JP2024090387A - 板紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】折り曲げ加工を行った際に罫線割れが発生しにくく、印刷品質に優れた高坪量の板紙を提供すること。【解決手段】少なくとも表層、表中層、裏中層及び裏層を備え、4層以上6層以下の層を有し、前記表層が、針葉樹未晒クラフトパルプを50~100質量%含み、前記表中層及び裏中層が段ボール古紙パルプを95質量%以下含み、且つ裏層が段ボール古紙パルプを90質量%未満含み、全層が、内添サイズ剤を含有し、全パルプ100質量部に対する全内添サイズ剤の含有量が0.2~1.0質量部であり、総坪量が330g/m2以上であり、前記表層と前記裏層の計測時間2分におけるコッブ吸水度が5g/m2以上50g/m2以下であり、前記表層と前記裏層とのこのコッブ吸水度の差の絶対値が10g/m2以下である板紙。【選択図】図1

Description

本発明は、板紙に関し、特に段ボール用のライナや製函、積層合紙等に好適に使用することのできる板紙に関する。
段ボールは、波形に成形した中芯の片面あるいは両面にライナをコルゲーターで貼り合わせて製造される。
段ボールは、軽量で安価であるため、種々の物品の梱包に使用されている。段ボールは、運搬時等に梱包物が内側から衝突する、あるいは、保管時等に外部から衝撃を受ける場合がある。そのため、段ボール用ライナには、その用途に応じて、衝撃を受けても破れないように、高い破裂強さが要求される場合がある。破裂強さが要求される板紙は、一般的に、原料パルプとして、バージンパルプ、バージンパルプ100%の段ボール由来の古紙パルプのいずれか、またはこれらの混合物が使用されている。このような原料パルプを使用した板紙は、強度が高く、罫線割れ(段ボール原紙に付与された罫線(浅い溝)から発生する破損線)が生じ難く、段ボール用ライナに適したものである。
しかし、バージンパルプは、原料コストが高い。バージンパルプ100%の段ボール由来の古紙パルプも、古紙パルプを含む段ボール由来の古紙パルプ等の他の古紙パルプが混入しないように専用の回収ルートで回収する必要があるため高コストであり、また、その発生量も少ない。そのため、原料パルプとして、バージンパルプ、バージンパルプ100%の段ボール由来の古紙パルプを多く含む板紙を、段ボール製造や、製函、合紙製造に使用した場合、高コストとなる。
原料コストを低減するために、古紙パルプの配合率を高くした板紙が提案されている。
特許文献1には、全パルプに占める古紙パルプの配合率が70質量%以上であり、坪量が350g/m以上であり、透気抵抗度が25秒以上である板紙が提案されており、その実施例において古紙パルプとして段ボール古紙パルプを使用している。
特許文献2には、4層以上6層以下の層を有する板紙であって、表層の針葉樹未晒クラフトパルプの含有量が90質量%以上であり、表下層、中層及び裏層が段ボール古紙パルプを含有し、裏層の全パルプ成分に対する上記段ボール古紙パルプの含有量が90質量%以上であり、全層が内添サイズ剤を含有し、全層における内添サイズ剤の合計含有量が固形分換算で2.50kg/パルプt以上6.00kg/パルプt以下であり、総坪量が330g/m以上400g/m以下であり、上記表層及び上記裏層の計測時間2分におけるコッブ吸水度が5g/m以上50g/m以下であり、上記表層と、上記裏層とのコッブ吸水度の差が10g/m以下である板紙が提案されている。
特開2020-20065号公報 特許第7137027号公報
特許文献1、2は、いずれも古紙パルプとして段ボール古紙パルプを用いている。これは、段ボール古紙パルプは、他の古紙パルプと比較して、繊維長が長く、リグニン含有率と澱粉含有率が高く、インキ含有率が低い傾向にあるため、他の古紙パルプと比較して強度を維持しやすいためである。
特許文献1、2に記載の板紙は、強度に優れているが、特に高坪量の場合に、段ボールを箱とするために折り曲げ加工する際に罫線割れが生じやすいこと、パルプ配合によってはクッション性が劣るため印刷版との密着性が低下し、段ボール表面に図柄等を印刷したときの印刷品質に劣ることが判明した。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、折り曲げ加工を行った際に罫線割れが発生しにくく、印刷品質に優れた高坪量の板紙を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
1.少なくとも表層、表中層、裏中層及び裏層を備え、4層以上6層以下の層を有し、 前記表層が、針葉樹未晒クラフトパルプを50~100質量%含み、
前記表中層と前記裏中層が段ボール古紙パルプを95質量%以下含み、且つ前記裏層が段ボール古紙パルプを90質量%未満含み、
全層が、内添サイズ剤を含有し、全パルプ100質量部に対する全内添サイズ剤の含有量が0.2~1.0質量部であり、
総坪量が330g/m以上であり、
前記表層と前記裏層の計測時間2分におけるコッブ吸水度が5g/m以上50g/m以下であり、前記表層と前記裏層とのこのコッブ吸水度の差の絶対値が10g/m以下である板紙。
