JP2024075843A - 毛髪用洗浄剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】疎水性シリカを用い、これを洗浄後の毛髪に効果的に付着・残存させつつも、優れた保存安定性を有する毛髪用洗浄剤組成物に関する。【解決手段】次の成分(A)~(C):(A)アニオン界面活性剤(B)ガラクトマンナン骨格を有するカチオン性ポリマー、アクリル系カチオン性ポリマー、アクリル系両性ポリマー、及びこれらの混合物から選ばれる1種又は2種以上であり、かつカチオン化密度が5.5meq/g以下であるポリマー(C)平均一次粒子径が5nm以上100nm以下である疎水性シリカを含有し、成分(A)の含有量と成分(C)の含有量との質量比((A)/(C))が3以上400以下である毛髪用洗浄剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、毛髪用洗浄剤組成物に関する。
炭酸塩やシリカ等から形成される粒子は、従来より種々の洗浄剤組成物に用いられており、所望の効果を発揮するのに寄与している。
例えば、特許文献1には、クレンジング界面活性剤とアニオン性粒子とカチオン性ポリマーとを含有するパーソナルクレンジング組成物が開示されており、アニオン性粒子とカチオン性ポリマーとの複合体凝集体を形成させることにより、該組成物で処理された表面への、有益剤としての粒子の付着及び保持の増強を図っている。また、特許文献2には、疎水性無機粒子と油溶性分散剤と水性溶剤、界面活性剤、及び洗髪用成分を含有するエマルジョン構造を有する洗髪用組成物が開示されており、疎水性無機粒子を毛髪内に定着等させることによって、充分な泡立ちの洗浄とともに、洗髪後の毛髪へのボリューム感やハリ・コシの付与を試みている。
特表2005-518426号公報 特開2015-221786号公報
こうしたなか、毛髪用洗浄剤組成物として、洗浄後の毛髪にボリュームアップ感を良好に付与しつつ、その効果を充分に持続させるにあたり、上記特許文献にも記載されるように、粒子を毛髪に付着・残存させるのが効果的であることは知られている。
しかしながら、かかる毛髪への粒子の付着性・残留性を高めようと、組成物中に粒子を配合すると、経時で組成物中において不要な沈降が生じて安定性が損なわれてしまうという課題があり、上記いずれの特許文献においても、未だこうした点を改善するには至っていない。
すなわち、本発明は、特定の疎水性シリカを用い、これを洗浄後の毛髪に効果的に付着・残存させつつも、優れた保存安定性を有する毛髪用洗浄剤組成物に関する。
そこで本発明者は、種々検討したところ、アニオン界面活性剤、及びカチオン化密度が特定値を示す特定の種類のポリマーとともに、平均一次粒子径が限られた値である疎水性シリカを特定の質量比で含有することにより、疎水性シリカの毛髪への付着性・残留性を有効に高めて、毛髪に対して優れたハリ・コシ感とともに持続性の高いボリュームアップ感をもたらし、かつ組成物自体の優れた保存安定性を保持することのできる毛髪用洗浄剤組成物が得られることを見出した。
したがって、本発明は、次の成分(A)~(C):
(A)アニオン界面活性剤
(B)ガラクトマンナン骨格を有するカチオン性ポリマー、アクリル系カチオン性ポリマー、アクリル系両性ポリマー、及びこれらの混合物から選ばれる1種又は2種以上であり、かつカチオン化密度が5.5meq/g以下であるポリマー
(C)平均一次粒子径が5nm以上100nm以下である疎水性シリカ
を含有し、成分(A)の含有量と成分(C)の含有量との質量比((A)/(C))が3以上400以下である毛髪用洗浄剤組成物を提供するものである。
本発明の毛髪用洗浄剤組成物によれば、毛髪へ適用した後、洗浄後の毛髪に対して優れたハリ・コシ感を与えるとともに、毛髪の根元を効果的に立ち上がらせ、持続性の高いボリュームアップ感をもたらすことができる。また、疎水性シリカの不要な沈降を有効に抑制して、長期間にわたり優れた保存安定性を保持することもできる。
したがって、洗浄後の毛髪に過度なべたつきを伴うことなく自然な軽い仕上がり感を付与し、スタイリングの自由度を高めることも可能となり、極めて実用性の高い毛髪用洗浄剤組成物である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の毛髪用洗浄剤組成物は、成分(A)として、アニオン界面活性剤を含有する。かかる成分(A)を含有することにより、良好な洗浄性・起泡性及び泡質を確保することができる。そして、本発明の毛髪用洗浄剤組成物中において、成分(A)の疎水性部が成分(C)の疎水性シリカの表面に良好に吸着して、ミセル様の粒子体が形成される。さらにこれらの粒子体が成分(B)の高分子鎖に会合した形態をとり、組成物中における成分(C)の分散性を効果的に高めることができるとともに、組成物自体の保存安定性を有効に高めることができる。
また、本発明の毛髪用洗浄剤組成物を毛髪へ適用した際、洗浄時からすすぎ時においては、水で希釈される過程で、成分(A)及び成分(C)を含むミセル様の粒子体と成分(B)が次第に集塊した複合体(コアセルベート)が形成される。この複合体は毛髪表面へ効果的に沈着し、乾燥後の毛髪表面においては、かかる複合体が優れた残留性を発揮するため、毛髪に対してハリ・コシ感やボリュームアップ感を有効かつ持続的に付与することが可能となる。
なお、成分(A)は、成分(C)の表面に吸着しつつ適度な負電荷を付与するため、静電反発による成分(C)を含むミセル様の粒子体の不要な密着や過度の凝集を効果的に抑制し、ひいては成分(C)を含むミセル様の粒子体の不要な沈降を抑制して、持続性の高い保存安定性の確保に寄与することができる。また、毛髪表面に成分(C)の均一な残留が可能になり、毛髪に対するハリ・コシ感やボリュームアップ感の効果的な付与に寄与することができる。
