JP2024090118A - 調整シムおよびこれを備える遠心ポンプ - Google Patents

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Abstract

Figure 2024090118000001
【課題】調整シムの着脱作業性をより向上させる。
【解決手段】調整シム10は、締結面170間に左右から挿抜される半円環状をなす一対の分割シム20を備える。各分割シム20は、締結面170の軸心円CSの周方向に沿って並ぶ複数のボルトに対して、各ボルトの軸部171j、172j、173jを逃げる複数の窪み部31、32、33を有する。複数の窪み部のうち、左右で最も高い位置にあるボルトの軸部171jを逃げる窪み部31は、各分割シム20の介装時に、軸部171jにそれぞれが係合されるとともに、軸部171jに係合された状態のままで軸部171jの外周面に沿って締結面170側に向けて分割シム20が旋回されることで他のボルト172、173に他の窪み部32、33が係合されつつ締結面170間に介装される。
【選択図】図2

Description

本発明は、駆動軸の軸方向の位置を規定するために駆動軸を支承するフレーム側の締結面間に介装される調整シムに係り、特に、遠心ポンプのインペラクリアランスの調整用として好適な調整シムに関する。
遠心ポンプは、ケーシングの内面とインペラの羽根の前縁部との対向隙間であるインペラクリアランスの大小によりポンプの性能が変化する。
ポンプ性能が低下した場合、フレーム後方に設けられたベアリングハウジング後部の締結面間に配置された調整シムの厚さを変えることで駆動軸の軸方向位置を調整する。これにより、インペラクリアランスを調整してポンプ性能の回復を図る(例えば特許文献1参照)。
特許文献1記載の技術では、ケーシングの内面(この例では、フロントカバー内面)とインペラの前縁部との対向隙間であるインペラクリアランスを、図5に例示するような、縦に二分割された半円環板状をなす一対の鋼板220を締結面170への介装枚数の増減によって調整している。この遠心ポンプでは、同図に示す、フレーム150に対して横抜き型の鋼板220を介して不図示の後部カバーが複数のボルトで固定される。
特開2020-112076号公報
同文献記載の技術では、縦に二分割された横抜き型の一対の鋼板220を調整シムとして用いることにより、締結面170から複数のボルトを抜かなくて済むため、調整シムの着脱作業性は向上する。
しかし、左右への横抜き型のシムであると、締結面170の介装部分から鋼板220が脱落し易く、調整時の作業性を向上させる上で未だ解決すべき課題が残されている。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、シムの着脱作業性をより向上させ得る調整シムおよびこれを備える遠心ポンプを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る調整シムは、駆動軸の軸方向の位置を規定するために前記駆動軸を支承するフレーム側に前記軸方向とは直交する締結面間に介装される調整シムであって、前記締結面を締結するために前記駆動軸と同心の軸心円の周方向に沿って左右対称に離隔して配置された4以上のボルトに対して前記締結面間に左右側方から挿抜される半円環板状をなす一対の分割シムを備え、各分割シムは、前記4以上のボルトに対して、各ボルトの軸部を逃げる複数の窪み部を内縁側に有し、該複数の窪み部のうち、前記締結面間への装着姿勢において、左右で最も高い位置にあるボルトの軸部を逃げる窪み部が、前記締結面間への介装時に、その最も高い位置にあるボルトの軸部にそれぞれ係合されるとともに、該ボルトの軸部に係合された状態のままで該軸部の外周面に沿って前記締結面側に向けて各分割シムが旋回されることで他の窪み部が前記締結面を締結する他のボルトの軸部に係合されつつ前記締結面間に介装可能に構成されている。
