JP2024075230A - 硬貨処理装置及び貨幣取扱装置 - Google Patents

硬貨処理装置及び貨幣取扱装置 Download PDF

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Abstract

Figure 2024075230000001
【課題】簡易な構成でありながら硬貨の偏集積を解消する。
【解決手段】硬貨を放出する硬貨放出口と、前記硬貨放出口から放出された前記硬貨を外部から受け取り可能な状態で集積させる出金トレイと、前記硬貨放出口から放出された前記硬貨を前記出金トレイへ案内するガイド部とを備え、前記ガイド部は、前記硬貨の盤面と接するガイド面に、当該ガイド面から上方に突出する突起部を有し、前記突起部は、前記硬貨が前記硬貨放出口から放出される際の基準位置から、前記硬貨の放出方向と直交する方向である前記硬貨放出口の幅方向に特定の硬貨の半径程度の間隔を空けて設けられている。
【選択図】図6

Description

本発明は硬貨処理装置及び貨幣取扱装置に関するものである。
硬貨の出金機能を有する硬貨処理装置では、内部に収納している硬貨を放出口から出金トレイに放出することで出金を行うようになっている。この硬貨処理装置では、大量の硬貨を出金すると、出金トレイの所定箇所に硬貨が積み上がることで偏集積してしまう場合がある。そこで従来、硬貨を放出口から放出するときの速度(これを放出速度と呼ぶ)を金種ごとに変更することで偏集積を抑制しようとするものがある(例えば特許文献1参照)。
特開2001-6010号公報
しかしながら従来技術では、放出速度を硬貨ごとに変更する必要がある為、硬貨を放出する機構や制御が複雑になってしまい、そのうえ、放出速度を変更しても硬貨の放出方向は変わらない為、偏集積を十分に防止することができなかった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、硬貨処理装置及び貨幣取扱装置を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明の硬貨処理装置においては、硬貨を放出する硬貨放出口と、前記硬貨放出口から放出された前記硬貨を外部から受け取り可能な状態で集積させる出金トレイと、前記硬貨放出口から放出された前記硬貨を前記出金トレイへ案内するガイド部とを備え、前記ガイド部は、前記硬貨の盤面と接するガイド面に、当該ガイド面から上方に突出する突起部を有し、前記突起部は、前記硬貨が前記硬貨放出口から放出される際の基準位置から、前記硬貨の放出方向と直交する方向である前記硬貨放出口の幅方向に特定の硬貨の半径程度の間隔を空けて設けられている。
また本発明の貨幣取扱装置においては、操作表示部と、上述した硬貨処理装置を備える。
本発明は、ガイド面に設けられた突起部により、硬貨を出金トレイへ放出する際の放出方向を硬貨の種類に応じて変化させることができるので、硬貨の偏集積を防止することができる。
本発明によれば、簡易な構成でありながら硬貨の偏集積を防止し得る硬貨処理装置及び貨幣取扱装置を実現できる。
第1の実施の形態による入出金機の外観構成を示す斜視図である。 第1の実施の形態による入出金機(硬貨処理装置)の内部構造を示す図である。 第1の実施の形態による入金搬送部の構成を示す図である。 第1の実施の形態によるリフト出金搬送部を上方から見た図である。 第1の実施の形態による硬貨放出口から出金トレイまでの部分の断面図である。 第1の実施の形態による下側ガイドを前方斜め上から見た斜視図である。 第1の実施の形態による下側ガイドの断面図である。 第1の実施の形態による硬貨放出口から硬貨が放出されるときの動作を示す図である。 第1の実施の形態による硬貨放出口から放出された硬貨出金口を通って放出されるときの動作を示す図である。 第1の実施の形態による突起部により硬貨が前方へと放出されるときの動作を示す図である。 第1の実施の形態による突起部により硬貨が前方斜め左へと放出されるときの動作を示す図である。 第1の実施の形態による突起部により硬貨が前方斜め右へと放出されるときの動作を示す図である。 第1の実施の形態による出金トレイに集積された硬貨を示す図である。 硬貨出金口が集積部の右端に寄って設けられている例を示す図である。 硬貨出金口が集積部の右端に寄って設けられている場合に、硬貨が偏集積してしまった状態を示す図である。 第2の実施の形態による硬貨出金口が集積部の左端に寄って設けられている場合の突起部の位置を示す図である。 第2の実施の形態による硬貨出金口が集積部の右端に寄って設けられている場合の突起部の位置を示す図である。 第2の実施の形態による硬貨出金口が集積部の左端に寄って設けられている場合の、突起部により硬貨が前方斜め左へと放出されるときの動作を示す図である。 第2の実施の形態による硬貨出金口が集積部の左端に寄って設けられている場合の、突起部により硬貨が前方斜め右へと放出されるときの動作を示す図である。 第2の実施の形態による硬貨出金口が集積部の右端に寄って設けられている場合の、突起部により硬貨が前方斜め左へと放出されるときの動作を示す図である。 第2の実施の形態による硬貨出金口が集積部の右端に寄って設けられている場合の、突起部により硬貨が前方斜め右へと放出されるときの動作を示す図である。 第2の実施の形態による出金トレイに集積された硬貨を示す図である。 他の実施の形態による突起部の形状を示す図である。
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
[1.第1の実施の形態]
[1-1.入出金機の外観構成]
図1に、第1の実施の形態による入出金機1の外観を示す。この入出金機1は、紙幣及び硬貨の入金及び出金が可能な装置であり、箱型の装置筐体2を有している。ここで、装置筐体2を形成する各面のうち、利用者と対峙する面を前面2a、利用者から見て上側の面を上面2bとする。
