JP2024069129A - 樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

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隆行 城本
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Abstract

【課題】本発明は、例えば、互いに相容しない異樹脂を複数含む混合樹脂でありながら、バージン材と比較して実用上十分なフィルム特性(具体的にはフィッシュアイの低減、落袋強度)、耐衝撃性、剛性、伸びの特性バランスを維持できる樹脂組成物を製造し得る方法を提供することを目的とする。【解決手段】特定の成分(I)及び特定の成分(II)を含む樹脂組成物の製造方法であって、成分(I)中のポリオレフィン系樹脂(i)がポリエチレンであるかポリプロピレンであるかによって、変性ブロック共重合体中の共役ジエン単量体単位(B)に由来する1,2ービニル結合量及び3,4ービニル結合量の合計量を設定し、成分(I)中の極性基を有する樹脂(ii)の質量比率に応じて(II)成分の配合量を設定する、樹脂組成物の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は樹脂組成物の製造方法に関する。
近年、サステナブル社会やサーキュラーエコノミーの実現に向けてプラスチック廃棄物のリサイクル技術のより一層の向上が望まれている。
従来から、代表的なプラスチック廃棄物の処理方法としては、例えば、熱・エネルギー回収を行うサーマルリサイクル、化学的処理をして原料に戻すケミカルリサイクル、回収後に再溶融・成形を行うマテリアルリサイクルの3種類が挙げられる。回収したものを再製品化するまでのエネルギー消費量やコストの観点から、マテリアルリサイクルが最も優れた処理方法であることが知られているものの、日本国内のプラスチック廃棄物の大部分はサーマルリサイクルに用いられたり、埋め立て処理されたりしており、地球温暖化が進む現代において相応しくない、という問題点を有している。そこで、焼却処理による二酸化炭素の排出を抑制し、また、限りある資源を有効活用するために、マテリアルリサイクルを推進すべく、従来から様々な検討がなされている。
例えば、特許文献1及び2には無水マレイン酸変性した相容化剤を用いて、ポリアミド樹脂とポリプロピレンとの複合樹脂を得る方法が開示されている。
特開昭63-89550号公報 特開2013-147645号公報
これら先行文献に開示の技術を用いて複数樹脂からなる自動車等の二色成形部品をリサイクルできる可能性はあるものの、下記のような未だ改善すべき余地がある。
特許文献1及び2で開示されているポリアミドとポリプロピレンとの相容化技術を、極性樹脂とポリオレフィン系樹脂とを含む混合樹脂のマテリアルリサイクルに適用した場合、相当量の相容化剤を添加する必要があるため、リサイクル方法としては不向きであり、改善すべき余地がある。
また、特許文献1及び2では樹脂の組み合わせが特定のポリアミド樹脂とポリプロピレンとに限定されており、市場で発生する廃棄物に含まれる異樹脂が複数混合されたプラスチックのリサイクルには適用することが困難であり、改善すべき余地がある。
そこで本発明は、上述した従来技術の状況に鑑みなされたものであり、例えば、互いに相容しない異樹脂を複数含む混合樹脂でありながら、バージン材と比較して実用上十分なフィルム特性(具体的にはフィッシュアイの低減、落袋強度)、耐衝撃性、剛性、伸びの特性バランスを維持できる樹脂組成物を製造し得る方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した従来技術の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ビニル芳香族単量体単位と、共役ジエン単量体単位とを含む成分を相容化剤として所定量配合することにより得られる樹脂組成物が、互いに相容しない異樹脂を複数含む混合樹脂でありつつ、実用上十分な物性を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の通りである。
[1]
成分(I)及び成分(II)を含む樹脂組成物の製造方法であって、
成分(I)が、ポリエチレン又はポリプロピレンであるポリオレフィン系樹脂(i)を含み、
成分(II)が、ビニル芳香族単量体単位(A)及び共役ジエン単量体単位(B)を含み、
ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量が5質量%以上70質量%以下であり、
共役ジエン単量体単位(B)の二重結合の水素添加率が50質量%以上100質量%以下であり、
前記成分(I)中のポリオレフィン系樹脂(i)がポリエチレンであるかポリプロピレンであるかによって、前記変性ブロック共重合体中の共役ジエン単量体単位(B)に由来する1,2ービニル結合量及び3,4ービニル結合量の合計量を設定し、
前記成分(I)中に含まれ得る極性基を有する樹脂(ii)(ただし、成分(II)を除く)の質量比率に応じて前記(II)成分の配合量を設定する、樹脂組成物の製造方法。
[2]
前記成分(II)が分子中に極性基を有する変性ブロック共重合体であって、
前記成分(II)中の極性基の含有量が0.01質量%以上4質量%以下であり、
前記ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量が10質量%以上50質量%以下であり、
前記共役ジエン単量体単位(B)の二重結合の水素添加率が60質量%以上100質量%以下である、[1]に記載の樹脂組成物の製造方法。
[3]
前記成分(II)中の極性基が、酸無水物基、アミノ基、アミド基、水酸基及びアルコキシシリル基からなる群より選択される少なくとも一つである、[2]に記載の樹脂組成物の製造方法。
[4]
前記成分(I)と前記成分(II)とを質量比(成分(I)/成分(II))=99/1~70/30で混合する、[1]~[3]いずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
[5]
前記成分(I)中、ポリエチレン又はポリプロピレンであるポリオレフィン系樹脂(i)と、極性基を有する樹脂(ii)(ただし、成分(II)を除く)との質量比(樹脂(i)/樹脂(ii))が1/99~95/5である、[1]~[4]いずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
[6]
前記成分(I)中のポリオレフィン系樹脂(i)がポリエチレンである場合、
前記成分(II)中の共役ジエン単量体単位(B)に由来する1,2-ビニル結合量及び3,4-ビニル結合量の合計量を10質量%以上50質量%未満とし、
前記成分(I)中のポリオレフィン系樹脂(i)がポリプロピレンである場合、
前記成分(II)中の共役ジエン単量体単位(B)に由来する1,2-ビニル結合量及び3,4-ビニル結合量の合計量を50質量%以上85質量%以下とする、[1]~[5]いずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
[7]
前記成分(I)中の極性基を有する樹脂(ii)の質量比率が5質量%未満の場合、
前記成分(I)と前記成分(II)との質量比(成分(I)/成分(II))を99/1~95超/5未満に設定し、
前記成分(I)中の極性基を有する樹脂(ii)の質量比率が5質量%以上の場合、
前記成分(I)と前記成分(II)との質量比(成分(I)/成分(II))を95/5~85/15に設定する、[1]~[6]いずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
[8]
前記成分(II)中の共役ジエン単量体単位(B)の二重結合の水素添加率が、70質量%以上100質量%以下である、[1]~[7]いずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
[9]
前記成分(II)中の共役ジエン単量体単位(B)の二重結合の水素添加率が、90質量%以上100質量%以下である、[1]~[8]いずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
[10]
前記成分(II)中のビニル芳香族単量体単位(A)がスチレン単位であり、共役ジエン単量体単位(B)が1,3-ブタジエン単位である、[1]~[9]いずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
[11]
プラスチック廃棄物を回収する回収工程と、該回収したプラスチック廃棄物を分別する分別工程とを含み、
分別されたプラスチック廃棄物が前記ポリオレフィン系樹脂(i)と前記極性基を有する樹脂(ii)とを含み、該プラスチック廃棄物中から前記ポリオレフィン系樹脂(i)と前記極性基を有する樹脂(ii)とを質量比(樹脂(i)/樹脂(ii))が1/99~95/5となるように前記成分(I)を得る、[1]~[10]いずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
[12]
前記成分(I)中のポリオレフィン系樹脂(i)がポリエチレンである場合、
前記成分(II)中の1,3-ブタジエン単位に由来する1,4-結合が水素添加されたエチレン構造単位(Et)の含有量を60質量%以上90質量%以下に設定し、
前記成分(I)中のポリオレフィン系樹脂(i)がポリプロピレンである場合、
前記成分(II)中の1,3-ブタジエン単位に由来する1,2-ビニル結合が水素添加されたブチレン構造単位(Bt)の含有量を50質量%以上85質量%以下に設定する、[1]~[11]いずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
[13]
前記分別工程において、プラスチック廃棄物が、手選別、比重選別及び光学選別からなる群より選択される少なくとも一種の方法で分別される、[11]に記載の樹脂組成物の製造方法。
[14]
前記成分(I)中の極性基を有する樹脂(ii)が、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エチレンビニルアルコール及びポリ乳酸からなる群より選択される少なくとも一種の樹脂を含む、[1]~[13]いずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
[15]
前記成分(II)中の極性基が酸無水物基又はアミノ基である、[2]に記載の樹脂組成物の製造方法。
[16]
前記成分(I)が少なくとも基材層(a)と接着層(b)とを含む多層シート又はフィルムであって、
前記基材層(a)がポリアミド6又はポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂であり、前記接着層(b)がポリエチレンであり、
前記基材層(a)と前記接着層(b)との質量比(基材層(a)/接着層(b))が3/95~20/80であり、
前記多層シート又はフィルムを細断して細断物を得る工程を含み、
前記細断物と前記成分(II)とを質量比(細断物/成分(II))が95/5~85/15となるように混合し、溶融混錬し、溶融物をシート又はフィルムに成形する工程を含む、[1]~[15]いずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
[17]
前記多層シート又はフィルムが、前記基材層(a)と前記接着層(b)との間にウレタン接着層(c)を含む、[16]に記載の樹脂組成物の製造方法。
[18]
前記多層シート又はフィルムが液体製品を充填するパウチである、[16]に記載の樹脂組成物の製造方法。
[19]
前記成分(I)が、自動車廃棄物から得られる破砕物であって、ポリオレフィン系樹脂(i)と、極性基を有する樹脂(ii)と、無機物と、を含み、
前記自動車廃棄物を破砕して破砕物を得る工程を含み、
前記破砕物と前記成分(II)との質量比(破砕物/成分(II))が97/3~85/15となるように混合し、溶融混錬し、溶融物を成形体に加工する工程を含む、[1]~[18]いずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
[20]
前記自動車廃棄物から得られる破砕物を比重選別により選別する工程を含み、
前記自動車廃棄物から得られる破砕物の比重が1.0以下である、[19]に記載の樹脂組成物の製造方法。
[21]
前記自動車廃棄物の破砕物において、前記ポリオレフィン系樹脂(I)が、ポリプロピレン、ポリエチレンであり、
前記極性基を有する樹脂(ii)が、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアミド6及びポリアミド66(PA66)からなる群より選択される少なくとも1種を含み、
前記無機物が、タルク、炭酸カルシウム、ガラス繊維、カーボンブラック及び金属残渣からなる群より選択される少なくとも1種を含む、[19]又は[20]に記載の樹脂組成物の製造方法。
[22]
前記自動車廃棄物の破砕物において、
前記ポリオレフィン系樹脂(I)の含有量が80質量%以上100質量%未満であり、
前記極性基を有する樹脂(II)の含有量が0質量%超20質量%未満であり、
前記無機物の含有量が0質量%超20質量%未満である、[19]~[21]いずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
本発明によれば、例えば、互いに相容しない異樹脂を複数含む混合樹脂でありながら、バージン材と比較して実用上十分なフィルム特性(具体的にはフィッシュアイの低減、落袋強度)、耐衝撃性、剛性、伸びの特性バランスを維持できる樹脂組成物を製造し得る方法を提供することが可能となる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。
なお、以下の本実施形態は、本発明を実施するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜変形して実施できる。
〔樹脂組成物の製造方法〕
本実施形態の樹脂組成物の製造方法は、
成分(I)及び成分(II)を含む樹脂組成物の製造方法であって、
成分(I)が、ポリエチレン又はポリプロピレンであるポリオレフィン系樹脂(i)を含み、
成分(II)が、ビニル芳香族単量体単位(A)及び共役ジエン単量体単位(B)を含み、前記成分(II)中のビニル芳香族単量体単位(A)の含有量が5質量%以上70質量%以下であり、共役ジエン単量体単位(B)の水素添加率が50質量%以上100質量%以下であり、
前記成分(I)中のポリオレフィン系樹脂(i)がポリエチレンであるかポリプロピレンであるかによって、前記変性ブロック共重合体中の共役ジエン単量体単位(B)に由来する1,2ービニル結合量及び3,4ービニル結合量の合計量を設定し、前記成分(I)中の極性基を有する樹脂(ii)(ただし、成分(II)を除く)の質量比率に応じて前記成分(II)の配合量を設定する。
(成分(I):ポリオレフィン系樹脂を含む樹脂)
成分(I)は、ポリエチレン又はポリプロピレンであるポリオレフィン系樹脂(i)を含む樹脂であり、ポリエチレン又はポリプロピレンであるポリオレフィン系樹脂(i)と、極性基を有する樹脂(ii)(ただし、成分(II)を除く)とを含む混合樹脂であることが好ましい。
(ポリオレフィン系樹脂(i))
前記成分(I)に含まれるポリオレフィン系樹脂(i)はポリエチレン又はポリプロピレンである。
〈ポリエチレン〉
前記成分(I)に含まれるポリエチレンの種類としては、特に限定されないが、例えば高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン等が挙げられる。これらの中でも、樹脂組成物の加工性の観点から高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。
前記ポリエチレンは、エチレン単独重合体、及びエチレンと当該エチレンと共重合可能な他のコモノマーとの共重合体(例えば、二元又は三元共重合体)のいずれも含まれ、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エチレンと共重合可能な他のコモノマーとしては、以下に限定されないが、例えば、α-オレフィン、ビニル化合物等が挙げられる。他のコモノマーは、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
α-オレフィンとしては、以下に限定されないが、例えば、炭素数3~20のα-オレフィンが挙げられ、具体的には、特に限定されないが、例えば、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-トリデセン、1-テトラデセン等が挙げられる。ビニル化合物としては、特に限定されないが、例えば、ビニルシクロヘキサン、スチレン及びこれらの誘導体等が挙げられる。他のコモノマーとして、必要に応じて、特に限定されないが、例えば、1,5-ヘキサジエン、1,7-オクタジエン等の非共役ポリエンを用いてもよい。
〈ポリプロピレン〉
前記成分(I)に含まれるポリプロピレンの種類としては、特に限定されないが、例えば、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレンが挙げられる。
ホモポリプロピレンはプロピレンモノマー単独の重合体である。
ランダムポリプロピレンにおける「ランダム」とは、プロピレンとプロピレン以外のモノマーを共重合したもので、プロピレン以外のモノマーがプロピレン連鎖中にランダムに取り込まれ、実質的にプロピレン以外のモノマーが連鎖しないものをいう。ランダムポリプロピレンとしては、プロピレン単位の含有量が99質量%未満であれば特に限定されない。ランダムポリプロピレンとしては、特に限定されないが、例えば、プロピレンとエチレンのランダム共重合体又はプロピレンと炭素数4~20のα-オレフィンのランダム共重合体等が挙げられる。
α-オレフィンとしては、以下に限定されないが、例えば、エチレン、1-ブテン、1-ペンテン、3-メチル-1-ブテン、1-ヘキセン、3-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセン等が挙げられる。好ましくは、炭素数2~8のα-オレフィンであり、エチレン、1-ブテン、3-メチル-1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテンが挙げられる。
これらのα-オレフィンは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレンも1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ブロックポリプロピレンとは、ホモポリプロピレン中にポリエチレンが分散し、その界面をエチレンプロピレンゴムが覆った、海島構造のモルフォロジーを形成することを特徴とするポリプロピレンである。つまり、ブロックポリプロピレンはプロピレン単独重合体(ホモポリプロピレン)とプロピレン-エチレン共重合体との混合物である。
上記これらのポリプロピレンは1種単独からなっていてもよく、2種以上混合されていてもよい。
(極性基を有する樹脂(ii)(ただし、成分(II)を除く))
前記成分(I)に含まれ得る極性基を有する樹脂(ii)(以下、単に「樹脂(ii)」とも記す)は分子中に極性を有する単量体が共重合されているか、重合後に極性基を分子末端又は主鎖にグラフトさせるかによって、後述する成分(II)と明確に区別できる。成分(I)に含まれ得る極性基を有する樹脂(ii)は前者である。
本実施形態で述べる「極性基」とは、共有結合している原子間に電荷の偏りが存在する原子団である。
炭素-酸素、炭素-窒素、炭素-ハロゲン、酸素-水素、窒素-水素、ケイ素-水素のような異種原子間の共有結合においては、原子ごとの電気陰性度の違いから電荷の偏りが生じるため、一般的には、酸素、窒素、硫黄、リン、ハロゲン等のヘテロ原子を含む原子団が極性を示す。
前記樹脂(ii)が極性基を持つことにより、成分(II)との分散性が向上し、樹脂組成物の優れた耐衝撃性及び靭性と高い破断伸度を発現する。
前記樹脂(ii)が有する「極性基」としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシル基、カルボニル基、チオカルボニル基、酸ハロゲン化物基、酸無水物基、カルボン酸基、チオカルボン酸基、アルデヒド基、チオアルデヒド基、カルボン酸エステル基、アミド基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、リン酸基、リン酸エステル基、アミノ基、イミノ基、ニトリル基、ピリジル基、キノリン基、エポキシ基、チオエポキシ基、スルフィド基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、ハロゲン化ケイ素基、シラノール基、アルコキシ基、アルコキシド基、アルコキシケイ素基、ハロゲン化スズ基、ボロン酸基、ホウ素含有基、ボロン酸塩基、アルコキシスズ基、フェニルスズ基、フェノール基、チオール基等から選ばれる官能基を少なくとも1種含有する原子団が挙げられる。
また、前記樹脂(ii)は、成分(II)に結合する極性基と「親和性」もしくは「反応性」を持つことが好ましく、さらに好ましくは「反応性」を有するものである。
ここで、「反応性」とは成分(I)と成分(II)との極性基同士が共有結合性を持つことを意味する。
極性基同士が反応するとき、例えばカルボキシル基のOHが脱離したり、アミノ基に水素が付加して脱離したりすると、元の極性基が変化したり無くなったりするが、これによって共有結合が形成する場合には、極性基同士が「反応性」を示すという定義に含まれる。
また、「親和性」とは、成分(II)と前記樹脂(ii)の極性基同士が、共有結合を形成しあいながらも集合又は接合しやすいことを意味し、特に限定されないが、例えば、イオン結合、水素結合が挙げられる。
「極性基」の組み合わせとして、特に限定されないが、例えば、
アミノ基とカルボン酸基、シアノ基、カルボニル基、エポキシ基、ヒドロキシ基、酸無水物基、スルホン酸、アルデヒド基;
イソシアネート基と水酸基、カルボン酸;
酸無水物基とヒドロキシ基;
シラノール基とヒドロキシ基、カルボン酸基;
エポキシ基とカルボン酸;
ハロゲンとカルボン酸基、カルボン酸エステル基、アミノ基、フェノール基、チオール基;
アルコキシ基とヒドロキシ基、アルコキシド基、アミノ基;等が挙げられる。
これら「極性基」の結合が、成分(II)、前記樹脂(ii)のいずれの極性基によってなされるかは、任意に選択できる。
成分(II)が有する極性基と、前記樹脂(ii)中の極性基とが、上記のような組み合わせで反応及び相互作用することにより、成分(II)がオレフィン系樹脂(i)と前記樹脂(ii)の相容化剤として一層寄与する傾向にある。
上述のように前記樹脂(ii)が有する極性基と成分(II)が有する極性基は、その種類によって好ましい組み合わせはあるが、成分(II)の配合量によって極性基の種類によらず反応性及び相互作用をコントロールすることが出来る。前記樹脂(ii)の質量比率によって成分(II)の配合量を調整することで、前記樹脂(ii)と反応及び相互作用する点(以下、反応点ともいう)が増減するため、相容性をコントロールすることが出来る。
ここで、「極性基」を有する樹脂である前記樹脂(ii)としては、特に限定されないが、例えば、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリロニトリル-スチレン共重合体樹脂(AS樹脂)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合樹脂(ABS)、メタクリル酸エステル-ブタジエン-スチレン共重合樹脂(MBS)、ポリ酢酸ビニル系樹脂及びその加水分解物、アクリル酸及びそのエステルやアミドの重合体、ポリアセタール系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、アクリロニトリル及び/又はメタクリロニトリルの重合体、ポリ-4,4’-ジオキシジフェニル-2,2’-プロパンカーボネート等のポリカーボネート系重合体(ポリカーボネート樹脂)、ポリエーテルスルホンやポリアリルスルホン等の熱可塑性ポリスルホン、ポリオキシメチレン系樹脂、ポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレン)エーテル等のポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリ4,4’-ジフェニレンスルフィド等のポリフェニレンスルフィド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリサルフォン樹脂、フェノール樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリエーテルケトン重合体又は共重合体、ポリケトン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリオキシベンゾイル系重合体、ポリイミド系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、剛性の高さの観点からポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合樹脂(ABS)が好ましい。
〈ポリアミド樹脂〉
ポリアミド樹脂の例としては、特に限定されないが、例えば、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリテトラメチレンセバカミド(ナイロン410)、ポリペンタメチレンアジパミド(ナイロン56)、ポリペンタメチレンセバカミド(ナイロン510)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリデカメチレンアジパミド(ナイロン106)、ポリデカメチレンセバカミド(ナイロン1010)、ポリデカメチレンドデカミド(ナイロン1012)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリドデカンアミド(ナイロン12)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ナイロン6/66)(/は共重合体を示す。以下、同様)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6I)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミド/ポリカプロアミドコポリマー(ナイロン66/6I/6)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリウンデカンアミドコポリマー(ナイロン6T/11)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリドデカンアミドコポリマー(ナイロン6T/12)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T/6I)、ポリキシリレンアジパミド(ナイロンXD6)、ポリキシリレンセバカミド(ナイロンXD10)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリペンタメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/5T)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリ-2-メチルペンタメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/M5T)、ポリペンタメチレンテレフタルアミド/ポリデカメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン5T/10T)、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ナイロン9T)、ポリデカメチレンテレフタルアミド(ナイロン10T)、ポリデカメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンドデカンアミドコポリマー(ナイロン10T/612)、ポリデカメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ナイロン10T/66)ポリドデカメチレンテレフタルアミド(ナイロン12T)等のポリアミド樹脂(これらの共重合体も含む)が挙げられる。これらの中でも、自動車部材等の高い剛性が求められる用途に於いてはポリアミド66が好ましく、包装容器などシート状に加工することを考慮すると、より低温で加工できるポリカプロアミド(ポリアミド6)が好ましい。これらは1種単独で含んでいてもよく、二種以上混合されていてもよい。
〈ポリエステル樹脂〉
ポリエステル樹脂は、テレフタル酸単位を主体とするジカルボン酸単位と、エチレングリコール単位を主体とするジオール単位からなるポリエステル樹脂である。ポリエステル系樹脂としては、特に限定されないが、例えば、テレフタル酸単位とエチレングリコール単位のみからなるポリエステル、並びに少なくともテレフタル酸単位の一部を他のジカルボン酸単位で置換するか、又はエチレングリコール単位の一部を他のジオール単位で置換したポリエステルが使用できる。ポリエステル樹脂が、テレフタル酸単位及びエチレングリコール単位以外の他の構造単位(他のジカルボン酸単位及び/又は他のジオール単位)を有する場合は、他の構造単位の割合が、ポリエステル樹脂を構成する全構造単位の30モル%以下であることが好ましく、20モル%以下であることがより好ましい。テレフタル酸単位及びエチレングリコール単位以外の他の構造単位(他のジカルボン酸単位及び/又は他のジオール単位)が30モル%より多くなると、得られるポリエステルが非晶性となり、耐熱性や機械強度が不足する。また、樹脂内に含有されるオリゴマーを低減させるために固相重合を行った場合に、樹脂の軟化による膠着が生じやすく、生産が困難になるおそれがある。
ポリエステル樹脂が有し得る他のジカルボン酸単位の例としては、特に限定されないが、例えば、イソフタル酸、フタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、スルホイソフタル酸ナトリウムなどの芳香族ジカルボン酸;1,3-シクロペンタンジカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、3,3-ジエチルコハク酸、グルタル酸、2,2-ジメチルグルタル酸、アジピン酸、2-メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸などの脂肪族ジカルボン酸;及びそれらのエステル形成性誘導体などから誘導されるジカルボン酸単位を挙げることができる。ポリエステル系樹脂は、上記した他のジカルボン酸単位を1種のみ有していても又は2種以上有していてもよい。
また、ポリエステル樹脂が有し得る他のジオール単位の例としては、特に限定されないが、例えば、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、2-メチルプロパンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,1-シクロヘキサンジメチロール、1,4-シクロヘキサンジメチロール、シクロヘキサンジオールなどの脂肪族ジオール;2,2-ビス(4-β-ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4-β-ヒドロキシエトキシフェニル)スルホンなどの芳香族ジオール;ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリ-1,3-プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどの低分子量ポリアルキレングリコールなどから誘導されるジオール単位を挙げることができる。ポリエステル樹脂は、上記の他のジオール単位の1種のみを有していても又は2種以上を有していてもよい。
ポリエステル樹脂の例としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリブチレンサクシネートアジペート(PBSA)、ポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)、ポリアリレート(PAR)、ポリヒドロキシアルカン酸(PHA)(3-ヒドロキシアルカン酸からなるポリエステル樹脂)、ポリ乳酸(PLA)、ポリカーボネート(PC)等から選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でより好ましいポリエステル樹脂としてはPET、PBS、及びPBTが挙げられる。
成分(I)に含まれ得る極性基を有する樹脂(ii)は、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エチレンビニルアルコール及びポリ乳酸からなる群より選択される少なくとも一種の樹脂を含むことが好ましく、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エチレンビニルアルコール及びポリ乳酸からなる群より選択される少なくとも一種の樹脂を含むことがより好ましい。
〈ポリオレフィン系樹脂(i)と極性基を有する樹脂(ii)(ただし、成分(II)を除く)との質量比(i)/(ii)〉
