JP2024070235A - 閉断面リブ鋼床版 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】略板状に形成されたデッキプレート(11)と、デッキプレート(11)の裏面側に溶接されて橋軸方向に延びる閉断面リブ(12)と、を備え、閉断面リブ(12)は、橋軸直交方向で閉断面形状に形成される閉空間(9)と、溶接金属(15)を溶融することでデッキプレート(11)の裏面側に取り付けられる端面(13)と、を有し、閉断面リブ(12)の端面(13)の一長辺が面取りされた平面(13a)を持ち、面取りされた平面(13a)をデッキプレート(11)の裏面に略平行に接触させ、前記接触している平面の一部または全部に未溶着部を有し、閉断面リブ(12)の端面(13)とデッキプレート(11)の裏面とが開先溶接されている、閉断面リブ鋼床版(1)である。
【選択図】図1
Description
特許文献1に開示された鋼床版は、デッキプレートとリブだけではなく、さらに別の補強部材を取り付ける必要がある。補強部材を加えることによって全体重量が増加し、鋼床版の優位性の一つである軽量性が損なわれる。
(a)前記閉断面リブの端面が前記デッキプレートの裏面とのなす角度の異なる2段以上の開先形状をなし、面取りされた前記平面に最も近い段の開先と前記デッキプレートの裏面とのなす角度が、他の段の開先と前記デッキプレートの裏面とのなす角度より小さく、前記閉断面リブの端面と前記デッキプレートとが開先溶接されていること、
(b)さらに、前記閉断面リブの端面では、隣り合う2段のうち、面取りされた前記平面に近い一の段の開先と前記デッキプレートの裏面とのなす角度が、他の段の開先と前記デッキプレートの裏面とのなす角度より小さいこと、
(c)前記デッキプレートに耐疲労鋼を用いていること、
などがより好ましい解決手段になり得る。
本発明は、鋼床版に関する技術であることから、まずは一般的な鋼床版の構造について
説明する。鋼床版は、図6に示すように鋼床版1と主桁2を備えており、さらに、鋼床版1は、少なくともデッキプレート3(例えば、鋼板)、縦リブ4を有している。このほかに横リブ5や、主桁2を補剛する垂直補剛材、横桁、ダイヤフラムなどを設けることもある。以下、鋼床版を構成する主部材について説明する。
橋台や橋脚の間に架け渡され、支間の曲げモーメントやせん断力を負担するのが主桁2である。主桁2は、I形断面とされるのが一般的で、ウェブと上下のフランジで構成されるが、既述のとおり上フランジはデッキプレート3がこれを兼ねる。図6に示すように、I形断面を所定の間隔に配置した開断面の主桁2とする場合もあるが、閉断面の箱桁形式とする場合もある。
デッキプレート3は、舗装を介して輪荷重を直接支持するものであり、床版として主桁2間の曲げモーメントやせん断力を負担し、さらに、主桁2の上フランジとしても機能する部材である。これまでデッキプレート3の板厚は12mmとされることが多かったが、近年では疲労耐久性向上のため16mmが採用されている。また、合理化鋼床版とする場合は18mmが採用されることもある。通常は複数枚のデッキプレート3が主桁2の上に平面配置され、その継手部は溶接又は高力ボルトで接合される。道路橋の場合であれば、デッキプレート3の上にアスファルト等の舗装6が敷設され、その両側には地覆7が設けられる。
縦リブ4はデッキプレート3を補剛する部材であり、図6に示すように、通常は橋軸方向に配置されて(支点部周りや拡幅部などでは橋軸方向に一致しない場合もある)、デッキプレート3の下面に溶接固定される。縦リブ4は開断面リブと閉断面リブの2種類に大別され、本実施形態では橋軸直角方向に閉断面空間9を有する閉断面リブを対象とする。閉断面リブとしては、Y形断面リブ、V形断面リブ、丸形断面リブ、トラフリブ(Uリブ)などが挙げられる。このうち、道路橋の場合ではトラフリブの採用が主流となっている。
発明者らは、閉断面リブ鋼床版において、デッキプレート3と縦リブ4の間の溶接ルート部から発生するデッキ貫通き裂を抑制するためには、疲労き裂の発生と疲労き裂の伝播の両方を抑制することが重要であると考えた。
図1(a1)および(a2)に本発明の第一実施形態にかかる、それぞれ溶接前および溶接施工後の状態を模式断面図で示す。ここでは、デッキプレート11として、疲労き裂伝播速度の低い鋼材(耐疲労鋼)を使用したデッキプレート11を用いている。デッキプレート11に溶接されるリブ12の一長辺に面取りされた平面13aを設ける。面取りするリブ12の長辺は、一般にリブ12がデッキプレート11の法線から閉断面空間9側に傾斜して接合されることから、リブ12の端面13の2つの長辺のうち、デッキプレート11に接触する側の長辺とする。そして、デッキプレート11の裏面と面取りされた平面13aとは略平行に接触させる。ここで、略平行とは、後述する溶接後の溶接部の収縮によって圧縮応力を受けたときに、デッキプレート11の裏面と面取りされた平面とが面接触できる程度の傾きは許されることを意味する。デッキプレート11とリブ12で形成される閉断面空間9の外側から溶接機14によってデッキプレート11にリブ12を開先溶接する。開先溶接は、図1(a1)および(a2)に示すように、デッキプレート11の裏面とリブの端面13のなす空間をV形開先とみなして溶け込み溶接する。このとき、溶け込みが面取りした平面13aに及ばないようにする。図1(a2)に示すように、溶接施工後、溶接凝縮によりリブ12に面取りされた平面13aとデッキプレート11の裏面が面接触しているだけでなく、圧着により圧縮応力PSが付与される。
