JP2024085330A - 車両用乗員拘束装置及びファーサイドエアバッグ折り畳み方法 - Google Patents

車両用乗員拘束装置及びファーサイドエアバッグ折り畳み方法 Download PDF

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Abstract

【課題】車両用シートの位置に関係なく、ファーサイドエアバッグによって乗員を拘束できる車両用乗員拘束装置と、そのファーサイドエアバッグ折り畳み方法を得る。
【解決手段】車両用シート12におけるシートバック16の車幅方向内側の側部から乗員Pの車幅方向内側へ膨張展開するファーサイドエアバッグ36を備えた車両用乗員拘束装置10であって、ファーサイドエアバッグ36は、膨張展開完了後に、下端38Dがコンソールボックス20の上面28Aよりも車両下方側に位置し、側面視で乗員Pの少なくとも腰部Pwから頭部Phまでを覆うメインチャンバ38と、メインチャンバ38の上部及び下部にそれぞれ形成された上部連通孔及び下部連通孔とそれぞれ連通する上部開口及び下部開口からガスが供給されることにより、メインチャンバ38の前部38Fからシート幅方向内側へ膨張展開するサブチャンバ40と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用乗員拘束装置及びファーサイドエアバッグ折り畳み方法に関する。
ファーサイドエアバッグの下端部を車両用シートに着座した乗員の腰部とコンソールボックスとの間に展開し、乗員の車幅方向内側への移動を抑制するようにした乗員拘束システムは、従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2012-081958号公報
しかしながら、上記のような構成では、ファーサイドエアバッグの下端部が、コンソールボックスと側面視で充分にオーバーラップしていない場合、換言すれば、シートバックの側部における前端面が、コンソールボックスの前面よりも前方側に位置する前側位置を車両用シートが採る場合、車両の側面衝突による慣性力で車幅方向内側へ移動する乗員は、ファーサイドエアバッグがコンソールボックスから充分に反力を得られないため、そのファーサイドエアバッグと共に車幅方向内側へ倒れる可能性がある。
つまり、車両用シートを前側位置に位置させる小柄な乗員の場合、平面視で、展開したファーサイドエアバッグが、その後端部を回転中心として車幅方向内側へ回転するおそれがあり、展開したファーサイドエアバッグで乗員を拘束することが困難になるおそれがある。また、側面視で、展開したファーサイドエアバッグが、その下端部を回転中心として後方側へ回転するおそれがあり、展開したファーサイドエアバッグで乗員を拘束することが困難になるおそれもある。
そこで、本発明は、車両用シートの位置に関係なく、ファーサイドエアバッグによって乗員を拘束できる車両用乗員拘束装置と、そのファーサイドエアバッグ折り畳み方法を得ることを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る第1の態様の車両用乗員拘束装置は、車室に車両前後方向に移動可能に設けられた車両用シートと、前記車室における前記車両用シートよりも車幅方向内側に設けられたコンソールボックスと、前記車両用シートにおけるシートバックの車幅方向内側の側部に設けられ、インフレータからガスが供給されることにより、前記車両用シートに着座した乗員の車幅方向内側へ膨張展開するファーサイドエアバッグと、を備え、前記ファーサイドエアバッグは、膨張展開完了後に、下端が前記コンソールボックスの上面よりも車両下方側に位置し、側面視で前記乗員の少なくとも腰部から頭部までを覆うメインチャンバと、前記メインチャンバの上部及び下部にそれぞれ形成された上部連通孔及び下部連通孔とそれぞれ連通する上部開口及び下部開口から前記ガスが供給されることにより、前記メインチャンバの前部からシート幅方向内側へ膨張展開するサブチャンバと、を有している。
第1の態様の発明によれば、車両の側面衝突時に、インフレータが作動し、そのインフレータから噴出されたガスが、ファーサイドエアバッグの内部に供給される。これにより、ファーサイドエアバッグのメインチャンバが、車両用シートに着座した乗員の車幅方向内側へ膨張展開し、次いでファーサイドエアバッグのサブチャンバが、メインチャンバの前部からシート幅方向内側(乗員の車両前方側)へ膨張展開する。なお、「車両の側面衝突時」とは、車両の側面衝突を検知したときだけではなく、車両の側面衝突を予知したときも含む。
ここで、車両用シート(特に運転席)に着座する乗員が小柄な乗員であると、側面視で、シートバックの側部における前端面がコンソールボックスの前面よりも車両前方側に位置する前側位置を、車両用シートが採る。そのため、メインチャンバは、コンソールボックスから反力を得難い。
しかしながら、サブチャンバがメインチャンバの前部からシート幅方向内側(乗員の車両前方側)へ向けて膨張展開しているため、慣性力により車幅方向内側へ向けて移動する乗員によって、メインチャンバが、平面視で、その後端部を回転中心として車幅方向内側へ回転しても、また、側面視で、その下端部を回転中心として車両後方側へ回転しても、その乗員(特に頭部)は、サブチャンバによって拘束される。つまり、メインチャンバの車幅方向内側及び車両後方側への回転挙動によってメインチャンバから相対的に移動する乗員の頭部がサブチャンバによって拘束され、その乗員の頭部の移動量が低減される。