ポリエチレン又はポリプロピレンであるポリオレフィン系樹脂(i)と、極性基を有する樹脂(ii)(ただし、成分(II)を除く)との質量比(樹脂(i)/樹脂(ii))が如何なる範囲であっても、成分(II)(変性ブロック共重合体)の配合量を調整することで本願発明の効果を奏する樹脂組成物が得られるが、質量比(樹脂(i)/樹脂(ii))としては、例えば、1/99~100/0の範囲であってもよく、1/99~95/5の範囲であってもよい。
〈酸化防止剤〉
成分(I)は必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、酸化防止剤を含んでもよい。酸化防止剤の含有量は、成分(I)に対して2000ppm以上であることが好ましい。酸化防止剤の含有量が上記範囲であることにより、樹脂組成物をペレット等に成形する時の熱安定性に優れる傾向にある。成分(II)が酸化防止剤を含まない場合は、成形時に酸化防止剤を添加することが好ましい。
酸化防止剤としては、以下に限定されないが、例えば、フェノール系化合物、若しくはフェノールリン酸系化合物が好ましい。具体的には、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール(ジブチルヒドロキシトルエン)、n-オクタデシル-3-(4-ヒドロキ-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)プロピオネート、テトラキス(メチレン(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシハイドロシンナメート))メタン等のフェノール系酸化防止剤;6-[3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロポキシ]-2,4,8,10-テトラ-t-ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン等のフェノールリン系酸化防止剤;テトラキス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)-4,4’-ビフェニレン-ジ-ホスフォナイト、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)フォスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4-t-ブチルフェニルフォスファイト)等のリン系酸化防止剤が挙げられる。
〈添加剤〉
成分(I)は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、スリップ剤、中和剤、耐光安定剤、帯電防止剤、顔料等の公知の添加剤を含んでいてもよい。
スリップ剤又は中和剤としては、以下に限定されないが、例えば、脂肪族炭化水素、高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、アルコールの脂肪酸エステル、ワックス、高級脂肪酸アマイド、シリコーン油、ロジン等が挙げられる。具体的には、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛等のステアリン酸塩は、好適な添加剤として挙げることができる。
耐光安定剤としては、以下に限定されないが、例えば、2-(5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3-t-ブチル-5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系耐光安定剤;ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジン)セバケート、ポリ[{6-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル}{(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ}]等のヒンダードアミン系耐光安定剤が挙げられる。
帯電防止剤としては、以下に限定されないが、例えば、アルミノケイ酸塩、カオリン、クレー、天然シリカ、合成シリカ、シリケート類、タルク、珪藻土等や、グリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
顔料としては、特に限定されないが、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、チタンイエロー、酸化鉄系顔料、群青、コバルトブルー、酸化クロム、スピネルグリーン、クロム酸鉛系顔料、カドミウム系顔料が挙げられ、有機顔料としては、例えば、アゾレーキ顔料、ベンズイミダゾロン顔料、ジアリリド顔料、縮合アゾ顔料等のアゾ系顔料;フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系顔料;イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料、キナクリドン顔料、ペリレン顔料、アントラキノン顔料、ペリノン顔料、ジオキサジンバイオレット等の縮合多環系顔料;アジン系染料等)等が挙げられる。
〈その他成分〉
さらに、成分(I)は本発明の効果を損なわない範囲で、フィラー、難燃剤を含んでいてもよい。
これらは、樹脂組成物の配合に一般的に用いられる物であれば特に限定されるものではない。
フィラーとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、カーボンブラック、ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスバルーン、ガラスフレーク、グラファイト、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化セリウム、酸化チタン、チタン酸カリウムウイスカー、カーボンファイバー、グラフェン、カーボンナノチューブ、炭素繊維、アルミナ、カオリンクレー、ケイ酸、ケイ酸カルシウム、石英、マイカ、モンモリロナイト、タルク、クレー、ハイドロタルサイト、ジルコニア、ゼオライト、銀イオン担持ゼオライト、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、亜酸化銅、銅粉、磁性フィラー、金属粒子等の無機充填剤、木製チップ、木製パウダー、パルプ、セルロースファイバー、セルロースナノファイバー、籾殻、竹粉、紙粉、澱粉等の有機フィラーを挙げることができる。
これらは1種のみを単独で、又は複数種を組み合わせて使用することができる。
これらフィラーの形状としては、鱗片状、球状、粒状、粉体、不定形状等のいずれでもよく、特に制限は無い。
難燃剤としては、特に限定されないが、例えば、臭素化合物等のハロゲン系難燃剤、芳香族化合物等のリン系難燃剤、金属水酸化物が主な無機系難燃剤等が挙げられる。環境負荷軽減の観点から、無機難燃剤が好ましい。
無機難燃剤としては、特に限定されないが、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物;硼酸亜鉛、硼酸バリウム等の金属酸化物;炭酸カルシウム;クレー;塩基性炭酸マグネシウム;ハイドロタルサイト等の含水金属化合物;等が挙げられる。本実施形態においては、上記難燃剤のうち、難燃性向上の観点から、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物が好ましい。上記難燃剤の中には、それ自身の難燃性発現効果は低いが、他の難燃剤と併用することで相乗的により優れた効果を発揮する、いわゆる難燃助剤も含まれる。
フィラー、難燃剤は、シランカップリング剤等の表面処理剤であらかじめ表面処理を行ったタイプを使用することもできる。
(成分(II):変性ブロック共重合体)
本実施形態の樹脂組成物の製造方法においては、ビニル芳香族単量体単位(A)及び共役ジエン単量体単位(B)を含む成分(以下、成分(II)と記載する場合もある)を用いる。成分(II)としては、ビニル芳香族単量体単位(A)及び共役ジエン単量体単位(B)を含み、さらに分子中に極性基を有する変性ブロック共重合体(以下、変性ブロック共重合体(II)と記載する場合もある)を用いることが好ましい。
前記成分(II)中のビニル芳香族単量体単位(A)の含有量が5質量%以上70質量%以下であり、5質量%以上50質量%以下であることが好ましく、共役ジエン単量体単位(B)の水素添加率が50質量%以上100質量%以下である。また、前記成分(II)中の極性基の含有量が0.01質量%以上4質量%以下であることが好ましい。
<ビニル芳香族単量体単位(A)>
本明細書中、ビニル芳香族単量体単位(A)とは、ビニル芳香族化合物が重合した結果生じる、重合体中にビニル芳香族化合物によって形成される重合単位である。
成分(II)中のビニル芳香族単量体単位を形成するビニル芳香族化合物としては、以下に限定されず、公知のものを用いることができる。例えば、スチレン、o-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-tert-ブチルスチレン、1,3-ジメチルスチレン、α-メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中では、スチレンが好ましい。
<成分(II)中のビニル芳香族単量体単位(A)の含有量>
成分(II)中のビニル芳香族単量体単位(A)の含有量は、樹脂組成物の高い剛性の観点で5質量%以上であり、耐衝撃性の観点から70質量%以下であり、50質量%以下であることが好ましい。
一般的に、樹脂組成物の耐衝撃性と高い剛性はトレードオフの関係にあるが、成分(II)中のビニル芳香族単量体単位(A)の含有量が5質量%以上であることにより、例えば、変性ブロック共重合体(II)中の硬質成分が増加し、樹脂組成物の曲げ弾性率が向上し、高い剛性を発現する傾向にある。ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量が70質量%以下(好ましくは50質量%以下)であることにより、樹脂組成物の柔軟性が向上し、優れた耐衝撃性を発現する。
成分(II)中のビニル芳香族単量体単位(A)の含有量が70質量%を超えると変性ブロック共重合体(II)中のビニル芳香族単量体単位(A)の凝集による疑似架橋点の増大により硬度が高くなる傾向にあり、さらにガラス転移温度が高温側にシフトするため、樹脂組成物が脆化しやすくなり、耐衝撃性が低下する傾向にある。
つまり、このトレードオフを解消するための成分(II)中のビニル芳香族単量体単位の含有量は、5質量%以上70質量%以下であり、好ましくは5質量%以上50質量%以下であり、より好ましくは10質量%以上40質量%以下であり、さらに好ましくは15質量%以上30質量%以下である。
成分(II)中のビニル芳香族単量体単位の含有量は、(II)成分の重合工程において、モノマーの添加量、重合時間等の重合条件を調整することにより、上記範囲に制御することができる。
<成分(II)中の共役ジエン単量体単位(B)>
本明細書中、共役ジエン単量体単位(B)とは、共役ジエン化合物が重合した結果生じる、重合体中に共役ジエン化合物によって形成される重合単位である。
成分(II)に含まれる共役ジエン単量体とは、共役二重結合を有するジオレフィンである。前記ジオレフィンは、以下に限定されず、公知のものを用いることができる。例えば、1,3-ブタジエン、イソプレン、2,3-ジメチル-ブタジエン、2-メチル-1,3-ペンタジエン、ミルセン、2-メチル-1,3-ペンタジエン、3-メチル-1,3-ペンタジエン、4-メチル-1,3-ペンタジエン、2-フェニル-1,3-ブタジエン、2-フェニル-1,3-ペンタジエン、3-フェニル-1,3-ペンタジエン、2,3-ジメチル-1,3-ペンタジエン、4-メチル-1,3-ペンタジエン、2-ヘキシル-1,3-ブタジエン、3-メチル-1,3-ヘキサジエン、2-ベンジル-1,3-ブタジエン、2-p-トリル-1,3-ブタジエン、及びこれらの混合物等が挙げられる。
これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中では、1,3-ブタジエンが好ましい。前記各種化合物を選択することにより、化合物中に3級炭素を含むイソプレンに比べて、ブロック共重合体を得たときの水素引抜きによる分子鎖の切断が低減される傾向にある。
本実施形態の樹脂組成物の製造方法において、成分(II)中のビニル芳香族単量体単位(A)がスチレン単位であることが好ましく、共役ジエン単量体単位(B)が1,3-ブタジエン単位であることが好ましい。
<成分(II)中の共役ジエン単量体単位の水素添加率>
成分(II)中の共役ジエン単量体単位の二重結合の水素添加率は、50質量%以上100質量%以下であり、60質量%以上100質量%以下であることが好ましく、80質量%以上100質量%以下であることがより好ましく、完全水添(95~100質量%)であることがさらに好ましい。
成分(II)中の共役ジエン単量体単位の二重結合を95質量%~100質量%水添した完全水添とすることにより、前記ポリオレフィン系樹脂(i)との溶解度パラメーター(sp値とも言う)が近くなり、相容性が向上し、樹脂組成物の破断伸度(伸び)が向上する傾向にある。また、成分(II)中の共役ジエン単量体単位の二重結合を完全水添することで、紫外線による樹脂組成物の光酸化劣化を低減し、耐候性を担保できる傾向にある。
共役ジエン単量体単位に由来する1,2-ビニル結合及び3,4-ビニル結合中の二重結合は熱酸化劣化しやすく、さらに紫外線のダメージを受けやすい。そこで、共役ジエン単量体単位に由来する1,2-ビニル結合及び3,4-ビニル結合を優先的に水素添加して、1,4-結合部分の二重結合を残した部分水添とすることで、加工時の熱酸化劣化や紫外線による光酸化劣化を低減し、さらに変性ブロック共重合体のガラス転移温度が低温側へシフトするため、樹脂組成物の低温耐衝撃性が向上する傾向にある。
成分(II)中の共役ジエン単量体単位の二重結合の水素添加率は、樹脂組成物の使用目的に応じて適宜選択して設定することが好ましい。
例えば、樹脂組成物の高い破断伸度、耐ストレスクラッキング性、耐候性、耐熱酸化劣化性を満たす目的で、成分(II)中の共役ジエン単量体単位(B)の二重結合の水素添加率は70~100質量%であることが好ましく、80~100質量%がより好ましく、90~100質量%がさらに好ましい。このように水素添加率を設定することで、ブロック共重合体とポリエチレンの溶解度パラメーターが近くなり、両者の相容性が向上することで、上記物性を満たす樹脂組成物が得られる。
一方で、樹脂組成物の低温耐衝撃性を向上させる目的では、成分(II)中の共役ジエン単量体単位(B)の二重結合の水素添加率は、70質量%以上80質量%以下とすることが好ましい。
また、前記ポリオレフィン系樹脂(i)の主成分がポリエチレンであるか、ポリプロピレンであるかに関わらず、変性ブロック共重合体(II)の共役ジエン単量体単位中の1,2-ビニル結合及び3,4-ビニル結合を全て水素添加することが好ましい態様である。このようにすることで、加工中の熱酸化劣化を低減することができる。
成分(II)の共役ジエン単量体単位の二重結合の水素添加率は、(A)成分の水添反応において、水添触媒の種類、添加量、水素添加量、温度、圧力、水添時間等を調整することにより、上記数値範囲に制御することができる。
<成分(II)のブロック構造>
成分(II)は、特に限定されないが、共役ジエン単量体単位として1,3-ブタジエン、ビニル芳香族単量体単位としてスチレンを含むブロック共重合体であることが好ましい。
具体的には、スチレンを主体とする重合体ブロック(a)(以下、単に「(a)」とも記す)と、1,3-ブタジエンを主体とする重合体ブロック(b)(以下、単に「(b)」とも記す)と、からなるブロック共重合体であることがより好ましい。より具体的には、スチレンブロック-(1,3-ブタジエンブロック)-スチレンブロックの、(a)―(b)―(a)ブロック構造、又はスチレンブロック-(1,3-ブタジエンブロック)-スチレンブロック-(1,3-ブタジエンブロック)の、(a)-(b)-(a)-(b)ブロック構造を有するブロック共重合体等が挙げられる。共重合体がブロック構造であることで、疑似架橋点となる硬質のポリスチレンブロックとソフトブロックとなる軟質のポリブタジエンブロックを明確に区別されることになり、共重合体が架橋されたゴムのような弾性を発現し、樹脂組成物としたときの、応力に対する回復性が向上する傾向にある。
<成分(II)中の1,2-ビニル結合量及び3,4-ビニル結合量>
本実施形態においては、成分(II)の共役ジエン単量体単位に由来する1,2-ビニル結合、及び3,4-ビニル結合の合計量を、成分(I)中のポリオレフィン系樹脂(i)がポリエチレンであるかポリプロピレンであるかによって設定する。
本実施形態においては、成分(I)中のポリオレフィン系樹脂(i)がポリエチレンであるかポリプロピレンであるかによって成分(I)のブロック共重合体の構造を設定することに特徴を有しており、成分(I)中のポリオレフィン系樹脂(i)がポリエチレンであるかポリプロピレンであるかを考慮して、成分(II)のビニル結合量を最適化することにより、本実施形態の製造方法で得られる樹脂組成物において、優れた改質効果が得られる。
成分(I)中のポリオレフィン系樹脂(i)がポリエチレンである場合は、(II)成分中の共役ジエン単量体単位(B)に由来する1,2-ビニル結合量及び3,4-ビニル結合量の合計量を10質量%以上50質量%未満とすることが好ましく、10質量%以上45質量%以下とすることがより好ましく、10質量%以上40質量%以下とすることがさらに好ましく、10質量%以上35質量%以下とすることがさらにより好ましい。
また、成分(I)中のポリオレフィン系樹脂(i)がポリプロピレンである場合は、成分(II)中の共役ジエン単量体単位(B)に由来する1,2-ビニル結合量及び3,4-ビニル結合量の合計量を、50質量%以上85質量%以下とすることが好ましく、55質量%以上80質量%以下とすることがより好ましく、60質量%以上75質量%以下とすることがさらに好ましい。
上述のように、成分(I)中のポリオレフィン系樹脂(i)がポリエチレンであるかポリプロピレンであるかによって、成分(II)の共役ジエン単量体単位に由来する1,2-ビニル結合量及び3,4-ビニル結合量の合計量を所定の数値範囲に設定することにより、成分(I)中のポリオレフィン系樹脂(i)と成分(II)との相容性が向上し、応力集中が回避され、樹脂組成物の耐ストレスクラッキング性や破断伸度が大幅に向上する。
具体的には、成分(I)中に含まれるポリエチレンは、成分(II)の共役ジエン単量体単位に由来する1,4-結合と溶解度パラメーター(sp値)が近いため、互いに相容しやすい。一方で、成分(I)中に含まれるポリプロピレンは、成分(II)の共役ジエン単量体単位に由来する1,2-ビニル結合及び3,4-ビニル結合と溶解度パラメーター(sp値)が近いため、互いに相容しやすい。よって、成分(I)中のポリオレフィン系樹脂(i)がポリエチレンであるかポリプロピレンであるかによって、最適な1,2-ビニル結合量及び3,4-ビニル結合量の合計量を設定することで、本実施形態の製造方法で得られる樹脂組成物の破断伸度が、例えば、バージン樹脂と同等程度まで向上する傾向にある。
成分(II)の共役ジエン単量体単位部分の1,2-ビニル結合量及び3,4-ビニル結合量は、後述するビニル化剤量や重合温度を調整することにより上記数値範囲に制御することができる。ビニル化剤量を増やす又は重合温度を低く調整すると、1,2-ビニル結合量及び3,4-ビニル結合量は増加する傾向にある。
例えば、共役ジエン単量体として1,3-ブタジエン、重合開始剤としてノルマルブチルリチウム(NBL)、ビニル化剤としてN,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)を使用する場合、1,2-ビニル結合量を10質量%に制御するには、NBLを1モルに対しTMEDAを0~0.05モル、重合温度を60℃~70℃に制御することが好ましい。一方、1,2-ビニル結合量を60質量%に制御するためには、NBLを1モルに対し、TMEDAを0.5~1モル、重合温度を50℃~70℃に制御することが好ましい。
また、本実施形態の樹脂組成物の製造方法において、成分(I)中のポリオレフィン系樹脂(i)がポリエチレンである場合、成分(II)中の1,3-ブタジエン単位に由来する1,4-結合が水素添加されたエチレン構造単位(Et)の含有量を60質量%以上90質量%以下に設定することが好ましく、成分(I)中のポリオレフィン系樹脂(i)がポリプロピレンである場合、成分(II)中の1,3-ブタジエン単位に由来する1,2-ビニル結合が水素添加されたブチレン構造単位(Bt)の含有量を50質量%以上85質量%以下に設定することが好ましい。
<成分(II)の分子中に導入し得る極性基>
成分(II)に導入し得る「極性基」の定義は、上述した極性基を有する樹脂(ii)と同様、共有結合している原子間に電荷の偏りが存在する原子団である。
炭素-酸素、炭素-窒素、炭素-ハロゲン、酸素-水素、窒素-水素、ケイ素-水素のような異種原子間の共有結合においては、原子ごとの電気陰性度の違いから電荷の偏りが生じるため、一般的には、酸素、窒素、硫黄、リン、ハロゲン等のヘテロ原子を含む原子団が極性を示す。ここでいう極性基は、ブロック共重合体の重合反応終了後に、極性基を有する化合物を前記ブロック共重合体に反応させ、分子中に導入するという点で前記極性基を有する樹脂(ii)とは明確に区別できる。
成分(II)における極性基の含有量(付加量)は、成分(II)100質量%に対して、好ましくは0.01質量%以上4質量%以下であり、より好ましくは0.05質量%以上4質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以上~4質量%であり、さらにより好ましくは0.5質量%以上4質量%以下、特に好ましくは1質量%以上4質量%以下である。
成分(II)への「極性基」の付加量を上記範囲とすることにより、成分(I)中の極性基を有する樹脂(ii)との相容性が一層高まり、高い破断伸度と耐衝撃性とを発現する樹脂組成物が得られる傾向にある。
成分(II)における極性基は1質量%以上の高含有量であるほど、極性樹脂(ii)との結合点が増え相容性が向上し、樹脂組成物中での分散径が細かくなり樹脂組成物の耐衝撃性や伸びが改善する傾向にあるが(0.5μm以下)、4質量%を超える高含有量とすると分散径が細かくなりすぎて(0.1μm以下)耐衝撃性が低下する傾向にある。成分(II)の極性基を高含有量とする利点としては、成分(I)に対して少量の添加で樹脂組成物中に最適な分散径を形成することが可能であり、剛性低下を最小限に抑制することが出来ることである。成分(II)中の極性基の好適な高含有量の範囲としては1質量%以上4質量%以下である。
また、導入した極性基に由来する樹脂組成物の臭気や着色を低減する観点から、極性基の含有量は低いほど好ましい。成分(II)中の極性基の含有量を極端に低減すると、臭気や着色は低減されるものの、上述した最適な分散粒径に調整するためには相当量の成分(II)が必要となり、樹脂組成物の剛性が低下する傾向にある。臭気や着色を抑制できる成分(II)中の極性基の含有量の範囲としては0.01質量%以上1質量%未満である。このような態様は剛性が求められる自動車部品等の用途に於いては不向きであるが、柔軟性が求められるフィルムなどの用途において適用できる。
これらを鑑みて、高い剛性と耐衝撃性とをもつ樹脂組成物を得る方法としては、例えば、成分(II)の極性基の含有量を0.01質量%以上4質量%以下の範囲に設定した上で、成分(I)中の極性基を有する樹脂(ii)の質量比率に応じて、成分(II)の配合量を設定し、適切な分散径に調整することが好ましい態様である。成分(II)の配合量の設定範囲は後述する。
前記成分(II)に付加できる「極性基」としては、以下に限定されるものではないが、例えば、水酸基、カルボキシル基、カルボニル基、チオカルボニル基、酸ハロゲン化物基、酸無水物基、カルボン酸基、チオカルボン酸基、アルデヒド基、チオアルデヒド基、カルボン酸エステル基、アミド基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、リン酸基、リン酸エステル基、アミノ基、イミノ基、ニトリル基、ピリジル基、キノリン基、エポキシ基、チオエポキシ基、スルフィド基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、ハロゲン化ケイ素基、シラノール基、アルコキシシリル基、ハロゲン化スズ基、ボロン酸基、ホウ素含有基、ボロン酸塩基、アルコキシスズ基、及びフェニルスズ基等からなる群より選ばれる官能基を少なくとも1種含有する原子団が挙げられる。
特に、酸無水物基、カルボン酸基、水酸基、エポキシ基、アミノ基、アミド基、シラノール基、及びアルコキシシリル基からなる群より選ばれる官能基を少なくとも1個有する原子団が好ましく、より好ましくは酸無水物基、カルボン酸基、水酸基、アミノ基、アミド基、及びアルコキシシリル基からなる群より選ばれる官能基を少なくとも1個有する原子団であり、さらに好ましくは酸無水物基、カルボン酸基、水酸基、アミノ基、及びアミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する原子団であり、よりさらに好ましくは酸無水物基又はアミノ基を有する原子団である。変性ブロック共重合体(II)がこれらの極性基を有することで、前記極性基を有する樹脂(ii)との相互作用により、両者の相容性が一層向上し樹脂組成物の成型外観が良化し、さらに高い破断伸度と耐衝撃性を発現する傾向にある。また、成分(II)がこれらの極性基を有することで、フィラーとの相互作用により樹脂組成物中でのフィラーの分散性が向上し、耐ストレスクラッキング性が向上する傾向にある。特に酸無水物基を有する変性ブロック共重合体(II)は、樹脂と有機フィラー(植物フィラー)との相容性に寄与する傾向にある。同様の観点から、成分(II)中の極性基は、酸無水物基、アミノ基、アミド基、水酸基及びアルコキシシリル基からなる群より選択される少なくとも一つであることが好ましい。極性基の形成工程で、ブロック共重合体に酸無水物を結合させた場合、空気中の水分等と酸無水物が反応し、一部がカルボン酸基となって形成される可能性があるが、その量について特に限定されるものではない。すなわち、本明細書中、「酸無水物基、カルボン酸基、水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基」は、変性工程において、酸無水物基を極性基として付加した後、積極的に、又は意図せずして酸無水物が水和し、カルボン酸基や水酸基に変化する態様を包含する趣旨である。
<成分(II)のピークトップ重量平均分子量>
成分(II)のピークトップ重量平均分子量は特に限定されないが、好ましくは8万~20万であり、より好ましくは10万~15万であり、さらに好ましくは11万~14万である。成分(II)のピークトップ重量平均分子量が上記数値範囲であれば、成分(II)である変性ブロック共重合体の生産性、加工性に優れる傾向にある。
成分(II)のピークトップ重量平均分子量は、成分(I)の重合工程におけるモノマー添加量、重合開始剤量、重合時間、重合温度等の重合条件を調整することにより、上記数値範囲に制御することができる。
<成分(II)の製造方法>
成分(II)の製造方法は、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。
例えば、炭化水素溶媒中で有機アルカリ金属化合物等の重合開始剤を用いてリビングアニオン重合する方法等が挙げられる。
炭化水素溶媒としては、特に限定されず、公知の溶媒を用いることができる。例えば、n-ブタン、イソブタン、n-ペンタン、n-ヘキサン、n-ヘプタン、n-オクタン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、メチルシクロヘプタン等の脂環式炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、等が挙げられる。これらの炭化水素溶媒は1種単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
重合開始剤としては、特に限定されず、一般的に共役ジエン化合物及びビニル芳香族化合物に対しアニオン重合活性があることが知られている脂肪族炭化水素アルカリ金属化合物、芳香族炭化水素アルカリ金属化合物、有機アミノアルカリ金属化合物等を用いることができる。
アルカリ金属としては、特に限定されないが、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。
好適な有機アルカリ金属化合物としては、炭素数1~20の脂肪族及び芳香族炭化水素リチウム化合物が挙げられ、具体的には、特に限定されないが、例えば、1分子中に1個のリチウムを含む化合物、1分子中に複数のリチウムを含むジリチウム化合物、トリリチウム化合物、テトラリチウム化合物等が挙げられる。より具体的には、n-プロピルリチウム、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム、n-ペンチルリチウム、n-ヘキシルリチウム、ベンジルリチウム、フェニルリチウム、トリルリチウム、ジイソプロペニルベンゼンとsec-ブチルリチウムの反応生成物、ジビニルベンゼンとsec-ブチルリチウムと1,3-ブタジエンの反応生成物等が挙げられる。
成分(II)の共役ジエン単量体単位の1,2-ビニル結合量、3,4-ビニル結合量、及び1,4-ビニル結合量は、ルイス塩基(例えばエーテル、アミン等)をビニル化剤として使用することにより制御できる。ビニル化剤の使用量は、目的とするビニル結合量によって調整する。
ビニル化剤としては、以下に限定されないが、例えば、エーテル化合物、酸素原子を2個以上有するエーテル系化合物、及び第3級アミン系化合物等が挙げられる。
第3級アミン系化合物としては、以下に限定されないが、例えば、ピリジン、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン、トリブチルアミン、テトラメチルプロパンジアミン、1,2-ジピペリジノエタン、ビス[2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル]エーテル等が挙げられる。
ビニル化剤は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
第3級アミン化合物としては、アミンを2個有する化合物が好ましい。さらに、これらの中でも、分子内で対称性を示す構造を有するものがより好ましく、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミンや、ビス[2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル]エーテルや、1,2-ジピペリジノエタンがより好ましい。
本実施形態の樹脂組成物の製造方法に用いる成分(II)の好適な態様である変性ブロック共重合体(以下「変性ブロック共重合体(II)」とも記す)は、水素添加されており、水添方法としては、従来公知の方法を適用できる。
水素添加触媒としては、特に限定されず、従来から公知である水素添加触媒を用いることができる。具体的には、特に限定されないが、例えば、Ni、Pt、Pd、Ru等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土等に担持させた担持型不均一系水素添加触媒、Ni、Co、Fe、Cr等の有機酸塩又はアセチルアセトン塩等の遷移金属塩と、有機アルミニウム等の還元剤と、を用いる、いわゆるチーグラー型水素添加触媒、Ti、Ru、Rh、Zr等の有機金属化合物等のいわゆる有機金属錯体等の均一系水素添加触媒、等が挙げられる。それらの中でも、好ましい水素添加触媒としては、チタノセン化合物及び/又は還元性有機金属化合物が挙げられる。
水添反応の反応条件は、特に限定されないが、通常0~200℃、より好ましくは30~150℃の温度範囲で実施される。水添反応における水素の圧力は、特に限定されないが、通常0.1~15MPaであり、好ましくは0.2~10MPaであり、さらに好ましくは0.3~5MPaである。また、水添反応時間は、通常3分~10時間、好ましくは10分~5時間である。水添反応は、バッチプロセス、連続プロセス、あるいはそれらの組み合わせのいずれでも用いることができる。
上記のようにして得られた変性ブロック共重合体(II)の溶液は、必要に応じて、触媒残査を除去し、変性ブロック共重合体(II)を溶媒から分離することができる。
溶媒の分離方法としては、特に限定されず、例えば、水添後の反応液にアセトン又はアルコール等の水素添加後の変性ブロック共重合体(II)に対する貧溶媒となる極性溶媒を加えて変性ブロック共重合体(II)を沈澱させて回収する方法や、反応液を撹拌下熱湯中に投入し、スチームストリッピングにより溶媒を除去して回収する方法や、直接変性ブロック共重合体(II)の溶液を加熱して溶媒を留去する方法等が挙げられる。
変性ブロック共重合体(II)には、各種フェノール系安定剤、リン系安定剤、イオウ系安定剤、アミン系安定剤等の安定剤を添加することができる。これらを添加することで、副生物の低減化を図ることが出来る。
<成分(II)の分子中に極性基を導入する方法>
成分(II)の極性基を導入する方法としては、公知の方法が適用でき、特に限定されるものではない。例えば、溶融混練方法や、各成分を溶媒等に溶解又は分散混合して反応させる方法等が挙げられる。また、アニオンリビング重合により、官能基を有する重合開始剤や官能基を有する不飽和単量体を用いて重合する方法、リビング末端に官能基を形成する方法、官能基を含有する変性剤を付加反応させる方法も適用できるが、溶融混練方法が好ましい。
成分(II)においては、極性基の付加量を、好ましくは4質量%以下、より好ましくは3質量%以下にするため、溶融混錬法においては、溶融混錬時の樹脂温度を130℃以上とすることが好ましく、150℃以上とすることがより好ましく、160℃以上とすることがさらに好ましい。溶融混練時の樹脂温度の好ましい上限は280℃以下であり、260℃以下がより好ましく、250℃以下がさらに好ましい。
