JP2023028488A - 板紙 - Google Patents

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Yuya Matsuno
賢太郎 川▲崎▼
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Abstract

【課題】古紙パルプを使用しながらも、強度に優れ潰れ難く、また、罫線割れも発生しにくく、曲げ加工を行う用途に適した板紙を提供する。【解決手段】多層抄きされた板紙であり、全パルプに占める古紙パルプの配合率が65質量%以上であり、坪量が350g/m2以上であり、テーバーこわさが縦20~55mN・m、横8~23mN・mであり、これにより、古紙パルプを使用しながらも、強度に優れ潰れ難く、折り曲げ加工を行った際に罫線割れが発生しにくいため、曲げ加工を行う用途に適したものであると同時に、真空吸引方式による搬送にも適した板紙となる。【選択図】なし

Description

本発明は、板紙に関し、特に段ボール用のライナや製函、積層合紙等に好適に使用することのできる板紙に関する。
段ボールは軽量で安価であるため、種々の物品の梱包に使用されている。例えば、精密機械等の重量物の梱包に使用される場合、梱包された重量物の荷重や、段ボールを積み重ねた時の荷重に耐え得る強度が要求される。一般に、段ボールは波形に成形した中芯の片面あるいは両面にライナをコルゲーターで貼り合わせて製造される。重量物の梱包に使用される段ボールでは、ライナに高い強度が要求される。このような重量物梱包用の段ボールのライナとしては、従来から原料パルプとしてクラフトパルプ(KP)のみを使用して製造された、坪量が400g/m程度以上の厚物の板紙が使用されている。このように原料パルプとしてクラフトパルプを100質量%使用した板紙は、強度が高く、罫線割れ(段ボール原紙に付与された罫線(浅い溝)から発生する破損線)が生じ難く、重量物梱包用の段ボールのライナに適したものである。
しかし、原料パルプとしてクラフトパルプを100質量%使用した板紙は原料コストが高く、このような板紙を重量物梱包用の段ボール製造や、製函、合紙製造に使用した場合、コスト低減には限界がある。
このような問題を解消するため、クラフトパルプの配合率を低減して古紙パルプの配合率を増大させ、原料コストを低減することが行われている。例えば、坪量700g/m以下、厚さ0.75mm以上の多層抄き板紙であって、針葉樹系の化学パルプを少なくとも20質量%以上配合した化学パルプに古紙パルプを配合したパルプにより表層を製造した板紙が開示されている(特許文献1)。
また本出願人は、高い古紙パルプ配合率ながらも、真空吸引方式の吸着パッドによる板紙の搬送工程などといった、段ボール製造や製函等における自動化工程に対応した坪量が350g/m以上の厚物板紙を提案している(特許文献2)。
しかしながら、厚物板紙において透気抵抗度と古紙パルプ配合率の両方を高めたことに伴い、板紙の罫線割れトラブルが発生するリスクも高まるようになった。罫線割れトラブルの原因としては、紙密度や板紙表層の強度に関係すると考えられるが、単に板紙表層の強度を高めればよい訳ではなく、表層のしなやかさや下層との組み合わせなど種々の要因を総合的に勘案して対策を図る必要がある。また、罫線割れトラブルは、冬場の乾燥期に多く発生するトラブルであり、板紙の含水率や伸びが罫線割れトラブルと関連するとの考えもある。
このように、厚物板紙においては、高い古紙配合率を維持しながらも強度に優れ、罫線割れが起こりにくく、さらには自動化対応も可能な板紙を提供することが求められていた。
特開2003-206073号公報 特開2020-020065号公報
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、古紙パルプを使用しながらも、強度に優れていて重量物を梱包した場合でも潰れ難く、また、折り曲げ加工を行った際に罫線割れが発生しにくく真空吸引方式による搬送にも適した板紙を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための本発明に係る板紙は、限定されないが以下の態様を含む。
(1) 多層抄きされた板紙であって、全パルプに占める古紙パルプの配合率が65質量%以上であり、坪量が350g/m以上であり、テーバーこわさが縦20~55mN・m、横8~23mN・mであることを特徴とする板紙。
(2) 比圧縮強さが180N・m/g以上であることを特徴とする(1)に記載の板紙。
