JP2024080429A - 分離挙動予測方法、装置及びプログラム - Google Patents

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Abstract

Figure 2024080429000001
【課題】定着プロセスにおけるシート状のメディアの分離挙動を予測できるようにする。
【解決手段】定着プロセスにおけるシート状のメディアの分離挙動を予測する分離挙動予測方法であって、定着部材(201)の湾曲に沿って前記メディアが湾曲したときに前記メディアに貯蔵されるエネルギである貯蔵エネルギを導出する貯蔵エネルギ導出手順(ステップS101)と、前記定着部材(201)の表面から、前記メディアに転写されたトナーを分離させるのに消費されるエネルギである消費エネルギを導出する消費エネルギ導出手順(ステップS102)と、前記貯蔵エネルギと、前記消費エネルギとに基づいて、前記定着部材(201)から前記メディアが分離する分離点の位置を予測する予測手順(ステップS103~S105)とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、定着プロセスにおけるシート状のメディアの分離挙動を予測する分離挙動予測価方法、装置及びプログラムに関する。
コピー機や複写機で利用される電子写真方式の画像形成技術では、最終プロセスとして、トナー像が転写されたシート状のメディアを定着部で加熱及び加圧することでメディアに定着させる定着プロセスが用いられる。定着部は、熱源により加熱される定着ローラと、それに当接して定着ニップを形成する加圧ローラとを備える。
昇温したトナーは、粘弾性に起因する粘着的挙動を示し、トナーを介して定着ローラとメディアとの間に接着力を生じる。接着力が大きいと、メディアが定着ローラから分離しにくくなるといった不具合が生じる。
メディアが定着ローラから分離しにくくなるという不具合を生じさせない対策として、接着力が小さくなるようにトナーや定着ローラを選択することが挙げられる。そのために、接着力を定量的に計測できるようにする必要がある。特許文献1には、静電荷像現像用トナーの接着力測定装置及び測定方法が開示されている。特許文献1では、定着用加熱ユニットと加圧端子ユニットとにより、一定時間圧力をかけながらトナーを像形成支持部材上に加熱定着させ、該加熱定着後に前記像形成支持部材を前記定着用加熱ユニットから剥離させ、剥離時の剥離力を計測する。
また、他の対策として、強制的にメディアを定着ローラから分離させるようにすることが挙げられる。特許文献2には、定着ニップ部から排出される用紙を定着ベルトから分離させる分離手段を有し、分離手段において、位置決め手段が、定着ベルトの温度に基づいて、分離爪の先端位置決めを行うようにした定着装置が開示されている。
特許第4079266号公報 特開2012-3182号公報
畑, 他: 高分子化学 22p.152(1965)
定着プロセスの開発において、従来、曲率等を変えた定着ロール等の定着部材を試作して、メディアやトナーを選別し、温度や圧力条件を変えて、メディアの分離挙動を確認することが行われている。しかしながら、このような開発では、開発期間の長期化を招く。開発期間の短縮のためには、試作数や検討数を減少させることが有効であり、そのため試作を行うことなく分離挙動を予測できるようにすることが望まれている。
特許文献2では、定着ベルトの温度に基づいて、分離爪の先端位置決めを行うようにしているが、どのように分離爪の先端位置決めを行うかは予め決めておかなければならない。すなわち、定着プロセスの開発において、試作や検討を重ねて分離挙動を確認する必要があり、その点では、従来と変わりはない。
また、特許文献1は、接着力を測定するための技術であり、トナーに対する温度条件や加圧条件を変化させて、接着力を得ることができる。しかしながら、特許文献1に開示されているのは、あくまでも接着力を測定する技術であり、トナーやメディアの特性、定着部材の構成等の複合的な要素で決まる分離挙動を予測できるようにするものではない。
