JP2024075393A - 消毒剤組成物 - Google Patents

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由紀 西岡
千尋 田本
加織 林
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Abstract

【課題】消毒性能を有し、皮膚表面になじみやすく、塗布後には皮膚表面の滑らかさが感じられ、乾燥後にはコート感があり、且つべたつきが少ない消毒剤組成物を提供する。【解決手段】成分(A):カチオン性消毒剤、成分(B):ポリエーテル変性シリコーン、及び、成分(C):単糖類の(ポリ)アルキレンオキシド付加体、を含有する消毒剤組成物であって、前記組成物中の前記成分(B)の含有量が0.10質量%以上0.70質量%以下であり、前記組成物中の前記成分(C)の含有量が0.75質量%以上10質量%以下である、消毒剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、消毒剤組成物に関する。
近年の調査によれば、人の日常生活における菌又はウイルスの感染経路としては接触感染が多いことが知られてきている。接触感染は主として、菌又はウイルスの感染者、ドアノブ、ハンドル、食器、玩具、その他日用品、内装品等の被接触物に手指が接触することにより起こる。
このような日常生活での接触行動による菌又はウイルスの接触感染を予防する方法が求められている。
手指を介しての菌又はウイルスの接触感染を予防する方法として、手指にアルコール系消毒剤等を適用して殺菌消毒する方法が知られている。しかしながら、殺菌乃至消毒成分として用いられるエタノール等のアルコールは揮発性が高く、消毒性能の持続性が充分ではなかった。そこで、瞬間的な消毒性能だけでなく、消毒性能の持続性にも優れる皮膚用消毒剤組成物が望まれている。
カチオン性殺菌剤を使用し、且つエタノール等の低級アルコールの含有量が少ない殺菌性又は抗菌性の皮膚用組成物も検討されている。
例えば特許文献1には、カチオン性活性成分、5質量%未満のカチオン適合性界面活性剤、泡促進剤、泡構造強化剤、皮膚補助剤、及び水を含み、アニオン性界面活性剤、低級アルコール、及びトリクロサンを実質的に含まない発泡抗菌性皮膚洗剤が、殺生物剤であるトリクロサン等を実質的に含まず、それでもなお洗浄の間の充分な泡体積、及び高密度で硬質で安定な泡につながる泡構造を提供し、かつ皮膚にも優しい、有効な抗菌性パーソナルケア組成物であることが開示されている。
特許文献2には、4級アンモニウム塩殺菌剤と、ジメチルポリシロキサン、環状シリコーン、ポリオキシエチレン変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、高級脂肪酸又はそのエステル、高級アルコール、及びオレフィン化合物から選択される少なくとも1種の油性成分と、多価アルコールと、を含有し、炭素数1~3の1価アルコールの含有量が10質量%未満である、洗い流さないタイプの殺菌清浄剤組成物が開示され、該組成物は殺菌力を有し、使用時の手肌への刺激が低く、塗布後の乾きの早さ、塗布後の剤の伸びの良さ、乾燥後の手肌のしっとり感に優れることが記載されている。
特表2017-522356号公報 特開2021-100915号公報
しかしながら、特許文献1,2に記載のアルコールフリータイプの組成物は、皮膚への適用時にアルコールのような冷涼感及び匂いがなく、さらに皮膚への残留感もないことから、使用効果が実感できないという課題がある。
そこで、組成物の使用効果を実感するために、皮膚表面になじみやすく、塗布後には皮膚表面の滑らかさが感じられるとともに、乾燥後にはコート感があり且つべたつきが少ないという使用感を備えた消毒剤組成物が望まれる。
本発明は、消毒性能を有し、皮膚表面になじみやすく、塗布後には皮膚表面の滑らかさが感じられ、乾燥後にはコート感があり、且つべたつきが少ない消毒剤組成物の提供に関する。
本発明者らは、カチオン性消毒剤、ポリエーテル変性シリコーン、及び単糖類の(ポリ)アルキレンオキシド付加体をそれぞれ所定量含有する消毒剤組成物が、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち本発明は、成分(A):カチオン性消毒剤、成分(B):ポリエーテル変性シリコーン、及び成分(C):単糖類の(ポリ)アルキレンオキシド付加体、を含有する消毒剤組成物であって、前記組成物中の前記成分(B)の含有量が0.10質量%以上0.70質量%以下であり、前記組成物中の前記成分(C)の含有量が0.75質量%以上10質量%以下である、消毒剤組成物に関する。
本発明によれば、消毒性能を有し、皮膚表面になじみやすく、塗布後には皮膚表面の滑らかさが感じられ、乾燥後にはコート感があり、且つべたつきが少ない消毒剤組成物を提供することができる。該消毒剤組成物は、皮膚用のリーブオン消毒剤組成物として有用である。
[消毒剤組成物]
本発明の消毒剤組成物は、成分(A):カチオン性消毒剤、成分(B):ポリエーテル変性シリコーン、及び、成分(C):単糖類の(ポリ)アルキレンオキシド付加体、を含有する消毒剤組成物であって、前記組成物中の前記成分(B)の含有量が0.10質量%以上0.70質量%以下であり、前記組成物中の前記成分(C)の含有量が0.75質量%以上10質量%以下である。
本発明の消毒剤組成物は上記構成を有することにより、消毒性能を有し、皮膚表面になじみやすく、塗布後には皮膚表面の滑らかさが感じられ、乾燥後にはコート感があり、且つべたつきが少ない消毒剤組成物となる。
なお、以下の記載において、消毒剤組成物の皮膚表面へのなじみやすさ、塗布後の皮膚表面の滑らかさ、乾燥後のコート感及びべたつきの少なさを総称して「使用感」ということがある。
本発明の消毒剤組成物(以下、単に「(本発明の)組成物」ともいう。)が上記効果を奏する理由については定かではないが、次のように考えられる。
成分(A)はカチオン性物質であることから、後述する水性媒体(主として水)に溶解させて用いられる。すなわち本発明の組成物は、好ましくは水性組成物であり、成分(B)及び成分(C)も好ましくは親水性の化合物である。
成分(B)は低表面エネルギー成分であるため、組成物の表面張力を低下させることにより、皮膚表面へのなじみやすさが良好になると考えられる。
成分(C)は親水性のポリマー成分であり、皮膜形成性を有するため、組成物の塗布後の乾燥後のコート感と、べたつき抑制効果とを付与できる。
さらに成分(B)及び成分(C)は(ポリ)アルキレンオキシド部位を有していることから、組成物との相溶性が良く、塗布後の皮膚表面の滑らかさを損なわずに、乾燥後のコート感と、べたつき抑制効果を向上できると考えられる。
消毒剤組成物の適用対象物は特に限定されないが、本発明の有用性が高いという観点で、好ましくは皮膚であり、より好ましくは頭皮を除く皮膚であり、より好ましくは手指の皮膚である。
消毒剤組成物は、皮膚用のリーブオン消毒剤組成物であることがより好ましい。本明細書において「皮膚用のリーブオン消毒剤組成物」とは、皮膚に適用後、水洗等で除去せずに用いる皮膚用の消毒剤組成物を意味する。
本発明の有用性が高いという観点で、消毒剤組成物は、手指用のリーブオン消毒剤組成物であることがさらに好ましい。
本発明の消毒剤組成物が消毒性能を発現する対象となる菌としては、消毒剤組成物との接触により不活性化又は死滅するものであれば特に制限されず、例えば厚生労働省の保育所における感染症対策ガイドラインに記載の微生物を適用することができる。
具体的には、菌としてはグラム陽性細菌である炭疽菌、結核菌、溶血性レンサ球菌、黄色ブドウ球菌、肺炎球菌等、あるいはグラム陰性細菌である野兎病菌、ペスト菌、ブルセラ菌、鼻疽菌、コレラ菌、サルモネラ菌、赤痢菌、大腸菌、百日咳菌等が挙げられる。
なお、本実施例では、黄色ブドウ球菌及び大腸菌を例に挙げて殺菌性能を評価し、これをもって消毒性能を示しているが、消毒対象となる菌はこれに限定されない。
また、本発明の消毒剤組成物は、菌だけでなく、ウイルスに対する消毒剤組成物としても使用することができる。該ウイルスとしては、エンベロープウイルスであるアレナウイルス、エボラウイルス、痘そうウイルス、ナイロウイルス、マールブルグウイルス、コロナウイルス、サル痘ウイルス、ベータコロナウイルス、インフルエンザウイルス、RSウイルス、ヘルペスウイルス、ムンプスウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルス、風しんウイルス、麻しんウイルス等、及びノンエンベロープウイルスであるエンテロウイルス、アデノウイルス、コクサッキーウイルス、ノロウイルス、ロタウイルス等が挙げられる。
<成分(A):カチオン性消毒剤>
成分(A)として用いられるカチオン性消毒剤としては、消毒性能を有するカチオン性化合物であれば特に制限されない。すなわち、本発明では、消毒性能を発現する剤を、消毒剤と称する。