成分(A)としては、具体的には、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、カルボン酸塩、及びN-アシルアミノ酸塩から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
硫酸エステル塩としては、より具体的には、アルキル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸塩、及びポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。硫酸エステル塩を構成するアルキル基又はアルケニル基の炭素数は、好ましくは6以上であり、より好ましくは8以上であり、さらに好ましくは10以上であり、好ましくは18以下であり、より好ましくは16以下であり、さらに好ましくは14以下である。
かかる硫酸エステル塩のなかでも、アルキル硫酸塩、及びポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩がより好ましい。
スルホン酸塩としては、より具体的には、内部オレフィンスルホン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルケニルベンゼンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、及びアミノエチルスルホン酸塩から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
かかるスルホン酸塩のなかでも、内部オレフィンスルホン酸塩、及びα-オレフィンスルホン酸塩から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、さらに内部オレフィンスルホン酸塩、及びα-オレフィンスルホン酸塩の炭素数は、好ましくは10以上であり、より好ましくは12以上であり、好ましくは22以下であり、より好ましくは18以下である。
カルボン酸塩としては、より具体的には、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸塩、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩、及び脂肪酸塩から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。カルボン酸塩を構成するアルキル基又はアルカン基の炭素数、或いは脂肪酸残基の炭素数は、好ましくは8以上であり、より好ましくは10以上であり、好ましくは22以下であり、より好ましくは18以下である。
かかるカルボン酸塩のなかでも、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩が好ましく、オキシエチレン基の平均付加モル数が1~11であるのがより好ましく、2~6であるのがさらに好ましい。
N-アシルアミノ酸塩としては、より具体的には、N-アシルグルタミン酸塩、N-アシルサルコシン塩、N-アシルアラニン塩、N-アシルメチルアラニン塩、及びアシルグリシン塩から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。N-アシルアミノ酸塩を構成するアシル基の炭素数は、好ましくは6以上であり、より好ましくは10以上であり、好ましくは22以下であり、より好ましくは20以下である。
かかるN-アシルアミノ酸塩のなかでも、N-アシルアラニン塩、N-アシルメチルアラニン塩が好ましく、N-アシルメチルアラニン塩がより好ましい。
これらの塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩;アルミニウム、亜鉛等の他の無機塩;アンモニウム塩;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン塩;アルギニン塩、リジン塩、ヒスチジン塩、オルニチン塩等の塩基性アミノ酸塩等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。なかでも、アルカリ金属塩、有機アミン塩が好ましい。
かかる成分(A)としては、保存安定性、及び成分(C)の毛髪表面への吸着性を有効に高める観点から、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、及びカルボン酸塩から選択される1種以上を含むことが好ましく、少なくとも硫酸エステル塩を含むのがより好ましく、さらに成分(A)100質量%中における硫酸エステル塩の含有量が、50質量%以上であるのがさらに好ましく、80質量%以上であるのがまたさらに好ましく、100質量%であるのがよりさらに好ましい。
成分(A)の含有量は、洗浄性・起泡性及び泡質の観点、及び良好な保存安定性を確保する観点から、本発明の毛髪用洗浄剤組成物中に、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは3質量%以上であり、さらに好ましくは5質量%以上であり、またさらに好ましくは10質量%以上である。また、成分(A)の含有量は、毛髪に対してハリ・コシ感やボリュームアップ感を有効に付与する観点から、本発明の毛髪用洗浄剤組成物中に、好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは30質量%以下であり、さらに好ましくは25質量%以下であり、またさらに好ましくは21質量%以下である。そして、成分(A)の含有量は、本発明の毛髪用洗浄剤組成物中に、好ましくは1~50質量%であり、より好ましくは3~30質量%であり、さらに好ましくは5~25質量%であり、またさらに好ましくは10~21質量%である。
