JP2024087500A - インプリント装置、パターン形成方法、及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

インプリント装置、パターン形成方法、及び半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ショット領域とパターンとの倍率誤差を低減して、基板に対するパターンの重ね合わせ精度を向上させること。
【解決手段】実施形態のインプリント装置は、ショット領域を有する基板の温度を調整可能な温調部を有し、基板を保持することが可能なチャックと、パターンを有する面を基板に対向させた状態でテンプレートを保持し、基板とテンプレートとの面方向の相対的な位置および相対的な距離を変化させることが可能なテンプレートステージと、チャック及びテンプレートステージを制御する制御部と、を備え、制御部は、パターンとショット領域との倍率誤差に基づいて、温調部を制御して基板の温度を調整させ、テンプレートステージを制御して、温度が調整された基板のショット領域に前記パターンを転写させる。
【選択図】図9

Description

本発明の実施形態は、インプリント装置、パターン形成方法、及び半導体装置の製造方法に関する。
半導体装置の製造工程に、インプリント処理が含まれる場合がある。インプリント処理では、テンプレートのパターンを基板のショット領域に転写する。このとき、テンプレートの製造誤差等により、テンプレートのパターンサイズとショット領域のサイズとが異なっている場合には、押圧部材でテンプレートの側面を押圧してテンプレートのパターン倍率を補正する。
しかしながら、パターンサイズとショット領域のサイズとが、押圧部材による倍率の補正が可能な範囲を超えてしまい、これらを一致させられない場合がある。パターンサイズとショット領域のサイズとの調整後の相対倍率に過不足が生じると、基板に対するパターンの重ね合わせ誤差が大きくなってしまう。
特開2021-190649号公報 特開2018-061061号公報 特開2017-011268号公報
1つの実施形態は、ショット領域とパターンとの倍率誤差を低減して、基板に対するパターンの重ね合わせ精度を向上させることができるインプリント装置、パターン形成方法、及び半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
実施形態のインプリント装置は、ショット領域を有する基板の温度を調整可能な温調部を有し、前記基板を保持することが可能なチャックと、パターンを有する面を前記基板に対向させた状態でテンプレートを保持し、前記基板と前記テンプレートとの面方向の相対的な位置および相対的な距離を変化させることが可能なテンプレートステージと、前記チャック及び前記テンプレートステージを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記パターンと前記ショット領域との倍率誤差に基づいて、前記温調部を制御して前記基板の温度を調整させ、前記テンプレートステージを制御して、温度が調整された前記基板の前記ショット領域に前記パターンを転写させる。
実施形態にかかるインプリント装置の構成の一例を示す模式図。 実施形態にかかるインプリント装置が備えるウェハチャックの構成の一例を示す模式図。 実施形態にかかるインプリント装置が備える温調部の構成の一例を示す模式図。 実施形態にかかるインプリント装置が備えるテンプレートステージの構成の一例を示す模式図。 実施形態にかかるウェハの構成の一例を示す上面図。 実施形態にかかる半導体装置の製造方法の手順の一部を順に例示する断面図。 実施形態にかかる半導体装置の製造方法の手順の一部を順に例示する断面図。 実施形態にかかる半導体装置の製造方法の手順の一部を順に例示する断面図。 実施形態のインプリント装置が、ショット領域の倍率変更の際に参照する撮像画像の一例を示す模式図。 実施形態のインプリント装置が、パターンの倍率変更の際に参照する撮像画像の一例を示す模式図。 実施形態のインプリント装置によるテンプレートのパターンの外形制御の一例を示す模式図。 実施形態にかかるインプリント装置におけるインプリント処理の手順の一例を示すフロー図。 実施形態の変形例1にかかるインプリント装置が備えるウェハチャックの構成の一例を示す上面透視図。 実施形態の変形例2にかかるインプリント装置が備えるウェハチャックの構成の一例を示す上面透視図。 実施形態の変形例3にかかるインプリント装置が備えるウェハチャックの構成の一例を示す模式図。
以下に、本発明の実施形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の実施形態により、本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
(インプリント装置の構成例)
図1は、実施形態にかかるインプリント装置1の構成の一例を示す模式図である。図1(a)はインプリント装置1の全体図であり、図1(b)はインプリント装置1が備える撮像素子84(84a~84d)の詳細構成を示す検出系86aの拡大図である。
図1に示すように、インプリント装置1は、テンプレートステージ81、ウェハステージ82、撮像素子83,84a~84d、基準マーク85、アライメント部86、液滴下装置87、ステージベース88、光源89、制御部90、及び記憶部91を備えている。インプリント装置1には、ウェハ20上のレジストにパターンを転写するテンプレート10が装着可能である。
ウェハステージ82は、ウェハチャック82b、及び本体82aを備える。ウェハチャック82bは、図示しないポンプにそれぞれ接続される複数の吸引路826を備え、ウェハ20を吸引することで本体82a上の所定位置に吸着させる吸引チャックとして構成されている。また、ウェハチャック82bには、ウェハチャック82b内に冷媒を循環させるチラー827が接続されており、ウェハチャック82bに載置されたウェハ20の温度が調整される。チラー827は、インプリント装置1の後述する温調部の一部を構成する。
ウェハステージ82上には、基準マーク85が設けられている。基準マーク85は、ウェハ20をウェハステージ82上にロードする際の位置合わせに用いられる。
ウェハステージ82は、ウェハ20を載置するとともに、載置したウェハ20と平行な平面内(水平面内)を移動する。ウェハステージ82は、ウェハ20にレジストを滴下する際にはウェハ20を液滴下装置87の下方側に移動させ、ウェハ20への転写処理を行う際には、ウェハ20をテンプレート10の下方側に移動させる。
ステージベース88は、テンプレートステージ81によってテンプレート10を支持するとともに、上下方向(鉛直方向)に移動することにより、テンプレート10のパターンをウェハ20上のレジストに押し当てる。
ステージベース88上には、複数の撮像素子83を備えるアライメント部86が設けられている。アライメント部86は、ウェハ20及びテンプレート10にそれぞれ設けられたアライメントマークに基づき、ウェハ20の位置検出、及びテンプレート10の位置検出を行う。
アライメント部86は、検出系86a及び照明系86bを備える。照明系86bは、ウェハ20及びテンプレート10に光を当てて、これらに形成されたアライメントマークを視認可能にする。検出系86aは、アライメントマークの画像を検出し、これらの位置を合わせることで、ウェハ20とテンプレート10との位置合わせを行う。
検出系86a及び照明系86bは、それぞれ結像部としてのダイクロイックミラー等のミラー86x,86yを備える。ミラー86x,86yは、照明系86bからの光によってアライメントマーク等のウェハ20及びテンプレート10からの画像を結像させる。
具体的には、照明系86bからの光Lbは、ミラー86yによりウェハ20等の配置される下方へと反射される。また、ウェハ20等からの光Laは、ミラー86xにより検出系86a側へと反射される。また、ウェハ20等からの一部の光Lcは、ミラー86x,86yを透過して、上方の撮像素子83の側へと進行する。
撮像素子83は、この一部の光Lcを、アライメントマーク等を含む画像として撮像する。撮像素子83により撮像された画像は、アライメントマークの状態を制御部90により観測するために用いられる。
一方、ミラー86xにより検出系86a側へと反射された光Laは、検出系86aが備える複数の撮像素子84a~84d側へと進行する。
図1(b)に示すように、複数の撮像素子84a~84dは、例えばテンプレート10の押印領域であるウェハ20上の1つのショット領域SHの異なるポイントをそれぞれ撮像可能なように配置されている。
撮像素子84a~84dは、ミラー86xにより反射された光Laを、アライメントマーク等を含む画像として撮像する。撮像素子84a~84dにより撮像された画像は、ウェハ20とテンプレート10との位置合わせを行うために、制御部90により用いられる。
なお、撮像素子83,84a~84dは、テンプレート10を介してウェハ20を撮像する撮像部の一例である。
液滴下装置87は、インクジェット方式によってウェハ20上にレジストを滴下する装置である。液滴下装置87が備えるインクジェットヘッドは、レジストの液滴を噴出する複数の微細孔を有しており、レジストの液滴をウェハ20上の1つのショット領域SHに滴下する。
なお、実施形態のインプリント装置1は、ウェハ20上にレジストを滴下するように構成されているが、スピンコート塗布法によって、ウェハ20の全面にレジストを塗布してもよい。
光源89は、例えばレジストを硬化させる紫外線等の光を照射する装置であり、ステージベース88の上方に設けられている。光源89は、テンプレート10がレジストに押し当てられた状態で、テンプレート10上から光を照射する。
制御部90は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のハードウェアプロセッサ、メモリ、及びHDD(Hard Disk Drive)等を備えるコンピュータとして構成されている。制御部90は、テンプレートステージ81、ウェハステージ82、基準マーク85、撮像素子83,84a~84dを含むアライメント部86、液滴下装置87、ステージベース88、および光源89を制御する。