(3) 抄紙方向に対して直角の横方向の破断伸びが2.8%以上であることを特徴とする(1)または(2)に記載の板紙。
(4) 抄紙方向に対して平行な縦方向の破断伸びが1.3%以上であることを特徴とする(1)~(3)のいずれかに記載の板紙。
(5) 透気抵抗度が150秒以上であることを特徴とする(1)~(4)のいずれかに記載の板紙。
(6) 4層以上の多層抄きされた板紙であることを特徴とする(1)~(5)のいずれかに記載の板紙。
(7) 段ボール用のライナであることを特徴とする(1)~(6)のいずれかに記載の板紙。
(8) 製函用の板紙であることを特徴とする(1)~(6)のいずれかに記載の板紙。
(9) 積層合紙用の板紙であることを特徴とする(1)~(6)のいずれかに記載の板紙。
本発明に係る板紙は上記のとおりのものであって、強度に優れていて重量物を梱包した場合でも潰れ難く、また、折り曲げ加工を行った際に罫線割れが発生しにくい。また、本発明に係る板紙は、透気抵抗度が高いので、真空吸引方式による搬送にも適するという効果がある。
本発明に係る板紙は、多層抄きされた板紙であって、全パルプに占める古紙パルプの配合率が65質量%以上であり、坪量が350g/m以上であり、テーバーこわさが縦20~55mN・m、横8~23mN・mであることを特徴とするものである。このような本発明に係る板紙は、強度に優れ、また、罫線割れも発生しにくいため、折り曲げ加工を行っても強度を維持することが可能となる。
なお、本明細書において、「A~B」(A、Bは数値)との表記は、A、Bの値を含む数値範囲、すなわち、A以上B以下を意味する。
本発明に係る板紙は、表層と1層以上の中層と裏層で構成され、板紙の坪量に応じて全層数は4層以上で適宜設定することができる。本発明に係る板紙は、全パルプに占める古紙パルプの配合率が65質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは75質量%以上、最も好ましくは80質量%以上である。全パルプに占める古紙パルプの配合率の上限は特に限定されず、古紙パルプ以外のパルプが配合されていてもされなくてもよい。このように古紙パルプの配合率が高いことにより、原料パルプのコストの低減が可能となる。
表層では、古紙パルプは配合されていてもされなくてもよく、古紙パルプ以外のパルプとしてクラフトパルプを配合してもよく、表層を全量クラフトパルプとしてもよい。
中層、裏層では、古紙パルプの配合率を全パルプの70質量%以上とすることができ、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上とすることができ、また100質量%(古紙由来のパルプのみからなる)とすることができる。
本発明に係る板紙は、坪量が350g/m以上、好ましくは370g/m以上、より好ましくは400g/m以上、さらに好ましくは420g/m以上である。坪量の上限は抄紙機で製造可能な範囲で特に制限されないが、好ましくは600g/m以下、より好ましくは550g/m以下、さらに好ましくは500g/m以下の範囲で、用途に応じて坪量を適宜設定することができる。坪量が350g/m未満であると、本発明に係る板紙の用途の一つである重量物梱包用の段ボールのライナとして使用した場合、強度が不足することがある。各層の目付比(坪量配分)は、特に制限されないが、表層が全体の16~20質量%であることが、罫線割れの抑制および破裂強さの維持を両立する点から好ましい。
また、本発明に係る板紙は、抄紙方向に対して平行な縦方向のテーバーこわさが好ましくは20~55mN・m、抄紙方向に対して直角の横方向のテーバーこわさが好ましくは8~23mN・mである。テーバーこわさが上記の範囲内であることにより、板紙を曲げ加工した時に罫線割れが起きにくく確実な曲げ加工が可能となるとともに、箱としての使用時においても形状を維持することが可能となる。縦方向のテーバーこわさは、より好ましくは22~50mN・mである。横方向のテーバーこわさは、より好ましくは9~22mN・mである。
本発明に係る板紙は、比圧縮強さが180N・m/g以上であることが好ましく、188N・m/g以上であることがより好ましく、195N・m/g以上であることがさらに好ましい。板紙の比圧縮強さが180N・m/g以上であると、潰れにくく、例えば、重量物梱包用の段ボールのライナとして好適に使用することができる。
また、本発明に係る板紙は、抄紙方向に対して直角の横方向の破断伸びが2.8%以上であることが好ましい。また、抄紙方向に対して平行な縦方向の破断伸びが1.3%以上であることが好ましい。このように荷重方向への破断伸びが大きいことにより、例えば、段ボールのライナとして使用する場合、重量物を梱包しても壊れにくい段ボール箱の作製が可能となる。また、荷重方向への破断伸びが大きいことにより、製函に使用したり、積層合紙として使用したり、板紙をそのまま使用した厚紙箱や、外圧・風圧に耐えられるパーティション、各種看板用の紙板材等として好ましく利用することができる。