装置筐体2は、前後方向及び左右方向に比べて上下方向に長い箱型であり、上面2bの中央に、取引明細などが記載されたレシートを出力するレシートプリンタ3と、各種画面を表示する表示部及び表示部に表示された各種画面に対する操作入力を受け付ける操作部として機能する操作表示部4とが設けられている。操作表示部4としては、例えばタッチパネル付きディスプレイが用いられる。
さらに装置筐体2の前面2aの上部左寄りには、紙幣が投入される紙幣入金口5が設けられ、さらに当該紙幣入金口5の下方に、紙幣が排出される紙幣出金口6が設けられている。さらに装置筐体2の前面2aには、紙幣入金口5の右側に、硬貨が投入される硬貨投入口7が設けられ、さらに紙幣出金口6の下方に、硬貨が排出される硬貨出金口8が設けられている。また装置筐体2の前面2aには、硬貨出金口8の直下に浅い皿状の出金トレイ9が設けられていて、硬貨出金口8から放出された硬貨がこの出金トレイ9上に集積されるようになっている。
[1-2.入出金機(硬貨処理装置)の内部構造]
つづけて、図2(A)、(B)を用いて、入出金機1の内部構造について説明する。図2(A)は、入出金機1を前側から見た場合の前面透過図であり、図2(B)は、入出金機1を右側から見た場合の側面透過図である。尚、入出金機1の内部には、紙幣の入金及び出金に係る処理を行う紙幣処理装置と、硬貨の入金及び出金に係る処理を行う硬貨処理装置10とが設けられているが、図2(A)、(B)では紙幣処理装置については省略している。よって、図2(A)、(B)は、硬貨処理装置10の内部構造のみを示している。
硬貨処理装置10は、例えば1円、5円、10円、50円、100円、500円の6種の硬貨に対応している。この硬貨処理装置10は、装置筐体2の上部前側の右寄りの位置に、硬貨投入口7と繋がっていて下方へ延びるスロープ状の硬貨投入部11が設けられている。この硬貨投入部11の下方には、硬貨投入部11を通ってきた硬貨を1枚ずつ後方へ繰り出す硬貨繰出部12が設けられている。この硬貨繰出部12は、後側に排出口が設けられていて、この排出口から硬貨を後方へ繰り出すようになっている。
硬貨繰出部12の後方には入金搬送部14が設けられ、さらに硬貨繰出部12の排出口と入金搬送部14との接続部分には硬貨繰出部12から繰り出される硬貨を1枚ずつ入金搬送部14へと送出する硬貨送出部13が設けられている。硬貨送出部13は、例えば上下方向に対向配置されたローラにより硬貨を挟み込んで1枚ずつ送出するようになっている。
ここで、硬貨処理装置10を、図2(B)のA-A切断線(入金搬送部14の上方を通る切断線)で切断した場合の断面図を図3に示す。この図3には、上側から見た入金搬送部14を示している。
この図3に示すように、入金搬送部14は、硬貨Ciの通り道となる搬送路Rを有している。この搬送路Rは、硬貨送出部13から左斜め後方へと延びる第1の部分R1と、当該第1の部分R1の末端から左方向へ延びる第2の部分R2と、第2の部分R2の末端から後方へ延びる第3の部分R3と、第3の部分R3の末端から右方向へ延びる第4の部分R4と、第4の部分R4の末端から前方へ延びる第5の部分R5とで構成され、全体として略環状である。
また入金搬送部14は、搬送路Rに沿って硬貨Ciを搬送する為のピンベルト31を有している。ピンベルト31は、搬送路Rの上方を搬送路Rに沿って走行する搬送ベルト31bと、当該搬送ベルト31bから搬送路Rに向かって下方に延びる棒状の搬送ピン31pとを有している。入金搬送部14は、搬送路Rに沿って搬送ベルト31bを走行させながら、硬貨送出部13から搬送路R上に送出された硬貨Ciを搬送ピン31pで押すようにして搬送する。
また搬送路Rの第3の部分R3には、搬送方向上流側(つまり前側)から順に、硬貨認識部32、リジェクトゲート33、金種別ゲート34aが設けられている。また搬送路Rの第5の部分R5には、搬送方向上流側(つまり後側)から順に、金種別ゲート34b、34c、34d、34e、34fが設けられている。
硬貨認識部32は、搬送路Rに沿って搬送されてくる硬貨Ciの金種を判別したり、正常な硬貨であるか否かを判別したりする鑑別機能を有している。尚、硬貨処理装置10に入金可能な正常な硬貨ではないと判別された硬貨(つまり硬貨処理装置10に入金できない硬貨)を、リジェクト硬貨と呼ぶ。
リジェクトゲート33は、リジェクト硬貨を振り分ける為のゲートである。このリジェクトゲート33は、開閉することで、搬送路Rに沿って搬送されてきた硬貨Ciをそのまま搬送路Rに沿って搬送させたり、リジェクトゲート33の下方に位置するリジェクトシュート15(図2(A)、(B)参照)へと振り分けたり(落下させたり)するようになっている。
金種別ゲート34a~34fは、それぞれ硬貨(より詳しくは入金可能な正常な硬貨)Ciを金種別に振り分ける為のゲートである。これら金種別ゲート34a~34fは、開閉することで、搬送路Rに沿って搬送されてきた硬貨Ciをそのまま搬送路Rに沿って搬送させたり、それぞれの下方に位置する金種別シュート16a~16fへと振り分けたり(落下させたり)するようになっている。
図3に加えて図2に示すように、金種別シュート16a~16fは、それぞれ入金搬送部14から、入金搬送部14の下方に位置する金種別出金ホッパ17a~17fへと延びていて、金種別ゲート34a~34fにより振り分けられた硬貨を、金種別出金ホッパ17a~17fへと案内するようになっている。
金種別出金ホッパ17a~17fは、それぞれ硬貨を収容する機能と、収容した硬貨を1枚ずつ繰り出す機能とを有していて、収容した硬貨を1枚ずつ、下方に位置する水平出金搬送部18へと繰り出すようになっている。
リジェクトシュート15は、入金搬送部14から、水平出金搬送部18へと延びていて、リジェクトゲート33により振り分けられたリジェクト硬貨を、水平出金搬送部18へと案内するようになっている。
