JP2024087743A - 耐火構造 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、鋼材を取り囲むように木質材が配設される耐火構造に関する。
鋼材の耐火被覆として、鋼材を取り囲むように木質材が配設される構成においては、一般的には木質材自体で燃え止まりを実現させることは特殊な条件下を除いて困難である。そのため、耐火被覆材などの燃え止まり層を設置することが多い。例えば特許文献1には、鋼材を損傷抑制材で被覆するとともに該損傷抑制材を一対の半割木質材で被覆することが開示されている。また、特許文献2には、平板と該平板の接合部分を閉塞する閉塞部材とで構成された木製被覆材で鉄骨柱を覆うことが開示されている。
しかしながら、特許文献1においては、半割木質材の燃焼熱が損傷抑制材を通じて鋼材へと直接的に伝達されてしまう。また、特許文献2においては、上述したように木質材自体での燃え止まりの実現が困難であることから、準耐火構造を実現することができるものの、耐火構造を実現することが困難である。
上記課題を解決する耐火構造は、鋼材と、前記鋼材を囲繞する空気層と、前記空気層を囲繞する木質耐火被覆材と、を有する。前記木質耐火被覆材は、3つ以上の火炎侵入防止隅部と、前記木質耐火被覆材の前記空気層側に面して設けられ、隣り合う前記火炎侵入防止隅部を接続する耐火材と、を有する。
上記課題を解決する耐火構造の施工方法は、鋼材と、前記鋼材を囲繞する空気層と、前記空気層を囲繞する木質耐火被覆材と、を有する耐火構造の施工方法であって、前記木質耐火被覆材は、3つ以上の木質板部と、隣り合う前記木質板部の接合部に設けられる火炎侵入防止隅部と、前記木質耐火被覆材の前記空気層側に面して設けられ、隣り合う前記火炎侵入防止隅部を接続する耐火材と、を有し、製作設備において、前記木質板部と前記火炎侵入防止隅部とを接合して、隅部付き木質板部セットを製作する製作ステップと、施工現場において、前記鋼材を建方する建方ステップと、前記鋼材を前記隅部付き木質板部セットで囲繞する囲繞ステップと、を有する。これらの構成によれば、高い耐火性の耐火構造を実現することができる。
上記構成の耐火構造において、前記木質板部は、前記接合部において連続し、前記火炎侵入防止隅部は、前記木質板部の隅部の内面に面して設けられていてもよい。
上記構成によれば、火炎侵入防止隅部が木質板部によって覆い隠されるため、耐火構造の美観性を高めることができる。
上記構成によれば、火炎侵入防止隅部が木質板部によって覆い隠されるため、耐火構造の美観性を高めることができる。
上記構成の耐火構造において、前記木質板部は、前記接合部において不連続であり、前記火炎侵入防止隅部は、隣り合う前記木質板部を接続し、外周の外面に露出していてもよい。
上記構成によれば、火災発生時に熱影響を受けやすい木質耐火被覆材の外周隅部が火炎侵入防止隅部によって構成されるため、木質耐火被覆材の耐火性、ひいては耐火構造の耐火性を向上させることができる。
上記課題を解決する耐火構造は、鋼材と、前記鋼材を囲繞する空気層と、前記空気層を囲繞する木質耐火被覆材と、を有する耐火構造であって、前記木質耐火被覆材は、3つ以上の木質板部と、隣り合う前記木質板部の接合部に設けられる火炎侵入防止隅部と、前記木質耐火被覆材の前記空気層側に面して設けられる耐火材と、を有し、前記火炎侵入防止隅部は、隣り合う前記耐火材の接合部を押圧して閉塞している。この構成によれば、耐火構造の耐火性および施工性を向上させることができる。
上記構成の耐火構造は、前記耐火材を貫通し、前記火炎侵入防止隅部と前記木質板部を固定する固定材を有していてもよい。この構成によれば、木質板部、耐火材、および、火炎侵入防止隅部を強固に密着させることができる。
上記構成の耐火構造は、前記空気層を貫通し、一端が前記鋼材に接続され、他端が前記木質耐火被覆材に埋設され、前記木質耐火被覆材の熱を前記鋼材に熱伝達する熱伝達材を有していてもよい。この構成によれば、鋼材と木質耐火被覆材とが熱伝達材によって取り付けられるため、耐火構造の施工性をより向上させることができる。
上記構成の耐火構造において、前記鋼材は、前記熱伝達材のみで前記耐火材と接続されていてもよい。この構成によれば、鋼材に対する熱伝達が熱伝達材に限定されるため、鋼材への過度な熱伝達を抑制することができる。
上記構成の耐火構造において、前記熱伝達材は、前記鋼材に対して前記耐火材のみを接続していることが好ましい。この構成によれば、燃焼した木質板部が耐火材から剥がれ落ちやすくなるため、木質板部の燃焼熱による耐火材や鋼材の温度上昇を抑えることができる。
上記構成の耐火構造は、前記熱伝達材の他端の小口に埋木を有し、前記埋木は、前記木質耐火被覆材の一部として機能することが好ましい。この構成によれば、小口に埋木が配設されることによって、その小口付近における耐火性の低下を抑えることができる。