記憶部91には、例えば制御部90のCPUが実行する制御プログラム、及びCPUの動作に必要な各種制御パラメータ等が格納されている。また、記憶部91は、テンプレートステージ81に装着されるテンプレート10、及びインプリント処理の対象となるウェハ20に関する各種情報を保持している。
テンプレート10及びウェハ20に関する情報は、例えばテンプレート10の設計データ、その他の計測装置等で計測されたテンプレート10の計測データ、ウェハ20の設計データ、及びその他の計測装置等で計測されたウェハ20の計測データ等である。インプリント装置1は、例えば設計装置または計測装置等から上記データを予め取得して、記憶部91に記憶する。
次に、図2及び図3を用いて、インプリント装置1が備えるウェハチャック82bの詳細の構成例について説明する。
図2は、実施形態にかかるインプリント装置1が備えるウェハチャック82bの構成の一例を示す模式図である。図2(a)はウェハチャック82bの上面図であり、図2(b)はウェハチャック82bの一部拡大断面図である。
図2(a)に示すように、吸引チャックとしてのウェハチャック82bは、複数のリング状突起821~825によって、複数のゾーンZ1~Z5に分割されている。
複数のリング状突起821~825は、この順に、ウェハチャック82bの内側から外側へと同心円状に配置されている。これらのリング状突起821~825の間隔は、ウェハチャック82bの外側へと向かうほど狭まっていく。
ゾーンZ1は、ウェハチャック82bの最も中央寄りに配置されたリング状突起821の更に内側の円形領域である。なお、ゾーンZ1には、複数のピン孔82pが設けられている。複数のピン孔82pには、図示しないウェハピンが収納されている。ウェハピンは、ウェハ20を搬入出する際に、ウェハチャック82bの表面から突出してウェハチャック82b上方にウェハ20を保持する。
ゾーンZ2は、リング状突起821,822間に位置する円環状の領域である。ゾーンZ3は、リング状突起822,823間に位置する円環状の領域である。ゾーンZ4は、リング状突起823,824間に位置する円環状の領域である。ゾーンZ5は、リング状突起824,825間に位置する円環状の領域である。
図2(b)に示すように、複数のリング状突起821~825は、ウェハチャック82bの表面から突出している。複数のリング状突起821~825のうち、リング状突起821~824の突出高さは互いに等しい。ウェハチャック82bの最外周に配置されるリング状突起825は、他のリング状突起821~824よりも低い突出高さを有する。
ウェハチャック82bの内部には、下流側がポンプPに接続された複数の吸引路826が設けられている。これらの吸引路826は、複数のリング状突起821~825で分割されたゾーンZ1~Z5にそれぞれ開口している。
ウェハチャック82bの最も外周寄りに配置されたリング状突起825の更に外側、つまり、ゾーン5の外側のウェハチャック82bの外縁部までの円環状の領域には、吸引路826は開口していない。
ウェハ20は、複数のリング状突起821~825のうち、少なくともリング状突起821~824の上端部に裏面を支持された状態で、ウェハステージ82上に載置される。これにより、ウェハ20の内側領域は、ウェハチャック82bのゾーンZ1~Z4と重なる位置に配置され、ウェハ20の外縁部は、ウェハチャック82bのゾーンZ5と重なる位置に配置されることとなる。
リング状突起821~824の上端部にウェハ20を支持した状態で、複数の吸引路826に接続されたポンプPを稼働させ、それぞれのゾーンZ1~Z5に設けられた吸引路826の複数の開口からウェハ20の裏面を吸引することで、ウェハチャック82bの上面にウェハ20が吸着される。
このとき、ポンプPの稼働状態を制御すること等により、ゾーンZ1~Z5ごとに吸引力を調整することが可能である。また、ウェハ20裏面を吸引して負圧とするだけでなく、ウェハ20裏面を陽圧とすることも可能である。なお、複数の吸引路826のそれぞれにバルブ等を設け、これらを開閉させることにより、ゾーンZ1~Z5ごとの吸引力を調整可能であってもよい。これにより、例えば吸引路826に接続されるポンプPの数を削減することができる。
図3は、実施形態にかかるインプリント装置1が備える温調部820の構成の一例を示す模式図である。図3(a)はウェハチャック82bの上面透視図であり、図3(b)はウェハチャック82bの一部拡大断面図である。図3(b)には、上述の図2(b)の断面とは異なる断面を示す。
上述のように、インプリント装置1のウェハチャック82bには、載置したウェハ20の温度を調整することが可能な温調部820が設けられている。インプリント処理中、温調部820によってウェハ20の温度を変化させることで、ウェハ20の膨張率または収縮率を制御して、テンプレート10のパターンを所望の寸法でウェハ20上に転写させる。
図3に示すように、温調部820は、チラー827、冷媒流路828、及び温度センサ829in,829otを備える。
チラー827は、上述のように、ウェハチャック82bに接続され、ウェハチャック82b内に、所定温度に制御した冷媒を循環可能に構成されている。すなわち、冷媒は、チラー827の吐出口からウェハチャック82bに向けて吐出され、チラー827の流入口へと流入することで、チラー827とウェハチャック82bとの間で循環される。冷媒としては、所望する温度範囲に応じて、例えばエチレングリコール等のフッ化炭化水素、水、その他の液体が用いられる。
冷媒流路828は、ウェハチャック82b内部の所定の深さ位置に、ウェハチャック82bの表面、すなわち、ウェハ20の載置面に沿うように設けられている。図3(a)に示す例では冷媒流路828は、ウェハチャック82b一端部の流入口側から、ウェハチャック82bの載置面に沿って蛇行しながら、ウェハチャック82b他端部の流出口側へと向かう。このとき、冷媒流路828は、上述の吸引路826との干渉を避け、吸引路826が設けられていない領域を通るように構成されている。
このような冷媒流路828内を所定温度に制御された冷媒が循環することで、ウェハチャック82bに吸着されたウェハ20の温度を調整することができる。
温度センサ829inは、冷媒流路828のウェハチャック82bへの流入口近傍に設けられ、ウェハチャック82bへと流入する冷媒の温度を検出する。温度センサ829otは、冷媒流路828のウェハチャック82bからの流出口近傍に設けられ、ウェハチャック82bから流出する冷媒の温度を検出する。温度センサ829in,829otによる温度の検出結果はチラー827へと出力される。チラー827は、これらの検出結果に基づいて冷媒が所望の温度になるよう制御する。
なお、ウェハチャック82bに設ける冷媒流路828の数、径、及びウェハチャック82b内における冷媒流路828の延伸方向等は適宜設定可能である。すなわち、ウェハ20の温度調整を精度よく行うため、冷媒流路828の本数は図3の例より多くともよい。また、冷媒流路828のウェハチャック82b内における折り返しの回数等は、図3の例より多くとも少なくともよい。また、図3の例では、ウェハ20が、例えばノッチを紙面下方に向けてウェハチャック82bに載置されるものとして、ウェハチャック82b内における冷媒流路828の延伸方向および折り返しの方向を紙面上下方向としている。しかし、冷媒流路828の延伸方向および折り返しの方向は、紙面水平方向、またはその他の方向であってもよい。
次に、図4を用いて、インプリント装置1が備えるテンプレートステージ81、及びテンプレートステージ81に装着されるテンプレート10の詳細の構成例について説明する。
図4は、実施形態にかかるインプリント装置1が備えるテンプレートステージ81の構成の一例を示す模式図である。図4(a)は、テンプレートステージ81に保持されるテンプレート10と、テンプレートステージ81が有する押圧部材813とを示す上面図である。図4(b)は、テンプレートステージ81の断面図である。図4(b)は、テンプレートステージ81に保持されるテンプレート10が有するパターン12の上面図である。
図4に示すように、テンプレートステージ81は、本体811、テンプレートチャック812、押圧部材813、及び駆動部814を備える。
テンプレートステージ81の本体811は、平板状の部材であって、テンプレートチャック812によって下面にテンプレート10を保持する。テンプレートチャック812は、本体811の下面に設けられており、図示しない吸引機構により真空吸着することによって、パターン12を下方に向けてテンプレート10をウェハ20上方に保持する。
駆動部814は、テンプレート10を保持した状態で、図示しないモータ等により、テンプレートステージ81を昇降させる。このとき、駆動部814のモータ等の駆動力を調整することで、テンプレートステージ81の昇降速度、テンプレート10のウェハ20に対する傾き、及びテンプレート10のパターン12をウェハ20上のレジストに押し当てる力等を制御することができる。
また、駆動部814は、テンプレート10を保持した状態で、図示しないモータ等により、テンプレートステージ81をテンプレート10及びウェハ20の面に沿う方向、つまり、水平方向に移動させる。これにより、テンプレート10とウェハ20との水平方向における相対位置が調整される。
図4(a)(b)に示すように、複数の押圧部材813は、テンプレートチャック812に保持されたテンプレート10の外縁部を囲むように設けられている。複数の押圧部材813、例えばアクチュエータ等を含み、テンプレート10の側面の異なる位置を押圧可能に構成される。
ここで、テンプレート10が備えるパターン12は、製造誤差等によってサイズがばらつきうる。このため、例えばウェハ20上のショット領域SH(図1(b)参照)よりも若干大きいサイズになるよう設計される。一例として、パターン12サイズを倍率で表すと、ウェハ20上のショット領域SHよりも例えば2ppm~3ppm程度、大きく設計されている。
上述のように構成された複数の押圧部材813によって、テンプレート10側面を押圧することで、テンプレート10を収縮させて、テンプレート10が備えるパターン12のサイズ、つまり、パターン12の倍率を変化させ、ウェハ20のショット領域SHのサイズに一致させることができる。
