JP2024067654A - 測定ヘッド及びそれに用いられる揺動支点部材 - Google Patents

測定ヘッド及びそれに用いられる揺動支点部材 Download PDF

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Abstract

【課題】測定方向には、より小さい荷重で同一の変形が得られ、他方向のねじり荷重には十分な剛性があり、支点中心がずれること無く、繰返し精度も向上した測定ヘッド及びそれに用いられる揺動支点部材を得る。【解決手段】接触子85を先端に取り付けたアーム部材83を揺動支点部材で支持し、シーソー運動を行うアーム部材83の移動量を検出することで接触子85の移動量を検出する測定ヘッド80において、揺動支点部材は十字状の薄板部10-1で十字バネ10として構成され、十字バネ10の中央部10-3を貫くように穴を開ける。【選択図】図1

Description

本発明は、研削盤などに組込まれるマシンコントロールゲージや表面粗さ輪郭形状測定機等に用いられる測定ヘッドに係わり、特に十字バネ式の揺動支点部材を用いた測定ヘッド及びそれに用いられる揺動支点部材に関する。
従来、接触子を先端に取り付けたアームを、てこの原理で上下方向に動作させる測定ヘッドが広く使用されてきた。このような測定ヘッドは、例えば、マシンコントロールゲージや輪郭測定に使用されている。そして、測定用のアームを支持する支点として、十字バネを使用すると、測定可能範囲が広がり、高精度な測定も実現できることが知られている。
また、特許文献1には、低コストでばね特性のバラツキが少なく、組付けを容易とするため、十字バネを形成する第1の板状弾性部分と第2の板状弾性部分とを1枚の板状弾性体成型加工された連続体によって形成することが記載されている。
特開2005-249038号公報
特許文献1に記載の揺動支点部材は、2つの板状弾性部分が組み合わされた連続体として構成され、バラツキが小さく、組付けが容易であるという優れた特徴を有していた。
しかしながら、本発明者らは、特許文献1の揺動支点部材を備えるてこ式検出器等の検出器によれば、測定結果の安定性、及び、ワーク表面の保護性能(ワークに傷をつけにくいこと)の点で、改善の余地があることを知見している。
そこで、本発明は、てこ式検出器等の検出器に適用した場合に、測定結果の優れた安定性が得られ、かつ、ワークの表面の優れた保護性が得られる測定ヘッドを提供することを課題とする。また、本発明は揺動支点部材を提供することも課題とする。
上記課題を達成するための本発明の構成は以下のとおりである。
[1] 接触子を先端に取り付けたアーム部材を揺動支点部材で支持し、シーソー運動を行う上記アーム部材の移動量を検出することで上記接触子の移動量を検出する測定ヘッドにおいて、上記揺動支点部材は十字状の薄板部で十字バネとして構成され、上記十字バネの中央部を貫くように穴が開けられたことを特徴とする測定ヘッド。
[2] 上記穴の径は上記十字バネのブロック幅Hに対して1/4~1/2の幅とされたことを特徴とする[1]に記載の測定ヘッド。
[3] 上記穴の形状は長穴、又は、多角形とされ、上記穴の周辺は丸味を有することを特徴とする[1]又は[2]に記載の測定ヘッド。
[4] 上記十字バネは、金属をワイヤカット加工による削り出しで一体化されたことを特徴とする[1]又は[2]に記載の測定ヘッド。
[5] 上記十字バネは、X軸方向、又は、Y軸方向のいずれか一方の交差角度が他方よりも狭角とされたことを特徴とする[1]又は[2]に記載の測定ヘッド。
[6] 接触子を先端に取り付けたアーム部材を揺動支点部材で支持し、シーソー運動を行う上記アーム部材の移動量を検出することで上記接触子の移動量を検出する測定ヘッドに用いられる上記揺動支点部材であって、上記揺動支点部材は十字状の薄板部で十字バネとして構成され、上記十字バネの中央部を貫くように穴が開けられたことを特徴とする揺動支点部材。
[7] 上記穴の径は上記十字バネのブロック幅Hに対して1/4~1/2の幅とされたことを特徴とする[6]に記載の揺動支点部材。
[8] 上記十字バネは、X軸方向、又は、Y軸方向のいずれか一方の交差角度が他方よりも狭角とされたことを特徴とする[6]又は[7]に記載の揺動支点部材。
本発明によれば、てこ式検出器等の検出器に適用した場合に、測定結果の優れた安定性が得られ、かつ、ワークの表面の優れた保護性が得られる測定ヘッドが提供できる。また、本発明によれば、揺動支点部材も提供できる。
