JP2024067613A - 遅れ時間算出方法及びガスタービンの制御方法並びに遅れ時間算出装置及びガスタービン用の制御装置 - Google Patents

遅れ時間算出方法及びガスタービンの制御方法並びに遅れ時間算出装置及びガスタービン用の制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】燃料ガスのカロリー計測時点と供給対象機器への到達時点との時間差を示す遅れ時間を算出する方法を提供する。【解決手段】遅れ時間はカロリー計で燃料ガスのカロリーが計測される時点と、燃料ガスが供給対象機器に到達する時点との時間差を示し、燃料ラインは、計測点から供給対象機器の間の燃料ラインを分割して得られる複数の区分を含み、燃料ガスが複数の区分をそれぞれ通過するのにかかる時間をそれぞれ示す複数の区分移動遅れ時間を算出するステップと、複数の区分移動遅れ時間を合算して燃料ガスが燃料ラインを計測点から供給対象機器まで移動するのにかかる時間である総移動遅れ時間を算出するステップと、総移動遅れ時間に基づき遅れ時間を取得するステップと、を備え、複数の区分移動遅れ時間を算出するステップでは予め取得された区分移動遅れ時間と供給対象機器に供給される燃料流量との相関関係に基づいて区分移動遅れ時間を取得する。【選択図】図4

Description

本開示は、遅れ時間算出方法及びガスタービンの制御方法並びに遅れ時間算出装置及びガスタービン用の制御装置に関する。
供給対象機器(例えばガスタービンの燃焼器)に供給される燃料ガスの単位重量あたりのカロリー(熱量)は、時間に応じて変動し得るものであり、通常、燃料ガスを供給対象機器に供給するための燃料ラインにおける供給対象機器よりも上流側の位置にて計測される。すなわち、通常、燃料ガスは、カロリー計測される時点から遅れて供給対象機器に到達する。このため、供給対象機器を含む設備(例えばガスタービン)の制御において、燃料ガスのカロリー計測時点から供給対象機器に到達するまでの時間差を示す遅れ時間を考慮することがある。
例えば特許文献1には、燃料ラインを介して燃料ガスが供給される燃焼器を含むガスタービン、及び、該ガスタービンに駆動される発電機を含む発電プラントが開示されている。この発電プラントでは、燃料ガスのカロリー変動に起因する発電機の出力の変動を抑制すべく、燃料ラインに設けられたカロリー計で燃料ガスのカロリー変動を検出してから該変動が発電機の出力計の検出値に表れるまでの遅れ時間を考慮して燃料ガスの流量調整弁の開度を調節するようになっている。
特開2014-194175号公報
燃料ガスのカロリーが計測されてから該燃料ガスが供給対象機器(燃焼器等)に到達するまでの時間差を示す遅れ時間を、該供給対象機器を含む設備(ガスタービン等)の制御に用いるにあたり、該遅れ時間を精度良く計算することが求められる。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、燃料ガスのカロリー計測時点と供給対象機器への到達時点との時間差を示す遅れ時間を精度良く算出することが可能な遅れ時間算出方法及びガスタービンの制御方法並びに遅れ時間算出装置及びガスタービン用の制御装置を提供することを目的とする。
本発明の少なくとも一実施形態に係る遅れ時間算出方法は、
燃料ガスを供給対象機器に導くための燃料ラインと、前記燃料ラインの計測点から採取される前記燃料ガスのカロリーを計測するためのカロリー計と、とを含む設備における遅れ時間を算出する方法であって、
前記遅れ時間は、前記カロリー計で前記燃料ガスのカロリーが計測される時点と、前記燃料ガスが前記供給対象機器に到達する時点との時間差を示し、
前記燃料ラインは、前記計測点から前記供給対象機器の間の前記燃料ラインを分割して得られる複数の区分を含み、
前記燃料ガスが前記複数の区分をそれぞれ通過するのにかかる時間をそれぞれ示す複数の区分移動遅れ時間を算出するステップと、
前記複数の区分移動遅れ時間を合算して、前記燃料ガスが前記燃料ラインを前記計測点から前記供給対象機器まで移動するのにかかる時間である総移動遅れ時間を算出するステップと、
前記総移動遅れ時間に基づき前記遅れ時間を取得するステップと、
を備え、
前記複数の区分移動遅れ時間を算出するステップでは、前記複数の区分の各々について、予め取得された前記区分移動遅れ時間と前記供給対象機器に供給される燃料流量との相関関係に基づいて、前記区分移動遅れ時間を取得する。
また、本発明の少なくとも一実施形態に係るガスタービンの制御方法は、
上述の遅れ時間算出方法で算出される前記遅れ時間を用いて、前記供給対象機器としての燃焼器を含むガスタービンを制御するステップ
を備える。
また、本発明の少なくとも一実施形態に係る遅れ時間算出装置は、
燃料ガスを供給対象機器に導くための燃料ラインと、前記燃料ラインの計測点から採取される前記燃料ガスのカロリーを計測するためのカロリー計と、とを含む設備における遅れ時間を算出するための算出装置であって、
前記遅れ時間は、前記カロリー計で前記燃料ガスのカロリーが計測される時点と、前記燃料ガスが前記供給対象機器に到達する時点との時間差を示し、
前記燃料ラインは、前記計測点から前記供給対象機器の間の前記燃料ラインを分割して得られる複数の区分を含み、
前記燃料ガスが前記複数の区分をそれぞれ通過するのにかかる時間をそれぞれ示す複数の区分移動遅れ時間を算出するように構成された区分移動遅れ時間算出部と、
前記複数の区分移動遅れ時間を合算して総移動遅れ時間を算出するように構成された総移動遅れ時間算出部と、
前記総移動遅れ時間に基づき前記遅れ時間を取得するように構成された遅れ時間取得部と、
を備え、
前記区分移動遅れ時間算出部は、前記複数の区分の各々について、予め取得された前記区分移動遅れ時間と前記供給対象機器に供給される燃料流量との相関関係に基づいて、前記区分移動遅れ時間を取得するように構成される。
また、本発明の少なくとも一実施形態に係るガスタービン用の制御装置は、
上述の遅れ時間算出装置と、
前記遅れ時間算出装置で算出される前記遅れ時間を用いて、前記供給対象機器としての燃焼器を含むガスタービンを制御するように構成された制御部と、
を備える。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、燃料ガスのカロリー計測時点と供給対象機器への到達時点との時間差を示す遅れ時間を精度良く算出することが可能な遅れ時間算出方法及びガスタービンの制御方法並びに遅れ時間算出装置及びガスタービン用の制御装置が提供される。