テンプレート10は、略平板状の石英部材等の基板であり、テンプレートステージ81に保持した状態で、下面から突出するメサ部11と、メサ部11の面上に形成されたパターン12とを備える。テンプレート10の裏面、つまり、パターン12とは逆側の面には、コアアウト部14と呼ばれる凹部が設けられている。
図4(c)に示すように、テンプレート10のパターン12は、例えばラインアンドスペースパターン、ドットパターン、ホールパターン等の任意の形状を有するパターンであって、ウェハ20上のレジストに転写される。ウェハ20上のパターン12が転写された領域は、半導体装置の素子領域となる。
テンプレート10のパターン12の周囲には、複数のアライメントマーク13が設けられている。第2のアライメントマークとしての個々のアライメントマーク13は、例えばテンプレート10がウェハ20上のレジストに押し当てられた際のレジストとの接触面から窪んだ凹状の形状を有する。
(半導体装置の製造方法)
次に、図5~図8を用いて、実施形態の半導体装置の製造方法について説明する。実施形態の半導体装置の製造工程は、上述のインプリント装置1によるインプリント処理を含む。
まずは、図5に、インプリント装置1の処理対象となるウェハ20の例を示す。図5は、実施形態にかかるウェハ20の構成の一例を示す模式図である。図5(a)はウェハ20の上面図であり、図5(b)は1つのショット領域SHの拡大上面図である。
図5(a)に示すように、基板としてのウェハ20の上面は複数のショット領域SHに区画されている。複数のショット領域SHは、それぞれが例えば矩形状の形状を有し、ウェハ20の全面にマトリクス状に配置されている。
これらのショット領域SHは、半導体装置の複数の製造工程のうちインプリント処理を含む幾つかの工程において、1回あたりの処理単位となる領域である。すなわち、例えば後述するインプリント処理においては、ショット領域SHごとにテンプレート10のパターン12を転写する処理が行われる。
図5(b)に示すように、個々のショット領域SHは、テンプレート10のパターン12が転写される転写領域22を中央部に有する。つまり、転写領域22は、例えば上述のテンプレート10のパターン12の面積および形状と略等しい面積および形状を有していてよい。転写領域22は、所定の工程を経た後、半導体装置の素子領域となる。素子領域からは、1つまたは複数の半導体装置が得られる。
転写領域22の周囲には、複数のアライメントマーク23が設けられている。これらの第1のアライメントマークとしてのアライメントマーク23は、例えばウェハ20の上面に形成された被加工膜21、被加工膜21の下層膜、またはウェハ20に形成されている。個々のアライメントマーク23は、上述のテンプレート10の対応するアライメントマーク13と対で用いられ、ウェハ20とテンプレート10との位置合わせ等に用いられる。
図6~図8は、実施形態にかかる半導体装置の製造方法の手順の一部を順に例示する断面図である。
これらの図6~図8中、図6(a)~図8(a)に示す処理は、インプリント装置1によるインプリント方法の手順の一例を示している。図6(a)~図8(a)に示す処理は、ウェハ20上に形成されたレジスト膜30に、テンプレート10のパターン12を形成するパターン形成方法でもある。このように、インプリント装置1によるインプリント処理、及びパターン形成処理は、半導体装置の製造工程の一工程として実施される。
図6(a)に示すように、ウェハ20には、例えば被加工膜21が形成されている。被加工膜21は、例えばシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、または金属膜等であり、テンプレート10のパターン12に応じた形に加工される膜である。
これまでにウェハ20が経てきた製造工程の段階によって、被加工膜21の下に、1つまたは複数の下層膜が形成されていてもよい。あるいは、インプリント処理が、ウェハ20の表面を加工することを目的に行われる場合、被加工膜21は、シリコンウェハ等であるウェハ20の表層部分であってもよい。
被加工膜21、下層膜、またはウェハ20には、上述したように、テンプレート10との位置合わせに用いられる複数のアライメントマーク23が形成されている。
このようなウェハ20を、図示しない搬送機構によってインプリント装置1内に搬入し、インプリント装置1のウェハチャック82b上に載置して吸着させる。このとき、インプリント装置1の制御部90が、これまでの製造工程でウェハ20に形成済みの構成の設計データ、及びこれらの構成の寸法、形状、形成位置等を計測した計測データ等のウェハ情報を設計装置および計測装置等の他の装置から取得して、記憶部91に格納する。
また、処理対象となる上記のウェハ20に転写するパターン12を有するテンプレート10を、図示しない搬送機構によってインプリント装置1内に搬入し、インプリント装置1のテンプレートチャック812に装着する。このとき、インプリント装置1の制御部90が、テンプレート10が備えるパターン12の設計データ、及びパターン12の寸法、外形等を計測した計測データ等のテンプレート情報を他の装置から取得して、記憶部91に格納する。
また、ウェハ20が保持されたウェハステージ82を、テンプレートチャック812に保持したテンプレート10の下方に移動させ、例えば撮像素子83によって、テンプレート10を透かしてウェハ20を観測することで、テンプレート10とウェハ20との、上下方向に重なり合ったアライメントマーク13,23の画像を撮像する。
インプリント装置1の制御部90は、他の装置から取得したウェハ情報およびテンプレート情報、並びに撮像素子83が撮像したアライメントマーク13,23の画像に基づいて、テンプレート10のパターン12とウェハ20のショット領域SHとの倍率誤差を算出する。また、制御部90は、上述の温調部820によりウェハ20の温度を変化させ、ウェハ20を膨張または収縮させて、これらの倍率誤差を低減させる。なお、制御部90によるショット領域SHの倍率変化の詳細手法については後述する。
その後、ウェハ20が保持されたウェハステージ82を液滴下装置87の下方に移動させる。また、液滴下装置87によって、複数のショット領域SHのうち、これからインプリント処理を行うショット領域SHの被加工膜21上に、インクジェット方式を用いてレジストを滴下する。
液滴下装置87から滴下するレジストは、例えば紫外線等を照射することで硬化する光硬化型レジスト等の有機系材料である。液滴下装置87から滴下される際、レジストは未硬化の液状である。
これにより、1つのショット領域SHの被加工膜21上に樹脂膜としてのレジスト膜30が形成される。
このように、インクジェット方式で形成された未硬化のレジスト膜30は、図6(a)の例によらず、ショット領域SHに液滴状に配列されていてよい。また、上述のように、スピンコート塗布法等を用いてレジストを塗布することでレジスト膜30を形成してもよい。この場合、レジスト膜30はウェハ20の全面に略均一に形成される。
ウェハ20が保持されたウェハステージ82を移動させ、これからインプリント処理を行うショット領域SHを、インプリント装置1のテンプレートステージ81に保持されたテンプレート10の下方に配置する。このときにも、例えば撮像素子83によって、テンプレート10とウェハ20との、上下方向に重なり合ったアライメントマーク13,23が観測される。
図6(b)に示すように、ウェハ20の個々のアライメントマーク23は、第1の粗検マークとしての粗検マーク231と、第1の精検マークとしての精検マーク232x,232yとを備える。また、テンプレート10の個々のアライメントマーク13は、第2の粗検マークとしての粗検マーク131と、第2の精検マークとしての精検マーク132x,132yとを備える。
テンプレート10のアライメントマーク13に含まれる粗検マーク131は、例えばアライメントマーク13が設けられた領域のX方向の両端部に、Y方向に並んで1対ずつ設けられている。ウェハ20のアライメントマーク23に含まれる粗検マーク231は、例えばアライメントマーク23が設けられた領域のX方向の両端部であって、Y方向に並ぶ1対の粗検マーク131の間の位置に設けられている。
なお、X方向およびY方向は共に、テンプレート10とウェハ20との対向する面に沿う方向であって、互いに直交する。図6(b)中、X方向は紙面の水平方向であり、Y方向は紙面の垂直方向である。
テンプレート10とウェハ20との互いに対応する位置に設けられたアライメントマーク13,23において、これらの粗検マーク131,231は、テンプレート10とウェハ20とを大まかに位置合わせする際に対で用いられる。
テンプレート10のアライメントマーク13に含まれる精検マーク132x,132yは、例えばX方向の両端部の粗検マーク131の間に設けられている。精検マーク132xは、X方向に周期構造を有する。精検マーク132yは、Y方向に周期構造を有する。ウェハ20のアライメントマーク23に含まれる精検マーク232x,232yは、例えばX方向の両端部の粗検マーク231の間に設けられている。精検マーク232xは、X方向に、上記の精検マーク132xとは異なる周期の周期構造を有する。精検マーク232yは、Y方向に、上記の精検マーク132yとは異なる周期の周期構造を有する。
テンプレート10とウェハ20との互いに対応する位置に設けられたアライメントマーク13,23において、これらの精検マーク132x,232xは、テンプレート10とウェハ20とをX方向に精密に位置合わせする際に対で用いられる。精検マーク132y,232yは、テンプレート10とウェハ20とをY方向に精密に位置合わせする際に対で用いられる。
インプリント装置1の制御部90は、上記のように、例えば撮像素子83によって、テンプレート10とウェハ20との粗検マーク131,231を観測しつつ、テンプレート10とウェハ20との面方向に沿う方向の位置、つまり、X方向およびY方向の位置を大まかに位置合わせする。
理想的には、X方向の片側に配置される1対の粗検マーク131と、ウェハ20の粗検マーク231とがY方向に一直線に並ぶことで、X方向の位置が合わさる。また、X方向の片側に配置される1対の粗検マーク131のY方向の中心位置に、ウェハ20の粗検マーク231が配置されることで、Y方向の位置が合わさる。