消毒性能を向上させる観点から、成分(A)としては、例えば、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、アルキルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。
上記の中でも、消毒性能を向上させる観点から、成分(A)は、好ましくは塩化ベンザルコニウム及び塩化ベンゼトニウムからなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくは塩化ベンザルコニウムである。
また、成分(A)が塩化ベンザルコニウムの場合、消毒性能を向上させる観点から、アルキル基の炭素数は、好ましくは6以上、より好ましくは8以上であり、より好ましくは10以上、そして、好ましくは20以下、より好ましくは18以下である。
また、成分(A)がアルキルトリメチルアンモニウムクロリドの場合、消毒性能を向上させる観点から、アルキル基の炭素数は、好ましくは6以上、より好ましくは8以上、さらに好ましくは10以上であり、そして、好ましくは24以下、より好ましくは22以下である。
また、成分(A)がジアルキルジメチルアンモニウムクロリドの場合、消毒性能を向上させる観点から、アルキル基の炭素数は、好ましくは6以上、より好ましくは8以上、さらに好ましくは10以上であり、そして、好ましくは20以下、より好ましくは18以下である。
消毒剤組成物中の成分(A)の含有量は、消毒性能を向上させる観点から、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.02質量%以上、さらに好ましくは0.03質量%以上である。また、使用感の低下を抑制する観点、及び経済性の観点から、好ましくは0.50質量%以下であり、より好ましくは0.30質量%以下、さらに好ましくは0.20質量%以下、よりさらに好ましくは0.10質量%以下であり、よりさらに好ましくは0.075質量%以下である。そして、消毒剤組成物中の成分(A)の含有量は、好ましくは0.01質量%以上0.50質量%以下であり、より好ましくは0.02質量%以上0.30質量%以下、さらに好ましくは0.02質量%以上0.20質量%以下、よりさらに好ましくは0.03質量%以上0.10質量%以下、よりさらに好ましくは0.03質量%以上0.075質量%以下である。
なお、消毒剤組成物は、本発明の効果を損しない範囲で、公知の消毒剤(成分(A)、低級アルコール又は防腐剤に該当するものを除く)を含有することができる。その含有量は、消毒剤組成物中、好ましくは0.001質量%以上0.5質量%以下であり、より好ましくは0.005質量%以上0.3質量%以下であり、さらに好ましくは0.01質量%以上0.1質量%以下である。
また、消毒剤組成物中の消毒剤(低級アルコール又は防腐剤に該当するものを除く)における、成分(A)の含有量は、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは98質量%以上であり、さらにより好ましくは実質100質量%である。
本明細書において低級アルコールとは、炭素数4以下のモノアルコールをいう。また、上記低級アルコール及び防腐剤の具体例は後述する。
<成分(B):ポリエーテル変性シリコーン>
成分(B)として用いられるポリエーテル変性シリコーンは、シリコーンの側鎖及び/又は末端の炭化水素基が、ポリエーテル基で置換された構造を有するものである。また成分(B)は、アミノ基等の、ポリエーテル基以外の変性基を含まないシリコーンであることが好ましい。
ポリエーテル変性シリコーンとしては、ポリシロキサンの両末端にポリエーテル基を導入した両末端変性型の化合物、ポリシロキサンの片末端にポリエーテル基を導入した片末端変性型の化合物、ポリシロキサンの側鎖にポリエーテル基を導入した側鎖変性型の化合物、ポリシロキサンの側鎖と両末端の両方にポリエーテル基を導入した側鎖両末端変性型の化合物が挙げられる。
成分(B)として用いるポリエーテル変性シリコーンは、上記のいずれの構造を有するものであってもよいが、消毒性能の低下を抑制する観点、消毒剤組成物の皮膚表面へのなじみやすさを向上させる観点から、好ましくはポリシロキサンの側鎖にポリエーテル基を導入した側鎖変性型の化合物、及び、ポリシロキサンの側鎖と両末端の両方にポリエーテル基を導入した側鎖両末端変性型の化合物からなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくはポリシロキサンの側鎖にポリエーテル基を導入した側鎖変性型の化合物である。
成分(B)におけるポリエーテル基は、消毒性能の低下を抑制する観点、消毒剤組成物の皮膚表面へのなじみやすさを向上させる観点から、好ましくはポリアルキレンオキシ基であり、より好ましくは、ポリエチレンオキシ基、ポリプロピレンオキシ基、又は、エチレンオキシ基(EO)とプロピレンオキシ基(トリメチレンオキシ基又はプロパン-1,2-ジイルオキシ基;PO)がブロック状又はランダムに付加したポリアルキレンオキシ基であり、さらに好ましくはポリエチレンオキシ基、又は、エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基がブロック状又はランダムに付加したポリアルキレンオキシ基であり、よりさらに好ましくはポリエチレンオキシ基である。
成分(B)におけるポリエーテル基がポリアルキレンオキシ基である場合、ポリアルキレンオキシ基中のアルキレンオキシドの数平均付加モル数は、消毒剤組成物への溶解性を向上させる観点、消毒剤組成物の皮膚表面へのなじみやすさを向上させる観点から、好ましくは4以上、より好ましくは6以上、さらに好ましくは8以上、よりさらに好ましくは10以上である。また、消毒性能の低下を抑制する観点から、好ましくは60以下、より好ましくは40以下、さらに好ましくは25以下、よりさらに好ましくは20以下である。そして、成分(B)におけるポリエーテル基がポリアルキレンオキシ基である場合、ポリアルキレンオキシ基中のアルキレンオキシドの数平均付加モル数は、好ましくは4以上60以下、より好ましくは6以上40以下、さらに好ましくは8以上25以下、よりさらに好ましくは10以上20以下である。
成分(B)のHLB(親水性-親油性のバランス;Hydrophilic-Lypophilic Balance)は、消毒剤組成物への溶解性の観点、消毒剤組成物の皮膚表面へのなじみやすさを向上させる観点から、好ましくは7以上、より好ましくは8以上、さらに好ましくは9以上、よりさらに好ましくは10以上、よりさらに好ましくは11以上であり、また、消毒剤組成物の皮膚表面へのなじみやすさを向上させる観点から、好ましくは20以下、より好ましくは18以下、さらに好ましくは15以下、よりさらに好ましくは14以下、よりさらに好ましくは13以下である。そして、成分(B)のHLBは、好ましくは7以上20以下、より好ましくは8以上18以下、さらに好ましくは9以上15以下、よりさらに好ましくは10以上15以下、よりさらに好ましくは11以上14以下、よりさらに好ましくは11以上13以下である。
成分(B)のHLBとは、成分(B)の全分子量に占める親水基部分の分子量の割合を示すものであり、以下のグリフィン(Griffin)の式により求められる。上記親水基としては、例えば、ヒドロキシ基、エチレンオキシ基が挙げられる。
HLB=20×[(成分(B)中に含まれる親水基の分子量)/(成分(B)の分子量)]
なお本発明において、成分(B)として2種以上のポリエーテル変性シリコーンを用いる場合、成分(B)のHLBとは、2種以上のポリエーテル変性シリコーンの混合物のHLB(以下、「混合HLB」ともいう)を意味する。ここで、混合HLBは、各ポリエーテル変性シリコーンのHLBをその質量比率に基づいて加重平均したものであり、次式で求められる。
混合HLB=Σ(HLB×W)/ΣW
(HLBは、ポリエーテル変性シリコーンZのHLBを示し、Wは、ポリエーテル変性シリコーンZの質量(g)を示す。)
成分(B)の25℃における粘度は、消毒剤組成物の皮膚表面へのなじみやすさの観点から、好ましくは15mm/s以上、より好ましくは20mm/s以上であり、また、好ましくは1000mm/s以下、より好ましくは800mm/s以下、さらに好ましくは500mm/s以下、よりさらに好ましくは400mm/s以下である。
なお、成分(B)の25℃における粘度は、JIS Z8803:2011の方法により、ウベローデ型粘度計で求めることができる。
成分(B)は市販のものを用いてもよいし、各種公報等に記載された公知の製造方法により合成したものを用いてもよい。