水平出金搬送部18は、前後方向に走行可能な搬送ベルトを有していて、金種別出金ホッパ17a~17fから繰り出された硬貨、及びリジェクトシュート15により案内されたリジェクト硬貨を、搬送ベルトにより前方(具体的には装置筐体2の前面2a近傍)へと搬送するようになっている。この水平出金搬送部18の前部は、水平出金搬送部18の下方に位置する回収庫19、及び水平出金搬送部18の前部から上方に延びるリフト出金搬送部20と接続されている。水平出金搬送部18は、硬貨の行き先を、回収庫19又はリフト出金搬送部20に切り替えることができるようになっている。
回収庫19は、水平出金搬送部18によって搬送されてきた硬貨を、回収硬貨として収容する。リフト出金搬送部20は、水平出金搬送部18によって搬送されてきた硬貨を、上方に位置する硬貨出金口8(図1参照)まで搬送するようになっている。
また装置筐体2内部の所定位置には、硬貨処理装置10全体の制御、各種情報の保持などを行う図示しない制御部が設けられている。硬貨処理装置10の内部構造は、以上のようになっている。
ここで、硬貨処理装置10の動作として、入金動作について簡単に説明する。尚、この入金動作は、制御部により制御される動作である。
硬貨の入金時、利用者は、入金したい硬貨を硬貨投入口7に投入する。硬貨投入口7に投入された硬貨は、硬貨投入部11を通って硬貨繰出部12から繰り出され、硬貨送出部13により1枚ずつ入金搬送部14の搬送路Rに送出される。搬送路Rに送出された硬貨は、ピンベルト31により搬送され、硬貨認識部32により金種と、正常/異常とが判別される。
ここで、投入された硬貨が硬貨認識部32によりリジェクト硬貨と判別されると、このとき制御部は、リジェクトゲート33を開く。これにより、リジェクト硬貨は、搬送路Rからリジェクトシュート15を通り、水平出金搬送部18へと送られる。水平出金搬送部18へと送られたリジェクト硬貨は、リフト出金搬送部20へと送られ、硬貨出金口8へと搬送される。硬貨出金口8まで搬送されたリジェクト硬貨は、硬貨出金口8から放出されて出金トレイ9上に集積される。
このように、硬貨処理装置10は、利用者に投入された硬貨のうち、リジェクト硬貨と判別された硬貨については、硬貨出金口8に搬送することで、利用者に返却するようになっている。
一方で、投入された硬貨が硬貨認識部32により正常な硬貨と判別されると、このとき制御部は、金種別ゲート34a~34fのうち、硬貨認識部32により判別された金種に対応する金種別ゲートを開く。これにより、正常な硬貨は、当該硬貨の金種に対応する金種別シュート(つまり金種別シュート16a~16fのいずれか)を通って、当該硬貨の金種に対応する金種別出金ホッパ(つまり金種別出金ホッパ17a~17fのいずれか)に収納される。
このように、硬貨処理装置10は、利用者に投入された硬貨のうち、正常な硬貨と判別された硬貨については、硬貨認識部32により判別された金種に対応する金種別出金ホッパに収納するようになっている。硬貨処理装置10の入金動作は、以上のようになっている。
つづけて出金動作について説明する。尚、この出金動作も、制御部により制御される動作である。硬貨の出金時、制御部は、出金する硬貨の金種ごとの枚数が指定されると、金種別出金ホッパ17a~17fのそれぞれから、金種ごとに指定された枚数の硬貨を繰り出させる。金種別出金ホッパ17a~17fのそれぞれから繰り出された硬貨は、水平出金搬送部18からリフト出金搬送部20へと送られ、硬貨出金口8へと搬送される。硬貨出金口8まで搬送された硬貨は、硬貨出金口8から放出されて出金トレイ9上に集積される。硬貨処理装置10の出金動作は、以上のようになっている。
また硬貨処理装置10の回収動作では、制御部が、金種別出金ホッパ17a~17fのそれぞれから、収容されている硬貨を繰り出し、繰り出した硬貨を水平出金搬送部18により回収庫19へと搬送して、回収庫19に収容するようになっている。
[1-3.硬貨出金口周辺部の構成]
次に、硬貨出金口8の周辺部の構成についてさらに詳しく説明する。ここでは、硬貨出金口8の周辺部として、硬貨を硬貨出金口8まで搬送し、硬貨出金口8から出金トレイ9に放出する部分について説明する。
図2(A)に示すように、水平出金搬送部18から送られてきた硬貨は、リフト出金搬送部20により硬貨出金口8へと搬送されるようになっている。リフト出金搬送部20は、2本の搬送ベルト20A、20Bを有していて、これらの間に硬貨を厚さ方向に挟んで搬送するようになっている。
具体的には、リフト出金搬送部20は、装置筐体2の左側(硬貨出金口8の左側)を通って硬貨を硬貨出金口8と同程度の高さまで上方向に搬送し、その後、硬貨を硬貨出金口8に向かって右方向に搬送するようになっている。
ここで、硬貨処理装置10を、図2(A)のB-B切断線(リフト出金搬送部20の上方を通る切断線)で切断した場合の断面図を図4に示す。この図4には、上側から見たリフト出金搬送部20を示している。尚、この図4に示す硬貨放出口40は、図5の断面図に示すように、硬貨出金口8の後方斜め上に位置する口であり、この硬貨放出口40から放出された硬貨が、硬貨出金口8を通って出金トレイ9に集積されるようになっている。
この図4に示すように、リフト出金搬送部20は、硬貨放出口40の左側において、上側に位置する搬送ベルト20Aと、下側に位置する搬送ベルト20Bとの間に硬貨を挟んで硬貨放出口40に近づく右方向(図中矢印Ar1で示す方向)に硬貨を搬送する。ここで、上側の搬送ベルト20Aについては、硬貨放出口40の左側近傍の所定箇所P1で左方向に折り返され、一方、下側の搬送ベルト20Bについては、硬貨放出口40の後方を通り過ぎて硬貨放出口40の右側まで延びている。また搬送ベルト20Bの前方と後方には、それぞれ搬送ベルト20Bに沿って延びる前側ガイド41fと後側ガイド41bが設けられている。尚、前側ガイド41fは一部が切り掛かれていて、この部分に硬貨放出口40が設けられている。