本発明は上記のような点に鑑みてなされたものであり、定着プロセスにおけるシート状のメディアの分離挙動を予測できるようにすることを目的とする。
本発明の分離挙動予測方法は、定着プロセスにおけるシート状のメディアの分離挙動を予測する分離挙動予測方法であって、定着部材の湾曲に沿って前記メディアが湾曲したときに前記メディアに貯蔵されるエネルギである貯蔵エネルギを導出する貯蔵エネルギ導出手順と、前記定着部材の表面から、前記メディアに転写されたトナーを分離させるのに消費されるエネルギである消費エネルギを導出する消費エネルギ導出手順と、前記貯蔵エネルギ導出手順で導出した前記貯蔵エネルギと、前記消費エネルギ導出手順で導出した前記消費エネルギとに基づいて、前記定着部材から前記メディアが分離する分離点の位置を予測する予測手順とを有することを特徴とする。
本発明によれば、定着プロセスにおけるシート状のメディアの分離挙動を予測することができる。
実施形態に係る分離挙動予測方法の手順を示すフローチャートである。 定着部の構成例を示す図である。 定着ローラの表面の曲率の変化、及び貯蔵エネルギの変化を示す特性図である。 ピーリング力を計測する試験装置の構成例を示す図である。 ピーリング力の角度依存性を示す特性図である。 消費エネルギの速度依存性を示す特性図である。 分離速度を示す特性図である。 プロセス速度200mm/sの場合の分離挙動を説明するための図である。 プロセス速度300mm/sの場合の分離挙動を説明するための図である。 実施形態に係る分離挙動予測装置の機能構成例を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
図1は、定着プロセスにおけるシート状のメディアの分離挙動を予測する分離挙動予測方法の手順を示すフローチャートである。
本実施形態では、図2に示すように、定着部として、定着部材である定着ローラ201と、定着ローラ201に当接して定着ニップを形成する加圧ローラ202とを備える構成例を説明する。定着ローラ201及び加圧ローラ202の両方又はいずれか一方を加熱し、また、定着ローラ201及び加圧ローラ202のうちのいずれか一方を回転させ、他方を従動させ、そのローラ間にトナーが転写されたメディア(不図示)を通すことで、トナーに熱及び圧力を加える。
ステップS101は、貯蔵エネルギ導出手順であり、定着ローラ201の湾曲に沿ってメディアが湾曲したときにメディアに貯蔵されるエネルギである貯蔵エネルギEmediaを導出する。貯蔵エネルギ導出手順の詳細については後述する。
ステップS102は、消費エネルギ導出手順であり、定着ローラ201の表面から、メディアに転写されたトナーを分離させるのに消費されるエネルギである消費エネルギEtonerを導出する。消費エネルギEtonerは、メディアの移動速度の依存性を有する。消費エネルギ導出手順の詳細については後述する。なお、ステップS101の貯蔵エネルギ導出手順と、ステップS102の消費エネルギ導出手順とは、並行して行われるようにしてもよいし、その手順の前後が逆であってもよい。
ステップS103~S105は、予測手順であり、ステップS101で導出した貯蔵エネルギEmediaと、ステップS102で導出した消費エネルギEtonerとに基づいて、定着ローラ201からメディアが分離する分離点の位置を予測する。
詳細には、ステップS103で、ステップS102で離散的に導出した消費エネルギEtonerに基づいて、メディアの移動速度(これを分離速度と呼ぶ)V(E)を導出する。ステップS103の分離速度導出手順の詳細については後述する。
ステップS104で、ステップS103で導出した分離速度V(E)に基づいて、ステップS101で導出した貯蔵エネルギEmediaを用いて、プロセス速度Vpsにおける、分離点でのメディアの移動速度である分離点速度Vsepを導出する。プロセス速度Vpsは、ローラ201、202間にメディアを通す速度であり、通紙速度とも呼ばれる。ステップS104の分離点速度導出手順の詳細については後述する。