一実施形態に係る遅れ時間算出方法/装置又は制御方法/装置が適用される設備の一例を示す概略構成図である。 一実施形態に係る遅れ時間算出方法/装置又は制御方法/装置が適用される設備の一例を示す概略構成図である。 一実施形態に係る遅れ時間算出装置及び制御装置の構成を示す概略図である。 一実施形態に係る遅れ時間算出装置のブロック図である。 一実施形態に係る遅れ時間算出装置のブロック図である。 燃料流量と区分移動遅れ時間との相関関係を表す関数の一例を示すグラフである。 各区分における燃料ガスの温度と温度補正係数との関係を表す関数の一例を示すグラフである。 各区分における燃料ガスの圧力と圧力補正係数との関係を表す関数の一例を示すグラフである。 燃料ガスの密度と密度補正係数との関係を表す関数の一例を示すグラフである。 一実施形態に係る遅れ時間算出装置を用いて算出される遅れ時間を視覚的に説明するためのグラフである。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
(設備の構成)
図1及び図2は、それぞれ、幾つかの実施形態に係る遅れ時間算出方法/装置又は制御方法/装置が適用される設備の一例を示す概略構成図である。
図1及び図2に示すように、設備100は、燃料ガスを供給対象機器に導くための燃料ライン12と、燃料ライン12の計測点Pから採取される燃料ガスのカロリー(例えば単位重量当たりのカロリー)を計測するためのカロリー計30と、を含む。図1及び図2に示す例示的な実施形態では、燃料ガスが供給される供給対象機器は、ガスタービン10の燃焼器4を含む。なお、供給対象機器は、ガスタービンの燃焼器に限定されず、例えば、燃料ガスを燃焼するように構成されたバーナ等であってもよい。
ガスタービン10は、空気を圧縮するための圧縮機2と、圧縮機2からの圧縮空気を用いて燃料ガスを燃焼させて燃焼ガスを生成するように構成された燃焼器4(供給対象機器)と、燃焼器4からの燃焼ガスによって駆動されるように構成されたタービン6と、を含む。燃焼器4には、燃料ライン12を介して燃料ガスが供給されるようになっている。また、燃料ライン12には、燃焼器4への燃料ガスの供給量(燃料流量)を調節するための燃料弁8が設けられる。図1及び図2に示す例示的な実施形態では、燃料ライン12には、燃料ガスを加熱するための加熱器20が設けられている。
図1に示す例示的な実施形態では、燃料ライン12は、計測点Pと加熱器20との間の部分である上流側部分14と、加熱器20と供給対象機器(燃焼器4)の間の部分である下流側部分16と、を含む。すなわち、上流側部分14は、燃料ライン12のうち加熱器20よりも上流側の部位を含む。また、下流側部分16は、燃料ライン12のうち加熱器20よりも下流側の部位を含む。
幾つかの実施形態では、例えば図2に示すように、設備100は、燃料ガスが供給される複数の供給対象機器を含む。図2に示す例示的な実施形態では、複数の供給対象機器は、複数のガスタービン10A,10Bの各々の燃焼器4A,4Bを含む。なお、ガスタービン10A,10Bは、それぞれ、圧縮機2A,2Bと、燃焼器4A,4B(供給対象機器)と、タービン6A,6Bと、を含む。
図2に示す例示的な実施形態では、燃料ライン12は、分岐点Pにて分岐する分岐ライン18A,18Bと、分岐点Pよりも上流側の上流側部分17を含む。燃焼器4A,4Bには、分岐ライン18A,18Bを介して燃料ガスがそれぞれ供給されるようになっている。また、分岐ライン18A,18Bには、燃焼器4A,4Bへの燃料ガスの供給量(燃料流量)をそれぞれ調節するための燃料弁8A,8Bが設けられる。分岐ライン18A,18Bには、燃料ガスを加熱するための加熱器20A,20Bがそれぞれ設けられている。また、計測点Pは、燃料ライン12において分岐点Pよりも上流側に位置する。
図2に示す実施形態において、上流側部分17は、燃料ライン12のうち計測点Pと分岐点Pとの間の部分である。また、分岐ライン18A,18Bは、それぞれ、燃料ライン12のうち分岐点Pと供給対象機器(燃焼器4A,4B)との間の部分である。すなわち、上流側部分17は、燃料ライン12のうち分岐点Pよりも上流側に位置し、分岐ライン18A,18Bは、燃料ライン12のうち分岐点Pよりも下流側に位置する。また、上流側部分17は、燃料ライン12のうち加熱器20A,20Bよりも上流側の部位を含み、分岐ライン18A,18Bは、燃料ライン12のうち加熱器20A,20Bよりも下流側の部位を含む。
設備100には、燃料ライン12における燃料ガスの圧力又は温度を計測するための圧力センサ又は温度センサが設けられていてもよい。
図1に示す例示的な実施形態では、設備100には、燃料ライン12のうち上流側部分14における燃料ガスの圧力及び温度をそれぞれ計測するための圧力センサ34及び温度センサ36が設けられているとともに、燃料ライン12のうち下流側部分16における燃料ガスの圧力及び温度をそれぞれ計測するための圧力センサ38及び温度センサ40が設けられている。
図2に示す例示的な実施形態では、設備100には、燃料ライン12のうち上流側部分17における燃料ガスの圧力及び温度をそれぞれ計測するための圧力センサ34及び温度センサ36が設けられているとともに、燃料ライン12のうち分岐ライン18Aにおける燃料ガスの圧力及び温度をそれぞれ計測するための圧力センサ38及び温度センサ40が設けられている。
設備100には、燃料ガスの密度を計測するための密度計が設けられていてもよい。図1及び図2に示す例示的な実施形態では、密度計32は、カロリー計30と一体的に設けられており、計測点Pから採取される燃料ガスの密度を計測するように構成されている。
(遅れ時間算出装置/制御装置の構成)
幾つかの実施形態に係る遅れ時間算出装置50は、上述した設備100における遅れ時間を算出するように構成される。遅れ時間は、カロリー計30で燃料ガスのカロリーが計測される時点と、燃料ガスが供給対象機器(上述の実施形態では燃焼器4)に到達する時点との時間差を示すものである。
幾つかの実施形態に係る制御装置90は、遅れ時間算出装置50で算出される遅れ時間を用いて、上述した供給対象機器(上述の実施形態では燃焼器4)を含む設備(上述の実施形態ではガスタービン10)を制御するように構成される。
なお、図2に示す例示的な実施形態では、制御装置90の制御対象はガスタービン10A,10Bのうち、ガスタービン10Aである。また、図2に示す例示的な実施形態では、遅れ時間算出装置50は、カロリー計30で燃料ガスのカロリーが計測される時点と、燃料ガスが燃焼器4Aに到達する時点との時間差を示す遅れ時間を算出するように構成される。
図3は、一実施形態に係る遅れ時間算出装置及びこれを含む制御装置の構成を示す概略図である。図3に示すように、遅れ時間算出装置50は、区分移動遅れ時間算出部52と、総移動遅れ時間算出部54と、遅れ時間取得部56と、を含む。制御装置90は、遅れ時間算出装置50による算出結果を用いてガスタービン10を制御するための制御部92を含む。
