JP2024089799A - 回転電機 - Google Patents

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賢子 柴森
薫樹 井手上
宏幸 佐治
まみ 澤田
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Abstract

Figure 2024089799000001
【課題】冷媒である油がロータコアの凹部に浸入して発生するロータコアのトルクの損失を低減させることが可能な回転電機を提供する。
【解決手段】この回転電機100は、ステータ102と、ロータ103と、を備え、ステータ102およびロータ103の少なくとも一方は、油により冷却されるように構成され、ロータ103は、シャフト1と、シャフト1の軸方向から視て、外周面2aから径方向内側に向けて窪むように形成された切り欠き状の凹部23を有し、シャフト1と一体回転可能に固定されるロータコア2と、凹部23内に配置され、ロータコア2とは異なる材料により形成された耐油性を有する埋込部材3と、を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、回転電機に関する。
従来、外周面に形成された凹部を含むロータコアを備える回転電機が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、外周面に形成された凹部を含むロータコアを備える回転電機が開示されている。上記凹部は、ブリッジ部の径方向外側に隣接して設けられている。凹部は、ブリッジ部の幅を小さくして、ブリッジ部を通る磁束の漏れを低減している。
国際公開第2021/250921号
ここで、上記特許文献1には明記されていないが、回転電機の分野では、ロータおよびステータの外表面に冷媒である油を供給して油に接触させることにより冷却(油冷)を行うことが知られている。上記特許文献1の凹部が形成されたロータコアを備えるロータが油冷式であるとした場合、ロータコアの凹部に油が浸入してロータコアの回転の抵抗となりロータコアのトルクの損失を発生させる原因となるため、改善が望まれている。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、冷媒である油がロータコアの凹部に浸入して発生するロータコアのトルクの損失を低減させることが可能な回転電機を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の一の局面における回転電機は、ステータと、ロータと、を備え、ステータおよびロータの少なくとも一方は、油により冷却されるように構成され、ロータは、シャフトと、シャフトの軸方向から視て、外周面から径方向内側に向けて窪むように形成された切り欠き状の凹部を有し、シャフトと一体回転可能に固定されるロータコアと、凹部内に配置され、ロータコアとは異なる材料により形成された耐油性を有する凹部内耐油性部材と、を含む。
この発明の一の局面による回転電機では、上記のように、凹部内に配置され、ロータコアとは異なる材料により形成された耐油性を有する凹部内耐油性部材を設ける。これによって、凹部内耐油性部材により、凹部を塞ぐことができるので、凹部の開放部分から凹部内に油が浸入することを抑制することができるとともに、耐油性を有する凹部内耐油性部材に油が浸み込むことを抑制することができる。このため、凹部内に浸入した油がロータコアの回転の抵抗になることを抑制することができる。その結果、冷媒である油がロータコアの凹部に浸入して発生するロータコアのトルクの損失を低減させることができる。
上記一の局面による回転電機において、好ましくは、モータハウジングをさらに備え、ロータおよびステータは、油が貯留されるモータハウジングの内部に配置されている。このように構成すれば、凹部内耐油性部材により凹部の開放部分を塞くことにより、ロータコアの回転時に凹部が貯留された油をかき上げることがなくなるので、凹部内に浸入した油がロータコアの回転の抵抗になることを効果的に抑制することができる。その結果、冷媒である油がロータコアの凹部に浸入して発生するロータコアのトルクの損失を効果的に低減させることができる。
上記一の局面による回転電機において、好ましくは、凹部内耐油性部材は、磁性を有さない非磁性の材料であり、かつ、導電性を有さない非導電性の材料により形成されている。このように構成すれば、非磁性かつ非導電性の材料により形成された凹部内耐油性部材により、ロータコアを流れる磁束が凹部内耐油性部材を介して漏れるのを抑制することができる。したがって、凹部内耐油性部材により、ロータコアを流れる磁束が凹部内耐油性部材を介して漏れるのを抑制することができるとともに、冷媒である油がロータコアの凹部に浸入して発生するロータコアのトルクの損失を低減させることができる。