ステップS105で、ステップS104で導出した分離点速度Vsepに基づいて、分離点の位置lsepを導出する。ステップS105の分離点位置導出手順の詳細については後述する。
以下、各ステップS101~S105について詳述する。
ステップS101の貯蔵エネルギ導出手順の詳細を説明する。
シート状材料の機械物性が線形であるとき、このシート状材料を曲げたときに貯蔵されるエネルギEは、単位面積あたり、式(100)で与えられる。Yはシート状材料のヤング率、tはシート状材料の厚み、Rはシート状材料を曲げたときの曲率半径である。式(100)は、E=(1/2)×(Yt3/12)×(1/R)2と表記される場合がある。
シート状のメディアに対しても、機械物性が線形の範囲にあるとき、式(1)を適用することができる。すなわち、定着ローラ201の表面に沿ってメディアが巻き付いたときに、メディアが湾曲することにより貯蔵される貯蔵エネルギEmediaを、メディアのヤング率Y、メディアの厚みt、メディアが湾曲したときの曲率半径Rとして、式(1)を用いて導出することができる。式(1)は、Emedia=(1/2)×(Yt3/12)×(1/R)2と表記される場合がある。
ここで、図3(a)に、定着ローラ201の表面の曲率の変化を示す。図2に示すように、定着ローラ201は、加圧ローラ202により押し付けられて変形し、表面の曲率が変化する。図3(a)の横軸は、定着ローラ201の表面に沿う原点からの長さlであり、縦軸は、定着ローラ201の表面の曲率1/Rである。この特性を予め取得しておくことで、メディアが湾曲したときの各長さlの位置(座標)での曲率半径Rを取得することができる。メディアが定着ローラ201の表面に巻き付いたときの各長さlの位置での貯蔵エネルギEmediaは、式(1)を用いて導出される。例えばメディアの厚みtが0.1mm、ヤング率Yが2GPaである場合、式(1)で導出される貯蔵エネルギEmediaは、図3(b)に示すようになる。
なお、例えばメディアが複層で機械物性が非線形特性を持つ場合や、単層であるが機械物性が非線形特性を持つ場合は、個々の材料の機械物性を計測した後に、有限要素法等の数値計算シミュレーションを用いて、貯蔵エネルギEmediaを導出してもよい。
次に、ステップS102の消費エネルギ導出手順の詳細を説明する。
消費エネルギ導出手順では、試験機を用いて計測したピーリング力を用いて、消費エネルギEtonerを導出する。
図4に、ピーリング力を計測する試験装置の構成例を示す。
定着ローラ201と同材料からなる平面部403と、平面部403を張り付けたホットプレート404と、加熱・加圧ローラ402とを備え、平面部403と加熱・加圧ローラ402とでシート401を挟み込む。シート401の片面には、トナーが配置される。
また、シート401の一端を保持する機構を具備するロードセル405を備える。ロードセル405は、シート401と平面部403とのピーリング力を計測する。
ロードセル405は、リニアステージ406で支持される。リニアステージ406は、シート401と平面部403との分離点409を中心に回動する角度調整機構408を備え、分離点409を中心にロードセル405の位置を移動させることができる。また、リニアステージ406に沿って、ロードセル405を、シート401の分離後の延伸方向に任意の速度でスライド移動させることができる。このようにシート401の一端を保持して、平面部403に対して任意の角度θ(ピーリング角度と呼ぶ)で、任意の速度でシート401を引っ張るように構成される。
また、平面部403を支持するホットプレート404は、リニアステージ407で支持される。リニアステージ407に沿って、ホットプレート404を、シート401の分離前の延伸方向に任意の速度でスライド移動させることができる。