上記構成の耐火構造において、前記鋼材は鋼管材であり、前記鋼管材の内側にコンクリート材を有し、前記鋼管材と前記コンクリート材で鋼管コンクリート構造が形成されていてもよい。この構成によれば、鋼材が受けた熱の一部をコンクリート材に伝熱することができる。これにより、鋼材の耐火性、ひいては耐火構造の耐火性を向上させることができる。
上記構成の耐火構造の施工方法において、前記隅部付き木質板部セットは、前記木質板部の幅方向の一端の小口面から、前記木質板部の厚さの分だけ前記幅方向に離間した位置に前記火炎侵入防止隅部が接合され、第1の前記隅部付き木質板部セットの前記火炎侵入防止隅部をガイドにして、第2の前記隅部付き木質板部セットが前記第1の隅部付き木質板部セットと直交するように接合されることが好ましい。この構成によれば、火炎侵入防止隅部をガイドとして機能させることができるため、木質板部セットの配置を容易に行うことができる。
上記構成の耐火構造の施工方法では、前記製作ステップにおいて、前記第1の隅部付き木質板部セットと前記第2の隅部付き木質板部セットとを接合したL型セットを製作し、前記囲繞ステップにおいて、前記鋼材を囲繞するように第1の前記L型セットと第2の前記L型セットとを接合してもよい。この構成によれば、火炎侵入防止隅部をガイドとしてL型セットの製作およびL型セット同士の接合を行うことができる。
上記構成の耐火構造の施工方法では、前記囲繞ステップにおいて、前記第1の隅部付き木質板部セットに前記第2の隅部付き木質板部セットを接合し、前記第2の隅部付き木質板部セットに第3の前記隅部付き木質板部セットを接合し、前記第1の隅部付き木質板部セットおよび前記第3の隅部付き木質板部セットに第4の前記隅部付き木質板部セットを接合してもよい。この構成によれば、火炎侵入防止隅部をガイドとして隅部付き木質板部セットを順番に接合することができる。
(第1実施形態)
図1~図4を参照して、耐火構造および耐火構造の施工方法の第1実施形態について説明する。
図1~図4を参照して、耐火構造および耐火構造の施工方法の第1実施形態について説明する。
図1に示すように、耐火構造10は、多角柱形状(本実施形態では四角柱形状)の外見を有して紙面直交方向を長さ方向として延びる柱や梁である。耐火構造10は、鋼材11、木質耐火被覆材12を備える。
鋼材11は、例えば断面矩形状を有する鋼管材である。鋼材11の各側面部には、木質耐火被覆材12が取り付けられる取付部材13が接続されている。取付部材13は、鋼材11と木質耐火被覆材12との間に、鋼材11を囲繞する空気層14を形成する。取付部材13は、例えば紙面直交方向に延びるアングル材である。取付部材13は、例えば溶接などの接合法によって鋼材11に接続される。耐火構造10は、木質耐火被覆材12と取付部材13との間に、鋼材11および木質耐火被覆材12における製造誤差や製作誤差を吸収できる僅かな隙間が形成されるように設計される。
なお、鋼材11が鋼管材である場合、鋼材11の内側にコンクリート材が形成されることにより、鋼管コンクリート構造が構成されてもよい。また、鋼材11は、鉄鋼製であればよく、耐火構造10が梁として用いられる場合などにはH鋼などであってもよい。
木質耐火被覆材12は、鋼材11を内包する中空四角柱形状に形成されている。木質耐火被覆材12は、空気層14を介して鋼材11を囲繞するように、すなわち空気層14を囲繞するように設けられている。
木質耐火被覆材12は、木質板部21、火炎侵入防止隅部22、耐火材23を有する。
木質板部21は、木質耐火被覆材12の各側面部を構成する仕上げ材である。木質板部21は、紙面直交方向を長さ方向とする板材である。木質板部21は、例えばCLT(Cross Laminated Timber)材で形成される。木質板部21は、外周が連続するように設けられている。各木質板部21は、隣り合う木質板部21とによって、中空四角柱形状をなす木質耐火被覆材12の各隅部を形成している。なお、木質板部21は、CLT材のほか、集成材、製材、合板などであってもよい。木質板部21は、耐火被覆材であるため、構造性能を確保する必要がない。このことから、JAS(Japanese Agricultural Standard)認定材以外の材料、例えば2ply以下のCLT材も利用可能である。その結果、製作コストの抑制と木材利用の促進とを図ることができる。
木質板部21は、木質耐火被覆材12の各側面部を構成する仕上げ材である。木質板部21は、紙面直交方向を長さ方向とする板材である。木質板部21は、例えばCLT(Cross Laminated Timber)材で形成される。木質板部21は、外周が連続するように設けられている。各木質板部21は、隣り合う木質板部21とによって、中空四角柱形状をなす木質耐火被覆材12の各隅部を形成している。なお、木質板部21は、CLT材のほか、集成材、製材、合板などであってもよい。木質板部21は、耐火被覆材であるため、構造性能を確保する必要がない。このことから、JAS(Japanese Agricultural Standard)認定材以外の材料、例えば2ply以下のCLT材も利用可能である。その結果、製作コストの抑制と木材利用の促進とを図ることができる。