成分(II)において、極性基を付加させる際の変性剤の添加量は、前記の好ましい樹脂温度に制御した上で、極性基の付加量を好ましくは4質量%以下、より好ましくは3質量%以下にする観点から、ブロック共重合体を100質量部としたとき、7質量部以下が好ましく、より好ましくは5質量部以下、さらに好ましくは3質量部以下である。
成分(II)に極性基を付加させる際、溶媒等に溶解又は分散混合して変性反応する場合や、アニオンリビング重合によりリビング末端に付加反応させる方法を実施する場合には、反応温度を250℃以下にすることが好ましく、より好ましくは200℃以下にする。また、任意の反応温度での、変性剤と成分(II)との反応率を算出すれば、成分(II)の反応点と変性剤の量とを適当な比に調整することにより、極性基の付加量を4質量%以下、好ましくは3質量%以下に制御することができる。
本発明者らの知見によると、成分(II)100質量%に対する極性基の付加量が4質量%超であることは、直接的に成分(II)の性能を低下させる訳ではないものの、4質量%超の変性ブロック共重合体の作製を試みると、変性時に架橋等の副反応が生じやすい傾向にある。
また、成分(II)100質量%に対する極性基の付加量を4質量%超であるものとする変性条件においては、ゲル化が生じやすく、成分(I)と混合して樹脂組成物としたとき、副生物に阻害されて、破断伸度及び耐衝撃性が低下する傾向にある。
副生物の量を低減する方法として、樹脂温度を後述する好ましい温度範囲に抑制し、かつ極性基を付加させた後、メッシュ等を用いてろ過を実施する方法が挙げられる。後述する溶融混錬方法において、成分(II)が極性基を有するようにする場合は、押出機のダイス部分にメッシュを挿入する方法を実施することが好ましく、溶媒等に溶解又は分散混合して反応させる場合には、反応後の溶液をメッシュに通してろ過する方法や、溶媒を除去後に押出機を用い、溶融混錬法と同様にメッシュを用いてろ過する方法を実施することが好ましい。
また、成分(II)の製造時に重合体と極性基の反応を阻害しない範囲で、各種フェノール系安定剤、リン系安定剤、イオウ系安定剤、アミン系安定剤等の安定剤を添加する方法も、副生物の低減化方法として挙げられる。
さらに、成分(II)の極性基の付加量を3質量%超とする変性条件の場合には、前述のゲル化による副生物を低減する観点から樹脂温度を後述の好ましい温度範囲に抑制し、かつ、挿入したメッシュの交換頻度が急激に増加する傾向にあり、生産性を極端に低下させるため、実用上は交換頻度が適正になる程度に極性基の付加量を制御することが好ましい。
前記「極性基」は、例えば、変性剤を用いて形成できる。
変性剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラグリシジル-1,3-ビスアミノメチルシクロヘキサン、ε-カプロラクトン、δ-バレロラクトン、4-メトキシベンゾフェノン、γ-グリシドキシエチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルジメチルフェノキシシラン、ビス(γ-グリシドキシプロピル)メチルプロポキシシラン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、1,3-ジエチル-2-イミダゾリジノン、N,N’-ジメチルプロピレンウレア、N-メチルピロリドン、マレイン酸、無水マレイン酸、無水マレイン酸イミド、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸、グリシジルメタクリル酸エステル、クロトン酸等が挙げられる。
成分(II)に「極性基」を形成するその他の方法としては、特に限定されないが、例えば、ブロック共重合体に有機リチウム化合物等の有機アルカリ金属化合物を反応(メタレーション反応)させ、有機アルカリ金属が付加したブロック重合体に官能基を有する変性剤を付加反応させる方法が挙げられる。このようにすることでブロック共重合体のリビング末端に官能基を含有する変性ブロック共重合体が得られる。
成分(II)が、「極性基」を有する部分は、成分(II)を構成する共役ジエン単量体単位(B)(以下「重合体ブロック(B)」とも記す)が好ましい。
重合体ブロック(B)に結合しているとは、重合体ブロック(B)に含まれる二重結合に、極性基が付加反応により結合した状態をいう。重合体ブロック(B)には、水添反応後も、共役ジエンに由来する二重結合が含まれるが、溶融混練工程において、極性基を有する化合物をブロック共重合体と混練する方法等を実施することによって、重合体ブロック(B)に極性基を含む変性ブロック共重合体が得られる。
「極性基」がブロック共重合体の重合体ブロック(B)に付加することにより、成分(I)と成分(II)との相容性が優れたものとなる傾向にあり、樹脂組成物の成型外観や耐ストレスクラッキング性が向上する傾向にある。
「極性基」が結合している位置を確認する方法としては、核磁気共鳴装置を用いて解析する方法や、重合体ブロック(B)の残存二重結合を適当な方法で分解し、マトリックス支援レーザー脱離イオン化法等で測定する方法が挙げられる。
(プラスチック廃棄物)
本実施形態の樹脂組成物の製造方法は、プラスチック廃棄物を回収する回収工程と回収したプラスチック廃棄物を分別する分別工程とを含むことが好ましい。
また、本実施形態の樹脂組成物の製造方法において、分別されたプラスチック廃棄物は、前記ポリオレフィン系樹脂(i)と前記極性基を有する樹脂(ii)とを含むことが好ましく、該プラスチック廃棄物中から前記ポリオレフィン系樹脂(i)と前記極性基を有する樹脂(ii)とを質量比(樹脂(i)/樹脂(ii))が1/99~95/5となるように前記成分(I)を得ることが好ましい。
また、前記分別工程において、プラスチック廃棄物が、手選別、比重選別及び光学選別からなる群より選択される少なくとも一種の方法で分別されることが好ましい。
廃棄物から回収されたプラスチックは、ポストコンシューマー材料やプレコンシューマー材料由来であることが、持続可能な開発を実現する観点から好ましい。
ポストコンシューマー材料とは、JIS Q14021で定義され、家庭から排出される材料、又は製品のエンドユーザとしての商業施設、工業施設、及び各種施設から本来の目的のためにはもはや使用できなくなった製品として発生する材料であり、プレコンシューマー材料とは、同様にJIS Q14021で定義され、製造工程における廃棄物の流れから取り出された材料である。家庭から出る廃棄物、いわゆる家庭ごみの場合、廃棄物からプラスチックを選別した後、洗浄等の工程を経て得られるものである。家庭から出る廃棄物は、プラスチックとその他の成分を分別することは可能であるものの、プラスチックを種類ごとに選別することは、現時点では実用的ではない。そこで、上述の変性ブロック共重合体(II)を用いることで、上述したようなプラスチックを容易にマテリアルリサイクルすることが出来る。
ここで、回収するプラスチック廃棄物とは、ポリオレフィン系樹脂(i)及び成分(II)を除く極性樹脂を含み、成分(I)として利用可能である。これらのプラスチック廃棄物の発生元は以下に限定されるものではないが、例えば、家庭ごみ、廃棄自動車解体メーカー、スクラップ工場、日用雑貨メーカー、車両メーカー、トイレタリー用品メーカー、食品メーカー、土木資材メーカーなどが挙げられる。
以下、一例として、自動車廃棄物、包装容器廃棄物からプラスチックを得る方法を示す。
〈自動車廃棄物からプラスチックを得る方法〉
車両部品廃棄物としては、以下に限定されないが、例えば、車両メーカーや解体メーカー及びスクラップ工場などから発生するシュレッダーダストから樹脂成分を分別して用いることができる。このシュレッダーダストにはポリオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂及びエンジニアリングプラスチック等の熱可塑性樹脂を30%以上、ポリウレタンや繊維くずなどの可燃成分を30%以上、ガラス及び金属などの不燃成分を30%以上含むことが一般的に知られている(経済産業省:「自動車リサイクル制度の施工状況の評価・検討に関する報告書」)。
このシュレッダーダストに含まれる熱可塑性樹脂成分を分別する方法としては、特に限定されないが、例えば、手選別、比重選別、光学選別が挙げられる。
手選別とは、収集したプラスチック廃棄物を、目視及び人間の手作業によりプラスチックの種類別に分別する方法である。
比重選別とは、水中で水よりも比重の小さいプラスチックが水面に浮遊することを利用して、プラスチックの比重により分別する方法である。
光学選別とは、近赤外線を分別対象のプラスチックに照射し、プラスチック毎の波形を解析して分別する方法である。
本実施形態の樹脂組成物の製造方法において、前記成分(I)が、自動車廃棄物から得られる破砕物であって、ポリオレフィン系樹脂(i)と、極性基を有する樹脂(ii)と、無機物と、を含み、前記自動車廃棄物を破砕して破砕物を得る工程を含み、前記破砕物と前記成分(II)との質量比(破砕物/成分(II))が97/3~85/15となるように混合し、溶融混錬し、溶融物を成形体に加工する工程を含むことが好ましく、さらに前記自動車廃棄物から得られる破砕物を比重選別により選別する工程を含むことがより好ましい。また、前記自動車廃棄物から得られる破砕物の比重は1.0以下であることが好ましい。当該比重の下限は、特に限定されないが、例えば、0.90である。
また、前記自動車廃棄物の破砕物において、前記ポリオレフィン系樹脂(I)が、ポリプロピレン、ポリエチレンであることが好ましく、前記極性基を有する樹脂(ii)が、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアミド6及びポリアミド66(PA66)からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、前記無機物が、タルク、炭酸カルシウム、ガラス繊維、カーボンブラック及び金属残渣からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
また、前記自動車廃棄物の破砕物において、前記ポリオレフィン系樹脂(I)の含有量が80質量%以上100質量%未満であることが好ましく、前記極性基を有する樹脂(II)の含有量が0質量%超20質量%未満であることが好ましく、前記無機物の含有量が0質量%超20質量%未満であることが好ましい。
〈包装容器廃棄物からプラスチックを得る方法〉
包装容器廃棄物としては、特に限定されないが、例えば、一般家庭、日用雑貨メーカー、トイレタリーメーカーから発生する廃棄物から分別・処理して用いることが出来る。例えば、一般家庭から発生する廃棄物を回収し、手選別、比重選別、光学選別等によって分別してプラスチックを得る方法がある。また、近年では、プラスチックリサイクルを促進する目的で、トイレタリーメーカーが量販店の店頭や集合住宅のエントランス等に包装容器の回収ボックスを設けて、包装容器廃棄物を回収する取り組みがなされている。ここで回収されるプラスチック包装容器の種類としては特に限定されず、例えば、シャンプー、リンス、ボディソープ、洗顔料、洗剤、漂白剤、柔軟剤、飲料、食品などが収容された収容物の空き容器が挙げられる。
これら回収した包装容器廃棄物を洗浄、粉砕、造粒等の処理を施すことで、再生プラスチック原料として利用することが出来る。包装容器廃棄物の処理方法としては従来公知の技術を適用することができ、例えば、国際公開第2021/038838号に記載の方法が挙げられる。
〈プラスチック廃棄物に含まれる樹脂〉
上述した回収プラスチックに含まれる樹脂の例としては、車両部品廃棄物の場合、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-チレン共重合体(ABS樹脂)、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイドなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、包装容器廃棄物に含まれる樹脂の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレンビニルアルコール、ポリウレタンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらは一種単独であってもよく、二種以上の組み合わせで含まれていてもよい。
以上のとおり、本願発明の製造方法において、原料樹脂としてプラスチック廃棄物(例えば、リサイクル材)を用いる場合、単一の組成でなく、混ざりものになるので、上述したようにそれに応じた改質剤側の構造調整することが好ましい。
(樹脂組成物の調製)
<成分(II)の配合量>
成分(I)は、極性基を有する樹脂(ii)を含んでもよいし、含まなくてもよいが、本実施形態の樹脂組成物の製造方法においては、成分(I)中の極性基を有する樹脂(ii)の質量比率に応じて、成分(II)の配合量を設定する。
本実施形態の樹脂組成物の製造方法において、例えば、成分(I)中の極性基を有する樹脂(ii)の質量比率が0質量%以上5質量%未満の場合、成分(I)と成分(II)との質量比(成分(I)/成分(II))を99/1~95超/5未満に設定することが好ましく、また、例えば、成分(I)中の極性基を有する樹脂(ii)の質量比率が5質量%以上の場合、前記成分(I)と前記成分(II)との質量比(成分(I)/成分(II))を95/5~85/15に設定することが好ましい。
また、本実施形態の樹脂組成物の製造方法において、例えば、成分(I)中、ポリオレフィン系樹脂(i)と、極性基を有する樹脂(ii)(成分(II)を除く)との質量比(樹脂(i)/樹脂(ii))が95/5~70/30であるとき、成分(I)と成分(II)との質量比(成分(I)/成分(II))が99/1~80/20となるように成分(II)を配合することが好ましく、より好ましくは97/3~85/5、さらに好ましくは95/5~90/10となるように成分(II)の配合量を設定する。
また、本実施形態の樹脂組成物の製造方法において、例えば、成分(I)中、ポリオレフィン系樹脂(i)と、極性基を有する樹脂(ii)(成分(II)を除く)との質量比(樹脂(i)/樹脂(ii))が69/31~1/99であるとき、成分(I)と成分(II)との質量比(成分(I)/成分(II))が95/5~70/30となるように成分(II)を配合することが好ましく、より好ましくは90/10~75/25、さらに好ましくは85/15~80/20となるように成分(II)の配合量を設定する。
上記範囲とすることで、樹脂組成物の曲げ弾性率の低下を最小限に抑えつつ、ポリオレフィン系樹脂(i)と極性樹脂(ii)との相容性を向上させることができ、剛性、耐衝撃性のバランスに優れた樹脂組成物が得られる。
また、配合比を上記範囲内とすることで、成形体に加工したときの製品外観が向上する傾向にある。
また、本実施形態の樹脂組成物の製造方法において、成分(I)と成分(II)とを質量比(成分(I)/成分(II))=99/1~70/30で混合することが好ましい。
<成分(I)と成分(II)との混練方法>
本実施形態の樹脂組成物の製造方法においては、成分(I)と成分(II)とを、所定の混練装置で溶融混錬する工程を有することが好ましい。
混練装置としては、特に限定されないが、例えば、単軸押出機、二軸押出機等の押出機、ロール、ニーダー、ブラベンダー、バンバリーミキサーが挙げられる。成分(I)と成分(II)とをより均一に混合するため、上記の中でも特に二軸押出機を採用することが好ましい。
溶融混練温度は180℃以上350℃以下であることが好ましく、200℃以上320℃以下がより好ましく、220℃以上3000℃以下がさらに好ましい。上記範囲内にすることで熱酸化劣化による樹脂の劣化を最小限に抑えることができる。
混練装置のスクリュー回転数は、100rpm以上350rpm以下に設定することが好ましく、150rpm以上300rpm以下がより好ましく、200rpm以上250rpmがさらに好ましい。上記範囲内に設定することで、剪断による樹脂の分子切断を最小限に抑えながら、成分(I)と成分(II)とを均一に混合することができる。
(成形体の作成)
本実施形態の製造方法で得られる樹脂組成物は、加工及び/又は成形することによって、シート、フィルム、容器(例えば筒状容器)、筐体等、各種形状の射出成形品、中空成形品、圧空成形品、真空成形品、押出成形品、プレス成形品等、多種多様の成形体を得ることができる。
本実施形態の樹脂組成物の製造方法において、成分(I)が少なくとも基材層(a)と接着層(b)とを含む多層シート又はフィルムであって、基材層(a)がポリアミド6又はポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂であり、接着層(b)がポリエチレンであり、基材層(a)と接着層(b)との質量比(基材層(a)/接着層(b))が3/95~20/80であり、多層シート又はフィルムを細断して細断物を得る工程を含み、細断物と成分(II)とを質量比(細断物/成分(II))が95/5~85/15となるように混合し、溶融混錬し、溶融物をシート又はフィルムに成形する工程を含むことが好ましい。また、多層シート又はフィルムは、基材層(a)と接着層(b)との間にウレタン接着層(c)を含むことがより好ましい。また、多層シート又はフィルムは、液体製品を充填するパウチであることがより好ましい。
〈フィルムの成形方法〉
本実施形態のフィルムの製造方法は、特に限定されないが、例えば、上述の樹脂組成物を押出機に投入して押出す成型法として、Tダイ法、インフレーション法等を採用することができる。
インフレーション成型としては、通常の空冷インフレーション成型、空冷2段インフレーション成型、高速インフレーション成型、水冷インフレーション成型等を採用できる。
また、ダイレクトブロー、インジェクションブロー等のブロー成型法、プレス成型法を採用することもできる。
用いる押出機としては、単軸又は多軸の押出機を使用することができ、また複数台の押出機を使用して多層押出した多層フィルムを成形することもできる。
また、上述の樹脂組成物を製造する際の押出機から直接フィルムとして成形することもできる。さらに、本実施形態の製造方法で得られる樹脂組成物は熱安定性に優れる傾向があるため、フィルム成型で発生する端材のリサイクル使用が可能であるという長所を有する。
〈筐体の成型方法〉
筐体を成形する方法としては射出成形が好適に用いられる。筐体の金型を備えた射出成形機に上述の樹脂組成物を供給し、射出成形することにより短時間で当該樹脂組成物の筐体を得ることができる。また、本実施形態の製造方法で得られる樹脂組成物は熱安定性に優れる傾向があるため、スプルー部及びランナー部のリサイクル使用が可能であるという長所を有する。
〈二色成形体〉
本実施形態の樹脂組成物の製造方法において、成分(I)が、ポリオレフィン系樹脂(i)と、極性基を有する樹脂(ii)との二色成形体であって、二色成形体を破砕して破砕物を得る工程を含み、前記破砕物と前記成分(II)とを質量比(破砕物/成分(II))が95/5~85/15となるように混合し、溶融混錬し、溶融物を成形体に加工する工程を含むことが好ましい。また、前記二色成形体において、極性基を有する樹脂(ii)がポリアミド66(PA66)であり、ポリオレフィン系樹脂(i)がポリプロピレン(PP)であり、ポリアミド66(PA66)とポリプロピレン(PP)との質量比((PA66)/(PP))が5/95~95/5であることが好ましい。
以下、実施例及び比較例を挙げ、本実施形態をさらに詳細に説明するが、本実施形態はこれらの実施例及び比較例により何ら限定されるものではない。
実施例及び比較例で用いた変性ブロック共重合体、ポリオレフィン系樹脂、極性基を有する樹脂について、以下詳細に説明する。
〔ブロック共重合体の構造の同定及び物性の測定方法〕
本実施例において、変性ブロック共重合体は、ベースとなるブロック共重合体を重合反応で得た後に、ブロック共重合体に極性基を有する化合物を反応させることで、極性基を有する変性ブロック共重合体を得た。
この変性ブロック共重合体の構造の同定は、極性基を導入する前のベースとなる共重合体を用いて行った。
(ブロック共重合体のビニル芳香族単量体単位の含有量)
水添反応前のブロック共重合体のビニル芳香族単量体単位(スチレン)の含有量(質量%)を、紫外分光光度計(島津製作所社製「UV-2450」)を用いて測定した。
(ブロック共重合体のビニル結合量)
ビニル結合量は、水添反応前のブロック共重合体における、共役ジエン単量体単位(B)の総量に対する、1,2-ビニル結合及び3,4-ビニル結合に由来する単位(a)の合計量とした。
水添反応前のブロック共重合体のビニル結合量(%)を、赤外分光光度計(日本分光社製「FT/IR-230」)を用いて測定した。
このビニル結合量はハンプトン法により算出した。
(分子量及び分子量分布)
水添反応前のブロック共重合体の分子量分布を、下記のとおりGPC〔装置:LC-10(島津製作所社製商品名)、カラム:TSKgelGMHXL(島津製作所社製商品名、4.6mm×30cm)〕により求めた。
GPCにおいて、溶媒はテトラヒドロフランを用いた。
測定条件は、温度35℃であった。
ブロック共重合体の分子量は、クロマトグラムのピークの分子量を、市販の標準ポリスチレンの測定から求めた検量線(標準ポリスチレンのピーク分子量を使用して作成)を使用して求めた重量平均分子量(Mw)とした。なお、クロマトグラム中にピークが複数有る場合の分子量は、各ピークの分子量と各ピークの組成比(クロマトグラムのそれぞれのピークの面積比より求める)から求めた平均分子量とした。
また、ブロック共重合体の分子量分布は、分子量と、分子量と同様に市販の標準ポリスチレンの測定から求めた検量線(標準ポリスチレンのピーク分子量を使用して作成)を使用して求めた数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)とした。
なお、測定値は、水添反応前のブロック共重合体を試料として測定されたものであり、後述する実施例や比較例における水素添加の操作によって、それらの値が変更されるものではない。
(水素添加率の測定)
核磁気共鳴装置(BRUKER社製、DPX-400)により水添ブロック共重合体の水素添加率を測定した。
水素添加後のブロック共重合体である水添ブロック共重合体を用いて、プロトン核磁気共鳴(H-NMR)により測定した。
具体的には、4.5~5.5ppmの残存二重結合に由来するシグナル及び水素添加された共役ジエンに由来するシグナルの積分値を算出し、その比率を算出した。
(変性ブロック共重合体の無水マレイン酸付加量の測定)
無水マレイン酸(極性基)の付加量は、無水マレイン酸変性水添ブロック共重合体をトルエンに溶解し、ファクターが1±0.05であるナトリウムメトキシドのメタノール溶液で滴定し、算出した。
〔変性ブロック共重合体の製造〕
(水添触媒の調製)
ブロック共重合体の水添反応に用いた水添反応触媒を下記の方法で調製した。
窒素置換した反応容器に乾燥、精製したシクロヘキサン1リットルを仕込み、ビスシクロペンタジエニルチタニウムジクロリド100ミリモルを添加し、十分に攪拌しながらトリメチルアルミニウム200ミリモルを含むn-ヘキサン溶液を添加して、室温にて約3日間反応させ、水添触媒を得た。
(ブロック共重合体の重合、水素化、変性)
ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体の水添及び変性物である変性ブロック共重合体1~29を、以下の操作により作製した。
(ブロック共重合体1)
攪拌装置とジャケットを具備する槽型反応器(内容積10L)を使用して、下記<操作1>~<操作5>の手順で、バッチ重合、水素添加反応及び脱溶媒操作を行った。
<操作1>
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)0.45モルを添加し、70℃で7分間重合した。
<操作2>
ブタジエン81質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で60分間重合した。
<操作3>
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、7分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させ、ブロック共重合体を得た。
得られたブロック共重合体は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量19質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は40質量%、重量平均分子量8万であった。
<操作4>
得られたブロック共重合体に、上記のようにして調製した水添触媒を、ブロック共重合体100質量部当たり、Ti基準で100ppm添加後、水素圧0.7MPa、供給速度0.2L/sで水素を供給し、温度80℃で水素添加反応を行い、水添ブロック共重合体の溶液を得た。水添ブロック共重合体の水素添加率は97質量%であった。次に、安定剤として、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、水添ブロック共重合体の溶液に100質量部に対して0.3質量部添加した。
<操作5>
上述のようにして得られた水添ブロック共重合体の溶液を、特公平05-54845号公報に記載のスチームストリッピング法を用い、90~98℃の水中で溶媒の大部分を除去した。
その後、クラム濃度が約5質量%の水分散スラリーを二軸押出機に投入することで脱溶剤した。これにより、ブロック共重合体1を得た。
(変性ブロック共重合体2)
攪拌装置とジャケットを具備する槽型反応器(内容積10L)及び押出機を使用して、下記<操作1>~<操作6>の手順で、バッチ重合、水素添加反応、脱溶媒操作及び押出変性を行った。
<操作1>
スチレン2質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)0.3モルを添加し、70℃で2分間重合した。
<操作2>
ブタジエン96質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で80分間重合した。
<操作3>
スチレン2質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、2分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させ、ブロック共重合体を得た。
得られたブロック共重合体は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量4質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は32質量%、重量平均分子量8万であった。
<操作4>
得られたブロック共重合体に、上記のようにして調製した水添触媒を、ブロック共重合体100質量部当たり、Ti基準で100ppm添加後、水素圧0.7MPa、供給速度0.2L/sで水素を供給し、温度80℃で水素添加反応を行い、水添ブロック共重合体の溶液を得た。水添ブロック共重合体の水素添加率は98質量%であった。次に、安定剤として、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、水添ブロック共重合体の溶液に100質量部に対して0.3質量部添加した。
<操作5>
上述のようにして得られた水添ブロック共重合体の溶液を、特公平05-54845号公報に記載のスチームストリッピング法を用い、90~98℃の水中で溶媒の大部分を除去した。
その後、クラム濃度が約5質量%の水分散スラリーを二軸押出機に投入することで脱溶剤した。
<操作6>
上述のようにして脱溶剤した水添ブロック共重合体100質量部と無水マレイン酸1.7質量部とを、押出機の長さの全域を150~200℃に設定した二軸押出機のスロートから供給し、有機過酸化物(パーオキサイド25B(日油株式会社製))0.12質量部を、二軸押出機下流の供給口から供給しコンパウンドした。押出機の吐出口から吐出したストランドをペレット化した。
<操作7>
上述のようにして得られたペレットを約80℃のドライオーブン中で3時間乾燥させ、変性ブロック共重合体2を得た。変性ブロック共重合体2の無水マレイン酸(極性基)付加量は1.6質量%であった。
(変性ブロック共重合体3)
上述の<操作1>~<操作3>及び<操作6>を下記のように変更した。
<操作1>
スチレン6質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)0.35モルを添加し、70℃で3分間重合した。
<操作2>
ブタジエン88質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で95分間重合した。
<操作3>
スチレン6質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、3分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させた。
<操作6>
脱溶剤した水添ブロック共重合体100質量部と無水マレイン酸1.9質量部とを、押出機の長さの全域を150~200℃に設定した二軸押出機のスロートから供給し、有機過酸化物(パーオキサイド25B(日油株式会社製))0.12質量部を、二軸押出機下流の供給口から供給しコンパウンドした。押出機の吐出口から吐出したストランドをペレット化した。
上記操作を変更した以外は、前記変性ブロック共重合体2と同様の操作を行い、変性ブロック共重合体3を得た。
得られた変性ブロック共重合体3は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量12質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は35質量%、重量平均分子量は8万、水素添加率は95質量%、無水マレイン酸(極性基)付加量は1.7質量%であった。
(変性ブロック共重合体4)
上述の<操作1>~<操作3>及び<操作6>を下記のように変更した。
<操作1>
スチレン9質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)0.35モルを添加し、70℃で7分間重合した。
<操作2>
ブタジエン82質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で60分間重合した。
<操作3>
スチレン9質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、7分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させた。
<操作6>
脱溶剤した水添ブロック共重合体100質量部と無水マレイン酸1.9質量部とを、押出機の長さの全域を150~200℃に設定した二軸押出機のスロートから供給し、有機過酸化物(パーオキサイド25B(日油株式会社製))0.12質量部を、二軸押出機下流の供給口から供給しコンパウンドした。押出機の吐出口から吐出したストランドをペレット化した。
上記操作を変更した以外は、前記変性ブロック共重合体2と同様の操作を行い、変性ブロック共重合体4を得た。
得られた変性ブロック共重合体4は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量18質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は34質量%、重量平均分子量は8万、水素添加率は97質量%、無水マレイン酸(極性基)付加量は1.7質量%であった。
(変性ブロック共重合体5)
上述の<操作1>~<操作3>及び<操作6>を下記のように変更した。
<操作1>
スチレン15質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)0.35モルを添加し、70℃で13分間重合した。
<操作2>
ブタジエン70質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で50分間重合した。
<操作3>
スチレン15質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、13分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させた。
<操作6>
脱溶剤した水添ブロック共重合体100質量部と無水マレイン酸1.7質量部とを、押出機の長さの全域を150~200℃に設定した二軸押出機のスロートから供給し、有機過酸化物(パーオキサイド25B(日油株式会社製))0.12質量部を、二軸押出機下流の供給口から供給しコンパウンドした。押出機の吐出口から吐出したストランドをペレット化した。
上記操作を変更した以外は、前記変性ブロック共重合体2と同様の操作を行い、変性ブロック共重合体5を得た。
得られた変性ブロック共重合体5は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量30質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は36質量%、重量平均分子量は8万、水素添加率は98質量%、無水マレイン酸(極性基)付加量は1.6質量%であった。
(変性ブロック共重合体6)
上述の<操作1>~<操作3>及び<操作6>を下記のように変更した。
<操作1>
スチレン27.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)0.35モルを添加し、70℃で25分間重合した。
<操作2>
ブタジエン45質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で60分間重合した。