また、成分(B)として用いられるポリエーテル変性シリコーンの例としては、PEG-11メチルエーテルジメチコン、PEG-30メチルエーテルジメチコン、PEG-3ジメチコン、PEG-10ジメチコン、PEG-12ジメチコン、PEG/PPG-20/22ブチルエーテルジメチコン、PEG/PPG-30/10ジメチコン等が挙げられ、消毒剤組成物への溶解性の観点、消毒剤組成物の皮膚表面へのなじみやすさの観点から、より好ましくはPEG-11メチルエーテルジメチコン、及びPEG-12ジメチコンからなる群から選ばれる1種以上であり、さらに好ましくはPEG-12ジメチコンである。
成分(B)の市販品例としては、信越化学工業(株)製のKF-351A、KF-352A、KF-353、KF-354L、KF-355A、KF-615A、KF-945、KF-640、KF-642、KF-643、KF-644、KF-6020、KF-6204、X-22-4515、KF-6011、KF-6012、KF-6015、KF-6017、X-22-3939A、X-22-4741、KF-1002、X-22-4952、X-22-4272、KF-6123、KF-6004等、ダウ・東レ(株)製のDOWSIL SS-2804等が挙げられる。
消毒剤組成物中の成分(B)の含有量は、消毒剤組成物の皮膚表面へのなじみやすさを向上させる観点から、0.10質量%以上であり、好ましくは0.15質量%以上、より好ましくは0.20質量%以上である。また、消毒性能の低下を抑制する観点から、0.70質量%以下であり、好ましくは0.60質量%以下、より好ましくは0.50質量%以下、さらに好ましくは0.40質量%以下、よりさらに好ましくは0.30質量%以下である。そして、消毒剤組成物中の成分(B)の含有量は、0.10質量%以上0.70質量%以下であり、好ましくは0.10質量%以上0.60質量%以下、より好ましくは0.10質量%以上0.50質量%以下、さらに好ましくは0.15質量%以上0.40質量%以下、よりさらに好ましくは0.20質量%以上0.30質量%以下である。
<成分(C):単糖類の(ポリ)アルキレンオキシド付加体>
成分(C)として用いられる、単糖類の(ポリ)アルキレンオキシド付加体とは、単糖又はその誘導体(単糖の(ポリ)アルキレンオキシド付加体を除く)の(ポリ)アルキレンオキシド付加体である。
前記「単糖の誘導体」としては、好ましくは、単糖のアルキルエーテル化物、及び、単糖のヒドロキシアルキルエーテル化物からなる群から選ばれる1種以上が挙げられ、単糖のアルキルエーテル化物からなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
単糖のアルキルエーテル化物におけるアルキル基、及び、単糖のヒドロキシアルキルエーテル化物におけるヒドロキシアルキル基の炭素数は、消毒剤組成物への溶解性の観点から、好ましくは1以上4以下であり、より好ましくは1以上3以下であり、さらに好ましくは1以上2以下である。
成分(C)における単糖類としては、グルコース、ガラクトース、キシロース、マンノース、リキソース、アラビノース、フルクトース、メチルグルコース、メチルガラクトース、メチルキシロース、メチルマンノース、メチルアラビノース、メチルフルクトース、ヒドロキシエチルグルコース等が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を用いることができる。
上記の中でも、消毒剤組成物への溶解性を向上させる観点、消毒性能、消毒剤組成物の皮膚表面へのなじみやすさ、乾燥後のコート感を向上させる観点、及び、乾燥後のべたつきを抑制する観点から、成分(C)における単糖類は、好ましくはグルコース、ガラクトース、キシロース、マンノース、リキソース、アラビノース、フルクトース、及びメチルグルコースからなる群から選ばれる1種以上、より好ましくはグルコース及びメチルグルコースからなる群から選ばれる1種以上であり、さらに好ましくはメチルグルコースである。
成分(C)における(ポリ)アルキレンオキシドとしては、消毒剤組成物への溶解性の観点、消毒性能の低下を抑制する観点、消毒剤組成物の皮膚表面へのなじみやすさ、乾燥後のコート感を向上させる観点、及び、乾燥後のべたつきを抑制する観点から、アルキレンの炭素数が2以上4以下であることが好ましく、(ポリ)エチレンオキシド、(ポリ)プロピレンオキシド、(ポリ)トリメチレンオキシド、及び、(ポリ)テトラメチレンオキシドからなる群から選ばれる1種以上が挙げられる。これらの中でも、消毒剤組成物への溶解性の観点、消毒性能の低下を抑制する観点、消毒剤組成物の皮膚表面へのなじみやすさの観点、乾燥後のコート感を向上させる観点、及び、乾燥後のべたつきを抑制する観点から、好ましくは(ポリ)エチレンオキシド及び(ポリ)プロピレンオキシドからなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくは(ポリ)エチレンオキシドである。
すなわち成分(C)は、好ましくはメチルグルコースの(ポリ)アルキレンオキシド付加体であり、より好ましくは、メチルグルコースの(ポリ)エチレンオキシド付加体〔メチルグルセス〕、及びメチルグルコースの(ポリ)プロピレンオキシド付加体からなる群から選ばれる1種以上であり、さらに好ましくはメチルグルコースの(ポリ)エチレンオキシド付加体〔メチルグルセス〕である。
成分(C)のメチルグルコースの(ポリ)アルキレンオキシド付加体の例としては、PPG-10メチルグルコース、PPG-20メチルグルコース、メチルグルセス-10、メチルグルセス-20等が挙げられる。消毒剤組成物への溶解性の観点、消毒性能の低下を抑制する観点、消毒剤組成物の皮膚表面へのなじみやすさを向上させる観点、乾燥後のコート感を向上させる観点、及び、乾燥後のべたつきを抑制する観点から、好ましくはメチルグルセス-10、及びメチルグルセス-20からなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくはメチルグルセス-20である。
成分(C)におけるアルキレンオキシドの数平均付加モル数は、消毒剤組成物への溶解性の観点、消毒性能の低下を抑制する観点、消毒剤組成物の皮膚表面へのなじみやすさ、乾燥後のコート感を向上させる観点、及び、乾燥後のべたつきを抑制する観点から、好ましくは4以上、より好ましくは6以上、さらに好ましくは8以上、よりさらに好ましくは10以上、よりさらに好ましくは12以上、よりさらに好ましくは15以上である。また、消毒性能の低下を抑制する観点から、好ましくは60以下、より好ましくは40以下、さらに好ましくは30以下、よりさらに好ましくは25以下である。そして、成分(C)におけるアルキレンオキシドの数平均付加モル数は、好ましくは4以上60以下、より好ましくは6以上40以下、さらに好ましくは8以上30以下、よりさらに好ましくは10以上25以下、よりさらに好ましくは12以上25以下、よりさらに好ましくは15以上25以下である。
成分(C)は市販のものを用いてもよいし、各種公報等に記載された公知の製造方法により合成したものを用いてもよい。
成分(C)の市販品例としては、日光ケミカルズ(株)製のNIKKOL SG-MG1000(メチルグルセス-10)、NIKKOL SG-MG2000(メチルグルセス-20)、日油(株)製のMG-10E(メチルグルセス-10)、MG-20E(メチルグルセス-20)、MG-10P(PPG-10メチルグルコース)、MG-20P(PPG-20メチルグルコース)等が挙げられる。
消毒剤組成物中の成分(C)の含有量は、消毒性能、消毒剤組成物の皮膚表面へのなじみやすさ、乾燥後のコート感を向上させる観点、及び、乾燥後のべたつきを抑制する観点から、0.75質量%以上であり、好ましくは1.0質量%以上、より好ましくは2.0質量%以上、さらに好ましくは3.0質量%以上、よりさらに好ましくは4.0質量%以上、より好ましくは4.5質量%以上である。また、消毒性能の低下を抑制する観点から、10質量%以下であり、好ましくは8.0質量%以下、より好ましくは7.0質量%以下、さらに好ましくは6.0質量%以下、よりさらに好ましくは5.5質量%以下である。そして、消毒剤組成物中の成分(C)の含有量は、0.75質量%以上10質量%以下であり、好ましくは1.0質量%以上8.0質量%以下、より好ましくは2.0質量%以上7.0質量%以下、さらに好ましくは3.0質量%以上7.0質量%以下、よりさらに好ましくは4.0質量%以上6.0質量%以下、よりさらに好ましくは4.5質量%以上5.5質量%以下である。
消毒剤組成物中の成分(A)に対する成分(B)の質量比[(B)/(A)]は、使用感を向上させる観点から、好ましくは0.2以上、より好ましくは0.5以上、さらに好ましくは1.0以上、よりさらに好ましくは2.0以上であり、消毒性能の低下を抑制する観点から、好ましくは50以下、より好ましくは30以下、さらに好ましくは20以下、よりさらに好ましくは10以下、よりさらに好ましくは7.0以下である。そして、消毒剤組成物中の成分(A)に対する成分(B)の質量比[(B)/(A)]は、好ましくは0.2以上50以下、より好ましくは0.2以上30以下、さらに好ましくは0.5以上20以下、よりさらに好ましくは1.0以上10以下、よりさらに好ましくは2.0以上7.0以下である。