木質板部21は、取付材25によって取付部材13に取り付けられる。取付材25は、例えばビスである。取付材25は、木質板部21に形成された取付用小口26に挿入されたのち、木質板部21、耐火材23、および、空気層14を貫通するように取付部材13に連結される。取付部材13と取付材25は、一端が鋼材11に接続され、他端が木質耐火被覆材12に埋設され、木質耐火被覆材12の熱を鋼材11に熱伝達する熱伝達材を構成する。鋼材11と耐火材23は、熱伝達材のみで接続されている。木質板部21の取付後、取付用小口26には、取付材25を覆い隠すように埋木27が配設される。この埋木27は、木質耐火被覆材12の一部として機能する。
火炎侵入防止隅部22は、隣り合う木質板部21によって形成される内側隅部の各々に設けられている。火炎侵入防止隅部22は、各内側隅部に沿うように紙面直交方向に延びている。火炎侵入防止隅部22は、例えば高熱容量材(鋼管やアングル材などの鉄材、モルタルバーなど)や不燃材(ケイ酸カルシウム材)、比重の大きい木質など、木質板部21よりも燃えにくい材料で形成されている。本実施形態において、火炎侵入防止隅部22は、アングル材である。
火炎侵入防止隅部22は、隣り合う木質板部21の一方に対して隅部接合材28によって接合され、他方に対して隅部接合材29によって接合されている。隅部接合材28,29は、例えばビスである。隅部接合材29は、隣り合う木質板部21の他方に形成された隅部接合用小口30に挿入されたのち、木質板部21を貫通するようにして火炎侵入防止隅部22に接合される。隅部接合材29による接合後、隅部接合用小口30には、隅部接合材29を覆い隠すように埋木31が配設される。この埋木31は、木質耐火被覆材12の一部として機能する。
耐火材23は、空気層14に面するように木質板部21の内面に設けられている。耐火材23は、隣り合う火炎侵入防止隅部22を接続するように設けられている。すなわち、耐火材23は、隣り合う耐火材23に対して不連続に設けられている。耐火材23は、例えば石膏ボード、強化石膏ボード、耐火塗料、耐火吹付材などで構成される。耐火材23が石膏ボードや強化石膏ボードである場合、耐火材23は、図示されないビスなどにより木質板部21に連結されてもよいし、接着剤によって接着されてもよい。接着剤で耐火材23が木質板部21に接着されることにより、燃焼中の木質板部21が耐火材23から剥がれ落ちやすくなる。これにより、木質板部21から耐火材23への熱影響を抑えることができる。
(耐火構造の施工方法)
耐火構造10の施工方法の一例について説明する。耐火構造10の施工方法は、製作ステップ、建方ステップ、囲繞ステップを有する。
耐火構造10の施工方法の一例について説明する。耐火構造10の施工方法は、製作ステップ、建方ステップ、囲繞ステップを有する。
製作ステップは、施工現場や施工現場外の製作設備に木質耐火被覆材12の構成部材が搬入され、木質板部21に対して火炎侵入防止隅部22や耐火材23を接合することで木質板部セットを製作する工程である。
具体的には、図2に示すように、木質板部21のうち、向かい合うように配置される一対の木質板部21Aに耐火材23および一対の火炎侵入防止隅部22を接合することにより、隅部付き木質板部セット35Aを製作する。火炎侵入防止隅部22は、木質板部21Aの幅方向(図2の紙面上下方向)における各端部の小口面から木質板部21B(図3参照)の厚さの分だけ離間した位置に隅部接合材28によって接合される。
また、図3に示すように、木質板部21のうち、向かい合うように配置される一対の木質板部21Bに耐火材23を接合することにより、隅部無し木質板部セット35Bを製作する。
なお、製作工程においては、中空四角柱が形成されるように木質板部セット35A,35Bを配置して各所の寸法値などを測定することにより、木質板部セット35A,35Bの検品を行うことが可能である。
建方ステップは、鋼材11が所定の位置に設置される工程である。取付部材13は、設置後に鋼材11に対して接続されてもよいし、設置前の鋼材11に対して接続されてもよい。また、建方ステップは、製作工程に先行して行われてもよい。
囲繞ステップは、設置後の鋼材11を木質板部セット35A,35Bで囲繞する工程である。まず、図2に示すように、取付材25によって取付部材13に木質板部21Aが取り付け可能となる位置に隅部付き木質板部セット35Aを配置する。配置後、隅部付き木質板部セット35Aは、取付材25によって木質板部21Aが取付部材13に仮止めされてもよい。
次に、図3に示すように、取付材25によって取付部材13に木質板部21Bが取り付け可能となる位置に隅部無し木質板部セット35Bを配置する。具体的には、隅部無し木質板部セット35Bは、一対の木質板部21Aの間に向かって外側から木質板部21Bを嵌め込んだのち、一対の火炎侵入防止隅部22によって鋼材11側へ移動が規制されることにより配置される。すなわち、隅部無し木質板部セット35Bは、一対の火炎侵入防止隅部22をガイドとして配置される。配置後、隅部無し木質板部セット35Bは、取付材25によって木質板部21Bが取付部材13に仮止めされてもよい。