<操作3>
スチレン27.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、25分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させた。
<操作6>
脱溶剤した水添ブロック共重合体100質量部と無水マレイン酸1.7質量部とを、押出機の長さの全域を150~200℃に設定した二軸押出機のスロートから供給し、有機過酸化物(パーオキサイド25B(日油株式会社製))0.12質量部を、二軸押出機下流の供給口から供給しコンパウンドした。押出機の吐出口から吐出したストランドをペレット化した。
上記操作を変更した以外は、前記変性ブロック共重合体2と同様の操作を行い、変性ブロック共重合体6を得た。
得られた変性ブロック共重合体6は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量55質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は35質量%、重量平均分子量は8万、水素添加率は96質量%、無水マレイン酸(極性基)付加量は1.6質量%であった。
(変性ブロック共重合体7)
上述の<操作1>~<操作3>及び<操作6>を下記のように変更した。
<操作1>
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)0.35モルを添加し、70℃で7分間重合した。
<操作2>
ブタジエン81質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で60分間重合した。
<操作3>
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、7分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させた。
<操作6>
脱溶剤した水添ブロック共重合体100質量部と無水マレイン酸1.7質量部とを、押出機の長さの全域を150~200℃に設定した二軸押出機のスロートから供給し、有機過酸化物(パーオキサイド25B(日油株式会社製))0.12質量部を、二軸押出機下流の供給口から供給しコンパウンドした。押出機の吐出口から吐出したストランドをペレット化した。
上記操作を変更した以外は、前記変性ブロック共重合体2と同様の操作を行い、変性ブロック共重合体7を得た。
得られた変性ブロック共重合体7は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量19質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は36質量%、重量平均分子量は8万、水素添加率は45質量%、無水マレイン酸(極性基)付加量は1.6質量%であった。
(変性ブロック共重合体8)
上述の<操作1>~<操作3>及び<操作6>を下記のように変更した。
<操作1>
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)0.35モルを添加し、70℃で25分間重合した。
<操作2>
ブタジエン81質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で60分間重合した。
<操作3>
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、7分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させた。
<操作6>
脱溶剤した水添ブロック共重合体100質量部と無水マレイン酸1.8質量部とを、押出機の長さの全域を150~200℃に設定した二軸押出機のスロートから供給し、有機過酸化物(パーオキサイド25B(日油株式会社製))0.12質量部を、二軸押出機下流の供給口から供給しコンパウンドした。押出機の吐出口から吐出したストランドをペレット化した。
上記操作を変更した以外は、前記変性ブロック共重合体2と同様の操作を行い、変性ブロック共重合体8を得た。
得られた変性ブロック共重合体8は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量19質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は34質量%、重量平均分子量は8万、水素添加率は65質量%、無水マレイン酸(極性基)付加量は1.7質量%であった。
(変性ブロック共重合体9)
上述の<操作1>~<操作3>及び<操作6>を下記のように変更した。
<操作1>
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)0.35モルを添加し、70℃で25分間重合した。
<操作2>
ブタジエン81質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で60分間重合した。
<操作3>
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、7分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させた。
<操作6>
脱溶剤した水添ブロック共重合体100質量部と無水マレイン酸1.8質量部とを、押出機の長さの全域を150~200℃に設定した二軸押出機のスロートから供給し、有機過酸化物(パーオキサイド25B(日油株式会社製))0.12質量部を、二軸押出機下流の供給口から供給しコンパウンドした。押出機の吐出口から吐出したストランドをペレット化した。
上記操作を変更した以外は、前記変性ブロック共重合体2と同様の操作を行い、変性ブロック共重合体9を得た。
得られた変性ブロック共重合体9は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量19質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は35質量%、重量平均分子量は8万、水素添加率は85質量%、無水マレイン酸(極性基)付加量は1.7質量%であった。
(変性ブロック共重合体10)
攪拌装置とジャケットを具備する槽型反応器(内容積10L)を使用して、下記<操作1>~<操作5>の手順で、バッチ重合、水素添加反応及び脱溶媒操作を行った。
<操作1>
スチレン15質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)0.4モルを添加し、70℃で12分間重合した。
<操作2>
ブタジエン70質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で60分間重合した。
<操作3>
スチレン15質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、12分間重合した。
<操作4>
1,3―ジメチル―2―イミダゾリジノンをn―ブチルリチウム1モルに対して0.95モルとなるように添加し、25分間反応させ、ブロック共重合体を得た。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させ、ブロック共重合体を得た。
得られたブロック共重合体は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量30質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は38質量%、重量平均分子量8万であった。
<操作5>
得られたブロック共重合体に、上記のようにして調製した水添触媒を、ブロック共重合体100質量部当たり、Ti基準で100ppm添加後、水素圧0.7MPa、供給速度0.2L/sで水素を供給し、温度80℃で水素添加反応を行い、水添ブロック共重合体の溶液を得た。水添ブロック共重合体の水素添加率は80質量%であった。次に、安定剤として、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、水添ブロック共重合体の溶液に100質量部に対して0.3質量部添加した。
<操作6>
上述のようにして得られた水添ブロック共重合体の溶液を、特公平05-54845号公報に記載のスチームストリッピング法を用い、90~98℃の水中で溶媒の大部分を除去した。
その後、クラム濃度が約5質量%の水分散スラリーを二軸押出機に投入することで脱溶剤した。これにより、変性ブロック共重合体10を得た。変性ブロック共重合体10中の極性基の含有量は0.2質量%であった。
(ブロック共重合体11)
攪拌装置とジャケットを具備する槽型反応器(内容積10L)を使用して、下記<操作1>~<操作5>の手順で、バッチ重合、水素添加反応及び脱溶媒操作を行った。
<操作1>
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)1モルを添加し、70℃で7分間重合した。
<操作2>
ブタジエン81質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて60℃で70分間重合した。
<操作3>
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、7分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させ、ブロック共重合体を得た。
得られたブロック共重合体は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量19質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は55質量%、重量平均分子量8万であった。
<操作4>
得られたブロック共重合体に、上記のようにして調製した水添触媒を、ブロック共重合体100質量部当たり、Ti基準で100ppm添加後、水素圧0.7MPa、供給速度0.2L/sで水素を供給し、温度80℃で水素添加反応を行い、水添ブロック共重合体の溶液を得た。水添ブロック共重合体の水素添加率は96質量%であった。次に、安定剤として、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、水添ブロック共重合体の溶液に100質量部に対して0.3質量部添加した。
<操作5>
上述のようにして得られた水添ブロック共重合体の溶液を、特公平05-54845号公報に記載のスチームストリッピング法を用い、90~98℃の水中で溶媒の大部分を除去した。
その後、クラム濃度が約5質量%の水分散スラリーを二軸押出機に投入することで脱溶剤した。これにより、ブロック共重合体11を得た。
(変性ブロック共重合体12)
攪拌装置とジャケットを具備する槽型反応器(内容積10L)及び押出機を使用して、下記<操作1>~<操作6>の手順で、バッチ重合、水素添加反応、脱溶媒操作及び押出変性を行った。
<操作1>
スチレン2質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)1.2モルを添加し、60℃で2分間重合した。
<操作2>
ブタジエン96質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて60℃で80分間重合した。
<操作3>
スチレン2質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、2分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させ、ブロック共重合体を得た。
得られたブロック共重合体は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量4質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は60質量%、重量平均分子量8万であった。
<操作4>
得られたブロック共重合体に、上記のようにして調製した水添触媒を、ブロック共重合体100質量部当たり、Ti基準で100ppm添加後、水素圧0.7MPa、供給速度0.2L/sで水素を供給し、温度80℃で水素添加反応を行い、水添ブロック共重合体の溶液を得た。水添ブロック共重合体の水素添加率は98質量%であった。次に、安定剤として、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、水添ブロック共重合体の溶液に100質量部に対して0.3質量部添加した。
<操作5>
上述のようにして得られた水添ブロック共重合体の溶液を、特公平05-54845号公報に記載のスチームストリッピング法を用い、90~98℃の水中で溶媒の大部分を除去した。
その後、クラム濃度が約5質量%の水分散スラリーを二軸押出機に投入することで脱溶剤した。
<操作6>
上述のようにして脱溶剤した水添ブロック共重合体100質量部と無水マレイン酸1.7質量部とを、押出機の長さの全域を150~200℃に設定した二軸押出機のスロートから供給し、有機過酸化物(パーオキサイド25B(日油株式会社製))0.11質量部を、二軸押出機下流の供給口から供給しコンパウンドした。押出機の吐出口から吐出したストランドをペレット化した。
<操作7>
上述のようにして得られたペレットを約80℃のドライオーブン中で3時間乾燥させ、変性ブロック共重合体12を得た。変性ブロック共重合体12の無水マレイン酸(極性基)付加量は1.6質量%であった。
(変性ブロック共重合体13)
上述の<操作1>~<操作3>及び<操作6>を下記のように変更した。
<操作1>
スチレン6質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)1.1モルを添加し、70℃で5分間重合した。
<操作2>
ブタジエン88質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて60℃で70分間重合した。
<操作3>
スチレン6質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、5分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させた。
<操作6>
脱溶剤した水添ブロック共重合体100質量部と無水マレイン酸1.8質量部とを、押出機の長さの全域を150~200℃に設定した二軸押出機のスロートから供給し、有機過酸化物(パーオキサイド25B(日油株式会社製))0.12質量部を、二軸押出機下流の供給口から供給しコンパウンドした。押出機の吐出口から吐出したストランドをペレット化した。
上記操作を変更した以外は、前記変性ブロック共重合体12と同様の操作を行い、変性ブロック共重合体13を得た。
得られた変性ブロック共重合体13は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量12質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は58質量%、重量平均分子量は8万、水素添加率は98質量%、無水マレイン酸(極性基)付加量は1.6質量%であった。
(変性ブロック共重合体14)
上述の<操作1>~<操作3>及び<操作6>を下記のように変更した。
<操作1>
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)0.95モルを添加し、70℃で7分間重合した。
<操作2>
ブタジエン81質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて60℃で70分間重合した。
<操作3>
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、7分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させた。
<操作6>
脱溶剤した水添ブロック共重合体100質量部と無水マレイン酸1.7質量部とを、押出機の長さの全域を150~200℃に設定した二軸押出機のスロートから供給し、有機過酸化物(パーオキサイド25B(日油株式会社製))0.12質量部を、二軸押出機下流の供給口から供給しコンパウンドした。押出機の吐出口から吐出したストランドをペレット化した。
上記操作を変更した以外は、前記変性ブロック共重合体12と同様の操作を行い、変性ブロック共重合体14を得た。
得られた変性ブロック共重合体14は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量19質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は55質量%、重量平均分子量は8万、水素添加率は96質量%、無水マレイン酸(極性基)付加量は1.6質量%であった。
(変性ブロック共重合体15)
上述の<操作1>~<操作3>及び<操作6>を下記のように変更した。
<操作1>
スチレン15質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)0.95モルを添加し、70℃で10分間重合した。
<操作2>
ブタジエン70質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて60℃で50分間重合した。
<操作3>
スチレン15質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、10分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させた。
<操作6>
脱溶剤した水添ブロック共重合体100質量部と無水マレイン酸1.8質量部とを、押出機の長さの全域を150~200℃に設定した二軸押出機のスロートから供給し、有機過酸化物(パーオキサイド25B(日油株式会社製))0.12質量部を、二軸押出機下流の供給口から供給しコンパウンドした。押出機の吐出口から吐出したストランドをペレット化した。
上記操作を変更した以外は、前記変性ブロック共重合体12と同様の操作を行い、変性ブロック共重合体15を得た。
得られた変性ブロック共重合体15は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量30質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は55質量%、重量平均分子量は8万、水素添加率は98質量%、無水マレイン酸(極性基)付加量は1.7質量%であった。
(変性ブロック共重合体16)
上述の<操作1>~<操作3>及び<操作6>を下記のように変更した。
<操作1>
スチレン27.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)1.1モルを添加し、70℃で20分間重合した。
<操作2>
ブタジエン45質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて60℃で35分間重合した。
<操作3>
スチレン27.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、20分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させた。
<操作6>
脱溶剤した水添ブロック共重合体100質量部と無水マレイン酸1.7質量部とを、押出機の長さの全域を150~200℃に設定した二軸押出機のスロートから供給し、有機過酸化物(パーオキサイド25B(日油株式会社製))0.12質量部を、二軸押出機下流の供給口から供給しコンパウンドした。押出機の吐出口から吐出したストランドをペレット化した。
上記操作を変更した以外は、前記変性ブロック共重合体12と同様の操作を行い、変性ブロック共重合体16を得た。
得られた変性ブロック共重合体16は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量55質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は57質量%、重量平均分子量は8万、水素添加率は97質量%、無水マレイン酸(極性基)付加量は1.6質量%であった。
(変性ブロック共重合体17)
上述の<操作1>~<操作3>及び<操作6>を下記のように変更した。
<操作1>
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)1.1モルを添加し、70℃で7分間重合した。
<操作2>
ブタジエン81質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて60℃で70分間重合した。
<操作3>
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、7分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させた。
<操作6>
脱溶剤した水添ブロック共重合体100質量部と無水マレイン酸1.8質量部とを、押出機の長さの全域を150~200℃に設定した二軸押出機のスロートから供給し、有機過酸化物(パーオキサイド25B(日油株式会社製))0.12質量部を、二軸押出機下流の供給口から供給しコンパウンドした。押出機の吐出口から吐出したストランドをペレット化した。
上記操作を変更した以外は、前記変性ブロック共重合体12と同様の操作を行い、変性ブロック共重合体17を得た。
得られた変性ブロック共重合体17は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量19質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は57質量%、重量平均分子量は8万、水素添加率は43質量%、無水マレイン酸(極性基)付加量は1.7質量%であった。
(変性ブロック共重合体18)
上述の<操作1>~<操作3>及び<操作6>を下記のように変更した。
<操作1>
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)1.1モルを添加し、70℃で7分間重合した。
<操作2>
ブタジエン81質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて60℃で70分間重合した。
<操作3>
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、7分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させた。
<操作6>
脱溶剤した水添ブロック共重合体100質量部と無水マレイン酸1.7質量部とを、押出機の長さの全域を150~200℃に設定した二軸押出機のスロートから供給し、有機過酸化物(パーオキサイド25B(日油株式会社製))0.12質量部を、二軸押出機下流の供給口から供給しコンパウンドした。押出機の吐出口から吐出したストランドをペレット化した。
上記操作を変更した以外は、前記変性ブロック共重合体12と同様の操作を行い、変性ブロック共重合体18を得た。
得られた変性ブロック共重合体18は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量19質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は59質量%、重量平均分子量は8万、水素添加率は67質量%、無水マレイン酸(極性基)付加量は1.6質量%であった。
(変性ブロック共重合体19)
上述の<操作1>~<操作3>及び<操作6>を下記のように変更した。
<操作1>
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)1.1モルを添加し、70℃で7分間重合した。
<操作2>
ブタジエン81質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて60℃で70分間重合した。
<操作3>
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、7分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させた。
<操作6>
脱溶剤した水添ブロック共重合体100質量部と無水マレイン酸1.7質量部とを、押出機の長さの全域を150~200℃に設定した二軸押出機のスロートから供給し、有機過酸化物(パーオキサイド25B(日油株式会社製))0.12質量部を、二軸押出機下流の供給口から供給しコンパウンドした。押出機の吐出口から吐出したストランドをペレット化した。
上記操作を変更した以外は、前記変性ブロック共重合体12と同様の操作を行い、変性ブロック共重合体19を得た。
得られた変性ブロック共重合体19は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量19質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は58質量%、重量平均分子量は8万、水素添加率は85質量%、無水マレイン酸(極性基)付加量は1.6質量%であった。
(変性ブロック共重合体20)
攪拌装置とジャケットを具備する槽型反応器(内容積10L)を使用して、下記<操作1>~<操作5>の手順で、バッチ重合、水素添加反応及び脱溶媒操作を行った。
<操作1>
スチレン15質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)1.2モルを添加し、70℃で10分間重合した。
<操作2>
ブタジエン70質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて60℃で60分間重合した。
<操作3>
スチレン15質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、10分間重合した。
<操作4>
1,3―ジメチル―2―イミダゾリジノンをn―ブチルリチウム1モルに対して0.95モルとなるように添加し、25分間反応させ、ブロック共重合体を得た。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させ、ブロック共重合体を得た。
得られたブロック共重合体は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量30質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は60質量%、重量平均分子量8万であった。
<操作5>
得られたブロック共重合体に、上記のようにして調製した水添触媒を、ブロック共重合体100質量部当たり、Ti基準で100ppm添加後、水素圧0.7MPa、供給速度0.2L/sで水素を供給し、温度80℃で水素添加反応を行い、水添ブロック共重合体の溶液を得た。水添ブロック共重合体の水素添加率は81質量%であった。次に、安定剤として、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、水添ブロック共重合体の溶液に100質量部に対して0.3質量部添加した。
<操作6>
上述のようにして得られた水添ブロック共重合体の溶液を、特公平05-54845号公報に記載のスチームストリッピング法を用い、90~98℃の水中で溶媒の大部分を除去した。
その後、クラム濃度が約5質量%の水分散スラリーを二軸押出機に投入することで脱溶剤した。これにより、変性ブロック共重合体20を得た。変性ブロック共重合体20中の極性基の含有量は0.15質量%であった。
(変性ブロック共重合体21)
攪拌装置とジャケットを具備する槽型反応器(内容積10L)及び押出機を使用して、下記<操作1>~<操作6>の手順で、バッチ重合、水素添加反応、脱溶媒操作及び押出変性を行った。
<操作1>
スチレン6.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)2.5モルを添加し、60℃で5分間重合した。
<操作2>
ブタジエン87質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて50℃で75分間重合した。
<操作3>
スチレン6.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、5分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させ、ブロック共重合体を得た。
得られたブロック共重合体は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量13質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は77質量%、重量平均分子量8万であった。
<操作4>
得られたブロック共重合体に、上記のようにして調製した水添触媒を、ブロック共重合体100質量部当たり、Ti基準で100ppm添加後、水素圧0.7MPa、供給速度0.2L/sで水素を供給し、温度80℃で水素添加反応を行い、水添ブロック共重合体の溶液を得た。水添ブロック共重合体の水素添加率は96質量%であった。次に、安定剤として、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、水添ブロック共重合体の溶液に100質量部に対して0.3質量部添加した。
<操作5>
上述のようにして得られた水添ブロック共重合体の溶液を、特公平05-54845号公報に記載のスチームストリッピング法を用い、90~98℃の水中で溶媒の大部分を除去した。
その後、クラム濃度が約5質量%の水分散スラリーを二軸押出機に投入することで脱溶剤した。
<操作6>
上述のようにして脱溶剤した水添ブロック共重合体100質量部と無水マレイン酸2.0質量部とを、押出機の長さの全域を150~200℃に設定した二軸押出機のスロートから供給し、有機過酸化物(パーオキサイド25B(日油株式会社製))0.15質量部を、二軸押出機下流の供給口から供給しコンパウンドした。押出機の吐出口から吐出したストランドをペレット化した。
<操作7>
上述のようにして得られたペレットを約80℃のドライオーブン中で3時間乾燥させ、変性ブロック共重合体21を得た。変性ブロック共重合体12の無水マレイン酸(極性基)付加量は1.8質量%であった。
(変性ブロック共重合体22)
上述の<操作1>~<操作3>及び<操作6>を下記のように変更した。
<操作1>
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)1.1モルを添加し、70℃で7分間重合した。
<操作2>
ブタジエン81質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて50℃で70分間重合した。
<操作3>
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、7分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させた。
<操作6>
脱溶剤した水添ブロック共重合体100質量部と無水マレイン酸1.8質量部とを、押出機の長さの全域を150~200℃に設定した二軸押出機のスロートから供給し、有機過酸化物(パーオキサイド25B(日油株式会社製))0.12質量部を、二軸押出機下流の供給口から供給しコンパウンドした。押出機の吐出口から吐出したストランドをペレット化した。
上記操作を変更した以外は、前記変性ブロック共重合体21と同様の操作を行い、変性ブロック共重合体22を得た。
得られた変性ブロック共重合体22は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量19質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は76質量%、重量平均分子量は8万、水素添加率は97質量%、無水マレイン酸(極性基)付加量は1.7質量%であった。
(変性ブロック共重合体23)
攪拌装置とジャケットを具備する槽型反応器(内容積10L)及び押出機を使用して、下記<操作1>~<操作6>の手順で、バッチ重合、水素添加反応、脱溶媒操作及び押出変性を行った。
<操作1>
スチレン6質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)0.3モルを添加し、70℃で5分間重合した。
<操作2>
ブタジエン83質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で65分間重合した。
<操作3>
スチレン6質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、5分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させ、ブロック共重合体を得た。
得られたブロック共重合体は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量12質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は31質量%、重量平均分子量8万であった。
<操作4>
ブタジエン5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で3分間重合した。
<操作5>