また、上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る遠心ポンプは、駆動軸を回転自在に支持するフレームと、該フレーム前面に固定されるケーシングと、該ケーシング内に収容されるとともに前記駆動軸先端に同軸に設けられるインペラとを備えるとともに、前記駆動軸の駆動により前記ケーシング内で前記インペラが回転することにより、前記ケーシングに形成された吸込口から吐出口に流体を送る遠心ポンプであって、前記ケーシングの内面と前記インペラの先端とのクリアランスを調整するために前記駆動軸の軸方向の位置を規定可能にフレーム側の円形の締結面に介装される調整シムとして、本発明の一態様に係る調整シムが介装されている。
本発明の一態様に係る調整シムでは、締結面間に左右側方から挿抜される半円環板状をなす一対の分割シムの内縁側に、各ボルトの軸部を逃げる窪み部を形成している。これにより、本発明の一態様に係る調整シムによれば、各窪み部がボルトの軸部側に開口しているので、各分割シムを側方から挿抜するときに、複数のボルトを抜かなくて済む上、ボルトの軸部に干渉しないで円滑に締結面間に挿抜できる。
そして、本発明の一態様に係る調整シムでは、各分割シムは、それらの窪み部のうち、左右で最も高い位置にあるボルトの軸部を逃げる窪み部が、各分割シムの介装時に、その最も高い位置にあるボルトにそれぞれが係合されるとともに、該ボルトの軸部に係合された状態のままで該軸部の外周面に沿って締結面側に向けて旋回されることで、他の窪み部が締結面を締結する他のボルトの軸部にも係合されつつ締結面間に介装できる(以下、「旋回着脱構造」ともいう)。
これにより、本発明の一態様に係る調整シムによれば、各分割シムにおいて、左右への単なる直線的な挿抜ではなく、各分割シムの着脱時に旋回動作を取り入れて、最も高い位置にあるボルトの軸部と窪み部とを係合させることによって、ボルトを緩める方向に回した場合に半円環状の分割シムの脱落を防止または抑制できる。また、ボルトを締め込み方向に回した場合であっても、この旋回着脱構造を有する分割シムによるボルトの軸部と窪み部との係合によって各分割シムの脱落が防止または抑制される。よって、単に縦に二分割された横抜き型の分割シムと比較して、シムの着脱作業性をより向上させることができる。
上述のように、本発明によれば、シムの着脱作業性をより向上させることができる。
本発明の一態様に係る遠心ポンプの一実施形態の説明図であり、同図(a)は軸線に沿った断面(軸受け部分の図示に同図(b)のZ-Z断面を含む)を示し、(b)はフレーム後部の後部カバー側から見た図を示している。 フレーム側に設けられた円形の締結面の部分の要部拡大図であり、同図(a)では、一対の分割シムを併せて図示し、同図右側の分割シムは締結面間への装着姿勢、同図左外側の分割シムは装着前の挿入姿勢、同図左内側の分割シムは旋回装着中の係合姿勢をそれぞれ示している。また、同図(b)は、(a)での右上部のボルト軸部の拡大図、(c)は旋回挿抜の可能範囲を規定する形状を設定する方法の説明図である。 締結面の部分での調整シムによるクリアランス調整作業の説明図(装着前の挿入姿勢)である。 締結面の部分での調整シムによるクリアランス調整作業の説明図(旋回装着中の係合姿勢(左)および装着姿勢(右))である。 従来の縦に二分割された横抜き型のシムを説明する模式図である。
以下、本発明の一実施形態について図面を適宜参照しつつ説明する。なお、図面は模式的なものである。そのため、厚みと平面寸法との関係、比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記の実施形態に特定するものではない。
[遠心ポンプ]
まず、遠心ポンプについて説明する。
図1に示すように、本実施形態の遠心ポンプ100は、フレーム150と、フレーム150の前面に設けられたケーシング110とを備える。フレーム150の後部には、駆動軸101をその軸方向の前後に離隔した軸受162、163で回転自在に支持する軸受部が設けられている。