隅部無し木質板部セット35Bの配置後、取付材25で各木質板部21A,21Bを取付部材13に取り付ける。また、木質板部21Bに対し、隅部接合材29で火炎侵入防止隅部22を接合する。その後、各木質板部21A,21Bの取付用小口26に埋木27を配設するとともに各木質板部21Bの隅部接合用小口30に埋木31を配設する。
(作用)
図4に示すように、火災が発生したとき、耐火構造10は、木質耐火被覆材12における外周隅部が熱影響を受けやすい。特に、木質板部21の隙間部分が熱影響を受けやすい。勝っている側の木質板部21が反ることで負けている側との間に隙間ができると、隙間部分が燃焼し、木質板部21よりも燃えにくい火炎侵入防止隅部22が露出する。このとき、熱影響を受けた火炎侵入防止隅部22の温度が上昇しても、鋼材11との間に断熱層である空気層14があるため、火炎侵入防止隅部22から鋼材11への直接的な熱伝導が行われない。また、木質板部21よりも空気層14の温度が低いため、火炎侵入防止隅部22の温度上昇も抑制される。
図4に示すように、火災が発生したとき、耐火構造10は、木質耐火被覆材12における外周隅部が熱影響を受けやすい。特に、木質板部21の隙間部分が熱影響を受けやすい。勝っている側の木質板部21が反ることで負けている側との間に隙間ができると、隙間部分が燃焼し、木質板部21よりも燃えにくい火炎侵入防止隅部22が露出する。このとき、熱影響を受けた火炎侵入防止隅部22の温度が上昇しても、鋼材11との間に断熱層である空気層14があるため、火炎侵入防止隅部22から鋼材11への直接的な熱伝導が行われない。また、木質板部21よりも空気層14の温度が低いため、火炎侵入防止隅部22の温度上昇も抑制される。
第1実施形態の効果について説明する。
(1-1)耐火構造10においては、仕上げ材である木質板部21の隙間部分が熱分解しても木質耐火被覆材12の内側への火炎の侵入を火炎侵入防止隅部22で抑制することができる。また、火炎侵入防止隅部22が木質板部21よりも燃えにくい材料であることから、木質板部21の隙間部分からの延焼を火炎侵入防止隅部22で抑制することができる。すなわち、火炎侵入防止隅部22を耐火構造10における耐火材の一種として機能させることができる。その結果、耐火構造10の耐火性を向上させることができる。
(1-1)耐火構造10においては、仕上げ材である木質板部21の隙間部分が熱分解しても木質耐火被覆材12の内側への火炎の侵入を火炎侵入防止隅部22で抑制することができる。また、火炎侵入防止隅部22が木質板部21よりも燃えにくい材料であることから、木質板部21の隙間部分からの延焼を火炎侵入防止隅部22で抑制することができる。すなわち、火炎侵入防止隅部22を耐火構造10における耐火材の一種として機能させることができる。その結果、耐火構造10の耐火性を向上させることができる。
(1-2)空気層14を設けることによって、その空気層14に取付部材13を配設することができる。これにより、木質耐火被覆材12の組立てを施工現場で行うことが可能であることから、耐火構造10の施工性を向上させることができる。
また、空気層14によって、木質耐火被覆材12から鋼材11への直接的な伝熱が抑制されることで、鋼材11の耐火性を向上させることができる。すなわち、木質板部21、火炎侵入防止隅部22、耐火材23、および、空気層14の組合せによって耐火構造10全体としての耐火性を効果的に向上させることができる。そのうえ、木質板部21の厚さや火炎侵入防止隅部22の形状、耐火材23の厚さ、空気層14の厚さなどについての自由度も高いため、1時間耐火や2時間耐火など、所望の耐火構造を得るのも容易である。
(1-3)耐火構造10の外周面が、連続する木質板部21によって構成されている。これにより、火炎侵入防止隅部22が木質板部21によって覆い隠されるため、耐火構造10の美観性を高めることができる。
(1-4)鋼材11と木質耐火被覆材12は、取付材25および取付部材13によって構成される熱伝達材で接続されている。この熱伝達材を介して木質板部21から鋼材11へと熱が伝わるため、木質板部21による耐火性能を高めることができる。また、鋼材11と耐火材23とが熱伝達材のみで接続されているため、木質耐火被覆材12から鋼材11への過度な熱伝達を抑制することができる。
(1-5)木質耐火被覆材12は、熱伝達材の他端側、すなわち取付材25の基端側において、木質板部21に形成された取付用小口26に埋木27を有する。これにより、取付用小口26の形成部分における耐火性の低下を抑えることができる。また、耐火構造10の美観性を向上させることもできる。
(1-6)隅部無し木質板部セット35Bを配置する際、隅部付き木質板部セット35Aの火炎侵入防止隅部22がガイドとして機能する。これにより、隅部無し木質板部セット35Bの配置を容易に行うことができる。
