JP2024093510A - ポリプロピレン系樹脂発泡粒子、その製造方法及びポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂発泡粒子、その製造方法及びポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体 Download PDF

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Abstract

Figure 2024093510000001
【課題】優れた難燃性と型内成形性とを両立することができるポリプロピレン系樹脂発泡粒子及びその製造方法を提供する。
【解決手段】ポリプロピレン系樹脂発泡粒子は無機ホスフィン酸塩とメラミン系難燃剤とを含む。発泡粒子中の、無機ホスフィン酸塩の配合量が0.5質量%以上であり、メラミン系難燃剤の配合量が0.05質量%以上であり、無機ホスフィン酸塩の配合量とメラミン系難燃剤の配合量との合計が5質量%以下である。発泡粒子は、さらにフェノール系酸化防止剤からなる第1酸化防止剤と、リン系酸化防止剤及び/または硫黄系酸化防止剤からなる第2酸化防止剤とを含む。発泡粒子中の、第1酸化防止剤の配合量と第2酸化防止剤の配合量との合計が0.05~0.6質量%であり、第1酸化防止剤の配合量に対する第2酸化防止剤の配合量の比が0.5~10である。
【選択図】図1

Description

本発明は、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子、その製造方法及びポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体に関する。
ポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体は、軽量で、緩衝性、剛性等に優れるため、梱包材、容器、緩衝材等の種々の用途に用いられている。ポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体を構成するポリプロピレン系樹脂発泡粒子には、難燃性を高める目的で、無機ホスフィン酸塩及びメラミン系難燃剤が添加されていることがある(例えば、特許文献1)。
国際公開第2022/039076号
特許文献1の発泡粒子は、所望の難燃性を得ようとすると比較的多量の難燃剤を添加する必要があり、型内成形性の低下を招いていた。一方、型内成形性の向上のために難燃剤の添加量を少なくすると、所望の難燃性を得ることが難しいという問題があった。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、優れた難燃性と型内成形性とを両立することができるポリプロピレン系樹脂発泡粒子及びその製造方法を提供しようとするものである。また、優れた難燃性と圧縮物性とを両立することができるポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、以下の〔1〕~〔5〕に係るポリプロピレン系樹脂発泡粒子にある。
〔1〕無機ホスフィン酸塩とメラミン系難燃剤とを含むポリプロピレン系樹脂発泡粒子であって、
前記発泡粒子中の前記無機ホスフィン酸塩の配合量が0.5質量%以上であり、
前記発泡粒子中の前記メラミン系難燃剤の配合量が0.05質量%以上であり、
前記発泡粒子中の、前記無機ホスフィン酸塩の配合量と前記メラミン系難燃剤の配合量との合計が5質量%以下であり、
前記発泡粒子は、さらにフェノール系酸化防止剤からなる第1酸化防止剤と、リン系酸化防止剤及び/または硫黄系酸化防止剤からなる第2酸化防止剤とを含み、
前記発泡粒子中の、前記第1酸化防止剤の配合量と前記第2酸化防止剤の配合量との合計が0.05質量%以上0.6質量%以下であり、
前記発泡粒子中の、前記第1酸化防止剤の配合量に対する前記第2酸化防止剤の配合量の比が0.5以上10以下である、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
〔2〕前記発泡粒子中の前記無機ホスフィン酸塩の配合量が0.5質量%以上1.5質量%以下である、〔1〕に記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
〔3〕前記発泡粒子中の、前記メラミン系難燃剤の配合量に対する前記無機ホスフィン酸塩の配合量の比が0.05以上10以下である、〔1〕または〔2〕に記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
〔4〕前記発泡粒子中の、前記無機ホスフィン酸塩の配合量に対する前記第1酸化防止剤の配合量と前記第2酸化防止剤の配合量との合計の比が0.05以上0.5以下である、〔1〕~〔3〕のいずれか1つに記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
〔5〕前記発泡粒子の嵩密度が20kg/m以上90kg/m以下である、〔1〕~〔4〕のいずれか1つに記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
本発明の他の態様は、以下の〔6〕に係るポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体にある。
〔6〕〔1〕~〔5〕のいずれか1つに記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子を型内成形してなるポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体。
本発明のさらに他の態様は、以下の〔7〕に係るポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法にある。
〔7〕ポリプロピレン系樹脂粒子を発泡させてポリプロピレン系樹脂発泡粒子を得るポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法であって、
前記樹脂粒子は、無機ホスフィン酸塩と、メラミン系難燃剤と、フェノール系酸化防止剤からなる第1酸化防止剤と、リン系酸化防止剤及び/または硫黄系酸化防止剤からなる第2酸化防止剤と、を含んでおり、
前記樹脂粒子中の前記無機ホスフィン酸塩の配合量が0.5質量%以上であり、
前記樹脂粒子中の前記メラミン系難燃剤の配合量が0.05質量%以上であり、
前記樹脂粒子中の、前記無機ホスフィン酸塩の配合量と前記メラミン系難燃剤の配合量との合計が5質量%以下であり、
前記樹脂粒子中の、前記第1酸化防止剤の配合量と前記第2酸化防止剤の配合量との合計が0.05質量%以上0.6質量%以下であり、
前記樹脂粒子中の、前記第1酸化防止剤の配合量に対する前記第2酸化防止剤の配合量の比が0.5以上10以下である、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法。
前記の態様によれば、優れた難燃性と型内成形性とを両立することができるポリプロピレン系樹脂発泡粒子及びその製造方法を提供することができる。また、優れた難燃性と圧縮物性とを両立することができるポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体を提供することができる。
図1は、発泡粒子のDSC曲線の一例を示す説明図である。
(ポリプロピレン系樹脂発泡粒子)
〔ポリプロピレン系樹脂〕
前記ポリプロピレン系樹脂発泡粒子(以下、「発泡粒子」という。)は、ポリプロピレン系樹脂から構成されている。本明細書において、ポリプロピレン系樹脂とは、プロピレン単量体の単独重合体及びプロピレンに由来する構成単位を50質量%以上含むプロピレン系共重合体をいう。プロピレン系共重合体としては、エチレン-プロピレン共重合体、ブテン-プロピレン共重合体、ヘキセン-プロピレン共重合体、エチレン-プロピレン-ブテン共重合体等のプロピレンと炭素数4~10のα-オレフィンとの共重合体が好ましく例示される。これらの共重合体は、例えば、ランダム共重合体であってもよく、ブロック共重合体等であってもよいが、ランダム共重合体であることが好ましい。
ポリプロピレン系樹脂の融点は、125℃以上155℃以下であることが好ましく、130℃以上150℃以下であることがより好ましく、135℃以上145℃以下であることがさらに好ましい。この場合には、前記発泡粒子の良好な型内成形性と、前記発泡粒子を型内成形してなるポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体(以下、「発泡粒子成形体」または「成形体」という。)の良好な圧縮物性とをバランスよく発現させることができる。
