JP2013183481A - 回転電機用ロータの冷却構造、および、回転電機 - Google Patents

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知彦 宮本
Yoshitada Yamagishi
義忠 山岸
Yusuke Eto
雄介 衛藤
Shintaro Masatsuki
信大郎 正月
Taketo Takeuchi
健登 竹内
Satoshi Murakami
聡 村上
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Abstract

【課題】ロータコアの軸方向中央領域を効率よく冷却して、ロータコアに対する冷却性能を軸方向に関して一様にできる回転電機用ロータの冷却構造を提供する。
【解決手段】回転電機用ロータの冷却構造であって、内部に流れる冷却液を外部に供給する回転可能なシャフト22と、シャフト22上に外嵌固定され、シャフト22から供給される冷却液を回転電機の軸方向に流すための冷媒流路穴34を有し、かつ、複数の磁性板材を回転電機の軸方向に積層して構成されるロータコア20とを備える。シャフト22から流出した冷却液は、冷媒流路穴34の内径側を通ってロータコア20の軸方向の中央領域に供給され、該中央領域において冷媒流路穴34に流入してロータコア20の軸方向両側に流れるように構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、回転電機用ロータの冷却構造及びこれを備えた回転電機に係り、特に、シャフトから供給される冷却液によってロータコアを冷却する回転電機用ロータの冷却構造等に関する。
従来、電磁鋼板を積層して構成されるモータのロータを冷却油で冷却することが行われている。例えば特開2006−67777号公報(以下、特許文献1という。)には、ロータコアを構成する複数の電磁鋼板に径方向に延びる切欠を形成し、これらの電磁鋼板を90°ずつ位相をずらして積層することで放射状に延びる冷却油路を構成した回転電機の冷却構造が記載されている。
特開2006−67777号公報
ところで、上記のように回転電機のロータにシャフトから供給される冷却油を通して冷却を行う場合、ロータコアの軸方向の一方側から他方側に冷却油を通して冷却すると、冷却油がロータコア内を軸方向に流れる間に受熱して昇温することによりロータコアの冷却性能が軸方向他端側で低下するという問題が生じる。
また、ロータコアを構成する電磁鋼板の表面は絶縁皮膜で被覆されているため軸方向に伝熱されにくく、そのためロータコアの軸方向中央領域において放熱されにくいために比較的高温になり易い。
そこで、本発明の目的は、ロータコアの軸方向中央領域を効率よく冷却して、ロータコアに対する冷却性能を軸方向に関して一様にできる、回転電機用ロータの冷却構造を提供することである。
本発明に係る一態様の回転電機用ロータの冷却構造は、内部に流れる冷却液を外部に供給する回転可能なシャフトと、前記シャフトに外嵌固定され、前記シャフトから供給される冷却液を回転電機の軸方向に流すための冷媒流路穴を有し、かつ、複数の磁性板材を回転電機の軸方向に積層して構成されるロータコアと、を備え、前記シャフトから流出した冷却液は、前記冷媒流路穴の内径側を通って前記ロータコアの軸方向の中央領域に供給され、該中央領域において前記冷媒流路穴に流入して前記ロータコアの軸方向両側に流れるように構成されている。
本発明に係る回転電機用ロータの冷却構造において、冷却液は、前記ロータコアの軸方向の端面から延びる通路を通って前記ロータコアの中央領域に供給されてもよい。
この場合、前記ロータコアの軸方向の端面に当接してエンドプレートが設けられ、前記エンドプレートの内側に、前記シャフトから供給された冷却液を通路へと流す冷媒供給部が形成されてもよい。
また、本発明に係る回転電機用ロータの冷却構造において、前記ロータコアを構成する磁性板材は、前記ロータコアの軸方向の一方側端部領域を構成する第1磁性板材、前記ロータコアの軸方向の中央部を構成する第2磁性板材、および、前記ロータコアの軸方向の他方側端部領域を構成する第3磁性板材の3種類を含んでもよい。
この場合、前記第1磁性板材は前記冷媒流路穴を形成する第1穴と前記通路を形成する第2穴とを有し、前記第2磁性板材は前記第1穴と前記第2穴と前記第1穴および第2穴を連通させる連通部とを有し、前記第3磁性は前記冷媒流路穴を形成する第1穴と前記第2穴および前記連通部を閉じる閉塞部とを有するものとしてもよい。