一方、車両用シート(特に運転席)に着座する乗員が大柄な乗員であると、側面視で、シートバックの側部における前端面がコンソールボックスの前面よりも車両後方側に位置する後側位置を、車両用シートが採る。ここで、メインチャンバの下端は、コンソールボックスの上面よりも車両下方側に位置している。そのため、メインチャンバは、コンソールボックスから反力を得易い。
よって、その乗員(特に頭部)は、メインチャンバによって拘束される。そして、その乗員が慣性力により更にメインチャンバから相対的に車両前方側へ移動したとしても、その乗員(特に頭部)は、サブチャンバによって拘束される。このように、本発明によれば。車両用シートの位置に関係なく、ファーサイドエアバッグによって乗員が拘束される。
また、本発明に係る第2の態様の車両用乗員拘束装置は、第1の態様の車両用乗員拘束装置であって、側面視で、膨張展開完了後の前記メインチャンバの前部における車両上下方向略中央部に車両後方側へ凹むくびれ部が形成されるとともに、前記くびれ部が、膨張展開完了後の前記サブチャンバによってシート幅方向内側から覆われている。
第2の態様の発明によれば、側面視で、膨張展開完了後のメインチャンバの前部における車両上下方向略中央部に車両後方側へ凹むくびれ部が形成される。したがって、そのくびれ部が形成されない場合に比べて、メインチャンバの体積が低減され、メインチャンバが早期に展開される。また、メインチャンバの体積が低減されることから、メインチャンバを製造する上での低コスト化が図れる。
また、くびれ部が、膨張展開完了後のサブチャンバによってシート幅方向内側から覆われている。したがって、メインチャンバのくびれ部よりも上部側がサブチャンバによって引っ張られる。つまり、メインチャンバには車両上下方向に沿ったテンションが付与され、メインチャンバ及びサブチャンバによって、乗員の頭部の移動量が更に低減される。
また、本発明に係る第3の態様の車両用乗員拘束装置は、第1又は第2の態様の車両用乗員拘束装置であって、側面視で、膨張展開完了後の前記サブチャンバの上端が、膨張展開完了後の前記メインチャンバの前部における上端と同じ高さ位置に配置されている。
第3の態様の発明によれば、側面視で、膨張展開完了後のサブチャンバの上端が、膨張展開完了後のメインチャンバの前部における上端と同じ高さ位置に配置されている。したがって、膨張展開完了後のサブチャンバの上端が、膨張展開完了後のメインチャンバの前部における上端より低い高さ位置に配置されている場合に比べて、そのサブチャンバにより、乗員の頭部がより効果的に拘束される。なお、本発明における「同じ高さ位置」には、物理的に同一となる高さ位置だけではなく、極僅かな差を有する略同一となる高さ位置も含まれる。
また、本発明に係る第4の態様の車両用乗員拘束装置は、第1~第3の何れか1つの態様の車両用乗員拘束装置であって、前記サブチャンバの前記上部開口の周囲が前記メインチャンバの前記上部連通孔の周囲に縫製され、前記サブチャンバの前記下部開口の周囲が前記メインチャンバの前記下部連通孔の周囲に縫製されている。
第4の態様の発明によれば、サブチャンバの上部開口の周囲がメインチャンバの上部連通孔の周囲に縫製され、サブチャンバの下部開口の周囲がメインチャンバの下部連通孔の周囲に縫製されている。したがって、メインチャンバとサブチャンバとが簡単な構成で接続される。つまり、ファーサイドエアバッグが容易に製造可能となる。
また、本発明に係る第5の態様の車両用乗員拘束装置は、第1~第3の何れか1つの態様の車両用乗員拘束装置であって、前記サブチャンバは、側面視で前記メインチャンバにオーバーラップしている周縁部が前記メインチャンバに縫製されている。
第5の態様の発明によれば、側面視でメインチャンバにオーバーラップしているサブチャンバの周縁部がメインチャンバに縫製されている。したがって、メインチャンバとサブチャンバとが1回の縫製で簡単に接続される。つまり、ファーサイドエアバッグが容易に製造可能となる。
また、本発明に係る第6の態様の車両用乗員拘束装置は、第1~第5の何れか1つの態様の車両用乗員拘束装置であって、前記メインチャンバの前記下部連通孔及び前記サブチャンバの前記下部開口の開口面積が、前記メインチャンバの前記上部連通孔及び前記サブチャンバの前記上部開口の開口面積よりも大きくされている。
第6の態様の発明によれば、メインチャンバの下部連通孔及びサブチャンバの下部開口の開口面積が、メインチャンバの上部連通孔及びサブチャンバの上部開口の開口面積よりも大きくされている。したがって、メインチャンバの下部連通孔及びサブチャンバの下部開口の開口面積が、メインチャンバの上部連通孔及びサブチャンバの上部開口の開口面積と同等とされている場合に比べて、乗員の胴体下部に対する初期拘束力が向上され、乗員の移動量が更に低減される。
また、本発明に係る第7の態様の車両用乗員拘束装置は、第1~第6の何れか1つの態様の車両用乗員拘束装置であって、前記メインチャンバの前記上部連通孔及び前記下部連通孔、又は前記サブチャンバの前記上部開口及び前記下部開口に、前記サブチャンバから前記メインチャンバへ前記ガスが逆流しないようにするための逆止弁が設けられている。