ポリプロピレン系樹脂の融点は、JIS K 7121:2012に基づいて測定される。具体的には、ポリプロピレン系樹脂からなる試験片を準備し、JIS K 7121:2012における「3.試験片の状態調節」の「(2)一定の熱処理を行なった後、融解温度を測定する場合」に基づいて試験片の状態調節を行う。状態調節においては、窒素流入量30mL/分の条件下で、試験片を10℃/分の加熱速度で23℃から200℃まで加熱し、200℃の温度を10分間保った後、10℃/分の冷却速度で23℃まで冷却する。このようにして試験片の状態調節を行った後、試験片を再び加熱速度10℃/分で200℃まで加熱して、DSC曲線を取得する。以上により得られたDSC曲線に現れた融解ピークの頂点温度をポリプロピレン系樹脂の融点とする。なお、DSC曲線に複数の融解ピークが現れる場合は、ベースラインを基準とした融解ピークの高さが最も高い融解ピークの頂点温度をポリプロピレン系樹脂の融点とする。
〔無機ホスフィン酸塩〕
前記発泡粒子には、無機ホスフィン酸塩が含まれている。本明細書において、無機ホスフィン酸塩とは、M(HPO(ただし、Mは金属元素であり、mは1以上3以下の整数である)の化学式で表される、ホスフィン酸と金属との塩をいう。前記発泡粒子中に含まれる無機ホスフィン酸塩は、ホスフィン酸ナトリウム(Na(HPO))、ホスフィン酸マグネシウム(Mg(HPO)、ホスフィン酸アルミニウム(Al(HPO)、ホスフィン酸カルシウム(Ca(HPO)及びビス(ホスフィニルオキシ)亜鉛(Zn(HPO)からなる群より選択される1種または2種以上の塩であることが好ましく、ホスフィン酸アルミニウム及び/またはホスフィン酸カルシウムであることがより好ましく、ホスフィン酸アルミニウムであることがさらに好ましい。
発泡粒子中の無機ホスフィン酸塩の配合量(A)は、0.5質量%以上である。発泡粒子中の無機ホスフィン酸塩の配合量(A)を0.5質量%以上とすることにより、前記発泡粒子を型内成形してなるポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体(以下、「成形体」という。)の難燃性を容易に高めることができる。かかる観点からは、無機ホスフィン酸塩の配合量(A)は0.6質量%以上であることが好ましく、0.8質量%以上であることがより好ましい。無機ホスフィン酸塩の配合量(A)が少なすぎる場合には、成形体の難燃性の低下を招くおそれがある。
一方、発泡粒子中の無機ホスフィン酸塩の配合量(A)とメラミン系難燃剤の配合量(B)との合計(A)+(B)が過度に多くなると、型内成形時の成形性の低下を招くおそれがある。無機ホスフィン酸塩の配合量(A)を、無機ホスフィン酸塩の配合量(A)とメラミン系難燃剤の配合量(B)との合計(A)+(B)が5質量%以下となる範囲内とすることにより、成形性の低下を回避しつつ成形体の難燃性を向上させることができる。成形性の低下をより確実に回避する観点からは、無機ホスフィン酸塩の配合量(A)とメラミン系難燃剤の配合量(B)との合計(A)+(B)は3質量%以下であることが好ましく、1.5質量%以下であることがより好ましい。
また、発泡粒子の成形性をより容易に向上させる観点からは、発泡粒子中の無機ホスフィン酸塩の配合量(A)は、4質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましく、2質量%以下であることがさらに好ましく、1.5質量%以下であることが特に好ましく、1.3質量%以下であることが最も好ましい。
発泡粒子中の無機ホスフィン酸塩の配合量(A)の好ましい範囲を構成するに当たっては、前述した無機ホスフィン酸塩の配合量(A)の上限と下限とを任意に組み合わせることができる。たとえば、無機ホスフィン酸塩の配合量(A)の好ましい範囲は、0.5質量%以上4質量%以下であってもよく、0.5質量%以上3質量%以下であってもよく、0.5質量%以上2質量%以下であってもよく、0.5質量%以上1.5質量%以下であってもよく、0.6質量%以上1.5質量%以下であってもよい。
成形体の難燃性と型内成形時の成形性とをバランスよく向上させる観点からは、発泡粒子中の無機ホスフィン酸塩の配合量(A)は、0.5質量%以上1.5質量%以下であることが好ましく、0.6質量%以上1.3質量%以下であることがより好ましい。同様の観点から、メラミン系難燃剤の配合量(B)に対する無機ホスフィン酸塩の配合量(A)の比(A)/(B)は0.05以上10以下であることが好ましく、0.1以上8以下であることがより好ましく、0.5以上6以下であることがさらに好ましく、1以上5以下であることが特に好ましい。
〔メラミン系難燃剤〕
前記発泡粒子には、メラミン系難燃剤が含まれている。本明細書において、メラミン系難燃剤とは、下記構造式(1)で表されるメラミンを部分構造として含む難燃剤をいう。
Figure 2024093510000002
メラミン系難燃剤としては、例えば、メラミンと、硫酸、ポリリン酸、シアヌル酸、ピロリン酸及び臭化水素酸などの難燃性を示す酸との塩が用いられる。前記発泡粒子中に含まれるメラミン系難燃剤は、硫酸メラミン、ポリリン酸メラミン、シアヌル酸メラミン、ピロリン酸メラミン及びメラミン臭化水素酸塩からなる群より選択される1種または2種以上の塩であることが好ましく、メラミン臭化水素酸塩であることがより好ましい。また、メラミン臭化水素酸塩は、下記構造式(2)で表される化合物であることが特に好ましい。
Figure 2024093510000003
発泡粒子中のメラミン系難燃剤の配合量(B)は、0.05質量%以上である。発泡粒子中のメラミン系難燃剤の配合量(B)を0.05質量%以上とすることにより、成形体の難燃性を容易に高めることができる。かかる観点からは、メラミン系難燃剤の配合量(B)は0.1質量%以上であることが好ましく、0.2質量%以上であることがより好ましい。
一方、発泡粒子中の無機ホスフィン酸塩の配合量(A)とメラミン系難燃剤の配合量(B)との合計(A)+(B)が過度に多くなると、前述したように型内成形時の成形性の低下を招くおそれがある。発泡粒子中のメラミン系難燃剤の配合量(B)を、無機ホスフィン酸塩の配合量(A)とメラミン系難燃剤の配合量(B)との合計(A)+(B)が5質量%以下、好ましくは3質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下となる範囲内にすることにより、前述したように成形体の難燃性を高める効果を得つつ、型内成形性時の成形性を向上させることができる。発泡粒子の成形性をより容易に向上させる観点からは、発泡粒子中のメラミン系難燃剤の配合量(B)は、2質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以下であることがさらに好ましく、0.4質量%以下であることが特に好ましい。
発泡粒子中のメラミン系難燃剤の配合量(B)の好ましい範囲を構成するに当たっては、前述したメラミン系難燃剤の配合量(B)の上限と下限とを任意に組み合わせることができる。たとえば、メラミン系難燃剤の配合量(B)の好ましい範囲は、0.05質量%以上2質量%以下であってもよく、0.05質量%以上1質量%以下であってもよく、0.05質量%以上0.5質量%以下であってもよく、0.05質量%以上0.4質量%以下であってもよく、0.2質量%以上0.4質量%以下であってもよい。
〔酸化防止剤〕
前記発泡粒子は、さらにフェノール系酸化防止剤からなる第1酸化防止剤と、リン系酸化防止剤及び/または硫黄系酸化防止剤からなる第2酸化防止剤とを含んでいる。また、発泡粒子中の前記第1酸化防止剤の配合量(C)と前記第2酸化防止剤の配合量(D)との合計は0.05質量%以上0.6質量%以下であり、第1酸化防止剤の配合量(C)に対する前記第2酸化防止剤の配合量(D)の比は0.5以上10以下である。
前記発泡粒子は、無機ホスフィン酸塩及びメラミン系難燃剤に加えて前記第1酸化防止剤及び前記第2酸化防止剤を前記特定の比率で含むことにより、優れた難燃性を確保しつつ、無機ホスフィン酸塩の配合量(A)及びメラミン系難燃剤の配合量(B)を低減することができる。また、前記発泡粒子は、無機ホスフィン酸塩の配合量(A)及びメラミン系難燃剤の配合量(B)を容易に低減することができるため、優れた難燃性と型内成形性とを両立することができる。
前記第1酸化防止剤及び前記第2酸化防止剤により難燃性が向上する理由は、現時点では必ずしも明らかではないが、例えば以下の理由が考えられる。難燃性の評価方法の一つとして、UL 94に規定された水平燃焼試験がある。この評価においては、成形体が燃焼する際に生じる滴下物による引火の有無が評価指標の一つとなっている。従って、成形体が燃焼する際の滴下物の発生を抑制することができれば、難燃性を高めることができる。
前記発泡粒子に添加する第1酸化防止剤は、一次酸化防止剤とも呼ばれ、成形体が燃焼する際のラジカルの発生を抑制することができると考えられる。また、前記発泡粒子に添加する第2酸化防止剤は、二次酸化防止剤とも呼ばれ、成形体が燃焼する際に生じるラジカルと反応し、ラジカルを不活性化することができる。前記発泡粒子は、このように、作用の異なる2種類の酸化防止剤を併用することにより、第1酸化防止剤と第2酸化防止剤とを相乗的に作用させ、無機ホスフィン酸塩の配合量(A)及びメラミン系難燃剤の配合量(B)が比較的少ない場合においても成形体が燃焼する際に生じる滴下物の発生を抑制することができると考えられる。
