JP2024067904A - 積層構造体の製造方法、およびその利用 - Google Patents

積層構造体の製造方法、およびその利用 Download PDF

Info

Publication number
JP2024067904A
JP2024067904A JP2022178316A JP2022178316A JP2024067904A JP 2024067904 A JP2024067904 A JP 2024067904A JP 2022178316 A JP2022178316 A JP 2022178316A JP 2022178316 A JP2022178316 A JP 2022178316A JP 2024067904 A JP2024067904 A JP 2024067904A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
weight
curable composition
parts
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022178316A
Other languages
English (en)
Inventor
理子 矢野
正臣 坂部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kaneka Corp
Original Assignee
Kaneka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kaneka Corp filed Critical Kaneka Corp
Priority to JP2022178316A priority Critical patent/JP2024067904A/ja
Priority to CN202311438284.8A priority patent/CN117983518A/zh
Publication of JP2024067904A publication Critical patent/JP2024067904A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

【課題】低温環境下でも基材と硬化物との接着性に優れる、硬化性組成物を使用した、積層構造体の製造方法、接着方法、およびその利用技術を提供する。【解決手段】基材に、(A)シロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基を有する有機重合体、および(B)水酸基価が100mgKOH/g未満であり、かつ、エチレングリコールユニットを有する化合物を含有する硬化性組成物を塗布する塗布工程と、前記基材に塗布した硬化性組成物を、環境温度10℃以下で硬化させて硬化物を形成する硬化工程と、を含む、積層構造体の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、積層構造体の製造方法、およびその利用に関する。
分子中に少なくとも1個の反応性ケイ素基を含有する有機重合体は、室温においても湿分等による反応性ケイ素基の加水分解反応等を伴うシロキサン結合の形成によって架橋し、ゴム状硬化物が得られるという性質を有することが知られている。
これらの反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体、および(メタ)アクリル酸エステル系重合体は、シーリング材、接着剤、塗料等の用途に広く使用されている。
例えば、特許文献1には、(A)シロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基を有する有機重合体100重量部、(B)ポリエチレングリコールと脂肪族モノカルボン酸および/または脂環式モノカルボン酸とから得られたジエステル化合物21~300重量部、並びに(C)硬化触媒0.01~20重量部を含有する硬化性組成物が記載されている。
国際公開第2015/098998号公報
しかしながら、特許文献1等に記載の従来の硬化性組成物は、低温環境下で使用される場合、基材への接着性の観点から改善の余地があった。
そこで、本発明の一態様は、低温環境下でも基材との接着性に優れる硬化性組成物を使用した、積層構造体の製造方法、接着方法、積層構造体、接着剤、およびシーリング材を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した結果、(A)シロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基を有する有機重合体、および(B)エチレングリコールユニットを有し、かつ水酸基値が一定値以下である化合物を含む硬化性組成物を使用することにより、基材との接着性が優れた硬化物を含む、積層構造体を得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
したがって、本発明の一態様は、基材および硬化物を含む積層構造体の製造方法であって、前記基材に、(A)シロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基を有する有機重合体100重量部、および(B)水酸基価が100mgKOH/g未満であり、かつ、エチレングリコールユニットを有する化合物10~200重量部を含有する硬化性組成物を塗布する塗布工程と、前記基材に塗布した硬化性組成物を、環境温度10℃以下で硬化させて前記硬化物を形成する硬化工程と、を含む、積層構造体の製造方法(以下、「本製造方法」と称する。)である。
また、本発明の一態様は、基材と、(A)シロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基を有する有機重合体100重量部、および(B)水酸基価が100mgKOH/g未満であり、かつ、エチレングリコールユニットを有する化合物10~200重量部を含有する硬化性組成物とを、環境温度10℃以下で接着する工程を含む、接着方法(以下、「本接着方法」と称する。)である。
さらに、本発明の一態様は、金属基材および硬化物を含む積層構造体であって、前記硬化物が、(A)シロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基を有する有機重合体100重量部、および(B)水酸基価が100mgKOH/g未満であり、かつ、エチレングリコールユニットを有する化合物10~200重量部を含有する硬化性組成物を硬化してなる硬化物である、積層構造体(以下、「本積層構造体」と称する。)である。
加えて、本発明の一態様は、低温環境において使用される低温環境用の接着剤またはシーリング材であって、(A)シロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基を有する有機重合体100重量部および(B)水酸基価が100mgKOH/g未満であり、かつ、エチレングリコールユニットを有する化合物10~200重量部を含有する、低温用の接着剤またはシーリング材(以下、それぞれ「本接着剤」、「本シーリング材」と称する。)である。
本発明の一態様によれば、低温環境下でも基材との接着性に優れる、硬化性組成物を使用した、積層構造体の製造方法、接着方法、およびその利用技術を提供できる。
本発明の実施の一形態について、以下に詳細に説明する。なお、本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A~B」は、「A以上、B以下」を意味する。また、本明細書中に記載された文献の全てが、本明細書中において参考文献として援用される。
〔1.本発明の概要〕
特許文献1に記載されている1液型硬化性組成物は、(A)ケイ素基含有重合体、(B)ポリエチレングリコールと脂肪族モノカルボン酸および/または脂環式モノカルボン酸とから得られたジエステル化合物、(C)硬化触媒を含む硬化性組成物である。特許文献1の硬化性組成物は、深部硬化性が良好であり(すなわち、深部まで速く硬化する)、低粘度であるため作業性に優れ、貯蔵安定性に優れ、貯蔵後の硬化性低下が小さいとの利点を有する。
しかしながら、特許文献1に記載されるような硬化性組成物は、冬季の施工、または保冷庫での使用といった、低温の環境下で使用する場合、基材(特に金属基材)に対する接着性が悪化するという課題があった。
そこで、本発明者らは、上記課題を解決し得る手段について鋭意検討を行った結果、硬化性組成物が、水酸基価が100mgKOH/g未満であり、かつ、エチレングリコールユニットを有する化合物を10~200重量部含有することにより、低温環境下での基材に対する接着性が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
エチレングリコールユニットを含む化合物が、低温環境下における接着性に関与していることは従来知られておらず、本発明者らが初めて見出した驚くべき知見である。また、エチレングリコールユニットを含む化合物の中でも、テトラエチレングリコール等の水酸基含有量が多い化合物を使用した硬化性組成物は、表面に液状物が染み出すブリードと呼ばれる現象が生じる。それ故、水酸基含有量が少ないエチレングリコールユニットを含む化合物が、硬化性組成物の可塑剤として好ましいことも、本発明者らは初めて見出した。
このように、低温環境下で、基材との接着性に優れる硬化性組成物を使用した積層構造体の製造方法は従来知られていなかったものであり、本硬化性組成物を用いる種々の分野(例えば、内装用パネル材、外装用パネル材、車両用パネル材、防振材、制振材、防音材、発泡材料、塗料、吹付材、接着剤、シーリング材等の分野)において、極めて有用である。なお、特許文献1には「耐寒性に優れる」との記載が存在するが、この「耐寒性」は主に「低温環境下での使用」を意図しており、本明細書における「低温環境下での接着性の向上」については、特許文献1では一切言及されていない。
また、上述したような構成であれば、低温環境下でも積層体を製造可能な方法を提供でき、これにより、例えば目標13「気候変動に具体的な対策を」等の持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献できる。
本明細書において「低温環境下での接着性に優れる」とは、10℃以下、好ましくは5℃以下で、前記硬化性組成物が基材に良好に接着することを意味する。具体的には、本硬化性組成物を10℃以下、好ましくは5℃以下で硬化させて基材と接着した後、実施例に記載の接着試験を行った場合に、界面破壊に比べて凝集破壊の割合が高いことを意味する。
〔2.積層構造体の製造方法〕
本製造方法は、基材および硬化物を含む積層構造体の製造方法であって、前記基材に、(A)シロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基を有する有機重合体100重量部、および(B)水酸基価が100mgKOH/g未満であり、かつ、エチレングリコールユニットを有する化合物10~200重量部を含有する硬化性組成物を塗布する塗布工程と、前記基材に塗布した硬化性組成物を、環境温度10℃以下で硬化させて前記硬化物を形成する硬化工程と、を含む、積層構造体の製造方法である。なお、以下において「(A)シロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基を有する有機重合体」を「(A)成分」と、「(B)水酸基価が100mgKOH/g未満であり、かつ、エチレングリコールユニットを有する化合物」を「(B)成分」と称する場合がある。また、「(A)シロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基を有する有機重合体100重量部、および(B)水酸基価が100mgKOH/g未満であり、かつ、エチレングリコールユニットを有する化合物10~200重量部を含有する硬化性組成物」を、「本硬化性組成物」と称する場合がある。
<2-1.硬化性組成物>
塗布工程において、基材に塗布される本硬化性組成物は、前記(A)成分を100重量部、前記(B)成分を10~200重量部含む。
((A)成分)