駆動軸101の先端には、ケーシング110の内部にインペラ140が固定されている。駆動軸101の先端には雄ねじが形成され、雄ねじがインペラ140の基端側の端面中央に形成された雌ねじに螺合することにより、駆動軸101とインペラ140とが同軸に連結されている。
ケーシング110は、ケーシング本体130と、ケーシング本体130の前方に装着されるフロントカバー120と、を有する。ケーシング本体130およびフロントカバー120はボルト・ナットで相互に固定され、ケーシング110の内部にインペラ140の収容空間が画成される。
ケーシング本体130は、その背面部がフレーム150の前面にボルト・ナットで固定される。ケーシング本体130の背面中央には、グランドパッキンを収容した略円筒状の軸封装置180が設けられ、軸封装置180により駆動軸101の先端後部側を軸封している。
フロントカバー120には、中央に軸方向に沿って前方に張り出す吸込口121が形成され、ケーシング本体130には、その上部に吐出口131が形成されている。吸込口121は、インペラ140の吸込部を介して吐出口131に連通している。
ここで、本実施形態の遠心ポンプ100は、ケーシング110の内面(この例では、フロントカバー120の内面)とインペラ140の前縁部141との対向隙間であるインペラクリアランスΔTを、調整シム10によって調整する。
詳しくは、本実施形態では、駆動軸101を支承する軸方向前方の軸受163は、フレーム150の前部内面に嵌め込まれ、駆動軸101をその軸方向の移動を許容した状態で回転自在に支持している。
これに対し、軸方向後方の軸受162は、フレーム150の後部内面にインロー嵌合する軸受ハウジング160を介してフレーム150に支承されており、軸受ハウジング160の後部を覆う後部カバー190との協働で、駆動軸101をその軸方向の移動を拘束した状態で回転自在に支持している。
そして、本実施形態では、上記軸受ハウジング160のハウジングフランジ161とフレーム150の後端面との間が締結面170とされており、この締結面170に調整シム10が介装されるようになっている。
締結面170の部分でインペラクリアランスΔTを調整する際は、締結面170に介装する調整シム10の厚みを調整することで、その厚さ分だけ軸受ハウジング160を軸方向に前後させる。これにより、軸方向後方の軸受162と共に駆動軸101全体を軸方向に所望量のスライド移動させることができる。
よって、駆動軸101と一体のインペラ140の軸方向位置をスライド移動させ、インペラクリアランスΔTを調整可能になっている。調整後、軸受ハウジング160および後部カバー190は、フレーム150の後端側の締結面170に調整シム10を介した状態で4本の固定ボルト171、172によって固定される。
[調整シム]
以下、上記調整シム10についてより詳しく説明する。
本実施形態の調整シム10は、縦方向に二分割された半円環板状をなす鋼板製の一対の分割シム20から構成され、各分割シム20は、図3および図4に示すように、上記締結面170に対して左右側方から挿抜される。
詳しくは、遠心ポンプ10の側は、図1に示すように、上記軸受ハウジング160および後部カバー190をフレーム150の後端側に締結する締結面170に、周方向に離隔して配置された複数の固定ボルト171、172と、上下の固定ボルト171、172同士の間に配置された押しボルト173と、を有する。
本実施形態の例では、2本の押しボルト173が、駆動軸101と同心の軸心円CSの周方向に沿って水平方向の位置に左右対称に設けられ、4本の固定ボルト171、172が、二本の押しボルト173それぞれの上下に略45°離隔して、駆動軸101と同心の軸心円CSの周方向に沿って左右対称に設けられている。
後部カバー190側に押しボルト173用の雌ねじが設けられ、分解や調整シム10の介装時には、二本の押しボルト173で締結面170を押して軸受ハウジング160および後部カバー190をフレーム150から取り外す構造になっている。