このように、粗検マーク131,231を用いた位置合わせを、粗検、またはラフアライメントなどとも呼ぶ。なお、実際には、X方向およびY方向共に、テンプレート10とウェハ20との間には所定の位置合わせ誤差が生じることが許容されている。
なお、ラフアライメントを行う際、ウェハステージ82及びテンプレートステージ81の少なくともいずれかによって、ウェハ20及びテンプレート10の少なくともいずれかを面内の回転方向に回転させて、ショット領域SHとパターン12との回転方向の位置合わせを行ってもよい。
図6(c)に示すように、テンプレートステージ81を下降させて、テンプレート10のパターン12をウェハ20のレジスト膜30に押し当てる。
このとき、駆動部814は、テンプレート10と、ウェハ20の被加工膜21との間に所定の間隙が生じるよう、テンプレートステージ81の下降位置を調整する。これにより、テンプレート10と被加工膜21とが接触してしまうことが抑制される。
このように、パターン12をレジスト膜30に接触させた状態で、インプリント装置1の撮像素子83によって、テンプレート10に設けられた複数のアライメントマーク13を観測し、これらのアライメントマーク13内がレジスト膜30で充填されるまで、パターン12とレジスト膜30との接触状態を維持する。なお、この間に、テンプレート10のパターン12が有する凹部内にもレジスト膜30が充填されていく。
アライメントマーク13内がレジスト膜30で充填されることにより、アライメントマーク13の精検マーク132x,132y、及びテンプレート10を透かして見たウェハ20の精検マーク232x,232yの視認性が向上する。つまり、インプリント装置1の撮像素子84a~84dによる精検マーク132x,132y,232x,232yの観測が容易となる。
このため、レジスト膜30の充填後、テンプレート10の個々の精検マーク132x,132yと、これらにそれぞれ対応するウェハ20の個々の精検マーク232x,232yとを、撮像素子84a~84dによって観測しながら、ウェハ20とテンプレート10とのウェハ20の面に沿う方向の位置合わせを行う。このとき、例えば使用する撮像素子84a~84dを適宜切り替えながら、これらにそれぞれ対応する位置にある精検マーク132x,132y,232x,232yを観測してこれらの位置合わせを適宜行う。
同様に、テンプレート10の個々の精検マーク132x,132yと、これらにそれぞれ対応するウェハ20の個々の精検マーク232x,232yとを、使用する撮像素子84a~84dを切り替えつつ観測し、テンプレートステージ81に設けられた複数の押圧部材813によって、テンプレート10の側面を適宜押圧し、テンプレート10が備えるパターン12の倍率を、ウェハ20のショット領域SHのサイズ、より詳細には、ショット領域SH内の転写領域22(図5参照)のサイズに合わせる。このとき、他の装置から取得したウェハ情報およびテンプレート情報も参照される。なお、テンプレート10のパターン12の倍率変化の詳細手法については後述する。
図7(a)~図7(c)は、いずれかの撮像素子84a~84dによって撮像された精検マーク132x,232xの画像であって、精検マーク132x,232xを用いてウェハ20とテンプレート10との位置合わせを行う様子を示している。
上述のように、テンプレート10の精検マーク132xが有するX方向の周期は、ウェハ20の精検マーク232xが有するX方向の周期と僅かに異なる。このような構成を有することにより、精検マーク132x,232xが上下に重ね合わさると、モアレと呼ばれる干渉縞が発生する。また、精検マーク132x,232xが重なり合った状態で、テンプレート10とウェハ20との相対位置をX方向に移動させていくと、X方向に干渉縞が移動していく。
図7(a)は、紙面水平方向の左側を-X方向、右側を+X方向とした場合に、ウェハ20に対してテンプレート10が-X方向にずれた状態を示している。図7(b)は、ウェハ20に対してテンプレート10が+X方向にずれた状態を示している。図7(c)は、ウェハ20とテンプレート10とのX方向の位置ずれ量がゼロの状態を示している。
例えば上述の撮像素子84で撮像した画像において、このような干渉縞の移動を信号波形として検出し、最小二乗法等を用いて処理することで、テンプレート10とウェハ20とのX方向における位置ずれ量を算出することができる。
また、ウェハ20とテンプレート10との、精検マーク132y,232yを用いたY方向の位置合わせも同様に行うことができる。すなわち、対応する撮像素子84a~84dによって精検マーク132y,232yを観測しつつ、テンプレート10とウェハ20との相対位置をY方向に移動させ、干渉縞の移動を信号波形として検出することで、テンプレート10とウェハ20とのY方向における位置ずれ量が算出される。
以上のように、例えば精検マーク132x,232x、及び精検マーク132y,232yにおける干渉縞を電気信号としてそれぞれ検出して解析することで、テンプレート10とウェハ20との位置ずれ量をより高精度に定量化することができ、より精密にテンプレート10とウェハ20との位置合わせを行うことができる。
このように、精検マーク132x,232x、及び精検マーク132y,232yを用いた位置合わせを、精密アライメント、またはファインアライメントなどとも呼ぶ。また、このような干渉縞を生じさせる精検マーク132x,232x,132y,232yをモアレ型アライメントマークなどとも呼ぶ。
なお、ファインアライメントを行う際にも、ウェハステージ82及びテンプレートステージ81の少なくともいずれかによって、ウェハ20及びテンプレート10の少なくともいずれかを面内の回転方向に回転させて、ショット領域SHとパターン12との回転方向の位置合わせを行ってもよい。
また、精検マーク132x,232x,132y,232yを用いたファインアライメントにおいても、実際には、X方向およびY方向共に、テンプレート10とウェハ20との間には所定の位置合わせ誤差が生じうる。この場合であっても、インプリント処理においては、所定量以下の位置ずれ量が許容される。
したがって、実際のアライメント動作においては、例えばアライメント動作を行う期間を予め設定しておき、所定時間に達したらアライメント動作を終了することとしてよい。あるいは、精検マーク132x,232x、及び精検マーク132y,232yのX方向およびY方向の位置ずれ量の上限値を予め設定しておき、位置ずれ量が上限値以下になったらアライメント動作を終了することとしてもよい。
またあるいは、アライメントの動作期間、及びアライメント誤差の閾値の両方を定めておき、アライメント誤差が閾値以下となるか、あるいは、アライメントの動作期間が経過してタイムアウトとなったところで、アライメント動作を終了させることもできる。
図7(d)に示すように、ウェハ20とテンプレート10との位置合わせが終了した後、ウェハ20とテンプレート10との位置を維持しつつ、テンプレート10を介してレジスト膜30に紫外線を照射する。これにより、パターン12の凹部内に充填された状態で、レジスト膜30が硬化する。
図8(a)に示すように、テンプレートステージ81に設けられた駆動部814により、テンプレート10を上昇させる。このとき、ウェハ20はウェハチャック82bに吸着されているので、ウェハステージ82からウェハ20が剥がれてしまうことなく、テンプレート10をウェハ20から離型することができる。
これにより、テンプレート10のパターン12が転写されたレジストパターン30pが形成される。レジストパターン30pが有するパターンの底部には、レジスト残膜30rと呼ばれる薄膜が形成されている。上述のように、テンプレート10とウェハ20との接触を抑制するため、ウェハ20との間に間隙がある状態でテンプレート10を押し当てたからである。
以上により、実施形態のインプリント装置1によるインプリント処理が終了する。
図8(b)に示すように、例えば酸素プラズマ等を用いた処理により、レジストパターン30pの全面を処理して、パターン底部のレジスト残膜30rを除去する。これにより、パターン底部には被加工膜21の表面が露出する。
図8(c)に示すように、レジストパターン30pを介して被加工膜21をエッチング加工することにより、レジストパターン30pが被加工膜21に転写された被加工膜パターン21pが形成される。
この後、例えばタングステンまたは銅などの金属膜を被加工膜パターン21pに埋め込むことで、半導体装置の一部となる所望の構造が得られる。
例えばテンプレート10のパターン12がラインアンドスペースパターンである場合、被加工膜パターン21pもまたラインアンドスペースパターンを有することとなる。ここに金属膜を埋め込むことで、半導体装置の配線等が得られる。
また、テンプレート10のパターン12がドットパターンである場合、被加工膜パターン21pは、ドットパターンが反転されたホールパターンを有することとなる。ここに金属膜を埋め込むことで、半導体装置のコンタクトまたはビア等が得られる。
これ以降、ウェハ20上に更に各種の膜を形成し、それらの膜に所定の加工を施すことを繰り返すことで、実施形態にかかる半導体装置が製造される。
上述のように、実施形態のインプリント装置1では、テンプレート10とウェハ20とのアライメントマーク13,23を用い、テンプレート10とウェハ20とのX方向およびY方向の位置合わせを行う。これにより、テンプレート10のパターン12をレジスト膜30に転写する際、これまでの工程でウェハ20に形成済みの種々の構成に対するパターン12の重ね合わせ精度を向上させることができる。
パターン12の重ね合わせ精度が向上することで、例えば上記のインプリント処理が被加工膜21に配線を形成するための処理であった場合、被加工膜21の下層に形成済みのコンタクト等と被加工膜21の配線とがより確実に接続される。
また例えば、上記のインプリント処理が被加工膜21にコンタクト等を形成するための処理であった場合、被加工膜21の下層に形成済みの配線等と被加工膜21のコンタクトとがより確実に接続される。
(インプリント装置の動作例)
次に、図9~図11を用いて、実施形態のインプリント装置1による倍率変更動作の詳細例について説明する。