2.圧縮エネルギーが、2.0~15.0gf・cm/cmである1.に記載の板紙。
3.圧縮回復率が、70%以上である1.または2.に記載の板紙。
4.前記表層以外の層が、いずれも雑誌古紙パルプ、台紙古紙パルプ、針葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフトパルプからなる群から選ばれる1種以上を含むことを特徴とする1.または2.に記載の板紙。
5.前記表層以外の層が、平均繊維長1.05mm以下の古紙パルプを含むことを特徴とする1.または2.に記載の板紙。
6.少なくとも表層、表中層、裏中層及び裏層を備え、4層以上6層以下の層を有し、
前記表層が、針葉樹未晒クラフトパルプを50~100質量%含み、
全層が、内添サイズ剤を含有し、全パルプ100質量部に対する全内添サイズ剤の含有量が0.2~1.0質量部であり、
総坪量が330g/m以上であり、
前記表層と前記裏層の計測時間2分におけるコッブ吸水度が5g/m以上50g/m以下であり、前記表層と前記裏層とのこのコッブ吸水度の差の絶対値が10g/m以下であり、
圧縮エネルギーが2.0~15.0gf・cm/cmであり、及び/又は、圧縮回復率が70%以上である板紙。
7.前記表層以外の層が、いずれも雑誌古紙パルプ、台紙古紙パルプ、針葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフトパルプからなる群から選ばれる1種以上と、段ボール古紙パルプとを含むことを特徴とする6.に記載の板紙。
8.前記表層以外の層が、平均繊維長1.05mm以下の古紙パルプを含むことを特徴とする6.または7.に記載の板紙。
本発明の板紙は、折り曲げ加工をした際に罫線割れが生じにくく、箱とした際にも強度を高く保つことができる。本発明の板紙は、印刷品質に優れており、絵柄やカラー印刷を施す用途に適している。本発明の板紙は、仮に罫線割れが生じたとしても罫線割れ部分等から水が染み込みにくいため、段ボールとした際に内容物が濡れることを防止することができる。
実施例1、17で得られた板紙の、罫割れ試験後の折り曲げ部分側面の画像。 比較例1、3で得られた板紙の、罫割れ試験後の折曲げ部分側面の画像。
本発明の板紙の第1態様は、少なくとも表層、表中層、裏中層及び裏層を備える4層以上6層以下の層を有し、
前記表層が、針葉樹未晒クラフトパルプを50~100質量%含み、
前記表中層及び裏中層が段ボール古紙パルプを95質量%以下含み、且つ裏層が段ボール古紙パルプを90質量%未満含み、
全層が、内添サイズ剤を含有し、全パルプ100質量部に対する全内添サイズ剤の含有量が0.2~1.0質量部であって
総坪量が330g/m以上であり、
前記表層と前記裏層の計測時間2分におけるコッブ吸水度が5g/m以上50g/m以下であり、前記表層と前記裏層とのこのコッブ吸水度の差の絶対値が10g/m以下である。
本発明の板紙の第2態様は、少なくとも表層、表中層、裏中層及び裏層を備え、4層以上6層以下の層を有し、
前記表層が、針葉樹未晒クラフトパルプを50~100質量%含み、
全層が、内添サイズ剤を含有し、全パルプ100質量部に対する全内添サイズ剤の含有量が0.2~1.0質量部であり、
総坪量が330g/m以上であり、
前記表層と前記裏層の計測時間2分におけるコッブ吸水度が5g/m以上50g/m以下であり、前記表層と前記裏層とのこのコッブ吸水度の差の絶対値が10g/m以下であり、
圧縮エネルギーが2.0~15.0gf・cm/cmであり、及び/又は、圧縮回復率が70%以上である。
以下、第1態様の板紙と第2態様の板紙をまとめて、本発明の板紙ともいう。
なお、本明細書において、「A~B」(A、Bは数値)との表記は、A、Bの値を含む数値範囲、すなわち、A以上B以下を意味する。
本発明の板紙は、少なくとも表層、表中層、裏中層及び裏層を備え、4層以上6層以下の層を有する。なお、裏層とは、抄紙時における下面であり、かつ多層抄き抄紙機において最初にワイヤーパートへ原料が供給されて形成される層を指し、表層とは裏層の反対側、つまり抄紙時における上面であり、かつ多層抄き抄紙機において最後にワイヤーパートへ原料が供給されて形成される層を意味する。
本発明の板紙は、表層が、針葉樹未晒クラフトパルプを50~100質量%含む。これにより、本発明の板紙は、破裂強さに優れるとともに、表層での罫線割れを防止することができる。表層における針葉樹未晒クラフトパルプの配合量は、60質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましく、95質量%以上がよりさらに好ましく、100質量%であることが最も好ましい。表層は、針葉樹未晒クラフトパルプの他に、針葉樹晒クラフトパルプ、広葉樹未晒クラフトパルプ、広葉樹晒クラフトパルプ、古紙パルプ等を含むことができるが、表層が含むパルプとして、クラフトパルプ(晒クラフトパルプと未晒クラフトパルプをまとめて、クラフトパルプともいう)を80質量%以上含むことが好ましく、90質量%以上含むことがより好ましく、95質量%以上含むことがさらに好ましい。