一対の分割シム20は、図1(b)に示すように、縦の軸線VLに線対称に形成されている。各分割シム20は、円弧状に伸びる主受圧面部22を有する。主受圧面部22は、締結面170の周方向に沿って並ぶ複数のボルト171、172、173の並びの軸心円CSよりも径方向内側の位置まで締結面170の外周縁から円弧状に伸びている。
そして、図2に要部を拡大図示するように、各分割シム20の主受圧面部22の内縁側には、締結面170の周方向に沿って並ぶ複数のボルト171、172、173に対して、各ボルトの軸部171j、172j、173jを逃げる複数の窪み部31、32、33が形成されている。
各窪み部31、32、33は、上記複数のボルト171、172、173が挿通される位置に対応しており、締結面170間への装着時の姿勢において、中心方向に向かって内周側に開口する円弧溝形状になっている。
ここで、本実施形態の調整シム10は、各分割シム20の複数の窪み部31、32、33のうち、最も高い位置にある上部固定ボルト171の軸部171jを逃げる上部窪み部31に限って、装着姿勢における上部内縁端に、内方側に張り出す係合突起40を有する。
より詳しくは、図2に示すように、最も高い位置に位置する上部窪み部31には、上側内縁に設けられた係合突起40と、下側内縁に設けられた第一ガイド斜面41と、が形成されている。第一ガイド斜面41は、各分割シム20の斜め上方からの挿入を可能とする逃げ角を自身内周縁に有する。
主受圧面部22の内縁中央には、押しボルト173の軸部173jを逃げる半円状の中央窪み部32が形成されている。中央窪み部32の上部内縁は、軸心での水平線CHLに沿ってボルトの軸部173jの上端に並行に開口幅Wを設けて形成されている。
高さ方向で中央に位置する中央窪み部32には、各分割シム20の斜め上方からの挿入を可能とする挿入角θ2を自身内周縁に有する押しボルト軸用の第二ガイド斜面42が中央窪み部32の下側に形成されている。第二ガイド斜面42は、中央窪み部32の下側の角部を減肉して形成され、各分割シム20の旋回装着時における押しボルトの軸部173jとの干渉が生じないにようになっている。
ここで、上記係合突起40は、図2(b)に細部を拡大図示するように、ボルトの軸部171jの上縁での水平線HLよりも下に突出量Tだけ張り出している。但し、突出量Tは、軸部171jの中心での水平線よりも上側に位置している。つまり、例えば同図に二点鎖線で示す仮想形状40D(軸部171jの中心での水平線の位置まで張り出している状態)まで延出していると、旋回動作中の係合突起40と軸部171jとの干渉によって所期の旋回姿勢が得られないからである。
そのため、旋回時の干渉範囲は、係合突起40が最も高い位置に位置する軸部171jに干渉する内縁部分の接線を内縁線DL1とし、第二ガイド斜面42の内縁線DL2をとすると、同図(c)に示すように、これら内縁線DL1とDL2とがなす角θDが旋回挿抜可能角度として確保される。
さらに、主受圧面部22の下端部内縁に半円状の下部窪み部33が形成されている。下部窪み部33は、装着姿勢において下部固定ボルト172の軸部172jを逃げる逃げ溝である。下部受圧面部23が下部固定ボルトの軸部172jの外側面に沿って半環状に下方に伸びている。また、下部窪み部33には、各分割シム20の斜め上方からの挿抜時に下部窪み部33にボルトの軸部172jを導く第三ガイド斜面43が設けられている。
下部受圧面部23は、最も低い位置に位置するボルトの軸部172jとの干渉を避けるように半円環状をなす下端部の内周縁に形成され、下側逃げ半径RLを自身内周縁に有する下部逃げ面44が設けられている。
また、主受圧面部22の上端部内縁に半円状の上部窪み部31が形成されている。上部窪み部31は、装着姿勢において上部固定ボルト171の軸部171jを逃げる逃げ溝である。上部窪み部31の下側の角部を減肉して固定ボルト軸用の第一ガイド斜面41が形成されている。
さらに、上部固定ボルト171の軸部171jの外側面に沿って上部受圧面部21が形成されている。上部受圧面部21は、半環状に形成されて径方向内縁側が上方に向かうにつれて次第に縮幅しつつ周方向に沿って伸びている。
