JP2024067618A - 電気めっき用光沢剤及びそれを含む電気めっき浴並びに金属で物品を電気めっきする方法 - Google Patents

電気めっき用光沢剤及びそれを含む電気めっき浴並びに金属で物品を電気めっきする方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、低電流密度部におけるめっき皮膜の膜厚低下が抑制された添加剤を提供することを目的としている。【解決手段】本発明の電気めっき用光沢剤は、式1:【化1】TIFF2024067618000019.tif4342(1)(式中、X及びYの一方がOで、他方がSであり、Rは、炭素数1~5の直鎖又は分岐アルキル基である)の化合物又はその互変異性体の少なくとも1種を含む。【選択図】なし

Description

本発明は、電気めっき用光沢剤及びそれを含む電気めっき浴並びに金属で物品を電気めっきする方法に関する。
電気めっき浴には、良好なめっき皮膜を得るために様々な添加剤が添加されている。例えば、特許文献1には、チオウラシルなどのメルカプト基で置換された化合物が光沢剤の艶出し効果を向上する旨が記載されている。また、特許文献2~4には、ベンゾイミダゾール類が光沢剤又は光沢補助剤として記載されている。他方、特許文献1~4には、電気めっき浴の添加剤としてアルキルチオウラシル化合物を使用することは具体的には記載されていない。
特開昭51-144342号公報 特開2003-73882号公報 特開2004-68153号公報 特開2013-23693号公報
チオウラシルなどの化合物では、低電流密度部において良好な光沢外観が形成されず、めっき皮膜の膜厚も全体的に薄くなりがちである。ベンゾイミダゾール類では、良好な光沢外観が形成され、全体的にはある程度の膜厚も達成されるものの、低電流密度部においては膜厚の低下を招いてしまう。そのため、めっき皮膜の膜厚を重要視する場合には、これらの添加剤を低濃度で使用するか又は使用しないという選択をして、光沢外観を犠牲にせざるを得なかった。そこで、本発明は、低電流密度部におけるめっき皮膜の膜厚低下が抑制された添加剤を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定のアルキルチオウラシル化合物を電気めっき用光沢剤として使用すれば、低電流密度部におけるめっき皮膜の膜厚を一定程度に確保しつつ良好な光沢外観を形成することができることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、以下に示す電気めっき用光沢剤及びそれを含む電気めっき浴並びに金属で物品を電気めっきする方法を提供するものである。
〔1〕式1:
Figure 2024067618000001
(1)
(式中、
X及びYの一方がOで、他方がSであり、
Rは、炭素数1~5の直鎖又は分岐アルキル基である)
の化合物又はその互変異性体の少なくとも1種を含む、電気めっき用光沢剤。
〔2〕XがOで、YがSであり、及び/又は、
Rが炭素数1~3の直鎖アルキル基である、前記〔1〕に記載の光沢剤。
〔3〕前記化合物が、
Figure 2024067618000002
及び/又は
Figure 2024067618000003
を含む、前記〔2〕に記載の光沢剤。
〔4〕亜鉛めっき又は亜鉛合金めっきのための、前記〔1〕~〔3〕のいずれか1項に記載の光沢剤。
〔5〕金属イオンと、式1:
Figure 2024067618000004
(1)
(式中、
X及びYの一方がOで、他方がSであり、
Rは、炭素数1~5の直鎖又は分岐アルキル基である)
の化合物又はその互変異性体の少なくとも1種とを含む、電気めっき浴。
〔6〕XがOで、YがSであり、及び/又は、
Rが炭素数1~3の直鎖アルキル基である、前記〔5〕に記載の電気めっき浴。
〔7〕前記金属イオンが、亜鉛イオンを含む、前記〔5〕又は〔6〕に記載の電気めっき浴。
〔8〕アルカリ性であり、及び/又は、追加の有機化合物添加剤をさらに含む、前記〔5〕~〔7〕のいずれか1項に記載の電気めっき浴。
〔9〕金属で物品を電気めっきする方法であって、
前記金属のイオンと、式1:
Figure 2024067618000005
(1)
(式中、
X及びYの一方がOで、他方がSであり、