第1酸化防止剤の配合量(C)と第2酸化防止剤の配合量(D)の合計(C)+(D)が少なすぎる場合には、成形体の難燃性の低下を招くおそれがある。成形体の難燃性向上の効果を十分に得る観点から、第1酸化防止剤の配合量(C)と第2酸化防止剤の配合量(D)の合計(C)+(D)は発泡粒子の質量に対して0.05質量%以上とする。成形体の難燃性向上の効果をより高める観点からは、第1酸化防止剤の配合量(C)と第2酸化防止剤の配合量(D)の合計(C)+(D)は発泡粒子の質量に対して0.06質量%以上であることが好ましく、0.07質量%以上であることがより好ましく、0.1質量%以上であることがさらに好ましい。
一方、第1酸化防止剤の配合量(C)と第2酸化防止剤の配合量(D)との合計(C)+(D)が多すぎる場合にも、成形体の難燃性の低下を招くおそれがある。この理由としては、過剰な酸化防止剤が無機ホスフィン酸塩やメラミン系難燃剤と反応し、難燃剤の効果を低下させるなどの理由が考えられる。かかる問題を回避する観点から、第1酸化防止剤の配合量(C)と第2酸化防止剤の配合量(D)の合計(C)+(D)は発泡粒子の質量に対して0.6質量%以下とする。成形体の難燃性向上の効果をより確実に得る観点からは、第1酸化防止剤の配合量(C)と第2酸化防止剤の配合量(D)の合計(C)+(D)は発泡粒子の質量に対して0.5質量%以下であることが好ましく、0.4質量%以下であることがより好ましく、0.3質量%以下であることがさらに好ましい。
第1酸化防止剤の配合量(C)と第2酸化防止剤の配合量(D)との合計(C)+(D)の好ましい範囲を構成するに当たっては、前述した第1酸化防止剤の配合量(C)と第2酸化防止剤の配合量(D)との合計(C)+(D)の上限と下限とを任意に組み合わせることができる。例えば、発泡粒子中の第1酸化防止剤の配合量(C)と第2酸化防止剤の配合量(D)との合計(C)+(D)は、0.05質量%以上0.5質量%以下であってもよく、0.06質量%以上0.4質量%以下であってもよく、0.07質量%以上0.3質量%以下であってもよい。
また、第1酸化防止剤の配合量(C)に対する第2酸化防止剤の配合量(D)の比(D)/(C)を前記特定の範囲とすることにより、第1酸化防止剤と第2酸化防止剤とを相乗的に作用させ、成形体の難燃性を向上させる効果を得ることができる。第1酸化防止剤または第2酸化防止剤のいずれか一方が他方に対して過剰な場合には、第1酸化防止剤と第2酸化防止剤とを相乗的に作用させることが難しくなり、成形体の難燃性の低下を招くおそれがある。
第1酸化防止剤の配合量(C)に対する第2酸化防止剤の配合量(D)の比(D)/(C)は0.6以上8以下であることが好ましく、1以上6以下であることがより好ましく、2以上5以下であることがさらに好ましい。この場合には、成形体の難燃性向上の効果をより確実に得るとともに、圧縮物性が良好な成形体をより容易に得ることができる。
無機ホスフィン酸塩の配合量(A)に対する第1酸化防止剤の配合量(C)と第2酸化防止剤の配合量(D)との合計(C)+(D)の比{(C)+(D)}/(A)は0.05以上0.5以下であることが好ましく、0.06以上0.4以下であることがより好ましい。この場合には、発泡粒子の成形可能範囲をより広くすることができる。また、この場合には、成形体の難燃性向上の効果をより確実に得るとともに、圧縮物性が良好な成形体をより容易に得ることができる。
前記第1酸化防止剤としては、具体的には、フェノール系酸化防止剤、つまり、分子構造中に少なくとも1つの置換または無置換のフェノールを部分構造として有する酸化防止剤を用いることができる。発泡粒子は、1種類の第1酸化防止剤を含んでいてもよく、2種類以上の第1酸化防止剤を含んでいてもよい。
フェノール系酸化防止剤は、フェノール基(HO-C-)におけるOH基に対してメタ位となる位置に、t-ブチル基や長鎖炭化水素基などの分子量の大きい置換基が結合した部分構造を有する、いわゆるヒンダードフェノール系酸化防止剤であることが好ましく、フェノール基(HO-C-)におけるOH基に対してメタ位となる2か所の位置のそれぞれにt-ブチル基を有するヒンダードフェノール系酸化防止剤であることがより好ましい。ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、Irganox1010(ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート])、Irganox1330(3,3′,3″,5,5′,5″-ヘキサ-tert-ブチル-α,α′,α″-(メシチレン-2,4,6-トリル)トリ-p-クレゾール)、Irganox1035(チオジエチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-フェニル)プロピオネート])、Irganox1076(オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピオネート)、Irganox1135(ベンゼンプロパン酸,3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-C7-C9分岐アルキルエステル)(以上、BASF社製)、スミライザーGA-80(ビス[3-[3-(tert-ブチル)-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル]プロパン酸]2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン-3,9-ジイルビス(2-メチルプロパン-2,1-ジイル))及びスミライザーWX-R(4,4′-チオビス(6-tert-ブチル-m-クレゾール)(以上、住友化学株式会社製)などが挙げられる。なお、「Irganox」はビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアの登録商標であり、「スミライザー」は住友化学株式会社の登録商標である。
前記第2酸化防止剤としては、リン系酸化防止剤及び/または硫黄系酸化防止剤を使用することができる。発泡粒子は、第2酸化防止剤として、リン系酸化防止剤及び硫黄系酸化防止剤のうちいずれか一方の酸化防止剤を含んでいてもよく、両方の酸化防止剤を含んでいてもよい。また、発泡粒子は、1種類の第2酸化防止剤を含んでいてもよく、2種類以上の第2酸化防止剤を含んでいてもよい。
リン系酸化防止剤としては、分子構造中に少なくとも1つのリン原子を含む酸化防止剤を用いることができる。リン系酸化防止剤は、ホスホナイト及び亜リン酸エステルから選択されることが好ましく、亜リン酸エステルであることがより好ましく、分子構造中に少なくとも1つのフェニル基を含む亜リン酸エステル構造を有していることがさらに好ましい。また、前記亜リン酸エステル構造に含まれるフェニル基には、t-ブチル基や長鎖炭化水素基などの分子量の大きい置換基が結合していることが好ましい。リン系酸化防止剤としては、例えば、Irgafos168(トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト))、Irgafos168FF(トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト))(以上、BASF社製)、ノンフレックスTNP(トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、精工化学株式会社製)、K-NOX168(トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、SUNKO INK CO.,LTD.製)、HOSTANOX P-EPQ(テトラキス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)-4,4′-ビスフェニルジホスホナイト、クラリアントケミカルズ株式会社製)などが挙げられる。なお、「ノンフレックス」は精工化学株式会社の登録商標であり、「HOSTANOX」はヘキスト ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングの登録商標である。
硫黄系酸化防止剤としては、分子構造中に少なくとも1つの硫黄原子を含む酸化防止剤を用いることができる。硫黄系酸化防止剤中の硫黄原子の存在形態は特に限定されることはない。例えば、硫黄系酸化防止剤中の硫黄原子は、チオエーテル基(-S-)やチオカルボニルチオ基(-N(=S)-S-)などの形態で存在していてもよい。硫黄系酸化防止剤としては、例えば、3,3’-チオジプロピオン酸ジオクタデシル(DSTDP)、3,3’-チオジプロピオン酸ジドデシル(DLTDP)、ペンタエリトリトールテトラキス[3-ラウリルチオプロピオナート]などのチオエーテル基を有するチオエーテル系酸化防止剤や、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル(II)などのチオカルボニルチオ基を有する酸化防止剤などを使用することができる。硫黄系酸化防止剤は、チオエーテル系酸化防止剤であることが好ましく、3,3’-チオジプロピオン酸ジオクタデシルであることがより好ましい。