第7の態様の発明によれば、メインチャンバの上部連通孔及び下部連通孔、又はサブチャンバの上部開口及び下部開口に、サブチャンバからメインチャンバへガスが逆流しないようにするための逆止弁が設けられている。したがって、サブチャンバが高圧に維持され、慣性力によって移動してくる乗員に対して反力が継続される。そして、運転席に着座する乗員の頭部と助手席に着座する乗員の頭部との間に介在するサブチャンバの底付きが抑制又は防止され、両者の頭部が保護される。
また、本発明に係る第8の態様のファーサイドエアバッグの折り畳み方法は、第1~第7の何れか1つの態様の車両用乗員拘束装置におけるファーサイドエアバッグの折り畳み方法であって、前記サブチャンバを前記メインチャンバに対して平らに展開する展開工程と、前記展開工程後の前記サブチャンバを前記メインチャンバと共に車両上下方向に沿った折罫で蛇腹折りする蛇腹折り工程と、前記蛇腹折り工程後の前記メインチャンバ及び前記サブチャンバの上端部と下端部とを互いに接近させるように折り畳む折り畳み工程と、を有している。
第8の態様の発明によれば、サブチャンバをメインチャンバに対して平らに展開した後、そのサブチャンバをメインチャンバと共に車両上下方向に沿った折罫で蛇腹折りし、その後、メインチャンバ及びサブチャンバの上端部と下端部とを互いに接近させるように折り畳む。したがって、メインチャンバにサブチャンバが接続されていても、そのサブチャンバ及びメインチャンバをコンパクトに折り畳むことが可能となる。
また、本発明に係る第9の態様のファーサイドエアバッグの折り畳み方法は、第1~第7の何れか1つの態様の車両用乗員拘束装置におけるファーサイドエアバッグの折り畳み方法であって、前記サブチャンバを前記メインチャンバに対して車両上下方向を軸方向として外巻きする第1外巻き工程と、前記第1外巻き工程後の前記サブチャンバを前記メインチャンバと共に車両上下方向を軸方向として外巻きする第2外巻き工程と、前記第2外巻き工程後の前記メインチャンバ及び前記サブチャンバの上端部と下端部とを互いに接近させるように折り畳む折り畳み工程と、を有している。
第9の態様の発明によれば、サブチャンバをメインチャンバに対して車両上下方向を軸方向として外巻きした後、サブチャンバをメインチャンバと共に車両上下方向を軸方向として外巻きし、その後、メインチャンバ及びサブチャンバの上端部と下端部とを互いに接近させるように折り畳む。したがって、メインチャンバにサブチャンバが接続されていても、そのサブチャンバ及びメインチャンバをコンパクトに折り畳むことが可能となる。また、サブチャンバは、外巻きされているため、サブチャンバの膨張展開時に、そのサブチャンバが乗員の顔に当たるのが抑制又は防止される。
以上のように、本発明によれば、車両用シートの位置に関係なく、ファーサイドエアバッグによって乗員を拘束することができる。
本実施形態に係る車両用乗員拘束装置の車両用シートが前側位置に位置しているときのファーサイドエアバッグの膨張展開状態を示す概略側面図である。 本実施形態に係る車両用乗員拘束装置の車両用シートが前側位置に位置しているときのファーサイドエアバッグの膨張展開状態を示す概略平面図である。 本実施形態に係る車両用乗員拘束装置の車両用シートが前側位置に位置している状態で車両が側面衝突したときの小柄な乗員及びファーサイドエアバッグの挙動を示す概略平面図である。 本実施形態に係る車両用乗員拘束装置の車両用シートが後側位置に位置しているときのファーサイドエアバッグの膨張展開状態を示す概略側面図である。 本実施形態に係る車両用乗員拘束装置の車両用シートが後側位置に位置しているときのファーサイドエアバッグの膨張展開状態を示す概略平面図である。 本実施形態に係る車両用乗員拘束装置の車両用シートが後側位置に位置している状態で車両が側面衝突したときの大柄な乗員及びファーサイドエアバッグの挙動を示す概略平面図である。 本実施形態に係るファーサイドエアバッグのメインチャンバに対するサブチャンバの縫製部位が連通孔と連通する開口の周囲とされている場合を一部断面でシート幅方向内側から見て示す概略拡大側面図である。 本実施形態に係るファーサイドエアバッグの内部を断面で示す概略拡大平面図である。 本実施形態に係るファーサイドエアバッグのメインチャンバに対するサブチャンバの縫製部位がメインチャンバにオーバーラップしている周縁部とされている場合を一部断面でシート幅方向内側から見て示す概略拡大側面図である。 本実施形態の変形例に係る逆止弁を備えたファーサイドエアバッグの内部を断面で示す概略拡大平面図である。 本実施形態の変形例に係る逆止弁を備えたファーサイドエアバッグのサブチャンバの時間経過に対する内圧の変化を逆止弁なしの場合と比較して示すグラフである。 本実施形態に係るファーサイドエアバッグの蛇腹状の折り畳み方法を示す説明図である。 本実施形態に係るファーサイドエアバッグのロール状の折り畳み方法を示す説明図である。 本実施形態に係るロール状の折り畳み方法で折り畳まれたファーサイドエアバッグの膨張展開途中を示す概略平面図である。
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を基に詳細に説明する。なお、説明の便宜上、各図において適宜示す矢印UPを車両及び車両用シートの上方向、矢印FRを車両及び車両用シートの前方向、矢印LHを車両及び車両用シートの左方向、矢印RHを車両及び車両用シートの右方向とする。したがって、以下の説明で、特記することなく上下、前後、左右の方向を記載した場合は、車両及び車両用シートにおける上下、前後、左右を示すものとする。また、左右方向は、車幅方向及びシート幅方向と同義である。