本発明の毛髪用洗浄剤組成物は、成分(B)として、ガラクトマンナン骨格を有するカチオン性ポリマー、アクリル系カチオン性ポリマー、アクリル系両性ポリマー、及びこれらの混合物から選ばれる1種又は2種以上であり、かつカチオン化密度が5.5meq/g以下であるポリマーを含有する。かかる成分(B)は、成分(C)の表面に吸着する上記成分(A)の一部の端部に連なってミセル様の粒子体を形成し、組成物中における成分(C)の分散性を効果的に高め、かつ組成物自体の保存安定性を有効に高めることができ、また毛髪への適用後のすすぎ時において、不要なきしみが発現するのを抑制することもできる。
なお、「カチオン性ポリマー」とは、水に溶解したときにカチオン化する置換基を有するポリマーを意味し、「両性ポリマー」とは、水に溶解したときにカチオン化する置換基とアニオン化する置換基との双方を有するポリマーを意味する。
ガラクトマンナン骨格を有するカチオン性ポリマーとは、ガラクトマンナン多糖に第4級窒素含有基を導入したカチオン性ポリマーであり、例えばガラクトマンナン多糖とカチオン化剤とを反応させることにより得ることができる。かかるガラクトマンナン骨格を有するカチオン化密度が5.5meq/g以下のカチオン性ポリマーとしては、より具体的には、カチオン化グアーガム、カチオン化タラガム、カチオン化ローカストビーンガム、及びカチオン化フェヌグリークガムから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
例えば、カチオン化グアーガムの市販品としては、ジャガーC-13S、ジャガーC-14S、ジャガーC-14SK、ジャガーC-17等のジャガーシリーズ(Solvay社製、グアーヒドロキシプロピルトリアンモニウムクロリド)等が挙げられる。また、カチオン化タラガムの市販品としては、カチナールCTR-100、カチナールCTR-200(以上、東邦化学工業社製、カエサルピニアスピノサヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド)等が挙げられる。また、カチオン化ローカストビーンガムの市販品としては、カチナールCLB-100(東邦化学工業社製、ローカストビーンヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド)等が挙げられる。カチオン化フェヌグリークガムの市販品としては、カチナールCF-100(東邦化学工業社製)が挙げられる。
かかるガラクトマンナン骨格を有するカチオン性ポリマーのなかでも、カチオン化グアーガムが好ましい。
カチオン化密度が5.5meq/g以下のアクリル系カチオン性ポリマー、及びカチオン化密度が5.5meq/g以下のアクリル系両性ポリマーとしては、より具体的には、ジアリル4級アンモニウム塩-アクリルアミド共重合体、ジアリル4級アンモニウム塩-アクリル酸共重合体、ジアリル4級アンモニウム塩-アクリルアミド-アクリル酸共重合体、メタクリルアミドアルキル4級アンモニウム塩-アクリル酸-アクリル酸エステル共重合体、メタクリロイルオキシアルキル4級アンモニウム塩-アクリルアミド共重合体、及びメタクリルアミドアルキル4級アンモニウム塩-アクリル酸-アクリルアミド共重合体から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
かかるアクリル系カチオン性ポリマー及びアクリル系両性ポリマーのなかでも、ジアリル4級アンモニウム塩-アクリルアミド共重合体、ジアリル4級アンモニウム塩-アクリル酸共重合体、ジアリル4級アンモニウム塩-アクリルアミド-アクリル酸共重合体、メタクリルアミドアルキル4級アンモニウム塩-アクリル酸-アクリル酸エステル共重合体から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
これらの市販品としては、例えば、MERQUAT 550、MERQUAT 740(以上INCI名:ポリクオタニウム-7、ジアリル4級アンモニウム塩-アクリルアミド共重合体、Lubrizol Advanced Materials社製)、MERQUAT 280N(INCI名:ポリクオタニウム-22、ジアリル4級アンモニウム塩-アクリル酸共重合体、Lubrizol Advanced Materials社製)、MERQUAT 3331PR(INCI名:ポリクオタニウム-39、アクリルアミド・アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体液、Lubrizol Advanced Materials社製)、MERQUAT 2001(INCI名:ポリクオタニウム-47、ジアリル4級アンモニウム塩-アクリルアミド-アクリル酸共重合体、メタクリルアミドアルキル4級アンモニウム塩-アクリル酸-アクリル酸エステル共重合体、Lubrizol Advanced Materials社製)等が挙げられる。
成分(B)のカチオン化密度は、成分(A)及び成分(C)とともに良好にミセル様の粒子体を形成し、複合体の毛髪への優れた残留性を発揮する観点から、5.5meq/g以下であって、好ましくは4.5meq/g以下であり、好ましくは1.0meq/g以上である。
成分(B)の含有量は、毛髪に対するハリ・コシ感やボリュームアップ感を有効に付与する観点、及びすすぎ時のきしみのなさの観点から、本発明の毛髪用洗浄剤組成物中に、好ましくは0.005質量%以上であり、より好ましくは0.01質量%以上であり、さらに好ましくは0.1質量%以上であり、またさらに好ましくは0.3質量%以上である。また、成分(B)の含有量は、良好な保存安定性を確保する観点から、本発明の毛髪用洗浄剤組成物中に、好ましくは3質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下であり、さらに好ましくは0.7質量%以下であり、またさらに好ましくは0.4質量%以下である。そして、成分(B)の含有量は、本発明の毛髪用洗浄剤組成物中に、好ましくは0.005~3質量%であり、より好ましくは0.01~1質量%であり、さらに好ましくは0.1~0.7質量%であり、またさらに好ましくは0.3~0.4質量%である。