本発明の一実施形態に係る十字バネ10の各軸周りの荷重による応力分布を示す斜視図 従来の十字バネ10の応力分布を示す斜視図 図(a)穴なし(従来例)と、図(b)穴有り(一実施形態)、との場合における回転荷重による変形量の分布を比較して示す斜視図 図(a)穴なし(従来例)と、図(b)穴有り(一実施形態)、との場合におけるX軸周りのねじり荷重による応力分布を比較して示す斜視図 図(a)穴なし(従来例)と、図(b)穴有り(一実施形態)、との場合におけるY軸周りのねじり荷重による応力分布を比較して示す斜視図 図(a)穴なし(従来例)と、図(b)穴有り(一実施形態)、との場合におけるX軸周りのねじり荷重によるY軸方向の変形量分布を比較して示す斜視図 図(a)穴なし(従来例)と、図(b)穴有り(一実施形態)、との場合におけるY軸周りのねじり荷重によるX軸方向の変形量分布を比較して示す斜視図 薄板部10-1の交差角度の違いによる変形量分布を比較して示す斜視図(ねじり荷重(X軸周り)による上下(Y軸)方向変形量) 薄板部10-1の交差角度の違いによる変形量分布を比較して示す斜視図(ねじり荷重(Y軸周り)による前後(X軸)方向変形量) 本発明に係る十字バネ10を用いた測定ヘッド80の断面図 ワークWの加工中に測定ヘッド80による測定を行っている様子を示す斜視図
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態に係る十字バネ10の各軸周りの荷重による(各軸周りに荷重をかけた場合の)応力分布を示す斜視図であり、(a)は回転荷重、(b)はねじり荷重(X軸周り)、(c)はねじり荷重(Y軸周り)をそれぞれ掛けた場合である。なお、回転荷重とは、図1では、Z軸周りの回転荷重を意味し、後述する図10において説明するように、十字バネ10を備える測定ヘッド80による測定方向(図10のA方向)に該当する。
図1に示した十字バネ10は、金属素材をワイヤカット加工して(削り出して)得られた、一体の部材である。金属素材としては、ステンレススチール、及び、その他の金属を用いることができる。その他の金属(例えば鉄)は、ワイヤカット加工の後に防錆メッキを施すことが好ましい。十字バネ10は十字状の薄板部10-1で構成される。また、図1の実施形態は、十字支点の中央部10-3を貫くように穴を開けている点に特徴がある。
本発明者らは、特許文献1に記載されたような優れた特徴を有する揺動支点部材を用いた場合でも、てこ式検出器等に適用した際に、測定結果の安定性、及び/又は、ワーク表面の保護性能に改善の余地があることを知見し、その原因を鋭意追究してきた。その結果、揺動支点部材の回転方向(Z軸周り、測定方向)の剛性と、上記性能との間に相関があることを見出した。すなわち、回転方向の剛性が高いと、接触子85がワークに押し付けられる力(測定力)が大きく変動するため、測定結果が不安定となる場合があることを見出した。また、ワーク表面の保護性能についても、回転方向の剛性が高く、測定力が強すぎる場合に、ワーク表面に傷がつきやすい傾向があることを見出した。
本発明者らは、上記新たな発見に基づき、揺動支点部材の回転方向の剛性を調整すべく、新たな構造を探索した。その結果、上記のように、十字支点の中央部10-3を貫くように穴をあけることで、X軸周り、Y軸周りのねじり方向に対する剛性を維持しつつ、回転方向(Z軸周り)の剛性を調整(低減)することに成功し、本発明を完成させた。以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る測定ヘッド、及び、揺動支点部材について詳述する。
図10は、本発明に係る十字バネ10を用いた測定ヘッド80の断面図であり、十字バネ10はアーム部材83と測定ヘッド本体81との間に挟まれるように両者に接触して保持され、測定ヘッド80の揺動支点として機能する。
アーム部材83の先端にはフィンガー84が取付けられており、フィンガー84の先端には接触子85が取り付けられている。アーム部材83の後端は、差動変圧器のコア86が取り付けられ、差動変圧器のコイル87は測定ヘッド本体81に取付けられている。
また、測定ヘッド本体81とアーム部材83との間には圧縮コイルばね88が設けられ、接触子85に測定圧力を付与すると共に、測定ヘッド本体81に設けられたストッパねじ89でアーム部材83の揺動下端を設定するようになっている。
測定ヘッド80は、アーム部材83が十字バネ10を支点としてシーソー運動を行うため、接触子85をワークWに接触させた時の接触子85移動量を差動変圧器で検出し、高精度な測定を行うことができる。