また、図1、図2、図3に示される「乗員P1」とは、一例として、WorldSID(国際統一側面衝突ダミー: World Side Impact Dummy)のAF05(米国人成人女性の5パーセンタイル)に相当する小柄な乗員である。そして、図4、図5、図6に示される「乗員P2」とは、一例として、WorldSIDのAM95(米国人成人男性の95パーセンタイル)に相当する大柄な乗員である。なお、以下において、小柄な乗員P1と大柄な乗員P2とを区別して説明する必要がない場合には、「乗員P」として説明する。
図1、図4に示されるように、本実施形態に係る車両用乗員拘束装置10を構成する車両用シート12は、乗員Pが着座する(乗員Pの臀部Pb及び大腿部を支持する)シートクッション14と、乗員Pの背部を支持するシートバック16と、乗員Pの頭部Phを支持するヘッドレスト18と、を有している。なお、この車両用シート12は、一例として、車両の車室に設けられた前席右側のシートであり、公知の電動機構によって前後方向に移動可能に構成されている。
車幅方向(シート幅方向)から見た側面視で、シートクッション14は、前後方向に延在されており、シートバック16は、シートクッション14の後端部にシート幅方向を軸方向として回動可能に連結されて上下方向に延在されている。そして、ヘッドレスト18は、シートバック16の上端部におけるシート幅方向中央部に昇降可能に設けられている。なお、以下において、シートバック16の側部下側における最前側に位置する端面を前端面16Aとする。また、乗員Pは、この車両用シート12にシートベルト装置(図示省略)によって拘束されるようになっている。
また、車室のフロア19における車両用シート12よりも車幅方向内側(車幅方向中央部)には、コンソールボックス20が設けられている。コンソールボックス20は、平面視で前後方向を長手方向とする矩形状の中空箱である。コンソールボックス20の前壁22及び後壁24は、それぞれ平坦面である前面22A及び後面24Aを有しており、コンソールボックス20の左右の側壁26は、それぞれ平坦面である側面26A(左側のみ図示し、右側の図示は省略する)を有している。
そして、コンソールボックス20の上部は、開口されており、所定の厚みを有する蓋部28によって開閉可能に構成されている。なお、コンソールボックス20の蓋部28の前端部は、側面視で前壁22の前面22Aよりも前方側へ所定の長さ突出した庇部29とされている。また、コンソールボックス20の蓋部28の上面28Aまでの高さは、乗員Pが無理な姿勢を採らずに肘部(図示省略)を置ける程度の高さとなっている。
また、シートバック16の車幅方向内側の側部である左側の側部(以下「左側部」という)には、ファーサイドエアバッグ装置30が設けられている。図7に示されるように、ファーサイドエアバッグ装置30は、シートバック16の左側部に埋設されたインフレータ32と、インフレータ32から噴出されたガスを上方側及び下方側へ分配するインナ布(インナチューブ)34と、インナ布34が内部に設けられたファーサイドエアバッグ36と、を含んで構成されている。
インフレータ32は、略円筒形状に形成されたシリンダー型のガス発生装置であり、その軸方向が、シートバック16の左右両側部の骨格を構成するサイドフレーム(図示省略)に沿った方向(略上下方向)とされている。インフレータ32は、車両の側面衝突が検知又は予知されたとき(以下「側面衝突時」という)に作動して、インナ布34を介してファーサイドエアバッグ36の内部へ瞬時にガスを供給可能になっている。
具体的に説明すると、インフレータ32の上端部32Aには、インナ布34の後方側の下端部が接続されている。インナ布34の前方側は、略上下方向を軸方向とする筒状に形成されており、上部開口34A及び下部開口34Bを有している。したがって、インナ布34は、ファーサイドエアバッグ36の内部において、インフレータ32から噴出されたガスを上方側及び下方側へ吹き出すことが可能になっている。これにより、ファーサイドエアバッグ36が速やかに膨張展開される構造になっている。
図1~図6に示されるように、ファーサイドエアバッグ36は、シートバック16の左側部に設けられ、ガスが内部に供給されることにより、車両用シート12に着座した乗員Pの臀部Pb、腰部Pw、胸部Pc、肩部Ps、頭部Phの車幅方向内側へ膨張展開するメインチャンバ38と、メインチャンバ38の前部38Fからシート幅方向内側で、かつシート前方側(乗員Pの前方側)へ向かって膨張展開するサブチャンバ40と、を有している。
図1、図4に示されるように、メインチャンバ38は、膨張展開完了状態において、側面視で、ヘッドレスト18の上端部からシートバック16の下端部にかけて(シートクッション14に至るまで)延在されており、乗員Pの臀部Pb(少なくとも腰部Pw)から頭部Phまでを覆うようになっている。そして、このメインチャンバ38は、その上部が乗員Pの頭部Phを効果的に拘束可能となるように前方側へ膨出された略楕円形状に形成されている。