(1-7)鋼材11の内側にコンクリート材が形成されることにより、鋼材11が受けた熱の一部をコンクリート材へと伝えることができる。その結果、熱影響による鋼材11の耐力低下を抑制することができる。
(第2実施形態)
図5~図8を参照して、耐火構造および耐火構造の施工方法の第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態の耐火構造および耐火構造の施工方法は、第1実施形態における耐火構造および耐火構造の施工方法と主要な構成が同じである。そのため、第2実施形態においては、第1実施形態と異なる部分について詳細に説明し、第1実施形態と同様の部分については同様の符号を付すことによりその詳細な説明は省略する。
図5~図8を参照して、耐火構造および耐火構造の施工方法の第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態の耐火構造および耐火構造の施工方法は、第1実施形態における耐火構造および耐火構造の施工方法と主要な構成が同じである。そのため、第2実施形態においては、第1実施形態と異なる部分について詳細に説明し、第1実施形態と同様の部分については同様の符号を付すことによりその詳細な説明は省略する。
耐火構造40において、各木質板部21は、空気層14側に配置される面を上面とするとき、その右端部において、隅部接合材28によって火炎侵入防止隅部22が接合されているとともに隣り合う木質板部21に対して板部接合材41で接合されている。板部接合材41は、例えばビスである。板部接合材41は、木質板部21に形成された板部接合用小口42に挿入されたのち、当該木質板部21を貫通するように打ち込まれる。木質板部21の接合後、板部接合用小口42には、板部接合材41を覆い隠すように埋木43が配設される。この埋木43は、木質耐火被覆材12の一部として機能する。また、耐火材23は、隣り合う火炎侵入防止隅部22を接続するように設けられている。
(耐火構造の施工方法)
耐火構造40の施工方法の一例について説明する。
図6に示すように、耐火構造40についての製作ステップでは、各木質板部21に対して火炎侵入防止隅部22および耐火材23を接合することで隅部付き木質板部セット44を製作する。火炎侵入防止隅部22は、木質板部21に対し、木質板部21の幅方向(図6の紙面左右方向)における一端の小口面21aから木質板部21の厚さの分だけ離間した位置に隅部接合材28によって接合される。
耐火構造40の施工方法の一例について説明する。
図6に示すように、耐火構造40についての製作ステップでは、各木質板部21に対して火炎侵入防止隅部22および耐火材23を接合することで隅部付き木質板部セット44を製作する。火炎侵入防止隅部22は、木質板部21に対し、木質板部21の幅方向(図6の紙面左右方向)における一端の小口面21aから木質板部21の厚さの分だけ離間した位置に隅部接合材28によって接合される。
図7に示すように、隅部付き木質板部セット44の製作後、一対の隅部付き木質板部セット44を接合したL型セット45を製作する。具体的には、L字のように木質板部21C,21Dを配置したのち、これら木質板部21C,21Dを板部接合材41で接合するとともに、木質板部21Dに対して木質板部21Cの火炎侵入防止隅部22を隅部接合材29で接合する。また、木質板部21C,21Dの接合後、板部接合用小口42に埋木43を配設する。なお、製作工程においては、中空四角柱が形成されるように2つのL型セット45を配置して各所の寸法値を測定することにより、L型セット45の検品を行うことが可能である。
囲繞ステップでは、2つのL型セット45で鋼材11を囲繞する。
具体的には、図8に示すように、まず、取付材25によって取付部材13に木質板部21C,21Dが取り付け可能となる位置に第1L型セット45Aを配置する。配置後、第1L型セット45Aは、取付材25によって木質板部21C,21Dが取付部材13に仮止めされてもよい。
具体的には、図8に示すように、まず、取付材25によって取付部材13に木質板部21C,21Dが取り付け可能となる位置に第1L型セット45Aを配置する。配置後、第1L型セット45Aは、取付材25によって木質板部21C,21Dが取付部材13に仮止めされてもよい。
次に、図中に矢印で示すように、取付材25によって取付部材13に木質板部21C,21Dが取り付け可能となる位置に第2L型セット45Bを配置する。この際、第2L型セット45Bは、自身の火炎侵入防止隅部22の外側に第1L型セット45Aの木質板部21Cが嵌め込まれるように、また、第1L型セット45Aの火炎侵入防止隅部22の外側に自身の木質板部21Cが嵌め込まれるように配置される。すなわち、第2L型セット45Bは、自身の火炎侵入防止隅部22および第1L型セット45Aの火炎侵入防止隅部22をガイドとして配置される。配置後、第2L型セット45Bは、取付材25によって木質板部21C,21Dが取付部材13に仮止めされてもよい。