本発明の第1態様である板紙は、表中層と裏中層が段ボール古紙パルプを95質量%以下含み、且つ裏層が段ボール古紙パルプを90質量%未満含む。以下、表中層、裏中層、裏層をまとめて他の層ともいう。段ボール古紙パルプは、他の古紙パルプと比較して強度を維持しやすいため、従来、古紙パルプを用いた板紙では高配合されていた。しかし、表中層及び裏中層が段ボール古紙パルプを95質量%を超えて含む、裏層が段ボール古紙パルプを90質量%以上含む、のいずれか、または両方を満足する板紙は、硬くクッション性が低いため、罫線割れが起こりやすく、また、印刷版との密着性が低く印刷適性に劣っている。本発明の第1態様である板紙は、表中層と裏中層が段ボール古紙パルプを95質量%以下含み、且つ裏層が段ボール古紙パルプを90質量%未満含むことにより、強度を維持しながらもクッション性を向上することができ、これにより、罫線割れを防ぐことができるとともに、印刷適性に優れている。
他の層が含む段ボール古紙パルプ以外のパルプは特に制限されず、針葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフトパルプ、段ボール古紙パルプ以外の古紙パルプ、砕木パルプ(GP)、リファイナーグラウンドパルプ(RGP)、ケミカルパルプ(CP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)等の木材繊維由来の各種パルプ、ケナフ、バガス、竹、麻、ワラなどから得られた非木材パルプ等の1種または2種以上を含むことができる。段ボール古紙パルプは、繊維の角質化が進んでいるため固く、表層を外側に折り曲げた際に、表層の罫線割れを誘発する傾向にあるが、針葉樹クラフトパルプや広葉樹クラフトパルプなどのバージンパルプは繊維がしなやかなため、配合する事で紙自体の強度が向上すると共に、表層を外側に折り曲げても、表層の罫線割れをより効果的に防ぐことができる。
段ボール古紙パルプ以外の古紙パルプ(以下、他の古紙パルプともいう)としては、上白、特白、中白、白損等の未印刷古紙を離解した古紙パルプ、上質紙、上質コート紙、中質紙、中質コート紙、更紙等に印刷された古紙、および筆記された古紙、廃棄機密文書等の紙類、雑誌古紙、新聞古紙を離解後脱墨したパルプ(DIP)等の1種または2種以上を混合して使用することができる。他の古紙パルプとしては、平均繊維長1.05mm以下のものが好ましい。上記したように、段ボール古紙パルプは、他の古紙パルプと比較して繊維長が長い。平均繊維長が1.05mm以下の他の古紙パルプを含むことにより、他の層の強度が低下し、表層を外側に折り曲げた際に、他の層が内側に座屈しやすくなり、表層の罫線割れをより効果的に防ぐことができる。他の古紙パルプの平均繊維長は、0.7mm以上が好ましく、0.8mm以上がより好ましく、0.9mm以上がさらに好ましい。なお、本発明において平均繊維長は、長さ加重平均繊維長を意味し、例えば、ABB株式会社製ファイバーテスターやバルメット株式会社製フラクショネータ等の画像解析装置や光学顕微鏡、電子顕微鏡を用いて繊維を観察することにより測定できる。
他の層は、これらの中で、雑誌古紙パルプ、台紙古紙パルプ、針葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフトパルプからなる群から選ばれる1種以上を含むことが好ましく、この群から選ばれる1種以上のパルプと段ボール古紙パルプのみを含むことがより好ましい。
本発明の第1態様である板紙において、表中層と裏中層は、パルプ全体に対して段ボール古紙パルプを95質量%以下含めばよく、95質量%未満が好ましい。また、その下限値は特に制限されないが、コストと強度のバランスの点から、20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、40質量%以上がさらに好ましい。
本発明の第1態様である板紙において、裏層は、パルプ全体に対して段ボール古紙パルプを90質量%未満含めばよく、89質量%以下が好ましい。また、その下限値は特に制限されないが、コストと強度のバランスの点から、20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、40質量%以上がさらに好ましい。
本発明の第2態様である板紙において、クッション性、罫線割れの防止、印刷適性の点から、表中層と裏中層は、パルプ全体に対して段ボール古紙パルプを95質量%以下含むことが好ましく、95質量%未満含むことがより好ましい。また、その下限値は特に制限されないが、コストと強度のバランスの点から、20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、40質量%以上がさらに好ましい。