本発明に係る別の態様の回転電機用ロータの冷却構造は、内部に流れる冷却液を外部に供給する回転可能なシャフトと、前記シャフトに外嵌固定され、前記シャフトから供給される冷却液を回転電機の軸方向に流すための冷媒流路穴を有し、かつ、複数の磁性板材を回転電機の軸方向に積層して構成されるロータコアと、を備え、前記ロータコアを構成する磁性板材は、前記ロータコアの軸方向の一方側端部を構成する第1磁性板材、前記ロータコアの軸方向の中央部を構成する第2磁性板材、および、前記ロータコアの軸方向の他方側端部を構成する第3磁性板材を含み、前記第1磁性板材は前記冷媒流路穴を形成する第1穴と前記通路を形成する第2穴とを有し、前記第2磁性板材は前記第1穴と前記第2穴と前記第1穴および第2穴を連通させる連通部とを有し、前記第3磁性は前記冷媒流路穴を形成する第1穴と前記第2穴および前記連通部を閉じる閉塞部とを有するものである。
本発明に係る更に別の態様である回転電機は、回転磁界を発生させるステータと、前記ステータにエアギャップを介して対向配置され、上記いずれかの構成の冷却構造を有するロータとを備える。
本発明に係る回転電機用ロータの冷却構造では、シャフトから流出した冷却油をロータコアの冷却液流路穴より内径側を通してロータコアの軸方向中央領域に供給するから、ロータコアにおいて熱伝導されにくく昇温しやすい当該中央領域を効率よく冷却できる。また、上記中央領域から冷媒流路穴に流入した冷却液が軸方向両側へと流れる構成としたので、軸方向に関する偏りなくロータコアを一様に冷却することができる。
本発明の一実施の形態である回転電機の軸方向断面を径方向半分で示す図である。 図1におけるロータコアの軸方向の一方側端部領域を構成する電磁鋼板の径方向半部だけの平面図である。 図1におけるロータコアの軸方向の中央部を構成する電磁鋼板の径方向半部だけの平面図である。 図1におけるロータコアの軸方向の他方側端部領域を構成する電磁鋼板の径方向半部だけの平面図である。
以下に、本発明に係る実施の形態(以下、実施形態という)について添付図面を参照しながら詳細に説明する。この説明において、具体的な形状、材料、数値、方向等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、用途、目的、仕様等にあわせて適宜変更することができる。また、以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの特徴部分を適宜に組み合わせて用いることは当初から想定されている。
図1は、本実施形態のロータ冷却構造を含む回転電機10の軸方向に沿った断面図である。図1に示すように、回転電機10は、ステータ12とロータ14とを備える。ステータ12とロータ14との間には、径方向のギャップ部(エアギャップ)Gが設けられている。
ステータ12は、筒状をなす磁性体からなるステータコア16と、このステータコア16の内周部に突設されて周方向に等間隔で配置された複数のティース部の周囲に巻装されたステータコイル18とから構成される。ステータコア16は、例えば、それぞれ略円環状に打ち抜き加工された多数枚の電磁鋼板を軸方向に積層して、かしめ、溶接、接着等の少なくとも1つにより一体に連結して構成されている。
ステータコイル18は、上記ティース部間に挿入および配置されたスロット内部分(図示せず)と、ステータコア16の軸方向端面から外側へ突出するコイルエンド部18a,18bとを含む。各コイルエンド部18a,18bは、軸方向から見たときに略円環状をなして形成されている。
ステータコア16およびステータコイル18からなるステータ12は、図示しない円筒状のケース内に収容されている。ケースは、後述するシャフトを回転可能に支持するための少なくとも2つの軸受部材が軸方向両側に設けられている。
ステータコア16の内周側に配置されたロータ14は、筒状のロータコア20と、ロータコア20の中心を貫通して軸方向に延伸するシャフト22とを含む。ロータコア20は、シャフト22に外嵌固定されている。
ロータコア20は、例えば、それぞれ略円板状に打ち抜き加工された多数枚の電磁鋼板(磁性板材)を軸方向に積層して、かしめ、溶接、接着等の少なくとも1つにより一体に構成されている。また、ロータコア20は、ステータコア16と略同じ軸方向長さを有しており、軸方向端面同士が略面一に配置されている。
シャフト22は、その両端側において、回転電機10を収容するケースに取り付けた軸受部材によって回転可能に支持されている。図1においてシャフト22(ひいてはロータ14)の回転中心軸Xが一点鎖線で示されている。