上述のように、インプリント装置1では、ウェハ20のショット領域SHの倍率変更、及びテンプレート10のパターン12の倍率変更が行われる。このようなショット領域SH及びパターン12の倍率変更に際しては、他の装置から取得したウェハ情報およびテンプレート情報が参照されるほか、以下に述べるように、アライメントマーク13,23の撮像画像が参照される。
ショット領域SHの倍率変更は、例えばウェハ20とテンプレート10とがインプリント装置1に搬入された後、インプリント処理の開始前に行われる。より詳細には、インプリント装置1の制御部90は、ウェハ20が有する複数のショット領域SHのうち、所定のショット領域SHが、テンプレート10のパターン12と上下に重なる位置に、ウェハステージ82を移動させる。また、制御部90は、そのショット領域SHの複数の粗検マーク231と、テンプレート10の対応する複数の粗検マーク131とが上下に重なり合った画像を撮像素子83によって撮像し、ショット領域SHの倍率変更に用いる。
図9は、実施形態のインプリント装置1が、ショット領域SHの倍率変更の際に参照する撮像画像IMsa,IMsbの一例を示す模式図である。
図9(a)は、テンプレート10の複数のアライメントマーク13と、それらに対応するウェハ20の複数のアライメントマーク23とが重なり合う様子を、テンプレート10の上方から見た上面図である。
図9(b)は、互いに重なり合う複数のアライメントマーク13,23のうち、テンプレート10のパターン12、及びウェハ20のショット領域SHの1角に配置されるアライメントマーク13,23の撮像画像IMsaである。図9(c)は、互いに重なり合う複数のアライメントマーク13,23のうち、図9(b)に示すアライメントマーク13,23の対角に位置するアライメントマーク13,23の撮像画像IMbである。
ただし、撮像素子83の画角には、ショット領域SH内の全てのアライメントマーク13,23が含まれうる。よって、撮像素子83が1回の撮像で、これらの撮像画像IMsa,IMsbを含むショット領域SH全体の画像を生成可能であってもよい。
図9(a)に示すように、ショット領域SHの倍率変更に用いるデータを得るため、制御部90は、ショット領域SH内に存在する複数のアライメントマーク13,23を撮像素子83によって撮像させる。これにより、図9(b)(c)等のように、複数のアライメントマーク13,23が上下に重なり合う様子が観測される。
図9(b)の例では、撮像素子83により撮像させた紙面左下隅のアライメントマーク13,23において、ウェハ20の粗検マーク231は、テンプレート10の粗検マーク131に対して、紙面右上方向、つまり、ショット領域SHの中心方向に位置ずれしている。
図9(c)の例では、撮像素子83により撮像させた紙面右上隅のアライメントマーク13,23において、ウェハ20の粗検マーク231は、テンプレート10の粗検マーク131に対して、紙面左下方向、つまり、ショット領域SHの中心方向に位置ずれしている。
例えば、ショット領域SHの紙面左上隅のアライメントマーク13,23、及び紙面右下隅のアライメントマーク13,23においても、同様に、ウェハ20の粗検マーク231が、テンプレート10の粗検マーク131に対して、ショット領域SHの中心方向に位置ずれしていた場合等には、このショット領域SHは、テンプレート10のパターン12に対する倍率が小さく形成されていることが判る。
実際には、制御部90は、他の装置から取得したウェハ情報およびテンプレート情報から複数の粗検マーク131,231の相対位置を予測し、観測対象のショット領域SHにおける複数の粗検マーク131,231の実際の相対位置との差分等に基づいて、テンプレート10のパターン12に対する観測対象のショット領域SHのサイズの差、つまり、倍率誤差を算出する。
このように、インプリント装置1の制御部90は、上述のウェハ情報およびテンプレート情報を参照しつつ、所定のショット領域SH内の複数の粗検マーク131,231に基づいて、ショット領域SHの倍率誤差を算出する。
このとき、ショット領域SH内に存在するアライメントマーク13,23のうち、例えばショット領域SHの4隅等、互いに極力離れたアライメントマーク13,23を用いてショット領域SHの倍率誤差を算出することが好ましい。これにより、ショット領域SHの倍率誤差を高精度に求めることができる。
また、このような倍率誤差は、例えばウェハ20の中心部分に配置されたショット領域SH等、複数のショット領域SHのうち倍率誤差の代表値となりうるショット領域SHの撮像画像に基づいて算出されることが好ましい。あるいは、ウェハ20が備える複数のショット領域SHのうち、ウェハ20の中心、X方向両端部、及びY方向両端部等、幾つかのショット領域SHについて、それぞれ倍率誤差を求め、これらの平均値等を複数のショット領域SHの代表値の倍率誤差としてもよい。
制御部90は、上記のように求めた倍率誤差に基づいて、温調部820を制御して、テンプレート10のパターン12に対するショット領域SHの倍率誤差が小さくなるようウェハ20の温度を調整する。
すなわち、図9の例のように、テンプレート10のパターン12に対するショット領域SHの倍率が小さい場合には、温度を上げてウェハ20を膨張させ、ショット領域SHの倍率を高める。また、テンプレート10のパターン12に対するショット領域SHの倍率が大きい場合には、温度を下げてウェハ20を収縮させ、ショット領域SHの倍率を低下させる。
このようにウェハ20の温度を調整する際には、上記のようなショット領域SHの倍率誤差を、例えば1ロット内の1つのウェハ20、または幾つかに基づいて算出し、これらの倍率誤差に基づくウェハ20温度が、これら1ロット分のウェハ20全体に適用されてよい。あるいは、全てのウェハ20についてショット領域SHの倍率誤差を求め、個々のウェハ20ごとに、適用する温度を変更してもよい。
なお、テンプレート10のパターン12とウェハ20のショット領域SHとの倍率誤差は、以下に詳述するように、テンプレートステージ81が備える押圧部材813を用いてパターン12の倍率を変更することによっても調整される。押圧部材813によるパターン12の倍率の変更可能範囲は例えば6.6ppm以下である。したがって、ショット領域SHの倍率を変更する際には、ショット領域SHの相対倍率が、パターン12の倍率変更範囲の中心値である3.0ppm程度になるようウェハ20の温度を調整するとよい。
ウェハ20の温度変化により、ショット領域SHの倍率は、例えば1.2ppm/℃変化することが判っている。このようなウェハ20の温度変化とショット領域SHの倍率変化との比、半導体装置の製造誤差によるショット領域SHの倍率ばらつき、テンプレート10の製造誤差によるパターン12の倍率ばらつき、及び押圧部材813によるパターン12倍率の変更可能範囲等に鑑みて、ウェハ20の温度変化の範囲は、例えば室温±1℃程度で足りると考えられる。
図10は、実施形態のインプリント装置1が、パターン12の倍率変更の際に参照する撮像画像IMpa,IMpbの一例を示す模式図である。
図10(a)に示すように、パターン12の倍率変更に用いるデータを得るため、制御部90は、ショット領域SH内に存在する複数のアライメントマーク13,23のうち、撮像素子84a~84dによって、特定のアライメントマーク13,23をそれぞれ撮像させる。
図10(a)の例では、制御部90は、矩形のショット領域SHの紙面左上隅のアライメントマーク13,23を撮像素子84aにより撮像させ、紙面右上隅のアライメントマーク13,23を撮像素子84bにより撮像させ、紙面右下隅のアライメントマーク13,23を撮像素子84cにより撮像させ、紙面左下隅のアライメントマーク13,23を撮像素子84dにより撮像させている。
このとき、ショット領域SH内に存在するアライメントマーク13,23のうち、例えばインプリント装置1が備える撮像素子84a~84d全てを活用して、ショット領域SHの4隅等、互いに極力離れたアライメントマーク13,23同士を撮像し、これらの画像に基づき、ショット領域SHに対するパターン12の倍率誤差を算出することが好ましい。これにより、パターン12の倍率誤差を高精度に求めることができる。
制御部90は、上記のように求めた倍率誤差に基づいて、押圧部材813を制御して、ショット領域SHに対するテンプレート10のパターン12の倍率誤差が小さくなるようテンプレート10のサイズを調整する。なお、押圧部材813を用いることで、パターン12の倍率のみならず、パターン12の外形をも変更することが可能である。
図11は、実施形態のインプリント装置1によるテンプレート10のパターン12の外形制御の一例を示す模式図である。
図11(A)は、上述のテンプレートステージ81の押圧部材813とテンプレート10との上面図の再掲である。図11(B)は、押圧部材813によるパターン12の倍率補正を説明する模式図である。図11(C)は、押圧部材813によりパターン12を台形に補正する動作を説明する模式図である。図11(CD)は、押圧部材813によるパターン12のスキュー補正を説明する模式図である。
図11(A)に示すように、図11においては、紙面右方向を+X方向とし、左方向を-X方向とする。また、紙面上方向を+Y方向とし、下方向を-Y方向とする。
図11(Ba)に示すように、補正前の初期値として、テンプレート10は押圧部材813により最大限に圧縮された状態となっており、テンプレート10のパターン12の倍率は最小となっている。この状態から、全ての押圧部材813の押圧力を同じだけ低下させていけば、パターン12の倍率を徐々に高めていくことができる。
図11(Bb)(Bc)に示すように、パターン12の倍率をX方向とY方向とで異ならせることも可能である。
図11(Bb)に示す例では、テンプレート10のX方向に延びる側面における押圧力を低下させることで、パターン12のY方向の倍率を小さいままに維持し、X方向の倍率を高めている。図11(Bc)に示す例では、テンプレート10のY方向に延びる側面における押圧力を低下させることで、パターン12のX方向の倍率を小さいままに維持し、Y方向の倍率を高めている。
図11(C)に示すように、X方向またはY方向に並ぶ複数の押圧部材813間で押圧力を異ならせることで、テンプレート10のパターン12を台形形状とすることも可能である。
図11(Ca)に示す例では、Y方向に並ぶ複数の押圧部材813のうち、-Y方向側に向かうほど押圧力を低下させることで、+Y方向側の側面を上底とし、-Y方向側の側面を下底とする台形形状に、パターン12を補正している。