この場合、好ましくは、凹部内耐油性部材は、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、または、ポリフェニレンサルファイド樹脂により形成されている。このように構成すれば、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、または、ポリフェニレンサルファイド樹脂により形成された凹部内耐油性部材により、ロータコアを流れる磁束が凹部内耐油性部材を介して漏れるのを容易に抑制することができる。
上記一の局面における回転電機において、好ましくは、凹部は、シャフトの軸方向から視て、径方向の内側部分よりも径方向の外側部分の周方向の幅が小さくなるくびれ形状を有する。このように構成すれば、凹部内に浸入した油が凹部内に特に留まりやすいくびれ形状を凹部が有していたとしても、凹部内耐油性部材により、凹部内に浸入した油がロータコアの回転の抵抗になることを抑制して、冷媒である油がロータコアの凹部に浸入して発生するロータコアのトルクの損失を低減させることができる。
上記一の局面による回転電機において、好ましくは、凹部内耐油性部材は、磁性を有する材料により形成されている。このように構成すれば、磁性を有する材料により形成された凹部内耐油性部材により、ロータコアを流れる磁束の漏れ量を制御してモータ特性を調整することができる。たとえば、磁束の漏れ量を増加させれば、ロータの回転により生じる逆起電力を小さくすることができる。その結果、ロータの高回転時に入力する電源の電流を抑えることができるので、ロータの回転効率を上げることができる。したがって、凹部内耐油性部材により、ロータの回転効率を上げることができるとともに、冷媒である油がロータコアの凹部に浸入して発生するロータコアのトルクの損失を低減させることができる。
この場合、好ましくは、凹部内耐油性部材は、鉄系アモルファスを含む磁性コンポジット磁性コンポジット材、フェライトを含む磁性コンポジット材、鉄およびシリコンを含む磁性コンポジット材、または、センダストを含む磁性コンポジット材により形成されている。このように構成すれば、鉄系アモルファスを含む磁性コンポジット材、フェライトを含む磁性コンポジット材、鉄およびシリコンを含む磁性コンポジット材、または、センダストを含む磁性コンポジット材により形成された凹部内耐油性部材により、ロータコアを流れる磁束の漏れ量を制御してモータ特性を容易に調整することができる。
上記一の局面による回転電機に関して、以下のような構成も考えられる。
(付記項1)
たとえば、上記回転電機において、好ましくは、凹部内耐油性部材は、ロータコアの外周面に沿った円弧面を有する。このように構成すれば、凹部内耐油性部材がロータコアの外周面に沿った円弧面を有するため、凹部内耐油性部材によってロータコアの外周面に凹凸が生じることを抑制することができる。このため、凹部および凹部内耐油性部材を設けた場合にも、ロータが回転する際に、ロータコアの回転の抵抗になることを効果的に抑制することができる。
第1実施形態によるロータを備える回転電機を径方向から示した断面図である。 図1のII-II線に沿ってロータおよびシャフトを視た矢視図である。 図2のA部の拡大図である。 第2実施形態のロータの部分拡大図であり、図3に相当する部分を示した図である。
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1~図3を参照して、第1実施形態による回転電機100について説明する。
各図では、シャフト1の軸方向をX方向により示す。X方向は、シャフト1およびロータコア2の回転中心軸線Cに沿った方向であり、水平方向に沿った方向でもある。
各図では、シャフト1およびロータコア2の径方向をR方向により示す。R方向のうち、径方向外側をR1方向により示し、径方向内側をR2方向により示す。
各図では、シャフト1およびロータコア2の周方向をRO方向により示す。
各図では、上下方向をZ方向により示す。Z方向のうち、上方をZ1方向により示し、下方をZ2方向により示す。
図1に示すように、回転電機100は、モータハウジング101と、ステータ102と、ロータ103とを備えている。
回転電機100(ステータ102およびロータ103)は、冷媒である油により冷却されるように構成されている。すなわち、ステータ102およびロータ103(ロータコア2)は、油冷式である。