換言すれば、メインチャンバ38は、膨張展開完了状態において、側面視で、その前部38Fにおける上下方向略中央部に、略「<」字状に後方側へ凹むくびれ部38Aが形成されるようになっている。したがって、メインチャンバ38の前部38Fとは、側面視で、くびれ部38Aにおける最後端を通る略上下方向に沿った仮想直線K(図7、図9参照)から前側の領域を指す。
また、メインチャンバ38は、膨張展開完了状態において、正面視及び側面視で、その下端面38D(下端)がコンソールボックス20の蓋部28の上面28Aよりも下方側に位置するようになっている。また、このメインチャンバ38は、2枚の基布の外周縁部を互いに縫製することで単一の袋状に形成されている。
サブチャンバ40は、側面視で、上下方向が長い略楕円形状に形成されており、メインチャンバ38の前部38Fにおける上端面38Uから下端面38D付近まで達する長さとされている。つまり、膨張展開完了後のサブチャンバ40の上端面40U(上端)は、側面視で、膨張展開完了後のメインチャンバ38の前部38Fにおける上端面38U(上端)と略同じ高さ位置に配置されている。
そして、サブチャンバ40の上下方向略中央部における前後方向の長さ(最大長さ)は、側面視で、膨張展開完了後のサブチャンバ40が、メインチャンバ38のくびれ部38Aを全体的にシート幅方向内側から覆うことができる程度の長さ、換言すればメインチャンバ38の前部38Fに略オーバーラップすることができる程度の長さとされている。また、このサブチャンバ40も、2枚の基布の外周縁部を互いに縫製することで単一の袋状に形成されている。
また、図7に示されるように、メインチャンバ38の前部38Fにおける上部(くびれ部38Aよりも上側)及び下部(くびれ部38Aよりも下側)には、それぞれ上部連通孔38B及び下部連通孔38Cが形成されている。上部連通孔38B及び下部連通孔38Cは、それぞれ所定の内径を有する円形状に形成されており、下部連通孔38Cの開口面積が、上部連通孔38Bの開口面積よりも大きくされている。
一方、サブチャンバ40の上部及び下部には、それぞれ上部連通孔38B及び下部連通孔38Cと連通する上部開口40B及び下部開口40Cが形成されている。上部開口40B及び下部開口40Cも、それぞれ所定の内径を有する円形状に形成されており、下部開口40Cの開口面積が、上部開口40Bの開口面積よりも大きくされている。そして、上部開口40Bの周囲が上部連通孔38Bの周囲に縫製され、下部開口40Cの周囲が下部連通孔38Cの周囲に縫製されている(図8参照)。
これにより、サブチャンバ40がメインチャンバ38の前部38Fに接続される構成になっており、図8に示されるように、メインチャンバ38内へ供給されたガスが、そのメインチャンバ38内から上部連通孔38B及び下部連通孔38Cと、上部開口40B及び下部開口40Cと、を通ってサブチャンバ40内へ供給されるようになっている。
なお、上部連通孔38B及び下部連通孔38Cは、図示の円形状に限定されるものではなく、例えば図示は省略するが、スリット形状に形成されていてもよい。この場合、下部連通孔38Cを構成するスリット長が、上部連通孔38Bを構成するスリット長よりも長く形成されていればよい。また、スリット形状は、縦長のスリット形状でも、横長のスリット形状でも、斜めに長いスリット形状でもよい。
但し、上部連通孔38B及び下部連通孔38Cは、それぞれ円形状とされている方が、各円の直径と同じ長さのスリット形状とされている場合よりも、サブチャンバ40の膨張展開速度が速くなるため、好ましい。いずれにしても、このような上部連通孔38B及び下部連通孔38Cにより、サブチャンバ40は、メインチャンバ38の膨張展開よりも遅れて膨張展開するようになっている。
また、サブチャンバ40は、上部開口40Bの周囲及び下部開口40Cの周囲が、それぞれ上部連通孔38Bの周囲及び下部連通孔38Cの周囲に縫製されることで接続される構成に限定されるものではない。サブチャンバ40は、例えば図9に示されるように、側面視で、メインチャンバ38のくびれ部38Aを除く部分にオーバーラップしている周縁部40Aがメインチャンバ38に縫製されることで、そのメインチャンバ38に接続される構成とされていてもよい。
以上のような構成とされた本実施形態に係る車両用乗員拘束装置10において、次にその作用について説明する。
車両の側面衝突時には、インフレータ32が作動し、そのインフレータ32から噴出されたガスが、インナ布34の内部へ瞬時に供給され、そのインナ布34の上部開口34A及び下部開口34Bからファーサイドエアバッグ36(メインチャンバ38)の内部へ供給される。すると、そのガスの供給によって膨張し始めたファーサイドエアバッグ36の内圧(膨張圧)によって、シートバック16の左側部における下端部から上端部に至る表皮が破断される。
つまり、ファーサイドエアバッグ36のメインチャンバ38が、車両用シート12に着座した乗員Pの臀部Pb、腰部Pw、胸部Pc、肩部Ps、頭部Phの左側面(車幅方向内側)へ向けて膨張展開する。これにより、乗員Pの臀部Pb(少なくとも腰部Pw)から頭部Phまでの左側面が、メインチャンバ38によって左側方から覆われる。したがって、車両の側面衝突時に、乗員Pの臀部Pb(少なくとも腰部Pw)から頭部Phまでの左側面をメインチャンバ38によって拘束することができる。