図11(Cb)に示す例では、Y方向に並ぶ複数の押圧部材813のうち、+Y方向側に向かうほど押圧力を低下させることで、-Y方向側の側面を上底とし、+Y方向側の側面を下底とする台形形状に、パターン12を補正している。
図11(Cc)に示す例では、X方向に並ぶ複数の押圧部材813のうち、-X方向側に向かうほど押圧力を低下させることで、+X方向側の側面を上底とし、-X方向側の側面を下底とする台形形状に、パターン12を補正している。
図11(Cd)に示す例では、X方向に並ぶ複数の押圧部材813のうち、+X方向側に向かうほど押圧力を低下させることで、-X方向側の側面を上底とし、+X方向側の側面を下底とする台形形状に、パターン12を補正している。
図11(D)に示すように、X方向またはY方向に向かい合う複数の押圧部材813間で押圧力を異ならせることで、テンプレート10のパターン12を平行四辺形の外形とするスキュー補正を行うことも可能である。
図11(Da)に示す例では、X方向に向かい合う複数の押圧部材813のうち、テンプレート10の+X方向側の側面を押圧する押圧部材813においては、+Y方向側に向かうほど押圧力を低下させている。また、X方向に向かい合う複数の押圧部材813のうち、テンプレート10の-X方向側の側面を押圧する押圧部材813においては、-Y方向側に向かうほど押圧力を低下させている。これにより、X方向に向かい合う側面が斜交し、-X方向側かつ+Y方向側の角と、+X方向側かつ-Y方向側の角とが鈍角となった平行四辺形のパターン12が得られる。
図11(Db)に示す例では、X方向に向かい合う複数の押圧部材813のうち、テンプレート10の+X方向側の側面を押圧する押圧部材813においては、-Y方向側に向かうほど押圧力を低下させている。また、X方向に向かい合う複数の押圧部材813のうち、テンプレート10の-X方向側の側面を押圧する押圧部材813においては、+Y方向側に向かうほど押圧力を低下させている。これにより、X方向に向かい合う側面が斜交し、+X方向側かつ+Y方向側の角と、-X方向側かつ-Y方向側の角とが鈍角となった平行四辺形のパターン12が得られる。
図11(Dc)に示す例では、Y方向に向かい合う複数の押圧部材813のうち、テンプレート10の+Y方向側の側面を押圧する押圧部材813においては、+X方向側に向かうほど押圧力を低下させている。また、Y方向に向かい合う複数の押圧部材813のうち、テンプレート10の-Y方向側の側面を押圧する押圧部材813においては、-X方向側に向かうほど押圧力を低下させている。これにより、Y方向に向かい合う側面が斜交し、-X方向側かつ+Y方向側の角と、+X方向側かつ-Y方向側の角とが鈍角となった平行四辺形のパターン12が得られる。
図11(Dd)に示す例では、Y方向に向かい合う複数の押圧部材813のうち、テンプレート10の+Y方向側の側面を押圧する押圧部材813においては、-X方向側に向かうほど押圧力を低下させている。また、Y方向に向かい合う複数の押圧部材813のうち、テンプレート10の-Y方向側の側面を押圧する押圧部材813においては、+X方向側に向かうほど押圧力を低下させている。これにより、Y方向に向かい合う側面が斜交し、-X方向側かつ-Y方向側の角と、+X方向側かつ+Y方向側の角とが鈍角となった平行四辺形のパターン12が得られる。
このような押圧部材813を用いたテンプレート10のパターン12の外形補正は、所定のショット領域SH内の複数の精検マーク132x,132y,232x,232yの位置関係に基づいて行われる。
すなわち、インプリント装置1の制御部90は、上述のウェハ情報およびテンプレート情報を参照しつつ、例えば上述の図6(c)~図7(c)に示したように、テンプレート10のパターン12をウェハ20上のレジスト膜30に接触させた状態で複数の精検マーク132x,132y,232x,232yを観測ながら、テンプレート10とウェハ20との面に沿う方向の位置合わせを行うとともに、押圧部材813を用いたパターン12の倍率補正、台形補正、及びスキュー補正を適宜行う。
このように、押圧部材813によるパターン12の外形補正は、例えば複数の精検マーク132x,132y,232x,232yを用いたファインアライメントと並行して行われる。
押圧部材813を用いたテンプレート10のパターン12の外形補正によれば、例えばパターン12の倍率補正を0ppm以上6.6ppm以下の範囲で行うことが可能である。ウェハ20の温度を調整する際、上述のように、ショット領域SHとパターン12との相対倍率が、押圧部材813の倍率補正範囲の中心値である3.0ppmになるよう、ウェハ20のショット領域SHの倍率を補正しておくことで、パターン12の倍率補正を行う際、押圧部材813の可動域の中心位置付近、つまり、押圧部材813の使用率が50%の付近で、パターン12の倍率が補正されうる。これにより、押圧部材813の倍率補正範囲内で、ショット領域SHとパターン12との相対倍率を合わせ込むことが可能となる。
(インプリント装置の処理例)
次に、図12を用いて、実施形態のインプリント装置1におけるインプリント処理の例について説明する。図12は、実施形態にかかるインプリント装置1におけるインプリント処理の手順の一例を示すフロー図である。
図12に示すように、インプリント装置1の制御部90は、ユーザ等からの指示を受けると、処理対象のウェハ20のウェハ情報と、このウェハ20に転写するパターン12を有するテンプレート10のテンプレート情報とを、設計装置および計測装置等の他の装置から取得し、記憶部91に格納する(ステップS101)。
また、制御部90は、図示しない搬送機構を制御して、テンプレート10とウェハ20とをインプリント装置1内へと搬入する(ステップS102)。搬入されたテンプレート10は、テンプレートチャック812によりテンプレートステージ81に装着される。搬入されたウェハ20は、ウェハステージ82上に載置され、ウェハチャック82bによりに吸着される。
制御部90は、テンプレート10のパターン12と、ウェハ20上の所定のショット領域SHとを上下に重なるよう制御し、上下に重なるそれぞれの粗検マーク131,231を撮像素子83により観測して、パターン12とショット領域SHとの倍率誤差を算出する(ステップS103)。このとき、ウェハ20の異なる領域に配置された複数のショット領域SHについて倍率誤差を算出してもよい。
制御部90は、他の装置から取得したウェハ情報およびテンプレート情報を参照しつつ、1つ以上のショット領域SHについて算出した倍率誤差に基づいて、温調部820を制御してウェハ20の温度を調整する(ステップS104)。これにより、ウェハ20が膨張または収縮して、これらの倍率誤差が小さくなるよう、パターン12に対するショット領域SHの倍率が変更される。このとき、ショット領域SHの相対倍率が、押圧部材813によるパターン12の倍率補正範囲の中心値になるよう、ウェハ20の温度が調整されることが好ましい。
その後、制御部90は、個々のショット領域SHに対するインプリント処理を開始する。
すなわち、制御部90は、液滴下装置87によって、処理対象のショット領域SHにレジストの液滴を滴下させ(ステップS105)、そのショット領域SHとテンプレート10のパターン12とが上下に重なるよう制御し、上下に重なるそれぞれの粗検マーク131,231を撮像素子83により観測しつつ、ウェハ20とテンプレート10とのラフアライメントを行う(ステップS106)。
また、制御部90は、テンプレートステージ81を下降させて、ウェハ20上のレジスト膜30にテンプレート10のパターン12を接触させ、上下に重なるそれぞれの精検マーク132x,232x、及び上下に重なるそれぞれの精検マーク132y,232yを撮像素子84により観測しつつ、ウェハ20とテンプレート10とのファインアライメントを行う(ステップS107)。
このとき、他の装置から取得したウェハ情報およびテンプレート情報を参照しつつ、押圧部材813を用いたテンプレート10のパターン12の倍率補正、台形補正、及びスキュー補正等の外形補正が並行して行われる。
ファインアライメント等が終了すると、制御部90は、光源89から紫外線等の光を照射して、テンプレート10のパターン12を押し当てたままのレジスト膜30を硬化させる(ステップS108)。また、制御部90は、テンプレートステージ81を上昇させて、硬化により形成されたレジストパターン30pから、テンプレート10のパターン12を離型する(ステップS109)。
ここで、制御部90は、ウェハ20上の対象となる全てのショット領域SHに対してインプリント処理が終了したか否かを判定する(ステップS110)。未処理のショット領域SHがある場合には(ステップS110:No)、ステップS105からの処理を繰り返す。
全てのショット領域SHの処理が終了すると(ステップS110:Yes)、制御部90は、図示しない搬送機構によって、テンプレート10とウェハ20とをインプリント装置1から搬出する(ステップS111)。
以上により、実施形態のインプリント装置1におけるインプリント処理が終了する。
(概括)
半導体装置の製造工程において、ウェハには複数のショット領域が設けられ、インプリント装置によるインプリント処理は、個々のショット領域ごとに行われる。ショット領域に転写されるテンプレートのパターンは、ショット領域に対応するよう設けられている。
ただし、製造誤差等により、パターン及びショット領域の大きさが相互にばらつく場合があるため、テンプレートのパターンは、ショット領域よりも若干大きめに設計されている。そのうえで、インプリント処理の際には、外縁部に設けた押圧部材でテンプレートの側面を押圧して、パターンの倍率を小さくすることで、個々のショット領域に対する相対倍率を合わせている。
しかしながら、ショット領域とテンプレートのパターンとの相対倍率の誤差が大きすぎる場合、押圧部材で補正可能な範囲から外れてしまうことがある。押圧部材が補正限界に達してしまうと、それ以上の補正ができないため、ショット領域とテンプレートのパターンとの倍率誤差が大きいまま、インプリント処理が行われることとなる。この場合、ショット領域とパターンとの重ね合わせ誤差が増大してしまう。