〔脂肪酸アミド〕
前記発泡粒子は、さらに1種または2種以上の脂肪酸アミドを含んでいてもよい。脂肪酸アミドは、発泡粒子中における無機ホスフィン酸塩やメラミン系難燃剤、第1酸化防止剤、第2酸化防止剤の分散性を高める作用を有している。それ故、脂肪酸アミドを用いることにより、前述した効果がより得られやすくなる。前記発泡粒子が脂肪酸アミドを含有する場合、第1酸化防止剤の配合量(C)と第2酸化防止剤の配合量(D)との合計(C)+(D)に対する脂肪酸アミドの配合量(E)の比(E)/{(C)+(D)}は0.05以上1以下であることが好ましい。
なお、脂肪酸アミドは、炭化水素基とアミド基とを分子構造中に有する化合物である。脂肪酸アミドにおける炭化水素基は長鎖脂肪酸基であることが好ましい。また、脂肪酸アミドとしては、エチレンビスステアリン酸アミドやエルカ酸アミドを好適に用いることができる。
〔カーボンブラック〕
前記発泡粒子は、さらに、発泡粒子の着色等の目的でカーボンブラックを含んでいてもよい。発泡粒子中のカーボンブラックの配合量は0.1質量%以上1質量%以下であることが好ましい。この場合には、優れた難燃性を確保しつつ成形体を着色することができる。
〔その他の成分〕
発泡粒子中には、前述した作用効果を損なわない範囲でポリプロピレン系樹脂以外の他の重合体が含まれていてもよい。他の重合体としては、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂等のポリプロピレン系樹脂以外の熱可塑性樹脂やエラストマー等が例示される。発泡粒子中の他の重合体の含有量は、ポリプロピレン系樹脂100質量部に対して、20質量部以下であることが好ましく、10質量部以下であることがより好ましく、5質量部以下であることがさらに好ましく、0質量部、つまり、発泡粒子は、重合体として実質的にポリプロピレン系樹脂のみを含むことが特に好ましい。
また、発泡粒子を構成するポリプロピレン系樹脂中には、前述した作用効果を損なわない範囲で、前記無機ホスフィン酸塩及び前記メラミン系難燃剤以外の他の難燃剤が含まれていてもよい。この場合、発泡粒子中における無機ホスフィン酸塩及びメラミン系難燃剤以外の難燃剤の配合量は、無機ホスフィン酸塩及びメラミン系難燃剤の合計100質量部に対して、30質量部以下であることが好ましく、20質量部以下であることがより好ましく、10質量部以下であることがさらに好ましい。
また、発泡粒子を構成するポリプロピレン系樹脂中には、前述した作用効果を損なわない範囲で、前記第1酸化防止剤及び前記第2酸化防止剤以外の他の酸化防止剤が含まれていてもよい。この場合、発泡粒子中における第1酸化防止剤及び第2酸化防止剤以外の酸化防止剤の配合量は、第1酸化防止剤及び第2酸化防止剤の合計100質量部に対して、20質量部以下であることが好ましく、10質量部以下であることがより好ましく、5質量部以下であることがさらに好ましく、0質量部、つまり、発泡粒子は、酸化防止剤として実質的に前記第1酸化防止剤及び前記第2酸化防止剤のみを含むことが特に好ましい。
また、発泡粒子を構成するポリプロピレン系樹脂中には、下記構造式(3)で表される部分構造を有するNOR型ヒンダードアミンが含まれていてもよい。なお、下記構造式(3)におけるRとしては、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基等が例示される。また、下記構造式(3)における*には任意の構造が結合する。NOR型ヒンダードアミンは、下記構造式(3)で表される部分構造を少なくとも1つ含んでいればよい。
Figure 2024093510000004
NOR型ヒンダードアミンとしては、例えば、NOR116(BASF社製)、FP-T80(株式会社ADEKA社製)、Tinuvin123(BASF社製)等が挙げられる。なお、「Tinuvin」はビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアの登録商標である。
発泡粒子中の前記NOR型ヒンダードアミンの配合量は、無機ホスフィン酸塩及びメラミン系難燃剤の合計100質量部に対して、30質量部以下であることが好ましく、20質量部以下であることがより好ましく、10質量部以下であることがさらに好ましい。
その他、発泡粒子を構成するポリプロピレン系樹脂中には、前述した作用効果を損なわない範囲で、気泡調整剤、結晶核剤、可塑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤が含まれていてもよい。
〔発泡粒子の嵩密度〕
前記発泡粒子の嵩密度は20kg/m以上90kg/m以下であることが好ましい。この場合には、優れた難燃性を有するとともに、軽量性と圧縮物性とのバランスが良好な発泡粒子成形体をより容易に得ることができる。
前記発泡粒子は、無機ホスフィン酸塩及びメラミン系難燃剤を含み、さらに、第1酸化防止剤と第2酸化防止剤との2種類の酸化防止剤を併用することにより、発泡粒子の嵩倍率が比較的低い場合においても優れた難燃性を有する成形体を容易に得ることができる。成形体の軽量性をより高めると共に、優れた難燃性を安定して発現させやすくなる観点からは、発泡粒子の嵩密度は70kg/m以下であることがより好ましく、65kg/m以下であることがさらに好ましく、60kg/m以下であることが特に好ましい。また、成形体の圧縮物性をより高めると共に、優れた難燃性を安定して発現させやすくなる観点からは、前記発泡粒子の嵩密度は25kg/m以上であることがより好ましく、30kg/m以上であることがさらに好ましく、35kg/m以上であることが特に好ましい。
発泡粒子の嵩密度の好ましい範囲を構成するに当たっては、前述した発泡粒子の嵩密度の上限と下限とを任意に組み合わせることができる。例えば、発泡粒子の嵩密度は、25kg/m以上70kg/m以下であってもよく、30kg/m以上65kg/m以下であってもよく、35kg/m以上60kg/m以下であってもよい。
〔高温ピーク〕
前記発泡粒子は、加熱速度10℃/分で23℃から200℃まで加熱した際に得られるDSC曲線に、発泡粒子を構成するポリプロピレン系樹脂固有の融解による吸熱ピークと、この吸熱ピークよりも高温側に位置する1以上の融解ピークとが現れる結晶構造を有することが好ましい。このような結晶構造を備えた発泡粒子は、機械的強度に優れるとともに成形性にも優れている。なお、以下において、前記DSC曲線に現れるポリプロピレン系樹脂固有の融解による吸熱ピークを「樹脂固有ピーク」といい、樹脂固有ピークよりも高温側に現れる融解ピークを「高温ピーク」という。樹脂固有ピークは、発泡粒子を構成するポリプロピレン系樹脂が本来有する結晶が融解する際の吸熱によって生じる。一方、高温ピークは、発泡粒子の製造過程で発泡粒子を構成するポリプロピレン系樹脂中に形成された二次結晶の融解によって生じると推定される。すなわち、DSC曲線に高温ピークが現れた場合、ポリプロピレン系樹脂中に二次結晶が形成されていると推定される。
発泡粒子が前述した結晶構造を有するか否かは、JIS K7121:1987に準拠し、前述した条件により示差走査熱量測定(DSC)を行うことにより得られるDSC曲線に基づいて判断すればよい。また、DSCを行うにあたっては、発泡粒子1~3mgを試料として用いればよい。
具体的には、上記のように10℃/分の加熱速度で23℃から200℃までの加熱(つまり、第1回目の加熱)を行ったときに得られるDSC曲線には、図1に示すように、高温ピークΔH2と、発泡粒子を構成するポリプロピレン系樹脂の樹脂固有ピークΔH1との両方が現れる。これに対し、第1回目の加熱を行った後、10℃/分の冷却速度で200℃から23℃まで冷却し、その後再び10℃/分の加熱速度で23℃から200℃までの加熱(つまり、第2回目の加熱)を行ったときに得られるDSC曲線においては、発泡粒子を構成するポリプロピレン系樹脂の樹脂固有ピークのみが現れる。従って、第1回目の加熱時に得られるDSC曲線と第2回目の加熱時に得られるDSC曲線とを比較することにより、樹脂固有ピークと高温ピークとを見分けることができる。
良好な発泡粒子成形体を得ることができる成形条件範囲をより広くする観点からは、発泡粒子の高温ピークの融解熱量は、5J/g以上40J/g以下であることが好ましく、10J/g以上30J/g以下であることがより好ましい。
前述した高温ピークの融解熱量は、次のようにして求められる値である。まず、状態調節を行った後の発泡粒子1~3mgを試料として用い、加熱速度10℃/分で23℃から200℃まで加熱するという条件で示差走査熱量測定を行うことによりDSC曲線を得る。次に、図1に示すように、DSC曲線上における80℃に相当する点αと、発泡粒子の融解終了温度Tに相当する点βとを結ぶ直線L1を引く。なお、融解終了温度Tは、高温ピークΔH2における高温側の端点、つまり、DSC曲線における、高温ピークΔH2と、高温ピークΔH2よりも高温側のベースラインとの交点である。