Rは、炭素数1~5の直鎖又は分岐アルキル基である)
の化合物又はその互変異性体の少なくとも1種とを含む電気めっき浴において通電する工程を含み、
前記電気めっき浴が、前記物品を陰極として備え、かつ導電性基材を陽極として備えている、方法。
〔10〕前記金属が、亜鉛を含む、前記〔9〕に記載の方法。
本発明に従えば、上記式1の化合物又はその互変異性体を電気めっき用光沢剤として使用することにより、低電流密度部におけるめっき皮膜の膜厚を一定程度に確保しつつ良好な光沢外観を形成することができる。
陰極板のめっき外観を示す。 陰極板のめっき膜厚測定結果を示す。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明は電気めっき用光沢剤に関しており、電気めっきにより形成される皮膜に光沢を付与するため、特に低電流密度部においてめっき皮膜の光沢付与を補助するために用いられる。本発明の電気めっき用光沢剤は、式1:
Figure 2024067618000006
(1)
(式中、
X及びYの一方がOで、他方がSであり、
Rは、炭素数1~5の直鎖又は分岐アルキル基である)
の化合物又はその互変異性体の少なくとも1種を含んでいる。前記化合物又はその互変異性体は、いわゆるアルキルチオウラシル化合物又はその誘導体であってもよく、前記光沢剤の成分として、市販の化合物を特に制限されることなく採用することができる。
ある態様では、前記化合物において、XがOで、YがSであってもよい。また、Rは、炭素数1~3の直鎖又は分岐アルキル基であってもよい。より具体的には、前記化合物は、
Figure 2024067618000007
及び/又は
Figure 2024067618000008
を含んでもよい。
本発明の電気めっき用光沢剤が用いられる対象の電気めっきは特に制限されず、種々の電気めっきに用いることができるが、例えば、前記光沢剤は、亜鉛めっき又は亜鉛合金めっきのために用いてもよい。
本発明の電気めっき用光沢剤を用いれば、低電流密度部におけるめっき皮膜の膜厚を一定程度に確保しつつ良好な光沢外観を形成することができる。従来の光沢剤により膜厚が低下する要因については議論があるが、被めっき物表面に析出する金属に当該光沢剤が吸着して電流効率が低下する可能性や、めっきする金属の供給源となる金属板の表面に当該光沢剤が吸着して金属の溶解量が減少し、めっき浴中への金属供給が間に合わなくなる可能性が考えられる。特定の理論に拘束されるものではないが、前記式1の化合物又はその互変異生体は、析出金属や金属板などへの吸着性が低く、電流効率及び金属溶解量の維持に寄与しているものと考えられる。
本発明の電気めっき用光沢剤は、その目的を損なわない限り、当技術分野で通常使用される任意の成分をさらに含んでもよく、後述するような追加の光沢剤をさらに含んでもよい。例えば、前記追加の光沢剤は、ベース成分系光沢剤及び光沢成分系光沢剤を含んでもよい。前記式1の化合物及びその互変異性体を、これらの追加の光沢剤と組み合わせて使用すると、よりきめが細かく良好な光沢を有するめっき皮膜を形成するのに有用である。
別の態様では、本発明は電気めっき浴にも関しており、当該電気めっき浴は、金属イオンと、式1:
Figure 2024067618000009
(1)
(式中、
X及びYの一方がOで、他方がSであり、
Rは、炭素数1~5の直鎖又は分岐アルキル基である)
の化合物又はその互変異性体の少なくとも1種とを含んでいる。前記式1の化合物又はその互変異性体の任意の態様は、本発明の電気めっき用光沢剤について説明したとおりである。本発明の電気めっき浴を用いれば、前記式1の化合物又はその互変異性体の作用により、低電流密度部におけるめっき皮膜の膜厚を一定程度に確保しつつ良好な光沢外観を形成することができる。
本発明の電気めっき浴中での前記式1の化合物又はその互変異生体の濃度は、電気めっきの種類及び電気めっきの対象物品の種類などに応じて適宜調整することができるが、例えば、約0.0007~約0.7mmol/Lであってもよく、好ましくは約0.025~約0.1mmol/Lである。