本発明の第2態様である板紙において、クッション性、罫線割れの防止、印刷適性の点から、裏層は、パルプ全体に対して段ボール古紙パルプを90質量%未満含むことが好ましく、89質量%以下含むことがより好ましい。また、その下限値は特に制限されないが、コストと強度のバランスの点から、20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、40質量%以上がさらに好ましい。
本発明の板紙において他の層は、パルプ全体に対して、雑誌古紙パルプ、台紙古紙パルプ、針葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフトパルプからなる群から選ばれる1種以上を10質量%以上含むことが好ましく、20質量%以上含むことがより好ましく、30質量%以上含むことがさらに好ましく、40質量%以上含むことがよりさらに好ましい。
本発明の板紙において、表層以外の他の層のそれぞれにおけるパルプの組成は、同一でもよく、異なっていてもよい。ただし、裏層は、最表面に位置するため強度が要求される。そのため、裏層は、その他の層の中で、段ボール古紙パルプの配合量が最も少ないことが好ましく、また、針葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフトパルプの1種以上を含むことが好ましい。
本発明の板紙の各層には、それぞれ必要に応じて、ポリアクリルアミド(PAM)や変性でん粉等の内添紙力増強剤、ロジン系サイズ剤、中性ロジン系サイズ剤、ロジンエマルジョン系サイズ剤、α-カルボキシルメチル飽和脂肪酸、アルキルケテンダイマー(AKD)、アルケニル無水コハク酸(ASA)、カチオンポリマー系サイズ剤等の内添サイズ剤、硫酸バンド、塩化アルミニウム、アルミン酸ソーダ、塩基性アルミニウム化合物、水溶性アルミニウム化合物、多価金属化合物、シリカゾル等の公知の内添薬品を内添することができる。
本発明の板紙は、全層が、内添サイズ剤を含有し、かつ板紙が含む全パルプ100質量部に対する板紙が含む全内添サイズ剤の含有量が0.2~1.0質量部である。これにより、板紙の端部吸水度を小さくすることができ、板紙の側端部や、仮に罫線割れが生じた場合に罫線割れ部分からの水の染み込みを防止することができる。本発明の板紙は、端部吸水度(2分)が150g/m以下であることが好ましく、130g/m以下がより好ましく、110g/m以下がさらに好ましく、90g/m以下がよりさらに好ましい。この端部吸水度(2分)の値は小さいほど好ましいが、本発明の板紙においてはその下限値は40g/m程度である。全層が内添サイズ剤を含有する場合、各層の内添サイズ剤の配合率は同一であってもよく、異なっていても良いが、最表面に位置する表層と裏層の配合率が、それ以外の層の配合率よりも高いことが好ましい。
本発明の板紙は、板紙が含む全パルプ100質量部に対して内添紙力増強剤を0.3質量部以上含むことが好ましく、0.4質量部以上含むことがより好ましい。内添紙力増強剤の配合率の上限は特に限定されないが、例えば、全パルプ100質量部に対して1.5質量部以下とすることができる。内添紙力増強剤を1.5質量部より多く配合しても、効果が飽和してそれ以上の紙力増強はほとんど望めず、高コストとなる。内添紙力増強剤を配合する場合、紙力増強効果が高いため、ポリアクリルアミドを用いることが好ましい。ポリアクリルアミドとしては、アニオン性、カチオン性、両性のいずれも使用することができる。なお、本発明の板紙の各層における内添紙力増強剤の配合率は、同一であってもよく、異なっていてもよく、内添紙力増強剤を含まない紙層があってもよい。
本発明の板紙の各層には、それぞれ必要に応じて、公知の填料を内添させることができる。填料としては、例えば、カオリン、焼成カオリン、デラミネーティッドカオリン、クレー、焼成クレー、デラミネーティッドクレー、イライト、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム-シリカ複合物、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、非晶質シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛等の無機填料、及び尿素-ホルマリン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂等の有機填料等が挙げられ、1種または2種以上を使用することができる。なお、本発明の板紙の各紙層における填料の配合率は、同一であってもよく、また、異なるものであってもよい。
本発明の板紙は、板紙の強度向上や印刷適性付与等を目的として、表面に塗工層を有することができる。塗工層は、その目的に応じて、表面紙力剤、表面サイズ剤、撥水剤、顔料、バインダー樹脂、防滑剤、防腐剤、消泡剤、粘度調整剤、罫割防止剤等の公知の表面処理薬品の1種、または2種以上を含むことができる。
本発明の板紙は、強度向上の点から、表面紙力剤を含む塗工層を有することが好ましい。表面紙力剤は、ポリアクリルアミド系、ポリビニルアルコール系、酸化澱粉、カチオン化澱粉、両性澱粉等の澱粉系、カルボキシメチルセルロース等のセルロース系等を用いることができるが、ポリアクリルアミド系が好ましい。表面紙力剤の塗工量は、片面あたり固形分で0.05g/m以上であることが好ましく、0.1g/m以上であることがより好ましい。