成分(A)の含有量と成分(B)の含有量との質量比((A)/(B))は、保存安定性を向上させ、毛髪に対するハリ・コシ感やボリュームアップ感の付与効果の向上を図る観点から、好ましくは5以上であり、より好ましくは10以上であり、さらに好ましくは20以上であり、またさらに好ましくは30以上であり、好ましくは1000以下であり、より好ましくは800以下であり、さらに好ましくは500以下であり、またさらに好ましくは300以下である。そして、成分(A)の含有量と成分(B)の含有量との質量比((A)/(B))は、好ましくは5~1000であり、より好ましくは10~800であり、さらに好ましくは20~500であり、またさらに好ましくは30~300である。
本発明の毛髪用洗浄剤組成物は、成分(C)として、平均一次粒子径が5nm以上100nm以下である疎水性シリカを含有する。かかる成分(C)は、高い静摩擦性を有するとともに毛髪表面における残留性に優れるとともに、過度な凝集を未然に防ぐことができる。かかる成分(C)であれば、成分(A)及び成分(B)とともに、ミセル様の粒子体と高分子鎖に会合した形態を形成することが可能となり、成分(C)単独での過度な凝集や不要な沈降を抑制して、持続性の高い保存安定性を確保することができ、かつ成分(C)の毛髪表面への吸着性・残留性が効果的に高められ、毛髪に対して優れたハリ・コシ感やボリュームアップ感を付与することができる。
なお、「疎水性シリカ」とは、水に対する接触角が90°以上180°であるシリカ粒子を意味する。また、水に対する接触角は、接触角計(例えば、共和界面化学社製「DM500」)を用いて測定される値である。
成分(C)としては、具体的には、シリカ表面を疎水化処理してなる粒子が好ましく挙げられる。
シリカの表面における疎水化処理としては、過度な凝集や不要な沈降を抑制して優れた保存安定性を確保する観点から、シラン処理、又はシリコーン処理が好ましく、シラン処理がより好ましく、アルキルシラン処理がさらに好ましい。かかる処理を施した疎水性シリカ粒子としては、より具体的には、ジメチルシリル化シリカ、トリメチルシリル化シリカ、及びジメチルポリシロキサン化シリカから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、ジメチルシリル化シリカ、及びトリメチルシリル化シリカから選ばれる1種又は2種がより好ましく、ジメチルシリル化シリカがさらに好ましい。
成分(C)の平均一次粒子径(一次粒子における平均粒径)は、5nm以上100nm以下であって、毛髪に対して優れたハリ・コシ感やボリュームアップ感を付与する観点から、好ましくは10nm以上50nm以下である。
なお、「一次粒子」とは、凝集のない粒子として独立した最小単位の一粒子を意味する。また、平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡でランダムに選択した200個の粒子の粒子径を測定し、その一次粒子径の平均を算出する方法により測定される値である。
ここで、ランダムに選択した200個の粒子中における粒子径が100nm以上の粒子数は、毛髪表面における残留性に優れ、毛髪に対してハリ・コシ感やボリュームアップ感を有効に付与する観点から、好ましくは50個以下であり、より好ましくは30個以下であり、さらに好ましくは10個以下であり、よりさらに好ましくは5個以下であり、或いはランダムに選択した200個の粒子中に、粒子径が100nm以上の粒子は実質的に存在しないことがよりさらに好ましい。
成分(C)の比表面積は、好ましくは30~400m/gであり、より好ましくは50~350m/gであり、さらに好ましくは90~300m/gである。なお、比表面積は、BET法により測定される値である。
成分(C)は、単独で過度に凝集することはないものの、一次粒子の一部は成分(C)単独で適度に凝集し、凝集体として組成物中に存在し得る。かかる凝集体の平均粒径は、好ましくは50nm以上であり、より好ましくは100nm以上であり、好ましくは1000nm以下であり、より好ましくは500nm以下である。
成分(C)の含有量は、毛髪に対してハリ・コシ感やボリュームアップ感を有効に付与する観点から、本発明の毛髪用洗浄剤組成物中に、好ましくは0.05質量%以上であり、より好ましくは0.1質量%以上であり、さらに好ましくは0.3質量%以上であり、またさらに好ましくは0.5質量%以上である。また、成分(C)の含有量は、良好な保存安定性を確保する観点から、本発明の毛髪用洗浄剤組成物中に、好ましくは4質量%以下であり、より好ましくは3質量%以下であり、さらに好ましくは2質量%以下であり、またさらに好ましくは1質量%以下である。そして、成分(C)の含有量は、本発明の毛髪用洗浄剤組成物中に、好ましくは0.05~4質量%であり、より好ましくは0.1~3質量%であり、さらに好ましくは0.3~2質量%であり、またさらに好ましくは0.5~1質量%である。
本発明の毛髪洗浄剤組成物は、さらに成分(C)以外の粒子を含有することができる。かかる成分(C)以外の粒子としては、具体的には、アルミナ、タルク、カオリン、クレー、ベントナイト、マイカ、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、及び炭酸マグネシウム等から選ばれる1種又は2種以上の無機粒子、並びにこれらの粒子表面を疎水化処理した粒子が挙げられる。
成分(C)以外の粒子の含有量と成分(C)の含有量との質量比(成分(C)以外の粒子/成分(C))は、過度な凝集や不要な沈降を抑制して優れた保存安定性を確保する観点から、好ましくは0.4以下であり、より好ましくは0.2以下であり、さらに好ましくは0.1以下であり、よりさらに好ましくは0.05以下である。