また、メインチャンバ38の膨張展開よりも遅れて、ファーサイドエアバッグ36のサブチャンバ40が、メインチャンバ38の前部38Fからシート幅方向内側で、かつシート前方側(乗員Pの前方側)へ向けて膨張展開する。ここで、図1に示されるように、車両用シート12(特に運転席)に着座する乗員Pが小柄な乗員P1であると、側面視で、シートバック16の側部下側における前端面16Aが、コンソールボックス20の前壁22における前面22Aよりも前方側に位置する前側位置を、車両用シート12が採る。
そのため、メインチャンバ38は、コンソールボックス20から反力を得難い。具体的に言えば、車両が側面衝突して、図2に示される乗員P1が慣性力によって車幅方向内側へ移動すると、図3に矢印で示されるように、その乗員P1に押されて、メインチャンバ38が、平面視で、その後端部を中心に車幅方向内側へ回転する(内倒れする)。そして、図示は省略するが、メインチャンバ38が、側面視で、その下端部を中心に後方側へ回転する。
しかしながら、メインチャンバ38の前部38Fには、サブチャンバ40がシート幅方向内側で、かつシート前方側(乗員P1の前方側)へ向けて膨張展開しているため、慣性力により車幅方向内側へ向けて移動する乗員P1によって、メインチャンバ38が、平面視で、その後端部を回転中心として車幅方向内側へ回転しても、また、側面視で、その下端部を回転中心として後方側へ回転しても、その乗員P1(特に頭部Ph)は、サブチャンバ40によって拘束される。
つまり、側面視で、ファーサイドエアバッグ36のメインチャンバ38がコンソールボックス20と充分にオーバーラップしていなくても(前方側へずれていても)、メインチャンバ38の車幅方向内側及び後方側への回転挙動によって、そのメインチャンバ38から相対的に移動する乗員P1の頭部Phを、ファーサイドエアバッグ36のサブチャンバ40によって拘束することができ、その乗員P1の頭部Phの移動量を低減させることができる。
このように、車両用シート12が前側位置を採ったときでも、シートバック16の左側部から乗員P1の車幅方向内側へ膨張展開するファーサイドエアバッグ36により、その前側位置を採った車両用シート12に着座している小柄な乗員P1に対する拘束性能を確保することができる。
また、図4に示されるように、車両用シート12(特に運転席)に着座する乗員Pが大柄な乗員P2であると、側面視で、シートバック16の側部下側における前端面16Aが、コンソールボックス20の前面22Aよりも後方側に位置する後側位置を、車両用シート12が採る。
ここで、メインチャンバ38の下端面38Dは、コンソールボックス20の上面28Aよりも下方側に位置している。そのため、メインチャンバ38の下部は、コンソールボックス20の右側の側壁(図示省略)における側面と乗員P2の臀部Pbとの間に介在する。つまり、側面視で、ファーサイドエアバッグ36のメインチャンバ38がコンソールボックス20とオーバーラップする。
したがって、そのメインチャンバ38は、コンソールボックス20から反力を得易く、慣性力により車幅方向内側へ移動してくる乗員P2に押されても、平面視で、その後端部を中心に車幅方向内側へ回転する(内倒れする)こと、及び、側面視で、その下端部を中心に後方側へ回転することが抑制される。すなわち、その乗員P2(特に頭部Ph)は、メインチャンバ38によって拘束される。
ところで、図6に矢印で示されるように、その乗員P2は大柄な乗員であるため、慣性力により車幅方向内側へ移動した後、更にメインチャンバ38から相対的に前方側へ移動する(メインチャンバ38から外れる)おそれがある。しかしながら、メインチャンバ38の前部38Fには、上記の通り、サブチャンバ40が膨張展開して配置されているため、その乗員P2がメインチャンバ38から相対的に前方側へ移動したとしても、その乗員P2(特に頭部Ph)は、サブチャンバ40によって拘束される。このように、本実施形態によれば、車両用シート12の位置に関係なく、ファーサイドエアバッグ36によって乗員P(特に頭部Ph)を拘束することができる。
しかも、側面視で、膨張展開完了後のサブチャンバ40の上端面40Uが、膨張展開完了後のメインチャンバ38の前部38Fにおける上端面38Uと略同じ高さ位置に配置されている。したがって、膨張展開完了後のサブチャンバ40の上端面40Uが、膨張展開完了後のメインチャンバ38の前部38Fにおける上端面38Uより低い高さ位置に配置されている場合に比べて、そのサブチャンバ40によって、乗員Pの特に頭部Phを、より効果的に拘束することができる。
また、側面視で、膨張展開完了後のメインチャンバ38の前部38Fにおける上下方向略中央部には、略「<」字状に後方側へ凹むくびれ部38Aが形成されている。したがって、そのくびれ部38Aが形成されない場合に比べて、メインチャンバ38の体積を低減させることができ、メインチャンバ38を早期に膨張展開させることができる。また、メインチャンバ38の体積を低減させられることから、メインチャンバ38を製造する上での低コスト化も図ることができる。
また、そのくびれ部38Aは、膨張展開完了後のサブチャンバ40によってシート幅方向内側から覆われている。そのため、メインチャンバ38のくびれ部38Aよりも上部側がサブチャンバ40によって下方側へ向けて引っ張られる。つまり、メインチャンバ38には上下方向に沿ったテンションが付与される。したがって、そのメインチャンバ38及びサブチャンバ40によって、乗員Pの特に頭部Phを、より効果的に拘束することができ、その乗員Pの特に頭部Phの移動量を更に低減させることができる。