本発明に係る板紙は、透気抵抗度が好ましくは150秒以上、より好ましくは175秒以上、さらに好ましくは200秒以上である。上限は特に制限されないが、好ましくは400秒以下、より好ましくは350秒以下である。透気抵抗度が150秒以上である本発明に係る板紙は、真空吸引方式の吸着パッドにより搬送する際の吸引圧を低くすることができ、作業性、省エネルギーの向上が可能となる。このように本発明に係る板紙は、古紙パルプの配合率が高く短繊維が多いにもかかわらず、クラフトパルプのみで製造された従来のライナ用の板紙と同レベルの強度と、良好な搬送性の両方を具備している。
本発明に係る板紙は、高坪量であるため、円網抄紙機や長網多層抄紙機等を用いて多層に抄き合わせて製造する。また、多層の抄造条件を調整して板紙の強度を向上させることもできる。このような抄造条件としては、例えば、原料パルプのカナダ標準濾水度(フリーネス c.s.f.)を200~600ml程度となるように低くすること、各層の坪量配分を変更し表層および/または裏層の坪量を増加させること、各層の紙力増強剤配合率を調整し表層および/または裏層への紙力増強剤配合を他の層より多くすること等を挙げることができる。また、ワイヤーパートは、シェーキング装置を備えることが好ましい。シェーキング装置とは、ワイヤーパートのブレストロールを紙料の流れ方向と垂直な方向(マシン幅方向とも呼ぶ。)に摺動させる装置である。シェーキング装置を使用することにより、坪量が均一化する(地合が向上する)ため、破裂強さが向上する。
板紙の表面に塗工層を設けることもできる。塗工層を設ける場合、例えば、2ロールサイズプレス、メタリングサイズプレス、ゲートロールコーター、スプレー等の装置を用いることができる。塗工層としては、例えば、疎水層、澱粉層、顔料塗工層等を設けることができる。疎水層の形成は、例えば、疎水性シリカ微粒子を含有する塗工液の塗工、疎水性樹脂エマルジョンの塗工、疎水性官能基を持つポリマー填料を含有する塗工液の塗工により行うことができる。
本発明に係る板紙の抄造では、原料パルプとして全パルプに対して古紙パルプを65質量%以上配合する。古紙パルプとしては、段ボール古紙、上白、特白、中白、白損等の未印刷古紙を離解した古紙パルプ、上質紙、上質コート紙、中質紙、中質コート紙、更紙等に印刷された古紙、および筆記された古紙、廃棄機密文書等の紙類、雑誌古紙、新聞古紙を離解後脱墨したパルプ(DIP)等を使用することができる。
古紙パルプ以外の原料パルプとしては、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、砕木パルプ(GP)、リファイナーグラウンドパルプ(RGP)、ケミカルパルプ(CP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)等の木材繊維由来の各種パルプ、ケナフ、バガス、竹、麻、ワラなどから得られた非木材パルプを挙げることができる。
各層で使用するパルプのカナダ標準濾水度は、200~600ml程度であることが好ましく、250~550ml程度であることがより好ましく、300~520ml程度であることがさらに好ましい。また、各層で使用するパルプのカナダ標準濾水度は、同一であってもよく、異なっていてもよいが、抄造する際ワイヤーパートおよびプレスパートにおける脱水性と繊維の歩留りを両立させる観点から、裏層用パルプのフリーネスが、表層用パルプと中層用パルプのフリーネスよりも低いことが好ましく、例えば、裏層用パルプのフリーネスを200~450ml程度としたうえで、裏層用パルプのフリーネスが、表層用パルプおよび中層用パルプよりも10ml以上低いことが好ましく、20ml以上低いことがより好ましい。
本発明に係る板紙の抄造では、板紙の強度を向上するために、ポリアクリルアミド(PAM)や変性でん粉等の従来から使用されている紙力増強剤を必要に応じて使用してもよい。紙力増強剤を内添する場合、板紙全体として0.2質量%以上、好ましくは0.4質量%以上、さらに好ましくは0.6質量%以上となるように内添する。紙力増強剤の配合率の上限は特に限定されないが、好ましくは2.0質量%以下、より好ましくは1.8質量%以下、さらに好ましくは1.6質量%以下となるように内添することが好ましい。また、多層抄きされた板紙の各層における紙力増強剤の添加率は同一であってもよく、また、異なるものであってもよい。