前記金属イオンは、電気めっきに利用されるものであれば特に限定されないが、例えば、亜鉛イオン、ニッケルイオン、鉄イオン、銅イオン、コバルトイオン、すずイオン、及びマンガンイオンなどを含んでもよい。前記金属イオンが亜鉛イオンのみであれば、電気めっきの対象物品に亜鉛皮膜が形成され、前記金属イオンが亜鉛イオン及び他の金属イオンを含んでいれば、当該物品に亜鉛合金皮膜が形成される。前記他の金属イオンは、前記亜鉛合金皮膜を形成できる限り特に限定されないが、例えば、ニッケルイオン、鉄イオン、コバルトイオン、すずイオン、及びマンガンイオンなどからなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。前記亜鉛合金皮膜は、特に限定されないが、例えば、亜鉛ニッケル合金めっき、亜鉛鉄合金めっき、亜鉛コバルト合金めっき、亜鉛マンガン合金めっき、又はすず亜鉛合金めっきなどであってもよい。
前記金属イオンのイオン源は、電気めっきに利用されるものであれば特に限定されないが、例えば、亜鉛イオンをもたらすイオン源としては、Na2[Zn(OH)4]、K2[Zn(OH)4]、又はZnOなどが挙げられる。前記金属イオンのイオン源は、単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。前記電気めっき浴中の前記金属イオンの濃度は、特に限定されないが、例えば、約2~約20g/Lであってもよく、好ましくは約6~約16g/Lである。
ある態様では、本発明の電気めっき浴は、苛性アルカリを含んでもよい。前記苛性アルカリは、特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムなどであってもよく、より具体的には、前記電気めっき浴がアルカリ性である場合には、水酸化ナトリウムが含まれ得て、前記めっき浴が酸性である場合には、水酸化カリウムが含まれ得る。前記電気めっき浴がアルカリ性である場合の前記苛性アルカリの濃度は、特に限定されないが、例えば、約60~約200g/Lであってもよく、好ましくは約100~約160g/Lである。
本発明の電気めっき浴のpHは、電気めっきを実施できる限り特に制限されないが、例えば、約8以上であってもよく、すなわち、前記電気めっき浴はアルカリ性であってもよい。なお、前記電気めっき浴のpHは、当技術分野で通常使用されるpH調整剤を適宜用いて調整することができる。
ある態様では、本発明の電気めっき浴は、追加の有機化合物添加剤をさらに含んでもよい。本明細書に記載の「有機化合物添加剤」とは、電気めっきのためにめっき浴中に添加される有機化合物のことをいう。前記追加の有機化合物添加剤の種類は特に限定されないが、例えば、亜鉛めっきが行われる場合には、前記追加の有機化合物添加剤は、追加の光沢剤(前記式1の化合物及びその互変異生体以外の光沢剤)、水質調整剤、及び消泡剤などからなる群から選択される少なくとも1種であってもよく、亜鉛合金めっきが行われる場合には、前記追加の有機化合物添加剤は、追加の光沢剤(前記式1の化合物及びその互変異生体以外の光沢剤)、金属錯化剤、水質調整剤、及び消泡剤などからなる群から選択される少なくとも1種であってもよい。
前記追加の光沢剤としては、当技術分野で通常使用されるものを特に制限されることなく採用することができるが、例えば、主にめっき皮膜の被覆力と均一電着性に寄与するベース成分系光沢剤、主にめっき皮膜の光沢付与に直接的に寄与する光沢成分系光沢剤、及び、主に低電流密度部においてめっき皮膜の光沢付与を補助する補助成分系光沢剤が挙げられる。ある態様では、前記追加の光沢剤は、ベース成分系光沢剤及び光沢成分系光沢剤を含む。前記式1の化合物及びその互変異性体を、これらの追加の光沢剤と組み合わせて使用すると、よりきめが細かく良好な光沢を有するめっき皮膜を形成するのに有用である。