また、耐候性の向上を目的として、塗工層は、表面サイズ剤、撥水剤を含むことが好ましい。表面サイズ剤としては、上記した内添用と同様のものが挙げられ、撥水剤としては、フッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂、ワックスエマルジョン等が挙げられる。
本発明の板紙は、総坪量が330g/m以上である。板紙は、折り曲げた際に内側は圧縮され、外側は伸長する。そのため、板紙は、高坪量となるほど(厚くなるほど)、折り曲げた際の内側と外側での変形量の差が大きくなり、折り曲げ加工の際に罫線割れが生じやすくなる。本発明の板紙は、この罫線割れが生じにくいため、高坪量の板紙に適しており、総坪量は340g/m以上が好ましく、360g/m以上がより好ましく、380g/m以上がさらに好ましい。本発明の板紙において、坪量の上限は、抄紙機で製造可能な範囲で特に制限されないが、例えば、600g/m以下であり、550g/m以下が好ましく、500g/m以下がより好ましい。
裏層の坪量は、板紙全体の坪量に対して15質量%以上50質量%以下であることが好ましく、17質量%以上であることより好ましく、48質量%以下であることがより好ましく、46質量%以下であることがさらに好ましい。また、本発明の板紙が有する4~6層の紙層の中で、裏層の坪量が最も大きいことが好ましい。
表層の坪量は、板紙全体の坪量に対して10質量%以上25質量%以下であることが好ましく、12質量%以上であることがより好ましく、23質量%以下であることがより好ましい。
本発明の板紙は、表層と裏層のJIS-P8140(1998)に準拠して、計測時間を2分として測定されるコッブ吸水度が、いずれも5g/m以上50g/m以下であり、表層と裏層とのこのコッブ吸水度の差の絶対値が10g/m以下である。
表層と裏層のこのコッブ吸水度が5g/m以上50g/m以下である板紙は、水分や湿気といった使用環境による影響を受けにくく物性変動が小さく、また破裂強さや引張強さを維持することができる。表層と裏層とのコッブ吸水度の差の絶対値が10g/m以下である板紙は、湿気や水分によって紙層間の剥離が起こりにくく、紙層間剥離によって破裂強さをはじめとした板紙強度が低下することを防ぐことができる。表層と裏層のこのコッブ吸水度は、10g/m以上が好ましく、15g/m以上がより好ましく、20g/m以上がさらに好ましく、また、45g/m以下が好ましく、40g/m以下がより好ましく、35g/m以下がさらに好ましい。表層と裏層とのコッブ吸水度の差の絶対値は、8g/m以下が好ましく、6g/m以下がより好ましく、4g/m以下がさらに好ましい。
本発明の板紙は、罫線割れが起こりにくい。本発明の板紙は、23℃・50%の調湿下で評価した罫割れ率が55%以下であることが好ましい。この罫割れ率は、50%以下がより好ましく、45%以下がさらに好ましく、40%以下がよりさらに好ましく、35%以下がよりさらに好ましく、30%以下がよりさらに好ましい。罫割れ率は、低いことが好ましいが、本発明の板紙での下限値は5%程度である。
本発明の第1態様である板紙は、クッション性に優れており、印刷版と密着することができるため、印刷適性に優れている。また、本発明の第1態様である板紙は、クッション性に優れていることにより、折り曲げた際に内側が潰れて座屈しやすく外側の伸びが抑えられるため、罫線割れが起こりにくい。本発明の第1態様である板紙は、圧縮エネルギーが2.0~15.0gf・cm/cmであることが好ましい。圧縮エネルギーは、圧縮時に要したエネルギーを表し、その値が大きければ圧縮されやすいことを示す。圧縮エネルギーは、12.0gf・cm/cm以下がより好ましく、9.0gf・cm/cm以下がさらに好ましい。本発明の第1態様である板紙は、圧縮回復率が70%以上であることが好ましい。圧縮回復率は、圧縮された状態から元に戻る際の回復性を示しており、100%に近いほど回復性があることを示す。圧縮回復率は、72%以上がより好ましく、74%以上がさらに好ましく、76%以上がよりさらに好ましい。
本発明の第2態様である板紙は、圧縮エネルギーが2.0~15.0gf・cm/cmであり、及び/又は、圧縮回復率が70%以上であり、圧縮エネルギーが2.0~15.0gf・cm/cm、且つ圧縮回復率が70%以上であることが好ましい。本発明の第2態様である板紙は、圧縮エネルギーが12.0gf・cm/cm以下が好ましく、9.0gf・cm/cm以下がより好ましい。本発明の第2態様である板紙は、圧縮回復率が72%以上が好ましく、74%以上がより好ましく、76%以上がさらに好ましい。
本発明の板紙の用途は特に制限されず、例えば、段ボール用ライナ、中しん原紙、紙器用板紙、製函用の板紙、積層合紙用の板紙等に好適に利用することができる。これらの中で、段ボール用ライナが特に好ましい。