遅れ時間算出装置50及び/又は制御装置90は、プロセッサ(CPU等)、主記憶装置(メモリデバイス;RAM等)、補助記憶装置及びインターフェース等を備えた計算機を含む。遅れ時間算出装置50及び/又は制御装置90は、は、インターフェースを介して、カロリー計30、温度センサ36,40、圧力センサ34,38及び/又は密度計32から各計測値を示す信号を受け取るようになっている。プロセッサは、このようにして受け取った信号を処理するように構成される。また、プロセッサは、主記憶装置に展開されるプログラムを処理するように構成される。これにより、上述の区分移動遅れ時間算出部52、総移動遅れ時間算出部54、遅れ時間取得部56及び/又は制御部92の機能が実現される。
遅れ時間算出装置50及び/又は制御装置90での処理内容は、プロセッサにより実行されるプログラムとして実装される。プログラムは、例えば補助記憶装置に記憶されていてもよい。プログラム実行時には、これらのプログラムは主記憶装置に展開される。プロセッサは、主記憶装置からプログラムを読み出し、プログラムに含まれる命令を実行するようになっている。
遅れ時間算出装置50及び制御装置90は、同一の計算機に実装されてもよく、あるいは、別々の計算機にそれぞれ実装されてもよい。また、図3に示すように、遅れ時間算出装置50は、制御装置90の一部として実装されてもよい。
区分移動遅れ時間算出部52は、燃料ガスが、燃料ライン12の複数の区分をそれぞれ通過するのにかかる時間をそれぞれ示す複数の区分移動遅れ時間Tを算出するように構成される。
ここで、燃料ライン12の複数の区分は、計測点Pから供給対象機器(燃焼器4)の間の燃料ライン12を分割して得られる複数の区分である。図1に示す例示的な実施形態では、複数の区分は、燃料ライン12のうち上流側部分14を含む第1区分と、下流側部分16を含む第2区分と、を含む。図2に示す例示的な実施形態では複数の区分は、燃料ライン12のうち上流側部分17を含む第1区分と、分岐ライン18Aを含む第2区分と、を含む。
区分移動遅れ時間算出部52は、複数の区分(例えば上述の第1区分及び第2区分)の各々について、予め取得された区分移動遅れ時間Tと供給対象機器(燃焼器4)に供給される燃料流量Fとの相関関係に基づいて、上述の区分移動遅れ時間Tを取得するように構成される。上述の相関関係は、上述の区分移動遅れ時間と上述の燃料流量との関係を表す関数(例えば図6に示す関数)であってもよい。
例えば、図1に示す構成を有する設備100の場合、第1区分(上流側部分14)についての区分移動遅れ時間TD1と、燃焼器4に供給される燃料流量Fとの相関関係に基づいて、制御装置90等から燃料弁8に与えられる燃料流量F(燃料流量の指令値)を上述の相関関係に適用することで、第1区分についての区分移動遅れ時間TD1を取得してもよい。また、第2区分(下流側部分16)についての区分移動遅れ時間TD2と、燃焼器4に供給される燃料流量Fとの相関関係に基づいて、制御装置90等から燃料弁8に与えられる燃料流量F(燃料流量の指令値)を上述の相関関係に適用することで、第2区分についての区分移動遅れ時間TD2を取得してもよい。
また、例えば、図2に示す構成を有する設備100の場合、第1区分(上流側部分17)についての区分移動遅れ時間TD1と、燃焼器4Aに供給される燃料流量F及び燃焼器4Bに供給される燃料流量Fの合計値と相関関係に基づいて、制御装置90等から燃料弁8Aに与えられる燃料流量F(燃料流量の指令値)及び燃料弁8Bに与えられる燃料流量F(燃料流量の指令値)を上述の相関関係に適用することで、第1区分についての区分移動遅れ時間TD1を取得してもよい。また、第2区分(分岐ライン18A)についての区分移動遅れ時間TD2と、燃焼器4Aに供給される燃料流量Fとの相関関係に基づいて、制御装置90等から燃料弁8Aに与えられる燃料流量F(燃料流量の指令値)を上述の相関関係に適用することで、第2区分についての区分移動遅れ時間TD2を取得してもよい。
各区分についての区分移動遅れ時間と、供給対象機器(燃焼器4)に供給される燃料流量との相関関係は、ガスタービン10の運転実績等から取得することができる。該相関関係は予め記憶部(不図示)に記憶されていてもよく、区分移動遅れ時間算出部52は、記憶部に記憶された上述の相関関係を該記憶部から読み出すことによって取得してもよい。
なお、上述の記憶部は、遅れ時間算出装置50を構成する計算機の主記憶装置又は補助記憶装置を含んでもよく、あるいは、ネットワーク等を介して遅れ時間算出装置50に接続される記憶装置を含んでもよい。
区分移動遅れ時間算出部52は、算出された複数の区分移動遅れ時間Tの少なくとも1つを、対応する区分における燃料ガスの温度又は圧力を用いて補正し、補正された区分移動遅れ時間T*を取得するようになっていてもよい。
例えば、各区分について予め求めた温度補正係数又は圧力補正係数を区分移動遅れ時間Tに乗算することで、補正された区分移動遅れ時間T*を算出してもよい。温度補正係数は、各区分における燃料ガスの温度の関数(例えば図7に示すような関数)として表されたものであってもよい。圧力補正係数は、各区分における燃料ガスの圧力の関数(例えば図8に示すような関数)として表されたものであってもよい。
図1及び図2に示す構成を有する設備100の場合、第1区分(上流側部分14、17)における燃料ガスの温度と温度補正係数との関係を示す関数から、温度センサ36で計測される温度T1に対応する温度補正係数を取得し、該温度補正係数を第1区分の区分移動遅れ時間TD1に乗算することで、区分移動遅れ時間TD1を補正してもよい。また、第2区分(下流側部分16又は分岐ライン18A)における燃料ガスの温度と温度補正係数との関係を示す関数から、温度センサ40で計測される温度T2に対応する温度補正係数を取得し、該温度補正係数を第2区分の区分移動遅れ時間TD2に乗算することで、区分移動遅れ時間TD2を補正してもよい。
また、図1及び図2に示す構成を有する設備100の場合、第1区分(上流側部分14、17)における燃料ガスの圧力と圧力補正係数との関係を示す関数から、圧力センサ34で計測される圧力P1に対応する圧力補正係数を取得し、該圧力補正係数を第1区分の区分移動遅れ時間TD1に乗算することで、区分移動遅れ時間TD1を補正してもよい。また、第2区分(下流側部分16又は分岐ライン18A)における燃料ガスの圧力と圧力補正係数との関係を示す関数から、圧力センサ38で計測される圧力P2に対応する圧力補正係数を取得し、該圧力度補正係数を第2区分の区分移動遅れ時間TD2に乗算することで、区分移動遅れ時間TD2を補正してもよい。
総移動遅れ時間算出部54は、複数の区分移動遅れ時間T(又は補正された区分移動遅れ時間T*)を合算して総移動遅れ時間Ttotalを算出するように構成される。総移動遅れ時間Ttotalは、燃料ガスが、燃料ライン12を計測点Pから供給対象機器(燃焼器4又は4A)まで移動するのにかかる時間を示す。
図1及び図2に示す構成を有する設備100の場合、計測点Pと供給対象機器(燃焼器4又は4A)との間の燃料ライン12を第1区分及び第2区分の2つの区分に分割したので、総移動遅れ時間Ttotalは、第1区分の区分移動遅れ時間TD1(又は補正された区分移動遅れ時間TD1*)と、第2区分の区分移動遅れ時間TD2(又は補正された区分移動遅れ時間TD2*)との合計値である。
