JP2024067439A - 車両のアルコール検出装置 - Google Patents

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真和 山口
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Abstract

【課題】車室内における空調などの利用による気流の影響を抑制して、ドライバーの身体から発する皮膚ガスのアルコール濃度を精度よく検出することができる、車両のアルコール検出装置を提供する。【解決手段】車両のアルコール検出装置1は、車両に乗車するドライバーの身体から発する皮膚ガスを収集する皮膚ガス収集手段63と、皮膚ガス収集手段63が作動する前に、車両の車室内に発生している気流の状態を判定する気流判定手段(制御装置62)と、気流判定手段によって判定された車室内の気流が所定レベル未満となったときに、皮膚ガス収集手段63により収集した皮膚ガスのアルコール濃度を検出するアルコール濃度検出手段64と、アルコール濃度検出手段64により所定以上のアルコール濃度を検出したとき、車両の運転中止を促す警告手段65とを備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、車両のアルコール検出装置に関するものである。
車両等の運転において、ドライバーの飲酒運転を防止するために、ドライバーが飲酒状態であるか否かを検出する車両のアルコール検出装置が知られている。車両のアルコール検出装置としては、下記特許文献1に記載のように、呼気のアルコール濃度をセンサで検出するもの以外には、汗のアルコール濃度を検出することによりドライバーが飲酒状態であるか否かを検出するものが存在している。
特開2009-002883号公報
ところで、それ以外にドライバーの血中アルコール濃度を推定する方法として、ドライバーの身体から分泌される皮膚ガスから血中アルコール濃度を推定する方法が挙げられる。皮膚ガスから血中アルコール濃度を推定する利点としては、ドライバーに測定動作をさせる必要がなく、また車両の運転中でも皮膚ガスを収集することが可能なため、抜き打ちでアルコール検出検査を実施することが可能であること、また、ドライバー自身で皮膚ガスの分泌量を調整することができないため、アルコール濃度検出時の不正防止などに効果がある。
ただし、皮膚ガスのアルコール濃度の検出には、皮膚ガス自体の分泌量が少なく、よって皮膚ガスに含まれているアルコール成分も少ないという課題が存在している。また、車両の車室内(キャブ室内)ではエアコンなどの空調や窓開けなどによる換気も行われるため、車室内の気流などの影響による、アルコール濃度の検出誤差を改善する余地がある。
本発明は、上記課題に鑑みなされたもので、車室内における空調などの利用による気流の影響を抑制して、ドライバーの身体から発する皮膚ガスのアルコール濃度を精度よく検出することができる、車両のアルコール検出装置を提供することを目的とする。
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様又は適用例として実現することができる。
(1)第1の適用例に係る車両のアルコール検出装置は、車両に乗車するドライバーの身体から発する皮膚ガスを収集する皮膚ガス収集手段と、前記皮膚ガス収集手段が作動する前に、前記車両の車室内に発生している気流の状態を判定する気流判定手段と、前記気流判定手段によって判定された前記車室内の気流が所定レベル未満となったときに、前記皮膚ガス収集手段により収集した前記皮膚ガスのアルコール濃度を検出するアルコール濃度検出手段と、前記アルコール濃度検出手段により所定以上のアルコール濃度を検出したとき、前記車両の運転中止を促す警告手段と、を備えている。
第1の適用例によれば、車室内の気流が所定レベル未満であると気流判定手段により判定した場合に皮膚ガス収集手段により皮膚ガスを収集するため、皮膚ガス収集手段によって皮膚ガスと共に余分な気体(例えば車室内の空気)を収集してしまうことを抑制することができる。これにより、ドライバーの身体から発する皮膚ガスのアルコール濃度が低くても、車室内における気流の影響を抑制しつつ、このアルコール濃度をアルコール濃度検出手段によって精度よく検出することができる。よって、警告手段によって、飲酒運転中のドライバー又は飲酒後運転前のドライバーに対して適切に飲酒運転に対する警告を行うことができる。