前記ベース成分系光沢剤は、特に限定されないが、例えば、(1)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、アセチレングリコールEO付加体などの非イオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩などのアニオン系界面活性剤;(2)ジアリルジメチルアンモニウムクロライドと二酸化硫黄の共重合体などのポリアリルアミン;エチレンジアミンとエピクロルヒドリンとの縮合重合体、ジメチルアミノプロピルアミンとエピクロルヒドリンとの縮合重合体、イミダゾールとエピクロルヒドリンとの縮合重合体、1-メチルイミダゾールや2-メチルイミダゾールなどのイミダゾール誘導体とエピクロルヒドリンとの縮合重合体、アセトグアナミン、ベンゾグアナミンなどのトリアジン誘導体などを含む複素環状アミンとエピクロルヒドリンとの縮合重合体などのポリエポキシポリアミン;3-ジメチルアミノプロピル尿素とエピクロルヒドリンとの縮合重合体、ビス(N,N-ジメチルアミノプロピル)尿素とエピクロルヒドリンとの縮合重合体などのポリアミンポリ尿素樹脂、N,N-ジメチルアミノプロピルアミンとアルキレンジカルボン酸とエピクロルヒドリンとの縮合重合体などの水溶性ナイロン樹脂などのポリアミドポリアミン;ジエチレントリアミン、ジメチルアミノプロピルアミンなどと2,2’-ジクロルジエチルエーテルとの縮合重合体、ジメチルアミノプロピルアミンと1,3-ジクロルプロパンとの縮合重合体、N,N,N’,N’-テトラメチル-1,3-ジアミノプロパンと1,4-ジクロルブタンとの縮合重合体、N,N,N’,N’-テトラメチル-1,3-ジアミノプロパンと1,3-ジクロルプロパン-2-オールとの縮合重合体などのポリアルキレンポリアミン;などのポリアミン化合物類;(3)ジメチルアミンなどとジクロロエチルエーテルの縮合重合体;(4)安息香酸又はその塩などの芳香族カルボン酸類;(5)塩化セチルトリメチルアンモニウム、などの含窒素複素環を有さない4級アンモニウム塩類;又は、含窒素複素環4級アンモニウム塩類を含んでもよい。
前記含窒素複素環4級アンモニウム塩類は、例えば、カルボキシ基及び/又はヒドロキシ基を有する含窒素複素環4級アンモニウム塩類である。前記含窒素複素環4級アンモニウム塩類の含窒素複素環は、特に限定されないが、例えば、ピリジン環、ピペリジン環、イミダゾール環、イミダゾリン環、ピロリジン環、ピラゾール環、キノリン環、又はモルホリン環などであってもよく、好ましくはピリジン環である。より好ましくは、前記含窒素複素環4級アンモニウム塩類は、ニコチン酸又はその誘導体の4級アンモニウム塩である。前記含窒素複素環4級アンモニウム塩化合物において、カルボキシ基及び/又はヒドロキシ基は、前記含窒素複素環に直接結合してもいいし、例えばカルボキシメチル基のように他の置換基を介して結合していてもよい。前記含窒素複素環4級アンモニウム塩類は、カルボキシ基及びヒドロキシ基以外に、例えばアルキル基などの追加の置換基を有してもよい。また、前記含窒素複素環4級アンモニウム塩類において、複素環4級アンモニウムカチオンを形成するN置換基は、光沢剤としての効果が妨げられない限り特に制限されず、例えば、置換若しくは非置換のアルキル基、アリール基、又はアルコキシ基などであってもよい。塩を形成する対アニオンは、特に限定されないが、例えば、ハロゲンアニオン、オキシアニオン、ボレートアニオン、スルフォネートアニオン、フォスフェートアニオン、又はイミドアニオンなどを含む化合物であってもよく、好ましくはハロゲンアニオンである。このような4級アンモニウム塩は、分子内に4級アンモニウムカチオンとオキシアニオンを共に含んでいるので、陰イオンとしての挙動も示すため好ましい。
具体的には、前記含窒素複素環4級アンモニウム塩類は、例えば、ピリジニウム、N-ベンジル-3-カルボキシピリジニウムクロリド、N-フェネチル-4-カルボキシピリジニウムクロリド、N-ブチル-3-カルボキシピリジニウムブロミド、N-クロロメチル-3-カルボキシピリジニウムブロミド、N-ヘキシル-6-ヒドロキシ-3-カルボキシピリジニウムクロリド、N-ヘキシル-6-3-ヒドロキシプロピル-3-カルボキシピリジニウムクロリド、N-2-ヒドロキシエチル-6-メトキシ-3-カルボキシピリジニウムクロリド、N-メトキシ-6-メチル-3-カルボキシピリジニウムクロリド、N-プロピル-2-メチル-6-フェニル-3-カルボキシピリジニウムクロリド、N-プロピル-2-メチル-6-フェニル-3-カルボキピリジニウムクロリド、N-ベンジル-3-カルボキメチルピリジニウムクロリド、1-ブチル-3-メチル-4-カルボキシイミダゾロリウムブロミド、1-ブチル-3-メチル-4-カルボキシメチルイミダゾロリウムブロミド、1-ブチル-2-ヒドロキシメチル-3-メチルイミダゾロリウムクロリド、1-ブチル-1-メチル-3-メチルカルボキシピロリジニウムクロライド、又は1-ブチル-1-メチル-4-メチルカルボキシピペリジニウムクロライドなどであってもよい。