総移動遅れ時間算出部54は、算出された総移動遅れ時間Ttotalを燃料ガスの密度を用いて補正し、補正された総移動遅れ時間Ttotal*を取得するようになっていてもよい。
例えば、予め求めた密度補正係数を総移動遅れ時間Ttotalに乗算することで、補正された総移動遅れ時間Ttotal*を算出してもよい。密度補正係数は、燃料ガスの密度の関数(例えば図9に示すような関数)として表されたものであってもよい。
図1及び図2に示す構成を有する設備100の場合、燃料ガスの密度と密度補正係数との関係を示す関数から、密度計32で計測される密度に対応する密度補正係数を取得し、該密度補正係数を総移動遅れ時間Ttotalに乗算することで、総移動遅れ時間Ttotalを補正してもよい。
なお、幾つかの実施形態では、総移動遅れ時間Ttotalの代わりに、複数の区分移動遅れ時間Tの各々を、燃料ガスの密度を用いて補正するようにしてもよい。そして、このように燃料ガスの密度を用いて補正された複数の区分移動遅れ時間Tを合算することで、総移動遅れ時間Ttotalを算出してもよい。
遅れ時間取得部56は、総移動遅れ時間算出部54で算出される総移動遅れ時間Ttotal(又は補正された総移動遅れ時間Ttotal*)に基づき、上述の遅れ時間(即ち、カロリー計30で燃料ガスのカロリーが計測される時点と、燃料ガスが供給対象機器(燃焼器4,4A)に到達する時点との時間差を示す遅れ時間)を取得するように構成される。
幾つかの実施形態では、遅れ時間取得部56は、総移動遅れ時間算出部54で算出される総移動遅れ時間Ttotal(又は補正された総移動遅れ時間Ttotal*)そのものを、上述の遅れ時間として取得するようにしてもよい。
あるいは、幾つかの実施形態では、遅れ時間取得部56は、総移動遅れ時間算出部54で算出される総移動遅れ時間Ttotal(又は補正された総移動遅れ時間Ttotal*)から、カロリー計での燃料ガスのカロリーの計測に係る所要時間(カロリー計検出遅れT)を減算した遅れ時間TNETを、上述の遅れ時間として取得するようにしてもよい。
カロリー計30でのカロリー計測に係る所要時間(カロリー計検出遅れT)は、計測対象の燃料ガスが、燃料ライン12の計測点Pからカロリー計30に導入されるまでの時間(即ちチュービングにかかる時間)、及び、カロリー計30に計測対象の燃料ガスが導入されてから、該燃料ガスのカロリー計測にかかる時間の合計値であってもよい。
カロリー計30でのカロリー計測に係る所要時間(カロリー計検出遅れT)として、予め取得される実績値を用いてもよい。該実績値は、上述の記憶部に予め記憶されていてもよい。
図10は、上述の遅れ時間算出装置50を用いて算出される遅れ時間を視覚的に説明するためのグラフである。図10の(A)~(D)に示すグラフは、それぞれ、設備100の特定の位置における燃料ガスのカロリーの時間変化を示すものである。具体的には、(A)は燃料ライン12における計測点Pにおける燃料ガスのカロリー、(B)はカロリー計30による燃料ガスのカロリー計測値、(C)は第1区分と第2区分の境界(図1における加熱器20、又は、図2における分岐点P)における燃料ガスのカロリー、(D)は燃料弁8(燃焼器4)の位置での燃料ガスのカロリーの時間変化をそれぞれ示すグラフである。なお、図10のグラフは、燃料ガスのカロリー変化を、説明のために強調して示すものであり、実際の燃料ガスのカロリー変化とは大きく異なる可能性がある。
燃料ライン12を流れる燃料ガスのカロリーが、計測点Pにおいて図10の(A)に示すように時刻t1にて変化したとする。この場合、カロリー計30では、上述の燃料ガスのカロリー変化は、図10の(B)に示すように、時刻t1からカロリー計検出遅れTだけ後の時刻t2に検出される。また、第1区分と第2区分の境界では、上述の燃料ガスのカロリー変化は、図10の(C)に示すように、時刻t1から、第1区分の区分移動遅れ時間TD1(即ち、燃料ガスが燃料ライン12を計測点Pから第1区分と第2区分の境界まで移動する時間)だけ後の時刻t3に現れる。また、燃料弁8(燃焼器4)においては、上述の燃料ガスのカロリー変化は、図10の(D)に示すように、時刻t3から、第2区分の区分移動遅れ時間TD2(即ち、燃料ガスが燃料ライン12を第1区分と第2区分から燃料弁8(燃焼器4)まで移動する時間)だけ後の時刻t4に現れる。
したがって、燃料ライン12を流れる燃料ガスのカロリーの変化が時刻t2にてカロリー計30で検出されてから、制御対象の機器(ガスタービン10)に到達する時刻t4までには時間差(遅れ時間)が存在する。したがって、ガスタービン等の制御を適切に行うために、該遅れ時間を精度良く算出することが求められる。
制御部92は、遅れ時間取得部56によって取得される遅れ時間(すなわち、遅れ時間算出装置50で算出される遅れ時間)を用いて燃焼器4(供給対象機器)を含むガスタービン10を制御するように構成される。制御部92は、該遅れ時間を用いて、ガスタービン10を制御するための制御信号を生成するように構成されてもよい。
制御部92は、上述の遅れ時間、及び、カロリー計30によるカロリー計測値を用いて、各時刻におけるガスタービン10のタービン入口温度を示す指標を算出し、該指標を用いてガスタービン10を制御するようになっていてもよい。
制御部92は、例えば、上述の遅れ時間、カロリー計30によるカロリー計測値、及び/又は、該遅れ時間を用いて算出される指標(例えばタービン入口温度を示す指標)を用いて、燃料弁8,8Aの開度制御、又は、圧縮機2,2Aの入口案内翼の開度制御をするように構成されていてもよい。
上述の構成を有する遅れ時間算出装置50では、燃料ライン12を複数の区分(第1区分及び第2区分)に分割し、複数の区分の各々について、燃料ガスの移動遅れ時間(区分移動遅れ時間T)と燃料流量Fとの相関関係に基づいて、供給対象機器(燃焼器4)に供給される燃料流量Fに応じた区分移動遅れ時間Tを適切に算出することができる。また、上述の構成を有する遅れ時間算出装置50では、燃料ライン12を複数の区分(第1区分及び第2区分)に分割し、複数の区分の各々について燃料ガスの移動遅れ時間(区分移動遅れ時間T)を算出するようにしたので、区分に応じて異なる条件(例えば、燃料ガスの温度又は圧力、又は、供給対象機器への燃料流量等)を加味して複数の区分移動遅れ時間Tをそれぞれ算出することができる。したがって、このように得られる複数の区分移動遅れ時間Tを合算することで、燃料ガスが燃料ライン12をカロリー計測点Pから供給対象機器(燃焼器4)まで移動するのにかかる総移動遅れ時間Ttotalを精度良く算出することができる。よって、制御装置90によって、該総移動時間遅れTtotalに基づく遅れ時間を用いて、供給対象機器(燃焼器4)を含むガスタービン10をより適切に制御することができる。