(2)上記適用例に係る車両のアルコール検出装置は、上記(1)おいて、前記車室内に発生している気流を抑制する気流抑制手段を備え、前記気流抑制手段は、前記気流判定手段によって判定された前記車室内の気流が所定レベル以上である場合、前記車室内の気流を抑制するよう作動する。
本適用例によれば、車室内の気流が所定レベル以上であっても、気流抑制手段によって車室内の気流を速やかに所定レベル以上から所定レベル未満にまで下げ、皮膚ガス収集手段により収集した皮膚ガスのアルコール濃度をアルコール濃度検出手段によって精度よく検出することができる。よって、車室内の気流が所定レベル以上であっても、飲酒運転中のドライバー又は飲酒後運転前のドライバーに対して、速やかに精度よく飲酒運転に対する警告を警告手段により行うことができる。
(3)上記適用例に係る車両のアルコール検出装置は、上記(2)において、前記気流抑制手段は、前記車両の空調装置の作動状態を抑制又は停止することによって前記車室内の気流を抑制する。
本適用例によれば、上記(2)の適用例に係る効果を簡易な方法により生じさせることができる。
(4)上記適用例に係る車両のアルコール検出装置は、上記(1)~(3)において、前記ドライバーが前記車両のシートに着座していることを検出するシート着座検出手段を備え、前記気流判定手段は、前記車両がキーオン状態で且つ、前記シート着座検出手段によって前記ドライバーが前記シートに着座している状態であると検出されたときに、前記車室内に発生している気流の状態を判定する。
本適用例によれば、車両がキーオン状態で且つドライバーがシートに着座している状態、すなわち、ドライバーが車両を運転する意思を有している状態であると検出されたときに、気流判定手段により車室内の気流の状態を判定することができる。このため、気流の状態が所定レベル未満であると判定された場合には、車両を運転しているドライバー又は車両を運転する意思を有しているドライバーの身体から発する皮膚ガスのアルコール濃度が検出される。よって、飲酒運転中のドライバー又は飲酒後運転前のドライバーに対して、さらに確実に飲酒運転に対する警告を警告手段により行うことができる。
(5)上記適用例に係る車両のアルコール検出装置は、上記(1)~(4)において、前記車両の速度を検出する車速検出手段を備え、前記気流判定手段は、前記車速検出手段によって前記車両の速度が所定車速以上であると検出されたときに、前記車室内に発生している気流の状態を判定する。
本適用例によれば、車両の速度が所定車速以上である場合、すなわち、飲酒運転時に発生する事故が甚大なものになりやすい場合に、気流判定、アルコール濃度検出及び警告を行うことができる。これにより、ドライバーの飲酒運転による甚大な事故をさらに確実に抑制することができる。
以上のように、本発明によれば、車室内における空調などの利用による気流の影響を抑制して、ドライバーの身体から発する皮膚ガスのアルコール濃度を精度よく検出することができる。
本発明に係る車両のアルコール検出装置の一実施形態におけるブロック図である。 皮膚ガス収集手段による皮膚ガスの吸引箇所を説明するための概略図である。 本発明に係る車両のアルコール検出装置の一実施形態における第1の動作を説明するためのフローチャートである。 本発明に係る車両のアルコール検出装置の一実施形態における第2の動作を説明するためのフローチャートである。 本発明に係る車両のアルコール検出装置の一実施形態における第3の動作を説明するためのフローチャートである。 本発明に係る車両のアルコール検出装置の一実施形態における第4の動作を説明するためのフローチャートである。
(車両のアルコール検出装置の構成)
次に、本発明に係る車両のアルコール検出装置の一実施形態について説明する。図1に示すように、車両のアルコール検出装置1は、キーセンサ10と、乗車センサ20と、車速センサ30と、気流発生手段40と、集中型コンピュータ50と、アルコール検知システム60と、アルコール検知タイマー70と、ECU80とを備えている。図1に示すように、アルコール検知システム60は、通信手段61と、制御装置62と、皮膚ガス収集手段63と、アルコール濃度検出手段64と、警告手段65とを備えている。ここで、車両とは、例えば事業用トラック又は自家用乗用車である。