本発明の板紙は、4~6層の紙層を有するが、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、円網抄紙機、ギャップフォーマー、ハイブリッドフォーマー(オントップフォーマー)等を組み合わせた抄き合わせの抄紙機等を用いた公知の製造(抄紙)方法、抄紙機が選択可能であり、各層に応じた紙料を調製して抄紙する。また、抄紙時のpHは酸性領域(酸性抄紙)、疑似中性領域(疑似中性抄紙)、中性領域(中性抄紙)、アルカリ性領域(アルカリ性抄紙)のいずれでもよく、酸性領域で抄紙した後、紙層の表面にアルカリ性薬剤を塗布してもよい。
また、ワイヤーパートは、シェーキング装置を使用することが好ましい。シェーキング装置とは、ワイヤーパートのブレストロールを紙料の流れ方向と垂直な方向(マシン幅方向とも呼ぶ。)に摺動させる装置である。シェーキング装置を使用することにより、坪量が均一化する(地合が向上する)ため、破壊の起点となる、他の部分と比較して薄い箇所が減少するため、破裂強さが向上する。
さらに、各層の抄造条件を調整することにより、板紙の強度を向上させることもできる。例えば、ヘッドボックスから射出されるジェット液(紙料)の速度(J)と、ワイヤーの速度(W)との比であるJ/W比(=J/W×100)を100%未満とすることにより、ジェット液がワイヤーに引っ張られてパルプが抄紙方向(流れ方向)に配向させることができる。そして、パルプが縦方向(長手方向)に配向した板紙は、比破裂強さが向上する傾向がある。J/W比は、81%以上99%以下であることが好ましく、84%以上98%以下であることがより好ましい。また、各層の坪量配分を変更して表層および/または裏層の坪量を増加させること、各層の紙力増強剤配合率を調整して表層および/または裏層への紙力増強剤配合を中層より多くすること等により、強度を向上させることができる。
ワイヤーパート以降の製造(抄紙)方法、抄紙機についても、要求される板紙の強度および生産効率を損なわない範囲で特に限定されず、通常の抄紙機に使用されているものを用いることができる。
抄紙機のプレスパート工程におけるプレスの形式は、例えばストレートスルー型プレス、リバース型プレス、インバープレス、ツインバープレス、ピックアッププレス、ユニプレス、トライニッププレス、トライベントプレス、シュープレス、ミニシュープレス等、特に限定されるものではないが、公知のプレス装置を用いることができる。また、プレス条件についても特に限定はなく、通常の操業範囲で適宜設定できるが、プレス時間を長くすることで繊維がより水素結合しやすくなり、板紙の強度が向上することから、生産効率を損なわない範囲で低速抄造することが好ましい。
抄紙機のドライパート工程におけるドライヤー(乾燥装置)の形式についても、生産効率および板紙の強度を損なわない範囲であれば特に限定されるものではなく、通常の抄紙機に使用されている熱風乾燥方式、多筒式シリンダー乾燥方式等、公知の乾燥装置が使用でき、乾燥装置の設置数についても1台でもよく、プレドライヤー、アフタードライヤーの2台以上設置してもよい。また、乾燥条件についても特に限定はなく、通常の操業範囲で適宜設定できる。
また、塗工層を設ける場合、抄紙した後に、表面紙力剤、表面サイズ剤、撥水剤等の表面処理薬品を含む塗工液を塗工する。塗工液を塗布する方法は特に限定はなく、ツーロールサイズプレス、ゲートロールコーター、シムサイザー、スプレー等の公知の装置を適宜用いることができる。カレンダーは、バイパスしてもよく、通常の操業範囲内で処理してもよい。
以下に、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
・実施例、比較例
各層に使用したパルプを表1~4に示す。段ボール古紙パルプの平均繊維長は1.07mm、雑誌古紙パルプの平均繊維長は0.99mmであった。パルプの機械的処理は、表層はダブルコニファイナー、他の層はダブルディスクリファイナーを使用した。ダブルコニファイナーおよびダブルディスクリファイナー出口における濾水度(CSF)を、機械的処理直後の濾水度(CSF)として各表に示す。各層において、内添紙力増強剤(PAM)と内添サイズ剤(ロジン系)を、対パルプで各表に示す量で加えて紙料とした。
各層の紙料を、多層抄き板紙抄紙機を用いて抄き合わせ、表層、中層(2層または4層)、裏層のJ/W比をいずれも90%とし、ワイヤーパートにおいては裏層抄造時にシェーキング装置を作動させて、板紙を得た。
[物性測定]
実施例および比較例の板紙について、以下の方法で測定した。結果を表1~4に示す。
(坪量)
JIS P 8124に準拠し測定した。
(紙厚)
JIS P 8118に準拠し測定した。
(密度)
JIS P 8118及びJIS P 8124に準拠し測定した坪量と厚さから求めた。
(破裂強さ、比破裂強さ)
JIS P 8131に準拠し、板紙の表層側から加圧し破裂強さを測定し、これを坪量で除して比破裂強さを算出した。
(コッブ吸水度)
JIS P 8140に準拠し測定した。具体的には、100mlの蒸留水を紙面に接触させ、2分経過後に吸収された水の単位面積あたりの重量を測定した。
(端部吸水度)