コントロールボックス410は、リニアステージ406、407の位置、及びリニアステージ406、407によるロードセル405、ホットプレート404の速度を制御する。また、コントロールボックス410には、ロードセル405により計測されるピーリング力が入力される。
このようにした試験機でピーリング力を計測するときは、まず片面にトナーを配置したシート401を用意し、トナーを平面部403に接触させるようにシート401を配置する。また、シート401の一端をロードセル405で保持する。このとき、シート401がたるまないようにする。
次に、加熱・加圧ローラ402及びホットプレート404を加熱して、所定の温度に達した後、リニアステージ406、407に沿ってロードセル405、平面部403を支持するホットプレート404を所望の速度でスライド移動させる。ロードセル405、平面部403を同方向(図4の右方向)に同速度で移動させることにより、ピーリング角度θを保ったままシート401を移動させることができる。これにより、定着が進行するとともに、トナーと平面部403との剥離が生じ、ロードセル405には分離時の接着力が作用する。このときにロードセル405により計測した値をピーリング力として、コントロールボックス410に入力する。
図5に、試験機を用いて計測したピーリング力の角度依存性(ピーリング角度θの依存性)を示す。シート401には、幅30mm、厚み50μmのPI(ポリイミド)シートを用いて、トナー幅30mmで計測した。
図中の波線は、非特許文献1に記載されている式(200)を最小二乗により適用した線である。Pは単位幅あたりのピーリング力、Gは分離のエネルギ、θはピーリング角度である。
P=G/(1-cosθ) ・・・(200)
図5より、試験機による計測値(◆で示す)と、式(200)で導出される値とは、良好に一致することが分かる。よって、ピーリング力より分離のエネルギGが導出される。ここで、分離のエネルギGは、定着ローラ201からトナーを分離させるのに消費される消費エネルギEtonerに相当する。したがって、Etoner=Gとして、消費エネルギEtonerを、単位幅あたりのピーリング力P、ピーリング角度θとして、式(2)を用いて導出することができる。
toner=P・(1-cosθ) ・・・(2)
図6に、消費エネルギEtonerの速度依存性を示す。図6は、ステップS102において、メディア(シート401)の移動速度である分離速度Vを変えて離散的に導出された消費エネルギEtoner(◆で示す)を示す。図6に示すように、消費エネルギEtonerは、分離速度Vの依存性を有する。
次に、ステップS103~S105の予測手順の詳細を説明する。
ステップS103で、ステップS102で離散的に導出した消費エネルギEtonerに基づいて、分離速度V(E)を導出する。
本実施形態では、図6に示すような離散的なデータ間を線形補間することによって分離速度V(E)を得る。すなわち,2点の(V1,E1)、(V2,E2)というデータに対して、E1≦E≦E2となるエネルギEの分離速度V(E)は、式(3)を用いて導出することができる。なお、V=0でのE(V=0)はE(V=0)=0とした。本実施形態では、線形補間を利用する例としたが、非線形補間を利用してもよい。
メディアが定着ローラ201に巻き付いたときに、メディアには貯蔵エネルギEmediaが貯蔵されるが、メディアが伸びようとし、貯蔵エネルギEmediaを解放しようとする。解放される貯蔵エネルギEmediaは、定着ローラ201の表面からトナーを分離させるのに消費される。このことから、貯蔵エネルギEmediaと消費エネルギEtonerとが平衡状態を保って分離すると予想される。つまり、貯蔵エネルギEmediaの解放は、Emedia=Etonerとなる分離速度で解放されることになる。
図7に、E=Emediaとして、式(3)を用いて得られる分離速度V(Emedia)を示す。既述したように、貯蔵エネルギEmediaは、定着ローラ201の表面に沿う原点からの長さlの位置に依存するので、分離速度V(Emedia)は長さlの位置に依存する。