キーセンサ10は、車両のエンジンを始動させるためのスイッチがキー(鍵)によってON又はOFFになっていることを検知し、検知結果に関する信号をアルコール検知システム60の通信手段61に送信するものである。なお、このスイッチがキーによってONになっていることを「キーオン」という。
乗車センサ20は、車両の運転席(シート)にドライバーが着座していることを検知し、検知結果に関する信号をアルコール検知システム60の通信手段61に送信するものである。乗車センサ20としては、例えば、車両の運転席におけるシートベルトが締結されていることを検知するシートベルトセンサ、あるいは、車両の運転席における背もたれ又は座面に圧力が加わっていることを検知する着座センサ(シート着座検出手段)を使用することができる。
車速センサ30は、車両の車速を検出し、検出結果に関する信号をアルコール検知システム60の通信手段61に送信する車速検出手段である。車速センサ30としては、例えば、車両の左右におけるタイヤを連結するドライブシャフトの回転数を検出するものを使用することができる。
気流発生手段40は、車両の車室内において気流を発生させるためのものである。気流発生手段40としては、例えば、空調装置又は窓スイッチが挙げられる。ここで、空調装置とは、送風、冷房又は暖房の機能を有しており、風量の調整を行うことができるエアーコンディショナーである。また、窓スイッチとは、車両の車室内における運転席側の窓と助手席側の窓との開閉動作を行うことができるものであり、ONにされると開動作を行い、OFFにされると閉動作を行うものである。なお、気流発生手段40は、ドライバーの体内におけるアルコールの検出を主な目的とするのではなく、車室内の温度調整又は換気を主な目的とするものであるが、説明の便宜性を考慮して車両のアルコール検出装置1の構成として説明されている。
集中型コンピュータ50は、気流発生手段40とアルコール検知システム60の通信手段61とアルコール検知タイマー70とECU80との間で、信号の送受信を行うことができるものである。例えば、集中型コンピュータ50は、気流発生手段40の状態に関する信号を通信手段61に送信することができる。ここで、気流発生手段40の状態とは、例えば、空調装置の作動状態(例えば電源のON、OFFまたは風量の強弱)及び窓スイッチの切替状態(ON又はOFF)である。空調装置又は窓スイッチがONであると、これらがOFFである場合よりも車室内における気流の状態が所定レベル以上になりやすい。また、空調装置がONである場合、空調装置の風量が「強」であると、空調装置の風量が「弱」であるよりも車室内における気流の状態が所定レベル以上になりやすい。
アルコール検知システム60において、通信手段61は、キーセンサ10と乗車センサ20と車速センサ30と集中型コンピュータ50とに対して有線又は無線により通信可能に接続されており、これらとの間で信号の送受信が可能となっている。
アルコール検知システム60において、制御装置62は、通信手段61により受信した信号等に基づいて、皮膚ガス収集手段63、アルコール濃度検出手段64及び警告手段65を制御可能なものである。また、制御装置62は、皮膚ガス収集手段63を作動させる前に、集中型コンピュータ50から受信する信号に基づいて、車両の車室内における気流の状態が所定レベル以上であるか所定レベル未満であるかを判定する気流判定手段としても機能する。さらに、制御装置62は、アルコ-ル濃度検出手段64から受信する信号に基づいて、車両に乗車しているドライバーから発した皮膚ガスのアルコール濃度が所定以上か否か(つまり、このドライバーが飲酒状態にあるか否か)を判定する飲酒状態判定手段としても機能する。