(遅れ時間の算出フロー)
図4及び図5を参照して、幾つかの実施形態に係る遅れ時間算出方法について説明する。以下、図1及び図2に示す構成を有する設備100における遅れ時間を、上述した遅れ時間算出装置50を用いて算出する方法について説明するが、幾つかの実施形態では、他の装置を用いて上述の遅れ時間を算出してもよい。また、以下に説明する方法の一部全部を手動で行ってもよい。
図4は、一実施形態に係る遅れ時間算出装置50のブロック図である。ここでは、該遅れ時間算出装置50により図1に示す構成を有する設備100におけるおける遅れ時間を算出するフローについて説明する。
図4に示すように、まず、区分移動遅れ時間算出部52において、制御装置90等から取得される燃料流量F(燃料弁8に与えられる燃料流量の指令値)を、燃料流量Fと、燃料ライン12の第1区分(上流側部分14)における区分移動遅れ時間TD1との相関関係を表す関数60に適用することで、取得された燃料流量Fに対応する第1区分における区分移動遅れ時間TD1が算出される。
燃料ライン12の第1区分における燃料ガスの温度T1(即ち温度センサ36で取得される温度T1)を、温度補正関数62に適用して得られる温度補正係数が乗算器64に入力され、乗算器64にて、区分移動遅れ時間TD1と温度補正係数との積が算出される。即ち、乗算器64において、区分移動遅れ時間TD1が、第1区分における燃料ガスの温度T1で補正される。乗算器64での計算結果は、乗算器68に入力される。
燃料ライン12の第1区分における燃料ガスの圧力P1(即ち圧力センサ34で取得される圧力P1)を、圧力補正関数66に適用して得られる圧力補正係数が乗算器68に入力され、該乗算器68にて、乗算器64での計算結果と該圧力補正係数との積が算出される。即ち、乗算器68において、区分移動遅れ時間TD1が、第1区分における燃料ガスの圧力P1で補正される。乗算器68での計算結果は、第1区分における燃料ガスの温度T1及び圧力P1で補正された区分移動遅れ時間TD1*である。
また、区分移動遅れ時間算出部52において、制御装置90等から取得される燃料流量F(燃料弁8に与えられる燃料流量の指令値)を、燃料流量Fと、燃料ライン12の第2区分(下流側部分16)における区分移動遅れ時間TD2との相関関係を表す関数70に適用することで、取得された燃料流量Fに対応する第2区分における区分移動遅れ時間TD2が算出される。
燃料ライン12の第2区分における燃料ガスの温度T2(即ち温度センサ40で取得される温度T2)を、温度補正関数72に適用して得られる温度補正係数が乗算器74に入力され、乗算器74にて、区分移動遅れ時間TD2と温度補正係数との積が算出される。即ち、乗算器74において、区分移動遅れ時間TD2が、第2区分における燃料ガスの温度T2で補正される。乗算器74での計算結果は、乗算器78に入力される。
燃料ライン12の第2区分における燃料ガスの圧力P2(即ち圧力センサ38で取得される圧力P2)を、圧力補正関数76に適用して得られる圧力補正係数が乗算器78に入力され、該乗算器78にて、乗算器74での計算結果と該圧力補正係数との積が算出される。即ち、乗算器78において、区分移動遅れ時間TD2が、第2区分における燃料ガスの圧力P2で補正される。乗算器78での計算結果は、第2区分における燃料ガスの温度T2及び圧力P2で補正された区分移動遅れ時間TD2*である。
上述のように区分移動遅れ時間算出部52で算出された第1区分の区分移動遅れ時間TD1*及び第2区分の区分移動遅れ時間TD2*は、加算器80に入力され、該加算器80にて両者が合算され、総移動遅れ時間Ttotalが算出される。算出された総移動遅れ時間Ttotalは乗算器84に入力される。
密度計32から得られる燃料ガスの密度を、密度補正関数82に適用して得られる密度補正係数が乗算器84に入力され、乗算器84にて、総移動遅れ時間Ttotalと密度補正係数との積が算出される。すなわち、乗算器84にて、総移動遅れ時間Ttotalが燃料ガスの密度で補正された総移動遅れ時間Ttotal*が算出される。算出された(即ち補正された)総移動遅れ時間Ttotal*は、減算器86に入力される。
記憶部等から取得されるカロリー計検出遅れTが減算器86に入力され、減算器86にて、総移動遅れ時間Ttotal*からカロリー計検出遅れTを減算することで、カロリー計30で燃料ガスのカロリーが計測される時点と、燃料ガスが供給対象機器(燃焼器4)に到達する時点との時間差を示す遅れ時間TNETが算出される。
このように算出された遅れ時間TNETは、上述の制御部92に入力され、ガスタービン10を制御するための制御信号の生成に用いられてもよい。
図5は、一実施形態に係る遅れ時間算出装置50のブロック図である。ここでは、該遅れ時間算出装置50により図2に示す構成を有する設備100における遅れ時間を算出するフローについて説明する。
図5に示すように、まず、区分移動遅れ時間算出部52の加算器88に、制御装置90等から取得される燃料流量F(燃料弁8Aに与えられる燃料流量の指令値)及び燃料流量F(燃料弁8Bに与えられる燃料流量の指令値)が入力され、両者の和が算出される。燃料流量FとFの合計値と燃料ライン12の第1区分(上流側部分17)における区分移動遅れ時間TD1との相関関係を表す関数60に加算器88での算出結果(燃料流量FとFの和)を適用することで、取得された燃料流量FとFの和に対応する第1区分における区分移動遅れ時間TD1が算出される。
燃料ライン12の第1区分における燃料ガスの温度T1(即ち温度センサ36で取得される温度T1)を、温度補正関数62に適用して得られる温度補正係数が乗算器64に入力され、乗算器64にて、区分移動遅れ時間TD1と温度補正係数との積が算出される。即ち、乗算器64において、区分移動遅れ時間TD1が、第1区分における燃料ガスの温度T1で補正される。乗算器64での計算結果は、乗算器68に入力される。
燃料ライン12の第1区分における燃料ガスの圧力P1(即ち圧力センサ34で取得される圧力P1)を、圧力補正関数66に適用して得られる圧力補正係数が乗算器68に入力され、該乗算器68にて、乗算器64での計算結果と該圧力補正係数との積が算出される。即ち、乗算器68において、区分移動遅れ時間TD1が、第1区分における燃料ガスの圧力P1で補正される。乗算器68での計算結果は、第1区分における燃料ガスの温度T1及び圧力P1で補正された区分移動遅れ時間TD1*である。
また、区分移動遅れ時間算出部52において、制御装置90等から取得される燃料流量F(燃料弁8Aに与えられる燃料流量の指令値)を、燃料流量Fと、燃料ライン12の第2区分(分岐ライン18A)における区分移動遅れ時間TD2との相関関係を表す関数70に適用することで、取得された燃料流量Fに対応する第2区分における区分移動遅れ時間TD2が算出される。