ステップS104で、ステップS103で導出した分離速度V(E)に基づいて、ステップS101で導出した貯蔵エネルギEmediaを用いて、プロセス速度Vpsにおける、分離点でのメディアの移動速度である分離点速度Vsepを導出する。
ステップS103で得られた分離速度V(E)は、定着ローラ201の表面に固定した座標での分離速度に対応する。メディアはプロセス速度Vpsで進行するため、分離点速度Vsepを導出するには、プロセス速度Vpsの補正が必要となる。
そこで、分離点速度Vsepを、式(4)を用いて導出する
sep=Vps-V(Emedia) ・・・(4)
式(4)により得られる分離点速度Vsepは、場合によって負の値を持ちうるが、より小さな座標lにおいてはVsepが正となる領域が必ず存在し、Vsep=0となる座標l0が必ず存在することになる。Vsep=0とは、分離点の位置が移動しないことを示しており、それ以上分離点の座標lが増加することはない、すなわち、Vsepが負となる領域に至ることはない。
ステップS105で、ステップS104で導出した分離点速度Vsepに基づいて、分離点の位置lsepを導出する。
分離点の位置lsepは、微小時間dtに対する分離点の位置lsepの変動dlsepを用いて、式(5)を用いて導出する。分離点の位置lsepの変動dlsepは、式(4)を時間積分して得られる(dlsep=Vsep・dt)。
sep=lsep(t-dt)+dlsep ・・・(5)
以上述べた手法により、分離点を予測できているか否かを、プロセス速度を変えたときのメディアの巻き付きの有無で確認した。
図8を用いて、プロセス速度200mm/sの場合の分離挙動を説明する。図8は、分離点の位置の時系列変化を示す。実線が定着ローラ201のローラ形状(原点以降の一部)を、波線がメディア(原点以降の一部)を示し、点Aは分離点を示す。図8から分かるように、時間の経過とともに移動する分離点の位置を予測することができ、150msec以降では分離点の位置が変化しない(分離点の位置が静止する)予測結果となった。すなわち、プロセス速度200mm/sの場合、定着ローラ201にメディアが巻き付かないことが予測された。一方、実際に定着ローラ201及び加圧ローラ202を用いて確認したところ、プロセス速度200mm/sでは巻き付きが生じなかった。
図9を用いて、プロセス速度300mm/sの場合の分離挙動を説明する。図9から分かるように、時間の経過とともに分離点の位置が移動、静止するような挙動は示さなかった。すなわち、プロセス速度300mm/sの場合、定着ローラ201にメディアが巻き付くことが予測された。一方、実際に定着ローラ201及び加圧ローラ202を用いて確認したところ、プロセス速度300mm/sでは巻き付きが生じた。
以上のように、予測結果と、実際のメディアの巻き付きの有無とが対応しており、分離点の位置を精度良く予測できることが確認できた。
以上述べたように、分離点の位置lsepを精度良く予測することができ、定着プロセスにおけるシート状のメディアの分離挙動を予測することができる。
なお、本実施形態では、定着部材として定着ローラ201を述べたが、これに限定されるものではない。例えば定着ローラでなく、定着フィルムと呼ばれる定着部材が用いられることがある。定着フィルムは、無端円筒状のベルトであり、その内側に加熱体が配置されており、加圧ローラが、定着フィルムを介して圧接する。加圧ローラが回転駆動すると、それに伴って定着フィルムが回転し、加熱体により定着フィルムが加熱される。
また、図10に、定着プロセスにおけるシート状のメディアの分離挙動を予測するのに利用される分離挙動予測装置1000の機能構成例を示す。
分離挙動予測装置1000は、入力部1001と、貯蔵エネルギ導出部1002と、消費エネルギ導出部1003と、予測部1004と、出力部1005とを備える。分離挙動予測価置1000は、例えばCPU、ROM、RAM等を備えたコンピュータ装置により構成され、CPUが例えばROMに記憶された所定のプログラムを実行することにより、各部1001~1005の機能が実現される。