さらに硬貨放出口40の後方には、搬送ベルト20Bにより右方向に搬送されてきた硬貨の搬送方向を、右方向から硬貨放出口40へ向かう前方向にスムーズに切り替える為のコーナーガイド42が設けられている。このコーナーガイド42は、搬送ベルト20B上にわずかな隙間(最も薄い例えば1円硬貨の厚さよりも狭い隙間)を空けて設けられ、後側ガイド41bの所定箇所P2(硬貨放出口40の右端よりも左端に近い箇所)から硬貨放出口40の右端へと向かって円弧状に延びるガイド面42sを有している。
またこのコーナーガイド42のガイド面42sの前端と、硬貨放出口40の右端との間には隙間が設けられていて、この隙間に、ガイド板43が設けられている。このガイド板43は、コーナーガイド42のガイド面42sの延長上に位置するとともに硬貨放出口40の右端を形成するガイド面43sを有している。
ここで、硬貨処理装置10を、図2(B)のC-C切断線(出金トレイ9の左右方向の中心を通る切断線)で切断した場合の断面図を図5に示す。この図5には、右方向から見た硬貨放出口40から出金トレイ9までの部分の断面を示している。この図5に示すように、出金トレイ9は、硬貨放出口40の前方斜め下に設けられていて、さらに硬貨放出口40と出金トレイ9との間には、硬貨出金口8と、硬貨放出口40から前方に放出された硬貨を、硬貨出金口8を通して出金トレイ9へと案内するガイド部50とが設けられている。
出金トレイ9は、硬貨を集積する集積部60を有している。この集積部60は、中央部60cが最も深くなっていて、そこから外周に向かって上りの斜面60sが設けられている。
ガイド部50は、硬貨放出口40の下端側と集積部60の後側(硬貨出金口8側)の斜面60sとの間を繋ぐ下側ガイド51と、当該下側ガイド51の上方に位置していて、硬貨放出口40の上端側と硬貨出金口8の上端側とを繋ぐ上側ガイド52とを有している。また上側ガイド52の前側には、下側ガイド51とともに硬貨出金口8を形成する出金トレイカバー53が設けられている。
上側ガイド52は、出金トレイカバー53に取り付けられていて、硬貨放出口40から放出された硬貨を下側ガイド51側(つまり前方斜め下)へと案内する。下側ガイド51は、硬貨放出口40に近い後側の部分が、出金トレイ9の集積部60の後側の斜面60sよりも一段高く、当該斜面60sとほぼ平行で、硬貨放出口40から集積部60に向かって傾斜する斜面51sとなっている。また下側ガイド51は、この斜面51sと集積部60の後側の斜面60sとの間に段差51tを有している。
硬貨出金口8は、下側ガイド51の斜面51s上に設けられている。硬貨放出口40から放出された硬貨は、上側ガイド52により下側ガイド51の斜面51s上に落下させられ、当該斜面51s上を滑り落ちながら硬貨出金口8を通過し、下側ガイド51の斜面51sと段差51tとを滑り落ちるようにして、出金トレイ9の集積部60に集積されるようになっている。
尚、下側ガイド51については、一部または全部が出金トレイ9の集積部60と一体に設けられていてもよいし、一部または全部が集積部60とは別の部品として設けられていてもよい。また上側ガイド52については、出金トレイカバー53と一体に設けられていてもよいし、出金トレイカバー53とは別の部品として設けられていてもよい。
さらに下側ガイド51の斜面51s上には、硬貨出金口8と段差51tとの間に、斜面51sから上方に突出する突起部51pが設けられている。この突起部51pは、斜面51s上を滑り落ちてきた硬貨を左右方向に分散させて出金トレイ9へ放出する為のものである。
下側ガイド51を前方斜め上から見た斜視図である図6、及び図5の一部分(下側ガイド51)を拡大した図7に示すように、突起部51pは、硬貨放出口40から出金トレイ9へ向かう方向(前方斜め下)に沿って硬貨出金口8の近傍から段差51tまで延びるリブ形状であり、長手方向から見た断面が台形状となっている。またこの突起部51pは、幅方向(短手方向)から見た断面が三角形状であり、上面51psの後側部分が斜面51sに対して上りの傾斜、前側部分が斜面51sに対して下りの傾斜となっている。またこの突起部51pは、上面51psの幅(左右方向の長さ)D1が、最も直径が小さい1円硬貨の直径(20.0mm)よりも十分短い長さ(具体的には1~2mmの幅)となっている。
また図6に示すように、突起部51pは、硬貨放出口40の前方斜め下(つまり硬貨の通り道)に設けられていて、且つガイド板43のガイド面43sの左右方向の位置(つまり硬貨放出口40の右端の位置であり、硬貨が硬貨放出口40から放出される際に当該硬貨の周側面が接触している箇所)を、硬貨が硬貨放出口40から放出される際の基準位置P3として、この基準位置P3から左方向(つまり硬貨放出口40から放出される際の硬貨の放出方向と直交する方向)に距離D2だけ間隔を空けて設けられている。尚、この距離D2は、基準位置P3から突起部51pの幅方向の中心位置P4までの距離である。
本実施の形態では、この距離D2が、6種の硬貨のうち、直径が3番目に大きい100円硬貨の半径とほぼ同じ長さとなっている。
また図7に示すように、突起部51pは、斜面51sから頂上部までの長さ(つまり高さ)D3が例えば2~3mm程度となっていて、後側の傾斜角度(つまり硬貨の進入角度)θ1が例えば10度~20度となっている。
尚、この突起部51pの前側の傾斜は、段差51tと同一面であり、段差51tの延長上に設けられている。この段差51tの高さD4は、集積部60に硬貨が積み重なっている場合でも、当該硬貨によって後続の硬貨の集積が妨げられることのないように、十分な大きさとなっている。本実施の形態では、例えば、集積部60に最大50枚程度の硬貨を集積可能であり、段差51tの高さD4が10mm以上となっている。