アルコール検知システム60において、皮膚ガス収集手段63は、制御装置62から受信する制御信号に基づいて(具体的には、「車室内における気流が所定レベル未満である」と制御装置62により判定されたときに)、車両に乗車するドライバーの身体から発する皮膚ガスを収集するためのものである。皮膚ガス収集手段63としては、例えば、ガス管と電動ポンプとを備える装置であって、制御装置62から受信する制御信号に基づいて、電動ポンプが作動することによりガス管への皮膚ガスの吸引を開始し、電動ポンプが停止することによりガス管への皮膚ガスの吸引を停止する装置を使用することができる。皮膚ガス収集手段63による皮膚ガスの吸引個所としては、例えば図2に示すように、運転席Sの背もたれにおける吸引箇所P1、または運転席Sの座面における吸引箇所P2が挙げられる。他の吸引箇所としては、例えば、ステアリング(ハンドル)を挙げることができる。
アルコール検知システム60において、アルコール濃度検出手段64は、皮膚ガス収集手段63により収集した皮膚ガスのアルコール濃度を検出(測定)し、測定結果に関する信号を制御装置62に送信するものである。アルコール濃度の測定は、例えば、半導体式ガスセンサー又は電気化学式(燃料電池式)センサーを使用して行うことができる。
アルコール検知システム60において、警告手段65は、制御装置62から受信する制御信号に基づいて(具体的には、「皮膚ガスのアルコール濃度が所定値以上である」と制御装置62により判定されたときに)、車両の運転中止を促す警告を行うものである。警告方法としては、アルコールインジゲータ及びブザーが挙げられる。アルコールインジゲータとは、アルコール濃度検出手段64により測定されたアルコール濃度と車両のドライバーに対する警告画面とをモニター(図示せず)に表示することであり、ブザーとは、車両のドライバーに対して警告音を発することをいう。
アルコール検知タイマー70は、集中型コンピュータ50と通信手段61と制御装置62とを介して、アルコール濃度検出手段64との間で信号の送受信を行うことができる。そして、アルコール検知タイマー70は、この信号に基づいて、直近のアルコール濃度測定から経過した時間を測定し、測定結果に関する信号を集中型コンピュータ50と通信手段61との経由により適宜制御装置62に送信することができる。
また、集中型コンピュータ50は、車室内における気流が所定レベル以上であると制御装置62により判定された場合、通信手段61からの信号に基づいて、車室内における気流を抑制するよう作動する気流抑制手段として機能する。具体的には、気流抑制手段として機能する場合、空調装置をONからOFFにしたり(空調装置の作動状態を抑制したり)、空調装置の風量を「強」から「弱」にしたり(空調装置の作動状態を停止したり)、窓スイッチをONからOFFにしたりする。
さらに、集中型コンピュータ50は、車両に乗車しているドライバーが飲酒状態にあると制御装置62が判定した場合、通信手段61からの信号に基づいてECU80を制御する。具体的に、ここでの制御としては、車両の停車時であれば、例えば車両のエンジンを始動させるためのスイッチがキー(鍵)によってONになったことをキーセンサ10が検知しないようにすること(つまり、キースタート禁止フラグをONにすること)が挙げられ、車両の走行時であれば、例えば車両のハザードランプを点灯させたり、所定時間以内に車両のシフトポジションを「P」(パーキングモード)にしたりパーキングブレーキをONにしたりする旨をドライバーに対して通知したりすること(つまり、インターロックフラグをONにすること)、あるいは、高速走行を禁止して低速走行のみ実施可能にするモードを実行すること(つまり、リンプフォームモードに移行すること)などが挙げられる。
ECU80は、車両の電子制御ユニットとして、集中型コンピュータ50による制御に基づいて車両を制御する。
(車両のアルコール検出装置における第1の動作)
次に、図1及び図3を参照しつつ、車両のアルコール検出装置1における第1の動作について説明する。第1の動作は、車両の走行前(車両の停車時)における動作である。
ステップA1において、集中型コンピュータ50がキースタート禁止フラグをOFFにし、制御装置62がアルコールインジゲータ及びブザーをOFFにする。なお、これらがもともとOFFである場合にはステップA1を省略する。
ステップA2において、制御装置62は、キーセンサ10がキーオンを検知しているか否かを判定する。ステップA2がYesの場合、ステップA3に処理を進める。一方、ステップA2がNoの場合、所定時間経過後に再度ステップA2を実施する。