成分(A)の含有量と成分(C)の含有量との質量比((A)/(C))は、良好な保存安定性を確保するとともに、毛髪に対して優れたハリ・コシ感やボリュームアップ感を付与する観点から、3以上であって、好ましくは4以上であり、より好ましくは5以上であり、400以下であって、好ましくは200以下であり、より好ましくは100以下であり、さらに好ましくは70以下である。そして、成分(A)の含有量と成分(C)の含有量との質量比((A)/(C))は、3以上400以下であって、好ましくは4~200であり、より好ましくは4~100であり、さらに好ましくは5~70である。
本発明の毛髪用洗浄剤組成物を毛髪へ適用した際、成分(A)及び成分(C)を含むミセル様の粒子体と成分(B)が次第に集塊した複合体(コアセルベート)の平均粒径は、毛髪に対して優れたハリ・コシ感やボリュームアップ感を付与する観点から、好ましくは1μm以上であり、より好ましくは5μm以上であり、好ましくは30μm以下であり、より好ましくは10μm以下である。
本発明の毛髪用洗浄剤組成物は、洗浄性・起泡性及び泡質の観点、及び組成物自体の優れた保存安定性を保持する観点から、さらに両性界面活性剤(D)を含有することができる。
成分(D)としては、具体的には、カルボベタイン、及びスルホベタインから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。より具体的には、炭素数6~22の、好ましくは炭素数8~18のアルキル基、アルケニル基又はアシル基を有する、カルボベタイン及びスルホベタインから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
なかでも、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン、及びラウリルスルホベタインから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、及びラウリン酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタインら選ばれる1種又は2種がより好ましい。
成分(D)の含有量は、洗浄性・起泡性及び泡質の観点から、本発明の毛髪用洗浄剤組成物中に、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.5質量%以上であり、さらに好ましくは1質量%以上である。また、成分(D)の含有量は、優れた保存安定性を確保する観点から、本発明の毛髪用洗浄剤組成物中に、好ましくは20質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以下である。そして、成分(D)の含有量は、本発明の毛髪用洗浄剤組成物中に、好ましくは0.1~20質量%であり、より好ましくは0.5~10質量%であり、さらに好ましくは1~5質量%である。
本発明の毛髪用洗浄剤組成物は、洗浄性・起泡性及び泡質の観点、及び組成物自体の優れた保存安定性を保持する観点から、さらにノニオン界面活性剤(E)を含有することができる。
成分(E)としては、具体的には、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルグリコシド、及びアルキルグリセリルエーテルから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、より具体的には、アルキル基の炭素数が6~22、好ましくは炭素数8~18のものが挙げられる。なかでも、ポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましく、オキシエチレン基の平均付加モル数が3~50であるのがより好ましく、4~16であるのがさらに好ましい。
脂肪酸アルカノールアミドとしては、脂肪酸の炭素数が6~22、好ましくは炭素数8~18のモノ又はジアルカノールアミドが挙げられる。
アルキルグリコシドとしては、アルキル基の炭素数が6~22、好ましくは炭素数8~18のものが挙げられる。
アルキルグリセリルエーテルとしては、アルキル基の炭素数が6~22、好ましくは炭素数8~18のものが挙げられる。
なかでも、脂肪酸アルカノールアミドがより好ましい。
成分(E)の含有量は、洗浄性・起泡性及び泡質の観点から、本発明の毛髪用洗浄剤組成物中に、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.5質量%以上であり、さらに好ましくは1質量%以上である。また、成分(E)の含有量は、優れた保存安定性を確保する観点から、本発明の毛髪用洗浄剤組成物中に、好ましくは20質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以下である。そして、成分(E)の含有量は、本発明の毛髪用洗浄剤組成物中に、好ましくは0.1~20質量%であり、より好ましくは0.5~10質量%であり、さらに好ましくは1~5質量%である。
本発明の毛髪用洗浄剤組成物は、組成物の各含有成分を適切な含有量に調整しつつ良好に分散又は溶解させ、かつ組成物を適切な粘度に調整する観点から、通常、水性媒体を含有する。水性媒体としては、水;エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール;1,3-ブチレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール等の炭素数6以下の低分子ジオール及びトリオールが挙げられ、水が好ましい。さらに水を含有するのが好ましい。水としては、イオン交換水や蒸留水等が挙げられる。
水性媒体の含有量は、本発明の毛髪用洗浄剤組成物中に、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは60質量%以上であり、さらに好ましくは70質量%以上であり、好ましくは95質量%以下であり、より好ましくは90質量%以下であり、さらに好ましくは85質量%以下である。そして、水性媒体の含有量は、本発明の毛髪用洗浄剤組成物中に、好ましくは50~95質量%であり、より好ましくは60~90質量%であり、さらに好ましくは70~85質量%である。