また図6に示すように、突起部51pの左側と右側には、それぞれ突起部51pと一定の間隔を空けて、突起部51rが1本ずつ設けられている。この突起部51rは、突起部51pと同一方向に延び、突起部51pと比較して高さが十分に低くなっている。この突起部51rは、硬貨Ciが斜面51s上を滑り落ちる際に、硬貨Ciの盤面と斜面51sとの摩擦を減らして滑り落ち易くする為のものである。この突起部51rについては省略されていてもよい。硬貨出金口8の周辺部の構成は、以上のようになっている。
[1-4.硬貨出金時の動作]
次に、硬貨出金時の動作として、硬貨を硬貨出金口8まで搬送し、硬貨出金口8から出金トレイ9に放出する動作について説明する。
図8に示すように、リフト出金搬送部20は、搬送ベルト20Aと搬送ベルト20Bとの間に硬貨を挟んで硬貨放出口40に近づく右方向(図中矢印Ar1で示す方向)に硬貨を搬送する。上側の搬送ベルト20Aと、下側の搬送ベルト20Bとの間に挟まれて搬送されてきた硬貨は、所定箇所P1で上側の搬送ベルト20Aとは離れ、ここから下側の搬送ベルト20B上に載置された状態で右方向に搬送される。
搬送ベルト20Bにより右方向へと搬送されてきた硬貨Ciは、当該硬貨Ciの周側面がコーナーガイド42のガイド面42sに当接することにより当該ガイド面42sに沿って前方向へとカーブしながら硬貨放出口40の近傍まで案内される。その後、硬貨Ciは当該硬貨Ciの周側面が硬貨放出口40の右端に位置するガイド板43のガイド面43sに当接することで硬貨放出口40まで案内され、当該硬貨放出口40から前方に放出される。
図9に示すように、硬貨放出口40から前方に放出された硬貨Ciは、上側ガイド52と接触して下側ガイド51の斜面51s上に落下させられ、当該斜面51sに盤面を接触させて当該斜面51s上を滑り落ちながら、硬貨出金口8を通過する(つまり硬貨出金口8から放出される)。
図10に示すように、硬貨出金口8から放出された硬貨Ciは、斜面51s上に設けられた突起部51pに乗り上げる。このとき、当該硬貨Ciの重心Pgが、突起部51pの幅方向の中心位置P4とほぼ同位置にある場合(つまり硬貨Ciの半径が距離D2と同程度の場合)、当該硬貨Ciは、そのまま突起部51p上を前方に向かって滑り落ちていくことにより、前方へ放出され、出金トレイ9の集積部60に集積される。つまりこの場合、硬貨Ciの放出方向は、前方向となる。
また図11に示すように、硬貨Ciの重心Pgが、突起部51pの幅方向の中心位置P4から左方向にずれている場合(つまり硬貨Ciの半径が距離D2よりも大きい場合)、突起部51pに乗り上げた当該硬貨Ciは、バランスを崩して突起部51pの左側に傾いて突起部51pと突起部51pの左側の斜面51sとに接触しながら滑り落ちていくことにより、前方斜め左へ放出され、出金トレイ9の集積部60に集積される。つまりこの場合、突起部51pにより、硬貨Ciの放出方向が、前方向から前方斜め左方向に変化したことになる。
また図12に示すように、当該硬貨Ciの重心Pgが、突起部51pの幅方向の中心位置P4から右方向にずれている場合(つまり硬貨Ciの半径が距離D2よりも小さい場合)、突起部51pに乗り上げた当該硬貨Ciは、バランスを崩して突起部51pの右側に傾いて突起部51pと突起部51pの右側の斜面51sとに接触しながら滑り落ちていくことにより、前方斜め右へ放出され、出金トレイ9の集積部60に集積される。つまりこの場合、突起部51pにより、硬貨Ciの放出方向が、前方向から前方斜め右方向に変化したことになる。
具体的には、硬貨Ciが100円硬貨の場合、図10に示したように、当該硬貨Ciは、重心Pgが突起部51pの幅方向の中心位置P4とほぼ同位置にある為、そのまま突起部51p上を前方に向かって滑り落ちていくことにより、前方へ放出される。
また硬貨Ciが、100円硬貨よりも直径が大きい10円硬貨、もしくは500円硬貨の場合、図11に示したように、当該硬貨Ciは、重心Pgが突起部51pの幅方向の中心位置P4から左方向にずれている為、バランスを崩して突起部51pの左側に傾いて滑り落ちていくことにより、前方斜め左へ放出される。
また硬貨Ciが、100円硬貨よりも直径が小さい1円硬貨、または5円硬貨、もしくは50円硬貨の場合、図12に示したように、当該硬貨Ciは、重心Pgが突起部51pの幅方向の中心位置P4から右方向にずれている為、バランスを崩して突起部51pの右側に傾いて滑り落ちていくことにより、前方斜め右へ放出される。
ここで、図13に、出金トレイ9を前方斜め上から見た斜視図を示す。この図13に示すように、硬貨出金口8は、集積部60の幅方向(左右方向)の中央付近に設けられていて、上述したように、100円硬貨Ci100については、硬貨出金口8を通ってそのまま前方に放出される為、硬貨出金口8の前方に位置する、出金トレイ9の集積部60のほぼ中央に集積される。また100円硬貨よりも大径の10円硬貨Ci10や500円硬貨Ci500については、硬貨出金口8を通って前方斜め左へ放出される為、出金トレイ9の集積部60の左側部分に集積される。また100円硬貨よりも小径の1円硬貨Ci1や5円硬貨Ci5や50円硬貨(図13では省略)については、硬貨出金口8を通って前方斜め右へ放出される為、出金トレイ9の集積部60の右側部分に集積される。硬貨を硬貨出金口8まで搬送し、硬貨出金口8から出金トレイ9に放出する動作は、以上のようになっている。
[1-5.まとめと効果]
ここまで説明したように、第1の実施の形態では、貨幣取扱装置としての入出金機1に硬貨処理装置10と操作表示部4を設けた。さらにこの硬貨処理装置10が、硬貨Ciを放出する硬貨放出口40と、硬貨放出口40から放出された硬貨Ciを外部から受け取り可能な状態で集積させる出金トレイ9と、硬貨放出口40から放出された硬貨Ciを出金トレイ9へ案内するガイド部50とを備えるとした。