ステップA3において、制御装置62は、乗車センサ20がドライバーの乗車を検知しているか否か(例えば着座センサが、ドライバーがシートに着座している状態を検知しているか否か)を判定する。ステップA3がYesの場合、ステップA4に処理を進める。一方、ステップA3がNoの場合、所定時間経過後に再度ステップA3を実施する。
ステップA4において、集中型コンピュータ50は、気流発生手段40の状態に関する信号を通信手段61に送信し、制御装置62は、この信号を通信手段61から受信し、車両の車室内に発生している気流の状態が所定レベル未満であるか否かを判定する。ステップA4がYesの場合、ステップA5に処理を進める。一方、ステップA4がNoの場合、ステップA6に処理を進める。
ステップA5において、制御装置62は、アルコール検知システム60の全体を起動してステップA7に処理を進める。一方、ステップA6においては、制御装置62は、集中型コンピュータ50に対して気流抑制手段として機能するような制御信号を送信し、再度ステップA4を実施する。
ステップA7において、制御装置62は、皮膚ガス収集手段63に対して皮膚ガスを収集するように指示し、アルコール濃度検出手段64に対して皮膚ガスのアルコール濃度を検出するように指示する。
ステップA8において、制御装置62は、アルコール濃度検出手段64により検出されたアルコール濃度が所定値以上であるか否かを判定する。ステップA8がYesである場合、ステップA9に処理を進める。一方、ステップA8がNoである場合、ステップA10に処理を進める。
ステップA9において、集中型コンピュータ50は、キースタート禁止フラグをONにしてステップA11に処理を進める。一方、ステップA10においては、制御装置62は、キースタートの許可状態を維持する(つまり、何らの動作を行わない)。
ステップA11において、制御装置62は、アルコールインターロックシステムを作動する。具体的には、制御装置62は、アルコールインジゲータとブザーとを実施してドライバーに対して運転中止を促す。
(車両のアルコール検出装置における第2の動作)
次に、図1及び図4を参照しつつ、車両のアルコール検出装置1における第2の動作について説明する。第2の動作は、車両の走行中における動作である。第2の動作についての説明では、第1の動作と共通するステップについては同一の符号を付して説明を省略する。
ステップB1において、集中型コンピュータ50がインターロックフラグをOFFにし、制御装置62がアルコールインジゲータ及びブザーをOFFにする。なお、これらがもともとOFFである場合にはステップB1を省略する。
ステップB2において、制御装置62は、車速センサ30から受信した信号に基づいて、車両の速度が所定速度(所定車速)以上であるか否かを判定する。ステップB2がYesの場合、ステップA4に処理を進める。一方、ステップB2がNoの場合、所定時間経過後に再度ステップB2を実施する。
ステップA4~A8については第1の動作と同様に行う。ステップA8がYesの場合、ステップB3に処理を進める。一方、ステップA8がNoの場合、所定時間経過後に再度ステップA4を実施する。
ステップB3において、集中型コンピュータ50は、インターロックフラグをONにする。ステップB3の実施後にステップA11を実施し、ステップA11の実施後にステップB4を実施する。具体的に、ステップB4においては、集中型コンピュータ50は、ECU80に対してリンプフォームモードに移行するように動作指示を出す。
(車両のアルコール検出装置における第3の動作)
次に、図1及び図5を参照しつつ、車両のアルコール検出装置1における第3の動作について説明する。第3の動作は、車両の走行前(停止時)における動作である。第3の動作についての説明では、第1の動作及び第2の動作と共通するステップについては同一の符号を付して説明を省略する。
ステップA1~ステップA3を順に実施した後、ステップC1を実施する。具体的に、ステップC1においては、集中型コンピュータ50は、アルコール検知タイマー70を起動する。ステップC1の終了後にステップA4を実施する。