燃料ライン12の第2区分における燃料ガスの温度T2(即ち温度センサ40で取得される温度T2)を、温度補正関数72に適用して得られる温度補正係数が乗算器74に入力され、乗算器74にて、区分移動遅れ時間TD2と温度補正係数との積が算出される。即ち、乗算器74において、区分移動遅れ時間TD2が、第2区分における燃料ガスの温度T2で補正される。乗算器74での計算結果は、乗算器78に入力される。
燃料ライン12の第2区分における燃料ガスの圧力P2(即ち圧力センサ38で取得される圧力P2)を、圧力補正関数76に適用して得られる圧力補正係数が乗算器78に入力され、該乗算器78にて、乗算器74での計算結果と該圧力補正係数との積が算出される。即ち、乗算器78において、区分移動遅れ時間TD2が、第2区分における燃料ガスの圧力P2で補正される。乗算器78での計算結果は、第2区分における燃料ガスの温度T2及び圧力P2で補正された区分移動遅れ時間TD2*である。
上述のように区分移動遅れ時間算出部52で算出された第1区分の区分移動遅れ時間TD1*及び第2区分の区分移動遅れ時間TD2*は、加算器80に入力され、該加算器80にて両者が合算され、総移動遅れ時間Ttotalが算出される。算出された総移動遅れ時間Ttotalは乗算器84に入力される。
密度計32から得られる燃料ガスの密度を、密度補正関数82に適用して得られる密度補正係数が乗算器84に入力され、乗算器84にて、総移動遅れ時間Ttotalと密度補正係数との積が算出される。すなわち、乗算器84にて、総移動遅れ時間Ttotalが燃料ガスの密度で補正された総移動遅れ時間Ttotal*が算出される。算出された(即ち補正された)総移動遅れ時間Ttotal*は、減算器86に入力される。
記憶部等から取得されるカロリー計検出遅れTが減算器86に入力され、減算器86にて、総移動遅れ時間Ttotal*からカロリー計検出遅れTを減算することで、カロリー計30で燃料ガスのカロリーが計測される時点と、燃料ガスが供給対象機器(燃焼器4)に到達する時点との時間差を示す遅れ時間TNETが算出される。
このように算出された遅れ時間TNETは、上述の制御部92に入力され、ガスタービン10を制御するための制御信号の生成に用いられてもよい。
なお、以上に説明した実施形態では、計測点Pと供給対象機器(燃焼器4,4A)との間の燃料ライン12を、第1区分と第2区分の2つの区分に分割したが、燃料ライン12の分割のしかたはこれに限定されない。例えば、計測点Pと供給対象機器との間の燃料ライン12を3つ以上の区分に分割してもよい。
例えば、図2に示す構成を有する設備100の場合、計測点Pと供給対象機器(燃焼器4A)との間の燃料ライン12を、計測点Pと分岐点Pとの間の第1区分、分岐点Pと加熱器20Aの間の第2区分、及び、加熱器20Aと燃焼器4Aとの間の第3区分を含む3つの区分に分割してもよい。
燃料ライン12をより多くの区分に分割し、各区分について区分移動遅れ時間を算出することにより、あるいは、各区分移動遅れ時間を各区分における温度又は圧力等で補正することにより、遅れ時間(区分移動遅れ時間や総移動遅れ時間を含む)をより精度良く算出することができる。
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る遅れ時間算出方法は、
燃料ガスを供給対象機器(例えば上述の燃焼器4)に導くための燃料ライン(12)と、前記燃料ラインの計測点(P)から採取される前記燃料ガスのカロリーを計測するためのカロリー計(30)と、とを含む設備(100)における遅れ時間を算出する方法であって、
前記遅れ時間は、前記カロリー計で前記燃料ガスのカロリーが計測される時点と、前記燃料ガスが前記供給対象機器に到達する時点との時間差を示し、
前記燃料ラインは、前記計測点から前記供給対象機器の間の前記燃料ラインを分割して得られる複数の区分(例えば、上述の第1区分及び第2区分)を含み、
前記燃料ガスが前記複数の区分をそれぞれ通過するのにかかる時間をそれぞれ示す複数の区分移動遅れ時間(T)を算出するステップと、
前記複数の区分移動遅れ時間を合算して、前記燃料ガスが前記燃料ラインを前記計測点から前記供給対象機器まで移動するのにかかる時間である総移動遅れ時間(Ttotal)を算出するステップと、
前記総移動遅れ時間に基づき前記遅れ時間を取得するステップと、
を備え、
前記複数の区分移動遅れ時間を算出するステップでは、前記複数の区分の各々について、予め取得された前記区分移動遅れ時間と前記供給対象機器に供給される燃料流量との相関関係に基づいて、前記区分移動遅れ時間を取得する。
上記(1)の方法では、燃料ラインを複数の区分に分割し、複数の区分の各々について、燃料ガスの移動遅れ時間(区分移動遅れ時間)と燃料流量との相関関係に基づいて、供給対象機器に供給される燃料流量に応じた区分移動遅れ時間を適切に算出することができる。また、上記(1)の方法では、燃料ラインを複数の区分に分割し、複数の区分の各々について燃料ガスの移動遅れ時間(区分移動遅れ時間)を算出するようにしたので、区分に応じて異なる条件を加味して複数の区分移動遅れ時間をそれぞれ算出することができる。したがって、このように得られる複数の区分移動遅れ時間を合算することで、燃料ガスが燃料ラインをカロリー計測点から供給対象機器まで移動するのにかかる総移動遅れ時間を精度良く算出することができる。よって、該総移動時間遅れに基づく遅れ時間を用いて、供給対象機器を含む設備(ガスタービン等)をより適切に制御することができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の方法において、
前記遅れ時間算出方法は、
算出された前記複数の区分移動遅れ時間の少なくとも1つを、前記区分における前記燃料ガスの温度又は圧力を用いて補正するステップを備え、
前記総移動遅れ時間を算出するステップでは、前記補正するステップで補正された前記区分移動遅れ時間(T*)を用いて前記総移動遅れ時間を算出する。
燃料ガスの温度又は圧力は、燃料ラインの部位によって異なる場合がある。また、燃料ガスの移動遅れ時間と燃料流量との相関関係は、燃料ガスの温度又は圧力の影響を受ける。この点、上記(2)の方法によれば、上述の相関関係に基づき算出された区分移動遅れ時間を、該区分における燃料ガスの温度又は圧力を用いて補正し、このように補正された区分移動遅れ時間を用いて総移動遅れ時間を算出するようにしたので、総移動遅れ時間を精度良く算出することができる。よって、該総移動時間遅れに基づく遅れ時間を用いて、供給対象機器を含む設備をより適切に制御することができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の方法において、
前記設備は、前記燃料ラインに設けられ、前記燃料ガスを加熱するための加熱器(20)を備え、