(A)成分である有機重合体の主鎖に特に制限はない。有機重合体の主鎖を構成する重合体としては、例えば、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン、ポリオキシテトラメチレン、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシプロピレン-ポリオキシブチレン共重合体等のポリオキシアルキレン系重合体;エチレン-プロピレン系共重合体、ポリイソブチレン、イソブチレンとイソプレンとの共重合体、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、イソプレンまたはブタジエンとアクリロニトリルおよび/またはスチレン等との共重合体、ポリブタジエン、イソプレンまたはブタジエンとアクリロニトリルおよびスチレンとの共重合体、これらのポリオレフィン系重合体に水素添加して得られる水添ポリオレフィン系重合体等の炭化水素系重合体;アジピン酸等の2塩基酸とグリコールとの縮合、またはラクトン類の開環重合で得られるポリエステル系重合体;エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等の単量体をラジカル重合して得られる(メタ)アクリル酸エステル系重合体;(メタ)アクリル酸エステル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等の単量体をラジカル重合して得られるビニル系重合体;前記有機重合体中でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体;ポリサルファイド系重合体;ε-カプロラクタムの開環重合で得られるナイロン6、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の縮重合で得られるナイロン6・6、ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸との縮重合で得られるナイロン6・10、ε-アミノウンデカン酸の縮重合で得られるナイロン11、ε-アミノラウロラクタムの開環重合で得られるナイロン12、上記のナイロンのうち2成分以上の成分を有する共重合ナイロン等のポリアミド系重合体;例えばビスフェノールAと塩化カルボニルより縮重合して製造されるポリカーボネート系重合体;ジアリルフタレート系重合体等が挙げられる。なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」とは「アクリレートおよび/またはメタクリレート」を表し、「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸および/またはメタクリル酸」表す。同様のその他の表記も、これらと同様の意味を有する。
ポリイソブチレン、水添ポリイソプレン、水添ポリブタジエン等の飽和炭化水素系重合体、ポリオキシアルキレン系重合体、および(メタ)アクリル酸エステル系重合体は、比較的ガラス転移温度が低く、得られる硬化物の物性に優れることから好ましい。
(A)成分である有機重合体のガラス転移温度は、特に限定は無いが、20℃以下であることが好ましく、0℃以下であることがより好ましく、-20℃以下であることが特に好ましい。ガラス転移温度が20℃以下であれば、取り扱い性が向上し、また、硬化物の柔軟性、および伸びが向上する。前記ガラス転移温度はDSC測定による値を示す。
また、ポリオキシアルキレン系重合体および(メタ)アクリル酸エステル系重合体は透湿性が高く、これらを含む1液型組成物は深部硬化性に優れ、さらに接着性にも優れる。そのため有機重合体としては、ポリオキシアルキレン系重合体および(メタ)アクリル酸エステル系重合体が好ましく、ポリオキシアルキレン系重合体がより好ましく、ポリオキシプロピレン系重合体がさらに好ましい。
本発明の有機重合体中に含有される反応性ケイ素基は、ケイ素原子に結合した水酸基または加水分解性基を有し、シラノール縮合触媒によって加速される反応によりシロキサン結合を形成することにより架橋し得る基である。ここで加水分解性基とは、水と反応して水酸基を生成する基を意味する。
反応性ケイ素基としては、下記一般式(1)で表される基が挙げられる。
〔化1〕
-SiR 3-a・・・(1)
式(1)中、Rは、それぞれ独立に炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数7~20のアラルキル基、または-OSi(R’)(式中、R’は、それぞれ独立に炭素原子数1~20の炭化水素基である)で示されるトリオルガノシロキシ基である。Xは、それぞれ独立に水酸基または加水分解性基である。aは1~3の整数である)
加水分解性基としては、特に限定されず、従来公知の加水分解性基であればよく、例えばハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等が挙げられる。これらの内では、水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、およびアルケニルオキシ基が好ましく、加水分解性が穏やかで取扱いやすいという観点からアルコキシ基が特に好ましい。
加水分解性基や水酸基は、1個のケイ素原子に1~3個の範囲で結合することができる。加水分解性基や水酸基が反応性ケイ素基中に2個以上結合する場合には、それらは同じであってもよいし、異なってもよい。
上記一般式(1)におけるaは、硬化性の点から、2または3であることが好ましく、特に組成物の速硬化性を求める場合には3であることが好ましく、組成物の貯蔵安定性を求める場合には2であることが好ましい。
上記一般式(1)におけるRとしては、例えば、メチル基、エチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基や、R’がメチル基、フェニル基等である-OSi(R’)で示されるトリオルガノシロキシ基等が挙げられる。これらの中ではメチル基が特に好ましい。
反応性ケイ素基としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリイソプロポキシシリル基、ジメトキシメチルシリル基、ジエトキシメチルシリル基、ジイソプロポキシメチルシリル基、(クロロメチル)ジメトキシシリル基、(メトキシメチル)ジメトキシシリル基、メチルジメトキシシリル基等が挙げられる。活性が高く良好な硬化性が得られることから、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、ジメトキシメチルシリル基、(メトキシメチル)ジメトキシシリル基およびメチルジメトキシシリル基が好ましく、トリメトキシシリル基、(メトキシメチル)ジメトキシシリル基およびメチルジメトキシシリル基がより好ましく、トリメトキシシリル基がさらに好ましい。貯蔵安定性の点からは、ジメトキシメチルシリル基、トリエトキシシリル基が好ましい。また、トリエトキシシリル基およびジエトキシメチルシリル基は、反応性ケイ素基の加水分解反応に伴って生成するアルコールが、エタノールであり、より高い安全性を有する点から好ましい。
反応性ケイ素基の導入は公知の方法で行えばよい。例えば以下(I)~(III)の方法が挙げられる。
(I)水酸基等の官能基を有する有機重合体に、この官能基に対して反応性を示す活性基および不飽和基を有する有機化合物(例えば、飽和基含有エポキシ化合物)を反応させ、不飽和基を有する有機重合体を得る。次いで、得られた不飽和基を有する有機重合体に、反応性ケイ素基を有するヒドロシラン化合物を反応させる(ヒドロシリル化)。
(II)(I)の方法と同様にして得られた不飽和基を含有する有機重合体に、メルカプト基および反応性ケイ素基を有する化合物を反応させる。
(III)分子中に水酸基、エポキシ基やイソシアネート基等の官能基を有する有機重合体に、この官能基に対して反応性を示す官能基および反応性ケイ素基を有する化合物を反応させる。
以上の方法のなかで、(I)の方法、または(III)のうち末端に水酸基を有する有機重合体とイソシアネート基および反応性ケイ素基を有する化合物とを反応させる方法は、比較的短い反応時間で高い転化率が得られる為に好ましい。さらに、(I)の方法で得られた反応性ケイ素基を有する有機重合体は、(III)の方法で得られる有機重合体よりも低粘度であり、これを用いれば作業性の良い硬化性組成物が得られること、また、(II)の方法で得られる有機重合体は、メルカプトシランに基づく臭気が強いことから、(I)の方法が特に好ましい。
(I)の方法において用いるヒドロシラン化合物としては、例えば、トリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルクロロシラン、フェニルジクロロシラン等のハロゲン化シラン類;トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、フェニルジメトキシシラン、1-[2-(トリメトキシシリル)エチル]-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン等のアルコキシシラン類;メチルジアセトキシシラン、フェニルジアセトキシシラン等のアシロキシシラン類等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのうちでは特にハロゲン化シラン類、アルコキシシラン類が好ましく、特にアルコキシシラン類は、得られる硬化性組成物の加水分解性が穏やかで取り扱いやすいために最も好ましい。アルコキシシラン類の中で、メチルジメトキシシランは、入手し易く、得られる有機重合体を含有する硬化性組成物の硬化性、貯蔵安定性、伸び特性、引張強度が高い為に好ましい。また、トリメトキシシランは、得られる硬化性組成物の硬化性および復元性の点から特に好ましい。
(II)の方法としては、例えば、メルカプト基および反応性ケイ素基を有する化合物を、ラジカル開始剤および/またはラジカル発生源存在下でのラジカル付加反応によって、有機重合体の不飽和結合部位に導入する方法等が挙げられるが、これに限定されるものではない。前記メルカプト基および反応性ケイ素基を有する化合物としては、例えば、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ-メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラン、メルカプトメチルトリエトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(III)の方法のうち水酸基を有する有機重合体とイソシアネート基および反応性ケイ素基を有する化合物とを反応させる方法としては、例えば、特開平3-47825号に示される方法等が挙げられるが、これに限定されるものではない。前記イソシアネート基および反応性ケイ素基を有する化合物としては、例えば、γ-イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ-イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、γ-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ-イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、イソシアネートメチルトリメトキシシラン、イソシアネートメチルトリエトキシシラン、イソシアネートメチルジメトキシメチルシラン、イソシアネートメチルジエトキシメチルシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
トリメトキシシラン等の一つのケイ素原子に3個の加水分解性基が結合しているシラン化合物は不均化反応が進行する場合がある。不均化反応が進むと、ジメトキシシランのような不安定な化合物が生じ、取り扱いが困難となることがある。しかし、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシランやγ-イソシアネートプロピルトリメトキシシランでは、このような不均化反応は進行しない。このため、ケイ素含有基としてトリメトキシシリル基等の3個の加水分解性基が一つのケイ素原子に結合している基を用いる場合には、(II)または(III)の方法を用いることが好ましい。
一方で、下記一般式(2)で表されるシラン化合物は、不均化反応が進まない。
〔化2〕
H-(SiR O)SiR -R-SiX・・・(2)
式中、Xは式(1)と同じである。2m+2個のRは、それぞれ独立に炭化水素基である。Rは2価の有機基である。mは0~19の整数である。
この為、(I)の方法で、3個の加水分解性基が1つのケイ素原子に結合している基を導入する場合には、一般式(2)で表されるシラン化合物を用いることが好ましい。入手性およびコストの点から、2m+2個のRは、それぞれ独立に、好ましくは炭素原子数1~20の炭化水素基、より好ましくは炭素原子数1~8の炭化水素基、さらに好ましくは炭素原子数1~4の炭化水素基である。入手性およびコストの点から、Rは、好ましくは炭素原子数1~12の2価の炭化水素基、より好ましくは炭素原子数2~8の2価の炭化水素基、さらに好ましくは炭素原子数2の2価の炭化水素基である。入手性およびコストの点から、mは、好ましくは1である。一般式(2)で示されるシラン化合物としては、例えば、1-[2-(トリメトキシシリル)エチル]-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、1-[2-(トリメトキシシリル)プロピル]-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、1-[2-(トリメトキシシリル)ヘキシル]-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン等が挙げられる。