本発明の毛髪用洗浄剤組成物の30℃における粘度は、良好な保存安定性を確保する観点、充分な泡量により効果的に洗浄性能を高める観点、及び適用部位への塗布性を高める観点から、好ましくは500~20,000mPa・sであり、より好ましくは500~10,000mPa・sであり、さらに好ましくは1,000~5,000mPa・sである。このように、本発明の毛髪用洗浄剤組成物であれば、仮に低粘度域(1,000~5,000mPa・s)であっても、優れた保存安定性を発現することができる。
なお、かかる粘度は、B型粘度計により測定される値を意味する。
本発明の毛髪用洗浄剤組成物は、上記成分以外に、本発明の効果を阻害しない範囲で、通常の化粧品原料として用いられるその他の成分を含有することができる。かかる成分としては、多価アルコール、感触向上剤、増粘剤、香料、紫外線吸収剤、可視光吸収剤、キレート剤、酸化防止剤、着色剤、防腐剤、pH調整剤、粘度調整剤、パール光沢剤、湿潤剤等が挙げられる。
本発明の毛髪用洗浄剤組成物の剤型としては、液状、乳液状、クリーム状、泡状のいずれであってもよい。
本発明の毛髪用洗浄剤組成物は、次の工程1~3を含む方法により製造することができる。
工程1:水を含む水性媒体の一部又は全部に成分(A)を溶解させて、処理物1を得る工程
工程2:得られた処理物1に、成分(C)を添加して混合し、混合物2を得る工程
工程3:得られた混合物2に、残部の水を含む水性媒体及び成分(B)を添加して混合し、混合物3を得る工程
さらに工程3の後に、洗浄性・起泡性及び泡質の観点から、工程4として、得られた混合物3に、成分(D)、(E)及び(F)から選択される1種又は2種以上を添加して混合する工程を含むことができる。
工程1における水性溶媒は、成分(A)及び成分(C)を混合させることができる量を用いればよく、毛髪用洗浄剤組成物に配合する水性溶媒の一部又は全部を用いることができるが、成分(A)及び成分(C)を製造のしやすさの観点、十分に混合させ、良好にミセル様の粒子体を形成させる観点から、水性溶媒の配合量は、成分(A)及び成分(C)の合計配合量の0.5~4倍が好ましく、1~3倍がより好ましい。
成分(A)及び成分(C)とともに良好にミセル様の粒子体を形成させる観点から、工程1及び工程2においては、成分(A)以外の界面活性剤、及び成分(B)を含むポリマーを実質的に配合しないことが好ましい。なお、実質的に配合しないとは、成分(A)以外の界面活性剤、及び成分(B)を含むポリマーの配合量が、工程1又は工程2において用いる処理物又は混合物の総量中に、0.5質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.1質量%以下であり、さらに好ましくは0.01質量%以下であることを意味するものである。
工程1~4において、溶解性、及び混合性を向上させる観点から、攪拌操作を行うことが好ましい。さらに配合成分の溶解性、及び混合性をより向上させる観点から、加温操作を行うことが好ましく、具体的には50~100℃の範囲に加温することが好ましく、60~90℃の範囲に加温することがより好ましく、70~80℃の範囲に加温することがさらに好ましい。加温した場合には、任意で撹拌しながら、20~40℃まで冷却することが好ましい。
具体的には、まず水等の水性媒体の一部に成分(A)を溶解させて処理物1を得た後(工程1)、かかる処理物1に成分(C)を添加して混合し、各成分を均一に分散させた混合物2を得る(工程2)。次いで、得られた混合物2に残部の水性媒体を添加し、50~100℃に加温した後、成分(B)を添加して均一になるように撹拌して混合物3を得る(工程3)。
そして、得られた混合物3を本発明の毛髪用洗浄剤組成物としてもよく、或いは必要に応じてさらに、得られた混合物3に、成分(D)~(F)及びその他の成分を添加して混合し、各成分を均一に溶解又は分散させる(工程4)。その後、さらに撹拌しながら20~40℃に冷却し、得られた混合物を本発明の毛髪用洗浄剤組成物としてもよい。
本発明の毛髪用洗浄剤組成物を用いて毛髪を洗浄するには、具体的には、例えば、予め毛髪を水で湿らせ、本発明の毛髪用洗浄剤組成物を毛髪に塗布して洗浄した後、水ですすぐ方法を実施すればよい。
このように、本発明の毛髪用洗浄剤組成物は、洗浄後の毛髪に対して優れたハリ・コシ感を与えるとともに、毛髪の根元を効果的に立ち上がらせ、持続性の高いボリュームアップ感を実感できるという性能を発現するとともに、疎水性シリカの不要な沈降を有効に抑制して、長期間にわたり優れた保存安定性をも有している。
したがって、本発明の毛髪用洗浄剤組成物を用いれば、かかる毛髪用洗浄剤組成物により毛髪を洗浄した後、任意ですすぎ、次いで乾燥させることによる、毛髪に対するハリ又はコシ感の向上方法、或いは毛髪用洗浄剤組成物により毛髪を洗浄した後、任意ですすぎ、次いで乾燥させることによる、毛髪に対するボリュームアップ方法を提供することができる。
さらに、本発明の毛髪用洗浄剤組成物を調製することは、疎水性シリカを含む毛髪洗浄剤組成物の保存安定性の向上方法、より具体的には疎水性シリカを含む毛髪洗浄剤組成物における疎水性シリカの沈降を抑制する方法としても有用性が高い。
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下の毛髪用洗浄剤組成物を開示する。
[1]次の成分(A)~(C):
(A)アニオン界面活性剤
(B)ガラクトマンナン骨格を有するカチオン性ポリマー、アクリル系カチオン性ポリマー、アクリル系両性ポリマー、及びこれらの混合物から選ばれる1種又は2種以上であり、かつカチオン化密度が5.5meq/g以下であるポリマー
(C)平均一次粒子径が5nm以上100nm以下である疎水性シリカ
を含有し、成分(A)の含有量と成分(C)の含有量との質量比((A)/(C))が3以上400以下である毛髪用洗浄剤組成物。
