施工面と現在の作業対象の地面との最短距離が所定基準以下である場合、目標軌道生成部305は、目標施工面の上をバケット6の制御対象点が通過するようにバケット6の制御対象点の目標軌道を生成してよい。
アーム動作予測部306は、アーム5(アームシリンダ8)に関する操作の内容と、現在のアーム角度やアーム角度の変化速度とに基づき、アーム5の将来の動作を予測する。アーム5(アームシリンダ8)に関する操作の内容は、例えば、レバー装置26Bの出力(操作信号)や通信装置60により受信される、遠隔操作信号である。例えば、アーム動作予測部306は、次回(1回後)の制御周期からN回後の制御周期までの制御周期ごとのアーム5の姿勢角度やその姿勢角度の変化速度等を予測する(N:2以上の整数)。制御周期とは、コントローラ30が操作指令や補正操作指令を油圧制御弁31に出力する周期に相当する。アーム動作予測部306の予測周期は、例えば、コントローラ30によるアタッチメントATの駆動に関する制御周期よりも長く、制御周期のM回分に相当する(M=N+1)。これにより、アーム動作予測部306の処理によるコントローラ30の処理負荷を軽減することができる。
制御対象位置・速度検出部307は、ブーム姿勢検出部304A、アーム姿勢検出部304B、及びバケット姿勢検出部304Cのそれぞれの出力に基づき、バケット6の制御対象点の現在の位置や移動速度を検出する。
動作指令生成部308は、バケット6の制御対象点の目標軌道と、アーム動作予測部306の予測結果と、制御対象点の現在の位置や速度に基づき、アタッチメントATの動作を表す指令(以下、「動作指令」)を生成する。具体的には、動作指令生成部308は、アーム動作予測部306の予測結果に対応するアーム5の動作に合わせて、バケット6の制御対象点が目標軌道に沿って移動するように、ブーム4及びバケット6の動作指令を生成してよい。例えば、動作指令生成部308は、今回の制御周期からN回後の制御周期までの制御周期ごとのブーム4及びバケット6の動作指令を生成する。動作指令生成部308の生成周期は、例えば、アーム動作予測部306の予測周期と同様、制御周期のM回分に相当する。これにより、動作指令生成部308の処理によるコントローラ30の処理負荷を軽減することができる。ブーム4及びバケット6の動作指令は、例えば、ブーム4及びバケット6のそれぞれの姿勢角度やその変化速度の指令値である。
操作指令生成部302は、上述の第1例と同様、油圧制御弁31A~31Cに対する操作指令を生成する。操作指令生成部302は、操作指令生成部302A,302Bを含む。
操作指令生成部306Aは、オペレータによるアーム5(アームシリンダ8)に関する操作の内容に基づき、油圧制御弁31Bに対する操作指令を生成する。
例えば、操作指令生成部302Aは、レバー装置26Bの操作信号に基づき、油圧制御弁31Bに対する操作指令を生成する。
また、操作指令生成部302Aは、通信装置60により受信される、遠隔操作信号で指定されるアーム5(アームシリンダ8)に関する操作の内容に応じて、油圧制御弁31Bに対する操作指令を生成してもよい。
操作指令生成部302Bは、動作指令生成部308により生成される、ブーム4の動作指令に基づき、ブームシリンダ7に対応する油圧制御弁31Aに対する操作指令を生成する。同様に、操作指令生成部302Bは、動作指令生成部308により生成される、バケット6の動作指令に基づき、バケットシリンダ9に対応する油圧制御弁31Cに対する操作指令を生成する。
操作指令補正部303は、上述の第1例と同様、加速度検出部301の検出結果(ブームシリンダ7のピストンの加速度)に基づき、操作指令生成部302Bにより生成される、油圧制御弁31Aに対する操作指令を補正し、補正操作指令を油圧制御弁31Aに出力する。これにより、油圧制御弁31Aは、ブームシリンダ7の加速度の状態が考慮された、補正操作指令に対応するパイロット圧を方向切換弁17Aに供給することができる。そのため、コントローラ30は、ブーム4(ブームシリンダ7)に関する操作入力に起因するブームシリンダ7の振動を抑制することができる。よって、コントローラ30は、例えば、半自動運転機能による作業の品質を向上させることができる。