反応性ケイ素基を有する有機重合体は、直鎖状または分岐状のいずれでもよい。反応性ケイ素基を有する有機重合体の数平均分子量(Mn)は、GPC(ポリスチレン換算)により測定される値であり、好ましくは1,000~100,000、より好ましくは2,000~50,000、特に好ましくは3,000~30,000である。この数平均分子量が1,000以上であれ、硬化物の伸びが向上し、100,000以下であれば、硬化性組成物の取り扱い性が向上する。GPCにより測定される反応性ケイ素基を有する有機重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは2以下、より好ましくは1.5以下、さらに好ましくは1.4以下である。
高強度、高伸び、かつ低弾性率を示すゴム状硬化物を得る観点から、有機重合体に含有される反応性ケイ素基の数は、1分子中に平均して、好ましくは1以上、より好ましくは1.1~5.0、さらに好ましくは1.1~3.0、特に好ましくは1.1~2.0である。分子中に含まれる反応性ケイ素基の数が平均して1以上であると、硬化性が向上し、良好なゴム弾性挙動を有する硬化物が得られる。反応性ケイ素基は、有機重合体の主鎖末端または側鎖末端にあってもよいし、また、両方にあってもよい。特に、反応性ケイ素基が主鎖末端にのみあるときは、最終的に形成される硬化物中における有効網目長が長くなるため、高強度、高伸びで、低弾性率を示すゴム状硬化物が得られやすくなる。
前記ポリオキシアルキレン系重合体は、本質的に、下記一般式(3)で示される繰り返し単位を有する重合体である。
〔化3〕
-R-O-・・・(3)
式中、Rは、炭素原子数1~14の直鎖状または分岐アルキレン基である。
一般式(3)におけるRは、好ましくは、炭素原子数1~14(より好ましくは2~4)の、直鎖状または分岐アルキレン基である。一般式(3)で示される繰り返し単位としては、例えば、-CHO-、-CHCHO-、-CHCH(CH)O-、-CHCH(C)O-、-CHC(CH)O-、-CHCHCHCHO-等が挙げられる。ポリオキシアルキレン系重合体の主鎖は、1種類だけの繰り返し単位からなってもよいし、2種類以上の繰り返し単位からなってもよい。特に前記硬化性組成物がシーラント等に使用される場合には、(A)成分の有機重合体の主成分が、非晶質且つ比較的低粘度であるポリオキシプロピレン系重合体であることが好ましい。
ポリオキシアルキレン系重合体の合成法としては、例えば、KOH等のアルカリ触媒による重合法、特開昭61-215623号に示される有機アルミニウム化合物とポルフィリンとを反応させて得られる錯体等の遷移金属化合物-ポルフィリン錯体触媒による重合法、特公昭46-27250号等に示される複合金属シアン化物錯体触媒(例えば、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒)による重合法、特開平10-273512号に例示されるポリホスファゼン塩からなる触媒を用いる重合法、特開平11-060722号に例示されるホスファゼン化合物からなる触媒を用いる重合法等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体としては、例えば、特開平8-231707号で提案されている数平均分子量(Mn)6,000以上、分子量分布(Mw/Mn)が1.6以下のポリオキシアルキレン系重合体等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。上記の反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体は、単独で使用してもよいし2種以上併用してもよい。
前記飽和炭化水素系重合体は脂肪族不飽和結合を含有しない重合体である。飽和炭化水素系重合体は、(1)エチレン、プロピレン、1-ブテン、イソブチレン等の炭素原子数2~6のオレフィン系化合物を主単量体として重合させるか、(2)ブタジエン、イソプレン等のジエン系化合物を単独重合させ、あるいは、上記オレフィン系化合物とを共重合させた後、水素添加する等の方法により得ることができる。
反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重合体の製法としては、例えば、特開平7-53882号等に記載されているが、これらに限定されるものではない。上記の反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重合体は、単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
前記(メタ)アクリル酸エステル系重合体の主鎖を構成する(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては特に限定されず、各種のものを用いることができる。該単量体として、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert-ブチル、(メタ)アクリル酸n-ペンチル、(メタ)アクリル酸n-ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸n-ヘプチル、(メタ)アクリル酸n-オクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2-メトキシエチル、(メタ)アクリル酸3-メトキシブチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2-アミノエチル、γ-((メタ)アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、γ-((メタ)アクリロイルオキシ)プロピルジメトキシメチルシラン、(メタ)アクリロイルオキシメチルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシメチルトリエトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシメチルジメトキシメチルシラン、(メタ)アクリロイルオキシメチルジエトキシメチルシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物等の(メタ)アクリル酸系単量体が挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸エステル系重合体では、(メタ)アクリル酸エステル系単量体とともに、以下のビニル系単量体を共重合することもできる。該ビニル系単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α-メチルスチレン、クロルスチレン、スチレンスルホン酸およびその塩等のスチレン系単量体;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のケイ素含有ビニル系単量体;無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステルおよびジアルキルエステル;フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステルおよびジアルキルエステル;マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル系単量体;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基含有ビニル系単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン等のアルケン類;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル、アリルアルコール等が挙げられる。
これらは、単独で用いてもよいし、複数を共重合させてもよい。
(メタ)アクリル酸エステル系重合体としては、物性等の観点から、(メタ)アクリル酸エステル単量体からなる重合体、並びにスチレン系単量体および(メタ)アクリル酸系単量体からなる重合体が好ましく、(メタ)アクリル酸エステル単量体からなる重合体がより好ましく、アクリル酸エステル単量体からなる重合体がさらに好ましい。
配合物の低粘度、硬化物の低モジュラス、高伸び、耐候、耐熱性等の物性が要求される一般建築用途等においては、(メタ)アクリル酸エステル系重合体を構成する単量体として、アクリル酸ブチルが好ましい。一方、耐油性等が要求される自動車用途等においては、(メタ)アクリル酸エステル系重合体としては、アクリル酸エチルを主とした共重合体が好ましい。このアクリル酸エチルを主とした重合体は耐油性に優れるが低温特性(耐寒性)にやや劣る傾向があるため、その低温特性を向上させるために、アクリル酸エチルの一部をアクリル酸ブチルに置き換えることも可能である。ただし、アクリル酸ブチルの比率を増やすに伴いその良好な耐油性が損なわれていくので、耐油性を要求される用途には、アクリル酸ブチルの比率は40重量%以下にするのが好ましく、30重量%以下にするのがより好ましい。また、耐油性を損なわずに低温特性等を改善するために、側鎖のアルキル基に酸素が導入された単量体(例えば、アクリル酸2-メトキシエチル、アクリル酸2-エトキシエチル等)を用いるのも好ましい。ただし、側鎖にエーテル結合を持つアルコキシ基の導入により、共重合体の耐熱性が劣る傾向にあるので、耐熱性が要求されるときには、側鎖のアルキル基に酸素が導入された単量体の比率は40重量%以下にするのが好ましい。各種用途や要求される目的に応じて、必要とされる耐油性や耐熱性、低温特性等の物性を考慮し、使用する単量体の比率を変化させ、適した重合体を得ることが可能である。例えば、耐油性、耐熱性、低温特性等の物性バランスに優れている共重合体としては、例えば、アクリル酸エチル/アクリル酸ブチル/アクリル酸2-メトキシエチル(重量比で40~50/20~30/30~20)の共重合体が挙げられる。本発明においては、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2-メトキシエチル、アクリル酸2-エトキシエチルを他の単量体と共重合、さらにはブロック共重合させても構わなく、その際は、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2-メトキシエチル、アクリル酸2-エトキシエチルが40重量%以上含まれていることが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル系重合体の合成法としては、特に限定されず、公知の方法で行えばよい。但し、重合開始剤としてアゾ系化合物、過酸化物等を用いる通常のフリーラジカル重合法で得られる重合体は、分子量分布の値が一般に2より大きく、粘度が高くなるという問題を有している。従って、分子量分布が狭く、粘度の低い(メタ)アクリル酸エステル系重合体であって、高い割合で分子鎖末端に架橋性官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体を得るためには、リビングラジカル重合法を用いることが好ましい。
「リビングラジカル重合法」の中でも、有機ハロゲン化物あるいはハロゲン化スルホニル化合物等を開始剤、遷移金属錯体を触媒として(メタ)アクリル酸エステル系単量体を重合する「原子移動ラジカル重合法」は、上記の「リビングラジカル重合法」の特徴に加えて、官能基変換反応に比較的有利なハロゲン等を末端に有し、開始剤や触媒の設計の自由度が大きいことから、特定の官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法として、さらに好ましい。この原子移動ラジカル重合法は、例えば、Matyjaszewskiら、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカルソサエティー(J.Am.Chem.Soc.)1995年、117巻、5614頁等に記載されている。
反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製法としては、例えば、特開平6-211922号等に、連鎖移動剤を用いたフリーラジカル重合法を用いた製法が開示されている。また、特開平9-272714号等に、原子移動ラジカル重合法を用いた製法が開示されているが、これらに限定されるものではない。上記の反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体は、単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
これらの反応性ケイ素基を有する有機重合体は、単独で使用してもよいし2種以上併用してもよい。具体的には、反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体、反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重合体、反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体、からなる群から選択される2種以上の有機重合体の混合物も使用できる。