得られたブロック共重合体に、上記のようにして調製した水添触媒を、ブロック共重合体100質量部当たり、Ti基準で100ppm添加後、水素圧0.7MPa、供給速度0.2L/sで水素を供給し、温度80℃で水素添加反応を行い、水添ブロック共重合体の溶液を得た。水添ブロック共重合体の水素添加率は98質量%であった。次に、安定剤として、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、水添ブロック共重合体の溶液に100質量部に対して0.3質量部添加した。
<操作6>
上述のようにして得られた水添ブロック共重合体の溶液を、特公平05-54845号公報に記載のスチームストリッピング法を用い、90~98℃の水中で溶媒の大部分を除去した。
その後、クラム濃度が約5質量%の水分散スラリーを二軸押出機に投入することで脱溶剤した。
<操作7>
上述のようにして脱溶剤した水添ブロック共重合体100質量部と無水マレイン酸1.8質量部とを、押出機の長さの全域を150~200℃に設定した二軸押出機のスロートから供給し、有機過酸化物(パーオキサイド25B(日油株式会社製))0.12質量部を、二軸押出機下流の供給口から供給しコンパウンドした。押出機の吐出口から吐出したストランドをペレット化した。
<操作8>
上述のようにして得られたペレットを約80℃のドライオーブン中で3時間乾燥させ、変性ブロック共重合体23を得た。変性ブロック共重合体23の無水マレイン酸(極性基)付加量は1.7質量%であった。
(変性ブロック共重合体24)
上述の<操作1>~<操作4>及び<操作7>を下記のように変更した。
<操作1>
スチレン15質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)0.3モルを添加し、70℃で10分間重合した。
<操作2>
ブタジエン65質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で50分間重合した。
<操作3>
スチレン15質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、10分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させた。
<操作4>
ブタジエン5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で3分間重合した。
<操作7>
脱溶剤した水添ブロック共重合体100質量部と無水マレイン酸1.8質量部とを、押出機の長さの全域を150~200℃に設定した二軸押出機のスロートから供給し、有機過酸化物(パーオキサイド25B(日油株式会社製))0.12質量部を、二軸押出機下流の供給口から供給しコンパウンドした。押出機の吐出口から吐出したストランドをペレット化した。
上記操作を変更した以外は、前記変性ブロック共重合体21と同様の操作を行い、変性ブロック共重合体24を得た。
得られた変性ブロック共重合体24は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量30質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は34質量%、重量平均分子量は8万、水素添加率は97質量%、無水マレイン酸(極性基)付加量は1.7質量%であった。
(変性ブロック共重合体25)
上述の<操作1>~<操作4>及び<操作7>を下記のように変更した。
<操作1>
スチレン7.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)2.6モルを添加し、70℃で5分間重合した。
<操作2>
ブタジエン80質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて50℃で60分間重合した。
<操作3>
スチレン7.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、5分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させた。
<操作4>
ブタジエン5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて50℃で3分間重合した。
<操作7>
脱溶剤した水添ブロック共重合体100質量部と無水マレイン酸1.8質量部とを、押出機の長さの全域を150~200℃に設定した二軸押出機のスロートから供給し、有機過酸化物(パーオキサイド25B(日油株式会社製))0.12質量部を、二軸押出機下流の供給口から供給しコンパウンドした。押出機の吐出口から吐出したストランドをペレット化した。
上記操作を変更した以外は、前記変性ブロック共重合体21と同様の操作を行い、変性ブロック共重合体25を得た。
得られた変性ブロック共重合体25は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量15質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は78質量%、重量平均分子量は8万、水素添加率は95質量%、無水マレイン酸(極性基)付加量は1.6質量%であった。
(変性ブロック共重合体26)
上述の<操作1>~<操作4>及び<操作7>を下記のように変更した。
<操作1>
スチレン15.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)2.4モルを添加し、70℃で10分間重合した。
<操作2>
ブタジエン64質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて50℃で50分間重合した。
<操作3>
スチレン15.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、10分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させた。
<操作4>
ブタジエン5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて50℃で3分間重合した。
<操作7>
脱溶剤した水添ブロック共重合体100質量部と無水マレイン酸2.0質量部とを、押出機の長さの全域を150~200℃に設定した二軸押出機のスロートから供給し、有機過酸化物(パーオキサイド25B(日油株式会社製))0.14質量部を、二軸押出機下流の供給口から供給しコンパウンドした。押出機の吐出口から吐出したストランドをペレット化した。
上記操作を変更した以外は、前記変性ブロック共重合体21と同様の操作を行い、変性ブロック共重合体26を得た。
得られた変性ブロック共重合体26は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量31質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は76質量%、重量平均分子量は8万、水素添加率は97質量%、無水マレイン酸(極性基)付加量は1.8質量%であった。
(変性ブロック共重合体27)
攪拌装置とジャケットを具備する槽型反応器(内容積10L)及び押出機を使用して、下記<操作1>~<操作6>の手順で、バッチ重合、水素添加反応、脱溶媒操作及び押出変性を行った。
<操作1>
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)1モルを添加し、60℃で7分間重合した。
<操作2>
ブタジエン81質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて60℃で70分間重合した。
<操作3>
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、7分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させ、ブロック共重合体を得た。
得られたブロック共重合体は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量19質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は55質量%、重量平均分子量8万であった。
<操作4>
得られたブロック共重合体に、上記のようにして調製した水添触媒を、ブロック共重合体100質量部当たり、Ti基準で100ppm添加後、水素圧0.7MPa、供給速度0.2L/sで水素を供給し、温度80℃で水素添加反応を行い、水添ブロック共重合体の溶液を得た。水添ブロック共重合体の水素添加率は96質量%であった。次に、安定剤として、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、水添ブロック共重合体の溶液に100質量部に対して0.3質量部添加した。
<操作5>
上述のようにして得られた水添ブロック共重合体の溶液を、特公平05-54845号公報に記載のスチームストリッピング法を用い、90~98℃の水中で溶媒の大部分を除去した。
その後、クラム濃度が約5質量%の水分散スラリーを二軸押出機に投入することで脱溶剤した。
<操作6>
上述のようにして脱溶剤した水添ブロック共重合体100質量部と無水マレイン酸1.0質量部とを、押出機の長さの全域を150~200℃に設定した二軸押出機のスロートから供給し、有機過酸化物(パーオキサイド25B(日油株式会社製))0.1質量部を、二軸押出機下流の供給口から供給しコンパウンドした。押出機の吐出口から吐出したストランドをペレット化した。
<操作7>
上述のようにして得られたペレットを約80℃のドライオーブン中で3時間乾燥させ、変性ブロック共重合体27を得た。変性ブロック共重合体27の無水マレイン酸(極性基)付加量は0.8質量%であった。
(変性ブロック共重合体28)
上述の<操作1>~<操作3>及び<操作6>を下記のように変更した。
<操作1>
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)1モルを添加し、70℃で7分間重合した。
<操作2>
ブタジエン81質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて60℃で70分間重合した。
<操作3>
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、7分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させた。
<操作6>
脱溶剤した水添ブロック共重合体100質量部と無水マレイン酸3質量部とを、押出機の長さの全域を150~200℃に設定した二軸押出機のスロートから供給し、有機過酸化物(パーオキサイド25B(日油株式会社製))0.4質量部を、二軸押出機下流の供給口から供給しコンパウンドした。押出機の吐出口から吐出したストランドをペレット化した。
上記操作を変更した以外は、前記変性ブロック共重合体27と同様の操作を行い、変性ブロック共重合体28を得た。
得られた変性ブロック共重合体28は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量19質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は55質量%、重量平均分子量は8万、水素添加率は96質量%、無水マレイン酸(極性基)付加量は2.8質量%であった。
(変性ブロック共重合体29)
上述の<操作1>~<操作3>及び<操作6>を下記のように変更した。
<操作1>
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)1モルを添加し、70℃で7分間重合した。
<操作2>
ブタジエン81質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて60℃で70分間重合した。
<操作3>
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、7分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させた。
<操作6>
脱溶剤した水添ブロック共重合体100質量部と無水マレイン酸4.8質量部とを、押出機の長さの全域を150~200℃に設定した二軸押出機のスロートから供給し、有機過酸化物(パーオキサイド25B(日油株式会社製))0.5質量部を、二軸押出機下流の供給口から供給しコンパウンドした。押出機の吐出口から吐出したストランドをペレット化した。
上記操作を変更した以外は、前記変性ブロック共重合体27と同様の操作を行い、変性ブロック共重合体29を得た。
得られた変性ブロック共重合体29は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量19質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は55質量%、重量平均分子量は8万、水素添加率は96質量%、無水マレイン酸(極性基)付加量は4.5質量%であった。
(共重合体30)
攪拌装置とジャケットを具備する槽型反応器(内容積10L)を使用して、下記<操作1>~<操作5>の手順で、バッチ重合、水素添加反応及び脱溶媒操作を行った。
<操作1>
スチレン2質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)0.4モルを添加し、70℃で5分間重合した。
<操作2>
ブタジエン96質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で80分間重合した。
<操作3>
スチレン2質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、5分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させ、ブロック共重合体を得た。
得られたブロック共重合体は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量4質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は38質量%、重量平均分子量8万であった。
<操作4>
得られたブロック共重合体に、上記のようにして調製した水添触媒を、ブロック共重合体100質量部当たり、Ti基準で100ppm添加後、水素圧0.7MPa、供給速度0.2L/sで水素を供給し、温度80℃で水素添加反応を行い、水添ブロック共重合体の溶液を得た。水添ブロック共重合体の水素添加率は98質量%であった。次に、安定剤として、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、水添ブロック共重合体の溶液に100質量部に対して0.3質量部添加した。
<操作5>
上述のようにして得られた水添ブロック共重合体の溶液を、特公平05-54845号公報に記載のスチームストリッピング法を用い、90~98℃の水中で溶媒の大部分を除去した。
その後、クラム濃度が約5質量%の水分散スラリーを二軸押出機に投入することで脱溶剤した。これにより、ブロック共重合体30を得た。
(共重合体31)
上述の〈操作1〉~〈操作3〉を下記のように変更した。
<操作1>
スチレン37.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)0.4モルを添加し、70℃で50分間重合した。
<操作2>
ブタジエン25質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で30分間重合した。
<操作3>
スチレン37.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、50分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させ、ブロック共重合体を得た。
得られたブロック共重合体は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量75質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は38質量%、重量平均分子量8万であった。
上記操作を変更した以外は、前記ブロック共重合体30と同様の操作を行い、ブロック共重合体31を得た。
(共重合体32)
上述の〈操作1〉~〈操作3〉を下記のように変更した。
<操作1>
スチレン10質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)0.4モルを添加し、70℃で20分間重合した。
<操作2>
ブタジエン80質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で100分間重合した。
<操作3>
スチレン10質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、50分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させ、ブロック共重合体を得た。
得られたブロック共重合体は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量20質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は37質量%、重量平均分子量8万であった。
上記操作を変更した以外は、前記ブロック共重合体30と同様の操作を行い、変性ブロック共重合体32を得た。
(共重合体33)
攪拌装置とジャケットを具備する槽型反応器(内容積10L)を使用して、下記<操作1>~<操作5>の手順で、バッチ重合、水素添加反応及び脱溶媒操作を行った。
<操作1>
スチレン22.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)2.2モルを添加し、70℃で30分間重合した。
<操作2>
ブタジエン50質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で70分間重合した。
<操作3>
スチレン22.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、30間重合した。
<操作4>
ブタジエン5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で10分間重合した。
その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させ、ブロック共重合体を得た。
得られたブロック共重合体は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量45質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は75質量%、重量平均分子量7万であった。
<操作5>
得られたブロック共重合体に、上記のようにして調製した水添触媒を、ブロック共重合体100質量部当たり、Ti基準で100ppm添加後、水素圧0.7MPa、供給速度0.2L/sで水素を供給し、温度80℃で水素添加反応を行い、水添ブロック共重合体の溶液を得た。水添ブロック共重合体の水素添加率は98質量%であった。次に、安定剤として、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、水添ブロック共重合体の溶液に100質量部に対して0.3質量部添加した。
<操作6>
上述のようにして得られた水添ブロック共重合体の溶液を、特公平05-54845号公報に記載のスチームストリッピング法を用い、90~98℃の水中で溶媒の大部分を除去した。
その後、クラム濃度が約5質量%の水分散スラリーを二軸押出機に投入することで脱溶剤した。これにより、ブロック共重合体33を得た。
(共重合体34)
攪拌装置とジャケットを具備する槽型反応器(内容積10L)を使用して、下記<操作1>~<操作5>の手順で、バッチ重合、水素添加反応及び脱溶媒操作を行った。
<操作1>
スチレン33.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)0.4モルを添加し、70℃で45分間重合した。
<操作2>
ブタジエン33質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で45分間重合した。
<操作3>
スチレン33.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、45分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させ、ブロック共重合体を得た。
得られたブロック共重合体は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量67質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は39質量%、重量平均分子量6万であった。
<操作4>
得られたブロック共重合体に、上記のようにして調製した水添触媒を、ブロック共重合体100質量部当たり、Ti基準で100ppm添加後、水素圧0.7MPa、供給速度0.2L/sで水素を供給し、温度80℃で水素添加反応を行い、水添ブロック共重合体の溶液を得た。水添ブロック共重合体の水素添加率は96質量%であった。次に、安定剤として、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、水添ブロック共重合体の溶液に100質量部に対して0.3質量部添加した。
<操作5>
上述のようにして得られた水添ブロック共重合体の溶液を、特公平05-54845号公報に記載のスチームストリッピング法を用い、90~98℃の水中で溶媒の大部分を除去した。
その後、クラム濃度が約5質量%の水分散スラリーを二軸押出機に投入することで脱溶剤した。これにより、ブロック共重合体34を得た。
なお、ブロック共重合体及び変性ブロック共重合体1~34の構造を下記表1~4に示す。表1~4中、ブロック共重合体及び変性ブロック共重合体の番号は共重合体1~34と記す。
〔樹脂組成物の調製及び成形体の物性評価〕
〈ポリオレフィン系樹脂〉
ポリオレフィン系樹脂は、株式会社プライムポリマーより購入した直鎖状低密度ポリエチレン(以下LLDPEともいう)エボリューSP1520、サンアロマー株式会社より購入したホモポリプロピレン(以下PPともいう)PL500Aを使用した。
〈極性基を有する樹脂(ii)(ただし、成分(II)を除く)〉
極性基を有する樹脂(ii)としては、ポリアミド6(PA6)、ポリアミド66(PA66)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリウレタンを使用した。詳細は下記の通りである。
ポリアミド6(以下PA6ともいう):UBE社製 ナイロン樹脂1024B
ポリアミド66(以下PA66ともいう):旭化成株式会社製 レオナ樹脂 1300S
(黒着色)
ポリエチレンテレフタレート(以下PETともいう):帝人株式会社製 TRN―8550FF
ABS樹脂(以下ABSともいう):東レ株式会社 トヨラック500 322
ポリウレタン:芳香族エステル系接着剤用ポリウレタン タケラック/タケネート A―977/A―92
〈実施例1~11、33~47及び比較例1~4〉
成分(I)として上述の直鎖状低密度ポリエチレンのペレットとポリアミド6、ポリエチレンテレフタレートのペレット及びポリウレタン接着剤硬化物、成分(II)として共重合体(ブロック共重合体及び変性ブロック共重合体)とを、表5~8の比率でドライブレンドした後、二軸押出機に供し、溶融混練した。押出機の吐出口から吐出したストランドをペレット化した。このとき、成分(I)中のポリオレフィン系樹脂(i)がポリエチレンであるかポリプロピレンであるかによって、変性ブロック共重合体中の共役ジエン単量体単位(B)に由来する1,2ービニル結合量及び3,4ービニル結合量の合計量を所定の設定し、成分(I)中の極性基を有する樹脂(ii)の質量比率に応じて(II)成分の配合量を所定の範囲に設定した。
二軸押出機は、日本製鋼所製「TEX-30αII」、シリンダー口径30mmを用い、シリンダー設定温度200℃~260℃、スクリュー回転数250rpmとした。
得られたコンパウンドペレットを60℃に設定したドライオーブンで3時間乾燥させた。
上記のようにして得られたコンパウンドペレットを、シリンダー温度200℃~260℃に設定した共押出多層キャスト製膜装置に供給し、フィルムの層厚みが245μm~255μmとなるようにスクリュー回転数を調整し、フィルム成形体を得た。
(フィルム成形体の物性評価方法)
作成したフィルム成形体を用いて各種物性評価を実施し、下記に定める評価基準により判定した。結果を表5~8に示す。
<フィッシュアイの有無>
有:共押出多層キャスト製膜装置により成膜したフィルムに樹脂の架橋物等に由来するブツや裂け目が多数存在する。
無:共押出多層キャスト製膜装置により成膜したフィルムに樹脂の架橋物等に由来するブツや裂け目が多数存在しない。
<引張試験>
JIS K7161に準拠して、フィルム成形体の引張試験を実施し、引張呼びひずみ(伸び)及び引張弾性率(ヤング率)を測定し、下記の式により算出した。
引張呼びひずみは、引張試験機のつかみ具間距離の増加量を、初めのつかみ具間距離で除して算出した。
ε=(ΔL/L)×100
ε:引張呼びひずみ(%)
L:初めのつかみ具間の距離(mm)
ΔL:つかみ具間距離の増加分(mm)
引張弾性率(ヤング率)は引張比例限度内における引張応力とこれに対応する歪みの比として下記の式により算出した。
E=σ/ε
E:引張弾性率(MPa)
σ:引張応力(MPa)
ε:引張歪み
●剛性
引張試験により算出した引張弾性率から、下記基準により判定した。
◎:240MPaを超える
〇:210MPaを超え240MPa以下
△:180MPaを超え210MPa以下
×:180MPa以下
●伸び(引張呼びひずみ)
下記基準により判定した。
◎:750%を超える
〇:700%を超え750%以下
△:650%を超え700%以下
×:650%以下
<ダート試験法による落錘衝撃試験>
JIS K7124―1に準拠して、フィルム成形体の落錘衝撃試験を行った。
●耐衝撃性
ダート試験法により測定した衝撃強度から、下記基準により判定した。
◎:2.0Jを超える
○:1.5Jを超え2.0J以下
△:1.0Jを超え1.5J以下
×:1.0J以下
<ヒートシール性>
JIS Z1707に準拠して、フィルム成形体のピール試験(ヒートシール強度測定)を実施した。
試験片のヒートシール部を中央にして180°に開き,つかみの間隔を50mmとし,試験片の両端を引張試験機のつかみに取り付け,ヒートシール部が破断するまで引張荷重を加え,その間の最大荷重 (N {kgf}/15 mm) を求め,ヒートシール強度とした。
●ヒートシール強度
ピール試験により測定したヒートシール強度から、下記基準により判定した。
◎:25N/15mmを超える
〇:20N/15mmを超え25N/15mm以下
△:15N/15mmを超え20N/15mm以下
×:15N/15mm以下
<耐落袋衝撃性>
300mm×150mmに切り出したフィルム成形体を2枚重ね合わせ、四方をヒートシールしたフィルム成形体のバッグに1000mLの水を充填し、5℃の環境下で高さ1.6mからバッグが破壊するまで繰り返し落下させた。破壊に至るまでの落下回数を測定し、落袋強度とした。破壊に至るまでの落下回数から耐落袋衝撃性を下記基準により判定した。
◎:10回を超える
〇:6回以上10回未満
△:3回以上6回未満
×:1回以上3回未満
<エタノール透過試験>
300mm×150mmに切り出したフィルム成形体を2枚重ね合わせ、四方をヒートシールしたフィルム成形体のバッグに1000mLのエタノール(濃度99.5wt%)を充填し、40℃に設定したドライオーブン中で24時間静置し、重量変化を測定することでエタノール透過量を算出した。この値を保香性の判断指標とした。
●保香性
エタノール透過量から、下記基準により判定した。
◎:0.3g/day以下
○:0.3g/dayを超え0.5g/day以下
△:0.5g/dayを超え0.7以下g/day
×:0.7g/dayを超え1.0g/day以下
<モルフォロジー観察>
フィルム成形体を液体窒素で凍結後、MD方向と垂直方向にミクロトームで超薄肉片を切り出し、ルテニウム酸でブロック共重合体及び変性ブロック共重合体相を染色、水洗、乾燥した後、透過型電子顕微鏡(TEM)で1万倍~5万倍に拡大して観察した。
表5~6中の実施例1~11と比較例1、2より、無水マレイン酸をグラフトした変性ブロック共重合体をLLDPEとPA6とを含む混合樹脂に添加することでフィルム成形体の物性が大幅に向上することが分かった。
これは、変性ブロック共重合体中に存在する無水マレイン酸由来の酸無水物基とPA6の分子中に存在するアミノ基との化学結合による効果と、変性ブロック共重合体中の共役ジエン単量体単位に由来する1,4結合が水素添加されたエチレン構造単位とLLDPEが相容する効果により、互いの相容化剤として機能していると考えられる。このような相容化剤を用いることで、LLDPE相中にPA6が微分散したモルフォロジーが観察された。
比較例1のフィルムのモルフォロジーを観察すると、LLDPEの海相に5μm程度のPA6の島相が観測され、互いに相分離していることが分かった。このような分散状態のフィルム成形体は、応力をかけた際にPA6相に応力が集中し、伸びや耐衝撃性が低下してしまうと考えられる。また、互いに相容化しにくいことから、延伸時の裂けやフィッシュアイの発生が見られると考えられる。
対して、無水マレイン酸をグラフトした変性ブロック共重合体は、LLDPEとPA6の相容化剤として機能することで、LLDPE中にPA6を数nmという径で分散させることが可能となると考えられる。このようにPA6を微分散させることにより、応力が分散しフィルムの伸びの向上や成形時のフィッシュアイを抑制できると考えられる。また、PA6の界面を変性ブロック共重合体が覆うことにより、界面が補強されフィルムの耐衝撃性が向上すると考えられる。
比較例3では、変性ブロック共重合体の芳香族ビニル単量体単位の含有量(以下、スチレン量ともいう)が極端に低いために、スチレンブロック同士の凝集力が弱く、ゴム性が低下し、耐衝撃性が低下すると考えられる。
比較例4のように、水素添加率の低い変性ブロック共重合体を用いると、加工時に未水添の共役ジエン単量体単位(以下ブタジエン単位ともいう)中の二重結合の劣化により、ゲル化が起こり、フィッシュアイの原因となると考えられる。
実施例7~8及び10~11と、実施例9との対比から、成分(I)中のポリオレフィン系樹脂(i)がポリエチレンである場合、成分(II)中の共役ジエン単量体単位(B)に由来する1,2-ビニル結合及び3,4-ビニル結合の合計量を10質量%以上50質量%未満に設定した変性ブロック共重合体を用いると、1,4結合に由来するエチレン構造単位の含有量が高くなるために、LLDPEとの相容性が向上する結果、フィルムの伸びや耐衝撃性が一層向上すると考えられる。
これらの検討の結果、LLDPEとPA6との相容化剤としては、共重合体23のような構造の変性ブロック共重合体が特に有用であることが示唆された。また、共重合体23は(a)-(b)-(a)-(b)構造(以降、4型構造ともいう)であるため、末端の水素添加されたブタジエン単位とLLDPEとがより相容しやすいと考えられる。
比較例2のフィルムにはLLDPEと相容しにくいPA6に加え、ウレタン接着剤硬化物が含まれる。このフィルムはウレタン接着剤硬化物に由来するフィッシュアイが多数発生した。さらに、変性ブロック共重合体を含んでいないため、LLDPEとPA6の相容性も低く、靭性が劣る結果であった。一方でブロック共重合体をアミン変性した共重合体10とマレイン酸変性した共重合体23を併用すると、前述の物性が大幅に改善された。これは、前述したマレイン酸変性ブロック共重合体によるLLDPEとPA6の相容化効果に加え、アミン変性ブロック共重合体の末端アミンとウレタンの反応の効果であると推定できる。樹脂組成物中で硬化したウレタン接着剤は再加熱して溶融させることは出来ない。しかし、アミンがウレタン結合を切断することで、硬化したウレタン接着剤を分散させることが可能となると考えられる。
実施例42~47より、PA6がPETに変わった場合でも、同様の効果を確認した。
この技術を利用することで、シール層にポリオレフィン、基材層にPA6又はPET、タイレイヤーにウレタン接着剤を用いた多層容器(洗剤などのスタンディングパウチ)をデラミネーションすることなく、容易にマテリアルリサイクルすることが可能となると考えられる。
〈実施例12~32、48~69及び比較例5~12〉
成分(I)として上述のホモポリプロピレンのペレットとポリアミド66、ABS樹脂及びポリエチレンテレフタレートのペレット、成分(II)として共重合体(ブロック共重合体及び変性ブロック共重合体)とを、表8~13の比率でドライブレンドした後、二軸押出機に供し、溶融混練した。押出機の吐出口から吐出したストランドをペレット化した。このとき、成分(I)中のポリオレフィン系樹脂(i)がポリエチレンであるかポリプロピレンであるかによって、変性ブロック共重合体中の共役ジエン単量体単位(B)に由来する1,2ービニル結合量及び3,4ービニル結合量の合計量を所定の設定し、成分(I)中の極性基を有する樹脂(ii)の質量比率に応じて(II)成分の配合量を所定の範囲に設定した。
二軸押出機は、日本製鋼所製「TEX-30αII」、シリンダー口径30mmを用い、シリンダー設定温度220℃~280℃、スクリュー回転数250rpmとした。
得られたコンパウンドペレットを60℃に設定したドライオーブンで3時間乾燥させた。
上記のようにして得られたコンパウンドペレットを、射出成形機(日精樹脂工業株式会社製「FNX-III」)により、JIS K7161規定の1A形ダンベルを成形した。