そして、第1L型セット45Aおよび第2L型セット45Bの配置後、第1L型セット45Aおよび第2L型セット45Bの各々について、他方の木質板部21Cに対して木質板部21Dを板部接合材41で接合するとともに、他方の木質板部21Dに対して火炎侵入防止隅部22を隅部接合材29で接合する。その後、各木質板部21C,21Dの取付用小口26に埋木27を配設するとともに各木質板部21Cの隅部接合用小口30に埋木31を配設する。
第2実施形態によれば、第1実施形態に記載した(1-1)~(1-7)の効果に準ずる効果に加えて、以下に記載する効果を得ることができる。
(2-1)隣り合う木質板部21が板部接合材41によって接合されているため、その隙間部分において木質板部21をより強固に密着させることができる。
(2-1)隣り合う木質板部21が板部接合材41によって接合されているため、その隙間部分において木質板部21をより強固に密着させることができる。
(2-2)製作ステップにおいて製作されるL型セット45が自立可能であるため、検品作業を容易に行うことができる。また、耐火構造40が柱である場合には、囲繞ステップにおける作業負荷を軽減することができる。
(第3実施形態)
図9を参照して、耐火構造および耐火構造の施工方法の第3実施形態について説明する。なお、第3実施形態の耐火構造および耐火構造の施工方法は、第1実施形態における耐火構造および耐火構造の施工方法と主要な構成が同じである。そのため、第3実施形態においては、第1実施形態と異なる部分について詳細に説明し、第1実施形態と同様の部分については同様の符号を付すことによりその詳細な説明は省略する。
図9を参照して、耐火構造および耐火構造の施工方法の第3実施形態について説明する。なお、第3実施形態の耐火構造および耐火構造の施工方法は、第1実施形態における耐火構造および耐火構造の施工方法と主要な構成が同じである。そのため、第3実施形態においては、第1実施形態と異なる部分について詳細に説明し、第1実施形態と同様の部分については同様の符号を付すことによりその詳細な説明は省略する。
図9に示すように、耐火構造50において、木質耐火被覆材12の各外周隅部は、火炎侵入防止隅部22によって形成されている。木質板部21は、隣り合う火炎侵入防止隅部22を接続するように設けられている。すなわち、木質板部21は、火炎侵入防止隅部22によって木質耐火被覆材12の外周隅部において不連続となっている。また、火炎侵入防止隅部22は、木質耐火被覆材12の外周の外面に露出している。火炎侵入防止隅部22は、木質板部21の端面と空気層14側の面の端部とを覆う形状に形成されている。耐火材23は、隣り合う火炎侵入防止隅部22を接続するように設けられている。
木質板部21と火炎侵入防止隅部22は、接合材51によって接合されている。接合材51は、例えばビスである。接合材51は、火炎侵入防止隅部22に形成された接合用小口52に挿入されたのち、木質板部21の端面を貫通するように打ち込まれる。木質板部21と火炎侵入防止隅部22との接合後、接合用小口52には、接合材51を覆い隠すように埋木53が配設される。埋木53は、木質耐火被覆材12の一部として機能する。
なお、耐火構造50の施工方法は、製作ステップにおいて木質板部21の一端に火炎侵入防止隅部22を接合した隅部付き木質板部セットを製作し、囲繞ステップにおいて鋼材11を囲繞するように隅部付き木質板部セットを配置してもよい。また、製作ステップにおいて隅部付き木質板部セットを接合したL型セットを製作し、囲繞ステップにおいて鋼材11を囲繞するように2つのL型セットを配置してもよい。
第3実施形態によれば、第1実施形態に記載した(1-1)~(1-7)の効果に準ずる効果に加えて、以下に記載する作用および効果を得ることができる。
(3-1)耐火構造50においては、熱影響を受けやすい木質耐火被覆材12の外周隅部が木質板部21よりも燃えにくい火炎侵入防止隅部22によって構成されている。そのため、木質耐火被覆材12の耐火性、ひいては耐火構造50の耐火性を向上させることができる。
(3-1)耐火構造50においては、熱影響を受けやすい木質耐火被覆材12の外周隅部が木質板部21よりも燃えにくい火炎侵入防止隅部22によって構成されている。そのため、木質耐火被覆材12の耐火性、ひいては耐火構造50の耐火性を向上させることができる。
(3-2)木質板部21の端面と火炎侵入防止隅部22との隙間部分、木質板部21の空気層14側の面と火炎侵入防止隅部22との隙間部分、および、火炎侵入防止隅部22と耐火材23との隙間部分、これらがこの順に熱分解してから木質耐火被覆材12の内側に火炎が侵入する。これにより、木質耐火被覆材12の内側への火炎の侵入をより抑制することができる。
(第4実施形態)
図10を参照して、耐火構造および耐火構造の施工方法の第4実施形態について説明する。なお、第4実施形態の耐火構造および耐火構造の施工方法は、第2実施形態における耐火構造および耐火構造の施工方法と主要な構成が同じである。そのため、第4実施形態においては、第2実施形態と異なる部分について詳細に説明し、第2実施形態と同様の部分については同様の符号を付すことによりその詳細な説明は省略する。