反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体と反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体の有機重合体の混合物の製造方法は、特開平11-116763号等に提案されているが、これらに限定されるものではない。好ましい(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法としては、例えば、反応性ケイ素基を有し分子鎖が実質的に、下記一般式で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体単位と、下記一般式(5)で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体単位からなる共重合体に、反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体をブレンドして製造する方法が挙げられる。
〔化4〕
-CH-C(R)(COOR)-・・・(4)
式中、Rは水素原子またはメチル基である。Rは炭素原子数1~8のアルキル基である。
〔化5〕
-CH-C(R)(COOR)-・・・(5)
式中、Rは前記と同じである。Rは炭素原子数9以上のアルキル基である。
前記一般式(4)のRとしては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、t-ブチル基、2-エチルヘキシル基等の炭素原子数1~8、好ましくは1~4、さらに好ましくは1または2のアルキル基が挙げられる。なお、Rのアルキル基は1種でもよく、2種以上でもよい。
前記一般式(5)のRとしては、例えば、ノニル基、デシル基、ラウリル基、トリデシル基、セチル基、ステアリル基、ベヘニル基等の炭素原子数9以上、好ましくは10~30、より好ましくは10~20のアルキル基が挙げられる。なお、Rのアルキル基はRの場合と同様、1種でもよく、2種以上でもよい。
上述した好ましい(メタ)アクリル酸エステル系重合体の分子鎖は、実質的に、一般式(4)および一般式(5)の単量体単位からなる。ここでいう「実質的に」とは該重合体中に存在する一般式(4)および一般式(5)の単量体単位の合計が50重量%を超えることを意味する。一般式(4)および一般式(5)の単量体単位の合計は好ましくは70重量%以上である。
一般式(4)の単量体単位と一般式(5)の単量体単位の存在比は、重量比で95:5~40:60が好ましく、90:10~60:40がさらに好ましい。上述した好ましい(メタ)アクリル酸エステル系重合体に含有されていてもよい一般式(4)および一般式(5)以外の単量体単位としては、例えば、(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド等のアミド基を含む単量体;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を含む単量体;ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アミノエチルビニルエーテル等のアミノ基を含む単量体;その他アクリロニトリル、スチレン、α-メチルスチレン、アルキルビニルエーテル、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、エチレン等に起因する単量体単位が挙げられる。
反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重合体と反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体の有機重合体の混合物は、特開平1-168764号、特開2000-186176号等に提案されているが、これらに限定されるものではない。
反応性ケイ素官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体の有機重合体の混合物の製造方法としては、反応性ケイ素基を有する有機重合体の存在下で(メタ)アクリル酸エステル系単量体の重合を行う方法が利用できる。この製造方法は、特開昭59-78223号、特開昭59-168014号、特開昭60-228516号、特開昭60-228517号等に具体的に開示されているが、これらに限定されるものではない。
一方、有機重合体の主鎖中には本発明の効果を大きく損なわない範囲でウレタン結合および/またはウレア結合を含んでいてもよい。前記ウレタン結合および/またはウレア結合は、一般式(6)で表されるアミドセグメントを含む結合であり、これは、例えば、イソシアネート基と活性水素基との反応により形成される。
〔化6〕
-NR-C(=O)-・・・(6)
式中、Rは有機基または水素原子である。
アミドセグメントは極性が比較的高いため、これを含む有機重合体を用いれば、得られる硬化物の強度や基材への接着性が高くなる傾向にある。
一般式(6)で表されるアミドセグメントとしては、例えば、イソシアネート基と水酸基との反応、イソシアネート基とアミノ基との反応、イソシアネート基とメルカプト基との反応等により形成されるものを挙げることができる。また、本活性水素原子を含む前記アミドセグメントとイソシアネート基との反応により形成されるものも、一般式(6)で表されるアミドセグメントに含まれる。
アミドセグメントと反応性ケイ素基を有する有機重合体の工業的に容易な製造方法としては、例えば、末端に活性水素含有基を有する有機重合体に、過剰のポリイソシアネート化合物を反応させて、ポリウレタン系主鎖の末端にイソシアネート基を有する重合体とした後、あるいは同時に、該イソシアネート基の全部または一部に一般式(7)で表されるケイ素化合物のW基を反応させる方法により製造されるものを挙げることができる。
〔化7〕
W-R-SiR 3-a・・・(7)
式中、R、X、aは前記と同じである。Rは2価の有機基、より好ましくは炭素原子数1~20の炭化水素基である。Wは水酸基、カルボキシ基、メルカプト基およびアミノ基(1級または2級)から選ばれた活性水素含有基である。
この製造方法に関連する文献としては、例えば、特開2001-323040号等が挙げられる。
また、アミドセグメントと反応性ケイ素基を有する有機重合体としては、例えば、末端に活性水素含有基を有する有機重合体と、一般式(8)で示される反応性ケイ素基含有イソシアネート化合物とを反応させることにより製造される重合体を挙げることができる。
〔化8〕
O=C=N-R-SiR 3-a・・・(8)
式中、R、R、X、aは前記に同じである。
この製造方法に関連する文献としては、例えば、WO03/059981等が挙げられる。
末端に活性水素含有基を有する有機重合体としては、末端に水酸基を有するオキシアルキレン重合体(ポリエーテルポリオール)、ポリアクリルポリオール、ポリエステルポリオール、末端に水酸基を有する飽和炭化水素系重合体(ポリオレフィンポリオール)、ポリチオール化合物、ポリアミン化合物等が挙げられる。これらの中でも、ポリエーテルポリオール、ポリアクリルポリオール、および、ポリオレフィンポリオールは、得られる有機重合体のガラス転移温度が比較的低く、得られる硬化物が耐寒性に優れることから好ましい。特に、ポリエーテルポリオールは、得られる有機重合体の粘度が低く、作業性が良好であり、硬化性組成物の深部硬化性および硬化物の接着性が良好である為に特に好ましい。また、ポリアクリルポリオールおよび飽和炭化水素系重合体は、得られる硬化物の耐候性、耐熱性が良好である為により好ましい。
ポリエーテルポリオールとしては、いかなる製造方法において製造されたものでも使用することが出来るが、全分子平均で分子末端当り、少なくとも0.7個の水酸基を有するものが好ましい。ポリエーテルポリオールとしては、例えば、従来のアルカリ金属触媒を使用して製造したポリオキシアルキレン系重合体や、複合金属シアン化物錯体やセシウムの存在下、少なくとも2つの水酸基を有するポリヒドロキシ化合物等の開始剤に、アルキレンオキシドを反応させて製造されるポリオキシアルキレン系重合体等が挙げられる。
上記重合法の中でも、複合金属シアン化物錯体を使用する重合法は、より低不飽和度で、Mw/Mnが狭く、より低粘度でかつ、高耐酸性、高耐候性のオキシアルキレン重合体を得ることが可能であるため好ましい。
前記ポリアクリルポリオールとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(共)重合体を主鎖とし、かつ、分子内に水酸基を有するポリオールを挙げることができる。この重合体の合成法は、分子量分布が狭く、低粘度化が可能なことからリビングラジカル重合法が好ましく、原子移動ラジカル重合法がさらに好ましい。また、特開2001-207157号に記載されているアクリル酸アルキルエステル系単量体を高温および高圧で連続塊状重合することによって得られる(いわゆるSGOプロセスで得られる)重合体を用いるのが好ましい。具体的には、東亞合成(株)製のアルフォンUH-2000等が挙げられる。
前記ポリイソシアネート化合物としては、例えば、トルエン(トリレン)ジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族系ポリイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族系ポリイソシアネートを挙げることができる。
一般式(7)で表されるケイ素化合物としては特に限定はないが、例えば、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(β-アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、(N-フェニル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-エチルアミノイソブチルトリメトキシシラン、N-シクロヘキシルアミノメチルトリエトキシシラン、N-シクロヘキシルアミノメチルジエトキシメチルシラン、N-フェニルアミノメチルトリメトキシシラン等のアミノ基含有シラン類;γ-ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン等の水酸基含有シラン類;γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト基含有シラン類;等が挙げられる。また、特開平6-211879号に記載されている様に、各種のα,β-不飽和カルボニル化合物と一級アミノ基含有シランとのMichael付加反応物、または、各種の(メタ)アクリロイル基含有シランと一級アミノ基含有化合物とのMichael付加反応物もまた、一般式(7)で表されるケイ素化合物として用いることができる。
一般式(8)で表される反応性ケイ素基含有イソシアネート化合物としては特に限定はないが、例えば、γ-トリメトキシシリルプロピルイソシアネート、γ-トリエトキシシリルプロピルイソシアネート、γ-メチルジメトキシシリルプロピルイソシアネート、γ-メチルジエトキシシリルプロピルイソシアネート、トリメトキシシリルメチルイソシアネート、トリエトキシメチルシリルメチルイソシアネート、ジメトキシメチルシリルメチルイソシアネート、ジエトキシメチルシリルメチルイソシアネート等が挙げられる。また、特開2000-119365号(米国特許6046270号)に記載されている様に、一般式(7)のケイ素化合物と、過剰の前記ポリイソシアネート化合物を反応させて得られる化合物もまた、一般式(8)で表される反応性ケイ素基含有イソシアネート化合物として用いることができる。
好ましい実施態様では、(A)成分の有機重合体は、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、(メトキシメチル)ジメトキシシリル基およびメチルジメトキシシリル基からなる群から選択される少なくとも一つのケイ素含有基を1分子中に平均して1.1~5個有し、数平均分子量が1,000~100,000である、ポリオキシアルキレン系重合体、飽和炭化水素系重合体および(メタ)アクリル酸エステル系重合体からなる群から選択される少なくとも一つである。なお、この好ましい実施態様の記載において、前記ケイ素含有基および数平均分子量の限定(修飾語句)は、ポリオキシアルキレン系重合体、飽和炭化水素系重合体および(メタ)アクリル酸エステル系重合体の全てを修飾している。
より好ましい実施態様では、(A)成分の有機重合体は、トリメトキシシリル基、(メトキシメチル)ジメトキシシリル基およびメチルジメトキシシリル基からなる群から選択される少なくとも一つのケイ素含有基を1分子中に平均して1.1~3個有し、数平均分子量が2,000~50,000である、ポリオキシアルキレン系重合体および(メタ)アクリル酸エステル系重合体からなる群から選択される少なくとも一つである。なお、このより好ましい実施態様の記載において、前記ケイ素含有基および数平均分子量の限定(修飾語句)は、ポリオキシアルキレン系重合体および(メタ)アクリル酸エステル系重合体の両方を修飾している。