前記含窒素複素環4級アンモニウム塩類は、単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記めっき浴中での前記ベース成分系光沢剤の濃度は、特に限定されないが、例えば、芳香族カルボン酸類の場合、約1~約500mg/Lであってもよく、好ましくは約5~約100mg/Lであり、その他の場合は、約0.01~約10g/Lであってもよく、好ましくは0.02~5g/Lである。
前記光沢成分系光沢剤は、特に限定されないが、例えば、ベラトルアルデヒド、バニリン、及びアニスアルデヒドなどの芳香族アルデヒド類を含んでもよい。前記めっき浴中での前記光沢成分系光沢剤の濃度は、特に限定されないが、例えば、約1~約500mg/Lであってもよく、好ましくは約5~約100mg/Lである。
前記補助成分系光沢剤は、特に制限されないが、前記式1の化合物及びその互変異生体以外のチオウラシル化合物、2-メルカプトベンゾイミダゾールなどのメルカプト化合物、及び、有機酸類などを含んでもよい。前記めっき浴中での前記補助成分系光沢剤の濃度は、特に限定されないが、例えば、約0.01~約50g/Lであってもよい。
前記水質調整剤としては、当技術分野で通常使用されるものを特に制限されることなく採用することができるが、例えば、ケイ酸類などであってもよい。前記めっき浴中での前記水質調整剤の濃度は、特に限定されないが、例えば、約0.01~約50g/Lであってもよい。前記消泡剤としては、当技術分野で通常使用されるものを特に制限されることなく採用することができるが、例えば、界面活性剤などであってもよい。前記めっき浴中での前記消泡剤の濃度は、特に限定されないが、例えば、約0.01~約5g/Lであってもよい。
前記金属錯化剤としては、当技術分野で通常使用されるものを特に制限されることなく採用することができるが、例えば、アミン系キレート剤などであってもよい。例えば、前記アミン系キレート剤は、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンなどのアルキレンアミン化合物;前記アルキレンアミンの、エチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物などのアルキレンオキサイド付加物;エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、エチレンジアミンテトラ-2-プロパノール、N-(2-アミノエチル)エタノールアミン、2-ヒドロキシエチルアミノプロピルアミンなどのアミノアルコール;N-(2-ヒドロキシエチル)-N,N’,N’-トリエチルエチレンジアミン、N,N’-ジ(2-ヒドロキシエチル)-N,N’-ジエチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシエチル)プロピレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンなどのアルカノールアミン化合物;エチレンイミン、1,2-プロピレンイミンなどから得られるポリ(アルキレンイミン);エチレンジアミン、トリエチレンテトラミンなどから得られるポリ(アルキレンアミン);ポリ(アミノアルコール)などを含んでもよい。好ましくは、前記金属錯化剤は、アルキレンアミン化合物、そのアルキレンオキサイド付加物、及びアルカノールアミン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む。前記金属錯化剤は、単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。前記めっき浴中での前記金属錯化剤の濃度は、特に限定されないが、例えば、約5~約200g/Lであってもよく、好ましくは約30~約100g/Lである。
また別の態様では、本発明は金属で物品を電気めっきする方法にも関しており、当該方法は、前記金属のイオンと、式1:
Figure 2024067618000010
(1)
(式中、
X及びYの一方がOで、他方がSであり、