上部受圧面部21は、締結面170での旋回姿勢Bでの旋回範囲において、反対側の分割シム20で対向する上部受圧面部21に干渉しない長さであって可及的に長く周方向を覆うように形成されている。これにより、締結面170での装着姿勢において、一対の半円環状の分割シム20は、上部受圧面部21相互による上側対向隙間TUよりも下部受圧面部23相互による下側対向隙間TLが広くなっている。
また、各分割シム20の上部受圧面部21は、半円環状をなす上端部の内周縁に、他方の分割シム20との干渉を割ける上部逃げ面45を有する。上部逃げ面45は、いずれか一方の分割シム20が挿入姿勢Aから旋回姿勢Bを経て装着姿勢Cに至る着脱範囲において、既に装着姿勢Cにある他方の分割シム20と干渉しない逃げ角θtを有し、これにより、最も高い位置に位置するボルトの軸部171jを中心として最も高い位置に位置する上部窪み部31に沿って旋回させたときの旋回半径Rbの範囲と干渉しないようになっている。
次に、調整シム10によるクリアランス調整作業および作用効果について説明する。
上述したように、調整シム10の締結面170への積層挿入数若しくは厚みの増減によって駆動軸101が軸方向に前後する。
これにより、本実施形態の遠心ポンプ100では、ケーシング110の内面(この例では、フロントカバー120の内面)とインペラ140の前縁部141との対向隙間であるインペラクリアランスΔTを、調整シム10の積層挿入数若しくは厚みの増減によって調整できる。
本実施形態では、各分割シム20は、装着時には、図4の左側の分割シム20に示す姿勢のように、まず、一番高い位置の上部固定ボルト171の軸部171jに上部窪み部31が嵌め合わされる。
なお、この遠心ポンプ100では、締結面170の上部に邪魔部があるので、分割シム20による側方からの挿抜式が便利であり、各分割シム20上部の上部受圧面部21相互の上側対向隙間TU(図1(b)参照)を可及的に狭くすることによって、締結面170の部分への雨水の浸入を可及的に防止可能になっている。
このように、本実施形態の調整シム10によれば、インペラクリアランスΔTを、一対の分割シム20の積層挿入数若しくは厚みの増減によって調整するに際し、複数のボルト171、172の締結状態を緩めるだけで(完全に取り外すことなく)一対の分割シム20を左右側方から挿抜できる。
ここで、従来は、図5に示したように、半円状に二分割された左右方向に挿抜される横抜き型の鋼板220を締結面170に介装している。そのため、円環状の一体型シムと比べて、締結面のボルトを抜かずに鋼板220を介装できるものの、単なる横方向からの挿抜なので、ボルトを締め込み方向に回したときに鋼板220がつれ回りして、締結面170の介装部分から鋼板が脱落し易く、インペラクリアランスの調整時の作業性を向上させる上で未だ解決すべき課題が残されていた。
これに対し、本実施形態の遠心ポンプ100では、単に左右方向に挿抜される横抜き型に替えて、図2から図4に示したように、側方斜め上方から回し入れる旋回着脱型の調整シム10を採用している。
つまり、本実施形態の遠心ポンプ100によれば、複数の窪み部31、32、33のうち、締結面170間への装着姿勢において、左右で最も高い位置にある上部固定ボルト171の軸部171jを逃げる上部窪み部31が、締結面170間への介装時に、その最も高い位置にある上部固定ボルト171の軸部171jにそれぞれ係合されるとともに、この軸部171jに係合された状態のままでこの軸部171jの外周面に沿って締結面170側に向けて各分割シム20が旋回されることで、他の窪み部32,33が締結面170を締結する他のボルト172の軸部173jに係合されつつ締結面170間に介装できる。
そのため、本実施形態の調整シム10によれば、最も高い位置にある上部固定ボルト171の軸部171jと上部窪み部31とを係合させ、各半円環板状の分割シム20の着脱時に軸部171jまわりでの旋回動作を取り入れることで、各分割シム20の着脱作業性をより向上させることができる(発明1、発明3)。