実施形態のインプリント装置1によれば、ウェハチャック82bにウェハ20を保持し、テンプレート10のパターン12とウェハ20のショット領域SHとの倍率誤差に基づいて、温調部820を制御してウェハ20の温度を調整させる。
これにより、ショット領域SHの倍率を変更してパターン12との倍率誤差を低減し、ウェハ20に対するパターン12の重ね合わせ精度を向上させることができる。よって、半導体装置の歩留まりを向上させることができる。
実施形態のインプリント装置1によれば、ショット領域SH及びパターン12は、複数のアライメントマーク23,13を、ショット領域SH及びパターン12の外縁部の異なる位置にそれぞれ有しており、ウェハチャック82bに保持したウェハ20の上方に、テンプレートステージ81に保持したテンプレート10を配置し、撮像素子83により複数のアライメントマーク13,23を撮像した画像に基づいて、ショット領域SHのサイズとパターン12のサイズとの差から、温調部820を制御してウェハ20の温度を調整してショット領域SHの倍率を変化させる。
これにより、ショット領域SH及びパターン12の外縁部に位置する複数のアライメントマーク23,13から、ショット領域SHの相対倍率を高精度に算出することができる。よって、パターン12に対するショット領域SHの相対倍率をより精密に合わせることができる。
実施形態のインプリント装置1によれば、ショット領域SHの倍率を変化させた後、撮像素子84によりテンプレート10を介してアライメントマーク13,23を観測しつつ、複数の押圧部材813によりパターン12の倍率を変化させる。
ショット領域SHの倍率を変化させた後、押圧部材813によってパターン12の倍率を変化させることで、ショット領域SHに対するパターン12の倍率誤差が、押圧部材813の倍率補正範囲を超えてしまうのを抑制することができる。よって、押圧部材813の倍率補正範囲内で、パターン12の倍率誤差を補正することが可能となる。
実施形態のインプリント装置1によれば、アライメントマーク23は、ウェハ20の温度を調整させる場合に参照される粗検マーク231と、パターン12の倍率を変化させる場合に参照され、粗検マーク231よりも精密に位置合わせが可能な精検マーク232x,232yと、を有している。また、アライメントマーク13は、粗検マーク231とともに参照される粗検マーク131と、精検マーク232x,232yとともに参照される精検マーク132x,132yと、を有している。
このように、温度変化によるウェハ20の膨張または収縮を利用するショット領域SHの倍率補正には粗検マーク131,231を用い、より精密な補正が可能な押圧部材813によるパターン12の倍率補正には、精検マーク132x,132y,232x,232yを用いることで、より高精度に、また、速やかに、ショット領域SHとパターン12との相対倍率を合わせ込むことができる。
実施形態のインプリント装置1によれば、アライメントマーク13,23を複数のショット領域SHごとに撮像した画像に基づいて複数のショット領域SHの倍率を変化させる。また、複数のショット領域SHの倍率を変化させる場合には、温調部820を制御してウェハ20の温度を一律に調整して複数のショット領域SHの倍率を一律に変化させる。
これにより、複数のショット領域SHについて算出した倍率誤差から、これらのショット領域SHの相対倍率をいっそう高精度に算出することができ、パターン12に対するショット領域SHの相対倍率をより精密に合わせることができる。
なお、上述の実施形態では、個々のショット領域SHへのインプリント処理を開始する前に、粗検マーク131,231を観測して得られたショット領域SHの倍率誤差に基づいて、ウェハ20の温度を調整することとした。しかし、ショット領域SHの倍率誤差の算出、及び倍率誤差に基づくウェハ20の温度調整を、精検マーク132x,232xと精検マーク132y,232yとに基づいて行ってもよい。
上述のように、精検マーク132x,132y,232x,232yは、ウェハ20上のレジスト膜30にテンプレート10のパターン12を接触させた状態で、これらの精密な位置合わせを行うよう構成されている。しかし、レジスト膜30とテンプレート10とが非接触の状態であっても、ウェハ20とテンプレート10とを例えば10μm以下の距離に近接させることで、少なくともショット領域SHの倍率誤差の算出に必要な精度で、精検マーク132x,232xと精検マーク132y,232yとの観測が可能である。
精検マーク132x,132y,232x,232yを用いたショット領域SHの倍率誤差の算出においては、テンプレート10のパターン12と、ウェハ20上の所定のショット領域SHとを、10μm以下の距離内であって、かつ非接触に、上下に重なるよう制御する。
また、上下に重なるそれぞれの精検マーク132x,232xを撮像素子84により観測して、パターン12とショット領域SHとのX方向における倍率誤差を算出する。また、上下に重なるそれぞれの精検マーク132y,232yを撮像素子84により観測して、パターン12とショット領域SHとのY方向における倍率誤差を算出する。
このとき、1つのショット領域SH内の複数個所に設けられた精検マーク232x,232yを用いることが好ましい。また、ウェハ20の異なる領域に配置された複数のショット領域SHについて倍率誤差を算出してもよい。
このように、精検マーク132x,232xと精検マーク132y,232yとを用いた場合であっても、ショット領域SHの倍率誤差を算出することができ、上述の実施形態と同様の効果が得られる。
(変形例1)
次に、図13を用いて、実施形態の変形例1の構成について説明する。変形例1のインプリント装置は、複数に分岐した冷媒流路828brがウェハチャック182bに設けられている点が、上述の実施形態とは異なる。
図13は、実施形態の変形例1にかかるインプリント装置が備えるウェハチャック182bの構成の一例を示す上面透視図である。
図13に示すように、変形例1のインプリント装置に設けられた温調部820aは、上述の実施形態の温調部820の冷媒流路828に替えて、冷媒流路828brを備える。冷媒流路828brは、ウェハチャック182b一端部の流入口側から、複数に分岐してウェハチャック182bの内部へと引き込まれ、ウェハチャック82b他端部の流出口側へと向かう。
このように、複数に分岐した冷媒流路828brが、ウェハチャック182bの全面に分散してウェハチャック182b内に設けられていることで、個々に分岐した冷媒流路828bの流入口から流出口までの距離を短縮することができる。したがって、ウェハチャック182bへの流入口側と、ウェハチャック182bからの流出口側とで、冷媒の温度変動を抑制することができ、より精密にウェハ20の温度調整を行うことができる。
なお、分岐させる冷媒流路828brの数、径、及びウェハチャック182b内における延伸方向等は適宜設定可能である。すなわち、ウェハ20の温度調整を精度よく行うことが可能であれば、冷媒流路828brの数は、図13の例より多くとも少なくともよい。また、図13の例では、ウェハ20が、例えばノッチを紙面下方に向けてウェハチャック182bに載置されるものとして、ウェハチャック182b内における冷媒流路828brの延伸方向を紙面水平方向としている。しかし、冷媒流路828brの延伸方向は、紙面上下方向、またはその他の方向であってもよい。
変形例1のインプリント装置によれば、その他、上述の実施形態のインプリント装置1と同様の効果を奏する。
(変形例2)
次に、図14を用いて、実施形態の変形例2の構成について説明する。変形例2のインプリント装置は、複数の冷媒流路828a~828dがウェハチャック282bに設けられている点が、上述の実施形態とは異なる。
図14は、実施形態の変形例2にかかるインプリント装置が備えるウェハチャック282bの構成の一例を示す上面透視図である。
図14に示すように、変形例2のインプリント装置に設けられた温調部820bは、上述の実施形態の温調部820のチラー827、冷媒流路828、及び温度センサ829in,829otに替えて、チラー827b、複数の冷媒流路828a~828d、及び温度センサ829ia~829id,829oa~829odを備える。
チラー827bは、図示しない複数のチャネルを備え、個々のチャネルによりウェハチャック282bに独立して冷媒を循環させる。チラー827bは、これらのチャネルにより循環される冷媒をそれぞれ異なる温度で個別に制御することが可能である。
複数の冷媒流路828a~828dは、個々に独立しており、それぞれが、ウェハチャック282bへの冷媒の流入口と流出口とを備えている。冷媒流路828aは、ウェハチャック282b一端部の流入口から、ウェハチャック282bの外縁部に沿ってウェハチャック282bの外縁部近傍を巡り、流入口と同じ側のウェハチャック282b端部の流出口へと向かう。冷媒流路828bは、冷媒流路828aと同様に、ウェハチャック282bの外縁部に沿って、冷媒流路828aよりもウェハチャック822bの内側寄りを巡る。冷媒流路828cは、冷媒流路828a,828bと同様に、ウェハチャック282bの外縁部に沿って、冷媒流路828bよりもウェハチャック822bの更に内側寄りを巡る。冷媒流路828dは、冷媒流路828a~828cと同様に、ウェハチャック282bの外縁部に沿って、冷媒流路828cよりもウェハチャック822bの更に内側寄りを巡る。
複数の冷媒流路828a~828dの流入口には、それぞれ温度センサ829ia~829idが設けられ、冷媒温度の検出結果をチラー827bへと出力する。複数の冷媒流路828a~828dの流出口には、それぞれ温度センサ829oa~829odが設けられ、冷媒温度の検出結果をチラー827bへと出力する。チラー827bは、これらの温度センサ829ia~829id,829oa~829odからの検出結果に基づいて、これらの冷媒流路828a~828dを循環する冷媒の温度を個別に制御する。
なお、冷媒流路828a~828dの数および径等は適宜設定可能である。すなわち、ウェハ20の温度調整を精度よく行うことが可能であれば、冷媒流路828a~828dの数は、図14の例より多くとも少なくともよい。
変形例2のこのような温調部820bによれば、複数の冷媒流路828a~828dによって、ウェハチャック282bを外周領域から内周領域にゾーン分けすることができ、これらの領域ごとに異なる温度にウェハ20を制御することが可能である。