[2]成分(A)が、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、カルボン酸塩、及びN-アシルアミノ酸塩から選ばれる1種又は2種以上である上記[1]の毛髪用洗浄剤組成物。
[3]成分(A)100質量%中における硫酸エステル塩の含有量が、50質量%以上であるのがより好ましく、80質量%以上であるのがさらに好ましく、100質量%であるのがまたさらに好ましい上記[1]又は[2]の毛髪用洗浄剤組成物。
[4]成分(A)の含有量が、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは3質量%以上であり、さらに好ましくは5質量%以上であり、またさらに好ましくは10質量%以上であり、好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは30質量%以下であり、さらに好ましくは25質量%以下であり、またさらに好ましくは21質量%以下である上記[1]~[3]いずれか1の毛髪用洗浄剤組成物。
[5]成分(B)のカチオン化密度が、好ましくは4.5meq/g以下であり、好ましくは1.0meq/g以上である上記[1]~[4]いずれか1の毛髪用洗浄剤組成物。
[6]成分(B)の含有量が、好ましくは0.005質量%以上であり、より好ましくは0.01質量%以上であり、さらに好ましくは0.1質量%以上であり、またさらに好ましくは0.3質量%以上であり、好ましくは3質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下であり、さらに好ましくは0.7質量%以下であり、またさらに好ましくは0.4質量%以下である上記[1]~[5]いずれか1の毛髪用洗浄剤組成物。
[7]成分(A)の含有量と成分(B)の含有量との質量比((A)/(B))が、好ましくは5以上であり、より好ましくは10以上であり、さらに好ましくは20以上であり、またさらに好ましくは30以上であり、好ましくは1000以下であり、より好ましくは800以下であり、さらに好ましくは500以下であり、またさらに好ましくは300以下である上記[1]~[6]いずれか1の毛髪用洗浄剤組成物。
[8]成分(C)が、シリカ表面をシラン処理又はシリコーン処理、好ましくはシラン処理、より好ましくはアルキルシラン処理してなる疎水性シリカである上記[1]~[7]いずれか1の毛髪用洗浄剤組成物。
[9]成分(C)の平均一次粒子径が、好ましくは10nm以上50nm以下である上記[1]~[8]いずれか1の毛髪用洗浄剤組成物。
[10]成分(C)の含有量が、好ましくは0.05質量%以上であり、より好ましくは0.1質量%以上であり、さらに好ましくは0.3質量%以上であり、またさらに好ましくは0.5質量%以上であり、好ましくは4質量%以下であり、より好ましくは3質量%以下であり、さらに好ましくは2質量%以下であり、またさらに好ましくは1質量%以下である上記[1]~[9]いずれか1の毛髪用洗浄剤組成物。
[11]成分(A)の含有量と成分(C)の含有量との質量比((A)/(C))が、好ましくは4以上であり、より好ましくは5以上であり、好ましくは200以下であり、より好ましくは100以下であり、さらに好ましくは70以下である上記[1]~[10]いずれか1の毛髪用洗浄剤組成物。
[12]本発明の毛髪用洗浄剤組成物を毛髪へ適用した際における、成分(A)及び成分(C)を含むミセル様の粒子体と成分(B)が次第に集塊した複合体(コアセルベート)の平均粒径が、好ましくは1μm以上であり、より好ましくは5μm以上であり、好ましくは30μm以下であり、より好ましくは10μm以下である上記[1]~[11]いずれか1の毛髪用洗浄剤組成物。
[13]さらに両性界面活性剤(D)を含有し、かかる成分(D)の含有量が、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.5質量%以上であり、さらに好ましくは1質量%以上であり、好ましくは20質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以下である上記[1]~[12]いずれか1の毛髪用洗浄剤組成物。
[14]さらにノニオン界面活性剤(E)を含有し、かかる成分(E)の含有量が、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.5質量%以上であり、さらに好ましくは1質量%以上であり、好ましくは20質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以下である上記[1]~[13]いずれか1の毛髪用洗浄剤組成物。
[15]30℃における粘度が、好ましくは500~20,000mPa・sであり、より好ましくは500~10,000mPa・sであり、さらに好ましくは1,000~5,000mPa・sである上記[1]~[14]いずれか1の毛髪用洗浄剤組成物。
[16]次の成分(A)~(C):
(A)アニオン界面活性剤
(B)ガラクトマンナン骨格を有するカチオン性ポリマー、アクリル系カチオン性ポリマー、アクリル系両性ポリマー、及びこれらの混合物から選ばれる1種又は2種以上であり、かつカチオン化密度が5.5meq/g以下であるポリマー
(C)平均一次粒子径が5nm以上100nm以下である疎水性シリカ
を含有し、成分(A)の含有量と成分(C)の含有量との質量比((A)/(C))が3以上400以下である毛髪用洗浄剤組成物の製造方法であって、次の工程1~3を含む、毛髪洗浄剤組成物の製造方法。
工程1:水を含む水性媒体の一部に成分(A)を溶解させて、処理物1を得る工程
工程2:得られた処理物1に、成分(C)を添加して混合し、混合物2を得る工程
工程3:得られた混合物2に、残部の水を含む水性媒体及び成分(B)を添加して混合し、混合物3を得る工程。
[17]工程3の後に、得られた混合物3に、さらに成分(D)、(E)及び(F)から選択される1種又は2種以上を添加して混合する工程を含む、上記[16]の毛髪洗浄剤組成物の製造方法。