直線L2を引いた後、樹脂固有ピークΔH1と高温ピークΔH2との間に存在する極大点γを通り、グラフの縦軸に平行な直線L2を引く。この直線L2により樹脂固有ピークΔH1と高温ピークΔH2とが分割される。高温ピークΔH2の融解熱量は、DSC曲線における高温ピークΔH2を構成する部分と、直線L1と、直線L2とによって囲まれた部分の面積に基づいて算出することができる。
〔融着層〕
また、発泡粒子は、その表面に型内成形時の発泡粒子同士の融着性を高めるための融着層を有していてもよい。融着層は、発泡粒子の表面全体に存在していてもよく、表面の一部に存在していてもよい。融着層を構成する樹脂としては、発泡粒子を構成するポリプロピレン系樹脂の融点よりも低い融点を有する結晶性のポリオレフィン系樹脂や発泡粒子を構成するポリプロピレン系樹脂の融点よりも低い軟化点を有する非晶性のポリオレフィン系樹脂などが例示される。
発泡粒子の表面に融着層を形成する方法は特に限定されず、例えば、融着層を有する樹脂粒子を発泡させる方法や、発泡粒子を得てから発泡粒子に融着層を付着させる方法が例示される。融着層を有する樹脂粒子を発泡させて発泡粒子を得る場合には、樹脂粒子を製造する際に、共押出により樹脂粒子の表面に融着層を積層する方法を採用することが好ましい。
(ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法)
前記発泡粒子の製造方法としては、無機ホスフィン酸塩と、メラミン系難燃剤と、フェノール系酸化防止剤からなる第1酸化防止剤と、リン系酸化防止剤及び/または硫黄系酸化防止剤からなる第2酸化防止剤と、を含むポリプロピレン系樹脂粒子(以下、「樹脂粒子」という。)を準備した後、樹脂粒子を発泡させる方法を採用することができる。
前記ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を製造するにあたっては、前記樹脂粒子中の前記無機ホスフィン酸塩の配合量(A)が0.5質量%以上であり、前記樹脂粒子中の前記メラミン系難燃剤の配合量(B)が0.05質量%以上であり、前記樹脂粒子中の、前記無機ホスフィン酸塩の配合量(A)と前記メラミン系難燃剤の配合量(B)との合計(A)+(B)が5質量%以下であり、前記樹脂粒子中の、前記第1酸化防止剤の配合量(C)と前記第2酸化防止剤の配合量(D)との合計(C)+(D)が0.05質量%以上0.6質量%以下であり、前記樹脂粒子中の、前記第1酸化防止剤の配合量(C)に対する前記第2酸化防止剤の配合量(D)の比(D)/(C)が0.5以上10以下である樹脂粒子を発泡させて発泡粒子を得ることが好ましい。なお、この場合、樹脂粒子における、無機ホスフィン酸塩、メラミン系難燃剤、酸化防止剤等の配合量が、発泡粒子における、無機ホスフィン酸塩、メラミン系難燃剤、酸化防止剤等の配合量となる。
〔樹脂粒子の準備〕
前記発泡粒子を製造するに当たっては、まず、前記樹脂粒子を準備する。樹脂粒子を準備する方法は特に限定されることはない。例えば、ストランドカット法により樹脂粒子を作製する場合には、発泡粒子を構成するポリプロピレン系樹脂と、無機ホスフィン酸塩と、メラミン系難燃剤と、第1酸化防止剤と、第2酸化防止剤とを含む樹脂溶融混練物を押出機の下流側に付設されたダイの小孔からストランド状に押し出す。この際、無機ホスフィン酸塩、メラミン系難燃剤、第1酸化防止剤及び第2酸化防止剤の配合量は、それぞれ前述した範囲とする。また、樹脂溶融混練物中には、必要に応じて、カーボンブラックや気泡調整剤などの添加剤が添加されていてもよい。このストランド状の押出物を引き取りつつ所望の長さに切断することにより、樹脂粒子を得ることができる。
前述した樹脂溶融混練物を作製する際には、前述した各成分を、直接ポリプロピレン系樹脂の加熱溶融物と混練してもよいが、ポリプロピレン系樹脂、無機ホスフィン酸塩、メラミン系難燃剤、第1酸化防止剤及び第2酸化防止剤を含む難燃剤マスターバッチを予め準備し、前記難燃剤マスターバッチとポリプロピレン系樹脂とを加熱しつつ混練することにより樹脂溶融混練物を作製することが好ましい。このように、予め準備した難燃剤マスターバッチとポリプロピレン系樹脂とを溶融しつつ混練することにより、樹脂溶融混練物中に無機ホスフィン酸塩等を均一に分散させるとともに、樹脂溶融混練物中の無機ホスフィン酸塩等の配合量をより精度よく調節することができる。
難燃剤マスターバッチを作製する場合、難燃剤マスターバッチに用いられるポリプロピレン系樹脂は、樹脂粒子を構成するポリプロピレン系樹脂と同一のポリプロピレン系樹脂であってもよく、異なるポリプロピレン系樹脂であってもよい。また、難燃剤マスターバッチを使用する場合、難燃剤マスターバッチ中の、無機ホスフィン酸塩の配合量(a)とメラミン系難燃剤の配合量(b)との合計(a)+(b)が20質量%以上50質量%以下であり、第1酸化防止剤の配合量(c)と第2酸化防止剤の配合量(d)との合計(c)+(d)が0.5質量%以上10質量%以下であり、第1酸化防止剤の配合量(c)に対する第2酸化防止剤の配合量(d)の比(d)/(c)が0.5以上10以下であることが好ましい。また、難燃剤マスターバッチ中には、脂肪酸アミドが含まれていることが好ましい。この場合、第1酸化防止剤の配合量(c)と第2酸化防止剤の配合量(d)との合計に対する脂肪酸アミドの配合量(e)の比(e)/{(c)+(d)}が0.01以上1であることが好ましい。
難燃剤マスターバッチを用いて樹脂粒子を作製する場合、難燃剤マスターバッチと、前記難燃剤マスターバッチと混合されるポリプロピレン系樹脂との比は、ポリプロピレン系樹脂:難燃剤マスターバッチ=99:1~90:10であることが好ましい。
また、難燃剤マスターバッチを用いて樹脂粒子を作製する場合、前記難燃剤マスターバッチと混合されるポリプロピレン系樹脂のメルトフローレイトは6g/10min以上9g/10min以下であり、当該ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレイトに対する、前記難燃剤マスターバッチのメルトフローレイトの比が2以上5以下であることが好ましい。この場合には、樹脂溶融混練物中に無機ホスフィン酸塩等をより均一に分散させることができる。
前記難燃剤マスターバッチを準備するに当たっては、前述した樹脂粒子の作製方法と同様の方法、つまり、押出機にポリプロピレン系樹脂と無機ホスフィン酸塩等を供給し、押出機内においてこれらを溶融しつつ混練する方法を採用することができる。
〔樹脂粒子の発泡〕
前記樹脂粒子を発泡させることにより、発泡粒子を得ることができる。樹脂粒子を発泡させる方法は特に限定されることはないが、例えば、容器内において水性媒体中に分散させた、発泡剤を含む樹脂粒子を、水性媒体とともに容器内の圧力よりも低い圧力の雰囲気下に放出する、「ダイレクト発泡法」と呼ばれる方法により樹脂粒子を発泡させることができる。
ダイレクト発泡法においては、まず、樹脂粒子を容器内に入れ、水性媒体中に分散させる。この際、必要に応じて、容器内の水性媒体に樹脂粒子を分散させるための分散剤や分散助剤、界面活性剤等を添加してもよい。
分散剤としては、例えば、酸化アルミニウム、第三リン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム、酸化亜鉛、カオリン、マイカ等の無機微粒子を使用することができる。これらの無機微粒子は、単独で使用されてもよいし、2種以上の無機微粒子が併用されてもよい。分散助剤としては、例えば、硫酸アルミニウム等を使用することができる。また、界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルカンスルホン酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤を使用することができる。これらの界面活性剤は、単独で使用されてもよいし、2種以上の界面活性剤が併用されてもよい。
次に、容器内に発泡剤を供給し、容器内の圧力を上昇させることにより樹脂粒子に発泡剤を含浸させる。これにより、発泡剤を含む樹脂粒子を得ることができる。この際、容器内の樹脂粒子を水性媒体とともに加熱することにより、樹脂粒子への発泡剤の含浸を促進することができる。
発泡工程において使用される発泡剤としては、例えば、二酸化炭素、空気、窒素、ヘリウム、アルゴン等の無機物理発泡剤や、プロパン、n-ブタン、イソブタン、n-ペンタン、イソペンタン、ヘキサン等の炭化水素、エチルクロライド、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン、トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン等のハロゲン化炭化水素等の有機物理発泡剤を使用することができる。環境に対する負荷や取扱い性の観点から、発泡剤としては、好ましくは二酸化炭素が用いられる。発泡剤の添加量は、樹脂粒子100質量部に対して0.1質量部以上30質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上15質量部以下であることが好ましい。