Rは、炭素数1~5の直鎖又は分岐アルキル基である)
の化合物又はその互変異性体の少なくとも1種とを含む電気めっき浴において通電する工程を含み、
前記電気めっき浴が、前記物品を陰極として備え、かつ導電性基材を陽極として備えている。前記式1の化合物又はその互変異性体の任意の態様及び前記電気めっき浴の任意の態様は、本発明の電気めっき用光沢剤及び本発明の電気めっき浴について説明したとおりである。本発明の方法に従えば、前記式1の化合物又はその互変異性体の作用により、低電流密度部におけるめっき皮膜の膜厚を一定程度に確保しつつ良好な光沢外観を形成することができる。
前記金属は、電気めっきに利用されるものであれば特に限定されないが、例えば、前記金属は、亜鉛、ニッケル、鉄、銅、コバルト、すず、及びマンガンなどを含んでもよい。前記金属が亜鉛のみであれば、前記物品に亜鉛皮膜が形成され、前記金属が亜鉛及び他の金属を含んでいれば、前記物品に亜鉛合金皮膜が形成される。前記他の金属は、前記亜鉛合金皮膜を形成できる限り特に限定されないが、例えば、ニッケル、鉄、コバルト、すず、及びマンガンなどからなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。前記亜鉛合金皮膜は、特に限定されないが、例えば、亜鉛ニッケル合金めっき、亜鉛鉄合金めっき、亜鉛コバルト合金めっき、亜鉛マンガン合金めっき、又はすず亜鉛合金めっきなどであってもよい。
前記物品は、被めっき物であり、当技術分野で通常用いられるものを特に制限されることなく採用することができる。前記物品は、例えば、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウムなどの各種金属及びこれらの合金であってもよい。また、その形状についても特に制限はなく、例えば鋼板、めっき鋼板などの板状物や、直方体、円柱、円筒、球状物などの形状品など種々のものが挙げられる。当該形状品として具体的には、例えばボルト、ナット、ワッシャーなどの締結部品、燃料パイプなどのパイプ部品、ブレーキキャリパー、コモンレールなどの鋳鉄部品の他、コネクタ、プラグ、ハウジング、口金、シートベルトアンカーなど種々のものが挙げられる。
前記通電工程の条件は、前記金属のめっき皮膜を施すことができる限り特に制限されないが、例えば、約15℃~約45℃好ましくは約25~約35℃の温度で通電してもよく、又は、約0.1~20A/dm2好ましくは0.2~10A/dm2の陰極電流密度で通電してもよい。
本発明の方法は、その目的を損なわない限り、当技術分野で通常使用される任意の工程をさらに含んでもよい。例えば、本発明の方法は、前記通電工程前に前記物品を洗浄する工程、又は、前記通電工程後に前記物品を洗浄する工程などをさらに含んでもよい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
〔試験例1〕
ハルセル試験用のロングセル(陽極鉄板:65×65×0.5mm、陰極鉄板:65×200×0.5mm)に、以下の表1に記載の組成を有するめっき液を500mL入れて、2A-20分、30℃のめっき試験条件でハルセル試験(ハルセルロングタイプ)を行った。
Figure 2024067618000011
めっき後の陰極を取り出して、外観を目視によって評価し、陰極板の左端(高電流密度部側端部)から1cm毎のめっき膜厚を蛍光X線分析装置によって測定した。陰極の外観写真及びめっき膜厚の測定結果をそれぞれ図1及び図2に示し、陰極板の非光沢部の範囲(左端からの距離)、並びに、陰極板の左端から16~19cm離れた部分(低電流密度部)の平均膜厚を表2に示す。
Figure 2024067618000012
試験化合物を使用しない比較例1では、十分な膜厚の皮膜(図2)が形成されたが、その外観は光沢が低くむらのあるものであり、低電流密度部側の広い範囲で非光沢部が観察され、黒い縞模様となっている部分もあった(図1及び表2)。試験化合物として6-メチル-2-チオウラシル(実施例1)又は6-プロピル-2-チオウラシル(実施例2)を使用すると、陰極板の広い領域で光沢が高くむらのない良好な外観の皮膜が形成され(図1及び表2)、全体的な膜厚はもちろん低電流密度部の膜厚も、比較例1と同等の水準だった(図2及び表2)。