ステップA4がYesである場合、ステップA5に処理を進める。一方、ステップA4がNoである場合、ステップC2に処理を進める。具体的に、ステップC2においては、制御装置62は、アルコール検知タイマー70から集中型コンピュータ50及び通信手段61を介して受信する信号に基づいて、アルコール濃度検出手段64によって皮膚ガスのアルコール濃度を最後に測定した時点から、所定時間が経過したか否かを判断する。ステップC2がYesである場合、ステップA5に処理を進める。一方、ステップC2がNoである場合、所定時間経過後に再度ステップA4を実施する。
ステップA5、ステップA7を実施した後にステップC3を実施する。具体的に、ステップC3においては、集中型コンピュータ50は、アルコール検知タイマー70の時間測定をリセットする(つまり、アルコール検知タイマー70による測定時間が「0」になる)。
ステップC3を実施した後、ステップA8を実施する。ステップA8がYesである場合、ステップA9を実施する。ステップA8がNoである場合、ステップA10を実施する。ステップA9を実施した後にステップA11を実施する。
(車両のアルコール検出装置における第4の動作)
次に、図1及び図6を参照しつつ、車両のアルコール検出装置1における第4の動作について説明する。第4の動作は、車両の走行中における動作である。第4の動作についての説明では、第1の動作~第3の動作と共通するステップについては同一の符号を付して説明を省略する。
ステップB1、B2の順に実施し、ステップB2がYesである場合にはステップC1を実施し、ステップB2がNoである場合には所定時間経過後に再度ステップB2を実施する。ステップC1を実施した後にステップA4を実施し、ステップA4がYesである場合にはステップA5を実施し、ステップA4がNoである場合にはステップC2を実施する。ステップC2を実施した後に、ステップC2がYesである場合にはステップA5を実施し、ステップC2がNoである場合には所定時間経過後に再度ステップA4を実施する。
ステップA5、A6、C3及びA8を順に実施する。ステップA8がYesである場合にはステップB3を実施し、ステップA8がNoである場合には所定時間経過後に再度ステップB2を実施する。ステップB3を実施した後、ステップA11、B4の順に実施する。
(車両のアルコール検出装置の効果)
車両のアルコール検出装置1によれば、車室内の気流が所定レベル未満であると制御装置62(気流判定手段)により判定した場合に皮膚ガス収集手段63により皮膚ガスを収集するため、皮膚ガス収集手段63によって皮膚ガスと共に余分な気体(例えば車室内の空気)を収集してしまうことを抑制することができる。これにより、ドライバーの身体から発する皮膚ガスのアルコール濃度が低くても、車室内における気流の影響を抑制しつつ、このアルコール濃度をアルコール濃度検出手段64によって精度よく検出することができる。よって、警告手段65によって、飲酒運転中のドライバー又は飲酒後運転前のドライバーに対して適切に飲酒運転に対する警告を行うことができる。
車両のアルコール検出装置1によれば、車室内の気流が所定レベル以上であっても、集中型コンピュータ50(気流抑制手段)によって車室内の気流を速やかに所定レベル以上から所定レベル未満にまで下げ、皮膚ガス収集手段63により収集した皮膚ガスのアルコール濃度をアルコール濃度検出手段64によって精度よく検出することができる。よって、車室内の気流が所定レベル以上であっても、飲酒運転中のドライバー又は飲酒後運転前のドライバーに対して、速やかに精度よく飲酒運転に対する警告を警告手段65により行うことができる。特に、車両の空調装置の作動状態を抑制又は停止することによって車室内の気流を抑制するため、簡易な方法により車室内の気流を所定レベル以上から所定レベル未満にまで下げることができる。
車両のアルコール検出装置1によれば、車両がキーオン状態で且つドライバーがシートに着座している状態、すなわち、ドライバーが車両を運転する意思を有している状態であると検出されたときに、制御装置62(気流判定手段)により車室内の気流の状態を判定することができる。このため、気流の状態が所定レベル未満であると判定された場合には、車両を運転しているドライバー又は車両を運転する意思を有しているドライバーの身体から発する皮膚ガスのアルコール濃度が検出される。よって、飲酒運転中のドライバー又は飲酒後運転前のドライバーに対して、さらに確実に飲酒運転に対する警告を警告手段65により行うことができる。