発泡直前の容器内の圧力はゲージ圧において0.5MPa(G)以上であることが好ましい。一方、容器内の圧力はゲージ圧において4.0MPa(G)以下であることが好ましい。上記範囲内であれば、容器の破損や爆発等のおそれがなく安全に発泡粒子を製造することができる。
樹脂粒子に発泡剤を含浸させた後に、容器の内容物を容器よりも低い圧力の雰囲気下へ放出する。これにより、樹脂粒子が発泡して気泡構造が形成されるとともに、外気(つまり、雰囲気)によって冷却されて気泡構造が安定化し、発泡粒子が得られる。
前記樹脂粒子の製造方法においては、樹脂粒子を水性媒体中に分散させてから樹脂粒子を発泡させるまでの間に、樹脂粒子を構成する樹脂成分の結晶構造を調整する工程を行ってもよい。樹脂成分の結晶構造を調整した後に発泡させることにより、優れた型内成形性を有するとともに機械的強度にも優れる発泡粒子を容易に得ることができる。
樹脂成分の結晶構造を調整する方法は、例えば以下の通りである。まず、(樹脂粒子を構成するポリプロピレン系樹脂の融点-15℃)以上、(ポリプロピレン系樹脂の融点+15℃)以下の温度で十分な時間、好ましくは10~60分程度保持する保持工程を行う。この保持工程を行うことにより、発泡粒子を構成するポリプロピレン系樹脂中に、融解時に高温ピークを生じさせる結晶が形成されやすくなり、高温ピークが現れる結晶構造を有する発泡粒子をより容易に得ることができる。なお、発泡時における容器内の温度は、(ポリプロピレン系樹脂の融点)以上(ポリプロピレン系樹脂の融点+15℃)以下であることが好ましい。
前記発泡粒子の製造方法においては、前記保持工程が行われた樹脂粒子を予め準備し、この樹脂粒子を発泡させることで、発泡粒子を得てもよい。発泡粒子の生産性を高める観点からは、発泡剤の存在下で、容器内の分散媒中に分散させた樹脂粒子を加熱して上記保持工程を行った後、密閉容器の内容物を容器内から容器内の圧力よりも低い圧力の雰囲気下に放出して、樹脂粒子を発泡させることにより、高温ピークが現れる結晶構造を有する発泡粒子を得ることが好ましい。
前記発泡粒子の製造方法においては、樹脂粒子を発泡させる際に、前述したように一段階で樹脂粒子を発泡させてもよく、2段階以上の複数の段階に分けて樹脂粒子を発泡させてもよい。樹脂粒子を2段階で発泡させる場合には、まず、一段回目の発泡工程において、ダイレクト発泡法により樹脂粒子を発泡させ、一段発泡粒子を得る。二段階目の発泡工程は、例えば、一段発泡粒子を空気等により加圧処理して一段発泡粒子の気泡内の圧力(内圧)を高めた後、一段発泡粒子をスチーム等で加熱してさらに発泡させればよい。このようにして樹脂粒子を複数段階で発泡させることにより、より発泡倍率の高い(つまり、嵩密度の低い)発泡粒子を容易に得ることができる。
(ポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体)
前記発泡粒子を型内成形することにより、成形体を得ることができる。成形体は、例えば以下のようにして製造される。まず、所望する成形体の形状に対応したキャビティを有する金型内に発泡粒子を充填し、スチームなどの加熱媒体により金型内で多数の発泡粒子を加熱する。キャビティ内の発泡粒子は、加熱によってさらに発泡すると共に、相互に融着する。これにより、多数の発泡粒子が一体化し、キャビティの形状に応じた成形体が得られる。
〔成形体の密度〕
成形体の密度は20kg/m3以上100kg/m3以下であることが好ましく、30kg/m3以上90kg/m3以下であることがより好ましい。この場合には、優れた難燃性を有するとともに、軽量性と圧縮物性とのバランスが良好な発泡粒子成形体をより容易に得ることができる。成形体の密度は、成形体の質量(単位:g)を成形体の外形寸法から求められる体積(単位:L)で除し、単位換算することにより算出される。成形体の外形寸法から体積を求めることが容易でない場合には、水没法により成形体の体積を求めることができる。
〔成形体の難燃性〕
成形体の難燃性は、UL 94に規定された「発泡材料の水平燃焼試験」の結果及びJIS K 7201-2:2007に基づいて測定される酸素指数により評価することができる。
UL 94に規定された水平燃焼試験の方法は、具体的には以下の通りである。まず、試験装置を準備する。試験装置は、基準面からの高さが175mm±25mmとなるように水平に配置された金網と、金網の下方に配置されたウイングチップ付きバーナーと、金網における試験体が配置される領域の下方に配置された脱脂綿とを有している。バーナーは、翼端から金網までの高さが13mm±1mmとなるように配置されている。
次に、前記発泡粒子を型内成形した後、得られた成形体から長さ150mm、幅50mm、厚み13mmの板状の試験体を切り出す。なお、試験体は、スキン面、つまり、型内成形時に成形型の内壁面に接触していた面を有していてもよく、有していなくてもよい。
次に、成形体から切り出した試験体を温度21℃、相対湿度50%の環境下で24時間放置し、試験体の状態を調整する。状態を調整した後の試験体における、長さ方向の基端から25mm離れた位置、60mm離れた位置及び125mm離れた位置に標線を引く。
このように準備した試験体を試験装置の金網に載置する。この際、試験体の長さ150mmの辺と幅50mmの辺とで囲まれた2つの面のうち一方の面がスキン面である場合には、スキン面が下方を向くようにして試験体を金網に載置する。その後、バーナーに着火し、炎の高さが38mm±1mmとなるようにガス量及び空気量等を調節する。この状態でバーナーを移動させ、バーナーの炎を試験体の基端に60秒間接触させる。その後、バーナーの炎を試験体から離し、試験体の燃焼が完了するまで静置する。以上の操作を5枚の試験体について行い、これらの残炎時間、残じん時間、発炎物質の滴下による脱脂綿の着火の有無及び試験体が破損した長さに基づいて難燃性を評価することができる。
成形体は、UL 94に規定された「発泡材料の水平燃焼試験」において、HF-1と評価される難燃性を有していることが好ましい。より具体的には、(1)5枚の試験体のうち4枚の残炎時間が2秒以下であり、残る1枚の残炎時間が10秒以下であること、(2)5枚の試験体のいずれにおいても残じん時間が30秒以下であること、(3)5枚の試験体のいずれにおいても発炎物質の滴下による脱脂綿の着火がないこと、及び(4)5枚の試験体のいずれにおいても試験体が破損した長さが60mm未満であること、の4つの要件を満たしていることが好ましい。このような成形体は、優れた難燃性を有しているため、特に高い難燃性を求められる用途にも好適に用いることができる。
また、JIS K 7201-2: 2007に基づく酸素指数の測定方法は以下の通りである。まず、前記発泡粒子を型内成形した後、得られた成形体から長さ150mm、幅10mm、厚み10mmの棒状の試験体を切り出す。この試験体を所定の測定装置に取り付ける。その後、測定装置内を酸素と窒素との混合ガスで満たした状態で、試験片の上端に炎を接炎させる。なお、試験片への接炎時間は、最大30秒とする。
以上の操作を、測定装置内に満たす混合ガスの酸素濃度を種々変更して行う。そして、燃焼時間が180秒以上、または試験体が燃焼した長さが50mm以上となる酸素濃度のうち最も低い酸素濃度を酸素指数とする。
前記成形体の酸素指数は、27%以上であることが好ましい。このような成形体は、優れた難燃性を有しているため、特に高い難燃性を求められる用途にも好適に用いることができる。
前記発泡粒子及びその製造方法の実施例を以下に説明する。本例において使用した無機ホスフィン酸塩、メラミン系難燃剤、第1酸化防止剤、第2酸化防止剤及び脂肪酸アミドは、具体的には以下の通りである。
〔無機ホスフィン酸塩〕
A1:ホスフィン酸アルミニウム
A2:ホスフィン酸カルシウム
〔メラミン系難燃剤〕
B1:メラミン臭化水素酸塩
〔第1酸化防止剤〕
C1:フェノール系酸化防止剤(BASF社製「Irganox1010」)
C2:フェノール系酸化防止剤(BASF社製「Irganox1330」)
〔第2酸化防止剤〕
D1:リン系酸化防止剤(BASF社製「Irgafos168」)
D2:硫黄系酸化防止剤(3,3’-チオジプロピオン酸ジオクタデシル)
〔脂肪酸アミド〕
E1:エチレンビスステアリン酸アミド
本例においては、まず、ポリプロピレン系樹脂、無機ホスフィン酸塩、メラミン系難燃剤、第1酸化防止剤及び第2酸化防止剤を含む難燃剤マスターバッチを作製した後、この難燃剤マスターバッチを用いて樹脂粒子を作製し、得られた樹脂粒子を発泡させることにより発泡粒子を得た。以下、各工程をより詳細に説明する。
〔難燃剤マスターバッチの作製〕
難燃剤マスターバッチの作製には20mmの内径を有し、出口側にストランド形成用ダイを付設した押出機を使用した。まず、ポリプロピレン系樹脂と、表1及び表2に示す無機ホスフィン酸塩、メラミン系難燃剤、第1酸化防止剤、第2酸化防止剤及び脂肪酸アミドとを押出機に供給し、押出機内で加熱しながら混練することにより溶融混練物を作製した。