板紙サンプルを5cm角の正方形にカットし、表面と裏面にポリエチレンテープを貼り(紙の端部しか水を吸わないようにする)、0.05%のブリリアントブルー水溶液に2分間浸漬し、浸漬前後の重量差から算出した。
(罫割れ)
5cm角の正方形にカットした板紙サンプルをスクリューサーボプレス(有限会社武藤設計社、MSV-10-200S)を用いて速度175mm/min、圧力5.0kN、加圧時間0.3sで、表層側が外側、かつ、折れ線が板紙のCD方向となるように2つ折りにした後、サンプルの表層について割れている箇所の長さを実測し、サンプル全長(5cm)で除して罫割れ率を求めた。
また、実施例1、17、比較例1、3で得られた板紙について、罫割れ試験後の折り曲げ部分側面の画像を図1、2に示す。
(圧縮エネルギー、圧縮回復率)
板紙サンプルを縦50mm、横100mm幅の長方形にカットし、同形状のものを厚さが1mm程度となるように2枚積層し、KES圧縮試験機(カトーテック社製)にて、2cmの円形平面を持つ鋼板間を用いて、スピード50sec/mmの速度で最大応力5kPaまで圧縮し、圧縮エネルギーと圧縮回復率を測定した。
(印字濃度)
作製した板紙の表層に、フレキソ印刷機(アイジーティーテスティングシステム株式会社製、印刷適性試験機F1)を使用して、シアンのベタ印字(大きさ:縦2cm×横3cm)を行った。1日後に分光型測色計(エックスライト社製、eXact)を用いて印字後の濃度を測定した。
本条件においては、1.2以上が好ましい印字後のマクベス濃度である。
(印字光沢度)
JIS Z 8741に準じて、上記のフレキソ印刷後のシアンのベタ部板紙表層の光沢度(光入射角75度)を光沢度計(村上色彩技術研究所製、True GLOSS GM-26PRO)を用いて印字後の光沢度を測定した。
本条件においては、12.8%以上が好ましい印字後の光沢度である。
(印刷品質:目視)
上記のフレキソ印刷後のサンプルの印刷品質(印刷ムラ)を、目視にて以下の基準で評価した。
○:印刷面にムラがほとんどなく、均一な画像が得られている。
△:印刷面にムラが若干あり、画像が不均一である。
×:印刷面にムラがあり、画像が非常に不均一である。


本発明の板紙は、罫割れ率が低く、印刷品質に優れていた。図1に示すように、実施例1、17で得られた本発明の板紙は、紙層間が剥離して裏層側に座屈しており、これにより表層の伸びが抑えられたためであると推測される。
比較例で得られた板紙は、罫割れ率が高く、また、印刷品質に劣っていた。図2に示すように、比較例1で得られた板紙は、紙層が強く裏層側への座屈が生じなかったため、折曲げ加工により表層が伸ばされて、罫線割れが生じた。また、比較例3で得られた板紙は、裏層側に座屈しているが、そもそも表層の強度が不足していたため、罫線割れが生じた。
上記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
1.少なくとも表層、表中層、裏中層及び裏層を備え、4層以上6層以下の層を有し、
前記表層が、針葉樹未晒クラフトパルプを50~100質量%含み、
前記表中層と前記裏中層が段ボール古紙パルプを95質量%以下含み、且つ前記裏層が段ボール古紙パルプを90質量%未満含み、
全層が、内添サイズ剤を含有し、全パルプ100質量部に対する全内添サイズ剤の含有量が0.2~1.0質量部であり、
総坪量が330g/m以上であり、
前記表層と前記裏層の計測時間2分におけるコッブ吸水度が5g/m以上50g/m以下であり、前記表層と前記裏層とのこのコッブ吸水度の差の絶対値が10g/m以下である板紙。
2.圧縮エネルギーが、20~150mN・cm/cmである1.に記載の板紙。
3.圧縮回復率が、70%以上である1.または2.に記載の板紙。
4.前記表層以外の層が、いずれも雑誌古紙パルプ、台紙古紙パルプ、針葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフトパルプからなる群から選ばれる1種以上を含むことを特徴とする1.または2.に記載の板紙。
5.前記表層以外の層が、平均繊維長1.05mm以下の古紙パルプを含むことを特徴とする1.または2.に記載の板紙。
6.少なくとも表層、表中層、裏中層及び裏層を備え、4層以上6層以下の層を有し、
前記表層が、針葉樹未晒クラフトパルプを50~100質量%含み、
全層が、内添サイズ剤を含有し、全パルプ100質量部に対する全内添サイズ剤の含有量が0.2~1.0質量部であり、
総坪量が330g/m以上であり、
前記表層と前記裏層の計測時間2分におけるコッブ吸水度が5g/m以上50g/m以下であり、前記表層と前記裏層とのこのコッブ吸水度の差の絶対値が10g/m以下であり、
圧縮エネルギーが20~150mN・cm/cmであり、及び/又は、圧縮回復率が70%以上である板紙。
7.前記表層以外の層が、いずれも雑誌古紙パルプ、台紙古紙パルプ、針葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフトパルプからなる群から選ばれる1種以上と、段ボール古紙パルプとを含むことを特徴とする6.に記載の板紙。