ここで、第1実施形態のロータコア2の外周面2aには凹部23が形成されている。この凹部23内には、耐油性を有する埋込部材3(特許請求の範囲の「凹部内耐油性部材」の一例)が配置されている。すなわち、凹部23は、耐油性を有する埋込部材3が埋め込まれている。埋込部材3は、ロータコア2の回転時に、冷媒である油が凹部23に浸入することがないように、凹部23の開放部分を塞いでいる。このように、ロータ103は、埋込部材3を利用して凹部23への油の浸入を防ぐことによって、凹部23内の油がロータ103の回転力(トルク)の抵抗になることがないように構成されている。要するに、ロータ103は、埋込部材3を設けることによって、凹部23が油をかき上げることに起因する回転力の損失の発生を防いでいる。
(モータハウジングの構成)
モータハウジング101は、円形状の内部空間を有する中空に形成されている。モータハウジング101の内部空間は、軸方向(X方向)の一方に配置されるハウジング本体101aと、他方に配置される蓋部材101bとを含んでいる。モータハウジング101の内部には、ステータ102とロータ103とが配置されている。モータハウジング101の円形状の内周面にはステータ102が固定されている。
モータハウジング101の上部には、ステータ102に冷却用の油を供給する油供給管Tが設けられている。油供給管Tは、ステータ102のコイルエンド部102cの上方側から、コイルエンド部102cに向けて油を供給するように構成されている。なお、油供給管Tは、コイルエンド部102cだけでなく、ステータコア102aやロータコア2にも接触して回転電機100の各部を冷却するように構成されている。
モータハウジング101の内部の油面の高さは、ロータ103の最下部に位置する外周面2aよりも僅かに下方側の位置で保持される。なお、モータハウジングの内部の油面の高さは、ロータの一部分が油につかるように、ロータの最下部よりも上方側であってもよい。
(ステータの構成)
ステータ102は、径方向(R方向)においてロータ103に対向している。ステータ102は、ロータ103の径方向外側(R1方向側)に配置されている。すなわち、回転電機100は、インナーロータ型の回転電機として構成されている。
ステータ102は、ステータコア102aと、ステータコア102aに配置されたコイル102bとを備えている。
ステータコア102aの軸方向(X方向)の両端部には、ステータコア102aから軸方向に突出するコイル102bのコイルエンド部102cが設けられている。ステータコア102aは、複数の電磁鋼板が軸方向に積層されており、磁束を通過可能に構成されている。コイル102bは、外部の電源部に接続されており、電力(たとえば、3相交流の電力)が供給されるように構成されている。そして、コイル102bは、電力が供給されることにより、磁界を発生させるように構成されている。
(ロータの構成)
図2および図3を参照して、ロータ103は、シャフト1と、ロータコア2と、埋込部材3とを備えている。
シャフト1は、回転電機100の回転中心となる軸部分である。シャフト1は、円形状の外周面1aを有する丸棒状に形成されている。一例ではあるが、シャフト1は、鋼により形成されている。ロータコア2は、複数の電磁鋼板が軸方向に積層されており、磁束を通過可能に構成されている。
ロータコア2は、油冷式である。ロータコア2は、シャフト1が挿通されるシャフト孔2bを含んでおり、シャフト1によって回転可能に支持されている。ロータコア2は、磁石孔20と、永久磁石21と、ブリッジ部22と、凹部23とを含んでいる。
磁石孔20は、複数設けられている。磁石孔20は、軸方向に延びる貫通孔により形成されており、ロータコア2の径方向外側(R1方向側)に配置されている。
ロータコア2には、複数組の磁石孔20が設けられている。一例ではあるが、ロータコア2には、外周面2aに沿って配置される2つの磁石孔20aと2つの磁石孔20の径方向内側(R2方向側)を囲むようにC字状に配置される4つの磁石孔20bとを1組として、周方向(RO方向)に等角度間隔(45度間隔)で配置される8組の磁石孔20が設けられている。なお、各磁石孔20は、軸方向から視て、概して、細長く直線状に延びる形状を有している。
永久磁石21は、各磁石孔20の内部に配置されている。軸方向(Z方向)から視て、永久磁石21が配置された磁石孔20の長手方向の両側には、フラックスバリアとして機能する磁気的空隙部Fが設けられている。磁気的空隙部Fは、所定の樹脂などにより封止されていてもよいし、封止されることなく中空の空間であってもよい。
ブリッジ部22は、2つの磁石孔20aの各々の周方向の外側の端部20cと、ロータコア2の外周面2a(凹部23)との間に配置されている。ブリッジ部22は、凹部23によって径方向の幅が狭くなるように形成されている。
凹部23は、シャフト1の軸方向から視て、外周面2aから径方向内側に向けて窪む切り欠き状に形成されている。凹部23の径方向内側には、ブリッジ部22が隣接して配置されている。凹部23は、シャフト1の軸方向から視て、径方向の内側部分23aよりも径方向の外側部分23bの周方向の幅が小さくなるくびれ形状を有している。