シャフト22は、外周面から径方向外側へ突出したフランジ部24を有する。フランジ部24は、ロータコア20の軸方向の一端面に当接して、シャフト22上におけるロータコア20の軸方向位置を決める機能を有する。また、シャフト22上には、固定部材26がロータコア20の軸方向他端面に当接した状態で固定されている。固定部材26は、かしめ等によってシャフト22上に固定される例えば金属製の環状部材であり、これによりシャフト22上におけるロータコア20の軸方向の移動が規制されている。
ロータコア20の中心には、シャフト22が貫通して挿入されるシャフト穴21が形成されている。本実施形態におけるロータコア20は、例えば焼き嵌め又は締り嵌めによってシャフト22に外嵌固定される。この場合、シャフト22に対するロータコア20の周方向位置は、シャフト穴21の周囲縁部がシャフト22の外周面に圧接されることにより決められる。ただし、シャフト穴21の縁部に凸状のキーを形成し、シャフト22の外周面に軸方向へ延伸して形成されたキー溝に嵌合することによって、シャフト22に対するロータコア20の周方向位置を固定してもよい。
ロータコア26において、シャフト22のフランジ部24と反対側の軸方向端面には、エンドプレート27が当接して配置されている。エンドプレート27は、シャフト22に外嵌されている。また、エンドプレート27は、ロータコア20に対向して開口するとともに内側へ窪んだ凹部を有しており、この凹部が後述する冷媒供給部29となっている。
シャフト22上には、固定部材26がエンドプレート27の軸方向外側の端面に当接した状態で固定されている。固定部材26は、かしめ等によってシャフト22上に固定される例えば金属製の環状部材である。これによりシャフト22上におけるロータコア20およびエンドプレート27の軸方向の移動が規制されている。すなわち、固定部材26によってロータコア20およびエンドプレート27がシャフト22に固定されている。
シャフト22内には、冷却液を流すための冷媒流路28が軸方向に貫通して形成されている。この冷却液には例えば冷却油が好適に用いられる。図1において冷却油がATF(Automatic Transmission Fluid)として表示され、冷却油の流れが矢印によって示されている。以下においては、冷却液が冷却油であるものとして説明するが、これに限定されるものではなく、永久磁石を含むロータコア20に対して好適な冷却性能を発揮し得る冷却液であれば他の冷却液が用いられてもよい。
シャフト22内の冷媒流路28は、シャフト22の一端側(図中の左側)において開口しており、この開口部から図示しないオイルポンプおよびオイルクーラ等を介して冷却油が循環して供給されるようになっている。なお、シャフト22内の冷媒流路28は、ロータコア20への冷却油供給だけを目的とするのであれば、シャフト22の他端側まで貫通していなくてもよく、ロータコア20の一方側端面辺りで終端していてもよい。
また、シャフト22には、内部の冷媒流路28に連通して外周面に開口する冷媒供給路30が形成されている。冷媒供給路30は、シャフト22内の冷媒流路28を流れる冷却油を、ロータ14の回転時に作用する遠心力によってシャフト22の外部に供給するための通路である。冷媒供給路30は、シャフト22の周方向に間隔をおいて放射方向に複数形成されることができる。そして、シャフト22の冷媒供給路30は、エンドプレート22内に形成された冷媒供給部29に連通している。
ロータコア20内には、冷媒供給路32が形成されている。冷媒供給路32は、シャフト22から冷媒供給部29を介して供給される冷却油を、ロータコア20の内部に導入するための通路である。また、冷媒供給路32は、内部を流れる冷却油によってロータコア20を冷却する機能も果たす。
冷媒供給路32は、軸方向に延びる軸方向通路部32aと、径方向に延びる径方向通路部32bとを含む。軸方向通路部32aの一端部は、ロータコア20の端面に開口して、エンドプレート27内の冷媒供給部29に連通している。軸方向通路部32aの他端部は、ロータコア20の軸方向の中央領域まで延びている。
ここで、ロータコア20の軸方向に関して、図1中の左側の一方側端部領域を「A」、中央部を「B」、図1中の右側の他方側端部領域を「C」として示す。また、ロータコア20の中央領域とは、上記中央部Bを含んで軸方向両側に少し広い領域をいうものとする。