尚、操作指令補正部303は、上述の第1例と同様、油圧制御弁31Aに対する操作指令に代えて、或いは、加えて、油圧制御弁31Bや油圧制御弁31Cに対する操作指令を補正し、補正操作指令を油圧制御弁31Bや油圧制御弁31Cに出力してもよい。
このように、本例では、コントローラ30は、アタッチメントATを駆動する油圧シリンダの加速度の状態に応じて、自動運転機能による操作指令に起因する油圧シリンダの振動を抑制することができる。
[作用]
次に、本実施形態に係るショベルの作用について説明する。
本実施形態では、ショベルは、下部走行体と、上部旋回体と、アタッチメントと、油圧シリンダと、制御装置と、を備える。ショベルは、例えば、上述のショベル100である。下部走行体は、例えば、上述の下部走行体1である。上部旋回体は、例えば、上述の上部旋回体3である。アタッチメントは、例えば、上述のアタッチメントATである。油圧シリンダは、例えば、上述のブームシリンダ7やアームシリンダ8やバケットシリンダ9である。制御装置は、例えば、上述のコントローラ30である。具体的には、上部旋回体は、下部走行体に旋回自在に搭載される。また、アタッチメントは、上部旋回体に取り付けられる。また、油圧シリンダは、アタッチメントを駆動する。そして、制御装置は、油圧シリンダの加速度の状態に応じて、油圧シリンダに関する操作入力に起因する油圧シリンダの振動を抑制するように、油圧シリンダの動作を制御する。油圧シリンダに関する操作入力は、例えば、オペレータによる油圧シリンダに関する操作入力や自動運転機能に対応する操作指令である。
これにより、ショベルは、油圧シリンダの加速度の状態に合わせて、油圧シリンダに関する操作入力に起因する油圧シリンダの振動を抑制することができる。
また、本実施形態では、制御装置は、油圧シリンダの振動の発生の有無に依らず、油圧シリンダの加速度の状態に応じて、油圧シリンダに関する操作入力に起因する油圧シリンダの振動を抑制するように、油圧シリンダの動作を制御してもよい。
これにより、ショベルは、油圧シリンダの振動の発生の有無とは関係なく、油圧シリンダの加速度の状態を考慮することにより、油圧シリンダに関する操作入力に起因する油圧シリンダの振動を抑制することができる。
また、本実施形態では、制御装置は、油圧シリンダの加速度の状態に応じて、油圧シリンダに関する操作入力に対する油圧シリンダの推力のオーバーシュート又はアンダーシュートを抑制するように、油圧シリンダの動作を制御してもよい。
これにより、ショベルは、油圧シリンダに関する操作入力に対する油圧シリンダの推力のオーバーシュートを抑制することにより、油圧シリンダに関する操作入力に起因する油圧シリンダの振動を抑制することができる。
また、本実施形態では、制御装置は、油圧シリンダの加速度の状態に応じて、その速度に依存する、油圧シリンダの摩擦力が疑似的に大きくなるように、操作入力から油圧シリンダの推力までの伝達関数を調整してもよい。
これにより、ショベルは、油圧シリンダの摩擦力が疑似的に大きくすることで、油圧シリンダに関する操作入力に起因する油圧シリンダの振動を抑制することができる。
また、本実施形態では、制御装置は、油圧シリンダの加速度の状態に応じて、油圧シリンダの摩擦力の操作入力に対する変化が疑似的に線形に近づくように、操作入力から油圧シリンダの推力までの伝達関数を調整してもよい。
これにより、ショベルは、油圧シリンダの操作性を向上させることができる。
また、本実施形態では、制御装置は、油圧シリンダに関する操作入力に対して油圧シリンダの加速度の状態をフィードバックすることにより、油圧シリンダの動作を制御してもよい。
これにより、ショベルは、油圧シリンダの加速度の状態に合わせて、油圧シリンダに関する操作入力に起因する油圧シリンダの振動を抑制することができる。
また、本実施形態では、油圧シリンダに関する操作入力は、油圧シリンダを自動で動作させるための操作指令の入力であってもよい。
これにより、ショベルは、油圧シリンダを自動で動作させる際の操作指令の入力に起因する油圧シリンダの振動を抑制することができる。そのため、ショベルの自動運転による作業の品質を向上させることができる。