図1(b1)および(b2)に本発明の第二実施形態にかかる、それぞれ溶接前および溶接施工後の状態を模式断面図で示す。ここでは、デッキプレート11として、疲労き裂伝播速度の低い鋼材(耐疲労鋼)を使用したデッキプレート11を用いている。デッキプレート11に溶接されるリブ12の一長辺に面取りされた平面13aを設けるとともに、リブ12の端面にデッキプレート11の裏面とのなす角度の異なる2段以上の開先形状13b、13cを形成する。第一実施形態と同様、デッキプレート11の裏面と面取りされた平面13aとは略平行に接触させる。このとき、面取りされた平面13aに隣接する開先の1段目13bがデッキプレート11の裏面となす角は、開先の2段目以降13cがなす角より小さくして開先溶接する。開先溶接は、図1(b1)および(b2)に示すように、デッキプレート11の裏面と開先13b、13cのなす空間を擬V形開先とみなして溶け込み溶接する。このとき、溶け込みが面取りした平面13aに及ばないように、開先の1段目13bの一部、とくに、面取りした平面13a側が溶け込まないようにする。図1(b2)に示すように、溶接施工後、溶接凝縮によりリブ12に面取りされた平面13aとデッキプレート11の裏面が面接触しているだけでなく、圧着により圧縮応力PSが付与される。
図3は上記第二実施形態のデッキプレート11とリブ端面形状とを用いて、溶接のパス数を変えて開先溶接した状態をしめす模式断面図である。図3(a1)および(b1)は、1パスで溶接する場合の、それぞれ溶接施工後の状態および溶接ルート部の拡大図を示す。この場合ひとつながりの溶接金属15が形成される。図3(a1)および(b1)は、第三実施形態にかかる、2パス以上で溶接する場合の、それぞれ溶接施工後の状態および溶接ルート部の拡大図を示す。この場合、溶接金属16は初層16aと2層目以降16bとからなる。複数パスで溶接する第三実施形態は、1回あたりの溶接入熱が小さくなり、デッキプレート11の溶融深さやHAZ深さが低減できる可能性がある。
2 主桁
3 デッキプレート
4 縦リブ
5 横リブ(閉断面リブ)
6 舗装
7 地覆
8 橋軸方向
9 閉断面空間
11 デッキプレート(耐疲労鋼)
11a デッキプレート(従来鋼)
12 (閉断面)リブ
13 (リブの)端面
13a 面取りされた平面
13b 開先の1段目
13c 開先の2段目以降
14 溶接機
15 溶接金属
15a 溶接金属
15b 溶接金属
16 溶接金属
16a 初層
16b 2層目以降
17 溶接ルート部
18 デッキ貫通き裂
PS 圧縮応力
Claims (4)
- 略板状に形成されたデッキプレートと、
前記デッキプレートの裏面側に溶接されて橋軸方向に延びる閉断面リブと、を備え、
前記閉断面リブは、橋軸直交方向で閉断面形状に形成される閉空間と、溶接金属を溶融することで前記デッキプレートの裏面側に取り付けられる端面と、を有し、
前記閉断面リブの端面の一長辺が面取りされた平面を持ち、
面取りされた前記平面を前記デッキプレートの裏面に略平行に接触させ、接触している前記平面の一部または全部に未溶着部を有し、前記閉断面リブの端面と前記デッキプレートの裏面とが開先溶接されている、閉断面リブ鋼床版。 - 前記閉断面リブの端面が前記デッキプレートの裏面とのなす角度の異なる2段以上の開先形状をなし、
面取りされた前記平面に最も近い段の開先と前記デッキプレートの裏面とのなす角度が、他の段の開先と前記デッキプレートの裏面とのなす角度より小さく、
前記閉断面リブの端面と前記デッキプレートとが開先溶接されている、請求項1に記載の閉断面リブ鋼床版。 - さらに、前記閉断面リブの端面では、隣り合う2段のうち、面取りされた前記平面に近い一の段の開先と前記デッキプレートの裏面とのなす角度が、他の段の開先と前記デッキプレートの裏面とのなす角度より小さい、請求項2に記載の閉断面リブ鋼床版。
- 前記デッキプレートに耐疲労鋼を用いている、請求項1~3のいずれか1項に記載の閉断面リブ鋼床版。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2022180400 | 2022-11-10 | ||
JP2022180400 | 2022-11-10 |
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JP2023185495A Pending JP2024070235A (ja) | 2022-11-10 | 2023-10-30 | 閉断面リブ鋼床版 |
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2023
- 2023-10-30 JP JP2023185495A patent/JP2024070235A/ja active Pending
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