そしてガイド部50は、硬貨Ciの盤面と接するガイド面としての斜面51sに、当該斜面51sから上方に突出する突起部51pを有し、当該突起部51pが、硬貨Ciが硬貨放出口40から放出される際の基準位置P3(放出される際に硬貨Ciの周側面が接触するガイド面43s)から、硬貨Ciの放出方向である前方向と直交する左方向に100円硬貨の半径程度の距離(間隔)D2を空けて設けられているとした。
さらに言うと、硬貨処理装置10は、搬送部としてのリフト出金搬送部20と、コーナーガイド42と、コーナーガイド42と硬貨放出口40との間に位置するガイド板43とを備え、コーナーガイド42は、硬貨Ciの周側面と当接することで当該硬貨Ciを硬貨放出口40の近傍まで案内する第1のガイド面としてのガイド面42sを有し、ガイド板43は、コーナーガイド42により案内されてきた硬貨Ciと当接することで当該硬貨Ciを硬貨放出口40まで案内する第2のガイド面としてのガイド面43sを有するとした。そして、ガイド板43のガイド面43sの位置(つまり硬貨放出口40の右端の位置)を基準位置P3とした。
こうすることで、硬貨処理装置10では、半径が距離D2と同程度の硬貨Ci(例えば100円硬貨)については、硬貨放出口40から放出されるとそのまま突起部51p上を前方向に滑り落ちていくことにより、放出方向を変更することなく前方に放出することができる。また半径が距離D2よりも小さい硬貨Ci(例えば1円硬貨、5円硬貨、50円硬貨)については、バランスを崩して突起部51pの左側(つまり基準位置P3とは反対側)に傾きながら滑り落ちていくことにより、前方斜め左へ放出することができる。さらに半径が距離D2よりも小さい硬貨Ci(例えば1円硬貨、5円硬貨、50円硬貨)については、バランスを崩して突起部51pの右側(つまり基準位置P3側)に傾きながら滑り落ちていくことにより、前方斜め右へ放出することができる。
このように、硬貨処理装置10では、ガイド面である斜面51sに設けられた突起部51pにより、硬貨Ciを出金トレイ9へ放出する際の放出方向を硬貨Ciの種類(具体的には直径の大きさ)に応じて変化させることができるので、突起部51pを設けるだけの簡易な構成でありながら、硬貨Ciの偏集積を防止することができる。
また硬貨処理装置10では、硬貨Ciの偏集積を防止することで、出金トレイ9に集積可能な硬貨の枚数を増やすことができるので、出金トレイ9の大きさを変えずに集積容量を増やすことができる。
[2.第2の実施の形態]
次に第2の実施の形態について説明する。図13に示したように、第1の実施の形態では、硬貨出金口8が、集積部60の幅方向(左右方向)の中央付近に設けられているとした。これに対して、例えば図14に示すように、硬貨出金口8が、集積部60の幅方向の一端側(右端側)もしくは他端側(左端側)に寄って設けられている場合がある。尚、図14は、硬貨出金口8が、集積部60の右端側に寄って設けられている例である。
ここで、図14に示すように、硬貨出金口8が、集積部60の右端側に寄って設けられている場合、硬貨放出口40(図14では省略)及び突起部51pについても、集積部60の右端側に寄って設けられることになる。この場合、集積部60が中央部60cに向かって傾斜する形状である為、図15に示すように、硬貨出金口8から放出された硬貨Ciのうち、特に硬貨出金口8から前方へ放出された100円硬貨Ci100と、前方斜め右へ放出された1円硬貨Ci1と、5円硬貨Ci5と、50円硬貨(図15では省略)とが(つまり集積部60の右側部分に放出された硬貨Ciが)、集積部60の中央部60cに集まってしまい、偏集積してしまう可能性が出てくる。
そこで、この第2の実施の形態では、硬貨出金口8が、集積部60の右端側(もしくは左端)に寄っている場合でも、硬貨Ciが偏集積しないように、基準位置P3から突起部51pまでの距離D2を適切に選定するようになっている。よってここでは、主に基準位置P3から突起部51pまでの距離D2をどのように選定しているのかについて説明する。
[2-1.基準位置から突起部までの距離]
まず硬貨出金口8が集積部60の左端側に寄っている場合における、基準位置P3から突起部51pまでの距離D2について説明する。ここで、図16に、硬貨出金口8(図16では省略)が集積部60の左端側に寄っている場合における、基準位置P3から突起部51pまでの距離D2を示す。尚、この図16は、基準位置P3から突起部51pまでの距離D2の大きさを示す為の図であり、それ以外の部分の形状、大きさ、配置などについては、実際のものとは異なっている場合がある。図17~図21についても同様である。
硬貨出金口8が集積部60の左端側に寄っている場合、図16に示すように、基準位置P3から突起部51pまでの距離D2が、6種の硬貨のうち、直径が2番目に大きい10円硬貨Ci10の半径とほぼ同じ長さとなっている。
また、硬貨出金口8(図17では省略)が集積部60の右端側に寄っている場合、図17に示すように、基準位置P3から突起部51pまでの距離D2が、6種の硬貨のうち、直径が4番目に大きい5円硬貨Ci5の半径とほぼ同じ長さとなっている。
つづけて、硬貨出金口8が集積部60の左端側に寄っていて、基準位置P3から突起部51pまでの距離D2が、10円硬貨Ci10の半径とほぼ同じ長さとなっている場合の硬貨の放出動作について、図16、図18、図19を用いて説明する。
図16に示すように、硬貨Ciが10円硬貨Ci10の場合、当該10円硬貨Ci10は、重心Pgが突起部51pの幅方向の中心位置P4とほぼ同位置にある為、そのまま突起部51p上を前方に向かって滑り落ちていくことにより、前方へ放出される。
また図18に示すように、硬貨Ciが、10円硬貨よりも直径が大きい500円硬貨の場合、当該硬貨Ciは、重心Pgが突起部51pの幅方向の中心位置P4から左方向にずれている為、バランスを崩して突起部51pの左側に傾きながら滑り落ちていくことにより、前方斜め左へ放出される。