また、サブチャンバ40の上部開口40Bの周囲がメインチャンバ38の上部連通孔38Bの周囲に縫製され、サブチャンバ40の下部開口40Cの周囲がメインチャンバ38の下部連通孔38Cの周囲に縫製されている。したがって、メインチャンバ38とサブチャンバ40とを簡単な構成で接続することができる。つまり、ファーサイドエアバッグ36を製造することが容易にできる。
なお、上記したように、側面視で、メインチャンバ38にオーバーラップしているサブチャンバ40の周縁部40Aをメインチャンバ38に縫製してもよい。これによれば、メインチャンバ38とサブチャンバ40とを1回の縫製で簡単に接続することができる。つまり、ファーサイドエアバッグ36を製造することが、より容易にできる。
また、メインチャンバ38の下部連通孔38C及びサブチャンバ40の下部開口40Cの開口面積が、メインチャンバ38の上部連通孔38B及びサブチャンバ40の上部開口40Bの開口面積よりも大きくされている。したがって、メインチャンバ38の下部連通孔38C及びサブチャンバ40の下部開口40Cの開口面積が、メインチャンバ38の上部連通孔38B及びサブチャンバ40の上部開口40Bの開口面積と同等とされている場合に比べて、乗員Pの胴体下部(臀部Pb及び腰部Pw)に対する初期拘束力を向上させることができ、乗員Pの移動量を更に低減させることができる。
また、メインチャンバ38の上部連通孔38B及び下部連通孔38Cは、円形状又はスリット形状に形成されている。したがって、メインチャンバ38の上部連通孔38B及び下部連通孔38Cが、円形状又はスリット形状に形成されていない場合に比べて、サブチャンバ40の展開完了時間を簡単な構成で調整することができる。すなわち、円の内径又はスリットの長さを調整することにより、サブチャンバ40の展開完了時間をメインチャンバ38の膨張展開完了時間よりも適切に遅らせられるように簡単に調整することができる。
(変形例)
なお、図10に示されるように、メインチャンバ38の上部連通孔38Bと下部連通孔38Cとにサブチャンバ40からメインチャンバ38へガスが逆流しないようにするための逆止弁42を設けるようにしてもよい。逆止弁42は、メインチャンバ38からサブチャンバ40へガスが流れるときにのみ、略筒状を形成するように変形して開口するように構成されている。
これによれば、図11に示されるように、メインチャンバ38の上部連通孔38Bと下部連通孔38Cとにサブチャンバ40からメインチャンバ38へガスが逆流しないようにするための逆止弁42が設けられていない場合(破線にて示す)に比べて、サブチャンバ40の内圧を高圧に維持することができ(実線にて示す)、慣性力によって移動してくる乗員Pに対して反力を継続させることができる。
そして更に、運転席に着座する乗員Pの頭部Phと助手席に着座する乗員(図示省略)の頭部との間に介在するサブチャンバ40の底付き(両者の頭部同士の衝突)を抑制又は防止することができ、両者の頭部を保護することができる。なお、逆止弁42は、メインチャンバ38ではなく、サブチャンバ40の上部開口40Bと下部開口40Cとに設けるようにしてもよい。
(ファーサイドエアバッグ折り畳み方法)
最後に、ファーサイドエアバッグ36の折り畳み方法(図12に示される蛇腹状の折り畳み方法及び図13に示されるロール状の折り畳み方法)について説明する。
図12に示されるように、ファーサイドエアバッグ36は、次のようにして折り畳まれる。まず、サブチャンバ40をメインチャンバ38に対して平らに展開する(展開工程)。そして次に、そのサブチャンバ40をメインチャンバ38と共に上下方向に沿った折罫で蛇腹折りする(蛇腹折り工程)。その後、メインチャンバ38及びサブチャンバ40の上端部と下端部とを互いに接近させるように折り畳む(折り畳み工程)。
これによれば、メインチャンバ38にサブチャンバ40が接続されていても、そのサブチャンバ40及びメインチャンバ38をコンパクトに折り畳むことができる。なお、ファーサイドエアバッグ36の折り畳み方法は、これに限定されるものではなく、次のような折り畳み方法で折り畳まれていてもよい。
すなわち、図13に示されるように、まず、サブチャンバ40をメインチャンバ38に対して上下方向を軸方向として外巻きする(第1外巻き工程)。なお、「外巻き」とは、乗員P側とは反対側に、ロール状に巻回された部位を形成する巻き方である。そして次に、そのサブチャンバ40をメインチャンバ38と共に上下方向を軸方向として外巻きする(第2外巻き工程)。その後、メインチャンバ38及びサブチャンバ40の上端部と下端部とを互いに接近させるように折り畳む(折り畳み工程)。
これによれば、メインチャンバ38にサブチャンバ40が接続されていても、そのサブチャンバ40及びメインチャンバ38をコンパクトに折り畳むことができる。しかも、このようなロール状の折り畳み方法の場合、サブチャンバ40は、外巻きされているため、図14に示されるように、サブチャンバ40の膨張展開時に、そのサブチャンバ40が、車両用シート12に着座している乗員Pの顔に当たってしまうような不具合の発生を抑制又は防止することができる。
以上、本実施形態に係る車両用乗員拘束装置10及びファーサイドエアバッグ折り畳み方法について、図面を基に説明したが、本実施形態に係る車両用乗員拘束装置10及びファーサイドエアバッグ折り畳み方法は、図示のものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、適宜設計変更可能なものである。例えば、上部連通孔38B及び下部連通孔38Cの形状は、図示の円形状に限定されるものではなく、三角形状又は矩形状等に形成されていてもよい。