(樹脂組成物の成形体の物性評価方法)
作成した成形体を用いて各種物性評価を実施し、下記に定める評価基準により判定した。結果を表9~16に示す。
<引張試験>
JIS K7161に準拠して、樹脂組成物の成形体の引張試験を実施し、引張呼びひずみ(破断伸度)を測定し、下記の式により算出した。
引張呼びひずみは、引張試験機のつかみ具間距離の増加量を、初めのつかみ具間距離で除して算出した。
ε=(ΔL/L)×100
ε:引張呼びひずみ(%)
L:初めのつかみ具間の距離(mm)
ΔL:つかみ具間距離の増加分(mm)
●伸び(引張呼びひずみ)
引張試験により算出した引張呼びひずみから、下記基準により判定した。
◎:500%を超える
○:400%を超え500%以下
△:300%を超え400%以下
×:300%以下
<曲げ試験>
JIS K7171に準拠して、応力-歪曲線を測定し、曲げ弾性率を評価した。
試験片は前記ASTMダンベルを用いて、三点曲げ試験で得られた応力-歪曲線から割線法により、曲げ弾性率を算出した。
●剛性
曲げ試験により曲げ弾性率を測定し、下記の基準により判定した。
◎:1300MPaを超える
○:1100MPaを超え1300MPa以下
△:900MPaを超え1100MPa以下
×:900MPa以下
<シャルピー衝撃強さ>
JIS K7111-1に準拠してシャルピー衝撃さの測定を行った。
なお、シャルピー衝撃強度の測定は、JIS K7161規定の1A形ダンベルを切り出し、63.5mm×12.7mm×4mmの短冊状とし、ノッチ(タイプA)を有する試験片を用いて、温度23℃、及び-30℃において、エッジワイズ試験法による衝撃の測定を行った。
●耐衝撃性(23℃)
シャルピー衝撃強さの測定により下記の基準により判定した。
◎:10kJ/mを超える
○:8kJ/mを超え10kJ/m以下
△:6kJ/mを超え8kJ/m以下
×:6kJ/m以下
●低温耐衝撃性(-30℃)
シャルピー衝撃強さの測定により下記の基準により判定した。
◎:6kJ/mを超える
○:4kJ/mを超え6kJ/m以下
△:2kJ/mを超え4kJ/m以下
×:2kJ/m以下
<耐候性評価>
JIS K7050に準拠して耐候性評価を行った。
評価はキセノンウェザーメーター(スガ試験機社製スーパーキセノンウェザーメーターSX57)を用いて、試験体の劣化促進を行った。
●耐候性
スーパーキセノンウェザーメーターを用いて、試験片を315nmの波長の光のもと5日間曝露させ、曝露後のシャルピー衝撃強さを測定した。
耐候性は、シャルピー衝撃強度維持率(曝露前のシャルピー衝撃強さ/曝露後のシャルピー衝撃強さ)を算出し、下記の基準により判定した。
◎:90%を超える
○:85%を超え90%以下
△:80%を超え85%以下
×:80%以下
<モルフォロジー観察>
成形体を液体窒素で凍結後、MD方向と垂直方向にミクロトームで超薄肉片を切り出し、ルテニウム酸でブロック共重合体及び変性ブロック共重合体相を染色、水洗、乾燥した後、透過型電子顕微鏡(TEM)で1万倍~5万倍に拡大して観察した。
表9~11中の実施例13~18、21~27と比較例5より、無水マレイン酸をグラフトした変性ブロック共重合体をPPとPA66とを含む混合樹脂に添加することでフィルム成形体の物性が大幅に向上することが分かった。
これは、変性ブロック共重合体中に存在する無水マレイン酸由来の酸無水物基とPA66の分子中に存在するアミノ基の化学結合による効果と、変性ブロック共重合体中の共役ジエン単量体単位に由来する1,2-ビニル結合及び3,4-ビニル結合が水素添加されたブチレン構造単位とPPが相容する効果により、互いの相容化剤として機能していると考えられる。このような相容化剤を用いることで、PP相中にPA66が、又はPA66相中にPPが微分散したモルフォロジーが観察された。
比較例5のモルフォロジーを観察すると、PPの海相に5μm程度のPA66の島相が観測され、互いに相分離していることが分かった。このような分散状態の成形体は、応力をかけた際にPA66相に応力が集中し、伸びや耐衝撃性が低下してしまうと考えられる。また、互いに相容化しにくいことから、押出加工時のサージングや、成形体の外観不良に繋がると考えられる。
対して、無水マレイン酸をグラフトした変性ブロック共重合体は、PPとPA66との相容化剤として機能することで、PP中にPA66を0.1μm程度の径で分散させることが可能となると考えられる。このようにPA66を微分散させることにより、応力が分散し成形体の伸びの向上や成形外観を改善できると考えられる。また、PA66の界面を変性ブロック共重合体が覆うことにより、界面が補強されフィルムの耐衝撃性が向上すると考えられる。
比較例7では、変性ブロック共重合体のスチレン量が極端に低いために、成形体の剛性低下、さらにはスチレンブロック同士の凝集力が弱く、ゴム性が低下し、十分な耐衝撃性が発現しないと考えられる。一方で、比較例11のようにスチレン量を高く設定しすぎると、変性ブロック共重合体のガラス転移温度が高温側にシフトし、樹脂組成物の脆化温度が高くなることで耐衝撃性の低下や破断伸びの低下に繋がると考えられる。
比較例8のように、水素添加率の低い変性ブロック共重合体を用いると、押出加工時に未水添のブタジエン単位中の二重結合の劣化により、ゲル化が起こり、樹脂組成物の耐衝撃性や伸びが低下する。さらに、紫外線によりラジカルが発生し光劣化も進行することが分かった。
実施例24~27と、実施例23との対比から、成分(I)中のポリオレフィン系樹脂(i)がポリプロピレンである場合、成分(II)中の共役ジエン単量体単位に由来する1,2-ビニル結合及び3,4-ビニル結合の合計量を50質量%以上85質量%以下に設定した変性ブロック共重合体を用いると、変性ブロック共重合体中のブチレン構造単位の含有量が高くなるために、PPとの相容性が向上する結果、成形体の伸びや耐衝撃性が一層向上すると考えられる。
実施例24のように、4型構造で共役ジエン単量体単位中の1,2-ビニル結合及び3,4-ビニル結合の含有量が高い変性ブロック共重合体25を用いると、末端のブチレン構造単位がPPとの相容性が向上し、結果的にPPとPA66の相容性が大幅に改善されるため、成形外観、剛性、耐衝撃性、伸び、耐候性のバランスに優れた樹脂組成物が得られることがわかった。この変性ブロック共重合体25はPPとPETとの相容化剤としても、同様の優れた効果を確認した(実施例62~64)。
比較例6と実施例20との比較より、PPとABS樹脂との相容化剤としてアミン変性ブロック共重合体が有用であることが分かった。実施例20では、変性ブロック共重合体中のアミンがABS樹脂のシアノ基と反応することと、ブタジエン単位に由来するブチレン骨格とPPの相容性が相まって、樹脂組成物の靭性が向上したと考えられる。
〔自動車廃棄物(自動車シュレッダーダスト(以下「ASR」とも記す))由来樹脂の解析〕
下記の方法により後述の実施例及び比較例で用いた自動車廃棄物由来樹脂の定性及び定量分析を実施した。
<有機物成分の定性分析>
試料を適量採取し、Ge製試料台上に保持して、顕微FT-IR測定の供与試料とした。
顕微FT―IRはBruker社製LUMOSを用い、分解能4cm-1、積算回数32scansで透過法により測定した。
凍結粉砕した試料をサンプルカップに測りとり、測定サンプルとした。
測定サンプルを用いて熱分解ガスクロマトグラフィー質量分析を実施した。
パイロライザー装置はFrontier,EGA/PY-3030Dを用い、加熱条件を600℃に設定した。
ガスクロマトグラフィー装置はAglient Technologies 7890Bを用いた。カラムは膜厚0.25μm、30m×0.25nmを選択し、カラム温度は40℃で5分保持した後、20℃/minで320℃まで昇温した。
注入口温度を320℃とし、流速1ml/minで試料を約0.1mg注入した。
質量分析装置はJEOL RESONANCE,JMS-Q1500GCを用い、インターフェース温度320℃、スキャンレンジm/z 10~800、イオン源温度240℃とした。
<有機物成分の定量分析>
高温NMR測定により主成分ポリマーの定量分析を行った。
凍結粉砕した試料20.31mg及び内部標準をNMR管に測りとり、重オルトジクロロベンゼン(以下ODCBという)を添加して140℃で予備溶解した。
以下の条件でNMR測定を実施した。
H NMR測定条件)
測定装置:Jeol RESONANCE,ECS400
観測核:
パルスプログラム:Single pulse
観測周波数:399.78MHz
積算回数:256回
化学シフト基準:6.96ppm(ODCB)
測定温度:140℃
溶媒:ODCB-d4
13C NMR測定条件)
測定装置:Bruker Biospin
観測核:13C
パルスプログラム:zgig
観測周波数:150.91MHz
積算回数:10000回
化学シフト基準:127.67ppm(ODCB)
測定温度:130℃
溶媒:ODCB-d4
次に、別種ポリマーの定量分析を行った。
凍結粉砕した試料50mgに重ODCB、重ヘキサフルオロ-2-プロパノール(以下HFIPという)をそれぞれ添加し、固液抽出を5日間行った。その際、サンプル溶液に15分×5回、超音波をかけた。
内部標準として、ジメチルスルホキシド(以下DMSOという)約10mg/mL重クロロホルム溶液を50μLを添加した。
抽出後、ガラスウールで個体をろ過し、H-NMR測定に供した。
H-NMR測定条件)
測定装置:Jeol RESONANCE,ECS400
観測核:
パルスプログラム:Single pulse
観測周波数:399.78MHz
積算回数:256回
化学シフト基準:0ppm(テトラメチルシラン)
測定温度:室温℃
溶媒:重水素化クロロホルム、HFIP-d2
<無機元素の定性分析>
蛍光X線分析(以下μXRFという)により無機元素の定性を行った。
ペレット(試料)1粒を割断して樹脂製試料台上に固定し、断面、表面の元素分析を実施した。
(μXRF測定条件)
測定装置:AMETEC ORBIS PC
X線源:Rh管球
スポットサイズ:30μm
測定雰囲気:真空
測定時間:100sec
<無機元素の定量>
ICP発光分光分析法(以下ICP-AESという)により無機元素の半定量を行った。
試料を約1.0g秤量し、下記の順で徐々に湿式分解した。
(硝酸)→(硝酸+塩酸)→(硝酸)→(過塩素酸)
湿式分解後の試料を25mlに定量し、ICP-AESにて分析した。
<その他成分の定量分析>
熱重量示差熱分析装置(以下TG-DTAという)により、有機物、無機物、カーボンブラックの定量分析を行った。
(測定条件)
装置:日立STA7200RV
加熱条件)70℃→300℃(20℃ / min 、10min保持、窒素雰囲気下)
300℃→600℃(20℃ / min、窒素雰囲気下)
600℃→400℃(200℃ / min、20min保持、窒素雰囲気下)
400℃→800℃(20℃ / min、Air雰囲気下)
表17にASR由来樹脂の分析結果を示す。なお、ASR由来樹脂の比重は0.95であった。
表中、PPはポリプロピレンを表し、PEはポリエチレンを表し、PETはポリエチレンテレフタレートを表し、PMMAはポリメチルメタクリレート樹脂を表す。
(実施例70~81及び比較例14~16)
〔自動車廃棄物由来樹脂(再生材)の改質〕
成分(I)として上述のASR由来樹脂(再生材)のペレット、成分(II)として共重合体(ブロック共重合体及び変性ブロック共重合体)とを、表18~19の比率でドライブレンドした後、二軸押出機に供し溶融混練した。押出機の吐出口から吐出したストランドをペレット化した。このとき、成分(I)中のポリオレフィン系樹脂(i)がポリエチレンであるかポリプロピレンであるかによって、変性ブロック共重合体中の共役ジエン単量体単位(B)に由来する1,2ービニル結合量及び3,4ービニル結合量の合計量を所定の設定し、成分(I)中の極性基を有する樹脂(ii)の質量比率に応じて(II)成分の配合量を所定の範囲に設定した。
二軸押出機は、日本製鋼所製「TEX-30αII」、シリンダー口径30mmを用い、シリンダー設定温度220℃~280℃、スクリュー回転数250rpmとした。
得られたコンパウンドペレットを60℃に設定したドライオーブンで3時間乾燥させた。
上記のようにして得られたコンパウンドペレットを、射出成形機(日精樹脂工業株式会社製「FNX-III」)により、JIS K7161規定の1A形ダンベルを成形した。
(樹脂組成物の成形体の物性評価方法)
作成した成形体を用いて各種物性評価を実施し、下記に定める評価基準により判定した。結果を表18~19に示す。
<引張試験>
JIS K7161に準拠して、樹脂組成物の成形体の引張試験を実施し、引張呼びひずみ(破断伸度)を測定し、下記の式により算出した。
引張呼びひずみは、引張試験機のつかみ具間距離の増加量を、初めのつかみ具間距離で除して算出した。
ε=(ΔL/L)×100
ε:引張呼びひずみ(%)
L:初めのつかみ具間の距離(mm)
ΔL:つかみ具間距離の増加分(mm)
●伸び(引張呼びひずみ)
引張試験により算出した引張呼びひずみから、下記基準により判定した。
◎:50%を超える
○:40%を超え50%以下
△:30%を超え40%以下
×:30%以下
<曲げ試験>
JIS K7171に準拠して、応力-歪曲線を測定し、曲げ弾性率を評価した。
試験片は前記ASTMダンベルを用いて、三点曲げ試験で得られた応力-歪曲線から割線法により、曲げ弾性率を算出した。
●剛性
曲げ試験により曲げ弾性率を測定し、下記の基準により判定した。
◎:1000MPaを超える
○:800MPaを超え1000MPa以下
△:600MPaを超え800MPa以下
×:600MPa以下
<シャルピー衝撃強さ>
JIS K7111-1に準拠してシャルピー衝撃さの測定を行った。
なお、シャルピー衝撃強度の測定は、JIS K7161規定の1A形ダンベルを切り出し、63.5mm×12.7mm×4mmの短冊状とし、ノッチ(タイプA)を有する試験片を用いて、温度23℃、及び-30℃において、エッジワイズ試験法による衝撃の測定を行った。
●耐衝撃性(23℃)
シャルピー衝撃強さの測定により下記の基準により判定した。
◎:30kJ/mを超える
○:20kJ/mを超え30kJ/m以下
△:10kJ/mを超え20kJ/m以下
×:10kJ/m以下
●低温耐衝撃性(-30℃)
シャルピー衝撃強さの測定により下記の基準により判定した。
◎:6kJ/mを超える
○:4kJ/mを超え6kJ/m以下
△:2kJ/mを超え4kJ/m以下
×:2kJ/m以下
<耐候性評価>
JIS K7050に準拠して耐候性評価を行った。
評価はキセノンウェザーメーター(スガ試験機社製スーパーキセノンウェザーメーターSX57)を用いて、試験体の劣化促進を行った。
●耐候性
スーパーキセノンウェザーメーターを用いて、試験片を315nmの波長の光のもと5日間曝露させ、曝露後のシャルピー衝撃強さを測定した。
耐候性は、シャルピー衝撃強度維持率(曝露前のシャルピー衝撃強さ/曝露後のシャルピー衝撃強さ)を算出し、下記の基準により判定した。
◎:90%を超える
○:85%を超え90%以下
△:80%を超え85%以下
×:80%以下
これらの技術を利用することで、複数樹脂を含む自動車シュレッダーダスト(ASR)由来のプラスチックを容易にマテリアルリサイクルすることが可能となると考えられる。
本発明の樹脂組成物の製造方法は、例えば、分別が困難な複数の樹脂(ミックスプラスチック)をリサイクルする方法として有用であり、本発明の技術により得られる樹脂組成物は、筐体、フィルム、シートなど各種成形体の原料として産業上の利用可能性を有している。
即ち、本発明は以下の通りである。
[1]
成分(I)及び成分(II)を含む樹脂組成物の製造方法であって、
成分(I)が、ポリエチレン又はポリプロピレンであるポリオレフィン系樹脂(i)を含み、
成分(II)が、ビニル芳香族単量体単位(A)及び共役ジエン単量体単位(B)を含み、
ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量が5質量%以上70質量%以下であり、
共役ジエン単量体単位(B)の二重結合の水素添加率が50モル%以上100モル%以下であり、
前記成分(I)中のポリオレフィン系樹脂(i)がポリエチレンであるかポリプロピレンであるかによって、前記変性ブロック共重合体中の共役ジエン単量体単位(B)に由来する1,2ービニル結合量及び3,4ービニル結合量の合計量を設定し、
前記成分(I)中に含まれ得る極性基を有する樹脂(ii)(ただし、成分(II)を除く)の質量比率に応じて前記(II)成分の配合量を設定する、樹脂組成物の製造方法。
[2]
前記成分(II)が分子中に極性基を有する変性ブロック共重合体であって、
前記成分(II)中の極性基の含有量が0.01質量%以上4質量%以下であり、
前記ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量が10質量%以上50質量%以下であり、
前記共役ジエン単量体単位(B)の二重結合の水素添加率が60モル%以上100モル%以下である、[1]に記載の樹脂組成物の製造方法。
[3]
前記成分(II)中の極性基が、酸無水物基、アミノ基、アミド基、水酸基及びアルコキシシリル基からなる群より選択される少なくとも一つである、[2]に記載の樹脂組成物の製造方法。
[4]
前記成分(I)と前記成分(II)とを質量比(成分(I)/成分(II))=99/1~70/30で混合する、[1]~[3]いずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
[5]
前記成分(I)中、ポリエチレン又はポリプロピレンであるポリオレフィン系樹脂(i)と、極性基を有する樹脂(ii)(ただし、成分(II)を除く)との質量比(樹脂(i)/樹脂(ii))が1/99~95/5である、[1]~[4]いずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
[6]
前記成分(I)中のポリオレフィン系樹脂(i)がポリエチレンである場合、
前記成分(II)中の共役ジエン単量体単位(B)に由来する1,2-ビニル結合量及び3,4-ビニル結合量の合計量を10質量%以上50質量%未満とし、
前記成分(I)中のポリオレフィン系樹脂(i)がポリプロピレンである場合、
前記成分(II)中の共役ジエン単量体単位(B)に由来する1,2-ビニル結合量及び3,4-ビニル結合量の合計量を50質量%以上85質量%以下とする、[1]~[5]いずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
[7]
前記成分(I)中の極性基を有する樹脂(ii)の質量比率が5質量%未満の場合、
前記成分(I)と前記成分(II)との質量比(成分(I)/成分(II))を99/1~95超/5未満に設定し、
前記成分(I)中の極性基を有する樹脂(ii)の質量比率が5質量%以上の場合、
前記成分(I)と前記成分(II)との質量比(成分(I)/成分(II))を95/5~85/15に設定する、[1]~[6]いずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
[8]
前記成分(II)中の共役ジエン単量体単位(B)の二重結合の水素添加率が、70モル%以上100モル%以下である、[1]~[7]いずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
[9]
前記成分(II)中の共役ジエン単量体単位(B)の二重結合の水素添加率が、90モル%以上100モル%以下である、[1]~[8]いずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
[10]
前記成分(II)中のビニル芳香族単量体単位(A)がスチレン単位であり、共役ジエン単量体単位(B)が1,3-ブタジエン単位である、[1]~[9]いずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
[11]
プラスチック廃棄物を回収する回収工程と、該回収したプラスチック廃棄物を分別する分別工程とを含み、
分別されたプラスチック廃棄物が前記ポリオレフィン系樹脂(i)と前記極性基を有する樹脂(ii)とを含み、該プラスチック廃棄物中から前記ポリオレフィン系樹脂(i)と前記極性基を有する樹脂(ii)とを質量比(樹脂(i)/樹脂(ii))が1/99~95/5となるように前記成分(I)を得る、[1]~[10]いずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
[12]
前記成分(I)中のポリオレフィン系樹脂(i)がポリエチレンである場合、
前記成分(II)中の1,3-ブタジエン単位に由来する1,4-結合が水素添加されたエチレン構造単位(Et)の含有量を60モル%以上90モル%以下に設定し、
前記成分(I)中のポリオレフィン系樹脂(i)がポリプロピレンである場合、
前記成分(II)中の1,3-ブタジエン単位に由来する1,2-ビニル結合が水素添加されたブチレン構造単位(Bt)の含有量を50モル%以上85モル%以下に設定する、[1]~[11]いずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
[13]
前記分別工程において、プラスチック廃棄物が、手選別、比重選別及び光学選別からなる群より選択される少なくとも一種の方法で分別される、[11]に記載の樹脂組成物の製造方法。
[14]
前記成分(I)中の極性基を有する樹脂(ii)が、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エチレンビニルアルコール及びポリ乳酸からなる群より選択される少なくとも一種の樹脂を含む、[1]~[13]いずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
[15]
前記成分(II)中の極性基が酸無水物基又はアミノ基である、[2]に記載の樹脂組成物の製造方法。
[16]
前記成分(I)が少なくとも基材層(a)と接着層(b)とを含む多層シート又はフィルムであって、
前記基材層(a)がポリアミド6又はポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂であり、前記接着層(b)がポリエチレンであり、
前記基材層(a)と前記接着層(b)との質量比(基材層(a)/接着層(b))が3/95~20/80であり、
前記多層シート又はフィルムを細断して細断物を得る工程を含み、
前記細断物と前記成分(II)とを質量比(細断物/成分(II))が95/5~85/15となるように混合し、溶融混錬し、溶融物をシート又はフィルムに成形する工程を含む、[1]~[15]いずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
[17]
前記多層シート又はフィルムが、前記基材層(a)と前記接着層(b)との間にウレタン接着層(c)を含む、[16]に記載の樹脂組成物の製造方法。
[18]
前記多層シート又はフィルムが液体製品を充填するパウチである、[16]に記載の樹脂組成物の製造方法。
[19]
前記成分(I)が、自動車廃棄物から得られる破砕物であって、ポリオレフィン系樹脂(i)と、極性基を有する樹脂(ii)と、無機物と、を含み、
前記自動車廃棄物を破砕して破砕物を得る工程を含み、
前記破砕物と前記成分(II)との質量比(破砕物/成分(II))が97/3~85/15となるように混合し、溶融混錬し、溶融物を成形体に加工する工程を含む、[1]~[18]いずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
[20]
前記自動車廃棄物から得られる破砕物を比重選別により選別する工程を含み、
前記自動車廃棄物から得られる破砕物の比重が1.0以下である、[19]に記載の樹脂組成物の製造方法。
[21]
前記自動車廃棄物の破砕物において、前記ポリオレフィン系樹脂(i)が、ポリプロピレン、ポリエチレンであり、
前記極性基を有する樹脂(ii)が、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアミド6及びポリアミド66(PA66)からなる群より選択される少なくとも1種を含み、
前記無機物が、タルク、炭酸カルシウム、ガラス繊維、カーボンブラック及び金属残渣からなる群より選択される少なくとも1種を含む、[19]又は[20]に記載の樹脂組成物の製造方法。
[22]
前記自動車廃棄物の破砕物において、
前記ポリオレフィン系樹脂(i)の含有量が80質量%以上100質量%未満であり、
前記極性基を有する樹脂(ii)の含有量が0質量%超20質量%未満であり、
前記無機物の含有量が0質量%超20質量%未満である、[19]~[21]いずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
〔樹脂組成物の製造方法〕
本実施形態の樹脂組成物の製造方法は、
成分(I)及び成分(II)を含む樹脂組成物の製造方法であって、
成分(I)が、ポリエチレン又はポリプロピレンであるポリオレフィン系樹脂(i)を含み、
成分(II)が、ビニル芳香族単量体単位(A)及び共役ジエン単量体単位(B)を含み、前記成分(II)中のビニル芳香族単量体単位(A)の含有量が5質量%以上70質量%以下であり、共役ジエン単量体単位(B)の水素添加率が50モル%以上100モル%以下であり、
前記成分(I)中のポリオレフィン系樹脂(i)がポリエチレンであるかポリプロピレンであるかによって、前記変性ブロック共重合体中の共役ジエン単量体単位(B)に由来する1,2ービニル結合量及び3,4ービニル結合量の合計量を設定し、前記成分(I)中の極性基を有する樹脂(ii)(ただし、成分(II)を除く)の質量比率に応じて前記成分(II)の配合量を設定する。
(成分(II):変性ブロック共重合体)
本実施形態の樹脂組成物の製造方法においては、ビニル芳香族単量体単位(A)及び共役ジエン単量体単位(B)を含む成分(以下、成分(II)と記載する場合もある)を用いる。成分(II)としては、ビニル芳香族単量体単位(A)及び共役ジエン単量体単位(B)を含み、さらに分子中に極性基を有する変性ブロック共重合体(以下、変性ブロック共重合体(II)と記載する場合もある)を用いることが好ましい。
前記成分(II)中のビニル芳香族単量体単位(A)の含有量が5質量%以上70質量%以下であり、5質量%以上50質量%以下であることが好ましく、共役ジエン単量体単位(B)の水素添加率が50モル%以上100モル%以下である。また、前記成分(II)中の極性基の含有量が0.01質量%以上4質量%以下であることが好ましい。
<成分(II)中の共役ジエン単量体単位の水素添加率>
成分(II)中の共役ジエン単量体単位の二重結合の水素添加率は、50モル%以上100モル%以下であり、60モル%以上100モル%以下であることが好ましく、80モル%以上100モル%以下であることがより好ましく、完全水添(95~100モル%)であることがさらに好ましい。
成分(II)中の共役ジエン単量体単位の二重結合を95モル%~100モル%水添した完全水添とすることにより、前記ポリオレフィン系樹脂(i)との溶解度パラメーター(sp値とも言う)が近くなり、相容性が向上し、樹脂組成物の破断伸度(伸び)が向上する傾向にある。また、成分(II)中の共役ジエン単量体単位の二重結合を完全水添することで、紫外線による樹脂組成物の光酸化劣化を低減し、耐候性を担保できる傾向にある。
成分(II)中の共役ジエン単量体単位の二重結合の水素添加率は、樹脂組成物の使用目的に応じて適宜選択して設定することが好ましい。
例えば、樹脂組成物の高い破断伸度、耐ストレスクラッキング性、耐候性、耐熱酸化劣化性を満たす目的で、成分(II)中の共役ジエン単量体単位(B)の二重結合の水素添加率は70~100モル%であることが好ましく、80~100モル%がより好ましく、90~100モル%がさらに好ましい。このように水素添加率を設定することで、ブロック共重合体とポリエチレンの溶解度パラメーターが近くなり、両者の相容性が向上することで、上記物性を満たす樹脂組成物が得られる。
一方で、樹脂組成物の低温耐衝撃性を向上させる目的では、成分(II)中の共役ジエン単量体単位(B)の二重結合の水素添加率は、70モル%以上80モル%以下とすることが好ましい。
また、本実施形態の樹脂組成物の製造方法において、成分(I)中のポリオレフィン系樹脂(i)がポリエチレンである場合、成分(II)中の1,3-ブタジエン単位に由来する1,4-結合が水素添加されたエチレン構造単位(Et)の含有量を60モル%以上90モル%以下に設定することが好ましく、成分(I)中のポリオレフィン系樹脂(i)がポリプロピレンである場合、成分(II)中の1,3-ブタジエン単位に由来する1,2-ビニル結合が水素添加されたブチレン構造単位(Bt)の含有量を50モル%以上85モル%以下に設定することが好ましい。
(ブロック共重合体1)
攪拌装置とジャケットを具備する槽型反応器(内容積10L)を使用して、下記<操作1>~<操作5>の手順で、バッチ重合、水素添加反応及び脱溶媒操作を行った。
<操作1>
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)0.45モルを添加し、70℃で7分間重合した。
<操作2>
ブタジエン81質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で60分間重合した。
<操作3>
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、7分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させ、ブロック共重合体を得た。
得られたブロック共重合体は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量19質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は40質量%、重量平均分子量8万であった。
<操作4>
得られたブロック共重合体に、上記のようにして調製した水添触媒を、ブロック共重合体100質量部当たり、Ti基準で100ppm添加後、水素圧0.7MPa、供給速度0.2L/sで水素を供給し、温度80℃で水素添加反応を行い、水添ブロック共重合体の溶液を得た。水添ブロック共重合体の水素添加率は97モル%であった。次に、安定剤として、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、水添ブロック共重合体の溶液に100質量部に対して0.3質量部添加した。
<操作5>
上述のようにして得られた水添ブロック共重合体の溶液を、特公平05-54845号公報に記載のスチームストリッピング法を用い、90~98℃の水中で溶媒の大部分を除去した。
その後、クラム濃度が約5質量%の水分散スラリーを二軸押出機に投入することで脱溶剤した。これにより、ブロック共重合体1を得た。
(変性ブロック共重合体2)
攪拌装置とジャケットを具備する槽型反応器(内容積10L)及び押出機を使用して、下記<操作1>~<操作6>の手順で、バッチ重合、水素添加反応、脱溶媒操作及び押出変性を行った。
<操作1>
スチレン2質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)0.3モルを添加し、70℃で2分間重合した。
<操作2>
ブタジエン96質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で80分間重合した。
<操作3>
スチレン2質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、2分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させ、ブロック共重合体を得た。
得られたブロック共重合体は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量4質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は32質量%、重量平均分子量8万であった。
<操作4>
得られたブロック共重合体に、上記のようにして調製した水添触媒を、ブロック共重合体100質量部当たり、Ti基準で100ppm添加後、水素圧0.7MPa、供給速度0.2L/sで水素を供給し、温度80℃で水素添加反応を行い、水添ブロック共重合体の溶液を得た。水添ブロック共重合体の水素添加率は98モル%であった。次に、安定剤として、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、水添ブロック共重合体の溶液に100質量部に対して0.3質量部添加した。
<操作5>
上述のようにして得られた水添ブロック共重合体の溶液を、特公平05-54845号公報に記載のスチームストリッピング法を用い、90~98℃の水中で溶媒の大部分を除去した。
その後、クラム濃度が約5質量%の水分散スラリーを二軸押出機に投入することで脱溶剤した。
<操作6>
上述のようにして脱溶剤した水添ブロック共重合体100質量部と無水マレイン酸1.7質量部とを、押出機の長さの全域を150~200℃に設定した二軸押出機のスロートから供給し、有機過酸化物(パーオキサイド25B(日油株式会社製))0.12質量部を、二軸押出機下流の供給口から供給しコンパウンドした。押出機の吐出口から吐出したストランドをペレット化した。
<操作7>
上述のようにして得られたペレットを約80℃のドライオーブン中で3時間乾燥させ、変性ブロック共重合体2を得た。変性ブロック共重合体2の無水マレイン酸(極性基)付加量は1.6質量%であった。
(変性ブロック共重合体3)
上述の<操作1>~<操作3>及び<操作6>を下記のように変更した。
<操作1>
スチレン6質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)0.35モルを添加し、70℃で3分間重合した。