消毒剤組成物中の成分(A)に対する成分(C)の質量比[(C)/(A)]は、使用感を向上させる観点から、好ましくは5.0以上、より好ましくは10以上、さらに好ましくは20以上、よりさらに好ましくは30以上、よりさらに好ましくは40以上、よりさらに好ましくは50以上、よりさらに好ましくは60以上、よりさらに好ましくは70以上であり、消毒性能の低下を抑制する観点から、好ましくは500以下、より好ましくは300以下、さらに好ましくは200以下、よりさらに好ましくは150以下、よりさらに好ましくは120以下である。そして、消毒剤組成物中の成分(A)に対する成分(C)の質量比[(C)/(A)]は、好ましくは5.0以上500以下、より好ましくは10以上300以下、さらに好ましくは20以上200以下、よりさらに好ましくは30以上150以下、よりさらに好ましくは40以上120以下、よりさらに好ましくは50以上120以下、よりさらに好ましくは60以上120以下、よりさらに好ましくは70以上120以下である。
消毒剤組成物中の成分(B)に対する成分(C)の質量比[(C)/(B)]は、消毒性能を向上させる観点から、好ましくは4.0以上、より好ましくは5.0以上、さらに好ましくは10以上、よりさらに好ましくは15以上であり、使用感を向上させる観点から、好ましくは50以下、より好ましくは40以下、さらに好ましくは30以下、よりさらに好ましくは25以下である。そして、消毒剤組成物中の成分(B)に対する成分(C)の質量比[(C)/(B)]は、好ましくは4.0以上50以下、より好ましくは5.0以上40以下、さらに好ましくは10以上30以下、よりさらに好ましくは15以上25以下である。
<成分(D):多価アルコール>
消毒剤組成物は、使用感及び消毒性能の向上等を目的として、さらに成分(D)として多価アルコールを含有することができる。
成分(D)として用いる多価アルコールは、使用感及び消毒性能を向上させる観点から、好ましくは2~6価のアルコールである。
また、多価アルコールの炭素数は、消毒剤組成物への溶解性、使用感及び消毒性能を向上させる観点から、好ましくは2以上12以下、より好ましくは2以上10以下、さらに好ましくは2以上8以下である。
多価アルコールとしては、鎖状多価アルコール、環状構造を有する多価アルコールが挙げられ、これらのいずれも用いることができる。鎖状多価アルコールにおける「鎖状」とは、非環状であることを意味し、「鎖状」には、直鎖状及び分岐鎖状のいずれも含まれる。消毒剤組成物への溶解性、使用感及び消毒性能を向上させる又は低下を抑制する観点からは、鎖状多価アルコールであることが好ましい。
鎖状多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、1,2-ヘプタンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,2-オクタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,2-ノナンジオール、1,9-ノナンジオール、1,2-デカンジオール、1,10-デカンジオール、1,2-ドデカンジオール、1,12-ドデカンジオール等の直鎖状ジオール;
2-メチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、3-メチル-1,3-ブタンジオール、2-メチルペンタン-2,4-ジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール等の分岐鎖状ジオール;
グリセリン、1,2,3-ブタントリオール、1,2,4-ブタントリオール、1,2,5-ペンタントリオール、1,2,7-ヘプタントリオール、1,2,8-オクタントリオール、1,2,9-ノナントリオール、1,2,10-デカントリオール等の鎖状トリオール;
ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトール等の非環状糖アルコール、及び、
ポリエチレングリコール、ポリグリセリン、PPG-10ブタンジオール等のポリマー;等が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を用いることができる。
上記の中でも、消毒剤組成物への溶解性、使用感及び消毒性能を向上させる又は低下を抑制する観点から、成分(D)は、好ましくは直鎖状ジオール、鎖状トリオール、及び非環状糖アルコールからなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくはエチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、及びソルビトールからなる群から選ばれる1種以上であり、さらに好ましくはジプロピレングリコール、グリセリン及びソルビトールからなる群から選ばれる1種以上である。
消毒剤組成物が成分(D)を含有する場合、消毒剤組成物中の成分(D)の含有量は、使用感及び消毒性能を向上させる又は低下を抑制する観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、さらに好ましくは0.3質量%以上、よりさらに好ましくは0.5質量%以上であり、消毒剤組成物への溶解性、使用感及び消毒性能を向上させる又は低下を抑制する観点から、好ましくは7.0質量%以下、より好ましくは6.0質量%以下、さらに好ましくは5.0質量%以下である。そして、消毒剤組成物中の成分(D)の含有量は、好ましくは0.1質量%以上7質量%以下、より好ましくは0.2質量%以上7.0質量%以下、さらに好ましくは0.3質量%以上6.0質量%以下、よりさらに好ましくは0.5質量%以上5.0質量%以下である。
<有機酸又はその塩>
消毒剤組成物は、消毒性能及びその持続性の向上等を目的として、さらに有機酸又はその塩を含有することができる。
有機酸としては、乳酸、ピルビン酸、ウロカニン酸、酢酸、グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、フマル酸、及びアジピン酸等が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を用いることができる。消毒性能及びその持続性を向上させる観点、並びに皮膚刺激性が少ないという観点から、有機酸としては、好ましくは乳酸、ピルビン酸及びウロカニン酸からなる群から選ばれる1種以上である。
乳酸、ピルビン酸及びウロカニン酸の塩としては、乳酸又はピルビン酸の、カリウム塩、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アミン塩;アンモニウム塩等が挙げられる。これらの中でも、消毒性能及びその持続性を向上させる観点、並びに入手容易性の観点から、好ましくは乳酸、ピルビン酸及びウロカニン酸の、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩からなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくは乳酸、ピルビン酸及びウロカニン酸の、カリウム塩、ナトリウム塩、及びカルシウム塩からなる群から選ばれる1種以上であり、さらに好ましくは、乳酸カリウム、乳酸ナトリウム、及び乳酸カルシウムからなる群から選ばれる1種以上である。
消毒性能及びその持続性を向上させる観点、並びに皮膚刺激性が少ないという観点から、有機酸又はその塩の中でも、好ましくは乳酸又はその塩であり、より好ましくは乳酸、乳酸カリウム、乳酸ナトリウム、及び乳酸カルシウムからなる群から選ばれる1種以上であり、さらに好ましくは乳酸である。
消毒剤組成物が有機酸又はその塩を含有する場合、消毒剤組成物中の有機酸又はその塩の含有量は、消毒性能及びその持続性を向上させる観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.03質量%以上、さらに好ましくは0.05質量%以上である。また、乾燥後の滑らかさ、べたつきのなさの観点、皮膚刺激性を抑制させる観点、及び経済性の観点から、好ましくは5.0質量%以下であり、より好ましくは2.0質量%以下、さらに好ましくは1.0質量%以下、よりさらに好ましくは0.5質量%以下である。そして、消毒剤組成物中の有機酸又はその塩の含有量は、好ましくは0.01質量%以上5.0質量%以下であり、より好ましくは0.03質量%以上2.0質量%以下、さらに好ましくは0.03質量%以上1.0質量%以下、よりさらに好ましくは0.05質量%以上0.5質量%以下である。