図10を参照して、耐火構造および耐火構造の施工方法の第4実施形態について説明する。なお、第4実施形態の耐火構造および耐火構造の施工方法は、第2実施形態における耐火構造および耐火構造の施工方法と主要な構成が同じである。そのため、第4実施形態においては、第2実施形態と異なる部分について詳細に説明し、第2実施形態と同様の部分については同様の符号を付すことによりその詳細な説明は省略する。
図10(a)および図10(b)に示すように、耐火構造60において、耐火材23は、隣り合う木質板部21によって形成される内側隅部において連続するように設けられている。火炎侵入防止隅部22は、耐火材23の接合部、すなわち隣り合う耐火材23の隙間部分を閉塞するように設けられている。
耐火材23および火炎侵入防止隅部22は、各木質板部21において空気層14側に配置される面を上面とするとき、その右端部に対して第一固定材としての接合材62によって接合される。接合材62は、例えばビスである。接合材62は、耐火材23および火炎侵入防止隅部22を貫通するように木質板部21に打ち込まれる。各木質板部21は、耐火材23および火炎侵入防止隅部22が接合された状態で取付部材13に取り付けられる。
また、耐火材23および火炎侵入防止隅部22は、各木質板部21において空気層14側に配置される面を上面とするとき、その左端部に対して第二固定材としての固定材63によって固定される。固定材63は、例えばビスである。固定材63による木質板部21への耐火材23および火炎侵入防止隅部22は、取付部材13への木質板部21の取付後に行われる。固定材63は、木質板部21に形成された固定用小口64に挿入されたのち、木質板部21および耐火材23を貫通するように火炎侵入防止隅部22に打ち込まれる。これにより、火炎侵入防止隅部22は、隣り合う耐火材23の接合部を押圧するように、また、隣り合う耐火材23の接合部を閉塞するように設けられる。固定材63による固定後、固定用小口64には、固定材63を覆い隠すように埋木65が配設される。埋木65は、木質耐火被覆材12の一部として機能する。
第4実施形態によれば、第1実施形態に記載した(1-1)~(1-6)および第2実施形態に記載した(2-1)の効果に準ずる効果に加えて、以下に記載する作用および効果を得ることができる。
(4-1)木質板部21の隙間部分が燃焼すると耐火材23が露出する。その後、耐火材23の接合部が熱分解しても火炎侵入防止隅部22が露出する。これにより、木質耐火被覆材12の内側への火炎の侵入を抑制することができる。
(4-2)火炎侵入防止隅部22は、木質板部21と耐火材23とに接合されている。これにより、木質板部21が燃え落ちてしまったとしても火炎侵入防止隅部22の位置が保持される。その結果、耐火材23の隙間部分を通じた木質耐火被覆材12の内側への火炎の侵入を効果的に抑制することができる。
以上、耐火構造および耐火構造の施工方法の第1~第4実施形態について説明したが、本発明は上記の第1~第4実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、第1~第4実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・耐火構造10,40,50,60は、壁に適用されてもよい。
・各小口26,30,42,52,64は、埋木27,31,43,53,65に代えて、耐火充填材などが充填されてもよいし、モルタルなどの高熱容量材が充填されてもよい。また、取付材25、隅部接合材29、板部接合材41、接合材51、および、固定材63は、木質耐火被覆材12の外周面から直接打ち込まれてもよい。
・各小口26,30,42,52,64は、埋木27,31,43,53,65に代えて、耐火充填材などが充填されてもよいし、モルタルなどの高熱容量材が充填されてもよい。また、取付材25、隅部接合材29、板部接合材41、接合材51、および、固定材63は、木質耐火被覆材12の外周面から直接打ち込まれてもよい。
・火炎侵入防止隅部22は、各耐火構造10,40,50,60の端部を保持する保持耐火構造に接続される構成であってもよい。こうした構成によれば、熱伝達材を使用することなく施工現場において木質耐火被覆材12の組立てを行うことができる。
・耐火構造は、多角柱形状の外見を有するものであればよい。そのため、耐火構造10,40,50,60のように外見が四角柱形状に限らず、外見が三角柱形状であってもよいし、外見が五角柱形状であってもよい。
・第2実施形態においては、製作ステップにおいて2つのL型セット45を製作し、囲繞ステップにおいて2つのL型セット45で鋼材11を囲繞した。これに限らず、製作ステップにおいて製作した隅部付き木質板部セット44を囲繞ステップにおいて順番に接合してもよい。