この測定の際、十字バネ10には、ワークの測定面の面荒れ、外部からの振動、接触子85のワークへの当接、及び、測定位置のオフセット等によって、ねじり荷重が印加される。測定ヘッド80による測定値を安定化するためには、このねじり荷重に対して、十字バネ10が優れた剛性(ねじり剛性)を有することが好ましい。
一方で、すでに説明したとおり、測定値の安定化やワークの表面の保護性能の観点では、回転方向(測定方向)に関しては、十字バネ10は柔軟であること(剛性が低減されていること)が好ましい。十字バネ10には上記のような相反する力学特性が求められる。
図11は、ワークWの加工中に測定ヘッド80による測定を行っている様子を示す斜視図である。十字バネ10に要求される上記の力学特性を図11を用いて再度説明する。十字バネ10は、回転荷重(測定方向:図10で矢印A)、つまりZ軸周りはより小さい荷重で同一の変形が得られるように柔軟であり、その一方で、X軸周り、及び、Y軸周りのねじり荷重に対しては剛性が高い必要がある。
図2は、従来の十字バネ10の応力分布を示す斜視図である。図1の実施形態に対して同様に金属をワイヤカット加工による削り出しで一体化したものであるが、薄板部10-1の中央部は穴を設けていない。穴の有無以外の条件、例えば薄板部10-1の板厚、長さ、交差角度などは同一である。図において、色が濃い方はより応力が大きいことを示している。
回転荷重による応力が大きくなる箇所は、図2(a)に示されるように薄板部10-1の交差箇所付近と薄板部10-1の付け根10-2付近であり、図2(a)で他の部分よりも色が濃くなっている。
X軸周りのねじり荷重による応力が小さい箇所は、図2(b)に示されるように薄板部10-1の中央部10-3付近であり、図2(b)で中央部10-3付近は下から上まで色が薄くなっている。Y軸周りのねじり荷重による応力は、薄板部10-1の付け根10-2にも発生していることが分かる。
図2の穴なしの十字バネ10に対して、図1の実施形態は、十字バネ10の中央部(ブロック幅H方向(Z軸方向)及び高さ方向(Y軸方向))を貫くように穴が開けられている。
すなわち、回転荷重により生ずる応力が大きい位置に、穴があけられており、結果として、図1の実施形態では、回転荷重により発生する応力が大きくなる。図1と図2とのグラデーションの比較からは判別しにくいが、図1では、(ミーゼス)応力の最大値(計算値)が図2の場合の1.2倍程度となっている。一方で、ねじり荷重による応力の大きさは、X軸周り、Y軸周りのいずれにおいても変わらず、分布も大きな違いは無い(剛性が保たれる)ことが分かる。
図3は、図(a)穴なし(従来例)と、図(b)穴有り(本実施形態)、との場合における回転荷重による変形量の分布を比較して示す斜視図である。図において、色が濃い方はより変形量が大きいことを示している。図3は、中央部10-3付近に穴を開けたことにより、全般に渡って色が濃くなっており、同じ回転荷重により発生する変形量が大きくなることを示している。
同じ回転荷重により発生する変形量が大きくなるということは、言い換えれば、穴を開けた十字バネ10は、回転荷重(測定方向:図10で矢印A)、つまりZ軸周りは、より小さい荷重で同一の変形量が得られることを示している。
図4は、図(a)穴なし(従来例)と、図(b)穴有り(本実施形態)、との場合におけるX軸周りのねじり荷重による応力分布を比較して示す斜視図である。図4において、色が濃い方はより応力が大きいことを示している。図4は、X軸周りのねじり荷重により発生する応力の大きさは、従来例と本実施形態とでほとんど変わらず、分布も大きな違いは無いことを示している。つまり、X軸周りのねじり荷重に関して言えば、十字バネ10の薄板部中央には、応力があまり掛からないため、穴が開いていてもその剛性に変わりが無いのである。このことは、従来知られておらず、本発明者らの新規な着想、及び、高度なシミュレーション技術により裏打ちされた、精緻な検証モデルの構築より初めて確認されたものである。
図5は、図(a)穴なし(従来例)と、図(b)穴有り(本実施形態)、との場合におけるY軸周りのねじり荷重による応力分布を比較して示す斜視図である。図5において、色が濃い方はより応力が大きいことを示している。図5は、Y軸周りのねじり荷重により発生する応力の大きさは、従来例と本実施形態とでほとんど変わらず、分布も大きな違いは無いことを示している。つまり、Y軸周りのねじり荷重に関しても、十字バネ10の薄板部中央には、応力があまり掛からないため、穴が開いていてもその剛性に変わりが無いのである。このことも、上記X軸周りのねじり荷重と同様、従来は知られていなかった。