凹部23は、ロータコア2の外周面2aに沿った円弧面23cを有する。凹部23の円弧面23cは、ロータコア2の外周面2aと面一の面である。詳細には、凹部23の円弧面23cは、ロータコア2の外周面2aに対して段差なく連続する面であり、ロータコア2の外周面2aと同じ曲率を有する円弧により形成された面である。
埋込部材3は、上記の通り、耐油性を有している。また、埋込部材3は、凹部23内に埋め込まれている。埋込部材3は、すべての凹部23内に埋め込まれている。すなわち、凹部23内の全体は、埋込部材3によって満たされている。このため、埋込部材3は、ロータコア2の回転時に、冷媒である油が凹部23に浸入することがないように、凹部23の開放部分を塞いでいる。
詳細には、埋込部材3は、ロータコア2の回転時に、モータハウジング101に貯留された油を凹部23がかき上げることがないように、凹部23の開放部分を塞いでいる。そして、ロータ103は、埋込部材3を設けることによって、凹部23が油をかき上げることに起因する回転力の損失の発生を防いでいる。
埋込部材3は、ロータコア2を構成する積層された電磁鋼板とは異なる材料により形成されている。埋込部材3は、磁性を有さない非磁性の材料であり、かつ、導電性を有さない非導電性の材料により形成されている。
具体的には、一例ではあるが、埋込部材3は、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、または、ポリフェニレンサルファイド樹脂などの熱可塑性樹脂により形成されている。
なお、埋込部材3は、固体状の材料または流動性を有する材料をロータコア2の軸方向の端部2cから凹部23内に導入することによって凹部23内に埋め込まれてもよいし、流動性を有する材料をロータコア2の径方向外側から凹部23内に導入することによって凹部23内に埋め込まれてもよい。
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、凹部23内に配置され、ロータコア2とは異なる材料により形成された耐油性を有する埋込部材3を設ける。これによって、埋込部材3により、凹部23を塞ぐことができるので、凹部23の開放部分から凹部23内に油が浸入することを抑制することができるとともに、耐油性を有する埋込部材3に油が浸み込むことを抑制することができる。このため、凹部23内に浸入した油がロータコア2の回転の抵抗になることを抑制することができる。その結果、冷媒である油がロータコア2の凹部23に浸入して発生するロータコア2のトルクの損失を低減させることができる。
第1実施形態では、上記のように、モータハウジング101をさらに備え、ロータ103およびステータ102は、油が貯留されるモータハウジング101の内部に配置されている。これによって、埋込部材3により凹部23の開放部分を塞くことにより、ロータコア2の回転時に凹部23が貯留された油をかき上げることがなくなるので、凹部23内に浸入した油がロータコア2の回転の抵抗になることを効果的に抑制することができる。その結果、冷媒である油がロータコア2の凹部23に浸入して発生するロータコア2のトルクの損失を効果的に低減させることができる。
第1実施形態では、上記のように、埋込部材3は、磁性を有さない非磁性の材料であり、かつ、導電性を有さない非導電性の材料により形成されている。これによって、非磁性かつ非導電性の材料により形成された埋込部材3により、ロータコア2を流れる磁束が埋込部材3を介して漏れるのを抑制することができる。したがって、埋込部材3により、ロータコア2を流れる磁束が埋込部材3を介して漏れるのを抑制することができるとともに、冷媒である油がロータコア2の凹部23に浸入して発生するロータコア2のトルクの損失を低減させることができる。
第1実施形態では、上記のように、埋込部材3は、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、または、ポリフェニレンサルファイド樹脂により形成されている。これによって、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、または、ポリフェニレンサルファイド樹脂により形成された埋込部材3により、ロータコア2を流れる磁束が埋込部材3を介して漏れるのを容易に抑制することができる。
第1実施形態では、上記のように、凹部23は、シャフト1の軸方向から視て、径方向の内側部分23aよりも径方向の外側部分23bの周方向の幅が小さくなるくびれ形状を有する。これによって、凹部23内に浸入した油が凹部23内に特に留まりやすいくびれ形状を凹部23が有していたとしても、埋込部材3により、凹部23内に浸入した油がロータコア2の回転の抵抗になることを抑制して、冷媒である油がロータコア2の凹部23に浸入して発生するロータコア2のトルクの損失を低減させることができる。