ロータコア20に形成された冷媒供給路32の軸方向通路部32aは、ロータコア20の一方側端部領域Aの全体に亘って延びている。他方、冷媒供給路32の径方向通路部32bは、ロータコア20の中央部Bにおいて、内径側端部が軸方向通路部32aに連通し、外径側端部が冷媒流路穴34に連通している。
冷媒供給路32の軸方向通路部32aは、シャフト穴21との間に間隔をおいた径方向位置に形成されている。換言すれば、冷媒供給路32の軸方向通路部32aは、シャフト穴21と冷媒流路穴34との間の径方向位置に形成されている。このようにシャフト穴21から離れた位置に冷媒供給路32の軸方向通路部32aを形成することで、シャフト穴21の周囲縁部に冷媒通路となる切欠を形成する必要がない。したがって、ロータコア20が焼き嵌めによってシャフト22に固定されるとき、切欠のない円形のシャフト穴21の周囲縁部によってロータコア20がシャフト22にしっかりと固定され、ロータコア20の固定強度が増す。
ロータコア20には、複数の冷媒流路穴34が周方向に間隔をおいて形成されている。冷媒流路穴34は、ロータコア20を軸方向に貫通する穴として形成されている。上記冷媒供給路32の軸方向通路32bは、冷媒流路穴34の軸方向の中央位置に連通している。これにより、冷媒供給路32から冷媒流路穴34に流れ込んだ冷却油は、軸方向両側に分かれて流れる。そして、冷媒流路穴34を通ってロータコア20の両側端面20a,20bに到達した冷却油は、ロータ14の回転によって作用する遠心力によってロータ径方向外側へと吹き飛ばされるようにして流れ出るようになっている。
なお、ロータコア20の冷媒流路穴34において外径側の内周面上にシール部材を設けてもよい。シール部材は、ロータコア20の冷媒流路穴34を軸方向に流れる冷却油が、ロータコア20の構成する電磁鋼板の間の隙間に進入して又は染み入って径方向外側へと流れ、ロータコア20の外周面とステータコア16の内周面(すなわちティース部の内径側端面)との間のギャップ部Gに流出するのを阻止する機能を有する。これにより、冷却油がロータ14とステータ12との間のギャップ部Gに介在することによって生じる回転電機10の引きずり損失を低減することができる。
続いて、図1に加えて図2ないし4も参照して、ロータコア20の磁極の構成と、冷媒供給路32の構造とについて説明する。図2は、図1におけるロータコア20の軸方向の一方側端部領域Aを構成する電磁鋼板25aの径方向半部だけの平面図である。図3は、図1におけるロータコア20の軸方向の中央部Bを構成する電磁鋼板25bの径方向半部だけの平面図である。図4は、図1におけるロータコア20の軸方向の他方側端部領域Cを構成する電磁鋼板の径方向半部だけの平面図である。
本実施形態の回転電機10のロータ14は、図2に示すように、永久磁石40が埋設されたIPM(Interior Permanent Magnet)型ロータである。具体的には、本実施形態のロータ14は、ロータコア20の外周部に6つの磁極38が周方向に等間隔で配置されており、周方向に隣り合う2つの磁極38でN極およびS極の3磁極対を構成している。ただし、磁極38および磁極対の数は、上記のものに限定されるものではない。
各磁極38には、一対の永久磁石40が埋設されている。永久磁石40は、それぞれ、扁平矩形状の断面を有すると共にロータコア20と略同じ軸方向長さを有する板状のものである。
一対の永久磁石40は、ロータコア20の外径側に向かって略V字状に広がるような姿勢で配置されている。永久磁石40は、ロータコア20に軸方向に延伸形成された磁石挿入穴42内に挿入されて配置されている。
磁石挿入穴42の内径側には、小さな略三角状をなすポケット部42aが磁石挿入部に連通して形成されている。隣接する2つのポケット部42a間には、細幅の磁性体部分であるブリッジ部が残されている。他方、磁石挿入穴42の外径側には、ポケット部42bが磁石挿入部に連通して形成されている。ポケット部42bは、ロータコア20の外周面20cとの間に細い磁性体部分であるブリッジ部を残すように径方向外側へ拡張されている。これらのポケット部42a,42bは、ロータコア20を構成する電磁鋼板より低透磁率の空隙または樹脂等を内包することから、永久磁石40の径方向両端部における磁束の回り込み又は短絡を抑制するフラックスバリアとして機能すると共に、接着性の樹脂が充填されることによって永久磁石40を磁石挿入穴42内に固定する機能を果たす。