前記複数の区分は、前記燃料ラインのうち前記加熱器よりも上流側に位置する部位を含む区分(例えば上述の第1区分)と、前記燃料ラインのうち前記加熱器よりも下流側に位置する部位を含む区分(例えば上述の第2区分)と、を含む。
上記(3)の方法によれば、燃料ラインを、加熱器よりも上流側に位置し、燃料ガスの温度が比較的低い部位を含む区分と、加熱器よりも下流側に位置し、燃料ガスの温度が比較的高い部位を含む区分とに分割したので、これらの区分に応じて異なる条件(例えば温度)を加味して複数の区分移動遅れ時間をそれぞれ算出することができる。例えば、各区分について上述の相関関係に基づき算出された区分移動遅れ時間を、該区分における燃料ガスの温度を用いて補正することができる。したがって、このように得られる複数の区分移動遅れ時間を合算することで、総移動遅れ時間を精度良く算出することができる。よって、該総移動時間遅れに基づく遅れ時間を用いて、供給対象機器を含む設備をより適切に制御することができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れかの方法において、
前記設備は、前記燃料ガスが供給される複数の前記供給対象機器(例えば上述の燃焼器4A,4B)を含み、
前記燃料ラインは、前記複数の供給対象機器に前記燃料ガスをそれぞれ導くための複数の分岐ライン(18A,18B)を含み、
前記計測点は、前記燃料ラインにおいて、前記複数の分岐ラインが分岐する分岐点(P)よりも上流側に位置し、
前記複数の区分移動遅れ時間を算出するステップでは、前記燃料ラインにおける前記分岐点よりも上流側の区分(例えば上述の第1区分)について、予め取得された前記区分移動遅れ時間と前記複数の供給対象機器に供給される燃料流量の合計値との相関関係に基づいて、前記区分移動遅れ時間を取得する。
上記(4)の方法によれば、燃料ラインのうち、複数の供給対象機器に燃料ガスを導くための分岐ラインが分岐する分岐点よりも上流側の部位を含む区分について、区分移動遅れ時間と、複数の供給対象機器に供給される燃料流量の合計値との相関関係に基づいて、区分移動遅れ時間を取得する。このように、総移動遅れ時間の算出対象となっている供給対象機器以外の供給対象機器の燃料流量をも考慮して区分移動遅れ時間を算出するようにしたので、該区分移動遅れ時間を用いて総移動遅れ時間を精度良く算出することができる。よって、該総移動時間遅れに基づく遅れ時間を用いて、供給対象機器を含む設備をより適切に制御することができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(4)の何れかの方法において、
前記遅れ時間算出方法は、
算出された前記複数の区分移動遅れ時間の少なくとも1つ、又は、算出された前記総移動遅れ時間を、前記燃料ガスの密度を用いて補正するステップを備える。
燃料ガスの移動遅れ時間と燃料流量との相関関係は、燃料ガスの密度の影響を受け得る。この点、上記(5)の方法によれば、上述の相関関係に基づき算出された区分移動遅れ時間、又は、該区分移動遅れ時間から算出される総移動遅れ時間を、燃料ガスの密度を用いて補正するようにしたので、総移動遅れ時間を精度良く算出することができる。よって、該総移動時間遅れに基づく遅れ時間を用いて、供給対象機器を含む設備をより適切に制御することができる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(5)の何れかの方法において、
前記遅れ時間を取得するステップでは、前記総移動遅れ時間から、前記カロリー計での前記燃料ガスのカロリーの計測にかかる所要時間を減算して前記遅れ時間を算出する。
上記(6)の方法によれば、総移動時間から、カロリー計での燃料ガスのカロリーの計測に係る所要時間(計測遅れ時間)を減算するようにしたので、カロリー計でのカロリー計測時点と、燃料ガスが供給対象機器に到達する時点との時間差により近い値として、遅れ時間を算出することができる。よって、該遅れ時間を用いて、供給対象機器を含む設備をより適切に制御することができる。
(7)本発明の少なくとも一実施形態に係るガスタービンの制御方法は、
上記(1)乃至(6)の何れか一項に記載の遅れ時間算出方法で算出される前記遅れ時間を用いて、前記供給対象機器としての燃焼器(4)を含むガスタービン(10)を制御するステップ
を備える。
上記(7)の方法によれば、上記(1)の方法によって精度良く算出される総移動時間遅れに基づく遅れ時間を用いて、供給対象機器としての燃焼器を含むガスタービンを制御するようにしたので、該ガスタービンをより適切に制御することができる。
(8)本発明の少なくとも一実施形態に係る遅れ時間算出装置(50)は、
燃料ガスを供給対象機器(例えば上述の燃焼器4)に導くための燃料ライン(12)と、前記燃料ラインの計測点(P)から採取される前記燃料ガスのカロリーを計測するためのカロリー計(30)と、とを含む設備(100)における遅れ時間を算出するための算出装置であって、
前記遅れ時間は、前記カロリー計で前記燃料ガスのカロリーが計測される時点と、前記燃料ガスが前記供給対象機器に到達する時点との時間差を示し、
前記燃料ラインは、前記計測点から前記供給対象機器の間の前記燃料ラインを分割して得られる複数の区分を含み、
前記燃料ガスが前記複数の区分をそれぞれ通過するのにかかる時間をそれぞれ示す複数の区分移動遅れ時間を算出するように構成された区分移動遅れ時間算出部(52)と、
前記複数の区分移動遅れ時間を合算して総移動遅れ時間を算出するように構成された総移動遅れ時間算出部(54)と、
前記総移動遅れ時間に基づき前記遅れ時間を取得するように構成された遅れ時間取得部(56)と、
を備え、
前記区分移動遅れ時間算出部は、前記複数の区分の各々について、予め取得された前記区分移動遅れ時間と前記供給対象機器に供給される燃料流量との相関関係に基づいて、前記区分移動遅れ時間を取得するように構成される。
上記(8)の構成では、燃料ラインを複数の区分に分割し、複数の区分の各々について、燃料ガスの移動遅れ時間(区分移動遅れ時間)と燃料流量との相関関係に基づいて、供給対象機器に供給される燃料流量に応じた区分移動遅れ時間を適切に算出することができる。また、上記(8)の構成では、燃料ラインを複数の区分に分割し、複数の区分の各々について燃料ガスの移動遅れ時間(区分移動遅れ時間)を算出するようにしたので、区分に応じて異なる条件を加味して複数の区分移動遅れ時間をそれぞれ算出することができる。したがって、このように得られる複数の区分移動遅れ時間を合算することで、燃料ガスが燃料ラインをカロリー計測点から供給対象機器まで移動するのにかかる総移動遅れ時間を精度良く算出することができる。よって、該総移動時間遅れに基づく遅れ時間を用いて、供給対象機器を含む設備(ガスタービン等)をより適切に制御することができる。
(9)本発明の少なくとも一実施形態に係るガスタービン用の制御装置(90)は、
上記(8)に記載の遅れ時間算出装置(50)と、