また図19に示すように、硬貨Ciが、10円硬貨よりも直径が小さい1円硬貨、5円硬貨、50円硬貨、100円硬貨の場合、当該硬貨Ciは、重心Pgが、突起部51pの幅方向の中心位置P4から右方向にずれている為、当該硬貨Ciは、バランスを崩して突起部51pの右側に傾きながら滑り落ちていくことにより、前方斜め右へ放出される。
このように、硬貨出金口8が集積部60の左端側に寄っている場合、硬貨出金口8から前方斜め左へ放出する金種の数が少なく、前方斜め右へ放出する金種の数が多くなるように、基準位置P3から突起部51pまでの距離D2を選定するようになっている。
つづけて、硬貨出金口8が集積部60の右端側に寄っていて、基準位置P3から突起部51pまでの距離D2が、5円硬貨Ci5の半径とほぼ同じ長さとなっている場合の硬貨の放出動作について、図17、図20、図21を用いて説明する。
図17に示すように、硬貨Ciが、硬貨Ciが5円硬貨Ci5の場合、当該5円硬貨Ci5は、重心Pgが突起部51pの幅方向の中心位置P4とほぼ同位置にある為、そのまま突起部51p上を前方に向かって滑り落ちていくことにより、前方へ放出される。
また図20に示すように、硬貨Ciが、5円硬貨よりも直径が大きい10円硬貨、100円硬貨、500円硬貨の場合、当該硬貨Ciは、重心Pgが突起部51pの幅方向の中心位置P4から左方向にずれている為、バランスを崩して突起部51pの左側に傾きながら滑り落ちていくことにより、前方斜め左へ放出される。
また図21に示すように、硬貨Ciが、5円硬貨よりも直径が小さい1円硬貨または50円硬貨の場合、当該硬貨Ciは、重心Pgが、突起部51pの幅方向の中心位置P4から右方向にずれている為、当該硬貨Ciは、バランスを崩して突起部51pの右側に傾きながら滑り落ちていくことにより、前方斜め右へ放出される。
このように、硬貨出金口8が集積部60の右端側に寄っている場合、硬貨出金口8から前方斜め左へ放出する金種の数が多く、前方斜め右へ放出する金種の数が少なくなるように、基準位置P3から突起部51pまでの距離D2を選定するようになっている。
ここで、図22に、出金トレイ9を前方斜め上から見た斜視図を示す。この図22は、硬貨出金口8が、集積部60の右端側に寄っている例である。この場合、上述したように、5円硬貨Ci5については、硬貨出金口8を通ってそのまま前方に放出される為、硬貨出金口8の前方に位置する、出金トレイ9の集積部60の右側部分に集積される。また5円硬貨Ci5よりも小径の1円硬貨Ci1や50円硬貨(図22では省略)については、硬貨出金口8を通って前方斜め右へ放出される為、出金トレイ9の集積部60の右側部分に集積される。また5円硬貨よりも大径の10円硬貨Ci10や100円硬貨Ci100や500円硬貨Ci500については、硬貨出金口8を通って前方斜め左へ放出される為、出金トレイ9の集積部60の中央部分や左側部分に集積される。硬貨の放出動作は、以上のようになっている。
尚、本実施の形態では、硬貨出金口8が集積部60の右端側に寄っている場合、基準位置P3から突起部51pまでの距離D2を、6種の硬貨のうち、直径が4番目に大きい5円硬貨Ci5の半径とほぼ同じ長さとした。これに限らず、例えば、当該距離D2を、直径が5番目に大きい50円硬貨の半径とほぼ同じ長さとしてもよい。このようにすれば、出金トレイ9の集積部60の左側部分に向かって前方斜め左に放出される金種の数をさらに多くすることができる。
[2-2.まとめと効果]
ここまで説明したように、第2の実施の形態では、硬貨放出口40の位置に応じて、基準位置P3から突起部51pまでの距離D2を選定するようにした。すなわち、硬貨放出口40が出金トレイ9の集積部60の幅方向の一端側(または他端側)に寄っている場合には、硬貨放出口40から集積部60の幅方向の一端側(または他端側)へと向かう方向に放出する金種の数が、他端側(またが一端側)へと向かう方向に放出する金種の数よりも少なくなるように、基準位置P3から突起部51pまでの距離D2を選定するようにした。
こうすることで、硬貨放出口40が出金トレイ9の集積部60の幅方向の一端側(または他端側)に寄っている場合でも、集積部60の一端側(または他端側)に硬貨Ciが偏集積しないように硬貨Ciを分散させて集積することができる。
[3.他の実施の形態]
[3-1.他の実施の形態1]
尚、上述した第1及び第2の実施の形態では、図4などに示したように、コーナーガイド42のガイド面42sの前端(つまり硬貨放出口40に最も近い端)と、硬貨放出口40の右端との間には隙間が設けられていて、この隙間に、ガイド板43が設けられていて、このガイド板43に、ガイド面42sの延長上にあるガイド面43sが設けられているとした。
これに限らず、例えば、コーナーガイド42のガイド面42sが、硬貨放出口40の右端まで延びていて、当該ガイド面42sの前端(つまりガイド面42sにおける硬貨放出口40に最も近い終端)が硬貨放出口40の右端を形成するようになっていてもよい。別の言い方をすると、コーナーガイド42とガイド板43とが一体となっていてもよい。この場合、コーナーガイド42のガイド面42sの前端の左右方向の位置(つまり硬貨放出口40の右端の位置)を、硬貨が硬貨放出口40から放出される際の基準位置P3とすればよい。
[3-2.他の実施の形態2]
また上述した第1及び第2の実施の形態では、下側ガイド51の前側に位置する斜面51s上における、硬貨出金口8と段差51tとの間に、突起部51pを設け、この突起部51pが、硬貨出金口8の近傍から段差51tまで延びているとした。これに限らず、突起部51pについては、少なくとも一部分が硬貨出金口8と段差51tとの間に設けられていればよい。例えば、突起部51pの後端部が、硬貨出金口8にわずかに入り込んでいてもよいし、突起部51pの前端部が、段差51tまで迫り出すようになっていてもよい。