なお本発明において、「有機酸又はその塩の含有量」とは、有機酸に換算した含有量を意味する。
<防腐剤>
消毒剤組成物は、防腐性向上の観点、及び消毒性能向上の観点から、さらに防腐剤を含有することができる。防腐剤としては、フェノキシエタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、安息香酸ナトリウム等が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、防腐性向上の観点、及び消毒性能向上の観点から、好ましくはフェノキシエタノール及びメチルパラベンからなる群から選ばれる1種以上である。なお、防腐剤は消毒剤としても機能するものもあるが、本発明では消毒剤に含まれないものとする。
消毒剤組成物が防腐剤を含有する場合、消毒剤組成物中の防腐剤の含有量は、防腐性を向上させる観点、及び消毒性能を向上させる観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.10質量%以上、よりさらに好ましくは0.20質量%以上である。また、組成物の保存安定性を向上させる観点、乾燥後の滑らかさを向上させる観点、皮膚刺激性を抑制する観点、及び経済性の観点から、好ましくは5.0質量%以下であり、より好ましくは2.0質量%以下、さらに好ましくは1.0質量%以下である。そして、消毒剤組成物中の防腐剤の含有量は、好ましくは0.01質量%以上5.0質量%以下であり、より好ましくは0.05質量%以上2.0質量%以下、さらに好ましくは0.10質量%以上1.0質量%以下、よりさらに好ましくは0.20質量%以上1.0質量%以下である。
<水>
消毒剤組成物は、成分(A)~(C)並びに他の成分を溶解させる観点、及び皮膚表面等の対象物に適用しやすくする観点から、さらに水を含有することが好ましい。
消毒剤組成物中の水の含有量は、好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、よりさらに好ましくは80質量%以上、よりさらに好ましくは85質量%以上であり、また、99.14質量%以下である。そして、消毒剤組成物中の水の含有量は、好ましくは30質量%以上99.14質量%以下、より好ましくは50質量%以上99.14質量%以下、さらに好ましくは70質量%以上99.14質量%以下、よりさらに好ましくは80質量%以上99.14質量%以下、よりさらに好ましくは85質量%以上99.14質量%以下である。
消毒剤組成物中の水の含有量は、成分(A)~(C)の残部であってもよい。例えば、消毒剤組成物中の成分(A)~(C)及び水の合計含有量は、好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、よりさらに好ましくは80質量%以上、よりさらに好ましくは90質量%以上であり、実質100質量%であってもよい。
<低級アルコール>
消毒剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、低級アルコールを含有してもよい。該低級アルコールとしては、エタノール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を用いることができる。なお、低級アルコールは消毒剤としても機能するものもあるが、本発明では消毒剤に含まれないものとする。
消毒剤組成物が低級アルコールを含有する場合、その含有量は、消毒剤組成物中、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上である。また、皮膚刺激性を抑制する観点から、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、さらに好ましくは50質量%以下、よりさらに好ましくは20質量%以下、よりさらに好ましくは10質量%以下、よりさらに好ましくは3質量%以下、よりさらに好ましくは1質量%以下、よりさらに好ましくは0.07質量%以下、よりさらに好ましくは0.05質量%以下、よりさらに好ましくは0.03質量%以下、よりさらに好ましくは0.01質量%未満であり、実質0質量%とすることが最も好ましい。
<その他の成分>
消毒剤組成物は、前記成分以外に、必要に応じて他の成分、例えば、界面活性剤、成分(D)及び低級アルコール以外の有機溶剤、増粘剤、pH調整剤(塩酸、水酸化ナトリウム等)、紫外線吸収剤、酸化防止剤、制汗剤、香料、保湿剤、感触調整剤、抗炎症剤等を含有させることもできる。
上記の中でも、消毒性能及びその持続性向上の観点から、消毒剤組成物は、さらに界面活性剤(但し、成分(A)及び成分(B)に該当するものを除く)を含有することが好ましい。すなわち、成分(A)及び成分(B)は、本発明で定義する界面活性剤には含まれないものとする。
界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤(成分(B)に該当するものを除く)、アニオン性界面活性剤、カチオン界面活性剤(成分(A)に該当するものを除く)、両性界面活性剤等が挙げられる。これらの中でも、消毒性能及びその持続性を向上させる観点、並びに皮膚刺激性を抑制する観点から、界面活性剤としては非イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤からなる群から選ばれる1種以上が好ましく、非イオン性界面活性剤がより好ましい。
非イオン性界面活性剤としては、アルキルグルコシド、アルキルグリセリルエーテル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、及びポリオキシエチレンアルキルエーテルからなる群から選ばれる1種以上が挙げられ、消毒性能及びその持続性を向上させる観点から、好ましくは、アルキルグリセリルエーテル及びポリオキシエチレンアルキルエーテルからなる群から選ばれる1種以上である。
アルキルグルコシド、アルキルグリセリルエーテル、及びポリオキシエチレンアルキルエーテルにおけるアルキル基の炭素数、並びに、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、及びポリエチレングリコール脂肪酸エステルにおける脂肪酸の炭素数は、消毒性能及びその持続性向上の観点から、好ましくは8以上、より好ましくは10以上であり、また、好ましくは18以下、より好ましくは16以下、さらにより好ましくは14以下、さらにより好ましくは12以下である。
また、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルにおいては、エチレンオキシ基の平均付加モル数(以下、「EO平均付加モル数」という)が、好ましくは3以上20以下、より好ましくは3以上15以下、さらに好ましくは5以上10以下である。なお、ここでいうEO平均付加モル数は数平均値である。
両性界面活性剤は、消毒性能及びその持続性を向上させる観点から、好ましくはアミンオキシド型界面活性剤、及びベタイン型界面活性剤からなる群から選ばれる1種以上である。
消毒剤組成物が界面活性剤を含有する場合、消毒剤組成物中の界面活性剤の含有量は、消毒性能及びその持続性を向上させる観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.02質量%以上、さらに好ましくは0.05質量%以上であり、また、皮膚刺激性を抑制する観点から、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下、よりさらに好ましくは2質量%以下、よりさらに好ましくは1質量%以下、よりさらに好ましくは0.5質量%以下、よりさらに好ましくは0.3質量%以下である。そして、消毒剤組成物中の界面活性剤の含有量は、好ましくは0.01質量%以上10質量%以下、より好ましくは0.01質量%以上5質量%以下、さらに好ましくは0.01質量%以上3質量%以下、よりさらに好ましくは0.02質量%以上2質量%以下、よりさらに好ましくは0.02質量%以上1質量%以下、よりさらに好ましくは0.05質量%以上0.5質量%以下、よりさらに好ましくは0.05質量%以上0.3質量%以下である。
<pH>
消毒剤組成物の25℃におけるpHは、皮膚刺激性を抑制する観点から、好ましくは3.0以上であり、より好ましくは3.5以上、さらに好ましくは4.0以上である。また、使用感向上の観点から、好ましくは9.0以下、より好ましくは7.0以下、さらに好ましくは6.0以下である。そして、消毒剤組成物の25℃におけるpHは、好ましくは3.0以上9.0以下であり、より好ましくは3.5以上7.0以下、さらに好ましくは4.0以上6.0以下である。
上記pHは、具体的には実施例に記載の方法により測定できる。