第1実施形態では、上記のように、埋込部材3は、ロータコア2の外周面2aに沿った円弧面23cを有する。これによって、埋込部材3がロータコア2の外周面2aに沿った円弧面23cを有するため、埋込部材3によってロータコア2の外周面2aに凹凸が生じることを抑制することができる。このため、凹部23および埋込部材3を設けた場合にも、ロータ103が回転する際に、ロータコア2の回転の抵抗になることを効果的に抑制することができる。
[第2実施形態]
次に、図4を参照して、第2実施形態の回転電機200について説明する。第2実施形態では、凹部23に埋め込まれる埋込部材3を非磁性の材料により形成した第1実施形態とは異なり、凹部23に埋め込まれる埋込部材3aを磁性を有する材料により形成する例について説明する。なお、第1実施形態と同様の部分は同一の符号を付し、説明を省略する。
図4に示す回転電機200のロータ203は、埋込部材3aを備えている。
埋込部材3aは、ロータコア2の凹部23を埋めるように凹部23内に埋め込まれている。埋込部材3aは、ロータコア2の回転時に、冷媒である油が凹部23に浸入することがないように、凹部23の開放部分を塞いでいる。
埋込部材3aは、磁性を有する材料により形成されている。詳細には、埋込部材3aは、軟磁性粉末を含む磁性コンポジット材により形成されている。一例ではあるが、埋込部材3aを形成する磁性コンポジット材は、比較的透磁率の低い磁性材料である。具体的には、一例ではあるが、埋込部材3aは、鉄系アモルファスを含む磁性コンポジット材、フェライトを含む磁性コンポジット材、鉄およびシリコンを含む磁性コンポジット材、または、センダストを含む磁性コンポジット材などにより形成されている。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態では、上記のように、凹部23内に配置され、ロータコア2とは異なる材料により形成された耐油性を有する埋込部材3aを設ける。これによって、上記第1実施形態と同様に、冷媒である油がロータコア2の凹部23に浸入して発生するロータコア2のトルクの損失を低減させることができる。
第2実施形態では、上記のように、埋込部材3aは、磁性を有する材料により形成されている。これによって、磁性を有する材料により形成された埋込部材3aにより、ロータコア2を流れる磁束の漏れ量を制御してモータ特性を調整することができる。たとえば、磁束の漏れ量を増加させれば、ロータ203の回転により生じる逆起電力を小さくすることができる。その結果、ロータ203の高回転時に入力する電源の電流を抑えることができるので、ロータ203の回転効率を上げることができる。したがって、埋込部材3aにより、ロータ203の回転効率を上げることができるとともに、冷媒である油がロータコア2の凹部23に浸入して発生するロータコア2のトルクの損失を低減させることができる。
第2実施形態では、上記のように、埋込部材3aは、鉄系アモルファスを含む磁性コンポジット材、フェライトを含む磁性コンポジット材、鉄およびシリコンを含む磁性コンポジット材、または、センダストを含む磁性コンポジット材により形成されている。これによって、鉄系アモルファスを含む磁性コンポジット材、フェライトを含む磁性コンポジット材、鉄およびシリコンを含む磁性コンポジット材、または、センダストを含む磁性コンポジット材により形成された埋込部材3aにより、ロータコア2を流れる磁束の漏れ量を制御してモータ特性を容易に調整することができる。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1実施形態では、埋込部材を、非磁性かつ非導電性の材料である、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、または、ポリフェニレンサルファイド樹脂により形成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、埋込部材を、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、または、ポリフェニレンサルファイド樹脂とは異なる非磁性かつ非導電性の材料により形成してもよい。なお、埋込部材を、樹脂ではなく、セラミックなどにより形成してもよい。