<操作2>
ブタジエン88質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で95分間重合した。
<操作3>
スチレン6質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、3分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させた。
<操作6>
脱溶剤した水添ブロック共重合体100質量部と無水マレイン酸1.9質量部とを、押出機の長さの全域を150~200℃に設定した二軸押出機のスロートから供給し、有機過酸化物(パーオキサイド25B(日油株式会社製))0.12質量部を、二軸押出機下流の供給口から供給しコンパウンドした。押出機の吐出口から吐出したストランドをペレット化した。
上記操作を変更した以外は、前記変性ブロック共重合体2と同様の操作を行い、変性ブロック共重合体3を得た。
得られた変性ブロック共重合体3は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量12質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は35質量%、重量平均分子量は8万、水素添加率は95モル%、無水マレイン酸(極性基)付加量は1.7質量%であった。
(変性ブロック共重合体4)
上述の<操作1>~<操作3>及び<操作6>を下記のように変更した。
<操作1>
スチレン9質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)0.35モルを添加し、70℃で7分間重合した。
<操作2>
ブタジエン82質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で60分間重合した。
<操作3>
スチレン9質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、7分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させた。
<操作6>
脱溶剤した水添ブロック共重合体100質量部と無水マレイン酸1.9質量部とを、押出機の長さの全域を150~200℃に設定した二軸押出機のスロートから供給し、有機過酸化物(パーオキサイド25B(日油株式会社製))0.12質量部を、二軸押出機下流の供給口から供給しコンパウンドした。押出機の吐出口から吐出したストランドをペレット化した。
上記操作を変更した以外は、前記変性ブロック共重合体2と同様の操作を行い、変性ブロック共重合体4を得た。
得られた変性ブロック共重合体4は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量18質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は34質量%、重量平均分子量は8万、水素添加率は97モル%、無水マレイン酸(極性基)付加量は1.7質量%であった。
(変性ブロック共重合体5)
上述の<操作1>~<操作3>及び<操作6>を下記のように変更した。
<操作1>
スチレン15質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)0.35モルを添加し、70℃で13分間重合した。
<操作2>
ブタジエン70質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で50分間重合した。
<操作3>
スチレン15質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、13分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させた。
<操作6>
脱溶剤した水添ブロック共重合体100質量部と無水マレイン酸1.7質量部とを、押出機の長さの全域を150~200℃に設定した二軸押出機のスロートから供給し、有機過酸化物(パーオキサイド25B(日油株式会社製))0.12質量部を、二軸押出機下流の供給口から供給しコンパウンドした。押出機の吐出口から吐出したストランドをペレット化した。
上記操作を変更した以外は、前記変性ブロック共重合体2と同様の操作を行い、変性ブロック共重合体5を得た。
得られた変性ブロック共重合体5は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量30質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は36質量%、重量平均分子量は8万、水素添加率は98モル%、無水マレイン酸(極性基)付加量は1.6質量%であった。
(変性ブロック共重合体6)
上述の<操作1>~<操作3>及び<操作6>を下記のように変更した。
<操作1>
スチレン27.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)0.35モルを添加し、70℃で25分間重合した。
<操作2>
ブタジエン45質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で60分間重合した。
<操作3>
スチレン27.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、25分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させた。
<操作6>
脱溶剤した水添ブロック共重合体100質量部と無水マレイン酸1.7質量部とを、押出機の長さの全域を150~200℃に設定した二軸押出機のスロートから供給し、有機過酸化物(パーオキサイド25B(日油株式会社製))0.12質量部を、二軸押出機下流の供給口から供給しコンパウンドした。押出機の吐出口から吐出したストランドをペレット化した。
上記操作を変更した以外は、前記変性ブロック共重合体2と同様の操作を行い、変性ブロック共重合体6を得た。
得られた変性ブロック共重合体6は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量55質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は35質量%、重量平均分子量は8万、水素添加率は96モル%、無水マレイン酸(極性基)付加量は1.6質量%であった。
(変性ブロック共重合体7)
上述の<操作1>~<操作3>及び<操作6>を下記のように変更した。
<操作1>
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)0.35モルを添加し、70℃で7分間重合した。
<操作2>
ブタジエン81質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で60分間重合した。
<操作3>
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、7分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させた。
<操作6>
脱溶剤した水添ブロック共重合体100質量部と無水マレイン酸1.7質量部とを、押出機の長さの全域を150~200℃に設定した二軸押出機のスロートから供給し、有機過酸化物(パーオキサイド25B(日油株式会社製))0.12質量部を、二軸押出機下流の供給口から供給しコンパウンドした。押出機の吐出口から吐出したストランドをペレット化した。
上記操作を変更した以外は、前記変性ブロック共重合体2と同様の操作を行い、変性ブロック共重合体7を得た。
得られた変性ブロック共重合体7は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量19質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は36質量%、重量平均分子量は8万、水素添加率は45モル%、無水マレイン酸(極性基)付加量は1.6質量%であった。
(変性ブロック共重合体8)
上述の<操作1>~<操作3>及び<操作6>を下記のように変更した。
<操作1>
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)0.35モルを添加し、70℃で25分間重合した。
<操作2>
ブタジエン81質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で60分間重合した。
<操作3>
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、7分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させた。
<操作6>
脱溶剤した水添ブロック共重合体100質量部と無水マレイン酸1.8質量部とを、押出機の長さの全域を150~200℃に設定した二軸押出機のスロートから供給し、有機過酸化物(パーオキサイド25B(日油株式会社製))0.12質量部を、二軸押出機下流の供給口から供給しコンパウンドした。押出機の吐出口から吐出したストランドをペレット化した。
上記操作を変更した以外は、前記変性ブロック共重合体2と同様の操作を行い、変性ブロック共重合体8を得た。
得られた変性ブロック共重合体8は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量19質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は34質量%、重量平均分子量は8万、水素添加率は65モル%、無水マレイン酸(極性基)付加量は1.7質量%であった。
(変性ブロック共重合体9)
上述の<操作1>~<操作3>及び<操作6>を下記のように変更した。
<操作1>
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)0.35モルを添加し、70℃で25分間重合した。
<操作2>
ブタジエン81質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で60分間重合した。
<操作3>
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、7分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させた。
<操作6>
脱溶剤した水添ブロック共重合体100質量部と無水マレイン酸1.8質量部とを、押出機の長さの全域を150~200℃に設定した二軸押出機のスロートから供給し、有機過酸化物(パーオキサイド25B(日油株式会社製))0.12質量部を、二軸押出機下流の供給口から供給しコンパウンドした。押出機の吐出口から吐出したストランドをペレット化した。
上記操作を変更した以外は、前記変性ブロック共重合体2と同様の操作を行い、変性ブロック共重合体9を得た。
得られた変性ブロック共重合体9は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量19質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は35質量%、重量平均分子量は8万、水素添加率は85モル%、無水マレイン酸(極性基)付加量は1.7質量%であった。
(変性ブロック共重合体10)
攪拌装置とジャケットを具備する槽型反応器(内容積10L)を使用して、下記<操作1>~<操作5>の手順で、バッチ重合、水素添加反応及び脱溶媒操作を行った。
<操作1>
スチレン15質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)0.4モルを添加し、70℃で12分間重合した。
<操作2>
ブタジエン70質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で60分間重合した。
<操作3>
スチレン15質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、12分間重合した。
<操作4>
1,3―ジメチル―2―イミダゾリジノンをn―ブチルリチウム1モルに対して0.95モルとなるように添加し、25分間反応させ、ブロック共重合体を得た。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させ、ブロック共重合体を得た。
得られたブロック共重合体は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量30質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は38質量%、重量平均分子量8万であった。
<操作5>
得られたブロック共重合体に、上記のようにして調製した水添触媒を、ブロック共重合体100質量部当たり、Ti基準で100ppm添加後、水素圧0.7MPa、供給速度0.2L/sで水素を供給し、温度80℃で水素添加反応を行い、水添ブロック共重合体の溶液を得た。水添ブロック共重合体の水素添加率は80モル%であった。次に、安定剤として、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、水添ブロック共重合体の溶液に100質量部に対して0.3質量部添加した。
<操作6>
上述のようにして得られた水添ブロック共重合体の溶液を、特公平05-54845号公報に記載のスチームストリッピング法を用い、90~98℃の水中で溶媒の大部分を除去した。
その後、クラム濃度が約5質量%の水分散スラリーを二軸押出機に投入することで脱溶剤した。これにより、変性ブロック共重合体10を得た。変性ブロック共重合体10中の極性基の含有量は0.2質量%であった。
(ブロック共重合体11)
攪拌装置とジャケットを具備する槽型反応器(内容積10L)を使用して、下記<操作1>~<操作5>の手順で、バッチ重合、水素添加反応及び脱溶媒操作を行った。
<操作1>
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)1モルを添加し、70℃で7分間重合した。
<操作2>
ブタジエン81質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて60℃で70分間重合した。
<操作3>
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、7分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させ、ブロック共重合体を得た。
得られたブロック共重合体は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量19質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は55質量%、重量平均分子量8万であった。
<操作4>
得られたブロック共重合体に、上記のようにして調製した水添触媒を、ブロック共重合体100質量部当たり、Ti基準で100ppm添加後、水素圧0.7MPa、供給速度0.2L/sで水素を供給し、温度80℃で水素添加反応を行い、水添ブロック共重合体の溶液を得た。水添ブロック共重合体の水素添加率は96モル%であった。次に、安定剤として、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、水添ブロック共重合体の溶液に100質量部に対して0.3質量部添加した。
<操作5>
上述のようにして得られた水添ブロック共重合体の溶液を、特公平05-54845号公報に記載のスチームストリッピング法を用い、90~98℃の水中で溶媒の大部分を除去した。
その後、クラム濃度が約5質量%の水分散スラリーを二軸押出機に投入することで脱溶剤した。これにより、ブロック共重合体11を得た。
(変性ブロック共重合体12)
攪拌装置とジャケットを具備する槽型反応器(内容積10L)及び押出機を使用して、下記<操作1>~<操作6>の手順で、バッチ重合、水素添加反応、脱溶媒操作及び押出変性を行った。
<操作1>
スチレン2質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)1.2モルを添加し、60℃で2分間重合した。
<操作2>
ブタジエン96質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて60℃で80分間重合した。
<操作3>
スチレン2質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、2分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させ、ブロック共重合体を得た。
得られたブロック共重合体は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量4質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は60質量%、重量平均分子量8万であった。
<操作4>
得られたブロック共重合体に、上記のようにして調製した水添触媒を、ブロック共重合体100質量部当たり、Ti基準で100ppm添加後、水素圧0.7MPa、供給速度0.2L/sで水素を供給し、温度80℃で水素添加反応を行い、水添ブロック共重合体の溶液を得た。水添ブロック共重合体の水素添加率は98モル%であった。次に、安定剤として、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、水添ブロック共重合体の溶液に100質量部に対して0.3質量部添加した。
<操作5>
上述のようにして得られた水添ブロック共重合体の溶液を、特公平05-54845号公報に記載のスチームストリッピング法を用い、90~98℃の水中で溶媒の大部分を除去した。
その後、クラム濃度が約5質量%の水分散スラリーを二軸押出機に投入することで脱溶剤した。
<操作6>
上述のようにして脱溶剤した水添ブロック共重合体100質量部と無水マレイン酸1.7質量部とを、押出機の長さの全域を150~200℃に設定した二軸押出機のスロートから供給し、有機過酸化物(パーオキサイド25B(日油株式会社製))0.11質量部を、二軸押出機下流の供給口から供給しコンパウンドした。押出機の吐出口から吐出したストランドをペレット化した。
<操作7>
上述のようにして得られたペレットを約80℃のドライオーブン中で3時間乾燥させ、変性ブロック共重合体12を得た。変性ブロック共重合体12の無水マレイン酸(極性基)付加量は1.6質量%であった。
(変性ブロック共重合体13)
上述の<操作1>~<操作3>及び<操作6>を下記のように変更した。
<操作1>
スチレン6質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)1.1モルを添加し、70℃で5分間重合した。
<操作2>
ブタジエン88質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて60℃で70分間重合した。
<操作3>
スチレン6質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、5分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させた。
<操作6>
脱溶剤した水添ブロック共重合体100質量部と無水マレイン酸1.8質量部とを、押出機の長さの全域を150~200℃に設定した二軸押出機のスロートから供給し、有機過酸化物(パーオキサイド25B(日油株式会社製))0.12質量部を、二軸押出機下流の供給口から供給しコンパウンドした。押出機の吐出口から吐出したストランドをペレット化した。
上記操作を変更した以外は、前記変性ブロック共重合体12と同様の操作を行い、変性ブロック共重合体13を得た。
得られた変性ブロック共重合体13は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量12質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は58質量%、重量平均分子量は8万、水素添加率は98モル%、無水マレイン酸(極性基)付加量は1.6質量%であった。
(変性ブロック共重合体14)
上述の<操作1>~<操作3>及び<操作6>を下記のように変更した。
<操作1>
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)0.95モルを添加し、70℃で7分間重合した。
<操作2>
ブタジエン81質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて60℃で70分間重合した。
<操作3>
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、7分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させた。
<操作6>
脱溶剤した水添ブロック共重合体100質量部と無水マレイン酸1.7質量部とを、押出機の長さの全域を150~200℃に設定した二軸押出機のスロートから供給し、有機過酸化物(パーオキサイド25B(日油株式会社製))0.12質量部を、二軸押出機下流の供給口から供給しコンパウンドした。押出機の吐出口から吐出したストランドをペレット化した。
上記操作を変更した以外は、前記変性ブロック共重合体12と同様の操作を行い、変性ブロック共重合体14を得た。
得られた変性ブロック共重合体14は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量19質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は55質量%、重量平均分子量は8万、水素添加率は96モル%、無水マレイン酸(極性基)付加量は1.6質量%であった。
(変性ブロック共重合体15)
上述の<操作1>~<操作3>及び<操作6>を下記のように変更した。
<操作1>
スチレン15質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)0.95モルを添加し、70℃で10分間重合した。
<操作2>
ブタジエン70質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて60℃で50分間重合した。
<操作3>
スチレン15質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、10分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させた。
<操作6>
脱溶剤した水添ブロック共重合体100質量部と無水マレイン酸1.8質量部とを、押出機の長さの全域を150~200℃に設定した二軸押出機のスロートから供給し、有機過酸化物(パーオキサイド25B(日油株式会社製))0.12質量部を、二軸押出機下流の供給口から供給しコンパウンドした。押出機の吐出口から吐出したストランドをペレット化した。
上記操作を変更した以外は、前記変性ブロック共重合体12と同様の操作を行い、変性ブロック共重合体15を得た。
得られた変性ブロック共重合体15は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量30質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は55質量%、重量平均分子量は8万、水素添加率は98モル%、無水マレイン酸(極性基)付加量は1.7質量%であった。
(変性ブロック共重合体16)
上述の<操作1>~<操作3>及び<操作6>を下記のように変更した。
<操作1>
スチレン27.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)1.1モルを添加し、70℃で20分間重合した。
<操作2>
ブタジエン45質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて60℃で35分間重合した。
<操作3>
スチレン27.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、20分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させた。
<操作6>
脱溶剤した水添ブロック共重合体100質量部と無水マレイン酸1.7質量部とを、押出機の長さの全域を150~200℃に設定した二軸押出機のスロートから供給し、有機過酸化物(パーオキサイド25B(日油株式会社製))0.12質量部を、二軸押出機下流の供給口から供給しコンパウンドした。押出機の吐出口から吐出したストランドをペレット化した。
上記操作を変更した以外は、前記変性ブロック共重合体12と同様の操作を行い、変性ブロック共重合体16を得た。
得られた変性ブロック共重合体16は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量55質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は57質量%、重量平均分子量は8万、水素添加率は97モル%、無水マレイン酸(極性基)付加量は1.6質量%であった。
(変性ブロック共重合体17)
上述の<操作1>~<操作3>及び<操作6>を下記のように変更した。
<操作1>
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)1.1モルを添加し、70℃で7分間重合した。
<操作2>
ブタジエン81質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて60℃で70分間重合した。
<操作3>
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、7分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させた。
<操作6>
脱溶剤した水添ブロック共重合体100質量部と無水マレイン酸1.8質量部とを、押出機の長さの全域を150~200℃に設定した二軸押出機のスロートから供給し、有機過酸化物(パーオキサイド25B(日油株式会社製))0.12質量部を、二軸押出機下流の供給口から供給しコンパウンドした。押出機の吐出口から吐出したストランドをペレット化した。
上記操作を変更した以外は、前記変性ブロック共重合体12と同様の操作を行い、変性ブロック共重合体17を得た。
得られた変性ブロック共重合体17は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量19質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は57質量%、重量平均分子量は8万、水素添加率は43モル%、無水マレイン酸(極性基)付加量は1.7質量%であった。
(変性ブロック共重合体18)
上述の<操作1>~<操作3>及び<操作6>を下記のように変更した。
<操作1>
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)1.1モルを添加し、70℃で7分間重合した。
<操作2>
ブタジエン81質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて60℃で70分間重合した。
<操作3>
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、7分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させた。
<操作6>
脱溶剤した水添ブロック共重合体100質量部と無水マレイン酸1.7質量部とを、押出機の長さの全域を150~200℃に設定した二軸押出機のスロートから供給し、有機過酸化物(パーオキサイド25B(日油株式会社製))0.12質量部を、二軸押出機下流の供給口から供給しコンパウンドした。押出機の吐出口から吐出したストランドをペレット化した。
上記操作を変更した以外は、前記変性ブロック共重合体12と同様の操作を行い、変性ブロック共重合体18を得た。
得られた変性ブロック共重合体18は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量19質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は59質量%、重量平均分子量は8万、水素添加率は67モル%、無水マレイン酸(極性基)付加量は1.6質量%であった。
(変性ブロック共重合体19)
上述の<操作1>~<操作3>及び<操作6>を下記のように変更した。
<操作1>
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)1.1モルを添加し、70℃で7分間重合した。
<操作2>
ブタジエン81質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて60℃で70分間重合した。
<操作3>
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、7分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させた。
<操作6>
脱溶剤した水添ブロック共重合体100質量部と無水マレイン酸1.7質量部とを、押出機の長さの全域を150~200℃に設定した二軸押出機のスロートから供給し、有機過酸化物(パーオキサイド25B(日油株式会社製))0.12質量部を、二軸押出機下流の供給口から供給しコンパウンドした。押出機の吐出口から吐出したストランドをペレット化した。
上記操作を変更した以外は、前記変性ブロック共重合体12と同様の操作を行い、変性ブロック共重合体19を得た。
得られた変性ブロック共重合体19は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量19質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は58質量%、重量平均分子量は8万、水素添加率は85モル%、無水マレイン酸(極性基)付加量は1.6質量%であった。
(変性ブロック共重合体20)
攪拌装置とジャケットを具備する槽型反応器(内容積10L)を使用して、下記<操作1>~<操作5>の手順で、バッチ重合、水素添加反応及び脱溶媒操作を行った。
<操作1>
スチレン15質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)1.2モルを添加し、70℃で10分間重合した。
<操作2>
ブタジエン70質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて60℃で60分間重合した。
<操作3>
スチレン15質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、10分間重合した。
<操作4>
1,3―ジメチル―2―イミダゾリジノンをn―ブチルリチウム1モルに対して0.95モルとなるように添加し、25分間反応させ、ブロック共重合体を得た。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させ、ブロック共重合体を得た。
得られたブロック共重合体は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量30質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は60質量%、重量平均分子量8万であった。
<操作5>
得られたブロック共重合体に、上記のようにして調製した水添触媒を、ブロック共重合体100質量部当たり、Ti基準で100ppm添加後、水素圧0.7MPa、供給速度0.2L/sで水素を供給し、温度80℃で水素添加反応を行い、水添ブロック共重合体の溶液を得た。水添ブロック共重合体の水素添加率は81モル%であった。次に、安定剤として、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、水添ブロック共重合体の溶液に100質量部に対して0.3質量部添加した。
<操作6>
上述のようにして得られた水添ブロック共重合体の溶液を、特公平05-54845号公報に記載のスチームストリッピング法を用い、90~98℃の水中で溶媒の大部分を除去した。
その後、クラム濃度が約5質量%の水分散スラリーを二軸押出機に投入することで脱溶剤した。これにより、変性ブロック共重合体20を得た。変性ブロック共重合体20中の極性基の含有量は0.15質量%であった。
(変性ブロック共重合体21)
攪拌装置とジャケットを具備する槽型反応器(内容積10L)及び押出機を使用して、下記<操作1>~<操作6>の手順で、バッチ重合、水素添加反応、脱溶媒操作及び押出変性を行った。
<操作1>
スチレン6.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)2.5モルを添加し、60℃で5分間重合した。
<操作2>
ブタジエン87質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて50℃で75分間重合した。
<操作3>
スチレン6.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、5分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させ、ブロック共重合体を得た。