本発明に係る板紙の抄造では、板紙の耐候性を向上するために、吸湿防止用のサイズ剤や撥水剤を内添させることができる。サイズ剤としては、例えば、ロジン系サイズ剤、ロジンエマルジョン系サイズ剤、α-カルボキシルメチル飽和脂肪酸等、また、中性ロジン系サイズ剤、アルキルケテンダイマー(AKD)、アルケニル無水コハク酸(ASA)、カチオンポリマー系サイズ剤等が挙げられる。また、撥水剤としては、フッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂、ワックスエマルジョン等が挙げられる。
また、必要に応じて公知の填料を内添させることができる。填料としては、例えば、カオリン、焼成カオリン、デラミネーティッドカオリン、クレー、焼成クレー、デラミネーティッドクレー、イライト、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム-シリカ複合物、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、非晶質シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛等の無機填料、及び尿素-ホルマリン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂等の有機填料等が挙げられる。
更に、品質に影響のない範囲で、硫酸バンド、塩化アルミニウム、アルミン酸ソーダ、塩基性アルミニウム化合物、水溶性アルミニウム化合物、多価金属化合物、シリカゾル等を内添して使用してもよい。
本発明の板紙において、サイズ剤、撥水剤等の助剤や填料の添加率は、同一であってもよく、また、異なるものであってもよい。
本発明に係る板紙の用途には特に制限はなく、例えば、段ボール、特に重量物梱包用の段ボールのライナ、製函用の板紙、積層合紙用の板紙等として用いることができる。
以下に、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
[実施例1]
段ボール古紙と針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)を使用して、4層抄きで坪量375g/mとなるよう板紙を抄造した。この4層抄きの板紙における各層の原料パルプ配合率は、表層においてNUKP100質量%(CSF500ml)、裏層において段ボール古紙90質量%とNUKP10質量%(混合した状態でCSF380ml)、中層については段ボール古紙100質量%(CSF420ml)とした。全パルプに占める古紙パルプの配合率は77質量%であった。また、各層を抄造するための紙料には、紙力増強剤としてポリアクリルアミド(PAM)を0.4質量%、硫酸バンドを固形分換算にて1.5質量%、サイズ剤を0.3質量%添加した。
[実施例2]
段ボール古紙と針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)を使用して、4層抄きで坪量400g/mとなるよう板紙を抄造した。この4層抄きの板紙における各層の原料パルプ配合率は、表層においてNUKP100質量%(CSF500ml)、裏層と中層については段ボール古紙100質量%(CSF:裏層380ml、中層420ml)とした。全パルプに占める古紙パルプの配合率は83質量%であった。また、各層を抄造するための紙料には、紙力増強剤としてポリアクリルアミド(PAM)を0.3質量%、硫酸バンドを固形分換算にて1.0質量%、サイズ剤を0.15質量%添加し、裏層を抄造する際にシェーキング装置を駆動した。
[実施例3]
4層抄きで坪量420g/mとなるよう板紙を抄造した以外は、実施例1と同様の配合、薬品添加を行った。
[実施例4]
4層抄きで坪量440g/mとなるよう板紙を抄造した以外は、実施例2と同様の配合、薬品添加を行った。
[実施例5]
表層において段ボール古紙50質量%とNUKP50質量%(混合した状態でCSF450ml)、裏層と中層において段ボール古紙100質量%(CSF:裏層380ml、中層420ml)として、6層抄きで坪量440g/mとなるよう板紙を抄造した以外は、実施例1と同様の配合、薬品添加を行った。全パルプに占める古紙パルプの配合率は93質量%であった。
[比較例1]
段ボール古紙を使用せず、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP、CSF500ml)のみを使用した他は、実施例4と同様にして、4層抄きで坪量445g/mとなるよう板紙を抄造した。