前記遅れ時間算出装置で算出される前記遅れ時間を用いて、前記供給対象機器としての燃焼器を含むガスタービンを制御するように構成された制御部(92)と、
を備える。
上記(9)の構成によれば、上記(8)の構成によって精度良く算出される総移動時間遅れに基づく遅れ時間を用いて、供給対象機器としての燃焼器を含むガスタービンを制御するようにしたので、該ガスタービンをより適切に制御することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
本明細書において、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
また、本明細書において、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
また、本明細書において、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
2,2A,2B 圧縮機
4,4A,4B 燃焼器
6,6A,6B タービン
8,8A,8B 燃料弁
10,10A,10B ガスタービン
12 燃料ライン
14 上流側部分
16 下流側部分
17 上流側部分
18A 分岐ライン
18B 分岐ライン
20,20A,20B 加熱器
30 カロリー計
32 密度計
34 圧力センサ
36 温度センサ
38 圧力センサ
40 温度センサ
50 遅れ時間算出装置
52 区分移動遅れ時間算出部
54 総移動遅れ時間算出部
56 遅れ時間取得部
60 関数
62 温度補正関数
64 乗算器
66 圧力補正関数
68 乗算器
70 関数
72 温度補正関数
74 乗算器
76 圧力補正関数
78 乗算器
80 加算器
82 密度補正関数
84 乗算器
86 減算器
88 加算器
90 制御装置
92 制御部
100 設備
分岐点
計測点

Claims (9)

  1. 燃料ガスを供給対象機器に導くための燃料ラインと、前記燃料ラインの計測点から採取される前記燃料ガスのカロリーを計測するためのカロリー計と、とを含む設備における遅れ時間を算出する方法であって、
    前記遅れ時間は、前記カロリー計で前記燃料ガスのカロリーが計測される時点と、前記燃料ガスが前記供給対象機器に到達する時点との時間差を示し、
    前記燃料ラインは、前記計測点から前記供給対象機器の間の前記燃料ラインを分割して得られる複数の区分を含み、
    前記燃料ガスが前記複数の区分をそれぞれ通過するのにかかる時間をそれぞれ示す複数の区分移動遅れ時間を算出するステップと、
    前記複数の区分移動遅れ時間を合算して、前記燃料ガスが前記燃料ラインを前記計測点から前記供給対象機器まで移動するのにかかる時間である総移動遅れ時間を算出するステップと、
    前記総移動遅れ時間に基づき前記遅れ時間を取得するステップと、
    を備え、
    前記複数の区分移動遅れ時間を算出するステップでは、前記複数の区分の各々について、予め取得された前記区分移動遅れ時間と前記供給対象機器に供給される燃料流量との相関関係に基づいて、前記区分移動遅れ時間を取得する
    遅れ時間算出方法。
  2. 算出された前記複数の区分移動遅れ時間の少なくとも1つを、前記区分における前記燃料ガスの温度又は圧力を用いて補正するステップを備え、
    前記総移動遅れ時間を算出するステップでは、前記補正するステップで補正された前記区分移動遅れ時間を用いて前記総移動遅れ時間を算出する
    請求項1に記載の遅れ時間算出方法。
  3. 前記設備は、前記燃料ラインに設けられ、前記燃料ガスを加熱するための加熱器を備え、
    前記複数の区分は、前記燃料ラインのうち前記加熱器よりも上流側に位置する部位を含む区分と、前記燃料ラインのうち前記加熱器よりも下流側に位置する部位を含む区分と、を含む
    請求項1又は2に記載の遅れ時間算出方法。
  4. 前記設備は、前記燃料ガスが供給される複数の前記供給対象機器を含み、
    前記燃料ラインは、前記複数の供給対象機器に前記燃料ガスをそれぞれ導くための複数の分岐ラインを含み、
    前記計測点は、前記燃料ラインにおいて、前記複数の分岐ラインが分岐する分岐点よりも上流側に位置し、
    前記複数の区分移動遅れ時間を算出するステップでは、前記燃料ラインにおける前記分岐点よりも上流側の区分について、予め取得された前記区分移動遅れ時間と前記複数の供給対象機器に供給される燃料流量の合計値との相関関係に基づいて、前記区分移動遅れ時間を取得する
    請求項1又は2に記載の遅れ時間算出方法。
  5. 算出された前記複数の区分移動遅れ時間の少なくとも1つ、又は、算出された前記総移動遅れ時間を、前記燃料ガスの密度を用いて補正するステップを備える
    請求項1又は2に記載の遅れ時間算出方法。
  6. 前記遅れ時間を取得するステップでは、前記総移動遅れ時間から、前記カロリー計での前記燃料ガスのカロリーの計測にかかる所要時間を減算して前記遅れ時間を算出する
    請求項1又は2に記載の遅れ時間算出方法。
  7. 請求項1又は2に記載の遅れ時間算出方法で算出される前記遅れ時間を用いて、前記供給対象機器としての燃焼器を含むガスタービンを制御するステップ
    を備えるガスタービンの制御方法。
  8. 燃料ガスを供給対象機器に導くための燃料ラインと、前記燃料ラインの計測点から採取される前記燃料ガスのカロリーを計測するためのカロリー計と、とを含む設備における遅れ時間を算出するための算出装置であって、
    前記遅れ時間は、前記カロリー計で前記燃料ガスのカロリーが計測される時点と、前記燃料ガスが前記供給対象機器に到達する時点との時間差を示し、
    前記燃料ラインは、前記計測点から前記供給対象機器の間の前記燃料ラインを分割して得られる複数の区分を含み、
    前記燃料ガスが前記複数の区分をそれぞれ通過するのにかかる時間をそれぞれ示す複数の区分移動遅れ時間を算出するように構成された区分移動遅れ時間算出部と、
    前記複数の区分移動遅れ時間を合算して総移動遅れ時間を算出するように構成された総移動遅れ時間算出部と、
    前記総移動遅れ時間に基づき前記遅れ時間を取得するように構成された遅れ時間取得部と、
    を備え、
    前記区分移動遅れ時間算出部は、前記複数の区分の各々について、予め取得された前記区分移動遅れ時間と前記供給対象機器に供給される燃料流量との相関関係に基づいて、前記区分移動遅れ時間を取得するように構成された
    遅れ時間算出装置。
  9. 請求項8に記載の遅れ時間算出装置と、
    前記遅れ時間算出装置で算出される前記遅れ時間を用いて、前記供給対象機器としての燃焼器を含むガスタービンを制御するように構成された制御部と、
    を備えるガスタービン用の制御装置。
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