得られたブロック共重合体は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量13質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は77質量%、重量平均分子量8万であった。
<操作4>
得られたブロック共重合体に、上記のようにして調製した水添触媒を、ブロック共重合体100質量部当たり、Ti基準で100ppm添加後、水素圧0.7MPa、供給速度0.2L/sで水素を供給し、温度80℃で水素添加反応を行い、水添ブロック共重合体の溶液を得た。水添ブロック共重合体の水素添加率は96モル%であった。次に、安定剤として、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、水添ブロック共重合体の溶液に100質量部に対して0.3質量部添加した。
<操作5>
上述のようにして得られた水添ブロック共重合体の溶液を、特公平05-54845号公報に記載のスチームストリッピング法を用い、90~98℃の水中で溶媒の大部分を除去した。
その後、クラム濃度が約5質量%の水分散スラリーを二軸押出機に投入することで脱溶剤した。
<操作6>
上述のようにして脱溶剤した水添ブロック共重合体100質量部と無水マレイン酸2.0質量部とを、押出機の長さの全域を150~200℃に設定した二軸押出機のスロートから供給し、有機過酸化物(パーオキサイド25B(日油株式会社製))0.15質量部を、二軸押出機下流の供給口から供給しコンパウンドした。押出機の吐出口から吐出したストランドをペレット化した。
<操作7>
上述のようにして得られたペレットを約80℃のドライオーブン中で3時間乾燥させ、変性ブロック共重合体21を得た。変性ブロック共重合体12の無水マレイン酸(極性基)付加量は1.8質量%であった。
(変性ブロック共重合体22)
上述の<操作1>~<操作3>及び<操作6>を下記のように変更した。
<操作1>
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)1.1モルを添加し、70℃で7分間重合した。
<操作2>
ブタジエン81質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて50℃で70分間重合した。
<操作3>
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、7分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させた。
<操作6>
脱溶剤した水添ブロック共重合体100質量部と無水マレイン酸1.8質量部とを、押出機の長さの全域を150~200℃に設定した二軸押出機のスロートから供給し、有機過酸化物(パーオキサイド25B(日油株式会社製))0.12質量部を、二軸押出機下流の供給口から供給しコンパウンドした。押出機の吐出口から吐出したストランドをペレット化した。
上記操作を変更した以外は、前記変性ブロック共重合体21と同様の操作を行い、変性ブロック共重合体22を得た。
得られた変性ブロック共重合体22は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量19質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は76質量%、重量平均分子量は8万、水素添加率は97モル%、無水マレイン酸(極性基)付加量は1.7質量%であった。
(変性ブロック共重合体23)
攪拌装置とジャケットを具備する槽型反応器(内容積10L)及び押出機を使用して、下記<操作1>~<操作6>の手順で、バッチ重合、水素添加反応、脱溶媒操作及び押出変性を行った。
<操作1>
スチレン6質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)0.3モルを添加し、70℃で5分間重合した。
<操作2>
ブタジエン83質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で65分間重合した。
<操作3>
スチレン6質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、5分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させ、ブロック共重合体を得た。
得られたブロック共重合体は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量12質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は31質量%、重量平均分子量8万であった。
<操作4>
ブタジエン5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で3分間重合した。
<操作5>
得られたブロック共重合体に、上記のようにして調製した水添触媒を、ブロック共重合体100質量部当たり、Ti基準で100ppm添加後、水素圧0.7MPa、供給速度0.2L/sで水素を供給し、温度80℃で水素添加反応を行い、水添ブロック共重合体の溶液を得た。水添ブロック共重合体の水素添加率は98モル%であった。次に、安定剤として、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、水添ブロック共重合体の溶液に100質量部に対して0.3質量部添加した。
<操作6>
上述のようにして得られた水添ブロック共重合体の溶液を、特公平05-54845号公報に記載のスチームストリッピング法を用い、90~98℃の水中で溶媒の大部分を除去した。
その後、クラム濃度が約5質量%の水分散スラリーを二軸押出機に投入することで脱溶剤した。
<操作7>
上述のようにして脱溶剤した水添ブロック共重合体100質量部と無水マレイン酸1.8質量部とを、押出機の長さの全域を150~200℃に設定した二軸押出機のスロートから供給し、有機過酸化物(パーオキサイド25B(日油株式会社製))0.12質量部を、二軸押出機下流の供給口から供給しコンパウンドした。押出機の吐出口から吐出したストランドをペレット化した。
<操作8>
上述のようにして得られたペレットを約80℃のドライオーブン中で3時間乾燥させ、変性ブロック共重合体23を得た。変性ブロック共重合体23の無水マレイン酸(極性基)付加量は1.7質量%であった。
(変性ブロック共重合体24)
上述の<操作1>~<操作4>及び<操作7>を下記のように変更した。
<操作1>
スチレン15質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)0.3モルを添加し、70℃で10分間重合した。
<操作2>
ブタジエン65質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で50分間重合した。
<操作3>
スチレン15質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、10分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させた。
<操作4>
ブタジエン5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で3分間重合した。
<操作7>
脱溶剤した水添ブロック共重合体100質量部と無水マレイン酸1.8質量部とを、押出機の長さの全域を150~200℃に設定した二軸押出機のスロートから供給し、有機過酸化物(パーオキサイド25B(日油株式会社製))0.12質量部を、二軸押出機下流の供給口から供給しコンパウンドした。押出機の吐出口から吐出したストランドをペレット化した。
上記操作を変更した以外は、前記変性ブロック共重合体21と同様の操作を行い、変性ブロック共重合体24を得た。
得られた変性ブロック共重合体24は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量30質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は34質量%、重量平均分子量は8万、水素添加率は97モル%、無水マレイン酸(極性基)付加量は1.7質量%であった。
(変性ブロック共重合体25)
上述の<操作1>~<操作4>及び<操作7>を下記のように変更した。
<操作1>
スチレン7.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)2.6モルを添加し、70℃で5分間重合した。
<操作2>
ブタジエン80質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて50℃で60分間重合した。
<操作3>
スチレン7.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、5分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させた。
<操作4>
ブタジエン5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて50℃で3分間重合した。
<操作7>
脱溶剤した水添ブロック共重合体100質量部と無水マレイン酸1.8質量部とを、押出機の長さの全域を150~200℃に設定した二軸押出機のスロートから供給し、有機過酸化物(パーオキサイド25B(日油株式会社製))0.12質量部を、二軸押出機下流の供給口から供給しコンパウンドした。押出機の吐出口から吐出したストランドをペレット化した。
上記操作を変更した以外は、前記変性ブロック共重合体21と同様の操作を行い、変性ブロック共重合体25を得た。
得られた変性ブロック共重合体25は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量15質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は78質量%、重量平均分子量は8万、水素添加率は95モル%、無水マレイン酸(極性基)付加量は1.6質量%であった。
(変性ブロック共重合体26)
上述の<操作1>~<操作4>及び<操作7>を下記のように変更した。
<操作1>
スチレン15.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)2.4モルを添加し、70℃で10分間重合した。
<操作2>
ブタジエン64質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて50℃で50分間重合した。
<操作3>
スチレン15.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、10分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させた。
<操作4>
ブタジエン5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて50℃で3分間重合した。
<操作7>
脱溶剤した水添ブロック共重合体100質量部と無水マレイン酸2.0質量部とを、押出機の長さの全域を150~200℃に設定した二軸押出機のスロートから供給し、有機過酸化物(パーオキサイド25B(日油株式会社製))0.14質量部を、二軸押出機下流の供給口から供給しコンパウンドした。押出機の吐出口から吐出したストランドをペレット化した。
上記操作を変更した以外は、前記変性ブロック共重合体21と同様の操作を行い、変性ブロック共重合体26を得た。
得られた変性ブロック共重合体26は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量31質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は76質量%、重量平均分子量は8万、水素添加率は97モル%、無水マレイン酸(極性基)付加量は1.8質量%であった。
(変性ブロック共重合体27)
攪拌装置とジャケットを具備する槽型反応器(内容積10L)及び押出機を使用して、下記<操作1>~<操作6>の手順で、バッチ重合、水素添加反応、脱溶媒操作及び押出変性を行った。
<操作1>
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)1モルを添加し、60℃で7分間重合した。
<操作2>
ブタジエン81質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて60℃で70分間重合した。
<操作3>
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、7分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させ、ブロック共重合体を得た。
得られたブロック共重合体は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量19質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は55質量%、重量平均分子量8万であった。
<操作4>
得られたブロック共重合体に、上記のようにして調製した水添触媒を、ブロック共重合体100質量部当たり、Ti基準で100ppm添加後、水素圧0.7MPa、供給速度0.2L/sで水素を供給し、温度80℃で水素添加反応を行い、水添ブロック共重合体の溶液を得た。水添ブロック共重合体の水素添加率は96モル%であった。次に、安定剤として、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、水添ブロック共重合体の溶液に100質量部に対して0.3質量部添加した。
<操作5>
上述のようにして得られた水添ブロック共重合体の溶液を、特公平05-54845号公報に記載のスチームストリッピング法を用い、90~98℃の水中で溶媒の大部分を除去した。
その後、クラム濃度が約5質量%の水分散スラリーを二軸押出機に投入することで脱溶剤した。
<操作6>
上述のようにして脱溶剤した水添ブロック共重合体100質量部と無水マレイン酸1.0質量部とを、押出機の長さの全域を150~200℃に設定した二軸押出機のスロートから供給し、有機過酸化物(パーオキサイド25B(日油株式会社製))0.1質量部を、二軸押出機下流の供給口から供給しコンパウンドした。押出機の吐出口から吐出したストランドをペレット化した。
<操作7>
上述のようにして得られたペレットを約80℃のドライオーブン中で3時間乾燥させ、変性ブロック共重合体27を得た。変性ブロック共重合体27の無水マレイン酸(極性基)付加量は0.8質量%であった。
(変性ブロック共重合体28)
上述の<操作1>~<操作3>及び<操作6>を下記のように変更した。
<操作1>
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)1モルを添加し、70℃で7分間重合した。
<操作2>
ブタジエン81質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて60℃で70分間重合した。
<操作3>
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、7分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させた。
<操作6>
脱溶剤した水添ブロック共重合体100質量部と無水マレイン酸3質量部とを、押出機の長さの全域を150~200℃に設定した二軸押出機のスロートから供給し、有機過酸化物(パーオキサイド25B(日油株式会社製))0.4質量部を、二軸押出機下流の供給口から供給しコンパウンドした。押出機の吐出口から吐出したストランドをペレット化した。
上記操作を変更した以外は、前記変性ブロック共重合体27と同様の操作を行い、変性ブロック共重合体28を得た。
得られた変性ブロック共重合体28は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量19質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は55質量%、重量平均分子量は8万、水素添加率は96モル%、無水マレイン酸(極性基)付加量は2.8質量%であった。
(変性ブロック共重合体29)
上述の<操作1>~<操作3>及び<操作6>を下記のように変更した。
<操作1>
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)1モルを添加し、70℃で7分間重合した。
<操作2>
ブタジエン81質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて60℃で70分間重合した。
<操作3>
スチレン9.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、7分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させた。
<操作6>
脱溶剤した水添ブロック共重合体100質量部と無水マレイン酸4.8質量部とを、押出機の長さの全域を150~200℃に設定した二軸押出機のスロートから供給し、有機過酸化物(パーオキサイド25B(日油株式会社製))0.5質量部を、二軸押出機下流の供給口から供給しコンパウンドした。押出機の吐出口から吐出したストランドをペレット化した。
上記操作を変更した以外は、前記変性ブロック共重合体27と同様の操作を行い、変性ブロック共重合体29を得た。
得られた変性ブロック共重合体29は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量19質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は55質量%、重量平均分子量は8万、水素添加率は96モル%、無水マレイン酸(極性基)付加量は4.5質量%であった。
(共重合体30)
攪拌装置とジャケットを具備する槽型反応器(内容積10L)を使用して、下記<操作1>~<操作5>の手順で、バッチ重合、水素添加反応及び脱溶媒操作を行った。
<操作1>
スチレン2質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)0.4モルを添加し、70℃で5分間重合した。
<操作2>
ブタジエン96質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で80分間重合した。
<操作3>
スチレン2質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、5分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させ、ブロック共重合体を得た。
得られたブロック共重合体は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量4質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は38質量%、重量平均分子量8万であった。
<操作4>
得られたブロック共重合体に、上記のようにして調製した水添触媒を、ブロック共重合体100質量部当たり、Ti基準で100ppm添加後、水素圧0.7MPa、供給速度0.2L/sで水素を供給し、温度80℃で水素添加反応を行い、水添ブロック共重合体の溶液を得た。水添ブロック共重合体の水素添加率は98モル%であった。次に、安定剤として、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、水添ブロック共重合体の溶液に100質量部に対して0.3質量部添加した。
<操作5>
上述のようにして得られた水添ブロック共重合体の溶液を、特公平05-54845号公報に記載のスチームストリッピング法を用い、90~98℃の水中で溶媒の大部分を除去した。
その後、クラム濃度が約5質量%の水分散スラリーを二軸押出機に投入することで脱溶剤した。これにより、ブロック共重合体30を得た。
(共重合体33)
攪拌装置とジャケットを具備する槽型反応器(内容積10L)を使用して、下記<操作1>~<操作5>の手順で、バッチ重合、水素添加反応及び脱溶媒操作を行った。
<操作1>
スチレン22.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)2.2モルを添加し、70℃で30分間重合した。
<操作2>
ブタジエン50質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で70分間重合した。
<操作3>
スチレン22.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、30間重合した。
<操作4>
ブタジエン5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で10分間重合した。
その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させ、ブロック共重合体を得た。
得られたブロック共重合体は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量45質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は75質量%、重量平均分子量7万であった。
<操作5>
得られたブロック共重合体に、上記のようにして調製した水添触媒を、ブロック共重合体100質量部当たり、Ti基準で100ppm添加後、水素圧0.7MPa、供給速度0.2L/sで水素を供給し、温度80℃で水素添加反応を行い、水添ブロック共重合体の溶液を得た。水添ブロック共重合体の水素添加率は98モル%であった。次に、安定剤として、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、水添ブロック共重合体の溶液に100質量部に対して0.3質量部添加した。
<操作6>
上述のようにして得られた水添ブロック共重合体の溶液を、特公平05-54845号公報に記載のスチームストリッピング法を用い、90~98℃の水中で溶媒の大部分を除去した。
その後、クラム濃度が約5質量%の水分散スラリーを二軸押出機に投入することで脱溶剤した。これにより、ブロック共重合体33を得た。
(共重合体34)
攪拌装置とジャケットを具備する槽型反応器(内容積10L)を使用して、下記<操作1>~<操作5>の手順で、バッチ重合、水素添加反応及び脱溶媒操作を行った。
<操作1>
スチレン33.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、全モノマー100質量部に対して、重合開始剤としてn-ブチルリチウム0.1質量部と、n-ブチルリチウム1モルに対して、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)0.4モルを添加し、70℃で45分間重合した。
<操作2>
ブタジエン33質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で45分間重合した。
<操作3>
スチレン33.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入し、45分間重合した。その後ヘプタノールを添加して重合反応を停止させ、ブロック共重合体を得た。
得られたブロック共重合体は、ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量67質量%、共役ジエン単量体単位(B)中の1,2-ビニル結合量の含有量は39質量%、重量平均分子量6万であった。
<操作4>
得られたブロック共重合体に、上記のようにして調製した水添触媒を、ブロック共重合体100質量部当たり、Ti基準で100ppm添加後、水素圧0.7MPa、供給速度0.2L/sで水素を供給し、温度80℃で水素添加反応を行い、水添ブロック共重合体の溶液を得た。水添ブロック共重合体の水素添加率は96モル%であった。次に、安定剤として、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、水添ブロック共重合体の溶液に100質量部に対して0.3質量部添加した。
<操作5>
上述のようにして得られた水添ブロック共重合体の溶液を、特公平05-54845号公報に記載のスチームストリッピング法を用い、90~98℃の水中で溶媒の大部分を除去した。
その後、クラム濃度が約5質量%の水分散スラリーを二軸押出機に投入することで脱溶剤した。これにより、ブロック共重合体34を得た。

Claims (22)

  1. 成分(i)及び成分(ii)を含む樹脂組成物の製造方法であって、
    成分(i)が、ポリエチレン又はポリプロピレンであるポリオレフィン系樹脂(i)を含み、
    成分(ii)が、ビニル芳香族単量体単位(A)及び共役ジエン単量体単位(B)を含み、
    ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量が5質量%以上70質量%以下であり、
    共役ジエン単量体単位(B)の二重結合の水素添加率が50質量%以上100質量%以下であり、
    前記成分(i)中のポリオレフィン系樹脂(i)がポリエチレンであるかポリプロピレンであるかによって、前記変性ブロック共重合体中の共役ジエン単量体単位(B)に由来する1,2ービニル結合量及び3,4ービニル結合量の合計量を設定し、
    前記成分(i)中に含まれ得る極性基を有する樹脂(ii)(ただし、成分(ii)を除く)の質量比率に応じて前記(ii)成分の配合量を設定する、樹脂組成物の製造方法。
  2. 前記成分(ii)が分子中に極性基を有する変性ブロック共重合体であって、
    前記成分(ii)中の極性基の含有量が0.01質量%以上4質量%以下であり、
    前記ビニル芳香族単量体単位(A)の含有量が10質量%以上50質量%以下であり、
    前記共役ジエン単量体単位(B)の二重結合の水素添加率が60質量%以上100質量%以下である、請求項1に記載の樹脂組成物の製造方法。
  3. 前記成分(ii)中の極性基が、酸無水物基、アミノ基、アミド基、水酸基及びアルコキシシリル基からなる群より選択される少なくとも一つである、請求項2に記載の樹脂組成物の製造方法。
  4. 前記成分(i)と前記成分(ii)とを質量比(成分(i)/成分(ii))=99/1~70/30で混合する、請求項1又は2に記載の樹脂組成物の製造方法。
  5. 前記成分(i)中、ポリエチレン又はポリプロピレンであるポリオレフィン系樹脂(i)と、極性基を有する樹脂(ii)(ただし、成分(ii)を除く)との質量比(樹脂(i)/樹脂(ii))が1/99~95/5である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物の製造方法。
  6. 前記成分(i)中のポリオレフィン系樹脂(i)がポリエチレンである場合、
    前記成分(ii)中の共役ジエン単量体単位(B)に由来する1,2-ビニル結合量及び3,4-ビニル結合量の合計量を10質量%以上50質量%未満とし、
    前記成分(i)中のポリオレフィン系樹脂(i)がポリプロピレンである場合、
    前記成分(ii)中の共役ジエン単量体単位(B)に由来する1,2-ビニル結合量及び3,4-ビニル結合量の合計量を50質量%以上85質量%以下とする、請求項1又は2に記載の樹脂組成物の製造方法。
  7. 前記成分(i)中の極性基を有する樹脂(ii)の質量比率が5質量%未満の場合、
    前記成分(i)と前記成分(ii)との質量比(成分(i)/成分(ii))を99/1~95超/5未満に設定し、
    前記成分(i)中の極性基を有する樹脂(ii)の質量比率が5質量%以上の場合、
    前記成分(i)と前記成分(ii)との質量比(成分(i)/成分(ii))を95/5~85/15に設定する、請求項1又は2に記載の樹脂組成物の製造方法。
  8. 前記成分(ii)中の共役ジエン単量体単位(B)の二重結合の水素添加率が、70質量%以上100質量%以下である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物の製造方法。
  9. 前記成分(ii)中の共役ジエン単量体単位(B)の二重結合の水素添加率が、90質量%以上100質量%以下である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物の製造方法。
  10. 前記成分(ii)中のビニル芳香族単量体単位(A)がスチレン単位であり、共役ジエン単量体単位(B)が1,3-ブタジエン単位である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物の製造方法。
  11. プラスチック廃棄物を回収する回収工程と、該回収したプラスチック廃棄物を分別する分別工程とを含み、
    分別されたプラスチック廃棄物が前記ポリオレフィン系樹脂(i)と前記極性基を有する樹脂(ii)とを含み、該プラスチック廃棄物中から前記ポリオレフィン系樹脂(i)と前記極性基を有する樹脂(ii)とを質量比(樹脂(i)/樹脂(ii))が1/99~95/5となるように前記成分(i)を得る、請求項1又は2に記載の樹脂組成物の製造方法。
  12. 前記成分(i)中のポリオレフィン系樹脂(i)がポリエチレンである場合、
    前記成分(ii)中の1,3-ブタジエン単位に由来する1,4-結合が水素添加されたエチレン構造単位(Et)の含有量を60質量%以上90質量%以下に設定し、
    前記成分(i)中のポリオレフィン系樹脂(i)がポリプロピレンである場合、
    前記成分(ii)中の1,3-ブタジエン単位に由来する1,2-ビニル結合が水素添加されたブチレン構造単位(Bt)の含有量を50質量%以上85質量%以下に設定する、請求項1又は2に記載の樹脂組成物の製造方法。
  13. 前記分別工程において、プラスチック廃棄物が、手選別、比重選別及び光学選別からなる群より選択される少なくとも一種の方法で分別される、請求項11に記載の樹脂組成物の製造方法。
  14. 前記成分(i)中の極性基を有する樹脂(ii)が、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エチレンビニルアルコール及びポリ乳酸からなる群より選択される少なくとも一種の樹脂を含む、請求項1又は2に記載の樹脂組成物の製造方法。
  15. 前記成分(ii)中の極性基が酸無水物基又はアミノ基である、請求項2に記載の樹脂組成物の製造方法。
  16. 前記成分(i)が少なくとも基材層(a)と接着層(b)とを含む多層シート又はフィルムであって、
    前記基材層(a)がポリアミド6又はポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂であり、前記接着層(b)がポリエチレンであり、
    前記基材層(a)と前記接着層(b)との質量比(基材層(a)/接着層(b))が3/95~20/80であり、
    前記多層シート又はフィルムを細断して細断物を得る工程を含み、
    前記細断物と前記成分(ii)とを質量比(細断物/成分(ii))が95/5~85/15となるように混合し、溶融混錬し、溶融物をシート又はフィルムに成形する工程を含む、請求項1又は2に記載の樹脂組成物の製造方法。
  17. 前記多層シート又はフィルムが、前記基材層(a)と前記接着層(b)との間にウレタン接着層(c)を含む、請求項16に記載の樹脂組成物の製造方法。
  18. 前記多層シート又はフィルムが液体製品を充填するパウチである、請求項16に記載の樹脂組成物の製造方法。
  19. 前記成分(I)が、自動車廃棄物から得られる破砕物であって、ポリオレフィン系樹脂(i)と、極性基を有する樹脂(ii)と、無機物と、を含み、
    前記自動車廃棄物を破砕して破砕物を得る工程を含み、
    前記破砕物と前記成分(ii)との質量比(破砕物/成分(ii))が97/3~85/15となるように混合し、溶融混錬し、溶融物を成形体に加工する工程を含む、請求項1又は2に記載の樹脂組成物の製造方法。
  20. 前記自動車廃棄物から得られる破砕物を比重選別により選別する工程を含み、
    前記自動車廃棄物から得られる破砕物の比重が1.0以下である、請求項19に記載の樹脂組成物の製造方法。
  21. 前記自動車廃棄物の破砕物において、前記ポリオレフィン系樹脂(I)が、ポリプロピレン、ポリエチレンであり、
    前記極性基を有する樹脂(ii)が、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアミド6及びポリアミド66(PA66)からなる群より選択される少なくとも1種を含み、
    前記無機物が、タルク、炭酸カルシウム、ガラス繊維、カーボンブラック及び金属残渣からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項19に記載の樹脂組成物の製造方法。
  22. 前記自動車廃棄物の破砕物において、
    前記ポリオレフィン系樹脂(I)の含有量が80質量%以上100質量%未満であり、
    前記極性基を有する樹脂(II)の含有量が0質量%超20質量%未満であり、
    前記無機物の含有量が0質量%超20質量%未満である、請求項19に記載の樹脂組成物の製造方法。
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