したがって、例えばこれらの温度領域に対応する位置に配置される複数のショット領域SHの相対倍率を算出し、それらの算出結果に基づいて、個々の領域を異なる温度で適正に制御することができる。これにより、個々のショット領域SHの相対倍率をより適正に変化させることができる。
変形例2のインプリント装置によれば、その他、上述の実施形態のインプリント装置1と同様の効果を奏する。
(変形例3)
次に、図15を用いて、実施形態の変形例3の構成について説明する。変形例3のインプリント装置は、ウェハチャック382bが静電チャックとして構成されている点が、上述の実施形態とは異なる。
図15は、実施形態の変形例3にかかるインプリント装置が備えるウェハチャック382bの構成の一例を示す模式図である。図15(a)はウェハチャック382bの上面図であり、図15(b)はウェハステージ382の断面を含む変形例3の温調部820cの構成図である。
図15に示すように、変形例3のインプリント装置が備えるウェハステージ382は、本体382a、ウェハチャック382b、及びセラミック板382cを備える。セラミック板382cは、ウェハステージ382の最表面に配置され、ウェハ20の載置面となる。
ウェハチャック382bは、本体382aとセラミック板382cとの間に介在されており、ウェハチャック382bのセラミック板382c近傍にはチャック電極387が埋設されている。チャック電極387には、給電線388を介して電源389が接続されている。このような機構によって、電源389からチャック電極387に直流電力が供給されて、ウェハステージ382の上面が静電的に帯電され、ウェハ20が吸着される。
このように、変形例3のウェハチャック382bは、ウェハ20を静電吸着させる静電チャックとして構成されている。
変形例3のインプリント装置に設けられた温調部820cは、ガス供給管381、流量制御装置(MFC:Mass Flow Controller)383、バルブ384、タンク385、ガス流路386、冷媒流路828e、温度センサ829in,829ot、及び図示しないチラーを備える。
冷媒流路828eは、ウェハステージ382の本体382a内部に設けられている。冷媒流路828eは、上述の実施形態の冷媒流路828と同様、蛇行した流路、あるいは、変形例1の冷媒流路828br同様、分岐した流路等、任意のデザインを有していてよい。またあるいは、変形例3の冷媒流路828eもまた、変形例2の冷媒流路828a~828dのように、独立した複数の冷媒流路を含んでいてもよい。
冷媒流路828eの本体382eへの流入口側には温度センサ829inが設けられ、流出口側には温度センサ829otが設けられている。チラーは、これらの温度センサ829in,829otの検出結果に基づいて冷媒の温度を制御する。
ガス流路386は、ウェハステージ382を貫通して設けられており、セラミック板382cの表面に開口する複数の開口部386gを有する。複数の開口部386gは、セラミック板382cの全面に分散して設けられている。冷媒流路828eを独立した複数の冷媒流路とした場合には、ガス流路386もまた、独立した複数のガス流路を含んでいてよい。
ガス流路386の上流端には、上流端にガス供給源CYが接続されたガス供給管381の下流端が接続されている。ガス供給源CYは、例えばHeガス、Arガス等の熱伝導率の高いガスが貯蔵されている。ガス供給管381には、上流側から順に、MFC383、バルブ384、及びタンク385が設けられている。また、タンク385には、タンク385内の圧力を計測する圧力センサ385pが設けられている。
ガス供給管381のバルブ384を開放することで、ガス供給源CYから流出したガスが、MFC383で流量を制御され、一旦、タンク385内に貯留され、圧力調整されてセラミック板382cの複数の開口部386gから、セラミック板382cの表面とウェハ20の裏面との間に拡散する。
変形例3のインプリント装置の制御部は、圧力センサ385pの計測結果に基づいて、MFC383によりガス流量を変化させ、タンク385内の圧力を制御する。これにより、タンク385内に一時的に貯留されていたガスが、セラミック板382cの複数の開口部386gに所定の圧力で供給される。このように、タンク385は、ウェハステージ382に供給されるガスの圧力を制御する圧力制御部として機能する。
このように、変形例3の温調部820cにおいて、熱伝導率の高いガスが流れるガス流路386が、温度制御された冷媒が流れる冷媒流路828eの近傍であって、冷媒流路828eよりもウェハ20載置面であるセラミック板382cに近い側に配置されている。
これにより、冷媒流路828eを流れる冷媒と、ガス流路386を流れるガスとの間で熱交換が行われ、ガスが所定の温度に制御される。所定温度に制御されたガスが、ウェハ20の裏面に拡散されることで、ウェハ20の温度を調整することができる。
上述のように、冷媒流路828eを独立した複数の冷媒流路とし、ガス流路386を独立した複数のガス流路とした場合には、ウェハチャック382bを複数のゾーンに分割して、ゾーンごとに異なる温度に調整することも可能である。
変形例3のインプリント装置によれば、上述の実施形態のインプリント装置1と同様の効果を奏する。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…インプリント装置、10…テンプレート、12…パターン、13,23…アライメントマーク、20…ウェハ、21…被加工膜、30…レジスト膜、81…テンプレートステージ、82…ウェハステージ、82b、182b,282b,382b…ウェハチャック、83,84a~84d…撮像素子、90…制御部、131,231…粗検マーク、132x,132y,232x,232y…精検マーク、385…タンク、386…ガス流路、813…押圧部材、820,820a~820c…温調部、828,828a~828d,828br,828e…冷媒流路、827,827b…チラー、SH…ショット領域。

Claims (10)

  1. ショット領域を有する基板の温度を調整可能な温調部を有し、且つ、前記基板を保持することが可能なチャックと、
    パターンを有する面を前記基板に対向させた状態でテンプレートを保持し、前記基板と前記テンプレートとの面方向の相対的な位置を変化させることが可能なテンプレートステージと、
    前記チャック及び前記テンプレートステージを制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記チャックに前記基板を保持し、前記パターンと前記ショット領域との倍率誤差に基づいて、前記温調部を制御して前記基板の温度を調整させ、
    前記テンプレートステージを制御して、温度が調整された前記基板の前記ショット領域に前記パターンを転写させる、
    インプリント装置。
  2. 前記テンプレートを介して前記基板を撮像する撮像部を更に備え、
    前記ショット領域は、
    複数の第1のアライメントマークを、前記ショット領域の外縁部の異なる位置にそれぞれ有しており、
    前記テンプレートは、
    前記複数の第1のアライメントマークにそれぞれ対応する複数の第2のアライメントマークを有しており、
    前記制御部は、
    前記チャックに保持した前記基板の上方に、前記テンプレートステージに保持した前記テンプレートを配置し、前記撮像部により前記テンプレートを介して前記複数の第1及び第2のアライメントマークを撮像した画像に基づいて、前記ショット領域のサイズと前記パターンのサイズとの差から、前記温調部を制御して前記基板の温度を調整して前記ショット領域の倍率を変化させる、
    請求項1に記載のインプリント装置。
  3. 前記テンプレートステージは、
    前記テンプレートの外縁部の異なる位置をそれぞれ押圧して前記パターンの倍率を変化させることが可能な複数の押圧部材を更に有し、
    前記制御部は、
    前記ショット領域に前記パターンを転写させる前に、前記撮像部により前記テンプレートを介して前記第1及び第2のアライメントマークを観測しつつ、前記複数の押圧部材により前記パターンの倍率を変化させる、
    請求項2に記載のインプリント装置。
  4. 前記チャックは、複数の領域に分割されており、
    前記温調部は、前記複数の領域ごとに前記基板の温度を調整可能である、
    請求項1に記載のインプリント装置。
  5. 前記温調部は、
    冷媒を流通させて前記チャックの温度を制御する冷媒流路と、
    前記冷媒の温度を制御するチラーと、を有する、
    請求項1に記載のインプリント装置。
  6. 前記チャックは、
    前記基板を吸引して吸着する吸引チャックである、
    請求項5に記載のインプリント装置。
  7. 前記温調部は、
    前記冷媒流路よりも前記基板に近い側に設けられ、所定の熱伝導率を有するガスを流通させるガス流路と、
    前記ガス流路に流通させる前記ガスの圧力を制御する圧力制御部と、を更に有する、
    請求項5に記載のインプリント装置。
  8. 前記チャックは、
    前記基板を静電力により吸着する静電チャックである、
    請求項7に記載のインプリント装置。
  9. ショット領域を有する基板を、前記基板の温度を調整可能なチャック上に保持し、前記ショット領域にテンプレートのパターンを転写するパターン形成方法であって、
    前記パターンを転写するときは、
    前記パターンと前記ショット領域との倍率誤差に基づいて前記基板の温度を調整し、
    温度が調整された前記ショット領域に前記パターンを転写する、
    パターン形成方法。
  10. ショット領域を有する基板を、前記基板の温度を調整可能なチャック上に保持し、前記ショット領域にテンプレートのパターンを転写する半導体装置の製造方法であって、
    前記パターンを転写するときは、
    前記パターンと前記ショット領域との倍率誤差に基づいて、前記基板の温度を調整し、
    温度が調整された前記ショット領域に前記パターンを転写する、
    半導体装置の製造方法。
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