また、側面視で、サブチャンバ40の下端面40D(下端:図7、図9参照)の位置は、図示の位置に限定されるものではない。サブチャンバ40の下端面40Dの位置は、図示のものよりも下方側に位置していてもよい。すなわち、膨張展開完了後のサブチャンバ40の下端面40Dが、膨張展開完了後のメインチャンバ38の前部38Fにおける下端面38Dと略同じ高さ位置に配置されるようになっていてもよい。
10 車両用乗員拘束装置
12 車両用シート
16 シートバック
20 コンソールボックス
28A 上面
32 インフレータ
36 ファーサイドエアバッグ
38 メインチャンバ
38A くびれ部
38B 上部連通孔
38C 下部連通孔
38D 下端面(下端)
38F 前部
38U 上端面(上端)
40 サブチャンバ
40A 周縁部
40B 上部開口
40C 下部開口
40U 上端面(上端)
42 逆止弁
P 乗員
Ph 頭部
Pw 腰部

Claims (9)

  1. 車室に車両前後方向に移動可能に設けられた車両用シートと、
    前記車室における前記車両用シートよりも車幅方向内側に設けられたコンソールボックスと、
    前記車両用シートにおけるシートバックの車幅方向内側の側部に設けられ、インフレータからガスが供給されることにより、前記車両用シートに着座した乗員の車幅方向内側へ膨張展開するファーサイドエアバッグと、
    を備え、
    前記ファーサイドエアバッグは、
    膨張展開完了後に、下端が前記コンソールボックスの上面よりも車両下方側に位置し、側面視で前記乗員の少なくとも腰部から頭部までを覆うメインチャンバと、
    前記メインチャンバの上部及び下部にそれぞれ形成された上部連通孔及び下部連通孔とそれぞれ連通する上部開口及び下部開口から前記ガスが供給されることにより、前記メインチャンバの前部からシート幅方向内側へ膨張展開するサブチャンバと、
    を有する車両用乗員拘束装置。
  2. 側面視で、膨張展開完了後の前記メインチャンバの前部における車両上下方向略中央部に車両後方側へ凹むくびれ部が形成されるとともに、前記くびれ部が、膨張展開完了後の前記サブチャンバによってシート幅方向内側から覆われている請求項1に記載の車両用乗員拘束装置。
  3. 側面視で、膨張展開完了後の前記サブチャンバの上端が、膨張展開完了後の前記メインチャンバの前部における上端と同じ高さ位置に配置されている請求項2に記載の車両用乗員拘束装置。
  4. 前記サブチャンバの前記上部開口の周囲が前記メインチャンバの前記上部連通孔の周囲に縫製され、前記サブチャンバの前記下部開口の周囲が前記メインチャンバの前記下部連通孔の周囲に縫製されている請求項1~請求項3の何れか1項に記載の車両用乗員拘束装置。
  5. 前記サブチャンバは、側面視で前記メインチャンバにオーバーラップしている周縁部が前記メインチャンバに縫製されている請求項1~請求項3の何れか1項に記載の車両用乗員拘束装置。
  6. 前記メインチャンバの前記下部連通孔及び前記サブチャンバの前記下部開口の開口面積が、前記メインチャンバの前記上部連通孔及び前記サブチャンバの前記上部開口の開口面積よりも大きくされている請求項1~請求項3の何れか1項に記載の車両用乗員拘束装置。
  7. 前記メインチャンバの前記上部連通孔及び前記下部連通孔、又は前記サブチャンバの前記上部開口及び前記下部開口に、前記サブチャンバから前記メインチャンバへ前記ガスが逆流しないようにするための逆止弁が設けられている請求項1~請求項3の何れか1項に記載の車両用乗員拘束装置。
  8. 請求項1~請求項3の何れか1項に記載の車両用乗員拘束装置におけるファーサイドエアバッグの折り畳み方法であって、
    前記サブチャンバを前記メインチャンバに対して平らに展開する展開工程と、
    前記展開工程後の前記サブチャンバを前記メインチャンバと共に車両上下方向に沿った折罫で蛇腹折りする蛇腹折り工程と、
    前記蛇腹折り工程後の前記メインチャンバ及び前記サブチャンバの上端部と下端部とを互いに接近させるように折り畳む折り畳み工程と、
    を有するファーサイドエアバッグの折り畳み方法。
  9. 請求項1~請求項3の何れか1項に記載の車両用乗員拘束装置におけるファーサイドエアバッグの折り畳み方法であって、
    前記サブチャンバを前記メインチャンバに対して車両上下方向を軸方向として外巻きする第1外巻き工程と、
    前記第1外巻き工程後の前記サブチャンバを前記メインチャンバと共に車両上下方向を軸方向として外巻きする第2外巻き工程と、
    前記第2外巻き工程後の前記メインチャンバ及び前記サブチャンバの上端部と下端部とを互いに接近させるように折り畳む折り畳み工程と、
    を有するファーサイドエアバッグの折り畳み方法。
JP2022199816A 2022-12-14 2022-12-14 車両用乗員拘束装置及びファーサイドエアバッグ折り畳み方法 Pending JP2024085330A (ja)

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