図6は、図(a)穴なし(従来例)と、図(b)穴有り(本実施形態)、との場合におけるX軸周りのねじり荷重によるY軸方向の変形量分布を比較して示す斜視図である。図6において、色の濃淡は変形量とその方向とを表している。すなわち、色がより濃い部分は、上(Y軸の正の方向)への変形量がより大きいことを表し、色がより薄い部分は、下(Y軸の負の方向)への変形量がより大きいことを表している(なお、上記は後述する図8についても同様である)。図6(a)、図6(b)によれば、その濃淡の分布は、略(ほぼ)同一であり、X軸周りのねじり荷重により発生するY軸方向の変形量は、その量、方向とも、従来例と本実施形態とでほとんど変わらないことがわかる。
図7は、図(a)穴なし(従来例)と、図(b)穴有り(本実施形態)、との場合におけるY軸周りのねじり荷重によるX軸方向の変形量分布を比較して示す斜視図である。図7において、色の濃淡は変形量とその方向とを表している。すなわち、色がより濃い部分は、奥(X軸の正の方向)への変形量がより大きいことを表し、色がより薄い部分は、手前(X軸の負の方向)への変形量がより大きいことを表している(なお、上記は後述する図9についても同様である)。図7(a)、図7(b)によれば、その濃淡の分布は、略同一であり、Y軸周りのねじり荷重により発生するX軸方向の変形量は、その量、方向とも、従来例と本実施形態とでほとんど変わらないことがわかる。
上記のように、十字バネ10は、十字支点の中心を貫くように穴を開けた場合(本実施形態)と、穴なし(従来例)とを比べると、測定方向「以外」の荷重である、ねじり荷重については応力の大きさが変わらず、回転方向(測定方向)では荷重で応力が大きくなる。つまり、測定方向は、より小さい荷重で同一の変形が得られるので柔軟であり、他の方向、X軸周り、Y軸周りのねじり荷重に対しては剛性を保つことができる。
したがって、十字支点の回転方向に同一の荷重を掛けた場合は、穴を開けた支点(本実施形態)の方が、穴なし(従来例)と比べて変形が大きくなり、より小さい荷重で同一の変形が得られるので、十字支点への反力が小さくなる。また、十字支点の中心を貫くように穴を開けた場合(本実施形態)は、穴なし(従来例)に対してねじり方向に同一の加重を掛けた場合にどちらの応力も大きく変わらない(剛性が維持される)。
つまり、十字バネ10は、薄板部10-1中央のねじり荷重に対する応力が小さいため、中央部に穴が開いていてもねじり剛性への影響は少ない。そして、穴を開けた支点(本実施形態)は、剛性を落とさずに支点反力を下げること、/支点反力を上げずに剛性を上げることができる。これにより、材料選択の幅も広がり、更に、測定方向の変形量を大きくしながら、必要な荷重はより小さく抑えられる。
そして、より小さい荷重で同一の変形が得られ、他方向のねじり荷重には十分な剛性がある効果、つまり、測定方向には感度が高く、他方向には剛性が高くなる効果は、穴の大きさにより調整できる。そして、穴の径は特に限定されないが、一形態として、十字バネ10のブロック幅Hに対して1/4~1/2程度、好ましくは略1/3の幅とすることがよい。例えば、ブロック幅Hを12mmとすれば、穴径は3~6mmとすることが実用上より好ましい。
また、穴の形状は、丸穴に限定されず、長穴や多角形であってもよいが、丸穴、又は、長穴が好ましい。穴の周辺は、丸味を有することが好ましい。穴の周辺を丸くすることにより、不要な応力集中をより防ぎやすくなり、破断をより抑制できる。なお、穴の形状が多角形状である場合、「穴の周辺が丸味を有する」とは、角の部分に丸味を有することを意味する。
さらに、穴位置は、ブロック幅H方向(Z軸方向)の中央部が好ましい。一方で、図4、5で示される様にねじり荷重(X軸、Y軸)で応力が略(ほぼ)無い範囲、色が薄い範囲であれば良く、十字支点の中央部からブロック幅Hの1/4程度の範囲ならば、実用上より好ましい穴位置となる。
また、ワイヤカット放電加工による削り出しで一体化した十字バネ10は、穴を開けることで従来と比較して加工の段取りが増えるが、薄板部10-1を加工する前のブランク加工時に自動機による対応ができるうえ、全体の加工時間を考慮すると、薄板部10-1のワイヤ加工の時間が長く、それと比較すると穴を開ける時間は短く、穴開け加工により大きなコストアップとはならない。
さらに、中央部には応力がほとんど掛からないという観点では、ブロック幅H方向(Z軸方向)に分離した複数の独立した十字バネを備える構造としても同様の効果が得られるが、十字支点の組み付けを精度よく行わなければならず、図で示した実施形態の方がより容易に組み付けが行える点で有利である。