次に、溶融混練物をストランド形成用ダイに導き、ダイ先端の口金から溶融混練物をストランド状に押し出した。このストランド状の押出物を引き取り、冷却した後にペレタイザーを用いて適当な長さに切断することにより、表1に示す難燃剤マスターバッチMB1~MB8及び表2に示す難燃剤マスターバッチMB9~MB16を得た。なお、難燃剤マスターバッチの1個当たりの平均質量は15mgとした。
各難燃剤マスターバッチ中の無機ホスフィン酸塩の配合量(a)、メラミン系難燃剤の配合量(b)、第1酸化防止剤の配合量(c)、第2酸化防止剤の配合量(d)及び脂肪酸アミドの配合量(e)は、表1及び表2に示す通りであった。また、各難燃剤マスターバッチのメルトフローレイト(つまり、MFR)は表1及び表2に示す通りであった。なお、難燃剤マスターバッチのメルトフローレイトは、JIS K7210-1:2014に準拠し、温度230℃、荷重2.16kgの条件で測定された値である。
〔樹脂粒子の作製〕
樹脂粒子の作製には26mmの内径を有し、出口側にストランド形成用ダイを付設した押出機を使用した。まず、押出機にポリプロピレン系樹脂としてのエチレン-プロピレンランダム共重合体と、表3及び表4に示す種類及び量の難燃剤マスターバッチと、気泡調整剤と、カーボンブラックとを供給し、押出機内で加熱しながら混練することにより樹脂溶融混練物を作製した。なお、本例において用いたエチレン-プロピレンランダム共重合体の融点は143℃であり、MFRは8g/10分である。エチレン-プロピレンランダム共重合体のMFRは、JIS K7210-1:2014に準拠し、温度230℃、荷重2.16kgの条件で測定された値である。
この樹脂溶融混練物をストランド形成用ダイに導き、ダイ先端の口金から樹脂溶融混練物をストランド状に押し出した。このストランド状の押出物を引き取り、冷却した後にペレタイザーを用いて適当な長さに切断することにより樹脂粒子を得た。なお、気泡調整剤としてはホウ酸亜鉛を使用し、ホウ酸亜鉛の配合量はエチレン-プロピレンランダム共重合体の質量に対して500質量ppmとした。また、カーボンブラックの配合量はエチレン-プロピレンランダム共重合体の質量に対して0.4質量%
とした。樹脂粒子の1個当たりの平均質量は1.0mgとした。各樹脂粒子中の無機ホスフィン酸塩の配合量(A)、メラミン系難燃剤の配合量(B)、第1酸化防止剤の配合量(C)、第2酸化防止剤の配合量(D)及び脂肪酸アミドの配合量(E)は、表3及び表4に示す通りであった。
〔樹脂粒子の発泡〕
このようにして得られた樹脂粒子をダイレクト発泡法により発泡させ、表2に示す発泡粒子を得た。より具体的には、まず、樹脂粒子500gを、水性媒体としての3.5Lの水とともに内容積5Lの容器内に投入した。次いで、容器内に、3gの分散剤と、0.2gの界面活性剤とを添加し、樹脂粒子を水性媒体中に分散させた。なお、分散剤としてはカオリンを使用し、界面活性剤としてはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを使用した。
その後、容器内を攪拌しながら密閉容器内に発泡剤としての二酸化炭素を供給し、容器内の温度を概ね154℃まで上昇させた。このときの容器内圧力は2.0MPa(G)であった。容器の温度が所望の温度に到達した後、容器内の温度を15分保持することにより、樹脂粒子に発泡剤を含浸させるとともに樹脂粒子を構成するポリプロピレン系樹脂の結晶構造を調整した。その後、容器を開放し、内容物を大気圧雰囲気下に放出することにより樹脂粒子を発泡させた。この発泡粒子を温度23℃、相対湿度50%の雰囲気中で24時間乾燥させた。以上により、表3に示す実施例1~8の発泡粒子及び表4に示す比較例1~8の発泡粒子を得た。
このようにして得られた樹脂粒子、発泡粒子及び発泡粒子を型内成形してなる成形体を用い、表3及び表4に示す各評価項目の評価を行った。これらの評価項目の評価方法は以下の通りである。
〔発泡粒子の嵩密度〕
発泡粒子の嵩密度の測定には3g以上10g以下の発泡粒子群を使用した。まず、発泡粒子群を温度60℃、気圧1atmの環境下で2時間乾燥させた後、発泡粒子の重量を測定した。この発泡粒子群をメスシリンダー内に充填し、メスシリンダーの底面で床面を数度、軽く叩くことにより、メスシリンダー内に充填された発泡粒子の高さを安定させた。その後、メスシリンダーの目盛から発泡粒子群の嵩体積(単位:L)を読み取った。そして、メスシリンダー内の発泡粒子群の質量(単位:g)を前述した嵩体積で除した後、単位を換算することにより、発泡粒子の嵩密度(単位:kg/m3)を算出した。
〔高温ピークの融解熱量〕
前述した方法により、発泡粒子の高温ピークの融解熱量を測定した。
〔成形可能範囲〕
成形可能範囲の評価においては、本加熱時の成形圧を0.30~0.38MPa(G)の間で0.01MPaずつ変化させて型内成形を行うことにより成形体を作製し、得られた成形体の表面性、融着性及び回復性に基づいて成形可能範囲を決定した。
成形体の製造方法は以下の通りである。まず、発泡粒子を耐圧容器内に入れ、耐圧容器内を空気により加圧して発泡粒子に空気を含浸させ、発泡粒子に0.10MPa(G)の内圧を付与した。次に、内圧が付与された発泡粒子を、縦250mm、横200mm、厚み50mmの平板状の発泡粒子成形体を成形可能なキャビティを有する成形型に充填した。
次に、成形型内にスチームを供給して型内成形を行った。型内成形においては、まず、成形型のドレン弁を開放した状態で成形型内にスチームを5秒間供給して予備加熱を行った。次いで、ドレン弁を閉鎖し、本加熱時の成形圧より0.08MPa(G)低い圧力に達するまで、成形型の一方の面側からスチームを供給して一方加熱を行った。次に、本加熱時の成形圧より0.04MPa(G)低い圧力に達するまで成形型の他方の面側よりスチームを供給して一方加熱を行った。その後、本加熱時の成形圧に達するまで成形型の両面からスチームを供給して本加熱を行った。本加熱が完了した後、成形型内の圧力を解放し、成形体の発泡力による表面圧力が0.04MPa(G)になるまで成形型内において成形体を冷却した。
その後、成形型から取り出した発泡粒子成形体を80℃のオーブン中で12時間静置して養生工程を行った。養生工程後、発泡粒子成形体を相対湿度50%、23℃、1atmの条件にて24時間静置することにより、発泡粒子成形体の状態調節を行った。状態調節後の発泡粒子成形体の表面性、融着性及び回復性を評価し、後述する評価基準でいずれの項目でも合格となった成形圧(つまり、合格品が取得可能であった成形圧)の範囲を成形可能範囲とした。成形可能範囲が広いほど、成形性に優れていると判断することができる。
なお、表4に示す比較例8の発泡粒子については、前述した成形圧の範囲では合格品を取得することができなかったため、表4の「成形可能範囲」欄に「なし」と記載した。また、比較例8については、その他の成形体の評価を実施しなかった。そのため、比較例8における成形体の評価項目には記号「-」を記載した。
成形可能範囲の評価における表面性、融着性及び回復性の評価方法は以下の通りである。
・表面性
発泡粒子成形体の厚み方向における一方のスキン面の中央部に100mm×100mmの正方形を描き、次いでこの正方形のいずれか1の角から対角線を引いた。そして、対角線上に存在するボイド、つまり、発泡粒子同士の間に形成される隙間のうち、1mm×1mm以上の大きさを有するボイドの数を数えた。そして、ボイドの数が2個以下の場合に合格と判断し、3個以上である場合に不合格と判断した。
・融着性
発泡粒子成形体を長手方向に概ね等分となるように破断させた。破断面に露出した発泡粒子のうち無作為に選択した100個以上の発泡粒子を目視により観察し、粒子内部で破断した発泡粒子(つまり、材料破壊した発泡粒子)であるか、発泡粒子同士の界面で破断した発泡粒子であるかを判別した。そして、観察した発泡粒子の総数に対する粒子内部で破断した発泡粒子の数の比率を百分率で表した値(つまり、材料破壊率)を算出し、この値を融着率とした。そして、融着率が80%以上である場合を合格と判断し、80%未満である場合を不合格と判断した。
・回復性
発泡粒子成形体を厚み方向から見た平面視において、各頂点より中心方向に10mm内側となる4か所の位置における発泡粒子成形体の厚みと、中央部における発泡粒子成形体の厚みとをそれぞれ計測した。次いで、計測した箇所のうち最も厚みの厚い箇所の厚みに対する最も厚みの薄い箇所の厚みの比(単位:%)を算出した。このようにして得られた厚みの比が95%以上である場合に合格と判断し、95%未満である場合に不合格と判断した。
〔成形体の密度〕
前述した成形可能範囲のうち、最も低い成形圧で型内成形を行い、成形体を得た。この成形体を80℃の環境下で24時間乾燥させた後、成形体の質量(単位:g)を測定した。その後、成形体の質量を、成形体の外形寸法から算出した体積(単位:L)で除した後、単位を換算することにより成形体の密度(単位:kg/m3)を算出した。
〔酸素指数〕