車両のアルコール検出装置1によれば、車両の速度が所定車速以上である場合、すなわち、飲酒運転時に発生する事故が甚大なものになりやすい場合に、気流判定、アルコール濃度検出及び警告を行うことができる。これにより、ドライバーの飲酒運転による甚大な事故をさらに確実に抑制することができる。
(その他)
上記実施形態において、アルコール検知システム60とアルコール検知タイマー70とを別々に備えているが、アルコール検知タイマー70をアルコール検知システム60の構成要素としてもよい。
上記実施形態において、車両の車室内における気流の状態を測定するための気流センサ(図示せず)をさらに備えてもよい。この場合、制御装置62は、この気流センサから通信手段61を介して受信する信号(例えば車室内における気体の流量に関する信号)に基づいて、気流判定手段としての機能を発揮することができる。この気流センサの設置個所としては運転席付近が好ましい。
上記実施形態において、制御装置62は、アルコール濃度検出手段64により検出されたアルコール濃度が所定値以上である場合、車両の管理会社に設けられたコンピュータに対して警告信号を送信するものであってもよい。
上記実施形態において、集中型コンピュータ50がキースタート禁止フラグ又はインターロックフラグをONにしたりリンプフォームモードに移行したりした場合(つまり、走行制限がなされた場合)には、車両の管理会社に設けられているコンピュータから走行制限を解除するか、あるいは、車両の管理者が直接解除することができる。
上記実施形態において、乗車センサ20としてステアリングセンサを使用することもできる。ステアリングセンサとは、ドライバーがステアリングに接触していることを検知することができるセンサである。
1 車両のアルコール検出装置
10 キーセンサ
20 乗車センサ
30 車速センサ
40 気流発生手段
50 集中型コンピュータ
60 アルコール検知システム
61 通信手段
62 制御装置
63 皮膚ガス収集手段
64 アルコール濃度検出手段
65 警告手段
70 アルコール検知タイマー
80 ECU
P1、P2 (皮膚ガスの)吸引箇所
S 運転席

Claims (5)

  1. 車両に乗車するドライバーの身体から発する皮膚ガスを収集する皮膚ガス収集手段と、
    前記皮膚ガス収集手段が作動する前に、前記車両の車室内に発生している気流の状態を判定する気流判定手段と、
    前記気流判定手段によって判定された前記車室内の気流が所定レベル未満となったときに、前記皮膚ガス収集手段により収集した前記皮膚ガスのアルコール濃度を検出するアルコール濃度検出手段と、
    前記アルコール濃度検出手段により所定以上のアルコール濃度を検出したとき、前記車両の運転中止を促す警告手段と、を備えている、車両のアルコール検出装置。
  2. 前記車室内に発生している気流を抑制する気流抑制手段を備え、
    前記気流抑制手段は、前記気流判定手段によって判定された前記車室内の気流が所定レベル以上である場合、前記車室内の気流を抑制するよう作動することを特徴とする、請求項1記載の車両のアルコール検出装置。
  3. 前記気流抑制手段は、前記車両の空調装置の作動状態を抑制又は停止することによって前記車室内の気流を抑制することを特徴とする、請求項2記載の車両のアルコール検出装置。
  4. 前記ドライバーが前記車両のシートに着座していることを検出するシート着座検出手段を備え、
    前記気流判定手段は、前記車両がキーオン状態で且つ、前記シート着座検出手段によって前記ドライバーが前記シートに着座している状態であると検出されたときに、前記車室内に発生している気流の状態を判定することを特徴とする、請求項1記載の車両のアルコール検出装置。
  5. 前記車両の速度を検出する車速検出手段を備え、
    前記気流判定手段は、前記車速検出手段によって前記車両の速度が所定車速以上であると検出されたときに、前記車室内に発生している気流の状態を判定することを特徴とする、請求項1記載の車両のアルコール検出装置。


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