さらに好ましい実施態様では、(A)成分の有機重合体は、トリメトキシシリル基およびメチルジメトキシシリル基からなる群から選択される少なくとも一つのケイ素含有基を1分子中に平均して1.1~2個有し、数平均分子量が3,000~30,000であるポリオキシアルキレン系重合体である。
特に好ましい実施態様では、(A)成分の有機重合体は、メチルジメトキシシリル基を1分子中に平均して1.1~2個有し、数平均分子量が3,000~30,000であるポリオキシプロピレン系重合体である。
<(B)成分>
本硬化性組成物は、(B)成分として、水酸基価が100mgKOH/g未満であり、かつ、エチレングリコールユニットを有する化合物を含む。この(B)成分は、いわゆる可塑剤として作用する。(B)成分の添加により、硬化性組成物の粘度、スランプ性、および組成物を硬化して得られる硬化物の引張強度、伸び等の機械特性が調整できる。さらにこの(B)成分を使用すると、一般的な従来の可塑剤を使用した場合と比較して、低温環境下における、硬化性組成物を硬化させてなる硬化物の、基材に対する接着性が向上する。
(B)成分はエチレングリコールユニットを含むため、ポリエチレングリコールを含むことが好ましい。(B)成分に含まれるポリエチレングリコールとしては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ヘキサエチレングリコール、ヘプタエチレングリコール、オクタエチレングリコール、ノナエチレングリコール、デカエチレングリコール等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、複数を併用してもよい。ポリエチレングリコールの重合度が上がるにつれて、その粘度が高くなるため、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコールが好ましい。トリエチレングリコール、およびテトラエチレングリコールは、安全性が良好で粘度が比較的低く入手も容易なことから、特に好ましい。
(B)成分としては、例えば、トリエチレングリコールビス(2-エチルヘキサノエート)、ジエチレングリコールジブチレート、ジエチレングリコールジヘキサノエート、ジエチレングリコールビス(2-エチルヘキサノエート)、ジエチレングリコールジオクトエート、ジエチレングリコールビス(2-プロピルヘプタノエート)、ジエチレングリコールジシクロヘキサノエート、トリエチレングリコールジブチレート、トリエチレングリコールジヘキサノエート、トリエチレングリコールジオクトエート、トリエチレングリコールジシクロヘキサノエート、トリエチレングリコールジ(2-エチルヘキサノエート)テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジブチレート、テトラエチレングリコールジヘキサノエート、テトラエチレングリコールビス(2-エチルヘキサノエート)、テトラエチレングリコールジオクトエート、テトラエチレングリコールビス(2-プロピルヘプタノエート)、テトラエチレングリコールジシクロヘキサノエート、ペンタエチレングリコールジブチレート、ペンタエチレングリコールジヘキサノエート、ペンタエチレングリコールビス(2-エチルヘキサノエート)、ペンタエチレングリコールジオクトエート、ペンタエチレングリコールビス(2-プロピルヘプタノエート)、ペンタエチレングリコールジシクロヘキサノエート、オリゴエチレングリコールビス(2-エチルヘキサノエート)、ビス(2-(2-ブトキシエトキシ)エトキシ)メタン等を挙げることができるが、これらに限られるものではない。
上述の(B)成分の中でも、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、およびトリエチレングリコールジ(2-エチルヘキサノエート)は、合わせガラス用中間膜を構成する樹脂のための可塑剤として汎用されているため、入手が容易であり、特に好ましい。テトラエチレングリコールジメチルエーテルは、安藤パラケミー社から商品名:プログライドDMMとして販売されている。トリエチレングリコールビス(2-エチルヘキサノエート)は、OXEA社から商品名:OXSOFT 3G8で、Celanese社から商品名:WVC 3800で、DOW CHEMICAL社から商品名:Flexol 3GOで、EASTMAN社から商品名:Eastman TEG-EH Plasticizerで販売されている。
(B)成分の分子量は、200~10000が好ましく、200~6000がより好ましく、200~1000がさらに好ましい。(B)成分の分子量が10000以下であれば、硬化性組成物の粘度が低くなり、作業性が向上する傾向にある。また、(B)成分の分子量が200以上であれば、耐熱性に優れる。
(B)成分は、水酸基価が100mgKOH/g未満であり、好ましくは80mgKOH/g以下、より好ましくは50mgKOH/g以下、さらに好ましくは10mgKOH/g以下であることがより好ましい。水酸基は少ない程好ましく、例えば0mgKOH/gであってもよい。(B)成分の水酸基値が100mgKOH/g未満であれば、低温環境下での基材と硬化物との接着性が向上する。(B)成分の水酸基値の測定方法は、1,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンを内部標準として1H NMR測定を行い、水酸基に由来するシグナルとの積分値比から算出した。
(B)成分は、単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。(B)成分の量は、(A)成分の有機重合体100重量部に対して、10~200重量部が好ましく、30~100重量部がより好ましく、40~90重量部であることがさらに好ましい。(B)成分の量が20重量部以上であると、低温での接着性改善の効果が得られる。また、(B)成分の量が200重量部以下であると、組成物の作業性や硬化物の強度バランスが良好との効果が得られる。
(硬化触媒)
本硬化性組成物は、前記(A)成分および(B)成分に加えて、硬化触媒を含んでもよい。硬化触媒は、(A)成分のためのシラノール縮合触媒として作用する。前記硬化触媒としては、例えば、以下のものが挙げられる。テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート、チタンテトラキス(アセチルアセトナート)、ビス(アセチルアセトナート)ジイソプロポキシチタン、ジイソプロポキシチタンビス(エチルアセトアセテート)等のチタン化合物;ジメチル錫ジアセテート、ジメチル錫ビス(アセチルアセトナート)、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫フタレート、ジブチル錫ジオクタノエート、ジブチル錫ビス(2-エチルヘキサノエート)、ジブチル錫ビス(メチルマレエート)、ジブチル錫ビス(エチルマレエート)、ジブチル錫ビス(ブチルマレエート)、ジブチル錫ビス(オクチルマレエート)、ジブチル錫ビス(トリデシルマレエート)、ジブチル錫ビス(ベンジルマレエート)、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジメトキサイド、ジブチル錫ビス(ノニルフェノキサイド)、ジブテニル錫オキサイド、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)、ジブチル錫ビス(エチルアセトアセトナート)、ジブチル錫オキサイドとシリケート化合物との反応物、ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの反応物等のジブチル錫系化合物;ジオクチル錫ビス(エチルマレエート)、ジオクチル錫ビス(オクチルマレエート)、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ビス(アセチルアセトナート)、ジオクチル錫ジバーサテート、ジオクチル錫オキサイドとシリケート化合物との反応物等のジオクチル錫系化合物;アルミニウムトリス(アセチルアセトナート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート等のアルミニウム化合物;ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトナート)等のジルコニウム化合物;カルボン酸および/またはカルボン酸金属塩;1-(o-トリル)ビグアニド、1-フェニルグアニジン、1,2-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピリミジン、1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン、7-メチル-1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン、WO2008/078654に記載のアミジン化合物等のアミジン化合物。
前記硬化触媒としては、ジブチル錫系化合物、ジオクチル錫系化合物等の有機錫化合物が好ましい。ジブチル錫系化合物は硬化性や接着性等のバランスが良好で、汎用に使用されている。また、ジオクチル錫系化合物としては、ジオクチル錫ビス(アセチルアセトナート)やジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジバーサテート、ジオクチル錫とシリケート化合物との反応物が、工業的に入手可能であり好ましい。
また、硬化性組成物の深部硬化性および硬化物の基材に対する接着性の向上等の観点から、(C)成分の硬化触媒として、アミジン化合物が好ましく、1-フェニルグアニジンがより好ましい。
(C)成分の硬化触媒の量としては、(A)成分の有機重合体100重量部に対して、0.01~20重量部が好ましく、0.1~10重量部がより好ましい。硬化触媒の量が0.01~20重量部の範囲であれば、硬化性組成物は優れた硬化性を有し、また適度な硬化時間を有するため、作業性に優れたものとなる。
(可塑剤)
本硬化性組成物は、可塑剤を含有してもよい。本硬化性組成物が可塑剤を含有することにより、硬化物の物性を変化させることができる。例えば、可塑剤を配合することにより、硬化物の伸びおよび強度を増大させることができる。
可塑剤の例としては、フタル酸エステル類(ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ(2-エチルヘキシル)フタレート、ジイソデシルフタレート、ブチルベンジルフタレートなど)、非芳香族二塩基酸エステル類(ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート、ジブチルセバケート、コハク酸イソデシルなど)、脂肪族エステル類(オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチルなど)、ポリアルキレングリコールのエステル類(ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステルなど)、リン酸エステル類(トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェートなど)、トリメリット酸エステル類、ポリスチレン類(ポリスチレン、ポリ-α-メチルスチレンなど)、ポリブタジエン、ポリブテン、ポリイソブチレン、ブタジエン-アクリロニトリル、ポリクロロプレン、塩素化パラフィン類、炭化水素系油(アルキルジフェニル、部分水添ターフェニルなど)、プロセスオイル類、ポリエーテル類(ポリエーテルポリオール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなど)、および、ポリエーテルポリオールの水酸基をエステル基、エーテル基などに変換した誘導体など);エポキシ可塑剤類(エポキシ化不飽和油脂類、エポキシ化不飽和脂肪酸エステル類、脂環族エポキシ化合物類、エピクロルヒドリン誘導体およびそれらの混合物など)。2塩基酸と2価アルコールから得られるポリエステル系可塑剤類(セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、フタル酸などと、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどと、から得られるポリエステルなど);ビニル系重合体類(アクリル系可塑剤などのビニル系モノマーを、種々の方法で重合して得られる)、フタル酸エステルを水添したシクロヘキサンジカルボン酸エステル系重合体等が挙げられる。
エポキシ可塑剤類の具体例としては、エポキシ化大豆油、エポキシ化あまに油、ジ-(2-エチルヘキシル)4,5-エポキシシクロヘキサン-1,2-ジカーボキシレート(E-PS)、エポキシオクチルステアレ-ト、エポキシブチルステアレ-トなどが挙げられる。上述したエポキシ可塑剤の中では、E-PSが好ましい。エポキシ基を有する化合物を可塑剤として使用すると、硬化物の復元性を高めることができる。