[物性測定]
実施例および比較例の板紙について、以下の方法で測定した。結果を表1に示す。
(坪量)
JIS P 8124に準拠し測定した。
(厚さ)
JIS P 8118及びJIS P 8124に準拠し測定した。
(密度)
JIS P 8118及びJIS P 8124に準拠し測定した坪量と厚さから求めた。
(破裂強さ、比破裂強さ)
JIS P 8131に準拠し、紙の表層側から加圧し破裂強さを測定し、これを坪量で除して比破裂強さを算出した。
(テーバーこわさ)
JIS P8125に準拠し、抄紙の流れ方向(縦)と抄紙の幅方向(横)について測定した。
(圧縮強さ、比圧縮強さ)
JIS P 8126に準拠し、リングクラッシュ法により圧縮強さを測定し、これを坪量で除して比圧縮強さを算出した。
(引張破断伸び)
JIS P8113に準拠し、紙片を一定条件によって引っ張り、破断するまでの強度および伸びを測定した。伸びは、初期試験長さに対する百分率で表示した。
(透気抵抗度)
JIS P 8117に準拠し、表層側より王研式平滑度透気度試験機を用いて測定した。
(流れ方向の罫線割れ評価)
各サンプルを抄紙の流れ方向(縦)50mm×抄紙の幅方向(横)100mmに裁断し、紙水分が6%となるよう1日間調湿した。調湿したサンプルの表層側の幅方向中央部に対し、折り曲げた際に罫線割れ発生の有無を分かり易くするため油性ペンで色付けを行ったうえで、抄紙の流れ方向に表層側が180°の山折りとなるよう、幅方向中央部に長さ50mm(紙の縦方向の長さと同一)の折り目を付け、罫線割れの発生有無を確認した。
結果を表1に示す。
Figure 2023028488000001
実施例で得られた板紙は、比較例で得られた板紙に比べてテーバーこわさの値が小さかった。これにより、罫線割れが起こりにくいことから、曲げ加工時の罫線割れ発生リスクの低い、加工に好適な板紙となる。
実施例で得られた板紙は、比較例で得られた板紙に比べて比破裂強さが同等の水準ながら、比圧縮強さが高かった。そのため、実施例で得られた板紙は潰れ難く、例えば、重量物梱包用の段ボールのライナとして実用に供し得るものである。
また、実施例で得られた板紙は、比較例で得られた板紙に比べて破断伸びが大きく、これにより、例えば、段ボールのライナとして使用する場合、重量物を梱包しても壊れ難い段ボール箱の作製が可能となる。
実施例で得られた板紙は、比較例で得られた板紙に比べて透気抵抗度が大きく、これにより、真空吸引方式の吸着パッドでの搬送において吸引圧を低くすることができるため、作業性が向上し、省エネルギーが可能となる。
本発明に係る板紙は上記のとおりのものであって、強度に優れていて潰れ難く、また、罫線割れも発生しにくく、折り曲げ加工を行う用途に適するという効果があるため、特に段ボール用のライナや製函、積層合紙等、種々の用途に用いるのに好適で、その産業上の利用可能性は大である。

Claims (9)

  1. 多層抄きされた板紙であって、全パルプに占める古紙パルプの配合率が65質量%以上であり、坪量が350g/m以上であり、テーバーこわさが縦20~55mN・m、横8~23mN・mであることを特徴とする板紙。
  2. 比圧縮強さが180N・m/g以上であることを特徴とする請求項1に記載の板紙。
  3. 抄紙方向に対して直角の横方向の破断伸びが2.8%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の板紙。
  4. 抄紙方向に対して平行な縦方向の破断伸びが1.3%以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の板紙。
  5. 透気抵抗度が150秒以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の板紙。
  6. 4層以上の多層抄きされた板紙であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の板紙。
  7. 段ボール用のライナであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の板紙。
  8. 製函用の板紙であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の板紙。
  9. 積層合紙用の板紙であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の板紙。
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