前述した成形可能範囲のうち、最も低い成形圧で型内成形を行い、成形体を得た。得られた成形体から、スキン面、つまり、型内成形時に成形型の内表面と接触していた面が含まれないようにして長さ150mm、幅10mm、厚み10mmの棒状の試験体を切り出した。この試験体を用い、JIS K 7201-2:2007に基づいて酸素指数の測定を行った。このようにして得られた酸素指数を表3及び表4に記載した。
〔UL 94 水平燃焼試験〕
前述した成形可能範囲のうち、最も低い成形圧で型内成形を行い、成形体を得た。得られた成形体から、長さ150mm、幅50mm、厚み13mmの寸法を有し、長さ150mmの辺と幅50mmの辺とで囲まれた2つの面のうち一方の面がスキン面となるようにして板状の試験片を切り出した。この試験片を、スキン面が下方を向くようにしてUL 94に準拠した測定装置の金網に載置した。その後、UL 94に準拠した方法により水平燃焼試験を行った。
表3及び表4には、UL 94及びISO 3582に規定された試験結果の区分を記載した。より具体的には、試験結果が(1)5枚の試験体のうち4枚の残炎時間が2秒以下であり、残る1枚の残炎時間が10秒以下であること、(2)5枚の試験体のいずれにおいても残じん時間が30秒以下であること、(3)5枚の試験体のいずれにおいても発炎物質の滴下による脱脂綿の着火がないこと、及び(4)5枚の試験体のいずれにおいても試験体が破損した長さが60mm未満であること、の4つの要件を満たしている場合に、試験結果がUL 94水平燃焼試験におけるHF-1に該当すると判断し、表3及び表4に「HF-1」と記載した。また、試験結果が(1)5枚の試験体のうち4枚の残炎時間が2秒以下であり、残る1枚の残炎時間が10秒以下であること、(2)5枚の試験体のいずれにおいても残じん時間が30秒以下であること、(3)5枚の試験体のうち少なくとも1つの試験体において発炎物質の滴下による脱脂綿の着火があること、及び(4)5枚の試験体のいずれにおいても試験体が破損した長さが60mm未満であること、の4つの要件を満たしている場合に、試験結果がUL 94水平燃焼試験におけるHF-2に該当すると判断し、表3及び表4に「HF-2」と記載した。なお、比較例は、5枚の試験体のうち少なくとも1つの試験体において発炎物質の滴下による脱脂綿の着火があったことから、「HF-2」評価となった。
Figure 2024093510000005
Figure 2024093510000006
Figure 2024093510000007
Figure 2024093510000008
表3に示すように、実施例1~8の発泡粒子は、無機ホスフィン酸塩及びメラミン系難燃剤を含み、さらに、第1酸化防止剤と第2酸化防止剤との2種の酸化防止剤を含んでいる。そのため、実施例1~8の発泡粒子は、優れた難燃性を確保しつつ無機ホスフィン酸及びメラミン系難燃剤の配合量を低減することができる。また、実施例1~8の発泡粒子は、無機ホスフィン酸及びメラミン系難燃剤の配合量が低減されているため、優れた型内成形性を有している。
これらの中でも、無機ホスフィン酸の配合量(A)とメラミン系難燃剤の配合量(B)とがより少ない実施例1及び実施例4~8の発泡粒子は、型内成形性をさらに向上することができた。
一方、表4に示す比較例1の発泡粒子は、第1酸化防止剤及び第2酸化防止剤を含んでいないため、難燃性に劣っていた。また、比較例2~4の発泡粒子は、第1酸化防止剤及び第2酸化防止剤のうちいずれか一方を含んでおらず、第1酸化防止剤と第2酸化防止剤とを相乗的に作用させることができないため、難燃性に劣っていた。
比較例5及び比較例6の発泡粒子は、第1酸化防止剤の配合量(C)と第2酸化防止剤の配合量(D)とのバランスが悪く、第1酸化防止剤及び第2酸化防止剤のうちいずれか一方が過剰に含まれている。そのため、これらの比較例の発泡粒子は、第1酸化防止剤と第2酸化防止剤とを相乗的に作用させることができず、難燃性に劣っていた。
比較例7の発泡粒子は、第1酸化防止剤の配合量(C)と第2酸化防止剤の配合量(D)との合計(C)+(D)が過度に多い。そのため、比較例7の発泡粒子は、無機ホスフィン酸塩やメラミン系難燃剤の効果が酸化防止剤によって低下し、難燃性に劣っていた。
比較例8の発泡粒子は、無機ホスフィン酸塩の配合量(A)とメラミン系難燃剤(B)の配合量との合計(A)+(B)が過度に多い。そのため、比較例8の発泡粒子は、型内成形性に劣っていた。
以上、実施例に基づいて本発明に係るポリプロピレン系樹脂発泡粒子、その製造方法及びポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体の態様を説明したが、本発明に係るポリプロピレン系樹脂発泡粒子、その製造方法及びポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体の具体的な態様は実施例の態様に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜構成を変更することができる。
ΔH1 樹脂固有ピーク
ΔH2 高温ピーク

Claims (7)

  1. 無機ホスフィン酸塩とメラミン系難燃剤とを含むポリプロピレン系樹脂発泡粒子であって、
    前記発泡粒子中の前記無機ホスフィン酸塩の配合量が0.5質量%以上であり、
    前記発泡粒子中の前記メラミン系難燃剤の配合量が0.05質量%以上であり、
    前記発泡粒子中の、前記無機ホスフィン酸塩の配合量と前記メラミン系難燃剤の配合量との合計が5質量%以下であり、
    前記発泡粒子は、さらにフェノール系酸化防止剤からなる第1酸化防止剤と、リン系酸化防止剤及び/または硫黄系酸化防止剤からなる第2酸化防止剤とを含み、
    前記発泡粒子中の、前記第1酸化防止剤の配合量と前記第2酸化防止剤の配合量との合計が0.05質量%以上0.6質量%以下であり、
    前記発泡粒子中の、前記第1酸化防止剤の配合量に対する前記第2酸化防止剤の配合量の比が0.5以上10以下である、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
  2. 前記発泡粒子中の前記無機ホスフィン酸塩の配合量が0.5質量%以上1.5質量%以下である、請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
  3. 前記発泡粒子中の、前記メラミン系難燃剤の配合量に対する前記無機ホスフィン酸塩の配合量の比が0.05以上10以下である、請求項1または2に記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
  4. 前記発泡粒子中の、前記無機ホスフィン酸塩の配合量に対する前記第1酸化防止剤の配合量と前記第2酸化防止剤の配合量との合計の比が0.05以上0.5以下である、請求項1または2に記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
  5. 前記発泡粒子の嵩密度が20kg/m以上90kg/m以下である、請求項1または2に記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
  6. 請求項1または2に記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子を型内成形してなるポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体。
  7. ポリプロピレン系樹脂粒子を発泡させてポリプロピレン系樹脂発泡粒子を得るポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法であって、
    前記樹脂粒子は、無機ホスフィン酸塩と、メラミン系難燃剤と、フェノール系酸化防止剤からなる第1酸化防止剤と、リン系酸化防止剤及び/または硫黄系酸化防止剤からなる第2酸化防止剤と、を含んでおり、
    前記樹脂粒子中の前記無機ホスフィン酸塩の配合量が0.5質量%以上であり、
    前記樹脂粒子中の前記メラミン系難燃剤の配合量が0.05質量%以上であり、
    前記樹脂粒子中の、前記無機ホスフィン酸塩の配合量と前記メラミン系難燃剤の配合量との合計が5質量%以下であり、
    前記樹脂粒子中の、前記第1酸化防止剤の配合量と前記第2酸化防止剤の配合量との合計が0.05質量%以上0.6質量%以下であり、
    前記樹脂粒子中の、前記第1酸化防止剤の配合量に対する前記第2酸化防止剤の配合量の比が0.5以上10以下である、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法。
JP2022209939A 2022-12-27 ポリプロピレン系樹脂発泡粒子、その製造方法及びポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体 Pending JP2024093510A (ja)

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