アクリル系可塑剤は、溶剤および連鎖移動剤を使用せずに、高温連続重合法にて作製できる。アクリル系可塑剤の具体例としては、ARUFON UP-1000、UP-1020、UP-1110(以上、東亞合成(株)製)、JDX-P1000、JDX-P1010、JDX-P1020(以上、ジョンソンポリマー(株)製)が挙げられる。
(その他の成分)
本発明の効果を阻害しない限り、本硬化性組成物は、上述した成分以外の成分(その他の成分)を含有していてもよい。以下、その他の成分について説明する。
本硬化性組成物には、アミノシランを添加することができる。アミノシランとは、分子中に反応性ケイ素基とアミノ基を有する化合物であり、通常、接着性付与剤と称される。含有する硬化性組成物を、各種被着体、例えば、ガラス、アルミニウム、ステンレス、亜鉛、銅、モルタル等の無機基材や、塩化ビニル、アクリル、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の有機基材に用いる場合、アミノシランは、ノンプライマー条件またはプライマー処理条件下で、著しい接着性改善効果を示す。アミノシランを含有する硬化性組成物をノンプライマー条件下で使用する場合は特に、各種被着体に対する接着性を改善する効果が顕著である。また、アミノシランは、物性調整剤、無機充填材の分散性改良剤等として機能し得る化合物である。アミノシランの具体例は、WO2015/098998に記載されている。
本硬化性組成物には、アミノシラン以外の接着性付与剤を使用することができる。アミノシラン以外の接着性付与剤の具体例は、WO2015/098998に記載されている。
エチレングリコール構造含有シランカップリング剤をさらに使用することによって、本発明の効果の一つである深部硬化性をさらに改善することができる。エチレングリコール構造含有シランカップリング剤として、信越化学工業(株)製の商品名:X-12-641を例示できる。エチレングリコール構造含有シランカップリング剤を使用する場合、その量は、(A)成分の有機重合体100重量部に対して、好ましくは1~15重量部、より好ましくは3~10重量部である。
本硬化性組成物には酸化防止剤(老化防止剤)を使用することができる。酸化防止剤を使用すると硬化物の耐熱性を高めることができる。酸化防止剤としてはヒンダードフェノール系酸化防止剤、モノフェノール系酸化防止剤、ビスフェノール系酸化防止剤、ポリフェノール系酸化防止剤が例示できるが、特にヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましい。酸化防止剤の具体例は特開平4-283259号や特開平9-194731号に記載されている。酸化防止剤を使用する場合、その量は、(A)成分の有機重合体100重量部に対して、好ましくは0.1~10重量部、より好ましくは0.2~5重量部である。
本硬化性組成物には光安定剤を使用することができる。光安定剤を使用すると硬化物の光酸化劣化を防止できる。光安定剤としてベンゾトリアゾール系光安定剤、ヒンダードアミン系光安定剤、ベンゾエート系光安定剤等が例示できるが、特にヒンダードアミン系光安定剤が好ましい。光安定剤を使用する場合、その量は、(A)成分の有機重合体100重量部に対して、好ましくは0.1~10重量部、より好ましくは0.2~5重量部である。光安定剤の具体例は特開平9-194731号に記載されている。
本硬化性組成物には紫外線吸収剤を使用することができる。紫外線吸収剤を使用すると、硬化物の表面耐候性を高めることができる。紫外線吸収剤としてはベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、置換トリル系紫外線吸収剤および金属キレート系紫外線吸収剤等が例示できるが、特にベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましい。紫外線吸収剤を使用する場合、その量は、(A)成分の有機重合体100重量部に対して、好ましくは0.1~10重量部、より好ましくは0.2~5重量部である。フェノール系酸化防止剤および/またはヒンダードフェノール系酸化防止剤と、ヒンダードアミン系光安定剤と、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤とを併用するのが好ましい。
本硬化性組成物には、1種またはそれ以上の充填剤を添加することができる。充填剤としては、例えば、フュームシリカ、沈降性シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、ドロマイト、無水ケイ酸、含水ケイ酸、およびカーボンブラック等の補強性充填剤;ガラス繊維およびフィラメント等の繊維状充填剤;重質炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシウム(例えば、脂肪酸で表面処理された膠質炭酸カルシウム)、炭酸マグネシウム、ケイソウ土、焼成クレー、クレー、タルク、酸化チタン(例えば、ルチル型酸化チタン)、ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、アルミニウム微粉末、フリント粉末、酸化亜鉛、活性亜鉛華、シラスバルーン、ガラスミクロバルーン、フェノール樹脂または塩化ビニリデン樹脂製の有機ミクロバルーン、PVC粉末、PMMA粉末等の樹脂粉末等が挙げられる。充填剤を使用する場合、その量は(A)成分100重量部に対して、好ましくは1~250重量部、より好ましくは10~200重量部である。
強度の高い硬化物を得たい場合には、主にヒュームシリカ、沈降性シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、ドロマイト、無水ケイ酸、含水ケイ酸およびカーボンブラック、表面処理微細炭酸カルシウム、焼成クレー、クレー、および活性亜鉛華等から選ばれる充填剤を使用することが好ましい。前記充填剤を使用する場合、その量は、(A)成分の有機重合体100重量部に対し、好ましくは1~200重量部である。
また、低強度で破断伸びが大きい硬化物を得たい場合には、主に酸化チタン、重質炭酸カルシウム等の炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、酸化第二鉄、酸化亜鉛、およびシラスバルーン等から選ばれる充填剤を使用することが好ましい。前記充填剤を使用する場合、その量は、(A)成分の有機重合体100重量部に対して、好ましくは5~200重量部である。
一般的に炭酸カルシウムは、比表面積の値が大きいほど、硬化物の破断強度、破断伸び、接着性の改善効果は大きくなる。炭酸カルシウムを使用する場合、表面処理微細炭酸カルシウムと、重質炭酸カルシウム等の粒径が大きい炭酸カルシウムとを併用することが好ましい。表面処理微細炭酸カルシウムの粒径は0.5μm以下が好ましく、その表面処理は、脂肪酸処理、脂肪酸塩処理であることが好ましい。また、粒径が大きい炭酸カルシウムの粒径は1μm以上が好ましい。粒径が大きい炭酸カルシウムとして、表面処理されていないものを用いることができる。
本硬化性組成物には接着付与剤を添加することができる。接着付与剤としては、特に限定されないが、常温で固体、液体を問わず通常使用されるものを使用することができる。接着付与剤としては、例えば、スチレン共重合体およびその水素添加物(特に、スチレン系ブロック共重合体およびその水素添加物)、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂(例えば、カシューオイル変性フェノール樹脂、トール油変性フェノール樹脂等)、テルペンフェノール樹脂、キシレン-フェノール樹脂、シクロペンタジエン-フェノール樹脂、クマロンインデン樹脂、ロジン系樹脂、ロジンエステル樹脂、水添ロジンエステル樹脂、キシレン樹脂、低分子量ポリスチレン系樹脂、石油樹脂(例えば、C5炭化水素樹脂、C9炭化水素樹脂、C5C9炭化水素共重合樹脂等)、水添石油樹脂、テルペン系樹脂、DCPD樹脂石油樹脂等が挙げられる。スチレン系ブロック共重合体およびその水素添加物としては、例えば、スチレン―ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン-エチレンブチレン-スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン-エチレンプロピレン-スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン-イソブチレン-スチレンブロック共重合体(SIBS)等が挙げられる。上記接着付与剤は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。接着付与剤を使用する場合、その量は(A)成分の有機重合体100重量部に対して、好ましくは5~1,000重量部、より好ましくは10~100重量部である。
本硬化性組成物には、必要に応じて垂れを防止し、作業性を良くするためにチクソ剤(垂れ防止剤)を添加してもよい。チクソ剤としては特に限定されないが、例えば、ポリアミドワックス類;水添ヒマシ油誘導体類;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウム等の金属石鹸類等が挙げられる。また、特開平11-349916号に記載されているような粒子径10~500μmのゴム粉末や、特開2003-155389号に記載されているような有機質繊維をチクソ剤として用いると、チクソ性が高く作業性の良好な硬化性組成物が得られる。これらチクソ剤は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。チクソ剤を使用する場合、その量は、(A)成分の有機重合体100重量部に対して、好ましくは0.1~20重量部である。
本硬化性組成物に脱水剤を添加してもよい。脱水剤としては、例えば、合成ゼオライト、活性アルミナ、シリカゲル、生石灰、酸化マグネシウム、アルコキシシラン化合物(例えば、n-プロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、メチルシリケート、エチルシリケート、γ-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等)、オキサゾリジン化合物(例えば、-エチル-2-メチル-2-(3-メチルブチル)-1,3-オキサゾリジン等)、イソシアネート化合物等が挙げられる。脱水剤を使用する場合、その量は、(A)成分の有機重合体100重量部対して、好ましくは0.1~20重量部、より好ましくは0.5~10重量部である。
本硬化性組成物に使用可能な光硬化性物質、充填剤、熱膨張性微粒中空体、鱗片状または粒状の物質、バルーン、硬化物粒子、シリケート、物性調整剤、エポキシ基を有し、且つケイ素原子を含有しない化合物、光硬化性物質、酸素硬化性物質、リン系可塑剤、難燃剤、溶剤の具体例および物性等については、WO2015/098998に記載されている。
本硬化性組成物には、硬化性組成物または硬化物の諸物性の調整を目的として、必要に応じて、上述のもの以外の添加剤を添加してもよい。このような添加物としては、例えば、硬化性調整剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、オゾン劣化防止剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、発泡剤、防蟻剤、防かび剤、等が挙げられる。これらの添加剤は単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。添加剤の具体例は、例えば、特公平4-69659号、特公平7-108928号、特開昭63-254149号、特開昭64-22904号、特開2001-72854号等に記載されている。
<2-2.基材>
前記基材は、例えば、金属、紙、石、プラスチック、セラミックス、タイル、ゴム、ウレタン等であってよく、好ましくは金属、プラスチック、タイル、より好ましくは金属である。従来の硬化性組成物は、低温環境下で金属との接着性が低下しやすいため、基材が金属であれば本製造方法において使用される硬化性組成物の効果をより発揮することができる。前記金属としては特に限定されないが、例えばアルミニウム、鉄、銅、銀、ニッケル、亜鉛、錫、ステンレス、これらの合金、または酸化物等であってもよい。これらの金属の中でも、好ましくはアルミニウム、ステンレス、である。
前記基材の用途は特に限定されないが、例えば内装パネル用、外装パネル用、車両パネル用、外装タイル用であってもよい。これらの中でも、低温環境下での使用が想定される観点から、内装パネル用、外装パネル用、車両パネル用であることが好ましい。
<2-3.塗布工程>
本製造方法は、(A)成分および(B)成分を含む硬化性組成物を、基材に塗布する塗布工程を有する。硬化性組成物が前記(A)成分および(B)成分を含有することにより、環境温度が10℃以下である低温環境下においても、硬化物が基材に対して優れた接着性を有する。