また、本実施形態では、アタッチメントは、ブーム、アーム、及びエンドアタッチメントを含んでもよい。そして、油圧シリンダは、ブームを駆動するブームシリンダであってもよい。ブームシリンダは、例えば、上述のブームシリンダ7である。
これにより、ショベルは、ブームシリンダに関する操作入力に起因するブームシリンダの振動を抑制することができる。そのため、ショベルは、ブームシリンダの振動に伴うブームの振動の反力による機体(上部旋回体)の振動を抑制し、ショベルに搭乗するオペレータの不快感を抑制することができる。
以上、実施形態について詳述したが、本開示はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
1 下部走行体
3 上部旋回体
4 ブーム
5 アーム
6 バケット
7 ブームシリンダ
8 アームシリンダ
9 バケットシリンダ
10 キャビン
26 操作装置
26A~26C レバー装置
30 コントローラ
31,31A~31C 油圧制御弁
40 撮像装置
40B 後方カメラ
40F 前方カメラ
40L 左方カメラ
40R 右方カメラ
60 通信装置
100 ショベル
300 遠隔操作支援装置
301 加速度検出部
302,302A,302B 操作指令生成部
303 操作指令補正部
304 姿勢検出部
304A ブーム姿勢検出部
304B アーム姿勢検出部
304C バケット姿勢検出部
305 目標軌道生成部
306 アーム動作予測部
307 制御対象位置・速度検出部
308 動作指令生成部
AT アタッチメント
D1 ブーム駆動部
HA 油圧アクチュエータ
S1~S6 センサ

Claims (8)

  1. 下部走行体と、
    前記下部走行体に旋回自在に搭載される上部旋回体と、
    前記上部旋回体に取り付けられるアタッチメントと、
    前記アタッチメントを駆動する油圧シリンダと、
    前記油圧シリンダの加速度の状態に応じて、前記油圧シリンダに関する操作入力に起因する前記油圧シリンダの振動を抑制するように、前記油圧シリンダの動作を制御する制御装置と、を備える、
    ショベル。
  2. 前記制御装置は、前記油圧シリンダの振動の発生の有無に依らず、前記油圧シリンダの加速度の状態に応じて、前記油圧シリンダに関する操作入力に起因する前記油圧シリンダの振動を抑制するように、前記油圧シリンダの動作を制御する、
    請求項1に記載のショベル。
  3. 前記制御装置は、前記油圧シリンダの加速度の状態に応じて、前記油圧シリンダに関する操作入力に対する前記油圧シリンダの推力のオーバーシュート又はアンダーシュートを抑制するように、前記油圧シリンダの動作を制御する、
    請求項1又は2に記載のショベル。
  4. 前記制御装置は、前記油圧シリンダの加速度の状態に応じて、その速度に依存する、前記油圧シリンダの摩擦力が疑似的に大きくなるように、前記操作入力から前記油圧シリンダの推力までの伝達関数を調整する、
    請求項1又は2に記載のショベル。
  5. 前記制御装置は、前記油圧シリンダの加速度の状態に応じて、前記操作入力と前記摩擦力との関係が疑似的に線形に近づくように、前記操作入力から前記油圧シリンダの推力までの伝達関数を調整する、
    請求項4に記載のショベル。
  6. 前記制御装置は、前記油圧シリンダに関する操作入力に対して前記油圧シリンダの加速度の状態をフィードバックすることにより、前記油圧シリンダの動作を制御する、
    請求項1又は2に記載のショベル。
  7. 前記操作入力は、前記油圧シリンダを自動で動作させるための操作指令の入力である、
    請求項1又は2に記載のショベル。
  8. 前記アタッチメントは、ブーム、アーム、及びエンドアタッチメントを含み、
    前記油圧シリンダは、前記ブームを駆動するブームシリンダである、
    請求項1又は2に記載のショベル。
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