入力部1001は、メディアの分離挙動を予測するのに必要なデータを入力する。具体的には、対象とする定着ローラやメディアに関する情報(定着ローラの曲率半径、メディアのヤング率や厚み等)、試験機を用いて計測したピーリング力、プロセス速度等がある。
貯蔵エネルギ導出部1002は、ステップS101の貯蔵エネルギ導出手順を実行する。
消費エネルギ導出部1003は、ステップS102の消費エネルギ導出手順を実行する。
予測部1004は、ステップS103~S105の予測手順を実行する。
出力部1005は、予測部1004で実行した予測手順の結果等を出力する。例えば、出力部1005は、図8、図9に示したような分離点の位置の時系列変化の予測結果等を、不図示の表示装置に表示したり、記憶装置に格納したりする。
以上、本発明を実施形態と共に説明したが、上記実施形態は本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
本実施形態の開示は、以下の方法を含む。
(方法1)
定着プロセスにおけるシート状のメディアの分離挙動を予測する分離挙動予測方法であって、
定着部材の湾曲に沿って前記メディアが湾曲したときに前記メディアに貯蔵されるエネルギである貯蔵エネルギを導出する貯蔵エネルギ導出手順と、
前記定着部材の表面から、前記メディアに転写されたトナーを分離させるのに消費されるエネルギである消費エネルギを導出する消費エネルギ導出手順と、
前記貯蔵エネルギ導出手順で導出した前記貯蔵エネルギと、前記消費エネルギ導出手順で導出した前記消費エネルギとに基づいて、前記定着部材から前記メディアが分離する分離点の位置を予測する予測手順とを有することを特徴とする分離挙動予測方法。
(方法2)
前記消費エネルギは、前記メディアの移動速度の依存性を有し、
前記予測手順は、
前記消費エネルギ導出手順で離散的に導出した前記消費エネルギに基づいて、前記移動速度V(E)を導出する手順と、
前記移動速度V(E)に基づいて、前記貯蔵エネルギ導出手順で導出した前記貯蔵エネルギEmediaを用いて、プロセス速度Vpsにおける、前記分離点での前記メディアの移動速度である分離点速度Vsepを導出する手順と、
前記分離点速度Vsepに基づいて、前記分離点の位置lsepを導出する手順とを有することを特徴とする方法1に記載の分離挙動予測方法。
(方法3)
前記分離点速度Vsepを、式(4)を用いて導出することを特徴とする方法2に記載の分離挙動予測方法。
sep=Vps-V(Emedia) ・・・(4)
(方法4)
前記分離点の位置lsepを、前記式(4)を時間積分して得られる、微小時間dtに対する前記分離点の位置lsepの変動dlsepを用いて、式(5)を用いて導出することを特徴とする方法3に記載の分離挙動予測方法。
sep=lsep(t-dt)+dlsep ・・・(5)
(方法5)
前記貯蔵エネルギ導出手順では、前記貯蔵エネルギEmediaを、前記メディアのヤング率Y、前記メディアの厚みt、前記メディアが湾曲したときの曲率半径Rとして、式(1)を用いて導出することを特徴とする方法1乃至4のいずれか一つに記載の分離挙動予測方法。
(方法6)
前記消費エネルギ導出手順では、試験機を用いて計測したピーリング力を用いて、前記消費エネルギを導出することを特徴とする方法1乃至5のいずれか一つに記載の分離挙動予測方法。
(方法7)
前記消費エネルギ導出手順では、前記消費エネルギEtonerを、単位幅あたりのピーリング力P、ピーリング角度θとして、式(2)を用いて導出することを特徴とする方法6に記載の分離挙動予測方法。
toner=P・(1-cosθ) ・・・(2)
201:定着ローラ、202:加圧ローラ、1000:分離挙動予測装置、1001:入力部、1002:貯蔵エネルギ導出部、1003:消費エネルギ導出部、1004:予測部、1005:出力部

Claims (9)

  1. 定着プロセスにおけるシート状のメディアの分離挙動を予測する分離挙動予測方法であって、