前記塗布工程を実施する方法は特に限定されず、公知の方法により実施することができる。本硬化性組成物の基材への塗布は、例えば、ローラー、ヘラ、コテ等を使用して実施することができる。また、本硬化性組成物を塗布する形状も特に限定されず、例えば、長方形、正方形、五角形、ビード状等の任意の形状に塗布することができる。
前記塗布工程を実施する環境温度は特に限定されないが、常温であっても、低温であってもよい。好ましくは10℃以下、より好ましくは5℃以下で実施される。環境温度の下限は特に限定されないが、現実的には-20℃以上であり得る。本製造方法において使用される硬化性組成物によれば、10℃以下の低温環境下であったとしても、粘度の上昇を抑制することができるため、基材への塗布が容易である。
<2-4.硬化工程>
本製造方法は、本硬化性組成物を環境温度10℃以下で硬化させる、硬化工程を有する。前記硬化工程において、硬化性組成物は硬化物となり、基材と接着する。上述した通り、従来の硬化性組成物は低温環境下では硬化しにくい。しかしながら、本製造方法によれば、前記硬化工程が環境温度10℃以下という低温環境下で実施されたとしても、本硬化性組成物は、十分に硬化し、基材とも十分に接着する。
前記硬化工程において、環境温度は、好ましくは10℃以下であり、より好ましくは5℃以下である。環境温度の下限は特に限定されないが、現実的には-20℃以上であり得る。
前記硬化工程を実施する方法は特に限定されず、公知の方法により実施することができる。前記硬化工程は、例えば、乾燥機、冷蔵庫、冷凍庫、低温倉庫、気温が低い日の屋外等を使用して実施することができる。また、前記硬化工程を実施する時間も特に限定されず、例えば、1日~10日、好ましくは3日~7日であってもよい。
〔3.接着方法〕
本接着方法は、基材と、以下の(A)および(B)を含有する硬化性組成物とを、環境温度10℃以下で接着する工程を含む、接着方法である:(A)シロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基を有する有機重合体100重量部、(B)水酸基価が100mgKOH/g未満であり、かつ、エチレングリコールユニットを有する化合物10~200重量部。
本接着方法は、前記基材と前記硬化性組成物とを接着する方法である。したがって、本接着方法は、換言すれば、本製造方法に含まれる接着工程であるとも言える。
本接着方法によれば、低温環境下でも、基材に硬化性組成物を接着することができ、良好な接着性を有する積層構造体が得られる。
本接着方法における硬化性組成物は、〔2.積層構造体の製造方法〕の記載が援用される。
〔4.積層構造体〕
本積層構造体は、金属基材および硬化物を含む積層構造体であって、前記硬化物が、(A)シロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基を有する有機重合体100重量部、および(B)水酸基価が100mgKOH/g未満であり、かつ、エチレングリコールユニットを有する化合物10~200重量部を含有する硬化性組成物を硬化してなる硬化物である、積層構造体である。
本積層構造体は、低温環境下でも、基材と硬化物とが十分に接着しているため、内装用パネル、外装用パネル、車両用パネル等に好適に使用することができる。
本発明の一実施形態において、本積層構造体は、本製造方法により得られる。
本積層構造体における硬化性組成物は、〔2.積層構造体の製造方法〕の記載が援用される。
〔5.接着剤およびシーリング材〕
本接着剤および本シーリング材は、環境温度が10℃以下で使用される、低温環境用の接着剤またはシーリング材であって、以下の(A)および(B)を含有する、低温環境用の接着剤またはシーリング材である:(A)シロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基を有する有機重合体100重量部、(B)水酸基価が100mgKOH/g未満であり、かつ、エチレングリコールユニットを有する化合物10~200重量部。
本接着剤および本シーリング材は、低温環境下での基材への接着を可能にする成分を含有するため、広い温度域での使用が可能である。
本接着剤および本シーリング材は、上記硬化性組成物以外に、通常接着剤またはシーリング材が含有し得る公知の成分を含有していてもよい。また、本接着剤および本シーリング材は、1液型、2液型、多液型のいずれであってもよい。
本接着剤は、例えば、内装パネル用接着剤、外装パネル用接着剤、タイル張り用接着剤、石材張り用接着剤、天井仕上げ用接着剤、床仕上げ用接着剤、壁仕上げ用接着剤、車両パネル用接着剤、電気・電子・精密機器組立用接着剤等であってもよい。また、本シーリング材は、例えば、ダイレクトグレージング用シーリング材、複層ガラス用シーリング材、SSG工法用シーリング材、建築物のワーキングジョイント用シーリング材等であってもよい。
本接着剤および本シーリング材における硬化性組成物は、〔2.積層構造体の製造方法〕の記載が援用される。
〔6.その他〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。すなわち、本発明の一態様は以下である。
<1>基材および硬化物を含む積層構造体の製造方法であって、
前記基材に、以下の(A)および(B)を含有する硬化性組成物を塗布する塗布工程と、
前記基材に塗布した硬化性組成物を、環境温度10℃以下で硬化させて前記硬化物を形成する硬化工程と、を含む、積層構造体の製造方法:
(A)シロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基を有する有機重合体100重量部、
(B)水酸基価が100mgKOH/g未満であり、かつ、エチレングリコールユニットを有する化合物10~200重量部。
<2>前記(B)の分子量が200~10,000である、<1>に記載の積層構造体の製造方法。
<3>前記硬化性組成物がさらに、硬化触媒として有機スズ化合物を含む、<1>または<2>に記載の積層構造体の製造方法。
<4>前記塗布工程が、環境温度10℃以下で実施される、<1>~<3>のいずれかに記載の積層構造体の製造方法。
<5>前記基材が金属である、<1>~<4>のいずれかに記載の積層構造体の製造方法。
<6>前記基材は、内装パネル用、外装パネル用、または車両パネル用である、<1>~<5>のいずれかに記載の積層構造体の製造方法。
<7>基材と、以下の(A)および(B)を含有する硬化性組成物とを、環境温度10℃以下で接着する工程を含む、接着方法:
(A)シロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基を有する有機重合体100重量部、
(B)水酸基価が100mgKOH/g未満であり、かつ、エチレングリコールユニットを有する化合物10~200重量部。
<8>金属基材および硬化物を含む積層構造体であって、
前記硬化物が、
(A)シロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基を有する有機重合体100重量部、
(B)水酸基価が100mgKOH/g未満であり、かつ、エチレングリコールユニットを有する化合物10~200重量部
を含有する硬化性組成物を硬化してなる硬化物である、積層構造体。
<9>環境温度が10℃以下で使用される、低温環境用の接着剤またはシーリング材であって、
以下の(A)および(B)を含有する、低温環境用の接着剤またはシーリング材:
(A)シロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基を有する有機重合体100重量部、
(B)水酸基価が100mgKOH/g未満であり、かつ、エチレングリコールユニットを有する化合物10~200重量部。
以下、本発明を実施例に基づいてより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
〔合成例1〕
分子量約3,000のポリオキシプロピレントリオールと分子量約3,000のポリオキシプロピレンジオールの混合物を開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてプロピレンオキシドの重合を行い、数平均分子量約19,700(送液システムとして東ソー製HLC-8120GPCを用い、カラムは東ソー製TSK-GEL Hタイプを用い、溶媒はTHFを用いて測定したポリスチレン換算分子量)のポリオキシプロピレンを得た。続いて、この水酸基末端ポリオキシプロピレンの水酸基に対して1.2倍当量のNaOMeのメタノール溶液を添加してメタノールを留去し、更に塩化アリルを添加して末端の水酸基をアリル基に変換した。得られた未精製のアリル末端ポリオキシプロピレン100重量部に対し、n-ヘキサン300重量部と、水300重量部を混合攪拌した後、遠心分離により水を除去し、ヘキサン溶液を得た。得られたヘキサン溶液に更に水300重量部を混合攪拌し、再度遠心分離により水を除去した後、ヘキサンを減圧脱揮により除去した。以上により、末端がアリル基であり、GPCでのポリスチレン換算の数平均分子量が約19,700のポリオキシプロピレンを得た。得られたアリル基末端ポリオキシプロピレン100重量部に対し、白金ビニルシロキサン錯体の白金含量3wt%のイソプロパノール溶液150ppmを触媒として、メチルジメトキシシラン1.3重量部と90℃で2時間反応させ、一分子中に平均約1.7個のメチルジメトキシシリル基を有する、シリル基含有有機重合体(A-1)を得た。
〔合成例2〕
分子量約15,000のポリオキシプロピレンジオールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてプロピレンオキシドの重合を行い、数平均分子量約30,000(上記と同じ方法にて測定)のポリオキシプロピレンを得た。続いて、この水酸基末端ポリオキシプロピレンの水酸基に対して1.2倍当量のNaOMeのメタノール溶液を添加してメタノールを留去し、更に塩化アリルを添加して末端の水酸基をアリル基に変換した。得られた未精製のアリル末端ポリオキシプロピレン100重量部に対し、n-ヘキサン300重量部と、水300重量部を混合攪拌した後、遠心分離により水を除去し、得られたヘキサン溶液に更に水300重量部を混合攪拌し、再度遠心分離により水を除去した後、ヘキサンを減圧脱揮により除去した。以上により、末端がアリル基であり、GPCでのポリスチレン換算の数平均分子量が約30,000のポリオキシプロピレンを得た。得られたアリル基末端ポリオキシプロピレン100重量部に対し、白金ビニルシロキサン錯体の白金含量3wt%のイソプロパノール溶液150ppmを触媒として、メチルジメトキシシラン0.96重量部と90℃で2時間反応させ、一分子中に平均約1.6個のメチルジメトキシシリル基を有するポリオキシプロピレン系重合体(p-1)を得た。
フラスコに、n-ブチルアクリレート122g、メチルメタクリレート29g、ステアリルメタクリレート30g、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン9g、イソブタノール46gを入れ、さらに重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル2.6gを溶かした混合溶液を作成した。攪拌機、温度計、窒素導入口を供えたセパラブルフラスコにイソブタノール88gを入れて105℃に加熱し、窒素をバブリングしてフラスコ系内を窒素で置換した後、攪拌しながら上記のモノマー混合液を4時間かけて滴下し、さらに2時間、後重合を行った。得られたメチルジメトキシシリル基含有アクリル系重合体p-2は、固形分濃度60%のイソブタノール溶液で、GPC(上記と同じ)によるポリスチレン換算の数平均分子量Mnは18,000であった。3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランの仕込み量と平均分子量から計算して、アクリル系重合体(p-2)のメチルジメトキシシリル基は一分子あたり平均して2.0個導入されていた。
上記で得られたメチルジメトキシシリル基末端ポリオキシプロピレン系重合体(p-1)とメチルジメトキシシリル基含有アクリル系重合体(p-2)のイソブタノール溶液とを固形分比(重量比)70/30で混合し、ロータリーエバポレーターを用いて110℃加熱、減圧条件下でイソブタノールの脱揮を行い、固形分濃度99%以上のシリル基含有有機重合体(A-2)を得た。
〔材料〕
((A)成分)
・シリル基含有有機重合体(A-1)および(A-2):合成例で合成したものを使用
((B)成分)
・テトラエチレングリコールジメチルエーテル:東京化成工業(株)製)、水酸基価:0.06mgKOH/g、分子量:222.3
・OXSOFT 3G8:トリエチレングリコールジ(2-エチルヘキサノエート)(OXEA社製)、分子量:402.6
・Plasthall 190:ビス(2-(2-ブトキシエトキシ)エトキシ)メタン(Hallstar社製)、水酸基価:2.58mgKOH/g、分子量:336.5
(その他液状化合物((B)成分に該当しない液状化合物))
・テトラエチレングリコール:東京化成工業(株)製、水酸基価:614mgKOH/g
・ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル:ダワノールDPnP(安藤パラケミー(株)製)
・ポリプロピレングリコール:分子量2000(富士フィルム和光純薬(株)製)、水酸基価:56mgKOH/g
・ジイソノニルフタレート:DINP(ジェイ・プラス社製)
(その他の成分)
・膠質炭酸カルシウム:白艶華CCR(白石工業(株)製)
・重質炭酸カルシウム:ホワイトンSB(白石カルシウム(株)製)
・顔料:タイペーク R820(石原産業(株)製)
・チクソ剤:Disparlon 6500(楠本化成(株)製)
・光安定剤:Tinuvin 770(BASFジャパン(株)製)
・紫外線吸収剤:Tinuvin 326(BASFジャパン(株)製)
・脱水剤:A171、ビニルトリメトキシシラン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)
・接着付与剤:A1120、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)
・硬化触媒:ネオスタンU220H(日東化成(株)製)
〔実施例1〕
シリル基含有有機重合体(A-1)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ジイソノニルフタレート、膠質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、顔料、チクソ剤、光安定剤、紫外線吸収剤を表1に記載の割合で混合し、充分に混錬した後、3本ペイントロールに3回通して分散させた。
次いで、120℃で2時間減圧脱水を行い、50℃以下に冷却した。その後、脱水剤、接着付与剤および硬化触媒を表1に記載の割合で加えて混練した。混練は、実質的に水分の存在しない状態で行った。その後、防湿性の容器に密閉し、1液型硬化性組成物を得た。
〔実施例2〕
シリル基含有有機重合体(A-1)の代わりに、シリル基含有有機重合体(A-2)を用いた以外は実施例1と同様にして、1液型硬化性組成物を得た。
〔実施例3〕
(B)成分としてOXSOFT 3G8を使用し、各成分の使用量を表1に記載の割合としたこと以外は実施例1と同様にして、1液型硬化性組成物を得た。
〔実施例4〕
各成分の使用量を表1に記載の割合としたこと以外は実施例3と同様にして、1液型硬化性組成物を得た。
〔実施例5〕
(B)成分としてPlasthall 190を使用し、各成分の使用量を表1に記載の割合としたこと以外は実施例1と同様にして、1液型硬化性組成物を得た。
〔比較例1〕
(B)成分の代わりにテトラエチレングリコールを使用し、各成分の使用量を表1に記載の割合としたこと以外は実施例1と同様にして、1液型硬化性組成物を得た。
〔比較例2〕
(B)成分の代わりにジプロピレングリコールモノプロピルエーテルを使用し、各成分の使用量を表1に記載の割合としたこと以外は実施例1と同様にして、1液型硬化性組成物を得た。
〔比較例3〕
(B)成分の代わりにポリプロピレングリコールを使用し、各成分の使用量を表1に記載の割合としたこと以外は実施例1と同様にして、1液型硬化性組成物を得た。
〔比較例4〕
(B)成分の代わりにジイソノニルテレフタレートを使用し、各成分の使用量を表1に記載の割合としたこと以外は実施例1と同様にして、1液型硬化性組成物を得た。
〔物性評価〕
(水酸基価の測定)
(B)成分の水酸基価は、1,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンを内部標準として1H NMR測定を行い、水酸基に由来するシグナルとの積分値比から算出した。
装置および測定条件は以下の通りである。
装置名:ブルカージャパン(株) AVANCE III HD500型 NMR装置
溶媒:重クロロホルム
測定条件:パルス角90℃、緩和時間30秒
(表面硬化時間)
23℃50%RHの条件下で、硬化性組成物を3mm程度の厚みになるまでヘラで延ばし広げた。一定の時間おきにミニヘラを混合物の表面に接触させ、混合物がヘラに付着しなくなるまでの時間を確認した。
(低温養生での接着性)
5℃に設定した乾燥機に一晩入れておいた陽極酸化アルミと電解着色アルミと硬化性組成物を23℃50%RHの恒温室に運び、そこで各基材上に、硬化性組成物を長さ約30mm、幅約15mm、厚さ約10mmの長方形になるように延ばし広げ、基材と密着に結合させるように押圧した。これをすぐに5℃乾燥機に入れて、7日後に取り出して角度90度で硬化物に対する手で剥離する試験を行った。剥離後、基材および硬化物の接着性を評価した。
(常温養生での接着性)
上記(低温養生での接着性)と同じ評価を、すべて23℃50%RHの恒温室で実施した。
<接着性の評価>
剥離試験後、硬化物の破壊状態を観察し、凝集破壊(CF)、界面破壊(AF)、未硬化(M)のいずれであるかを評価した。下記表1では、凝集破壊が100%である場合はCF、界面破壊が100%である場合はAF、硬化物が未硬化である場合はM100とした。また、例えば、凝集破壊が40%、界面破壊が40%で、硬化性組成物の20%が未硬化である場合は、C40A40M20とした。凝集破壊は、硬化物自体が破壊されることであり、凝集破壊の割合が高い程、硬化物の基材に対する接着性が良好であると言える。一方、界面破壊は、硬化物と基材との接着部分が破壊されることであり、界面破壊の割合が高い程、硬化物の基材に対する接着性が悪いと言える。また、「ブリード」とは、硬化物の表面に液状の硬化性組成物が染み出してきたことを意味する。
実施例1~5、比較例1~4における1液型硬化性組成物の組成を表1に示す、また、実施例1~5、比較例1~4における表面硬化時間、および接着性試験の結果を表2に示す。
〔結果〕
表1より、実施例1~5の硬化物は、剥離試験の結果、常温、低温のいずれにおいても凝集破壊の割合が多かった。一方、比較例1の硬化物は全てブリードとなっていた。また、比較例2、3の硬化物は、常温では凝集破壊となっていたものの、低温では界面破壊となっていた。また、比較例4は、低温では硬化しなかった。以上の結果より、本硬化性組成物は、常温、低温のいずれの環境下でも、基材に対する接着性が優れていることが示された。
本製造方法によれば、低温環境下でも十分な接着性を有する積層構造体を得られるため、例えば、内装用パネル材、外装用パネル材、車両用パネル材、防振材、制振材、防音材、発泡材料、塗料、吹付材、接着剤、シーリング材等の分野で好適に使用することができる。

Claims (9)

  1. 基材および硬化物を含む積層構造体の製造方法であって、
    前記基材に、以下の(A)および(B)を含有する硬化性組成物を塗布する塗布工程と、
    前記基材に塗布した硬化性組成物を、環境温度10℃以下で硬化させて前記硬化物を形成する硬化工程と、を含む、積層構造体の製造方法:
    (A)シロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基を有する有機重合体100重量部、
    (B)水酸基価が100mgKOH/g未満であり、かつ、エチレングリコールユニットを有する化合物10~200重量部。
  2. 前記(B)の分子量が200~10,000である、請求項1に記載の積層構造体の製造方法。
  3. 前記硬化性組成物がさらに、硬化触媒として有機スズ化合物を含む、請求項1に記載の積層構造体の製造方法。
  4. 前記塗布工程が、環境温度10℃以下で実施される、請求項1に記載の積層構造体の製造方法。
  5. 前記基材が金属である、請求項1~4のいずれか1項に記載の積層構造体の製造方法。
  6. 前記基材は、内装パネル用、外装パネル用、または車両パネル用である、請求項5に記載の積層構造体の製造方法。
  7. 基材と、以下の(A)および(B)を含有する硬化性組成物とを、環境温度10℃以下で接着する工程を含む、接着方法:
    (A)シロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基を有する有機重合体100重量部、
    (B)水酸基価が100mgKOH/g未満であり、かつ、エチレングリコールユニットを有する化合物10~200重量部。
  8. 金属基材および硬化物を含む積層構造体であって、
    前記硬化物が、
    (A)シロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基を有する有機重合体100重量部、
    (B)水酸基価が100mgKOH/g未満であり、かつ、エチレングリコールユニットを有する化合物10~200重量部
    を含有する硬化性組成物を硬化してなる硬化物である、積層構造体。
  9. 環境温度が10℃以下で使用される、低温環境用の接着剤またはシーリング材であって、
    以下の(A)および(B)を含有する、低温環境用の接着剤またはシーリング材:
    (A)シロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基を有する有機重合体100重量部、
    (B)水酸基価が100mgKOH/g未満であり、かつ、エチレングリコールユニットを有する化合物10~200重量部。
JP2022178316A 2022-11-07 2022-11-07 積層構造体の製造方法、およびその利用 Pending JP2024067904A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022178316A JP2024067904A (ja) 2022-11-07 2022-11-07 積層構造体の製造方法、およびその利用
CN202311438284.8A CN117983518A (zh) 2022-11-07 2023-11-01 层叠结构体的制造方法及其利用

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022178316A JP2024067904A (ja) 2022-11-07 2022-11-07 積層構造体の製造方法、およびその利用

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024067904A true JP2024067904A (ja) 2024-05-17

Family

ID=90886070

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022178316A Pending JP2024067904A (ja) 2022-11-07 2022-11-07 積層構造体の製造方法、およびその利用

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2024067904A (ja)
CN (1) CN117983518A (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
CN117983518A (zh) 2024-05-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8901255B2 (en) Curable composition
JP5420893B2 (ja) 硬化性組成物
EP2644657B1 (en) Curable composition
JPWO2009011329A1 (ja) 硬化性組成物
JP6550148B2 (ja) 硬化性組成物およびその硬化物
EP2267083B1 (en) Curable composition and cured material
WO2016035718A1 (ja) 硬化性組成物
JP5340815B2 (ja) 一液型接着剤
JP7224131B2 (ja) 硬化性組成物
JP5584575B2 (ja) プライマー組成物
JP6818540B2 (ja) 硬化性組成物
JP5639442B2 (ja) 硬化性組成物
JP2024067904A (ja) 積層構造体の製造方法、およびその利用
JP5002152B2 (ja) 硬化性組成物
JP5564170B2 (ja) アスファルト防水シート用接着剤組成物
JP2020164607A (ja) 反応性シリル基含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体およびこれを含有する硬化性組成物
JP6383163B2 (ja) 硬化性組成物およびその硬化物
JP2007314727A (ja) 硬化性組成物
JP7269066B2 (ja) 湿気硬化性樹脂組成物および硬化物
JP6839542B2 (ja) 硬化性組成物
JP2005272540A (ja) 硬化性組成物
WO2023090255A1 (ja) 多液型硬化性組成物
JP5707526B2 (ja) プライマー組成物
JP4976705B2 (ja) 硬化性組成物
JP2020164606A (ja) 反応性シリル基含有(メタ)アクリル酸エステル系共重合体およびこれを含有する硬化性組成物