本実施形態におけるロータコア20は、図2〜4に示される3種類の電磁鋼板25a,25b,25cによって構成されている。すなわち、ロータコア20の一端側端部領域Aを構成する図2に示される第1電磁鋼板25aと、ロータコア20の中央部Bを構成する図3に示される第2電磁鋼板25bと、ロータコア20の他端側端部領域Cを構成する図4に示される第3電磁鋼板25cである。
図2を参照すると、ロータコア20の一端側端部領域Aを構成する第1電磁鋼板25aには、周方向に隣り合う2つの磁極38の間であって内径側の位置に、略三角状をなす第1穴34が形成されており、この第1穴とシャフト穴21との間に円形の第2穴32aが形成されている。上記第1穴は、多数枚の第1電磁鋼板25aが積層されることによって上記冷媒流路穴34を形成するものである。また、上記第2穴は、多数枚の第1電磁鋼板25aが積層されることによって上記冷媒供給路32の軸方向通路部32aを形成するものである。
図3を参照すると、ロータコア20の中央部Bを構成する第2電磁鋼板25bには、上記第1電磁鋼板25aと同様に冷媒流路穴34を構成する第1穴が形成されるとともに、第1穴と第2穴とを連通させる連通部44が形成されている。この連通部44は、複数枚の第2電磁鋼板25bが積層されることによって上記冷媒供給路32の軸方向通路32bを構成するものである。
図4を参照すると、ロータコア20の他方側端部領域Cを構成する第3電磁鋼板25cは、上記第1および第2電磁鋼板25a,25bと同様に冷媒流路穴34を構成する第1穴が形成されているが、上記のような第2穴および連通部44が形成されていない。換言すれば、第3電磁鋼板25cには、上記第2穴および連通部44を閉じる閉塞部46が形成されている。
上記のような3種類の電磁鋼板25a,25b,25cが積層されてロータコア20を構成すると、上述したような軸方向通路部32aおよび径方向通路部32bからなる冷媒供給路32がロータコア20内に形成されることになる。
なお、ロータコア20の冷媒流路穴34の形状は、上記のような略三角状に限定されるものではなく、磁極38に含まれる永久磁石40の配置等に応じて適宜に設定することができ、例えば略矩形状、円形、楕円等の他の形状としてもよい。
次に、上記構成からなる回転電機10における冷却動作について説明する。
シャフト22の一端部から、オイルポンプにより圧送された冷却油が冷媒流路28に供給される。冷媒流路28に供給された冷却油は、軸方向に流れてシャフト22の冷媒供給路30からエンドプレート27内の冷媒供給部29に流入し、そこからロータコア20の端面20bに開口する冷媒供給路32へと流れ込む。
ロータコア20の冷媒供給路32に流れ込んだ冷却油は、軸方向通路部32aに沿って流れてロータコア20の軸方向の中央領域へ導入される。そして、冷却油は、軸方向通路部32aから径方向通路部32bを経て冷媒流路穴34へと流れる。それから、冷却油は、冷媒流路穴34において軸方向両側に分かれて流れ、ロータコア20の両側端面20a,20bへと至る。
このようにしてロータコア20内を流れる間に冷却油は、ロータコア20において熱伝導されにくく昇温しやすい軸方向の中央領域を効率よく冷却できる。また、ロータコア20の軸方向の中央領域から冷媒流路穴34に流入した冷却油が軸方向両側へと流れる構成としたので、軸方向に関する偏りなくロータコア20を一様に冷却することができる。その結果、変動磁束による渦電流損等によって昇温するロータコア20およびこれに埋設された永久磁石40を効果的に冷却することができ、永久磁石40の減磁を抑制できる。
また、ロータコア20から径方向外側へ流れ出た冷却油は、ステータ12に巻装されたステータコイル18のコイルエンド部18a,18bに掛かってステータコイル18ひいてはステータ12も冷却することができる。
なお、本発明は上述した実施形態およびその変形例に限定されるものではなく、本願の特許請求の範囲に記載される事項の範囲内において種々の変更や改良が可能である。
例えば、上記においてはロータ14の各磁極38に一対の永久磁石40が含まれる例について説明したが、これに限定されるものではなく、各磁極38に1つの永久磁石が含まれてもよいし、3つ以上の永久磁石が含まれてもよい。
また、上記においては回転電機10のロータ14は永久磁石40が埋設されたIPM型ロータであるものと説明したが、これに限定されるものではなく、永久磁石がロータの表面に露出したSPM(Surface Permanent Magnet)型ロータに適用されてもよいし、或いは、永久磁石を含まないロータをシャフトから供給される冷却油によって冷却する場合に適用してもよい。