さらに上述した第1及び第2の実施の形態では、突起部51pを、硬貨放出口40から放出される硬貨Ciの放出方向(つまり突起部51pの長手方向)から見た断面が台形状であるとしたが、これに限らず、当該断面が例えば長方形状であってもよい。
さらに上述した第1及び第2の実施の形態では、突起部51pを、硬貨放出口40から放出される硬貨Ciの放出方向(つまり突起部51pの長手方向)と直交する幅方向から見た断面が三角形状であるとしたが、これに限らず、当該断面が例えば台形状であってもよい。
また突起部51pを、例えば図23に示すように、後端側から前端側に向かって幅が広くなっていく末広がり形状(つまり上方から見て略三角形状)としてもよい。この場合、例えば、突起部51pの上面51psも含めて、後端側から前端側にかけて幅が広くなっていく末広がり形状としてもよいし、上面51psは、図17に示すように、後端側から前端側まで同一幅とし、上面51psよりも外側の傾斜部分を、後端側から前端側にかけて幅が広くなっていく末広がり形状としてもよい。
[3-3.他の実施の形態3]
さらに上述した実施の形態では、本発明を、出金トレイ9に硬貨を放出する硬貨処理装置10及び当該硬貨処理装置10を有する入出金機1に適用した。これに限らず、本発明は、出金トレイに硬貨を放出する機能を持つものであれば、硬貨処理装置10とは異なる構成の硬貨処理装置や入出金機1以外の貨幣取扱装置にも適用することができる。具体的には、例えば、セミセルフ精算機が有する硬貨処理装置に適用することもできる。
[3-4.他の実施の形態4]
さらに本発明は、上述した実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。
本発明は、例えば硬貨を扱う硬貨処理装置で利用できる。
1……入出金機、2……装置筐体、7……硬貨投入口、8……硬貨出金口、9……出金トレイ、10……硬貨処理装置、20……リフト出金搬送部、20A、20B……搬送ベルト、40……硬貨放出口、42……コーナーガイド、42s……ガイド面、43……ガイド板、43s……ガイド面、50……ガイド部、51……下側ガイド、51s……斜面、51t……段差、51p……突起部、51ps……上面、52……上側ガイド、53……出金トレイカバー、60……集積部、60c……中央部、60s……斜面、P3……基準位置、Ci……硬貨。

Claims (10)

  1. 硬貨を放出する硬貨放出口と、
    前記硬貨放出口から放出された前記硬貨を外部から受け取り可能な状態で集積させる出金トレイと、
    前記硬貨放出口から放出された前記硬貨を前記出金トレイへ案内するガイド部と
    を備え、
    前記ガイド部は、
    前記硬貨の盤面と接するガイド面に、当該ガイド面から上方に突出する突起部を有し、
    前記突起部は、
    前記硬貨が前記硬貨放出口から放出される際の基準位置から、前記硬貨の放出方向と直交する方向である前記硬貨放出口の幅方向に特定の硬貨の半径程度の間隔を空けて設けられている
    ことを特徴とする硬貨処理装置。
  2. 前記硬貨放出口に向けて前記硬貨を搬送する搬送部と、
    前記搬送部により搬送されてくる前記硬貨を前記硬貨放出口へ案内するコーナーガイドと、
    前記コーナーガイドと前記硬貨放出口との間に位置するガイド板と
    をさらに備え、
    前記コーナーガイドは、
    前記硬貨の周側面と当接することで当該硬貨を前記硬貨放出口の近傍まで案内する第1のガイド面を有し、
    前記ガイド板は、
    前記コーナーガイドにより案内されてきた前記硬貨と接触することで当該硬貨を前記硬貨放出口まで案内する第2のガイド面を有し、
    前記基準位置は、
    前記第2のガイド面の位置である
    ことを特徴とする請求項1に記載の硬貨処理装置。
  3. 前記第2のガイド面は、
    前記硬貨放出口の幅方向の一端に位置する
    ことを特徴とする請求項2に記載の硬貨処理装置。
  4. 前記硬貨放出口に向けて前記硬貨を搬送する搬送部と、
    前記搬送部により搬送されてくる前記硬貨を前記硬貨放出口へ案内するコーナーガイドと
    をさらに備え、
    前記コーナーガイドは、
    前記硬貨の周側面と当接することで当該硬貨を前記硬貨放出口に向かって案内するガイド面を有し、
    前記基準位置は、
    前記コーナーガイドのガイド面における前記硬貨放出口に最も近い終端の位置である
    ことを特徴とする請求項1に記載の硬貨処理装置。
  5. 前記コーナーガイドのガイド面の終端は、
    前記硬貨放出口の幅方向の一端に位置する
    ことを特徴とする請求項4に記載の硬貨処理装置。
  6. 前記ガイド部のガイド面は、前記硬貨放出口から前記出金トレイへ向かって傾斜していて、
    前記突起部は、
    前記硬貨放出口から前記出金トレイへ向かう方向に延びるリブ形状である
    ことを特徴とする請求項1に記載の硬貨処理装置。
  7. 前記突起部は、
    上面が、前記ガイド部のガイド面に対して、前記硬貨放出口から前記出金トレイへ向かう方向に上る傾斜となっている
    ことを特徴とする請求項6に記載の硬貨処理装置。
  8. 前記突起部は、
    長手方向から見た断面が長方形または台形である
    ことを特徴とする請求項6または7に記載の硬貨処理装置。
  9. 前記硬貨放出口と前記出金トレイとの間に硬貨出金口が設けられ、
    前記突起部は、
    前記ガイド部のガイド面における、前記硬貨出金口と前記出金トレイの間に設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の硬貨処理装置。
  10. 操作表示部と、
    請求項1に記載の硬貨処理装置と
    を備える
    ことを特徴とする貨幣取扱装置。

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