    定着部材の湾曲に沿って前記メディアが湾曲したときに前記メディアに貯蔵されるエネルギである貯蔵エネルギを導出する貯蔵エネルギ導出手順と、
    前記定着部材の表面から、前記メディアに転写されたトナーを分離させるのに消費されるエネルギである消費エネルギを導出する消費エネルギ導出手順と、
    前記貯蔵エネルギ導出手順で導出した前記貯蔵エネルギと、前記消費エネルギ導出手順で導出した前記消費エネルギとに基づいて、前記定着部材から前記メディアが分離する分離点の位置を予測する予測手順とを有することを特徴とする分離挙動予測方法。
  2. 前記消費エネルギは、前記メディアの移動速度の依存性を有し、
    前記予測手順は、
    前記消費エネルギ導出手順で離散的に導出した前記消費エネルギに基づいて、前記移動速度V(E)を導出する手順と、
    前記移動速度V(E)に基づいて、前記貯蔵エネルギ導出手順で導出した前記貯蔵エネルギEmediaを用いて、プロセス速度Vpsにおける、前記分離点での前記メディアの移動速度である分離点速度Vsepを導出する手順と、
    前記分離点速度Vsepに基づいて、前記分離点の位置lsepを導出する手順とを有することを特徴とする請求項1に記載の分離挙動予測方法。
  3. 前記分離点速度Vsepを、式(4)を用いて導出することを特徴とする請求項2に記載の分離挙動予測方法。
    sep=Vps-V(Emedia) ・・・(4)
  4. 前記分離点の位置lsepを、前記式(4)を時間積分して得られる、微小時間dtに対する前記分離点の位置lsepの変動dlsepを用いて、式(5)を用いて導出することを特徴とする請求項3に記載の分離挙動予測方法。
    sep=lsep(t-dt)+dlsep ・・・(5)
  5. 前記貯蔵エネルギ導出手順では、前記貯蔵エネルギEmediaを、前記メディアのヤング率Y、前記メディアの厚みt、前記メディアが湾曲したときの曲率半径Rとして、式(1)を用いて導出することを特徴とする請求項1又は2に記載の分離挙動予測方法。
  6. 前記消費エネルギ導出手順では、試験機を用いて計測したピーリング力を用いて、前記消費エネルギを導出することを特徴とする請求項1又は2に記載の分離挙動予測方法。
  7. 前記消費エネルギ導出手順では、前記消費エネルギEtonerを、単位幅あたりのピーリング力P、ピーリング角度θとして、式(2)を用いて導出することを特徴とする請求項6に記載の分離挙動予測方法。
    toner=P・(1-cosθ) ・・・(2)
  8. 定着プロセスにおけるシート状のメディアの分離挙動を予測するのに利用される分離挙動予測装置であって、
    定着部材の湾曲に沿って前記メディアが湾曲したときに前記メディアに貯蔵されるエネルギである貯蔵エネルギを導出する貯蔵エネルギ導出手段と、
    前記定着部材の表面から、前記メディアに転写されたトナーを分離させるのに消費されるエネルギである消費エネルギを導出する消費エネルギ導出手段と、
    前記貯蔵エネルギ導出手段で導出した前記貯蔵エネルギと、前記消費エネルギ導出手段で導出した前記消費エネルギとに基づいて、前記定着部材から前記メディアが分離する分離点の位置を予測する予測手段とを備えたことを特徴とする分離挙動予測装置。
  9. 定着プロセスにおけるシート状のメディアの分離挙動を予測するためのプログラムであって、
    定着部材の湾曲に沿って前記メディアが湾曲したときに前記メディアに貯蔵されるエネルギである貯蔵エネルギを導出する処理と、
    前記定着部材の表面から、前記メディアに転写されたトナーを分離させるのに消費されるエネルギである消費エネルギを導出する処理と、
    前記貯蔵エネルギと、前記消費エネルギとに基づいて、前記定着部材から前記メディアが分離する分離点の位置を予測する処理とをコンピュータに実行させるためのプログラム。
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