また、上記第2実施形態では、埋込部材を、磁性を有する材料である、鉄系アモルファスを含む磁性コンポジット材、フェライトを含む磁性コンポジット材、鉄およびシリコンを含む磁性コンポジット材、または、センダストを含む磁性コンポジット材により形成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、埋込部材を、鉄系アモルファスを含む磁性コンポジット材、フェライトを含む磁性コンポジット材、鉄およびシリコンを含む磁性コンポジット材、または、センダストを含む磁性コンポジット材とは異なる磁性を有する材料により形成してもよい。また、埋込部材を、磁性コンポジット材ではなく、圧粉鉄心などにより形成してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、埋込部材により、複数の凹部のすべてを埋め込んだ例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、埋込部材により、複数の凹部のうちの一部のみを埋め込んでもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、埋込部材が、径方向外側にロータコアの外周面に沿った円弧面を有する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、埋込部材が、円弧面ではなく、径方向外側に平坦面を有していてもよい。
また、上記第1および第2実施形態のロータコアの磁石孔などの形状は一例にすぎず、上記第1および第2実施形態とは異なる形状に形成してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、ステータの上方からモータハウジングに供給されて貯留される油により、ロータおよびステータを冷却した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ロータのシャフトやロータコアから外部に噴射される油などにより、ロータおよびステータを冷却してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、凹部が、径方向の内側部分よりも径方向の外側部分の周方向の幅が小さくなるくびれ形状を有する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、凹部が、上記のようなくびれ形状ではなく、半円形状などを有していてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、ステータおよびロータの両方を、油により冷却した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ステータのみ、または、ロータのみを、油により冷却してもよい。
1 シャフト
2 ロータコア
2a (ロータコアの)外周面
3、3a 埋込部材(凹部内耐油性部材)
23 (ロータコアの)凹部
23a (凹部の径方向の)内側部分
23b (凹部の径方向の)外側部分
100、200 回転電機
101 モータハウジング
102 ステータ
103、203 ロータ

Claims (7)

  1. ステータと、
    ロータと、を備え、
    前記ステータおよび前記ロータの少なくとも一方は、油により冷却されるように構成され、
    前記ロータは、
    シャフトと、
    前記シャフトの軸方向から視て、外周面から径方向内側に向けて窪むように形成された切り欠き状の凹部を有し、前記シャフトと一体回転可能に固定されるロータコアと、
    前記凹部内に配置され、前記ロータコアとは異なる材料により形成された耐油性を有する凹部内耐油性部材と、を含む、回転電機。
  2. モータハウジングをさらに備え、
    前記ロータおよび前記ステータは、前記油が貯留される前記モータハウジングの内部に配置されている、請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記凹部内耐油性部材は、磁性を有さない非磁性の材料であり、かつ、導電性を有さない非導電性の材料により形成されている、請求項1に記載の回転電機。
  4. 前記凹部内耐油性部材は、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、または、ポリフェニレンサルファイド樹脂により形成されている、請求項3に記載の回転電機。
  5. 前記凹部は、前記シャフトの前記軸方向から視て、径方向の内側部分よりも前記径方向の外側部分の周方向の幅が小さくなるくびれ形状を有する、請求項1に記載の回転電機。
  6. 前記凹部内耐油性部材は、磁性を有する材料により形成されている、請求項1に記載の回転電機。
  7. 前記凹部内耐油性部材は、鉄系アモルファスを含む磁性コンポジット材、フェライトを含む磁性コンポジット材、鉄およびシリコンを含む磁性コンポジット材、または、センダストを含む磁性コンポジット材により形成されている、請求項6に記載の回転電機。
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