これに対して、試験化合物として単なる2-チオウラシル(比較例2)を使用すると、十分な膜厚の皮膜を形成することができず、好ましい外観の皮膜とならなかった。試験化合物として2-メルカプトベンゾイミダゾール(比較例3)を使用すると、形成された皮膜の外観は良好であったが(図1)、全体的な膜厚、特に低電流密度部の膜厚は低くなってしまった。2-チオウラシルの6位にフェニル基を有する化合物(比較例4)又は2-チオウラシルの5位にメチル基を有する化合物(比較例5)を試験化合物として使用すると、形成された皮膜の外観も膜厚も、単なる2-チオウラシル(比較例2)で形成されたものと同程度のものにしかならなかった。したがって、特に低電流密度部において外観も膜厚も良好な皮膜を形成できるという効果は、6-アルキル-2-チオウラシルが特異的に有する優れた効果である。
〔試験例2〕
試験例1で使用しためっき液を500mL入れた試験槽内に亜鉛板(株式会社山本鍍金試験器製、ハルセル陽極亜鉛板、64mm×64mm)を置き、その上に鉄板(パンチングメタル、黒皮材、50mm×70mm)を乗せて30℃で放置し、亜鉛板の一部を溶解させた。試験化合物としては、2-メルカプトベンゾイミダゾール(試験群1)又は6-メチル-2-チオウラシル(試験群2)を使用し、試験開始前及び試験開始後2時間ごとにめっき液中の亜鉛濃度を滴定分析により測定した。結果を表3に示す。
Figure 2024067618000013
6-メチル-2-チオウラシルをめっき液中に配合すると、2-メルカプトベンゾイミダゾールを配合したときと比較して亜鉛溶解速度が高かった。亜鉛溶解速度を良好に保てることが、6-アルキル-2-チオウラシルにおける膜厚低下の抑制の要因の1つであると考えられる。
以上より、上記式1の化合物又はその互変異性体を電気めっき用光沢剤として使用することにより、低電流密度部におけるめっき皮膜の膜厚を一定程度に確保しつつ良好な光沢外観を形成できることが分かった。

Claims (10)

  1. 式1:
    Figure 2024067618000014
    (1)
    (式中、
    X及びYの一方がOで、他方がSであり、
    Rは、炭素数1~5の直鎖又は分岐アルキル基である)
    の化合物又はその互変異性体の少なくとも1種を含む、電気めっき用光沢剤。
  2. XがOで、YがSであり、及び/又は、
    Rが炭素数1~3の直鎖アルキル基である、請求項1に記載の光沢剤。
  3. 前記化合物が、
    Figure 2024067618000015
    及び/又は
    Figure 2024067618000016
    を含む、請求項2に記載の光沢剤。
  4. 亜鉛めっき又は亜鉛合金めっきのための、請求項1~3のいずれか1項に記載の光沢剤。
  5. 金属イオンと、式1:
    Figure 2024067618000017
    (1)
    (式中、
    X及びYの一方がOで、他方がSであり、
    Rは、炭素数1~5の直鎖又は分岐アルキル基である)
    の化合物又はその互変異性体の少なくとも1種とを含む、電気めっき浴。
  6. XがOで、YがSであり、及び/又は、
    Rが炭素数1~3の直鎖アルキル基である、請求項5に記載の電気めっき浴。
  7. 前記金属イオンが、亜鉛イオンを含む、請求項5又は6に記載の電気めっき浴。
  8. アルカリ性であり、及び/又は、追加の有機化合物添加剤をさらに含む、請求項5又は6に記載の電気めっき浴。
  9. 金属で物品を電気めっきする方法であって、
    前記金属のイオンと、式1:
    Figure 2024067618000018
    (1)
    (式中、
    X及びYの一方がOで、他方がSであり、
    Rは、炭素数1~5の直鎖又は分岐アルキル基である)
    の化合物又はその互変異性体の少なくとも1種とを含む電気めっき浴において通電する工程を含み、
    前記電気めっき浴が、前記物品を陰極として備え、かつ導電性基材を陽極として備えている、方法。
  10. 前記金属が、亜鉛を含む、請求項9に記載の方法。
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