[18]上記[1]~[15]いずれか1の毛髪用洗浄剤組成物により毛髪を洗浄した後、任意ですすぎ、次いで乾燥させることによる、毛髪に対するハリ又はコシ感の向上方法。
[19]上記[1]~[15]いずれか1の毛髪用洗浄剤組成物により毛髪を洗浄した後、任意ですすぎ、次いで乾燥させることによる、毛髪に対するボリュームアップ方法。
[20]次の成分(A)~(C)を含有する毛髪洗浄剤組成物において、成分(A)の含有量と成分(C)の含有量との質量比((A)/(C))を3以上400以下とする、保存安定性の向上方法
(A)アニオン界面活性剤
(B)ガラクトマンナン骨格を有するカチオン性ポリマー、アクリル系カチオン性ポリマー、アクリル系両性ポリマー、及びこれらの混合物から選ばれる1種又は2種以上であり、かつカチオン化密度が5.5meq/g以下であるポリマー
(C)平均一次粒子径が5nm以上100nm以下である疎水性シリカ。
[21]次の成分(A)~(C)を含有する毛髪洗浄剤組成物において、成分(A)の含有量と成分(C)の含有量との質量比((A)/(C))を3以上400以下とする、疎水性シリカの沈降を抑制する方法
(A)アニオン界面活性剤
(B)ガラクトマンナン骨格を有するカチオン性ポリマー、アクリル系カチオン性ポリマー、アクリル系両性ポリマー、及びこれらの混合物から選ばれる1種又は2種以上であり、かつカチオン化密度が5.5meq/g以下であるポリマー
(C)平均一次粒子径が5nm以上100nm以下である疎水性シリカ。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明する。なお、表中に特に示さない限り、各成分の含有量は質量%を示す。
[実施例1~17、比較例1~10]
表1~3に示す処方にしたがって、上述の製造方法により各毛髪用洗浄剤組成物を調製した。次いで、得られた毛髪用洗浄剤組成物を用い、下記方法にしたがって測定及び評価を行った。
結果を表1~3に示す。
《粘度の測定》
各洗浄剤組成物をガラス瓶に入れて30℃にて静置した後、B型粘度計(TVB-10、東機産業社製)を用いて測定(ローターNo.3、12rpm、1分後)した。
《ボリュームアップ効果の評価》
評価には、6.5×6.5cmの面積のシートに対し、同じ方向に向けて長さ20cmの毛髪を60℃の角度にて170本/cm2の密度で植毛したトレスを用いた。
まず、各毛髪用洗浄剤組成物1gを用いて上記トレスを洗浄し、水ですすいだ後、毛髪が鉛直方向に垂れ下がるようにトレスを下向きに設置した。次いで、30cmの水平距離の位置から、ドライヤーの熱風を毛髪の側面に当てて乾燥させた。
次に、毛髪の生え面が上向きになるように乾燥後のトレスを設置し、毛髪全体を生え向きと逆の方向に流した時の、シート表面から毛髪の最頂部までの高さ(毛髪の根元の立ち上がり高さ)を測定した。
なお、成分(C)を含有させなかった以外、実施例1と同様の処方にて調製した毛髪用洗浄剤組成物について、同様にしてシート表面から毛髪の最頂部までの高さを測定したところ、24mmであった。この値を基準値とすることにより、得られた上記各測定値がこの基準値より大きい値であるほど、毛髪の根元が立ち上がりやすく、ボリュームアップ効果が高いと評価することができることから、以下の評価式により、ボリュームアップ効果を示した。
ボリュームアップ効果(%)=(各毛髪洗浄剤組成物によるシート表面から毛髪の最頂部までの高さ‐基準値(24mm))/基準値(24mm)×100
《ハリ・コシ感の評価》
健常な毛髪1g(長さ10cm)を束ね、この毛髪束に毛髪洗浄剤0.2gを塗布して30秒間泡立てた後、10秒間流水ですすいだ。次に、タオルドライをし、さらにドライヤーで乾燥させた毛髪におけるハリ・コシ感について、5名の専門家パネリストにより下記基準にしたがって5段階で官能評価した。評価結果は5名の専門家パネリストの官能評価の平均値で示した。
・官能評価
5点:ハリコシ感がある
4点:ややハリコシ感がある
3点:普通
2点:あまりハリコシ感がない
1点:ハリコシ感がない
《保存安定性》
胴径5cm、高さ10cmの円筒状保存瓶に高さ9cmまで毛髪洗浄剤を入れた後、かかる保存瓶を50℃にて30日間保存した。次いで、成分(C)の沈降を保存瓶の横から観察して、保存瓶底から沈降部最上面までの高さ(mm)を測定し、下記基準により評価した。
A:沈降は観察されず(高さ0mm)、経日安定性に優れている。
B:高さ10mm未満であり、経日安定性がやや優れている。
C:高さ10mm以上であり、経日安定性が劣っている。
Figure 2024075843000001
Figure 2024075843000002
Figure 2024075843000003

Claims (5)

  1. 次の成分(A)~(C):
    (A)アニオン界面活性剤
    (B)ガラクトマンナン骨格を有するカチオン性ポリマー、アクリル系カチオン性ポリマー、アクリル系両性ポリマー、及びこれらの混合物から選ばれる1種又は2種以上であり、かつカチオン化密度が5.5meq/g以下であるポリマー
    (C)平均一次粒子径が5nm以上100nm以下である疎水性シリカ
    を含有し、成分(A)の含有量と成分(C)の含有量との質量比((A)/(C))が3以上400以下である毛髪用洗浄剤組成物。
  2. 成分(A)の含有量と成分(B)の含有量との質量比((A)/(B))が、5以上1000以下である請求項1に記載の毛髪用洗浄剤組成物。
  3. 成分(A)が、少なくとも硫酸エステル塩を含む請求項1又は2に記載の毛髪用洗浄剤組成物。
  4. 成分(B)の含有量が、0.005質量%以上3質量%以下である請求項1~3のいずれか1項に記載の毛髪用洗浄剤組成物。
  5. 成分(C)が、シリカ表面をシラン処理又はシリコーン処理してなる疎水性シリカ粒子である請求項1~4のいずれか1項に記載の毛髪用洗浄剤組成物。
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