図8、図9は、薄板部10-1の交差角度の違いによる変形量分布を比較して示す斜視図である。なお、図8、及び、図9は、交差角度の違いによる変形量分布を説明するための図であり、中央部を貫くように穴を有さない、従来例の十字バネを用いたものである。
図8はねじり荷重(X軸周り)による上下(Y軸)方向変形量、図9はねじり荷重(Y軸周り)による前後(X軸)方向変形量を示している。
図8により、ねじり荷重(X軸周り)による上下(Y軸)方向変形量は、Y軸方向の交差角度を狭角とした方(図8(b))が小さいことが分る。図9により、ねじり荷重(Y軸周り)による前後(X軸)方向変形量はX軸方向の交差角度を狭角とした方(図9(a))が小さいことが分る。
一方で、交差角度を略90°とすると、あらゆる方向に対するねじり荷重に対する耐性(剛性)がより高まる点で好ましい。
つまり、測定対象からの摩擦方向がねじり荷重(X軸)であれば、Y軸方向の交差角度を狭角とした方が剛性を高くすることで好ましい。逆に、摩擦方向がねじり荷重(Y軸)であればX軸方向の交差角度を狭角とした方が剛性を高くすることで好ましい。これにより、X軸方向、又は、Y軸方向のいずれか一方の交差角度を他方よりも狭角とすることで特定の軸方向に対して剛性を上げることができるので、外部からの振動、及び、接触子が被測定物に接触する時の衝撃等により測定値が不安定になることをより抑制できる。
上記図8、9の結果は、従来例の十字バネを用いて説明したものであるが、中央部を貫くように穴を有する本発明の実施形態に係る十字バネにおいても同様の傾向がみられる。
図8、9の参考例の結果からは、ねじり荷重(X軸周り)、ねじり荷重(Y軸周り)についての剛性(変形を抑制する効果)は十分得られることがわかる。この点は、本発明の実施形態に係る十字バネについても同様である(つまり、維持されている)。
一方で、結果については示していないが、回転方向(測定方向)についての剛性は、すでに説明したとおり、中央部を貫くように穴を有する本発明の実施形態に係る十字バネにおいては、従来例の十字バネより、低く抑えられている点で優れている。
10 :十字バネ
10-1 :薄板部
10-2 :付け根
10-3 :中央部
80 :測定ヘッド
81 :測定ヘッド本体
83 :アーム部材
84 :フィンガー
85 :接触子
86 :コア
87 :コイル
88 :圧縮コイルばね
89 :ストッパねじ
H :ブロック幅
W :ワーク

Claims (8)

  1. 接触子を先端に取り付けたアーム部材を揺動支点部材で支持し、シーソー運動を行う前記アーム部材の移動量を検出することで前記接触子の移動量を検出する測定ヘッドにおいて、
    前記揺動支点部材は十字状の薄板部で十字バネとして構成され、前記十字バネの中央部を貫くように穴が開けられたことを特徴とする測定ヘッド。
  2. 前記穴の径は前記十字バネのブロック幅Hに対して1/4~1/2の幅とされたことを特徴とする請求項1に記載の測定ヘッド。
  3. 前記穴の形状は長穴、又は、多角形とされ、前記穴の周辺は丸味を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の測定ヘッド。
  4. 前記十字バネは、金属をワイヤカット加工による削り出しで一体化されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の測定ヘッド。
  5. 前記十字バネは、X軸方向、又は、Y軸方向のいずれか一方の交差角度が他方よりも狭角とされたことを特徴とする請求項1又は2に記載の測定ヘッド。
  6. 接触子を先端に取り付けたアーム部材を揺動支点部材で支持し、シーソー運動を行う前記アーム部材の移動量を検出することで前記接触子の移動量を検出する測定ヘッドに用いられる前記揺動支点部材であって、
    前記揺動支点部材は十字状の薄板部で十字バネとして構成され、前記十字バネの中央部を貫くように穴が開けられたことを特徴とする揺動支点部材。
  7. 前記穴の径は前記十字バネのブロック幅Hに対して1/4~1/2の幅とされたことを特徴とする請求項6に記載の揺動支点部材。
  8. 前記十字バネは、X軸方向、又は、Y軸方向のいずれか一方の交差角度が他方よりも狭角とされたことを特徴とする請求項6又は7に記載の揺動支点部材。
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