消毒剤組成物の剤型は特に制限されないが、皮膚への塗布しやすさを向上させる観点からは、使用時に、液状、ジェル状、クリーム状、又は泡状であることが好ましい。また、消毒剤組成物は乳化組成物の形態であってもよく、該乳化組成物としては水中油型乳化組成物、油中水型乳化組成物のいずれでもよい。
消毒剤組成物は、前記の通り、皮膚用のリーブオン消毒剤組成物であることが好ましく、手指用のリーブオン消毒剤組成物であることがより好ましい。好ましい製品形態としては、手指消毒剤、ハンドクリーム化粧料等が挙げられる。
[皮膚の消毒方法]
本発明はまた、本発明の消毒剤組成物を皮膚に適用する工程を有する、皮膚の消毒方法を提供することができる。
前記消毒剤組成物を皮膚に適用する方法は適用部位等に応じて適宜選択でき、例えば、消毒剤組成物を皮膚表面に塗布、噴霧等して適用することができる。
前記方法においては、消毒剤組成物を皮膚に適用した後に水洗等で該組成物を除去せず、皮膚表面に残留させることが好ましい。消毒剤組成物をリーブオン消毒剤組成物として用いて、有効成分である成分(A)~(C)を皮膚表面に残留させることにより、消毒性能及びその持続効果を発現し、且つ使用感を向上できるためである。
消毒剤組成物を皮膚に適用する工程における消毒剤組成物の適用量は特に制限されない。高い消毒性能を発現する観点からは、通常、両手のひらに対し、消毒剤組成物を好ましくは0.1mL以上5mL以下の範囲で適用する。
消毒剤組成物は、予め水、石鹸、ボディソープ、ハンドソープなどで皮膚を洗浄し、洗浄後の皮膚に適用してもよく、未洗浄の皮膚に適用することもできる。洗浄後の皮膚は、皮膚に生来存在する乳酸等の皮膚の保護成分が洗い流され、外界に存在する菌やウイルスの防御力が低下している状態であることから、洗浄後の皮膚に消毒剤組成物を適用することがより好ましい。
[使用]
本発明はさらに、成分(A):カチオン性消毒剤、成分(B):ポリエーテル変性シリコーン、及び、成分(C):単糖類の(ポリ)アルキレンオキシド付加体、を含有する組成物であって、前記組成物中の前記成分(B)の含有量が0.10質量%以上0.70質量%以下であり、前記組成物中の前記成分(C)の含有量が0.75質量%以上10質量%以下である組成物の、消毒剤組成物としての使用も提供することができる。
成分(A)~(C)、並びにこれらの好適態様については前記と同じである。
以下、上述した実施形態に関し、本発明はさらに下記を開示する。
<1>
成分(A):カチオン性消毒剤、
成分(B):ポリエーテル変性シリコーン、及び、
成分(C):単糖類の(ポリ)アルキレンオキシド付加体、
を含有する消毒剤組成物であって、
前記組成物中の前記成分(B)の含有量が0.10質量%以上0.70質量%以下であり、
前記組成物中の前記成分(C)の含有量が0.75質量%以上10質量%以下である、消毒剤組成物。
<2>
前記成分(A)が、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、アルキルトリメチルアンモニウムクロリド、及びジアルキルジメチルアンモニウムクロリドからなる群から選ばれる1種以上、好ましくは塩化ベンザルコニウム及び塩化ベンゼトニウムからなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくは塩化ベンザルコニウムである、<1>の消毒剤組成物。
<3>
前記成分(A)が塩化ベンザルコニウムの場合、アルキル基の炭素数が、好ましくは6以上、より好ましくは8以上であり、より好ましくは10以上、そして、好ましくは20以下、より好ましくは18以下である、<2>の消毒剤組成物。
<4 >
前記消毒剤組成物中の前記成分(A)の含有量が、好ましくは0.01質量%以上0.50質量%以下であり、より好ましくは0.02質量%以上0.30質量%以下、さらに好ましくは0.02質量%以上0.20質量%以下、よりさらに好ましくは0.03質量%以上0.10質量%以下、よりさらに好ましくは0.03質量%以上0.075質量%以下である、<1>~<3>のいずれか1の消毒剤組成物。
<5>
前記消毒剤組成物中の消毒剤(低級アルコール又は防腐剤に該当するものを除く)における前記成分(A)の含有量が、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは98質量%以上であり、さらにより好ましくは実質100質量%である、<1>~<4>のいずれか1の消毒剤組成物。
<6>
前記成分(B)のHLBが、好ましくは7以上20以下、より好ましくは8以上18以下、さらに好ましくは9以上15以下、よりさらに好ましくは10以上15以下、よりさらに好ましくは11以上14以下、よりさらに好ましくは11以上13以下である、<1>~<5>のいずれか1の消毒剤組成物。
<7>
前記成分(B)の25℃における粘度が、好ましくは15mm/s以上、より好ましくは20mm/s以上であり、また、好ましくは1000mm/s以下、より好ましくは800mm/s以下、さらに好ましくは500mm/s以下、よりさらに好ましくは400mm/s以下である、<1>~<6>のいずれか1の消毒剤組成物。
<8>
前記成分(B)が、PEG-11メチルエーテルジメチコン、PEG-30メチルエーテルジメチコン、PEG-3ジメチコン、PEG-10ジメチコン、PEG-12ジメチコン、PEG/PPG-20/22ブチルエーテルジメチコン、及びPEG/PPG-30/10ジメチコンからなる群から選ばれる1種以上、より好ましくはPEG-11メチルエーテルジメチコン、及びPEG-12ジメチコンからなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくはPEG-12ジメチコンである、<1>~<7>のいずれか1の消毒剤組成物。
<9>
前記消毒剤組成物中の成分(B)の含有量が、0.10質量%以上0.70質量%以下であり、好ましくは0.10質量%以上0.60質量%以下、より好ましくは0.10質量%以上0.50質量%以下、さらに好ましくは0.15質量%以上0.40質量%以下、よりさらに好ましくは0.20質量%以上0.30質量%以下である、<1>~<8>のいずれか1の消毒剤組成物。
<10>
前記成分(C)における単糖の誘導体が、好ましくは、単糖のアルキルエーテル化物、及び、単糖のヒドロキシアルキルエーテル化物からなる群から選ばれる1種以上、より好ましくは単糖のアルキルエーテル化物からなる群から選ばれる1種以上である、<1>~<9>のいずれか1の消毒剤組成物。
<11>
前記成分(C)における単糖類が、グルコース、ガラクトース、キシロース、マンノース、リキソース、アラビノース、フルクトース、メチルグルコース、メチルガラクトース、メチルキシロース、メチルマンノース、メチルアラビノース、メチルフルクトース、及びヒドロキシエチルグルコースからなる群から選ばれる1種以上、好ましくはグルコース、ガラクトース、キシロース、マンノース、リキソース、アラビノース、フルクトース、及びメチルグルコースからなる群から選ばれる1種以上、より好ましくはグルコース及びメチルグルコースからなる群から選ばれる1種以上であり、さらに好ましくはメチルグルコースである、<1>~<10>のいずれか1の消毒剤組成物。
<12>
前記成分(C)が、好ましくはメチルグルコースの(ポリ)アルキレンオキシド付加体であり、より好ましくは、メチルグルコースの(ポリ)エチレンオキシド付加体〔メチルグルセス〕、及びメチルグルコースの(ポリ)プロピレンオキシド付加体からなる群から選ばれる1種以上であり、さらに好ましくはメチルグルコースの(ポリ)エチレンオキシド付加体〔メチルグルセス〕である、<1>~<11>のいずれか1の消毒剤組成物。
<13>
前記メチルグルコースの(ポリ)アルキレンオキシド付加体が、PPG-10メチルグルコース、PPG-20メチルグルコース、メチルグルセス-10、及びメチルグルセス-20からなる群から選ばれる1種以上、好ましくはメチルグルセス-10、及びメチルグルセス-20からなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくはメチルグルセス-20である、<12>の消毒剤組成物。
<14>
前記消毒剤組成物中の成分(C)の含有量が、0.75質量%以上10質量%以下であり、好ましくは1.0質量%以上8.0質量%以下、より好ましくは2.0質量%以上7.0質量%以下、さらに好ましくは3.0質量%以上7.0質量%以下、よりさらに好ましくは4.0質量%以上6.0質量%以下、よりさらに好ましくは4.5質量%以上5.5質量%以下である、<1>~<13>のいずれか1の消毒剤組成物。
<15>
前記消毒剤組成物中の成分(A)に対する成分(B)の質量比[(B)/(A)]が、好ましくは0.2以上50以下、より好ましくは0.2以上30以下、さらに好ましくは0.5以上20以下、よりさらに好ましくは1.0以上10以下、よりさらに好ましくは2.0以上7.0以下である、<1>~<14>のいずれか1の消毒剤組成物。