さらに、上記においてはシャフト22からエンドプレート27内の冷媒供給部29を介してロータコア20に冷却油を供給する例について説明したが、エンドプレートは必須の構成ではなく、他の構成によって冷却油がシャフトからロータコアに導入されてもよい。例えば、シャフトの外周面とロータコアの端面とを例えば金属製のパイプで接続して、冷却油を供給してもよい。
10 回転電機、12 ステータ、14 ロータ、16 ステータコア、18 ステータコイル、18a,18b コイルエンド部、20 ロータコア、20a,20b 軸方向端面、20c 外周面、21 シャフト穴、22 シャフト、24 フランジ部、25a 第1電磁鋼板(第1磁性板材)、25b 第2電磁鋼板(第2磁性板材)、25c 第3電磁鋼板(第3磁性板材)、26 固定部材、27 エンドプレート、28 冷媒流路、29 冷媒供給部、30 シャフトの冷媒供給路、32 ロータコアの冷媒供給路、32a 軸方向通路部、32b 径方向通路部、34 冷媒流路穴、38 磁極、40 永久磁石、42 磁石挿入穴、42a,42b ポケット部、44 連通部、46 閉塞部、G ギャップ部、X 回転中心軸。

Claims (7)

  1. 回転電機用ロータの冷却構造であって、
    内部に流れる冷却液を外部に供給する回転可能なシャフトと、
    前記シャフトに外嵌固定され、前記シャフトから供給される冷却液を回転電機の軸方向に流すための冷媒流路穴を有し、かつ、複数の磁性板材を回転電機の軸方向に積層して構成されるロータコアと、を備え、
    前記シャフトから流出した冷却液は、前記冷媒流路穴の内径側を通って前記ロータコアの軸方向の中央領域に供給され、該中央領域において前記冷媒流路穴に流入して前記ロータコアの軸方向両側に流れるように構成される、
    回転電機用ロータの冷却構造。
  2. 請求項1に記載の回転電機用ロータの冷却構造において、
    冷却液は、前記ロータコアの軸方向の端面から延びる通路を通って前記ロータコアの中央領域に供給される、回転電機用ロータの冷却構造。
  3. 請求項2に記載の回転電機用ロータの冷却構造において、
    前記ロータコアの軸方向の端面に当接してエンドプレートが設けられ、前記エンドプレートの内側に、前記シャフトから供給された冷却液を通路へと流す冷媒供給部が形成されている、回転電機用ロータの冷却構造。
  4. 請求項2または3に記載の回転電機用ロータの冷却構造において、
    前記ロータコアを構成する磁性板材は、前記ロータコアの軸方向の一方側端部領域を構成する第1磁性板材、前記ロータコアの軸方向の中央部を構成する第2磁性板材、および、前記ロータコアの軸方向の他方側端部領域を構成する第3磁性板材の3種類を含む、回転電機用ロータの冷却構造。
  5. 請求項4に記載の回転電機用ロータの冷却構造において、
    前記第1磁性板材は前記冷媒流路穴を形成する第1穴と前記通路を形成する第2穴とを有し、前記第2磁性板材は前記第1穴と前記第2穴と前記第1穴および第2穴を連通させる連通部とを有し、前記第3磁性は前記冷媒流路穴を形成する第1穴と前記第2穴および前記連通部を閉じる閉塞部とを有する、回転電機用ロータの冷却構造。
  6. 回転電機用ロータの冷却構造であって、
    内部に流れる冷却液を外部に供給する回転可能なシャフトと、
    前記シャフトに外嵌固定され、前記シャフトから供給される冷却液を回転電機の軸方向に流すための冷媒流路穴を有し、かつ、複数の磁性板材を回転電機の軸方向に積層して構成されるロータコアと、を備え、
    前記ロータコアを構成する磁性板材は、前記ロータコアの軸方向の一方側端部を構成する第1磁性板材、前記ロータコアの軸方向の中央部を構成する第2磁性板材、および、前記ロータコアの軸方向の他方側端部を構成する第3磁性板材を含み、
    前記第1磁性板材は前記冷媒流路穴を形成する第1穴と前記通路を形成する第2穴とを有し、前記第2磁性板材は前記第1穴と前記第2穴と前記第1穴および第2穴を連通させる連通部とを有し、前記第3磁性は前記冷媒流路穴を形成する第1穴と前記第2穴および前記連通部を閉じる閉塞部とを有する、
    回転電機用ロータの冷却構造。
  7. 回転磁界を発生させるステータと、
    前記ステータにエアギャップを介して対向配置され、請求項1ないし6のいずれか一項に記載の冷却構造を有するロータと、を備える、
    回転電機。
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