8.前記表層以外の層が、平均繊維長1.05mm以下の古紙パルプを含むことを特徴とする6.または7.に記載の板紙。
本発明の板紙の第2態様は、少なくとも表層、表中層、裏中層及び裏層を備え、4層以上6層以下の層を有し、
前記表層が、針葉樹未晒クラフトパルプを50~100質量%含み、
全層が、内添サイズ剤を含有し、全パルプ100質量部に対する全内添サイズ剤の含有量が0.2~1.0質量部であり、
総坪量が330g/m以上であり、
前記表層と前記裏層の計測時間2分におけるコッブ吸水度が5g/m以上50g/m以下であり、前記表層と前記裏層とのこのコッブ吸水度の差の絶対値が10g/m以下であり、
圧縮エネルギーが20~150mN・cm/cmであり、及び/又は、圧縮回復率が70%以上である。
以下、第1態様の板紙と第2態様の板紙をまとめて、本発明の板紙ともいう。
なお、本明細書において、「A~B」(A、Bは数値)との表記は、A、Bの値を含む数値範囲、すなわち、A以上B以下を意味する。
本発明の第1態様である板紙は、クッション性に優れており、印刷版と密着することができるため、印刷適性に優れている。また、本発明の第1態様である板紙は、クッション性に優れていることにより、折り曲げた際に内側が潰れて座屈しやすく外側の伸びが抑えられるため、罫線割れが起こりにくい。本発明の第1態様である板紙は、圧縮エネルギーが20~150mN・cm/cmであることが好ましい。圧縮エネルギーは、圧縮時に要したエネルギーを表し、その値が大きければ圧縮されやすいことを示す。圧縮エネルギーは、120mN・cm/cm以下がより好ましく、90mN・cm/cm以下がさらに好ましい。本発明の第1態様である板紙は、圧縮回復率が70%以上であることが好ましい。圧縮回復率は、圧縮された状態から元に戻る際の回復性を示しており、100%に近いほど回復性があることを示す。圧縮回復率は、72%以上がより好ましく、74%以上がさらに好ましく、76%以上がよりさらに好ましい。
本発明の第2態様である板紙は、圧縮エネルギーが20~150mN・cm/cmであり、及び/又は、圧縮回復率が70%以上であり、圧縮エネルギーが20~150mN・cm/cm、且つ圧縮回復率が70%以上であることが好ましい。本発明の第2態様である板紙は、圧縮エネルギーが120mN・cm/cm以下が好ましく、90mN・cm/cm以下がより好ましい。本発明の第2態様である板紙は、圧縮回復率が72%以上が好ましく、74%以上がより好ましく、76%以上がさらに好ましい。
Figure 2024090387000008
Figure 2024090387000009
Figure 2024090387000010
Figure 2024090387000011

Claims (6)

  1. 少なくとも表層、表中層、裏中層及び裏層を備え、4層以上6層以下の層を有し、
    前記表層が、針葉樹未晒クラフトパルプを50~100質量%含み、
    前記表中層と前記裏中層が段ボール古紙パルプを95質量%以下含み、且つ前記裏層が段ボール古紙パルプを90質量%未満含み、
    全層が、内添サイズ剤を含有し、全パルプ100質量部に対する全内添サイズ剤の含有量が0.2~1.0質量部であり、
    総坪量が330g/m以上であり、
    前記表層と前記裏層の計測時間2分におけるコッブ吸水度が5g/m以上50g/m以下であり、前記表層と前記裏層とのこのコッブ吸水度の差の絶対値が10g/m以下である板紙。
  2. 圧縮エネルギーが、2.0~15.0gf・cm/cmである請求項1に記載の板紙。
  3. 圧縮回復率が、70%以上である請求項1または2に記載の板紙。
  4. 前記表層以外の層が、いずれも雑誌古紙パルプ、台紙古紙パルプ、針葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフトパルプからなる群から選ばれる1種以上を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の板紙。
  5. 前記表層以外の層が、平均繊維長1.05mm以下の古紙パルプを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の板紙。
  6. 少なくとも表層、表中層、裏中層及び裏層を備え、4層以上6層以下の層を有し、
    前記表層が、針葉樹未晒クラフトパルプを50~100質量%含み、
    全層が、内添サイズ剤を含有し、全パルプ100質量部に対する全内添サイズ剤の含有量が0.2~1.0質量部であり、
    総坪量が330g/m以上であり、
    前記表層と前記裏層の計測時間2分におけるコッブ吸水度が5g/m以上50g/m以下であり、前記表層と前記裏層とのこのコッブ吸水度の差の絶対値が10g/m以下であり、
    圧縮エネルギーが2.0~15.0gf・cm/cmであり、及び/又は、圧縮回復率が70%以上である板紙。
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