<16>
前記消毒剤組成物中の成分(A)に対する成分(C)の質量比[(C)/(A)]が、好ましくは5.0以上500以下、より好ましくは10以上300以下、さらに好ましくは20以上200以下、よりさらに好ましくは30以上150以下、よりさらに好ましくは40以上120以下、よりさらに好ましくは50以上120以下、よりさらに好ましくは60以上120以下、よりさらに好ましくは70以上120以下である、<1>~<15>のいずれか1の消毒剤組成物。
<17>
前記消毒剤組成物中の成分(B)に対する成分(C)の質量比[(C)/(B)]が、好ましくは4.0以上50以下、より好ましくは5.0以上40以下、さらに好ましくは10以上30以下、よりさらに好ましくは15以上25以下である、<1>~<16>のいずれか1の消毒剤組成物。
<18>
前記消毒剤組成物が、さらに成分(D)として多価アルコールを、好ましくは0.1質量%以上7.0質量%以下、より好ましくは0.2質量%以上7.0質量%以下、さらに好ましくは0.3質量%以上6.0質量%以下、よりさらに好ましくは0.5質量%以上5.0質量%以下含有する、<1>~<17>のいずれか1の消毒剤組成物。
<19>
前記成分(D)が、好ましくは直鎖状ジオール、鎖状トリオール、及び非環状糖アルコールからなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくはエチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、及びソルビトールからなる群から選ばれる1種以上であり、さらに好ましくはジプロピレングリコール、グリセリン及びソルビトールからなる群から選ばれる1種以上である、<18>の消毒剤組成物。
<20>
前記消毒剤組成物が、さらに有機酸又はその塩、好ましくは乳酸、ピルビン酸、ウロカニン酸、酢酸、グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、フマル酸、及びアジピン酸又はその塩からなる群から選ばれる1種以上、より好ましくは乳酸、ピルビン酸及びウロカニン酸又はその塩からなる群から選ばれる1種以上、さらに好ましくは乳酸又はその塩を含有する、<1>~<19>のいずれか1の消毒剤組成物。
<21>
前記消毒剤組成物中の有機酸又はその塩の含有量が、好ましくは0.01質量%以上5.0質量%以下であり、より好ましくは0.03質量%以上2.0質量%以下、さらに好ましくは0.03質量%以上1.0質量%以下、よりさらに好ましくは0.05質量%以上0.5質量%以下である、<20>の消毒剤組成物。
<22>
前記消毒剤組成物が、さらに防腐剤、好ましくはフェノキシエタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、及び安息香酸ナトリウムからなる群から選ばれる1種以上、より好ましくはフェノキシエタノール及びメチルパラベンからなる群から選ばれる1種以上を含有する、<1>~<21>のいずれか1の消毒剤組成物。
<23>
前記消毒剤組成物中の防腐剤の含有量が、好ましくは0.01質量%以上5.0質量%以下であり、より好ましくは0.05質量%以上2.0質量%以下、さらに好ましくは0.10質量%以上1.0質量%以下、よりさらに好ましくは0.20質量%以上1.0質量%以下である、<22>の消毒剤組成物。
<24>
前記消毒剤組成物がさらに水を含有する、<1>~<23>のいずれか1の消毒剤組成物。
<25>
前記消毒剤組成物中の水の含有量が、好ましくは30質量%以上99.14質量%以下、より好ましくは50質量%以上99.14質量%以下、さらに好ましくは70質量%以上99.14質量%以下、よりさらに好ましくは80質量%以上99.14質量%以下、よりさらに好ましくは85質量%以上99.14質量%以下である、<24>の消毒剤組成物。
<26>
前記消毒剤組成物中の低級アルコールの含有量が、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上であり、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、さらに好ましくは50質量%以下、よりさらに好ましくは20質量%以下、よりさらに好ましくは10質量%以下、よりさらに好ましくは3質量%以下、よりさらに好ましくは1質量%以下、よりさらに好ましくは0.07質量%以下、よりさらに好ましくは0.05質量%以下、よりさらに好ましくは0.03質量%以下、よりさらに好ましくは0.01質量%未満であり、よりさらに好ましくは実質0質量%である、<1>~<25>のいずれか1の消毒剤組成物。
<27>
前記消毒剤組成物がさらに界面活性剤、好ましくは非イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤からなる群から選ばれる1種以上、より好ましくは非イオン性界面活性剤を含有する、<1>~<26>のいずれか1の消毒剤組成物。
<28>
前記非イオン性界面活性剤が、アルキルグルコシド、アルキルグリセリルエーテル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、及びポリオキシエチレンアルキルエーテルからなる群から選ばれる1種以上、好ましくは、アルキルグリセリルエーテル及びポリオキシエチレンアルキルエーテルからなる群から選ばれる1種以上である、<27>の消毒剤組成物。
<29>
前記消毒剤組成物中の界面活性剤の含有量が、好ましくは0.01質量%以上10質量%以下、より好ましくは0.01質量%以上5質量%以下、さらに好ましくは0.01質量%以上3質量%以下、よりさらに好ましくは0.02質量%以上2質量%以下、よりさらに好ましくは0.02質量%以上1質量%以下、よりさらに好ましくは0.05質量%以上0.5質量%以下、よりさらに好ましくは0.05質量%以上0.3質量%以下である、<27>又は<28>の消毒剤組成物。
<30>
前記消毒剤組成物の25℃におけるpHが、好ましくは3.0以上9.0以下であり、より好ましくは3.5以上7.0以下、さらに好ましくは4.0以上6.0以下である、<1>~<29>のいずれか1の消毒剤組成物。
<31>
前記消毒剤組成物の剤型が、使用時に、液状、ジェル状、クリーム状、又は泡状である、<1>~<30>のいずれか1の消毒剤組成物。
<32>
前記消毒剤組成物が好ましくは皮膚用のリーブオン消毒剤組成物であり、より好ましくは手指用のリーブオン消毒剤組成物である、<1>~<31>のいずれか1の消毒剤組成物。
<33>
<1>~<32>のいずれか1の消毒剤組成物を皮膚に適用する工程を有する、皮膚の消毒方法。
<34>
成分(A):カチオン性消毒剤、成分(B):ポリエーテル変性シリコーン、及び、成分(C):単糖類の(ポリ)アルキレンオキシド付加体、を含有する組成物であって、前記組成物中の前記成分(B)の含有量が0.10質量%以上0.70質量%以下であり、前記組成物中の前記成分(C)の含有量が0.75質量%以上10質量%以下である組成物の、消毒剤組成物としての使用。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は実施例の範囲に限定されない。なお本実施例において、各種測定及び評価は以下の方法により行った。以下の実施例、比較例に記載の組成物における各成分の配合量は、特に断りのない限り質量%である。
(pH)
組成物のpHは、25℃においてpHメーター(電極:6367-10D((株)堀場製作所製))を用いて測定した。
(使用感)
5名の専門パネラー(成人男性2名、女性3名)の両手全体を、20℃の水道水で10秒間濡らし、ハンドソープ(花王(株)製「ビオレu Hf」)2プッシュを適用し、20秒間両手を擦り洗いし、20℃の水道水で30秒間濯いだ。その後、ペーパータオル(日本製紙クレシア社製「クレシアEFハンドタオルソフトタイプ」)で十分に水滴を拭き取り、2分間自然乾燥させた。
GILSON社製ピペットマン「P1000」を用い、表1~5に示す消毒剤組成物0.7mLを片方の手のひらに適用し、両手全体に満遍なくなじませ、以下の項目について評価を行った。なお、評価は気温25℃、相対湿度60%RHの部屋で実施した。
<塗布時の手の甲への組成物のなじみ易さ>
消毒剤組成物を両手全体に満遍なくなじませているときの、手の甲での組成物のなじみやすさを、下記評価基準に従って5段階で評価し、スコアの平均を評価値とした。なお、その評価基準では、実施例9を評価3としたが、これは従来品よりも良好ななじみやすさを示すものであり、他の大半の実施例はそれよりもさらに性能が良く、数値が高いほどの手の甲での組成物のなじみやすさに優れることを意味する。
実施例9よりなじみが悪い :1
実施例9よりなじみがやや悪いが、許容範囲 :2