特に、本実施形態の調整シム10では、各分割シム20の複数の窪み部31、32、33のうち、最も高い位置にある上部固定ボルト171の軸部171jを逃げる上部窪み部31に限って、装着姿勢における上部内縁端に、内方側に張り出す係合突起40を設けているので、各分割シム20の着脱作業性をより向上させる上で好適である(発明2)。
つまり、固定ボルト171、172の締め付け作業を考慮すると、上部窪み部31に係合突起40を設けない場合は、係合突起40を更に設ける場合と比べて、装着姿勢において、締め付け時に右側の分割シム20が締め付け方向へのつれ回りによって上部窪み部31から外れ易くなる。
これに対し、本実施形態の調整シム10では、装着姿勢において最も高い位置にある上部固定ボルト171の軸部171jに上部内方から係合する係合突起40を設けることで、この係合突起40が、旋回着脱時における引っ掛け部としての機能に加え、固定ボルト171、172の締め付け時における上部窪み部31からの抜け出し防止部として機能する。
これにより、本実施形態の調整シム10によれば、各半円環板状の分割シム20の着脱時の旋回動作を取り入れることに加え、更に係合突起40を設けることで、最も高い位置にある上部固定ボルト171の軸部171jと係合突起40とのより確実な係合によって、ボルトを締め込み方向に回した場合にも各分割シム20の脱落がより確実に防止される。
また、ボルトを緩める方向に回した場合でも、各分割シム20の旋回着脱構造および係合突起40による上部窪み部31からの抜け出し防止構造によって各分割シム20の脱落がより確実に防止される。よって、単に左右への横抜き型の調整シムと比較して、シムの着脱作業性をより向上させることができる。
また、本実施形態の調整シム10では上部窪み部31には、内縁上部に下方に凸の係合突起40が設けられる一方、他の窪み部32,33には、このような係合突起が設けられておらず、下部受圧面部23相互の下側対向隙間TL(例えば60mm)は、上部受圧面部21相互の上側対向隙間TU(例えば1mm)よりも広く設定されている(発明4、発明5)。
これにより、本実施形態の調整シム10によれば、上下の受圧面部21,23によって可及的に均一な面圧を確保しつつ各分割シム20の着脱時の旋回動作を確実に行える上、下側対向隙間TLを上側対向隙間TUよりも広くすることで、上下を誤って組み込むような誤組付け作業が確実に防止される。
以上説明したように、本実施形態の調整シム10およびこれを備える遠心ポンプ100によれば、着脱作業性をより向上させることができる。なお、本発明に係る調整シムおよびこれを備える遠心ポンプは、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能であることは勿論である。
例えば、上記実施形態では、軸受ハウジング160のハウジングフランジ161とフレーム150の後端面との間が締結面170とされており、この締結面170に調整シム10が介装される例を示したが、これに限定されず、クリアランス調整が可能な箇所であれば種々の位置に介装可能である。例えば、軸方向前方の吸込口側でフロントカバーの位置調整用として適用できる。
10 調整シム
20 分割シム
21 上部受圧面部
22 主受圧面部
23 下部受圧面部
31 上部窪み部
32 中央窪み部
33 下部窪み部
40 係合突起
41 第一ガイド斜面
42 第二ガイド斜面
43 第三ガイド斜面
44 下部逃げ面
45 上部逃げ面
100 遠心ポンプ
101 駆動軸
110 ケーシング
111 ケーシングの内面
120 フロントカバー
121 吸込口
130 ケーシング本体
131 吐出口
140 インペラ
141 インペラの前縁部
150 フレーム
160 軸受ハウジング
161 ハウジングフランジ
162、163 軸受
170 締結面
171 上部固定ボルト(ボルト)
171j ボルトの軸部
172 下部固定ボルト(ボルト)
172j ボルトの軸部
173 押しボルト(ボルト)
173j ボルトの軸部
180 軸封装置
190 後部カバー
191 カバーフランジ
A 挿入姿勢
B 旋回姿勢
C 装着姿勢
CS 軸心円
TU 上側対向隙間