具体的には、第1の隅部付き木質板部セット44を配置したのち、第1の隅部付き木質板部セット44に対して直交するように第2の隅部付き木質板部セット44を配置する。そして、これら第1および第2の隅部付き木質板部セット44を隅部接合材28,29、板部接合材41で接合する。同様にして、第2の隅部付き木質板部セット44に対して第3の隅部付き木質板部セット44を接合する。そして、第1の隅部付き木質板部セット44および第3の隅部付き木質板部セット44に嵌め込むように第4の隅部付き木質板部セット44を配置したのち、隅部接合材28,29、板部接合材41で接合する。こうした構成であっても火炎侵入防止隅部22をガイドとして機能させることができる。
・図11に示すように、取付用小口26は、木質板部21を貫通する貫通孔であってもよい。この場合、取付材25は、耐火材23を貫通するようにして取付部材13に接合される。すなわち、取付部材13と取付材25とで構成される熱伝達材は、鋼材11に対して耐火材23のみを接続している。こうした構成によれば、燃焼した木質板部21が耐火材23から剥がれ落ちやすくなるため、木質板部21の燃焼熱による耐火材23や鋼材11の温度上昇を抑えることができる。また、耐火材23の熱負荷を軽減することもできるため、取付材25の本数を減らすことも可能である。
10…耐火構造、11…鋼材、12…木質耐火被覆材、13…熱伝達材を構成する取付部材、14…空気層、21…木質板部、21A…木質板部、21B…木質板部、22…火炎侵入防止隅部、23…耐火材、25…熱伝達材を構成する取付材、26…取付用小口、27…埋木、28,29…隅部接合材、30…隅部接合用小口、31…埋木、35A…隅部付き木質板部セット、35B…隅部無し木質板部セット、40…耐火構造、41…板部接合材、42…板部接合用小口、43…埋木、45…L型セット、45A…第1L型セット、45B…第2L型セット、50…耐火構造、51…接合材、52…接合用小口、53…埋木、60…耐火構造、62…接合材、63…固定材、64…固定用小口、65…埋木。
Claims (9)
- 鋼材と、前記鋼材を囲繞する空気層と、前記空気層を囲繞する木質耐火被覆材と、を有する耐火構造であって、
前記木質耐火被覆材は、4つの木質板部と、隣り合う前記木質板部の接合部に設けられる火炎侵入防止隅部と、前記木質耐火被覆材の前記空気層側に面して設けられる耐火材と、を有し、
前記火炎侵入防止隅部は、隣り合う前記耐火材の接合部を押圧して閉塞しているとともに互いに直交する前記耐火材の直交面と当接する面が等辺の等辺直交面を有する
耐火構造。 - 鋼材と、前記鋼材を囲繞する空気層と、前記空気層を囲繞する木質耐火被覆材と、を有する耐火構造であって、
前記木質耐火被覆材は、3つ以上の木質板部と、隣り合う前記木質板部の接合部に設けられる火炎侵入防止隅部と、前記木質耐火被覆材の前記空気層側に面して設けられる耐火材と、を有し、
前記火炎侵入防止隅部は、隣り合う前記耐火材の接合部を押圧して閉塞しており、
前記耐火材を貫通し、前記火炎侵入防止隅部と前記木質板部を固定する固定材を有し、
前記固定材は、前記火炎侵入防止隅部、又は、前記木質板部の一方を係止する頭部と、前記火炎侵入防止隅部、又は、前記木質板部の他方に貫入する貫入部と、を有する
耐火構造。 - 鋼材と、前記鋼材を囲繞する空気層と、前記空気層を囲繞する木質耐火被覆材と、を有する耐火構造であって、
前記木質耐火被覆材は、3つ以上の木質板部と、隣り合う前記木質板部の接合部に設けられる火炎侵入防止隅部と、前記木質耐火被覆材の前記空気層側に面して設けられる耐火材と、を有し、
前記火炎侵入防止隅部は、隣り合う前記耐火材の接合部を押圧して閉塞しており、
前記耐火材を貫通し、前記火炎侵入防止隅部と前記木質板部を固定する固定材を有し、
前記固定材は、第一固定材と第二固定材であり、
前記第一固定材は、前記火炎侵入防止隅部を係止する第一頭部と、前記木質板部に貫入する第一貫入部と、を有し、
前記第二固定材は、前記木質板部を係止する第二頭部と、前記火炎侵入防止隅部に貫入する第二貫入部と、を有する
耐火構造。 - 前記火炎侵入防止隅部は、鋼管又はアングル材である鉄材、モルタルバー、ケイ酸カルシウム材、のいずれかである
請求項1~3のいずれか一項に記載の耐火構造。 - 前記空気層を貫通し、一端が前記鋼材に接続され、他端が前記木質耐火被覆材に埋設され、前記木質耐火被覆材の熱を前記鋼材に熱伝達する熱伝達材を有する
請求項1~3のいずれか一項に記載の耐火構造。 - 前記鋼材は、前記熱伝達材のみで前記耐火材と接続している
請求項5に記載の耐火構造。 - 前記熱伝達材は、前記鋼材に対して前記耐火材のみを接続している
請求項6に記載の耐火構造。 - 前記熱伝達材の他端の小口に埋木を有し、
前記埋木は、前記木質耐火被覆材の一部として機能する
請求項5に記載の耐火構造。 - 前記鋼材は鋼管材であり、前記鋼管材の内側にコンクリート材を有し、前記鋼管材と前記コンクリート材で鋼管コンクリート構造が形成されている
請求項1~3のいずれか一項に記載の耐火構造。
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