実施例9と同等 :3
実施例9よりややなじみやすい :4
実施例9よりなじみやすい :5
<塗布後乾燥前の手の甲の滑らかさ>
消毒剤組成物を両手全体に満遍なくなじませた後の乾燥前の(濡れている状態での)手の甲の滑らかさを、下記評価基準に従って5段階で評価し、スコアの平均を評価値とした。なお、その評価基準では、実施例9を評価3としたが、これは従来品よりも良好であり、他の大半の実施例はそれよりもさらに性能が良く、数値が高いほどの手の甲での組成物のなめらかさに優れることを意味する。
実施例9より滑らかではない :1
実施例9よりやや滑らかではないが、許容範囲 :2
実施例9と同等 :3
実施例9よりやや滑らかである :4
実施例9より滑らかである :5
<乾燥後の手の甲のコート感>
消毒剤組成物を両手全体に満遍なくなじませ、5分間乾燥させた後の手の甲のコート感を、下記評価基準に従って5段階で評価し、スコアの平均を評価値とした。なお、その評価基準では、実施例9を評価3としたが、これは従来品よりも良好であり、他の大半の実施例はそれよりもさらに性能が良く、数値が高いほどの手の甲での組成物のコート感に優れることを意味する。
実施例9よりコート感が劣る :1
実施例9よりコート感がやや劣るが、許容範囲 :2
実施例9と同等 :3
実施例9よりややコート感がある :4
実施例9よりコート感がある :5
<乾燥後の手の甲のベタつきのなさ>
消毒剤組成物を両手全体に満遍なくなじませ、5分間乾燥させた後の手の甲のべたつきのなさを、下記評価基準に従って5段階で評価し、スコアの平均を評価値とした。なお、その評価基準では、実施例9を評価3としたが、これは従来品よりも良好であり、他の大半の実施例はそれよりもさらに性能が良く、数値が高いほど手の甲で組成物がベタつかないことを意味する。
実施例9よりベタつく :1
実施例9よりややベタつくが、許容範囲 :2
実施例9と同等 :3
実施例9よりややベタつかない :4
実施例9よりベタつかない :5
(殺菌性能)
供試菌として黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus NBRC13276)と大腸菌(Escherichia coli NBRC3301)とを用いた。
<菌液の調製>
トリプトンソイ寒天培地(solabia biokar diagnostics社製)を4w/v%で精製水に溶解させたものを121℃で15分間高圧蒸気滅菌後、プラスティック製シャーレ(アズワン社製、アズノール滅菌シャーレ GD90-15)に15mL入れた。ここに、各上記供試菌を播種後、37℃にて20時間前培養した。当該シャーレ上で培養した菌体を滅菌ディスポループ(アズワン社製、型番:ディスポスティック DS-2)で掻き取り、菌懸濁用試薬(トリプトン0.1w/v%、塩化ナトリウム0.85w/v%精製水に溶解させたもの)に、懸濁した溶液の吸光度600nmにおける濁度(OD600)が3.0になるようにボルテックスミキサーで懸濁し、菌液を調製した。濁度は分光光度計(エッペンドルフ社製、型番:Eppendorf BioSpectrometer basic)で測定した。
<評価>
0.3w/vのBSA精製水溶液100μLを滅菌済みマイクロチューブ(WATSON社製、型番:2.0mL ハイパーマイクロチューブ)に分注し、20℃に温調した。次いで前記菌液100μLを添加し、ボルテックスミキサー(ケニス社製「Vortex-Genie2」)で10秒間混合した後、20℃で2分間静置した。
ここに、あらかじめ20℃に保温しておいた各例の消毒剤組成物800μLを添加し、ボルテックスミキサーで5秒間混合した後、20℃で30秒間静置した。さらに、20℃で30秒間ボルテックスミキサーで混合した後、当該混合物を100μL分取し、滅菌済みマイクロチューブに分注した900μLの中和剤(レシチン 0.3w/v%、Tween80 2w/v%、塩化ナトリウム 0.9w/v%、リン酸水素二ナトリウム 0.02M、リン酸二水素ナトリウム 0.01Mを精製水に溶解させたもの)に添加して、ボルテックスミキサーで20℃で10秒間混合し、反応を停止させた。得られた混合液を、殺菌性能の評価用サンプルとして用いた。
また、評価用サンプル中の生存菌数算出用の検量線を作成するために、前記消毒剤組成物を滅菌蒸留水に置き換えて上記と同様の操作を行った。
次いで、インキュベーションリーダー((株)サイニクス製、型番:HiTS-S2)を用いて下記方法により評価用サンプル中の生存菌数を測定し、該サンプル中の菌数の減少量(生存菌数/初期の生菌数)を確認した。
(1)インキュベーションリーダー中で、37℃にて上記評価用サンプルを液体培養しながら、分光光度計で吸光度600nmでの濁度(OD600)を経時で18時間まで測定し、評価用サンプル中の濁度の増殖曲線を作成した。
(2)別途、既知の生菌数を有する菌液を段階希釈して同様に培養し、濁度の増殖曲線の作成を行って、一定の濁度に到達する時間と生菌数との検量線を作成した。
(3)(1)で作成した濁度の増殖曲線において各評価用サンプルの濁度(OD600)が0.02に到達するまでの時間と、(2)で作成した検量線との関係から、評価用サンプル中の生存菌数を推定し、菌数の減少量を確認した。菌数の減少度合いについては、上記菌数減少量の-log値(対数減少値)をとり、表に示した。対数減少値の値が高いほど、殺菌性能が高いことを意味し、対数減少値が2.0以上であれば合格とし、5<は、値が5.0強であることを意味する。
実施例1~18、比較例1~10(消毒剤組成物の調製及び評価)
表に示す量の各成分を配合し、室温にて混合して、消毒剤組成物を調製した。表1~5に記載した各成分の配合量は、各成分の有効成分量(質量%)である。
得られた消毒剤組成物を用いて、前記方法により使用感及び殺菌性能を評価した。結果を表1~5に示す。
*1:塩化ベンザルコニウム 花王(株)製「サニゾール C」(50%水溶液)
*2:ポリエーテル変性シリコーン(PEG-12ジメチコン) ダウ・東レ(株)製「DOWSIL SS2804」、25℃での粘度:390mm/s、HLB:13
*3:メチルグルセス-20 日光ケミカルズ(株)製「NIKKOL SG-MG2000」
*4:乳酸 Corbion社製「Purac Ultrapure 90」
*5:ポリエーテル変性シリコーン(PEGメチルエーテルジメチコン) 信越化学工業(株)製「KF-640」、25℃での粘度:20mm/s、HLB:14
*6:ポリエーテル変性シリコーン(PEG-11メチルエーテルジメチコン) 信越化学工業(株)製「KF-6011」、25℃での粘度:130mm/s、HLB:12
*7:メチルグルセス-10 日光ケミカルズ(株)製「NIKKOL SG-MG1000」
*8:PPG-20 メチルグルコース 日油(株)製「マクビオブライド MG-20P」
*9:PPG-10 メチルグルコース 日油(株)製「マクビオブライド MG-10P」
*10:エチルへキシルグリセリルエーテル Chemoxy International.Ltd製「Chemoxycare 2EHG」
*11:ポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテル 花王(株)製「エマルゲン109P」
本発明によれば、消毒性能を有し、皮膚表面になじみやすく、塗布後には皮膚表面の滑らかさが感じられ、乾燥後にはコート感があり、且つべたつきが少ない消毒剤組成物を提供することができる。該消毒剤組成物は、皮膚用のリーブオン消毒剤組成物として有用である。

Claims (5)

  1. 成分(A):カチオン性消毒剤、
    成分(B):ポリエーテル変性シリコーン、及び、
    成分(C):単糖類の(ポリ)アルキレンオキシド付加体、
    を含有する消毒剤組成物であって、
    前記組成物中の前記成分(B)の含有量が0.10質量%以上0.70質量%以下であり、
    前記組成物中の前記成分(C)の含有量が0.75質量%以上10質量%以下である、消毒剤組成物。
  2. 前記成分(B)に対する前記成分(C)の質量比[(C)/(B)]が4.0以上50以下である、請求項1に記載の消毒剤組成物。
  3. 前記成分(A)に対する前記成分(C)の質量比[(C)/(A)]が20以上200以下である、請求項1又は2に記載の消毒剤組成物。
  4. 前記成分(C)がメチルグルコースの(ポリ)アルキレンオキシド付加体である、請求項1~3のいずれか1項に記載の消毒剤組成物。
  5. 前記組成物が、さらに、成分(D)として多価アルコールを0.1質量%以上7.0質量%以下含有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の消毒剤組成物。
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