TL 下側対向隙間
VL 縦の軸線
ΔT インペラクリアランス

Claims (6)

  1. 軸線が水平に配置される駆動軸の軸方向の位置を規定するために前記駆動軸を支承するフレーム側に前記軸方向とは直交する円環状の締結面間に介装される調整シムであって、
    前記締結面を締結するために前記駆動軸と同心の軸心円の周方向に沿って左右対称に離隔して配置された4以上のボルトに対して前記締結面間に左右側方から挿抜される半円環板状をなす一対の分割シムを備え、
    各分割シムは、
    前記4以上のボルトに対して、各ボルトの軸部を逃げる複数の窪み部を内縁側に有し、該複数の窪み部のうち、前記締結面間への装着姿勢において、左右で最も高い位置にあるボルトの軸部を逃げる窪み部が、前記締結面間への介装時に、その最も高い位置にあるボルトの軸部にそれぞれ係合されるとともに、該ボルトの軸部に係合された状態のままで該軸部の外周面に沿って前記締結面側に向けて各分割シムが旋回されることで他の窪み部が前記締結面を締結する他のボルトの軸部に係合されつつ前記締結面間に介装可能に構成されていることを特徴とする調整シム。
  2. 前記複数の窪み部のうち、前記装着姿勢において、最も高い位置にあるボルトの軸部を逃げる窪み部に限って、前記装着姿勢における上部内縁端に、前記締結面の内方側に最も高い位置にあるボルトの軸部の上縁よりも下方に向けて張り出す係合突起を有する請求項1に記載の調整シム。
  3. フレームに回転自在に支持された駆動軸の駆動によりケーシング内でインペラが回転することにより、前記ケーシングに形成された吸込口から吐出口に流体を送る遠心ポンプに用いられ、前記ケーシングの内面と前記インペラの先端とのクリアランスを調整するために前記駆動軸の軸方向の位置を規定可能に前記フレーム側の締結面間に介装される請求項1に記載の調整シム。
  4. 各分割シムは、
    前記締結面の周方向に沿って並ぶ複数のボルトの並びの軸心円よりも径方向内側の位置まで前記締結面の外周縁から円弧状に伸びる主受圧面部と、
    前記主受圧面部の上端部内縁に形成されて最も高い位置にある上部固定ボルトの軸部を逃げる上部窪み部と、
    上部窪み部の下側の角部を減肉して形成された上部固定ボルト軸用のガイド斜面と、
    上部固定ボルトの軸部の外側面に沿って半環状に形成されて径方向内縁側が上方に向かうにつれて次第に縮幅しつつ伸びる上部受圧面部と、
    前記主受圧面部の中央内縁に形成されて押しボルトの軸部を逃げる中央窪み部と、
    前記中央窪み部の下側の角部を減肉して形成された押しボルト軸用のガイド斜面と、
    前記主受圧面部の下端部内縁に形成されて下部固定ボルトの軸部を逃げる下部窪み部と、
    下部固定ボルトの軸部外側面に沿って半環状に下方に伸びる下部受圧面部と、
    を有する請求項1に記載の調整シム。
  5. 前記締結面での装着姿勢において、
    前記一対の分割シムは、上部受圧面部相互による上側対向隙間よりも下部受圧面部相互による下側対向隙間が広くなっている請求項4に記載の調整シム。
  6. 駆動軸を回転自在に支持するフレームと、該フレーム前面に固定されるケーシングと、該ケーシング内に収容されるとともに前記駆動軸先端に同軸に設けられるインペラとを備えるとともに、前記駆動軸の駆動により前記ケーシング内で前記インペラが回転することにより、前記ケーシングに形成された吸込口から吐出口に流体を送る遠心ポンプであって、
    前記ケーシングの内面と前記インペラの先端とのクリアランスを調整するために前記駆動軸の軸方向の位置を規定可能なフレーム側の円形の締結面に介装される調整シムとして、請求項1~5のいずれか一項に記載の調整シムが介装されていることを特徴とする遠心ポンプ。
JP2022205788A 2022-12-22 調整シムおよびこれを備える遠心ポンプ Pending JP2024090118A (ja)

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